令和6年12月12日(木)
令和6年 第5回 福岡市議会定例会
議 事 日 程 (第2号)
12月12日 午前10時開議
第1 一 般 質 問
本日の会議に付した事件
議事日程のとおり
出 席 議 員 (62名)
1番 おばた 英 達 2番 もろくま英 文
3番 淀 川 幸二郎 4番 稲 員 稔 夫
5番 鬼 塚 昌 宏 6番 堤 田 寛
7番 大 森 一 馬 8番 大 原 弥寿男
9番 今 林ひであき 10番 阿 部 真之助
11番 打 越 基 安 12番 堤 健太郎
13番 坂 口よしまさ 14番 新 開 ゆうじ
15番 とみながひろゆき 16番 田 原 香代子
17番 たのかしら知行 18番 石 本 優 子
19番 勝 山 信 吾 20番 調 崇 史
21番 川 上 陽 平 22番 津 田 信太郎
23番 古 川 清 文 24番 高 木 勝 利
25番 篠 原 達 也 26番 平 畑 雅 博
27番 伊 藤 嘉 人 28番 川 上 晋 平
29番 尾 花 康 広 30番 松 野 隆
31番 山 口 剛 司 32番 大 石 修 二
33番 和 田あきひこ 34番 あ べ ひでき
35番 大 沢 めぐみ 36番 木 村てつあき
37番 橋 口 えりな 38番 綿 貫 康 代
39番 前 野 真実子 40番 中 島まさひろ
41番 藤 野 哲 司 42番 新 村 まさる
43番 天 野 こ う 44番 堀 内 徹 夫
45番 森 あやこ 46番 福 田 まもる
47番 はしだ 和 義 48番 浜 崎 太 郎
49番 阿 部 正 剛 50番 倉 元 達 朗
51番 中 山 郁 美 52番 川 口 浩
53番 小 竹 り か 54番 勝 見 美 代
55番 井 上 ま い 56番 ついちはら陽子
57番 田 中 たかし 58番 山 田 ゆみこ
59番 近 藤 里 美 60番 落 石 俊 則
61番 田 中しんすけ 62番 池 田 良 子
欠 席 議 員 (0名)
説明のため出席した者
市 長 島 宗一郎 副 市 長 光 山 裕 朗
副 市 長 中 村 英 一 副 市 長 荒 瀬 泰 子
水道事業管理者 下 川 祥 二 交通事業管理者 小野田 勝 則
総 務 企 画 局 長 龍 靖 則 財 政 局 長 山 嶋 剛
市 民 局 長 舟 越 伸 一 こども未来局長 野 中 晶
福 祉 局 長 藤 本 広 一 保 健 医 療 局 長 藤 田 三 貴
環 境 局 長 中 村 卓 也 経済観光文化局長 鈴 木 順 也
農 林 水 産 局 長 姉 川 雄 一 住 宅 都 市 局 理 事 町 田 一 彦
道路下水道局長 天 本 俊 明 港 湾 空 港 局 長 竹 廣 喜一郎
消 防 局 長 田 浩 輝 会 計 管 理 者 小 林 登茂子
教 育 長 石 橋 正 信 教 育 委 員 沖 田 由 香
選挙管理委員会事務局長 中川原 敬 子 人事委員会事務局長 小 川 明 子
監 査 事 務 局 長 上 薗 久 美
職務のため出席した事務局職員
議会事務局長 久 田 章 浩 議会事務局次長 着 一 孝 議 事 課 長 水 ア 亮 二 議 事 係 長 實 政 伸一郎
外関係職員
午前10時 開議
○議長(打越基安) これより本日の会議を開きます。
日程第1、一般質問を行います。発言通告者のうちから順次質問を許します。堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎)登壇 おはようございます。私は公明党福岡市議団を代表して、防犯対策の強化について、地域包括ケアの推進に向けた介護支援ボランティア事業の拡充について、以上2項目について質問してまいります。
初めに、防犯対策の強化について質問いたします。
今、首都圏を中心に犯罪実行者をSNSなどで募集する闇バイトに応募した若者らによる強盗事件が多発し、国民の不安感が高まっています。この深刻な事態に国も本格的に対策に乗り出していますが、本市としても、市民の安全、地域の安全をどう守っていくか、具体的な対策を打たなければなりません。その観点で、犯罪のないまちづくりに向けた防犯対策の強化について質問してまいります。
本市の刑法犯認知件数について、過去最も多かった平成14年、直近の令和5年の件数とその期間での傾向、また、人口1,000人当たりの認知件数について、令和5年の政令市ワースト順位をお答えください。
以上で1問目の質問を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 刑法犯認知件数につきましては、平成14年が5万7,578件、令和5年が1万2,681件となっており、この間は平成14年をピークに減少傾向となり、平成27年から令和3年までは年々最少を更新しておりましたが、令和4年からは増加に転じ、直近2年間は微増となっております。令和5年の人口1,000人当たりの認知件数につきましては、政令市中、多いほうから4番目となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 本市は人口1,000人当たりの刑法犯認知件数で、大阪市、名古屋市、神戸市に次いで4番目に多いようです。
本市では防犯のまちづくり推進プランを定めています。以下、防犯推進プランと呼びますが、この防犯推進プランの進捗と現状の認識についてお伺いいたします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 防犯のまちづくり推進プランの進捗につきましては、現プランで設定しております3つの成果指標でお答えをしますと、まず、刑法犯認知件数については、平成30年の1万4,916件から令和5年は1万2,681件となり、減少しております。次に、自分の住んでいる地域が犯罪の少ない安全なまちだと思う人の割合については、平成30年の62.0%から令和5年は70.4%となり、増加しております。次に、福岡市の犯罪の少なさに満足している人の割合については、平成30年の34.1%から令和5年は40.0%となり、増加をしております。いずれの指標につきましても改善しているものの、令和5年末時点で目標に至っていない指標もあり、より一層の防犯施策を推進する必要があると考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 令和5年度の市政に関する意識調査において、福岡市は住みやすいと答えた人の割合は98%だった一方、先ほどの御答弁でも、都市環境などの満足度において犯罪の少なさに満足している人の割合は40%まで増加したとのことですが、これは全18項目の中では、平成30年と同様、最も低い結果となっています。今年度は次期防犯推進プランを策定する年度ですので、近年の犯罪状況や動向、課題を踏まえた実効性のあるものにしていただくよう要望します。
冒頭述べた闇バイトについては、明確な定義はありませんが、新たな犯罪手口として犯人グループがSNSやインターネットの掲示板で、仕事の内容を明らかにしないまま、高額な報酬の支払いを示唆して強盗や詐欺といった犯罪実行者を募集するものとされています。しかし、これは闇バイト強盗ではなく、悪質な無差別強盗であります。
そこでお尋ねしますが、本市では闇バイトに対してどのような対策を行っているのか、お聞かせください。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) いわゆる闇バイト対策につきましては、県警察などと連携をし、SNSやホームページによりその手口を情報提供するなど、市民が闇バイトに巻き込まれないよう未然防止に取り組んでおります。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 特に若い世代には安易に応募しないよう注意喚起が必要です。近年は特殊詐欺の被害件数、被害金額が増大し、社会的にも問題になっています。その背景には、犯罪に加担するメンバーを入れ替えながら詐欺や強盗などを繰り返すなど、犯罪が高度化、巧妙化しています。闇バイトもその手法の一つにすぎず、今後、新たな手法が出てくることが予想されます。
ここで資料1をお願いします。(資料投影)これは東京都が作成しているリーフレットですが、2年前からリーフレットの作成や、闇バイトに応募しないことや特殊詐欺に加担しないよう、SNS上で闇バイトで使われていることが多い「ホワイト案件」や「高収入」など、関連する用語の入力があった端末に絞って、関わってはダメですと強く注意喚起するターゲッティング広告を活用して周知、啓発を行っています。
本市としても闇バイトによる強盗事件や特殊詐欺事件の増加を踏まえた対策として、SNSによる注意喚起とともに、若い世代に向けたチラシなどを活用した啓発も必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 若い世代に対しましては、意図せず犯罪に関与することのないよう、闇バイトをはじめとする犯罪の危険性等について、SNSやチラシなど、様々な媒体を活用して広報、啓発を行ってまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) どうかよろしくお願いいたします。
特殊詐欺や闇バイトの若者の認知度について調査した民間のアンケート結果によると、特殊詐欺という言葉を知っていると回答したのは59.4%、闇バイトに関しては72.8%でした。この結果からも、逆に知らないという若者が一定割合います。知らないことで犯罪に巻き込まれてしまうのではないでしょうか。
そこで、教育長にお伺いいたしますが、市立の中学校、高校においても生徒が闇バイトなどによる犯罪に巻き込まれないよう周知、啓発を行うことが重要と考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和5年8月に文部科学省からの通知がありまして、その中で、警察庁が作成した犯罪行為の事例集などを参考に、闇バイトの問題について取り扱うよう依頼があってございます。教育委員会ではこれまで啓発用チラシを作成し、ホームページに掲載してきておりまして、引き続き警察と連携し、生徒が犯罪に巻き込まれないよう周知、啓発に努めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) よろしくお願いいたします。
福岡市中央区の親不孝通りに、地元の地域団体が協力して闇バイトの撲滅活動の拠点施設を開設し、就労相談などの支援をするとの報道が話題を呼んでいます。実際に闇バイトに応募した理由として借金などの問題を抱えていることが多いようで、闇バイト撲滅に特化した民間支援施設は全国でもあまりないようです。
そこで、本市としても、闇バイト対策について警察や大学、地域団体などとも連携して進めていくべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 闇バイト対策につきましては、様々な関係機関、団体と連携をして取り組むことが重要と考えておりまして、今後とも、県警察、大学や短期大学、地域団体等との連携を強化し、より一層の広報、啓発を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) よろしくお願いいたします。
ここからは地域での防犯対策について伺います。
本市においても、工事業者を装って留守の時間を聞くなどの不審な業者の訪問や電話などが報告されています。
そこで、近年の状況として、本市における強盗、空き巣などの住宅侵入窃盗の認知件数について、過去5年の推移と本年10月時点での件数と傾向、また、人口1,000人当たりの認知件数について令和5年の本市の政令市ワースト順位をお答えください。また、住宅侵入窃盗については、その特徴も教えてください。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) まず、強盗の認知件数につきましては、令和元年が19件、2年が22件、3年が20件、4年が9件、5年が20件、6年は10月末時点での暫定値で13件と、おおむね横ばいで推移をしております。令和5年の人口1,000人当たりの認知件数につきましては、政令市中、多いほうから11番目となっております。次に、住宅侵入窃盗の認知件数につきましては、令和元年が430件、2年が326件、3年が190件、4年が264件、5年が237件、6年は10月末時点の暫定値で162件と、おおむね減少傾向となっております。令和5年の人口1,000人当たりの認知件数につきましては、政令市中、多いほうから5番目となっております。また、この犯罪の特徴といたしましては、無施錠による被害が全体の39.7%を占め、多くなっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 空き巣などの住宅侵入窃盗の認知件数は、政令市中、上位に位置しているようです。コロナ禍によって刑法犯認知件数が減少したと指摘されていますが、人の移動などがコロナ禍前に戻ることにより再び増加に転じていることも犯罪の動向に影響を及ぼしていることが考えられます。また、在宅時には必ず施錠するなど、防犯意識をさらに高めていく必要があります。
本市では平成26年度より福岡市犯罪のない安全で住みよいまちづくり推進条例を施行していますが、どのような基本理念を掲げているのか、お答えください。また、その理念に基づき、地域による防犯活動においてはどのような支援をしているのか、お伺いいたします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 福岡市犯罪のない安全で住みよいまちづくり推進条例において「市民、地域団体及び事業者は、自らの安全は自らで守り、地域の安全は地域で守るという防犯意識のもとに、地域防犯活動に主体的に取り組み、地域社会の絆の強化を図ること」、「市は、関係機関との連携のもと、市民等が行う地域防犯活動の促進を始めとした防犯施策を推進すること」との基本理念を掲げております。地域に対する支援につきましては、庁用自動車の無償譲渡をはじめとして、防犯パトロールカーの車検、ガソリン経費の負担、地域防犯活動に対する物品支給や街頭防犯カメラの設置補助などを行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 地域による防犯活動は重要です。先日、地元の校区で実動パトロールと呼ばれる不審者対応のパトロール訓練に参加してきました。
資料2をお願いいたします。(資料投影)10年前から続けているこのパトロールは、地域に不審者が発生したことを想定し、まず、不審者役が校区内を自転車で回ります。不審者の特徴などの情報を基に、当日参加した20名が自宅周辺をパトロールしながら、不審者役を目撃したら情報共有をします。今回からグループLINEの位置情報も活用したことで、タイムリーに情報共有が図れました。いざというときに備え、地域の安全は地域で守るという取組に大変心強く感じた一方で、少子・高齢化による影響や地域活動への参加者減少などによって十分な防犯活動が実施できていない地域もあります。また、青パトの乗り手が少なくなっていることなど、様々な課題も抱えていますが、将来にわたり地域の防犯活動を持続可能なものにしていかなければなりません。
そこで、市民局の認識と今後どのように対応していくのかについて御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 少子・高齢化が進展する中、地域の防犯活動を持続可能なものにすることは大変重要であると考えております。現在、地域の防犯活動の取組事例を市政だよりなどで周知をするとともに、警察署の管轄区域を単位として組織され、地域防犯に係る広報、啓発や防犯教室等を実施する地区防犯協会に対し補助金を交付し、地域の防犯意識の啓発を促進しております。今後とも、県警察や防犯協会などと連携をし、住民に対する地域防犯活動への理解や参加の促進に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 防犯のまちづくりの基本は、人の目による犯罪の起こりにくい環境をつくることですが、それが難しい場所や時間帯においては防犯カメラで補完することが有効であると言われています。
防犯カメラの効果と市内の防犯カメラの設置数について、本市が公共の場所に設置したものと補助により地域が設置したものをそれぞれお答えください。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 防犯カメラの効果につきましては、その存在を認識させることによる犯罪の抑止効果や地域住民の安心感の醸成に加え、犯罪発生時の犯人の特定、検挙に寄与しているものと考えております。防犯カメラの台数につきましては、いずれも令和5年度末時点で、公共空間を撮影範囲とし市が設置管理しているものが225台、補助制度を活用し地域団体が設置したものが1,880台となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) まずは、地域が設置する防犯カメラ設置補助金制度の概要についてお伺いいたします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) お尋ねの補助制度につきましては、自治協議会、自治会、町内会などに対し、1団体につき年間4台を限度に1台当たり25万円を上限とし、機器購入費及び工事費の75%以内で補助するものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 地域が設置する防犯カメラについて、令和5年度までの過去5年の設置台数、設置団体数、設置補助金の予算額についてお伺いいたします。また、本市の事業に対する国や県からの財政支援はあるのかも併せてお答えください。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 設置団体数と台数につきましては、令和元年度が56団体で158台、2年度が62団体で163台、3年度が74団体で164台、4年度が92団体で210台、5年度が100団体で267台となっております。予算につきましては、令和元年度が3,190万円余、2年度が3,099万円余、3年度が3,077万円余、4年度が3,885万円余、5年度が4,705万円余となっております。なお、この事業に対する国や県からの財政支援はございません。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 御答弁のとおり、年々防犯カメラの設置台数、設置団体数、予算額ともに増加してきています。
また、本市は独自財源である単費で予算計上しているとのことですが、防犯カメラ設置補助について、今後の方向性について御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 防犯カメラにつきましては、市民の防犯意識の向上や犯罪の抑止に有効であると考えておりまして、今後とも、補助制度による設置促進に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 引き続き助成を行っていくとの力強い御答弁をいただきました。
今後も地域への防犯カメラの設置推進に取り組んでいただきたいと思いますが、令和5年度末時点で地域が設置する防犯カメラが1台も設置されていない、いわゆる未設置の各区別の校区数と令和6年度初めて設置する校区数を教えてください。また、未設置校区からの声や要望などは把握していますでしょうか。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 未設置校区数につきましては、東区が8校区、博多区が4校区、中央区が1校区、南区が4校区、城南区が5校区、早良区が8校区、西区が8校区でありまして、令和6年度に初めて設置をする校区は4校区の見込みとなっております。未設置校区の要望等につきましては、夜間でも明るく治安もよいので防犯カメラを特に必要としていないとの御意見や、設置意向調査から防犯カメラの設置まで2年にわたるため役員の交代で引継ぎがうまくいかない、1年で設置完了できるようにしてほしいといった御要望がございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 4校区が新たに設置するとのことですが、令和6年度末でも34校区と、全校区のまだ2割は依然として防犯カメラが未設置です。地域の状況によっても差があるようですが、設置意向調査の提出から設置まで2年かかることには課題があります。
そこで、今年度、防犯カメラ設置補助金制度の見直した概要についてお伺いいたします。また、見直しを受けての地域の声などありましたら教えてください。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 制度の見直しにつきましては、申請書類の削減や未設置校区の団体及び故障等によるカメラの付け替えについては単年度での申請、設置、補助を可能とすること、また、カメラ等の機器性能などの基準の緩和、この3点を行っております。地域の声につきましては、申請書類作成の負担が軽減した、カメラが故障し困っていたが、早期に付け替えることができるようになって助かったといった御意見をいただいております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 制度の見直しにより、単年度の補助を可能とした防犯カメラの未設置校区の団体及び故障などによるカメラの付け替えについては、それぞれ何団体から何台の申請があったのか、お答えください。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 単年度での補助を可能とした未設置校区の団体につきましては、1団体と4台の申請に向けた協議を進めているところでありまして、また、故障等によるカメラの付け替えにつきましては、6団体から15台の申請を受けております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 未設置校区からの申請はあまり進んでいないようです。私も地域の声を伺いますと、費用の高額さやプライバシーの観点など、防犯カメラ設置への理解が進んでいないとの指摘もいただきます。防犯カメラの設置に当たっては、地域での合意形成が図りやすくなるよう、行政側からのより丁寧な説明を要望しておきます。
防犯カメラを設置したから安全ではなく、防犯活動と組み合わせて実施できるよう、スピード感を持った設置までのスキームが求められていると考えます。
未設置校区や取り替えだけに限定せず、全てにおいて申請から設置までを単年度で完了できるよう制度のさらなる見直しを求めますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 制度の見直しにつきましては、地域の御意見をお聞きしながら、申請から助成完了までの手続の円滑化、迅速化を含め、より多くの地域で制度を活用していただけるよう検討してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) ぜひよろしくお願いいたします。
一方で、本市が設置管理している直営の防犯カメラは225台との御答弁でしたが、地域が設置している防犯カメラ1,880台と比べると、その数は少ないようです。これからは地域の安全、安心を守るため、新たな視点での防犯対策として市直営の防犯カメラの増設もさらに進めていくことは重要と考えます。
ここで他都市の事例を紹介いたします。資料3をお願いいたします。(資料投影)神戸市ではこれまで地域で設置した防犯カメラ約3,000台に加え、令和2年度からの3年間で小学校の通学路や主要駅周辺に市の直営防犯カメラ2,500台を設置しています。さらには、今年度からの3年間で新たに2,500台の設置整備も進めています。
資料4をお願いします。(資料投影)視察に伺った東京都の葛飾区や足立区では、防犯カメラや防犯フィルム、録画機能付インターホンなどの防犯設備を購入、設置した区民にその費用の一部を助成する制度を開始しています。本市でも、個人の自宅に設置する防犯カメラなど、捜査機関から画像提供の要請に協力する場合に助成するなど、検討いただきたいと思います。国も防犯対策の強化については、現在審議中の総合経済対策に盛り込まれているところです。
今後、本市としても直営防犯カメラの増設や自宅への防犯カメラ設置に対する費用助成など、防犯対策の強化として新たな施策を実施すべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 防犯カメラは、その犯罪抑止効果等に鑑み、設置を推進、促進していくべきものと考えております。福岡市では、地域の安全は地域で守るという条例の基本理念の下、防犯カメラの助成も地域団体に対して行ってきたところであり、引き続き地域の防犯活動に対する支援を進めることが重要であると認識をしております。議員御指摘のとおり、現在、国の総合経済対策において防犯対策の強化が取り上げられているところでありまして、その動向にも注視をしながら、さらなる対策の充実強化に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) どうかよろしくお願いいたします。
官民一体となった取組も注目されています。熊本市では、市と県警、タクシー協会が動く防犯カメラとしてドライブレコーダーを活用した地域防犯活動に関する協定を今年9月に締結しています。
資料5をお願いいたします。(資料投影)タクシーや市が所有するごみ収集車など、ドライブレコーダー搭載車両を活用し、地域見守りパトロール中のステッカーを貼ることで、犯罪の抑止や事件、事故発生時の早期解決につなげるとのことです。協定では、県警から協力依頼があった場合にドライブレコーダーの画像提供に協力することなどが規定されており、業務中に得た事故や不審者などの目撃情報も県警に通報する協定となっています。
本市においても、県警や交通事業者、運送事業者などとドライブレコーダーを活用した防犯協定を結ぶなど、地域の安全、安心の向上を図るべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 市民、地域団体、事業者、県警察などが連携し、見守り活動を行っていくことは犯罪が起きにくい環境づくりにつながるものであり、重要であると考えております。協定も含め、さらに関係機関、団体などとの連携強化に努め、地域の安全、安心の向上を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) よろしくお願いいたします。
犯罪のないまちづくりのためには、住民一人一人の取組である自助、そして、地域の取組である共助、行政の取組としての公助、そして、それらをテクノロジーで補完する技助、これらが相互に連携することで一層大きな効果を発揮します。
この質問の最後に、本市における防犯対策の強化について島市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市は生活の質の向上と都市の成長の好循環をつくり出すことを都市経営の基本戦略としておりますが、安全、安心のまちづくりは生活の質の向上の基盤となるもので、大変重要であると考えております。このため、福岡市犯罪のない安全で住みよいまちづくり推進条例に基づき、犯罪防止の啓発活動や地域防犯活動への支援、また、防犯に配慮した環境整備など、ソフト、ハードの両面から防犯のまちづくりを推進しております。今後とも、地域団体、事業者、県警察などとさらに緊密な連携を図り、防犯カメラの設置促進といった地域の防犯対策の支援を充実させるなど、犯罪のない安全で住みよいまち福岡の実現に向けてしっかりと取り組んでまいります。以上です。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) ありがとうございます。
次に、介護支援ボランティア事業の拡充についてです。
きっかけは市民の方からの「以前、介護支援ボランティアというものがあったと思う。介護施設でのボランティアを通して、介護予防にもつながり、ポイントもためられ、換金できると大きな話題になったが、その後どうなっているのか」とのお尋ねでした。聞けば、要介護認定までは受けないまでも、あまり外出せずに自宅にいる高齢者は身近に多く、心配とのことです。この介護支援ボランティア事業は今も実施されており、市政だよりにもボランティアの募集などが掲載されています。しかし、介護支援ボランティア事業のことがどこまで知られているのか、地元の老人会の方々にも聞いたりしましたが、利用したことはない、ほとんどの方は知らないようでした。長寿化や健康寿命の高まりにより、高齢世代の方々が活躍する場や就業などの選択肢が増える中で、高齢期の暮らし方は大きく変化しています。
そこでまず、本市における10年前と直近の65歳以上の高齢者の人数と人口に占める割合である高齢化率、前期高齢者と後期高齢者の人数の比較をお示しください。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 高齢者数及び高齢化率につきましては、10年前の平成26年度末が28万9,838人で19.9%、直近の令和5年度末が35万6,397人で22.3%と、どちらも増加しております。また、高齢者数の内訳は、平成26年度が前期高齢者が15万6,362人、後期高齢者が13万3,476人、令和5年度が前期高齢者が16万8,394人、後期高齢者が18万8,003人となっており、現在は後期高齢者数が前期高齢者数を上回っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 総務省が9月に発表した人口推計によると、全国の65歳以上は3,625万人で過去最多を更新、高齢化率も過去最高の29.3%となりました。それに比べれば本市は若い都市と言えますが、10年前から6万6,000人増の35万人を超え、そのうち半数以上を75歳以上の方が占めており、状況が大きく変化しています。本市の平均寿命が令和2年時で男性で81.65歳、女性で87.91歳とのことです。国の統計で65歳以上の就業者は過去最多の914万人に増加し、高齢者の4人に1人が就業しています。一方で、健康寿命も厚労省の調査によると、令和元年で男性71.99歳、女性で74.26歳と延伸しています。この平均寿命と健康寿命の差が介護を必要とする期間ということになりますので、この差を縮小することが重要です。人生100年時代のこれからは、男女ともに70代前半に位置している健康寿命をさらに延ばしていくことが重要と言えます。
そこで、本市の要介護認定者数及び要介護認定率を10年前と直近を比較してお示しください。また、本市における年齢層別の要介護認定率を5年前と直近を比較した上で、その年齢層別の傾向と要因、それを踏まえた取組の方向性についてお伺いいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 要介護認定者数及び要介護認定率は10年前の平成26年度が5万8,979人で20.3%、直近の令和5年度が7万2,776人で20.4%となっております。年齢層別の要介護認定率は5年前の令和元年度と直近の5年度で比較しますと、65歳から75歳は4.87%が4.83%、75歳から84歳は22.47%が20.32%、85歳以上は65.97%が64.45%と75歳以上から高くなる傾向にありますが、各年齢層において低下しており、これは市民の健康意識の高まりや介護予防の取組などによるものと考えております。引き続き、健康づくりやフレイル予防に向けて、年代や生活、身体の状況に応じたアプローチを行っていくことが必要と考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 令和5年度で見ると、本市における65歳以上35万6,397人から要介護認定者数7万2,776人を差し引いた約28万人が元気な高齢者に位置づけされます。要介護認定率は75歳以上から高くなる傾向にあるとのことですので、この年齢層に対する介護予防が重要です。
そこで、福岡市保健福祉総合計画において、介護予防、フレイル予防をどのように位置づけて施策を推進しているのか、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) すみません、1点修正をさせてください。先ほど年齢層別で65歳から75歳と申し上げたところですが、65歳から74歳の誤りでございました。申し訳ありません。訂正いたします。
御質問にお答えいたします。
保健福祉総合計画においては、いつまでも生き生きと活躍できる環境づくりなどの基本目標の中で、高齢者の健康づくり、フレイル予防が重要であるとの位置づけを行い、住民主体の健康づくりの支援や講座、教室、相談事業などを実施しております。また、令和4年度にはフレイルハイリスク者へのアウトリーチ支援を新たに開始するなど、施策の充実を図ってきたところです。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 本市では、高齢者が要介護状態となることを予防するための訪問介護やデイサービスなどの介護予防、生活支援サービス事業と、地域で自立した日常生活を営むことができるように、65歳以上の高齢者を対象とした介護予防事業を15事業実施しています。
そこでお尋ねしますが、介護予防事業で要介護認定を受けていない65歳以上の方が利用、参加できる事業について、令和6年度の予算額が大きいものから順に5事業を直近の5年度の利用者数の実績と併せてお示しください。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 福岡100プラザなどにおいて、高齢者による講座や教室を行うシニア教室等事業の令和6年度予算額が1億6,900万円余、5年度延べ利用者数が9万9,130人、公民館などで健康づくりの講座などを行う生き活きシニア健康福岡21事業が7,900万円余で4万6,264人、身体機能が低下している方を対象とした介護予防教室が6,300万円余で2,100人、介護予防のためのボランティア活動にポイントを付与する介護支援ボランティア事業が1,300万円余で8,113人、公民館などで健康づくりやレクリエーションなどを行うふれあいサロンが800万円余で2万8,928人となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 本市では高齢者の健康づくり、介護予防を応援するため、教室や講座などを幅広く行っているようです。御答弁いただきました予算額が4番目の介護支援ボランティア事業ですが、活動者数は延べ人数で8,113人とのことです。
そこで、介護支援ボランティア事業について、導入に至る経緯や目的、事業内容、直近の登録者数、活動者数、登録施設数、導入している政令市数と市町村数についてお伺いいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 介護支援ボランティア事業は、国が介護支援ボランティア活動の推進を地域支援事業のメニューの一つに位置づけたことを受けて、平成24年11月に高齢者の社会参加及び健康づくりの推進を目的として開始したものでございます。高齢者が介護保険施設等でボランティア活動を行った場合に、1日当たり200ポイントを付与し、年間5,000ポイントを上限に換金または寄附ができるもので、令和5年度末時点で登録者数は2,175人、活動者数は430人、登録施設数は541施設となっております。また、同様の制度を導入している政令市は5年度末時点で16都市、市町村は元年度時点で593市町村でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 平成19年に国で導入された介護支援ボランティア事業は、行事のお手伝いや話し相手といった介護ボランティアに参加するとポイントがたまり、換金できる仕組みで、参加者本人の介護予防や介護給付費増加の抑制になるだけでなく、ポイント利用が地域活性化にもつながるとして実施する自治体が増え、令和元年度までに全国593市町村にまで拡大しています。
そこでお尋ねしますが、登録者側と施設側のそれぞれの声や要望などはどのようなものがあるのか、お聞かせください。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) アンケートなどにおいて、事業の登録者からは、張り合いを感じ、人のためになっているという充実感があった、自分自身の認知症予防につながっている、ボランティア参加者の希望と受入れ施設のニーズのマッチングが重要などの声、また、受入れ施設からは、入所者の気分転換やよい刺激になっている、話し相手をお任せでき、施設職員としても助かっているなどの声をいただいております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 先日、私も西区の介護施設に伺い、介護支援ボランティアの活動を見学させていただきました。
資料6をお願いいたします。(資料投影)これは傾聴ボランティアの方が入所者の話し相手として活動されているところです。車椅子の女性の方は入所して間もない90代の方です。入所する前のことや入所してからのこと、御家族のこと、日々の生活の中で感じていることなど、時には涙しながら話をされていましたが、傾聴ボランティアの70代の男性は、女性の気持ちに寄り添い、共感しながら耳を傾けていました。相手を尊重し、聞く姿勢が女性の心を和ませていて、見ている私も心が温かくなりました。伺うと、介護支援ボランティア事業に登録して3年とのことで、退職を機に新しいことへのチャレンジとして始められたとのことでした。ボランティア活動に参加される方にとっても大変充実感があるようです。
そこで、介護支援ボランティア事業の登録者数、活動者数について、事業開始の平成25年度から現在までの登録者数、活動者数の傾向をお尋ねします。また、直近のそれぞれの平均年齢をお答えください。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 登録者数は平成25年度が1,310人で、その後、増加傾向でございましたが、令和2年度以降はほぼ横ばいとなっております。また、活動者数は平成25年度が762人で、その後、増加し、令和元年度に1,053人となりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により2年度から3年度にかけて137人まで減少、4年度からは再度増加し、5年度は430人となっております。5年度の平均年齢は登録者が78.2歳、活動者が76.2歳となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 登録者、活動者の平均年齢が70代後半にあることは、就業を引退してからとの要因もあると思いますが、施設利用者と世代が近いことで、お互いに理解でき、ボランティアに参加しやすいものになっているのではと考えます。
しかしながら、活動者数のピークが令和元年度で1,000人を超えていますが、最新の活動者が430人とのことです。回復傾向にはあるものの、まだピーク時の半分以下にとどまっているようですが、この状況についてどのように受け止めているのか、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 活動者数が以前の水準まで回復していないことにつきましては、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類に移行した後も、施設での感染状況に応じて受入れを控える場合があることや、コロナ禍を経てライフスタイルが変化した方もあることなどによるものと推測しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 潜在的にボランティアを通して社会参加をしたいと思っている人は多いと思います。この事業の目的でもある介護予防を通して、その効果を広くアピールしていく必要があります。
登録者数、活動者数を増やすための周知や取組、また、施設側への働きかけについてお伺いいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 登録者数、活動者数を増やすための取組につきましては、市政だよりでの広報やボランティア登録説明会の開催、公民館などの施設やイベントでのチラシ配布、市社会福祉協議会、市老人クラブ連合会への案内などを行っております。施設に対しては、市内全ての介護保険施設及び通所施設に電子メール等で事業の案内を行うなどの働きかけを行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 本市では介護支援ボランティア事業の公式LINEを今年7月から開設しています。11月末時点での登録数が85件と、まだまだこれからの状況ではありますが、これからはDXを活用した取組も重要であると考えます。
ボランティア登録者側だけでなく、施設側にとっても活用できるよう、公式LINEの登録周知を幅広く行うとともに、発信内容もさらに充実させていくべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 多くの方に公式LINEに登録していただけるよう、ボランティア登録説明会や研修会などで案内を行うとともに、各施設の最新情報や登録者に郵送している情報誌を配信するなど、内容のさらなる充実に努めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) よろしくお願いいたします。
今後はボランティアを受け入れる施設側のニーズを把握していくことも重要です。必要とされているボランティアの活動内容について、活動回数の多いものをお示しください。また、マッチングに際して工夫していることがあれば教えてください。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) ボランティアの活動内容は、回数が多い順に、囲碁や将棋の相手などのレクリエーションの補助、入所者や通所者の話し相手、食事の配膳などとなっております。マッチングに際しては、各施設の希望する活動をアンケートにより把握し、登録者に周知するとともに、市社会福祉協議会に配置しているコーディネーターを中心にボランティア希望者への研修や助言、初回の同行などを行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 本市における介護支援ボランティア事業の特徴として、コーディネーターの配置によるきめ細やかなサポート体制が挙げられます。
今後もこの事業がより多くの方に利用できるよう改善していく必要があると思いますが、介護支援ボランティア事業についてこれまで改善や見直しなどはされてきたのか、お伺いいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) ポイントを付与する活動として、令和3年度からスキルアップのための研修への参加、5年度から施設外の散歩の付添いを追加するなど、順次、対象となる活動の拡大を図っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 平成21年に政令市で初めて介護支援ボランティア事業をスタートした横浜市では、初年度の登録者数2,000名から、事業開始後6年目で1万人を突破、10年目には2万人を突破し、今では2万6,000人が登録をしています。その要因として、ボランティアの活動対象を拡大していることが挙げられます。最初の4年間は、現在の福岡市と同様に、介護サービス施設などでのボランティアのみ対象としていたものを、ほかの分野にも対象を広げてほしいとの声を受け、子育て分野のボランティアなどにも広げました。平成26年度からは、よこはまシニアボランティアポイントと事業名も変更し、その後、障がい者支援施設などでの活動もポイント付与の対象とするなど、幅広く拡大しています。本市においても、活動の対象を障がい者施設など、ほかの分野にも広げてポイント付与することは、高齢者の生きがいづくり、健康づくり、社会参加を促進していくために重要と考えます。
そこでお尋ねいたしますが、ポイント付与の活動対象を広げ、事業の名称も検討すべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 高齢者の社会参加を促進していくことは重要であり、実際に活動しているボランティアの方々の声や障がい分野も含めた福祉施設の状況等も把握しながら、活動の対象や名称も含め、よりよい事業となるよう検討を行ってまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) よろしくお願いいたします。
視察に伺った足立区では、平成20年度から介護支援ボランティア事業をスタートしています。平成27年度からは年間一定以上の介護支援ボランティア活動を行い、累計して5年、10年、15年になった方を毎年11月に区長が表彰をしています。今年度は累計15年の活動者が初めて誕生したようです。
介護支援ボランティア事業に限らず、豊かな人生経験を生かして長年元気に活動される方に感謝の気持ちを伝え、市民に広く知っていただくことは、自身の健康づくりとともに、支え合う地域社会づくりの発展のために重要であると思いますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 多くの高齢者の皆様に福祉の分野でボランティアとして活躍していただいていることは大変すばらしく、また、ありがたいことであると考えております。こうした方々に、他都市の事例も参考にしながら、様々な機会を捉えて感謝の気持ちをしっかりとお伝えするとともに、その活動内容を紹介するなど、市民への発信に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) どうかよろしくお願いいたします。
令和4年に日本福祉大学が発表したボランティアポイント制度の効果について、調査した自治体で介護支援ボランティア事業に参加した高齢者は、参加しなかった高齢者と比べて地域活動に多く参加するとの効果が確認されました。今後、さらに地域に根差した地域で支え合う社会福祉の推進が求められています。
現在、モデル事業として行われているDXを活用したふくおかポイントと連携することで、介護支援ボランティア事業の活動の選択肢を増やしていくことは重要と考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 議員御提案のふくおかポイントとの連携なども含め、他局で実施しているポイント事業の実施状況などを踏まえ、より多くの人にとって活用しやすい事業となるよう取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) ぜひよろしくお願いいたします。
団塊世代が全て75歳以上となる2025年や高齢者人口がピークを迎える2040年を見据え、高齢者が住み慣れた地域で生きがいや役割を持ち、自分らしく暮らすことができる社会へ向けて、これからが大事になってきます。
最後に、本市において一人一人が健康で生涯元気に活躍できる社会づくりへ、地域包括ケアの推進に向けた高齢者の介護予防や健康づくりの取組について島市長の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 誰もが住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けるためには、支え合いによる地域福祉の推進や、そこに住む高齢者の健康づくりが大変重要であると考えております。福岡市におきましては、地域包括ケアの推進に取り組み、その中で、介護支援ボランティア事業をはじめ、地域で主体的に活動する高齢者の皆様への支援、教室や講座の開催など、様々な事業を実施しているところでございます。今後とも、オール福岡で福岡100を推進し、高齢者お一人お一人が心身ともに健康で自分らしく活躍できる社会の実現に向け、しっかりと取り組んでまいります。以上です。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな)登壇 私は日本維新の会福岡市議団の橋口えりなです。本日は日本維新の会福岡市議団を代表しまして、市政だよりのデジタル化について質問させていただきます。
それでは、資料1投影のほうをお願いします。(資料投影)市政だよりは昭和27年6月1日に第1号が発行され、今年で72歳になります。現在、令和6年でも同じ形式である紙媒体として後世まで受け継がれる記念すべき第1号を目にしたとき、感動すら覚えてなりませんでした。こちらのタイトルである福岡市政だよりの文字は当時の小西市長が書いた文字だそうです。ここでトップ1面の小西市長のお言葉で一部を読み上げさせていただきますと、「市政は市民の手で」と就任以来考えていたので、早速準備を進め、ここに実現見るに至った。今後この市政だよりを媒体として市民の御意見を大いに聞き、私の意見も十分発表して御批判を乞いたいと思うと記載がありました。挑戦的かつ市政に積極的なお姿を感じました。そして、その後も自宅に届き、新聞と同じように読める紙媒体の広報紙として幅広い市民に愛され続けてきました。
次に、資料2の投影をお願いします。(資料投影)しかし、社会の情報化やデジタル化の進展は目覚ましく、民間企業、大学、医療機関、その他自治体も広報紙の在り方について抜本的な見直しを図っています。そこで、本日は本市においても先代が残してくださった歴史ある市政だよりの在り方を考え、後世に引き継ぎ、市政だよりのデジタル化の必要性を確認してまいりたいと思います。資料2投影ありがとうございました。
では初めに、市政だよりの令和6年度予算並びに主な内訳をお示しください。また、直近の発行部数についても、お示しください。
以上、1問目を終わり、以降は自席にて質問させていただきます。
○議長(打越基安) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 令和6年度の市政だよりに係る予算については4億6,200万円余で、主なものは印刷に2億2,500万円余、配付に2億180万円余でございます。また、12月1日号の発行部数は約89万9,000部でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) 次に、広告枠の現在の収益額をお示しください。また、現行から倍増させた場合の収益増加額を試算した結果をお示しください。また、収益を得る際の広告主の選定基準など、倫理基準はどのように設けられていますか。
○議長(打越基安) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 市政だよりの広告収入に係る令和5年度決算額については5,815万円余でございます。
広告を掲載する分量につきましては、紙面に対して現在の枠数が適切と考えているため、広告枠を増やした場合の試算等は行っておりませんが、仮に現在の紙面数のまま枠を2倍に増やし、空き枠がなかった場合は、単純計算で2倍の収入になると考えられます。また、市政だよりにおける広告掲載につきましては、福岡市が定める福岡市広告事業実施要綱に沿って行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) 令和6年度は4億6,200万円余の予算をかけて、歳入は5,800万円余とのことです。この数字は見直していく必要性があると感じます。
では、発行部数が約89万9,000部と福岡市の全世帯に配付されている市政だよりですが、実際に市政だよりはどの程度読まれているでしょうか。お示しください。
○議長(打越基安) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 令和6年度に実施した市政アンケート調査によりますと、市政情報を得るために利用したことがある媒体は紙の市政だよりが85.7%で最も多くなっており、多くの市民に読まれているものと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) 市政だよりが毎月2回のペースで発行されていますが、この発行頻度について市民がどのような意見を持っているのか、お示しください。また、発行頻度について見直しを考えておられるのか、お示しください。
○議長(打越基安) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 令和6年度に実施した市政アンケート調査によりますと、市政だよりの発行頻度については今のままでよいと回答した人の割合が70.2%と最も多くなっており、現行の発行回数が適切と考えているため、回数を減らす検討などは行っておりません。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) 市政アンケート調査の結果を踏まえた御答弁をいただきましたが、令和6年度に実施された調査では、有効回答率は86.5%と高いものの、母数が637人であり、89万以上の世帯に配付する市政だよりの調査としてはかなり少ない人数だと感じます。これで果たして市政だよりの実態や有用性を適切に分析ができているのか疑問に感じますが、所見をお聞かせください。
○議長(打越基安) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 国や地方自治体の標本調査で一般的に用いられる統計理論によると、調査対象者の全体数が100万人以上の場合の必要人数は約385人となっております。市政アンケート調査については637人の方に御協力をいただき、約550人から回答を得ていることから、信頼できるものと認識しております。
なお、本アンケート調査においては、市政だよりに関する様々な御意見や御要望もいただいており、紙面作りに役立てているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) 市政アンケートの調査などから、紙媒体で毎月2回発行している市政だよりのニーズは一定あるということですが、今は情報をウェブから収集する時代です。実際に市政だよりについて市民からヒアリングを行ったところ、市政だよりは家には届くけど、ほかのチラシや広告と紛れてすぐごみになるからほぼ捨てている。それよりも、今はスマホで何でも調べられるから楽とまで言われています。日常のあらゆる場面を振り返りますと、電車やバス、カフェの中でもスマートフォンをじっと見ている方が多いと感じます。これはウェブにアクセスして様々な情報を収集しているからではないでしょうか。資料3投影をお願いします。(資料投影)国の全国調査によると、令和5年時点で60代の方でもインターネットの利用は90.2%、86%がスマートフォンを保有しているそうです。この数字を見て、私の想像以上の速さでスマートフォンの普及が進んでいることが分かりましたし、スマートフォンの保有があらゆる世代において、言わば当たり前の世の中に近づきつつあると感じました。私は4億円以上の費用をかけて全世帯に一律に紙の市政だよりを配付する従来のやり方に固執するのではなく、スマートフォンの保有率が高まっている状況を踏まえ、広報手段の最適化を図るべきだと考えており、それが紙で配付しているからこそ発生している様々な課題の解決にもつながるのではないかと考えています。投影ありがとうございます。
そこで、お尋ねします。現在、市政だよりのウェブ版が存在しているようですが、導入に至った背景や目的、より多くの方に御利用いただくために、これまでに行ってきた工夫や改善などについてお示しください。
○議長(打越基安) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 市政だよりについては、市民の皆様がいつでもどこでも気軽に市政だよりを閲覧できるよう、ホームページへの掲載を行っております。ホームページでの掲載につきましては、平成19年度からPDF版の掲載を開始し、26年度には、より利便性を高めるために、記事の検索機能などを有するウェブ版を導入しました。今後も多くの方に御利用いただけるよう、利便性の向上や広報に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) では、市政だよりウェブ版はどの程度利用されているのでしょうか、お示しください。
○議長(打越基安) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 令和6年度に実施した市政アンケート調査によりますと、市政情報を得るために市ホームページで市政だよりを閲覧したことがある人の割合は8.0%でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) 市政だよりウェブ版については、令和6年度の市政アンケート調査によりますと、8%の方が閲覧したことがあるとのことです。ウェブで情報を収集する時代であると考えると、私はこの数字は低いと感じますが、なぜこのような低い数字になっているのでしょうか。原因の一つに、周知不足があるのかもしれません。市政だよりウェブ版の存在について、市としては周知に取り組まれているのかもしれませんが、もっと利用していただくためには工夫が必要なのではないかなと思います。
民間企業の事例ですが、富士フイルムでは商品カタログやパンフレットを電子化し、QRコードで顧客がデジタル版で閲覧できる仕組みをつくり上げたそうです。これにより、顧客の利便性向上はもちろんですが、印刷、配送コスト削減、閲覧履歴データを活用したマーケティングまでかなえたそうです。本市でもQRコードを公共施設や店舗に設置することで、市政だよりウェブ版の閲覧を促進するだけでなく、データを活用した効果的な広報につなげていくことも可能になるかと思いますので、御紹介させていただきます。
さて、ウェブ配信で足りる人には紙の市政だよりの配付は不要であり、削減なども考えていくことも必要であると思います。
そこで、お尋ねします。これまでに紙の市政だよりの削減について検討されたことはありますか。また、紙の市政だよりを削減した場合の市民の利便性や満足度の変化について調査などを実施されたことがあれば、その結果などをお示しください。
○議長(打越基安) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 福岡市が市民に発信する情報は、各局が実施する幅広い事業に関するお知らせや啓発、イベント情報など多岐にわたり、市民一人一人が必要とする情報や関心のある分野は異なります。市政だよりは市政全般について網羅的かつ分かりやすく掲載し、市民の皆様が必要な情報を知るきっかけとしていただく媒体であるとともに、より詳しい情報が必要な場合には、それぞれの状況に応じた方法で情報を入手していただけるよう、紙面からホームページや適切なお問合せ窓口などへ誘導する媒体であると考えております。また、市議会だよりや水だより等、市政に関する一部の広報物を市政だよりと同時に印刷することで全世帯に配付できており、市政だよりを全戸配付することは、市民にプッシュ型で情報を届ける重要な仕組みになっていると考えております。紙の市政だよりについては、配付先を選別せずに全戸配付していますが、例えば、希望しない世帯を除いて配付するなどの方法は配付作業が複雑になり、それに伴う費用や配付誤りの増加など、多くの課題が想定されます。以上のことから、現時点では紙の市政だよりを削減または廃止することは考えておらず、紙の廃止に伴う調査等は実施しておりません。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) 紙からウェブ配信へ移行した先進自治体があれば、その取組を本市に取り入れることも考えていくべきだと思いますが、先進自治体の有無についてお示しください。
○議長(打越基安) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 日頃より各都市と意見交換を行っておりますが、紙のニーズが高い現状などを踏まえ、紙の広報紙を廃止し、ホームページ等での閲覧や配信のみに移行した政令市は現時点ではございません。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) 紙の広報紙を廃止し、ウェブ配信に移行した政令市はないとのことですが、ここで私から、政令市ではございませんが、埼玉県川口市の事例を御紹介させていただきます。川口市ではLINEアプリを活用して市民向け情報を配信し、情報到達率を向上させました。LINEアプリでの情報発信という部分に関しては、本市も類似の取組があると思いますが、川口市では一歩踏み込み、高齢者向けに限定的に紙の広報紙を残しつつ、ほかの年齢層にはLINEアプリでの情報発信を積極的に行っているそうです。一般のアプリ配信ですと、個人情報の流出などの不安からアカウント登録などを控える方もいらっしゃるかもしれませんが、本市の市政だよりは72年もの歴史があり、市民の皆様からの高い信頼感を得ている広報紙だと思います。現在、SNSによる投資詐欺やロマンス詐欺なども横行しており、どのリンクを踏んでもアカウントを作成しても注意が必要な時代です。しかし、市政だよりに関しては、アプリ配信へと移行しても、皆様に安心して御登録、御利用いただけると思います。アプリ配信を含めたウェブ配信の利点として、紙媒体とは異なり、うっかり捨てられる心配がなく、忘れられず、振り返りもしやすいなどもあると思います。そういった点も含め、行政と市民の間の情報の架け橋としてウェブ配信は有効な手段だと考えます。
また、民間企業の事例にはなりますが、先日、12月3日のヤフーニュースにて、リクルートの求人情報誌タウンワークが紙媒体を2025年3月末をもって休刊しました。リクルートに至っては、その前のSUUMO、じゃらん、ホットペッパーと続々と紙媒体の休刊が発表されております。今後はウェブやアプリを強化していかれるようです。長年、紙媒体を強みとしてきた企業でさえ、時代の変化とともに、大きな行動をされているようです。
そこで、お尋ねいたします。市政だよりは令和5年度決算ベースで1部当たり19円以上のコストがかかっているようですが、ウェブ版はゼロ円コストです。月2回、年24回、1回当たり89万9,000部と、市政だよりの限られた予算を有効活用する視点から、紙でなく、アプリ配信を含むウェブ配信へとシフトしていくべきだと考えますが、所感をお聞かせください。
○議長(打越基安) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 現在、紙の市政だよりは市民に最も利用されている広報媒体ではありますが、スマートフォンの普及やインターネット利用率の増加などを踏まえ、市民の皆様が利用しやすいほうを選べるよう、引き続き紙の市政だより及び市ホームページ等での閲覧について、それぞれの利点を生かしながら、多くの方に情報が届けられるよう取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) ぜひよろしくお願いいたします。
子育て世代の割合が多い地域、高齢者の割合が多い地域など、地域特性が様々ある中、必要とされる情報もそれぞれ異なるとは思いますが、紙だとどうしてもコスト面などからバリエーション豊富に製作することが難しく、情報は画一的になってしまいます。しかし、ウェブであれば、地域特性に応じて情報を仕分することなど、低コストで柔軟な対応が可能であると思います。どのように取り組んでいるか、お聞かせください。
○議長(打越基安) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 市政だよりにおいては、市政に関する情報を網羅的にかつ分かりやすく掲載し、多くの市民の皆様にお届けすることが重要と考えております。市政だよりは市民が必要な情報を知るきっかけであり、より詳しい情報を知りたいときには、それぞれの状況に応じて入手できるよう、ホームページや適切な窓口などへ誘導していくものと認識しております。一方で、市政だよりウェブ版には検索機能を導入し、それぞれが読みたい記事を選べるようにしたほか、福岡市LINE公式アカウントでは、希望する分類や区の記事のみを配信するなど、デジタルを活用することで、よりきめ細かな情報提供に努めているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) 市政だよりは市民が必要な情報を知るきっかけとし、より詳しい情報をそれぞれの状況に応じて入手できるようホームページや適切な窓口に誘導していく。ウェブ版には検索機能を導入しているとの答弁をいただきましたが、実際に確認をさせていただきますと、紙からウェブへの誘導やQRコードすら目立たず、表示メニューである検索機能も簡素で、非常に探しづらくありました。適切な窓口に誘導しようにも、市民が詳しい情報にたどり着かないという現状が今の市政だよりウェブ版の閲覧割合8%を生み出していると言わざるを得ません。市民目線に立って、いま一度作って終わりになっていないか、再度御確認のほど強く要望いたします。
では、これまでの質問とは別の視点から紙の市政だよりの見直しの必要性を考えていきます。
市政だよりの配付のうち、14%は自治会による配付となっているようですが、中には嫌々やらされているという声も耳にします。その点についてどのように思われるか、所見をお聞かせください。また、どうしたら市民からの不満や不安がなくなるのか、併せてお聞かせください。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 市政だよりの配付業務につきましては、民間事業者への委託を基本としておりますが、希望される自治協議会や自治会、町内会には有償で対応をいただいております。自治会等による配付については、地域の財源になるとともに、顔の見える関係づくりにも資するものと考えておりますが、配付希望調査の実施に当たりましては、毎年確認を行いますとともに、年度中途でも業者配付への切替えができることを説明するなど、地域の負担とならないよう努めているところでありまして、今後とも、地域の意向を確認しながら適切に対応してまいります。以上です。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) 市政だよりの配付と印刷には4億円以上もの費用がかかっています。全世帯に一律に配付する形式を取っているからこそ、これだけの費用が必要になってくると思いますし、先ほど申し上げたとおり、市政だよりの配付に負担感を抱えている地域の方がいらっしゃることも踏まえると、地域への負担も上乗せされます。こちらは局との連携がより必要になってくるかと思います。市民へのきめ細かな対応はもちろんのこと、費用だけでなく、人的負担を減らすという観点からも、紙の市政だよりについてはウェブ配信へとシフトしていくべきだと指摘させていただきます。
市政だよりの発行部数は89万部以上にも及んでおり、これが焼却されるとなれば、一定量の二酸化炭素が排出されることにもなります。本市は脱炭素にも力を入れているところであり、環境負荷軽減の観点からも、紙ではなく、アプリ配信を含むウェブ配信へとシフトしていくべきだと考えますが、所見をお聞かせください。
○議長(打越基安) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 環境負荷の低減や市民の利便性を高めるため、電子化を進めることは大切なことだと認識しておりますが、紙の市政だよりは多くの方に利用されており、現時点では紙を廃止し、市ホームページ等での閲覧のみに移行することは考えておりません。引き続き、紙の市政だより及び市ホームページ等での閲覧について、それぞれの利点を生かしながら多くの方に情報が届けられるよう取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) 市政だよりのデジタル化についてるる質問してまいりましたが、一方で、デジタル化を進める際には、紙だからこそ今まで安心して御利用いただいた方への配慮も忘れてはなりません。例えば、視覚障がい者の方や非識字者の方がウェブを活用した情報発信に取り残されないようにするため、音声ガイドや音声配信などの導入を考える必要があると思います。また、本市では、公民館においてスマートフォンの使い方などを学べる講座として公民館スマホ塾を実施されているそうですが、そのようなデジタルに不慣れで対応が困難な高齢者などへも支援していくことが重要であると思います。
ここで御紹介したいのが、愛知県内子町をはじめ、政令市も含めた様々な自治体で活用が進んでいる広報紙のプラットフォームアプリです。本市も別のプラットフォームアプリを活用しているようですが、愛知県内子町などで活用が進んでいるアプリには音声での記事の読み上げ機能や外国人の方も困らないように多言語自動翻訳機能なども備えています。その分、運用経費も必要となるそうですが、こういった機能はウェブ配信だからこそ備えることが可能であると思います。市政だよりのデジタル化に当たっては、以上のような配慮も忘れずに取り組んでいただくことを要望いたします。
本日は長年愛され続けてきた紙媒体の市政だよりについて、デジタル社会の進展なども踏まえ、デジタル化を図るべきとの提案をしてまいりましたが、これもひとえに、市民の皆様にそれぞれが求める情報に簡単にアクセスができ、入手しやすい環境を提供したいという思いから行ってきたものです。より多くの市民にそれぞれが求める情報を効果的にお届けするためには、市政だよりと市の公式LINE、ホームページを機能的に連携させ、紙やデジタルの様々なメディアで情報を届けることが必要ではないかと思います。
そこで、旧来型の紙媒体だけでなく、デジタル媒体を効果的に活用していくことがますます求められている中、福岡市ではこれからどのように市政情報の発信に取り組んでいくのか、考えをお聞かせください。
○議長(打越基安) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 市政情報を分かりやすく発信し、市民の理解を深めながら施策や事業を推進することは大変重要であると考えております。デジタル化が進み、情報媒体も多様化する中、福岡市はこれまでもユーチューブによる動画配信や福岡市LINE公式アカウントによる個別最適な情報発信にいち早く取り組むなど、デジタルを活用した情報発信を積極的に行ってまいりました。引き続き、テーマやターゲットに応じて、市政だよりや市ホームページ、SNSをはじめ、あらゆる広報媒体を効果的に組み合わせながら、市民の皆様の納得や共感を得られるよう積極的な情報発信に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) 市政情報を分かりやすく伝えるためには、紙媒体やデジタル媒体をクロスメディアで活用していくとともに、動画などデジタルコンテンツの内容も大切です。北九州市では、今年6月にZ世代の声をまちづくりに生かすためにZ世代課という組織を新しく立ち上げました。変化に敏感な若者の趣向を行政側がスピーディーに取り入れることで、デジタルコンテンツも充実していくかと思います。また、人材面においても、デジタル広報の専門知識やノウハウにたけた職員の育成や採用、外部人材の登用も有効ではないかと思います。時代も変わり、情報過多で何が自分に合っているか、大事な情報が選び取れずに逃してしまう、そんな時代です。せっかく行政サービスを頑張ってつくり上げても、恩恵が受けられない市民も増え、行政側もサービスをつくっても認知されないから無駄になってしまう、そんな状況が続いているようで危惧しています。情報は武器になります。デジタルを活用した情報発信の先進事例を積極的に取り入れていただき、より戦略的な広報に取り組んでいただくよう強く要望し、私の質問を終わります。
○議長(打越基安) この際、暫時休憩いたします。
午後は1時10分に再開いたします。
午前11時20分 休憩
午後1時10分 開議
○副議長(松野 隆) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。堤田寛議員。
○6番(堤田 寛)登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表して、歯と口の健康づくりについて、学校体育館における空調整備について、学校給食における地産地消の推進と物価高対策について、以上3点について質問いたします。
初めに、歯と口の健康づくりについて質問いたします。
口は健康の入り口であり、歯と口を健康な状態で保つことは全身の健康維持につながります。虫歯や歯周病は、口の中の病気ということだけにとどまらず、全身の病気との関連も指摘されており、例えば、歯周病は狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病、認知症など、様々な病気と関わりがあるとされています。また、歯を失うと、食べ物をそしゃくする、飲み込む、会話するといったような口の機能が低下して、栄養状態や社会的なつながりに影響を及ぼし、全身のフレイル、さらには要介護状態の発生にもつながることが分かっています。歯と口の健康を維持することは、健康寿命の延伸を目指すに当たってとても大切なことです。
こうした歯と口の健康の重要性については、広報、周知を十分に行うことで適切な口腔ケアの定着や継続につながると思います。骨太の方針2024においても、全身の健康と口腔の健康に関する科学的根拠の活用と国民への適切な情報提供を推進する旨が記載されていると伺っています。
そこで初めに、現在、福岡市では歯と口の健康の重要性についてどのような広報、啓発を実施されているのか、お尋ねします。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 歯と口の健康の重要性につきましては、出前講座や市民向けの講演会を開催するとともに、市政だよりやSNSなどを活用し、歯と口の健康週間などに合わせて広報、啓発の充実を図っているところでございます。令和6年度は福岡市出身のタレント、なかやまきんに君に出演いただいたショート動画を約510万回配信するなど、オーラルフレイルや歯周病予防について広く啓発を行ったところでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 多くの機会を捉えて、また、訴求力のある有名人を起用した広報を行うなど、創意工夫の下、広報、啓発を実施いただいているように思います。毎年6月4日から10日の1週間は歯と口の健康週間、また、11月7日から13日の1週間は「いいな、いい歯。」週間であり、各所において様々な普及啓発事業が実施されていると聞いています。
そこで、福岡市では6月の歯と口の健康週間と11月の「いいな、いい歯。」週間においてどのような取組を実施されているのか、令和6年度実施内容と実績についてお尋ねします。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 令和6年度におきましては、6月と11月に歯科医師会と開催した市民向けのイベントにおいて、様々な関係機関と協力して歯科相談や歯周病の簡易検査、そしゃく機能チェック等の測定会などを実施したところであり、5,800人を超える方に来場いただいております。また、6月には、適切な生活習慣を継続し、歯と口を健康に保っている市民を表彰する健口コンクールを開催し、厳しい応募条件を満たした方の中から75歳以上の高齢者部門で3名、18歳から22歳の新成人部門で2名の方を表彰いたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 多くの市民の方が参加されているように思います。このようなイベントに参加すると、歯磨きなど、自分や家族などの歯と口の健康づくりについて見直すきっかけとなり、その後の行動変容にもつながると思いますので、今後も広報と併せて継続していただけることを期待しています。
さて、福岡市では、親知らずを除くと全部で28本ある永久歯を生涯保つことを目指すオーラルケア28プロジェクトを推し進めているところかと思います。そこでは、福岡市の医療、介護、健診データを一元的に集約した地域包括ケア情報プラットフォームを九州大学が分析した結果も活用されているそうですが、まず、オーラルケア28プロジェクトの概要と本市データから得られた歯と口の健康に関する分析結果についてお尋ねします。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) オーラルケア28プロジェクトにつきましては、産学官の関係機関と連携し、市民が自分の永久歯28本を生涯健康に保ち、健康寿命の延伸とウエルビーイングの向上につなげるため、乳幼児期から高齢期まで各ライフステージの特性に応じ、治療より予防に重点を置いた取組を実施いたしております。また、65歳以上の福岡市民約4万600人を3年間追跡したデータ分析において、そしゃく機能が低下したグループは良好なグループに比べて要介護1以上の新規認定を受けるリスクが高いという結果が出ております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) オーラルケア28プロジェクトは関係機関と協力しながら進めているということでしたが、どのような関係機関とどのように連携しているのか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) プロジェクトにつきましては、福岡市歯科口腔保健推進協議会の構成メンバーである歯科医師会、歯科衛生士会、九州大学、福岡歯科大学などの関係機関とともにワーキンググループを立ち上げ、民間企業とも連携しながら推進を図っているところでございます。具体的には、歯科医師会において無料の健診などを行うとともに、歯科衛生士会において放課後児童クラブ等での歯科口腔保健の指導や啓発などを行っており、人材や技術、知見等、それぞれの関係機関が持つ資源等を最大限に活用しながら取組を進めているところでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 歯科専門職の団体から大学、企業など、様々な関係機関と連携することで、より市民ニーズに沿ったきめ細かい歯と口の健康づくりの支援が期待できると思います。今後のさらなる連携の強化に期待しております。
次に、オーラルケア28プロジェクトにおける世代ごとの主な事業と令和6年度予算についてお尋ねします。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 主な取組といたしましては、高齢期において、高齢者施設職員を対象とした研修として口腔ケア実践のための動画配信や講習会を行うとともに、成人期においては、18歳から20歳の方や産婦を対象とした歯科健診等を実施いたしております。また、乳幼児・学齢期においては、株式会社ポケモンとの連携や放課後児童クラブ等への歯科衛生士の派遣による啓発などに取り組んでおり、本プロジェクトの令和6年度の予算額は4,418万円余となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 世代ごとに多様な取組をされていると思います。厚生労働省の生活習慣病予防のための健康情報サイトによりますと、私たちが歯を失う主な原因は虫歯と歯周病であることから、これらの病気を予防することが重要になります。引き続き、それぞれの事業をしっかり進めていただくとともに、特に学齢期は永久歯に生え変わる時期であり、正しい口腔ケアの習慣化が大切だと考えていますので、学校での取組を強化していただくようにお願いいたします。
最後に、広報、啓発を強化し、さらに歯と口の健康づくりを推進していく必要があると思いますが、御所見をお伺いして、この質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 歯と口の健康は全身の健康と密接に関わっており、健康寿命延伸とウエルビーイング向上を目指す上で大変重要であることから、引き続き関係機関と連携し、様々な機会やSNSなど、多様なツールを活用して効果的な広報、啓発の強化に努めてまいります。今後とも、エビデンスやデータを活用しながら、子どもから大人まで市民全体で取り組める施策の充実を図り、歯と口の健康づくりをしっかりと進めてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 次に、学校体育館における空調整備について質問をさせていただきます。
近年の気候変動は市民生活の様々な場面で大きな影響を及ぼしています。本市においても夏の暑さは年々厳しさを増しており、7月から9月の間に35度以上の猛暑日を記録した日数を見ても、その傾向は明らかです。令和3年には猛暑日が9日だったのに対し、令和6年にはその数が39日と、僅か3年で約4倍に増加しました。また、福岡県における熱中症警戒アラートの発表回数も令和3年は23回だったのに対し、令和6年で57回と、3年で約2.5倍に増加しています。この急激な気温上昇により、とりわけ屋内外の活動環境が苛酷さを増し、中でも、学校では夏場の高温環境が子どもたちにとって熱中症など健康面で大きなリスクを生じさせているのではないかと危惧しています。
こうした状況を踏まえ、福岡市における学校の空調設備について質問してまいります。
まず、学校の教室の温度は文部科学省の指針においてどのように示されているのか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 文部科学省が学校環境衛生基準という基準を定めておりまして、これによりますと、児童生徒等が通常使用する教室等の温度は18度以上28度以下であることが望ましいとされてございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 児童生徒等が通常使用する教室などの温度を18度以上28度以下に保つためには、空調設備の整備をされていることが前提になると考えますが、市立小中学校における各教室や体育館の空調設備の整備状況はどのようになっているのか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 普通教室、特別教室については全て整備済みでございますが、体育館については現時点で空調を整備しておりません。なお、平成26年4月以降に新築または改築した体育館には、地中熱を利用したクールヒートトレンチを整備しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) では、一部体育館で整備されているクールヒートトレンチとはどのような設備か、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 地中熱が外気に比べて夏は涼しく、冬は暖かいことを利用した換気設備でございまして、夏季においては外気温に対し3度から4度程度低くなります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 御答弁いただいたように、市立小中学校の普通教室、特別教室には全て空調が設置されていますが、体育館については一部に換気設備が整備されているだけで、空調設備としての整備はありません。また、その換気設備についても、多少気温を下げる効果はあるようですが、体育館における本格的な酷暑対策としては不十分かと思われます。
そこで、昨今の酷暑対策として、体育館での授業はどうしているのか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 各学校で熱中症の危険性を示すWBGT指数を計測し、熱中症のおそれがある場合は体育館での運動は行わないようにしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 熱中症のおそれがある場合は体育館での運動は行わないとのことですので、子どもたちの教育機会、教育環境に影響を与えているのではないかと考えます。
次に、学校は災害時の避難所としての機能もあります。本年1月1日には能登半島地震が発生し、さらに、9月には奥能登豪雨が発生するなど、自然災害が時期や場所を選ばず、全国で頻発化、激甚化しています。能登半島地震の状況を見ても分かるように、避難生活の長期化に備えて避難所の環境整備は重要な課題であり、国においても避難所環境の改善に関する議論が行われております。特に夏場の高温環境が避難者の体調に悪影響を及ぼす可能性は高く、空調設備の整備は喫緊の課題ではないでしょうか。
そこで、学校を避難所として使用する場合の暑さ対策はどのように考えているのか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 避難所となる学校の暑さ対策につきましては、必要に応じて民間事業者との協定に基づき、体育館に移動式エアコンなどを設置するほか、空調設備がある特別教室を使用することとしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 福岡市内には避難所指定の市立学校が214校あります。大規模災害が発生し、広範囲で多くの市民が避難を余儀なくされた際、特別教室での避難者の収容は不十分なことが想定されます。また、体育館に移動式エアコンの搬入、設置にも一定時間を要するので、避難者の健康と安全を即座に確保することは困難かと思われます。冒頭申し上げた子どもたちの教育環境の観点だけでなく、こうした災害時の避難所環境の観点からしても、体育館への空調設備の整備は急務と言わざるを得ません。
そこで、学校体育館への空調設備の導入は具体的な検討を進めるべき段階に来ていると思いますが、課題は何か、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 体育館は大空間であるとともに、空調を想定した断熱構造になっていないため、全ての体育館に空調を整備するには改修に長期間を要すること、また、多額の費用が必要になることなどの課題がございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 御答弁いただいた課題は、本市だけではなく、他都市でも同様かと推察されます。
政令市における市立学校の体育館の空調設備の整備状況について、上位5市の都市名と設置率、加えて、本市と同様に空調設備の設置がない都市は何市あるか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 文部科学省が令和6年9月に公表いたしました資料によりますと、政令市のうち、設置率上位5市は神戸市が100%、静岡市64.1%、大阪市24.1%、名古屋市23.1%、横浜市17.5%でございます。また、8市が未設置となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 大半の都市では整備が進んでおりませんが、平成7年に阪神・淡路大震災を経験した神戸市は設置が済んでおり、南海トラフ巨大地震が発生した場合に大きな被害が見込まれている都市において整備が進んできているようです。また、文科省の公表資料によると、政令市以外の都市では東京都の多くの自治体にて設置が済んでいるようです。その東京都の一部自治体では、断熱性が低い体育館にも短期間に空調設備を設置している事例などもあるようで、断熱工事を必要としないことから、その費用や工事期間が大きく削減できると聞いています。
去る11月22日に国において閣議決定された新たな総合経済対策においては、防災、減災及び国土強靱化の推進のため避難所環境の抜本的改善に取り組むとされており、特に今回の質問のテーマとして取り上げさせていただいた空調設備については、避難所となる全国の学校体育館への空調整備について、ペースの倍増を目指して計画的に進めると掲げられています。酷暑は年々厳しさを増し、自然災害の激甚化、頻発化も目に見える形で進んでいる中で、体育館への空調設備の導入については、他都市で徐々に整備が進んでいる状況を踏まえると、本市も具体的に検討すべき段階に来ている状況です。
そこで、国の総合経済対策にも掲げられている学校体育館への空調整備のペース倍増を本市でも実現するため、従来の考え方や手法にとらわれることなく、短期間に整備でき、かつ工事費の縮減にもつながるような新たな手法についても、早急に検討する必要があるのではないかと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 近年の酷暑を考えますと、教育環境の向上は急務であると認識しております。体育館への空調整備は、他都市の事例等についても積極的に調査研究を進めてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 早急な検討をお願いいたします。
体育館に空調設備が整備されることにより、教育環境の充実が図られるだけでなく、部活動や地域開放、雨天時や猛暑時におけるわいわい広場での活用など、新たな活用可能性も広がります。また、既存の体育館だけでなく、本市ではこれから開校が予定されている新設校もあります。令和8年4月開校予定の元岡地区新設中学校や移転新設が予定されている箱崎中学校は、既存施設より断熱性が優れたものになると聞いております。新設校で新たな教育環境を整えるに当たり、児童生徒の健康と快適性を確保するため、開校時から空調設備をしっかり整備していただくこともぜひお願いしたいと思います。
これまで学校体育館の空調設備に関して質問してきましたが、学校は児童生徒が学び成長するための場であると同時に、地域住民が活動を行う場、さらには災害時の避難施設として地域の生活基盤を支える重要な公共施設です。その整備と活用は地域全体の安全、安心に直結するものと考えます。
子どもたちの教育環境の充実だけでなく、地域住民の快適で安全な避難環境を確保するためにも、学校体育館への空調設備の早期整備は必要不可欠と考えますが、最後に市長の御所見を伺い、この質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 島市長。
○市長(島宗一郎) 地域住民が安心して生活できる避難環境の確保、そして、子どもたちが伸び伸びと学習できる教育環境の充実は、いずれも非常に重要な課題であると認識をしています。そのためには、教育施設としてだけでなく、災害時の避難所となる学校体育館への空調整備が必要と考えておりますので、市として、教育委員会と連携をしながら、早期整備に向けての課題を整理しつつ、実現可能な取組を鋭意検討してまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) ぜひよろしくお願いいたします。
最後に、学校給食における地産地消の推進と物価高対策についてです。
学校給食は教育活動の一環として位置づけられ、児童生徒が地元の食文化や産業を理解し、生産者や自然の恵みへの感謝の心を育む効果が期待されています。そのためにも、食材の調達においては、地元産の農産物や魚の利用についてこれまでも会派として要望してきました。福岡市は自然豊かで、様々な農産物が市内で生産されており、また、博多漁港など市内の漁港では新鮮な魚が水揚げされるなど、学校給食で利用できる地元産の食材がたくさんあります。地産地消の推進は教育活動の一環である学校給食の重要な役割と考えており、関係団体と連携しながら、市内産農水産物の利用拡大をさらに推進する必要があります。
そこでお尋ねいたします。学校給食における食材の調達の考え方と市内産の農水産物の過去3年の利用状況をお答えください。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 地産地消の観点から、できるだけ市内産、県内産、九州産、国内産の順での調達に努めております。また、令和4年度からは、これまで利用に取り組んでいたシュンギクや大根などの14品目に加えて、カボチャやニンジンなどを追加し、主要野菜18品目の利用を推進しております。市内産農産物の利用状況は、主要野菜の利用率で令和3年度は30.2%、4年度は30.6%、5年度は31.8%、市内産水産物は、ブリをフライや照り焼きにしたり、姪浜のりを取り入れたりするなど利用拡大を図っておりまして、3年度は8品目、4年度と5年度は10品目を提供いたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 市内産の農水産物の利用は着実に増えていることが分かりました。
今後も市内産の農水産物の利用を進めてほしいと思いますが、学校給食における地産地消を推進するため、教育委員会がどのように取り組んでいるのか、お答えください。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 農林水産局と連携し、JAや市漁協と協議を行い、市内産農水産物の利用拡大に努めるとともに、令和6年度からは児童生徒がさらに興味、関心を持つような地元食材を提供する次代へつなぐ地産地消推進事業を開始するなど、取組を強化いたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 教育委員会がJAや市漁協と協議し、農林水産局とも連携して市内産農水産物の利用拡大に取り組んでいるとのことですが、先日、中学校の給食に博多和牛が登場し、子どもたちに大好評であったと聞いています。
これは令和6年度から開始した次代へつなぐ地産地消推進事業により提供されたとのことですが、事業の目的と内容、予算額についてお答えください。
○副議長(松野 隆) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) まず、事業の目的につきましては、市内産農水産物に対する子どもたちの関心を高めるとともに、その魅力を認識してもらい、将来にわたる消費拡大を図ることでございます。次に、事業内容につきましては、博多和牛や博多あまおう、タイなど、子どもたちに人気が高い食材を用いたメニューを提供いたしますとともに、生産者による講話やPR動画の活用などを通じ、市内産農水産物の魅力をしっかりと伝えることとしております。令和6年度の予算額は1億1,000万円余でございます。なお、11月には博多和牛を提供し、子どもたちに大変好評であったほか、学校からは子どもたちの地元産への愛着や地産地消の意識の深まりにつながったのではないかとの声をいただいております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 価格の面で、ふだん給食で提供できない博多和牛やあまおう、マダイなどの地元の食材を子どもたちに食べてもらい、福岡市にたくさんのおいしいものがあることを知ってもらうことは、地産地消の推進のみならず、子どもたちの郷土愛を育てる面からも大変意義のあることだと思います。ぜひ来年度以降も多くの地元の食材を提供していただきたいと思います。
さて、本市においては、学校給食に係る費用のうち、食材料費のみを給食費として保護者負担とし、その他の費用は公費で負担されています。近年の物価高騰は食材料の調達価格にも大きく影響していると考えられますが、それでも給食の質は落とさず、多様なメニューを提供することにより、郷土料理や行事食を通じて食文化を学び、食べ物を大切にする心や感謝の心を育むなど、給食が単なる栄養補給を超えた意義があることは大切にすべきであります。
安全、安心でおいしい給食を安定的に提供し、その上で保護者の負担を増加させないよう、令和6年度においても国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用した公費での対応が続けられているところですが、給食の食材料費はどの程度高騰しており、その対策のための令和6年度の予算額をお答えください。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和6年度の食材料費は3年度と比べ約16%の上昇を見込んでおりまして、給食食材の価格高騰への対応として約10億3,000万円を予算に計上いたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 物価高騰が続き、子育て世帯にも様々な面で負担が増えていますが、幼稚園や保育園については第2子以降の保育料が無償であり、高等学校については就学支援金より公立高等学校などは授業料が実質無償、私立高等学校などは軽減の措置があり、保護者に対して継続的な負担軽減が図られています。一方で、小中学生といった学齢期の子どもを持つ世帯に目を向けますと、もともと義務教育ということで授業料はありませんので、負担は小さいのではないかと思われがちですが、学校給食費や学用品に要する負担はありますし、また、習い事などの学校外教育費については、その増加は顕著です。このような中で、小中学生を持つ世帯に対する負担軽減の取組は進んでいないのではないでしょうか。小中学生がいる世帯は、子どもが成人するまでの間、様々な支出や将来への備えが必要となるため、世帯全体の収入のうち、自由に使える手取り収入、いわゆる可処分所得としては抑えられがちであり、その上で継続する物価高騰も加わって、さらに厳しい状況にあると思います。もちろんこの間、政府においても物価上昇を上回る賃上げに関する取組も進められましたが、まだまだ市民にとって可処分所得が増えるというのはこういうことなんだという実感が積み重なるまでには至っていないと思います。
そこで、11月22日に総合経済対策が閣議決定され、その中でも足元の物価高に対するきめ細かい対応として様々な対策が示されておりますが、この中には重点支援地方交付金の大幅な拡充が盛り込まれております。
そこでお尋ねしますが、この重点支援地方交付金の中で、特に小中学生のいる世帯に対して学校教育の面で取り組めるものがあればお答えください。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 新たな総合経済対策における重点支援地方交付金の中で、地方公共団体が行う物価高対策を支援するための推奨事業メニューとして、生活者については、小中学校等における学校給食費の支援が示されてございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 教育長が答弁した小中学校などにおける学校給食費の支援という内容は、実は地域の実情などに応じた物価高対策の推進の中で示される推奨事業メニューの中でも最初に記載されているもので、これは国としても決して見過ごしてほしくはないという意欲の表れなのだと思います。福岡市としても、小中学生がいる世帯が共通して負担している学校給食費について、物価高騰分を保護者の負担軽減にとどまらない、より踏み込んだ対応をすれば、小中学生のいる世帯の可処分所得にプラスの効果が出てくるのではないでしょうか。
そこで、物価高騰対策としての給食費の据置きを超えて、給食費を無償化している自治体数及び近年の数の動向についてお答えください。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 文部科学省の調査によりますと、令和5年9月時点で小中学校における学校給食費の無償化を実施している自治体は約3割に当たる547自治体となってございます。また、平成29年度時点で行われた同様の調査から、この6年間で無償化を実施するようになった自治体は約7倍に拡大いたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 先ほどの答弁では全国的に無償化は広がっているということでしたが、私が調べたところによると、近年は東京都内でも全ての自治体で無償化の実施が決定しており、大阪でも大阪市のほか、高槻市を含む比較的規模が大きな自治体でも学校給食費の無償化を実施し始めています。本来、国の責任と財源で無償化は実施すべきという考えもありますが、このように学校給食の無償化が他都市でも広がっていること、また、国の総合経済対策の中でも物価高騰下での家計負担の軽減に向けた対策として学校給食費の無償化が代表的な例として挙げられていることを考えると、本市においてもそろそろ検討していくべき時期に来ていると考えます。
そこで、その場合の必要な費用について伺います。
学校給食費については、既に就学援助などにより無償となっている世帯もいらっしゃいますが、本市が全面的に無償化とする場合、今年度の物価高騰分を加味すると追加で必要になる額についてお答えください。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 本市において給食費を無償化する場合に必要となる額は、物価高騰分も含めますと約58億円でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) これほどの金額を安定的に確保し、継続的に無償化を続けていくには、やはり財源が大きな課題となると思います。
そこでお尋ねしますが、一方で、本市では市税収入が伸びている状況にあると思いますが、令和3年度から5年度までの3か年度の市税収入についてお答えください。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 市税収入の決算額は令和3年度が約3,432億円、4年度が約3,583億円、5年度が約3,699億円となっております。以上です。
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 本市でも市税収入が増加している、また、今回の総合経済対策でも地方創生臨時交付金も拡充されている。その一方で、可処分所得の点では抑えられ続けている小中学生の保護者も存在いたします。低所得者世帯には就学援助などで給食費は既に無償になっており、その上で国の総合経済対策においても給付金などの支援が検討されています。一方で、小中学生の子どもがいる世帯のうち、全体の77%を超える世帯は学校給食費を広く負担されているものであり、これを継続的に無償とすることで可処分所得が増えているという実感につながり、そういった実感の積み重ねでマインドが変わり、消費も刺激され、まちの活力の向上にもつながるものと考えています。小中学生の子どもを育てる世帯、この層の可処分所得を増していくことを考えると、これは教育行政の中にとどまるものではなく、全市的な課題認識に立って検討をするべきものと考えます。
最後に、学校給食費無償化に関する市長の御所見をお伺いし、私の質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 島市長。
○市長(島宗一郎) 学校給食は児童生徒の育ちや学びを支える大切な役割がありまして、これまで福岡市では市内の食材を積極的に取り入れるとともに、食材料費の物価高騰分を公費で負担をして、質の維持、また、向上に努めてまいりました。一方、昨今の物価高は広く市民生活に影響を及ぼしており、可処分所得の増加など、子育て世帯への支援の拡大は喫緊の課題と認識をしております。今回、国の経済対策の中でも物価高に伴う子育て世帯支援に学校給食費の支援が掲げられ、また、福岡市においては都市の成長に伴って税収が過去最高を更新し続けております。そうした状況を踏まえまして、これまでの学校給食費の負担軽減にとどまらず、無償化を含む、より踏み込んだ子育て世帯支援の取組につきまして、今後、教育委員会とも連携をして取り組んでまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗)登壇 私は日本共産党市議団を代表して、中小企業の人手不足対策、福岡空港へのオスプレイ飛来、日米共同統合実働演習について質問いたします。
質問の第1は、中小企業の人手不足対策です。
コロナ禍以後、中小企業をめぐる環境は激変しています。アベノミクスの量的緩和政策による円安誘導や、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う農産物やエネルギーなどの世界的な供給危機といった複合的な要因による物価高に加え、日本国内では労働力不足が顕在化しています。今、いかなる中小企業支援が必要なのか、本市では現在、第3次福岡市中小企業振興プランが策定中であり、本議会中に経済振興委員会に素案が報告される予定です。そこで、10月の決算特別委員会総会に引き続き論じていきたいと思います。
まず初めに、本市が行った中小企業振興に関するアンケートにおいて、今後の事業展開における課題で一番多かった回答についてお尋ねいたします。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 令和6年に福岡市が行いました中小企業振興に関するアンケート調査では、今後の事業展開における課題として、人手不足と回答した事業者の割合が62.3%で最も多くなっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 人手不足は2年連続で1位であり、昨年の53%から62%へと約10ポイントも増えています。アンケート結果では人手不足について71%の中小企業が感じており、今年8月に行われた福岡市中小企業振興審議会においても、委員から人手不足、後継者難が深刻な課題となっているという意見が出されています。
そこで、どうして本市の中小企業が人手不足に苦しめられているのか、その原因と影響について御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 日本が人口減少社会を迎え、少子・高齢化が進展する中、全国的に様々な分野で人手不足が生じているものと認識しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) では、策定中の第3次プランでは人手不足についてどのような施策を位置づけようとしているのか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 現在策定しております第3次中小企業振興プランにおきましては、人手不足の対策と生産性の向上を3つの取組の柱の1つとして掲げ、人材の確保や定着、デジタル化の促進による生産性の向上などの支援に取り組むこととしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 第3次プランの素案には、人材不足対策として取組の成果、残された課題、今後の方向性と具体的に述べられています。観光、クリエイティブ関連、介護など、分野別にも分析、提言がなされています。しかし、アンケート結果を見ますと、建設業において人材不足、人材の育成を経営課題として挙げている割合がほかの業種に比べて高いことが分かります。また、人員体制についても、過不足なしと答えた割合が運輸業、宿泊業と並んで、建設業は他業種に比べて低いことも分かります。
したがって、建設業における人手不足問題は他業種に比べて深刻だと思いますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) アンケート調査によりますと、建設業においても、今後の事業展開における課題として人手不足と回答した事業者の割合が80.2%と最も多くなっており、人手不足感が高まっているものと認識しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 中小企業家同友会全国協議会の調査では、人手の過不足感DIは全産業平均でマイナス39に対して、建設業はマイナス80.6と突出しています。深刻なんです。しかし、第3次プラン素案には建設業については触れられていない。その理由についてお尋ねします。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 人手不足はほぼ全ての業種に共通の課題であることから、第3次プランの素案におきましては、建設業を含む幅広い業種の成果、課題、今後の方向性をまとめて整理しているものでございまして、福岡市の産業特性や強みを踏まえ、基本計画においても重点分野に位置づけられた知識創造型産業や観光・MICEなどについて具体的な事例として記載しているものでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 私が述べているように、他業種に比べても建設業の人手不足というのは、突出しているんですよ。ですから、これをちゃんと位置づける必要があると思います。
建設産業は社会資本の整備を支える不可欠の存在であり、震災復興、防災、減災、老朽化対策など、地域の守り手としても極めて重要な役割を担っています。その担い手が不足していることは看過できません。公益財団法人九州経済調査協会の調査では、2030年、6年後にこの福岡市だけで2,400人の人手不足が建設業で起きると警鐘を鳴らしています。アンケートでも建設業では募集しているが応募が来ないと答えた割合が他業種に比べて高い結果となっており、待遇が悪いことが要因の一つと考えられます。
そこで、建設業の賃金と全産業平均賃金の違いはどれぐらいあるか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 国の資料によりますと、令和5年の平均年収額として、建設業が432万円、全産業が508万円となっております。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 建設業は他産業よりも約16%も賃金が安く、一方で、就労時間が長いというデータが出ています。決算特別委員会で私は建設労働者の賃上げについて提言を行いました。業界全体で賃金が上がれば人材確保につながりますし、建設業界は、皆さん御承知のとおり、重層的な下請構造になっていますので、賃上げは仕事を請け負う中小企業、小規模業者の活性化にもつながります。
先日の決算の質疑で、福岡県建設労働組合の賃金調査で本市が行う公共工事においても国が定めた設計労務単価の6割しか労働者に支払われていない問題を取り上げました。そのときの答弁をもう一度お答えください。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 公共工事設計労務単価につきましては、国が毎年10月に、国、都道府県、政令市などの発注工事から無作為に抽出した工事について、従事した元請、下請、全ての技能労働者の賃金を調査し、平均単価を職種ごとに定めたものであり、翌年度の公共工事の積算に適用されているものでございます。また、当該単価には法定福利費や賞与等の日額換算なども含まれますことから、個々の労働者に直接支払われる額と必ずしも一致するものではないと考えております。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 局長の答弁は、設計労務単価には賃金のほかに法定福利費、そして、賞与が含まれているので、必ずしも賃金と一致しないということなんですね。ただ、賞与と言われますけれども、賞与をもらっている建設労働者がどのぐらいいるかといいますと、確かに大手のゼネコンに雇われている人は賞与をもらえるでしょう。しかし、中小、小規模の業者に雇われている多くの労働者は賞与なんてもらっていないというのが業界の当たり前なんですね。ましてや一人親方は自分が事業主ですから、はなから賞与はないだけでなく、経費もかかります。
このような実態から見れば、やはり本市の公共工事で設計労務単価の6割しか賃金が払われていないというこの調査結果について、問題がないと強弁することは無理があると思いますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 繰り返しになりますが、公共工事設計労務単価は無作為に抽出した全国の約1万件の公共工事等について従事した元請、下請、全ての技能労働者の賃金の支払い実態を調査し、例えば、特殊作業員、軽作業員、大工、左官など、それぞれの職種ごとに単価を定めたものでございます。また、当該単価には法定福利費なども含まれますことから、特定の工事現場における個々の労働者に直接支払われる額と必ずしも一致するものではないというふうに考えてございます。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 私たちが6割と言っているのは、職種に合わせて、それに比して6割なんだというふうに言っています。賃金と設計労務単価をぴったり合わせろと言っているわけではないんです。末端の労働者の賃金があまりにも低過ぎることを問題にしています。局長の答弁は現状を見ず、労働者に心を寄せない態度です。
そこで、設計労務単価に準じた適正な賃金が支払われるように市が率先して取り組むべきと思いますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 福岡市におきましては、毎年度、公共工事設計労務単価の決定に合わせまして、関係業界団体に対し、適切な賃金水準が確保されるよう文書により要請しております。また、施工体制の確認に関する抜き打ち点検を年2回実施し、下請契約が適切に行われているかなどの確認を行っております。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 今までやってきたことを繰り返していても問題の解決になりません。さきの決算特別委員会で要求したように、人間らしく働くことのできる労働条件を保障する公契約条例の制定や総合評価方式に労務単価を守らせる項目を採用して、適正な賃金が支払われるようにすべきです。
この間、国土交通大臣は国会で何度となく建設現場を担う技能労働者の賃金確保は喫緊の課題と答弁しています。そうした中、建設業における労働条件の改善や担い手確保のための建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律、いわゆる新担い手3法が6月に国会で可決、成立しました。法律の概要について説明をお願いします。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) お尋ねの改正法につきましては、建設業の担い手確保を目的として、労働者の処遇改善、労務費へのしわ寄せ防止、さらには働き方改革や生産性向上を図るための措置が盛り込まれてございまして、令和6年6月7日に成立しております。なお、改正法の一部は既に施行されており、令和7年中には全てが施行される予定となっております。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 建設業においては、元請、下請、孫請といった重層的な下請構造が存在します。このことから、資材の高騰や工期の延長によるコスト増が建設技能者の賃金にしわ寄せされ、長時間労働、低賃金が常態化してきました。このあしき慣習から脱却できると期待されているのが、この法律です。
この法律で、建設労働者に適正な賃金、いわゆる標準労務費が勧告されるとなっていますが、誰がどうやって定めるのか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 建設工事の労務費に関する基準につきましては、改正建設業法に基づき、学識経験者等で構成される中央建設業審議会が作成し、その実施を勧告することとされており、令和7年中を目途に当該基準の作成及び勧告がなされる予定となっております。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) この標準労務費が現場で働く建設技能者に支払われるべき賃金水準とされ、これを下回ると著しく低い賃金というふうになります。今回の法改正では、著しく低い賃金しか支払えない見積りを発注者と受注者の両方に禁じています。
このことは福岡市が発注する公共工事にも適用されると思いますが、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 建設工事の労務費に関する基準につきましては、国の資料によりますと、適正な水準の労務費が、公共工事、民間工事にかかわらず、受発注者間、元請、下請間など、全ての段階において確保され、技能労働者の賃金として行き渡らせるために作成されることから、福岡市の公共工事にも適用されるものと認識しております。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 当然、適用されます。これから職種ごとに能力別の標準労務費が勧告されていきますが、私が先ほどから紹介してきた設計労務単価の6割しか賃金が払われていない本市公共工事の事例は、著しく低い労務費として戒められることになります。
違反した場合はどうなるのか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 中央建設業審議会が作成する労務費の基準を著しく下回る見積りや契約締結は禁止されており、これに違反した場合、必要に応じて国土交通大臣または都道府県知事から建設業者に対しては指導、監督処分、建設工事の発注者に対しては勧告、公表がなされることとされております。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 勧告、公表といった処分になります。こういった処分を受けないように、本市も適正な見積りを行い、適正な賃金が支払われるように監督することが必要だと思いますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 建設工事の労務費につきましては、現在、中央建設業審議会において基準の作成と併せて、その実効性の確保策についても検討がなされておりまして、令和7年中を目途に勧告が予定されていることから、福岡市といたしましてもその動向を注視し、適切に対応してまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 適切に対応すると言われますがね、これまで福岡市は文書で、紙切れ一枚で、ちゃんと支払ってくださいよと現場任せにしてきたというのが実態なんですよ。でも、これからはこんなやり方では通用しません。標準労務費が本当に行き渡っているのか、あるいは重層請負構造、特に中抜きのようなことが行われていないのか、こういったチェックをしっかりやっていく必要があると思います。
現場に入って調査することを局長は約束できますか。答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 国の実行策、実効性のある確保策、実効性を確保できる策が出ました際には、それに基づき、福岡市としても適切に対応してまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 新しいルールですから、行政が民間の手本になって浸透させていかなければなりません。
また、今回の法改正では、資材高騰などによる請負代金の変更のおそれについて、契約時に受注者が発注者に通知する義務があります。そして、そうした事態になれば注文者に変更協議を求めることもできるとしています。公共発注者、福岡市においては協議に応ずる義務がある、このことも申し述べておきたいと思います。法の施行に向けて万全の準備を求めておきます。
次に、中小企業、小規模業者で働く人の賃金を上げて人手不足の解消の一助にすることについてです。
労働者の約4割が非正規という異常な労働実態が広がる中、雇用形態にかかわらず、誰もが人間らしく働ける労働条件を保障し、労働者全体の賃金の底上げとなる最低賃金の大幅引上げは重要な課題です。福岡県においても最賃の引上げが行われてきました。
一方で、最賃引上げを負担に感じている中小企業、小規模業者もあると聞いていますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 最低賃金につきましては、最低賃金法に基づき、厚生労働大臣または都道府県労働局長において中央または地方の最低賃金審議会に調査審議を求め、その意見を踏まえ、適切に決定されているものと認識しております。引上げ後の最低賃金より低い賃金水準であった事業者については、コスト削減や生産性向上といった取組が必要となっているものと認識しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 中小企業家同友会全国協議会は2021年8月、賃上げによって大きな負担となる社会保険料の事業主負担分について助成制度の創設などの軽減措置を国に要望しました。多くの地方最低賃金審議会は、2024年度地域別最低賃金改定に当たり、賃上げを直接的に支援する新たな支援制度の創設等を求めています。
中小企業が最低賃金を支払えるように賃上げに本格的な支援を行う必要があると思いますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 最低賃金の引上げに向けては、コスト削減や生産性向上といった取組が必要となるものと認識しておりまして、福岡市では、国の業務改善助成金など、最低賃金引上げのための支援制度活用について周知に努めているところでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 局長は国の施策を紹介されたわけですけれども、これは抜本的なものではないんですね。業務改善助成金も要件が厳しく、そもそも赤字で設備投資のできない多くの中小企業には全く効果がありません。こうした中、全国で最大の引上げ幅となった徳島県では、時給を引き上げた中小企業などに正社員1人当たり5万円、非正規社員1人当たり3万円、合わせて50万円を上限に一時金を支給する制度をつくりました。岩手県でも時給50円以上の賃上げを行った中小企業に対し、従業員1人当たり5万円、上限100万円を支給しています。
そこで、本市においても賃上げによる中小企業への負担を緩和するとともに、賃上げを促進するための支援金制度をつくるべきと思いますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 福岡市では継続的な賃上げを促進するためには事業者によるコスト削減や生産性向上といった取組が必要であると認識しておりまして、IT、デジタル技術を活用した業務効率化などにより中小企業や小規模企業者を支援してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) やらないということなんですがね、多くの中小企業、小規模業者が原材料やエネルギー、人手不足による労務費の高騰分を価格に転嫁できずに苦しみ、賃上げも実現できないままでいます。賃上げができないと大企業との格差が広がってしまい、中小企業の人手不足はひどくなる一方です。賃上げを支援する施策は不可欠です。
2024年度版の中小、小規模企業白書では、人材確保のためには働きやすい労働環境の整備や賃上げに向けた投資が必要であると述べています。第3次プラン素案でも、省力化投資を通じた生産性の向上や脱炭素化、DXの実現による付加価値向上などが主流になっています。しかし、これらは中小企業の自助努力によるイノベーションが軸となっており、それだけでは不十分です。
したがって、市長は市内中小企業、小規模業者の人手不足を解消する一助となる賃上げ支援や建設労働者の賃金を上げるためにあらゆる手だてを取るべきと思いますが、この問題の最後に御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 島市長。
○市長(島宗一郎) 市内企業の99%を占め、地域経済を支えている中小企業、小規模企業者の振興のため、その人手不足対策は非常に重要であると認識をしており、現在策定中の第3次中小企業振興プランにおいて人手不足の対策と生産性の向上を取組の柱と位置づけ、必要な施策を盛り込むとともに、公共工事におきましては、関係法令の改正等も踏まえ、担い手の育成や確保に配慮しつつ、働き方改革を推進するなど、引き続き中小企業、小規模企業者の持続的発展を支援してまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 第3次プランで確かに人手不足の対策を強化するというふうに言われているけれども、生産性の向上だけじゃね、やはり苦しんでいるところはそれに該当できないんですよ。中小企業の自助努力だけに委ねていたら、この問題は解決できないと、そのことを指摘しておきたいと思います。行政がしっかりと支援すべきです。
次に、オスプレイ飛来についてただします。
11月14日9時30分頃に米軍のオスプレイ4機が福岡空港に飛来しました。福岡空港にオスプレイが飛来したのは今回が初めてです。住宅地や繁華街に囲まれた民間空港での離着陸に市民から不安と怒りの声が上がっています。周知のとおり、オスプレイは各地で事故を繰り返してきています。
そこで、2022年以降の2年間でオスプレイが起こした死亡事故はどのようなものがあるのか、日時、場所、死亡者数についてお尋ねします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) おただしの事故につきましては、国内においては、令和5年11月29日14時40分頃、鹿児島県屋久島沖で米空軍のオスプレイが墜落し、乗員8名が死亡の旨、防衛省より公表されております。国外での状況につきましては防衛省から公表がなく、承知をしておりません。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 2022年3月、ノルウェー、4人死亡、2022年6月、米本土で5人死亡、2023年8月、オーストラリア、3人死亡、この2年間だけで20人死亡しています。オスプレイは開発段階から墜落事故が相次ぎ、これまでに65人の乗組員が死亡しています。戦闘による死者は一人もないんですね。全て墜落など事故によるという異常な事態です。
そこで、多発する事故の理由についてアメリカ政府や日本政府はどのように説明しているのか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 防衛省が令和6年3月に公表した資料によりますと、日米の確認作業の中で、令和5年11月29日の事故に関しては、特定の部品の不具合が発生したことが事故の原因であるとされております。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 住民に不安を与えないように、あたかもさらっと答弁をされたわけですけれども、しかし、そんな甘いもんじゃありません。例えば、局長も言われた昨年11月、CV22オスプレイが鹿児島県屋久島沖に墜落し、乗組員8人全員が死亡した事故の調査報告書を見ると、2つの原因が書いてあるんですね。1つは、操縦士の意思決定、もう1つは、駆動システムの急激な不具合を生んだ左側ギアボックスの壊滅的な故障です。そのメカニズムについては、時間の都合上、詳しく述べませんが、重大なのは、局長が答弁されなかったのは、報告書が正確な根本原因を特定することができなかったとしていることです。また、オスプレイにはほかの部分でも欠陥があると指摘されています。
このように、事故の原因を特定できないオスプレイは構造的欠陥機と言えると思いますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 同じく防衛省の資料によりますと、オスプレイの設計と構造に問題はないとされております。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 局長の答弁はあまりにも楽天的で、そして、自分たちで何も知ろうとしない、極めて怠慢な答弁だと言わざるを得ません。
米軍は12月9日、オスプレイの全機の飛行を停止し、翌日、陸上自衛隊も保有するオスプレイについて当面飛行停止するとしています。米軍は昨年11月、屋久島沖の墜落事故を受け、全機が飛行停止、今年3月に解除されましたが、僅か9か月で再び全機飛行停止に追い込まれました。オスプレイが運用不能の欠陥機であることは、このことから誰が見ても明らかではないですか。また、アメリカ最大の通信社であるAP通信は、2019年から2023年までの5年間のオスプレイの事故調査報告書や飛行データを調べ、事故の多くはエンジンなどの機体の設計上の問題に起因していると報じています。さらに、米軍が運用継続している状況に依然として疑問が残ると否定的な見方も示しています。本当に局長の答弁はでたらめだと思います。
こんなオスプレイが福岡空港に飛来したわけですが、今回、どのような飛行ルートを経て着陸したのか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 飛行ルートにつきましては公表されておらず、承知をしておりません。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 分からない。しかし、知ろうとしないというのが正確なのかもしれません。
フライトレーダー24というスウェーデン企業が運営する飛行中の民間航空機の現在地をリアルタイムで表示するアプリで飛行ルートを調べてみました。9時30分に福岡空港に着陸するまでに、那珂川市から早良区、糸島市付近を経て、9時28分、玄界灘を旋回して、海の中道上空より東区、博多区上空を飛行しています。
このように、本市上空を欠陥機であるオスプレイが飛行したことは危険極まりなく、問題だと思いますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) オスプレイの安全性について、市は所見を述べる立場にないものと認識をしております。オスプレイの運用などを含め、安全保障に関することは国の専管事項であり、国の責任において適切に対応されるものと考えております。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 全く無責任な答弁です。事故を起こす可能性が高い欠陥機が福岡市の上空を飛行したんです。もっと深刻にこの事態を捉えるべきであります。
福岡市は福岡市民の命と財産を守る立場に立てば、市長は本市上空を経て福岡空港へオスプレイが飛来したことについて断固抗議すべきだと思いますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 国の安全保障に関することについては、国の責任において適切に対応されるべきものと考えております。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 市長は抗議しない、つまり容認するということです。
では、今回どうしてオスプレイが福岡空港に飛来したのか、その理由についてお尋ねします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 九州防衛局からは、米空母ジョージ・ワシントンで実施をされます米国主催イベントの参加者を輸送するために福岡空港を利用したと聞いております。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 米国の要人を運んできたということですが、本当の目的は違うと思います。オスプレイは米軍が岩国に配備しており、自衛隊は佐賀空港にオスプレイを配備する予定です。先ほどから指摘しているように、いつ事故を起こすか分からないために、緊急着陸できる空港があればあるだけ助かる、その一つに福岡空港が狙われているのではないかという指摘もあります。
つまり、今後オスプレイが福岡空港を使用するための地ならしが今回の飛来の目的だったのではないかと思いますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 繰り返しになりますが、今回の空港利用の目的は米国主催イベントの参加者を輸送するためと聞いております。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 知らないふりをしているんではないんですか。
では、別の角度から聞きます。
本市では行政、議会、市民が一体となって板付基地返還促進協議会を構成し、福岡空港に存在する米軍基地の返還を求めてきました。
そこで、返還協における市長の役職についてお尋ねします。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 板付基地返還促進協議会における市長の役職は顧問でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 返還協議会が毎年掲げている運動方針に、福岡空港の軍事基地化及び軍事利用に反対しますという項目があります。顧問である市長が今回のオスプレイ飛来について問題ないかのような答弁をなされるのは運動方針に反していると思いますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 板付基地返還促進協議会につきましては、板付基地の返還を目的に、市議会、自治協議会、男女共同参画協議会、労働団体などで構成されており、満場一致をもって必要な事業が行われているところでございます。福岡市は当協議会の一員としてその議決事項を尊重するとともに、協議会を通じ、板付基地の返還について国や在日米軍司令部等に要望を行っているところであり、引き続き適切に対応してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 軍事基地化及び軍事利用に反対するという運動方針に明らかに反しているんですよ。1955年以来、長年にわたって平和を祈念し、運動を進めてきた広範で大勢の先人たちの思いを踏みにじるものです。厳しく批判をしておきます。
次に、危険なオスプレイが飛来することを市民がどうやって知ったのかという問題です。
今回の飛来について、福岡市はいつ、どこから情報を得たのですか、その内容についても、答弁してください。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 令和6年11月13日に九州防衛局から市民局に対し、不確定な情報としてオスプレイが11月14日に福岡空港へ飛来する可能性がある旨、関係者限定の情報として連絡があり、翌14日には確定した情報として連絡があったものでございます。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 第一報は前日に連絡を受けたということなんです。市民の代表が集う議会への説明、市民への周知はなされたのか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 九州防衛局からは、米軍の行動に関する事項であり、非公表とされていたため、周知は行っておりません。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 全くなされていません。私も同僚議員から連絡を受けて、このことを知りました。打越議長は代表者会議で、テレビで知った、言語道断だと発言されています。
市民の安全に関わる問題で、議会をはじめ、市民に周知されなかったことは問題だと思いますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 米軍機の飛来など、安全保障に関する情報の提供については、その可否を含め、国の判断により適切に実施されるものと考えております。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 前日に連絡を受け、そして、非公表にしてほしいと言われたから周知しなかった。どこを向いて仕事をやっているのか。市民の安全に関することだけに、すぐに知らせるのが当たり前ではないですか。国の言いなりで市民をないがしろにしています。
11月18日、九州防衛局に日本共産党福岡市議団は抗議と申入れを行いましたが、そのやり取りの中で、1週間前からオスプレイの飛来は分かっていたと九州防衛局が明らかにしました。また、飛来したオスプレイにはマスコミも同乗していました。マスコミにも事前に情報が知らされていました。にもかかわらず、福岡市には前日にしか知らされなかったのであります。
前日にしか連絡を受けなかったことについて市長は抗議をしたのか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 国の安全保障に関する情報の提供につきましては、その可否を含め、国の判断により適切に実施されるものと考えております。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 抗議さえしていません。市長はこの件を屈辱的と感じないんですか。要するに市民にオスプレイの飛来について知らせる必要はないと考えているわけです。市民の安全を守る役割を放棄しています。しかし、このままでいいはずがありません。
今後、オスプレイ飛来のような重要な情報を米軍や国から得た場合、速やかに市民や議会に知らせるべきと思いますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 国の安全保障に関することにつきましては、国の責任において適切に対応されるべきものと考えておりますが、今後、国から市に情報提供が行われ、住民生活に大きな影響が見込まれる場合などは、関係者と調整、情報収集の上、周知に努めてまいりたいと考えております。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) はっきりと答弁しません。地方自治体は国から独立した団体として、本来ならば主体性を発揮できるんですよ。しかし、あなた方はその権利を自ら放棄している。全く情けない態度です。
オスプレイがどういう軍用機なのか、さらに述べたいと思います。もともと中東の砂漠地帯の内陸深くに侵攻するために開発されました。通常のヘリコプターと違って1,000キロメートルも飛び続けることができる。空中給油を行えば、2,000キロメートル、3,000キロメートルと飛べる。福岡から東京、札幌まで行ける距離です。しかも、20人から30人の兵隊を運び、敵のレーダーに引っかからないように低空飛行で時速500キロで飛んでいける。普通のヘリコプターが時速130キロから170キロですから、すごい能力です。つまり侵略のためにこのオスプレイというのは造られたんですよ。日本防衛と全く関係ないわけです。しかも、オスプレイは2026年には生産終了します。紹介してきたように事故を起こす危険があるからです。
こんなオスプレイが初めて福岡市に飛来した。しかも、今回、米軍と国土交通省福岡空港事務所が定期便との関係で調整をしたのかと尋ねると、国土交通省航空局は調整した事実は確認できていないと語っています。好き勝手に飛来してきたのが事実であります。これで安全が守られるんでしょうか。これらに関して、市長が何も抗議しない、調べようともしない、国のやることだからといって言いなりになっていては、アメリカの戦争に市民を巻き込むことになりかねません。地方自治の観点から、市長は国や米軍にはっきりと物を言うべきです。
したがって、市長は市民の命と安全を守るためにオスプレイの日本国内での飛行中止と撤去を日本政府と米軍に働きかけるべきと思いますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 島市長。
○市長(島宗一郎) 日米間に関わることなど、国の安全保障に関することにつきましては国の責任において適切に判断、対応されるべきものであり、今後とも、国民の生命と安全を守るために、その役割を果たされるものと認識をしております。一方で、昨今のオスプレイを取り巻く状況を受けて、オスプレイの飛来に対して不安を感じる市民がおられることは認識をしております。福岡市といたしましては、引き続き国の動向を注視するとともに、市民生活の安全を確保するという立場で必要に応じ適切に対応してまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) これまでの答弁を聞いているとね、国の安全保障、国の安全保障と繰り返して言われるけれども、安全保障のことについて言ってはならないという法的根拠はないんですよ。沖縄県知事をはじめ、多くの自治体の首長がちゃんと発言していますよ。市長の答弁は市民の命と安全を全く考えないものだと厳しく指摘しておきたいと思います。
次に、日米共同統合実働演習についてただします。
10月23日から11月1日まで沖縄県など南西諸島を中心に、自衛隊と米軍による最大規模の日米共同統合実働演習が全国各地で行われました。台湾有事での中国とアメリカの武力衝突を想定していると見られ、最前線の南西諸島をはじめ、米軍のアジア最大の出撃、中継、補給拠点である日本が戦場になることを前提とした軍事演習です。
そこでお尋ねしますが、福岡空港を使った演習について、日時と内容について答弁してください。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) おただしの演習につきましては、令和6年10月30日18時30分頃に福岡空港を経由地とした負傷者を搬送する訓練が実施されたとの報道がなされております。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 負傷兵を沖縄から搬送するという実に生々しい演習が福岡空港を使って行われたということです。これはまさに戦争を想定した軍事訓練であると思いますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 防衛省の資料によりますと、我が国防衛のための日米共同統合運用能力の維持向上を図ることを目的として実施したものとされております。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 有事を想定した演習にほかなりません。このような演習を福岡空港で行えば、有事の場合、相手から攻撃の対象になると思いますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 国の安全保障に関することにつきましては、国の責任において適切に対応されるべきものと考えております。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 何も考えようとしません。ジュネーブ諸条約追加議定書という国際法があります。ざっくりと言うと、戦争のルールを定めたものです。第52条で、民用物は攻撃の対象としてはならないと述べた上で、軍事目標はその性質、位置、用途または使用が軍事活動に効果的に資するものと定めています。福岡空港のように軍事訓練に使用している施設は、明確な軍事的利益をもたらすとして攻撃の対象となります。局長が何も考えないというふうに言っている限り、攻撃の対象になっちゃうんです。
このように、市民を戦争に巻き込むようなことが本市で行われたことについて国や米軍に抗議したのか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 国の安全保障に関することにつきましては、国の責任において適切に対応されるべきものであり、今後とも、国民の生命と安全を守るためにその役割を果たされるものと認識をしております。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 全くひどい答弁です。
では、演習について本市は事前に説明を受けていましたか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 令和6年8月26日に九州防衛局から市民局に対して、福岡空港を経由地とした搬送訓練の概要について説明があっております。以上です。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 説明を受けたけど、ホームページに載せただけ、議会への報告もない、演習の中止も求めない、全く主体性を欠いた態度です。
では、特定利用港湾に選定された博多港の使用について今回の演習では打診されなかったのか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 博多港の利用について打診はございませんでした。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 今後、今回のような米軍との共同演習での使用を打診された場合、博多港の使用を許可するのか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 博多港は特定利用港湾となりましたが、広く民間に利用されている商港であることに変わりはないため、これまでどおり港湾管理者として、まずは商船の荷役等に支障がないかを確認した上で、関係法令等に基づき適切に対応してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 局長の答弁は何一つ根拠のない極めて楽観的な考えですよ。何も変わらないというなら、特定利用港湾に国が選定して港湾整備の費用まで面倒を見るなどということはやりません。有事を想定しないで何で訓練をやるんですか。何のための訓練ですか。こんな態度ならば、今後、国や米軍は我が物顔で博多港も軍事利用していきます。
今回の質問でいかに福岡市が国や米軍が一緒になって進める戦争のできる国づくりに何も言わず、盲目的に言いなりとなっているかが明らかになりました。そんなことでは市民を戦争に巻き込むことになります。福岡市には市民の命と安全を守る使命があります。国や米軍に言うべきことはきちんと言うべきです。
したがって、福岡空港の軍事利用にきっぱりと反対するとともに、博多港の特定利用港湾選定の返上、軍事的使用を拒否すべきと思いますが、最後に市長の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 島市長。
○市長(島宗一郎) 日米共同統合演習など、国の安全保障に関わることにつきましては、国の責任において適切に対応されるべきものであり、今後とも、国民の生命と安全を守るためにその役割が果たされるものと認識をしております。一方で、福岡空港、博多港は、福岡のみならず、九州・西日本地域の玄関口として重要な役割を担っております。福岡市といたしましては、福岡空港、博多港が広く民間に利用されていることを踏まえ、市民生活の安全を確保するという立場で引き続き適切に対応してまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) この際、休憩し、午後2時55分に再開いたします。
午後2時41分 休憩
午後2時55分 開議
○議長(打越基安) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。井上まい議員。
○55番(井上まい)登壇 私は福岡市民クラブを代表して、油山の振興及び周辺環境の整備について質問をいたします。
福岡市は海と山とに囲まれ、都会ながらも自然が身近に感じられる大変恵まれた都市です。その身近な自然の一つが市の南部に広がる油山です。油山といえば、昨年4月にかつての油山牧場と油山市民の森が一体的にリニューアルされ、ABURAYAMA FUKUOKAとしてオープンし、改めて注目を集めております。私自身、油山の麓を中心に活動しております関係で、地元住民の方々とともに今回のリニューアル事業には大変期待をし、大きな関心を寄せておりました。しかしながら、リニューアルオープンから1年以上たち、期待とは少し違った実態を感じるようになりました。油山は本市にとって大変貴重な財産であると考えています。今回の質問を通し、改めて油山のポテンシャルを感じていただくとともに、地元住民から見た油山周辺の実態について御認識いただきたいと考えておりますので、大変局地的な話題になりますが、どうぞお付き合いいただければと思います。
初めに、ABURAYAMA FUKUOKAのリニューアルに関してお尋ねしてまいります。
ABURAYAMA FUKUOKAのリニューアル前と後の来場者数について、牧場エリアと市民の森エリアの内訳を含めてお尋ねいたします。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) ABURAYAMA FUKUOKAの来場者数は、リニューアル前の令和4年度は約39万4,900人、リニューアル後の5年度は約59万7,900人となっております。また、内訳につきましては、油山牧場は4年度が約22万2,900人、5年度が約45万8,500人、油山市民の森は4年度が約17万2,000人、5年度が約13万9,400人となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 牧場エリアについては来場者が倍増しているようですが、市民の森エリアについては2割ほど減少をしているようです。
リニューアル後、市民の森エリアの来場者数が減少した理由についてどのようにお考えか、御所見をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 市民の森エリアにおいては、令和5年4月のリニューアルオープン後も改修工事を行っていたことや、市民の森エリアの駐車場が大雨による災害復旧のため約2か月間使用できなかったことなどにより来場者が減少したものと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 市民の森エリアが約2か月間使えなかったことが要因とのことですが、10か月で計算をしたとしても、一月当たりの平均来場者数はほぼ横ばいです。来場者数が大きく伸びた牧場エリアと対照的に、市民の森エリアについてはさほど来場者が増えていないということが分かります。
メディアでよく取り上げられるのも、どちらかといえば牧場側が多いと感じられますが、市民の森エリアはどのようなリニューアルが行われたのか、リニューアル状況についてお尋ねいたします。また、今後、追加のリニューアルの見通しがあれば教えてください。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 令和5年4月にソロキャンプサイトとバーベキュー場、10月以降にシェアオフィス、飲食物販、ドッグランサイトが順次開業し、令和6年3月の自然体験施設の開業をもって全てのリニューアルが完了しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 市民の森エリアについても、リニューアル事業は全て終了したということが分かりました。
ここで改めてお尋ねいたしますが、そもそも何のために今回のリニューアルが行われたのか、油山市民の森等リニューアル事業の目的と事業概要の説明を求めます。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 油山市民の森等リニューアル事業は、油山市民の森が開園50周年を迎えたことを契機として、市民の様々なニーズへ対応し、新たな魅力やにぎわいを創出することを目的に、民間の創意工夫やノウハウを導入し、油山牧場と一体的なリニューアルを実施したものでございます。また、事業概要については、老朽化した施設の改修やインフラ整備を行うリニューアル事業、両施設の一体的な管理運営などを行う指定管理事業に加え、民間事業者の創意工夫による新たな魅力創出事業の3事業となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) リニューアル事業の話が出ていた当時、私は所管の委員会に所属をしておりましたので、当時の経緯についてはよく覚えております。大きなテーマの一つが、一体運営による業務の効率化を進めるとともに、回遊性を高め、一層利用しやすい施設を目指すというものでした。
そこで指定管理についてお尋ねいたしますが、ABURAYAMA FUKUOKAの指定管理料について、直近5年間の決算額をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 令和元年度は約2億4,600万円、2年度は約2億5,000万円、3年度は約2億5,100万円、4年度は約2億4,900万円、5年度は約1億9,800万円となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 指定管理者が一元化され、費用面では5,000万円ほどカットができたようです。
では、ABURAYAMA FUKUOKAに関連をする直近5年間の決算額を指定管理料を除いた額でお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 令和元年度は約4,100万円、2年度は約2,000万円、3年度は約9,200万円、4年度は約3億900万円、5年度は約8億2,900万円となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 令和4年度は4億円近く、また、5年度は8億円以上と、このリニューアルに本市も多額の費用をかけたということが分かります。私が今回、ABURAYAMA FUKUOKAのリニューアルについて感じるのは、一体的にと進めてきたはずですが、結果として牧場エリアにその恩恵が偏ってしまっているのではないかということです。別々であった施設を大きな一つの施設として捉え直すという方向性は間違っていないと思っています。しかし、実態を見てみると、牧場エリアは魅力的な施設が新設をされ、来場者も大きく増加をしております一方で、市民の森エリアについては以前とあまり変わったようには見えず、リニューアルの恩恵が届いていないように感じられます。牧場エリアと市民の森エリアとの間をいかにつなぐかということがポイントだと思うのですが、当初予定をしていた両施設間でバギーを運行するという案も、山の地形上、実現が厳しいということで、現在、ワゴン車での運行となっております。
そこでお尋ねいたしますが、牧場エリアと市民の森エリアを結ぶ園内巡回モビリティーの令和5年度、6年度の利用者数について、平日と土日祝日の内訳と併せてお示しください。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 令和5年度は約1万5,600人の方に御利用いただいており、平日が約1,900人、土日祝日が約1万3,700人となっております。6年度は10月末現在で約1万3,800人で、平日が約2,100人、土日祝日が約1万1,700人となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 平日では1日平均数名程度、土日祝日で1日平均110名程度ということで、年間60万人ほどの方が来場されている割には、行き来をするお客さんは少ないと感じます。せっかく両施設がつながったところですが、大変もったいないなと感じております。
園内巡回モビリティーについて、当初予定をしていたバギーの運行が難しいとのことですが、今後もワゴン車での運用を続けるのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 園内巡回モビリティーは牧場エリアと市民の森エリアを結ぶ足として、利用者から好評いただいております。なお、途中には急な坂やカーブがあることなどから、安全面に配慮し、ワゴン車での運行を継続してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 今後もワゴン車での運行を続けるとのことです。このワゴン車は両施設をつなぐための唯一のモビリティーであるにもかかわらず、平日は有料で片道200円かかります。往復すると、これは400円になります。
牧場エリアと市民の森エリア間を歩くと約1.5キロメートルありますので、巡回車があるというのは大変便利ではありますが、利用が少ない平日を有料とし、土日祝日だけ無料としている理由は何なのか、御説明をお願いします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 土日祝日については特に多くの来客が見込まれたため、公募の際に無料で運行することを条件としたものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 土日祝日は利用者が多いから無料で運行しているという御説明でしたが、平日は本数が少なく利便性が低くなる上に、現状、利用者は1日10名程度しか利用されておりませんので、ここは平日も含め、無料で利用できるよう改善を求めておきます。
資料1をお願いいたします。(資料投影)こちらが現在、牧場と市民の森の間を巡回しているワゴン車です。ワゴン車を否定するものではありませんが、現在運行されているワゴン車では、定員が少ない上に、30分から1時間待ち時間が発生をするため、もっと自由に行き来ができるように、個人で借りて運転ができるような自転車の貸出しなど検討できないものでしょうか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 牧場エリアと市民の森エリアの間の道は急な坂やカーブがあり、油山市民の森等リニューアルプランに対するパブリックコメントにおきましても、両施設間は散策する人も多く、回遊性の向上を図るためには安心、安全の確保が必要であり、巡回車以外の車両の乗り入れは危険であるという意見を多数いただいていることなどから、慎重な検討が必要であると考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 当初のリニューアルプラン内の基本的な考え方の中で、両施設の回遊の具体例として、市民の森と牧場をつなぐ巡回バスや電動キックボードなど小型モビリティーの導入により回遊性を確保するという文言もありましたが、実態としては実現をされておりません。安全確保ももちろん大事ではございますが、少しでも回遊性が高まるよう引き続き御努力をいただきたいと思います。
次に、市民の森エリアに、かつての管理棟の2階を活用してできたコワーキングスペース、Q-Natureといいますが、こちらの利用者数をお尋ねいたします。想定と比較をしてどうなっているかも併せてお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) Q-Natureは令和5年10月から開業し、6年10月末現在で約3,100人の方に御利用いただいております。令和6年度は5年度と比較して利用者数は約2倍となっておりますが、さらに多くの方に御利用いただきたいと考えておりまして、今後とも、周知に努めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) こちらについても、1年目は1日平均10名弱であり、利用が少なく大変もったいないと感じています。もともとは市民の森の管理棟としてホールや会議室として使用されていた場所をリノベーションしたものです。リニューアルの計画当時は、コロナ禍の影響もあり、森の中で仕事をするといったニーズなどを想定していたかもしれませんが、状況に合わせて柔軟な見直しも必要だと思います。
今後、企業の利用のみを想定するのではなく、広く市民も研修棟のように利用ができるなど、利用料金も含め、活用できる幅を広げた見直しを求めたいのですが、御所見をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) Q-Natureは、企業利用のほか、市民の皆様にも結婚式、地域や大学の活動など、様々な用途で御利用いただいております。さらに多くの市民の皆様に幅広く御利用いただけるよう、PRの強化などに取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 今のままでは利用料金も高く、気軽に立ち寄れるスペースとはなっておりませんので、様々なニーズを想定いただきたいと思います。
次に、市民の森エリアにある油山自然観察センターの利用者数について過去5年間の推移をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 令和元年度は約8,200人、2年度は約4,200人、3年度は約4,100人、4年度は約5,600人、5年度は同じく約5,600人となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) リニューアル後についても、コロナ禍前の利用者数まで回復していないようです。油山自然観察の森は、全国で10か所しかない自然観察の森のうちの一つです。自然観察センターでも様々なイベントや取組が実施をされておりますが、意外と御存じでない市民の方も多くいらっしゃいます。都心の近くで昆虫や野鳥や植物などと触れ合いながら勉強もでき、子どもも大人も楽しめる大変貴重な施設です。
牧場エリアだけではなく、市民の森エリアについても、今以上にPRをいただきたいと考えますが、御所見をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 市民の森エリアの施設やイベントにつきましては、牧場エリアと一体的に市政だより、ホームページ、SNSで広報しておりますほか、小学校でのチラシの配付なども行っております。また、季節ごとに散策マップを作成するなど、自然と触れ合っていただけるよう努めているところでございます。今後とも、自然観察センターをはじめ、市民の森エリアに多くの市民が訪れ、楽しんでいただけるよう情報発信の充実に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 最後に、交通手段についてお尋ねをいたしますが、市民の森エリアへ向かうには自家用車以外ではどのような手段があるのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 市民の森エリアに来ていただく場合には、まず、バスで油山牧場にお越しいただき、園内巡回モビリティーを御利用いただくよう御案内しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) リニューアル前までは油山市民の森行きの臨時バスが走っていたと思いますが、リニューアルを契機に、この西鉄の臨時バスが牧場エリア行きのみとなった理由についてお尋ねいたします。あわせて、市民の森エリア行きの臨時バスの復活は難しいのでしょうか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) ABURAYAMA FUKUOKAへのアクセスにつきましては、リニューアルによる来場者の増加が見込まれたことから、利便性の向上を図るため、市、指定管理者、西鉄の3者間で協議し、バスの大型化を図るとともに、従前の市民の森エリアへの運行ルートは急カーブが多く、道路幅が狭いといった道路事情があることから、安全面を考慮し、油山牧場行きのみの運行に変更したものでございます。このような状況から、市民の森エリアへの運行ルートの再開は困難だと考えておりますが、両エリアの往来につきましては、リニューアルを契機に園内巡回モビリティーを新設しておりまして、その利用を促進しているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) インターネットで市民の森エリアへのルート検索をすると、公共交通機関の場合は最寄りバス停から徒歩約50分といった案内が出てきます。また、ABURAYAMA FUKUOKAのホームページ内でも交通アクセスの案内の場所があるんですけれども、そちらを見ても車での来場案内しかないため、大変分かりにくいです。
先ほどの答弁で、市民の森エリア行きの臨時バスの復活は難しいという御答弁がありましたけれども、牧場エリア経由でのバス利用というものを推奨するのであれば、その旨が分かるように、しっかりと広報を工夫して行っていただきたいと思いますけれども、御所見をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 来場者にとってより分かりやすくなりますよう、ホームページやSNS等を活用し、しっかりと情報の発信を行ってまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 無料でも十分楽しく遊べる油山が、有料コンテンツばかり増えたという声も少なくありません。新たにオープンをしているフォレストアドベンチャーなども大変魅力的な施設ではありますが、こちらは1人2,000円以上かかるアトラクションであります。特に市民の森エリアについては、もともとあったアスレチックなども、自然の中で小さなお子さんでも楽しめるすてきなスポットでありました。しかしながら、そちらについては老朽化が目立っております。どうか既存の設備にも十分目を向けていただき、両施設がさらに魅力的な施設となりますことを願いまして、次の質問に移ります。
次に取り上げますのは、油山片江展望台についてです。
資料2をお願いいたします。(資料投影)片江展望台は、この青色で示しております油山観光道路の終点に位置をする展望台で、先ほど取り上げましたのは、この赤枠内のABURAYAMA FUKUOKAというのを取り上げましたが、位置関係で言うとこのようになります。皆様もドライブがてら市内の景色や夜景を見に登られた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでお尋ねをいたしますが、この油山片江展望台はどのような経緯で設置をされたものか、御説明願います。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 油山片江展望台につきましては、当時、全国的に観光資源の開発や施設整備が積極的に進められていたことから、福岡市においても油山の観光開発の機運が高まり、昭和36年に油山観音から展望台に至る道路の整備を開始するとともに、昭和40年に展望台を整備したものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 昭和40年に整備をされたとのことで、来年で60年を迎えます。
長年にわたり市が管理をしてきたものと思いますが、片江展望台の利用者数は把握をしておられますでしょうか。把握をしていれば、これまでの推移についてお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 油山片江展望台はドライブでの立ち寄りや野鳥の観察などの利用がなされているものと認識しておりますが、利用者の正確な人数は把握しておりません。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 正確な人数の把握はされておられないようです。私も度々登りますが、特に週末の夜などは展望台の駐車場に車が入り切れず、展望台手前で渋滞となっている場面を何度も目にいたしました。昼夜問わず本市の景色が一望できる、まさに展望スポットとして多くの利用者がいらっしゃいます。
そこでお尋ねいたしますが、片江展望台利用者の騒音等の苦情について件数など市は把握をしていらっしゃいますでしょうか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 油山片江展望台については、市政への提案や電話において騒音等の苦情は受けておりません。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 苦情については受けていないとの御答弁でしたが、地元住民は以前から特に夜間の騒音について悩まされており、私も多く苦情をいただいておりました。2022年9月から県警により夜間のバイクでの油山の通行が規制をされたほどです。しかし、規制前よりも減ったとはいえ、今でも自動車での騒音であったり、二輪車の暴走行為などが多いのも事実ですので、市としても実態把握をお願いしたいと思います。
次に、展望台の設備更新についてお尋ねをいたします。
更新が最後に行われた時期とその内容についてお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 平成9年度に展望台の安全柵の更新、展望台床面及び駐車スペースの舗装などを行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 資料3をお願いいたします。(資料投影)最後に行われたのは平成9年ということで、約27年前の更新で止まっているということになります。こちらは展望台の写真を撮ってきましたけれども、1枚目は安全柵の様子です。大分塗装が?げております。
資料4をお願いいたします。(資料投影)こちらは展望台の床面の装飾でございますが、こちらもよくよく見ると残ってはいますが、大変薄くなっております。資料5をお願いします。(資料投影)このような感じで、御来場される方も気づかれない方も多いです。また、このすぐ隣が駐車スペースですが、そちらについても、現在ライン等はなく、無造作に車が止められている光景をよく目にいたします。
資料6お願いします。(資料投影)こちらは、そちらに設置をしてあります野鳥についての案内板ですが、割れたまま放置をされています。油山の中でも貴重な観光スポットの一つですので、放置するのではなく、ぜひ時期を見て設備の更新をお願いしたいと思います。
そもそも片江展望台は市の所有する土地なのでしょうか。また、展望台周辺の管理は誰が行っているのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 油山片江展望台として利用している用地は個人の所有で、福岡市が当該所有者からお借りしておりますが、展望台周辺の管理については把握しておりません。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 御答弁にあったように、あの展望台の土地は個人の方に市がお借りをしているものであります。そして、周辺については所有者の方が定期的に木の手入れなどを実施し、周辺の環境を維持していただいております。
今後も市が展望台として管理を続けていくのであれば、地権者と交渉できるうちに土地の買上げなども検討すべきであると考えますが、御所見をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 油山片江展望台については、現在、展望台として必要な土地を所有者から有償でお借りしているものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) これまで長きにわたり地元の方の御理解と御協力をいただきながら存続をしてきたこの展望台ですが、これからも存続をさせていくには、そのような選択肢も考える必要があるのではないでしょうか。今後も長く市民が憩える展望台を維持いただきますよう要望をいたします。
次に、展望台へ登る道路についてです。
資料7をお願いします。(資料投影)基本的に片江展望台に向かうには、車の方も徒歩の方も油山観光道路を上がっていきます。平地から約2.4キロメートルで展望台に着くため、車で5分ほど、歩いても四、五十分程度ですので、このように歩きながら登られる方も少なくはありません。しかし、こちらの写真のように道路脇を徒歩で通行するしかないため、幅が狭く危ないという相談も複数いただいております。
歩行者が安全に通れるように、ガードレール等の設置はできないのか、お尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 歩行者の安全対策としましては、通常、歩道の設置や路側帯のカラー化のほか、ガードレールの設置などを行っております。片江展望台までの歩道のない区間につきましては、自動車、歩行者の交通量や道路状況などを調査し、地形上の制約も踏まえながら、必要性も含めて検討してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) まずは状況を調査いただきまして、ぜひ御検討をいただきたいと思います。
続きまして、油山といえば切っても切れないのがイノシシの出没です。
そこで、片江展望台でのイノシシ被害について被害の内容や件数をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 令和元年度以降でお答えさせていただきますと、約5年半の間にイノシシにかまれるなどの人的被害が4件発生しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 確認できているものは4件の人的被害とのことですが、展望台でのイノシシの目撃証言は後を絶ちません。
これまで油山周辺のイノシシ対策について実施をした内容とその効果についてお示しください。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 福岡市では油山周辺において年間を通して猟友会による捕獲や侵入防止柵の設置等を実施しており、イノシシによる農業被害は減少傾向にあります。これに加え、人的被害が発生した際には、自治協議会や学校などの関係機関のほか、必要に応じ、市ホームページなどで注意喚起を行うとともに、猟友会や警察と連携したパトロールを実施するなど、地域住民の安全確保に努めております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 地元の防災関係者等の御尽力で被害は最小限にとどめられておりますが、展望台で売られているホットドックを目当てに山から下りてきたり、不注意な方が餌となり得るごみを展望台付近に捨てに行く様子なども目撃されていたりと、不安要素は尽きません。引き続き、イノシシの人的被害が発生せぬよう市としての対策をお願いいたします。
また、油山周辺では、昨今、アナグマも増えてきており、一部被害も出ていると聞いていますが、市は把握していらっしゃいますでしょうか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) アナグマにつきましては、年に数件程度、農業者から作物の被害に関する相談がございまして、箱わなの貸与や侵入防止柵の設置支援を行うなど、被害防止に努めているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 城南区の別府という油山から離れた地域で駆除をされたという話も聞いておりますので、今後はアナグマの動向についても、しっかりと注視をいただくよう重ねてお願いいたします。
次に、スズメバチについても、相談が寄せられています。スズメバチの駆除、巣の撤去や被害等について市や区で受けた相談件数についてお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) スズメバチに関する相談につきましては、各区の生活環境課や保健医療局生活衛生課で受け付けておりますが、過去5年間の相談件数といたしましては、令和元年度が244件、2年度が229件、3年度が230件、4年度が365件、5年度が294件となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 全市で見ても、かなりの件数の相談が寄せられていることが分かります。
スズメバチの駆除や巣の撤去について、現在、市では駆除業者の案内などしかできないと聞いておりますけれども、県内でも複数の自治体で実施をしております巣の駆除などに係る費用の補助など、御検討をいただけませんでしょうか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 私有地はその所有者が管理する財産であり、自己管理を行うことが原則であることから、私有地におけるスズメバチの駆除や巣の撤去につきましては、土地や建物の所有者または管理者に対応をお願いしているところでございます。なお、空き地や空き家など、所有者や管理者の把握が困難で、公共施設や通学路等に面している場所などにおいて緊急性や公共性の観点から駆除が必要と認められる場合には市が対応することがございます。また、駆除等に係る費用の補助につきましては、今後、他都市の助成状況等について情報の収集を行い、在り方について研究してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) これまで様々な有害鳥獣などについてもお尋ねをしてまいりましたが、油山近郊の住民の皆さんには、自然を守りながら、山の生き物たちとの共存について日夜取り組んでいただいております。ABURAYAMA FUKUOKAのリニューアルで脚光を浴びた油山ですが、その周辺ではなかなか知られていない御苦労があるということもぜひ知っていただけたらと思います。
では最後に、油山観光道路についてお尋ねしてまいります。
初めに、油山観光道路の道路愛称はどのようにつけられたものか、その経緯と理由についてお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 油山観光道路の愛称は、平成6年9月に行われた道路愛称決定事業の中で、道路整備当時の事業名称が市民の間で広く親しまれ、定着していたことを理由に名づけられたものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 平成6年の決定時以前からこの愛称で親しまれているということが分かりました。
では、油山観光道路に関する主要な整備履歴があればお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 油山観光道路につきましては、昭和48年度から63年度にかけて、西南部交通対策の一環として、六本松西交差点から油山団地東口交差点までの区間を都市計画道路六本松東油山線として標準幅員15メートルで拡幅整備しております。また、同区間について、道路の老朽化対策と併せてバリアフリー化を目的とした歩道の段差解消工事を実施しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 油山観光道路は上りが2車線、下りが1車線の3車線道路です。地域住民からは渋滞解消についての相談を多く受けるのですけれども、渋滞状況についての本市の認識をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 油山観光道路につきましては、福岡県交通渋滞対策協議会において、地域の主要渋滞箇所として、梅光園三丁目交差点、島廻橋西交差点、堤交差点が選定されております。また、六本松西交差点から堤交差点までの区間では上りが2車線、下りが1車線の車線構成となっており、下り車線ではバス停車時に後続車両が追い抜きできない状況があるなど、交通混雑が発生していると認識しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 油山観光道路では3つの地点において主要渋滞箇所として選定をされているということが分かりました。
答弁にもありましたように、特に下り車線についてはバスの停車が渋滞の原因の一つであると思われます。時刻表を基に数えてみましたけれども、一番多いバス停では上下合わせて1日に610台のバスが走っています。下りだけですと、一番多い時間帯では1時間に19台のバスが走っておりまして、これは3分に1台ほどのペースでバスが通っているということになります。そのため、タイミングによってはバスが2台、3台と連なる場合もあります。
そこで、バスカットの整備やバス停の移設などを通して渋滞の緩和は図れないのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) バス停車時における交通混雑の対策としましては、バス停カットの整備やバス停の移設などが効果的でありますが、対策の実現に当たっては、バス事業者や県警察との連携に加え、用地買収が必要となるなど、地域の方々の御理解や御協力が必要となってまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) では、3車線道路で、ほかに渋滞が起きている事例は市内にどれほどあるのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 油山観光道路以外の3車線道路における地域の主要渋滞箇所といたしましては、東区の和白交差点、早良区の脇山口交差点、荒江交差点、野芥口交差点、野芥交差点の5か所が選定されております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) やはり全市的にも3車線道路での渋滞事例は複数あるようです。
市内での優先順位はあるかとは思いますが、油山観光道路の渋滞対策にもぜひ力を入れていただきたいと考えますが、御所見をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 油山観光道路の渋滞対策につきましては、市内における地域の主要渋滞箇所への対応も含め、引き続き都市の骨格となる幹線道路などの整備を行い、交通の円滑化及び分散化を図るとともに、局所的な対策として、ボトルネックとなっている交差点の改良やバス停カットの整備など、総合的に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 両側2車線化などはハードルが高く、現実的ではないと思っておりますが、現在の道路のままでも交差点の改良や信号タイミングの見直し、バス停の移設などで改善をできる見込みは大いにあると思っています。城南区を走る地下鉄七隈線は大変利便性が高くなったものの、油山観光道路周辺にお住まいの方はなかなかその恩恵を受けることができません。今回の質問をつくるに当たり、西鉄バスの運転手の方にもヒアリングをさせていただきましたが、運転手側から見る課題等、様々なアイデアもいただきました。市としても実際に通行されている方の意見のヒアリングでしたり現場検証などを実施し、交通事業者や福岡県警などとしっかり連携を図って、少しでも改善が図られますよう要望をいたします。
次に、街路樹についてお尋ねいたします。
資料8をお願いします。(資料投影)こちらは油山観光道路で撮影をしたものですが、この時期は大変色鮮やかな街路樹が並んでおります。ところが、よく見ていただくと、ほぼ全ての街路樹に実は電線がかかっています。資料9をお願いします。(資料投影)ちょっと拡大するとこんな感じですが、見えづらいですけれども、このように木の枝の間をずっと電線が張っているというのが油山観光道路で見られる光景です。
油山観光道路ではこのような箇所が多数ありますが、電線が街路樹にかかることについて、まず危険性はないのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市局理事。
○住宅都市局理事(町田一彦) 電線について街路樹の成長などにより安全性に疑義が生じる場合につきましては、電線管理者が防護カバーの設置や支障枝の剪定等の対応を実施しております。電線は道路法に基づく占用物件であるため、電線の巡視や点検、修繕などの維持管理につきましては電線管理者の責任において行うこととなっておりますが、福岡市におきましても、街路樹への影響に応じて電線管理者との協議を行っているところでございます。なお、福岡市では3年から4年に1度、街路樹の樹形を整える剪定を実施しており、その際には電線への影響等にも十分配慮しながら行っているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 電線と共存している街路樹について、台風等で街路樹が倒れたら危険であることは言うまでもありませんが、景観上も好ましいとは言えません。改善する見込みはないのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 町田住宅都市局理事。
○住宅都市局理事(町田一彦) 街路樹には都市景観の向上や緑陰形成、交通安全、生態系の維持など、多種多様な効用がございます。電線に近接する街路樹の維持管理に当たりましては、引き続き電線管理者と連携しながら適切な維持管理に努めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 私自身も街路樹をなくしてほしいとは考えておりませんが、安全上も景観上も好ましくありませんので、油山観光道路についても、無電柱化を御検討いただきたいと考えますが、御所見をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 油山観光道路につきましては、令和3年度から7年度の5年間を計画期間とした福岡市無電柱化推進計画の計画路線には含まれていないため、現時点では無電柱化の予定はございません。新たな計画路線につきましては、次期推進計画の策定に当たって、道路や土地利用状況、地域の実情などを総合的に勘案して検討してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 現時点では無電柱化の予定はないとのことですが、無電柱化の目的の中には景観形成、観光振興もあります。East&West Coastで無電柱化が図られているように、今度は海だけではなく、ぜひ山にも広げていただきたいと思います。
そもそも油山観光道路は、油山観光道路というものの、油山への観光案内や経路案内が少ないと感じます。油山はABURAYAMA FUKUOKAだけではなく、先ほど取り上げた片江展望台や各登山道など、案内すべきスポットはたくさんあるのですが、現状、油山との連携が感じられません。観光道路らしく市外からの来訪者にも分かりやすい案内表示などを工夫いただきたいと考えますが、御所見をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 油山牧場と油山市民の森への道路上の案内表示につきましては、油山観光道路に2か所のほか、周辺道路に9か所設置しておりますが、より分かりやすい案内表示となるように、今後とも、道路管理者と協議しながら検討してまいります。また、ホームページ等での分かりやすい情報発信に努めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 油山片江展望台につきましては、ホームページに地図で示すなどの案内を行っており、また、御質問にございましたとおり、油山観光道路の終点に位置しておりますことから、既存の案内に従って来訪していただけているものと考えておりますが、引き続き分かりやすい情報発信に努めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) これまで油山について様々な観点から質問してまいりましたが、油山は今回リニューアルをされたABURAYAMA FUKUOKAだけではなく、気軽にドライブで立ち寄ることもできて、本格的に登山をする方にも楽しんでいただけるすてきなエリアが複数あります。会派としても以前から地域の観光資源の磨き上げについて要望してまいりましたが、市内をもっと回遊してもらうためにも油山の一体的な磨き上げは必要だと考えています。
しかしながら、現在、ABURAYAMA FUKUOKAは農林水産局が、油山片江展望台は経済観光文化局が管理をするなど、同じ油山でも施設により所管がまたがっています。大きなポテンシャルを持つ油山をもっと生かし、市民の憩いの場として、また、郊外の観光スポットの一つとして油山全体をもっと磨き上げてほしいと思いますが、最後に市長の御所見をお尋ねし、私の質問を終わります。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市の西南部に位置する油山は、都心から車で30分ほどでバードウオッチングやハイキングなど、豊かな自然を気軽に楽しむことができ、油山片江展望台から市内を一望できる市民の憩いの場であり、魅力的な観光資源でございます。令和6年4月には森を守り、楽しみ、生かすFukuoka Green NEXTのリーディングプロジェクトとして油山市民の森と油山牧場の一体的なリニューアルを行い、ABURAYAMA FUKUOKAをグランドオープンし、好評をいただいているところです。今後とも、市民や観光客など、国内外からたくさんの方々に親しまれる場所となるよう、効果的な情報発信に取り組むなど、油山全体の魅力向上を図ってまいります。以上です。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる)登壇 私は会派を代表いたしまして、この春に開校が予定をされております福岡市立百道松原中学校について質問をいたします。
学びの多様化学校と位置づけられる学校は、今年の4月までに全国で35校が開設をされております。
まずは全国的に設置が進められてきた背景と、この間の国の関わり方、今後の方針についてお尋ねをいたします。
以降、自席で質問いたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) いわゆる教育機会確保法に学びの多様化学校の整備についての定めがあり、また、令和5年6月に閣議決定されました国の第4期教育振興基本計画等では、学びの多様化学校について、各都道府県、政令市に1校以上の設置を進めるとされてございます。近年、このような国の方針や不登校児童生徒の増加の状況等を踏まえ、各自治体で学びの多様化学校の設置が進められておるところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 早速スライドを御覧いただきたいと思いますが、(資料投影)学びの多様化学校、全国35校の分布図です。公立21校に、私立が14校という状況でございます。スライドありがとうございます。
来春、いよいよ福岡市内に百道松原中学校が開校するわけですが、まずは開設方針に至った経緯と理由をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 福岡市におきましても不登校児童生徒は全国同様増加しておりまして、令和5年度に実施したアンケート調査でも学びの多様化学校のニーズを確認できましたことから、設置に向けて取り組むこととしたものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 昨年度実施のアンケートですが、学びの多様化学校に通いたい、通わせたいという回答がどの程度あったのか、お示しをください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) アンケートへの有効回答件数は、児童生徒158、保護者423となってございます。学びの多様化学校ができたら通ってみたいか、子どもを通わせてみたいかという問いに対しまして、肯定的な回答の割合は児童生徒が約64%、保護者が約81%でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) アンケートでは学校開設への関心や期待が確認をできたようです。一方で、学びの多様化学校の運営方針やその手法、全国的にも多種多様です。
そこで、百道松原中学校の運営につきまして、まずはどのような生徒が通うことを想定しているのか、お尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 福岡市内に住民登録を行っており、来年度に中学1年生から3年生になる不登校または不登校傾向がある児童生徒のうち、百道松原中学校の教育内容がその子にとって適していると判断される児童生徒の転入学を想定いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 小中学生の不登校増加傾向、これを背景に、全国的に登校支援の受皿が様々用意されてきました。本市におきましても全中学校に教育相談コーディネーターが配置され、ステップルームが運営されておりますし、各区全てに教育支援センターが設置をされています。また、民間レベルでもフリースクールが運営され、それぞれの受皿が学習や体験機会の場あるいは居場所として機能し、児童生徒の毎日を支えてくれています。
そこで、百道松原中学校は教育支援センターやステップルーム、フリースクールなどと今後どのように役割や機能をすみ分けして、連携体制の充実を図っていかれるのか、お尋ねをします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 不登校児童生徒の状況は多様でございまして、在籍校への登校状況や在籍校とのつながりの程度、また、適応できる集団の規模などに応じ、今後とも、多様な学びの場を提供することといたしております。具体的には在籍している学校以外の学校に通いたいという子どもは百道松原中学校、教室に入ることが難しい子どもは校内教育支援教室、学校に通うことが難しい子どもは教育支援センターなど、子どもたちの状況に応じた受皿の設置を進めてまいりました。
なお、学びの場を変えるときには、本人や保護者の同意の下、関係各所との情報共有を十分に行い、支援の充実を図るとともに、フリースクールに通う児童生徒については引き続き学習内容を確認の上、出席扱いをする等の連携を行ってまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 以前の在籍校や教育支援センターとの積極的な情報共有が図られますよう、また、他都市ではフリースクールとの併用事例も見られることから、民間団体ともしっかり連携いただくよう求めておきたいと思います。
また、発達障がいや精神障がいを抱える生徒を丁寧にケアサポートするためにも、福祉、医療分野における連携も欠かせませんし、生徒が社会とつながる機会づくりのためには、地域や民間企業との交流も今後の課題として準備いただきたいと思います。
次に、本校が目指す学校像と教育方針をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 目指す学校像は、人とつながりの中で自分の可能性に気づき、新たな一歩を踏み出すことができる学校としておりまして、また、教育方針は、不登校を経験した子どもが自らの進路を主体的に捉え、社会的に自立することを目指すという視点を大事にしながら、一人一人の自己実現を目指すとしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 次に、授業時数とカリキュラムについてです。
百道松原中学校では、学習指導要領の定める年間の総授業数1,015時間から770時間に短縮をされるそうですが、その理由をお示しください。従来の教育課程とは異なる特徴を挙げていただいて、その学習方針についても御説明をください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 不登校を経験した生徒の学びの継続のしやすさという視点から、教育課程に工夫を加えることとしております。まず、一般の中学校と比べて、朝と放課後にそれぞれ1時間程度のゆとりを確保するとともに、音楽、美術、技術・家庭の教科を設けずに、創造・表現という教科を新設することとしております。また、ソーシャルスキルを身につける活動やストレスマネジメント力を高める時間を設定するとともに、各教科の授業では基礎、基本に関する内容を中心に学習し、総合的な学習の時間では体験的な活動を多く取り入れるなどの特徴を持った教育課程としております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 授業時数にゆとりを持たせることで、通う生徒たちが自分のペースで継続的に学習できる環境となるよう期待をいたしますし、新設予定の創造・表現やキャリアデザインという科目が自分の将来と向き合える機会を多く提供してくれることを願っています。
学校の開設準備に当たっては、これまで全国の学校を訪ねるなど、先進事例を数多く情報収集、また、研究されてきたことと思います。その中でも、特にどのような取組を本校の運営に取り入れていこうと考えているのか、お尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) これまで京都市の洛風中学校や洛友中学校、岐阜市の草潤中学校、八王子市の高尾山学園等の視察を行ってまいりました。その中で、ゆとりのある時制や合科した新しい教科の設置、生徒の不安や緊張を軽減する取組等は効果的と考えておりまして、百道松原中学校にも取り入れる準備を進めているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 生徒の学校生活に有意義な運営事例につきましては、ぜひ積極的に取り入れていただきたいと思います。具体には、教員に話しかけやすい環境づくりや自主的な活動を応援できる体制の推進、日々の体調変化に合わせてオンライン授業の選択も可能とする配慮などを求めておきたいと思います。加えて、生徒の個々の状態に応じた指導、支援の質の向上、テストの実施方法や納得性の高い成績評価の在り方、習熟度別の学習環境の導入などについても、今後の課題として適切な対応を要望いたします。
次に、クラスの編成ですが、転入学する生徒数の想定が3学年合わせて40人から60人ということですから、各学年1クラスずつの配置となるのか、お尋ねをします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 実際には転入学する生徒数に応じることになりますが、現時点では各学年1クラスずつを想定いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 教員の配置基準やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、スクール・サポート・スタッフの配置についてお尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 教職員の定数につきましては学級数に基づき決定されますが、学びの多様化学校の場合には国による教員の加配もございます。また、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーにつきましては、他の中学校と同様に、週1日から2日の勤務を基本として配置いたします。スクール・サポート・スタッフにつきましては、学級数等に応じて決定した配当日数に基づき配置を行ってまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 次に、生徒の学校生活をイメージしやすいように、登校から下校までのタイムスケジュールをお示しください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) タイムスケジュールは、9時30分に登校し、ウオーミングアップの時間を経て、45分間の授業を4時限行うこととしておりまして、午前に授業を2時限行い、給食、昼休みの後、午後に授業を2時限行い、リラックスタイムを経て、15時25分頃の下校といたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 生徒は市内一円から公共交通機関等を利用して通うことが予想されますが、自転車による通学は可能なのか、登下校時の安全管理への考え方と併せてお尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 登下校の安全を考え、基本的には徒歩や公共交通機関等を利用した通学を想定いたしておりますが、申出があれば、自転車の乗り方や交通ルール、交通マナーの指導を行った上で、通学距離や通学経路の交通状況を踏まえて、保護者と協議の上、決定してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 次に、生徒会活動や部活動などの授業外活動、それから、運動会、修学旅行などの学校行事の考え方についても、お尋ねをいたします。あわせて、高校受験など、卒業後の進路準備への考え方と生徒からの相談体制についても、お示しをください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 生徒会活動や部活動は開校後の状況を踏まえて検討してまいります。学校行事は実際に転入学した生徒の実態に配慮しながら、工夫して実施していく予定としております。生徒の進路については、放課後の時間等を活用して、生徒の希望や学力を基に、個別の相談に応じるなど、丁寧にサポートする必要があると考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 他都市の事例によりますと、陶芸などの物づくり行事やアートに親しむ文化行事なんかもあったりします。ぜひ学校生活により一層の意欲をもたらす行事や友達との絆が育まれる行事を生徒主体で企画できる環境を整えていただくよう要望いたします。
次に、学校生活に関するルールや校則づくりの進め方についてお聞かせをください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 校則など学校のルールづくりにつきましては、開校後に他の福岡市立中学校と同様に校内校則検討委員会等を立ち上げるなど、生徒とともに進めていくことを想定いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 学校行事や学校運営に自主性と協調性を持って生徒が参加できる仕組みづくりに期待したいと思います。
生徒たちが生き生きと学校生活を送るためには、指導する教員が生徒たちと一緒になってトライ・アンド・エラーを積み重ねていけるような学校風土が求められます。新たに着任することになる教員等先生方へのフォローのためにも、各方面からの情報が現場教員に集約されやすい環境や、教員が相談しやすく、教員が協力を得られやすいサポート体制に努めていただきますよう要望しますが、所見をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 開校後も引き続き教育委員会が学校を支援し、生徒への関わり方や学校運営に対する指導、助言を行ってまいります。また、教員の生徒理解に関する研修を設定する等、資質向上に向けた研修を充実させることで、教員を支える体制の充実に努めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 最も近い距離で生徒を支える教員の皆さんをあらゆる面でサポートできますよう、体制の充実と丁寧な配慮を要望しておきます。また、教員の加配制度に加えて、学習指導員の配置や生徒の健康管理推進のための支援メニューなど、必要に応じて国の補助メニューも活用できるよう事前の準備をお願いいたします。
日々の基礎学力の習得に加えまして、生徒の皆さんには広い世界から好きなことを探して、好きなことに打ち込んでほしいと願っています。小規模人数という特性も生かしながら、様々な社会テーマを実践的に学んだり、将来へのチャレンジのきっかけとなるような多様な体験授業に積極的に取り組まれることを期待したいと思いますが、所見をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 体験活動は、座学だけでは学ぶことができない深い学びを実現させていく上で大変意義深いと考えておりまして、教科学習の中にバランスよく位置づけ、積極的に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 地域の方との交流やボランティアへの参加、農業、漁業など自然に触れる野外体験など、教員と生徒が一緒になって校舎の外に興味、関心を広げていってほしいと思います。
次に、来年4月に転入学となる生徒は全員が卒業までの本校在籍となるのか、お尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 基本的には卒業までの在籍を想定しているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 生徒は原則全員が百道松原中学校を卒業することになります。昨年度、他都市3つの学校を視察する機会をいただきました。同じ学びの多様化学校のくくりとはいえ、生徒数だったり教育課程だったりが、その内容、その運営の在り方は様々でした。その一方で、どの学校にも共通していたことがありました。通っている児童生徒の多くが以前の学校で人間関係に悩むなど、つらい思いを経験してきたこと、教室が心から笑顔になれる場所ではなかったこと、そして、新しく選んだ学びやの教室はどこも明るい会話で笑顔でいっぱいだったこと、どの生徒も相手を思いやる気持ちや優しさがとても印象的なものでした。
百道松原中学校におきましても、この心の優しさや人への思いやりを何より大切にしていただいて、生徒同士が絆を存分に育み合う学びやとなるよう願いますが、所見をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) カリキュラムの中にソーシャルスキルトレーニング等、人間関係づくりについて学ぶ授業を取り入れる予定としておりまして、転入学した生徒と教員が心の優しさや人への思いやりを大切にし、生徒同士、生徒と教員が絆を育み合う場となるように努めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 次に、転入学までの流れと、現在どの段階まで進んでいるのかを確認させてください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) まず、10月下旬及び11月上旬に開校に向けた説明会を行っております。また、12月上旬までに児童生徒や保護者との面談を終えたところでございます。今後は12月中旬と1月上旬に授業体験をそれぞれ実施した上で、2月上旬の転入学検討委員会を経て、3月に転入学の手続をしていただく予定としております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 説明会、面談、授業体験という順に進んでいるわけです。
まず、説明会ですが、これは誰を対象にどのような手法で、特に周知、案内に努められたのか、お尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 次年度転入学の対象学年となります現在の小学校6年生から中学2年生までの全児童生徒にチラシを配布いたしております。また、市内全小中特別支援学校と公共施設にポスターを掲示していただくよう送付したほか、市政だよりや福岡市ホームページ、福岡市公式SNSに情報を掲示し、周知に努めたところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) この説明会ではオンラインの環境も設けられました。会場参加とオンライン参加の家庭数をそれぞれお尋ねします。また、都合がつかなかった家庭への対応もお示しください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 入学説明会の会場に来場された家庭は196世帯でございまして、オンラインでの参加は190世帯からの申込みがございました。また、両日とも都合がつかない御家庭に対しましては、録画した説明会の様子をオンデマンド形式で配信するなどの工夫を行ったところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) オンラインも含めますと、説明会には400近い家庭から申込みがあったようです。
説明会後は、転入学を検討している家庭に対して、子どもと保護者への面談が進められる予定です。この面談の目的及び手法と併せて、特にどのような点を詳しくヒアリングしているのか、お尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 面談は百道松原中学校がそれぞれの児童生徒に適した学校の場であるかどうかを確認するために実施しておりまして、児童生徒に対しては、臨床心理士等が入学したいと思った理由や入学後頑張りたいこと等の内容を尋ねております。また、保護者に対しては、教育相談課職員が不登校の経緯や現在も欠席が続いている理由、お子さんの現在の状況等について確認いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) その面談ですが、現在までにどれくらいの申込みがあっているのか、学年別と行政区別の内訳数をお示しください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 面談の申込人数は小学6年生52人、中学1年生56人、2年生71人で、区別の内訳人数は東区19、博多区19、中央区18、南区24、城南区22、早良区45、西区31、市外からの転入予定1となってございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) ここでスライドをお願いします。(資料投影)面談の申込みのあった179人です。学年別の内訳です。面談の段階ではありますが、中学2年生が最も多くなっております。
次をお願いします。(資料投影)百道松原中学校が開設される福岡市教育センターの位置図です。地下鉄藤崎駅から徒歩7分ほどの立地となります。
次をお願いします。(資料投影)これは行政区別の面談申込人数ですね。学校が立地します早良区が最も多くなっているものの、7区全てから申込みが広く集まっているということが分かると思います。スライドありがとうございます。
面談の次は、1週間続けての登校を伴う授業の体験なんですね。この授業体験の目的と、場所や手法も含めまして、どのような内容で実施するのか、また、入学後の学校生活の環境や体験に近づけるためにどのような工夫が図られるのか、お尋ねをします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 授業体験は百道松原中学校での生活がふさわしいものであるか否かを児童生徒や保護者が具体的にイメージできるようにすることが必要であります。そのため、まつ風学級等、百道松原中学校が開校する教育センター内の施設を利用するとともに、実際の時制に合わせまして一斉授業や個別での活動を組み合わせるなどの工夫を行いながら、小6から中1程度の内容の模擬授業を実施してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 福岡市教育センター内には、教育支援センターのまつ風学級や夜間中学校のきぼう中学校が併設されていますので、それらの施設も活用しながら体験の授業が進められていくということです。
そして、いよいよ転入学を希望する家庭は年明けの1月24日までに転入学希望届という書類を在籍校か教育相談課のどちらかに提出することになります。その後、転入学検討委員会において、児童生徒一人一人の状況に応じて、百道松原中学校での学校生活や支援がその本人に適しているかどうかが検討されるという流れです。
まず、この検討委員会の構成メンバーと、おおむねいつ頃実施して、その検討結果はいつ保護者の下に届くのか、お示しをください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) メンバーは学識経験者や医師、臨床心理士、教育委員会事務局職員で構成することとしております。検討委員会は2月上旬に実施し、2月下旬には検討結果通知書の送付を予定いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 転入学が認められない通知、この可能性も示唆されていますが、具体にどのようなケースや状況によって転入学が困難と判断されるのか、現段階の考え方をお示しください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 具体例として申し上げますと、学ぶ意欲を感じることができない、継続して登校することが難しい、周囲の学びを妨害してしまうことがある等の状況が見られた場合などは転入学が難しいと想定しているところでございます。転入学検討委員会での検討結果が生徒や保護者の意向に沿わない場合には、生徒や保護者と丁寧に面談を重ねながら、当該生徒にとって最適な学びの場を改めて提案してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) この転入学が認められないと判断された児童生徒やその家庭に対しましては、特に丁寧なケアや対処をお願いしておきます。
次に、開校後についてですが、次年度途中からの転入学希望があった場合の対応方針、これについてお尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 年度当初の転入学者数の状況にもよりますが、百道松原中学校が希望する生徒にとって最適な学びの場であると判断される場合については、転入学を認める方向で検討いたします。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 年度途中に他校からの転籍を希望する生徒に対しても、柔軟に受入れできるよう検討されるということです。これは在籍校への通学が困難になった生徒や家庭に大いに寄り添う姿勢であり、大変歓迎すべきことであると思っています。
一方で、百道松原中学校の受入れキャパシティーが確保されるということが前提となります。来春の転入学生徒数の想定、これは当初から40名から60名とされてきました。それに対して、現在、面談まで進んでいる児童生徒数が179人、この全てが転入学を迎えるわけではないと思いますが、もし想定数を超えた在籍となった場合、施設キャパシティーや教員の人員配置など、運営面に課題は生じないのか、事前の備えや対応策についてお尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 学校施設としましては、5つの教室を確保するなど、あらかじめゆとりを持って整備しておりまして、また、運営面では学級数に応じて教員を配置するとともに、国の加配制度も活用して人員を配置するなど、工夫して対応してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 現在、福岡市教育センターの主に3階部分ですが、それを改装して、開校へのインフラ準備が進められています。その様子をスライドで少しだけ共有したいと思います。スライドをお願いします。(資料投影)これは工事中なんですけれども、廊下部分で、生徒の皆さんが教室や特別教室を行き来する幹線の通路になります。先月撮影したものですので、もうかなり出来上がっているんではないかなとは思っています。
次をお願いします。(資料投影)次が教室のスライドですね。ここは言うまでもなく学びやの中心となる場所です。先ほどの御答弁のとおり、このような主な3つの教室のほかにも、少し小さめサイズの教室が2つ確保されておりました。
次をお願いします。(資料投影)ここは屋上のスペースです。昼休みの時間、友達と楽しく体を動かす姿を心待ちにしたいと思います。スライドありがとうございました。
転入学に向けた面談に179人の生徒の家庭が申し込んでいる現状も踏まえまして、転入学生徒の数が想定を超える場合の対応、対策について、事前に具体な協議を進めていただくようお願いをいたします。また、予備教室の活用や、まつ風学級、きぼう中学との連携も視野に入れながら、百道松原中学校に通いたいと願う生徒一人一人の希望にできるだけ応えていただけるよう、当局の御努力と準備をお願いするところです。
本市の中学生におきまして、ステップルームを居場所とする生徒数が昨年末時点で1,103人いました。同様に、昨年度、教育支援センターの利用生徒数は154人、出席扱いのフリースクール通学生徒は107人でした。こうしている今も、在籍校に居場所を感じられなかったり、人間関係や学習の遅れなど、毎日思い悩んでいる小中学生が決して少なくはありません。
ここでまた、もう1回スライドをお願いします。(資料投影)文科省の提供資料を基に、学びの多様化学校に通っている全国の子どもたち、その声をほんの一部だけ抜粋をしました。自分のペースでいいんだと思った。自分たちが主役になれることを知った。自信がつき自己肯定感が生まれた。本音で話せる友達ができた。みんなお互いにつらさが分かり合える。学び直すことで勉強が好きになった。
次をお願いします。(資料投影)次は保護者からの声の抜粋です。自分から学校に行くようになり、うれしい。家で友達の話をしてくれるようになった。子どもが元気になって私が元気になった。人前で堂々と発表する姿に感動した。様々な体験学習が学習意欲を生んでくれる。先生が個性を認めて寄り添ってくれる。スライドありがとうございます。
これはほんの一部にすぎないんですが、当事者の声というのは、子を育てる全ての親の心を打つものだと思います。来春、百道松原中学校に転入学してくる生徒たちにとって、たくさんの笑顔とチャレンジが生まれる学びやとなること、優しい友達と喜びも苦労も分かち合える学びやとなることを心から期待しております。
この質問の最後に、島市長からこの新たな学びやに期待を寄せてくれる児童生徒たちへのメッセージと百道松原中学校の来春開校に向けた所見をお尋ねして、私の質問を終わります。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市では様々な事情によって在籍校には通えないものの、新たな環境での学びを求めている子どもたちにとって安心して学ぶことができる場になるよう、来年4月に百道松原中学校を開校いたします。そのほかにも、全市7か所の教育支援センターや各中学校内に設けたステップルームなど、子どもたちの状況に応じた様々な支援メニューを設けております。不登校で悩んでいる子どもたちが次の一歩を踏み出すことができるよう、引き続き教育委員会と連携をしながらしっかりと支援に取り組んでまいります。以上です。
○議長(打越基安) この際、休憩し、午後4時20分に再開いたします。
午後4時10分 休憩
午後4時20分 開議
○副議長(松野 隆) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ)登壇 私は自民党新福岡を代表して、公民館と自治協議会等が連携した地域コミュニティの活性化について質問してまいります。
地域コミュニティは住民同士の絆の集合体として、まちの根幹をなすものであり、本市は良好で持続可能な地域コミュニティの形成を推進しております。その絆は地域住民が活動に参加し、顔を合わせることで将来につながるものだと思います。コミュニティが良好であれば、安全、安心なまちで子どもから高齢者までみんなが笑顔で楽しく暮らすことができます。
私はこの地域コミュニティを守っていきたいという思いから、公民館や地域コミュニティについて、これまで5回にわたり質問してきましたが、いまだ様々な課題を抱えており、特に地域の方々とお話をしていますと、担い手がいないことと参加者が減っていることがいつも大きな課題として挙げられています。この課題に対応するには、地域住民にしっかりと活動の情報を届けること、そして、校区に1つある公民館と自治協議会が一層協力していくことが重要だと思っていますが、現状は十分とは感じておりません。
そこで、本日は地域と公民館の現状や参加促進に向けた取組、公民館と自治協議会等の連携などについてお尋ねしてまいります。
まず初めに、自治協議会、自治会、町内会の現状と課題をお伺いいたします。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 自治協議会や自治会、町内会などの地域コミュニティは支え合いの基盤となるものであり、少子・高齢化の進展や災害の激甚化、頻発化などから、その重要性が再認識をされる一方で、地域活動の担い手不足や参加者の減少などが課題となっているものと認識をしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 今年は元日から能登半島地震がありましたが、自然災害が猛威を振るう中で、いざというときに支え合い、助け合えるのが地域コミュニティです。ふだんから挨拶を交わし、顔の見える関係を築いていれば、非常時にも声を掛け合うことができると思います。しかし、最近は人々の価値観も多様化してきている中で、地域コミュニティに関心を持たない方も増えてきており、最初に私が申し上げたとおり、担い手不足、参加者の減少が課題になっているようです。そこで、注目したいのは公民館です。公民館は最も身近な公共施設として小学校区ごとにあり、その中で、自治協議会の活動や地域団体による講演会のほか、スポーツや文化のサークルなど、様々な活動が行われています。
公民館では、館長や主事のほか、補助要員がいると思いますが、改めて館長、主事の勤務時間と報酬額をお尋ねいたします。また、補助要員の配置の考え方と謝礼金額はどのようになっているのか、併せてお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 館長は週4日程度の勤務を目安とした勤務時間の定めのない非常勤特別職であり、報酬月額は15万1,000円でございます。主事は週27.5時間勤務の会計年度任用職員であり、個々の職員の経験年数などに応じて報酬相当額が月額で約17万円から19万円支給されるほか、期末勤勉手当もございます。また、補助要員は公民館の運営に協力をいただいている有償ボランティアであり、謝礼金は1時間当たり992円で、1館当たり月250時間程度の予算を確保しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 今の答弁で補助要員は有償ボランティアとして1時間ごとに謝礼金を支払っているとのことでしたが、一方で、自治協議会の役員や委員の皆様が同じ有償ボランティアといいますか、ボランティアとしてお礼を若干しか受けられていないことと比べると差があり過ぎるのではないかと思います。
次に、公民館の現状と課題をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 公民館は住民にとって最も身近な公共施設として小学校区ごとに設置をしており、住民の生涯学習と地域コミュニティ活動を支援する拠点として講座やイベントなどを行っておりますが、利用者数はコロナ禍前の水準まで戻っておらず、伸び悩んでいる状況でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 公民館は地域で様々な活動を行う重要な拠点施設です。公民館の使い方には、主に校区住民が地域活動等のためにそれぞれの部屋を利用する場合と公民館が講座やイベントなどを行う場合の2つあると思います。地域活動を円滑に進めるためには、自治協議会や地域住民が必要なときに公民館を利用できる環境を確保することが大事ですし、公民館に校区の人たちが集まる機会があることで地域活動に参加するきっかけが生まれ、地域の担い手を増やしていくことにもつながっていくのではないでしょうか。
そこで、地域の担い手づくりなどに関する自治協議会や自治会、町内会への支援策について改めて確認いたします。
地域の深刻な担い手不足に対し、本市としてどのような取組を行っているのか、お伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 市の取組といたしましては、地域コミュニティの大切さを広く周知することにより地域活動への理解や参加促進を図るとともに、自治協議会や自治会、町内会に対する補助金の交付や企業の地域活動参加促進などを行っており、令和6年度は役員などの活動費としても活用いただけるよう、自治協議会共創補助金を拡充しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 自治協議会への共創補助金を拡充されたことについては評価いたしますが、ただ単に増やすのではなく、さらに効果的なものにするためには、例えば、自主防災組織による防災訓練のために支給するなど、目的をはっきりとさせることにより全ての校区で災害に対する意識が高まったりするのではないでしょうか。今後、ぜひ検討されてみてください。
次に、地域では様々な活動が行われていますが、その活動があることを知らなければ参加することもできません。私は住民に情報が十分に届いていないために、参加する人はいつも同じ顔ぶれになっているように感じています。
参加者を増やすには、まず、活動の情報を地域住民に届けることが重要ですが、地域住民へのイベント等の案内は通常どのような方法で行われているのか、お伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 自治協議会においては、自治協だよりなどの広報紙の配布やホームページ等の活用が、また、自治会、町内会においては、各世帯への案内チラシの回覧、配布が多く行われており、いずれの団体でも日頃のつながりを生かした住民への声かけによる案内も行われているものと認識をしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 自治協議会では、従来の紙による案内や直接の声がけのほか、ホームページ等による新しい形での情報発信も行われているとのことですが、地域におけるデジタル媒体を活用した情報発信の状況をお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 令和4年度に実施をしました自治協議会・自治会等アンケートによりますと、ホームページやブログ、LINEなどを開設している自治協議会は49.3%、自治会、町内会は4.9%となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 自治協議会については、約半数の団体がホームページ等で情報発信しており、デジタル媒体の活用が一定程度進んでいるようです。ホームページやブログなどには自治協議会を構成する組織図や今後のイベント情報が掲載されていたり、活動があった後の報告が楽しそうな写真とともに紹介されるなど、地域住民が気軽に活動内容などを知ることができるツールとして有効な手法だと思います。これからさらに開設する団体が増えていくことを期待いたします。
一方、自治会、町内会では今もチラシや回覧板を活用した情報発信を行っている地域が多いようですが、一部の地域では新しい形での情報発信も始まっているようです。
自治会、町内会に関しては、市政だより11月15日号の「無理なく、楽しく、できる範囲で地域活動に参加しませんか」でLINEを活用した電子回覧板が紹介されていましたが、その概要と地域での評判をお尋ねいたします。また、記事に関して、ほかの自治会、町内会から問合せがあっているのか、お伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 市政だよりに掲載の事例は、回覧板でお知らせをしている情報を町内会のホームページやLINE公式アカウントでも見ることができるようにしたものでございます。LINEの登録者数は11月末時点で約300人であり、当該町内会においては回覧板を急いで回す手間が減った、行事参加者も増加したといった声が寄せられていると聞いておりまして、市政だよりを見たほかの自治会、町内会の方からは市に対し導入を検討したいとの相談もあっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 市政だよりの記事を見ると、この町内会ではコピー代の削減や回覧板を回す人の負担を減らす目的で電子回覧板を始められたようですが、スマートフォンでいつでもどこでも情報を見ることができるようになり、情報が行き渡ることで活動の参加者が増えたとのことです。そして、若い世代が活動に関心を持つようになり、地域活動の活性化につながる意見も出るようになったそうです。
今の若い人たちはテレビもあまり見ず、新聞を読む人も減っていると言われています。では、何から情報を得ているのかというと、いつでも手元にあるスマートフォンです。だからこそ、SNSなどを使って地域活動の情報を発信すれば、若い人たちにも情報を届けることができるのではないでしょうか。そうすることで、これまで関心が低かった若い世代や子育て中の世代など、新しい層の地域参加も期待できると思います。また、デジタル媒体での発信には、いつでもどこでも気軽に情報を受け取れる、災害発生時など緊急時にも一斉に情報を届けることができるといった利点があります。記事を見て興味を持たれた団体もあるようですし、電子回覧板の導入を検討したいという地域は少なからずあると思いますが、地域の役員も高齢化しており、自分たちだけで導入を進めるのは負担が大きいと思います。
そこで、他の自治協議会や自治会、町内会でもデジタル媒体による情報発信が進むように、本市がさらなる支援を行うべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) デジタル媒体の活用は、情報発信の迅速化や効率化といった点から有効な手段であると考えております。現在、各区に配置をされた地域広報アドバイザーがSNS等を活用した情報発信への支援を行うとともに、LINE公式アカウントの月額利用料などを自治協議会共創補助金や町内会活動支援事業補助金の対象経費としているところでありまして、今後とも、地域の皆様の声をお聞きしながらデジタル化に向けた支援策を検討してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) ぜひ積極的な支援をお願いしたいと思います。
そして、地域のデジタル化を進めるためには、地域活動拠点である公民館の役割も重要です。
公民館DXの推進について、昨年度、我が会派の福田議員がICTに対応したデジタル複合機の活用を推進するよう求めましたが、進捗状況と今後の取組についてお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) デジタル複合機の導入につきましては、令和6年度に新設をしました西都北公民館で実施をしており、令和7年度には149館のうち144館がモノクロ複写機の更新時期を迎えることから、この機に順次導入する方向で検討をしております。また、利用者の利便性向上等を図るため、タブレット端末を試行的に導入するとともに、デジタル技術の活用による業務の効率化を検討しているところであり、今後とも、公民館におけるDXの推進に取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 来年度で順次導入する方向で検討ということで安心しました。新たな地域住民への参加を効果的に呼びかけるためにも、ぜひ公民館のデジタル化を積極的に進めていただきたいと思います。
また、公民館のデジタル化を図れば、公民館で様々な行政サービスを行うことができるかもしれません。そうすれば市民にとっても便利ですし、公民館の利用も増えるのではないでしょうか。
住民に公民館をもっと利用してもらうためには、公民館で行政サービスを積極的に行っていくべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 住民に最も身近な公共施設である公民館において様々なサービスが行われることで、取組の効果や住民の利便性が高まるとともに、施設の利用促進にもつながるものと考えております。今後とも、各局の事業、サービスとも連携を図りながら、より多くの人に利用される公民館となるよう取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 公民館で行政サービスを提供し、多くの方に利用していただくことは、新たな担い手を発掘するためにも大事ですが、地域では次の担い手を育てることが難しいとの声も聞きます。
地域の担い手が不足している中、公民館は現在どのようなことに取り組んでいるのか、また、今後どのような取組を進めていくのか、お伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 公民館におきましては、企業やNPOなど、様々な主体と地域をつなぐ取組や地域活動の担い手の育成を行っているところでございます。今後とも、公民館事業を通した地域人材の育成を図るとともに、地域の担い手発掘の第一歩となるよう、住民が立ち寄りたくなるような公民館づくりに取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 地域活動の活性化を進めるために何よりも重要なことは、地域コミュニティ活動の拠点として職員を配置している公民館と地域のまちづくりを進める自治協議会とが連携することだと思います。
公民館と自治協議会が連携することで担い手不足の解消や地域の活性化につながると思いますが、御所見をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 小学校区ごとに設置をされた公民館が地域コミュニティ活動を支援していくことは重要であると考えており、公民館と自治協議会が共催で事業を実施するなど、両者の連携を促進することで、住民と地域団体のつながりづくりや地域活動の活性化を図ってまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 公民館は地域コミュニティ活動の拠点となる施設でありますが、公民館が行う事業と自治協議会などが実施する行事等をばらばらに考えるのではなく、公民館を含め、地域コミュニティ全体として施策を展開していくべきだと思います。公民館が地域と連携して、同じ目的の事業を一緒に実施すれば、地域の負担が軽減でき、広報も公民館と地域の両方でできるため、参加者も一層多くなり、その中から新たな担い手が増えていき、地域活動も活性化していくのではないでしょうか。自治協議会と公民館の融合による好循環が生まれ、さらに地域の発展につながっていくと思います。
現在、多くの自治協議会には専属の事務員さんがおります。公民館には館長や主事、補助要員スタッフがおりますが、将来的には公民館長の雇用形態や報酬を見直し、自治協議会と一体となって手助けを進めていただきたいと思います。本来ならば公民館と自治協議会それぞれがうまくいくことが望ましいことは私もよく分かっていますが、地域の負担軽減や担い手不足を解消するために、公民館にフルタイムの市職員を配置し、公民館が自治協議会の企画運営を主導できる体制を検討していただくよう要望いたします。さらに、各部署が市民にとって最も身近な公共施設である公民館の場を生かして、行政サービスの提供や施策推進の活用を検討していただくことも併せて要望いたします。
最後に、本市として公民館と自治協議会等との連携を含め、地域コミュニティの活性化に向け、どのように取り組んでいかれるのか、島市長の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 島市長。
○市長(島宗一郎) 自治協議会や自治会、町内会は住民に身近な自治組織として重要な役割を担っていただいており、様々な工夫を凝らしながら住みよいまちづくりに向けた取組に御尽力をいただいております。地域コミュニティの活性化に向けては、地域に対する補助の充実や地域広報アドバイザーによるデジタル化への支援、公民館事業を通した地域の人材育成などに取り組んでいるところですが、地域コミュニティ活動の拠点である公民館が自治協議会などと連携をして地域の絆づくりを進めていくことは大変重要であるというふうに認識をしております。今後とも、持続可能な地域コミュニティづくりに向けて、地域の皆さんとともにしっかりと取り組んでまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) お諮りいたします。
本日の会議はこの程度にとどめ、残余の質問は明13日の会議にこれを繰り延べたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松野 隆) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
次の会議は明13日午前10時に開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午後4時44分 散会