令和7年2月17日(月)
令和7年 第1回 福岡市議会定例会
議 事 日 程 (第1号)
2月17日 午前10時開議
第1 会期決定の件
第2 議案第1号 令和6年度福岡市一般会計補正予算案(第5号)
第3 議案第2号 令和6年度福岡市国民健康保険事業特別会計補正予算案(第2号)
第4 議案第3号 令和6年度福岡市介護保険事業特別会計補正予算案(第2号)
第5 議案第4号 令和6年度福岡市港湾整備事業特別会計補正予算案(第2号)
第6 議案第5号 令和6年度福岡市営渡船事業特別会計補正予算案(第2号)
第7 議案第6号 令和6年度福岡市財産区特別会計補正予算案(第1号)
第8 議案第7号 令和6年度福岡市市債管理特別会計補正予算案(第4号)
第9 議案第8号 令和6年度福岡市モーターボート競走事業会計補正予算案(第2号)
第10 議案第9号 令和6年度福岡市下水道事業会計補正予算案(第2号)
第11 議案第10号 令和6年度福岡市水道事業会計補正予算案(第2号)
第12 議案第11号 令和6年度福岡市高速鉄道事業会計補正予算案(第1号)
第13 議案第12号 令和6年度福岡市企業等成長支援事業特別会計予算案
第14 議案第13号 福岡市企業等成長支援事業特別会計条例案
第15 議案第14号 福岡市企業等成長支援基金条例案
第16 議案第15号 福岡市乳児等通園支援事業の設備及び運営の基準を定める条例案
第17 議案第16号 福岡市立老人いこいの家条例の一部を改正する条例案
第18 議案第17号 福岡市介護保険条例等の一部を改正する条例案
第19 議案第18号 福岡市公園条例の一部を改正する条例案
第20 議案第19号 福岡市公民館条例の一部を改正する条例案
第21 議案第20号 町の区域並びに字の区域及び名称の変更について
第22 議案第21号 住居表示の実施について
第23 議案第22号 令和6年度市営弥永住宅(その1地区)新築工事請負契約の締結について
第24 議案第23号 令和6年度市営弥永住宅(その2地区)新築工事請負契約の締結について
第25 議案第24号 消防救急デジタル無線設備更新工事請負契約の締結について
第26 議案第25号 福岡市博物館収蔵庫棟増築工事請負契約の一部変更について
第27 議案第26号 緑地の管理のかしに基づく損害賠償額の決定について
第28 議案第27号 緑地の管理のかしに基づく損害賠償額の決定について
第29 議案第28号 下水道施設の管理のかしに基づく損害賠償額の決定について
第30 議案第29号 市道路線の認定について
第31 議案第30号 市道路線の変更について
第32 議案第31号 市道路線の廃止について
本日の会議に付した事件
2.日程第2ないし日程第32
出 席 議 員 (61名)
1番 おばた 英 達 2番 もろくま英 文
3番 淀 川 幸二郎 4番 稲 員 稔 夫
5番 鬼 塚 昌 宏 6番 堤 田 寛
7番 大 森 一 馬 8番 大 原 弥寿男
9番 今 林ひであき 10番 阿 部 真之助
11番 打 越 基 安 12番 堤 健太郎
13番 坂 口よしまさ 14番 新 開 ゆうじ
15番 とみながひろゆき 16番 田 原 香代子
17番 たのかしら知行 18番 石 本 優 子
19番 勝 山 信 吾 20番 調 崇 史
21番 川 上 陽 平 22番 津 田 信太郎
23番 古 川 清 文 24番 高 木 勝 利
25番 篠 原 達 也 26番 平 畑 雅 博
27番 伊 藤 嘉 人 28番 川 上 晋 平
29番 尾 花 康 広 30番 松 野 隆
31番 山 口 剛 司 32番 大 石 修 二
33番 和 田あきひこ 34番 あ べ ひでき
35番 大 沢 めぐみ 36番 木 村てつあき
38番 綿 貫 康 代 39番 前 野 真実子
40番 中 島まさひろ 41番 藤 野 哲 司
42番 新 村 まさる 43番 天 野 こ う
44番 堀 内 徹 夫 45番 森 あやこ
46番 福 田 まもる 47番 はしだ 和 義
48番 浜 崎 太 郎 49番 阿 部 正 剛
50番 倉 元 達 朗 51番 中 山 郁 美
52番 川 口 浩 53番 小 竹 り か
54番 勝 見 美 代 55番 井 上 ま い
56番 ついちはら陽子 57番 田 中 たかし
58番 山 田 ゆみこ 59番 近 藤 里 美
60番 落 石 俊 則 61番 田 中しんすけ
62番 池 田 良 子
欠 席 議 員 (1名)
37番 橋 口 えりな
説明のため出席した者
市 長 島 宗一郎 副 市 長 光 山 裕 朗
副 市 長 中 村 英 一 副 市 長 荒 瀬 泰 子
水道事業管理者 下 川 祥 二 交通事業管理者 小野田 勝 則
総 務 企 画 局 長 龍 靖 則 財 政 局 長 山 嶋 剛
市 民 局 長 舟 越 伸 一 こども未来局長 野 中 晶
福 祉 局 長 藤 本 広 一 保 健 医 療 局 長 藤 田 三 貴
環 境 局 長 中 村 卓 也 経済観光文化局長 鈴 木 順 也
農 林 水 産 局 長 姉 川 雄 一 住 宅 都 市 局 長 中 村 健 児
道路下水道局長 天 本 俊 明 港 湾 空 港 局 長 竹 廣 喜一郎
消 防 局 長 田 浩 輝 会 計 管 理 者 小 林 登茂子
教 育 長 石 橋 正 信 教 育 委 員 原 志津子
選挙管理委員会事務局長 中川原 敬 子 人事委員会事務局長 小 川 明 子
監 査 事 務 局 長 上 薗 久 美
職務のため出席した事務局職員
議会事務局長 久 田 章 浩 議会事務局次長 着 一 孝 議 事 課 長 水 ア 亮 二 議 事 係 長 實 政 伸一郎
外関係職員
午前10時 開会
○議長(打越基安) ただいまから令和7年第1回福岡市議会定例会を開会いたします。
これより本日の会議を開きます。
会議録署名議員に阿部真之助議員、小竹りか議員を指名いたします。
日程に入るに先立ち、この際、報告いたします。
まず、市長から別紙報告書類一覧表に記載の書類が提出されましたので、その写しを去る2月10日お手元に送付いたしておきました。
次に、監査委員から監査報告第1号及び第2号が提出されましたので、その写しをお手元に送付いたしておきました。
次に、地方自治法第100条第13項及び会議規則第125条第2項の規定により、お手元に配付いたしております議員派遣報告一覧表のとおり、議長において議員の派遣を決定いたしておきました。
以上で報告を終わります。
これより日程に入ります。
日程第1、会期決定の件を議題といたします。
お諮りいたします。
今期定例会の会期は、本日から3月26日までの38日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(打越基安) 御異議なしと認めます。よって、会期は38日間と決定いたしました。
次に、日程第2ないし日程第32、以上31件を一括して議題といたします。
この際、市長から提案理由の説明を求めます。島市長。
○市長(島宗一郎)登壇 ただいま上程になりました議案31件について、提案の趣旨を説明いたします。
まず、予算案について説明いたします。
今回の予算規模は、一般会計419億5,978万円の追加、特別会計90億4,566万円の追加、企業会計52億4,009万円の追加、合計562億4,554万円の追加となっております。その主な内訳は、経済対策149億3,312万円の追加、基金積立金163億1,808万円の追加、このほか保育士の処遇改善等65億2,472万円の追加などとなっております。
以上の歳入歳出予算のほか、年度内に執行が終わる見込みのない事業について、繰越明許費の補正を496億6,688万円計上いたしております。また、債務負担行為の補正といたしまして、2億7,492万円の追加を行うものであります。
次に、条例案について説明いたします。
企業等成長支援事業特別会計条例案につきましては、企業等成長支援事業の円滑な運営と、その経理の適正を図るため特別会計を設置するものであります。
企業等成長支援基金条例案につきましては、企業等成長支援事業を推進するため、基金を設置し、及び管理するものであります。
乳児等通園支援事業の設備及び運営の基準を定める条例案につきましては、児童福祉法の一部改正に伴い、乳児等通園支援事業の設備及び運営の基準を定めるものであります。
老人いこいの家条例の改正案につきましては、照葉はばたき老人いこいの家を新設するものであります。
介護保険条例等の改正案につきましては、介護保険法施行規則の一部改正に伴い、地域包括支援センターに置くべき常勤の職員の員数の基準を緩和する等の改正を行うものであります。
公園条例の改正案につきましては、須崎公園の駐車場について利用料金制度を導入する等の改正を行うものであります。
公民館条例の改正案につきましては、照葉はばたき公民館を新設するものであります。
次に、一般議案について説明いたします。
まず、東区香椎地区において、町界町名の整理及び住居表示の実施をする議案を提出いたしております。
次に、契約関係といたしまして、令和6年度市営弥永住宅(その1地区)新築工事請負契約、令和6年度市営弥永住宅(その2地区)新築工事請負契約、消防救急デジタル無線設備更新工事請負契約、計3件の契約を締結するための議案。また、以前の議会で議決をいただきました福岡市博物館収蔵庫棟増築工事請負契約について、賃金水準及び物価水準の上昇に伴い、契約価額を変更するための議案を提出いたしております。
そのほかの一般議案といたしまして、緑地及び下水道施設の管理のかしに基づく損害賠償の額を決定するための議案計3件、道路の新設、組替え等に伴い、市道路線の認定、変更及び廃止を行うための議案を提出いたしております。
以上で説明を終わります。よろしく御審議をお願いいたします。
○議長(打越基安) これより質疑に入ります。
発言通告者のうちから順次質疑を許します。調崇史議員。
○20番(調 崇史)登壇 おはようございます。私は自由民主党福岡市議団を代表して、今議会に上程された議案中、福岡市企業等成長支援事業特別会計条例案及び一般会計補正予算案のうち、企業等成長支援基金積立金並びに、これらに関する条例案や競艇事業の企業会計補正予算案につき質疑をいたします。
これらは簡単に申しますと、九州大学の傘下に新たに設立されるファンドに対して、福岡市が出資をすることにつき議会の議決を求めるものであります。今回、議案質疑に立った理由の最たるものは、本件が島市長の市政運営において、これまでで恐らく最も大きな政策転換を行うものと見受けたゆえであります。
もう今から8年も前になりますが、平成29年のちょうど今頃、国が福岡空港の運営を民間委託するに当たり、運営事業者に本市が出資をするか否かをめぐって、福岡市議会は大荒れに荒れておりました。議員提案である運営事業者への出資条例案が、一旦は3分の2の賛成多数で可決、成立をいたしましたが、市長は条例案を再議に付し、僅か1名の賛否の差で出資条例案は廃案となりました。議会が当てにしていた財源ですが、本市は昭和42年設立の福岡空港ビルディングに8億円を出資しておりましたが、国が空港の民間委託を進めるに当たり、福岡空港ビルディングが県、市との資本関係を解消することになったわけですが、空ビルにそれまで市が出資をしていた8億円は、約8倍の64億円になって戻ってくることになっておりました。これを運営事業者への出資に充てるように求めたのが当時の出資条例案であります。
再議の結果、現在、福岡空港の運営を担っている福岡国際空港株式会社、FIACには、福岡県が10%出資しているものの、株主に福岡市の名前はありません。これは大変いびつな状況であると思っております。
私は当時、条例案の起草に関わり、条例案が審議された当初議会では議案質疑の答弁にも立たせていただいたので、そのときの経緯は、はっきりと覚えております。市長並びに理事者の当時の説明は、出資はリスクを伴う、リスクがある出資よりも子育て支援にというものでありました。今回、九州大学傘下のファンドに出資をすることは、明らかにリスクを伴うものであります。また、今回の出資に使われる競艇事業の収益、これは子育て支援にも当然使えるものです。大きな政策転換なのでしょうから、それなりの説明をいただきたいと思いますし、とりわけ空港出資論争の経緯を踏まえれば、市長に真意をお尋ねしなければならないと思います。
これは私個人の見解と断って申し上げたいんですけれども、最も腑に落ちる説明は、市長が8年前に空港運営会社に出資しないとなさった判断は誤りだったというふうに言っていただくことでありますけれども、いずれにしても、空港運営会社にリスクを伴う出資はしないとおっしゃっていたことと、今まさにリスクを伴う出資をなさろうとすることの整合性について説明いただききたいと思います。市長の答弁を求めます。
以下、担当局である経済観光文化局に対して、細かな内容を幾つかの点でお尋ねしてまいります。
まずは、特別会計を新たに設けること、それから出資に充てるお金についてです。今回は、モーターボート競走の収益を管理している競艇事業の企業会計から一般会計に5億7,000万円を繰り出し、同額を一般会計から新たに設ける特別会計、基金に繰り出す提案となっています。
まず確認したいのは、新たな特別会計や基金を設ける必要性についてです。
1回限りの投資を行うのであれば、一般会計から九州大学傘下のファンドへと直接出資をすれば済むというふうに思います。なぜ特別会計や基金をつくる手順を踏む必要があるのか、答弁を求めます。
続いて、本件出資のスキームなど具体的な点についてです。
聞くところでは、九州大学OIPが主体となって設立する有限責任事業組合、以下ファンドと呼びますけれども、これに本市が組合員として出資をするということのようです。ファンドは、九州大学の有望な研究を基に、起業がなされる際に投資をして、そのスタートアップ企業が将来株式を公開するなど、成長した暁には、その利益もファンドに還元をされて、新たな投資に回っていくという循環型の仕組みを想定しているということであります。
本来、本市の行政は営利目的ではありませんので、仮に本市が行う投資が直接的に本市に金銭的なメリットを生まないものだとしても、それは必ずしも問題にはならないと思うわけです。しかしながら、投資にいかなる公共性があるのかという点は絶対に外せない論点だと言えると思います。本件投資にはどのような公共性があるというふうに考えているか、明確な説明を求めます。
以上で1回目を終わり、以降は自席で質問します。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) まず、特別会計と基金をつくる理由についてでございますが、特別会計につきましては、企業等成長支援事業の円滑な運営とその経理の適正を図るため、ファンドへの出資などの支出や、ファンド解散時の残余財産の受入れといった収支について、一般会計と明確に区分して管理することとし、新たに設置するものでございます。また、基金については、企業等成長支援事業に必要な資金を積み立てて、対外的にも収支等をより分かりやすく管理するとともに、ファンドは永続的な運用を想定しておりますことから、2年目以降のモニタリング等の財源を確保し、毎年度継続して支出する必要があるため基金を設置するものでございます。
次に、公共性についてでございますが、九大イノベーションファンドは、民間による資金供給が十分ではない九州大学の研究成果を支援するもので、市が出資することによって民間資金を呼び込み、九大OIPや専門人材による伴走支援が可能となり、成長性の高い研究開発型スタートアップを持続的に創出し、社会課題の解決を図るとともに、新たな産業や雇用の創出につなげるものであることから出資するものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市が団体に出資をする際の基本的な考え方につきましては、出資の対象となる団体の事業の公共性、公益性はもとより、団体の事業が福岡市の政策目的の実現に貢献するものであり、かつ福岡市の関与の必要があるか、また、選択肢が複数ある中で出資という方法に妥当性があるかなどを総合的に勘案して判断を行い、真に必要と認められる場合に出資を行うものでございます。福岡空港につきましては、設置管理者であります国の指導監督の下、その運営が民間企業に委託されたものであり、福岡市が出資せずとも公共性や公益性が維持されるとともに、市が関与できる仕組みが担保されております。九大イノベーションファンドにつきましては、民間による資金供給が十分ではない九大の研究成果を支援するもので、市が出資することによって民間資金を呼び込み、九大OIPや専門人材による伴走支援が可能となって、成長性の高い研究開発型のスタートアップを持続的に創出し、社会課題の解決を図るとともに、新たな産業や雇用の創出につなげるものであることから出資するものであります。以上です。
○議長(打越基安) 調崇史議員。
○20番(調 崇史) 市長から御説明いただきました。九大のファンドについては、なかなか民間資金が集まらないところに出すんだと。空港については、確かに福岡市が出資しなくても、いろんなところが今出して回っているというところに違いがあるという御説明だったと思います。
あのときのいろんな経緯があって、議会の会派構成にも今まだ影響を与えているようなところがあるもんですから、私もぜひこの点は市長の説明を伺いたいと思っていたところでありますけれども、福岡空港の出資に関しては、将来に絶対に禍根を残さないような、これからの空港運営会社との向き合い方というのがやっぱり大事なんだろうということを改めてここで申し上げさせていただきたいというふうに思います。
2回目の質問に入らせていただきますけれども、競艇事業が今回原資になるわけで、お金を出していく元の財布になるわけですが、この競艇事業はコロナ禍を境に、オンラインの投票が盛んになったことなどを受けて、毎年のように予算を上回る収益を上げるようになってまいりました。ファンの裾野が広がったことで、本市は恩恵を受けているわけでありますが、競艇の企業会計の余剰は一般会計に繰り入れられて、広く市民生活の福祉向上に役立てられるのが基本であります。だからこそ、公営競技なんだろうと。
特別会計や基金をつくることで、今後、競艇事業の収益が一般会計を経由するとはいえ、出資目的の基金へと、こういった流れができていくようであれば、公営競技の公益性、公共的な性質、すなわち全ての市民のために運営されているという本質の部分を危うくしかねないんじゃないかということを懸念します。新たな特別会計や基金が継続的に競艇事業の収益の受皿とならないことの確認をしたいと思いますが、この点につき答弁を求めます。
また、公共性という観点について先ほどの局長の答弁で、社会課題の解決、新たな産業や雇用の創出などの政策目的について説明がありました。この際、少し踏み込んで、本市が九州大学と今後どう関わっていくのかということも話題にしたいと思います。
九州大学は知ってのとおり、前身である京都大学医学部の分校の開設から起算すれば、120年を優に超す歴史を誇っております。正式な開設は明治44年、1911年でありますが、この誘致をめぐっては、当時の旧制第五高等学校を擁していた熊本県をはじめ、他県とも激しい誘致合戦がありました。これを制したことが本県、とりわけ立地自治体である本市の九州における今日の優位的な立場を決定づける大きな要因の一つだったことは今さら言うまでもありません。
今日の九州を俯瞰的に見ますと、TSMCの工場進出、欧米資本のAI研究拠点であるデータセンターの開設決定などをはじめ、巨額の投資とともに様々な先端産業が集まってくる、恐らく歴史的な動きが起きております。そして、これら先端産業に関わる人々の視界には、決まって人材供給拠点としての九州大学が入っているだろうということであります。九州大学は現在においても将来においても、本市にとどまらず、九州の成長や発展にとって大きな役割を期待されております。
一方で、事、半導体に限って、国内の人材供給拠点としての大学を見比べたときに、同じ旧帝国大学でも、東北大学の先進性は目をみはるものがあります。例えば、ホームページで私が確認できたクリーンルームの規模を比べても、東北大学は8,500平米、そして、九州大学が約200平米ということで大きく水をあけられているのが現状です。
こうした認識に立って私見を述べますが、本市は九州大学の立地自治体として、半導体をはじめとする先端産業を担う人材供給拠点としての九大の地位を高からしめる努力ないしは後押しをする必要があり、そのための出資でなければ、公共性を語ることは難しいというふうに考えるわけであります。さらに言えば、こうした人材供給拠点としての九大の研究や教育が本市で行われるということを本市のさらなる成長や発展につなげ、広く市民に還元していく視点がなければ、当市は公共性に欠けるということであります。
お尋ねしますが、本件出資が様々な先端産業から国際的な注目を集める要因の一つであるところの九大、とりわけその人材供給拠点としての役割を高めるために役立てられるものであるか否かについて明確な答弁を求めます。また、人材供給拠点が本市に立地することの優位性を本市はどう生かすのか、より具体的には、先端産業が福岡市に立地し、新たな税収や雇用などが生まれることに本件出資をどうつなげていくつもりなのか、説明を求めたいと思います。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) まず、ボートレース事業の収益金につきましては、これまでも小中学校の整備や介護施設の充実などに必要な財源として活用されてきたところでございます。今回、企業等成長支援事業の財源として予算をお願いしておりますが、本事業は今回お願いしております補正予算案の範囲内で実施することを想定しておりまして、追加の出資の予定もございませんし、新たなファンドの組成や出資の予定もございません。
次に、出資と人材供給についてでございますが、九州大学は半導体や健康、医療、環境、脱炭素、農水産など、強みを有する分野をはじめ、各分野に豊富な人材を有しており、ファンドによる研究成果の事業化支援によって、半導体を含む研究成果の社会実装を担う人材の育成に寄与し、その高度な人材の集積を半導体の設計分野など、研究開発機能を中心とした企業の集積につなげることで、税収の増加や雇用の創出を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 調崇史議員。
○20番(調 崇史) そもそも、これはスタートアップに関係するような基金というか、出資だろうと思うんですけれども、本市はスタートアップの支援について、いわゆる企業の資本に当たる資金というのはこれまで出してこなかったというふうに思います。大名小学校跡地のGrowth Nextなど、こういったものを通じて側面支援とか、要はスタートアップの流れというのをつくることに努力をしてきた。ある意味、この抑制的な姿勢なんですけれども、本市議会でも多数会派の理解や支持を得てきたものだというふうに思っています。
今回の特別会計、基金といった環境整備なんですが、本件出資にとどまらずに、本市がこれから民間等への出資を繰り返し行っていく足場固めのように映らなくもありません。だから、あえて言うんですけれども、事業者を育てるための投資は、民間の営利活動の中で民間同士で行われるべきものであり、基本的には行政が関知すべきものではないというふうに思います。
新たな特別会計や基金の目的は、今回議案になっている九大傘下のファンドへの出資を実行することに限るべきだと考えますが、答弁を求めます。
次に、公共性という視点での問いです。
先ほどの質問で私は九大に対する後押しをして、立地自治体としての優位性をしっかり生かすことを求めたのに対して、局長から半導体の設計分野など、研究開発機能を中心とした企業の集積につなげるということへの言及がありました。半導体の設計分野の企業誘致は、まさに本市が今、貪欲な姿勢をもって取り組むべきものであり、ファンドがこうした本市特有の事情にとって役に立つのかどうかという点は、私は極めて重要になるというふうに思っています。
半導体製造の話ですけれども、原料素材から製品を作る前工程と、それから組立てとか、あるいは製品検査などの後工程に分かれますけれども、これらの工程よりも前の段階、設計など、いわゆる工場を必要としない事業者が、ファブリケーションファシリティーが要らないということで、ファブレスと呼ばれています。特に台湾資本のこれらの事業者は今、TSMC工場の稼働開始をはじめ、九州での様々な需要の高まりを見込んで進出を検討しているということを聞いています。去る11日には九経連などがつくる九州地域戦略会議の台湾訪問団が台湾経済部と会談をし、福岡市内に台湾貿易投資センターが設置されることが表明されました。これは民間外交の大きな成果であり、大変歓迎すべきだと思います。この機会を逃してはならないと思うわけです。本市には工場を建てるために十分な広さのある空き地が見当たらないわけですが、元来このファブレス企業は工場の近くに事業所を置く必要もないし、むしろ都心での労働と親和性の高い分野であると言われるので、九州のどの都市を差し置いても本市が選ばれる可能性が高いというふうに考えます。
現在開会中の福岡県の2月議会では、県が本件と同じ九州大学傘下のファンドに5億円を出資する議案が上程されていると聞いています。これがもし共に出資をするということになれば、県が5億円、市が5億円ということになるわけですが、県の立場というのは、いつも広域行政ということをおっしゃいます。この観点ですので、必ずしも本市と利害関係が一致するとは限らない部分があります。本市として県内他都市との競争、こういったものがあるだろうし、競り負けてはいけないというふうになる場面も出てくるだろうと思います。
折しも本市の都心では、天神ビッグバンをきっかけとした再開発が進んでいまして、セキュリティーや耐震性に優れたスペックの高いオフィスフロアが多く供給されています。その一方で、オフィスの空室率もやや高い水準で推移をしております。値崩れの防止とか、玉突き状態で空床が生まれること、いわゆる二次空床を防止することなど、いろんなことを考え合わせると、資本力のある企業を国外から呼び込む努力が今極めて重要だと思います。
今まさに進出をしようとするファブレスについては、天神ビッグバンで生じたオフィス空間を念頭に、本市の都心部への誘致に積極的に取り組む必要があるし、今回出資をするということであれば、こうした新たな企業立地について、九大と連携協力が図られることを、これはしっかり担保していただく必要があると思いますが、明確な答弁を求めて質疑を終わります。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) まず、今回お願いしております特別会計や基金につきましては、九大イノベーションチャレンジファンドへの出資を行うためのものでございます。
次に、九大との連携協力については、九州において半導体産業が盛り上がりを見せる中、福岡市においても、天神や博多など都心部を中心に関連企業の進出の動きが出てきておりまして、高付加価値なビジネスの集積を図るため、この機を逃さないよう誘致を推進していくことが重要であると考えております。今回お願いしておりますファンドへの出資がファブレスを含む成長性のある分野の企業進出等につながるよう、九州大学との連携を図っていくことで国内外の人材が活躍できる場を創出してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫)登壇 私は、日本共産党市議団を代表して、議案第1号、令和6年度福岡市一般会計補正予算案(第5号)、議案第12号、令和6年度福岡市企業等成長支援事業特別会計予算案、議案第13号、福岡市企業等成長支援事業特別会計条例案、議案第14号、福岡市企業等成長支援基金条例案、議案第15号、福岡市乳幼児等通園支援事業の設備及び運営の基準を定める条例案に関して質疑を行います。
質問の第1は、議案第1号、12号ないし14号の福岡市企業等成長支援事業についてです。これらの議案は、九州大学が全額出資する子会社、九大OIP株式会社などが設立した九大イノベーションチャレンジファンドに本市が5億円を出資するために、特別会計と支援基金を新たにつくるものです。九大ファンドには、本市5億円のほか、福岡県5億円、九大5億円と、その他金融機関等から合計25億円以上の規模で出資や寄附が想定され、運用されます。福岡市が九大ファンドへ出資し、支援する目的については、新たな産業や雇用の創出としていますが、この問題点についてただしてまいります。
質問の1点目は、本市が公金5億円の出資をすることについてです。
九大は国立大学法人であり、本来支援しなければならないのは国です。しかし、自民党政治の下で大学に配分する国立大学法人運営費交付金が、2004年からの20年間で1,631億円も削減されました。さらに、研究予算の選択と集中により、政府の意を酌む、すなわち稼げる大学に研究を手厚く支援しようと動きが大きくなり、学問の自由や、大学の自治が壊されてきました。
そこでお尋ねいたしますが、本市が九大に公金を出して支援するのではなく、本来は国が支援するべきものだと思いますが、答弁を求めます。
本市は、半導体関連企業等の集積を図ろうとし、九大は半導体関連企業との連携を強化しようとしており、そういう中で今回の支援が打ち出されています。今、国は、2030年度までに10兆円の公的資金を半導体分野に投入する計画を示すなど、成長分野として育てようとしていますが、その評価については賛否両論があります。本市がこうした流れに乗って、半導体関連企業等を想定した出資を行うことは、特定の企業等に利益をもたらすものになり、公金の運用として問題です。
そこでお尋ねいたしますが、九大ファンドに本市が5億円も出資することは、半導体産業などの特定産業分野への支援を想定しており、このような税金投入は、いびつな支援だと思いますが、答弁を求めます。
2点目は、九大ファンドの運用内容についてです。
福岡市は出資することによって、有限責任事業組合に属することになります。そこで、事業選定に関して出資する本市は、どのように関与できるのか、答弁を求めます。あわせて、今回の出資が市民生活にどのように還元されるのか、答弁を求めます。
質問の第2は、議案第1号、令和6年度福岡市一般会計補正予算案(第5号)中、物価高騰対策、重点支援地方交付金活用事業についてです。
1点目は、政府の物価高騰の対策の規模とメニューについてです。
政府は、エネルギー、食料品価格などの物価高騰の影響を受けた生活者と事業者への支援事業として、昨年秋の新しい国会で、物価高騰対策の補正予算が可決されました。それを受けて、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金1兆1,000億円が都道府県と市町村に給付されました。これには低所得世帯支援枠として住民税非課税世帯当たり3万円が給付される5,000億円の枠組みと、地方自治体が地域の実情に合わせて必要な支援を細やかに実施できる推奨事業メニュー6,000億円とがあります。
そこでお尋ねいたしますが、推奨事業メニュー6,000億円のうち、本市に来たのは26億円ですが、これで今の市民生活への支援としてふさわしい規模だと考えているのか、答弁を求めます。
2点目は、燃料費等高騰の影響を受けた事業者支援についてです。
本事業は、市民や中小企業者を対象として、電気、ガス、燃油などの価格高騰分の補?として、令和6年8月から10月と令和7年1月から3月の6か月分のみを支援するものです。しかし、以前から我が党が指摘してきたように、物価高騰の大きな影響を受けている資材や食材については、支援の対象となっておりません。今回この問題について、何も改善されないまま提案されていることは看過できません。
そこでお尋ねいたしますが、以前にも増して市内中小企業者には厳しい経営状況が広がっている中で、支援対象がこれまでどおりの電気、ガス、燃油などだけに限定されているのはおかしいのではないかと思いますが、答弁を求めます。
また、申請の手続の煩雑さに比べ、影響額の2分の1の支援では、支援金額が少な過ぎるという指摘も申請者から多数出ていました。そのために申請を諦めるという人も少なくありません。
そこでお尋ねいたしますが、今回も従前と変わらない影響額の2分の1という支援金額では、今の物価高騰による負担増に見合っていないのではないかと思いますが、御所見をお伺いいたします。
3点目は、介護、障がい者施設等への電気代、食費支援についてです。
この制度は、電気代、食費高騰の影響を受けた市内介護施設、障がい者施設等に対して、価格高騰相当分の電気代及び食費代に限って支援を行うとされているものです。南区のある障がい者支援施設は、電気代が3年前と比べて月額20万円多くかかっていると言われています。しかし、この施設がもらえる支援金を試算すると12万6,000円にすぎず、これは1か月の電気代高騰による負担増分にも届きません。
そこでお尋ねいたしますが、今回の支援額の計算根拠について答弁を求めます。また、物価高騰で施設運営が大変な中、今回の支援額では足りないと思いますが、答弁を求めます。
4点目は、保育所等への電気代支援についてです。
この制度は、電気代高騰の影響を受けた市内保育所等に対して、電気代の価格高騰相当分に限って支援するものであります。南区のある保育所で毎月の電気代について調べてもらったところ、3年前には月13万円ぐらいであったのが、最近は約20万円になっており、実に7割近い負担増となっています。しかし、この保育所への今回の支援額を試算すると、僅か約10万円で、これは2か月分の高騰分もありません。さらに、物価高騰は食材費にも及んでおり、施設運営は火の車だと言われています。
そこでお尋ねいたしますが、今回の支援額の計算根拠について答弁を求めます。また、この支援額では足りないと思いますが、答弁を求めます。
5点目は、庁舎建設等資金積立金についてです。
今回の補正予算の中で、庁舎建設等資金積立金の追加80億円が計上されております。この積立金は、学校施設、市営住宅などの市有施設の老朽化に伴って、維持管理する財源として積み立てるものだとされています。物価高騰で市民が暮らしに困窮して支援を求める中で、80億円もの積立てをこのタイミングで行うのかということが問われます。
そこでお尋ねいたしますが、庁舎建設等資金積立金の当初予算は幾らだったのか。また、今回補正で80億円を計上する理由と、その財源について答弁を求めます。
質問の第3は、議案第15号、福岡市乳幼児等通園支援事業の設備及び運営の基準を定める条例案についてです。これはいわゆるこども誰でも通園制度について、設備や運営の基準を条例で定めるものです。
こども誰でも通園制度は、国が2026年度からの本格実施に向けて、試行的事業として既に実施しているものであり、就労要件を問わずに保育施設等を利用できる制度です。しかし、保育士や関係団体からは誰でも通園制度への不安の声が上がっています。
まず、この制度によって預けられる3歳未満の子どもは、一番の安全地帯である自分の親と一時的にも離れなければならなくなります。さらに、その離れた先で、週に1回会うか会わないかの大人たちや、同じ年齢の子どもたちの中での生活を余儀なくされます。
そこでお尋ねいたしますが、試行的事業で預けられる子どもにとっては大きなストレスとなるとなるなど、悪い影響が出ているのではありませんか、答弁を求めます。
また、条例案に定めてある余裕活用型乳幼児等通園支援は、いわゆる定員割れをしている保育所に、子どもを一時的に預かりしてもらうという制度です。この制度により、既存の子ども集団クラスは、日替わりで誰でも通園の子どもと生活することになります。試行的事業では、クラスが落ち着かず、かみつきやおもちゃの取扱いなどに変化はなかったのでしょうか。
お尋ねいたしますが、毎日通園しているクラスの子どもたちに負担を与えることはなかったのか、答弁を求めます。
さらに、保育所職員への影響はどうでしょうか。保育所では、保育士の給与が少な過ぎる問題、実態と合わない配置基準が保育士の多忙を生んでいる問題、それらが絡み合って、慢性的な人手不足であることなどの問題が山積しているわけです。このような問題を解決することなく、この預かり事業を拡大したことによって、保育所職員に大きな負担増となったのではないかと思いますが、答弁を求めます。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 企業等成長支援事業についての御質問にお答えいたします。
まず、国が支援すべきとのおただしでございますが、九大イノベーションファンドにつきましては、九州大学から福岡市に対して出資の要請があったものでございまして、市が出資することによって民間資金を呼び込み、九大OIPや専門人材による伴走支援が可能となり、成長性の高い研究開発型スタートアップを持続的に創出し、社会課題の解決を図るとともに、新たな産業や雇用の創出につなげるものであることから出資するものでございます。
次に、支援の在り方につきましては、民間による資金供給が十分ではない九州大学の研究成果を支援するものでございまして、特定の産業に限定した支援を想定しているものではございません。
次に、支援対象の選定につきましては、大学の研究成果や事業化支援、知的財産、特許等に関して高度な専門性を有する九大OIPに加え、ビジネスにも知見を有する外部の有識者において候補を選定の上、福岡市を含む全ての組合員の同意により決定することとなります。また、市が出資することによって民間資金を呼び込み、九大OIPや専門人材による伴走支援が可能となり、成長性の高い研究開発型スタートアップを持続的に創出し、社会課題の解決を図るとともに、新たな産業や雇用の創出につなげるものでございます。
次に、中小企業等への燃料費等支援についての御質問にお答えいたします。
まず、支援の対象につきましては、燃料費等の高騰による影響が様々な業種において生じておりますことから、多くの事業者に共通する経費である燃料費及び光熱費について支援するものでございます。
最後に、支援額につきましては、本来上昇したコストは価格に転嫁し、賃金の上昇につなげることが肝要であることなどを踏まえ、価格高騰による影響額の2分の1とするものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 物価高騰対策に関する質問にお答えいたします。
国から示された物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金の交付限度額につきましては、各自治体における人口や物価上昇率、財政力等を基礎として算定されたものでございまして、物価高騰の影響を受けた生活者や事業者に対し、地方公共団体が地域の実情に合わせて必要な支援を実施できるよう交付されております。
次に、庁舎建設等資金積立金の令和6年度当初予算の額は、利子収入積立金として1億8,900万円余を計上いたしております。次に、今回の追加補正の理由についてですが、同積立金は、条例の規定に基づき、公共施設の建設、増築、改築、改修、設備更新等に充てる経費として積立てを行うこととしております。令和3年6月に策定したアセットマネジメント推進プランにおいて、公共施設の建て替えや改修などに要する費用は、今後30年間で約2兆4,600億円と試算しており、これはプランを策定した令和3年度の関連予算の30年分と比べ、約5,600億円上回ることなどを踏まえまして、持続可能な財政運営の観点から一般財源の状況等を踏まえて、80億円を積み立てることとしたものでございます。また、同積立金の財源は、市税をはじめとした一般財源でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 介護、障がい者施設等への物価高騰対策についての御質問にお答えいたします。
支援金の単価については県と同じとしており、県の単価につきましては、複数の施設、事業所の電気料金及び食材料費の実績に令和5年度からの物価上昇率を反映させて設定したと聞いております。物価上昇率は、高圧電気料金が8.8%、低圧電気料金が11.4%、食材料費が15.0%と設定されております。次に、支援額についてのお尋ねですが、国から福岡市分として交付される重点支援地方交付金を活用し、必要な給付を行うものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 保育所等への物価高騰対策支援についてお答えいたします。
今回実施予定の支援は、福岡県の補助制度を活用するものであり、その単価については、県において複数の施設の電気料金の実績に、令和5年度からの物価上昇率を反映させて設定したと聞いております。物価上昇率は、高圧電気料金が8.8%、低圧電気料金が11.4%と設定されております。また、今回の支援額につきましては、物価高騰の影響を受けた事業者の負担軽減のために、国から交付される臨時交付金や県の補助制度を活用し、福岡県の補助要件に合わせて適切な支援を行うものでございます。
次に、乳児等通園支援事業についてお答えいたします。
子どもへの影響につきましては、毎週定期的に預かることにより、保育士による関わりや集団生活の体験が得られ、子どもの成長促進、食生活の改善といった効果が見られております。また、保護者が保育施設での子どもの様子を見聞きすることにより、家庭での育児の参考となったり、育児について保育士に相談できるようになったことで、孤立感や不安感の解消にもつながり、保護者の負担軽減が子どもにもよい影響を与えることにもつながっております。
次に、在園児の影響につきましては、事業開始直後は新たな子どもが入所したことによる戸惑いなども見られましたが、次第に落ち着いて過ごすようになったとお聞きしております。
最後に、保育所や職員にとっての負担につきましては、事業に従事している保育士からは、預かり直後は子どもが泣くので大変だといった声もございましたけれども、子どもも次第に環境に順応することで、負担も軽くなったとお聞きしております。また、子どもの成長に触れ、地域の子育て支援に関わっている実感があるとの声もお聞きしており、本事業の実施が保育士の仕事のやりがいにつながっているものと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) まず、九大ファンドについてです。
大学への支援の在り方をお聞きいたしましたけど、産業や雇用の創出につながるかのように強弁されました。しかし、もうかればいいというのは大学の在り方じゃありません。また、市内にはたくさんの大学や高等教育機関がある中で、なぜ九大だけなんですか。さらには、私が確認したところ、ある九大の先生は文系は蚊帳の外で問題だと九大ファンドのことを指摘されていましたよ。
そこでお尋ねいたしますが、今回の大学支援のやり方は不平等であり、自治体が支援する在り方としてはおかしいのではないかと思いますが、答弁を求めます。
また、半導体産業などの特定産業分野への税金投入は、いびつな支援ではないかとお聞きいたしましたが、これも民間資金を呼び込むなどと答弁をされました。雇用の創出も不安定であり、事業の先行きも不安視する声は出ています。そういうものに公金を出していいのかが問われてるんですよ。
今、国は半導体分野の支援に躍起になっており、ラピダスやTSMCなどにそれぞれ1兆円を超える補助金を出すと報じられています。この特定の関連企業等への公金の出資とは、まさにいびつです。
お尋ねいたしますが、半導体に特化する国の流れに乗っかって、失敗するかもしれない危険な事業に巨額の公金を支出するのは問題だと思いますが、答弁を求めます。
そもそも本市は、スタートアップに力を入れて、重点政策で取り組んできましたが、雇用や税収の成果が不明瞭であり、地域経済への影響は分からないのが現状です。
そこでお尋ねいたしますが、そういうスタートアップ事業に九大の研究を味方につけて正当化しようとしているのが実態ではないかと思いますが、御所見をお伺いいたします。
また、本市の出資によって関与できるかと尋ねたところ、市の意見は反映されるようなことを言われました。しかし、事業選定の内容にどう関わるかなど、ガイドラインも公文書も現瞬間は全くありません。例えば、本市の出資金が特定の大企業や戦争のための研究に使われる可能性だって否定できません。さらに、市民への還元については、全く具体性のない答弁でした。結局、九大ファンドの支援の内容に関与もできず、5億円を出しても市民生活には還元されない。こんな公金の支出の仕方がありますか。
そこでお尋ねいたしますが、本市の5億円の拠出は余りにも無責任だと思いますが、答弁を求めます。
次に、物価高騰対策についてです。
まず、中小企業等への光熱費等支援についてです。
補正予算での中小企業者への支援対象が限定されているのはおかしいのではないかとお聞きいたしましたが、適切との答弁をされました。冷たいですね。南区のある工務店さんは、住宅リフォームを手がけられていますが、物価高騰でキッチンユニットやユニットバスが2割から3割値上がりしたそうです。契約から完成まで数か月かかることもあり、資材価格が短期間で急上昇したので、最初に決めた価格では予算も合わなくなり、赤が出た部分もあると言われています。しかし、今回の支援では、電気、ガス、燃油などだけで、多くの中小企業者が求めている資材や食材への支援がありません。
そこでお尋ねいたしますが、資材や食材を含めた支援に支援対象の範囲を広げるべきではありませんか、答弁を求めます。
また、影響額の2分の1の支援金額では少ないのではないかとお聞きいたしましたが、ここでも適切かのような冷たい答弁をされました。前回の支援金でガソリン代を申請された方は5,000円しか出ませんでしたと言われています。仕事を休んで経理をしてまでする意味がないと言われているんですよ。
そこでお尋ねいたしますが、支援内容を影響額の2分の1などとせず、その割合を引き上げるべきだと思いますが、答弁を求めます。
次に、介護、障がい者施設等への電気代、食費支援についてです。
電気代の支援額の根拠を聞きましたが、県に準じたということですね。私が調べたところ、県の算定の起点は昨年3月とされているんですよ。福岡市消費者物価指数を見ると、物価上昇が始まる2021年の平均と比べて、この時点で、昨年の3月時点で既に7%も上昇しているんです。これと昨年の夏との差で算定を出していますから、あなた方は、たった1%の物価上昇分しか算定をしていないんですよ。比較するのであれば、物価上昇が始まる2021年平均と比べるべきであり、このような県の算定方法を使っているのでは、実態に合った支援とはなりません。また、この支援額では足りないとただしましたが、全く不足しているという認識もない答弁でした。現場からは1か月分の電気代高騰による負担増分にもならない支援では全然足りない、そういう声があふれているんですよ。
したがって、介護、障がい者施設への電気代の支援については、抜本的に支援金額を見直すべきだと思いますが、答弁を求めます。
さらに、介護や障がい者施設の現場からは、今回の電気代、食費の支援では全然足りないし、施設利用者の送迎などに欠かせない支出であるガソリン代の高騰への支援がないことへの声も上がっています。
お尋ねいたしますが、介護、障がい者施設への支援について、その対象範囲を電気代、食費に限定せず、ガソリン代を含めたものにするべきだと思いますが、答弁を求めます。
次に、保育所等への電気代の支援についてです。
電気代の支援額の単位の根拠について、こども未来局の計算も福祉局同様に物価高騰対策とはいえないいいかげんなものであることが分かりました。本来、本市の保育所が物価高騰で何がどのくらい負担増になっているかの実態を調べて、その分への支援をするべきです。県の数字では、どこのどういう形状の保育所のデータかも分からないものであり、それを本市との関連性などを全く吟味することもなく、県の単価の数字だけを使って電気代の支援額を決めたというあまりにも無責任な対応です。さらに、この支援金では足りないのではないかとただしたのに対し、否定されました。全く足りませんよ。あなた方、実態、全然見ていないでしょう。子どものいる施設では、暖房は火は使えず、どうしても電気に頼らざるを得ません。また、子どもの健康管理の上でも、どうしても空調、換気設備をフル回転させなければならない。その電気代への支援が1か月の負担増を少し上回るだけでは、物価高騰の影響を受けているのは、ほかにも食材費などの支出もあるわけですから、保育所の運営は財政的にも大きな困難に今、直面してるんです。
そこでお尋ねいたしますが、保育所の電気代支援は抜本的に増やすべきだと思いますが、答弁を求めます。
次に、政府の物価対策の規模とメニューについてです。
26億円について、実情に合わせてやっていくんだというふうに言われましたが、実際にはそうじゃないことは今までの議論の中でもはっきりしました。るるただしてきたように全く足りません。これで適正な対策になっていると開き直るなど許されません。帝国データバンクによると、2024年の企業倒産件数は3年連続増で1万件に迫っており、物価高倒産が過去最多を大きく更新したと報じられています。全国で中小企業者、福祉施設等の施設運営者が塗炭の苦しみに今直面しているんです。
したがって、そもそも26億円では足りず、国に対して大幅な追加支援を求めるべきだと思いますが、答弁を求めます。
次に、庁舎建設等資金積立金についてです。
財政局長は、アセットマネジメントに必要だから積み立てると言われました。今、80億円を積み立てる理由は何もありません。庁舎建設等資金積立金の当初予算は1億8,990万円だと言われました。たまたま今回税収が想定以上に増えたので、その税収をかき集めてきたということでしょう。これはお金があるときは、当初予算の40倍を超える補正予算を積み立てる。なかったら積み立てないということであり、全くずさんな財政運営です。さらに、アセットマネジメント自体がいいかげんな計画であることも吐露されたわけですよ。
したがって、80億円の税収分を、不要不急な庁舎建設等資金積立金へ積み上げるのはやめて、緊急に必要な物価高騰対策に振り替えるべきだと思いますが、答弁を求めます。
次に、こども誰でも通園制度についてです。
預けられる子どもへの悪影響をお聞きしましたが、何も問題ないかのように言われました。特に、子どもに対する視点が欠けています。預けられる子どもはゼロ歳児からです。保育関係者が心配しているのは、絶対的にゼロ歳児の保育室での事故が多いからです。また、これまでにかかった病気や医師からの指摘などの情報である既往歴について、預けたいと思う親が正確な情報を保育所に伝えないままに預かりが始まる可能性についても危惧されています。ぜんそくや引きつけが起きたときの対応など、命に関わる問題になります。さらに、毎日通園している在園児たちは、いつも一緒にいる仲間の中に知らない子が日替わりでやってくることになります。子どもたちにストレスが生じるのは当然です。にもかかわらず、何も問題ないと言い張るあなた方の態度こそ大問題です。
保育所の職員も負担増になるのではないかとお聞きしましたが、これについてもいいかげんな局長の答弁でした。保育士は、今までの集団の一人一人を見ながら成長を見守っておられます。それまでの集団の中に新しい子が入ってくる。保育士と子どもたちとの関係が日々大きく変わるんです。誰でも通園制度の対象である3歳未満の子どもというのは、親との心理的距離を次第に取り、人間関係を広げながら発達していきます。そのため、周囲の大人による丁寧な支えと関わりが必要となりますが、誰でも通園制度にはその視点が全くないと保育関係者は声を上げています。
お尋ねいたしますが、試行実施で何も問題ないと言い切るような行政の姿勢では、誰でも通園制度によって安心できる保育の場を不安定にしてしまうことになると思いますが、答弁を求めます。
もう一つ重要なことは、誰でも通園制度により、子どもたちの集団に大きな変化が生じるわけですが、それに対する保育士の専門性を低くする制度になっているということです。条例案第23条の2では、国家資格を持つ保育士は、職員の半分以上でよしとしています。これでは日々変わる子どもたちの命の問題となりかねません。子どもは不安を訴え、泣き、怒り、駄々をこねます。これは自然なことです。その子どもの表現を理解し、受け止めてくれる専門家である保育士がいるから、子どもはその葛藤を乗り越えて、もっと広い人間関係や空間で生活することができるようになるんです。しかし、誰でも通園制度では、その体制は取れません。
したがって、保育士は職員の半分でよしとするこの制度は、子どもの命と健康にとって問題だと思いますが、御所見をお伺いいたします。
以上で2問目を終わります。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 企業等成長支援事業についてお答えいたします。
まず、大学支援及びスタートアップ支援についてでございますが、九大イノベーションファンドについては、九州大学から福岡市に対して出資要請があったものでございまして、市が出資することによって民間資金を呼び込み、九大OIPや専門人材による伴走支援が可能となり、成長性の高い研究開発型スタートアップを持続的に創出し、社会課題の解決を図りますとともに、新たな産業や雇用の創出につなげるものであることから出資するものでございます。
次に、半導体に関するおただしでございますが、九州大学は、半導体や健康、医療、環境、脱炭素、農水産など、強みを有する分野をはじめ、各分野に豊富な人材を有しており、ファンドによる研究成果の事業化支援によりまして、半導体を含みます研究成果の社会実装を担う人材の育成に寄与し、その高度な人材の集積を半導体の設計分野など研究開発機能を中心とした企業の集積につなげることで、税収の増加や雇用の創出を図ってまいりたいと考えております。
次に、ファンドの運用につきましては、支援した研究成果を基に起業される際に、新株予約権等を取得し、企業価値の上昇時に株式を売却することなどにより得られた利益を新たな研究成果に投資するという仕組みでございまして、毎年度進捗状況の報告を求めるとともに、専門事業者によるモニタリングを行うこととしております。
次に、中小企業等への燃料費等支援についての御質問にお答えいたします。
支援の対象については、燃料費等の高騰による影響が様々な業種において生じておりますことから、市内中小企業を幅広く支援するため、多くの事業者に共通する経費でございます燃料費及び光熱費について支援するものでございます。
最後に、支援額につきましては、本来上昇したコストは価格に転嫁し、賃金の上昇につなげることが肝要であることや、価格高騰による影響が広範にわたり、市内中小企業を幅広く支援する必要があることなどから、価格高騰による影響額の2分の1とするものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 介護、障がい者施設等への物価高騰対策についての御質問にお答えいたします。
支援が不十分ではないかとのお尋ねですが、県において物価高騰の状況を踏まえて適切に支援の対象及び単価を設定されたものと考えており、国の交付金を活用し、県と同じ対象、単価により必要な支援を実施するものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 保育所等の物価高騰対策支援についてお答えいたします。
今回の物価高騰対策支援については、県の補助要件に合わせており、県において物価高騰の状況を踏まえ、適切に支援額の単価が設定されたものと考えております。
次に、乳児等通園支援事業についてお答えいたします。
今年度の事業実施に当たりまして、保育士資格を有する市の職員が実施施設を巡回し、適切に運営されていることを確認しております。
次に、職員の配置基準につきましては、国の検討会における専門家の意見や内閣府令で示された基準を踏まえ、類似事業と同様に必要な研修を受講した人員、人材を配置することも可能となっております。また、市の補助金を活用して保育士を増員し、保育の質が維持されているものと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 物価高騰対策に関する御質問にお答えいたします。
物価高への対応に係る国への要望につきましては、令和6年7月に行った指定都市要望の中で、地方向け交付金について、財政力にかかわらず、必要額を措置することなどを求めております。今後も必要に応じ、他の指定都市と連携して国に要請を行ってまいります。
次に、庁舎建設等資金積立金につきましては、将来の公共施設の建て替えや改修に備え、積立てを行うものでございます。今後も市民が市有施設を安全、安心に利用できるよう維持し、良質な公共サービスを持続的に提供していくため、一般財源の状況等を踏まえながら基金への積立てを行ってまいります。以上です。
○議長(打越基安) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) まず、九大ファンドについてです。
本市が5億円を出資し、半導体をはじめとする特定産業だけを支援する。また、国の稼げる大学支援に乗っかって、九大だけを支援するというものであることがはっきりしました。全く不平等です。これらの問題を指摘しても、局長は全て問題なしと言われましたが、民間企業が出資するんじゃないんですよ。5億円の原資は市民の税金なんです。こんなお金があるんだったら、学生への学費や奨学金の返済支援にこそ回すべきです。
したがって、このような問題だらけの九大ファンドの関連議案については、全て撤回するべきだと思いますが、市長の御所見をお伺いいたします。
次に、物価高騰対策についてです。
中小企業についても、それから介護、障がい者施設についても、保育所についても、いずれに対しても支援の上乗せ、拡充を拒否されました。現場の求めからかけ離れています。しかも、支援を求める多数の市民には何の恩恵も今回ありません。そして、不要不急の庁舎建設積立金80億円については固執し、生活支援には振り向けようともしない。物価高騰対策は自己責任だと言わんばかりです。これでは物価高騰対策とは名ばかりです。
したがって、物価高騰対策に充てる市独自の財源をつくり、中小企業者、介護、障がい者施設、保育所などへの支援に上乗せ、横出しをするべきだと思いますが、市長の御所見をお伺いいたします。
最後に、こども誰でも通園制度についてです。
局長は、保育の場を不安定にしてしまう制度の問題を否定し、専門職である保育士を半分で問題なしとしている条例の規定の問題について、それでよしと言われました。現場の苦労の上にあぐらをかいているんじゃありませんか。現場では関係者が必死になって子どもたちを守っているから、あなたはここで堂々と問題ないと言えるんですよ。保育とは、乳幼児を適切な環境の下で発達させる営みです。保育所では、児童福祉法と保育指針に基づき、朝から子どもたちの健康状態に気をつけながら受け入れて、年齢や発達に合わせた遊びや活動、生活などの体験を通した総合的な関わりの中で子どもの成長の援助を行っているんです。その保育の現場の環境を、この条例案は大きく変えようとしています。このままで、この実施拡大は、保育所を単なる託児所に変質させようとする暴挙でしかありません。専門職員が半分でも、危険性の高いゼロ歳児からの預かりも問題ないというこども誰でも通園制度を認めるわけにはいきません。
したがって、こども誰でも通園制度については、現状のままでは全く開始できる状況ではなく、保育士の配置の改善など、保育現場の整備をするまでは実施すべきではないと思いますが、市長の答弁を求めて、私の質問を終わります。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 九大イノベーションファンドにつきましては、民間による資金供給が十分ではない九大の研究成果を支援するもので、市が出資することによって民間資金を呼び込み、九大OIPや専門人材による伴走支援が可能となって、成長性の高い研究開発型のスタートアップを持続的に創出し、社会課題の解決を図るとともに、新たな産業や雇用の創出につなげるものであることから出資するものでございます。
福岡市では、これまでも国の交付金等を活用しながら、学校給食の高騰対策や低所得世帯への給付金など、様々な物価高対策に取り組んできたところでございます。今般、物価高が依然として続いている中、国からの交付金に加え、独自に福岡市の一般財源も追加することで、中小企業等に対するエネルギー価格高騰への助成をはじめ、介護、障がい者施設、保育所などへの支援や商店街プレミアム付商品券の発行など、必要な経済対策を実施するものでございます。今後とも国の経済対策や物価高の状況を踏まえ、必要に応じ国へ要望するとともに、必要な施策に着実に取り組んでまいります。
乳児等通園支援事業につきましては、福岡市は国の基準に独自に上乗せをした福岡市型のこども誰でも通園制度を実施しており、子どもの成長促進、食生活の改善、保護者の育児負担軽減など、子育て支援に大きな効果が見られ、利用者や実施事業者にも高く評価されております。今後とも市民の皆さんが安心して生み育て、子どもが健やかに成長していけるようにしっかりと取り組んでまいります。以上です。
○議長(打越基安) この際、暫時休憩いたします。
午後は1時10分に再開いたします。
午前11時12分 休憩
午後1時10分 開議
○副議長(松野 隆) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を継続いたします。井上まい議員。
○55番(井上まい)登壇 私は福岡市民クラブを代表して、本議会に上程をされております諸議案のうち、企業等成長支援事業に関連する議案第1号、令和6年度福岡市一般会計補正予算案(第5号)、議案第8号、令和6年度福岡市モーターボート競走事業会計補正予算案(第2号)、議案第12号、令和6年度福岡市企業等成長支援事業特別会計予算案、議案第13号、福岡市企業等成長支援事業特別会計条例案、議案第14号、福岡市企業等成長支援基金条例案、以上5議案について質疑を行います。
初めに、各条例案について、その概要についてお尋ねしてまいりたいと思います。
今回、新たに福岡市企業等成長支援事業特別会計の新設に関する条例案と福岡市企業等成長支援基金というものを新たに設置をする条例案が提案をされておりますが、まず、福岡市企業等成長支援事業特別会計条例案について、この特別会計新設の趣旨は何でしょうか。目的、理由について説明願います。
次に、福岡市企業等成長支援基金条例案について、この基金新設の趣旨は何か、目的と理由について説明願います。
また、議案書によりますと、「『企業等成長支援事業』とは、新たな産業及び事業の創出に資する大学の研究開発を通じた創業及び創業後の企業の成長を目的として、大学の研究者、企業その他創業及び創業後の企業の成長に資する活動を行う者に対し、組合契約を通じて投資及び経営又は技術の指導を行う事業をいう」となっておりますが、創業支援といえば、これまで本市は助成金など直接的な金銭支援は極力行わず、環境整備などで支援をしてきたと思っています。
今回、大学関係の創業支援に限定をして投資を行うという、その妥当性について説明をお願いいたします。
次に、今回の補正予算案及び予算案において、当該の事業に関して5億円以上の予算が計上されているようですが、これらに関連する補正予算案及び予算案の歳出歳入の流れについて財源を含めて御説明ください。
また、予算説明書に記載のある企業等成長支援事業特別会計の歳出、委託料533万5,000円と投資及び出資金の5億円について概要を御説明ください。
以上で1回目の質疑を終わり、2回目以降の質疑は自席にて行います。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) まず、特別会計新設の趣旨等につきましては、企業等成長支援事業の円滑な運営とその経理の適正を図るため、ファンドへの出資などの支出やファンド解散時の残余財産の受入れといった収支を一般会計と明確に区分して管理することとし、特別会計を新たに設置するものでございます。
次に、基金については、企業等成長支援事業に必要な資金を積み立てるため設置するものでございます。
次に、大学関係の創業支援については、今回お願いしております九大イノベーションファンドは、民間による資金供給が十分ではない九州大学の研究成果を支援するもので、市が出資することによって民間資金を呼び込み、九大OIPや専門人材による伴走支援が可能となり、成長性の高い研究開発型スタートアップを持続的に創出し、社会課題の解決を図るとともに、新たな産業や雇用の創出につなげるものであることから出資するものでございます。
次に、歳入歳出の流れについては、モーターボート競走事業会計における経営計画を上回る利益剰余金のうち5億7,000万円を財源とし、モーターボート競走事業会計から一般会計へ、一般会計から企業等成長支援事業特別会計へ同額を繰り出した上で、同特別会計から企業等成長支援基金へ同額の5億7,000万円を積み立てた後、同基金から今年度の事業実施に必要な5億572万5,000円を特別会計へ繰り入れ、ファンドへの出資等を行うものでございます。
最後に、委託料については、ファンドの管理体制について改めて専門機関の視点から点検する委託を行うほか、契約内容の法的な確認を弁護士に委託するための費用を計上しており、出資金については、九大OIPが九州大学とともに組成した九大イノベーションチャレンジファンドに市として出資し、九州大学の有望な研究成果に対して、事業化検証や社会実装に向けた資金及びノウハウを供給するための費用として5億円を計上しているものでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 今回の一連の議案は、九州大学の有望な研究成果に対して、事業化検証や社会実装に向けた資金及びノウハウを供給し、九州大学の研究開発型スタートアップを支援するため、九大OIPが九州大学とともに組成をした九大イノベーションチャレンジファンドに市として5億円を出資するための条例案及び予算案であるということが分かりました。しかしながら、今回の出資につきましては、補正予算で突然提案をされており、内容についても、初めて出てきた話ですので、出資の是非や金額についてはもちろん、本当に必要なのかどうか、慎重に議論をすべきであると考えますので、今回の出資に関して詳しくお尋ねしてまいりたいと思います。
初めに、出資の経緯について確認をさせてください。なぜ九大ファンドに対し出資をするという提案に至ったのか。いつ、どのような場で誰が誰と話をして決まったのでしょうか。出資を決めるまでの詳しい経緯が分かるように説明をお願いします。
改めてですが、九大ファンドへ本市が出資をする必要性について明確な答弁を求めます。
次に、5億円という金額の根拠についてですが、そもそも5億円という金額はどのような計算に基づいて決められたのか、御説明ください。
また、5億円の出資額は他の自治体や政府系ファンドの出資規模と比較をして適正と言えるのか、お尋ねいたします。
また、出資する5億円はどのように使われるのか。例えば、全額がスタートアップ支援に使われるのか、一部ファンド運営費や手数料に充てられたりするのでしょうか、御説明ください。
スタートアップの成長段階において、資金の確保が難しいという側面はよく理解をしています。国内でも様々な民間ファンドなどが立ち上がり、民間の金融機関や投資家などと連携をし、スタートアップ支援をしています。本市でも、市内スタートアップの資金的な支援については、地場の金融機関との橋渡しや投資の呼び込みなどを通し、実施をしてきたものと理解をしているつもりです。しかしながら、今回は本市の一般会計から5億円を拠出し、ファンドへ出資をするという提案がなされています。
かなり慎重な検討が必要なはずですが、他の自治体で類似の税金投入型ファンドがある場合、それらの成功、失敗事例は分析されているのか、お尋ねいたします。
あわせて、行政が出資をする必要性についてですが、市が出資をせずともファンド自体は運営できるのではないかと考えますが、御所見をお尋ねいたします。
また、民間のベンチャーキャピタルや金融機関と連携をして、市の出資額を抑えるという手法は御検討されたのか、お尋ねいたします。
そもそも出資というリスクのある手段ではなく、融資というスキームは取れないのか、お尋ねいたします。
次に、この5億円の出資が市民にとって納得できるものと言えるのかという観点でお尋ねをしてまいります。
この九大ファンドへの出資を実施することで、社会課題の解決を図り、新たな産業や雇用の創出につなげるものであると御答弁をされましたが、市民生活にどのような恩恵があるのか、具体的なメリットについてお示しください。
また、この出資によってどれだけのスタートアップが誕生し、どれだけの経済波及効果を見込んでおられるのか、御説明をお願いいたします。
次に、投資リスクと回収計画についてお尋ねをいたしますが、出資という形態を取る以上、そこには大きなリスクが伴うはずです。
そこで、お尋ねをいたしますが、ファンドがうまくいかなかった場合、出資金の5億円は一体どうなるのでしょうか。返ってこないリスクもやはりあるのでしょうか。回収できる場合と回収できない場合はどういうケースが考えられるのか、説明をお願いいたします。
また、今回の出資について、期待できる市の財政に対するリターンと取り得るリスクについてどのように分析をしておられるのか、御説明ください。
次に、最悪のケースで、ファンドが失敗をし、投資資金が回収できなかった場合、市としてどのような責任を負うことになるのか、御説明願います。
また、出資後の資金の運用監視体制はどうなっているのか、御説明をお願いいたします。
また、市民の税金が単なる補助金として消費をされることのないよう、投資資金の回収計画は大変重要だと考えますが、どのような仕組みとなっているのか、御説明ください。
次に、本市のスタートアップ支援事業全体との整合性についてお尋ねしたいと思います。
これまで私たちはスタートアップや創業支援については、業種や分野を絞らず、より多くの市民のチャレンジをサポートするような支援策となることを求めてまいりました。一方で、政策効果が見えづらい事業でもあることから、これまでも度々スタートアップ支援事業の政策効果の可視化や具体的な成功事例、市民への恩恵や経済波及効果について説明を求め、費用対効果の検証実施を求めてきたところです。
本市はスタートアップ都市宣言を機に、これまで10年以上、スタートアップ支援に力を入れてきているわけですが、改めてこれまでのスタートアップ支援にかかった決算額と今年度の当初予算額はそれぞれ幾らか、お示しください。
また、今回の出資では、支援対象が九州大学の研究のみに絞られているようですが、大学を限定せず他大学の研究分野にも門戸を広げられるよう、九大が主体となるファンドではなく、福岡として独自のファンドを立ち上げるなどの御検討はなされなかったのか、お尋ねいたします。
あわせて、これまで福岡市が行ってきた他のスタートアップ支援と比較をして、九大の研究に限定して特別に大きな出資をする根拠は何か、説明をお願いいたします。
また、今後のスタートアップ支援について、これまでの事業が縮小されるなど、既存の支援策に対する影響はないのか、お尋ねをいたします。
次に、今回出資をしようとしているこの九大イノベーションファンドについて内容を確認していきたいと思います。
このファンドの運営事業者、ファンドの設立日、投資対象、組合の存続期間、全体の出資規模と出資額の内訳について御説明をお願いします。
また、ファンド内での投資先の判断についてはどのように行われるのか、お尋ねいたします。
出資をすることで本市はどのように関わることとなるのか、併せて御説明をお願いいたします。
次に、出資といえば、かつて福岡空港の運営会社に対し本市が出資をするか否かについて本議会でも大きな争点となり、民間でできるものは民に任せ、自治体は出資すべきではないというのが本市の基本的な考え方であるとして、当時、民間である福岡空港には市として出資はしないと判断をされました。
そこで、今回の出資するとした判断の整合性について確認をしたいと思います。
なぜ福岡空港の運営会社には出資をせず、九大ファンドには出資をするのかについて、違いを御説明願います。
あわせて、その判断基準の違いを明確に説明できるのか、お尋ねいたします。
また、空港出資の議論の際に、出資をしなかった理由の一つが、民間でできることは民間が主導すべきというものであったと思いますが、今回の投資こそ民間で主導すべきとの判断にならないのか、お尋ねいたします。
最後に、今回の出資の財源についてお尋ねいたします。
今回、財源をモーターボート競走事業会計から持ってきた理由は何か、御説明をお願いします。
これまでもモーターボート競走事業会計の利益剰余金は一般会計へ繰り出し、本市の保育所整備や学校施設整備、保健福祉、環境、住宅など、多岐にわたり市民生活の向上に向けた事業に活用をされています。
改めて確認をさせていただきたいのですが、モーターボート利益剰余金の取扱いについて、一般会計への繰り出しのルールはどうなっているのか、御説明をお願いします。
また、モーターボートの事業会計の当初予算や補正の状況を見ても、今年度の単年度収支は余剰が多くあるようには見えませんが、当初予算で見込んでいた40億円という繰入金にさらに今回追加で5億7,000万円を繰り入れることにしたのはなぜか、御説明をお願いいたします。
最後に、補正のタイミングや金額からしても、今回のファンド出資のために繰入金を5億7,000万円増額したように思われるのですが、モーターボート利益剰余金に余裕がなかったとしても、今回の出資は行うべきものであると言えるのか、御所見をお尋ねいたします。
以上で2回目の質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) まず、出資の経緯と必要性につきましては、昨年度、九州大学からファンドの構想について説明がございまして、その後、今年度に入って事業スキームや運用体制などの具体的な検討が進められる中で、福岡市に対して出資の要請がございまして、ファンドは民間による資金供給が十分ではない九州大学の研究成果を支援するもので、市が出資することによって民間資金を呼び込み、九大OIPや専門人材による伴走支援が可能となり、成長性の高い研究開発型スタートアップを持続的に創出し、社会課題の解決を図るとともに、新たな産業や雇用の創出につなげるものであることから出資するものでございます。
次に、出資額については、九州大学から市に対して5億円の出資要請があったもので、福岡県や九州大学の出資予定の状況や、東京都、兵庫県など他都市におけるファンドの出資割合がおおむね全体の2割から3割となっていること等を勘案して決定したものでございます。
次に、出資金の用途については、研究成果の事業化支援に活用することを想定しており、ファンドの運営費や手数料に充てることは想定しておりません。
次に、他の自治体については、ファンドへの出資を通してスタートアップを支援する事例はございますが、九大イノベーションファンドのように民間による資金供給が十分ではない大学の有望な研究成果を支援するものはなく、九大イノベーションファンドの取組は全国で初めてとお聞きしております。
次に、市の出資なしの運営、金融機関等との連携による出資額の抑制と他のスキームの検討についてでございますが、九州大学から市に対してファンドへの5億円の出資要請があったもので、九州大学は金融機関等へも寄附の要請を行われております。ファンドは民間による資金供給が十分ではない九州大学の研究成果を支援するもので、市が出資することによって民間資金を呼び込み、九大OIPや専門人材による伴走支援が可能となり、成長性の高い研究開発型スタートアップを持続的に創出し、社会課題の解決を図るとともに、新たな産業や雇用の創出につなげるものであることから出資するものでございます。
次に、市民生活への恩恵についてですが、ファンドは民間による資金供給が十分ではない九州大学の研究成果を支援するもので、市が出資することによって民間資金を呼び込み、九大OIPや専門人材による伴走支援が可能となり、成長性の高い研究開発型スタートアップを持続的に創出し、社会課題の解決を図るとともに、新たな産業や雇用の創出につなげるものであることから出資するものでございます。
次に、ファンドによる効果については、九州大学においては、今後20年間で200社の起業、1,100億円以上の経済波及効果を試算されております。
次に、ファンドの運用や回収、監視体制については、支援した研究成果を基に起業される際に新株予約権等を取得し、企業価値の上昇時に株式を売却することなどにより得られた利益を新たな研究成果に投資するという仕組みでございまして、毎年度、進捗状況の報告を求めますとともに、専門事業者によるモニタリングを行うこととしております。
次に、これまでのスタートアップ支援に関する決算額と今年度当初予算額については、スタートアップ都市宣言を行った平成24年度から令和5年度までのスタートアップ支援に関する決算額は29億7,700万円余でございます。また、令和6年度の当初予算額は7億4,000万円余でございます。
次に、独自ファンドの検討については、大学の研究成果を支援するためには大学側の協力が必要でございまして、独自ファンドの検討はいたしておりません。
次に、出資の根拠については、九州大学から福岡市に対して出資の要請があったものでございまして、民間による資金供給が十分ではない九州大学の研究成果を支援するもので、市が出資することによって民間資金を呼び込み、九大OIPや専門人材による伴走支援が可能となり、成長性の高い研究開発型スタートアップを持続的に創出し、社会課題の解決を図りますとともに、新たな産業や雇用の創出につなげるものであることから出資するものでございます。
次に、これまでの事業への影響については、これまで官民共働型の支援施設、Fukuoka Growth Nextを中心とした成長支援を実施しておりますが、引き続き民間の活力を生かしながら支援を展開してまいります。
次に、ファンドの運営事業者などの概要については、運営事業者は九大OIPが主体となって設立され、市も参画する予定の有限責任事業組合でございまして、設立日は令和6年11月15日、投資対象は研究開発型スタートアップを目指す九州大学の研究成果で、永続的な運用を想定しております。また、全体規模は25億円以上で、そのうち福岡市及び福岡県、九州大学がそれぞれ5億円の出資を予定しているほか、金融機関等からの出資や寄附を想定しているところでございます。
次に、支援対象の選定と市の関わりにつきましては、大学の研究成果や事業化支援、知的財産、特許等に関して高度な専門性を有する九大OIPに加えて、ビジネスにも知見を有する外部の有識者において候補を選定の上、福岡市を含む全ての組合員の同意により支援先を決定することとなっております。
次に、福岡空港と九大ファンドとの違い及び今回の投資こそ民間で主導すべきとのお尋ねについてお答えいたします。福岡空港は、設置管理者である国の指導監督の下、その運営が民間企業に委託されたものであり、福岡市が出資せずとも公共性や公益性が維持されるとともに、市が関与できる仕組みが担保されております。九大イノベーションファンドについては、民間による資金供給が十分ではない九大の研究成果を支援するもので、市が出資することによって民間資金を呼び込み、九大OIPや専門人材による伴走支援が可能となって、成長性の高い研究開発型のスタートアップを持続的に創出し、社会課題の解決を図るとともに、新たな産業や雇用の創出につなげるものであることから出資するものでございます。
次に、出資の判断基準につきましては、福岡市が団体に出資を行う際の基本的な考え方として、出資の対象となる団体の事業の公共性、公益性はもとより、団体の事業が福岡市の政策目的の実現に貢献するものであり、かつ福岡市の関与の必要があるか、また、選択肢が複数ある中で出資という方法に妥当性があるかなどを総合的に勘案して判断を行い、真に必要と認められる場合に出資を行うものでございます。
次に、ボートレース事業の収益金については、これまでも小中学校の整備や介護施設の充実などに必要な財源として活用されてきたところであり、今回もボートレース福岡の経営計画で見込んでいた以上の利益剰余金を財源として活用することとしたものでございます。
次に、毎年度行っておりますモーターボート競走事業会計から一般会計への繰り出しについては、ボートレース事業において将来的に必要な施設整備等の資金の必要額を踏まえた上で、原則として単年度利益の範囲内で最大限可能な金額を繰り出すこととしております。
また、今回の繰出金の追加については、ボートレース福岡の経営計画で見込んでいた以上の利益剰余金を財源として活用することとしたものでございます。
最後に、利益剰余金に余裕がなかったとした場合についてのお尋ねですが、今回お願いしております企業等成長支援事業については財源もセットで検討しておりますので、仮定の話にお答えするのは難しゅうございますが、本事業は社会課題の解決を図るとともに、新たな産業や雇用の創出につなげるといった観点から必要な事業であると認識しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 2回目の質問の中で、今回の出資の妥当性や必要性についてるる確認をさせていただきましたが、本市が5億円を九大ファンドへ出資するという妥当性について、先ほどの答弁ではなかなか納得しにくい説明だったと感じました。九大に限定をされている理由、5億円の金額の設定根拠、市民が受け得る具体的なメリットなどの質問に対して明確な御答弁はなく、5億円という多額の市の予算を投じるには十分な説明となっていないと思います。投資のリスクやリターンなどもお尋ねをいたしましたが、仕組みの説明に関する御答弁しかありませんでした。要は5億円を原資の一部として永続的な研究活動資金に循環をしていきますという話だと捉えましたが、リターンなどを期待する投資ではなく、5億円を渡しっきりにするということと同義だと理解せざるを得ません。また、今回出資を検討する理由についても、九大からの要請を受けてという答弁でしたが、ほかの大学や研究機関から同じような要請があった場合も本市は出資に応じるということになるのでしょうか。また、これだけの予算規模かつ投資や出資という慎重な判断が必要な事業について、事前に報告などされることもなく、実施をする前提で九大や県と話を進めているということも、これは看過できないと思います。
予算が可決をされれば、私たちも市民に対し説明責任がありますが、これまでの御答弁では、市民に対し必要性や妥当性についてなかなか説明ができませんので、最後に改めて3点について確認をさせてください。
1点目は、5億円という出資額の妥当性についてです。
他都市では県と市の出資比率が違っていたり、総額に対する負担割合についても、都市によって幅があるようです。今回、九大と県と市で同額、20%ずつを負担する理由とその妥当性について納得のできる明確な答弁を求めます。
2点目は、施策の優先順位についてです。
今回の出資について、モーターボートの事業収益の中から5億7,000万円を財源にするわけですが、原則は単年度利益の範囲内で最大限可能な金額を一般会計へ繰り出すこととなっています。ここ数年はモーターボートでの売上げが好調であり、見込みを超えた利益剰余金についても、一般会計へ繰り出しており、本市の様々な事業の財源として活用をされてまいりました。すなわち、追加で5億円以上繰り出せる余裕があるとするなら、この5億円はもっと他の事業に優先して使われるべきだという意見は当然に考えられます。例えば、子育て支援、医療福祉、物価高騰対策など、より市民生活に直結をする施策に使うべきだという意見もあるでしょう。また、今回の出資で考えられる市民への恩恵は、一、二年などというスパンで得られるものでは到底ないと思いますし、成功したとしても、市に対しての恩恵があるのは数年単位でかかることも想定をされます。
政策効果の即効性や確実性、費用対効果などを勘案したときに、他の使い道や推進できる政策があると思いますが、それら他の施策よりも今回の九大ファンドへの出資が優先されるべき明確な理由を御説明ください。
最後、3点目は、スタートアップ支援政策の在り方についてです。
これまでも本市はスタートアップや創業支援に力を入れてきました。金額にしても30億円を超える額で支援をしてきています。しかし、質疑の冒頭でも述べましたが、これまでは直接的な金銭支援ではなく、環境づくりなどに力を入れてスタートアップ支援政策を進めてきていると認識をしています。これまでの支援の方針が、今回これだけ多額の資金をスタートアップ支援に直接投資という形で渡されることについて、他のスタートアップ支援との整合性が取れないように感じます。また、これまで10年以上、スタートアップ支援に力を入れてきた結果として、具体的な成果を示してほしいとこれまでも申してきましたが、まだまだ結果が見えているとは言えないと思います。
そのような中で、九大の研究に限定をし、5億円を投資するという市の判断について、市民の理解を得られるには相当にハードルが高いと言わざるを得ないと考えますが、改めて今回の出資の必要性について市民が納得できる理由を島市長に求めまして、質疑を終わります。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) まず、出資額につきましては、九州大学から市に対して5億円の出資要請があったもので、福岡県や九州大学の出資予定の状況や、東京都、兵庫県など他都市におけるファンドの出資割合がおおむね全体の2割から3割となっていること等を勘案して決定したものでございます。
次に、ボートレース事業の収益金については、これまでも小中学校の整備や介護施設の充実などに必要な財源として活用されてきたところでございます。今回、予算をお願いしております企業等成長支援事業についても、成長性の高い研究開発型のスタートアップの持続的な創出を支援し、社会課題の解決を図るとともに、新たな産業や雇用の創出につなげるものであることから出資するものでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 島市長。
○市長(島宗一郎) 九大イノベーションファンドにつきましては、民間による資金供給が十分ではない九大の研究成果を支援するもので、市が出資することによって民間資金を呼び込み、九大OIPや専門人材による伴走支援が可能となって、成長性の高い研究開発型のスタートアップを持続的に創出し、社会課題の解決を図るとともに、新たな産業や雇用の創出につなげるものであることから出資するものであります。以上です。
○副議長(松野 隆) 川口浩議員。
○52番(川口 浩)登壇 私は議案第1号、令和6年度福岡市一般会計補正予算案(第5号)のうち、総務費、DXの推進予算の繰越しについて、そして次に、議案第5号、令和6年度福岡市営渡船事業特別会計補正予算案(第2号)について、議案第13号、福岡市企業等成長支援事業特別会計条例案並びに議案第14号、福岡市企業等成長支援基金条例案について質疑を行います。
まず、DXの推進予算の繰越しについてですけれども、予算額が29億円余と、その中で19億円余が繰越しにということが出ております。本来、この総務管理費のDXの推進事業は何のための予算なのか、また、繰越しの理由についてお尋ねいたします。
次に、福岡市営渡船事業特別会計補正予算案についてですけれども、予算からすると大きく減収といいますかね、マイナスになっております。福岡市営渡船事業の乗客人員について、また、令和元年度以降の航路ごとの推移についてお尋ねいたします。
また、令和6年度におけるコロナ禍からの回復状況はどのようになっているのか、お尋ねします。
次に、議案第13号並びに議案第14号、企業等の成長支援についてお尋ねいたします。
企業等の成長支援等について、私は今の時代、新たな産業育成ということで一定の評価をするところであります。先般の質問でも空港のがありましたけれども、今日は時間がないので、そこの意見はやめておきますが、九大イノベーションチャレンジファンドへの出資を行うということですけれども、目的や事業概要、スキームについ
てどのようになっているのか、ダブりますけれども、お尋ねし、1問目を終わり、2問目以降は自席にて質疑をさせていただきます。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) DXの推進に係る補正予算案についての御質問にお答えします。
繰越明許費に計上しておりますDXの推進事業に係る予算は、行政事務の効率化等のため、介護保険や障がい者福祉などの業務において職員が使用するシステムを刷新するための経費でございます。また、繰越しの理由につきましては、システム刷新事業において、令和6年度に実施した入札の一部で、応札者がなく不調となった影響などにより事業実施期間の見直しを行う必要が生じたものでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 福岡市営渡船事業特別会計補正予算案に関する御質問にお答えいたします。
各航路の利用者数につきましては、各年度4月から1月までの合計になりますが、志賀島航路は令和元年度が16万6,404人、2年度が9万317人、3年度が10万660人、4年度が12万4,719人、5年度が14万9,813人、6年度が15万8,172人でございます。続きまして、能古航路は令和元年度が72万8,865人、2年度が49万3,495人、3年度が50万9,070人、4年度が55万2,836人、5年度が59万6,596人、6年度が57万724人でございます。続きまして、玄界島航路は令和元年度が6万1,461人、2年度が4万4,908人、3年度が4万4,925人、4年度が5万431人、5年度が5万4,692人、6年度が5万1,428人でございます。続きまして、小呂島航路は令和元年度が8,292人、2年度が6,854人、3年度が6,448人、4年度が6,761人、5年度が7,491人、6年度が7,041人でございます。
また、コロナ禍からの回復状況につきましては、令和6年度4月から1月までの合計で、令和元年度と比較いたしまして、志賀島航路が95.1%、能古航路が78.3%、玄界島航路が83.7%、小呂島航路が84.9%となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 企業等成長支援事業についての御質問にお答えいたします。
本事業の目的は民間による資金供給が十分ではない九州大学の研究成果を支援するもので、市がファンドに出資することによって民間資金を呼び込み、九大OIPや専門人材による伴走支援が可能となり、成長性の高い研究開発型スタートアップを持続的に創出し、社会課題の解決を図りますとともに、新たな産業や雇用の創出につなげるものでございます。
ファンドの概要及びスキームにつきましては、全体規模が25億円以上で、そのうち市の出資額は5億円、出資時期は令和7年3月を予定しておりまして、九大OIPが主体となって設立された有限責任事業組合に出資するもので、支援対象は研究開発型スタートアップを目指す九州大学の研究成果、支援件数は年間30件から40件程度を想定しております。また、支援した研究成果を基に起業する際、新株予約権等を取得し、企業価値の上昇時に株式を譲渡することなどにより得られた利益を新たな研究成果に投資する仕組みとなっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川口浩議員。
○52番(川口 浩) まず、DXの推進予算についてですけれども、29億円の予算で19億円余の繰越しと。これはシステムに係るDXの推進、私はどうやっていくのかなと興味を持っておったんですけど、どうも名前だけでね、IT化の推進が大半かなと思っております。お答えを聞いて、入札の不調ということなんですけど、もう少し何をどう使っていくのか、何十億円の予算ですから、この大半はIT化の推進にとどまっておると。DX化というならば、それをどう活用していくのかというのをしっかり出していかないと、当初の文書でやっていきますだけ書いてね、具体的なもの、お金の使い方はシステムやパソコンの買換え等が大半を占めておるという状況で、DX化の推進、デジタルトランスフォーメーションについてはちょっと寂しい限りですので、そしてまた、このような繰越しが出ている。もう少し市民に向けて、どういう予算で、どういう目的でどういうものに使っておると。まだまだDXでいろんなITを活用して優位性を保つというところまでいっていないと思いますので、しっかり取り組んで、こういった不調にならないように事前からの準備をしっかりしていただきたいと思います。
これに併せて、入札が不調になったのはどういう原因なのかだけお尋ねいたしておきます。
次に、渡船事業についてですけれども、これについては利用者がコロナ禍前の水準を回復するには全く至っておりません。今、数字的なものはお答えいただいたんですけど、利用者の内訳というか、どのような状況なのか、今後の見通しやどういう利用があるのか、多いのか、しっかり検討もしなければならないし、そういう数字も出さないといけないと思っております。あわせて、これが見込んだのが全然回復しないよと。当初予算で大きく見込んだんですね。しかし、それの八十数%しかなっていないと。コロナ前には全く今のところ回復の兆しがない。前年よりも下がりぎみであるという状況。または市の繰出金といいますか、それがたしか10億円を超えるようなことに、ちょっと今数字がさっと出ませんが、なっていたと思います。こういう状況なんですね。
これは3問目でも聞きますが、回復に至っていない要因はどういうようなものか、お尋ねいたします。
次に、企業等成長支援についてなんですけれども、私はこういう取組もね、東京大学さんとかも早くからやってありますし、大学のいろいろな研究成果を市民生活につなげていく方法はないだろうかということで、失敗を恐れずにチャレンジするのは一つの方法かと思います。しかし、十分な説明が不足しているんではないかなというのもあります。
まず1つ目は、なぜモーターボート競走事業会計から一定額を、この額ではないんですね。小出しで第2の財布扱いにしているのはいかがなもんかなと。本来なら調整基金等で、必要な事業なのでと堂々と出すべきであって、繰入れは繰入れでね、これだけの収益が上がったので、この額を福岡市のほうに繰入れするというのが本来の筋で、これを一定額を、はい、横に回しますというようなやり方は、財政局長、会計上ね、前、ひどいのがありましたね。何かの港湾特会のを直接子どもにと。財政に一旦入れないといけない。そして、必要ならその中から新年度予算で。これも補正なんですね。新年度でやるべき。ただ、相手方が3月とかいうようなことですから補正なのかなと思いますけれども、ルール的にはね、モーターボート競走事業会計が第2の財布化して、本来なら収益分に見合って協議の上でこの額を繰り入れるのが筋で、新たな事業に取り組むならば調整基金等を、これは待ったなしなので、こういう横流し的な予算の使い方はあまり好ましいやり方とは思えないというのが1点。
もう1点は、本来、例えばですけれども、高効率ペロブスカイト型太陽電池の開発とかね、この資料は九州先端科学技術研究所のレポートを開いているんですけど、ほかもあります。今出しているのは2017年度、ずっと研究してこられているんですね。これは今度、民間企業の大型施設で活用しようということで、新年度予算に出てくるのかなと思っていますけど、こういうのはずっと九州先端科学技術研究所で一緒にやってきた。本来ならそういうところで新たな技術をもって、そこのまた研究資金に充てていくと。しかし、うまくいっていないんですね。福岡よりも京都とか神戸とかはもっとやっていますけれども、福岡の研究所は、どちらかというと、お金をつぎ込んで、そして、国とかから受託した研究が大半でね、新たな技術で、やはりこれが次のものを生み出すために使えていない状況。そして、今度は、これも九大さんで、別でつくらないかんと。
ただ、まさかここにするわけではないと思いますけど、20から30ということなんですね。ここら辺のね、どういうものを九州先端科学技術研究所でしっかり取り組んでいって、また、商品化や実用化を含めて、ここに乗っかれない部分の九大さんとの新たないろいろな研究のやつ、これがどうも私ははっきりしないまま、はい、出資と。市民のお金を使うわけですから、今後この分野をどう支援していくのか、しっかり説明しないと、こんがらがって、あら、こっちでしよんではないのか、研究所のほうでずっとやってきたんじゃないのかとかね、どの分はどっちよと、2つ要るのかという気にもなるし、いやいや、研究所の分では研究中心ですからとかね、新たな──これは産学官連携ですから、それは別途、今度九大はそっちに出さずに別でやるのかよく分からんようになっている。
今日はここまでにしておきますけど、やるならば、経済観光文化局かな、税金を使うんだから、市民にちゃんとどういう枠組み、違いを含めて説明して、使わせていただきたいとやらないと、自分の金ではないんですからね、そこら辺は履き違えないように十分な説明に努めてもらうように、今日のところはお願いしておきます。
以上で2問目を終わります。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) DXの推進に係る補正予算案についての御質問にお答えします。
システム刷新に係る入札が不調となった理由につきましては、システム開発事業者において、国の自治体情報システム標準化の影響等による全国的な技術者不足が深刻化していること、また、国による標準仕様書の度重なる変更を受けて、政令市規模に対応するパッケージシステムの開発に遅れが生じていることなどが主な要因と考えられます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 福岡市営渡船事業特別会計補正予算案についてお答えいたします。
利用者数がコロナ禍前の水準に回復するに至っていない要因についてでございますが、寄港地の島民の人口減少によりまして通勤、通院、買物などの利用者が減少していること、また、令和6年度におきましては、記録的な猛暑や、春や秋の行楽シーズンの休日における悪天候の影響により観光利用が伸び悩んだことなどが主な要因と考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川口浩議員。
○52番(川口 浩) DXのほうは、先ほど申したように、IT推進ではないんだから、もう少しここら辺もしっかり説明して、どういうところに活用を進めていきたい、いきますというところをしていかないと、ほとんどIT化予算、言葉だけのDXになっちゃったらいけないので、しっかりお願いします。
最後に、渡船事業についてですけれども、先ほども申したんですけれども、多額の繰入れをしないといけない。そして、島民の人口が減ってきて利用者も減になっているという状況で、これが見込みだけれども、どうしようもない。私はしっかり経営改善も考えていかなければならないと思います。例えば、能古島、私は提案したんですけど、いっそのこと、これだけの市民負担と市民の時間を使うんならば、橋を架けたほうがトータルとしては市民の負担も減るし、時間も減るし、また、すてきな場所ですから、隣はまた再開発というか、リニューアルぐらいな比較検討をすべきじゃないかなと。市民はバスとかで行って、船に乗って、また向こうでバスに乗って、また、アイランドパークにも入れば入場料も要る。これが陸で行ければ、そのままバスで行けるわけですから、市民の手出しも減るわけで、当然、比較検討すべき。市の負担だけではなくて、市民の負担という部分もしっかり考えなければならない。
そしてまた、あえて言うと、小呂島と玄界島、別々から行っているんですけどね、島の隣を通っていくんですね、すぐ近くを。例えば、小呂に行くときに玄界経由ということもあるでしょうし、港が違いますからね、それを小呂に行くときは博多発姪浜経由というのも考えられるかもしれません。その中で、船が3そうといいますかね、小呂行き、限界行きと遊覧とか代替に使うとかありますけれども、これだけ10億円を毎年、もっと増えていく予定ですから、何か対案を含めてね、いいか悪いかはあります。プラスもあればマイナスもありますが、対案も含めた検討が必要じゃないかと。これは同じく能古航路もですね。能古はあれだけ乗っているけれども、赤字なんですね。春、秋ですかね、オフシーズンの人口増、島もね。それがなくなって橋が架かって、一部民間の方等が船をされる分には全然いいと思います。志賀のほうの航路ももっとね、福岡に来たら志賀島へ行ってみようぐらいなきちんとした観光の魅力アップとかがまだまだ不十分。行っても、ツーリングのレンタサイクルはあるけれども、ちょい乗りのレンタサイクルはないし、せっかく展望台や金印公園はあっても、なかなか不便で行けないような状況。もう少しこの福岡市、九州で一番大きな市がね、金印があったところ、そして、海がきれいなところ、しっかりと魅力アップを考えなければいけないと思います。
これは置いといても、今のままでは、この渡船事業がコロナ禍前までに回復するのは非常に難しいのではないかなと思っております。私は思い切ったいろいろな手法、方向からね、いろんな観点から、これは駄目、あれは駄目言う前に、いろいろな観点から検討して、ある面では若干縮小してもしっかり存続できるとか、もっと魅力アップで人が増えるとか、ある面では志賀島へ行くとかなら乗換えの船で提案、楽しいですよ、きれいですよとかね、行ったらこういったのがあります。当然、車で行く方もおられると思いますが、今後、様々な観点からの検討が必要と思います。これが渡船事業任せやなくて、やっぱり経済観光文化局やそのほかの局も一緒になって市内の──これは税金を使っていっておるわけですから、しっかりやらないかん、しっかりどのようにしていくのか考えなければいけないと思います。
今回の大幅な見込み違いを踏まえて、新年度予算または新年度でいろいろな観点から、あれはいかんのじゃないかと、検討をされて、しっかりと市政を進められるように、10億円ずっとこのまま増えていって何もしないのかというわけにいきませんので、しっかりやっていただきたいと思います。
所見をお伺いして、終わります。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 福岡市営渡船事業特別会計補正予算案についてお答えいたします。
市営渡船は島民の足として大変重要な公共交通機関でございますので、安全運航と経営の安定に向けた取組をしっかり行ってまいります。まずは増客、増収の取組をしっかり行い、経営の改善に努めたいと考えているところでございまして、志賀島航路におきましてFukuoka East&West Coastプロジェクトの一翼を担うべく観光振興に取り組み、また、この志賀島航路におきましては外国人観光客が増加しておりまして、利用客数が回復傾向にありますので、他の公共交通機関と連携した訪日外国人向けの共通乗車券のPR、また、SNSを活用した船、島の魅力発信などにより外国人を含めた観光客の集客に取り組んでまいります。さらに、能古島におきまして、島内レジャー施設との閑散期における連携の検討などによりまして増客、増収に取り組みたいと考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) この際、休憩し、午後2時20分に再開いたします。
午後2時7分 休憩
午後2時20分 開議
○議長(打越基安) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を継続いたします。森あやこ議員。
○45番(森 あやこ)登壇 無所属の森あやこです。私は本議会に上程されております議案第15号、福岡市乳児等通園支援事業の設備及び運営の基準を定める条例案について、また、議案第1号、令和6年度福岡市一般会計補正予算案(第5号)のうち、ワクチン接種事業について質疑を行います。
まず、議案第15号です。
この条例案は、児童福祉法の一部改正に伴い、乳児等通園支援事業の設備及び運営の基準を定める必要があるによるとされています。
そこでまず、児童福祉法及び子ども・子育て支援法の改正内容について説明を求めます。
また、児童福祉法でいう乳児等通園支援事業とは何か、説明を求めます。
また、今回議案として出された条例の概要について説明を求めます。
次に、議案第1号、補正予算のうちのワクチン接種事業についてです。
小児予防接種事業として計上されているHPVワクチンのキャッチアップ接種期間延長の接種委託料に係る補正額とHPVワクチン接種委託料の今年度の最終予算額、また、キャッチアップ接種期間延長に係る事業内容についてお伺いいたします。
また、今年度のキャッチアップ接種対象者の人数と延長のために係る補正額分の案内を送る人数、案内した書類内容について、また、案内手段について、それらの内訳の説明を求めます。
次に、コロナワクチン接種事業についてです。
今回の補正では国への過年度分償還金の計上ですが、その額とコロナワクチン接種事業に関する償還金の内容についての説明を求めます。
以上で、2問目以降の質疑は自席にて行います。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 乳児等通園支援事業についてお答えいたします。
児童福祉法及び子ども・子育て支援法の改正内容につきましては、令和6年度に国が試行的に実施しているこども誰でも通園制度が、令和7年度以降、乳児等通園支援事業として位置づけられ、制度化されたものでございます。
この乳児等通園支援事業は、保護者が就労等の要件を満たしていなくても一定時間までの利用可能枠の中で保育施設等を利用できる制度でございます。
次に、条例案の概要につきましては、児童福祉法の規定に基づき、乳児等通園支援事業の適正な運営や支援の提供に必要となる設備及び運営に関する基準を定めるものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) ワクチン接種事業に関する御質問にお答えをいたします。
HPVワクチンのキャッチアップ接種期間延長に伴う補正額につきましては、接種委託料が3億5,930万円余となっており、その結果、令和6年度最終予算額における接種委託料は21億9,651万円となります。事業内容といたしましては、HPVワクチンは3回の接種が必要とされておりますが、現在のキャッチアップ接種期間である6年度末までに1回以上接種した方に対し、接種期間を7年度末まで延長し、残りのワクチンの接種機会を確保するものでございます。
次に、令和6年度のキャッチアップ接種対象者数は、これまでに3回の接種が完了していない約9万6,000人となっております。また、キャッチアップ接種期間の延長に伴い、新たに案内を送付する対象者数は、新たにキャッチアップ接種の対象となる年代を加えますと、約9万5,500人となります。対象者に送付する案内といたしましては、制度の概要とともに、ワクチンの効果や副反応、接種後の気になる症状の相談先や健康被害救済制度などの情報を記載し、個別に郵送することといたしております。
次に、新型コロナワクチン接種事業の補助金等の償還につきましては、令和6年度分は14億1,451万円余となっており、接種回数が見込みを下回ったことなどに伴い、過年度分の国庫支出金の精算をするものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) では、2問目に入ります。
まず、議案第15号です。
子ども・子育て支援法の一部を改正する法律が昨年に可決されて、こども誰でも通園制度が始まるということです。児童福祉法において乳児等通園支援事業を規定し、子ども・子育て支援法において、子どものための教育・保育給付とは別に乳児等のための支援給付を規定しています。
今回の条例はこども誰でも通園制度を実施するための条例です。そこで、こども誰でも通園制度について福岡市は試行事業を行っていますが、実施状況について、実施園数、利用者数について説明を求めます。
また、福岡市型こども誰でも通園制度の利用対象者、利用時間、利用者負担等、制度の枠組みについて説明を求めます。
また、保育士不足は全体としてある状況です。保育士以外の保育従事者は研修を修了していれば配置できるとされていますが、福岡市におけるこども誰でも通園制度に従事する保育士等のうち、保育士以外の保育従事者数について伺います。
また、園に慣れない子どもたちを保育するため、専門性の質の担保は重要です。こども誰でも通園制度に限った話ではなく、福岡市の認可保育所における通常の保育に従事する保育士の勤続年数、離職率の状況について、また、保育士の確保のための福岡市独自のさらなる取組はされるのか、伺います。
また、利用者の声、実施園の声、事業の評価について説明を求めます。
また、こども誰でも通園制度実施について、福岡市においての課題とその対策等について伺います。
また、そのことを踏まえて、引き続き事業の本格実施に向けて条例化されるのだと考えますが、実施園における安全対策、人員、施設面積、設備等の基準についてどのように検証されたのか、伺います。
また、今後の利用見込み、ニーズの分析としての考えなど及び実施のスケジュールについてお伺いいたします。
そして、第1号のワクチン接種事業についてです。
今回の補正を加えて、2024年度最終予算額は約22億円ということです。今年度、1997年度から2008年度生まれの女性の中の通常のHPVワクチンの定期接種の対象年齢、これが小学6年から高校1年に相当する間に接種を逃した方、過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない方が対象者ということで、キャッチアップ接種期間中に1回以上接種した方に対し、接種期間を来年度まで延長し、残りのワクチンの接種機会を確保されるということです。そして、新型コロナワクチン接種事業の補助金等の償還については、令和6年度は14億1,451万円余で、接種回数が見込みを下回ったことなどで過年度の国庫支出金の精算が生じたということです。
では、次の質問に入っていきます。
まず、HPVワクチン接種事業に使用される薬剤に関して、会社名、薬剤名、新しい成分になったのかなどの説明を求めます。
次に、コロナワクチン接種とHPVワクチンの従来の接種者とキャッチアップ接種に関して質問をしてまいります。
それぞれのワクチン接種の今年度の接種件数についてお伺いします。
また、それぞれのワクチン接種における最新の副反応疑い報告件数について伺います。
また、それぞれのワクチン接種における最新の予防接種健康被害救済制度の申請件数、また、国への進達件数及び審査結果を国から受理した認定と否認の件数についてお伺いします。
次に、新型コロナワクチンの定期接種については、接種を検討、判断するための情報等を様々な媒体を活用し周知を行うとともに、医療機関や医師会等とも連携し、丁寧な情報の提供に努めるとされていますが、正しく判断するための情報は全く足りていないと、これまでの質問の中でもいろんな機会を見て質問してまいりました。定期接種については、国において被接種者に対する予防接種後健康状況調査を行っているとのことです。これは中長期的なことなどはまだまだ分からない状況だと思っています。HPVワクチンに関しても同様のことが言えると考えます。
では、それぞれのワクチン接種後に係る体調や健康被害救済制度の申請に関する相談件数とその内容についてお伺いします。
また、税金を使って積極的に接種事業を行っているわけですが、接種後の健康調査など独自でされたのか、されたのであればどのような把握をされているのか、説明を求めます。
以上で2回目の質疑を終わります。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 乳児等通園支援事業についてお答えいたします。
令和6年度の福岡市型こども誰でも通園制度の実施状況でございますが、33の保育施設等で実施しており、令和7年1月末までの利用者数は733人となっております。
次に、利用対象者でございますが、保育所等に通園していない生後6か月から年度末までに3歳に到達する子どもとしており、利用時間は福岡市独自に国の上限である月10時間を超えて、毎週1回定期的に月最大40時間まで利用可能としております。利用料金は子ども1人当たり1時間300円の範囲内で実施施設が設定することとしており、生活保護世帯や住民税非課税世帯等は料金を減免することとしております。
次に、保育士以外の保育従事者数は令和6年度は10人となっております。
次に、保育士の勤続年数、離職率でございますが、認可保育所の正規保育士の令和6年度の平均勤続年数は6.7年、正規保育士のうち、令和5年度中の離職者の割合は13.7%となっております。保育士確保の取組については、国による公定価格の大幅な改善に加え、勤続手当や初任給調整措置費の助成、潜在保育士などへの保育料及び離職準備金の貸付け、家賃や奨学金返済額の助成、ICT化による業務軽減、働き方改革に取り組む保育所への支援のほか、令和6年度からは保育補助者を雇用した場合は人件費を助成する制度を新たに実施しております。
次に、福岡市型こども誰でも通園制度の利用者の声については、育児について保育士に相談することにより孤独感の解消や育児負担の軽減につながった、集団生活により子どもの成長促進や保育園の給食により食生活が改善されたなどの効果が見られたといった声をお聞きしております。また、実施事業者からは地域の子育て支援に関わることで保育士としてのやりがいを感じるとの意見をお聞きしており、子どもの成育や保護者の育児負担軽減の観点から効果が高い事業であると考えております。
次に、今年度の課題と対策については、実施事業者から事業を安定的に運営するには補助金の充実が必要との声をお聞きしており、また、ニーズに応じて受皿を確保していくことも課題と認識しております。これらの課題を踏まえ、補助単価の引上げについて国に要望してきたところでございます。
次に、基準の検証についてのお尋ねでございますが、認可保育所と同等の設備及び運営に関する基準を市の実施要綱で定め、基準を満たす施設のみを公募で選定し、事業開始後は保育士資格を有する市の職員が実施施設を巡回し、適切に運営されていることを確認しております。
最後に、今後の利用見込みについては、本事業の浸透とともに、利用者は増加するものと見込んでおります。スケジュールでございますが、令和6年度中に実施事業者の認可手続を行い、7年4月以降、準備が整った事業者より順次事業を開始することとしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) ワクチン接種事業に関する御質問にお答えをいたします。
接種に使用されるHPVワクチンは、グラクソ・スミスクライン株式会社の2価ワクチン、サーバリックスや、MSD株式会社の4価ワクチン、ガーダシル、9価ワクチン、シルガード9の3種類となっており、各ワクチンとも定期接種化後の成分の変更は行われておりません。
次に、今年度のワクチン接種件数につきましては、令和6年11月末時点での数で申し上げますと、HPVワクチンは3万3,597件、このうち、定期接種が6,734件、キャッチアップ接種が2万6,863件であり、また、新型コロナワクチンは3万5,624件となっております。
次に、副反応疑いの報告件数につきましては、局所の腫れや痛み、発熱などの症状も含まれておりますが、HPVワクチンにおきましては、定期接種となった平成25年度からの報告件数は9件で、このうち、定期接種が8件、キャッチアップ接種が1件となっております。また、新型コロナワクチンにおきましては、接種を開始した令和3年度からの報告件数は209件となっております。
次に、予防接種健康被害救済制度の申請件数等につきましては、HPVワクチンは定期接種化後の接種実績約8万4,500回のうち申請件数は3件で、いずれも国への進達が完了しており、認定1件、審査中2件となっております。また、新型コロナワクチンは接種開始後の接種実績約485万回のうち申請件数は126件で、このうち124件は国への進達が完了しており、認定83件、否認17件、審査中24件となっております。
次に、ワクチン接種後の相談件数につきましては、HPVワクチンは厚生労働省の通知に基づき副反応等に関する相談窓口を平成27年度から設置をいたしておりまして、これまで45件の相談を受け付けております。また、新型コロナワクチンについては、定期接種となった令和6年度から福岡市において相談を受け付けており、令和7年2月12日現在で139件となっております。相談内容といたしましては、接種後の副反応に関することや健康被害救済制度の申請方法に関するお問合せが多くなっております。
最後に、接種後の健康調査につきましては、HPVや新型コロナワクチン接種を含む全ての定期予防接種において、ワクチン接種から一定期間、被接種者の健康状態を調べる予防接種後健康状況調査が国において継続的に実施されており、市独自での調査は行っておりません。なお、予防接種後健康状況調査の結果を踏まえ、厚生労働省の厚生科学審議会において、医学的、疫学的見地からの解析、評価が行われ、安全性の確認が行われているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) まず、議案第15号です。
子ども、子育ての支援として実施された試行に関しては、利用者が733人ということでした。今後続けられるということは、増えるのは容易に予測されております。そして、減免制度もあるということでした。このこども誰でも通園制度の概要として、内閣総理大臣が定める基準により算出した費用の額に、利用時間、10時間以上であって乳児等通園支援の体制の整備の状況その他の事情を勘案して内閣府令で定める時間が上限ということを定めています。それに乗じた額を支給するとなっています。また、2026年度から内閣府令で定める月一定時間の利用可能枠での実施が難しい自治体においては、3時間以上であって内閣府令で定めるところを設定することが可能というふうになっています。だから、厳しいところは3時間以上というふうな数字を出しているところです。
そして、保育士以外の従事者は10人ということ。それから、保育所における保育の従事者、保育士の勤続年数に関しては、認可保育所で福岡市において6.7年が平均勤続年数ですね。そして、離職率は13.7%ということでした。2021年の調査では、保育士の平均勤続年数が8.8年、これは全国的なことですね。そして、産業別離職率で見ると、福岡市の保育士の離職率は高い状況にあります。そして、保育補助者を雇用する場合の助成を新たに実施するということを、いろんな施策として保育士確保のための取組はしてくださっていますが、現場はやはり足りない状況があるのが現実です。保育士確保のための福岡市独自のさらなる取組は必要と考えます。
そして、試行された結果のところで、評価の中では、利用者からはいろいろ負担軽減になったり、成長の促進や食生活の改善に関する意見が出されているということでした。頼りにしたい事業ではあるということは分かります。そこと、実施施設からはやりがいを感じるという意見が出されてはいますけれども、保育士のやりがいはとても大きいというか、命を預かる仕事、そして、子どもたちの未来をより豊かにしたいために、やっぱり資格を取って従事するものです。効果が高い事業であると評価はされておりますが、これがやりがい搾取になってしまわないのか、懸念を感じます。
そして、福岡市においての課題としては、地域の受皿確保ということをおっしゃられました。これには、国から示された概要の説明の中では、課題は半年の子から3歳未満の子に限る年齢制限ですね、それは安全確保を大事にするため、これでもまだまだ課題は残るという思いで設定されています。そして、利用の時間のことなんですけれども、福岡市は最大40時間までの取組となっています。そして、いろんな施策を充実させるための対策としては、やっぱり補助単価の増額について国に要望ということだけのようになっております。
それで、安全対策としては、市職員の指導監督員による巡回や、適正に運営されていることを確認しているということでした。事業を受けて取り組む保育施設全体の運営に支障が及んでいないのか、そこまで評価をすべきだと考えます。報道等でも分かるように、保育所等での事故や虐待案件もゼロではありません。パブコメ等に寄せられた意見には、これは今年の1月14日に出されていますが、離職率の激増に鑑みて、過度な負担にならないような法整備を望む声、それから、基準があまりにもずさんや基準案の撤回の声もありました。より高度な専門性を有する職員をきちんと配置する必要性があります。そもそもの保育の在り方から、毎日通所する在園児とは利用時間が異なり、単発的な利用が想定されるため、個人の発育状況に応じた個人ごとの養護と教育に関する個別計画の作成が困難であることが推測されたり、毎月の利用時間、10時間以上、福岡では付与されますが、本当に単発的な継続利用が見込まれる制度のため、毎月の継続的な利用を円滑に行うことを前提とした乳幼児に対する計画策定等の基準をお示しいただきたいという声も上がっています。特に3歳以上児の子どもたちにとっての1人当たりのスペースが諸外国と比べても日本は不適切な環境がもともとある、そんな状況があると感じているなど、保育の現場にいる方々の本当に切実な声は上がっております。
そして、これが来年度から順次事業開始をされていきます。まだまだこれから示されることなどもあり、試行といえども、懸念が残る状況と考えます。発達障がいやアレルギー等の疾患のある乳幼児の対応等、年々慎重さが必要になっています。ヒヤリハットと言われる事故までには至らない案件が多々あることは事実ではありますが、これは市としては把握されていないとお聞きしております。市内の保育所等の困難な案件などの相談に、これは従来から受けてはいらっしゃいますけれども、まだまだ足りていないことがあります。しっかりとサポートできる行政運営が必要と考えます。
改めてこども誰でも通園制度の施策の目的は、全ての子どもたちの育ちを応援し、子どもの良質な成育環境を整備するとともに、全ての子育て家庭に対し、多様な働き方やライフスタイルに関わらない形での支援を強化するため、現行の幼児教育、保育給付に加えて、一定時間の利用可能枠の中で、就労要件を問わず時間単位で柔軟に利用できる新たな通園給付の創設を見据えた施策として、今回、本格実施を見据えた形でこの条例案が出されていますが、国の補助として、全国で150自治体程度の実施を想定し、人口100万人以上の自治体には、預かりに必要な経費、1自治体当たり年額1億3,200万円余が計画に充てられて、そして、指導監督員の雇用に向けても必要な経費が1自治体当たり、100万人以上の自治体には年額4,100万円余などが国から示されているところです。課題、対策として国への補助増額を要望と御答弁もありましたけれども、保育施策としては国の補助があるものの、本市の合計特殊出生率は全国を下回っています。
本市では現在、3歳未満児の保育料は無償化されていません。こども誰でも通園制度の本格実施に向かう前にでも少子化にブレーキをかける意味でも、3歳未満児の保育料を無償化することを国に求め、福岡市で先行して無償化を進めるべきと考えますが、御所見を求めます。
こども誰でも通園制度の実施事業を進めるのであれば、丁寧に進め、検証等を着実に行い、保育の現場のさらなる充実のために、国にさらなる要請をしていくことが必要と考えます。先ほどの堀内議員の中にもありました。託児所化になってしまわないことは重要だと考えます。
今回、条例案の上程をされ、制度の概要や枠組み、これまでの経緯等を質疑してきましたが、この質問の最後に、本市としてこども誰でも通園制度による実施事業に対する御所見を伺います。
次に、議案第1号のワクチン接種事業に関してです。
HPVワクチンの成分の変更は行われていないということです。そして、ワクチンの接種数に関しては、2021年度は8,844件されております。それからちょっとずつ減ってきております。そして、キャッチアップ事業としては、5年度、昨年、2023年度が9,500件ほどあるということです。過去の私の質問からお答えをいただいています。
そして、副反応疑いに関しては、HPVワクチンに関して報告数が9件で、定期接種は8件とキャッチアップが1件ということを言われました。以前質問した中では、これは2023年度のところでは報告件数が8件でした。なので、この間に1件増えているということです。そして、新型コロナワクチンに関しての報告数も、前回、昨年の8月31日現在にお聞きした件数は207件でありました。そして、今回が209件ということで、2件増えております。
そして、認定件数、これは国に進達したものの中の認定件数ですね、HPVワクチンに関しては、認定が1件で、審査中が2件とのことです。以前質問した御答弁の中では、これが1件というのが進達されているという福岡市における健康被害救済制度の申請数についてが2件で、そして、認定が1件だったということです。これは事例として、インフルエンザは過去、これまで申請されているのが2件なんですね。それと比べると、やはり時期が短い、回数も少ない中でこの数字になっています。それから、コロナにおけるものに関しては、以前質問したとき、昨年の8月31日、申請件数は114件、うち108件の進達が完了し、認定が75件で、否認が12件ということでした。なので、これもまた増えているということです。
それから、HPVワクチンの相談件数に関しては45件ということでしたけれども、以前質問したときには38件で、またこれも増えております。それから、新型コロナワクチンの相談に関しても、まだまだ増えているという状況があります。
そして、副反応疑いだったり、そういった体調、健康状況調査ですね、これは市独自では調査を行っていないとのことでしたが、税金を使って福岡市は積極的に接種事業を行ってきました。市民の健康増進の取組も福岡100として、人生100年時代の到来を見据え、誰もが心身ともに健康で自分らしく活躍できる持続可能なまちを目指すプロジェクトに取り組んでいます。ワクチン接種によって人生が一変した、人生を奪われたと言っても過言ではない人もいます。独自のアンケート等をすることが必要だと考えております。
乳幼児期からのワクチン接種に関してもありますというところで、2問目の質問を終わります。(発言する者あり)すみません、3問目として、乳幼児期からのワクチン接種に関してなんですけれども、懸念する点が多々あります。例えば、接種事業のタイミングを合わせるのが難しいということで、最近では赤ちゃんの左腕に2回続けて、その同時に、また右腕に1本、そして最後に、口からポリオを流し込むという、本当に言葉がまだ発せられない、痛みも苦しさも伝えられない、そんな赤ちゃんに対して、乳幼児に対して接種が行われております。そして、食品添加物よりも多い量の薬品を体に入れ込む、この副作用がどれだけのものになるのかがこれから先、分かりません。
今回の補正予算で計上されているように、市民の納めた大切な税金を使って積極的推奨で接種事業を進めてこられています。地方行政として市民に一番近くで市民へのサービスをしていて、市民の生命、財産を守る役目を果たさなければならない市政運営です。福岡市として積極的に進めた接種事業です。ウエルビーイングの実現のため、誰一人取り残さない社会のためにも、接種後の市民の健康について積極的に関心を持って調べ、苦しむ方がいれば健康改善を図るために積極的に取り組むこと、そのための予算をつけていくことは推奨した者の責任であり、福岡100をうたう市政運営として非常に重要なことではないでしょうか。積極的に推奨した責任として健康改善の取組が必要と考えますが、ワクチン接種事業についての御所見をお伺いし、私の質疑を終わります。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 乳児等通園支援事業につきまして、答弁に入ります前に、先ほどの答弁の訂正をさせていただきます。
先ほど保育士確保の取組に関する御質問に対して、離職準備金とお答えするところがございました。正しくは就職準備金でございます。おわびして訂正させていただきます。
それでは、御質問にお答えいたします。
3歳未満児の保育料の無償化を行うには毎年多額の財源確保が必要であり、本来、幼児教育、保育の無償化は全国どこでもひとしく支援を受けられるべきであるため、国の責任において実施されるよう要望をしております。
最後に、こども誰でも通園制度については、福岡市は本事業がより効果的な子育て支援につながるよう、利用時間や障がい児を預かった場合の加算など、国の基準に独自の上乗せをした福岡市型として実施をしており、子どもの成長促進、食生活の改善、保護者の育児負担軽減など、子育て支援に大きな効果が見られ、利用者のみならず、実施事業者からも高く評価されていると認識をしております。今後とも、支援の充実に向けて取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) ワクチン接種事業に関する御質問にお答えをいたします。
定期予防接種につきましては、国において予防接種後健康状況調査が継続的に実施され、安全性の確認が行われております。副反応による健康被害は極めてまれではありますが、福岡市では各区保健福祉センターに相談窓口を設けるとともに、市内の接種実施医療機関に対して、副反応等を疑う症状の相談や国の健康被害救済制度の申請への協力をお願いしているところでございます。今後とも、ワクチン接種の安全性や有効性など、市民に分かりやすく丁寧な情報提供に取り組みながら、希望される方が円滑に接種を受けられるよう環境整備に努めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 以上で質疑を終結いたします。
ただいま議題となっております議案31件は、お手元に配付の議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
以上で本日の日程は終了いたしました。
次の会議は2月20日午後1時10分に開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午後2時59分 散会