令和5年12月13日(水)
令和5年 第6回 福岡市議会定例会
議 事 日 程 (第3号)
12月13日 午前10時開議
第1 一般質問
本日の会議に付した事件
議事日程のとおり
出 席 議 員 (62名)
1番 おばた 英 達 2番 もろくま英 文
3番 淀 川 幸二郎 4番 稲 員 稔 夫
5番 鬼 塚 昌 宏 6番 堤 田 寛
7番 大 森 一 馬 8番 大 原 弥寿男
9番 今 林ひであき 10番 阿 部 真之助
11番 打 越 基 安 12番 堤 健太郎
13番 坂 口よしまさ 14番 新 開 ゆうじ
15番 とみながひろゆき 16番 田 原 香代子
17番 たのかしら知行 18番 石 本 優 子
19番 勝 山 信 吾 20番 調 崇 史
21番 川 上 陽 平 22番 津 田 信太郎
23番 古 川 清 文 24番 高 木 勝 利
25番 篠 原 達 也 26番 平 畑 雅 博
27番 伊 藤 嘉 人 28番 川 上 晋 平
29番 尾 花 康 広 30番 松 野 隆
31番 山 口 剛 司 32番 大 石 修 二
33番 和 田あきひこ 34番 あ べ ひでき
35番 大 沢 めぐみ 36番 木 村てつあき
37番 橋 口 えりな 38番 綿 貫 康 代
39番 前 野 真実子 40番 中 島まさひろ
41番 藤 野 哲 司 42番 新 村 まさる
43番 天 野 こ う 44番 堀 内 徹 夫
45番 森 あやこ 46番 福 田 まもる
47番 はしだ 和 義 48番 浜 崎 太 郎
49番 阿 部 正 剛 50番 倉 元 達 朗
51番 中 山 郁 美 52番 川 口 浩
53番 小 竹 り か 54番 勝 見 美 代
55番 井 上 ま い 56番 ついちはら陽子
57番 田 中 たかし 58番 山 田 ゆみこ
59番 近 藤 里 美 60番 落 石 俊 則
61番 田 中しんすけ 62番 池 田 良 子
欠 席 議 員 (0名)
説明のため出席した者
市 長 島 宗一郎 副 市 長 光 山 裕 朗
副 市 長 中 村 英 一 副 市 長 荒 瀬 泰 子
水道事業管理者 坂 本 秀 和 交通事業管理者 小野田 勝 則
総 務 企 画 局 長 龍 靖 則 財 政 局 長 山 嶋 剛
市 民 局 長 舟 越 伸 一 こども未来局長 野 中 晶
福 祉 局 長 藤 本 広 一 保 健 医 療 局 長 藤 田 三 貴
環 境 局 長 中 村 卓 也 経済観光文化局長 鈴 木 順 也
農 林 水 産 局 長 姉 川 雄 一 住 宅 都 市 局 長 中 村 健 児
道路下水道局長 天 本 俊 明 港 湾 空 港 局 長 竹 廣 喜一郎
消 防 局 長 田 浩 輝 会 計 管 理 者 小 川 明 子
教 育 長 石 橋 正 信 教 育 委 員 西 村 早 苗
選挙管理委員会事務局長 内 藤 玲 子 人事委員会事務局長 大 園 喜代香
監 査 事 務 局 長 上 薗 久 美
職務のため出席した事務局職員
議会事務局次長 八 木 智 昭 議 事 課 長 水 ア 亮 二
議 事 係 長 實 政 伸一郎
外関係職員
午前10時 開議
○議長(打越基安) これより本日の会議を開きます。
日程第1、一般質問を行います。発言通告者のうちから順次質問を許します。新村まさる議員。
○42番(新村まさる)登壇 皆さんおはようございます。私は会派を代表しまして、学校給食室の環境整備と修学旅行を取り巻く課題についてお尋ねをしてまいります。
まず初めに、本市の小学校、中学校、特別支援学校における学校給食の提供方式を御説明ください。
以降の質問は自席で行います。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 福岡市の学校給食は、全ての小学校や離島などの中学校5校、肢体不自由特別支援学校2校について自校調理方式、それ以外の学校につきましては共同調理場方式を採用いたしております。自校調理方式では学校内にある給食調理室でその学校の給食を調理しておりまして、共同調理場方式では市内に3か所ある給食センターにおいて複数の学校の給食を調理し、各学校へ配送いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 本市の小学校は全て自校調理方式です。
それでは、小学校の給食室で従事する調理員数をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和5年11月現在、短時間勤務者を含めまして855名でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 平均して1校に6人ほどの配置となっています。
給食調理員の1日の勤務内容について、その流れをお示しください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 直営の正規調理業務員の場合で申し上げますと、8時30分に勤務を開始し、午前中は調理作業に従事いたします。給食が終わって、午後は食器、器具等の洗浄作業に従事し、その後、清掃、消毒等を行い、17時に勤務終了となります。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 1日のほとんどが調理室内で体を動かす業務と言えますが、給食室にエアコンが設置されている小学校はどれほどあるのか、お尋ねをします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和5年11月現在、145校中62校でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) エアコン未設置の給食室で働く調理員が大半のようです。
夏場の苛酷な職場環境について、また、調理現場から寄せられるエアコン設置の要望についてどのようにお考えなのか、お尋ねをします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 給食調理室では、調理による熱の放射があることや、食品の安全管理上、調理作業中の窓の開放が難しいことから、特に夏場は室内の温度が高くなりやすい状況にございます。そのため、これまでエアコン未整備校については床置き式のスポットクーラーを設置するなど、熱中症対策の強化を図ってまいりましたが、調理員からの要望等も踏まえ、引き続きエアコン整備にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 本市の小学校給食室へのエアコン設置は、いつから本格的に進められ、設置校はどのように選定してきたのか、お尋ねをします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 平成28年度から整備校数を拡大しておりまして、学校の大規模改造工事などの機会を捉え、また、それ以外にも給食調理室単独での工事を随時実施してまいりました。単独工事につきましては、食数の多寡などを考慮し、優先度の高い学校から整備を進めてきたところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 集中的な設置が進められてきた平成28年度以降、設置完了は56校だと伺っています。年に7校ほどという現在のペースでは、残り83校への設置には10年以上を要することになります。現在、エアコン未設置校の多くには応急的に床置き式のスポットクーラーが配置され、熱中症対策に一定の役割を果たしていると聞いていますが、現場からは課題も指摘をされています。(パネル表示)こちらがそのスポットクーラーなんですけれども、こちらですね。スポットクーラー、床置き式です。幾つかの課題としまして、床置きのために調理業務の動線を遮断しがちで、そんなに台数をまず置けない。それから、涼しい風が出てくるすぐ隣、涼しい風が、このブルーの丸の点線のところがダクトですね。その横、赤い部分のところから放射熱、熱が放出されるということで、部屋が冷たくなることではないということ。それから、複数の調理員が同時にクールダウンをできないということが指摘されています。こういった課題もあります。
やはり本来のエアコン設置が求められているわけですが、近年、特に夏場の作業中に熱中症など、調理員が体調を崩す事案が起こっていないのか、お尋ねをします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 原因は特定されておりませんが、今年度、夏場に調理員が体調不良となったとの報告が1件ございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 調理員さんは頭から爪先まで全身を覆う熱の籠もりやすい調理服を着用します。30度を超える日、窓を閉め切った室内で大釜を幾つも炊くわけですから、温度も湿度もさらに上昇します。意見交換を行った調理員の皆さんは、夏場、1日で3回着替えをするそうです。熱中症などで調理員が体調を崩す事案は、調理現場では決して珍しいことではないと言います。このような夏場の状況については、今後、プッシュ型の情報収集や実態把握に努めていただくよう要望するところです。
本市では、いつ頃から小学校の給食調理業務の民間委託に取り組んできたのか、また、現在委託運営されている学校数と調理員の数をお尋ねします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 平成24年度から試行を開始し、その後検証を経て、26年度から本格実施しております。それ以降、順次民間委託を進め、令和5年度現在、委託校数は70校、調理員数は短時間勤務者を含めまして481名でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 民間委託が進むことで、予算の削減、人員確保の安定などに寄与する一方、現場調理員の意見や要望が行政に届きにくい状況が生じていないか、懸念もあります。現場の声が集約されやすい仕組みづくりへ、さらなる配慮を要望しておきます。
本市は給食調理室へのエアコン設置をどう進めていくのか、今後の方針をお尋ねします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) これまで学校の大規模改造工事などの機会を捉え、また、それ以外にも給食調理室単独での工事により、優先度の高い学校から整備を進めたところでございまして、今後もしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 現在、本市小中学校の普通教室と特別教室には全てエアコンがつきました。
それぞれ集中的な設置が始まった時期と全校設置完了となった時期を確認させてください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 普通教室は平成26年度から28年度までの間に、特別教室は令和3年度から4年度までの間に集中的に実施し、整備を完了いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 普通教室は3年、特別教室は2年で完了しています。一方、給食調理室は8年を経ても、いまだ設置は半分に満たずという状況です。
今後、短期間に設置を進める場合に教育委員会が課題としていることは何なのか、お示しをください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 給食調理室のエアコン整備工事は、給食提供に支障が生じないよう給食がない時期に実施する必要がございますが、工期に三、四週間を要するため、実施時期は基本的に夏季休業期間中に限られております。そのため、その期間に受注可能な業者数などの課題もございまして、年間に整備できる校数を大幅に増やせない状況がございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) これまで本市が調理室に設置してきたエアコンは、3週間から4週間の工期を必要とする特殊な機器で、一般的な業務用エアコンとは異なります。
当該機器の特徴と、これまで選定、設置してきた理由をお尋ねします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 小学校の給食調理室では、天井から複数のダクトがつり下げられている天井埋込ダクト型スポットエアコンの整備を進めております。小学校給食調理室では大釜調理で大型の換気扇を使用するために、一般の業務用エアコンを設置しても、換気扇から冷気が逃げるなど冷房効率はよくございませんが、当該エアコンの場合はダクトからの冷風を各調理員に直接届けることができますので、調理員の皆さんからもこの方式を望む声が多く、熱中症予防に効果的と考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 調理室は複数の大型換気扇によって室内の空気が瞬時に外へと放出されるため、一般的な業務用エアコンでは冷却効果が得られにくいとされています。そして、(パネル表示)今回、本市が導入するスポットエアコンの写真、画像なんですけれども、こちらです。出力機械部分は天井裏に収納されていまして、調理室全体に天井から何本ものダクトが降りている。ここでいうと8本降りている状況なんですけれども、この青色の点線で囲んである部分がダクトの冷風口になっています。これにより調理員の稼働エリアを冷やし続けることが可能となります。
このスポットエアコン、1校への設置につき、おおむねどれほどの費用がかかるのか、総額及び工事区分別の金額、これをお示しください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和4年度の1校当たりの工事費総額は280万円程度で、そのうち空調工事が220万円程度、電気工事が60万円程度でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 平成28年度以降、学校施設の改修時期等に合わせてエアコン設置を行った校数と給食調理室単独で設置工事を行った校数をお尋ねします。あわせて、工事の発注手法もお示しをください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 学校施設の改修等に合わせてエアコン整備を行った学校は34校で、市が直接発注しております。また、給食調理室単独でエアコン整備を行った学校は22校で、福岡市施設整備公社に委託し、発注いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 設置工事は着実に進められてきたものの、その大部分は学校の改修時期に合わせたものだと分かります。今後は調理室への単独設置工事の数を大幅に増やしていけるかが大きな課題となります。
そのためには、夏休みに工事が集中することを踏まえて、工事請負業者の確保や円滑な受注につながる発注手法の精査、人件費、材料費高騰の動向調査や半導体不足が機器の納期に与える影響など、想定されるあらゆる課題の整理に速やかに臨んでいただくよう要望いたしますが、所見をお尋ねします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 近年の人件費や材料費の高騰に対しましては、設計時に高騰分を見込んだ適正な価格で発注するとともに、工期が夏季休業期間中に集中することによる人員確保の問題等につきましては、関係局とも連携しながら、対応について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 当然ながら予算の確保も重要な課題です。
ここで、先ほどの床置き式スポットクーラーが設置された時期と設置校数及び台数について、あわせて、その配備に要した金額をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和2年度に小学校106校に計148台を設置し、その費用は約1,098万円でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 単年で配置を完了しています。
その当時、どのように予算を確保されたのか確認をさせてください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 全額、国からのコロナ対策として交付されました学校再開に伴う感染症対策・学習保障等に係る支援事業補助金を活用いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 給食調理室のエアコン設置に向けては、市単費による自主財源と併せて、国へも一定の予算措置を要望していくなど、早急な予算の確保に努めていただくよう要望をいたします。
近年、酷暑、酷暑と言われますが、実際のデータ、こちらをお示ししたいと思います。(パネル表示)これは気象庁が公表する福岡地区の気象データを基にして作成をしたものです。上段が真夏日、30度以上を観測した年間平均日数の変遷を示しております。左の値から順に、1990年代、2000年代、2010年度、2020年代となっています。同様に、下段は猛暑日、35度以上の年平均日数です。このデータからは、近年、夏場の最高気温値の上昇傾向と併せて、暑い日が全体的に増えているということを確認できます。さらに、月別に見ますと、6月と9月の真夏日の日数、この増加というのが顕著でした。このことは、夏場における酷暑の長期化が進んでいることを表します。小学生の給食調理を毎日担う調理員さんにとって、ますます耐え難い苛酷な状況となっておりまして、その環境改善は喫緊の課題です。
エアコンの全校設置に向けて、前倒しの対応を強く求めるところですが、所見をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 近年の酷暑等を踏まえまして、給食調理室へのエアコン整備を加速するとともに、エアコン未整備校に床置き式のスポットクーラーを設置するなど、熱中症対策の強化を図ってきたところでございます。今後とも、調理員の安全な労働環境を確保するため、できるだけ早期にエアコンの整備を完了できるよう取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 次年度以降、短期間による設置完了を期待しております。
次に、修学旅行費の徴収についてですが、まずは小中学校別に修学旅行説明会の実施から旅行費徴収までの流れと1人当たりの旅行費をお示しください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 小学校、中学校ともに、まず、修学旅行説明会を開催し、費用の詳細や徴収方法、キャンセル料の取扱いなどについて説明いたします。その後、小学校では保護者から旅行業者への振込や学校徴収金の引き落としにより修学旅行費を支払っていただいておりまして、中学校では振込や口座振替により支払いをお願いいたしております。また、1人当たりの費用は小学校が2万1,000円程度、中学校が5万5,000円程度となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 次に、直接振込の場合、期限日の設定はいつなのか、また、期限日までに納入がない家庭への対応について小中学校別にお尋ねします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 振込期限日は旅行業者が指定しておりまして、小学校、中学校ともに修学旅行実施前の時期に設定されていることが多くなっております。また、納入されていない家庭に対する督促は、小学校は学校が行い、中学校は支払い方法に応じて学校や旅行業者が行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 中学校では旅行費がより高額ですから、旅行の1年ほど前に説明会が開かれ、多くの家庭が早い段階から自動引き落としによる積立てを選択すると聞いています。
旅行当日までに支払いがない場合、児童生徒の旅行参加の可否はどうなるのか、これも小中学校別にお尋ねします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 中学校では近年、旅行当日までの支払いがない事例はございません。小学校では、支払いがない場合においても保護者に支払いの意思を確認した上で、旅行業者の御判断により参加を可能とするなど、これまで柔軟に対応していただいておるところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 小学校では旅行業者が修学旅行費を回収できないといった事案は近年発生していないのか、確認をさせてください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 全体の数は把握いたしておりませんが、過去3年間で小学校ではお尋ねのような事例があったと聞いております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 小学校における修学旅行費の支払い方法は長らく、給食費などと同様に、学校徴収金として各家庭の口座から学校が引き落とすという仕組みでした。それが最近では、ほとんどの学校で家庭から旅行業者へ直接振り込むという手法が取られているようですが、それはいつ頃からどのような理由で進められてきたのか、お尋ねをします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 学校の業務の負担軽減や保護者の方々に納付の意識を持っていただくために、中学校が実施している支払い方法を参考に、小学校でも数年前から旅行業者への直接振込に変更する学校が多くなってきております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 学校の負担軽減が図られることはもちろんいいことなんですが、従来の学校徴収金による自動引き落としから保護者による振込作業となって、納入漏れの事例が増えたのではないか、学校による督促業務も結果として増えているのではないかと懸念をするところです。小学校における直接振込の普及は、コロナ禍以降の大手旅行業者による参入も影響していると聞いています。この数年で一気に広がった仕組みでもあり、運用面の課題が表面化しているように思いますので、現在の徴収手法の課題を改めて精査いただくよう要望いたします。
また、小学校では原則学校側で督促対応するとしていますが、各家庭からの振込確認を毎日行っているのは旅行業者ですし、時には旅行業者が直接家庭へ督促の連絡や通知をしたりするケースもあるそうです。小学校の修学旅行を請け負う旅行業者の中には、旅費の回収を断念して不納損金として処理している事例もあります。金銭的な損失だけでなく、旅費の回収事務に係る負担に苦労もされています。何より、お金がないのでもう少し待ってくださいといった悲痛な返答を受けながらも、各家庭に督促を続けなければならないという精神的な負担が最も大きいと聞いています。
請負業者に少なくない負担が生じている現状は改善していくべき行政課題だと思いますが、所見をお尋ねします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) これまでも学校と旅行業者が連携し、督促の連絡を行っているところでございますが、一部旅行業者に御負担をおかけしているところも見られるため、今後は家庭の状況等を考慮し、分割での納付を働きかけるなどして、学校と旅行業者が連携しながら督促を行ってまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 学校側も対象家庭への配慮に苦労されているのではないでしょうか。今後は督促業務の発生をできる限り事前に抑止できる仕組みづくりという視点が大切です。
生活保護、就学援助を受ける家庭には修学旅行費の公的支援があると思いますが、その支給及び徴収の流れについてお尋ねをします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 一般的な流れになりますが、保護者に修学旅行実施前の支払い期限までに旅行会社に代金を支払っていただき、旅費の実費確定を経て、旅行実施のおおむね1から2か月後に教育委員会から保護者に実費相当額を支給いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 原則、一旦手出しいただいた後に支給が行われるという順番です。一方で、手出しが難しい家庭が就学援助費の支給後の支払いを希望する場合にも各学校で柔軟に対応いただいています。しかしながら、このような場合、口座への入金に気づかないうちに残高を家計に充当してしまうことも起こり得ます。その後、日々の困窮により督促への支払いがままならない状況が続くことは、当該の保護者にとってどれほどつらいことかと思います。同時に、学校や旅行業者にも回収業務の負担が続くこととなり、現状の仕組みは結果として家庭、旅行業者、学校全てに負担を強いる状況を生んでいるとも言えます。
次に、生活保護及び就学援助の対象となる本市の児童生徒数を小中学校別にお示しをください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和4年度の対象児童生徒数は小学生1万8,157人、中学生9,502人でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) この数字は小学生で全体の約22%、中学生で約25%を占めます。現行の仕組みでは、就学援助家庭の多くが旅行費の全額を一旦は負担しなければなりません。日々の家計が逼迫しているからこその就学援助ですから、小学生2万1,000円程度、中学生5万5,000円程度という少なくない額を事前に用意するのは相当な負担になっているのではないかと心配をいたします。
一旦の手出しという家計への負担を軽減すること、それから、督促が発生する悲痛な状況を減らすこと、この両方を実現するために、就学援助費における修学旅行費においては、行政から旅行事業者に直接支払う仕組みを検討されてはいかがでしょうか。所見をお尋ねします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 議員御指摘の仕組みにつきましては、実費払いという修学旅行費の性格から、旅行会社への支払いが修学旅行後となるなどの課題がある一方で、保護者や旅行会社にとっては簡易で確実な決済が可能となるメリットもあるものと認識いたしております。まず、課題を整理し、実施の可否について検討を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 迅速に対応いただきますよう要望いたします。
次に、小中学校の修学旅行を請け負う旅行業者についてですが、各学校における選定手法と請負契約までの流れを時系列にお尋ねをいたします。また、児童生徒1人当たりの修学旅行費上限額をどのように定めているのか、確認をさせてください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 修学旅行を実施する前年度に管理職や学級担任等で旅行先や日程、内容等を検討し、その後、3社以上の旅行業者の見積りを基に、保護者代表を含めた業者選定委員会で旅行業者を決定し、契約をいたしております。1人当たりの修学旅行費の上限額については、就学援助世帯に新たな負担が発生しないよう、教育委員会が設定いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 修学旅行費の上限額について、小中学校別に近年の変遷をお尋ねします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) これまで適宜、福岡市の学校や保護者の代表者等を委員とする検討委員会におきまして、上限額の見直しを検討してきております。平成27年度から令和2年度は小学校が2万1,000円以内、中学校が5万2,500円以内、令和3年度は小学校が2万2,000円以内、中学校は5万4,000円以内、4年度からは小学校は2万2,000円以内、中学校は5万5,500円以内としております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 今年度の上限額設定が小学校2万2,000円、中学校5万5,500円。修学旅行費として本市が定める就学援助費との差をそれぞれお尋ねします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 就学援助における修学旅行費の上限は小学校が2万2,690円で、設定した上限額との差額は690円です。中学校は6万910円で、差額は5,410円となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 修学旅行費の上限額が就学援助費を超えない範囲と定められる中で、小学校の上限額は既に就学援助費とほとんど同様の額まで引き上げられています。
今年度、小学校142校が修学旅行を実施したと伺っていますが、そのうち、長崎県内に宿泊した学校数とハウステンボスを訪れた学校数をお尋ねします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 長崎県内に宿泊する校数は122校で、ハウステンボスを訪問する校数は128校でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 今年度、修学旅行請負事業者の数を小中学校別にお示しをください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 小学校が9社、中学校が7社でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 9割ほどの小学校が長崎宿泊にハウステンボス訪問、これを選択しています。中学校においても京都、大阪、奈良に集中しているようで、行き先の固定化はどの旅行会社にとっても同じように固定費用がかかることにもなります。
昨今の急激な燃料高騰、物価高騰が修学旅行の実施に与える影響をお尋ねいたします。また、事業者からは修学旅行全般に係る費用の膨張を懸念する相談や上限金額変更の要望は上がっているのか、併せて確認をさせてください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 昨今の物価高騰により、交通費、宿泊、見学費、食費等の値上がりが想定されまして、今後、その影響が顕在化してくることを懸念いたしております。また、校長会や旅行業者からは費用高騰を心配する相談や修学旅行費の上限額の変更を要望する声がございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) バス代金の人数割りや宿泊予約時の団体割引率を考慮すると、特に小規模校ほど既定の上限額内で見積りを用意するのが大変だと思います。燃料高騰、物価上昇傾向が続く場合、今後、小規模校から修学旅行の受け手事業者が不足する、このような事態にもなりかねません。一方で、子育て家庭の世帯収入が上がらない現在の状況で修学旅行費を上げると、小中学生のいる御家庭に負担がかかります。
板挟みとも言える修学旅行を取り巻く費用設定の問題について、本市は今後どのように対応していこうとお考えか、所見をお聞かせください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) これまで物価上昇や新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえて、就学援助費の範囲内で修学旅行の上限額の引上げを行ってまいりました。一方、各学校においては、上限額の範囲内で工夫をしつつ、修学旅行の目的を達成できるよう、バス利用の効率化を図るなどによりまして費用の軽減にも取り組んでまいりました。今後とも、物価の上昇や国の動向などを踏まえるとともに、保護者の負担に配慮しつつ、修学旅行の目的を実現できる費用設定について引き続き検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 新村まさる議員。
○42番(新村まさる) 燃料費や人件費、物価全般の高騰によるバス代、宿泊、観光費の価格上昇はどの旅行業者にも重い負担として表面化しているのが実態のようです。小規模校の旅行受注者へのインセンティブの導入、小規模校を含めた複数校の一括受注を促す手法や宿泊場所、行き先の柔軟な変更の検討など、喫緊の対策が今後必要になってくるかもしれません。先ほどの御答弁のとおり、修学旅行費を取り巻く今後の課題を考えていくときに、実費負担を求められる保護者への配慮も欠かすことはできません。今後は保護者や旅行事業者、学校との丁寧な調整を図っていただいて、それぞれに納得性が高く、児童生徒の体験、成長にとって大切な修学旅行の質と機会の確保に努めていただきますよう要望して、私の質問を終わります。
○議長(打越基安) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ)登壇 おはようございます。私は自民党新福岡を代表して、家庭ごみの持ち去り行為について、今後の観光施策について、以上2項目質問してまいります。
まず、家庭ごみの持ち去り行為について質問いたします。
本市は家庭ごみを夜中の零時以降に収集する全国でも珍しい夜間収集を実施していますが、最近、夕方を過ぎて、まだごみ収集が始まる前の時間帯に見知らぬ人物がマンションのごみ置場に軽トラックで乗りつけ、出されているごみを車に積んで走り去っていく姿を目撃することがあります。市民の方からも、勝手にごみ置場に入り、持ち去っていく人を見かけるようになって怖いというような声をお聞きすることがあります。家庭ごみの持ち去り行為は、そのように市民の皆様を不安にさせる行為であることはもちろんのこと、分別、リサイクルに協力している市民の協力や努力を無にするものであり、一刻も早い解決が求められます。そうした中、今年9月、条例で禁止されている家庭ごみの持ち去り行為を繰り返し行ったとして、その行為者に対し、本市で初めてとなる過料処分が実施されました。持ち去り行為の防止に向けて大きな一歩を踏み出したと考えており、その効果は大いに期待しているところですが、本日はこの間の持ち去り対策の経緯や今回の過料処分の内容等について改めて確認するとともに、行為の防止に向けた今後の対応についてお伺いしてまいります。
まず初めに、そもそも条例で禁止されている持ち去り行為とはどのようなものなのか、お伺いいたします。
以上で1問目が終わり、2問目以降は自席にて行います。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 福岡市廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例第17条の2におきまして、市からの委託を受けた者や集団回収を実施する団体等と契約した者以外の者は、家庭系ごみ、もしくは集団回収で集められた資源物の収集、運搬、保管のいずれの行為も行ってはならないと規定されており、この規定に違反して収集等を行う行為のことを、いわゆる持ち去り行為と呼んでおります。以上でございます。
○議長(打越基安) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 実際にはどのようなものが持ち去られているのか、お伺いいたします。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 持ち去られておりますのは、主に家庭ごみとして排出された不燃ごみのうちのアルミ缶でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) では、そのような持ち去り行為を条例で禁止するようになったのはなぜなのか、その背景についてお伺いいたします。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 持ち去り行為に関する相談や苦情が平成21年度に4件であったものが、24年度に191件と急増したことを受け、翌25年6月に資源物持ち去り防止に関する検討委員会を設置いたしました。当委員会におきまして対策の検討を行った結果、現行法令では持ち去り行為を規制することが困難であり、罰則も含めた条例による新たな規制が必要であるとの結論に至ったため、平成26年4月に持ち去り行為を禁止するための条例改正を行ったものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 条例改正前に相談等が急増していたとのことですが、当時、市民から寄せられた相談等の内容はどのようなものだったのか、お伺いいたします。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 当時の主な相談等の内容としては、燃えないごみの収集日に勝手にごみを持っていかれ気分が悪い、知らない人が敷地内に入るなど防犯上の不安がある、市が指定したごみ袋を購入してごみを出したのに、市が収集しないのであれば無駄であるなどといったものがございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 持ち去り行為を禁止したことで効果は現れたのか、お伺いいたします。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 持ち去り行為に関する相談等の件数が条例施行前の平成25年度が264件であったのに対し、条例施行後は年々減少し、令和元年度が38件、2年度が39件となっており、一定の効果は現れていたものと考えております。しかしながら、その後、令和3年度が100件、4年度が347件、5年度が10月末現在で270件と、ここ数年、再び増加に転じている状況でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 条例改正後、減少していた相談件数がここ数年増加に転じているとのことですが、その要因をどのように考えているのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) アルミの価格が高騰していることを背景といたしまして、アルミ缶などの持ち去り行為が増加していることが相談件数増加の主な要因ではないかと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) つまりアルミ缶の価格が高騰しているから、それを売って収入を得ようとして持ち去り行為が行われているということであります。
それでは、市民が出した燃えないごみは、持ち去られることなく収集が行われた場合、その後どのように処理されているのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 不燃ごみにつきましては、収集後、資源化センターで破砕、選別処理を行い、回収された鉄とアルミはリサイクル事業者に売却いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) ありがとうございます。ということは、持ち去りが行われるほど、本市の歳入が減るということになります。
では、不燃ごみから回収されたアルミの過去5年の売却単価はどのように推移しているのか、お伺いいたします。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 不燃ごみから回収したアルミの売却金額を売却量で割った1キログラム当たりの売却単価は、平成30年度は約60円、令和元年度は約41円、2年度は約28円、3年度は約67円、4年度は約68円となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 令和3年度からアルミの売却単価が大幅に上昇しているということをお聞きしますと、先ほど御答弁いただいたとおり、アルミの市場価格が高騰していることに伴い、持ち去り行為が増えているということを裏づけていると思います。
例えば、45リットルの袋1袋分のアルミ缶を市が売却する場合、その売却額は幾らになるのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 市の令和4年度の売却単価キロ約68円を基に、45リットルの袋1袋にアルミ缶が130個、約1.9キロ入るものとして推計いたしますと、1袋分で約129円の売却額になります。以上でございます。
○議長(打越基安) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 持ち去り行為は市民に不安を与えているだけではなく、市の歳入にも影響があるということが分かりました。
少しでも早く解決を図っていただきたいと思いますが、本市は持ち去り行為に対してこれまでどのような対策を行ってきたのか、お伺いいたします。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 持ち去り行為への対策として、職員や業務委託した警備会社によるパトロールを行っており、両者合わせまして、令和3年度の3班6人体制から、4年度は5班10人体制、5年度は8班16人体制とするなど、近年の持ち去り行為の増加に伴い、パトロール体制の拡充を図ってきております。また、金属の買取り業者への訪問指導や希望する地域への持ち去り禁止警告看板の配付のほか、生活に困窮していると思われる持ち去り行為者に対する自立支援相談窓口の紹介などの対策を実施してきたところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 市職員や委託によるパトロールを行っているとのことですが、警察との連携も重要であると考えます。
現在、この持ち去り行為について警察とはどのように連携を取っているのか、お伺いいたします。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 持ち去り行為について市民から110番があった際には警察から市に連絡があり、可能な限り警察と市の両者で持ち去り行為者への対応を行うことといたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 引き続き、警察とも連携して、しっかりと対応に当たっていただきたいと思います。
さて、持ち去り行為に対して抑止力を働かせるためには罰則も重要な要素であると考えますが、他の政令市において、持ち去り行為を禁止する条例を制定している都市はどれほどあるのでしょうか。罰則の内容と併せてお伺いいたします。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) ごみや資源物の持ち去り行為を禁止する条例を制定しているのは、福岡市を除く政令市中15都市となっております。そのうち、罰則の規定がある都市につきましては、本市と同じく過料としている都市が3都市、罰金としている都市が10都市でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) では、そのうち実際に罰則を科したことのある都市はどれほどあるのか、お伺いいたします。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 条例で罰則を規定している他の政令市13都市のうち、令和5年10月末現在で過料を科した実績のある都市が2都市、罰金刑の適用を求めて警察に告発を行った都市が3都市となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 罰則の規定はあるものの、違反者に対して実際に罰則を適用している都市は半数にも満たないようです。
そうした中、今年9月、本市は持ち去り行為者に対して本市で初めてとなる過料処分を科したわけですが、今回行った過料処分とはどのような内容なのか、改めてお伺いいたします。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 今回の処分につきましては、家庭ごみの持ち去り行為を繰り返し行った常習者4名に対して、条例に基づき、令和5年9月20日にそれぞれ5万円の過料処分を科したものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) その過料を科すまでにはどのような手順を踏む必要があるのか、お伺いいたします。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) パトロールで持ち去り行為の現場を発見した場合、その都度、条例違反であることを説明し、持ち去り行為を行わないよう指導しておりますが、再三指導したにもかかわらず持ち去り行為をさらに行ったことを確認した場合には、条例の規定に基づき禁止命令を行います。その後、この禁止命令にも違反して再度持ち去り行為を行った場合に過料を科す流れとなっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 度重なる指導も経て今回の過料も科されたわけですが、既に本市のほうへ納付されているのか、お伺いいたします。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 令和5年10月末時点で、4件中2件が納付されております。以上でございます。
○議長(打越基安) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) では、未納となっている2件についてはこれまでにどのような対応をしてきたのでしょうか。また、今後、未納分の過料を回収するためどのように対応していくのか、お伺いいたします。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 未納者に対しましては、これまでに相手方との対面による説明や督促状の送付など、納付に向けた取組を実施してまいりました。今後も未納者への納付指導を行い、それでも未納状態が続く場合には、財産の差押えなどの法的措置を検討してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 家庭ごみの持ち去り行為への対応は、パトロールによる発見が難しかったり、発見できたとしても指導に従わなかったりなど、困難な面もあるかと思います。他都市においても罰則まで科した実績はまだ少ないようです。そのような状況の中、今回、本市において過料処分を科すという一歩を踏み込んだ対応をしたことは評価したいと思いますし、今後の効果にも期待したいと考えています。一方で、一部は未納のままとなっている状況もあり、逃げ得とならないよう未納対策にも一つ一つ取り組んでいく必要があると思います。持ち去り行為の防止に向けたさらなる対応強化についても検討していく必要があると考えます。
この質問の最後に、市民の皆様が一刻も早く安心して生活し、ごみを出せる環境を整えていただきたいと思いますが、本市の今後の持ち去り行為への対応について御所見をお伺いして、この質問を終わります。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 家庭ごみの持ち去り行為は、議員御指摘のとおり、市民の生活不安につながるとともに、市民の協力を得ながら進めておりますごみ分別、リサイクルの取組や市の歳入にも影響を及ぼすものであり、厳正に対処する必要があるものと認識いたしております。引き続き、パトロールや指導に従わない持ち去り行為者への過料処分などの取組を着実に実施していくとともに、その抑止効果の状況なども踏まえながら、さらなる対策の強化についても検討を行ってまいります。今後とも、市民の皆様が安心してごみ分別、リサイクルに取り組むことができる環境づくりをしっかりと進めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) よろしくお願いいたします。
次に、今後の観光施策について質問してまいります。
本市は宿泊業や飲食業など第3次産業が9割を超える産業構造となっており、交流人口の増加による経済の活性化が都市の成長のために重要です。特に観光・MICE産業は裾野が広く、さらなる成長を遂げる原動力として推進していく必要があります。そのためには、本市の都市としての特徴や最新の観光需要を踏まえ、戦略的に観光施策を推進することが重要だと考えます。
そこで、今回は今後の観光施策について質問を行ってまいります。
まず初めに、これから西のゴールデンルートの取組を進めていかれるわけですが、コロナ前と比較した外国人入国者数の状況についてお伺いいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 福岡空港及び博多港からの外国人入国者数につきましては、コロナ前の令和元年1月から9月の約213万8,000人に対して、直近の令和5年1月から9月では約194万8,000人となっており、コロナ前とほぼ同じ水準まで近づいてきております。以上でございます。
○議長(打越基安) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 多くの外国人観光客に来訪していただいているようですが、西のゴールデンルートの取組などによって観光客がさらに増加することが予想されます。一方で、市民からは有名な観光地がない、不足しているなどの声も聞きます。観光客が本市に来られたら、ここに行きたいと思ってもらえるような観光の拠点となる施設やコンテンツを増やし、回遊性を高めていくことが必要だと思います。
そこで、本市ではこれまでも様々なプロジェクトを推進してきていますが、現在、博多旧市街プロジェクトではどのような取組を進めておられるのか、お伺いいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 博多旧市街プロジェクトでは、観光客や市民に旧市街の魅力を伝え、楽しんでもらうため、誰もが分かりやすい観光ルートの設定や地域資源を活用した観光商品の造成、イベントの開催、プロモーションなどに取り組んでおります。また、歴史、伝統、文化に配慮した道路整備、統一デザインによる観光案内板、都市サインの改修、博多旧市街の雰囲気が感じられる灯籠やちょうちんを活用した趣のあるまち並みの雰囲気醸成などにも取り組んでおります。以上でございます。
○議長(打越基安) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 博多旧市街エリアには、歴史ある神社仏閣だけでなく、博多松ばやしや博多祇園山笠といった全国的にも有名な伝統文化、博多織や博多人形などの伝統工芸もあります。例えば、博多祇園山笠であれば、台上がりをした姿を写真や動画で撮影できることや博多人形師の本物の絵つけ作業を見ることができるなど、特別感のある体験があってもよいと思います。
博多旧市街エリアでもっとこうした取組を進め、観光拠点として磨き上げていくべきではないかと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 博多旧市街プロジェクトについては、訪問先が限定的となっている、また、歴史、伝統、文化を体験できる機会が少ないといった課題があると認識しております。このような課題を解決していくため、プロジェクトを継続的に実施し、認知度や集客力の向上を図ってまいりますとともに、博多旧市街の歴史、伝統、文化をいつでも体験できる機能や観光情報の発信機能など、旧市街の周遊の起点となる観光拠点の整備について検討してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 次に、福岡城、鴻臚館などの歴史資産が残っている舞鶴公園においては、本年10月に福岡高等裁判所の跡地に観光バスなどを含め約300台が駐車できる駐車場の供用が開始されました。高裁跡地のすぐ横には古代の迎賓館として知られる鴻臚館があります。
そこで、福岡を代表する歴史資産である鴻臚館を活用した今後の取組についてお伺いいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 鴻臚館につきましては、令和5年度より東門等の歴史的建造物の復元に向け検討を進めているところでございます。今後、海外からの賓客を受け入れ、もてなしたという鴻臚館の歴史的役割を踏まえ、当時の歴史、文化が追体験できるような公開、活用に取り組みますとともに、展示館や復元建造物を生かしたユニークベニューとしての活用に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 都心を代表する施設でもあり、ぜひ多くの方々に訪れてもらえる拠点施設となるよう取り組んでいただければと思います。
続いて、現在、本市では様々な施設計画が進められておりますが、その中で、観光の拠点として活用できるものもあると思います。例えば食という視点でいうと、本年6月に完全復活を遂げた屋台街で有名な長浜には鮮魚市場もあります。鮮魚市場において、市民への魚食普及を進めるため、市場関係者と連携し、魚食普及スポットを整備されると伺っています。このような機会も捉え、食の観光施策にもさらに取り組んでいただきたいと思います。
また、本市では、Fukuoka Art NEXTとして、彩りにあふれたアートのまちを目指して取組を進めているところですが、大濠公園にある福岡市美術館においては、県立美術館が須崎公園から大濠公園に移転することなどもあり、福岡市美術館を観光拠点として、より強化していくことが必要だと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 福岡市美術館については、現在、多くの方々に御来館いただいているところでございますが、特に、令和4年11月以降、海外からの来館者が増加しているところでございます。令和6年度に福岡市美術館はリニューアル5周年を迎えることを踏まえまして、魅力的な美術品を収集することでコレクションを充実させるとともに、美術館を代表する作品を常に展示するなど、観光客にとってもより魅力的な拠点となるよう努めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 次に、福岡市民会館の後継施設として、令和7年3月には拠点文化施設の開館が予定されており、隣接する須崎公園と一体的な整備を行うことで、国内外から多くの人々が集うエリアとなることが期待されています。
そこで、拠点文化施設はウォーターフロントエリアにも近く、観光拠点とすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 拠点文化施設につきましては、須崎公園と一体的に整備、活用することにより、緑あふれる文化芸術空間を創出し、魅力的な演目の公演やにぎわいを生むようなイベントを実施することで、国内外から多くの人々が集うエリアを形成してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 中島まさひろ議員。
○40番(中島まさひろ) 市内各所に伝統、史跡、食や芸術文化など、その土地それぞれの特色があり、拠点となり得る施設等が存在するとともに、新たにつくり出されようとしています。
こうした観光資源を生かしていただき、これからの観光施策に取り組んでいただくよう要望し、最後に、今後の観光振興に向けた意気込みについて島市長の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市は第3次産業が9割を占める産業構造であり、来街者を増やし、また、消費を拡大することが観光産業をはじめとした市内経済の活性化に重要であると認識をしてございます。個人の観光再開から1年が経過し、外国人観光客が堅調に回復をしている中、博多旧市街プロジェクトをはじめ、身近な自然の魅力を高めるFukuoka East&West CoastプロジェクトやFukuoka Green NEXT、アートあふれるまちを目指すFukuoka Art NEXTなど、様々なプロジェクトを積極的に推進するとともに、国内外に対して福岡市の魅力を発信しているところでございます。今後とも、歴史、伝統、文化、食など、福岡市を代表するコンテンツや拠点施設をさらに磨き上げることによって、観光客や市民の皆様に対して、その魅力が伝わるような取組を進め、観光振興にしっかりと取り組んでまいります。以上です。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代)登壇 私は日本共産党市議団を代表して、中高年シングル女性の支援について、放課後児童クラブ、民間の学童保育所について、介護保険について並びに市長の政治資金パーティーについて質問いたします。
質問の第1は、コロナ禍を経て、さらなる物価高騰の下、困窮する中高年シングル女性への支援についてです。
中高年シングル女性とは、独身者、離婚、死別、非婚、未婚の母、別居により配偶者やパートナーと同居していない世帯です。二十歳未満の子どもと同居、親、子ども、兄弟姉妹などの同居人がいない単独世帯も含みます。関東圏を中心に集まっている任意団体であるわくわくシニアシングルズが2022年8月に中高年シングル女性の生活状況実態調査を行っています。同団体では、中高年シングル女性が生き抜くため、雇用、社会福祉、介護保険のセミナー実施や、国の助成、支援から外れている中高年女性の実態調査に力を入れています。社会的、経済的に脆弱な女性たちを直撃したコロナ禍では、子どもがいない、非課税でもない生活保護の一歩手前で困窮しているこの世帯への支援はほぼなく、支援から置き去りだったと指摘しています。関東のみならず、本市でも同じような状況があると思います。
したがって、本市での中高年シングル女性の置かれている現状をどのように認識しておられるか、御所見を伺います。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 生活にお困りの方の相談窓口として生活自立支援センターを設置しており、いわゆる中高年シングル女性を対象とした統計はございませんが、令和5年度の新規支援対象者数は10月末時点で858人で、その内訳は、男女別では女性が43%、男性が57%、年代別では39歳までが42%、40歳から59歳が37%、60歳以上が21%となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 中高年シングル女性というカテゴリーはまだないと思います。しかしながら、先ほど述べたような困難さを多くの女性が抱えております。具体的にただしてまいります。
本市の40歳以上のシングル女性世帯の数と全世帯に占める割合について答弁を求めます。
○議長(打越基安) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 令和2年国勢調査における福岡市の40歳以上の女性の単身世帯の数は10万5,372世帯で、総世帯数83万51世帯に対する割合は12.7%となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 本市には1割以上の世帯、10万5,000人を超える方々がおられます。
では、40歳以上のシングル女性世帯のうち、年収300万円以下の世帯の割合はどれぐらいか、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 令和4年の就業構造基本調査によりますと、40歳以上かつ結婚したことのない女性の有業者の中での割合で、世帯ではなく個人の年間所得になりますが、300万円未満の方の割合は52.3%となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 数字がないとのことですが、任意団体、わくわくシニアシングルズが2022年8月から9月にかけて行った調査によると、年収200万円未満が30%、300万円未満は54%で半数を超えています。私もこの質問を準備するに当たり、同じ項目でアンケートを実施しましたが、収入では200万円未満が35%、300万円未満は60%でした。わくわくシニアシングルズが行ったこの全国調査と同じ傾向が福岡市でも見られました。同団体はこの収入状況から、日本は女性が単独で経済的に自立することの困難な国だと結論づけています。さらに、生活状況について、やや苦しい、大変苦しいが7割、50万円未満の資産しかない人が40代で4割、50代で3割、市内アンケートでも、やや苦しい、大変苦しいが6割、そして、自由記載で、「日々の暮らしで精いっぱいで貯金ができない」、「お金がなく生活や将来が不安」、「年金だけでは生活できない」、「親の介護や親なき後の生活の不安」、「将来不安しかない」という、低賃金から貯金がないこと、年金が低いことによる生活や将来不安がほとんど書かれています。中には、「60歳になったら首をくくりたい」、「楽に死ねない、長生きしてしまうことが不安」と、まさに切実で悲痛な声が寄せられました。
このような実態から見ると、中高年シングル女性の多くが経済的に困窮していると思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 御指摘の中高年シングル女性に限らず、生活にお困りの方の状況は様々でございますが、生活困窮者への支援は重要と考えており、女性に限らず、生活自立支援センターにおいて就労支援など、それぞれの方の状況に応じた支援を行ってまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) いろいろ言われましたけれども、中高年シングル女性は非正規で働いている方の割合が多く、それに伴い、退職後も少ない年金で生活せざるを得ないため、生活に困窮している人が少なくありません。
では、こういった方々にどんな支援が必要か、ただしていきたいと思います。
まず第1に、賃金を上げることです。本来、国が行うべきことですが、市でもやれることがあります。例えば、本市の会計年度任用職員で福岡市が募集している学校生活支援員の賃金をホームページで見てみますと、1日5時間勤務で4,705円から4,873円と示されています。時給にすると941円から975円、まさに最賃ぎりぎりの低賃金です。このように低い待遇で働かされている人々の中にも、中高年シングルの女性は一定おられます。
したがって、本市の会計年度任用職員の賃金を時給1,500円に見合うものにすべきと思いますが、御所見をお伺いします。あわせて、国に最低賃金を時給1,500円に早急に引き上げることを求めるべきと思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 会計年度任用職員を含む福岡市職員の給与については、地方公務員法に基づき、市内民間給与の状況を反映した人事委員会の報告及び勧告を尊重し、国及び他の地方公共団体の職員との均衡などを考慮しながら決定する必要があり、今後とも適切に対処してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 民間における最低賃金については、最低賃金法に基づき、厚生労働大臣または都道府県労働局長において、中央または地方の最低賃金審議会に調査、審議を求め、その意見を聴いて適切に決定されているものと認識しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 賃上げをやろうともしないし、国に求めようともしません。
では、角度を変えてお尋ねします。
40歳以上のシングル女性世帯の居住の実態についてお尋ねします。持家と賃貸の比率を答弁してください。
○議長(打越基安) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 令和2年国勢調査における福岡市の40歳以上の女性の単身世帯の持家と賃貸の比率は、持家が39%、賃貸が61%となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 61%は賃貸住宅に住んでおり、家賃を払っています。そこで、住居費支払いの後の生活についてアンケートを取ってみました。あまりまたは全く余裕がないという回答が80%に上ります。中高年シングル女性の場合、住居費が家計を圧迫しているという回答がうかがえます。したがって、この世帯には住宅支援が必要です。住宅支援といえば、良好で低廉な市営住宅への入居が挙げられます。
ではまず、市営住宅の中高年シングル女性の応募倍率はどうなっていますか、あわせて、単身者は公募対象になるのか、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 市営住宅の入居には、抽せん方式など公平な入居者選考が求められているところであり、別枠で募集する、いわゆる優先入居については、住宅に困窮する低額所得者の中でも特に困窮度が高い方に対して、地域の実情を踏まえて取り扱うものとされております。応募倍率につきましては、福岡市では40歳以上の単身女性に限定した募集をしていないためデータはございません。また、単身世帯の入居要件につきましては、収入要件のほか、60歳以上の者、身体障がい者1級から4級までの者、精神障がい者1級から3級までの者、災害被災者や犯罪、DV被害者などとしており、要件に合致する方であれば、年齢や性別にかかわらず、申込みは可能となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 市営住宅は高齢単身者の枠はあっても倍率は高く、なかなか入れません。そもそも高齢でない中年女性の単身者枠はありません。低廉な市営住宅に多くの中高年シングル女性は入居できず、民間の高い家賃を払い続けています。
この方々が入居できるよう応募枠を拡充し、市営住宅の管理戸数を増やし、入居しやすいようにすべきと思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 住宅に困窮する世帯の居住の安定を確保するため、市営住宅の入居には一定の要件を設けております。その中で、特に困窮度が高い方に対して別枠募集の運用を行っておりますので、心身障がいなどの要件に合致すれば、40歳以上の単身女性も含め、年齢や性別にかかわらず、申し込むことが可能でございます。また、住宅確保要配慮者向けの住宅の確保につきましては、市営住宅を中核としつつ、その他の公的住宅や民間住宅も含めた賃貸住宅市場全体で対応することを基本としており、市営住宅の管理戸数は将来にわたって長期、安定的な運営を図っていくため、現状程度にとどめ、居住水準などの向上に向け、計画的かつ効率的な機能更新や維持保全に取り組んでいるところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 中高年シングル女性の住宅の実態を把握し、改善すべきです。市営住宅も、住宅に困窮している人向けのセーフティ住宅も全く足らない状態です。日本では家賃負担が特に低所得者で突出して重くなっており、例えばイギリスでは全世帯の14.6%が家賃補助を受けているとのことですが、家賃という固定費を支援されるということは低所得者世帯にとって大変助かります。
したがって、中高年シングル女性へ家賃補助制度を創設すべきと思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 住宅確保要配慮者の居住の安定確保につきましては、要配慮者の入居を拒まないセーフティネット住宅の登録促進や要配慮者に対する家賃低廉化補助等の経済的支援を行うなど、引き続き、要配慮者が民間賃貸住宅に円滑に入居できるよう支援をしてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 中高年シングル女性にとって住宅問題は深刻です。ぜひ検討をしていただきたい。
次に、相談体制についてです。
今まで見てきた問題で、さらに中高年シングル女性は、住宅の確保や、高齢になり入院や施設への入所に際して医療や介護からのアクセスから外れないようにするなど、特有の悩みが存在します。
そこで、中高年シングル女性に対応する相談体制はどうなっていますか、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 福岡市では、年齢、性別にかかわらず、生活にお困りの方の相談窓口として生活自立支援センターを設置しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 悩みを抱えた女性の相談につきましては、男女共同参画推進センター・アミカスの総合相談窓口や各区家庭児童相談室などで受けております。以上です。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) いろいろ言われましたけれども、生活実態など、これといった窓口があるわけではありません。これでは、中高年シングル女性が困って悩みがあっても、公的な相談支援にはつながりにくいのではないかと思います。わくわくシニアシングルズの調査でも、多くの悩みがあるのに相談できる場がないことが浮き彫りとなっています。私の調査でもほとんど公的な機関につながっておりません。
そこで、公的相談機関に中高年シングル女性相談のカテゴリーをつくり周知すべきと思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 悩みを抱えた方の相談につきましては、住宅や就労、生活困窮など、それぞれの相談窓口において対応いたしております。御指摘の女性からの相談につきましても、それぞれの相談窓口において、相談内容や相談者の状況に応じて、関係機関と連携を図るなど、適切に対応してまいります。以上です。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 行政や男女共同参画推進センターなどから、中高年シングル女性も相談できますよというメッセージをぜひ送っていただいて、公的相談支援につながるようにしていただきたい。ぜひそうすべきだと思います。
中高年シングル女性について質疑を行ってまいりましたが、シングル女性の貧困率はどの年代でも男性よりも高く、とりわけ高齢になると拡大します。夫が働き、妻は家事、育児を担い、子どもは2人という標準世帯モデルで雇用、税制、社会保障の制度設計がなされてきたため、この枠から外れるシングル女性の多くは、あたかも社会にいないかのように扱われ、社会保障の制度の恩恵を受けることなく困窮しています。今述べてきた中高年シングル女性の置かれている現状は彼女たちの責任ではありません。女性を安く使おうとする社会的構造が女性を貧困へと追い詰めています。
そこで、日本が立ち後れているジェンダー平等を実現するためにも、中高年シングル女性の生活困窮に向き合って、住宅支援や会計年度任用職員への最賃1,500円の引上げ、相談機関の創設など、支援を抜本的に強めるべきと思いますが、この問題の最後に市長の御所見を伺います。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 女性は暮らし方や働き方に関わる固定的な性別役割分担意識や、また、雇用慣行などを背景として、正規労働に就きにくく、生活上の困難に陥りやすい状況があります。このため、男女共同参画の普及啓発を図りつつ、女性に対しては就労支援や能力向上機会の提供を行うとともに、様々な相談に応じ、関係部署、機関が連携をしながら必要な支援を実施してきたところでございます。今後とも、引き続き、女性が安心して生き生きと輝いて暮らせる社会の実現に向けて取り組んでまいります。以上です。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 中高年シングル女性の生活実態に心を寄せない冷たい答弁です。独自の支援を強く求めます。
次は、放課後児童クラブ、民間学童保育所についてです。
本市においては、物価高騰の下、共働き世帯がますます増加する中、放課後児童クラブや学童保育所のニーズがさらに高まっています。ところが、本市において様々な課題も浮き彫りになっていますので、ただしてまいります。
まず、放課後児童クラブの面積基準や人数規模の最低基準はどうなっていますか、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 福岡市放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準を定める条例におきまして、専用区画の面積は児童1人につきおおむね1.65平米以上を確保すること、職員の配置は児童数おおむね40人ごとに2人以上の支援員を配置することと定められております。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 市内には登録が200名を超している児童クラブが18校ありますが、長期休暇などで登録している児童が100%近く来た場合、面積基準の確保ができませんが、どういう対応をしているか、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 放課後児童クラブの専用施設が1人当たりの面積基準を満たすことが難しい場合は、学校と連携しまして、余裕教室や特別教室を活用することなどによりまして基準を満たした運営を行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 特別教室は理科室や音楽室など、その目的のための教室であり、言わば苦肉の策で、現状のまま面積を確保するならばこのような対応になってしまいますが、放課後児童クラブの児童の生活や遊びに適した環境ではありません。そもそもこのような状況は、学校を過大規模化させた市長と教育委員会の責任です。
劣悪な環境を改めるために施設整備を早急に行うべきと思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 国の新・放課後子ども総合プランにおいて、児童の安全、安心な放課後等の居場所の確保に向けて特別教室等を積極的に活用することが示されておりまして、引き続き、学校と連携しながら適切に対応してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 基準に合致するよう整備をするべきです。
次に、トイレ不足の問題です。
児童クラブにおけるトイレの設置基準はどうなっていますか、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 放課後児童クラブのトイレの設置基準は法令等にはございませんが、本市では施設1棟につき2基以上のトイレを設置することとしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 基準がないこと自体が適切ではないと思います。現在、児童クラブに設置されているのは男女兼用の洋式便器です。私は児童クラブの便器の設置数を登録人数で割ってみました。そうすると、40人以上に1つが28校あり、そのうち50人以上に1つは15校です。一番多い児童クラブは66人に1つでした。
そこでお尋ねしますが、トイレはこれで足りていると考えているのか、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 4月は入会児童数が多くなることや利用するタイミングが重なることなどによりまして一時的に順番待ちの列ができることもありますが、放課後児童クラブのトイレも児童数に応じて必要数を整備していること、また、休み時間に利用が集中します学校とは異なって、いつでも利用できますことから、特に不足している状況にあるものとは考えておりません。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) いろいろ言われますけれども、ある児童クラブでは、低学年が多い上、トイレは1人が行くことをきっかけに集団で行き始めるため、いつも行列になっていると言っています。ここは25人に1つのトイレです。しかしながら、厚生労働省は職場における労働衛生基準で、例として男女それぞれ65人ずつである場合、男性用大便所2個、男性用小便所3か所、女性用便所4個としています。これは19人から22人に1つのトイレということになりますが、大人の職場環境の基準ですから、子どもたちにはこれ以上に数を保障しなければなりません。
したがって、放課後児童クラブに設置しているトイレの数は不足しており、適切な基準をつくり、早急に十分な整備を行うべきと思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 放課後児童クラブについては、利用児童数の見込みや学校施設の状況などを踏まえ、計画的に施設の増改築を実施しており、今後とも、利用児童の状況や現場の意見を踏まえながら必要な機能を整備してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 大事な子どもの発達の場です。トイレについて早急に必要な整備をするよう求めておきます。
次に、民間学童保育所についてです。
本市の非営利民間学童保育所の数、また、入所数はどれぐらいか、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和5年5月時点で5事業所であり、それらの利用児童数の合計は188名でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 市内に5か所もあり、188人が在籍しています。
この民間学童保育所に対し、本市の支援はどのようになっていますか、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 福岡市では、子どもの安全への配慮から小学校の敷地内に全ての放課後児童クラブを設置するとともに、地域や保護者、学校と連携を密にしながら運営しておりまして、待機児童も生じていないことから、民間の放課後児童クラブへの助成は行っておりません。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 支援が何もないということは問題です。20年近く運営しているある民間学童保育所は、保護者の負担をこれ以上増やせないと寄附やバザーで事業をやりくりしていますが、ほとんどが人件費のため、大変苦しい運営を強いられています。しかし、専門の指導員の下、低学年から高学年まで異年齢の交流を築き、卒業後も居場所として子どもたちが集う場となっています。
そこで、コロナ禍においても役割を果たした非営利団体運営の学童保育所へ財政支援を行うべきと思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 繰り返しになりますが、子どもの安全への配慮から福岡市では小学校の敷地内に全ての放課後児童クラブを設置いたしておりますとともに、地域や保護者、学校と連携を密にしながら運営してございまして、待機児童も生じておりませんことから、民間の放課後児童クラブへの助成が必要とまでは考えておりません。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 民間学童に通う子どもたちには1円もお金を出さないという本当に冷たい態度です。私は民間学童保育所の現場を直接見せていただいたことがあります。子どもの発達を見据えて、すばらしい保育をやっておられました。今や学校については、公立や私立など多様な選択肢があります。放課後児童健全育成事業も、非営利団体が行っているものを保護者や子どもたちの選択肢にできるよう、行政がその役割を認めるべきです。決してもうけのためにやっているわけではありません。放課後児童クラブと非営利団体運営の学童保育所に格差をつけることはすべきではないと考えます。両施設とも子育て世帯を支える必要不可欠な事業であり、子どもたちが生活や休息、様々な遊びを通して発達する場です。
したがって、放課後児童クラブには子どもの発達に応じた早急な施設整備を行い、社会福祉法人など非営利団体が運営する学童保育所には市として財政支援を行うべきと思いますが、この質問の最後に教育長の御所見を伺います。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 放課後児童クラブにつきましては、利用児童数の見込みや学校施設の状況などを踏まえまして、計画的に施設の増改築を実施するとともに、余裕教室等も活用して基準を満たした運営を行っているところでございます。また、福岡市では小学校の敷地内で子どもの安全に配慮しながら運営しておりまして、待機児童も生じていないことから、民間の放課後児童クラブを奨励するための助成や支援が必要とまでは考えてございません。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 子どもと保護者の願いに耳を傾けるべきです。
次に、介護保険についてです。
現在、本市の第9期福岡市介護保険事業計画の策定作業が行われています。介護保険については、保険料やサービスの在り方について様々な問題が指摘されており、次期計画が注目されています。これらについてただしてまいります。
まず、介護保険料についてですが、次期介護保険事業計画における保険料の標準額について見込みは幾らになりますか、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 第1号被保険者の介護保険料の基準月額につきましては、計画の原案において6,580円から6,980円と見込んでおります。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 最高額で年間9,060円も上がることになります。上がり続けた保険料がさらにとんでもなく値上がりをします。
本市では介護給付費準備基金を取り崩し、保険料上昇のために充当すると言っていますが、基金残高は幾らで、そのうち次期保険料の値上げ分にどれくらい充当するのか、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 介護給付費準備基金の残高につきましては、令和4年度末時点で約20億円となっており、第9期の保険料の算定に当たりましては、必要と認める額を除いて介護給付費に充当することにより保険料の抑制を図ることといたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 保険料の引上げが今後3年間続くとして、上昇分を補?するには全く足らないと言われますが、それだけで済まされるわけではありません。今の高齢者の実態は、年金は下がり、物価は上がり、病院の窓口負担も2倍になった後期高齢者もいます。
収入は減るのに負担は増える、このような中、介護保険料まで引き上げれば暮らしが成り立たなくなると思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 保険料につきましては、原則5割の公費とは別枠で、国が定める割合の上限まで公費を投入することなどにより、可能な限りの負担軽減を図っているところでございます。また、何らかの理由で保険料の支払いが困難になった方については、事情を十分にお聞きした上で減免などの措置を行っており、引き続き適切な対応を行ってまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 高齢者の暮らしは逼迫をしています。その主要な原因は高過ぎる保険料にあります。
基金を入れて値下げにならないなら、一般会計を繰り入れてでも引下げを図るべきではないかと思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 介護保険制度は全国共通の制度であり、制度の枠外で一般財源を繰り入れることは適切でないとの国の判断が示されていることから、福岡市が独自に保険料の引下げを行うことは制度上困難であると考えております。今後とも、介護保険制度を適正に運用するとともに、国の負担割合を引き上げるなど、必要な措置を講ずるよう引き続き国に対し要望してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) できないと言われるが、やってもらわないと困ります。あらゆる手だてを取って引下げを図るべきです。高過ぎる介護保険料のために今何が起こっているのか。保険料の滞納が生じ、サービスから排除される方々が今年度も176名にも達しています。保険料が天引きでない低年金、無年金、低収入の人たちが保険料を滞納し、サービスから排除されているんです。そもそも介護保険料は改定のたびに引上げを繰り返し、このような高齢者の負担能力を大きく超えています。なのに、今後3年間さらに保険料が値上げされれば、こういった方々を増やすことになります。
低所得の人たちを介護保険の利用から事実上締め出す苛酷なやり方は改め、あらゆる手だてを取り保険料を引き下げるべきと思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 介護保険料につきましては、3年ごとに必要な介護サービス費用等を見込み、関係法令に基づき設定しております。介護給付費準備基金を充当するとともに、国が定める割合の上限まで公費を投入することなどにより、可能な限りの負担軽減を図ってまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 保険料引上げはとんでもないことです。重ねて引下げを求めておきます。
さらに、国は利用料2割負担の対象拡大、多床室の有料化、所得410万円以上の値上げなども検討しています。また、人材確保の問題も次期計画では何ら具体的な手だてもなされていないことも指摘をしておきます。本来ならばこのような国の計画から市民を救わなければならない中、9期計画は保険料改悪に拍車をかけるものとなっています。
したがって、これ以上の保険料の引上げは行わず、介護従事者の賃金引上げも盛り込んだ第9期福岡市介護保険事業計画へと抜本的に見直しすべきと思いますが、この質問の最後に市長の御所見を伺います。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 介護保険制度は、介護を要する高齢者やその家族を支える重要なものであると認識をしております。第9期介護保険事業計画の策定に当たっては、介護保険料について、国が定める制度の中で可能な限りの負担軽減を図りつつ、適切に設定を行うとともに、介護人材の確保も含め、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるように取り組んでまいります。以上です。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 今、あなた方の次期計画案では、もっとひどい状況を生み出すことになります。強く見直しを求めておきます。
次は、市長の政治資金パーティーについてです。
自民党主要5会派の政治資金パーティー収入の不記載が政権を揺るがす大問題となっています。島市長も当選以来、一貫して政治資金パーティーで政治資金をつくっています。
そこで、市長の政治資金パーティーについてただしていきます。
2022年の政治資金収支報告書によると、市長の政治資金管理団体、アジアリーダー都市研究会の政治資金パーティーの回数は2回となっています。収入の合計は7,286万円、支出合計は1,100万円で、何と約85%の利益率となります。まさにぼろもうけです。
この85%の利益率について高過ぎると思いますが、御所見を伺います。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 市政報告会につきましては、政治資金規正法第8条の2に規定されている政治資金パーティーとして、私を応援、支援していただいている方々に対して市政報告などを行うため政治活動の一環として開催したものであり、法に基づき適切に対応しております。以上です。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 問題ないとのお答えですが、その利益率が85%と高いということで言っているんです。対価性がないです。
そこで市長にお尋ねしますが、このような高いパーティー券の利益は実質的な寄附に相当するのではないかと思いますが、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 市政報告会の会費につきましては、報告会へ参加する債務の履行、すなわち対価として支払われるものであり、政治活動に関する寄附ではございません。以上です。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 自民党のパーティー券問題でも9割という高い利益率が問題になっています。誰がどう見ても実質的な寄附です。さらに、誰からパーティー券を買ってもらったのかが問題です。市長の政治資金収支報告書には福岡市医師連盟が30万円購入という記載がありますが、それ以外の記載は全くありません。
そこで、市長名で仕事を発注している企業からはパーティー券を買ってもらっていないのか、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 市政報告会には市の内外から幅広い分野の皆様に御来場いただいており、その詳細は把握しておりませんが、市政報告会の会費につきましては、報告会へ参加する債務の履行、すなわち対価として支払われるものであり、政治活動に関する寄附ではないため、政治資金規正法の趣旨から問題はございません。以上です。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 否定されますけど、医師連盟以外に記載がないので、このような疑念が生じているんです。もし市の発注企業にパーティー券を買ってもらっていたら、これは大問題なんです。市長政治倫理条例第3条には「政治倫理基準に違反する事実があるとの疑惑をもたれたときは、自ら誠実な態度をもって疑惑の解明に当たるとともに、その責任を明らかにしなければならない」とあります。
よって、市長は自ら癒着の疑念を明らかにするとともに、パーティー券購入者を公表すべきではないかと思いますが、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 市政報告会につきましては、政治資金規正法に基づき適正な手続を行い、必要な届出及び公表は全て行われております。以上です。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 買った方々の公表を言っているんですが、公表しないのであれば疑念は深まるばかりです。
さらに、もう1つの問題です。自民党の政治資金パーティーをめぐり、収入を少なく記載して裏金になっていたことが問題となっています。
市長もそのような裏金をつくっている事実はないのか、答弁を求めます。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 市政報告会につきましては、政治資金規正法に基づく政治資金パーティーであり、法に基づき適切に対応しております。以上です。
○議長(打越基安) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) お答えにもなっておりません。市長は先ほど指摘した政治資金パーティーで、定員が1,200人の会場に1,600枚以上のパーティー券を販売しているという事実があります。こういった政治と金の問題が今大きな批判と政治不信を増大させているんです。そんな中、島市長も20万円を超えなければ名前を出さなくていいという政治資金パーティーの抜け道を悪用して、多額の金集めを行っています。本市と利害関係のある企業からパーティー券を買ってもらったかどうかも明らかにしていません。定員を大幅に超えるパーティー券の販売数から、裏金をつくっているのではという疑念も消えません。
福岡市政を金でゆがめるやり方は断じて許されず、事実上の企業、団体献金である政治資金パーティーはやめるべきと思いますが、最後に市長の答弁を求め、私の質問を終わります。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 市政報告会につきましては、政治資金規正法に基づく適正な政治資金パーティーであり、この収入は同法で禁止されている企業、団体献金とは全く異なるものでございます。今後とも、法にのっとり適切に対応してまいります。以上です。
○議長(打越基安) この際、暫時休憩いたします。
午後は1時10分に再開いたします。
午前11時36分 休憩
午後1時10分 開議
○副議長(松野 隆) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。池田良子議員。
○62番(池田良子)登壇 私は福岡市民クラブを代表して、困難な問題を抱える女性への支援、人権の尊重とあらゆる差別の解消に向けて質問いたします。
初めに、困難な問題を抱える女性への支援についてです。
2020年以降のコロナ禍により、非正規の女性やひとり親世帯の困窮問題、性暴力、性犯罪被害など、女性をめぐる課題は複雑化、多様化、複合化していることが顕在化し、困難な問題を抱えている女性たちの自立を包括的に支援する新たな法制度が必要として、議員立法で2022年5月に成立したのが、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律です。
2024年4月に本法律が施行されますが、改めて法の目的をお伺いいたします。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 法の目的といたしまして、第1条において、困難な問題を抱える女性の福祉増進に向け、必要な支援のための施策を推進することにより、人権が尊重され、女性が安心して、かつ自立して暮らせる社会の実現に寄与することと定められております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 対象としている困難な問題を抱える女性とはどんな女性を指すのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 困難な問題を抱える女性の定義といたしまして、法の第2条において、「性的な被害、家庭の状況、地域社会との関係性その他の様々な事情により日常生活又は社会生活を円滑に営む上で困難な問題を抱える女性」と定められております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) それは主に、若年女性やシングルマザー、DV被害者などを想定した法律となっているように思われますが、現実には働く女性の半数以上を占めている非正規問題、シングルの中高年女性、性的マイノリティ、障がいのある女性、高齢期の女性、外国人女性などの課題もあります。法律は全ての女性を包括する内容になっているのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 国が定めた困難な問題を抱える女性への支援のための施策に関する基本的な方針において、法律が定義する状況に当てはまる女性であれば、年齢、障がいの有無、国籍等を問わず、必要に応じて法による支援の対象者になると定められております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) では、ここからは女性が抱える困難について、現状を明らかにしていきたいと思います。
女性が悩みを抱えた際に相談できる本市の主な窓口をお知らせください。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 悩みを抱えた女性の相談につきましては、男女共同参画推進センター・アミカスでは総合相談窓口で受けております。以上です。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 各区の保健福祉センターにおきましても、家庭児童相談室で相談を受け付けており、必要に応じて関係機関へつなぐなどの対応を行っております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 相談種別ごとの過去3年間の相談件数と主な相談内容をお示しください。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) アミカスの総合相談窓口におきましては、男女にかかわらず、夫婦、家庭などに関する相談が多く寄せられておりまして、夫婦に関する相談は、令和2年度は830件、3年度は976件、4年度は1,062件となっており、家庭に関する相談は、令和2年度は362件、3年度は423件、4年度は518件となっております。以上です。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 家庭児童相談室における女性に関する相談件数は、ひとり親家庭の支援制度の利用など母子家庭に関する相談が、令和2年度8,240件、3年度8,284件、4年度8,905件、配偶者暴力や離婚問題など婦人に関する相談が、令和2年度6,829件、3年度6,921件、4年度6,847件となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) アミカスや各区保健福祉センターの家庭児童相談室が主な女性の相談窓口で、その相談内容も多岐にわたり、相談件数も増加をしています。
アミカスや各区保健福祉センターの相談対応される相談員は有資格者なのかどうか、社会福祉士や臨床心理などの専門職の配置はなされているのか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) アミカスの相談員につきましては、臨床心理士、公認心理師、保健師等の有資格者で実務経験がある者または児童、婦人、母子相談機関において相談業務の従事経験がある者を配置いたしております。以上です。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 家庭児童相談室の相談員は、相談業務や児童福祉事業の従事経験、4年制大学における社会福祉等の専門学科の修了などを要件としており専門の資格は特に必要としておりませんが、相談員の中には社会福祉士などの資格を有する職員も含まれております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 新法の基本理念は、困難な問題を抱える女性の福祉の増進、人権の尊重や擁護、男女平等といった視点を明確に規定しています。
昨今、ホストにはまる女性、いわゆるホス狂が社会問題となっています。人生を狂わせてしまい、性暴力へとつながるケースもあります。このような事案の相談はどこで行うのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) アミカスや各区の家庭児童相談室に相談があった場合は、内容に応じて警察や法テラスなどの関係機関につないで対応しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 気づいたときには既に抜け出せず、どこにも誰にも相談できない状況になっているのがホス狂です。そんな女性が声を上げられる受皿が必要です。
過去3年間のDV被害の相談件数をお知らせください。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 各区の保健福祉センター、アミカス、配偶者暴力相談支援センターにおいて、令和2年度は4,495件、3年度4,195件、4年度3,315件となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 外国人女性は、言葉の違い、文化、価値観の違い、地域における孤立等の困難に加えて、DVなど女性であることにより複合的に困難な状況に置かれている場合があります。
外国人女性の相談対応はどこでどのように行われているのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 外国人からの相談は、福岡よかトピア国際交流財団が運営する福岡市外国人総合相談支援センターにおいて、生活に関わる様々な相談を多言語で一元的に受け付けております。外国人女性からも様々な相談が寄せられており、相談内容に応じて、同センターで実施している法律相談や心理カウンセリングの活用を促すほか、各区家庭児童相談室などの関係機関とも連携し、対応を行っております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 過去3年間に市が相談を受けてシェルター等での一時保護に至った者の人数及び主な入所理由をお示しください。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 一時保護の件数は、令和2年度50件、3年度41件、4年度36件で、約6割から7割がDV被害を理由とするものでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 年間40件前後の女性が避難を求めていることが分かりました。
一時保護のシェルターは福岡近郊で足りているのか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 一時保護につきましては福岡県が実施しておりまして、避難先は、安全確保等の観点から福岡近郊に限定せず調整されており、必要な一時保護は実施されているものと考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 一時保護の期間は僅か2週間程度と短く、この間に、今後生活していくための就職先や別居先を探さなくてはなりません。加害夫の元へ帰らざるを得ない場合もあり、以前から要望していました、自立するためのステップアップの場所も必要です。
近年、女性の自殺死亡率が上がっていますが、その背景など、分析等を行っているのか、行っていればお示しいただきたい。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 自殺の多くは多様かつ複合的な原因や背景を有しており、様々な要因が連鎖する中で起きているものと認識いたしておりますが、女性の自殺の原因、動機につきましては、警察庁の令和4年の自殺統計を基に、多い順から申し上げますと、健康問題や家庭問題、経済・生活問題などとなっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 女性の自殺の原因で最も多いのは健康問題ですが身体の病気よりも鬱病の悩みが最も多くなっています。2番目は家庭問題です。コロナ禍で女性に特に増えていったのが子育ての悩み、夫婦の不和、介護、看病疲れなど家庭内の問題でした。学校が休校になったり、医療や福祉サービスが受けにくくなったり、家族の世話や介護など女性が負担することが増えたことなどが自殺の増加につながった可能性が考えられます。コロナ禍で女性の困難な状況があぶり出されたにすぎず、そうした傾向に配慮したきめ細かい支援体制の整備が必要です。
コロナ禍に生理の貧困が話題になり、女子トイレに生理用品を配備する自治体がありましたが、本市及び市立の学校ではどのような対策を行っているのか、お示しください。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 生理の貧困対策につきましては、新型コロナウイルス感染症への緊急対策として拡充された国の交付金を活用し、令和3年度より子ども食堂やマザーズハローワーク、アミカスなどで生理用品の配布を行っております。以上です。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 学校におきましては、従来から保健室に生理用品を常備しておりまして、持参してない児童生徒から申出や相談があった際には個別にお渡しをいたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 中高年未婚女性の実情として、40歳以上の有業率、正規雇用、非正規雇用の就労状況をお知らせください。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 令和4年の就業構造基本調査によりますと、福岡市における40歳以上の未婚女性の有業率は71.3%となっております。また、40歳以上の未婚女性雇用者における正規雇用者の割合は55.5%、非正規雇用者の割合は44.5%となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 1990年のバブル崩壊に伴った人件費削減の影響を受けて、就職氷河期に新卒で就職活動をしていた人たちは、正社員での就職ができず、やむを得ずに派遣社員やフリーターといった非正規社員で社会に出るようになった人が少なくありません。まさに2023年現在、39歳から53歳年齢のロスジェネ世代の人たちです。ロスジェネ世代の未婚女性は、将来、経済的困難、貧困と背中合わせにいると言っても過言ではありません。一人一人の状況に寄り添った相談窓口と支援が必要です。
ひとり親世帯の貧困問題も社会問題となっています。ひとり親家庭支援センターへ寄せられた過去3年間の相談件数、相談内容をお知らせください。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) ひとり親家庭支援センターでは、生活相談、就業相談、法律相談などを実施しており、相談件数は、令和2年度3,413件、3年度3,869件、4年度3,352件となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) ひとり親家庭支援センターで就業支援を利用し、自立へとつなげた過去3年間の件数をお知らせください。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 就業支援講習会や自立支援プログラム策定などを利用して就職につながった件数は、令和2年度142人、3年度133人、4年度114人でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 厚生労働省が2023年7月4日に公表した国民生活基礎調査によると、2021年の子どもの相対的貧困率は11.5%ですが、ひとり親世帯に限ると44.5%と半分近くが貧困状態にあることが分かりました。この数値から見ても、貧困から抜け出したひとり親世帯は少ないと思われます。
2022年、国連が日本の障がい者政策を審査し、様々な課題を改善するよう勧告を出しました。
その一つが、障がいのある女性のための対策についてです。女性であることと障がいがあること、それらが重なることで様々な困難とぶつかる人たちがいます。望まない異性介助の問題、見えなくされている障がいのある女性の性をめぐる深刻な悩み。昨年1月、NHKみんなでプラスの番組では、障がいの特性に付け込まれて性暴力被害が埋もれてしまうケースが少なくないと指摘しています。障がいのある女性が二重、三重の困難を抱える現状をしっかりと把握し、きめ細かい支援を行うよう要望いたします。
単身の女性高齢者の貧困も社会問題になっています。これまで声を上げづらかった女性たちも、法の施行によって支援対象が広がったことは画期的なことです。これまで声を上げられなかった困難を抱える女性の現状における課題の把握のために実態把握をすべきと考えますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) おただしの件につきましては、関係局で連携して相談しやすい環境づくりに取り組み、相談者の声を聴きながら状況の把握に努めてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 法の趣旨を踏まえ、まずは様々な悩みを抱えた女性が相談しやすい窓口として、アミカスの有資格者の相談員の増強を図るなど強化すべきと考えますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) アミカスにおきましては、夫婦、家庭、生き方などの多様な悩みを抱えた女性や男性からの相談につきまして、臨床心理士や公認心理師等の資格や相談業務の経験を有する相談員を配置し、幅広く受けております。困難を抱える女性から相談があった場合につきましても、相談の内容や相談者の状況に応じ、関係機関と連携を図るなど、適切に対応してまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 社会福祉には、障がい者福祉や高齢者福祉、児童福祉がありますが、これらは人権の尊重や擁護の観点はありますが、女性の福祉、男女平等といったジェンダーの視点で見ると、欠けていると言わざるを得ません。埋もれている障がい者の性被害、高齢女性の貧困問題、DV、子どもの性虐待、さらには外国人女性など、女性が抱える困難な問題は多岐にわたっています。
基本方針を踏まえ、都道府県は施策の基本計画の策定義務がありますが、市町村は努力義務となっています。しかし、女性であることにより様々な困難な問題を抱える女性が存在する福岡市も基本計画を作成すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 県が策定する基本計画を踏まえまして、関係局で対応を検討してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 東京都豊島区では10月、困難女性支援法に基づく全国初の支援調整会議を立ち上げました。豊島区では、区長を中心に、10代、20代の若年女性が抱える社会的課題解決を支援するため、2021年1月、女性のみのプロジェクトを発足。今回立ち上げた支援調整会議は、プロジェクトの構成メンバーに加え、若年女性に限らず、若者にシェアハウスなどの居場所を提供する団体や妊産婦支援をする団体、外国人女性を支援する団体など、民間の支援団体や庁内の男性職員も参加をしています。
福岡市においても、民間の支援団体など、多くの機関連携により、アウトリーチ等による早期発見や相談支援、一時保護、居場所提供、被害回復支援など、自立支援に向けた支援の内容を検討することは大変重要なことだと考えます。
困難女性支援法に基づく支援調整会議を設置すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 県の動向を踏まえまして、関係局で対応を検討してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 最後に、困難な問題を抱える女性への支援について、国の法整備を踏まえて、今後、福岡市ではどのように取り組んでいかれるのか、荒瀬副市長の御所見をお伺いして、この質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 荒瀬副市長。
○副市長(荒瀬泰子) 近年、日常生活や社会生活を送る上で、生活困窮や性的被害、孤立など、女性が抱える問題は多様化かつ複合化しており、女性が安心して、かつ自立して暮らせる社会の実現を目指して、令和6年4月にこの新法が施行されます。複合的問題を有し、困難な問題を抱える女性は、国籍、年齢、障がい等の有無にかかわらず、支援対象になってまいります。
福岡市は、これまで各区の家庭児童相談室や男女共同参画推進センター・アミカスなどが窓口となり必要な支援を実施してまいりましたが、新法の理念や県の計画を踏まえ、全ての女性が生き生きと輝いて暮らせる社会の実現に向けて検討を進めてまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 次に、人権の尊重とあらゆる差別の解消に向けて質問いたします。
福岡市は、12月4日から10日までを福岡市人権尊重週間と定め、人権について考えるきっかけとして、講演会をはじめ様々な啓発活動を行っています。12月1日発行の市政だよりには「考えよう みんなの人権」保存版が折り込まれており、同和問題や障がい者問題など、福岡市の人権課題を10項目にわたり記述しています。福岡市は、人権教育・啓発に関する基本計画に基づき、人権行政を推進しています。全国的に見ても、日本国憲法や世界人権宣言等を踏まえ、人権の尊重と差別の解消に関して基本的な施策等を求める条例を制定している自治体は少なくありません。
福岡市において人権に関わる条例には何があるのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 人権に関わる事項は多岐にわたりますので、福岡市人権教育・啓発基本計画に掲げる、同和問題、女性、子どもなどの人権問題に関するものでお答えをいたしますと、男女共同参画を推進する条例、子育て家庭を社会全体で支え、子どもを虐待から守る条例、障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例などがございます。以上です。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 2022年、人権問題に関する市民の意識調査を行いましたが、その目的、調査方法をお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) お尋ねの調査は、市民の意識を把握し、人権施策の効果的な推進を図るとともに、今後、福岡市が取り組むべき人権行政の在り方を検討する上での基礎資料を得ることを目的に、5年ごとに実施をしております。この調査は、住民基本台帳から無作為抽出した市民3,000人を対象に、令和4年10月に郵送で調査票を配布しており、回収率は43.8%となっております。以上です。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 主な調査結果と、それをどのように分析されているのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 主な調査結果といたしましては、人権が尊重されている社会だと思うと回答した割合は55.9%となっており、長期的には徐々に増えつつあることから、これまでの教育、啓発の取組により、人権を尊重する意識が一定程度浸透してきているものと考えております。また、人権問題に関心があると回答した割合は65.6%となっており、長期的には減少傾向にあることから、ニーズや対象に応じた啓発方法を検討するなど、人権問題への関心を高めていく必要があると考えております。以上です。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 人権問題に関心があると回答した市民の割合は、平成19年度では77.8%だったのが、平成24年度は72.9%、今回は65.6%と減少しており、特に男性の18歳から29歳の若い世代は、関心派が半数にも届いておりません。一方、人権が尊重されていると回答した市民は増えています。尊重されているというより、人権を侵害されているわけではなく困ってもいない、そんなに人権人権と言わなくてもいいんじゃないかというような言葉が聞こえるように感じるのは私だけでしょうか。今まさに、人権に関する危機のように思えてなりません。
では、市民が尊重されていないと思う人権問題の上位5項目をお尋ねします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 尊重されていないと思う人権問題を多い順に申し上げますと、SNSを含むインターネットによる人権侵害が59.8%、パワーハラスメントや長時間労働など働く人の人権が51.3%、女性の人権が41.5%、障がい者の人権が40.2%、犯罪被害者やその家族の人権が38.1%となっております。以上です。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 尊重されていないと思う人権問題として、SNSを含むインターネットによる人権侵害と回答した人は約6割となっていますが、どのように認識しているのか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) インターネットが広く一般に普及し、誰もが誹謗中傷の被害者、あるいは加害者になり得るなど、様々な場面で問題が起きやすく、また、報道などで取り上げるケースも多いことなどから、多くの人にとって身近な問題として認識されているものと考えております。以上です。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) SNS上の情報は、フェイクニュースも含めて差別的な表現や憎悪感情むき出しの投稿がノーチェックで発信でき、近年、差別書き込みや誹謗中傷により、トラブル、自ら命を絶つことまで起きています。その対策は待ったなしと言えます。
福岡市人権啓発センターで2022年度に受けた相談で、人権課題に関するものはそれぞれ何件あったのか、その概要をお尋ねします。また、その際の対処法はどうされたのか、お伺いします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 令和4年度の人権に関する相談件数は56件で、その内訳は、複数にまたがるものもございますが、同和問題が3件、女性が2件、子どもが6件、高齢者が3件、障がい者が9件、HIV感染者などが8件、ハラスメントや誹謗中傷など様々な人権が30件となっております。相談に対しましては、まずはしっかり傾聴し、必要に応じて助言を行うほか、法務局やより専門的な相談窓口を案内するなどの対応を行っております。以上です。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 尊重されていないと思う人権問題として、同和問題に関する人権と回答した人は18.7%ですが、同和地区やその地区に住んでいる人々に対する差別について、「差別はある」の割合は、「結婚の面」で37.9%、「社会における偏見意識」で36.9%と約4割となっています。この結果をどのように認識されているのか、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 市民意識調査におきましては、「同和問題に関する人権について」と大きく尋ねた場合、尊重されていないと思うと回答した割合は2割程度にとどまるものの、同和問題に関し、結婚の面など、具体的な例を示して尋ねた場合では、約4割が差別があると思うと回答をしておりまして、具体的な場面ではより多くの人が差別を認識していることから、引き続き人権教育、啓発の取組を進める必要があると認識をしております。以上です。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 社会では差別はいけないという理念が先行し、同和問題に関しても、一見人権は尊重されているかのようですが、個別具体的なことになると潜在化していた差別意識が顕在化したということだと思います。部落差別は見えにくくなっていますが、決してなくなってはいません。
本市において、2019年度から2022年度に発生した差別落書き、差別的な発言、同和地区に対する問合せなどの差別事象の発生件数をお尋ねします。また、2023年度については直近の状況でお答えください。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 福岡市において把握しております件数につきましては、令和元年度からの4年間で、落書きが4件、差別的な発言が3件、同和地区の問合せが1件、インターネット上の書き込みが1件の計9件となっております。また、令和5年度は11月末現在で、落書きが2件、差別的な発言が1件、インターネット上の書き込みが1件の計4件となっております。以上です。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 落書きや差別的な発言、インターネット上の書き込みごとに内容についてお尋ねします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 落書き6件の内訳につきましては、同和問題に関するものが2件、外国人に関するものが2件、女性に関するものが1件、性的マイノリティに関するものが1件となっております。また、差別的な発言の4件とインターネット上の書き込みの2件につきましては、いずれも同和問題に関するものとなっております。以上です。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) この4年間の中で、福岡市内で起きた傷害などの事件に絡んで、ネットでは地域を特定した差別的書き込みが見受けられました。これは一例ですが、お答えいただいた発生件数にはカウントされていません。このように、差別事象についても漏れなく把握できていない実態があることを指摘しておきます。
これらの差別事象に対して本市はどのように取り組んでこられたのか、お尋ねします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 差別事象に対しましては、落書きに対する警察への相談や施設管理者への情報提供、また、電話などでの差別的な発言に対する啓発など、適宜対応を行うほか、法務局や県などの関係機関と情報共有するとともに、庁内への周知を行っております。また、再発防止に向け、講演会や市政だよりによる広報やチラシの配布を行うなど、啓発に努めております。以上です。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 全国各地の同和地区の映像を公開し続けた悪質な動画サイトに対して、各地のモニタリングによる削除要請、全国部落調査復刻版出版裁判での差別されない権利の侵害を初めて認めた控訴審判決など、様々な取組が行われましたが、差別動画は削除されない状況が続いていました。しかし、復刻版裁判の支援サイト、アブダークが2022年11月に被差別部落をさらす動画をユーチューブは削除してというオンライン署名を開始し、2週間で署名は2万8,000人を超え、ユーチューブを運営するグーグル社は、2022年11月30日に同社のヘイトスピーチに関する指針に反するとして削除しました。しかし、またこの12月には新たな動画サイトを立ち上げ、削除された差別動画を再度掲載し、有料で公開しています。
部落差別の拡散、拡大、助長につながることから削除要請を行うべきと考えますが、現在、本市はどのような対応を取ろうとしているのか、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) インターネット上の動画等につきましては、法務省の通知において、特定の地域が同和地区である、または同和地区であったと指摘する行為については、目的のいかんを問わず削除要請の対象とされておりまして、該当する動画等を発見した場合には法務局に削除要請を行っております。以上です。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 埼玉県内の7市長は、この差別動画の削除を求めてさいたま地方法務局などに直接要請を行っています。本市においても積極的な削除要請をすべきと申し添えておきます。
あわせて、インターネット上で差別事象をチェックする体制は必須です。福岡県では、専任職員を配置して毎日監視し、人権を侵害するものに対しては、2020年7月から2021年3月までに1,038件の削除要請を行い、704件の削除が行われました。
福岡市人権啓発センターにおいて専任のモニタリング体制を講じるべきと考えますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 人権啓発センターにおきましては、福岡県と情報共有を図るとともに、センター職員が週2回、不適切な書き込みがなされる可能性のあるサイトの検索を行う体制といたしております。以上です。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 以前、福岡市のモニタリングをお尋ねしたときは、週1回で2022年6月時点で過去5年間の削除要請は6件でした。本差別動画は2020年11月から配信されていましたが、福岡市の対応は大変遅い状況でした。現在は週2回とモニタリングの回数は増やしたようですが、ネットによる人権侵害は一方的に行われることから、常時監視する必要があります。専任職員を配置したモニタリング体制の整備を強く求めておきます。
2019年1月、部落地名総鑑復刻版のデータを製本化し、ネットのフリマアプリで売られていることが発覚しました。新聞やネットニュースで問題となり、名のり出た出品者は何と高校生でした。高校生は部落差別についての認識がなく、部落差別意識を持ってしたわけではありませんでした。何も知らない子は差別しない、寝た子を起こすなという意見を聞くこともありますが、それは違います。差別の現実に対して、無知、無理解、無関心だからこそ、このような本を製本化して出品したのです。現在もなお部落差別が存在すると法律で認められている部落差別解消推進法や、部落差別の歴史的な背景や経緯を学校教育の場で学ぶことは大変重要なことです。
しかし、教える教員が人権や差別の問題に敏感でなければなりません。部落差別にとどまらず、障がい児や外国籍の子ども、性の多様性などに関する教職員の人権意識は大変重要と考えます。教職員自身が自分の人権意識を問い直すことが重要と考えますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 教職員が自らの人権意識を問い直し、人権感覚を高めることは重要であると認識しております。そのため、教育センターで経験年数や役職に応じた研修を実施するとともに、各学校では、自校の人権教育の課題に基づき、様々な研修を行っております。今後も、全ての教職員が豊かな人権感覚と正しい科学的認識を身につけていけるように、研修の深化、充実に努めてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 今年度、教職員の人権問題に関わる調査を行っていますが、その目的と調査結果から見える課題についてお尋ねします。あわせて、この調査は毎年実施すべきと考えますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 調査の目的は、一人一人の教職員が自らの人権問題に関する知識理解の状況を振り返り、正しく学び直す機会にするとともに、全市や各学校の状況を把握して研修の工夫につなぐなど、教職員の正しい科学的認識の習得に資することでございます。調査から見える課題としましては、人権課題によっては教職員の理解度にばらつきが見られることや、特に経験年数の浅い教職員の知識理解が十分とは言えないことなどがございます。今後も、適切な時期に調査を行い、全ての教職員の人権に関する知識理解を深め、豊かな人権感覚を身につけていけるよう取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 2016年は人権三法と言われる障害者差別解消法、ヘイトスピーチ解消法、部落差別解消推進法が施行、制定されました。こうした法律の施行や制定を踏まえ、特に2016年以降、全国では、人権尊重、擁護等に関する条例や、部落差別の撤廃等に関する条例について、一部改正や全部改正を行い、または新たな条例を制定するなどの動きが活発化しました。部落差別など、あらゆる差別の解消を盛り込んだ条例は、東京都をはじめ9都県です。部落差別に関する条例は、福岡県をはじめ5県で、現在千葉県が準備中です。
そこで、福岡県内の自治体において、2016年以降、部落差別に関する条例を制定した自治体名、部落差別など、あらゆる差別の解消を盛り込んだ条例を制定した自治体名をお尋ねします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 部落差別の解消を目的とした条例を新たに制定した自治体は、田川市、筑紫野市、太宰府市、福津市、香春町、糸田町、川崎町、福智町、赤村の9市町村でございます。また、あらゆる差別の解消に関する条例を新たに制定した自治体は、宗像市、嘉麻市、小竹町、筑前町の4市町でございます。以上です。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 福岡県内でも13市町村が部落差別やあらゆる差別に関する条例を制定しています。
福岡市人権教育・啓発基本計画にうたわれた人権課題は、同和問題、女性、子ども、高齢者、障がい者、外国人、そして、HIV感染者等に関する人権問題と様々な人権問題です。様々な人権問題には、ホームレス、インターネットによる人権侵害、犯罪被害者等、刑を終えて出所した人等、北朝鮮当局によって拉致された被害者やその家族、性的マイノリティ、災害に伴う人権、働く人の人権問題などがあります。今もなお、不当な差別や暴力等の人権侵害が存在し、日常の暮らしの脅威となっています。
私たちは、人権侵害を許さないという強い意志と、ソーシャルインクルージョン、いわゆる社会的包摂の理念の下に、互いの多様性を認め合うことにより、個人の人権を尊重していくために、あらゆる差別を包括した差別解消条例を制定すべきと考えますが、御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 人権問題につきましては、その解決に向け、福岡市人権教育・啓発基本計画に基づき、学校、地域、企業など、あらゆる場において、教育、啓発に取り組んでおります。引き続き、計画の目標である人権という普遍的文化の構築と人の多様性を認め合う共生社会の実現に向けて様々な取組を進めてまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 最後に、市長にお尋ねいたします。
先ほどの質問では、困難を抱える女性への支援について質問いたしましたが、これも女性の人権問題です。
今後、福岡市の人権施策をどのように進められていかれるのか、島市長の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市におきましては、SDGsの理念やウエルビーイングの概念も踏まえ、全ての人の人権が尊重されるまちの実現に向け、差別や、また偏見に苦しむ当事者や、その御家族などに対する支援の充実を図るとともに、様々な啓発活動を行っているところでございます。
これらをより一層推進し、人権尊重に関する社会的な理解を深めていくことが重要であると考えており、今後とも、当事者や当事者支援団体の声もお聞かせいただきながら、あらゆる人権問題の解決に向けて、国籍や年齢、性の違い、障がいの有無などにかかわらず、誰もが生き生きと輝くまちの実現を目指し、取組を進めてまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子)登壇 私は公明党福岡市議団を代表して、生活習慣病予防の取組について、文化芸術振興について、愛され続ける植物園の発展について、以上3項目質問いたします。
まず初めに、生活習慣病予防の取組についてですが、皆さんは足病という病気を御存じでしょうか。足先の血管が閉塞し血液の流れが悪くなり、足がしびれたり歩くのが困難になったりする病気のことを言います。糖尿病や生活習慣病の悪化で起こるのですが、糖尿病の合併症で末梢神経障がいになり、足の感覚が麻痺してしまい、足にできた傷などに気づかず潰瘍ができたり、細菌などで感染し、重症化すると組織が死んでしまう壊疽という状態に陥ります。その後、足の切断に至ってしまいますので、注目すべき病気と考えています。
私が看護師として働いていた頃、足の指の色が変わっていることに気づいていても、病院を嫌がってそのままにしていた方がいらっしゃいました。数日後、さらに色は変化し、壊疽を起こしており、足を切断せざるを得ないことになりました。歩けなくなってしまったと落胆された患者さんの言葉に、足の大切さ、予防することの大切さを痛感いたしました。何とか足病予防の取組を行っていけないかと思い、その要因である生活習慣病予防への取組について伺ってまいります。
最初に、本市の国民健康保険において、医療費が高額となっている疾病を上位5つ教えてください。また、令和4年度の生活習慣病関連の医療費の額、国保医療費全体に占める割合を教えてください。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 福岡市国民健康保険における疾病大分類別で申し上げますと、1位ががんなどの新生物、2位が脳血管疾患、心疾患、高血圧などの循環器系、3位が関節症や骨粗鬆症などの筋骨格系、4位が糖尿病などの内分泌系、5位が統合失調症などの精神疾患となっております。また、令和4年度の生活習慣病関連の医療費の額としましては、新生物、循環器系、内分泌系及び腎不全などの腎、尿路系の医療費合計で約411億円となっており、医療費全体に占める割合は約40%でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 本市の国保医療費だけでも、生活習慣病由来で411億円、4割とかなりの額、割合を占めていることが分かりました。生活習慣病悪化予防のために、運動とバランスのよい食事、そして、自分の体を知るための健康診断が必要です。それぞれの対策について本市の取組を聞いてまいります。
まず、運動について伺います。
生活習慣病予防策として、運動を促すために本市が取り組んでいる内容を教えてください。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 運動を促す取組としまして、公民館などの健康教室や自宅で実践できる運動動画の配信、気軽に取り組みやすい運動として推奨しているウオーキングに関するイベントやマップの作成などを行っております。また、運動に取り組むきっかけづくりとして、民間のスマートフォンアプリ、ふくおか散歩を活用し、健康づくりイベント等の情報発信などを行っております。
さらに、公園や道路、駅などの身近な環境を活用し、自然と楽しく体を動かしたくなる仕組みや仕掛けをつくるFitness City プロジェクトにも取り組んでおります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 歩きたくなる仕掛けづくり、大変賛同いたします。住んでいて健康になれるまちづくりにさらに期待をしております。
それでは、御答弁いただいた民間のアプリを利用したふくおか散歩についてお尋ねいたします。ふくおか散歩を活用した事業の目的、内容、ダウンロード数、特典などを教えてください。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) ふくおか散歩では、市民の運動習慣の定着を目的として、性別や年代、居住地別での健康づくりイベント等の情報発信、ユーザー間で歩数を競うイベントの開催、ウオーキングの実践や健康づくりイベント参加などに対するポイント付与、たまったポイントで参加できる市内特産品等の抽せんイベントなどを実施いたしております。また、アプリの利用登録者数は、令和5年10月末時点で4万5,556件となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 私もこのふくおか散歩をダウンロードしておりまして、10月には六本松でウオーキングスタンプラリーが行われておりました。ゴールすると500ポイントたまりました。アプリの中で、健康セミナーなども含めたイベント紹介もなされていました。歩くことは血流を改善させ、足病予防の一歩になると言われる循環器の専門の先生もいらっしゃいます。このふくおか散歩は、健康づくりへのきっかけとなり、有意義であることが分かります。一方で、ポイントを使用できる特典をもっと充実させてほしいという声も届いております。
ポイントを利用した得点はどのように決められているのか、教えてください。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 答弁の前に、先ほどの答弁、1点修正をさせていただきます。
アプリの利用登録者数を4万7,556件とお答えするところを4万5,556件とお答えしてしまいました。修正しておわび申し上げます。
続きまして、先ほどの御質問に対するお答えですが、ふくおか散歩は民間事業者が運営するアプリであり、当該事業者において、アプリ全体の魅力向上の観点から特典の充実に取り組んでいるところでございます。また、福岡市の独自の取組として、地域振興の視点から、市内産の農水産物加工品や障がい者授産施設の製品を特典の一つとして選定をいたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) ふくおか散歩をこれからも継続して運動や健康づくりの啓発のために、引き続きさらなる特典の充実とアプリの周知や広報もお願いいたします。
生活習慣病予防にはバランスのよい食事も欠かせません。食生活改善の取組としては、各地域での啓発や料理教室などが主かと思いますが、飲食店が多いとされる福岡市では、お店と連携した取組も効果があると思われます。
福岡100では、企業と連携した様々な取組を推進されていますが、本市で行われている飲食店と連携した食生活改善の取組を教えてください。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 飲食店と連携し、健康づくりや食生活改善に配慮したメニューやサービスを提供するとともに、市民の健康的な食生活を応援する飲食店などを登録し、広く市民に発信する健康・食育パートナーズ事業を実施いたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 登録店舗はまだ少ないと聞いております。市内には8,000を超える飲食店があると言われておりますので、1店舗でも多く御協力いただくことで市民の食生活改善の環境づくりにつなげていただきたいと考えますが、今後の健康・食育パートナーズの取組についてどのように進めていこうとされているのか、教えてください。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 健康・食育パートナーズ事業の推進のためには、登録店の増加とともに、認知度向上を図っていく必要があると考えており、市政だよりやホームページ、各種SNSなど、様々な媒体を活用したPRや登録店のみが使用できるロゴマークの活用などにより、市民や飲食店への効果的な周知、広報に努めてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 食に関しては、福岡県でもスマソるといって、スーパーで塩分控え目のお弁当を販売したり、住んでいて自然に健康になる環境づくりを行っています。本市も減塩などを含め、この健康・食育パートナーズ事業をさらに推進されるよう期待しております。
ここまで運動と食事について聞いてまいりましたが、健康診断で自分の体を知ることは生活習慣病予防には大切であります。本市では500円で採血と身体測定などが行える特定健診よかドックがあります。
本市の令和4年度の特定健診よかドックの受診率の目標値及び実績についてお示しください。また、一番受診率が高い年齢層とその受診率についてもお示しください。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 毎年行っている国への法定報告の数値で申し上げますと、令和4年度は、目標値の38.0%に対し28.0%となっております。また、最も受診率が高い年齢層は70歳から74歳であり、その受診率は36.1%となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) この数値はほかの政令市と比較するとどのようになりますでしょうか。令和4年度における政令市での順位を教えてください。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 令和4年度は20政令市中14位となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 政令市で比べると低い順位ですが、どのように捉えていらっしゃいますか、御所見を伺います。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) よかドックが開始された平成20年度以降、受診率は徐々に向上しており、令和4年度の法定報告においては過去最高の数値となっているものの、目標値には達していない状況でございます。引き続き受診率向上を図るために、より効果的な取組を検討していく必要があると考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 令和4年度の受診率は、目標値の38%に対し受診率28%というのは、想定内ではないということでございます。今年度の目標値は40%とのことですが、その数値に対してどのように行っていく予定でしょうか。よかドックの受診率を上げるための工夫を教えてください。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 受診率向上のため、スマホ等で簡単に集団健診のウェブ予約ができるけんしんナビの開設や、出かけるついでに特定健診などを受診できるよりみち健診の実施、ダイレクトメールと電話による個別勧奨や、各保健所における医療機関への個別訪問による協力依頼などの取組を実施いたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 各区それぞれで取り組んでくださっていることも分かりました。本市は、成人した若者が健診を受診しやすくなるために、よかドック30という制度も取り入れ、毎年3,000人以上の30代の方が特定健診を受けてくださっているようです。このまま若いうちから受診できる体制を継続し、早めの生活習慣改善ができるように、引き続き周知と広報、そして、受診率向上の取組をお願いいたします。
ここまで特定健診受診について伺ってまいりました。健診後は、結果により医療機関などで特定保健指導などを受けていただき、生活習慣の改善に努めていただいております。しかし、現状は指導を受ける必要性を感じていない人が多いことも課題であると聞いております。
そのような対象者を病院受診するように促し、生活の改善につなげる工夫など、今行っていることがありましたら教えてください。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 生活習慣の改善に向け、よかドックの結果から、生活習慣病の発症リスクが高いと思われる方に、その状態に応じた保健指導や医療機関への受診勧奨を実施いたしております。また、特定保健指導等につながらない方には、利用勧奨通知等でその必要性について啓発を行うとともに、対象者が特定保健指導の必要性を理解できていないという意見があることから、特定保健指導の意義やその重要性について啓発強化、受けやすい環境整備に取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 日本フットケア・足病医学会の寺師理事長は、現在、我が国では糖尿病が強く疑われる患者数は1,000万人、その半数が末梢神経障がいを併発していれば、500万人の方は明日にでも足の潰瘍や壊疽を発症する危険性があると提唱されています。
保健師の皆様には保健指導の中で本人へ自覚させて、必要な方への病院の受診を促す重要な役割を担っていただいております。
そこで提案なのですが、さきにお話しした足病は、末梢神経障がいを起こしていると、自分では足病であることに気づきにくい方も多いため、異常の早期発見のために保健指導で実際に足を見てはいただけないでしょうか。そして、足の血管が閉塞してきて色が変わっていないか、壊疽を理解していますかなど、対象者に指導の補足をしていただけないでしょうか。異常が一つでもあれば、足の血流をチェックすることができるABIという検査ができる病院への受診も勧めていただきたいのです。皆さんの足を守る一歩になることを望んでいますが、御所見を伺います。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 受診勧奨は足病に至る前の早い段階で予防するために重要であると考えており、特定健診の結果やレセプトから生活習慣病の発症や重症化リスクが高い方を早期に把握し、医療機関の受診勧奨や保健指導に努めるとともに、特に重症化リスクが高い方には訪問による保健指導も実施いたしております。引き続き特定健診の受診勧奨に努め、生活習慣病の早期改善、早期治療を図ってまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 足を実際に診ること、検査ができる病院へ受診を促すことで足を守ることができ、高齢の方々においては社会参加につながると思います。足病予防の取組を検討いただきますよう重ねてお願い申し上げます。
次に、甲府市では、糖尿病重症化予防の取組の一環として、糖尿病患者への歯科健診を推進していました。糖尿病と歯周病は相互に悪影響を及ぼすことが分かっていることから、レセプト情報や特定健診の受診結果、ヘモグロビンA1cが5.6%以上の方に歯科検診の案内と受診券をプッシュ型で郵送し、受診券を歯科に提示すれば無料で受診できるという事業を進めています。この事業で歯科健診受診者が増え、健康づくりにつながっているという事業でありました。
本市でも、35歳などの節目年齢の方に歯周病検診は500円で進めていただいておりますが、甲府市のように、糖尿病などリスクが高い方を歯科健診や治療につなげる取組について検討いただけないでしょうか、所見をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 糖尿病診療ガイドライン2019によりますと、糖尿病と歯周病は、その発症や進行に相互に影響を及ぼすことが示されており、定期的な歯科健診が望ましいとされております。このため、本市国民健康保険におきましては、糖尿病などの生活習慣病の重症リスクが高い方に対し、引き続き歯科健診の受診勧奨を行ってまいります。なお、現在、国の経済財政運営と改革の基本方針2023において、生涯を通じた歯科健診、いわゆる国民皆歯科健診に向けた取組の推進という方針が示されておりますので、今後、国の動向を注視するとともに、他都市を参考にしながら効果的な取組について検討してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 糖尿病の方が歯周病を悪化させると、様々な病気を引き起こし、治療が長引き、医療費が膨大になることが予想されます。歯科健診について、糖尿病の重症化予防の一つとして取組の検討をお願いいたします。
これまで生活習慣病予防への本市の取組について質問してまいりました。病院で働いていた頃、もう少し早く受診しておけばここまで悪くならなかったのにと思う症状の方がたくさんいらっしゃいました。実際に病院での治療に来ている方はごく一部で、潜在的に治療予備軍の方々や、今にでも病院で治療を受けたほうがよい方がもっとたくさんいらっしゃると考えます。その方々を拾い上げ、本人の病院への受診行動につなげることが社会の仕組みに必要だと思います。
本市の保健師の皆様はコロナ禍、コロナ対策で多忙な中にあっても、一生懸命に対象者に病院への受診を促してくださっておりました。本当に大変だったかと思います。感謝とともに、今後も保健指導にも継続して尽力いただきますようお願い申し上げます。
人生100年時代の到来を受け、健康寿命を延ばすために、行政だけでなく、福岡100の取組でもある企業や社会全体が市民の行動が変わるよう働きかけることが大切だと考えています。
最後に、生活習慣病予防など、本市の健康づくりに取り組む今後の意気込みを荒瀬副市長に伺い、この質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 荒瀬副市長。
○副市長(荒瀬泰子) 福岡市では、人生100年時代を見据えて、誰もが健康で自分らしく活躍できる持続可能な社会の実現を目指すプロジェクト福岡100を平成29年度から、産官学民、オール福岡で推進し、このふくおか散歩もその一つでございますけれども、健康寿命の延伸を目指しております。生活習慣病予防につきましては、運動や食生活などの生活習慣の改善を図るとともに、疾病の早期発見のための各種健診事業や、糖尿病、慢性腎臓病対策といった重症化予防事業などにも取り組んでおります。さらに、令和2年度からは、九州大学公衆衛生学と連携し、福岡市民の医療や介護、健診に関するビッグデータの解析を進めており、その分析結果をもとに、Fitness City プロジェクトやオーラルケア28プロジェクトを進めているところでございます。今後とも、エビデンスやデータをしっかり活用しながら、ライフステージに応じた効果的な健康づくり施策に取り組んでまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 文化芸術振興について質問いたします。
文化芸術の振興は市民の生活の質を向上させるために欠かせないものであります。コロナ禍にあったこの数年を乗り越え、福岡市美術館、福岡アジア美術館、福岡市博物館における各種催しをはじめ、芸術のお祭りとも言える福岡市民芸術祭や、まちにアートがあふれるFaN Weekの開催など、文化芸術とともに、まちに活力戻ってきていると実感をしております。
ますますの発展が期待できる文化芸術振興の観点から質問をいたします。
まず、昨年7月から福岡市文化芸術振興財団で開始されたアーツカウンシルについて、具体的な取組も含めてお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 福岡市文化芸術振興財団では、アーツカウンシルにおいて、相談対応や助成、情報発信、交流機会の提供などにより文化芸術活動者を支援しているところでございます。具体的には、演劇や音楽、伝統芸能などの分野において、文化芸術活動を行う個人や団体に対して様々な助言を行うほか、ステップアップ助成プログラムによる活動助成、国の補助金等の情報発信、文化、イベントに関する広報、スキルアップに向けた活動者同士の意見交換会などを実施しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) アーツカウンシルの取組には都市によってそれぞれ特徴があるようです。
活動者に対する公的な助成によって文化芸術を支えることは重要な要素かと思いますが、御答弁いただいたステップアップ助成プログラムによる個人や活動団体への助成内容、申請件数などの状況を教えてください。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) ステップアップ助成プログラムにつきましては、公演などの鑑賞機会の提供、人材育成、または文化芸術を通じた社会課題の解決のための取組など、今後の活躍が期待できる文化芸術活動者が自らのステップアップを図る文化芸術活動に対し、その経費の一部を助成しているものでございまして、申請件数と助成件数は、令和元年度が34件の申請に対し15件の助成、令和2年度が35件に対し19件、3年度が21件に対し16件、4年度は18件に対し13件となっておりまして、令和5年度は35件の申請があり21件に助成する予定でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) しっかり助成いただいているということが分かりました。
助成件数については、コロナ禍で減ったものが令和5年度には持ち直してきているようですが、それでは、相談対応はいかがでしょうか。相談対応の状況、件数や内容をお知らせください。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 相談対応につきましては、令和4年度は60件、令和5年度は11月末時点で74件となっており、自分自身のスキル向上や同じ分野で活動する人とのネットワーク構築、公演の周知などの相談を受けているところでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 相談件数も上がってきているのが分かります。活動者が文化芸術を続けていけるように、引き続き助成や相談対応をお願いしたいと思います。
また、先ほどお知らせくださったスキルアップのための活動者同士の意見交換会はどのような内容でしょうか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 意見交換会につきましては、ステップアップ助成プログラムの採択を受けた個人や団体が、それぞれの事業の取組内容や成果を発表し、相互に意見を交換するほか、専門アドバイザーからの助言をいただくものでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 活動者同士の意見交換会を定期開催していくとともに、アドバイザーからの助言により活動がさらに活性化することを期待しております。
本市のアーツカウンシルの今後の取組について御所見を伺います。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 現在、新型コロナウイルス感染症により影響を受けていた文化芸術活動が徐々に従前の姿を取り戻してきているところでございまして、引き続き文化芸術活動者に寄り添った効果的な支援に努めていく必要があると認識しております。アーツカウンシルにおいては、今後も活動者のニーズを的確に捉えながら、ステップアップ助成プログラムや意見交換会などに積極的に取り組んでいくとともに、より多くの活動者に活用していただくため、広報の充実強化を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 私が視察に伺ったさいたま市は、芸術を生かしたまちづくりや拠点施設同士の連携強化など、様々な事業を展開されておりました。地域の文化芸術の活性化を市民が主体となり盛り上げておりました。一般の市民が文化芸術のサポーターとしてボランティアで2,000人近く応募され、様々なイベントを仲間に自らが広告塔となって宣伝し、ワークショップなど、成功に導いていました。毎月30名くらいミーティングに参加して意見交換を行っていく中で、さいたま市と市民サポーターの連携が、3年ごとに行われる国際芸術祭の成功にもつながっている様子でした。
本市では、市民がボランティアとして参画する事業はどのようなものがあるか、お伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 市民がボランティアとして参画する事業につきましては、福岡市美術館、福岡アジア美術館において、展示作品のガイドや、美術情報の収集、整理などをボランティアで行っていただいておりまして、令和5年11月末時点で294人の方に御登録いただいております。また、令和5年度は、福岡アジア美術館のアーティスト・イン・レジデンス事業において、招聘したアーティストが大型アート作品を制作される際に、130人の方にボランティアとして参画いただいたところでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) たくさんの市民が参加していただいていることが分かりました。今後とも、市民を巻き込み、市民がより深く文化芸術に触れる機会を創出していただくよう、引き続き御支援よろしくお願いいたします。
これまで、本市のアーツカウンシルについて伺ってきました。
令和4年度に行った市民アンケートでは、文化芸術活動を行う市民の割合は16%、文化芸術を鑑賞する市民の割合は58%とありました。その文化芸術活動をしている方々の発表の場も大事だと思います。発表できるホールなどの本市の現状について伺います。
市民センターや市民会館など、福岡市が所有する演劇や音楽などの文化芸術の発表ができるホールはどれぐらいあるのか、お知らせください。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 福岡市が所有する音楽や演劇などが発表可能な舞台設備があるホールは、1,000席を超える大規模ホールとして、福岡サンパレス、市民会館、博多座及び福岡国際会議場の4施設、500席から1,000席未満の中規模ホールとして、各区市民センターの7施設、500席未満の小規模ホールとして、市内4か所の地域交流センターのほか、あいれふや祇園音楽・演劇練習場など11施設、合計で22施設でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 中規模ホールや大規模ホール、座席数の差はあるものの、それぞれ本市にも22か所あることが分かりました。
それでは、本市の市民会館、市民センターホールについて、利用状況、利用者からの意見、課題など、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) まず、市民会館については、令和4年度の大ホールにおける日数単位での利用率が79.9%となっております。また、利用者からの意見では、職員対応や清掃などの運営面にはおおむね満足いただいておりますが、施設の老朽化に伴い、空調などの館内設備に対する御意見をいただいているところでございまして、現在、令和7年3月の供用開始に向け、拠点文化施設の整備を進めているところでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 市民センターのホールにつきましては、午前、午後、夜間の3つの利用枠がございまして、その枠ごとの利用の有無から算出をしました令和4年度の利用率は、おおむね45%から70%となっております。また、利用団体などからの御意見といたしましては、空調や座席、トイレなど、館内設備の改善や希望した日に予約が取りづらいといった声を伺っております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 市民センターホールは比較的使用料金が安く設定されており、利用希望が多いのではないかと考えます。
一方で、市民センターホールを継続で使用できる日数制限が3日であり、利用団体によっては日数を延ばしてほしいとの声があります。継続使用日数を3日と定めている理由を教えてください。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 市民センターは、市民の教育や文化の振興とともに、地域コミュニティの活性化等に資するために設置をしている施設でありまして、ホールにつきましても、市の催しに加え、市民グループや地域団体、学校など、市民の身近な発表や活動の場として非常に多くの利用希望がございます。継続利用の日数を延ばしてほしいという声があることは承知をいたしておりますが、市民センターの利用実態を見ますと、1日単位や、午前、午後、夜間の枠のみといった短期間の利用枠で別々の団体が利用されているケースが多いことから、できるだけたくさんの団体に御利用をいただけますよう、継続利用の場合には最大3日間までと定めているところでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 市内で高校演劇を支援している方からの市民相談を受けました。演劇部は福岡地区大会に28校参加されており、2か所に分かれて実施しておりますが、リハーサルや本番、後片づけなど、時間をタイトに区切っても、大会のときはホールを3日以上は貸し切らないといけない状況です。学生の芸術活動ですので、資金も多くは持ち得ておりません。福岡国際会議場などの使用料の高い施設を借りることはできない状態です。出場校28校中、福岡市の高校が20校もあるにもかかわらず、市外の3日以上借りることができる、そぴあしんぐうや春日市ふれあい文化センターに行かざるを得ませんというものでした。高校生は夢や希望を持って目を輝かせながら部活に取り組んでいます。福岡市の高校に通いながら福岡市で市大会ができないという状況を何とかしてあげたいと切実な声もいただきました。
本市としては、できるだけ多くの団体が利用できるよう、継続使用は3日までとされているとのことでしたが、特例で3日以上借りたりできないものでしょうか。今後とも御検討いただきますよう要望をいたします。
続けて、ホールの予約の申込みのルールについて伺います。
7区それぞれで設置されている市民センターのホールについては、いつから予約ができるルールになっているのでしょうか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 市民センターのホールにつきましては、利用月の9か月前から予約を受け付けており、抽せんの上、利用団体を決定しております。なお、市が主催する催しや、地域団体の大会などの市の関連事業につきましては、利用月の1年前から受付できることといたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 1年前の申込みの時点で市や地域のコミュニティ活動が入れば、9か月前に予約しようと思っても、もう申込みできない状況だということですね。
実は、高校演劇の九州大会が、2年後、福岡で開催されることが決まっています。九州大会の日にちはもう決まっているのに、9か月前に申し込もうと思っても予約が入っていれば、そこから場所を探さなくてはいけなくなります。
福岡市の主催等でなくとも、公共性の高い催しなどは一般と同じ9か月前の申込みではなく、せめて市や地域と同じ1年前より予約の受付をできるよう検討していただけないでしょうか、所見を伺います。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 市民センターにつきましては、各区の文化祭や人権講演会などの市の催しのほか、保育園のお遊戯会や小中学校の合唱コンクール、シニアの演芸大会、サークルの発表会など、非常に多くの利用希望がありますことから、利用調整は大変難しい状況がございます。このため、利用予約につきましても、国や県などによるものも含め、公的な催しか否かにかかわらず、市の主催事業や地域団体の大会など、市の関連が特に深い事業に限って通常9か月前からの受付を最大1年前からとする取扱いを行っているところでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 市民センターが設置された昭和52年からずっと変わらずホールの使用日数の制限は3日間とされているようですが、一般予約の受付に関しては、昭和52年からその当時は3か月前からだったものが、現在は9か月前に受け付けていただけるように段階的に改善を図っていただいていると聞いております。
時代とともに変化する利用者のニーズや実態に沿った市民センターの利用となるよう、ぜひとも御検討いただきたいと思いますが、御所見を伺います。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 市民センターにつきましては、身近な発表や活動の場として、非常に多くの市民、団体の皆様に御利用をいただいているところでございます。その運営に当たりましては、時代の変化やニーズに応じ、利用受付方法の改善やキャッシュレス決済の導入、Wi−Fi環境の整備など、市民サービスの向上を図ってきたところでありまして、今後とも、様々な団体の利用実態やニーズを踏まえながら、より使いやすい施設となるよう努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 市民センターの役割について、今後も使いやすい施設としての検討を重ねてお願いいたします。
では、現在、須崎公園で整備が進められている拠点文化施設について伺っていきます。
改めて、拠点文化施設を整備する目的をお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 拠点文化施設については、多彩な舞台芸術の公演や市民の文化芸術活動等の場を提供することにより、本市における文化芸術の振興や文化芸術を通じた交流の促進を図り、心豊かな市民生活の実現と都市の魅力向上に寄与することを目的としております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 拠点文化施設は、令和7年3月の開館に向けて、これから施設の予約受付が始まるかと思いますが、利用予約の仕組みについてはどのように考えていますでしょうか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 拠点文化施設の利用予約については、公の施設としての公平性と施設の設置目的を踏まえ、令和7年3月の開館に向けてその仕組みを検討しているところでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 施設の利用予約について、公の施設としての公平性を確保するとともに、施設の設置目的である文化芸術の振興に向け、活動者のニーズを踏まえた仕組みを検討していただきますよう要望いたします。
文化芸術振興のために本市が取り組んでいるアーツカウンシルの中での活動者支援や、今後のさらなる発展のための市民への啓発、そして、文化行動を支える拠点文化施設の充実にも期待をしております。
ますます市民が心豊かに文化芸術を楽しみ、活力ある魅力あるまちづくりに貢献できるよう、文化芸術振興に尽力してくださっている島市長に意気込みをお伺いし、この質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 島市長。
○市長(島宗一郎) 文化芸術は市民一人一人の心豊かな生活の礎となり、人々の創造性を育み、また、魅力ある都市づくりや都市の個性を形成する上でも大変重要であるというふうに考えてございます。福岡市の文化芸術の振興につきましては、令和4年度からアーツカウンシルの取組を開始して、文化芸術活動を幅広く支援するほか、Fukuoka Art NEXTとしてファンウィークの開催などを通して、市民がアートの魅力、さらにはアーティストの思いに触れて、アートをより深く鑑賞する機会の充実を図るとともに、アーティストの創造活動やスタートアップ支援を行う成長、交流拠点、アーティストカフェフクオカを運営しているところでございます。現在、福岡市の新たな文化振興の拠点として、令和7年3月の開館に向けて拠点文化施設の整備も進めており、今後も引き続き、市民が文化芸術に触れる機会を増やすとともに、文化芸術活動者がより活動しやすい環境づくりを推進してまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 愛され続ける植物園の発展について質問いたします。
福岡市動物園は昭和28年に開園し、70周年を迎えました。そして先日、待望のゾウが春には4頭やってくるといううれしいニュースが島市長から発表されました。ゾウは動物園のシンボルですので、本当に楽しみにしております。
一方、植物園は昭和55年に開園し、43年、楽しみながら緑を育てることを学べる都市緑化植物園として発展し続け、市民から愛されてきました。本年3月の当初議会において、当会派の黒子前議員が、愛され続ける動植物園について、ますます発展してほしいと議員生活最後の質問に語ってくださいました。私からも、植物園は市民の皆様や観光客が憩い、にぎわい、さらにたくさんの方々に来てほしいと切に願い、質問をいたします。
まず、都心に近く、地下鉄七隈線の沿線に位置する植物園ですが、直近4年間の来園者数の推移をお尋ねします。あわせて、来園者の主な交通手段とその割合もお示しください。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 直近4年間の動植物園の来園者数を申し上げますと、令和元年度が81万5,980人、2年度が61万6,742人、3年度が59万5,277人、4年度が77万839人となっております。また、4年3月に実施した来園者調査によりますと、主な交通手段及び割合につきましては、自家用車が62%、バスや電車などの公共交通機関が21%、徒歩が14%などとなっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) コロナ禍を過ぎて来園者は増えつつあることがうかがえます。来園手段は自家用車が多く、公共交通機関は2割ということが分かりました。せっかくの地下鉄沿線施設ですので、公共交通機関の利用者が増えてほしいと思います。
公共交通機関の利用促進はどのようなことを行っていますか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 動植物園ホームページにおいて、バスや電車でのアクセス方法について常時掲載し、公共交通機関の利用促進についても周知を図っております。また、毎年夏に開催しております夜の動植物園など、多くの来園者が見込まれるイベント時においては、公共交通機関の利用の呼びかけをSNSでも実施をしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 私は早良区に住んでおり、野芥駅から地下鉄に乗っております。植物園に行く際は桜坂駅で降りるのですが、先日、桜坂駅から目と鼻の先にある南公園内の森を抜けて、植物園入り口付近にたどり着く約15分から20分の最短コースを歩きました。少し歩いていくと、都会の喧騒から一気に鳥のさえずりが聞こえてきて、とてもすばらしいコースだと感じました。このような道があることを初めて知りました。
森林浴には快適でありましたが、植物園への誘導の表示が小さいので、もう少し大きく表示するなど、工夫をしてほしいと感じました。また、親子連れの家族がベビーカーを押して楽に歩けたり、スニーカーで来ればハイキングのようにさらに楽しく歩けるようにするなど、多くの皆さんが利用しやすくなるような工夫はできないでしょうか、御所見を伺います。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 桜坂駅から最短ルートとなる南公園の入り口に、植物園までの誘導表示について、早急に整備を検討してまいります。また、最短ルートの道の舗装につきましては、現在砂利道となっておりますが、歩くこと自体を楽しめるように、森の雰囲気に合ったウッドチップによる舗装について早急に整備を検討してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 南公園のよさも残しながら歩きやすく整備いただき、この森を抜けるコースも魅力の一つですので、広報をぜひよろしくお願いいたします。
一方で、この南公園の道の途中には倒木も多くあり、維持管理は大変な状況かと拝察いたしましたが、南公園において、緑を管理する中での課題、そして、取り組んでいることはありますでしょうか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 緑の管理に当たっては、枝落ちが発生しないよう定期的な樹木剪定や枯れ枝処理を行うこと、また、倒木の危険性が高い樹木を発見するための樹木医による診断などが必要ですが、これらが十分でないなどの課題があると考えております。なお、管理によって発生した樹木については、葉は堆肥化し、枝はチップ化するなど有効活用し、SDGsへの取組につなげております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 歩きやすい安心、安全と、倒木を利用する循環型サイクルに貢献する取組は、今後も持続可能なものにしていただきたいと思います。
森を抜けると、上智福岡中学、高校もあり、西門の交差点に出てくることができました。ここは車の通りも多く、信号待ちの間に動植物園への入り口をアピールできる場所だと感じました。(パネル表示)このパネルにあります。ちょっと御紹介させていただきます。この写真のように、駐車場へ向かう入り口部分の看板も古くなっており、もったいないなと感じられました。
西門周囲、そして、この駐車場の入り口も、さらにおもてなし感が出せるような取組ができないのか、お伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 動物園西門の交差点や植物園駐車場への入り口は、動植物園への来園者だけでなく、日常の通過車両からも視認できる動植物園の顔とも言える場所であるため、彩りにあふれた立体的な花壇や市内産材を活用した案内表示など、おもてなし感のある景観づくりについて早急に整備を検討してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 植物園エントランス付近では、壁面植物がなされたトイレの改修もされ、立体駐車場の新設など、リニューアルが進められ、来場者へのおもてなしの雰囲気が増したように感じられました。
もう1枚パネルを準備させていただいております。(パネル表示)これは、植物園の入り口と、その横にあります緑の相談所というところの写真でございます。
この植物園の入り口ですけれども、リニューアルされた動物園のエントランスに比べると、まだ工夫ができるのではないかと考えます。入園口の横にはこの緑の相談所がありましたが、緑の相談所における相談件数や内容、どんな方法で相談を受けていらっしゃいますでしょうか。また、植物園に来た方もそうでない方も、相談しやすくなるよう、入り口の手前に花や緑を持ってくるなど、工夫を施してもよいのではないかと感じました。御所見を伺います。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 緑の相談所における令和4年度の相談件数は4,360件で、そのうち電話相談が約7割を占めており、主な相談内容は、植物の育成方法や植物名の確認などとなっております。また、誰でも気軽に利用できるよう、緑の相談所は入園口外側の無料区域に設置しており、予約なしでも相談可能で、内部が見えるようなガラス張り、座り心地のよいソファーの設置などをしているところではございますが、さらに相談しやすくなるような工夫を検討してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 他都市の事例を幾つか紹介しますと、千葉市花の美術館では、エントランス部分に当たる前庭には色とりどりの花が出迎えてくれます。入場するとすぐに噴水もあり、前庭の中にはドッグランも併設され、ホスピタリティにあふれています。
東京都稲城市にあるよみうりランドのフラワーパークでは、温室にデジタルを駆使して、花によるプロジェクションマッピングを映し出し、美術として花と緑のアートも感じられるようなおもてなしが施されております。
本市の植物園はわくわく感がまだ工夫できると思っています。
例えば、植物園の入り口にネモフィラやコキアなどが広がるインパクトのある風景や、人気の高いバラ園を手前に移動するなど、花と緑でお出迎えするようなエントランスにリニューアルを検討してはいかがでしょうか。御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 植物園の入り口付近は、開園から43年で樹木が大きく成長したことで、見通しや日当たりが十分に確保できず、花壇が手狭になっているなどの課題があると考えております。今後、よりおもてなし感やわくわく感のある花修景を行うなど、開放的かつ印象的なエントランス空間への改修などを検討してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 植物園に行きたくなるわくわく感が増すような魅力向上の取組をぜひお願いいたします。
次に、植物園の維持管理について伺ってまいります。
植物園内で多くの方が水やりや整備に尽力してくださっておりました。どれぐらいのボランティアの方々がこの植物園を守ってくださっているのでしょうか、また、主な活動内容についても教えてください。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 令和5年11月末現在で11団体172人がボランティアとして活動されておられます。どの団体も植物園という場所ならではの価値を見いだされ、ハンギングバスケットによる花装飾の製作及び維持管理、樹林地における里山保全活動や園内ガイドなど、それぞれが持つスキルを生かしながら活動をしていただいております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 植物園にはボランティアや団体だけでなく、企業からの寄附や寄贈などもあるとのことですが、どんな方々が園に支援をしていただいているのでしょうか。また、主な支援の内容についても教えてください。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 植物に好意的な個人や団体、また、植物園の運営に寄与したい企業や事業所などから、一人一花友の会への寄附や寄贈で御支援をいただいております。最近では、子どもたちが安心して遊ぶことができる空間づくりにおける人工芝や壁面緑化の整備費への御寄附とその維持管理の御協力、また、屋根つきの休憩スポットにもなる花修景施設の提供などの御支援もいただいております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) こうした活動団体は、愛され続ける植物園の継続のためには大事にしていただきたい方々だと思います。緑のコーディネーターも300人を超え、一人一花運動に取り組んで6年。こうしたボランティアの方々が、そして、福岡市緑のまちづくり協会の皆様、寄附してくださる皆様方が、植物園から地域まで、至るところで花と緑をつくってくださっています。
今後も持続的に御支援いただくための工夫が必要かと思いますが、どんな取組を検討されていますでしょうか。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 植物園への持続的な支援獲得のため、支援活動や寄附の実績を動植物園の広報誌やホームページなどで紹介するとともに、一人一花サミットなどの機会を捉えて表彰を行っております。なお、花や緑に関わる管理をされているボランティア活動団体など、植物園運営への貢献意識が高い方々に対しては、個々のスキルアップを支援していく仕組みなどを今後検討してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 持続可能な維持管理のために、スキルアップで人材育成の機能も発揮していくことを期待し、今後の取組の継続をお願いいたします。
さて、園内には、さらに先に進むと、(パネル表示)こちらのパネルにありますボタニカルライフスクエアという共有スペースが今年3月に開設されました。とても広くて開放感もあり、これからさらにたくさんの方に御利用いただきたいエリアだと感じました。このボタニカルライフスクエアの上には展望台がありまして、本当に絶景でございます。
このボタニカルライフスクエアの開設の目的を教えてください。あわせて、活用事例や活用状況も伺います。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) ボタニカルライフスクエアは、一人一花運動の拠点である植物園において、360度植物に囲まれたロケーションを生かして、緑のある空間や生活のよさを感じてもらい、花や緑のあるライフスタイルの発見、発想、発信を生み出すための施設でございます。平日は、花や緑関連の講座、週末はマルシェやイベントなど、小さな子どもも楽しめるような活用がされており、施設がオープンとなった令和5年3月から11月末までの使用率は75.2%となっております。なお、閉園後の夜間も利用できるよう貸出しを行っており、企業の会議や研修会、国際交流イベント会場としての利用も見られるようになっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 閉園後の夜間も利用できるのは魅力発信につながると思います。星を見ながらワークショップに参加するなど、昼間と違う夜間の楽しみも創出できるボタニカルライフスクエアのさらなる活用を期待しております。
スクエアのすぐ裏にある、先ほどの展望台では、カフェも併設しており、絶景と飛行機の離発着も見ることができました。本市の植物園は、花や緑の愛好者だけでなく、ほかの利用者を取り込むことができる、まさに花と緑の美術館と言えるポテンシャルの高い施設だと思います。
さらなる発展のために、一眼レフ撮影会の開催や携帯での映え写真や動画の撮影会、また、結婚式の開催など、これまでに植物園に来たことがない方々をさらに取り込む取組について所見を伺います。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) ボタニカルライフスクエアの開設を機に、新たな植物園ファンをもっとつくっていきたいと考えておりまして、花、緑分野以外での活用を増やすため、植物に囲まれた開放的な空間が持つポテンシャルや、夜間でも利用可能である自由度を生かし、植物園の活用モデルを考えてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 本市の植物園を花と緑の美術館として、ボタニカルライフスクエアや展望台カフェなど、都心に近いことも生かし、会議やイベント、アフターコンベンションなど、様々な利用ができると思っています。アートの創出やスクエアやホールの活用について、さらなる活用拡大を期待しております。御所見をお伺いします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 植物に興味がない人も引きつけていけるよう、都心部などで開催されている既存の会議やイベントなどを呼び込むことに加えまして、植物園の魅力を最大限に生かし、多様な方々が交流できる新たな企画も実施するなど、より幅広く活用される場になるよう展開してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 石本優子議員。
○18番(石本優子) 一人一花運動により、今、天神や博多駅などの都心部にはスポンサー花壇が、身近な拠点である公園や道路にはボランティア花壇、民有地も含め、市内全域にはパートナー花壇が花と緑であふれています。花と緑で共創のまちづくりが実現し、フラワーシティとして発展しています。まだまだ時代とともに変化を続け、市民から愛され続ける植物園であってほしいと思います。
最後に、一人一花運動の拠点である植物園の発展のため、さらなる魅力向上と活用推進について、島市長の意気込みを伺い、私からの質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市植物園は、植物の展示や緑化の普及啓発とレクリエーション機能を備え、1年を通して花や緑に関して市民が楽しく学べる憩いの場となっており、一人一花運動の拠点として多くの市民や団体などが来園したくなるわくわく感の創出や、エンターテインメント性の向上などに取り組んでおります。また、令和5年3月にはボタニカルライフスクエアがオープンし、花や緑に関する講座やイベントの開催に加え、夜間の利用も可能にしたことによって、これまで植物園を訪れたことのない多様な方々が利用される機会なども増え、幅広い活用による新たな交流や発信が生まれております。今後とも、愛され続ける植物園として発展していくためには、都心部に近く、動植物園が一体となった強みなどを生かしながら、市民はもとより国内外の多くの皆様から満足していただける植物園となるように新しい価値向上に積極的に取り組んでまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) この際、休憩し、午後3時5分に再開いたします。
午後2時51分 休憩
午後3時5分 開議
○議長(打越基安) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな)登壇 本日は日本維新の会福岡市議団を代表しまして、長期療養の小中高生への教育支援について、そして入院中の病児の家族支援についての2点を御質問させていただきます。
まず、1つ目の長期療養の小中高生への教育支援に関しまして、現在、小中学校の課題である不登校問題だけでなく、長期療養中の病気の子どもに目を向けていきたいと考えています。
病気やけがにより、長期間学校へ行けない子どもは全国で約5万人いると言われており、支援が必要とされています。また、教育は成長、発達に重要で、心理的安定、意欲の向上から、治療効果を高めることや健康状態の回復改善に有効であると言えます。そして、病気はある日突然やってくるため、パニック状態に陥る方が多く、患者である子ども、家族も疲弊してしまいます。さらに、長期療養中は医療と教育のはざまで弊害や困難が生じやすく、メンタルケアだけでなく病気の治療や手術も考えていかなければならないと、私もとても強く問題視しております。
そして、2つ目の質問の入院中の病児の御家族支援につながりますが、子どもだけでなく付添家族支援も課題が浮き彫りになっております。少子化対策により、子どもを取り巻く様々な課題への対策の中、依然として取り残され、必要な支援や対策がなされていないのが入院している子ども、そしてその家族です。
今年6月にNPOが公開した入院中の子どもに付き添う家族の生活実態調査、3,643名の声から調査したアンケート結果によると、本来は任意であるはずの付添いが、事実上、入院の条件になっていることや、保護者が心身ともに重い負担を強いられている状況を可視化する内容でした。8割以上の人が6時間以上もケアをしており、熟睡できないなど、付添家族は身体的、経済的にも苛酷な状況となっております。
初めに、小中学校からの教育支援の質問をさせていただきます。
令和4年度の本市在住の小中学生の長期欠席児童生徒数をお示しください。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和4年度は6,086名となってございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) ありがとうございます。本市における小学校145校、中学校69校、合計で214校のため、1校当たり約28.4名の長期欠席児童生徒数になります。そのうち、病気が理由の児童生徒数をお示しください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 826名となってございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) ありがとうございます。約14%の病気の児童生徒数となりますが、不登校生徒は4,400名、72%と大きな課題に対策を講じることも大事ですが、ある一定の数、確実に存在する長期療養中の子どもたちは、突然の病気や院内学級への転校など、環境や状況が一変することになります。不登校の生徒対策と同時に、できることや打ち手など注力していただきたいと思います。数が少ないからと優先順位を下げてしまったり、先延ばしにしては人の命に関わる問題ですので、重ねて強く要望いたします。
長期療養中の小中学生の本市の支援である院内学級の仕組みをお知らせください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 院内学級とは、長期の入院治療が必要な児童生徒の学びを保障するために、病院内に設置しております学級でありまして、その位置づけは、病院が立地する校区の小中学校の病弱特別支援学級といたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) ありがとうございます。全国には院内学級は256学級も存在し、学校教育法第75条の2の規定、前項に掲げる学校は、疾病により療養中の児童及び生徒に対して、特殊学級を設け、又は教員を派遣して、教育を行うことができると掲げられており、子どもが病気をしても安心して教育を受けられるすばらしい制度だと思います。
小児がんで入院中の小中学生は、小学生が90.7%、中学生で77.6%、病院内学級で授業を受けられているという調査結果が、厚生労働省委託事業、小児患者体験調査報告書令和元年度調査により明らかにされました。高校生と比べると、設置率はかなり高いものの、まだ100%ではありません。本市における院内学級設置校は何校ありますか。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 小学校5校、中学校5校に設置いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) ありがとうございます。小学校は、千代小、照葉小、南片江小、野多目小、大楠小の5校、中学校は、千代中、照葉中、梅林中、三宅中、高宮中の5校ですね。全体の本市の小中学校からすると、4.6%と少ないと思われます。
それでは、院内学級等の学びの場が設置されている福岡市の病院は何か所ありますでしょうか。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 市内の5か所の病院に設置いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) ありがとうございます。
院内学級のある病院が増えれば、転校の手間も省きやすかったり、近くの学校や病院で通いやすかったり、また、転校せず長期療養中でも知っている仲間や先生とともに勉強ができたりすると思われますが、受入先の連携病院を増やすことは可能でしょうか。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 院内学級を設置するためには、児童生徒の病気の状況を踏まえつつ、学びの空間や学校との連絡体制を確保していただくなど、病院側に受入れ体制を整えていただく必要がございます。そのため、院内学級の設置に伴って生ずる負担の増加について、病院側への御理解と御協力を得る必要がございまして、連携病院の拡大には一定の困難が伴うものと考えてございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) ありがとうございます。ぜひ、病院との交渉など難しいことや弊害などあるかと思いますが、いつ、どこで起きるか分からない長期療養は、事前に準備しておくことで子どもの命を助けるだけでなく、子どもの教育、そして未来を守ります。私から強く要望させていただきます。よろしくお願いいたします。
次に、病院内での院内学級の先生の役割、具体的な業務内容をお知らせください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 院内学級の担任は、学習指導や病院内でのケース会議への参加等が主な業務でございまして、学習指導においては、主に午前中は教室で授業を行い、午後からは病室を訪問した上で個別指導を行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) ありがとうございます。私は先日、九大病院まで視察に行かせていただきましたが、実際の現場ではそれ以上に、子どものケアやフォロー、事務処理などの役割があるようで大変なようでした。
院内学級における先生は、どのような基準で配置しているのかをお示しください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 院内学級については、国の法律で示されている学級編制及び教職員定数の標準に沿いまして、1学級当たりの児童生徒数を8人以下として学級編制を行い、学級数に応じた教員の配置を行ってございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) 令和4年度に院内学級に在籍した児童生徒数、そして、そのうち本市在住の児童生徒数をお示しください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和4年度の在籍児童生徒数は延べ126名で、うち福岡市在住は延べ54名となってございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) ありがとうございます。
4月に配置した院内学級の教員数を、年度中途に院内学級の児童生徒数が増えた場合に増やすことができますでしょうか、お示しください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 院内学級の教員数は、国の標準に沿いまして、始業式及び入学式時点の在籍児童生徒数で決定しております。院内学級の児童生徒数が増えた場合は、児童生徒の状況や見込まれる在籍期間を踏まえ、学校との協議を行いまして教員の追加配置について検討し、対応いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) 先生が増やせないのであれば、先生に限らずに、院内学級の体制を強化するための人員を配置することはできないのでしょうか。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 教員以外には、必要に応じて学校生活支援員を配置いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) 入院中の子どもの教育保障に向けた環境整備として、ICTが使用できるようにオンラインの整備や設備についてお示しください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 院内学級では、病院の回線を使用したオンライン環境が整備されておりまして、1人1台端末を活用した学習も行ってございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) 分かりました。また、長期療養中の子どもは、白血病などの小児がんや免疫疾患がほとんどだそうです。若年層のがんであるAYA世代、中でも若い年齢層の思春期、青年期世代において、がん治療や晩期合併症はアイデンティティー形成に影響し、社会的役割の喪失や感情的な葛藤を高め、身体的、精神的、社会的に大きな影響を与えるということが明らかにされています。そのため、医療と学校の連携強化がより重要かと思われますが、医療と学校の支援連携の現状についてお示しください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 学校代表や医師、看護師等によるケース会議等で、院内学級に在籍する児童生徒に関する情報交換を行いつつ、個々の児童生徒の病状や治療期間も踏まえて、それぞれの児童生徒に最も適切な学習計画の立案ができるよう、連携をして対応いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) ありがとうございます。院内学級に視察に行かせていただいた際に、担任の先生は医療のことを子どもさんを一緒に守る強力なサポーターだとおっしゃっていました。しかし、先生は朝8時から19時過ぎまで残業は当たり前だと言われておりました。医師も教師も共に人材不足の課題が現実的に明白となる中で、そのような活動をしてくださる先生や医療の連携を守ることが重要かと思います。
医療や教育にオンラインが整備されたから、子ども等に教育の機会提供が守られると思いきや、オンラインで教える回数が増えて、教師1人では回せなくなるなど、業務量が増えているそうです。病気の子どもたちも毎日症状や体調が変わり、治療内容も変わっていたりするため、それによって教える内容も変わります。当然、学習の進捗状況も個人によって変わります。全て何人かを一気に教えることができないため、個別で全て対応していくしかないそうです。そして、子どもたちは心理的なケアも必要とするため、対応もよりきめ細かくしていかなければならないそうです。現場で起こっている問題や課題を解決していくことは、子どもたちの未来を守ることにもつながります。現場の悲痛な声は逃さぬように改善に努めていただけるよう、御検討をよろしくお願いいたします。
次に、高校の教育支援について質問させていただきます。
小児がんで入院中の小学生90.7%、中学生77.6%と多くが院内学級を受けられていることに対し、高校生は19.4%と著しく低い状況にあります。高校は義務教育ではないのですが、多くの病院において、入院中の高校生への教育保障を行うべきと考えております。
令和4年度の市立高校4校の長期欠席生徒数と、そのうち病気が理由の生徒数をお示しください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和4年度は106名で、そのうち病気が理由の生徒数は9名となってございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) 院内学級が小中学校は設置されているのに対し、高校が置かれていない理由を教えてください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 高等学校は小中学校と異なりまして、学校、学科ごとにカリキュラムが設定されており、学びの内容が多岐にわたるため、全国的にも院内学級は設置されておりません。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) それでは、小中学生は院内学級の教員によるサポートやコーディネートがありますが、高校ではどなたが支援しているのか、お示しください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 主に学級担任が、教科担任やスクールカウンセラーなどと適宜協議しながら、生徒や保護者等との連絡を取り、それぞれに応じた支援を行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) ありがとうございます。教員の人材不足問題もあり、業務過多や過重労働が心配です。
また、文部科学省においても、小児がん拠点病院等の整備に関する指針において、各都道府県教育委員会等に対して、小児がん拠点病院における教育に関する環境整備として行われる特別支援学校または特別支援学級における教育支援について、義務教育段階だけでなく、高等学校段階においても必要な教育支援を行うように留意することを依頼しておりますが、現在、一部を除き進んでいないそうです。自治体によって、高校と特別支援学校が連携して、入院中の高校生に対して、入院前の高校の非常勤講師の辞令を受けた教員を教育委員会から派遣する方法を取っているところもあるようです。
長期欠席をした市立高校の生徒のうち、病気が理由の生徒は、本市では8.5%と少数にはなりますが、誰しもが病気になんてなるはずがないと思っていたはずで、誰もが自分が病気になって入院するかもしれないと察知して動くことは、当事者であり患者である子どもはもちろん、家族ですら難しい状況です。病気にある日突然なってしまうと頭が真っ白になり、思考が停止。知識もなければ、周りに聞ける似たような経験の人もいないことが多いため、導いてくれる人も皆無。1人でやらなければいけないことの連続になります。そして、それは人の命に関わります。そんな状況だからこそ、本市が先回りして動いていただきたいと要望しておきます。
次に、高校は義務教育ではないため、入院中の単位取得ができない等の懸念がより顕著に現れると思いますが、市としての支援は何があるのか、お示しください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 国の通知によりますと、高等学校では、病気療養中の生徒のオンライン授業等を利用した単位修得が可能となってございます。市立高校におきましても、入院先の病院等と連携を図りながら、生徒の病状を把握し、それぞれの学びに応じてオンライン授業等を行ってございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) ありがとうございます。安心いたしました。よりオンライン等のICT活用をして教育の強力な支援を強く望みます。
次に、タブレット、Wi−Fiの導入について、現在どのようになっているのか、お示しください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 市立高校では、病気療養の有無にかかわらず、全生徒にタブレット端末を整備し、必要に応じてモバイルルーターも貸与いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) ありがとうございます。安心しました。また現在、福岡こども病院、福岡市立病院と、本市が持つ病院はWi−Fi設置もできていますが、まだ医療体制においてはWi−Fiがついていない場所も多いようです。小児がん患者は、特に自治体を超えて入院患者も集まってくるため、本市においても整備や体制の構築ができているところはすばらしいと感じました。引き続き、ICT活用は場所や境遇がたとえ困難でも、出席ができなくても、同じ学びを共にする仲間と平等に教育の機会を受けることができ、孤独になりがちな入院中につながりを感じることができ、精神的にもケアできる有効活用すべきツールかと思います。
国の第4期がん対策基本計画においても、以下のとおり方針が示されております。国は教育支援の充実に向けて、医療従事者と教育関係者との連携に努めるとともに、療養中に教育を必要とする患者が適切な教育を受けることのできる環境の整備、就学、復学支援等の体制整備を行うとされています。より一層、市民のために強化のほどよろしくお願いいたします。
次に、現在、がん教育に関して2020年は小学生、2021年は中学生、2022年は高校生と進んで、文科省により履修が必須となっております。長期療養中の子どもたちの支援にもなるため、検診、予防、生活習慣改善の学習が主であるがん教育に、がん患者支援の理解を深める観点も取り入れたり、第4期がん対策基本法にもあるがんとの共生を取り入れてほしいと考えておりますが、所感をお聞かせください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 主に保健体育や特別活動、道徳等において実施しております福岡市のがんの教育では、独自に作成いたしました教材を活用し、がんに対する正しい知識や予防について学習するとともに、医療関係者やがんの経験者を講師として招聘し、命を大切にする心情を育む学習も行ってございます。今後も、がんの予防や早期発見に関する重要性について認識を深めるとともに、命を大切にする心を育んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) ありがとうございます。平成30年度におけるがん教育の実施調査によると、がん教育の実施件数は全体の61.9%で、外部講師の活用は8.1%となっております。医療の進歩によって救命率が上がり、子どもたちは、「大人になり、よりよい社会生活が送れるかどうか」が課題とされています。がん検診や予防に力を入れるばかりのがん教育にならないようにお願いします。 そして、閣議決定された第4期がん対策基本計画においても、がんとの共生が強化されています。マニュアル化や教材だけでなく、実際経験している医療者やがん経験者などの外部講師の生きた授業の推進をお願い申し上げまして、1問目の質問を終わります。
2問目に、病児の御家族支援についてお尋ねいたします。
本市のこども病院についてお聞かせください。全体の病床数、付添いのため泊まることができる病床数とその割合をお示しください。
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) こども病院の病床数は239床であり、そのうち付添いのため泊まることができる一般病床数は146床で、全体の約61%でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) ありがとうございます。本市のこども病院の病室はほとんどが個室であり、泊まりの方が9割以上のほとんどだと察します。病気の子どもにとって親に付き添ってもらうことは、早い回復、成長、発達につながり、家庭においても必要なことになります。
冒頭に引用した実態調査によると、付添家族は病人ではないため食事は提供されず、子どもの小さな硬い簡易ベッドで寝るなど、劣悪な環境で生活をしている方も多く、その結果、精神的ストレスを抱え体調を崩す親も多く、さらに付添いで長時間拘束されることで休職や離職にもつながるなど、身体的にも経済的にも深刻な状態に置かれている実情となっております。
次に、本市こども病院では、泊まりの際の食事や睡眠のサポートについてどうなっているのか、お示しください。
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 付添いの方は、病院内のレストランが利用いただけることはもちろん、売店の弁当などの購入も、病棟に設置した商品リストにより注文を受け付け、病棟まで配達を行っております。また、付添いができる一般病床の約90%が個室となっており、その個室内にはソファーベッドやシャワー室、トイレが備わっており、自由に御利用いただけます。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) ありがとうございます。実態調査によると、6割強が院内売店、コンビニの中、付添家族がレストランの食事を食べられることはとてもありがたく思います。付添いでいっときも離れられない中、看護師さんのサポートをいただけたり、レストランの食事を弁当にして持ってきてもらえたりすることは、体調を崩しがちな保護者の精神的なケアにもなるかと思います。
次に、温かい病院食を有料でもいいので提供できたらと思うのですが、本市こども病院は可能でしょうか。
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) こども病院の給食施設は、施設、設備の能力として、付添者への給食を提供することを想定しておらず、入院患者に対して安定的に安全な給食を提供することを最優先としているため、付添者への提供は行っておりません。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) ありがとうございます。
次に、長期滞在型の施設について質問となります。
こども病院の付添御家族支援であるふくおかハウスの仕組みを教えてください。
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) ふくおかハウスは公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパンにより運営されており、利用に当たっては、お1人当たり1日1,000円の利用料と176円のリネン使用料を御負担いただいております。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) ありがとうございます。
とても活用していただきたい施設だと感じておりますが、ふくおかハウスの助成をしたり、御家族支援施設を自治体で増設したりする必要性があると思いますが、それはできないのでしょうか。
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) ふくおかハウスに対しましては、福岡市立病院機構において用地を無償貸与するとともに、令和元年に増設した際には、その設備費用の2分の1を負担するなどの支援を行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) ありがとうございます。既に支援をしていただいているということで安心しました。
現在、福岡にはそのほかにも長期滞在型施設があり、その施設は全て寄附で成り立っているそうで、運営するにも資源が僅かな中、NPOなどの力を貸していただいております。
先日、公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパンが運営する患者家族滞在施設、ふくおかハウスに視察させていただきました。ICUに入っている子どもたちの付添いができない御家族が、できるだけ子どものそばにいたい、近くにいたいという思いで、孤独が軽減されるような、明るい第二の我が家のような造りとなっておりました。長期療養中の子どもを持つ御家族同士がつながれる共用スペースは、唯一の癒やしの憩いの場になっていると思いました。年間で600家族が滞在しているそうです。それでも寄附で全て運営されているそうで、寄附が集まりづらいことと認知がなかなかされていないことが課題なのだそうです。
長期滞在型施設の運営は、市民でなくとも、小児がんなどは病院数も少ないため、ほかの自治体とも連携しながら取り組むべき課題かとも思います。長期滞在型施設を増やしていけるような取組をお願いいたします。
次に、また、付添家族の支援への課題は、各病院にも努力でできる問題も存在します。こども病院はもちろんのこと、市民であるお母さん方が疲弊している状況も踏まえ、医療法人や民間などの病院も付添家族支援の充実を図る策を講じていただきたいと思います。所感をお聞かせください。
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 付添環境の改善に資する資料を作成することを目的として、現在、こども家庭庁と厚生労働省が入院中の子どもへの家族等の付添いに関する病院実態調査を行っており、令和6年3月末に最終報告が行われることとなっております。この結果を踏まえまして、国において、付添環境の改善に関する施策の検討が行われることが見込まれておりますので、その動向を注視してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) ありがとうございます。国や県の動向を注視することは重要ではありますが、下りてくるのを待つ、そして数年がたつ、あまりにも遅いように感じます。制度を変える必要の部分は厚労省、こども家庭庁マターですが、家族の付添環境を充実させることは各病院でも努力ができる問題です。実際に冒頭の実態調査でも、半数以上が体調を崩し、8割は熟睡ができず、体調を崩しても8割は病院のサポートが受けられなかったと、付添家族は疲弊している状況になります。市民が実際に今困っており、疲弊しているなどの声も上がっており、国から下りてくるのをただ待つなどではなく、市でできることややれることは真っ先に着手すべきだと思います。入院している子どもと付き添う親の環境改善は、子育て施策の一つとして自治体ができることであり、ぜひお願いしたいと考えております。福岡市が好事例となり、ほかの自治体にも展開してもらえるような取組を要望いたします。
次に、まずはこども病院の温かい食事の提供や付添いの食事代の補助など工夫はできないのでしょうか、具体的根拠とともに所感をお聞かせください。
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 答弁に入ります前に、先ほどふくおかハウスの助成について答弁申し上げたところでございますが、その際に、設備費用とお答えいたしましたが、正しくは整備費用の誤りでございました。おわびして訂正をさせていただきます。
こども病院につきましては、患者の病状や成長段階に応じ、離乳食やアレルギー食などをはじめとした22種類の食事のほか、病状等に応じ、26種類に作り分けたミルクを乳幼児に毎日提供いたしております。これらを決められた時間に安全に提供する必要があり、施設、設備には余力がないことから、現状としましては、付添者に食事を提供することは困難な状況でございます。また、付添者の食事代については自己負担が基本であり、食事代の助成はこども病院においても検討していないと伺っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 橋口えりな議員。
○37番(橋口えりな) ありがとうございます。
次に、付添いの方に代わり患者を見守るサポーターなどのボランティア登録制度などは設けられないのでしょうか。こちらをもちまして、私の最後の質問とさせていただきます。
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 入院時の付添いは、国の通知により、医師の許可を得た家族等や特別なコミュニケーション支援が必要な障がい児・者の場合に限定されております。ボランティアによる患者の付添いは、法令上の制限などの課題があるため、国における検討の動向を注視してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫)登壇 私は、自由民主党福岡市議団を代表して、MICEの振興について、子どもアドボカシーについて、以上2点について質問してまいります。
最初に、MICEの振興についてです。
私は6月議会で、観光やビジネスにより福岡市を訪れてくれる方々を増やすために、今後、宿泊税を活用して、どのように観光振興に取り組んでいくのかを質問いたしました。そのときも申し上げましたが、宿泊税をより効果的に活用するためには、宿泊税を徴収している宿泊事業者との意見交換もしっかり行いながら、使い道を検討していく必要があると考えております。
今年度、観光振興条例の施行状況の検証が行われた際、市内の宿泊事業者に対するアンケートで「国内を代表するMICE拠点となり、定期的なMICE開催による宿泊需要を増やしてほしい」、「展示会などの定期的な催しは、地域の宣伝効果や周辺地域の経済活性化などに大きなメリットがある」など、観光だけでなく、MICEに対する期待の意見もあったと伺っております。
そこで、MICEについて、福岡市として今後どのように取り組んでいくのかを伺ってまいりたいと思います。
初めに、MICEを開催することで、本市にとって様々な効果があると考えますが、具体的にどのような効果があるのか、お伺いをいたします。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席で行います。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) MICEにつきましては、国内外からの来訪者の滞在や観光に係る消費、主催者の支出等による経済効果に加え、関連する産業や学術の振興、イノベーションの創出のほか、都市のプレゼンス向上などの効果があると考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) MICEは、今答弁にあったように多くの効果が期待でき、福岡市の観光産業を振興するための重要な取組であると考えております。福岡市でMICEが開催され、その効果を享受するためには、福岡市が国内外のMICE関係者から選ばれるまちにならなければなりません。ポストコロナにおいて、ますます都市間競争が激しくなっていると思いますが、それぞれの都市が個性を生かした誘致の取組の一つとして、歴史資産や公共施設などの魅力ある特別な場所で会議やレセプションを開催するという、ユニークベニューの活用があると伺っております。
そこでまず、これまで福岡市において、どのようなユニークベニューの取組が行われてきたのか、お伺いいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 福岡市におきましては、これまで様々なユニークベニューが活用されてきたところでございますが、令和元年6月に開催されたG20財務大臣・中央銀行総裁会議では、市の無形民俗文化財に指定されている飯盛神社の流鏑馬や市内消防団によるまとい振りの披露とともに、美術館企画展示室内で夕食会が開催されたほか、国際会議においては、鴻臚館跡展示館や川端通商店街を会場としたレセプションパーティーが開催されるなど、福岡市の特徴を生かした取組が行われてきたところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) 福岡市では、公共施設や商店街など、積極的にユニークベニューとして活用されてきたことが分かりました。福岡市は、都心部と海や山などの自然が近いというコンパクトシティである強みを持っており、庭園や動植物園、海浜公園や河川などの自然空間があり、それぞれ大変魅力的であると思っております。
これまでユニークベニューとして活用されてきたところも磨き上げていかなければなりませんが、そのような魅力的な場所をもっとユニークベニューとして活用するべきではないかと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) ユニークベニューにつきましては、その質が高ければ高いほど、MICEの主催者や参加者に好評で満足度が高く、MICEの誘致に効果的であると考えております。このため、令和4年度に寺社や公園などの市内の30か所を掲載したユニークベニューデジタルガイドブックを作成して、MICE主催者が参加者の特性を踏まえてユニークベニューを選択できるようにし、誘致に役立てているところでございます。
今後とも、ガイドブックを活用するとともに、魅力的な場所を活用した新たなユニークベニューの開発や利用の促進に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) 次に、MICEの内容について質問してまいります。
福岡市はこれまで、世界水泳やラグビーワールドカップといったスポーツMICEや、ライオンズクラブ国際大会のような海外から大勢の来訪者が集う大規模国際会議、G20財務大臣・中央銀行総裁会議といった政府系会議など、様々なMICEを誘致してきており、都市の知名度向上やスポーツの振興などに寄与してきましたが、現在、市として積極的に進めている分野、例えば水素やスタートアップ、スマートシティ、花や緑、アートといった分野のMICEの誘致にさらに力を入れてはどうでしょうか。市の施策推進にも寄与するため、場合によっては主催していくことがあってもいいのではないかと考えております。
そこで、市の施策に関連する分野のMICEを開催することを、さらに積極的に推進してはどうかと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 福岡市の施策に関連する分野のMICEを開催することは、先ほど答弁いたしました種々の効果に加えまして、その分野のキーパーソンや関連企業とのネットワークを構築することができ、市の施策を効果的に発信することができるとともに、同時に市民参加の関連事業を実施することで、施策に対する市民の理解を促進するなど、議員御指摘のとおり、市の施策を展開する上で大きな推進力がもたらされるものと考えております。今後とも、施策を所管している各局とも連携を図りながら、MICEの開催を促進していきたいと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) 次に、MICE誘致に資する観光名所について質問してまいります。
MICEの開催にその土地を代表するような観光名所があることは、主催者や参加者に選ばれる都市であるための一助になると考えております。しかし、福岡市には観光名所がないという声を聞きますが、都心にも近く、自然にあふれ、市民にも親しまれている福岡城跡を、観光名所としてぜひとも生かしていただき、多くのMICE参加者に訪れてもらえるように取組を進めてほしいと思っています。
そこで、福岡城跡の観光振興にこれまでどのように取り組んできたのか、お伺いいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 福岡城跡におきましては、観光客や市民が石垣、やぐらなどの貴重な文化財を身近に感じることができるよう、修復や復元、説明板や案内サインの改修を行うとともに、夜間も楽しめるよう、園路照明やイベント用電源の整備など受入れ環境の整備に取り組んできたところでございます。また、観光案内ボランティアによるガイドやVRを活用した城郭の再現、着物着つけなどの体験コンテンツの提供、やぐらを活用した集客イベントなど、学びやにぎわいづくりに向けたソフト施策にも取り組んできたところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) 福岡城跡には江戸時代当時の石垣が良好に残っており、城内を巡りながら歴史を身近に感じることができます。また、それらの景観を楽しむための環境整備やコンテンツの提供のほか、広場を生かした民間のイベント等も多く開催されているようですので、今後もにぎわいのある史跡として、集客促進の取組を継続してほしいと思います。
また、福岡城跡にはやぐらや門などが残っていますが、これらの現存する歴史的建造物を活用した取組の状況についてもお伺いいたします。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 福岡城の歴史的建造物につきましては、これまで、やぐらなどの一般公開に加え、国指定の重要文化財である多聞櫓を活用した民間による展示会やワークショップを開催しております。また、ファンウィークでは、令和5年度に下之橋御門や旧母里太兵衛邸長屋門などにおいて、福岡を拠点に活躍するアーティストによる作品の展示など、新たな取組を行ったところでございます。令和6年度末には潮見櫓の復元整備が完了いたしますことから、歴史的建造物を活用する取組を引き続き積極的に進めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) やぐらの活用にも取り組まれているとのことですが、お城といえばやっぱり天守閣ではないかと思います。福岡城の天守閣につきましては、市民の方々の間でもいろいろと話題になっている一方で、天守閣に関する資料が少なく、現状では復元が難しいと伺っておりますが、観光資源としての活用やMICEの誘致という観点で考えると、私は天守閣があったほうが個人的にはよいと考えております。
この質問の最後に、MICE振興に取り組むためにも、福岡城跡について、福岡を代表する観光名所と認識してもらうためにはさらなる活用が必要であると考えますが、御所見をお伺いして、この質問を終わります。
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 福岡城跡につきましては、都心にも近い本市の主要な観光スポットであることから、これまでも城郭の景観形成を進めるとともに、昼夜を問わず訪れたくなるような環境整備にも取り組んできたところでございます。今後とも、天守台や石垣をより一層活用したライトアップを行うなど、福岡城の景観を生かしながら、観光客や市民に対して、さらにその魅力が伝わるような取組を進めることで、MICE振興にもしっかり活用を図ってまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) 次に、子どもアドボカシーについて質問いたします。
福岡市では、令和2年度に第5次福岡市子ども総合計画を策定し、令和6年度までを計画期間として、子育て支援の充実に総合的、計画的に取り組んでこられましたが、計画策定から3年が経過し、これから令和7年度以降の新たな計画策定が始まります。
子どもを取り巻く環境に目を向けますと、虐待やいじめ、不登校、子どもたちの非行といった問題が依然として取り沙汰されております。核家族化やひとり親世帯、共働き世帯の増加に伴い、子育て家庭が孤立しがちであることや、親子のコミュニケーションが不足しがちであるといった社会的な背景もあると思いますが、それに加えて、子どもたちの自己肯定感が昔と比べて低くなってきていることや、子どもたちが自身の考えや思いを人に伝えることができず、知らず知らずのうちにストレスをため込んでいて、それが爆発してしまっていることも要因の大きな一つとなっているのではないかと感じております。
そうした中で、現在の社会情勢をしっかりと見詰め、課題を見落とすことなく、第6次福岡市子ども総合計画にしっかりと課題解決に向けた考えを反映していただきたいと考えております。
まず、第5次子ども総合計画では、5つの基本視点、1、すべての子どもの権利の尊重、2、すべての子ども・子育て家庭の支援、3、支援へのアクセス向上、4、地域や市民との協働、5、社会全体での支援を掲げられていますが、その中の1番目に、すべての子どもの権利の尊重を掲げてある理由をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 子どもの権利の尊重は、国においては、平成28年の児童福祉法の改正により、第1条で、全ての子どもが権利の主体であるという理念が明確化されましたが、福岡市においては、その重要性に鑑み、平成12年に初めて策定した福岡市子ども総合計画から現在の第5次計画まで一貫して、基本的視点の1番目に子どもの権利の尊重を掲げております。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) 計画を見ると、施策15、子どもの権利擁護の推進の方向性として、子どものアドボカシーの推進が掲げられています。
そこで、子どものアドボカシーとはどのような意味を持つのか、また、福岡市では具体的にどのような取組を行っているのか、お尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 子どものアドボカシーは、子どもが自分自身の考えを整理し、意見を表明することを支援したり、子ども本人に代わって意見を伝えたりすることなどとされております。福岡市では令和4年度から子どもの権利サポート事業を実施し、専門的スキルを持つ子どもアドボケイトと言われる第三者が、一時保護所や児童養護施設等において、子どもの意見表明を支援しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) 今の答弁でありました子どもアドボケイトとは、子どもたちが自信を持って自分の気持ちや願いを話せるように、励まし、支援する役割であると聞いております。
そのアドボケイトが活動する子どもの権利サポート事業では、どのような成果が出ているのか、お示しください。また、対象の子どもたちからはどのような反応があっているのか、併せてお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) おただしの件につきましては、まず、令和4年度は6つの施設等において、アドボケイトによる子どもとの面談を274回実施し、子どもから施設等への意見表明が18件ございました。子どもたちからは、アドボケイトに話を聞いてもらえてよかった、施設職員に自分が思っていることを言えてよかったなどの声が上がっております。本事業により、子どもが自分の気持ちや考えを整理することができ、また、施設職員による支援に子どもの意見を反映できたと認識しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) 子どもの権利サポート事業の実施により、施設等に入所している子どもが意見を言うことができ、その意見を基にした支援を実施できているとのことです。とてもよい取組だと感じます。しかし、現状では、子どもアドボカシーの推進は社会的養護の分野に限られており、視点1のすべての子どもの権利の尊重に向けては、まだまだ道半ばであると感じております。もちろん、各局において、ほかにも取組がなされております。例えば、教育委員会においては、学校へのスクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーの配置拡充に努められております。
そこで、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーの役割についてお尋ねをいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) スクールカウンセラーは臨床心理士や公認心理師の資格を有し、児童生徒に対しカウンセリングを行うなど、心理的な支援を行っております。スクールソーシャルワーカーは社会福祉士や精神保健福祉士の資格を有し、保護者や関係機関と連絡調整を行いながら、福祉的な支援を行っております。双方ともに、相談を受ける中で、児童生徒の考えを尊重し、思いを表出する機会を設けておりまして、子どもアドボカシーの推進に資する役割も果たしているものと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) 学校へ心理や福祉の専門家を配置していることは分かりましたが、それでも本市の虐待、いじめ、不登校、少年少女が非行を行い補導されている数は決して少なくないと感じております。
そこで、本市の子どもたちへの虐待やいじめ、不登校、非行件数の過去5年間の推移をお示しください。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) こども総合相談センターにおける児童虐待相談対応件数は、平成30年度1,908件、令和元年度2,449件、2年度2,637件、3年度2,685件、4年度3,057件となっております。次に、非行件数につきましては、福岡県警の調べによる、福岡市内で検挙補導された刑法犯少年の数でお答えいたしますと、平成30年488人、令和元年467人、2年336人、3年296人、4年321人でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 市立の小中学校におけるいじめの認知件数は、平成30年度1,474件、令和元年度2,632件、2年度2,138件、3年度2,736件、4年度3,559件となっております。不登校児童生徒数は、平成30年度1,814人、令和元年度2,505人、2年度2,719人、3年度3,535人、4年度4,400人となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) 本市では、これまで様々な取組をしてきておりますけれども、いじめなどの件数は現状において増加をしております。これまでの対策を充実させながら継続させていくことはとても大切であると考えます。
また、先ほどスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの役割をお答えいただきましたが、子どもアドボケイトとは基本的な役割が違うことが分かりました。これまでの対策にプラスして、子どもアドボケイトが子どもたちのふだんため込んでいる思いや考えていることを聞き、時にはその声を周りの大人たちに伝えていき、改善できることはしていくというシンプルなことにも取り組んでみることも重要と感じております。それが先ほどの子どもの権利サポート事業ではないでしょうか。
そこで、先ほどの子ども権利サポート事業において、本市から委託を受けて活動しているNPO法人子どもアドボカシーセンター福岡のアドボケイトが、本市の小中学校で子どもたちの心の声を聞いてあげるためのワークショップを開催されている事例がありますが、ワークショップはどのような形式で実施されたのか、また、市内の小中学校何校でどれくらいの時間をかけ実施されたのか、お示しください。また、子どもたちの反応はどうだったのか、併せてお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和5年度は、NPO法人からモデル実施の申出をいただきました小中学校6校においてワークショップを実施しておりまして、内容は、児童会や生徒会等の児童生徒を対象に、休み時間を利用して45分程度、自分の気持ちが相手に受け止められる心地よさについて体験するなどの活動を行ってございます。子どもたちからは、ふだん言えないことをはっきりと伝えられてとてもすっきりした、自分の持つ権利を知ることができたなどの声があったと伺っております。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) 子どもアドボケイトによる学校でのワークショップの実施による効果はあると感じましたが、現状は限られた子どもだけが体験をしておりますので、より多くの子どもたちがこのようなワークショップに参加できることが大切であります。
子どもの権利というと誤解をされ、権利ばかりを主張する子どもが増えてはいけません。子どもでも大人でもそうですが、権利と義務や責任は一体で考えるものでありますが、権利という堅い言葉ではなく、子どもアドボカシー、いわゆる子どもが考えを整理し、意見を表明できるということは、一人の人間としてとても大切なことであると強く感じております。
日頃生活をしている中で、子どもたち自身が気づいていないことなども、このワークショップを通して浮き彫りになってくることもあると感じておりますので、教育委員会としても、このような取組を推奨し、各学校へ積極的に周知をしていき、多くの学校にて開催できるよう取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 子どもたちが自分の意見や思いを表明できるようになる取組は大切であると認識しておりまして、各学校においては、各教科や学級活動における対話活動、児童生徒会活動などの場面において、児童生徒が自分の思いや考えを表現する機会を設けております。今後も、各学校へワークショップの周知を行うなど、NPO法人等と連携した取組を進めてまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) このような取組が本市の小中学校にて開催されることで、福岡市子ども総合計画にある視点1、すべての子どもの権利の尊重に向けた大きな前進となるのではないかと考えます。
また、アドボカシーセンターの方々は、子どもたちの思いや考えを否定せずに、丁寧に聞いてくれます。この否定せずに丁寧に聞くということは、とても重要だと感じております。日常生活において、親が仕事や家事等に追われて、子どもの声を丁寧に聞けていない。また、子どもが何か話してきても、すぐにそれは違うなどと、そういうつもりはなくとも、結果的に子どものことを否定してしまっている親や大人たちは少なくないのではないでしょうか。だからこそ、子どもたちの声を聞いてあげる第三者の存在は大きいと思います。そのようなことを鑑みましても、全小中学校にて開催できるよう、NPO法人と連携をして取り組んでいただきますようよろしくお願いいたします。
また、子どもが意見を表明しても、親をはじめ、周りの大人たちが子どもの権利というものをちゃんと理解していなければ、先ほど申しましたが、子どもが意見を言ったとしても、単なるわがままとして受け取られてしまう可能性があります。
そこで、保護者や地域の方々に向けた講演会を実施することも大切だと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) NPO法人等がPTAや教職員、地域の方々、子どもの支援に携わる関係者などを対象に、子どもの権利に関する講演会を学校や公民館等で開催しておられますけれども、福岡市としても、こうした機会は大変重要であると考えており、NPO法人等とのさらなる連携について検討してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 稲員稔夫議員。
○4番(稲員稔夫) 新型コロナウイルス感染症は5類に移行しましたが、換気のために寒い日も窓を開けて授業を実施している学校や、一時的に黙食を行っている学校もあると聞いております。インフルエンザ警報が出されるほど、今大流行していることもあり、学校の状況に応じて感染対策をされているのかもしれませんが、このようなとき、大人であれば様々な意見が出てくるのではないでしょうか。しかし、子どもたちは何も言えず、ただ受け入れることしかできておりません。
冬に窓から冷たい風が入ってきて、寒さに震えながら授業に集中できているのでしょうか。食事をしながらコミュニケーションを取ることは重要なことなのに、子どもたちがかわいそうだと思います。コロナ禍であれば分かりますけれども、現在、通常の生活ができる今、このようなことに対して、子どもたちから様々な声が上がってきてもよいのではないでしょうか。もちろん、わがままは慎まなければなりませんが、子どもたちが自分の意見や思いなどをため込まずに表明できることはとても大切であり、これはいじめや不登校、そうしたことを減少させていく一つ、大きな力にもなるのではないかなと感じております。子どもたちが自分たちも意見を表明していいんだという認識を持てるように、同時に、子どもたちの声にできない声を聞き取り、その子たちの声が社会に届くようなさらなる仕組みをつくっていくためにも、行政と様々な機関の連携をより強くし、施策の実施をしていっていただきたいと思います。
最後に、これから第6次福岡市子ども総合計画の策定に着手されます。子どもたちの自己肯定感を高めていけるように、そして、子どもたちが子どもらしく生き生きと生きていけ、全ての子どもたちが一人の人として尊重される福岡市にすべく、また、そのためにも、親を含む全ての大人たちが、子どもも一人の人間であるということをしっかりと理解し、行動でき、全ての子どもたちが大切にされる社会にしていくべく、新たな計画の策定に向けた荒瀬副市長の意気込みをお尋ねいたしまして、私の質問を終わります。
○議長(打越基安) 荒瀬副市長。
○副市長(荒瀬泰子) 全ての子どもは未来をつくっていくかけがえのない存在であり、社会を構成する一員として、子ども自身の意見が尊重されることは大変重要であると認識しております。福岡市はこれまで、こども総合相談センターによる24時間の電話相談に加え、昨年度から、GIGAスクール端末を活用し、全ての子どもが悩みや不安を気軽に相談できるこどもタブレット相談を開始するなど、子どもたちが声を上げやすい環境を整えてまいりました。また、児童養護施設等で養育されている子どもに対しては、長年、子どもの権利の尊重に関わる活動を行っているNPOと連携し、全国に先駆けて、アドボケイトが定期的に施設等を訪問して、子どもの意見表明を支援するなど、子どもたちが心身ともに成長できるよう支援を行ってきたところでございます。次期子ども総合計画の策定に当たりましても、市民、地域、学校、NPOなど様々な主体と連携しながら、全ての子どもが夢を描けるまちを目指し、しっかりと取り組んでまいります。
○議長(打越基安) この際休憩し、午後4時15分に再開いたします。
午後4時5分 休憩
午後4時15分 開議
○副議長(松野 隆) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。
この際、あらかじめ時間を延長いたします。淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎)登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表して、通学路の交通安全対策とコミュニティ・スクールについて、姪浜駅と橋本駅間における交通環境の改善についての2点について質問をいたします。
初めに、通学路の交通安全対策とコミュニティ・スクールについてお尋ねをいたします。
全国では、通学中の交通事故などにより、子どもたちの命が危険にさらされる事案が相次いで発生しております。通学路においては、これまでにも平成24年4月に京都府亀岡市で登校中の小学生の列に無免許運転の自動車が突入し、児童2人と子どもに付き添っていた女性の合わせて3人が死亡、7人が重軽傷を負うという事故が発生いたしました。また、令和3年6月には千葉県八街市において、下校中の小学生の列に飲酒運転のトラックが突っ込み、5人が死傷する痛ましい事故が発生するなど、子どもたちの安全が脅かされる事案が起こっております。
このように、交通事故の情勢は依然として厳しく、通学路の安全確保のための対策は、子どもたちが安心して通学することができ、学校生活を送るために欠かせない重要な課題であります。かけがえのない子どもたちの命と安全を守るためには、国や地域レベルの関係機関が連携体制を強化することはもとより、通学中の子どもたちが巻き込まれる交通事故等を防止するための施策を講ずるとともに、学校だけではなく、地域全体で子どもたちが安心できる環境づくりに取り組むことが極めて重要であると考えます。
そこでまず、通学路の交通安全対策について、福岡市の取組内容をお尋ねいたします。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 平成27年3月に策定いたしました福岡市通学路交通安全対策プログラムに基づきまして、教育委員会では通学路の危険箇所について学校からの報告を受けており、それらを基に、学校、保護者、地域、警察、道路管理者、教育委員会等の関係機関が連携して、毎年通学路の点検をするとともに、防護柵の設置や路側帯のカラー化、横断歩道の設置や、交通安全の指導等の安全対策を推進いたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 福岡市通学路交通安全対策プログラムを基に、学校から報告された危険箇所を関係機関が連携して点検し、様々な対策に取り組まれているという全体的な流れについては理解をいたしました。
では次に、福岡市通学路交通安全対策プログラムに基づき、要望があったこれまでの危険箇所数と対策の進捗状況をお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 平成27年度から令和4年度までの間に対策が必要な箇所として436か所を確認しておりますが、そのうち、道路管理者や交通管理者、学校等により、令和5年3月末時点で373か所の対策が完了いたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 毎年、通学路の交通安全対策が行われ、おおむね対策が完了しているとのことで、子どもたちの通学環境が徐々によくなってきているとのことでありますが、私が過去に小学校のPTA会長を務めていたとき、保護者の方々から通学路の改善に対する相談を受けることがありました。
先ほどの答弁では、学校から通学路の危険箇所を教育委員会に報告されているようでありますが、そもそも学校は通学路の危険箇所をどのように把握しているのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 各学校では、PTAや交通安全推進協議会などの地域の方々からいただいた情報などにより、危険箇所を把握しております。また、子どもの視点から見た校区内の危険箇所も反映させた上で、通学路安全マップを作成し、交通安全指導に活用いたしております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 毎日、通学路を利用している子どもたちや見守り活動を行っている保護者、地域の方々が感じた具体的な危険箇所を学校が把握することは大切であります。しかしながら、私自身も地域の一員として、多くの方と話をする機会がありますが、通学路の危険箇所を伝える方法を御存じない保護者の方が多いと感じております。特に、道路の新設やマンションの新規建設など、新しく開発された地域や校区が再編された新設校周辺では、通学路に危険箇所があっても、保護者の方がどのように伝えてよいか分からないといった声をお聞きいたします。
そのため、各学校が保護者や地域の方々から広く情報を収集し、今以上に地域全体で通学路の交通安全対策を行っていくべきと考えておりますが、御所見をお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 通学路は、児童生徒が登下校の際、毎日利用する経路でございまして、その安全確保は大変重要でありますことから、今後とも、PTAや地域の方々から広く情報を収集することにより、危険箇所の把握に努めてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) ここまで答弁いただいたように、福岡市通学路交通安全プログラムに基づき、保護者や地域の意見も聞きながら取り組まれているということが分かりました。通学路の交通安全対策には、子どもたちの安全をボランティアで担っていただいている地域やPTAの方々のお力が欠かせません。しかしながら、地域やPTA活動の中で、そのような担い手が不足している現状から、既存の取組が今後も維持できるかどうか、私自身は心配しているところであります。これからも、学校、地域、保護者が連携して、通学路の交通安全対策を進めていってほしいと思っております。
では、通学路以外ではどのように交通安全対策に取り組んでいるのでしょうか。通学路以外でも、就学前の幼児や高齢者、地域住民の交通事故を未然に防止するための交通安全対策が必要です。幼児や高齢者にも安全な道路交通環境にするためカーブミラーを設置してほしい、横断歩道の塗装が薄くなってきているので補修してほしい、そういった要望は多いのではないかと思います。地域においては、どこに言えばいいのか、どうすればいいのか分からないという人もいらっしゃるのではないかと思います。
そこで、通学路以外で地域が校区内の交通事故多発箇所や危険箇所等の改善を求める場合、どのような手続が必要になるか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 地域の交通対策につきましては、まず、自治協議会などから交通安全施設の整備や交通規制の実施といった要望を区交通安全推進協議会の事務局である区役所へ提出いただいております。区役所では地域の要望内容を確認の上、カーブミラーや路面標示などについては所管する道路管理者へ、横断歩道や信号機、交通規制などについては県公安委員会へ要望を行っております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 通学路以外でも、交通安全対策について地域の声を聞く仕組みがあるということであります。もちろん、地域の要望を全てかなえるということは不可能ということは十分に承知しておりますが、地域の交通安全に大きな役割を果たすものであることから、地域における認知度を高め、通学路交通安全対策プログラムとともに保護者への周知を図り、交通安全対策に取り組んでいただきたいと思います。
特に通学路交通安全対策プログラムについては、知らない保護者も多数いらっしゃいます。そのことにより、学校によっては、保護者や地域の要望が十分に届いていない状況であるともお聞きをしております。各学校において、PTAや地域の会議などで、再度しっかりと周知していただくことを要望しておきます。
これまでの答弁で、通学路や通学路以外の交通安全対策について伺ってきました。保護者や地域の方々が通学路の交通安全対策に主体的に関わることが、地域の安全、ひいては子どもたちの安全につながっていくものと考えます。
今後の通学路の交通安全対策について、教育長の意気込みをお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 児童生徒の貴い命を守るため、通学路の安全確保は大変重要と考えております。今後も、福岡市通学路交通安全対策プログラムに基づき、学校、保護者、地域の方々、関係機関が連携して合同点検や必要な対策に取り組むこととしており、このプログラムを広く周知しつつ、安全対策の取組を推進してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) ここまで通学路を中心に、子どもたちの交通安全対策についてお尋ねをしてきました。今後も、子どもたちの安全を守っていくためには、地域と学校との連携をより深めて、学校の安全対策に地域住民や保護者の意見を反映させていくことが必要だと考えます。
そこで、地域の学校への関わり方について調べたところ、近隣の春日市や宗像市などでは、コミュニティ・スクールという制度を導入しているようですが、コミュニティ・スクールとはどういったものなのか、その制度概要をお示しください。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 地方教育行政の組織及び運営に関する法律では、地域住民等が一定の権限と責任を持って学校運営に参画する学校運営協議会の設置に努めるものとされてございますが、コミュニティ・スクールとは、学校と地域住民等が力を合わせて学校の運営に取り組むことを目的として、当該学校運営協議会が設置された学校をいうものとされてございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) コミュニティ・スクールの内容については分かりました。学校運営協議会を設置することで、学校と地域住民が協議し、力を合わせて学校の運営に取り組む制度ということであります。
では、コミュニティ・スクールにおいて、通学路の安全確保など、学校における安全対策についても協議の対象となるのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 学校運営協議会は、学校の運営や運営に必要な支援に関して協議する機関とされておりまして、学校における安全対策についても協議の対象になるものと考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 安全対策についても協議の対象となるとのことであります。子どもたちの安全といえば、通学路などの交通安全だけではなく、防犯や防災もあります。こういったテーマも幅広く協議の対象とすることで、学校においても地域においても意識が高まり、子どもたちの安全、安心につながっていくのではないかと思います。
さらにお尋ねをいたしますが、このコミュニティ・スクール制度について国はどのような方針なのか、お示しください。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和5年6月に策定されました国の第4期教育振興基本計画におきまして、全ての公立学校に地域と連携、協働する体制を構築するため、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的な取組を一層推進するとされてございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 国はコミュニティ・スクールの導入を進めているとのことであります。
それでは、全国においてコミュニティ・スクールの導入はどの程度進んでいるのか、また、福岡県ではどうなのか、導入状況についてお尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 文部科学省の調査によりますと、令和5年5月1日時点で、公立学校におけるコミュニティ・スクールの導入率は全国で52.3%、福岡市、北九州市を除いた福岡県域では58.5%となっております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 全国では約5割、福岡県では約6割の学校で既に導入されているとのことであります。
それでは、既にコミュニティ・スクールを導入した学校ではどのような成果があったのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 文部科学省の調査によりますと、学校と地域が情報を共有するようになった、地域が学校に協力的になったなどが導入の効果として挙げられております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 導入した学校では、学校と地域の関係で一定の成果があったとのことであります。
では、福岡市はコミュニティ・スクールの導入に関して、現在どのように考えているのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 福岡市では、既に全ての市立学校に、学校教育法施行規則に基づく学校評議員制度であります学校サポーター会議を設置しておりまして、安全対策を含む学校運営について保護者や地域住民等と意見交換を既に行っております。その上で、学校運営協議会を核とするコミュニティ・スクールを導入していくことが、学校に対する地域の協力を得る観点などから、福岡市においても効果的かどうかなど、今後整理を行っていきたいと考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 確かに、福岡市には学校サポーター会議の制度があり、私もPTA会長として参加をしていました。サポーター会議も地域住民や保護者から意見をもらえるということで、学校にとって有意義な制度だと思いますが、有効に機能している学校と、そうでない学校があると思います。今後、より一層、子どもを取り巻く環境が複雑になっていく中で、学校と地域が意識を変えて連携を深めていくためには、コミュニティ・スクールを導入することも一つの手法ではないかと思います。
先ほどの答弁では、今後整理を行っていくとのことでありました。整理すべき課題はいろいろあると思いますが、全国の半数以上の学校で導入され、国も推進しているコミュニティ・スクールについて、他都市の事例も踏まえながら、導入に向けて取組を進めていただきたいと考えますが、この質問の最後に、教育長の御所見をお伺いして、この質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 学校と地域の連携強化は大変重要と考えておりまして、これまでも学校サポーター会議において、地域の方々から学校運営に関する意見や助言をいただくとともに、この会議の場などを通じて学校評価も行っていただいているところでございます。コミュニティ・スクールの導入につきましては、先行自治体の状況も参考に、導入に伴う効果や課題を整理しながら、検討を進めていきたいと考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 次に、姪浜駅と橋本駅間における交通環境の改善についてお尋ねをいたします。
西区には、重要な交通結節点として姪浜駅と橋本駅があります。しかしながら、当該駅間は鉄道でつながっておらず、公共交通における主な連絡手段は、路線バスのみとなっております。路線バスは外環状道路等の渋滞に伴う遅延など、決して利便性が高いとは言えず、そのような交通の環境について不便に感じているという地域の声は、相変わらずよく耳にいたします。
姪浜駅から橋本駅間の公共交通機関のさらなる連携強化を図るためには、姪浜駅や橋本駅などの交通結節点の機能強化はもとより、当該駅間を結ぶ道路環境の向上や公共交通機関の利便性は必要不可欠であると思います。
そうした観点から、両駅の駅前広場における現状や取組、また、現状の公共交通機関の利便性向上に向けた取組などを伺ってまいります。
昨年の9月議会において、姪浜駅前広場の利用環境向上に向けた取組について伺いました。その際、姪浜駅南側駅前広場においては、中央部に一般車の乗降場が設置されており、駅舎までの動線上に段差があることや、一般車の乗降場が駐車場として長時間利用されているため、乗降場が満車の際には、多くの一般車が駅舎側の道路上に停車し、バス等の通行に支障を来しているなど課題があり、利用環境向上の検討を行っていくとの答弁がありました。
そこで、まず初めに、姪浜駅南側の駅前広場において、この1年でどのような検討と対策を行ってきたのか、お伺いをいたします。
○副議長(松野 隆) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 姪浜駅南側駅前広場につきましては、一般車乗降場が駐車場として長時間利用されることなどにより、満車時に多くの一般車が通行車線上に停車し、路線バスなどの通行に支障を来している状況が見受けられることから、注意喚起の看板を設置するとともに、駅周辺の駐車場と比較して割安な一般車乗降場の駐車料金について見直しの検討を行っているところでございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) この駅前広場には私も頻繁に行って、市民の皆様からお話を聞いているところでありますが、その際、市民の方から、駅前広場が混雑しているとの話をよく聞きます。私が広場内の状況を見たときに、一番の課題は、タクシー乗降場に車が停車している状況で、その横の通行車線上に一般車が停車する、いわゆる二重停車による通行障害だと思います。特に雨の日は、乗降場が満車でなくても駅舎まで遠い乗降場を利用する方は少なく、駅舎に近い道路上で乗降しているのが現状であります。
そこでお尋ねしますが、二重停車も含めた駅前広場の課題に対して、どのように対応していくのか、お伺いをいたします。
○副議長(松野 隆) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 一般車乗降場の駐車料金の見直し検討を引き続き行うとともに、新たに通行車線上での二重停車の防止を図るための改良に加え、一般車乗降場から駅舎までの動線上における段差解消などに取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 二重停車への対応など、まずは喫緊の課題に対する対応を急ぎ進めてもらいたいと思いますが、より効果を発揮するためには、将来的に抜本的な改良を検討すべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 現在検討している対策を実施し、その効果を検証した上で、さらなる改良の必要性も含め、検討を行ってまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 姪浜駅は西区の重要な交通結節点であるため、利用環境向上に向けた対策など、利用者の皆様が安全で快適に移動できる環境づくりのためにも、効果の検証等をしっかり行うことを要望しておきますが、短期的にやるということはありがたいことなんですけれども、私の個人的な考えですけれども、短期的な改善であるとなかなか改善できないと思うんです。ぜひ抜本的な改良についても早急に検討を進めてもらうよう、強く要望しておきます。
次に、もう1つの主要な交通結節点である橋本駅の駅前広場について聞いていきたいと思います。
こちらも昨年の9月議会で質問し、令和5年度から整備を進めていくと聞いておりましたので、改めて整備の概要や現在の進捗状況について伺っていきます。
橋本駅は、目の前に大型商業施設が立地し、南側では橋本駅前土地区画整理事業による西区の新しい拠点となるまちづくりが進められております。こうしたまちづくりにより、さらなる活性化が見込まれる橋本駅の駅前広場においても、交通結節点としての機能が期待されています。
また、駅を利用する市民の方には自転車で駅まで来られる方もおられますが、駅周辺では、まちづくりの進展に合わせて、駅前広場同様、既存の自転車駐車場についても再編が行われるようであります。橋本駅は終着駅であり、駅を中心とした結節機能の強化は重要であると考えております。
そこでお尋ねをいたしますが、橋本駅前広場及び自転車駐車場において、どのような整備を行うのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 橋本駅前広場につきましては、分散している駅前広場を集約し、バス、タクシー、一般車の乗降場に加え、新たにオンデマンドバス壱岐南のるーと専用の乗降場を設置するとともに、乗降場に至る歩行者の動線上に、雨にぬれずに快適に乗り継ぎができるようシェルターを設置いたします。自転車駐車場につきましては、駅周辺に分散している既存の自転車駐車場を集約し、駅前広場に隣接して、約900台収容の有料の自転車駐車場として再整備いたします。また、駅前広場と自転車駐車場におきましては、サイン等に分かりやすいピクトグラムを併記するなど、認知症の人をはじめ、あらゆる人に分かりやすいデザインでの整備に取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 次に、橋本駅前広場及び自転車駐車場整備における現在の進捗状況についてお伺いをいたします。
○副議長(松野 隆) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 橋本駅前広場の整備につきましては、令和5年8月に工事着手しており、6年春の完成を目指しております。自転車駐車場の整備につきましては、令和6年度に工事着手し、7年春の完了を予定しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 乗降場やシェルターなどの整備は、利用する方の利便性向上のため、必要不可欠であると思います。また、地下鉄からバスやタクシーへの乗り継ぎの強化、さらには駅から壱岐南エリアへのオンデマンドバスのるーとの乗り場の設置などは、周辺地域の方々の利便性向上を図る大切な取組であると認識しております。
自転車駐車場についても、必要台数を確保し、より利用しやすいものとなるような再整備をお願いしておきます。
橋本駅は、現在整備中であるとのことですので、乗降の面など、交通混雑が発生しないような対策など、できる限りの対応をお願いするとともに、予定どおりの完了を目指し、進めていただきたいと思います。
これまでの答弁で、姪浜駅や橋本駅の駅前広場などについては、引き続き、交通結節機能の向上に向けた取組が進められていくということが分かりました。
次に、姪浜駅と橋本駅間の交通アクセス強化について伺ってまいります。
現在、都市交通基本計画の改定に向けた検討を進めるに当たって、交通に関する市民の意見を募集されたと伺っておりますが、姪浜駅と橋本駅間の交通について、市民意見にはどのようなものがあるのか、お示しください。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 都市交通基本計画の改定に向けて実施した交通に関する市民アンケートでは、姪浜駅と橋本駅を地下鉄でつなげてほしいといった意見が寄せられております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 市民の意見では、姪浜駅と橋本駅をつないでほしいという声が寄せられているとのことですが、現状においては路線バス等が主な移動手段となるため、路線バスの利便性向上や、路線バス等の速達性、定時性の向上に向けた道路ネットワークの強化が早急に取り組むべき課題であると考えております。
そこでまず、路線バスの現状について確認していきたいと思います。
今、姪浜駅から橋本駅を経由して野方、金武方面へつなぐバス路線がある一方で、ほぼ同じルートで橋本駅を経由しない路線もあるようですが、バスの現状について、橋本駅を経由するものと経由しないものの、おのおのの便数についてお尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) まず、姪浜駅から橋本駅を経由する路線バスですが、往復で平日が約50便、土日祝日が約40便、また、橋本駅を経由しないものは、往復で平日が約90便、土日祝日が約70便でございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 姪浜駅と橋本駅間を結ぶ路線バスはあるようですが、先ほど申し上げたように、遅延などにより決して利便性が高いとは言えない中、当該駅間の路線バスによる連携強化は非常に重要であると考えます。
そこでお尋ねをいたします。バスを橋本駅経由にするなどバス路線の充実を図るべきではないかと考えますが、御所見をお尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 交通事業者から、運転士不足の状況を踏まえるとともに、七隈線延伸によるバスの利用状況や橋本駅周辺の開発状況などを注視していくと聞いておりますが、引き続き交通事業者に働きかけてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 当該駅間のバス路線の充実については状況を注視していくとのことですが、引き続きバス事業者に働きかけていただきたいと思います。また、バス路線を充実させても、走行する道路が混雑していては、バスの定時性や速達性が低く、市民にとって利便性がよいものとはなりません。私は昨年、姪浜飯盛線の福重交差点から橋本二丁目までの未整備区間約0.8キロメートルを早急に進めていくべきであるとし、当局からは、当該道路を道路整備アクションプラン2024に位置づけているため、調査、検討を進めていくと答弁がありました。前回の質問から1年ほどしかたっていないので、検討の大きな進展はないと認識していますが、姪浜飯盛線の未整備区間の早期整備は、地域住民も強く望んでいるところであります。姪浜駅から福岡外環状道路を経由し、橋本駅に向かうバスルートでは、地元住民から、バス停で待っていてもなかなか時間どおりに来ないといった声も聞こえてきます。
そこで、姪浜駅と橋本駅間のバスルートにおける現在の道路の交通状況について、当局はどのような課題認識を持っているのか、お伺いをいたします。
○副議長(松野 隆) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 国道202号福岡外環状道路の外環西口交差点、橋本西交差点及び姪浜飯盛線の福重交差点につきましては、福岡県交通渋滞対策協議会において、主要渋滞箇所と選定されており、横断歩道を通行する歩行者等による左折車両の滞留や商業施設へ入出庫する車両による交通混雑など、道路交通上の課題があると認識しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) これまで当局が答弁した道路交通の混雑状況を踏まえると、福岡外環状道路と並行する姪浜飯盛線の福重交差点から橋本二丁目までの未整備区間約0.8キロメートルの整備により、福岡外環状道路の交通混雑が緩和され、アクセス向上が図られることから、この道路を早期に整備する必要があると考えます。
そこで、姪浜飯盛線の整備に向けた今後の取組についてお尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 福重交差点から橋本二丁目までの未整備区間につきましては、道路整備アクションプラン2024において調査、検討路線に位置づけていることから、財政状況を踏まえた事業実現性や、橋本駅前土地区画整理事業の動向などを勘案しながら、引き続き調査、検討を進めてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 財政状況を踏まえてということですが、それでは、事業費はどの程度になると想定しているのか、お尋ねをいたします。
○副議長(松野 隆) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 姪浜飯盛線につきましては、現在、周辺道路における交通状況の調査や、橋本駅前土地区画整理事業に伴う交通状況の変化を踏まえた整備効果の検討を進めており、今後、整備費用を含め、費用対効果なども検討してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 淀川幸二郎議員。
○3番(淀川幸二郎) 都市計画道路姪浜飯盛線は、福岡市道路整備アクションプラン2024において調査、検討路線に位置づけられていることから、事業費の算定などを早急に進め、スピード感を持って取り組むとともに、事業実施に向けて、引き続き、しっかりと検討していただくように要望をしておきます。
これまで、姪浜駅や橋本駅などの交通結節点の機能強化、両駅間を結ぶ姪浜飯盛線の早期整備、バス路線の充実について確認してまいりました。これらの取組をしっかりと進め、両駅間の交通環境改善に取り組んでいただきたいと思います。
また、事業費や採算性などといった課題はあると思いますが、市民意見にもあるような、将来的には両駅間を鉄道などでつなぐということも考えてもよいのではないでしょうか。現在、市基本計画と併せて、都市交通基本計画の改定に取り組まれており、将来の交通がどうあるべきか、これから検討が進められると聞いております。
都市交通基本計画の改定を機に、姪浜駅と橋本駅間の将来を見据えたアクセス強化についても検討してもらいたいと思いますが、最後に、島市長の御所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市は都市的な魅力と豊かな自然環境が調和したコンパクトな都市を形成しており、これらの強みを生かした交通ネットワークや持続可能な生活交通の確保など、福岡市の新しい交通マスタープランの策定に取り組んでいるところでございます。今後とも、多くの市民をはじめ、議会の皆様や交通事業者、有識者からの御意見を伺うとともに、事業の実現性なども踏まえながら、将来の交通の在り方について検討を進めてまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) 大沢めぐみ議員。
○35番(大沢めぐみ)登壇 日本維新の会福岡市議団を代表し、福岡が若さとチャレンジ精神にあふれた都市であり続けるために何をすべきか、福岡に国際金融機能を集積させ、継続的にイノベーションを生み出し続けていくためには何が必要か、この観点から、国際金融都市に向けた取組について今回質問をさせていただきます。
初めに、福岡市における国際金融機能の誘致に関するこれまでの取組についてお伺いをいたします。
以上で、1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 国際金融機能誘致については、産学官によるオール福岡の推進組織TEAM FUKUOKAを設立し、会員それぞれが強みを生かして、国際金融機能の誘致やビジネス環境、生活環境の整備などに取り組んでおります。福岡市はその一員として、外資系金融機関を対象としたプロモーションや、拠点設立に係るワンストップ相談窓口の設置、拠点開設費用などを助成する立地交付金制度の活用などにより誘致活動を行っております。その結果、TEAM FUKUOKAでは設立から3年で国内外から23社を誘致しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大沢めぐみ議員。
○35番(大沢めぐみ) 企業誘致においては、行政がリーダーシップを取りつつ、民間やアカデミックの力を借りる必要があります。ぜひとも引き続き、TEAM FUKUOKAを核とした国際金融機能の誘致を継続いただければと思います。
また、TEAM FUKUOKAの御尽力に加えて、福岡という土地のポテンシャルも、私は企業誘致の一つの重要な要素ではないかと考えております。
この点につきまして、東アジアのビジネスハブとしてのポテンシャルについてどのような強みを福岡が持つか、御見解をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 福岡市の強みについては、アジアに近い地理的優位性、豊かな自然と充実した都市機能がコンパクトに整った生活の質の高さ、豊富な人材、全国有数のスタートアップ都市であることや、東京、大阪などの主要都市との同時被災リスクが低いことなどであると考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大沢めぐみ議員。
○35番(大沢めぐみ) 御答弁いただきました福岡の強みについては、私も同じ認識を持っております。ここで海外企業の立場に立ってみますと、日本に進出するというのは、異なる言語、異なる法律、異なる商慣習の中で事業を行うということになります。
こういった状況の海外企業に対して、福岡市として、現状どのような取組をしているのか、また、取組を進める上での課題についてはどのように認識をされているのか、お尋ねいたします。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 福岡市では、進出を検討している外資系金融機関などを対象に、多言語で拠点設立に係るサポートをワンストップで行うグローバルファイナンスセンターを開設し、ビザの取得や補助金、法人口座の開設に関する案内、相談内容に応じた専門家や関係機関の紹介などを行っております。また、進出した海外企業からは拠点設立後、速やかにビジネスを行えるよう、金融ライセンスの取得や地元企業とのビジネスマッチングなどのサポートも求められております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大沢めぐみ議員。
○35番(大沢めぐみ) 外資系金融機関等を対象に、多言語で拠点設立に係るサポートをワンストップで行うグローバルファイナンスセンターを設置しているとのことでございます。私も質問に先立ちまして、こちら調べさせていただきましたが、ウェブサイトに中国語がなく、日本語と英語のみであること、ウェブで動画検索をすると、東京のユーチューブ動画がヒットするものの、福岡のグローバルファイナンスセンターへ誘導する動画等がなかったことなど、まだまだ課題があるようにも感じております。外国企業にとって、多言語のワンストップサービスは大変魅力的だと思いますので、引き続きサービスの拡充及びPRを検討いただければと思います。
次に、海外企業からは拠点設立後、速やかにビジネスを行えるよう、金融ライセンスの取得や地元企業とのビジネスマッチング等のサポートも求められているということでございます。本市では、AI、IoT及びDX関連事業者のビジネスマッチングとして、福岡DXコミュニティを公益財団法人九州先端科学技術研究所と運営していると思いますが、例えばこのスキームを金融分野にも拡大するなどの施策も有効なのではと考えます。
本市においては、この誘致企業から求められるビジネスマッチング等のサポートをどのように行っていくのか、御所見をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) TEAM FUKUOKAにおいて、オール福岡でビジネス環境を整えるとともに、進出企業のスムーズな事業開始を支援しているところでございますが、引き続き、様々な機会を捉えて、地元企業とのビジネスマッチングを促進するなど、進出先としてさらなる魅力向上を図りたいと考えております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大沢めぐみ議員。
○35番(大沢めぐみ) ぜひともさらなる魅力向上のための具体的な取組をよろしくお願いいたします。
次に、企業が事業を行う際には、様々な手続や申請が必要になることもあり、許認可に時間を要するケースもあります。特に金融事業に対する許認可は、手続が煩雑かつ長期化する傾向にあります。ガイドラインでは半年程度とされていても、実際には一、二年の期間を要するケースもあり、実質的に事業を行う障害となる話も聞きます。福岡としてサポートすべきことはしっかり行っていくと同時に、国が行うべき規制緩和についても、福岡が率先して、国に働きかけていく必要があります。受け身で国の規制緩和を待つのではなく、福岡が国際金融のフロントランナーとして、国に対して積極的に働きかけていく、そのような動きを今後ともよろしくお願いいたします。
それでは次に、海外企業の誘致に関して、誘致企業数などの目標値があればお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 第9次福岡市基本計画において、情報関連産業などの成長分野や、本社機能の進出企業数の目標値を年間55社、うち外国企業及び外資系企業17社と設定しております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大沢めぐみ議員。
○35番(大沢めぐみ) 現状、様々な企業に福岡を事業拠点として選んでいただいているということでございまして、私からぜひお願いしたい点といたしましては、福岡へ支店ではなく、やはり本社を誘致いただきたいということです。支店を置いていただくだけでも、もちろん雇用と事業機会は生まれますけれども、本社を置いていただくことで、より多くの雇用と事業機会が生まれ、福岡市としても税収の向上につながります。
さてここで、国際金融都市OSAKAを掲げ、金融系外国企業等の誘致を進めている大阪に目を向けてみたいと思います。大阪におきましても、福岡と同様にワンストップ相談窓口の設置や補助金の交付を行い、金融系外国企業等の誘致を進めております。また、福岡よりも踏み込んだ支援として、大阪府、市が海外資本の金融機関に対して税優遇を条例化、法人事業税、法人府民税、法人市民税を最長10年間全額控除という施策を先月11日から開始いたしました。さらに大阪は、英語のみで行政対応が完結できるよう、資産運用特区を検討していることを明らかにしております。
特区制度につきましては、現在、国で制度設計をしている段階かと思いますが、福岡が金融系外国企業にとって、より魅力的な投資先となるためには、福岡としても独自の施策を打ち出す必要があると考えます。例えば、福岡市は日本で唯一、国の制度であるスタートアップ法人減税に併せ、福岡市独自の市税の減税措置として、法人市民税の法人税割を最大で全額免除する制度を導入している市であります。
現状は、医療、国際、農業、一定のIoT、先進的なITといった分野にて革新的な事業を行う法人に対して、最大5年間の法人市民税の全額免除を行っておりますが、金融業はその対象となっておりません。私は、都市間競争に勝つ福岡市モデルとして、国内外の資本を問わない本市独自の既存制度のスタートアップ法人減税の対象に、金融業を加えるべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 現在、国において、資産運用立国に関する政策プランを検討されているところでございまして、税制を含めどのようなプランとなるか注視してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 大沢めぐみ議員。
○35番(大沢めぐみ) 福岡に金融の拠点を検討する企業からすれば、税の優遇があるということ、また本市の全国で先行するスタートアップ企業との連携、さらには天神ビッグバンでのハードの更新が進んでいるということは、最大のアピールポイントになります。
先日、報道がありましたように、既に福岡に進出をしているM−DAQを通じて、他国通貨のまま株式の売買を可能にさせるなど、これまでの金融ブローキングビジネスのみの金融業だけではなく、福岡が得意とするスタートアップとの連携による新たなフィンテックビジネスや、福岡発のスタートアップユニコーンの創出に私は期待をしております。
現行の先進的な制度に、本市として重要成長産業と位置づけ、誘致活動をしている金融業を対象拡大することが望ましいのではないかと思っておりますので、ぜひとも早期実現をお願いいたします。
私が勉強させていただいた九州大学ビジネス・スクールでは、アジアで新たな事業価値を創造する国際的なビジネスプロフェッショナルを育てるという理念を掲げていたこともありまして、アジアの企業の動向は卒業後も注目をしてまいりました。シンガポールや上海の金融先端都市に加え、東南アジアの新興国でも、金融やフィンテックの分野でイノベーションが多く起きております。アジアの活力を福岡が取り込み、福岡が未来志向のまちであり続けるためには、国際金融機能を誘致し、金融のハブ機能を持つということが極めて重要な施策と理解しております。近年、金融としての発展が著しい中国の深セン、UAEのドバイ、マレーシアのクアラルンプール、インドのグジャラート、ガンジーナガル、カザフスタンのヌルスルタンなど、いずれの都市も政治主導で企業誘致を促進し、成功を収めております。
最後になりますが、福岡が若さとチャレンジ精神にあふれた都市として成長し続けるため、島市長のリーダーシップの下、国、そして県を牽引していただき、ぜひ、国際金融機能の誘致に引き続き御尽力をいただきたいと思っております。
市長としては、国際金融機能の誘致とともに、来年夏に国がパッケージを公表する資産運用特区へ立候補していくのか、またその場合、国際金融機能の誘致のために、他都市とどのように戦うのか、島市長に現時点でのビジョンをお尋ねし、私の質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 島市長。
○市長(島宗一郎) 国際金融都市に向けた取組につきましては、産学官が一体となったTEAM FUKUOKAを設立し、3年間で国内外から23社の誘致に成功するなど、着実に成果を上げているところでございます。引き続き、TEAM FUKUOKAとしてスピード感を持って誘致活動を進めるとともに、現在、国で検討されている資産運用特区についても、誘致の促進や金融機能の強化に資する内容であれば、指定の獲得を前向きに検討してまいります。今後とも、世界から選ばれる都市を目指して国際金融機能誘致に取り組み、福岡市でグローバルな人材が活躍し、継続的にイノベーションが生まれ、福岡にいながら夢や希望をかなえられる、そんな国際都市の実現に向けてチャレンジをしてまいります。以上です。
○副議長(松野 隆) この際、休憩し、午後5時15分に再開いたします。
午後5時5分 休憩
午後5時15分 開議
○議長(打越基安) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行)登壇 皆様お疲れさまでございます。私は公明党福岡市議団を代表し、学習障がいのある児童生徒への取組について、子育て世帯への本市のサポート体制について、ごみ出し困難者、地域への支援について、以上3つのテーマで質問いたします。
初めに、学習障がいのある児童生徒への取組についてです。
近年、教育現場でグレーゾーンと呼ばれる学習障がいがあることが明らかになっています。
まず、学習障がいとはどのような障がいなのか、お示しください。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 文部科学省の通知によりますと、全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算するまたは推論する能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示すものとされてございます。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 本市の小中学生の人数と学習障がいの可能性のある児童生徒数の割合について、データ作成時から5年ごとの推移をお示しください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 平成20年度が市立小中学校の全児童生徒数11万406名中0.09%、25年度は同じく11万1,819名中0.47%、30年度は11万6,797名中0.64%、令和5年度は12万1,639名中1.06%となってございます。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 令和5年度で見たときに、12万1,639人の児童生徒数の1%の割合となると1,200人以上が対象になるわけですが、学習障がいのある対象の児童生徒にどのような支援を行ってきたのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 具体的な支援の例といたしまして、聞き取りが苦手な子に対しては学校生活支援員を配置し、支援員が教師の発言をゆっくり分かりやすく伝えたり、書くことが苦手な子にICTを活用し、黒板に書かれている内容をタブレットに入力できるようにするなど、それぞれの児童生徒の状況に応じた支援を行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 個別支援が進んでいることは分かりました。
では、就学する際に学習障がいの心配がある場合、どのように相談をすればよいか、その支援の仕方として具体的にどのような学習の形を提案できるのか、お示しください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 就学する際に心配がある場合は、福岡市では幼稚園、保育所等とも連携し、子どもたちの状況を十分に把握することで適切な就学先を決定することとしておりまして、在籍する幼稚園等を通じて就学相談に申し込んでいただいております。また、学習障がいのある児童生徒に対しては、就学相談において専門家の意見を踏まえながら、特別支援学校、特別支援学級、通級指導教室など、児童生徒に適した学びの場を提案いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 特別支援学校、特別支援学級、通級指導教室と3つの学びの場の答弁がありましたが、通級指導教室について、どのような児童生徒を対象としていて、どのような目的で取り組まれているのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 通級指導教室は通常の学級での学習におおむね参加できますが、一部特別な指導を必要とする児童生徒を対象といたしておりまして、具体的には難聴、言語障がい、自閉症、情緒障がい、学習障がい、注意欠陥多動性障がい等に対応いたしております。また、通級指導教室は障がいによる学習上または生活上の困難を改善し、または克服することを目的としておりまして、特別な指導といたしまして、対人関係やコミュニケーション能力を身につけるなどの自立活動の指導を行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) ということは、通級指導教室が学習障がいのある児童生徒に対応する学び方になるかと思いますが、御相談して通級指導教室となった場合、本市はどのような形で展開されているか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 拠点となります学校に通級指導教室を設置し、高い専門性を持つ教員や安全を見守る特別支援学級支援職員を配置するとともに、保護者が指導場面を参観できる視聴覚設備を設置するなど、障がいの特性に応じた質の高い教育を行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 全国的には通級指導教室には保護者の送迎の下、通級を設置している学校に通う拠点校方式と、児童生徒が在籍する学校に通級担当の教員が赴く巡回方式がありますが、本市としては保護者が参観できる設備を重視し、拠点校方式を進めてこられました。地域の学校に通級を設置していない場合、保護者はきょうだいを別々で送迎の必要があるわけですが、兄弟、姉妹がいれば、できる限り同じ環境で通わせたいと保護者は考えます。
そこで、御家庭の事情などで何とか同じ学校に通わせていただきたいという場合には対応していただけるのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 教育委員会では、児童生徒の障がいの状況に応じて、保護者と相談しながら就学先を決定しているところでございまして、きょうだいを同じ学校に通わせたいという保護者の要望がありました場合には、保護者の意向を確認、尊重し、指定学校変更の手続を行うことによって、これまでもきょうだいが同じ学校に通えるように対応いたしてきております。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 保護者の気持ちを尊重して対応していただけるとのことでした。
では、逆に送迎してくれるなら、きょうだい別々でも児童生徒本人に合った教育を受けさせたいという場合、通級指導教室への送迎の体制はあるのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 通級指導においては、保護者が指導の様子を参観するとともに、子どもに適した指導の在り方を担任と保護者が一緒に考えていくことや、学校と家庭とが一貫した支援を行うことが大切であると考えておりますことから、基本的に保護者の同席をお願いしているところでありまして、通級指導教室への送迎は行っておりません。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) それでは、今後、希望する方や送迎が必要な児童生徒への送迎体制をつくるお考えはあるのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 通級指導では保護者に指導場面を参観していただき、家庭と連携した取組を行うことが重要であることや、通級校を決める際には可能な限り利便性のよい学校に通えるように配慮しておりますことから、現時点で送迎を行うことは考えておりません。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 答弁のように送迎を行うことを考えていないとすれば、9月議会で我が会派の尾花議員提案の拠点校方式と巡回方式の組合せによるハイブリッド方式が現時点で適切な対応になっていくのではないかと考えますが、通級指導教室の今後の方向性について御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 保護者負担の軽減の観点から、対象となる児童生徒の状況や居住地等の実態を踏まえ、通級指導教室の計画的な増設に努めますとともに、巡回方式の導入につきましては、他都市の事例の調査などを行ってまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 増設で通いやすくしていただくとともに、今別々に送迎されている保護者への負担を考慮していただけるよう、引き続きハイブリッド方式も要望いたします。
地域で保護者の送迎が必要なく、きょうだいで通えるために、自閉症・情緒障がい特別支援学級ももっと増やしてほしいという声があります。
本市は令和5年度に大幅に増設していますが、要望に対する御認識を伺いますとともに、今後どのような計画で増やしていかれるか、お示しください。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 自閉症・情緒障がい特別支援学級の対象となります児童生徒は年々増加しておりまして、教育的ニーズに応じた学びの場を整備することは重要であると認識しております。今後も、対象となる児童生徒の状況や居住地等の実態を踏まえつつ、計画的な増設にしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) もっと身近で通えるように増やしてほしいとの声にお応えいただけるようお願いいたします。
また、児童生徒の多様化する障がいには、それを受け止めてくださる現場教員の方々のチームプレーが不可欠です。その中でも、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの重要性が大きくなってきていると感じますが、これらの仕事の方々は会計年度任用職員の方が多く、周りの教員の方々も現場に必要な方々が去ってしまうのではと心配しておられました。
今回議案にて条例に追記する形で、ようやく勤勉手当が支給とのことで、前進していることを感じておりますが、本市として、これらの仕事に従事される方々に独自の対応をして、今後もより教育環境のフォロー体制を図るお考えはあるか、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 福岡市では正規職員である拠点校スクールソーシャルワーカーを7名配置し、他のスクールソーシャルワーカーが事案について相談できる体制を整えております。さらに、大学教授等のスーパーバイザーによる研修を年間に24回実施し、資質向上に努めております。また、経験の豊富なスクールカウンセラーをスーパーバイザーとして7名任用し、他のスクールカウンセラーが事案について相談できる体制も整えてございます。今後も、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーの正規職員化について、引き続き国に要望してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) ありがとうございます。この問題は国との連携も大切な内容ですので、市としてもしっかり取り組み、待遇改善について具体的な内容を強く発信していただくようお願いいたします。
学習障がいは親が気づく場合もあれば、学校などの集団行動の中で教員の方が気づく場合もあると考えますが、自閉症や情緒障がい、発達障がいの疑いがある児童生徒の保護者に対し、健診やカウンセリングへのアドバイスをどのように行っているのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 保護者に対しましては、各学校において、保護者の御意向にも配慮しながら、スクールカウンセラーへの相談や医療機関の受診の方法、相談機関の利用に関する情報をできるだけ分かりやすく提供しております。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) アドバイスは保護者にとってつらいお話であったり、現場の教員やスクールソーシャルワーカー、カウンセラーも大変気を遣うことであったりするため、お伝えするための基準が必要と考えますが、本市ではどのように行っているのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 学校からのアドバイスに関しては、保護者のお気持ちが様々であるため、明確な基準は設けておりませんが、スクールカウンセラーが保護者と面談し相談を受ける中で、求められた場合には適宜アドバイスを行ってございます。また、学校から保護者へ子どもの成長などについてお知らせする際にも、管理職や担任の教員だけでなく、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが同席するなどして、専門的な視点からも丁寧にお伝えするようにいたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 基本は保護者からの御相談があって教育現場として動くということであれば、保護者の方が気づけない場合、発見や対応が遅くなっていく可能性が高くなるわけですが、そうであれば、軽度の発達障がい、学習障がいの早期発見のためにも5歳児健診が非常に大切だと考えます。
現在、本市では5歳児健診を行っていませんが、その重要性についてどのように認識されているのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 乳幼児健康診査は、発育、発達が著しい生後4か月児、10か月児の健診の実施によりまして疾病の早期発見に努めるとともに、1歳6か月児及び3歳児の健診において発達の遅れなどが早期に発見できるよう、福岡市独自に問診項目を充実しております。5歳児健診は就学前の時期における精神発達等に係る早期発見、早期支援や治療につなげる大切な機会であると認識しております。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 本市として、4か月、10か月、1歳6か月、3歳児健診に取り組まれてきたとのことですが、幼稚園や保育園など、集団行動の増えていく時期のチェック機能が抜けていたとも言えます。
児童の状況が分かることで、保護者も早期に対応を相談、検討していけると考えますが、5歳児健診について今後取り入れるお考えについて御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 国において5歳児健診を公費支援の対象とすることとされ、詳細についての検討が行われていることから、福岡市においても、国の通知等を踏まえ、実施について検討してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) この5歳児健診と生後1か月健診も国の財政措置による公費支援となります。ただ、今まで公費支援がない中でも工夫して5歳児相談という形で実施されてきている自治体もあります。本市には5歳児相談がなかったという事実を受け止めて、今まで知見を積んできた他都市からも積極的な情報収集に努めていただきますとともに、早期に健診の体制をつくっていただけますようお願いいたします。
学校教員、スクールソーシャルワーカー、カウンセラーに児童精神科の医師とも連携を進めていただき、よりチーム力を発揮して、未来ある児童たちの可能性を広げていただきたいと考えております。
この質問の最後に、学習障がいのある児童生徒への今後の取組について石橋教育長の御決意をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 学習障がいを含め、特別な教育的支援を必要とする児童生徒に対する教育につきましては、令和5年3月に国が示しました検討会議報告書において、通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒一人一人の実態を適切に把握し、集団における授業の工夫や合理的配慮の提供を行うことが重要となる旨、示されておりますとおり、個々の教育的ニーズに応じた支援を充実させることは大変に重要であると認識いたしております。
福岡市教育委員会といたしましても、今後とも、通級指導教室等の学びの場の整備に努めるとともに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによる支援の充実や、医療機関や相談機関との連携の促進を図り、それぞれの児童生徒に応じた支援にしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 2つ目のテーマ、子育て世帯への本市のサポート体制について質問いたします。
虐待による重篤な死亡事例が後を絶たず、児童相談所の児童虐待相談対応件数が国内で20万件を超えるなど、依然として子ども、その保護者を取り巻く環境は厳しいものとなっています。本市でも虐待と判断して対応した件数が5年連続で増加とのニュースもありました。子育てを行っている保護者が、近所に子どもを預かってくれる人はいないといったように孤立した状況に置かれていることや、各種の地域子ども・子育て支援事業についても、本当は支援を必要とする御家庭が十分に利用できない場合もあり、子育て世帯の負担軽減等に対する効果が限定的なものとなっています。本市の子育て支援体制も年々拡充していますが、まだまだ足りないとの声もあります。本市は保護者と子どもたちをサポートできているのか、確認してまいります。
まず、本市の児童虐待相談対応件数について、過去5年間の推移をお示しください。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) こども総合相談センターにおける児童虐待相談対応件数は、平成30年度1,908件、令和元年度2,449件、2年度2,637件、3年度2,685件、4年度3,057件でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 相談対応件数が毎年増えていますが、本市の児童虐待の相談件数が増えているのは、相談体制が整ったために把握できる数が増えたのか、それとも、虐待事案自体が増えているからなのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 警察がDVなど家庭内の問題に関する通報について、こども総合相談センターへ積極的に通告されていること、また、令和4年7月からGIGAスクール端末を活用した福岡市こどもタブレット相談を開始しており、子ども本人からの相談が増加していることがございます。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 周りの環境や子どもたち本人からの相談がしやすくなったのはよいことだと思いますが、もう一方の当事者である保護者が虐待の加害者となってしまう理由の一つに、保護者自身の孤立や疲労も関係あると考えますが、子育ての負担が重く、また、周りに頼れる親族等がいない方へのサポート体制について、本市はどのようなサービスがあるのか、お示しください。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 保護者が一時的に子どもを預けることができる事業として、ファミリー・サポート・センター事業や、ひとり親家庭等日常生活支援事業のほか、保育所等での一時預かり事業、児童養護施設や里親家庭での子どもショートステイ事業等を実施しております。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 答弁のファミリー・サポート・センター事業は日帰りで預かっていただくサービスで、利用者も多い支援ですが、マッチングできない場合について本市は把握されているのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) ファミリー・サポート・センター事業におきまして、希望の預かり曜日や時間帯が合わないなどにより、一度の調整ではマッチングできない場合があることは把握しております。マッチングできない場合は、他の提供会員の紹介や複数の提供会員による援助活動の提案を行うなど、できる限り依頼会員の希望に合うよう努めております。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 事前に確認したところ、依頼会員と提供会員数の登録者数に開きがありますが、マッチングに問題はないのか、提供会員を増やすために本市が行っている内容をお示しください。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 提供会員数を増やすために、市政だよりや公民館だよりによる講習会の開催案内のほか、会員交流会などにおいて依頼会員へ提供会員として登録の呼びかけなどを行っております。また、会員登録前の講習を安全、安心に預かるために必要な項目に絞り、登録後のフォローアップ研修を充実させるなど、工夫することにより会員登録時の負担の軽減を図っているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 発達障がいや情緒障がいのお子さんを預かる場合、預かることに慣れていても戸惑うことが多々あるかと思いますので、発達障がいや情緒障がいについて提供会員の理解が進むような取組について御検討いただけないか、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 講習会やフォローアップ研修において、発達障がいや情緒障がいに関するテーマを設けるなど、提供会員の知識の習得や活動時に役立つ対応方法などを学んでいただけるよう工夫してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) ファミリー・サポート・センター事業は保護者にとって一番なじみのある支援の一つですので、提供会員を検討されている方が手を挙げやすい周知と工夫をお願いいたします。
続いて、ひとり親の状況をお伺いいたします。
まず、本市のひとり親の世帯数をお示しください。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 令和3年度に実施した福岡市ひとり親家庭実態調査において、二十歳未満の子どもを扶養しているひとり親の世帯数は推計で2万1,475世帯でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 本市のひとり親家庭等日常生活支援事業については、ファミリー・サポート・センターと比べて緊急性の高いひとり親への支援になるかと思いますが、どのような場合に利用できるのか、また、登録人数、利用状況、周知についてお示しください。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) ひとり親家庭等日常生活支援事業は、ひとり親家庭における保護者が就職活動や疾病、残業などで一時的に家事援助や保育サービスが必要な場合に利用できるホームヘルパー等を派遣する事業でございます。令和4年度は利用登録人数が58人、利用についてはホームヘルパー等の派遣が延べ300回となっております。周知については、福岡市ホームページや、ひとり親家庭ガイドブック、ひとり親家庭向けポータルサイト「たよって」のほかに、児童扶養手当を受給している方へのチラシ送付などにより行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) ひとり親世帯は2万世帯以上に対し、ひとり親家庭等日常生活支援事業の登録者が少ない気がいたします。ファミリー・サポート・センターでマッチングできない場合、ひとり親家庭等日常生活支援事業への御案内、引継ぎはどのようにされているのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) ファミリー・サポート・センターにおきまして、会員登録時など、御相談を受ける中で必要に応じてこの事業を御紹介しております。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 本市のひとり親の世帯数から見た現在の登録人数と利用状況について十分とは言えない状況かと思いますが、ファミリー・サポート・センターやひとり親家庭等日常生活支援事業で受け止め切れない場合、民間のサービスを紹介することで助かる方もおられると考えますが、案内をされているのか、されている場合、どのように案内されているのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) どうしても子どもの預け先が見つからない場合、御相談をいただいた窓口において、できる限り相談者のニーズに対応できるよう、福岡市の施策を含め、他のサービスの情報提供に努めております。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) これについては、話の食い違いもあるかもしれませんが、ほかのサービスの案内はなかったとの声もありました。ぜひ市のサービスではないと突き放さずに、今後も丁寧な御案内をお願いいたします。
保護者自身が育児疲れや入院するなどの場合もあります。その際に泊まりで預かってもらえる子どもショートステイ事業について、各区に預かれる施設が幾つあるか、それぞれの施設は何歳まで預かることが可能か、お示しください。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 未就学児を対象とした施設が博多区と城南区に各1か所、3歳以上を対象とした施設が東区に2か所、早良区に1か所、18歳未満の全ての年齢の児童を対象とした施設が西区に1か所ございます。加えて、令和5年9月末時点で市内全域にある里親家庭のうち、137世帯が18歳未満の年齢の児童を対象として受入れを行っております。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 答弁を整理すると、重複している箇所はありますが、未就学児を預かる施設が6か所、小学生から18歳未満の児童を預かる施設が4か所ということになるでしょうか。
では、各区ごとに子育て世帯の利用状況をお示しください。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 令和4年度の利用日数は、東区1,934日、博多区1,676日、中央区447日、南区341日、城南区313日、早良区1,061日、西区1,079日、合計で6,851日でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 答弁にもあるように、博多区など利用日数が多いにもかかわらず、3歳以上の子どもを預かるショートステイ施設がない地域もあるなど、潜在的なニーズがあるように見えます。
各区にショートステイ施設を開設していただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 子どもショートステイは利用日数が年々増加しているため、引き続き受皿の拡大が必要であると認識しており、今後とも、施設や里親などの受入れ体制の拡充に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 各区1か所の開設をすぐに実現は難しいとしても、利用ニーズの高い地域からショートステイ施設の追加を目指していただくよう要望します。
また、今の答弁から、本市としては泊まりで預かる里親制度にも力を入れていくとのことですので、里親人数の増員に加え、しっかりと各区のマッチング率を重視して受入れ体制をしていただきたいのですが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 子どもショートステイを身近な地域で利用したいといったことも含め、利用者の多様なニーズに応えることができるよう、里親家庭の登録数を増やすとともに、実施施設の体制を強化するなど、今後とも、全市的な受皿の拡充に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) ぜひ受入れできる地域に偏りが出ないようお願いいたします。
ここからは働く保護者にとって一番悩む子どもが病気のときの預かり支援についてお尋ねいたします。
本市の病児保育について、サービスの概要と施設利用の仕方についてお示しください。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 病児・病後児デイケア事業は、病気やその回復期にある児童について、保護者による看護が困難な場合に、医療機関に併設した施設において一時的に預かる事業でございます。利用方法は、利用される御家庭が各施設に事前登録の上、直接予約をした上で御利用いただいております。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 保護者の声に耳を傾けると、現在の病児保育施設の数は希望する保護者の数と釣り合っている状況ではないように感じますが、本市の見解をお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降、昨年度までの間、利用者が大幅に減少し、コロナ禍前の半数程度となっておりましたけれども、今年度は福岡県が開始した利用料の無償化やコロナの5類感染症への移行、感染症の流行などの影響により、利用希望者が増え、予約が取りにくくなっているというふうに認識をしております。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 病児保育のできる施設を増やすために本市が行っている内容についてお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 市医師会や医療機関の協力の下、実施施設の拡充に努めてきたところであります。現在21か所で実施しております。さらなる増設等について、利用者の受入れ状況を把握しながら、県や医療機関と協議を行うなど、受皿の確保に向けて取り組んでいるところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) (パネル表示)パネルを御覧ください。答弁の病児保育施設21か所は、ここ5年、頭打ちで増えておりません。この状況ですね。各施設に事前登録の上、直接予約して利用するといっても、病気の子どもを抱え、生活のために仕事に行かないといけないと焦る気持ちの中で、なかなか空いていない施設に断られながら、1軒、また1軒と探す負担を想像してみてください。今まで質問してきたファミリー・サポート・センター事業、ひとり親家庭等日常生活支援事業、子どもショートステイ事業を実施している施設、里親数も不足し、拡充の最中ですが、今、圧倒的に不足しているのが病児保育の場所です。多くの子育て世帯からの助けてほしいとの声が上がっています。この現状に、北九州市でも補正予算で病児保育施設の増設費を盛り込んだとの報道がありました。
本市としても、施設数を増やすために、施設の側に手を挙げていただくために何が課題なのかをしっかりヒアリングしていただき、病児保育施設数の確保のスピードアップを図っていただくとともに、現在受け入れていただいている施設のキャパシティーを増やして受入れ可能人数を増やすなど、本市の方向性について御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 病児・病後児の保育は子どもの病気の症状に合わせた対応や急変時の判断などが必要となるため、安心、安全な医療体制を確保した上で実施する必要があると考えております。また、利用者が増えている状況を踏まえ、現在、増設や増床について県や医療機関と協議を進めており、受皿確保に向けてしっかり取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) この問題には、答弁のとおり施設や県ともしっかり取り組んでいただくよう強く要望します。特にひとり親は預かってもらえるところもなく、かといって、生活のために仕事に行かざるを得ないとなれば、いつ小さな命がひっそりと失われてもおかしくない状況であるという危機感を持っていただきたいのです。予約が取りづらいため、複数施設に予約してキャンセル忘れされるという状況も伺っています。病児保育無償化により、ありがたい面と、本当に必要な人が取りづらくなってきている状況が起きています。
そこで、まずは病児保育施設の予約、キャンセルのしやすいシステムが必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 予約などにつきましては、実施医療機関の意見も踏まえながら、システムを含め、利便性の向上について検討してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) この予約のシステムについて調べたところ、島根県松江市で病児保育利用予約サービス「あずかるこちゃん」を導入し、病児保育を利用する際に利用者がスマートフォンなどで24時間予約、キャンセルができるようにしているとのことでした。導入の効果として、利用者が施設の空き状況を把握しやすくなった、利用者の新規登録のために市役所へ来庁する必要がなくなった、施設もキャンセル待ち状況や受入れ等で電話連絡をする必要がなくなった、行政側も利用状況を把握することが可能となったとのことでした。各医療機関、施設との調整が必要と思いますが、ぜひ本市から呼びかけて、利用者の不安解消と現状把握のためのスタートラインとして御検討いただきたいと考えております。
現在進めているこども誰でも通園制度についてもお尋ねいたします。
この制度は、現在、国のモデル事業として31自治体で実施中で、福岡市もその一つです。来年度に行われる試行的な事業では、1人当たりの利用時間を月10時間を上限にする方針のところを、島市長から、利用時間について一律に上限を設けないでほしいと緊急提言していただき、ありがたいと感じているところです。
この制度の目的と、どのような効果を見込んでいるのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) こども誰でも通園制度は、国のこども未来戦略方針において、就労等の要件を問わず保育施設等を利用できる制度とされ、目的は、全ての子どもの育ちを応援し、子どもの良質な成育環境を整備するとともに、全ての子育て家庭に対して働き方やライフスタイルに関わらない形での支援を強化するとされております。この制度により、保護者の育児負担の軽減に加え、家庭とは異なる経験や家族以外の人と関わる機会が得られることなどにより、子どもの育ちを支える効果が期待できると考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 専業での子育てだからこそ、疲れ果てたり、地域と孤立する可能性もあり、そういった意味では、保護者の就労要件を問わず保育施設を利用できる新しい制度です。虐待を未然に防ぐためにも、要支援児の早期発見の可能性にも、その効果を期待されています。モデル事業ですが、本市でも120人程度の定員に対し、390人の応募があったと伺いました。ぜひ使いやすい制度にしていただきたいと思います。
質問を重ねてまいりましたが、病児保育施設の追加や里親人数の充実、ショートステイ施設の開設は限りある財源の中で急な改善は難しいところもあるかと思いますが、システムで予約を取りやすくしたり、子育て情報ガイドにおいてもっと優先順位を分かりやすく表記したり、行政サービスでフォローし切れない分を、緊急時には少しお金がかかりますが、こんなサービスもありますと、民間サービスも含めて丁寧に御案内はできないのだろうかと感じております。ホームページに載っておりますのでとか、冊子に掲載しておりますのでだけでは冷たい印象は拭えません。御様子が気になる保護者や子どもを見つけたときに、アプローチの仕方で大きく状況が変わる可能性もあることから、情報をできるだけ共有し、こども総合相談センターを中心にどこからSOSが入っても助けていける福岡市を目指していくべきと考えます。
この質問の最後に、島市長に子育て世帯へのぬくもりのあるサポート体制について御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 子どもは一人一人が未来をつくるかけがえのない存在であり、子ども、子育て施策の充実は重点的に取り組むべきものと考え、子育て家庭の不安や負担の軽減に取り組んでまいりました。さらに、今年度はおむつと安心定期便やこども誰でも通園制度のモデル事業を開始するなど、子育て家庭の孤立化を防ぐ取組を強化したところでございます。今後とも、市民の皆さんが子どもを安心して生み育てられるように、きめ細やかな支援にしっかりと取り組んでまいります。以上です。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 3つ目のテーマ、ごみ出し困難者、地域への支援について質問いたします。
今後、高齢社会が進む中で、あらゆる生活上での問題が予測されます。買物弱者や介護難民など議論されてきたところではありますが、ごみ出しもその一つで、大きかったり、重かったり、拠点までが遠かったりと、お体の不自由な方には御負担の大きな作業になりつつあります。
まず、公明党福岡市議団として以前より繰り返し要望してまいりました15リットル未満の小さな燃えるごみ袋導入を御検討いただけるとのことでしたが、早期実現に向けて御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 単身世帯の増加や市民の環境負荷に対する意識の向上などに伴い、より小さいサイズに対するニーズが今後ますます高まることが想定されます。このため、指定袋を取り扱う小売店や製造業者に対して、各サイズの売行きや、より小さいサイズの取扱いにおける課題などについてヒアリングを行ったところであり、現在、早期実現に向けて検討を進めているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 今後、世帯構造の変化や市民の皆様のごみ減量への意識の高まりで、小さな燃えるごみ袋へのニーズは高いと考えますので、新たな売場面積の確保など、販売先との問題もあるかと思いますが、ぜひ早期実現をお願いいたします。
さらに、公明党福岡市議団として以前より要望してまいりましたプラスチックごみの分別収集については、開始されることになると情報を得ておりますが、導入に向けた具体的状況についてお尋ねいたします。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) プラスチックごみのリサイクル体制の構築に向けた課題を検証するため、区役所など9か所の資源物回収拠点における回収や、市内一部の地域を対象とした夜間戸別収集による回収を行うモデル事業を実施しており、一定のリサイクル効果やCO2削減効果があることを確認いたしております。また、リサイクルを行う意向のある事業者の有無などを確認するため、施設整備に関するサウンディング調査を行い、複数の事業者から実施の意向が示されております。以上の結果も踏まえまして、プラスチックごみの分別収集の導入に向け、具体的な検討を進めているところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) ありがとうございます。県外から来られた方からすると、ごみの分別が少なくて福岡市は楽だと思われている方もいらっしゃいますし、プラスチックごみについては、汚れや加工状況から再利用が難しい場合もあるかと思いますが、ぜひ他都市の状況も踏まえながら、循環のまち・ふくおかのテーマに沿う御対応をお願いいたします。
ここからは古紙全般の資源物の回収についてお尋ねいたします。
古紙については、御自身で拠点まで持っていく必要のある拠点回収と、自治会、町内会や子ども会などが主体で決められた日に回収する地域集団回収が本市で処分できる方法になりますが、古紙を持ち込んで出せる回収拠点の数と市内でどのように分布しているのかについてお示しください。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 古紙の回収拠点としましては、校区団体や地域団体が管理する422か所のほか、区役所や市民センターなどの公共施設に11か所、合計で433か所に設置しており、1校区平均にいたしますと約3か所の設置となります。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 答弁の数だけを聞くと十分足りているようにも感じますが、地図上で見て、回収拠点まで遠い地域も見受けられます。(パネル表示)あるモデル校区として御紹介しますが、持ち込める拠点にはこのように場所に偏りがあり、遠い方もおられます。こういった地域はあるんですけど、ここはないです。全くないという状況ですね。
もう1つの収集である地域集団回収の実施団体数はどのくらいあるのか、また、そのうちごみ収集と同様に、家の前まで回収に来てもらえる戸別回収を行っている団体数がどのくらいあるのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 地域集団回収の実施団体数は、令和4年12月末現在1,474団体でございます。そのうち、実施団体による戸別回収が行われているのは全体の約3割に当たる451団体となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) この地域集団回収のためには、自治会、町内会などの地域のお力が不可欠なわけですので、状況を確認いたします。
自治会、町内会の加入状況と、福岡市子ども会育成連合会の加入児童数の推移をお示しください。
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 自治会、町内会の加入率につきましては、自治協議会制度の創設以降、4年ごとに実施しております自治会・町内会アンケートによりますと、平成18年度は90.9%、22年度88.6%、26年度89.1%、30年度85.7%、令和4年度は81.1%となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市子ども会育成連合会の加入児童数は、20年前の平成15年度が4万8,644人、10年前の25年度が4万960人、コロナ禍前の令和元年度が3万1,180人、令和4年度が2万2,370人でございます。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 数字にもあるとおり、自治会、町内会で加入率が10%ほど減少し、子ども会については、少子化の影響もあってか、20年で半分以下になっています。自治会、町内会の運営をされる方の高齢化も懸念されます。
先ほどの答弁で戸別回収を行っている団体は3割とありましたが、地域集団回収において戸別回収を希望しているものの、できない地域について、どのような理由であると認識されているのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 令和4年度に地域集団回収実施団体に対して行ったアンケート調査におきまして、資源物回収活動を縮小したと回答した団体の理由として、これまで回収活動に協力してきた地域役員の高齢化や、子どもや保護者の参加者数の減少などが挙げられており、戸別回収に協力する担い手が不足する地域が出てきているのではないかと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 高齢化等により今後ますます地域集団回収もできなくなる地域の増加が予想されることや回収拠点まで遠い地域があることなどを踏まえますと、資源物等の持ち出しが困難な方への対応が必要になるのではないかと思います。
現在、ごみ出しが困難な方が利用できるサービスをお示しください。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 環境局では、65歳以上の高齢者や障がい者など、粗大ごみをごみ置場などの所定の場所まで持ち出すことが困難な方を対象に、屋内もしくは玄関前から収集業者が持ち出す粗大ごみ持ち出しサービスがございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 65歳以上の高齢者のみの世帯などを対象に、シルバー人材センターが有償ボランティア事業として、ごみ出しと資源物の持ち出しをそれぞれ100円、500円で行っているほか、一部の地域においては、校区社会福祉協議会のふれあいネットワークや生活支援に取り組むボランティア団体がごみ出しの支援を実施しております。また、要介護認定を受けている方につきましては、訪問介護などによりごみ出しの援助を受けることが可能となっております。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 資源物を出すときに拠点回収までの距離が遠かったり、身体的な状況で持ち出すのが難しい方にはシルバー人材センターを御案内されていますが、シルバー人材センターの人員だけで十分対応できるとお考えであるのか、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) シルバー人材センターからは、依頼をされる方の住所や希望の時間帯によっては依頼をお受けできない場合もあると聞いております。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 答弁によると、通常のごみ出し100円、資源物の持ち出し500円とのことですが、皆さん高いという認識です。また、どうしてもお金がかかるにしても、一々シルバー人材センターに電話せずに定期的に回収してくれるなら、予定も立てやすいし、そのほうがありがたいとの声もありました。大きい段ボール等のごみが捨てられずに家の中にずっとある状況はストレスがあると感じます。(パネル表示)御覧ください。このように、実際持っていくことができず、僅かな段ボールを燃えるごみ袋に突っ込んで処分しておられる場所もありました。とても循環のまち、SDGsとは言えない状況かと感じます。
そこで、ほかの政令市では古紙全般の回収がどのように行われているのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 古紙の回収方法として、地域が主体となっている地域集団回収や公共施設での拠点回収を行っている政令市が福岡市も含め10都市ございます。また、これらの回収に加え、行政が直接または委託により回収する、いわゆる行政回収も行っている政令市が10都市ございます。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 政令市の中で半数の自治体が古紙については行政回収を実施するとともに、地域集団回収なども並行して行っていることが分かりましたが、なぜ本市ではこれまで主に地域集団回収により行ってきたのか、お尋ねいたします。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 福岡市におきましては、地域集団回収が共創のまちづくりの理念に合致していることや環境教育の場になっていること、また、回収量に応じて支払う報奨金が地域の活動資金になっていることなどから、主に地域集団回収により実施してきたものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) これまで主に地域集団回収により行ってきた理由は分かりましたが、ますますの高齢化が見込まれています。御高齢により拠点回収が遠く感じたり、地域集団回収がない地域、世帯があることなどを踏まえますと、現在の回収の在り方について考え直す時期に来ていると感じます。
地域集団回収を大切にされながら頑張っておられる自治会、町内会もまだたくさんありますが、現実問題として、現在、資源物の地域集団回収ができていない、またはできなくなりつつあるところについては、モデルケースからでも行政による戸別回収を選択肢として加えていただくことはできませんか、御所見をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 古紙の回収につきましては、地域集団回収や地域に設置した回収拠点を中心に行ってきたところですが、これまで回収に協力してきた地域役員の高齢化などにより活動が困難となる地域が今後ますます増えてくることが予想されます。このため、これまでの経緯を踏まえつつ、地域や古紙回収業者などとも連携を図りながら、地域集団回収における戸別回収の充実や回収拠点の増設など、よりよい回収方法の構築に向け、今後、幅広く検討を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) たのかしら知行議員。
○17番(たのかしら知行) 地域で資源物回収する人がいなくて、80歳になっても、90歳になっても自治会の役員をやめられないとなれば、さらに自治会、町内会離れが進むことも考えられます。ぜひ早期の具体的な対応を心より要望いたします。
昨年12月議会で環境局より、発生抑制と再使用の2Rに重点を置いた3Rの取組を推進するとともに、古紙、プラスチックごみ、食品廃棄物を重点3品目として位置づけ、重点的に減量施策を実施していくこととしておりますとお話がありました。ごみの問題は暮らしに直結することのため、不便が生じると大変ストレスの高い問題となります。また、世界とつながる問題でもありますので、課題はたくさんありますが、今後とも推進をお願いいたします。
この質問の最後に、島市長に循環のまち・ふくおかを今後どのようにリードしていかれるおつもりか、御決意をお伺いいたします。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市におきましては、人と環境に優しい持続可能な都市を目指して、環境負荷を軽減し、都市の発展を持続させる福岡式循環型社会システムの構築に取り組んでおります。循環型社会システムの実現に向けては、社会状況の変化による様々な課題に対応しながら、古紙やプラスチックごみなどの資源化をさらに推進をしていくことが重要であるというふうに考えてございます。今後とも、循環のまち・ふくおか推進プランに基づき、時代に即した取組を推進し、持続可能な社会を実現するとともに、安全、安心な生活環境を将来世代に引き継いでまいります。以上です。
○議長(打越基安) お諮りいたします。
本日の会議はこの程度にとどめ、残余の質問は明14日の会議にこれを繰り延べたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(打越基安) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
次の会議は明14日午前10時に開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午後6時8分 散会