令和6年3月8日(金)

令和6年 第1回 福岡市議会定例会
議  事  日  程 (第7号)
                                      3月8日 午前10時開議
第1 議案第32号ないし議案第99号

本日の会議に付した事件
議事日程のとおり

出 席 議 員 (62名)
1番  おばた 英 達       2番  もろくま英 文
3番  淀 川 幸二郎       4番  稲 員 稔 夫
5番  鬼 塚 昌 宏       6番  堤 田   寛
7番  大 森 一 馬       8番  大 原 弥寿男
9番  今 林ひであき      10番  阿 部 真之助
11番  打 越 基 安      12番  堤   健太郎
13番  坂 口よしまさ      14番  新 開 ゆうじ
15番  とみながひろゆき      16番  田 原 香代子
17番  たのかしら知行      18番  石 本 優 子
19番  勝 山 信 吾      20番  調   崇 史
21番  川 上 陽 平      22番  津 田 信太郎
23番  古 川 清 文      24番  高 木 勝 利
25番  篠 原 達 也      26番  平 畑 雅 博
27番  伊 藤 嘉 人      28番  川 上 晋 平
29番  尾 花 康 広      30番  松 野   隆
31番  山 口 剛 司      32番  大 石 修 二
33番  和 田あきひこ      34番  あ べ ひでき
35番  大 沢 めぐみ      36番  木 村てつあき
37番  橋 口 えりな      38番  綿 貫 康 代
39番  前 野 真実子      40番  中 島まさひろ
41番  藤 野 哲 司      42番  新 村 まさる
43番  天 野 こ う      44番  堀 内 徹 夫
45番  森   あやこ      46番  福 田 まもる
47番  はしだ 和 義      48番  浜 崎 太 郎
49番  阿 部 正 剛      50番  倉 元 達 朗
51番  中 山 郁 美      52番  川 口   浩
53番  小 竹 り か      54番  勝 見 美 代
55番  井 上 ま い      56番  ついちはら陽子
57番  田 中 たかし      58番  山 田 ゆみこ
59番  近 藤 里 美      60番  落 石 俊 則
61番  田 中しんすけ      62番  池 田 良 子

欠 席 議 員 (0名)

説明のため出席した者
市         長   島 宗一郎      副    市    長  光 山 裕 朗
副    市    長  中 村 英 一      副    市    長  荒 瀬  
水道事業管理者  坂 本 秀 和      交通事業管理者  小野田 勝 則
総 務 企 画 局 長  龍   靖 則      財  政  局  長  山 嶋   剛
市  民  局  長  舟 越 伸 一      こども未来局長  野 中   晶
福  祉  局  長  藤 本 広 一      保 健 医 療 局 長  藤 田 三 貴
環  境  局  長  中 村 卓 也      経済観光文化局長  鈴 木 順 也
農 林 水 産 局 長  姉 川 雄 一      住 宅 都 市 局 長  中 村 健 児
道路下水道局長  天 本 俊 明      港 湾 空 港 局 長  竹 廣 喜一郎
消  防  局  長   田 浩 輝      会 計 管 理 者  小 川 明 子
教    育    長  石 橋 正 信      教  育  委  員  原    志津子
選挙管理委員会事務局長  内 藤 玲 子      人事委員会事務局長  大 園 喜代香
監 査 事 務 局 長  上 薗 久 美

職務のため出席した事務局職員
議会事務局長  八 木 智 昭      議会事務局次長   着  一 考      議  事  課  長  水 ア 亮 二      議  事  係  長  實 政 伸一郎
外関係職員

午前10時 開議
○議長(打越基安) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第32号ないし議案第99号、以上68件を一括して議題とし、昨日に引き続き質疑を行います。
 発言通告者のうちから順次質疑を許します。和田あきひこ議員。
 
○33番(和田あきひこ)登壇 おはようございます。本日トップバッターということで緊張しておりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は日本維新の会福岡市議団を代表しまして、阿部正剛議員が行った代表質疑に補足して、森林環境譲与税についてと水素リーダー都市プロジェクトについての以上2点について質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まずは、森林環境譲与税についてお尋ねいたします。
 森林環境税は、令和6年度から今まで住民税に上乗せされて徴収されていた復興特別税が廃止になり、その代わりに個人住民税と併せて年額1,000円が徴収される新しい税でございます。
 森林環境譲与税というのは、この森林環境税を財源として国から地方自治体に配分される税でありますが、国の動向に頼らず地方自治体で森林整備について解決できるように設けられたものであります。市域面積の約3分の1を森林が占める本市でも広がりのある使い方ができるよう要望するためにいろいろとお伺いしていきたいと思います。
 さて、日本の国土は約7割が森林であり、この森林の有する公益的機能は、地球温暖化防止のみならず、国土の保全や水源の涵養等、市民に広く恩恵を与えるものであり、適切な森林の整備等を進めていくことは、国土や市民の生命を守ることにつながりますが、一方で、所有者や境界が分からない森林の増加、森林を管理する担い手の不足等が大きな課題となっていると聞いております。
 また、木材価格の低迷による林業の採算性の悪化や林業就業者の減少などにより、間伐などの手入れが行われずに放置される森林が増えた結果、森林の有する公益的機能が十分に発揮されず、洪水や渇水、土砂災害等が発生する可能性が高まります。
 このような現状の下、平成30年5月に成立した森林経営管理法を踏まえ、パリ協定の枠組みの下における我が国の温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止などを図るための森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から、平成31年に森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律が成立したという経緯があり、森林環境税の徴収に先立ち、令和元年度から森林環境譲与税の地方への配分が開始されております。
 ここで、本市の森林環境譲与税の配分状況等についてお尋ねしていきます。
 令和元年度から令和4年度までの決算額、令和5年度と令和6年度の予算額及び譲与税充当事業を額が大きい順に3つお示しいただき、その主な事業内容と譲与税充当額の御説明を願います。また、令和6年度は重点的な取組として花粉発生源対策に取り組むと伺っておりますが、花粉発生源対策への森林環境譲与税の充当額も併せてお示しください。
 次に、水素リーダー都市プロジェクトについてお尋ねしていきます。
 現在、地球温暖化と叫ばれて久しいですが、WMO、世界気象機関は昨年7月の世界の平均気温が観測史上最高を記録したことを発表し、この状況を国連のグテーレス事務総長は、地球沸騰化と表現しております。また、世界はパリ協定の下、産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑えることを目指しておりますが、IPCC第6次統合報告書によると、世界の平均気温は2011年から2020年で1.1度上昇しており、今世紀末までに2.2度から3.5度の気温の上昇が予測されています。そして、今後10年の対策が現在から数千年先までの未来に影響を持つとも報告されております。
 これらの気候変動に対応していくため、日本においては2020年10月に、2050年にカーボンニュートラルを目指す宣言がなされ、水素については、同年12月に策定されたグリーン成長戦略の中で発電、輸送、産業等幅広い分野で活用が期待されるカーボンニュートラルのキーテクノロジーとして位置づけられております。
 水素が日常生活や産業活動で普遍的に利用される水素社会を実現するためには、水素を新たな資源と位置づけ、産官学といった様々なプレーヤーを巻き込んで社会実装を進めていく必要があると考えます。
 そこで、本市で進めています水素リーダー都市プロジェクトについてお伺いしていきたいと思います。
 最初に、水素リーダー都市プロジェクトの概要とその事業の始まりについて御説明を願います。
また、令和元年度から令和4年度までの決算額及び令和5年度の予算額、令和6年度の予算額及び主な事業内容をお示しください。
 加えて、令和6年度においては、予算額の一番大きな事業について詳細をお答えください。さらに、本市のような水素プロジェクト事業を実施している他の政令市の事例と予算規模についてお示しください。
そして、なぜ現在、世界的に主流となってきている電気自動車のEVだけでなく、水素で走る燃料電池自動車、いわゆるFCVの普及を促進するのか、お尋ねいたします。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席で行います。
 
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 森林環境譲与税についての御質問にお答えいたします。
 まず、令和元年度から4年度の決算額につきましては、令和元年度が6,753万円、2年度が1億4,350万2,000円、3年度が1億4,697万8,000円、4年度が1億9,425万6,000円でございます。次に、令和5年度及び6年度の予算額と主な充当事業につきましては、令和5年度が、予算額が1億9,400万円で、このうち油山市民の森等リニューアル事業に8,288万円、公共建築物の木質化など地域産材利用促進事業に3,513万4,000円、森林所有者への意向調査など森林経営管理制度推進事業に3,086万6,000円を充当する予定でございます。6年度は予算額が2億1,900万円で、このうち地域産材利用促進事業に1億316万3,000円、分収林や市有林の間伐など市営林造林保育事業に3,704万3,000円、森林経営管理制度推進事業に3,395万7,000円を充当する予定でございます。また、予算額のうち1億5,404万3,000円を花粉発生源対策のため活用してまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 水素リーダー都市プロジェクトについての御質問にお答えいたします。
 プロジェクトは、水素社会の実現に向け、下水バイオガス水素ステーションの運営や燃料電池自動車の導入促進などを実施しているもので、平成26年度に、中部水処理センターで発生する下水バイオガスを原料として水素を製造し、燃料電池自動車に供給する水素ステーションを開設したことを始まりとしております。
 次に、令和元年度から4年度までの決算額及び令和5年度の予算額については、令和元年度が3,788万円余、2年度が3,640万円余、3年度が3,847万円余、4年度が9,016万円余、5年度が3億1,518万円余でございます。
 令和6年度は予算額が最も大きい事業として、九州大学箱崎キャンパス跡地において、水素供給パイプラインの整備を実施するとともに、水素ステーションの整備に向けた検討等を実施するほか、燃料電池自動車の導入促進や下水バイオガス水素ステーションの運営等を行うこととしており、4億4,014万円余の予算をお願いしております。
 次に、ほかの政令市の事例と予算の規模については、令和5年度予算になりますが、神戸市では水素事業の情報発信拠点整備や海外都市との連携、水素ステーション整備補助等として約1億9,000万円、北九州市では水素の拠点形成に係る計画策定等として約4,000万円、名古屋市では水素エネルギーの普及促進や燃料電池バス導入等として約5,000万円となっております。
 次に、燃料電池自動車の普及促進については、国のエネルギー基本計画において、水素はカーボンニュートラル時代を見据えた新たな資源として位置づけられ、燃料電池自動車や燃料電池トラックなどのさらなる導入拡大に向け取り組むこととされており、また、エネルギーの地産地消という観点から、福岡市において電気自動車だけでなく、燃料電池自動車の普及を促進していくことは意義深いものであると考えております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 和田あきひこ議員。
○33番(和田あきひこ) 御答弁ありがとうございます。それでは、2問目に入ります。
 森林環境譲与税についてですが、予算の規模感と主要事業が分かりました。
 森林環境譲与税の使途として、市町村は森林の整備に関する施策、森林の整備を担うべき人材の育成及び確保、森林の有する公益的機能に関する普及啓発、木材の利用の促進、そのほかの森林の整備の促進に関する施策に充当されることとされていますが、先ほど御答弁いただいたように、令和5年度においては、主に充当されている事業は、油山市民の森及び油山牧場のリニューアルに係る既存施設の改修等の事業や公共建築物の木質化、森林所有者への意向調査に使われているということでした。
 そこで、令和6年度に目を向けてみますと、令和5年度まで行われていた油山リニューアル事業分がなくなり、新たに花粉発生源対策関連事業に約1.5億円の森林環境譲与税が充てられております。そこで、この花粉発生源対策に注目しながら話を進めていきたいと思います。
 花粉症は今や国民病とも言われ、現在、日本人のおよそ約4割が杉花粉症だと言われています。花粉が飛ぶ季節になると始まるくしゃみや鼻水、鼻詰まり、本当につらいものがあります。執行部や議員の皆様の中にも花粉症をお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。かく言う私も花粉症であり、この季節は特に鼻と目の調子がよくありません。また、最近では天気予報の際にも、本日の花粉量という形で花粉情報をお知らせしてくれます。それほど国民の関心は高く、身近なものということではないでしょうか。
 花粉症は主に目と鼻に症状が出ますが、そのほかにも体がだるい、熱っぽい、いらいらする、喉や顔、首がかゆい、集中力が低下するなど、全身症状を伴うこともあります。たかが花粉症と侮っていると、ある日突然発症したり、仕事や生活に影響が出てきたりします。
 多くの国民を悩ませている社会問題であるからこそ、早急な対策が求められており、令和5年4月14日に花粉症に関する関係閣僚会議が開催され、発生源対策、飛散対策、暴露、発症対策の取組を3本柱とする今後10年を視野に入れた施策をまとめた対策の全体像を明らかにするよう指示があり、その対策の全体像は、同年5月30日の関係閣僚会議において取りまとめられ、発生源対策として、現在の杉人工林約431万ヘクタールを今後10年で約2割削減することなどが掲げられました。それを受け、農林水産省は花粉発生源スギ人工林減少推進計画として、花粉発生源となる杉人工林の伐採、植え替えを加速化し、10年後には花粉発生源となる杉人工林の約2割の減少を目指すとしており、また、このことにより花粉の発生量についても10年後には約2割、30年後には半減を目指すとしております。
 また、先日報道でもありましたが、県庁所在地などから50キロ圏内にあるまとまった杉人工林等について、県が重点区域として設定し、国の補助を活用できるとありましたので、この計画についてはより本腰を入れて取り組んでいただきたいところでございます。
 そこでお尋ねします。本市の森林面積と令和6年度から取り組もうとされている花粉発生源対策において、対象とする杉、ヒノキ人工林の面積をお示しください。
 また、国は花粉発生源スギ人工林減少推進計画を進めるための具体的な取組として、人工林の伐採、植え替えを加速化させていくためには、木材需要の拡大や花粉の少ない苗木の生産拡大、林業の生産性向上及び労働力の確保等の総合的な対策をパッケージングとして推進していく必要があるとしていますが、国の示すこの計画をどのように受け止め、花粉発生源対策にどのように取り組んでいくのか、今後の計画をお示しください。
 しかし、本市の花粉発生源対策を行うためには、林業従事者が欠かせません。過去の本会議や委員会の議事録を拝見いたしましたが、人材確保について度々指摘されております。
 そこで、改めてお尋ねいたしますが、本市における林業従事者の数と担い手の育成や確保策についてお示しください。
 次に、水素リーダー都市プロジェクトについてでございます。
 御答弁いただいたように、エネルギーの地産地消やエネルギー供給の安定化の面で水素の普及が必要不可欠なことが分かりました。また、他の政令市の水素における主要事業は、水素エネルギー普及事業や水素ステーション整備補助事業などであり、予算規模なども分かりました。予算規模については、私が確認したところ、本市は政令市中最大と思われますが、ここで事業内容を少し掘り下げていきたいと思います。
 本市ではFCモビリティーの導入促進事業ということで、FC車両の給食配送車やごみ収集車の導入を促進していくということでございました。確かに配送ルートの決まった給食配送車やストップ・アンド・ゴーの多いごみ収集車がFCモビリティーに置き換わっていけば、排出するCOの量も削減できますし、台数が増えることによって、より水素都市に近づけるものと思います。
 また、給食配送車やごみ収集車は特別仕様車ということで、受注生産のみとなっており、導入まで時間もかかり、値段も高く、民間単独で導入するにはハードルが高いと聞きました。その導入における障壁がある点を支援し、FCモビリティーの導入促進をサポートしていくことは大変評価できるものと思います。
 しかし、それ以外のモビリティー、例えば公用車などは既に市販車があるので導入しやすいにもかかわらず、本市ではいまだ4台しか導入していないとお聞きいたしました。先ほどお示しされた名古屋市においては、FC車両を公用車として市内の各区に1台ずつと本庁に4台導入しており、計20台保有しているとのことでございます。本市も水素都市としてリーダーを目指すのであれば、まずは自らが率先して車両を導入していただき、公務で市内を走ってもらうことで、このプロジェクトをアピールし、市民の皆様に知っていただくことが重要かと思いますが、なかなかリーダーと呼べないのが現状でございます。
 また、まちづくりへの水素実装事業では、九州大学箱崎キャンパス跡地における水素ステーションの整備に向けた検討等を行うとあります。しかし、その予算の大部分がパイプラインの敷設工事であり、肝心の水素ステーションの新規開設が見当たりません。水素社会実現に向けて最も重要であると考えられる水素ステーションの整備状況でございますが、本市では現状4か所、他の政令市では、名古屋市が9か所、横浜市が7か所とこちらも後塵に拝しており、非常に残念でございます。
 本市の水素事業におけるプロジェクト名は、水素リーダー都市プロジェクトということでございますが、私、このリーダーという言葉を改めて辞書で調べさせていただきました。リーダーとは、このように書いてありました。主に指導者や先導者を意味する単語であり、組織やチームの中で、ほかのメンバーを導き、方向性を示す役割を担う人物を指すとありました。つまり、水素リーダー都市プロジェクトと銘打っているのであれば、リーダーたる事業内容や予算規模になってしかるべきかと考えますが、公用車へのFC車両の導入台数や水素ステーションの整備状況を見ても、現状ではリーダーとは程遠いものだという認識を受けるのは私だけでしょうか。
 以上、様々述べさせていただきましたが、他都市などと比べると、現状ではリーダーとは呼べない事業内容かと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 また、今回この質問をするに当たり、この事業を研究いたしましたが、現在の水素リーダー都市プロジェクトは何を目指していきたいのか、何をゴールとしているのか、明確な目標やビジョンがよく分かりませんでした。経済産業省では、エネルギー基本計画の中で水素基本戦略として水素を2030年までに最大300万トン、2050年までに最大2,000万トンまで導入できるようにという明確な目標があります。また、政令市で見てみますと、神戸市では神戸港のカーボンニュートラルポート形成計画として持続可能な社会を目指しつつ、水素のサプライチェーンを構築しようという明確なビジョンがあります。
本市でもそのような中長期的な計画や目標、目指すところがありましたらお示しください。
また、この水素プロジェクトがどの程度脱炭素化やカーボンニュートラルに寄与するものと考えられているのか、お答えください。
 
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 森林環境譲与税についての御質問にお答えいたします。
 まず、福岡市の森林面積は約1万1,000ヘクタールで、このうち花粉を多く発生させる林齢31年生以上の杉、ヒノキ人工林約4,600ヘクタールを花粉発生源対策の対象としております。
 次に、国の推進計画につきましては、喫緊の課題である花粉発生源に対する総合的な対策が示されており、大変重要であると考えております。福岡市といたしましては、今後10年間で杉、ヒノキ人工林の2割削減を目指し、令和6年度から伐採規模の拡大とクヌギやヤマザクラなど広葉樹を中心に植え替えを進めるとともに、伐採した地域産材の利用拡大に取り組んでまいります。
 次に、福岡市における林業従事者数につきましては、直近の令和2年国勢調査によりますと、99人となっております。また、従事者の確保につきましては、福岡県が実施しております就業相談会や研修への参加促進に連携して取り組むとともに、多様な担い手を育成するため、ボランティアや地域住民による森林保全活動への支援や市民向けチェーンソー講習会などを実施しております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 水素リーダー都市プロジェクトについての御質問にお答えいたします。
 プロジェクトでは、これまで下水バイオガス水素ステーションを世界で初めて開設し運営しているほか、災害時に避難所などで非常用電源としても活用できる大型のバス、Moving eや、給食配送車、ごみ収集車といった燃料電池車両を他都市に先駆けて導入するなど、先進的な取組を実施してきておりまして、ごみ収集車については、他の自治体も導入を決定するなど、福岡市の取組が徐々に広がってきていることを実感しております。
 次に、プロジェクトの中期的な計画や目標、脱炭素への寄与については、全国的に見た燃料電池自動車や水素ステーションの普及状況などについて、国の目標と実績が乖離しているといった現状等を鑑み、具体的な数値等を含む計画や目標などは定めておりません。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 和田あきひこ議員。
○33番(和田あきひこ) 3問目に入ります。
 森林環境譲与税に関しまして、花粉発生源対策としての目標や計画について分かりました。杉やヒノキの人工林がクヌギやヤマザクラなどの広葉樹に変わるということは、生物の多様性の観点や水源涵養力の強化の観点からも非常によい取組かと思います。しかし、伐採対象人工林の面積が4,600ヘクタールであり、その2割、920ヘクタールを10年間で伐採する必要があるということでございますが、新年度の事業内容を拝見すると、令和6年度は80ヘクタールの伐採ということでございます。御答弁いただいたように、現在、本市における林業の従事者は99名でございます。また、担い手の育成について多様な取組を通して森林に興味を持ってもらう取組は、将来に向けた担い手育成として一定程度評価できますが、林業従事者の確保は喫緊の課題ではないでしょうか。県のように専門の林業職が実施することが最も効果的だと思いますが、難しいのが現状でございます。
 そこで、他の政令市を見てみますと、相模原市では市独自で林業従事者の確保、育成に向けた資格取得費や機械購入費等の支援を行っているようでございます。本市も相模原市のように独自に林業従事者を確保するための支援を行うほうが、より人材の確保につながると考えます。
 また、花粉発生源対策として年間90ヘクタール以上伐採していかなければならないのであれば、単純計算して1人が抱える面積は年間約0.9ヘクタールとなりますが、林野庁は主伐、間伐の生産性は1日1人当たり主伐であれば11立方メートル、間伐であれば8立方メートルを目安としております。仮に平均的な山でシミュレーションしてみますと、1ヘクタール当たりの木の本数は約3,000本ということでございますので、これを基に考えてみたいと思います。また、平均的な50年杉だとしますと、1本の体積は約0.64立方メートルとなり、これを基に何の問題もなく効率よく進んだと仮定して計算しますと、主伐であれば約160日、間伐であれば3分の2を伐採するとして約150日という計算結果になりました。数字だけ見てみますと、余裕を持って実現可能かと思いますが、しかし、実際には自然を相手に作業しますので、雪や雨といった天候や台風の影響で作業ができなかったり、体調を崩したりと計算上のようにうまくいきません。さらに、これにプラス植え替えの作業まで加わってまいりますので、本市の現状の林業従事者の人数ではなかなか難しいものがあるかと思います。
 本市のみならず、第1次産業である林業従事者は、国や県単位でも減少の一途をたどっており、また、山の斜面での仕事は他の産業と比較してけがが多いということで、敬遠されがちな産業分野であると聞いております。森林組合の方などにお伺いしてみますと、就職相談会などに興味を持って若い方が来られるが、採用してもなかなか定着しないとおっしゃっておりました。本市における林業従事者の99名という数字は、令和2年度の国勢調査によると、本市全体の就業者のうち0.01%となっており、今にも消えていってしまいそうな数値でございます。今後の森林業界のためにも、また本市の花粉発生源対策の目標達成のためにも、しっかりと人材確保に向け取り組んでいただきたいと思いますが、そこで森林環境譲与税の活用でございます。
 先ほど述べさせていただきましたが、森林環境譲与税の使途として、市町村は森林の整備を担うべき人材の育成及び確保に使用することが可能でございます。林野庁のホームページを拝見いたしましたが、森林環境譲与税の人材確保、育成における好事例集がありましたので、幾つか御紹介させていただきます。
 高知県仁淀川町では、林業研修制度による担い手の確保を行っており、実際の現場で間伐や再造林等の作業を行う実践研修制度を創設し、1年間の研修を行い、林業への就職を促す取組を行ったそうです。実績としては8名が研修を受け4名が町内の林業事業体へ就業したとのことでございました。また、事業費は約2,500万円であり、全額森林環境譲与税で賄っており、研修用資機材や家賃補助、人件費等に充てられたとのことです。工夫した点として記載があったのは、町が林業事業体と一緒になって取り組むことで、林業に従事することへの不安を少しでも和らげるようにしたとのことでした。直接雇用につながった非常によい事例だと思います。
 また一方で、福井県坂井市の取組では、森や林業の魅力を学べる体験や講座を開講し、森の仕事体験を通じて、森林保全の必要性や林業への理解と将来的な担い手の育成を図るために、市内に住む小学生以上の親子に丸太切りやまき割りなど様々な体験をしてもらい、自然に興味を持ってもらうことで、林業の必要性や林業への理解を深めているとありました。事業費は約120万円で、これも全額森林環境譲与税で賄っており、100名を超える親子の参加があり、アンケート結果から大変好評であったことから事業の拡充を検討しているとの記載がありました。拡充を考えるほどの好評ぶりは将来の担い手確保のための非常によい施策だと感じました。
 ほかにもたくさんの成功好事例があり、非常に参考になるものでございました。各自治体の状況や林業の状況など、様々な地域特有の事情があるため、本市にそのまま落とし込めば成功するとは思ってはおりませんが、私が言いたいのは、人材確保に使える森林環境譲与税を林業従事者の人材確保に有効に活用すべきではないかということを指摘したいのです。
 農林水産局の令和6年度当初予算の事業概要を拝見したところ、担い手の確保や育成支援として農業分野、水産業分野ともに担い手の確保に向けた具体の支援策が令和6年度予算として打ち出されていますが、林業分野においても林業従事者の確保についてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 様々申し上げましたが、第1次産業は放っておいても発展する産業分野ではありません。だからこそ、行政が支援していかないといけない分野であると私は感じます。最後に、本市における林業従事者の人材確保に向けた市の所見をお伺いいたします。
 水素リーダー都市プロジェクトについてです。
 確かに下水由来の水素ステーションの運営や給食配送車などのFC車両の導入が国内初で進められているのは大変評価できるものだと思いますが、やはり目指すビジョンに基づいた計画等がないのは評価できないところでありますし、せっかくよい事業をやっているのにとてももったいなさを感じます。
 水素は様々な可能性を秘めているものと私は思っております。例えば、三菱重工は早くから水素ビジネスに着目し、国内外に多くの水素供給プラントなどを造っておりますし、川崎重工も「はこぶ」をテーマに世界初の液体水素を運ぶタンカーを建造しております。また、本市も神戸市の神戸港のように、博多港の強みを生かし、様々な企業とタッグを組んで水素の製造、供給を行うことができれば、イニシアチブを取れ、リーダーにふさわしい水素都市を目指せますし、多くの雇用が生まれるものと考えております。また、Moving eのように、災害時には非常用電源にも使えます。警固断層が玄界灘から博多湾を経て、福岡平野にかけてほぼ北西から南東に延びており、本市もいつ災害に遭うか分かりません。そういった非常事態時にも水素にエネルギーを分散しておけば、充電が必要なバッテリーと違い、エネルギーの安定供給が可能となります。一部を例示させていただきましたが、このように水素にはまだまだたくさんの可能性が秘められていると私は考えます。
 今回、この水素リーダー都市プロジェクトを取り上げるに当たって、他都市の状況や世界の国々の動向をたくさん学ばせていただきました。水素は確かに技術的に扱い方が難しく、まだまだ成長途中の分野でもあります。だからこそ、ブルーオーシャンであり、世界がこぞって取り組んでいる技術分野でもあるのです。
 水素はよく鶏と卵の話で例えられますが、消費者はインフラが整っていないから燃料電池自動車はまだまだ導入できないと言います。一方で、インフラ事業者においては、消費者や水素消費量が採算ベースにないから参入や導入はできないと言います。これではいつまでたっても水素社会は実現できません。しかし、エネルギーの安定供給と脱炭素社会の両立を目指す上で、水素は非常に重要なキーテクノロジーとなってくることは間違いありません。
 また、国においても、本年の2月13日の閣議で、脱炭素社会の実現に向け、水素エネルギーの普及拡大を目指す水素社会推進法案が閣議決定されたとのニュースがありました。国も本腰を上げて脱炭素社会、そして水素社会実現に向けて進み始めています。さらに、福岡県も水素事業を進めておりますし、九州大学にも専門の研究室があると聞いております。そういったことを総合的に踏まえると、本市はこのプロジェクトを進めていく上で非常に恵まれている状況だと感じます。そこで本市が音頭を取って産官学で連携し、水素リーダーにふさわしい都市となれるよう、ぜひ応援していきたいと思っております。
 しかし、先ほど御答弁いただいたように、中長期的な目標や計画はないということでございました。それでは行き当たりばったりとなってしまい、せっかく市民の皆様からお預かりした貴重な財源を浪費するだけとなってしまいますし、ほかから見たときに何をしていきたいのかよく分かりません。
そうならないためにも、しっかりと今後の目標や計画を作成し、事業に取り組んでいただくとともに、今行っている取組の方向性を市民に分かりやすく伝えていくべきだと思いますが、本市の御所見をお伺いいたします。
 また、島市長におかれましては、先日の市政運営方針の中でも、新しい価値の創造にチャレンジするスタートアップ都市づくり分野において、水素リーダー都市プロジェクトに力を入れて取り組まれるとおっしゃっていましたが、最後に、市長に今後の水素社会実現に向けてのお考えをお伺いし、私の補足質疑を終了いたします。
 
○議長(打越基安) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 森林環境譲与税についての御質問にお答えいたします。
 花粉発生源対策の推進や資源の循環利用による脱炭素社会の実現など、林業を取り巻く環境は大きく変化しておりまして、従事者の確保は重要な課題だと認識しております。このため、引き続き県の就業相談会などへの参加を促進しますとともに、担い手である森林組合などの意見を十分に伺いながら、効果的な支援策について検討を行うなど、従事者の確保に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 水素リーダー都市プロジェクトについての御質問にお答えいたします。
 水素エネルギーの活用に向けた目標や計画の作成につきましては、水素社会推進法案が国会において審議されているところであり、国の動向も踏まえながら研究してまいります。市民への周知については、水素社会の実現を目指していく上でプロジェクトの取組などを市民に理解いただくことは重要であると考えており、これまでイベントやホームページなどで周知を行ってきたところでございますが、より分かりやすく伝えられるよう努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 水素は様々なエネルギー源からつくることができ、利用時にCOを排出しないことから、カーボンニュートラルに向けた鍵となるエネルギーとして、今後、幅広い分野での活用が期待をされています。また、現在、水素社会への歩みは技術開発から商用への移行を迎えた段階でありまして、行政が率先をして民間と連携をしながら、水素の安定的な供給と、また需要の創出に向けて取り組む時期であると考えております。福岡市はサービス産業などの第3次産業が9割を占め、家庭、業務、自動車といった市民に身近な分野でのCO排出割合が8割以上を占める都市であり、今後とも、都市の特性に合わせて、市民に身近な部門への水素の実装を進め、水素社会の実現に向けて需要と供給の拡大に取り組んでまいります。
 また、ちょうど今日この後、午前中の議会が終わった後なんですけれども、市役所1階広場で、日本で最初となります、水素で走るごみ収集車の導入、それからこれも日本初の救急車の実証の会見、発表をトヨタ自動車と一緒に行います。それぞれ海外の中でも、スウェーデン、それからイギリスでしかほとんど実証されていないようなものですので、ぜひそうしたものにも参加していただければと思います。以上です。
 
○議長(打越基安) 石本優子議員。
○18番(石本優子)登壇 初めに、本年元旦に発災した能登半島地震により犠牲となられた方々に哀悼の意を表するとともに、御遺族や被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。また、震災直後からこれまでに、そして今でも現地に赴き、支援してくださっている福岡市の職員の皆様に感謝を申し上げます。一日も早い復興をお祈りいたします。
 私は公明党福岡市議団を代表し、大石修二議員の代表質疑を補足し、私たちの身近な公園の維持管理について、働きやすい環境整備支援について、誤嚥性肺炎ゼロに向けた施策について、以上3項目質問いたします。
 初めに、私たちの身近な公園の維持管理について伺います。
 先日、地域の80代の方から、「自宅近所にある公園を草むしりしてもすぐにまた生えてくる。清掃作業も大変だ。自分も年だからいつまでできるか分からない」と、公園の管理について心配されているお話を伺いました。本市には身近な公園からパークPFIを導入するような大きな公園までたくさんの公園が存在しています。私たちにとって公園とは老若男女問わず、市民の憩いの場であり、運動の場でもあり、子どもの成長発達のための大事な場でもあります。これまでに我が会派の尾花議員も公園の管理について質問してまいりましたが、少子・高齢化の進展やコミュニティの希薄化などの課題が見えているのではないかと感じています。
 まず、公園の果たす役割、また、令和6年度の公園の維持管理に関する予算額についてお尋ねいたします。
公園の基本的な維持管理は、市の委託業者が実施されていますが、これに加えて地域のボランティアとして結成されている公園愛護会が除草や清掃などの維持管理活動に自発的に協力し、大きく貢献されています。
 そこでお尋ねいたしますが、公園愛護会の活動内容と報償費などの基本的な仕組み、愛護会が存在することによって、公園の管理上、どのような効果が期待されるか、また愛護会に関して把握されている地域の声をお伺いします。
 次に、コロナ前の令和元年度と直近の令和4年度における福岡市の所管する公園の数及び、そのうち愛護会のある公園の数、愛護会の活動団体数と、やむなく解散した団体数の推移、併せて解散の主な理由をお伺いいたします。さらに、愛護会として活動されている団体には地域の自治会や町内会以外の団体もあるのか、お伺いします。
 公園の維持については、平成29年度からスタートしているコミュニティパーク事業もありますが、事業の概要と現在の導入件数、また導入した地域からの声をお尋ねいたします。
 次に、働きやすい環境整備支援について伺います。
 本日3月8日は国連が定める国際女性デーであることを皆さん御存じでしょうか。全ての女性が自らの個性と能力を最大限に発揮し、その可能性を実現することができるよう、社会全体でジェンダー平等に取り組んでいこうとうたわれております。人口が減少する日本では女性を労働力として十分に活用できなければ人手不足が深刻化すると各種報道で言われております。
 そこで、働きやすい職場環境整備のために、企業側への支援、そして女性を含む労働者への支援について、本市の状況を伺います。
 人口増加が続く本市でも少子・高齢化は進んでおり、今後、労働人口減少の深刻化が懸念されますが、まず、市内の企業における人手不足の状況を本市はどのように把握しているのか、お伺いします。また、2024年問題でより深刻になると言われている建設業や運輸業についてはどのような状況か、併せてお尋ねいたします。
 人手不足を解消するためには、新しい働き手を増やすことと1人当たりの生産性を上げることが重要になります。
そこで、本市では働き手の確保と生産性の向上をどのように支援しているのか、具体的な取組内容と令和4年度から6年度までの当初予算額の推移をお尋ねします。
 また、新しい働き手を増やしていくためには、労働日数や労働時間の短縮など、フレキシブルな労働条件を生み出し、労働力の多様化を進め、特に女性の活躍を推進することが期待されます。
そこで、本市における15歳以上の女性が働く割合、また、そのうち人手不足が特に懸念される建設業及び運輸業における割合をお尋ねします。
 さらに、企業における女性活躍に向けた本市の具体的な取組内容と令和4年度から6年度までの当初予算額の推移をお尋ねいたします。
 次に、誤嚥性肺炎ゼロに向けた施策についてです。
 皆さんは誤嚥性肺炎という言葉を聞いたことがありますか。この誤嚥性肺炎とは、加齢により飲み込みにくくなったり、むせ込むことが多くなったり、間違って気管に食べ物が入ってしまったときにせきする力も弱くなってしまい、細菌やウイルスが入り込んで肺炎を起こしてしまう病気のことを言います。能登の避難所でも、ストレスがたまったり、会話をあまりせずに口を動かさない状態が続いていると、口の中が乾燥して細菌が繁殖しやすく、誤嚥性肺炎のリスクが高まるとのことでした。今、歯科医師会も被災地の避難所を回ってくださっています。近年、超高齢化が進み、介護保険施設では介護度が重い方が入所されておりますので、特に誤嚥性肺炎が多いと考えられ、高齢者の死因の上位に上がってくる現状にあります。そこで、厚生労働省から令和3年度より、施設において口腔ケアを行っていくことが努力義務化されました。
 スライド1枚目をお願いいたします。(資料投影)口腔ケアとは、口腔内の歯や粘膜、舌などの汚れを取り除く口腔ケアと、歯茎や頬を刺激して唾液を出しやすくさせ、口の中を潤し、飲み込む力を回復させるようなマッサージなどのケアがあります。このスライドは本市の要介護高齢者の口腔ケアマニュアルの一部です。スライドにあるように、施設では自分でうがいができない方が多いため、一番右側にあるスポンジブラシなどを使って刺激をしたり、マッサージをしたりしております。ある特別養護老人ホームでは、食後の3回だけでなく、週に1回、介護職員により、先ほどお話ししたこのスポンジブラシで口の中をしっかり刺激したり、あと歯茎とか頬を刺激して潤すようにして、口腔ケアを入所者全員に実施をしております。入院する方が40%減少し、概算ではありますが、医療費の削減につながるような成果を上げておりました。投影を終了してください。
 先ほどお話ししたように、厚生労働省による制度改正で、施設での口腔ケアが努力義務化されましたが、全施設でこうした口腔ケア、口腔衛生管理体制が整っていない現状にあることも伺っております。また、本年4月からは、さらに口腔ケアの実施が努力義務から義務化に変わります。
 そこで、本市の介護施設における口腔ケアの現状と義務化に向けた今後の取組について伺います。
 まず、福岡市内における高齢人口と総人口に占める割合、要支援を含めた要介護認定を受けた方の実数、令和2年度から4年度までの介護保険の給付費の実績、福岡市の人口がピークを迎えると予測される2040年の要介護認定者数と給付費の見込みについてお示しください。
さらに、施設における口腔ケアが義務化されることでの変更点をお示しください。
現在の介護保険施設で、介護職員による口腔ケアを取り入れている施設数、取り入れていない施設数をお示しください。
また、施設において口腔ケアを取り入れる上で課題となっていることがあれば、お示しください。
 以上で1回目を終了し、2回目以降は自席にて行います。
 
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 身近な公園の維持管理についての御質問にお答えします。
 まず、都市公園の果たす役割につきましては、国土交通省の都市公園法運用指針において、人々のレクリエーションの空間となるほか、良好な都市景観の形成、都市環境の改善、都市の防災性の向上、生物多様性の確保、豊かな地域づくりに資する交流の空間などと示されております。また、令和6年度の公園の維持管理に関する予算額につきましては、29億2,732万円余となっております。
 次に、公園愛護会につきましては、公園において除草や清掃等の維持管理活動を自発的に行っていただいている団体であり、その活動内容といたしましては、清掃や除草等の基本活動と、機械による除草やトイレ清掃などから選択できる選択活動がございます。福岡市ではこの活動を支援するため報償費をお支払いしておりまして、金額につきましては、基本活動は活動面積に応じて年額2万8,000円から4万2,000円、選択活動は面積や活動内容に応じて、中低木の刈り込みに対しては年額3,000円から2万3,000円、機械式の除草に対しては年額3万円から6万5,000円、トイレの清掃に対しては年額5万円もしくは10万円となっております。公園愛護会があることで、公園の管理上期待される効果につきましては、地域などによる管理が加わることで除草等の回数が増え、より公園がきれいになるとともに、多くの方に公園に対する関心や愛着を持っていただけることなどがございます。また、地域からの声につきましては、公園を利用される際のマナーが向上したなどの声をいただいております。
 次に、福岡市の所管する公園数につきましては、令和元年度が1,680公園、4年度が1,691公園、公園愛護会のある公園数につきましては、元年度が1,296公園、4年度が1,301公園、活動団体数につきましては、元年度が1,397団体、4年度が1,415団体、解散した団体数につきましては、元年度が12団体、4年度が23団体となっております。公園愛護会の解散の主な理由につきましては、活動に人が集まらないことや担い手の高齢化などとなっております。
 公園愛護会として活動されている団体につきましては、町内会や自治会等が活動母体となっているもののほか、近隣の保育園や企業、さらには公園を利用されているスポーツチームなどにも活動の母体となっていただいている公園愛護会もございます。
 最後に、コミュニティパーク事業につきましては、自治会等が設置した運営委員会と協定を締結し、身近な公園において、地域が主体となった利用ルールづくりや自律的な管理運営を行うことで、使いやすい魅力的な公園づくりとコミュニティの活性化を目指す事業でございます。導入件数につきましては、令和5年度に新たに1つの公園で開始され、現在7つの公園で実施されております。これらの公園では、公園に多くの人が集まるようになったでありますとか、公園での様々な活動に参加することで大切に利用する意識が高まったなどの声が地域から寄せられております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 働きやすい環境整備支援についての御質問にお答えいたします。
 まず、市内企業の人手不足の状況につきましては、福岡労働局が公表する雇用情勢や福岡市が実施する中小企業振興に関するアンケート調査などにより把握に努めているところでございます。次に、建設業や運輸業の状況については、福岡労働局の資料によりますと、令和6年1月時点の福岡地域の職業別有効求人倍率は、建設、採掘で約5.7倍、輸送、機械運転で約2.9倍で1倍を大きく超えている状況となっております。また、令和5年4月に市が行ったアンケート調査では、今後の事業展開における課題への問いに対しまして、最も多い52.7%の事業者が人材確保を上げる中で、建設業は66.7%、運輸業は78.7%の事業者が課題としており、より人手不足感が高い回答となっております。
 最後に、働き手の確保と生産性向上の支援につきましては、中小企業サポートセンターでの相談や企業と求職者とのマッチング機会の提供により人材の確保を支援するとともに、企業間取引などのデジタル化による生産性向上の促進に取り組んでおりまして、その当初予算額は令和4年度が3,164万8,000円、5年度が3,284万4,000円で、6年度は3,118万7,000円をお願いしております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 働きやすい環境整備支援についての御質問にお答えをいたします。
 令和4年の就業構造基本調査によりますと、福岡市における15歳以上の女性の有業率は56.8%、また、15歳以上の女性の有業者に占める建設業の割合は3.5%、運輸業、郵便業の割合は2.4%となっております。
 次に、企業における女性活躍に向けた取組につきましては、ふくおか女性活躍NEXT企業見える化サイトによる女性活躍の取組の見える化の推進、男性の育児休業取得促進に向けた啓発や支援、また、女性特有の健康課題等と仕事の両立支援などに取り組んでおります。また、女性活躍推進事業の当初予算額につきましては、令和4年度が1,002万4,000円、5年度が1,616万6,000円、6年度が2,603万7,000円となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 誤嚥性肺炎ゼロに向けた施策についての御質問にお答えいたします。
 まず、本市の高齢者人口は令和6年1月末現在35万5,694人で、総人口に占める割合は22.3%、要介護認定者数は7万3,348人であり、介護保険の給付費は、直近3年間の実績で令和2年度が985億2,600万円余、3年度が1,023億1,000万円余、4年度が1,043億7,200万円余となっております。また、2040年の見込みにつきましては、要介護認定者数は11万1,440人と推計しており、要介護認定者数の増加に伴い、給付費も増加するものと考えております。
 次に、口腔ケアの義務化による変更点につきましては、特別養護老人ホームなどの介護保険施設において、口腔衛生の管理に係る計画の作成や、歯科医師や歯科衛生士による介護職員への年2回以上の助言、指導などが必要となります。
 次に、口腔ケアを取り入れている施設数等につきましては、口腔ケアが義務化される126施設を対象に、令和6年2月に実施した調査によりますと、回答があった106施設のうち約65%に当たる69施設が既に口腔ケアを実施しており、残る37施設は3月末までに実施予定となっております。
 次に、口腔ケアを取り入れる上での課題につきましては、施設からは、口腔衛生の管理に係る計画の作成が難しい、歯科医師等の助言を受けることが難しいなどの声を聞いております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 2回目に入ります。
 私たちの身近な公園の維持管理は、御答弁いただいたとおり、公園の大きさや活動内容によって報償費の違いがあることも理解をいたしました。市内の公園のうち約8割の公園で愛護会が活動をしてくださっております。身近な公園を大切に思い、行動してくださる公園愛護会は、担い手の高齢化や活動に人が集まらないなどでやむなく解散に至ってしまう事例もありますが、とても大事にしていきたい、かけがえのない存在であります。さきの80代の方も、公園に集まってくる近所の人たち、そして子どもたちのために、大変だがそれでも頑張りたい、そうおっしゃっておりました。本当に感謝でいっぱいになりました。
 そこで提案ですが、高齢の方だけでなく、若い方々にも公園維持について一緒に協力いただけるよう啓発するとともに、今、様々なところでスマホでのポイント事業が行われています。令和6年度からモデル的に導入される予定の本市の地域ポイント事業の対象に、この公園の維持管理を加えることを検討してはどうかと考えますが、御所見を伺います。
 そして、人手不足の課題を踏まえ、除草や清掃などを少人数でも効率よく作業ができるような支援も必要かと考えます。スライド2枚目をお願いいたします。(資料投影)これはブロワーや草刈り機の写真であります。
ブロワーとは落ち葉集めのために風を起こすもので、この草刈り機も含めて、掃除用具を各区役所から貸出しをしていると伺いました。しかし、知らない団体もいるので、積極的に周知を図り、愛護会の方々が使いやすいよう貸出しの支援を広げ、効率よく掃除ができるよう支援いただきたいと考えますが、御所見を伺います。投影を終了してください。
 コミュニティパーク事業は、御説明のとおり、愛護会よりもさらに深く地域が関わり、持続可能な管理運営を行政と地域で担っていく事業であります。スライド3枚目をお願いいたします。(資料表示)早良区の田隈中公園は、この事業を取り入れ、地域の集まりの場になっております。毎日、子どもから大人までいろんな方が集まり、まちづくりと地域活性化につながっています。スライド4枚目をお願いいたします。(資料投影)この写真のように、秋にはマルシェを開催するなど、一日中にぎわっていらっしゃいました。公園周辺、町内会の絆が形成をされております。また、より公園を活用するためにどうしたらいいか、再整備の計画に当たり、トイレの洋式化や子どもが多かったときはテニスコートとして活用されていたものを地域の高齢化も踏まえ、健康器具の設置を検討するなど、公園について地域で考える機会にもつながっております。
 そこで提案ですが、コミュニティパーク事業のさらなる周知を積極的に行い、ぜひともこの事業を拡大していただきたいと考えますが、御所見を伺います。投影を終了してください。
 また、愛護会が維持管理に困った際やコミュニティパーク事業の導入後の相談などに、これまで以上に地域に寄り添い、地域ごとにニーズを捉え、公園の管理を共に進めていただきたいと思いますが、御所見を伺います。
 公園の維持管理には今後のことを踏まえると、まだ予算が必要なのではないでしょうか。高齢化や参加者の減少などにより、地域では公園愛護会の活動を続けていくのも大変な状況であります。それぞれ草木の量も違えば、トイレの有無など状況は違うかと思います。真夏の愛護会の活動は熱中症の危険すらあります。
例えば、年間計画の中で委託業者が入る回数をフレキシブルに増やすなど、地域の頑張りだけでなく、今以上に維持管理を充実するための予算の増額などできないでしょうか、御所見を伺います。
 次に、働きやすい環境整備についてです。
 御答弁にもありましたが、全体でも52%の企業が人手不足を強く感じていることがうかがえますが、建設業66%、運輸業では78%とかなり問題が深刻であります。働く女性の割合は全体の56%である中で、特に女性労働者が少ない運輸業、郵便業においては2.4%とかなり女性が少ないことがうかがえます。昨年より運輸業の団体の方々から、2024年問題への対策が待ったなしであり、女性ドライバーを増やしたいとの相談をいただきました。女性が働きやすいようにトイレの改修や更衣室の設置など、改修費用の助成をしていただけないかとのお話でありました。
 新潟市のあるタクシー会社では、女性が働きやすい職場として、まごころタクシーとして女性専用運転手車両を整備されていました。女性ならではのデリケートな事情を抱えたお客様にも安心して御利用いただけるよう、女性ドライバーの雇用を増やし、お子様の体調不良時にも休みやすい環境をつくっていました。新潟市のような取組は大変有益だと思います。
 先日、福岡県においては、女性や外国人労働に関する環境整備費を措置するとの報道がありましたが、本市においても、地域公共交通であるバスやタクシーについて、事業者の環境整備に対する助成金を導入するなど、人材確保に向けた取組を拡充すべきだと思いますが、御所見を伺います。
 人手不足解消に向けて、企業からの相談対応や会社説明会の開催、デジタル化の支援などに取り組まれているとのことでした。デジタル化で効率よく仕事ができることは一人一人の生産性向上には有意義であると感じます。
市内企業におけるデジタル化の進捗状況をお伺いいたします。また、今後リモートワークなどのオンライン就労など多様な働き方の観点からも、女性も働きやすい環境に向けてデジタル活用が効果的と思いますが、デジタルによる生産性向上にどのように取り組まれるのか、令和6年度の具体的な取組内容と予算額をお伺いいたします。
 女性活躍や働きやすい職場環境づくりに向けて取り組んでいただいている内容として、女性活躍の見える化推進、そして男性の育児休業取得により、共に家事、育児を分担していくことは働く女性の環境整備に重要な一つと考えます。
育児・介護休業法が改正され、男性が育児休業を取得しやすい環境整備が進められてはいますが、企業における男性の育児休暇取得促進に向けた本市の取組についてお伺いします。
 取組内容のもう一つに、健康課題等と仕事の両立支援とありました。近年、女性が働きやすい環境づくりの一環として、月経や月経前に頭痛や腹痛などの症状が重いPMS、月経前症候群、更年期障害、女性特有の健康課題と仕事の両立への支援が注目をされています。福岡市では、令和4年度に健康課題等と仕事の両立に関する事業所等実態調査を実施されていますが、課題に上がったのは、1つ目は男女ともに健康課題への認知度が低いということでした。2つ目は、女性、男性ともに健康課題を抱えており、仕事のパフォーマンスの低下を感じている人の割合が約6割いらっしゃるにもかかわらず、その半数以上が病院を受診していないなど、ヘルスリテラシーが低いことが上がっていました。ヘルスリテラシーとは、健康や医療に関する正しい知識を入手し、理解して活用する能力のことを言います。
 スライド5枚目をお願いいたします。(資料投影)経済産業省が出している健康課題による社会全体の経済損失の試算結果を御覧ください。スライドにもあるとおり、月経随伴症状や不妊治療などで経済損失が出ております。男性にも症状がある更年期障害においては、損失額が女性は1.9兆円、男性の場合は1.2兆円と計算されております。パフォーマンスが低下することで生産性が下がったり、離職につながるなど、経済損失が高いことが分かります。
 先日、アミカスにてこの健康課題と仕事の両立に関する企業向けのセミナーに参加をさせていただきました。福岡市は健康課題に取り組む健康経営ができるよう、企業への啓発と、企業側が何をしたらよいか分からないという声に、スタートアップガイドの作成など、先進的に行っていることがよく分かりました。
 そこで提案ですが、健康課題等と仕事の両立やヘルスリテラシー向上に向けた企業への支援を効果検証も検討するなど、さらに強化していただきたいと思いますが、御所見を伺います。投影を終了してください。
 次に、誤嚥性肺炎ゼロに向けた施策についてです。
 御答弁では、高齢者人口は35万人以上で、全人口の22%の割合であり、高齢人口の約20%の方が介護認定を受けており、介護給付費も年々増加し、令和4年で1,043億円にも上っております。福岡市の人口がピークを迎えると見込まれる2040年には要介護認定者数は現在の約7万人から11万人まで増加するとのことでした。ますます口腔ケアを徹底して、誤嚥性肺炎を予防することがとても重要になってきます。口腔ケアの体制が整っている施設は約7割で、現在はまだできていないが4月までに整えるという施設が約3割であると回答されました。
 口腔衛生の管理に係る要件は、入所者の口腔内を一人一人アセスメントし、計画を策定していかなくてはなりません。歯科医師や歯科衛生士からも研修を受け、介護職員の知識、技術の向上も必要です。しかし、現場からは、この計画策定が難しい、そして、歯科医師の助言を受けることが難しいという声があるとのことでした。
 そこで提案なのですが、口腔ケアを取り入れていない施設に関しては、歯科医師会の紹介などの支援や対策を強化していただきたいと考えますが、御所見を伺います。
また、一人一人の計画策定においては、介護職員や歯科医師、歯科衛生士など誰が見ても分かりやすいアセスメント票、OHATの導入などを推進して、施設側の困っていることに対して丁寧に寄り添い、口腔ケア導入に向けて支援いただきたいと思いますが、御所見を伺います。
 そして、現在、高齢の方には施設に入所しているだけでなく、4万6,000人を超える方が在宅で介護サービスを受けながら生活をしていらっしゃいます。今回、施設系サービス入所中の方のみが口腔ケアの義務化対象であります。しかし、在宅にいらっしゃる介護サービスを受けている方も、受けていない一般の方も、口腔ケアを実施することで誤嚥性肺炎を予防すべきではないでしょうか。
本市は、在宅で介護サービスを利用している高齢者には口腔内改善のためにどのような施策を行っているのか。あわせて要介護認定を受けていない高齢者向けの施策をさらに進めていただきたいと思いますが、御所見を伺います。
 以上で2回目の質問を終わります。
 
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 身近な公園の維持管理についての御質問にお答えいたします。
 まず、地域ポイント事業につきましては、今後、モデル校区において実証がスタートするため、関係局と連携して検討を行ってまいります。
 次に、草刈り機やブロワー等の掃除用具の貸出しにつきましては、平成28年度から南区において行っており、現在では全ての区にその取組を広げております。今後、公園愛護会の方々に、より御利用いただけるよう、さらなる周知を図ってまいります。
 次に、コミュニティパーク事業につきましては、地域にとって使いやすい公園づくりやコミュニティの活性化につながる事業であると認識しております。事業の周知や様々な機会を捉えた提案など積極的に情報発信に取り組み、興味を示された地域に対しては、本市職員によるサポートやアドバイザー派遣など、円滑に事業が進むよう、きめ細やかな支援を実施してまいります。
 次に、公園愛護会などからの維持管理に関する相談につきましては、職員が現地に向かい、直接お話をお伺いするようにしております。また、コミュニティパーク事業に取り組んでおられる地域では、毎年、全ての運営委員会に対して取組状況などについてヒアリングを実施しております。このような様々なルートでいただいた地域の声にしっかり寄り添いながら、地域に親しまれる魅力的な公園づくりに取り組んでまいります。
 次に、市による維持管理につきましては、除草や樹木の剪定、遊具などの施設点検、修繕、トイレ清掃、ごみ回収など様々な作業をそれぞれの公園や地域の実情に応じて行っております。また、維持管理予算につきましては、より一層の美観や機能の維持等を図るため、令和5年度は例年の予算に除草費用を増額いたしましたが、6年度は施設点検及び改修の費用をさらに増額して計上しております。今後とも、公園愛護会との連携に加えまして、必要な維持管理予算の確保に努めてまいります。
 最後に、働きやすい環境整備支援についての御質問にお答えします。
 バスやタクシーの人材確保に向けた取組についてのお尋ねでございますが、令和5年11月に福岡県により学識者、交通事業者、行政機関で構成される福岡県地域公共交通運転手不足問題検討会議が設置されており、福岡市も出席し、議論に参加しているところでございます。当該会議での議論も踏まえ、福岡県では令和6年度予算において、福岡市を含めた県内の事業者を対象に地域公共交通の人材確保に対する支援を行うと聞いております。福岡市としましても、福岡市タクシー協会が令和6年1月に開催したドライバー募集の合同説明会の周知に協力するなど、連携して取り組んでおります。引き続き、国、県、事業者などの関係者と連携して取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 働きやすい環境整備支援についての御質問にお答えいたします。
 市内企業のデジタル化の進捗状況については、市の中小企業振興に関するアンケート調査では、デジタル化に取り組んでいる企業の割合は、令和5年は50.2%で、また、企業間取引をデジタル化している企業の割合は、令和3年の46%から令和5年は83%となっており、デジタル化は着実に進んでいるものと認識しております。令和6年度につきましては、業務効率化や多様な働き方を推進していく観点から、経営層の意識改革を促すためのセミナーやデジタル化を推進する人材育成講座、専門家の伴走によるデジタル化の導入支援などに取り組むため、2,295万9,000円の予算をお願いしております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 働きやすい環境整備についてお答えをいたします。
 企業における男性の育児休業取得促進に向けた取組につきましては、育児休業の制度や先進的な取組などを紹介するセミナーの開催や、人事担当者を対象としたワークショップの開催によるアクションプランづくりの支援に取り組むとともに、具体的な取組を分かりやすくまとめた男性の育休取得の手引きの作成、周知に取り組んでおります。
 次に、企業における健康課題等と仕事の両立に向けた支援の強化につきましては、女性特有の健康課題等に関する理解促進に向けた研修や生活習慣の見直しなどの行動支援を実施し、その効果検証を行う伴走型支援に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 誤嚥性肺炎ゼロに向けた施策についての御質問にお答えいたします。
 まず、口腔ケアを取り入れていない施設につきましては、歯科医師会など関係する団体と連携しながら、適切に口腔ケアが行われるように支援するとともに、必要な指導を行ってまいります。
 次に、アセスメント票の導入等につきましては、国において、口腔アセスメントの簡易指標を示すことが検討されており、今後、各施設に対し必要な情報提供を行ってまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 誤嚥性肺炎ゼロに向けた在宅高齢者の口腔ケアにつきましては、要介護高齢者向けの施策として、口腔ケアについて学べる動画を作成し、通所介護事業所などの職員を対象に講習会を開催するとともに、口腔ケアマニュアルのリーフレットを配布いたしております。また、要介護認定を受けていない方に向けては、フレイル予防教室での歯科衛生士による指導や各種イベントにおいて口腔ケアの重要性を啓発しているところであり、引き続き口腔機能の維持向上に向け取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 3回目に入ります。
 私たちの身近な公園の維持管理についてです。
一人一花運動でまちに花と緑があふれてきたように、緑のまちづくりの一環として1,691の公園がさらに地域の憩いの場として自然と人が集まる、集まりたくなる場であってほしいと願います。愛護会の方々は愛着を持って地域の公園の維持管理に関わってくださっております。今の課題である協力者の高齢化や人材不足にも地域の要望に寄り添いながら、さらなる支援をお願いいたします。
 福岡市の第10次基本計画の改定とともに、緑の基本計画も改定の予定と伺っております。公園がより市民にとって身近で地域交流の空間としての役割を担えるように、公園愛護会に寄り添った対策をぜひ盛り込んでいただきたいと思います。
 最後に、福岡市緑の基本計画の改定を見据え、今後の私たちの身近な公園の維持管理について、島市長の御所見をお伺いし、この質問を終わります。
 働きやすい環境整備についてです。
 運輸業関係の団体への支援については、ハード面の改修助成など、引き続き検討をお願いいたします。また、市内企業の生産性向上、人手不足解消に向けては、相談体制の充実、施策の周知にしっかり取り組んでいただくとともに、伴走型のデジタル化支援と検証をお願いいたします。
 女性活躍については、調査で年齢25歳から44歳の働く女性の割合が78%まで上昇している結果が示されておりました。さらに働きやすい環境整備のために、男性の育児休暇の取得率向上、そしてヘルスリテラシーを踏まえた男女問わず健康課題と仕事の両立における支援を充実させるとともに、企業や労働者の伴走型支援と検証に努めていただきたいと思います。そして、これから育児や介護、さらに仕事を両立している方への支援の充実も併せてお願いいたします。
 最後に、市内企業における労働者全ての方が働きやすい環境整備に向けた支援の充実について、島市長の御所見を伺い、この質問を終わります。
 誤嚥性肺炎ゼロ施策についてです。
 本市は在宅でお過ごしの方にも口腔ケアに取り組んでいただいていることが分かりました。デイサービスやデイケア先でも口腔ケアに関する加算の算定もできるため、予防行動につながると思います。さらに、高齢者と同居する御家族にも要介護認定を受けていない方でも、市が発信している動画を見て、自宅で口腔ケアを行えるよう発信を続けていただけるよう要望いたします。また、答弁いただいた、口腔ケアの体制が整っていない施設にも導入に向けて十分に支援していただきたいと思います。
 本市では福岡100の取組の一環として、全世代へ向け口腔内の健康に働きかけをするオーラルケア28プロジェクトがあります。人生100年時代の到来を迎え、誰もが安心して住み続けられるまちとして、高齢者の方々も住み慣れたところで過ごしていただきたいと考えています。高齢者にとって口腔ケアを充実させることで誤嚥性肺炎も予防でき、食欲が増してくるなど、生活の質の向上にもつながります。高齢者だけでなく、全世代への口腔内の健康がさらに進んでいくことを願います。
 最後に、高齢の方の誤嚥性肺炎ゼロに向けての取組、そして全世代への口腔の健康への取組について、市長の意気込みを伺い、私からの補足質疑を終わります。
 
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 身近な公園の維持管理につきましては、職員による日常の管理や専門の業者への業務委託、また公園愛護会やコミュニティパーク事業といった地域や企業との共働など、様々な手法により取り組んでいるところでございます。持続的に公園の維持管理を行っていくためには、地域の皆様に、より公園に愛着を持っていただくこと、公園愛護活動の新たな担い手を確保していくことなどが重要と考えており、現在策定している緑の基本計画においても、地域や企業など様々な主体との共働を位置づけてまいります。今後とも、市民の皆様の声をお聞きし、身近な公園の管理運営にしっかりと取り組み、花と緑を通した共創のまちづくりを着実に進めてまいります。
 企業における働きやすい環境整備につきましては、人材確保や労働生産性の向上に寄与するだけでなく、ウエルビーイングの向上や女性の活躍推進にもつながるもので、大変重要であると認識をしております。福岡市ではこれまで、企業のデジタル化の促進による労働生産性の向上をはじめ、ウエルビーイングの向上や女性の活躍などに取り組む企業の見える化などにより、市内企業の働きやすい環境づくりを支援してきたところであります。今後とも、多様な人材が安心して働き、生き生きと活躍できるよう、働きやすい環境づくりにしっかりと取り組んでまいります。
 超高齢社会が進展する中、高齢者の死因の上位である誤嚥性肺炎の予防には、口腔ケアの取組を推進することが大変重要であると認識をしております。現在、福岡市では福岡100の取組として、福岡市歯科医師会をはじめとした関係機関と連携をして、オーラルケア28プロジェクトを実施しており、引き続き高齢者の口腔機能の維持向上など、乳幼児期から高齢期までのライフステージの特性に応じた歯と口の健康づくりに取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(打越基安) この際、暫時休憩いたします。
 午後は1時10分に再開いたします。
午前11時27分 休憩
午後1時10分 開議
○副議長(松野 隆) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を継続いたします。平畑雅博議員。
○26番(平畑雅博)登壇 私は、自由民主党福岡市議団、伊藤会長の代表質疑を補足して、清掃工場におけるごみの日曜日受入れについて、急患診療センターについて、小戸ヨットハーバーについて、警固公園地下駐車場とアジア美術館について、以上4点について質疑してまいります。
 最初に、清掃工場におけるごみの日曜日受入れについてです。
 清掃工場における自己搬入ごみの受入れについては、昨年度から日曜日に受入れが始まっていますが、1年たって頂いたチラシを見ると、3月、4月の区役所の臨時開庁日2日間で施設が2施設から5施設に広がっただけで、日曜日の拡大にはなっていませんでした。
以前から清掃工場は24時間365日稼働しているのに、なぜ日曜日の受入れをしないのか、受け入れるべきと要望していましたが、いまだ実現していません。
まず、他自治体で受入れをしているところはないのか、政令市の状況はどうか、お尋ねします。
また、福岡市が受入れしていない理由をお尋ねします。
 次に、急患診療センターについてです。
 福岡市立急患診療センターは、平日夜間、そして休日、祝日に対応していただける大変ありがたいセンターですが、コロナ禍では大変な混雑であったという話は聞いていました。
新型コロナウイルス感染症は昨年5月に感染症法上5類となりましたが、まず、昨年5月以降の急患診療センターの状況を伺います。
 今年の正月2日、私の家族の場合ですが、急患診療センターを受診して薬を頂いて帰るまでに6時間半という状況でありました。私は運転手で行きましたので、駐車場に入るのを並んで待っていましたが、患者が1人で運転して来ていたら、車を駐車場に止めて急患診療センターの受付に行くため、ここでまず時間がかかります。つまり、お母さんが車で小さい子どもを連れてきていても入庫するのに時間がかかるということです。さらに、患者が多いので受付するのにも時間がかかります。受付さえ済めば、自分の順番がスマートフォンで分かるので車の中での待機も可能ですし、実際そうしている方も多いようでした。
 そこで、駐車場に止めるのに時間がかかっていますが、どう対応されているのか、お尋ねします。
特に長期休業のゴールデンウイークやお盆、年末年始は大変と思います。また、働き方改革で規制緩和されていた医師の時間外上限規制は今年の4月から本格稼働します。
急患診療センターの医師は多くの病院の協力を得て派遣されていますが、医師や看護師の確保はどういう状況なのか、お尋ねします。
また、百道浜の急患診療センターのほかに、5つの区には市立の急患診療所もありますが、その状況はどうなっているのか、お尋ねします。
 次に、小戸ヨットハーバーについてお尋ねいたします。
 3年前、小戸ヨットハーバーの指定管理者の選定がありました。そのときに選定されたのが現在の管理者ですが、ほぼ丸写しのコピペの事業計画書を提出していました。当時、港湾空港局が度々視察に行っていた東京夢の島マリーナ、そして、そこを管理している会社の事業計画書をコピペで提出していて、それが分からなかった港湾空港局の不手際であったと思います。当時の港湾空港局長が、コピペでもいいので、事業計画書に書いていたことを全部実施すれば問題ないと考えていたため管理者となることができています。
 そこで、現在の管理者が当時いろいろと提案されていた事業計画について、現在の実施状況並びに利用者の声をお尋ねします。
また、指定管理者の適正な選定を推進するため、どのように改正されたのか、説明を求めます。
 次に、警固公園地下駐車場とアジア美術館についてお尋ねいたします。
 昨年12月議会で警固公園地下駐車場の廃止が報告され、まず、廃止の理由として入出庫する車と歩行者との交錯、満車時の入庫待ち渋滞が課題となっていること、さらに、経営上の課題として、NEXCO西日本から、設備が老朽化しているが、設備更新費用の回収が見込めないから撤退したいとの意思が表明され、福岡市は交通施策として都心部への自動車交通を削減、抑制している、以上のことで2年後廃止することに決めたとのことでした。
警固公園地下駐車場を廃止したら、逆にさらに天神周辺が渋滞するのではないかと心配していますが、NEXCO西日本からの撤退の申出はいつで、福岡市としてどう対応したのか、時系列でお示しください。
 また、天神地区の駐車実態調査をしたら、需給バランスは充足しているとのことでしたが、いつどのくらい調査をしたのか。
また、満空情報システムを開発、運用するとのことだが、費用並びに運用はいつを予定しているのか。また、どの程度の範囲を想定して、その域内に駐車場はどのくらいあって、そのうちどのくらいがシステムの対象なのか。
入出庫する車と人との交錯が課題とのことですが、市としてどのように対策してきたのか。私が12月に確認したら、交通誘導員1人で対応していました。歩行者との事故が心配なら、NEXCO西日本にせめて土日だけでも交通誘導員の増員を要望したことはないのか、しても対応してくれなかったのか、お尋ねします。
 さらに、NEXCO西日本が支払っている公園占用料は幾らか。
老朽化とのことですが、設備更新費はどのくらいかかると言っているのか、説明を求めます。
 以上で1問目の質問を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○副議長(松野 隆) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 清掃工場でのごみの日曜日受入れに関する御質問にお答えいたします。
 政令市でごみの受入れを毎日行っているのは堺市と北九州市の2都市でございます。なお、北九州市につきましては、6施設のうち3施設で日曜日の受入れ時間を早朝及び夕方に限定して行われております。
 次に、日曜日の受入れを行っていない理由につきましては、福岡市の清掃工場では、夜間も定期収集によるごみの受入れを行っていることから、ごみの受入れを行っている時間帯には実施できない計量設備などの定期メンテナンスや、機器故障時の修理などに充てる時間を確保するためでございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 急患診療センターに関する御質問にお答えをいたします。
 新型コロナウイルス感染症の5類移行後の対応につきましては、感染防止対策を講じながら、コロナ前と同様に平常どおりの急患診療体制を取っておりますが、インフルエンザをはじめとした感染症の感染拡大もあり、年末年始などは混雑が生じております。
 次に、急患診療センターの駐車場につきましては、混雑により駐車場に入るのに時間がかかってしまう状況が生じていることは認識いたしております。そのため、ゴールデンウイークや年末年始など混雑することが見込まれる時期には駐車場誘導員を増員するとともに、市博物館などの周辺の駐車場を借り上げて対応いたしております。引き続き、混雑解消に向けた対策に取り組むとともに、患者の待ち時間の短縮につながる仕組みを検討したいと考えております。
 次に、医師や看護師の確保につきましては、令和6年度から医師の働き方改革に伴い、時間外労働の上限規制などが適用されることから、医師の確保についてはさらに困難となることが予想されておりますが、急患診療センターにおいては、関係医療機関の協力の下、現時点ではこれまでどおりの診療体制を確保できております。特にゴールデンウイークや年末年始など混雑することが見込まれる時期には、あらかじめ医療従事者を増員して対応いたします。
 次に、区の急患診療所の状況につきましては、新型コロナウイルス感染症が2類に指定されて以降、新型コロナウイルス感染症が疑われる発熱患者の診療を急患診療センターに集約し、区の急患診療所では発熱を伴わない患者の診療のみを行ってまいりました。また、令和4年7月末からは、第7波のコロナ患者の急増に伴い、急患診療センターの人員体制を強化するため、5つの急患診療所のうち、博多、城南、西区の3か所を一時休診し、対応いたしております。その後、5年5月の5類移行に伴い、東及び南急患診療所において全ての患者の受入れを行っており、患者数もコロナ前の状況に戻ってきております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 小戸ヨットハーバーについてお答えいたします。
 指定管理者が提案した事業計画に記載されていた自主事業につきましては、クルージングやSUP等のマリンアクティビティや、ヨットハーバー内の緑地におけるドッグガーデンやバーベキューエリアの開設、定期的なマルシェ等が実施されております。利用者からは、マルシェやSUP体験の参加を通じてヨットハーバーのことを知ることができた、今までに体験したことのないSUPで海に親しむことができたといった声を聞いております。
 次に、指定管理者の適正な選定についてでございますが、指定管理者制度について、本市の基本的な考え方や標準的な手続をまとめた指定管理者の指定の手続に関するガイドラインにおいて、提案内容に対する実行可能性の評価方法、著作権法違反への対応、選定過程に疑義があった場合の苦情処理の手続などが追加されております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 警固公園地下駐車場とアジア美術館についての御質問にお答えいたします。
 まず、NEXCO西日本からの申出時期及び市の対応につきましては、令和4年2月にNEXCO西日本から、設備が老朽化している一方、利益の確保が難しく、設備更新費用の回収が見込めないため、今後の安定的な事業継続が困難となっているとの相談があっております。福岡市は、都心部への自動車交通を削減、抑制する取組を行ってきていることから、天神地区の駐車実態調査業務を委託し、その結果から、駐車場の需給バランスが充足していることが確認できたため、駐車場の廃止について協議を進めてまいりました。その後、令和5年11月にNEXCO西日本の経営上の判断と福岡市の交通施策から、公園占用期限である令和8年3月末をもって駐車場を廃止することに合意し、令和5年12月議会に当該駐車場の廃止について報告を行ったものです。
 次に、天神地区の駐車実態調査の調査時期につきましては、国土交通省が示しております交通量調査方法では、年間の交通量の変動が少なく、かつ平均的な1日の交通量が観測されやすい秋季、秋の1日とされていることから、その調査方法を参考に、調査員の確保状況も考慮して、休日は令和4年10月22日、23日、平日は令和4年10月27日、28日に、警固公園地下駐車場のピーク時間帯である13時から16時における駐車台数を調査いたしました。また、調査範囲につきましては、天神地区及びその周辺地域で約360か所の時間貸し駐車場を対象に調査を実施しております。
 次に、満空情報システムの開発費用及び運用開始時期につきましては、他都市の事例を参考とし、令和6年度に1,500万円を計上しており、できるだけ早く運用を開始したいと考えております。また、システムの範囲につきましては、天神地区や博多駅地区と考えており、令和4年度に駐車実態調査を行った天神地区には、時間貸し駐車場が約360か所、約1万2,000区画ありますが、詳細につきましては今後検討してまいります。
 次に、入出庫する車と歩行者の交錯につきましては、NEXCO西日本から、主に入り口と出口に各1名の交通誘導員を配置し、対応していると聞いております。また、NEXCO西日本には繁忙期に交通誘導員を増員するよう伝えており、年末年始などは増員して対応していることから支障はなかったと聞いております。
 次に、NEXCO西日本が福岡市へ支払っている公園占用料につきましては、令和5年度は約1億1,400万円でございます。
 最後に、設備更新費用につきましては、NEXCO西日本から、令和2年度の試算で約11億円と聞いており、昨今の人件費や資機材費の高騰により、さらに高額になると考えられます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 平畑雅博議員。
○26番(平畑雅博) 最初に、清掃工場におけるごみの日曜日受入れについてです。
 現在、清掃工場ではメンテナンスに充てる時間を確保するために受入れできないとのことでした。それでは、メンテナンスの時間はどのくらいかかるのか、お尋ねします。
例えば、親あるいは親戚に不幸があって、日曜日に集まり遺品整理などを行うことはよくある話と思います。今は片づけの業者に依頼する方法もありますが、集まりやすい日曜日に自分たちで整理したいというのは当然の気持ちとして多くの人もあると思います。また、共働き家庭においても仕事が休みの日曜日に家の片づけをし、その日のうちにごみを出したいという場合があるのではないでしょうか。
そのような声を聞くため、市民アンケートを取ったことはあるのか、お尋ねします。
清掃工場における日曜日受入れが市民サービスとしてあってよいと考えますが、どう考えているのか、お尋ねします。
 次に、急患診療センターについてです。
 臨時駐車場である博物館の駐車場から急患診療センターまで患者を連れて歩くのは実際問題なかなか大変なことと思います。急患診療センターの駐車場増設も簡単ではないと考えます。
 そこで、休診している区の急患診療所を再開するべきと思うが、どう考えているのか、お尋ねいたします。
 医療関係者の皆様は、ゴールデンウイークや正月でも崇高な使命感と責任感で従事していただいています。それでも人数の確保が大変なことは想像がつきます。特に4月からの医師の働き方改革が実施されると医師の確保がより困難になってくると思います。また、年末28日まで病院等で診療して、1週間ぐらいゆっくりしたいと誰もが考えている中、急患診療センターに出動し診療ということになれば、手が挙がらないのも当然のような気がいたします。
出動手当をしっかりと手当てすることも必要と考えますが、医師に限らず、関係者皆様にあまねく手厚く処置すべきと思うがどうか、答弁を求めるものであります。
 次に、小戸ヨットハーバーについてです。
 管理者から実施報告書が提出されていて、それを確認すれば問題ないとのことです。令和3年、4年はコロナ禍でもあり、思うように実施できないこともあったでしょう。重箱の隅をつついてまで確認するべきとは言いませんが、人数の配置やマルシェの状況など、ぜひ現地に足を運んで確認してほしかったというふうに思います。コピペの事業計画書で管理者となっているのだから、港湾空港局の姿勢が問われているとの思いで、しっかり目を光らせていただくようお願いしておきます。また、体育館や駐輪場のような指定管理でない、小戸ヨットハーバーという西日本有数のハーバーであり、特殊な施設です。今回、指定管理を延長するとのことなので、次の選考委員のメンバーには、ぜひセーリング連盟並びにハーバー利用者から専門性のある方を入れていただくことを要望しておきます。
 平成30年2月議会の報告で、31年4月からの民営化を目指すとしていましたが、平成30年9月、令和2年6月と、2回民営化を延期しました。
今回3度目となりましたが、港湾空港局の意思が定まっていないので、手を挙げる企業がないのではないのか。コロナの影響なら、コロナが終了した今、可能性はないのか、お尋ねします。
 ハーバーの横は小戸公園ですが、民営化で手を挙げたい企業が公園の入り口を変更したり、公園面積を少し減らして自由に利用したくても基本的に難しかったりするわけですが、港湾空港局が住宅都市局と事前に協議しておくべきことなのに、管轄外なので知らん顔。そもそも30年から50年の借地で元に戻さなければならないし、浮き桟橋やクラブハウスも老朽化しているのに、民営化希望の企業にお任せということでは誰も手を挙げないのは当然と思います。
コロナ前の事業者へのヒアリングの中で民営化に当たっての課題は何だったと考えているのか、お尋ねします。
また、浮き桟橋やクラブハウスだけでも福岡市として整備することを条件にすれば民営化の可能性もあると思うがどうか、お尋ねします。
 次に、警固公園地下駐車場とアジア美術館についてです。
 設備更新費用はNEXCO西日本の調査であり、市は調査していないとのことですが、この五十七、八年の間、公園占用料、つまり地代を払って、人件費等も入れてもずっと黒字でやってきたとのことです。それを更新費用が見込めないので、もうお返ししますと言われて、福岡市が分かりました、じゃあ廃止しましょうとなるのが話の進め方としてどうかと思うし、まず廃止決定の前に市としてするべきことがあるのではないかというふうに思います。
 ちょっと写真をお願いしていいですか。(資料投影)これは今週の日曜日、3日の日曜日だったんですね。天神国体道路、渋滞しているところを撮りたかったんですが、がらがらで全く混んでいませんでした。それでもこの警固公園駐車場と天神地下街の駐車場だけは満車でございました。これはガードマンさんも写っていますし、この黒い車の後ろに5台ぐらい、やはり渋滞で並んでおりました。次の写真に行っていただいて、(資料投影)これは出口です。ガードマンはいないんですが、それはしようがないんですが、問題は、この警固公園の地下駐車場がやはり人気があるので、これだけすかすかの天神だったにもかかわらず、ここは車がいっぱいで満車になっている。要はここの駐車場がなくなれば、これを利用していた方々は西通りに行ったり、国体道路に行ったりして駐車場を探すということになるというふうに思うんですね。それが心配だというふうに申し上げています。
 次の写真をいいですか。(資料投影)これは、その日の国体道路で警固神社の前です。今泉一丁目の交差点かな。ちょうど大砲ラーメンに入る、右折すると入っちゃうんですが、ここに右折の車が入ると渋滞になります。その次の写真をいいですか。(資料投影)これはドン・キホーテの前なんですが、この手前にも今泉のほうに右折して入れる小さな通りがあります。ここも右折があると混みます。これは、ドンキの前のこの駐車場は土日は30分600円、正確に言うと10分間200円の駐車場ですが、ここも満車になる。ドンキを過ぎても右左折で入る通りがある。最後いいですか。(資料投影)これは若宮神社に入るところですが、これも右折がよくあります。ありがとうございました。ということで、駐車場がいっぱいになっても、ほかを探しちゃうということになるということをちょっと申し上げておきたいと思います。
 駐車場の需給バランスが充足することを確認したので廃止を決めたということなんですが、現在でも車のナビやグーグルマップで駐車場を確認すると天神周辺、たくさん出てきますが、やはり警固公園地下は大変分かりやすい場所にあるため、市外、県外の方の利用も多い、大変人気もあると思います。
車の流入を防ぎたいなら、現在ある都心中心部の駐車場が30分500円、600円になれば利用者も減って、フリンジパーキングやパーク・アンド・ライドを利用することになることは考えられませんか。
また、市が関係する警固公園あるいは市役所、天神中央公園、天神地下街駐車場の4つを土日だけ30分500円にしたら、本気で福岡市が天神に車を流入させたくないという意思が伝わると思いますが、いかがでしょうか。
 令和4年10月に駐車実態を調査したとのことですが、コロナ禍での調査です。国のルールに基づいて、年間の平均的な台数が観測されやすい秋の平日と土日を1回調査したとのことなんですが、国の補助金をもらう事業ではありません。年末年始やバーゲンあるいは山笠、ハロウィン、車が集中するときの天神をどうするのかというのが課題と考えます。国ルールの調査で天神の駐車場の需給バランスが取れていたとの理由で駐車場廃止につなげるのがおかしいし、天神の渋滞が心配というふうに申し上げております。
まずは満空システムを運用して状況を確認した上で廃止を決めるべきで、順序として逆、あまりにも拙速だと思いますが、お尋ねします。
また、市のシステムが近隣パーキングの協力をどのくらい得られるのかと思いますが、360か所のうち、どのくらいを見込んでいるのか、お尋ねします。
 さて、廃止した後の利用については、展示、収容スペースが手狭になっている、現在、リバレインの7、8階にあり目立たないということもあるので、アジア美術館が展示フロアとして手を挙げたと報告がありました。
そもそもアジア美術館をリバレインの7階、8階に入れたのは福岡市の方針ではなかったのでしょうか。
我々の先輩が決められた場所であり、それを今になって場所が悪いとは何事かと思います。
加えて、警固公園地下駐車場はNEXCO西日本の所有ですが、跡地がアジア美術館となる場合、譲渡費用はどうなるのか、お尋ねします。
また、収蔵スペースが手狭になったということですが、コレクションが増えるのは想定していなかったのか、また、施設拡充についてほかに検討していた場所はどこがあるのか、お尋ねします。
 以上2問目を終わります。
 
○副議長(松野 隆) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 清掃工場でのごみの日曜日受入れに関する御質問にお答えいたします。
 定期メンテナンスにつきましては、ごみ受入れのためのごみクレーンの点検や計量設備の修理などで1施設当たり年間2日から4日程度で実施いたしております。それに加えて、施設の改修工事などに伴う機材の搬入や設備の故障などの緊急的な対応が年に数回程度あることから、日曜日にそれらの作業を実施しているところでございます。
 なお、市民へのアンケート調査につきましては、家庭ごみの収集方法やリサイクルなどの調査を定期的に行っておりますが、自己搬入ごみの日曜日受入れに関するアンケートについては、これまで行ったことはございません。
 次に、日曜日の受入れにつきましては、令和5年に3月、4月の区役所等の臨時開庁日に合わせて2施設で実施したところでございます。その結果、日曜日受入れについての一定の市民ニーズを確認できたことから、令和6年は区役所等の臨時開庁日に合わせた受入れを5施設に拡充して行うことといたしております。日曜日受入れのさらなる拡充に当たりましては、清掃工場での安定的なごみ処理継続のための定期メンテナンス時間の確保や職員の勤務条件の変更などの課題があることから、こうした課題への対応を適切に図りながら、その拡充方法について検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 急患診療センターに関する御質問にお答えをいたします。
 休診している博多、城南及び西急患診療所につきましては、年度内の再開に向けて準備を進めているところでございます。
 次に、出動手当につきましては、ゴールデンウイークや年末年始には増額をするとともに、時間帯や曜日などによって手厚い単価となるよう設定をいたしております。今後、医師の働き方改革に伴い、医療従事者の確保がさらに困難となることも予想されることから、引き続き処遇の改善に努めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 小戸ヨットハーバーについてお答えいたします。
 平成29年度時点の民営化の方針につきましては、事業者が市から浮き桟橋やクラブハウスを取得した上で自由な収益事業を展開するものであり、当時行ったヒアリングにおきまして、事業者も民営化に興味を示していたところでございます。しかしながら、その後の新型コロナウイルス感染症の拡大により、事業者の民営化公募への参加意欲が著しく減退することとなりました。なお、現在、新型コロナウイルス感染症による影響は一定落ち着いたところでございますが、今般の社会状況による物価高の影響もあり、いまだ事業者の民営化公募への参加が見通せない状況でございます。
 次に、コロナ禍前における民営化に当たっての課題についてでございますが、事業者からは、施設の改修や維持管理に多額の経費がかかる、松林等で道路側からのヨットハーバーの視認性が悪く、集客力に課題があるとの意見がある一方で、新たなサービス展開による収益の確保を図りたいとの意見があり、事業者の民営化公募への参加の意向は示されておりました。
 最後に、市が浮き桟橋やクラブハウスを整備した場合についてでございますが、この場合、市から事業者へ施設の貸付けを行うこととなります。事業者への貸付料は、整備費用を基に設定することになり、事業者の負担の平準化にはなりますが、民営化公募への参加意欲の改善につながるかは見通せない状況でございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 警固公園地下駐車場とアジア美術館についての御質問にお答えいたします。
 まず、都心中心部における駐車料金の値上げにつきましては、仮に都心中心部全体の駐車料金が値上げされた場合、一般論としては、都心中心部における駐車場利用の抑制に一定の効果があると思われます。
 次に、4駐車場の駐車料金の値上げにつきましては、都心中心部のごく限られた駐車場のみの駐車料金が値上げされた場合、周辺の駐車場利用が増加し、混雑を招く可能性があると考えております。なお、駐車料金につきましては、各駐車場における利用者の属性や周辺駐車場とのバランスなどに基づき、各事業者が総合的な経営判断などにより設定されているものと考えております。
 次に、満空情報システムにつきましては、本件にかかわらず、道路下水道局として、駐車場の空き待ちによる渋滞や空き駐車場を探し回るうろつき交通を抑制するため、早期の導入検討もあったかとは思います。駐車場の廃止につきましては、NEXCO西日本の経営判断もあり、現公園占用期限の令和8年3月末となりましたが、満空情報システムにつきましては、駐車待ちやうろつき交通が生じないよう、できるだけ早い時期の運用開始を考えております。
 次に、満空情報システムで表示する駐車場の見込みにつきましては、システムの範囲は天神地区及び博多駅地区を対象に今後検討することとしておりますが、まずは天神地区の駐車場約360か所のうち、民間事業者の協力を得られるところから運用を開始し、運用開始後も引き続き、民間事業者の協力を得ながら順次拡大していきたいと考えております。
 最後に、施設の譲渡にかかる費用につきましては、福岡市が後利用を行う場合、施設は無償譲渡を受けることとしております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) アジア美術館に関する御質問にお答えいたします。
 まず、アジア美術館の設置につきましては、福岡市美術館において昭和50年代から収集を行ってきたアジア美術の作品や活動の蓄積を生かしまして、世界に唯一の、アジアの近現代美術を系統的に収集し展示する美術館として、平成11年に福岡市美術館から独立して博多リバレインに設置したものでございます。
 また、収蔵スペースにつきましては、近代から現代に至る流れを示す作品や大衆美術などの収集を想定していたところでございますが、近年の作品の大型化や見込み以上に作品の寄贈があったことなどにより、収蔵スペースが手狭になってきたものでございます。開館から25年がたち設備が老朽化してきたことに加え、作品の大型化や投影に広いスペースが必要な映像作品が増加するなど、収蔵作品を十分に生かした展示を行うには、より広い空間が必要となってきたことから、展示、収蔵機能の拡充を検討していた中で、住宅都市局から警固公園地下駐車場の廃止後の利用意向に関する調査があり、同地は都心の一等地に位置し集客が見込めること、また、美術館としての利用可能性があることから、拡充先の有力候補として回答したもので、ほかに検討していた場所はございません。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 平畑雅博議員。
○26番(平畑雅博) 清掃工場におけるごみの日曜日受入れについては、これまでの取組の経緯や課題などをお尋ねしてまいりました。アンケート調査をしたことがないとのことですが、清掃工場に直接持ち込んでいる人にお尋ねしたら、ほぼ100%日曜日の受入れがあれば助かると答えると思います。何も今すぐ東部、西部、臨海で毎日受け入れるべきと要望しているわけではありません。例えば、第1日曜日は東部、第2は西部など、月に3回は受入れするなど、少しずつでよいので受入れすることが市民サービスの向上につながると考えます。
受入れ拡充に向けて、中村副市長に責任ある答弁を求めます。
 次に、急患診療センターについてです。
 さっきの保健医療局長の答弁を聞いていると何かがっかりする、人ごとみたいな答弁でね。4月から、来月から医師の働き方改革が始まって受入れが大変になりますよということが問題になっている中、福岡市の急患診療センター、そこに来ていただく先生方も自分たちの勤めている病院もある。その中で、福岡市が福岡市の医師会に指定管理をお願いしている、そういう立場ではあるけれども、それは一緒の方向を向いて何とかしていかないかんというふうな答弁になるかなと思ったら、何かさらっと人ごとみたいな答弁なので、これはちょっと荒瀬副市長には聞く気はなかったけど、答弁できるならしていただきたいと思います。
 現状としてはどうしても百道浜の急患診療センターに集中するわけですが、現在、市では市民病院の将来構想が議論されています。
現在の急患診療センターでは限界に近づいており、将来、もう1つ急患診療センターの機能を持つ病院が必要ではないかと考えますが、市民病院の新しい機能の一つとして一般救急外来の設置という考え方はないのか、荒瀬副市長に御所見をお伺いします。
 次に、小戸ヨットハーバーについてです。
 民営化できなくなった理由をコロナや社会経済の責任にしては駄目だと思います。市が浮き桟橋やクラブハウスを整備した場合、その整備費用を基に料金を設定するとのことなら民営化に手を挙げる事業者はいないと思います。そもそも平成22年、福岡市事業仕分けで民営化が適当と評価されたことに始まります。港湾空港局は、平成26年から29年、4年間かけて具体的な条件整理をして、自由度の高い運営が可能となる民営化が最適と判断していたものです。それが本年2月議会において、コロナや物価高の影響で民営化の公募への参加を見通せない状況のため、指定管理を継続し、みなと緑地PPP等を検討するとのことでした。
つまり、10年以上模索してきた民営化を諦めて小戸ヨットハーバーを指定管理として維持していく、にぎわい創出は、みなと緑地PPPで行くという方針と理解していいのか、明確な答弁を求めます。
 最後に、警固公園地下駐車場とアジア美術館についてです。
 今でも駐車場アプリもありますし、携帯のナビもあります。満空システムができたとしても万能ではないと申し上げます。私は、民間駐車場、例えば大丸や岩田屋の駐車場に値上げを要請しようと言っているのではありません。天神地下街駐車場は市の持ち株49%です。天神中央公園駐車場は県の土地に福岡県道路公社が駐車場を設置しておりましたが、料金徴収期間満了に伴い福岡市に帰属し、民間に管理を任せています。福岡市として天神への流入を防ぎたいと考えているのなら、市の関係がある駐車場は料金を上げて様子を見るぐらいの覚悟はないのかと申し上げています。
土日に料金が高くなれば、フリンジパーキングや公共交通機関を利用する来街者も増えるのではないかと思います。本気で流入させたくないなら、そこから始めてみてはどうかと思いますが、駐車場を所管する道路下水道局及び交通政策を所管する住宅都市局、それぞれに改めてお考えをお尋ねします。
 警固公園地下駐車場は老朽化が進んで、設備更新にお金がかかるのでNEXCOが撤退するわけですが、これは築57年ですよ。アジア美術館がもし入ったとして、築60年ぐらいでできて、そこから何年間利用するのかなというふうに思うんだけれども、そこに簡単にアジア美術館が手を挙げるのが心配なんです。普通、福岡市が何か施設を造るときは必ず2つか3つ候補地を上げて比較検討していると思います。今回、住宅都市局からの話に、期間が2か月ぐらいしかなかったので、取りあえず飛びついたのかもしれませんが、同じ福岡市部局の話です。考えたいが時間が欲しいなり、延長なりして議会に提案しないと、我々も比較検討ができない状況です。今回、いきなり調査費をつけていますが、話の進め方としては拙速に過ぎると考えます。新しい美術館を造る話です。候補地が複数あって決定していくのが普通の流れと思います。
新年度での調査については、ぜひ決め打ちせず調査してほしいと思っておりますが、局長の答弁を求め、質疑を終わります。
 
○副議長(松野 隆) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 小戸ヨットハーバーについてお答えいたします。
 事業者の民営化公募への参加が見通せない現時点においては、民営化は困難であると認識しております。引き続き、指定管理を継続するとともに、マリーナ事業以外の業種を含む幅広い事業者による利便施設の導入等、みなと緑地PPPを活用した民間活力によるにぎわい創出について検討してまいります。また、検討に当たりましては、相乗効果が図られるよう、隣接する小戸公園とも連携をしながら取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 警固公園地下駐車場とアジア美術館についての御質問にお答えいたします。
 4駐車場の駐車料金の値上げにつきましては、都心中心部のごく限られた駐車場のみの駐車料金が値上げされた場合、周辺駐車場の混雑を招く可能性があり、また、駐車料金につきましては、各事業者が総合的な経営判断などにより設定されているものと認識しており、慎重な検討が必要であると考えております。これまで御質問にございました御意見や御趣旨も踏まえ、満空情報システムの早期の運用開始に取り組むとともに、附置義務駐車場の隔地化推進などにより、自動車流入の抑制に努めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 警固公園地下駐車場につきましては、道路下水道局長がお答えいたしましたように、一部の駐車場の料金値上げは慎重な検討が必要と考えておりますが、都心中心部への自動車交通の流入抑制を図ることは都心部の交通混雑緩和の観点から重要と考えておりますので、今後もフリンジパーキングやパーク・アンド・ライドの確保及び利用促進、また、附置義務駐車場の台数低減や天神中心部における隔地化などの交通マネジメント施策を推進し、都心部の交通対策に関係局と連携し、取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) アジア美術館に関する御質問にお答えいたします。
 アジア美術館の令和6年度の調査、検討につきましては、警固公園の地下駐車場を有力候補として、都心部の状況もしっかり調査しながら進めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 中村副市長。
○副市長(中村英一) 清掃工場におけるごみの日曜日受入れに関する御質問にお答えをいたします。
 福岡市では、市民の快適で安全、安心な生活を支えるため、ごみ処理施設の計画的な維持管理を行いながらごみの安定的な処理を行っております。一方で、市民のライフスタイルが変化する中、市民ニーズに柔軟に対応していくことは重要なことであると考えております。この多様な市民ニーズにお応えできますよう、平畑議員の御提案を踏まえ、清掃工場における体制づくりなど、ごみの日曜日受入れの拡充に向けて検討を進めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 荒瀬副市長。
○副市長(荒瀬泰子) 急患センターについてお答えいたします。
 現在の福岡市立急患診療センターは、平成4年に開設し、30年以上経過しておりますが、受診者は年々増加するとともに、駐車場を含めましたハード面についても狭隘化しており、診療完了までの時間が長くなるなどの課題がありますとともに、本年4月から施行されます医師の働き方改革により医師の時間外上限が規制され、御指摘のとおり、医師の確保も非常に厳しくなってきておりますが、市民の医療確保のため責任を持ってしっかりと対応してまいります。
 一方、現在、市民病院の在り方の検討を福岡市病院事業運営審議会において行っておりますが、審議会の部会として設置いたしました医療機能部会において、医師の働き方改革による影響によって逼迫が懸念される福岡市内の一次、二次救急への対応の検討が必要であると取りまとめられ、その報告を受けているところでございます。今後、福岡市内全体の救急医療体制のバランス等も考慮しながら、市民病院での一次、二次救急の在り方についても検討を行ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代)登壇 私は日本共産党市議団を代表して、我が党の中山郁美議員の代表質疑のうち、教員不足、九大箱崎キャンパス跡地、生理用品の学校や公共施設への設置について補足して質疑を行います。
 1問目の質問です。まず初めに、教員の不足についてです。
 教員の抜本的増員を求めた我が党の代表質問に対して、教育長は計画的に増員しているかのような答弁をされました。しかし、現場では必要な数の増員にはほど遠く、学校が崩壊する危機だと現場から悲鳴が上がるほどの実態になっていることをおよそ直視しておりません。具体的にただしてまいります。
 質問の第1は、クラス担任についてです。本市では、学級担任を担当すべき教師が不足した場合に、本来担任ではない職務の教師が学級担任を代替しているケースが発生しています。そもそもなぜこのような教員不足が起きているのか、また、一時的にでも担任が埋まらない事態を生み出していることについてどのようにお考えか、御所見を伺います。
 質問の第2は、講師の登録数についてです。福岡市では、財政負担を抑えるために、教員定数内の採用をできるだけ正規教員ではなく、講師に頼ろうとしています。2023年度の本市の正規教員の採用人数が630人なのに対し、定数内講師任用人数は541人で、実に新しく任用する半数近くを講師という形で賄っています。さらに、この定数内講師の採用とは別に、福岡市におけるもう1つの講師の役割は、年度途中で産休や育休、病休などが生じた場合、臨時の講師に代替を務めさせるということがあります。教育委員会は、採用試験を受けて不合格になった方々や教員免許保持者などを病休などの代替として待機している登録数としてカウントをしています。
 そこでお尋ねですが、今現在、急な病休などが生じた場合、登録している講師はすぐに現場に入れるのか、答弁を求めます。
 質問の第3は、教員の働き方についてです。福岡市の小学校で働いていた当時40歳の教員が過労死し、遺族は長時間労働などが原因だとして、福岡市に対し賠償を求める裁判が昨年末に福岡地方裁判所で始まりました。教員不足の背景には、今や尋常でない長時間過密労働が指摘をされています。国の実態調査によれば、小学校教員は授業関連の仕事に平均1日7時間16分かけています。教員は教科を教えることが基本的な仕事ですが、現在の1日5時間、6時間という授業時間では、1日の勤務時間は授業関連の仕事でほとんど終わってしまうのです。60年ほど前、当時の文部省は、教員の労働時間は受け持つ授業量に左右されると考え、1日8時間労働に収めるために、例えば、小学校教員の受持ち授業数は1日4コマと定めていました。本来ならば授業時間と同等の教材研究の時間が労働時間として必要だということです。さらに、教員の仕事はそれだけではありません。給食や掃除の指導、学級運営、各種の会議や打合せ、保護者対応と様々です。これに加えて、不登校、いじめ、虐待への対応までが求められ、こうした結果、同じく国の調査では、中学校教諭が学校にいる時間は1日平均11時間を超えるほど長時間になっています。
お尋ねしますが、本市の教員は長時間労働に苦しめられていると思いますが、御所見を伺います。また、複雑な問題への対応能力や専門性を求められているのが教員の実態だと思いますが、御所見を伺います。
 次に、九大箱崎キャンパス跡地についてです。
 同跡地利用については、市長は我が党の代表質疑に対し、グランドデザインに基づいてまちづくりを進めているかのような答弁をされましたが、全くのごまかしであると言わざるを得ません。具体的にただしていきたいと思います。
 質問の第1は、巨大アリーナの建設計画案についてです。跡地の南側エリア、28.5ヘクタールの再開発計画は、1月30日に事業者の公募が締め切られ、九州電力を中心とした大企業グループは、同地に2万人を収容できる巨大なアリーナを建設する計画を打ち出したと報道されています。
 そこでお尋ねしますが、九電を中心とする大企業グループが進めるアリーナ案とはどういうものなのか、答弁を求めます。
 質問の第2は、IT都市の計画案についてです。応募されたもう1つの案はJR九州や西鉄などのグループによるもので、元旦の西日本新聞の記事によれば「高速通信や人工知能を活用したオフィスや生活サービスを提供」するIT都市づくりの計画だとされています。さらに、トライアルホールディングスも応募し、FBSの報道などでは、DXを活用した新たなまちづくりを目指すとされ、やはりIT都市構想を掲げています。
お尋ねしますが、公募に名のりを上げているJR九州や西鉄グループあるいはトライアルのグループが進めようとしているIT都市構想とはどのようなものなのか、答弁を求めます。
 質問の第3は、九大跡地利用に関して住民の意見は反映されるのかということです。現在、審査委員会によって応募された3つの計画案の審査が行われており、5月に土地所有者である九州大学とURが優先交渉権者を選定する予定です。1月の九州大学移転・跡地対策協議会での質問への答弁では、この審査委員会には地元住民の代表は直接入っていないことが明らかになりました。ただし、辛うじて光山裕朗副市長が入っていることが判明しています。
 そこでお尋ねしますが、光山副市長は、グランドデザインを尊重し、地元住民の要望を実現する立場で審査に臨むべきと思いますが、御所見を伺います。また、優先交渉権者選定後に、決定した計画の是非を含め、住民の代表が参加して跡地のまちづくりについて協議できる場はあるのか、答弁を求めます。
 次に、生理用品の学校や公共施設のトイレへの設置についてです。
 本日は国際女性デーです。ジェンダー平等を世界中の人々が求めていますけれども、生理の貧困はその大きなテーマの一つであり、この質疑でもただしてまいりたいと思います。
 生理用品を無料で公共施設や学校に置くことを求めた我が党の質問に対し、市長は設置していると答弁をしました。しかし、実際には設置した施設は僅か14施設で、教育委員会は学校が生理用品をトイレに設置しているかどうか把握さえしていないということです。コロナの交付金がなくなったら生理用品の無料提供はもうやらないかのような姿勢です。そもそも市長と教育長は、生理の貧困の問題の重大さを理解していないと言わざるを得ません。働く女性の約半数が非正規雇用で低賃金を余儀なくされる中で、生理用品はもとより、薬やケアに関わる経済負担が生じ、生理用品にアクセスできない事態が起こっています。これは衛生的な環境で生活をする権利、すなわち憲法25条が定める健康で文化的な最低限度の生活を損なうものです。また、自分で買うのが恥ずかしい、親に聞けないなど、羞恥心や整理のタブー視などによって生理に関する知識や生理用品にアクセスできない人が少なからず存在をしています。このように、生理の貧困は基本的人権を侵害し、社会的損失を生み出す重大な問題です。
お尋ねしますが、市長は生理の貧困とはどのような問題だという認識なのか。また、僅かとはいえ、なぜ本市が公共施設のトイレでの生理用品の無料提供を始めたのか、その意義について御所見を伺います。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 教員不足についての御質問にお答えいたします。
 学級担任の他の教員による代替につきましては、定年退職者の増加に伴う大量採用が必要な中で、特別支援学級の大幅増をはじめとする学級数の増加や、産休、育休取得者の増などにより任用が必要な講師の数が増加しており、その一方で、講師の成り手が減少していることなどが要因と考えております。
 次に、学級担任の代替講師につきましては、一部配置に日数を要するケースがあるものの、多くの場合は速やかに配置できており、今後もできる限り早く配置できるように努めてまいります。
 次に、教員の急な病休等への対応につきましては、講師の任用に当たって、就業する講師の勤務に関する希望と学校側の条件が合致する必要があるため、積極的に調整に取り組み、早期の配置に努めてまいります。
 次に、教員の長時間労働につきましては、近年、教員の時間外在校等時間の状況は一定程度改善してきているものの、依然として長時間勤務の教員が多い実態があるため、引き続き働き方改革の取組を推進してまいります。
 次に、教員の勤務実態につきましては、国においても昨今、児童生徒の抱える困難が多様化、複雑化するとともに、社会の変化に伴う新たな教育課題の対応が学校に求められている状況にあるとされておりまして、学校全体として対応能力を高めていくことが重要と考えております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 九州大学箱崎キャンパス跡地についての御質問にお答えします。
 まず、2つの案に関する情報ということでございますが、現在、土地所有者である九州大学とUR都市機構において、まさに公募中であることから、福岡市としては提案内容を知り得る立場になく、把握しているものもございません。
 次に、公募の審査委員会についてのお尋ねでございますが、今回の公募につきましては、地域とともにつくり上げたグランドデザインに基づいた事業企画提案を求めており、審査に際しては、そのグランドデザインを踏まえた審査が行われることになっております。
 次に、優先交渉権者決定後につきましては、公募主体である九州大学とUR都市機構が優先交渉権者と協議を行うこととなっておりますが、福岡市もその協議に参加し、地域の御意見も伺いながら、グランドデザインの実現に向けた良好なまちづくりに取り組むこととしております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 生理用品の学校や公共施設への配置についての御質問にお答えをいたします。
 生理の貧困につきましては、内閣府の女性活躍・男女共同参画の重点方針2023におきまして「経済的な理由等により生理用品を購入できない女性がいるという『生理の貧困』は、女性の健康や尊厳に関わる重要な課題である」とされております。
 次に、生理用品の提供につきましては、令和3年度に拡充された国の交付金に基づく支援事業として、新型コロナウイルスの感染拡大による望まない孤独、孤立で様々な困難や不安を抱える女性に対し、相談窓口を設置するとともに、公共施設等で生理用品の配布を行うこととしたものでございます。以上です。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 2問目の質問です。まず、教員不足についてです。
 クラス担任が埋まらない理由について、教育長はいろいろ言われましたけれども、しかし、実際にはですね、学級担任がいないクラスに講師をあてがって、それでも埋まらなければ教頭や教務主任に担任の穴を埋めさせるために、本来の業務がまともにできなくなっている。こういった実態があちこちで起こっていると、そういうことが現場の教員から声が上がっているんです。
お尋ねしますけれども、講師で埋まらない穴を、本来担任を持たない職務の教員が代替するといういびつな形で穴埋めしている実態は問題ではないかと思いますけれども、答弁を求めます。
 また、教育長は教員不足など起きていないかのように取り繕いましたけれども、文部科学省による最新の教師不足に関する実態調査によれば、本市の中学校における教師不足は、全国の20政令市の中で桁違いに最悪の状況となっており、昨年10月の西日本新聞でも大々的に報じられています。このような教員不足を招いた背景には、それ以前は、教員定数用の予算は正規の教員以外使えなかったのを、非正規教員の雇用にも使えるようにした国の規制緩和があり、本市もこれを悪用して正規教員の採用を抑えてきたのが原因です。
 そこでお尋ねしますが、教員定数を全て正規で採用せず、非正規雇用である講師で埋めるやり方は、この際、見直すべきではありませんか、答弁を求めます。
 臨時の講師の確保について、教育長はいろいろと言われましたけれども、実態とはあまりにもかけ離れた答弁です。病休の代替を相談しても、2週間くらいだと配置してもらえず、ひどいときは1か月、2か月の病休でもそのままにされているなど、結局は現場の教員にしわ寄せが行くとの声が多数寄せられています。このように実際には代替講師は確保できておらず、現場で必死にカバーしているというのが実態です。なぜこんなことになっているのか。教育委員会は、採用試験で不合格になった方々や教員免許を持っている人が代替要員として待機しているかのように扱っているのですが、その方々は、当然ほかに就職を探すので、不足したときの要員としてプールしておくことはできません。年度途中で穴が空いたときに現場に入れる講師はほとんどいません。講師登録制度は既に機能不全に陥っています。
 そこでお尋ねしますが、年度当初から講師の採用枠も余裕を持って増やすべきと思いますが、御所見を伺います。
 次に、教員の働き方についてです。教育長は、教員の長時間労働という課題があることは辛うじてお認めになりましたけれども、手だてを取っているから問題ないというような答弁をされました。これもまた無責任です。教員不足や教員の長時間過密労働により、現場にどのような弊害が現れているのか見ていきます。昨年4月に文部科学省が6年ぶりに行った教員の勤務実態調査によると、国が残業の上限とする月45時間を超えると見られる教員が中学校で77.1%、小学校で64.5%に上ります。また、過労死ラインと言われる月80時間の残業に相当する可能性のある教員は、中学校で36.6%、小学校で14.2%です。忙し過ぎる学校運営は児童生徒へのしわ寄せが出てきます。
 そこでお尋ねですが、過労死ぎりぎりまで働き、メンタルなどで病んで辞めていく若い教員が後を絶たないのは、このような働かせ方に問題があり、教員不足の要因ではないかと思いますが、御所見を伺います。また、過労死さえ生み出すような現場の実態を直ちに変えるべきと思いますが、併せて御所見を伺います。
 次に、九大箱崎キャンパス跡地についてです。
 まず、アリーナについてです。局長はアリーナとはどういうものかお答えになりませんでした。元旦の西日本新聞の報道によると、九電を中心とするグループは2万人規模を収容する巨大なアリーナを構想していることや、「九州電力幹部は米国に渡って、巨大なアリーナを目の当たりにした興奮がやまない」などと書かれています。
 ここで資料1を投影してください。(資料表示)地球儀のようなこのアリーナ、これがラスベガスに昨年9月にオープンしたMSGスフィアです。球体構造としては世界最大で、収容規模が1万8,000人で、ちょうど箱崎で想定されているアリーナとぴったり同じものとなります。それでは次に、資料2の写真を投影してください。(資料表示)同じアリーナですけれども、今度はバスケットボールが投影されています。この巨大な球体は、全体がLEDスクリーンに包み込まれています。次に、資料3の写真を投影してください。(資料表示)今度は大きな目玉が投影されています。このように映像がくるくる変わるようになっています。画像を消してください。ありがとうございました。
 先ほど紹介した記事には、企業幹部は「飛行機から箱崎を見下ろしたときアリーナのような分かりやすいものがない」とこぼしたと報道されています。財界が望むものがよく分かる記事です。しかし、こんなものは住民の願いとは全くかけ離れています。3月6日付の西日本新聞では、全国各地の巨大アリーナに押し寄せる膨大な観客で大混雑し、地域住民とトラブルを起こしている問題が報じられていました。
 そこでお尋ねしますが、もしもこんな巨大なアリーナができたら、まち全体の一体感、周辺地域との調和というグランドデザインのコンセプトと矛盾してしまうと思いますが、御所見を伺います。
 次に、IT都市構想についてです。これについても、局長はまともにお答えになりませんでした。先ほど紹介した西日本新聞の記事で、跡地にできるまちの街灯などに監視カメラなどをつけられるようにするという中身が書いてあります。スマートシティのデメリットとしてよく上げられているトップが、この住民への監視社会になるということが言われています。中国では、上海や天津など幾つかの都市で至るところに監視カメラが張り巡らされ、完全な住民監視社会になっていると言われています。トロントでは、IT都市構想を進めたグーグルの姉妹会社が、監視社会化を危惧する住民の反対で撤退に追い込まれています。また、都市開発にITなどのデジタルを組み合わせることは大きなリスクがあります。都市開発のライフサイクルは50年から70年単位ですが、他方でデジタルは技術もはやりも移り変わりが激しいため、現在使用されているものであっても、5年後には陳腐化している可能性が高いからです。
 そこでお尋ねしますが、住民監視社会をもたらす可能性があり、同時に、早期に陳腐化をしてしまうおそれがあるIT都市構想の事業企画提案は、100年後に誇れるまちをつくるというグランドデザインのコンセプトに合わないと思いますが、御所見を伺います。
 続いて、跡地利用で住民の意見は反映されるのかという点についてです。グランドデザインの立場で審査に臨むとの趣旨の答弁をされましたが、そうであるならば、今述べてきたとおり、巨大アリーナもIT都市も、およそ住民の要望やグランドデザインのコンセプトに真っ向から反するものです。
したがって、光山副市長は、審査委員会の場ではっきりと巨大アリーナあるいはIT都市建設を示した3つの事業計画提案のいずれにも反対を表明すべきではありませんか、答弁を求めます。
 また、住民はまちづくりマネジメントの場において意見を述べられるという趣旨の答弁をされましたが、九大移転協の審議において私が、まちづくりマネジメントの場では住民は事業者の計画を前提にして部分的な調整や修正の意見しか言えないのではないかとただした際に、市側はそのことを否定されませんでした。
 そこでお尋ねしますが、先ほどの答弁では、計画に反対の表明もできるという趣旨の回答をされました。まちづくりマネジメントの場において、住民は巨大アリーナやIT都市などの事業企画提案そのものに反対することも可能だと思いますが、明確な答弁を求めます。
 次に、生理の貧困についてです。
 局長は、我が党の代表質疑の市長答弁と同じく、国の交付金が来ているからやっている旨のことを言われました。生理の貧困に対する認識が極めて乏しいことがよく分かりました。それでもあなた方は、あたかもやっているかのように言われますが、本市でトイレ内に無料設置をし、トイレットペーパーと同じように誰にも願い出ずに使える施設は、私が調査をしたところ、南市民センター、博多区役所、ペラボート福岡、平和台陸上競技場、別府公民館の僅か5施設のみです。それ以外に市が提供していると自慢している学校などの施設でも、保健室や施設受付に申請して初めて受け取れるものでしかありません。
 2021年のNHK報道によると、山口市のある中学校で生理用品を無償で置いてほしい場所を子どもたちにアンケートを取ると、トイレが87%と圧倒的でした。この学校の校長先生は、保健室がいいだろうと思っていたそうですが、「そうじゃない子もいるんだというのは意外でした。行こうと思っても行けない子がいることに気づかされました」と語っています。先ほど私が述べたように、羞恥心のために生理用品にアクセスできない人が少なからず存在しているのです。申請するハードルと手間をかけさせることがいかに生理の貧困に対する無理解を露呈させてしまうのか、市長と教育長はよくよく考え直すべきであります。
お尋ねしますが、市の大多数の公共施設ではトイレに無料設置はせず、施設に設置してあるというところでも、ほとんどがわざわざ申請させて渡すようにしているのは、生理の貧困対策としてあまりにも問題が大きいと思いますが、御所見を伺います。
 以上で2問目を終わります。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 教員不足についての御質問にお答えいたします。
 教頭や教務主任による代替につきましては、一般的に担任が欠けた場合、少人数指導などを担当する教員が学級担任業務を担うことになりますが、それぞれの学校の状況によっては全員で分担して学校運営を進めていく必要もあることから、教頭などが一時的に担任業務を担うこともあると認識しております。
 次に、教員定数における正規教員の採用につきましては、毎年度教職員の定数が変動する中において、中長期的に採用数の平準化を図る必要があること、また、教員の質の確保の観点から一定の競争率を維持する必要があることなどを総合的に勘案し、毎年度適切な採用数を決定しております。
 次に、あらかじめ講師を確保する取組につきましては、年度途中での産休、育休に対応するため、年度当初から非常勤講師を前倒しして任用する取組を令和5年度から実施しているところでございます。
 次に、教員不足の要因につきましては、定年による多数の退職者を補うための大量採用が必要な中で、児童生徒数の増に伴う学級数の増加や特別支援学級の増、加えて、産休、育休取得者の増などにより採用が必要な教員の数が増加している一方で、全国的な教員離れの傾向などもあり、志願者が減少していることなどが要因と考えております。
 次に、教員の負担軽減につきましては、令和4年度に策定した福岡市立学校における働き方改革推進プログラムに基づき、多様な支援スタッフの配置拡充やICTを活用した業務効率化などに取り組んでおり、今後とも、取組を着実に進めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 九州大学箱崎キャンパス跡地についての御質問にお答えします。
 まず、議員おただしの2つの案とグランドデザインとの関係性についてですが、現在公募中であることから、福岡市としては提案内容を知り得る立場になく、把握しているものもございません。また、公募における公正、公平性の確保の観点から、見解をお示しする立場にもございません。
 なお、IT都市に関し、Fukuoka Smart Eastの考え方を一般的な例として御紹介いたしますと、少子・高齢化など様々な社会課題に対して先進的な技術やサービスを活用することで、子どもや高齢者をはじめとする地域住民の皆さんが安心して住み続けることができる、より便利で暮らしやすいまちを目指すものでございまして、個人情報を取り扱う場合でも法律や条例に基づき適切に対応していくこととしております。また、まちに導入した先進的な技術やサービスをアップデートしていく仕組みを事業者や九州大学等と連携してつくることとしております。
 次に、優先交渉権者決定後につきましては、まちづくりマネジメントとして計画段階における協議、調整を行う会議体や、まちの概成段階からまちづくり活動を行うエリアマネジメント組織、加えて、スマートサービスの継続的な実装を支援するイノベーション導入支援組織など、まちづくりの進捗に合わせ、地域をはじめ、関係者と連携しながらまちづくりに取り組むこととしております。
 おただしの事業企画提案につきましては、計画段階において公募主体である九州大学とUR都市機構が優先交渉権者と協議を行うこととなっておりますが、福岡市もその協議に参加をして、地域の御意見も伺いながら、グランドデザインの実現に向けた良好なまちづくりに取り組むこととしております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 生理用品の学校や公共施設への配置についてお答えをいたします。
 生理用品の配布につきましては、国の交付金に基づくつながりサポート型の事業として、孤独、孤立で困難や不安を抱えた女性に対する相談支援の一環として行っているものであり、引き続き希望される方への配布を行ってまいります。以上です。
 
○副議長(松野 隆) 光山副市長。
○副市長(光山裕朗) 九州大学箱崎キャンパス跡地について御質問にお答えします。
 九州大学箱崎キャンパス跡地の公募につきましては、地域とともにつくり上げましたグランドデザインに基づいた事業企画提案を求めておりまして、審査に際しましては、そのグランドデザインを踏まえた審査が行われることになっております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 3問目の質問です。まず、教員不足についてです。
 結局、教育長はクラス担任も、講師も、そして教員そのものも、いずれも不足しているという実態をまともにお認めになっておりません。どれも現場が疲弊しながら必死でカバーしていることにあぐらをかいて、教育委員会として何ら有効な手だてを打たず、その結果、とうとう過労死まで起きてしまったんです。先ほど紹介した40歳で過労死した福岡市内の男性教諭は、教務主任としての業務に加え、病休中や産休中の教員に代わり、担任代行も務めていました。発症前5週間の週当たりの時間外勤務は22時間2分と算定されており、過重な勤務に従事したものとなっています。遺族は、福岡市が安全配慮義務を怠ったとして市に対して損害賠償を求めています。これがまさに教育現場の今の実態なんです。本市の教育行政の怠慢で人の命が失われる事態が生み出されてしまったことへの反省が足りなさ過ぎます。このような悲しい事件を二度と生まないためにも、この教訓を生かすのがあなた方の役割ではないですか。
 そこでお尋ねしますが、講師頼みの定数確保方式をやめ、長時間労働と教員不足を解消するために正規教員を抜本的に増やすべきではありませんか、教育長の明確な答弁を求めます。
 次に、九大箱崎キャンパス跡地についてです。
 局長は、グランドデザインを尊重すると言いながら、それと矛盾する巨大アリーナやIT都市構想についてはやめさせる立場には立ちませんでした。副市長も発言をもらいましたけれども、同じ立場だと思います。これでは住民の願いは実現できないと思います。100年前に箱崎へ大学が来る際に、当時の住民の方々が土地を提供した歴史があります。だから、地域の住民の皆さんは、1998年の国有財産九州地方審議会が、跡地は公用、公共用優先を原則とすると打ち出した国の答申を支えに、この地は住民の財産だとして、2011年に広大な防災公園や教育、福祉施設などを中心とする4校区提案をまとめて、九大や福岡市と協議を重ねてきたのです。今年の2月24日、九大箱崎キャンパス跡地を考える会の主催で行われたワークショップには約70名の参加があり、防災機能を持った4ヘクタール以上の公園、誰もが自由に使える300席規模のステージを含むコミュニティセンターなど、そういった希望の跡地利用案が多く出されました。ところが、こうした願いを押し潰す開発計画が今回持ち込まれている巨大アリーナやIT都市構想です。元旦の西日本新聞でも、協議に参加してきた地元代表の方が、最先端技術の実験場ではなく、千年の歴史がある箱崎らしさを生かし、この地域の文脈を大事にしてほしいと語っておられます。能登地震を経験し、危険な警固断層を抱える本市の防災対策が正面から問われている中、住民の求める防災公園こそが100年先をも見据えた跡地利用のあるべき姿ではありませんか。
 そこでお尋ねしますが、箱崎九大跡地について、巨大アリーナやIT都市建設など開発計画を許さず、防災公園など住民の願いを反映させた計画に切り替えることを求めるべきではありませんか。また、開発計画への賛否も含めて、根本的な意見が言える住民参加の場を保障すべきではありませんか、答弁を求めます。
 次に、生理用品の学校や公共施設への設置についてです。
 局長は、現在の本市の取組で十分のような答弁をされましたけれども、果たしてそうでしょうか。私の調査では、20政令市の中で保健室ではなく、学校のトイレに配置しているのは13政令市ありました。さらに、一般の市町村でも、コロナ交付金終了後も生理用品を学校トイレに設置する自治体、今これだけ確認しても70以上に上っています。トイレへの無料設置を行っている城南区の別府公民館では、小中学生の利用者もいて、急に生理が始まることもあるので、保護者からは、ここは安心して来られるという喜びの声が寄せられたそうです。生理は女性にとっては日常であり、この声には人権保障を喜ぶ気持ちが込められています。このような取組こそ本市の全体に広げるべきです。当たり前にすべきです。
したがって、市長は生理の貧困に対する認識を抜本的に改めるとともに、全ての小中学校や公共施設のトイレに生理用品の無料設置を行うべきと思いますが、最後に答弁を求めて、私の質問を終わります。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 教員不足についての御質問にお答えいたします。
 正規教員につきましては、学校教育の充実を図るため、これまで毎年増員してきたところでありまして、令和6年度も小学校高学年の教科担任制の強化や教育課題に対応するための定数改善が予定されているところであります。本市といたしましても、今後もさらなる教員定数の充実について、引き続き国に要望していくとともに、教員以外の支援スタッフも含めた学校の指導運営体制の充実に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 島市長。
○市長(島宗一郎) 九州大学箱崎キャンパス跡地につきましては、地域とともにつくり上げたグランドデザインに基づき都市基盤の整備を着実に進めるとともに、最先端技術による快適で質の高いライフスタイルと都市空間を創出するFukuoka Smart Eastの実現に向けて、九州大学や地域などの関係者と連携をして未来に誇れるまちづくりに取り組んでまいります。
 生理の貧困につきましては、経済的に困窮する方に対し公共施設等で生理用品の配布を行っており、希望する方にお渡しできるよう努めております。今後とも、社会情勢等の変化や国の動向などを注視しながら、困難や不安を抱えている女性や子どもに対し、必要な支援に取り組んでまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) この際、休憩し、午後2時45分に再開いたします。
午後2時31分 休憩
午後2時45分 開議
○議長(打越基安) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を継続いたします。井上まい議員。
○55番(井上まい)登壇 私は福岡市民クラブ、近藤里美議員の代表質疑を補足して、以下3項目質問いたします。
 初めに、地域コミュニティ推進のための公民館機能強化についてお尋ねしてまいります。
 地域の担い手不足や地域コミュニティの希薄化等が問題視され、地域コミュニティ活性化条例の制定をはじめ、本市でも様々取り組んでいるところです。
 初めに、地域コミュニティ推進に関する6年度の取組をお示しください。
 次に、地域活動の担い手不足について改めて本市の認識を伺うとともに、この課題についてどのように対応される予定か、お尋ねいたします。
 また、現在、各区の地域支援課には校区担当職員が配置され、地域活動やコミュニティ支援に当たられていると思いますが、各区の地域支援課の校区担当職員の具体的な業務内容、配置状況を説明願います。
 あわせて、増員が図られていると思いますが、その効果について説明願います。
 また、校区担当職員の配置について、地域の声があれば教えてください。
 続いて、公民館についてお尋ねしてまいります。
 地域活動の拠点として重要な役割を担う公民館ですが、公民館の設置目的は何か。小学校区に1か所ずつ設置をしている理由と併せて説明願います。
 また、公民館の利用率について、10年前、5年前、直近の数字でお示しください。
 続けて、公民館に関連する施策として、公民館でのリモート窓口サービスが行われていると思います。この事業についての概要と目的、また導入の経緯について説明を求めます。
 あわせて、6年度の予定と今後の展開をどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。
 次に、2点目の生活交通の確保と高齢者乗車券の利便性向上についてお尋ねしてまいります。
 初めに、生活交通の確保について、6年度、どのようなことに取り組まれるのか、御説明ください。
 また、令和4年度より、持続可能な生活交通確保の仕組みづくりへの取組の一つとして、オンデマンド交通社会実験が行われております。5年度はエリアの拡大などが図られ実施されていると思いますが、今年度の実験内容について、概要と効果、課題など、実験の成果についてお示しください。あわせて、運行地域の声があれば、お聞かせください。
 また、チョイソコのエリア拡大について、今後どのような展開を予定しているのか、御説明ください。
 次に、高齢者乗車券の利便性向上についてお尋ねいたします。
 初めに、高齢者乗車券事業について、事業開始時の決算額と6年度の予算額をお示しください。
 あわせて、高齢者乗車券の券種について、それぞれの割合をお示しください。
 また、5年度、新しく選択肢として加わったオンデマンド交通チョイソコふくおか乗車券を選択された方はどれくらいいらっしゃるか、お示しください。
 次に、3点目の教育行政についてお尋ねしてまいります。
 初めに、児童生徒の学力向上のための6年度の取組について御説明ください。
 また、ふれあい学び舎事業について、現在の取組状況を御説明いただくとともに、6年度の実施予定についてお尋ねいたします。
 次に、教育環境の整備に関連する6年度事業について御説明ください。
 また、建て替え事業について、事業の概要と予算額、またその内訳について御説明ください。
 次に、教室についてお尋ねいたしますが、プレハブを教室としている学級数は幾つあるのでしょうか。現在と6年度の学級数についてお示しください。また、今後どのようにその教育環境を確保しようとされておられるのか、お示しください。
 次に、教職員の働き方改革に関してお尋ねしてまいります。
 今、学校現場では、不登校児童生徒数の増加や特別な支援を必要とする児童生徒数の増加など、喫緊の課題が山積しています。そんな中で、教員が子どもと向き合う時間をいかに確保できるかは大変重要な課題です。一方で、産休や育休を取得する教員の増加や特別支援学級の増加などによる教員の必要数の増加、また近年の就活の前倒し傾向のあおりを受けた新卒学生の民間企業への流出、また学校はブラックな職場であるという教員という職に対するイメージの悪化など、様々な要因により成り手不足が懸念をされています。
 そこでお尋ねいたしますが、教職員の働き方改革について、これまでの取組と6年度の取組を併せて御説明ください。また、6年度の教職員の働き方改革に係る予算額をお示しください。
 次に、授業時数についてお尋ねいたします。
 本市の授業時数について、実態を確認したいのですが、小学4年生と中学1年生の平均時数、また最も多い学校の授業時数について、国の定める標準授業時数と併せてお示しください。
 1回目の最後に、教職員の勤務時間について、令和4年度策定の福岡市立学校における働き方改革推進プログラムの、令和6年度までに時間外在校等時間が月100時間以上の教職員をゼロにするという目標について、達成の見込みはあるのか、お尋ねいたします。
 以上で1回目を終わり、2回目以降は自席にて行います。
 
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 公民館の機能強化についての御質問にお答えをいたします。
 令和6年度の地域コミュニティ推進に関する主な取組につきましては、自治会、町内会への補助や企業などと地域をつなぐ取組、地域への依頼の見直しを行うとともに、自治協議会共創補助金を拡充いたします。
 次に、担い手不足につきましては、市としても課題であると認識をしておりまして、地域コミュニティの大切さの周知や、自治協議会や自治会、町内会への補助などにより、活動への理解や参加の促進を図るとともに、市からの依頼事項の見直しによる地域の負担軽減などに取り組んでまいります。
 次に、校区担当職員につきましては、自治協議会や自治会、町内会の運営や活動の支援を行っており、各区地域支援課に計42名の職員を配置いたしております。
 また、増員による効果につきましては、地域課題に、よりきめ細やかに対応できるようになったものと考えております。
 また、校区担当職員に対する地域の声につきましては、地域活動に関する幅広い相談ができる、他の校区の取組事例が共有される、校区の実情に寄り添った支援が受けられるなどの評価をいただいております。
 次に、公民館の設置目的につきましては、福岡市公民館条例において、住民の生涯学習及び地域コミュニティ活動の支援により、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与するためと定めており、地域のより身近な施設として小学校区ごとに設置をいたしております。
 また、利用率につきましては、福岡市基本計画の成果指標に関する意識調査による、年に1回以上、公民館を利用した市民の割合でお答えをいたしますと、平成25年度は22.6%、30年度は23.6%、令和4年度は20.8%となっております。以上です。
 
○議長(打越基安) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) リモート窓口についてお答えします。
 事業の概要については、離島などの区役所から遠い地域の公民館等13か所と区役所窓口をビデオ通話でつなぎ、行政サービスに関する相談や申請書類の作成などの支援を受けることができるものでございます。次に、事業の目的については、福岡市においては来庁の必要がないノンストップ行政の実現に向け、行政手続のオンライン化に取り組んでいるところですが、スマートフォンをお持ちでないなど、オンライン申請が困難な方もデジタル化による利便性向上を実感できる、誰一人取り残されない取組として実施するものでございます。次に、導入の経緯については、令和3年度及び4年度に実証実験を行い、参加者から、簡単に利用できたや、こういう窓口ができれば利用したいなどの声を多くいただいたことを踏まえ、地域の意見を伺った上で、令和5年11月から本格的にサービスを開始したところでございます。
 次に、令和6年度の予定については、引き続き現行の公民館等において実施してまいります。また、今後の展開については、利用状況や地域の要望などを踏まえ、検討するものと考えております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 生活交通の確保に関する御質問にお答えします。
 まず、令和6年度の生活交通確保の取組につきましては、引き続きバス路線の休廃止に伴う公共交通空白地への代替交通を確保するとともに、オンデマンド交通社会実験などに取り組んでまいります。
 次に、オンデマンド交通社会実験につきましては、持続可能な生活交通の確保を目的に、公共交通不便地等を含む市内3エリアにおいて、運行内容をはじめ、運賃以外の収入確保の工夫などの社会実験を行っているもので、チョイソコふくおかという名称で令和4年11月以降、順次運行を開始しております。現時点での成果といたしましては、利用者の声などから地域の方々の外出機会の増加や利便性向上につながっているものと考えております。利用者数などは確実に増加しておりますが、まだ少ない状況ではありますので、さらなる利用促進が課題と考えており、引き続き地域、交通事業者と共働して取り組んでまいります。また、運行地域の声といたしまして、高齢者を中心に外出の際の役に立っている、停留所を追加してほしい、少しでも予約受付時間の拡大をしてもらいたい、認知が広まってきたが周知には時間がかかるなど、様々な御意見をいただいております。
 最後に、今後の展開につきましては、令和4年度に市と共働で主体的に取り組む地域、交通事業者をそれぞれ募集の上決定し、市内3エリアで実施しているところであり、引き続き地域や交通事業者と共働で生活交通確保の仕組みづくりに資するよう、取組を進めてまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 高齢者乗車券についての御質問にお答えいたします。
 まず、事業を開始した平成13年度の決算額は7億1,700万円余、令和6年度の予算額は20億2,900万円余となっております。
 次に、券種ごとの交付割合につきましては、令和4年度の実績で交通用福祉ICカードは75.0%、タクシー助成券は24.7%、市営渡船乗船引換券は0.2%、今宿姪浜線乗合バスなぎさ号、曲渕線乗合タクシー、早良区大字西地区乗合タクシーは、いずれも0.1%未満となっております。
 次に、チョイソコふくおか乗車券につきましては、令和5年度から導入したところであり、選択した人の数は令和6年1月末現在で35人となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 教育行政についての御質問にお答えいたします。
 まず、学力向上の取組につきましては、教師が子どもたちの主体的な学びを支える伴走者としての役割を果たし、子どもたちの可能性を最大限に引き出していくことが重要であると考えております。そのため、ICTを活用した授業改善に努めるとともに、ふれあい学び舎事業の実施や学習指導員の配置のほか、教育データ連携基盤の構築に向けた試行検証などを実施してまいります。
 次に、ふれあい学び舎事業の取組状況と令和6年度の実施予定につきましては、参加児童がふれあい支援員のサポートを受けながら、1人1台端末を活用した学習やプリントの学習に取り組んでおりまして、令和6年度においても引き続き全ての小学校で実施することで、放課後の補充学習の充実を図ってまいります。
 次に、教育環境の整備につきましては、良好な教育環境の確保と維持を図るため、校舎等の長寿命化改良、建て替え及び箱崎中学校の移転など、学校施設のアセットマネジメントを推進いたします。
 次に、建て替え事業につきましては、昭和40年代後半から50年代に建設された施設が今後一斉に更新時期を迎えることから、財政負担の平準化を図りつつ、老朽化した校舎などの建て替えを計画的に実施してまいります。令和6年度の予算額と内訳につきましては、基本計画と基本設計、各3校分の委託費など、2億2,666万円余をお願いいたしております。
 次に、現在のプレハブを教室としている学級数につきましては、令和5年度末時点で小学校150室、中学校54室となっております。また、令和6年度のプレハブ教室数の見込みは小学校167室、中学校75室となっておりまして、今後も各校区の実情に応じて適切に対応してまいります。
 次に、教員の働き方改革につきましては、これまで多様な支援スタッフの配置拡充、学校の庶務事務システムの構築、デジタル採点システムや高機能複合機の導入、自動音声メッセージ機能付電話の整備、学校閉庁日の拡充などに取り組んでまいりましたが、令和6年度も教頭マネジメント支援員や教育支援員の新設、スクール・サポート・スタッフや部活動指導員、学校生活支援員などの配置拡充、専門コンサルタントの支援による学校の業務改善体制の構築などに取り組んでまいります。また、教職員の働き方改革に係る予算額につきましては、関係する取組が様々でございますが、そのうち教員が子どもと向き合う環境づくり関連予算で申し上げますと21億2,367万円余でございます。
 次に、授業時数につきましては、国が示している年間標準授業時数は、小学校4年生、中学校1年生共に1,015時間でございます。令和5年度の計画時点における本市の小中学校の平均授業時数は、小学校4年生が1,033時間、中学校1年生は1,060時間、最も多い学校の授業時数は、小学校4年生が1,076時間、中学校1年生は1,102時間となっております。
 次に、令和6年度までに時間外在校等時間が月100時間以上の教職員をゼロにするという目標の達成見込みにつきましては、現時点で達成には至っておりませんが、その状況は改善してきております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) では、2回目に入ります。
 地域コミュニティについて様々な取組が行われており、増員を図られた各区の地域支援課の校区担当職員による地域支援においても一定の効果はあるようです。一方で、公民館の利用状況については、地域の身近な施設として小学校区ごとに設置してあるにもかかわらず、現状の利用率はかなり低いということが分かりました。
 そこでお尋ねをいたしますが、公民館の利用者の偏りや少なさについて、6年度、どのような取組を実施するのか、お答えください。
 次に、リモート窓口について、本事業は通常は区役所で行われる行政サービスの相談や申請書類の作成などの支援を、ICTを活用し、地域の公民館で受けられる新しいサービスです。
 今は区役所から離れた公民館や出張所で実施をされていますが、全ての公民館に展開することで、今後は区役所に行かずとも地域で行政手続が行えるようになると思いますが、御所見をお尋ねいたします。
 また、以前から我が会派が提案している1つが、公民館への行政コンシェルジュの配置です。私たちは相談支援員のような方を各公民館に配置することで、区役所まで足を運ばずとも行政相談や行政手続ができるようになり、行政サービスや相談窓口の充実が図られると訴えてまいりました。今回のリモート窓口の導入は、ある意味、ICTを活用することで公民館でも各種行政手続ができるということが証明されたのではないかと思います。
 公民館が一時的な行政窓口の受皿となり、担当部局とのかけ橋となるだけでも、公民館の存在価値は大きく上がると考えます。実際に他都市では、行政職員を各公民館に配置し、窓口機能を有している事例もありますが、御所見を伺います。
 次に、2点目の生活交通についてですが、チョイソコの社会実験の結果を見ると、民間事業者だけで採算を取るにはまだまだ利用者も少なく、課題が多いようです。具体的にどのように利用客の増を図っていくことにしているのか、お尋ねいたします。
 また、チョイソコの運用を同じ3エリアで継続実施するようですが、エリアの拡大を求める声は少なくありません。早期のエリア拡大やその他の代替手段の実施などを早急に講じるべきであると思いますが、今後の生活交通確保についてどのような計画で進めていく予定なのか、お尋ねいたします。
 また、高齢者乗車券については、年々かかる予算も増加し、6年度は20億円を超える一大事業であることが分かります。また、利用者の約75%がICカードで受け取り、地下鉄やバスなどで利用している一方、約25%の方はタクシー助成券を選んでいるようです。タクシーにも一定の需要があることが分かります。以前から要望し続けていますが、いまだにICカードでタクシーなど、その他の交通手段でも利用することはできないのか、説明を求めます。
 タクシー助成券の利用については、以前から指摘していますが、非常に利便性が悪いと感じております。6年度はタクシー助成券の利用方法について、1度の乗車で2枚まで利用を認めることになったようですが、なぜ引き続き上限を設けるのか、御説明ください。
 あわせて、複数人での乗車の場合、それぞれがタクシー助成券を利用することを認めていない理由を説明願います。
 次に、券種の選択についてですが、申請の際、複数の券種を選ぶことができないのはなぜか、お尋ねいたします。
 また、タクシー助成券を選んでいる方は交通不便地エリアの方が多いのではないかとも予想されますが、実際はどうでしょうか。例えば、チョイソコ運行エリア内の高齢者とタクシー助成券を選択している人の相関関係などはないのでしょうか、お尋ねいたします。
 最後に、使用率についてお尋ねいたします。
 ICカードへのチャージについては、最大2万円分カードにストックできる仕様上、年度をまたいでも余った分は使用が可能だと思いますが、単年度のみしか利用ができないタクシー助成券について、使用率はどれくらいか、お答えください。
 続いて、3つ目の教育行政についてです。
 ふれあい学び舎事業においては、6年度も引き続き全ての小学校で実施し、放課後の補充学習の充実を図っていくとの御答弁でした。放課後の補充学習といえば、学習塾を利用する児童も少なくありません。実際にこども未来局において実施をしている習い事応援事業の4年度決算の結果を見ると、約8割が学習塾で利用していたということが明らかになっておりますが、当該事業がもっと勉強を頑張りたいという児童にとって十分な受皿であると認識されておられるか、御所見をお尋ねいたします。
 次に、教育環境の整備に関してです。
 これまでも施設整備に関しては様々要望してまいりました。
 そこでお尋ねいたしますが、以前、議会質問でも取り上げられた体育館の狭隘問題について、平成29年当時、旧基準の体育館が小学校65校、中学校で19校あるとされていましたが、現況と今後の計画についてお示しください。
 また、学校体育館や校舎は災害時の避難所にも指定をされていると思いますが、バリアフリーに対応できていない学校体育館及び校舎は現在どのくらいあるのでしょうか。
 また、学校体育館について、5年度、雨漏りの報告があったのは何件あるか、お示しください。あわせて、その修繕は行っているのか、お尋ねいたします。
 また、プレハブ教室について、校舎の増築とプレハブでの教室増設はどのような基準で判断されているのか、お示しください。
 次に、教職員の働き方改革についてです。
 これまでもハードとソフトの両面で教職員の働き方改革を実施されています。しかしながら、教職員の業務を軽減する補助的な支援が多く、抜本的な働き方改革にはなっていないような印象を受けます。
 授業時数についてもお尋ねいたしましたが、なぜ国が定める標準授業時数よりも授業時数が多くなっているのか、その要因をどのように認識されているのか、御説明ください。
 また、時間外月100時間以上の教職員ゼロという目標については、達成には至っていないとのことですが、今後どのように達成しようと計画しておられるのか、御説明ください。
 あわせて、過去の議会質問において、教師が子どもとどれだけ向き合えているのか、質的にも量的にもはかる指標が必要であると意見を述べましたが、6年度策定に入る次期教育振興基本計画に指標を追加すべきと思いますが、御所見を伺います。
 以上で2回目の質問を終わります。
 
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 公民館の機能強化についてお答えをいたします。
 令和6年度の公民館の利用促進に向けた取組につきましては、公民館だよりなどによる広報のほか、住民ニーズを捉えた講座の実施やロビーなどを活用した気軽に立ち寄れるイベントの開催、自宅などからでも参加可能なオンライン講座の開催などを行ってまいります。
 次に、行政窓口機能についてですが、市民からの相談につきましては、市役所や区役所において専任の相談員がお聞きをするとともに、各専門分野については区役所等の窓口でお受けしているところでございます。公民館におきましては、一部でリモート窓口を実施しているほか、新型コロナウイルスのワクチン接種の予約サポート事業を行うなど、住民ニーズを捉えた対応を行ってきたところでございます。今後とも、より多くの住民に御利用いただけるよう、公民館の機能の発揮と利便性の向上を図ってまいります。以上です。
 
○議長(打越基安) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) リモート窓口についてお答えします。
 現行の公民館からのさらなる拡大については、利用状況や地域の要望などを踏まえ、検討するものと考えております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 生活交通の確保に関する御質問にお答えします。
 まず、社会実験で利用者を増やす取組につきましては、停留所の追加や予約受付時間拡大などの利便性の向上をはじめ、住民説明会、チラシ配布などの周知拡大などに取り組んでおり、引き続き地域や交通事業者と共働して取組を進めてまいります。
 次に、今後の生活交通確保の取組ですが、生活交通条例に基づく休廃止対策等を引き続き実施するとともに、地域や交通事業者と共働してオンデマンド交通の社会実験を着実に進め、社会実験での課題等を踏まえながら、持続可能な生活交通確保の仕組みづくりに取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 高齢者乗車券についての御質問にお答えいたします。
 まず、タクシーなどにおけるICカードでの支払いには、電子マネーの機能が用いられております。交通用福祉ICカードに電子マネーの機能を付加しますと、買物など、目的外の使用が可能となってしまうことから、タクシーなどでの使用は難しいものと考えております。
 次に、タクシー助成券につきましては、平成27年度に導入し、タクシーの乗車料金の一部を助成しているものでございます。介護予防、認知症予防に向けては、できるだけ多くの回数外出し、社会参加をしていただくことが重要であることから、1乗車につき2枚までの利用とするものでございます。
 次に、複数人でのタクシーの乗車につきましては、できるだけ多く外出の機会を持っていただけるよう、乗車人数にかかわらず、1乗車当たりの利用枚数を設定しております。
 次に、券種につきましては、7種類の中から最もよく利用するものを1種類お選びいただいているところであり、15万人を超える方にできるだけ速やかに交付する必要があることなどを踏まえると、複数の券種を交付することは難しいものと考えております。
 次に、タクシー助成券のエリアごとの選択状況につきましては、令和4年度の実績を区別に見ると、割合が最も高いのは博多区で、次いで西区となっております。正確な分析は難しい状況がございますが、券種につきましては、身体状況なども含め、それぞれの事情に応じて選択されているものと考えております。
 次に、タクシー助成券の使用率につきましては、令和4年度の実績で63.2%となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 教育行政についての御質問にお答えいたします。
 まず、ふれあい学び舎事業につきましては、個別の指導が必要な児童を対象に、学習意欲の向上や学習習慣の定着を図ることを目的として実施しておりまして、成績の向上を主たる目的とする、いわゆる学習塾とは果たすべき役割が異なるのではないかと考えております。
 次に、旧基準の体育館につきましては、令和5年度末時点で小学校61校、中学校19校となっており、今後、建て替え等の機会を捉えて計画的に整備を進めてまいります。
 次に、学校体育館のバリアフリー化につきましては、スロープ等による段差解消を進めており、令和5年度末時点において、玄関からアリーナまでの段差解消が未了の割合は小学校で5.5%、中学校で15.9%となっております。また、校舎のバリアフリー化につきましては、昇降口等から教室等までの段差解消が未了の割合は小学校で19.9%、中学校で28.6%となっております。
 次に、学校体育館における雨漏りにつきましては、染みなど軽微なものも含めた件数が34件となっております。そのうち21件は修繕対応済みであり、その他の雨漏りにつきましても適宜修繕を行ってまいります。
 次に、校舎の増築とプレハブ教室増設につきましては、児童推計に基づき、教室不足となる期間やその数、既存校舎の経過年数などを総合的に勘案し、判断しております。
 次に、授業時数が多くなっている要因につきましては、学校ごとに児童生徒や地域の実情が異なることから、それらを踏まえた教育指導計画を作成する必要があり、一部の学校においては教育目標の実現のため、一定の授業時数を上増しして確保することが求められる場合があるためと認識しております。
 次に、時間外在校等時間の縮減目標につきましては、福岡市立学校における働き方改革推進プログラムを令和4年度に策定し、目標達成のため、多様な支援スタッフの配置拡充やICTを活用した業務効率化など、30項目の具体的取組を着実に進めていくこととしております。
 次に、次期教育振興基本計画の指標につきましては、現行の第2次福岡市教育振興基本計画においても、教員が子どもと向き合う環境づくりを施策の一つとして掲げており、その評価指標として、教員が子どもと向き合う時間の確保状況を設定いたしております。次期教育振興基本計画に定める施策や指標につきましては、今後、検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 井上まい議員。
○55番(井上まい) 3回目に入ります。
 公民館の利用率向上の今後の取組として、さらなる広報や各種イベントの実施などが挙げられました。しかしながら、それらの実施だけでは、飛躍的に利用率やこれまで利用されていなかった方たちへ広がりを持たせることは難しいと思います。現在の公民館の大きな課題は、利用割合の低さはもちろんのこと、利用者が限定的になっていることだと思います。地域コミュニティの活性化を図るためにも、日頃から地域との関わりを持つ地域住民をもっと広げる取組を考えることが必要です。その足がかりとして、今回は公民館の機能強化による有効活用を提案するものです。
 現在、本市では、行政サービスのDX化を通し、真に必要なところに人を充てるための窓口改革が進んでいるものと思いますが、小学校区ごとに設置している公民館を今以上に生かす方法を考えるときが来ているのではないかと思います。現在の行政サービスは、区役所という行政手続における区ごとの拠点がありながら、福祉分野で言えば、いきいきセンターなどは各中学校区に点在しています。現在の、困ったことがあれば区役所や市役所にという在り方を、困ったことがあれば最寄りの公民館にという新しい形をつくることによって、その地域に住まう住民間の日頃からの連携やお互い顔が見える環境づくりが今後の地域コミュニティの活性化につながるのではないかと考えています。
 今の限られた方にしか利用されていない公民館を社会教育の場として閉じず、当たり前に多様な市民が利用する施設として見直し、市民と地域とをつなぐためのかけ橋として公民館の在り方を見直すべきであると思いますが、最後に御所見をお尋ねいたします。
 次に、生活交通の確保策について、具体的な計画は今のところ立っておらず、またオンデマンド交通の社会実験については運行エリアの拡大予定はないようです。
 もちろん取組を進めていく上で効果や課題をしっかりと検証することは重要ですが、同時に本市の公共交通不便地やそれに準ずる地域などを今後いつまでにどのように解消していくのか、道筋や計画を立て、事業を実施することが重要だと考えますが、御所見をお尋ねいたします。
 また、高齢者乗車券については、改善すべき点について、るるお尋ねいたしましたが、改善の予定はほとんどないようです。また、先ほどの答弁では、選択券種と居住エリアなどの正確な分析は難しいとのお答えでしたが、チョイソコの運行エリアであっても現状どれかを選択せざるを得ず、結果的にタクシー助成券を選んでいる方もおられることが想像されます。申請者の情報を照合すれば、居住エリアや選択券種の内容などを分析することで、今後の生活交通の確保に向けての貴重なデータとしても活用できる可能性はあると思います。交通計画を担う住宅都市局と高齢者乗車券事業を担う福祉局とで、施策の検討において活用し得るデータは局を超えて共有しつつ、政策立案に生かすべきだと考えますし、タクシー助成券とチョイソコ乗車券だけでも併用できれば、チョイソコ利用者の増加も期待ができるのではないでしょうか。
 ICカードでの一元化を早期に実現していただきたいところですが、せめてICカードが利用できないその他のチケットの利便性向上を図るべきだと思います。チケット1枚当たりの金額やチケットの仕様を見直すだけでも実現可能性はあると考えますが、御所見をお尋ねし、この質問を終わります。
 最後に、教育行政についてです。
 ふれあい学び舎事業について、全小学校で実施をしているということですが、現場では、フォローが必要な児童に限ってなかなか参加してもらえないといった声や、実施時間などが学校によって異なり、取組に差が生じているなどの声も聞かれます。地域在住の方に支えられている事業ではありますが、子どもたちの放課後の補充学習の場として大変重要な役割を担っていますので、さらなる拡充を図るべきだと考えます。
 また、教育の環境整備に関して、来月新設の小学校が開校する一方で、6年度はさらにプレハブ利用の学級数は増加をし、それについては解消の見込みは立っていないようです。従来型の新築や増築の手法だけではなく、将来を見据えた校舎などの施設整備の手法は様々研究をされているところです。施設の複合化や、将来的には他の施設としても転用可能な施設として校舎を建設するなど、プレハブ校舎の解消に向けた努力をすべきであると考えます。
 また、学校体育館においては、広さの基準が旧基準のままとなっている学校もほとんど改善されていないということが分かりました。ここで資料1を掲示願います。(資料投影)過大規模校でかつ基準が旧基準の体育館では、こちらの写真のような状況になりまして、児童生徒は学校行事やクラブ活動に支障を来したままとなっている学校があるということになります。ちょっと見づらいですけれども、ぎゅうぎゅう詰めになった体育館です。バリアフリー化についても、いまだ100%には至っておらず、子どもの学習環境の整備という面でも、避難所としての役割を担う施設の整備という面でも、やはり対応が遅いのではないかと言わざるを得ません。また、雨漏りについてもお尋ねをいたしましたが、雨で床が劣化するほど長期間放置された体育館も確認をしています。これらの施設整備も早期に実現できるよう、建て替え、改修に係る予算を拡充すべきです。資料ありがとうございます。
 次に、教職員の働き方改革についてですが、今回、この質疑に当たり、全校の授業時数について調査をいただきました。その結果をまとめましたので、資料2をお願いします。(資料投影)こちらに数字をまとめましたけれども、小学校のみ表示しています。青の行が標準時数となりますが、全校平均でも標準時数を学年によって5時数から31時数超えていることが分かります。一番超過数が多い学校については、小学校1年生で94時数も標準時数を超えていることが分かります。教育課程の編成に関しては、基本的に標準授業時数で編成し、不測の事態に備えるとしても、最低限の予備授業時数となるようにすべきです。たかだか数時間の違いに思えるかもしれませんが、その一時間一時間に教員の授業準備の時間が上乗せをされ、業務の逼迫につながります。
 資料3をお願いします。(資料投影)こちらは12月の田中しんすけ議員の一般質問時のパネル資料の再掲になりますが、例えば、先ほどの小学4年生の標準時数は年間1,015時数とされていますが、これは学校6日制だった1970年から80年代の標準授業時数であり、現在の学校5日制の時代においては過剰な授業時数であるため、このグラフのように、教員の勤務時間が授業で埋め尽くされるという事態が生じております。時間外月100時間以上の教職員ゼロという目標の達成はもちろん当然のことではありますが、教職員の8時間勤務の実現に向けて、授業時数の削減も含め、業務改善の取組を強化すべきです。資料ありがとうございます。
 今では学校現場でも1人1台タブレットの活用をはじめとしたICTの導入が進み、学びの形も多様化しているところですが、学力の向上はもちろん、不登校児童生徒の増加などの学校現場を取り巻く課題をいち早く解決するためにも、やはり大事なのは、学校の教員がどれだけ児童生徒一人一人としっかりと向き合う時間が取れるかどうかだと思います。
 子どもたちの学びや教職員の働き方という両面において、配慮を要する子どもへの加配教員や専科教員の配置など、教員の数を増やす根本的な対策も必要不可欠であると考えますが、教育長の御所見をお尋ねいたします。
 そして最後に、ハード、ソフト両面で改善が求められている教育行政において、それぞれ改善を図るには、やはり大きな予算が必要となります。次代を担う子どもたちの教育環境を改善するためにも、教育予算の大幅な拡充が必要であると思いますが、教育予算の拡充について島市長の御所見をお伺いし、質疑を終わります。
 
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 公民館の機能強化についてお答えをいたします。
 公民館につきましては、小学校区ごとに設置され、住民にとって最も身近な公共施設として、その果たす役割はますます重要になるものと認識をいたしております。このため、地域コミュニティの拠点として150坪化を進めるなど、機能の充実を図るとともに、幅広い世代を対象とした講座や事業、ロビーを生かした地域カフェを実施するなど、多くの方に御利用いただけるよう取り組んでいるところでございます。今後とも、住民の生涯学習と地域コミュニティ活動を支援する拠点として、DXの推進も図りながら、その機能を十分に発揮できるよう取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 生活交通の確保に関する御質問にお答えします。
 今後の進め方についてですが、現在実施している社会実験であるチョイソコは、公共交通不便地対策に資するものとなるよう、広域運行等の運行内容をはじめ、運賃以外の収入確保など、様々な工夫に取り組むものでございます。運行2年目からは、各エリアでこれまで取り組んできた運行内容や利用促進策、利用者の状況などを分析の上、新たな利用促進等の改善策について地域と協議しながら実施しているところでございます。今後、社会実験で得られた成果も活用し、公共交通不便地等における生活交通確保の仕組みづくりに取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 高齢者乗車券についての御質問にお答えいたします。
 交通用福祉ICカード以外の券種につきましては、それぞれ運行している事業者も料金体系も異なるため、一元化は難しいものと考えております。高齢者乗車券につきましては、令和6年10月からタクシー助成券を1乗車につき2枚まで利用できるよう改善を図ることとしており、今後とも利用者の利便性の確保に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 教育行政についての御質問にお答えいたします。
 教員数に関する対策の必要性につきましては、教職員の任用経費は法律に基づき国が措置することとなっており、令和6年度も小学校高学年の教科担任制の強化や教育課題に対応するための定数改善が予定されているところであります。本市といたしましては、今後もさらなる教員定数の充実について引き続き国に要望していくとともに、教員以外の支援スタッフを含めた学校の指導、運営体制の充実に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 次代を担う子どもたちの教育環境を充実していくことは大変重要であり、これまでも確かな学力の向上や特別支援教育の推進など、教育施策の充実に取り組んでまいりました。今年度も不登校児童生徒への支援の充実や教員が子どもと向き合う環境づくりなど、様々な教育施策の充実に取り組むこととしており、令和6年度は1,528億円余り、前年度比で10%増という過去最大の教育費となっております。今後も、教育委員会と連携をして、次代を担う子どもたちの育成にしっかりと取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(打越基安) 新開ゆうじ議員。
○14番(新開ゆうじ)登壇 今日は福岡市における国際化とグローバル化をテーマに、いわゆる人、モノ、サービス、情報に、それから資本、特に資本が国境を越えて自由に行き来するグローバル社会において、先人から受け継いだふるさと福岡、博多をいかによりよい形で次世代に継承していくか、このことについて、教育、観光、そして地域コミュニティ、自治の視点から個人質疑をさせていただきます。
 まずは教育についてですが、令和6年度は次期教育振興基本計画に向けた検討が行われる年度ということで、改めて確認をさせていただきたいんですが、現在の第2次教育振興基本計画の中では、教育が目指す子どもの姿、子ども像として、世界と深いつながりを持ち、国際化した社会を生きる子どもたちには、日本だけではなく、アジア、世界の国、地域という視点を持ちながら共生していくことが求められているとあります。また同時に、同じ基本計画の中で施策課題の中では、グローバルな社会を生きるキャリア教育とあります。国際化した社会というのとグローバルな社会というのは似て非なるものがあるわけです。
 一般的にインターナショナル、国際化した社会というのは、振興基本計画の中にも記載してありますが、郷土や日本の歴史、伝統、文化等を大切にし、その上で他国の制度やルール、慣習の違いなどを尊重し合いながら、外交を通じて自国の国民の所得や生活向上のために海外と向き合っていく社会、これが一般的な国際社会と。片やグローバル社会、これは逆に、国柄とか、郷土、歴史、伝統、文化、こういったものは必要ではなく、国境の垣根を越えて、国柄を取り払い、まさにグローバル、地球市民的な視点で、人、モノ、サービス、資本の移動が自由になる社会のことを指し示すかと思います。特に資本の移動が自由になった世界市場競争の中で、いかに経済的側面から効率化を図るか、合理化を図っていくかという社会が、いわゆるグローバル社会ではないかと思います。
 このように両者は似て非なる社会であり、社会の捉え方の前提が変わると、全ての教育施策の前提が変わってくるのではないかと思いますので、改めて教育におけるグローバル化と国際化の概念の違いについてお尋ねいたします。
 次に、まちづくりにおいても同様に、天神ビッグバン、博多コネクティッドなどの開発、それから福岡の都心部のエリアに今までになかった新しい高付加価値を生み出してくれるような、例えば国際金融機能の誘致、こういったものを通じて、福岡市はよりハイスペックな都市機能を備えた新しい都市にアップグレードされて、生まれ変わろうとしているところです。
 国境の垣根を越えて、人、モノ、サービス、特に資本が自由に行き来するグローバル社会の中では、いかにグローバルな世界から投資を呼び込むことができるかということが成長への重要なポイントになるわけで、これは視点を変えてみると、天神、博多駅のような都心部においては、グローバルな投資家の価値基準にテーストされた都市に変わっていくと、グローバルな投資家から見て、投資に値する価値がある、そういうふうな評価をされる都市へと変わっていくことが投資を呼び込むための必須となる時代だと思います。
 このように天神や博多駅かいわいのような都心部エリアについては、高付加価値の機能を備えたまちとして、アジアをはじめとするグローバル社会の中で、ハード面でも引けを取らない都市に生まれ変わって歩み始めようとしているわけですが、それに合わせて、もう1つ重要なことが福岡にしかないストックの活用、ソフト面での魅力を向上させていくことが、東京や香港、シンガポールにもないようなまちの存在として、グローバル社会の中で福岡が他都市とは違う、福岡らしく輝いていくのであろうというふうに思います。
 そこで、福岡にしかない様々な歴史や文化を今まで以上に魅力を高め、世界に発信していくこと。その意味で、今、福岡市が力を入れている博多旧市街プロジェクトの果たす役割というものは、これは福岡城址、鴻臚館跡を活用した観光施策と並んで、極めて重要な観光施策の一つであると考えています。
 そこで、福岡市が考えるこの博多旧市街プロジェクトの位置づけ、役割とは何か、明確なビジョンについて改めてお尋ねいたします。
 また、このプロジェクトを通じて、既存の需要に加えて、新しく付加価値のある観光需要を創造していくために、これまでも様々な視点からの調査、マーケティング等も行われてきたのではないかというふうに思いますが、マーケティングデータ等から見える課題としてどのようなものがあるのかということをお尋ねさせていただきます。また、来年度は、その課題を踏まえた上で、どのような戦略、施策でこの旧市街プロジェクトを推進されていく、施策を進めていかれるのかということについてお尋ねいたします。
 また、実際にまち並みを散策いただくコースの中では、寺社仏閣のような歴史に基づいた名所が多く、このような名所を観光いただくことで、特に外国人の方には福岡、博多の魅力を感じていただけるのではないかと思っております。その意味で、外国から観光でお見えになる方々へのサポートガイドとして、多言語に対応できるガイドツアーはとてもよいサービスではないかと思うんですが、この多言語ガイドツアーの運営事業者について、平成30年から募集しているようですが、現在もまだ運営事業者が決まっていないというふうに伺っています。
 リアルなサポートガイドがあれば、より深く外国の方々には博多旧市街の魅力をお伝えすることができるのではないかと思うんですが、事業者がなかなか決まらない要因はどこにあるとお考えなんでしょうか。また、事業者が決まらないことに対して、現在、何か取り組んであることがおありであればお尋ねいたします。
 あわせて、観光拠点の一つとして位置づけられている博多駅前出来町公園についてなんですが、これは民設民営による民間の活力を導入して新たなにぎわいの広場として活用していくために、令和2年度にそのための運営事業者を募集されていましたが、コロナ禍も経て、その後の状況はどのようになっているのか、また、今後どのように取り組んでいかれるのかをお尋ねいたします。
 あわせて、2022年9月に更新されているこの博多旧市街プロジェクトのホームページの内容ですが、出来町公園が休養施設等として平成31年4月にオープン予定と記載されたままであったり、一部、平成29年、30年度当時の情報が更新されずにそのまま記載されている状況が散見されます。
 このホームページから情報を取られる観光客の方も多いかと思いますので、来年度は見て訪れたくなる、わくわくするような、少なくとも現在の新しい情報を載せたホームページへと更新していただきたいのですが、いかがでしょうか。
 それから、グローバル都市としての成長に伴い、今後、福岡には世界から高度な技術や専門的な知識等が求められる高度人材が集まり、それらの、いわゆる高額所得層の人たちと、卸や小売、飲食等の第3次サービス業等に従事する非正規雇用者を中心とした方々との間で、所得の格差が今後ますます広がっていくんではないかというふうに思っています。
 グローバル経済の社会においては、個人の所得が上がらない要因は様々にあるかと思いますが、その一つとして、東証プライム市場に上場している企業への外国人投資家比率の拡大、いわゆる株主還元社会と言われるように、ROE、自己資本利益率、いわゆる株主への利益がより優先される昨今の株式市場でのトレンドがあります。
 かつての日本、高度成長を支えた日本型と言われる企業では、会社は社員のものだと、みんなで頑張って利益を上げて、そして社員の給与を上げていこうと、そういう経営者の下で力を合わせて働き、会社の発展が社員の暮らしを豊かにしていった時代もありました。ところが今は、会社は投資家のもの、どんなに株価が上がっても、企業が業績を上げても、基本的にはまずは投資家への利益還元が優先される社会なんです。そういう中で、固定費である人件費を圧縮するために、いわゆる非正規を増やして利益を生み出していくという、こういう構図になっているので、そのために簡単には正規雇用の拡充にも個人の所得の向上にもなかなかつながらないという状況になっています。
 そもそも派遣法の改正をはじめ、1990年代後半からの、いわゆる金融ビッグバンと言われた証券業法、銀行業法、保険業法の改正をはじめ、今日までの様々な規制の緩和によって外国資本を受け入れてきた結果、日本人の所得というのは、ここ三十数年来、ほぼ横ばいで、OECD加盟国の中でも著しく所得が伸びていないことについては皆さんも御承知のことかと思います。OECDの平均賃金比較表では、2021年、まずOECDの平均で、これはUSドルですけど、5万1,600ドル。日本はそれより下の3万9,700ドルです。30年前の1994年でも日本は3万8,000ドルですから、30年来、ほとんど所得が伸びていないということなんですね。アメリカは逆に、21年度が7万4,700ドルと。これは94年度には4万9,800ドルですから、1.5倍、やっぱり伸びているわけです。こういうことで、国内で生活をしているとあまり気づかないんですが、日本人の所得、賃金というのは、これは海外と比較すると相対的にとても安いわけです。その意味において、まさにこの福岡もその縮図の中にあるのではないかというふうに思っています。
 少し視点を変えてみれば、当たり前のこととはいえ、グローバルな投資家、企業というのは、福岡市民のために投資をするのではなく、あくまで企業利益のために投資をするというのがこれは基本であって、利益を生み出すためには、例えば、人件費は当然安いほうがいいわけで、特に外国人投資比率の高い企業などから見れば、これは表現は適切ではないかもしれませんが、福岡市民の労働力が外国資本の投資家、企業から安く買われているということであり、併せて市内の土地、建物がどんどんそのような外資系のものになっていくと。
 今、京都では、円安の影響もあって、中国企業等に観光地が爆買いされているということで、緊急時の安全保障の視点からも大変大きな問題になっています。外国人が土地を購入することに規制をかけられないこと自体は、GATS、いわゆる世界貿易機関のサービスの貿易に関する一般協定にある内外差別的な立法が行えないということで、国そのものの問題ではあるんですけれども、とはいえ、地方においても緊急災害時の国守り、安全保障の観点からも重要な問題だというふうに考えています。
 福岡でも外国人による土地、建物の買収が進み、また外国人労働者の増加、これに伴い、市民生活の変化に伴う課題も今後は新たに出てくるものと思われますので、本来であれば、安全保障の観点からも、福岡市においても実質的に外国人投資家が所有する不動産及び外国人労働者数の推移等については可能な限り実態を把握していくべきだというふうに思っていますが、これは要望とさせていただきます。
 また、それに関連して、各自治協議会を通じた地域コミュニティの在り方を考えていく上で、年々増加傾向にある外国人の在住者、都心部においてより顕著な単身世帯の増加、このようなこれまでにも地域とは関わりの薄かった方々との日常を通じた日頃からのつながり、コミュニティの形成は、防犯、犯罪抑止の視点からも大変重要ではないかと思っています。
 あわせて、いつ起こるか分からない地震や水災害に備え、日常から各自治協議会を中心とした地域自主防災組織の強化、それから防犯対策活動のためにも自治協議会の活性化は重要であり、令和4年に制定された共創による地域コミュニティ活性化条例を来年度、どのように生かして、自治協議会の在り方や抱える課題、コミュニティの強化のために必要な施策についてどのように捉え、どのような対策を取られようとしているのか、お尋ねさせていただきます。
 以上を1問目の質問とし、以降は自席にて行わせていただきます。
 
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 教育におけるグローバル化と国際化の概念につきましては、文部科学省によりますと、グローバル化とは、情報通信技術の進展、交通手段の発達による移動の容易化、市場の国際的な開放等により、人、モノ、情報の国際的移動が活性化して、様々な分野で国境の意義が曖昧になる状態のこととされております。また、一般的に国際化とは、国境や自国と他国の違いを前提とした上で、活発な交流を行うこととされております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 博多旧市街プロジェクトに関する御質問にお答えいたします。
 まず、プロジェクトは、中世最大の貿易港湾都市として栄えた博多部において、点在する歴史、伝統、文化などの観光資源をストーリーやまち並みでつなぎ、広く発信するものでございます。
 また、中世以来の歴史、伝統、文化を体験できる機会が少ない、観光客による来訪先が限定的となっているといった課題があると認識しておりまして、令和6年度はストーリーを生かした取組として、博多旧市街フェスティバル開催による寺社での特別拝観などの機会の提供、観光情報発信や歴史、伝統、文化の体験機能を備えた観光拠点の検討などを進めるとともに、まち並みを生かした取組として、歴史、文化に配慮した趣のある道づくりや「博多町家」ふるさと館のリニューアルなどを進めてまいります。
 次に、多言語ガイドツアー運営事業については、事業者に対して市が関連施設との調整や広報などの支援を行うものでございますが、事業採算性などの課題があり、申込みに至っていないものと認識しております。現在、福岡市観光案内ボランティアやウェルカムサポーターと連携し、多言語ガイドの強化を図っているところでございます。
 次に、出来町公園については、回遊性や利便性の向上を目的とし、休養施設などの設置に向けて取り組んでおりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大により公募を中止しておりまして、現在、事業再開に向けて地域や事業者と協議を行っているところでございます。
 最後に、ホームページについては、福岡市観光情報サイト「よかなび」において最新の情報を提供しているところでございますが、博多旧市街のホームページについても、情報を更新し、丁寧で分かりやすい情報発信に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 自治協議会につきましては、担い手不足や活動への参加者の減少などが課題であると認識をしており、条例の趣旨や地域コミュニティの大切さを広く周知することにより、地域活動への理解や参加促進を図るとともに、自治協議会や自治会、町内会に対する補助金の交付や地域の負担軽減に向けた協力依頼の見直しなどを実施いたしております。令和6年度は自治協議会共創補助金の拡充を図ることとしており、今後とも、地域の実情に応じたきめ細やかな支援を行ってまいります。以上です。
 
○議長(打越基安) 新開ゆうじ議員。
○14番(新開ゆうじ) ありがとうございます。教育については御答弁いただきましたけれども、とにかく自己主張が強いことを是とする欧米文化、グローバル社会の中で、日本人の福岡で育ったお子さんたちは調和を大切にする、そういうグローバル社会の中でも人に対する思いやり、自己主張を強くするんではなくて、調和の取れた、そういうまかり通るようなことではなくて、誇りを持って生き抜いていくお子さんたちにぜひ育ってほしいというふうに思っています。
 それから、旧市街についても、昨年の4月には地下鉄祇園駅が博多旧市街口、入り口ということでサブタイトルがついて、ここを拠点に新しく訪れる方がたくさんおられるかと思います。ここ付近には博多千年門といって、これもちょうど3月で10年になるんですけれども、ここは10年になりますので、こことの地域の関係諸団体の方との連携の中で、大いににぎわいのある広場として出来町公園も生かしていただきたいというふうな思いを持っております。
 それから、地域コミュニティについては、とにかく外国人の方も増えてくる、単身世帯の方もおられる、今後の地域の自治協議会の中で、いかにそういう方々と新しく調和を図っていくかということも一つのテーマになると思いますので、ぜひその辺での取組もしっかりしていただければなというふうに思います。
 いずれにしても、今、若い人たちは、本当に福岡市に誇りを持って、自分は福岡だよと言うような若者がたくさんいます。これはやっぱり今の福岡市の与える印象、それから実際に若い人たちにチャンスを与えるという意味での、今の福岡市の進んでいる行政に対する若い人の評価が高いところもやっぱりあるんだろうと思います。そういうことで、そういうグローバル社会の中で、今日は教育、それから観光、それから地域の在り方についてお尋ねしましたけれども、引き続き、次世代のお子さんたちが福岡に生まれてよかった、福岡で育ってよかった、俺、出身福岡ばいと言えるような誇れる福岡にしていくために、先頭に立って引き続き行政を運営していただき、共に福岡をよくしていければというふうに思っていますので、そのことをお願いして私の質疑とさせていただきます。ありがとうございました。
 
○議長(打越基安) この際、休憩し、午後4時5分に再開いたします。
午後3時52分 休憩
午後4時5分 開議
○副議長(松野 隆) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を継続いたします。川口浩議員。
○52番(川口 浩)登壇 私は、地球温暖化対策についてお尋ねいたします。
 市は脱炭素化を国の目標よりも10年早くやろうと言っておられますけれども、中身は、福岡市が産業部門のCOが少ない、国の動向や電力の関係で、自動車等の業界に頼っているところが大きいんじゃないかなと思っております。環境局は令和4年度の決算でも多額の不用額を出しており、何をどう頑張ろうと考えているのかが市民にはよく見えないと思っております。
 市独自の脱炭素化の具体的な取組状況についてお尋ねします。
 さらに、中部水処理センターの下水バイオガスから作った水素について、生産能力はどうなっているのか、余った水素はどうするのか。以前、中部水処理センターの水素を箱崎まで運んで活用することも検討していくと聞いたように思っておるんですけれども、それはいかがなものかと思っております。
 そうするとすれば、その輸送費はどれぐらいかかる見込みなのか、お尋ねいたします。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて発言させていただきます。
 
○副議長(松野 隆) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 地球温暖化対策に関する御質問にお答えいたします。
 福岡市は、世界や日本が目指すカーボンニュートラルに積極的に取り組んでいくため、2040年度温室効果ガス排出量実質ゼロのチャレンジを掲げ、まずは2030年度に、基準年である2013年度比50%削減に向けて取組を進めております。直近2021年度における福岡市域の温室効果ガス排出量は635万トンと、2013年度比で30%の削減となっており、2030年度に向けまして、さらに20%、184万トンの削減を目指してまいります。削減に向けては、福岡市は第3次産業が9割を占める産業構造であり、家庭、業務、自動車の3部門でCO排出量全体の84%を占めていることから、これらの部門における取組を重点的に進めております。2030年度の目標達成に必要な184万トンの削減のうち、化石燃料による発電から再生可能エネルギー等による発電へと移行が進む、いわゆる電源構成の変化による56万トンを除きました残り128万トンの削減に向けましては、国と連動した施策の推進に加え、福岡市役所自らの率先した取組や、市民、事業者向けの再生可能エネルギーの利用拡大をはじめ、建築物、設備の脱炭素化や次世代自動車の普及のための補助事業、市民の脱炭素行動をインセンティブにより後押しするECOチャレンジ応援事業など、脱炭素型ライフスタイル、ビジネススタイルへの転換を図る福岡市独自の取組を推進してまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 水素に関する御質問にお答えいたします。
 下水バイオガス水素ステーションの1日当たりの生産能力につきましては、平成27年度の実証当時の数値ではございますが、トヨタの燃料電池自動車ミライ約60台分となっております。また、水素は基本的に燃料電池自動車への充?後に、その充?した量を製造することとしておりますが、営業中は製造装置を稼働させ続けておく必要があることから、燃料電池自動車への充?に使用しない水素が一定程度発生しておりまして、その水素については燃焼させております。水素の輸送費については、令和6年度に九州大学箱崎キャンパス跡地における水素ステーションの整備に向けた検討を実施する中で、水素の需要予測などを踏まえながら、供給する水素に関しても検討を行う予定でございます。なお、国の資料によりますと、車両固定費などを除いた費用ではございますが、最大194キロの水素を輸送できるトレーラーで運ぶ際の輸送費は、水素1キログラム当たり約840円とされており、満載で輸送する場合、単純計算いたしますと、1回当たり約16万円になります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 川口浩議員。
○52番(川口 浩) 環境局の取組は市民からも大変注目されていると思っております。ごみの処理、リサイクル、リユース、自動車、太陽光など、たくさんCO削減に向けて取り組むべき事柄は多いと思います。
 そこで、どこにどう取り組んでいきたいのかというのがよく見えないと思っているんですね。(資料表示)実行計画というのがあります。また、これは(資料表示)行政がまとめられたやつなんですけれども、幾ら助成するというのはあるんですね。枠も限られたもの、要はやっていますという印ね。内容は3問目でまたお伝えしますけれども、ちょっと力不足と。黙っておって、国が頑張っていただけたら減るんじゃないかなと。工場も平均から大幅に少ないですから減らしやすいと。黙っておっても、よその都市よりかは10年ぐらい早く達成できるのではないかなぐらいな、独自の取組が欠けておると、努力が欠けておると思っているんですね。
 そこで、令和4年度は予算も残している。令和6年度は、排出の多い福岡市では、注目してある家庭から出るCO、業務部門、自動車部門、新たに廃棄物というのも今検討されておりますけど、今までその3部門ね、どのように減らそうかと。私はやっぱり具体的にどういう戦略、やり方でもって、きちっと独自でやっていくんだと、国任せじゃないと。この国の数字もね、原子力発電所が止まっておって、計算上、COがたくさんになった、増えたときがベースなんですね。その前、5年、10年前は少ないですから。止まったときベースで、ようやく昔に戻ってきたのかなと。さらに減らしていかなければならない。
 具体的にどう取り組んでいかれようとしているのか、部門ごとでお答えをいただきたいと思います。
 次に、バイオガスですけれども、中部水処理センターで作った水素を運ぶだけで満タンだと16万円。これに車代が要るんですね、リース代というか、これは高いと思います。だから、運ぶのに無駄なんです。そこで自動車に充?すれば要らないものだから自動車で使う。これがパッカー車や給食車、今日、市長が言われましたけれども、消防車等、こういうので使い切ればいいと思っているんです。足らなければ買うとかいう方法があります。余して捨てている、燃やしていますて、何なんだと。これを使おうという努力が見えないんですね。わざわざ金をかけて運ぶんじゃなくて、そこで乗用車と、トヨタさんで言えばミライというのかな、ああいうものを普及させて、少なくともこれぐらいの数字を普及させようという努力が要ると思っています。それができていないなと。
 今後、バイオガスで言えば水素自動車の普及など、先々どういう目標を持ってやっていこうと考えておられるのか、お尋ねします。
 
○副議長(松野 隆) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 地球温暖化対策に関する御質問にお答えいたします。
 2030年度の目標を達成するために必要な128万トンの削減のうち、家庭、業務、自動車のいわゆる主要排出部門で約100万トンの削減を見込んでおります。まずは市民に範を示すため、市内最大の温室効果ガス排出事業者でもある市役所が、2030年度目標として、2013年度比70%削減を掲げて率先した取組を進めており、直近の2022年度では既に56%の削減を達成いたしております。令和6年度におきましては、太陽光発電を中心に、令和5年度よりも2割多い約1メガワットの再エネ設備の導入を進めるとともに、市役所で調達します全電力のうち、令和5年度の約47%を大きく上回る約76%に相当する2億6,000万キロワットアワーの再エネ化を図ってまいります。
 市民、事業者向けには、過去最大となります合計約5億円規模のカーボンニュートラルパッケージによる補助事業を推進していくこととしており、その特徴的な取組といたしましては、家庭部門では、ECOチャレンジ応援事業の募集世帯を、令和5年度の2倍となる4,000世帯とするとともに、脱炭素分野における広域的な取組を進めるため、福岡都市圏の自治体と連携をしまして、最大7,000世帯を対象に事業を実施いたしてまいります。業務部門では、事業者のニーズを踏まえまして、空調などの省エネ設備や太陽光発電設備の設置に対する補助上限額を令和5年度の最大5倍に拡充し、初期投資の負担軽減を図ってまいります。自動車部門では、ニーズの高いEV等の購入補助枠を大幅に拡充しますとともに、同部門のCO排出量の約5割を占めます貨物車の電動化を推進するため、事業者向け充電設備の補助を創設いたします。こうした脱炭素に寄与する効果的な補助等により、家庭、業務、自動車部門における排出削減を進めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 水素に関する御質問についてお答えいたします。
 燃料電池自動車の普及につきましては、乗用車に加え、現在、特に燃料電池自動車は電気自動車に比べ、航続距離が長いといった特性が生かされやすいトラックなどの商用車の分野での利用拡大が見込まれているところでございます。乗用車については、トヨタで申しますとミライに加えクラウンが発売され、また先日、ホンダにおいても1台乗用車の発売が予定されることが発表されたところでございますので、普及に向けて丁寧に取り組んでまいりますとともに、給食配送車に加え、ごみ収集車や救急車の導入などを進めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 川口浩議員。
○52番(川口 浩) 頑張ってますよというようなことを言われたんですけど、私はちょっと不十分かなと思っています。先に1つ例を出すと、ECOチャレンジでもね否定はしませんよ。いいことと思いますけれども、2,000世帯を目標にしていて、達成できていませんと思いますけれども4,000世帯と。しかし、やっている方は頑張りよるなと。それを見て、みんなに広まるのかと。福岡市で何世帯あるのかと、一部の人しか知らないチャレンジになっているんじゃないかなという気もしています。
 このほか、ビルで言っても、これはZEBとZEH−M、2つの取組をされていますけど、これも補助額は書いているんです。しかし、数字、実際どれだけ使われたのかというと、ビルでは令和4年、604件の建築確認申請、利用は7件。マンション565件の建築確認申請、2件。それから、5年はちょっと増えていると思いますけれども、やっぱりこれをどう理解して協力してもらうかの努力が足らない。設計会社さんや建築会社さん、建築確認申請される方に、ぜひこういう協力をとかいうアプローチをしたのか。補助しますよと宣伝して終わっているんじゃないかなと思っているんです。そういうのをするのが実行計画であって、紙に書いて飾るのが実行計画じゃないと思っております。
 では、一旦戻って、例えば、家庭ごみでしたら、ちょっと気になるのが幾つかあります。皆さん、分別努力するけれども、さらに進めるにはどうしたらいいかと。コンポストというのをされましたけど、今、全然止まっている状態。なかなか、失敗してもうしたくないとか。では、台所等の生ごみを減らそうと。エレベーターに乗ったら、環境局さん──ミニトマトの絵が載っていましたけど、トマト1個分、みんな減らしましょうよと。いいことですよ。でも、じゃ、具体的にどうするのかと。買う量を減らせと言いたいのか。具体的なものが、仕掛けがないんですね。
 例えば、調べてほしいけれども、コンポストを庭に置いたりする場所もない。やっぱりうまくやり切らんなら、台所等のどこか隅に置いて、できる分のコンポストだけでもみんなしていきませんかと、初心者向きですよと。やれる人はコンポストでもいいんです。そういうのがあるのかどうか、私も調べていないので、時間がなかったので申し訳ない、今後調べますけれども。そういうようなことをして減らしていきましょうとか、みんなでしようと。できる人だけでしては環境って進まないんですね。
 それから今度、お年寄り、今、福岡市で単身世帯がもう約半数ぐらいなんですね。お年寄りもおれば、若い人もおる。雑紙──私も若い方と話したりしたんですけど、ビルにお住まいの方は新聞を取っていない方が多いと。廃品回収といっても、もう地域との関わりが薄くて、いつあっているとか、ちょこっとだから行くのもねと。スーパーとかに持っていってもらえばありがたいんですが、なかなかせんと。テープをどこまで外していいのかとかね。私も参考で持ってきたけど、(資料表示)今回、議会事務局からもらった当初予算資料、このホッチキスがあって、面があるんですね。これは剥がさないかんとよとか、ホチキスはいいよとか、いろいろあります。カレンダーで鉄がぐるぐると──鉄というか、ついているやつとか、お年寄りは、私もう剥がし切らんけどと。できたらね、じゃあ切ってくださいねと。雑紙をどこに捨てたらいいのかと。やっぱり遠くまで持っていかないかん。これは牛乳パックもですけれども。じゃ、もう悪いけど、ごめんねと、燃えるごみに出しよるよとなるんですね、結構。たくさん資料はね、ありがたいんですよ。事業系には、ゆる分別とかね、こういうのは駄目ですよとか、本当に分かりやすく、家庭ごみルールブックとかあるんですけど、非常に    、でも大変。やっぱりね、どうやってできる範囲の協力をみんなでしていくか。例えば、月に2回、燃えないごみとかあります。雑紙を紙袋、これは事業所にはビニール袋みたいな袋でいいと書いてあります。量が多いけんでしょう。できたら紙袋。2か月に一遍出さんでもいいし、ずっとためておって、出しちゃらんですかと。スーパーとかどこかで出せるところがあって、袋を持って帰ってもらってもいいけど。やっぱりこれが日頃出している家庭ごみの場所とは違って、すると、お年寄りは地域のところとか言っても、私、もう荷物を持って歩いてまで行ききらんよとかあるので、もっと地域も含めて身近なところでみんなでしましょうと、できることでいいよと、あまりがちがちにやると協力しなくなってごみになっちゃいますから。それぐらいできる範囲でいいよということでね、そういう努力もせないかんと。
 もう時間も過ぎてしまうので、やっぱり事業所でもですね、先ほど言ったように、あなたたちは補助を出しているけれども、僅かなんですよ。目標とかがないの、数字も。これは水素もですけれども、何台ぐらい目標に、パッカー車とかでも増やしていくけれども、追いつかんので量が、動かしたらいっぱいできますからね。そうすると、市販車も乗ってもらおう。じゃ、環境局は、例えばですけど、商工会議所さんとか、ロータリークラブさん、ライオンズクラブさん、ぜひ水素をあなた、試しに使うてみちゃらんなと。これはレンタカー会社とかと組んでもいいかもしれません。何台ぐらい走らせるごと頑張りたいというのがないんですよ。補助が幾らですとういのはいっぱいある。数字の達成をどれぐらいしていきたい。当然、増えれば増えるほど赤字も多いと思いますけれども、それでもやっぱり目標を決めてやっていかないと、掛け声だけして、実際はしない。
 市でもありましたよね。以前、保健福祉局の時代、ほかのことをしとうから太陽光パネル打たん。設計のときから太陽光パネルを打てるような仕組みにしときゃいいのにしとらん。市の委員にもなっておられましたけどね。
 例えば、今度は事業系、私は、事業系が本当に分別して、いっぱいの業者さんと契約を結んでいるのか。ちょこっとしか出らんと。ならね、もう私はこれ、家庭ごみ回収と一緒でいいんじゃないかと。ただし、袋は何倍もする、事業系のごみは高い袋を出してくださいねと、当然市民とは違いますからと。ちょこっとだったら契約したりしないでしょう。事業系になるのかどうか知らんけど、小さい零細の企業とかね、議員事務所もかもしれません。契約しないでしょう。だから、ちょっと考えないといけないと思う。いい方法ないかと。
 同じに集めるけれども、事業系から出る小さいのは、1枚が1,000円ですよと。有効に使ってね、例えば、生ごみ、お茶のかすだったらコンポストにするとかあると思います。車も同じくカーシェアをして、冷蔵庫も買換えのときに金出す必要はあまりないと思う。エコはいっぱい宣伝するんだから、メーカーが。買換えのときにはエコをお願いしますと。補助まで要るのかなと。車もです。私は、愛着があるものを長く使って、買換えのときはお願いしますね。車もね、もう一番いいのは買わないと。もう借りろう、要るとき電話して借りろうと。すると、車を造るエネルギーも要らんわけで、地下鉄、バスがあって、どうしても要るときは借りるわいというような取組の具体的数字も含めたものがないと思います。
 しっかりね、これ、やる気があるのかと。水素もしっかりと、その場でできた水素をその場で供給して、水素を進め、また、東は東部水処理センターでと思いますけど、まず、先にある中部水処理センターのぐらいね、しっかり市民に説明できるように。分別のも、お年寄りの立場とかなって、よりみんなでできる範囲で進める。それと、熱心にやる人、ありますね。事業系であなたたち、2種類書いていますよね。ゆる分別派と、もう一つはしっかり分別でね、いい資料と思います。こういうのが実践できて、市民が一緒になって、みんなが、私もこれぐらいだったらできるけんね、協力しようと。捨場が困っとるとよと。じゃ、2か月に一遍ぐらい考えましょうとか。具体的にうちはこの台数を目指してね、できんやったらごめん、頑張りますからと。担当者がそういう団体のところにお願いに行ったり、仕掛けをしていく。ただ数字を出して、実行計画とつけて、中身の具体的内容は大してないと思える。足らないと思うので、最後にそのやる気をね、本当にやる気があるのかとお伺いして、質疑を終わります。
 
○副議長(松野 隆) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 地球温暖化対策についてお答えいたします。
 脱炭素型の行動変容に向けましては、市民や事業者の理解、共感を広げる広報、啓発が大変重要であると認識いたしております。特に、脱炭素という地球規模の課題に自分一人が取り組んだところで何も変わらないのではないかとか、あるいは何から取り組めばいいのかよく分からないといった、必ずしも関心が高いとは言えない市民や事業者の方々にも目標を持って行動していただけるように、多様な媒体を活用した上で、解決には一人一人の取組の積み重ねが重要であるということですとか、あるいは関心度や実践状況等に応じた取組を分かりやすく伝えていくことが不可欠であるというふうに考えております。令和6年度につきましては、市民向けにSNSやアプリ、あるいは太陽光発電ポテンシャルの見える化など、様々なツールやコンテンツを活用した広報、啓発を行ってまいります。事業者に対しましては、セミナーやSNSを活用した効果的なCO排出削減方法の紹介や、金融機関と連携した、脱炭素を目的とする融資への支援を政令市で初めて実施してまいります。自動車部門では、カーシェアリングの啓発を推進することといたしておりまして、利用経験がない高齢者や車の所有を考え始める若者をターゲットにした広報等を実施し、シェアリングサービスの認知度向上と利用促進を図ってまいります。また、脱炭素のほか、プラスチックの利用抑制、リサイクル、リユースといった資源循環、あるいはアマモ場や森林の保全などの自然共生に係る取組、これらは密接に関連し、相互に影響し合っておりますことから、これら3分野を統合的に推進していく必要があると考えております。脱炭素に係る広報、啓発に当たりましては、こうした資源循環や自然共生への影響などを併せて発信するとともに、市民や事業者の立場に立って分かりやすく発信することで、市民や事業者の脱炭素型ライフスタイル、ビジネススタイルへの行動変容をしっかり促してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) この際、時間を延長いたします。森あやこ議員。
○45番(森 あやこ)登壇 まず、図書館司書とスクールソーシャルワーカーの働き方について伺ってまいります。
 教育現場における課題、問題が山積する状況です。文科省でも十数年前から少子・高齢化など社会変化に対応し、現状と課題を踏まえ、思考力、判断力、表現力等の育成や学習意欲の向上、多様な人間関係を結んでいく力や習慣の形成等を重視する必要や、いじめ、不登校等への対応、特別支援教育の充実などを挙げています。それらを実践していくための教員に求められる資質、能力として、実践的指導力等を高めることや豊かな人間性や社会性、コミュニケーション力、同僚とチームで対応する力、地域や社会の多様な組織等と連携、働できる力など、総合的な人間力が求められてきました。
 また、文科省の使命と政策目標の中には、子どもたちが確かな学力、豊かな心と健やかな体を育成することのできる社会を実現するとともに、信頼される学校づくりを進める項目があります。理想や理念、そして、しっかりとした目標があっても、現実はそう簡単に達成できるものではなく、人材育成は社会の変化に追いつかず教員が足りていなく、疲弊感が広がる悪循環に陥ってしまう実情があるのではないでしょうか。社会の変化に対応するためには、教員だけでは解決できない部分が多々あり、そこに専門性を持った人が必要とされ、本市でも学校図書館司書やスクールソーシャルワーカーに関して増員を図ってこられました。しかし、重要な存在である方々の働き方は、十分に生かし切れていない状況をつくっていると考えます。
 そこで、豊かな心と健やかな体を育成することのできる社会を実現することに大いに寄与する学校図書館司書とスクールソーシャルワーカーについて、それぞれの配置人数、2022年度からの推移と働き方、予算と平均1人当たりの給与、加えて1人当たりの前年度の差額をお伺いします。
 次に、保健所機能についてです。
 市は健康危機管理体制の強化として、突然、12月議会で各区にある7つの保健所を1か所にするという議案を上げ、関係機関での十分な議論もない中で可決されてしまいました。
 そこで、2024年度7月から予定とされている保健業務に従事する人員の配置の昨年度との比較についてお伺いいたします。
 次に、新型コロナワクチン接種健康被害救済制度についてです。
 2022年度の予算額は899万円、そして、決算額は81万円余、2023年度の予算額は4億1,892万円余で、その根拠は、2022年10月末時点で救済制度に申請を受け付けていた48件分の医療費及び医療手当等を積算したものでした。
 新年度の予算と積算根拠、また、現在の健康被害救済制度申請状況をお伺いします。
 以上、以降の質疑は自席にて行います。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 図書館司書とスクールソーシャルワーカーの働き方についての御質問にお答えいたします。
 まず、学校司書については、令和4年度の配置人数が小中学校に43人、5年度が小中特別支援学校に46人で、6年度は小中特別支援学校に51人の予定であります。
 また、勤務時間等は1日4時間、週4日であり、令和6年度の予算額は、報酬の総額で6,064万2,000円、1人当たりの平均額は118万9,000円余で、5年度と比べて4万7,000円余の増となっております。
 次に、スクールソーシャルワーカーにつきましては、令和4年度の配置人数が、全ての市立学校に71人、5年度が73人で、6年度は80人の予定であります。そのうち、7人は正規職員で、残りは会計年度任用職員として任用しております。
 また、会計年度任用職員の勤務時間等は、週4日、27.5時間であり、令和6年度の予算額は、報酬の総額で2億6,211万5,000円、1人当たりの平均額は359万円余で、5年度と比べて44万8,000円の増となっております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) まず、保健所機能に関する御質問にお答えをいたします。
 保健業務に従事する人員につきましては、令和5年度が保健医療局、29人、7区保健福祉センター、372人、合計で401人となっており、6年7月以降が、保健医療局保健所が176人、7区保健福祉センター、235人、合計で411人となっております。
 次に、新型コロナワクチン接種健康被害救済制度に関する御質問にお答えをいたします。
 令和6年2月末現在の申請件数は、接種実績延べ約480万回のうち101件となっており、このうち、5年9月の時点で国の審査結果が出ていない64件分の医療費及び医療手当等として、6億3,116万円余を6年度予算に計上いたしております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 学校図書館法の規定に、学校図書館は、学校教育において欠くことのできない基礎的な設備であり、学校図書館資料を収集、整理、保存し、児童生徒及び教職員の利用に供することによって、学校の教育課程の展開に寄与するとともに、児童生徒の健全な教養を育成することを目的とし、児童生徒の読書活動や児童生徒への読書指導の場である読書センター機能と、児童生徒の学習活動を支援したり、授業の内容を豊かにして、その理解を深めたりする学習センター機能、そして、児童生徒や教職員の情報ニーズに対応したり、児童生徒の情報収集、選択、活用能力を育成したりする情報センター機能を有するとされています。その3つの図書館機能を有効に働かせるために必要な司書さんたちですが、福岡市の図書館司書は働き方により、その力を発揮できない状況です。
 そこで、市内229校ある中、学校図書館司書1人が受け持つ学校数について伺います。
 次に、2023年度の実配置について、退職者数とその経験年数及び不足状況を伺います。
 次に、1日4時間、週4日勤務で、担当する学校での仕事内容についてお尋ねします。
 次、学校図書館司書の苦労する点について相談されている内容と、その解決のための方策について、市としてどのようにされているのか、お伺いします。
 次に、学校図書館支援センターとの連携についてお伺いします。
 最後に、スキルアップのための市の取組についてお伺いします。
 そして、スクールソーシャルワーカーについて、子どもを取り巻く社会状況は様々な課題があり、きめ細やかな支援が必要です。スクールソーシャルワーカー1人が受け持つ学校数についてお伺いします。
 2023年度の実配置について、退職者数とその経験年数及び不足状況をお伺いします。
 正規職員、スーパーバイザーの役割についてお伺いします。
 そして、スキルアップのための市の取組についてお伺いします。
 次に、保健所機能についてです。
 保健福祉センターの人員は減ることとされています。機能的低下を招かないのか、混乱が起こらないための策を具体的にどうされるのか。特に障がい者の方々が、更新手続に関してなど非常に大きな不安を抱えていらっしゃいます。市民にとって、これまでと変わる手続等の説明を求めます。
 次に、地区担当制と業務担当制について、各部の業務の在り方について変わる部分があるのか、また、市としてのお考えをお伺いします。
 次に、各区に医師資格を持った方の新旧の配置についてお伺いします。
 次に、救済制度についてです。
 コロナワクチンに関して、健康被害救済制度への申請が増えています。国立感染症研究所は、2023年4月21日時点で、変異株の概要報告の中で、2023年1月以降はXBB.1.5系統の占める割合が上昇しているとはあるものの、特定の変異株が世界的に優勢となる兆候は見られないとの見解を示しています。実際、世界では3回目の接種から進んでいません。しかし、予防接種事業は立ち止まることなく継続されました。昨年秋から勧められたXBB.1.5対応のワクチンで、昨年12月に接種し、40分後に意識がなくなり、そのまま亡くなられた福岡県民の方の副反応疑い報告があり、これを読むと胸が詰まる思いですが、健康被害等の情報が市民に伝わることは、接種可否の判断にとって重要と考えます。
 そこで、新型コロナの予防接種における副反応は、1回目の接種後より2回目の接種後のほうが強いと言われることについて、厚労省はどのように説明しているのか、お答えください。
 次に、2回目以降の接種について、過去に本ワクチン接種による副反応があった方にはどのように対応されていたのか、お伺いします。
 健康被害救済制度の申請には様々な困難が伴い、国への進達までに日数がかかっているようですが、その要因をどのように把握されているのか、お伺いします。
 健康被害救済制度の申請受付から国への進達までに要した最短の日数及び最長の日数と、その理由についてお伺いします。
 また、予防接種による集団免疫についての証明はいつ頃になるのかお伺いし、2問目の質問を終わります。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 図書館司書とスクールソーシャルワーカーの働き方についての御質問にお答えいたします。
 まず、学校司書については、1人が受け持つ学校数は、令和6年度は4校から5校を予定いたしております。
 次に、令和5年度の退職者数については、2月末時点で3人であり、その在職期間は、最も長い方で約2年7か月、短い方で約1年9か月であります。退職後速やかに後任の募集、配置を行っているため、不足は生じておりません。
 次に、職務内容は、学校図書館の日常の運営管理や学校図書館を活用した教育活動の支援等であります。
 次に、学校司書からの相談としましては、1人が担当する学校数が多いといった意見があり、これまで増員による担当校数の軽減等を図ってきたところであります。
 次に、学校図書館支援センターとの連携については、支援センターを総合図書館に設置し、校長経験のある再任用職員1人と読書相談員2人を配置しております。センターでは、各学校が学校図書館を効果的に運営できるよう、学校司書などの学校図書館関係者に助言を行うとともに、学習支援用図書の貸出しや他校の取組事例などの情報提供を行っております。
 次に、学校司書のスキルアップのための取組については、年間3回の学校司書研修会において、実践報告や実技研修、講話等を行い、資質向上に努めております。
 次に、スクールソーシャルワーカーについて、1人が受け持つ学校数は、令和6年度は2校から5校を予定しております。
 次に、令和5年度の退職者数については、2月末時点で4人であり、その在職期間は最も長い方で約1年8か月、短い方で9か月であります。また、令和5年度は80人を配置する予定でしたが、年度中途の退職もあり、11人配置が足りていない状況でございます。
 次に、正規職員の役割については、会計年度任用職員に対して、日常の業務に関する支援、助言を行うとともに、必要に応じて、各区で開催する研修会において、社会資源や支援の方法について情報共有などを行っております。
 また、大学教授などに依頼しているスーパーバイザーには、正規職員や会計年度任用職員の人材育成や資質向上のための支援、助言、研修などをお願いしております。
 次に、スクールソーシャルワーカーのスキルアップのための取組については、年2回の専門職研修に加えて、スーパーバイザーによる全体研修や個別・グループ研修、さらに社会福祉協議会との合同研修を行っております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 保健所機能に関する御質問にお答えをいたします。
 新たな保健所につきましては、感染症や食中毒などに対応する広域的、専門的な機能のみを一元化するものであり、健康相談や難病に関する医療費助成、精神障害者保健福祉手帳に関する手続などは、引き続き各区の保健福祉センターで対応してまいります。また、これらの相談や手続の窓口に変更がないことを、様々な機会を通して丁寧に周知を図ってまいります。
 次に、保健業務につきましては、引き続き地区担当制により、小学校区を単位とした保健活動を行うとともに、業務担当制により、感染症、精神保健などの業務を行っていくこととしており、市民への保健サービスについて変更はございません。
 次に、医師資格を持った職員につきましては、現在、7区の保健所に12名を配置いたしております。今後の人員配置については人事異動により確定することから現時点では申し上げられませんが、新たな保健所に医師や保健師などの専門職チームを編成することから、区保健福祉センターよりも多くの医師を配置することとなると考えております。
 次に、新型コロナワクチン接種に関する御質問にお答えをいたします。
 まず、新型コロナワクチン接種における副反応につきましては、厚生労働省の新型コロナワクチンQ&Aによりますと、1回目のワクチン接種で幾らか免疫がつくことで、2回目の接種のほうが免疫反応が起こりやすくなるため、発熱や倦怠感、関節痛などの症状が出やすくなるとされております。
 次に、過去の新型コロナワクチン接種において副反応があった方につきましては、それ以降の接種の際に、予診を担当する医師が詳細な聞き取りを行った上で慎重に接種の可否を判断いたしております。
 次に、健康被害救済制度における国への進達手続につきましては、受診した全ての医療機関や薬局の診療録、受診証明、領収書等の添付が求められており、それらをそろえるために一定の時間を要しているものと考えております。
 次に、申請受付から進達までに要した日数につきましては、最短で73日、最長で565日となっております。最長の日数を要したケースについては、申請内容の調査を行う福岡市予防接種健康被害調査委員会で求められた追加資料の提出が、申請者の都合により遅くなったことが主な理由でございます。
 次に、新型コロナワクチンによる集団免疫につきましては、厚生労働省の新型コロナワクチンQ&Aによりますと、集団免疫の効果が分かるまでには、時間を要すると考えられているとされております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 図書館司書とスクールソーシャルワーカー、どちらも経験の豊富さが必要とされる専門性の高い仕事で、未来を担う子どもたちの健全な育成にとって、とても重要な存在ですが、複数校を担う形で年度途中での退職があり、経験年数としても短いことに課題が見えてくるのではないでしょうか。子どもたちと共に育むことや学校と地域になじむためにも、足りないまま、思いがあっても十分な働きができない状況があったのではないかと推察します。スキルアップ研修も、地域ごとに行うことや、相談し合えて抱える課題を解決できる仕組みも必要と考えます。学校司書に関しては、1人で四、五校を担うのは物理的に無理な状態です。行政として学校図書館法を遵守し、子どもたちにとってよりよい、情緒豊かな教育環境を提供されることを求めます。
 不登校や自殺に関しても、学校司書は子どもたちの心のよりどころとしての役割を果たす場合もあり、スクールソーシャルワーカーとの連携なども課題解決の道の一つになり得るたりするのではと考えます。しかし、会計年度任用職員の働き方では、官製ワーキングプアとも言われ、人材育成ができなかったり、十分な役割を果たせなかったりと、社会にとっての財産を育むことを考えても、非常にもったいないことです。働き方の改善が必要と考えますが、改善策について伺います。
 次に、増員は図られてきましたが、子どもたちを取り巻く課題は山積しているため、より豊かな教育環境の充実のためにも、せっかく持たれている専門性を発揮できるようにして、教育環境の質の向上のために、どちらもさらに増員の必要があること、そして、学校図書館司書においては、現状の改善策として、スクールソーシャルワーカーのように正規職を配置し、充実を図る必要があると考えますが、専門性の人材育成も含め、教育長の御所見を伺い、この質問を終わります。
 次に、保健サービスに係る手続について変更はないとのことですが、現場とのギャップはどうしても起こります。何より拙速な進め方で、12月で可決した、あいれふの研修室などを改修して使用することも含め、主権者である市民にとっての観点が抜けていたのではないか。また、議会や関係機関への相談や協議なく、説明等も十分ではないことで、市民への不安や混乱を招いている状況です。
 保健所機能は市民の命と健康に直結し、暮らし全般深く関係します。暮らしに密着し、市民との信頼関係が築かれることは大切なことです。先ほどの御答弁によると、各区への医師の配置はされるようです。現場の専門的知見や経験と権限、人的余裕等があってこそ、迅速な対応や人材育成も図ることができると考えます。それでも、社会自体の変化や課題もあるため、新体制で現場にしわ寄せや市民サービスの低下が起こらないのかと危惧することは拭えません。
 そこで、人材育成を含め、新体制に不備、不足があった場合、現場を優先した機能強化の慎重な見直し、また、感染症拡大時や災害時などに備えた適正かつ柔軟な対応を関係機関と密に相談しながら検討し、いざというときのための対応力強化を図っておくことが必要と考えます。市としての誠実な御答弁を求め、この質問を終わります。
 最後に、ワクチン接種によって免疫反応が起こりやすくなるというのは、人によって千差万別です。接種によって体内にできた抗体が、ウイルスの感染や症状をむしろ促進してしまうという抗体依存性感染増強、ADEと略しますが、これについて厚労省ホームページのQ&Aでは、現時点において重症化の確認はされていないと書かれ、そして、特例承認のワクチンなので、ADEを含め、体に及ぼす疾患増強が生じるかを観察し、実用化後も情報収集の必要性があるということを示しています。予防接種をしたからといって、身体自体が強くなり免疫力が増すということではなく、何が起こるか分からないのですが、現時点ではこのようなリスクの懸念はないと考えられますと、最後に締めくくっています。あくまでも現時点で考えられるというだけなのです。
 厚労省ホームページの感染者動向を見ると、福岡県のコロナ感染死亡者、これは交通事故でも死後検査で陽性となった人も含んでいますが、2020年度が308人、そして、ワクチン接種が始まった2021年度が801人で、2022年度が2,051人と、ワクチン接種事業を進めているにもかかわらず感染死亡者が増えています。まるでADEが生じているかのようです。
 御答弁にあったように、予防接種による集団免疫の効果は証明されていないのが現状です。しかし、接種をしなければ社会的に行動制限が課せられたり、接種者にインセンティブが与えられたり、同調圧力でなりわいにしている仕事すら続けられなくなった方、接種したくなくてもせざるを得ない方もいました。以前、私が議会で質問に取り上げた、亡くなられた八女の看護師さんがそのお一人です。副反応疑い報告では、ワクチンが原因と医師が診断されている事象が多々あります。そのような中で接種事業を進めてこられた状況です。
 副反応があった方については、慎重に接種の可否を判断しているとの御答弁です。確かに回数が増えるごとに接種率は減っていますが、健康被害で苦しむ方の声を聴いても、議会で何度も質問を重ねる中においても、多くの市民に理解できるような本市の発信は、接種可否の慎重さとしてはかなり弱い状態です。職域接種に関しては、流れ作業のようにめられたとも聞きます。
 申請後、資料がそろわず時間を要する要因には、まず、体の不調があることや、副反応受診を断られたり、受診できていても、カルテすら書かれていない病院があったりすることが実際にあり、困難極まりない状況の方もいて、市はそのような状況把握が必要です。1度目は断られた方もあったなどと聞きます。丁寧な対応とは言い難い状況があることは問題です。まだ申請できていない方も多くいらっしゃいます。救済制度にたどり着いても失われた命は戻らず、体調が元に戻ることとは別です。ゆえに、住民に身近な自治体が体調改善のための取組を積極的に行う必要があります。
 質問の最後に、健康被害救済制度を活用できる取組の充実が社会的に求められていると考えます。市政としてのしっかりとした取組への所見をお伺いし、私の質疑を終わります。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 学校図書館司書とスクールソーシャルワーカーの働き方についての御質問にお答えいたします。
 学校司書とスクールソーシャルワーカーについては、これまでもそれぞれ研修の実施などによる人材育成や必要に応じた増員を行ってきたところであり、今後とも、専門スタッフとしての資質向上と適切な配置に努めてまいります。
 また、学校司書は、その職務内容や勤務形態などを勘案した上で、会計年度任用職員として配置することとしており、今後とも、会計年度任用職員制度に基づき適切に対応してまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 保健所機能に関する御質問にお答えをいたします。
 新たな保健所につきましては、広域的、専門的な機能のみを一元化し、指揮命令系統の明確化や、医師や保健師などの専門職チームの編成などにより、健康危機管理体制の強化を図るものでございます。
 また、新興感染症の感染拡大や災害が発生した場合などにおいては、感染症予防計画や地域防災計画などに基づき、状況に応じた人員体制の強化を図るなど、適切に対応してまいります。
 次に、新型コロナワクチン接種に関する御質問にお答えをいたします。
 健康被害救済制度に関する取組につきましては、市民へ接種券を送付する際に制度を周知するとともに、市内の接種実施医療機関に対しては、改めて制度のお知らせを行い、副反応等を疑う症状の相談や申請への協力をお願いいたしております。
 今後とも、各区の窓口において、申請を希望される方お一人お一人に丁寧な支援を行うなど、申請手続が速やかに進むよう取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 坂口よしまさ議員。
○13番(坂口よしまさ)登壇 私は教育こども委員会に所属しておりますけれども、その所属もさることながら、これまでの議会質問を通じて、坂口といえば個別最適化教育と言わんばかりに、口を開けばいつも教育のことばかり話している印象があるかもしれませんが、実は、小学校に入る前の子どもの育成、つまり保育の分野にも強い関心を抱いています。その点、福岡市は、子どもを生み育てやすいまちづくりをモットーに、令和5年度も第2子以降の保育料無償化や、おむつと安心定期便などをはじめとする子育て支援の充実に取り組んできましたし、今回の令和6年度予算案においても、子育て予算を増額して計上しておりますが、そこでふと思ったのが、保育サービスを受ける側の、つまり子育て世帯の負担を軽減したり、そのサポートをしたりする取組は進んでいる印象がある一方で、肝腎の、子どもたちが受ける保育サービスの質、クオリティーですね、これを保ったり高めたりすることは十分にできているのだろうかという懸念です。気になったので、実際に私は保育現場の方々に機を捉えてお話を伺ってまいりました。そこで数多く伺ったのは、保育の質を確保するために必要な人手が全く足りていないという切実な訴えです。
 そこで本日は、このテーマについて取り上げたいと思いますが、まずは3つの点についてお尋ねをいたします。
 1つ目の質問として、保育人材の確保という観点から、本市におけるこれまでの動向や現在の状況について、当局はどのように認識をされているのか、お尋ねをいたします。
 2つ目は、保育行政の仕組みに関する質問です。
 これまで保育現場の方々からお話を伺ったり、あるいは実際に現場を視察して拝見させていただいたりする中で、私は、保育業界あるいは保育士というように総論的に議論をすることは、必ずしも適当ではないのではないかという思いを抱くようになりました。というのも、保育施設によって保育の方法は実に千差万別であり、また、人材確保の点についても、片や、「応募をたくさんいただいても新規に雇うことができないほど、ありがたいことに皆さん長く働いてくれているんです」と、そういう施設もあれば、その一方で、「紹介業者に安くない金額を支払っているのに、うちは慢性的に人手不足が解消されないんです」と嘆く施設もあるなど、実情は思っているよりも複雑です。
 そこでお尋ねしますが、保育行政の仕組み、特に公立と私立の保育施設がどう違うのか、具体的には、運営主体や運営費用、職員の賃金水準の決められ方、それから平均の賃金や勤続年数のほか、業務の在り方や福岡市の関与の方法といった、それぞれの点についてどのように違うのか、分かりやすく御答弁をお願いいたします。
 そして、3つ目は、よく耳にする保育士の配置基準に関する質問です。
 この保育士の配置基準、つまり最低限配置すべき保育士の数の基準について、これは具体的にどのように設定されているのか、令和6年度からの変更内容や根拠となる法令も含めて、分かりやすく御説明いただいた上で、この配置基準について保育現場の方々からどのような御意見が寄せられているのか、さらには、この最低配置基準や公定価格上、必要な人員を超えた数の保育士を配置している保育施設が実際どれだけ存在するのか、その数及び割合も併せてお示しをいただければと思います。
 以降の質問は自席にて行います。
 
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) まず、保育士の人材確保の状況につきましては、有効求人倍率が依然として高い状態が続いており、保育所等によって状況は異なるものの、人材確保に苦労している保育所等もあると認識をしております。
 次に、公立と民間の保育施設の違いについてお答えいたします。
 公立保育所につきましては、福岡市が設置し、運営を行っており、必要な費用は市の予算に計上しております。職員の給与は条例等に基づき決定いたします。民間保育所については、福岡市が認可した上で、運営を社会福祉法人等に委託しており、運営費用は国が定める公定価格に基づき、入所児童数等に応じて、委託費として支弁しております。職員の賃金水準は、法令等を遵守した上で、それぞれの運営法人において決定しております。また、平均勤続年数についてでございますが、令和5年4月1日現在、公立保育所が16.6年、民間保育所が6.5年となっております。平均賃金については、直近の集計結果である令和3年度で申しますと、民間保育所が月額約31万4,000円、公立保育所が、民間保育所の平均勤続年数で試算いたしますと、月額約33万円となっております。業務の在り方と市の関与については、公立保育所では7か所が同じ保育方針に基づき保育を実施し、民間保育所では、運営法人の保育理念や経営方針なども踏まえ、それぞれの保育所ごとに多様な保育を実施しております。公立、民間保育所ともに、保育内容等に関して、市が関係法令等に基づき指導監査を実施しております。
 次に、保育士の配置基準につきましては、児童福祉法等に基づき、国の定める基準に従い、福岡市児童福祉施設の設備及び運営の基準を定める条例等において定めており、ゼロ歳児が児童3人に対して保育士1人、1、2歳児が児童6人に対して保育士1人、3歳児が児童20人に対して保育士1人、4、5歳児が児童30人に対して保育士1人となっております。なお、令和6年4月より国の基準が改正され、3歳児は児童15人に対して保育士1人、4、5歳児が児童25人に対して保育士1人に変更となる予定となっております。保育現場からの御意見については、業務の負担が大きいので配置基準を見直してほしいなどの声を伺っております。配置基準及び公定価格上、必要な人員を超えて保育士の配置を行う民間保育所等については、令和5年4月1日現在で293施設中278施設、約95%でございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 坂口よしまさ議員。
○13番(坂口よしまさ) もろもろ御説明ありがとうございます。最初になぜこの3つの質問をしたかと申し上げると、ただいま御説明いただいたような保育行政の仕組み、これを念頭に置いた上で、この後の議論をぜひ聞いていただきたいと思ったからです。
 本市は政令市の中でも、公立に比べて私立の保育施設の数が圧倒的に多い状況ですが、この私立の保育施設の特性、例えば、各保育施設が掲げる理念や方針、それらに基づく業務の在り方については、ルールを遵守している限りにおいて尊重しなければならないこと、こういったことなどをきちんと踏まえた上でなければ、今、保育現場が抱える深刻な問題を根本的に解決するアプローチがなかなか見えてこないからです。ですから、この保育業界における人手不足の議論をめぐる問題においてよく耳にする保育士の配置基準についても、この保育行政の仕組みを踏まえた上で掘り下げていきたいと思います。
 この配置基準については、人手不足の原因でもある1人当たりの負担を減らすために、この配置基準を見直して、もっと保育士の数を増やすべきだという主張はよく聞きますし、実際に私も、国が策定してから、これまで70年以上改正されていなかった上に、ゼロ歳児、1歳児といった、そういった歳児別の保育士の数の根拠もよく分からないので、一度市内の全保育施設を対象に実態把握調査を行った上で、今の実態に即した配置基準に改めるべきではないかという考えに至ったこともあります。
 しかしながら、先ほど確認したとおり、各保育施設が掲げる理念や方針、そして、それらに基づいて行われる業務の在り方は極めて多様でありますので、仮に全保育施設を対象に実態把握調査を行ったとしても、その施設で行われている業務に対して最低限必要となる保育士の数、これを求める声が、もう少し補足すれば、その施設が掲げる特定の理念や方針に基づいて行われる業務に対して必要となる保育士の配置水準、これを求める声しか得られず、全施設に一律で適用される最低配置基準の見直しに資する調査としての効果、それから意義は必ずしも明らかではありません。さはさりながら、現場の中には、現行の配置基準では避難のときの誘導をはじめとする特定のケースに対応する上で全く不十分であるため、それぞれのケースにおいて必要な対応ができるような配置基準に改めるべきだという考えをお持ちの方もいらっしゃることも事実です。
 この点に関して2つお尋ねしますが、まず1つ目、こども未来局もこれまで保育現場の方々から多くの御意見を聞いていると思いますけれども、具体的にどういったケースにおいて人手が不足すると言われているのか、把握されている限りにおいて、具体的にお示しいただければと思います。
 そしてもう1つ、私も現場の方々から、実際に人手が不足するケースについて幾つか教えていただいたことがありますけれども、これは私の想像力がたくまし過ぎるだけかもしれませんが、仮にあるケースにおいて、もう1人保育士の数を増やしたとしても、さらに別の対応が発生したら、結局はその人数では対応できなくなるというケースがたやすく想像できます。ですから、対応するために必要な人手が不足するという問題自体は、これは当然解決しなければいけませんけれども、最低限配置すべき保育士の数を増やしたところで、一度にそれ以上の対応が発生するというケースは、これは枚挙にいとまがありませんので、先ほどの御答弁にもあったとおり、令和6年度から多少改正が行われはしますけれども、この最低配置基準の見直しというのは、この特定のケースに対応するために必要な人手が不足するという問題の根本的な解決策には必ずしもなり得ないのではないかという懸念も抱いています。
 この点に関して2つ目の質問として、このような、言ってみれば切りがないケースを踏まえると、実際の保育現場ではどのように対応するルールになっているのか、そのルールの内容だけではなくて、実際に現場がルールどおりに対応できるようにするための仕組みも含めて御説明いただいた上で、このルールに従っても人手の確保ややりくりができないと主張する保育施設については、一体どのように対応すべきと考えているのか、御所見をお伺いします。
 
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) まず、保育現場において人手が不足するケースにつきましては、朝夕の送り迎えの時間帯や災害の際の避難時などの声を聞いております。
 次に、保育現場での対応につきましては、朝や夕方も含めた開所時間中、児童数に応じた保育士を配置できるよう勤務のシフトを設定した上で、場面に応じて応援ができる体制を構築したり、また、災害時に円滑な避難ができるよう、職員の応援や避難の流れなどを定めたマニュアルを作成の上、毎月避難訓練を実施するなど、様々な状況に合わせて必要な人員を配置し、適切な対応が可能な体制を整えることとなっております。人員の配置などの運営に係る詳細な事項につきましては、保育所ごとに児童や職員、施設等の状況が異なることから、それぞれの状況に応じて御対応いただく必要がございますが、福岡市では保育所等の運営をサポートするために、市独自の保育士加配制度やICTの活用、保育支援者の配置など、保育士の負担軽減の取組を実施しております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 坂口よしまさ議員。
○13番(坂口よしまさ) ただいま御説明いただいたように、保育士の加配や、あるいはICTを活用した業務支援、こういうことを行ってはいるものの、基本的には運用の工夫で対応すべしという御答弁を聞きますと、現場の方々の、役所は簡単に言うけれども、そのサポートできる人手がいないから困っているんだという怒りの声が脳裏をよぎります。ただし、ここで、現場に寄り添わない役所の冷たい答弁だと一方的に決めつけて、感情論で追及することは、これは簡単ですけれども、本当に問題を解決したいのなら、感情論ではなくて、理論的に掘り下げて詰めていく必要があります。
 そこで、冒頭確認した保育行政の仕組みを踏まえて、それぞれの施設における人手不足の問題について、次の3つの観点から掘り下げていきたいと思います。
 1つ目は、一括して私立の各保育施設が受け取る委託費の配分という観点です。各保育施設は最低配置基準を満たす保育士の数、それから、県の最低賃金を上回る賃金水準を遵守する限りにおいて、基本的にはこの委託費というものを自由に配分できる仕組みと伺っています。とはいえ、先ほど御答弁いただいたとおり、現状ではほとんどの、約95%の保育施設がこの最低配置基準を超える数の保育士を既に雇用していますので、この委託費の配分見直しの余地というのは少ないと言わざるを得ません。
 そして2つ目は、業務の在り方という観点です。これまで何度も確認してきたとおり、各保育施設が掲げる理念や方針、そして、それらに基づいて行われる業務の在り方は極めて多様です。業務の総量、トータルの量だけではなくて、同一の業務についても、何を重んじて、実際にどういうプロセスで取り組むかも、これも保育施設によって実に千差万別であるというふうに聞いています。
 ですから、各保育施設において、まずは業務の見直しや改善の余地がないかを、これはもちろんしっかり考える必要はありますけれども、そうはいっても、施設によって状況は様々ではありますが、仕事のやり方を工夫して、何とか保育士の負担を減らしながら、保育の質の確保に取り組もうとされている保育施設が少なくないことも、実際にこの目で見て、この耳で聞いております。
 ここまで申し上げたような2つの観点、つまり委託費の配分や業務の在り方については、言ってみれば各保育施設が自らの意識改革や努力、創意工夫などによって対処するという性格がどちらかといえば強いものですけれども、実際には委託費の配分の見直しの余地が少ないという深刻な現場の実態や、あるいは業務の効率化等に一生懸命取り組んでいても、それでも人手が足りないんだという切実な声が存在します。このように、現場の努力や創意工夫などでは対応できない問題については、行政がその根本的な問題解決につながる施策を講じる必要があると考えていますが、この問題を解決するアプローチについて本腰を入れて議論をしようとすると、残念ながら、私の少ない質疑時間では到底足りません。
ですから、近いうちにまた別の機会で保育業界の人手不足をもたらす要因を一つ一つ丁寧に分析した上で、国や福岡市、それから各保育現場、それぞれの役割分担を踏まえて、どのようなアプローチが必要であるかという点についての議論をぜひ行いたいと思いますが、本日は最後に、3つ目の観点として、行政が果たすべき役割という観点から、ここまで冒頭からるる確認してきた保育行政の仕組み、それから深刻な現場の実態などを踏まえて、保育現場の努力や創意工夫などでは対応できず、行政による公助、公の助けが必要な問題がどのようなものであると認識し、これまでその問題に対してどのような取組を行い、どのような成果を上げてきたのか。そして、今後どのような課題を解決目標として掲げて、特にこの令和6年度、どのような取組を進めていくのかという点について、最後10分間余っておりますので、時間をいっぱい使って、最後に野中局長の前向きな御所見をぜひお伺いして、私の質問を終わります。
 
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市では、これまで保育所の整備に力を入れて推進してきたことなどによりまして、保育士の需要が高まっております。福岡市としては、保育士の人材確保を推進していく必要があるものと認識をしております。そのために、保育士・保育所支援センターにおける就職相談やあっせん、そして、潜在保育士を対象とした就職準備金や保育料の一部貸付けに加えまして、福岡市独自に初任給調整や勤続手当の助成、家賃や奨学金返済支援の実施、保育現場の魅力向上支援などの取組を実施しております。家賃助成などの開始前と直近の状況を比較いたしますと、年度当初になりますけれども、正規雇用の保育士の割合は、平成28年度、約56%でございましたけれども、令和5年度では約60%に、そして、市内の指定保育士養成施設等から市内の保育所等への就職割合は、平成28年度末の約40%から令和4年度末では約45%に、いずれも上昇しておりまして、これまでの取組が寄与しているものと考えております。保育士の確保が難しい状況は依然として継続しております。令和6年度は、保育士の負担軽減やブランクの長い保育士の現場復帰を図るために、保育補助者の雇用費の助成を開始するほか、特別支援保育の質の向上を図るために、保育士雇用費の助成を拡充してまいります。今後とも、保育の現場の意見も聞きながら、保育の質の維持、向上や保育士の人材確保に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 以上で質疑を終結いたします。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議題となっております議案68件については、62人の委員をもって構成する条例予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 
○副議長(松野 隆) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま設置されました条例予算特別委員会の委員の選任については、本市議会議員の全員を指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 
○副議長(松野 隆) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 以上で本日の日程は終了いたしました。
 次の会議は3月28日午後1時10分に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後5時17分 散会