令和6年9月5日(木)
令和6年 第4回 福岡市議会定例会
議 事 日 程 (第2号)
9月5日 午前10時開議
第1 一 般 質 問
本日の会議に付した事件
議事日程のとおり
出 席 議 員 (62名)
1番 おばた 英 達 2番 もろくま英 文
3番 淀 川 幸二郎 4番 稲 員 稔 夫
5番 鬼 塚 昌 宏 6番 堤 田 寛
7番 大 森 一 馬 8番 大 原 弥寿男
9番 今 林ひであき 10番 阿 部 真之助
11番 打 越 基 安 12番 堤 健太郎
13番 坂 口よしまさ 14番 新 開 ゆうじ
15番 とみながひろゆき 16番 田 原 香代子
17番 たのかしら知行 18番 石 本 優 子
19番 勝 山 信 吾 20番 調 崇 史
21番 川 上 陽 平 22番 津 田 信太郎
23番 古 川 清 文 24番 高 木 勝 利
25番 篠 原 達 也 26番 平 畑 雅 博
27番 伊 藤 嘉 人 28番 川 上 晋 平
29番 尾 花 康 広 30番 松 野 隆
31番 山 口 剛 司 32番 大 石 修 二
33番 和 田あきひこ 34番 あ べ ひでき
35番 大 沢 めぐみ 36番 木 村てつあき
37番 橋 口 えりな 38番 綿 貫 康 代
39番 前 野 真実子 40番 中 島まさひろ
41番 藤 野 哲 司 42番 新 村 まさる
43番 天 野 こ う 44番 堀 内 徹 夫
45番 森 あやこ 46番 福 田 まもる
47番 はしだ 和 義 48番 浜 崎 太 郎
49番 阿 部 正 剛 50番 倉 元 達 朗
51番 中 山 郁 美 52番 川 口 浩
53番 小 竹 り か 54番 勝 見 美 代
55番 井 上 ま い 56番 ついちはら陽子
57番 田 中 たかし 58番 山 田 ゆみこ
59番 近 藤 里 美 60番 落 石 俊 則
61番 田 中しんすけ 62番 池 田 良 子
欠 席 議 員 (0名)
説明のため出席した者
市 長 島 宗一郎 副 市 長 光 山 裕 朗
副 市 長 中 村 英 一 副 市 長 荒 瀬 泰 子
水道事業管理者 下 川 祥 二 交通事業管理者 小野田 勝 則
総 務 企 画 局 長 龍 靖 則 財 政 局 長 山 嶋 剛
市 民 局 長 舟 越 伸 一 こども未来局長 野 中 晶
福 祉 局 長 藤 本 広 一 保 健 医 療 局 長 藤 田 三 貴
環 境 局 長 中 村 卓 也 経済観光文化局長 鈴 木 順 也
農 林 水 産 局 長 姉 川 雄 一 住 宅 都 市 局 長 中 村 健 児
道路下水道局長 天 本 俊 明 港 湾 空 港 局 長 竹 廣 喜一郎
消 防 局 長 田 浩 輝 会 計 管 理 者 小 林 登茂子
教 育 長 石 橋 正 信 教 育 委 員 原 志津子
選挙管理委員会事務局長 中川原 敬 子 人事委員会事務局長 小 川 明 子
監 査 事 務 局 長 上 薗 久 美
職務のため出席した事務局職員
議会事務局長 久 田 章 浩 議会事務局次長 着 一 孝 議 事 課 長 水 ア 亮 二 議 事 係 長 實 政 伸一郎
外関係職員
午前10時 開議
○議長(打越基安) これより本日の会議を開きます。
日程第1、一般質問を行います。発言通告者のうちから順次質問を許します。勝見美代議員。
○54番(勝見美代)登壇 おはようございます。私は福岡市民クラブを代表して、自主防災機能の強化について、災害時におけるブロック塀、擁壁について、ステップファミリーについて質問します。
まず、自主防災機能の強化についてです。
先月末に台風10号が接近しました。今後も台風のみならず、災害はいつ起きるか分かりません。本市では今年6月に令和6年度福岡市地域防災計画が策定されましたが、初めに、福岡市地域防災計画策定の目的と概要についてお示しください。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 福岡市地域防災計画につきましては、災害対策基本法に基づき作成するもので、市域における防災活動の効果的かつ具体的な実施を図ることを主たる目的としております。同計画には、市や公共的団体等の事務または業務の大綱、災害予防、災害応急対策、災害復旧に関すること、それらの実施に要する労務、施設、物資、輸送、通信等に関することなどを定めております。以上です。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) では、市の防災計画は策定されていますが、地区別の防災計画の策定はされているのでしょうか。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 地区防災計画につきましては、防災訓練や災害時の相互支援など、地区内の住民や事業所等が共同して行う防災活動に関する計画で、地域の自発的な取組として作成されるものでございます。本市においては、各校区の自主防災組織や自治会、町内会、マンション等の単位で作成をされております。以上です。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) それぞれの地域が自発的に取り組み、各校区の自主防災組織や町内会などで作成されています。災害が発生したとき、いわゆる公助が届くまで、自助、共助というものがとても大切で、特に高齢化と単身世帯の増加が進む中、共助と言われる部分は防災の要でもあることから、地区防災計画に基づいた各校区の自主的な防災の取組は非常に重要です。
それでは、校区単位の自主防災組織の活動状況、目的、組織数、活動内容をお示しください。あわせて、地区防災計画を作成している校区数もお示しください。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 自主防災組織につきましては、地域住民が自分たちの地域は自分たちで守るという意識に基づき自主的に結成されるもので、令和6年4月開校の東区照葉はばたき小学校区を除く市内152全ての校区、地区で結成をされておりまして、そのうち151の校区、地区で地区防災計画が作成されております。主な活動といたしましては、平常時は地域内における災害リスクの確認や住民への防災知識の普及啓発、防災訓練の企画などを行っており、災害発生時には避難行動要支援者への支援や初期消火、被災者の救出、救助、情報収集、避難所の運営など、地域防災における重要な役割を担っていただいております。以上です。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 各自主防災組織は、地区防災計画に基づいて、実際に防災訓練を行っているのでしょうか。また、その内容や成果、課題の検証を行っているのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 防災訓練につきましては、自主防災組織が結成されている全ての校区、地区で実施をされておりまして、訓練実施後は、それぞれの校区、地区において振り返りなども行われております。以上です。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 地区ごとの防災訓練が実践に伴うものとなっているのか、市としても検証すべきではないかと思います。
では、各校区の自主防災組織のメンバー構成と属性をお示しください。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 自主防災組織につきましては、校区住民であれば誰でも参画ができますが、自治会、町内会長やPTA会長など、各校区における組織の長などで構成されることが多くなっております。以上です。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 自主防災組織のメンバーは、防災に関する知識を有する方ではなく、自治会長、諸団体の方で構成されているケースがほとんどです。しかし、答弁にもありましたように、自主防災組織は、防災訓練の実施から災害時の避難行動要支援者への支援や初期消火、被災者の救出など、大変重大な役目を担います。
この自主防災組織に対する市の関わりについてお示しください。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 自主防災組織に対しましては、活動への助言をはじめ、共創補助金による活動費用の助成、防災資機材の貸与や啓発冊子の提供、ワークショップや出前講座の実施、また防災訓練の実施の支援など、消防局や区と連携をして支援を行っております。以上です。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 市の関わりとしては、助言や助成、啓発冊子の提供や出前講座などが主で、実用的な関わりではないように思います。
それでは、共助の核となる自主防災組織からはどのような困り事が寄せられているのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 自主防災組織からは、地域防災における担い手の確保が難しい、役員が高齢化しているといった御意見が寄せられております。以上です。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 自治会長の中には高齢の方も多く、災害発生時、地域の中心的な存在として動くことは厳しいとの意見が多数あります。
では、自主防災活動に関して、本市としてもどのような課題があると認識しているのか、お答えください。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 自主防災活動につきましては、共助による避難行動要支援者への支援に対する地域の理解や大規模災害時における地域での避難所運営のノウハウが十分ではないこと、また地域防災活動における担い手の不足などの課題があると考えております。以上です。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) これらの課題への対応策をお示しください。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 自主防災の促進につきましては、避難行動要支援者支援制度への理解を深めるため、出前講座やワークショップを実施するほか、避難所運営のノウハウを習得するための開設訓練や専門家によるワークショップを実施しております。また、地域防災活動の担い手確保に向けて、防災リーダーの養成や将来の地域防災活動を担う児童生徒への防災教育を実施しております。以上です。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 防災リーダーの養成や防災教育による将来の担い手の育成について、具体的内容と、その方々の活動の場面をお示しください。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 防災リーダーの養成につきましては、博多安全・安心塾において専門家による講義や図上訓練などを実施しており、修了者には防災士の受験資格が付与され、9割以上の方が合格をされております。合格者については、防災士として校区の防災訓練など、地域や企業における自主防災活動に取り組んでいただいております。また、学校における防災教育については、教育委員会と連携をし、児童生徒への出前講座や防災教育に携わる教職員への研修を実施しており、校区の防災訓練にも参加をいただいております。以上です。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) それでは、若い世代が地域防災活動へ関わるためにはどのような対策が必要と考えておられるのか、お答えください。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 若い世代に防災への興味、関心を持っていただけるよう、気軽に参加できる防災訓練や防災イベントの実施などが必要と考えております。以上です。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 若い世代向けの防災訓練や防災イベントの実施内容をお示しください。また、その成果と地域の自主防災活動の取組にどうつなげていくのか、お答えください。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 防災訓練につきましては、土曜授業など学校と連携をして、児童生徒とその保護者が地域住民とともに活動できる訓練とすることで、ファミリー層も地域の一員として自助、共助を体験できる機会を設けております。また、防災イベントにつきましては、クイズラリーやゲーム形式で防災を楽しく学ぶ防災フェアを実施しており、アンケートでは、若い世代から、防災への関心を持つきっかけになったとの回答があるなど、自助、共助の意識醸成につながっているものと考えております。以上です。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 地域の自主防災活動の取組にどうつなげていくのかについては、明確な回答は得られませんでした。
ここで、東京都荒川区の中学生による防災に向けた活動を紹介します。
以前も紹介しましたが、荒川区では、区内10校全ての中学校に防災部があります。7月に荒川区役所に視察に行き、お話を伺いました。この防災部設立は議会からの発案で、将来、地域の防災活動の中核となる防災ジュニアリーダーの育成を目的に2015年創設され、300人を超える部員がいます。
主な活動を紹介します。資料1をお願いします。(資料投影)こちらは、岩手県釜石市への訪問の様子です。釜石東中学校との交流や記念碑など、東日本大震災に関わる施設などを見学します。この訪問に際し、事前学習会及び報告会も行っております。
資料2をお願いします。(資料投影)こちらは、あら防災・荒川消防防災フェアへの参加の様子です。資料3をお願いします。(資料投影)この防災フェアにおいて、部員がAEDの使い方を子どもたちに教えています。中学生が一般参加者側ではなく、防災に関する知識や技術を教える側として活動しています。資料4をお願いします。(資料投影)こちらは、地域と連携した防災訓練の様子です。地元の消防団などとともに、避難所開設訓練や防災訓練に参加しています。資料5をお願いします。(資料投影)これは、近くにある保育園との合同避難訓練の様子です。資料6をお願いします。(資料投影)地域の年末の夜回り活動に防災部員が参加しています。資料7をお願いします。(資料投影)こちらは、防災部の生徒が、地域に住む高齢者へ学校だよりや防災訓練への参加の呼びかけチラシを持って訪問している様子です。資料ありがとうございました。防災ジュニアリーダーの育成は、防災のみならず、将来、地域活動の担い手として活躍することも視野に入れています。令和6年度の予算は212万3,000円です。
次に、川崎市における防災まちづくりについて紹介します。川崎市では、地域住民との協働による防災まちづくり支援事業を行っています。防災コンサルタントを交えて、1つの町内に対し3年間継続してまちの防災力の向上を目指す支援を行っており、今年度開始地区は3町内で、令和6年度予算は600万円です。防災とまちづくりをつなげる取組です。
このような取組は本市においても行われているのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 福岡市におきましては、年次計画による支援メニューはございませんが、地域の避難支援体制づくりを促進するため、個別避難計画の作成から訓練の実施までを伴走型で支援する取組を行っております。具体的には、避難行動要支援者支援制度の学習から、自治会、町内会単位での見守りマップを使った個別避難計画の作成、さらに計画の実効性を検証するインクルーシブ防災訓練の実施までをパッケージ化しており、地域の実情に応じて複数年をかけて支援を行っております。以上です。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) では、個別避難計画の作成対象者数と作成件数をお示しください。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 計画作成の対象者につきましては、避難行動要支援者名簿に登載された要支援者のうち地域へ名簿を提供している方で、令和6年度は1万7,005人となっております。また、作成件数は令和4年度末時点で2,485件となっております。以上です。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 作成件数は2,500件にも至っておりません。個別避難計画の作成は町内会長や民生委員が担っている地域がほとんどです。なぜ、なかなか作成が進まないのか、検証すべきではないでしょうか。
先週、台風10号が接近し、避難所を開設するなど、地域の自主防災組織が活動する場面がありました。その点について伺います。
この台風の接近に伴い、福岡市立学校に対し教育委員会はどう対応されたのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 8月29日は、当初、給食終了後の一斉下校の予定といたしておりましたが、当日朝に想定を超える状況の悪化が見込まれたことを受けまして、安全に下校できる体制が確保できた学校から速やかに下校の対応に変更いたしました。また、翌8月30日は全市一斉の臨時休校としております。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 速やかに下校という指示が出たとき、既に多くの子どもたちは登校していました。前日に休校の判断をしていた自治体もある中、暴風のさなかに子どもたちを登校させたことは大変問題です。危機管理の甘さと、判断基準の曖昧さを強く指摘しておきます。
では、その教育委員会の対応を受け、市民局として地域の自主防災組織に対しどう対処されたのか、お答えください。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 自主防災組織に対しましては他の災害対応と同様に、避難発令や避難所開設などの情報を提供の上、要支援者への声かけや避難所の開設、運営などへの協力をお願いしております。以上です。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 当日の朝、私も町内の方と一緒に登校の見守りをしていました。見守りの方々にはその状況が分かりません。確かに、休校等は教育委員会での判断になりますが、強風の中、子どもたちの安全のために見守りをしてくださる地域の方がいらっしゃることを認識していただきたいと思います。災害発生に際し、市内の状況把握に努めるとともに、避難の対応や学校をはじめとする各種市民サービスの提供について、災害の危険度に見合った対応が取れるよう、防災対策の要の市民局と、教育委員会をはじめ関係局との連携体制の徹底を図るべきではないでしょうか。
それでは、自主防災組織の活性化を今後どのように目指していくのか、お答えください。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 自主防災組織につきましては、地域における共助の中核をなす組織であり、市といたしましても、防災訓練や避難支援体制づくりなど地域のニーズに応じた支援を行うことで、一層の組織の活性化を図ってまいりたいと考えております。以上です。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) ここまで様々伺ってきましたが、災害が発生したとき、被害を最小限に抑えるためには、隣近所での助け合いが要です。
現在、各校区及び町内単位で形成されている自主防災組織の活動が、いざというときに住民の命と暮らしを守るため十分機能できるものとなっているでしょうか。
共助が大切と言うのならば、重大な役割を担う自主防災活動について、備蓄品の確保や防災リーダーの育成に取り組むための財政支援を、コミュニティの基礎である自治会、町内会ごとに丁寧に行っていく必要があると思いますが、舟越市民局長の御所見を伺い、この質問を終わります。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 自治会、町内会につきましては、住民自治の基盤となる組織であり、地域防災においても重要な役割を担っていることから、防災訓練の実施やそれに伴う備蓄品の確保などに必要な経費について、町内会活動支援事業による補助を行っております。
今後とも、財政面での支援と併せ出前講座やワークショップの実施などの支援を行い、自主防災活動の促進と活性化を図ってまいります。以上です。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 次に、災害時におけるブロック塀、擁壁について質問します。自然災害が頻発する中、7月には愛媛県松山城で、8月には愛知県で土砂崩れが発生しています。本市においても、昭和50年代、団地をはじめ、住宅の建設が随所で見られ、その中には高低差のある山を切り開いて造成された住宅地も多く、現在もたくさんの方が暮らしておられます。
そこで、昭和50年代、山を切り開くなど大規模に宅地開発された箇所は市内にどれくらいあるのか、お示しください。また、この中には大規模盛土造成地調査の対象箇所は含まれているのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 開発許可に係る申請書類の保存年限は10年であるため、詳細な把握は困難ですが、昭和50年代に行われた民間開発で、3,000平方メートル以上の開発許可の件数で申しますと105件で、大規模盛土造成地調査の対象箇所も一部含まれることは承知しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) そのうち、宅地開発とともに、ブロック塀、擁壁を建設した箇所はどれくらいあるのか、お答えください。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 詳細な内容を確認するための申請書類の保存年限が10年であるため、ブロック塀や擁壁等の箇所の把握は困難でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) では、ブロック塀と擁壁の違いをお示しください。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) ブロック塀は敷地の囲いなどのため、コンクリートブロックを積み上げて造った構造物で、擁壁は、崖などの土留めのためのためにコンクリートなどで造った構造物でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 高低差のある山を切り開いて造成された住宅地においては、隣家との間に擁壁が多く見られます。
では、ブロック塀、擁壁の崩壊による被害状況をお示しください。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 地震などによる被害で把握しているものはございますが、全数を確認できるような統計的なものは持ち合わせておりません。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) それでは、ブロック塀、擁壁の安全性はどのような場合に確認されるのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 建築確認申請の際、既存ブロック塀については基礎や鉄筋の有無に加えひび割れや傾きを、また既存擁壁については水抜き穴の有無やひび割れなどについて、建築士が点検を行った書類の提出を求め審査を行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) では、ブロック塀に関する調査や大規模な盛土による造成を行った場所の調査はどのように行っているのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) まず、ブロック塀につきましては、平成17年の福岡県西方沖地震後に天神や博多駅などの人通りの多い地区と小学校周辺について調査を行い、平成30年の大阪北部地震後には小中学校の通学路について調査を行っております。また、調査により把握した危険性が高いと思われるブロック塀については、隔年で再調査をするとともに、未改善となっているブロック塀の所有者に対しては文書による注意喚起と併せ補助事業の周知を行っており、徐々に改善が進んでいるところでございます。
次に、大規模盛土造成地につきましては、国のガイドラインに基づき、令和2年度から宅地として造成された一定規模以上の土地が地震によって変動する可能性について調査を行っているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 過去、大規模地震発生後に一部の地域においてブロック塀の調査を実施しており、令和2年度からは大規模盛土造成地の調査が実施されています。
それではまず、ブロック塀について伺います。
民家の既存のブロック塀に関して、市民からはどのような相談が寄せられているのか、お答えください。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 既存のブロック塀の所有者からの相談といたしましては、ひび割れや傾きなどに関するものがございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) その相談への対応策と、崩壊を回避するためどのような施策を行っているのか、お答えください。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 市民からの相談があった場合、ブロック塀の点検方法をお知らせするとともに、必要に応じて現地調査を行っております。また、ホームページや耐震セミナー等において、ブロック塀の点検方法について広く周知するとともに、道路に面している危険なブロック塀等に対し、補助率2分の1で15万円を上限とした福岡市ブロック塀等除却費補助事業を実施しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 令和5年度の福岡市ブロック塀等除去費補助事業の交付件数と交付額をお示しください。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 令和5年度の交付件数は87件、交付額は635万円余となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) ブロック塀に関しては引き続き支援をしていくとのことですが、現在の補助対象は道路に面している危険なブロックです。
今後、対象範囲の拡大や補助の増額は検討されないのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 福岡市ブロック塀等除却費補助事業につきましては、地震時における歩行者の安全や避難路の確保を目的としており、国や県と同様に、道路沿道のブロック塀を対象としております。
また、大阪北部地震後の平成30年に補助上限額を4万5,000円から15万円に拡充しており、年間の申請件数は以前の数件程度から80件程度へ大幅に増加しております。
引き続き市民への周知啓発とともに、補助事業によりブロック塀の安全対策を促進してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) もちろん、ブロック塀の安全管理については所有者の責任でしょうが、例えば、空き家や危険なブロック塀の間近で生活されている近隣住民からの相談に市はどのように対応しているのか、お答えください。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 近隣住民からの相談があった場合についても、先ほどの地震後の調査への対応と同様に、現地確認や所有者を調査し、把握した所有者に対して文書による注意喚起と併せ、補助事業の周知によりブロック塀の安全対策を進めているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 次に、擁壁についてお尋ねします。
民家の既存の擁壁に関して、市民からはどのような相談が寄せられているのか、お答えください。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 既存の擁壁の所有者からの相談といたしましては、住宅の新築や改築の際における、敷地内における既存の擁壁の取扱いや構造及び使用に関すること、また、隣地の擁壁の安全性などがございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 資料8をお願いします。(資料投影)この画像は、ある民家の擁壁の写真です。約50年前に宅地造成された高低差のある住宅地で、上下左右の隣家との境に擁壁があります。このように、ひび割れや崩壊が見られます。資料9をお願いします。(資料投影)雨が降ったとき、このひび割れ箇所から砂を含んだ雨水が出てくるそうで、崩れるのではないのかと大変心配されています。しかし、この状況が分かるのは擁壁の下側の民家の方で、近所付き合いもあり、上側の方へなかなか言いづらいというのが現実です。資料ありがとうございました。
このような危険な擁壁の崩壊を回避するため、現在、本市ではどのような施策を行っているのか、お答えください。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 擁壁の所有者等に対し、注意事項等を記載したパンフレットやチェックシート等の活用及び専門家への相談を促すとともに、擁壁の維持保全について助言を行っております。
また、国の耐震化推進に関する通知等を踏まえ、令和2年度から大規模盛土造成地調査を行うとともに、令和7年度の盛土規制法に基づく規制区域の指定に合わせた敷地内の擁壁改修等への支援の検討も行っているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) では、他都市ではどのような支援策がなされているのか、お示しください。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 擁壁に関する助言のほか、横浜市や川崎市などでは危険性がある擁壁等への改修に係る助成なども行われております。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 横浜市における助成の対象範囲、助成額についてお示しください。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 地盤面からの高さが2メートルを超え、崖崩れにより隣地の住宅や道路等に被害が及ぶおそれがある崖地について、その擁壁工事の内容に応じ、補助率が3分の1から2分の1で上限額が400万円とされております。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 横浜市では擁壁工事費用の一部を助成しています。現在、本市では擁壁の維持管理について助言を行っていますが、費用の助成はありません。しかし、昭和50年代に住宅を建築された多くの世帯は80歳以上の高齢者世帯が多く、擁壁の崩壊について不安な日々を送られています。また、先ほど申し上げましたように、近所間のトラブルになりたくないという思いがあります。
このような状況を踏まえ、危険な擁壁に対し、今後どのような対応を考えておられるのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 危険な擁壁に関しましては、国の通知等を踏まえ、令和7年度の盛土規制法に基づく規制区域の指定に合わせ、他都市の取組を参考に、敷地内の擁壁改修等への支援の検討を行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) では、道路に面している擁壁だけでなく、隣地境界にある擁壁も安全対策の支援対象となるのか、お答えください。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 国の補助制度では、隣地境界にある擁壁も補助対象となっていることから、その方向で検討しているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 今まで対象となっていなかった民家の擁壁に対しても、今後支援を検討されるとのことです。災害が多発する中、住み慣れた場所で安心して暮らしていけるよう、一日も早い施策の実施を希望します。
また、住宅地におけるブロック塀や擁壁の崩壊の危険性や回避するための支援制度について、広く市民へ情報を伝えるため地域説明会を開催するなど、広報手段についても今後検討していくべきと思いますが、御所見を伺い、この質問を終わります。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) ブロック塀につきましては、ホームページや市政だよりのほか、耐震セミナーなどにおいて点検の方法や補助事業の活用について広く周知するとともに、出前講座を通じた地域への説明や危険性が高いと思われるブロック塀の所有者に対し、文書による注意喚起と併せ補助事業の周知を行うなど様々な機会を捉えて改善を働きかけており、引き続きこの取組を進めてまいります。
また、擁壁につきましても、令和7年度に盛土規正法に基づく規制区域の指定を予定しており、これに合わせ、ブロック塀と同様、周知啓発に取り組むこととしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 次に、ステップファミリーについて質問します。
社会の中にはいろいろな家族の形があります。夫と妻の2人家族、ひとり親家族、夫と妻と子どもという家族、同性パートナーとの家族や事実婚など、近年、人々のライフスタイルや価値観が大きく変化しており、それに伴い、家族の形態も多様化しています。その中でも、子どもを連れて再婚や同居をしてできた新しい家族、家庭のことをステップファミリーと言います。日本ではまだまだなじみのない言葉ですが、本市においてステップファミリーはどういうものと認識されておられるのか、お答えください。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 厚生労働省が作成したひとり親家庭支援の手引きにおいて、ステップファミリーの定義がございますが、男女のどちらかあるいは両方に子どもがいる状態で、男女が事実婚を含め結婚をしてできた家族と認識しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) それでは、直近の統計で、本市及び全国における婚姻数、離婚率、再婚率をお示しください。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 厚生労働省が公表している令和4年人口動態統計によりますと、福岡市の婚姻数は8,723組、離婚率は人口1,000人当たり1.56組、婚姻数に対する再婚数の割合は統計がございません。また、全国の婚姻数は50万4,930組、離婚率は人口1,000人当たり1.47組、婚姻数に対する再婚数の割合は25.2%となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) では、全国の再婚数の中でのステップファミリーの割合は把握されておられるのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 再婚家庭に占めるステップファミリーの割合につきましては統計がなく、把握いたしておりません。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 約4組に1組が再婚という結果が出ています。この中には当然、子どもを連れて再婚する人も含まれ、ステップファミリーを支援するNPO団体によりますと、ひとり親家庭の増加に伴って再婚件数の約30%、3組に1組が子ども連れ再婚、ステップファミリーというデータがあります。しかし、国としての正確な調査は行われていません。
では、市の職員や市民のステップファミリーに関する認知度はどれくらいあるのでしょうか。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) ステップファミリーに関する市民の認知度につきましてはアンケートなどを行っておらず把握しておりませんが、子育て家庭の相談を担当する職員については、研修等を通して、ステップファミリーが抱え得る課題等を認識した上で相談支援を行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 相談対応をされる職員の方は認識されているようですが、全般的にステップファミリーの認知度は低く、予備軍であるひとり親家庭の当事者さえ、ステップファミリーが抱える様々な問題を認識していないのが現状です。
では、本市が作成、発行している子育てに関するパンフレット等にステップファミリーに関連する内容の記載はあるのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市のひとり親家庭情報ポータルサイトに「たよって」というものがございますけれども、ひとり親が再婚する際の子どもとの関わり方など、専門家による情報や当事者の体験談を掲載しているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 「たよって」に掲載の内容はコラム的で、悩み解決の糸口にはなっていません。現在、第6次福岡市子ども総合計画の策定に向けて審議中ですが、ぜひ新しい家族の形としてステップファミリーに触れていただくことを要望します。
一口にステップファミリーといっても、パートナーの背景、離別なのか死別なのかや一緒に暮らすことになる子どもの人数、年齢、性別、また以前のパートナーとの交流状況など、ステップファミリーの形態は様々です。
それでは、ステップファミリーに関する相談窓口というものが本市にあるのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) ステップファミリーを含め、様々な子どもや家庭に関する困り事などの相談窓口として、各区子育て支援課やえがお館等において相談を受けております。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) では、そのえがお館等においてステップファミリーの方からどのような相談があったのか、お示しください。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 相談事例につきましては、主に子どもへの接し方や親子関係の悩み、養育に関する相談などでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 様々な子育ての相談の背景に、ステップファミリーが要因となっている事例はデータとして把握されているのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 子どもの発達や発育などの育成に関する相談や家庭での養育、養護に関する相談、子どもの障害に関する相談など、相談種別によるデータは集計しておりますけれども、家族形態ごとのデータはございません。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) ステップファミリーには初めから子どもがいるので、再婚と同時に親になる不安、それぞれ違う家族の歴史があるため、以前の家族とのしがらみ、家族が増えることで家事や育児、そしてまた経済的負担が増すこと、今までの生活習慣やルールが変わるストレスなど、ステップファミリー特有の問題を抱えていますが、なかなか認識されていません。これは初婚家庭ではない問題です。
今回、ステップファミリーの方から相談がありました。この方は初婚で、再婚相手の方は死別です。当時5歳の子どもさんがおり、再婚後3人の子どもさんが生まれています。現在、ステップファミリー17年目です。近くに知り合いもおらず、実子ではない子どもに対する接し方や育て方に長年悩み、市の窓口にも相談されていました。しかし、一般の子育て相談と受け止められているようで、当事者の気持ちが伝わらないと感じたそうです。また、再婚して、こんなはずじゃなかったと苦しむ方が多く、これからステップファミリーになられる方に対して、今後起こり得る問題を認識できるようなサポートが必要だと言われていました。
では、子育て支援課やえがお館などの相談員や教職員など子どもと関わる職種に対し、ステップファミリーに関する研修など行われているのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) ステップファミリーに特化はしておりませんが、様々な研修を通じて、家族構成の形態としてステップファミリーを学ぶ機会がございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 相談を受ける者が、ステップファミリーについて認識を持っているかいないかで対応は大きく違ってきます。同じ思春期の子育ての悩みでも、背景によって対応は変わり得ます。職員の研修は必要ではないかと思います。
それでは、他都市においてのステップファミリーに対する支援があれば御回答ください。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 各自治体の公表資料によりますと、京都府や東大阪市などにおいて、ステップファミリーに関する冊子が作成されております。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) 東大阪市では、一職員の方が子育てに関する様々な悩みや相談を受けるに当たり、ステップファミリー特有の困難があるということに気づいたことから、まずは相談を受ける側が理解するために研修等が必要ではないかという思いに至り、冊子を作成するきっかけになったそうです。また、この冊子は、一番影響を受ける子どもたちのために子ども編もあります。京都府においても、当事者はもとより、家族や子どもに関わる機関である行政、学校、保育所などがステップファミリーについて正しい理解と対応について知識を得るために啓発用の冊子を作成しています。また、大阪市においても、中等養育に関する子育てノウハウの提供の必要性が求められたことから、ステップファミリーに養育のスキルを伝えるため、冊子を作成しています。
それでは、本市として、ステップファミリーについて今後何か支援等を考えておられるのか、お答えください。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 子どもの健やかな成長のために、ステップファミリーも含め、各子育て家庭の状況に応じたきめ細かな支援が重要と考えており、引き続き取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) ステップファミリーであるがゆえの苦悩があることから、虐待や不登校、DVなど、様々な子育てや家族の問題とステップファミリーとの関係性を把握する必要があるのではないでしょうか。
今は多様性の時代です。再婚件数の3割という一定の割合を占めているステップファミリーについて、まずは実態調査に取り組んでいくべきと思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) ステップファミリーも含め、子育て家庭の支援として相談者の話を丁寧に傾聴し、相談者が抱える問題の背景や要因等を適切に把握、理解した上で助言を行うとともに、必要に応じて関係機関や福祉サービスの活用につなぐなどの対応を行っており、引き続き各家庭の状況に応じたきめ細かな支援にしっかり取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 勝見美代議員。
○54番(勝見美代) ステップファミリーが抱える課題は大変複雑です。相談を受ける職員がしっかりと熟知していないと、相談者が望む問題の解決は期待できません。教師や相談職員をはじめ、子どもと関わる職種の方への確かな研修と当事者の方が気楽に相談できるよう、チラシやパンフレット等で周知すべきです。
ステップファミリーというものにもっと目を向けていただきたいと、切に、切に要望し、私の質問を終わります。
○34番(あべひでき)登壇 日本維新の会福岡市議団のあべひできです。本日は会派を代表し、企業版ふるさと納税の活用について、一時的に子どもを預けるサービスについて、以上2点について質問させていただきます。
まず、企業版ふるさと納税の活用についてお尋ねします。
年々認知度も高まり、国民の関心も高まっているふるさと納税ですが、ふるさと納税については、総務省の発表によると、2023年度受入額は約1兆1,175億円で年々拡大しております。各自治体においても、それぞれの寄附を集める独自の工夫がなされており、本市としても魅力ある取組を行っていただいていると存じております。中でも、ソーシャルスタートアップを社会全体で支えていくことを目指し、ふるさと納税で集めた寄附を原資に公募を通じて認定したソーシャルスタートアップの経営基盤強化のための取組を支援するプロジェクトを立ち上げるなど、他都市にはない独自の取組として、とてもすばらしいものであると思います。認知度が高まっているこのふるさと納税ですが、実際には個人が行うふるさと納税のことを示していると考えられ、企業が行う企業版ふるさと納税については知らない方も多いのではないでしょうか。今回は、この企業版ふるさと納税にスポットを当てて質問してまいりたいと思います。
ではまず、改めてふるさと納税が始まった背景や趣旨、制度の概要についてお尋ねします。
以上1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) ふるさと納税につきましては、生まれ育ったふるさとやお世話になった地方団体に感謝し、応援する気持ちを伝えるとともに、税の使い道を自らの意思で決めることを可能とすることを趣旨として、平成20年度の地方税法改正によって創設された制度でございます。また、個人で行った寄附のうち2,000円を超える部分につきましては、一定の上限まで所得税や個人住民税が控除される仕組みとなっております。以上でございます。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) ありがとうございます。では、企業版ふるさと納税が始まった背景や趣旨、制度の概要についてお尋ねします。
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 企業版ふるさと納税につきましては、まち・ひと・しごと創生法に基づく地方創生の取組の一環として、平成28年度に創設された制度でございます。地方創生に資する地方公共団体の事業に対して企業が寄附を行った場合に、損金算入と税額控除により、最大で寄附額の約9割の法人関係税が軽減される仕組みとなっております。以上でございます。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) 企業版ふるさと納税においては、地方創生の取組として行われ、一定程度の税的優遇があるとのことです。
では、企業版ふるさと納税を行う企業に税的優遇以外のメリットはあるのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 税の軽減以外のメリットとしましては、地方創生の取組を応援することを通してSDGsなどに寄与し、企業のPRにつながるとともに、創業地やゆかりのある地へ恩返しができるなどのメリットがあるとされております。なお、個人のふるさと納税と異なり、寄附の見返りとして経済的な利益を受けることは禁止されております。以上です。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) ありがとうございます。企業として、会社のホームページ上などでPRを行えるのはメリットとして大きいものであると考えます。
では、本市の企業版ふるさと納税の代表的な寄附事例をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 福岡市における寄附事例としましては、世界水泳選手権福岡大会開催等準備事業や音楽都市振興事業などがございます。以上です。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) 世界水泳など国際的なイベントなどでは特に寄附も集まりやすいかとは思いますし、いい活用事例であると思います。
では、これまでの経過として、本市の直近3年間の企業版ふるさと納税の寄附総額の推移をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 直近3年間の寄附総額は、令和3年度が8億2,500万円余、4年度が4億1,700万円余、5年度が2億7,200万円余となっております。以上です。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) コロナの影響などもあったかとは思いますが、伸び悩んでいる状況です。
現在の本市での企業版ふるさと納税の広報、周知はどのように行っているのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 広報、周知につきましては、寄附の募集を行っている主な事業を市ホームページに掲載するとともに、各事業の所管局において企業等への働きかけを行っております。以上です。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) この企業版ふるさと納税では、現在、地方創生に資する様々な事業の寄附が対象となっているとのことですが、やはり企業版ふるさと納税に関しての認知度はまだまだ足りず、寄附額も減少傾向にあり、何かしらの改善策の検討が必要と思われます。そして、改善策として、私は他都市の企業にも応援してもらえる事業をPRしていくとともに、柔軟に寄附の在り方を考えていくことが必要なのではないかと考えます。企業版ふるさと納税では、個人版とは違い、人材派遣型という仕組みがあります。会社から専門人材を自治体に派遣し、様々な分野で専門性を生かし、活躍してもらうというものです。
本市では、この企業版ふるさと納税の人材派遣型の活用事例はあるのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 人材派遣型の活用事例としましては、令和5年度より民間企業の人材1名を一般任期付職員として住宅都市局で受け入れ、一人一花運動に関して、市民や企業と共働した企画の検討、実施などを行う業務に従事しております。以上です。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) 本市でも活用しているとのことですが、まだまだ活用の幅が狭いように思います。より専門的で、民間ノウハウを生かせる企業の力を活用すべきだと考えます。他の自治体の事例でいうと、奈良県葛城市ではデジタルサービスに強いリコージャパン株式会社から派遣され、結果として、企業独自のノウハウを生かし、各種アプリ等を作成し、庁内の業務効率化に貢献したといいます。また、岡山県真庭市では、両備ホールディングス株式会社から派遣された観光分野の専門ノウハウを有する派遣人材が、コロナ禍における新たな観光振興政策の企画に従事し、観光パッケージの作成など、観光分野の体制強化につながったとのことでした。これらもあくまで事例の一つで、使い方次第でほかにも様々な可能性がある魅力ある制度であると思いますので、ぜひ活用していただきたいと考えております。
また、人材派遣型ではないですが、熊本県では、明治安田生命が株式会社肥後銀行からの呼びかけに応え、熊本県まち・ひと・しごと創生推進計画における企業版ふるさと納税として、総額1億円の寄附を実施したことが今年の6月28日にプレスリリースされておりました。その事業の一部として、当該企業が県内の高校生に対して金融リテラシーの向上を目的とした研修会などを実施したり、健診、がん検診、適度な運動、適切な食生活、禁煙、歯、口腔のケア、十分な睡眠を推進し、健康長寿の延伸に取り組むために、周知活動や地域住民向けの健康増進イベントを実施していく予定とされているそうです。県の行っている計画に沿って企業がノウハウを生かし、経済的支援と併せてより専門性の高い事業を行い、県と協業で事業を行っていくというすばらしい取組であると感じました。
また、他都市の面白い企業版ふるさと納税の活用法としては、佐賀県の企業版ふるさと納税活用型CSO地域課題解決支援事業というものがあります。CSOとはシビル・ソサエティー・オーガニゼーションの略で、NPO法人、市民活動、ボランティア団体に限らず、自治会、町内会、婦人会、老人会、PTAといった組織、団体を含めてCSOと呼称しております。
佐賀県では、平成23年度から個人版ふるさと納税を活用したNPOなどの指定寄附にも取り組んでおり、県内CSOの資金調達を支援していたのですが、令和2年度から複数のCSOから県内CSOの地域課題解決事業に、この企業版ふるさと納税を活用するスキームを策定してほしいとの要望があったことを受け、令和3年度からこの事業を開始いたしました。
この事業では、佐賀県民、CSO、企業、行政などの多様な主体が公共サービスを担い、県民一人一人が暮らしの満足度を高めていく主体となり、自助、共助、公助のバランスの取れた協働社会をつくっていくことを目標の一つに掲げ、企業版ふるさと納税を活用して、県内CSOが実施する地域課題解決につながる事業の支援を行っております。公募によってCSOから募集を行い、応募された事業について、県など自治体の審査委員会が評価基準に沿って審査を行い、採択事業を決定するという流れとなり、採択された事業に関しては県のホームページ等でも掲載され、広報されるというような流れになっております。ここで採択された事例としては、県の抗がん剤治療で脱毛に悩む佐賀県の子どもたちと子育て中の婦人科がんの母親に医療用ウィッグをプレゼントする事業などや、佐賀県呼子地区の国の重要伝統的建造物群保存地区選定のために、市の保存対策調査の支援やまち並み景観の啓発を進めるNPO法人、行政や企業、CSOと連携した防災訓練の実施、防災教育の推進などを行っているNPO法人など、地域や福祉、防災など、地域のニーズ、課題を把握し、団体独自の強みや特色を生かした地域課題解決のために活動されているCSOが数多く県のホームページに掲載され、寄附を募っておりました。
佐賀県のような取組は本市でも参考にできる部分はあると思います。本市でも様々な取組をしているCSOは数多くありますし、本市の公益性向上のために担っている部分は大きいと思われます。本市の事業だけではなく、知っているNPO法人や、より強みを生かした具体性のある事業を行っている団体も対象になるのであるならば、寄附してみようという企業は増えるのではないでしょうか。現に、佐賀県のこの企業版ふるさと納税活用型CSO地域課題解決支援事業への寄附総額も令和3年度は390万円だったのが、令和5年度では4,200万円と10倍以上まで増えてきており、今後も増加していくと考えられます。ぜひ今後、このような制度づくりを本市でも行ってほしいと考えますが、ここからはこの制度の本市での活用に向けて、具体的にCSOのうち、佐賀県内で寄附額の大部分を占めるNPO法人への寄附に絞って現状を整理していきたいと思います。
まず、自分で実際に試してみようと思い、特定のNPO法人に寄附ができるか、個人版の話にはなりますが、私が楽天のサイトから行ってみましたところ、NPO活動支援基金、あすみん夢ファンドという選択肢を選ぶところしかなく、具体的なNPO法人名は記入することができませんでした。
特定のNPO法人を指定して寄附をしたい場合、まず、個人が行うふるさと納税ではそれは可能なのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) ふるさと納税におきましては、NPO法人に限らず、特定の団体を指定して寄附することは制度上認められておりません。なお、インターネット上で受付可能なふるさと納税ポータルサイトの中には、寄附メニューとして福岡市NPO活動支援基金、あすみん夢ファンドを選択した場合に、寄附者が希望するNPO法人を受け付ける機能があるものもございます。以上です。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) では、私の行ったポータルサイトでは特定のNPO法人を希望することはできませんでしたが、ほかのポータルサイトでは行えるものがあるということですね。
では、特定のNPO法人への寄附を希望する場合、全てのNPO法人が対象となるのでしょうか。個人が行うふるさと納税で特定のNPO法人への寄附を希望した際の助成までの具体的な流れをお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 特定のNPO法人への支援を希望する場合は、まず、NPO活動支援基金、あすみん夢ファンドに寄附をしていただきます。それを受け、福岡市は全ての寄附者に対してメール等で希望する法人などを確認し、当該法人へ支援の希望があったこと、また、助成を受けるには、NPO活動推進補助金事業への申請が必要なことを連絡いたします。当該法人からの申請後、学識経験者等で構成する評価委員会で審査を行い、採択された場合には補助金として交付されることとなります。なお、対象となるNPO法人につきましては、福岡市内に事務所を有する法人となります。以上です。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) ありがとうございます。では、個人では福岡市NPO活動支援基金、あすみん夢ファンドに寄附した後、市からメールなどで特定の寄附先などの確認を行った上で、本市内の事務所を設置している特定のNPO法人への寄附を希望することが可能であり、それは学識者による審査を経て補助金として支出されるということですね。
一部のポータルサイトでは寄附先の希望はできませんが、メールなどで希望する法人等の確認を行うということのようですが、このことについては知らない市民の方も多いと思います。
あすみん夢ファンドで特定のNPO法人への寄附を希望できることについて、現在の広報、周知はどのように行っているのでしょうか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 市政だよりや市のホームページ、SNSを活用した広報を実施しますとともに、税制上の優遇措置を記載したチラシの配布により、広く周知を図っております。以上です。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) 特定のNPO法人へ寄附が可能となれば、新たに本市に寄附したいと思われる方もいらっしゃると思うので、周知のほどをお願いします。また、ふるさと納税に関しては本市外の方が対象となりますので、本市外への、より積極的な広報を重ねてお願いいたします。
では、企業の場合の話に戻ります。企業の場合はどうでしょうか。企業が特定のNPO法人に寄附する場合、現在はどのような手続になっているのでしょうか。また、特定のNPO法人に直接寄附する場合と地方公共団体へ寄附する場合の税制上の優遇はどのようになるのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) まず、特定のNPO法人に対して直接寄附をする場合につきましては、銀行振込や募金など、各NPO法人が指定する方法により行っていただき、税制上は寄附額が一定の範囲内で損金算入され、法人関係税が軽減されます。また、福岡市へ寄附をする場合は、あすみん夢ファンドのサイトなどからお申込みをいただいておりまして、税制上はふくおか応援寄付を利用する場合は全額が損金算入され、企業版ふるさと納税を利用する場合は、全額損金算入に加えて、税額控除により法人関係税が軽減されます。以上です。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) 企業では、制度上は特定のNPO法人への企業版ふるさと納税を利用した寄附が認められているということですね。
では、令和3年度から5年度に、企業が企業版ふるさと納税を活用し、特定のNPO法人を支援した総額と寄附件数をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 企業版ふるさと納税を利用した寄附の実績はございません。以上です。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) 企業から特定のNPO法人に企業版ふるさと納税を活用した実績はないとのことです。企業によるNPO法人へ企業版ふるさと納税を活用できれば、企業側がより税制的な優遇を受けられるだけではなく、本市のホームページ上での募集団体の掲示もでき、NPO法人側の広報面や信用面でもメリットがあると思われ、また、自分たちで企業版ふるさと納税に活用できることをPRすることもできます。
私はここで、NPO法人で1つ、企業版ふるさと納税を活用できないかと考えたものがあります。福岡ファミリーハウスというNPO法人です。ここは九州大学病院や九州がんセンター近くのアパートを提供している団体であり、対象者は小児がんや難病治療に来ている患者家族などで、今年、アビスパ福岡が寄附したことでも話題になりました福岡市立こども病院に併設しているドナルド・マクドナルド・ハウスと同様のものになります。九州大学病院は小児がん拠点病院であり、九州・沖縄で唯一の指定病院となります。遠方より治療できるところがここしかないということで、こちらに来られ治療に当たられる方もいるわけですが、こちらでは宿泊するところがなく、ホテル代など経済的な負担となったり病院の部屋で横で寝たりしているなど、精神的、肉体的な負担にもなっております。市民の方が実際に利用するわけではないので、市税の投入というのは、一定の壁もあるのかと思われますが、市外からのふるさと納税などの寄附で賄うのであれば企業からの賛同も得られやすく、寄附も集まりやすいのではないかと考えます。これはあくまで一例にしかすぎませんが、市が認める公益性の高いNPO法人に関して、企業版ふるさと納税を認める、ホームページ等で広報するなどは、NPOの背中を後押しする非常に有効な手段と考えます。
先ほど述べたとおり、現状のやり方ではそもそもその仕組みを知らない企業などが大半だと思われます。その結果が実績ゼロということだと思います。ぜひとも、改善していただきたいと考えます。
様々述べてまいりましたが、企業版ふるさと納税に関しては、制度上今年度で終了予定となっており、今秋から始まる2025年度税制改正で今後延長するかなどについて話し合われるものと思われます。
ということで、さんざん申し上げてきたこの質問も徒労に終わる可能性もあるのですが、しかし、期限延長や制度拡充を求める声は多く、経済同友会などが、制度の恒久化の検討、本社のある自治体への寄附を求める提言を財務大臣に提出したり、全国知事会でも、今年の8月2日に5年間の延長を求める提言をまとめております。まだ動向が分からないところなので答弁は求めませんが、人材派遣型の採用や企業と協業での事業実施などの企業版ふるさと納税のさらなる活用を検討するとともに、公益性の高いNPO法人を市が認定し、企業版ふるさと納税による寄附を認め、ホームページ上に公開し広報するというような、より制度を活用できるスキームづくりを、今後、企業版ふるさと納税の制度が継続するとしましたら、ぜひ実現していただきたいと要望いたしまして、この質問を終わります。
次に、一時的に子どもを預けるサービスについての質問をいたします。
少子化が叫ばれて久しいこの日本の中で、本市でも子育てしやすい社会を構築していくことは必須であり、喫緊の課題であると私も認識しております。昨今は、共働き世帯も増え、なかなか子育てに時間を割けない世帯も増えており、働きながら子どもを育てる親の負担も大変なものであると認識しております。その中で一時的な子どもの預かりサービスについては、子育て世帯の時間的、精神的な負担の軽減、そして緊急時の際の預ける先の確保として重要なサービスであると思いますので、本市の一時的な子どもの預かりサービスについてお聞きしていきます。
まず、本市で行っている一時的に利用できる預かりサービスの種類と概要についてお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 保護者の冠婚葬祭や通院、リフレッシュなど必要なときに子どもを一時的にお預かりするサービスといたしまして、一時預かり事業、ベビーシッター派遣事業、子どもショートステイ事業、ファミリー・サポート・センター事業を実施しております。各事業の概要でございますが、一時預かり事業は子どもを一時的に保育施設に預けることができる事業、ベビーシッター派遣事業はベビーシッターの派遣費用の一部を助成する事業、子どもショートステイ事業は里親や児童養護施設等で子どもを養育、保護する事業でございます。ファミリー・サポート・センター事業は、子育ての支援ができる提供会員が、支援を受けたい依頼会員に対して自宅で預かるなどの援助活動を行う事業でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) ありがとうございます。育児疲れや冠婚葬祭などの緊急時などの一時的に預かってほしい状況というのは、どの家庭でも必ず訪れるものと思います。本市では、このように様々なサービスが行われており、きめ細やかな対応をされているというのは、本当に心強いことであると考えます。しかし、逆に種類が多過ぎて、では、どのサービスを利用すればいいのか、それぞれのメリット、デメリットなどはどうなのかなどが、ぱっと見て判断が難しいというのもあります。
では、これらのサービスの中で生後半年未満で利用できるサービスはどのサービスなのでしょうか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) まず、子どもショートステイ事業は新生児から18歳未満まで、ベビーシッター派遣事業は生後8週間経過後から4か月を迎える日の前日まで、ファミリー・サポート・センター事業は原則生後3か月から小学校6年生まで利用することができます。以上でございます。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) 生後半年未満では、生後8週から生後4か月でベビーシッター派遣事業や新生児から受け付けている子どもショートステイ、生後3か月から受け付けている福岡ファミリー・サポート・センターの事業などがあるとのことです。
まず、対象年齢でも、利用できる事業が全然違います。また、この3つの中でも、目的や場所などで事業が変わってきます。ベビーシッターは家などに来てもらい世話をしてもらう形であるし、子どもショートステイは施設や里親さんなどの家での宿泊が基本となります。福岡ファミリー・サポート・センターでは利用者が依頼会員として登録し、地域の提供会員として登録された方に一時的に預ける仕組みですが、定期的な送迎などの利用が多いと聞きました。それぞれで、場所の違いや保育士なのか、地域の方なのか、短時間なのか、宿泊なのかなど、様々であると感じました。さらに、生後半年を超えてくると選択肢が増えて、施設や保育園などでの一時預かりも選択肢に増えます。制度として選択肢がたくさんあるのはとてもすばらしいことであると思われますが、利用者側がより分かりやすく判断できるような整備も必要であると考えます。
では、本市として利用者側にどのような広報、周知を行っているのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 子育て世帯への広報、周知につきましては、利用者ニーズに合わせた子育て支援サービスを適切に御案内できるよう、市の公式LINEを活用したチャットボットによる案内を実施しております。また、ふくおか子育て情報ガイドの配布や市のホームページ、市政だよりなど様々な広報媒体を活用するほか、おむつと安心定期便のお祝いボックスをお届けするタイミングに、子育て支援サービスを案内するチラシを同封するなどの情報発信を行っております。さらに、区役所や子どもプラザでは、子育て支援コンシェルジュが子育て世帯のニーズを踏まえた支援サービスを丁寧に御案内しているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) 市のホームページや市政だより、子育て情報ガイドや区に子育て支援コンシェルジュを配置して対応されているとのことですが、区のコンシェルジュなどもすばらしい取組であると思いますが、家で忙しいときや緊急で預けたいときなどは、まさにスマートフォンで調べることがほとんどであり、スマートフォンで分かりやすい案内ができるというのが必要であると考えます。
現在、本市ではLINEによるチャットボットによる案内を行っていると思います。私も利用してみましたが、預けたい場合などでその事業にはたどり着くのですが、対象年齢や目的、家で見てほしいのか、施設なのか、地域の人の家なのかなどまで、そこまで詳しくは案内はなされませんでした。家事、育児、仕事に追われる忙しい親御さんからすると、チャットボットなどがあるなら、しっかり用途や年齢など、最適な事業への案内を行えるようにAIなどを駆使したりするなどして、より使いやすい改良を行うことが必要であると思います。
そうすることで、より利用者目線で親切なサービスを行えると考えますが、そのようなチャットボットの改良など、利用者にとってより分かりやすい情報提供を行う必要があると考えますが、本市としてどのように考えておられるのか、御所見をお尋ねします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) チャットボットにつきましては、スマートフォンでの利用のしやすさなどを考慮し、内容を分かりやすく簡潔に表示することとしており、詳細が必要な方については、市のホームページ、ふくおか子ども情報へ簡単にアクセスできるよう、リンクを掲載しております。
なお、情報提供のさらなる充実を図るために、今年度、ふくおか子ども情報の再構築を行う予定としております。また、市のホームページにアクセスしたことがない保護者を含め、プッシュ型で情報提供を行うために、子育て支援サービスを分かりやすく紹介するショート動画を作成し、SNS等で配信できるよう準備を進めているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) 新しくふくおか子ども情報について再構築をするとのことですが、どのような課題が現状あり、どのような方向性での再構築を想定されているのでしょうか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) ふくおか子ども情報はチャットボットとの相互の連携に加え、市の子育て支援サービス等を目的別や子どもの年齢別で調べることができるなど、保護者の利便性に配慮した仕様としております。一方で、新たな子育て支援サービス等が増える中、必要な情報が探しづらくなっていることやページごとに構成や情報量が異なり、スマートフォンでは見づらいページもあるなど課題もございます。そこで、スマートフォンでの閲覧を前提とし、ユーザーインターフェースの改善や検索機能の充実を図るなど、保護者がより容易に必要な情報へアクセスできるよう再構築することとしております。以上でございます。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) ありがとうございます。チャットボットではないですが、利用者の方が使いやすく、分かりやすいホームページを想定されているとのことで安心いたしました。
では、再構築したホームページの広報はどのように行っていくのでしょうか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 再構築後のふくおか子ども情報の広報につきましては、市の公式LINEをはじめとしたSNSや市政だより、子育て情報ガイド、おむつと安心定期便など、様々な媒体や機会を通じて広報を実施してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) 市民の方に通知するタイミングとして、今までの公式LINEの通知に関しては妊娠届出時に行っていたという経緯から、このタイミングのみの案内では、子育て開始までに平均10か月程度かかり、せっかくいいサービスであるのに、利用したい方が利用するタイミングでその案内を忘れているという方もいらっしゃるのではないかと事前に申し上げておりましたが、再構築したホームページの案内では、おむつと安心定期便なども活用し、案内を行うとの答弁でしたので、より子育てに近いタイミングで利用者がタイムリーな時期に知ることができるようになると思います。
この件に関しては意見を取り入れていただいたことに感謝を申し上げまして、私の質問を終わります。
○議長(打越基安) この際、暫時休憩いたします。
午後は1時10分に再開いたします。
午前11時15分 休憩
午後1時10分 開議
○副議長(松野 隆) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎)登壇 私は公明党福岡市議団を代表して、所有者不明土地などの解消に向けた相続登記義務化への取組について、中小建設業を支えるための取組について、以上2項目について質問してまいります。
初めに、相続登記義務化への取組について質問いたします。
近年、人口減少、高齢化などを背景に、空き家や所有者不明土地の増加が社会問題となっています。4月に総務省が発表した統計調査によると、全国の空き家は約900万戸で過去最多を更新、この30年間で倍増しました。また、相続時に土地所有者の登記が行われないなどの理由で、不動産登記簿を確認しても所有者が分からない、所有者の所在が不明で連絡がつかない、いわゆる所有者不明土地は国内に九州の面積以上あると言われ、さらなる増加が懸念されています。
国は所有者不明土地問題の解消に向けた対策に乗り出しており、その1つに、令和3年の不動産登記法の改正による相続登記の義務化が今年の4月からスタートしました。不動産所有者の死亡後、相続人が不動産の取得を知った日から3年以内に相続登記を申請することが義務化となり、違反した場合には10万円以下の過料の適用対象となります。
しかし、昨年12月の法務省による調査結果で、相続登記の義務化について、よく知らない、全く知らないとの回答が67%にも上り、周知が進んでいないことが明らかになりました。
今回は、所有者不明土地問題などの発生予防の観点から、本市における相続登記の義務化への取組について質問してまいります。
道路事業などの用地買収や空き家への指導などに当たり、登記簿上で所有者が分からない場合、本市ではどのような対応を行っているのか、お尋ねいたします。
以上で1問目の質問を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○副議長(松野 隆) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 道路事業などの用地買収において、登記名義人の死亡などにより所有者が分からない場合は、住民票や戸籍などから相続人を特定し、用地買収を進めているところでございます。
また、活用した事例はございませんが、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法に基づき、固定資産課税台帳などにある氏名や住所などの土地所有者等関連情報を利用することも可能でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 適切な管理が行われていない空き家の指導等に当たり、登記簿で所有者の所在が分からない場合は、空家等対策の推進に関する特別措置法や福岡市空家等の適切な管理に関する条例に基づき、固定資産課税台帳により所有者の氏名及び住所などの調査を行うとともに、必要に応じて戸籍謄本や住民票により所有者等の特定を行っております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 所有者特定に時間や費用、労力などの負担が発生します。東日本大震災や熊本地震では、所有者を特定するまで解体に時間がかかり、復興事業の妨げとなりました。また、所有者不明の状態が続けば、土地や空き家の管理がされないまま、周辺の環境や治安の悪化を招き、近隣地域に不安を与えることにもなります。相続登記などの手続をしないまま放置すると、次々と法定相続人が増えるため、いよいよ所有者が分からなくなります。増加する空き家、所有者不明土地に対して、効率的、適切に対応していくことが重要です。
今年1月に、国が空き家対策と所有者不明土地対策の一体的、総合的推進について各自治体に通知しています。自治体においても、関係各局が連携を強くして対応することが求められています。この通知でも、空き家対策や所有者不明土地の利活用、管理のため、所有者を探索する場合は、固定資産税に関する所有者情報などの内部利用が可能とのことで、固定資産税を取り扱う財政局の果たす役割は大きいと考えます。
そこで、財政局として、相続登記の義務化についての御所見をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 固定資産税は原則、登記簿に記載されている所有者に課税するため、適正な相続登記は課税業務においても重要であることから、当該制度が広く浸透することが肝要であると認識しております。以上です。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 市民の方より、30年前に亡くなられた親の空き家の固定資産税を毎年払い続けている方から、相続登記に関する御相談をいただきました。これまでは相続登記は任意だったため、このように相続登記をせず、亡くなった方の名義のまま、親族が固定資産税を払われているケースは少なからずあるようです。
固定資産税について、本市では不動産所有者が亡くなられた場合、亡くなられた年の12月末までに相続登記ができない場合は、どのような手続により固定資産税は課税されるのか、お示しください。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 地方税法では、1月1日の賦課期日前に登記簿に登記されている者が死亡し、かつ相続登記がなされていない場合は、当該土地または家屋を現に所有している者を固定資産の所有者とするとされております。そのため、相続登記が完了するまでの間、相続人などを現所有者として認定するため、現所有者申告書の提出を求め、固定資産税を課税しております。以上です。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) では、所有者死亡時の固定資産税について、令和元年度と令和5年度の課税において対象となった死亡者数と、その内訳として、相続登記に基づく課税やそれ以外の件数、割合、固定資産税の収入率についてお示しください。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 令和元年度課税において、賦課期日時点で新たに現所有者認定の対象となった固定資産に係る死亡者数は約4,300人で、その内訳及び割合は、相続登記に基づく課税が約2,300件で52.9%、現所有者認定に基づく課税が約2,000件で46.3%、相続人調査中のものが31件で0.7%となっております。また同様に、令和5年度は約5,600人で、その内訳及び割合は、相続登記に基づく課税が約3,000件で52.6%、現所有者認定に基づく課税が約2,600件で46.8%、相続人調査中のものが35件で0.6%となっております。
次に、固定資産税全体の収入率は、令和元年度が99.2%、5年度が決算見込みで99.5%となっております。以上です。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 年度における所有者死亡時の相続登記がされていない現所有者認定に基づく課税の割合は、およそ46%を占めています。すぐに相続協議がまとまらないなど様々な事情がありますが、固定資産現所有者申告書が提出されていることで、固定資産税の高い収入率が維持できているものだと理解できます。
相続登記がされていない現所有者認定に基づく課税の対象者が相続登記をするために、財政局として行っている取組があれば教えてください。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 現所有者申告書の提出依頼の際に、相続登記の義務化に関するチラシを同封するなど、相続人等に対して速やかな相続登記を促しております。以上です。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 資料1をお願いいたします。(資料投影)これは法務局が作成した相続登記の義務化に関するチラシです。このように、チラシで相続人に対して周知しているとのことです。一方で、将来に備えて準備する取組も重要です。投影ありがとうございました。
今、終活という言葉があるように、生前から自身の情報や医療情報や資産情報などを整理して、家族などに自身の考えを伝える、いわゆるエンディングノートが様々な自治体や団体でも作成されており、本市においても独自に作成しています。
そこで、本市におけるエンディングノートの目的、発行部数と配布場所、また、エンディングノートの活用に向けた取組についてお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) エンディングノートは、元気なうちから自分の意思や意向を整理し、家族や支援者と話し合い、共有するためのツールであり、令和5年度は2万部を作成し、情報プラザ、区役所、終活サポートセンター等で配布しております。
エンディングノートの活用に向けては、市の終活応援セミナーや社会福祉協議会の終活出前講座等で、終末期に向けた備えの重要性やエンディングノートの書き方などの紹介を行っております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 資料2をお願いいたします。(資料投影)このエンディングノートには家系図を記入する欄があります。法定相続人の範囲などを整理するために見える化しておくことで、相続関係が複雑な場合には大変貴重な資料となります。話合いができる元気なうちに少しでも促すことが必要です。
このエンディングノートを活用するに当たり、相続登記の義務化に関する内容を記載することで、将来、相続登記が促進されることにつながると思いますが、御所見をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 相続登記について記載することは、制度に関する市民の理解が促進され、いざというときの備えにもつながることから、今後、記載について検討してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) どうかよろしくお願いいたします。
次に、各区役所でのサポートについてお尋ねします。
本市では、身近な御親族が亡くなられた後の手続について、スムーズに手続を行っていただけるようサポートするご遺族サポート窓口を令和3年から全区役所に設置していますが、相続に関してはどのような手続を案内しているのか伺います。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) ご遺族サポート窓口においては、ご遺族のための手続きガイドを配布し、法務局で行う土地、家屋等相続登記の手続や、各区の市民相談室における弁護士及び司法書士による相続の相談を御案内しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 相続登記の手続や相談案内とセットで、相続登記義務化の周知は重要と考えます。ご遺族のための手続きガイドに相続登記の義務化に関するチラシを入れて周知してはいかがでしょうか。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 相続登記の義務化につきましては、ご遺族のための手続きガイドに案内を追加するなど、対応を検討してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) どうかよろしくお願いいたします。当事者や関係者にとっては、問題が複雑化して、何をどうしたらいいか分からないという方が多いのではないでしょうか。今回御相談いただいた方からも、70代後半になり、このままやがて世代が変わり、子や孫の世代まで相続問題を持ち越したくはないが、そもそも何が問題かが分からないとの切実な御相談をいただきました。
法務省の調査によると、相続手続の相談先として、市町村などの自治体との回答が最も多く、市民にとって最初の相談窓口は身近な市役所、区役所だということが分かりました。本市でも弁護士や司法書士などの無料相談を行っています。
そこでお尋ねしますが、各区役所で実施されている司法書士相談の実施概要と利用枠に対する利用率、相談件数、相談内容の傾向を令和5年度の実績でお答えください。あわせて、コロナ禍前の令和元年度と直近の令和6年度との相談件数、相談内容の比較についても、お伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 司法書士相談は、市民の日常生活での法律に関する相談に問題解決の方向性を教示し、市民生活の安定に寄与することを目的として実施しており、県司法書士会から派遣された司法書士が、相続・遺言、不動産・会社登記、成年後見制度などの相談に当たっております。相談は事前予約制で、各区役所において月1回実施しており、1回当たり6枠、1枠30分となっております。
令和5年度の実績につきましては、利用率が87.2%、相談件数が415件となっており、相続・遺言に関するものが約7割を占める状況になっております。
また、令和元年度と6年度を比較すると、いずれも6月末時点で、元年度の相談件数が112件、6年度が118件となっており、相談内容は相続・遺言に関するものが増加傾向にあります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 今年度は6月末時点で118件とのことです。これは各区役所で開催した全21回、計126枠の司法書士相談がほぼ全部埋まっているとのことです。これは利用率が9割を超えており、市民の相談ニーズは高まっています。より多くの市民に利用できる環境が今後必要と考えますが、区役所での司法書士相談は、毎週開催している法律相談に比べ、月1回の開催です。
そこでお尋ねいたしますが、当月開催の司法書士相談の予約が取れず、次回以降に繰り越した、予約を断念したケースは何件あったのでしょうか。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 司法書士相談の予約の受付状況につきましては、予約が取れず次回以降に繰り越した、あるいは予約を断念した件数はカウントしておりません。
なお、予約については、おおむねどの区役所でも、相談実施日の1か月前から電話で受付を開始しており、現在、相談実施日までに予約が埋まる状況であり、その場合は、空きがある他の区の司法書士相談や翌月の相談のほか、司法書士総合相談センターが平日に実施している電話相談や、県司法書士会が独自に実施する一日相談会を御案内しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 先般、公明党と県司法書士会との意見交換において、相続登記に関する相談数の増加に伴って、司法書士相談を月に2回などに増やすことができないかとの要望をお聞きしました。市民の身近な法律家である司法書士は、相続や遺言に関する相談だけでなく、債務整理や消費者問題など、あらゆる場面において必要とされています。
今後、増加が見込まれる相談へ適切に対応するためにも、司法書士相談を充実させることは重要です。各区役所での司法書士相談を月1回から、まずは月2回でも増やすべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 司法書士相談につきましては、高齢化が進む中、相続・遺言や成年後見制度などの手続に関して、身近な区役所で、専門家である司法書士に無料で相談ができるため、市民のニーズは大変高いものと認識しております。現在、市は相談場所の提供、予約受付、広報を行う一方、県司法書士会からは司法書士を無償で派遣いただいており、両者で協力して実施しているところでございます。実施回数の拡充につきましては、まずは利用率や受付状況を注視しながら、県司法書士会として具体的にどのような対応が可能か等の協議を行ってまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 実施回数の拡充に向けて、県司法書士会との協議をよろしくお願いいたします。また、司法書士相談は、本市が区役所での相談場所を提供し、派遣費用は県司法書士会の手弁当で行われているようですので、この点についても、今後の予算確保を要望しておきます。
ここまで、所有者死亡時の対応や将来への備え、相談体制についてお尋ねしてきましたが、相続登記されていない現所有者認定に基づく課税、全体への対応について伺ってまいります。
令和6年度の固定資産税納税通知書の総件数と、それに占める相続登記がされていない現所有者認定に基づく課税、相続人の調査継続中の各件数、割合についてお示しください。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 令和6年度の納税通知書の総数は約47万件で、そのうち現所有者認定に基づく課税が約1万7,000件で3.59%、相続人調査を継続しているものが約150件で0.03%となっております。以上です。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 令和6年度時点において、納税通知書総数約47万件のうち、相続登記がされていない現所有者認定に基づく課税割合は3.59%ではありますが、件数にすると約1万7,000件とのことで、非常に多いと感じます。固定資産税には免税点があるため、1万7,000件が全部とは言えませんが、相続登記されていない件数のイメージが見えてきました。
これまで固定資産現所有者申告書を提出していた場合は、今回の法改正によって義務化された3年以内の相続登記の申請を免れるのか、お伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 現所有者認定は、相続登記がされるまでの間において、固定資産税を課税するためのものでございまして、申告書の提出をもって3年以内の相続登記の申請義務を免れるものではございません。以上です。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 今回の法改正で、4月1日より前に相続した不動産も、相続登記がされていない場合は令和9年3月31日までに相続登記をする必要があります。御答弁にも、適正な相続登記は課税業務においても重要とありましたとおり、義務化に関して周知していくべきと考えます。
相続登記がされていない現所有者認定に基づいて課税している1万7,000件に対しては、財政局としてどのような相続登記の義務化に関する広報を行っているのか、お伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 相続登記の義務化が制度化される前に現所有者認定を行った方に対し、個別の周知は行っておりませんが、市のホームページや市税に関するパンフレット「みんなの市税」に制度内容を掲載するとともに、区役所の税務窓口において、国が作成したポスターの掲示やチラシを配布するなど、幅広く周知を行っております。以上です。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 広く周知を行っているようですが、相続登記の義務化の周知は、今後、令和9年3月末までの集中的な取組が重要です。対象者に確実に届く、固定資産税納税通知書に相続登記の義務化に関して周知すべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 納税通知書を活用した周知につきましては、現在、固定資産税の概要などを記載したチラシを同封しておりますが、これに相続登記の義務化に関する内容も追加するなど工夫を行ってまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) どうかよろしくお願いいたします。
相続登記の未了や義務化は決して他人事ではありません。市民生活に大きな影響を及ぼす制度改正です。これまで、相続登記義務化への周知、相談などについて質問してまいりましたが、固定資産税を取り扱う地方自治体の果たす役割は大きいと考えます。
最後に、所有者不明土地などの解消に向けた相続登記義務化への取組について、島市長の御所見をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 島市長。
○市長(島宗一郎) 所有者不明土地は、適切に管理が行われず、そのまま放置された場合、防災、防犯、衛生、景観等において、市民生活に様々な影響を及ぼすとともに、適正課税の観点からも、その解消は大変重要な課題であると認識をしております。そのため、固定資産税の課税業務や区役所での司法書士相談などにおいて、相続登記の義務化の周知を行うとともに、用地買収や空き家への管理指導などを通じて、その解消に努めているところでございます。今後は、所有者不明土地の発生予防の観点から、議員からいただいた様々な御提案も踏まえながら、相続登記の義務化について、さらなる周知に取り組んでまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) ありがとうございます。
次に、中小建設業を支えるための取組についてです。
本年は、天神ビッグバンがスタートして10年目の節目を迎えました。12月には旧福ビル跡地に新たにワンビルが竣工し、来年春の開業に向け、天神に新たなランドマークが誕生します。全国でも例を見ない規模の再開発とともに、コロナ禍がありながらも、福岡市は人口増加をはじめ、全国トップの成長をし続けており、福岡市の人口は165万人を超えました。同じく建設業も活況を呈しており、福岡市民経済計算によれば、建設業の市内総生産額は、平成23年度の約2,416億円に対して、令和2年度は約3,914億円と、この10年間で約1,500億円近い増加を示しています。
一方で、コロナ禍後、建設業をはじめ、中小企業の倒産が増えているなどの報道を目にします。また、今年3月に、日銀が8年間続いたマイナス金利政策の解除を発表し、17年ぶりに金利ある時代が戻ってきたことで、今後、中小企業など借入金利の上昇による返済負担の増加が懸念されます。
そこでお尋ねいたしますが、福岡市における建設業の直近5年間の倒産件数をお示しください。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 市内建設業の倒産件数につきましては、東京商工リサーチの調査によりますと、負債総額1,000万円以上の倒産件数として、令和元年度が27件、2年度が21件、3年度が17件、4年度が13件、5年度が22件となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) コロナ禍後は、建設業の倒産件数が増えていることが分かりました。
では、近年、建設業の倒産が増えている主な理由について教えてください。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 東京商工リサーチの調査によりますと、建設業の倒産については、物価高や資材高、人手不足の影響などが主な理由として挙げられております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 一般的に建設業は工事終了後に代金が支払われるため、工事に必要な原材料や人件費などの運転資金は、あらかじめ受注者が負担することが多いと聞きます。そのため、受注があったとしても、その運転資金を確保するための資金繰りが厳しい状況にあるとの声を聞きますが、本市ではどのような支援を行っているのか、お伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 資金繰りの厳しい市内中小企業に対しては、福岡県信用保証協会の保証をつけた長期、固定、低利の商工金融資金制度による資金供給を行っております。令和3年経済センサス活動調査によりますと、市内全事業所のうち建設業の占める割合は7.4%となっておりますが、令和5年度の商工金融資金制度の全融資件数のうち建設業の占める割合は18.4%となっており、市内建設業の皆様に広く活用いただいているものと認識しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) また、最近では一般の金融機関からの融資が断られたケースも聞きます。
返済が困難などの理由で新たな融資を受けられない事業者に対して、本市ではどのような支援を行っているのか、お伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 返済が困難な事業者については、中小企業サポートセンターの金融相談窓口において、融資の借換えや条件変更など、資金繰りに関する相談を受け付けております。また、同センターの経営相談窓口においては、中小企業診断士による経営全般の相談を受け付けておりますとともに、より抜本的な支援が必要な事業者については、国が設置した中小企業活性化協議会につなぐなど、事業者の状況に適した支援を行っているところでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 市内事業所の99%を占める中小企業の経営支援、経営の安定を図ることは極めて重要です。今後とも、事業者の状況に応じ、柔軟に支援に取り組んでもらうよう要望いたします。
ここからは、公共工事について伺ってまいります。
そこで、本市における建設業の認識についてお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 建設業につきましては、社会インフラの整備や管理の担い手であり、地域経済や雇用を支える重要な存在であると認識しております。以上です。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) では、5年前の令和元年度と直近の公共工事の契約件数、金額をお示しください。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 財政局契約課、水道局契約課、交通局財務課及び各区総務課において契約した工事の総件数と合計金額につきましては、令和元年度が2,299件、973億4,000万円余、5年度が2,364件、940億7,000万円余となっております。以上です。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 公共工事による恩恵は決して少なくはありません。
令和5年度に本市が契約した公共工事において、地場企業の契約件数、金額、受注率をお示しください。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 令和5年度に契約した工事のうち、地場企業の契約件数は2,176件、金額は805億9,000万円余で、その割合は、件数ベースで92.0%、金額ベースで85.7%となっております。以上です。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 福岡市を支える地場企業への発注金額、件数の規模からして、公共工事は市民生活や社会経済を支える重要な経済対策です。一方で、建設業の経営課題として、長時間労働や人材不足などが大きいことも挙げられます。
これまで、建設業について何が課題で、本市として何を取り組んできたのか、教えてください。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 建設業における課題につきましては、国の資料によると、全産業と比較して、年間の出勤日数は11日多く、年間の総労働時間は62時間長い状況となっており、また、現場を支える技能労務者数は、60歳以上が全体の約26%と4分の1を占め、29歳以下が約12%となるなど、高齢化や若年入職者の減少が進んでおり、将来の担い手確保が大きな課題となっております。これを踏まえ、福岡市では地場建設業の担い手確保、育成の観点から働き方改革を推進しており、これまで建設現場における週休2日工事の導入や、年間を通じた施工時期の平準化による繁忙期の緩和などに取り組んできております。以上です。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 本年4月より、建設業にも時間外労働の上限規制が適用されています。いわゆる2024年問題です。令和元年の品確法の改正において、公共工事における発注者の責務として、建設業の働き方改革の推進が行われてきたと理解しています。
その取組の結果、どのように改善したか、お答えください。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 週休2日工事につきましては、令和元年度から7,000万円以上の土木工事で取組を開始し、その後、対象となる業種や金額の拡大を順次進めてきた結果、令和5年度の実施率は全体工事件数の約58%となっており、さらに令和6年度からは、災害復旧工事などを除き、原則全ての工事を週休2日で発注しております。また、施工時期の平準化につきましては、令和元年度から、従来2月補正でお願いしていた繰越手続を、原則12月補正に前倒しするとともに、令和4年度からは、工期が1年に満たない工事についても、ゼロ債務負担行為の活用を行ってきた結果、繁忙期の工事件数の割合が約1割減少しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 施工時期の平準化については、取組の結果、年度末にかけての繁忙期の工事件数の割合が約1割減少したことは一定の評価ができますが、国は公共工事の年間を通した工事稼働件数を平均化するため、平準化の進捗状況を表す平準化率という指標を使っています。資料3をお願いいたします。(資料投影)この平準化率は、工事の稼働件数が最も低い、閑散期とされる4月から6月までの平均稼働件数と年度全体の平均稼働件数との比較により算出するもので、この数値が表の赤い横線のラインを平準化された1としたときに、ここに近づけば近づくほど平準化が進んでいると判断される指標です。
そこで、本市の令和元年度から令和4年度の平準化率の推移と政令市の平均と比較し、現状をどのように認識されているのか、お伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 福岡市における平準化率の推移につきましては、令和元年度が0.59、2年度から4年度までは0.65となっております。また、政令市における平準化率の平均の推移につきましては、国の調査結果によりますと、令和元年度が0.65、2年度が0.70、3年度が0.74、4年度が0.73となっております。こうした状況を踏まえ、さらなる平準化率の向上に向けた取組が必要であると認識しております。以上です。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 資料4をお願いいたします。(資料投影)今御答弁いただいた令和元年度から4年度分の平準化率を政令市のランキングで示したものです。千葉市では、令和元年度の平準化率0.42から令和4年度には0.86と2倍に増加するなど、平準化への改善が数字に見える形で現れています。一方、福岡市では、令和元年度0.59から令和4年度でも0.65と、平準化が進んでいるとは言えません。現場の声を伺うと、特に今年は例年に比べ、閑散期の仕事が少なかったという厳しい声をお聞きしました。さらなる平準化への取組が必要ではないでしょうか。
令和6年度の目標値とその達成に向けた取組についてお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 令和6年度における平準化率の目標値につきましては、九州圏内の国や自治体等で構成する九州ブロック発注者協議会において、0.8以上と設定されております。福岡市では目標値の達成に向け、平準化の状況を定期的に庁内で共有するとともに、さらなる繰越手続の前倒しやゼロ債務負担行為の活用を各局に促すなどの取組を行っております。以上です。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 平準化のためには、財政局はじめ、各局の発注部局との協力が本当に必要だと痛感します。各局の発注計画段階において、平準化目標0.8の達成に向けた計画作成を要望しておきます。
さて、今年の通常国会では、第三次の担い手三法が改正となりました。インフラ整備の担い手、地域の守り手である建設業がその役割を果たし続けられるよう、担い手確保、生産性向上、地域における対応力強化を目的に改正されましたが、担い手確保については、令和2年の厚労省の調査によると、新卒3年以内の離職率は高卒で42%、大卒でも30%に及ぶなど、雇用のミスマッチがあり、中小建設業をはじめ、人材の確保は死活問題となっています。そのような課題解決のため、建設業界専門の転職支援や高度外国人材紹介を行うなど、様々な課題に寄り添う支援サービスが注目されています。また、生産性向上に向けた取組も進める必要があります。本市では公共工事において、ICTを活用した施工や遠隔臨場による工場検査などに取り組んでいますが、地場中小建設業ではまだまだ導入が進んでいないのが現状で、よりきめ細やかな支援が必要です。
生産性向上に向けて、地場建設業へのさらなる支援に取り組むべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 建設現場における生産性向上に向けたさらなる取組として、令和6年度から地場建設企業とスタートアップ企業とのマッチング支援に取り組んでいるところであり、地場建設企業がスタートアップ企業の革新的技術等を導入することで、建設現場における業務負担の軽減や作業の効率化を図るなど、生産性向上の取組を支援してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 建設現場の生産性向上に向けた取組は、優秀な人材の確保にもつながります。引き続き、地場建設業への支援に取り組んでもらいたいと思います。
一方で、冒頭申し上げたように、中小建設業において資金繰りの問題は深刻です。
そこでお尋ねいたしますが、本市における総合評価落札方式の概要と、令和元年度と令和5年度の契約金額、件数、全体の公共工事に占める割合をお示しください。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 総合評価落札方式につきましては、公共工事の品質確保の促進に関する法律に基づき、価格に加えて品質を含めた総合的な評価により落札者を決定する方式でございまして、福岡市では平成21年度に本格導入し、平成23年度より、原則、予定価格1億円以上の全ての工事を対象に実施しております。当該方式を適用した工事の件数及び契約金額、また、それぞれの全体に占める割合につきましては、件数は、令和元年度が144件で6.3%、5年度が180件で7.6%、契約金額は、令和元年度が349億円余で35.9%、5年度が399億円余で42.4%となっております。以上です。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 公共工事全体に占める件数の割合は低いものの、金額の割合は高いようです。建設業界には、工事代金を後日支払うことを約束する手形で決済する習慣があります。現金払いの場合、下請代金の支払い期日は60日までとされていますが、約束手形による支払いでは、この支払い期日にプラスして120日以内の一定期間が経過して支払われます。つまり、手形の場合は現金受領が最大で180日後になるということです。期間内に銀行に割引料を支払って現金化する方法もありますが、資金繰りに苦労するのは明らかです。特に総合評価落札方式での大型の公共工事では、多くの下請業者が関係しています。
建設工事における、元請企業から下請企業への現金や手形による工事代金の支払い状況についてお示しください。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 工事代金の支払い状況につきましては、全国の建設業者から無作為に抽出し、約9,100業者が回答を行った国の令和5年度下請取引等実態調査によりますと、全額現金での支払いが81.1%、現金と手形の併用等での支払いが18.7%、全額手形での支払いが0.2%となっております。以上です。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 本市においての詳細な状況ではありませんが、国の調査結果では、全て手形払いまたは現金と手形払いと併用した支払いが、合わせて2割弱あるとのことです。本年4月、公正取引委員会は、約束手形の運用を約60年ぶりに改め、令和6年11月以降、手形の支払い期日を原則120日から60日に短縮するなどの下請法の指導基準を変更しました。また、手形を多用するのは日本独自の商慣行によるもので、国際的には行われていません。
政府は、下請代金の支払いをできる限り現金化することで約束手形の利用を減らし、手形の電子化の普及も進めながら、約束手形を令和8年までに完全廃止する目標を掲げています。本市としても、下請業者の資金調達を円滑にしていくことは重要です。
下請代金の支払いについて、本市としてどのような取組をしているのか、お伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 下請代金の支払いにつきましては、福岡市の登録業者に対し毎年発出する通知や落札業者に都度交付する文書により、できるだけ現金で実施するように要請しております。また、令和6年11月以降の手形等の取扱いの変更につきましても、様々な機会を通じて登録業者や落札業者に周知をしてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) どうかよろしくお願いいたします。
先日、徳島市に公共工事の総合評価落札方式の入札制度の改正について伺ってきました。徳島市では令和4年度から、下請代金を約束手形ではなく、現金で支払うことなどを誓約書で提出した企業に、総合評価落札方式で加点する優遇措置を導入しています。その結果、令和4年度は対象企業の誓約書の提出率74%、令和5年度は62%の企業が提出。さらに現金払いが増えるような仕組みづくりが必要との検討を重ね、令和6年度から、それまで企業の社会性を評価する4項目のうち3項目を満たせば満点の加点となっていたものを、現金払いの誓約書提出を含む4項目全てを満たさなければ満点とならないよう制度改正した結果、令和6年度では直近で誓約書の提出率が87%に増加しました。
本市においても、下請企業への支払いを約束手形ではなく、現金にすることを誓約した入札参加企業には、総合評価落札方式で加点し、少しでも下請企業の資金繰りを支援するような方法を考えるべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 総合評価落札方式において評価する提案につきましては、公平性の観点などから必要な書類を求め、履行状況の確認を行う必要がありますが、一方で福岡市では、業界団体からの要望により、工事関係書類の簡素化にも取り組んでいるところでございます。
また、先ほど答弁いたしましたように、国の調査結果では、多くの企業が現金で支払っているという状況を踏まえると、現金払いを評価項目に加えることは慎重に検討する必要があると考えてございます。下請代金の支払いにつきましては、引き続きできるだけ現金で実施するよう、登録業者等に対してしっかり要請してまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 堤健太郎議員。
○12番(堤 健太郎) 本市では令和5年度より、ウエルビーイング向上とSDGsの達成に向けた取組を実施している企業などを社会貢献優良企業優遇制度の認定対象に追加して、入札制度における優先指名や総合評価落札方式での加点に追加しています。その観点からも、下請建設業への支払い条件を現金で払う地場企業に対しては、一定の評価をすべきと考えます。
今国会での品確法の改正では、発注者の責務規定も改正されました。その一部を抜粋して読みますが、「地域における公共工事の品質確保の担い手が中長期的に育成され及び確保されるよう、地域の実情を踏まえ、競争に参加する者に必要な資格、発注しようとする公共工事等の規模その他の入札に関する事項を適切に定めること」とあります。つまり、最終的には地域の実情を踏まえて、発注者である自治体が判断して入札制度を決めるとのことです。
これまで、本市を支える中小建設業について質問をしてきましたが、公共工事は本市の経済を支える重要な経済対策であります。それを担う中小建設業の経営基盤を支えることは、経営の安定のみならず、事業者の安心感にもつながります。
本市における中小建設業を支えるための取組について、島市長の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 島市長。
○市長(島宗一郎) 建設業は社会資本の整備、管理の担い手であるとともに、災害時における地域の守り手として、市民生活や社会経済を支える重要な役割を担っていると認識をしております。福岡市におきましても、市内の中小建設業がその役割を持続的に果たし続けられるように、経営相談や専門家派遣などの総合的な支援、商工金融資金制度などによる経営基盤の強化に加えて、週休2日工事の導入等による労働環境の改善、ICTの活用等による生産性の向上など働き方改革を推進し、企業の経営安定化につながる取組を実施しております。今後とも、中小建設業を取り巻く状況の変化や国の動向も踏まえながら、市内の中小建設業をしっかりと支えてまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫)登壇 私は日本共産党市議団を代表して、会計年度任用職員について、バリアフリー化の推進について、省エネルギーと断熱によるCO2排出削減について質問いたします。
質問の第1は、会計年度任用職員についてです。
市役所で働く職員のうち約3割に当たるのが、非正規職員である会計年度任用職員です。幾ら専門知識を持っていても、どんなに住民に信頼されていても、低賃金と不安定雇用を余儀なくされています。
まず、市役所の中で任用している会計年度任用職員の所属数と人数について答弁を求めます。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 福岡市において、会計年度任用職員を任用している所属数及び人数につきましては、令和6年5月1日現在で426所属、6,181人でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 市役所で働く6,181人が会計年度任用職員で、各局のほとんどの部署で働いています。そして、国家試験等の資格を持った専門職の方が少なくありません。
そこでまず、スクールソーシャルワーカーについてお聞きします。
スクールソーシャルワーカーはどういう専門職で、何校で何人雇用されているのですか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) スクールソーシャルワーカーとは、社会福祉士や精神保健福祉士の資格を保有し、教育と福祉の両面から課題を抱える児童生徒の家庭や学校に働きかけ、関係機関と連携して児童生徒の問題の改善を図る専門職でございます。本年度は全223校で75人を任用いたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 本市の全学校に75人が、1人3校から4校掛け持ちして週4日働いておられます。深刻な状況に置かれている児童生徒への対応とともに、社会福祉士または精神保健福祉士の資格を持つ福祉の専門職として、関係諸機関などとの連携、調整を行っています。
その専門職のスクールソーシャルワーカーのうち、会計年度任用職員は何人なのか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 68人でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 9割に当たる68人が会計年度任用職員です。現状では、制度上5年で一度解雇されるという不安定な働き方をされています。
では、年収は幾らなのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 市での経験年数等に応じて異なりますが、286万円から353万円となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 年収は300万円を下回る方もおられます。つまり、不安定雇用で低賃金ですが、専門職に見合う待遇だと考えているのか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) スクールソーシャルワーカーを含む会計年度任用職員の給与につきましては、国が示した運用の考え方を踏まえ、職務内容や勤務形態、責任の程度などを総合的に勘案した上で適切に設定いたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) どれだけ重要な職務か分かっていないから、適切なんてそんな答弁ができるんですよ。
では、お尋ねいたしますが、過去3年間の採用枠数と実際の雇用者数について答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 過去3年間の定数と任用者数は、令和4年度79人に対し71人、5年度80人に対し73人、6年度80人に対し75人となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) この3年間、充足できていないわけです。その理由は何ですか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 福岡市ではホームページをはじめ、近隣都市を含めた大学や専門学校にも周知を依頼し、様々な方法で確保に努めております。一方で、スクールソーシャルワーカーには、学校におけるソーシャルワークを的確に進める専門性が求められることから、力量のある人材を選定して任用しているところでございまして、その結果として充足に至っていないところでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 言い訳されますけど、処遇が悪過ぎるんですよ。しかも、有期雇用のために、次の職を考えながら働かなければいけません。ある30代のスクールソーシャルワーカーの方は、この給料ではもう続けられないと、1年で転職されました。聞いてみますと、各学校に週1回のペースで、児童生徒が抱える問題を解決するまで対応することができず、やりがいもそがれていったと言われています。
このように、低賃金で将来の展望が持てず、生涯設計ができない待遇です。したがって、スクールソーシャルワーカーは予算も確保して、待遇を改めて増員し、各校に専任として1人以上配置すべきだと思いますが、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 繰り返しとなりますが、スクールソーシャルワーカーの給与は、国が示した運用の考え方を踏まえ、職務内容や勤務形態、責任の程度などを総合的に勘案した上で適切に設定しております。また、福岡市は市独自に、国が示す重点配置校の配置時間と同等以上の時間を配置しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) このままではいい人材が他都市に流出し、キャリアがつながっていきません。スクールソーシャルワーカーの増員と各校専任での配置を強く求めておきます。
次に、学校給食調理員について聞きます。
給食調理員は、子どもたちにおいしく安全な給食を提供する仕事をされています。本市の小学校の給食調理員で、直接雇用している職員の中での会計年度任用職員は何人で何パーセントなのか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 会計年度任用職員の人数につきましては、同じく単年度の任用であります臨時的任用職員と合わせて191人でございまして、調理業務員全体に占める割合は54%でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 本市は学校給食調理員について、現業職職員退職不補充というルールの中で民間委託化を進めてきており、市直営と民間委託は現在73校ずつです。市直営の小学校では、正規職員の調理員と191人の会計年度任用職員等が働いておられますが、フルタイムの正規職員に対して、会計年度任用職員は1日5時間です。
2024年度の募集に当たって、給与は日額幾らで案内していますか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和6年度につきましては、勤務年数に応じて日額4,708円から5,021円で募集をいたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 募集したと言われる日額4,708円、5時間で割ると時給は941円、これは福岡県の最低賃金ちょうどですよ。子どもたちにとって会計年度任用職員の方も給食の先生であり、食育を担っている、なくてはならない職員です。そういう人を最低賃金額で雇うというのはどういう考えですか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 非常勤調理業務員を含む会計年度任用職員の給与につきましては、国が示した運用の考え方を踏まえ、職務内容や勤務形態、責任の程度などを総合的に勘案した上で、適切に設定いたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 全く専門職に見合わない賃金です。好待遇の他の職場に転職された方もいらっしゃいます。そして、募集しても応募が少ないと現場から嘆く声も上がっています。調理員の方からお話を聞きましたが、釜に火をつけると室温は40度を軽く超え、スポットクーラーの効果がほとんどない状況で汗だくで働いておられます。また、冬は冷たい水を扱い、重たい食材を持ち運び、髪の毛一本も落とせないなど、衛生管理にも気を遣われています。それに見合う賃金には程遠い待遇です。
低賃金で不安定な待遇は、事業継続に困難をもたらしかねません。したがって、給食調理員の会計年度任用職員は正職として雇用し、賃金を大幅引上げをするべきだと思いますが、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 調理業務員の配置については、安全で安心な学校給食を効率的、効果的に提供するため、正規の調理業務員と非常勤調理業務員を業務の質と量に応じて適切に配置するよう努めているところでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 最賃ぎりぎりなど、職務に対してあまりにも低過ぎます。改善を求めておきます。
それでは、市役所全体で会計年度任用職員の昨年度の平均収入額は幾らなのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 女性活躍推進法に基づく職員給与の算定では、令和5年度の平均給与は325万8,263円でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 私が頂いた資料では268万円とありましたので、それは実際には本市の低所得世帯に属する人たちも入っていますよというところで私は受け止めています。市職員の一般職の平均賃金が667万円ですから、会計年度任用職員の賃金は大方4割しかありません。
では、本市のパートタイムの会計年度任用職員の労働時間は、正規職と比してどうなっているのか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) フルタイムの会計年度任用職員については、常勤職員と同様に週38時間45分勤務としており、パートタイムの会計年度任用職員については、週27時間30分勤務を基本としております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 本市のパートタイム会計年度任用職員の場合、正規職の週38.75時間に対して、今言われた27.5時間、労働時間は7割ということですね。職務の内容は、正規職員と会計年度任用職員の間にはほとんど違いはありません。パートタイムの労働時間が正規職の7割ですから、賃金も正規職の7割とすべきです。
この点については、毎年出されている総務省の通知、会計年度任用職員制度の適正な運用等についてでは、類似する職務に従事する常勤職員の属する職務の給料月額を基礎として考慮すべきと書かれており、これに明らかに違反しているのではないかと思いますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 国が示した運用の考え方によると、会計年度任用職員の給与水準は、類似する職務に従事する常勤職員の属する職務の級の初号給の給料月額を基礎として、職務の内容や責任、職務遂行上必要となる知識、技術及び職務経験等の要素を考慮して定めるべきとされております。福岡市の会計年度任用職員の給料及び報酬の水準は、この考え方に基づいて設定しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) ごまかされますけど、正規職員との均等、均衡、いわゆる同一労働同一賃金の観点から、この制度は出来上がっているんですよ。程遠い状況であり、通知に違反しています。
本市が総務省の通知どおりに運用していない問題は、これだけではありません。総務省は昨年度、会計年度任用職員の処遇改善のために、物価高騰に見合った給与改定を実施する趣旨から、12月27日通知で、常勤職員の給与の改定に係る取扱いに準じて改定することとして、2023年4月からの遡及の指示を出しています。しかし、本市はそれに背いて、4月遡及を実施しませんでした。
なぜ遡及しなかったのか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 会計年度任用職員の給与改定時期については、任期、勤務形態等を考慮の上、常勤職員に準じて改定することを基本とするよう国から通知がなされていることは承知しておりますが、福岡市においては、任期中の勤務条件の安定性を確保する観点から、翌年度から改定を行うこととしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) これも明らかな総務省通知違反です。さらに、総務省は昨年5月2日、会計年度任用職員の給与は常勤職員の給与改定が行われた場合、それに準じて改定せよと通知を出しています。これにも違反しています。そもそも給与所得の低い会計年度任用職員には、物価高騰の影響は正職よりも大きな影響が生じています。だから、国は会計年度任用職員の給与改定を含む措置に必要な地方交付税を増額交付してきたのです。それを遡及分に使わないのは許されません。
本市にはそのための地方交付税が幾ら来たのですか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 山嶋財政局長。
○財政局長(山嶋 剛) 令和5年度の地方交付税におきましては、国の経済対策に基づき実施する事業や地方公務員の給与改定に必要な経費の一部として、福岡市には令和5年12月に約9億円が追加交付されておりますが、その内訳は示されておりません。以上です。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 9億円の内訳が示されていないと言うけど、会計年度任用職員を含む給料改定分はそれに入っているんですよ。昨年12月27日の総務省の通知には、会計年度任用職員の給与改定の財源として補正を組んだと明記されています。適当な答弁は許されません。
では、その9億円のうち、会計年度任用職員の処遇改善に使った金額は幾らですか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 会計年度任用職員の給与等の遡及改定は行っておりませんが、地方交付税の追加交付約9億円を活用し、福岡市職員の給与改定所要額約17億円に対応したものと認識しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 会計年度任用職員には一円も出さなかったという答弁です。国から来た交付税を正規職員の給予改定にだけ充てて、本市一般会計からの人件費の実質支出を減らしたわけです。とんでもないやり方であり、許されません。
さらに、国の通知と違うことをまたやろうとしてる問題がもう1つあります。会計年度任用職員は言葉のとおり1年雇用ですが、公募によらない再採用を繰り返して雇用しています。
人事院は6月28日、国の非正規公務員について、公募によらない採用は連続2回を限度とするという3年目公募をなくすとしました。それを受け総務省は、会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアルから、国の3年目公募の例示を削除し、自治体の判断で雇用を継続できることになりました。
そこで、本市は現在、会計年度任用職員の再採用の上限回数を4回と決めていますが、これを撤廃すべきだと思いますが、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 福岡市の会計年度任用職員の公募によらない再度の任用につきましては、今後、総務省から出される通知や他都市の取扱い等も踏まえ、適切に対応してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) また都合のいい通知の解釈で、職員の冷遇を温存しようという気です。大体、今回、人事院が3年目公募を削除したのは、能力や経験のある職員が公務職場から流出していると各省庁からの指摘を受けてのものです。総務省もその立場から通知を出しています。これを無視することは許されません。
では、本市は、見直さなければ来年3月に何人の会計年度任用職員が雇い止めになるのか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 令和6年5月1日現在、任用されている会計年度任用職員のうち、公募によらない再度の任用の上限が4回に達している職員につきましては、1,495人でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 1,495人もの会計年度任用職員がこのままでは雇い止めに遭う。また試験を受け直して市職員として採用されるのを目指すか、またはほかの職を探さなければならないわけです。このような市自ら不安定雇用を生み出しているという状況。
お尋ねしますが、会計年度任用職員の雇用を打ち切り路頭に迷わす、このようなやり方を続けることは問題だと思いますが、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 公募によらない再度の任用が上限の4回に達した職員につきましても、翌年度の会計年度任用職員の選考試験に応募し、選考の結果、再度任用されることもあり得るものと考えております。今後も、公募によらない再度の任用につきましては、平等取扱いの原則及び成績主義を踏まえ、適切に対応してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 何が平等ですか。制度の問題を言っているんですよ。問題はこれだけではありません。賃金は低く抑えられ、継続的な雇用の保証がない会計年度任用職員の8割が女性であるという現実は、女性の貧困に拍車をかけており、行政が率先してやるべきことではありません。
これはジェンダー平等に反していると思いますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 会計年度任用職員の採用につきましては、応募者の中から性別にかかわらず、公平、公正に選考しており、給与制度も男女で差はございません。引き続き、地方公務員法に定める平等取扱いの原則及び成績主義に基づいて、適切に対応してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 現状を見て、そんなことをよく言えますね。短時間で低賃金は女性がふさわしい、フルタイムでそれなりの給与で働くのは男性だ。局長、そう思っているんでしょう。明らかにジェンダー平等に反しています。
さらに、この物価高騰の中で行政がするべきことは、市民の生活を応援することであり、市役所がするべきことは、直接雇用している会計年度任用職員の賃上げを行うことです。国も賃上げに向けたかじを切っている。しかし、局長は、今までどおり低賃金で働かせるという答弁を続けてきました。スクールソーシャルワーカーも、学校給食調理員も、処遇は適正だと強弁し、会計年度任用職員の運用について、政府の方針や通達などに反していることばかりやっている。専門性を培ってきた人が、その力を存分に発揮できない処遇で働いている市役所は根っこから変えるべきです。
したがって、会計年度任用職員の5年での雇用の打切りをやめ、抜本的に賃上げを行って、正規職員と同じ待遇にするべきだと思いますが、この問題の最後に、市長の御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 島市長。
○市長(島宗一郎) 会計年度任用職員の勤務条件につきましては、地方公務員法に基づき、国が示した運用の考え方や他都市の状況なども考慮し、引き続き適切に対処してまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 会計年度任用職員の待遇改善、強く求めておきます。
次に、バリアフリー化の推進についてです。
この間、国はバリアフリー法の改正を連続的に行い、誰もが自由かつ安全に移動、利用することは基本的権利であるという考えに立ち、事業者任せではなく、国と地方自治体が交通、移動の権利を保障し得る施策を計画的に実施することを強調しています。それを受けて、本市でもバリアフリー基本計画を制定し、いつでも、誰でも、自由に使いやすくとまちづくりを進めています。それがそうなっているのか、ただしていきます。
そこで第1に、視覚障がい者の長年の要求が実現しているかをただしていきます。
まず、駅のホームドアについてです。
国土交通省は、バリアフリー法に基づく基本方針のイの一番に鉄道施設のバリアフリー化を掲げており、本市のバリアフリー基本計画では、国が示した鉄道施設でのホームドアの設置を進めることとなっています。それはどこの駅で、設置状況はどうなっているのか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) ホームドアの設置につきましては、国の移動等円滑化の促進に関する基本方針に基づき、1日当たりの平均的な利用者数が10万人以上の駅において、優先的にホームドアの整備促進を図ることとしており、このうち、ホームドアの設置が完了している駅は地下鉄博多駅と地下鉄天神駅、整備中の駅は西鉄福岡駅、設置されていない駅はJR博多駅でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 地下鉄以外では、西鉄福岡駅は来年度末に完了予定になっていますね。JR博多駅はホームドアがなく、計画もないということです。
市として、JR博多駅についてどのように関与して、どのように推進していこうとしているのか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) JR博多駅につきましては、鉄道事業者より、ホームの幅が不足していることや、車両の種類が多く、ドアの位置が異なるなどの課題があると聞いておりますが、国の基本方針に基づき、引き続き鉄道事業者と協議を行ってまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) まず、博多駅については早急につけさせるべきです。現時点で1日10万人以上の利用者の駅が義務づけられているんですが、この基準はバリアフリー法の今後の改正の中で、さらに対象駅が広がっていくものとされています。しかし、西鉄もJR九州も、他の駅の設置計画は全くありません。JR九州は4,553億円、西鉄は1,975億円もの内部留保金を持っています。この大企業が全駅の設置計画を持たないのは問題です。
したがって、市の責任で博多駅にホームドアを設置するとともに、市内の西鉄やJRの各駅にもホームドア設置の計画を立てさせるべきだと思いますが、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 鉄道駅における安全対策は重要であると考えており、国の基本方針に基づき、安全の確保について引き続き鉄道事業者に働きかけてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 行政の責任なんです。強く求めるべきです。
では次に、市直営の地下鉄についてです。
地下鉄の各駅では、構内に視覚障がい者誘導用ブロック、いわゆる黄色い点字ブロックを配置して、視覚障がい者や弱視の方の誘導を行っています。しかし、点字ブロックはエレベーターに誘導していますが、エスカレーターには誘導していません。なぜですか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 小野田交通事業管理者。
○交通事業管理者(小野田勝則) 地下鉄駅における視覚障がい者のエスカレーターへの誘導案内については、乗降時のつまずきや転倒、白杖の巻き込みなど安全性に課題があるため、御利用のお客様の安全を考慮し、エレベーター及び階段などのより安全なルートへの誘導が一般的となっております。また、エスカレーターの利用を御希望されるお客様につきましては、駅係員が誘導を行い、エスカレーターを安全に御利用いただけるようにしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 安全面を考慮してというのは、あなた方の勝手な言い分です。エスカレーターに誘導ブロックをつなげてほしいと要求しているのは視覚障がい者の皆さんです。なぜかと聞くと、エスカレーターは一方通行なので、人にぶつからず、階段より安全だと言われます。交通エコロジー・モビリティ財団の調査では、多くの視覚障がい者が単独でエスカレーターを利用している実態が明らかになり、国土交通省も動き始めています。
お尋ねいたしますが、エスカレーターへの誘導をするために点字ブロックを設置するべきだと思いますが、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 小野田交通事業管理者。
○交通事業管理者(小野田勝則) エスカレーターへの誘導につきましては、先ほど答弁したとおり、安全性の課題もあるため、今後、障がい者団体などの意見や、国、他の鉄道事業者の検討状況などを踏まえ、慎重に研究してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 強く求めておきます。
では次に、車椅子の障がい者の声である道路の問題についてお聞きします。
従来から、歩道と車道との間には2センチの段差が必ずあります。車椅子が2センチの段差を乗り越えるためには一定の力が要ります。すると、衝撃で荷物が飛び出ることもあります。
本市は障がいのある当事者の声をどのように把握し、具体的にどういう施策をする計画なのか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 視覚障がい者の方からは、段差があることで歩道と車道の境界を認知しやすくなるという声がある一方、車椅子を使用する方からは、段差を通過する際の支障となっているという声を伺っております。誰もが安全で快適に移動できるよう、視覚障がい者や車椅子を使用する方及び学識経験者などによる、様々な構造の段差のない縁石を使った使用体験会における意見を踏まえ、構造を決定しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 障がいのある当事者との協議で、歩道に段差のない縁石の設置を今年から始めたというわけですね。
どういうスケジュールや範囲で設置していくのか、その目標はいつまでに、どうなっているのか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 令和4年度から5年度にかけて、各区において17か所の試験施工が完了しております。令和6年度より全市的に導入することとしており、整備につきましては、道路の改築などに合わせて順次進めてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 当事者は強く求めているのに、まだ進んでいるとは言えません。段差のない縁石は、道路の再整備箇所だけでお茶を濁すのは駄目です。道路整備アクションプランの一丁目一番地が生活関連経路のバリアフリー化です。その目標さえ、現在予定どおり進めていません。
したがって、規模もスピードもあまりにも不十分であり、予算も大きく確保して、急いで歩道と車道の段差を解消していく計画を必要性のあるところに立て、実施すべきではないかと思いますが、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 道路のバリアフリー化につきましては、これまで福岡市バリアフリー基本計画に基づき、生活関連経路の整備など予算確保を図りながら、しっかり取り組んできたところでございます。今後も高齢者や障がいのある方をはじめ、誰もが安全で快適に移動できる道路整備に取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 車椅子やベビーカー、高齢者の手押し車などのためにも、段差のない縁石の設置を急ぐことを求めておきます。
次に、小中学校についてです。
小中学校は、バリアフリー法が規定した特別特定建築物として、便所、エレベーター、経路のバリアフリー化、出入口、廊下などについて基準が定められています。
まず、バリアフリートイレについてです。
バリアフリートイレは、車椅子使用者等が円滑に使用できる広さを備えたトイレです。避難所となる体育館での設置状況はどうなっているのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和5年度末で76.2%となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 約4分の1の体育館には、まだ設置されていないということです。これでは障がいのある方や車椅子の方、高齢者は避難所として使えません。いつまでに完了するのか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 福祉のまちづくり条例などに基づきまして、新築や増築等の機会を捉えながら、順次設置してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 計画がないという答弁です。急いで100%にするべきです。
では、バリアフリーの問題で文科省が推進している学校の洋式化、これはどうなっていますか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和5年度末で77.7%となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) これもまだ2割強が洋式化されていません。いつ完了するんですか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和12年度末までに完了の予定としております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 悠長過ぎますよ。洋式化は、多くの児童生徒や来訪者にとって切実です。急いでするべきです。
では、エレベーターの整備状況はどうなっているのか、率を教えてください。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和5年度末で17.2%となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 8割以上の学校が2階以上に上がれないという状況は、全くバリアフリーとは言えません。エレベーターを必要としているのは、障がい者だけでなく、児童生徒や教員、保護者の中にも必要な人が多くなってきています。だから、バリアフリー法では特別特定建築物と小中学校を指定し、基準を設けているわけです。
直ちに計画を立て設置すべきだと思いますが、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 福祉のまちづくり条例などに基づき、新築や増築等の機会を捉えるとともに、常時車椅子を使用して生活する児童生徒の在籍状況も踏まえ、設置してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 本市は、校舎の新増築のときにというふうに言われました。あまりにも悠長過ぎます。ここまで小中学校について、バリアフリー法の国の基準との関係で見てきましたが、求められる水準に全く届いていない状況です。
お尋ねいたしますが、小中学校は特別特定建築物であり、全ての基準を満たすように、トイレもエレベーターも設置していくべきでありませんか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 繰り返しになりますが、学校の新増設等の際に併せて整備するとともに、常時車椅子を使用して生活する児童生徒が在籍する学校もエレベーターの整備に取り組むこととしておりまして、引き続き学校施設のバリアフリー化を着実に進めてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) バリアフリーという概念が教育長にはないという答弁です。2018年のバリアフリー法改正で、基本理念に社会的障壁の除去が明確化され、それを取り除くのは社会の責務だというふうにされました。2025年には次期バリアフリー整備目標が示され、第5次障害者基本計画と併せて目標への推進の具体化が求められています。ところが、本市の現状は、本日ただしてきたことだけ見ても、計画も施策も十分ではなく、課題は山積しています。
したがって、障がいのある方や高齢者が移動や利用の権利を完全に保障するためには、バリアフリー化の計画を前倒しし、早急に実施すべきだと思いますが、この問題の最後に市長の御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 島市長。
○市長(島宗一郎) 障がいのある方や高齢者をはじめ、誰もが安心して暮らせる環境整備を進めることは重要であると認識をしています。福岡市では、福岡市バリアフリー基本計画などに基づき、様々な施設のバリアフリー化や心のバリアフリーの推進など、ハード、ソフト一体的なバリアフリー化を官民連携して進めております。今後とも、「みんながやさしい、みんなにやさしいユニバーサル都市・福岡」の実現に向けて、しっかりと取り組んでまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) バリアフリー整備の推進、強く求めておきます。
次に、省エネルギーと断熱によるCO2排出削減についてです。
本市は、政府よりも10年も早い2040年度カーボンニュートラルを掲げ、2030年までに市域の温室効果ガスの排出量の50%削減目標を立てています。CO2排出削減をしていくためには、省エネルギーの実行と再生可能エネルギーへの転換が重要です。
本市の実行計画では、エネルギー消費量の削減、すなわち省エネの目標はいつまでに幾らとなっているのか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 福岡市地球温暖化対策実行計画におきましては、省エネに関する成果指標として総エネルギー消費量に関するものはございませんが、2030年度における家庭部門及び業務部門における原単位当たりのエネルギー消費量を設定しており、目標値といたしましては、世帯当たりのエネルギー消費量は、2030年度に世帯当たり15.8ギガジュール、業務系建物の床面積当たりのエネルギー消費量は、平米当たり0.65ギガジュールといたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 原単位は聞いていません。全体目標はなぜないのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 実行計画におきましては、施策の効果や、市民、事業者の取組の成果をより的確に把握することができるよう、人口増加等の影響を受けない世帯当たり及び業務系建物の床面積当たりのエネルギー消費量を成果指標に設定いたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 人口増や事業所増なので、CO2排出量が増えても仕方ないですよという考えです。そんなこと地球温暖化計画に成り立ちませんよ。川崎市、横浜市、名古屋市、大阪市など主要な自治体では、省エネ目標を市民にも明確にして推進しています。これに倣うべきです。
では、本市のCO2総排出量のうち、住宅や建物がほぼ全てを占める家庭部門、業務部門で何パーセントのCO2が排出されているのか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 直近、令和3年度のCO2排出量は559万トンであり、そのうち家庭部門が24%、業務部門が31%を占めております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 家庭と業務を合わせて52%というわけですね。この対応が特別に求められているわけですよ。これを各家庭や各事業者に頑張ってくださいと言うだけでは、CO2排出削減はできません。市役所が削減計画をもって具体的に実行しなければならないわけです。
そこで、家庭部門について尋ねてまいります。
本市の計画では、家庭部門におけるCO2排出削減見込み量はどうなっているのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 家庭部門のCO2排出量につきましては、基準年度である2013年度の257万トンから2030年度の81万トンへと、176万トンの削減を見込んでおります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 176万トンの内訳で一番多いのが、電源構成による101万トン減です。これは国や電力会社任せで、再生可能エネルギーに切り替わっていけば減っていくものです。問題は、家庭における省エネで70万トンを削減するということの目標ですが、これは市独自の施策がほとんどとなります。
その実行にどのような省エネ対策を本市として推進しているのか、説明を求めます。
○副議長(松野 隆) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 省エネルギー化による70万トンの削減に向けましては、脱炭素型ライフスタイルへの転換に向け、日常生活における省エネ行動を、CO2の削減効果や光熱費の節約額などのメリットと併せて広報啓発するとともに、市民の脱炭素行動に対し、交通系ICカードへポイントを付与するECOチャレンジ応援事業や、高効率給湯器や家庭用燃料電池などの導入に対し最大75万円の補助を行う住宅用エネルギーシステム導入支援事業などの取組を進めております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 今いろいろ言われた施策で、それぞれで何万トン減らして合計で70万トンになるのか、示してください。
○副議長(松野 隆) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 実行計画におきましては、省エネルギー化による70万トン削減に向けた取組ごとの削減量は設定いたしておりませんが、広報啓発等による脱炭素型ライフスタイルへの移行や住宅の省エネルギー化、省エネ機器の導入などを主な取組として位置づけており、直近の令和3年度時点で47万トンの削減を達成いたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) いろいろ言われるけど、いつも具体性がないんですよね。もう国語の勉強のように、本当に頑張ります、頑張りますと言うだけなんです、CO2削減については。
家庭部門におけるCO2排出削減に当たり、国は住宅で省エネをしていくことに大きくかじを切りました。建築物省エネ法、建築基準法の改正により、来年、2025年4月から新築、増改築する場合は、全ての省エネ基準への適合が義務化され、断熱等性能等級4という省エネ基準が全ての新築住宅に義務づけられます。
この義務づけられる基準はどういう内容なのか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 断熱等性能等級は、国の住宅性能表示制度における省エネ性能の等級で、住宅の屋根や外壁、窓等の断熱性能によって7段階に区分されております。このうち等級4は、窓等の開口部に複層ガラスの設置などが必要とされる性能となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 断熱と省エネがこれまで以上に求められ、その基準となる断熱等級4以下の住宅を来年4月以降に建築することはできないということになります。
そこで、断熱等級4を満たしていない住宅は、現在、福岡市内に何棟あり、それは全体の何パーセントなのか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 令和7年4月施行の新たな省エネ基準が適用される、福岡市における住宅の件数等の情報につきましては持ち合わせておりませんが、令和元年度の国土交通省による、全国を対象とする事業者アンケート等を基にした調査によりますと、全国の住宅ストック約5,000万戸のうち、この基準に達していない住宅は約87%と推計されております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) いよいよ来年から始まる法施行に向けて、本市は数字を持ち合わせていないと。しかし、国でいうと87%だということを御答弁されました。本市の住宅のほとんどが断熱等級4を満たしていません。それは逆に言えば、それだけ省エネのポテンシャルがあるということです。
この基準に満たない住宅に対して、本市は2030年までにどのような計画を立てて臨んでいくのか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 既存住宅の断熱性に係る計画や目標はございませんが、実行計画におきまして、断熱化を含む住宅の省エネルギー化に関する成果指標といたしまして、家庭1世帯当たりのエネルギー消費量を、2013年度の27.8ギガジュールから、2030年度までに15.8ギガジュールへと43%削減することといたしており、2021年度時点では32%削減の18.8ギガジュールとなっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 国が変わってきているときに、あなた方はずれているんですよね。新築住宅以外は何も対策しないということでしょう。つまり、圧倒的多数を占める基準以下の住宅は放置し続けるわけですよ。
人口が本市の3分の1である鳥取県では、毎年3億数千万円の予算を組んで、とっとり健康省エネ住宅普及促進事業を推進しています。どういう事業ですか、説明を求めます。
○副議長(松野 隆) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) とっとり健康省エネ住宅普及促進事業につきましては、鳥取県のホームページにおきまして、国の省エネ基準を上回る県独自の健康省エネ住宅性能基準を満たすとっとり健康省エネ住宅の普及を図るため、新築または既存住宅の改修において基準に適合する住宅を認定し、消費者向けの広報、普及啓発、技術者の養成のほか、認定住宅に対し助成を行うとの事業内容が記載されております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 要するに、事業者を育成し、住宅産業を地域経済の振興に位置づけて推進し、国の基準も、そして、ヨーロッパの基準も大きく上回る断熱性と気密性のある住宅を提供している自治体独自の施策だということです。
本市でも基準を新たに決め、研修制度をつくり、事業者を登録し、認定、助成をする制度をつくるべきだと思いますが、御所見を伺います。
○副議長(松野 隆) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 住宅の断熱化につきましては、令和5年度に国の補助事業として、断熱窓の改修費用に対し、1戸当たり上限200万円を補助する先進的窓リノベ事業や、高い省エネ性能を有する新築住宅に対し、上限100万円を補助する子育てエコホーム支援事業など、手厚い支援事業が創設されたため、これらの国補助金の周知を行うとともに、集合住宅率が政令市一高い福岡市の特性を踏まえ、省エネ性能の高いマンションの設計費用に対して最大100万円の補助を行う、脱炭素建築物誘導支援事業を創設いたしております。また、ECOチャレンジ応援事業における複層ガラス等への改修に対するポイント付与や住宅窓改修の手引きを活用した啓発などにも取り組み、住宅の断熱性向上を推進してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 一部マンションはあるけれども、ほとんどもう国がやっているものばかりを広報するだけで、市独自は何もやらないということに等しいです。家庭部門における省エネを促進するべきです。
次に、公共施設の分野です。
夏休みに、私も毎年恒例の学校ウオッチングで、公共施設を考える会の皆さんと一緒に各地の学校を訪ねました。一番多くお聞きしたのが、エアコンがせっかくついたけど、効果が薄い教室もあるという声でした。
お尋ねいたしますが、教室の温度はエアコン設置前と後ではどのようになっているか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) エアコン整備前の平成24年度に、小中学校の教室で抽出調査を行っておりまして、その結果は、7月中旬から9月中旬まで平均温度が連日28度を超えてございました。エアコン整備を行った後は教室ごとに温度設定が可能となってございまして、各教室の状況に応じて適切に温度の設定がなされているものと考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 測りもしないで適切と言うのは本当にお粗末です。教室温度は分からないということですね。
お尋ねいたしますが、学校環境衛生基準では、教室の温度は何度にしなければならないとなっているのか、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 学校環境衛生基準においては、教室の温度は18度以上28度以下であることが望ましいとされてございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 東京大学の前真之准教授は、クーラーをつけても、さいたま市の最上階の教室温度が40度を超えているという調査報告をされています。報告では、平日の朝から昼過ぎまでクーラーをつけていても、放課後から翌朝までは消しているので、教室の温度は高いままの状態になっていると記載されています。埼玉と同じように、福岡も室温が高いままなんです。
お尋ねいたしますが、教室の温度調査を行うとともに、環境衛生基準を守る手だてが必要ではないかと思いますが、答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 学校保健安全法において、学校の設置者は、学校環境衛生基準に照らして適切な環境の維持に努めなければならないと規定されております。同項の規定を踏まえまして、各学校に対して、教室の温度など学校が点検すべき項目を示し、日常的に点検を行うように通知いたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 子どもたちの健康を守る責任はあなたですよ。全くその責任を持たないあきれた答弁だ。当初、教室にクーラーをつけた頃は、まだ室温も高くありませんでした。でも、今は最高気温が毎年更新し続け、現実に28度以下に収まっていないのは明らかです。
教室の温度を28度以下に収めるためには断熱改修が効果的だと思いますが、御所見を伺います。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 建物の断熱化につきましては、空調負荷の低減に効果があると考えておりまして、福岡市市有建築物の環境配慮整備指針に基づき、新築や増築、改修等の際に取り組んでおります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 断熱の効果は認められました。今、教育委員会のほうでやっていることは、長寿命化改修の中で、外壁には遮熱塗料を塗り、屋上には防水シートの下に薄い断熱材を置くだけで、とても本格的断熱とは言えません。そのやり方では、子どもと教職員の健康は守れません。
では、本格的断熱改修の費用はいかほどか。前准教授の調査では、天井裏や窓枠の周辺に断熱材を入れるなどした場合、最上階の教室は200万円、それ以外は150万円という数字が出ています。仮に21教室ある教室で最上階の教室が7つだとすれば、3,500万円でできます。これをすれば教室を涼しく快適にでき、かつ電気代の節約にもなるわけです。
全ての教室の断熱改修を早急にするべきでありませんか。答弁を求めます。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 繰り返しになりますが、本市の学校施設の断熱改修につきましては、福岡市市有建築物の環境配慮整備指針に基づき、長寿命化改修等の機会を捉え整備してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 堀内徹夫議員。
○44番(堀内徹夫) 断熱改修を早急に行うよう求めておきます。
国連のグテーレス事務総長が、気候崩壊が始まったと危機感を示す中、福岡でも、今年はお盆を過ぎても連日のように熱中症警戒アラートが発表され、平均気温も観測史上最高を更新している状況です。
今、私たちが取り組まなければならない地球温暖化対策は何かを念頭に、本市の実行計画を省エネの角度からただしてきましたが、本市は省エネの目標をいまだに持たず、民間住宅についても、公共施設についても、積極的に取り組もうという姿勢は見られませんでした。私たちにはそれほど時間が残っていません。2030年までに温室効果ガスを大幅かつ早急に削減する必要があり、本市にもその大きな責任があります。このままでは本市の2040年度カーボンニュートラル計画が絵に描いた餅だと言われますよ。
そこで、最後に市長にお尋ねいたします。
本市の地球温暖化対策の計画に省エネ目標を明確に掲げるとともに、省エネに大きく寄与する断熱について、本市の独自施策を創設し、地場業者の仕事おこしにつなげながら、2040年度カーボンニュートラルを本気で実行すべきだと思いますが、市長の答弁を求めて、私の質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 島市長。
○市長(島宗一郎) 2040年度の温室効果ガス排出実質ゼロに向けましては、建築物の省エネルギー化だけではなくて、再生可能エネルギーの導入や脱炭素型ライフスタイル、ビジネススタイルへの転換、イノベーションの社会実装などに総合的に取り組んでいく必要があると考えてございます。国においては、脱炭素の取組を経済成長の機会と捉え、温室効果ガスの排出削減と産業競争力の強化に向けた経済社会システム全体の変革、いわゆるGX、グリーントランスフォーメーションが推進されており、福岡市といたしましても引き続き、市役所自身が率先して取組を進めるとともに、再生可能エネルギーの利用拡大や建築物、設備の省エネルギー化など、地域経済の発展、活性化にもつながる脱炭素の取組を市民、事業者一体となって推進してまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) この際、休憩し、午後3時に再開いたします。
午後2時47分 休憩
午後3時 開議
○議長(打越基安) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫)登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表して、本市の歴史資源を生かすことについて質問してまいります。
福岡市は人口が毎年1万人以上増えて165万人を超えるまでに成長し、天神ビッグバンなどの取組を背景として、企業誘致件数も近年は60社を超え、また令和6年4月の福岡空港と博多港からの外国人入国者数はコロナ禍前を超える約31万9,000人となるなど、インバウンド来訪者も増加をしております。このような都市は国内でもまれであり、それだけ国内外の多くの方々に住みやすく、また魅力的なまちとして選ばれて、認められているということだと感じております。先人の皆様のたゆまない御尽力があったことはもちろんですが、島市長就任以降、国家戦略特区への指定のほか、福岡市の魅力やポテンシャルの高さをしっかりとアピールされ続けてきたことで、本市はさらに成長を遂げてきていると感じております。そして、その成長の果実が市民の皆様にも分配されてきていると感じております。
先ほどインバウンド来訪者が増加していると申し上げましたが、先日、西日本・九州の自治体等と連携した西のゴールデンルートが設立されました。この取組により、日本を訪れる欧米やオーストラリアなどのインバウンドが、東京から大阪までの、いわゆるゴールデンルートだけを周遊するのではなく、西日本・九州の各都市が有する魅力ある観光資源を目的に広域を周遊するなど、人流が変化していくことを期待しますが、本市の魅力をさらに充実することで、より多くの方々が観光やビジネス等で福岡市を訪れることにつながり、また本市の魅力のさらなる発信にもつながっていくものだと考えております。
そうした中、本市の経済を活性化させるためには、交流人口の拡大とともに、高付加価値を図ることが重要となりますが、そのためにこれから充実させていくべきものは、本市の歴史や文化を生かした観光資源であると考えております。観光名所が少ないと言われる福岡市ですが、日本では唯一発見されている古代の迎賓館である鴻臚館をはじめ、福岡城や元寇防塁など、多くの史跡や文化財があります。しかし、それらの整備や活用がまだまだ足りていないと感じておりますし、それがゆえに、これら史跡等のアピールも足りていないと感じております。本市は、那珂川を挟んでその東側を博多、西側を福岡というふうに言われますが、いわゆる博多では寺社仏閣を生かしたまち並みの形成や博多町家ふるさと館なども整備されており、観光客の方々も多く訪れているのではないかと感じます。一方で、福岡と言われる中央区、そして中央区以西においては、整備やアピールがまだまだ足りていないのではないでしょうか。観光客の方により長く本市へ滞在いただき、本市経済の活性化に貢献してもらうためには、本市に存在する史跡や文化財などの歴史資源を生かし、観光名所を充実させていかなければならないと考えます。
そこでまず、本市が考える福岡市の観光名所はどこだと考えているのか、お尋ねいたします。
これで1問目を終わり、2問目以降は自席にて質問いたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 福岡市の観光名所につきましては、福岡城、鴻臚館といった国史跡や博多旧市街をはじめとする神社仏閣などの歴史資源、コンサートや観劇などの文化、エンターテインメントのほか、ショッピングやスポーツ観戦を楽しむ都市型観光、風光明媚な景観が楽しめる志賀島や能古島などの自然、市内各所で楽しむことができる博多ラーメン、もつ鍋、水炊き、新鮮な海産物をはじめとする豊かな食文化などがございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) 福岡城や鴻臚館、博多旧市街などの歴史資源も観光名所の一つであるとの答弁でしたが、本市の歴史資源を整備、活用することの意義をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 福岡城をはじめとした数多くの貴重な文化財は、本市の二千年を超える長い歴史の中で生まれ、今日に伝えられてきた貴重な財産でございます。これら文化財をはじめとした歴史資源は、福岡の歴史や文化の理解に欠くことのできないもので、福岡の将来の文化の発展、継承の礎をなすものであるのみならず、その整備や活用を通して市民が地域に対する誇りと愛着を持つ原動力となるとともに、都市としての魅力や活力を高める、特色ある資源となり得るものであると考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) それでは、これらの歴史資源を生かした観光名所の広報はどのようにしているのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 観光名所の広報については、観光情報サイトやSNS等を活用した情報発信のほか、観光案内所での観光案内やパンフレット、マップなど、紙媒体の配布、現地の観光案内板による情報提供を行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) また、これらの名所に思い入れを持ち、守り、継承すべく活動されている方々や団体がありますが、このような方々との連携された事例やイベント活動内容などに応じた支援などがあれば教えてください。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 博多旧市街をはじめ、福岡城、鴻臚館、志賀島エリアなどにおいて、歴史、伝統、文化の継承を図る地域団体がイベントを行われる際、御依頼に応じて関係機関との連絡調整や広報などによる支援を行っております。また、福岡城跡では、地元企業と共働して石垣の除草作業を実施しており、作業を通して文化財を身近に感じていただけるよう取り組んでおります。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) 歴史、文化資源を守り、継承すべく活動をされている方々と連携しながら取組を進めていただくことは、活動をサポートするだけでなく、活動されている方、参加される方を通した広報という観点からも有意義だと思いますので、今後とも、連携や支援をよろしくお願いいたします。
さて、本市は歴史上重要な役割を担った偉人を数多く輩出したまちです。しかし、その多くは教科書にも大河ドラマにもほぼ取り上げられていないという現状をとても残念に思っています。例えば、江戸から明治への移行期に活躍された方でいいますと、平野二郎國臣がいます。平野二郎國臣は、かの有名な西郷隆盛が入水自殺を図った際に、海に飛び込んで西郷さんを助けた人であり、この人がいなければ維新は成功していないと言われるぐらいの方です。また、西郷さんと共に有名な高杉晋作と縁の深い方も福岡市にはいらっしゃいました。その方は野村望東尼です。野村望東尼は維新の三大女傑とも言われ、追っ手に追われた高杉晋作を山荘にかくまって命を助けた人であります。その山荘が中央区の平尾山荘公園に復元されており、当時のかやぶき屋根をまちなかで見られる貴重な場所となっています。また、江戸時代末期に活躍した加藤司書や、明治期には中野正剛、そして、中央区の大名小学校を卒業され総理大臣も務められた広田弘毅先生など、福岡市出身の偉人を福岡市民の皆様がどれだけ知っているのだろうかと、いつも考えております。残念ながら、市民の皆様にもほとんど認知されていないのではないでしょうか。私が中央区に住んでいるので、つい中央区のことばかり言ってしまいますが、例えば、早良区には、福岡が生んだ偉大な勧農学者で黒田家ともゆかりのある林遠里という方が開設した福岡市の指定史跡でもある勧農社跡も残っており、日本が守っていくべく現代農業の礎を築いてきた人物や、その活躍場所のような歴史資源も観光名所として十分な魅力があると考えます。このような人物がいることも、多くの市民の方々は知らないのではないでしょうか。
そこで、歴史の教科書等には掲載されていなくても、歴史上、重要な役割を担った福岡市出身の偉人を、まずは本市の小中学生の授業の中で取り上げて知ってもらい、子どもの頃から福岡市民としての誇りと愛着を持ってもらう取組が重要であると考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 現在、多くの小学校で活用されております社会科の副教材には聖一国師が取り上げられており、その教材を基に、児童が郷土の祭りについて学んでおります。また、野村望東尼や川上音二郎など、校区にゆかりのある先人がいるという特性を生かして、フィールドワークなどの学習を行っている学校もございます。福岡市出身の偉人をはじめとする地域素材を授業で取り上げることは、児童生徒の歴史に関する興味、関心を高めることに有効であり、これまで小学校で実施された指導事例を収集、整理し、各学校が活用できるようにすることによって、伝統や文化を大切にし、郷土を愛する心を育むことにつなげていきたいと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) このような小中学生からの取組は、福岡市民としての誇りや福岡市への愛着をさらに抱くことにもつながり、今後、本市からグローバル人材を輩出していく上でも、本市の歴史等を学んでおくことは大きな武器にもなると考えておりますので、よろしくお願いいたします。
また、本市が輩出した偉人に関する史跡や文化財について、認知度や関心度を把握した上で整備、活用し、観光客の誘致につなげることはとても意義深いことであると考えますが、本市ではそれらの史跡や文化財だけではなく、歴史的、文化的な観光名所までの交通アクセスに課題があるのではないかと考えています。福岡城や鴻臚館跡は市内の中心地にありますから、公共交通機関も充実をしておりアクセスしやすいのですが、元寇防塁や先ほど御紹介した勧農社などは自家用車がないとなかなか行けません。車で行くにも駐車場もありません。
市内には交通アクセスを充実させ、それをしっかりと情報発信していくことで、さらなる観光名所になり得る場所があると思いますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 交通アクセスの充実や情報発信は重要であると考えておりまして、北崎エリアにおいては、交通事業者や近隣の店舗と連携してお得な乗車券を発行したり、都心部からの直行バスを利用したモデルコースの紹介を行うなど、公共交通機関での来訪促進と観光スポットの認知向上に取り組んでおります。また、歴史資源として広く復元、公開している生の松原地区の元寇防塁においては、見学者向けの受入れ環境整備として、令和5年4月より大型バス1台、普通車7台が停車可能な駐車場の供用を開始し、多くの方に利用いただいております。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) 今答弁にあった生の松原の元寇防塁駐車場は、駐車台数はまだまだ物足りないとはいえ、地元の理解を得て、史跡の近くに駐車場を整備するいい事例だと思います。実現に向けてはいろいろと御苦労があったと思いますが、今後も引き続き観光名所への交通アクセスの充実に取り組んでいただきたいと思います。
次に、観光名所といえば、例えば、伊勢神宮にはおかげ横丁があり、通天閣に新世界があるように、休憩や飲食、お土産の購入など、近くの商店や施設と連携して観光客に周遊してもらい、消費してもらうことが重要だと思います。しかし、例えば、先ほどの平尾山荘公園も野村望東尼の復元された山荘がありますが、近隣には魅力的な飲食店や和菓子屋さんなどもありますし、春には桜がとてもきれいでさくらまつりも開催されますが、春以外の時期にも観光名所として、また歴史を感じる場所としても訪れていただくため、近隣の施設や商店等との連携も必要であると考えますし、現在、舞鶴公園には何台もの大型バスにて海外の観光客が訪れているようですが、舞鶴公園を散策後に近隣の商店等に訪れ、消費をしてくれているかというと、そうではないと感じております。
そこで、観光名所の周りの商店や施設などにも訪れてもらい、楽しんでもらえるような取組が必要だと考えますが、現在、そのような取組はなされているのか、お尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 観光名所を訪れた観光客に対する周辺商店等への誘客については、ホームページ等において、史跡等の歴史資源とともに、周辺の飲食店や観光スポット等の情報をモデルルートとして紹介しておりまして、今後さらなる充実を図ってまいりたいと考えております。また、商店街振興の観点から、旅行客を商店街にいざなうため、観光施設周辺の案内サインの設置やエリアマップの作成とともに、商店街によるイベントの開催やコンテンツの造成を支援するなど、新たなにぎわいを創出する取組を始めたところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) 福岡市は第3次産業が9割を占める産業構造で、来訪者を増やし、消費を拡大することが観光関連産業をはじめとした市内経済の活性化に重要であるという答弁をよく聞きますが、魅力的に整備された観光名所、そこを目指す観光客による周辺店舗等での消費誘発、この実践が大事だと考えます。周辺店舗等の安定した収入確保につながるのみならず、ひいては市民の皆様の利益にもつながるものであり、積極的に取組を進めていただきたいと思います。
昨年11月、屋台が主な目的で市外から訪れた人が前回調査の2倍になったという発表がありましたが、コロナ禍や社会経済情勢の変化もあり、現在、観光客の方々が訪問先を選ぶ際の興味や目的も変わってきているのではないかと思います。観光客の興味や目的に関して言えば、令和5年6月にザ・リッツ・カールトン福岡が開業しましたし、令和12年には福岡家庭裁判所跡地に英国系高級ホテルのインターコンチネンタルを中核とした複合ビルが開業する予定となっています。これによって、高付加価値旅行者層という、これまで福岡市に来られていなかった新たな層の観光客がお越しになっているのではないかと思います。
福岡市にお越しになる観光客の特性を把握し、観光資源の活用を考えていくことが重要であると考えますが、このような高付加価値旅行者層と言われる方々は何を求めて日本にお越しになられているのか、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 国によりますと、高付加価値旅行者層は一般的に知的好奇心や探求心が強く、旅行による様々な体験を通して、地域の伝統、文化、自然等に触れることで自身の知識を深め、インスピレーションを得られることを重視する傾向にあるとされております。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) 高付加価値旅行者層を福岡市へ呼び込んでいくために、具体的にどのような取組を行っているのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 高付加価値旅行者層の誘客については、福岡市ならではの伝統文化や食文化など、通常は体験できないような旅行商品を開発するとともに、高付加価値旅行者層を対象としている海外の旅行会社などに対して商談会を通した情報発信を行い、誘客を図っているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) 今、高付加価値旅行者層の話をしましたが、様々な層の方々で興味を持つものが違い、滞在日数も異なってくるのではないでしょうか。そのような中でも、福岡市の食は国内外からおいでの全ての方に自信を持ってお勧めできます。また、良いホテルや旅館も、買物をする場所もたくさんあります。そうした中、やはり歴史や文化を感じ、いにしえに思いをはせて、心の奥深くに何とも言えない思いがしみ込んでくるような観光名所の整備やアピールは、まだまだ足りていないように感じます。このような場所をしっかりと整備し発信していくことで、福岡市の魅力はさらに向上していくのではないでしょうか。また、現在、歴史資源として埋もれている場所などを整備し、発信をしていくことで、今まで観光客が訪れなかった過疎地などに人が来ることでその地域の活性化にもつながると考えますので、歴史や文化を本市経済の発展に生かさないのは非常にもったいないと思います。また、最近では、有名な観光名所などに観光客が押し寄せて地域の方々に迷惑がかかっているというようなニュースも目にしますが、現在埋もれている様々な歴史、文化資源を充実させて、観光名所として整備することで観光客の分散にもつながると考えます。
これまで質問してきましたが、福岡市民としての誇りや愛着が深まり、福岡市の魅力向上にもつながるよう、本市の至るところに存在する歴史的、文化的なものをさらに整備し、観光名所としてさらなる充実を図っていただきたく、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 歴史資源については、観光・MICE推進プログラムにおいて、地域や市民生活と調和した持続可能な観光振興の推進の中に、地域資源等を活用した観光振興として位置づけ、その活用を積極的に推進しているところでございます。今後とも、歴史、伝統、文化など、福岡市を代表する観光コンテンツをさらに磨き上げるとともに、まだ知られていない観光名所等についても掘り起こしを行うなど、観光客や市民の皆様に対してその魅力が伝わるような取組を推進してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) これまでの答弁で、本市ではSNSでの観光名所の情報発信やホームページにて歴史資源等、観光スポットのモデルルートを紹介しているとのことでしたが、これらの場所に観光客がどれくらい訪れているのかをホームページやSNSでアンケートのようなものを取ることで、新たな課題の発見や観光客の隠れたニーズの発掘にもつながり、観光施策のさらなる充実につなげることができると感じておりますので、今後、検討していただけるよう強く要望をしておきます。
ここからは、福岡市のシンボル、福岡市民の貴重な財産、福岡市の歴史、文化の拠点、そして、福岡市の貴重な観光名所である福岡城跡、鴻臚館跡について質問をしてまいります。
この質問を考えるに当たり、これまでの福岡城跡に関する会議録をつぶさに調べてみました。そうすると、父である稲員大三郎が数多くの質問をしており、その多くは天守閣の復元を迫るものでしたが、当時の教育長の、福岡城の石垣のような守りの堅い答弁に防御されていました。ありがとうございます、笑っていただきまして。私もこれまで何度か福岡城に関する質問をしてまいりましたが、今日は前向きな答弁を期待し、質問をしていきたいと思います。
福岡城跡は昭和32年に国史跡指定を受け、昭和62年に旧平和台球場の外野スタンド改修に伴う発掘調査を契機として鴻臚館跡の遺構が発見され、平成16年に歴史的に十分な意義を持つことから、鴻臚館跡として既に国史跡指定を受けている福岡城跡の範囲内に国史跡として指定され、極めて特異な史跡の二重指定となっています。
まずは、時代に沿って、鴻臚館跡から質問していきたいと思います。
鴻臚館跡については、平成30年度に整備基本計画が策定され、着々と整備が進められているところですが、北館についてはどのように検討され、今後どのように整備されていく予定なのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 鴻臚館の北館については、現在、東門や塀の一部の復元について、文化庁と協議をしながら検討を進めているところでございます。今後、国際交流の拠点であった鴻臚館の歴史的役割を踏まえ、当時の歴史、文化に親しむことができ、また観光名所やユニークベニューとしての活用ができるよう整備を進めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) 鴻臚館の北館の東門や塀の一部が復元されるとなると、江戸時代に築城された福岡城跡の中に、奈良時代の建造物が突如として現れることになります。これはどちらも貴重な史跡で、極めて特異な史跡の二重指定であることから避けられないものですが、この2つの貴重な史跡のすみ分けをすることも大切であると考えます。
例えば、鴻臚館跡の北館の東門を訪れた方々を鴻臚館跡展示館へと誘導し、鴻臚館の全体イメージを深めていただいた後、福岡城跡を散策してもらい、時代の変遷を感じてもらいながら、現代の発展著しい福岡市のまち並みへと誘っていくような動線やストーリーを考えていく必要もあると考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 古代の国際交流施設である鴻臚館と江戸時代の福岡城という、時代の異なる2つの史跡の魅力を市民や観光客に御理解いただくことは重要であると認識しております。今後、鴻臚館から福岡城への歴史の変遷がたどれるよう、分かりやすい史跡の解説や案内サインの設置などを検討してまいります。また、鴻臚館、福岡城を訪れた方々がさらに市内を周遊し、歴史、文化のほかにも多くの福岡の魅力を感じることができるよう、SNSやホームページ等を活用し、モデルルートの発信などに取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) 次に、福岡城跡について質問をしてまいります。
福岡城跡は南丸多聞櫓のように国の重要文化財に指定されているものをはじめ、名島門、下之橋御門、伝潮見櫓、祈念櫓など、有形文化財に指定されている歴史的建造物が多数存在するなど、とても貴重な史跡であると同時に、観光名所であると考えます。
そこでまず、平成26年に策定された国史跡福岡城跡整備基本計画に沿って、これまでどのような整備や活用をしてきたのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 平成26年の整備基本計画策定以降、上之橋御門跡の整備や損壊の可能性があった祈念櫓等の石垣修理を行ったほか、多聞櫓や長屋門など、建造物の修理を行ってまいりまして、現在は城の北西から海を監視したと言われる潮見櫓の復元整備を行っているところでございます。また、その活用につきましては、やぐらの公開や多聞櫓、三の丸広場でのイベントの実施など、市民や観光客が史跡に親しんでいただけるよう努めているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) 現在、潮見櫓の復元整備をされているとのことですが、いつ頃の完成予定なのか、お尋ねいたします。また、今後、やぐら等の復元整備予定とその活用をどのようにしていく予定か、お尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 現在、復元工事を進めている潮見櫓につきましては、令和7年2月中の完成を目指しているところでございまして、今後は鉄物櫓石垣の修理などに取り組む予定としております。その活用につきましては、引き続きやぐらや門の公開やイベントの実施のほか、観光案内ボランティアによる歴史的建造物を巡るまち歩きなどを検討してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) 福岡城の城郭の形式は梯郭式の平山城で、西日本有数の規模を有しており、国史跡の指定エリアは東西1キロメートル、南北700メートル、約48ヘクタールの広さがあります。それだけの広さが指定されたのも、往時の城郭の景観や雰囲気を残していたからだと思います。したがって、整備を進めていく上でも、城郭の景観や雰囲気というものを大切にするべきと感じておりますが、整備基本計画にある整備イメージパースを見ると、ただやぐらが復元されていくだけでは少し物足りないと感じております。当時は敵の侵入を防ぐために塀や石垣などがあったと思いますが、それらを復元することで計画にもある城郭の雰囲気というものが出ますし、訪れた方々に本来の福岡城をさらに感じていただくことにつながると考えます。
また、入城から順次、様々な福岡城跡の魅力を感じてもらうストーリーができると考えますので、城郭の雰囲気というものをしっかりと念頭に置き、整備を進めるべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。また、ユニバーサル都市を掲げる本市として、誰もが福岡城跡の散策をしやすくなるよう、極力バリアフリー化にも努めていただきたく、併せて御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 福岡城は全国でも有数の規模を誇る城郭で、重要文化財の多聞櫓のほか、立派な石垣の大半が現存していることを特徴とする史跡でございます。その特徴である勇壮な城郭の雰囲気を守りつつ、往時の姿により近づけていくため、今後もやぐらや門、石垣などの修復や復元を進めてまいります。また、福岡城内のバリアフリー化については、あらゆる来場者の利便性を向上させ、回遊性を高めることにつながることから、住宅都市局と連携して取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) これまで城郭の景観とか雰囲気とか言ってきましたが、お城といえば、やはり天守閣であります。福岡城は1607年、慶長12年に黒田長政公により築城され、その後、時を経て、さきの大戦時には陸軍の駐屯地となり、現在は残念ながらほとんどの建物が取り壊されております。今質問してきたように、やぐらの復元整備等が進められてはいるものの、私も含めて、何か物足りないと感じる市民の皆様は多くおられるのではないでしょうか。そのような中、今年の福岡城さくらまつりの期間中、幻の天守閣ライトアップ事業が実施されました。夜になると幻想的な雰囲気が醸し出され、私もですが、御覧になったほとんどの方がとても感動されたのではないかと感じております。
そこで、幻の天守閣ライトアップについてのアンケートはどのような結果だったのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 福岡城幻の天守閣ライトアップに関するアンケート調査については、ライトアップ期間中に福岡城に来られた来城者を対象にしたもの、インターネットの無作為抽出による市内居住者を対象にしたものに加え、福岡城周辺の小学校区の町内会長や公民館長を対象にしたものの3種類の調査を行っております。主な結果については、まず、今回の幻の天守閣ライトアップをどう思うかの質問に対して、来城者アンケートでは約8割、町内会長等のアンケートでは約7割が「よい」または「まあよい」と回答されております。また、幻の天守閣ライトアップによって福岡城や福岡城の歴史に興味が湧いたかの質問に対しては、来城者アンケートでは約7割、インターネットアンケートでは約5割、町内会長等のアンケートでは約6割が「そう思う」または「まあそう思う」と回答されております。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) 今回のライトアップ事業については、多くの方々から私も感動の声を聞いております。天守閣はやはりあったほうがいいよねと言われることもありました。また、黒田家17代を継承予定の黒田裕大様も御覧になられて、とても感動されていたということをお聞きしております。天守台を利用した、しかも天守閣を思わせるこのような事業はこれまでなかったと思いますので、どうしても天守閣の復元が期待されるところですが、物事には順序というものがあります。これまで福岡城の天守閣については、その存在を確かなるものとする正式な文献が見つかっていないとされ、天守閣の基礎はあるものの、実際に天守閣が建てられていたかは有識者の中でも意見が分かれておりました。どちらかというと、徳川家康に気を遣い、天守閣は建てなかったのではないかという説がまかり通ってきました。個人的には基礎を造って、その上は造らないということはないと感じておりますが、基礎だけではやはり断定できないことも事実であります。
そこで、近年、天守閣の存在をにおわすような古文書が出てきたと聞いたのですが、近年発見された古文書にはどのようなものがあるのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 近年確認されたものといたしましては、天守の欄干が腐ったので修理するよう、藩主である黒田長政が家臣に指示した古文書がございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) 天守閣は存在していたと信じている身としては、新しい古文書が出てくるのは大変頼もしく感じます。このたびのライトアップにより、多くの市民の皆様が天守閣の有無について思いをはせ、有無についても改めて考える機会となったのではないかと感じております。この機会を捉え、まずは天守閣の存否の論争にピリオドを打つ、その大きな一歩を、もちろん私としては天守閣は存在したという方向に大きな一歩を進めることが重要だと思います。
そこで、市として福岡城天守閣に関する古文書を積極的に収集、分析すべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 福岡市におきましては、これまでも福岡城に関わる様々な資料の調査、収集を行ってまいりましたが、今後、福岡城の天守に関する資料について、さらなる調査、収集を進めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) よろしくお願いいたします。積極的な取組を期待いたしております。
しかし、天守閣の存在を確たるものにするためには、古文書の収集、分析だけではなかなか難しいのではないでしょうか。古文書だけでなく、当時の部材の一部などが発見されると、存在を論証する補強にもなると思いますが、これまで天守台、もしくは天守台の周辺で発掘調査をされたことはあるのか、お伺いいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 天守台、もしくは天守台周辺の発掘調査についてのお尋ねですが、これまで天守台については発掘調査を実施したことはございません。また、天守台周辺については、南側に位置する武具櫓跡の発掘調査を平成25年度と26年度に行っており、当該発掘によって、武具櫓の当時の瓦や礎石等が確認されたところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) これまで天守台の発掘調査をしたことはないとの答弁でしたが、過去に天守閣が存在し、何らかの事情で取り壊されたりしているのであれば、発掘調査をすることで天守閣の建造物の木片や瓦の一部などが発見される可能性があるのではないでしょうか。
そこで、他のお城の発掘調査において、天守閣などの建造物の存在が明らかになった事例があるかどうか、お伺いいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 奈良県の大和郡山城においては、天守台の修理に伴う発掘調査で安土桃山時代の創建当時の礎石や金箔瓦などが出土し、天守閣の存在が確かなものになったと聞いております。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) 福岡城でも大和郡山城のように瓦などが発見されることで天守閣が存在したということが確たるものになるかもしれないのに、非常にもったいないと思います。先日の報道では、商工会議所において検討されている福岡城天守閣についての有識者会議からも同じような要望書が提出されたようです。天守台は城郭の景観の最も重要なものの一つであり、文化庁との協議も大変だと思いますし、発掘調査は時間と予算もかかるかもしれません。しかしながら、ライトアップ事業により市民の皆様の関心が高まっている今、これまで市民の皆様の間でなされてきた天守閣の存否の論争にピリオドを打つためにも、天守台の発掘調査をぜひ実施していただきたく、島市長に福岡城にかける思いと併せて御所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡城につきましては、1607年に黒田長政によって築城された福岡市の歴史を語る上で欠かせない貴重な史跡で、現在、都心に残る貴重な歴史資源、市民の憩いの場、そして重要な観光資源にもなっているものでございます。その福岡城の発掘調査については、昭和26年の学術調査を皮切りに、これまで80回を超える調査を行い、その成果を基に石垣を保存、そして修復をし、門ややぐらなどの歴史的建造物を復元してまいりましたが、これまで天守台の発掘調査は行っておりませんでした。現在、商工会議所の懇談会やライトアップ事業によって福岡城の天守閣への関心が高まっている中、その存否に係る議論を前に進めていく、そして市民がより地域に対する愛着と誇りを持つ一助となるべく、福岡城天守閣に関する資料の収集や研究を進めるとともに、天守台とその周辺の発掘調査の実施に向けて文化庁と協議をしてまいります。以上です。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる)登壇 私は会派、新しい風ふくおかを代表しまして、独居高齢者の生活能力が急激に低下した際の行政支援の在り方と見守り体制について、以下、質問してまいります。
まずは、本市の75歳以上の独居高齢者数について、直近とその10年前の増減をお示しください。
以降の質問は自席で行います。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 直近の国勢調査とその10年前で申し上げますと、75歳以上の単独でお住まいの方は、平成22年が2万9,340人、令和2年が4万1,270人となっており、10年間で約1万2,000人増加しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 高齢化の進捗が全国平均よりこれまで緩やかだった福岡市でも、75歳以上の独居高齢者の数はこの10年で1.4倍にも増えました。独居か否かを問わず、年齢を重ね、身体機能や認知機能が衰えてくると、介護サービスが必要な時期が訪れます。
そこで、昨年度、本市において新規で要介護認定申請を行った方の数と、そのうち独居高齢者はどれほどいるのか、お示しをください。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 令和5年度の新規申請者数につきましては1万6,052人でございます。そのうち、独居高齢者の数については統計がございませんが、令和2年国勢調査における65歳以上人口に対する単独でお住まいの方の割合は約26%であり、これを当てはめると約4,200人となります。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 実は今回の質問は、以前、私が住んでいました町内の飲み仲間、友人Yさんの身に起こったことがきっかけでした。Yさんは独身で、長年独り暮らしでした。年齢は79歳。見守り役だった近所の女性陣や民生委員さんから、Yさんがこの僅か半年ほどの間に急激に足腰が悪くなり、認知症状も進んだため、独り暮らしできる状況には到底ないという相談が入りました。そこで、町内の皆さんと一緒にYさん宅をお訪ねしますと、部屋は生活ごみであふれ返る状態、何より、久しぶりにお会いしたYさんの衰えぶりが非常に目立ちました。まず、足腰の衰え。10メートル移動するのにも1分以上かかるほどで、自宅の内外で転倒を繰り返し、血だらけで発見されたことも1度や2度ではなかったそうです。次に、認知や思考機能。一見会話はできるのですが、記憶、認知機能の低下は一目瞭然で、財布の紛失はしょっちゅう、通帳、クレジットカードも部屋に放置の状態。キッチン付近のテーブルに至っては、火事を起こしてしまったのか、焼け焦げていました。この状況では、早晩Yさんの生死にも関わると、みんなで必死になって介護サービスの必要性を説いて、Yさんも要介護認定申請に納得をしてくれました。その翌日には南区役所から応援隊が駆けつけ、要介護度の認定調査も日を空けずに実施。あとは行政からの認定通知が届いて、介護サービスによるYさんの生活サポートが始まるのを待つばかりでした。この間、南区役所やその他関係職員の皆さんの迅速で親身な対応は感謝に堪えません。しかしながら、残念なことに、Yさんは認定通知が届く前に息を引き取りました。自宅での転倒が原因だったようです。私は当事者として対応が適切だったのか、Yさんの命を救えるすべはほかになかったのかと自問自答しました。Yさんのような独り暮らしの高齢者が短期間に心身の機能低下に陥ったとき、大切な命を守り、その後の生活を支えるために、私たち地域住民も行政支援ももっとできることはないかという視点に立って、今後の改善課題、これをお聞きしてまいりたいと思います。
導入が長くなりましたが、まず、要介護認定の申請者についてです。
介護サービスの入り口とも言える新規申請は誰が行っているのか、本人や家族、地域包括支援センター、介護事業所など、それぞれの割合をお示しください。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 新規申請のうち、令和5年度中に認定を行ったものについてお答えいたしますと、本人によるものが32.3%、地域包括支援センターの代行が34.7%、民間の介護事業所の代行が7.7%、家族も含めたその他が25.3%となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 新規の申請は、本人、家族、地域包括支援センターでそのほとんどを占めます。
それでは、要介護認定の申請から介護サービスを受けるまでの手続、流れと、本市では認定までにどの程度の日数を要するのか、お伺いします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 要介護認定の申請を受け付けた後、訪問による認定調査と主治医意見書の作成後、調査結果などを取り込んだ1次判定ソフトによる要介護状態の判定を経て、介護認定審査会における審査判定が行われます。審査会の判定後、認定内容を決定し、申請者に書面で通知しております。認定を受けた方は、居宅介護支援事業者等が作成したケアプランに基づき、介護サービス事業所との個別契約を行い、介護サービスを受けることになります。また、認定申請から決定までの平均日数は令和5年度で30.7日でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 申請以降は、認定調査の実施やドクターからの意見書収集、システムによる1次判定後に審査会による最終の判定、その結果を書面で通知、ここまでに平均30.7日。
その所要日数ですが、この5年の増減推移をお示しください。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 令和元年度が36.6日、2年度が34.6日、3年度が32.5日、4年度が31.3日、5年度が30.7日となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 現在の申請件数がコロナ禍前と同水準にまで戻っていることを踏まえますと、現場の並々ならない努力があっての日数の短縮だと思います。
一方で、この申請から認定までの所要日数について国はどのような方針を示しているのか、お尋ねをします。また、本市の日数は全国平均、政令市平均と比較するとどのように評価できるのか、お尋ねをします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 認定申請の受付から認定決定までの所要日数につきましては、介護保険法で申請のあった日から30日以内に認定をしなければならないとされております。また、全国平均や政令市平均と比較しますと、令和4年度下半期の全国平均が40.2日、令和5年度の政令市平均が40.3日で、本市は10日ほど短くなっており、政令市においては最も短い日数となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 30日以内という法定基準に対して、全国の自治体で認定に係る行政事務に苦慮する状況は、国全体に蔓延する大きな課題だと言えます。
その中でも短縮してきた本市の30.7日ですが、申請から認定調査までと、調査から判定、認定通知までにかかる日数、この内訳をお聞かせください。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 申請から認定調査票を回収するまでが平均19.1日、認定調査票を回収してから認定決定するまでが平均11.5日でございます。その後、速やかに通知を発送することとしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) この間の本市の日数短縮ですが、主な要因をどう分析しているのか、お尋ねをします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 申請から認定決定までの工程ごとに目標日数を設定し、認定調査や主治医意見書の依頼、回収などの迅速化を図るとともに、区ごとの審査件数の平準化などに取り組むことにより所要日数が縮減したものと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 次に、認定調査についてです。
調査員にはどのような資格が必要なのか、また、新規の申請に対してどのような人員体制で調査に当たっているのか、調査内容や流れと併せて確認をさせてください。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 認定調査員につきましては、原則として介護支援専門員、いわゆるケアマネジャーの資格が必要とされております。新規申請の認定に当たっては、直営及び県の指定を受けた認定調査専門法人への委託による調査を実施しております。調査内容につきましては、身体機能や生活機能、認知機能など、国の基準で定められた合計74項目について、訪問により、本人や介護者からの聞き取りや状態確認を行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 昨年度、本市が実施した要介護認定調査の件数は5万件以上ありました。このうち、本市直営と民間委託とで実施した件数の割合をお示しください。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 直営調査が43.5%、委託調査が56.5%となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) これら認定調査員の人員確保が困難になっていないか、認定調査を取り巻く課題への認識をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 認定調査員につきましては、直営では定数86名に対し、7月末現在で78名の配置となっており、民間への委託による調査も活用しております。国においては、民間の認定調査員について、令和2年4月から資格要件の緩和を行うなど、人材確保に向けた取組が行われているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 認定調査員の確保は厳しい状況だと伺っています。そのような状況の中、本市では将来的な要介護認定者数の推移をどう見通しているのか、お尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 第9期介護保険事業計画において、令和6年度が7万5,490人、7年度が7万7,080人、8年度が7万8,990人、いわゆる団塊ジュニア世代全てが65歳以上となる22年度は11万1,440人と推計しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 人材確保に難儀する一方で、認定調査の件数は増加の一途という見通し、これでは調査員にかかる負担が大きくなる一方で、マンパワー頼りという従来手法による対応にはもはや限界さえ感じられます。
今後、認定調査の在り方、手法の見直しやICT、AIなどの先進技術のさらなる導入も進めていく必要があるかと思いますが、本市の方針、それから所見をお伺いします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 直営の認定調査においては、令和5年度からタブレット端末を導入しており、聞き取りや確認と並行して調査票を作成した上で、データの送受信も可能とするなど、調査の効率化を図っております。今後とも、ICTの活用などにより、認定調査の効率化を進めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 次に、介護認定審査会についてです。
市内全体と各区に分けて、それぞれの設置数をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 介護認定審査会につきましては、全市で43の審査部会を設置し、審査及び判定を行っております。区ごとで申し上げますと、東区が8部会、博多区が6部会、中央区が5部会、南区が8部会、城南区が4部会、早良区が6部会、西区が6部会を設置しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 現在、市内に43の審査部会が配置をされています。これはどのような構成メンバーで、認定審査にどの程度の頻度、それから時間、会議が行われているのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 審査部会につきましては、民間の医師や社会福祉士など、1部会当たり5人の学識経験者で構成しており、週1回、1時間程度で開催しております。
なお、令和5年度は合計で1,744回開催しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 1つの部会が審査する年間の平均件数と、1回の審査会で行う審査数を確認させてください。また、介護保険制度開始以降、部会数の増減も併せてお示しをください。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 1部会当たりの審査件数につきましては、令和5年度は年間平均で約1,288件、1回当たり平均で約32件となっております。部会数については、制度が導入された平成12年度当初に42部会を設置し、同年9月に部会数を増やして43部会とし、以降、現在まで変動はございません。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) この20年、部会数は増えておりません。そして、当時より認定申請の件数がはるかに増加している現在、審査会にかかる負荷や委員の確保について課題はないのか、お尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 介護認定審査会につきましては、民間の医師をはじめとする多くの学識経験者の方々に多大な御協力をいただいているところでございます。要介護認定者数が増加していく中、国の制度改正により可能となった審査判定の簡素化を取り入れるなどの工夫により、業務量の軽減に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 次に、審査会の前に行われる1次判定の仕組みと、その精度についてお尋ねをします。また、1次判定と審査会判定との役割分掌についても、お示しをください。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 1次判定につきましては、厚生労働省が作成した全国共通のソフトに認定調査の結果などを取り込むことで要介護状態が判定されるものでございます。介護認定審査会におきましては、委員が認定調査の特記内容や主治医意見書の内容から介護の手間などを総合的に判断し、要介護状態の審査を行うとともに、認定の有効期間の判定などを行うこととされております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 認定調査同様、審査会についても、その在り方が今後問われてきます。1次判定に認定調査結果や医師からの意見をより精緻に反映させるなど、その精度を高めていくことで、審査会に頼らずとも、最終判定を可能とする仕組みの導入の検討も今後重要な視点だと思いますし、それに伴い、申請から認定までに要する日数の大幅な短縮も図れると考えますが、本市の所見をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 国において、デジタル、AI等を活用した要介護認定の迅速化が検討されておりますので、国の検討状況などを注視してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) ぜひmirai@など市独自の施策におきまして、民間技術やアイデアの活用を今後積極的に図っていただきたいと思います。認定調査も、審査会も、今後の在り方につきましては、AIなどの先端技術の実装や仕組みの再編成など、関係職員への負担配分にも考慮しながら、要介護認定にかかる日数の大幅削減、これを図る手法、速やかな検討を求めておきたいと思います。
次に、認定結果が出る前に、暫定的にケアプランを作成して介護サービスを受けることができる仕組みについてですが、これは緊急に介護サービスが必要と認められた場合にのみ活用できると聞いております。
そこでまず、誰の判断の下、活用できるのか、お尋ねします。また、昨年度、本市でこの仕組みを活用して認定前に介護サービスが提供された件数と、緊急に介護サービスが必要な場合とはどのような状況を指すのか、具体な事例をお示しください。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 暫定ケアプランにつきましては、要介護認定申請者の心身の状況や意向などを踏まえ、当該申請者と契約した居宅介護支援事業所等のケアマネジャーの判断の下に活用されております。暫定ケアプランを活用した介護サービスの利用については具体的な件数を把握しておりませんが、がん末期の状態にある方などが介護ベッドの貸与や訪問介護を受ける場合などに活用されております。緊急に介護サービスが必要な場合につきましては、国の通知によりますと、がんや臓器不全の末期等、末期の状態であって、心身の状態が急激に悪化する方を含め、迅速な介護サービスの提供が求められる状況を指しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) この暫定的な仕組みについて、国が示す方針と今後活用していく上での課題をお尋ねします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 国は介護サービスの利用に急を要する方については、認定結果が出る前の段階であっても、ケアマネジャーが暫定ケアプランを作成し、介護サービスの提供を開始することについて積極的な検討と活用を通知しております。暫定ケアプランの注意点などとしましては、要介護認定の結果が想定と異なった場合に介護給付の対象とならず、本人等に大きな負担が発生することなどがございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) この暫定ケアプランは、病院に入院する患者さんが新規に要介護認定を申請する際に、比較的ポピュラーに活用されるものと聞いています。退院後に安心して生活ができるように、自宅の手すり、バリアフリーの整備や速やかな介護サービスの開始、介護施設への転院などの手配を事前に行う必要があるためです。一方で、この入院のケース以外に暫定ケアプラン制度の活用が進められているとはあまり聞くことはありません。国も積極活用への検討を自治体に促していますから、心身の衰えが著しい独居高齢者に対しても、今後、柔軟に活用されるべきだと求めるところです。
国勢調査によりますと、本市の75歳以上の独居高齢者は令和2年時点で4万人を超えています。このうち、これまで一度も要介護認定の申請がなされていないものの、明らかに要介護区分に該当する方も少なくないのではと心配しますが、本市の認識をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 独居高齢者の中には、家族や地域の支援などにより生活されている方などもいらっしゃいますので、要介護区分に該当するが、要介護認定を受けていない方も一定数おられるものと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 心身が要介護状態にあるにもかかわらず、認定を受けていない独居高齢者がいる理由として、家族や地域の支援があるからと帰結させるのは私は楽観的過ぎると思っています。家族にも地域にも気づいてもらえないうちに急激に身体機能や認知機能が衰えるケース、これは少なくないと思います。そうなると、独居、単身の場合、特に生活の維持が困難になりますし、生命に関わる重大インシデントが起こりやすい状況と言えます。介護の必要性に急を要する独居高齢者に対して、申請者やサポートする方々が暫定ケアプランの仕組みをもっと柔軟に活用できる環境整備、これを強く要望いたしますが、今後の方針も含めて所見をお尋ねします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 介護サービスの利用に急を要する方が、要介護認定の申請後、速やかに介護サービスを利用できるようにすることは非常に大切であると認識しております。今後とも、迅速な要介護認定に努め、国の通知に基づき暫定ケアプランの運用を行うとともに、引き続き居宅介護支援事業所等への周知徹底に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) この暫定ケアプランなんですがね、介護を必要とする高齢者本人だったり、それをサポートする私たち市民が広く知っておくことがとても重要だと思っています。そのためにも、本市には積極的な周知活動や理解を深める啓発活動、これを強く要望したいと思いますが、所見をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 市ホームページにおいて、市民向けに要介護認定の結果が出るまでの間に暫定ケアプランにより介護サービスを利用することができる旨をお知らせするとともに、事業所向けには暫定ケアプランの取扱いに関する留意事項を掲載するなど、周知を行っております。今後とも、介護サービスの利用に急を要する方が速やかにサービスを利用できるよう、周知に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) ぜひお願いをするところなんですが、これまでの周知手法では、仕組みそのものばかりか、積極活用の方針も十分に周知には至っていないことを、まずはしっかり認識いただきたいと思っています。既に介護当事者である世帯にはある程度周知のことなのかもしれませんが、これから介護に直面する独居高齢者本人や周りのサポーターにこそ理解が及ぶべき必要があると思います。これはYさんを救助したいと町内の方から相談を受けたとき、私はこの暫定ケアプランの仕組みを知りませんでした。それを恥じるという感情よりも、まず悔恨の念が先に立ちました。Yさんの命は本当は救えたんじゃないかと、つくづく自分を責めるばかりです。ぜひ広く市民理解を深めるための取組を、本腰入れて展開いただくよう強くお願いいたします。また、地域包括支援センターなど、行政機関のケアマネさんたちが必要なときに現場でちゅうちょせずにこの制度を活用できるよう、環境改善への取組も併せてお願いしておきたいと思います。
次に、潜在的に介護サービスが必要な独居高齢者の把握についてですが、現在どう取組を進めているのか、お尋ねをいたします。また、把握につながった場合の当事者への対応をお伺いします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 高齢者の情報につきましては、民生委員が日頃から地域住民の状況を把握しております。また、地域包括支援センターにおいて、地域の医療機関や薬局、金融機関などを巡回し、支援を必要とする高齢者を把握した場合は情報を提供するよう働きかけを行うとともに、地域で見守り活動を行っている社会福祉協議会や老人クラブなどと連携した情報の把握に取り組んでおります。さらに、医療、健診、介護データを活用し、介護サービスの利用がなく、健康状態を把握できない方などへの訪問を行っております。これらにより支援が必要な高齢者を把握した場合は、地域包括支援センターなどにおいて、その方の状態に応じた支援につないでおります。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 各地域で独居高齢者の見守りを行っていただいている民生委員さんなんですが、10年前と現在を比較して、その配置人数と平均年齢をそれぞれお示しください。また、委員1人が受け持つ件数が増えていないか、今後の課題も併せてお尋ねします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 民生委員につきましては、いずれも6月1日現在で、現員数は10年前の平成26年が2,373人、令和6年が2,358人、平均年齢は選任要件や役割が異なる主任児童委員を除き、平成26年が65.0歳、令和6年が67.2歳となっております。また、民生委員の受持ち世帯数は地域によって異なりますが、市全体の単独でお住まいの高齢者数は増加しており、今後も見守りなどの支援が必要な高齢者が増加していくものと認識しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) この10年、民生委員さんの数は増えていないんですね。選任に苦慮する地域の実情からも、今後、委員の数を大幅に増やすということは現実的ではありません。民生委員にかかる負担に配慮しながらも、心身の衰えが目立つ独居高齢者の生活をつぶさに見守っていくためには、今後どのような方針の下に施策を展開していくのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 独居高齢者の見守りにつきましては、民生委員や校区の社会福祉協議会、老人クラブなどによる地域の見守りや介護保険サービスや緊急通報システムなどのサービスによる見守り、電力やガスなど、市内で広く訪問活動を行う企業との協定による見守りなど、様々な主体による重層的な見守りに取り組んでいるところであり、引き続き体制の構築にしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 令和4年度より、長年、医療機関への受診記録がなくて、健康状態が不明だったり、心身の機能低下が心配されるという後期高齢者への訪問事業が本市で始まりました。昨年度の訪問件数と、そのうち、地域包括支援センターにつなぐことのできた件数、これをお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 令和5年度の訪問件数は939件で、そのうち地域包括支援センターにつないだ数は253件となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 今年度で3年目となる取組です。独居高齢者には無自覚のうちにセルフネグレクトに陥っている例も少なくありません。心身の衰え著しい場合には、介護や医療の分野へと適切につないでほしいと思いますし、この訪問事業から得られる事例や経験をどんどん蓄積してもらって、将来的に独居高齢者の見守り施策にしっかりと活用いただくよう求めておきたいと思います。
次に、本市に寄せられる高齢者総合相談におきまして、5年前と現在、要介護認定に関する相談件数をお示しください。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 地域包括支援センターにおける要介護認定に関する相談件数は、令和元年度が7万2,455件、5年度が10万4,784件となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) それでは、要介護認定申請をはじめ、介護全般に関する本市の相談体制については、誰が、どこに、どのような方法で相談できるようになっているのか、特に遠方家族や地域の方からの相談体制について、今後の課題認識をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 介護に関する相談体制につきましては、区役所のほか、高齢者の総合相談窓口である地域包括支援センターや、仕事帰りなどでも相談できる働く人の介護サポートセンターにおいて、市民やその家族など、誰もが来所や電話などで、遠方の方も含め、御相談いただけるようにしております。引き続き、これらの相談窓口の周知に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 来所、電話というのが中心ということです。本市の認知症高齢者についてですが、10年前と現在の人数、それと併せて、今後の増減の見通しをお示しください。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 要介護認定者のうち、認知症高齢者日常生活自立度U以上に該当する高齢者数は、10年前の平成26年3月末時点が3万57人、令和6年3月末時点が4万963人であり、これを基に、12年は5万152人、22年は6万4,474人と推計しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 全国に比較的遅れて高齢化の波が押し寄せる福岡市におきましては、これから先、介護を必要とする高齢者やその家族が一段と増えていきます。一方で、地域の高齢者の状況が急激に悪化した際や家族が急に介護を必要とする状況に陥った場合など、速やかにそれに適切に対処、処置できる市民やその家族ばかりではありません。即座に個別の地域包括支援センターにたどり着く方ばかりでもありません。市内からも、遠方からも、新たに介護サポートを必要とする誰もがまず初めにたどり着くことができて、福岡市の介護に関する情報全てを分かりやすく取得できるプラットフォームページをウェブ上に開設するなど、介護相談の入り口機能をより強化していく必要性を認識いただくよう、ここで強く求めておきたいと思います。
まず、電話で相談したい方向けには総合ダイヤルの設置も有効でしょうし、AIやチャットボット機能を活用して24時間対応可能な相談体制の構築なんかは働く世代に重宝されると思います。より込み入った相談をしたい市民向けにオンライン相談窓口を設置すれば、これは遠方家族へのサポートにもより機能すると思います。介護の入り口部分に特に着目をしていただいて、あらゆる施策を展開していく、こういった姿勢が求められると思いますが、最後に今後の本市の姿勢をお伺いして、質問を終わります。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 高齢者の支援につきましては、民生委員や地域の団体、企業など、様々な主体による重層的な見守り体制を構築するとともに、地域包括支援センターなどにおいて様々な相談に対応し、その方の状態に応じた支援につなぐなど、必要な方に必要なサービスが提供されるよう取り組んでいるところです。今後とも、独居高齢者をはじめ、全ての高齢者が安心して暮らせるよう、新技術の活用なども含め、しっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) この際、休憩し、午後4時25分に再開いたします。
午後4時12分 休憩
午後4時25分 開議
○副議長(松野 隆) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。
この際、あらかじめ時間を延長いたします。藤野哲司議員。
○41番(藤野哲司)登壇 皆様大変お疲れさまでございます。私は自民党新福岡を代表して、九州大学箱崎キャンパス跡地と周辺のまちづくりにつきまして質問させていただきます。
九州大学箱崎キャンパス跡地は、今年の4月18日に住友商事を代表企業とするグループが優先交渉権者に決定し、まさにこれから新しいまちづくりが始まろうとしているところでございます。これまでの経緯を振り返りますと、平成23年に九大跡地利用4校区協議会から跡地の利用に関する基本的な考え方などについて提案されたことを契機といたしまして、平成25年に地域の代表などから成る検討委員会から、まちづくりの方針などについて、跡地利用将来ビジョンの提言を受け、これら提案や提言を踏まえ、周辺4校区の地域代表の方々も入った跡地利用協議会で議論を重ねた上で、平成30年に福岡市と九州大学で九州大学箱崎キャンパス跡地グランドデザインを策定されております。このグランドデザインは、これからキャンパス跡地がどのようなまちを目指していくのか、その指針が示されたものでありまして、地域住民をはじめ、多くの方々の思いが詰まっております。その中には将来構想として、「箱崎千年、大学百年の歴史を大切にしながら、このまちの発展に貢献された先人たちの思いを受け継ぎ、未来の若者たちにつないでいけるような、『100年後の未来に誇れるまち』をつくる」と記してあります。これはまさに大学のまちとしての誇りを持つ地域住民の切なる願いでもあり、グランドデザインの実現に向けてしっかりと進めていただきたいと思っております。
そこで、まず箱崎キャンパス跡地の提案内容についてお伺いいたします。
公募では、優先交渉権者決定前に、地域からは公募主体である九州大学、UR都市機構に対し、グランドデザインを踏まえた審査で優先交渉権者を選定してほしいとの要望があったと伺っております。
また、優先交渉権者からは、HAKOZAKI Green Innovation Campusをまちづくりのコンセプトとして提案がなされておりまして、5月16日に公募主体の九州大学、UR都市機構から公表されている審査結果では、いずれの提案もグランドデザインに基づき、広大なグリーンフィールドである特徴を生かした創意工夫に富んだレベルの高い提案があったと総評されているようでありますけれども、優先交渉権者からはグランドデザインを踏まえてどのような提案がなされているのか、お尋ねいたします。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 地域とともにつくり上げたグランドデザインにおいては、都市空間、都市機能、FUKUOKA Smart EAST、まちづくりマネジメントなどのまちづくりの方向性を位置づけており、優先交渉権者からは、そのグランドデザインを踏まえ、緑豊かでゆとりある都市空間や多様な都市機能、セキュリティー、モビリティー、エネルギーなどのスマートサービスやまちづくりマネジメントなど、様々な観点からまちづくりの提案がなされております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 藤野哲司議員。
○41番(藤野哲司) 私も九州大学、UR都市機構から公表されている優先交渉権者の企画提案の概要を確認させていただきましたが、グランドデザインをよく読み込んだ上で提案がなされていると感じております。この実現に向けてしっかりと進めていただきたいと思いますが、そこで、今後の土地利用事業者決定に向けた取組とそのスケジュールをお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 九州大学とUR都市機構の公募におきましては、令和7年秋頃に土地利用事業者の決定を予定しており、現在、公募主体である九州大学とUR都市機構、優先交渉権者及び福岡市で提案内容についての協議を行っているところでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 藤野哲司議員。
○41番(藤野哲司) 令和7年秋頃の土地利用事業者の決定に向け、必要な検討や手続を着実に進めていっていただきたいと思っております。
また、提案内容の具体化に当たっては、九州大学、UR都市機構、優先交渉権者と共に地域の意見を聞きながら、まちづくりを進めていただきたいと思っておるところでございますが、優先交渉権者決定後に提案内容の説明は地域に対してどのように行っているのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 地域の代表の方にも委員になっていただいております箱崎キャンパス跡地利用協議会や箱崎、東箱崎、筥松、松島の各校区において優先交渉権者から提案内容について説明を行っており、地域からはまちづくりへの期待や周辺地域との連携などについて御意見をいただいております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 藤野哲司議員。
○41番(藤野哲司) 事業を進めていく上で地域とはしっかりとお話をしながら進めていただきたいと思っております。
また、グランドデザインでは、まちづくりの基本的な考え方において少子・高齢化など様々な社会課題を解決しながら持続的に発展していくため、先進技術の導入などによる快適で質の高いライフスタイルと都市空間を創出し、未来に誇れるモデル都市を創造するというFUKUOKA Smart EASTの考え方を取り入れております。今回の提案はこれを踏まえたものとなっておりまして、AIカメラによる見守りサービスやパーソナルヘルスレコード基盤を活用とした健康増進アプリといった高齢者や子どもなど誰もが安全、安心で健やかに暮らすためのスマートサービスなど、グランドデザインに示されている様々な分野において、社会課題を解決するスマートサービスが提案されております。
中でも特徴的なものといたしまして、省電力、低遅延、大容量の革新的な通信技術であるIOWNをまちづくりに取り入れているという点が挙げられます。このIOWNでありますけれども、NTTが開発を進めている光の技術を活用した次世代の情報通信基盤のことで、NTTによりますと、今後さらに世界中で激増する通信データ量や消費電力量に対し、高速大容量通信と電力効率の向上を両立させる技術とされておりまして、2024年の仕様確定、2030年の実現を目指して、今まさに研究開発が進められているものと承知しております。
福岡市はこれまで自動配送ロボットの走行、自動運転バスの公道での走行など、様々な実証実験を行ってきておりますが、これらのICT技術を活用したサービスには漏れなく通信技術が必要となります。その通信にIOWNという革新的な通信技術を使うことで、これまでのサービスがアップデートできるだけではなく、今まで実現できなかった様々な新しい取組が可能となり、暮らしがより便利で豊かなものになるのではないかと期待しておるところであります。
今回、このIOWNを活用したスマートサービスや業務、研究機能としてIOWN構想研究拠点などが提案されているようですが、IOWNのような技術を活用しながら、スマートサービスをアップデートしていくことが必要だと考えておりますが、福岡市の御所見をお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) グランドデザインを実現するため、IOWNなどの先進技術を活用しながら、スマートサービスを継続的にアップデートしていくことは重要と考えております。
また、優先交渉権者から産官学民をつなぐ体制と場を整備し、新サービスの創出に寄与する提案がなされており、スマートサービスの継続的な実装を支援するイノベーション導入支援組織について協議を進めていくこととしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 藤野哲司議員。
○41番(藤野哲司) IOWNを活用して開発されるスマートサービスには期待をしておりますし、そのサービスがより便利になっていくようにアップデートの仕組みをしっかりとつくっていくことが重要であると思っております。
また、優先交渉権者の提案内容としてIOWNと並んで特徴的なものとして、緑豊かでゆとりある都市空間の提案がなされているようでありますけれども、これらのグランドデザインに基づいて提案されている空間が将来にわたってしっかりと確保されていく必要があると考えております。
そこで、今回、緑豊かでゆとりある都市空間の提案がなされておりますが、市はどのようにして将来にわたって確保していこうと考えているのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 優先交渉権者からは、グランドデザインを踏まえ、街角広場や歩行者ネットワークとしての5つのメインストリートの整備、緑化率40%の緑空間の確保などと併せて、それを都市計画などに位置づけることの提案もなされており、広場や緑化率などの提案内容が将来にわたって担保できるよう、都市計画を定めることなどについて協議を進めていくことといたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 藤野哲司議員。
○41番(藤野哲司) 提案されております歩の軸や街角広場などのゆとりある空間、緑豊かな空間を生かし、グランドデザインに記載されている、まち全体の一体感の創出や周辺地域との調和、連携、交流に向け、特徴を持ったまちの空間づくりや円滑な歩行者動線の確保など、跡地等における都市空間整備を進めてもらいたいと思います。
次に、九州大学が学びの拠点として活用していくこととしている箱崎サテライト付近には、優先交渉権者から教育ゾーンとして、外語専門学校やインターナショナルスクールの提案がなされているようでありまして、教育環境の充実が図られることになっております。
福岡市も箱崎サテライトの北側に箱崎中学校の移転を計画していることから、このエリアで学ぶ学生同士や地域住民が相互に交流できるように取り組んでいただきますように要望いたします。
また、業務研究機能は、北側の貝塚駅前街区や中央のイノベーションコア付近に配置する提案のようでありますけれども、周辺地域との調和、連携、交流しながら一体的に発展することが重要でありまして、箱崎キャンパス跡地内だけで完結するのではなく、周辺地域も含めた広がりのある交流を促進させる必要があると考えております。
跡地内で働く方や新しい住民の方、箱崎を訪れる来街者などを箱崎のまちや商店街などに導く仕掛けづくりについても、地域の声を聞きながら優先交渉権者と協力して取り組んでいただきますように要望いたします。
優先交渉権者の提案内容には、エリアマネジメントの項目もあるようですが、地域は新しいまちと周辺地域とのつながりという点に関心を持っておりまして、優先交渉権者には新しいまちと周辺地域とがしっかりと話をしていける体制を築いてもらうことが必要であると考えております。
そこで、優先交渉権者から提案されているエリアマネジメント組織ではどのような取組を行っていくこととしているのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) エリアマネジメントにつきましては、周辺地域と共に発展するまちづくりに向け、周辺自治協議会と協議しながら、イベントの開催や広場の維持管理、運営、まちの魅力などの情報発信やスマートサービス全体の企画、運営を行うことなどの提案がなされております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 藤野哲司議員。
○41番(藤野哲司) 新しくできるまちの一体感の創出や魅力の向上を図ることはもちろんですが、既存の自治協議会等と連携、調和し、周辺地域と一体的に発展していくことも重要です。そのためのまちづくりマネジメントの検討もしっかり行っていただきたいと思います。
また、跡地内の新しいまちと周辺地域は切り離せない関係であります。地域との信頼関係を築いた上でまちづくりを進めていただきますようお願い申し上げます。
さて、優先交渉権者が決定いたしまして、提案内容が見えてきたことにより、跡地の開発の状況を踏まえて進めるとなっていた様々な検討が進んでいくことになると思っておりますが、まず箱崎中学校の検討状況についてお尋ねいたします。
箱崎中学校につきましては、グランドデザインに記載されており、九州大学箱崎キャンパス跡地のまちづくりに合わせて、現在の筥松四丁目から九州大学とUR都市機構により箱崎六丁目に移転新設することとなっております。移転新設することで校区の中心に位置することとなり、老朽化した施設が最新の施設に更新されるなど、よりよい教育環境が整備されることに地域住民は大きな期待を抱いております。
そこで、箱崎中学校の移転に係る現在の進捗状況をお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和5年度より基本計画に着手しておりまして、本年度、令和6年度は用地を取得し、基本設計に着手する予定といたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 藤野哲司議員。
○41番(藤野哲司) 今年度は用地を取得し、基本設計に着手するとのことで、着実に箱崎中学校の計画が進捗しているということです。
今後、設計を進める中で箱崎中学校の具体的な計画が明らかになってくると思いますが、地域住民も大きな期待を寄せております。今後、設計を進めていく中で、箱崎中学校はどのような施設になるのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) グランドデザインを踏まえるとともに、柔軟な学習空間の確保や環境への配慮、防災機能の確保などにしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 藤野哲司議員。
○41番(藤野哲司) 箱崎中学校の移転においては、その移転整備と合わせて、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を推進する最先端の学びの拠点として、教育研究施設の整備を検討するとなっております。
新しいまちに最新の学校と最先端の教育研究施設が整備されることには、子どもたちをはじめ、保護者の方々も大いに期待していることと思います。
そこで、箱崎中学校の移転と併せて検討されている教育研究施設は何をする施設なのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 様々な教育データの収集、分析を行い、その結果に基づき、授業改善や教育施策の立案に向けた研究を行うとともに、小中学校への動画等の一斉配信や大学等との共同研究を行うなど、福岡市の学びの研究拠点となるよう整備してまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 藤野哲司議員。
○41番(藤野哲司) 教育に関する様々なデータを有効に活用することは、授業の改善、新しい授業の構築につながるとともに、より有効な教育施策の展開につながっていくものと思います。
また、このような教育委員会の取組は、グランドデザインにおいて掲げられております、充実した教育・研究の環境を生み出し、人を育てるというまちづくりの方針にも合致すると考えられ、優先交渉権者から提案のあっているインターナショナルスクールや外語専門学校との連携や交流も期待されます。
この教育研究施設は福岡市全体の教育を推進していく拠点となっていくものだと思いますが、中学校と同じ敷地の中に整備されることで相乗効果を発揮することも期待されます。
そこで、同一敷地内の箱崎中学校とはどのような連携を想定しているのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 箱崎中学校の生徒が教育研究施設において先進的な授業を体験し、新しい学びに触れることができる機会、そういった機会を提供することなどを想定いたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 藤野哲司議員。
○41番(藤野哲司) 様々な教育データの分析に基づく最先端の授業をまず箱崎中学校の生徒たちが体験し、そこから福岡市の全小中学校に広がっていくことは、箱崎中学校、教育研究施設の双方にとってよいことだと思います。また、このことにより箱崎中学校区が今よりもさらに教育熱の高い、ここで子育てをしたいというエリアになっていくものと期待しております。
これまで地元として期待の高まる箱崎中学校の検討状況や検討内容についてお尋ねしてまいりましたが、箱崎中学校の今後のスケジュールをお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和6年度から7年度に基本設計、7年度から8年度に実施設計、9年度から校舎建設工事を予定しておりまして、おおむね4年から5年程度の期間を要すると想定いたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 藤野哲司議員。
○41番(藤野哲司) 箱崎中学校の移転については、コロナ禍による公募の延期のため先送りとなっておりました。地域住民も大変関心を持っておりまして、様々な方からいつ移転するのかといった問合せが私に多数ありました。できるだけ早い移転に向けて進めていってもらえたらと思っております。
次に、九州大学箱崎キャンパス跡地のまちづくりに伴う小学校の通学区域についてお尋ねしたいと思います。
九州大学箱崎キャンパス跡地のまちづくりによってどれくらい児童が増えると見込んでいるのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 居住機能として分譲住宅2,000戸の供給が予定されており、これらを基に児童生徒の出現率を用いた推計をいたしますと、全体で約600人程度の児童の増加が見込まれております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 藤野哲司議員。
○41番(藤野哲司) 九州大学箱崎キャンパス跡地には、これまで人が住んでおりませんでしたけれども、現在の校区割であれば全て東箱崎小の校区となります。それが都市計画道路の整備や優先交渉権者の提案などによって、まちが大きく生まれ変わろうとしております。
先ほど御答弁いただいたとおり、今後、児童が増えることが見込まれておりますが、今回のまちづくりを機会に、東箱崎小と箱崎小の通学区域の変更を行う予定はないのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 先月、令和6年8月末に地域や保護者の代表などで構成する通学区域協議会を設置いたしました。今後、地域や保護者の意見を踏まえながら通学区域の変更を検討してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 藤野哲司議員。
○41番(藤野哲司) 8月に通学区域協議会を設置したとのことでありますけれども、東箱崎小と箱崎小の通学区域協議会は、今後どのようなスケジュールで進めていくのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 第1回は8月に開催し、会則を定め、委員長の選任を行っております。第2回は10月の開催を予定しておりまして、通学区域の変更案や通学路等について協議を行う予定としております。その後、地域や保護者などの御意向を十分踏まえながら、年度内を目途に通学区域変更の合意に向けて協議していく予定としております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 藤野哲司議員。
○41番(藤野哲司) 通学区域を変更する際は、地域、保護者、学校の意見を聞きながら、丁寧に進めていただきたいと思います。
次に、道路についてお伺いいたします。
箱崎キャンパス跡地に隣接する箱崎校区には、跡地から筥崎宮を結ぶ通称大学通りという幅員が6メーターほどの道路があります。この道路には博多箱崎線という都市計画道路が計画されており、18メーターほどの道路に拡幅される計画となっておりますが、昭和21年に都市計画決定されてから、いまだに事業に着手されておりません。
このような長期未着手の都市計画道路については、全市的に都市計画道路の必要性を確認する都市計画道路の検証が行われ、平成23年度に結果を公表されております。この中で、博多箱崎線については、九州大学箱崎キャンパス跡地から馬出東浜線までの区間は見直し候補路線に選定されまして、拡幅計画を廃止する可能性がある路線として位置づけられておりますが、現在も博多箱崎線は廃止や変更の手続が行われておりません。
そこで、博多箱崎線については、見直し候補路線に位置づけられてから10年以上が経過しておりますが、なぜこれまで廃止や変更の手続が行われていないのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 都市計画道路博多箱崎線のうち、見直し候補の区間につきましては、隣接する九州大学箱崎キャンパス跡地のまちづくりの動向を踏まえ、都市計画の見直しの検討を行うこととしているものでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 藤野哲司議員。
○41番(藤野哲司) 箱崎キャンパス跡地周辺につきましては、50ヘクタールという広大な土地で開発が行われるので、当然交通への影響を踏まえる必要があることは理解しておりますけれども、箱崎キャンパス跡地の開発については、優先交渉権者が決定し、提案内容も公表されるなど、具体的にまちづくりの計画が見えてきております。
また、博多箱崎線が通る箱崎校区には、筥崎宮をはじめ、歴史ある建物が残り、沿道には箱崎商店街も連なるなど地域にとって重要なエリアであり、地域の皆様の努力の下、平成31年3月には建物の景観など、地域独自のルールを定めた箱崎まちづくり計画が策定され、令和6年3月には筥崎宮周辺地区が景観形成地区に指定されるなど、地域では歴史あるまち並みを生かした景観づくりに取り組まれております。
地域からは、箱崎校区の歴史あるまち並みを生かし、博多旧市街のように歩いて楽しめる道路にするために、都市計画の廃止に加え、歩行空間の確保や舗装の美装化を求める声も聞いております。
そこで、箱崎キャンパス跡地のまちづくりが具体化してきたこのタイミングで、都市計画を廃止するかどうかを判断する必要があると思いますが、当局の御所見をお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 博多箱崎線の都市計画の見直しにつきましては、優先交渉権者の提案の具体化を踏まえ、博多箱崎線周辺で想定される交通の変化等の確認を進めるとともに、地域の御意見も伺いながら検討を進めてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 藤野哲司議員。
○41番(藤野哲司) 地域では箱崎まちづくり計画の策定や景観形成地区への指定など、まちづくりに対する機運も高まっておりますので、博多箱崎線の見直しについては、地域の声も踏まえ、検討を進めていただきたいと思います。
次に、都市基盤の整備についてお尋ねいたします。
箱崎キャンパス跡地における都市基盤については、南エリアはUR都市機構による開発行為、北エリアは福岡市施行による土地区画整理事業として、道路や公園等の整備を行うこととされております。現在、南エリアにおいては、跡地の外周道路や都市計画道路などは着々と工事が進められており、完成した部分から供用開始するなど徐々に姿が見えつつあるところです。
北エリアについても、仮設道路が整備されるなど、基盤整備が進められておりますが、この北エリアにはJR新駅の設置も予定されております。新駅は地域からJR九州と福岡市に設置の要望書が出されたことを契機に、JR九州が令和9年開業を目標として設置を公表しております。
現在、設置に向けた検討が進められていると思いますが、まずはJR新駅の概要をお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) JR鹿児島本線の箱崎−千早駅間に設置予定のJR新駅につきましては、地下鉄、西鉄の貝塚駅に近接し、改札を2階に設ける橋上駅舎として計画されております。
また、新駅は踏切である市道箱崎157号線を廃止する代替として、市が整備する自由通路と接続する構造となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 藤野哲司議員。
○41番(藤野哲司) 新駅は令和9年開業目標ということであるため、そろそろ工事に着手していく頃と思います。そこで、JR新駅の設置に向けて現在JR九州とどのような協議を進めているのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) JR九州が整備する新駅と福岡市が整備する自由通路や駅前広場などが同時期の施工となるため、各工事の着手に向けて施工工程やヤードの調整などを行っているところであり、引き続き協議を進めてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 藤野哲司議員。
○41番(藤野哲司) 駅周辺では市で整備する自由通路や新設される駅前広場などの基盤整備が予定されているため、安全な工事のためにもJR九州としっかり協議をし、準備を進めてもらいたいと思います。
また、貝塚駅周辺では、グランドデザインにおいても交通結節機能の強化を図ることとなっており、今回新駅が設置されることで、地下鉄、西鉄、JRの3路線の駅が近接する新たな交通結節拠点になると期待しております。
ここで資料の投影をお願いします。(資料投影)これが貝塚駅と新駅の位置関係でありますけれども、この貝塚駅と新駅の間の距離は直線距離で約百数十メートルとなっております。この貝塚駅と新駅は、先ほどの御答弁にもありましたとおり、それぞれ地上から2階へ上がって駅を利用する構造となっておりますことから、今年の5月22日に開催されました箱崎キャンパス跡地利用協議会において、地域の代表から利便性を高めるために貝塚駅と新駅の両駅間を2階レベルでつないでほしいといった要望がなされておりました。資料の投影を終了してください。
そこで、この両駅間を2階レベルでつなぐことができたら、交通結節拠点としてさらに利便性が向上するのではないかと考えておりますが、福岡市のお考えをお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 両駅間の結節強化につきましては、福岡市としても重要と考えており、貝塚駅の駅前広場に近接した位置に自由通路を計画することで利便性の向上を図ることとしております。
両駅間を2階レベルでつなぐことにつきましては、駅周辺の土地利用計画も踏まえつつ、鉄道事業者などの関係者と協議を行ってまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 藤野哲司議員。
○41番(藤野哲司) ありがとうございます。今回、優先交渉権者の構成員には、鉄道事業者であるJR九州や西鉄もおられるため、福岡市も加えた3者で実現に向けた協議を進めていってもらいたいと思います。
次に、都市公園については、グランドデザインにおいて、南エリアでは箱崎中央公園を新たに整備すること、北エリアでは貝塚公園を再整備していくことが位置づけられております。優先交渉権者が決定し、土地利用の全体像が見えてきた中で、2つの公園は、今後、跡地内の住民だけではなく、周辺の住民や来街者、働く人など様々な人が利用し、交流する空間になるように具体的な検討が進められていくものと考えております。
そこで、公募範囲に囲まれております箱崎中央公園については、優先交渉権者の提案概要を見ると、公園の位置についての提案も出されているようですが、今後どのように検討を進めていくのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 箱崎中央公園につきましては、跡地南側の近隣公園として箱崎中学校と一体的に防災性の向上を図ることや、九州大学の近代建築物活用ゾーンの緑と連続したゆとりある空間を形成するよう計画しております。
今回、優先交渉権者からは、現計画の趣旨を踏まえつつ、交流、にぎわい機能との連携が図りやすいよう、位置の変更の提案もなされているため、公園利用者や地域住民の利点などについて確認しているところでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 藤野哲司議員。
○41番(藤野哲司) 公園は跡地に新たに住む住民だけではなく、周辺地域に住んでいる住民の皆さんにとっても使いやすい公園にすべきであると思いますので、ぜひ提案されている民有地の広場などとの一体性、連携、交流に配慮したすばらしい公園を造ってもらいたいと思います。
また、平時の使用だけではなく、災害時などの有事の使用も考慮し、周辺の建物との連携が取れるように計画していただくよう要望いたします。
次に、貝塚駅の西側に位置する貝塚公園についてお尋ねいたします。
貝塚駅の西側の道路は、南北に細長くて狭いロータリーがあるのみで、自家用車などが停車するスペースもなく、朝夕などの混雑時には歩行者と送迎車などの接触事故が起きかねない状況であります。
貝塚公園についても、開園から50年以上が経過し、公園施設の老朽化が進んでおります。開園時間も朝9時から夕方17時までと設定されているため、閉園時間は周辺地域の避難場所として利用できないといった課題もあり、駅前という恵まれた立地の公園にもかかわらず、大変もったいないと感じております。
これらの課題を解決するため、グランドデザインにおいて貝塚公園の再整備と駅前広場の新設、駅への分かりやすいアクセス道路の整備をすることとなっており、できるだけ早く取りかかってほしいと思っております。また、貝塚公園については、周辺住民の関心も非常に高い状況であります。
そこで、優先交渉権者が決定し土地利用が見えてきた中で、貝塚公園の再整備についてもスピード感を持って取り組むべきだと考えますが、今後どのように進めていくのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 貝塚公園の再整備に当たりましては、今年度中の再整備の具体的な方針策定に向けて、まずはゴーカートなど他の公園にはない複数の施設の取扱いについて、有識者などから御意見を伺うとともに、地域へも説明しながら進めております。
今後とも、地域をはじめ、より多くの市民が使いやすい空間となるよう、遊具の配置などについて地域や利用者の声をお伺いしながら検討をしてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 藤野哲司議員。
○41番(藤野哲司) 最近整備されている公園では、民間活力を活用し、公園内に飲食店などのにぎわい施設を導入して、非常に魅力的な公園を整備する事例が増えていると感じております。また、インクルーシブな社会の実現に向けた公園づくりも求められると思います。
貝塚公園についても、まちづくりの様々な動きを捉えて、憩い、にぎわい、交流機能のある駅前空間が創出できるよう再整備を進めていただき、子どもからお年寄りまで様々な方が利用しやすい公園になってもらいたいと思っております。また、公募エリアと近接するので、アクセス性の向上を図り、一体感のある整備に取り組んでいただきますよう要望いたします。
ここまで九州大学箱崎キャンパス跡地と周辺のまちづくりについて質問をしてきましたが、跡地周辺の箱崎校区では、九州大学箱崎キャンパス移転などをきっかけとして設立された箱崎まちづくり委員会による歴史あるまち並みを生かした景観づくりなど、箱崎の歴史と伝統を守りながら、地域主体のまちづくり活動も活発に行われております。
また、今月12日から18日まで、放生会が開催されます。例年どおり、箱崎のまちがにぎわうことを願っております。
一方、箱崎キャンパス跡地では、最先端技術による快適で質の高いライフスタイルと都市空間を創出するFUKUOKA Smart EASTの取組が進められており、優先交渉権者から御提案いただいておるIOWNを活用した様々なスマートサービスがまちに実装されるなど、先進的なまちづくりが進められていくことになります。
これまで1,000年以上の歴史を刻んできた箱崎のまちと九州大学箱崎キャンパス跡地で、これからつくられていく未来のまちが融合し、箱崎のまち全体の魅力となり、多くの人々に愛されるまち箱崎となりますよう切に願っております。
最後に、今後の箱崎キャンパス跡地のまちづくりに向けて島市長の決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 島市長。
○市長(島宗一郎) 九州大学箱崎キャンパス跡地については、地域とともにつくり上げたグランドデザインに基づき都市基盤の整備を着実に進めるとともに、最先端技術による快適で質の高いライフスタイルと都市空間を創出するFUKUOKA Smart EASTの実現に向けて取り組んでおります。
優先交渉権者からは、グラウンドデザインに沿って緑豊かな都市空間や様々なスマートサービスなどの提案がなされており、引き続き九州大学や地域などの関係者と連携をして未来に誇れるまちづくりに取り組んでまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) お諮りいたします。
本日の会議はこの程度にとどめ、残余の質問は明6日の会議にこれを繰り延べたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松野 隆) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
次の会議は明6日午前10時に開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午後5時5分 散会