令 和 7 年 9 月 3 日(水)
令 和 7 年 第 4 回 福 岡 市 議 会 定 例 会
議 事 日 程 (第1号)
9月3日 午前10時開議
第1 会期決定の件
第2 議席の一部変更の件
第3 粕屋郡粕屋町外1市水利組合議会議員の選挙
第4 糟屋郡篠栗町外一市五町財産組合議会議員の選挙
第5 福岡都市圏南部環境事業組合議会議員の選挙
第6 議案第145号 令和6年度福岡市一般会計歳入歳出決算
第7 議案第146号 令和6年度福岡市後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算
第8 議案第147号 令和6年度福岡市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算
第9 議案第148号 令和6年度福岡市介護保険事業特別会計歳入歳出決算
第10 議案第149号 令和6年度福岡市母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計歳入歳出決算
第11 議案第150号 令和6年度福岡市企業等成長支援事業特別会計歳入歳出決算?
第12 議案第151号 令和6年度福岡市中央卸売市場特別会計歳入歳出決算
第13 議案第152号 令和6年度福岡市港湾整備事業特別会計歳入歳出決算
第14 議案第153号 令和6年度福岡市営渡船事業特別会計歳入歳出決算
第15 議案第154号 令和6年度福岡市香椎駅周辺土地区画整理事業特別会計歳入歳出決算
第16 議案第155号 令和6年度福岡市貝塚駅周辺土地区画整理事業特別会計歳入歳出決算
第17 議案第156号 令和6年度福岡市財産区特別会計歳入歳出決算
第18 議案第157号 令和6年度福岡市立病院機構病院事業債管理特別会計歳入歳出決算
第19 議案第158号 令和6年度福岡市市債管理特別会計歳入歳出決算
第20 議案第159号 令和6年度福岡市モーターボート競走事業会計利益の処分について
第21 議案第160号 令和6年度福岡市モーターボート競走事業会計の決算について
第22 議案第161号 令和6年度福岡市集落排水事業会計の決算について
第23 議案第162号 令和6年度福岡市下水道事業会計利益の処分について
第24 議案第163号 令和6年度福岡市下水道事業会計の決算について
第25 議案第164号 令和6年度福岡市水道事業会計利益の処分について
第26 議案第165号 令和6年度福岡市水道事業会計の決算について
第27 議案第166号 令和6年度福岡市工業用水道事業会計の決算について
第28 議案第167号 令和6年度福岡市高速鉄道事業会計の決算について
第29 議案第168号 令和7年度福岡市一般会計補正予算案(第2号)
第30 議案第169号 令和7年度福岡市市債管理特別会計補正予算案(第1号)
第31 議案第170号 令和7年度福岡市水道事業会計補正予算案(第1号)
第32 議案第171号 福岡市立老人いこいの家条例の一部を改正する条例案
第33 議案第172号 福岡市建築関係手数料条例の一部を改正する条例案
第34 議案第173号 福岡市営住宅条例の一部を改正する条例案
第35 議案第174号 福岡市公民館条例の一部を改正する条例案
第36 議案第175号 町の区域の変更について
第37 議案第176号 中央市民センター大規模改修その他工事請負契約の締結について
第38 議案第177号 令和7年度市営弥永住宅(その1地区)新築工事請負契約の締結について
第39 議案第178号 令和7年度市営弥永住宅(その2地区)新築工事請負契約の締結について
第40 議案第179号 福岡市営渡船(志賀・博多間)新船製造請負契約の締結について
第41 議案第180号 東消防署アイランドシティ出張所(仮称)新築工事請負契約の締結について
第42 議案第181号 準用香椎川河川改修(地下河川)工事請負契約の一部変更について
第43 議案第182号 舞鶴小中学校校舎増築工事請負契約の一部変更について
第44 議案第183号 小学校校舎の取得について
第45 議案第184号 小学校増築校舎の取得について
第46 議案第185号 都市公園区域の廃止について
第47 議案第186号 下水道施設の管理のかしに基づく損害賠償額の決定について
第48 議案第187号 和解について
本日の会議に付した事件
1.日程第1
2.日程第2
3.日程第3
4.日程第4
5.日程第5
6.日程第6ないし日程第48
出 席 議 員 (61名)
1番 おばた 英 達 2番 もろくま英 文
3番 淀 川 幸二郎 4番 稲 員 稔 夫
5番 鬼 塚 昌 宏 6番 堤 田 寛
7番 大 森 一 馬 8番 大 原 弥寿男
9番 今 林ひであき 10番 阿 部 真之助
11番 平 畑 雅 博 12番 堤 健太郎
13番 坂 口よしまさ 14番 新 開 ゆうじ
15番 とみながひろゆき 16番 田 原 香代子
17番 たのかしら知行 18番 石 本 優 子
19番 勝 山 信 吾 20番 調 崇 史
21番 川 上 陽 平 22番 津 田 信太郎
23番 古 川 清 文 24番 高 木 勝 利
25番 篠 原 達 也 26番 伊 藤 嘉 人
27番 打 越 基 安 28番 川 上 晋 平
29番 尾 花 康 広 30番 松 野 隆
31番 山 口 剛 司 32番 大 石 修 二
33番 木 村てつあき 34番 欠 員
35番 大 沢 めぐみ 36番 和 田あきひこ
37番 あ べ ひでき 38番 綿 貫 康 代
39番 前 野 真実子 40番 中 島まさひろ
41番 藤 野 哲 司 42番 新 村 まさる
43番 天 野 こ う 44番 堀 内 徹 夫
45番 森 あやこ 46番 福 田 まもる
47番 はしだ 和 義 48番 浜 崎 太 郎
49番 阿 部 正 剛 50番 倉 元 達 朗
51番 中 山 郁 美 52番 川 口 浩
53番 小 竹 り か 54番 勝 見 美 代
55番 井 上 ま い 56番 ついちはら陽子
57番 田 中 たかし 58番 山 田 ゆみこ
59番 近 藤 里 美 60番 落 石 俊 則
61番 田 中しんすけ 62番 池 田 良 子
欠 席 議 員 (0名)
説明のため出席した者
市 長 島 宗一郎 副 市 長 光 山 裕 朗
副 市 長 中 村 英 一 副 市 長 荒 瀬 泰 子
水道事業管理者 中 村 健 児 交通事業管理者 小野田 勝 則
総 務 企 画 局 長 龍 靖 則 財 政 局 長 中 村 剛 士
市 民 局 長 舟 越 伸 一 こども未来局長 野 中 晶
福 祉 局 長 藤 本 広 一 保 健 医 療 局 長 山 嶋 剛
環 境 局 長 藤 本 和 史 経済観光文化局長 吉 田 宏 幸
農 林 水 産 局 長 姉 川 雄 一 住宅都市みどり局長 町 田 一 彦
道路下水道局長 竹 廣 喜一郎 港 湾 空 港 局 長 鈴 木 順 也
消 防 局 長 牧 田 哲 治 会 計 管 理 者 小 林 登茂子
教 育 長 下 川 祥 二 教 育 委 員 コ 成 晃
選挙管理委員会事務局長 中川原 敬 子 人事委員会事務局長 上 薗 久 美
監 査 事 務 局 長 八 木 智 昭
職務のため出席した事務局職員
議会事務局長 久 田 章 浩 議会事務局次長 着 一 孝 議 事 課 長 水 ア 亮 二 議 事 係 長 實 政 伸一郎
外関係職員
○議長(平畑雅博) 開会に先立ち申し上げます。脱炭素社会の実現に向けた取組の一環として、エコスタイルが実施されておりますので、今会期中、上着並びにネクタイの着用をしなくてもよいことにいたしております。
午前10時 開会
○議長(平畑雅博) ただいまから令和7年第4回福岡市議会定例会を開会いたします。
これより本日の会議を開きます。
会議録署名議員に新開ゆうじ議員、倉元達朗議員を指名いたします。
日程に入るに先立ち、この際、報告いたします。
まず、市長から別紙報告書類一覧表に記載の書類が提出されましたので、その写しを去る8月27日お手元に送付いたしておきました。
次に、教育委員会から地方教育行政の組織及び運営に関する法律の規定に基づき、教育委員会の事務の管理及び執行の状況に関する点検・評価報告書が提出されましたので、その写しをお手元に送付いたしておきました。
次に、人事委員会から、地方公務員法の規定に基づき、職員の給与等に関する報告及び勧告が提出されましたので、その写しをお手元に送付いたしておきました。
次に、地方自治法第100条第13項及び会議規則第125条第2項の規定により、お手元に配付いたしております議員派遣報告一覧表のとおり、議長において議員の派遣を決定いたしておきました。
また、令和7年第3回定例会で議決いたしました議員の派遣について、お手元に配付いたしております議員派遣変更報告一覧表のとおり、議長において変更を決定いたしておきました。
以上で報告を終わります。
これより日程に入ります。
日程第1、会期決定の件を議題といたします。
お諮りいたします。
今期定例会の会期は、本日から10月8日までの36日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平畑雅博) 御異議なしと認めます。よって、会期は36日間と決定いたしました。
次に、日程第2、議席の一部変更の件を議題といたします。
お諮りいたします。
本件については、お手元に配付の議席表のとおり議席を一部変更いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平畑雅博) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
それでは、ただいま決定いたしました議席にそれぞれお着き願います。
〔各員着席〕
○議長(平畑雅博) 次に、日程第3、粕屋郡粕屋町外1市水利組合議会議員の選挙を行います。
本件は、来る10月24日をもって任期が満了する同組合議会議員の後任として、同組合規約第5条の規定により、議会において4人を選挙するものであります。
お諮りいたします。
選挙の方法については、地方自治法第118条第2項の規定により、指名推選によりたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平畑雅博) 御異議なしと認めます。よって、選挙の方法は指名推選によることに決しました。
お諮りいたします。
指名の方法は、議長において指名することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平畑雅博) 御異議なしと認めます。よって、議長において指名することに決しました。
お手元に配付の粕屋郡粕屋町外1市水利組合議会議員候補者表に記載のとおり、4人の方を指名いたします。
お諮りいたします。
ただいま指名いたしました4人の方を当選人と定めることに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平畑雅博) 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました4人の方が当選人と決定いたしました。
次に、日程第4、糟屋郡篠栗町外一市五町財産組合議会議員の選挙を行います。
本件は、来る10月24日をもって任期が満了する同組合議会議員の後任として、同組合規約第5条及び第6条第1項の規定により、議会において1人を選挙するものであります。
お諮りいたします。
選挙の方法については、地方自治法第118条第2項の規定により、指名推選によりたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平畑雅博) 御異議なしと認めます。よって、選挙の方法は指名推選によることに決しました。
お諮りいたします。
指名の方法は、議長において指名することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平畑雅博) 御異議なしと認めます。よって、議長において指名することに決しました。
お手元に配付の糟屋郡篠栗町外一市五町財産組合議会議員候補者表に記載のとおり指名いたします。
お諮りいたします。
ただいま指名いたしました青木邦夫さんを当選人と定めることに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平畑雅博) 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました青木邦夫さんが当選人と決定いたしました。
次に、日程第5、福岡都市圏南部環境事業組合議会議員の選挙を行います。
本件は、本市議会選出の同組合議会議員に欠員が生じたため、その後任者1人を選挙するものであります。
お諮りいたします。
選挙の方法については、地方自治法第118条第2項の規定により、指名推選によりたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平畑雅博) 御異議なしと認めます。よって、選挙の方法は指名推選によることに決しました。
お諮りいたします。
指名の方法は、議長において指名することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平畑雅博) 御異議なしと認めます。よって、議長において指名することに決しました。
私、平畑雅博を指名いたします。
お諮りいたします。
ただいま指名いたしました、私、平畑雅博を当選人と定めることに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平畑雅博) 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました、私、平畑雅博が当選人と決定いたしました。
次に、日程第6ないし日程第48、以上43件を一括して議題といたします。
この際、市長から提案理由の説明を求めます。島市長。
○市長(島宗一郎)登壇 ただいま上程になりました議案43件について、提案の趣旨を説明いたします。
まず、予算案について説明いたします。
今回の補正規模は、一般会計12億3,585万円の追加、特別会計8億2,400万円の追加、合計20億5,985万円の追加となっております。その主な内訳は、災害復旧事業として2億4,150万円の追加、公共事業等として街路整備事業など11億8,151万円の追加、学校給食費の増額及びアレルギー等がある児童生徒の保護者への給食費相当額の給付として4億9,681万円の追加などとなっております。
以上の歳入歳出予算の補正のほか、年度内に執行が終わる見込みのない事業について、繰越明許費の補正を38億6,137万円計上いたしております。
また、債務負担行為の補正といたしまして、消防救急デジタル無線更新整備など12億152万円の追加を行うものであります。
次に、条例案について説明をいたします。
老人いこいの家条例の改正案につきましては、照葉北老人いこいの家の移転に伴い、その位置を改めるものであります。
建築関係手数料条例の改正案につきましては、マンションの建替え等の円滑化に関する法律等の一部改正に伴い、マンションの建替え又は更新に関する建築物の各部分の高さの特例の許可の事務に係る手数料の額を定める等の改正を行うものであります。
市営住宅条例の改正案につきましては、建替促進住宅である市営千代六丁目住宅の一部について、管理の方法を変更することに伴い、住宅の名称を定める等の改正を行うとともに、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の一部改正等に鑑み、入居者資格を拡大するものであります。
公民館条例の改正案につきましては、照葉北公民館の移転に伴い、その位置を改めるものであります。
次に、一般議案について説明をいたします。
まず、市民の利便を図るため、町の区域を変更するための議案を提出いたしております。
次に、契約関係といたしまして、中央市民センター大規模改修その他工事請負契約、令和7年度市営弥永住宅(その1地区)新築工事請負契約、令和7年度市営弥永住宅(その2地区)新築工事請負契約、福岡市営渡船(志賀・博多間)新船製造請負契約及び東消防署アイランドシティ出張所(仮称)新築工事請負契約、計5件の契約を締結するための議案、また、以前の議会で議決をいただきました準用香椎川河川改修(地下河川)工事請負契約及び舞鶴小中学校校舎増築工事請負契約について、賃金水準及び物価水準の上昇等に伴い、契約価額等を変更するための議案を提出いたしております。
次に、財産の取得関係といたしまして、春住小学校校舎及び今宿小学校増築校舎を、それぞれ福岡市施設整備公社から取得するための議案、計2件を提出いたしております。
そのほかの一般議案といたしまして、公園敷地に係る借地契約の期間の満了のため、下臼井老松公園の区域の全部を廃止するための議案、下水道施設の管理のかしに基づく損害賠償の額を決定するための議案、福岡地方裁判所に係属中の学校事故に係る損害賠償請求事件について、訴訟上の和解をするための議案を提出いたしております。
次に、令和6年度決算につきましては、さきに監査委員の審査をお願いいたしておりましたところ、このほど審査が終わりましたので、全会計の決算について議会の認定をお願いするものであります。
なお、モーターボート競走、下水道及び水道の各事業会計につきましては、決算の関連議案として利益の処分に関する議案を併せて提出いたしております。
以上で説明を終わります。よろしく御審議をお願いします。
○議長(平畑雅博) これより質疑に入ります。
発言通告者のうちから順次質疑を許します。井上まい議員。
○55番(井上まい)登壇 おはようございます。私は福岡市民クラブを代表して、本議会に上程をされております諸議案のうち、議案第168号、福岡市一般会計補正予算案(第2号)中、給食費関連予算について質疑を行います。
本市の学校給食は2学期から無償化が始まったところですが、今回の補正予算案の中で給食費に関連する補正予算が上程をされておりますので、その補正の内容について詳細を確認したいと思います。
初めに、今回の補正予算に計上されております給食費関連予算について、補正の概要について説明願います。
次に、補正予算の概要資料に学校給食にかかる食材費の価格高騰対応という記載がありますが、その具体的な内容についてお尋ねいたします。
また、同じく概要資料に給食費無償化に伴うアレルギー児童生徒への給付分という記載もございますが、その給付内容について概要を説明願います。
あわせて、その給付について、対象者はどのような児童生徒で、対象者数はどれほどいるのか、お尋ねいたします。
以上で1回目の質問を終わり、2回目以降は自席にて行います。
○議長(平畑雅博) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 学校給食費関連予算についてお答えいたします。
補正の概要につきましては、食材料費の価格高騰分として4億9,377万5,000円、アレルギー等により給食を喫食できない児童生徒の保護者への給食費相当額の給付として303万9,000円を計上しております。
次に、食材費の価格高騰対応の内容につきましては、令和7年1月以降の食料品の急激な高騰の影響で、物価上昇の見込みが当初予算積算時を上回っており、予算額の不足が見込まれることから、給食の質の維持に必要な費用について計上したものでございます。
次に、給付内容の概要につきましては、アレルギー等の身体的事情により給食を全停止している児童生徒の保護者を対象として、年度末までの出席日数に応じて給食費相当額を算定し、給付するものでございます。
最後に、対象者につきましては、アレルギー等の身体的事情を有することが医師の診断等により客観的に確認できる児童生徒のうち、学校給食の全献立を喫食せずに、継続的に弁当を持参している児童生徒でございます。対象者数は100人程度と想定しております。以上です。
○議長(平畑雅博) 井上まい議員。
○55番(井上まい) では、2回目に入ります。
初めに、給食費の物価高騰対策についてですが、本市では、無償化以前から保護者に給食費の値上げなどの負担をかけることのないよう、これまでも本市の一般財源で物価高騰分については予算措置をしてきていたと承知をしております。当初予算から物価高騰対策分を計上してきた令和5年度と6年度については、当初予算の範囲内で収まっており、補正の必要は生じなかったかと思います。今年度においても、約12億円の物価高騰対策費用を計上していたはずですが、今回の補正で約5億円の追加補正が計上されていますので、詳細を伺いたいと思います。
1回目の御答弁で、今回の補正額4億9,681万円余のうち、アレルギー児童生徒への給付分の約300万円を除いた全額が食材料費の価格高騰にかかる費用とのことですが、その4億9,377万円余の算定根拠についてお尋ねいたします。
あわせて、令和5年度、6年度については、追加補正の必要がなかったにもかかわらず、今年度はこのような大幅な補正が必要となった、その要因についてお尋ねいたします。
次に、給食費無償化に伴うアレルギー児童生徒への給付分についてお尋ねいたします。
この給付金については、8月に教育こども委員会へ報告がありました学校給食費無償化に際しての新たな対応の中の、アレルギー等の身体的事情により給食を喫食できない児童生徒に関する対応として既に御説明をいただいた給付の内容のようです。今回初めて議案として上程をされましたので、改めて詳細について確認をさせていただきたいと思います。
今回の補正中、約300万円がこの給付分の予算とのことですが、支給額の算定根拠に物価高騰分は反映をされているのか、お尋ねいたします。
また、支給対象についてお尋ねいたしますが、今回対象とするのは、アレルギー等の身体的事情により日々の給食を全て停止している、いわゆる全停止しているということが条件となっているようですけれども、対象も約100人と非常に支援の対象としては少なく感じます。児童生徒には、アレルギーと一言に言っても当然ながら個人差があり、アレルギーの状況も様々で、全停止で全て弁当対応を行う必要のある御家庭もあれば、食べられる献立のみ給食を食べて対応している御家庭もあります。給食を食べられない事情に考慮をするというのであれば、全停止に限らず柔軟に支援をすべきだと考えますが、支給対象が給食を全停止していることが条件となっている理由は何か、御説明ください。
あわせて、全停止ではなく部分停止をしている児童生徒を対象にすることは検討されたのでしょうか。今回対象としていない理由があればお尋ねいたします。
また、給食費の無償化に関しては、その対象についてこれまでも様々意見が上がっていましたし、先日、報道でも取り上げられていましたが、その支援の対象をどこまで広げるか、各自治体によって対応が分かれています。本市の無償化については、市立学校に通っている児童生徒のみがその対象であり、特別な支援についても、アレルギー等の身体的事情を有し、全献立を喫食することができない児童生徒にのみ対応をされるとのことです。
今回の補正でも、それ以上の追加補正はないようですけれども、不登校などにより長期にわたって給食を食べていない児童生徒への支援は検討されていないのでしょうか、その検討状況についてお尋ねいたします。
あわせて、他都市でも一部事例があるようですが、私立の学校へ通う児童生徒への支援についての検討状況もお尋ねいたします。
以上で2回目を終わります。
○議長(平畑雅博) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 食材費の価格高騰対応につきましては、消費者物価指数等の動向を踏まえ、7月以降の必要額を令和3年度からの平均価格上昇率を約31%と見込んだ1食単価で算出しております。この必要額に6月までの執行額を加えた令和7年度年間の総必要額から現予算額を差し引いた不足見込額を算定しております。
次に、今年度補正が必要となった要因については、当初予算時は、消費者物価指数等を踏まえ、令和3年度比で約20%上昇すると見込み、物価高騰分約12億円を計上しておりましたが、食料品の急激な高騰の影響もあり、4月から6月までの消費者物価指数の平均が3年度比で約26%上昇し、さらに最近の物価高騰を踏まえ、7月以降の物価上昇率を31%と見込むなど、当初の見込みを大きく上回っているためでございます。
次に、支給額につきましては、物価高騰分を含まない現行の給食費徴収単価を基に算定することとしております。
次に、支給対象が給食を全停止していることが条件となっている理由につきましては、アレルギー等の身体的事情により、給食の全てを停止している児童生徒の保護者は、教育活動である学校給食の場に参加しながら、毎日弁当を準備しなければならない負担を考慮し、無償化実施に合わせて支援を行うこととしたものでございます。
次に、給食を一部でも喫食している児童生徒の保護者につきましては、無償化による一定の負担軽減が図られているものと考えており、支給の対象としてはおりません。
次に、不登校などにより長期にわたって給食を食べていない児童生徒の支援につきましては、不登校の児童生徒が通級する教育支援センターで給食を新たに提供するための準備を進めており、給付を含めた不登校の児童生徒及び保護者への支援については、引き続き無償化に関する国の動向等を注視してまいります。
最後に、私立の学校へ通う児童生徒の保護者への支援につきましては給与の対象としておりませんが、引き続き無償化に関する国の動向等を注視してまいります。以上です。
○議長(平畑雅博) 井上まい議員。
○55番(井上まい) では、3回目に入ります。
給食の無償化に当たって、今回の補正予算で追加提案されたものは、アレルギー等の身体的な事情により給食を全停止している児童生徒の保護者に対する支援としての給付ということは理解をいたしました。しかし、アレルギーといってもその程度は多様で、全停止のみを対象とする支援では十分とは言えず、部分停止の児童生徒への配慮も必要だと思います。また、今回の給付額についても、物価高騰分については反映がされていないようです。お弁当を家庭で作るにしても物価高の影響はありますし、給食のほうには物価高分も市が上乗せをするのに、弁当持参の家庭にはその分の支援がないというのも、公平性の観点では疑問が残ります。より公平な支援とするために、給付対象者の拡大や物価高騰費も反映をさせた給付額の設定など、不公平感を招かない、より精緻な制度設計を引き続き進めていくよう求めておきます。
また、給食費無償化に関する対応として、今回はアレルギー等の身体的な事情のみが考慮されることになっていますが、アレルギーだけではなく、不登校で学校給食を喫食していない児童生徒や宗教等の理由により喫食できない児童生徒もいます。不登校の児童生徒や私立に通う児童生徒についての支援に関しては、引き続き国の動向等を注視していくという答弁でございました。あくまでも、教育委員会としては市立学校に通う児童生徒の給食費無償化という視点で政策判断をされていると思いますが、そうであれば、不登校や宗教上の理由についても、対象から除外するのではなく本市の学校に在籍する子どもたちとしてひとしく無償化の恩恵が行き渡る制度設計を求めます。
また、この給食費無償化という実施目的をどう捉えるかで制度設計や対象範囲が異なるということは承知をしておりますが、本市においても、子育て家庭の可処分所得を増やすといった子育て世帯支援の取組として実施をされるに至ったはずです。その目的で無償化を実施する自治体には、全ての子どもたちを対象にという観点で、不登校や私立へ通う児童生徒へも支援策を実施している自治体もあります。まさに無償化が始まったばかりではありますが、今後は、学校給食を喫食している子どもに限定をした施策ではなく、本市の子どもたちを誰一人取り残さないという視点で積極的な御検討をお願いしたいと思います。
最後に、今回の給食費関連予算の増額補正についてです。
本市の学校給食については、空揚げの日の献立の写真がSNSで拡散されたことをきっかけに、本市の給食は質素であるかのように報道をされてしまいました。また、給食費の無償化を機に、改めて給食について考えようということで、当初から、もっとおいしい給食プロジェクトとして、有識者も交えた意見交換会なども企画をされていたにもかかわらず、まるで今の給食に問題があるためにこのプロジェクトを立ち上げたかのような報道もなされており、これまで学校給食を現場で支えてこられた栄養教諭や調理員の方々など、学校給食に携わっておられる皆さんの心情を考えると、大変残念でなりません。現場の方々は、限られた予算や限られた条件、環境の中で、最大限の工夫と努力をもって、安心、安全な学校給食の提供に御尽力をいただいております。物価高騰分については今回の補正で対応がいただけそうでありますが、あくまで高騰した分の補?でしかないため、さらなる質の向上を図るためには、やはり基本の食材料費の追加が望まれます。
6月議会において、市長も、学校給食の質の維持向上について問われた際、しっかり市長部局としても、補正予算も含めて予算面でしっかりとバックアップをしていきたいと答弁をされておりましたので、タイミング的には、物価高騰分を超えた給食費への追加予算かとも思ったのですが、これまでの質疑では、あくまでも物価高騰分の補正であるとの御答弁でした。高騰分を補?することで、給食の質の維持は可能だと思いますが、さらなる質の向上を図るのであれば、高騰分の補正を超える予算措置が実施をされなければ、実現は難しいと思います。
最後に、改めて確認をさせていただきたいのですが、今回の補正予算では、物価高騰分の当初の見込みを超えた分の補正のみという認識で間違いがないか、明確な答弁を求めて私の質疑を終わります。
○議長(平畑雅博) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 今回の補正予算案につきましては、令和7年1月以降の食料品の急激な高騰の影響で当初予算積算時の見込みを上回っており、予算額の不足が見込まれることから、給食の質の維持に必要な費用について計上したものでございます。もっとおいしい給食プロジェクトについては、食に関わる民間の方たちとの意見交換会を7月と8月に実施したところであり、今後、栄養教諭や給食現場との協議を行いながら、教育委員会としての取組内容を検討してまいります。以上です。
○議長(平畑雅博) 中山郁美議員。
○51番(中山郁美)登壇 私は日本共産党市議団を代表して、議案第168号、一般会計補正予算案のうち、香椎川における地下河川建設並びに小中特別支援学校における給食運営費の増額補正について質疑を行います。
まず、香椎川地下河川建設についてです。
今回、河川水路改良費として4億7,800万円余の増額補正が計上されており、そのうち3億8,500万円余は、東区を流れる香椎川の一部地域で進められている地下河川建設に係る経費の増額であり、洪水対策として、本市においては初めてとなる地下河川方式が採用され、現在その作業が進められております。
そこでまず、香椎川における地下河川整備が必要となった理由及び経緯並びに3億8,500万円余の内訳について説明を求めます。
また、今回、年度内完了のめどが立たず、繰越明許補正も計上されておりますが、来年度に繰り越すことは早急に行われるべき水害対策にとって大きな痛手だと思いますが、御所見を伺います。
次に、この地域の洪水、水害の状況についてです。
先月、8月9日から12日にかけて、本市において東区と西区を中心に断続的に豪雨が襲い、一部地域においては、河川の護岸への被害や溢水による周辺家屋への床下、床上浸水が発生する事態となりました。本市においては、9日22時15分に災害警戒本部が設置され、警戒と情報収集が行われました。
そこで、9日から12日に至る福岡管区気象台からの本市に対する大雨警報と洪水警報の発表状況及び解除情報を時系列でお尋ねいたします。あわせて、低い土地への浸水や河川の増水に対する警戒の呼びかけについてはどのように行ったのか、同様にお尋ねいたします。
今回の大雨によって、香椎川の水位も上昇し、SNS上では住民から注意を呼びかける情報や被害を伝える情報もアップされました。そして、議案となっている香椎川の地下河川整備の該当地域の一部である香椎二丁目から四丁目付近についても同様の情報が投稿され、中には被害を伝えるものもありました。
そこで、本市の災害警戒本部としては、該当地域の近辺で最も水位が高くなった時刻と水位についてどう把握していたのか、答弁を求めます。
この地域では今回も溢水が起こり、浸水被害に見舞われた家屋も一定数あると聞いております。
そこで、溢水による浸水等の被害はどうだったのか、被害の内容と件数についてお尋ねします。また、被災者に対して、市としてどう関わっているのか、答弁を求めます。
島市長はこの期間中の11日、SNSのX上で住民の投稿に対してコメントし、これを後に訂正し、おわびするという事態になりました。
そこで、そもそも該当する住民の投稿はどういう内容だったのか、それに対して市長はどうコメントしたのか、さらに、それをどう訂正したのか、日時を含め説明を求めます。
行政、ましてや首長による情報は信頼できるものでなければなりません。とりわけ災害に関するものは正確さを期さなければ、住民の命に影響を与えます。昨今、SNSによる情報については一瞬にして拡散されるものであるために、フェイク情報の問題などもあり、その活用について議論になっているところであります。今回の島市長による誤った情報発信については厳しく検証されなければなりません。
そこで、今回の経緯について市長自身による説明と、誤った情報をアップしてしまったことについて、御自身の所見を伺います。
次に、学校給食運営費の増額についてです。
今回議案は、学校給食費の増額として4億9,500万円余が計上されており、本年度予算で見込んだ食材費がさらに高騰した分及び2学期からの給食無償化に伴って、アレルギー等により給食を喫食できない児童生徒の保護者への給食費相当額の給付分を追加するものとされております。
そこで、4億9,500万円の内訳並びに給付対象者の給付手続と給付時期について説明を求めます。
学校給食をめぐっては、SNSに投稿された空揚げ1個とみそ汁という献立について大きな話題となる中、6月議会で市長は、補正も含め質の向上に努めるという趣旨の答弁をされました。
そこで、今回の補正の中には給食の質の向上に係る経費は幾らか含まれているのか、お尋ねいたします。
2学期から開始された学校給食の無償化については我々も一貫して求めてきたものであり、声を上げ続けてきた当事者や学校関係者並びに尽力いただいた関係各位に改めて敬意を表するものであります。しかし、一定規模の財政支出を伴うものであるため、無償化すべきでないなどの意見も子育て世代以外の一部から聞こえてくるところであります。
そこで、改めて無償化の意義について、市長及び教育長それぞれの御所見を伺います。
給食無償化に伴って、事情があって給食を食べられない児童生徒についても、その恩恵をひとしく受けられるようにすべきとの理由から、私はさきの6月議会において、アレルギーのため給食を食べられない児童生徒や不登校児童生徒については給食費相当額を補助すべきだと求め、教育長は、検討していくと答弁されました。そして、8月4日に行われた教育こども委員協議会において、アレルギー等の児童生徒については給食費相当額を給付するとの方針が示されたものの、不登校や宗教上の理由によるものについては給付の対象外とされました。ここでは、不登校も対象にすべきだとの意見が複数の委員から出されたにもかかわらず、今回補正にも不登校等の児童生徒の保護者への給付分は含まれておりません。
そこで、不登校や宗教上の理由で給付対象から外すのはなぜなのか、答弁を求めます。
給食無償化に当たっては、不登校状態で学校への復帰を目指す子どもたちが通うまつ風学級やはまかぜ学級などの教育支援センターや、事情があって義務教育が受けられなかった方々が通う夜間中学、福岡きぼう中学校はそもそも給食が実施されておらず、当事者から、この機会に給食を実施してほしいという要望も上がっております。
そこで、教育支援センター及び福岡きぼう中学校における給食実施についての検討状況についてお尋ねします。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○議長(平畑雅博) 竹廣道路下水道局長。
○道路下水道局長(竹廣喜一郎) 香椎川における地下河川建設についてお答えいたします。
まず、地下河川の整備が必要となった理由と経緯についてでございますが、香椎川は平成11年6月29日の豪雨などにより浸水被害が生じたことから、河川の治水安全度の向上を図る河川改修を検討してきたところでございます。その中で、2つの鉄道橋が交差することや沿川にマンションなどの住宅が密集していることから河川の拡幅が困難であり、地下河川方式を採用しております。地下河川につきましては平成26年度より事業化し、令和4年度から地下河川の本体工事に着手しております。
次に、補正額の内訳についてでございますが、インフレスライド条項に係る費用として約1,100万円、シールド工のローラーカッター交換に係る費用として約1億100万円、流入施設工の施工方法変更に伴う費用として約9,500万円、その他、掘削添加材の添加量の変更や工期の延長に伴う費用などで約1億7,800万円を追加するものでございます。
最後に、工事の繰越しについてでございますが、地下河川工事を進めるに当たり、工事を安全かつ確実に施工するために、やむを得ず工期を令和9年3月まで延長するものでございますが、できる限り早く治水効果が発現できるよう、引き続き工事を進めてまいります。以上でございます。
○議長(平畑雅博) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 香椎川の大雨対応についてお答えをいたします。
まず、警報の発表や警戒の呼びかけなどにつきましては、8月9日21時16分に大雨警報が、翌10日13時55分に洪水警報が発表され、18時30分に香椎川、浜男川などに、また、18時45分に多々良川に、19時に宇美川などに避難指示を発令しております。翌11日10時41分には洪水警報が解除され、11時に全河川の避難指示を解除、16時22分に洪水警報発表、18時38分に洪水警報解除、翌12日の20時30分に大雨警報解除となっております。また、避難情報につきましては、テレビやラジオのほか、市ホームページ、防災メール、市LINE公式アカウント、また、避難情報配信システムなどのツールを用いて発信をしております。
次に、香椎川の最高到達水位につきましては、上香椎橋に設置した水位計で、8月10日17時50分に2.46メートルを観測しております。
次に、香椎川周辺の浸水被害につきましては、8月10日時点で床上浸水1件、床下浸水13件、車両被害1台となっております。また、被災者に対しましては、市ホームページで被災者支援関連制度を御案内するとともに、区役所での罹災証明申請の受付に際しては制度の案内を行うこととしております。
次に、住民によるSNS投稿につきましては、「香椎川氾濫!気をつけて」という文章とともに、氾濫の映像がXに投稿され、市では8月10日18時頃に、これを把握したものでございます。また、市長のSNS投稿につきましては、大雨のピークも過ぎ、全ての河川に対する避難指示が解除された後の8月11日14時過ぎに災害警戒本部からの偽情報動画があった旨の報告に基づき、インスタグラムなどでSNSへの虚偽情報動画の投稿はやめてくださいとの趣旨の投稿がなされ、その後、動画は事実の可能性が高いことが確認され、18時30分頃に当該投稿については取り下げられたものでございます。その後、河川氾濫に関する投稿は事実と確認ができたことから、同日22時頃に、市長が自身のインスタグラムなどで「お詫びと訂正」として、さきの氾濫に関する投稿は実際に発生していた事象を撮影したものであることが分かりましたとし、誤った情報を発信してしまったことのおわび、誤認に至った理由、今回の反省と投稿者御本人への謝罪などについて投稿されたものでございます。以上です。
○議長(平畑雅博) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 給食運営費の増額補正についてお答えいたします。
補正額の内訳につきましては、食材費の価格高騰分として4億9,377万5,000円、アレルギー等により給食を喫食できない児童生徒の保護者への給食費相当額の給付として303万9,000円でございます。給食費相当額の給付に係る手続は、対象となる保護者が申請書を教育委員会に提出していただいた後、申請内容を確認します。給付時期については、年度末に出席日数に応じて給食費相当額を算定するため、4月頃に前年度分をまとめて給付する予定としております。
次に、補正予算につきましては、令和7年1月以降の食料品の急激な高騰の影響で、物価上昇の見込みが当初予算積算時を上回っており予算額の不足が見込まれることから、給食の質の維持に必要な費用について計上しており、今回のもっとおいしい給食プロジェクトを踏まえた質の向上の費用は含まれておりません。
次に、学校給食費無償化につきましては、物価高騰が続く中で、教育委員会として学校教育に要する費用のうち、保護者にとって負担となっている学校給食費を無償化することが子育て世帯の支援に効果的な施策であると考え、2学期から実施しております。
次に、不登校の児童生徒につきましては、教育支援センターに通級する児童生徒に対し、給食を新たに提供する準備を進めており、不登校には様々な状況がある中で、給付を含め、無償化に関する国の動向等を注視してまいりたいと考えております。宗教上の理由により給食を喫食しない児童生徒については、書面等、客観的なもので理由を確認することが困難であることから、無償化に関する国の動向等を注視してまいりたいと考えております。
最後に、教育支援センターへ通級する児童生徒につきましては、現在、給食を実施しておりませんが、先ほど申しましたとおり、新たに提供する方向で準備を進めてまいります。福岡きぼう中学校の生徒については年齢構成の幅も大きく、生活スタイルや健康状況などにより適した食事の内容は様々であることや日々の出席状況も一定ではない実態などから、給食の提供は行っておりません。以上でございます。
○議長(平畑雅博) 島市長。
○市長(島宗一郎) まずは、市民からの投稿を偽情報として取り扱ってしまいまして、投稿された方に不快な思いをさせたこと、また、市民の皆様や関係者の皆様に混乱や御心配をおかけしたことを心よりおわびを申し上げます。私自身としては、今回の件を重く受け止め、より冷静かつ正確な情報をお届けするとともに、福岡市としても今回の対応における情報の取扱いなど一連の活動について検証を行ったところであり、その結果に基づく改善に取り組み、再発防止の徹底に努めてまいります。
学校給食無償化につきましては、先ほど教育長が答弁したとおり、物価高騰が続く中で、喫緊の課題である子育て世帯の可処分所得の増加につながり、支援として効果的な施策であるものと考えております。以上です。
○議長(平畑雅博) 中山郁美議員。
○51番(中山郁美) まず、地下河川の必要性については、局長はさらっとおっしゃいましたが、この香椎二丁目、四丁目近辺は、過去、度々洪水に見舞われた地域だということであります。また、工期については短縮を目指すことを表明されました。過去、度々浸水被害が起きている地域ですから、おっしゃったように安全には留意しながら、早期の完成を求めておきたいというふうに思います。
問題は8月9日から12日にかけての大雨で、この地域がどういう状況で、市の対応がどうだったかということであります。答弁によると、福岡管区気象台から大雨警報が出されたのは9日の21時16分、同時に洪水注意報が出されています。これを受け、同時刻に福岡市災害警戒本部が設置され、本部長には危機管理監が就任されました。この後に断続的に大雨が襲い、私の確認では、日付が変わった10日の零時15分に線状降水帯が発生し、市は防災LINEでそのことを伝え、このときに土砂災害や低い土地の浸水や河川氾濫への警戒を呼びかけています。しかし、これは一般的な呼びかけであり、地域は指定していませんでした。そして、洪水注意報から警報に変わったのは10日の13時55分です。さらに、17時32分にも、土地が低い地方では翌日まで浸水や増水に警戒するよう防災LINEで呼びかけたということなんですが、この時点でも特定の地域指定はしておりません。今回議案となっている地下河川建設予定地である香椎二丁目から四丁目周辺の水位が最も高くなったのは、答弁のとおり10日17時50分の246センチでした。氾濫危険水位は183センチとされており、既にこの時点で60センチ以上、上回っていたわけです。ところが、この時点で避難指示が出されていたのは土砂災害警戒区域に対してのものだけであり、洪水を理由とした避難指示は出されておりません。
この一連の動きを振り返ると、当時の災害警戒本部の対応には大きな問題があったのではないか、答弁を求めます。
また、市長は、先日の記者会見で、あそこはどこよりも早く避難指示を出したと述べられたんですけれども、洪水に対する避難指示は出されておらず、この発言は事実でないと思いますが、答弁を求めます。
この時間帯には実際に香椎川から水があふれ、周辺に被害が出始めて、SNSのXなどには水があふれたとの複数の情報が投稿されました。市民局長の答弁では、市が把握しているだけでも香椎二丁目から四丁目付近では浸水被害が14件生じており、車両被害も1件生じていることから、当時の住民からの情報は信憑性の高いものだったと考えられます。しかし、島市長は答弁のとおり、10日の18時前後に投稿された「香椎川氾濫!気をつけて」という車の水没動画つきの書き込みをうそと決めつけて、翌11日、虚偽情報動画はやめてくださいなどと誤った投稿を行い、当日22日頃にこれを訂正し、おわびする事態となりました。
答弁で、市長は確認などの甘さについて言及されましたが、そもそも虚偽だと判断した根拠は何だったのか、詳細な説明を求めます。
そもそもこの地域は水害常襲地域であるからこそ、被害をなくすために地下河川を建設することになっているわけです。今回のような大雨が襲えば、当然この地域の被害が懸念され、市としては迅速かつ正確な状況把握を行わなければなりません。状況把握がなされていれば、今回の市民による書き込みを虚偽と判断することはなく、むしろ重要な情報として活用できたはずなんです。
そこで、10日の17時以降、現地の確認及び水位計の動向確認はどのような体制で行ったのか、市長は、この時間帯にはどこで何をしていたのか、また、現地の状況をどこでどのような方法で把握したのか、お尋ねします。
また、市長は、今年1月に現地で行われた香椎川地下河川建設におけるシールドマシンの発進式に参加したのに、この地域が水害常襲地域という認識を持っていなかったのか、お尋ねいたします。
市長は翌11日の午後に、事実を虚偽と誤認した書き込みを行った、こういう答弁がありましたが、その日は何時から何時まで登庁したのか。つまり、役所に来たのか、災害警戒本部との協議はどのように行ったのか、お尋ねします。
そもそも、島市長は災害警戒本部の本部長ではありません。本部長は危機管理監です。それなのに今回、本部からはまともな情報を出されない中、本部長でもない市長が、なぜかうそはやめろと発信して失態を犯したというものです。会見で市長は、自らが投稿したことに関わって、自治体よりも首長個人のフォロワー数が多いこともあるのでと述べられましたが、福岡市公式LINEの登録者数のほうが、市長個人のSNSフォロワー数よりもはるかに多いのが事実です。
市長の行動と説明はつじつまが合わないと思いますが、御所見を伺います。
結果的には、「香椎川氾濫!気をつけて」と投稿、発信した住民の情報のほうが正しかったわけで、残念なことに、今回も分かっているだけで十数件が浸水被害を受け、車も1台水没するという事態となりました。被災者に対しては、特段支援策は打っていない、罹災証明は役所に来られればと。そして、一般的にホームページ等で告知しているという答弁でしたが、これではあまりにも無責任であり、当時の情報発信が不十分だったことについて当事者に謝罪し、被害の状況把握と要望聞き取りを行う必要があると思いますが、答弁を求めます。
次に、給食運営費増額補正についてです。
4億9,500万円の増額内訳は食材費の高騰分が大半であり、アレルギー児童生徒の保護者への給付で約300万円とのことです。当該児童生徒については、医師の証明書を添付して申請することで9月からの給食費相当額が給付されるということなんですが、時期については来年の4月見込みということです。給食を食べることができる子どもの家庭は9月の給食費分から負担がなくなり恩恵を受けることができますが、アレルギーで給食が食べられない子どもの家庭は、3月までは昼食代を負担しなければなりません。
物価高騰の影響を大きく受けている子育て世帯には急いで支援すべきという考えに立つなら、9月分から給付すべきだと思いますが、なぜ毎月給付せず4月まで待たせるのか、改めて答弁を求めます。
また、今回の増額補正には給食の質の向上分は含まれていないとの答弁ですが、6月議会では、いわゆる空揚げ1個給食の議論の際、補正予算も組んでバックアップするという趣旨の答弁を市長がされましたが、今回、質の向上分を計上しないのは約束違反ではないのか、御所見を伺います。
まつ風、はまかぜ学級等の教育支援センターについては、今後給食の実施を検討すると、もう準備に入っているとのことですが、福岡きぼう中学校については考えていないとのことです。これはおかしいですよ。学齢期に様々な事情があって義務教育を受けることができなかった方々が、学び直しができる場として長年の運動を経て開校したのが夜間中学、福岡きぼう中学校です。日本国憲法が掲げる教育を受ける権利を何人にも保障するための学校です。学校教育法第1条に基づき、福岡市が設置した公立中学校の一つであり、決まった課程を終えると中学校卒業資格が得られ、教科書も無償配付されます。仕事を終えて通う生徒さんが夕方から安心して学べるために、他の中学校と同様に給食を保障するのは当然でしょう。ここだけ除外する理由はありません。教育長は、年齢も様々でありというようなことを述べられましたけど、全く理由になりませんよ。全国の夜間中学校でも多数が実施しているんですよ。学校名のとおり、希望が持てるようにすべきだと思います。 福岡きぼう中学校を給食実施校から外すことに道理はないと思いますが、御所見を伺います。
改めて給食無償化の意義について尋ねましたが、教育長は、子育て支援、経済的な支援を行う必要があると述べられました。そして、市長も教育長と同じだということですが、市長はとりわけ、子育て世帯の家計支援だというのを強調されてこられました。教育長はちょっと違っていたと思うんですけどね、今回は市長と歩調を合わせられた。これは極めて大事な観点だと思うんですね。教育の分野での食育という観点ももちろん大事です。その大本には、義務教育は無償と掲げて、教育の機会均等を掲げた日本国憲法があります。宗教上の理由や不登校状態で給食を食べられない子どもの世帯に給付しない理由について教育長は、様々な状況があるので、国の動向を把握するとこういう答弁をされましたが、これもおかしいと思います。
不登校状態の子どもに多様な学びの場を保障するとして開校した百道松原中学校には給食を実施しているけれども、この百道松原中学校を希望さえできなかった不登校生には、学校に来ないのが悪いと言わんばかりに給付対象から外す。これは子育て支援から除外するということにほかなりませんよ。先ほどの答弁と矛盾しますよ。子どもたちには、学校に行く権利が保障されるとともに、学校に行かない権利もあるんです。宗教上の理由についても、支援から除外するとなれば、これね、書面の提出が難しいと、こんな理由をこの本会議場で述べるなんていうのは本当にお粗末だと思います。憲法上の信教の自由を行政が侵すことになりますよ。東京都杉並区や佐世保市などは給食無償化に合わせて、給食が食べられない子どもの家庭には漏れなく給食費相当分を給付しています。これが当然の対応です。
そこで、給食無償化の大きな目的を子育て世帯への家計支援としながら、不登校生や宗教上の理由によって給食を食べられない子ども、教育支援センターに通う子どもの世帯を給付対象から除外するのは著しい差別的取扱いであり合理性はないのではないか、御所見を伺います。
以上で2問目を終わります。
○議長(平畑雅博) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) まず、先ほどの私の答弁で香椎川周辺の浸水被害につきましては、8月10日時点でと申し上げましたが、8月18日時点でございました。おわびして訂正をさせていただきます。
香椎川の大雨対応についてお答えをいたします。
まず、災害警戒本部の状況把握等についてのお尋ねですが、本部では気象情報等の収集、監視を行い、刻々と変わる状況に応じて総合的に判断をし、避難情報の発令等を行っており、防災メール、LINE、市ホームページ等を活用して、土砂災害及び河川氾濫ともに、避難発令の対象地域となる町丁目や災害時に取るべき行動などを広く周知しております。
次に、お尋ねの避難指示につきましては、市内の河川では最も早く香椎川などに避難指示を発令しているものでございます。
次に、住民の投稿を判断した根拠についてのお尋ねですが、当時の災害対応としましては、それぞれの役割において、避難指示の発令や避難所開設、被害状況の現地確認など、必要な対応を行っております。その後の、雨が小康状態になった中での確認において、動画は18時頃に投稿されているが、18時30分頃に現地確認した際の情報では動画のような大規模に見える氾濫状況が確認できなかったこと、また、そのような氾濫があったとすれば短時間のうちに収束することはないとの思い込みがあったこと、香椎川に設置している近傍の水位計では氾濫を確認できなかったこと、当該動画の投稿者のアカウントが数時間後に削除をされたこと、通常、河川氾濫が生じた場合に、市に寄せられる多数の通報などがなかったこと、こうしたことを総合的に判断し、当時は投稿のような氾濫はなかったものと誤った判断を行ったものでございます。
次に、8月10日17時以降の現地確認につきましては、18時30分頃、道路下水道局の職員が行ったものです。また、水位計モニターによる動向確認につきましては、本庁15階の災害警戒本部室において、情報収集、整理班の職員が行っております。次に、市長への現地状況の報告につきましては、本庁15階会議室において、災害警戒本部室職員が対面にて行ったものでございます。
次に、香椎川につきましては、今回の溢水があった付近で過去に冠水があったことは承知をしております。こうした情報の取扱いが不十分であったことが錯誤を招いたものと認識をしております。
次に、8月11日における市長と災害警戒本部との協議につきましては、11時40分頃の対面での報告以降は電話で行っております。
次に、災害時の情報発信につきましては、タイムリーな情報が重要であり、市としても即時性のあるSNS等での情報発信に努めているところでございます。今回は不十分な報告に基づく誤った情報の発信となったものですが、精度に留意を要しつつも、発信力のある首長個人による情報発信は有効なものであると考えております。
最後に、被災者への対応につきましては、市ホームページで被災者支援関連制度を御案内するとともに、区役所での罹災証明申請の受付に際しては制度の案内を行うこととしておりまして、引き続き丁寧に対応をしてまいります。以上です。
○議長(平畑雅博) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 香椎川に関する質問にお答えします。
市長は8月10日の夕方頃退庁し、その後は災害警戒本部と連絡が取れる体制を維持しつつ、随時、本部から電話等により報告を受けておりました。
また、8月11日は昼前に登庁し、災害警戒本部から大雨に関する報告を受け、14時頃に退庁しております。その後は災害警戒本部と連絡が取れる体制を維持しつつ、随時、本部から電話等により報告を受けておりました。以上でございます。
○議長(平畑雅博) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 給食運営費の増額補正についてお答えいたします。
給付の時期につきましては、申請内容の確認や学校での給食実施回数及び当該児童生徒の出席日数の確認、それらを踏まえた給付額の算定に要する学校等の事務負担を考慮し、年度末までの状況を基に4月に給付することとしたものでございます。
次に、もっとおいしい給食プロジェクトにつきましては、食に関わる民間の方たちとの意見交換会を7月と8月に実施したところであり、今後、栄養教諭や給食現場との協議を行いながら、教育委員会としての取組内容を検討していくこととしており、今回の補正にプロジェクトを踏まえた質の向上の費用は計上しておりません。
次に、夜間中学校での給食実施につきましては、先ほどの繰り返しになりますが、夜間中学校の生徒は年齢構成の幅も大きく、生活スタイルや健康状況などにより、適した食事の内容は様々であり、日々の出席状況も一定でない実態などから、給食の提供は検討しておりません。
最後に、不登校の児童生徒につきましては、教育支援センターに通級する児童生徒に対して給食を新たに提供する準備を進めており、不登校には様々な状況がある中で、給付を含め、無償化に関する国の動向等を注視してまいりたいと考えております。宗教上の理由により給食を喫食しない児童生徒につきましても、書面等、客観的なもので理由を確認することが困難であることから、無償化に関する国の動向等を注視してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(平畑雅博) 中山郁美議員。
○51番(中山郁美) まず、香椎川の地下河川建設についてです。
8月9日から12日にかけて本市を襲った豪雨は、今回も香椎二丁目から四丁目にかけた建設予定地周辺に水害被害をもたらしました。この地域では、1999年、2015年など、度々浸水被害が生じており、周辺住民が切実に求めてきた抜本的対策がやっと動き始めた矢先に工事が中断し、経費の増額と工期の延長が今回議案で出されているものです。本来、もっと早く対策が打たれていれば、今回の十数件の被害は免れた可能性が高いものです。対策の遅れを生じさせた本市の責任は重く、被災された方々には誠意を持って対応するのが当然であります。にもかかわらず、市民局長の答弁は何ですか。丁寧な対応を引き続きやると言っていますけれども、本人が言ってこなければ何もやらないということなんでしょう。被害者に対する補償の制度をつくる気もないと。あまりにも冷たく無責任だと思います。事業の遅れを真摯に反省すべきです。
したがって、水害被災住民に対し、お困り事がないか聞き取り、罹災証明書の手続や見舞金など、活用できる制度について丁寧なアドバイスを行うとともに、支援策の拡充を図るべきではないか、御所見を伺います。
8月9日から12日にかけての災害警戒本部の動きについて、市民局長は、関係議員に昨日配られた検証の報告ペーパーですね、この中身について述べられたんだと思いますが、主に情報共有に問題があったという説明でした。これでは不十分だと思うんですよね。10日の17時頃から急速に香椎川の水位は上昇して、水位計によれば、17時50分に246センチという最高に達したのに、この時間帯には誰も現場の確認をしていません。本部職員は行っていないでしょう。道路下水道局の職員が現場確認したという答弁ですが、本部が責任持って足を運んでいないんですよ。それは危険な地域だからね、どこまで行けるかというのはありますが、現場に行っていない。しかもですね、道路下水道局の職員が確認を行ったのも、水が引いた後の18時30分になってからですよね。つまりね、初動が遅れたんです。川から水があふれ出している状況を見ることができず、溢水、冠水なしという判断をしてしまい、住民による投稿を市長が虚偽だと決めつけることになっていったわけですよ。加えて、この地域の洪水に対する避難指示は、最後まで出されておりません。私のところにも防災LINEが届きますけど、香椎二丁目、三丁目、四丁目という記載は、一報で来るLINE上には出ていないんです。これはさらにクリックして出てくるのかもしれませんがね、一面にだあっと地域が出てくる。そこにはね、洪水情報によって避難してくださいという記載はないんですよ。これね、うその答弁をしているのか、確認が甘いのか分かりませんがね、ここは精査していただきたい。この問題については、防災にとって重要な初動、現地確認、そして情報発信に重大な問題があったのは明らかです。
したがって、情報収集及び防災情報の発信の在り方について、今回の問題点をさらに深く検証して市民に公表するとともに、抜本的な改善を図るべきだと思いますが、御所見を伺います。
島市長によるSNSへの誤った書き込みに関しては、大雨のピークとなり香椎川が氾濫した10日の17時以降、どこで何をしていたのか、これね、市長に答えてほしいんだけど、総務企画局長が立ってね、連絡が取れる体制は取っていたということで逃げの答弁をされましたよ。しかし、夕方頃には既に市役所にはおられなかったということは答弁を聞けば分かることです。大事なね、一番ピークに差しかかっていたときに市長は市役所にいなかった、何をやっていたんでしょうかね。のっぴきならない事情なら堂々と言えばいい。翌11日は11時40分頃登庁して本部と協議をしたようですが、昼過ぎにはもういなかったんですね。そして、14時過ぎに誤った投稿をされた、どこからされたかは分かりません。それ以降、市長と本部とのやり取りは全て電話で行われたとのことです。市長はですね、大事なときにやっぱり役所にいてね、本部の動向を把握する。そして、自らも報告を受けたときに、その報告、間違いないかという検証する作業をやって当たり前だと思うんです。電話での報告を受けて、22時に自らのSNSが間違っていたということでおわびと訂正を投稿されたんだけれども、このときにどこにおられたのかも分かりません。
以上のように、この2日間の市長の動きを見ると、災害の警戒と対応は、結果担当任せ。11日の昼前に短時間の協議を行い、報告を受けた以外は災害対応にほとんど関わっておられないようです。
そして、この僅かな協議の中で住民からの虚偽投稿があったとの報告を受けて、市長自身が誤った投稿をしてしまうということになりました。この一連の状況を見ると、今回、市長による誤ったSNS投稿は、災害対応を担当職員に丸投げする姿勢が生み出したものだと言わざるを得ません。
したがって、このような姿勢を猛省するとともに、市長自ら重要な市民情報を否定し、誤った情報の発信で命に関わる防災情報の信用を失墜させたことについて、改めて自らの責任を明確にし、市民に謝罪するとともに、市長からの情報発信は、行政組織として責任あるものにするルールをつくるべきだと思いますが、この問題の最後に島市長の答弁を求めます。
次に、給食運営費の増額補正についてです。
まず、今回補正に給食の質の向上分は含まれていないことについて、来年度以降やるというような答弁をされました。しかし、市長はですよ、ついこの間、補正予算を組んでと言っているわけですから、年度途中でもやるということなんですよ。格好つけて発言したのかもしれませんけどね、発言したけれどもやらないというのは問題です。早急な実施を求めておきます。
夜間中学、福岡きぼう中学校での給食実施については、あれこれ述べてかたくなに拒否をされました。差別は許されません。他都市で給食を実施している夜間中学の例に学んでいただきたい。やればできるんですよ。面倒くさいからやらないんですか。教育支援センターについては検討するということで、これも、この給付の問題では先延ばし。そしてその間、給食費相当額を受けられないということなんですよね。
早急に給食提供の格差を正し、教育センター及び福岡きぼう中学校でも早急に給食を実施すべきではないか、御所見を伺います。
給食費相当額の給付時期については、事務処理に時間がかかるなどと述べられました。必要な体制を組めば、毎月の給付は可能です。やり方を見直すべきです。また、不登校の子どもや宗教上の理由で給食を食べられない子どもの世帯への給付について、教育長は他都市の動向を見るとか、国の動向を見るとかおっしゃいましたが、結局ですね、学校に来ないから悪い、また、そんな宗教を信じるから悪いと、こういう思いがあるんではないですかね。多様な学びを保障するといって百道松原中学校をつくっておきながら、自宅やフリースクールでの学びは認めないというのは、明らかに矛盾しています。宗教上の理由も認めないというのは明らかな差別であって、憲法違反ですよ。市長が言ってきた子育て世代への経済支援という理由と、大きく食い違います。この問題に詳しい千葉工業大の福嶋尚子准教授は西日本新聞の記事で、子どもの権利保障の観点から言えば、全ての子どもが無償化の恩恵を受けられないといけないと述べておられます。当事者である保護者の強い要望が、今年初めに要望書として出されたのは当然のことです。
したがって、これら当事者の要望を無視することは許されず、給食費相当額の給付対象は、先進都市に倣い、不登校児童生徒や宗教上の理由で給食を食べられない子どもの世帯にも広げ、今回補正については増額修正し、給付は月ごとに実施するやり方に改善するべきだと思いますが、教育長と市長双方の答弁を求めて質疑を終わります。
○議長(平畑雅博) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 香椎川の大雨対応についてお答えをいたします。
被災者に対する支援につきましては、罹災証明の発行や一般廃棄物処理に係る手数料の減免のほか、災害見舞金の支給など、種々の制度を設けており、今後とも、市ホームページ等で御案内をするとともに、区役所での罹災証明申請の受付の機会も捉えながら、積極的に周知を行ってまいります。なお、今回の動画の投稿のあった冠水箇所につきましては、当該動画の投稿があったことを踏まえて、各部署の役割において現地確認を行うとともに、避難指示の発令など必要な対応は行っており、その後の情報分析において認識の誤りがあったものの、そのことが当時の災害の発生、現場対応に影響を与えたものではないと認識をしております。
次に、8月10日の大雨における香椎川への対応におきましては、避難指示の発令や避難所開設、被害状況の現地確認など、各部署の役割において必要な対応を行った後に、SNS上に投稿された河川氾濫動画などの情報を確認する中で、動画に示された特定の場所において生じていた氾濫について大きな氾濫はなかったと判断をしてしまったというものです。この災害警戒本部の対応を精査しましたところ、誤った判断に至った主な原因は、災害情報の伝達や確認など、情報の取扱いが不十分であったことと確認をしたものでございます。今後、今回行った検証の結果も踏まえ、災害対応時における情報処理等の課題を解消するため、災害警戒本部体制の強化、災害対応支援システムの運用などの改善、職員研修や訓練の充実による災害対応能力の向上などに取り組み、再発の防止の徹底を図ってまいります。
○議長(平畑雅博) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 教育支援センターにつきましては、新たに給食を提供する方向で準備をしっかりと進めてまいります。夜間中学校の生徒については、年齢の構成の幅も大きく、適した食事の内容は様々であることや日々の出席状況も一定でない実態などから、給食の提供は検討しておりません。
最後に、不登校の児童生徒や宗教上の理由により給食を喫食しない児童生徒に対する支援につきましては、給付も含め無償化に関する国の動向等を注視してまいりたいと考えており、補正予算の変更は考えておりません。給付の時期についても、学校の事務負担軽減やより間違いがない給付のため、年度末までの状況を踏まえ給付額を算定し、4月に給付してまいりたいと考えております。以上です。
○議長(平畑雅博) 島市長。
○市長(島宗一郎) 今回は私自身が誤った情報を発信することになってしまい、市民の皆様や関係者の皆様に御心配をおかけしましたこと、大変申し訳なく、重く受け止めております。福岡市として、今回の対応における情報の取扱いなど、一連の活動について検証を行ったところであり、正確で迅速な情報の伝達や確認、これを支える体制や環境づくりを行うなどの再発防止を徹底してまいります。その上で、私自身としても今回の反省を生かしながら、今後とも、必要なときには適宜適切に正確な情報の発信を行っていきたいと考えております。なお、1問目で私がSNS、X上で偽情報は駄目とコメントを行ったという御指摘があったわけでございますけれども、Xについて私はしておりません。アカウントを持っていないので、ここは事実ではありません。
それから、給食無償化についてでございますけれども、教育長が先ほど答弁をしたとおり、無償化に関する国の動向等を注視してまいりたいと思います。以上です。
○議長(平畑雅博) この際、暫時休憩いたします。
午後は1時10分に再開いたします。
午前11時24分 休憩
午後1時10分 開議
○副議長(尾花康広) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を継続いたします。森あやこ議員。
○45番(森 あやこ)登壇 無所属の森あやこです。私は、今議会に上程されています議案第168号、令和7年度福岡市一般会計補正予算案(第2号)のうちの小・中、特別支援学校管理費として上程されている教育費について質疑を行います。
学校給食の増額及びアレルギー児童生徒等の保護者への給付として、学校給食費の追加4億9,680万円余が補正として上程されています。この教育費補正、これは小中特別支援校、それからアレルギーの内訳、それと増額の理由と積算根拠、また、アレルギー児童生徒等の保護者への給付の対象者数についてお伺いします。
また、本市では、今年度の当初予算でも無償化に係る費用が計上され、先月28日から市立の小中特別支援学校で給食費が無償化されています。発達の著しい子どもたちのために、教育の一環である給食で無償化の実現が当初からできなかったとはいえ、物価高騰の影響がのしかかる中、少しでも子どもの発達を支えることができることは、無償化を求めてきた私もうれしく思います。子どもたちには、おなかも心も満たし、安心して育ってほしいと願い、まずは、これは第一歩であると考えます。
給食に係る費用に関しては、今年4月、おかずが空揚げ1個という画像がSNSで拡散され、寂しい、少な過ぎるなどのコメントが相次いだこともあり、7月4日から、もっとおいしい給食プロジェクトを始められています。
そこで、このプロジェクトを立ち上げるに至った経緯についてと経過についての説明を求めます。
また、今議会での給食費の増額補正案ですが、これまで物価高騰分は保護者への給食費の負担はかけずに市が負担するということで昨年も運営されてきました。しかし、年度途中の社会の変化に対しては、これまで物価高騰分の予算の追加はされず、現場はメニューや食材に対して相当な御苦労をされてきたことが、4月のSNSの拡散から見えてきました。
そこで、給食に係る費用に影響してくるメニューや食材に対しては、プロジェクトの一環で意見交換等がなされたようですが、どのような意図で開催され、意見が出され、教育委員会としてはどのように受け止められたのか、伺います。また、早々に反映させられる状況があるのか、伺います。
次に、プロジェクトに係る経費についてはどこから計上しているのか、当初予算で算出されていたのかについても確認させてください。
以上、以降の質疑は自席にて行います。
○副議長(尾花康広) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 補正予算のうち、教育費についてお答えいたします。
学校給食費の物価高騰分に係る補正額4億9,377万5,000円の内訳につきましては、小学校管理費2億7,851万4,000円、中学校管理費2億342万1,000円、特別支援学校管理費1,184万円となっております。予算増額の理由につきましては、令和7年1月以降の食料品の急激な高騰の影響で物価上昇の見込みが当初予算積算時を上回っており、予算額の不足が見込まれるためでございます。補正額の積算につきましては、消費者物価指数等の動向を踏まえ、7月以降の必要額を令和3年度からの平均価格上昇率を約31%で見込んだ1食単価で算出しております。この必要額に6月までの執行額を加えた令和7年度年間の総必要額から現予算額を差引き、不足見込額を算定したものでございます。
給食費相当額の給付における補正額303万9,000円の内訳につきましては、小学校管理費159万4,000円、中学校管理費65万7,000円、特別支援学校管理費78万8,000円となっております。予算増額の理由につきましては、学校給食費の無償化に合わせてアレルギー等の身体的事情により給食の全てを停止している児童生徒の保護者に対し、給食費相当額を給付するためでございます。補正額の積算につきましては、過去の実績や7年度の実数を参考に見込んだ給付対象人数に、給食費の1食単価と2学期以降の給食実施回数を乗じて算出したものでございます。対象者は100人程度と想定しております。
次に、もっとおいしい給食プロジェクトにつきましては、本年2月に2学期からの給食費無償化を発表した後、予算の都合で給食の質が低下するのではないかとの心配の声が保護者から寄せられたことから、今年度の初めから給食の質向上に向けたプロジェクトを検討しており、食に関わる民間の方たちとの意見交換を7月と8月に実施したところであります。
次に、意見交換会につきましては、食に関わる民間の方から、既成概念にとらわれない幅広い意見やアイデアをいただくために実施いたしました。意見交換会では、献立や彩りの工夫、調理設備などに関して様々な意見をいただきました。今後については、栄養教諭や給食現場との協議を行いながら、教育委員会としての取組内容を検討し、給食の質向上に生かしてまいります。
最後に、プロジェクトに係る経費につきましては、当初予算では計上していないため、現行予算の範囲内で対応しております。以上です。
○副議長(尾花康広) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 給食費の無償化がスタートした2学期最初の給食に、早速、能古島ゼリーがプラスされ、メニューにプロジェクトの意見が反映されたようだと聞き及んでおります。
御答弁では、学校給食費の増額について、1月以降の食料品の急激な高騰の影響があり、予算額の不足が見込まれるためとのこと。その積算方法としては、消費者物価指数等の動向を踏まえて、2021年度からの平均価格上昇率を約31%と見込んで1食当たりの額を出し、そして、6月までの執行額を加えた必要総額から差し引いた不足見込額を算出したものとのことでした。
6月までの執行額というのは、1年間の運用からすると、子どもたちが進級してしばらくは特に量的に急には慣れないこともあり、残菜が増えてしまう状況があること、また、物価高騰の影響も既にあったために、年度末までの先行きも考えながら、価格的な面と量的な面を兼ね合わせ、相当な御苦労を現場ではされていた状況です。
実際に給食提供に反映されるまでは、立ち上げられたプロジェクトの資料でも示されていますが、年間献立作成は前年度の5月から10月に行い、献立原案作成が六、七か月前に行われ、調理説明会を四、五か月前に行い、献立管理委員会に3か月前にかけ、物資選定委員会が2か月前にあり、そして物資調達に至って、そしてやっと給食実施となる、そんな流れです。かなりの時間を要しています。
調理に関しても、毎日、衛生面に相当な気を配り、調理作業の工程も綿密なマニュアルで、近年は特に暑さに耐えながら、また、急な変更などにも経験を生かし、工夫を凝らしながら、福岡市の12万人以上の子どもたちの健康はもとより、健全育成のための教育を支えるために苛酷とも言える重労働をしてくださっています。その仕事に強い思いを持たれていて、まさに専門性の高い技術職であると考えます。
物価高騰は数年前から進んでおり、市としてはこれまで、食材料費の物価高騰分を公費で負担をして、質の維持向上に努めているとの説明をされてきましたが、年度途中の物価高騰対策はなく、現場では、爪の先に火をともす思いでこれまで対応してくださっていた状況です。
社会状況は不安定です。今後の社会経済の見通しが出されてはいるものの、先ほど述べたように、献立作成は1年も前から検討されています。物資調達の時点でまた物価高騰が著しく変化した場合に対してはどのような措置を考えられているのか、お伺いします。
次に、アレルギー児童生徒等の保護者への給付に関して、これは物価高騰分が含まれないと午前中の質疑でも言われておりましたが、一部を持ってきている児童生徒の分は給付はないとのことです。一月のうちに、少しでも給食が食べられる子もいます。みんなと同じものが食べられるという喜びもあり、できるだけ給食を食べられることを保護者も望みます。全部が食べられない方への給付だけでは不十分な対応だと考えます。
そこで、今年度の食物アレルギーを有する児童生徒の総数と割合についてと近年の傾向をお尋ねいたします。また、不登校で給食を食べていない児童生徒の保護者に対しての給付はないのか、教育委員会のお考えをお伺いします。
次に、もっとおいしい給食プロジェクトの取組についてですが、給食費無償化を発表した後、予算の都合で給食の質が低下するのではないかとの心配の声が保護者から寄せられていたことから、今年度当初から給食の質の向上に取り組むこととしたものとのことでした。意見交換等では、見た目的な内容が多いように思います。栄養価に関しての議論は行わないのか、お伺いをいたします。
次に、地産地消で旬の食材を活用すると食材費として抑えられると考えられますが、地産地消度について伺います。また、農水産物の振興につながる地産地消と旬の食材の活用についての地域的ポテンシャルについて御所見を伺います。
次に、安心、安全な食材も子どもたちの健全な育成のために重要と考えます。食養生ということもあり、食で得られる健康は医療費削減にもつながり、環境保全にもつながります。無償化に伴い、質の低下を招くことを懸念して、これまで議会でも私も取り上げ、発信してきました。国が打ち出しているみどりの食料システム戦略にあるように、有機栽培や生産者を増やしていくことは、学校給食を通じて、着実に実現していけるものと考えます。農作物も、作付をして収穫に至ります。農業従事者や農地の確保、着実に進めることは国の食料安全保障の観点でも重要です。学校給食を通じたことが様々な面で社会に寄与することがあり、社会の問題解決のために計画的に進めていくことが、今後さらに求められていきます。
そこで、安心、安全な食材を求めることから始まると考えますが、無農薬や有機栽培といった化学薬品を使用しない食材の調達についてのお考えをお伺いいたします。
以上で2問目の質疑を終わります。
○副議長(尾花康広) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 教育費についてお答えいたします。
まず、物資調達の時点で物資の価格が上昇した場合につきましては、献立の変更は行わず、年間予算の不足が見込まれる場合には、改めて補正を検討いたします。
次に、令和7年度の食物アレルギーを有する児童生徒につきましては、小学校、中学校、特別支援学校において2,176人、割合は約1.8%であり、近年微増傾向にあります。
次に、不登校の児童生徒の保護者への給付につきましては、今回は対象としておらず、不登校の児童生徒が通級する教育支援センターで給食を新たに提供するための準備を進めており、給付を含めた不登校の児童生徒及び保護者への支援については、引き続き無償化に関する国の動向等を注視してまいります。
次に、栄養価につきましては、これまでも献立作成時に基準を満たすようにしているため、プロジェクトにおける議論の対象とはしておりません。
次に、地産地消につきましては、小学校給食における令和6年度の市内産農産物の主要18品目の利用割合は26.5%でございます。また、地産地消と旬の食材の活用については、福岡市で取れる農水産物の時期や旬の食材を確認しながら献立を作成しており、給食食材については、市内産、県内産、九州産を優先的に使用しております。今後も旬の食材を使用した献立作成や地産地消を進め、給食の質の向上に努めてまいります。
最後に、無農薬や有機栽培による食材の調達につきましては、福岡市の学校給食は1日の食数が約12万食と非常に多く、大量かつ安定的に食材を調達する必要があるため、現状では流通量が少ない無農薬等の食材の使用は困難であり、今後の研究課題であると考えております。以上です。
○副議長(尾花康広) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) まず、アレルギー児童生徒への対応についてですが、先ほど小学校、中学校、特別支援学校において2,176人、割合は1.8%で近年微増傾向にあるとの御答弁でした。2,176人というのは、医師からの診断書がある人数ということです。以前私が頂いた実態調査の資料では、2023年度の分ではありますが、食物アレルギーを有する児童生徒の総数と割合として、小学校では2,667人、3.23%、中学校では1,062人、2.75%という状況です。医師の診断がない子どもたちにとっても、ふだんから気をつけているから症状が悪化しない状態にあるとも考えられます。医師の診断がある実態から見ても、2,000人を超える児童生徒がいる状況で100人の見込みという全部が食べられない方への給付だけでは、やはり不十分な対応です。子どもの成長を支え育む方々と子どもたちのどちらにとっても、学校内で命に関わる悲劇が起きないように、教育委員会ではアレルギー等への対応を、これまでも現場の思いと工夫によって代替食の実施につながったことや事務的処理の対応など、様々な形で充実を図ってきてくださいました。こうして確立してきた取組が後退しないようにすることは、アレルギーの児童生徒が微増傾向にある中で、とても重要だと思います。そして、代替食と、それから中学校では対応食のことも進めていただき、本当にありがたいことに、これまでとてもたくさんの子が食べられるようになって、そういうことを進めてこられているので、本当にありがたいと思っております。全部が食べられない児童生徒は、そういう中だからこそ、また減ってきている状況にあります。
100人の見込みで終わらせるのではなく、必要な児童生徒に行き届くよう、無償化の対応としてさらなる検討を重ね、充実を図っていただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
また、プロジェクトに係る経費については当初予算では計上していないが、現行予算の範囲内で対応したとの御答弁でした。そもそも計画にないプロジェクトメンバーは7人で、有識者を集められ、既成概念にとらわれない幅広い意見やアイデアを聞くための意見交換を2度の会議でされています。当然経費が発生しています。検討したことがしっかりと子どもたちのために反映されていかなければいけないと考えます。今後については、栄養教諭や給食現場との協議を行いながら、教育委員会としての取組内容を検討し、給食の質の向上に生かしていきたいとのことでした。給食調理業務や食器の洗浄等についても、民間委託が進んできていることを私は懸念をしています。子どもたちにとっての大事な食育を担う部分を現業の方々が培ってきたことはとても大きな財産となっていること、これは質の向上にとって、とても重要な要素だと考えます。公としての財産を失わず、質の向上につながるよう、ぜひ計画的なプロジェクトの取組を責任を持ってされることを望みます。
また、栄養価に関しては、これまでも献立作成時に基準を満たすようにしているため、プロジェクトにおける検討には含まないとの御答弁でした。日々著しい成長を続ける子どもたちにとって、また、子どもの貧困が叫ばれ、子ども食堂が各地に増える中、栄養価を見ることは重要な観点であると考えます。基準として国は示してはいますが、福岡市に暮らす子どもたちの置かれた状態をきめ細やかに見て、校区単位で対応を図っていく必要があります。この点が、学校給食で補えるよう検討を重ねる必要があることを指摘いたします。子ども食堂が必要となるような社会を改善すべきことこそ本来あるべき政治の在り方だとも考えます。
そして、様々な事情を抱えている不登校児童生徒への対応としては、不登校の児童生徒が通級する教育支援センターで、給食に準ずるような食事を新たに提供するための準備を進めるとの御答弁でした。通級していない児童生徒もいます。全ての子どもたちへの対応を求めるところですが、ぜひ、センターにおいては早急に進められることをお願いいたします。
そして、さらに夜間中学校である福岡きぼう中学校では給食の実施ができない状況があるため、給食の提供は現状ではされていませんが、働きながら義務教育を受ける方々です。給食費無償化の推進として、対応を併せて検討することも重要だと考えます。
また、不登校の児童生徒及び保護者への支援については、引き続き国の動向等を注視していくとのことでした。アレルギーでお弁当を持っていくことで人と違う状況の中、いじめを受けてしまうこともあります。様々な要因が重なって不登校になってしまう可能性も高くなりがちです。午前中の質疑でも取り上げられていましたが、宗教上の理由がある方たちも含めて、原因が何であれ、体の状態に合った食の重要性、それと思春期の心の状態の変化に寄り添う意味もあり、保護者の方々も試行錯誤で子育てに奮闘されている状態です。給食費無償化と物価高騰の対策等によって除外されてしまう状況をつくらない、誰一人取り残さない取組でなければと考えます。
また、小学校における主要18品目の市内産農作物利用割合が昨年度で26.5%とのことでした。中学校はセンター方式のため、地産地消度が上がりにくい状態です。さらなる工夫を重ね、市内の農家さんたちとつながって、地産地消を上げることが必要と考えます。
また、福岡市の学校給食は1日の食数が非常に多くて、大量かつ安定的に食材を調達する必要があるため、無農薬等の食材の使用は困難で今後の検討課題と考えるとの御答弁でした。12万食同じメニューをするのではなく、分けて作られています。そして、工夫をできるだけしていただきたいと考えます。
食べることは生きることです。命をつなぐ、そして育み、生きるための食ですが、これは社会の中の経済活動でもあります。学校給食のみならず、市民にとって心身ともに健全な営みのできる大本の食を大切にして、食養生で健康と医療、環境、食糧、農業などの問題解決の観点を持つことが重要と考えます。
次代を担う子どもたちの命を預かる学校です。ハンディや疾患等がない子どもたちの姿を見ていても、全ての子どもたちが健やかに成長できることを願うばかりです。
質疑の最後に、給食費無償化の取組とプロジェクトによる推進を通じて、安心、安全の推進、農業をはじめとする第一次産業の振興、格差社会への経済対策としてのつながりを重視した検討を深めることが重要と考えますが、御所見をお伺いし、私の質疑を終わります。
○副議長(尾花康広) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 教育費についてお答えいたします。
アレルギー等の対応につきましては、教育委員会として医師の診断に基づく学校生活管理指導表を基に給食に配慮が必要な児童生徒の実態を把握しており、今回、アレルギー等の身体的事情により給食の全てを停止している児童生徒の保護者に給付することといたしております。アレルギーの対応についても、引き続き無償化に関する国の動向等を注視してまいります。
最後に、学校給食につきましては、給食費無償化後においても、郷土料理や行事食などの多様な献立の提供や市内産農水産物の利用拡大に努め、地産地消を推進するなど、給食の質の維持向上を図り、引き続き安全で安心な給食を安定的に提供してまいります。以上です。
○副議長(尾花康広) 以上で質疑を終結いたします。
ただいま議題となっております議案中、議案第168号ないし議案第187号、以上20件は、お手元に配付の議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
この際、お諮りいたします。
議案第145号ないし議案第167号、以上23件については、59人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(尾花康広) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
お諮りいたします。
ただいま設置されました決算特別委員会の委員の選任については、本市議会議員のうち、監査委員2人を除く59人を指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(尾花康広) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
以上で本日の日程は終了いたしました。
次の会議は明4日午前10時に開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午後1時39分 散会