令和6年6月17日(月)
令和6年 第3回 福岡市議会定例会
議 事 日 程 (第4号)
6月17日 午前10時開議
第1 一 般 質 問
本日の会議に付した事件
議事日程のとおり
出 席 議 員 (61名)
1番 おばた 英 達 2番 もろくま英 文
3番 淀 川 幸二郎 4番 稲 員 稔 夫
5番 鬼 塚 昌 宏 6番 堤 田 寛
7番 大 森 一 馬 8番 大 原 弥寿男
9番 今 林ひであき 10番 阿 部 真之助
11番 打 越 基 安 12番 堤 健太郎
13番 坂 口よしまさ 14番 新 開 ゆうじ
15番 とみながひろゆき 16番 田 原 香代子
17番 たのかしら知行 18番 石 本 優 子
19番 勝 山 信 吾 20番 調 崇 史
21番 川 上 陽 平 22番 津 田 信太郎
23番 古 川 清 文 24番 高 木 勝 利
25番 篠 原 達 也 26番 平 畑 雅 博
27番 伊 藤 嘉 人 28番 川 上 晋 平
29番 尾 花 康 広 30番 松 野 隆
31番 山 口 剛 司 32番 大 石 修 二
33番 和 田あきひこ 34番 あ べ ひでき
35番 大 沢 めぐみ 36番 木 村てつあき
38番 綿 貫 康 代 39番 前 野 真実子
40番 中 島まさひろ 41番 藤 野 哲 司
42番 新 村 まさる 43番 天 野 こ う
44番 堀 内 徹 夫 45番 森 あやこ
46番 福 田 まもる 47番 はしだ 和 義
48番 浜 崎 太 郎 49番 阿 部 正 剛
50番 倉 元 達 朗 51番 中 山 郁 美
52番 川 口 浩 53番 小 竹 り か
54番 勝 見 美 代 55番 井 上 ま い
56番 ついちはら陽子 57番 田 中 たかし
58番 山 田 ゆみこ 59番 近 藤 里 美
60番 落 石 俊 則 61番 田 中しんすけ
62番 池 田 良 子
欠 席 議 員 (1名)
37番 橋 口 えりな
説明のため出席した者
市 長 島 宗一郎 副 市 長 光 山 裕 朗
副 市 長 中 村 英 一 副 市 長 荒 瀬 泰 子
水道事業管理者 下 川 祥 二 交通事業管理者 小野田 勝 則
総 務 企 画 局 長 龍 靖 則 財 政 局 長 山 嶋 剛
市 民 局 長 舟 越 伸 一 こども未来局長 野 中 晶
福 祉 局 長 藤 本 広 一 保 健 医 療 局 長 藤 田 三 貴
環 境 局 長 中 村 卓 也 経済観光文化局長 鈴 木 順 也
農林水産局総務農林部長 中牟田 はと子 住 宅 都 市 局 長 中 村 健 児
道路下水道局長 天 本 俊 明 港 湾 空 港 局 長 竹 廣 喜一郎
消 防 局 長 田 浩 輝 会 計 管 理 者 小 林 登茂子
教 育 長 石 橋 正 信 教 育 委 員 町 孝
選挙管理委員会事務局長 中川原 敬 子 人事委員会事務局長 小 川 明 子
監 査 事 務 局 長 上 薗 久 美
職務のため出席した事務局職員
議会事務局長 久 田 章 浩 議会事務局次長 着 一 孝 議 事 課 長 水 ア 亮 二 議 事 係 長 實 政 伸一郎
外関係職員
午前10時 開議
○議長(打越基安) これより本日の会議を開きます。
日程第1、一般質問を行います。発言通告者のうちから順次質問を許します。ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子)登壇 おはようございます。私は福岡市民クラブを代表して、全天候型の子どもの遊び場の充実について質問いたします。
子育て中の方からよくお聞きする御相談は、雨の日や、特に夏休み期間、日差しが強過ぎて子どもを遊ばせる場所がないというものでした。近年、熱中症アラートも発令し、晴れた日であっても家で過ごすことになります。子ども一人一人が自分らしく健やかに育つために、子どもの遊びの機会を広く提供する必要があると思います。
まず初めに、子どもの遊びが人格形成に与える影響についてどのようなお考えなのか、御所見を伺います。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 子どもの遊びや体験活動は、想像力や思いやり、やり抜く力が身につくなど、子どもの社会性や主体性などを育むために重要であると認識しております。以上でございます。
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) では、子どもの遊び場の充実について、これまで市民からどのような要望や意見が寄せられているか、こども未来局は把握されていますでしょうか。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 令和5年度に福岡市が実施した子ども・子育て支援に関するニーズ調査において、家の近くの子どもの遊び場について日頃感じていることの問いに対し、雨の日に遊べる場所がないや遊具などの種類が充実していないなどの回答がございました。以上でございます。
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 雨の日に遊べる場所がないという意見が多く寄せられているとのことでしたが、雨などの天候不順な時期が続くと、子どもたちの活動がさらに不足することが予測されますが、このような保護者の意見にどのように対応していくのか、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 雨の日にも遊びや体験などをして過ごすことのできる場につきまして、子どもの年齢や遊びの内容により様々ございますけれども、例として、子どもプラザや中央児童会館、地域交流センターなどのほか、体験活動を実施している公民館もございます。今後とも、多様な遊びや体験活動ができる場の充実に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) それでは、多様な遊びとは何を指すのでしょうか、具体的にお答えください。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 現在、福岡市が提供しているものでは、例えば、中央児童会館が公民館や体育館などに出向いて実施している遊びのプログラムがございます。以上でございます。
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 遊びのプログラムを公民館などに出向いて実施しているとのことですが、その事業の目的と事業概要を併せてお尋ねいたします。また、雨天時や夏日はどのような場所で実施されているのでしょうか。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 中央児童会館の遊びのプログラムは、身近な地域において遊びや活動ができる場の確保や機会の充実を図ることを目的として、具体的には出前児童館、あいくるがやってくる、あかちゃんといっしょ、こどものアソビバを行っております。その中で、乳幼児向けには歌や読み聞かせ、親子遊びなどを、小学生向けには運動遊びや様々なゲームなどを、天候にかかわらず、公民館や体育館、地域交流センターにおいて実施しております。以上でございます。
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 出前児童館などの参加費、実施時間、参加するに当たっての必要な手続をお尋ねします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) それぞれの遊びのプログラムの参加費は無料でございまして、実施時間は1時間から2時間程度でございます。また、参加手続につきましては、出前児童館は公民館への申込みが必要ですが、その他は申込み不要で、実施場所にお越しいただければ参加できるようになっております。以上でございます。
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 過去の5年間に館外に出向いていった遊びのプログラムの参加人数をお尋ねいたします。また、一年を通じてどの時期の参加人数が多いのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 参加人数は、令和元年度4,611人、2年度1,792人、3年度2,471人、4年度3,485人、5年度4,624人でございます。また、実施する月によって参加人数に大きな差はございません。以上でございます。
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) コロナ禍で参加人数は半減し、それ以降は年々増えているようです。プログラムなどの工夫の成果もあったのかと思われます。一方で、御答弁いただいたように、年間を通しての参加人数の差はないということから、特に梅雨の時期など雨天時に近所の公民館に遊びに行くという選択をされている子育て家庭は多くはないようです。
出前じどうかんは屋内でも遊びや活動をすることができ、天候に左右されることなく、とてもいい事業だと思いますが、認知度が低いように感じます。情報が十分に届くよう取組が必要だと思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 情報発信につきましては、福岡市の公式LINEなどのSNSの活用や小学校へのチラシ配布を行っているほか、中央児童会館のホームページや会場となる公民館の広報紙誌など、様々な方法でお知らせをしているところでございます。今後とも、効果的な広報、PRに努めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) では次に、子どもの屋外の遊び場として公園があります。雨天時や日差しの強い夏日に対応した公園は市内に幾つありますか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 公園の整備に際しましては、樹木による緑陰の創出を基本としておりますが、加えまして、急な雨や日差しをしのぐ休憩施設であるあずまやや日陰棚を681公園で設置をしております。以上でございます。
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) あずまやはよく見かけますが、ごく一部の人しか休めず、テントなどを持参して休む場所の確保をしている方も見られます。
本市における年間雨天時日数は100日前後、熱中症アラートの発令日数は昨年19回、夏日の日数は過去3年間平均で70日前後です。雨の日に加えて日差しの強い夏日も合わせると、年間約170日もあります。体を動かしたい子どもにとって、外で遊べない日が続くと運動不足でストレスもたまり、さらには保護者への影響も懸念いたします。こういったことを解消するには、公園の遊具の上にも屋根があり、雨や強い日差しを遮ることができる遊び場が必要ではないでしょうか。
調べてみましたら、このような公園がありました。資料1をお願いします。(資料投影)こちらの新潟市にあるよこごし公園は約5ヘクタールの広さがあります。その中の一部にこのような大きな屋根の中に複数の遊具があり、屋根がついているので、雨の日も日差しが強い日にも関係なく遊べます。大きさはテニスコート1面分ぐらいあり、子どもも大人も楽しめる魅力的な遊具だそうです。さらに、保護者が座って見ていられるベンチもあるそうで、保護者にも優しい造りとなっています。
遊具にも屋根があると、子どもが安心して遊べる空間ができ、保護者も安心して見守ることができます。本市でも、雨の日でも子どもが遊べる場所を整備するため、遊具の上に屋根を設置した公園の整備を検討する必要があると思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 国が定めている都市公園法運用指針におきましては、都市公園は本来、屋外における休息、運動などのレクリエーションを行う場所で、原則として建築物によって建蔽されない公共オープンスペースとしての基本的性格を有するとされていることから、公園内への建築物の設置に際しては都市公園法において建蔽率の制限が設けられております。この制限を受ける屋根の設置につきましては維持管理などの課題もあることから、福岡市においては、地域と協議の上、必要に応じてあずまやや日陰棚を設置しております。以上でございます。
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 新潟のよこごし公園と同規模の公園は本市には幾つありますか。区ごとにあればお示しください。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 新潟のよこごし公園と同規模である福岡市が管理する4ヘクタール以上の都市公園でお答えをいたしますと、市内に22公園あり、区ごとの内訳は、東区が6公園、博多区が4公園、中央区が2公園、南区が2公園、城南区が1公園、早良区が3公園、西区が4公園となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 市内には4ヘクタール以上ある公園は22か所もあり、城南区には1つですが、それ以外の区には2つ以上あります。4ヘクタール以上ある公園であれば、建蔽率の課題もクリアできるのではないでしょうか。福岡市でも実現できるのではと期待をしております。
基本的に公園で遊ぶというと、太陽の光を浴びることは当然のことだと理解しております。しかし、子どもは楽しいが優先してしまい、つい炎天下でも長時間遊び続けてしまいます。近年の異常な暑さの中で、外遊びは十分に注意が必要です。福岡市の雨の日数に加え、夏日まで屋外での活動が制限されてしまうと、体力や免疫力の低下が避けられません。建蔽率については時代に合った見直しが必要であると考えます。
公園内に建築物を設置する際には建蔽率の制限が設けられていることが分かりましたが、例えば、テントのような簡易的なものであれば、期間を限定してなど、多様に活用することができます。資料2をお願いします。(資料投影)こちらはオーストラリアのシドニーにあるバイセンテニアルパーク中央遊具エリアの写真です。日差しの激しい真夏にもかかわらず、遊び場の大半を覆う布製の日よけがあるため日陰ができ、大勢の親子連れが長時間でも楽しむことができるそうです。日本でもテントのような素材のものを柱にしっかりと固定をすれば、台風の時期なども安全性を確保できるのではないでしょうか。
財政負担を抑えながら、子どもたちに必要な遊び場を提供できる公園整備について検討する必要があると思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 公園施設につきましては、都市公園法施行令において、安全上及び衛生上必要な構造を有するものでなければならないとされていることから、テントのような簡易な施設につきましても、この規定を満たす必要があるほか、維持管理、運営、費用などの面において様々な課題があると認識をしております。以上でございます。
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 建物自体には費用がかからなくても、維持管理や運用面などの課題もあるようです。であるならば、まずは管理者のいる公園から試験的に試してみてはいかがでしょうか。
さらに、屋根についての維持管理などの問題はなく、空いているスペースを有効に活用した事例です。資料3をお願いします。(資料投影)こちらは武蔵野市にある中央高架下公園です。誰もが利用できる全天候型、多世代型の公園といった珍しい公園があるということで1月に視察に行ってまいりました。約3,000平方メートルある細長く続いている公園で、4つのエリアに分かれています。わんぱくひろばは6歳以下の子どもたち、大人や高齢者向けに健康遊具が設置されており、障がいのあるお子さんも一緒に遊べるユニバーサル遊具も設置されてありました。雨の日や強い日差しの日にも関係なく遊びに行くことができ、子育て世代にはもちろん、高齢者や障がいのある方など、みんなに優しい憩いの場となっているそうです。駐車場はないそうですが、近くにコインパーキングはありました。吉祥寺駅からは歩いて10分なので、電車で遊びに来られる方も少なくないそうです。
本市にはこのような高架の下を活用した遊具のある公園はありますか。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 東区のJR鹿児島本線の高架下で、都市公園として整備した筥崎緑道があり、同緑道には健康遊具を設置しております。以上でございます。
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) では、筥崎緑道について伺います。
どういった経緯で高架の下の活用ができたのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 鉄道の連続立体交差事業によって生じる高架下の土地利用について事業者が検討する中で、地域から公園整備について要望されたため、必要性などについて検討した結果、高架下の公園整備により、街区公園である箱崎米一丸公園と筥松北公園を結ぶ公園のネットワークが形成され、公園の一体的な活用が図れること、土地所有者である鉄道事業者との協議の結果、無償での借地が可能であったこと、公園整備や維持管理に対する地域の理解があったことなどを踏まえ、緑道として整備を行ったものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 様々な条件がそろった上で実現したようです。筥崎緑道はきれいに管理されてありましたが、遊具といっても健康遊具が幾つかあるのみでした。現在使われていない高架下なども有効に活用し、ブランコや滑り台、砂場など、公園の機能も充実すれば、雨の日に遊びに行くところがないなんて言わせない福岡市となるのではないでしょうか。
他都市で実現している公園です。ぜひ雨天時や夏日が続く中でも子どもたちが安心して遊べる公園の整備について、その必要性や効果を検討する必要があると思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 都市公園は本来、屋外における休息、運動などのレクリエーションを行う場所であることから、福岡市においては、樹木による緑陰の創出を基本として、必要に応じて急な雨や日差しをしのぐ休憩施設であるあずまやや日陰棚を設置しております。御紹介のありました新潟市や武蔵野市などの事例については把握をしておりますが、維持管理や運営面、関係事業者の協力、地域の理解などの課題もございます。今後とも、子どもたちや地域住民が使いやすく、身近に緑が感じられる魅力的な公園づくりに努めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 年々気温が上昇していく中で、紫外線も強くなっていると気象庁は示しています。また、日本小児皮膚科学会によると、紫外線を浴び過ぎると、将来、皮膚がんのリスクが高くなることや目の病気を起こしやすくなることなど、健康に悪影響を及ぼすとされています。ひなたよりも日陰のほうが紫外線を約50%カットしてくれるので、テントやよしず等を積極的に利用しましょうとも示されています。時代に沿った公園の在り方を検討することも必要だと考えます。
子どもたちや地域住民が使いやすく、身近に緑が感じられる魅力的な公園づくりに努めていくとのことですので、最後にもう一つだけ提案をします。資料4をお願いします。(資料投影)博多区にある山王公園の写真です。たくさんの樹木によって木陰が多く、ウオーキングの方や読書をしに来られた方など、日差しを浴びることなく緑を感じながら過ごすことができる公園です。雨の日は難しいですが、多少の小雨だとしのげるようです。続いて、資料5をお願いします。(資料投影)この遊具の部分だけにはやはり日陰はなく、晴天だったこの日は子どもも一人も遊んでいませんでした。ありがとうございます。
住宅都市局が緑豊かなまちづくりを推進するため、都心の森1万本プロジェクトをスタートさせていますが、このプロジェクトでは公園にも新たに樹木を植えるといった検討はされているのでしょうか。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 都心の森1万本プロジェクトは、市民や企業との共働により、都心部をはじめとして全市域で植樹運動を展開するプロジェクトであり、新たな樹木の植栽や今ある緑をより美しくするとともに、民有地における緑化誘導により、緑豊かなまちづくりを推進しております。プロジェクト開始以降、舞鶴公園などの公園においても市民や企業と共働しながら植樹を行っており、今後も様々な機会を捉え、より積極的に植樹に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 都心の森1万本プロジェクト開始以降、これまで何か所の公園にどれぐらいの本数、どのような種類の植樹をされてきたのか、お示しください。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 都心の森1万本プロジェクト開始以降、クスノキや桜などの将来的に緑陰が創出される樹種や、花や新緑、紅葉といった季節感を感じられる樹種などの中高木約760本を22公園で植樹しております。以上でございます。
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) できる限り公園に木陰を増やしていけるような背の高い樹木を植樹していただきたいのですが、今後検討はされますか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 樹木には緑陰の創出をはじめとして、自然との触れ合いの場の確保や生態系の維持など、様々な効果があることから、これまでも公園では樹木の特性を踏まえながら植樹を行ってまいりました。都心の森1万本プロジェクトを契機に、市民や企業と共働しながら、今後も公園整備などの機会を捉えた植樹や既存樹木の育成を図り、緑陰が形成された公園づくりに取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 前向きな御答弁をいただけたので、しっかり進めていただきたいと思います。
国は、こどもまんなか社会の実現に向けて、2023年4月にこども家庭庁を創設し、こども基本法を施行しました。市民に寄り添う福岡市は、先頭を切って独自の子育て政策を進めていっていただきたいと考えます。ぜひ全国に誇ることができる天候に左右されずに遊べる公園の整備を行い、子ども施策を推進する牽引役を果たしてほしいと思います。
雨の日や夏日が続くときでも子どもたちの社会性や主体性を育むための環境づくりに向けて、全天候型の公園など、子どもの遊び場を充実していく必要があると思いますが、最後に市長の御所見を伺って、私の質問を終わります。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 遊びは子どもの健やかな成長の原点であり、次代を担う子どもたちが心身ともに健やかに成長していくために、安全に楽しく遊ぶことのできる遊び場の確保は重要であると考えており、公園や学校を活用した遊び場づくりや身近な地域における遊びのプログラムの実施など、様々な遊び場の提供に取り組んでいるところでございます。今後とも、全ての子どもが健やかに成長していけるように、多様な遊びや体験活動ができる環境づくりを進めてまいります。以上です。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい)登壇 私は福岡市民クラブを代表して、福岡城及び鴻臚館整備事業について、安心して学べる環境づくりの中で、教育相談窓口、不登校支援について質問いたします。
福岡城については、予算議会においても取り上げられましたが、その歴史的背景や文化財としての歴史的価値などは改めて説明するまでもなく、国史跡にも指定をされる非常に重要な歴史的資源であります。当然ながら、本市議会においても福岡城について過去に様々な議論が交わされてきたものと承知をしておりますが、状況が少々変わってきた部分もあるようですので、今回は福岡城の中でも特に天守閣に関する点についてお尋ねしたいと思います。
初めに、昨年度より実施されました天守閣のライトアップ事業についてです。
既に昨年度実施分については5月末をもって終了しているところですが、今年度についても予定をされておりますので、改めて確認させていただきたいと思います。
福岡城幻の天守閣ライトアップ事業の概要についてお答えください。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 福岡城幻の天守閣ライトアップ事業につきましては、福岡城への観光集客を図るとともに、福岡城や福岡の歴史に対する観光客や市民の関心、興味を高めるため、天守台の上に仮設工作物を期間限定で設置し、ライトアップを実施したものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 本事業においては、仮設工作物として天守閣風の骨組みを天守台に設置し、ライトアップされていたものですが、主にその手法によって予算議会でも我が会派が修正案を出すに至ったように、賛否が分かれる結果となったと思います。
では、令和5年度の天守閣ライトアップ事業について、当初予算時の想定はどのようなものであったのか、説明願います。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 令和5年度の当初予算の計上に当たりましては、福岡城、鴻臚館における観光振興事業の中で、福岡城を夜間も楽しんでもらえるよう城内のライトアップを実施することと想定していたものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) では、ライトアップ実施業務委託に係る提案競技において、市はどのような条件の下、事業者提案を募ったのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) ライトアップ事業の企画提案公募の実施に当たっては、その募集要項において、福岡城の魅力を向上させ、昼夜問わず見応えのある仮設工作物を期間限定で天守台を含む本丸エリアに設置し、ライトアップすることで、観光客や市民に見て楽しんでもらうことを目的とし、また、仮設工作物のデザインは、福岡城の歴史を十分に伝えるとともに、史跡と調和したもので、観光客や市民の来訪意欲を高めるものとして募集しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 当初予算時は予算資料上でも、夜間も楽しめるよう福岡城内のライトアップの実証を実施という文言しかなく、先ほど御答弁いただいたように、城内のライトアップという漠然とした内容でしか審議をされておりませんでした。しかしながら、提案競技の時点で、既に仮設工作物を本丸エリアに設置し、ライトアップを行うという条件を設けて提案競技を行ったということで、提案競技実施要項の中でも、天守台の地耐力などの試験を実施し、その結果を仕様書内に記載をするなど、天守台も含めた工作物の設置を求めています。
では、令和5年度中、どのような検討を経て、天守台や仮設工作物の活用を行うこととしたのか、御説明ください。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 検討経緯については、令和5年度に入って、より具体的な検討を行い、観光客や市民の関心が高い天守台のある本丸エリアを活用することとしたもので、ライトアップの演出や効果を高め、観光客や市民の福岡城への来訪意欲をより高めるため、仮設工作物を期間限定で設置することを求めることとしたものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) では、その検討過程において外部の専門家や有識者に意見などを求めた上で検討を進められたのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 企画提案公募の仕様を検討する過程で、外部の歴史の専門家や有識者の意見は聞いておりません。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) では、なぜ外部の有識者等の意見を求めなかったのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 今回の事業は観光集客を主な目的とし、観光部門が主体となり、史跡の保存、活用を担当する文化財活用部の協力を得て検討を行ったもので、特に外部の歴史の専門家や有識者の意見は聞いておりません。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) では、提案事業者が6者あった中、天守閣風の工作物の設置を提案した事業者は何者あったのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 複数の事業者から天守閣をイメージさせるような工作物の提案をいただいております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 6者提案があった中で複数の事業者から天守閣をイメージさせる工作物の提案があったとのことですが、当該提案競技における選定委員の内訳をお尋ねします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 企画提案公募の選定委員会の委員については、経済観光文化局の経済産業課長、史跡整備活用課長、MICE施設整備担当課長、住宅都市局の公園部活用課長、そして、公益財団法人福岡観光コンベンションビューロー事務局長の5名でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 提案競技を選定する委員についても、5名全てが本市職員で構成をされていますが、提案事業者の選考過程において外部の専門家や有識者の意見などは求められなかったのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 答弁申し上げます前に、先ほどの答弁で観光産業課長と言うべきところを経済産業課長と申しました。おわびして訂正申し上げます。
答弁申し上げます。委託事業者の選定過程において、外部の歴史の専門家や有識者からの意見は聞いておりません。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 提案競技を選定する場面においても、外部の有識者等の意見は聞いておられないとのことです。
具体的な提案がなされ、福岡城の天守閣という歴史的な観点でも意見が様々分かれるものを選定する時点で外部有識者等の意見を求めるべきであったと思いますが、御所見をお尋ねします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 提案の選定に当たっては、福岡城への観光集客を図るとともに、福岡城や福岡の歴史に対する観光客や市民の興味、関心を高めるといった事業目的に沿った評価基準を事前に定め、その基準に基づき適切に評価したものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 提案の選定については適切に評価をされたとの御答弁ですが、本市職員のみで選定をされたという事実からも、観光集客を図るという目的が先行し、歴史的考察や文化資産としての価値を軽視するような進め方に感じられます。市民にとっても大変重要な史跡でありますので、その取扱いや施策の進め方については、もっと様々な視点で意見を募りながら施策の検討を行っていただきたいと思います。
では、令和6年度の事業実施についてお尋ねしますが、工作物の仕様や設置時期、撤去時期などについて今回と同じような内容で行われるのか、御説明ください。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 令和6年度については、アンケート調査の結果等を踏まえ、今後検討してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 今年度実施分についてはまだ詳細は決まっていないようですが、設置事業者は改めて公募することになるのか、説明願います。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 令和5年度の企画提案公募に当たり、公募要項において、運営内容、実績等が良好な場合は現在の事業者と最長3年間契約できるものとしておりまして、それを踏まえ、令和6年度の設置事業者については今後検討してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 運営が良好であれば最長3年間同じ事業者との契約ができるということだそうです。
先ほどもアンケート結果を踏まえてという御答弁もありましたが、今回実施をされた天守閣のライトアップについて、市民や観光客、関係者等の声はどのように集めておられるのか、具体的に御説明ください。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) ライトアップの期間中、来城者や近隣の住民を対象としたアンケート調査を実施するとともに、市民を対象としたインターネット調査を実施しており、現在、集計、分析を行っているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) では、アンケートは何人くらいを対象とされたのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 来城者へのアンケート及びインターネット調査については、それぞれ1,000人程度、近隣住民を対象としたアンケートについては、福岡城周辺の4校区の自治会長や町内会長など100人程度に実施しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 現在集約中であるとのことですが、いつまでにアンケートの集約は完了するのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 令和6年7月末を目途に取りまとめたいと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) このアンケートについては7月末くらいまで結果が出ないということですけれども、このアンケートの調査票の内容について私も拝見をいたしました。しかしながら、その中身を見ると、ライトアップの感想を聞くということがやっぱり中心であり、そこにかかる費用など細かいことについては記載をされておりませんでした。
予算議会の後も市民から直接ヒアリングも行いましたが、いただく御意見の中にはもちろん好意的な意見があったのも事実ではございますけれども、それにかかる費用を伝えると、そんなにかかるならしなくていいと思うですとか、2か月で撤去するならそのお金って無駄だよねといったですね、費用対効果について疑問視をする声が多かったのも事実です。よい部分だけをヒアリングすることのないよう、公平な意見収集に努めていただくよう改めて要望しておきます。
では、ここからは天守閣の復元についてお尋ねしてまいります。
最近、各種報道でも福岡城の天守閣議論が度々報じられることがありますが、天守閣復元の可否について様々な情報を耳にしますので、今回はその実現可能性についてお尋ねしたいと思います。
初めに、本市では国史跡福岡城跡整備基本計画に基づいて福岡城の整備等を行っておりますが、天守閣の復元についてこれまでどのような検討や議論がなされてきたのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 福岡城の天守閣については、平成26年度に策定した福岡城跡整備基本計画の中で、指図や古写真などが確認されていないとして復元が極めて困難な建造物に分類しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) では、天守閣を復元するとなれば、どのような資料が必要となるのか、説明願います。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 復元については、文化庁の基準によりますと、その技術的事項として、発掘調査、建築的調査に関する資料、修理に関する資料、指図や絵画、写真、模型等で精度が高く良質な資料などによって、復元する歴史的建造物が位置、規模、構造、形式などについて十分な根拠を持ち、復元後の歴史的建造物が規模、構造などにおいて高い蓋然性を持つことが求められております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 復元に必要となる資料について御説明いただきましたが、文化庁の基準でいうと、その資料については精度の高さや十分な根拠が必要であり、復元後の建造物が規模、構造などにおいて高い蓋然性を持つことが求められるということで、これは資料としてはかなり細かいものが求められるように感じます。これまで福岡城は天守閣の存在について長年確認できる資料や文献等が見当たらず、存在自体が確認できないとされていたわけですが、近年、存在説が浮上したということが今の復元議論を再燃させるに至った要因の一つであろうと思います。
そこで、改めて復元可能性について考えてみたいと思うのですが、全国で存在自体が不明確な中で天守閣の復元が実施をされた事例はあるか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 福岡城と同じく国の史跡に指定された城において、存在自体が不明確な天守閣を復元した事例はございませんが、国史跡に指定されていない城で存在自体が不明確な天守閣が復元された事例として、唐津城や中津城、平戸城などがございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) では、同じく全国で、存在していたことは明らかなものの、天守閣の規格や外観等の資料がない中で復元をされた事例はあるのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 国の史跡に指定された城において、規格や外観等の資料がない中で復元された事例はございませんが、国史跡に指定されていない城で存在したことは明らかなものの、位置や規模、構造などが不明である天守閣が復元された事例として、小倉城や岩国城などがございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 全国での事例についてお尋ねをいたしましたが、福岡城と同じく国史跡として指定をされたお城の中で、存在だったり、その外観等が不明確な天守閣復元の事例はないということが分かりました。このことからも、国指定の史跡について手を加えるということはかなりハードルが高いものであるということが分かるわけですけれども、一方で、文化庁が史跡の歴史的建造物の復元について一部見直しがあったとも聞いています。
簡単に言えば、城の復元ルールについて緩和をされたという見方もあるようですが、具体的にどのような変更があったのか、説明願います。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 令和2年4月に国において、史跡等における歴史的建造物の復元等に関する基準が改定され、復元に加え、復元的整備という項目が追加されております。当該基準において、復元的整備には2つの定義がございまして、まず1つ目が、史跡等の利活用の観点等から、規模、材料、意匠、構造等の一部を変更して再現することで、史跡等全体の保存及び活用を推進する行為でございます。2つ目は、往時の歴史的建造物の規模、材料、意匠、構造等の一部について、学術的な調査を尽くしても史資料が十分にそろわない場合に、それらを多角的に検証して再現することで、史跡等全体の保存及び活用を推進する行為となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 大前提として存在が認められるということが条件として必要なわけですが、今回、復元的整備という項目が追加されたことによって、これまでよりも復元に近い整備が可能となるとも受け取れる改定が行われたようです。
その上で、福岡城の天守閣復元について実現可能性は現状どれほどあるのか、所見を求めます。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 福岡城の天守閣については、平成26年度に福岡城跡整備基本計画において復元が極めて困難な建造物に分類して以降、具体的な検討を行っておりません。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 現状、市の所見としては変わらず、これは分類が5段階あるんですけれども、5段階中の一番下である復元が極めて困難との分類から変わっていないということでした。市長も会見の中で、今後、史実を確定させるために新たな資料の発掘や現地調査など本腰を入れてやっていくような考えがあるかという記者の質問に対し、慌てなくてよいのではないか、まずは関心を持ってもらって議論をしてもらえればというような趣旨のお答えをしてあったと思います。
そこで、天守閣の復元について市長の御所見をお尋ねしたいのですが、今後、復元に足る資料等が発見をされたり、さらなるルールの緩和などで復元が可能となった場合は天守閣の復元を積極的に進めたいと思われていらっしゃるか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡城の天守閣につきましては、現在、福岡商工会議所において福岡城天守の復元的整備を考える懇談会が開催され、有識者などによって議論をされているところであり、また、質問いただいている福岡城幻の天守閣ライトアップ事業も先日終えたばかりでございます。今は市民の皆様に福岡城、そして、天守閣に大いに関心を持っていただき、福岡の歴史に思いをはせていただきたいと思っております。以上です。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 市長のお考えに復元を目指すという特にお答えがありませんでしたので、復元ありきで進めておられるわけではないだろうと思うんですけれども、天守閣の復元については市民の中でも意見が大きく分かれる事案でもあります。もちろん復元となると、たとえ復元的整備という形であっても、これには相当な費用がかかるわけで、財源等についても、もちろん議論が必要となります。また、観光集客という観点でも、現存天守などのように、歴史的価値が高いものと、近年復元しましたというような建造物では集客力においても差があると言われています。無論、新たな資料が発見される可能性もゼロではありませんが、現状は、かなり復元の実現可能性は低く、この状況が急激に変わることは難しいと思われます。天守閣に関する施策に関しては、安易に復元をにおわせて市民に期待を持たせるというような発信とならないように、さらには有識者や市民の声にしっかりと耳を傾け、多くの市民が納得できる形の福岡城整備に取り組んでいただきたいと思います。
では続けて、鴻臚館についてお尋ねいたしますが、鴻臚館の復元事業について、これまでの概要と現在の進捗についてお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 鴻臚館の復元事業については、昭和62年12月の発見以来、発掘調査を進め、遺構の露出展示をメインとした鴻臚館跡展示館を平成7年度に整備し、その後、北館、南館の門や塀などの遺構表示を行っております。また、平成26年度に鴻臚館跡整備基本構想及び30年度に整備基本計画を策定し、計画期間内での完了を目指して、令和5年度から北館の東門等の復元整備の検討に取り組んでいるところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) では、整備計画上で設定をされているスケジュール案について、主要項目として挙げられているソフト事業の展開、展示館の改修、屋外の展示等の整備、ガイダンス機能の整備、発掘調査についてはそれぞれ予定どおり進捗しているのか、説明を求めます。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 鴻臚館跡整備基本計画に掲げる主要項目については、ソフト事業の展開や展示館の改修、屋外展示等の整備、発掘調査はおおむね予定どおりに進捗しておりまして、ガイダンス機能の整備については今後関係局と協議しながら検討していくこととしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) では、鴻臚館の復元について、全体の事業が完了するのはおおよそどれくらいの時期と見込んでおられるのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 鴻臚館跡整備基本計画においては、おおむね10年間で短期、中期と段階的に整備することとしており、これらはおおむね令和10年度までの完了を目指しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 計画上の進捗はおおむね予定どおりということですが、さきの質問の御答弁にもありました北館の東門等の復元整備については、これは当初計画期間外の長期的な目標となっていたところ、昨年度、復元整備の検討に着手をし、令和10年とされている計画期間内での完成を目指しておられるということが明らかになりました。昭和62年に発見されて以来、30年以上の年月を経て、ようやく復元の一歩が進むということで大変喜ばしく思っております。
そこでお尋ねをいたしますが、市民や観光客の鴻臚館及び鴻臚館復元事業についての認知度はどれほどあると考えておられるか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 平成29年度に行った市政に関する意識調査の福岡の歴史や文化財においては、回答者のうち72.4%の方が鴻臚館を認知されておりましたが、復元事業の認知度については調査、把握いたしておりません。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 鴻臚館自体の認知については70%を超える方が認知をされているとのお答えでしたが、これは全国的な知名度というと、まだまだ課題があります。先ほどは福岡城についてお尋ねをいたしましたが、福岡城に比べても認知度に差があると思いますし、特に復元事業については、市民も含め、御存じない方が圧倒的にこれは多いと思っております。
ようやく復元が進み始めた今こそ、もっと鴻臚館の復元に関して周知や盛り上げる企画をするなど、さらなる機運醸成を図るべきだと考えますが、御所見をお尋ねし、この質問を終わります。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 鴻臚館については、これまでホームページや福岡市博物館において定期的に開催する展覧会などにより情報発信を行ってきたところでございます。今後、現在進めております鴻臚館の東門や塀の一部の復元について、市民や観光客に向けて積極的な情報発信を行ってまいりますとともに、当時の歴史、文化が追体験できるような公開、活用に向けた検討を進めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) では次に、安心して学べる環境づくりについてお尋ねしてまいります。
今回は、主に保護者の視点に立った相談窓口についてお尋ねをいたします。
子育ての相談は、小学校に上がると学校に関する相談も多くなります。もちろん学校でも丁寧な対応をいただいているものと思いますが、中には学校に対する悩みや学級内での問題についてはなかなか学校に直接相談がしづらいという場面も出てくるため、学校以外の相談窓口も大変重要だと考えます。しかしながら、基本的には平日の日中のみの対応しかされず、共働き世帯やひとり親の方が相談をしたいと思ったときに、気軽に相談をできないという声をいただきました。
初めに、教育相談の窓口についてお尋ねをいたしますが、小学生や中学生の子を持つ保護者が子育てや教育について相談をしたい、また、話を聞いてほしいといった場合に、現在、本市ではどのような相談窓口を準備しているか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 相談窓口としましては、学校保護者相談室が電話やメールでの相談に、教育カウンセラーが電話や面接での相談に対応いたしております。さらに、NPOとの協働により不登校ホットラインを設置し、電話やメールでの相談に対応するとともに、県と連携して24時間子供SOSダイヤルを設け、相談を受け付けております。以上でございます。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 子育てに関する相談窓口は様々設けておりますけれども、例えば、えがお館の24時間相談電話やSNSを活用した親子のための相談LINE、各区のこども家庭センターがございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 相談窓口といっても様々あるようですが、それぞれの対応時間、曜日について教えてください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 学校保護者相談室の電話相談は主に月、水、金曜日の午前10時から午後3時まで、メール相談は平日の午前9時15分から午後3時45分まで対応しております。また、教育カウンセラーによるいじめ、不登校に関する電話、面接相談は平日の午前9時から午後4時まで、不登校ホットラインによる電話、メール相談は月曜日と木曜日の午前10時から午後3時まで、24時間子供SOSダイヤルは24時間対応を行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 子育てに関する窓口の対応時間は、年末年始を除き、24時間相談電話が毎日24時間、親子のための相談LINEが毎日午前10時から午後8時まで、各区のこども家庭センターは平日午前9時から午後5時までとなっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) やはりほとんどの窓口で平日かつ日中のみの対応が多いようです。
では、24時間対応されているえがお館での相談電話事業について、直近5年間の相談電話件数についてお尋ねいたします。また、直近の乳幼児、小学生、中学生に関する相談件数の割合と保護者の相談件数、子ども本人からの相談件数の割合が分かれば、併せて教えてください。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 直近5年間のえがお館の電話相談件数は、平成30年度1万3,120件、令和元年度1万3,002件、2年度1万1,313件、3年度1万1,303件、4年度1万1,791件でございます。また、令和4年度における対象年代別の割合は、乳幼児に関する相談が18%、小学生が30%、中学生が30%であり、相談者については、保護者を含む親族からが78%、子ども本人からが12%となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) では、教育委員会が実施をしている学校保護者相談室について、電話とメールの相談件数を直近5年間の件数でお尋ねいたします。また、直近については小学生の保護者と中学生の保護者に分けてお示しください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) まず、電話での相談件数は、平成30年度が344件、令和元年度が356件、2年度が487件、3年度が585件、4年度が544件でございまして、4年度の内訳は、小学生の保護者が309件、中学生の保護者が214件、その他が21件となっております。次に、メールでの相談件数は、令和3年6月に開始いたしておりまして、3年度は427件、4年度が512件であり、その内訳は、小学生の保護者が291件、中学生の保護者が203件、その他が18件となってございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) では、それぞれの相談窓口は誰が対応しているのか、説明願います。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 学校保護者相談室は、臨床心理士及び学校教育経験者、教育カウンセラーによるいじめ、不登校に関する電話、面接相談は臨床心理士や公認心理師など、不登校ホットラインはNPO団体のスタッフ、24時間子供SOSダイヤルは臨床心理士などの専門的な知識を持った相談員が対応いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 24時間相談電話及び親子のための相談LINEは臨床心理士などの専門知識を持った相談員が対応しており、各区のこども家庭センターは母子保健や児童福祉の知識、経験を持った職員が対応しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) どの窓口でも基本的に専門の資格や経験を持った方が対応に当たられているようです。
ここで、主に学校についての相談を多く受けているであろう学校保護者相談室についてお尋ねいたしますが、どのような相談があるのか、特に多い内容や傾向があれば説明願います。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 子ども同士のトラブルや部活動に関するものをはじめ、学校生活における悩みや不安などの相談が多く寄せられてございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 学校については、やはり学校保護者相談室への問合せもかなり件数としてあるということも分かりましたが、電話相談の受付時間の拡充についてこれまで検討されたことはあられるか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 学校保護者相談室については、従来、電話相談のみでございましたが、日中の電話が難しい保護者からの相談にも対応できるように、令和3年度からメールでの相談を24時間受け付けてございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 日中の電話が難しい保護者がいらっしゃるという認識は持たれているようですが、その対策としてメール相談を始めていただいたということが分かりました。
ではここで、子どもが自ら相談をできる窓口についてお尋ねをします。
児童生徒の相談を受ける福岡市こどもSNS相談があると思います。先ほど電話相談の件数でお答えをいただきましたが、電話相談の多くは保護者からの相談のようですので、こちらのSNSでの相談についてお尋ねをいたしますが、相談件数がどれくらいか、開始時期からお答えをください。あわせて、タブレットでも相談を受け付けておられると思いますので、1人1台端末経由での相談件数もお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) こどもSNS相談を開始いたしました令和元年度が849件、2年度が2,257件、3年度が1,491件、4年度が1,747件となってございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) こどもタブレット相談は令和4年7月から開始しており、令和4年度は3,776件となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 福岡市こどもSNS相談については、多いときで2,000件を超える相談が寄せられているということが分かりました。子どもたちにとっては、いきなり大人に電話で聞いてもらうより、日頃使い慣れているLINEなどのSNSを活用するほうが相談をしやすいのだと思います。令和4年度に導入をされたこどもタブレット相談についても、7月開始にもかかわらず、3,000件を超える件数があったとのことですので、このSNS相談については、引き続き子どもたちが相談しやすい環境づくりをお願いしたいと思います。
では、保護者の相談窓口について戻りますが、続いて、NPOとの協働で行われている保護者支援事業について、どのような内容で実施をされているのか、概要をお尋ねします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) NPO団体のスタッフが電話、メールでの相談に対応する不登校ホットライン、不登校対応の基本的な知識を学ぶ不登校セミナーや、NPOから各学校で不登校児童生徒の保護者を対象に実施されている懇談会等へのコーディネーターの派遣などでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) それでは、不登校ホットラインの相談実績、不登校セミナー、保護者懇談交流の参加実績を令和元年度と直近の件数でお尋ねします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 不登校ホットラインの相談件数は令和元年度が254件、4年度が162件、不登校セミナーの参加人数は令和元年度が249人、4年度が2,456人、保護者懇談会の参加人数は令和元年度が153人、4年度が244人となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) オンライン視聴も含めると、かなりの数の保護者が不登校に関心を寄せていらっしゃるという状況が分かりました。
相談については、もちろん不登校に限らず、様々なお悩みについて聞いてほしい、相談したいというニーズがあると思います。その中で、相談窓口や支援について保護者に対し十分に周知できていないのではないかという声をいただきました。対象となる方に周知が行き届くようきめ細かな対応をすべきと思いますが、御所見をお尋ねします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 不登校セミナーにつきましては、オンラインの視聴や録画視聴を可能としたこと、保護者の参加費用を無料としたことで、参加人数が大きく伸びております。
教育委員会では、相談窓口や支援内容などを示したリーフレットを作成し、令和6年4月から市のホームページに掲載するとともに、6月には児童生徒がいる全家庭及び学校や相談機関に配布を予定しております。今後とも、支援を必要とする児童生徒の保護者に確実に情報を届けられるよう周知に努めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 相談窓口の周知につきましては、SNSを活用した福岡市LINE公式アカウントをはじめ、市政だよりや冊子にしたふくおか子育て情報ガイド、各種ホームページなど、様々な媒体で広報を行っているところでございます。引き続き、より多くの保護者の方々に対し情報を届けられるよう周知に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 答弁で御説明をいただいたリーフレットをお借りしましたけれども、まさに相談窓口の案内に特化をしたリーフレットを作成いただき、今月にはこれを全家庭に配布いただけるとのことで、保護者の方の不安が少しでも払拭をされればと思っております。(資料表示)こういうパンフレット、リーフレットを作っていただきまして、見開きで、これは主にお子さんの状況に応じた福岡市の支援ということで、登校はしている、登校が難しくなったという段階的に各それぞれこういうところに相談をしてくださいですとか、こういうサポートがありますというところに特化をした資料を作っていただいて、これを6月、今月中に全世帯に配付する予定であるという答弁だったかと思います。本日お尋ねをしてきた各種相談窓口についても、全てこちらに記載をされているという状況ですので、ぜひ早く配っていただいて周知をいただきたいと思っております。
しかしながら、これについては周知というところになりますけれども、それと併せて相談対応時間の拡充もしていただくということがやはり必要不可欠ではないかとも考えております。24時間対応可能なえがお館での相談電話も子育て関連全般について受け付けてもらえるというすばらしい相談電話ではあるんですが、最終的には必要に応じてより適切な窓口へ案内される場合もあります。とにかく子育てに関して困ったら、まずはえがお館へという分かりやすい誘導ももちろん重要だと思いますけれども、一方で、紹介された先の窓口が平日のみ、しかも、日中だけでの対応となれば、結局、深い相談はしづらくなります。周知だけにとどまらず、相談窓口の対応時間の拡充についても、引き続き御検討いただけるよう要望いたします。
次に、不登校支援についてお尋ねいたします。
現在、教室に通いづらさを感じている児童生徒へのサポートはどのようなものがあるのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 全ての市立中学校に校内教育支援教室、いわゆるステップルームを設置し、専任の教育相談コーディネーターが支援に当たりますとともに、各区に1か所、教育支援センターを設置して支援に当たっております。また、全ての市立学校に週1日から2日、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーを配置するとともに、市内28の小学校には教育支援員を配置しております。さらに、不登校児童生徒が自分のペースで学習できる動画教材の無償提供を行うとともに、ひきこもりがちな児童生徒に対して、大学生相談員、いわゆるメンタルフレンドの派遣やICTを活用したオンラインルームを開設するなど、児童生徒の状態に応じた支援に取り組んでおります。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 今年から教育支援センター、これは旧適応指導教室と呼んでいたものですけれども、こちらを各区に配置をし、拡充されております。
では、それぞれの利用状況についてお尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 5月末までに各センターを利用したことのある児童生徒は、こども総合相談センターにありますはまかぜ学級が45名、教育センターにありますまつ風学級が22名、各区の小学校内に設置しておりますすまいる学級では、東箱崎教室が11名、東住吉教室が9名、本年度新設いたしました3教室では、金山教室が7名、野多目教室が3名、壱岐東教室が8名となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) それでは、中学校に設置をしているステップルームの全市的な利用状況をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和5年度3月の1か月間に利用した生徒数は1,103人でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 中学生については不登校生徒が令和4年度で約2,400人いるとされていますが、その約半数がステップルームを活用しており、先ほどの小学生を対象とした教育支援センターの利用者数に比べると、かなり多くの生徒が活用していることが分かります。それだけ所属する学校の中に学びのできる居場所があるということは非常に重要なことではないでしょうか。小学生だけでも令和4年度約2,000人いるとされている不登校児童数を考えると、十分に機能をしているのかどうか、これを実態と合わせて慎重に把握に努めていただきたいと思います。
最近は小学校の低学年から増えているとされている不登校ですが、その場合、より保護者への負担も大きいという声をいただきました。お子さんがまだ小さいと一人で留守番をさせることもできず、保護者さんの休職や離職ということを余儀なくされるケースもあると伺いました。
さらには、昼食、お昼ご飯のことを考えるのも意外と負担が大きいというお話も聞かれたのですが、教育支援センターや中学校内のステップルームに通う際、昼食の対応はどのようになっているのか、お尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 中学校の校内教育支援教室、いわゆるステップルームでは、当該学校に学籍のある生徒が通級しているため、基本的に給食の提供を行ってございます。一方で、教育支援センターにおいては、通級する児童生徒の在籍学校が違うことや献立が異なる小学生と中学生が混在していること、さらには一人一人の通級状況が異なり、日々の通級人数が流動的で食数の確定が困難であることなどから、給食の提供は行ってございません。以上でございます。
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) やはり通っている学校に行くことができれば昼食の心配も不要なわけですけれども、他校への通級などとなりますと、送迎の問題ですとか先ほどの昼食の問題など、特に共働きやひとり親家庭の世帯のお子さんであれば、通わせるのも難しくなってしまうのではないかと思います。
ぜひ、そのような保護者の負担も少しでも軽減をされるように御検討いただきたいと思いますし、送迎が不要となるよう、特に小学生については通学区域内での学びの場が確保されるよう、教室へ行きづらい児童生徒の学びの場の充実を図るべきだと思いますが、御所見をお尋ねし、私の質問を終わります。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和5年3月に文部科学省が取りまとめましたCОCOLOプランには、誰一人取り残されない学びの保障を実現するための不登校対策の一層の充実が示されてございまして、個々の児童生徒の状況に応じた多様な学びの場を確保していくことは大変重要であると考えております。福岡市ではこれまで全ての中学校にステップルームを設置し、運営してまいりましたが、令和6年度には教育支援センターを全区に増設するとともに、クラスに入りづらい児童の見守りを行う教育支援員を小学校28校に新たに配置しております。さらに、令和7年度には学びの多様化学校を開設予定でございまして、今後も支援が必要な子どもたちが学びにつながれるように適切に対応してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) この際、暫時休憩いたします。
午後は1時10分に再開いたします。
午前11時10分 休憩
午後1時10分 開議
○副議長(松野 隆) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。津田信太郎議員。
○22番(津田信太郎)登壇 お疲れさまです。私は自由民主党福岡市議団を代表して、保育園等での視力スクリーニング検査について、博多港についての2点について質問をいたします。
初めに、保育園等での視力スクリーニング検査についてをお尋ねいたします。
人の視力は、個人差があるものの、8歳ぐらいまでに成人同様に発達すると言われていますが、仮に弱視の症状があるお子様でも、その発達前の段階で訓練をしておけば弱視の進行を防ぐことができるそうです。そのため、早期に病状に気がついて治療と訓練を受けることがとても重要であるという視点から、私は2年前にもこの件について質問として取り上げさせていただき、乳幼児健診における屈折検査の導入や保育園等における視力検査の実施などについて要望をさせていただきました。今回は、その後の検討状況などについて質問をしていきたいと思います。
3歳児健診の視力検査においては、医師の診察のみでは診断が困難な視力障がいや子どもが見えている状況を正しく伝えられない場合がありますが、屈折検査では専用の検査機器を活用することで遠視や乱視、弱視等の視力障がいを客観的に調べることができると聞いております。
2年前にお尋ねしたときは、3歳児健診のときには屈折検査機器による検査は行っていないという答弁でございましたが、現在は3歳児健診においてどのような視覚検査を実施しているのか、お示しください。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 3歳児健診の視覚検査につきましては、事前に視力測定を家庭で行っていただいた上で、健診会場において医師による問診や診察を実施しており、令和5年9月からは新たに屈折検査機器による検査を導入しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 津田信太郎議員。
○22番(津田信太郎) 私の前回の質問以降、屈折検査機器による検査を取り入れていただいているということで、まず、この対応に感謝を申し上げます。
この屈折検査機器を導入したことにより実際に効果はあったのか検証したいと思いますが、それでは、屈折検査機器導入前の令和2年度から令和4年度までの3歳児健診における視覚検査の受検者のうち、精密検査が必要となった人数及びその割合をお尋ねします。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 3歳児健診で視覚に関する精密検査が必要と判定された人数とその割合は、令和2年度432人、受検者の3.0%、3年度495人、3.8%、4年度474人、3.7%となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 津田信太郎議員。
○22番(津田信太郎) 年度によって若干の差はあるものの、視覚検査の受検者のうち、おおむね3%から4%程度のお子様が精密検査が必要とされていたということであります。
それでは、屈折検査機器を導入した令和5年9月以降の3歳児健診で同じように精密検査が必要となった人数及びその割合をお示しください。あわせて、屈折検査機器導入による効果をどのように評価しているのか、お答えください。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 屈折検査機器導入後の令和5年9月から令和6年3月の間に精密検査が必要と判定された人数とその割合は速報値で582人、受検者の7.9%となっており、屈折検査機器導入前と比べてその割合が増加していることから、導入により視覚異常の早期発見につながっていると考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 津田信太郎議員。
○22番(津田信太郎) 屈折検査機器を導入した結果、受検者における割合が、およそ2倍ものお子様が精密検査が必要となったということは、それだけ多くのお子様が早期発見によって早期の対応につながっていると言うことができると思います。従来の視力検査だけでは発見し難かったお子様を救い上げることができ、大変意義があるものと評価をいたします。
同じように、前回質問時には保育園での視力検査についても要望しておりましたが、その後、何か検討は進まれたでしょうか。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 認可保育園等における視力検査につきましては、福岡市医師会、保育園及び幼稚園の関係者で協議を重ね、令和7年度から4歳児クラスにおいて簡易視力検査の実施を徹底していくこととしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 津田信太郎議員。
○22番(津田信太郎) こちらについても、令和7年度から各保育園において簡易視力検査を行っていただけるということで、前向きに検討を進めていただき感謝を申し上げます。
それでは、令和7年度から各保育園で実施される視力検査はどのような方法によるものなのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 認可保育園等で実施する簡易視力検査の方法につきましては、福岡市医師会が推奨するランドルト環を用いた方法を参考として提示いたしますが、各園の判断によってはそのほかの検査方法を用いることも可能といたします。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 津田信太郎議員。
○22番(津田信太郎) ここで前回質問の際に紹介した一般社団法人みるみるプロジェクトの取組を改めて御紹介をしたいと思います。そして、質問以降に市内の4つの園にて計5回、視力検査を実施してもらいました。眼科医や視能訓練士が保育園等にてベビー・アイサイトという視力検査キットを使い、スクリーニング検査をいたします。前回も皆さんに御紹介しましたが、(資料表示)これが検査キットであります。周りに動物がおりまして、ウサギ、キリン、パンダ、ゾウがいまして、この検査をする前に必ず園児には絵本の読み聞かせをします。おなかが減っていてドーナツを食べたのは誰だということで、円が小さくて見えないかもしれませんけど、これはパンダが食べています。下が空いているということは、パンダがドーナツを食べましたというような形で園児に視力検査をします。
まず、事前に練習用の絵本を使い読み聞かせをし、園児に検査内容をしっかりと理解させます。その後、訓練士が検査を実施し、園児1人当たり一、二分ぐらいで検査を終えます。検査結果は後日園に報告をされ、その後、保護者にフィードバックをされます。視力や屈折検査にて数値に異常がある園児には園から保護者に眼科受診を勧めます。そして、眼科での精密検査により治療が必要であるかどうかを診断されます。
そこで、4園で行った検査データを紹介します。今回、5回検査をしまして、347人の園児に検査をされたそうです。そのうち約50%の167人に眼科受診の推奨をされたということです。その167人のうち実際に眼科を受診した園児は57人で、そのうち10人の園児が弱視と診断され、眼鏡を装着し、今治療を受けているそうです。検査ではスポットビジョンスクリーナーという機材を使い、屈折検査も実施をしているそうです。
ここで検査を実施した園の園長先生、また、保育士の先生の感想を御紹介したいと思います。動物のストーリーがあるこのキットなら園児も回答しやすく、操作も簡単であった。事前の読み聞かせが重要で、ストーリーと検査が一体であることが大切で、100人いらっしゃったそうなんですが、検査が約1時間半ぐらいで終えることができたそうであります。眼科受診後、眼鏡の装用が始まった園児は表情が豊かになり、言葉がよく出るようになったと。眼科受診を勧めても嫌がる保護者がいらっしゃったんですが、受診をして弱視と判断をされ、子どもの問題が見つかって喜ばれていたということであります。また、弱視と診断された園児たちは日頃から落ち着きがなく、言葉が少ない、読み書きが苦手であったり、ボール遊びが苦手、何もないところでつまずいたりなど、日頃より保育士の先生たちはその特性に気づいていたそうです。今回、検査に協力してくれた園の園長先生や保育士の先生方と話をしていて、私は改めて実感をいたしましたが、子どもたちがどう見えているのか、どこまで見えているのかは周りの大人は分からないし、子どもたちも見えている、見えていない、その違いは自分では分からないし、そのことを大人にはなかなか伝えることができていないと。人が認識する情報の8割は視覚によるものと言われています。正しい情報を正しく認識すること、これが成長期の子どもたちにとってどれだけ大切なのかは皆さんも御承知であると思います。正しく見えることが子どもたちの健全な成長につながります。そこで、保育園においては各園で対応していただけるということでありますが、一方で、市内には保育園以外に幼稚園などに通われているお子様も多くおられると思います。
そこでお尋ねをいたしますが、幼稚園などについてはどのように取り組んでいかれるのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 幼稚園などにおける児童の健康診断は、運営指導を所管する福岡県において通知が行われていると聞いております。簡易視力検査の実施を徹底することについて、幼稚園などでも取り入れていただけるよう、福岡県や幼稚園連盟をはじめ、関係団体へ認可保育園等における取組を周知するなど、実施拡大につながるよう努めてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 津田信太郎議員。
○22番(津田信太郎) 保育園や幼稚園において簡易ではあっても視力検査が実施されれば、3歳児健診以降の成長過程で症状が現れたお子様などの早期発見に結びつくことが期待されます。福岡市の子どもたちの目は漏れなく守っていただくためにも、7年度からの保育園等における簡易視力検査が着実に履行されますよう、しっかりと取り組んでいただくよう要望し、この質問を終わります。
次に、コロナ禍にあった令和4年3月にもお尋ねをいたしましたが、博多港について質問をいたします。
博多港は古くから我が国と大陸との交流の窓口として栄えてきました。現在は九州の輸出入コンテナの半数以上を取り扱い、私たちの生活に欠かせない食料や衣料、そして、日用品をはじめ、自動車や建築資材など、様々な貨物が博多港を通してやり取りをされており、福岡のみならず、九州の市民生活や経済活動を支える重要な役割を果たしております。
そこで、博多港におけるソフト的な対応やハード面を含めた今後の機能強化について全般的に質問してまいります。
まずは、博多港の物流についてであります。
新型コロナウイルスの影響は記憶に新しいですが、その影響により世界中で生産、消費活動が縮小するだけではなく、物流面においても世界的な混乱が生じました。これまで博多港の国際海上コンテナ取扱量は右肩上がりで増加をし続けていましたが、ここ数年はその影響を受けてきたと思います。
そこで、博多港における過去5年間の国際海上コンテナ取扱量の推移をお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 国際海上コンテナ取扱量につきましては、令和元年約96万TEU、2年約89万3,000TEU、3年約89万TEU、4年約88万8,000TEU、5年90万6,000TEUとなっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 津田信太郎議員。
○22番(津田信太郎) 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、令和2年度から取扱量が減少していましたが、令和5年には3年ぶりに増加に転じ、回復の兆しが見えてきたことが分かりました。
コロナ禍においては海外との行き来が制限され、外国航路の乗降人員は途切れることがありましたが、物流は影響を受けたものの、途切れることはありませんでした。このことからも、物流は市民生活や経済活動にはなくてはならないものであり、その拠点である博多港の役割は非常に重要なものであると改めて強く感じたところであります。
そのような中、アイランドシティみなとづくりエリアの物流施設用地は完売し、物流施設の開発が順次進んでおりますが、開発状況をお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) アイランドシティにおける直近の開発状況につきましては、令和6年3月に東京建物株式会社を代表とするグループの地上6階建て、延べ床面積約14万8,000平方メートルとなる九州最大の賃貸型物流施設が竣工しております。また、その北側では令和7年1月の竣工に向け、株式会社ニトリが地上6階建て、延べ床面積約9万7,000平方メートルとなる物流施設を建設しております。今後も順次分譲予定者4者に土地引渡しを行っていく予定としており、コンテナターミナルの直背後において物流施設の集積が進んでまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 津田信太郎議員。
○22番(津田信太郎) コロナ禍における海上輸送の混乱は落ち着き、足元の荷動きは回復してきておりますが、緊迫する国際情勢、世界的な物価高騰、中国の景気減速、大幅な円安など、先を見通すことが厳しい状況が続いております。しかしながら、このような状況にありながらも、アイランドシティにおいては民間企業が続々と物流施設の建設を進めております。
当局によりますと、博多港のコンテナ貨物の中でも特に東南アジア方面の取扱量が伸びているということであります。我が国においてアジアの成長と活力を取り込むためにも、日本の主要港の中で最もアジアに近いという博多港の地理的優位性を生かすことが大変重要となっております。これからも博多港におけるコンテナ貨物の取扱量は今後ますます増加していくものと考えております。さらなる港湾機能の充実強化のためにもアイランドシティの残るD岸壁の早期事業採択が不可欠と考えており、引き続き国にしっかりと働きかけていただくよう要望をいたします。
先ほども申し上げましたコロナ禍の世界的な物流の混乱による物流の停滞や、それらに伴う物価高騰が市民生活に及ぼす影響というものは、私たちの目にはっきり見える形で現れていました。
次に、我が国において大きな問題となってくるであろう物流2024年問題についても、博多港はしっかりと対応していく必要があると考えております。国内物流の主流であるトラック輸送において、ドライバーの労働時間が規制されることで、これまで関東、関西方面などとトラックで長距離輸送していた貨物がこれまでどおりに運べなくなると聞いており、今後、海上輸送の担う役割が大きくなってくると思います。
博多港は、陸、海、空の輸送モードの拠点が半径5キロ圏内に集積しているだけではなく、今後、我が国のモーダルシフトの受皿となるポテンシャルを十分に有しており、引き続き九州の市民生活や経済活動を支えていく上でも、この問題にしっかりと対応していく必要があると考えております。
そこで、物流2024年問題の対応などに向けてモーダルシフトの推進が重要と考えますが、博多港としてはどのように取り組んでいくのか、所見をお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 博多港は、各埠頭に都市高速道路が接続し、九州・西日本エリアへのアクセスが便利であり、JR貨物のターミナルも近接しております。さらに、東京港などの太平洋側港湾や敦賀港や新潟港など日本海側港湾との国内定期航路が就航するなど、多様な輸送モードが集積していることから、モーダルシフトに適していると考えております。これらの博多港の強みを積極的にPRするとともに、トライアル事業による新たな物流ルート構築の支援を行うなど、モーダルシフトの推進に取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 津田信太郎議員。
○22番(津田信太郎) 引き続き、我が国における重要な役割を担うため、博多港が有する地理的優位性や多様な輸送モードを最大限に生かして、モーダルシフトに取り組んでいただく必要があると考えております。
物流拠点として重要な役割を担う博多港でありますが、今年4月1日に政府は総合的な防衛体制の強化の一環として、全国11か所の港湾及び5か所の空港を特定利用空港・港湾とする発表をいたしました。その中で博多港も国から特定利用港湾とされましたが、この政府の取組は、国土交通大臣も会見で国民保護や災害時の対応等の備えとして重要な取組であると言われておりました。
そこで、特定利用港湾とはどういったものなのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 特定利用港湾につきましては、平素における自衛隊、海上保安庁の広報や訓練など、また、大規模災害時や船舶の不慮の事故等の場合において、港湾法その他の関係法令に基づき、港湾施設を円滑に利用できるよう利用調整に関する枠組みを設けるとともに、岸壁や航路整備などの既存事業を促進するものでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 津田信太郎議員。
○22番(津田信太郎) 特定利用港湾とは、自衛隊や海上保安庁の船舶を対象とした利用調整に関する枠組みということでありますが、博多港ではこれまでも友好親善などを目的として米艦の利用もあったと承知をしております。
そこで、今回、特定利用港湾となったことで米軍の利用はどのようになるのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 今回の枠組みにつきましては、あくまで国の関係省庁と港湾管理者との間で設けられるものでございまして、米軍が本枠組みに参加することはありません。また、米軍につきましては、これまでも商船の荷役等に支障がない場合において港湾施設の利用を許可しており、特定利用港湾となってもこれまでと変わるものではございません。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 津田信太郎議員。
○22番(津田信太郎) 特定利用港湾の枠組みには米軍は入っておらず、米軍の利用はこれまでと変わらないということでありますが、特定利用港湾となり自衛隊が使用することで博多港が攻撃対象となるなどといった不安の声もあるようですが、港湾管理者としての所見をお尋ねいたします。
また、コロナ禍の間は自衛隊の寄港もなかったと思いますが、コロナ禍となる前の平成30年度、令和元年度における自衛隊の博多港の利用回数と特定利用港湾となったことにより今後の想定される利用回数について、併せてお尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 今回、国との間で確認した、円滑な利用に関する枠組みにつきましては、新たに自衛隊の基地や駐屯地を造るものではなく、かつ武力攻撃事態及び武力攻撃予測事態への対応を対象としたものではございません。また、博多港はあくまで商港でございまして、これまでも商船の荷役等に支障がない場合に、既存の関係法令等に基づき、自衛隊の船舶の利用を許可しております。今回の枠組みにつきましては、自衛隊や海上保安庁の優先利用のためのものではなく、福岡市が港湾管理者として、これまでどおり既存の関係法令に基づいた利用調整について関係者間で連携するものであり、博多港の実情や利用実態が変わるものではなく、特定利用港湾となっても攻撃対象として結びつくものではないと考えております。
次に、自衛隊の博多港の利用回数につきましては、平成30年度6回、令和元年度6回であり、また、特定利用港湾となることで今後想定される利用回数につきましては、国が公表しているQ&Aによりますと、訓練等で年数回程度とされております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 津田信太郎議員。
○22番(津田信太郎) 特定利用港湾となっても新たに自衛隊の基地や駐屯地を造るものではないということから、自衛隊の船舶が常駐するといったことにはならないというわけであります。また、自衛隊による利用頻度はコロナ禍となる前も年6回程度であり、年数回程度の利用想定であれば、これまでと何ら変わることはなく、特定利用港湾となっても攻撃対象として結びつくものではないということを理解できました。
さきの答弁で、特定利用港湾の枠組みは平素において港湾法などの既存法令に基づき施設の利用について調整するものであり、武力攻撃事態などを対象としたものではないということでありますが、武力攻撃事態の際には何に基づいて対応されることになるのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 武力攻撃事態等の際には特定利用港湾の枠組みとは全く別の取扱いとなり、別の法律に基づき、国が主体となり対応が行われることとなります。具体的には、武力攻撃事態及び武力攻撃予測事態となった場合は、政府に内閣総理大臣を本部長とする対策本部が設置され、いわゆる国民保護法などの関係法令に基づき、避難、救援に関する措置や武力攻撃への対応が行われることとなります。このような状況下においては、平成16年に制定された武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律等に基づき、港湾施設が利用されることとなります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 津田信太郎議員。
○22番(津田信太郎) 市民から不安の声が上がっている武力攻撃事態などの際の対応については、特定利用港湾の枠組みとは全く別の取扱いとなり、別の法令に基づき対応されるということで改めて確認ができました。
しかしながら、これまでの答弁を聞きますと、法令等が改正されたわけでもなく、港湾管理者に対して新たに義務などが課されるものでもなく、博多港の実情なども変わらず、また、自衛隊や米軍の利用についても何も変わらないようですが、特定利用港湾となることで博多港では何か変わることがあるのでしょうか、また、どのようなメリットがあるのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 博多港は商港でございまして、これまでも商船の荷役等に支障がない場合には既存の関係法令等に基づき自衛隊の船舶の利用を認めております。今回、国との間で確認した円滑な利用に関する枠組みにつきましては、自衛隊や海上保安庁の優先利用のためのものではなく、福岡市が港湾管理者としてこれまでどおり、既存の関係法令等に基づいた利用調整について関係者間で連携するものでございまして、特定利用港湾となっても博多港の実情や利用実態が変わるものではございません。特定利用港湾となるメリットといたしましては、平素から自衛隊等と連携することにより、大規模災害時等における対応がより円滑で迅速になること、また、国予算の確保が厳しくなっていく中、博多港において現在進めている岸壁や航路整備などの既存事業に対する予算配分への配慮が期待されるものでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 津田信太郎議員。
○22番(津田信太郎) 福岡のみならず、九州の市民の生活や経済活動を支える博多港の港湾施設を維持、さらなる整備をしていくことは必要不可欠なものだと考えております。そのためにも、特定利用港湾をきっかけとして現在進めている事業について、国の予算確保につなげていくことは大変重要なことだと思います。
また、大規模災害時等における対応が円滑になるということでありますが、具体的にどのようなことを想定されるのか、御所見をお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 平成28年の熊本地震の際には、海上自衛隊最大の艦艇である護衛艦いずもが博多港へ入港し、その後、陸路を使って支援部隊を熊本へ派遣しております。このように、大規模災害時における不測の事態に対して、より広域的かつ円滑に対応を行うことができるものと考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 津田信太郎議員。
○22番(津田信太郎) 熊本地震の例でも分かるように、博多港は災害時における市域を超えた支援など、九州全体の安心、安全に貢献する重要な役割を果たしています。また、近年多発する大規模災害において、自衛隊が救助や支援など重要な役割を担っており、初動対応に万全を期す必要があると思います。船舶の運航は港湾ごとに異なる地形や気象などに大きな影響を受けます。平時でも自衛隊等の船舶が広報や訓練などで博多港を利用することで、博多港の特性を習熟でき、大規模災害発生時や船舶の不測の事故などにおいても、迅速かつ円滑に緊急物資の輸送や人命救助などの対応ができるのではないかと考えます。特定利用港湾となった場合でも、商港である博多港はこれまでどおり物流、人流の港として役割を果たしていくとともに、大規模災害時等における対応力が強化されること、また、武力攻撃事態などの際においても、これまでと変わらず、国民保護等の観点から特定利用港湾の枠組みとは全く別の取扱いとなり、別の法律において対処されることも確認できました。
九州では毎年のように豪雨災害などが発生をいたしております。また、今年の1月には能登半島地震が発生するなど、大規模地震が全国、いつ、どこで発生してもおかしくない状況でもあり、このような中、今回のような取組の下、大規模災害時等の対応をより円滑にしていくことは非常に大切であると考えます。今後とも、博多港の港湾機能の充実強化に向けた既存事業の推進や本市を含めた九州管内の災害対応能力強化に向けて最大限の努力を継続していただきたいと思います。
これまで特定利用港湾についてお尋ねをしてまいりましたが、特定利用港湾に限らず、港湾というものは市民にとってなかなか身近に感じにくいように思います。例えば、フェリーやクルーズ船など、様々な船が行き交って観光客などに利用されているといったことは想像できますが、実際に博多港にどのような港湾施設や設備があり、それらがどのように利用され、どんな貨物が出入りしているのか、具体的なことについてはなじみがないのではないでしょうか。こうした港での活動が市民の生活にどのように関係し、本市の経済活動を支えているのかという博多港の役割について市民へもっとPRしていく必要があると思われます。
そこで、博多港が果たす役割や市民生活との関わりについて、市民への啓発としてどのような事業を行っているのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 博多港の果たす役割がふだんの生活にどのように関係しているかなどについて市民の皆様に御理解いただくために、博多港に関する情報を広く発信しております。具体的には、博多港のPR施設として港の様子が一望できる博多ポートタワーや、博多港の役割や歴史をパネルや模型などで紹介する博多港ベイサイドミュージアムを運営しております。また、市民ボランティアであるポートガイドの案内により、港や各埠頭の施設を船やバスで巡る博多港見学会を随時実施しております。そのほか、博多港ホームページやSNS、パンフレットなどにより分かりやすい情報発信に努めているところでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 津田信太郎議員。
○22番(津田信太郎) 博多港見学会については、私も5月に参加をさせてもらいましたが、ふだんはあまり目にする機会がない各埠頭の港湾施設を実際に船から見せていただきました。ポートガイドの方による説明も分かりやすく、一緒に参加をした人たちも大変勉強になったと好評でありました。また、博多港見学会では博多ポートタワーと博多港ベイサイドミュージアムを併せて見学をさせてもらいました。ミュージアムでは博多港の歴史や役割について展示を通して学び、そしてその後、タワーから港を実際に眺めると、各埠頭がそれぞれの役割に従って機能している様子を見ることができ、理解を深めることができました。
博多港は古くから国際交流の拠点として発展してきた歴史のある港であります。今では世界を結ぶ国際拠点港湾として、その役割はますます重要になってきております。
博多ポートタワーは、その博多港を長きにわたり見守ってきたシンボルとして市民や来街者に親しまれている施設だと思いますが、博多ポートタワーはそもそもどのような経緯で建てられた、何の目的の施設なのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 博多ポートタワーは昭和39年10月に設置され、令和6年が開設60周年目の節目でございます。当時は民間のレジャー施設、博多パラダイスの展望台兼レストランとして開館し、福岡市の観光拠点として多くの役割を果たしておりました。その後、昭和51年7月に福岡市の博多港PRセンターとしてリニューアルオープンし、現在も市民の皆様に博多港の役割などを紹介する施設として運営しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 津田信太郎議員。
○22番(津田信太郎) 博多ポートタワーは、以前は夜まで利用ができ、夜景も見られる施設として親しまれていたと思いますが、今は夜間営業をしておらず、残念だという声も聞きます。港に市民が訪れるきっかけとなる施設として、また、福岡を訪れた観光客のためにも、夜間営業を含めてもっと積極的に活用し、博多港の魅力を発信していくべきではないかと思います。私はもともと海辺の空間の利用はまだまだ足りていないと思っておりまして、都市高速道路の海側エリアの活用については大変重要と考えております。
この件はまた改めて質問していきたいと思いますが、そこで、博多ポートタワーが開設60周年の節目を迎えるとお聞きしましたけど、これを契機としてイベントなどは行わないのか、また、博多ポートタワーの夜間の営業は再開しないのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 博多ポートタワーの開設60周年を契機として、博多港の魅力を発信する事業を検討しております。具体的には、市民の皆様に港をより身近に感じていただくため、博多ポートタワーの特別ライトアップや博多湾ナイトクルーズなど、楽しみながら港に親しみ、港の役割を知っていただけるような取組を実施してまいります。また、夜間の営業再開につきましては、博多ふ頭地区の夜のにぎわいを向上させるため実施してまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 津田信太郎議員。
○22番(津田信太郎) タワーの夜間営業の再開については、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。博多港における各事業について市民の理解を深めるためには、港の役割を積極的にPRし、理解してもらうというソフト事業が大変重要だと思いますので、これからもしっかりと博多港の魅力向上に取り組んでいただくよう要望いたします。
博多港がこれから取り組むべきと考える課題はほかにもあります。物流2024年問題や脱炭素社会への対応をはじめ、港湾に求められる役割は多様化し、日に日に大きくなっていると感じております。博多港においては、これまでも荷役機械の電動化など環境に配慮した取組を進められており、経済振興委員会において報告を受けましたが、令和5年11月にはさらなる脱炭素社会への対応として博多港カーボンニュートラルポート形成計画を策定されています。
そこで、カーボンニュートラルポート形成計画とはどのような計画なのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 当該計画につきましては、福岡市が掲げるチャレンジ目標である2040年度温室効果ガス排出量実質ゼロの実現に貢献するとともに、博多港の国際競争力の強化を図るため、2030年度温室効果ガス排出量50%削減、2040年度温室効果ガス排出量実質ゼロを目標に掲げ、官民で連携してカーボンニュートラルポートの形成に向けた様々な取組を進めていくものでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 津田信太郎議員。
○22番(津田信太郎) カーボンニュートラルポートの形成に向けては、計画を着実に進めていくことが重要と考えております。
そこで、計画策定後の初年度となる令和6年度のカーボンニュートラルポートの形成に向けた取組内容をお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 博多港におきましては、令和6年4月より二酸化炭素排出量の少ないLNG燃料船などの環境配慮型船舶に対し、入港料を減免する制度を設けたところでございます。また、市営渡船やコンテナターミナル内の車両においてバイオ燃料を活用した実証実験や照明塔のLED化などを実施する予定でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 津田信太郎議員。
○22番(津田信太郎) 目標である2030年度の温室効果ガス排出量50%削減、2040年度温室効果ガス排出量実質ゼロに向けては、行政だけではなく民間事業者においても取組を進めてもらう必要があると思いますが、博多港の脱炭素化に向け、今後どのように取り組んでいくのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 博多港の脱炭素化に向けましては、照明灯のLED化など、可能な取組から福岡市が率先して進めているところでございます。また、今後、民間事業者の取組を促進していくため、港湾関係者で構成されるカーボンニュートラルポート形成推進協議会を活用し、脱炭素化に向けた機運の醸成を図るなど、目標達成に向け、官民で連携して脱炭素化の取組をしっかりと進めてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 津田信太郎議員。
○22番(津田信太郎) これまで2024年問題や脱炭素化の取組などについて質問をしてまいりましたが、私は博多港の発展なしに福岡市の発展はないと思っております。市民の皆様に博多港についてより理解してもらい、親しみを持ってもらうためのPRといったソフト面と、様々な社会課題に向けた機能強化などを行うことで、博多港をよりよい港にしていくべきと考えております。
最後に、今後の博多港の機能強化について市長の御意見をお尋ねいたしまして、私の質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 島市長。
○市長(島宗一郎) 博多港は、福岡のみならず、九州全体の市民生活や経済活動を支え、福岡市の持続的な発展を牽引する重要な役割を担っております。昨今、脱炭素社会への対応や物流2024年問題など、港湾に求められる役割は多様化しております。福岡市では脱炭素社会の実現に向けたチャレンジを進めており、博多港においても官民で連携してカーボンニュートラルポートの形成を推進しております。また、南海トラフ地震など、太平洋側港湾が被災した場合のバックアップ機能を果たす日本海側の拠点港として、ハード、ソフトの両面から博多港の機能強化を進め、利用者から選ばれる港づくりに積極的に取り組むなど、活力と存在感に満ちた日本の対アジア拠点港を目指してまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎)登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表して、教育データ連携基盤の構築について、自閉症、情緒障がいのある子どもたちの教育環境の整備について、農業用井堰の維持管理と農業従事者の負担軽減について、次世代型公共交通システムについての4点について質問をさせていただきます。
まずは、教育データ連携基盤の構築についてであります。
これからの教育においては、全ての子どもたちの可能性を引き出す個別最適な学びを実現する必要があるものと考えております。教職員の皆様は、個に応じた教育を行うため、日々奔走されていると伺っております。一方で、教職員の方々からは、日々の諸業務に追われ、子どもたちと十分に向き合えていないのではないかといった不安の声が聞こえてくるのも事実であります。
福岡市では教職員のサポートを行う様々な事業を展開され、教職員業務を支えておられますが、こういった不安の声が聞こえてくるのは、教職員自らが実施しなければならない業務、サポートスタッフに任せづらい業務が多く残っているものと思われ、いわゆるソフト面でのサポートの充実についても、確実に実施していかなければならないと強く感じております。
このような状況の中、教育現場においてデータ駆動型の教育を目指す教育データ連携基盤の構築事業に非常に期待しているところであります。この事業はデータ駆動型の教育への転換を目指し、令和4年度にビッグデータ活用調査として始まり、昨年、令和5年度に教育データ連携基盤の構築という事業で本格化に至ったと記憶をしております。
まずは、この教育データ連携基盤の構築事業とはどういったものか、お答えをください。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 本事業は学習や生活面などの様々な教育データを収集、蓄積し、データを可視化することで教員が子どもたちの変化にいち早く気づき、早期に適切な支援ができるようにするとともに、データ分析システムを構築することによって、客観的な根拠に基づく教育施策の立案を可能とするための事業でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) では、この教育データとはどのようなものを指すか、具体的に御説明をください。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 国が示す具体的な教育データとしましては、保健室の利用状況や心の状況アンケート結果などのライフ・ログ、デジタルドリルの活用率や単元テストの点数などのスタディ・ログ、教員の指導、支援情報のアシスト・ログの3つでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) では、この教育データ連携基盤の構築について、令和5年度に実施した内容を具体的に御説明ください。また、令和6年度に実施する内容についても、併せて御説明をお願いいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和5年度は、教育データを一目で見ることができるダッシュボードをモデル校の教員にヒアリングを重ねて開発するとともに、分析手法の検討を行い、試行検証を行っております。令和6年度は、モデル校においてダッシュボードの試行検証を引き続き行うとともに、データの掛け合わせによる学力の変化や不登校傾向の把握など、仮説の抽出パターンを試行検証することとしておりまして、今後、これらの教育データの可視化、分析手法の効果等を検証しながら独自システムの開発を進めてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 令和5年から6年にかけて徐々に拡張していると理解いたします。
このシステムをモデル校以外の教職員が利用できる時期はいつになるのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和6年度までに構築しましたプロトタイプシステムとモデル校での試行検証結果を基に、令和7年度以降に実運用に向けたシステムを構築していく予定でございまして、実際の本格運用開始時期は令和9年度を想定しております。また、その後も必要に応じて教育データのダッシュボードや分析システムの機能を追加していく予定としております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 運用に向け、教育データの分析手法等を検証し、独自のシステムの開発を進めているとのことでありますが、この教育データを分析する体制をどのように構築しているのか、御説明をお願いいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 現時点では、教育委員会事務局職員を中心とする検討メンバーでデータ分析に関する検討会議を進めてございまして、メンバーには文部科学省学校DX戦略アドバイザーや文部科学省の教育データ利活用に係る留意事項に関する検討委員会の委員も御参加いただいております。今後も学識者などの知見も活用しながら構築に向けて取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) データ分析を行う際には出てきた分析結果をどのように解釈するのかが重要であるといいます。スタディ・ログの分析では、テストの点数やドリルの進み具合など客観的なデータが多く、分析もやりやすいことが想定されますが、特にライフ・ログでは子どもの心理的な部分について主観的なデータが多くなることが想定されます。これらのデータに関しては特に慎重に分析を行い、分析結果を多方面から解釈していく必要があります。教育データ分析を適切に行うためには、教育分野に関する知識のみでなく、統計などの専門的知識、スクールカウンセラーなど現場で活躍されている方の見解など、様々な分野の知識、経験が必要となってくると思われます。本事業は分析結果の検証、再分析など、長期にわたって続けていかなければならない事業であり、令和9年度以降が本番と言っても過言ではありません。ぜひとも教育データの分析体制を今以上に充実させ、令和9年度以降に備えていただきますように要望をいたします。
個人情報となる教育データの取扱いや教育、研究機関へのデータ提供方法に関して、委員会での議論もされております。新しい事業ですので、乗り越えるべき課題が多いかと思います。また、システムの完成で終わりではなく、教育データの分析などは長期にわたって実施されることと思います。一方で、現場の教職員や保護者からは本事業に対する期待の声が多く寄せられています。
まずはシステムの完成が当面の目標となるかと思いますが、早期運用開始に向けての検討や議論を加速させていただき、子どもの力を最大限に引き出す教育の実現のため、教育データの活用にしっかり取り組んでいただきたいと思いますが、この質問の最後に、教育長の御所見をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) これからの教育は、全ての子どもたちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実のため、一人一人の興味、関心、意欲などを踏まえたきめ細やかな支援を行うとともに、多様な他者との協働を促していくことが重要でございます。様々な教育データを活用することによって教員が一人一人の児童生徒の変化にいち早く気づき、学習指導や生活指導などの場面において適切な支援を行うことが可能となるため、今後、早期のデータ連携基盤の構築に向けて、モデル校のヒアリングを重ね、校務支援システムのクラウド化等の環境整備や国の方向性も反映しながら、しっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 次に、自閉症や情緒障がいのある子どもたちの教育環境の整備についてであります。
自閉症や情緒障がいのある子どもたちで、校区の小学校に自閉症・情緒障がい特別支援学級がない場合には、他校区の小学校に比較的多く設置されている知的障がい特別支援学級に通っている子どもたちが多いとの声が寄せられました。教育現場への負担をかけていることへの心配、小学校卒業後も同様となってしまうのではないかという不安の声が上がっています。
令和4年の報道ではございますが、令和3年度の自閉症・情緒障がい特別支援学級の設置率は全国20政令都市平均で小学校82%、中学校81%であったのに対し、福岡市は小学校で9%、中学校で12%と著しく低い数値でありました。これは約2年前の報道によるものであり、今現在では大幅に増加されたと伺っております。
そこで、小学校及び中学校の自閉症・情緒障がい特別支援学級の設置数及び設置率について令和3年度から現在までの推移をお示しください。また、他の政令市の現状をお示しください。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 設置校数と設置率の順で申し上げますと、令和3年度は小学校13校、9%、中学校8校、11.6%、4年度は小学校16校、11.1%、中学校10校、14.3%、5年度は小学校31校、21.4%、中学校14校、20%、6年度は小学校69校、47.3%、中学校17校、24.3%となってございます。また、他の政令市の状況は、令和6度時点での小中学校合わせました設置率で申し上げますと、80%以上の都市が15都市、60%以上が1都市、40%以上が本市を含む4都市となってございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 今年度は小学校での設置率が令和3年度比で5倍以上、中学校では2倍以上と、この課題に対して大きなリソースを割いていただいているところでありますが、他の政令市と比較した場合、特に中学校では24.3%と他都市と比べて少ない状況であります。中学校でも同様になるのではないかと、進学を心配されている方もいらっしゃいます。
そこで、中学校での設置率が低い理由についてお尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 学級の設置に当たりましては、学年の早い段階から適切な環境で支援を行うことが重要であると考えておりますこと、また、保護者からの設置希望としましては、小学校のほうが多かったことなどが理由でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) では、特別支援学級の新設、増設をどのように決定しているのか、御説明をお願いいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 特別支援学級での支援が必要な児童生徒が校区内に居住されていることや、本人、保護者の設置要望があることを前提としまして、対象の学校での学びの空間の確保方法なども検討し、開設を判断いたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 特別支援学級の新設や増設は本人や保護者からのニーズによるとのことであります。
では、教育委員会では新設要望の在り方を保護者にどのように周知し、本人、保護者のニーズをどのように把握されているのか、お示しください。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 保護者へは就学相談に関する説明会の際に周知するとともに、毎年4月に配付しております就学相談リーフレットにも新設要望に関する情報を記載して配付いたしております。また、幼稚園、保育園、学校に対し、保護者から就学に関する相談があった際には新設要望について御説明していただくよう依頼しており、教育委員会としてもそのような様々な機会を通じましてニーズの把握に努めております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 次に、新設を希望する学校数と実際の新設数をお示しください。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和6年度は新設希望があった学校数は小学校67校、中学校17校で、新設校数は小学校38校、中学校3校でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 新設希望数の増加に伴い、実際の新設数も増加しており、新設希望を満たすように努力されている状況がうかがえます。しかしながら、冒頭でのお話のように、希望どおりになっていない方がいる現状もあります。就学相談会のリーフレットでは、既に就学している場合でも就学相談会に申し込むことができるとなっていますが、就学後も新設要望を伝える機会があることを保護者が知らない場合も想定されます。まずは、ニーズをしっかりと把握するため、就学説明会の実施周知のみならず、内容についても徹底いただき、就学説明会への参加を促すよう取り組んでいただくよう強く要望いたします。
これまでの本人、保護者のニーズを追うやり方では、要望との不一致がどうしても発生してしまうものと推測されます。また、教員の人手不足、成り手不足や福岡市における教室不足などのリソース不足も相まって、一朝一夕に解決できるものとは考えにくい状況であることは懸念材料であります。
また、障がいのある子どもたちや保護者にとっては、一度他校区の学校の障がい特別支援学級に通い始めると、自校区に特別支援学級ができたら転校するといった判断は、環境の変化やこれまでの対応をしてくれた教職員が変わるなど相当な覚悟が必要であり、簡単ではありません。それらのニーズに寄り添った対応も検討していくべきと考えます。子どもたちの学習の機会をつくるべく、一時的な知的障がいの支援学級との兼用や転換などの柔軟な対応も含めて、計画的に自閉症・情緒障がい特別支援学級の設置を進めてほしいと思います。
そこで、特別支援学級での教職員の配置はどのようになっているのか、また、教育カリキュラム、個別の指導計画の遂行など、障がいの内容により違う対応が必要となってきますが、違う障がいのある子どもたちへの教育を同一の学級で実施することは可能なのか、お答えをください。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 特別支援学級は少人数で編成し、1学級ごとに1人の担任と教育的ニーズに応じて支援スタッフを配置しておりますことから、児童生徒の個々の障がいに応じた指導を学級担任が行える体制としております。違う障がいがある子どもたちへの教育については、教室の中に学習スペースをつくり、個別学習がしやすいように学習環境を工夫するなど、障がいに応じた合理的配慮を行うことによって、同一の学級で学ぶことは可能でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 自閉症、情緒障がいの特別支援学級については、1、小学校入学前にニーズを把握する、2、特別支援学級の新設、増設を行う、これが困難な場合には、まずは知的障がい特別支援学級等にて教育を受ける、3、就学後でもニーズをしっかりと把握し、新設、増設を行うといった運用が見えてきていると思います。これに限らず、障がいのある子どもたちに教育の機会を確保し、保護者も安心して通わせることができるよう、特別支援教室の設置、運用に柔軟性を持たせていただきたいと思います。本年度は第2次福岡市教育振興基本計画の最終年度であり、現在、第3次福岡市教育振興基本計画の策定に向けて検討されている時期と思います。
福岡市としては自閉症・情緒障がい特別支援学級の設置校数や設置率など、将来的にどのようにしていくのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 現在、多くの政令市が80%以上の設置率に至っているところでございまして、福岡市としても、本人や保護者のニーズに応えるために、令和4年度以降、積極的に増設を進めてきたところではありますが、今後も計画的な設置を進めることにより、2年後には多くの政令市並みの80%以上の水準に到達させたいと考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 2年後には80%以上と高い設置水準となるとの御答弁でございました。しかしながら、障がいに対する不安、将来に対する不安も抱えながらも、子どもたちや保護者は明るい未来を希望されています。次期基本計画に全ての子どものニーズに応えるなどの目標を掲げ、教育委員会としてしっかり取り組んでいただきたいと思います。
令和4年度文部科学省の調査において、発達障がいの可能性のある子どもの割合が8.8%増加しているとの発表がありました。福岡市においても、自閉症・情緒障がい特別支援学級の対象となる子どもの数も増加していると聞いています。また、本人、保護者の特別支援教育に対するニーズが高まり、特別支援学校や特別支援学級に在籍する子どもや通級指導教室に通う子どもの数が年々増加しているようであります。障がいのある子どもたちが充実した教育を受けられるように、一人一人の教育的ニーズに的確に応える指導を提供できる多様で柔軟な仕組みを整備するなど、全ての子どもたちが生き生きと活躍できる環境の整備が必要であります。
今後とも、障がいのある子どもたちが安心、安全に学校生活を送ることができるよう特別支援教育の充実が必要と考えますが、教育長の意気込みをお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 今後の特別支援教育を進めるに当たりましては、障がいのあるお子さん一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善または克服するため、必要な指導、支援に適切に取り組んでいくことがますます重要になると考えております。そのため、自閉症・情緒障がい特別支援学級につきましても、特別の支援が必要な児童生徒が増加している現状や居住校区の学校に通わせたいという保護者の要望が増えている状況でありますことから、令和5年度には30学級、6年度には60学級と、これまでにない大幅な増設をしてまいりました。今後も対象となる児童生徒が自らの力を発揮し、充実した学校生活を送ることができるように、学びの場の計画的な増設や支援の充実に努めてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 今後とも、子どもたちや保護者のニーズに応じた特別支援学級の整備に取り組んでいただきたいと思います。
また、最初の質問でも取り上げた教育データ連携基盤の構築についても、特別支援学級での教育の質の向上にも寄与するものと期待しております。自閉症や情緒障がいに限らず、障がいに応じた教育データの収集や分析は、障がいのある子どもたちへの安定的できめ細やかな教育と質の向上のためには必要であり、また、教職員への支援としても有用であるものと考えております。ハード、ソフトの両面から特別支援教育の充実に向けてしっかり取り組んでいただくことを要望いたしまして、この質問を終わります。
次に、農業用井堰の維持管理と農業従事者の負担軽減についてであります。
全国的に農業分野では担い手の減少、高齢化の進行等により労働力不足が深刻な問題となっており、省力化、人手の確保、負担の軽減が喫緊の課題となっております。令和2年農林業センサスの調査結果では、福岡市の農業従事者は2,580人、農家戸数は1,014戸となっており、平成27年と比べると、農業従事者で約27%、農家戸数で約23%減少しております。また、農業従事者の平均年齢については、福岡市農業協同組合の調査によると、令和4年度では73.3歳となっており、平成30年度の71.7歳と比べると、1.6歳高齢化しております。このような農業を取り巻く環境の中、平成30年と比べて令和4年の生産量は、農業に携わられている方々の御努力により全体では約2%の減少にとどまっております。しかしながら、近年の農業従事者の減少や高齢化に伴い、ため池や水路、井堰の維持管理に支障が生じつつあり、農家の負担の増加も懸念されているところであります。これらの農業用施設については、地元の水利組合が維持管理を行っているところであり、負担が大きいとの声が寄せられました。また、近年の豪雨災害が多発する現状では、作業される農業従事者を危険にさらしかねず、対策を検討する時期であると考えております。
これらを踏まえ、農業用井堰の維持管理と農業従事者の負担軽減について、市の状況や取組について伺います。
そこでまずは、福岡市における農業用井堰の総数及び設置主体についてお尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 中牟田農林水産局総務農林部長。
○農林水産局総務農林部長(中牟田はと子) 市内の農業用井堰は令和5年度末現在988か所あり、設置主体は全て福岡市でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 農業用井堰の数は市内に988か所あるとのことでありますが、農業用井堰には様々な種類があると聞いております。
そこで、農業用井堰のうち、人力による開放操作が必要なものと自動的に開放されるものの内訳をお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中牟田農林水産局総務農林部長。
○農林水産局総務農林部長(中牟田はと子) 水路を板でせき止めるなど人力による開放が必要な井堰が560か所、また、一定の水位以上になると自動的に開放される井堰が428か所となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 農業用井堰のうち、手動で開閉する必要がある農業用井堰が560か所もあるとのことで、運用管理も大変だと思われます。
そこで、農業用井堰の運用管理についてお尋ねをいたします。
まず、農業用井堰の運用管理は誰が行っているのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 中牟田農林水産局総務農林部長。
○農林水産局総務農林部長(中牟田はと子) 改修などのハード整備は市が実施し、清掃などの日常管理や大雨時の水位調整などを水利組合が行っております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 農業用井堰の改修や運用管理について役割分担は分かりました。
そこで、農繁期において人力による農業用井堰の開閉操作はどのような判断で行われているのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 中牟田農林水産局総務農林部長。
○農林水産局総務農林部長(中牟田はと子) 農繁期には水利組合におきまして河川等の水位やため池の貯水量などの状況を踏まえ開閉操作を行っております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) では、災害に備えた農業用井堰の操作も必要になると思いますが、大雨や台風が予想される場合、どのような判断で行っているのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 中牟田農林水産局総務農林部長。
○農林水産局総務農林部長(中牟田はと子) 大雨に関する情報の発令時や台風接近時には、市から水利組合に対し、災害の未然防止のため井堰を事前に開放するようにお願いしており、水利組合に操作を行っていただいております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 近年の地球温暖化による大雨の増加による農業用井堰開閉操作の増加や農業従事者の高齢化等で水利組合の負担が増加しております。これらのことから、福岡市においては、農業従事者の負担軽減のため農業用井堰の改修に取り組まれていると聞いております。
そこで、農業用井堰改修の考え方、また、農業用井堰周辺の安全対策についてお尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 中牟田農林水産局総務農林部長。
○農林水産局総務農林部長(中牟田はと子) 井堰の改修につきましては、設置年数や老朽化の状況のほか、受益面積や地元要望などを踏まえ、優先度を判断して実施いたしております。また、安全対策については、現場の状況や地元要望を踏まえ、必要な箇所に安全柵を設置いたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 市として負担軽減に取り組んでおられることは分かりました。
では、過去5か年で水利組合からの農業用井堰の改修要望件数と農業用井堰の改修実施件数をお尋ねいたします。また、要望及び改修の主な内容も教えてください。あわせて、水利組合からの要望には農業従事者の意見がどのように集約されているのか、教えてください。
○副議長(松野 隆) 中牟田農林水産局総務農林部長。
○農林水産局総務農林部長(中牟田はと子) 改修につきましては令和元年度から5年度までの5年間で29件の要望をいただき、12件の改修を行っております。要望及び改修の主な内容といたしましては、一定水位に達すると自動的に転倒し開放される井堰への改修について要望をいただいており、改修を実施いたしております。また、農業従事者の意見につきましては、地元水利組合が集約し、市へ要望等をいただいているところでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 私が地元の方と話していると、お答えいただいたもの以外にも小規模な改修などもやってほしいなど、地元の水利組合には伝わっていないような要望などもあるようです。ぜひ個別の農業従事者からの要望も吸い上げていただき、安全で利便性の高い施設となるよう今後とも御検討いただきたいと思います。
また、さらなる負担軽減のため、既存の井堰に機器を取り付けて自動で開閉し、監視カメラの映像を見ながら遠隔操作を行うIoT技術を用いた実証実験が他都市で進められていると聞いており、市においてもIoT技術を用いた井堰の遠隔操作の導入を検討してもらいたいと考えています。
そこで、市においてIoT技術を用いた井堰の遠隔操作の導入をどのように考えているのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 中牟田農林水産局総務農林部長。
○農林水産局総務農林部長(中牟田はと子) IoT技術を用いた井堰の遠隔操作は農業従事者の負担軽減につながるものと考えております。現在、他都市において実証実験が行われており、その結果を注視し、効果が確認された場合にはコスト面を含め導入を検討してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 御紹介したIoT技術を用いた井堰の遠隔操作は農業者の負担軽減につながると思いますので、ぜひ検討をお願いいたします。
本日はこのIoT技術のことでお話をさせていただきましたが、井堰であったり、ため池、また、河川であったりと、今、維持管理を農業者や地域の方々の尽力のおかげで保っているというのが現状であります。農業者の皆さんは農業地以外の仕事も結構抱えて仕事をされております。そういったこともぜひいろんな地域の方、農業従事者の方の声を聞いて負担軽減に取り組んでいただきますことを要望いたしておきます。
魅力ある農業を持続していくためには、井堰の遠隔操作以外にもロボットやAI、IoTなどの先端技術を活用していくことが重要であると思います。
この質問の最後に、今後、先端技術を活用した農業にどのように取り組んでいくのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 中牟田農林水産局総務農林部長。
○農林水産局総務農林部長(中牟田はと子) 担い手の減少や高齢化が進行する中、農業における先端技術の活用は大変重要であると考えており、令和元年度からJAや大学と連携し、スマート農業機械の導入支援などを行っております。また、令和6年度は市内農業者のニーズに合った事業者とのマッチングを行うとともに、今津リフレッシュ農園を活用し、新技術の開発にチャレンジする事業者の実証実験の支援などに取り組んでいくことといたしております。今後とも、農作業の効率化、省力化や生産性の向上を図るスマート農業の普及拡大により、将来にわたって持続可能な農業を推進してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 今後とも、農業従事者の声をしっかりと受け止め、取組を進めていくことをお願いして、この質問を終わります。
最後に、次世代型公共交通システムについてお尋ねをいたします。
本市交通政策の基本的指針となる都市交通基本計画の改定に取り組まれているようでありますが、平成26年の現計画策定から約10年間が経過し、取り巻く社会情勢等にも変化が生じています。
そこで、改定する上で当局が認識している交通課題は何かをお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) まちづくりが進展し、都市の骨格となる交通基盤が概成する中、コンパクトな都市という強みを生かす交通体系や市民生活を支える交通体系づくりが重要と考えておりますが、これらを進めていく中で、高齢化の進展に伴う移動需要の多様化や公共交通の運転手不足など、本市の交通を取り巻く状況の変化に対応していくことが重要と認識をいたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 様々な課題に対応していく必要があるようであります。私はその中でも市民の身近な移動に直結するバスやタクシーの運転手不足が喫緊の課題と考えております。
この問題は、福岡市に限らず全国的な問題かと思いますが、バスやタクシーの運転手不足の今後の見通しについてお尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 警察庁の資料によりますと、全国のバスやタクシーなどの二種免許保有者は令和3年末時点で約163万人と、平成18年からの15年間で約30%減少しております。また、国土交通省の資料では、バスやタクシーなどの運転手は55歳以上の割合が全産業平均に比べて高く、今後、大量退職が見込まれることから、将来の運転手不足が懸念されております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 将来的にも運転手不足が課題のようであります。一方で、交通に関わる新たな技術は進歩しており、今後10年間で交通を取り巻く状況は大きく変化していくことが想定されますが、これらに対応していくためには様々な新たな技術を取り入れていく姿勢が必要と考えます。
現計画策定当時から新たな技術を活用した市の取組を振り返ると、どのようなものがあるのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) これまで生活交通の確保に向けた取組の一つであるAIオンデマンド交通を活用した社会実験に着手し、継続をしておりますほか、箱崎周辺における自動運転バスの実証実験、IoTを活用したスマートシェアサイクル事業などに関係者と連携しながら取り組んでおります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 生活交通確保に向けたAIオンデマンド交通による取組や東区での自動運転バスの取組などが進められているようであります。
一方、多くの人が行き交う都心部においても、新たな技術を活用して交通課題解決に向けた取組を進めていただきたいと思いますが、都心部ではどのような交通対策に取り組んでいるのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 都心部におきましては、道路交通混雑の緩和や都心拠点間の交通ネットワーク強化を図るため、パーク・アンド・ライドやフリンジパーキング、都心循環BRTの導入などに総合的に取り組んでおります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 都心部では天神ビッグバンなどのまちづくりが進むとともに、インバウンドの回復によりウォーターフロント地区などでも今後ますます交流人口の増加が予想されますが、多くの人の移動を支えていくに当たり、運転手不足などの状況を踏まえると、既存の公共交通だけでは難しい状況ではないでしょうか。将来の人の移動を考えると、既存の技術に限らず、新たな技術を活用することがますます重要になってくると思います。福岡市の将来の公共交通を考え、どんな技術があるのか調べていく中で、開発中の新しい交通システムに興味を持ちましたので、私は先日、福島県南相馬市にあるジップ・インフラストラクチャー株式会社という会社にお話を伺いに行ってまいりました。資料1をお願いいたします。(資料投影)この会社で実装に向けて開発されているZipparという次世代型の交通システムのイメージであります。資料2をお願いいたします。(資料投影)ロープウエーとは異なり、車両に搭載されたバッテリーで自走し、モノレールのように曲がれるのが特徴で、カーブと分岐が小スペースで済み、道路上に設置が可能なため、土地買収と道路拡張は最小限に済むとのことで、導入者にとっても鉄道の10分の1の建設費と比較的安いコストで、かつ短期での建設が可能となるメリットがあるようであります。また、利用者にとっても利用しやすく、3年から5年後の実装に向けて取り組んでおられます。資料3をお願いいたします。(資料投影)このZipparは上空を走るので、道路に影響されることなく、かつ無人自動運転のため定時性の高い移動が提供可能で、200メートル、300メートルごとの柱の建設でよいとのことであります。また、安全性についても、2本のワイヤーケーブルやレール上を自走するので、風速30メートルまで運行可能ということでありました。資料4をお願いいたします。(資料投影)これはモデル実験で使用されている12人乗りのキャビンであります。令和3年に横浜で実験が行われ、今現在は福島実験線が建設中であります。また、安全性を確認するために、国土交通省や有識者の方を委員とする技術評価委員会の設立を目指して取り組んでいるとのことであり、委員会を設立し、国内第1路線を来年度中に受注し、令和9年頃に運行を目指しているとのことでありました。資料5をお願いいたします。(資料投影)私もキャビンの中に乗ってみました。座席が2つあり、最大6人着席できます。そして、立ち乗りも含め最大12人が乗車できるということであります。これ以上の乗車人員になると支柱の強度やコスト面からさらなる検討が必要となるため、実装に向けて、まずはこの規模感で始められているとのことでありました。資料を閉じてください。
本日御紹介させていただきました次世代型公共交通システム、Zipparなど、公共交通システムを導入することが可能になると、都心部における交通課題の解決になり、福岡市の将来の公共交通が大きく変化するのではないかと期待するところであります。こういった新たな技術を活用した交通システムの開発が進んでおり、ぜひ福岡市としても今後研究していただきたいと思います。
最後に、都市交通基本計画の改定を機に、今回紹介したZipparをはじめ、これから開発されるであろう新たな技術の活用を視野に入れながら、都心部をはじめとした交通対策を検討していくべきと思いますが、御所見をお尋ねいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 都市交通基本計画の改定に当たりましては、コンパクトな都市といった強みも生かせる交通ネットワークや都心部の交通対策など、今後の基本的な方針を検討しているところであり、議員御指摘の新たな技術の活用といった視点も踏まえながら検討を進めてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) この際、休憩し、午後2時45分に再開いたします。
午後2時34分 休憩
午後2時45分 開議
○議長(打越基安) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。落石俊則議員。
○60番(落石俊則)登壇 私は福岡市民クラブを代表して、博多港の特定利用港湾指定について質問を行います。
4月1日、政府は博多港を含む全国11の港湾及び北九州空港を含む5つの空港、計16施設を特定利用港湾、空港とすることを公表しました。この特定利用港湾指定は、総合的な防衛体制の強化の一環として、国民保護への対応、平素の訓練、有事の際の展開等を目的とした円滑な利用、配備のため、自衛隊、海上保安庁のニーズに基づき、空港、港湾等の公共インフラの整備や機能を強化するとして、2022年12月に策定された国家安全保障戦略に基づくものです。
5月28日、アメリカのバイデン大統領は雑誌「タイム」のインタビューで、中国が台湾に侵攻した場合、アメリカ軍の戦力の行使を排除しないとの考えを改めて表明しました。万万が一、台湾有事となれば、2015年9月19日、多くの国民の反対の声の中で成立した安全保障関連法に基づき、日本が有事に巻き込まれることが憂慮されます。有事を回避するためのより積極的な平和外交が必要です。
特定利用港湾指定に関し、政府は当初、九州・沖縄を中心に、博多港のほか、熊本港や鹿児島港、志布志港、川内港など約30施設を候補としましたが、今回、熊本県や鹿児島県の港湾の指定は見送られています。
博多港は福岡市が港湾管理者です。今回の特定利用港湾指定に当たり、防衛省をはじめ、政府とどのような協議が行われてきたのか、尋ねます。
2問目以降は自席にて行います。
○議長(打越基安) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 令和5年10月10日に国から制度の概要などについて説明を受けており、令和6年3月26日には、博多港における港湾施設の円滑な利用に関する枠組みを関係省庁との間で確認することについて、国から文書での依頼が福岡市に対しなされております。その後、枠組みの内容が港湾法その他の関係法令等に基づくものであることや、新たに港湾管理者に義務を課したり権利を制限するものではないことなどを国に文書で確認した上で、3月28日に博多港における港湾施設の円滑な利用に関する枠組みを確認したことを国に対し文書で回答しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 2023年10月10日、国からの制度概要の説明の後、円滑な利用に関する枠組みについて内容を確認し、指定を承諾しているわけですが、説明不足等を理由に指定を見送る自治体がある中で、本市はどのように判断して指定を受けることにしたのか、所見を伺います。
○議長(打越基安) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 博多港では、これまでも商船等の荷役に支障がない場合には自衛隊、海上保安庁の船舶の利用を許可しており、特定利用港湾となっても、自衛隊等の利用についてはこれまでどおり既存の関係法令等に基づき対応するものであることから、博多港の実情や利用実態が変わるものではありません。また、平素から自衛隊等と連携することで、大規模災害時等における対応がより円滑で迅速になること、現在進めている岸壁や航路整備などの既存事業への予算配分が期待されることから、受入れを判断したものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 商船の荷役作業の支障がない限り、自衛隊艦船等の利用を許可している、大規模災害時等における対応が円滑になる、岸壁、航路整備など既存事業の促進が期待されるなど、メリットがあるとの答弁でした。
4月2日、港湾空港局計画課長名で特定利用港湾についての知らせが届き、港湾施設の円滑な利用に関する確認事項とともに、公共インフラ整備の予算額が提示されていました。それぞれ伺う前に、自衛隊艦船等の寄港状況をお聞きします。5月25日、海上自衛隊の最新型の護衛艦くまのが中央ふ頭に着岸していました。
過去10年間の自衛隊艦船の博多港への寄港回数とその目的並びに使用岸壁、あわせて、アメリカ艦船の寄港状況をお示しください。
○議長(打越基安) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 自衛隊の寄港状況といたしましては、平成26年度から令和5年度まで38回寄港しており、目的は一般公開等のイベント実施で、中央ふ頭や箱崎ふ頭を利用しております。
次に、米軍につきましては2回寄港しており、目的は国際間の友好親善や被災地支援などで、須崎ふ頭を利用しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 過去10年間、自衛隊艦船の寄港数は年平均約4回、主に一般公開等を目的に中央ふ頭と箱崎ふ頭に着岸し、アメリカ艦船は友好親善と被災地支援を目的に2回寄港しているとのことでした。
このたびの指定により、どのくらいの頻度で自衛隊艦船が寄港することを想定しているのか、尋ねます。
○議長(打越基安) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 国が公表しているQ&Aによりますと、年数回程度、訓練等での利用を想定されております。以上でございます。
○議長(打越基安) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 続いて、公共インフラ整備の予算額についてお示しください。
○議長(打越基安) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 令和6年度の博多港における国土交通省港湾局関連の港湾整備事業として事業費ベースで26億円が示されており、そのうち17億円が公共インフラ整備に該当すると聞いております。以上でございます。
○議長(打越基安) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 実施計画公表額として26億円、そのうち対象施設分として17億円が計上されていますが、その内訳を尋ねます。
○議長(打越基安) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) まず、17億円の内訳につきましては、国の直轄事業による箱崎ふ頭地区の岸壁改良で1億円、箱崎ふ頭地区の航路、泊地整備で5億円、中央ふ頭地区の中央航路整備で10億7,000万円、市の補助事業による博多ふ頭地区の岸壁補修で5,000万円余の合計で17億2,000万円余となっております。また、26億円の内訳につきましては、お答えした17億円に加えて、国の直轄事業による香椎パークポート地区での岸壁改良で7億5,000万円、市の補助事業によるアイランドシティ地区の臨港道路整備で1億円余、合計で25億8,000万円余となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 中央航路や箱崎ふ頭地区航路、泊地の整備並びに箱崎ふ頭地区と博多ふ頭地区の岸壁補修工事に予算がついていますが、中央ふ頭に加え、箱崎ふ頭地区岸壁並びに博多ふ頭地区岸壁にも自衛隊艦船等が着岸することになるのか、尋ねます。
○議長(打越基安) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 箱崎ふ頭や博多ふ頭につきましては、貨物船や定期旅客船が利用しており、自衛隊等から申請がなされた際に、貨物船等の船舶の利用に支障がない場合において利用を許可することになると考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) これまで許可していた中央ふ頭や箱崎ふ頭に加え、博多ふ頭も対象になり得るとのことでした。
次に、港湾施設の円滑な利用に関する確認事項について尋ねます。
○議長(打越基安) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 確認事項は3つの項目で構成されており、1、港湾管理者は、平素において自衛隊、海上保安庁の運用や訓練等による港湾施設の円滑な利用について、港湾法その他の関係法令等を踏まえ適切に対応する。2、また、自衛隊、海上保安庁と港湾管理者は、武力攻撃事態及び武力攻撃予測事態を除く国民の生命、財産を守る上で緊急性が高い場合または艦船の航行の安全を確保する上で緊急性が高い場合であって、当該港湾施設を利用する合理的な理由があると認められるときには、民生利用に配慮しつつ、緊密に連携しながら、自衛隊、海上保安庁が柔軟かつ迅速に施設を利用できるよう努める。3、これらの着実な実施に向けて、防衛省九州防衛局、海上保安庁第七管区海上保安本部と港湾管理者との間において連絡調整体制を構築し、円滑な利用に関する具体的な運用のための意見交換を行う。国土交通省九州地方整備局はこれに協力するとなっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 答弁がありました確認事項の1つ目は、平素において港湾管理者は港湾法その他の関係法令を踏まえ適切に対応するとしています。
今回の指定により市営渡船や民間船舶の利用、運航に制限がかかるのではないかと懸念されますが、所見を伺います。
○議長(打越基安) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 今回、国との間で確認した円滑な利用に関する枠組みにつきましては、自衛隊等の優先利用のためのものではなく、福岡市が港湾管理者として、これまでどおり既存の関係法令等に基づき自衛隊の利用について対応するものであることから、市営渡船や民間船舶の利用や運航に制限がかかるものではございません。以上でございます。
○議長(打越基安) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 次に、確認事項の2つ目の緊急性が高い場合とはどのような場合を想定しているのか、あわせて、当該港湾施設を利用する合理的理由とは、また、民生利用に配慮しつつとはどういうことか、尋ねます。
○議長(打越基安) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 緊急性が高い場合とは、国民の生命、財産を守る上で緊急性が高い大規模災害時等への対応や、船舶の航行の安全を確保する上で緊急性が高い不測の事故への対応を想定しております。また、当該港湾施設を利用する合理的理由につきましては、災害時等において迅速に対応するために施設を利用することが妥当である場合等であり、民生利用に配慮しつつとは、これまでどおり商船の荷役等に支障がない場合に利用を許可するものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 確認事項3つ目の連絡調整体制を構築し、具体的な運用のための意見交換を行うとあります。どのような内容なのか、尋ねます。
○議長(打越基安) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 港湾管理者である福岡市と防衛省、海上保安庁、国土交通省との間で、自衛隊等の利用についての意見交換や情報共有を年1回以上行うことを想定されております。以上でございます。
○議長(打越基安) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 以上、3つの確認事項について具体的な内容について伺いました。2016年、平成28年4月21日、海上自衛隊最大の艦艇である護衛艦いずもが熊本地震の災害派遣の任務に就くため箱崎ふ頭西側岸壁に着岸し、支援物資や自衛隊車両を下ろしていました。これは先ほどの答弁にあったように、国民の生命、財産を守る上で緊急性が高い場合であり、博多港を利用する合理的な理由があると認められ、民生利用に配慮し、接岸が許可されたものです。
今回の特定利用港湾の指定を受けなくとも、従来どおり対応ができるのではないかと考えますが、所見を伺います。
○議長(打越基安) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 平素から自衛隊や海上保安庁と連携することで、大規模災害等に対しまして、今まで以上に円滑で迅速な対応が可能になると考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 特定利用港湾の指定により、より円滑で迅速な災害対応ができるとの答弁でした。
政府の「総合的な防衛体制の強化に資する公共インフラ整備」に関するQ&A──以下、Q&Aと称します──では、特定利用港湾になることで、当該施設が攻撃目標とみなされる可能性が高まるとは言えず、むしろ政府全体で取り組むことは、我が国への攻撃を未然に防ぐための抑止力や対応力を高め、我が国への攻撃の可能性を低下させる。また、アメリカ軍が本枠組みに参加することはないとしています。当局の認識を伺います。
○議長(打越基安) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 今回、国との間で確認しました円滑な利用に関する枠組みにつきましては、新たに自衛隊の基地や駐屯地を造るものではないため、博多港の実情や利用実態が変わるものではなく、特定利用港湾となっても攻撃対象として結びつくものではないと考えております。また、本枠組みについて米軍が参加することはないと国が示しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 確かに新たな自衛隊の基地や駐屯地が造られることはないにせよ、先ほどのQ&Aのイメージ図には、災害時、大型輸送艦等を用いた緊急物資や建設資機材の搬入等の紹介と併せ、関連法令にのっとり、武器、弾薬等を含む物資輸送や部隊の展開のために特定利用港湾を利用することもあるとしています。先ほどの確認事項に関しての答弁の中で、武力攻撃事態及び武力攻撃予測事態を除くとありました。今回の特定利用港湾指定は、武力攻撃事態及び武力攻撃予測事態を前提にしていませんが、2004年に成立した武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律、いわゆる特定公共施設等利用法には、有事の際、自衛隊が港湾や空港、道路を優先的に使用することを定めています。
今回の指定は大規模災害時や船舶の不測の事故への対応を主な理由にしていますが、有事を想定し、自衛隊が平時より港湾施設を迅速に使えるようにすることも目的にしているのではないかと考えますが、所見を伺います。
○議長(打越基安) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 自衛隊等の施設の利用につきましては、港湾管理者として、あくまでも商船の荷役等に支障がないことを前提とした上で、今回、国との間で確認した円滑な利用に関する枠組みを踏まえ、平素における自衛隊等の広報や訓練などの場合や大規模災害時等における国民の生命、財産を守る上で緊急性が高い場合、船舶の不測の事故等の航行の安全を確保する上で緊急性が高い場合に施設を利用させることになると想定しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 明確に否定されませんでした。平素から武器、弾薬等を含む物資輸送訓練や部隊の訓練のために港湾を利用すれば、政府が警戒の対象としている相手国から見れば、港湾整備が軍事施設の強化、兵たん基地化とみなされるおそれがあります。また、日米地位協定第5条に基づき、アメリカ艦船が利用することも可能です。決して起こってはならない台湾有事が万が一勃発した際、博多港港湾施設が攻撃対象になることが懸念されます。港湾施設で働いている労働者で組織されている博多港湾労働組合協議会は、災害時における被災者への救援活動や国民保護を目的とした港湾の使用については最大限の協力は惜しまないが、軍事拠点化、兵たん基地化につながるおそれのある事案は容認することはできないと表明しています。また、市民からも反対や憂慮の声が上がっています。港湾法第1条は「交通の発達及び国土の適正な利用と均衡ある発展に資するため、環境の保全に配慮しつつ、港湾の秩序ある整備と適正な運営を図るとともに、航路を開発し、及び保全することを目的とする」と明記されており、港湾を自衛隊の訓練に供することは想定されていません。
もし許可するとしたら、先ほどの確認事項2の災害時や災害復旧時の訓練であって、軍事的な訓練で港湾施設を利用することはできないと考えます。最後に市長の所見を伺い、私の質問を終わります。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 博多港は、福岡のみならず、九州全体の市民生活や経済活動を支える重要な役割を果たしております。特定利用港湾となっても、博多港が広く民間に利用されている商港であることは変わるものでなく、福岡市といたしましては、港湾管理者として、これまでどおり市民生活の安全を確保するという立場で、既存の関係法令等に基づき、自衛隊や海上保安庁の利用について適切に対応してまいります。以上です。
○議長(打越基安) 浜崎太郎議員。
○48番(浜崎太郎)登壇 新しい風ふくおかの浜崎太郎です。私は個人の金融資産向上と企業型確定拠出年金の導入促進について、さらなる防災の備えについての2項目を質問していきます。
新NISA、今年の1月から始まっていますけれども、私はやっていますが、皆さんいかがでございましょうか。私はちょっと負けていますけどね。それから、若い方はiDeCoは本当にいい制度と思いますので、これは必須ではないかというふうに思っています。今、議員年金もない時代ですので、ちょっと考えたほうがいいんじゃないかというふうに思っています。今まで100万円で買えていたものが、物価上昇2.5%と言っていますので、102万5,000円必要になるという時代です。それを定期預金に100万円預けて、1年間、スーパー何とか定期とか言っていますけど、4月から新しくなりまして、0.025つくわけです。やっと3月からちょっと上がったんですけれども、これで100万250円ということです。この時点で2万4,750円の赤字ということになりますので、ずっと銀行に置いていても赤字がどんどん膨らんでいくという時代に入っているわけなんですね。ここを考えながらやっていかないといけないというふうに思っています。
金融資産、いわゆる預金や株式などですけど、日銀の資金循環統計によりますと、2021年のデータですが、日本人が持っている金融資産は約2,000兆円だそうです。1人当たり1,600万円。その中身ですが、預貯金が55.5%、株式や債券などが14.5%、保険や年金が25.2%ということです。では、アメリカの状況を調べました。人口は3倍弱いますけど、アメリカ人の金融資産は円で換算すると1京2,800兆円、6倍以上。割合を見てみますと、預貯金は11.8%、株式や債券などが53.4%、保険、年金が32.2%とのことでした。日本との大きな違いは、預貯金の割合は5分の1で、株式や債券が約3.6倍、保険、年金は少し多いという状況でした。
では、両国の個人の金融資産の伸び率ですが、日本は2000年と比べ、2020年は約1.4倍、アメリカは3倍となっています。この結果は、例えば、世界恐慌でも起これば逆転することもあり得るかもしれませんので、一概に投資がよいとはいえませんが、政府も個人型や企業型確定拠出年金制度を充実させているので、しっかりとその制度を市民と企業が理解し、活用できるように導くことも大切だと私は感じています。何せ日本人は投資に疎い。しかしながら、先日のテレビ番組で見たのですが、金融を学ぶ小学生相手の塾が今とても人気だとありました。また、今では文科省の学習指導要領により高校の家庭科の授業でも金融教育が行われていると聞いています。
そこで、高校生は金融教育でどんなことを学んでいるのか、お尋ねいたします。
以上で1問目を終わり、2問目から自席にて行います。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 高等学校の学習指導要領では、家庭科の授業で生涯を見通した経済計画の重要性を理解することを目的といたしまして、教育資金や老後の備え、事故や病気、失業などのリスクへの対応策が必要であることや、株式、投資信託等の基本的な金融商品のメリット、デメリットなどについて学習することとされております。以上でございます。
○議長(打越基安) 浜崎太郎議員。
○48番(浜崎太郎) 若い方が金融に詳しくなるということは、すばらしいことだと感じます。そして、冒頭申し上げましたが、なぜ日本とアメリカはこんなに違うのかを考える人が増えると思います。
次に、退職金の制度について、厚生労働省の資料で従業員1,000人以上の大企業で35年勤務、大卒者の平均が2,665万円、従業員30人から99人の企業では1,881万円となっています。福岡県内の状況を探してみますと、少し古いデータになりますが、2015年度分の福岡県の調査によると、県内の大企業で35年勤務、大卒者の平均が1,411万円、同じく中小企業で35年勤務の大卒者の平均が875万円とのことでした。福岡市内、御存じのとおり、ほぼほぼ中小企業です。老後2,000万円問題と言っていましたが、この物価高騰で3,000万円必要という専門家も多くいます。だからこそ、福岡市は年金の3階建ての3階部分、年金の上乗せが特に必要ではないかと私は強く感じています。企業型確定拠出年金の加入状況は増加傾向にあると言われていますが、そのほとんどが大企業で、99人以下の中小企業は約1%ということです。ということなので、福岡市で企業型確定拠出年金の加入率を上げていくことは、将来のまちの発展と社会保障の観点からとても大事なのではないかと感じています。
そこで、福岡市が市内の企業に企業型確定拠出年金制度の普及啓発活動を行ったことがあるのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 企業型確定拠出年金制度の普及啓発については、福岡商工会議所が銀行と共同してセミナーを開催されるなど、主に経済団体や金融機関によって行われており、福岡市が主体となって行ったことはございません。以上でございます。
○議長(打越基安) 浜崎太郎議員。
○48番(浜崎太郎) この企業型確定拠出年金制度はメリットがたくさんあります。まず、掛金が非課税です。例えば、25万円の給与のうち2万円を掛金とすると、残りの23万円に対しての社会保険料と税金を払えばよく、個人にも企業にもメリットがあります。また、運用益が出たとしても非課税です。途中で転職する場合も、転職先に企業型確定拠出年金がある場合は転職先の年金にこれまで積み立てた資金を移換することができます。ということは、転職される方が転職先を選ぶときの条件として企業型確定拠出年金があるかどうかも重要な判断基準になると感じます。
では、福岡市職員は企業型確定拠出年金は掛けられるのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 確定拠出年金法の規定により、国家公務員共済組合及び地方公務員共済組合の組合員は企業型確定拠出年金の加入対象外となっておりますので、地方公務員共済組合の組合員である福岡市職員は企業型確定拠出年金には加入できません。以上でございます。
○議長(打越基安) 浜崎太郎議員。
○48番(浜崎太郎) 制度上、国家公務員と地方公務員は掛けられないということなのですが、企業型確定拠出年金があるかどうかで転職先を決める時代も来るかもしれませんので、自治体はちょっと心配かなと感じます。
2023年閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針2023、いわゆる資産運用立国の実現を目指す中で、福岡市として何ができるのでしょうか。先日、政府が資産運用立国実現プランの中で創設を目指してきた金融・資産運用特区に福岡市が選ばれたという吉報が届きました。これはこれまでTEAM FUKUOKAとして24社を誘致するなどの取組等が評価された結果だと思いますが、今回、政府が金融・資産運用特区を創設した目的は何なのか、また、福岡市では特区をどのように活用していくのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 金融・資産運用特区については、国と指定自治体が共働し、国内外の金融・資産運用業者を集積させ、その高度化と競争力の強化を促進することとされているもので、金融・資産運用業者の集積や当該業者が地域の成長産業を育成、支援しやすい環境を整備する観点から取組を進めることとされております。今後、金融・資産運用特区実現パッケージに掲げられた規制改革や運用面での取組が順次実施されてまいりますので、福岡市においては、これらの規制改革等を活用しながら、産学官によるオール福岡の推進組織、TEAM FUKUOKAによる国際金融機能誘致の取組を加速させ、国内外の金融・資産運用業等の集積を図ってまいりますとともに、その効果が地域経済に波及するよう努めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 浜崎太郎議員。
○48番(浜崎太郎) 確かに特区の獲得は国際金融機能の誘致に追い風であり、資産運用業等の金融事業者が福岡市に集積すれば、金融がもっと身近に感じられるかもしれません。しかし、今回、福岡を含めた4地域が指定を受けており、福岡市としては他の地域に負けない独自の取組を強化していくべきだと考えます。例えば、福岡市内の中小企業のほとんどが企業型確定拠出年金に加入しているというような環境も国際金融都市の一部と思います。企業型確定拠出年金のあっせんは各銀行や証券会社、税理士法人などが積極的に行っています。基本は各企業とあっせんをする企業が契約するのですが、福岡市としてもそれを促進させるような活動もできると感じます。
政令市断トツで企業型確定拠出年金加入率ナンバーワンとなるなど、市として企業型確定拠出年金導入のきっかけづくりを進めるべきではないかと感じますが、この質問の最後にお尋ねして、終わります。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 企業型確定拠出年金制度の普及については、国において法律に基づく中立、公正な認可法人として金融経済教育推進機構が令和6年4月に設立され、金融リテラシーの向上に向け、中立的な立場から金融経済教育を提供する取組が始められたところであり、その取組を注視してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 浜崎太郎議員。
○48番(浜崎太郎) ありがとうございます。
次に、さらなる防災の備えについてです。
近年の甚大な被害をもたらす災害は想定を超えることが多く、その対応が非常に困難であると言えます。役所はもとより、自衛隊や警察、消防も万全を期すが、それでも想定を上回る規模の災害が多く、対応が公だけでは困難であると思います。
福岡市は防災について非常に力を入れていると思いますが、民間企業との協力が必要不可欠ではないかと考えます。現在、福岡市が結んでいる防災協定の現状をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 災害時に企業等が有する人材や物資等の資源を効果的に活用できるよう、業界団体や企業、公的機関などと災害時応援協定を締結しております。協定は本日現在で236ありまして、その内容は、ライフラインや施設の復旧等に係る人的支援、資機材や食料の提供等による物的支援など、多岐にわたっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 浜崎太郎議員。
○48番(浜崎太郎) 例えば今、震災が発生したら、それらの協定は迅速に機能するのか、お尋ねします。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 災害時におきましては、協定締結企業等に対し、必要に応じて本市から緊急支援要請を行うこととしております。また、協定締結先との確実な連絡体制を確保するため、毎年度初めに夜間、休日も含めた複数の緊急連絡先の相互確認を行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 浜崎太郎議員。
○48番(浜崎太郎) なぜこういうことを聞くのか。ここで令和6年能登半島地震発災後、三重県志摩市の重機を運ぶ運送業者の方が作成した活動報告書をお伝えいたします。交通に関して、まず、土砂崩れ、倒木、地割れ、道路表層のずれ、電柱倒壊と電線の落下、橋台、橋の土台やマンホールの突出、建築物の倒壊、動かない車の放置等による片側交互通行及び通行止めなどにより交通が集中し、発災後1週間を経過してもなお交通麻痺を起こしていた。発災直後は市内のほぼ全路線において通行止めが発生しており、道路啓開、切り開いていくという意味ですね、並びに表層修繕が行われているが、おおむねの仮開通には1か月では不可能な見通し。これは、すなわち孤立集落を多数生み出している状況。啓開作業は中型車両1台分の道路幅員を確保するのが精いっぱいであるが、供用を開始しても誘導員や工事信号などの設置は数量の関係で不可能。そのため、運転手それぞれの判断による片側交互通行に託されるため、主要道においては1時間で数メートルの移動しかできない状況。また、道路表層修繕に必要な重機、人員は範囲の広さに対し圧倒的に不足。また、必要とされる路盤材も市内に備蓄されている分しかなく、解決には至らない。結果、表層アスファルトが鋭利な状態で放置され、それを踏んだ一般車の多くはタイヤを切断やバーストして走行不能になる。その場合、4輪ともバーストする車も多数あり、パンク修理ができないためタイヤ交換となるが、販売店の在庫だけでは間に合うはずもなく対応ができない。このような交通環境のため、資機材を発災直後に市外、県外から搬入することは困難であり、結果、必要な物資、資機材の調達に多大な時間を要します。救援に向かう自衛隊、警察、消防の大型車両も当初は進入ができず、発災後2日目あたりからようやく現地に到達し、救援活動の開始となる。当方も道中で電線の処理、倒木の切断、放置車両の移設などを行いながらの進入となった。
総合的に、道路補修に関して地元業者だけでは間に合わず、重機や資材が容易に手に入れば、もう少し早く進むと思われる。道路の被害状況の確認は国交省のTEC−FORCEが行っていた。また、土木仕様の重機と災害対応仕様の重機は全く違うため、用意された重機では力不足。このあたりの調整を珠洲市環境建設課課長が一人で集約し段取りしていたが、一人では荷が重過ぎるなどなど、読んでいくと、これ以外にもたくさん御主張がありました。
このような状況を考えると、一番最初に必要なのは道路の確保だと感じました。そして、被災地のどこにどのような重機が入り復旧作業を行うのか、それは大小の重機が適材適所に配置されることが大切です。幹線道路にはこの重機、住宅街ならこの重機というように。
これらのことを踏まえ、行政だけでは救援活動は当然迅速に進まず、民間の力を借りる必要があります。例えば、建機輸送、ダンプ運送業界や建機レンタル業界、解体業業界、道路工事業界、燃料業界、タイヤ業界、各修理関係業界をはじめ、各種業界の皆さんと協定を結び、常日頃からケーススタディーを通して備えておく必要があると思いますが、最後に御所見をお伺いし、私の質問を終わります。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 災害協定の実効性を確保するため、毎年、協定締結企業等も参加した震災対処訓練を実施しますとともに、福岡県石油協同組合が開催する給油等の実地訓練や福岡県トラック協会が開催する研修会での物流業者とのワーキングなどを通じて、日頃より連携強化に取り組んでおります。こうした取組や、業界団体や企業等と災害時における連携手順をあらかじめ取り決めておくことによりまして、迅速かつ効果的な災害対応にもつながるものと考えておりまして、今後とも、災害時応援協定の拡充に向けた取組を進め、災害対応力の向上に努めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) この際、休憩し、午後3時35分に再開いたします。
午後3時24分 休憩
午後3時35分 開議
○副議長(松野 隆) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。福田まもる議員。
○46番(福田まもる)登壇 福田でございます。私は自民党新福岡を代表して、保健所の再編について質問してまいります。
世界を席巻した新型コロナウイルス感染症については、WHO、世界保健機関による国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態宣言の終了、季節性のインフルエンザ等と同じ5類感染症への移行から1年余りがたちました。天神や博多でのまちの活気や地域での市民の生活ぶりを眺めておりますと、コロナ禍前の社会が戻ってきたと実感するところであります。一方、3年半の長きにわたって新型コロナウイルスが次々とその姿を変え続ける中、全世界の人々が未知のものに対する恐れを強く抱き、社会が動揺し麻痺したこと、8回にも及ぶ感染拡大の波を乗り越えていく中で多くの人命を失ったことの記憶が薄れ始めているのではないかという懸念も頭をよぎります。
このような中、本市では健康危機管理機能を強化していくとして、現在、7区にある保健所を福岡市保健所と7区の保健センターに再編し、次の保健行政への一歩を歩み出そうとしております。しかし、これまでの保健所の体制が大きく変わるということも相まって、市民や関係者の中にはメリットよりもデメリットを感じることも多く、不安を覚えている方々も少なからずいらっしゃるようです。私は総合計画審議会生活の質部会の委員として、感染症対策など、市民の安全、安心の確保について意見を述べさせていただく機会を頂戴しております。7月からの福岡市保健所の開設を目前に控えた今、これまで7区にあった保健所が担ってきた保健サービスが今後どのようになるかなどを確認しておくことは非常に大切なことだと考えております。
そこでまず、保健所を再編することにした経緯についてお伺いいたします。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 保健所再編の経緯につきましては、今般の新型コロナウイルス感染症において、当時の保健福祉局に担当部署を設置し、7区の保健所の支援、調整を行ってまいりましたが、その際、7区との調整や情報の収集、分析、判断に時間を要したこと、また、陽性者の健康観察などの保健所の現場業務を重点化するに当たって調整等に一定の時間を要したことなどから、指揮命令系統の明確化が必要であると判断し、保健所を再編することとしたものでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) では、新たな保健所はどのような組織になるのか、お伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 新たな保健所につきましては、局長級の保健所長の下、4部13課を配置し、指揮命令系統を一元化するとともに、保健所機能のうち、感染症の調査や検査、食中毒への対応などの広域的、専門的機能を強化するため、健康危機管理を含めた保健所運営を担う統括部門の新設、感染症及び精神保健の専門チームなどを編成することといたしております。
なお、市民に身近な保健サービスについては、これまでと同様に、各区の保健福祉センターで提供してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) それでは、保健サービスは新たな保健所と各区保健福祉センターにおいてどのように行われるか、お伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 新たな保健所におきましては、感染症発生時の対応や食中毒への対応のほか、精神保健福祉法に基づく措置入院に関する調査や診察の立会い、病院、診療所への立入検査などを実施してまいります。また、各区の保健福祉センターにおきましては、これまでと同様に、健康相談や家庭訪問、難病に関する医療費助成、精神保健福祉手帳に関する手続、乳幼児健康診査などを実施してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 新たな保健所と各区保健福祉センターの組織の姿や業務内容についてはおおむね分かりました。
それでは、保健所機能の何をどのように改善したいのかについて所見をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 新たな保健所につきましては、保健所長の下、指揮命令系統を明確にすることにより、情報の一元的な収集、分析、判断が可能となることから、区を超える広域的な感染症や食中毒などの健康危機事案に対する初動期の速やかな体制立ち上げや、その後の状況変化に応じた柔軟な対応など、その機能強化が図られるものでございます。これにより各区の保健福祉センターにおいては、感染症や食中毒などの健康危機事案の発生に左右されることなく業務に注力できることから、市民に寄り添った保健サービスの充実が図られるものと考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) ありがとうございます。
ここで保健衛生行政について、関係法令や本市の組織の移り変わりを振り返ってみたいと思います。保健医療局から頂いた資料を少しまとめてみました。資料1の投影をお願いいたします。(資料投影)ちょっと文字が小さいかもしれませんが、説明のほうを行ってまいります。まず、保健所ですが、戦前の昭和12年に制定された旧保健所法の下で誕生しました。戦後の昭和21年、日本国憲法の制定がなされ、翌年には新たな保健所法が制定、それまでの保健所の役割である健康指導や保健指導といったことに加えて、医事や薬事、食品衛生、環境衛生といった行政機能が拡充されました。昭和から平成に時代が移る中、結核をはじめとした感染症対策で着実に効果を上げる一方、少子・高齢化、生活習慣病を中心とする疾病構造の変化に加え、地域住民のニーズの多様化など、保健衛生行政を取り巻く環境の変化への対応が求められるようになってきました。
こうした中、平成6年に保健所法が現在の地域保健法に改正されております。当時の法改正を受けて、本市としても様々な対応を行うこととなりました。資料2の投影をお願いいたします。(資料投影)先ほどの地域保健法への改正を受けて、平成6年度に保健、医療、福祉の在り方の検討に着手し、地域保健法の施行に合わせ、平成9年度に民生局と衛生局を統合する形で保健福祉局を設置、あわせて、衛生局に属していた保健所を各区役所に編入することとなりました。これが組織変更1の部分でございます。その後、平成13年度には保健サービスと福祉サービスを一体的に提供していく体制として各区に保健福祉センターを設置したということです。これが組織変更2の部分でございます。
そうした中、近年の世界的なパンデミックである新型コロナウイルス感染症の猛威に苦しめられることとなりました。その経験を糧に、保健所長が現場でのコロナ対応により専念できる体制を整えるとともに、国から矢継ぎ早に出される対策の変更にスムーズに対応していくため、令和4年度、保健福祉局を保健医療局と福祉局に分割し、今日に至っております。組織変更3の部分でございます。そして、このたび改めてコロナ禍を踏まえた保健所機能の改善策として、来月より保健医療局に福岡市保健所を設置することとしたものであります。投影ありがとうございました。
地域保健法などの趣旨を踏まえ、その時々の社会の要請に応じて保健所が果たすべき役割の軸足を移しながら組織の姿を変えていくことは当然のことであり、もしコロナ禍を経験して何も手を打たないということであれば、むしろそういう姿勢はいかがなものかと考えるところであります。とはいえ、保健所について定めている地域保健法は市民にとって本来なじみがないものであり、このようなことが保健所再編について納得しにくい理由の一つになっている気がします。
そこで、新たな保健所と区保健福祉センターを地域保健法上どのように整理したのか、お伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 地域保健法におきましては、都道府県に設置する保健所は市町村の地域保健対策の実施に関し連絡調整や技術的助言を行うなど、地域保健に関する広域的、専門的拠点としての役割を担うものであり、市町村に設置することができる保健センターは住民に対し健康相談、保健指導及び健康診査など、住民に身近で利用頻度の高い保健サービスを実施する役割を担うものとされております。
今回の保健所再編においては、新たな保健所は医師や保健師などの専門職集団を編成することなどにより、都道府県に設置される保健所と同様の広域的、専門的機能を果たすものとして、各区の保健福祉センターは保健活動を地域の実情に即して展開する市町村に設置する保健センターの役割を果たすものとして、それぞれ整理したものでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) ありがとうございました。
今の答弁を簡単に資料にまとめております。資料3の投影をお願いいたします。(資料投影)政令指定都市である本市は、県と市町村の関係でいうならば、県が設置する保健所の役割である広域的、専門的機能と、市町村が設置する保健センターの役割である市民に身近な保健サービスを併せて、各区の保健福祉センターがこれまで担っていたというところでございます。図の左側のほうになりますね。それを今回、県が設置する保健所の役割を福岡市保健所が担い、市町村が設置する保健センターの役割を各区の保健福祉センターが担う体制へと再編したということであります。先般のコロナ禍においては全市、広域的な対応が求められたところであり、実際の現場である各区保健福祉センターでは、通常の市民サービスに加えてコロナ対応と大変混乱していたことも実感しており、今回の再編についても、ある意味では当然の流れであろうかとも思われます。投影ありがとうございました。
保健所の広域的、専門的機能を高めることで、健康危機管理をはじめとする保健所機能を強化したいという本市の考えは理解できます。しかし、保健所長の現場組織に対する指揮命令系統の明確化や組織の形を変えるだけでは、区保健福祉センターでは、これまでどおり行うと説明された保健サービスも含めて果たして本当にそうなるのか、やはり市民の不安は拭い切れないと思われます。コロナ禍当時の様子を振り返りますと、積極的疫学調査や健康観察に従事していた保健師、患者の病院搬送に奔走していた救急隊員、そして、日々変わる国の方針に沿った対策の調整やワクチン接種などの業務に従事していた職員など、昼夜を問わない全市挙げての献身的な職員の働きがあってこそと改めて感じているところであります。組織のパフォーマンス、特に有事においては、職員一人一人の動きの総和ではなく掛け算であり、よくも悪くもなります。組織づくりと併せて、人材を育てていくことへのたゆまぬ取組も必要であります。
そこで、保健所を再編するに当たって、人材育成の考え方はあるのかについてお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 人材育成の取組につきましては、これまで7区に配置していた医師や保健師などの専門職を一定規模の専門職チームとして編成し、知識、経験を常に共有できる人材育成環境を整備するとともに、感染症発生の際には迅速かつ円滑に体制移行できるよう、福岡市感染症予防計画等に基づき、職員の研修、訓練を積み重ねていくことで、着実に人材の養成や資質の向上を図ることとしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 保健業務の中核を担う医師や保健師などの専門職に目を配った人材育成の考え方がしっかりあることを確認できたことは、市民にとっても安心材料になると思われます。日々の取組を通じた有事に備えた保健所機能の強化を期待しております。
ここまで保健所再編後の組織が地域保健法上どのような機能分担で健康危機事案を管理し、また、市民に保健サービスを提供していくのかなどを確認してまいりました。ここからは、これまで区役所で受けることができた保健サービスが後退し、不便になるのではという市民の声を踏まえ、具体的にお伺いしたいと思います。
まず、精神保健分野についてであります。
この分野で各区役所に相談されている方は、これまでのように区役所ではなく、新たな保健所、つまり福岡市保健所が置かれる中央区のあいれふに行かなければならないと誤解しているように思います。
精神保健分野の業務は福岡市保健所と区保健福祉センターにおいて、市民にとって具体的にどのように行われるのかについてお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 新たな保健所におきましては、措置入院に関する業務や精神科病院における長期入院者等の退院後の個別支援など、広域的、専門的な対応が必要な業務に取り組むこととしております。また、各区の保健福祉センターにおきましては、精神保健に関する相談や障がい福祉サービス、精神保健福祉手帳や自立支援医療の申請手続など、これまでと同様に行ってまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) ありがとうございます。精神保健分野に関する相談や手続はこれまでどおり区役所にて対応いただけるということで、福岡市保健所に行く必要はないということであります。
次に、保健師が地域に出向いて行う保健活動が鈍くなるのではないかという声がございますが、区保健福祉センターの保健師が行う地域での保健活動はこれまでどおり変わらないという理解でよろしいのか、お伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 保健福祉センターの地域保健活動につきましては、各区の地域保健福祉課で実施いたしておりますが、7月の保健所再編後も地域保健福祉課は現状の業務執行体制を維持することから、保健師が行う家庭訪問や地域と共働した健康教室など、市民にとって身近な保健サービスについて、これまでと同様に実施してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) ありがとうございます。
次に、区役所から医師である保健所長がいなくなることで、区保健福祉センターが担う地域保健業務や各区の医師会、医療機関等との連携に問題は生じないのか、お伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 各区の保健福祉センターにおける医師の知見を必要とする業務につきましては、専門的、技術的な支援を行うため、新たな保健所の医師職を中心に区ごとに担当させることといたしておりまして、これまでと同様に、地域保健業務や各区医師会、医療機関との連携などに責任を持って取り組む体制を構築することといたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) ありがとうございます。
続きまして、感染症分野についてであります。
各区で相談や検査を受けておられる方も、先ほど質問しました精神保健分野と同様の誤解があるようでございます。
そこで、感染症分野の業務は福岡市保健所と区保健福祉センターにおいて市民にとって具体的にどのように行われるのかについてお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 新たな保健所におきましては、広域的、専門的な対応が必要な感染症患者の行動調査や接触者調査、社会福祉施設への助言など、感染症の予防や拡大防止に向けた取組を実施していくこととしております。また、各区の保健福祉センターにおきましては、予防接種に関する相談や肝炎治療費助成等の各種申請受付、HIV、性感染症の検査などについて、これまでと同様に実施してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) ありがとうございます。感染症に関する相談や検査もこれまでどおり区役所で対応するということで、基本的に福岡市保健所に行く必要はないということが分かりました。
次に、大規模な感染症が発生した場合の対応についてであります。
新型コロナ発生時は、各区の保健所や保健福祉局に設置した担当部署の職員を中心に全庁的な対応が行われましたが、7区にある保健所が今回、福岡市保健所として再編され、各区の感染症業務が集約されることになります。
大規模な感染症が発生した場合、区も含めた全庁的な体制による迅速な対応ができなくなるのではないかと懸念する声もございますが、所見をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 大規模な感染症が発生した場合につきましては、昨年度策定いたしました感染症予防計画において、流行開始から1か月間における必要な人員数を設定し、対応することといたしております。具体的には、新型コロナ対応において従事した職員が最も多かった時期を基に、区も含めた庁内の応援職員や保健所等の業務を支援する外部の専門職など、1日当たり656人を従事させることとしており、感染症発生の際には計画に基づく体制に迅速かつ円滑に移行することといたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 新型コロナの対応を受けて、保健所体制は大きな転換期を迎えました。この再編を機に、保健所の広域的、専門的機能を着実に強化していっていただきたいと考えます。また、各区の保健福祉センターは、各区役所に保健福祉センターを設置した平成13年当時の初心に立ち返り、母子、児童、高齢者、障がい者、介護保険、健康問題等の総合相談窓口として、また、市民にとって身近で頼りになる総合相談窓口として切れ目のない地域保健、地域福祉サービスの充実に向け取り組んでいただきたいと思います。
続きまして、保健所運営協議会についてであります。
これまで7区で開催されてきた保健所運営協議会は今回、福岡市保健所の設置に伴って、福岡市保健所運営協議会に再編することとなりますが、これも大きな変更点かと思われます。
そこで、再編後の福岡市保健所運営協議会と、これまで各区で開催されてきた保健所運営協議会の役割を引き継ぐような場をどのように考えているのか、お伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 保健所再編により集約する専門的、広域的業務につきましては、新たに設置する福岡市保健所運営協議会で協議いただくこととしております。また、保健福祉センターに残る業務については、各区の既存の会議体の状況や地域、関係団体からの出席者の負担軽減などの観点も踏まえながら、協議いただく場を設ける方向で区役所とともに検討を進めております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) ありがとうございました。
ここ四半世紀ほど遡ってみますと、1997年の高病原性鳥インフルエンザ、2003年のSARS、2009年の新型インフルエンザ、2012年のMERS、そして、2020年の新型コロナウイルス感染症と、5回のパンデミックが世界を襲っております。日本にどの程度影響を与えたかは別にいたしまして、私たちは平均して五、六年に1回のペースで人間にはコントロールできない自然災害とも言える事態に向き合う必要があるということになります。今回の保健所再編は、このようなグローバルな現実を前に、市がこのような自然災害に正面から向き合っていくのと同様の姿勢で、次の新興感染症に備えていくという大きな決断がされたと考えております。
最後に、7月から始動する福岡市保健所を今後どのような保健所にしていくのか、荒瀬副市長の御所見をお伺いし、私の質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 荒瀬副市長。
○副市長(荒瀬泰子) 福岡市保健所につきましては、新たに局長級として配置いたします保健所長に指揮命令系統を一元化し、感染症や食中毒等の広域的、専門的機能の強化を図りますとともに、福岡市感染症予防計画に基づき、職員の研修、訓練を着実に積み重ねながら、健康危機管理能力のなお一層の向上に取り組むこととしております。新型コロナウイルス感染症のパンデミックでは、未知の新興感染症の脅威をまざまざと見せつけられたところであり、この対応で得られた知識、経験を教訓として生かして、新興感染症、再興感染症、人畜共通感染症、食中毒等、常に危機意識を持って市民の命と健康を守る保健所を目指して、しっかりと取り組んでまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 川口浩議員。
○52番(川口 浩)登壇 私はまず、保育料無償化の第1子への対応についてお尋ねいたします。
少子化に歯止めがかかりません。市の調査においても、若い世代、特に子育て世帯は経済的に困っていると聞いております。第1子の子育てに経済的負担、不安がある中では、子どもを産むことをちゅうちょしているのではないのかと思っております。子ども人口減少が待ったなしの状況で、子育て支援は社会で育てるという観点に立って、少子化対策として、第2子からではなく第1子無償化という発想に立つべきではないかと思います。
財源負担もある中で、子育て支援策、少子化対策として優先順位はどうするのか、何が課題なのかを整理し、どのように取り組んでいくのか、考え方を示していただきたいと思います。島市長はどのようにお考えでしょうか。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて発言させていただきます。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市では、多子世帯の経済的負担の軽減のために、令和5年4月から第2子以降の保育料を無償化したところでございます。多子世帯に限らず、広く子育て支援における経済的負担軽減の拡充を望む声もいただいており、第1子からの保育料無償化を行うことは子育て世帯の負担軽減に資すると認識しております。一方で、第1子の保育料無償化を行うには毎年多額の財源の確保が必要となる中で、本来、幼児教育、保育の無償化は、全ての子どもたちが居住する地域にかかわらず、全国どこでもひとしく支援を受けられるべきものであり、国の責任において実施されるよう、今後も国に対して負担軽減策の拡充について強く要望してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川口浩議員。
○52番(川口 浩) 子育て支援という観点では、学校給食においては国における無償化を求めるところでありますが、調理に係る経費や施設等の整備は市で負担しています。また、低所得者の方には減免制度も設けられています。片や、保育料においては第2子以降の無償化は実現したものの、第1子については何ら支援策がありません。国の言う異次元の少子化対策は十分ではなく、現状は程遠いと言わざるを得ません。本市独自でも第1子支援に対して、何かできることを考えて支援する必要があると思います。これは意見というか、要望しておきます。
時間の関係で次に行きます。
次に、雑紙の回収について、家庭から排出されるお菓子の箱など、雑紙についてどのように回収しておられるのか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 家庭から排出される雑紙も含めた古紙につきましては、主に地域集団回収や地域に設置している回収拠点で回収いたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川口浩議員。
○52番(川口 浩) 地域集団回収や拠点と言うんですけれども、単身世帯が今福岡でも増えており、地域コミュニティも昔と比べると希薄化しています。忙しくて回収場所に持っていく時間がなかったり、高齢の方は車がないや自力で回収場所へ持っていくことが困難な方も多く、可燃ごみとして排出されているという話をよく聞きます。2か月に1回でもいいので、いつもごみを出しておる、ごみ置場に雑紙を出したら回収してもらえるような仕組みを検討できないか。プラスチックごみも今進んでおりますので、こういうのを2か月に1回でもつくっていただくと、燃えるごみに出さずに、リサイクルというか、回収できると思いますが、いかがお考えでしょうか。
○副議長(松野 隆) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 古紙の回収につきましては、地域集団回収や地域に設置した回収拠点を中心に行ってきたところでございますが、これまで回収に協力してきた地域役員の高齢化などによりまして活動が困難となる地域が今後ますます増えてくることが予想されます。このため、これまでの経緯を踏まえつつ、地域や古紙回収業者等とも連携を図りながら、地域集団回収における戸別回収の充実や回収拠点の増設など、よりよい回収方法の構築に向けて幅広く検討を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川口浩議員。
○52番(川口 浩) 集団回収とかをやっておられるし、ありがたい。そこにも縁がない方とか、行ったことがない、家から遠い、だから家庭ごみを出しているわけですから、そこにごみとしてじゃなくて、2か月に一遍でもリサイクルということで出せる仕組みを行政のほうがやるべきだと思いますので、よろしくお願いしておきます。
次に、事業系一般廃棄物の収集についてお尋ねします。
小規模事業者から排出される少量のごみについて、ごみ出しのルールはどうなっているのか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 事業者から排出されます事業系一般廃棄物につきましては、その排出量の多少にかかわらず、全て事業系ごみとして排出することとなっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川口浩議員。
○52番(川口 浩) 少量のごみであっても事業系の一般廃棄物としてごみを出すことになっているということで、契約しないといけないんです。契約というか、専門業者に登録をしないといけない。
小規模事業者は実態として家庭系ごみとして出しているケースが多いのではないかと思いますけれども、環境局はどう把握してありますか。
○副議長(松野 隆) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 市内総事業所数に占める事業系一般廃棄物の許可業者が契約を行っている事業所数の割合を申し上げますと、いずれも8月1日現在で、令和3年度が62.9%、令和4年度が64.2%、令和5年度が64.9%となっておりまして、自己搬入分を除いたとしても、家庭系のごみとして排出している事業所数が一定数あるものと推察いたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川口浩議員。
○52番(川口 浩) 戸別搬入は調べれば分かられるはずなんですね。かなりの小規模事業者は契約していないと。これは出していないというよりも、市の制度を見直すべきかなとも思っています。
ここで次に、幾つかお尋ねします。
公民館や集会所、町内集会所等のごみはどのように排出されているのか、市民局は御存じですか。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 公民館で出たごみにつきましては事業系ごみとして収集されておりますが、利用者などが持ち帰っている事例もございます。また、地域集会所につきましては、自治会、町内会など、住民がそれぞれ主体的に管理をされておりますので、状況については把握しておりません。以上です。
○副議長(松野 隆) 川口浩議員。
○52番(川口 浩) それでは次に、例えば、消防分団車庫等で出されるごみがどのように排出されているのか御存じですか、消防局長。
○副議長(松野 隆) 田消防局長。
○消防局長(田浩輝) 消防分団車庫は消防団員が常時利用している施設ではないことから、個別に収集運搬を行ってはおらず、破損などで使わなくなった消防用ホースや装備品など、消防団活動を行うに当たり発生する廃棄物については所管の消防署等に持ち込み、事業系一般廃棄物として排出しておりますが、例えば、水分補給のために各自で持ち込まれた飲料水の空容器など、全ての廃棄物の排出状況までは把握できておりません。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川口浩議員。
○52番(川口 浩) 残念ながらルール上は家庭ごみに当たらないんですね。公民館も、これは環境局が契約しているんですね。袋をあげているということになるかもしれませんけど、お茶かすとかが出ると1週間とか──同契約はいろいろです。週1でしているところもあれば、月2とか月1とか。しかし、お茶かすとかは持って帰って、私が家庭ごみに捨てておくよということも実際は聞いています。調べられてもいいけど、調べてくれという意味じゃありません。消防車庫もそうですね。あまり使わない。年末夜警とかは使いますけど、そこでコンビニの弁当を食べたとかいう場合、事業系になるのかという思いがするんですね。これは同じく議員の事務所も家庭ではないので、契約していますか、当該委員会の方。せないかんというのが今のルール。していなかったら早くしたがいいかもしれませんと思います。
これは私はせれというよりも、このルールがどうかなと。みなし家庭ごみで高い袋で、ルールと合っていないと思うんですね。家庭ごみに公民館ですらお茶かすを出していることも知らずにあると思います。でも、市のルールはそうなっている。これは実態と合っていないんですね。これについて、まず環境局ではどうお考えか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 事業系一般廃棄物が家庭系の一般廃棄物として排出されております主な要因等につきましては、雑居ビル等におきまして事業系ごみの排出場所がない場合がある、あるいは臭気のある生ごみなどを速やかに排出しづらいなど、少量排出事業者が簡便に排出できる環境が整っていない場合があることや、契約手続が煩雑ではないかとの印象があるですとか、費用的な負担感がある、もしくは事業系ごみの排出ルールが十分に浸透しておらず、事業系ごみという認識がないなど、制度が周知不足であることが挙げられるのではないかというふうに考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川口浩議員。
○52番(川口 浩) ルールについては、以前、全事業所に環境局が案内を出してくださいましたよ。分かりいいかというと、ちょっと問題なんですけどね。費用は当然、家庭じゃないんだから応分の負担をしてもらわんといかん。これが当たり前、事業系のルールですね。契約が煩雑じゃないか、これも環境局は御存じでしょう。今、月1とかでもないんですよ。取りに来てほしいときに、指定日、ごみだったら週4回ぐらいは取りに来てくださいます。四、五回、5日ぐらいか。電話すれば来てくれる夜間収集ですね。そんなにあれではない。ただ、置場がないんですよ。ビルの入り口の大きい事業者は別。小さい事業者は、道路に置くなで、入り口の中に置いて、何でこんなところに捨てているんだとか、臭いがするとか、何でちゃんと捨てていないのかということでトラブルも多くて、置き場所、捨て場所がないというのもあるんですね。今どんどん少量になっています。土に戻すやつを使っているところもあります。
そういった中で、私は実態に合わせて、少量の場合、高い袋で、もちろん事業系の処分に係る費用ですから、家庭ごみの袋じゃなくて、応分の負担で、だから、契約するよりも高くなってもいいと思っています。やっぱり自由に、それが家庭ごみのところに違う色の袋で出せると、議員の事務所もありがたいのかなと。皆さん自分のことと思って、そのほうが楽と思いませんか。電話して夜取りに来てもらうと。そして、外に出して、どこに置いたらいいんかと、2階が事務所だった場合、そういうこともあります。これをしっかりと実態に合ったルールに、そういったみなし家庭ごみとかいうことで袋をつくってすることを検討を進めたらどうかと思いますが、所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 少量の事業系一般廃棄物の排出につきましては、まずは事業者の排出責任やごみの排出ルールに関する意識の醸成を図るため、多様な手段による分かりやすい広報、啓発の強化に取り組むとともに、今後、他都市の事例も参考にしつつ、事業者の利便性、費用負担の公平性、制度の持続性などの観点も踏まえながら、事業系一般廃棄物の適正排出が進む方策につきまして検討を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 川口浩議員。
○52番(川口 浩) 早急にしていただかないとね、無理にせないかんぞと議員の事務所にも言ったところで、やっぱりルールを変えましたと。最初からしときゃよかったじゃないかとなるので、こんなのは早急に検討していただいて、問題なら別ですけれども、今実態に合っていないので、みなし家庭ごみ等で排出者が──少量の方ですけどね。出ないですよ、私も3か月でビニールのこんな出すぐらい。うちもお茶をしていましたけど、事務員から粉に変えさせられました、ごみになるっちゃけんと言われてですね。契約というか、届出で済むんですよ。回収する場所を決めないかん。ぜひしていない方は急いでしていただいて、環境局に協力いただいて。環境局は3割以上がそういう状態です。しっかりと見直すようにお願いして、終わります。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ)登壇 私は自衛隊名簿提供問題について質問いたします。
今年度、自衛隊へ本人の同意のない名簿提供をした人数と拒否された人数をお答えください。
以降の質問は自席にて行います。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 令和6年度の提供人数は3万249人、除外する措置を行った人数は220人となっております。以上です。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 2019年2月、当時の安倍総理が自民党大会で、隊員募集は都道府県の6割以上が協力を拒否していると述べたことをきっかけに、島市長が本市の状況を市民局に確認したことから始まり、毎年3万人近く、そして、5年目となる今年は本人の同意のない3万人以上の大量の個人情報を提供したということ。
では、除外申請を設けた理由について説明を求めます。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 市の個人情報保護審議会答申の附帯意見を踏まえ、自己の情報を提供してほしくない旨の申出を行った対象者については、提供する情報から除外する措置を講じているものでございます。以上です。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 御答弁にあるように、申出を行うためには、対象者全員に本人の同意なく個人情報を提供するということが伝わり、手続しやすい形でなければなりません。
そこでまず、市の個人情報保護審議会答申の附帯意見はなぜ出されたのか、お答えください。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 市の個人情報保護審議会の答申によりますと、自己の情報提供を望まない市民の心情にも配慮する必要があるためとされております。以上です。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 対象者の心情に配慮することが非常に重要です。
では、除外申請ができる旨の周知方法はどのように行ったのか、お答えください。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 除外申請の周知につきましては、ホームページや市政だよりへの掲載、報道機関への周知依頼、LINEやエックスでの配信、市内高校、大学へのポスター掲示依頼、また、区役所等でのポスター掲示を実施しております。以上です。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 今年、NHKでの除外申請の報道がありましたが、どなたが取材を受けたのか、また、本市から報道の依頼をしたのか、伺います。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 令和6年度の除外申請の受付開始につきましては、報道機関に対して周知依頼を行っております。また、取材対応は市民局区政推進課長が行っております。以上です。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 市が主体的に報道機関を活用した理由を伺います。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 除外申請の受付について広く周知をするため、様々な媒体を活用して広報を実施しており、その一つとして報道機関への周知依頼を行ったものでございます。以上です。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 情報提供を望まない方の除外措置の実施をされていますが、残念なことにこれは全員に行き届いてはいないんですね。個人情報保護の配慮は対象者全員に行き届かない方法でも構わないとお考えなのか、お答えください。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 自衛隊への募集対象者情報の提供につきましては、個人情報保護法第69条第1項の法令に基づく場合に該当し、本人の同意を要することなく実施できるものです。その上で、情報提供を望まない方については除外する措置を講じており、ホームページ、報道機関への周知依頼等のほか、市内全戸に配布をしております市政だよりにて広報を行うなど、広く周知を図っているものでございます。以上です。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) はたちのつどいの案内のように通知しない限り、大切な情報は個々には届かないのです。一人一人の心情に対しての配慮を怠っている状態であると指摘をしておきます。
次に、個人情報保護審議会の答申は市の最終決定ではありません。
そこで、本人の同意は必要なく名簿を提供すると最終決裁したのはどなたなのか、お答えください。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 市の個人情報保護審議会答申を踏まえ、市民局において検討を行い、市民局長が決裁を行ったものでございます。以上です。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 判断をするために個人情報保護審議会に諮問したのは市長です。名簿提供の決裁を市長がしないのはなぜでしょうか。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 市長の権限に属する事務に係る決裁に関し必要な事項を定める、福岡市事務決裁規程の第3条第1項及び別表第1において、所掌する事務事業の計画及び方針の決定は局長の専決事項となっており、これに基づき局長決裁としたものでございます。以上です。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 事務事業としては市民局長の責任ということ。
では、自衛隊の主な役割について本市としてどのような認識なのか、伺います。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 自衛隊法第3条によりますと、自衛隊の任務として、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ公共の秩序の維持に当たるものとするとされております。以上です。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) では、自衛隊のここ数年の防衛活動について市はどう把握されているのか、伺います。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 防衛省のホームページによりますと、領土、領海、領空を守るための取組として周辺海空域における警戒監視活動、大規模災害等への対応として災害派遣活動に備えた初動態勢の整備、教育、訓練として外国軍との共同訓練などがあり、近年では能登半島などでの地震の発生のほか、大雪や大雨に伴う災害派遣等の活動があるものと承知をしております。以上です。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 本市は情報を得ていたにもかかわらず、市民への説明をされなかったことがあります。今年2月、航空自衛隊が自衛隊施設以外の海の中道海浜公園駐車場で迎撃ミサイルPAC3の展開訓練をしています。戦争をあおるような状態が身近で行われています。
では、個人情報保護審議会に諮った際、自衛隊の重要な活動や任務について議論された内容を正確にお答えください。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 個人情報保護審議会には、市が自衛官等の募集に関し必要な情報の提供は公益上必要があると考えて、自衛隊へ紙媒体等で情報提供をしてよいかを諮問し、議論いただいたものでありまして、自衛隊の重要な活動や任務について議論するものではないものと認識をしております。以上です。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 外国軍との共同訓練やパワハラ、自殺問題などもあります。大切な個人情報を同意なく、リクルートのために渡す。しかも、命がけの覚悟を要する任務先に差し出すことになるのに、重要な議論はしないまま審議されたということです。
では、公益上の必要があるとのことですが、自衛隊員の不足に対する協力として本人の同意なき名簿提供なのか、お答え願います。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 自衛隊への募集対象者情報の提供につきましては、個人情報保護法第69条第1項の法令に基づく場合に該当し、本人の同意を要することなく実施できるものと認識をしております。
なお、令和2年に諮問しました個人情報保護審議会においては、当時の福岡市個人情報保護条例第10条第2項第6号に基づく公益上の必要があると認められたため、募集対象者情報の提供を実施していたもので、現在の根拠規定とは異なっているものでございます。以上です。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 市は公益上の必要があると考えて諮問した。つまり提供することありきで審議会に諮り、懸念する意見も中にはありましたが、提供するか否かの判断は市が行ったという流れです。
大事な個人情報を本人の同意のないまま得てまで、郵送ではなく宛て名もない募集チラシのポスティングです。では、閲覧で情報を書き写された年と紙で提供された各年の対象者の募集人数と採用人数についてお答えください。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 自衛隊福岡地方協力本部における応募人数と採用人数につきましては公表されておりません。以上です。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 市民の重要な情報を預かる市です。全く無責任な名簿提供となっています。
では、住民基本台帳法に関する国からの通知は誰に宛て、どういうものなのか、説明を求めます。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) お尋ねの文書は、令和3年2月5日付で各都道府県市区町村担当部長宛てに通知をされた自衛官等の募集事務に関する資料の提出についてとの文書を指すものと理解しましてお答えをしますが、その内容は、自衛官等の募集に関し必要となる氏名、住所、生年月日及び性別の情報に関する資料の提出は、自衛隊法第97条第1項に基づく市区町村長の行う自衛官等の募集に関する事務として、自衛隊法施行令第120条の規定に基づき、防衛大臣が市区町村長に対し求めることができること、募集に関し必要な資料として住民基本台帳の一部の写しを用いることについて、住民基本台帳法上、特段の問題を生じるものではないこととされており、防衛省と総務省の連名で通知をされております。以上です。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) これは閣議決定でしかない文書なんですね。提供は誰の名前と責任でされるのか、お答えください。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 自衛隊への募集対象者情報の提供につきましては、毎年、自衛隊福岡地方協力本部長から福岡市長宛ての申請を受け、市民局で事務手続を行い、宛名である福岡市長名で提出をしております。以上です。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 私の過去の議会での質問のたびに同意不要の根拠などを繰り返し御答弁されますが、名簿提供は義務か義務でないのか、どちらでしょうか。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 自衛官等募集事務につきましては、法定受託事務として可能な範囲で協力する必要があるものと認識をしております。以上です。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 可能な範囲で協力する必要があるとの御認識。ということは、義務ではないということです。他都市では提供を撤回したところもありますが、ではお尋ねしますが、福岡市としては積極的に本人の同意なき名簿を提供していると市民は認識をしてよいということでしょうか。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 繰り返しになりますが、自衛官等募集事務につきましては、法定受託事務として可能な範囲で協力する必要があるものと認識をしております。
なお、自衛隊への募集対象者情報の提供につきましては、個人情報保護法の規定に基づき、本人の同意を要することなく実施できるものです。その上で、情報提供を望まない方については除外する措置を講じているものでございます。以上です。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) これもう、全員に届いていないわけですよね。知った市民は本当に怒っています。
また、名簿提供が法定受託事務であるかのように周知するのは市民をだましている状態ではないか、認識を伺います。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 自衛隊法施行令第120条に規定をする防衛大臣が市町村長等に対して求める自衛官等の募集に関する報告または資料の提出につきましては、地方自治法第2条第9項第1号に定める法定受託事務に位置づけられております。いずれにしましても、募集対象者情報の提供は、個人情報保護法の規定に基づき、本人の同意を要することなく実施できるものであると認識をしております。以上です。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 自衛隊法の解釈文献とされる1974年発行の「防衛法」という書籍には施行令第120条にどのように書かれているのか確認をされたのであればその内容を、いまだ確認されていない場合はその理由をお答えください。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) おただしの内容につきましては書籍を有していないため確認しておりません。以上です。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 個人情報提供に関して何一つ書かれていないから、確認もせず答えないということだと受け取ります。
この自衛隊法施行令第120条の規定では、自衛官等の募集に関する報告または資料の提出を防衛大臣が市町村長等に対して求められるだけであって、応じるのは首長ですが、提供を判断するということは、この求められる資料の中に本人の同意のない名簿が含まれていると市長は判断されたということで間違いないでしょうか。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 繰り返しになりますが、自衛隊への名簿の提供につきましては、個人情報保護法に基づき、本人の同意を要することなく実施できるものです。その上で、情報提供を望まない方については除外する措置を講じているものでございます。以上です。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 同じことを何度も言われますけれども、私も何度も質問していますけれども、対象者への心情配慮は本当にできていないんですね。今後も本人の同意なき名簿提供を続けるのか、いつまで続けるおつもりなのか、お伺いします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 自衛官等募集事務につきましては、法定受託事務として可能な範囲で協力する必要があると認識をしておりまして、募集に関し必要な情報の提供は個人情報保護法に基づき適切に実施をしてまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) やめないということで、これが何年も続くと、本当にどれぐらいの情報が流されるんでしょうか。国への忖度、国の言いなり、その練習のような流れです。
では、確認ですが、DVや虐待、ストーカー被害を受ける子ども、若者の個人情報について特段の保護措置が必要であると考えます。自衛隊への名簿提供の際にどのようにされているのか、伺います。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 住民基本台帳事務におけるドメスティック・バイオレンス、ストーカー行為等、児童虐待及びこれらに準ずる行為の被害者保護の支援措置の申出を行っている方につきましては、自衛隊へ提供する募集対象者情報から除外をしております。以上です。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 私もいろんな相談を市民から受けます。本当に申出がなかなかできていない状況の方もいらっしゃいます。それから、手続が完了していない方もいらっしゃいます。大切な個人情報は人権そのものです。
質問の最後に、今後、DXが進んだ場合、例えば、マイナンバーを活用して名簿の情報を得るようになるのか、また、地方自治法の改定で、地方の権限ではなく国の権限によってこれが提供されてしまうようになるのか、認識をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) おただしの内容につきましては承知をしておりません。以上です。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 行政は市民の本当に大事な個人情報を全て把握しています。だからこそ、住民基本台帳法で大切に間違いなく取り扱うことが規定されています。マイナンバーに様々な情報がひもづけられ、地方自治法を改悪されてしまっては、地方分権、ひいては人権そのものが脅かされ、監視社会そのものに向かう等、非常に懸念をいたすところです。地方自治を守り、人権を尊重し、真の優しさ、強さを持つ市政であるべきであって、自衛隊への本人の同意なき名簿提供の撤回をすべきと強くここで求めて、私の質問を終わります。
○副議長(松野 隆) この際、時間を延長いたします。坂口よしまさ議員。
○13番(坂口よしまさ)登壇 1年前の6月議会で初めて質問に立って以来、私は子ども一人一人の潜在能力を最大化させる個別最適化教育への抜本的な転換に向けて、段階的に議論を進めてきました。その中で、学校教育の主役である子どもの学びの改革、具体的には子ども一人一人の興味、関心等に応じ意欲を高め、深い学びを実現することで、生涯を通じて自律した学習者として主体的に学び続ける力を養うことが極めて重要であることを確認しました。その上で、子どもの学びの改革を行う大前提として、教員が子ども一人一人に向き合う時間を十分に確保するために教員の働き方改革を行うことが不可欠であることも確認しましたが、その働き方改革を行うに当たっては、いわゆる木を見て森を見ずという状態に陥ることがないように、場当たり的に業務の見直しを行ったり人員を増やしたりするのではなくて、まずは教員が担う業務全体を全て洗い出した上で、各業務の性質や内容などを踏まえて整理して、教員が担う業務の適正化を徹底的に行う必要があるということも含めて、これまでの議会質問を通じて強く求めてきた記憶があります。
そこでまず、お尋ねしますが、令和5年度に行った民間コンサルタントによる教員業務の実態把握調査についてどのような結果が得られたのか、その調査結果を踏まえた業務の整理も含め、どのような分析を行ったのかという点も併せて分かりやすくお示しをいただければと思います。
以降の質問は自席にて行います。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 昨年度はモデル校4校の教職員を対象といたしまして、土日を含む1週間の勤務実態を調査いたしております。平日1日に占める業務として最も多かったのは授業関連で、小学校、中学校ともに約70%、次いで多かったのが校務分掌関連で、小学校が約19%、中学校が約15%となっております。また、アンケート調査等では、業務量が多い、校務分掌等の負担が偏っている、スクール・サポート・スタッフなどの支援スタッフを十分活用できていないなどの意見が多かったため、モデル校におきまして、作業時間の確保や業務の役割分担、適正化などをテーマに、時程の見直しや校務分掌の見直し、支援スタッフの活用促進などの業務改善に取り組んでございます。また、実態調査や業務改善活動を踏まえ、教員が現に担っている業務を中教審の、学校以外が担うべき業務や教師が担う必要のない業務、教師の業務だが負担軽減が可能な業務の3分類に基づいた上で、さらに細かく分類、整理し、具体的な改善策の検討を行ってございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 坂口よしまさ議員。
○13番(坂口よしまさ) 御説明ありがとうございます。
これまで国がざっくりと計14の業務にしか分けていなかったところを、本市では計39の業務に細分化して一覧にしただけではなくて、教育委員会と学校のどちらがメインで対応するのかも含めて、計92の具体的な改善策を示していただきました。この1年、私が繰り返し申し上げてきた、教員が担う業務全体を洗い出して整理して、その適正化を徹底的に進めていただきたいという要望に対して、取りあえず第1段階の業務の洗い出しと整理についてしっかりと対応していただいたことは、これは大きな前進、大きな一歩だと受け止めていますし、関係各位の真摯な御対応に深く感謝しています。
続けて、では、この令和5年度の事業を拡充して令和6年度に実施する予定の事業内容について、事業の目的や狙いだけではなく、教育委員会や対象となる学校、民間コンサルタントといった関係者がそれぞれどのような役割を果たすのか、それから、どのようなスケジュールで進めて、来年度以降、どのように展開する方針を掲げているのかという点も含めて、こちらも分かりやすく御説明をお願いします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 今年度は20校程度をモデル校といたしまして、専門のコンサルタントが各学校での主体的な業務改善を支援し、学校の意識改革や改善意欲の高い人材の育成を行うこととしております。具体的には、教育委員会事務局と専門コンサルタントの連携により、6月の全体研修会を皮切りに、情報共有や実践報告のための研修会を計4回開催するとともに、各モデル校からの相談や要望を随時受け付け、学校を訪問するなど、伴走型の支援を行うこととしております。また、各モデル校は業務改善推進者を選定し、研修会に参加するとともに、管理職のリーダーシップの下、業務改善推進者を中心に業務改善に取り組むこととしております。来年度につきましても、今年度の取組の成果を活用し、好事例の具体的な改善プロセスを共有することなどによりまして、各学校における意識改革を行うことで、働き方改革の推進を図ってまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 坂口よしまさ議員。
○13番(坂口よしまさ) 御説明ありがとうございます。
この事業をはじめとする教師の働き方改革を進めるためには、この改革は決して教師が楽をするための改革ではなく、子ども一人一人に向き合う時間を確保するための改革なんだということを各学校、各教師だけでなく、子どもたちや保護者も含めた関係者全員がしっかりと共有することが非常に重要です。その上で、とりわけ教育委員会に対しては、ぜひお願いしたいことが2つあります。
1つ目は、先ほど御説明いただいた教員が担う業務の分類や整理の中で、教育委員会が主に対応するとされている業務や項目については可及的速やかに御対応いただきたいということです。ここでは全92の改善策のうち43個が教育委員会の担当とされていますが、教育委員会としてどのように進めていくのか、お示しをいただければと思います。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 教員が子ども一人一人と向き合う時間を確保するためには、今回の業務の分類、整理を踏まえ、学校と連携しつつ業務の見直しに取り組んでいくことが重要であると考えております。見直しを進めていくに当たっては、人材確保や予算措置を伴うもの、生徒や保護者、地域との調整等が必要なものなどもあるため、今年度策定予定の次期の学校における働き方改革推進プログラムにおきまして具体的な対応についての整理を行い、速やかに取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 坂口よしまさ議員。
○13番(坂口よしまさ) 各学校において業務改革を進めていく中で、今後も随時疑問点が発生するでしょうから、民間コンサルタントともよく連携をして、一つ一つの相談や要望等に真摯に御対応いただくようよろしくお願いします。
そして、お願いしたいことの2つ目は、今回、教育委員会が示した業務の分類や整理を踏まえて、各学校において業務の整理や適正化を進めるに当たって、それぞれの業務についてどのような考え方に基づき、誰がどのような方法で担うのかといった業務の整理や適正化を行うための考え方の枠組みを教育委員会から明確に示していただきたいということです。もちろん全ての業務について、教育委員会が明確に白黒つけてはっきりと整理をするのが難しいということは私も重々承知しておりますし、実際には保護者や地域社会との関わり方を含めた各学校の実情等に応じて、誰がどのように担うのか判断することが適当なグレーゾーンの業務が存在するということも理解しています。それでも、この考え方に立つとここに分類してもよいとか、こういう考え方の下でこういう人が担うことにしてもよいというように参考までに例示をすることは、これは十分可能であると思っています。
この点に関して、今年度の事業に手を挙げた学校を対象として、つい先日行われた全体研修会において、教員が担う業務の整理や適正化に係る考え方の枠組みについて、各学校が判断するために必要な情報の量と精度を兼ね備えた形で教育委員会から可能な限り明確に示されたかとは思いますが、具体的にどのような内容の研修を行ったのか、御説明をお願いします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 全体研修会では、働き方改革の趣旨の共通理解を図るとともに、業務改善の実践方法を身につけるため、思考法や先行事例の紹介などを行いまして、これらを踏まえ、参加者は各学校での業務改善を推進するための行動計画の作成に取り組んだところでございます。また、教員が担っている業務の分類、整理について説明いたしますとともに、令和5年度のモデル校での取組状況などについて紹介いたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 坂口よしまさ議員。
○13番(坂口よしまさ) 今回、せっかく手を挙げてくれた学校に、あたかも教育委員会から業務改革を丸投げされたというようなネガティブな誤解を与えるようなことがあっては、お互いにとって非常に残念なことになってしまいます。この事業については、実効性のある取組になっているか、引き続き注視していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
さて、ここまで教員の働き方改革について言及してきましたが、昨年度の調査結果においても、教員の勤務時間の7割を占めていたのが授業関連の時間です。社会情勢の変化等に伴い、あれもこれも教え込まなければいけないといって、○○教育という形でどんどん学校現場に降ってきて、実際に教科書のページ数もどんどん増え続けていますし、特に1人の教師が全科目を教える小学校からは自身の専門外の多くの分野をカバーすることに大変苦労されているという切実な声も届いています。もちろん最新の分野の学びを否定するものでは決してありませんが、本来、様々な事柄が相互にかつ複雑に関わり合っている実社会の成り立ちを踏まえると、既存の教科学習に上乗せをして子どもたちの頭の中に注入する知識の量をどんどん増やそうとするのではなくて、実社会を生きる力、生き抜く力を育てるという言わば原点に立ち返って、もっとシンプルかつ大胆に教育課程を見直すことも必要です。
このような観点から、授業時数の見直しという量的改革にとどまらず、授業の担い手の多様化も含めた質的改革、具体的には学校と実社会をつなぐシステムを構築して、社会で活躍する個人や団体等のいわゆる専門家による質の高い授業を積極的に導入することは、子ども一人一人が自らの将来や身の回りの社会とのつながりを実感できるリアルな学びの充実につながるとともに、現在、質、量ともに多大な負担を感じながら必死に奮闘されている教員の働き方改革にも大きく寄与するものと考えていますが、こうした授業の質的改革の提言に対する石橋教育長の前向きかつ具体的な御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 文部科学省が示しました、社会に開かれた教育課程に関する資料によりますと、子どもが社会のつながりの中で学ぶことは、自分の力で人生や社会をよりよくできるという実感を持つことができ、変化の激しい社会において困難を乗り越え、未来に向けて進む希望や力になるとされてございます。そのため、市立の小中学校におきましても、公共機関の出前講座プログラムや教育委員会の社会人講師派遣事業を活用し、防災や環境、福祉などに関する学習を行ってございます。今後、さらに業種や人材に関する幅広い情報を収集整理して一元化し、地域や企業、公的機関などとの連携により様々な外部人材や地域社会の資源を選択、活用できるようにすることで児童生徒が社会とのつながりを実感できる取組の強化に努めてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 坂口よしまさ議員。
○13番(坂口よしまさ) 実社会の多様な人材や資源を選択的に活用できるように、幅広い様々な主体と連携して、幅広い業種や人材に関する情報を収集して、整理して一元化していただけるということですので、ぜひそのお言葉にたがえぬ取組をお願いしたいと思います。
これまでも繰り返し申し上げていますが、日々成長する子どもたちのことを考えれば、教育改革に時間的な猶予はもはや残されていません。相撲で言えば、まさに今が土俵際です。教育委員会におかれては、今年度の取組が実効性を持たなければ起死回生の一手はもはやないんだという、それほどの強い危機感を持って、今年度、真摯に取り組んでいただきますよう切なるお願いを最後に申し上げて、私の質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 新開ゆうじ議員。
○14番(新開ゆうじ)登壇 昨年度、市内のある小学校の行事で、特別事業として演劇観劇会が行われた際に、通常の学級に通わせている難聴の障がいを持たれたお子さんの保護者の方が要約筆記の依頼を学校にお願いされたそうです。その際、要約筆記については学校では予算がないので対応できないと言われ、発達教育センターにも相談したら、教育委員会でも予算を計上していないので対応できないというふうに言われたそうです。年度末の3月になって、別の話で、予算があるみたいだからということで要約筆記を活用した事例もあるようですが、教室内で行われる通常の授業とは違い、全校児童が集まる演劇観劇会のような特別事業では、周りが騒がしいわけですから、通常使用している補聴機器だけでは音が拾えない、それが分かっていたからあえて年初の段階から要望されていたにもかかわらず、予算がないから要約筆記の要望には対応できないという回答は、これは障がいをお持ちのお子さんたちに対して、配慮を行う義務のある学校及び教育委員会側の対応としては回答になっていないというふうに私は思うわけです。
そこでまず、お尋ねなんですけれども、要約筆記とはどのような情報の保障なのか、それから、改正された障害者差別解消法による合理的配慮の義務化とはどのようなものかについてお尋ねいたします。
以上、2問目以降は自席にて行わせていただきます。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 要約筆記とは、福岡市聴覚障がい者情報センターによりますと、人の話や情報を難聴者などの耳の代わりとして同時に伝える筆記通訳と示されてございます。内閣府作成の市民向けリーフレットによりますと、合理的配慮の提供については、行政機関と事業者がその事務事業を行うに当たり、個々の場面で障がい者から、社会的なバリアを取り除いてほしい旨の意思の表明があった場合に、その実施に伴う負担が過重でないときに社会的なバリアを取り除くために必要かつ合理的な配慮を講ずることとされております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 新開ゆうじ議員。
○14番(新開ゆうじ) 今、御答弁いただいたように、過重な負担に当たらない範囲で学校側には配慮を行う義務があるわけですが、福岡市が難聴をお持ちのお子さんに対して対応している合理的配慮に資する事業、取組についてどのようなものがあるか、お尋ねさせていただきます。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 福岡市では、難聴特別支援学級や難聴通級指導教室といった教育の場を確保するとともに、椅子や机の雑音を軽減するために消音キャップの設置や、緊急時に危険を視覚で伝える警告灯の整備をいたしております。また、より分かりやすい授業のための支援としては、音声を文字に変換するアプリを使用したり、様々な情報を視覚的に捉えるための電子黒板を整備するとともに、先生や友達の声がはっきりと聞こえるようにするために補聴援助システムを導入いたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 新開ゆうじ議員。
○14番(新開ゆうじ) 補聴援助システムだけでは補えない場面があるから、そういうときに要約筆記のような情報の保障が必要となるわけで、これは市のガイドラインにも合理的配慮の具体例として明記もしてあるわけですね。一般社団法人言葉のかけはしというところの方のお話によると、そもそもこの要約筆記という情報の保障そのものがあることを知らない保護者の方々が多いということで、要約筆記の周知が進めば、これは要望される方は増えるんではないかと。それだけ有効なツールであるということなんですね。
そもそも学校や発達教育センターでは様々にある情報保障のツールの紹介とか必要な支援策について、きちんと保護者の方々に対して説明、周知はなされているのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 就学相談や入学前の学校面談におきまして、子どもにとってよりよい支援の在り方や方法などについて保護者などと相談、協議するとともに、福岡市が行っている支援について情報の提供を行ってございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 新開ゆうじ議員。
○14番(新開ゆうじ) 支援についての情報の提供は行われているということなんですけれども、少なくとも要約筆記については御存じない保護者の方が一定数おられるということであります。
スライドをお願いします。(資料投影)ちょっと小さいですけど、これはさっき言った一般社団法人言葉のかけはしさんが作成している情報保障のツールなんですけれども、まず、ワイヤレスマイクですね。いろいろこういうのをぶら下げて音を聞くんですけれども、こういう種類がいろいろあるということで、次、資料4をお願いします。(資料投影)ここでは例えば音声文字の変換アプリ、こういうものがありますよと。それと、事例の紹介ですね。資料6をお願いします。(資料投影)ここでは手話通訳とか要約筆記の活用事例とかということで、要は保護者の方々にしてみたら、どういう情報保障があるのかというツールの幅が分からないんですね。スライドありがとうございました。ですから、発達教育センターのほうでもこういう情報を集約したものをつくっていただいて、ぜひ学校や保護者の方々へ情報を共有いただきたいと思いますし、また、そういうことも必要じゃなかろうかと思います。
いま一度、この合理的配慮の提供について、学校、保護者へ情報の周知から対応について一連の流れ、フローを再度確認していただいて、必要な情報がきちっと伝わっていくように見直しをしていただきたいというふうに思います。
今回、なぜ要約筆記が使えなかったのかということについて発達教育センターの方にお尋ねさせていただきました。要約筆記の要望については昨年が初めてのケースだったので、すぐには対応できなかったということなんですけれども、これは初めてとかなんとかというのは、あまり関係ないんですね。合理的配慮の留意点の中でも、前例がないから対応ができないというのは、対応できない理由にならないというふうに示されているわけですし、アクセシビリティー法でも、可能な限り障がい者でない者と同一内容の情報を取得できるようにすることと記されているわけで、そういう意味では、なぜ補聴援助機器を使った合理的配慮の提供はできるのに要約筆記については対応できないのかということについて、難聴を抱えたお子さん方への情報の保障という意味では同様の対応がなされるべきではないかと思うんですが、これについて御所見をお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 補聴援助システム機器につきましては、多くの児童生徒が日常的に活用するため個別に予算化しております。要約筆記を含むその他の支援につきましては、発達教育センター事業費の中で一般予算枠として確保いたしておりまして、子どものニーズに応じて対応するようにいたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 新開ゆうじ議員。
○14番(新開ゆうじ) 要約筆記については、これまで要望がなかったから今は個別に予算化していないということなんだろうと思います。個別であれ一般予算であれ、さっきお話ししたように、年度末になってから使えますよとか、そういうことではなくて、いろいろ対応の仕方はあるでしょうから、とにかく過重な負担に当たらない限り、合理的配慮の提供というものは義務化されているわけですから、年初とか年度末とかということではなく、時期は関係なく、要望があれば建設的対話を通じてきちんと対応いただくということが一番大事なことではないかと思っています。
今後の対応について教育長の御所見をお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 合理的配慮は、障がいのある方が適切な支援を受けることによって、よりよい社会生活を送ることができるものでございまして、その必要性について認識いたしております。対象となるお子さんにとってより適切な支援を行えるよう、保護者の意向や子どものニーズを的確に把握し、全ての子どもたちが充実した学校生活を送れるように努めてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 新開ゆうじ議員。
○14番(新開ゆうじ) さっき津田先生の質問の中に視覚の障がいを持った方のお話も出ていたと思うんですけれども、視覚であれ難聴であれ、やっぱり子どもたちというのは、周りに気を遣ったり親に配慮したりして、聞こえていなくても聞こえている、ちゃんと理解できたかと聞いたら、理解できていなくても理解できるというふうに言われるお子さんが一般的に多いんですね。だからこそ、いろいろ法律をつくって、やっぱり合理的配慮の提供をきちっとやっていくと。それに気づかれた保護者の方がきちんとそれを学校にお願いする。学校にお願いしたら、きちっとそれが発達教育センターに伝わって、それが相談窓口できちっと対応いただける。こういうことが必要なんだと私は思っているので、今、教育長がおっしゃっていただいたように、前向きにぜひ対応いただきたいと思います。
次の質問に移ります。
2012年のFIT、固定価格買取制度以降、福岡市においても、これまでメガソーラーなどの太陽光発電施設の設置、住宅用エネルギーシステム導入支援などが進められているわけですけれども、能登半島地震の際にも明らかになったように、太陽光発電パネルというのは、災害時には漏電、感電、それから、火災が起きた場合の消火活動に時間がかかるというようなことで、いろいろリスクがあるんですけれども、その危険性についての市民への情報提供が少ないのではないかと、より一層の周知が市民に対して必要ではないかと思いますので、そこの部分についての御所見をお尋ねして、私の質問を終わらせていただきます。
○副議長(松野 隆) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 災害時に破損した太陽光発電設備につきましては、経済産業省のホームページ等において、破損、浸水した太陽光発電設備は感電や有害物質の流出などのおそれがあるため、むやみに近づかず、販売施工業者等に連絡し、被害の対処に当たるよう周知がなされております。福岡市としましても、市のホームページにおいて同様の注意喚起を行っており、引き続き市民や発電事業者に周知をしてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 以上で一般質問を終結いたします。
本日の日程は終了いたしました。
次の会議は6月21日午後1時10分に開きます。
本日はこれをもって散会いたします。