令 和 7 年 6 月 10 日(火)

令 和 7 年 第 3 回 福 岡 市 議 会 定 例 会
議  事  日  程 (第1号)
                                    6月10日 午前10時開議
第1 会期決定の件
第2 議席の一部変更の件
第3 議案第118号 令和7年度福岡市一般会計補正予算案(第1号)
第4 議案第119号 福岡市職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例案
第5 議案第120号 福岡市特別職職員等の議員報酬、報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例案
第6 議案第121号 福岡市市税条例の一部を改正する条例案
第7 議案第122号 福岡市廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例の一部を改正する条例案
第8 議案第123号 福岡市農業委員会の委員及び農地利用最適化推進委員の定数に関する条例の一部を改正する
条例案
第9 議案第124号 橋本駅自転車駐車場に係る指定管理者の指定について
第10 議案第125号 町の区域の変更について
第11 議案第126号 町道路線の認定に関する承諾について
第12 議案第127号 令和7年度市営米田南住宅新築工事請負契約の締結について
第13 議案第128号 令和5年度市営下山門住宅(その2地区)新築工事請負契約の一部変更について
第14 議案第129号 令和5年度市営壱岐住宅新築工事請負契約の一部変更について
第15 議案第130号 令和6年度市営城浜住宅新築工事請負契約の一部変更について
第16 議案第131号 令和6年度市営壱岐住宅新築工事請負契約の一部変更について
第17 議案第132号 令和6年度市営弥永住宅(その1地区)新築工事請負契約の一部変更について
第18 議案第133号 令和6年度市営弥永住宅(その2地区)新築工事請負契約の一部変更について
第19 議案第134号 水槽付消防ポンプ自動車の取得について
第20 議案第135号 水槽付消防ポンプ自動車の取得について
第21 議案第136号 水槽付消防ポンプ自動車の取得について
第22 議案第137号 街路樹の管理のかしに基づく損害賠償額の決定について
第23 議案第138号 学校の管理のかしに基づく損害賠償額の決定について
第24 議案第139号 和解について
第25 議案第140号 福岡市市税条例の一部を改正する条例の専決処分について

本日の会議に付した事件
1.日程第1
2.日程第2
3.日程第3ないし日程第25

出 席 議 員 (61名)
1番  おばた 英 達       2番  もろくま英 文
3番  淀 川 幸二郎       4番  稲 員 稔 夫
5番  鬼 塚 昌 宏       6番  堤 田   寛
7番  大 森 一 馬       8番  大 原 弥寿男
9番  今 林ひであき      10番  阿 部 真之助
11番  打 越 基 安      12番  堤   健太郎
13番  坂 口よしまさ      14番  新 開 ゆうじ
15番  とみながひろゆき      16番  田 原 香代子
17番  たのかしら知行      18番  石 本 優 子
19番  勝 山 信 吾      20番  調   崇 史
21番  川 上 陽 平      22番  津 田 信太郎
23番  古 川 清 文      24番  高 木 勝 利
25番  篠 原 達 也      26番  平 畑 雅 博
27番  伊 藤 嘉 人      28番  川 上 晋 平
29番  尾 花 康 広      30番  松 野   隆
31番  山 口 剛 司      32番  大 石 修 二
33番  木 村てつあき      34番   欠   員
35番  大 沢 めぐみ      36番  和 田あきひこ
37番  あ べ ひでき      38番  綿 貫 康 代
39番  前 野 真実子      40番  中 島まさひろ
41番  藤 野 哲 司      42番  新 村 まさる
43番  天 野 こ う      44番  堀 内 徹 夫
45番  森   あやこ      46番  福 田 まもる
47番  はしだ 和 義      48番  浜 崎 太 郎
49番  阿 部 正 剛      50番  倉 元 達 朗
51番  中 山 郁 美      52番  川 口   浩
53番  小 竹 り か      54番  勝 見 美 代
55番  井 上 ま い      56番  ついちはら陽子
57番  田 中 たかし      58番  山 田 ゆみこ
59番  近 藤 里 美      60番  落 石 俊 則
61番  田 中しんすけ      62番  池 田 良 子

欠 席 議 員 (0名)

説明のため出席した者
市         長   島 宗一郎       副    市    長  光 山 裕 朗
副    市    長  中 村 英 一       副    市    長  荒 瀬 泰 子
   水道事業管理者  中 村 健 児       交通事業管理者  小野田 勝 則
総 務 企 画 局 長  龍   靖 則       財  政  局  長  中 村 剛 士
市  民  局  長  舟 越 伸 一       こども未来局理事  村 上 洋 子
福  祉  局  長  藤 本 広 一       保 健 医 療 局 長  山 嶋   剛
環  境  局  長  藤 本 和 史       経済観光文化局長  吉 田 宏 幸
農 林 水 産 局 長  姉 川 雄 一       住宅都市みどり局長  町 田 一 彦 
道路下水道局長  竹 廣 喜一郎       港 湾 空 港 局 長  鈴 木 順 也
消  防  局  長  牧 田 哲 治       会 計 管 理 者  小 林 登茂子
教    育    長  下 川 祥 二       教  育  委  員   原  志津子
選挙管理委員会事務局長  中川原 敬 子       人事委員会事務局長  上 薗 久 美
監 査 事 務 局 長  八 木 智 昭

職務のため出席した事務局職員
議会事務局長  久 田 章 浩       議会事務局次長   着  一 孝      議  事  課  長  水 ア 亮 二       議  事  係  長  實 政  伸一郎
外関係職員

○議長(打越基安) 開会に先立ち申し上げます。
 脱炭素社会の実現に向けた取組の一環として、エコスタイルが実施されておりますので、今会期中、上着並びにネクタイの着用をしなくてもよいことにいたしております。
 
午前10時 開会
○議長(打越基安) ただいまから令和7年第3回福岡市議会定例会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。
 会議録署名議員に坂口よしまさ議員、中山郁美議員を指名いたします。
 日程に入るに先立ち、この際、報告いたします。
 去る5月20日開催されました第101回全国市議会議長会定期総会におきまして、議員として在職10年、よく市政の振興に努められたゆえをもって、中島まさひろ議員、堤田寛議員、堀内徹夫議員、森あやこ議員、近藤里美議員、鬼塚昌宏議員、稲員稔夫議員、とみながひろゆき議員、新村まさる議員、天野こう議員、以上10人の方々がそれぞれ表彰を受けられました。ここに議員各位とともに、表彰されました方々の栄誉をたたえ、心からお喜び申し上げる次第であります。
 これより表彰されました方々に対し表彰状の伝達を行います。
 なお、引き続き市長から感謝状の贈呈が行われます。
 それでは、受賞者の方は前にお進み願います。
 
○議長(打越基安)
表    彰    状
  福岡市  中 島 まさひろ 殿
 あなたは市議会議員として10年市政の振興に努められその功績は著しいものがありますので第101回定期総会にあたり本会表彰規程によって表彰いたします
    令和7年5月20日
全国市議会議長会
会 長  丸 子 善 弘
〔表彰状授与〕(拍手)
 
○議長(打越基安)
表    彰    状
  福岡市  堤 田   寛 殿
以 下 同 文
〔表彰状授与〕(拍手)
 
○議長(打越基安)
表    彰    状
  福岡市  堀 内 徹 夫 殿
以 下 同 文
〔表彰状授与〕(拍手)
 
○議長(打越基安)
表    彰    状
  福岡市  森 あやこ 殿
以 下 同 文
〔表彰状授与〕(拍手)
 
○議長(打越基安)
表    彰    状
  福岡市  近 藤 里 美 殿
以 下 同 文
〔表彰状授与〕(拍手)
 
○議長(打越基安)
表    彰    状
  福岡市  鬼 塚 昌 宏 殿
以 下 同 文
〔表彰状授与〕(拍手)
 
○議長(打越基安)
表    彰    状
  福岡市  稲 員 稔 夫 殿
以 下 同 文
〔表彰状授与〕(拍手)
 
○議長(打越基安)
表    彰    状
  福岡市  とみながひろゆき 殿
以 下 同 文
〔表彰状授与〕(拍手)
 
○議長(打越基安)
表    彰    状
  福岡市  新 村 まさる 殿
以 下 同 文
〔表彰状授与〕(拍手)
 
○議長(打越基安)
表    彰    状
  福岡市  天 野 こ う 殿
以 下 同 文
〔表彰状授与〕(拍手)
 
○市長(島宗一郎)
感    謝    状
    中 島 まさひろ 様
 あなたは10年の長きにわたり市議会議員として市政の発展に貢献されましたその功績はまことに多大でありますよってここに深甚なる感謝の意を表します
   令和7年6月10日
福岡市長   島 宗一郎
〔感謝状授与〕(拍手)
 
○市長(島宗一郎)
感    謝    状
    堤 田   寛 様
以 下 同 文
〔感謝状授与〕(拍手)
 
○市長(島宗一郎)
感    謝    状
    堀 内 徹 夫 様
以 下 同 文
〔感謝状授与〕(拍手)
 
○市長(島宗一郎)
感    謝    状
    森 あやこ 様
以 下 同 文
〔感謝状授与〕(拍手)
 
○市長(島宗一郎)
感    謝    状
    近 藤 里 美 様
以 下 同 文
〔感謝状授与〕(拍手)
 
○市長(島宗一郎)
感    謝    状
    鬼 塚 昌 宏 様
以 下 同 文
〔感謝状授与〕(拍手)
 
○市長(島宗一郎)
感    謝    状
    稲 員 稔 夫 様
以 下 同 文
〔感謝状授与〕(拍手)
 
○市長(島宗一郎)
感    謝    状
    とみながひろゆき 様
以 下 同 文
〔感謝状授与〕(拍手)
 
○市長(島宗一郎)
感    謝    状
    新 村 まさる 様
以 下 同 文
〔感謝状授与〕(拍手)
 
○市長(島宗一郎)
感    謝    状
    天 野 こ う 様
以 下 同 文
〔感謝状授与〕(拍手)
 
○議長(打越基安) この際、受賞者を代表して中島まさひろ議員から挨拶したい旨の申出がありますので、これを許します。中島まさひろ議員。
 
○40番(中島まさひろ)登壇 甚だ僣越ではございますが、受賞者を代表いたしまして、一言お礼の御挨拶をさせていただきます。
 このたび、私どもは議員10年の在職をもって全国市議会議長会から表彰いただき、感謝の念に堪えません。さらに島市長より感謝状をいただき、誠にありがとうございます。これもひとえに議員各位並びに市長をはじめ、執行部の皆様方の長年にわたる格別の御協力、御支援のたまものでございます。そして、日々の議員活動に御理解と温かい御支援をいただいております福岡市民の皆様に厚く御礼を申し上げます。
 本日の受賞を契機といたしまして、心新たにさらなる福岡市の発展のため、全力で取り組んでまいります。今後とも、変わらぬ御支援と御鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、簡単でございますが、お礼の御挨拶とさせていただきます。本日はありがとうございました。(拍手)
 
○議長(打越基安) 次に、市長から別紙報告書類一覧表に記載の書類が提出されましたので、その写しを去る6月3日お手元に送付いたしておきました。
 次に、人事委員会から地方公務員法の規定に基づき、議案第119号に対する意見が提出されましたので、その写しをお手元に送付いたしておきました。
 次に、地方自治法第100条第13項及び会議規則第125条第2項の規定により、お手元に配付いたしております議員派遣報告一覧表のとおり、議長において議員の派遣を決定いたしておきました。
 以上で報告を終わります。
 これより日程に入ります。
 日程第1、会期決定の件を議題といたします。
 お諮りいたします。
 今期定例会の会期は、本日から6月18日までの9日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 
○議長(打越基安) 御異議なしと認めます。よって、会期は9日間と決定いたしました。
 次に、日程第2、議席の一部変更の件を議題といたします。
 お諮りいたします。
 あべひでき議員の議席を37番議席に変更いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 
○議長(打越基安) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 それでは、ただいま決定いたしました議席にお着き願います。
      〔あべひでき議員着席〕
 
○議長(打越基安) 次に、日程第3ないし日程第25、以上23件を一括して議題といたします。
 この際、市長から提案理由の説明を求めます。島市長。
 
○市長(島宗一郎)登壇 ただいま上程になりました議案23件について、提案の趣旨を説明いたします。
 まず、予算案について説明いたします。
 今回の補正規模は、一般会計13億3,356万円の追加となっております。その主な内訳は、商店街プレミアム付商品券事業4億4,330万円の追加、医療的ケア児・者等への支援の拡充9,407万円の追加などとなっております。
 次に、条例案について説明をいたします。
 職員の育児休業等に関する条例の改正案につきましては、地方公務員の育児休業等に関する法律の一部改正に伴い、本市職員の部分休業の取扱いに関し、所要の改正等を行うものであります。
 特別職職員等の議員報酬、報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の改正案につきましては、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部改正に鑑み、投票管理者等の報酬の額を改めるものであります。
 市税条例の改正案につきましては、地方税法の一部改正により個人の市民税について、大学生年代の子等に関する特別控除が創設されたことに伴い所要の改正を行うとともに、長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションに係る固定資産税の減額措置の適用を受けようとする者がすべき申告手続の特例を定める等の改正を行うものであります。
 廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例の改正案につきましては、家庭系ごみのさらなる減量及び資源化を推進するため、プラスチックの分別収集を開始することに伴い、処理手数料の額を定めるものであります。
 農業委員会の委員及び農地利用最適化推進委員の定数に関する条例の改正案につきましては、市域内の農地面積の減少に伴い、農地利用最適化推進委員の定数を改めるものであります。
 次に、一般議案について説明をいたします。
 まず、橋本駅自転車駐車場について、指定管理者を指定するための議案を提出いたしております。
 次に、橋本駅前土地区画整理事業の施行に伴い、町の区域を変更するための議案を提出いたしております。
 次に、本市の区域内において新宮町道の路線を認定することについて、新宮町長から承諾を求められたので、法律の規定により議会の議決を求めるための議案を提出いたしております。
 次に、契約関係といたしまして、令和7年度市営米田南住宅新築工事請負契約を締結するための議案及び以前の議会で議決をいただきました令和5年度市営下山門住宅(その2地区)新築工事外5件の市営住宅の新築工事の請負契約について、賃金水準及び物価水準の上昇に伴い、契約価額を変更するための議案を提出いたしております。
 次に、財産の取得関係といたしまして、水槽付消防ポンプ自動車を取得するための議案、計3件を提出いたしております。
 そのほかの一般議案といたしまして、街路樹の管理のかし及び学校の管理のかしに基づく損害賠償の額を決定するための議案、計2件及び福岡高等裁判所に係属中の下水道築造工事に係る損害賠償等請求控訴事件について、訴訟上の和解をするための議案を提出いたしております。
 最後に、専決処分をいたし、議会の御承認をいただく案件でありますが、市税条例につきまして、地方税法の一部改正に伴い、総排気量が0.125リットル以下かつ最高出力が4.0キロワット以下の原動機付自転車に係る軽自動車税種別割の税率を定める必要があったものであります。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議をお願いします。
 
○議長(打越基安) これより質疑に入ります。
 発言通告者のうちから順次質疑を許します。倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗)登壇 おはようございます。私は日本共産党市議団を代表して、議案第118号、一般会計補正予算案のうち定額減税補足給付金、医療的ケア児、医療的ケア者等への支援の拡充について質疑を行います。
 質問の第1は、物価高騰対策についてです。
 今回、社会福祉総務費として7億9,617万円余の補正予算案が計上されております。これは昨年6月に政府が行った定額減税の給付対象者の増などに伴う事業費の増額分であります。
 そこでまず、いわゆる不足額給付制度の概要、対象者数、支給金額について答弁を求めます。
 定額減税は、賃金上昇が物価高に追いついていない国民の負担を緩和するため、実施されました。しかし、その効果は極めて限定的であり、仕組みが非常に複雑であり、自治体と企業は膨大な負担に悲鳴を上げました。その後も物価は上がり続け、国民生活は極めて困窮しております。
 現在、米の値段の高騰が大きな問題になっていますが、問題は米だけではありません。帝国データバンクの調査では、主要食品メーカー195社が6月に飲食料品1,932品目の値上げを予定しています。2023年に2万品目を超えたとき以来の、今年は1年間の値上げになると見られます。さらに、電気、ガスなどエネルギーコスト増による料金値上げもあり得るとのことです。
 また、賃上げは好調と石破首相は言いますが、働く人の多くが、賃金が物価高に追いついていません。実質賃金は昨年1年間でマイナス0.3%、ピーク時、1996年から年額74万円も減っています。さらに年金も物価上昇に見合った金額が支給されておりません。
 そこで、物価高騰は止まらない上に賃金も上がらず、年金も上がらない、このような状況の下、市民の暮らしは以前に増して厳しくなっていると思いますが、御所見をお伺いします。
 質問の第2は、医療的ケアが必要な障がい児、障がい者への支援の拡充についてです。
 胃ろうやたんの吸引、人工呼吸器といった医療的ケアやデバイスとともに生きる障がい児、医療的ケア児は国内で約1万8,000人と、ここ10年間で2倍に増えています。今年1月5日、博多区のマンションで人工呼吸器をつけていた7歳の女の子が心肺停止となり、その後、死亡した事件が起こりました。逮捕された母親は、娘と一緒に死ぬために人工呼吸器を外したと語っているとのことです。警察によると、死亡した女の子は先天性の疾患で呼吸器がなければ生命が維持できず、自ら動くことができないため、訪問介護を利用しながら、母親と父親が日常的に介護していたとのことです。
 極めて残念で痛ましい事件ですが、本事件に関して福岡市としてどのように受け止めておられるのか、御所見をお伺いいたします。
 医療的ケア児の多くは、数か月から1年ほどでNICUから退院し、在宅医療に移行します。医療的ケア児を育児する親御さんのうち母親のほとんどが仕事を辞め、24時間付きっきりで子どもの介護に当たっている現状があります。
 このように、在宅で医療的ケアを必要とする子どもを養育する人には相当な精神的なストレスと体力的な負担がかかっていると思いますが、御所見をお伺いいたします。
 今回補正では、こども育成支援費として3,889万円余が計上され、医療的ケア児在宅レスパイト事業の拡充と相談体制の増員が図られます。本事業は、訪問看護事業者が医療的ケア児の元を訪問して行う看護などの訪問看護を自宅または自宅以外の場所で利用することができるものです。現行制度では利用時間が年間48時間に制限されていますが、今回の拡充によって、24時間人工呼吸器を使用する障がい児について利用時間を338時間にするとのことです。また、障がい児だけでなく、重度な医療的ケアが必要な障がい者に対しても、訪問型レスパイト事業について同様の拡充を行うために今回補正で障がい保健福祉費のうち4,325万円余が計上されております。
 そこで、今回の両制度の拡充によって医療的ケアが必要な障がい児、障がい者の家族の負担はどのぐらい軽減されるのか、お尋ねいたします。
 医療的ケア児に対する相談体制の充実については、現行の統括コーディネーターに加え、新たに1人を増員するとのことであります。
 そこでお尋ねしますが、現行の相談体制と課題について答弁を求めます。あわせて、体制を強化した場合、どのような効果を見込んでおられるのか、答弁を求めます。
 質問の第3は、強度行動障がいがある人の家族等への相談体制の強化についてです。
 強度行動障がいとは、自傷、他害、こだわり、物壊し、睡眠の乱れ、多動など、本人や周囲の人の暮らしに影響を及ぼす行動が著しく高い頻度で起こる状態を指します。特に重度、最重度の知的障がいや自閉症のある方に多く見られ、環境や支援がうまくかみ合わないことでストレスや不安を感じ、不適切な行動として現れることがあります。今回補正では、在宅で強度行動障がいがある人を対象にした相談支援体制の強化を行うとして1,192万円余が計上されています。これは当事者とその家族が安心して地域で生活を送ることができるよう、相談支援を行う職員を市の障がい者基幹センターに新たに2人配置し、伴走型の支援体制を構築するものであります。
 そこでお尋ねしますが、現行の相談体制と課題について答弁を求めます。あわせて、体制を強化した場合、どのような効果を見込んでいるのか、答弁を求めます。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 物価高騰緊急支援給付金についての御質問にお答えします。
 給付金につきましては、定額減税を補足することを目的に令和6年度に定額減税し切れないと見込まれる額を支給しておりますが、6年中に扶養親族などが増加した方、退職などにより収入が減少し、減税し切れなかった方について、1万円単位で支給するものでございます。加えて、事業専従者など新たに対象者として示された方に対しても、1人当たり4万円を支給するものでございます。対象者数につきましては、18万7,000人でございます。
 次に、物価高につきましては、市民生活に一定の影響を及ぼしているものと考えております。
 次に、医療的ケアが必要な障がい者への支援についての御質問にお答えいたします。
 今回の拡充による家族の負担の軽減につきましては、24時間人工呼吸器を使用している医療的ケアが必要な障がい者に対し、訪問看護の利用時間を大幅に拡充するものであり、一定の負担軽減が図られるものと考えております。
 次に、強度行動障がいのある方への支援についての御質問にお答えいたします。
 強度行動障がいのある方とその家族の相談支援体制につきましては、市内14か所の区障がい者基幹相談支援センターにおいて、障がいのある方やその家族からの相談対応を行っております。同センターの現在のコーディネーターは多数の相談対応を行っていることから、長時間家族に寄り添う伴走型支援を行うことは困難であるため、相談員を新たに2名配置することにより家族の負担軽減や行動障がいの特性に応じたサービス利用の促進ができると考えております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 一般会計補正予算案のうち、医療的ケア児への支援についてお答えいたします。
 1月に発生した事件については大変痛ましい事件と受け止めており、このような事件を繰り返すことがないよう、関係病院との意見交換や保健師による訪問調査等により実態の把握に努めるとともに、必要な支援策を検討してきたところでございます。今回は速やかに対応できるものとして、既存事業である福岡市医療的ケア児在宅レスパイト事業の拡充及び相談支援体制の強化に係る補正をお願いするものでございます。
 次に、医療的ケア児を養育する方の負担でございますが、重度の医療的ケア児を日常的に介護する御家族につきましては、特に困難な状況にあると認識しております。
 次に、今回の事業拡充による家族の負担の軽減につきましては、24時間人工呼吸器を使用している医療的ケア児及びその家族について訪問看護の利用時間を大幅に拡充するものであり、一定の負担軽減が図られるものと考えております。
 最後に、医療的ケア児の相談支援体制については、現在、医療的ケア児等統括コーディネーターを1名配置し、地域における医療的ケア児・者の支援体制づくりを行っておりますが、現行の体制では医療機関入院時から継続した医療と福祉の連携体制が十分ではないため、新たに相談支援員を配置し、アウトリーチ型の相談支援を行いながら、伴走的な支援体制の構築を進めるものでございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) まず、物価高騰緊急支援給付金の追加について御説明をいただきましたが、ごく一部の人しか支給をされません。現瞬間の市民の生活実態と照らせば、全く間尺に合わないものです。また、市民の暮らしぶりについてお尋ねしましたけれども、大変であることは否定されませんでしたが、淡々とまるで役所は関係ないかのように答弁をされました。そんな態度が今回の議案にも表れていると思います。
 私たち共産党市議団は去る4月28日、市長に対して物価高騰から暮らしと営業を守る緊急対策の要請を行いました。詳細については後で述べますが、物価高騰が続く中、市民の暮らしや地域の中小業者の経営の困難を打開し、安心とゆとりをもたらす支援が必要だとして、緊急に市独自の物価高騰対策を行うことを求めました。ついては、5月の臨時議会に関係議案を提出するよう要望したのですが、市長は応じませんでした。ならば、この6月議会に何らかの議案が出るのかと思いきや、商店街プレミアム付商品券事業の追加予算以外、何もありません。
 安い米を買うために開店前に何時間も並ぶ、食事の回数を減らす、子どもに御飯のおかわりを禁止する、それほど困窮している市民に対して本来的には国が何らかの措置をやるのが当然ですが、何も見えません。それどころか、自民党の幹事長は政治生命をかけて減税に反対するなどと言い放つ始末です。ならば、国の悪政から市民を守るのが地方自治体の役目ではないでしょうか。
 これだけ物の値段が上がり、国が無為無策の中、市独自のまともな経済対策を講じようとしないのは、市長が市民の暮らしが厳しいと思っておられないからではないのか、御所見をお伺いします。
 では、今、本市がやるべき対策は何かという問題です。一万円札を崩すとあっという間にお金がなくなってしまう、買物に行くのが怖いという声があちらこちらで聞こえてきます。どんどんお金が出ていってしまう。ならば、市民の可処分所得を増やすことが必要です。
 まず1点目は、高齢者乗車券制度の拡充です。高齢者の頼みの綱である年金は、マクロ経済スライドによる12年間でマイナス7.8%の年金実質削減が行われ、高齢者から暮らしていけないという悲鳴が上がっています。この間の年金引上げは数千円、数百円という程度で、物価高騰には到底届いていません。
 そこで、高齢者の日常生活を支えている高齢者乗車券制度について、利用上限額を現行の倍の2万4,000円にすべきと思いますが、御所見をお伺いします。
 2点目は、上下水道料金の減免です。市民が例外なしに使用しているのが上下水道です。その料金を減免するということは、幅広い市民にその恩恵を与えることになります。上下水道ともに単年度利益を出しており、インフラ整備に係る企業債も計画以上に返済してきています。過去にもコロナ禍で、本市は下水道料金を2か月分全額減免した実績があります。
 したがって、上下水道料金の緊急減免措置を講じるべきと思いますが、御所見をお伺いします。
 3点目は、中小企業、小規模企業者への支援です。電気代やガス代、燃料費などが再び上昇すると言われる中、地域の中小業者への影響がますます深刻になっています。さらには、トランプ関税への不安も強まっており、物価上昇につながる懸念とともに、大企業などが受けた損害を雇用や下請事業者に転嫁する可能性も否定できません。
 そこで、本市が行っている業者への直接支援策である燃料費等高騰の影響を受けた事業者支援について、影響額の2分の1の支援では足りず、割合を引き上げるとともに、資材や食材を含めたものに支援の対象範囲を広げるべきと思いますが、御所見をお伺いします。
 4点目は、国への要望です。物価高騰から暮らしを守るために国会でも論戦が行われています。食料品、電気、水道、ガソリン、毎日の買物にかかる負担を減らすことこそ、一番の暮らしの応援です。
 そこで、世論調査では7割の方が望んでいる消費税減税とフリーランスや個人事業主などに多大な負担を強いているインボイス制度の廃止を国に要求すべきと思いますが、御所見をお伺いします。
 また、物価上昇をはねのける大幅賃上げも必要です。大企業の内部留保に課税して財源をつくり、中小企業の賃上げ支援を行った上で、速やかに最低賃金を全国一律時給1,500円に引き上げるよう国に求めるべきと思いますが、御所見をお伺いします。
 次に、医療的ケアが必要な障がい児、障がい者への支援の拡充についてです。
 今年1月に起こった事件に関しては、私も大変胸が締めつけられる思いです。母親が行った行為は許されるものではありませんが、母親に思いとどまらせることができなかったのか、行政や社会の在り方はどうだったのか、私自身も重度の医療的ケアが必要な御家族にどれだけ関心を持ち、思いを寄せていたのか、反省させられました。御家族のストレス、負担については当局も認めるところです。
2019年、厚労省の委託で三菱UFJリサーチ&コンサルティングが行った医療的ケア児者とその家族の生活実態調査によれば、「慢性的な睡眠不足である」、「自らの体調悪化時に医療機関を受診できない」、「医療的ケアを必要とする子どもを連れての外出は困難を極める」と答えた養育者が6割に上っています。また、行いたいが行えていないことについての設問には、いずれも「問題なく行えている」と回答した家族の割合は僅か2割未満にとどまっており、自分の時間、家族の時間を確保することの難しさを示しています。このように、一般的な家庭では当たり前にできることが当たり前のこととしてできていない状況があります。このような厳しい現状の中、今回支援を拡充するとのことですが、答弁にもあるように、家族の負担が一定減るとのことです。
 そこで、もう少し深く見ていきたいと思います。
 1点目は、拡充の対象です。今回の拡充は、24時間人工呼吸器を使っている人のみが対象となっています。こども未来局の話では、その数は23人だそうです。医療的ケア児には人工呼吸器の使用のほかにも様々なケアがあり、何らかのケアが必要な子どもは福岡市内だけでも推計283人に上ると言われています。もちろんケアの度合いの違いはあるでしょうが、さきの調査結果からしても、総じて当事者家族は困難を抱えており、レスパイト事業においても現行のままでいいのかが問われます。
 したがって、人工呼吸器を24時間使用している人だけではなく、それ以外のケアを行っている家族も制度の拡充を求めているのではないかと思いますが、御所見をお伺いします。
 2点目は、拡充した時間についてです。現行の利用上限48時間を338時間に増やすというのが今回の内容です。その根拠は、週に1回は8時間程度のレスパイトを確保できるようにという説明を受けました。週に1回だけでもありがたいという意見もあるかもしれません。しかし、これだけでいいのかと考える必要があると思います。調査結果の自由回答にこのようなものがありました。「常に気が張った状態で、イライラがおさまらない。一人になりたくてもなれない。発狂しそうになる」、8割以上の家族が「日々の生活は、緊張の連続である」という結果も載っていました。
 そこで、このような状況から見ても、週1回8時間に利用時間を拡充しても家族の負担に比して十分とは言えないと思いますが、御所見をお伺いします。
 次に、相談体制についてですが、伴走型の支援を行えるように増員されることはいいのですが、今までそのような体制になっていなかったことは驚きです。御家族は子どもの支援に関することで何度も行政窓口や事業所に足を運ばなければなりません。しかし、医療的ケアを必要とする子どもを連れての外出は極めて困難であると同時に、家族以外に子どもを預けられない人も多い状態です。家族の不自由さを認識し、相談、申請方法の工夫や書類の事前調整といったきめ細やかな対応が求められます。
 したがって、家族の負担をなくすために今回の増員で十分なのか、お尋ねします。
 次に、強度行動障がいがある人の家族等への相談体制の強化についてです。相談体制が充実することは喜ばしいことですが、これも医療的ケアが必要な人、家族への相談体制と同じく、今回の増員でニーズに応えられているのかが問題であります。
 あわせて、相談に応じたけれども、必要なサービスが受けられているのかも見る必要があります。2021年、福岡市社会福祉事業団が行ったアンケート調査結果を見てみると、家庭内での他害、破壊、自傷行為、家族が家庭生活に危険と不安、恐怖を感じているなど壮絶な家族の御苦労がつづられています。あわせて、福岡市には施設が足りない、もしくはない、医療機関も施設も受入れが難しいといった意見、要望を散見しました。強度行動障がいがある人を施設が受け入れる場合、マンツーマンで職員が対応しなければならないことが多いです。あるいはそれ以上の体制が必要なときもあります。そうなると、どうしても受け入れられない施設が出てきて、家庭外での介護、援助を求めていてもかなわず、やはり家庭で介護せざるを得ないことになるケースが少なくありません。
 そこでお尋ねしますが、このようなケースを解消するためには受皿づくりが必要だと思いますが、どのような方策を取っていこうとしているのか、御所見をお伺いいたします。
 以上で2問目を終わります。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 給付金についての御質問にお答えいたします。
 まず、物価高につきましては、市民生活に一定の影響を及ぼしているものと考えております。
 次に、高齢者乗車券につきましては、社会参加を促進するため、外出のきっかけとなるよう公共交通機関の乗車料金の一部を助成するものであり、今後とも、持続可能な制度としながら利便性の確保に取り組んでまいります。
 次に、医療的ケアが必要な障がい者への支援についての御質問にお答えいたします。
 福岡市訪問型在宅レスパイト事業の補正につきましては、頻回なケアが必要であり、家族の介護負担が特に重いと考えられる24時間人工呼吸器を使用している医療的ケアが必要な障がい者を対象に試行的に拡充するものでございます。今回拡充の対象となっていない方と御家族の支援については、今後の試行の状況等や国の動向を踏まえ、引き続き検討してまいります。
 次に、時間数につきましても、引き続き検討してまいります。
 次に、強度行動障がいのある方への支援についての御質問にお答えいたします。
 強度行動障がいのある方の受皿づくりにつきましては、事業所等への受入れを促進するため、事業所職員を対象に強度行動障がいの特性を理解し、支援技術を習得する講義、実習形式の研修を実施するほか、支援に精通している社会福祉法人の職員を派遣し、事業所職員の負担を軽減する強度行動障がい者共同支援事業を実施しております。さらに、強度行動障がいのある方などを受け入れるグループホームを増やすことを目的に市独自の運営費補助などに取り組んでいるところでございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 中村水道事業管理者。
○水道事業管理者(中村健児) 水道料金につきましては、物価高騰が続く中においても様々な経営努力を続け、平成9年度から据え置いております。水道事業は、近年の物価上昇や建設単価の高騰などにより厳しい経営環境に置かれており、独自の水道料金の減免につきましては、企業債残高の増大や老朽化した施設の更新及び地震対策の遅れを招くなど水道事業の運営に多大な影響を及ぼすことが危惧されるため、慎重に判断すべきものと考えております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 竹廣道路下水道局長。
○道路下水道局長(竹廣喜一郎) 下水道使用料につきましては、物価高騰が続く中においても、様々な経営努力により平成17年度から据え置いております。下水道使用料の減免につきましては、使用料収入の大幅な伸びが期待できない一方で、改築更新や地震対策など費用の増大が見込まれる中、下水道事業の運営に多大な影響を及ぼすことが危惧されるため、慎重に判断すべきものと考えております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 吉田経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(吉田宏幸) 次に、中小企業等への燃料費等支援についての御質問にお答えいたします。
 現在実施している燃料費等支援につきましては、本来、上昇したコストは価格に転嫁し、賃金の上昇につなげることが肝要であることなどを踏まえ、支援額を価格高騰による影響額の2分の1とするとともに、燃料費等の高騰による影響が様々な業種において生じていることから、市内中小企業を幅広く支援するため、多くの事業者に共通する経費である燃料費及び光熱費を対象としているものでございます。
 次に、中小企業の賃上げについてお答えいたします。
 内部留保につきましては、各企業が経営状況などに基づいて判断するものと認識しております。また、最低賃金につきましては、最低賃金法に基づき、厚生労働大臣または都道府県労働局長において中央または地方の最低賃金審議会に調査審議を求め、その意見を踏まえ、適切に決定されており、中小企業の賃上げ支援についても、促進税制や助成金など国において必要な施策が実施されているものと認識しております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 中村財政局長。
○財政局長(中村剛士) 消費税などの税制度につきましては、国において適切に検討されるものと認識しております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 一般会計補正予算案のうち、医療的ケア児への支援についてお答えいたします。
 福岡市医療的ケア児在宅レスパイト事業の補正は、頻回なケアが必要であり、家族の介護負担が特に重いと考えられる24時間人工呼吸器を使用している医療的ケア児を対象に試行的に拡充するものでございます。今回拡充の対象となっていない医療的ケア児の支援につきましては、今年度の試行の状況や国の動向等も踏まえ、引き続き検討してまいります。
また、時間数につきましても、同様に今回の試行の状況等を踏まえ、引き続き検討してまいります。
 最後に、医療的ケア児の相談体制については、医療的ケア児・者とその家族が安心して地域での生活を送ることができるよう、寄り添った相談体制の充実が急務と考えております。今回新たに相談支援員を配置し、アウトリーチ型の相談支援を行いながら医療と福祉の連携についての課題を整理し、令和8年度以降に向けて伴走的な支援体制を構築してまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) まず、今議会にまともな物価高騰対策がない問題ですが、局長は今の物価高に対して一定の影響を及ぼしているというふうに繰り返し答弁をされるわけですが、一定どころではないんですよ。非常に厳しい状況だと。それに対して福岡市が何もしなくていいのかということを私は問うているわけです。国が無為無策なんですから、地方自治体が市民の暮らしを守るのは当たり前です。市長は職務を放棄しています。全くの怠慢です。
 この間、日本共産党市議団は市民に対して、暮らしの実感を教えてくださいとアンケート活動を行いました。多くの人が、不安が多く、ゆとりがないと回答しています。自由記述欄には切実な声がたくさん書いてありました。77歳の女性、生活が逼迫して死にたいと思うことがあります。城南区の女性、次から次へと食料費、電気代など物価が上がり、生活費がかかる、年金暮らしではとてもやっていけない。南区の女性、物価が高くて死活問題、米も買えず、ラーメンや食パンでしのいでいる。東区の男性、仕事をしても食べていくのがやっと、税金をまけてほしい。時間の関係で紹介はこのぐらいにしておきますが、この悲痛な叫びに応えるのが市長の役目です。
 しかしながら、高齢者乗車券制度の拡充には、持続可能な制度にするためになどと言いますが、そもそもが他都市と比べて利用枠が極めて少ない。東京都シルバーパスは負担金を払えば利用可能路線は乗り放題、名古屋市も負担金を払えば乗り放題です。バスの運賃もこんなに上がっているのに、この制度ができて四半世紀、一度たりとも利用枠は増えたことがありません。上下水道料金の減免もやらないとのことですが、東京都は日本共産党都議団の要求を受けて、4か月間、水道料金基本料を無料にすることを決めました。このように、自治体が独自に暮らし応援策を行うことはできるんです。
 中小業者への対策についても、拒否されました。2024年度の全国企業倒産件数は、2013年度以来、11年ぶりに1万件を超えています。もちろん本市にもその影響は及んでいます。それなのに何もやらなくていいんですか。さらに消費税減税、賃上げについては、国に物を言おうともしない。どれだけ冷たい市政でしょうか。
 そこでお尋ねしますが、高齢者乗車券制度の拡充、上下水道料金の減免、中小業者対策のさらなる上乗せなど、市民の暮らしを守るための市独自の物価高騰対策を今議会に追加で提案し、審議すべきと思いますが、市長の明確な答弁を求めます。
 在宅レスパイト事業の拡充についてですが、まずは週1回8時間からという趣旨の答弁だったと思いますが、それでは対象も、そして、時間も到底足らないことは明らかです。先ほど紹介した厚労省のアンケート結果でも、「命の危険と隣り合わせで目が離せない。慢性的な不眠でとてもきつい」、「夜中数回起きて寝返りさせたり、体調が悪い時に、常時ケアをしてあげたりして、心身の疲れが溜まっている。毎日子どものケアにあたって、徐々に社会から孤立している感じがする」と、母親の声を幾つも紹介しています。また、同居するきょうだいの「多少の体調不良は放って置かれる。母に甘えたくても相手にされない」という何とも言えない、切ない声もあります。
 そこで、このような医療的ケアが必要な障がい児、障がい者を持つ家族への支援は今回の拡充にとどまらず、さらなる拡充が求められると思いますが、市長の御所見をお伺いします。また、在宅での介護の負担を減らすためにも施設や保育園などの受皿整備をさらに進めるべきと思いますが、併せて答弁を求めます。
 強度行動障がいのある人の受皿づくりについては進めていくとのことですが、これも家族にとっては待ったなしの課題だと思います。奇声や多動によって周辺住民から苦情が来る、他人を傷つけたり、粗暴行為に家族が対応できないなど在宅介護が難しいケースであっても、受入先がなければ問題は解決しません。今回の質問に当たって御家族の意見、要望に目を通すと、本当に御苦労が絶えない、これは家族だけではなく、社会全体で支えていく必要があると思いましたし、行政の果たす役割は極めて大きいと感じました。
 したがって、強度行動障がいがある人の相談体制や受皿整備のさらなる拡充を急いで行うべきと思いますが、最後に市長の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
 
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 物価高対策につきましては、福岡市はこれまでも国の交付金等を活用しながら、低所得世帯への給付金をはじめ、中小企業等に対するエネルギー価格の高騰への助成や、介護、障がい者施設、保育所などへの支援など様々な物価高対策に取り組んでまいりました。今回の補正予算案におきましては、給付金の増に加えまして、国の予備費によって追加された交付金を活用することで商店街プレミアム付商品券を追加発行し、市民及び市内中小企業等への支援を迅速に実施してまいります。今後とも、国の経済対策や物価高の状況を踏まえ、必要に応じ、国への要望を行うなど必要な施策に着実に取り組んでまいります。
 医療的ケア児・者とその御家族が安心して生活できるように社会全体で支え、支援していくことは大変重要と考えており、福岡市はこれまで、早い時期から医療的ケア児・者の支援の充実に努めてきたところです。そのような中、令和7年1月に発生した事件については大変痛ましく感じており、このようなことを繰り返さないためには家族へのレスパイト支援や相談支援体制のさらなる充実が急務であり、先日、国に対しても支援の拡充を要望したところでございます。引き続き支援の充実に向け、医療と福祉の両面から必要な施策を検討してまいりますが、福岡市のみの取組では限界があることから、国や県に対しても継続して要望を行い、医療的ケア児・者及びその御家族の支援に取り組んでまいります。
 強度行動障がいのある方とその御家族が地域で安心して暮らし続けられることは大変重要であると考えております。福岡市ではこれまで、強度行動障がいのある方に対する集中支援やグループホームにおける受入れ促進、支援に当たる人材の育成などに取り組んできたところであります。今後とも、強度行動障がいのある方とその家族のニーズや事業所の実態を把握し、相談体制や受入れ体制の充実に取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(打越基安) 田中たかし議員。
○57番(田中たかし)登壇 私は福岡市民クラブを代表して、議案第118号、令和7年度福岡市一般会計補正予算案(第1号)の中から医療的ケア児・者等への支援の拡充について、議案第119号、福岡市職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例案及び議案第122号、福岡市廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例の一部を改正する条例案、以上3点について質問いたします。
 まず、議案第119号、育児休業に関する条例改正案からです。
 本議案は、地方公務員の育児休業等に関する法律の一部改正に伴い、本市の条例が改正されることから提案されております。
 そこでまず、お尋ねいたしますが、国が法律改正に至った背景と法律改正の内容について、併せて本市の育休条例がどのように改正されるのか、お示しください。
 さらには、その対象についてですが、今回改正となる育休条例案はその対象を福岡市職員と定めておりますが、福岡市職員の範疇について、教員、消防職員など含まれるのか、さらには会計年度任用職員などの非常勤職員についても、対象になるのか、また、市長や我々議員は特別職の福岡市職員ということになりますが、適用はされるのか、説明願います。
 次に、改めて確認をしておきたいと思いますが、本市の育児休業制度はどのような制度なのか、また、その取得率と取得率を高めるための取組についてお示しください。
 あわせて、民間企業と比較して、本市の仕事と育児の両立を支援する制度の整備状況はどのようになっているのか、説明願います。
 続いて、議案第122号、廃棄物の適正処理に関する条例改正案についてです。
 本議案は、プラスチックの分別収集を令和9年2月に全市的に展開することに先立ち、あらかじめ処理手数料の額を定める必要があることから、本議会に提案されたものとなっております。
 そこで、まず初めに、プラスチックごみの分別回収を実施するに至った経緯と理由についてお伺いいたします。
 また、確認のためにお伺いしますが、本市が今後行おうとしているプラスチックごみの分別収集は福岡市民にとって義務化されると、そういった認識でいいのか、御所見をお聞かせください。
 本事業の本格開始は令和9年2月からということになっておりますが、ではなぜ1年半以上前のこの時期に議案が提案されるのか、その理由を御説明ください。
 さらに、その議案書にはプラスチックごみ袋のサイズと料金の記載があります。これによりますと、プラスチックごみのごみ袋は45リットル相当が1枚につき22円、25リットル相当が12円と設定されております。
 そこで、この金額の積算根拠をお示しください。
 あわせて、家庭用ごみ袋は45リットル、30リットル、15リットルと設けられている中、なぜプラスチックごみの袋は45リットルと25リットルの2種類となったのか、説明願います。
 あわせて、プラスチックごみ分別回収に関して他都市の取組状況についてお示しいただくとともに、他都市ではプラスチックごみ袋の料金は幾ら程度に設定されているのか、その点についても、お示しください。
 最後に、令和7年度福岡市一般会計補正予算案(第1号)の中から、医療的ケア児・者等への支援の拡充についてお伺いいたします。
 補正予算案概要によりますと、本事業は24時間人工呼吸器を使用する医療的ケア児・者を介護する家族等に対して、レスパイトを目的とした訪問看護の利用時間の試行的な拡充をする、さらには相談支援体制を強化するものとされております。所管がこども未来局と福祉局ということになっており、一つにまとめられておりますので、まずは事業概要の整理からしてまいりますが、こども未来局、福祉局それぞれどういった事業をされるのか、お示しください。
 また、今回の事業実施に当たり、対象者はどの程度の人数になるのか、考え方も含めて答弁願います。
 さらには、改めて確認いたしますが、医療的ケア児・者に関連した本市のレスパイト支援策について、どのような制度があるのか、お示しください。
 また、その利用状況についても、それぞれお伺いいたします。
 続いて、予算編成に関連する点についてお伺いしますが、なぜ当初予算ではなく、6月議会で補正予算を組んで実施されることになったのか、その理由、背景についてお聞かせください。
 さらには、その中身について、頂いた資料によりますと、こども育成支援費として3,889万円、障がい保健福祉費として5,518万円が計上されていることが確認できますが、それぞれの使途と算出の考え方について、財源と併せて説明願います。
 以上で1回目を終わり、以降は自席にて行います。
 
○議長(打越基安) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 育児休業等に関する条例の改正案についてお答えいたします。
 まず、地方公務員の育児休業等に関する法律の改正の背景については、少子・高齢化が進展し、人口減少が加速する中で、仕事と育児、介護を両立できる職場環境を整備するため、主に民間企業従事者を対象とする育児・介護休業法が改正され、これに対応する措置として国家公務員の育児休業等に関する法律及び地方公務員の育児休業等に関する法律が改正されたものでございます。また、法改正の内容については、育児のために勤務時間を1日2時間の範囲内で短縮できる制度である部分休業に新たな取得パターンが設けられるとともに、非常勤職員に係る部分休業の対象となる子の年齢が現行の3歳に達するまでから小学校就学の始期に達するまでに引き上げられるものでございます。次に、条例改正の内容については、改正法及び国からの通知を踏まえ、部分休業の取得パターンについて、現行の勤務時間の始めまたは終わりに限り取得可能とする取扱いを廃止し、改正法において、人事院規則で定める時間を基準として条例で定めるとされている新たな取得パターンの請求可能時間を1年につき勤務日10日相当の時間とするなどの改正を行うものでございます。また、併せて、子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置として、両立支援制度に関する情報提供などについて国と同様の内容を規定するものでございます。
 次に、条例の対象となる職員については、地方公務員法第4条第1項に規定される一般職に属する全ての地方公務員であり、教員や消防職員も対象となります。会計年度任用職員を含む一般職の非常勤職員も対象となりますが、週の勤務日数が3日未満の職員は部分休業を取得することができません。一方、特別職に属する職員には、この条例の適用はございません。
 次に、福岡市の育児休業制度については、常勤職員の場合は3歳に満たない子を、非常勤職員の場合は原則1歳に満たない子を養育するために休業できる制度でございます。また、令和5年度における育児休業取得率は、男性職員が97.4%、女性職員が101.3%でございます。育児休業の取得率を高めるための取組については、女性職員と比べ取得率が低かった男性職員について、所属長による面談において育児休業を取らない理由を丁寧に聞き取るとともに、業務分担の見直しなどを行っているところでございます。
 最後に、本市の両立支援制度については、地方公務員法に基づき、人事委員会の報告などを踏まえて整備されており、一概に比較はできませんが、民間企業に劣らないものと考えております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 藤本環境局長。
○環境局長(藤本和史) 廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例に関する御質問にお答えいたします。
 プラスチック分別収集の経緯と理由につきましては、令和3年8月に策定いたしました循環のまち・ふくおか推進プランにおいて、プラスチックごみを重点3品目の一つと位置づけ、減量施策に取り組んでいることや、4年4月に施行されましたプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律において、市町村は分別収集、再商品化に必要な措置を講ずるよう努めることとされたことなどから、戸別収集モデル事業の実施やリサイクル体制の構築などに取り組んできたところでございます。その結果、分別収集によるリサイクル効果やCO削減効果が確認されるとともに、リサイクル体制の構築などが可能となったことから分別収集を開始することとしたものでございます。
 次に、プラスチックの分別収集につきましては、廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例第20条及び一般廃棄物処理計画に基づき、市民の責務として、収集区分に応じて適切に分別し、排出していただくことになります。
 次に、この6月議会で条例改正を行う理由につきましては、プラスチックの分別収集に当たり、国への再資源化計画の認定申請を分別開始前年度の6月末までに行う必要があるとともに、分別開始に向けた市民への広報、啓発を丁寧に行う必要があるため、今回議案として提出させていただいたものでございます。
 次に、プラスチックの指定ごみ袋の価格につきましては、福岡市の家庭用ごみ袋の価格は排出者責任の明確化、負担の公平性の確保、ごみ減量・リサイクルのきっかけづくりの観点から設定しており、可燃ごみ、不燃ごみが1リットル当たり1円とし、空き瓶・ペットボトルについては資源物として分別に協力いただくため、その半額の1リットル当たり0.5円としているところでございます。プラスチックについても、資源物として分別に協力いただくことや他都市の状況も踏まえ、空き瓶・ペットボトルと同額の1リットル当たり0.5円とし、45リットルが22円、25リットルが12円としたいと考えているところでございます。
 次に、プラスチック用指定袋のサイズにつきましては、まず、45リットルサイズは、ポリバケツの一般的なサイズが45リットルとなっており、他都市でも全て45リットルが最大サイズとなっていることや、これまでにファミリー世帯が多い地域で実施しました戸別収集モデル事業のアンケートにおいて、約5割の方が45リットルがちょうどよいと回答していることから設定したものでございます。また、25リットルサイズは、単身世帯が多い地域で実施しました戸別収集モデル事業において、1世帯当たり1週間に排出されるプラスチックの量が体積換算で25リットルであったことや、アンケートで単身世帯の6割の方が30リットルより小さいサイズがあったほうがよいと回答していることから設定したものでございます。
 最後に、他都市の取組状況につきましては、容器包装及び製品プラスチックの分別の一括回収を実施している政令指定都市が5市であり、そのうちプラスチック用指定袋が有料となっているのは仙台市、京都市、北九州市の3市で、価格は仙台市、京都市が1リットル当たり約0.5円、北九州市が1リットル当たり約0.45円でございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 医療的ケア児への支援についてお答えいたします。
 今回の補正予算案の概要については、訪問看護師が家族に代わってケアを行う福岡市医療的ケア児在宅レスパイト事業について、24時間人工呼吸器を使用する医療的ケア児を対象に年間の利用時間の上限を48時間から338時間へ試行的に拡充するものでございます。あわせて、医療的ケア児とその家族が安心して地域での生活を送るために相談支援を行う職員を新たに1名配置し、伴走的な支援体制を構築していくものでございます。
 次に、対象者数とその考え方については、訪問看護の利用時間の拡充は、頻回なケアが必要であり、家族の介護負担が特に重いと考えられる24時間人工呼吸器を使用している医療的ケア児の23人を対象としております。また、福岡市の医療的ケア児の人数は令和5年の全国の医療的ケア児の推計値を人口比で案分した値で283人となっており、そのうち伴走支援が必要な特に重度な方を今回の相談支援の対象とすることとしております。
 次に、福岡市のレスパイト支援策については、こども未来局所管の事業として医療的ケア児在宅レスパイト事業のほか、小児慢性特定疾病を持ち、人工呼吸器を使用している児童等が在宅療養が困難となった場合に委託医療機関に一時的に入院する費用を負担する小児慢性特定疾病児童等レスパイト支援事業を実施しております。
 次に、利用状況については、医療的ケア児在宅レスパイト事業が令和6年度登録人数226人、利用人数157人、小児慢性特定疾病児童等レスパイト支援事業が令和6年度登録人数は43人、利用人数は2人でございます。
 次に、6月議会で補正を行う理由と背景については、令和7年1月に博多区において発生した医療的ケア児が亡くなった事件を受け、医療的ケア児・者を取り巻く環境と課題を把握するため、関係病院との意見交換や保健師による訪問調査等を実施し、課題の整理と必要な施策の検討を行う必要があったことから当初予算への計上は困難でございました。引き続き必要な施策の検討を進めているところでございますが、重度の医療的ケア児・者を介護する御家族は特に困難な状況にあるため、速やかに対応できるものとして、今回、既存事業の拡充に係る補正をお願いするものでございます。
 次に、こども育成支援費の使途と算出の考え方については、訪問看護サービスを行う事業者への報酬に係る扶助費として3,346万5,000円を計上しており、これは医療保険による訪問看護を含めて、週に1回は8時間のまとまった休息が取れるよう年間の利用時間の上限を338時間とし、その必要な金額を計上しているものでございます。また、相談支援体制の強化については、増員する相談支援員1名分の人件費等に係る委託料として542万9,000円を計上しております。
 最後に、財源については、こども育成支援費3,889万4,000円のうち、国庫支出金207万円、県支出金103万5,000円、一般財源3,578万9,000円となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 医療的ケアが必要な障がい者等への支援についての御質問にお答えいたします。
 福岡市訪問型在宅レスパイト事業につきましては、医療的ケアが必要な障がい者のうち、24時間人工呼吸器を使用する方を日常的に介護する御家族などの休息時間を確保するため、看護師が御家族などに代わって医療的ケアを行うサービスの利用時間の年間の上限時間を48時間から338時間へ試行的に拡充するものでございます。また、障がい者虐待防止・基幹相談支援センター事業については、強度行動障がいがある方等とその御家族などが安心して地域での生活を送るため、市障がい者基幹相談支援センターに相談支援を行う職員を新たに2名配置し、御家族に寄り添って、より丁寧な相談対応を行うほか、細やかなサービスの調整などを行う伴走型の支援体制を構築するものでございます。
 次に、訪問型在宅レスパイト事業の対象者数につきましては、頻回なケアが必要であり、御家族の介護負担が特に重いと考えられる24時間人工呼吸器を使用している医療的ケアが必要な障がい者34人を対象と考えております。また、障がい者虐待防止・基幹相談支援センター事業については、在宅の強度行動障がいのある方のうち生活介護サービスを利用できていない方が約280人おり、このうち、特に御家族が疲弊しているなど支援を要する方に対し、伴走型支援を行うために相談員を2名配置するものでございます。
 次に、医療的ケア児・者に関連するレスパイト支援策につきましては、年間48時間を上限に自宅等への訪問看護サービスの利用を助成する訪問型在宅レスパイト事業、また、障がい児・者を対象とし、施設、病院で宿泊などを伴った日常生活上の支援を行う短期入所がございます。
 次に、その利用状況につきましては、令和6年度の実績で、訪問型在宅レスパイト事業は登録人数が19人、利用人数が11人、短期入所のうち医療的ケア児・者が利用する医療型短期入所は支給決定人数が656人、利用人数が215人となっております。
 次に、6月議会で補正を行う理由と背景につきましては、障がい者虐待防止・基幹相談支援センター事業につきましては、7年1月の医療的ケア児の事件を受け、特に困難な状況にある御家族の支援を検討した結果、強度行動障がいのある方の御家族にも同様のことが起こり得ることから、その負担を軽減するために相談体制の強化を行うことが必要と判断し、6月議会に上程したものでございます。
 次に、障がい保健福祉費の使途と算出の考え方につきましては、訪問型在宅レスパイト事業は訪問看護サービスを行う事業者への報酬に係る扶助費として4,325万5,000円を計上しており、その算出に当たっては、医療保険を含めて週1回8時間の休息を取っていただけるよう年間のサービス利用時間の上限を338時間とし、その利用に必要な金額を積算しております。障がい者虐待防止・基幹相談支援センター事業については、相談員2名を配置するための人件費などに係る委託料として1,192万8,000円を計上しております。
 財源につきましては、訪問型在宅レスパイト事業は4,325万5,000円全額が一般財源となっております。障がい者虐待防止・基幹相談支援センター事業は、国庫支出金が596万4,000円、県支出金が298万2,000円、一般財源が298万2,000円となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田中たかし議員。
○57番(田中たかし) では、2回目です。まず、育休条例の改正案についてです。
 今回の条例案の改正は、国の法改正に伴い、部分休業の新たな取得パターンが設けられるとの御説明でした。そこで、実際の制度運用に関わる点について、ここではお尋ねしてまいります。
 まず、今回の条例案改正で新たに設けられた取得パターンはどのような制度であり、どのような職員のニーズに応えるものであるのか、お尋ねいたします。
 また、部分休業の取得パターンについて、年度途中での変更は可能であるのか、お尋ねいたします。
 また、部分休業取得に当たっての申請手続及び審査の内容についてもお尋ねするとともに、部分休業が認められない場合、どのような理由が考えられるのか、説明願います。
 また、本市には夫婦で福岡市職員という方もいらっしゃると思いますが、そういった場合、夫婦同時に取得することは可能なのか、併せてお尋ねいたします。
 さらには、部分休業中の給与についてですけれども、公務員の育休中は給与の支給がないということになっております。ただし、公務員の共済組合等から育児休業手当金が支給されるということになっておりますので、それに関連してお伺いいたしますが、部分休業を取得した際の給与はどのようになるのか、お示しください。
 また、部分休業中も育児休業手当金のような給付制度があるのか、お尋ねいたします。
 今回の条例改正により、対象職員にとっては育休取得の柔軟性が増して制度的な恩恵を享受できるものと考えられますが、一方で、ほかの職員にとっては取得者の業務をカバーする観点からさらなる業務量の増加も懸念されるところです。
 そこで、今回の条例改正に当たり、人員体制などをどのように整えていくのか、そのお考えをお聞かせください。
 また、制度の拡充が図られたとしても、その制度を利用しづらい雰囲気が蔓延していれば取得率の向上にはつながらないということは既に指摘されてきておるところですけれども、育休を取得しやすい職場の雰囲気を醸成するために、良好な職場内環境の維持のために何か対策を講じられる考えはあるのか、お伺いいたします。
 続いて、プラスチックごみの分別回収についてです。
 1回目の御答弁にありましたとおり、このプラスチックごみ分別収集は、これまでモデル事業として実施されていたものでありました。プラスチックごみは、プラスチック製品とプラスチック製容器包装の2種類に分類されますが、モデル事業で実施されたのと同様に、令和9年2月以降は全市で2種類のプラスチックごみを1つの専用袋に入れて出すことになるということです。今回議案として提案された背景にはそのモデル事業の実績も加味されたものかと思いますが、今後、福岡市が本格実施するに向けて、今議会で手数料についての議案が提案されたのも社会的要請に応じたものと受け止めております。
 そこで、確認をさせていただきますが、モデル事業を実施していく中で得られた効果や知見または課題についてどのように認識されているのか、その評価も含めてお示しください。
 また、本格実施の際にはどのような制度設計となるのか、具体的にお示しください。
 加えて、回収されたプラスチックはどのような経過をたどってリサイクルされるのか、その過程をお示しいただくとともに、今後、実際に担うリサイクル業者とはどのような協議がなされるのか、お示しください。
 あわせて、リサイクル業者に対して本市は管理や監督の義務及び責任などがあるのか、お示しください。
 続いて、ごみ袋の料金に関する点について、まずその手数料ですが、1回目の御答弁によれば、今回新たに導入されるプラスチックごみ回収袋の料金設定の根拠は、プラスチックごみも空き瓶・ペットボトルと同様に資源化されるという理由から、空き瓶・ペットボトルと同額の1リットル当たり0.5円にするということでありました。これはほかの政令指定都市とも同等の金額であるということでありますが、市民にお金を出していただくわけですので、その料金設定には慎重な検討がなされなくてはならないと改めて考えるところでございます。
 そこでお伺いしますが、本市ではなぜごみ回収袋は無料でなく有料なのか、今回のプラスチックごみ袋については無料にするといった検討などはなされなかったのか、御説明いただきたいと思います。
 そもそも本市のごみ袋の料金というのは、その売上げがごみ処理にかかる費用に充てられることになっており、ごみを排出する市民にも一定の負担を求めることから手数料という扱いになっております。さらには、その売上げのうち25%は環境市民ファンドに繰り入れられ、地域やボランティア団体など市民の環境保全に関する実践活動の支援に充当されるわけですけれども、今後、プラスチックごみの分別回収が導入されることで、これまで可燃ごみ用の袋で出されていたプラスチックごみは金額がその半分であるプラスチックごみ袋に置き換わることになります。単純に考えれば、ごみ袋全体の売上げは下がるかと推察されますが、本格実施後、環境市民ファンドへはどのような影響があるとお考えか、環境局の見通しをお聞かせください。
 次に、今後の手続などについて確認していきますが、なぜ本格実施の1年半も前であるこの時期に関連する議案が提案されたのか、提案時期の理由については、市民への丁寧な周知の必要性というものと併せまして、国への認定申請を分別開始の前年度の6月末までに行う必要があるからとされておりました。
 そこで確認ですけれども、国から認定されるための諸条件は何であるのか、お示しいただくのと併せて、仮に国から認定されなかった場合はどうなるのか、説明を求めます。
 さらには、実際にプラスチックごみを回収するのは現在業務を担っていただいている民間業者になるかと思いますが、民間事業者に新たに生じる負担について、どういったものが想定されるのかお示しいただくとともに、その民間事業者とはどのような協議がなされ、どのような意見が出ているのか、お示しいただきたいと思います。
 続いて、医療的ケア児・者等への支援の拡充についてです。
 今回補正予算が組まれて、どのような事業が拡充されるのかは、答弁ではこども未来局、福祉局それぞれが御答弁されましたので、整理をいたしたいと思います。
 大きく分けると2点。1点目は、既存事業である訪問看護師が家族に代わって医療的ケアを行う在宅レスパイト事業において、サービスの利用時間の年間の上限時間が48時間となっているところを、現在の対象者のうち24時間人工呼吸器を使用する医療的ケア児・者について、上限時間を338時間へ試行的に拡充する。2点目は、相談支援体制の強化として、医療的ケア児、強度行動障がいのある人とその家族への伴走型の支援体制を新たに構築するということになります。
 そこで、2回目以降は事業の詳細についてお伺いしていきたいと思います。
 まず、今回の事業は試行的、すなわち試験的な拡充であるとされておりますけれども、その試行期間はいつまでとされる予定なのか、お示しください。
 さらには、こども未来局、福祉局ともにいつから事業が開始されるのか、今後のスケジュール感をお示しください。
 また、1回目の質問で本市の医療的ケア児・者に関連したレスパイト支援策についてお伺いしましたが、在宅レスパイト事業以外の支援策の課題点に対する認識をお示しください。また、その課題の改善のためにどのような取組をされるのか、お尋ねいたします。
 続いて、それぞれの相談事業についてお伺いしますが、まず、この相談事業を担う方々は、特に専門的知識や経験を有する方でなければ務まらないのではと考えるところですが、こども未来局、福祉局ともにどういった方を相談員とされるのか、お示しください。
 あわせて、なぜその人数を配置するのか、その根拠を明らかにしつつ、御説明いただきたいと思います。
 2021年6月、医療的ケア児支援法が成立し、同年9月に施行されました。同法は、自治体等に対して医療的ケア児及びその家族に対する支援を責務として定め、それまでの努力義務からの前進が果たされることとなりました。この医療的ケア児支援法では、各都道府県に医療的ケア児支援センターの設置を求めております。医療的ケア児支援センターの役割は、家族への相談、情報提供、助言及び関係機関への情報の提供及び研修ということになっており、ワンストップの相談窓口として位置づけられているということになっておりますが、そこで、県との事業のすみ分けについて、事業が重複することはないのか、お聞かせいただきたいと思います。
 以上で2回目を終わります。
 
○議長(打越基安) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 育児休業等に関する条例の改正案についてお答えいたします。
 部分休業の取得パターンのうち、改正後の第1号部分休業については、現行、勤務時間の始めまたは終わりに限り取得できる制度がそれ以外での時間でも取得可能になることによって、子どもの送迎のほか、日中の保育所の保護者面談などにも対応できるようになるものでございます。また、新設される第2号部分休業については、年に10日の範囲内で取得できる制度であり、保育所の休園などで丸一日育児が必要な場合などに対応できるものでございます。改正後、職員はこのいずれかの取得パターンを年度ごとに選択できるようになります。
 第1号部分休業と第2号部分休業は原則として年度中途に変更することはできませんが、配偶者の入院など申出時に予測することができなかった事実が生じたことにより、変更を行わなければ部分休業に係る子の養育に著しい支障が生じる場合には可能でございます。
 次に、部分休業の申請手続などについては、職員は部分休業承認請求書及び添付書類を各任命権者の服務担当課に提出いたします。請求書を受理した服務担当課は、請求期間が部分休業の取得可能期間の範囲内であることなどの要件を審査した上で部分休業の期間について承認し、承認期間などを記載した通知書を職員に交付します。通知書の交付を受けた職員は、承認された期間内で取得の必要が生じるごとに所属長に申請し、部分休業を取得する日及び時間について承認を受けることとなります。なお、部分休業の申請は当該職員が部分休業を取得することにより公務の運営に支障を来すと認められるような特段の事情がない限り承認されるものでございます。
 また、部分休業は配偶者が職員の場合に限らず、夫婦同時に取得することが可能でございます。
 次に、部分休業を取得した場合の給与については、当該部分休業の時間に応じて減額されます。
 部分休業取得中の給付制度については、2歳に満たない子に係る部分休業を取得した場合、手当金請求に基づき、福岡市職員共済組合などから育児時短勤務手当金が支給されます。なお、本制度は、国の法改正により令和7年4月に創設されております。
 次に、職員の配置につきましては、育児等の個人の事情や業務の質と量などを考慮しながら適切に行っております。部分休業の取得をはじめ、職員が仕事と家庭の両立を図ることができるよう、引き続き適切な人員配置に努めてまいります。
 最後に、両立支援制度を利用しやすい職場環境整備については、妊娠や育児に係る諸制度を掲載したパパ・ママサポートの手引を作成し、配付しているほか、父親になる職員を対象に所属長面談を実施するなど、制度の周知や職場での配慮につながる様々な取組を行ってきたところでございます。今回の条例改正を踏まえ、子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための取組をさらに推進してまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 藤本環境局長。
○環境局長(藤本和史) 廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例に関する御質問にお答えいたします。
 戸別収集モデル事業につきましては、分別収集によるリサイクル効果やCO削減効果、リサイクル体制の構築に向けた課題を検証するために実施しており、その結果、回収したプラスチックの5割以上が再資源化され、CO排出量は焼却処理した場合と比べ約5割の削減効果が確認されております。また、得られた知見といたしましては、モデル事業の参加者アンケートより、収集頻度は週1回でちょうどよいことや、分別後は多くの方が小さいサイズの燃えるごみ袋を使用されることが分かり、ごみ減量の効果があったものと認識しております。課題といたしましては、プラスチックとして分別すべきか迷ったという意見があったため、今後、分別ルールについて分かりやすい広報、啓発に努めてまいります。
 次に、モデル事業の結果を踏まえた対応につきましては、指定袋のサイズを45リットルと25リットルとすることや収集頻度を週1回とすることを決定し、また、分別開始までに市民の皆様に意義やルールを丁寧に広報、啓発していくこととしております。
 次に、各家庭から回収されたプラスチックにつきましては、東西2か所の拠点に集められ、危険物などの除去及び圧縮、梱包された後、再資源化施設へ運ばれ、新たなプラスチック原料としてリサイクルされます。再資源化事業者とは、現在、国への再資源化計画の認定申請に向けた協議を行っており、認定後、施設への搬入頻度や時間帯など実施に向けた具体的な協議を行うこととしております。
 次に、再資源化事業者への管理監督につきましては、国へ認定申請予定の再資源化計画に基づき、プラスチックの再資源化業務を委託することとしており、その業務が計画や仕様書のとおり履行されているかを確認していく責務があると考えております。
 次に、家庭ごみ用指定袋につきましては、排出者責任の明確化、負担の公平性の確保、ごみ減量・リサイクルのきっかけづくりを目的として平成17年10月から有料化しているものであり、その結果、ごみ減量・リサイクルの取組が進み、市民1人1日当たりのごみ排出量は減少しております。今後も有料化を導入した趣旨を踏まえながら、ごみ減量・リサイクルに向けた行動を継続していただくため、プラスチック用指定袋も資源物である空き瓶・ペットボトルと同額の1リットル当たり0.5円としたものでございます。
 次に、分別開始後の環境市民ファンドへの影響につきましては、プラスチックが可燃ごみから分別される割合が高まるほど排出される可燃ごみが減少するため、ごみ処理手数料の収入も減少することが見込まれますが、現時点では可燃ごみやプラスチック用指定袋の販売枚数が明確ではないことから、具体的な影響をお示しすることは難しいと考えております。
 次に、再資源化に係る国の認定条件につきましては、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律第33条等において、再資源化事業者が適正な処理を行う技術や経済的基礎を有すること、再資源化施設が周囲の生活環境に配慮したものであることなどが定められております。
 次に、国の認定につきましては、事前相談を丁寧に行い、適切に対応しているところでございます。
 次に、プラスチックの収集運搬事業者の負担につきましては、新たな収集車両や人員の確保、収集ルートの設定などが必要になると考えております。
 最後に、プラスチックの収集運搬につきましては、これまで安定的かつ効率的な体制構築に向けた協議を事業者と行ってきたところであり、その結果、プラスチックの指定袋については、既存の袋と判別しやすいものにしてほしいや、分別開始後も収集運搬業務の実態把握に努めてほしいといった要望が寄せられております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 医療的ケア児への支援についてお答えいたします。
 試行期間については、今年度中と考えております。
 次に、今後のスケジュールでございますが、訪問看護の利用時間の拡充は議決後速やかに手続を行い、8月をめどに実施したいと考えております。また、相談支援体制の強化は、速やかに事業者との協議を行い、相談支援員の確保などの体制が整い次第実施したいと考えております。
 次に、課題の認識と改善のための取組についてですが、今回試行する福岡市医療的ケア児在宅レスパイト事業以外の事業といたしましては、小児慢性特定疾病児童等レスパイト支援事業における受皿の確保が課題と考えており、受入先の拡大に向けて県や受入れ機関などと協議を行ってまいります。
 次に、相談事業を担う支援員については、相談支援専門員、訪問看護師、医療ソーシャルワーカーなどで、現在、医療的ケア児等の支援を行っている方、もしくは行う予定のある方を対象に福岡県と福岡市が共同で実施する医療的ケア児等コーディネーター養成研修の修了者を想定しております。
 次に、相談支援員の人数については、現在、医療的ケア児等統括コーディネーターを1名配置し、地域における医療的ケア児・者の支援体制づくりを行っておりますが、現行の体制では医療機関入院時から継続した医療と福祉の連携体制が十分ではないため、新たに相談支援員を1名配置し、アウトリーチ型の相談支援を行いながら、令和8年度以降に向けて伴走的な支援体制の構築を進めるものでございます。
 最後に、福岡県の事業とのすみ分けについては、福岡県医療的ケア児支援センターでは県下全ての市町村の相談を受けておりますが、今回福岡市が行う伴走的な相談支援は県が実施している事業と重複するものではないと考えております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 医療的ケアが必要な障がい者等への支援についての御質問にお答えいたします。
 試行期間につきましては、今年度、試行として実施するものでございます。
 次に、訪問型在宅レスパイト事業の拡充につきましては、こども未来局と同様に8月からの実施を予定しております。また、障がい者虐待防止・基幹相談支援センター事業の支援体制の強化についても、8月からの実施を予定しております。
 次に、現行の在宅レスパイト以外の支援策の課題点と改善のための取組につきましては、短期入所について、行事の多い時期にはニーズが重なる場合もあり、希望するときに利用できないことがあるといった課題がございます。このため、受入先の拡充について医療機関などに働きかけを行うとともに、国に対して十分な支援体制が確保されるよう報酬の充実について要望しているところでございます。
 次に、相談員につきましては、強度行動障がいの直接支援の経験がある者や、国の運営要領に基づく強度行動障がいの特性理解に基づく適切な支援を行うための強度行動障がい支援者養成研修を修了した者を想定しております。
 次に、相談員の人数につきましては、開始初年度は、まずは対象となる280人の中でも行動障がいの特性により特に支援が困難かつ家族に対する支援が必要な方に対して支援を行い、ノウハウをしっかりつくっていくことを目的として相談員は2名としております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田中たかし議員。
○57番(田中たかし) 3回目です。
 まず、育児休業に関する条例改正案ですが、部分休業に新たな取得パターンが加わり、福岡市職員の育休の選択肢が増えることは歓迎されるところだと思います。一方で、育児休業制度が多様化するということは、すなわち複雑化するということにもなりますので、取得する側にとっては、制度を理解することや申請手続に関わる手間などが一層増すこととなります。本市においては、仕事と家庭を両立するためのパパ・ママサポートの手引といったものが総務企画局と教育委員会によって作成されているということでありますけれども、これは私も拝見しましたけれども、分かりやすくまとめられているのかなと思っております。ただし、今後も国の法改正などにより、この冊子の中身もどう変わるかは分からないということもあります。制度が整っても利用されなければ意味はありませんので、総務企画局にはぜひその点に留意していただいて、利用状況を注視していただくとともに、育休制度の利用普及及び促進の取組を進めていただきたいと要望して、この質問については終わります。
 続いて、プラスチックごみについてです。
 モデル事業の結果によれば、環境局も一定の協力が得られたものと評価をしているようです。一方で、ごみ袋を無料で配布していたモデル事業とは異なりまして、購入してもらわなくてはいけないとなりますと、本格実施後にモデル事業と同等の結果が得られるのか、これはしっかり見ていかなくてはいけないのだろうと思っております。ここでちょっと一例を挙げますけれども、本年4月16日付の西日本新聞の記事、行橋市の話ですけれども、有料であった市指定のごみ袋の価格を半額にしたところ、ごみの量が約5%減少したと。それに伴い、ごみ処理委託費が1,400万円削減されたということが記事に載っておりました。ごみ増加の懸念もあったが、値下げで市民がごみ問題に関心を持ち、自分ごととして考えるようになったのではといった市長のコメントも紹介されておりましたけれども、一般的に考えれば、ごみ袋の値段が安くなればごみの量が増えるのではと予想してしまうところを、行橋市は逆にごみの量が減ったということですので、想定とは逆の結果になったということになります。ごみ処理については、各自治体が知恵を絞りながら、より効果的な施策を模索していると思いますので、環境局は他都市の動向調査や事例研究に努めると同時に、市民意識のベクトルを見極めながら柔軟な対応も取れるように要望しておきたいと思います。
 また、本事業は、回収業者やリサイクル業者など、多くの民間事業者が関係する事業となります。新たに発生する負担や業務委託に際しての市の責任の所在などについて確認させていただきましたが、まずは本事業が適切に推進されるよう市としての責任を確実に果たしていただくとともに、事業者との綿密な協議を重ね、負担軽減策などを的確に講じられるよう要望しておきます。
 1回目の質問の中で、この事業は市民に新たな義務を課すということなのかと質問しましたが、環境局は市民の責務と答弁されました。つまりは市民に行動変容を迫る施策でもあります。その意味でも、これまで以上に市民の理解を得るための施策も必要かと考えるところですが、令和9年2月実施の事業に関連する条例案がこの時期に出される理由の一つとして市民への周知を丁寧に行う必要があると、そう御答弁もされておりました。今後、ホームページや市政だよりといった一般的な広報、啓発活動はもちろんされるとは思いますが、果たしてそれだけで市民の理解が広がるのか、看板倒れの事業にならないのかと多少の不安もあります。
 そこでお尋ねしますけれども、市民への周知に関して何がしかの仕掛けも必要かと思いますが、環境局の御所見をお聞かせください。
 私もこの質問をするに先立ちまして、いろいろと周りに感想を聞いてみましたけれども、分別する必要性や意義は理解していますが、やはり生活の現場でプラスチックごみを分別して別のごみ箱に捨てるというのは、それなりのストレスもあるのではないかと言っておりました。ペットボトルや空き瓶、空き缶と違いまして、プラスチックごみというのは、なかなか見分けがつきづらい、何がプラスチックなのか、ある意味で注意深く観察していないと識別できないといったことがありますので、プラスチックと認識せずに家庭ごみに混ぜて廃棄してしまうということが多々あるのだろうと推察されます。
 これまで何げなく捨てていたごみを注意深く見ながら分別するというのは、市民へ新たな負担をお願いすることになるわけですが、この点について環境局の認識をお聞かせいただくとともに、このプラスチック分別回収事業が実効性のある事業となるよう確実に取り組んでいただきたいと考えますが、最後に局長に所見をお伺いして、この質問を終わります。
 最後に、医療的ケア児・者等への支援の拡充についてです。
 今回、補正予算を組み、大幅に支援を拡充するといったその理由について、こども未来局、福祉局ともに1月に本市で発生した事件、これを理由にされておりました。非常に痛ましい事件を踏まえての措置であるとのことですけれども、本市もこれまでレスパイト事業を様々講じてきたことは1回目の質問でも御答弁されたとおりです。しかしながら、こういった事件が起きてしまったということは、私も一人の市民として残念でなりません。こういった事件が二度と発生しないようにと、そういう思いで当局も急いでの制度設計をされて、今回、補正予算案として提案されたことは理解できるところです。一方で、これまでの医療的ケア児・者や強度行動障がいの方を支援するための施策の内容と利用状況、さらには課題点についても、御答弁いただきましたけれども、特に小児慢性特定疾病児童等レスパイト支援事業などは対象となる登録者43人のうち利用者は2名にとどまっているということも分かりました。こういった事業は、やはり利用されなければ全く意味をなさない、そうとも言えると思いますので、引き続き効果の検証と課題点の改善に取り組み、さらなる施策の充実に努めていただきたいと要望するのと同時に、今回の支援拡充策が必要とされる方に確実に届くことを期待したいと思います。
 そこで、今回の施策が実効性の高い事業となり得るか、数点お伺いをしてまいります。
 まず、今回拡充されるレスパイト支援事業については、訪問者が看護師であるという専門性が求められる事業のため、今回のような急な拡充に対し、受皿となる供給事業者や派遣される看護師が足りるのか、求められる需要に対して支援が追いつくのかといった懸念が考えられるかと思いますが、そこでお伺いしますけれども、供給側の訪問看護事業所は対応可能か協議されたのか、また、今後、本事業に関わる看護師を確保するための策は何か講じられるのか、説明を求めます。
 加えて、2回目の質問の中では相談員についても、その専門性に言及しましたが、この相談員の確保についても、今後どのようにしていくのか、併せてお示しいただきたいと思います。
 また、さらに留意しなくてはいけないのが、今回実施される事業が試行的に行われるということであります。では、試行後はどうなるのか。もちろん試行期間の結果を経てみないことには分からないと思いますが、あえてお聞きしたいと思います。
 今回の支援拡充策の対象となるのが、在宅レスパイト事業については24時間人工呼吸器を使用する方、また、福祉局が実施する相談事業は強度行動障がいの方とそれぞれのその家族の一部に限定されており、理由としては、まずは特に重度な方で家族が非常に疲弊していると思われる世帯に対し、速やかな対応を目指すことと理解しております。しかしながら、そういった方々以外にも日常的に医療的ケアを必要とする方や、強度ではないにしろ、24時間目の離せない行動障がいのある方が多くいらっしゃいます。その御家族の方々も同様に心身の負担がかかっており、支援を求める声も多く届いております。
 そこでお尋ねしますが、試行後は対象者の拡大や上限時間の拡充などを考えられるのか、あるいは実績によっては試行期間中にも対象者の拡大や上限時間の拡充など実施される余地があるのか、お尋ねいたします。
 また、その財源についても、お伺いしましたけれども、国、県からの支出に加え、本市の一般財源から措置されるものとされておりました。中身は、これは確認しますと財政調整基金からの繰入れとなっております。
 そこで確認ですけれども、対象者が全て本サービスを希望した場合、今回組まれた補正予算の額で足りるのか、改めてお示しください。
 また、試行期間を経て、今後本格実施するに当たっては恒久的な財源の確保が必要になろうかと考えますが、その点についても、それぞれの局の御所見をお聞かせいただきたいと思います。
 最後に申し述べさせていただきたいと思います。
 1月の事件を受けての対応としては、今回の補正での実施が最短であるということは理解いたします。一方で、医療的ケア児・者、強度行動障がいがある方、そして、その家族の方々、そういった本当に心身ともに疲労している方々への手厚い支援の強化は、過去からこの議会でも多くの議員が求めてまいりました。それにもかかわらず、支援の拡充が事件を受けてからの対応であったことは、やはり私としては残念に思っております。今回の事件と本市の施策とどのような因果関係があるのか、それはまだもちろん分かりませんけれども、事件を受けてすぐに対応したところを見れば、当局も一定の危機感を持ったものと推察いたします。このタイミングで、財政調整基金を繰り出してまで事業を拡大するのであれば、もっと早くから施策の大幅な拡充をしていただきたかったと思うところです。これは災害対応などにも言えるかもしれませんけれども、今後は重大な事態が起こる前に当事者や議会の声を真摯に受け止め、先んじた対応をしていただくよう改めて強くお願いさせていただきまして、私の質問を終わります。
 
○議長(打越基安) 藤本環境局長。
○環境局長(藤本和史) 廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例に関する御質問にお答えいたします。
 市民への周知につきましては、分別意義はもちろんのこと、モデル事業での知見も踏まえた分別ルールについて、ホームページや市政だよりに加え、対面での説明会やSNSを活用するなど、世代に応じた効果的な広報、啓発に努めてまいります。
 最後に、市民の皆様には新たに分別の御協力をお願いすることとなり、御負担をおかけいたしますが、家庭から排出される可燃ごみの2割を占めるプラスチックを分別し、再資源化することは、さらなるごみ減量やCO削減、環境に優しい持続可能な都市づくりにつながるものと考えております。今後、市民の皆様にプラスチック分別に御協力いただけるよう、分別の意義や分かりやすいルールなどについて、しっかりと広報、啓発に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 医療的ケア児への支援についてお答えいたします。
 訪問看護事業所との協議については、今回の拡充を検討するに当たり、複数の事業所にヒアリングを行い、一定程度は対応可能との御意見を伺っております。また、看護師の確保など人員体制の整備等については、訪問看護事業所に協力を求めてまいります。
 次に、相談支援員の確保については、既に福岡市で実施している医療的ケア児等コーディネーター事業の受託者であり、医療的ケア児への支援の経験や専門性を持つ福岡市社会福祉事業団と協議を行い、相談支援員の確保に努めてまいります。
 次に、対象者の拡大などについては、今年度の試行の状況や国の動向等も踏まえ、引き続き検討してまいります。
 次に、今回の補正額で足りるのかのおただしについては、今回対象となっている全ての方が上限時間まで利用できるよう必要な予算を計上しております。
 最後に、財源の確保については、医療的ケア児及びその家族への支援の充実は大変重要と考え、今般、国へ支援の充実について要望を行ったところであり、今後とも、様々な機会を捉え、国や県に対し要望を行うなど必要な財源の確保に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 医療的ケアが必要な障がい者等への支援についての御質問にお答えいたします。
 訪問看護事業所との協議につきましては、今回の拡充を検討するに当たり、数か所の訪問看護事業所へ供給力についてヒアリングを行い、一定程度の対応が可能であるとの意見を聞いております。また、看護師を確保するための方策については、人員体制の整備等について訪問看護事業所へ協力を求めてまいります。
 次に、相談員の確保につきましては、市の基幹相談支援センター業務を受託している福岡市社会福祉事業団はこれまで市の強度行動障がい者支援事業も受託しており、支援の経験、専門性を持っているため、相談員の確保について協議していくこととしております。
 次に、対象者の拡大等につきましては、今後の試行の状況等や国の動向を踏まえ、引き続き検討してまいります。
 次に、今回の補正額で足りるかにつきましては、今回拡大の対象となる34人について、上限時間にて御利用いただけるよう必要な予算を計上しております。
 次に、恒久的な財源の確保につきましては、医療的ケアが必要な障がい者及びその家族への支援の充実は大変重要と考え、今般、国へ要望を行ったところでございますが、引き続き医療的ケア及び強度行動障がいのある方の支援の充実について、様々な機会を捉え、要望するなど必要な財源の確保に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) この際、暫時休憩いたします。
 午後は1時10分に再開いたします。
午前11時58分 休憩
午後1時10分 開議
○副議長(松野 隆) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を継続いたします。森あやこ議員。
○45番(森 あやこ)登壇 お疲れさまです。無所属の森あやこです。私は、議案第118号、令和7年度福岡市一般会計補正予算案(第1号)のうちのこども育成費及び障がい福祉費について、2点目には、議案第123号、福岡市農業委員会の委員及び農地利用最適化推進委員の定数に関する条例の一部を改正する条例案について質疑を行います。
 議案第118号のこども育成費、障がい福祉費については、午前中もお二方が議案質疑をされましたけれども、重複する部分もありますが、やはり障がいを抱えている方々の思いが少しでも取組に生かせたらという思いで質疑をさせていただきます。
 まず、こども未来局所管の障がい児支援と福祉局所管の地域生活支援事業等の追加として補正予算案が出されていますが、それぞれの補正額、財源内訳を伺います。
 また、国・県支出金のこども育成支援費、障がい福祉費補助金の内容について伺います。
 また、事業概要について説明を求めます。
 次に、議案第123号の農業委員会に関する条例の改正案についてです。
 市域内の農地面積の減少に伴い、農地利用最適化推進委員の定数を改める必要があるために、24人だった定数が23人に改正されるということです。
 現在、日本の食と農をめぐる情勢として、2024年夏以降の米不足、価格高騰という状況の中で、国の主食である米を国民に満足に行き渡らせることが困難な状況です。国民一人一人の食料安全保障を基本理念の中心に置き、25年間で明らかになった課題を踏まえての食料・農業・農村基本法の食料の安定的な供給に当たっては、農業生産の基盤等の食料の供給能力の確保が重要である旨を位置づけています。政府の農政の基本が大規模化、スマート農業、農産物の輸出拡大ですが、世界の潮流は小農、家族農業の価値を再評価すべきだと言っています。
 備蓄米の随意契約による放出で、5キロ当たりが2,000円程度の安価な米を出回らせることは、マスコミのあおりもあって、特売品商法でしかなく、本来の米価の基準にはならず、農業協同組合に対する理不尽な攻撃になってしまっても真の解決にはならず、また、米が不足しているのなら輸入すればいいという短絡的な考えではなく、国内の農業に犠牲を押しつけるのではなく、事の本質を置き去りにせず、日本の中山間地の農業と集落を守ることが喫緊の課題だと考えます。本議案はまさに農家の苦境が表れていると考えます。
 そこでまず、本条例の目的について、そして、農地利用最適化推進委員の役割について説明を求め、次、2問目からは自席にて行います。
 
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 一般会計補正予算案のうち、こども育成費に係る御質問にお答えいたします。
 補正額は3,889万4,000円で、財源の内訳は、国庫支出金207万円、県支出金103万5,000円、一般財源3,578万9,000円でございます。
 次に、国及び県の補助金については、児童虐待防止対策等総合支援事業費国庫補助金及び福岡県地域障害児支援体制強化事業費等補助金を活用するものでございます。
 最後に、事業の概要ですが、訪問看護師が家族に代わってケアを行う福岡市医療的ケア児在宅レスパイト事業について、24時間人工呼吸器を使用する医療的ケア児を対象に、利用時間の上限を試行的に拡充するとともに、医療的ケア児とその家族の相談支援体制を強化するものでございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 障がい福祉費についての御質問にお答えいたします。
 補正額と財源の内訳につきましては、福岡市訪問型在宅レスパイト事業は4,325万5,000円であり、全額一般財源となっております。障がい者虐待防止・基幹相談支援センター事業は1,192万8,000円であり、財源は国庫支出金が596万4,000円、県支出金が298万2,000円、一般財源が298万2,000円となっております。
 次に、障がい者虐待防止・基幹相談支援センター事業における国及び県の支出金につきましては、重層的支援体制整備事業交付金を活用するものでございます。
 次に、事業概要につきましては、福岡市訪問型在宅レスパイト事業は、24時間人工呼吸器を使用する医療的ケアが必要な障がい者を対象に、訪問看護師が家族に代わってケアを行う提供時間を試行で拡充するものでございます。また、障がい者虐待防止・基幹相談支援センター事業については、強度行動障がいのある方とその家族等が安心して地域で生活を送ることができるよう、相談支援を行う職員を市障がい者基幹相談支援センターに新たに2名配置し、伴走型の支援体制を構築するものでございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 農業委員会の定数条例についての御質問にお答えいたします。
 まず、本条例の目的でございますが、農業委員会等に関する法律の規定に基づき、福岡市農業委員会の委員及び農地利用最適化推進委員の定数を定めるものでございます。
 次に、推進委員の役割でございますが、農林水産省によりますと、農業委員会が定めた担当区域において、担い手への農地利用の集積、集約化や、耕作放棄地の発生防止や解消等に向けた農地の巡回や農家の状況把握などの地域における現場活動などを通じて、農地等の利用の最適化の推進のための活動を行うものとされております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 2回目です。まず、議案第118号のこども育成費と障がい福祉費についてです。
 国の児童虐待防止対策等総合支援事業費国庫補助金及び県の地域障害児支援体制強化事業費等補助金を活用して、そして、一般財源からは3,578万円余を投じております。そして、訪問看護師が家族に代わってケアを行う福岡市医療的ケア児在宅レスパイト事業については、24時間人工呼吸器を使用する医療的ケア児を対象とした提供時間を試行的に拡充するということ、それから、医療的ケア児とその家族の支援体制強化を図るとのことでした。そして、福祉局の訪問型在宅レスパイト事業では、全額一般会計からの財源を取り4,325万円余、そして、こども育成費と同じように24時間人工呼吸器を使用する医療的ケアが必要な障がい者を対象に、訪問看護師が家族に代わってケアを行う提供時間を試行するために拡充されるものとされています。そして、障がい者虐待防止・基幹相談支援センター事業においては1,192万円余で、一般財源からは298万円余が投じられています。重層的支援体制整備事業交付金を活用して、強度行動障がいのある方と家族等が安心して地域で生活を送ることができるように相談支援を行う職員を2人配置し、伴走型の支援体制を構築するものとのことでした。
 午前中もお二方が言われました、痛ましい事件を受けた緊急的な対応となってこの予算もつけられ、取組を試行的にされるということだと思います。実際、私の知人や友人にも、24時間気が抜けない家族がいらっしゃる方がいて、非常に困難な相談を受けたりしています。福祉の支援が必要な方、本当に一家心中しかねないような状態に置かれた御家族がいらっしゃいます。希死念慮を抱く方々にも、これまでもたくさん遭遇してきました。命が途切れるのは一瞬だと思うと、何とかならないかと、実際に支援をしながら公的支援につなげることなどをしてきました。
 支援事業を請け負うところの人手不足、これは昨今、知らない方はいない状態です。広い意味で言えば、放置状態になってしまう方も実際にいると感じます。本当にその危機的な状況が起こっています。今回、国の補助を活用しながらや、全額でも市費を投じて行う事業ということです。
 そこで、在宅レスパイト事業に関して、これまでの支援内容と、それに伴う経費が幾らだったのか、それぞれの局にお伺いします。
 利用者数の推移について、それから、利用者の声など、そして、拡充について具体的内容と根拠についてお伺いします。そして、課題についての認識をそれぞれお伺いいたします。
 そして、相談事業に関して相談体制の強化を図るとのことですが、どのような体制なのか、資格要件などがあればお示しください。
 強度行動障がいがある人とその家族等のために2名を配置されるとのことですが、強度行動障がいの特性に対応するためには、専門的知識と経験が必要と思います。どのような方の配置になるのか、お伺いします。
 年々年を重ね、家族も高齢になり、将来の不安が増してこられている方や、現在でも安心できる行き場、居場所がない方もいらっしゃいます。充実はまだまだ必要と考えますが、人材育成について御所見をお伺いします。
 次に、議案第123号の農業委員会に関する条例の改正案についてです。
 農地利用最適化推進委員の役割は、農業委員会が定めた担当区域において、担い手への農地利用の集積、集約化、そして、耕作放棄地の発生防止、解消等の地域における現場活動を通じて、農地等の利用の最適化の推進のための活動を行っているということでした。
 冒頭で述べたように、日本の農業政策は課題解決には至らないまま続いてきました。みどりの食料システム法関係では、地方公共団体の責務として、基本理念にのっとって、環境と調和の取れた食料システムの確立に関し、国との適切な役割を踏まえて、その地方公共団体の区域の自然的経済的社会的諸条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有するとされています。
 世界の中の日本の状況はというと、例えば、質と安全性に関しては30位、これは評価の内容としては、平均的な食事の多様性と栄養価及び食品の安全性などについてです。そして、もう一方でサステーナビリティーと適応という部分では20位です。評価内容としては、気候変動の影響や天然資源リスクに対する感受性、国としての適応などとして評価されています。こういったように30位や20位と、先進国とは言えない状態です。
 また、カロリーベースで世界各国の食料自給率を比較すると、世界一のカナダが2018年度で233%ですが、日本の食料自給率は、1960年度の79%から減り続けて、2022年度では38%にまで減っています。日本はほかの先進国と比べても、非常に低い水準です。自給率は言うまでもなく、農地面積と農業従事者の状況が関係してきます。農林水産省によると、2022年の国内の農業人口は、過去20年間で半数近く減少している状態です。
 農家の方々の農じまいせざるを得ない悲痛な状況があり、その中で、農の危機は食の危機、命の危機につながっていく。日本の食と農業を守ろうと、安全でおいしい農作物を作り続けられるよう、厳しい農業経営を持続可能にするために、島根県の農家がトラクターで町内を走ったことがきっかけで、農の再建のためにトラクターデモなど百姓一揆が全国各地で起こりました。私も、農と食を守るため、次世代につなぐために農業政策の見直しが必要と、農に携わる方や市民、県民とともに声を上げました。
 安全な作物を作る農地が多いことは、先ほど述べた質と安全性、サステーナビリティーと適応の評価内容にもあるように、環境、生態系維持や食の貧困問題の解決にもつながると考えます。
 そこで、農地利用最適化推進委員の設置が条例に定められて以降の農地面積の推移についてお答えください。
 農業従事者の推移、2010年以降から伺います。
 次に、農業従事者の平均年齢、過去5年間をお伺いします。
 また、新規就農者数の推移の過去5年間と年齢に関する状況について伺います。
 農地利用最適化推進委員の役割から耕作放棄地の実態が分かるのか、お尋ねをいたします。
 そして、現在の福岡市農林業総合計画にどのように生かされているのかお伺いし、2問目を終わります。
 
○副議長(松野 隆) 村上こども未来局理事。
○こども未来局理事(村上洋子) 一般会計補正予算案のうち、こども育成費に係る御質問にお答えいたします。
 福岡市医療的ケア児在宅レスパイト事業は、これまで年間48時間を上限に、自宅等での訪問看護を利用する際の費用を助成しており、令和5年度の決算額は1,899万7,000円でございます。
 次に、本事業の利用人数は、令和4年度96人、5年度130人、6年度157人でございます。
 次に、本事業の利用者からの声といたしましては、上限時間が48時間では足りない、何かあったときのために利用を控えてしまうといった声がございます。
 次に、今回の拡充内容については、24時間人工呼吸器を使用する医療的ケア児の家族が、医療保険による訪問看護を含めて、週に1回は8時間のまとまった休息が取れるよう、年間の利用時間の上限を338時間に試行的に拡充するものでございます。
 次に、課題については、上限時間を拡充するに当たり、訪問看護事業所の供給体制を整えていく必要があると認識しております。
 最後に、相談支援体制の強化については、医療的ケア児とその家族が安心して地域での生活を送ることができるよう、相談支援を行う職員1名を新たに配置し、伴走的な支援体制の構築を進めるものでございます。なお、配置する職員の要件としては、医療的ケア児等コーディネーター養成研修の修了者を想定しております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 障がい福祉費についての御質問にお答えいたします。
 福岡市訪問型在宅レスパイト事業の支援内容につきましては、年間48時間を上限に自宅等への訪問看護サービスの利用を助成するもので、令和5年度決算額は125万2,000円となっております。
 次に、利用人数につきましては、4年度が8人、5年度が11人、6年度が11人となっております。
 次に、利用者の声につきましては、こども未来局と同様に、上限時間が48時間では足りない、何かあったときのために使い控えてしまうといったものがございます。
 次に、拡充の具体的内容につきましては、医療保険を含めて週1回8時間の休息を取れるよう、年間338時間に拡充するものでございます。
 次に、事業の課題につきましては、上限時間の拡大に当たり、訪問看護事業所の供給体制を整えていく必要があること、また、現在、障がい者を対象とする本事業については国の補助がないことでございます。
 次に、強度行動障がいの相談員につきましては、強度行動障がいの直接支援の経験がある者や強度行動障がい支援者養成研修を修了した者を想定しております。
 次に、相談支援体制につきましては、関係機関と連携し体制の充実を図るとともに、各種の研修等を通して相談員の人材育成を行ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 農業委員会の定数条例についての御質問にお答えいたします。
 まず、条例に定められました定数の基準となる農地面積の推移につきましては、任期である3年ごとに農業委員会が実施した調査によりますと、都市部を中心とした農地の転用などにより、平成28年3月末が2,622ヘクタール、31年3月末が2,460ヘクタール、令和4年3月末が2,368ヘクタール、直近の7年3月末が2,273ヘクタールとなっております。
 次に、平成22年以降の農業従事者数の推移についてでございますが、国の農林業センサスによりますと、5年置きに、平成22年が4,563人、27年が3,543人、直近の令和2年が2,580人となっております。
 次に、過去5年間の農業従事者の平均年齢につきましては、JA福岡市の組合員実態調査によりますと、農家の経営主の平均年齢は、令和2年度が72.6歳、3年度が72.9歳、4年度が73.3歳、5年度が73.7歳、直近の6年度が前年度と同じ73.7歳となっております。
 次に、過去5年間の福岡市内における新規就農者数の推移につきましては、令和2年度が28人、3年度が19人、4年度が17人、5年度が25人、6年度が29人となっております。また、その年齢に関する状況につきましては、国の制度で青年に該当する45歳未満の人数で申し上げますと、令和2年度が15人、3年度が8人、4年度から6年度がそれぞれ11人となっており、比較的若い世代も就農しております。
 次に、推進委員の役割と耕作放棄地の実態把握についてでございますが、農業委員会は、農地法に基づき、毎年、市内の耕作放棄地の発生状況を調査することとされており、推進委員が現地調査を行い、実態を把握しております。
 最後に、推進委員の役割と農林業総合計画の推進についてでございますが、推進委員は現場活動を主な役割としていることから、農林業総合計画に基づき、活用されていない農地を借りたい人と所有者とのマッチングを推進する上で重要な役割を担っております。また、計画において、耕作放棄地面積を令和8年までに325ヘクタールまで減少させる目標を掲げておりますが、直近の令和5年で321ヘクタールとなっており、推進委員の活動が目標の達成に寄与しているものと考えております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 3問目に入ります。まず、議案第118号の予算、こども育成費と障がい福祉費についてです。
 それぞれ今回、市の予算を上げて相談支援体制の強化を図り、提供時間の拡充を試行されますが、対象となる方が増えてきていることもあり、決してこれは十分ではなく、課題があることも述べられました。本当にこの専門的な技術というか、寄り添うためにも必要なものがまだまだあると思います。
 そして、さきにも述べましたが、私が相談を受けた方で強度行動障がいの息子さんをお持ちの方がいらっしゃいます。その方はそのお子さんの体が大きくなるにつれて、親だけではとても見ていることができない状態で、中学生ぐらいのときも、短期に日中預けられるところも、ステイができるところもない状態でずっと御苦労をされてきました。そのお子さんも40歳になられます。福岡市内の施設では受け入れられるところがない状態なのです。以前にもか〜むの質問をしましたが、そこでもまだまだ足りていない状態です。一時期は、着ているものをはさみで全部切ってしまわれるため、リサイクルのお店で洋服を買い、遠い施設まで毎週毎週届け、様子を見られていました。一度入れた施設も、施設自体の継続問題が起こったり、環境が合わなくなったり、人が合わなくなったり、そして、親は年とともに、御自身や家族の障がいなどもまた増えたり、今後の暮らしについて不安ばかりが募る状況です。ほかの家庭でも、家族に障がい者が3人いらっしゃる方もあって、毎日の一瞬一瞬を生き抜くだけでも困難極まりない状況にあった方もいらっしゃいます。数字に見えない市民の暮らしがあります。社会問題と捉え、早急な対策が必要と考えます。
 この質問の最後になりますが、このような社会状況についての所感と今年度の事業で獲得されんとすることについてお伺いし、そして、さらに人材育成強化と国へ強く予算要求していく必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。
 そして、次に議案第123号、農業委員会に関する条例案についてです。
 耕作放棄地の発生防止、解消などの現場活動が農地利用最適化推進委員の役割であるとのことで、耕作放棄地面積を減らせる目標を達成されているとのことです。しかし、農業委員会の調査による農地面積は、都市部を中心とした農地の転用によって毎回の調査で減少し、農業従事者も5年ごとで1,000人ずつの減少、そして、直近の5年前の2020年では2,580人で、経営主の平均年齢は全国平均よりも高い73.7歳とのことでした。新規就農者数は近年は増加傾向にあるようですが、2桁でしかありません。そして、耕作放棄地面積は減って目標達成と言っても、農地と農業従事者減少にはほとんど追いついていかない状況ということです。
 福岡市農林業振興のための施策、事業実施の総合的な指針となる福岡市農林業総合計画は、2022年度から2026年度、来年度までの5か年となっているので、新たな計画のための見直し検討が今後なされていくことになります。令和の米騒動で食料安全保障の脆弱さがあらわになり、食料自給率の低さ、危機から、消費者と生産者の双方にメリットのある政策の必要性があると考えます。今回、重要な役割を担う農地利用最適化推進委員が、農地面積の減少に伴い、定数を改める条例にのっとって1人削減となります。この窮地とも言える状況の中で、地方農政の充実と国の農業政策のいま一度の見直しの必要があると考えますが、農政に対する御所見を伺い、私の質疑を終わります。
 
○副議長(松野 隆) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 障がい児・者への支援について、福祉局にて一括してお答えさせていただきます。
 医療的ケアが必要な障がい児・者や強度行動障がいのある方の御家族は介護の負担が重く、その軽減は大きな課題であると認識しており、できるだけ早急に支援を行う必要があることから、今回の在宅レスパイト及び相談支援の拡充を行うとともに、引き続き支援を行う者の人材育成に取り組んでまいります。また、今般、医療的ケア児・者及び家族への支援の充実に関する財政的支援について国へ要望を行ったところでございますが、引き続き医療的ケア及び強度行動障がいのある方の支援の充実について、様々な機会を捉え要望してまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 農業委員会の定数条例についての御質問にお答えいたします。
 福岡市では持続可能な農業を未来へ引き継ぐために、農業機械や園芸ハウスなどの生産基盤の維持、整備や農業経営の安定化、担い手の確保などに取り組むとともに、農業従事者が減少しても農業生産が維持されるよう、スマート農業の推進など生産性向上の取組を進めております。一方で、福岡市におきましては、都市部を中心に土地利用のニーズが特に高いことや、耕作放棄地となった山間部の農地の一部が山林、原野化していることなどから、農地の農業以外への土地利用転換が一定程度生じております。こうした状況におきましても、生産基盤である農地を保全していくため、今後とも、農業委員会と連携し、農地所有者と意欲ある担い手のマッチングに取り組むとともに、新たに企業、団体等による活用や市民参加などの取組を進めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 以上で質疑を終結いたします。
 ただいま議題となっております議案23件は、お手元に配付の議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
 以上で本日の日程は終了いたしました。
 次の会議は明11日午前10時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後1時42分 散会