令和5年9月1日(金)
令和5年 第5回 福岡市議会定例会
議 事 日 程 (第1号)
9月1日 午前10時開議
第1 会期決定の件
第2 議案第162号 令和4年度福岡市一般会計歳入歳出決算
第3 議案第163号 令和4年度福岡市後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算
第4 議案第164号 令和4年度福岡市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算
第5 議案第165号 令和4年度福岡市介護保険事業特別会計歳入歳出決算
第6 議案第166号 令和4年度福岡市母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計歳入歳出決算
第7 議案第167号 令和4年度福岡市集落排水事業特別会計歳入歳出決算
第8 議案第168号 令和4年度福岡市中央卸売市場特別会計歳入歳出決算
第9 議案第169号 令和4年度福岡市港湾整備事業特別会計歳入歳出決算
第10 議案第170号 令和4年度福岡市営渡船事業特別会計歳入歳出決算
第11 議案第171号 令和4年度福岡市香椎駅周辺土地区画整理事業特別会計歳入歳出決算
第12 議案第172号 令和4年度福岡市貝塚駅周辺土地区画整理事業特別会計歳入歳出決算
第13 議案第173号 令和4年度福岡市財産区特別会計歳入歳出決算
第14 議案第174号 令和4年度福岡市立病院機構病院事業債管理特別会計歳入歳出決算
第15 議案第175号 令和4年度福岡市市債管理特別会計歳入歳出決算
第16 議案第176号 令和4年度福岡市モーターボート競走事業会計利益の処分について
第17 議案第177号 令和4年度福岡市モーターボート競走事業会計の決算について
第18 議案第178号 令和4年度福岡市下水道事業会計利益の処分について
第19 議案第179号 令和4年度福岡市下水道事業会計の決算について
第20 議案第180号 令和4年度福岡市水道事業会計利益の処分について
第21 議案第181号 令和4年度福岡市水道事業会計の決算について
第22 議案第182号 令和4年度福岡市工業用水道事業会計の決算について
第23 議案第183号 令和4年度福岡市高速鉄道事業会計の決算について
第24 議案第184号 令和5年度福岡市一般会計補正予算案(第3号)
第25 議案第185号 令和5年度福岡市国民健康保険事業特別会計補正予算案(第1号)
第26 議案第186号 令和5年度福岡市市債管理特別会計補正予算案(第1号)
第27 議案第187号 福岡市情報通信技術を活用した行政の推進に関する条例の一部を改正する条例案
第28 議案第188号 福岡市印鑑条例の一部を改正する条例案
第29 議案第189号 福岡市手数料条例の一部を改正する条例案
第30 議案第190号 福岡市立療育センター条例の一部を改正する条例案
第31 議案第191号 福岡市立児童発達支援センター条例の一部を改正する条例案
第32 議案第192号 福岡市子ども医療費助成条例等の一部を改正する条例案
第33 議案第193号 福岡市衛生関係手数料条例の一部を改正する条例案
第34 議案第194号 福岡市旅館業法施行条例の一部を改正する条例案
第35 議案第195号 福岡市公衆浴場法施行条例の一部を改正する条例案
第36 議案第196号 福岡市病院及び診療所の人員及び施設の基準を定める条例の一部を改正する条例案
第37 議案第197号 福岡市火災予防条例の一部を改正する条例案
第38 議案第198号 町の区域並びに字の区域及び名称の変更について
第39 議案第199号 住居表示の実施について
第40 議案第200号 南部療育センター(仮称)新築工事請負契約の締結について
第41 議案第201号 令和5年度市営下山門住宅(その1地区)新築工事請負契約の締結について
第42 議案第202号 アイランドシティ地区小学校校舎棟新築工事請負契約の一部変更について
第43 議案第203号 アイランドシティ地区小学校講堂兼体育館棟新築工事請負契約の一部変更について
第44 議案第204号 小学校校舎の取得について
第45 議案第205号 市道の管理のかしに基づく損害賠償額の決定について
第46 議案第206号 市道の管理のかしに基づく損害賠償額の決定について
第47 議案第207号 市道の管理のかしに基づく損害賠償額の決定について
第48 議案第208号 学校の管理のかしに基づく損害賠償額の決定について
第49 諮問第1号 退職手当支給制限処分に関する審査請求について
本日の会議に付した事件
1.日程第1
2.日程第2ないし日程第49
出 席 議 員 (61名)
1番 おばた 英 達 2番 もろくま英 文
4番 稲 員 稔 夫 5番 鬼 塚 昌 宏
6番 堤 田 寛 7番 大 森 一 馬
8番 大 原 弥寿男 9番 今 林ひであき
10番 阿 部 真之助 11番 打 越 基 安
12番 堤 健太郎 13番 坂 口よしまさ
14番 新 開 ゆうじ 15番 とみながひろゆき
16番 田 原 香代子 17番 たのかしら知行
18番 石 本 優 子 19番 勝 山 信 吾
20番 調 崇 史 21番 川 上 陽 平
22番 津 田 信太郎 23番 古 川 清 文
24番 高 木 勝 利 25番 篠 原 達 也
26番 平 畑 雅 博 27番 伊 藤 嘉 人
28番 川 上 晋 平 29番 尾 花 康 広
30番 松 野 隆 31番 山 口 剛 司
32番 大 石 修 二 33番 和 田あきひこ
34番 あ べ ひでき 35番 大 沢 めぐみ
36番 木 村てつあき 37番 橋 口 えりな
38番 綿 貫 康 代 39番 前 野 真実子
40番 中 島まさひろ 41番 藤 野 哲 司
42番 新 村 まさる 43番 天 野 こ う
44番 堀 内 徹 夫 45番 森 あやこ
46番 福 田 まもる 47番 はしだ 和 義
48番 浜 崎 太 郎 49番 阿 部 正 剛
50番 倉 元 達 朗 51番 中 山 郁 美
52番 川 口 浩 53番 小 竹 り か
54番 勝 見 美 代 55番 井 上 ま い
56番 ついちはら陽子 57番 田 中 たかし
58番 山 田 ゆみこ 59番 近 藤 里 美
60番 落 石 俊 則 61番 田 中しんすけ
62番 池 田 良 子
欠 席 議 員 (1名)
3番 淀 川 幸二郎
説明のため出席した者
市 長 島 宗一郎 副 市 長 光 山 裕 朗
副 市 長 中 村 英 一 副 市 長 荒 瀬 泰 子
水道事業管理者 坂 本 秀 和 交通事業管理者 小野田 勝 則
総 務 企 画 局 長 龍 靖 則 財 政 局 長 山 嶋 剛
市 民 局 長 舟 越 伸 一 こども未来局長 野 中 晶
福 祉 局 長 藤 本 広 一 保 健 医 療 局 長 藤 田 三 貴
環 境 局 長 中 村 卓 也 経済観光文化局長 鈴 木 順 也
農 林 水 産 局 長 姉 川 雄 一 住 宅 都 市 局 長 中 村 健 児
道路下水道局長 天 本 俊 明 港 湾 空 港 局 長 竹 廣 喜一郎
消 防 局 長 田 浩 輝 会 計 管 理 者 小 川 明 子
教 育 長 石 橋 正 信 教 育 委 員 西 村 早 苗
選挙管理委員会事務局長 内 藤 玲 子 人事委員会事務局長 大 園 喜代香
監 査 事 務 局 長 上 薗 久 美
職務のため出席した事務局職員
議 会 事 務 局 長 曽根田 秀 明 議会事務局次長 八 木 智 昭
議 事 課 長 水 ア 亮 二 議 事 係 長 實 政 伸一郎
外関係職員
○議長(打越基安) 開会に先立ち申し上げます。
地球温暖化防止に向けた夏の省エネルギー対策が実施されておりますので、今会期中、上着並びにネクタイの着用をしなくてもよいことにいたしております。
午前10時 開会
○議長(打越基安) ただいまから令和5年第5回福岡市議会定例会を開会いたします。
これより本日の会議を開きます。
会議録署名議員におばた英達議員、落石俊則議員を指名いたします。
日程に入るに先立ち、この際、報告いたします。
まず、市長から別紙報告書類一覧表に記載の書類が提出されましたので、その写しを去る8月25日お手元に送付いたしておきました。
次に、教育委員会から地方教育行政の組織及び運営に関する法律の規定に基づき、教育委員会の事務の管理及び執行の状況に関する点検・評価報告書が提出されましたので、その写しをお手元に送付いたしておきました。
次に、人事委員会から地方公務員法の規定に基づき、職員の給与等に関する報告及び勧告が、また、監査委員から監査報告第6号及び第7号がそれぞれ提出されましたので、その写しをお手元に送付いたしておきました。
次に、地方自治法第100条第13項及び会議規則第125条第2項の規定により、お手元に配付いたしております議員派遣報告一覧表のとおり、議長において議員の派遣を決定いたしておきました。
以上で報告を終わります。
これより日程に入ります。
日程第1、会期決定の件を議題といたします。
お諮りいたします。
今期定例会の会期は、本日から10月5日までの35日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(打越基安) 御異議なしと認めます。よって、会期は35日間と決定いたしました。
次に、日程第2ないし日程第49、以上48件を一括して議題といたします。
この際、市長から提案理由の説明を求めます。島市長。
○市長(島宗一郎)登壇 ただいま上程になりました議案47件及び諮問1件について、提案の趣旨を説明いたします。
まず、予算案について説明いたします。
今回の補正規模は、一般会計38億9,659万円の追加、特別会計12億824万円の追加、合計51億484万円の追加となっております。その主な内訳は、公共事業として街路整備事業など20億4,920万円の追加、災害復旧事業として4億5,740万円の追加、このほか、不登校特例校の設置検討経費981万円の追加などとなっております。
以上の歳入歳出予算の補正のほか、年度内に執行が終わる見込みのない事業について、繰越明許費の補正を10億8,438万円計上いたしております。また、債務負担行為の補正といたしまして、城南区役所空調設備等改修工事など3億3,652万円の追加を行うものであります。
次に、条例案について説明をいたします。
情報通信技術を活用した行政の推進に関する条例の改正案につきましては、市民等の利便性の向上を図るため、事務所等において書面等を掲示しているものについて、情報通信技術を利用する方法により市民等の閲覧に供するよう義務づける等の改正を行うものであります。
印鑑条例の改正案につきましては、電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律の一部改正により、移動端末設備用利用者証明用電子証明書に関する規定が追加されたことに鑑み、自動交付機を介して行う印鑑登録証明書の交付の手続等に関し所要の改正を行うものであります。
手数料条例の改正案につきましては、租税特別措置法の一部改正に伴い、長期譲渡所得の課税の特例等が適用されるために必要な特定の民間再開発事業であることについての認定の申請に対する審査に係る手数料を廃止するものであります。
療育センター条例の改正案及び児童発達支援センター条例の改正案につきましては、障がい児及びその家族の福祉の向上を図るため、南部療育センターを設置するものであります。
子ども医療費助成条例等の改正案につきましては、子どもの保健の向上及び福祉の増進を図るため、子ども医療費助成事業の対象者の範囲を拡大する等の改正を行うものであります。
衛生関係手数料条例の改正案及び旅館業法施行条例の改正案につきましては、旅館業法の一部改正に伴い、事業譲渡による営業者の地位の承継の申請に対する審査の事務に係る手数料の額を定める等の改正を行うものであります。
公衆浴場法施行条例の改正案につきましては、公衆浴場法の一部改正により、事業譲渡による営業者の地位の承継に関する規定が追加されたことに伴い、所要の改正を行うものであります。
病院及び診療所の人員及び施設の基準を定める条例の改正案につきましては、医療法施行規則の一部改正に伴い、病院における人員の基準を改めるものであります。
火災予防条例の改正案につきましては、対象火気設備等の位置、構造及び管理並びに対象火気器具等の取扱いに関する条例の制定に関する基準を定める省令の一部改正に伴い、急速充電設備の位置、構造及び管理の基準を改める等の改正を行うものであります。
次に、一般議案について説明をいたします。
まず、東区香椎台地区において、町界町名の整理及び住居表示の実施をする議案を提出いたしております。
次に、契約関係といたしまして、南部療育センター(仮称)新築工事請負契約、令和5年度市営下山門住宅(その1)地区新築工事請負契約を締結するための議案、また、以前の議会で議決をいただきましたアイランドシティ地区小学校の校舎棟及び講堂兼体育館棟の新築工事請負契約について、賃金水準及び物価水準の上昇に伴い、契約価額を変更するための議案を提出いたしております。
次に、財産の取得関係といたしまして、小学校校舎を取得するための議案を提出いたしております。
そのほかの一般議案といたしまして、市道の管理のかし及び学校の管理のかしに基づく損害賠償の額を決定するための議案計4件を提出いたしております。
次に、令和4年度決算につきましては、さきに監査委員の審査をお願いいたしておりましたところ、このほど審査が終わりましたので、全会計の決算について議会の認定をお願いするものであります。
なお、モーターボート競走、下水道及び水道の各事業会計につきましては、決算の関連議案として、利益の処分に関する議案を併せて提出いたしております。
次に、諮問につきましては、退職手当支給制限処分に関する審査請求について裁決を行うに当たり、地方自治法の規定に基づいて、議会の意見をお聞きするものであります。
以上で説明を終わります。よろしく御審議をお願いします。
○議長(打越基安) これより質疑に入ります。
発言通告者のうちから順次質疑を許します。倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗)登壇 おはようございます。私は日本共産党市議団を代表して、議案第184号、令和5年度一般会計補正予算案のうち中学校建設費、小学校建設費並びに議案第192号、福岡市子ども医療費助成条例等の一部を改正する条例案について質疑を行います。
質問の第1は、不登校特例校と不登校対策についてです。
本市の不登校児童生徒数は5年間で増え続け、2018年1,814人だったのが、2022年の速報値では4,400人になり、2.4倍に増加しております。
そこでお尋ねしますが、なぜこのように本市で不登校児童生徒が急増しているのか、御所見をお伺いします。
2点目は、不登校特例校設置についてです。
不登校特例校は文部科学大臣が指定する学校で、正式名称は、不登校児童生徒を対象とする特別の教育課程を編成して教育を実施する学校です。2017年、教育機会確保法が成立し、国及び地方公共団体は不登校特例法の整備や特例校における教育の充実のために必要な措置を講ずるよう努めることとなっております。今年4月現在、全国で24校が設置されております。
そこでお尋ねしますが、法が施行した6年前から本市でも多くの不登校児童生徒がいたにもかかわらず、設置が今回ようやく決まったのはなぜなのか、これまでの経緯について答弁を求めます。
また、生徒数について教育委員会は40人から60人と想定していますが、その根拠についてお尋ねします。
さらに、小学生の不登校児童は2022年度1,997人いるにもかかわらず、特例校の対象者を中学生に限定したのはなぜなのか、御所見をお伺いします。あわせて、設置場所について早良区百道にある教育センターを選んだ理由について答弁を求めます。
3点目は、不登校対策についてです。
さきに述べたように、本市の不登校児童生徒は4,400人になっており、特例校での受入れが多くて60人というのであれば、その割合は1.4%にすぎません。残りの98.6%の不登校で悩み苦しむ子どもたちに何をすべきかを考えるのは教育委員会の当然の責務であります。
まず、これまでの適応指導教室についてです。
本市は不登校児童生徒の学校復帰及び社会的自立のため、校外適応指導教室を設置してきました。えがお館にはまかぜ学級、教育センター内にまつ風学級、東箱崎、東住吉小にすまいる学級の4か所を設置しています。
そこで、これまでの校外適応指導教室と今回新設する特例校はどう違うのか、答弁を求めます。
次に、相談体制についてです。
子どもと親が安心して相談できる窓口は不可欠な対策です。本市はこの間、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーを全ての学校に配置、全ての中学校に校内適応指導教室を設置し、教育相談コーディネーターを配置するなどを行っています。児童生徒の僅かな変化をないがしろにしたり、抱える悩みを見過ごすことなく、できるだけ早期に捉え、悩みが深刻化しないようにアドバイスや声かけを行うことは重要です。しかしながら、スクールカウンセラーは週2日の配置ですし、スクールソーシャルワーカーについても、週4日勤務で拠点校巡回型を取っており、いつも学校に配置されているわけではありません。
そこで、現在の体制で子どもたちや親の相談窓口としての機能が果たせているのか、お尋ねします。
次に、フリースクールについてです。
フリースクールは2017年施行の教育機会確保法が示す校外の学び場に位置づけられています。国は2019年の通知で、学校に登校するという結果のみを目標にせず、児童生徒が社会的に自立することを目指す必要があると不登校への支援の在り方を示し、学校とフリースクールの連携を求めています。
そこで、多くの不登校児童生徒の受皿となっているフリースクールについて、本市はどのような評価をしているのか、御所見をお伺いします。
質問の第2は、子ども医療費助成制度についてです。
子どもたちが家庭環境に左右されず、切れ目なく安心して医療が受けられるようにすることは行政の責務であります。子ども医療費助成制度の拡充は多くの子どもと保護者の念願です。本市はこれまで通院に関しては3歳未満は自己負担なし、3歳以上中学3年生までは1医療機関500円で受診できます。また、入院は中学3年生まで自己負担なしとなっています。今回の条例改正案では、2024年1月から高校生世代、すなわち18歳の誕生日前日以後の最初の3月31日まで子ども医療費助成の対象にするというものであります。
そこで、子ども医療費助成の対象を高校生世代まで拡大する理由と意義について答弁を求めます。
以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 一般会計補正予算案のうち、不登校特例校についての御質問にお答えいたします。
不登校児童生徒数の増加につきましては、国において、コロナ禍による生活環境の変化により生活リズムが乱れやすい状況であったこと、学校生活において様々な制限がある中で、うまく交友関係が築けないなど、登校する意欲が湧きにくい状況であったことなどが背景にあるとされておりまして、福岡市も同様であると考えてございます。
次に、不登校特例校の設置に至った経緯につきましては、不登校児童生徒数は全国で増加しており、福岡市においても同様に増加いたしております。そのような中、令和4年10月に開催された、市長と教育委員会が教育に関して協議、調整を行う総合教育会議の場において、不登校児童生徒の現状をしっかり分析し、対応を検討するように市長からの要請もあったところでございます。そのため、教育委員会といたしましても、オンラインルームの開設など、令和5年度には新たな取組に着手するとともに、さらなる支援策を検討するため、不登校児童生徒等に対するアンケート調査を実施したところであります。その調査において、不登校特例校のニーズを確認できたこと等から、設置に向けて取り組むものとしたものでございます。
次に、想定人員につきましては、他都市の不登校特例校の状況などから、40人から60人としております。
次に、対象を中学生とした理由につきましては、中学生は学齢期の出口で、義務教育後の進路を決定する時期でもあり、また、アンケート調査によると中学生のほうが勉強や進路についての不安が大きいことから、まずは中学生に対して学びの場を提供していきたいと考えております。
次に、設置場所につきましては、市内各地からアクセスしやすいこと、学校以外の施設のほうが不登校生徒が通いやすいこと、また、適応指導教室のまつ風学級や公立夜間中学の福岡きぼう中学との連携が図りやすいことなどを勘案し、教育センターを想定しております。
次に、校外適応指導教室と不登校特例校の違いにつきましては、校外適応指導教室は在籍校に籍を置いたまま通級する形で支援を受けるものであるのに対しまして、不登校特例校は当該学校が在籍校となります。また、校外適応指導教室は通級してくる児童生徒が固定されていないため、一律の教育課程にのっとった授業は行っておらず、集団活動や個別学習などを行っているのに対して、不登校特例校は特別に編成された教育課程に基づく授業を実施することとなります。
次に、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーにつきましては、市独自に国が示す重点配置校の配置時間と同等以上の時間を配置いたしております。また、不登校等の相談への対応を専任で行う教育相談コーディネーターを市独自に全中学校に配置しており、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーとの3者で学校における相談支援の体制を構築しているところでございます。
次に、フリースクールにつきましては、設置主体や活動内容が様々であり、福岡市ではフリースクールに通う児童生徒の自立に有効、適切であると判断した場合には指導要録において出席扱いとしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 子ども医療費助成条例等の一部を改正する条例案についての御質問にお答えをいたします。
助成対象を高校生世代まで拡大する理由につきましては、一般的に年齢が低いほど病気になりやすく、医療費がかかる傾向にありますが、高校生世代であっても入院や長期療養などで医療費負担が大きくなる場合がございます。また、子育て世帯においては、小学生、中学生、高校生と子どもが成長するにつれ、教育費や食費などの支出が増加し、家計全体の負担が重くなる傾向がございます。これらを踏まえ、入院は無料、通院は自己負担を一律500円までとするふくおか安心ワンコインを高校生世代まで拡大することで、子育て世帯の経済的負担を軽減し、全ての子どもが家庭環境に左右されず安心して医療を受けられる環境づくりを推進するものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) 不登校児童生徒が本市において急増していることについて、教育長は国と同じ、コロナの影響を挙げられました。先ほど教育長も述べられたとおり、文科省も昨今の不登校増加の背景として、新型コロナウイルスによる生活環境の変化、コロナ禍の下、学校生活において様々な制限がある中で登校する意欲が湧きにくい状況などが考えられると見解を出しており、私も否定するものではありません。コロナ感染者数はいまだなお高い水準で推移しているものの、5類以降、学校生活が感染対策をやりながらコロナ前に戻りつつあることから、児童生徒の苦しさが少しでも軽減されることを願うばかりです。
しかしながら、コロナ前から不登校児童生徒は多数存在しています。感染が広がり始めた2020年は小学校では1,059人、中学校では1,660人が不登校でした。ですから、これまでの本市の教育施策を検証する必要があります。
我が党が議会でこれまで指摘してきたように、本市では理不尽な校則が存在します。下着検査、ポニーテール、ツーブロックを認めない、眉毛を整えてはならないなど、子どもの個性や多様性を押し潰すような行為が現場で行われ、教育委員会もそれを是認してきました。このような行き過ぎた管理教育がいまだなくなっていません。また、全国一斉学力テストや本市独自の生活習慣・学習定着度調査は子どもと学校に管理と競争を押しつけ、前年度平均点を一点でも上回ることを追求するものとなっています。これは子どもたちを疲弊させ、精神的ストレスを増大させています。
そこでお尋ねしますが、このような子どもたちの個性を押し潰し、ストレスを与える本市の教育施策が不登校児童生徒を多く生み出しているのではないかと思いますが、御所見をお伺いします。
次に、新設される不登校特例校についてです。
私はこの質疑に当たって、不登校の子どもを持つ保護者の方々を中心にアンケートを行いました。福岡市が不登校特例校を新設することについての感想、そして、福岡市の不登校対策への要望を回答してもらいました。どれも切実な声ばかりですので、紹介しながらただしていきたいと思います。
まず、特例校の設置決定までの経緯についてです。
これまでも様々な不登校対策をやってきたが、今回、新たな取組を行うといった答弁でしたが、アンケートでは、対応が遅過ぎるという意見が出ています。国が特例校の方針を出して6年たっているわけですから、このような声が上がるのは当然です。「開校が再来年なので、もっと早くつくれたら通える子がいるのにと感じました」という意見もありました。
したがって、不登校の児童生徒や保護者が一つでも多くの学びの選択肢を求めている状況があった中で、特例校設置の決定はもっと早い時期にやるべきだったのではないかと思いますが、御所見をお伺いいたします。
設置場所を教育センターにしたことについて、市内各地からアクセスしやすいことを理由として挙げられました。しかし、実はアンケートではこの場所についての懸念が一番出ています。「教育センターでは不便」、「アクセスしにくい」、「遠い場所に1校あっても魅力を感じない」、「教育センター内だと学校っぽくて、今学校に行けない子にはハードルが高いと思います。発達障がいの子は親が働いている場合、一人だとバスに乗れない子もいるので、通いたくても遠くて行けない子も多い」という意見が挙げられていました。
そこで、これだけの不登校児童生徒を抱えている本市の場合、特例校が早良区百道の教育センター1か所では通いたくても物理的に通えない子どもが出てくると思いますが、御所見をお伺いいたします。
生徒数に関しては、他都市の状況から想定しているという答弁ですが、やはり中学生の不登校生徒が2,403人いる中で、40人から60人という想定人数は定員の少なさに愕然としているとアンケートでも声が上がるのは当然です。一方で、アンケートでは期待の声も上がっています。「学校へ行けなくなり、フリースクールへ通わすお金もなく、ただ家にいるだけになっているのでとても助かります。選択肢が増えるのでうれしい」、「学校に行けなくなった子どもたちの選択肢が学校以外にないことが子どもにとっても親にとってもきついと思うので、設置は必要」「うちの子の課題はコミュニケーションが苦手というところなので、外に出て人に会うという経験を重ねて、自分に自信を持ってほしい」こういった声が上がっています。
そこで、特例校の設置を心待ちにしていた生徒、保護者も多いと予想される中、想定人数を大幅に超える就学希望者が出た場合、どのように対処されるのか、お尋ねします。
また、小学生を対象にしていないことについては、まずは中学生からといったことを言われました。しかし、小学校の不登校児童は5年前から本市の場合、約4倍化しています。深刻な状態です。コロナ禍での家庭内の変化や学校生活の変化に大きく影響を受けているのが小学生だと言われています。他都市の特例校を見てみますと、八王子市立高尾山学園では小学4年生から中学3年生までを受け入れています。
そこで、今後、小学生も不登校特例校で学べるように検討すべきと思いますが、御所見をお伺いします。
既に開校している特例校を見てみますと、少人数学級、個別指導など、子どもの状況に寄り添ったカリキュラムが用意されています。これを可能にするのが教員の配置です。さきに紹介した高尾山学園は67人の児童生徒に対して教員15人、中学部専任教諭4人、補助指導員8人、スクール・サポート・スタッフ2人、心理相談員4人、プレイルーム担当4人など、総勢40人のスタッフをそろえています。
そこで、本市での特例校でも子ども一人一人に合ったサポート、指導ができる教員の配置は不可欠だと思いますが、御所見をお伺いします。
一般的な学校では、学校教育の目的に沿って学年ごとに授業や学習計画が決められている教育課程があります。そのため、児童生徒の理解度や習熟度にかかわらず、一定のペースで授業が進められていきます。一方で、不登校特例校では、この教育課程に沿った教育をする必要はないため、不登校の子どもに合った特別の教育課程を実施することができます。
そこで、今後、独自の教育課程を策定するに当たって、専門家や児童生徒、保護者の意見を反映させる仕組みを検討されるのか、御所見をお伺いします。
次に、圧倒的人数を占める特例校に通えない不登校児童生徒についてです。
教育長の答弁で言えば、特例校に通うことは居住地の学校から転校すること、すなわち学校は違えど、学校に復帰することになるということです。学校復帰は大事なことですが、近年、そのことにこだわらない動きもあります。文科省は2019年10月25日、不登校児童生徒への支援の在り方についてという通知を出し、不登校児童生徒への支援は、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があることと、これまでの学校復帰を前提にした不登校対策の方針を改めました。今回の特例校は学校で学ぶことを望んでいる生徒の受皿になりますが、多くの不登校生徒は学校に復帰しなくてもよい学び方を望んでいることも考えられます。
そこで、学校復帰を前提にしない不登校対策の必要性について御所見をお伺いします。
また、本市の教育振興基本計画には不登校児童生徒の復帰率、すなわち指導の結果、登校する、またはできるようになった児童生徒の割合を49.2%から65%に引き上げる評価指標が定められていますが、文科省も新たな見解を示している中、この評価指標を追求することは不登校問題になじまないのでやめるべきと思いますが、御所見をお伺いします。
本市の相談体制について十分足りているという答弁でしたが、私は不十分だと思います。今や小学校の場合、42人に1人が不登校、2クラスあれば必ず1人はいるという状態です。中学校の場合は21人に1人が不登校、3クラスあれば2人はいるという状態です。例えば、21学級ある中学校は36校で全体の半数以上を占めますが、3クラスに2人の不登校生徒がいることを換算すると、1校当たり14人以上の不登校生徒がいることになります。この状態で各校にスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置したからといって、対応できているとは言い難いと思います。さきに述べたように、こういったSSW、それから、スクールカウンセラーは一日中常駐しているわけではありませんので、なおさらです。
そこで、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの体制をさらに充実させるべきと思いますが、答弁を求めます。
また、専門職であるスクールソーシャルワーカーは週4日勤務で、身分も会計年度任用職員であり低待遇のため、仕事を続けたくても続けられない人が少なくありません。一生の仕事にできない、家庭を支える給料ではないという声がいまだ上がっています。全てのスクールソーシャルワーカーを正規雇用にして待遇を改善し、しっかりと不登校対策に取り組んでもらうことが必要だと思いますが、御所見をお伺いします。
次に、フリースクールについてです。
学校長が適切な相談、指導を受けていると判断した児童生徒については、出席扱いするなどの対応を行っていると、一定の役割を果たしていることをお認めになられました。私が行ったアンケートでも、フリースクールを公式な教育施設にしたほうが学校に行ける子が増えると思うとフリースクールへの期待が述べられています。共働きの家庭では、不登校の子どもは家に一人で取り残されることになります。また、家に閉じ籠もるのではなく、外部での刺激を求める保護者も少なくありません。そんな心配を解消し、要求を満たしてくれるのがフリースクールです。
市内のあるフリースクールを調べてみました。授業もあり、発達障がいのお子さんにも対応しているようです。マンツーマンで対応されているとのことで、手厚い対応だと評判です。授業料は年間38万5,000円、これに施設費、教材費など10万円が上乗せされます。とても安いとは言えない金額であり、通っている保護者は、私立に行かせているのと同じぐらいと語っておられます。また一方で、このくらいの金額で学校が運営し続けることができるのかと心配の声も上がっているそうです。保護者も運営者も大変な負担がかかっていることがうかがえます。
そこで、本市はこの不登校児童生徒の学びや生活をサポートしているフリースクールに対して何らかの財政支援を行っているのか、お尋ねします。
次に、子どもの医療費助成制度についてです。
局長は高校生世代まで対象を拡大したことについて、子育て世代の経済的負担の軽減を挙げられました。私たちもこれまで子どもの保健の向上、福祉の増進のためだと、重要な施策であると位置づけてまいりました。本制度は1971年の我が党の議会質問をきっかけに、1973年6月から実施されたものであります。当時は3歳未満が対象でしたが、制度導入以前の1970年には10.1%だった乳児の死亡率を大きく引き下げる役割を果たすとともに、子育て世代の経済的負担の軽減を図る役割を果たしてまいりました。今日に至るまで市民の粘り強い運動と議会論戦によって対象が拡大され、このたび高校生世代まで広がることは喜ばしいことです。しかし、対象は広がりましたが、通院の場合、3歳から高校生世代まで1医療機関当たり500円の自己負担はそのまま残されることとなっています。保健医療局から頂いた「子ども医療費助成事業 政令市の状況」という資料によると、既にさいたま市、横浜市、そして、名古屋市で通院、入院ともに自己負担なし、つまり子ども医療費完全無料化を果たしています。
そこでお尋ねしますが、今回、対象を広げるものの、他都市と比較すると福岡市の制度は決して進んでいるものとは言い難いと思いますが、御所見をお伺いします。
以上で2問目を終わります。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 一般会計補正予算案のうち、不登校特例校についての御質問にお答えいたします。
不登校の要因に関するお尋ねですが、近年の増加につきましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、国において、コロナ禍による生活環境の変化により生活のリズムが乱れやすい状況であったこと等が背景にあるとされておりますほか、児童生徒の休養の必要性に関する考えが浸透したこと、SNSやゲーム等の普及により家庭にいても容易に外部につながることができ、様々な経験が可能となったという社会の変化も影響しているという意見もございます。福岡市においても同様に、不登校の要因や背景は個々の状況によって多様であると考えております。
次に、不登校特例校設置の決定時期に関するお尋ねでございますが、不登校特例校の検討を開始するに当たり、ニーズを確認する必要があったため、不登校児童生徒などにアンケート調査を実施し、その結果を踏まえ、速やかに対応いたしております。
次に、設置数につきましては、他都市の不登校特例校の状況などから、入学者を40人から60人と想定しているため、1か所と考えてございます。なお、設置場所につきましては、市内各地からアクセスしやすい教育センターを想定しているところであります。
想定人員を大幅に超える希望者が出た場合につきましては、不登校の子どもたちの状況や求める支援は様々であり、不登校の子どもが全て不登校特例校を希望するものではないと考えておりますが、現在想定している60人以上が入学を希望した場合は、不登校特例校への適性も確認した上で、工夫して対応してまいりたいと考えております。
次に、小学生に関するお尋ねですが、小学生につきましては通学の負担、安全など考慮すべきことがあるため、アンケート結果を踏まえ、さらにどのような支援が必要か検討してまいります。
次に、教員の配置につきましては、不登校の子どもたちが希望を持って安心して学ぶことができる学校となるよう、教員を適切に配置してまいりたいと考えております。
次に、教育課程の編成についてのお尋ねですが、教育課程を不登校児童生徒の実態に配慮したものとするために、アンケート調査で把握した児童生徒や保護者の意見を参考にするとともに、専門家などの意見を伺いながら検討してまいりたいと考えております。
次に、学校復帰を前提としない支援につきましては、文部科学省の通知でも「不登校児童生徒への支援は、『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要がある」とされておりまして、福岡市でも同様に考えております。
次に、不登校対策に関する評価指標につきましては、現在、次期教育振興基本計画の策定に着手しており、その中で検討してまいります。
次に、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーにつきましては、これまでも市独自に充実を図ってきたところであり、スクールソーシャルワーカーの7人は正規職員として採用いたしております。さらなる充実については、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを正規職員として定めるよう国に要望しているところでございます。
次に、フリースクールに対する財政支援につきましては、現在、福岡県が実施しており、福岡市においては実施いたしておりません。以上でございます。
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 子ども医療費についての御質問にお答えをいたします。
他の政令市の状況につきましては、本年8月1日現在、助成対象を18歳に達した日以後の最初の3月31日まで、いわゆる高校3年生相当といたしておりますのは、20政令市のうち8市であり、そのうち入院、通院ともに自己負担なしで実施をしている政令市は名古屋市の1市でございます。
本市では財源を確保しつつ、将来にわたり持続可能な制度とするために自己負担を導入しているものでございますが、3歳から高校生世代まで通院費を1医療機関につき一月500円までと負担を抑えることで、高校生世代まで自己負担がない名古屋市に次ぐ手厚い支援となるものと考えております。以上でございます。
○議長(打越基安) 倉元達朗議員。
○50番(倉元達朗) まず、子ども医療費助成制度についてです。
今回の対象拡大について局長は政令市比較で進んでいると胸を張りますが、既に政令市で完全無償化を実現しているところがあるわけですから、私はそうだと思いません。ふくおか安心ワンコインと言われますが、子どもがたくさんいたり、内科、外科、皮膚科など複数の病院にかかればワンコインどころではありません。また、物価高騰の影響は当然子育て世帯に重くのしかかってきており、特にシングルマザーの負担も大変だと聞いております。試算してみますと、あと年間8億6,000万円を予算に追加すれば自己負担がなくなります。
したがって、市長は今回の対象拡大にとどまらず、子どもの医療費を高校生世代まで通院も自己負担をなくして完全無料にすべきと思いますが、御所見をお伺いします。
次に、不登校特例校についてです。
設置の決定時期について速やかに行ったと答弁されますけれども、多くの児童生徒と保護者が悩み苦しんでいるわけですから、やはり国の方針が出てから今日まで6年かかった。悠長だったと言わなければなりません。さきに述べたように、特例校に対する期待は大きいわけです。設置場所についても、いろんな意見が耳に入ってきています。その根っこは、身近なところに設置してほしい、すなわち今回の1か所だけでは駄目ですよという思いだと受け止めていただきたい。教育課程も独自につくるというのが特例校の特徴なのですから、いろんな児童生徒に合わせたカリキュラムをつくっていただいて、特例校なら行ってみようかなと思う児童生徒を少しでも増やすべきであります。
したがって、当事者や専門家の意見を取り入れて教育課程をつくり、不登校児童生徒に寄り添った不登校特例校になるようにすべきだと思いますが、御所見をお伺いします。
また、今回の1校だけでなく、今後、2校目、3校目と不登校児童生徒に学校で学ぶ選択肢を増やすべきと思いますが、御所見をお伺いします。
特例校に通えない不登校児童生徒の対策の充実も極めて重要です。学校復帰を前提にしない対策の必要性についてお認めになりながら、不登校児童生徒の学校復帰率はそのまま評価指標として残すというのは、事の本質が分かっていないと言わざるを得ません。ぜひ次の計画で見直していただきたいと思います。これはただでさえ苦しい思いをしている児童生徒や保護者にプレッシャーを与えることになっている。数字を追求すれば必ず間違った対応が生じ、児童生徒をさらに傷つけることにもなりかねません。やめるべきです。改めて要求しておきたいと思います。
相談体制の充実もマンパワーが基本ですから、スクールソーシャルワーカーなどの正規化をはじめとする待遇改善を求めます。7人が正規だからといって胸を張れるものではありません。全てを正規にすべきです。
フリースクールへの助成を本市はやっておりません。しかし、役割については一定認めているわけですから、何もしないというのは、都合がよ過ぎるのではないでしょうか。多くの施設が不安定な経営を強いられ、家庭の経済的負担も軽くない。関係者からは責任の大きさに支援が見合っていないと悲鳴が上がると読売新聞は報じていました。特例校に行きたくても行けない子のために、フリースクールも全額公費負担にすべきと、これは私のアンケートに答えてくれた方の意見です。
そこで、不登校の児童生徒が通いやすくするためにも、本市はフリースクールへの財政的支援を行うべきと思いますが、御所見をお伺いします。
最後に、不登校児童生徒を生まないために何をなすべきかという問題です。もっと予算と人員を増やして、先生に余裕がある環境が必要だと思います、私のアンケートへの回答です。この方の子どもさんは自閉症ですが、小学1年生のときに先生にひどい怒られ方をして、怖い思いをして不登校になってしまいました。やはり先生たちに余裕がなかったら、こういうことが起きてしまうわけです。手厚い生活指導、学習指導が不登校の予防になることは当然であり、そのためには教員の配置や働き方の改善が必要です。また、アンケートの回答には「学校の常識や校則が子どもを縛り過ぎて、息苦しくて通えない子も多いんです。こんなに不登校児や学校が苦しい子が増えている理由を学校はもっと分かってほしいです」という管理教育によるストレスを改善してほしい旨の要望も出されております。理不尽な校則、学力テスト、過大規模校など、子どものストレスを取り除くことが必要ですが、それが不登校児童生徒を生み出す一因と認めようとしないところに教育委員会の異常さがあります。国で増えているから福岡市で増えるのも当然なんだ、こんな態度じゃ不登校児童生徒は減りませんよ。そこに気づかないと根本的な解決にはなりません。
したがって、不登校児童生徒を生まないためにも、ストレスをため込んだ子どもに寄り添い、憲法や子どもの権利条約に基づいて子どもの人権と尊厳が尊重され、教育の目的である人格の完成が土台に据えられた教育計画へと抜本的に見直すべきだと思いますが、御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 一般会計補正予算案のうち、不登校特例校についての御質問にお答えいたします。
不登校特例校の設置数につきましては、繰り返しになりますが、他都市の不登校特例校の状況などから、入学者を40人から60人と想定しておりますため、まずは1か所の開設を考えてございます。
次に、当事者や専門家の意見についてのお尋ねですが、これも繰り返しになりますが、アンケート調査で把握した児童生徒や保護者の意見を参考にするとともに、専門家等の意見を伺いながら、不登校生徒が安心して学ぶことができる学校となるよう取り組んでまいります。
次に、不登校特例校に通えない児童生徒の対策の充実につきましては、アンケート調査で得られたデータを分析し、今後検討してまいります。
次に、フリースクールへの公的支援につきましては、フリースクールにも様々な形態や支援内容があり、また、それに対して公的に支援する必要性なども明確になっているとは言えないことから、まずは国や他都市の動向を注視してまいりたいと考えております。
第2次福岡市教育振興基本計画につきましては、教育基本法の規定に基づき、国の教育振興基本計画を参酌し、福岡市の教育の大きな方向性を示す基本的な計画として議会からも御意見をいただきながら策定しておりまして、目指す子ども像や重視する教育の方法、推進すべき施策を定めております。なお、現計画の対象期間が令和6年度までとなっていることから、今年度から次期計画策定に向けた検討に着手しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市では、安心して子どもを生み育てられるまちとするために、子育て施策の充実など様々な取組を行っているところでございます。その中で、本市における子育て施策の大きな柱の一つであります子ども医療費助成制度につきましては、令和3年7月からふくおか安心ワンコインを実施し、負担の軽減を図ってきたところでございます。さらに、令和6年1月からは助成対象を高校生世代までに拡大し、家庭環境に左右されず、全ての子どもたちが安心して医療を受けられる環境づくりを行ってまいります。今後とも、子どもの命と健康を守るために安心して生み育てられるまちづくりにしっかりと取り組んでまいります。以上です。
○議長(打越基安) 田中たかし議員。
○57番(田中たかし)登壇 私は福岡市民クラブを代表して、議案第184号、令和5年度福岡市一般会計補正予算案(第3号)の中から、電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金、道路災害復旧事業、不登校特例校の設置検討、以上3点について質問いたします。
初めに、電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金についてお尋ねいたします。
今回、住民税非課税世帯などに対する生活支援として12億3,000万円が計上されておりますが、電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金の概要と追加補正の内容について、まずはお聞かせいただきたいと思います。
次に、道路災害復旧事業についてお聞きします。
今回上程されております2億1,300万円の追加補正は、去る7月10日に発生した豪雨被害により被災した道路を復旧させるために組まれたものとなりますが、そこで、まずお尋ねいたします。
今回の豪雨被害を受けて、本市が復旧工事を実施する箇所は何か所となるのか、お示しください。
加えて、今回の組まれた約2億1,300万円の予算、その財源の内訳をお示しいただくとともに、その割当てはどのようになっているのか、箇所に応じて詳細をお示しください。
政府は8月25日に今回の全国各地の豪雨被害を激甚災害に指定しました。激甚災害に指定されますと、道路、橋、トンネル、河川、学校などの復旧、建設事業、農地や水産業施設の復旧事業、感染予防事業などの国庫補助率が通常の5割から8割から、1割りから2割かさ上げされるわけですが、今回の激甚災害指定に伴い、本市の道路災害復旧に当たって、その国庫補助率にどういった影響があるのか、御説明いただきたいと思います。
最後に、不登校特例校についてお尋ねしていきます。
コロナ禍を経て、全国的に不登校児が増加傾向にあると言われています。文部科学省は、コロナ禍での生活環境の変化や学校生活での様々な制限が交友関係などに影響し、登校する意欲が湧きにくくなったのではないかと分析しておりますが、こういった傾向を受けて、本市としても対策を急ぐ必要性が高いことから、今回議案として上程されたものと理解しております。
今回の追加補正として計上された金額の使途は、設置に向けた検討等を実施するとされております。不登校特例校自体の詳細について今回諮られるものではありませんが、本市の不登校特例校に対する考え方、そして、不登校特例校の全体像を把握するために、その詳細について質問をさせていただきたいと思います。
まずお尋ねしますが、福岡市の不登校児の傾向について、過去5年の人数をお示しください。また、直近の分かる年で小学生と中学生の割合についてもお示しください。
また、そのような不登校児に対して、本市ではどのような取組を行っているのか、その詳細についてお示しください。
その点も踏まえて改めてお伺いしますが、本市が不登校特例校を設置しようと考えた背景と経緯についてお示しいただくとともに、そもそも不登校特例校とはどういった学校であるのか、詳しくお示しいただきたいと思います。また、その法的根拠は何であるのかについても重ねてお尋ねいたします。
また、不登校特例校について国はどのように考えているのか、文部科学省の方針についてもお示しください。
また、全国にこの不登校特例校は何校ほどあるのか、小中高別、さらには公立、私立別の数字もお示しいただきたいと思います。
また、なぜこのタイミングで不登校特例校設置に向けて補正予算を上程することになったのか、その理由を御説明ください。
さらに、今回上程された追加補正約980万円そのものについてですが、内訳は何であるのか、加えて、その点も踏まえて今年度はどこまでの進捗を考えておられるのか、その見通しについてもお示しいただきたいと思います。
最後に、この不登校特例校、これを本市はどの校種で何校設置を想定しているのか、また、入学想定を何人としているのか、その算定根拠をお示しいただくとともに、設置場所をどこにするのか、その根拠も併せてお示しください。
以上で1回目を終わり、以降は自席にて質問いたします。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金についての御質問にお答えいたします。
制度の概要につきましては、令和5年3月28日の閣議決定において、物価高騰対策として低所得世帯に対し緊急支援給付金を支給することが決定されたことを踏まえ、5年5月1日現在、福岡市に住民登録があり、世帯全員の4年度分または5年度分の住民税が非課税の世帯及び申請日時点で福岡市に住民登録があり、予期せずに5年1月から9月の間に家計が急変し、非課税世帯と同様の事情があると認められた家計急変世帯に対し、1世帯当たり3万円を支給するものでございます。
補正の内容につきましては、給付対象世帯の変更等に伴う増額について計上するものでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 道路災害復旧事業に関する質問についてお答えいたします。
まず、今回道路災害復旧事業により実施する復旧工事の箇所数につきましては、11か所を予定しております。
次に、補正予算2億1,300万円の財源内訳としましては、国庫支出金が1億1,539万1,000円、市債が5,700万円、一般財源が4,060万9,000円となっております。
箇所に応じた割当てとしましては、公共事業として、下原名切(東−1)線ほか9か所で1億7,300万円を計上しており、その財源内訳は、国庫支出金が1億1,539万1,000円、市債が5,700万円、一般財源が60万9,000円となっております。また、単独事業として、金屑川に隣接する田村1551号線で4,000万円を計上しており、その全額が一般財源となっております。
最後に、国庫補助金への影響につきましては、激甚災害に指定されますと、被災による復旧費用と自治体の標準税収入に対する割合に応じて国庫補助率のかさ上げがある場合がございますが、今回の場合、福岡市の標準税収入に比べて被災による復旧費用が小さいため、国庫補助率に影響はございません。以上でございます。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 一般会計補正予算案のうち、不登校特例校についての御質問にお答えいたします。
福岡市立小中学校における不登校児童生徒数につきましては、平成30年度が1,814人、令和元年度が2,505人、2年度が2,719人、3年度が3,535人、4年度が速報値ですが、4,400人でございます。また、令和4年度の不登校児童生徒数における小中学生の割合は、小学生が45.4%、中学生が54.6%でございます。
次に、不登校児童生徒に対する本市の取組につきましては、これまで不登校の未然防止及び早期発見のためのQ−Uアンケートの実施をはじめ、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー及び教育相談コーディネーターの配置による相談支援体制の整備、校内、校外への適応指導教室の設置などに取り組んでまいりました。さらに、令和5年度はQ−Uアンケートを小中学校全学年に拡大したほか、新たにひきこもりがちな児童生徒を支援するオンラインルームの開設や、不登校児童生徒が自宅や適応指導教室で学び直しに活用する動画教材の導入などにも取り組んでおります。
次に、不登校特例校の設置を検討することになった背景と経緯につきましては、不登校児童生徒は全国で増加しており、福岡市においても同様に増加いたしております。そのような中、令和4年10月に開催された市長と教育委員会が教育に関して協議、調整を行う総合教育会議の場において、不登校児童生徒の現状をしっかり分析し、対応を検討するよう市長からも要請があったところでございます。そのため、教育委員会といたしましても、オンラインルームの開設など、令和5年度には新たな取組に着手するとともに、さらなる支援策を検討するため、不登校児童生徒等に対するアンケート調査を実施したところであります。その調査におきまして、不登校特例校のニーズを確認できたこと等から、設置に向けて取り組むこととしたものでございます。
次に、不登校特例校の概要及び法的根拠につきましては、不登校特例校とは、学校教育法施行規則の規定に基づき、不登校児童生徒に対し、その実態に配慮して特別に編成された教育課程に基づく教育を行う学校とされております。
次に、不登校特例校に関する文部科学省の方針につきましては、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律において、国及び地方公共団体は不登校特例校の整備及び不登校特例校における教育の充実のために必要な措置を講ずるように努めることとされております。また、令和5年6月に閣議決定されました国の第4期教育振興基本計画及び経済財政運営と改革の基本方針2023では、不登校特例校について、各都道府県、政令指定都市に1校以上の設置を進めるとされております。
次に、全国における不登校特例校の数につきましては、令和5年4月現在、24校でございます。その内訳は、小学校3校、中学校16校、小中一貫校2校、高等学校3校でございまして、公立は14校、私立は10校となっております。
次に、補正予算を提案する理由につきましては、アンケート調査において一定の不登校児童生徒が不登校特例校への通学を希望し、保護者も通わせたいと考えていることが把握できたことから、そのニーズにできるだけ早く対応するため補正予算をお諮りするものでございます。
次に、補正予算の内訳につきましては、他都市調査などの旅費、施設改修の設計に係る委託料などでございます。今年度は施設内容を検討し、設計を行うとともに、文部科学省との協議に向けて、教育課程など、学校の設置や運営に必要な事項について検討してまいりたいと考えております。
次に、不登校特例校の校種及び校数については中学校1校を予定いたしております。入学想定人員につきましては、他都市の不登校特例校の状況などから40人から60人を想定いたしております。設置場所につきましては、市内各地からアクセスしやすいこと、学校以外の施設のほうが不登校生徒が通いやすいこと、また、適応指導教室のまつ風学級や公立夜間中学の福岡きぼう中学との連携が図りやすいことなどを勘案し、教育センターを想定いたしております。以上でございます。
○議長(打越基安) 田中たかし議員。
○57番(田中たかし) では、2回目に入ります。
まず、緊急支援給付金です。
今回上程されている12億3,000万円、これは今の御答弁によりますと、3月28日の閣議決定により支給されることになった低所得者への物価高騰対策、これに関連するということであります。思い起こせば、我々の福岡市議会議員選挙告示日を目前に控えた3月29日に臨時議会が招集されました。慌ただしく議会に来たことを今でもはっきり覚えておりますが、その際、緊急支援給付金78億5,809万円の追加補正が全会一致で可決されました。国の決定を受けて速やかに給付するということで、あの時期の議会となったわけですけれども、今回、さらに関連した予算が追加補正されるということになります。
そこでお尋ねしますが、この追加補正の内容について、対象となる世帯の内訳についてお示しいただくとともに、3月補正時とどのように変わったのか、説明願います。
また、今回上程されている12億3,000万円の積算根拠についてお示しください。
また、本年3月の臨時会で支給が決定した78億円余、この財源は全額国庫支出金によるものでしたが、今回は全額一般財源がその財源となっております。
そこで、今回はなぜ一般財源からの支給となるのか、その理由についてもお尋ねいたします。また、財源はどこから捻出されたのかについても、併せてお示しください。
さらには、本年6月から支給が開始されておりますが、その支給状況についてお尋ねいたします。また、いまだ支援が届いていない方に対しての対策についてもお示しください。
続いて、道路災害復旧事業です。
御答弁によりますと、まずその財源ですが、約2億1,300万円のうち、約1億1,500万円が国費であると。そして、残りの約9,800万円が市の独自財源ということであります。さらに、その9,800万円のうち、5,700万円は市債を組んで災害復旧に充てるということでありまして、一般財源の4,000万円は田村1551号線に隣接する金屑川の復旧費用に充てるということも分かりました。
つまり、金屑川の復旧とほか10か所の復旧、これは立てつけが違うということになるわけですが、そこでお尋ねしますけれども、市の予算で災害復旧を実施するに当たって、なぜ市債を組んで工事を実施するところと一般財源を使って復旧工事を行うところ、このように区別されるのか、理由をお示しください。
今回補正予算に計上されている道路災害復旧費用とは、文字どおり被災した道路の復旧に充てられるわけですが、この田村1551号線に関して言えば、結局は金屑川の護岸が猛烈な水流に耐え切れずに破壊され、その横を通る田村1551号線に被害が及んだということになります。つまりは、金屑川の護岸の強度がもっと高ければ、このような事態にはならなかったとも言えます。河川整備の重要性を改めて浮き彫りにしたのかなと私も個人的に思っておりますが、そこでお尋ねいたします。
この田村1551号線、そして金屑川ですが、先日私も現地を見てきましたけれども、当面の応急措置は取られており、道路の通行止めも解除されている、そういう状況ですが、この金屑川の護岸復旧について今後どのような工事が行われるのか、また、どの程度の期間を必要とするのか、工事スケジュールについてお示しいただきたいと思います。
また、金屑川は室見川水系の二級河川、つまり県管理の河川となるわけですが、なぜ本市が4,000万円の一般財源を捻出して復旧工事を行うのか、その理由を御説明いただくとともに、なぜ金屑川の災害復旧に県からの支出がないのか、理由を御説明ください。
加えて、金屑川の河川整備に関し、県の方針はどのようになっているのか、お示しいただきたいと思います。
最後、不登校特例校についてです。
1回目の御答弁をおさらいしながら進めていきますが、まず、本市の不登校児の数、これはやはり増加傾向にあるということは分かりました。令和4年度の速報値で約4,400人ということですので、過去からの推移も御答弁いただきましたけれども、確実に増加傾向にあると、それは間違いないということになります。本市としても、そういった子どもたちの学びの場を保障するということで、既に校内外の適応指導教室などの環境提供をしているというのは御答弁にもありましたけれども、そういった中で、現行の対策にとどまらず、今回、不登校特例校の設置検討を行うというのは、不登校の子どもたちにとってさらに選択肢が増えるということになり、対策が一歩進むのかなと考えております。
その設置の必要性についてはアンケート調査の結果で確認ができているということでもありましたので、まずお聞かせいただきたいんですけれども、そのアンケートの内容はどういったものであったのか、対象者は誰で、どれだけの回答を得られたのか、お示しください。
また、6月実施のアンケートの結果を基に、9月で追加補正を上程するというのは性急な感も否めないわけですけれども、この点についての御所見をお聞かせいただきたいと思います。
今回の補正予算約980万円は設置検討のための費用ということでありますが、本市がどのような不登校特例校を想定しているのか、この約980万円には施設改修の設計委託料も盛り込まれておりますので、ここでは少々踏み込んで確認をさせていただきたいと思います。
まず、その概要です。先ほど令和4年度の不登校児の内訳をお聞きしました。また、全国にある不登校特例校がどの程度設置されているのか、その状況も確認させていただきました。御答弁によれば、本市の不登校児は小学生が45.4%、中学生が56.4%とほぼ半々ということが判明しております。本市では中学校1校ということで想定されているようですが、全国の不登校特例校を見ても、小学生を対象とするもの、これが5校ありました。
現在、本市の小学校にはステップルームなどの適応指導教室もなく、不登校児対策の人員配置も中学校と比較すれば手薄と言わざるを得ない上、小学校で不登校児であった子はそのまま中学校に進学しても不登校が継続してしまうという傾向もあります。民間のフリースクールなども金銭的な面などから通える児童数が少数にとどまっている現状もあることから、小学校の不登校児に対する支援も急務といえるわけですが、なぜ本市は中学校を1校とされたのか、その理由を御説明いただくとともに、今回の設置検討に当たって、小学校は検討対象とならないのか、御答弁いただきたいと思います。
また、設置場所は既に夜間中学校が開校している教育センターを想定しているということでありましたが、その理由として、まつ風学級やきぼう中学との連携が図りやすいからと御答弁されておりました。
特に様々な人生経験を経て、なおまだ依然として学ぶ意欲を強く持っておられる方々が通うきぼう中学校との連携はよい効果をもたらしてくれるものと私も考えておりますが、この点について、では、連携とは具体的にどのようなことを想定しているのか、不登校特例校に通う子どもたちにどのような影響を与えるとお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
関連して、既にきぼう中学校が開校している教育センター内で十分な学習環境が確保できるのかについても、御所見をお聞かせいただきたいと思います。
また、入学者数についても先ほど御答弁いただきましたが、人数が40名から60名ということであります。他都市の不登校特例校を参考にされているということですけれども、改めてお伺いしますが、入学対象者をどのように考えているのか、また、その対象の範囲内であれば、希望すれば全て入学を認めるのか、御説明ください。
また、本市が想定している不登校特例校は、きぼう中学校のように校長先生も配置される、いわゆる単独校となるのか、見通しをお示しいただきたいと思います。
続いて、その指導カリキュラムについてもお尋ねしていきます。
1回目の質問で、そもそも不登校特例校とはどんな学校であるのかと、その大枠についてお尋ねさせていただきましたが、不登校児童生徒に対し、その実態に配慮して特別に編成された教育課程に基づく教育を行う学校であると、そういう御答弁でありました。
これまで不登校であった子どもたちを受け入れるわけですから、細心の注意を払いながら、個々の学校に行こうと、登校しようと、そういう気持ち、また、勉学に対するやる気、そういったものをそがないよう、可能な限り個々人の状態に合わせてカリキュラムが組まれるべきと考えますが、その点について教育委員会の御所見をお聞かせいただくとともに、一般の中学校と比較して授業時間数や登校日数などはどの程度違うものになるのか、そちらのほうもお示しください。
加えて、既に本市には不登校児の学びの場として、ステップルームやはまかぜ学級など、校内外の適応指導教室があると、これも御答弁があったわけですけれども、改めてお伺いしたいのですが、これら学級と不登校特例校は具体的に何が違うのか、詳細な説明をお願いいたします。
また、中学校在校中の成績評価、これが高校入試に当たっては大きな比重を占めるということもあるかと思いますが、成績評価はどのようにされるのか、そちらのほうもお示しください。
ここまで不登校特例校の概要と施設、学習カリキュラムなど、本市が考える方向性について伺ってきましたけれども、実際に設置となる場合、今後どのような手順、手続が必要となるのか、文科省との協議も今後どのように進めていくのかも含めて御説明いただきたいと思います。
以上で2回目を終わります。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 緊急支援給付金についての御質問にお答えいたします。
対象世帯につきましては、3月補正時点では国から詳細は示されておらず、一日でも早く支給するため、過去の給付金対象者と同様の取扱いとすることとし、令和4年度住民税非課税世帯と家計急変世帯を対象としておりました。その後、国の交付金は、5年度住民税非課税世帯を対象とすることが示されたことから、その世帯も含めて対象としたものであり、内訳としましては、4年度住民税非課税世帯が23万5,000世帯、それを除く5年度住民税非課税世帯が3万6,000世帯、家計急変世帯が5,000世帯でございます。
次に、補正額につきましては、令和5年度に新たに住民税非課税となった世帯分など、4万1,000世帯分に3万円を乗じた12億3,000万円を計上しております。
次に、財源につきましては、令和4年度は住民税非課税で5年度は課税となった世帯及び家計急変世帯については国の交付金の対象外であり、補正予算の財源には一般財源を充当しております。また、財源は例年、前年度の決算が見込める9月補正以降は決算剰余金を活用しております。
次に、支給状況につきましては、約27万世帯に確認書を発送し、8月29日時点で約21万7,000世帯から返送があり、そのうち約93%の20万1,747世帯に支給を行ったところでございます。
なお、確認書の返送がない世帯に対しては、個別に手続の勧奨通知を送付するとともに、市政だよりやホームページ等での周知を行うなど、必要な方に支援が届くよう取り組んでいるところでございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 道路災害復旧事業に関する質問についてお答えいたします。
まず、市債を活用するものと一般財源を用いるものとで区別をする理由につきましては、通常、公共土木施設は長期にわたり使用するため、負担の公平性の観点から市債を活用しており、今回、公共事業として実施する下原名切(東−1)線ほか9か所の災害復旧につきましても、同様の取扱いとしております。一方、単独事業として実施する田村1551号線につきましては、隣接する金屑川において都市基盤河川改修事業による河川の拡幅整備を進めており、今回の被災箇所についても、今後、拡幅整備を予定していることから、暫定的な復旧として市債を活用せず、一般財源で対応するものでございます。
次に、田村1551号線及び金屑川の復旧につきましては、今回被災を受けた道路と河川護岸の安全確保を第一に考えつつ、今後の河川拡幅整備を見越した暫定的な復旧方法について現在検討中でございます。工事スケジュールにつきましては、10月以降に復旧工事を発注する予定であり、年度内の工事完了を目指しております。
次に、二級河川の金屑川について、福岡市が一般財源により復旧工事を行う理由につきましては、今回被災を受けた田村1551号線と隣接する金屑川の河川護岸は道路施設と河川施設の兼用工作物であり、その兼用工作物が被災した場合、国が定めた方針に基づき、被災による市民生活への影響が大きい施設の管理者が災害復旧事業を行うこととなっております。今回被災した田村1551号線については、長期間の通行止めにより市民生活に大きな影響を生じることを回避する必要があったことから、県と協議し、市道の管理者である福岡市で復旧するものでございます。また、このため県からの支出もございません。
最後に、金屑川の整備に関する県の方針につきましては、金屑川は室見川の支流であるため、平成9年に県が策定した室見川水系工事実施基本計画に基づき河川整備を実施しております。以上でございます。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 不登校特例校についての御質問にお答えいたします。
アンケートの調査内容につきましては、学校を休み始めたきっかけ、現在の不安・悩み、求める支援の内容、不登校特例校への通学希望などでございます。対象者につきましては、令和4年度に不登校状態にあった児童生徒とその保護者で、このうち、児童生徒は現在小学5年生以上の者を対象といたしております。回答数につきましては、7月27日時点で児童生徒142人、保護者362人でございます。
次に、予算の補正に関するお尋ねでございますが、不登校特例校の設置については、教育課程に関する文部科学省との協議や施設改修が必要で、一定の期間を要しますことから、不登校児童生徒等のニーズにできるだけ早く対応するため、今議会において予算の補正をお諮りするものでございます。
次に、中学校1校を設置予定である理由につきましては、中学校は学齢期の出口で、義務教育後の進路を決定する時期でもあり、また、アンケートの結果によると、中学生のほうが勉強や進路についての不安が大きいことから、まずは中学生に対して学びの場を提供したいと考えております。また、他都市の不登校特例校の状況などから入学者を40人から60人と想定しているため、1校の設置を予定いたしております。小学生につきましては、通学の負担、安全などを考慮すべきことから、アンケート結果を踏まえ、さらにどのような支援が必要か検討してまいります。
次に、まつ風学級や福岡きぼう中学との連携につきましては、他都市では適応指導教室の生徒が不登校特例校の授業や体験活動に参加したり、夜間部を設けている学校では昼間部と夜間部で合同授業を行うなど、生徒間交流を行うことで学習意欲の向上などにつなげております。福岡市における連携方法については、生徒一人一人の状況を十分に勘案し、今後、具体的に検討してまいります。
次に、学習環境の確保については、教育センター内の諸室を工夫して活用することにより、校長室や職員室、教室など、不登校特例校の運営に必要な諸室を確保してまいります。
次に、入学対象者につきましては、不登校や不登校傾向にあり、当該生徒にとって不登校特例校での学校生活、支援が適している中学生が対象になると考えております。入学手続につきましては、今後、詳細を検討してまいりますが、入学の希望があれば面談や体験入学を行い、丁寧に生徒本人や保護者の状況や意向を確認し、対応してまいりたいと考えております。また、不登校特例校での学校生活、支援が適している生徒からの希望が現在の想定を超えた場合は、工夫して対応してまいりたいと考えております。
次に、単独校となるのかとのお尋ねでございますが、独自の教育課程となり、専任の校長のマネジメントにより教育活動の充実を図るため、単独の中学校として設置する方向で検討いたしております。
次に、カリキュラムや授業時間数などにつきましては、体験型の学習をどのように取り入れるのか、また、年間の総授業時間数をどのように設定するかなど、不登校児童生徒の実態に配慮した教育課程や指導方法についてアンケート調査の結果を踏まえるとともに、他都市の事例も参考にしながら検討してまいります。
次に、適応指導教室と不登校特例校の違いにつきましては、適応指導教室は在籍校に籍を置いたまま通級する形で支援を受けるものであるのに対しまして、不登校特例校は当該学校が在籍校となります。また、適応指導教室は通級してくる児童生徒が固定されていないため、一律の教育課程にのっとった授業は行っておらず、集団活動や個別学習などを行っているのに対しまして、不登校特例校は特別に編成された教育課程に基づく授業を実施することとなります。
次に、成績評価につきましては、生徒の評価に当たっては、生徒のよい点や進歩の状況などを積極的に評価し、学習したことの意義や価値を実感できるようにすること等に配慮する必要がございまして、具体的にどのように評価や評定を行うかについては、他都市の事例なども参考にしながら検討してまいります。
次に、不登校特例校の設置に必要な手続につきましては、令和6年度に施設の改修工事や教育課程に関する文部科学省との協議を行うとともに、福岡市立中学校設置条例の改正や生徒募集を行いまして、令和7年度に開校したいと考えております。文部科学省との協議につきましては、教育委員会において教育課程案を編成した上で、文部科学省に申請書を提出し、協議を行います。その後、文部科学省において申請内容を審査し、学校教育法等の観点から支障がない場合には不登校特例校に指定されます。なお、文部科学省の不登校特例校の設置に向けた手引によりますと、原則、開始予定時期の1年以上前から文部科学省に協議を行うこととされてございます。以上でございます。
○議長(打越基安) 田中たかし議員。
○57番(田中たかし) 3回目に入ります。
まず、緊急支援給付金です。
本来であれば国から全額支給されるはずであった緊急支援給付金が、今回なぜ一般財源を活用して給付されるのか、その内容に関してここまで確認をさせていただきました。今年3月の時点では国からの詳細は示されておらず、既に非課税の情報がある令和4年度住民税非課税世帯と家計急変世帯を対象としていたということ、その後、国から示された詳細では、交付金の対象とするのは令和5年度の非課税世帯であったということから、その世帯も給付対象とし、その誤差を埋めるための今回の追加補正であるということであります。
つまり、本市としては令和4年度の非課税世帯、そして、令和5年度の非課税世帯、2年にわたっての支給ということになるわけですが、対象には令和5年度のみ住民税が非課税である3万6,000世帯が含まれていると、そういった御答弁もありましたが、もちろんこの3万6,000世帯というものが純増したわけではないということは分かってはいるんですけれども、やはり令和5年度になって他都市から転居されてきたりした方なども含まれるということから、そういうこともあるかと思いますが、やはり依然として市民生活は逼迫しているのかなと、そう想起させる数字でもあります。現在の支給状況についても確認させていただきましたけれども、約27万世帯に確認書を発送し、8月29日時点で約21万7,000世帯から返送。そして、そのうちの93%の20万1,747世帯に支給されているとのことでありました。いまだ返送されてこない方に対して、個別に勧奨通知も出されているということではありますが、対象者全てにしっかりと支援が行き届くよう、しっかりとした対策をお願いしたいということをまずは申し上げておきます。
また、12億3,000万円は決算剰余金が充てられるとのことですが、令和4年度の本市の決算剰余金が約98億円。そのうち2分の1、半分は財政調整基金に積まれますので、半分の49億円余りのうち12億3,000万円がこの給付金に充てられるということになります。黒字化したお金で生活に困っている人へ支援をすると、これは我が会派としても望むところではありますが、本来であれば多様な使途に活用できる決算剰余金のうち、その4分の1を1事業に費やすということが妥当であるのかどうか、今後も引き続き議論をさせていただきたいと思います。加えて、不用額なども有効的に活用しながら、財政規律の健全性もしっかり保っていただくよう要望させていただきたいと思います。
長引く物価高騰により、市民生活は相変わらず苦しい状況にあります。特に低所得家庭に対する支援は急務です。3万円の給付、これはこれで重要な生活支援ではあるものの、引き続き、一時的な対応にとどまらず、さらなる抜本的な低所得家庭向けの支援に取り組むべきと考えますが、最後に所見をお願いして、緊急支援給付金についての質問は終わります。
続いて、道路災害復旧事業についてです。
本事業に関しては、特に本市の一般財源で復旧工事が行われる田村1551号線の金屑川の復旧工事について質問させていただきました。改めてこれまでの御答弁を整理しますが、今回の市内での復旧工事箇所全11か所のうち、国庫支出金と市債を財源として工事を行うのが10か所。なぜ田村1551号線、金屑川の復旧のみ一般財源を使って工事を行うのかといえば、今回補修される箇所は将来行う拡幅整備を見据えて暫定的な復旧工事となるために、すなわち今回工事が施される護岸は拡幅工事が実施されるときには壊されますので、そこは市債を組まずに一般財源で対応するという御答弁でありました。そうすると、まず真っ先に心配するのは、将来の拡幅工事を見据えて、この数年をしのぐための工事が本当に河川の安全、地域の安全を担保するものなのかと、そこは非常に懸念するところであります。
いずれ壊される護岸を4,000万円かけて造るというのであれば、今回のこの被災を機に、本格的な工事へ着手してもいいのではないかという声も聞かれるわけですけれども、どのような理由で、言ってみれば2段階でこの工事を進めるのか、河川整備に不案内な方にも理解できるよう分かりやすい説明をお願いいたします。
あわせて、毎年想定を超える豪雨が降る中、そういった暫定的な復旧工事でこの数年の沿川住民の安全が保たれるのか、責任ある御答弁をいただきたいと思います。
また、金屑川は室見川水系の二級河川となることから、県とも協議をしているとのことでありましたが、この室見川水系は平成9年の河川法改正後に水系ごとに策定するよう求められた河川整備基本方針も河川整備計画も県は策定していないという状況にあります。これは私も以前の一般質問で指摘させていただいておりますが、結果的に本市としては、さきに御答弁のあったとおり、数十年前に策定された室見川水系工事実施基本計画、これに基づいて金屑川の整備を行うことになります。豪雨による河川氾濫は市民生活に悲惨な影響を与えるということは、今さら私がここで言わなくても皆さん御理解いただいているとは思いますが、毎年のように豪雨が降り、そのたびに復旧工事を行いと、これを延々と続けるのではなく、氾濫しない、破壊されない河川整備をしてほしいと沿川住民も当然のように願っているわけです。
先ほど、将来的な拡幅工事にも触れられておりましたけれども、果たして今後このような状況にある中で地域住民のニーズに沿った河川整備ができるのか、今後の金屑川の河川整備について本市は県とどのように協議を進めていくのか、具体的な説明を求めて、道路災害復旧事業に関する質問を終わります。
最後に、不登校特例校についてです。
ここまで本市が想定している不登校特例校の方向性についてお伺いしてきました。不登校児が年々増えていく中で、これまでの不登校児対策にとどまらず、新しい学びの場を確保しなくてはいけない、そして、その手段として不登校特例校を新たに設置するというその方向性は我が会派としても理解はしているところであります。
一方で、では、理想の不登校特例校とはどんなものであるのか、これは未知数なところも多く、全国24か所ある不登校特例校は、御答弁にもありましたとおり、教育委員会がそれぞれ教育課程案を編成して独自の教育カリキュラムを組んでいるということで、まさに千差万別であると言えます。そういった意味で言えば、本市教育委員会が担う責任も重いわけですけれども、本日の質問を通じても、やはり設置に当たっての課題も決して少なくないのかなと思うところです。場所が果たして本当に教育センターでいいのか、1校でいいのか、学習カリキュラムはどのようにして、そして、成績評価をどうするのか、さらには小学生についてどうするのか、これらを具体的にどのように詰めていくのか、先ほどの御答弁で、今後施設改修や条例改正の手続が必要である旨述べられておりましたけれども、その折々で議会での活発な議論をまちたいと思いますが、教育委員会にはぜひ課題認識をはっきりと持っていただいて、今後の調査、検討に臨んでいただきたいと思います。
また、私はこれが一番大事だと思うんですけれども、不登校児自身や保護者がどのように考え、何を求めているのか、先ほどアンケートの結果についてもお答えいただきました。速報値4,400人という不登校児に対して、回答者は児童生徒が142人、保護者が362人と、判断材料とするには、これは少々少ないのかなと感じております。
アンケートからは見えてこない大多数の不登校児やその保護者のニーズを把握するために、引き続き積極的な意見の吸い上げを行っていただくのと同時に、今後、議会で交わされる議論や議員から出された意見にも丁寧に耳を傾け、よりよい不登校特例校の在り方を検討していただきたいと考えますが、最後に教育長に御所見と意気込みをお伺いして、私の質問を終わります。
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 緊急支援給付金についての御質問にお答えいたします。
物価高騰が続く中、給付金につきましては、確認書の返送があった世帯の約93%に支給しているところであり、引き続き一日でも早く市民の皆様のお手元にお届けできるよう取り組んでまいります。また、様々な厳しい状況の中で生活に困窮している方々への支援につきましては、これまでも生活自立支援センターにおいて、それぞれの状況に応じて多様な支援を行ってきたところであり、今後とも、国の動向を注視しながら、しっかりときめ細やかな支援に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 道路災害復旧事業に関する質問についてお答えいたします。
まず、金屑川の本格的な拡幅整備に着手できない理由につきましては、河川の拡幅に民有地の取得が伴うため、被災箇所におきましても、現在、沿川地権者と用地交渉を行っている段階でございます。用地取得のためには住民の移転や民間建物の解体が必要であり、拡幅整備の実施までは数年を要することから、当面の生活道路の安全かつ円滑な交通を確保するため、暫定的な復旧工事を行うものでございます。また、暫定的な復旧工事の実施に当たりましては、今後の拡幅整備を見越した安全かつ経済的な復旧方法について、技術的な観点も含め、しっかりと検討してまいります。
最後に、今後の金屑川の河川整備につきましては、現在、県において金屑川の本川である室見川水系全体の河川整備基本方針の策定に向け、国と協議を行っているところであり、基本方針策定後の河川整備計画の策定に当たりましては、関係市町村長の意見を聞くこととなっていることから、福岡市といたしましても、地域の御意見をしっかり反映していただくよう県と協議してまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 不登校特例校についての御質問にお答えいたします。
不登校の子どもたちが学校に通えなくなる理由は様々でありまして、そのような子どもたちにとって安心して学べる場の選択肢を増やしていくことは、御指摘いただきましたとおり、大変重要であると考えております。不登校の子どもたちが希望を持って安心して学ぶことができる学校となるよう、議会や関係者の御意見を伺いながら、しっかり取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(打越基安) この際、暫時休憩いたします。
午後は1時10分に再開いたします。
午前11時36分 休憩
午後1時10分 開議
○副議長(松野 隆) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を継続いたします。森あやこ議員。
○45番(森 あやこ)登壇 私は本議会に上程されております議案第187号、福岡市情報通信技術を活用した行政の推進に関する条例の一部を改正する条例案、議案第188号、福岡市印鑑条例の一部を改正する条例案、そして、議案第190号、福岡市立療育センター条例の一部を改正する条例案並びに議案第191号、福岡市立児童発達支援センター条例の一部を改正する条例案について質疑を行います。
まず、議案第187号、福岡市情報通信技術を活用した行政の推進に関する条例の一部を改正する条例案についてです。
この改正案は、事務所等において書面等の掲示をしているものを情報通信技術を利用する方法により、市民等の閲覧に供することで利便性の向上を図るとしています。
そこで、まず1点目、情報通信技術を利用する方法とは何か、お伺いいたします。
2点目に、情報通信技術を利用するために新たなシステムの開発は行うのか、お伺いいたします。
3点目に、これまでの情報通信技術の活用による利便性向上の状況と、今回の条例改正でどのようになるのか、お伺いいたします。
この質問の最後、4点目に、今回のこの条例改正によって一括的に適用することになりますが、対象となる条例と掲示の例をお示しください。
次に、議案第188号、福岡市印鑑条例の一部を改正する条例案について、この条例案は、電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律の一部改正により、コンビニ等における自動交付機を介して行う印鑑証明の交付がマイナンバーカード以外の方法でできるようにするというものです。あわせて、印鑑票のうち必要な事項を記録するものは、磁気ディスクから、これに準じる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができるものも使うことを可能にするという改正です。
そこで、まず1点目、マイナンバーカード以外の方法とは具体的に何を指すのか、お伺いいたします。
2点目に、マイナンバーカード以外のものを使うことができるためには、自動交付機に係るシステムの改修が必要になると考えられますが、どのような改修が必要なのか、お伺いいたします。また、自動交付機に係るシステム改修費用の負担はどうなるのか、お伺いいたします。
3点目に、磁気ディスク以外の記録媒体は具体的にどのようなものなのか、また、磁気ディスク以外の記録媒体の変更の計画はあるのか、お伺いいたします。
最後、4点目として、地方公共団体情報システム機構とは何か、説明を求めます。
次に、議案第190号、福岡市立療育センター条例の一部を改正する条例案並びに議案第191号、福岡市立児童発達支援センター条例の一部を改正する条例案について、本条例案は、総合的な療育を行い、障がい児及びその家族の福祉の向上を図るため、南部療育センターを設置する必要があるための条例案です。
2020年2月策定の福岡市南部地域療育環境整備基本構想において設置するものとされ、事業計画の基本的方向性を定めることを目的とする南部療育センター(仮称)基本計画を基に進められていますが、改めて障がい児の支援について、本市の療育環境整備に関しての経緯等についてお尋ねをいたします。
以上で2問目からは自席にて行います。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 情報通信技術を活用した行政の推進に関する条例の一部改正についての御質問にお答えいたします。
今回の条例改正における情報通信技術を利用する方法については、福岡市のホームページ等での掲示でございます。
次に、情報通信技術を利用するためのシステムの開発については、今回の条例改正に伴う新たなシステム開発はございません。
次に、利便性向上の状況については、これまで行政手続のオンライン化を推進することで、自宅や外出先からいつでも簡単にオンライン申請等ができるなど、市民の利便性が向上しております。今回の条例改正により、これまでの掲示場等での掲示に加え、ホームページ等での掲示も行うことで、区役所等に出向くことなく掲示内容を確認することが可能となるものでございます。
次に、対象となる条例と掲示の例については、福岡市営駐車場条例に基づく駐車場の休場に係る掲示、福岡市営住宅条例に基づく市営住宅入居者の公募に係る掲示、福岡市緑地保全と緑化推進に関する条例に基づく緑地保全林地区の指定に係る掲示などがございます。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 福岡市印鑑条例の一部を改正する条例案についての御質問にお答えをいたします。
まず、マイナンバーカード以外を利用する方法につきましては、電子証明書を搭載したスマートフォンを指すものでございます。
次に、自動交付機に係る改修につきましては、地方公共団体情報システム機構が運用するコンビニ交付サービスのシステムについて、同機構がその費用負担の下で改修を行うこととされております。
次に、磁気ディスク以外の記録媒体につきましては、磁気テープや光ディスク等を想定いたしております。また、記録媒体の変更につきましては、現時点で計画はございません。
次に、地方公共団体情報システム機構につきましては、地方公共団体情報システム機構法に基づき、住民基本台帳ネットワークシステムや総合行政ネットワーク等の情報サービスの運用、支援などを行う国と地方公共団体が共同で運営する法人でございます。以上です。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 療育センター条例改正に関する御質問にお答えいたします。
福岡市における療育環境については、あいあいセンター、西部及び東部療育センターを含む児童発達支援センターを中心に支援を行ってきたところですが、療育センター等における新規受診児童数の増加、福岡市立あゆみ学園の老朽化の進行、保育所等に通う障がい児への支援ニーズの高まりなどへの対応のため、南部療育センターの整備を進めております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 2問目に入ります。
情報通信技術に関する条例案について、政府がデジタル田園都市国家構想としてデジタル化を進めており、地方自治体においてもデジタル化が進められています。デジタル化を進めるためには、ハード面とソフト面の両面での整備が必要です。本条例の改正はソフト面での整備で、本条例改正に伴うハード面での新たなシステム改修は伴わないということです。本条例に記載される自動公衆送信等とは、市のホームページに必要事項を掲載し、それをパソコンないしスマホで確認することを指しています。
そこで、デジタル田園都市国家構想では誰一人取り残されない社会をうたっており、本条例改正によって利便性の向上が図られることが期待されますが、情報格差が生じないのかが懸念されます。実際にホームページ以外でも補完することなど考えられているのか、お伺いいたします。
次に、本条例の規定に基づき、条例の規定に基づく掲示または自動公衆送信等による通知の措置による公示通知は、ほかの条例等の規定により行われたものとみなされる、そういうことになっています。自動公衆送信のみの公示通知には問題ないのか、所見を求めます。
次に、利便性向上には自動公衆送信の安定通信の確保が必要ですが、様々な対応策などは検討されているのか、お尋ねいたします。
次、議案第188号の福岡市印鑑条例に関する質問です。
政府はデジタル田園都市国家構想を閣議決定し、各自治体が共通基盤のガバメントクラウド上に構築した標準準拠システムに2025年度までに移行することを目指しています。政府は地方自治体のデジタル化を進めるために、地方公共団体情報システム機構を通じてシステム構築の支援及び財政支援をするとしています。
そこで、今回の条例改正により必要となる自動交付機のシステム改修は地方公共団体情報システム機構が担うとのことです。市が直接関与しないとしても、システム改修についての経費、いわゆる国民の税金がかけられているということです。一体これにどのぐらいの経費がかけられているのか、お尋ねをいたします。
次に、印鑑条例の改正も標準準拠システム構築の一環として考えますが、説明を求めます。
次に、印鑑条例改正案では、磁気ディスク以外の記録媒体として光ディスク等と御答弁されていますが、記録媒体として政府が求めているガバメントクラウド上の共通基盤使用について条例改正が必要ではないのか、御説明を求めます。
次に、政府の標準準拠システムでは、住民の個人情報もガバメントクラウド上に集中して保管されることになり、また、情報システムも標準化が求められています。情報管理上、リスクが高くなると考えられますが、個人情報保護上の問題がないのか、御所見をお伺いいたします。
次に、標準準拠システムが整備された後の地方公共団体情報システム機構はどのような役割を持つのか、説明を求めます。
この質問の最後に、2025年までに標準準拠システム改修が求められていますが、進捗状況について説明を求めます。
次に、議案第190号、療育センター及び191号の児童発達支援センターに関する質問です。
まず、療育センター等における新規受診児数の増加ということですが、5年間の推移についてお尋ねいたします。
次に、そのうち、2022年度の障がい別割合及び傾向についてお伺いいたします。
次に、未就学児の療育開始までの流れについて、国の制度においては医師の診断等は必須ではないとされていますが、本市において療育センター医師の診断を必須としている理由、それに伴う相談、診断の待機期間及び待機期間短縮に向けた取組についてお尋ねをいたします。
次に、福岡市の未就学児の療育施設数について、他都市の状況と比較してどのような状況なのか、お尋ねをいたします。
次に、幼稚園、保育所等への訪問支援の充実も求められていますが、南部療育センターが設置されることで幼保への訪問支援も充実されるのか、お尋ねをいたします。
この質問の最後に、福岡市立あゆみ学園の老朽化に伴っての南部療育センター設置ですが、既存の療育センターと比較して機能強化する点について、また、南部療育センター設置に当たって出された保護者からの要望等についてお尋ねをいたします。
以上で2問目を終わります。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 情報通信技術を活用した行政の推進に関する条例の一部改正についての御質問にお答えいたします。
ホームページ以外での補完については、福岡市のホームページでの掲示以外にも、これまでどおり掲示場等での掲示も行うとともに、必要に応じてSNSなどの活用も図ってまいります。
次に、自動公衆送信のみの公示通知に問題はないのかとのおただしについては、これまでどおり掲示場等での掲示も行うこととしており、自動公衆送信のみとはしておりません。
次に、自動公衆送信の安定通信の確保に関する対応策については、これまでどおり福岡市のホームページに市民が安定してアクセスできるよう適切な環境を提供してまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 福岡市印鑑条例についての御質問にお答えをいたします。
自動交付機に係る改修につきましては、地方公共団体情報システム機構がその費用負担の下で行うものでありまして、本市の追加的な費用負担は生じないことから、その経費については承知しておりません。
次に、条例改正と標準準拠システムの構築との関係についてですが、今回の条例改正は自動交付機を介して印鑑登録証明を申請する際に、個人番号カードに代えて電子証明書を搭載したスマートフォンを使用できるようにすることを趣旨とするものであり、標準準拠システム構築に伴うものではございません。
次に、条例改正とガバメントクラウド使用との関係についてですが、今回の条例改正は情報通信技術の発展に伴う様々な記録媒体の普及に対応するため、住民基本台帳法の規定に準じて磁気ディスクに限定している現行の規定を改めるものですが、現時点において記録媒体を変更する具体的な予定はございません。
次に、ガバメントクラウド使用は個人情報保護上、問題ないのかとのおただしですが、現時点で印鑑登録システムにおけるガバメントクラウドの使用について決定しているものではございません。なお、ガバメントクラウドについては、国が求めるセキュリティー水準を満たすことなどが条件とされておりまして、クラウドサービス事業者であっても許可なくデータにアクセスすることはできないなど、様々なセキュリティー対策が講じられるものとされております。
次に、標準準拠システムが整備された後の地方公共団体情報システム機構の役割につきましては、地方公共団体情報システム機構は住民基本台帳ネットワークの運用など、法令等で定められた役割を担うものでありまして、標準準拠システムの整備によってその役割が変わるといったことは聞いておりません。
次に、印鑑登録システムの標準化の進捗につきましては、現在、国が示した標準仕様書に基づきシステム改修に向けた仕様の検討や同仕様書に準拠したパッケージシステムの調達準備などを実施しているところでございます。以上です。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 療育センターに関する御質問にお答えいたします。
療育センター等における新規受診児童数については、平成30年度1,518人、令和元年度1,614人、2年度1,708人、3年度1,931人、4年度2,080人となっております。
次に、令和4年度の新規受診児童の障がい別割合については、発達障がいが62%、精神遅滞が20%、発達の遅れが10%、聴覚言語障がいが6%となっており、近年の傾向としましては、発達障がいが最も多く、6割以上を占めております。
次に、福岡市において療育センター等の医師の診断を必須としている理由については、子どもの発達支援に関する医療に精通した医師の診断により、対象となる子どもの発達の特性や程度などに応じて医学的、専門的な見地から適切な支援につなげるためでございます。待機期間の短縮のためには診察室の増設や発達相談員等の増員を行ってきておりまして、以前は約3か月だった診断までの待機期間が令和5年4月時点で1か月半から2か月ほどに短縮できております。さらに、令和4年11月より、診療情報の提供等について協議が調った九州大学病院、こども病院等からの紹介ケースの一部については、療育センターでの診断を省略することにより、待機期間の短縮に取り組んでおります。
次に、福岡市における未就学児の療育施設数については、療育センターを含む児童発達支援センターは11施設あり、他都市よりも多くなっております。また、職員の配置や施設の基準が児童発達支援センターに比べて緩やかである児童発達支援事業所は、主に重症心身障がい児を対象とする事業所等も含めて22施設でございまして、他都市よりも少ない状況でございます。
次に、療育センター等が実施している幼稚園、保育所等への訪問支援については、平成30年度の437件から令和4年度は475件となっており、幼稚園、保育所等からのニーズは増加しております。南部療育センターを設置し、訪問支援員を増員することで、幼稚園、保育所等に対する訪問支援を充実させることとしております。
次に、南部療育センターの機能強化については、既存の東部療育センターと比較いたしまして、相談室を2室から5室に、外来グループ室を1室から2室に拡充いたします。また、障がい児が感情やストレスが高まった際に冷静になるためのスペースとしてクールダウンスポットを設置することとしております。療育施設に通う障がい児の保護者団体からは、屋根つきの駐車スペースの設置や手洗い設備への温水システムの導入等の要望がございまして、可能な限り設計に取り入れております。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 3問目に入ります。
福岡市情報通信技術を活用した行政の推進に関する条例案に関する質問です。
この質問の最後の確認ですが、福岡市のホームページへの掲示を予定しているとの御答弁でしたが、現在、LINEを使った市民サービス等の情報発信を登録された市民の方々に行われています。LINEの活用はされないのか、お尋ねをいたします。
次に、議案第188号の印鑑条例に関する質問です。
今回の議案は自動交付機による印鑑証明の交付が、マイナンバーカードだけでなく、スマホでも使用できるよう条例を改正するものです。これは住民の利便性向上を図るものですが、標準準拠システム整備とガバメントクラウド上に地方自治体の機関事務を担う情報を載せることで地方自治体の事務の効率化と住民の利便性を向上させることを図るデジタル田園都市国家構想として進められ、2025年までに実施することが求められています。現時点で印鑑登録システムにおけるガバメントクラウドの使用について決定しているものではないとしていますが、近い将来、ガバメントクラウド上に住民基本台帳等の情報が記録されることになると考えます。
そこで、全ての自治体のシステムが標準準拠システムに標準化された時点では、地方公共団体情報システム機構が保有するサーバーを通しての情報交換の必要性がなくなり、自治体間や国及び関係機関との情報交換が直接できるようになると考えられます。利便性が高まりますが、同時に、情報漏えいのリスク増や国の情報管理、住民監視につながりかねません。ガバメントクラウドの使用はやめること及び住民の個人情報の使用に関して住民自身が容易にチェックできるシステムをつくることが必要と考えますが、御所見を求めます。
多額な費用が投入されることが国民には見えづらく、セキュリティー対策も進化とともに思わぬ事象も起こるなど、いたちごっこのようでもあると考えます。やはりリスク分散が重要となります。
認証形式は現時点ではスマホが加えられていますが、将来的には顔認証や生体認証も考えられ、デジタル化が進み、利便性が高まりますが、同時にリスクも高まります。個人情報保護が厳格に行われる運用とリスク軽減のシステムにすべきと考えます。マイナンバーに個人情報のひもづけを拡大することは、詐欺やなりすまし等による被害が甚大になります。マイナンバーへの個人情報のひもづけを拡大することはやめるよう政府に求めるべきと考えますが、御所見を求めます。
そして、最後の療育センターと児童発達支援センターに関わる条例案についての質問です。
京都大学の研究グループによる、新型コロナウイルス感染症のパンデミックと幼児期の発達との関連を調査した報告が今年7月に出されました。首都圏のある自治体の全認可保育所に通う1歳または3歳を対象に、2017年から2019年までの間に1回目、2年後の2021年に2回目の調査を行い、コロナ禍で5歳児に約4か月の発達の遅れ、3歳、5歳ともに発達の個人差が拡大しているというものです。保育所でのケアの質、親の精神的状態、そして、性別の様々なレベルによる効果の変化も調査されています。個々の関連性の統計的有意性ではなく、関連性の全体的なパターンに注目する必要があるとされていますが、子どもたちを取り巻く社会環境が変化し、その結果、社会的スキルのばらつきが大きくなっていることが分かり、パンデミックによって悪影響を受けている子どもたちを特定し、学習、社会科、身体的及び精神的健康、家族のサポートを提供することが重要とされています。社会全体でもこういう状況が起こっています。
そして、先ほどの答弁でありました療育センター等における新規受診児数の増加や、発達段階によっても千差万別な一見分かりづらい発達障がいが新規受診児の6割以上を占めている状況は、一人一人の特性に応じた的確な対応をすることが求められる障がい児の保育の必要性と重要性がますます増大していることが分かります。本市において、診断には時間を要し、短縮されたといっても、子どもと家族にとっての一、二か月はやはり長く、その後の支援施設もまだまだ足りてはいません。コロナ以降、子どもたちの発達に変化が生じていることは、子どものケアも大切ですが、保護者のケアも忘れてはいけません。つらくなったら休養を取る判断ができる環境、また、気軽に専門家に相談できる環境も重要です。保護者のケアや専門的なアドバイスを含めた療育、保育の現場がさらに大変になることは容易に予測でき、子どもの障がい特性等に応じて適切な支援が実施できるよう、障がい児の療育環境の整備の推進をさらに加速させる必要があります。療育センター等が実施している訪問支援については、幼稚園、保育所等が助かっているとの声を聞いています。南部療育センターが設置されることで、さらに支援が行き届くことを期待いたします。
既存の東部療育センターと比較して充実されるとのことですが、市全体の取組として、南部療育センターが設置されることの効果について、所見をお伺いします。
最後に、南部療育センター設置後もなお残された課題があると考えます。誰一人取り残されないまちづくりのために、今後予測される障がい児の増加といった社会状況等も含め、福岡市における障がい児支援に対する御所見をお伺いし、私の質問を終わります。
○副議長(松野 隆) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) まず、情報通信技術を活用した行政の推進に関する条例の一部改正についての御質問にお答えいたします。
LINEの活用については、福岡市のホームページでの掲示に加え、必要に応じてLINE等のSNSの活用を図ってまいります。
次に、福岡市印鑑条例の一部を改正する条例案についての御質問にお答えいたします。
ガバメントクラウドの使用については、地方公共団体情報システムの標準化に関する法律において、地方公共団体は利用するよう努めるものとされているところでございます。また、ガバメントクラウドには、国において不正アクセス防止やデータ暗号化など、最新かつ最高レベルの情報セキュリティーが確保されているほか、ガバメントクラウド上のデータにはデータを保有する行政機関以外はアクセスできない仕組みとされております。このような状況を踏まえ、本市においてもガバメントクラウドの利用について検討を行っているところですが、その検討に当たっては、市民の大切な個人情報が引き続き適切に保護されるようしっかりと取り組んでまいります。
次に、マイナンバーへの個人情報のひもづけについては、マイナンバーは住民登録がある市民の方全員に付番される番号で、この番号を用いて個人情報をひもづけることで個人の特定を確実かつ迅速に行うことが可能になります。また、行政手続において行政機関等の間で情報連携をすることにより添付書類が削減されるとともに、事務処理も効率化され、必要な方に行政の支援を迅速に行うことを可能にするものでございます。マイナンバー制度は行政運営を効率化し、国民の利便性を高め、公平、公正な社会を実現するための新たな国の社会基盤となるものであり、福岡市においても個人情報の保護に万全を尽くしつつ、一層の普及に取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 療育センターに関する御質問にお答えいたします。
南部療育センターが設置されることの効果については、療育センター等を新規受診する際の待機期間の短縮や保育所等への訪問支援の充実、外来療育の実施により保育所等に通う障がい児への支援ニーズへの高まり等の課題に対応できると考えております。
最後に、障がい児への支援につきましては、南部療育センターの設置や児童発達支援事業所をモデル的に設置するなど、療育環境の整備に加え、障がい児が通う幼稚園や保育所等に対し、人件費の補助や訪問支援を実施するなど、子どもの障がい特性などに応じた適切な支援に取り組んでおります。また、今年度予算において、障がい児福祉サービスの利用者の経済的な負担軽減にも取り組むこととしております。今後とも、安心して生み育てられる環境づくりのため、障がい児やその家族に対する支援の充実に努めてまいります。以上でございます。
○副議長(松野 隆) 以上で質疑を終結いたします。
ただいま議題となっております議案中、議案第184号ないし議案第208号、諮問第1号、以上26件は、お手元に配付の議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
この際、お諮りいたします。
議案第162号ないし議案第183号、以上22件については、60人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松野 隆) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
お諮りいたします。
ただいま設置されました決算特別委員会の委員の選任については、本市議会議員のうち、監査委員2人を除く60人を指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(松野 隆) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
以上で本日の日程は終了いたしました。
次の会議は9月4日午前10時に開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午後1時43分 散会