令和7年6月12日(木)
令 和 7 年 第 3 回 福 岡 市 議 会 定 例 会
議 事 日 程 (第3号)
6月12日 午前10時開議
第1 一 般 質 問
本日の会議に付した事件
議事日程のとおり
出 席 議 員 (61名)
1番 おばた 英 達 2番 もろくま英 文
3番 淀 川 幸二郎 4番 稲 員 稔 夫
5番 鬼 塚 昌 宏 6番 堤 田 寛
7番 大 森 一 馬 8番 大 原 弥寿男
9番 今 林ひであき 10番 阿 部 真之助
11番 打 越 基 安 12番 堤 健太郎
13番 坂 口よしまさ 14番 新 開 ゆうじ
15番 とみながひろゆき 16番 田 原 香代子
17番 たのかしら知行 18番 石 本 優 子
19番 勝 山 信 吾 20番 調 崇 史
21番 川 上 陽 平 22番 津 田 信太郎
23番 古 川 清 文 24番 高 木 勝 利
25番 篠 原 達 也 26番 平 畑 雅 博
27番 伊 藤 嘉 人 28番 川 上 晋 平
29番 尾 花 康 広 30番 松 野 隆
31番 山 口 剛 司 32番 大 石 修 二
33番 木 村てつあき 34番 欠 員
35番 大 沢 めぐみ 36番 和 田あきひこ
37番 あ べ ひでき 38番 綿 貫 康 代
39番 前 野 真実子 40番 中 島まさひろ
41番 藤 野 哲 司 42番 新 村 まさる
43番 天 野 こ う 44番 堀 内 徹 夫
45番 森 あやこ 46番 福 田 まもる
47番 はしだ 和 義 48番 浜 崎 太 郎
49番 阿 部 正 剛 50番 倉 元 達 朗
51番 中 山 郁 美 52番 川 口 浩
53番 小 竹 り か 54番 勝 見 美 代
55番 井 上 ま い 56番 ついちはら陽子
57番 田 中 たかし 58番 山 田 ゆみこ
59番 近 藤 里 美 60番 落 石 俊 則
61番 田 中しんすけ 62番 池 田 良 子
欠 席 議 員 (0名)
説明のため出席した者
市 長 島 宗一郎 副 市 長 光 山 裕 朗
副 市 長 中 村 英 一 副 市 長 荒 瀬 泰 子
水道事業管理者 中 村 健 児 交通事業管理者 小野田 勝 則
総 務 企 画 局 長 龍 靖 則 財 政 局 長 中 村 剛 士
市 民 局 長 舟 越 伸 一 こども未来局理事 村 上 洋 子
福 祉 局 長 藤 本 広 一 保 健 医 療 局 長 山 嶋 剛
環 境 局 長 藤 本 和 史 経済観光文化局長 吉 田 宏 幸
農 林 水 産 局 長 姉 川 雄 一 住宅都市みどり局長 町 田 一 彦
道路下水道局長 竹 廣 喜一郎 港 湾 空 港 局 長 鈴 木 順 也
消 防 局 長 牧 田 哲 治 会 計 管 理 者 小 林 登茂子
教 育 長 下 川 祥 二 教 育 委 員 原 志津子
選挙管理委員会事務局長 中川原 敬 子 人事委員会事務局長 上 薗 久 美
監 査 事 務 局 長 八 木 智 昭
職務のため出席した事務局職員
議会事務局長 久 田 章 浩 議会事務局次長 着 一 孝 議 事 課 長 水 ア 亮 二 議 事 係 長 實 政 伸一郎
外関係職員
午前10時 開議
○議長(打越基安) これより本日の会議を開きます。
日程第1、一般質問を行います。発言通告者のうちから順次質問を許します。あべひでき議員。
○37番(あべひでき)登壇 日本維新の会福岡市議団のあべひできです。本日は会派を代表し、子どもの水の事故を防ぐ取組について、国民健康保険の医療費適正化のさらなる推進について、以上2点について質問をさせていただきます。
まず、子どもの水の事故を防ぐ取組について質問いたします。
昨年、2024年もとても暑い夏だったことを皆様も記憶していることと思います。2024年の福岡市の猛暑日は39日で、過去最高を記録しているという状況です。そんな中、暑くなれば子どもたちは水遊びに行きたくなるもので、今年もたくさんの家族連れが夏休みなどに水遊びレジャーなどに出かけることと思われます。水遊びはもちろん楽しいものではありますが、一歩間違えば命を落とす可能性も秘めております。まだ記憶に新しいおととしの2023年7月21日、福岡県宮若市を流れる犬鳴川で、当時川遊びをしていた小学6年生の女子児童3人が溺れて亡くなるという事故もありました。このような事故を二度と起こさないようにするためにも、小中学校で水の事故を防ぐような教育環境の整備は必要です。
まず、本市の着衣泳をはじめ、水の事故を防ぐ取組に関してどのように考えておられるのか、お答えください。
以上で1問目を終了し、2問目以降は自席にて行います。
○議長(打越基安) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 小中学校の水泳の授業につきましては、水に親しむ楽しさや喜びを味わったり、泳法を身につけるとともに、水の事故を未然に防ぐ知識や技能を習得する学習を行っております。児童生徒の貴い命を守るために、水の事故から身を守り、安全を確保する学習は大変重要であると認識しております。以上です。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○37番(あべひでき) 本市として水の事故を防ぐことに関してしっかりと考えられていることが分かり、安心いたしました。
では、本市の水の事故を防ぐための取組として、具体的にどのようなものを行っているのか、お答えください。
○議長(打越基安) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 水の事故を防ぐための取組につきましては、大型連休前や夏季休暇前などに、必要に応じて各学校に注意喚起の通知文を発出し、各学校において児童生徒に指導しております。また、教育委員会主催の水泳学習実技研修会や日本赤十字社と共催の着衣泳体験指導講習を通して、水の事故を防ぐための安全指導の方法を教員に伝達しております。さらに、研修に参加した教員が、学んだ知識を生かして各学校で着衣泳を実施することについても、推奨しております。以上です。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○37番(あべひでき) 教員向けの講習などを経て、しっかり知識を得た上で着衣泳を実施されているということです。着衣泳はまさに、実際に日常生活の中で川に落ちた場合など実践に即しているものであり、非常に重要なものであると考えます。私も、小学校で経験した着衣泳がとても印象深く、浮いて待つことの重要性や服を着て泳ぐことがこんなに泳ぎづらいのかと、当時感じました。教員がしっかりと知識を得た上で、児童生徒が印象に残るような授業を行ってほしいと本当に思います。
では、着衣泳の本市の小中学校の実施率を直近のものでお示しください。
○議長(打越基安) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 令和6年度における着衣泳の実施率は小学校で88%、中学校で27%となっております。以上です。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○37番(あべひでき) 小学校では88%と、まだ比較的高い実施率ではありますが、中学校では27%と、行われていないところが多数あるようです。
中学校で特に実施率が低くなっておりますが、要因についてお答えください。
○議長(打越基安) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 中学校で着衣泳の実施率が低い要因につきましては、中学校での着衣泳は学習指導要領において、各学校の実態に応じて取り扱うことができるとの取扱いにとどまることと、実施後にプールの水が濁ってその復旧に時間を要し、その後の水泳の授業に支障を来すことから、実施率が低くなっているものと考えております。なお、安全指導については座学を中心に行っております。以上です。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○37番(あべひでき) 着衣泳後は水が汚れたり、時間調整等の難しさからなかなか行うことができていないというのは、一定の理解はできます。それもあって、現在、中学校では座学が主体で教えているとのことですが、中学校ではより身体的に大人になり、できることが増え、危ない遊びなどをしてしまう生徒もいると思います。また、小学校では、中学校に比べ高い実施率で行っていただいておりますが、それでもまだ100%ではありません。
本市で育った子どもたち全員が1回は着衣泳を体験しているという状態を目指して、ぜひとも教育委員会として主導してほしいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 児童生徒が水の事故から自らの命を守ることができるようになることは大変重要であると考えております。今後とも、水泳学習の中で、水の事故を未然に防ぐ知識や技能を習得させるとともに、小中学校9年間の中で1回は着衣泳を体験できるように、各学校に対して実施を推奨してまいります。以上です。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○37番(あべひでき) 本市として、9年間のうち1回は着衣泳が体験できるように、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。また、授業の質の向上についても、併せてお願いできたらと思います。香川県教育委員会では、子どもたちの水難事故防止に向けて、県内関係機関、団体と連携し、ライフジャケットの必要性や使用方法等を体験的に学ぶことができる機会を提供するために、様々な取組を行っています。ライフジャケットの貸出しやライフジャケットを活用した水泳授業の実施、親子体験教室や教員への研修等を活用し、子どもたちがライフジャケットの必要性や使用方法を理解して、生涯にわたって水辺で安全に楽しく活動できることを目指し、取り組んでいます。ライフジャケットは、日常生活の中ではもちろん、使う場面というのはほとんどないとは思いますが、あるのとないのでは全然違うということを実感したり、1回使ってみるという経験を持つことは非常に有用であり、記憶にも残るだろうなと思います。あくまで一例ですが、より工夫して子どもたちの記憶に残るような授業を行っていただくことを併せて要望いたしまして、1問目の質問を終わります。
次に、国民健康保険の医療費適正化のさらなる推進について質問いたします。
医療費適正化はどんどん少子・高齢化によって財政が厳しくなっていく中で、まさに必要不可欠なものです。令和6年度国民健康保険事業特別会計では、予算ベースで一般会計から197億円繰入れており、医療費適正化は保険料負担を少しでも軽減するためにも待ったなしであると考えます。
ではまず、福岡市国民健康保険の医療費適正化に向けて作成されている計画はあるのか、お答えください。
○議長(打越基安) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 福岡市では、令和6年度から11年度までを実施期間とする、第3期福岡市国民健康保険医療費適正化計画を令和6年3月に策定しております。以上です。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○37番(あべひでき) 福岡市国民健康保険医療費適正化計画が策定されているとのことで、様々、分析と施策が行われているものと思います。
では、本市の国民健康保険医療費適正化についての基本的な考え方をお示しください。
○議長(打越基安) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 効率的、効果的な保健事業及び給付適正化事業を実施することにより、被保険者の健康の保持増進及び医療費の適正化を図ることとしております。以上です。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○37番(あべひでき) では、本市の医療費適正化計画内における健康課題の認識と、具体的にどのような施策に取り組まれているのか、お答えください。
○議長(打越基安) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 悪性新生物や循環器疾患、人工透析に至る慢性腎臓病などの生活習慣病と関連のある疾患に係る医療費の割合が高いことなどを課題と認識しておりまして、健診結果やレセプトデータを基に、必要な方に生活習慣に関する保健指導や医療機関への受診勧奨を行う保健事業を実施しております。以上です。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○37番(あべひでき) 各種健診、保健指導や受診勧奨を行う保健事業など、様々な施策で医療費適正化に取り組まれており、ありがたく感じます。今回はその中で生活習慣病のための健診であり、大変重要なものである特定健診について少し深掘りして聞いていきたいと思います。
そこで改めて、特定健診の目的と受診の際の検査項目についてお答えください。
○議長(打越基安) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 特定健診につきましては、生活習慣病の発症や重症化を予防することを目的として、国が定めた基本的な項目である、身長、体重、腹囲、血圧測定、尿検査、肝機能や代謝に関する血液検査に加えて、より健診の質を上げるために、全受診者にeGFRなどの腎機能や血色素測定などの貧血に関する血液検査、循環器機能を確認する心電図検査の項目を追加して実施しております。以上です。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○37番(あべひでき) 様々な介護や重症化の原因となっているものの一つは生活習慣病です。生活習慣病の予防を目的とする特定健診に関しては、様々な医療費適正化の肝となる部分であり、非常に重要なものであると認識しております。本市の特定健診では様々な検査が行われるとともに、独自に腎機能や貧血に関する血液検査、心電図検査を全受診者に行っていただいているとのことです。特に心電図検査は重大な不整脈を検出できることもしばしばあり、本当に大事な検査ですので、実施していただいてありがたい限りです。ただ、特定健診でせっかく様々な検査をしていても受診率が上がらなくては意味がありません。
では、本市の特定健診の最新の受診率のデータをお示しください。あわせて、全国平均、福岡県、政令市の平均の最新のデータも併せてお示しください。
○議長(打越基安) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 厚生労働省が公表している直近の令和5年度の数値で申し上げますと、福岡市が28.3%、政令市平均が30.4%、福岡県が35.1%、全国平均が38.2%となっております。以上です。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○37番(あべひでき) 本市では、特定健診の受診率が他の平均よりも低いという現状があります。
これは何としても改善すべきであり、特定健診の重要性を市民の方に知ってもらい、意識変容を行っていかなくてはいけないと思います。
もちろん、本市としても様々な施策に取り組んでいただいていることと思いますが、特定健診の受診率を高めるために行われている取組についてお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 被保険者に毎年受診する意識づけを行うことが重要と認識しておりますことから、特定健診を受診したことがある方には、過去の受診時期に合わせて受診勧奨文書を送付し、受診したことがない方には、その方の生活習慣病のリスクなどに応じた受診勧奨文書を送付しております。また、いずれの文書にも、健診の予約方法の説明に加え、集団健診のウェブ予約が可能な健診専用サイト、けんしんナビの二次元コードを付し、簡単に予約できるようにしております。さらに、医療機関からも、特定健診の受診勧奨をしていただくよう協力依頼を行っているところでございます。今後とも、あらゆる機会を通じて啓発を行い、受診率の向上に努めてまいります。以上です。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○37番(あべひでき) 受診歴の有無など対象者の特性に合わせて対応したり、医療機関に協力依頼をしていただいており、ありがたく思います。ただ、実際に特定健診の受診率はまだまだ低い状況ではあると思いますので、効果検証をしっかり行い、ターゲットにしっかりアプローチして、受診率向上につなげていただきたいと思います。また、やはり、受診し、検査に一定の所見がある方をいかに医療機関の受診につなげられるかも非常に重要です。
本市では、検査で一定の所見があったにもかかわらず、受診をしていない方に対する受診勧奨としてどのような事業を行っていますでしょうか、具体的にお示しください。
○議長(打越基安) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 医療機関への受診が必要にもかかわらず受診をしていない方に対しては、生活習慣病重症化予防事業といたしまして、受診勧奨文書を送付しております。以上です。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○37番(あべひでき) 文書を送付されているとのことですが、では、本市から文書を送付された後も受診されていない方に受診を促すアプローチについて、具体的にどのような方法を取られているのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 具体的には、受診勧奨を行った対象者のうち、検査値による疾患リスクが高い方や疾患リスクが重複している方など、優先度の高い対象者に対して、保健師や栄養士など専門職からの電話や訪問による保健指導及び医療機関への受診勧奨を実施しております。また、令和7年度からは、前年度に保健指導を行った方のうち、医療機関の受診や健診の継続受診につながっていない方にも、文書の送付や電話などによる受診勧奨等を実施する予定としております。以上です。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○37番(あべひでき) 文書送付後、受診されていない方に対しても、優先度の高い対象者について電話や訪問による保健指導や医療機関への受診勧奨を行われており、令和7年度からはさらに未受診者を追ってフォローされるとのことで、しっかり実践的に受診まで結びつける努力をしていただいていると思います。しかし、私はまだまだ医療費適正化のために行える取組はあるのではないかと考えます。
ここで他都市の取組を1つ紹介したいのですが、その前に、専門的なことも少し含みますので、基礎知識として説明をさせていただきたいと思います。少し分かりやすく図にまとめました。
図1を投影お願いします。(資料投影)すみません、大分図が小さいんですけれども、皆様、心房細動という疾患を御存じでしょうか。心房細動という疾患は、心臓の中の心房と呼ばれる心臓内の部屋がけいれんし、うまく働かなくなってしまう不整脈の一種です。心房細動にかかると、動悸、めまい、脱力感、胸の不快感、息苦しさといった症状が出ることもありますが、自覚症状がない方も少なくありません。心房細動は、このように心臓の中に血栓を形成し、脳梗塞の原因となります。
図2を投影お願いします。(資料投影)しかも、この脳梗塞は心原性脳塞栓症といい、脳梗塞の中でも症状が激烈で重症例が多く、高度の半身麻痺等の症状も決して少なくありません。また、脳梗塞全体の約30%を占めて数も少なくない疾患です。この疾患は、大半が心房細動が原因とされております。
図の3を投影お願いします。(資料投影)少し古いデータですが、2001年8月から2006年6月までに九州医療センターに入院した心房細動を伴う発症7日以内の急性脳梗塞の方236例を検討したデータでは、約4割が重症の後遺症が残ったとの報告もあります。投影を終了してください。
ここまでをまとめると、心房細動から引き起こされる脳梗塞は重篤な後遺症を残す可能性が高いということが分かります。
図4を投影お願いします。(資料投影)この心房細動に関しては、発症前の早期診断と、早期から抗凝固薬と言われる血液をさらさらにする薬を服用することで、脳梗塞の発症を大幅に減少できると言われており、いかに心房細動を早期に診断するかが鍵となっております。しかし、心房細動患者全員に薬を投与するというわけではなく、このようにリスク因子を点数化し、1点以上の患者さんには血液をさらさらにする薬を投与することがガイドラインでも推奨されております。図でも分かるとおり、75歳以上の心房細動の方は無条件で薬の適用ということになります。
図5を投影お願いします。(資料投影)しかし、この心房細動に関しては、厄介なことに、発作性心房細動という普通の正常な脈と心房細動の脈とを行ったり来たりするような病態もあります。この場合、健診等で異常が引っかからないケースがあり、早期発見を阻害する要因となっている現状があります。投影を終了してください。
その前提を踏まえた上で、大分県臼杵市では、心房細動を早期に発見し治療につなげるために、65歳から74歳の、先ほど図で示した高血圧などの脳梗塞リスク保有者と75歳以上の後期高齢者を対象に、1週間連続して測定できるホルター心電計を装着してもらい、心房細動患者の早期発見と治療につなげています。
図の6を投影お願いします。(資料投影)この心電計はとても優秀で、医療の進歩により軽量化と防水機能を備えており、シャワーや半身浴も可能なものになっております。この心電計を1週間装着し連続で記録することで、健診では見つかりにくい発作性心房細動も検出でき、かかりつけ医や専門の病院の受診につなげています。投影を終了してください。
心原性脳塞栓症の発症に伴う治療費、介護費や医療従事者、介護従事者の人的負担、本人が元気でいた場合にもたらしたであろう社会的便益等を踏まえると、未然に防止することは、将来にかかる多額の費用を削減する効果が期待できます。さらに、この事業では内閣府の成果連動型民間委託契約方式推進交付金を活用しており、成果連動部分の2分の1を国の交付金で賄っております。このような交付金を活用することができれば、より少ない市の財政負担でチャレンジすることもできます。
このようなハイリスク患者を抽出し、心房細動を装着型心電図で検出し、後に発症する脳梗塞を予防するというような取組は、様々な将来的な費用削減の観点からも非常に有用かと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 臼杵市が公表している事例など、健康関連事業の実施には、各自治体において地域の特性などに応じた様々な工夫をしておられると認識しておりますが、福岡市におきましては、従来から心電図検査を全ての特定健診受診者に実施しており、リスクのある方は医療機関において精密検査や治療につなげていただくよう依頼しているところです。引き続き、被保険者に、効率的、効果的にアプローチする生活習慣病重症化予防事業に取り組み、適切な受診勧奨に努めてまいります。以上です。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○37番(あべひでき) なかなか、全国でもほとんどやられていないような事業を行うことはハードルが高いとは思いますし、本市としても様々やられてこられたことはすごく評価いたします。ただ、今後、このままいけば高齢者も増加していく中で、医療費の増加は絶対に避けられません。そして、医療費適正化として特定健診の受診率を上げる等の、言ってしまえば普通の施策を行い続けることで何とかなるのかというのは、医療の世界の中にいた自分も不安を覚えるところです。もちろん、国においてしっかり大枠はやるべきだし、本市としてやるにしても予算を使い行うことなので、医学的エビデンスに基づいた上で、関係団体等の協力体制の構築は必須であると思いますが、市民の健康寿命を延ばし、医療費負担等を軽減するために、今回紹介した事例のように、蓄積データから分析し、積極的に疾患の発症を未然に防止し、将来の負担軽減に取り組んでいただきたいと切に思います。
また、調べていく中で私が最も重要だと思うポイントの一つは、患者自身の危機意識であると思います。例えば、本市では独自に心電図検査を実施していると思いますが、心電図は心房細動などの危険な不整脈を検出できるとても有用な検査です。なかなか心電図を日常の中で測る機会もないと思いますので、そこで心房細動等が見つかった人は、しっかりかかりつけ医の受診につなげてほしいと思います。しかし、これは私自身、医療従事者であることのバイアスがかかっており、やはり市民の方に同じレベルでの危機意識を持っていただくことは難しいと思いますし、心電図検査というものの重要性、その不整脈の怖さを知らないから深刻に考えない人が一定数出てきてしまうのではないかというふうに考えます。
現在も、工夫を凝らして様々行っていることは重々承知ですが、せっかく健診の場で検査をしていただいているので、検査で異常が見つかった方には確実に医療機関の受診につなげてもらうように、疾患、検査の概要の周知を特にしっかり行った上で、さらなる積極的な受診勧奨、フォローを行っていただきたいと思います。また、先ほど紹介した発作性心房細動のように、心電図で異常がない人でも、基礎疾患があったり、年齢が高い人などは脳梗塞のリスクがあったりしますので、そのような人には受診を別で促すなど、送付する文書の工夫を行ったり、疾患自体の啓発を行い、少しでも受診して早期治療開始できる人が増えるように広報していただくよう要望いたします。
最後に、私は、我が国が2007年に超高齢社会となって既に18年、今後も老齢人口割合が増えて医療費が増加していくことが予想されていく中で、先ほど紹介した心電計で未然に脳梗塞等の発症を防ぐ取組や特定健診の受診率向上等を含めた様々な医療費適正化の取組は非常に重要なものであると考えております。寝たきりになるのを防ぐことは周囲の介護や医療人材、資源の負担を軽減し、そして何より健康寿命の延伸につながります。健康寿命を延伸された方が、より長く地域や本市で活躍されたりすることもあるでしょう。それはまさしく本市の財産となります。
本市では、様々な事業において医療費適正化に向けて取り組まれており、ありがたいと感じますが、まだまだ足りていない部分もあるように感じます。国民健康保険財政の健全化のためにも、一層、医療費適正化に本市として取り組んでいただきたいと考えますが、最後に、荒瀬副市長に意気込みをお伺いし、私の質問を終わります。
○議長(打越基安) 荒瀬副市長。
○副市長(荒瀬泰子) 福岡市も超高齢社会を迎えており、福岡市国民健康保険事業におきましても、1人当たりの医療費が年々増加している状況で、医療費適正化は財政健全化の観点からも、非常に重要な課題だと認識をしております。福岡市国民健康保険の医療費は、悪性新生物、議員から御指摘のありました循環器系等の生活習慣病、糖尿病などによる人工透析に至る慢性腎臓病が上位を占めており、今後は、がんの予防や早期発見、特定健診の受診率向上、人工透析を引き起こす糖尿病の重症化予防に特に力を入れてまいります。また、令和2年度からは九州大学公衆衛生学と連携し、福岡市民の医療や健康等に関するビッグデータの解析を進めており、国民健康保険事業におきましても、そのエビデンスやデータを活用しながら、効果的な医療費適正化にしっかりと取り組んでまいります。以上です。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代)登壇 私は日本共産党市議団を代表して、保育士不足について、熱中症対策について、不登校児童生徒の保護者支援について、西鉄バスの減便、路線廃止とコミュニティバスについて質問をいたします。
初めに、保育士不足についてです。こども家庭庁が公表している保育士の有効求人倍率は、2024年6月1日で、保育士は3.54倍と、全職種平均1.35倍に比べて3倍近い状況です。保育現場から保育士がそろわない、産休や病休の代替保育士が見つからないなどの声が日常的に聞かれます。
お尋ねしますが、本市も保育士不足が深刻な状態だと思いますが、御所見を伺います。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○議長(打越基安) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 近年、福岡市においても保育士の有効求人倍率は高い水準で推移しており、引き続き保育士確保策についてしっかりと取り組む必要があると認識しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 認められました。東区の幾つかの保育所に人材確保について伺ったところ、ある保育所は、正規職員2人を雇うために、200万円を人材紹介業者に支払った。また、別の保育所は、昨年、1名の正規雇用に120万円の紹介料を払った。数年前には、4人の紹介料を支払い雇用したが、1年後在籍しているのは1人だけということもあったとのことです。保育所が人材確保に努力しても応募がない場合に、苦肉の策として多額の紹介料を支払うという異常な事態です。
お尋ねしますが、民間の人材紹介業者への紹介料が保育所の運営費を圧迫していると思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 一部の保育所等において人材紹介業者を頻繁に活用し、保育所等の運営費から多額の紹介料が支出されていることは課題と認識しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 否定をされませんでした。聞くところによると、紹介料は保育士の年収の25%から30%を支払うことが常態化しています。保育の実施責任は自治体にありますので、このような事態を放置するわけにはいきません。まさに、自治体の責任が問われる問題です。
お尋ねしますが、本市は福岡市保育士・保育所支援センターを開設し、保育士のあっせんを行っているということですが、その役割はどういうものなのか、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 保育士・保育所支援センターは、保育士や子育て支援員のための無料の職業紹介所であり、就職相談員として、保育士資格を持つ保育所勤務経験者を配置し、保育所で働きたい求職者と求人を行う保育施設のニーズを聞き取った上で就職をあっせんしております。また、職業に関する相談や潜在保育士向けの就職支援研修会、ハローワークへの出張相談なども実施しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) では、センターへの求人数に対し、求職者の登録数と、マッチングに成功した実績はどれぐらいですか、直近の数字をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 保育士・保育所支援センターの令和6年度の求人数は619件、求職登録数は227人、マッチング成立は83件となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 求人数619人に対してマッチングの実績が83人とのことです。
お尋ねしますが、求人に対してマッチングの実績がこのように少ないのはなぜなのか、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 就労の時期や場所など、求職者が希望する様々な条件と求人の内容が一致しなかったことや求職者の多くは保育士・保育所支援センターのほか、ハローワークや民間の人材紹介業者など複数の機関に登録しており、センターから求職者に連絡した際、既に就労先が決まっているケースもございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) では、求職登録者数が227人と、求人数の半分にも満たない状況なのですが、なぜなのか、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 保育士・保育所支援センターは、主に潜在保育士等の就労支援を行うことを目的に平成25年に設置したものでございますが、復職を希望する潜在保育士の就労が一定程度進んだことも理由の一つではないかと考えております。
なお、近年、多くの産業分野において人材不足は顕著となっており、保育分野においても、全国的に有効求人倍率は高い水準で推移していると認識しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) いろいろ言われましたけれども、こども未来局によりますと、本市に潜在保育士の数が約1万5,000人ほどいると推計されています。僅か227人の登録とは、あまりにも少な過ぎると思います。2022年の東京都の調査によると、保育士の資格を有しているけれども、保育士以外の仕事をしている人の保育現場に戻ろうとするときに求める条件は、勤務時間が73.8%で最も多く、次いで給与等が69%となっています。
お尋ねしますが、求職登録者数とマッチングの実績が低いのは、労働時間の長さや給与の低さが原因ではないかと思いますけれども、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 求職者が少ない理由等につきましては、潜在保育士の復職が進んだことや多くの産業分野において人材不足の状況であることのほか、就労環境や負担感など、様々な要因があるものと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 否定されますけれども、しかし紹介業者を介して就職すると、お祝い金10万円というインセンティブがあります。横浜市では、潜在保育士等への就労奨励金交付事業としてかながわ保育士・保育所支援センターを通じて横浜市内の私立保育・教育施設に就職すると、保育士個人が5万円の奨励金を受けられるという制度をつくっています。本市にはこのようなものが何もありません。
お尋ねしますが、保育士の手取りが増える仕組みをつくらないと保育士は集まらないと思いますが、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 福岡市では独自に、初任給調整や勤続手当の助成、家賃や奨学金の返済支援などを行っているほか、継続して国に処遇改善を要望しており、その結果、昨年度は公定価格が10.7%増額されるなどの改善が図られているところでございます。引き続き保育士の処遇改善に努めるとともに、国に対してしっかりと要望を行ってまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) ぜひ検討を求めます。給与と共に、もう1つ求められているものが労働時間についてです。本市で働く1歳児の担任の保育士さんは、昼休みを取るよう言われるが、午睡の時間は一人一人3分置きに呼吸しているか見て回らなければならず、昼休みは取れない、実務をするのは保育時間の後だからどうしても残業になると、苛酷な実態を私に話してくださいました。ほとんどの保育士さんがこのような状態に置かれています。
伺いますが、8時間労働の遵守を行わないと、求職登録者数もマッチングの実績も伸びないと思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 保育士の業務負担の軽減のため、ICT機器の導入支援により事務の効率化を進めるとともに、保育帳簿の様式を見直し、簡素化を図ってきたところでございます。さらに、令和5年度からは保育現場の魅力向上支援事業として、社会保険労務士の個別訪問による働き方改革に係る支援や業務改善をテーマとした研修などを実施してきたところであり、引き続き、働きやすい労働環境の整備に努めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 実態が変わらないんですよね。あくまで認められませんけれども、給与や労働時間の改善を放置すれば、潜在保育士は戻ってこないと現場からも切実な訴えが上がっています。本市は市独自に家賃補助や奨学金支援などをやってきていると言いますけれども、保育士不足の解消はなされていません。正規にだけとか、借家住まいだけなど、あれこれ条件をつけた上で一部に支給するやり方では、現場に格差や分断が生まれ、悪循環に陥っています。今やるべきは全体を底上げする賃上げであり、それにより人が集まり、労働時間の短縮につながり、現場に余裕が生まれ、保育の質も高まっていくという好循環をつくることです。
そこでお尋ねしますが、保育士不足の解消のために手取りを増やし、8時間の労働時間を守らせるために、国に公定価格の引上げを求めるとともに、引上げられるまでの間は、市の独自施策で賃金の底上げを図るべきと思いますが、市長の答弁を求めます。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 誰もが安心して子どもを産み育てられる環境をつくるため、保育の質の向上は大変重要であり、福岡市独自に職員雇用に関する助成をはじめ、保育士の負担軽減策や処遇の改善策など様々な支援を実施しますとともに、国に対して必要な要望を行ってきたところでございます。
今後とも、次代を担う子どもたちが健やかに成長していけるように、保育の質の向上に取り組んでまいります。以上です。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 一部の対象に限定した加算ではなくて、職員全体の給与の底上げができるような改善が欠かせないこと、これを重ねて求めておきます。
次に、熱中症対策について質問します。
今年の暑さの予測について、日本気象協会によると、6月、7月は全国的に平均より高く、九州地方は6月には九州全域が警戒、7月には厳重警戒と予想されています。このような中、熱中症対策は焦眉の課題です。
お尋ねしますが、本市の熱中症対策はどうなっていますか、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 藤本環境局長。
○環境局長(藤本和史) 福岡市では市民の熱中症による健康被害を防止することを目的として、暑さ指数の情報発信や予防行動の啓発を実施するとともに、公共施設や民間施設を涼みどころとして御活用いただけるクールシェアふくおかなどを実施しております。以上です。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) クールシェアリングは私たちも求めてきたんですけれども、それ以外、具体的な支援がほとんどない状況です。生活保護世帯へのエアコン設置については大きな市民運動により、2018年4月以降に生活保護を利用し始めた世帯には、国の通知により、家具什器費の名目でエアコン設置費用が支給されています。しかし、それ以前から生活保護を利用していた世帯にはその手だてがいまだありません。
そこで伺いますが、直近の生活保護受給世帯のうちエアコン未設置世帯は何世帯なのか、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 生活保護受給世帯約3万4,000世帯のうち、冷房器具未設置の世帯数は令和7年4月末現在328世帯でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) いまだ328世帯も未設置の状況です。この問題を放置していては命は守れません。2018年以降の新規の保護世帯にはエアコン設置費を出しているのに、それ以前の方に出さない差別的なやり方はやめるべきです。社会福祉協議会への借入れを進めることもあるようですが、そもそも生活保護世帯に借金を負わせるのかということです。
お尋ねしますが、生活保護世帯の未設置世帯にはエアコン設置できるよう補助制度をつくるべきではありませんか、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 冷房器具の購入費用を含め、生活保護制度は、国において一定の基準を定め実施されているものでございますので、今後も国の動向を注視してまいります。冷房器具の購入につきましては、保護費のやりくりによって計画的に購入いただくよう、適宜助言を行うとともに、やりくりが難しい場合には貸付け制度の紹介や申請のサポートを行っているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) それが実態に合っていないというんです。他都市では国の支援の要件が厳しいことから、全国でエアコン購入支援自治体が広がっています。県内では芦屋町が高齢者のための熱中症対策として最大7万円を支給しますが、その対象は非課税世帯の高齢者世帯などです。
お尋ねしますが、このような自治体に倣って、対象を広げてエアコン購入支援を行うべきではありませんか、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 生活にお困りの世帯につきましては、生活自立支援センターなどにおいて生活全般に係る相談支援を行っているところであり、引き続きそれぞれの世帯の状況に応じて必要な支援を行ってまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 本当に命に関わる問題です。早急な検討を求めておきます。
次に、夏の電気代の補助についてです。電力量の使用状況は、福岡市統計調査2023年版で、過去5年間を比較すると、7月から9月は年間平均より約9%から15%上昇しています。現在はさらに物価高騰により電気代が値上がりしています。この時期の電気代負担は家計を圧迫していると思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 藤本環境局長。
○環境局長(藤本和史) 九州電力によりますと、福岡市内を担当する営業所管内における令和5年度の7月から9月の電力使用量は年平均と比較して1割程度増加しておりますが、御家庭での電気料金は、本年7月から、国の電気・ガス料金負担軽減支援事業により一定の負担軽減が図られると考えております。以上です。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 国が支援するからいいと言われますけれども、城南区の不動産会社を経営されている方から我が党に相談が寄せられました。各世帯にエアコンをつけているが、居住者が電気代が高過ぎて我慢して使っていない、非常に危険だとのことです。また、ほかの方からも、エアコンが故障しているが修理すると電気使用料が上がってしまうためそのままにしている、こういう声が寄せられています。パナソニック株式会社が、今夏のエアコン利用と節電、節約意識に関するアンケート調査を実施しています。「今夏エアコン利用を我慢したい」が49%にも上っており、ほかにも「電気料金値上げの負担を感じる」87%と、昨年より7%増えたとのことです。
お尋ねしますが、今年はさらなる物価高騰の中、低所得者層ほど電気代を理由にエアコンの使用を控えることが考えられますが、夏の暑いときに電気代を我慢したら、倒れる人や亡くなる人が続出するのではないかと思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 藤本環境局長。
○環境局長(藤本和史) 電気代が高くなることで、冷房の使用を控える人が出てくる可能性はございますが、熱中症による健康被害を防止するためにも、家庭で過ごす際はエアコン等の適切な使用と小まめな水分補給を呼びかけております。また、外出の際はクールシェアふくおかの協力施設をはじめとした涼しい施設の活用などにより、熱中症を予防していただきたいと考えております。以上です。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) それができないから求めるんですけれども、福岡医療団のふくおか健康友の会が緊急に行った熱中症アンケートによると、半数の方々が電気代の引下げを求めています。さらに、「電気代が気になるのでエアコンを入れない」方が13%にも上ります。節約のためにエアコンを使用しないと、まさに危険な状態なんです。さらに、本市の昨年の熱中症による救急搬送者数は過去最多の1,160人で、前年度の1.4倍となっています。電気代の引下げを求める声に応え、今年もさらに高まるであろう熱中症被害を食い止める施策を行うのが本市の役割です。
そこでお尋ねしますが、暑さから身を守るために電気代の支援を行うべきではないですか、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 藤本環境局長。
○環境局長(藤本和史) 電気代の支援につきましては、国の電気・ガス料金負担軽減支援事業により、暑くなる7月から9月において実施されるものと承知しております。以上です。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 実態を見ない冷たい答弁です。
次に、大変な苦境にさらされている生活保護世帯についてです。
安倍政権の2013年から2015年にかけて生活扶助費が6.5%から最大10%の引下げが強行され、利用世帯の9割に深刻な影響を与えています。単身での1世帯当たりの引下げが8万数千円あった方が7万円にまで減らされている。全国で明らかに生存権違反だとして裁判も戦われており、地裁でも高裁でも、生活費が足らないことを裁判所が断じる原告勝訴が敗訴を大きく上回っています。しかし、国は態度を改めておらず、生活保護世帯は困窮を極めています。生活保護世帯の生活を守るために可処分所得を引き上げることが必要です。
そこでお尋ねしますが、生活保護世帯の夏季見舞金を復活させ、併せて夏季加算の創設を国に求めるべきと思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 生活保護制度につきましては、国において一定の基準を定め実施されているものであり、見舞金の復活は考えておりませんが、夏季の加算については、福岡県市長会を通じて国への要望を行っているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 国には求めると。しかし、市独自の対策は拒否されています。災害級の暑さの中、エアコンを使用しなければ命に関わります。物価高騰でエアコンを購入することができない世帯も増え、通常より高い電気料金が生活を圧迫しています。さらに、生活保護世帯は国の生存権違反の施策により命が削られるような仕打ちを受けています。このようなときだからこそ、自治体が熱中症から市民を守る施策を行うべきです。
そこで、お尋ねします。市民が熱中症から身を守るために、エアコン設置補助、電気代支援を行い、生活保護世帯には夏季見舞金の復活を行い、国に夏季加算の創設を求めるべきと思いますが、市長の答弁を求めます。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 2024年の世界の平均気温は観測史上最高を記録するなど、加速する地球温暖化の影響によりまして、熱中症患者の増加が懸念されると認識をしています。福岡市では市民の熱中症による健康被害を防止することを目的として、暑さ指数の情報発信や予防行動の啓発の実施、涼しい施設で一休みできるクールシェアふくおかの推進などに取り組んでいるところでございます。
引き続き、官民連携して熱中症対策に取り組むとともに、生活保護制度での対応について国に要望してまいります。以上です。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) そんな姿勢では熱中症は増大しますよ、考え直すべきだと思います。
次に、不登校児童生徒の保護者支援についてです。
子どもの不登校は、これまで少なかった小学校低学年でも増えています。本市でも、2023年度で5,177人と過去最多です。不登校は子どものせいではありません。不登校の子どもの多くは、様々な理由で心が折れた状態にあります。学校や社会の中で違和感を抱え傷つき、我慢に我慢を重ねた末に登校できなくなります。心が傷つき心身ともに休息を求めています。子どもには安心して休む権利が保障されています。しかし、子どもが休むということになれば、保護者の働き方に影響が出てきます。
お尋ねしますが、本市の不登校児童生徒の保護者も、離職や正規から非正規への転換など影響が出ているのではないかと思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 不登校児童生徒の保護者に限らず、保護者の職業や正規、不正規雇用の実態については把握しておりません。以上です。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 実態をつかむべきです。5月18日付西日本新聞でも、退職、休職が合わせて2割、早退、遅刻や退職を考えるなど、仕事に影響が出ている保護者は7割に上ると報道されています。私自身も、娘が小学校2年生から中学生まで不登校になり、その間、フルタイムから非正規に仕事を変えました。また、同じ不登校児童を抱える方は、子どもさんの受診や家に1人残すのが難しく、正規雇用から非正規に変わり、なおかつ2つのアルバイトを掛け持ちしています。厚生労働省は、そういう人たちが使える制度がなかった介護休業制度について、今年1月に判断基準を見直し、高齢者だけでなく、障がい児や医療的ケア児の保護者や家族も利用できる旨を明示しました。基準見直しに関する厚生労働省の研究会報告書では、個々の事情に応じた適切な制度運用を求めています。
そこでお尋ねしますが、不登校の子を持つ本市の職員も介護休業制度を利用できると思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 介護休暇は、職員が、疾病などのため2週間以上の期間にわたり日常生活を営むのに支障がある要介護者の介護をする必要がある場合に取得できます。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) では、活用したケースがあるのか、御答弁を求めます。
○議長(打越基安) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 要介護者である子が不登校の状態にあることは介護休暇の取得要件ではないため、不登校の児童や生徒を子に持つ本市職員が介護休暇を活用した実績の有無については把握しておりません。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) ないとのことですけれども、不登校の子どもを持つ本市の職員に、この介護休暇制度を使える場合があることを伝えているのか、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 介護休暇制度の職員への周知については、制度改正の都度、取扱要領を職員向けに通知しているほか、仕事と介護の両立支援に係るハンドブックを作成し、家族の介護を行う職員に配付するなど、丁寧な周知を図っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 当事者が知らなければ活用はされません。介護休暇の運用マニュアルには、不登校でも要件に当てはまれば使えるなどとは記載していません。
そこでお尋ねしますが、介護休暇制度について、不登校児童生徒を持つ保護者でも、要件に当てはまれば活用できることを、補足資料を作ったり、職員のポータルサイトなどを使って周知すべきと思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 対象となる要介護者の要件を含め、引き続き制度周知に努めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) ぜひ、早急な周知を求めておきたいと思います。
次に、フリースクールへの支援についてです。
不登校児童生徒数が過去最高となる中、フリースクールは不登校の子どもを支える重要な場となっています。
お尋ねしますが、現在、本市でフリースクールに通っている人数は何人ですか。また、フリースクールの意義についての御所見を伺います。
○議長(打越基安) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) フリースクール等の民間施設に通所している児童生徒につきまして、学校が把握している人数は、令和7年1月時点で235人でございます。また、フリースクールでは、不登校児童生徒にとって、学校以外の学びの場や居場所として利用されているものと考えております。以上です。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 意義は否定されませんでした。これまで我が党は、フリースクールへの運営支援の補助を求めてきましたが、県がやっているからと本市は支援を行っていません。
そこでお尋ねしますが、フリースクールへの県の支援は年間どれぐらいですか、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 県の支援額と内容につきましては、フリースクール等、民間施設の設置者に対しまして支援額の上限を200万円とし、施設の活動のために支出する経費の一部を助成しております。以上です。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 私は、あるフリースクールにお話を伺ってきました。ここでは、職員は4人いて、そのうちのお一人の方の自宅を開放して運営されています。4人分の給与を賄うには、県の補助金と利用料だけでは足りず、全くの赤字で、寄附金などを募って運営をしています。不登校児童生徒の居場所としてなくてはならない選択肢の一つになっていますが、大変苦しい経営を強いられています。
お尋ねしますが、県の補助金では到底足らないと思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) フリースクール等、民間施設の個々の運営状況については把握しておりません。以上です。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 全く無責任な対応だと思いますし、答弁だと思います。このフリースクールの先生の給与は僅か15万円です。このような献身的な方々に支えられていますけれども、昨今の物価高騰もあり、このままだと継続できない状況になりかねません。
そこでお尋ねしますが、不登校の子どもの大事な居場所であるフリースクールが、受皿として継続、充実が図れるよう、本市も運営費の補助を行うべきではありませんか、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) フリースクールへの支援につきましては、福岡県が財政的な支援を実施しており、本市ではフリースクールに通う児童生徒に動画教材を提供するなどの連携を図っております。以上です。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 冷たい答弁です。さらにフリースクールだけではなく、通わせている保護者の経済的負担も大変です。昨年、教育委員会に、フリースクールにお子さんを通わせている保護者の皆さんが家計支援を求める要望を出されていると伺っています。
お尋ねしますが、その要望書はどういう内容だったのか、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) お尋ねの要望書につきましては、フリースクール等、利用者への支援を検討すること、学校内外の多様な学びの場、在り方を認め、充実するよう取り組むことを求める内容となっております。以上です。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 今の要望には、9,000人を大きく超える保護者の署名も添えられていたと聞いています。親の経済的負担の大きさや不登校離職などでフリースクールに通わせたくても通わせられない方も多く、切実な支援要求の表れです。県内では、大野城市、久留米市、古賀市でフリースクールの費用の保護者への支援が始まっています。大野城市では月額上限1万円で、利用料などなどを補助、古賀市では月額最大5,000円の補助、久留米市は、初めてフリースクールを利用したり別の場所に切替えた世帯に最大3万円を補助するとのことです。
お尋ねしますが、本市もフリースクールに通う世帯へ補助を行うべきではありませんか、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) フリースクールを利用している世帯への経済的支援につきましては、現在、保護者に対してフリースクールの授業料を助成している政令市はなく、福岡市では、令和6年度に教育支援センターの設置を拡大し、7年度には学びの多様化学校を開校するなど、不登校児童の学びの場の確保に取り組んでおります。以上です。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) そういう、論点をすり替えておられます。今、経済的支援を求めているんです。本市は、不登校支援として学びの多様化学校や適応指導教室などを整備していると言われましたけれども、それだけでは極めて不十分です。既存の学校に戻す発想からも抜け出さなければなりません。自主的に子どもたちの学ぶ権利を保障していただいている場であり、その役割を認め、経済的にも行政が支えるべきです。そして、学校に通えない子どもたちを一生懸命フリースクールに通わせている保護者は、不登校離職などで経済的にも困難に直面をしています。
そこでお伺いしますが、フリースクールに通う保護者への経済支援、また、フリースクールそのものの運営支援に踏み出すべきと思いますが、教育長に答弁を求めます。
○議長(打越基安) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 繰り返しになりますが、フリースクールへの支援につきましては、福岡県が財政的な支援を実施しており、本市ではフリースクールに通う児童生徒に動画教材を提供するなどの連携を図っております。また、保護者への経済的支援については、フリースクールの授業料を助成している政令市はなく、福岡市では、令和6年度に教育支援センターの設置を拡大し、7年度には学びの多様化学校を開校するなど、不登校児童の学びの場の確保に取り組んでおり、今後もその状況を踏まえながら、必要な支援の充実について進めてまいります。以上です。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 引き続き、早急に経済支援を求めていきます。
次に、西鉄バスの減便、路線廃止問題について質問します。
3月15日のダイヤ改正に伴い、香椎浜二丁目から天神方面に向かう下道の路線は23便がゼロになり、城浜団地から天神方面に向かう下道の路線も34便がゼロになるなど、3つの路線が廃止されています。
お尋ねしますが、今回の西鉄バスのダイヤ改正で、路線廃止や減便によって住民生活への影響が出ていますが、実態の把握はされておられますか、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 令和7年春の西鉄バスのダイヤ改正につきましては、このうち香椎浜、それから城浜団地周辺におきましては、博多駅方面への系統及び天神方面への都市高速系統の増便、天神方面への一般道系統の減便などがなされております。
今回のダイヤ改正について、市のほうには香椎浜、それから城山団地に関する御意見はいただいておりませんが、西鉄に確認したところ、天神方面に向かう一般道系統が減便となり、沿線の買物先に行きづらくなった、減便に伴い、最寄りバス停で利用したい時間帯にバスがなく、周辺のバス停まで行かなければならなくなったといった意見が寄せられたと聞いております。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 把握されておられるということです。香椎浜、城浜地域の方々から、3号線を通って買物や病院に向かう路線が乗換えしないといけなくなった。香椎浜団地に住む方は、25年前に交通の便がいいので越してきたとのことで、これではATMにも、地域交流センターであるなみきスクエアにも行けないと言っておられます。香椎浜四丁目のバス停を利用されていた方は、平日6時台に1本、7時台に3本、帰りの便はなくなり、診療所や眼科に通院する足を奪われた、陸の孤島だと困り果てています。
お尋ねしますが、日常生活に大きな影響が出ていると思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 博多駅方面への系統や天神方面への都市高速系統は増便されており、都心部へのアクセス性が向上する一方で、減便に伴い、バス路線沿線での買物利用などに御不便を感じられる場合もあると考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 重大さが分かっておられません。ほかにも、団地内に来ていた路線が廃止になり、通勤に利用していた方は20分も歩かなければならなくなったとのことです。
お尋ねしますが、通勤にも多大な支障が出ていると思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 朝夕など、特に通勤、通学の利用が多い時間帯は一定の便数が確保されていると西鉄から聞いております。一方で、減便に伴い、時間帯によっては周辺のバス停の御利用が必要となる場合もあると考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 年齢問わず大きな影響を与えていることを直視すべきです。とりわけ、城浜校区は65歳以上が57.7%と市内でも非常に高い高齢化率なのに、病院にタクシーを利用しなければならなくなるなど、経済的負担が増すことになります。
お尋ねしますが、西鉄が赤字を理由に、高齢化率の高い、最も公共交通を必要とする地域で減便したり路線を廃止することは許されないと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 今回のダイヤ改正におきましては、慢性的な運転手不足への対応を主な理由として、利用状況に応じた改正を行ったものと西鉄から聞いております。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 言い訳されますけれども、実態は交通空白地となったということなんです。国の定める交通政策基本法の10条では、「交通関連事業者及び交通施設管理者は、国又は地方公共団体が実施する交通に関する施策に協力するよう努めるものとする」とうたわれています。その下に、本市の生活交通条例では、「公共交通事業者は、人の移動の連続性を確保するよう努めなければならない」、「市は、公共交通空白地等に係る生活交通を確保するため、市民等及び公共交通事業者と相互に連携協力し、必要な支援を行うよう努めるものとする」とされて、空白地をつくらない、交通不便地には支援するものと掲げられているんです。
そこでお尋ねしますが、この交通政策基本法や本市の条例に照らして、西鉄は公共交通としての責任を果たしていないのではないかと思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) まず、生活交通条例におきまして、公共交通空白地につきましては、バス停からおおむね1キロ以上離れ、かつ、駅からおおむね1キロ以上離れた地域と定義されております。また、今回、西鉄からは、持続的に公共交通サービスを維持するため、一定の運転手不足の解消や労働負荷の低減を図る観点から、利用状況に応じたダイヤ改正を行ったものと聞いております。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) そういういろいろ言い訳をされるんですが、もうけを優先して住民の生活をないがしろにするやり方を許してしまえば、交通空白地がこれからもどんどん生まれるということになります。病院にも、買物にも、銀行にも行けなくなる。まさに命と健康に関わる問題です。本市は西鉄を指導すべきです。
お尋ねしますが、西鉄に対し、公共交通の責任として、3月15日のダイヤ改正で行われた路線廃止や減便を撤回し、路線や便数について充実させるよう求めるべきだと思いますが、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 郊外部の人口減少やバス利用者数の減少に加え、近年の運転手不足など、公共交通を取り巻く環境は厳しくなっており、バス路線の維持に課題が生じていると認識しております。バス交通につきましては、市民生活にとって重要な公共交通であり、地域の御利用によって支えられていることから、引き続き地域、交通事業者と共働して、公共交通ネットワークの維持に努めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 本市が関係ないというような態度は許されません。西鉄が公共交通の責任を果たさないのであれば、市がその責任を果たすべきだと思います。県内では、福岡市近郊の10の市や町が、自治体が支援するコミュニティバスを巡回させています。宗像市では、地域ごとにコースを分け、市内各地に公共交通が走っており、約1億円弱を自治体が負担しています。太宰府市1億4,000万円、須恵町4,300万円でコミュニティバスが巡回しています。さらに、利用者負担は100円から200円で、高齢者や障がい者は無料のところもあります。
お尋ねしますが、これらの自治体のように、本市においてもコミュニティバスを走らせるべきだと思いますが、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 各自治体におきましても、交通空白地の解消等に向け、それぞれの状況に応じた取組がなされているものと認識しております。福岡市では、バス路線の休廃止に伴い、公共交通空白地となる地域について、条例に基づき、休廃止対策として交通事業者に補助を行うことで代替交通を確保しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) コミュニティバスはやらないという姿勢に固執されます。本市では交通不便地における生活交通を確保する取組として、地域の自治会が関わるところではデマンド交通などを行い、それができない地域は事実上放置しています。このやり方から抜け出さないと、ほとんどの地域が交通不便地にされてしまいます。
したがって、住民には、市が市民の移動権を保障し、公共交通に責任を持つ上でも、西鉄に減便や路線廃止を撤回するよう要請するとともに、路線の減便や廃止により不便になった地域や交通不便地に、買物や通院、通学に気軽に低運賃で乗れるコミュニティバスを市の責任で運営することを市長に求め、私の質問を終わります。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市においても、今後高齢者が増加をしていく中、住み慣なれた地域で安心して暮らしていくためには、買物をはじめ、日々の生活を支える基盤づくりが重要になると考えています。
今後とも、地域の実情を踏まえながら、交通事業者と連携をし、バス路線の維持に取り組むとともに、条例に基づく休廃止対策や公共交通不便地等における支援の強化など、持続可能な生活交通の確保に取り組んでまいります。以上です。
○議長(打越基安) この際、暫時休憩いたします。
午後は1時10分に再開いたします。
午前11時10分 休憩
○副議長(松野 隆) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男)登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表して、違法建築や違法開発に対する本市の対応について、ユニバーサル都市・福岡における行政の片仮名語表記についての2項目を質問いたします。
まず、違法建築や違法開発に対する本市の対応についてお尋ねいたします。
2021年11月7日付、今から4年前の西日本新聞の1面と2面に、違法建築に関する記事が大きく掲載されていました。主見出しに、「違法建築九州に2500棟超」、袖見出しに、「防火や耐震不備 脅かされる安全」、「進まぬ自治体の指導や是正」とあり、識者は是正の制度の検証を進めるべきだと指摘すると記されていました。事例として、福岡県内のある住宅地に30年前にプレハブ工場が建設され、悪臭や騒音に悩まされ続けていることに対して、これまで行ってきた行政の対応と是正指導の難しさ、住民の行政に対する不満が掲載されていました。
私はこれまで、違法建築物に関する御相談を市民の方から幾つか受けてきました。一例を申し上げますと、いつの間にか山林が造成され、資材置場になりました。その後、徐々に工場としての機能増強が行われ、ついに大型プラントが設置され、本格稼働するようになった現在は、3メートルの狭隘道路を10トントラック等が頻繁に通行し、住民の生活が脅かされるようになりました。工場からの排水が農業用水路に流入して水質が心配されるなど、町内会から改善指導の要望が強く上がりました。市の担当部署と町内会、そして会社との話合いが何度か行われた結果、会社側が道路の一部を拡幅することになりました。しかしながら、是正指導が行われているものの、解決するまではあと数年以上かかるそうです。地元のAさんは、以前、町内会長をしていた頃から、規模が大きくなるたびに市に対して指導するよう要望してきたが、何も動きはなかった。ここ数年ようやく動き出したようだが、早く指導していただければ、このような大ごとになることはなかったのにと、市の対応の遅さを嘆いておられました。
そこで、違法建築や違法開発に対する本市の取組状況をお尋ねしてまいりたいと思います。
まず、建築や開発には主に建築基準法、そして都市計画法に基づいて行われていますが、そのそれぞれの法律は、いつ、何を目的として制定されたのか、お尋ねいたします。
以上で1問目を終わり、2問目は自席にて行います。よろしくお願いします。
○副議長(松野 隆) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 建築基準法につきましては、「建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資すること」を目的に昭和25年に制定されたものでございます。
また、現行の都市計画法は、「都市計画の内容及びその決定手続、都市計画制限、都市計画事業その他都市計画に関し必要な事項を定めることにより、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もつて国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与すること」を目的に昭和43年に制定されたものでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) 本市において、違法建築と違法開発は、令和2年度から令和6年度までの5年間でそれぞれ何件を把握しておられるか、お尋ねいたします。また、改善指導を行うことで何件改善されたのか、併せてお答えください。
○副議長(松野 隆) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 違反を覚知し、文書による違反指導を行った件数は、令和2年度248件、3年度194件、4年度183件、5年度154件、6年度132件でございます。
是正が完了した件数は、令和2年度106件、3年度83件、4年度74件、5年度65件、6年度50件でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) 本市が改善指導を行うようになって以降、指導に従わずに改善されないままになっている物件は現在何件あるのか、お尋ねいたします。また、指導を継続しているもの以外は全て是正が完了したのか、お伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 平成13年度にデータベース化した違反台帳に記載の5,540件のうち、令和6年度末時点で継続して指導を行っている件数は630件でございます。その他につきましては、移転や除却により是正が完了したもののほか、相応の措置を講じることで、改修時などに対応を求めているものなどがございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) 建築や開発について、山の中や農地など規制が多い市街化調整区域では、新たな建築物ができれば目に留まりやすい一方、市街地や住宅街になると、建築物が密集していたりして把握するのはなかなか難しいのではないかと思われます。特に雑居ビル等の違法改装等は外から見えないことから、違反件数はもっとあるのではないかと思われます。
そこで、違法建築や違法開発を、市はどのようにして把握しているのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 違反の覚知につきましては、定期的なパトロールや市民、消防局などからの情報提供のほか、増築や用途変更を行う際に建築主が自主的に申告する場合などがございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) 定期的にパトロールされているとのことですが、パトロールの方法や頻度についてお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) パトロールにつきましては、職員による定期パトロールを年6回程度実施しているほか、主に工事中の物件を対象とした市内全域の一斉パトロールを年1回実施しております。さらに、関係団体と合同で行う県下一斉パトロールを年1回実施しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) 違法建築や違法開発の物件について、どのような手法で改善指導が行われているのか、お答えください。
○副議長(松野 隆) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 違反建築物に対しては、まず、現地調査を実施し、所有者などの関係者へ聞き取りを行い、違反項目など現状の報告を求めております。その後、所有者などと事前協議を行い、是正に向けた計画書の提出を求め、是正工事に着手するよう指導をしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) 改めて、建築確認申請や開発申請を行うように指導はしないのでしょうか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 建築基準法第6条では、建築物を建築しようとする場合には、当該工事に着手する前に確認申請書を提出し、確認済証の交付を受けなければならないと定められているため、既に建築されている建築物については、改めての建築確認申請は行えないこととなっております。
開発許可申請につきましては、建物用途等が開発許可基準に合致するものは、改めて手続を行うよう指導しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) 既に建築されている違法建築物は、改めて確認申請の手続はできないとの答弁をいただきましたが、是正指導を行う中で、建築基準法に適合しているのかの確認は、具体的にどのようにするのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 違反を覚知した場合、建築基準法などの適合性を確認するため、所有者などに対し、建築士が整理した違反項目などの報告書の提出を求めており、報告書を基に現地調査と併せ、違反内容を確認しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) 改善指導に従わない物件に対しては、強制的に解体等の施行等の行政処分はできないのか、お尋ねいたします。また、防災上危険と判断した場合はどのように対処するのか、併せてお答えください。
○副議長(松野 隆) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 違反建築などに対しましては、是正に向けた指導を行い、自主的な是正を促しておりますが、指導に従わず悪質なもので、かつ、保安上や衛生上著しく公益に反するものについては、必要に応じて、工事停止、除却、使用制限など、建築基準法第9条に基づく命令を行うこととしております。
また、放置することが防災上極めて危険であるなど、著しく公益に反し、特に悪質で、命令に従わない場合には、刑事訴訟法に基づく告発や行政代執行の適用を行うこととしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) 建築基準法第9条とはどのようなものでしょうか、お尋ねいたします。また、これまで本市で同法第9条による行政処分等が何件行われたのか、併せてお答えください。
○副議長(松野 隆) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 建築基準法第9条につきましては、違反建築物に対する措置といたしまして、所有者などに対し相当の猶予期限を付し、除却や移転、使用禁止や使用制限などの違反是正に必要な措置を命ずることができることや、その措置を行うために必要な行政手続が定められております。違反台帳によりますと、これまで法第9条に基づく命令は18件でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) 刑事訴訟法に基づく告発や行政代執行の適用を受けた物件は過去何件あるのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 違反台帳によりますと、法第9条に基づく命令に従わず告発に至った件数は1件で、行政代執行の事例はございません。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) 違法建築や違法開発を防止するために、これまでどのような施策が行われてきたのか、お答えください。
○副議長(松野 隆) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 違反建築などの防止に当たりましては、ホームページでの注意喚起や必要な手続などの周知、関係局等と連携した事業者向けの研修会でのチラシの配布などで啓発を図るとともに、定期的なパトロールや関係団体との県下一斉パトロールにおいて、工事現場等の立入り調査を実施しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) これまでの答弁によると、違反物件5,540件に対して、建築基準法第9条に基づく命令件数は18件、そのうち命令に従わずに告発に至った件数は1件、同法第9条に基づく代執行の実例はないとのことです。思っていたよりも少なく、意外でした。
建築物には、水道や下水道、電気等の設備は不可欠と思われます。火災等、災害につながる可能性もあります。このことからも、他局との連携が不可欠と思われますが、違法建築物に関して他局との情報交換は行われているのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 違反建築物に対しては、不適切な状況が確認された時点で、必要に応じて関係部署への情報共有を行っております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) 次に、違法建築や違法開発物件について、固定資産税の取扱いはどうなっているのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村財政局長。
○財政局長(中村剛士) 一般的に基礎の上に建てられ、屋根と壁を有するなど家屋としての要件を満たすものは固定資産税の課税対象となります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) 違法物件について、固定資産税はどのように算定するのか、適法な物件と固定資産税額に差はあるのか、お尋ねいたします。また、違法開発で山林を造成した場合、土地は造成前の山林と同等の固定資産税の税額となるのか、併せてお答えください。
○副議長(松野 隆) 中村財政局長。
○財政局長(中村剛士) 地方税法上、国の基準によりまして、固定資産の評価及び課税を行うこととされており、建築確認申請が行われていないことを理由に差が生じることはございません。
また、土地につきましては、賦課期日の時点における現況により評価及び課税を行うこととされており、造成の実態に応じて税額が異なることも考えられるところでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) 固定資産税担当部署は、新たな建築物の情報をどこから入手しているのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村財政局長。
○財政局長(中村剛士) 新築された家屋につきましては、法務局からの登記済通知書や建築確認申請書によるほか、航空写真を活用した調査等により把握しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) 違法建築物の情報は、住宅都市みどり局など関係部署に共有する必要があると思いますが、所見をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 中村財政局長。
○財政局長(中村剛士) 一般に課税担当の職員は、建築基準法等への適合を判断することはできませんが、課税上、建築確認申請書が提出されていない新築家屋を把握した場合には、可能な範囲で情報提供を行うよう努めてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) 建築基準法、そして都市計画法の目的についての質問で、国民の生命や健康、財産を守り、公共の福祉の増進や都市の健全な発展に寄与するとの説明がありました。このところ、国内外で災害が頻発する中、市民の防災に対する関心が高まってきています。この防災という観点からも、違法建築をいかになくしていくかが大きな課題だと思います。
私は常々、違反物件については取締りをもっと厳しく、指導に従わない者については直ちに行政処分を行い、刑事罰を科すべきだと思っています。違反建築物に対する行政命令がこれまで僅か18件、これまであまりにも行政の対応が生ぬるいと感じていました。しかしながら、今回の質問をするに当たって、担当部署からいろいろと話をお伺いする中で、違反に見えても、現地調査をしてみると、いわゆる既存不適格と言われる違法でない取扱いの建築物や違反と承知していて建てている場合などで、建築所有者との是正指導の協議に時間を要するなど、担当部局、監察指導課の職員は、限られた人員で市内一円の現場に足を運び指導しておられるとお伺いし、大変苦労が多いことも分かりました。
しかしながら、市民の生命と健康を守るためには、これ以上違法物件を出さないよう一層対策を講じていただきたい。違法物件に対しては、一日でも早く是正の指導をしていただきたいことを強く要望し、担当局の所見をお伺いして1問目の質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 市民が、安全で安心して暮らせる良好な生活環境を形成していく上で、都市計画法や建築基準法などの関係法令に適合した建築や、その維持保全は大変重要であると認識しております。その中で、一部において違反建築物が存在しており、これまでも消防局などと連携しながら、関係法令に基づいて指導を行ってきたところでございます。
今後とも、市民や関係業界に対し、法令遵守の周知や啓発に努めるとともに、関係局と連携を図りながら、違反建築物の防止と是正の指導にしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) 次に、ユニバーサル都市・福岡における行政の片仮名語表記について、お尋ねいたします。
近年、片仮名語が氾濫する中、新聞の投書欄では、片仮名語の使用についての不満や不安の投稿を度々目にします。ある調査によれば、最近の片仮名語を理解できないと感じている人が72%もいるそうです。意味が分からずもやもやする、漢字や平仮名に翻訳してほしいというのが主な理由。一部の人にしか意味が通じない言葉が増えることで誤解を招いたり、コミュニケーションに障壁が生まれると言われています。今から8年前の平成29年6月議会の一般質問におきまして、本市における片仮名語の表記について質問をいたしました。本市の新しい事業や施設名には片仮名語が頻繁に使われていたことから、ユニバーサル都市の理念に基づき、市民に分かりやすい言葉で発信していただきたいとの要望をいたしました。それから2年後、全世界をコロナ禍が襲い、社会に混乱と恐怖をもたらしました。パンデミック、ソーシャルディスタンス、ニューノーマルなど、感染の予防や重症化を注意喚起する言葉が片仮名語でマスコミ報道や官庁、政治家から飛び交いました。聞き慣れない言葉のために意味が分からず、いら立ちと不安が募り、片仮名語の使用が、最も伝えなくてはいけない高齢者に伝わらないとの指摘もありました。今でも感染症における報道の在り方について、一つの大きな課題となっています。
当時の私の質問の趣旨は、市民に向けては、聞き慣れない片仮名語やアルファベット語などの使用をなるべく控えて、分かりやすい日本語で情報発信していただきたいことを訴えてきたのですが、その後も本市の情報発信において、片仮名語やアルファベット語はますます増える一方です。以前、本市の某課長に、なぜ行政文書は片仮名が多いのかと尋ねたところ、中央官庁から片仮名語でいろいろな情報が送ってくるので、どうしても片仮名語使用が多くなると答えが返ってきました。しかし、片仮名語は中央官庁からばかりとは限りません。前回の質問で、市独自の片仮名語がつくられていることを、ベジフルスタジアムを例に挙げ、指摘しました。ベジフルスタジアムと聞いて、誰も青果市場とは連想しないのではないでしょうか。ベジフルは別にしても、スタジアムと聞くと、誰でも競技場を連想するのではないでしょうか。私としては、今でも新青果市場でよかったのではないかと思っています。
改めて、ユニバーサル都市・福岡とはどのような都市を目指しているのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) ユニバーサル都市・福岡については、ユニバーサルデザインの理念に基づき、誰もが思いやりを持ち、全ての人に優しいまちを目指すものであり、福岡市ではその実現に向けて、ハード、ソフトの両面から様々な取組を推進しているところでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) 次に、ユニバーサル都市・福岡は市民にどの程度理解されているのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) ユニバーサル都市・福岡を一つのテーマとして実施した令和6年度の市政アンケート調査におきましては、ユニバーサルデザインという言葉の意味を知っていると回答した市民の割合が64%となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) ユニバーサルデザインの言葉の意味を知っている市民の割合が64%とは意外です。どのような調査で、どのような年代、属性の市民が回答した割合でしょうか。
ユニバーサルという言葉を会話の中で使っている人は結構います。しかしながら、ユニバーサルの本来の意味を説明できる人はどれほどいるでしょうか。ユニバーサルの意味と使い方をネットで調べました。ユニバーサルという言葉は非常に多岐にわたる意味と用法を持っているため、意味と使い方について詳しく理解しましょうと示されていました。片仮名語辞典では、1番として宇宙、世界的、2番として普遍的、一般的とあります。ユニバーサルの言葉からどれくらいの方がユニバーサルデザインを連想されるのでしょうか。私は、知り合いの人に会うたびに、福岡市が目指しているユニバーサル都市とはどのような都市と思っていますかと質問いたしました。多くの方が分からないと答えられ、次に多いのが国際都市でした。
資料1をお願いいたします。(資料投影)これは5月15日付の市政だよりの1ページに、大きく「インクルーシブな子どもの広場」と見出しがあります。インクルーシブとはどのような意味があるのか、お尋ねします。ほかに、ビジネス語でよく使われるダイバーシティやノーマライゼーションの意味も、併せてお答えください。
○副議長(松野 隆) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) インクルーシブとは、包み込むような、または、包摂的なという意味で、障がいの有無、性別、国籍、年齢などにかかわらず、あらゆる人が孤立、排除されることなく、社会の一員として包み、支え合う状態を指すものと認識しております。
ダイバーシティとは多様性という意味で、組織や社会において、性別、年齢、国籍、人種、障がいの有無など、様々な属性を持つ人々を受け入れている状態を指すものと認識しております。
ノーマライゼーションとは正常化という意味で、社会的支援を必要としている人が、それを必要としていない人と同等に生活し、活動する社会を目指す理念を指すものと認識しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) なぜこの質問をしたかと申しますと、それぞれの片仮名語の意味の説明をいただきましたが、3つの片仮名語は共通しているところもあります。みんなが人それぞれの多様性を認め合い、それぞれが同等に生活し、活動できる社会を目指すもので、ユニバーサルデザインの理念に基づいた、みんながみんなに優しい社会を目指すユニバーサル都市と共通しています。市政だよりでインクルーシブの言葉の説明が行われましたが、そこまで市民がそれぞれの意味を理解し、使い分けをしなければならないのか、疑問を感じたからです。それぞれの言葉の違いは局内で専門用語として理解し、使用していただければいいのではないかと思います。インクルーシブと新たな片仮名語を使って説明しなくても、ユニバーサル都市・福岡の理念に基づいて、みんなが、みんなと、誰もが仲よく遊べる広場と掲載したほうが、市民の皆様にはよりよく理解されるのではないかと感じました。
もう一度、資料1をお願いします。(資料投影)中央、ちょっと分かりにくいと思いますが、案内板が真ん中にあるんですが、その案内板の表示に、「アクティブエリア」という片仮名語があります。これは誰を対象にした言葉でしょうか。子どもたちは、「アクティブエリア」を説明書きのように元気いっぱい過ごせると理解できるのでしょうか。子ども広場がインクルーシブになったことを標榜しているのに、案内版にその配慮がうかがえないのですが、御所見をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) アクティブエリアの表記につきましては、活発に活動する場所を端的に表す言葉として用いたものでございます。「ここは、みんなが元気いっぱい過ごせる場所です」という記載と併せて、子どもたちにも理解できると考えておりますが、さらに市民に分かりやすい表現を検討してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) 先ほどのアクティブエリアの文字の下に、英語で「Active Area」と表記されていますが、英語圏の外国人はどのように理解するのでしょうか。「Playground」のほうが分かりやすいのではないでしょうか。アクティブエリアを子どもたちにも理解できると考えていると答弁されましたが、本当に子どもたちが元気いっぱいに過ごせる場所と認識できると思っておられるのでしょうか。私は信じられません。インクルーシブの理念からすると、平仮名で、子どもたちの広場のほうがいいのではないでしょうか。
もう一度、資料1をお願いします。(資料投影)この紙面には、片仮名語としてピクトグラムがあります。ちょっとこれは分かりにくい、掲示板の斜め上に黄色の枠で、その中に「ピクトグラム」と書いてあるんですが、広報課で掲載されたのでしょうが、日本語訳では絵文字です。市民には絵文字のほうが分かりやすいと思いますが、なぜ片仮名語なのでしょうか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) ピクトグラムについては、視覚的に情報を伝えるための案内記号として、公共施設、交通機関、商業施設など、様々な場所で使われており、一定程度認知されている言葉であると考え、使用したものでございます。近年では、東京オリンピックの開会式で、ピクトグラムをテーマにしたパフォーマンスが注目を集め、多くのメディアでピクトグラムという名称とともに報じられたこともあり、言葉を聞いたことのある市民の皆様も多いのではないかと考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) 新聞を読まなくなった若い人たちは、市政だよりは目も通さず、チラシと一緒に破棄する人も少なからずいるようで、知りたい市の情報はネットを通じて入手しているようです。市政だよりの読者はほとんどが高齢者層です。高齢者の情報源でもあります。市民、特に高齢者には、目にする図や絵のことを表すピクトグラムという言葉そのものを理解している人は少ないのではないでしょうか。絵文字と書いたほうが分かりやすく、正確に伝わり、伝えたいことを、あらゆる市民に理解できる言葉で発信するのが広報室の役目ではないでしょうか。
資料2をお願いいたします。(資料投影)これは3月15日付の市政だよりの1ページに、Fukuoka Flower Showのポスターが大きく掲載されています。このFukuoka Flower Showは誰を対象にした催しなのでしょうか。また、このポスターはどのような意図を持って作成されたのでしょうか。あわせて、「Fukuoka Flower Show」や「Pre-Event」から、市民は催しの内容をどのくらい理解できると思っておられるのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) Fukuoka Flower Showは、毎年イギリスで開催されている世界最高峰のチェルシーフラワーショーを参考にするものであり、市民の皆様や国内の方々はもとより、海外からお越しの方々も対象として、本格的なガーデンコンテストなどを実施するものでございます。
おただしのポスターなどの広告媒体に共通して用いた画像につきましては、来年3月に開催予定のFukuoka Flower Showの事前大会であるプレイベントについて、その名称を含めた知名度や認知度の向上を図るために作成したものでございます。
このデザインにつきましては、催しの内容を市民の皆様に加えて海外からお越しの方々にもイメージしていただけるよう、花の絵にアルファベット表記を組み合わせたものとしており、今後とも、より多くの市民の皆様に御理解いただけるよう、丁寧で分かりやすい情報発信に努めてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) 幾ら大規模な催しでも、福岡市主催の行事であれば、まず福岡市民が主人公と考えるべきではないでしょうか。イギリスで開催されている世界最高峰のフラワーショーであるチェルシーフラワーショーを参考に、福岡市で開催する花の祭典を、まず市民が見て楽しんでいただきたいのが趣旨ではないでしょうか。答弁からはそれが伝わらなくて残念です。市政だよりに掲載されているのはポスターとのことですが、そのポスターに記載された日本語は、福岡市植物園の文字のみ、あとは全てアルファベット。福岡市民に対して情報を発信するのであれば、日本語で、福岡市花の祭典ではなぜいけないのでしょうか。市民、万人に情報が伝わらなければ意味をなしません。フラワーショープレイベントのポスターはなぜ日本語にしなかったのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) ポスターなどに用いた画像につきましては、市民の皆様に加えて、海外からお越しの方々にもFukuoka Flower Showを知っていただくとともに、催しの内容をイメージしやすいよう、花の絵と簡易なアルファベットを組み合わせて表現したものでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) もう一度、資料2をお願いします。(資料投影)海外の方も対象としているとのことですが、このポスターを海外の方々はどのような場所で目にされたのでしょうか。また、海外のどこの国に、どのように掲示されたのですか。
なお、ポスターにアルファベットで開催場所が記載されていません。なぜでしょうか、併せてお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) ポスターを含む広告媒体につきましては、海外からお越しの方々には、主に市内の空港や観光案内所、また、Fukuoka Flower Showの英語版ホームページなどにおいて御覧いただいたものと考えております。これらの広告媒体はデザインの統一感を重視しながら、市民の皆様と海外の方々の双方に向けた表現としておりますが、開催場所などの英語でのより詳細な情報につきましては、英語版のホームページなどで補足しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) 海外の方を対象とするのであれば、福岡を訪れる海外の方で最も多いのが韓国、そして中国、台湾、そしてアジアの方々が多く訪れています。その国々は、それぞれ母国語があります。海外の方にそれぞれの母国語で案内するのが気遣いではないでしょうか。このような大きな主催事業にもかかわらず、ユニバーサル都市・福岡の理念をうかがうことができずに、非常に残念です。幾つかの自治体では、公文書に記載される内容は、正確であることに加え、市民に分かりやすく御理解いただけるものであることが大切との趣旨から、職員向けの改善手引書を作成し、一般的になじみのない片仮名語はそのまま用いることは避け、読み手の理解度に配慮をしつつ、言い換えるか、説明や注釈をつけましょうと、市民に分かりやすい文章にする努力が行われています。
本市においては、片仮名語やアルファベット語を市民に分かりやすく伝えるために、これまでどのような配慮や工夫がされたのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 福岡市の取組を分かりやすく発信し、市政に対する理解を促進するため、わかりやすい広報物作成の手引き等を作成しており、各事業所管課における広報に当たっては、手引に基づいて専門用語や片仮名語など、一般に定着していない言葉には注釈をつける、日常用語へ言い換えるなど、配慮を行っております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) 本市の令和7年度の公用文作成要領を見せていただきました。要綱の約3,000行の中に、片仮名語という言葉は小さな文字で僅か2語、さらに別冊でユニバーサル都市・福岡の考え方を示した広報物作成の手引も見せていただきましたが、これにも片仮名語の文字は2語のみでした。これでは、職員さんに片仮名語使用について注意喚起するには無理があり、このままだと、本市の公文書にますます片仮名語が増えるのではないかと心配しております。
ユニバーサルデザインの理念に、子どもや大人、性別や障がいなどに関係なく、あらゆる人が、身体的かつ精神的な障壁を感じずに日常生活を送ることができるように、公平性や安全性など、誰もが使える製品やサービス、環境をデザインするとありますが、片仮名語やアルファベット語など言葉の障壁についても対象とお考えなのでしょうか、所見をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) ユニバーサルデザインとは、年齢や性の違い、国籍、障がいの有無などにかかわらず、全ての人が自由に快適に利用でき、行動できるような思いやりあふれる配慮をあらゆる場面で行っていくという考え方であると認識しております。片仮名語やアルファベット語などの言葉についても、この考え方に基づいて配慮する必要があるものと認識しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大原弥寿男議員。
○8番(大原弥寿男) 政治や行政、報道などによって、片仮名語や英語が蔓延すると、国民に知的格差が生じ、日本の未来に重大な悪影響を及ぼすと警鐘を鳴らし続けておられる九州大学大学院施光恒教授の著書等から引用し、行政における片仮名語の乱用の問題について説明させていただきます。公の物事を報じたり論じたりするときに大切なのは、何よりもまず分かりやすさです。万人によく分かることです。よく分かれば、その後、問題の深刻さはどの程度なのか、その問題に対処するためにはまず何をすべきかなどを一人一人が考えることにつながりやすくなります。例えば、ブラックアウトが生じたでは何をすべきかよく分かりませんが、大規模停電が生じたであれば、これはまずいとすぐに感じ、この地域の電力供給の仕組みのどこに問題があるのか、一人一人は予期せぬ事態にどう対処し、何に気をつけるべきなのかという思考に進むことができます。では、なぜこういう分かりにくい片仮名語が、公の事柄を論じるときにも多用され、蔓延してしまうのでしょうか。目新しい感じがし、人目を引くことができるなど、ビジネスの論理が、どんどん越境して広がり、役人や政治家、公共放送の職員の少なからぬ人々が、公の仕事の意義を忘れ、ビジネス偏重の風潮に染まってしまっているからではないかと思うのです。近頃の行政の現場では、コンサルタント会社などに多くの業務を委託しています。コンサルタント会社の人々が業務の受託を目指し、プレゼンテーションをする際、他社に勝つように、よく分からないけど、目新しく人目を引くこと、賢そう、頭よさそう、すてきそうと見えることが優先され、片仮名語を多用することが結構あります。当たり前ですが、政治や行政、報道といった公の事柄に、ビジネスの理屈が持ち込まれてしまってはまずいのです。政治や行政、報道が語りかけるべき相手は、多種多様な人々がいる国民全体ですし、国民全体のことを何よりも考えて行動すべきなのです。」と、万人に分かりやすい日常の言葉で語りかけることの大切さを語っておられます。
ユニバーサル都市・福岡を目指している本市としては、言葉の障壁をなくすためにも、コンサルタント会社などに業務委託する場合に、市民に分かりやすい言葉を使うことを発注要綱に盛り込むなどして、片仮名語など、分かりにくい言葉を安易に使わず、市民に分かりやすく情報を発信するように努めるべきだと考えます。
本市は言葉の障壁をなくすために、どのような施策を講じようとしておられるのか、最後に具体的にお示ししていただき、その意気込みについてもお伺いし、私の質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 事業や施設の名称等については、それをきっかけとして、市民の皆様に事業等の目的や内容を御理解いただくことが重要であり、様々な媒体や表記を活用した周知に取り組んでいるところでございます。そのため、市民にとって、覚えやすく親しみやすいか、また、興味や関心を持っていただけるかなどを総合的に勘案して名称等を決定しており、特に新たな概念や価値観については、言葉そのものを含め、啓発に努めているところでございます。必要に応じて片仮名やアルファベットを活用することで、天神ビッグバンやSDGsなど、市民への定着が進んでいる言葉もあるものと認識しており、今後とも、ユニバーサルデザインの理念を踏まえつつ、市民の皆様にとって分かりやすく、効果的な言葉の選定や情報発信に取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか)登壇 私は福岡市民クラブを代表して、リユースの促進について、困難を抱える子どもへの支援について、以上2点を質問いたします。
まずは、リユースの促進についてです。
リデュース、リユース、リサイクルの3Rのうち、リサイクルは法整備によって進展しつつありますが、リデュースとリユースは、一人一人の意識や行動に深く根差すものであり、さらなる取組が求められています。リユースは単にごみを減らすだけでなく、市民の暮らしをより豊かにし、地域経済にもよい影響をもたらします。市民がもっと気軽にリユースに取り組める環境を整えることでごみ減量と資源循環を加速させ、私たちのまちの持続可能な未来を築くという願いを込め、質問してまいります。
初めに、リユース促進に向けた中長期的なロードマップや具体的な数値目標はございますか。あれば、その内容と現在の進捗状況を教えてください。また、福岡市におけるリユースを促進する取組についてお示しください。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○副議長(松野 隆) 藤本環境局長。
○環境局長(藤本和史) リユースに関して、その取組に特化したロードマップなどはございませんが、循環のまち・ふくおか推進プランに基づき、リデュース、リユースに重点を置いた取組を進めているところでございます。具体的には、3Rステーションにおいて、衣類や雑貨、家具等の不用品の引取り、提供に取り組むとともに、市内のリユース店を福岡市粗大ごみ等リユース協力事業者として登録し、市ホームページなどで紹介するなど、リユースに取り組みやすい環境づくりを行っております。また、3Rステーションにおけるイベント開催のほか、出前講座や小学生を対象とした環境学習によるリユース意義の広報、啓発に取り組んでおります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) 本市は、ごみ減量・リサイクルに関する市民意識調査を行っていますが、リユースについての市民意識をお示しください。
○副議長(松野 隆) 藤本環境局長。
○環境局長(藤本和史) 令和6年度に実施した市政アンケートでは、過去1年間のごみ減量・リサイクルのための取組内容として、リユースショップやリユースアプリを利用していると回答した市民の割合は約37%となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) 37%という結果についての評価と、リユースを推進するための課題をお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 藤本環境局長。
○環境局長(藤本和史) 市政アンケート調査では、リユースショップ等を利用しない主な理由として、持っていくのが面倒である、どのリユースショップやリユースアプリがよいか分からない、どこにリユースショップがあるのか分からないとの結果が得られており、その割合を高めることができるよう、リユースの意義や方法、リユース事業者についてのさらなる広報、啓発に取り組んでまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) 市のホームページでリユースショップの紹介やリユース方法を掲載していますが、リユースに取り組む人の割合を高めるためには、持ち込みやすさ、買いやすさ、分かりやすさの一層の工夫と展開が必要と考えます。
本市が設置するリサイクル推進施設3Rステーションについてお尋ねします。
臨海3Rステーションでは、市民の方から持ち込まれた衣類や書籍などに加え、家具も取り扱っていますが、リユースされる家具は市民が不用品として持ち込まれたものだけなのでしょうか、お示しください。
○副議長(松野 隆) 藤本環境局長。
○環境局長(藤本和史) 臨海3Rステーションでは、家具の保管スペースに制限があるなどの理由により、大きさや受付できないものといった受入れ基準を設けており、この基準に沿って、市民のみならず、粗大ごみ収集委託事業者が持ち込んだものも取り扱っております。以上です。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) 廃棄されていた粗大ごみの中から、まだ使えるものを収集事業者がピックアップしリユースにつなげることができるのは自治体ならではです。リユースショップが扱うものは高級品や貴金属、リセールバリューがある、つまり、売って利益が上がるものです。リユースショップでは引き取ってもらえなかったなどの理由でこれまでは廃棄されていたまだ使えるものをリユースにつなげていくことこそ、ごみの削減につながります。3Rステーションはそれを担うリユース拠点です。リユースをしない理由として面倒との声がある中、3Rステーションが利用しやすい施設なのか、確認してまいります。
まず、場所と開館時間、開館日をお示しください。また、それは市民にとってのアクセスなどの利便性をどう見ているのでしょうか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 藤本環境局長。
○環境局長(藤本和史) 西部3Rステーションは西区今宿青木に、臨海3Rステーションは東区箱崎ふ頭に立地しており、両施設ともに、毎週月曜日及び年末年始の7日間を除く、午前10時から午後5時まで開館しております。交通アクセスにつきましては、自動車のみならず、バスなどの公共交通機関での来場も可能であり、一定の利便性が確保されているものと考えております。以上です。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) 一定の利便性は確保していると言いますが、日中のみの開館で、また、西と東にしかなく、中央区や南区など、お住まいの地域によっては距離が気になるところです。
3Rステーションを使いやすくするための改善策として、開館時間の延長や回収代行、配送サービスの導入予定はあるのでしょうか。また、市民の方が分かるように、リユース品のラインナップをホームページやSNSで具体的に紹介しているのでしょうか、教えてください。
○副議長(松野 隆) 藤本環境局長。
○環境局長(藤本和史) 現時点では、開館時間の延長をはじめ、回収代行、配送サービスの導入や、ホームページ、SNSでのリユース品の紹介には取り組めておりませんが、3Rステーションの取組やリユースの意義を広報するため、リユース陶器市などのイベント開催をはじめ、商業施設での衣類の出張回収の実施による、市民が気軽にリユースを体験できる機会の提供や3R実践、ものづくり講座などでの啓発に取り組んでいるところでございます。以上です。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) 現時点では、運営方法や開館時間の変更はないとのことです。また、SNSを活用していませんが、リユース品をスマホやパソコンで確認ができ、手に入れることができれば利便性は上がります。
そこで伺います。行政が主導して、リユースのマッチングプラットフォーム構築を検討されたことがあるのか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 藤本環境局長。
○環境局長(藤本和史) リユースに関するマッチングプラットフォームにつきましては、既に多くの民間企業において事業として構築、運営されており、福岡市では検討しておりません。以上です。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) 検討されていないということであれば、民間のリユースプラットフォーム、いわゆるフリマアプリを活用する方法があります。資料1をお願いします。(資料投影)この画像は堺市のものですが、民間のフリマアプリに公式アカウントを作成し、市に持ち込まれたものを出品し、譲渡しています。資料2をお願いします。(資料投影)商品の画像をクリックすると、市からの広報が表示される工夫もしています。投影ありがとうございます。
ジモティーやメルカリなど、民間リユースプラットフォームと公式連携をしている他自治体の取組事例とその成果、リユース率の向上、廃棄物削減量などについて、どのように情報収集、分析しているのか、お示しください。
○副議長(松野 隆) 藤本環境局長。
○環境局長(藤本和史) 現在、様々な自治体において、ジモティーやメルカリといった民間サービスと連携した取組が行われていることは承知しており、当該自治体や民間プラットフォーム事業者からの情報収集に取り組んでいるところでございますが、市民がリユースに取り組みやすくなるといったメリットがある一方で、収集した粗大ごみなどの保管場所の確保や収集運搬経費などの増加といった課題があるものと認識しております。以上です。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) では次に、リユース拠点となる施設について質問いたします。
区役所や公民館など、公共施設等においてリユースコーナーを設け、不用品を持ち込み、また持ち帰れるなど、利便性の高い仕組みを導入される予定はございますか。
○副議長(松野 隆) 藤本環境局長。
○環境局長(藤本和史) リユースは既に多くの民間企業により事業として営まれており、公共施設等でのさらなるリユース拠点の設置の予定はございません。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) 民間企業があるため、市としてはリユース拠点の設置予定はないとのことです。しかしながら、私が訴えたいのは、民間がやっているからいいのではなく、民間ではやれないことを行政が支えるということです。先ほどの答弁で、粗大ごみの保管場所の確保や収集運搬などの経費の増加を課題としていますが、そこは民間と協力することで軽減できます。
一例にはなりますが、ジモティースポットという施設があります。ジモティースポットとは、廃棄されてしまう可能性が高いものに焦点を当て、リユースを促進している施設です。リユース活動の促進に関する協定を自治体と結んだ上、開設しているそうです。例えば、通常のリユースショップでは製造年数によって引き取れない電化製品なども無償で引き取り、欲しい方に無償または安価で提供しています。ジモティースポットの利用者へのアンケートでは、これまで廃棄していたが、捨てるのがもったいないとの理由で持ち込んでいる方が7割という結果が出ており、リユースの促進に貢献していることがうかがえます。神奈川県川崎市の店舗は、月に63トンの粗大ごみ減量効果を報告しており、同様の効果が見込まれれば、年間7,000トンを超える粗大ごみを処理する本市にとって、メリットがあると考えます。
これまでの答弁から、ごみの減量に取り組む本市において、古紙、プラスチックごみ、食品廃棄物への取組に比べ、リユースが後回しになっているのが現状だと思います。であるならば、より民間活力を生かしてリユースを推進すべきと思いますが、所見をお伺いし、この質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 藤本環境局長。
○環境局長(藤本和史) 福岡市では、循環のまち・ふくおか推進プランに基づき、リデュース、リユースに重点を置いた取組を進めており、これまでも3Rステーションにおけるイベントや様々な媒体を活用した広報、啓発に取り組んできたところでございます。昨今、リユースを取り巻く環境は大きく変化し、多くの民間企業が事業として営まれていることから、これまでの取組に加え、民間事業者との連携によるリユースイベントの実施など、さらなるリユースの推進に取り組んでまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) 次に困難を抱える子どもへの支援について質問いたします。
様々な事情により困難を抱える子どもたちがいます。最近のニュースでも、虐待、育児放棄、両親の事情で家庭での養育が困難になる子どもたちの存在が報道されています。家庭への支援や里親に焦点を当て、子どもたちが温かく家庭的な環境で育つために、福岡市としてどのような政策を進めているのか、足りない支援はないかなどについて質問してまいります。
福岡市は、本年3月に作成した第6次福岡市子ども総合計画において、社会的養護体制の充実を施策として挙げていますが、社会的養護が必要な状態とはどのような状態を指すのでしょうか。市が目指す社会的養護体制とはどのようなものなのか、お示しください。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 社会的養護が必要な状態とは、子どもに保護者がいないまたは保護者に子どもを監護させることが適当でない状態を指しております。また、子どもの心身の状況や置かれている環境などに左右されることのないよう、一人一人の最善の利益の実現を目指し、家庭養育優先原則を踏まえた社会的養護体制づくりに取り組んでおります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) 社会的養護には施設養育と家庭養育がありますが、それぞれどのような内容か、お示しください。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 社会的養護における施設養育は乳児院や児童養護施設等の集団の中で子どもを養育すること、家庭養育は里親やファミリーホームの家庭的な環境で養育をすることでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) 社会的養護には施設養育と家庭養育の2つの方法がありますが、まずは、家庭養育優先原則に基づき、困難を抱える子どもたちが、実親の家庭で安心して生活できるよう、保護者への支援が必要です。
そこで伺います。地域で家庭を支援する仕組みとして、各区に要保護児童支援地域協議会が設置されていますが、どのような機関と連携していますか。また、過去3年の支援児童数をお示しください。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 要保護児童支援地域協議会で支援をしている児童数は、令和4年度1,319人、5年度1,420人、6年度1,669人であり、本協議会を構成する医療機関や警察、学校、保育所などの地域の関係機関において情報交換を行い、支援内容を協議するなど、連携を図っております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) 支援を受ける児童数は、直近3年で増加傾向にあると示されていますが、この増加について具体的な要因をしっかりと分析し、把握することが今後の対策を講じる上で極めて重要だと考えます。
市は、この増加の要因についてどのように分析、把握されていますか、市の見解をお聞かせください。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 支援児童数の増加につきましては、社会的意識の高まりや多様な相談の窓口が設けられたことにより、児童虐待等に関する相談、通告が増加したこと、また、子育ての悩みや困難を抱える家庭の早期把握、早期支援に取り組んでいることが影響しているものと考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) 支援を受ける児童数増加の理由は、困難な家庭が急激に増えたというよりも、児童虐待などへの社会的な意識の高まりや施策の効果によるものと理解いたしました。この点を踏まえ、支援が必要な家庭の早期把握に向けた取組をお示しください。また、把握した場合、早期に支援を届けられているとお考えでしょうか、支援をする上での課題も併せてお示しください。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 子育ての悩みや困難を抱える家庭の早期把握、早期支援につきましては、GIGAスクール端末を活用したタブレット相談や地域で気軽に相談できる窓口を子どもプラザ等に設置するなど、相談支援の充実に加え、乳幼児健診やおむつと安心定期便、子どもショートステイなども実施しながら、区のこども家庭センターや児童相談所など関係機関が連携して取り組んでおります。また、早期支援につなげるためには、保護者の理解、納得を得ることが重要であり、寄り添った丁寧な対応に努めております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) 早期支援の実現には保護者の理解が不可欠とのことです。しかし、実際には支援を受けることへ抵抗感がある方、周囲の目を気にして相談をためらう方、子育てに無関心になっている保護者も少なくないと感じています。こうした状況を乗り越え、保護者が安心して相談しやすい環境を整えるためには、これまで以上に丁寧なコミュニケーションを心がけ、信頼関係を築くことが重要です。支援を受けることは決して特別なことでも恥ずかしいことでもなく、子育てに困り事を抱える家庭を社会全体で支えるというメッセージを積極的に発信していく必要があります。
子育てをしている家庭で、保護者の病気や何らかの事情で子どもの世話が難しくなったなど、実親、保護者での養育が困難となった場合の対応についてお示しください。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 子どもや保護者の状況及び意向などを確認の上、必要に応じて在宅支援サービスの提供や一時保護を実施しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) では、在宅支援サービスについて伺います。
在宅支援サービスを利用するにはどこに相談すればよいのか、また、どのような支援メニューがあるのか、主なものをお示しください。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 区のこども家庭センター等において相談対応を行っており、家庭の状況に応じて、子どもを一時的に預かる子どもショートステイ事業や、ヘルパー等を派遣する子育て世帯訪問支援事業などを活用し、支援をしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) 在宅支援サービスの一つに、養育里親を活用したショートステイ事業があるとのことですが、導入時期、事業内容、利用方法、利用料金など概要についてお示しください。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 養育里親を活用したショートステイ事業は、保護者が育児疲れや疾病、就労等によって一時的に子どもを養育できない場合に、里親等が子どもを預かり、養育をする事業であり、平成26年度に西区で開始し、令和4年度からは全市で実施しております。利用については、各区子育て支援課に相談してお申込みいただいており、生活保護世帯や市県民税非課税世帯は無料、その他の世帯は、子どもが2歳未満の場合は1日5,630円、子どもが2歳以上の場合は1日2,980円でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) それでは、養育里親を活用したショートステイ事業の利用件数及び延べ利用日数を令和4年度からお示しください。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 利用件数は、令和4年度512件、5年度834件、6年度1,011件、延べ利用日数は、令和4年度1,740日、5年度2,974日、6年度4,172日となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) 令和4年度から全市展開したショートステイ事業ですが、利用件数も利用日数も倍増し、この事業が保護者にとって非常に必要とされていることが分かります。その一方で、一時的な預かりだけでは、家庭が抱える根本的な課題の解決につながりにくいという懸念があります。
ショートステイを単なる一時的な預かりに終わらせず、必要に応じて利用後の家庭への継続的なフォローアップを実施し、適切な在宅支援や社会的養護へ確実につなげるための関係機関、里親、調整機関、児童相談所等の情報共有の仕組みと連携の一層の強化が必要だと思いますが、所見をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 在宅支援の中心的な役割を果たす区のこども家庭センターにおいて、引き続き、関係機関との情報共有など連携を図りながら、子どもやその家庭を支援してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) さらなる連携の強化をお願いいたします。
次に、ショートステイの利用が増える中、受け入れていただくショートステイ里親の登録数について、全市における世帯数と各区の内訳をそれぞれお示しください。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 令和6年度末時点において、福岡市全体で182世帯となっており、東区28世帯、博多区9世帯、中央区27世帯、南区41世帯、城南区17世帯、早良区28世帯、西区32世帯でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) ショートステイ里親の登録数に地域差があります。近所に住む里親に預けることができるのは、子どもにとっては日常どおり通学できる安心感と適応のしやすさの観点から、また、子どもを他者に預けることに不安を感じる保護者にとっても、子どもが近くにいるという安心感は精神的な不安を和らげます。
この状況から見て、ショートステイ里親を増やしていくことが必要かと思いますが、今後どのように里親募集活動を展開していくお考えでしょうか。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 里親を活用したショートステイ事業の利用実績は年々増加しており、利用者の多様なニーズに応えることができるよう、引き続き全市的な受皿の拡充に努めてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) ぜひよろしくお願いいたします。
次に、実親での養育が困難となった場合の対応として一時保護があるということでした。
では、その一時保護について伺います。
一時保護が必要か否か、誰がどのような基準で判定しているのでしょうか。また、一時保護される場合は、どこに、どのような環境で保護されるのでしょうか。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 一時保護につきましては、児童福祉法など法令に基づき、児童相談所で判断し、一時保護所のほか、乳児院や児童養護施設、里親など、子どもの安全が確保された環境において保護を実施しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) 過去3年間の一時保護された件数とその理由及びそのうち児童養護施設や里親等に措置された件数の推移をお示しください。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 一時保護の件数は、令和4年度648件、5年度654件、6年度718件で、主に虐待や保護者の疾病、子どもの非行などの理由によるものでございます。また、一時保護の後、児童養護施設や里親等に措置した件数は、令和4年度78件、5年度53件、6年度71件となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) この3年間で増えているようです。児童相談所による一時保護の判断は、子どもの安全を確保するために極めて重要で、迅速に、かつ適切に行うことが必要です。知らない場所に連れてこられ、不安を抱える子どものケアも、また、家庭に戻っていった子どもとその家庭への支援もとても重要です。
そこで伺います。一時保護から措置へと移行する件数は約1割ですが、9割の子どものフォローアップはどのようになされているのでしょうか。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 児童相談所や区のこども家庭センター等において、子どもや家庭の状況を把握しながら、在宅での支援を継続的に行っております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) きめ細やかな支援の継続をよろしくお願いいたします。
では次に、一時保護の後、さらに支援が必要であるが、家庭での養育が困難な場合についてどのような対応がありますか、教えてください。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 家庭での養育が困難な場合には、子どもの安全を確保するため、一時保護を行った上で、必要に応じて、里親家庭や乳児院、児童養護施設などで生活をする措置を行っております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) では、措置の中でも里親について伺います。
すべての子どもが夢を描けるまちという基本理念の下、社会的養護が必要な子どもたちが将来に夢を描けるようになるために、里親養育が果たす役割をどのように捉えているのでしょうか。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 子どもが家庭的な養育環境である里親の下で生活することは、子どもの安心感や信頼感、自己肯定感が回復し、心身ともに健やかに成長できるものと考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) ということであれば、里親家庭への支援をさらに充実させ、質の高い養育環境を継続的に提供できるよう、市として取り組んでいただくことが必要です。
そのための具体的な支援内容について伺います。
里親家庭における子どもと里親の関わりの中で安定した関係性や愛着形成を育むための具体的な支援内容について伺います。養育里親の育成、研修プログラムはどの窓口が行っていますか。また、その内容についてもお示しください。里親への助言等の取組など、里親家庭へのフォローアップはどのように実施されているのでしょうか。また、その中でどのような声や課題が上がっていますか、教えてください。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 養育里親の育成、支援につきましては、児童相談所や里親支援センターが窓口となり、国の定めたカリキュラムに基づいて、里親になるための研修や実習を実施するほか、フォローアップとして、相談支援や里親同士の交流、スキルアップのための研修などを実施しております。なお、里親家庭によりニーズは様々ですが、より安心して養育できるように、相談支援体制の充実を求める声をいただいております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) 里親は愛情を持って子どもを育てたいという強い思いがあります。しかし、現実には、子どもが心に深い傷を抱えていたり、思春期の対応が難しかったり、予想外の困難に直面することがあります。里親さんに伺ったところ、心理的ケアなどの勉強も日々必要ですし、経験のある先輩里親に直接悩みを相談し、アドバイスが受けられる環境が欲しいとのことでした。
他都市では、メンター制度を取り入れ、相談体制を整えているところもあります。どのような支援を求めているのか、里親さんの声を取り入れ、さらなる支援体制の充実が必要と考えますが、所見を伺います。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 里親の支援体制につきましては、今年度、里親支援センターを設置しており、引き続き子どもや里親の声を聞きながら、さらなる充実に取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) 支援体制の充実のため、実際に里親さんからいただいた御意見を紹介いたします。国の規定に基づいて、一般生活費として月額5万5,530円、ゼロ歳から1歳未満は6万4,120円が支給されており、小学校、中学校、高等学校と、それぞれのステージにより教育費など支給されているものの、学年が上がるにつれ食べる量も増え、高等学校のお弁当代などの食費や身だしなみにかかる費用など、生活費がかさむということでした。
里親への支援金や補助制度は十分だとお考えでしょうか。他の自治体と比較して、市独自の支援があればお示しください。また、個人賠償責任保険に加入しているのでしょうか。加入している場合、里親宅や里親に対する損害は対象となるのでしょうか。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 里親への支援につきましては、国の規定に基づく措置費に加え、福岡市の独自支援策として、就職や大学等の進学に際し、その準備に要する経費を助成しております。また、福岡市において、子どもを被保険者として個人賠償責任保険に加入しておりますが、里親宅や里親に対する損害は補償の対象外となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) 里親さんの家で何かがあっても補償されないとのことです。支給される金額だけで不足していないのか、里親の経済的負担の実態を把握して、支援の拡充と里親への補償の整備が必要だと思いますが、所見をお聞かせください。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 里親の支援につきましては、相談支援の機会を捉えて、養育状況等を把握するとともに、日常生活費など措置費の増額について、引き続き国に要望してまいります。また、里親への補償については、他都市の状況を確認するなど、情報収集に努めてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) 国へ要望しているとのことですが、市の独自支援の拡充もぜひ検討をいただくようお願いいたします。
次に、働きながら里親をされている方にとって、勤務先の理解は必要とのことです。実子を育てることと同じように、仕事を持ちながら里子を迎え入れることができる環境が整うことが望ましいと思いますが、所見をお聞かせください。また、里親に対する理解など、企業等への啓発についてお示しください。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 共働きの里親に子どもを委託する場合につきましては、保育所等の入所選考時に加点を行う優先利用の仕組みを導入するなど、委託と同時に保育所入所が可能となるよう調整を行っております。また、市民フォーラムの開催など、様々な広報活動を通じ、企業も含め、社会全体への里親制度の理解促進に取り組んでおります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) 企業によって理解がまちまちとの声もありますので、必要に応じてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
今回、数名の里親さんにお話を伺いました。1人で抱え込んでつらい時期もあった。しかし、今そのときの子が大人になって、巣立った後もたまに顔を出してくれるのがとてもうれしいとおっしゃっていたのが印象的でした。家庭的養育の推進には、里親の存在が欠かせません。里親をしっかりとバックアップしていただくよう改めて要望いたします。
里親のバックアップ体制の一つとして、令和7年4月に里親支援センターがオープンしましたが、その経緯と予算を含めて強化された取組などがあれば教えてください。また、里親のリクルートから委託後までを担う包括的支援について、具体的な活動内容をお示しください。また、人員について、人数と専門職員の配置をお示しください。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 里親支援センターは、令和6年4月の児童福祉法改正により、里親支援の拠点施設として新たに創設され、福岡市におきましては、令和7年4月に開設しております。令和7年度予算は6,471万円で、国の基準にのっとり、社会福祉士や精神保健福祉士の専門職など7人の職員を配置して、里親の開拓や研修及び支援に加え、里親の下で暮らす子どもたちへの相談支援を新たに開始するなど、里親を希望される方や里親家庭を包括的にサポートしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) 本市は、平成28年より里親のリクルートや研修、委託後までを包括的に支援するフォスタリング業務を民間に業務委託してきました。また、里親委託を推進するため、児童相談所と民間NPOが協働して取り組んでまいりました。
そこで、伺います。里親支援センターの開設により、今後、全ての里親に対し養育里親の登録やマッチングなど、センターに移管される予定なのでしょうか。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 里親の登録やマッチングの判断につきましては、引き続き法令等に基づき措置を行う児童相談所で実施する必要があると考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) では、7名の人員配置は、何世帯の登録里親に対応する人数なのでしょうか。全体の登録里親の世帯数と併せてお示しください。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 里親支援センターにつきましては、国の配置基準に基づき、120世帯の支援が可能な体制となっております。また、令和6年度末時点で、児童相談所における市全体の里親登録数は364世帯となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) つまり、里親支援センターは、運営団体がこれまで対応してきた里親の支援からスタートするということなのでしょうか。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 里親支援センターの運営法人におきまして、開設前から支援してきた里親に加え、新たに登録された里親の支援も行っております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) 本市が、社会的養護下で生活する児童の家庭的養育を推進していく上で、里親支援センターが里親会や里親同士のつながりの支援に今後どのように関わっていくのか、段階的に状況を見ながら、里親をはじめ、関係機関の意見を十分に聞いて里親支援センターの在り方を検討するよう要望いたしますが、所見を伺います。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 里親に対する包括的な支援の必要性は年々高まっており、子どもや里親の声を聞きながら、里親支援センターの運営状況を踏まえ、関係機関と連携した支援の充実に引き続き取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 小竹りか議員。
○53番(小竹りか) 最後に、社会的養護を必要とする全ての子どもたちが愛情を感じながら、温かい家庭的な環境で心身ともに健やかに成長できるよう、質の高い家庭的養育のさらなる推進について、本市の決意を伺い、私の質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 福岡市では家庭的な環境で子どもが成長できるよう、NPOや児童福祉施設など民間団体と協働して、里親養育の推進や児童養護施設等の機能強化、親子分離を防ぐための在宅支援策の拡充などに取り組んでまいりました。引き続き、子どもの最善の利益の実現に向け、養育環境の充実に取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) この際、休憩し、午後2時45分に再開いたします。
午後2時35分 休憩
○議長(打越基安) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎)登壇 私は公明党福岡市議団を代表して、誰でも気軽に外出できる福岡市を目指して、持続可能な地域交通の確保と高齢者乗車券の柔軟な活用について質問いたします。
人口減少を背景として、近年、全国各地で路線バスやローカル鉄道の減便、廃止が相次いでいます。先月、国が閣議決定した2025年版交通政策白書によると、全国の路線バス事業者が2023年度に廃止した距離の総延長は2,496キロで、前年度の1.5倍に増加し、地域交通は危機的な状況と指摘しています。本市も例外ではありません。福岡市の公共の乗り物といえば、地下鉄、JR、西鉄電車、西鉄バス、昭和バスなどがありますが、中でも西鉄バスは、本市の発展の歴史とともに、高いレベルで安定的な公共交通サービスが提供され続けてきました。しかし、近年、公共交通を取り巻く環境が急速に変化し、市民生活に直結する交通手段に大きな影響を与えています。
そこでお尋ねしますが、令和7年春の西鉄バス福岡地区の一般路線バスダイヤ改正について、その概要をお示しください。
以上で1問目の質問を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 令和7年春の西鉄バスのダイヤ改正におきましては、主に東区香椎エリアや西区壱岐エリアを中心とした25路線で減便がなされており、平日で福岡地区全体の約3.1%の減便が行われております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 今回の改正では、主に東区香椎エリアや西区壱岐エリアで大幅な減便が行われました。
資料1をお願いいたします。(資料投影)私の住む西区では、姪浜大通りに新室見というバス停がありますが、姪浜駅から南に約1キロに位置しています。壱岐営業所から姪浜駅までを折り返し運行する路線や都市高速経由で天神、博多駅への都心へ向かう路線など、多くのバスが走る豊富な路線系統と便数を誇っていました。しかし、今回のダイヤ改正によって、上り下り合わせて、平日265便が157便に減便となりました。福岡地区平均の減便率3.1%を大きく超える約40%の大幅な減便です。特に都市高速を使う天神、博多方面行きでは、改正前の71便から改正後23便となる67%の減便、利用者の多い朝の時間帯は残したまま、13時以降の便は全てなくなりました。
そこで、今回のダイヤ改正による減便はどのような理由によって行われたのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 慢性的な運転手不足への対応を主な理由として、利用状況に応じたダイヤ改正が行われたと聞いております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 運転手不足や高齢化、残業規制の強化、また、燃料価格の高騰や人件費の上昇は経営に影響するため、減便のダイヤ改正はある程度理解しますが、利用状況に応じたダイヤ改正、いわゆる乗車人数が少ないから減便するというやり方では、市民への理解は深まりません。通勤や通学に困る、病院に行けなくなった、買物にも困るといった切実な声が寄せられています。
こうした状況に対する本市の認識と対応について、今後どのような姿勢で臨んでいくのか、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 郊外部の人口減少やバス利用者数の減少に加え、近年の運転手不足など公共交通を取り巻く環境は厳しくなっており、バス路線の維持に課題が生じていると認識しております。
バス交通については、市民生活にとって重要な公共交通であり、地域の御利用によって支えられていることから、引き続き、地域、交通事業者、行政が共働して、公共交通ネットワークの維持に努めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) そこで、それらの諸課題に対応した本市の交通政策を実施するため、前計画から約10年が経過し、今年度新たに策定された福岡市都市交通基本計画における今後の地域交通の方向性についてお伺いいたします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 新たな都市交通基本計画におきましては、地域の実情に応じた生活交通の確保を方針の一つと位置づけ、高齢化の進展や地域の実情などを踏まえ、市民、交通事業者、行政が共働し、日常生活を支える持続可能な生活交通の確保を図ることとしており、バス路線の休廃止に伴う公共交通空白地における代替交通の確保や、公共交通が不便な地域における取組への支援の強化などに取り組むこととしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 新たな計画において、地域の実情に応じた生活交通の確保が示されましたが、これまで以上に本市がリーダーシップを発揮し、実効性のある地域交通支援強化の具体的な取組を強く求めておきます。
次に、路線の廃止について伺います。
本年3月末に、昭和バスが運行する西区のマリノア線が廃止となりましたが、そもそも、このマリノア線はどのような路線だったのか、廃止になった理由と併せてお答えください。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 昭和バス、マリノア線につきましては、姪浜駅、小戸、マリノアシティ福岡間を運行し、商業施設利用者や沿線の小戸周辺の方に利用されていた路線でございます。
令和6年8月の施設の閉館による利用者の減少や運転手不足に伴い、路線の維持が困難となったとのことから、交通事業者より国へ届出がなされ、令和7年3月31日に廃止となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 資料2をお願いします。(資料投影)赤い線が本年3月末まで運行していたマリノア線の路線図です。マリノアシティ閉館後、昨年9月からは土日祝日の便をなくし、平日は減便しての運行。今後マリノアシティの跡地は数年かけて再開発予定のため、それを見越しての運行が継続されると思われましたが、残念ながら路線廃止となりました。この地域には高齢者も多く、小戸から姪浜駅への移動の足がなくなることに大変に困るとの声を多く聞きました。
そこで、本市としてバス交通の維持についてどのような支援をしたのか、お伺いいたします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) マリノア線の代替となる移動手段の確保について、地域や交通事業者と協議、検討を行い、姪浜タクシーが運行する今宿姪浜線が、令和7年4月1日より小戸方面へも運行を開始されております。
福岡市といたしましては、今宿姪浜線を小戸方面へも運行していただけるよう運行事業者に働きかけるとともに、事業者とも連携しながら、関係機関との協議やダイヤの検討、地域への運行内容の説明やチラシ配布による周知などを行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 資料3をお願いいたします。(資料投影)4月1日より、姪浜タクシーが運行する今宿姪浜線が迂回運行し、小戸公園、小戸中央バス停を通るようになりました。目的地である姪浜駅までの一部ルートが、マリノア線、今宿姪浜線共に重なっていたことも幸いし、できる限りの対応をしていただいたものと思います。資料4をお願いいたします。(資料投影)これは小戸中央バス停の様子です。今回の対応で空白期間を生まずに引き続き利用できるようになり、地域の方からも喜びの声をお聞きしました。交通空白地を生まないための取組は、事業者任せではなく、本市が主体的に関わることが重要であることを示しています。
この今宿姪浜線も、以前から公共交通を確保するための重要な取組として本市が支援を続けていますが、その概要についてお伺いいたします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 今宿姪浜線は、バス路線の休廃止に伴い、公共交通空白地となる西区今宿上ノ原地区などの代替交通確保のため、平成19年11月から、条例に基づく休廃止対策として福岡市が運行経費を補助することで運行を開始しております。
運行に当たりましては、地域、交通事業者、行政による連絡協議会を設置し、適宜、利用状況の共有や運行内容の見直し、利用促進などに取り組んでおります。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 条例に基づく休廃止対策として運行している今宿姪浜線は、運行当初、利用者に愛着を持ってもらうために、海岸線を走るバスをイメージしたなぎさ号と命名。運行から18年経過した今も地域に親しまれています。以下、なぎさ号と言いますが、なぎさ号の利用者数、補助金額について、10年前、5年前、コロナ禍、直近の状況、また、近年の傾向についてお伺いいたします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 今宿姪浜線、なぎさ号の年間の利用者数及び補助金額につきましては、10年前の平成25年度は3万8,217人で298万2,000円、5年前の平成30年度は2万8,440人で805万6,000円、コロナ禍の令和2年度は1万9,532人で1,002万8,000円、直近の令和5年度は2万7,905人で987万7,000円となっております。
利用者数は、新型コロナウイルス感染症の影響により一時減少したものの徐々に回復傾向、補助金額は経費高騰の影響もあり増加傾向となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 利用者数は徐々に回復傾向にあるものの、10年前と比較しても1万人減少しており、市の補助金額は年々増加傾向にあるようです。
では、なぎさ号の利用について、利用者の声はどのようなものがあるのか、教えてください。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) なぎさ号の沿線住民を対象に、令和6年2月に実施したアンケート調査によりますと、高齢化がこれからも進むと思われるので、なぎさ号のようなバスは必要、今後も地域の足として運行を継続してほしいといった御意見をいただいております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 将来にわたり、地域の足、生活の足として、なぎさ号の必要性を強く感じている人が多いことがうかがえます。
そこで、なぎさ号に関する課題について2つお聞きしていきます。
その1つは、利用者減少などにおける現状において、地域公共交通ネットワークが将来にわたり担保されるかどうかであります。資料5をお願いいたします。(資料投影)これは西区の鐘撞山から見る今宿の景色です。奥には能古島も臨みます。令和元年、今宿地域では、なぎさ号の利用促進を目的として、地域住民、九州大学の学生、西区役所、交通事業者が中心となった地域活性化のための今宿プロジェクトを立ち上げました。これは、そのホームページです。今宿の豊かな海や山、そして、歴史ある古墳や神社、史跡、唐津街道としての面影を残す町家など、今宿の魅力を内外に発信していくことで、なぎさ号の利用を、地域の足としてだけでなく、観光促進にもつなげていこうと取り組んでいます。先日、今宿プロジェクトの代表の方々とも意見交換させていただきました。地域資源を生かした地域主体のまちづくりを行政が支援していくことは重要です。投影ありがとうございました。
今後、今宿は長垂海浜公園や今宿野外活動センターのリニューアルが計画されており、観光などの利用者増が期待されますが、交通ネットワークを将来にわたり維持していくためにも、地域との連携による取組の強化など、さらなる利用促進が必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 連絡協議会において、地域、交通事業者、行政の3者で協議を行い、これまでバス停の追加などの運行内容の見直しやバスを使ったイベント企画による利用促進など、路線維持に取り組んできたところでございます。
今後、沿線施設のリニューアルも予定されていることから、利用実態などを踏まえながら、引き続き地域や交通事業者と連携し、利用促進に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) よろしくお願いいたします。
課題の2つ目は、高齢者の外出支援である高齢者乗車券の利便性向上についてです。
そこでまず、高齢者乗車券の目的、令和5年度の予算額、決算額と、対象者数、交付者数、券種ごとの交付者数についてお伺いいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 高齢者乗車券は、高齢者の社会参加を促進し、福祉の増進を図ることを目的としており、令和5年度の予算額は19億8,400万円余、決算額は17億700万円余、対象者数は23万6,403人、交付者数は15万6,827人となっております。
また、券種ごとの交付者数は、多い順に、交通用福祉ICカードが12万1,288人、タクシー助成券が3万5,084人、市営渡船乗車引換券が352人、今宿姪浜線乗合バスなぎさ号が51人、オンデマンド交通チョイソコふくおか乗車券が35人、曲渕線乗合タクシーが15人、早良区大字西地区乗合タクシーが2人となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 高齢者乗車券は70歳以上の対象の方に幅広く利用されておりますが、予算額と決算額の開きや対象者数と交付者数にも開きがあるため、より多くの方に申請していただき、使っていただくための制度の改善や利便性向上の取組が求められます。また、高齢者人口が毎年増加していく中においては、財政負担に耐え得る持続可能な制度にしていかなければなりません。
そこで、高齢者乗車券の近年の利便性向上に関する取組状況についてお伺いいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 従前は区役所の窓口で交付しておりましたが、令和2年度に郵送やオンラインによる申請を、3年度に交通用福祉ICカードにオンラインによるポイント付与の仕組みを導入し、区窓口の混雑解消にもつながっております。
また、4年度に、曲渕線乗合タクシー、5年度にオンデマンド交通チョイソコふくおかで利用できる新たな券種を導入するとともに、6年度には、さらにタクシー助成券の2枚利用の運用を開始するなど、利便性の向上に努めております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) これまで我が会派からも、郵送、オンラインによる申請やタクシー助成券の2枚利用について議会で提案してまいりましたが、改めて利用者目線に立った利便性向上の取組が実施されていることが分かりました。
一方、今回、小戸地域の方から、マリノア線の廃止、なぎさ号が迂回運行したことで、それまで使用していたICカードによる高齢者乗車券が使用できなくなったとの御相談をいただきました。資料6をお願いいたします。(資料投影)高齢者乗車券は7種類あり、助成期間は、毎年10月1日からの1年間です。この間、券種の変更はできません。これまでのマリノア線は交通用福祉ICカードを利用していました。そして、なぎさ号はICカードに対応していないため、紙での高齢者乗車券です。そのため、交通用福祉ICカードの残額があるにもかかわらず、なぎさ号乗車時は毎回、乗車のたびに現金で払っているとのことです。バス路線の廃止は事業者側の都合であるため、担当課に券種の交換ができないか聞きました。しかし、交付規則に規定しているため、券種の変更はできないとの回答でした。このような券種の変更については、なぎさ号に限らず、不便に感じている方は多いのではないでしょうか。
お尋ねいたしますが、高齢者乗車券等交付規則に乗車券は他の種類の乗車券と交換しないとしているのはなぜでしょうか。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 膨大な対象者に対し、正確かつ迅速に交付を行う必要があるため、事務の外部委託やシステム化を進めるなど、交付体制の整備に取り組んでおります。交換については、券種や金額の修正に対応できるシステム整備など、さらなる体制整備が必要となることから、原則として行っておりません。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) さらなるシステム改修が必要であるため交換は行っていないとのことですが、大事なことは、市民のためにシステム改修をすることではないでしょうか。
なぎさ号の交付者数は、ICカードやタクシーでの交付者数と比べても極めて少ないため、そこに対する関心は低いのかもしれません。しかし、現実に困っている方がいることは事実です。バス路線の廃止などで申請している高齢者乗車券が身近に利用できなくなる場合や、利用者本人の病気やけがなどによって従来の券種での移動が困難になる場合など、状況の変化によって、申請後の高齢者乗車券の券種の交換に柔軟に対応すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 答弁に入ります前に、先ほどの答弁の修正をさせていただきます。
先ほどの乗車券の交付者数に対する御質問に関しまして、「市営渡船乗車引換券」とお答えしましたが、「市営渡船乗船引換券」でございました。おわびして修正させていただきます。
今の御質問にお答えいたします。
交通用福祉ICカードにつきましては、基本的には一部路線の廃止等にかかわらず、広く社会参加に活用いただける汎用性の高いものと認識しております。乗車券の交換には、システム改修など効率性を踏まえた体制整備が必要となりますが、専用の券で利用する乗合タクシー等における事業者交代により券が使えなくなるなど、真にやむを得ない事情が認められる場合につきましては、対応について検討してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 対応を検討するとの答弁です。今回のケースも、真にやむを得ない事情であり、今年度の残りの期間を考えますと、早期に決断すべき必要があります。どうかよろしくお願いいたします。
昨今の人手不足や物価高騰が公共交通の減便や利便性の後退につながっています。本市に求められているのは、そこをいかにカバーし、市民にとっての利便性を補うかではないでしょうか。超高齢社会の今、より多くの市民の社会参加は、生きがいや健康づくりにつながります。
この質問の最後に、誰でも気軽に外出できる本市のまちづくりに向け、持続可能な地域交通の確保と高齢者乗車券の柔軟な活用について島市長の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市においても、高齢化の進展などによりまして生活交通の確保や社会参加の促進の重要性が高まっているものと考えております。
このため、持続可能な生活交通の確保に向けて、条例に基づく休廃止対策や公共交通不便地等における支援の強化など、地域の実情に応じた取組を推進しますとともに、高齢者乗車券につきましては引き続き利便性を確保するなど、高齢者の社会参加の促進を目指して、誰もが気軽に外出できるまちづくりに取り組んでまいります。以上です。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利)登壇 私は、公明党福岡市議団を代表して、障がい者支援の充実について、水道スマートメーター導入について、市営住宅の有効活用について、救急医療の効率化について、以上4項目質問をいたします。
初めに、障がい者支援の拡充について、本日は障がいがある方からの御相談を通して伺ってまいります。
昨年5月、厚労省は2022年12月現在の障がい児・者の総数が日本の人口の約1割に当たる1,164万6,000人で、6年前の調査から228万人増加して過去最高になったと発表しました。
福岡市での近年の傾向、障がい種別ごとの人数、また、難病患者数を伺います。
以降の質問は自席で行います。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 各年度末時点の障害者手帳所持者数で申し上げますと、身体障がい者は、令和4年度が5万1,751人、5年度が5万1,642人、6年度が5万1,275人、知的障がい者は、4年度が1万4,040人、5年度が1万4,621人、6年度が1万5,302人となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 精神障がい者は、年度末時点の障害者手帳の所持者数で申し上げますと、令和4年度が2万957人、5年度が2万3,259人、6年度が2万5,037人。また、難病患者は、特定医療費受給者証の所持者数で申し上げますと、令和4年度が1万1,750人、5年度が1万2,384人、6年度が1万3,122人でございます。以上です。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) 今答弁をいただきましたように、特に精神障がい者、難病患者の数は福岡市でも増加傾向です。本年4月1日からJRの精神障がい者割引が導入されました。
具体的にどうなるのか、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方は手続が必要なのか、御説明ください。
○議長(打越基安) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 精神障がい者割引は、旅客鉄道株式会社旅客運賃減額第1種または同第2種と記載がある手帳をJR窓口で御提示いただくことで、御本人や介護者の方の乗車券額が5割引きなどとなる制度でございます。また、手続につきましては、制度開始後に発行した手帳をお持ちの方は特段の手続を必要としませんが、制度開始前に発行した手帳を持ちの方は運賃減額の記載がございませんので、JRを御利用の際、初回のみ各区健康課にお越しいただき、お持ちの手帳に運賃減額のスタンプを押していただく必要がございます。
なお、手帳は2年ごとに更新し発行しますので、少なくとも制度開始後2年たてば全ての方が運賃減額の手続が不要となります。今後、制度についてさらなる周知を図ってまいります。以上です。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) 区役所でスタンプを押してもらっていないとJRの割引を受けられないため、それを知らずに割引を受けられなかった人が出ないようにお願いしておきます。
障がいがある方からの御相談で、何度か委員会等でも質問しましたが、例えば、障がい者用はやかけんを使って福岡市地下鉄空港線で天神から乗車してJR筑肥線の九大学研都市で下車する場合、自動改札機を通過できず、駅窓口での処置などが必要です。
障がいのある方が特別な負担がなくスムーズに利用できるよう、早急に対応が必要と考えますが、所見を伺います。
○議長(打越基安) 小野田交通事業管理者。
○交通事業管理者(小野田勝則) 地下鉄などの交通機関を利用する際の障がい者割引につきましては、障がいの等級、乗車距離、介護者の有無などにより、各交通事業者で割引制度が異なっております。そのため、議員御指摘の障がいのある方が地下鉄とJRを乗り継ぐ際は、自動改札機での対応ができない場合があるため、やむを得ず降車する駅の窓口で料金を精算していただいております。
障がい者割引の課題につきましては、現在もJR九州と協議を行っており、引き続き解消に向け取り組んでまいります。以上です。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) これはタッチ決済でも同様の処置が必要であり、早期解消を期待しております。
また、視覚障がいがある早良区の方から相談をいただきました。早良区原交差点は変則的な7差路の交差点で横断歩道も7か所あります。ふだん白杖を持たれている方ですが、一人では怖くて原交差点を横断して大型スーパーまで行くことができませんとのお話です。横断歩道に潜む視覚障がい者の危険度合いは、近年、電気自動車やハイブリッド車など、静かな車が増えたこともあり、車の気配を察知できないこと、歩きスマホの方とぶつかることも急増している現状で、特に点字ブロック上の歩きスマホはやめてもらいたいということも深刻です。令和6年3月、警察庁より横断歩道のエスコートゾーンの設置に関する指針の制定について通達がなされ、横断歩道における視覚障がい者の安全確保を進めることとされています。一方、金沢工業大学が開発したコード化点字ブロック認識アプリであり、しゃべる点字ブロック、Walk&Mobileの取組が、金沢市、仙台市、品川区など、広がり始めています。原交差点は将来的に交差点改良も予定されているとは聞いていますが、7差路よりも少なくなることは考えにくいと思います。
市内の、これと同様な危険交差点に横断歩道のエスコートゾーンをしっかりと整備することや音声で知らせる仕組みなど、現地の状況に応じた最適な手法を検討すべきと考えますが、所見を伺います。
○議長(打越基安) 竹廣道路下水道局長。
○道路下水道局長(竹廣喜一郎) エスコートゾーンにつきましては、福岡市バリアフリー基本計画において、令和7年度末までに設置が必要な箇所として145か所が位置づけられており、令和6年度末までに136か所が完了しております。また、それ以外の箇所におきましても、要望があった際には県警察と連携し、現地の状況等を確認の上、設置を行っております。
また、議員が御指摘の原交差点も含め、交差点における音声を用いた誘導につきましては、視覚障がい者の安全な通行に有効であると考えられることから、新技術の開発動向や関係団体の意見なども踏まえ、県警察を初めとする関係者と連携し、検討してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) どうぞよろしくお願いいたします。
障がいがある方から、さらに別の相談を受けました。福岡市が発行している障がい福祉ガイド令和6年度版では、142ページにわたり様々な施策の概要と各種相談機関や関係施設の情報がまとめられています。これは、紙ベースのものとホームページ上でも閲覧できますが、情報量が多くて、なかなか自分が支援を求めたいところまでたどり着けませんという相談です。
障がいがある方が必要な情報に、より簡単にアクセスできるようにすべきでないかと考えますが、所見を伺います。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 障がい福祉サービスにつきましては、障がいの種別や等級に応じて利用可能なサービスが細かく分かれており、必要なサービスの情報にたどり着きにくい場合があることは認識しております。必要な情報が必要な人に届くようにすることは重要であると考えており、より分かりやすい情報提供に努めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) 東京都江戸川区でも、98ページにわたる障害者福祉のしおりが発行されていますが、令和5年10月から、障がいがある方やその御家族や介助者などに向けて、地域生活や利便性の向上を目的とした障がい者支援アプリ、ミライクをリリースしました。ミライクとは、未来に行くという意味を込めたものです。このアプリは、身体、知的、精神、難病といった障がいの種別や等級などから分かりやすく検索できる機能や、住んでいる地域の事業所を検索できる機能などを備えるとともに、定期的に江戸川区からのお知らせ配信、会員登録により、自分の障がい種別や特性に合わせたお知らせが配信されます。同様に、宇都宮市でも昨年12月に開始しており、これまで手続関係の書類などは市役所窓口での手渡しや郵送、電話などで案内していたものを、アプリを介して通知するとともに、施設検索や空き状況も更新され、今後、窓口での相談予約や混雑状況の確認機能も追加の予定です。
障がいがある方やその御家族などへのさらなる利便性向上を図るため、特性に応じて、一番求めている相談先や事業者にたどり着くことができて、さらには子どもの療育の記録もできる、このような障がい者支援アプリの導入を検討すべきと考えますが、所見をお聞きします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 障がいのある方やその御家族への情報提供や療育の記録等につきましては、江戸川区や宇都宮市など他都市の事例も参考にしながら、ICTの進展など社会情勢の変化を踏まえ、より効果的な手法になるよう関係局と連携し検討してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) 早期導入に期待しております。
障がいがある方も、難病の方も、一人一人が心豊かに暮らし自分らしく輝いている福岡市へ、島市長の御決意を伺います。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 障がいのある方や難病の方が、住み慣れた地域で自分らしく安心して暮らせることは大変重要であると考えています。
福岡市では、一人一人に寄り添った相談支援や、またサービスの提供のほか、ユニバーサルデザインの理念に基づく施設の整備や、また、横断歩道におきますエスコートゾーンの設置、インクルーシブな子ども広場の整備など、様々な取組を進めてまいりました。
今後とも、新しい技術を積極的に取り入れながら、「みんながやさしい、みんなにやさしいユニバーサル都市・福岡」の実現に向けてしっかりと取り組んでまいります。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) どうぞよろしくお願いいたします。
次に、水道スマートメーター導入についてです。
令和4年9月議会で水道スマートメーターの早期導入について質問いたしました。当時の管理者からは、水道スマートメーターは様々な導入効果が期待されるとともに、将来、水道事業が直面する課題や新たな社会的価値の創出を考えますと、福岡市においても将来的には全市導入を図っていく必要があると考えておりますと答弁いただいております。
これまで福岡市で行ってきた水道スマートメーターの実証実験の概要及び技術面での課題や効果について、総括して御説明ください。
○議長(打越基安) 中村水道事業管理者。
○水道事業管理者(中村健児) 福岡市におきましては、これまで民間企業と連携し、各種スマートメーターによるデータ収集、通信性能や漏水監視等、複数の検証を行っております。これまでの実証実験で得られた技術面での課題としては、既存メーターに取り付けるアタッチメント型のものは数値を誤って読み取る場合があること。また、メーターボックスの蓋が鉄製である場合、通信が不安定になることなどがございます。一方で、現時点で確認できた効果としては、携帯電話回線では1時間ごとの指針のデータ取得率が9割を超える高い結果が得られること、また、通信技術などが確立すれば、訪問検針時に立会いや解錠が必要な場合においても、それらが不要になることなどがございます。
なお、現在行っている実証実験では、給水管及び配水管における漏水検知機能等の検証を行っているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) 東京都では令和4年度から6年度までの3年間で約13万個を設置、令和7年度からの4年間でさらに新築住宅公共施設に100万個導入、2030年代全戸導入を加速させています。また、大阪市でも2030年代全戸導入を掲げています。全国的に全世帯導入を掲げた自治体の中で最も早く全世帯設置が実現できる見込みなのが静岡県湖西市です。中部電力と連携し、2021年度から事業を開始、昨年10月中旬までに6,400戸設置、2027年度末に2万6,000戸全戸導入します。これらは全国的な人口減少傾向の中、将来にわたって安定的に水道事業を運営し続けるための計画です。
水道スマートメーター導入により、市民サービス向上の観点から、具体的にどのようなメリットがあるのか、お聞きします。
○議長(打越基安) 中村水道事業管理者。
○水道事業管理者(中村健児) 福岡市がこれまでに実施してきた実証実験の結果や他都市の事例等を踏まえますと、料金の問合せ等に対する迅速なお客様対応が可能となること、使用水量の見える化による蛇口の閉め忘れや漏水の早期発見が可能となること、訪問検針時の立会いが不要となること、検針票や請求書がペーパーレス化できることなどの市民サービスの向上が図れるものと認識しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) 御答弁のように多くのメリットがあります。先行自治体の共通の課題として、まず第一は、スマートメーターの機器や通信費が高額であることですが、それよりも何よりも、将来を見据えた市民サービスの維持向上のために、水道スマートメーター導入を進めています。今後、全国での導入が進めば、費用面での課題の緩和も期待されます。福岡市では、本年、令和7年度から10年度までの第3次福岡市水道中期経営計画で水道スマートメーターの通信性能確認や自動検針、漏水検知など、有用性や付加価値の創出について検証し、お客様サービスの向上や料金請求事務等の効率化を図るとされています。
福岡市においては、水道スマートメーターの全市導入への実装計画策定に向け、どのように進めていくのか、所見を伺います。
○議長(打越基安) 中村水道事業管理者。
○水道事業管理者(中村健児) 水道スマートメーターにつきましては、議員御指摘のとおり、現状では費用面での課題もあることから、価格の動向や水道事業全体の収支状況なども勘案しながら、引き続き検討していく必要があると考えております。
今後とも、現在進めている実証実験の結果等を踏まえながら、実装も視野に入れた試験的な導入など、引き続きスピード感を持って検証を進めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) ぜひ早期に全戸導入に向けた実装計画策定を期待しております。また、水道事業を安全、安心に運営していくため、防災危機管理の向上として、配水支管スマートメーター、水圧計のことです──を設置し、水圧の遠隔監視で震災時などに重要施設の給水状況を速やかに把握可能です。また、時間別の排水状況の特徴を把握することで、土地の形状や配水管整備状況が異なる地域での効率的な施設整備や維持管理も可能となります。
災害時の速やかな状況把握と補修工事につなげることや、ポイントを絞った施設整備や維持管理などに活用できるようにすべきと考えますが、所見を伺います。
○議長(打越基安) 中村水道事業管理者。
○水道事業管理者(中村健児) 福岡市におきましては、過去の渇水などの経験を踏まえ、排水調整システムを整備し、常時、水圧を監視、管理するなど、配水コントロールを実施しており、災害時においても、速やかな状況把握や水の相互融通が可能となっております。
一方で、東京都が令和7年3月に公表している水道スマートメーター実装方針によりますと、スマートメーターは、災害時における、よりきめ細かな対応への活用も期待できるなどの報告もあることから、引き続き他都市の動向にも留意しまして、災害時や維持管理等への活用、可能性についても、検討してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) どうぞよろしくお願いいたします。
さいたま市でも効果的なスマートメーター検針として、市と包括連携協定を締結している郵便局の配達員さんの腰に機器を下げてもらうことで、近くの水道スマートメーターを通れば自動受信できるドライブバイ検針などの取組を始めています。海外では、ごみ収集車に取り付ける例もあるとのことです。
水道スマートメーターの最も有効な通信の在り方など、具体的な検証も必要と考えますが、所見を伺います。
○議長(打越基安) 中村水道事業管理者。
○水道事業管理者(中村健児) 現在、公益財団法人水道技術研究センターでは、産学官連携によるNew-Smartプロジェクトにおきまして、水道スマートメーターの普及促進を加速するための研究が進められております。
このプロジェクトには、東京都や大阪市などに加え、福岡市も参画しており、ドライブバイでの自動検針に関する検討のほか、電気、ガス事業者との共同検針など、様々な自動検針手法を検討しているところでございます。引き続き、これらの結果や他都市の動向等にも留意しながら、最適な通信方法を検証してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) 水道スマートメーターのメリットをお尋ねしてまいりましたが、3年前に福岡市でも全市導入を図る必要があると答弁いただいた以上、先行する東京都、横浜市、大阪市の3大都市の取組に遅れを取らぬよう、福岡市としても具体的に早期に計画を策定し、内外に表明する必要があると考えます。
水道スマートメーター実装を通して、脱炭素社会の実現、高齢者などの見守りやフレイル予防など、福岡市として全市横断的な施策を進めていただきたいと思いますが、島市長の御決意をお聞きします。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 人口減少や少子高齢化が進んでいく中、多様化する市民ニーズに丁寧に対応し、福祉や防災の分野など様々な行政サービスをよりきめ細やかに提供していくため、デジタル技術の果たす役割は非常に大きいと考えています。
水道事業におきましては2度の大渇水の経験なども踏まえ、現在では世界トップの低い漏水率を維持しておりますが、さらなる取組として、人工衛星画像やAI、IoTセンサーといったデジタル技術を活用した漏水調査にチャレンジをしているところでございます。水道スマートメーターの導入につきましては、現状では費用面などの課題もあることから、市民ニーズや市場の動向、また水道事業全体の収支状況などを踏まえ、脱炭素社会の推進など、各種施策との連携も勘案しながら、その進め方等を検討してまいります。以上です。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) どうもありがとうございます。費用がかかるということで今答弁いただきましたので、島市長のリーダーシップに期待しております。
次に、市営住宅の有効活用についてです。
私たち議員に寄せられる相談で最も多く寄せられていることの一つが、依然として市営住宅への入居に関することです。何度申し込んでも当たりませんとか、空き家があるのに募集されずに長くそのままになっているんではないですか、などです。私たち公明党福岡市議団も、居住者が退去後速やかに修繕修復をして早く募集にかけてもらいたいこと、階段しかなく、比較的空き家が多い4階、5階に子育て世帯を入居させること、車椅子利用者へのバリアフリーの拡充などを求めてまいりました。昨今の物価高、税金や社会保険料の負担増など、生活に苦しむ市民の皆様も増えてきており、高齢者、障がい者、中でも単身世帯の増加、子育て世帯などの住宅確保に配慮が必要な住宅確保要配慮者が増えていると感じています。
まずは定期募集における全体の応募倍率、高齢単身者、身体障がい単身者世帯の応募倍率の直近3年間の推移をお聞きします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 定期募集における全体の応募倍率は、令和4年度9.1倍、5年度9.4倍、6年度10.4倍でございます。また、高齢単身者、身体障がい単身者世帯の応募倍率は、令和4年度28.4倍、5年度31.7倍、6年度28.1倍でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) 高齢単身者、身体障がい単身者は約30倍で推移しています。市営住宅の住宅セーフティーネットとしての役割はますます重要であり、特に車椅子使用者向けの住戸は、令和5年度に建て替えの際に、1階を全て車椅子使用者向けとして整備するとの方針を打ち出し、令和7年度からの入居ができるようになると聞いております。
現在の整備状況、車椅子使用者向け住戸はいつから募集するのか、令和7年度は何戸の整備に着手するのか、今後の目標はどうなのか、伺います。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 車椅子使用者向け住戸につきましては、令和5年度に22戸、6年度に35戸の整備に着手しており、入居者募集の第1弾として7年11月に7戸、残りについても、順次募集を行う予定としております。
また、令和7年度は47戸の整備に着手し、今後、12年度末までに300戸程度を整備する予定としております。以上でございます。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) 一刻も早い整備が必要でありますが、応募倍率は依然として高く、市営住宅へ入居することは大変狭き門であります。
そこで、市営住宅の令和7年3月末時点の管理戸数、空き家戸数、空き家率をお聞きします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 令和7年3月末時点の管理戸数は3万1,111戸、空き家戸数は3,632戸、空き家率は11.7%であり、5年度の空き家率は政令市で最も低い状況でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) 政令市では低いほうということでありますが、居住者が市営住宅を退去された後、空き家の修繕修復を行い、再募集までの期間をなるだけ短くするための取組は重要です。
期間はどの程度かかっているのか、少しでも再募集を早めるためにどう取り組んでいるのか、伺います。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 退去から再募集までの期間につきましては、退去確認や現地調査、修繕費の見積り、精査、工事発注などの業務を各部署が連携を密にして効率的に実施することにより、退居から空き家修繕までの期間短縮に努めるとともに、募集業務と並行して修繕業務を進めることにより、最短で約2か月後に募集を開始しております。
なお、募集のタイミングにつきましても、新学期に合わせて入居できるよう、11月募集において子育て世帯の募集枠を他の時期より多く確保するなどの工夫を行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) 早期の再募集に向け、様々努力いただいております。福岡市では地震や風水害など、災害被災者、犯罪、DV被害者、火災、市営住宅の建て替え時の仮移転先としての活用など、緊急的に住まいが必要な方の住居を確保していると聞いています。
災害被災者などのための空き家確保はどういう現状なのか、目的別に、どこに何戸くらい確保しているのか、特に建て替えのために確保する住宅はできるだけ必要数を絞ってもいいのではないかと考えますが、所見を伺います。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 市営住宅につきましては、住宅の確保にお困りの方などに安全、安心な住宅を提供するという重要な役割を担っており、災害被災者や建て替えなどのための空き家の確保は必要不可欠ではございますが、募集戸数を増やすためには、その数は必要最小限とすることが重要と認識しております。
このため、災害被災者などのための空き家につきましては、年間を通じて退去などによる空き家が一定数生じるため、特定の空き家を継続的に確保するのではなく、随時入替えを行いながら、災害などが生じた際に、すぐに提供できる住戸を、過去の必要戸数を参考に一定数確保しております。
また、建て替えのための空き家の確保につきましては、主に近隣の団地や仮移転用に整備した建て替え促進住宅において行っており、適宜、仮移転に必要な住戸数を把握しながら、確保に努めております。以上でございます。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) 市営住宅の応募倍率が高く、入居を希望する市民も大勢待ち望んでいらっしゃることを考えれば、建て替え時の仮移転先となる建て替え促進住宅については最小限にするために大胆な見直しを行い、公募に切り替えて市民に提供することなども必要ではないかと考えます。
建て替え時の建て替え促進住宅の確保は必要と思いますが、そこを努力して、1個でも2個でも多く公募に切り替えてもいいでいいのではないか、市の考えをお聞きします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 建て替え促進住宅である千代六丁目住宅につきましては、年間350戸程度実施している市営住宅の建て替え事業に伴う仮移転者専用の住宅で、事業の円滑な推進に向け、主に近隣の団地から、団地コミュニティが分離されることなくまとまって仮移転できるよう整備したものでございます。
住棟は全部で3棟、住戸数は計190戸、間取りは全て3DKで、広さは約60平方メートルとなっております。
募集戸数を増やすための取組として、建て替え事業における仮移転のスケジュールや仮移転先などを調整し、全3棟のうち、10階建て80戸の1棟について一般公募への切替えを行っていきたいと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) ぜひ、よろしくお願いいたします。
京都市では、京都市「若者・子育て応援住宅」(こと×こと)という名前ですが──として、全国で初めて令和5年5月から市営住宅の空き家住戸を、若者、子育て向け住宅として、民間企業に住戸を貸し出し、民間企業がリノベーションも行い、賃料を周辺相場より安い水準にする取組もされています。また、東京都でも、こどもすくすく住宅として、子育て世帯の入居を促す取組もあります。他都市の新たな手法なども参考にしながら、地域課題の一つでもある地域での子育て世帯の減少の解決にもつながるよう進めていただきたいと考えます。
福岡市では、地域によっては子どもの減少などの課題を踏まえた市営住宅の募集について、どのような方針で行っているのか、お聞きします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 子育て世帯の入居を促す取組につきましては、市営住宅の建て替えの際に、子育て世帯や他市世帯向けの広い間取りの住戸の供給を図るとともに、定期募集におきまして、子育て世帯については、抽せん倍率の優遇や収入基準の緩和などの優遇措置に加え、別枠での募集を実施しており、また、随時募集におきまして、ひとり親世帯についての要件緩和を行っております。その別枠募集につきましては、令和元年度からは全体の募集枠の30%以上の確保を目標とし、地域の児童数の推移なども踏まえながら、高齢化率の高い住宅での募集に優先的に取り組んでいるところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) そのほかにも、東京都は多摩ニュータウンなどの空き家を有効活用するため、都営住宅へ入居を希望する単身高齢者等の入居機会の確保を図る目的で、親族ではない高齢者同士、障がい者同士が共に暮らす高齢者等ふれあい同居募集を令和5年3月から募集しています。また、名古屋市でもナゴヤ家ホームとして、高齢者同士で市営住宅に一緒に住む取組や、ほかにも、地域活動に参加できる学生同士がルームシェアして市営住宅へ入居させる取組なども始まっています。 まだまだ全国的にも数少ない取組ですが、模索する動きが出てきました。市営住宅でのルームシェアについてどのようにお考えか、お聞きします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) ルームシェアにつきましては、居住者同士の関わりが生活の安心感につながることに加え、建物を建設したり、大きく改修したりすることなく住戸数を増やすことと同じような効果があると考えております。一方で、居住者のプライバシー確保などのためのハード面での整備に加え、市営住宅の制度上、同居者は親族に限るといった制約があるほか、家賃収納や入居者の増減などに伴う諸手続など、管理運営上の課題があると認識しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) 先ほど建て替え促進住宅である千代六丁目住宅の1棟を丸ごと一般公募化するとの答弁をいただきました。1棟丸ごとの公募化であれば、改装などの工夫もしやすいのではないかと思います。
今後、他都市の事例も検証しながら、募集内容を検討する中で、子どもの減少などの地域課題を踏まえた募集やルームシェアについても、取り入れてはいかがでしょうか、所見を伺います。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 千代六丁目住宅につきましては従前居住者がおらず、住棟の入居者を全て新規に募集することから、制度上の制約に対しても柔軟に対応できることや、改修がしやすいなどの特殊性がございます。このため、地域課題を踏まえた募集につきましては、同住宅が立地する地域が、近くに小中学校や保育所、病院、店舗などが立地する利便性が高いエリアである一方で、地域活動の担い手となる若い世代や子どもが少ないという課題があると認識しており、子育て世帯を中心に募集していきたいと考えております。
募集の第1弾として、令和7年度に、子育て世帯向け20戸と一般世帯向け16戸の計36戸を予定しており、令和8年4月の新学期に合わせて入居できるよう、11月に募集したいと考えております。
また、ルームシェアにつきましては、同住宅は全て3DK、約60平方メートルであるため、3部屋ある間取りを生かし、住宅に困窮する単身世帯の募集を検討しているところであり、まずは令和8年度に、市営住宅におけるニーズが高い高齢単身者を対象として試行的に実施したいと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) ぜひ、よろしくお願いいたします。
福岡市民の財産である市営住宅へのコインパーキング設置、太陽光発電やペロブスカイト太陽電池の積極的な活用、EVカーシェア、災害時に対応した自動販売機設置など、さらなる有効活用を進めていただきたいと思います。
さらなる積極的な有効活用へ今後どのような取組を進めるのか、伺います。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 市民の貴重な財産である市営住宅の有効活用は重要と認識しており、これまで空き駐車場などを活用したコインパーキング設置事業、医療、介護事業者向けの駐車場シェアリング事業に取り組むとともに、住棟や集会所における太陽光発電設備の試行設置に加え、広場などにおける災害対応型自動販売機の設置などに取り組んできたところでございます。
令和7年度は、コインパーキングや駐車場シェアリング、災害対応型自動販売機等を設置する団地や台数の拡充などに取り組むとともに、太陽光発電の余剰電力を動力として活用するEVカーシェア事業の供用開始を予定しております。
引き続き、配慮が必要な方の暮らしやニーズ、社会情勢の変化等を踏まえながら、市営住宅のさらなる有効活用に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) どうぞよろしくお願いいたします。
さらに今年度の新規事業として、東京都ではアフォーダブル住宅、これは手頃な価格の住宅という意味ですが、都と民間が出資してファンドを立ち上げ、市場価格の七、八割程度の家賃で提供する新たな施策を開始しましたが、今後の動向にも注視してもらいたいと思います。
これまで住宅の確保に特に配慮が必要な方々に対して、多くの市営住宅が提供され、安全、安心な暮らしができるよう、福岡市の取組を様々お聞きしてきました。市営住宅をこれまで以上に有効活用してほしいと思います。冒頭に触れましたが、住宅セーフティーネットの役割を担う市営住宅は、今後さらに重要性が増してくると考えます。市営住宅の役割を改めて認識し、住宅困難者を支えていけるよう、今後の取組に期待します。
この項目の最後に、誰もが安心して市営住宅に住み続けることができる住環境づくりへ、島市長の御決意をお聞きします。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 市営住宅につきましては、住宅の確保にお困りの方などに安全、安心な住宅を提供するという住宅セーフティーネットの中核としての重要な役割があると認識をしており、ユニバーサルデザインの理念に基づき、機能更新を行うとともに、入居者募集において、募集戸数の3割を子育て世帯向けにするなど、ハード、ソフトの両面から様々な取組を行っております。
令和5年度からは、新築工事において、1階は全て車椅子使用者向け住戸として整備をし、民間では供給されにくい住宅セーフティーネットとしての取組を進めるとともに、医療や介護事業者のための駐車場の確保や年間1,000戸を超える募集戸数の確保など、敷地や建物の有効活用に取り組んでおります。
今後とも、高齢者や障がい者、子育て世帯など特に配慮が必要な皆様の状況や社会情勢の変化等を踏まえるとともに、国や他都市の動向も注視しながら、市営住宅を有効に活用し、誰もが安心して住み続けられる住環境づくりにしっかりと取り組んでまいります。以上です。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) 次に、救急業務の効率化についてです。
まずは冒頭、今年になって特に全国各地で大規模な山火事が相次いで発生しましたので、消防ヘリについて伺います。
今年2月に発生した岩手県大船渡市での山火事は鎮火するまでに41日かかり、市の面積の1割に当たる約3,370ヘクタールを焼失。これは平成以降では最大規模で、市人口の14%に当たる約4,600人に避難指示が発令されました。翌3月には岡山県で約565ヘクタール、愛媛では約481ヘクタールが消失したことは記憶に新しいところです。山林であり、消防車もなかなか近づけないこともあり、強風による火の粉の飛び火で延焼が拡大し、消防ヘリや自衛隊ヘリでの消火に頼らざるを得ない報道もありました。
そこで、福岡市では山林火災や消防車の放水が届かない場合に、消火活動に当たる消防ヘリの空中消火用資機材の整備状況について、空中消火用バケットはどの程度の容量があるのか、自立自汲式になっているのか、お聞きします。
○議長(打越基安) 牧田消防局長。
○消防局長(牧田哲治) 消防ヘリコプターの機体下部にワイヤーでつり下げて使用する消火バケットは、最大600リットルの容量となっております。また、この消火バケットは自立したまま消防車のポンプで給水できるほか、つり下げた状態でダムや池から直接くみ上げることができる自立自汲式となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) 盛岡地区広域消防組合消防本部では、119番通報を、救急車、消防車、消防ヘリや防災ヘリが文字や地図などの視覚情報を共有するシステムを作成。今までは、ヘリとの連絡は電話や無線などのやり取りだったものを同時に可視化できるものです。
同様のシステムを福岡市でも整備されているのか、お聞きします。
○議長(打越基安) 牧田消防局長。
○消防局長(牧田哲治) 情報を共有するシステムにつきましては、消防航空隊に同様の機能を有するタブレット端末を配置しており、文字や画像の情報を共有することができるほか、消防車両の位置情報を確認できるシステムを整備しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) ありがとうございます。消防用資機材については十分な配備を行えるよう求めておきます。
本題の救急業務効率化ですが、昨今、高齢化の進展による救急需要の増加や救急車の不適切な要請も増えていることが指摘されています。福岡市においては、少しでも早く現場に駆けつけることができるよう、場合によっては救急車と同時に消防車が出動して救急現場に駆けつけ、救命活動をしていただいております。
初めに、119番通報での救急出動件数について、119番から病院着までの時間について、また、救急の現場から医療機関へ4回以上受入れ照会した数とその割合について、新型コロナ前と直近の数値をお聞きします。
○議長(打越基安) 牧田消防局長。
○消防局長(牧田哲治) 新型コロナ前の数値は令和元年、直近の数値は令和6年の速報値でお答えします。
まず、救急出動件数につきましては、元年が8万1,447件、6年が10万181件となっております。
次に、119番通報から病院到着までの平均時間につきましては、元年が30分2秒、6年が34分51秒となっております。
最後に、医療機関へ4回以上受入れ照会した数とその割合につきましては、元年は1,128人で割合は1.6%、6年は4,679人で、割合は5.4%となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) 福岡市でも出動件数が増加し、119番から医療機関搬送までの時間も長くなり、医療機関への受入れ照会の回数も増加しているとのことです。救急隊の1出場当たりの活動時間短縮のため、一刻も早く医療機関につなげるため、救急隊アプリを活用した取組が広がっています。札幌市や川崎市では、救急隊のタブレットに、傷病者の氏名、年齢、性別などの情報を入力しますが、これは音声入力もでき、呼吸、脈拍、血圧などと併せ、負傷部位などの画像送信も可能で、複数医療機関とのタイムリーな情報共有で、受入れの可否を見える化し、病院選定時間の短縮が図れます。この情報をそのまま電子カルテとして反映される仕組みです。これらのアプリを提供する事業者は、TXP Medical、Smart119、日本電気などがあり、いずれも実証実験を経て事業者選定に至っています。私たち公明党福岡市市議団は、島市長に宛てた毎年の予算要望の中でも、救急隊が現場から医療機関に一斉に受入れ要請ができる仕組みを提案してきました。
福岡消防局でも、事例のようにICTのデジタル技術を活用した医療機関への受入れ要請の効率化システムの仕組みを導入すべきと考えますが、所見を伺います。
○議長(打越基安) 牧田消防局長。
○消防局長(牧田哲治) 救急出動件数が増加を続ける中、傷病者を迅速に適切な医療機関へ搬送するために、ICTの活用は重要であると考えており、現在、福岡都市圏の各救急隊が医療機関受入れ状況を共有するシステムを構築しているところでございます。
医療機関への受入れ要請のさらなる効率につきましては、ただいま議員から御紹介いただきました、他都市のシステム導入状況や運用実績を踏まえ、効果的な方法を検討してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) ぜひよろしくお願いします。
札幌市では、保健福祉局が医療機関との連携を図るため、先ほどの救急隊アプリと同時に救急搬送支援システムSIRIUS、これはSIRIUSという名前ですが──を活用しています。これには病院選定支援、複数病院一括要請、救急隊現在地などの動態管理、従来、救急隊が医療機関に電話等で確認していた傷病名の確認が可能な情報閲覧機能などのメリットがあります。救急隊の現場の声として、データや画像での情報確認ができるため、連絡時間が短縮した、システム入力の情報が救急隊の報告書にも反映され、事務処理が短く楽になったなどです。また、医療機関側の声として、情報の確認が早いことで受入れの判断がスムーズになった、免許証、保険証などの画像を受け取れ大変便利になったなどです。導入当初は操作に慣れないこともあり、現場滞在時間が2分延伸したものの、2か月後には1分27秒の短縮ができたと聞きました。
これらの取組も参考に、医療機関との情報共有や連携により、一刻も早い搬送を実現するため、また、救急隊員の負担を軽減するためにも検討が必要と考えますが、所見を伺います。
○議長(打越基安) 牧田消防局長。
○消防局長(牧田哲治) 福岡市におきましては、平成29年度に救急隊のタブレットで入力した情報が報告書に反映するシステムを導入しており、救急隊員の事務負担の軽減を図っているところでございます。
医療機関との情報共有などにつきましては、令和11年度に予定している消防指令管制情報システムの全面更新において最新のICTを導入し、さらなる救急業務の効率化を図るよう取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) 消防長は救急現場でマイナ保険証の活用を促しており、カードを読み取ることで受診歴がある病院や服薬している薬の種類などの確認が可能となり、意識障がいなど意思疎通が困難な場合などに有用性が高いとしています。氏名や年齢などの特定も容易にできることで、基本的に傷病者の同意を得て活用しますが、意識がない場合など、例外的な活用も認められているとのこと。
福岡市では、このマイナ保険証の救急現場での積極的な活用はどの程度行われているのか、そのためには市民に対して常に携帯していただく周知と併せ、119番通報時にマイナ保険証の準備を呼びかけるなどの対応も強化すべきと考えますが、所見を伺います。
○議長(打越基安) 牧田消防局長。
○消防局長(牧田哲治) 総務省消防庁では、一部の消防本部でマイナ保険証を使用した実証事業を行っており、福岡市におきましては、今年度に実証事業に参加することとしております。
市民へのマイナ保険証準備の呼びかけにつきましては、市政だよりやSNS、ポスターなどを活用し事前周知を図るほか、救急要請時におきましては、119番通報受付時の案内と併せ、出動途上の救急隊による様態確認の電話連絡の際にも実施したいと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 高木勝利議員。
○24番(高木勝利) 最後に、救急の現場では、全国的にも様々な取組が進んでいます。東京消防庁の生成AIを活用した音声入力、INNOVATION PROJECT、豊中市の救急タグ、神戸市のMefis、大分県のV-FASTなどの活用事例で、いずれも救命力向上のための取組です。福岡市でもぜひ先進的な施策をお願いしたいと思います。
福岡市消防局は、全国的にもあらゆる面で模範になっていると認識していますが、さらに市民の命を守り抜く救命力ナンバーワンの都市になるための島市長の決意を伺い、質問を終わります。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市は安全、安心なまちづくりを推進するため、消防隊、救急隊を計画的に増強するほか、車両や装備の充実を図っているところでございます。
今後とも、迅速かつ的確な救急活動を通じて市民の命を守ることができるように、ICTの活用により医療機関とのさらなる連携の強化を図るなど、引き続き消防救急体制の充実に努めてまいります。以上です。
○議長(打越基安) この際、休憩し、午後4時10分に再開いたします。
午後3時59分 休憩
午後4時10分 開議
○副議長(松野 隆) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子)登壇 私は福岡市民クラブを代表して、市民の自助力を高める取組について、子どもたちが健康に生活をするための体づくりについて、2点質問いたします。
初めに、市民の自助力を高める取組についてです。
本年は、平成17年の福岡県西方沖地震からちょうど20年の節目となります。強い揺れ、都市機能の混乱、液状化現象による生活への影響など、いまだに市民の記憶に深く刻まれています。加えて、近年は南海トラフ地震や首都直下地震の発生リスクも指摘され、さらに、豪雨や台風などの風水害も頻発しております。今こそ、自助、共助、公助の3本柱の防災力を高め、市民一人一人の命と暮らしを守るための備えを再構築していくことが求められています。災害はいつか起きるではなく、いつ起きてもおかしくないという視点が必要です。ライフラインが停止した場合、最低限の備えはしておく必要があると考えます。また、1人1リュックを合い言葉に備えをしていくことで不安やストレスの軽減にもつながると思います。
そこで今回は、公助、共助も大事なことではありますが、自助に当たる防災備蓄についてお尋ねしてまいります。
初めに、西方沖地震から20年が経過しましたが、市民に対する自助の重要性をどのように認識されていますか。
以上、1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 災害時の被害を最小化するためには、自助、共助、公助が一体となり、まち全体の防災力を高めていくことが重要と考えております。特に災害発生直後においては、自分自身や家族の身の安全を守る自助が大変重要になると認識をしております。以上です。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 平成29年度と令和5年度に市民の防災意識を調査するためのアンケートを行っていると思いますが、その中でどれぐらいの市民の方が災害時に必要な防災備蓄品を備えているのか、お答えください。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 市政に関する意識調査において、家庭内で備蓄をしていると回答された方の割合は、平成29年度が31.9%、令和5年度が43.8%となっております。以上です。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 6年前と比べて約12%も増えているということは、近年様々な自然災害に見舞われており、その被害も激甚化する傾向が見られます。そのため、市民の防災意識も徐々に高まってきたものと考えますが、約4割の方しかまだ備蓄をされていないというのは、啓発が足りないのではないかと思います。
自助に関する啓発活動において具体的にどのような取組を行っているのか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 自助の啓発につきましては、市政だよりや市ホームページによる広報のほか、備蓄促進ウイークや防災フェアなどの防災イベントや出前講座の実施、防災啓発冊子の配布など、様々な機会を通じて行っております。以上です。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) では、市民が参加しやすい防災ワークショップなどの人気の講座やイベントを幾つかお示しください。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 市が行う啓発事業のうち参加者が多いものとしましては、福岡市民防災センターで実施をします地震体験や強風体験、VR防災体験のほか、出前講座での図上訓練や災害時の決断ゲーム、防災を楽しく学ぶ防災フェアなどがございます。以上です。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 市民に対する防災ハンドブックの配布状況をお尋ねします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 防災啓発冊子につきましては、常時、区役所や情報プラザ等に配置をしますほか、防災イベントや出前講座の際にも配布をいたしております。また、市ホームページに掲載をするとともに、電子書籍として無料配信も行っております。以上です。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 様々なイベントや講座、啓発活動に関しては、例えば、女性の視点を活かした防災ミニブックなど、カラーで見やすい、とても参考になる冊子などがあります。ママたちの声や女子大生の声などが詰まったこの冊子を手にして中身を見ている方がどれだけいるのか、より効果的な仕掛けが必要だと感じます。
一方で、現在、鹿児島県の南さつま市では、家庭での防災用品の備蓄を進めることで災害時における自助力の強化につなげるため、防災用品、例えば、防災バッグやモバイルバッテリーなどの購入費の2分の1、上限5万円までを補助しています。また、千葉県いすみ市においても、同様に家庭での防災備蓄を促進するため、購入費の2分の1、上限1万円までを補助しています。他都市では、家庭での自助を実効的に後押しする取組が進められています。
こうした事例を踏まえ、福岡市においても、自助力の強化のため家庭での防災用品購入費の補助事業の導入を検討されるお考えはありませんか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 家庭での備蓄の促進に向けましては、市政だよりや市ホームページによる広報のほか、備蓄促進ウイークの取組や出前講座の実施など、様々な機会を通じた周知、啓発によって防災意識の向上と備蓄の充実を図ってまいりたいと考えております。以上です。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 市民が防災備蓄を実施するための具体的な手順やガイドラインを提供していますか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 備蓄につきましては、市ホームページや防災啓発冊子で災害時に必要となる物資や災害時の非常用持ち出し品などを例示するとともに、食料品や生活必需品を多めに購入し、使った分だけを買い足していくローリングストック法などを紹介しております。以上です。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) ローリングストック法とは、生活必需品をいつもより多めに買ってストックをしておく、そして、使った分だけ買い足していくというような、より市民が取り組みやすい方法であるので、備蓄をされていない方々へのさらなる周知が必要ではないかと考えますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) ローリングストック法につきましては、市民が取り組みやすい手法の一つであるため、小売店の協力を得て実施する備蓄促進ウイークなど、様々な機会を通じてさらなる周知、啓発に取り組んでまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 次に、防災備蓄の、何をどれだけ備えるかなどを分かりやすく伝えるため、ICTを活用した市民に向けた防災備蓄のチェックリストなどはありますでしょうか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 家庭での備蓄につきましては、必要となる物品の種類や量を例示したチェックリストを市ホームページに掲載しております。以上です。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 本市にはホームページに備蓄品のチェックリストはありますが、ここで、東京都の運営しているサイトについて、とても分かりやすいものだったので、御紹介をします。資料1をお願いします。(資料投影)東京備蓄とネットで検索をすると、東京備蓄ナビというサイトが出てきます。そこで、「今すぐ備蓄を始める!」と左の黄色の上のボタンを押すと、一緒に住んでいる人の人数、そして、それぞれの性別、年代を入れていきます、右側ですね。マンションか、戸建てか、動物を飼っているかなどを入れていくと、資料2をお願いします。(資料投影)見えますでしょうか。御家庭で必要な備蓄品リストが何日分で、例えば、こちらは4人分なんですけれども、水は76リットルが必要、お米は10キロ必要だとか、携帯トイレは140回分必要ですとか、その家庭に合わせた備蓄品の数が示されます。防災備蓄に関しては何が必要かは大分浸透してきていると思いますが、何をどれだけ必要かとなると、買物に行っても迷う方も少なくないと感じます。
ぜひ、本市でもこのような便利なサイトの検討をされてはいかがでしょうか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 家庭内備蓄の促進に向けましては、市民により分かりやすく備蓄の必要性を伝えることが重要と考えておりまして、今後とも、他都市の事例も参考にしながら、効果的な取組について研究してまいりたいと考えております。以上です。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) ここまで自助力を高める取組について伺ってまいりました。ホームページやハンドブック、イベント等での啓発も大切ですが、地域の防災リーダーが地域住民に伝えていくことも重要です。
ここからは共助に当たるかもしれませんが、地域の防災リーダーを育成するなど、各地域での実践的な防災活動の促進に努めている博多あん・あん塾について伺います。
博多あん・あん塾の修了者は年々増加していますが、その後、どういった活動をされているのか市は把握されていますか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 博多あん・あん塾の修了者につきましては、各地域の自主防災組織に参画し、校区の防災訓練の企画運営を担うなど、地域の防災リーダーとして幅広く活動いただいております。以上です。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 自助の取組につなげていくために、博多あん・あん塾の修了者はどのような役割を果たすのか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 博多あん・あん塾の修了者につきましては、本人の同意を得て名簿を作成し、区役所に配置をしておりまして、地域からの講師の依頼などに際して閲覧できるようにいたしております。また、修了者の有志により設立をされました防災ボランティア団体、博多あん・あんリーダー会が、地域からの依頼により出前講座や防災講習会を実施するなど、市民一人一人の防災意識の高揚に寄与いただいております。以上です。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 実践的な取組をされているので、防災意識の重要性がより市民に伝わりやすいのではと考えます。
市政だよりやホームページなどの啓発だけではなく、より実践的で、まずは、自身の安全を守るために行動ができるよう、市民に対してさらに防災意識を高めてもらえる施策を検討していただきたいと考えます。
最後に、局長の御所見を伺ってこの質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 災害時に自分自身や家族の身の安全を守る自助の意識を高めていくことは、大変重要であると認識をしております。このため、災害時の防災行動計画、マイ・タイムラインの作成ツールや防災アプリ、ツナガルプラスを提供するなど、様々な手法を用いて啓発に取り組んでおり、引き続きデジタル技術も活用しながら効果的な啓発を行い、防災意識の高揚を図ってまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 次に、子どもたちが健康に生活をするための体づくりについて伺います。
子どもたちの健康を維持し、身体能力を向上させるためには、バランスの取れた食事と十分な睡眠を取ることが不可欠です。十分に睡眠を取ることで集中力が高まり、学習への意欲も高まります。さらに、感情が安定し感情のコントロールができるようになること、グループ活動におけるコミュニケーションの促進にもつながります。
子どもの頃に身につけた生活習慣は大人になってからの健康や習慣に大きく影響を与えると言われていることから、理想的な生活習慣に近づけることが重要だと考えます。私は12月議会では、本市の子どもたちの体力向上に向けた新たな取組について質問をしました。今回は健康に生活をするための体づくりについて、睡眠と食事に関することに絞って詳しく尋ねてまいります。
初めに、食事や食育について伺います。
子どもたちが健康的な食習慣を身につけるため、保育所や学校ではどのような食育活動が行われていますか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 保育所における食育活動につきましては、食べ物に関する知識と食事マナーを身につける取組や園庭で栽培した野菜を給食で提供することを通じて、食べる意欲や感謝の気持ちを育てる取組など、各保育所等において子どもの発達段階に応じた様々な取組を実施しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 学校における食育活動につきましては、児童生徒が食に関する知識と望ましい食習慣を身につけることができるよう、栄養教諭を中心に、給食の時間や各教科等において食に関する指導を各学年の発達段階に応じて行っております。以上です。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 保育所や学校では子どもたちの発達段階に応じた食に関する取組が行われているとのことですが、家庭の経済状況や保護者の働き方の多様化の中で、子どもの食に関する課題が複雑化しています。
子どもの偏食や食の細さ、肥満予防に対する栄養指導など、適切な食事量についてどのように取り組まれているのか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 乳幼児の栄養指導につきましては、各区保健福祉センターにおいて、体重の増え方を踏まえた食事の量や食べさせ方の工夫など、管理栄養士による個別栄養相談等を実施しております。以上です。
○副議長(松野 隆) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 児童生徒の食事量につきましては、栄養教諭が痩せ傾向や肥満傾向にある児童生徒に対し、適切となるよう相談指導を行っております。以上です。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 特に近年では痩せ傾向の子どもが増えているなど、個別の悩みを把握し、支援することは重要です。一方で、朝食を毎日食べているかなど、生活習慣を把握し、それに応じた取組も必要だと感じます。朝食を食べないことで、集中力や記憶力の低下、いらいらや疲労感の増加、そして、長期的には肥満や認知症、生活習慣病のリスク上昇につながる可能性もあります。幼少期からの朝食摂取の習慣は将来の健康に大きく影響するという研究結果が国内外の様々な機関や大学で示されていることから、朝食摂取の習慣は非常に重要だと考えます。
ある保育園では、毎日、連絡帳や携帯のアプリを使って朝の体温や朝食を食べたかどうかのチェックを行っています。
では、小学校での朝食摂取についてどのような調査が行われているのか、お答えください。また、朝食摂取率の向上に向けた具体的な施策はあるのか、お答えください。
○副議長(松野 隆) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 児童の朝食の喫食状況につきましては、毎年度、小学校の3年生から6年生を対象に調査を行っております。また、喫食率の向上に向け、全小学校において栄養教諭が食育推進に取り組むとともに、各学校の取組として、朝食の大切さへの理解を深める授業の実施や朝食喫食の習慣化を図る朝食チェックカードの配付なども行っております。以上です。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 令和3年度に実施された福岡市子どもの生活状況等に関する調査によると、平日に朝食を食べていますかという問いに、91.8%の子どもたちはほぼ毎日食べていると答え、めったに食べないと答えた子どもの割合が前回の調査に比べると少しだけ増えていることが分かりました。幼少期からの食習慣や生活のリズムは遠い将来の健康寿命延伸にもつながることから、その時期からの、その子どもたちに合った発育指導やサポートが重要です。
幼少期からの子どもたちの発達段階に応じた体づくりや健康づくりに関する取組はどういったものがあるのか、お尋ねします。学校ではどのような目標を持って取り組んでおられるのか、併せてお答えください。
○副議長(松野 隆) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 乳幼児健診や家庭訪問、母子巡回健康相談など様々な機会を捉え、食習慣や生活リズムに関する子育ての悩みに対する助言や、健全な発育、発達に関する保健指導を幅広く実施しております。また、各区保健福祉センターで毎月開催している離乳食教室において、成長に応じた食材の選び方や食事の量などについて啓発に取り組んでおります。以上です。
○副議長(松野 隆) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 本市におきましては、第3次福岡市教育振興基本計画における指標として、1週間の総運動時間60分以上の児童生徒の割合や、好き嫌いをしないで栄養バランスを考えながら食事をしている児童生徒の割合を設定し、体力向上や食育の推進に取り組んでいくこととしております。以上です。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 学校では、運動時間やバランスのよい食事の摂取など、目標を持って取り組んでいるとのことですが、睡眠、食事、運動を総合的に捉えた子どもの生活リズムを安定させるためには、保護者と教員のサポートも不可欠です。
その両者に対して、睡眠、食事、生活習慣に関する知識を提供し、共に育む姿勢を醸成するために本市が行っている支援、研修体制はどのようなものか、お答えください。
○副議長(松野 隆) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 睡眠、食事、生活習慣に関する保護者への啓発につきましては、市PTA協議会と共催で、「早寝早起き朝ごはん」啓発講演会や家庭教育支援講座を開催するなど、知識の普及に取り組んでおります。また、栄養教諭等を対象に食育研修を年3回実施しております。以上です。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 子どもたちが食に関する知識や理解を深め、正しい食習慣を身につけることが重要だと感じます。年に3回の貴重な食育研修を生かして、ぜひ栄養教諭の方々が子どもたちへ分かりやすく伝えていただきたいと思います。
また、家庭の状況だけに頼らない、地域ぐるみの健康支援が今求められています。特に食に関する取組について、本市がどのように家庭や地域の連携体制を構築し、子どもの健康を支えているのか、お聞かせください。
○副議長(松野 隆) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 食に関する取組につきましては、小中学校において、学校だよりや保健だより、食育だよりを保護者や地域に発行することで、児童生徒の健康の保持増進に関する啓発を図りながら、家庭や地域と連携した取組を進めております。以上です。
○副議長(松野 隆) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 家庭や地域との連携につきましては、食を通じた健康づくりのボランティアである約860人の食生活改善推進員が公民館などで親子料理教室を開催しますとともに、乳幼児健診などで朝食を食べる大切さの啓発を行うなど、地域において子どもたちの健康づくりを支援する取組を行っております。以上です。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 公民館などで行われている親子料理教室などは、食に関する興味、関心を促すとてもいい取組だと感じます。高学年くらいになれば、子どもたち自身が簡単な調理ができるようになり、食への関心も深まると考えます。例えば、小学校の参観日の日に合わせて実施したりと、効果的な策を検討していただきたいと思います。
食育に関する興味、関心を促すためには、情報発信も大切です。本市のホームページ内の栄養・食育の部屋は、バランスの取れたレシピや時短でできる簡単でおいしいレシピ、管理栄養士が作成した健康づくりレシピなど、有用な情報が掲載されているにもかかわらず、非常に見つけづらい位置に配置されており、情報格差を生んでいます。
このページの利用実態やアクセス状況について評価はされているのか、また、より多くの市民が活用できるような改善策が検討されているのか、お伺いします。
○副議長(松野 隆) 山嶋保健医療局長。
○保健医療局長(山嶋 剛) 栄養・食育の部屋の令和6年度の年間アクセス数は約8,800件にとどまっており、アクセス数の増加に向けて、今後、市政だよりや健康づくりに関するイベント、教室など、様々な機会を活用し、認知度向上に努めてまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 私も視聴しましたが、バランスのいいメニューがいろいろと載っていて、食を通じた健康づくりを進めるとして、ユーチューブ動画も面白く作られておりました。しかし、僅か9,000件とアクセス数が低く、必要な方に届いていないのが残念です。ぜひ工夫をお願いいたします。
文科省では、夏休みの食事に関し、子どもたちの偏食や栄養不足、水分補給の重要性などを課題として捉えております。夏ばて対策としてバランスの取れた食事を心がけること、特に夏野菜や旬の魚介類、果物を積極的に取ることが推奨されています。さらに、家庭での食事管理、食育活動を通して子どもたちがバランスのいい食生活を送ることを促していますが、小中学校では、2学期に登校してきた児童生徒の体調の変化に対してどのように把握されていますか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 児童生徒の体調確認につきましては、学級担任と養護教諭等が連携し、登校時や朝のホームルームでの健康観察等において、子どもたちの活動の様子や表情等を注意深く観察し、健康状態を把握するよう努めております。また、食生活等に課題が見られるような児童生徒には、状況に応じた個別の支援を行っております。以上です。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 個別の支援とはどういったことをされているのか、お答えください。
○副議長(松野 隆) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 児童生徒に対する支援につきましては、学級担任や養護教諭等が対象の児童生徒に対して個別に食生活についての助言や保護者に連絡して改善を促すなどの対応を行っております。以上です。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 現場の声として、夏休み明けには、やはり痩せ傾向の子や肥満傾向の子たちが見受けられると伺いました。夏休みに入る前に食生活の指導などはもちろん行っていただきたいところですが、2023年7月の朝日新聞の記事によると、神奈川県藤沢市では、給食のない夏休みに子どもたちに100円でお弁当を提供する取組が行われているそうです。子どもを真ん中に地域全体で子育て家庭を応援する風土を醸成したいという思いから、NPOと地元の飲食店がタッグを組んで始まったそうです。
例えば、本市では、子どもたちが長期の休みの期間だけでも子ども食堂の拡大をして昼食の提供などができるのではないかと考えますが、その仕組みづくりをされてはいかがでしょうか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 子ども食堂につきましては、地域やNPOなどによる自主的な活動であり、長期休暇中の開催頻度や実施内容などは、運営団体が各地域の実情に応じて決定されております。福岡市では子ども食堂に対して、補助金の拡充や食材確保の支援、寄附のつなぎなど、様々な支援に取り組んできたところであり、長期休暇中のさらなる開催につながるよう、周知、啓発等に努めてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 次に、睡眠について尋ねてまいります。
人には体内リズムを整える体内時計が備わっていますが、睡眠が乱れると、朝になっても体内時計は夜の状態が続き、起きられなくなってしまいます。要は、時差ぼけのような症状が出てしまいます。睡眠は私たちの健康や生活の質において極めて重要な役割を果たすことから、睡眠に対する意識をもっと変えていかないといけないと考えます。
厚生労働省が推奨する子どもの睡眠時間の目安としては、小学生は9時間から12時間、中学生は8時間から10時間と示されています。
福岡市の子どもたちの睡眠時間はどのような状況なのか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 睡眠時間につきましては、令和6年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査において、8時間以上寝ていると回答した割合は、小学5年生の男子が70.4%、女子が72.1%、中学2年生の男子が40.2%、女子が28.2%であり、いずれも全国平均を上回っております。以上です。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) いずれも全国平均を上回っているとのことですが、中学生は推奨する睡眠時間を確保できている割合が半分以下であることが分かります。中学生に関してはこのデータを基に、さらに調査研究が必要ではないでしょうか。
睡眠不足によって体調不良を起こしている子どもが増加したというデータを基に睡眠教育、いわゆる眠育に取り組んでおられる筑紫女学園大学の大西良准教授にお話を伺ってきました。眠育とは、睡眠の仕組みや眠りの持つ力など、睡眠についての正しい知識と習慣を身につけるための教育のことを言いますが、大西先生は、眠育の重要性について多くの研究の成果を発表されています。
春日市では全校で、太宰府市ではモデル校は4校、大野城市では1校、1人1台タブレットにアプリを入れて、就寝時間と起床時間を1週間だけ記録します。この調査を年に2回行っているそうです。そのデータからは、グラフで睡眠の質やストレスの度合いなどが分かるようになっていて、そのバランスが偏っている児童に対しては指導や相談体制を整えているとのことです。
本市も、他自治体のように子どもたちの睡眠の状況を把握し、指導や相談を行うなど、健全な睡眠習慣を身につけるための取組を行っているのか、また、保護者向けにも啓発活動は行われているのか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 健全な睡眠習慣を身につけるための取組につきましては、学校から保護者に対し、懇談会などの際に本市で作成した子どもの生活習慣に関するパンフレットを活用し、適切な睡眠時間の確保など、基本的生活習慣の定着に向けた啓発を行っております。その際、保護者に対しましては、パンフレットのワークシートを活用して睡眠時間などについて親子で一緒に考えてもらうなど、家庭での取組を推奨しております。以上です。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) ワークシートも配付されているとのことですが、子どもたちの睡眠に対する自覚を強化するため、より簡易的に子どもたち自身が入力できるようなタブレットを活用して、まずは睡眠時間の調査などを始めていっていただきたいと考えますが、御所見を伺います。
○副議長(松野 隆) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 児童生徒の睡眠時間につきましては、全国調査などにより把握しておりますが、児童生徒が自分の睡眠時間を振り返ることができるよう、ICTの活用についても研究してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 大西先生いわく、寝る子は育つは本当だと断言されていました。そして、就寝時間を確保して、1日のスケジューリングをすることだそうです。確かに、寝るのは後回しになりがちですが、まずは寝る時間を決めておいて、それまでの間の行動を効率的にしていくことが重要だと伺いました。成績にも関わることがデータから示されていますし、睡眠の習慣はQOL、生活の質を高めていく、非常に価値のあるものだとおっしゃっていました。今回の質問を通じて、私も睡眠に対する意識が変わり、睡眠についてもっと正しい知識を身につけることが重要だと分かりました。
これまで子どもたちが健康に生活をするための体づくりについて、食事と睡眠の取組について伺ってまいりました。子どもたちの体づくりのために、幼少期からの健康的な食習慣や食育についての取組をさらに進めていっていただきたいと考えます。
また、生活習慣においても、リズムであったり睡眠時間や睡眠の質の確保が非常に重要です。他都市でも、その重要性を認識し、眠育の推進を図っているところです。本市でも、眠育の推進に向け積極的に取り組んでいただきたいと考えます。
3局にまたがる総合的な施策でありますので、局所的な項目ではありますが、あえて市長にお伺いしたいと思います。
最後に、食育と眠育の推進に向けて、市長の心ある御答弁を伺って、私の質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 島市長。
○市長(島宗一郎) 夜寝る前にショート動画とかをずっと見てしまってなかなか自分もうまくいっていない中で、子どもばっかりに言うのは何ですけれども、子どもの健全な発育を図るために、早い時期から食事や睡眠などの基本的な生活習慣の定着に向けた取組が重要であると考えてございます。このため、福岡市では学校、家庭、そして地域が連携をした食育の推進、また、生活リズムや望ましい食習慣、睡眠に関する保護者への啓発などの取組を進めており、引き続き子どもたちが生涯にわたって健やかな生活を送ることができるようにしっかりと取り組んでまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) この際、時間を延長いたします。調崇史議員。
○20番(調 崇史)登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表して、市営地下鉄について、半導体関連企業の誘致について質問をいたします。
地下鉄七隈線の博多駅延伸後、車内混雑が問題になってきましたが、今、交通局は追加で車両を購入して増便をしていく対応の途中であるというふうに思います。
その進捗状況と、完了までの見通しについてお示しをいただきたいと思います。またあわせて、現状のピーク時の乗車率はどのくらいに落ち着く想定をしているのか、お示しいただきたいと思います。
以降、自席で質問いたします。
○副議長(松野 隆) 小野田交通事業管理者。
○交通事業管理者(小野田勝則) 七隈線の車両増備につきましては、昨年度、車両製造に関する契約を締結し、令和8年度に2編成、9年度に2編成の運行を開始する予定としており、編成数は現在の21編成から4編成増えて25編成となります。これにより、朝の通勤時間帯の混雑率につきましては、現状の130%から140%程度が、車両の増備後は今後の乗車人員の増加も見込んだ上で120%程度に低減し、混雑は大幅に緩和すると考えております。以上です。
○副議長(松野 隆) 調崇史議員。
○20番(調 崇史) ユーザーがどんどん増えるので、車両を増やしても劇的な改善ということにはなかなかならないと思うんですけども、2年前の6月議会でも、車内混雑の問題と併せて優先席付近の乗車マナーの問題を質問させていただきました。
資料1の投影をお願いしたいと思います。(資料投影)優先席であることが分かりやすい車内表示について、前回、交通局から答弁をされたんですけども、左が以前の様子と、右が今改善されている状況ですね。一部の車両で整備が進んでいるということです。
優先席付近の車内表示の変更の進捗状況と完了の見通しについてお示しをいただきたいと思います。また、効果についてどう認識しているか、お伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 小野田交通事業管理者。
○交通事業管理者(小野田勝則) 車内優先スペースの改修につきましては、現在、空港・箱崎線と七隈線を合わせた全45編成中10編成の改修を終えており、令和10年度までに七隈線の増備車両4編成を含めた全49編成の改修を完了する予定としております。この改修で、優先スペースを示すピクトを大きく配置するとともに、色調を青色に統一し、より強調することで優先スペースであることが認識しやすくなったものと考えております。以上です。
○副議長(松野 隆) 調崇史議員。
○20番(調 崇史) 確かに、優先席は視認しやすくなったというふうに思います。ただ、ここに座れないということについては、引き続き沿線にお住まいのお年寄りをはじめ、どうにかならないのかという声をお聞きしているところです。本市が利用者にお願いをしているのは、混雑時は優先席付近では携帯電話の電源を切っていただくようにというものでありまして、これが乗車マナーなんだというふうに思います。しかし、実際には、若い人が優先席に座って携帯をのぞき込んでいるそばで、立っているのがいかにもつらそうなお年寄りが手すりなんかにすがっておられるような様子というのを見かけることも珍しくないわけでして、ただ、席を譲るにも身動きが取れないくらい車内が狭い、仕方ないだろうよといったその開き直りあるいは諦めみたいな空気がですね、たまらなくつらく感じられることがあります。
昨年の6月なんですけども、私の少し年上に当たられる健康面に少し不安のある方が乗車中に転倒されて救急搬送されたという事案があったそうです。また同じ方からですね、つい最近も車内で転倒したというお話を伺いました。この方、市が配布しているヘルプマークを身につけておられるんですけども、なかなか気にかけてもらえていないという状況です。増便を急いでほしいという要望も改めて伺ったところなので、お伝えをしておきたいというふうに思います。
こうした車内での転倒などを防止する観点からも、優先席に座った健康に不安のない方々が周囲に目を向けていただけていない状況については、改善を図る必要があるだろうと。分かりやすいのは、私、車内アナウンスじゃないかというふうに思っているんですが、優先席利用の乗車マナーの向上に向けた車内アナウンスの活用について、本市はこれまでどのように取り組んでこられたか、お示しいただきたいと思います。
○副議長(松野 隆) 小野田交通事業管理者。
○交通事業管理者(小野田勝則) 優先席利用については、優先席を必要とされている方に席をお譲りいただくよう車内放送を行ってまいりましたが、現在はお客様の声を考慮し、駅構内での放送を行っております。また、車内放送の試験的な取組として、期間限定ではありましたけれども、子どもの声による車内放送を実施したところ、この音声が認識されやすいことが確認できたことから、今後の取組について生かしていきたいと考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 調崇史議員。
○20番(調 崇史) 子どもの声というのが流れていた時期、私も毎日のように乗っていますので、よく耳に届いていました。これ、個人的にはずっと続けてほしいなというふうにも思っていたところだったんですけども、車内アナウンスの効果というのは一定あるもんだというふうに感じています。
七隈線については、もともとの性能上、自動運転も可能であるというふうに聞いていますし、もしそうだったら運転士さんにもうちょっと頑張っていただくことはできないかなということを感じるところであるのとですね、混雑車両が接近してきたときというのはホームで分かるはずですので、ホームでの肉声アナウンスなど、もう少ししっかりとした注意喚起ができないものかと思います。乗客の方が転んでけがをするという事態が一番いけなくて、それを防止する観点で危機感を持った対応をしていただきたいというふうに願うところです。
車内の表示の改善などと併せて、アナウンスの積極的な活用による声かけの強化を進めていただきたいと考えますが、今後の対応につき、御答弁をお願いします。
○副議長(松野 隆) 小野田交通事業管理者。
○交通事業管理者(小野田勝則) 優先席利用の乗車マナーにつきましては重要な課題と認識しておりまして、地下鉄車内や駅構内における放送について、お客様に届きやすいアナウンスとなるよう検討をしてまいります。また、現在実施しております車内の優先スペースの改修についても、スピード感を持って進めるなど、全てのお客様が快適に利用できる環境づくりに取り組んでまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 調崇史議員。
○20番(調 崇史) よろしくお願いします。駅のエスカレーターの2列利用というのも、地下鉄、交通局で重要視されて取り組んでこられました。これ、かなり口を酸っぱくしてアナウンスしてこられたと思うんですけども、徐々に改善されているというふうに私は感じております。お客様にとってなかなか言いづらい、お気持ちは分かるんですけど、言い続けるということがやはり大事なんだろうと。そういう意味で、乗車マナーについてはまだまだ言い足りないんじゃないのかなというふうに感じますので、今後よろしくお願いしたいと思います。
続いて、西鉄貝塚線との直通運転化ということでありますけども、資料2の投影をお願いしたいと思います。(資料投影)これは昨年の12月議会でもお示しさせていただきました。3両と3両の増結・分離案というのを提案させていただいたところです。過去の本市においての検討なんですが、貝塚線の2両編成と地下鉄の4両編成を貝塚線で増結・分離することを基本に、本市地下鉄車両を買い換えるタイミングと併せて事業を進めることで効率化を図るということを狙っていたんですけども、これについてはなくなった話だということだったので、別の手法を個人の発想で提案したのがこの図でありました。ありがとうございます。
相手のある話なので、西鉄の意向というのは重要なんだと思いますが、西鉄との最近の協議状況についてお示しいただきたいと思います。
○副議長(松野 隆) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 地下鉄箱崎線と西鉄貝塚線の直通運転化につきましては、西鉄と協議を継続しておりますが、現時点で進展はない状況でございます。また、西鉄貝塚線の利用促進や利便性向上に向けた取組についても、引き続き協議を行っているところでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 調崇史議員。
○20番(調 崇史) では、続いてお尋ねしますが、これまでの計画が意図していた車両更新、つまり、車両の買換えの計画の概要と現在の進捗についてお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 小野田交通事業管理者。
○交通事業管理者(小野田勝則) 昭和56年の地下鉄開業当初から使用しております空港・箱崎線の1000N系車両につきましては、現在、更新時期を迎えており、全18編成のうち4編成の更新が完了しております。以上です。
○副議長(松野 隆) 調崇史議員。
○20番(調 崇史) 本市が車両を買い換える時期に直通運転化を実現しておかなければならなかったんだろうと思っているんですが、今後も車両の買換えがあるんだったらそこにまたチャンスがあるだろうということだと思っています。
空港線と箱崎線について、これからの車両更新の計画をお示しください。
○副議長(松野 隆) 小野田交通事業管理者。
○交通事業管理者(小野田勝則) 空港・箱崎線の今後の車両更新計画につきましては、福岡空港への延伸に合わせて増備した2000N系車両6編成について、令和20年度以降に更新する予定としております。以上です。
○副議長(松野 隆) 調崇史議員。
○20番(調 崇史) まだ電車6本分チャンスが残っているということじゃないかと思っています。
昨年12月の質問でも触れたんですけども、2両プラス4両の増結・分離案では、目下課題になっています貝塚線内の車内混雑、これとてつもなくひどいんですが、朝なんかですね。これが解消しないので、問題があったということなんです。西鉄貝塚線内をかつての3両編成に戻せるならば、旅客の輸送機能、輸送能力が向上して車内混雑の緩和にも寄与する方向で、恐らく事業の評価が高くなるはずです。
3両プラス3両の増結・分離を想定した際の課題について、見解をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 貝塚駅で西鉄の車両を現在の2両編成で増結・分離する費用対効果や収支採算性の確保が困難であった以前の案と比べますと、西鉄貝塚線内を3両編成に対応することに伴う事業費の増加が課題であると西鉄から聞いております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 調崇史議員。
○20番(調 崇史) 視点を変えてちょっとお尋ねします。
西鉄貝塚線は、香椎地区の土地区画整理事業などの沿線の開発と併せて、一部区間で高架化をされております。これまで西鉄貝塚線に本市はどの程度の投資をしてきたのか、お示しいただきたいと思います。
○副議長(松野 隆) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 慢性的な交通渋滞の緩和などを目的に、西鉄香椎駅周辺の連続立体交差事業を国の補助事業を活用して実施しており、事業費は約97億円、うち市の負担は約45億円となっております。また、西鉄貝塚線の三苫駅と香椎花園前駅においては、鉄道事業者による駅のバリアフリー化事業を支援しており、国庫補助金を含む事業費は約3億円、うち市の負担は約4,000万円となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 調崇史議員。
○20番(調 崇史) 高架化事業で45億円ぐらいだったと。市としてこれほどの投資をした路線に2両編成を走らせて本当にいいのかということなんです。
12月に続く今回の質問で私が問いたかったのは、本市としてさらにしっかり投資をしていく覚悟はあるかという点でございます。今後も車両の買換えの予定があるんですから、増結・分離の車体を交通局が購入して、切り離した先では西鉄に貸せばいいと。アイランドシティ、香椎浜周辺から、今例示ですけども、都心へのバス交通というのは、かなり通勤通学で多くの方が利用されていると聞いていますけども、こういった方々を鉄軌道に誘導するということはですね、バスの運転士がもう本当に各地で不足しているという状況を考えても、優先度が極めて高いというふうに思っています。
この問題、とにもかくにも、まずは島市長にやる気を出していただいて、地下鉄線と貝塚線の直通運転化の早期実現に取り組むと、これは明言をしていただくことが先決なんだろうと思っています。市長の御答弁をお願いします。
○副議長(松野 隆) 島市長。
○市長(島宗一郎) 地下鉄の箱崎線と西鉄貝塚線の直通運転化につきましては、東部地域の交通体系上、長年の課題であると認識をしています。これまで様々な検討を行ってまいりましたが、国庫補助事業の採択を受けるためには、費用対効果や収支採算性に課題があることから、中長期的な交通状況の変化や、また、国の制度の動向などを踏まえて、利便性の向上策と併せて検討をしてまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 調崇史議員。
○20番(調 崇史) やはり国補助のことというのは気になっておられるということだと思います。
私ども、実は国交省のほうにですね、いわゆる費用便益計算1.0というふうな話について見解をお尋ねに行くということをやりました。その1.0ということでなくても、諸事情を考慮して国補助は検討できるということを私伺いました。その出張報告書も書いておりますので、後で市長室にお届けさせていただきます。ぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。
次に、半導体関連企業の誘致についてですけども、福岡市には台湾貿易投資センターが4月に開設されるなど、台湾からの半導体や金融、貿易関係などの企業進出に一層期待が高まっているところであります。
2月議会では、半導体のファブレス企業を天神など都心に誘致することについて触れたところでありますけども、今回その続きをやらせていただきたいと思っています。念のために、ファブレスという片仮名用語で大原先生、恐縮ですけども、工場などの製造設備を持たない事業者で、今日の質問では主に半導体の設計分野の企業を念頭に置いてこのファブレスいう言葉を使うことにさせていただきます。
ファブレスをはじめとする半導体関連企業の誘致の意義、本市が取り組む必要性についての認識をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) 九州において、半導体産業が活況を呈する中、福岡市におきましても、半導体関連企業の進出の動きが出てきております。製造工場を持たず、企画や設計などを中心に行う半導体企業、いわゆるファブレスなどの半導体関連企業の立地は、高度人材の雇用や高付加価値なビジネスを生み出すとともに、情報関連産業の成長にもつながり、都市の成長にも資することから、この機を逃さないよう誘致を推進していくことが重要であると考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 調崇史議員。
○20番(調 崇史) 今のこの機を逃さずという点、特に重要なんだろうと私も思っています。4月に会派の研修で、自費なんですが台湾を訪問しまして、TSMCの創業の地である新竹のサイエンスパークを見学してまいりました。現地で聞いた話なんですけども、これから自動車に自動運転をはじめ、様々な先端的な機能が搭載されていく中で、自動車の車体価格の半分は半導体が占めることになるといった強気の予測もあるようです。この説明の信憑性を検証するすべを私は持たないんですが、とにかく先端分野の半導体は収益性が高く、これは設計分野も例外ではないということらしいです。
誘致が進むことによって税収が増加するんだろうなということは当然だと思っているんですけども、市民にどのような恩恵があるというふうに想定されるか、お伺いします。
○副議長(松野 隆) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) 半導体産業は今後も大きく成長することが見込まれており、誘致の推進により、新たな雇用機会が創出されるほか、高度人材や技術の流入による地域経済の活性化やグローバル化に寄与することが期待されるものと考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 調崇史議員。
○20番(調 崇史) 本市には大きな工場が進出できるようなまとまった土地がなくて、半導体の製造に関連する企業誘致の関係で、これまで大きく福岡市という名前が出ることはなかったわけですけども、しかしながら、このファブレス分野はですね、むしろ都市部との親和性が高くて、必ずしも製造拠点の近くに立地する必要はないということで、現に今年の春には、台湾の半導体設計企業、CMSCという会社が百道のシステムLSI総合開発センターに子会社を開設しております。これらファブレス事業者には、九州にとどまらず、多くの自治体が関心を寄せていて、誘致はにわかに都市間競争の様相を呈しているものというふうに思っています。
ファブレスをはじめとする半導体関連企業誘致の都市間競争において、現状で本市が優位な点、逆に課題がある点についてお示しをいただきたいと思います。
○副議長(松野 隆) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) 優位な点については、豊富な人材、ビジネス環境のよさ、住みやすさなどにおいて、福岡市に優位性があるといった声を進出企業から伺っております。他都市においては、半導体関連産業の誘致のために交付金を拡充するなどの動きが出てきており、福岡市においても、他都市との競争を勝ち抜くために早期の対応が必要であると考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 調崇史議員。
○20番(調 崇史) 他都市の立地交付金ということの動きについて言及がありました。
もう少し詳しくお聞かせ願いたいんですが、半導体関連企業を念頭に置いた他都市の立地交付金の動向について、具体的にお示しください。
○副議長(松野 隆) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) 直近の動向については、令和6年4月に札幌市において半導体関連企業向けの交付金を新たに追加し、1億円を上限として賃料を最大2年分助成しており、令和7年4月には、半導体関連産業を含む分野に対し、交付金の上限額を、北海道においては10億円から15億円に、鹿児島県においては6,000万円から5億円にそれぞれ引き上げております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 調崇史議員。
○20番(調 崇史) 札幌市と、あと北海道と、2自治体の名前出ました。国産半導体の復権を狙うラピダスという企業がですね、北海道千歳市に研究製造拠点を建設しているわけですけども、北海道と札幌市はこの動きを受けて、恐らく半導体関連産業の誘致策を強化したんだろうというふうに思います。とりわけ、札幌市の半導体関係の立地交付金の内容なんですが、チラシを資料で頂きました。中身見えないと思うんですけども、(資料表示)これは賃料1億円、2年と書いてあるんです。補助率が100%で、そうすると、1億円までの賃料を2年間出してあげますよというふうなことになると思うんです。かなりパンチがあるんじゃないのかなというふうに感じました。立地交付金という話をするときに、本市議会においても様々な議論があった経緯があります。当初、公金を投入しないということを言っていたアイランドシティ事業への立地交付金にはいろいろ厳しい批判もあったところでありました。ただ、結果だけを見れば、土地分譲を大きく後押ししたということはありました。また、都心への企業誘致を見ても、立地交付金はこれまで一定の成果を上げてきたものというふうに評価していいと思っています。ただこれは、公金を一部の事業者に投入するものであって慎重な制度設計が必要だろうし、また、抑制的な取組であるべきものだろうというふうにも思っています。
振り返りの意味でお尋ねしますが、本市はこれまでにどの程度の立地交付金を出してきたのか、また、それは一定の年数をかけて税収で回収していくという考え方が定石なんだろうというふうに思いますが、その辺りどうなっているのかをお示しいただきたいと思います。
○副議長(松野 隆) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) これまでに交付した立地交付金については、令和6年度の見込みも含め、362社に対して303億5,300万円余でございます。税収については、交付企業の事業計画によると、令和7年度の見込みの38億7,100万円余を含め、累計で252億4,900万円余となっており、令和8年度以降も、7年度と同程度の税収を見込んでおります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 調崇史議員。
○20番(調 崇史) いよいよ投資額を税収が超えてくるような段階が見えてきているという、今、本市の認識はそうだろうというふうに思います。
交付金の対象にならないその他大勢の市民がいらっしゃって、そこにどのような恩恵があるのかという論点はもちろん重要です。そして、その上で慎重に考えるべきは、既存の事業者に及ぼす影響、それから公平性の観点ということだと思います。これまで本市でなりわいや雇用を守り、そして、納税をしてきていただいた既存の事業者としては、市が公金を投じて競合する事業者を呼び込むことについては当然、複雑な感情を抱かれるはずでありますし、立地交付金制度が地場を痛めつけるものになってはならないということで、やはり新しい産業を呼び込むような投資をまず念頭に置かなければいけないんだろうと思います。この点、半導体の設計などファブレスの誘致に関していうと、ASICと、特定用途向け集積回路と呼ばれる半導体の設計に取り組む事業者がとりわけ脚光を浴びているようであります。先ほどお名前を出した台湾のCMSCの子会社というのも、この分野にたけた事業者だと聞いています。また、九州における昨今の半導体ブームの発端となりましたTSMCのその提携先としてウェブサイトに名前が出ているTDC、TOPPANテクニカル・デザインセンターも福岡市に事業所を置いています。また、西区では三菱電機の工場に後工程の新工場棟が建設されるという報道もありました。
今紹介した事業者は、単に本市に立地をしている、あるいは設備の増設が予定されている事業者の例示でありまして、特に意図するところはないんですが、本市が仮に半導体分野の立地交付金について検討するならば、注意が必要なのは、既に福岡市には少なくない関連事業者が立地しているということと、これからどのレベルの製品に関与する事業者を支援していくのかということになるんだろうと思っています。
現在稼働しているTSMCの1期工場は22ナノの製品を作っていて、今後建設予定の2期工場は6ナノのレベルを製造する予定ということですが、先ほど出したラピダス、国産半導体の復権を狙うラピダスが、国産で目指している2ナノというレベルも含めて考えると、設計も製造も求められる技術のレベルが違ってくるわけですし、ハイレベルで高収益な先端の分野に近づくほど、担える事業者は限られてくるということになると思います。
資料3の投影お願いします。(資料投影)6ナノだ、22ナノだと、何なのという話だと思うので、これはちょっと見えにくいですね。この左側の青い図がですね、半導体のチップに乗っかった回路の模様なんですけども、この線一本一本の細かさの話をさせていただいています。1ナノメートルは10億分の1メートルということで、この線が細かければ細かいほど高度な製品ということになります。技術の差が出る要素はこの線の細さ以外にも多くあるんですけれども、とにかく支援を、本市がですね、先端分野に絞れば絞るほど既存事業者との競合は減るし、逆に支援の裾野を広げれば、既存の事業者との競合が増えるということです。どこで線引きをするのかという点は相当に悩ましいと思います。資料ありがとうございます。
さはさりながらなんですが、都市間競争がある中で、本市としても遅れを取っていただきたくはないと思います。様々検討すべき課題、今申し上げたようにありますけれども、半導体関連企業への立地交付金について拡充を検討するつもりがあるか、御所見を伺います。
○副議長(松野 隆) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) 立地交付金については、これまで社会情勢や福岡市における経済活動の状況等を考慮しながら改正を行ってまいりました。半導体関連企業については、熊本のTSMC進出以降、関連企業の進出の動きが活発化してきており、この機を逃さないよう誘致を推進していくことが重要であると認識しており、立地交付金につきましても拡充を検討してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 調崇史議員。
○20番(調 崇史) やる気があるということだったらですね、早いにこしたことはないんだろうと私は思っています。ただし、半導体を取り扱えばどんな事業者でもというんじゃなくてですね、本市として特に誘致あるいは育成したいレベルを明確にしたほうが、産業政策の観点でも、また既存事業者への配慮の視点でもよいというふうに思っていますので、制度設計に当たってはぜひ留意をいただきたいと思っています。
ちょっとちゃぶ台を返すような話になるんですが、一方でですね、特にこのファブレス企業の誘致を考えたときには、立地交付金が想定をするオフィスの賃料などに係る経費は、実は高額な設備投資に比べればウエートが少ないという現実もあります。半導体の設計に用いられる、EDA、エレクトロニック・デザイン・オートメーションというソフトウエアがあるんですが、私のような庶民感覚では、これは目が飛び出るような値段らしいということを聞いているわけです。
EDAなど高額なソフトウエアの導入を念頭に、ファブレス企業が立地するのに係る一般的な設備投資について本市はどのような認識を持っておられるか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) ファブレス企業は設計や検証のために専用のソフトウエアへの設備投資が必要であり、特に設計に必要な電子回路などの設計作業の自動化ができる、いわゆるEDAツールは、初期コスト及びランニングコスト共に負担が大きいと聞いております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 調崇史議員。
○20番(調 崇史) 研究開発拠点を本市に開設するとして、今、本市の立地交付金に基づいてですよ、オフィス賃料補助の上限は2億円と、片やファブレスの1社が立地するためにはパソコンと設計ソフトがあればいいはずなんですけれども、主にこのEDAというソフト、欧米の大手3社が提供しているわけですけども、そのソフトの1ライセンスで何億円という製品が全く珍しくないそうです。かようにファブレス企業の進出には相当な設備投資が必要になると思っていいわけでして、本市として、今後仮に立地交付金を拡充したとしても、ファブレス誘致を考えたときにそれで一仕事終わったということにはならないわけで、先を見据えた取組をしていただくことが肝要になってくると思います。
ここでちょっと国の動向なんですけども、一部報道されましたが、令和6年度の補正と令和7年度の国の当初予算で、半導体の設計分野に3年間で1,600億円が投じられることになっているそうであります。国もこの分野、半導体の設計が大事だということを考えていただいているわけだと思います。
使い道なんですが、例えば、先ほどから申し上げているように、大変高額なEDA、半導体設計用のソフトを事業者が導入する際の支援をしたりだとか、あるいはこの先端のEDAを大学や高専などの教育現場でも使えるようにして高度な人材育成を支援するといったようなこととか、さらには経済安全保障や国内半導体産業の自立性といった観点からも、国産のEDAを育てることなどですね、やっていただきたいことはたくさんあるわけです。ちなみに、国産EDAなんですけれども、ジーダット社が提供しておられますが、こちらも福岡市に支店を置いておられます。
こうした国の予算を積極的に取りに行くために、本市として国への提言も含めた最大限の努力をしていただきたいというふうに思いますし、その上で、ファブレスをはじめ、半導体関連企業の誘致に向けて産学官一体となって汗をかいていく必要があると思いますが、決意のほどをお伺いして質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) 半導体産業は今後も大きな成長が見込まれており、進出の動きが活発化しているこの機を逃さず、福岡市にこれらの高付加価値なビジネスを集積させることが重要であると認識しております。
民間企業、関連団体などと連携した国への働きかけや大学の人材や技術シーズの活用など、産学官それぞれの強みやネットワークを生かし、ファブレスをはじめとする半導体関連企業の集積に取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) この際、休憩し、午後5時25分に再開いたします。
午後5時15分 休憩
午後5時25分 開議
○議長(打越基安) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。阿部正剛議員。
○49番(阿部正剛)登壇 お疲れさまでございます。私は日本維新の会福岡市議団を代表し、介護保険の認定審査における効率化、市街化調整区域における土地利用の2点について質問をいたします。
まず、介護保険の認定審査における効率化についてであります。
令和3年8月に策定され、令和8年度までを計画期間とする福岡市保健福祉総合計画によれば、本市高齢化率が2017年に21%を超え、超高齢化社会へ突入しているとの現状認識が示され、要介護の認定を受けている人や認知症の人、障がいのある人などの支援が必要な人が増加していること、また、社会環境の変化により、課題の複雑化や複合化など、福祉ニーズが多様化していることが指摘をされています。また、高齢化の進展に伴い、本市の介護保険を取り巻く環境も、平成12年の制度開始から約25年を経過した現在、大きく変わってきていることは御承知のとおりであります。65歳以上を被保険者とする第1号被保険者数は、制度開始時と令和4年度との比較で約2.0倍の35万人、同じく要介護認定を受けた人の数は約3.5倍の7万1,000人、同じくサービスを利用する人の数は約3.4倍の5万2,000人となっていることなど、これからの高齢化の進展を考えれば、今後も増加し続けることが見込まれるところであります。さらに、第9次福岡市介護保険事業計画によれば、計画最終年度の令和8年には65歳以上の人が約37万1,000人、高齢化率23%、平成12年の制度開始から40年後、今から15年後になりますが、65歳以上の人が約46万9,000人、高齢化率も28.3%となり、約5.5倍の11万1,000人の人が要介護の認定を受けるという予測も示されることなどを踏まえ、お尋ねしてまいります。
高齢化の進展とともに、介護保険の被保険者数も増加していると思われますが、現状認識のため、ここ3か年の要介護の認定を受けた人の数についてお尋ねするとともに、令和6年度分の要介護、要支援の区分の内訳を併せてお尋ねし、2問目以降は自席にて行います。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 要介護認定者数につきましては、令和4年度が7万1,450人、5年度が7万2,776人、6年度が7万4,556人となっております。6年度の認定区分の内訳については、要支援1が1万4,568人、2が1万808人、要介護1が1万5,279人、2が1万1,350人、3が8,941人、4が8,089人、5が5,521人となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 阿部正剛議員。
○49番(阿部正剛) 年々、要介護の認定を受けた人の数が増加をしてきている一方で、要介護の認定を受けるために申請をされた人の数はどのようになっているのか、3か年の状況をお尋ねするとともに、申請に係る新規や更新、区分変更について、参考までに令和6年度の状況をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 要介護認定の申請者数につきましては、令和4年度が6万1,209人、5年度が5万4,910人、6年度が5万5,735人となっております。6年度の申請区分の状況については、新規が2万4,041人、更新が2万4,954人、区分変更が6,740人となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 阿部正剛議員。
○49番(阿部正剛) 令和5年度は前年度との比較で要介護の認定を申請された人の数は減少をしている一方で、令和6年度は前年度との比較で増加に転じているようですが、この状況について所見をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 高齢者数や要介護認定者数が毎年増加している状況でございますが、コロナ下において国が認定の有効期間を暫定的に最長12か月延長できる特例を設けたことにより、令和2年度と3年度の更新が減少し、その影響で4年度の更新が大幅に増加したため、相対的に5年度の要介護認定の申請者数が減少したものでございます。一方で、6年度は新規及び区分変更の増加数が更新の減少数を上回ったため増加に転じたものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 阿部正剛議員。
○49番(阿部正剛) 新型コロナ感染症時の特例並びに厚生労働省が更新申請における事務負担を軽減する観点から、同じ時期に有効認定期間を12か月延長し48か月としたことから、更新申請は一時的に減少しているとのことですが、今後の高齢化の進展を考えれば、新規や更新、区分変更共に申請する人が増加していくことは目に見えています。
次に、介護認定の申請に係る認定審査についてお尋ねをいたします。
まず、役割や人員配置等の状況をお尋ねするとともに、事務局員の人員配置等についてお尋ねいたします。また、それに係る外部経費について併せてお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 介護認定審査会は、介護保険法の規定に基づき設置している市の附属機関で、民間の医師や社会福祉士などの学識経験者で構成しており、要介護状態の審査や認定の有効期間の判定などを行うこととされております。本市では、各区に計43の審査部会を設置し、355人に委員を委嘱しております。1部会当たり委員は原則5人で週1回程度開催しており、各部会の運営の際には事務局員2人が対応しております。委員の報酬と交通費の令和5年度決算額は1億147万円余でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 阿部正剛議員。
○49番(阿部正剛) 介護認定審査会は市の附属機関として位置づけられ、審査委員は、保健や医療等の専門家で構成するとし、令和7年度は介護保険条例に基づく、上限ほぼいっぱいの355人に審査委員を委嘱、審査会は計43部会、1部会原則5人の委員で構成され、各部会の運営の際は事務局員2人で対応し、毎週1回程度開催しているとのことです。
本年度申請数も増加すると予測される中、認定審査会は何回程度開催予定かお尋ねするとともに、認定審査の一連の流れについてお尋ねいたします。また、申請から認定までの期間についてどれくらいの時間を要しているのかお尋ねするとともに、その期間は他都市と比べどのような状況となっているのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 審査部会の開催回数につきましては、令和7年度は1,900回程度を予定しております。認定審査については、申請を受け付けた後、訪問により認定調査票を作成するとともに、主治医意見書の提出を受け、一次判定ソフトによる要介護状態の判定を経て、審査部会における審査判定が行われます。申請から認定までの平均所要期間については、国が5年度の全保険者の状況を公表しており、本市は28.7日で、介護保険法が定める30日以内となっております。また、政令市平均は39.8日で、本市は政令市の中で最も短い日数となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 阿部正剛議員。
○49番(阿部正剛) 令和7年度は年間1,900回開催予定であるとのことですが、1か月に換算すると平均159回、1部会当たり毎月4回程度開催されることになり、各部会ともほぼ毎週1回程度開催される計算になります。ちなみに、審査会が8部会ある東区を例に取ると、週4日のうち、毎日2部会が開催されていることになります。
一方で、令和5年度における平均所要期間は、介護保険法が定める審査期間30日を下回る28.7日であること、また、政令市平均よりも10日以上も短いことなど、各方面の御協力の下、このような審査体制によって、適切な審査期間で、要介護、要支援区分が認定されていることについて感謝をするところであります。
次に、認定審査の流れについてです。
申請をする人の主治医が作成する意見書と、調査員が訪問により作成する調査票などを一次判定するソフトにより、要介護状態の判定を受けた資料を基に、認定審査会において最終的な判定を実施する流れであるとのことですが、この一連の流れの中において、DX化等、事務作業の効率化は図られているのか、お尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一)) 市職員による認定調査において、令和5年度から専用のタブレット端末を導入し、聞き取りや確認と並行して調査票を作成し、データの送受信も可能とするなど、調査の効率化を図っております。また、申請者の居住区に関係なく、どの審査部会でも審査を可能とし、部会間の審査件数の多寡を調整することで、認定審査の効率化も図っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 阿部正剛議員。
○49番(阿部正剛) 令和5年度から市職員による認定調査において、タブレット端末を使用するなど、調査の効率化が図られていること、また、審査件数の平準化に取り組まれているとのことですが、タブレット端末の導入、審査件数の平準化でどのような効果が図られているのかお尋ねするとともに、この他、審査会をオンライン化するなど、審査事務の効率化に資するようなDX化等の対策はないのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) タブレット端末の導入と審査件数の平準化により、調査や審査に要する期間の短縮と審査部会間での委員と事務局員の負担の平準化を図るなどして、本市においては、30日以内の要介護認定を実現しているところでございます。審査事務の効率化については、国において、主治医意見書の電子送付などの基盤整備やデジタル、AI等の活用についての検討が進められているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 阿部正剛議員。
○49番(阿部正剛) タブレットの導入等で期間短縮などの効率化は図られているとのことです。令和6年度では、申請者数は5万5,735人、1か月平均で4,645人、1部会当たり平均108人、1週当たり27人の審査を行う計算となりますが、現在、認定審査会はどのような事務環境の下で行われているのか、詳細をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 審査部会は各区役所の会議室などを審査会場として開催しており、認定調査票や主治医意見書を取りまとめた資料を配付し、認定審査を行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 阿部正剛議員。
○49番(阿部正剛) 各部会とも、毎回区役所等に集まって対面で審査をされているようです。これは現場の意見というのがありますので、それは大変重要な意見だと思いますが、対面審査自体を否定するものでありませんが、コロナ禍以降、オンライン会議等が広く認知されている昨今、さらなる効率化を図るため、検討する時期に来ているのではないでしょうか。
聞くところによると、審査対象の資料はA3サイズ3枚の紙ベース、審査対象人数分を審査員分コピーし、審査が終わればシュレッダー等で処理されているものと思います。毎回約30人分のA3資料2枚から3枚を5人分ですから、単純に毎回毎回、平均400枚程度コピーしなくてはならない計算です。1回当たり400枚ですから、月4回、それの43部会、それの1年間ですので、年間で約82万5,000枚というコピーの枚数になる計算です。
先日この質問に関連し、ICT導入により迅速な介護認定に取り組まれている久留米市を訪問してまいりました。本市と人口規模や認定者の数等に違いがありますので、単純に比較はできませんが、参考になる部分もありました。手書きや手作業を極力減らし、認定までの所要日数を短くすることを目的に、認定申請については、ふくおか電子申請サービスを令和4年に、受理した申請書登録をAIによる読み取り等については令和2年に、認定調査員の現場調査におけるパソコン携行については令和3年に、また、外部委託への依頼や受理のデータ化については令和4年に、主治医意見書については地域支援連携システムの活用を令和5年に、認定審査会は、事前に審査会資料を電子化、先方にタブレットを貸し出してオンラインで行うことを令和3年にそれぞれ導入した結果、認定までの所要日数が令和元年に38.9日であったものが令和4年には32.6日まで短縮されたとのこと。まだ30日は超えていませんので、福岡市のほうがまだやられていると、手作業でもやられているというふうに思っています。
また、オンライン化やペーパーレス化によるコスト削減については、タブレット導入初期費用やランニングコストがかかる一方で、事務時間等の短縮、事務用品費、郵送費、人件費等を差し引き、年間で約300万円のコストが削減されたとのことです。申請書を受理した後、医師への意見書作成依頼や調査票の作成依頼後、いかに回収を早めるかが重要なポイントであることも改めて認識できました。電子化があまり進んでおらず、手書きや手作業が多い本市の認定審査事務でありますが、現状で認定期間が、国が定める30日を下回っていることについては改めて評価をするところであります。
とはいえ、冒頭申し上げましたように、高齢化の進展により、本市も介護の認定を受けた人の数の増加と併せ、それに係る事務負担も当然大きくなることが目に見えています。効率化や事務負担を軽減する観点から、DX化を推進するなどさらなる効率化を図る時期に来ているのではないかと考えますが、御所見をお尋ねし、この質問を終わります。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 介護認定審査会につきましては、民間の医師をはじめとする多くの学識経験者の方々に協力をいただいていることから、委員の意見なども踏まえた取扱いとしております。今後は、国におけるデジタル、AI等を活用した要介護認定の迅速化等に係る検討状況なども注視しながら、引き続き事務の効率化や負担軽減に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 阿部正剛議員。
○49番(阿部正剛) ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
次に、市街化調整区域における土地利用についてお尋ねをいたします。
都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため、都市計画法により定められる将来の土地利用や道路、公園、下水道などの都市施設、市街地開発事業等の計画に基づき、計画的なまちづくりを推進するため都市計画区域が指定されておりますが、本市において、総面積における都市計画区域の面積と割合についてお尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 福岡市における都市計画区域の面積は約3万4,082ヘクタールで、市域面積の99.23%でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 阿部正剛議員。
○49番(阿部正剛) 本市の99.23%を占める都市計画区域のうち、市街化区域と市街化調整区域とに区分されますが、それぞれの目的についてお尋ねするとともに、それぞれの面積についてお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 市街化区域は、既に市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域で約1万6,388ヘクタールを指定しております。また、市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域で約1万7,694ヘクタールを指定しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 阿部正剛議員。
○49番(阿部正剛) 計画的なまちづくりを推進する都市計画区域のうち、市街化を抑制しなければならない約52%を占める市街化調整区域ですが、参考までに、5年前、10年前はどのような状態であったのか、それぞれの面積並びに都市計画区域に占める割合についてお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 市街化調整区域の面積及び都市計画区域に占める割合につきましては、5年前の令和2年4月時点では約1万7,720ヘクタールで51.99%、10年前の平成27年4月時点では約1万7,741ヘクタールで52.11%でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 阿部正剛議員。
○49番(阿部正剛) ここで、参考までに福岡の都市計画2025というのを御紹介します。(現物表示)これは皆さん御覧になられた方もいらっしゃると思いますが、これは本市の都市計画の種類、地域計画、地区計画等の概要等が記載されており、裏面は都市計画総括図となっています。そのうち、福岡市の都市計画の変遷の項では、今から136年前の明治22年に市制が施行されてからの都市計画の動きと福岡市の動きをそれぞれ読み取ることができます。年表のようなものです。
明治22年、市制施行当時は市域約5平方キロメートル、人口約5万人とあります。それから136年をかけて、先人たちの尽力により現在に引き継がれ、市域で約69倍の343平方キロメートル、人口で約33倍の166万人のまちが形成されてまいりました。
ここで、今回の質問に関連し、かいつまんで幾つか紹介をいたします。
まず、初めて都市計画区域が決定されたのが大正14年、政令指定都市昇格前の昭和45年に福岡都市計画区域における市街化区域及び市街化調整区域の決定がなされて以降、昭和53年に1回目の変更がなされてから、平成29年、第7回目の変更を受け、現在に至り、先ほど御答弁いただいた面積となっております。
さらに福岡市の動きを含めながらかいつまんで紹介しますと、昭和20年、福岡大空襲によって市街地の大半が焼失しました。翌年には復興都市計画が決定され、昭和32年には公共下水道の決定、広さが1,009ヘクタールです。この頃から人口が急激に増加傾向となり、全国初のマスタープランが策定された昭和36年には人口が70万人を突破、昭和38年には博多駅移転完成、昭和47年に政令指定都市昇格、山陽新幹線が開通した昭和50年には人口が100万人を突破、平成元年、アジア太平洋博覧会、平成7年、ユニバーシアード福岡大会、福岡市都市計画が策定された平成13年には世界水泳選手権大会が開催されて以降、平成17年には地下鉄七隈線の開業、平成23年には九州新幹線全線開業、平成24年には都市高速道路環状線全線開通、平成25年には人口が150万人を突破し、近年では、天神ビッグバン、九州大学伊都キャンパスへの移転完了、博多コネクティッド、都市高速道路アイランドシティ線供用開始、西鉄大牟田線連立完成、地下鉄七隈線延伸開業等を経て現在に至っていることは記憶に新しいところです。
長くなりましたが、質問に戻ります。
都市計画区域において、5年前、10年前と比較して、占める割合にほぼ変わりがない市街化調整区域ですが、一定の条件の下、当該土地の利用が可能となるようですが、その条件をお尋ねするとともに、その根拠について、併せてお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 市街化調整区域は市街化を抑制する区域でございますが、都市計画法及び福岡市開発行為の許可等に関する条例に適合するものについては、建築物等の立地が可能となっております。開発許可等により立地可能なものとして、診療所、美容業、日用品販売の店舗など、周辺地域に居住している方が日常的に利用するものや、医療施設や分家住宅、沿道サービス施設など、市街化区域内において行うことが困難または不適当なものが規定されております。また、開発許可等を受けずに立地可能なものとして、農業、林業もしくは漁業の用に供する建築物や公益上必要な建築物などが規定されております。以上でございます。
○議長(打越基安) 阿部正剛議員。
○49番(阿部正剛) 市街化を抑制する区域内において診療所や日用品販売店舗等周辺地域に居住する人が日常的に利用する場合や、車の人が利用する沿道サービス施設等は開発許可等に基づき建築が可能であること。一方で、農林漁業の用に供する場合は開発許可が不要で建築が可能であるとのことですが、許可基準等、具体的な例を示していただくとともに、その根拠法並びに関連条例についてお尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 法第34条及び条例第27条において、周辺地域に居住する人が日常的に利用するもので、開発許可対象となる建築物につきましては、診療所などのほかに、理容業、はり、きゅう、あんま業などの店舗や農機具修理施設などが規定されており、あわせて、福岡市が指定する既存集落区域または隣接区域に立地していることや敷地面積が1,000平方メートル以下、延べ床面積が500平方メートル以下であることとしております。また、同じく法第34条及び条例第27条において、沿道サービス施設については、道路管理施設、休憩所としてのドライブイン、給油所等が規定されており、あわせて、福岡市が指定する沿道サービス指定路線に接していることとしております。次に、法第29条において開発許可が不要な農林漁業の用に供する建築物につきましては、畜舎、温室など、農産物、林産物または水産物の生産または集荷の用に供する建築物、堆肥舎、サイロなど、農業、林業、漁業の生産資材の貯蔵または保管の用に供する建築物などが規定されております。以上でございます。
○議長(打越基安) 阿部正剛議員。
○49番(阿部正剛) 診療所や日用品販売店舗等や沿道サービス施設は、都市計画法のほか本市の開発行為等の条例により、周辺住民や車を利用する人の利便性を高めるために認められているとのことですが、そのうち沿道サービス施設については、市の指定路線に接していることが条件となっているようです。
そこで、指定路線数並びに路線のおおよその距離をお尋ねするとともに、指定に当たっての根拠について、併せてお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 沿道サービス指定路線は国道3号などの21路線、総延長約68キロメートルでございまして、交通量や市街化区域との距離等を勘案し、開発審査会にお諮りした上で指定しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 阿部正剛議員。
○49番(阿部正剛) 21路線68キロに及ぶ沿道サービス指定路線においては、道路管理施設やドライブイン等の休憩所、ガソリン等の給油所に限り土地の利用が認められるということが分かりました。
次に、市街化調整区域における土地利用について、都市計画法や建築基準法のほか、開発行為に関する条例等を満たせば、その当該土地の利用が認められておりますが、一方で、関係法令や条例による許可基準を満たさず、本来の目的から逸脱した状態で営業を行っている業種には過去5年間でどのようなものがあるのかお尋ねするとともに、その違反件数はどれくらいあるのか、お尋ねします。また、近年ではどのような傾向となっているのか、併せてお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 市街化調整区域において、過去5年間で新たに違反を覚知し、文書による指導を行ったものとしましては、自動車修理工場、建設業や不動産業を営む事務所、飲食店、資材を保管するための倉庫、スポーツ練習場、レンタカー事業を営む店舗、キャンプ場、住宅、物販店舗、寺、ペット葬儀場、ペットショップ、高齢者福祉施設がございます。違反指導の件数といたしましては、令和2年度12件、3年度7件、4年度6件、5年度14件、6年度11件となっており、近年増加傾向でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 阿部正剛議員。
○49番(阿部正剛) 令和2年度から5年間の違反件数について御答弁いただきました。内容からすると、ほとんどがなりわいであろうかと思われますが、中には特殊な事案があることも分かりました。
違反指導の件数も年々増加傾向にあるとのことですが、そもそも違反指導を行う対象を覚知する手段としてはどのようなケースがあるのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 違反の覚知につきましては、定期的なパトロールや市民、消防局等からの情報提供のほか、増築や用途変更を行う際に建築主が自主的に申告する場合などがございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 阿部正剛議員。
○49番(阿部正剛) 定期的なパトロールや市民、消防局からの情報提供等によって覚知されるようですが、指導にもかかわらず、違反状態のまま営業を続けている事業者へはどのように対処されているのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 違反建築物に対しては、まず現地調査を実施し、所有者などの関係者へ聞き取りを行い、違反項目など、現状の報告を求めております。その後、所有者などと事前協議を行い、是正に向けた計画書の提出を求め、是正工事に着手するよう指導をしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 阿部正剛議員。
○49番(阿部正剛) 違反状態を現認した場合、事前協議や是正計画書の提出を求める等の指導を行うとされています。
その指導に基づき、先ほど答弁いただいた令和2年度から令和6年度分の違反事案について指導後どのように改善が図られたのか、それぞれの年度ごとの状況についてお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 令和2年度に違反指導を開始した12件のうち、現在までに移転や除却など是正が完了しているものは8件、継続して指導中のものは4件、3年度の7件のうち是正完了は3件、指導中は4件、4年度の6件のうち是正完了は1件、指導中は5件、5年度の14件のうち是正完了は6件、指導中は8件、6年度の11件のうち是正完了は1件、指導中は10件でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 阿部正剛議員。
○49番(阿部正剛) 令和2年度4件、令和3年度4件、令和4年度5件、令和5年度8件、令和6年度10件と、担当課の努力のかいなく、いまだ是正、改善がなされていない現実があるようです。一、二年前の事案についてはこれから改善が図られるであろうと思いますが、四、五年経過してもいまだ是正や改善されていないことを考えると、それ以前の違反についても、いまだ改善や是正がなされていないケースがあるのではないかと勘ぐってしまいます。
令和2年度や令和3年度分で、いまだ是正、改善指導に応じていない主な理由とは何か、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 是正、改善に至っていない主な理由といたしましては、所有者などにおいて、移転先の選定や資金調達に時間を要していることなどでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 阿部正剛議員。
○49番(阿部正剛) 移転先の確保や資金調達等が主な理由のようですが、実際、違反状態でも営業を継続し、収入は得られていると思われることから、ずるずると引き延ばされることがないような対処が必要ではないでしょうか。また、是正や改善の進捗等、個別の案件についての答弁はできないでしょうから個別の詳細は求めませんが、このような状況に対し、正直者がばかを見るという声や、やったもん勝ちという声があることは肝に銘じなければならないと考えます。
強権的な是正や改善指導ができない中、最前線で対応されている担当課の御労苦は察するところでありますが、関係法令や条例遵守の観点から、引き続き指導の強化を図り、早急に是正、改善を促していく必要があると考えますが、最後に御所見をお尋ねし、質問を終わります。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 市民が安全で安心して暮らせる良好な生活環境を形成していく上で、都市計画法や建築基準法などの関係法令に適合した建築や、その維持保全は大変重要であると認識しております。その中で、一部において違反建築物が存在しており、これまでも関係法令に基づいて指導を行ってきたところでございます。今後とも、市民や関係業界に対して、法令遵守の周知や啓発に努めるとともに、関係局と連携を図りながら、違反建築物の防止と是正の指導にしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達)登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表して、福岡市の防災準備を考える、農業の生産者支援について、中村学園三陽中学、高校の閉校に伴う交通事情について、以上3項目について質問いたします。
まず、福岡市の防災準備を考えるです。
本年、令和7年、西暦2025年は大きな災害を引き起こした福岡県西方沖地震から丸20年の節目の年であります。さらに言えば、阪神・淡路大震災から丸30年、私は平成13年に、まだ震災の復興半ばの神戸の大学に入学し、その復興を身近に感じながら、たまたま帰省していたこの福岡市で西方沖地震に遭遇いたしました。そこからこの20年の間に、我が国は一体何度、大型地震に遭遇したでしょうか。2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震、2018年の北海道胆振東部地震、2022年と2023年の石川県能登地方を震源とする地震、そして2024年の能登半島地震など、震度5以上を取り上げれば、まだまだもっとあります。
福岡市を横断する警固断層帯は、福岡県西方沖地震の震源域である北西部と、約4,300年前から3,400年前に活動した南東部に分かれています。南東部は志賀島南方沖から筑紫野市にわたる約27キロの活断層であり、この活断層が一度に揺れた場合、マグニチュード7.2程度の地震が発生すると言われており、地震対策は待ったなしの状況です。地震への対策はハード面での耐震化を着実に進めるとともに、災害時は速やかに復旧できるように、復旧のための資機材を準備しておくことも重要です。
そこで、福岡市内の橋梁、都市高速道路、上下水道管、地下鉄の耐震化の状況をお尋ねします。あわせて、災害から速やかに復旧するためにどのような備えを行っているのかもお尋ねいたします。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○議長(打越基安) 竹廣道路下水道局長。
○道路下水道局長(竹廣喜一郎) まず、橋梁の耐震化につきましては、令和3年3月に策定した福岡市橋梁耐震補強計画に基づき、令和23年度までに緊急輸送道路における橋梁及び跨道橋、跨線橋のうち、耐震性能を満たしていない110橋の耐震化に取り組むこととしており、令和6年度までに13橋の設計、うち6橋の工事に着手しております。また、災害から速やかに復旧するための備えとして、本市と業界団体で防災活動に関する協定を締結しており、被害の程度に応じて団体から協力を得ることとしております。
次に、都市高速道路につきましては、管理しております福岡北九州高速道路公社からは、本線の耐震化は全て完了しており、出入口の耐震化について、令和13年度までの完了を目指し引き続き取り組んでいくと聞いております。また、災害から速やかに復旧するための備えとして、同公社において、九州地方整備局や日本建設業連合会及び民間団体などと、災害における応援、協力に関する協定が締結されております。
次に、下水道管につきましては、緊急輸送道路に埋設された管渠や水処理センターに直結する管渠をはじめとする重要な幹線などを対象に耐震化を実施しており、耐震化率は令和5年度末で約61%となっております。また、災害から速やかに復旧するための備えとして、大都市との相互応援協定や業界団体との復旧支援協定を締結するとともに、下水道BCPに基づき、資機材の備蓄や訓練を実施しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 中村水道事業管理者。
○水道事業管理者(中村健児) 水道管の耐震化につきましては、新設や更新をする際には、全て地震の揺れに強い耐震管を使用しており、耐震化率は令和5年度末時点で62.5%でございます。また、収容避難所や救急告示病院などの重要給水施設である256施設への配水管を耐震化する耐震ネットワーク工事が6年度末までに完了し、7年度からは、一時避難所である公民館などの90施設を対象とした第2次耐震ネットワーク工事を計画的に進めております。次に、災害から速やかに復旧するための備えにつきましては、水道管など応急復旧のための資材を備蓄するとともに、日本水道協会の相互応援ルールや業界団体との協定などに基づく協力体制の構築、さらには他都市との合同防災訓練の実施などに取り組んでおります。以上でございます。
○議長(打越基安) 小野田交通事業管理者。
○交通事業管理者(小野田勝則) 地下鉄施設の耐震化につきましては、国の耐震基準に基づき、既に耐震化が完了いたしております。災害への備えにつきましては、対応マニュアルを整備し、これに沿って迅速に対応することとしております。地震の発生時は、その規模にもよりますが、直ちに全列車の運転を一時休止し、その後、保守係員が線路点検等を行い、安全を確認した上で運行を再開することとしております。以上です。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 橋梁や上下水道管など、各施設において計画的に耐震化が進められていることが分かりました。
災害から速やかに復旧するための備えと合わせ、引き続きしっかり取り組んでもらいたいと思いますが、橋梁については、福岡市橋梁耐震補強計画に基づいて、重要度の高い橋梁から順次、耐震補強を進められているとのことですが、計画の終期が令和23年と相当先になります。もっとスピード感を持って取組を進めることを要望いたします。
また、多くの市民が日常的に利用するJR九州や西鉄の駅等については、それぞれJR九州、西鉄において耐震化が進められており、現在行われている西鉄高宮駅での工事が完了すれば、市内全ての高架駅が耐震化される予定と聞いております。市が直接管理しない民間の交通インフラについても、耐震化や速やかな復旧に向けての準備が重要であり、今後も適切な耐震対策が進められるよう、引き続き連携を図っていただきたいと思います。
災害時には、電気やガス、通信といったライフラインの確保も大変重要なものとなります。特に電気については、北海道胆振東部地震において北海道全域にわたる長時間の大停電、いわゆるブラックアウトが発生し、道民の生活に多大な影響を及ぼすこととなりました。施設、設備の耐震化などのハード対策はもちろんですが、災害時の迅速な復旧に向けた対策も整えていただく必要があると思います。
地震により大規模停電が発生した場合、その速やかな復旧に向け、市としてはどのような取組を行っているか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 大規模災害の発生時におきましては、福岡市災害対策本部を設置し、関係機関から集結する多くの要員が一体となって災害応急対策を実施することとしております。大規模停電が発生した場合においても、電気事業者が速やかに復旧工事を実施できるよう、関係機関と連携の上、瓦礫や倒木を除去し、道路の啓開を行うなど、迅速に対応することとしておりまして、災害時応援協定の締結や震災対処訓練の実施などを通じて、連携強化に努めております。以上です。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 福岡市には166万人の市民がおり、事業所が集積し、他都市からの入り込み労働者、観光客が多く、地震が起こった場合は、人的被害や建物被害、帰宅困難者の発生も大きな課題となります。これらに対する事前の想定と対策が不十分であれば、都市機能全体が混乱し、被害を拡大されるおそれがあります。とりわけ被災直後に最も混乱が予想されるのは、都心部を中心とした帰宅困難者への対応です。
そこでお尋ねいたします。福岡市で地震が起こった場合は、公共交通機関の運行停止により、都心部を中心に多数の帰宅困難者の発生が見込まれますが、帰宅困難者に対する市の対応はどうしているのか、また、帰宅困難者はどのように帰宅するのかをお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 帰宅困難者への対応につきましては、徒歩で帰宅できる方に対しては、災害時応援協定に基づき、コンビニエンスストアなどを災害時帰宅支援ステーションとして開設し、トイレや水道水の提供などの支援を行うこととしております。それ以外の買物客や観光客などの、いわゆる寄る辺のない帰宅困難者に対しては、災害時応援協定を締結している一時滞在施設に誘導し、その後、交通機関の運行再開に時間を要する場合には、交通事業者と連携したバスの代替輸送などを行うこととしております。以上です。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 発災直後の対応として、帰宅困難者対策は極めて重要です。一時滞在施設のさらなる確保や災害時におけるいち早い公共交通の運行再開のため、民間事業者や交通事業者との連携強化にしっかり取り組んでいただきたいと思います。
次に、福岡市の備蓄や避難所についてお尋ねいたします。
国は、大規模災害時の物資の備蓄拠点として、九州ブロックでは、熊本県と福岡県須恵町に拠点を設けることとしていますが、国が備蓄を予定する物資は1ブロックにつき、例えば段ボールベッドが500個、簡易トイレが15個、入浴資機材は5セットなど、九州全域をカバーするにはとても足りません。地震発生時には、一般道路や高速道路の通行止めも想定されることから、福岡市として十分な備蓄を確保する必要があると考えます。
そこでまずお尋ねしたいのが、水や食料の備蓄です。福岡市では3万人の水や食料を博多区月隈の備蓄倉庫などに備蓄しているとのことですが、避難者の数はどのように想定されているのでしょうか。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 避難者数につきましては、地域防災計画において避難所等への避難者を約2万5,000人、在宅避難者を5,000人、合計で約3万人と想定しております。以上です。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 現在、福岡県において被害想定の再調査が行われていると聞いています。市の想定避難者数に影響があると思いますが、どのようになるのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 想定避難者数を含む市の被害想定につきましては、現在、その根拠となる防災アセスメント調査が福岡県において行われているところでありまして、その結果を踏まえて、地域防災計画の見直しを行っていくこととしております。以上です。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 地域防災計画は、福岡市の災害対策の基本となるものです。県の調査結果を踏まえ、実効性が高い計画となるようしっかりと見直していただきたいと思います。
避難者が安心して避難できるようにするには、避難所でのプライバシーの確保、衛生環境、防犯対策、電力の確保なども重要です。
そこで、福岡市における避難所の実態をお尋ねいたします。
避難所は幾つあり、何人が避難できるのか、避難所における1人当たりのスペースはどのぐらい確保できるかをお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 避難所につきましては、指定避難所として438か所を指定しており、全避難所での収容可能人数は約10万人となっております。また、避難者1人当たりの必要面積については4平方メートルを基準としております。以上です。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 避難所は単に避難者を収容するだけでなく、避難者の安全と健康を守る環境整備が求められています。特に大人数が長期間生活する中で、生活空間における他人との物理的な距離やプライバシーの欠如は深刻なストレスの要因となります。
そこで、避難者のストレス軽減の観点から、プライベート空間確保への取組状況をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 避難所におけるプライベート空間の確保につきましては、市が備蓄する段ボール間仕切りや避難用テントを設置するとともに、企業等との災害時応援協定及び国からの物資支援により必要数を確保し、これらを使って対応することとしております。以上です。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 次に、衛生環境の維持について、特にシャワーなどの入浴設備の有無は、身体的、精神的な健康の維持に直結するものと考えています。私が気がかりに思っていることを例に挙げると、九州ブロックの物資の備蓄拠点には、入浴資機材、つまりお風呂はたった5セットしかありません。さきの答弁でありましたように、警固断層の想定避難者は2万5,000人と算定しているとのことで、1セット当たり5,000人の計算になります。また、被災地域は福岡市に限ったことではありませんので、この5セットの入浴資機材を各自治体で取り合いになることも想定されます。
そこで、一時避難所である公民館へのシャワーの設置状況をお尋ねいたします。あわせて、公民館を整備する際はシャワーを必ず設置する、あるいは改装してシャワーを設置するなど、避難所としての機能も考慮すべきだと思いますが、所見をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 公民館では、現在31館でシャワーを設置しており、今後も改築や内部改修に合わせて整備することとしております。以上です。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 公民館は福岡市内の全校区にあり、災害時の最も身近な避難拠点であります。避難所生活が長期にわたる場合は、衛生面はもちろんですが、ストレス軽減の観点からも、シャワーの利用は非常に有効でありますが、分館を含めた全公民館、153公民館のうち31館しかシャワーの整備がされていないことから、スピード感を持って計画的に設置することを要望いたします。
また、昨年12月議会の一般質問において我が会派の堤田議員が質問した学校体育館への空調設備の整備については、今年度から3年間かけて全ての学校に設置することとなり、避難所としての環境は大幅に向上していくと考えられます。
一方で、地震の際に窓ガラスなどが割れないように、サッシなどの建具の耐震性を高める改修が必要だと考えますが、どのような対策を考えているのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 下川教育長。
○教育長(下川祥二) 学校体育館の耐震改修工事は、全ての学校で完了しておりますが、今後、長寿命化改良などの機会を捉えて、施設の安全性をより高めるための改修についても、検討していきたいと考えております。以上です。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 熊本地震では想定を超える大きな揺れが連続して発生し、体育館の窓ガラスが割れる被害が発生しました。これから設置する空調設備とともに、サッシなどの建具の耐震性向上や窓ガラスへの飛散防止フィルムの貼付けなど、さらなる避難所環境の向上に取り組んでいただくよう要望いたします。
また、被災者が安心して避難生活を送る観点から、避難所での防犯対策はどのようにしているか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 避難所の防犯対策につきましては、避難所運営の手引等において、更衣室や授乳室などの女性専用スペースへの防犯ブザーの設置や複数人での定期的な見回りなどに加え、警察への巡回要請を行うこととしております。また、仮設トイレについては、人目の届く場所に設置することとしております。以上です。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 次に、災害時における電源確保についてです。
大規模災害時に停電が発生すると、避難所での照明をはじめ、家族との連絡に欠かせないスマートフォンの充電なども必要であり、電力確保も大きな課題になります。災害時の電力確保の取組状況をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 避難所における災害時の電源確保につきましては、各校区に備蓄する非常用発電機や電気自動車からの給電、さらに災害時応援協定に基づき、企業等から調達する非常用発電機などにより対応することとしております。以上です。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 日本は地震が多発する国であり、日頃からの備えと災害時に混乱なく対応できるよう、ハード、ソフトの両面から防災対策を着実に進めていただきたいと思います。県の被害想定の見直しの結果を踏まえ、必要な対応を適切に行っていただくことを期待いたします。
最後に、福岡市が災害に強いまちづくりを進めるに当たり、市長の御所見をお尋ねしてこの質問を終わります。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 令和6年能登半島地震をはじめ、近年、日本各地で大規模な災害が発生しており、ハード、ソフトの両面からまち全体の防災力を高めていくことが大変重要であると考えています。このため、道路や上下水道などのインフラの耐震化を計画的に進めますとともに、公的備蓄の拡充や避難所におけるプライバシーの確保、衛生環境の維持など、被災者に優しい良好な避難所環境の整備に取り組んでまいります。また、災害対策の実効性をさらに高めるため、福岡県による被害想定調査の結果などを踏まえ、地域防災計画の全面的な見直しを進めてまいります。今後とも、市民の貴い命と財産を守ることを第一に、災害に強い安全、安心なまちづくりにしっかりと取り組んでまいります。以上です。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 次に、農業の生産者支援についてお尋ねいたします。
福岡市の魅力を支える食の確保をテーマとして、担い手不足などの課題を抱える農業を持続させていくためには、所得の向上を図ることが重要と考え、3月の総会質疑では、収益につながるブランド化について質問いたしました。
現在、米不足、米の価格高騰の問題が毎日のようにニュース等で取り上げられております。日本は高度経済成長期以来、工業や商業などの産業が中心となって、世界に対して存在感を増してきました。その一方で第1次産業に対しては、あって当たり前のものとして国民の関心が薄まるとともに、第1次産業を守らないといけない、支えないといけないといった気持ちが弱くなってきているのではないかと私は思うところでございます。
このたびの米の価格高騰によって、農業に対して国民の大きな関心が寄せられている状況にありますが、消費者目線における価格高騰への対応だけでなく、今後の長期的な農業政策について、生産者目線で考えていく必要があると思っています。
3月の補足質疑で、我が会派の大原議員から、中山間地域の農業の現状を踏まえた今後の農業政策について質問されましたが、私も、地元の農業者から高額な機械の更新など、生産コストの負担が大きいとの声を聞いております。生産基盤を維持していくことは重要なことですから、この点に関し質問していきます。
初めに、福岡市の農業生産の状況についてお尋ねいたします。農業従事者数はどのように推移しているのか、直近と5年前の数値をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 国の農林業センサスによりますと、福岡市の農業従事者数は、直近の令和2年が2,580人、5年前の平成27年が3,543人となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 農業従事者数は減少していますが、米や野菜、果樹、花卉の生産量と生産額はどのように推移しているのか、直近と5年前の数値をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) まず、生産量でございますが、米は直近の令和5年が4,384トン、5年前の平成30年が5,344トン、野菜、果樹は令和5年が1万3,619トン、平成30年が1万3,861トン、花卉は令和5年が984万8,000本、平成30年が1,143万8,000本となっております。次に、生産額でございますが、米は令和5年が10億3,300万円、平成30年が13億7,900万円、野菜、果樹は令和5年が28億1,200万円、平成30年が30億500万円、花卉は令和5年が7億9,900万円、平成30年が7億3,500万円となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 農業従事者数の減少と比較すると、生産量、生産額については、そこまで大きく減少しておらず、生産者の皆さんの頑張りがうかがえるところではないでしょうか。
水田においては、今まさに田植が行われております。米づくりにおいて、田を耕すトラクター、苗を植える田植機、稲を刈るコンバインは、米づくりに必要不可欠な機械となっていますが、例えば、コンバインであれば1,000万円以上するものもあり、農家の方から高額だという声も聞こえております。
米づくりに必要となる機械に対して国や県の支援制度があれば、その内容と市内の農家の利用状況をお示しください。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 国におきましては、一定の成果目標を設定し、その達成のために必要となる農業用機械の導入に対する支援制度があり、補助率が10分の3以内、補助上限額が300万円となっております。市内の農家では、令和元年度に2件の実績がありますが、以降の利用はございません。次に、県におきましては、生産コストの低減や生産規模の拡大等に取り組む場合、農業用機械の導入に対する支援制度があり、補助率が3分の1以内となっており、これに市が上乗せで6分の1を補助し、合わせて2分の1を支援しております。市内の農家では、令和元年度に1件の実績があり、今年度は2件の支援を予定しております。以上でございます。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 国や県の支援制度はあるようですが、利用が少ないことについて、何が課題と捉えているのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 国の制度では、支援を受けるためには、経営コストの縮減や経営面積の拡大など高い目標を設定し達成する必要があり、また、県の制度では、支援の対象は農地の面積が15ヘクタール以上とされており、経営規模が小さい市内の農家にとってはこのような要件を満たすことが困難となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 課題を踏まえて、市ではどのような支援を行っているのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 福岡市におきましては、国や県の支援の基準に達しない農家に対しましても、未来へつなげる農村の担い手支援事業におきまして、営農継続に必要なトラクターなどの機械や生産性向上に資するドローンなどのスマート農業機械の導入を支援しております。以上でございます。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 補助対象となる要件と補助率をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 未来へつなげる農村の担い手支援事業におきましては、目的別に2つの支援メニューを設けております。まず、営農継続に対する支援として、1.5ヘクタール以上の農家等が規模を拡大する場合に、トラクター、田植機、コンバインの購入費を支援しております。補助率は3分の1以内、補助上限額が100万円でございます。次に、生産性向上に対する支援として、1ヘクタール以上の農家等が規模を拡大する場合には、農業用ドローンやラジコン草刈り機などのスマート農業機械の購入費を支援しております。補助率は2分の1以内、補助上限額が100万円でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 当該事業の過去2年間における申請件数と補助実績、また、令和7年度の予算額についてお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 令和5年度は申請件数が11件に対しまして補助実績11件、補助額が913万3,000円、6年度は申請件数が15件に対しまして補助実績15件、補助額が1,318万円でございます。また、7年度の予算額は1,700万円でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 営農継続支援として、トラクター、田植機、コンバインが補助の対象となっていますが、例えば、今年トラクターを導入した農家が次年度以降に田植機を導入した場合に補助を受けることは可能なのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 未来へつなげる農村の担い手支援事業では、実施要領において、トラクターや田植機など、営農継続に対する支援は、各農家1回までと定めております。以上でございます。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 先ほども申し上げたように、米づくりを続けていくためには、トラクター、田植機、コンバインは必須だと思いますが、仮に今年トラクターで補助を受けられたとしても、田植機やコンバインが壊れてしまったら、結局農業を続けられないことになってしまうのではないでしょうか。なぜ同じ農家が、この事業を再度使えないこととしているのか、その理由をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) できるだけ多くの農家の皆さんに支援を行いたいとの考えから、営農継続に対する支援は各農家1回までとさせていただいております。また、個人で購入するのではなく、田植機やコンバインを共同で購入し、利用するといった場合でもグループで申請いただければ、補助の対象としております。なお、もう一つのメニューである生産性向上に対する支援で農業用ドローンなどのスマート農業機械を導入する場合には、過去に営農継続を目的としたトラクター等の導入で支援を受けていても補助の対象としております。以上でございます。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 大規模な農家が少ないという福岡市の農家の状況に合った独自の補助事業に取り組まれていることは分かりますが、私が聞いた話では、トラクター本体とトラクターに取り付けるアタッチメントを同時に購入する場合は補助の対象になるようですが、アタッチメントのみを購入しようとした場合は補助の対象とならないことも聞いています。より多くの方が利用できるという趣旨であるならば、農家の皆さんがもっと使いやすいメニューに変えていくべきだと考えます。
先ほど、トラクターや田植機などの営農継続に対する支援メニューのほかに、生産性向上に対する支援メニューとして、農業用ドローンやラジコン草刈り機などスマート農業機械についても、補助対象としているとのことでしたが、農家の高齢化が進む中、スマート農業機械を導入したいと思っても知識が不足していたり、機械の操作方法が分からないといった理由で導入をちゅうちょする農家がいるのではないかとも思います。
農家へのスマート農業機械の理解を深めてもらうために、どのような取組を行っているのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) スマート農業につきましては、令和5年度にはJA福岡市と協力し、農家に対して農業用ドローンとラジコン草刈り機の操作体験会を実施しております。また、6年度には、農家の課題やニーズに合った技術やアイデアを有する事業者等と農家をマッチングするイベントを実施するとともに、大気中からCO2を回収する技術を農作物の栽培に利用するなど、スマート技術の社会実装を目指す事業者等に、今津リフレッシュ農園内の施設の一部を提供し、実証実験を行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 実際に使ってみないと、その使い勝手や効果が実感できないものもあると思いますし、生産性をさらに向上させていくために、新しい技術やアイデアに大いに期待するところですので、スマート農業の取組についても、引き続き頑張っていただきたいと思います。
一方で、やはり農業の生産基盤を維持していくためには、トラクターなど基本となる機械が欠かせませんが、そういった機械も高額となってきています。福岡市独自に導入支援に取り組んでいることは評価しますが、まだまだ改善すべき点はあると思います。機械が壊れたとしても、市の支援でまた頑張ろう、農業を続けようと思ってもらうためにも、農家の皆さんがもっと使いやすいメニューとなるよう制度を見直していただくよう要望いたします。
次に、野菜、花卉の生産基盤について質問していきます。
福岡市では、大消費地を擁する特性を生かし、小規模な農地でも高収益が期待できる施設園芸など、野菜、花卉を主体とした都市型農業が営まれています。市内で生産される野菜や花卉には、県内でもトップクラスの生産量を誇るものもあり、野菜では大根やシュンギク、カブ、コマツナなど、花卉ではバラやトルコギキョウなどが挙げられます。
一方で、高収益型の農業を展開するためには、ハウスなどの園芸施設の設置が必要であり、設置には多額の費用がかかりますが、ハウスなどの園芸施設の整備に対して、国や県の支援制度があれば、その内容と市内農家の利用状況をお示しください。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 国におきましては、制度はあるものの、生産コストの削減や販売額の増加などの要件が厳しく、市内においては10年以上利用実績がございません。県におきましては、一定条件を満たした農家が行うハウスなど、園芸施設の整備や機械等の導入に対する支援制度がありまして、補助率は、農家3戸以上で構成する営農集団の場合は2分の1以内、認定農業者個人の場合は3分の1以内とされております。市内では、令和5年度、営農集団6件、認定農業者1件、6年度、営農集団4件、認定農業者3件の実績がありまして、7年度は、営農集団4件、認定農業者1件の支援が予定されております。以上でございます。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 県の支援制度はあるようですが、市の支援はないのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 福岡市では、県の制度に上乗せした支援制度を設けております。補助率につきましては、営農集団が、県からの補助額を差し引いた自己負担額の2分の1以内、認定農業者が、県からの補助額を差し引いた自己負担額の4分の1以内でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 園芸施設の整備に対する支援制度については、毎年一定の利用があるようですが、現在、施設整備においてどのような課題があるのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 現在、建設費が高騰しているため新設ではなく改修や補強などで、できるだけ施設の長寿命化を図りたいという意向が増加していること、また、これまで補助を行ってきた施設が一定年数を経過し老朽化してきていることなどが挙げられます。以上でございます。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) お答えいただいた課題に対してどのように対応されているのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 福岡市においては、これまで多額の費用を必要とするハウスの新設に対して支援を行ってきたところでございますが、先ほどの農家の声やJAからの要望を踏まえるとともに、SDGsや環境負荷の低減を推進するためにも、令和7年度から改修や補強など、施設の長寿命化にも支援を広げております。以上でございます。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) ここまで生産基盤の維持に関して、米づくりに欠かせないトラクターなどの機械、また、野菜、花卉などの高収益型の農業に必要なハウスなどの園芸施設に対する支援制度について具体的にお尋ねしてまいりました。機械の導入や施設の整備には多額の費用が必要であり、それぞれに支援制度はあるものの、農家が自ら負担する額は決して小さくありません。農業従事者が高齢化しているという現状を鑑みると、機械や施設が壊れたらもうやめようと考えておられる方も少なくないのではないかと思います。やめられた後の農地をすぐに別の耕作者が利用するということであれば農地の維持は図られますが、そうでない場合は耕作放棄地となってしまい、農業の一番の生産基盤である農地を次の世代に引き継いでいくこともままならなくなってしまいます。
質問の冒頭で申し上げたとおり、現在、農業に対して国民の大きな関心が寄せられており、それぞれの立場から様々な意見が出ているとは思いますが、私としましては、改めて生産者をしっかりと守っていかなければいけない、支えていかないといけないと考えています。機械や施設設備の更新時期は農家それぞれで異なります。更新時期が重なって多くの農家から補助申請があったとしても、農家が必要とするときにしっかりと支援制度を利用できることが、持続可能な農業、後継者不足や新規参入につながると私は確信しています。
そこで最後に、今後の生産者支援に関する御所見をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 持続可能な農業を未来へ引き継いでいくためには、議員御指摘の生産基盤の維持、整備や経営の安定化は非常に重要なことであると考えております。これまでも、国や県の制度に加えまして、市独自の支援に取り組んでまいりましたが、今後も引き続き、地域の農業者やJAなどの意見を広く伺いながらニーズを把握いたしまして、ハード、ソフト両面から生産者を支援し、持続できる強い農業の推進にしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 私としては、もう既に農業、水産業などの第1次産業を守るためには、抜本的な政策の見直しが必要なときが来ていると考えています。福岡市においても、引き続き第1次産業に従事される方々に寄り添った支援をされることを期待いたします。
最後に、中村学園三陽中学、高校の閉校に伴う交通事情についてお尋ねいたします。
近年、全国的に少子・高齢化、都市部への人口集中により、地方の公共交通機関、特にバス路線の維持が困難になっています。多くのバス事業者は、利用者の減少や運転手不足、採算の悪化を理由に、地方の赤字路線を相次いで廃止しています。これにより、多くの地域で交通不便地が急増し、日常の移動に支障を来す住民が増加しています。特に高齢者や免許返納者、学生など、移動手段が限られている層にとっては、バス路線の廃止は生活の質に直結する重大な問題です。通院や買物、通学など、基本的な移動が困難になり、地域の孤立や高齢者の社会的孤立が全国的に深刻化しています。本市においても、バスの運転手不足などを理由にバス路線の減便、廃止が行われており、地域の持続可能な生活交通の確保は非常に重要な課題です。
そこで、本市におけるバス路線の現状などについて伺いたいと思いますが、まず初めに、西区におけるバス路線の減便や廃止の状況をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 西鉄バスにおきましては、令和7年3月15日にダイヤ改正が行われておりますが、慢性的な運転手不足への対応を主な理由とし、利用状況に応じた改正を行ったものと聞いており、西区では、主に壱岐エリアにおいて減便がなされております。また、昭和バスにおきましては、令和6年8月のマリノアシティ福岡閉館による利用者の減少や運転手不足に伴い、マリノア線の路線維持が困難となったことから国への届出がなされ、令和7年3月31日に同路線が廃止されております。以上でございます。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) やはり運転手不足の問題は、本市における広範なバスネットワークを担う西鉄でも起こっているようです。
また、利用者の減少による減便や商業施設の閉館による路線廃止もやむを得ない事情とも考えますが、日常生活を営むための移動の足として、日頃よりバス交通を利用されている市民としては、その影響は決して小さいものではないと考えます。
そこで伺いますが、西区におけるバス路線の減便や廃止について、市民からどのような声があるのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) バス路線の減便などにより、都心部に行きづらくなり不便といった声やマリノア線の代替となる移動手段として、姪浜タクシーが運行する今宿姪浜線が、令和7年4月1日より小戸方面へも運行されたことに対し、感謝の声もいただいております。以上でございます。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) マリノア線の廃止に伴う代替交通の運行について、市としてどのような対応をしたのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) 今宿姪浜線を小戸方面へも運行していただけるよう運行事業者に働きかけるとともに、事業者とも連携しながら、関係機関との協議やダイヤの検討、地域への運行内容の説明やチラシ配布による周知などを行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 昨年のマリノアシティ閉館に伴うマリノア線廃止に当たっては、私も地域の方より御相談をいただいておりましたが、答弁にもありましたとおり、関係者で連携し、今宿姪浜線の小戸方面への運行によって対応いただき、たくさんの感謝の声がありました。
改めて、マリノア線のように大型商業施設の閉館に伴うバス利用者の減少が一つの要因となって廃止されるケースもあるということが分かりましたが、ここで重要なのは、地域内に位置する主要施設へのアクセスを担うバス路線は、地域住民にとっての大事な移動手段でもあるということです。
同じく、西区内においては、今となれば市内唯一の男子校として残る中村学園三陽中学、高校も、令和8年度末で中学校、令和9年度末で高校が閉校となることが決定しており、これにより通学によるバス利用者がいなくなるため、沿線地域を運行するバス路線の減便や廃止を危惧しているところであります。
そこで、福岡市として何か対応を検討しているのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市みどり局長。
○住宅都市みどり局長(町田一彦) バス交通につきましては、市民生活にとって重要な公共交通であり、地域の御利用によって支えられていることから、地域、交通事業者、行政が共働して公共交通ネットワークの維持に努めていく必要があると考えております。中村学園三陽中学、高校の閉校に伴うバス路線の減便などについては、西鉄より閉校後の利用状況などにもよるため現時点では未定と聞いており、福岡市といたしましては、今後の動向を注視してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) おばた英達議員。
○1番(おばた英達) 本市はオンデマンド交通社会実験やバス路線の休廃止に伴い、公共交通空白地となる地域における代替交通の確保など、持続可能な生活交通の確保に取り組まれており、特に西区では、金武校区において、休廃止対策として市が支援されている金武橋本線や地域と企業が連携して運行されている買物等送迎支援バスおにぎり号、壱岐南校区周辺では壱岐南のるーとなど、地域、交通事業者、行政が連携して生活交通の確保に取り組まれ、地域の人から非常に感謝されています。
中村学園三陽中学、高校の閉校に伴うバス路線の減便などについては、西鉄からは未定と聞いているとのことですが、バス事業を取り巻く状況が厳しいことに変わりはなく、地域住民の生活に支障が生じないように、早い段階で調整を図っていく必要があると考えていることから、周辺住民がいささかも不便を感じないように、閉校後速やかに対応していただくよう、引き続き事業者と密に連携を図るよう強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○議長(打越基安) お諮りいたします。
本日の会議はこの程度にとどめ、残余の質問は明13日の会議にこれを繰り延べたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(打越基安) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
次の会議は明13日午前10時に開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午後6時48分 散会