令和6年9月9日(月)
令和6年 第4回 福岡市議会定例会
議 事 日 程 (第4号)
9月9日 午前10時開議
第1 一 般 質 問
本日の会議に付した事件
議事日程のとおり
出 席 議 員 (62名)
1番 おばた 英 達 2番 もろくま英 文
3番 淀 川 幸二郎 4番 稲 員 稔 夫
5番 鬼 塚 昌 宏 6番 堤 田 寛
7番 大 森 一 馬 8番 大 原 弥寿男
9番 今 林ひであき 10番 阿 部 真之助
11番 打 越 基 安 12番 堤 健太郎
13番 坂 口よしまさ 14番 新 開 ゆうじ
15番 とみながひろゆき 16番 田 原 香代子
17番 たのかしら知行 18番 石 本 優 子
19番 勝 山 信 吾 20番 調 崇 史
21番 川 上 陽 平 22番 津 田 信太郎
23番 古 川 清 文 24番 高 木 勝 利
25番 篠 原 達 也 26番 平 畑 雅 博
27番 伊 藤 嘉 人 28番 川 上 晋 平
29番 尾 花 康 広 30番 松 野 隆
31番 山 口 剛 司 32番 大 石 修 二
33番 和 田あきひこ 34番 あ べ ひでき
35番 大 沢 めぐみ 36番 木 村てつあき
37番 橋 口 えりな 38番 綿 貫 康 代
39番 前 野 真実子 40番 中 島まさひろ
41番 藤 野 哲 司 42番 新 村 まさる
43番 天 野 こ う 44番 堀 内 徹 夫
45番 森 あやこ 46番 福 田 まもる
47番 はしだ 和 義 48番 浜 崎 太 郎
49番 阿 部 正 剛 50番 倉 元 達 朗
51番 中 山 郁 美 52番 川 口 浩
53番 小 竹 り か 54番 勝 見 美 代
55番 井 上 ま い 56番 ついちはら陽子
57番 田 中 たかし 58番 山 田 ゆみこ
59番 近 藤 里 美 60番 落 石 俊 則
61番 田 中しんすけ 62番 池 田 良 子
欠 席 議 員 (0名)
説明のため出席した者
市 長 島 宗一郎 副 市 長 光 山 裕 朗
副 市 長 中 村 英 一 副 市 長 荒 瀬 泰 子
水道事業管理者 下 川 祥 二 交通事業管理者 小野田 勝 則
総 務 企 画 局 長 龍 靖 則 財 政 局 長 山 嶋 剛
市 民 局 長 舟 越 伸 一 こども未来局長 野 中 晶
福 祉 局 長 藤 本 広 一 保 健 医 療 局 長 藤 田 三 貴
環 境 局 長 中 村 卓 也 経済観光文化局長 鈴 木 順 也
農 林 水 産 局 長 姉 川 雄 一 住 宅 都 市 局 長 中 村 健 児
道路下水道局長 天 本 俊 明 港 湾 空 港 局 長 竹 廣 喜一郎
消 防 局 長 田 浩 輝 会 計 管 理 者 小 林 登茂子
教 育 長 石 橋 正 信 教 育 委 員 コ 成 晃 隆
選挙管理委員会事務局長 中川原 敬 子 人事委員会事務局長 小 川 明 子
監 査 事 務 局 長 上 薗 久 美
職務のため出席した事務局職員
議会事務局長 久 田 章 浩 議会事務局次長 着 一 孝 議 事 課 長 水 ア 亮 二 議 事 係 長 實 政 伸一郎
外関係職員
午前10時00分 開議
○議長(打越基安) これより本日の会議を開きます。
日程第1、一般質問を行います。発言通告者のうちから順次質問を許します。大森一馬議員。
○7番(大森一馬)登壇 おはようございます。私は自由民主党福岡市議団を代表して、公有地の管理について、豪雨対策について、そして、福岡の水事情についての3点について質問いたします。
初めに、公有地の管理についてお尋ねします。
市が所管する公有地については、除草などの日常的なものから財産処分に至るまで、その適正管理において様々な課題があるものと認識しております。先日、新聞報道で、下水道施設として市が管理する水路に無断で設置されている不法占用物の問題が取り上げられておりましたが、これは水路と同様な形状である河川にも言えることで、この問題への対応は水路や河川における管理面での課題の一つと考えております。また、道路や水路の用地として国や市が所管しているものの、現在は道路や水路の機能を失ったまま未利用となっている土地があり、隣接の地権者の方から払下げができないかという相談を受けることがあります。
そこで、私は下水道事業や河川事業、さらに道路事業として所管する公有地の管理について質問させていただきます。
まずは、水路や河川の不法占用についてですが、市内において、かつて雨水及び生活排水を流すために整備された水路やその流れ先となる河川には、近年、都市化の進展とともに宅地化が進む中で、敷地への出入口を確保する目的で設置された通路橋などを多く見かけます。この通路橋などは、本来、水路や河川の管理者である市に設置者が占用を届け出て設置の許可を得る必要があるところ、手続を経ずに不法に占用されているものや、民有地に取り込まれ、宅地と一体利用されているものもあると聞いております。このように手続がなされていない通路橋などは、安全面や水路機能の管理面へ支障を及ぼすのではないかと懸念しております。
そこで、水路や河川における不法占用の状況や対策について質問してまいります。
まず、水路や河川における現在の不法占用箇所についてお尋ねします。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 福岡市が下水道施設として管理する延長約2,241キロメートルの水路などにおいては、令和5年度末で約2,120か所の不法占用を確認しております。また、福岡市が管理する延長約114キロメートルの河川においては、令和5年度末で約450か所の不法占用を確認しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) 不法占用箇所には、先日新聞で報道されたような民地に取り込まれたものもあるようです。
このような民有地に取り込まれた状況の不法占用箇所についてお尋ねします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 民有地に取り込まれた不法占用箇所につきましては、水路などにおける令和5年度末の不法占有箇所約2,120か所のうち約340か所あることを確認しております。また、河川において民有地に取り込まれた不法占用箇所は確認されておりません。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) 水路や河川の不法占用箇所が大変多いことが分かりました。
そこで、現在の不法占用対策はどのように取り組んでいるのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 水路や河川における不法占用対策につきましては、設置者に対し、生活上やむを得ない理由で通路橋等を設置される場合は各区役所にて占用の許可を受ける必要があることを説明し、速やかに事務手続を進めていただくよう指導しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) 水路や河川の不法占用対策として、市が設置者に対し、各区役所に占用申請届が必要であることを説明し、速やかに手続を進めるよう指導しているとのことですが、速やかな対応が難しい面もあると感じます。
そこで、今後の不法占用対策はどのように取り組んでいくのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 水路や河川における不法占用対策につきましては、引き続き設置者への指導を継続してまいります。また、不法占用物は設置時期や経緯及び設置者が不明なことが多く、対応が進展しないこともある中で、不法占用物により流水を阻害するなどの管理上、緊急を要する状況が発生した場合は福岡市による撤去などの対応を図り、水路や河川の施設機能の維持に努めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) 水路や河川の不法占用対策については調査や指導が進められているとのことですが、先ほど答弁にもありましたように、不法占用箇所の多さを考えると、占用手続の必要性などを積極的に市民へ周知する手法についても、検討していただくよう要望しておきます。
また、今回、道路下水道局が所管する水路について質問してきましたが、農林水産局が所管する農業用地においても同様の状況が存在することが想定されるため、現状を確認し、必要があれば物件の撤去や占用申請の提出を指導していただくよう要望しておきます。
次に、道路用地や水路用地の払下げについてですが、市内において、かつて里道や水路であったものの、現在はその機能を失い、活用がなされていない国有地などが数多く存在し、その国有地などに隣接する土地で、住宅建設などが行われるに際しては、機能を失った国有地などの取扱いが支障となる場合があると聞いております。このような活用されていない土地については、隣接地の地権者に払下げが積極的になされれば土地の有効活用につながるでしょうし、民有地のはざまに活用されずに存在する土地がなくなることは、地域にとっても美観や安全面、防犯面からも望ましいことと思えるのですが、実際にはなかなか進まないのが現状のようです。
国有地だけでなく、本市においても道路用地としてあるいは水路用地として取得した土地でありながら、現在はその機能を有せず、未利用のままとなっている土地が相当数あるのではないかと思われますので、これらの土地の払下げについて質問いたします。
市が所管する用地のうち、道路用地や水路用地として取得したものの、現在はそれらの用途としての活用がなされていない土地については、それぞれどのような理由で未利用地のままとなっているのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 道路用地につきましては、道路整備のために行った用地買収の結果、やむを得ず生じた残地や、町村合併前からの継承用地などにおいて、狭小地あるいは不整形、立地が悪いなどの理由により活用されず、未利用地となっている場合が多くございます。
次に、水路用地につきましては、都市化の進展とともに宅地化が進む中で、下水道としての雨水排水施設の整備が進み、それまで雨水排水機能を担ってきた水路が不要となり、未利用地となっている場合が多くございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) 狭小地や不整形な土地などについては単独での活用が難しいでしょうから、隣接地と一体となった活用が望まれるところですが、これらの土地については、隣接者が希望すれば払下げが可能なのでしょうか。また、払下げに当たってはどのような要件があるのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 隣接者から払下げの希望があった土地につきましては、現地において道路や水路の機能がないことを確認し、他の隣接する地権者の承諾を得た上で払下げを行うことが可能となっております。なお、その際、当該土地の面積が小規模であること、または不整形等により単独での利用が困難な場合で、かつ隣接地との一体利用が見込まれることなどを要件としております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) これらの土地の払下げを行うに当たり、払下げの金額はどのように算定しているのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 未利用地の払下げ金額の算定につきましては、福岡市不動産価格評定委員会による当該土地の評価額を踏まえて決定しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) 直近の令和5年度における道路用地や水路用地ごとの払い下げた件数と金額についてお尋ねします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 道路用地におきましては9件で約750万円、水路用地におきましては23件で約2,010万円となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) 市が所管する道路や水路などの未利用地については、一定の条件を満たせば隣接者への払下げに応じるということ、また、実際に払下げが実現していることも分かりました。未利用地の払下げは市の財政にも寄与することになりますし、また、各地域の土地の有効活用にもつながるものです。個人や事業者から払下げについて相談があった場合は、手続など丁寧な説明やサポートを行うよう要望いたします。
一方で、かつての里道や水路として国が保有する土地も市内に数多くあり、これらの存在が土地の利用や境界の確定について障害となり、トラブルに発展する例も実際にあると聞いております。また、国有地であることから、国との協議等を経て、払下げに至るまでに時間がかかるとの相談を受けることがあります。
これらの国有地について、隣接者などから国へ払下げの要望があった場合、市としてどのような関わりがあるのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 隣接者等から福岡市に対して国が保有する里道や水路の払下げの相談があった場合は、福岡財務支局の窓口を御案内するとともに、市の道路または水路としての機能の有無について関係部署に照会をし、その結果を回答するなどの対応を行っております。なお、道路などの機能を有していない場合には、隣接者等が財務支局に対して申請するなど所定の手続を行うこととなります。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) 国有地の払下げについては、市に対し道路や水路の機能があるかどうかの確認を行っているということですが、市による機能確認を早急に行うことで払下げの手続が円滑に進む面もあると思われますので、相談があった際には迅速な確認をお願いしておきます。
このような国有地の存在により、自らの土地を有効活用したくとも進まず、また、隣地とのトラブル等により困っている市民がいる現実もあることから、市としても可能な範囲でこれらの相談があった場合は助言や協力を行うよう要望いたしまして、この質問を終わります。
次に、豪雨対策についてお尋ねします。
全国各地では、毎年、梅雨時期や台風襲来時にかけて豪雨災害が発生しています。今年7月には、北日本に停滞した梅雨前線の影響で東北地方の日本海側を中心に大雨となり、山形県では線状降水帯が発生して大雨特別警報が発表され、警察官2人が亡くなるなど痛ましい被害が発生しました。また、8月末には台風10号が西日本をゆっくり横断し、局地的な大雨により各地で被害が発生、また、鉄道やバスの運転見合せなど市民に身近な交通機関に大きな影響を与えました。
近年の全国的な雨の降り方を見ると、いつどこで災害に見舞われるか分からない状況です。福岡市では、昨年7月の豪雨により市内各地で被害が発生したと聞いております。
今回は早良区内での豪雨対策について質問します。
まずは、昨年7月の豪雨により被害を受けた早良区内の河川の被害状況についてお尋ねします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 被害状況につきましては、県が管理する二級河川、室見川や椎原川などで、また、市が管理する普通河川、小笠木川や谷川などで護岸の一部が崩壊するなどの被害が発生したところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) 県や市が管理する河川で被害が発生したとのことですが、これらの河川の復旧状況についてお尋ねします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 復旧状況につきましては、椎原川などについては今年の出水期までに復旧を終えており、室見川の田村大橋下流部分の復旧は今年度中に行う予定と県から聞いております。また、市が管理する小笠木川などにつきましては今年の出水期までに復旧を終えておりますが、谷川などにつきましては隣接地権者などの関係者と協議を行っており、今後、復旧工事を進めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) 県と市ともに、まだ復旧完了していないところがあるようですが、さらには、先日の台風10号により谷川で新たに護岸が崩壊する被害が発生したと聞いております。背後地に急傾斜が迫る谷川沿いの地域住民からは、早く対応してほしいとの声を聞いております。被災箇所に車両が入りにくいなど現場の状況がよくないことは理解しますが、地域の協力、理解を得ながら早急に復旧するようお願いします。
最近の豪雨では、室見川の水位が堤防ぎりぎりまで上がり、周辺住民から心配される声も聞こえます。また、椎原川では、室見川との合流点から大坪橋付近にかけて河川内に土砂や大きな石が堆積し、周辺の地域住民からはしゅんせつをしてほしいといった要望が上がっています。実際に私も現地を確認してみると、30センチから50センチ程度の石が多く堆積し、草木などが生い茂っていました。
河川のしゅんせつや除草といった日常の維持管理は管理者に適切に行ってもらう必要がありますが、そこで、県は二級河川のしゅんせつをどのような考えで対応しているのか、また、最近の室見川及び椎原川でのしゅんせつ状況についてお尋ねします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 二級河川のしゅんせつの考え方につきましては、しゅんせつは河川の流下能力を維持するために大変重要であると認識しており、土砂の堆積状況や地元の要望を基に治水上の安全度を判断の上、実施していると県から聞いております。
しゅんせつ状況につきましては、椎原川では近年しゅんせつの実績はありませんが、室見川では大規模なしゅんせつを実施した平成30年度以降、毎年継続して行っており、令和5年度は橋本橋付近のしゅんせつが実施されております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) 地域住民は、河川内に土砂や大きな石が堆積していれば、河川の能力が不足していると不安を感じます。地域の声が上がっている箇所においては、地域へ状況を丁寧に説明し、必要なしゅんせつや除草などはしっかり対応してほしいと強く思います。
豪雨対策としては、日常の維持管理は適切に行っていくことと併せて、抜本的な対策である河川の拡幅といった整備も必要です。
室見川の支川である金屑川では整備が行われているようですが、そこで、室見川本川並びに金屑川のこれまでの整備状況についてお尋ねします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 室見川につきましては、県において昭和38年から43年にかけて災害関連事業に伴う護岸整備が行われております。また、金屑川につきましては、福岡市において都市基盤河川改修事業として昭和46年度に着手し、現在までに室見川との合流箇所から田隈小学校西交差点付近までの約6キロメートルの整備が完了しており、引き続き上流側の整備を進めているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) 金屑川は沿線に人家が多く、早期事業の完了を目指してほしいと思いますが、室見川本川については長年整備が行われておりません。
そこで、県は室見川本川の整備について今後どのように考えているのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 室見川の整備につきましては、長期にわたる河川整備の目標を定めた河川整備基本方針と、同方針に沿っておおよそ20年から30年程度で行う具体的な河川整備の内容を定めた河川整備計画を策定する必要があります。県からは、基本方針の策定に向けて、令和6年3月に学識経験者から成る検討委員会を設置しており、今後、早期策定に向けて国土交通省をはじめとする関係機関としっかり協議を進めていくと聞いております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) 計画を策定中とのことですが、市からも河川整備基本方針を急いで策定するよう働きかけ、早期に整備に着手してほしいと思います。
豪雨対策の根幹をなす河川整備は重要ではありますが、整備には時間やコストがかかります。降った雨が一挙に河川に集まるのを防ぐため、田畑やため池、緑地といった雨を一旦ためる機能を保持していくことも重要であると考えます。福岡市では、かんがい用途のなくなった農業用ため池を、貯留効果の高い池については治水池へ転用する取組を行っていると聞いています。その取組については今後も積極的に進めてほしいところですが、かんがい用途がある農業用ため池についても、活用の仕方によっては大雨時の貯留効果を期待できるのではないかと思います。しかし、農業用ため池は、かんがい期には水をできるだけためておく必要がありますが、かんがい期と梅雨などの豪雨が発生する出水期はその期間がかぶってきます。ため池の下流には人家がある場合も多く、豪雨による堤防の決壊を防ぐなど、ため池の安全性の確保が求められます。
そこで、ここからは農業用ため池の安全性について聞いてまいります。
まず、ため池が決壊した場合、人家などへ被害を与えるおそれのある農業用ため池は、早良区内には何か所あるのでしょうか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 議員おただしの農業用ため池につきましては、県が防災重点農業用ため池として指定しておりまして、早良区内には30か所ございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) 防災重点農業用ため池として指定されているとのことですが、防災重点農業用ため池について市はどのような対策を行っているのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 地震や豪雨の際の安全性向上を図る防災工事などのハード対策及び緊急時の迅速な避難行動につながるハザードマップ作成などのソフト対策を行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) 地震や豪雨を想定した堤体の改良などの対策を行われているとのことですが、土石流や急傾斜地の土砂災害特別警戒区域内にある、または隣接する防災重点農業用ため池は土砂の流入が想定され、それによる浸水災害も考えられると思います。
そこで、早良区にある防災重点農業用ため池のうち、土砂災害特別警戒区域内に位置し、または隣接する数をお尋ねします。また、先ほどハザードマップを作成されているとのことでしたが、それらの状況についてもお尋ねします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 土砂災害特別警戒区域内にございますまたは隣接している防災重点農業用ため池は、早良区に8か所ございます。ハザードマップは、そのうち2か所は既に作成済みでございまして、ホームページや市政だよりでの周知や当該区域への戸別配布を行っており、ほかの6か所についても、順次作成してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) 農業用ため池は、農業用水を確保するため、水を蓄え、取水できるよう造成された池であり、農繁期は満水になるよう管理されていることと思います。しかし、近年は地球温暖化による突然の豪雨などがよくありますので、通常時から水位を調整しておく必要があると思います。
そこで、農業用ため池の水位調整は誰が行っているのか、お尋ねします。また、水位調整について基本的な考え方をお尋ねします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 水位調整は地元水利組合が行っておりまして、災害防止の観点から農閑期は可能な限り水位を下げ、農繁期も必要最低限の貯水量となるよう基本的ルールをお示ししております。また、大雨が予想される場合には事前に放流するよう依頼しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) ため池の水位調整は地元水利組合が行っているとのことですが、水利組合の構成員である農業従事者は減少し、かつ高齢化が進んでおり、今後対応が難しくなるのではないかと思います。しかし、農業用ため池の水は営農に直結し、農業従事者としては非常に大切なもので、地域の営農に合った水位の調整が必要なため、地元水利組合で実施せざるを得ないものと理解できます。
先ほどの答弁で、災害の未然防止としてハザードマップを作成し、迅速な避難行動を促すよう取り組んでおられることは大変重要だと思いますが、最近の全国各地で起きている災害を踏まえると、災害が想定される場合については確実に水位を下げるなど、福岡市が主体的に関わる必要があると思います。
そこで、災害が想定される場合は、農業用ため池の空き容量を確保するために福岡市の判断で水位を下げるなどの対策を取る必要があると思いますが、所見をお尋ねします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 水位調整につきましては、水田の面積やため池の容量など地域の状況に応じた調整が必要であり、地元水利組合において適切に実施いただいております。市におきましては、先ほどの基本的ルールをお示ししていることに加えまして、大雨が予想される場合には、地元水利組合に対して水位の確認をお願いするとともに、職員によるパトロールなどを実施しております。また、令和6年度からため池の水位の状況を遠隔で監視できる水位計や監視カメラの設置を進めております。今後とも、水利組合と密に連携しながら適切な管理に努めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) 農繁期、農閑期ともに地元水利組合と連携し、しっかり取り組んでいただいていること、また、福岡市としても遠隔で監視できる対策を始められていることが分かりました。豪雨対策として、ため池の水位調整をしっかり行い、少しでもため池周辺の住民が安心して暮らせるよう今後も十分な対策をお願いします。
今回の豪雨対策の質問では、河川と農業用ため池に焦点を当てて、県や市の取組などを聞いてまいりました。国のほうでは、近年の激甚化する水災害から市民の命を守り、浸水被害を防止、軽減するため、河川改修などによる治水対策に加え、流域のあらゆる関係者が協働して治水対策を行う流域治水という考え方を全国に推進していると聞いております。
この質問の最後に、豪雨対策として、今後、市は流域治水にどのように取り組んでいくのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 流域治水を推進するため、福岡県において、令和4年3月に県内で実施する対策を取りまとめた流域治水プロジェクトが公表されております。福岡市におきましては、河川改修や治水池の整備に加え、農業用ため池の水位調整、利水ダムの事前放流や水害リスク情報の充実などを同プロジェクトに位置づけており、今後、関係者と連携を図りながら、ハード、ソフト両面での対策にしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) 浸水被害から市民を守るためにも、様々な関係者が協力して流域治水をぜひ進めてほしいと思います。
以上で豪雨対策の質問を終わります。
最後に、福岡の水事情についてお尋ねします。
昨年度は8月以降、少雨傾向が続き、筑後川流域では水源状況が大変厳しい状況となりました。九州地方整備局などで渇水対策本部が設置されるとともに、筑後川からの取水制限などの渇水調整も行われました。幸い令和6年2月下旬以降は降雨に恵まれ、関連ダムの貯水率も改善し、事なきを得ましたが、仮に異常少雨が継続していた場合はさらに厳しい事態になっていたものと想定されます。この間、福岡地区水道企業団においては、海水淡水化施設の最大運転が行われたと伺っております。
そこで、昨年度の筑後川における渇水の状況を振り返りつつ、福岡市の水事情及び海水淡水化施設の必要性などについて確認してまいります。
まず初めに、昨年度の筑後川流域における降雨の状況についてお尋ねします。
○議長(打越基安) 下川水道事業管理者。
○水道事業管理者(下川祥二) 令和5年度の筑後川流域の降雨状況につきましては、4月から7月までは平年値を上回っておりましたが、8月以降は少雨傾向となり、9月から翌6年1月までの合計降水量は約220ミリメートルで平年値の4割程度でございました。その後、2月及び3月の月間降水量は平年値を大きく上回っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) 近年は、大雨の頻度が増加する一方で年間の降水日数が減少するなど、雨の降り方が二極化する傾向が見られますが、昨年度はまさにそのような気象状況であったと言えます。
このような気象状況により筑後川流域の水源がどのような状況であったのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 下川水道事業管理者。
○水道事業管理者(下川祥二) 筑後川流域につきましては、令和5年8月以降の少雨の影響により河川の流量が減少したことに伴い、一定の流量を確保するため、10月下旬以降、ダムからの放流が断続的に行われました。その結果、福岡都市圏が関連する筑後川水系のダムや大堰の合計貯水率は、6年2月19日には約31%まで低下いたしました。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) 昨年度のような異常少雨が続くと水源状況は一気に厳しくなります。
渇水時には水源状況に応じた効率的、効果的な水運用など適時適切な対応が重要となりますが、この間、福岡市がどのような対応を行ったのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 下川水道事業管理者。
○水道事業管理者(下川祥二) 福岡市では、筑後川水系ダムの貯水量の減少を緩和するため、令和5年10月30日から江川ダムからの取水量を段階的に減らし、その分を他の水系からの取水量を増やすことにより対応しております。また、ホームページやSNSを活用し、市民の皆様へ水源状況をお知らせしながら節水の呼びかけを行うとともに、6年2月16日には福岡市節水推進会議を設置し、区役所等でのポスターの掲示や街頭キャンペーンの実施など節水PRの強化に努めてまいりました。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) 昨年度の筑後が渇水時に福岡市において柔軟な水運用ができたのは、市域内に1級河川がないなど水資源に恵まれない福岡市が、これまでに様々な水源開発に尽力してきた成果によるものと言えます。一方で、筑後川の水源状況がさらに厳しくなった場合は、福岡市の水運用も相当に厳しくなっていたものと思われます。
そこで、現在、福岡市が確保している水源の種別と数、筑後川水系の水の割合についてお尋ねします。
○議長(打越基安) 下川水道事業管理者。
○水道事業管理者(下川祥二) 福岡市の水源につきましては、河川や関連ダムからの取水及び福岡地区水道企業団からの受水となっており、河川は那珂川や多々良川など3河川、関連ダムは五ケ山ダムや江川ダムなど9ダムとなっております。また、江川ダムからの取水及び福岡地区水道企業団からの受水が筑後川水系の水源となっており、その合計水量は水道局が供給する水の約3分の1を占めております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) 福岡市の水道水の安定供給は筑後川の水に大きく依存しており、この重要性、感謝の気持ちを決して忘れてはならないと思います。最近は特に若い年代で、福岡市で使用している水の多くを市域外に頼っていることを知らない人の割合が増えており、心配しております。福岡市の水事情をより多くの市民に知ってもらうこと、また、水源地域、流域への感謝の気持ちを継承していくことに引き続き努めてほしいと思います。
次に、昨年度の筑後川渇水時に福岡地区水道企業団の海水淡水化施設が果たした役割について確認していきます。
まず、昨年度の渇水時にどのような運転を行ったのか、その実績についてお尋ねします。
○議長(打越基安) 下川水道事業管理者。
○水道事業管理者(下川祥二) 福岡地区水道企業団では、令和5年10月下旬以降、筑後川からの取水を減量するとともに、海水淡水化施設の生産水量を段階的に増やしており、その運用は筑後川水系の渇水調整が解除された6年4月24日まで実施されました。また、そのうちの103日間は施設能力最大の1日当たり5万立方メートルの水が供給されております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) 昨年度の渇水時に海水淡水化施設の増量運転により、率先して筑後川からの取水の減量に努め、関連ダムの貯留水の温存に貢献したことは大きく評価できると考えています。
仮に昨年度、海水淡水化施設がなければこのような貢献はできなかったでしょうし、福岡地区水道企業団から受水している自治体への安定供給にも影響が生じていたと考えられますが、どのような状況になったと想定されるのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 下川水道事業管理者。
○水道事業管理者(下川祥二) 筑後川からの取水量の減につきましては、海水淡水化施設の増量により対応することができており、福岡地区水道企業団から受水する自治体への送水量の制限はございませんでした。海水淡水化施設がなかった場合は、筑後川からの取水量の減に応じて送水量も制限されることが予想され、各自治体により状況は異なりますが、水運用が難しくなったことが想定されます。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) 海水淡水化施設は、平成17年の供用開始以降、筑後川の渇水時など度々最大運転を行い、大きな効果を発揮しました。一般的な河川水の処理水に比べ経費がかかるという課題はありますが、地理的に水資源に恵まれない福岡都市圏においては必要不可欠な施設であると考えております。
海水淡水化施設については、現在、福岡地区水道企業団において大規模な設備更新工事が進められており、その中でコスト削減にも努めていると聞いています。
このような状況を踏まえ、改めて海水淡水化施設の必要性についてどのように認識しているのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 下川水道事業管理者。
○水道事業管理者(下川祥二) 海水淡水化施設は、天候に左右されず、安定供給が可能な唯一の水源であり、特に筑後川の取水制限時などには、生産水量を増やすことにより福岡都市圏の水の安定供給に大きな効果を発揮するものと考えております。今回の筑後川水系の渇水においても海水淡水化施設の効果や必要性は改めて認識されており、今後とも、福岡都市圏の水の安定供給確保のために重要な施設であると認識しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大森一馬議員。
○7番(大森一馬) 海水淡水化施設については、引き続き福岡都市圏の貴重な共有財産として、しっかりと維持管理しながら次の世代に引き継いでほしいと思います。
最後に、水の安定供給を将来にわたり確保していくことについて当局の決意をお尋ねし、私の質問を終わります。
○議長(打越基安) 下川水道事業管理者。
○水道事業管理者(下川祥二) 私ども水道事業者は、水道水の安定供給を通して将来にわたり市民生活と都市の成長を支えるという重要な役割を担っております。近年の極端な降雨状況も踏まえ、これまで確保してきた貴重な水源を適切に維持管理しながら、効率的、効果的に運用していかなければならないと考えております。今後とも、2度の大渇水の教訓を風化させることなく、また、水源地域、流域の皆様への感謝の気持ちを次世代へも引き継ぎながら、水道事業者の使命である安全で良質な水道水の安定供給にしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二)登壇 私は公明党福岡市議団を代表しまして、外環状道路における植樹、植栽の整備について、分煙対策の強化について、帯状疱疹予防ワクチンの定期接種化に向けての取組について、以上3点、質問を行ってまいります。
まず、外環状道路における植樹帯の整備についてお尋ねをいたします。
この外環状道路につきましては、皆さん覚えていらっしゃいますでしょうか。昔は幻の外環状道路と呼ばれ、私たちが首を長くして待ち望んだ道路でもありました。
初めに、外環状道路の沿革としまして、事業の目的、事業期間、そして、事業の効果についてお示しをいただきたいと思います。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 福岡外環状道路の目的につきましては、福岡市西南部地域の交通混雑の緩和や秩序ある都市の発展に寄与するものでございます。次に、事業期間につきましては、昭和48年度に事業化され、平成23年4月に全線4車線にて開通しております。また、事業効果につきましては、都心部への流入交通の減少、周辺道路の交通混雑の緩和並びに周辺道路の交通量減少や歩道設置による歩行者の安全性向上などがございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) 次に、外環状道路の総延長距離、事業費、本市の負担の有無についてお尋ねをいたします。本市の負担があるのであれば、負担額はどうなっているのか、お示しをいただきたいと思います。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 総延長につきましては、博多区立花寺から西区拾六町までの約16.2キロメートルでございます。事業費につきましては約2,090億円であり、福岡市の負担額につきましては、直轄工事費負担金として約770億円でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) それでは、この外環状道路の整備に当たり、国と福岡市との役割分担はどのようになっているのか、お示しをいただきたいと思います。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 福岡外環状道路の整備つきましては、国土交通省において実施されております。福岡市は、地元との調整等、国が実施する道路整備に対し協力する立場でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) 今御答弁がありましたけども、外環状道路の整備に当たっては、しっかりと国と福岡市が協力をしながら、沿線住民の御理解を得ながら事業を進めてきたということであります。
今現在の外環状道路につきましては、通勤や通学に利用する道路としてだけではなく、散歩コースやジョギングコースとしても幅広く利用され、多くの市民の皆さんが愛着を持っている道路になっております。実際にこの外環状道路がどのような利用状況になっているのか、具体的に把握している状況についてお尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 福岡外環状道路は、広域的な道路ネットワークとして人や物の移動を支える役割を担うなど、市民生活や経済活動に大きく寄与しているものと認識しております。また、幅が広い歩道が整備されたことで、多くの歩行者が通勤、通学をはじめ、散歩やジョギングなど幅広く利用されているものと認識しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) 今御答弁ございましたけれども、市民から愛され、広く利用されている外環状道路であります。しかし、残念なことに、歩道側や中央分離帯の植樹や植栽については、以前から市民の皆さんから厳しい指摘を受けているのも現実であります。私が伺ったのは、歩道側の植栽などは、全く植栽がない箇所、雑草が生い茂っている箇所、植栽はあるけれども手入れが行き届いていない箇所など、一体どのようなコンセプトで整備したのか全く分からない、理解できないと大変厳しい指摘でありました。
そこでお尋ねいたしますけれども、まず、歩道側について植樹帯や植樹ますなど様々な種類があるかと思いますけれども、これらが外環状道路全体で何か所あって、距離にするとどれぐらいになるのか、お示しをいただきたいと思います。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 歩道側における植樹帯は約610か所あり、距離にすると約13.3キロメートルになります。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) 次に、この外環状道路の中央分離帯についてお尋ねをいたしますが、全長約16キロの中で何か所の中央分離帯に植樹が整備をされ、距離にするとどうなるのか、お示しください。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 中央分離帯において植樹が整備されているのは約10か所あり、距離にすると約100メートルになります。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) 短い距離かと思います。先ほどの御答弁にもありましたけれども、この外環状道路の植樹帯は全長約16キロの中で約610か所、約13.3キロにもなります。この13.3キロは結構な距離でありまして、私も実際に外環状道路を確認をして回りましたけれども、市民からの御指摘のとおり、植樹がよろしくない状況に置かれていることがよく分かりました。
これが外環状道路の植栽ですけれども、資料1を投影してください。(資料投影)車が止められる、止められない関係もあって、なかなかいい写真は撮れなかったんですけれども、全体の植樹帯の、これはサンプルというか、一部なんですけれども、草が本当に生い茂っているところと、逆に植樹、植栽、草花など何もないところがたくさんございました。
この外環状道路の植樹などの維持管理はどこが行っているのでしょうか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 車道、歩道とも国が維持管理を行い、植樹につきましても、道路施設の一つとして国が維持管理を行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) 外環状道路の管理につきましては、車道及び歩道も国が行っているとのことでありました。
一般的に道路整備におきまして、植樹はどのような目的、効果を期待して整備されるものなのでしょうか。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 道路整備における植樹につきましては、都市景観の向上や都市環境の改善などを図るために整備されるものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) それでは、福岡市においては、福岡市が整備する道路における植樹についてどのような整備方針や計画になっているのでしょうか、お尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 福岡市が整備する道路における植樹につきましては、新たに整備する都市部の主要な道路を対象に植樹帯を設置することとしており、幅員3.5メートル以上の歩道において植樹帯を設置する計画としております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) 福岡市の道路における植樹の整備について説明をいただきましたけども、国が整備をした外環状道路につきましては、歩道や中央分離帯の植樹について、基本的な整備方針や計画はどのようになっているのか、お尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 道路法に基づく政令において、都市部の幹線となる道路につきましては、原則として植樹帯を設けることとされており、福岡外環状道路におきましても同政令に基づき植樹を行っていると国から聞いております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) 先ほど植樹の整備について福岡市や国の方針をお聞きしましたけども、当然でありますけれども、福岡市も国も同じ方針で整備を行っているはずであります。外環状道路の計画時には当然ながら、国においても植樹帯をしっかりと整備をして、市民の皆さんに喜んでいただこうと考えていたかと思います。
しかし、実際には道路が整備されてから12年という時間が経過しましたけども、これまで一度たりとも計画どおりに完全な形で整備をされたことはないのではないでしょうか。なぜこのような無残な植樹帯の整備状況になっているのでしょうか、お尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 福岡外環状道路におきましては、政令に基づき植樹を行っておりますが、交通等の支障、視認性の阻害等により植樹を行わなかった箇所があったと国から聞いております。また、当該道路は年に1回を基本に除草が行われ、交通安全上、危険と思われる箇所については別途対応がなされております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) 先ほどからこの外環状道路は国の直轄管理になっており、福岡市で直接維持管理をしているわけではないことが分かりました。しかし、本来、御答弁にもありましたけども、道路の植樹帯は景観の向上や環境の改善などの目的で整備されるものであり、市民、利用者にとっては、国の管理なのできちんと整備されなくても仕方がないということにはならないと思います。
外環状道路の植樹帯の整備状況について、福岡市は整備当初から現在に至るまで理解を示して、追認をして何も言ってこなかったのでしょうか、お尋ねをいたしますし、外環状道路を維持管理している国に対して、福岡市として植樹帯の整備について具体的にどのような行動を取ってきたのか、お示しをいただきたいと思います。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 植樹に関する要望が地域等から福岡市にあった際には、国に対して要望があった旨を伝えてきたところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) 国に対して、これまで様々な要望を伝えてきているという御答弁でありましたけれども、この福岡外環状道路は本市も負担金として770億円も拠出している重要な道路であります。しかし、この外環状道路における植樹帯の整備状況は、私は極めて残念な状況であると思います。本来、植樹帯に期待されている景観の向上や環境の改善には程遠く、きつい言い方ではありますけれども、むしろ景観を悪くしているのではないかと感じるところもあります。福岡市は清潔できれいなまちであり、そこでは植樹帯も市民の大きな財産であります。植樹帯は国が維持管理を行っておりますけども、もっと知恵を絞り、工夫をして、地域住民の皆さんのお力を借りるとか、自治会の皆さんに御相談するとか、さらには樹木が大変であれば草花を植えるとか、福岡市は島市長を先頭に一人一花運動に取り組んでいるところでもあります。国にはもっともっと真剣に取り組んでいただきたいと考えております。
この外環状道路の植樹帯の問題については、せっかくの幻の外環状道路から現実の外環状道路となり、市民の皆さんに愛され、すばらしい道路となっていることを考えると、極めて残念な状況ではないかと考えております。本市としても、整備に当たっては国とともに沿線住民の御理解を得るために相当の努力をしてきたわけでありますので、国に対してもっと強い思いを持って、市民の思いを伝えていただきたいと思います。
この質問の最後に、道路下水道局長の御所見を、そして、外環状道路への思いをお聞かせいただきたいと思います。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 平成23年に全線開通した福岡外環状道路は、都心部への流入交通の減少や周辺道路の交通混雑の緩和に資するとともに、広域的な道路ネットワークとして人や物の移動を支える役割を担うなど、市民生活や経済活動に大きく寄与しているものと認識しております。また、植樹については、街路空間を彩り、都市景観の向上や都市環境の改善などに寄与する地域住民の財産になるものと考えております。同道路につきましては、国が管理する道路であり、維持管理上の課題もあると聞いておりますが、福岡市としても、緑豊かなまちづくりを進めていく上で植樹帯の整備及び適切な維持管理について、地域等の意見をしっかりと国に伝えてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) どうかよろしくお願いをいたしたいと思います。
次に、たばこの分煙対策、受動喫煙対策についてお尋ねをいたします。
厚生労働省の令和4年国民生活基礎調査によりますと、平成13年と令和4年の喫煙者の割合は、男性は48.4%から25.4%へと、また、女性は14.0%から7.7%へと、いずれも減少傾向が続いていることが分かります。
福岡市においては、喫煙率は全国と比較してどうなっているのでしょうか。また、政令市の中ではどうなっているのか、お示しをください。
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 福岡市における喫煙率につきましては、令和4年国民生活基礎調査によりますと、男性が25.3%、女性が7.6%となっており、男女ともに全国とほぼ同程度の水準となっております。また、政令市の中では、高いほうから男性は6番目、女性は9番目となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) 福岡市では、議員提案条例として平成14年に人に優しく安全で快適なまち福岡をつくる条例、いわゆるモラル・マナー条例が制定をされております。この条例が制定された背景については、当時の福岡市議会の議事録を確認しますと、議会側から条例案の背景として、かねがね市民から自転車の放置、ピンクチラシ等の氾濫に対する改善などの切実な願いが寄せられており、これらの諸問題を取り上げ、市民に快適な生活環境づくりを目指してきたこと、しかしながら、市民のモラルの低下やマナーの欠如などにより、生活環境の改善の効果は上がっておらず、むしろ目を覆うものがあること、そこで、改めて市民に自分たちのまちは自分たちでつくるという住民の精神に立ち返る契機として条例案を提案したという条例の提案趣旨の説明が行われております。
このモラル・マナー条例の施行後に本市は路上喫煙対策としてどのような取組を行ってきたのか、お示しください。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 条例施行後の取組ですが、モラル・マナー推進指導員による巡回指導や喫煙禁止を周知するスピーカー放送、路面標示、街頭ポスターや街路灯バナーの掲出、また、市政だより、ラジオ放送やデジタルサイネージ、地下鉄駅構内放送などの広報、啓発を実施しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) 条例施行から21年が経過しましたが、当時と現在の福岡市の歩行喫煙率など比較してどうか、御所見をお聞かせください。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 歩行喫煙率で比較をしますと、条例施行前の平成15年度の3.09%から令和5年度は0.03%と改善をしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) 今御答弁にもありましたけども、路上喫煙防止対策として本市が様々な取組を行ってきた結果、確かに路上禁煙地区での歩行中や自転車に乗車中の喫煙は減少しているとの実感はあります。しかし、立ち止まっての路上喫煙などは条例において禁止はされておらず、他都市、北九州市などは禁止地区での喫煙そのものが禁止になっておりますけども、やはりまだまだ喫煙マナーを守らない人がいることも事実であります。
市政アンケート調査によりますと、たばこのポイ捨てに関するマナーの問いに対して、悪い、またはどちらかというと悪いと回答した市民の割合は平成26年度が69.9%、そして、令和5年度が53.2%となっている状況であります。たばこのポイ捨てに関して、市民意識においては改善をしてきてはおりますけども、それでも福岡市民の半数以上の方がたばこのポイ捨てに対して不信感を持っているということになる結果であります。調査結果から言えることは、福岡市における喫煙マナーの改善はまだ道半ばと言わざるを得ないということであります。
この状況についてはどのような所感をお持ちか、お答えをいただければと思います。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 議員御指摘のとおり、たばこのポイ捨てについて不満足とする市民の割合は減少傾向にあるものの、依然、半数以上の市民が不満足としておりまして、引き続きたばこのポイ捨て対策を含め、効果的な路上喫煙対策を進めていく必要があると認識をしております。以上です。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) 路上禁煙地区ということで指定をしているエリアでは、やはり喫煙そのものを禁止するべきではないかと思います。現状では、灰皿を持っていて、立ち止まって喫煙をすれば、そのこと自体は問題ない状況になっております。
路上禁煙地区では喫煙をしない、これが基本的な考え方かと思いますが、御所見をお聞かせください。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 条例第20条第3項で、路上禁煙地区においては、歩行中または自転車に乗車中に喫煙してはならないと規定されており、喫煙行為そのものは規制の対象となっておりませんが、現状、禁煙地区内で立ち止まって喫煙をする方にも、歩行者など周囲の方へのたばこの火による危害を防止する観点から禁煙の協力をお願いしているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) 次に、外国人観光客についてでありますけども、近年ではコロナが起こる前の状況に復調しつつあり、そういった意味では外国人観光客に対する喫煙マナーの啓発も重要ではないかと考えております。
具体的に、外国人観光客に対しては喫煙場所や路上禁煙地区など、どのような方法で周知をしているのか、十分に周知はできているのか、また、市民からのクレーム等は発生していないのか、お示しをください。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 外国人観光客への周知につきましては、路上禁煙地区において、喫煙禁止を周知するスピーカー放送や路面標示を多言語で行っております。また、モラル・マナー推進指導員が巡回する際に、外国人にも分かりやすい喫煙禁止プレートを掲げるなど周知に努めております。そのほか、啓発動画を多言語で作成し、外国人観光客向け観光情報サイトのほか、交通拠点などで発信をしております。市民意見につきましては、路上禁煙地区において外国人が喫煙しているといった御意見が寄せられておりまして、さらなる周知に取り組む必要があると考えております。以上です。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) ところで、周囲の人がやけどを負うなどの危険を及ぼすおそれがある紙巻きたばこに対し、加熱式たばこについてはやけどなどの危険はありませんが、路上禁煙地区においては規制の対象になっているのか、お尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 加熱式たばこにつきましては、規制の対象となっておりません。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) 先ほどからお尋ねをしておりますけれども、本市のモラル・マナー条例についてでありますが、内容を見てみますと、どちらかというと受動喫煙、たばこの煙よりもやけど、火の対策に重点を置いた条例になっているようであります。今の御答弁にもありましたけども、加熱式たばこについては火を使っていないので、やけどをしないということで、禁煙地区での規制対象から外れております。
一方で、条例制定後の本市の積極的な取組によりまして路上喫煙は大きく減少しているところであり、条例制定の成果が出ているかと評価をしたいと思います。しかし、条例制定当時と比較すると、現在では受動喫煙が大きな問題となっており、健康対策の面からも重要となっております。
そこでお尋ねいたしますが、平成30年に健康増進法が改正されております。この法改正の背景、改正の内容、さらには改正後の本市の取組はどうなっているのか、お尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 健康増進法改正の背景につきましては、改正以前は飲食店や職場、公共施設などにおいて受動喫煙防止対策が十分とは言えない状況でありましたが、ラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックなどの国際的なスポーツ大会が契機となり、受動喫煙防止対策の強化を図ることとなったものでございます。この改正により、学校、病院、児童福祉施設、行政機関の庁舎などの第一種施設は原則敷地内禁煙、飲食店、事業所などの多くの人が利用する第二種施設は原則屋内禁煙となっております。また、屋外においても、受動喫煙を生じさせることのないよう周囲の状況に配慮しなければならないとされたところでございます。
法改正に伴う福岡市の取組といたしましては、専用サイト等による広報、啓発の実施や、市民から寄せられる通報や相談への対応、第一種、第二種施設に対する適切な運用のための指導のほか、禁煙支援として禁煙外来の受診ができる医療機関を掲載したマップの作成などを行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) 今御答弁をいただきましたけども、健康増進法の改正により屋内が禁煙となった結果、屋外で喫煙をする人が増えたのではないかと懸念をしておりますし、実際に増加したのではないでしょうか。
九州の玄関口であるJR博多駅筑紫口そばに喫煙者が集まる場所があります。そのエリアは路上禁煙地区に指定をされている場所であります。資料の2を投影していただきたいと思います。(資料投影)この写真は、筑紫口に向かって右側にホテルがありますけれども、その横になります。座り込んでたばこを吸う人が多いところですね。資料3を投影してください。(資料投影)この写真は、筑紫口に向かって左側のパチンコ店の隣にあるところです。ここは禁煙呼びかけのビラも貼ってありまして、市が設置したスピーカーから禁煙の呼びかけをされている場所でもあります。しかし、実際には路上禁煙地区に喫煙者が数多くいる、このような現実があります。この現実をどう考えるのか、御所見をお聞かせください。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 九州の玄関口であります博多駅、その近辺の路上禁煙地区において喫煙者が多くいるという状況は大きな課題であると認識をしておりまして、喫煙対策の強化が必要であるものと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) JR博多駅の筑紫口にはきちんとした喫煙場所がありませんし、禁煙表示と喫煙禁止地区の音声がマイクから流れているだけであります。やはり本市の対策が急務であることを指摘をしておきたいと思います。
次に、路上禁煙地区内における公園の取扱いについてお尋ねをいたします。
なぜ路上禁煙地区内でも公園は喫煙禁止の対象外になっているのでしょうか。私もなぜなのか、調べてみました。この条例は議員提案で制定されましたが、条例を制定するに当たって先進地を参考にしたいとのことで、当時からたばこ問題の先進都市であった東京都の千代田区へ調査に行ったようであります。その当時は千代田区も公園を禁煙地区に指定していなかったということでありました。その千代田区を参考にしたことで、影響を受けたといいますか、そのことで福岡市の条例も公園が外れているのではないかなというふうに考えております。しかし、現在の千代田区の条例は公園を禁煙地区としておりますし、路上喫煙の条例を制定している自治体ではほとんどが公園を禁止地区に指定しております。この際、福岡市のモラル・マナー条例の見直しを行い、さきに指摘をした加熱式たばこの規制、そして、きちんと公園を喫煙禁止地区に指定することなどを入れ込んだ条例の改正を行うべきであります。
議員提案条例ということで、当局からは答弁がしにくいということもあるかと思いますけども、頑張って御答弁いただけたらと思います。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 人に優しく安全で快適なまち福岡をつくる条例、いわゆるモラル・マナー条例につきましては、議員御指摘のとおり、千代田区を参考に制定されたものと認識をしております。また、その後の健康増進法の改正など、喫煙をめぐる社会状況は大きく変わってきているものと認識をしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) 今御答弁いただきましたけれども、現モラル・マナー条例につきましては議員提案の条例ということで、当局では具体的な条例の改正について踏み込むことに対しては厳しいというふうに感じました。実際に即した具体的な条例の改正については、議会においてしっかり議論をして取り組んでいきたい、このように考えておりますので、どうかよろしくお願いをいたします。
次に、先日市民の皆さんから公園での喫煙に関する相談といいますか、クレームがありました。多分私だけではなく、ほかの議員にも相当数相談が寄せられているかというふうに思います。私に寄せられた具体的な御相談は、警固公園の受動喫煙対策についてでありました。天神の中心、一等地であり、多くの市民が集う公園内でたばこががんがん吸われていて、喫煙場所は低い樹木で囲まれているけども、喫煙場所の周辺何十メーターはたばこで汚染され、子どもたちを含め、喫煙場所の近くを通ることもできません。このことに対して、なぜ福岡市が対策を取らないのですか、もっと真剣に考えていただきたい。大変厳しい御要望でありました。
資料4を投影してください。(資料投影)これは先日の警固公園を撮影した写真であります。写真のとおり、私が現場に行ったときもびっくりするぐらいの多くの人が喫煙場所の中であったり、中から外れて喫煙場所の周辺で喫煙をしておりました。これは樹木の中が喫煙場所なんですね。箱も何もありません。低木というか、低い樹木で囲ってあるだけです。
資料5を投影してください。(資料投影)私も確認をしましたけども、確かに喫煙場所の周辺がたばこの臭いで極めて残念な状況になっておりまして、さらには周辺にたばこの吸い殻も捨てられていたりと、最悪の受動喫煙状態になっていることが分かりました。
この警固公園の受動喫煙問題に関して、市民の皆様からクレームや要望、意見などは本市にどれだけ寄せられているのでしょうか、お示しをください。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 警固公園の喫煙に関する市民からの要望等につきましては、件数の把握が可能な市のホームページを通して直接寄せられた件数で申し上げますと、令和5年度が5件、6年度が8月末時点で2件でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) 今、警固公園の喫煙問題に対しての市民意見、要望の数をお尋ねしましたけども、令和5年度が5件、6年度が8月までに2件とありました。一見少ない数字ですけども、ただ、この数字は市のホームページに寄せられた数字であります。我々議員の下にはこれ以外にも市民からの意見が寄せられておりますし、旧ツイッター、現在のXでも、それはそれは厳しい意見が数多く寄せられております。
幾つか紹介してみますと、福岡市内でたばこのポイ捨て集める動画見たけど、警固公園と筑紫口付近はまじでポイ捨てが多いよなとか、警固公園はたばこ臭いから嫌いなど多くの否定的な意見が寄せられております。さきの5件と2件という市民意見だけではなく、当局に届いていない、拾い上げられていないだけだろうと思っております。
市としては、御意見はホームページなどにお寄せくださいということかもしれませんけども、警固公園の喫煙問題については、逆に市のほうからどのような市民意見があるのか、情報収集を積極的に行ってほしいと思います。いかがでしょうか、御所見をお聞かせください。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 公園の管理運営に当たり、市民意見を把握することは重要であると認識をしております。今後とも様々な方法を活用して市民意見の把握に努めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) これまで公園での喫煙問題や受動喫煙対策など警固公園を中心にお尋ねをしましたけども、このような状況を考えますと、ここはもう公営の、公設の喫煙場所の整備が必要になっているのではないでしょうか。受動喫煙対策について、もっと踏み込んだ取組が必要ではないかと考えております。
そこでお尋ねいたしますが、本市において公設の喫煙場所は幾つあるのか、さらには民間が設置した喫煙所の数は幾つあり、どのような管理運営が行われているのか、お示しをいただきたいと思います。
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 民間が設置する喫煙所の数につきましては把握をいたしておりませんが、市の関連施設につきましては、令和6年7月に行った調査によりますと、208の施設で喫煙所を設置いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) 本市が把握できている喫煙ができる場所の中で公園は何か所あるのか、お示しください。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 喫煙所を設置しているのは18公園でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) 先ほど御答弁いただきましたけども、民間の喫煙場所までは把握できていないということでございました。福岡市内全域でどれだけの喫煙場所があり、どこのエリアに喫煙場所があるのか、喫煙する人たちはこのような情報がいち早く欲しいかと思います。
市内の喫煙場所の調査を行って、全体を早急に把握し、例えばでありますけれども、喫煙所マップや喫煙所アプリを作成するなどの対策が必要ではないかと思いますが、御所見をお聞かせください。
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 喫煙所マップ等の作成に当たりましては、民間を含む各施設における喫煙所の有無や掲載の意向確認、受動喫煙防止に関する基準を満たしているかの調査確認など様々な課題がございますが、今後、他都市の取組状況を参考にしながら、関係局とともに、その在り方を検討してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) 将来的にも実際にたばこを吸う人、喫煙者がなくなることはないかと思います。そうであれば、たばこを吸う人と吸わない人の共存を図るための対策は必須であり、受動喫煙、分煙対策への取組の充実はなるべく早期に行う必要があるかと思います。
他都市ですけども、大阪市では禁煙地区を市内全域に拡大することが打ち出され、その実効性の確保には喫煙者と非喫煙者が共存できる分煙環境の整備が必要として、民間の喫煙所設置に対して補助金を出すようであります。また、大阪市では、分煙の環境整備としまして喫煙コンテナというものも設置しており、大変に優れた施設のようであります。この喫煙コンテナは複数台一括導入して、リース契約を結ぶことで経費の節約にもなったということでありました。
本市におきましても、現在の路上禁煙地区の区域が今のままで十分なのかという観点も踏まえ、きちんとした喫煙場所を整備し、受動喫煙対策、分煙対策の徹底強化を図るべきではないでしょうか、御所見をお聞かせください。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 人流の活発化による国内外からの来訪者の増加や健康増進法の改正など、喫煙をめぐる社会状況は大きく変化していることを踏まえ、市内の路上喫煙の実態や市民のニーズを把握し、禁煙区域の見直しや喫煙所の整備を含め、効果的な喫煙対策を検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) 福岡市がアジアのリーダー都市、世界の福岡市を目指していくのであれば、現状のたばこ対策では絶対に駄目であります。もっと積極的に、もっと厳しく受動喫煙対策と分煙対策を徹底して行い、たばこを吸う人も吸わない人も全市民が誇れるまちになってほしいと考えますが、島市長の決意をお聞かせください。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 住みたいまち、訪れたいまち、働きたいまちとして選ばれている福岡市がさらに魅力を高めていくためには、安全、安心で快適に過ごせるまちづくりが重要であると考えています。このため、福岡市では歩きたばこゼロのまちに向けた取組を進めてきたところでございますが、コロナ禍が明け、国内外から多くの人が訪れ、また、屋内喫煙を禁じる法改正などによって屋外での喫煙が目立つようになるなど、たばこを取り巻く環境は大きく変化をしていると感じています。九州・アジアの玄関口として、そして、たばこを吸う人も吸わない人も全ての市民が誇れるまちになるよう、大石議員御指摘のとおり、モラル・マナーの向上や必要な受動喫煙防止対策にしっかりと取り組んでまいります。以上です。
○議長(打越基安) 大石修二議員。
○32番(大石修二) 最後に、国における帯状疱疹予防ワクチンの定期接種化に向けた本市の取組についてお尋ねをいたします。
80歳までに3人に1人がかかるとされ、主に中高年が気をつけたい病気として、皮膚に強い痛みやかゆみを伴う発疹が帯状に現れる帯状疱疹があります。水痘、水ぼうそうと同じウイルスが原因となり、50歳を境に発症率が急激に上昇するようであります。発症すると後遺症が残る場合もあり、予防にはワクチンの接種が有効であるとされております。しかし、予防ワクチンは現在、全額自己負担の任意接種に位置づけられており、高いワクチンでは約4万円程度かかります。費用の負担軽減に向け、私たちは全国の地方議会での質問や国会質問、さらには政府への提言を行うなど、一貫して接種費用を公費で助成する定期接種を主張してきました。また、現在では全国で独自に接種費用を助成する自治体も増えており、7月現在で合計689の自治体で独自助成を行っております。こうした支援体制の拡充が後押しになり、6月の厚生労働省の専門委員会で議論が進展をして、国内で使用されている生ワクチンと不活化ワクチンの安全性や有効性を確認し、費用対効果が期待できるとして定期接種に加わる見通しができたとのことであります。
そこでお尋ねでありますけれども、国、厚生労働省でワクチンの定期接種が決まった際には、市民の皆さんがいち早く接種ができるよう、本市ではどのような体制で、どのようにスムーズな事業の推進を図るのか、保健医療局の御所見をお尋ねして私の質問を終わります。
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 帯状疱疹ワクチンの接種につきましては、国のワクチン評価に関する小委員会において、ワクチンの有効性、安全性に係る知見や費用対効果の評価結果を踏まえ、定期接種化するとの方向性が出され、現在、ワクチンの有効性の持続期間等を考慮した対象年齢などの検討が進められております。本市では、その結果を踏まえ、速やかに対応していくこととしており、定期接種となった際にはワクチンの有効性や安全性等について丁寧な情報提供に努めるとともに、適正で円滑な接種ができるよう身近な医療機関での接種体制の確保を図ってまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) この際、暫時休憩いたします。
午後は1時10分に再開いたします。
午前11時20分 休憩
午後1時10分 開議
○副議長(松野 隆) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。落石俊則議員。
○60番(落石俊則)登壇 皆さんお疲れさまです。私は福岡市民クラブを代表して、キャリア教育のための体験型学習施設の整備と港湾労働者不足の対策についての2点について質問を行います。
初めに、キャリア教育のための体験型学習施設の整備についてです。
教育委員会はグローバル社会を生きるキャリア教育の推進として、アントレプレナーシップ教育とともに、中学校での職場体験学習を掲げています。キャリア教育とは子ども一人一人の社会的、職業的自立に向け、年齢や学年に応じて必要な基盤となる能力や態度を育てる教育です。子どもたちは多くの働く大人と触れ合い、その生き方や仕事の価値観、体験を通じて感じたことを糧に、今の暮らしが社会とつながっていることを知ることで学ぶ意欲が高まり、将来の自分の姿を想像することができます。そのためにも小学校段階での身近な人の仕事調べや地域の職場見学等を発展させ、中学校での職場体験学習につなげることが重要です。
働くことを体験する事業として、経済観光文化局が実施している小学生ものづくり体験講座や、こども未来局が実施しているミニふくおか事業などがあります。
初めに、小学生ものづくり体験講座の目的と事業内容、2023年度の参加者数、学校数を尋ねます。
2問目以降は自席にて行います。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 小学生ものづくり体験講座につきましては、技能職者による熟練の技を通して、ものづくりの大切さや貴さを理解してもらい、将来の職業選択、進路選択に生かしてもらうことを目的に実施しているものでございます。この講座では、市内の小学5、6年生を対象として、衣食住、生活関連の技能について、福岡市技能職団体連合会から派遣された講師が講話や実技、実演を行うとともに、児童が参加するものづくり体験を実施しておりまして、令和5年度は小学校5校、404名の参加となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 小学生ものづくり体験講座は、児童にとって熟練の技術職の技を間近に見て体験することで、日頃見ることができない熟練の技術が日常生活に深く関わっていくことに気づくことができ、また、職人さんの生き方に共感できる貴重な体験学習となっています。しかし、コロナ禍を除き、実施校数は年5ないし7校となっています。全小学校に参加案内を配布されていると思いますが、実施校が少ないのはなぜか、伺います。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 体験講座を実施するに当たりましては、職種に応じ、それぞれの技能職者を派遣する必要がございまして、例年400名程度の児童に対し、延べ100名前後の技能職者の協力を得て実施しているところでございます。派遣される技能職者には、本来の仕事を休んでもらうなどの負担をおかけしており、これ以上規模を大きくすることは難しい状況であると考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 技能職の方々の負担もあり、体験講座に参加できる学校は限度があるとのことです。体験講座の会場を小学校に限らず、市の施設で開催するなど、技能職の皆さんの負担を軽減する工夫が必要ではないかと考えます。
次に、ミニふくおか事業です。
本年度は11月17日に市の美術館を会場に開かれる予定です。コロナ禍前の2019年度と2023年度の事業内容と対象者、開催日並びに実施会場を尋ねます。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) ミニふくおかは、子どもが仮想のまちをつくり、住民となり、そのまちの中の店舗やスクール、市役所、メディアセンターなど様々な場で遊び、学び、働くなど、自由で主体的な活動を通して、子どもの主体性や創造性、コミュニケーション力などを育む事業でございます。対象は小学3年生から中学生までで、令和元年度は8月20日から22日まで福岡市総合体育館で、5年度は3月26日から27日まで福岡市立南体育館で実施いたしました。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 仮想のまちで子どもたちが市民となって遊びや学び、働くことを体験できる事業ということですが、2019年度と2023年度の応募人数と参加人数、小中学生の構成割合を尋ねます。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 応募人数については、令和元年度が1,848人、5年度が1,124人で、5年度は予定人数を超える応募がございましたが、全員に参加いただけるようにし、参加人数は、令和元年度が1,504人、5年度が922人でございました。参加者の構成は、小学生が約8割から9割、中学生が約1割から2割となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 毎年900人から1,500人前後の子どもたちが参加しているようですが、多くが小学生であり、中学生の参加を多くする方策が必要と考えます。
次に、キャリア教育の推進として位置づけられている中学校での職場体験学習について、その教育目標について伺います。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 学習指導要領によりますと、職場体験などの職業や進路に関わる啓発的な体験を通して、職業や進路の選択と社会的自立に必要な望ましい勤労観や職業観を身につけるなど、社会人として自立していくための能力や態度を育てることとされてございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 社会人として自立していくための態度や能力を育てることを目標とする学習です。
この体験学習は、中学2年生が地域を学びの場として、自ら学び、考え、体得する教育の一環として、阪神・淡路大震災を契機に兵庫県で始まったトライやる・ウィークが出発点となっていると聞いています。甚大な被害をもたらした大震災は、自他の生命や人権を尊重する心、ボランティア精神、共に生きる心の涵養など、貴重な教訓を学校関係者に与え、職場体験学習の取組は全国に広がりました。
そこで、本市の中学校では職場体験学習はどのように展開されているのか、その内容について伺います。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) まず、中学1年生で職業に対する適性や様々な職業があることを学び、その後、2年生で生徒の興味、関心に応じて生徒自身が体験先を選択した上で、職場体験の目的や体験時のルールやマナーなどについて事前学習を行うとともに、3日間程度の実際的な知識や技術を学ぶ職場体験を行っております。また、事後の学習として、お互いの体験を共有する発表会などを行っております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 生徒を受け入れている職場の皆さんの協力もあり、事前事後の学習を含め、生徒たちのキャリア形成に役立っています。
では、職場体験学習を行うため、中学校ではどのような準備が必要なのか、また、市はどのような支援を行っているのか、尋ねます。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 中学校での事前準備としましては、受入れ可能な事業所を探して確保することや体験内容、日程等の調整、体験時のルールやマナー、安全確保に関する生徒への事前指導などでございます。また、教育委員会としましては、公共機関や経済団体と連携して作成した受入先や体験内容の一覧表を各学校にお示しするなど、受入先を確保するための支援を行っております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 教育委員会は生徒を受け入れてくれる事業所の確保のための支援を行っているとのことです。その職場体験学習の成果と課題についてお示しください。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 昨年度末に教員へのアンケート調査を行いましたが、それによりますと、職場体験学習について8割以上が、生徒の勤労観、職業観の育成に成果があったと回答しております。生徒が社会人として自立していくための態度の育成につながっていると考えております。課題としましては、学校から事業所の規模や受入れ体制によって、生徒が希望する体験先を確保できない場合があるという声も上がっており、幅広い職種の受入先を確保していくことが必要であると考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 中学校では、生徒の勤労観や職業観の育成につながっていると評価されています。しかし、ここ数年、コロナ禍の影響もあり、校区内の保育園や商店などの協力が得にくいとの中学校担当者の声を聞くようになりました。市教委の認識はどうか、伺います。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) コロナ禍の影響もあり、受入れを中止されている事業所もございましたが、新型コロナウイルス感染症が5類へ移行したこと等もございまして、少しずつ受入れ事業所が増えてきている状況でございます。特に保育園や幼稚園から職場体験の再開を望む声も上がっていると伺っておりまして、今後、受入先の事業所が徐々に増えていくと考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 生徒が住む校区には、日頃買物をする商店や幼児の頃から顔なじみになっている保育園、幼稚園等があり、そこで職場体験することは、より地域への愛着が深まることにつながります。しかし、校区内に商店や保育園等が少ない小規模校では受入先の開拓に苦労しています。
一方、大規模校は生徒が小グループで活動するため、より多くの受入先を開拓しなければならず、放課後、先生たちが手分けしてお願いに回るなど、準備が大変だとの声も依然として多くあります。
教員の働き方改革、長時間労働の是正や事前準備の軽減などの観点から、博多区の商業施設内にある職業、社会体験施設、キッザニア福岡を数校の中学校が利用していると聞いております。キッザニア福岡の施設、事業内容をお示しください。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) キッザニア福岡発行のパンフレットによりますと、約70種類の仕事を体験できる施設であり、3歳から15歳までの子どもを対象に、新しい発見や意外性、面白さに気づくアクティビティを提供しているという内容が掲載されてございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 料金は、利用時間にもよりますが2,000円から4,000円、貸切りバス代も含めて5,000円を超すこともあります。市教委として、生徒たちへの助成はあるのか、尋ねます。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 教育委員会ではキッザニア福岡の利用に関する助成は行っておりません。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 助成は行っていないということです。
約70種類の仕事を体験できる施設とはいえ、生徒1人当たり最高4,000円、貸切りバス代も含めて5,000円を超す金額を保護者に負担をかける職場体験学習は、義務教育は無償とする観点からも問題です。市教委の認識はどうか、伺います。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 義務教育の無償化の範囲については、最高裁判例において、授業料を徴収しないことと解されておりまして、現在、児童生徒個々人に帰属する教材、学用品等については、必要な範囲で保護者に実費の御負担をお願いしているところでございます。職場体験学習に関する実費につきましても同様に取り扱っております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 校区内の生徒の受入先の開拓や、教員の働き方改革や事前準備の軽減などの観点から、民間の職業、社会体験施設を利用せざるを得ない状況にあるのは察しますが、高額な保護者負担は問題です。キャリア教育を推進するための公的な体験型学習施設が必要です。
私は2016年3月議会において、元中学校校舎を改築整備した、京都まなびの街生き方探究館を紹介し、本市でも子どもたちが経済の仕組みや仕事を体験することができる参加型体験学習施設の整備を要望しました。
改めて京都市教育委員会作成の資料を基に紹介します。
資料1をお願いいたします。(資料投影)生き方探求館は2007年、平成19年1月19日に京都府府庁近くの元中学校跡地に開設されました。京都市では産学公連携の下、小中学校段階から子どもたちに勤労観、職業観を育む、生き方探求教育、いわゆるキャリア教育に取り組んでいます。
資料2をお願いいたします。(資料投影)2009年、平成21年には京都の伝統文化、工芸から発展してきた現在の先端技術産業を中心に、ものづくり都市・京都の企業創業者や科学者等の歩んできた道やものづくりにかける情熱、努力などを学ぶことができる京都モノづくりの殿堂、並びにモノづくりの体験を行うモノづくり工房が施設の1階に開設されました。
資料3をお願いします。(資料投影)モノづくり工房では、地元企業のOBから成るボランティア、京モノレンジャーの方々が児童の学習の支援をされています。ものづくりに携わる人々の仕事に対する情熱から、自分自身の将来や夢に向かう意欲を高めることにつながることが期待されます。
資料4をお願いします。(資料投影)2022年、令和4年には2階に中学生向けのジョイ JOB LANDが、3階に小学生向けのわくわく WORK LANDが新たに開設されました。
資料5をお願いいたします。(資料投影)わくわく WORK LANDでは、地元の京都銀行や京都新聞社、井筒八ッ橋本舗、漬物の西利などの地元企業がブースを出し、それぞれの社員が自社ブースで先輩や上司役となり、子どもたちの活動の支援を行っています。
資料6をお願いします。(資料投影)2階にある中学生向けのジョイ JOB LANDでは、生徒が各企業ブースで就職活動支援セミナーに参加する就活生となり、就活準備の実践体験などを行うことができます。ありがとうございました。
このキャリア教育体験型学習施設について、当時の教育長は、京都市や仙台市など既に実施している自治体の施設に関する調査を行っていくと答弁しています。また、2017年3月の条例予算特別委員会においても、京都市や品川区、仙台市のキャリア教育体験型学習施設の調査を基に、特色ある体験プログラムの内容や施設の仕様、整備手法、運営体制等の調査研究を行うとともに、候補地についての検討を重ね、整備推進のための条件整備を行っていくと答弁しています。調査した所見を伺います。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 平成29年度に実施いたしました調査研究の報告書によりますと、メリットとしましては、専門の施設があることで全ての子どもに質の高いキャリア教育の機会と場を公平に提供できることや、キャリア教育の実践研究や研修が行いやすいことなどであり、課題といたしましては、整備費や毎年の人件費、施設管理費などのための財源確保、実施のための人材確保、継続的なプログラム開発やメンテナンスが必要であることなどが挙げられております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 冒頭尋ねたミニふくおか事業は、子どもたちが他校や異学年の子どもたちと仮想のまちで学び、働くことを通じて交流の機会が増え、キャリアを高める場となっています。しかし、応募のため、全ての子どもたちが貴重な体験を経験することができません。また、小学生ものづくり体験講座も受入れに限度があります。
専門的な体験型学習施設があることにより、全ての子どもたちに質の高いキャリア教育の機会と場を公平に提供ができるとの答弁がありました。課題は財源ですが、次代の社会を担う子どもたちが健やかに生まれ、育つことができるまちづくりに資する子ども施策に活用するとしているこども未来基金の利用が可能ではないかと考えます。
教育委員会と経済観光文化局が連携し、地場企業や技能職団体、伝統産業業界等の協力を得ながら、市有地や施設等を活用し、キャリア教育のための体験型学習施設の整備を行うことを改めて求めます。所見を伺います。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 体験型学習施設の設置につきましては、その整備や運営に多額の費用を要すること、また協賛企業や市民ボランティアなどを含めた運営体制の整備、人材確保が必要であることなど、現状では解決が必要な多数の課題があると考えております。教育委員会としましても、子どもたちが様々な外部人材や地域社会の資源と直接接し、実際的な知識や技能に触れることは大変重要であると考えておりまして、今後も地域や企業、関係局と連携しながら、幅広い職種や人材に関する情報を収集、整理し、社会体験などの体験活動の充実を図ってまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 難しいということですけれども、現在、地場中小企業は人材確保に苦慮され、技能職団体や博多人形、博多織等の伝統産業業界も後継者不足に悩まれています。体験型学習施設を整備することにより、子どもたちは福岡市ゆかりの企業や創業者の生き方を学んだり、ものづくりの体験をしたり、仕事に対する熱意や誇りを肌で学ぶことができます。また、仮想の商店街で経済活動を体験することで、経済の仕組みを理解する学習も行うことができます。さらに、本市で生まれ育った子どもたちの郷土への愛着感も醸成され、将来、福岡のまちで働きたいという意欲が高まることも期待できます。これらの観点からも、体験型学習施設の整備はぜひ必要であると意見を述べ、この質問を終わります。
次に、港湾労働者不足の対策について伺います。
市営渡船志賀島航路の西戸崎渡船場からベイサイド行きに乗船すると、数分で大型コンテナ船が通る東航路を横切ることになります。左側にはアイランドシティや香椎パークポートのコンテナターミナルが見え、博多港が物流ネットワークの拠点であることを実感することができます。
港湾空港局作成のPort of HAKATA等の資料によれば、2022年に博多港に入港した船舶は外航、内航合わせて約2万4,000隻、2024年9月1日現在、アジアや北米等の11か国、地域の47港と44航路、月間220便のコンテナ航路ネットワークで結ばれていると記載してあります。
国際海上コンテナ取扱個数は、2022年が約88万8,000TEU、2023年には約90万6,000TEUと、コロナ禍前の水準に回復しつつあります。また、九州域内で取り扱われる外貿コンテナ貨物の約5割が博多港を利用し、福岡県内だけではなく九州全体の経済を支えていることが分かります。
初めに、コンテナ船のアイランドシティ岸壁並びに香椎パークポート岸壁への過去3年間の入港船舶数を尋ねます。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) アイランドシティ及び香椎パークポートのコンテナターミナルへのコンテナ船の入港隻数は、令和3年は1,771隻、4年は1,801隻、5年は2,131隻となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) コンテナ船の入港数は着実に増えています。市は毎年、博多港振興セミナーを東京で実施されていますが、その事業内容と成果について伺います。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 博多港振興セミナーは、本社機能が集中する東京において、船会社や荷主企業を対象に例年開催しており、令和5年度は600名を超える方々に御参加いただきました。セミナーでは博多港の直近の整備状況やアジアとの近接性、多様な輸送モードが集積するメリットなどについて積極的にPRを行っております。また、福岡の物流事業者と船会社や荷主企業などとの交流促進を図ることで、ビジネス上のネットワークの維持、拡大につながっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 博多港振興セミナーでは、博多港の直近の整備状況やアジアとの近接性等をPRし、荷主や船社、物流企業に選ばれる港になるよう振興セミナーを実施しているということです。
港湾は海上輸送と陸上輸送の結節点です。そこではどのような業務が行われているのか、コンテナ船が入港した際、陸上輸送の主たるトレーラーにコンテナが積み替えられるまでの業務について尋ねます。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 輸入したコンテナ貨物が船から陸上輸送を行うトレーラーに積み替えられるまでの業務につきましては、着岸した船からの貨物の陸揚げ業務、コンテナターミナルでの一時保管等の荷さばき業務、通関、検疫などの手続や仕分を行う上屋への輸送業務などがございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 着岸した船のコンテナは陸揚げの後、一時保管等の荷さばきや上屋への輸送業務等を通じ、陸上輸送を行うトレーラーに運ばれます。
海上コンテナ取扱個数が増加する一方で、近年、船舶へのコンテナの積み替えや荷さばき業務を行う港湾輸送事業の港湾荷役の担い手不足が急速に顕在化していると聞きます。当局の認識を伺います。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 港湾運送事業者など関係者からは、労働者の高齢化が進む中、若手人材の確保も難しく、港湾労働の担い手不足が深刻化していると聞いております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 人手不足が深刻化している中、港湾労働者の労働環境は改善されているのでしょうか。国土交通省は2020年12月から、全国の港湾輸送事業者を対象に港湾荷役の担い手不足の実態調査を実施し、2021年5月公表しました。
そこで、担い手不足の実態について、初めに、港湾輸送業の有効求人倍率の状況と常用労働者の男女別、年齢別割合について尋ねます。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 国土交通省が令和2年度に実施した港湾労働者不足に関する実態調査の結果によりますと、港湾労働者の元年度の有効求人倍率は4.23倍で、常用労働者の男女別割合は男性96%、女性4%、年齢別割合は19歳以下が1.4%、20歳代が15.1%、30歳代が22.5%、40歳代が30%、50歳代が21.7%、60歳以上が9.4%となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 20歳代から30歳代の若手の割合は約38%と半数に満たず、女性の割合は極端に低くなっています。
主な退職理由も調査していますが、どのような状況にあるのでしょうか、伺います。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 先ほどの調査結果によりますと、定年退職以外の主な退職理由として、暑さ、寒さ等労働環境が厳しいこと、職場の人間関係の不調、賃金が不十分、土日祝日勤務があること、勤務時間が不規則が上位を占めております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 港という海に面した職場であるがための労働環境の厳しさに加え、土曜、日曜、祝日勤務など不規則勤務が要因となっています。
このような担い手不足の状況が港湾運送へどのような影響を及ぼしているのか、尋ねます。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 国土交通省が実施した、先ほどの調査結果によりますと、港湾労働者不足により生じる港湾運送への具体的な影響として、平日でも入港隻数が多いと船社の希望日に荷役ができない、休日の荷役が困難、夜間の荷役が困難、2交代、3交代による連続荷役が困難が上位を占めております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 港湾労働者不足により、休日や夜間の荷役が困難になり、2交代、3交代にも支障を来しています。労働環境の改善が喫緊の課題です。
主な退職理由として、土曜日、日曜日、祝日等の勤務など、不規則勤務が要因となっていますが、では博多港の状況はどうなのでしょうか。2023年の夕方17時から翌朝8時までのコンテナ船の博多港への着岸数並びに土、日曜日の休日の着岸数をお示しください。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 令和5年のアイランドシティ及び香椎パークポートのコンテナターミナルにおける夕方17時から翌朝8時までの15時間のコンテナ船着岸数は1,149隻となっており、土曜日、日曜日のコンテナ船の着岸数は484隻となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 冒頭の質問に対して1年間のうち、両岸壁のコンテナターミナルへの着岸数は2,131隻、そのうち夜間の着岸数は1,149隻と過半数を占め、土、日曜日の着岸数は484隻、その割合は約23%と高く、夜間並びに土、日曜の着岸数が多いのが博多港の特徴と言えます。
港湾空港局作成のパンフレットには、躍進するコンテナターミナル、364日24時間体制で安全、確実、スピーディーな物流を実現と紹介されています。
1年は365日です。1日だけコンテナターミナルがクローズされているということですが、その日はいつかお示しください。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) コンテナターミナルがクローズする日は1月1日でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 1月1日、つまり正月の1日だけが休みということです。
では、アイランドシティ岸壁並びに香椎パークポート岸壁における過去3年間の年末年始の着岸数はどうか、伺います。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) アイランドシティ及び香椎パークポートのコンテナターミナルにおける12月31日から1月4日までの年末年始のコンテナ船着岸数は、令和3年度が12隻、4年度が17隻、5年度が16隻となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 令和3年度が12隻、令和4年度が17隻、令和5年度は16隻と、年末年始の12月31日から1月4日まで毎年10隻以上のコンテナ船が着岸しているため、一般的に世間が年末年始は休みの中、正月以外は荷役作業が行われています。なぜ港湾が364日24時間体制となったのか、経緯を尋ねます。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 港湾労働が364日24時間体制となった経緯につきましては、平成12年度に国土交通省が設置した港湾物流効率化推進調査委員会におきまして、港湾の24時間フルオープン化の実現に向け、業界団体等の関係者を交えて検討をされております。その後、平成13年度に業界団体と全国の港湾労働組合の連合組織において、24時間フルオープン及び1月1日を除く年末年始の荷役の実施について、労使交渉で合意されたと聞いております。なお、364日24時間体制につきましては、その後も労使交渉で毎年合意し、継続されており、厳しい労働環境の中で業務に取り組まれていると聞いております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 2001年、平成13年、労使間協議を経て、元日を除く364日24時間フルオープン化となりましたが、それ以前は年末年始、12月31日から1月4日までは港湾はクローズされていました。
さきの港湾労働力不足の実態にあるように、早期退職の主な理由として、海に面し、気象に左右される厳しい労働環境に加え、土曜、日曜、祝日の勤務や深夜勤務が挙げられています。
また、港湾の有効求人倍率は4.23倍と全産業平均の1.47倍、自動車運転者の3.08倍と、他の産業と比べても非常に高い状態にあります。人手不足に加え、働き方改革関連法の成立による時間外労働についての罰則つきの厳格な規制が導入されたことにより、港湾荷役の担い手不足解消は、トラック運転手不足以上の喫緊の課題であると言えます。過半数の事業所で何ら手を打たない限り、港湾荷役の担い手不足はさらに加速すると予想されています。
港湾荷役の担い手不足解消のため、労働環境を改善しなければならないと考えますが、当局の所見を伺います。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 国土交通省によりますと、港湾労働の担い手不足は、土日祝日の勤務、不規則な勤務時間など、労働環境の厳しさが要因の一つとなっていることから、これらの課題に対し官民一体となって取り組んでいく必要があるとされております。なお、勤務時間や勤務体制などの労働環境の改善につきましては、雇用者である事業者で進めるものでありますが、福岡市といたしましても、コンテナターミナル内の休憩スペース整備などを通じて労働環境の改善に協力しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 確かに労働環境の改善は、会社側と労働者の労使交渉によって決まります。しかし、物流拠点である博多港の機能を維持し発展させるためには、労働環境の改善を図らなければならず、市の関与が必要です。
国土交通省は2022年、港湾労働者不足対策アクションプランを作成しました。こういったアクションプランを政府が作成しなければならないほど深刻な問題だと思います。そのアクションプランの概要をお示しください。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 国土交通省が策定した港湾労働者不足対策アクションプランには、港湾労働者の不足の実態を踏まえ、今後講ずるべき施策として、港の仕事を知ってもらう、働きやすく、働きがいのある職場の確保、事業者間の協業の促進、適正な取引環境の実現の4つの項目が示されております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 本市では既に2018年6月より博多港運協会が中心となり、事業者、労働組合、本市から成る官民連携による博多港雇用推進検討会議が設置されていますが、検討会議の内容について伺います。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 博多港雇用推進検討会議は、港湾における労働者不足問題に対して、官民労が一体となって博多港における雇用確保の推進に関する検討を行うため、平成30年6月に設置されました。検討会議において、これまでリクルート活動の中で港湾での仕事を紹介するイメージアップDVDやリーフレットの作成、コンテナターミナルにおける休憩所やトイレの設置など、港湾の仕事のイメージ向上や労働環境の改善について協議し、福岡市も取り組んでまいりました。なお、検討会議は、新型コロナウイルス感染症の影響により一時活動を休止しましたが、令和5年12月より再開をしております。現在は、博多港の仕事を紹介するリーフレットのリニューアルや、港の仕事の認知度やイメージの向上につながる新たな取組について検討を行っております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 港湾労働者不足対策への対応として、市が関与できる取組として港の仕事の広報や、働きやすく、働きがいのある職場の確保への支援が考えられます。これまで港湾空港局としては、港の仕事紹介リーフレットのリニューアルや認知度やイメージの向上につながる取組について検討を行っているということでした。
今年、夏休みの8月22日と23日、小学生を対象にアイランドシティコンテナターミナル見学を含む夏休み博多港親子見学会が行われています。多くの応募があったと聞いています。港の機能をより知ってもらう企画ですが、さらに経済観光文化局が人材確保に苦慮している宿泊業界と連携し、合同説明会を実施しているように、港運協会と連携し、若者、高校生などを対象とした職場見学、体験の機会を設けることも有効ではないかと考えます。
島市長は毎年、博多港振興セミナーで、より選ばれる港として博多港をアピールされています。同様に、博多港が働く者の側から職場として選ばれる港にならなくてはなりません。労働環境の改善を含め、取組を進めるべきと考えます。最後に所見を伺い、私の質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 少子・高齢化が進展する中、全国的に様々な分野で人手不足が生じていると認識しており、博多港の労働者不足につきましても同様であると考えております。そのため、福岡市は博多港見学会の開催や博多港ベイサイドミュージアム等での広報活動、また博多港雇用推進検討会議における港の仕事紹介リーフレットのリニューアル作業の協力といった、港の仕事の認知度やイメージの向上に取り組むなど、多様な人材が活躍できる環境づくりに今後も協力してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川上陽平議員。
○21番(川上陽平)登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表して、南区における地域交流センター整備について、分譲マンションに対する支援について、中学校の部活動における教育委員会の存在意義について、以上3項目について質問をいたします。
まず、南区における地域交流センターについてお尋ねします。
南区における拠点施設の整備については、長年にわたって我が会派から要望を行い、私としても令和3年決算特別委員会において質問を行うなど、非常に関心を持って取り組んでまいりました。また、南区拠点施設は、令和5年12月に南区自治組織協議会から早期事業化に向けた要望がなされるなど、地域の方々にとって長年にわたって待ち望まれている施設であります。このような中、令和6年2月の総務財政委員会において、南区西南部地域に地域交流センターを整備する方向で検討していく旨、報告があったことを大変喜ばしく思っております。
これから地域交流センターの整備に向けた具体的な検討を進めるに当たり、まず地域交流センターとはどのような施設なのか、その設置目的をお尋ねいたします。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 地域交流センターの設置目的につきましては、福岡市地域交流センター条例において、地域コミュニティの活性化に資するとともに、文化及びスポーツの振興並びに地域福祉の向上に寄与するものとされており、市民センターなどの区単位の行政サービスを補完する施設として整備しているものでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川上陽平議員。
○21番(川上陽平) 地域交流センターは市民センターなど区単位の行政サービスを補完する施設とのことです。
南区における地域交流センターがその役割を果たすためには、現状の公共施設の配置や交通状況など、地域の課題を適切に把握し、それらを踏まえた計画とすることが欠かせません。ついては、このたび整備に向けた検討を行うこととされた南区西南部地域における地域交流センターの必要性を改めてお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 南区につきましては、市民センターや体育館などの地域活動を支える区単位の行政サービス施設の立地数、カバー人口割合、人口当たりの床面積が他区と比較して少なく、特に西南部地域は比較的人口密度が高い中、既存の施設のカバー範囲外のエリアが多くなっております。
また、南区の西南部地域から南市民センター等が立地する大橋地区への交通にも課題があり、西南部地域に区単位の行政サービスを補完する施設が必要であることから、地域交流センターの整備に向けた検討を行っているところでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川上陽平議員。
○21番(川上陽平) 続いて、現在検討が行われている南区における地域交流センターをどのような施設として整備していくのか、お尋ねしていきます。
地域交流センターは、その設置目的から、子どもから高齢者まで幅広い市民による様々な地域活動の拠点としての役割が期待されております。
そこで、設置目的や地域の課題等を踏まえ、今回の地域交流センターではどのような機能を持たせることを想定しているのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 地域交流センターの導入機能につきましては、既存の地域交流センターが備えるホール、会議室等、体育館、図書館分館の機能を配置し、多目的な用途に対応していくことを基本としつつ、地域との意見交換を行い、地域のニーズを把握しながら、基本構想の取りまとめに向けた検討を行ってまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川上陽平議員。
○21番(川上陽平) 地域交流センターに導入する機能については、地域住民の声をしっかりと聞きながら検討を進めていくよう要望しておきます。
また、導入する機能に加え、南区における地域交流センターが多くの地域住民に御利用いただき、地域活動の拠点としての役割を果たすためには、その立地が大変重要な要素であると考えます。南区における地域交流センターの立地に関しては、令和3年の決算特別委員会の総会質疑においても提案させていただきましたが、南区にたくさんあるため池を活用することも財政負担を小さくする方法の一つではないでしょうか。
そこで、今後、整備場所をどのような考え方で選んでいくのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 地域交流センターの整備場所につきましては、南区西南部地域において、公共交通によるアクセス等を考慮した上で、地域交流センターが整備できるまとまった規模の整形な敷地を選定することが必要であると考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川上陽平議員。
○21番(川上陽平) 南区における地域交流センターの整備場所の検討に当たっては、南区西南部地域からのアクセスが重要な要件であり、周辺の道路や公共交通状況などを鑑みると、外環状道路沿いに整備することが望ましいと考えます。そして、何よりも地域交流センターは地域が長年待ち望んでいる施設であることから、早期事業化できるよう、整備場所の選定に当たっては、ため池の活用も含め、用地買収の要否や現況用途等を踏まえて、スピード感を持って取り組んでいただくことを要望いたします。
最後に、南区民が長年待ち望んでいる地域交流センターの整備に向けた島市長の意気込みをお伺いし、この質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 島市長。
○市長(島宗一郎) 南区における地域交流センターの整備につきましては、去年の12月に南区自治組織協議会から早期事業化に向けた要望をいただいており、地域の期待は非常に大きいものであると認識をしております。
福岡市としましても、令和6年度より南区西南部地域におけます地域交流センターの整備に向けた検討に着手し、7月には地域との意見交換も開始するなど、基本構想の策定に向けた検討を着実に進めているところでございます。
今後とも、引き続き議会をはじめ、地域の皆様の御意見を伺いながら、南区における地域交流センター整備に向けた検討をしっかりと進めてまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 川上陽平議員。
○21番(川上陽平) 次に、分譲マンションに対する支援についてお尋ねいたします。
今なお人口が増え続けている福岡市ですが、福岡市に住む市民の皆さんの居住環境の特徴として、まず最初に思い浮かぶのは、共同住宅の多さ、割合の高さであります。その中でも分譲マンションについては、全国的に建物と居住者、いずれも高齢化が進んでおり、管理や修繕において様々な課題が顕在化し、社会的課題になっております。このため、福岡市においても、市内の状況を踏まえ、しっかりと取り組んでいく必要があると考えています。
そこでまず、福岡市内の分譲マンションの数は何棟あるのか、また他の政令市と比べてどのような状況なのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 分譲マンションの数につきましては約5,600棟で、政令市の中で上位となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川上陽平議員。
○21番(川上陽平) 福岡市は他の政令市に比べても分譲マンションの数が多いとのことですが、分譲マンションにおいてはどのような課題があると認識しているのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 分譲マンションにつきましては、一つの建物に複数の区分所有者がいることから、意識の相違や多様な価値観による合意形成の難しさ、高齢化などによる役員の担い手不足などのため、管理組合の運営や建物の維持管理等において課題を有しております。特に築40年を超える高経年マンションにつきましては、居住者の高齢化や一部住戸の賃貸化などにより、管理組合の運営体制が十分でない場合が比較的多いといった課題があると認識をしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川上陽平議員。
○21番(川上陽平) 分譲マンションにおいては、合意形成の難しさや役員の担い手不足などから、維持管理に課題があり、その中でも特に築40年以上の高経年マンションについては、居住者の高齢化などもあり、その傾向が強くなるとのことですが、現在、市内に高経年マンションはどのくらいあるのか、また今後どのぐらい増えるのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 高経年マンションの数は、令和5年度末時点で約1,300棟ですが、10年後には約3,000棟に増加する見込みでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川上陽平議員。
○21番(川上陽平) 10年後には福岡市内の高経年マンションの数は現在の倍以上になる見込みであるとのことです。
そこで、市としてどのような課題認識を持っているのか、また何か対策を行っているのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 分譲マンションにつきましては、修繕積立金の不足や必要経費の増加などにより、適正な維持修繕がなされないまま放置されると、周辺の住環境の悪化や安全性の低下などにもつながるおそれがあるといった課題があると認識をしております。そのため、管理適正化に向けまして、令和4年3月に策定したマンション管理適正化推進計画に基づき、マンション管理士による相談対応や管理組合への派遣、管理規約の適正性診断、修繕積立金の検討等に係る相談窓口の設置などに取り組んでおります。
また、令和元年度から高経年マンションに対して継続的に専門家派遣を行う制度を創設し、周知を図っているところでございます。
さらに、令和5年6月には、一定の要件を満たすマンションの固定資産税を減額する特例措置の創設に合わせて、市の独自支援策として、長期修繕計画の見直し等に係る助成制度を新設しており、引き続きマンション管理組合の自主的かつ適正な運営や良質な住環境の確保等に向けた取組を進めてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川上陽平議員。
○21番(川上陽平) 分譲マンションにおいて居住環境を維持しながら住み続けるためには、適切に修繕積立金を確保していく必要があると考えられます。
福岡市においては、独自の支援策として、建物の維持修繕費の積立てに必要な長期修繕計画の見直し等の支援に取り組んでいるとのことですが、どのような制度なのか、また令和5年6月の創設後、どれぐらい利用されているのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 制度の内容につきましては、築20年以上の分譲マンションにおきまして、適切な修繕積立金の確保に向けた長期修繕計画の作成や見直しをする際に、30万円を上限として対象経費の2分の1を補助するものでございます。
利用につきましては、令和5年度は48件の交付、6年度は8月末時点で66件の申請となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川上陽平議員。
○21番(川上陽平) 建物の長期活用に重要である長期修繕計画の見直し等に関する支援制度が創設され、その申請、助成件数も増えているとのことであり、老朽化が進む分譲マンションの適切な維持管理の実施に向けて福岡市がしっかりと取り組んでいることは理解いたしました。
維持補修の積立金は、どのマンションでも一般的に行われる外壁改修や屋上防水改修など、建物の長期活用に向けて計画的に行う改修工事の費用に充てられると考えられます。一方で、長くマンションに居住する中では、通常の積立金だけでは対応できない、そのマンション特有の改修費などが必要になる場合があります。例えば、エレベーターのないマンションでは、居住する方々が高齢化する中で、階段の上り下りの負担軽減などを考えると、バリアフリー化の必要性が高まることなどが考えられます。
そのような状況の中で、国も問題意識を持ってエレベーターの設置等を後押しする補助制度として、優良建築物等整備事業(既存ストック再生型)という制度を設けられております。そこで、当該制度の概要をお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 老朽マンション等におきましては、耐震やアスベスト対策に加え、バリアフリー化や省エネ化等の改修を行うことにより、現在の居住ニーズに合ったストックへの総合的な再生を支援する制度でございます。
補助の対象としましては、バリアフリー化等の改修における設計や事業計画などの作成、エレベーター設置など共同施設整備に要する費用となっており、補助率は国と地方自治体で合わせて3分の2となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川上陽平議員。
○21番(川上陽平) 国及び地方の補助により、省エネ化やエレベーターの設置をはじめとするバリアフリー化など、居住者のニーズに対応できる制度があるとのことですが、福岡市においては、この制度を活用しておらず、窓口もないとのことです。
そこで、福岡市ではこの制度を活用していないのはなぜか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 国の補助制度の活用につきましては、本市の課題や市民ニーズ、費用対効果などを踏まえ、総合的に判断しております。
当該制度につきましては、エレベーターの設置に関しての居住者側の負担が1件当たり1,000万円程度が必要となることや、既存住宅の法適合のための改修工事が追加で必要となることなどから、所有者間の合意形成が難しいこと、住宅へのエレベーター設置での活用事例は全国で2件と少ないことなどから、活用しておりません。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川上陽平議員。
○21番(川上陽平) 市が補助制度を創設するには一定の条件があり、現時点においては難しい点が様々あることは理解できます。しかし、マンションが条件をクリアしてから初めて市が国の制度の活用を検討するということでは、制度の活用について、市へ相談することも難しく、居住者にとって負担の大きなバリアフリー化はなかなか進まないと考えられます。
福岡市が目指している誰にでも優しいまちづくりを実現させるためにも、まずは支援制度を準備し、市民に広く発信していくことにより、居住者間の話合いを促していくという方法もあるのではないかと考えます。
現在、実際にエレベーターがなくて高齢者が移動に困っておられるマンションが福岡市内にあり、市における窓口の設置や支援制度の創設を強く望んでいる居住者がおられます。今後、福岡市にあっても高齢化は進展していく見込みであり、高経年マンションの数も増加していくという状況を踏まえ、市における窓口の設置や支援制度の創設の検討を早急に行うよう要望しておきます。
この質問の最後に、福岡市の重要な居住形態となっている分譲マンションについて、居住者の方が住み続けられるためにどのように取り組んでいくのか所見をお尋ねし、この質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 分譲マンションにおきまして、建物の老朽化が進み、お住まいの方の高齢化やライフスタイルの変化などが進む中で、住み続けたいと思う方が住み続けるためのハード面の対応としては、建物の適切な維持補修が図られることはもとより、建物によっては新たな設備の導入などの改修が必要となる場合もございます。
福岡市では、修繕積立金を確保するための長期修繕計画の作成や見直し、高齢者や障がい者向けの住宅改造、共同住宅の耐震化工事などに対する助成を行うとともに、国の住宅の省エネルギー化を支援する助成制度の周知などにも取り組んでいるところでございます。
引き続き、市の支援制度についての周知を図るとともに、国や県の支援制度の活用なども検討しながら、安心して住み続けられる住環境づくりにしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川上陽平議員。
○21番(川上陽平) 最後に、中学校の部活動における教育委員会の存在意義について質問をしていきます。
私は、昨年度の9月議会において、部活動の地域移行について質問を行いました。教育長からは、国が進める地域移行ではなく、当面はこれまでも市が取り組んできた部活動指導員制度を積極的に進め、先生方の負担軽減を図りつつ、安全で充実した部活動になるよう進めていく趣旨の答弁でありました。
また、その方針を先生方や保護者や生徒、そして外部指導者にも早急に周知し、議会に対してもその情報をオープンにするよう求めたところ、教育長からは、早急に学校や関係機関等へ周知するとともに、今後、地域移行モデル事業の検証結果を踏まえつつ、議会の意見もしっかり聞きながら、今後の方針を定めていくとのことでありました。
ところが、今年の4月初旬に、複数の中学校において、今後の部活動の設置等についてのお知らせが保護者宛てに配られております。その内容は、簡単にまとめると、教育委員会の指導等の下、今後、顧問が配置できない部活については廃部していくとの通告でありました。これは昨年の教育長の答弁とは真逆のことです。
そこで、この通告について、教育委員会の方針が変わったのか、変わっていないとすれば、いつ知ったのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 部活動の在り方につきまして、教育委員会としての方針は変わっておりません。また、議員からのお話があり、教育委員会の方針にそぐわない対応をしていた学校があることを把握しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川上陽平議員。
○21番(川上陽平) 学校側では教育委員会の指導等を理由に通知を出しており、そのことを教育委員会は知らなかったということであれば、これは大きな問題です。
私としては、早急に全中学校に聞き取りを行い、不安を抱いている保護者や先生に対しても速やかな説明が必要だということを教育委員会に要望してまいりました。しかし、教育委員会の対応は、残念ながら、それから3か月以上がたってから、それも夏服のアンケートと併せて調査を行うといった取扱いでした。本来、本当に教育委員会が知らないところで、方針と違うものが出回っているとすれば、普通は誰に言われなくても、イの一番に調査、確認するのが私は当然だと思います。
教育長の本件に対する重大性の認識をお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 当該校や全中学校に対し、調査や対応に時間を要したことは課題としてしっかり受け止め、今後はスピード感を持って対応してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川上陽平議員。
○21番(川上陽平) 実は今回、西区玄洋中学校の剣道部の外部指導者や数名の保護者から私に相談があり、剣道部が今後廃部になるという通知が学校から来て困っている。保護者会として学校長に話をしたが聞き入れてもらえず、納得がいかないとの内容でした。玄洋中の剣道部は伝統があり、部員も多く、昨年の新人戦では市大会、県大会、そして九州大会でも優勝している強豪で、今年の夏の中総体も市大会では優勝しております。優秀な外部指導者も当然います。このように伝統ある玄洋中学校の剣道部を廃部にするその理由を教育委員会に尋ねたところ、学校長の判断などで仕方がない、学校には周知はしたが徹底はされなかったとの回答でした。これも昨年の教育長の答弁、そして教育委員会の方針とは真逆のことです。議会に対しても何の説明もあっておりません。
私は、議場での教育長の答弁は当然重く責任があるものだと考えますが、この件に関して教育長の考えをお示しください。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 学校の部活動につきましては、子どもたちの活動を確保するという観点から、部活動指導員を配置するなどの方法により部活動を存続させていくことが適切であると考えております。
一方、学校における校務分掌につきましては、学校教育法や小中学校管理規則により校長の責任で行うこととされており、校長が自校の実情を踏まえて業務分担を定めておりますが、本件のような教育委員会の方針とそぐわない対応につきましては、適切に運営が行われるよう、学校に対し指導、助言を徹底してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川上陽平議員。
○21番(川上陽平) また、教育委員会は、玄洋中が剣道部を廃部にするもう一つの理由として、実は地域にしっかりとした受皿があるので、地域移行を進めているとのことでした。しかし、これも教育長が示した、今後は地域移行ではなく地域連携で進めていくという方針とは明らかに矛盾をしております。これは教育委員会内部での意思の疎通がうまくいっていないということなのでしょうか。教育委員会自体が理解できていないのであれば、当然現場は混乱しますし、各学校への周知徹底は不可能だと思います。
さらに申し上げるならば、教育委員会は地域移行で進めるということでしたが、実際には地域への相談は何も行っておらず、そのような事実すら一切なかったということははっきりとお伝えさせていただきます。
今回はこのようなやり取りもあって、玄洋中の剣道部は結果的に廃部は免れたものの、私はもう一つ疑問に思うことがあります。実は玄洋中学校には、今はまだ講師でありますが、今年の4月から剣道有段者でインターハイに福岡県の代表として個人でも団体でも出場経験のある先生が配属されております。この方は剣道のすばらしさを子どもたちに伝えたいという思いで教員を目指されております。配属時に学校側との面談でも管理職にその思いを伝えていたそうです。それにもかかわらず、学校側はこの先生をわざわざテニス部の顧問として配置し、そして現在、剣道部には剣道未経験の先生を顧問として配置しております。これは先生の思いを無にするだけではなく、剣道部の子どもたちにとってもマイナスのことではないでしょうか。一体何が目的で、誰のためなのか、保護者の方々にそう疑問を呈されても仕方がないと思います。ただでさえ教員の担い手不足が深刻化する中で、競技の専門性を生かして部活動の指導に従事したいと望む先生の芽を摘んでもいいのでしょうか。教育委員会はここでも学校長の判断で関与できないとの説明でありました。教育委員会が一体どこを向いているのか、私にはその存在意義すら感じることができません。安全性の観点からも、適切な指導を行い、是正するということも教育委員会には求められているものだと思います。
現場で一生懸命頑張っている先生方や生徒たち、そして保護者や外部指導者の思いをしっかりと受け止め、今後は教育委員会の存在意義を示していただきたいと思いますが、最後に教育長の所見をお伺いし、私の質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 部活動が子どもたちの成長過程において引き続き意義あるものとなり、また教員の過重な負担の軽減に資するよう、当面部活動は、国が示す地域移行ではなく、地域連携としての部活動指導員の配置などを積極的に進めていく方針としております。
部活動の在り方につきましては、いま一度、教育委員会が責任を持って当該方針の周知徹底を図るとともに、子どもたちや先生方の思いを受け止め、部活動の充実に向け、学校と連携しながらしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) この際、休憩し、午後2時30分に再開いたします。
午後2時19分 休憩
午後2時30分 開議
○議長(打越基安) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。はしだ和義議員。
○47番(はしだ和義)登壇 私は新しい風ふくおかを代表して、生ごみ堆肥を活用したコミュニティガーデンの推進について質問します。
これまで、議場に段ボールやバッグタイプのコンポストを度々持ち込み、議会事務局には大変御迷惑をおかけしましたが、家庭から出る生ごみを堆肥化する重要性を訴えてきました。そして、昨年度には念願であった生ごみ堆肥化容器の補助金制度がスタートしました。
そこで、補助金制度に対する申請件数の状況と、要望していた申請手続の簡素化や補助金を交付するまでの期間の短縮はどうなったのか、お尋ねします。
以上で1問目を終わり、2問目からは自席にて質問します。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 生ごみ堆肥化容器購入費補助金の申請件数につきましては、補助制度を開始した令和5年度が306件、6年度が7月末時点で108件となっております。また、申請手続につきましては、令和6年度から申請者の手続を簡素化したことにより、申請から補助金の交付までの期間を大幅に短縮したほか、スマートフォンでの申請や地域サークルなどの団体申請を可能にすることで申請者の利便性の向上を図っております。以上でございます。
○議長(打越基安) はしだ和義議員。
○47番(はしだ和義) ありがとうございます。コンポストの半額補助は利用者にとってとてもありがたいです。さらに普及が広がるよう積極的な周知をお願いします。
また、マンションのベランダでコンポストをした結果、出来上がった堆肥の使い道がないという残念な理由でやめてしまう家庭が多いと聞きます。
そこで、昨年度から始めた生ごみ堆肥の回収事業の状況と使い道についてお尋ねします。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 家庭で使い切れない生ごみ堆肥につきましては、市内9か所の資源物回収拠点で回収し、異物除去、熟成、成分検査などを行った後、一人一花運動に取り組む団体や一人一花スプリングフェスなどのイベントでの市民への配布のほか、市が管理する菜園などにおいて活用いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) はしだ和義議員。
○47番(はしだ和義) 資料1をお願いします。(資料投影)ここで、民間独自で生ごみ堆肥を回収している事例を御紹介します。
天神ビジネスセンターの路面にあるお店パタゴニアでは、堆肥の回収やコンポストの相談会を定期的に行っていますが、利便性のよい天神で回収してもらえるとあって、とても好評だそうです。
資料2をお願いします。(資料投影)店舗前の花壇に生ごみ堆肥を使ったハーブを育てています。このような取組が天神に広がれば、事業者から出る生ごみが焼却されずに堆肥化されるといった都心における循環型社会の広がりに期待ができます。ありがとうございました。
先ほど御答弁いただいたように、本市においては菜園や一人一花運動で生ごみ堆肥を活用いただいていますが、今年度はさらに一歩進み、新たに事業者によるコミュニティガーデンの取組への支援が予算化されました。
そこで、コミュニティガーデンの定義と事業目的、事業内容及び予算額についてお答えください。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) コミュニティガーデンにつきましては、1970年代にアメリカで始まり、地域のコミュニティづくりや環境教育の場づくりなどを目指して、地域に住む個人やグループ、事業者などが集まって花や野菜を育てる取組とされております。環境局におきましては、事業所から排出される食品廃棄物の堆肥化による資源循環を促進するため、事業者による生ごみ堆肥を活用したコミュニティガーデンの取組を広げていきたいと考えております。そのため、今年度は事業者がコミュニティガーデンに取り組む際に必要となる支援内容について検討を行うため、専門的なノウハウを持つNPO法人と連携して事業者と実際にコミュニティガーデンに取り組みながら課題等の把握を行うこととしており、予算額は229万1,000円でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) はしだ和義議員。
○47番(はしだ和義) ここで、既にコミュニティガーデンを実践されている事例を2つ御紹介します。
資料3をお願いします。(資料投影)こちらは東区香住ケ丘の事例ですが、とある地主さんが管理が大変になった土地を無償でよいので有効利用してほしいと町内会長に相談したところ、町内のみんなで畑を耕そうとなり、地元NPOの協力の下、今年4月に牧の鼻ガーデンという名のコミュニティガーデンになりました。
資料4をお願いします。(資料投影)オープニングイベントには70名もの町内の方が参加しています。吉村町内会長は、秋には子ども会でサツマイモの収穫体験を予定している、顔が見える関係を深め、地域活動への参加につなげていくのにこのコミュニティガーデンはうってつけだと熱く語っていました。
資料5をお願いします。(資料投影)これは香住丘公民館でのコンポスト講座の様子ですが、夏休みの自由研究として親子で参加をしています。今後は子ども食堂から出る生ごみをコンポストで堆肥にし、コミュニティガーデンに使っていくそうです。
資料6をお願いします。(資料投影)ここは博多区にあるグレートモーニングホテルの屋上ですが、ホテル内で出た生ごみをコンポストで堆肥にし、トマトやハーブ、レモングラスを育てていて、宿泊客に朝食のサラダやハーブティーを提供しています。投影ありがとうございました。
このように、コミュニティガーデンは環境に配慮する意識を高めるのはもちろん、みんなで協力して手入れをすることで地域コミュニティや社員同士のコミュニケーションの活性化、さらには子どもたちの教育にもつながっていきます。
しかしながら、プランターや木枠、道具といった資材の調達にはそれなりの費用がかかります。先ほどの答弁ではコミュニティガーデンに取り組みながら課題の把握をしていくとありましたが、ぜひ継続できるための支援策を検討いただきたいのと、取組を広げるために企業や団体に対し、コミュニティガーデンを公募することも併せて検討いただけないでしょうか。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 今年度は事業者がコミュニティガーデンに取り組む際に必要となる人員、資機材、技術的な支援などの課題について把握を行うこととしており、その結果も踏まえまして、必要となる支援内容や事業推進の手法について検討してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) はしだ和義議員。
○47番(はしだ和義) さらに事業者によるコミュニティガーデンの取組を拡大していくために、本市のSNS等で取組事例を広く知らしめることも重要であると思いますが、いかがでしょうか。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 事業者によるコミュニティガーデンの取組を広げていくため、今後、取組事例を集約し、ホームページやSNSなどで紹介するなど、その周知、啓発に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) はしだ和義議員。
○47番(はしだ和義) 空き地やビルの屋上で実践している事例を紹介することで、協力いただける市民や企業からの申出があるかもしれません。積極的な発信をお願いします。
ここからは、官民連携でコミュニティガーデンを実践している東京都渋谷区と神戸市へ視察に行ってきましたので、御紹介します。
資料7をお願いします。(資料投影)渋谷駅中心地区の再開発に伴い、臭い、暗い、汚いと誰も見向きもしなかった渋谷川を清流に復活する渋谷リバーストリートというプロジェクトが渋谷区と民間事業者とで立ち上がり、川沿いに約600メートルの遊歩道を整備、人がにぎわう空間に生まれ変わりました。資料8をお願いします。(資料投影)その遊歩道にアーバンファーマーズクラブというNPO法人がこのような大きなプランターを幾つか設置し、様々な種類の野菜を育てています。また、近くには木枠のコンポストを設置し、半年で約2トンの渋谷区の生ごみを堆肥にしたそうです。資料9をお願いします。(資料投影)収穫したブドウでワインを作り、ルッコラを使い、サンドイッチを作るイベントなどを開催しています。実はアーバンファーマーズクラブには400名ものメンバーがいて、道玄坂の屋上や原宿、恵比寿にも畑や田んぼを栽培するなど都内で活動を広げています。
資料10をお願いします。(資料投影)こちらは日本で一番小さな植物園、渋谷区ふれあい植物センターという区の施設です。渋谷区の中心にありながら、魅力に乏しく、来園者が少なかったため、昨年7月に指定管理者制度に変更、先ほどのアーバンファーマーズクラブが選定されました。資料11をお願いします。(資料投影)その後、生ごみ堆肥を使った育てて食べる植物園をコンセプトとして生まれ変わり、サクランボからコーヒー、マンゴーまで市民ボランティアが中心となり育てています。2階のカフェでは園内のハーブを使ったおいしいピザを提供していて、視察に訪れた日は満席でした。資料12をお願いします。(資料投影)屋上ではラベンダーや日本茶、ホップを栽培し、渋谷産の地ビールまで作っています。地元の人たちにいかに主体的に関わってもらえるかを常に考えているそうで、本市の植物園においても参考になる事例だと思います。
次に、神戸市では2つの事例を視察してきました。
資料13をお願いします。(資料投影)100年もの歴史がありながら、空き店舗が増え、衰退しつつある灘中央市場を、まちづくりを担当するNPOと市の職員がチームをつくり、20年以上放置された空き地に市場と畑が融合したいちばたけを開設しました。資料14をお願いします。(資料投影)視察に行った日は真夏の暑い日でしたが、トマトやイチジクの実がたくさんなっていました。1区画、毎月2,500円を支払えば、いちばたけファーマーズとして作物を育てることができます。資料15をお願いします。(資料投影)このように、そうめんの空き箱を活用してバジルを育てたり、子どもたちが野菜の競り市に参加するイベントを企画するなど、開設以来、地域住民と商店主との交流が増え、市場にこれまで来ていなかった子育て世代も来るようになり、活気が戻ってきた上に、農業に関心が高い若い世代の参加も増えたそうです。商店街における空き地の利活用としてよい事例だと思います。
資料16をお願いします。(資料投影)次に、川沿いの公園の一部をウジャマー菜園というコミュニティガーデンとして活用している事例を御紹介します。資料17をお願いします。(資料投影)かつて不法投棄が多く、人が立ち寄らない閑散とした公園をどうにかせねばと、公園を管理してる部局と農業を活性化したい部局の利害が一致し、実証実験として公園の一部をコミュニティガーデンにすることが決まり、公園の清掃に従事していたNPOがそのまま畑の運営に携わることになりました。道具は現地で借りることができるので、仕事帰りに手ぶらで行けます。月4,000円で利用できる区画は利用者でいっぱい、月に2度、講師として来てもらっている農家さんには月額1万円を支払っていますが、菜園は補助金に頼ることなく自走運営できています。資料18をお願いします。(資料投影)子育て世代から高齢者まで畑を中心とした新たな交流が生まれ、毎日水やりに来てくれる近所の方など自然と関わる人が増えてきていて、スイカができるほど立派な畑となっています。資料19をお願いします。(資料投影)これで最後です。さらには、公園の管理を自主的に行うことで業者に支払っていた維持管理費の削減となり、浮いた経費でバスケットゴールを設置。子どもたちが集うにぎやかな公園になったとのことです。投影ありがとうございました。
このように、ウジャマー菜園では人がにぎわう公園になった実績が認められ、実証実験後も継続して畑として運用されていますが、神戸市では他にも同様の手法により、2つの公園をエディブルパーク、いわゆる食べられる公園として運用しています。
そこで、本市においても、利用率が低く、ただ維持管理費のみがかかっている公園であれば、町内会や愛護会が承認した場合に公園の一部をコミュニティガーデンにすることはできないのか、所管している住宅都市局にお尋ねします。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 福岡市では、公園条例第5条第3号において、竹木を伐採し、または植物を採取することを禁止事項として定めていることから、公園内での農作物の栽培や採取については、適切な運用ルールを定めた一部の公園についてのみ認めているところでございます。公園の管理運営につきましては、これまでも各公園の特性や利用状況などに応じ、適切に行ってきたところでございますが、今後とも多様な利用者ニーズ等を踏まえながら、他都市の事例等も参考にしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) はしだ和義議員。
○47番(はしだ和義) 適切な運用ルールを定めた一部の公園についてのみ認めているとは、具体的にどの公園で、どのような運用ルールなのでしょうか、状況についてもお答えください。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 一部の公園とは、公園条例に定めるかなたけの里公園と花畑園芸公園の2公園でございます。そのうち、市民に区画の貸出しを行っているかなたけの里公園の農業体験農園の例で申しますと、利用期間や畑の管理方法、肥料や資材の使用方法などを定めた上で利用者は公募しております。これまでも運用ルールに基づき多くの市民に親しまれており、令和6年8月末時点で109区画全てが利用されているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) はしだ和義議員。
○47番(はしだ和義) 一昨日、その109区画全てが利用されているかなたけの里に行き、畑作業をしている方にお話を聞きましたが、栽培できる野菜が区画ごとに決められているなど、きちんと管理されている印象を受けました。しかし、都心からはかなり離れています。もし都心の身近な公園でコミュニティガーデンが実現できれば、これまでになかった新たな地域コミュニティの場づくりはもちろん、被災時における食料の一部確保にもつながります。本市が積極的に進めている一人一花運動は、人のつながりや心を豊かにし、まちの魅力や価値を高めるとてもすばらしい取組ですが、この際、自らが食べる野菜は自らが作る一人一野菜運動として公園の一部を実証実験で畑にしてみてはいかがでしょうか。きっと様々な効果が検証できると確信しています。
また、先ほどの渋谷区ではまちの活性化を所管する部署が、神戸市では農業を振興する部署が主体的に関わっていることからも、コミュニティガーデンによる効果は多岐にわたることを示しています。
そこで、農業を振興する立場である農林水産局としてコミュニティガーデンの取組についてはどのように捉えているのか、御所見をお伺いします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) コミュニティガーデンの取組につきましては、地域のコミュニティづくりのほか、市民が花や野菜作りを通じて農産物への関心を高め、農業への理解を深めていただける機会になるものと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) はしだ和義議員。
○47番(はしだ和義) 先日、北崎の農家さんの集まりに参加した際、畑の所有者が亡くなってしまったら後を継ぐ人がいないと、担い手不足から衰退しつつあるリアルな現状をお聞きしました。
そこで、市内に2か所あるリフレッシュ農園の利用状況と併せて、生ごみ堆肥の活用についてもお尋ねします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) リフレッシュ農園の利用状況につきましては、令和6年7月末現在で今津リフレッシュ農園は306区画中299区画、立花寺緑地リフレッシュ農園は172区画の全てが利用されております。また、生ごみ堆肥の利用につきましては、今津リフレッシュ農園内の来園者が収穫体験できる畑において指定管理者が野菜等を栽培していることから10月に使用することとしております。また、リフレッシュ農園の貸し農園での活用につきましては、今後、一定量の生ごみ堆肥を確保できた時点で農園を利用されている市民の皆様に活用いただけるよう周知を図ってまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) はしだ和義議員。
○47番(はしだ和義) リフレッシュ農園の利用率について、今津は98%、立花寺では100%と、実は趣味の一つとして作物を栽培してみたいという市民のニーズはとても高いものの、土地の確保が困難な理由からも、これ以上リフレッシュ農園を増やすことは到底望めません。もしコミュニティガーデンの取組を広げることができれば、より自宅から近いところで野菜を育てる喜びや難しさ、そして、生ごみが資源として循環する学びを体感できます。さらに、その季節に育つ野菜をいただけることのありがたさを知ることで一人でも多くの市民が農業従事者を支援する気持ちになったらすばらしいですし、幼少期にコミュニティガーデンを体験することで農業に関心を持ち、将来は農家になる夢を持つかもしれません。
そこで、農林水産局としてコミュニティガーデンを支援することはできないのか、御所見をお伺いします。
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) リフレッシュ農園のほか、農業に関心を持つ市民を農家に紹介する農の応援事業につきましても、作物の栽培に必要な知識や技術を習得していただける場であることから、これらの周知に努め、活用していただくことでコミュニティガーデンの支援につなげてまいりたいと思っております。以上でございます。
○議長(打越基安) はしだ和義議員。
○47番(はしだ和義) コミュニティガーデンで作る無農薬野菜はとてもおいしい反面、野菜作りに必要な知識や技術の習得が不可欠です。実際に私自身の畑においても、長雨や手入れ不足によりジャガイモが不作となったので、難しさを実感しています。先ほど答弁いただいた農の応援事業の活用をはじめとした今後の支援に期待をしています。
本市では、環境局として立ち上げに関する支援を行うこととなっていますが、他都市の事例を参考に地域コミュニティやまちの活性化、農業を知る機会の創出など様々な効果を捉えていただき、局を横断して支援の輪を広げることが重要だと思います。
昨今のニュースにもあるように、温暖化という気候変動による米や野菜の不作に加え、海外の社会情勢による肥料、燃料等の高騰に伴う物価高が深刻な社会問題となっています。さらに追い打ちをかけるように生産者が減少している現状からも、当たり前にスーパーに100円台で並んでいるたくさんの野菜が当たり前では買えない時代が来るのではないかと危惧しています。
一方で、Z世代は気候変動やSDGsに対して関心が高く、環境活動にも積極的であることは、私がふだん関わっている学生を見ていても実感しますし、頼もしくも思います。将来を担う若い世代がコミュニティガーデンの取組に関わることで、環境と食、さらには人とのつながりを学ぶとても有意義な機会であることは間違いありませんし、持続可能な社会の実現に近づきます。
最後に、このように様々な効果が期待されるコミュニティガーデンについては各局が連携して推進していくべきであると考えますが、島市長に御所見をお伺いし、私の質問を終わります。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) コミュニティガーデンにつきましては、環境負荷を軽減し、また、都市の発展を持続させる福岡市循環型社会システムの構築に資するだけでなく、地域コミュニティの活性化やにぎわいの創出、若い世代が食や農業の大切さを知る機会につながるなど様々な効果が期待される取組であると考えております。このため、今後、関係部局が連携をしながら、コミュニティガーデンを活用した社会課題の解決を図るなど人と環境に優しい持続可能な都市づくりに取り組んでまいります。以上です。
○議長(打越基安) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ)登壇 私は、子どもの権利を守る教育について質問いたします。
子どもの権利を守ることを目的とした法律、こども基本法が昨年4月1日に施行され、子どもを権利の主体とし、権利を保障する総合的な法律が日本でやっとできました。子どもの利益を一番に考え、子ども関連の取組を国の中心に据えることが重要だという認識が高まってできた法律で、国、自治体のなすべき重要な役割があります。
そこでまず、こども基本法の第1条目的の内容の説明と、その目的に対する本市の御認識をお伺いします。
以降の質問は自席にて行います。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) こども基本法第1条には、次代の社会を担う全ての子どもが生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健やかに成長することができ、心身の状況や置かれている環境等にかかわらず、その権利の擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指し、子ども施策を総合的に推進することが規定されております。これを踏まえ、社会全体で子ども施策を総合的に推進する必要があると認識しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現、これが大事です。
施行から1年半がたちました。子ども施策を決める上で大切な6つの基本理念が掲げられていますが、市民一人一人に理念が浸透し、子ども施策が実践、実行されて、未来を担う大切な存在で権利の主体である子ども自身が体感、実感できることが最も重要なことです。そのためには、教育が担う役割はとても大きなものです。
そこで、教育委員会では福岡市教育振興基本計画を策定されていますが、現行の第2次計画で定めている子どもの人権感覚の育成について伺います。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 現行の教育振興基本計画では、豊かな人権感覚と道徳性の育成を施策の一つに位置づけ、児童生徒が発達段階に応じ、人権の意義、内容や重要性について理解し、自分の大切さとともに、他の人の大切さも認め合うことができ、それが様々な場面や状況下での具体的な態度や行動に現れる人権教育の取組を図るとしてございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 第3次計画の検討中と聞いていますが、次期計画の人権感覚の育成の位置づけについて伺います。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 次期教育振興基本計画の内容につきましては、これから検討を深めてまいりますが、豊かな心の育成を施策の一つとして位置づけることを検討いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) では、小中学校での人権教育の機会と具体的学習についてお尋ねします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 学校における人権教育は、各教科や道徳、特別活動の時間など、学校の教育活動全体を通して実施いたしております。道徳では、人権読本「ぬくもり」を活用するなどし、誰に対しても差別や偏見を持つことなく、公平、公正に接することなどについて考える学習を行っております。また、特別活動では、学級活動でお互いのよさを見つけ、違いを認め合うことの大切さなどについて考える学習を行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 自分が認められた存在であるといった自尊感情がしっかり育てば、自他ともに認め合い、思いやる心が育まれ、表面化したいじめだけではなく、水面下で起こるいじめに関してもおのずと減ってくるのではと考えます。人権教育の積極的な推進を図る教育が絵に描いた餅では、子どもにとっても、関わる大人にとっても実感できる場とはならないと考えます。学ぶ機会を創出する大人が理念に対する意識を高め、社会全体に定着してこそ人権感覚の育成ができると考えます。ぬくもりのある教育活動となるよう人権教育全般の取組強化を求めます。
次に、プライバシーや個人情報は個人の人権そのものですが、昨今、個人情報保護に関わる社会の問題、課題は山積しています。
そこで、学校では多くの児童生徒の個人情報を扱っており、子どもの人権を守る観点からも個人情報の管理を徹底する必要があると考えますが、対応について伺います。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 教育委員会では、個人情報の保護に関する関係法令や全市的な個人情報の取扱いを定めた福岡市個人情報保護事務取扱要綱に基づき福岡市立学校個人情報取扱要領を作成し、学校において適切に個人情報の管理を行っております。さらに具体的な手続を分かりやすく解説したマニュアルを作成し、個人情報管理の徹底を図ってございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) マニュアルがあるだけでは意味がありません。
では、個人情報の管理についてどのように周知徹底が図られているのか、伺います。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 教育委員会では、学校において適切に個人情報の管理、取扱いがなされるよう、毎年度当初に文書による通知を行うとともに、個人情報に関する取扱いが変更になった場合などは適宜必要な周知を行っております。また、学校においては、個人情報の管理や情報セキュリティーなどに関する校内研修を適宜行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) では、DV回避をはじめ、様々な事情で当該校への在籍が知られたくないなど、特に個人情報について配慮する児童生徒がいる場合に各学校でどのように対応しているのか、伺います。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 各学校では個人情報の取扱いについて、年度当初に全ての保護者に説明し、承諾を得るようにしております。また、配慮が必要な児童生徒の保護者に対しては、個別に面談を行い、丁寧に対応いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 昨年、学校安心メールを利用してワクチン治験の広告が流れた問題がありましたが、今年度の見直しと運用について伺います。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 全ての市立小中学校及び特別支援学校におきまして、広告のないメール配信サービスを運用いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 学校からの安心情報と勘違いさせ、子どもへの治験接種をお金で誘導し、その広告からアンケートに進むと生活保護か否かの質問があるなど大問題だと昨年指摘しましたが、一応広告なしの運用とのことです。しかし、情報漏えいの懸念が残ります。教育委員会の責任ある運用を求めます。
また、自衛隊への本人の同意のない名簿提供との関連で伺います。在校中、学校で保護されていたセンシティブな情報は、18歳となったとき、提供対象者とされていたのか、閲覧の時期も含めて伺います。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 自衛隊への募集対象者情報の提供につきましては、住民基本台帳事務におけるドメスティックバイオレンス、ストーカー行為等、児童虐待及びこれらに準ずる行為の被害者保護の支援措置の対象者は除外しております。また、過去に住民基本台帳の一部の写しの閲覧により対応していた際も同様の措置を講じていたところでございます。以上です。
○議長(打越基安) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 配慮が必要な児童生徒が住民基本台帳制度における支援措置の対象者となるためにはどのような手続が必要なのか、伺います。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 支援措置の手続につきましては、ドメスティックバイオレンスやストーカー行為、児童虐待などによる被害について各相談機関に相談を行った後、住民票のある市区町村へ住民基本台帳事務における支援措置申出書を提出していただく必要がございます。以上です。
○議長(打越基安) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) この手続、不安を抱えている方々がちゃんと手続できていたのかどうか、縦割り行政では確認されず、把握すらできていません。ここまでの手続が必要なことを知らない方も多く、閲覧や同意なき個人情報が提供され、心情への配慮はできていない状態だと指摘いたします。閲覧除外ができることを保護者や本人に周知し、個人情報を守ることの徹底、手続の簡素化を強く要望いたします。
こども基本法は、国連総会において批准されている児童の権利に関する条約の4原則となる差別の禁止、生命、生存及び発達に対する権利、児童の意見の尊重、児童の最善の利益であります。日本は国際的に通用する個人情報の取扱いにすべきで、法に反しない全般的な市政運営をされるよう強く求めます。また、こども基本法は、子どもの養育を行う大人や社会環境についても規定し、策定されています。
そこで、小中学校における平和教育について所見を伺います。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 平和の大切さについて学ぶことは国際社会の中を生きる児童生徒にとって大変重要でございまして、全ての小中学校において、福岡大空襲をはじめ、広島、長崎への原爆投下や沖縄戦などを題材に平和に関する学習を行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 戦争の悲惨さ、歴史として現実にあったことを学ぶ機会は、二度と悲劇を起こさないために重要です。目を背けず、丁寧な学びの場の確保を求めます。
子どもたちが健やかに育つため、また、福祉のための予算も人も足りていない中、戦争ができる国へと法律を変え、防衛費に多額の予算をかけている政府ですが、一たび戦争になれば終わらない事態だと子どもたちもニュースなどを見て感じ、胸を痛めて、不安でたまらない状況にあると思います。平和な社会があってこそ、子どもたちは自由に夢や希望を描くことができます。後の人生に大きく影響することを懸念します。戦争に行かせるようなことをしない市政運営を求めます。
今回、子どもの権利を守る教育現場の施策や実態等について質問を行いました。子どもたちの成長や心の変化など、現場の先生方は敏感に感じておられることと思います。社会全体の理念の浸透のためには、やはり子どもの権利条例が必要で、つくる過程も重要だと考えます。
質問の冒頭でこども基本法の目的に対する本市の御認識についてお尋ねしましたが、最後に子どもの権利条例の必要性について、本市としての御所見を伺います。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市では、平成12年に初めて策定した子ども総合計画から現在の第5次計画まで一貫して基本的視点の1番目に子どもの権利の尊重を掲げ、施策を推進してまいりました。今後とも、こども基本法及び子ども総合計画に基づき施策を推進するとともに、様々な機会を捉え、子どもの権利の普及啓発などに取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 思春期は精神症状や行動上の問題が現れやすい時期で、その経過は多様で複雑と言われています。意思表明力が弱いと自傷、希死念慮を抱くリスクが高くなるといった東京大学等の研究があります。子どもの権利軽視は、大きな社会問題となっている少子化の原因につながっているという指摘もあります。社会活動に参加できること、自分の意見を言えること、意見の尊重は、こども基本法の基本理念に掲げられているように重要です。深い自己肯定感である自己受容感も必要です。最後の御答弁から子どもの権利条例を策定しない理由はないと捉え、条例制定を求めます。そして、教育と人に予算をかけ、子どもたちを真ん中にしたまちづくりを力強く具体的に進められることを要望し、私の質問を終わります。
○議長(打越基安) 新開ゆうじ議員。
○14番(新開ゆうじ)登壇 今日は国が進める資産運用立国実現プランに基づき、福岡市が指定を受けた資産運用特区──資産運用特区というと、いわゆる金融資産の運用による所得の倍増ということで、通常というか、家計の勤労所得の倍増と、それとは違うということで分かりにくいところもあるんですが、この資産運用特区についてお尋ねすることで、いろんな課題が見えてくるだろうということで、今日はそれについて質問をさせていただきます。
まず、金融・資産運用特区に福岡市が名のりを上げた目的、それから、福岡市として何を目指しているのかをお尋ねして、2問目以降は自席にて行わせていただきます。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 金融・資産運用特区は、資産運用立国実現プランにおける資産運用業の改革の主要施策の一つとして創設され、国として自治体が協働し、国内外の金融・資産運用業者を集積させ、その高度化と競争力の強化を促進することとされているものでございまして、金融・資産運用業者の集積や当該業者が地域の成長産業を育成、支援しやすい環境を整備する観点から取組を進めることとされております。
福岡市においては、特区の活用を通して、産学官によるオール福岡の推進組織TEAM FUKUOKAによる国際金融機能誘致の取組を加速させ、国内外の金融・資産運用業等の集積を図ってまいりますとともに、その効果が地域経済に波及するよう努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新開ゆうじ議員。
○14番(新開ゆうじ) これは貯蓄から投資へということで、家計資産2,000兆円を超えるというものを現預金の部分で投資に回していこうということでの、あくまで先ほどもお話ししましたけれども、金融資産の運用に係る所得の倍増ということが目的なんですね。
私個人としては、その前に本来は家計の勤労所得を増やすことが先であると思っているんですが、それはちょっとここでは別として、そこで、今年5月に金融商品取引、投資信託、投資法人に関する法律の一部が改正されているわけですが、この法律改正の概要、そして、この改正によって福岡市とどう関連してくるのかについてお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) お尋ねの金融商品取引法等の一部改正法の概要については、投資運用業者の参入促進を目的とした投資運用業の登録要件の緩和や非上場有価証券の流通活性化を目的とした第一種金融商品取引業の登録要件の緩和などとなっております。福岡市としては、投資運用業者の参入促進や非上場有価証券の流通活性化によるスタートアップ等の資金調達の多様化が図られることは、福岡市が進める国際金融機能誘致やスタートアップ企業の成長支援に資するものと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新開ゆうじ議員。
○14番(新開ゆうじ) スタートアップ企業への資金調達の強化ということで、いわゆる非上場有価証券の流動が活性化するということは大変いいことだと思っています。ただ、同時にプライベート・エクイティー・ファンドですね、いわゆるスタートアップのような未上場企業に投資をして、経営に関与して企業価値を高めると。その上で、IPOや売却によって利益を得ることを目的としている、いわゆるこのプライベート・エクイティー・ファンド、こういったものがかつてのハゲタカではないですけれども、日本の中小企業を買収していくということで、この福岡から日本の技術、特許という、こういったものが国外に流出していくリスクもあるのではないかというふうに思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 国において、外国為替及び外国貿易法に基づき、外国投資家が国の安全等の観点から指定される業種を営む企業に対して投資等を行う場合、財務大臣及び事業所管大臣に事前届出を行う必要がある制度が設けられているところでございます。また、金融商品取引法等の一部改正は国内全てにおいて適用されるものでございまして、金融・資産運用特区の指定区域内に限定されているものではございません。以上でございます。
○議長(打越基安) 新開ゆうじ議員。
○14番(新開ゆうじ) どうしてこういう質問をさせていただいているかということで、この資産運用立国実現プランに至るまでのちょっと大まかな経緯を申し上げたいと思うんですけれども、例えば、自由化という名の下で、1998年に外為法が改正されていますね。そのときに、日本人や日本企業が自由化という中で海外に投資ができるようになったと。同時に、外国人や外国資本も日本に投資ができる環境になったわけですね。その後は御承知のとおりで、郵政民営化、これで約300兆円と言われた郵貯、簡保の資金が民営化されたことで外資に開放されたと。その後も成長戦略という名の下で対日直接投資、これを進めることで、現在、我が国では東証プライム市場で時価総額約1,000兆円と言われています。その3割が今は外国資本投資家になっているわけですね。
ソニーなんかは、私が小さい頃は井深さんとか盛田さんとか、そういう創業伝を読んで、日本の企業というようなイメージがあったんですけれども、今は外国人投資家比率58%です。それから、日本の土地がよく爆買いされているとかということで問題になったりしていますけれども、デベロッパー、大きい三菱地所、ここなんかは今43%が外国人投資家です。あそこは、丸の内は三菱商事とか三菱地所と言われるぐらい──ということは、約4割以上のものが、あの丸の内辺り一帯は外国人のものだというふうに私は捉えるわけですね。それから三井不動産、これもメガデベロッパーですけれども、これは今、外国人投資家比率が51%です。ですから、三井といえば御承知のとおりで、ほとんど日本橋、あの辺りがもう既に半数以上は外国人のものになっているというような見方を私はするわけですね。
ですから、90年代後半からの二十数年で、もっと言えばそれ以前からなんですけれども、時間をかけて規制を緩和してきて、資本という部分では、日本の大企業は今、外国人投資家の企業へと変わっていっていると、そういうふうに私は見ているわけで、今回の資産立国実現プランの推進によって、次は大企業から中小企業、スタートアップのような金の卵、こういったものが同様の状況になってくると、そういうことも考えられるわけで、企業のオーナーが外国人投資家へと変わっていけば、当然国のテーストも変わってくるでしょうし、グローバルという名の下で、こういう福岡、博多の文化もまち並みも次世代に残していかないかんという価値観、こういったものも失われていくのではないかと、そういう視点で私は危惧しているところがあるわけです。
そもそもこの資産運用立国実現が目指すものは、いわゆる金融資産による所得の向上を目指すもので、さっきから言っているように勤労所得の向上とは違うので、本来視点が違うというのは、百も承知なんですけれども、この所得の向上という視点からもやっぱり考えなければいけないのではないかと。例えば、財政法の4条を改正して、今、建設国債だけですから、民間の資金で今やっているように、同じように国債でイノベーション、イノベート関係に国債が発行できるような改正も必要だと。同時に合わせ技でやっていかないと、やっぱり民間だけに任していくと御承知のとおりで、どうしても格差の拡大というものは止められないというふうなことが私は課題であろうと思っているわけです。
いずれにしましても、資産運用で所得の向上を目指すと、金融資産の所得の向上を目指すということであれば、国民、福岡市民のまずは金融リテラシー、これが何よりも先に必要なことではないかというふうに思うわけですが、この金融経済教育、金融リテラシーの向上に対する福岡市の見解をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 金融経済教育につきましては、国において法律に基づく中立、公正な認可法人として金融経済教育推進機構が令和6年4月に設立され、金融リテラシーの向上に向けまして、中立な立場で金融経済教育を提供する取組が8月から本格的に始められたところでございまして、その取組を注視してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新開ゆうじ議員。
○14番(新開ゆうじ) 法改正の附帯決議の中でも、投資者保護の視点から金融経済教育の重要性というものがうたわれているわけですから、この点も全国に先駆けて福岡からしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思っております。
それから、投資運用についても、これは日本人の日本人による日本人のための資産運用であれば特に私もいろんなことを危惧しないんですけれども、そうではない。当たり前の話ですけれども、彼らは日本人の資産や福岡市民のために資産運用をするのでも投資をするのでもなく、あくまで彼らの利益を上げるために私たちの資産を運用するわけですから、そういう意味でも本当に金融リテラシーの推進というのは、急がれることだと思っていますので、ぜひその辺はしっかりとよろしくお願いいたします。
それから、今年決算でトヨタなんていうのは過去最高益で、6月に5兆円超えということを発表しました。今、過去最高益を各大企業が出しています。円安の効果とか、いろいろあるんですけれども、ただ、賃金は上がっていないんですよ。御承知のとおりで、実質はマイナス、過去最長です。何を言いたいかというと、要は企業が利益を上げてもトリクルダウンは起こらないということなんです。これは二十数年の動きの中で証明されているわけです。
ですから、申し上げているように、この金融資産の運用を活用して所得を上げるということと、そもそも福岡市としても考えなければいけない所得の倍増を考えていくということは、これは似て非なるものであるということを前提に、私は最後に、今、福岡市が都市の成長によって質の向上というものを目指してあるわけですから、所得の向上にはつながらないのが今の金融政策ですから、それも踏まえた上でしっかりと生活の質の向上の部分を引き続き取り組んでいただきたいということをお願い申し上げて、私の質問とさせていただきます。
○議長(打越基安) 坂口よしまさ議員。
○13番(坂口よしまさ)登壇 教育という分野は極めて難しいと、最近、特にそう感じています。では、何が難しいのか。個人的に感じる点を4つ挙げたいと思いますが、まず1つ目、どの段階まで、どこで何を学んだかは人それぞれですが、この国ではすばらしいことにほとんどの人が学校教育を経験しており、それゆえ、誰しもが教育については一家言、つまり、その人独自の意見や主張を持っているということ。
そして2つ目は、学校教育には関係者が非常に多いということ。学校教育の主役である子どもたちだけではなくて、その保護者や地域の方々、教職員や教育委員会、我々議員もその末席に加えるとしたら関係者の裾野はもっと広がりますが、関係者が多くなればなるほど様々な思惑が絡んでくることになります。
さらに言えば、これが3つ目に当たりますが、その関係者のうち、特に教育行政に影響力を持つ立場にある人間は、往々にしてこれまでの画一的な教育の下で成功を収めてきた人たちであり、これが教育を抜本的に改革しようとするときの目に見えない障壁にもなっています。
最後の4つ目は、芽が出るまでに時間がかかるということ。未来への投資という観点から予算を充てたとしても、その成果が出るまでには、場合によっては数年あるいは数十年単位の時間がかかりますので、目に見える成果がすぐには得られないがゆえに必要な予算が回されにくいという側面もあります。
ここまでるる申し上げたように、それほどに難しい分野でありながら、国の趨勢を左右する極めて重要な分野がこの教育という分野です。国を滅ぼすのに武器は要らない、教育を駄目にすれば国は50年で滅びるという言葉を耳にしたことがありますが、それほどに教育は重要なものです。そして、極めて難しく、重要な分野であるからこそ、それを改革しようとするときには、改革のビジョンを明確に示し、全ての関係者が共有して同じ方向を向いて取り組んでいくことが非常に不可欠です。
そして、まさに本市における教育行政の指針となるものが福岡市教育振興基本計画ですが、令和7年度からの5年間を対象期間とする第3次基本計画の策定に向けた議論について、ちょうど今年度行うことになっていますので、その細かい内容については今後の委員会の中で議論するとして、本日はその新しい計画の根本的な在り方についてお尋ねをしたいと思います。
初めに確認したいのは、この教育振興基本計画、長いので、ここからは単に教育計画と呼ばせてもらいますが、その位置づけについてです。
この教育計画は誰のためのものなのか。もう少し具体的に言うならば、この教育計画は誰が何のために参照することを想定して策定されるものなのかという観点から、この教育計画の位置づけについて、まずは御説明をお願いします。
以降の質問は自席にて行います。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 教育振興基本計画は、教育基本法において、地方公共団体における教育の振興のための施策に関する基本的な計画とされてございます。福岡市におきましても、市立学校における取組を中心とし、家庭、地域の取組も含めた教育に関わる分野について、関係する全ての方々に対して基本的な考え方や方針を示すものとして策定いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 坂口よしまさ議員。
○13番(坂口よしまさ) 教育計画は、教員や教育委員会が見るためだけのものではなくて、教育に携わる全ての人のためのものであると。そうであるならば、次期教育計画は、その内容もデザインも大幅につくり変える必要があります。なぜならば、現行の教育計画、こちらの緑の冊子(現物表示)ですが、全89ページにもわたり、文字の量も情報量もかなり多く、子どもや保護者など様々な立場の人が内容を理解する上で見やすい、分かりやすいものになっているとはなかなか言えないからです。
この点に関し、国においては、全国共通の教育課程の基準として学習指導要領を定めていますが、現在の学習指導要領の改訂時には中央教育審議会から学習指導要領等の改善に関する答申が出され、その中で改善の方向性として、学習指導要領等の枠組みの見直しについて言及されていると思います。その内容についてお示しください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 議員御指摘の中央教育審議会の答申では、学習指導要領等の枠組みの見直しとして、これからの教育課程や学習指導要領等は、学校教育を通じて子どもたちが身につけるべき資質、能力や学ぶべき内容などの全体像を分かりやすく見渡せる学びの地図として、教科等や学校段階を超えて教育関係者が共有したり、子ども自身が学びの意義を自覚する手がかりを見いだしたり、家庭や地域、社会の関係者が幅広く活用したりできるものとなることが求められているとされてございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 坂口よしまさ議員。
○13番(坂口よしまさ) 身につけるべき資質能力や学ぶべき内容などの全体像を分かりやすく見渡せる真実の地図と。国レベルの大方針を示す学習指導要領でさえ、そのような在り方が求められているのであれば、より学校現場に近い本市の教育計画についてはなおさら、子どもを含めた全ての関係者にとって分かりやすいものにすることが求められています。とりわけ、学校教育の主役である子ども一人一人にとって、学校が自らの将来や身の回りの社会とのつながりを実感しながら、主体的に学び続ける力を養っていく場所であるということが分かるようにすることが非常に重要です。
往々にしてこういった計画の策定に係る議論においては、あれも入れるべし、これも入れるべしという声が多方面から上がってくることが珍しくありませんが、これまでの委員会審議の中で、この教育計画はあくまでも方針を示すものであり、この計画に記載がないからといって何かをできないということはないし、逆に言えば、この計画に全てを盛り込まなければいけないわけではないということを確認したとおり、次期教育計画については、本市の教育行政の方針を示すものであるという言わば原点に立ち返って、力強い教育改革のメッセージが伝わるように、なるべくシンプルに、そして、学校教育の主役たる子どもたちをはじめとする全ての関係者にとって分かりやすい内容やデザインにするという方向性で策定に向けた検討を進めるべきと考えますが、石橋教育長の御所見をお伺いします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 次期教育振興基本計画につきましては、福岡市の教育の道筋を示す指針として策定することといたしておりまして、議員の御指摘のとおり、子どもを含む全ての関係者に内容を御理解いただけるように努めていくことは大変大切なことであると考えております。
計画の内容につきましては、これから検討を深めてまいりますが、計画の趣旨が明確に伝わるように構成を体系的に整理するとともに、文章や体裁をより分かりやすくし、また、策定後は概要版を作成するなど、多くの関係者の皆様に御理解いただけるように工夫してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 坂口よしまさ議員。
○13番(坂口よしまさ) ぜひその観点を反映させた教育計画にしていただきますように強くお願いをしておきます。
ここ福岡市から直線距離で約600キロメートル離れたところにある消滅可能性都市の一つにも数えられた人口約6.3万人の石川県加賀市では、市長の「教育は、未来への投資。人材育成は一丁目一番地」という強い思いもあり、昨年1月に教育委員会が加賀市学校教育ビジョンというものを発表し、市内の小学校17校、中学校6校が同じ方向を向いて教育改革への挑戦を始めました。もちろん立てつけとして、教育委員会が所管する教育事務については市長の指揮命令が及ばないということは、これは重々承知していますが、そうは言っても、本市全体の基本計画と教育振興基本計画が密接に関係しているように、市長の強い思いというものが実際には教育行政の方針に少なからず影響するものだと思っています。
2月の当初議会での市政運営方針において、島市長はこのように述べておられました。「福岡市が、新たな取組に果敢に挑戦し、地方から日本を変えるロールモデルの役割を果たすこと、それが日本を最速で変えていく手法であると考えています」と。そのお考えについては、福岡からこの国を立て直すというモットーを掲げている私としても全く同感です。だからこそ、石川県加賀市のように福岡市のトップである島市長が強い思いを表明することは非常に重要であり、また、政令指定都市でもあるこの福岡市において教育改革が実現すれば、必ずやこの国全体を動かすことにもつながると、そう確信しています。
市政運営方針において市長は、子ども一人一人の可能性を最大限に引き出す教育を推進すると、そうおっしゃっていましたが、まさに子ども一人一人の可能性を最大限に引き出す社会の実現に向けた御決意を島市長御自身の率直なお言葉でもってぜひ改めてお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市の子どもたちには、自ら学び、そして、人や社会とつながりながら、様々な体験を通して生き抜く力を身につけ、そして、豊かな人生を切り開いてほしいと考えています。そのような子どもたちを育成していくために、現在、教育委員会と連携をして、一人一人の可能性を引き出す教育の推進に取り組んでいるところでございまして、今後とも、子どもたちが将来に夢を描きながら、心身ともに健やかに成長していけるまちづくりにしっかりと取り組んでまいります。以上です。
○議長(打越基安) 坂口よしまさ議員。
○13番(坂口よしまさ) ありがとうございます。
冒頭に申し上げた教育分野の難しさと重要性を踏まえると、次期教育計画において、どこまで抜本的な教育改革ビジョンをどれだけ明確に示すことができるのかが全ての関係者が同じ方向を向いて取り組んでいけるのかにつながりますし、ひいてはこの福岡市からこの国全体の教育を、未来を変えていけるかにもつながります。
ここにいらっしゃる皆様も含めた全ての関係者が、この機を逃したら福岡市の、この国の教育は大きく立ち後れるんだという、それほどの強い危機感と責任感を抱き、同時に、今こそ運命の分かれ道に立っているんだという自覚を強く持ってこれからの取組に臨んでいただくように強くお願いを申し上げて、本日の私の質疑は終わりたいと思います。
○議長(打越基安) 川口浩議員。
○52番(川口 浩)登壇 私は、クイーンビートルの運休に関して、福岡市民体育館の今後について、市民病院の建て替えについて質疑をさせていただきます。
まず、2024年8月14日、九州旅客鉄道株式会社さんからJR九州高速船株式会社における安全確保に関する重大な問題の発生という報告、発表がなされております。その概要は、2024年2月、船体への浸水が認められたにもかかわらず、国土交通省への報告を怠り、日々の異常の有無を報告する航海日誌、メンテナンスログ等に記載せず、別途浸水に関する管理簿を作成、さらに2024年5月、警報センサーの位置をずらしたというものであります。そういう記載で報告があっております。
北海道知床で悲惨な事故が起きたにもかかわらず、博多から釜山まで多くの観光客を運んでいるクイーンビートルが今回いろんな問題を起こされた中、市は港湾施設の使用を認可しているというだけでなく、しっかりしたメッセージを出すべきではないかと思います。市長のしっかりした答弁をお願いいたします。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて質問させていただきます。
○議長(打越基安) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 福岡市民をはじめとして数多くの方々の人命を預かる船舶でありながら、その安全がおろそかにされていたということは大変遺憾に思っております。この福岡−釜山間の航路は、日本及び韓国における文化、経済交流の中心的な役割を果たしており、非常に重要な航路でございます。現在、運航を所管している国土交通省による監査中と聞いておりますが、市といたしましては、JR九州に対して二度とこのようなことが起きないよう、また、安全をおろそかにすることがないよう強く申入れを行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 川口浩議員。
○52番(川口 浩) 港湾空港局は貸しているという立場ですね。やっぱり市長がしっかりここは答えるべきではないですか。──答え切らん。
○議長(打越基安) 答弁、いかがですか。竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 繰り返しにはなりますが、現在、既にJR九州及びJR九州高速船に対して安全をおろそかにすることがないよう強く申入れを行っており、今後、国土交通省による監査の結果が出た際には、また改めて強く市として申入れを行いたいと思っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 川口浩議員。
○52番(川口 浩) 観光行政とかを一緒にやっているパートナーですよ。こういうときに情報発信力のある市長がしっかりとした対応を取らなければ笑われますよ。しっかりメッセージを出されるように要求しておきます。
次に、福岡市民体育館の今後について、これまでの経緯、今後どのようにしていくのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 市民体育館につきましては、昭和47年に開館をいたしまして、施設の老朽化が進む中、総合体育館が九電記念体育館や市民体育館の後継施設として平成30年12月に開館をしたことなどから、同年の12月議会でその在り方について検討する旨を報告し、検討を行ってまいりました。
この結果として、令和元年12月議会において、施設の劣化状況や改修に必要な費用、利用状況などを踏まえて、第1競技場棟については総合体育館の開館後も大規模大会の会場としてのニーズは高く、地区体育館や民間施設などでは代替できないことなどを踏まえ、継続して利用することとし、第2競技場棟及び本館棟については他の施設でもサービス提供が可能であることなどを踏まえ、廃止とする方針を報告しております。この方針に基づき、令和3年9月から第1競技場棟の改修と第2競技場棟及び本館棟の解体工事を行い、令和4年5月に再開館をいたしたところでございます。
今後につきましては、引き続き必要な維持改修を行いながら継続利用しまして、将来の在り方については、施設の耐用年数や建て替えなどとなった場合の所要期間等も踏まえ、適切な時期に方針を定められるよう検討してまいりたいと考えております。以上です。
○議長(打越基安) 川口浩議員。
○52番(川口 浩) 経緯がちょっと不十分な気がしますけれども、九電体育館が使えなくなりますというときに、市民体育館も修繕すると十何億かかるので廃止という方針を出されました。そして、総合体育館にその機能を持っていくということで、急いで、九大跡地もあったのに、もっと使い勝手よかったかなと私は思っていますけれども、移転された。その後、指定管理5年しているところを、廃止だから、閉園だからということで3年でやったんですね。ところが、総合体育館ができたらすぐに足らなくなったと。何しとるんだ、市民局と。今の局長ではないけどですね。ということで、これはあなたたちの決裁文書にそのまま載っていますよ。廃止の方向と、総合体育館に持っていくんだと。ところが、建ったはいいが、市民体育館は利用が多いので、やっぱり改修しますということをされたわけです。これは終わった話なのでね、違っておったら後でまた文書を出してくださいね。私は、副市長がどうも違うような感じで笑われたので、気になりましたので、違っておったら出してください。
造ったはいいが、やっぱりニーズが多いと。これは終わっておるのであれですけど、今後これはしっかりね、もう今度70、60かな──ということで設定されます。それまでに新たな用地買収、土地も持っていたのを国に返して武道館が来ますけれども、建て替えをせないかんと、そういうことで検討されていくということでいいですか。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 市民体育館の将来の在り方につきましては、全市的な施設の利用状況やニーズを踏まえ、また、あと17年ほど残しております施設の耐用年数と建て替えなどとなった場合の所要期間、スケジュール等も考慮して、適切な時期に方針を定められるように検討してまいります。以上です。
○議長(打越基安) 川口浩議員。
○52番(川口 浩) またね、総合体育館を建てて、そこに持っていきますと言ったはいいが、金がかかるからということでそうしたのに、やっぱり使いますと、改修しますと。恥ずかしいことにならんようによろしくお願いしておきます。
時間もないので、次に市民病院の建て替えについてお尋ねします。
市民病院の在り方について、現在の検討状況はいかがなものか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 市民病院の在り方につきましては、令和4年10月の福岡市病院事業運営審議会への諮問以降、これまでに5回開催し、市民病院の役割と機能について取りまとめるとともに、施設、設備の現状と課題について検討を行い、現地での建て替え、増築に当たっては、医療の提供を長期間にわたり停止する必要が生じるなど課題が多いとの御意見をいただいたことから、現在は現地以外に整備する場合の病院の規模や場所などについて検討を進めているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 川口浩議員。
○52番(川口 浩) 病床の規模300床以上、400ぐらいにしたいのではないかということですが、どのような方法があるのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 病院規模につきましては、審議会において、医療機能の強化や新たな取組、経営の強化などのため、現在の204床から300床以上へ増床することが望ましいとされております。一方で、市民病院が属する医療圏は既存病床数が基準病床数を上回っている、いわゆる病床過剰地域となっており、単純な増床ができないことから、他の医療機関との再編等による増床を検討することについても、審議会から御意見をいただいております。国が公表しております再編等の方法の事例としましては、他の医療機関との統合や新たな法人の設立、医療機能の分化による病床再編などが紹介されており、これらの手法を参考に増床の検討を進めております。以上でございます。
○議長(打越基安) 川口浩議員。
○52番(川口 浩) 進め方において、うわさばかりあったりするんですね。もう決まっておるのではないかとか、私どももよく聞かれます。相手があることなのでね、大変と思いますけれども、私は移転先の選定に当たっては、現地からの近さだけでなく、周辺の医療環境や再編の状況も重要だと考えております。特に市のほうでは、まず200床というのが非常に経営的には厳しい。そして、不採算医療もしっかり担っていかないといけない役目があると思います。特にコロナもあった感染症医療とか高度救命医療、災害医療や高度専門医療等を進めていく中では、その分ベッドが取られますから、採算も厳しいし、入りたい方も入れられないと。やっぱり200というのは、よそを見ても非常に規模的には厳しいと。やっぱり私はここを大事にね、400床ぐらい。例えば、済生会さんで400弱ぐらいだったかなあと、近場では思いますし、もっと大きな病院もあると思います。やっぱりある程度の規模、400近くを目指すと。その中で、新たな病床は、福岡は飽和地区ということで新たには認められないということですから、別の病院と一緒にやるとか新たな法人をつくるということかもしれません。
では、そういった可能性とか、また、あの病院の周りにどういった救急とか受けていただける病院があるのかもしっかり市民側に示して、物差し、どういう決め方でどこに重点を置いて考えていきますよと。私は病床を増やすには、やっぱり民間も含めた新たな法人とか、ベッドをいただければいいんですけれども、買ったりするわけにはいかんでしょうし、また新たには許可が出ないわけですから、そこら辺の手法とか、どういう可能性がある、また、どういう場所が間に合うのかもありましょうから、相手もあることで場所は難しいと思うけれども、そこら辺をしっかり──やっぱり市民が、この物差しで決めて、ここになった。じゃ、こっちがいいと思っておる人もやっぱりそっちのほうがいいかなと思えるような、決まった後で本当この病院と一緒にここでこうしますというようなことにならんように、その過程をしっかり極力──全部というわけにはいかんと思います。相手がおる場合──示しながら決めていかないかんなと私は思っております。
まずは、そういった再編も重要と思うけれども、これについての所感をお願いします。
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 現在5か所の土地所有者にヒアリング等を行っているところでございますが、今後の移転先の選定に当たりましては、現地からの距離や面積などの土地の状況のほか、救急医療や地域医療などの周辺の医療環境や交通アクセスなどの利便性といった様々な視点から検討することが必要であると考えており、議員御指摘の再編等の検討状況につきましても、審議会において重要な視点として評価項目の検討がなされるものと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 川口浩議員。
○52番(川口 浩) 今5か所という中、7か所出されて、建て替えと、こども病院のときも遠くに移らざるを得ないことになりましたけれども、その中でいろいろな意見が出たと。できるならば周辺、東、博多。博多区にありますので周辺で、まだ場所は、それは今通っている方は、いろいろな思いのある方はおると思いますけれども、まずはしっかりと市民病院としての役割を果たす、民間でできない不採算医療だったり必要な医療、お金がかかってもこれは行政がやるべき部分の感染症医療のための備えや、高度救命救急や災害医療または高度の専門医療、ここら辺は大変採算は厳しいと思います。これをしっかり取り組むためにも、そういった規模感があって、まだ土地も全然、相手の了解も取っていない状況なんですね。その中で規模感をしっかり検討いただきたいと思いますが、市として市民病院をどのような病院にされていきたいと思うのか、再度お尋ねします。
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 市民病院につきましては、審議会において、感染症医療、災害医療、救急医療、高度専門医療などの役割を果たしていく必要があるとされております。特に新興感染症への対応や近年激甚化している災害への対応のほか、今後の医療ニーズの変化に柔軟に対応できる病院整備が必要であると考えており、これらの実現に向けて、福岡市といたしましては、審議会における検討内容やその後の答申を踏まえ、しっかり検討した上で市民病院の在り方について方針を決定してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 川口浩議員。
○52番(川口 浩) 最後になりますけれども、やはり市民が大変関心が高い、過去にはやっぱりこども病院で皆さん苦労された、いろいろな考え方の違いもあります。ですから、そういう誤解を招かないようなしっかりした進め方をお願いいたしまして、質問を終わります。
○議長(打越基安) 以上で一般質問を終結いたします。
本日の日程は終了いたしました。
次の会議は9月12日午後1時10分に開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午後3時45分 散会