令和5年6月21日(水)

令和5年 第4回 福岡市議会定例会
議  事  日  程 (第1号)
                                   6月21日 午前10時開議
第1 一般質問

本日の会議に付した事件
議事日程のとおり

出 席 議 員 (62名)
1番  おばた 英 達       2番  もろくま英 文
3番  淀 川 幸二郎       4番  稲 員 稔 夫
5番  鬼 塚 昌 宏       6番  堤 田   寛
7番  大 森 一 馬       8番  大 原 弥寿男
9番  今 林ひであき      10番  阿 部 真之助
11番  打 越 基 安      12番  堤   健太郎
13番  坂 口よしまさ      14番  新 開 ゆうじ
15番  とみながひろゆき      16番  田 原 香代子
17番  たのかしら知行      18番  石 本 優 子
19番  勝 山 信 吾      20番  調   崇 史
21番  川 上 陽 平      22番  津 田 信太郎
23番  古 川 清 文      24番  高 木 勝 利
25番  篠 原 達 也      26番  平 畑 雅 博
27番  伊 藤 嘉 人      28番  川 上 晋 平
29番  尾 花 康 広      30番  松 野   隆
31番  山 口 剛 司      32番  大 石 修 二
33番  和 田あきひこ      34番  あ べ ひでき
35番  大 沢 めぐみ      36番  木 村てつあき
37番  橋 口 えりな      38番  綿 貫 康 代
39番  前 野 真実子      40番  中 島まさひろ
41番  藤 野 哲 司      42番  新 村 まさる
43番  天 野 こ う      44番  堀 内 徹 夫
45番  森   あやこ      46番  福 田 まもる
47番  はしだ 和 義      48番  浜 崎 太 郎
49番  阿 部 正 剛      50番  倉 元 達 朗
51番  中 山 郁 美      52番  川 口   浩
53番  小 竹 り か      54番  勝 見 美 代
55番  井 上 ま い      56番  ついちはら陽子
57番  田 中 たかし      58番  山 田 ゆみこ
59番  近 藤 里 美      60番  落 石 俊 則
61番  田 中しんすけ      62番  池 田 良 子

欠 席 議 員 (0名)

説明のため出席した者
市         長   島 宗一郎      副    市    長  光 山 裕 朗
副    市    長  中 村 英 一      副    市    長  荒 瀬 泰 子
水道事業管理者  坂 本 秀 和      交通事業管理者  小野田 勝 則
総 務 企 画 局 長  龍   靖 則      財  政  局  長  山 嶋   剛
市  民  局  長  舟 越 伸 一      こども未来局長  野 中   晶
福  祉  局  長  藤 本 広 一      保 健 医 療 局 長  藤 田 三 貴
環  境  局  長  中 村 卓 也      経済観光文化局長  鈴 木 順 也
農 林 水 産 局 長  姉 川 雄 一      住 宅 都 市 局 長  中 村 健 児
道路下水道局長  天 本 俊 明      港 湾 空 港 局 長  竹 廣 喜一郎
消  防  局  長   田 浩 輝      会 計 管 理 者  小 川 明 子
教    育    長  石 橋 正 信      教  育  委  員  武 部 愛 子
選挙管理委員会事務局長  内 藤 玲 子      人事委員会事務局長  大 園 喜代香
監 査 事 務 局 長  上 薗 久 美

職務のため出席した事務局職員
議 会 事 務 局 長  曽根田 秀 明      議会事務局次長  八 木 智 昭
議  事  課  長  水 ア 亮 二      議  事  係  長  實 政 伸一郎
外関係職員

午前10時 開議  
○議長(打越基安) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、一般質問を行います。発言通告者のうちから順次質問を許します。浜崎太郎議員。
 
○48番(浜崎太郎)登壇 皆さんおはようございます。新しい風ふくおかの浜崎太郎です。
 初めに、福岡市民が参加するCO排出削減運動についてです。
 IPCCという機構が世界にはありまして、これは国際的な専門家でつくる地球温暖化についての科学的な研究の収集、整理のための政府間機構ですが、ここの最新の報告書で、この10年間に行う地球温暖化に対する選択や実施する対策は現在から数千年先まで影響を持つと言っています。要は、これからの10年間の活動が未来にとってとても大切であると言っています。気温上昇を1.5度または2度に抑えるためには、即時の温室効果ガスの排出削減が必要であると言っています。
 お尋ねします。まず、脱炭素社会の実現に向けた福岡市行動宣言の内容をお聞きします。また、将来のビジョンに関して福岡市はどのようなまちを目指すのか、お聞きします。
 以上で1問目を終わり、2問目からは自席にて行います。
 
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 脱炭素社会の実現に向けた福岡市行動宣言につきましては、令和4年7月、福岡市地球温暖化対策実行計画の原案に係るパブリックコメントの実施に合わせて、地球温暖化のもたらす深刻な状況や気候変動の影響への危機感を改めてあらゆる主体と共有し、連携、協力しながら脱炭素社会の実現に向けて行動を加速させていくことを宣言したものでございます。また、同実行計画におきまして、都市の将来像をカーボンニュートラルを実装した都市とした上で、具体的に目指す姿として、脱炭素に向けた価値を世界と共有し、まちが一体となって積極的なチャレンジを行っている、商品やサービスを購入するとき、みんながその製造、流通、廃棄など全ての過程での環境への影響を考慮して選んでいるなどを掲げております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 浜崎太郎議員。
○48番(浜崎太郎) 国が公表しているエネルギー消費量では、産業部門や運輸部門は減少または微増であるが、業務部門、例えば、事務所、デパート、飲食店、学校、ホテル、旅館、病院、その他福祉施設等と、家庭部門における消費量は大幅に増加しており、今では全体の3割を占めています。
 では、福岡市の直近の温室効果ガス排出量はどれほどか、排出量は2013年度、平成25年度の基準年度から減少しているのか、また、政令市での比較などあるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 直近の令和2年度における福岡市域の温室効果ガスの排出量は684万トンであり、基準年度であります平成25年度から25%削減いたしております。政令市比較につきましては、令和2年度に川崎市が実施した調査によりますと、福岡市は総排出量が少ないほうから8番目、1人当たりの排出量が少ないほうから2番目となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 浜崎太郎議員。
○48番(浜崎太郎) 令和3年10月、閣議決定された第6次エネルギー基本計画で、2030年の電源構成について再生可能エネルギーを約36から38%程度見込む考えを示し、また、新築戸建ての6割に太陽光発電設備を設置する目標を国が掲げました。
 そこで、福岡市における再生可能エネルギーの導入量、過去からどれほど増加しているのか、将来的な数値目標があるのか、お尋ねします。
 
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 直近の令和3年度における福岡市域の再生可能エネルギーの設備導入量は24.8万キロワットで、国の再生可能エネルギー固定価格買取制度が開始された平成24年度当時の11.1万キロワットから約2倍に増加いたしております。数値目標につきましては、福岡市地球温暖化対策実行計画におきまして、令和12年度40万キロワットを目標として掲げております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 浜崎太郎議員。
○48番(浜崎太郎) 今年度の福岡市のカーボンニュートラルパッケージの趣旨と目的、その内容について、昨年度から幾ら補助額が増加したのかも含めてお答えください。
 
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 福岡市は、家庭、業務、自動車の3部門でCO排出量全体の85%を占めていることから、市民、事業者の皆様と一体となってCOの排出削減に取り組んでいくことが重要であると考えております。そのため、令和5年度の脱炭素関連の補助事業を新たにカーボンニュートラルパッケージとして取りまとめ、分かりやすく一体的に広報したところでございます。
 主な内容といたしましては、集合住宅向け太陽光発電設備の補助上限額を令和4年度の3倍の60万円とし、一方、戸建て住宅向けには、これまでの蓄電池などに加えまして太陽光発電設備を新たに補助対象とし、補助上限額を75万円に拡大いたしました。また、省エネ性能の高いビルやマンションの建設に係る設計費用に対する補助など、業務部門において新たに3つの補助制度を新設いたしました。令和5年度の補助枠は、令和4年度当初予算から1億8,400万円増の4億5,875万円と過去最大規模でございまして、政令市におきましても市単費では最大の補助予算額となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 浜崎太郎議員。
○48番(浜崎太郎) 新たに建築物に対する補助制度も創設されたとのことですが、国においても、建築物における省エネルギー対策の抜本的強化が必要と言っています。特に2019年の比率ですが、住宅ストック5,000万戸のうち省エネ基準に適合している住宅は少なく約13%、無断熱の住宅は29%もあることが国交省から発表されています。地球の将来のために、個人の新築既存住宅に改革が求められています。
 そんな中、京都府、京都市、群馬県、東京都、川崎市で、延べ床面積などの違いはあるものの、新築や増築時に太陽光発電施設等の設置を義務づける条例を制定しています。日本だけではありません。EUは2029年までに全ての新築住宅に太陽光発電設備を義務化、ドイツ、ベルリン州でも2023年1月から設置義務化、カリフォルニア州は2020年、州内全ての新築低層住宅に設置義務化し、2030年までに電源構成の再エネの比率を60%とする計画、ニューヨーク市は2019年、新築及び大規模な屋根修繕をする建築物に太陽光発電の設置または緑化を義務化し、2030年までに再エネ比率を70%とする計画を出しています。世界の動きは活発化しています。
 京都市においては、一戸建ては全体の45.1%、共同住宅は52.8%なので、比較的一戸建てが多いです。しかし、川崎市の一戸建ては25.5%、共同住宅は72%、東京都は一戸建て23.6%、共同住宅は74.4%と、共同住宅がとても多くても義務化に向けて動いています。
 福岡市の建物別の割合は幾らか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 福岡市の建物別戸数割合につきましては、国の平成30年の住宅・土地統計調査によりますと、戸建て住宅は21.3%、長屋を含む共同住宅は78.7%となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 浜崎太郎議員。
○48番(浜崎太郎) 福岡市の共同住宅率は、京都市、川崎市、東京よりも少し高い78.7%ということですが、建築物に対する太陽光発電設備の設置義務化に対する福岡市の現在の考えをお尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 建築物に対する太陽光発電設備の設置義務化につきましては、国の検討会におきまして、敷地ごとに日射条件が異なることや、設置後、後から建つ建物の影響により日射量が低下する可能性があること、個人がリスクやコストを負うことなどの課題が示されております。また、令和7年4月に東京都と川崎市におきまして、戸建てを含む建築物を対象とした太陽光発電設備の設置義務化に係る条例が施行されることから、その後の設備の普及状況や住民への影響などについても確認する必要があると考えております。福岡市といたしましては、まずは太陽光発電設備に対する補助事業を推進するとともに、引き続き、電気代の節約や災害時の停電対策など設備設置によるメリットについて周知を行うことにより導入拡大を図ってまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 浜崎太郎議員。
○48番(浜崎太郎) 京都市の太陽光発電パネル活用事例で紹介されていた設置者のコメントを紹介します。「震災があって、自分も何かできないかと思って太陽光パネルを考えた。何か自分も地域の役に立っているのかなと今はうれしく思っている」とありました。脱炭素社会を実現するには市民みんなでやるんだという雰囲気が必要で、それから小さな活動の積み重ねでCO排出が削減されていくべきと思います。
 太陽光発電は、ウクライナ情勢を契機としたエネルギーの安全保障上も、また、そのあおりを受け値上げされる電気料金の自己防衛策としても有効です。九州電力は、現時点では値上げを予定していないとのことですが、この6月より北海道電力や東京電力、沖縄電力など大手電力7社は家庭向け電気料金の値上げを行いました。北陸電力では、約40%というすさまじい値上げが行われています。そうした中、自宅に太陽光発電設備を設置し、活用することは、電気料金の負担軽減にもつながります。
 ここでパネルを見てほしいのですが、(パネル表示)東京都や長野県で作成された太陽光発電に適した屋根を記した地図です。これを見ると、自分の家の屋根が太陽光発電に適しているか一目瞭然なんです。これは衛星写真ですけれども、赤い家は太陽光パネルを設置するのに最適、黄色がまあまあ適しているというところになっています。マンションや市役所の建物等もこういうふうになって、色づけされていまして、この一戸建てをクリックすると、例えば、この赤いところをクリックすると、ちょっと字は小さいですけれども、どれぐらい発電するので適合度は最適、そして、設置可能な容量が5.0キロワット、発電量が5,915ワットアワーということで、一般家庭1世帯分の消費電力に相当します。そして、CO削減量が、簡単に言うと杉の木約273本の二酸化炭素吸収量に相当しますというふうに出てきます。自分の家がこれぐらい発電します、どれぐらい節約できるのというのが書いてあって、電気料金の削減量があなたの家は年間に4万6,310円削減できます、余剰電力の売電収入が年間7万388円入ってくる、合計すると11万6,702円がプラスになってきますよと。これに最初の設置費用があって、10年とか12年とかで元を取っていくということがこれで簡単に分かるので、設置するきっかけになる。みんなそこが分からないから、費用対効果ができるのかなといって二の足を踏んでいるのではないかというふうに思っています。
 これは設置のきっかけになると思うんですけど、福岡市でこの地図を作成してみませんか、お尋ねします。
 
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 太陽光発電設備の設置をはじめとする脱炭素行動を促すためには、市民が地球温暖化の問題を自分事として捉えられるよう、その取組を後押しするようなきっかけづくりが重要であると考えております。太陽光発電設備のさらなる導入拡大に向けましては、お示しのような他都市での実施事例なども参考にしながら、設置につながる効果的な手法やツールを検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 浜崎太郎議員。
○48番(浜崎太郎) CO排出削減に関しては、太陽光発電設備に限らず、我々全ての市民の行動が重要ですが、具体的に何をしたらよいのか分からないという市民も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
 CO排出削減のために市民ができる活動としてどのような取組を紹介しているのか、お尋ねします。
 
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 市民ができる脱炭素行動といたしましては、ホームページやリーフレットなどにおきまして、省エネ家電に買い換える、節電行動を実践する、環境ラベルや地産地消、簡易包装などを考慮して商品を購入する、使用する電力を再エネ電気に切り替える、公共交通機関を使う、エコドライブを心がける、シェアリングサービスを利用する、太陽光発電設備の導入、電気自動車や燃料電池自動車への切替えを検討するなどの取組を紹介いたしております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 浜崎太郎議員。
○48番(浜崎太郎) 例えば安定的な電力を供給する原子力発電が安全に運用され、COも削減され、温暖化を防ぐことになるとしても、使用済み燃料の問題は世界中で解決したものではないですし、また、高い輸入費を払い、COを排出する火力発電に頼る現状も考え物です。これからは将来にわたりこの地球を守っていくという市民一人一人の気持ちが大切と感じます。子どもから大人までこの気候変動を自分事として捉え、CO排出削減に取り組むべき意味を理解した上で日々生活していかなければなりません。そのためには市が行う啓発が非常に重要ですが、福岡市の施策では、人の気持ちを変化させるまでにはまだ取組が不十分であるように感じます。ぜひとも未来の地球を思う福岡市民が増え、環境における世界のリーダーが将来このまちから誕生するように願っております。
 最後に、脱炭素社会の実現に向けて、未来を担う小中学生を含む市民一人一人の行動を後押しし、誰もがCO削減に取り組み、参加するような広報啓発にどのように取り組んでいかれるのかお尋ねし、この質問を終わります。
 
○議長(打越基安) 中村環境局長。
○環境局長(中村卓也) 脱炭素社会の実現には、市民や事業者の理解、共感を広げ、一体となって取組を進めることが不可欠であると認識いたしております。そのためには、地球温暖化や気候変動を身近な問題として捉えられるよう、日常生活における一人一人の取組の積み重ねが大切であるということを啓発していくことが大変重要であると考えております。
 現在の主な取組といたしましては、ポイント付与をインセンティブとしたECOチャレンジ応援事業などのカーボンニュートラルパッケージの推進や、取組別のCO削減効果や光熱費の節約額などを記載した啓発物の全世帯への配付、出前講座やSNSでの情報発信など、様々な機会、広報媒体を活用して普及啓発を行っているところでございます。また、脱炭素社会の実現に向けましては、将来を担う子どもたちに対する教育が大切であることから、地球温暖化の影響や環境のために取り組むべき行動などを示した副読本やリーフレットなどの教材を導入するなど、小中学生に対する啓発にも力を入れております。
 脱炭素社会の実現に向けた福岡市行動宣言でうたっておりますように、地球温暖化のもたらす深刻な状況や気候変動の影響への危機感を全ての市民、事業者の皆様と共有し、連携、協力しながら、脱炭素社会の実現に向けての行動を加速させられるよう、今後とも効果的な啓発にしっかり取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 浜崎太郎議員。
○48番(浜崎太郎) 次に、スタートアップ企業のその後についてです。
 本市では、2012年にスタートアップ都市ふくおかを宣言し、昨年でちょうど10年の節目を迎えました。これまでの取組の成果もあり、福岡市のスタートアップ都市としてのプレゼンスは高まっていると感じています。今回の質問では、本市のスタートアップ都市づくりについて、現状や今後必要とされる取組についてお尋ねしたいと思います。
 初めに、起業前の相談やサポートが受けられるスタートアップカフェの相談対応件数及び起業件数について、累計及び令和4年度実績を教えてください。
 
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) スタートアップカフェにつきましては、平成26年10月の開設以降、令和4年度末までの累計で相談対応件数2万58件、起業件数801件となっており、直近の令和4年度の実績につきましては、相談対応件数3,457件、起業件数192件となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 浜崎太郎議員。
○48番(浜崎太郎) 福岡市の政策推進プランでは、令和6年度における年間の目標値が相談対応件数2,500件となっていますが、令和4年度の3,457件はこの目標値を大きく上回っており、起業を支援する取組の成果がしっかり数字にも表れていると言えそうです。
 次に、実際に起業した後の支援についてお伺いします。本市では、官民が連携する次世代型の創業支援施設として、平成29年4月からFukuoka Growth Nextを運営していますが、Fukuoka Growth Nextではどのような支援を行っているのでしょうか。
 
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) Fukuoka Growth Nextにおきましては、新しい価値を生み出すスタートアップ企業の輩出を目指し、インキュベーション施設をはじめ、各種セミナーやビジネスマッチングの機会、地場企業や他のスタートアップ企業との交流の場を提供すること等により、事業や投資の拡大、イノベーションの創出など、スタートアップ企業の成長を支援しております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 浜崎太郎議員。
○48番(浜崎太郎) 本市の政策推進プランでは、将来のユニコーン企業につながるであろう企業価値10億円以上のスタートアップ企業を令和6年度までに100社以上生み出すことを掲げています。すばらしい目標だと感じていますし、Fukuoka Growth Nextで起業された皆様が本当にユニコーン企業に成長することになればすごいことです。日本ではまだ僅かと言われるユニコーン企業がこの福岡から誕生することで、日本中、いや、世界中から注目を浴びることでしょう。しかし、そう簡単ではないようです。調べますと、2022年、世界のユニコーン企業は1,400社ほど、そのうちアメリカに700社、中国に250社、日本は十数社。
 なぜ日本はユニコーン企業が少ないのでしょうか。
 
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 日本でユニコーン企業が少ない理由につきましては、各方面で幾つかの課題に言及されておりますが、令和4年の内閣府イノベーション・エコシステム専門調査会の資料によりますと、グローバル市場への進出に必須となる大型投資や海外ベンチャーキャピタルからの投資が少ないことが挙げられております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 浜崎太郎議員。
○48番(浜崎太郎) 日本のスタートアップ企業が大きく成長するためには、投資が集まってくる環境を整えいくことが重要であるということですが、先日、シンガポールのユニコーン企業M−DAQの高橋ジェネラルマネジャーにお会いをし、お話を聞いてきました。一番の違いは、やはり日本では投資金額の桁が違うと言われていました。一桁違うと。ということは、幾らスタートアップで起業しても、世界基準のスピードでは成長しないということになると感じます。また、高橋さんは何度も何度も投資家回りをして、プレゼンをして回ったと言われていました。そして、投資家回りは資金が必要なときだけでなく、常日頃から投資家との関係をつくり、若い経営者に対しては、投資家はこれをこうしたらよいよというようなアドバイスをしてくれたりと、常日頃からのお付き合いがとても大切だと言われています。スタートアップ企業にとっては、投資会社などが多ければ多いほどチャンスが増えるはずです。やはりスタートアップ企業からユニコーン企業を目指すのであれば、投資家とのつながりを持つことはとても大切なことであるそうです。
 そう考えますと、福岡にたくさんの投資機関が集まり、そこから投資を受けることが盛んになることも大切だと考えますが、本市ではスタートアップ企業への投資を呼び込む取組は行っているのでしょうか、また、その投資額を教えてください。
 
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) スタートアップ企業への投資を呼び込むため、Fukuoka Growth Nextにおいて、地元福岡のベンチャーキャピタルによる助言、相談機会を隔週で提供しているほか、全国の投資家に向けてスタートアップ企業が自社の技術やサービスのPRを行うイベントを毎月実施しているところでございます。また、令和5年3月には、海外のベンチャーキャピタルを招聘し、海外進出意向のあるスタートアップ企業とのマッチングイベントを開催したところでございます。これらの取組などによって、Fukuoka Growth Next入居企業に対する投資額は、平成29年度から令和4年度までの合計で約365億円となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 浜崎太郎議員。
○48番(浜崎太郎) 本市においても、スタートアップ企業への投資の呼び込みに一定の成果が上がってきているようです。ただ、先ほどもお答えいただいたとおり、やはり海外投資家のスタートアップ企業への投資金額は国内と比較するとまだまだ大きな差があるとのことですので、そういった海外の投資を呼び込む取組をより一層進めていくことも重要です。
 本市では、令和2年度から資産運用業など国際金融機能の誘致に取り組まれ、実際に資産運用業のMCPホールディングスが誘致企業の第1号として福岡市に拠点を構えられました。先ほどのM−DAQの高橋GMもMCPさんが福岡に来たことはすごいことだと言われていました。
 そのMCPが今年の3月に福岡・九州に特化した投資ファンドを設立したと聞きましたが、その概要についてお尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) MCPジャパンホールディングス株式会社が設立したファンドにつきましては、福岡・九州にゆかりがあり、ESGや社会課題の解決に取り組む事業規模を拡大する時期にあるスタートアップ企業に対して投資を行うものでございます。このファンドには、産学官による国際金融機能誘致の推進組織TEAM FUKUOKAのメンバーである株式会社西日本シティ銀行、西日本鉄道株式会社、株式会社福岡銀行からも出資されており、20億円規模でスタートし、今後は海外投資家からの出資も募ることで50億円規模まで拡大する予定であると伺っております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 浜崎太郎議員。
○48番(浜崎太郎) スタートアップ企業向けの投資ファンドとのことですが、どのような企業に出資しているのでしょうか。
 
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) ファンドの現時点における投資先につきましては、Fukuoka Growth Nextの卒業企業である株式会社CAVIN、九州大学の研究成果を基に創業された株式会社Kyulux、株式会社日本風洞製作所をはじめ、合計5社のスタートアップ企業に出資されているところでございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 浜崎太郎議員。
○48番(浜崎太郎) 国際金融機能誘致の取組を通じて、スタートアップ企業に対する新たなファンドが福岡を拠点にできたことは大変喜ばしいことだと思います。また、しっかりとFukuoka Growth Nextを卒業したスタートアップ企業や九州大学発のスタートアップ企業へも投資されていることが分かりました。
 スタートアップ企業として、MCPのファンドができたことでどのようなことが期待されるのでしょうか。
 
○議長(打越基安) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) ファンドが設立されたことで、これまで地元のベンチャーキャピタル等では層の薄かった事業規模を拡大する時期にあるスタートアップ企業への十分な資金の提供と海外投資家のネットワークを生かした海外展開支援などにより、投資を受けたスタートアップ企業の飛躍的な成長が期待されるところでございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 浜崎太郎議員。
○48番(浜崎太郎) このファンドができたことで、創業前のいわゆるシード期や事業スタート後のアーリー期に対する投資だけでなく、事業をより拡大させ、急成長に向かう、いわゆるミドル期、レイター期に対するより規模の大きな投資機会が福岡市にできたことは大変意義があることだと思います。
 福岡市の国際金融アンバサダーである岡澤恭弥氏は、「福岡は行政と企業がスピード感を持って国際金融都市樹立に向けて取り組んでいる。東京一極集中の制度疲労がもたらした弊害を、福岡に資金を集めて世界中に売り込むことで解消したい。5年後には九州全体に最低1,000億円の投資を生み出す」と言われていました。MCPが運営するファンドを皮切りに、今後、海外からの投資も福岡のスタートアップ企業に集まることを期待しています。
 昨年9月の決算時の総会質疑でもお尋ねしましたが、国際金融都市として本当に成り立っていくには、この取組の効果がしっかりと地域経済や市民に還元されていくことが大切で、その際、スタートアップ企業の成長の後押しにもつながると御答弁いただきましたが、まさにその具体的な成果の現れであると思います。
 福岡市における投資環境の厚みを増していくことは大変喜ばしいことですが、その資金がしっかりとFukuoka Growth Nextに入居するスタートアップ企業にも投資されていくことがFukuoka Growth Nextの取組を飛躍させるものであると感じます。今後さらに、海外の投資会社などの日本の拠点がこの福岡に集まることを期待したいです。
 起業する全ての方がさらに希望を持てるように、福岡に国内外の資金がしっかりと集まり、それをスタートアップ企業が享受できるよう引き続き取り組んでいただきたいと思いますが、島市長の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
 
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市では、スタートアップ都市宣言以降、リスクを取ってチャレンジをする人が尊敬される社会、文化の醸成に取り組みますとともに、新たなビジネスにチャレンジをするスタートアップ企業の成長を積極的に支援することで、創業の裾野が広がり、スタートアップ都市としてのプレゼンスが高まっていると実感をしています。そうした中、浜崎議員御指摘のとおり、スタートアップ企業の大きな飛躍に向けては、国内外からの大型投資の呼び込みが可能となる環境を整えていくことが重要であると認識をしております。これまでFukuoka Growth Nextを中心に国内外の投資家とスタートアップ企業のマッチングの機会を多数設けるほか、資産運用業の誘致など国際金融機能の強化を着実に進めますとともに、今年3月には九州大学とスタートアップ創出に関する協定を締結し、大きな飛躍が期待できる研究開発型のスタートアップ企業を輩出すべく連携を強化しているところでございます。
 今後とも、国際金融機能誘致の強化の取組も生かし、呼び込んだ資金をスタートアップ企業への投資につなげることで、成長を力強く後押しし、リスクを取って新たなビジネスや価値の創造にチャレンジをする人が希望を持って起業できるようにしっかりと取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(打越基安) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる)登壇 私は自民党新福岡を代表して、統一地方選挙の振り返りと今後の投票率向上に向けた取組について、福岡空港の機能強化及び周辺地域との共生について、以上2項目について質問してまいります。
 まず初めに、4月9日に行われた統一地方選挙の振り返りと今後の投票率向上に向けた取組についてお尋ねいたします。
 昨年12月の一般質問において、11月に行われた市長選挙の総括について質問し、そこで見えてきた課題について選挙管理委員会に取り組んでもらうよう要望しておりました。それから約3か月という短い準備期間の中で、このたびの統一地方選挙では、選挙管理委員会としてできる限りの改善や工夫に取り組まれたことと思います。
 そこで、今回の統一地方選挙の結果を振り返るとともに、今後の投票率向上に向けた取組についてお尋ねいたします。
 初めに、今回の統一地方選挙において市議会議員選挙の投票率はどうであったのか、前回と比較してお尋ねいたします。
 以上で1問目を終わり、以降は自席にて行います。
 
○議長(打越基安) 内藤選挙管理委員会事務局長。
○選挙管理委員会事務局長(内藤玲子) 統一地方選挙における市議会議員選挙の投票率につきましては、令和5年4月9日執行の今回が36.85%、平成31年4月7日執行の前回が42.01%で、今回の投票率は前回を5.16%下回っております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 投票率は前回と比べて5.16%下回る結果となり、過去最低の投票率となりました。
 それでは、選挙管理委員会は今回の投票率をどのように考えているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 内藤選挙管理委員会事務局長。
○選挙管理委員会事務局長(内藤玲子) 投票率につきましては、選挙の争点や当日の天候など様々な要因が総合的に影響するものと考えられます。今回は県知事選挙が一緒に行われない中での統一地方選挙であったことも投票率低下の要因の一つと考えておりますが、前回を下回る投票率となったことについては課題であると認識しております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 選挙管理委員会においても、投票率の低下の状況は課題と認識しているとのことであります。今後、投票率を向上していくためには、今回の統一地方選挙でよかった点と課題となった点を分析し、その課題については解消に向けて取り組んでいくことが必要であります。
 次に、昨年12月の質問で、市長選挙で設置した大型商業施設での期日前投票所の会場までの案内や、入場整理券がなくても投票できることの周知に関して課題があることを指摘させていただきました。その課題に対する取組状況について確認したいと思います。
 まず、統一地方選挙における選挙人の投票環境向上に向けた取組についてお尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 内藤選挙管理委員会事務局長。
○選挙管理委員会事務局長(内藤玲子) 投票環境向上のための取組としましては、市長選挙で設置したイオンモール香椎浜、ららぽーと福岡、イオンスタイル笹丘、木の葉モール橋本の大型商業施設4か所の期日前投票所を継続して設置し、ららぽーと福岡につきましては、市長選挙では5日間の設置でしたが、今回は施設側と早期に協議を行い、他の商業施設と同じ8日間設置しました。また、市長選挙で商業施設の期日前投票所が好評であったことを踏まえ、天神地区の商業施設は人通りが多く、啓発効果も期待できることから、従来、市役所に設置していた7区集合型の期日前投票所をソラリアプラザに変更して設置しました。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) ららぽーと福岡の期日前投票所は設置期間が5日から8日間に延び、結果的に土日の設置が増え、会場も施設の中央にあるイベントスペースに集約されたとのことで、実際に利用された方からも、よかったよという声も私は聞いております。
 商業施設に期日前投票所が設置され、いずれかの商業施設で期日前投票ができるようになったことにより選挙人の投票機会が増えて、期日前投票を利用する方も増えていると思います。
 それでは、期日前投票者数について、今回と前回の市議会議員選挙ではどうであったのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 内藤選挙管理委員会事務局長。
○選挙管理委員会事務局長(内藤玲子) 市議会議員選挙の期日前投票者数につきましては、今回が17万1,261人、前回が14万4,836人で、前回に比べ2万6,425人、率にして約18%の増となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) そのうち、大型商業施設の期日前投票所の投票者数はどうであったのか、今回と昨年11月の市長選挙についてお尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 内藤選挙管理委員会事務局長。
○選挙管理委員会事務局長(内藤玲子) 商業施設の期日前投票所の投票者数でございますが、市長選挙で設置した4か所につきましては、今回の市議会議員選挙が4万4,443人、市長選挙が3万9,887人で4,556人の増となっております。また、7区集合型で、今回設置したソラリアプラザは2万820人、市長選挙の市役所は1万7,638人で3,182人の増となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 商業施設での期日前投票所は、買物ついでに投票できるなど利便性が高いと思います。今後も継続的に設置し、定着していけば、もっと多くの方に利用していただけるのではないかと思っております。
 そこで、前回の質問において、商業施設に来店した方から施設内の期日前投票所の場所が分かりづらいとの意見があったようですが、改善した点はあったのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 内藤選挙管理委員会事務局長。
○選挙管理委員会事務局長(内藤玲子) 期日前投票所について、分かりやすく案内するために施設と協議の上、改善した点としましては、買物客が多いエリアからも見えるように大型ポスターを設置したり、投票所までの動線が分かるように施設の出入口などに案内係を配置したり、案内図を記載したポスターを掲示しました。また、街頭啓発により期日前投票所の案内、周知を行うとともに、ツイッターやフェイスブックといったSNSを活用した情報発信などに積極的に取り組みました。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 前回よりも様々な工夫を行い、改善されたとのことで、御協力いただいた施設側にも感謝したいと思います。
 次に、商業施設に来られた方から入場整理券がなくても投票できることを知らなかったとの意見もあったようですが、改善した点はあったのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 内藤選挙管理委員会事務局長。
○選挙管理委員会事務局長(内藤玲子) 入場整理券がなくても投票できることの周知に関し、改善した点としましては、期日前投票所を設置した商業施設において、施設内外の掲示物や館内放送での周知を拡充して実施しました。また、渡辺通り両側の街路灯21か所に取り付けたバナー広告や、地下鉄出入口85か所での横断幕、庁用車約600台の車体に貼り付けたマグネットシートなどの啓発物資に強調して記載するとともに、各世帯に配布するせんきょかわら版や選挙公報の啓発記事面にも目立つように記載しました。さらに、街頭啓発での呼びかけにも積極的に取り組みました。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 市長選挙での課題を踏まえ、改善に取り組まれていますが、入場整理券がなくても投票できるということを今回の選挙においてもまだまだ知らない方も多いようであったようです。様々な機会を捉えて、どんどん周知することが必要であると思いますので、引き続きの取組をお願いいたします。
 さきの質問で、大型商業施設の期日前投票所の投票者数は増加しているとのことでしたが、それでは、今後も大型商業施設に期日前投票所を設置するのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 内藤選挙管理委員会事務局長。
○選挙管理委員会事務局長(内藤玲子) 商業施設の期日前投票所につきましては、利便性が高く、好評であることから、施設側との協議が調えば設置したいと考えております。しかしながら、選挙の種類や数によって設置に必要な広さが異なるため、選挙によっては十分なスペースが確保できない場合もございます。また、衆議院の解散総選挙のような急な選挙の場合などでは、投票所となる場所に既に予約が入っている場合も考えられます。選挙管理委員会としましては、選挙の執行が想定された時点で施設側と早期に協議を行い、可能な限り設置できるように取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 非常に利便性が高いものだというふうに考えております。今後の設置についても、施設と早めに協議し、引き続き前向きに検討していただきたいと思います。
 次に、投票環境の向上について触れておくべき課題があろうかと思います。
 まず、高齢者や障がいがある方で、投票したくても投票所に行くことが難しい人がいると思います。現在、そのような人たちはどのような方法で投票ができるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 内藤選挙管理委員会事務局長。
○選挙管理委員会事務局長(内藤玲子) 県選挙管理委員会が指定した病院や老人ホームなどに入院または入所している人につきましては、当該施設が不在者投票を実施する場合、施設内での投票ができます。また、体に一定の障がいがある人や要介護5の人につきましては、郵便などで投票できる郵便等投票制度を利用して投票ができます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) それでは、県から指定されていない病院や老人ホームに入所している人や、郵便等投票の要件を満たしていない人で、投票所に行くことが困難な場合にはどのような方法で投票ができるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 内藤選挙管理委員会事務局長。
○選挙管理委員会事務局長(内藤玲子) 郵便等投票などの要件を満たしていない人につきましては、投票所に行き、投票する必要があります。投票機会の確保は重要な課題であると認識しており、病院や老人ホームで県の指定を受けていない施設に対し、指定の申請を勧奨する文書を送付しているほか、郵便等投票の対象者拡大について、指定都市選挙管理委員会連合会を通じて国などへの要望を行っております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 投票所まで行くことができれば、車椅子やスロープの配備など投票しやすい環境が整っています。ただ、その前段階として投票所まで行ける環境をどのようにつくっていくのかが課題であろうかと思います。
 そこで、投票環境を整えるために、投票したくても投票所に行くことが困難な人たちへの移動を支援することも必要と思いますが、所見をお伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 内藤選挙管理委員会事務局長。
○選挙管理委員会事務局長(内藤玲子) 移動支援につきましては、地域の実情や他都市の取組状況を今後調査してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 高齢者や障がいがある方のほかにも、投票日当日、投票所に行きたくても行くことがなかなか困難な人たちがおられると思います。商業施設などでの期日前投票所の設置と併せて、投票所まで行くことが困難な人たちにできる限りの支援をしていくことを検討されることをまた要望いたします。
 また、投票率向上のためには、選挙人が投票できる機会をできる限り増やしていくことも重要であろうかと思います。例えば、現在、期日前投票で行われている投票区外投票を投票日当日でも行えるようにできないか。そうすることで、本来、指定された投票所でしかできない投票が出かけた先での最寄りの投票所で投票できるものであります。今の仕組みで行うとするならば、出かけた先で投票し、地元に帰ってまた指定された投票所にて投票を行うといった二重投票といった課題もあるでしょう。そこで、有権者名簿をオンライン化し、どこの投票所でも一元管理を行うことで二重投票を防止することも可能であります。当然セキュリティーの問題や予算もかかることなので、簡単にはできないことも承知しています。しかし、DX推進の立場や業務負担軽減などに加えて、有権者の投票機会の拡充が図れる可能性があるのであれば、協議する価値はあるのではないでしょうか。ぜひとも御検討をお願いいたします。
 次に、投票率向上のためには、これまで選挙に行ったことがない方や選挙になじみのない方々が政治や選挙への関心を高めたり、政治参画したいと思うようになることも大切であり、選挙管理委員会だけでなく、社会として取り組むべき課題であろうかと思います。
 まず、統一地方選挙において様々な選挙啓発に取り組まれていると思いますが、主な取組についてお尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 内藤選挙管理委員会事務局長。
○選挙管理委員会事務局長(内藤玲子) 統一地方選挙における主な選挙啓発につきましては、新たな取組として、We Love 天神協議会と連携して渡辺通りの街路灯にバナー広告を設置したほか、協議会の会員企業に選挙を周知するメールを送付しました。また、福岡城さくらまつりでののぼりの掲示や警固公園に横断幕を設置するとともに、市民の興味や関心を高めるためにソラリアプラザ期日前投票所の壁面に選挙と花をテーマにしたウォールアートを実施しました。さらに、公民館や商店街に選挙を周知するポスターを掲示したり、期日前投票所周辺などで街頭啓発を行いました。そのほか、地下鉄の各駅などで、高校生が自ら考えた投票を呼びかけるアナウンスを流したり、大学生の選挙啓発グループが制作した啓発動画を天神、博多駅などで放映しました。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 選挙時の啓発にはいつ選挙が行われるのか、当日投票や期日前投票などに関する情報の周知と併せて、選挙への関心を高め、実際に投票行動につなげる啓発があると思います。We Love 天神協議会や高校生、大学生と連携した取組や、特に選挙への関心を高めて投票につなげる啓発は今後の選挙においても重要だと思います。引き続きしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 次に、投票率は平成以降、大きく低下しており、全国的な傾向ではあると思います。その中でも特に若年層の投票率はますます低い傾向にあり、何らかの取組が必要だと思います。
 そこで、日頃からの若年層向けの取組についてお尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 内藤選挙管理委員会事務局長。
○選挙管理委員会事務局長(内藤玲子) 若年層を対象とした日頃からの選挙啓発としましては、小中高、大学生等を対象とした明るい選挙出前授業の実施、小中高校生を対象とした選挙啓発のポスターコンクールの開催、市内の学生等に対し、進学や就職などで引っ越しする場合の住民票異動の呼びかけ、大学生の選挙啓発グループの活動支援、はたちのつどいのお知らせはがきでの啓発、新入社員研修等での啓発などを行っております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 今ありました出前授業について、令和4年度の実施回数や内容、授業を受けた児童生徒の感想をお尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 内藤選挙管理委員会事務局長。
○選挙管理委員会事務局長(内藤玲子) 出前授業につきましては、令和4年度の実施回数は32回で、内容としましては、選挙管理委員会事務局の職員が政治や選挙に関する講義を行った後、学校と連携して模擬投票を実施しております。模擬投票は、架空の市長選挙や学校に必要な新しい施設についての選挙などをテーマとして、選挙で実際に使用する投票器材を用いて行っております。参加した児童生徒からは、18歳になったら必ず投票に行きたい、家族に選挙について分かったことを伝えたい、模擬選挙で投票の流れを確認することができて身近に感じたといった感想が寄せられております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) その授業を受けた児童生徒にとって、選挙で実際に使用される器材を用いて模擬選挙を体験することにより選挙を身近に感じ、有権者になったときに投票に行くことへのハードルが下がるのではないかと思います。もちろん選挙の出前授業も大事ですが、若年層の政治や選挙に関する意識を高めるためには、ふだんの学校の授業でも実際の政治や選挙の事例を取り上げるなど取組が必要であろうと思います。
 最後となりますが、選挙啓発については、選挙が行われることの周知は本来どんどん行うべきであり、投票の機会を喪失することがないよう、これまで以上に周知する機会をぜひ増やしていっていただきたいと思います。そして、政治や選挙に関心がない人たちが少しでも関心を持ち、投票所に足を運んでもらえるように、選挙のときだけでなく、日頃からの啓発にも粘り強く取り組むことが重要であろうかと思います。
 あわせて、我々議員においても、日頃の活動を市民の皆様に御理解いただくことは非常に重要であると考えます。理解することで政治についての関心を高め、それが選挙での投票行動につながることもあるでしょう。我々自身も意識高く職務に取り組むことが大事であります。そういったことも含め、引き続き投票率向上に向けてより一層の取組を要望し、この質問を終わります。
 次に、福岡空港の機能強化及び周辺地域との共生について質問してまいります。
 令和4年3月の条例予算特別委員会において、第3次産業が9割を占める本市では、交流人口の増加が経済を活性化させ、都市全体に活力をもたらすものであることから、新型コロナウイルス感染症の拡大により人の行動が制限される大変厳しい状況下にあっても、しっかりと将来を見据え、滑走路の増設や都市高速の延伸などの交流基盤となる公共インフラに対する投資を怠ってはならないと訴えてまいりました。
 先月8日には、新型コロナウイルス感染症が外出自粛要請などの制限を受けない5類に移行して、コロナ禍以前の日常を取り戻しつつあります。福岡空港に目を向けると、4月にはハワイ便が、今月には中国との路線も再開が始まったとの報道がありました。今後、福岡空港が航空需要をしっかりと受け止め、本市のますますの発展に大いに寄与する成長エンジンになることを期待しております。一方で、市街地にある空港の運営は、その周辺で生活している地域の理解と協力の下に成り立っていることを決して忘れてはなりません。
 そこで、増設滑走路の供用開始まで2年を切った今、福岡空港の機能強化及び空港と周辺地域の共生に向けた取組についてお尋ねしてまいります。
 初めに、福岡空港の現状でありますが、国際線を中心にコロナの影響を大きく受けました。今年に入ってからは、国内線ターミナルでは以前のにぎわいが戻ったように感じますし、まちなかでも外国人観光客を多く目にするようになり、福岡空港における航空需要はコロナ禍から急速に回復しているように思います。
 そこでお尋ねいたしますが、福岡空港における直近の月の国内線及び国際線の乗降客数はコロナ禍前と比較してどの程度となっているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 福岡空港の乗降客数は、令和5年4月の速報値で国内線が約135万人、国際線が約46万人であり、コロナ禍前の平成31年の同月と比較しますと、国内線は約95%、国際線は約78%となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) ただいま答弁いただいたように、福岡空港の航空需要が力強く回復していることが分かりました。交流の分野でもいよいよコロナの痛手から抜け出し、回復基調が鮮明になってきたと感じております。この福岡空港は、国内外に多くの路線を持つ我が国の拠点空港の一つであり、本市のみならず、多くの広域の方々に利用されております。そして、1本の滑走路が全ての離着陸を担い、ピーク時には離着陸がおよそ1分半ごとに行われており、かねてより航空機の混雑や遅延が問題となってきたことから対策が行われてきたところかと思います。
 それでは、これまで福岡空港において、航空機混雑や利便性向上への対応策としてどのような整備が行われてきたのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 航空機混雑への取組といたしまして、国内線地区において、従来、出発機と到着機が擦れ違うことができず、航空機の待機による遅延が発生していたことから、国により令和2年1月に平行誘導路が二重化されております。これにより1時間当たりの発着回数は35回から38回になっております。次に、利便性向上の取組といたしまして、平行誘導路の二重化に合わせ、航空運営会社によりターミナルビルの再整備が行われ、地下鉄改札口と空港出発口とを結ぶ直通エスカレーターの設置などが行われております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) これまでの整備により、当座の機能の充実が図られていることが分かりました。来月開催される世界水泳では、国内外から多くの来訪者を福岡空港でお迎えできることと思います。今後さらに来訪者は増えると感じており、より一層の機能の充実などが求められるのではないでしょうか。
 次に、現在の福岡空港の機能強化に関する取組と進捗状況をお尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 福岡空港では、国により、航空機混雑を解消するとともに、将来の航空需要に適切に対応するため、現滑走路の西側に2,500メートルの滑走路の増設が行われており、令和6年度末に供用開始される予定でございます。これにより1時間当たりの発着回数は40回に拡大されることとなっております。また、空港運営会社により、国際線地区では将来の旅客数の増加に対応するため、ターミナルビルの増改築が行われており、増築部分については6年度末に供用開始の予定となっております。さらに、国内線地区では空港利用者の増加を見据え、立体駐車場の整備が行われており、6年春に供用開始の予定でございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 空港の機能強化により、さらに多くの来訪者を受け入れ、また、送り出し、気持ちよく空港を利用していただくことが期待されます。機能強化として滑走路を増設し、その後、空港運営会社としてさらなる運行便数の増加を図っていくと思われますが、あわせて、空港を中心に人流、物流の往来がさらに激しくなると考えられます。現在でも空港周辺の道路混雑は深刻で、ひどいときには空港口交差点において何回も信号待ちをしなければならないなど、空港へのスムーズなアクセスや将来の交通量の増加への対応も大きな課題であります。
 今、空港周辺では、福岡高速3号線延伸事業や国道3号博多バイパス立体化といった道路整備が進められております。これらの事業は、福岡空港へのアクセス強化や空港周辺における交通混雑の緩和を図るために大変重要な事業であり、本市としても周辺住民の理解促進に最大限協力するなど、両事業の早期完成を目指し、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。市街地に位置し、利便性が高い福岡空港は今後もますますの発展が見込まれておりますが、それは周辺住民の理解と協力があって初めて成り立っているんだということを改めて忘れないでください。
 ここで、簡単にこの空港の歴史をお話しさせていただきます。
 福岡空港は、太平洋戦争末期の昭和19年に旧日本陸軍が飛行場として整備するため、それまで農地であった民有地を強制的に接収したことに始まります。今でも空港の敷地内には約3分の1の面積の民有地が存在しているゆえんでもあります。敗戦後、米軍により再び接収され、板付飛行場と名前を変えると、さらに軍事基地として拡張工事を始めました。昭和25年に朝鮮戦争が勃発すると米軍の重要拠点となり、その後も飛行場の拡張のための接収が繰り返され、その基地としての規模を拡大していきました。そのような中、昭和26年10月、民間航空の国内線路線の開設に至り、昭和31年9月には2階建てのターミナルが完成、その当時は外国であった沖縄へ初の国際定期便としての運航が実現、その後も昭和30年以降の高度経済成長を背景に釜山への航空路線が開設されるなど各方面への航路が増えるとともに、乗降客数も伸び続け、西日本の空の玄関口として米軍管理の下で発展してまいりました。そして、昭和47年3月、ようやく米軍板付基地が我が国に返還され、同年4月、正式に福岡空港として国が設置、管理する空港に指定されることとなりました。
 その福岡空港の年間発着回数は、国管理空港となった昭和47年に約6万回だったものが平成7年に10万回を突破、令和元年には約18万回を超え、当初に比べて3倍の回数となっております。また、乗降客数においても、昭和47年に約380万人だったものが昭和62年に1,000万人、平成27年には2,000万人を突破し、コロナ前の令和元年には2,468万人の乗降客数となっております。福岡空港は交流のゲートウェイとして、今日の福岡の発展を支えてきたことは誰もが認めるところであります。また、平成31年4月より空港運営の民間委託も始まり、これからますます発展するものと期待されております。
 また、ここであわせて、滑走路増設事業についてであります。
 そもそもこの滑走路の増設は、平成14年、国土交通省の交通政策審議会航空分科会において、福岡空港は将来的に需給が逼迫する等の事態が予想されるとされたことから、中長期的な観点から新空港、滑走路増設等を含めた抜本的な空港能力向上方策等について幅広い合意形成を図りつつ、国と地域が連携し、総合的な調査を進める必要があるとの答申が出されたことを契機に具体の検討がされております。この答申を受け、市民へ調査内容の情報を積極的に提供し、より多くの意見をいただきながら検討を進めていく、いわゆるパブリックインボルブメントの手法を取り入れた福岡空港の総合的な調査が平成15年度から20年度にかけて行われました。この調査においては、約4万件を超える多くの意見が寄せられ、市民の高い関心の下、調査が進められておりました。平成21年4月には、福岡市が福岡県とともに滑走路増設の早期着手を地元意見として取りまとめたことを受け、国は現空港内で滑走路を増設する方向で検討を進めることを決定、その後、航空需要予測の精査を行うとともに、増設滑走路等の配置計画、事業費や工期の検討、環境アセスメント等の工程を経て、多大な時間と多様な意見を踏まえ、平成27年度から事業が開始されているところであります。
 空港機能の強化により空港容量が増大し、発着回数が増えて空港利用者が増えることは福岡市の発展に寄与するものであります。一方で発着回数が増えることは、航空機騒音などで地域住民に、より一層の負担をかけるのではないかと懸念されることから、地域への配慮が今まで以上に重要になってまいります。
 そこで、福岡空港での騒音対策はどのような制度でどういった施策が行われているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 騒音対策につきましては、国において、公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律に基づき、騒音の程度に応じた騒音対策区域が設定され、対策がなされております。騒音の程度が最も大きい第3種区域では緩衝緑地帯が整備されており、第2種区域では移転を希望する住民に対する移転補償事業などが実施されており、第1種区域では住宅の防音工事や空調機の更新工事に対する助成などが行われております。このほか、教育施設などに対する補助制度もございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 答弁にありましたとおり、空港の騒音は管理者である国を中心として対応するものでありますが、騒音の程度に応じて対策が取られているとのことであるので、福岡市としても滑走路増設に合わせて、空港所在地にある自治体としてしっかり騒音監視を強化していくことも要望しておきます。
 また、私は空港周辺地域の方々から、空港周辺道路の混雑や道路が狭いといった交通安全面の不安の声や、国が進める移転補償事業について、家並みが点在状態となることによる地域コミュニティが衰退している、防犯面が不安であるといった声などを聞いております。空港と地域が共生していく上で非常に大変な課題だというふうに感じております。このような空港と地域が共生していく上での課題には、国、県、市といった関係機関が連携し、移転補償跡地の活用や、騒音対策や道路、交通対策といった生活環境の改善に取り組んでいただくのはもちろん、福岡空港を取り巻く環境変化もこれまで同様、いや、これまで以上にしっかりと取り組んでいくことが求められます。
 それでは、これまで本市として周辺地域の環境整備に対し、どのような施策を実施してきたのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 周辺地域の環境整備につきましては、地域からの御意見を踏まえ、関係局などと連携して、生活道路の改善、移転補償跡地を活用した公園やパークゴルフ場、リフレッシュ農園などの整備に取り組んできております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 空港機能の強化により発着回数が増えるものと考えておりますが、地域住民はこれからも空港と共生していくわけであり、生活環境の改善を望む声に応えていくことは非常に大切になります。そのような中、地域では滑走路の増設を契機としてまちづくりの機運が高まっており、今、地域主体でまちづくり活動に取り組んでいると聞いております。
 そこで、現在の地域におけるまちづくり活動の進捗状況はどのようになっているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 滑走路増設を契機として、令和元年度に、地域の課題解決に向け活動している福岡空港地域対策協議会及び校区の代表が中心となったまちづくりの検討が開始され、2年度にまちの将来像やまちの目標が取りまとめられております。現在はエリアごとに住民によるワークショップが行われており、優先して取り組むべき活動などについて議論が進められております。福岡市は、国、県、空港運営会社とともにこうした地域の活動を支援しております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) それでは、そのまちづくり活動についてどのような意見が出ているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) まちづくり活動の中では、生活道路における安全、安心の確保、様々な世代の住民が楽しめ、飛行機を展望できる公園の整備、その他、地域活性化等に向けた移転補償跡地の活用などの御意見が出されております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) まちづくり活動は地域の総意として、多くの人の参画を得ながら進めていくことが非常に重要であると思っております。
 先ほどの答弁の中で公園についての意見が出ていると伺いましたが、私も地域と対話する中で、パークPFI制度を活用したリニューアルに向け公募中である東平尾公園の大谷広場については、施設の充実や駐車場の改善を期待するといった意見を聞いております。また、月隈校区に位置する上月隈中央公園については、施設の老朽化や治安の問題があるため、みんなが使いやすい地域のシンボルになるような公園にしてほしいという話も聞いております。特にこの公園は飛行機の離着陸航路の真下にあり、多くの航空会社の色とりどりの機体を見ることができ、これ以上飛行機を間近に見ることはできない一等地にあります。飛行場に隣接する公園であり、飛行機を展望できる場所など、こうした特徴を最大限生かした使い方であれば、唯一無二の個性的で特色ある場所として、また、福岡市の財産として最大限に活用することも可能であろうかと思います。今後、地域の声が取り入れられたすばらしい公園になることを期待しております。
 まちづくりの検討を進める中では、公園などの整備、生活道路の改善など様々な意見が出てくると思われます。それを地域とともに実現するとなると多額の予算が必要になると考えられます。
 そのためにも、以前から言っておりますが、改めて、航空機の騒音による影響の防止や空港周辺の整備等を目的として国より譲与されております航空機燃料譲与税を財源にしっかりと活用し、地域の声に応えていくよう要望しておきます。
 それでは、今進められているまちづくり活動は今後どのように進んでいくのか、また、港湾空港局としてはどのように対応していくのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 竹廣港湾空港局長。
○港湾空港局長(竹廣喜一郎) 空港周辺地域におけるまちづくりにつきましては、令和5年度末に地域において、これまでの取組をまちづくり計画として取りまとめ、その後、計画実現に向けた活動が行われることとなっております。港湾空港局といたしましては、引き続き、地域主体のまちづくり活動を支援していくとともに、関係局や国、県、空港運営会社などの関係機関と連携、役割分担しながら、周辺地域の環境整備に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 今後の福岡市を展望する上で、福岡空港の機能強化と周辺地域との共生策は両輪で進めていくのだという大きな観点が重要であります。2年後には増設滑走路の供用が開始され、一方で、地域におけるまちづくり計画も今年度末に取りまとめられます。それらができるだけ早く実現できるよう行政も支援していくことが大事であろうかと思います。なお、支援に当たっては、港湾空港局だけでなく、道路、公園等、市の様々な部局が空港周辺の整備の重要性を認識して連携して取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、空港及び周辺地域相互の発展に向けて、空港と地域がウィン・ウィンの関係を築いていくことが重要だと思いますが、市長の決意をお伺いし、私の質問を終わります。
 
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡空港は、福岡市のみならず、九州・西日本地域の発展を支える重要な公共インフラでありまして、世界でも屈指の利便性の高い空港として発展をしている一方で、市街地に位置するゆえの騒音問題などを抱えており、空港の円滑な運営は地域住民の理解と協力に支えられていることを決して忘れてはならないと考えています。このため、福田議員御指摘のとおり、福岡空港の機能強化と併せて、周辺地域のまちづくりにもしっかりと取り組んでいく必要があると認識をしております。今後とも、国や空港運営会社などと連携をしながら、福岡市の活力の源泉となる空港の機能強化と周辺地域の振興や活性化を図り、福岡空港と周辺地域が共に発展していけるまちづくりにしっかりと取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子)登壇 公明党の田原香代子でございます。初めての一般質問で大変緊張しておりますが、信託いただいた御期待にお応えすべく、市民の皆様お一人お一人の声に寄り添い、市政に届けられますよう精いっぱい努めてまいります。いただいたお声の中から、不妊治療の助成について、ファミリー・サポート・センター事業について、公明党福岡市議団を代表して質問いたします。
 初めに、不妊治療助成についてです。
 不妊治療の保険適用から1年がたち、経済的負担が減って助かるといった声が多く寄せられています。令和2年に不妊治療の体外受精によって生まれた子どもは6万381人に上り、この年の出生数全体の約14人に1人に当たります。経済的負担を減らし、妊娠、出産を諦めることがないよう、昨年4月、不妊治療の保険適用を拡大し、これまでの原因検査などに加え、1回数十万円かかる体外受精や顕微授精などが保険で新たにカバーされることになりました。患者の自己負担は原則3割に抑えられ、1か月の自己負担額に上限を定める高額療養費制度も使えます。一方で、今までの助成制度に比べ経済的負担が大きくなったとの声や、また、40歳を境に保険適用回数が減ることへの要望なども聞かれます。結婚をしない、子どもを持たない生き方を選択する方ももちろんいらっしゃいますが、結婚したくとも相手に巡り会えず結婚の機会が遅くなったという方が結婚後、今度は子どもを授かることができるのかと大きな不安を抱えています。
 そこで、不妊治療の現状及び本市の不妊治療に関する取組についてお尋ねいたします。
 現在、不妊治療にはどのような種類があり、どのように治療を進められているのか、お尋ねいたします。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて質問を行います。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 不妊治療につきましては、対象者の状況に応じた治療法が選択されるため、治療の進め方は様々であると認識をしております。主な治療法としましては、タイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精などがございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 年齢や状況により様々な治療があります。女性だけの問題ではなく、男性も共に治療を受け、夫婦で不妊治療に取り組む重要性が訴えられています。また、本市では、早い段階から妊娠、出産の知識を持ち、自分の体への健康意識を高めるプレコンセプションケアの取組を実施されております。30歳になる女性へクーポン券を送付し、自己負担額500円で卵巣内の卵子の数の目安が分かる検査や、健康管理に役立つアドバイスを受けることもできます。人生設計の中で妊娠時期を考える機会となる取組で、不妊治療に挑戦するきっかけにもなると考えます。ぜひ継続的な取組、周知をいただければと思います。
 では、令和4年度に不妊治療の保険適用が拡充されましたが、保険適用前の令和3年度における不妊治療の助成実績をお示しください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 令和3年度の助成件数は4,339件、助成金額は8億4,094万円余でございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 本市の令和3年度における不妊治療費助成において、40歳以上の方への助成件数及び不妊治療費助成全体に占める割合をお示しください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 令和3年度の40歳以上の方への不妊治療費助成件数は1,062件でございまして、不妊治療費助成件数全体の28.8%となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 40歳以上の申込件数が全体の3割弱と、保険適用前から40歳以上の不妊治療の需要の高さがうかがえます。
 そのような中、保険適用に年齢制限がありますが、なぜ43歳未満となっているのか、教えてください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 保険適用の年齢制限につきましては、国の不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会において、年齢別の妊娠、出産に伴う様々なリスクなどの分析、評価の結果、妊娠の可能性と母体のリスクを考慮し、43歳未満とされております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 御答弁いただきましたとおり、不妊治療の保険適用年齢は43歳未満とされていますが、視察で伺った東京都の稲城市では45歳未満の方を対象とした不妊治療の助成を実施しております。市の担当者に保険適用よりも適用年齢を引き上げた背景についてお聞きしたところ、市長が真の少子化対策は産みたいと思っている人に対して最大の支援をするものでなくてはならない、43歳になったから、保険適用の3回目の治療が終わったからと諦める人を一人でも救いたいとリーダーシップを取り、助成制度が実現されました。対象年齢を選定した理由として、女性が変調期を迎える年齢が一般的に45歳からであることを鑑み、区切りとしたとのことでした。市民の皆様からも諦めずに不妊治療に挑戦したいという声や、病院からも多くの問合せがあり、患者さんに勧めているなど大変好評であるとのことでした。
 本市でも令和3年度不妊治療の助成制度を申し込んだ3割弱が40代以上であったことを鑑みると、保険適用年齢を超えても妊娠を望む方が多いと考えます。
 本市でも43歳という保険適用年齢を超えての独自助成に取り組むべきと思いますが、御見解をお伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市独自の助成についてのお尋ねでございますが、妊娠の可能性や母体のリスクなど、医学的知見を踏まえて設定された年齢を超えて助成することについては慎重な判断が必要と考えており、国の検討会においては、妊娠の年齢が上がると妊娠高血圧症候群等の産科合併症の発症が増加するなど、女性や子どもの健康を害するリスクが高くなる傾向があると示されております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 次に、6月から福岡県でも不妊治療助成事業の受付が始まったと伺いましたが、内容についてお示しください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡県が実施する福岡県不妊に悩む方への先進医療支援事業は、保険診療による体外受精などの不妊治療と併せて行われる先進医療に係る費用について助成するものでございます。助成対象は、治療開始日の妻の年齢が43歳未満の夫婦となっておりまして、助成回数は初回助成時における治療開始日の妻の年齢が40歳未満の場合は6回まで、40歳以上43歳未満の場合は3回まで、助成金額は先進医療にかかった自己負担額の7割または5万円のどちらか低いほうの金額となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 県の不妊治療助成は先進医療を対象としたものであり、現在の保険適用回数や年齢についての助成はありません。
 京都府では、40歳未満の方は保険適用を超えてプラス4回を助成、また、40歳以上43歳未満の方はプラス7回を助成する事業を実施、それぞれ10回まで不妊治療の助成を行っています。なぜそこまでの助成を行ったのか、京都府知事は助成の目的をこのようにお話しされています。「不妊治療を受けることにより生まれてくるお子さんが一定数いる。一方で、不妊治療はお金もかかるが、時間もかかる。二の足を踏んでおられる方も非常にいらっしゃる。せめて経済的負担をできる限り軽減したい。少子化のときに不妊治療を受けられている方は、子どもを生み育てたいと思っている。その望みを実現したいという強い思いで特に支援を強化した。保険適用にかからない分については独自の支援を行う」とお話しされておりました。
 本市でも保険適用に加え、1回でも多く助成を行うことができないか、御見解をお伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 保険適用外の治療に対する助成につきましては、国の検討会において、妊娠の可能性や母体のリスクに加え、長期間の治療による身体面や精神面への負担にも配慮することが必要であると示されており、助成を行うことについては慎重に判断をする必要があると考えております。今後も、国や県の動向を注視するとともに、相談支援などを通して不妊治療に関する声の把握に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 先日、保険適用3回目の不妊治療を終えたばかりの女性にお話を伺いました。不妊治療には大きな壁として、環境、ストレス、金銭面の3つの壁があるとお話しされました。
 1つ目は環境です。不妊治療を行う女性の多くは仕事をしながら治療を実施します。月経開始の5日目から飲まなくてはならない薬があるなど、不妊治療には予期できぬ来院も多くあり、そのたび職場を早退したり、お休みをしたりしなくてはなりません。理解のある職場であったり、協力いただける環境であれば不妊治療も可能ですが、難しい職場もまだまだ多いと考えます。
 本市で不妊治療を行っている女性が仕事をしながら治療の実施を諦めた人数や割合など教えてください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 令和4年度に市民局において実施しました健康課題等と仕事の両立に関する事業所等実態調査によりますと、不妊治療経験があると回答した方のうち、仕事と治療を両立しているが69.3%、治療をやめたが10.2%、仕事を辞めたが7.2%となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 仕事と両立できなかったために子どもを授かる可能性があった方が治療を断念した現状も改善が必要です。
 2つ目は精神的ストレスです。「保険適用2回目も実らなかった」、「職場に休みをもらえるものの、周りの目が厳しい」など、不妊治療を続ける上で精神的に疲れてしまうことも多いなどストレスが絶えません。
 このような場合、本市では不妊治療の相談ができる窓口はありますか。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 不妊治療の相談ができる窓口につきましては、平成29年度に福岡市役所本庁舎地下に不妊・不育専門相談センターを開設し、不妊カウンセラーや医師が不妊に悩む方に寄り添ったカウンセリングや、妊娠、出産に関する正しい知識の普及啓発を行っております。開設時間につきまして、月曜日、火曜日、木曜日は午前10時から午後5時まで、水曜日と第2、第4土曜日は昼の12時から午後7時までとなっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 心強い支援です。相談を受けた方は御存じなかったため、ぜひ広く周知いただけると大きな支えになると考えます。
 最後の3つ目は金銭面です。不妊治療は保険適用となったとはいえ、高額な治療です。
 保険適用を行った場合、不妊治療の費用はどの程度かかるのか、お示しください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 保険適用を行った場合の不妊治療の費用につきましては、対象者の状況に応じて治療の進め方や組合せが異なっていることから費用は様々でございますが、国の調査によりますと、体外受精に係る費用は保険適用前の金額で平均約50万円となっており、保険適用後の自己負担はその3割で高額療養費制度の対象にもなるものでございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 保険適用を行った上でも費用が高額であり、保険適用外で治療を進める場合は大変な負担になると想像ができます。保険適用内で妊娠が実らなかった場合、金銭面を理由に諦めざるを得ないというのが現状です。金銭面をサポートすることで、働かなくてはならない1つ目の壁、環境面を変えたり、それに伴って起きる2つ目の精神的ストレスも緩和される場合も大いにあると考えます。また、保険適用になったことで金銭面での負担が大きくなった方もいらっしゃると伺いました。
 令和4年度に不妊治療の保険適用が拡充されましたが、患者の負担が増えるケースはありますか。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 不妊治療につきましては、体外受精などの基本的な治療が助成制度から保険適用に変わったことで、多くの方は基本的には経済的負担が軽減されているものと考えておりますが、治療内容によっては負担が増える場合もあると認識しております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) お示しのとおり、治療内容によっては負担増となる例もあります。香川県高松市では、現在の保険適用より以前の特定不妊治療助成制度のほうが負担軽減される場合、助成を行っております。
 本市でも負担が増えた方への助成を検討いただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 保険適用後に経済的負担が増えた方への助成につきましては、国による保険適用の拡充や県による先進医療の助成が行われているところでございまして、引き続き国や他都市の動向を注視してまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 少子化が深刻化している今、子どもが欲しいと願う夫婦が子どもを授かる手だてとして実施する不妊治療が高額であるという問題は解決しなくてはならない課題と認識します。年齢を重ねての出産は母体へのリスクがあることや、生まれてくる子どもの安全性の観点から一定の線引きは必要でありますが、40歳以上の方の助成制度の利用の割合も多かった本市では、年齢制限、回数制限、以前の助成に比べ高額になった方への支援にぜひ取り組んでいただきたいと要望いたします。
 さきにお話しした相談者は、不妊治療に悩み、苦しんでいることを議会で取り上げてくださるのなら不妊治療をした意味があると語られ、最後の治療と心に決めた彼女の言葉に胸のつかれる思いでした。
 安心して不妊治療を受け、出産できる環境をつくっていくために、助成の拡充にぜひ取り組んでいただきたいと思いますが、島市長の御所見をお伺いし、この質問を終わります。
 
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 不妊治療につきましては、保険適用の拡充に伴い、安心して治療を受けることができる基盤が整備されたところであり、追加支援につきましては、妊娠、出産に伴う様々なリスク等も併せて考慮する必要があると考えております。福岡市では、ライフプランを考えるきっかけとなるプレコンセプションケアに関する助成や、また、不妊に悩む方々の気持ちに寄り添った相談支援、不妊治療の理解を促進する社会的機運の醸成など、引き続き、様々な施策を通して、安心して生み育てられる環境づくりにしっかりと取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 次に、ファミリー・サポート・センター事業についてお尋ねいたします。
 身近に育児を頼る人がいない夫婦にとって、地域における子育て支援事業ファミリー・サポート・センターは大変ありがたい存在です。
 初めに、本市のファミリー・サポート・センター事業の概要をお伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) ファミリー・サポート・センター事業につきましては、子育ての支援を受けたい方と子育てを支援できる方がそれぞれ依頼会員、提供会員として登録し、地域の中で育児の相互援助活動を行う事業でございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 現在の、子育てを支援してほしい依頼会員、子育てを援助する提供会員、子育てを支援、援助どちらも行う両方会員の人数をお示しください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 本事業の会員数でございますが、令和4年度末現在で依頼会員が4,286人、提供会員が1,035人、両方会員が498人でございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 本市でも子育て世帯を地域で支えていただいております。
 ファミリー・サポート・センター事業を利用して子どもをお預けするときの料金については、令和元年10月1日にスタートした幼児教育・保育の無償化の対象となるかを教えてください。また、その旨が記載されている資料などあるか、お伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 本事業につきましても、保育の必要性等の認定を受けている場合には国の幼児教育・保育の無償化の対象となっており、市ホームページの幼児教育・保育の無償化制度等を紹介するページのほか、本事業の会員の手引にも掲載をしております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 会員の手引は会員になってから配付されるものだと思います。会員になる前の周知が必要と考えますが、先月、市のホームページを確認したところ、本市のファミリー・サポート・センター事業の紹介ページには無償化に関する記載がありませんでした。他都市のホームページでは、ファミリー・サポート・センターの紹介ページに幼児教育・保育の無償化のリンク先が掲載されております。無償化の問合せは多いとお話がありました。
 本市でもファミリー・サポート・センター事業を紹介するホームページへの記載を行うことで保護者へ情報が届きやすくなると考えますが、現時点ではどのようになっていますか。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市ホームページのファミリー・サポート・センター事業を紹介するページにおきましても、保育の必要性等の認定を受けている場合には本事業が国の幼児教育・保育の無償化及び福岡市が行う第2子以降の無償化の対象であることを掲載したところでございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 早急な対応ありがとうございます。皆様にも会員になる前から情報が届くことと思います。
 また、本市できょうだいが同時利用する際、利用料金の割引を行っています。非常にありがたい制度です。仙台市、さいたま市、千葉市など他政令市では、ひとり親家庭のお預かりに対し、半額を助成する制度を実施しています。ひとり親家庭にとって子育ての手を地域で借りることができるだけではなく、費用の助成も行うことは大きな支援につながると考えます。ひとり親家庭の預かりでは、視察で伺った千葉県市川市のファミリー・サポート・センターでは、急な出張などで預け先がない方のために宿泊でのサポートも行っているとのことでした。
 本市では、ファミリー・サポート・センターを利用するひとり親家庭への助成はないのでしょうか。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市のファミリー・サポート・センター事業におきましては、ひとり親家庭であることを要件とした助成は行っておりませんが、本事業の会員登録時などにひとり親家庭等を対象に保育サービスや家事援助を支援するひとり親家庭等日常生活支援事業を必要に応じて御紹介しております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) ひとり親家庭等日常生活支援事業は負担費用も抑えられており、家事支援なども行っているため、非常に活用しやすいと考えます。利用は1年に20回が限度となっておりますので、毎週送迎やお預かりをお願いする場合は回数が足りず、また、地域の方を頼りたい場合にはファミリー・サポート・センターを利用することとなります。ぜひファミリー・サポート・センター利用時の助成についても要望いたします。
 次に、ファミリー・サポート・センターでお預かりできる子どもの月齢をお示しください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) ファミリー・サポート・センター事業におきましては、原則、生後3か月から小学校6年生までの子どもを預かりの対象としております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 3か月に満たない乳児の預け先はありますか。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市では産休明けサポート事業として、生後8週間から保育所へ入所ができる生後3か月までの間、産休明けからの保育が必要な方を対象にベビーシッター派遣費用の一部を助成しております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 産休明けサポート事業の利用条件、利用手続についてお示しください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 産休明けサポート事業の利用条件につきましては、生後8週間から生後3か月までの子どもの保護者で、就労等により保育が必要と福岡市が認定する方を対象としております。利用手続については、区役所で生後3か月以降の保育所等の利用申込みをしていただいた上で、原則、利用希望日の2週間前までにベビーシッター派遣事業者と直接契約を結んでいただくこととしております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 産休明けサポート事業は、産休中、保育所の利用申込みが条件となっており、14日前に手続が必要です。
 3か月未満の乳児を預けたい方を全てカバーできるわけではないと認識しますが、いかがでしょうか。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) ファミリー・サポート・センター事業におきましては、福岡市の保育施設等の入所要件を勘案しまして、生後3か月未満の乳児は預かりの対象としておりません。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 市民相談で、3か月未満の乳児を預けられる先がないことに非常に苦労したとのお話を伺いました。3か月未満の乳児を預かる環境が整っていない現状、地域の提供会員が安全を確保し、預かりが可能であれば、預け先に苦労する保護者の大きな助けになると考えます。
 市川市では2か月以上の乳児を預かっています。事業スタート時は生後6か月から小学校3年生までの預かりとしていましたが、多子世帯のお母さんが生まれて間もない下の子どもの預け先に困っている、何とかしてあげたいなど預かる側から積極的な声が上がり、拡充に踏み切ったとのことでした。政令市でも、仙台市、堺市では生後2か月以上、豊島区、世田谷区では43日以降など本市より月齢の低い乳児の預かりを実施しています。
本市でも預け先に困る御家庭を援助できるよう預かりの月齢を拡充すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市の保育施設等における保育は、国の中央児童審議会の意見具申に基づき生後3か月以上としており、ファミリー・サポート・センター事業はその取扱いに準じたものといたしております。本事業における子どもの預かりを生後3か月未満の乳児に拡大することは、依頼会員と提供会員の双方が安全、安心に育児の相互援助活動を行う上で課題があると認識をしているところでございます。今後、その課題に対する他都市の対応策について調査してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 預けられる月齢が広がることで保護者の負担の軽減につながると考えますので、双方安心の預かりが実現できますよう、ぜひよろしくお願いいたします。
 一方で、会員同士の事前打合せも重要であると考えます。視察で伺った埼玉県新座市では、ファミリー・サポート・センターに勤務するアドバイザーが事前打合せにも同行し、提供会員の人となりや御自宅も拝見しマッチングしているため、双方安心の預かりができているとのことでした。
 本市の子どもを預ける際の依頼会員、提供会員の事前打合せはどのように行われていますか。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 依頼会員と提供会員の事前打合せにつきましては、原則として提供会員の御自宅で依頼会員と提供会員の2者間で行うこととなっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 市川市では、市を8分割し、それぞれの地区にボランティアで地区リーダーを設置し、会員同士が初対面となる打合せにも必ず同席しております。依頼会員が提供会員の人柄に安心し、事前になかった追加依頼を突然伝えることもあるそうですが、断りづらい提供会員に代わって円滑な打合せに貢献しているとのことでした。また、提供会員の自宅に直接リーダーが伺うことで危険箇所も会員とともにチェックし、事故のない預かりにつなげているとのことでした。
 会員だけの事前打合せで起こり得る課題にはどのように対処されていらっしゃいますか、また、実際にお困り事などはありますか。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 依頼会員、提供会員ともに、会員登録の前に受けていただく講習の際に、本事業において対応できること、対応できないことについて説明を行い、御理解、御納得をいただいた上で会員登録をしていただいております。事前打合せの際などに何か困り事がございましたら、ファミリー・サポート・センター支部のアドバイザーが相談に応じ、必要に応じて仲介するなどの対応をしているところでございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 御相談を伺う中で、身近に預け先がない方がファミリー・サポート・センターの存在を知り、会員登録後、事前の打合せに臨みましたが、預け先の提供会員のお宅で行う原則だったものが近隣の公園での打合せに変更となり、預け先を確認できないままだったため、お預けを断念されたとのことでした。子どもを預けることができず、歯医者さんでお子様を胸に抱いたまま治療を受けられたそうです。赤ちゃんが動いて機械などに当たってしまわないか、大きな不安を抱えたまま治療を受けられたとのことでした。
 新座市、市川市どちらも第三者が事前打合せにも参加され、会員にとっても心強く、預かる会員の自宅を拝見できるなど、運営側にとってもマッチングしやすくなるとのことでした。
 本市でも事前打合せの前に注意事項を徹底いただき、お困り事があればアドバイザーに相談できるよう工夫いただいておりますが、実際に当事者同士の打合せで順調に進むよう何か工夫されていることはありますか。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 会員間の事前打合せが円滑に進むように、依頼会員の登録の際にファミリー・サポート・センター支部のアドバイザーが当該会員の家庭や子どもの状況、依頼したい内容などを丁寧にお伺いし、マッチング時にその情報を提供会員に十分にお伝えすることとしております。事前打合せが順調に進まなかった場合でございますが、会員からの相談に応じてアドバイザーが再度の日程調整の御提案や別の提供会員を御紹介するなどしております。引き続き、安心して子どもを預けていただけるような対応に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 調整やヒアリングを行うアドバイザーの方も、依頼会員の心情に寄り添い、お困り事に対し、細やかに対応してくださっていることと存じます。そのような中で、今後も双方安心してお預かりができますよう御対応をよろしくお願いいたします。
 次に、預かりの日程調整についてお伺いいたします。
 依頼会員と提供会員との預かりの日程調整が難しい場合はあるのか、また、難しい場合はどのように対処されているのか、お伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 御紹介している提供会員と依頼会員の希望の日程が合わない場合もございます。そのような場合は、依頼会員からの御希望に応じて別の提供会員を御紹介しております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) このような事態を回避するためにも、どの地域でも苦労していると思いますが、提供会員の増加や充実を図る必要があるかと思います。
 では、提供会員になるための要件をお尋ねします。また、提供会員を増やす上での課題とその対応はどのようにされているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 提供会員になるための要件につきましては、市内在住で心身ともに健康、自宅で安全に子どもを預かれる方としており、会員登録に当たっては講習会を受講していただく必要がございます。また、提供会員を増やす上での課題としては、講習会の受講を負担に感じることが理由の一つであると考えております。そのため、国が参考として示す24時間の講習カリキュラムのうち、登録前の講習においては安全、安心に預かるために必要な項目に絞り、登録後のフォローアップ研修を充実させるなど工夫することにより、負担の軽減を図っているところでございます。また、地域における子育て支援の担い手の育成を目的に県などが実施しております子育て支援員研修の修了状況を踏まえまして、講習会の一部を免除することとしております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 本市では受講時間なども工夫していただきながら、提供会員増加の取組をいただきありがとうございます。
 広報については、市政だよりや公民館だよりなどで行っていただいていると思いますが、より広い範囲で市民の皆さんの目に留まるよう広範な周知を行うべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 本事業は会員同士の相互援助活動という性質であることから、ボランティアや子育てに関心のある層への広報が効果的であると考えております。事務局の社会福祉協議会等と協議しながら、市民の皆様に広く周知できるよう取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) 市川市では、クリスマス会や定期的な懇親会に加え、提供会員継続5年時にファミリー・サポート・センターから表彰を、継続10年で市長表彰を実施するなど、提供会員の継続にも力を入れているとのことでした。登録中の提供会員のモチベーション向上にもつながっているとのことです。
 提供会員を増やすためには、さらなる取組が必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 提供会員数の増加に向けて、今後とも、地域ボランティアに関心のある方が集まる場など効果的と考えられる場での継続的な周知、広報にしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) 田原香代子議員。
○16番(田原香代子) さきに紹介したお子様を預けらなかった保護者も、行政が取り組む子育て支援事業は安心感があるからこそ、ぜひ今後も利用しやすい環境づくりをお願いしたいとおっしゃり、また、御自身の子育てが一段落した際は提供会員としても地域子育てに貢献したいとのことでした。今子育てに奮闘している方々を地域で支える本事業をさらに充実させ、様々な事情でお子さんを預ける環境がない方の預け先を確保する苦労が少しでも改善されますよう働きかけをよろしくお願いいたします。
 本年度からも様々な子育て支援を打ち出し、環境が整う中、地域子育ての充実を図ることで健やかな子どもの成長につながると考えますが、島市長の御所見をお伺いし、質問を終わります。
 
○議長(打越基安) 島市長。
○市長(島宗一郎) 子どもは、一人一人が未来をつくるかけがえのない存在であり、子ども・子育て施策の充実は重点的に取り組むべきものと考え、令和5年度予算では子育て応援予算として、多子世帯への支援、サポートを必要とする子どもへの支援、全ての子育て世帯への支援という3つの柱で支援策を大幅に拡充して、子育て家庭をしっかりと支えていくこととしております。今後とも、市民の皆さんが安心して生み育て、子どもが健やかに成長していけるように、身近な地域での子育て支援の充実にしっかりと取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(打越基安) この際、暫時休憩いたします。
 午後は1時10分に再開いたします。
午前11時48分 休憩  
午後1時10分 開議  
○副議長(松野 隆) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。落石俊則議員。
○60番(落石俊則)登壇 私は福岡市民クラブを代表して、持続可能な沿岸漁業の振興、実効性ある学校の働き方改革の推進について質問します。
 初めに、持続可能な沿岸漁業の振興について伺います。
 春先から初夏にかけて、玄界灘、博多湾ではコウイカのシーズンです。かつて、私の地元奈多漁港でもこの時期、直径1メートルの円柱状の枠に網がかけられたイカかごが漁船にたくさん積み上げられていましたが、最近は伝統のイカかご漁に従事しているのは数人の漁師さんにすぎません。近年、我が国の水産業を取り巻く状況は、水産資源の減少や漁業従事者の減少と高齢化、消費者の魚離れなど様々な問題が深刻化しています。地元水産物の消費拡大の取組が漁業従事者の所得の向上につながり、担い手の確保へ、そして、生産性の向上につながるといった好循環をつくることは喫緊の課題だと考えます。
 2017年度から2021年度までの第10次福岡市水産業総合計画では、豊かな海の再生と持続可能な水産業の創生を目標に施策が推進されてきました。
 初年である2017年と最終年2021年の沿岸漁業就業者数と年齢構成及び期間中の新規就業者数を尋ねます。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○副議長(松野 隆) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 福岡市漁業協同組合の調査によりますと、まず、就業者は平成29年536人、令和3年480人となっております。次に、年齢構成は平成29年が30歳未満23人、30歳から64歳274人、65歳以上239人で、令和3年が30歳未満21人、30歳から64歳216人、65歳以上243人となっております。また、期間中の新規就業者は36人でございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) この5年間で約40人の新規就業があったものの、沿岸漁業就業者は536人から480人と減少、65歳以上が過半数を占め、30歳未満が約5%となっています。10年先、博多湾、玄界灘の魚を私たちは食べられるのかと心配です。
 次に、2017年から2021年の5年間の漁業生産量と生産額について尋ねます。
 
○副議長(松野 隆) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 福岡市における沿岸漁業の生産量と生産額は、平成29年が4,387トン、24億3,200万円、平成30年が4,181トン、22億9,000万円、令和元年が3,767トン、27億5,300万円、令和2年が3,643トン、19億900万円、令和3年が3,293トン、17億4,600万円でございます。失礼いたしました。令和元年の数字でございますが、3,767トン、正確には21億5,300万円でございます。失礼いたしました。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 5年間で漁業生産量は約1,000トンの減少、生産額も約7億円減少、依然として厳しい状況が続いています。
 さきの第10次総合計画には、豊かな里海づくりと活力ある浜の実現が主要な施策に掲げられていました。
 初めに、豊かな里海づくりについて、どのような取組を行ってきたのか、伺います。
 
○副議長(松野 隆) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 豊かな里海づくりの取組といたしましては、博多湾の水産資源の回復につなげるため、藻場の造成や海底耕うん及び海底ごみの回収などにより、魚のすみかとなる漁場環境の改善に資する取組を行ってまいりました。その上で、アサリやアワビなどの種苗放流によりつくり育てる漁業の取組を行ってきたところでございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 地球温暖化の影響による海水温の上昇など、自然環境の変化による漁場環境への影響が懸念されています。また、博多湾流域の河川からのごみの流入等により発生する海底ごみは、漁場生産力の低下をもたらす原因ともなっています。
 5月27日、漁業者自らが博多湾の漁業環境を保全する漁場クリーンアップ作戦が実施されました。今後も回収された海底ごみの処分に関わる支援と併せ、博多湾には40の河川が流入していることから、河川流域の自治体との連携、啓発活動の強化を要望します。
 次に、活力ある浜の実現について、どのような取組を行ってきたのか、伺います。
 
○副議長(松野 隆) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 漁業者の経営安定や消費拡大を目的とした活力のある浜の実現につきましては、漁獲量の減少や魚価が低下した際に一定の金額が補?される漁業共済への加入費用の助成や、朝市、夕市など直販事業への支援を行ってまいりました。さらに、新たに漁業を開始するために必要な船舶免許や漁具などの取得費用を支援する新規就業者育成支援事業なども行っております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 漁業を始めるには、まず漁船が必要です。現在、中古漁船をリースできる制度はあるものの、それだけでは漁業は始められず、船舶免許の取得や漁具なども必要です。漁村を中心に新規就業を望む人たちの開拓と支援事業の充実を要望しておきます。
 漁業者に対する支援についてお尋ねしましたが、魚食普及をはじめとした消費拡大も重要な課題と考えています。
総務省の家計調査年報によれば、食料支出にかかる魚介類支出の割合は平均7.7%と低水準となっていますが、これまでどのような取組を行ってきたのか、尋ねます。
 
○副議長(松野 隆) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 消費拡大の取組につきましては、直販事業への支援をはじめ、博多湾で養殖されている姪浜ノリや弘のワカメ、小呂島で漁獲されているブリなど計10品目を学校給食に提供するなど、地元水産物の利用促進を行ってまいりました。また、新型コロナウイルス感染症の影響などにより直販事業の売上げが減少したことから、漁港の直売所で利用できるプレミアム付商品券の販売を開始しております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 全ての年代で魚離れが進んでおり、中でも若者の魚離れが顕著になっています。地産地消の観点からも学校給食への地元水産物の利用促進は重要であり、今後、高校や大学に加え、高齢者施設の給食への利用も検討いただくよう要望します。
 また、市漁協の各支所には、それぞれの支所で取れる水産物を特色ある魅力的な商品として開発しておられますが、市民にはまだまだ十分に知られていないように感じます。市として商品のPR活動などしっかりと支援していただきたいと思います。
 また、漁港の直売所で使えるぎょぎょぎょ!!プレミアム付商品券は9月から2月までとなっていますが、利用期間が朝市、夕市が開かれない期間も含まれているため、さらに利用しやすくなるよう期間の見直しを検討していただくよう要望します。
 これまで第10次総合計画に関しての取組について伺ってきましたが、まだまだ多くの課題があり、将来にわたり持続可能な水産業となるのか懸念されます。本年度は第11次総合計画の2年目に当たり、新規事業として海業──海の業ですね、海業推進事業並びに養殖業の発展が基本方針に掲げられています。
 そこでまず、海業とは何か、また、その背景と、なぜ市として推進する必要があるのか、伺います。
 
○副議長(松野 隆) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 海業につきましては、国において、海や漁村の地域資源の価値や魅力を活用する事業であって、地域のにぎわいや所得と雇用を生み出すことが期待されるものと定義されております。近年、国内の漁村地域は、漁獲量や漁業者の減少などにより地域の活力が低下しつつあります。このため、福岡市においては、漁港内に生じている余剰地などを活用し、漁村ならではの魅力や価値を生かした海業に取り組むことで漁村地域の活性化を図っていく必要があると考えております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 漁業者が減り、かつて多くの漁船が停泊していた漁港には未利用地が見受けられます。
 その未利用地を有効活用し、漁業者の所得向上につなげようとする海業ですが、今後どのような取組を行おうとしているのか、伺います。
 
○副議長(松野 隆) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 海業の推進につきましては、漁港本来の漁業活動の拠点としての機能を確保した上で、漁業関係者や地域の皆様、民間事業者の意見を伺いながら、漁港内に生じている余剰地の新たな活用方法について検討してまいりたいと考えております。令和5年度は漁港の利用実態を調査いたしまして、未利用施設や余剰地の洗い出しを行うとともに、地域の水産資源を活用したイベントの開催などによりニーズの把握を行うことにしております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 漁村にはそれぞれ特色があります。漁村地域の活性化につながるようしっかり調査をしていただきたいと思います。
 次に、基本方針に掲げられている養殖業の発展について伺います。
 養殖は、冬場、海が荒れて漁に行けない漁業者にとって貴重な漁労収入となっています。博多湾では以前よりワカメやノリ、カキ養殖が行われています。
 ノリやワカメは学校給食にも提供されていますが、第10次期間中のそれぞれの生産量と生産額はどうなのか、尋ねます。
 
○副議長(松野 隆) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 養殖の生産量と生産額でございますが、まず、ノリは平成29年が133トン、8,200万円、平成30年が205トン、1億400万円、令和元年が148トン、8,500万円、令和2年が138トン、9,500万円、令和3年が106トン、8,200万円、次にワカメは平成29年が126トン、3,000万円、平成30年が67トン、1,500万円、令和元年が52トン、1,300万円、令和2年が75トン、1,800万円、令和3年が31トン、800万円、最後にカキは平成29年が70トン、5,800万円、平成30年が49トン、4,300万円、令和元年が42トン、3,500万円、令和2年が64トン、5,800万円、令和3年が51トン、4,600万円となっております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) ワカメもノリもカキも総じて生産量が安定していないようです。
 先日、ワカメ養殖に取り組んでおられる志賀島支所に行き、話を伺ってきました。志賀島支所では、玄界灘側と博多湾側でワカメ養殖が行われていましたが、魚による食害で生産量が減少し、今は博多湾側の区域だけとなっているとの話でした。
 養殖生産量が安定しない原因は何か、お尋ねします。
 
○副議長(松野 隆) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 養殖の生産量が安定しない原因につきましては、研究機関であります福岡県水産海洋技術センターに確認しましたところ、河川から海に流入する栄養塩が少雨の影響により減少したことなどの海洋環境の変動や魚類による食害によるものと聞いております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 海洋環境に左右されているとのことでした。
 ところで、博多湾のアサリも減少していると聞いていますが、漁獲量の推移はどのようになっているのか、伺います。
 
○副議長(松野 隆) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) アサリの漁獲量につきましては、平成29年20トン、平成30年30トン、令和元年20トン、令和2年7トン、令和3年0.3トンとなっております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 近年は減少傾向にあるようです。アサリの漁獲量回復に向け、市はどのような取組を行っているのか、伺います。
 
○副議長(松野 隆) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) アサリにつきましては、安定的な生産と供給を目指し、平成27年度から福岡市が主体となって、卵から砂なしで育てる砂ゼロアサリの養殖試験を開始しておりまして、この技術で育成したアサリの種苗を福岡市漁業協同組合と連携して博多湾に試験的に放流するなど、漁獲量の回復に努めております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 九州の養殖といえば、鹿児島湾内でのブリ養殖、天草でのマグロ養殖、大分県佐伯のヒラメ養殖が有名で、福岡市近くの新宮町相島では真珠が養殖され、販売されています。
 水深が浅く、閉鎖的な博多湾での養殖種は限られます。砂ゼロアサリを含め、ワカメやノリ、カキの養殖を今後どのように取り組んでいこうと考えているのか、また、新たな養殖対象種に取り組むことはあるのか、市としての養殖の方向性を尋ねます。
 
○副議長(松野 隆) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 海洋環境の変動や漁業法改正に伴う資源管理の強化により、今後、漁船漁業による生産量は増加が見込めないことから、養殖への取組はさらに重要性を増したと考えております。まず、ワカメやノリなど既存の養殖につきましては、漁業者により生産量の向上に向けた取組が進められており、引き続き支援を行ってまいります。また、既存養殖の中でも海外から高い評価を受けている唐泊恵比須かきについては、国際認証の取得及び生産や輸出の拡大に向けて支援を強化してまいります。新たな養殖対象種につきましては、博多湾における魚類の養殖は水深が浅いなどの理由で困難が予想されることから、漁港区域を活用したウニやエビの陸上養殖などについて、海業の推進と併せて検討を行ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 唐泊の恵比須かきについては生産拡大、輸出拡大を、また、既存の養殖については生産量向上に向けた支援を行うという答弁でした。
 漁業への新規就業者が増えない大きな要因は、安定的な収入が見込めないことにあります。漁船漁業は、漁場環境の変化に加え、魚種の資源管理により出漁期間や水揚げ量も制限されています。また、既存の養殖は海洋環境の変化により不安定な生産量となっています。しかし、漁港区域の余剰地を活用した新たな養殖業の展開は安定的な収入につながる重要な事業になると考えます。
 そこで、新たな養殖モデル構築事業について、市漁協にはワカメやノリ、カキの養殖を行っている漁協支所とそうでない支所があります。養殖に取り組む上でどのような課題があるのか、伺います。
 
○副議長(松野 隆) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 福岡市漁業協同組合の各支所が新たな養殖に取り組まれ、事業化に成功されるためには、養殖対象種及び適地の選定が最も重要と考えておりますが、一方で、施設設備の初期投資や運営コストの資金調達なども課題であるというふうに認識しております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 答弁にあったように、新たに養殖を行うためには養殖対象種や養殖可能な地域の選定と併せ、施設設備や漁具や養殖網等の初期投資が必要となり、漁業者には負担が大きいと考えられます。支援策について伺います。
 
○副議長(松野 隆) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 養殖業に対する支援につきましては、施設建設に必要な資金の融資制度や漁業者が共同で利用する施設の整備に対する助成制度などがあり、これらの制度の周知を行うとともに、活用が進むよう支援してまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 資金融資制度や助成制度があるとのことです。
 今回の養殖モデル構築事業を推進するに当たり、2017年から始まった砂ゼロアサリの養殖試験がモデルになると考えます。本格養殖に至るまでは年月を要します。漁協支所だけではできない事業であり、大学や水産試験場に加え、民間事業者との連携が不可欠です。
水産庁が海業振興モデル地区に選定した熊本県牛深漁港や神奈川県逗子市の小坪漁港等の取組も参考にし、市が産学官の中心となり、新たな養殖に取り組もうとする漁協支所に対し、しっかり支援を行っていただきたい。所見を伺い、この質問を終わります。
 
○副議長(松野 隆) 姉川農林水産局長。
○農林水産局長(姉川雄一) 福岡市漁業協同組合の各支所による新たな養殖への取組につきましては、水産物の安定的な生産と供給及び漁村の活性化につながるよう、既存の支援制度に加え、海業の制度も活用しながら積極的に支援してまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 次に、実効性ある学校の働き方改革の推進について伺います。
 学校の教員不足が深刻となっています。2022年1月、文科省は教員不足に関する実態調査を公表しました。調査によれば、2021年、学級編制基準日である5月1日時点での教員不足が小学校で979人、中学校では722人となっています。
 本市の状況はどうか、過去3年間の5月1日時点での小中学校の教員不足の状況についてそれぞれお尋ねします。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和3年度が小学校ゼロ、中学校19人、4年度が小中学校いずれもゼロ、5年度が小学校2人、中学校5人となっております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 本年度は小中学校で7人の教員不足が生じています。
 教員不足の要因について伺います。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 教員不足は、定年退職者を補うための大量採用が必要な中で、児童生徒数の増に伴う学級数の増加や特別支援学級の増、加えて産休、育休取得者の増などにより採用が必要な教員の数が増加している一方で、全国的な教員離れの傾向などもあり、志願者が減少していることなどが要因と考えております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 全国的な教員離れの傾向があると。教育委員会や学校はどのように対応しているのか、本年度の教員不足は解消されたのか、お尋ねします。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 教育委員会においては、市政だよりやホームページなどを活用した募集案内に加えて、近隣の大学での講師募集や指導力の高い教員OBへの依頼などを行い、講師確保に努めております。学校においても代替教員が配置されるまでの間、当該校の他の教員が教科指導等を行うなどの対応を行っております。また、今年度の欠員7人の補充については、5月中に教諭2人が育児休業から復帰しており、本日までに3人の講師を任用、配置いたしております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) いまだ2名の欠員が解消されていません。また、学校現場からは年度当初に限らず、病気休職や産休、育休取得の教員への代替教員の配置が大幅に遅れているとの声を多く聞きます。
 2022年度、代替教員が配置されるまで最も長かったそれぞれの日数をお尋ねします。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 病気休職の代替教員が81日、産前産後休暇の代替教員が107日、育児休業の代替教員が134日でございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 2か月から4か月余り、1学期期間中に相当する期間、教員不足を校内で賄っていたということです。子どもたちへの学習対応が十分であったのか、危惧されます。
 本年度、産休育休代替対応の非常勤講師配置事業が始まりました。年度途中からの代替講師を年度当初から非常勤講師として任用するとしていますが、任用の状況はどうか、また、昨年9月には男性職員の育児休業の取得促進の実現に向けた取組についての通知が発出されましたが、取得率はどうか、それぞれお尋ねします。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) お尋ねの非常勤講師については、現時点では配置できていない学校がございますが、引き続き早急に配置できるよう取り組んでまいります。また、男性教職員の育児休業の取得については、取組を開始した令和4年度の9月から3月までの間の取得率が35%となっております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 年度当初より教員が足りていない状況が続いています。新学期当初からの担任不在は、子どもたち、保護者にとっては大きな不安であり、年度初めの混乱はその後の学級経営に長く影響します。また、産休や育休取得の教員への代替教員の配置の遅れはその学級だけでなく、学校全体に混乱をもたらします。新規事業である産休育休代替対応の非常勤講師配置は、産休、育休を行使する教員にとって学習や子どもたちの状況を代替講師へスムーズに引継ぎが図れるため、学校現場からは安堵の声が寄せられていましたが、そもそも教員不足のため、実現は難しく、絵に描いた餅状態になっています。また、男性教職員の育休取得率は対象者の3分の1にとどまっています。代替講師の配置の遅れが男性教職員の育休取得をちゅうちょさせています。年度当初に限らず、恒常的な教員不足を解消しなければなりません。教員不足の要因の一つに産休、育休の教員が見込みより増加したとの答弁がありましたが、このほかにも懸念されるのが、病休者のうち精神疾患により休職をしている若い教員の増加です。
 2021年度並びに2022年度の精神疾患による教員の病気休職者及び1か月以上の病気休暇取得者について尋ねます。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和3年度が154人、4年度が158人となっております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 精神疾患による休職や病休取得者が2年連続150人を超えています。
 文部科学省の人事行政状況調査によると、本市の精神疾患による教員の病気休職者は2017年度が54人、2018年度が66人、2019年度が73人、2020年度が61人、2021年度が87人と増加傾向にあります。教員数の割合にすると1.07%です。この数字は他の政令市と比べてどうか、尋ねます。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 福岡市では、おおむね0.5から1%の間で推移しておりまして、政令市の中では高い傾向でございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 政令市の中でも高い傾向にあるということでした。
 学校教育への期待が多様化する中で、多くの教職員が仕事に対する強い不安やストレスを感じ、学校現場のメンタルヘルス対策が重要な課題となっています。本市では、2010年に第1次福岡市立学校教職員心の健康づくり計画が策定され、本年度は第3次期間中の5年目です。その取組の方向性として、予防的対策の強化、年代や職位等に応じた支援、働き方改革の推進が掲げられ、精神疾患による教職員の病気休職者の割合を2024年度までに0.45%にすることを目指すとしています。
 現状では目標には程遠く、計画の位置づけにあるように、実情に即した施策になるよう取組の拡充を図るべきと考えますが、所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 教職員健康管理専門員や外部相談窓口による支援を行うとともに、若年層を対象とした新たな研修の実施や教員の負担軽減の拡充などに取り組んでいるところでございまして、引き続き総合的に取組を進めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 年度当初の教員不足とその要因、産休、育休の代替講師配置の遅れなど学校現場の状況を伺ってきました。
 次に、教員採用候補者選考試験について伺います。
 本市の小学校教諭の過去3年間の受験者数と新規学卒者並びに採用倍率の状況はどうか、お尋ねします。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 採用試験の実施年度で申し上げますと、令和2年度は受験者591人、うち新卒者146人、3年度は受験者526人、うち新卒者196人、4年度は受験者689人、うち新卒者341人となっております。また、採用倍率につきましては、令和2年度が1.9倍、3年度が1.8倍、4年度が2.0倍となっております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 2022年度は前年度に比べ学生の受験者が増えた分、小学校教諭受験者が約150人増えています。
 全国的に受験者が減少傾向にある中、受験者増に向け、どのような対策をされたのか、お尋ねします。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和4年度から、真に教員としての適格性を有する人材を確保するために、新たに教員実習の評価と大学推薦に基づく特別選考を実施するとともに、講師を対象として勤務校における評価に基づく特別選考を実施いたしております。また、大学での教員募集説明会の開催や、教員募集のパンフレット、ホームページの活用などにより、福岡市の教員の魅力を積極的にPRし、受験者の増加に努めております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 15の大学を対象とした特別選考の実施や講師対象の特別選考の実施等を行っているということでした。受験者は2022年度増えたとはいえ、採用倍率はいまだ2倍以下です。
 5月末、文科省は2024年度の公立学校の教員採用1次試験を現在よりも1か月前倒しし、6月16日を標準とするよう都道府県、政令指定都市教育委員会に要請するとの報道がありました。民間企業に人材が流れていることを考慮し、採用試験を早め、教員不足の解消を図る目的があるようです。
 採用試験が1か月も前倒しとなれば、学校で勤務しながら採用試験の準備をしている多くの臨時的任用教員等が学校を離れ、教員不足の状況がますます広がるのではないかと懸念されます。所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 御指摘のとおり、文部科学省から採用試験の早期化などについて検討するよう要請が行われておりますが、あわせて、学校の仕事に従事しながら試験対策を行う講師への配慮から、講師を対象とした採用試験の一部免除などの対応が求められております。本市では、講師の志願者に対して第1次試験の免除や勤務校における評価に基づく特別選考試験を既に実施しておりまして、試験の負担にも配慮いたしております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 採用試験を担当するのは都道府県と政令市であり、文科省に権限はありません。採用試験への臨時的任用教員の負担軽減を含め、慎重に検討されるよう要望します。なお、採用試験を早めれば教員の志望者が増えると考えるのはあまりにも短絡過ぎます。教員離れの傾向を招いている要因こそ改善すべきであると申し添えておきます。
 次に、学校の勤務実態について伺います。
 文部科学省は4月28日、2022年度の教員勤務実態調査結果を公表しました。調査によれば、国の指針である時間外在校等時間の上限、月45時間を超える教員が小学校で約65%、中学校では77%にも上っています。月80時間の過労死ラインを超える教諭は小学校で約14%、中学校で約37%となっており、前回の2016年度調査より改善されているとはいえ、1日当たりの持ち帰り仕事は小中学校とも増えています。
 では、本市はどうか、時間外在校時間上限の月45時間超及び月80時間超の教育職員の割合、持ち帰り仕事の時間は小中学校それぞれで改善されているのか、伺います。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和4年度の時間外在校等時間が月40時間超の教育職員の割合は、令和2年度の6月から3月までと比較いたしますと、小学校が30.9%で4.6ポイントの減、中学校が42.3%で1.0ポイントの増、月80時間超の割合は小学校が2.7%で2.0ポイントの減、中学校が10.5%で2.8ポイントの増でございます。また、令和元年度の調査において、持ち帰りの仕事の平均時間数は、平成26年度と比較いたしますと、小学校が1時間43分で4分の増、中学校が2時間2分で9分の減でございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 月45時間超の教育職員が小学校では4.6ポイント減とはいえ、いまだ3割が上限を超え、中学校では2年前に比べ1ポイント増となっています。しかも、小学校で約3%、中学校では約10%の教育職員が過労死ラインである月80時間以上も命の危険が及ぶ状況で働いているということで、依然として改善できていない状況が続いています。さらに、小学校では時間外在校等時間が減った分、家への持ち帰り業務が増えています。また、長時間勤務が常態化している大きな要因の一つに学習指導要領の改訂による授業時間の増加があります。小学校高学年は週4日間は6時間授業となり、教員は僅かな空き時間や昼の休憩時間に教材研究に汗を流しています。一人一人のきめ細かな授業が求められているにもかかわらず、教職員の配置基準は変わらず、不登校児童生徒や保護者への対応、中学校においては生徒指導、進路指導に加え、部活動指導を任されるなど教員の負担は増し続けています。現行の学習指導要領が示す標準授業時数のままでは大きな改善は厳しく、学習指導要領の早期の見直しが必要と考えます。
 5月22日、永岡文科大臣は中央教育審議会に教員の処遇改善策を諮問しました。1972年の教職員給与特別措置法、いわゆる給特法により、公立学校の教員には月額給与4%相当を教職調整額として支給する代わりに時間外勤務手当、残業代は支払わないとされました。当時の平均残業時間が月8時間程度だったことを根拠に調整額は4%としています。時間外手当という位置づけでないことから、長年、勤務時間の適正な管理が行われず、時間外長時間勤務を強いる大きな要因になり、定額働かせ放題の状況を生み、結果として学校がブラック職場化しています。審議会では、4%の教職調整額の引上げや職務・勤務実態の手当の創設等が議論されているようです。しかし、教職調整額が引き上げられれば、管理職、教育委員会が長時間勤務削減に向けての意欲が滞り、教職調整額が引き上げられたのだからと現状の長時間勤務を追認する意識が生じることは火を見るより明らかです。
 教職員給与特別措置法の廃止を文科省に求めるべきではないかと考えますが、所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和5年5月の文部科学大臣の諮問では、教職調整額の引上げ等による教員の処遇改善だけではなくて、さらなる学校における働き方改革の在り方等についても、検討を求めております。給特法の在り方につきましては、中教審の検討も踏まえ、文部科学省において適切に判断されるものと考えておりますが、見直しに当たっては現在の教職の実態に見合った制度となるよう、引き続き、他都市とも連携して要望してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 文部科学省に業務の見直しや予算措置を伴う抜本的な改善策を求めていただくことを強く要望しておきます。
 本市では、業務改善のための実施プログラムに引き続き、2022年4月、働き方改革推進プログラムが策定されました。プログラムでは、2024年度末までに時間外在校等時間を月45時間以内、月100時間以上の教職員をゼロにするとの数値目標が設定されています。
 2022年9月には、各学校には勤務間インターバルの取組についての通知が発出されました。その目的と状況はどうか、お尋ねします。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 勤務間インターバルは、教員の睡眠時間を含むプライベートの時間を確保することで、教員が生き生きと子どもたちと向き合い、効果的な教育活動につなげることを目的といたしております。また、取組を開始した令和4年度の9月から3月までの状況といたしましては、95%以上の日において11時間以上の勤務間インターバルを確保できております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 95%以上の日で11時間以上が確保できているとのことですが、学校現場からは、とにかく早く帰ることのみに重点が置かれている、そもそも業務が減っていないのだから結局持ち帰り仕事が増えたなどの声を聞いています。
学校での時間外在校等時間の目標が達成できたとしても、その分家への持ち帰りが増えてはならないと考えますが、所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 家庭の事情などもあり、やむを得ず業務の持ち帰りが行われていることは承知いたしておりまして、引き続き、持ち帰りがなくなるよう業務の削減や効率化に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) よろしくお願いします。プログラムにある学校業務の適正化に向け、学校水泳指導における民間プールの活用モデル事業が始まりました。水泳指導が始まる6月、各学校では教職員と高学年児童とが数時間かけてプール清掃を行っています。さらに、早朝の毎日、学校ではプールの水質検査、管理などが大きな負担ともなっています。さらに運動場の登り棒やブランコ、遊具などの安全点検も教職員が行っています。
 教職員が必ずしも行う必要のない業務は民間業者に委託し、本来業務の充実を図るべきです。所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 学校や教員の業務については、これまでも、学校以外が担うべき業務や教師が担う必要のない業務、教師の業務だが負担軽減が可能な業務の分類なども踏まえまして見直しに取り組んでまいりました。引き続き、教員の業務については、その教育的意義や費用対効果の整理、行政、地域、保護者との役割分担などを行いながら見直しを進め、教員の業務負担の軽減に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 5月、福岡市立学校における勤務実態調査及び業務改善支援業務に係る提案競技の募集が始まりました。事業の目的と概要について伺います。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) お尋ねの事業は、まずモデル校において外部の専門家を活用し、教職員の勤務実態の把握や長時間勤務の要因、課題の分析、改善策の提案と支援などを行い、働き方改革を推進するとともに、この取組の成果を共有することによって全市的な働き方改革の取組につなげることを目的としております。本年度の8月から3月にかけて、小学校2校、中学校2校の計4校で実施することとしております。外部の専門家の目を入れることで、これまで学校や教育委員会では気づかなかった幅広い視点での提案を受けることができると考えております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 学校関係者以外の専門家の視点で、長時間勤務の要因とともに、研修や体育会等の学校行事等の見直し、地域や保護者に移行すべき業務や人員配置等の改善策の提案が期待されます。
 本市の第2次教育振興基本計画では、2024年の教員採用試験の競争倍率の目標値を6.5倍としています。現状のままでは極めて高いハードルです。教職の人気低下は長時間労働が常態化していることにあります。学校現場の教職員が働き方改革を実感することで、教職の人気低下に歯止めがかかります。そのためにも、まずは働き方改革推進プログラムの数値目標を1年でも早く実現することですが、学校だけの取組だけでは困難です。本年度、新たに学習指導員の配置や、部活動指導員Aや学校生活支援員の増員、スクール・サポート・スタッフの配置日数の増加や事務作業の効率化のための高機能複合機の導入等が図られています。
 来年度、これら専門スタッフの配置、拡充と併せ、小学校での教科担任制や少人数指導のための市独自の加配教員の配置など予算措置を講じるべきと要望します。教育長の所見を伺い、私の質問を終わります。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 教職員の任用経費は、法律に基づき国が措置することとなっておりまして、小学校の教科担任制については、令和4年度から国が段階的に教員定数の充実を図ることとされ、令和6年度も国から定数の追加が見込まれております。今後も、さらなる教員定数の充実について、引き続き国に要望してまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代)登壇 日本共産党の綿貫康代です。私は日本共産党市議団を代表して、学校給食無償化と学校施設へのエレベーター設置について質問を行います。
 まず、学校給食の無償化についてです。
 厚生労働省が6月6日に公表した4月の毎月勤労統計調査によると、労働者の4月の実質賃金は前の年の同じ月と比べ3.0%減少。物価上昇に追いつかず、13か月連続マイナス。昨年4月以降では今年1月の4.1%減に次ぐ減少幅で、家計への影響が長引いています。また、5月は800品目、6月には3,300品目、今年全体で3万品目が値上げとなり、インフレは今後も猛威を振るう見通しです。このように経済状況が厳しい中、私が聞いた市民の声には、給付金とかの一時金はありがたいが一瞬にして蒸発してしまう、恒常的な支援が欲しいという内容が少なくありません。2020年に総理府が行った少子化対策のための国際世論調査では、あなたの国は子育てしやすい国ですかという問いに、とてもそう思うと答えたのは僅か4.4%です。コロナの感染が広がる前の経済状況が悪化する以前でさえ、子育てに厳しさを感じているという結果です。コロナ禍もあり、物価高騰も続いている今、事態はさらに深刻になっています。
 そこでお尋ねしますが、市民の暮らしが経済的負担の厳しさを増している下で、子育て世帯には教育費の負担が重くのしかかっていると思いますが、教育長の御所見を伺います。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) コロナ禍や諸物価高騰の影響が子育て世帯にも生じておりますが、そのことから、国においては令和2年度以降、子育て世帯を対象とした特別給付金を措置するとともに、昨今の物価高騰を受けて、令和4年度には地方創生臨時交付金について物価高騰の軽減にも活用できるように拡充が図られたところでございます。福岡市においても、子育て世帯の経済的負担軽減のための諸事業に取り組んでおるところでございまして、教育委員会においても、令和4年度より臨時交付金を活用して給食食材の物価高騰相当額の支援を行いまして、保護者の負担を増やすことなく給食の質の維持を図ったところでございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 教育長は様々な施策を行っていると言われておりますけれども、では、こうした中、これまでの支援で十分なのか、ただしていきたいと思います。
 5月30日付西日本新聞では、母と子の世帯を支援する民間団体、シンママ応援団の調査の中で、コロナ禍でシングルマザーの家庭の56%が収入減に陥り、生活に打撃を受けていると報道されています。さらに、シングルマザーだけではありません。私は保護者の声を聞いてきました。子どもが3人いる保護者は「昨年3月、中学校に入学する子どもがいたため、制服などの一式購入に10万円がかかった。今年は小学校、中学校にそれぞれ入学するため、昨年に引き続き大きな出費でした。上の子は中学2年生になり、別に修学旅行費5万5,000円がかかります」とのことでした。このように、義務教育でありながら、その負担は家計に重くのしかかっています。
 そこでお尋ねしますが、福岡市が2018年に出した、子ども・子育ての支援に関するニーズ調査では、充実してほしい子育て支援の項目で、小学生の保護者の声では、子育てにかかる費用の負担を軽減してほしいという項目は何%になっていますか。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 75%となっております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) コロナや物価高騰前の数字でさえ、75%となっています。市の調査から見ても、教育費の軽減を求める子育て世帯の願いは明らかです。
 したがって、教育費の負担を軽くするのが行政の務めではないかと思いますが、御所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 経済的な理由による支援が必要な小中学校の児童生徒に対しましては、生活保護や就学援助等による支援を行っております。また、高校生等に対しましては、国や県におきまして、高等学校等就学支援金による授業料の実質無償化などの支援が行われているほか、福岡市教育振興会の奨学金貸付け等による支援も行っております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) あたかもちゃんとやっているかのようにお答えになられますけれども、就学援助や生活保護の対象外になっている世帯では、教育費の中で何が負担になっているのか、保護者の声を続けて紹介いたします。小学生1人、中学生2人のお子さんを持つ保護者からは年間の給食費が15万6,200円、中学生1人、小学生3人のお子さんを抱える保護者は年間の給食費24万円とのことです。給食費の負担が一番重くなっているのは明らかだと思います。だからこそ、学校給食無償化を求める声が多いのですが、福岡市は背を向けています。
 実は、ここに興味深い調査があります。文部科学省が2018年7月27日に発表した、平成29年度の学校給食費の無償化等の実施状況及び完全給食の実施状況の調査結果についてという報告書です。無償化による成果をまとめています。
 お尋ねしますが、文科省が行ったこの調査結果の中には、児童生徒にはどんなメリットがあると記されているのか、答弁を求めます。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 御指摘の調査は、給食無償化を既に実施している自治体がその成果として文部科学省に回答した内容を例として示されているものでございまして、お尋ねの児童生徒に関するものとしましては、自治体への感謝の気持ちの涵養、栄養バランスのよい食事の摂取や残食を減らす意識の向上、給食費が未納、滞納であることに対する心理的負担の解消とされてございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 給食費が未納、滞納であることに対する心理的負担の解消というとても大事なことが挙げられています。
 では、保護者にとってはどんなメリットがあると記されていますか、答弁を求めます。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 経済的負担の軽減、安心して子育てできる環境の享受、親子で食育について話し合う機会の増加、教育への関心の増加、給食費納入に係る手間の解消とされてございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 経済的負担の軽減、安心して子育てのできる環境の享受が挙げられています。
 では、学校、教職員にとってはどんなメリットがあると記されていますか、答弁を求めます。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 給食費の徴収や未納、滞納者の対応負担の解消、食育の指導に関する意識の向上とされております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 給食費の徴収や未納、滞納への対応負担の解消が挙げられています。この調査にあるように、児童生徒、保護者、学校、教職員にメリットがあり、子どもや保護者の負担を軽くするものだと文科省も学校給食無償化の意義を認めています。
 そこで、本市が学校給食無償化を行えば、このような成果や効果が期待できると思いますが、御所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 文科省が認めたのではなくて、例として自治体の回答を整理されているものでございます。福岡市においては学校給食費について、法令において保護者負担とされている光熱水費や食材料費などの経費のうち、食材料費相当額のみを保護者に負担していただくとともに、経済的な理由により支援が必要な世帯に対しては生活保護や就学援助の制度による支援を行っております。成果の例にありますように、学校給食費の無償化は教育に係る保護者の経済的負担の軽減を図る取組の一つと考えられますが、多額の費用を要することから国に対して財政措置を要望しているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) メリットを見ることなく、できない理由ばかりを並べる答弁だと思います。本市は、我が党が給食無償化の質問をするたびに、経済的な理由により支援が必要な世帯に対しては生活保護や就学援助の制度により支援を行っていると繰り返してこられました。
 ではお尋ねしますが、支援が必要な子育て世帯全てにこの制度が行き届いているとお考えでしょうか、御所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 就学援助につきましては、ホームページ、市政だよりでの案内や、学校等を通じたチラシの配布を年5回行っているほか、保護者の方に直接届くよう、学校の安全、安心メールでの案内を行っております。これらに加えて、令和4年度からは給食費や児童扶養手当の通知の郵送の際に就学援助のチラシを同封いたしておりまして、様々な手法により周知に努めております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 教育長はあたかも支援が行き届いているかのように答えられますけれども、しかし、令和3年2月から3月に内閣府が実施した、子どもの生活状況調査の分析の報告書によると、収入の水準が最も低い世帯での支援の利用状況などについて、就学援助の場合5割弱しか届いていない、そして、生活保護については1割未満と記されています。
 この調査から見ると、支援が必要な全ての子育て世帯に行き届いていないのではないかと思いますが、御所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 繰り返しになりますが、メールや郵送など様々な手法により周知に努めるほか、スクールソーシャルワーカーによる保護者への相談対応や給食費の納付相談においても、必要に応じ、就学援助の活用を勧めてございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 届いていると強弁をされますけれども、支援は届いていません。なぜこのような事態になっているのか。子ども、女性の貧困について研究している跡見学園女子大学の鳫咲子准教授は、先ほど紹介した文科省の調査から分析をされ、貧困層、ひとり親家庭、母子世帯で就学援助を利用しない理由について、制度の対象外だと思う、制度を知らなかったという回答が8割を超えていることを指摘して、就学援助を利用できるかどうかを分かりやすく周知することが課題だと述べています。
 このように、制度を知らない、または自分が制度の対象となっていると知らない人が本市でもいるのではないかと思いますが、御所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 就学援助制度を周知する際には、チラシ等に具体的な要件や税額の目安を記載するほか、公式ポータルサイト、ふくおかサポートにおきましても、児童扶養手当の受給者に対し、プッシュ型で就学援助の案内を行うなど、保護者の方により分かりやすいものとなるよう努めておりまして、引き続き周知にしっかり取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 周知の在り方も振り返っていただきたいと思います。さらに、先ほどの鳫咲子准教授は、就学援助を利用しない理由を周囲の目が気になって就学援助を受けられない、いわゆるスティグマ、負の烙印があることを指摘し、その場合、親への周知だけでは子どもに確実に支援を届けることは難しいという見解を述べています。
 このように、生活保護や就学援助の対象だが、周りの目が気になって受けたくないと考える親が本市にもいるのではないですか、御所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 就学援助の申請につきましては、これまでの学校や教育委員会の窓口での申請に加えまして、令和4年度からスマートフォン等によるオンライン申請も開始いたしております。保護者が制度を利用しやすくなるよう今後も取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 制度があるから活用すればいいということですけれども、見てきたように、制度を知らない人や周りの目が気になって制度を受けたくないという親がどうしても一定数、本市でも存在します。
 こういう家庭の子どもに支援を届けるためにも給食無償化に踏み出すことが必要ではないですか、答弁を求めます。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 繰り返しになりますが、就学援助につきましても、今後も制度の周知にしっかりと取り組んでまいります。また、全ての児童生徒の給食費を無償化するためには毎年多額の費用を要することから、国に対して財政措置を要望しているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) いろいろな事情がある家庭に責任を求める、そういう冷たい答弁だと思います。
 では次に、財源の問題です。あなた方は事あるごとに財源の問題があるから実施できないと言ってきました。
 そこでお聞きします。学校給食無償化には幾らかかりますか。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 1か月当たりの給食費と児童生徒数約12万人を基に試算いたしますと、市立学校の給食費は全体で約60億円となりますが、このうち生活保護や就学援助により公費で援助している金額を除きますと、追加で必要となる市の負担額は毎年48億円となります。また、別途、給食食材の価格高騰相当額の支援として、今年度約7億円の予算措置を行っておりまして、これを合わせますと約55億円が必要となります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 年間約1兆円の本市の一般財源に照らせば僅か0.5%です。決して大きな額ではありません。既に無償化に足を踏み出している自治体の場合は一般財源の1%ほどだと言われています。しかも、無償化は小さな規模の自治体から始まっています。財政的に体力のある本市にやれないことはありません。
 本市の財政規模から考えれば財源確保は可能だと思いますが、御所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 持続可能な制度として学校給食費の無償化を図っていくためには、毎年多額の財源を安定的に確保していくことが必要となりますことから、にわかに福岡市の財政規模であれば可能などと申し上げることは適当ではないと考えております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 困難だと言われますけれども、例えば、今年度の人工島事業には立地交付金も含めて117億円使われております。給食無償化2年分です。税金の使い方を変えれば実現できると思いますが、御所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 繰り返しになりますが、持続可能な制度として学校給食費の無償化を図っていくためには毎年多額の財源を安定的に確保していくことが必要となりますことから、にわかに税金の使い方の変更により無償化が可能などと申し上げることは適当ではないと考えております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 教育に責任を持つ教育長の答弁とは思えません。子どもと教育のために税金を使わせるのがあなた方の役割です。
 見てきましたように、物価高騰の中、子育て世帯の負担、とりわけ義務教育であるにもかかわらず、教育費が重くのしかかっています。学校給食無償化に踏み出した自治体は、児童生徒、保護者、学校、教員にとってあらゆる成果がある、よって無償化の意義があると文科省も調査により認めています。福岡市は就学援助や生活保護で経済的困窮者に支援をしていると言いますが、内閣府の調査で、支援に必要な世帯の半分にしか行き渡っていないことも明らかとなりました。財源ないと繰り返されますが、財源ないのに大型開発には使ってきました。税金の使い方を変えれば、無償化は十分可能であります。
 2月22日付日本農業新聞では、小中学校の給食を実施する市区町村の3割が2022年度に給食費を無償化したと報道しています。今年度からは東京都で新たに4つの区が実施、政令市では既に大阪市が実施をしているなど学校給食無償化の波は大きく広がっています。そもそも給食無償化は子どもの権利の問題です。子どもには学び成長する権利があります。しかし、経済的にも能力的にも、子どもは自分ではその権利を充足することはできません。親だけでも充足させられません。その権利は大人社会全体で保障する、それが憲法が保障する無償の義務教育ではないですか。
 この問題の最後に市長に伺います。子育て世帯の負担を今こそ軽くするために、財政措置をして学校給食無償化へ踏み出すべきだと思いますが、答弁を求めます。
 
○副議長(松野 隆) 島市長。
○市長(島宗一郎) 子育て世帯の負担の軽減を図って、安心して生み育てられる環境づくりに取り組むことは大変重要であると認識をしております。このため、学校給食費につきましては、保護者の負担を増やすことなく給食の質の維持を図るため、令和4年度より給食食材の価格高騰相当額の支援に取り組んでいるところでございます。
 学校給食費の無償化につきましては、政府において課題の整理を行うとされており、その動向を注視するとともに、引き続き国に対して財政措置を要望してまいります。
今後とも、全ての子どもたちが心身ともに健やかに成長できるよう取り組んでまいります。以上です。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 市長は全く冷たい答弁をされました。税金の使い方を改めて、今こそ給食無償化を実施するよう改めて求めておきます。
 次に、学校施設へのエレベーター設置についてです。
 小中学校にエレベーターがないことで大変な思いをしている児童生徒、保護者、学校関係者が後を絶ちません。
 そこで、市内の小学校、中学校のエレベーターの設置率をお尋ねします。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和5年3月末時点で小学校が約15.2%、中学校が約15.7%となっております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) どちらも僅か15%程度です。大変低い設置率ですが、教育長は十分だとお考えですか、答弁を求めます。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) バリアフリー関係法令をはじめ、福岡市福祉のまちづくり条例に定める整備基準や令和2年度の文部科学省通知などを踏まえ、着実に整備に取り組んでいるところでございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) いろいろ言ってごまかされましたけれども、全国の設置率、平均は3割となっています。本市はこの半分です。私は、この極めて低い設置率が学校現場でどのような事態を引き起こしているか、実態を伺ってきました。ある中学3年生の女子生徒は、昨年、慢性疼痛という病気を発症し、痛みのため、左足が床につけられなくなりました。そのため、車椅子を利用することとなりました。したがって、校舎の上り下りはエレベーターがないと自力ではできません。しかし、彼女の通っている学校にはエレベーターが設置されていません。この生徒の保護者は、お子さんの介助や仕事の傍ら、学校やPTAにも働きかけて、エレベーターの設置を求めておられます。学校からも教育委員会に設置の要望が上がっていると思います。しかし、あれこれ理由をつけて設置に踏み出していません。
 そこでお尋ねしますが、エレベーターがないために本人や保護者、学校現場も苦労が強いられていると思いますが、御所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) エレベーターを設置していない学校においては、保護者等の負担を軽減し、児童生徒が安全に学校生活を送ることができるように学校生活支援員を配置し、また、階段昇降車を整備いたしております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) いろいろ言われますけれども、当事者や保護者の苦労、そして、現場の実態を知らない答弁だと思います。
 このような事例はほかにもあると思いますが、現在、エレベーターの必要な要配慮児童生徒の在籍が何人で、どのように過ごされていますか、答弁を求めます。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 支援が必要な児童生徒が階段を使うときは、学校生活支援員の補助の下、階段昇降車を使って移動するなど、一人一人の状況に応じた支援を受けることにより、安全に学校生活を送ることができております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 階段昇降車で対応していると言われましたけれども、令和4年12月の文科省の、学校施設におけるバリアフリー化の一層の推進についての通知で、階段昇降機や階段昇降車はエレベーターの代わりにはならないと記されています。
 階段昇降車での対応はバリアフリーとはならず、不十分な対応だと思いますが、御所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 福岡市が設置しております階段昇降機は車椅子のまま乗降できるタイプの昇降車でありまして、本人への負担は少なく、教員や学校生活支援員の操作により階段を安全に昇降することができてございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) よく通知を読んでいただきたいと思います。
 一人で自由に動ける必要があるからエレベーターのことを言っているんですけれども、もう一つ、教育長は支援員を配置していると言われましたけれども、支援員の仕事とはそもそもどういう内容ですか、お尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 配慮を要する児童生徒の学校生活上のサポート、児童生徒の学習活動上の支援及び健康や安全確保、教材準備の補助等の間接的な学習支援、運動会や学習発表会等の学校行事における支援などとなってございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) けがや身体的に配慮が必要な児童生徒への介助については、一定の経験と知識が必要ではないかと思います。しかし、学校生活支援事業にも支援員の募集案内にも専門性が求められることなどは書いてありません。
 支援員に何でもやらせていいと拡大解釈していると思いますが、答弁を求めます。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 児童生徒の介助についても、学習活動上の支援及び健康や安全確保の役割の範囲内であると考えております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 子どもにとっても支援員にとっても危険な仕事をやらせているということです。
 そこで、階段の上り下りのサポートなど危険を伴う身体的な介助については、支援員ではなく専門の職員を置くべきと考えますが、御所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 学校や保護者から、特に介助のために専門職を配置してほしいという要望は聞いておりませんで、教員と学校生活支援員が連携して介助に当たることで安全な学校生活を送ることができていると考えております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 何かあってからでは遅いと思います。身体的な介助については、専門の職員を配置すべきと重ねて申し上げておきます。
 では、過去5年間でエレベーターがないまま在籍した児童生徒数は何人ですか、答弁を求めます。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 平成30年度2名、令和元年度4名、2年度4名、3年度6名、4年度5名となっております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 過去5年間に本来必要なのにエレベーターがないまま在籍していた児童は、2人から多いときで6人いたことになります。毎年のように、子どもたちやその保護者、学校関係者に苦労を強いています。先ほど紹介した慢性疼痛の女子生徒は、何の支援もないまま自力で学校の階段の上り下りをしていて、足を踏み外してけがまでしています。重大な事態です。
 したがって、現在、要配慮児童がいる、また、要望が上がっているところには直ちにエレベーターを設置すべきと思いますが、答弁を求めます。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) エレベーターの設置につきましては、令和2年12月の文部科学省通知を受けまして、令和3年度に設置の在り方を検討し、令和4年度より常時車椅子を使用して生活している児童生徒が在籍する学校にエレベーターを設置するようにいたしております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) そのことも今から伺ってまいりますけれども、けが人を出して動かないのは本当に異常だと思います。
 そこで、別の角度から尋ねていきます。
小中学校で避難所指定をされているのは何校ですか。
 
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 指定避難所となっております市立の学校は、小学校が146校、中学校が63校でございます。以上です。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 全ての小中学校が避難所として指定されているということだと思います。避難所である体育館にはエアコンが設置されておらず、真夏や真冬の災害時には避難が困難な状況だと考えられます。その場合、エアコンの設置されている普通学級や特別教室を利用することになりますが、2階以上の場合は、高齢者や障がい者はエレベーターが必須です。しかし、85%の小中学校には設置をされていません。
 避難所の設備として不十分だと思いますが、御所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) 避難所につきましては、市内の公共施設を中心に435か所を指定しており、避難者の中に配慮が必要な方がおられた場合は、避難所運営職員が地域の協力も得ながら各施設の状況に応じて合理的な配慮を行うことといたしております。以上です。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 福岡市福祉のまちづくり条例では、学校等施設の場合、床面積の合計が2,000平方メートル以上かつ階数が3以上のものについてはエレベーターを設置すべきと定められています。
 したがって、設置しないのは条例違反であり、設置を急ぐべきと思いますが、答弁を求めます。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 答弁に入ります前に、先ほどの問いの中で、エレベーターが設置されていない学校に在籍しているエレベーターが必要な児童生徒の数について聞き漏らしたようでございます。失礼いたしました。令和5年5月1日現在、5名が在籍いたしております。
 続いて、福祉のまちづくり条例関連でございますが、小中学校におけるエレベーターの設置につきましては、当該条例に基づきまして、延べ床面積2,000平方メートル以上かつ3階以上または5階以上の新築等を行う場合に整備するとともに、学校に常時車椅子を使用して生活する児童生徒が在籍する場合も整備することとしてございまして、支障なく安心して学校生活を送ることができるように取り組んでおります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) いろいろ言われますが条例違反だと思います。先ほど示したように、文科省の通知でも公立小中学校のエレベーターの設置は加速するよう通知し、補助の内容も増やしています。
 そこで、以前の補助率は幾らで、今は幾らになっているか、お尋ねをします。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 国の補助率は、令和3年度より補助対象事業費の3分の1から2分の1へ引き上げられております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 国はエレベーターの設置を推進するために補助率を上げています。
 では、国の補助が終わる令和7年度末までの本市の設置計画はどうなっていますか、また、計画が完了すれば設置率はどうなりますか、お尋ねします。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 現時点で具体化しておりますエレベーターの整備につきましては、令和6年度に奈多小、田隈小、春住小、照葉はばたき小、柏原中、令和7年度に田隈中で供用開始できるように取り組んでございます。また、この6校にエレベーターを整備した場合の設置率は、小学校で約17.8%、中学校で約18.6%となります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 僅か6校です。計画が完了しても設置率は2割にも満たないということになります。
 国が推奨しているにもかかわらず、なぜ6校しか計画していないのか、答弁を求めます。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 現時点で令和7年度の供用分までを計画いたしておりまして、福祉のまちづくり条例に基づき、新築等を行う学校と常時車椅子を使用して生活する児童生徒が在籍中に整備が完了する見込みのある学校の合計が6校となったものでございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 文科省の通知の中身を矮小化しているとしか言えません。そういう姿勢が、エレベーターがなく、不自由なまま卒業する生徒を生んできたのではないでしょうか。
 お尋ねですが、令和8年度以降のエレベーターの設置計画について答弁を求めます。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和8年度以降につきましては、繰り返しになりますが、引き続き福祉のまちづくり条例をはじめとし、関係法令や学校の児童生徒の状況なども踏まえ、新築、増改築等の機会も捉えながら計画的に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) 6校に配置した後は計画がはっきりしていないということです。とんでもないです。責任を放棄していると言わざるを得ません。そんなことでは、また予測できないけがや身体的な配慮の必要な子どもさんに対応できずに、不自由なまま卒業させてしまうことになります。だから、全校配置が今求められています。
 そもそもエレベーターの設置は要配慮児童にとっても、また、避難してくる地域住民にとっても必要不可欠なものであり、全校への設置が求められると思います。にもかかわらず、手を打たず、これからの計画も立てようとしない教育委員会の姿勢は重大だと思いますが、御所見を伺います。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 将来的に目指す姿につきましては、国においても具体的な数値目標は示されておりませんが、バリアフリー法の趣旨を踏まえ、新築等を行う学校及び常時車椅子を使用して生活する児童生徒が在籍中の学校で計画的に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 綿貫康代議員。
○38番(綿貫康代) そういって今まで必要な子どもたちがいるところでも放置をしてきた。そんな姿勢は許されません。エレベーターのついていない残りの180校につける経費は約100億円です。先ほどの人工島事業の1年分の予算を凍結すれば、一気に全校に配置できます。文科省の通知では「障がいのある児童生徒が支障なく安心して学校生活を送ることができるようにする必要があることはもとより、災害時の避難所など地域のコミュニティの拠点としての役割も果たすことから、学校施設のバリアフリー化を一層進めていく必要があります。」と書かれています。現状では、エレベーター設置率のあまりの低さに、多くの子どもたちやその保護者、現場の学校職員が大変な思いをしてきました。さらに、毎年のように発生している災害の避難場所として、市の条例の観点からも、全ての学校にエレベーター設置は急務だと思います。要配慮児童にとって就学してから設置計画などという後追いにならないためにも、早急にエレベーターの整備計画を立てるべきです。
 したがって、エレベーターを全校に設置する、そのための予算を確保して整備計画を立てるべきと考えますが、最後に市長の答弁を求め、私の質問を終わります。
 
○副議長(松野 隆) 島市長。
○市長(島宗一郎) 全ての児童生徒が安心して学校生活を送ることができるよう、教育環境を整備していくことは大変重要であると考えております。小中学校のエレベーターの設置につきましても、福岡市福祉のまちづくり条例などに基づき、学校の新増築の際に併せて整備するとともに、常時車椅子を使用して生活する児童生徒が在籍する学校も整備に取り組むこととしており、引き続き学校施設のバリアフリー化を計画的に進めてまいります。以上です。
 
○副議長(松野 隆) この際、休憩し、午後2時40分に再開いたします。
午後2時28分 休憩  
午後2時40分 開議  
○議長(打越基安) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。とみながひろゆき議員。
○15番(とみながひろゆき)登壇 4年ぶりの登壇になります。改めて身が引き締まる思いでおります。この数年間、新型コロナウイルスの猛威によって本市も多大な影響を受けましたが、ようやく日常に戻っている感を感じております。この任期の4年間、しっかりと福岡市の成長、また、市民の皆さんの生活の向上に寄与できるよう精いっぱい働きますので、どうぞ改めてよろしくお願いします。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 私は自由民主党福岡市議団を代表して、過大規模校対策について、通学路における交通安全対策について、障がい者スポーツの振興について、以上の3点について質問いたします。
 まず、過大規模校対策についてお尋ねします。
 少子・高齢化社会、人口減少社会と言われる中で、本市は元気なまちとして人口増加を続け、多くの小中学校で児童生徒が増加しています。本市の子どもたちが増えることは当然喜ばしいことではありますが、人口の増加に伴い、校区によっては小中学校の児童生徒数が増加し、教室や運動場不足といった課題を抱えている学校があります。いわゆる過大規模校については、学校の分離新設のほか、増築や仮設校舎の整備によって教室不足に対応していると聞いておりますが、将来を担う子どもたちの良好な教育環境をいかに確保していくかは大変重要なテーマであると考えております。
 そこで、市内の過大規模校のうち、教室不足への対応として仮設校舎を整備している学校の数及び学校名をお尋ねします。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和5年5月時点で小学校が照葉北小、西高宮小など10校、中学校が元岡中、玄洋中など6校となってございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) とみながひろゆき議員。
○15番(とみながひろゆき) 今お答えいただいた学校の中でも、住宅地の中心に学校敷地を構える西高宮小学校につきましては、これは都心に近い校区でありまして、閑静な住環境のためにマンションとか戸建てなどの住宅需要が高くて、これまでも児童数が増加傾向にあります。
 そこで、西高宮小学校について、今年度の児童数、学級数及び今後の見込みをお尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和5年5月1日時点で児童数1,118人、学級数38学級となっております。また、今後の住宅開発等を考慮した推計では、校区内の幼児数が減少に転じていることなどもあり、令和10年度は児童数1,020人程度、学級数36学級程度となると見込んでおります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) とみながひろゆき議員。
○15番(とみながひろゆき) ありがとうございます。かつて、この西高宮校区も一時期、児童数は減少傾向にあったんですけど、都心部に近いという地の利を生かして山林地帯を開拓したり、あと、敷地の面接が広かった戸建ての物件がファミリータイプのマンションに建て替わったりしたことで、若いファミリー世帯を中心に流入が増加したこともありまして、平成10年前後から再び西高宮小学校の児童生徒数というのも増加傾向にあります。そして、平成23年度以降というのは、過大規模校の状況がずっと続いております。
 そこで、これまでの西高宮小学校における過大規模校への対応についてお尋ねします。
 
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 教育環境の改善を図るために、平成21年度から順次校舎増築や教室改造に取り組んでおりまして、平成30年度には隣接地を借地して第2運動場を整備するとともに、令和3年度には第2運動場に仮設校舎を設置いたしております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) とみながひろゆき議員。
○15番(とみながひろゆき) 私も平成29年にこの西高宮小学校の第2運動場については質問させていただいたんですけど、地域や保護者、何より児童たちが最も望んでいた隣接する社宅用地の利用について、民間企業の御協力によって第2運動場として活用できることになりました。
 また、西高宮小学校では第2運動場を整備するとともに、教室不足に対応するために、今、第2運動場に仮設校舎が建っておりますけど、この土地が賃借となった経緯をお尋ねします。
 
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 土地所有者との協議の中で、相手方から売却ではなくて賃貸借であれば契約できる旨の提案がございまして、市としても早急に第2運動場を整備する必要があったことから、その提案によることとしたものでございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) とみながひろゆき議員。
○15番(とみながひろゆき) 民間企業との協議によって用地を確保できたということは、教育環境の確保の観点からも、非常に喜ばしいことであります。
 そこで、西高宮小学校は校地面積が狭いんですけど、この第2運動場を整備したことで市の基準面積を確保できているのかどうかお尋ねします。
 
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 校地面積につきましては、借地している3,209平方メートルを含めて1万6,155平方メートルとなってございまして、基準面積であります1万6,500平方メートルをほぼ確保いたしております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) とみながひろゆき議員。
○15番(とみながひろゆき) この民間企業の借地を含めて、校地面積については市の基準をほぼ確保できている現状ではあるんですけど、現在、第2運動場については、休み時間や体育の授業などで利用されております。
 この借地は今後も必要な敷地でありますので、本来取得すべきだと思いますが、今後、本市はどのように対応していくのかについてお尋ねします。
 
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 今後も第2運動場の利用が継続でき、必要な校地面積を確保できますよう、引き続き土地所有者と協議してまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) とみながひろゆき議員。
○15番(とみながひろゆき) ぜひその民間企業との協議をよろしくお願いしたいと思います。
 また、この第2運動場には、教室不足の対応として令和3年度に仮設校舎が整備されています。
 そこで、この仮設校舎の設置によって第2運動場の使用面積が狭くなっていますが、今後も仮設校舎により教室不足に対応していくのかどうかについてお尋ねします。
 
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 当面の教室不足に対応するため、仮設校舎を第2運動場に設置いたしましたが、今後は学級数の減少に応じて複数ある仮設校舎を集約していくこととしておりまして、それにより第2運動場の面積も確保してまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) とみながひろゆき議員。
○15番(とみながひろゆき) 確かに西高宮小学校においては、令和4年度の卒業生が多くて、令和5年度に入学した児童が例年より少なかったため、児童数というのは、ちょっと減少しているんですが、一方で、校区内において、大きい結婚式場があった敷地にファミリータイプの大型マンションの建設が進んでいたりとか、また、さらなるマンション建設等、こういった住宅開発も予定されております。今後とも、児童の転入状況をしっかり見ていく必要があると考えています。
 過大規模校につきましては、教育環境の充実を図るべきでありますし、西高宮小学校に関しても、近年は新型コロナウイルスの影響で密を避けるために学年別の運動会が開催されていましたので、自前の運動場で運動会はできていたんですけど、コロナ禍以前というのは、近隣の高宮中学校の運動場をお借りしないと全学年そろっての運動会が開催できないという状況でした。今後も全学年でやる場合というのは、そういった状況が続くと思われます。全児童とその家族の皆さんが本来、小学校の運動場で運動会を楽しめるようになることが望ましいと思われます。西高宮小学校周辺には用地がないために運動場を劇的に拡大することは難しいとは思いますけど、本校舎や学校設備の配置の見直しなどを含めて、今後とも、運動場用地を確保するとともに、今後の開発状況や児童数の推移を注視し、良好な教育環境の確保に努めるよう強く要望しまして、次の質問に移ります。
 次に、通学路における交通安全対策についてお尋ねします。
 子どもたちが安心して通学するための通学路の安全対策や整備は、交通事故から子どもたちの命を守る重要な課題であり、学校教育を見守り、支える全ての人々の願いであると思っています。しかしながら、全国では毎年のように通学路上での痛ましい交通事故が発生しています。本県でも、福岡県警察の交通事故分析によりますと、令和3年1月から12月の間に登下校時の歩行中に起こった小中学生の交通事故負傷者数は108人、令和4年1月から12月は100人となっております。
 そこで、本市の小中学校の登下校時における過去3年間の交通事故の負傷者数についてお尋ねします。
 
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和2年度が小学校16人、中学校8人、計24人、3年度、小学校30人、中学校3人、計33人、4年度、小学校18人、中学校4人、計22人となってございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) とみながひろゆき議員。
○15番(とみながひろゆき) 令和4年度の交通事故による負傷者というのは、令和3年度と比べて少し減少はしているんですけど、本市でも依然として登下校時の交通事故が起こっています。平成24年4月になりますが、京都府の亀岡市で、ドライバーの居眠り運転によって通学路を通行中の子どもたちに軽自動車が突っ込んで、10人がはねられて、3人のお子さんが亡くなって、7人が重軽傷を負うという痛ましい事故が発生しました。これらの事故を受けて、平成24年5月に文部科学省や国土交通省、警察庁が通学路の緊急合同点検を要請し、全国的に通学路等における交通安全対策が行われてきました。
 そこで、本市は通学路における交通安全対策の取組についてどのようにやっているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 平成27年3月に策定いたしました、福岡市通学路交通安全対策プログラムに基づきまして、毎年、学校、保護者、地域、警察、道路管理者、教育委員会等の関係機関が連携して通学路を点検しております。その結果を受けまして、防護柵の設置でありますとか路側帯のカラー化、横断歩道の設置や交通安全指導等の安全対策を実施し、継続的に取組を推進してまいりました。以上でございます。
 
○議長(打越基安) とみながひろゆき議員。
○15番(とみながひろゆき) 本市においても継続して交通安全対策が行われているようですけど、全国の事例を見ますと、令和3年6月に千葉県八街市において、下校中の児童の列に飲酒運転のトラックが突っ込むという痛ましい事故が起こっております。この事故では児童2人が死亡し、3人が重軽傷となっています。この事故を受け、当時の菅内閣総理大臣は交通安全対策に関する関係閣僚会議を開き、通学路を総点検し、緊急対策を実行するよう指示され、事故について、このような悲しく痛ましい事故が二度と起きないよう通学路の総点検を改めて行い、緊急対策を拡充、強化し、速やかに実行に移すと表明されました。
 そこで、この千葉県八街市の交通事故を受けた本市の取組内容とその進捗状況についてお尋ねします。
 
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和3年7月に国からの通知を受けまして、全小学校で新たな観点も加えた通学路の危険箇所の再確認を実施し、その報告を基に関係機関で合同点検を実施いたしております。合同点検で確認した対策必要箇所は、令和3年春の報告分と緊急点検の報告分とを合わせまして269か所ございまして、令和5年3月末時点の進捗状況は完了256か所、実施中5か所、実施予定8か所となってございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) とみながひろゆき議員。
○15番(とみながひろゆき) 本市においても多くの箇所で緊急に合同点検が行われて、関係者で連携、協力されて対策が進められているようではあるんですけど、全国では各自治体の取組の結果、今年4月、全国の通学路のうち安全対策が必要だとされたおよそ7万6,000か所について、令和4年12月末時点で、81%の箇所で対策が講じられたことが交通安全対策に関する関係閣僚会議で報告されています。岸田内閣総理大臣は、子どもが犠牲となる痛ましい事故が発生するなど交通事故をめぐる情勢は依然として厳しい、全ての子どもが安心して通学できるための安全対策が重要だと指摘されています。今後とも、子どもたちが安心して安全に通学するためには、交通安全指導等のソフト面はもとより、やはり道路におけるハード面の対策が大事だと思います。
 そこで、千葉県八街市の交通事故を受けた道路管理者における取組内容とその進捗状況についてお尋ねします。
 
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 道路管理者における取組内容としましては、154か所において防護柵の設置や路側帯のカラー化、歩道の設置などを実施し、令和5年3月末までに148か所の対策が完了しております。また、対策が完了していない6か所につきましては、令和5年度の完了に向け、取り組んでいるところでございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) とみながひろゆき議員。
○15番(とみながひろゆき) この千葉県八街市の事故を受けた道路管理者における対策についてですが、154か所中148か所と約96%が完了しているということで、着実に進んでいるようですけど、引き続き早期に完了するよう進めていただきたいと要望しておきます。
 一方で、歩道がなく、通学時に危険を感じる場所もまだまだ多いと地域の方からの声を聞きます。そのような危険な道路における抜本的な対策としては道路の拡幅があると思いますが、地権者の協力が不可欠であり、実施が困難となる場合も多いと聞いております。しかし、児童生徒が少しでも安全に通学できる環境づくりは重要であることから、何かしらできることをやるべきだと思います。
 そこで、道路が狭い通学路における道路管理者による安全対策について所見をお尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 天本道路下水道局長。
○道路下水道局長(天本俊明) 道幅が狭い通学路における安全対策につきましては、路側帯が設置できる幅員を有する道路において路側帯の設置やカラー化を実施しております。また、路側帯を設置できない道路におきましては、車両に対し速度抑制を促す路面標示などを実施しております。今後も地域、学校、県警察等と連携し、安全、安心な通学路の整備に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) とみながひろゆき議員。
○15番(とみながひろゆき) 拡幅が難しいような場所におきましても様々な安全対策がされているようですけど、それでもなお安全対策が十分でない場所もあります。地域からも、通学路の安全対策について御要望をいただくことがあります。
 通学路の安全対策において保護者や地域の声をしっかり聞き、それを反映していくことは大変重要なことだと考えます。ただ、新たな商業施設やマンションの建設などによって交通状況は変化していきます。また、私の住む西高宮校区におきましても、従前の通学路に危険な箇所があったとして、新年度より通学路が変更されています。新たに通学路になった道路につきましては、児童生徒の安全な通学のために迅速な路側帯のカラー化や横断歩道の設置が求められています。
 そこで、このように西高宮校区だけではなく、今後も新しく安全対策が必要な箇所が出てきた場合にはどのように対応していくのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 新たな安全対策の必要箇所が出てきた場合には、福岡市の対策プログラムに基づきまして、関係機関が連携して合同点検や必要な対策に取り組むこととしておりまして、今後とも、一連のPDCAサイクルとして実施してまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) とみながひろゆき議員。
○15番(とみながひろゆき) 児童生徒が毎日利用する通学路が安全で安心して通学できるということは、その学校に通う子どもたちはもちろん、保護者の方々や地域の方々にとっても切実な願いでもあります。今後とも、関係機関が連携し、継続して安全確保の取組を続けることが大切であり、また、京都府亀岡市や千葉県八街市のような大きな事故の発生にかかわらず、先ほど答弁いただいたようにふだんの点検活動が重要であると考えます。
 この質問の最後に、通学路における児童生徒の交通安全の確保に向けた教育長の所見をお尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 通学路は児童生徒が通学のために通常利用する経路でございまして、児童生徒の貴い命を守るためにその安全確保は大変重要であると認識しております。今後も継続して、各学校における通学路の危険箇所の把握や、学校、保護者、地域、道路管理者、警察などと連携した合同点検などの取組を推進するとともに、関係局等で連携しつつ、危険箇所の計画的な改善に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) とみながひろゆき議員。
○15番(とみながひろゆき) 未来ある子どもたちが巻き込まれるという痛ましい事故は絶対にあってはならないと強く思っています。今後も福岡市通学路交通安全対策プログラムについて広く周知を図るとともに、日常的な通学路の点検を強化し、教育委員会と学校、保護者、地域、警察や道路管理者など関係機関との連携をさらに深め、児童生徒がより安全に登下校できるよう、通学路の整備と安全対策の充実に粘り強く対応していただきますようよろしくお願いいたします。
 次に、障がい者スポーツの振興について質問いたします。
 一昨年に開催された東京オリンピック・パラリンピックでは、世界中のトップアスリートが集まる中、車椅子バドミントンで福岡市出身の梶原選手が金メダルを獲得されるなど、福岡ゆかりのパラアスリートが大活躍されたことは皆さん記憶に新しいと思います。パラリンピックで盛り上がった障がい者スポーツの機運を福岡でさらに広げていく必要があると考えております。
 私はパラスポーツの指導員として、毎週火曜日に障がい者スポーツセンターで水泳のコーチをやっております。そこではたくさんの方々が車椅子バスケや水泳などのスポーツを楽しんでおります。障がいのある方々が体育館やプールで生き生きとスポーツを楽しまれている姿を見て、スポーツの大切さを改めて実感しております。スポーツをする目的は、それぞれ個人によって異なります。パラリンピックに代表されるアスリートが自分の限界に挑戦するためということもあれば、体力づくりや健康増進のためにする人、趣味で楽しみのためにする人、機能回復訓練やリハビリのためにする人、仲間と交流するためにする人など様々ですが、スポーツは人生により豊かにしていくもので、誰もが幾つになってもスポーツに親しんでいくためには、スポーツを楽しめる環境を整える必要があると考えています。
 そこで、福岡市は障がい者の皆さんがスポーツに親しむためにどのようなことに取り組んでいるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 障がい者が利用しやすい仕様のプールや卓球室、大小の体育館等を備えた福岡市立障がい者スポーツセンターを中心に障がい者のスポーツへの参加を促進しております。また、福岡市障がい者スポーツ協会と連携した全市的な大会の開催や種目別の大会、教室を実施しております。さらに、これらの取組を市政だより等で広く周知することにより理解促進や普及啓発を図っております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) とみながひろゆき議員。
○15番(とみながひろゆき) 障がい者スポーツセンターを中心に取り組んでいるとの御答弁でしたが、この障がい者スポーツセンターはどのような目的で設置されたのかをお尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 障がい者スポーツセンターは、障がい者のスポーツ及びレクリエーション活動への参加を促進するとともに、健康の維持及び増進を図ることを目的に昭和59年に設置しております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) とみながひろゆき議員。
○15番(とみながひろゆき) 障がい者スポーツセンターは昭和59年に設置ということで、既に約40年間市民に親しまれている障がい者スポーツ施設となっています。
 そこで、障がい者スポーツセンターでの年間の利用者数について、過去5年間の推移をお尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 過去5年間の年間利用者数の推移につきましては、平成30年度が11万4,180人、令和元年度が10万3,099人、2年度が5万194人、3年度が4万6,479人、4年度が7万2,303人となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) とみながひろゆき議員。
○15番(とみながひろゆき) ここ3年間というのは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあって利用者が減っているようですけど、コロナ以前というのは、年間10万人以上もの方々が利用されており、市民には欠かせないスポーツ施設となっております。
 では、具体的にどのような利用を皆さんされているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) プールやトレーニング室の個人利用やセンター主催の教室への参加のほか、サークル活動や全国大会などに出場される団体での利用がございます。また、各種大会の会場としても御利用いただいております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) とみながひろゆき議員。
○15番(とみながひろゆき) ゴールデンウイーク明けから、新型コロナウイルス感染症の位置づけが2類から5類への移行に伴って、コロナ前のように再び多くの方々が利用することが見込まれますけど、障がい者スポーツセンターは設置してから約40年経過して、大分老朽化が進んでいます。今後も市民が安全に安心して利用するには、しっかりと改修を行っていく必要があると思います。また、改修に当たっては、古くなったものを単に新しくするだけではなく、市民にとって使い勝手がよくなるよう改善することも必要であると考えております。
 そこで、障がい者スポーツセンターは令和5年度どのような改修を行う予定でしょうか。また、改修によって使い勝手がよくなり、改善されるようなものはどのようなものがあるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 令和5年度はトイレと体育館更衣室の改修工事のほか、プールと体育館の天井の改修に向けて基本設計を実施する予定としております。今回の改修に際して、現在の和式トイレを洋式へ変更するとともに、全て温水洗浄便座にするほか、バリアフリートイレの手動の扉を自動扉に変更するなど利用者の利便性の向上を図ってまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) とみながひろゆき議員。
○15番(とみながひろゆき) この障がい者スポーツセンターの利用者とか家族の方から、プールの床が傷んでいる、また、プールの更衣室で子どもと一緒に着替えができる家族更衣室というものが1か所しかないので増やしてほしいとのお声が届いています。今後の改修について御所見をお尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 障がい者スポーツセンターにつきましては、建物や設備について毎年計画的に改修を行っており、プールの床の改修や家族更衣室の増設については、利用者の声も伺いながら今後検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) とみながひろゆき議員。
○15番(とみながひろゆき) ぜひ計画的に改修を行っていただいて、その際には利用者の利便性が高まるような改善も含めて、しっかり利用者さんの声を聞いて取り組んでいただきたいと思います。
 次に、障がい者がスポーツを楽しむことができる機会についてです。
 障がい者スポーツセンターは、南区の清水に市内1か所しかありません。しかし、市民プールは各区に1か所ずつあります。各区の市民プールが障がい者にとっても利用しやすい施設であれば、さらに障がい者がスポーツに取り組む機会が増えることにつながると思います。
 そこで、各区にある市民プールにおける令和4年度の障がい者の利用者数及び障がい者が利用しやすいような整備がどのようにされているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 舟越市民局長。
○市民局長(舟越伸一) お尋ねの利用者数につきましては、7区の合計で約2万7,000人となっております。また、施設の整備につきましては、車椅子を利用されている方が利用しやすいバリアフリートイレのほか、駐車場からプールまで円滑に移動できるよう、段差における昇降機やスロープの設置などに取り組んでおります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) とみながひろゆき議員。
○15番(とみながひろゆき) ありがとうございます。ぜひインクルーシブの観点からも、障がいのある方もそうでない方も一緒にスポーツを楽しむことができる身近な施設となるよう、引き続き取り組んでいただきたいと思います。
 冒頭で障がい者スポーツ振興のもう1つの柱としてお答えいただきました、全市的なスポーツ大会などですが、ここ3年間、新型コロナウイルス感染症の影響で中止せざるを得なかったと思います。しかし、ゴールデンウイーク明けからは、全国的に見ても様々なスポーツ大会やイベントも次第に行われるようになっているようです。
 そこで、令和5年度、全市的な障がい者スポーツ大会はどのようなものを予定されているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 100メートル走やフライングディスクなどの競技を行う福岡市障がい者スポーツ大会や、福岡都市圏の10市7町が実施する福岡都市圏障がい者ボウリング大会など様々な大会の開催を予定しております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) とみながひろゆき議員。
○15番(とみながひろゆき) 多くの市民の方々が障がい者スポーツ大会、また、ボウリング大会の開催を本当に楽しみにされております。ぜひ感染症対策をしっかり講じた上で、今年こそは大会を開催していただきたいと思います。
 人生100年時代で大切なのは、一人一人が一人の人間として毎日充実感を持って生きることです。障がい者スポーツの振興は、体力づくりや健康増進、仲間との交流や自分の限界へのチャレンジなど、市民が生き生きと活躍するために非常に重要な取組だと考えております。
 本市は、障がいのあるなしにかかわらず、誰もが心身ともに健康で自分らしく活躍できる持続可能なまちを目指して、福岡100の取組を進めておりますが、最後に今後の障がい者スポーツの振興に向けた御所見をお尋ねして、私の質問を終わります。
 
○議長(打越基安) 藤本福祉局長。
○福祉局長(藤本広一) 福岡100で掲げる、誰もが心身ともに健康で自分らしく活躍できる持続可能なまちの実現のためには、障がい者スポーツの振興は大変重要であると考えております。障がい者スポーツセンターにつきましては、その拠点として機能の充実強化に取り組むとともに、各種大会や教室の開催など障がい者が身近に参加できる機会を提供することにより、今後とも、障がい者スポーツの振興を図ってまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき)登壇 日本維新の会福岡市議団のあべひできと申します。初の一般質問となります。おぼつかない点もあるかと思いますが、何とぞ御容赦いただきますようよろしくお願い申し上げます。
 本日は、日本維新の会福岡市議団を代表いたしまして、母子健康手帳の電子化について、健康寿命を延ばす取組についての以上2点について質問をさせていただきます。
 まず、母子健康手帳の電子化についてお尋ねいたします。
 現在のデジタル社会の中で、政府としても行政事務の迅速かつ重点的な遂行を図ることを目的として、令和3年にデジタル庁を発足させました。今年の6月7日に原案が示された、政府によって掲げられた経済財政運営と改革の基本方針2023、いわゆる骨太方針においてもデジタルトランスフォーメーションの加速化が明記されており、政府としても重要な施策の一つとして挙げていることがうかがわれます。そのように政府としても主導でデジタル化を進めていこうとしている中で、本市としても可能な範囲でデジタル化、電子化を進め、市民の利便性向上や業務の効率化につなげていくべきであると考えます。母子手帳に関しても、そこに紙である必要があるのか、電子化を行うことで親御さんの負担を少しでも減らし、また、医療機関と行政の迅速な連携も図れるのではないかと考えました。日本維新の会にとっても、教育や子育て世帯への支援は党の政策の肝となる部分でもございますので、ぜひとも進めてほしいと考えております。
 そこで、母子健康手帳は何をするものなのか、それを規定する根拠法令についてお尋ねいたします。
 以上、1問目を終了し、次の質問以降、自席から質問させていただきます。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 母子健康手帳は、母子保健法に基づき、妊娠の経過や出産の状況、出生後の子どもの発育や発達、乳幼児健診の結果など母子の健康状態を記録するものであり、妊娠の届出をされた方に対して市町村が交付するものでございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) ありがとうございます。母子手帳が妊娠、出産時や子どもの健康状態の把握に必要不可欠なことが分かりました。
 続きまして、母子健康手帳の紙媒体から電子媒体への変更が法律上可能であるのか、お示しください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 令和5年3月に示された国の見解において、母子保健法上、健診結果などについては紙の母子健康手帳への記載が求められているとされております。このため、現時点では、電子媒体を活用した場合についても、紙媒体の記録を残す必要がございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) 現在のところ、法律上、紙媒体から電子化に完全に移行するというのは難しいということですね。
 では、政府の現在行われている母子健康手帳の電子化への取組や指針についてお教えください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 国においては有識者を交えた検討が行われ、マイナンバーカードを活用した母子健康手帳のデジタル化を推進する観点から、マイナポータルで閲覧できる母子保健情報を拡充する方針が令和5年3月に示され、6月には母子健康手帳に記録される項目である乳幼児健診情報など出産前後の健診での民間アプリの活用や、妊娠届及び出生届のオンライン申請を推進していくといった方向が示されたところでございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) 政府としても母子手帳の電子化について前向きに取り組んでいこうとしているということですね。政府が問題意識を持って前向きに捉えていただいているのはとても心強いと思います。
 国の後押しもあるのならば、ぜひとも本市としても母子手帳の電子化を進めていきたいと考えますが、現在の本市として電子化を行っていく動きはあるのでしょうか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市としましては、現在、民間アプリ、母子モを活用した乳幼児健診情報のデジタル化に向けて取組を進めております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) 民間のアプリを使用し、母子手帳に関する行政サービスの一部機能を補っていくということですね。母子モに関しては、予防接種のスケジューリング機能も有しており、とても多い予防接種のスケジュールをその都度教えてくれる便利な機能も有しているそうです。アプリは広い世代で身近に感じるツールであると思いますし、現在の子育て世帯にもなじみが深いものと思われますので、とてもすばらしい取組だと思います。
 乳幼児健康診査について導入されるということですが、では、本市の乳幼児健康診査の対象及び実施方法についてお教えください。また、どの健診についてデジタル化を進めているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 乳幼児健診は、医療機関で行う個別健診と区の保健福祉センター等で行う集団健診がございます。現在、4か月児健診と10か月児健診は個別健診で、1歳6か月児健診と3歳児健診は集団健診で実施しております。このうち、令和2年5月以降、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、集団健診から個別健診に切り替えている4か月児健診について、今年度夏以降のデジタル化の開始に向け、取組を進めているところでございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) 今年度夏以降に、まずは4か月児健康診査のみで行われるということですね。
 乳幼児健康診査において、アプリを導入することで具体的に何が変わるのでしょうか。また、どのような効果が期待されるのでしょうか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) アプリの導入によりまして、現在、紙に手書きしている健診票について、スマートフォンなどでの入力が可能となり、また、母子健康手帳に記載される健診結果をスマートフォンなどで確認できるようになり、保護者の利便性向上や個別健診結果の即時把握、未受診家庭への早期対応、支援を必要とする家庭への早期支援につながるものと考えております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) 行政の支援が必要な家庭をすぐに把握できたり、忙しい子育て世帯にとって事前にスマートフォンで入力できたり、アプリで健診結果が分かるのはとてもありがたいことだと思います。
 アプリを導入することのメリットは大きいと思われますが、ほかの自治体において乳幼児健康診査のアプリ化が既に行われているところはあるのでしょうか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 現在、長崎県西海市が集団健診においてアプリを活用した乳幼児健診を実施していると聞いております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) 全国的に見ても行われている自治体は少なく、先んじて行おうとしているというのは、すばらしいと思います。ぜひとも他都市のモデルとなれるよう電子化を進めていただきたいと思います。
 西海市では集団健診にてアプリが導入されておりますが、本市では集団健診ではなく、個別健診に関してアプリを先に導入することは何か理由があるのでしょうか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 個別健診は保護者が身近な医療機関で受診できる一方で、市が健診結果を把握するまでに期間を要しております。アプリの導入により医療機関で入力された健診結果を市が即時に共有でき、タイムラグが解消されるため、支援を必要とする家庭や健診を受けていない家庭の早期把握が可能となるものでございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) ありがとうございます。個別健診においてアプリの導入化はとても利便性が向上すると思われますので、早期の運用開始に向けてしっかりと取り組んでいただくようお願いいたします。
 最後に、子育て世帯の利便性向上や質の高い子育て支援などの観点から、現在の4か月児の個別健診のみではなく、10か月児健診、集団健診やその他の母子手帳の機能まで今後はアプリへの移行をぜひ取り組むべきと思います。
 政府も母子手帳の電子化を前向きに捉えている中で、本市の今後の取組の方向性について御所見をお尋ねして、1問目の質問を終了いたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 保護者の利便性向上や受診結果を早期に把握する観点から、アプリを活用した乳幼児健診について、まずは4か月児健診で運用を開始し、課題を検証した上で、10か月児健診や集団健診へ拡大したいと考えております。母子健康手帳に関する電子化については、引き続き国の動向を注視してまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) ありがとうございます。
 続きまして、健康寿命を延ばす取組について質問いたします。
 僣越ながら、私の公約でも挙げさせていただいているものであり、初質問で取り上げさせていただきました。私が医師として病院で働く中でも、患者さんたちは高血圧、糖尿病などのいわゆる生活習慣病を基礎疾患に持つ方ばかりでした。遺伝的な要素もあるため致し方ない方もいますが、自分の努力次第で生活習慣病になるのを回避できる方もいらっしゃいます。そういった方の生活習慣を改善し、健康寿命を延ばし、病気になりにくい体をつくっていくことは非常に重要であると感じております。
 まず初めに、そもそも健康寿命という言葉が聞きなじみのない方もいらっしゃるかもしれませんので、健康寿命の定義についてお尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 健康寿命は、WHO、世界保健機関が平成12年に新しい指標として提唱したものであり、日本においては、平成24年に厚生労働省が策定した第二次健康日本21において、健康寿命を健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間と定義し、健康寿命の延伸と健康格差の縮小の実現を目標として様々な取組を進めております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) ありがとうございます。寿命の中で最後の一定期間は、病院や施設、家などで寝たきりの状態で過ごすことが多いです。平均寿命から寝たきりや認知症などの介護状態の期間を差し引いたものが、いわゆる健康寿命となります。
 健康寿命の延伸について、国の方針ではどのように示されているのでしょうか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 厚生労働省が令和5年5月に公表した第三次健康日本21を推進する上での基本方針である、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針によりますと、全ての国民が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会の実現のため、個人の行動と健康状態の改善に加えて、個人を取り巻く社会環境の整備やその質の向上を通じて健康寿命の延伸を実現すると示されております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) ありがとうございます。健康寿命を延ばす中で、平均寿命と健康寿命との差を縮めることによって、より多くの人が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会が実現できます。我が国全体で少子・高齢化、社会保障費の増大が大きな問題となっている現代の中で、健康寿命の延伸はそれらの問題に取り組んでいくために必要な目標の一つであると言えます。
 それでは、直近での健康寿命と平均寿命について、本市と全国平均の男女別の数値をそれぞれお示しください。
 
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) まず、健康寿命は、厚生労働省の調査で得られたデータに基づき3年ごとに算出されており、直近の調査結果である令和元年の数値で申し上げますと、福岡市は男性71.99年、女性74.26年、全国平均は男性72.68年、女性75.38年となっております。次に、平均寿命については、市区町村別の数値は5年ごとに算出されており、直近の調査結果である令和2年の数値で申し上げますと、福岡市は男性81.65年、女性87.91年、全国平均は男性81.56年、女性87.71年となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) 健康寿命について、本市は男女どちらも全国平均より低く、平均寿命と健康寿命の差についても、本市は男女ともに全国平均に比べて大きいと言えます。このデータから全体で見ても、他都市に比べて本市は健康寿命を延ばす必要性があるように感じます。健康寿命を延ばすためには各種健診を行っていくのと同様に、市民の自主的な健康づくりを推進することもとても重要だと思います。しかし、生活習慣改善のための知識や、介護予防、認知症予防のための知識をいかに市民に知ってもらうか、知ろうとしてもらうか、またそれをいかに実践してもらうかについては難しい問題ではありますが、本市が考えていかなくてはいけない問題の一つであると考えます。
 それらの問題を解決するためには意識づけや仕掛けづくりが重要になってくると思いますが、具体的にどのような取組を行っているのでしょうか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 市民の自主的な健康づくりにつきましては、自宅などの身近な場所で気軽に実践できる取組であることが大変重要であり、具体的には公民館などでの健康教室の実施や、自宅で実践できる運動動画の配信を行うとともに、気軽に参加できる運動として推奨しているウオーキングに関するイベントの開催やマップの作成などに取り組んでおります。また、活動のきっかけとなるよう、健康情報を集めた専用サイトの作成や各種SNSなどの多様な媒体の活用により、幅広く発信を行っているところでございます。さらに公園や道路、駅などの身近な環境を活用し、自然と楽しく体を動かしたくなる仕組みや仕掛けをつくるFitness Cityプロジェクトに取り組んでおります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) ありがとうございます。SNSなどをはじめ、広く市民の方の目に触れるようなツールを使っていただいたり、健康教室などの取組を各地域の公民館などで行っているということですね。また、広い世代が取り組みやすい運動としてウオーキングを推奨しているようでございますが、市民の運動促進の取組において、より身近に感じてもらえるツールとしてアプリを活用した取組などがあると思います。他都市でも、横浜市のよこはまウォーキングポイント事業や、さいたま市のさいたま市健康マイレージ事業のように、ウオーキングなどでポイントをためて、そのポイントを使ってクーポンや賞品などと交換できるような取組が行われているようです。
 本市としては、アプリを活用した取組などがあるのでしょうか。あれば、どのようなことができるのでしょうか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) アプリを活用した取組につきましては、令和3年度から民間のスマートフォンアプリ、ふくおか散歩を活用いたしております。このアプリには、歩数や体重、血圧の記録管理、年代や性別などのターゲット別での健康づくりイベントなどの情報発信、ユーザー間での歩数のランキング表示やグループ単位での歩数競争などの機能がございます。また、本アプリでは、ウオーキングの実践や健康づくりのイベントへの参加などに対してポイントを付与し、たまったポイントに応じたクーポンの発行や、抽せんによる賞品のプレゼントなどを行うことで運動習慣の定着を図っております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) ありがとうございます。アプリを利用することで、より広い世代にとって手軽に情報を知れるし、身近に感じてくれると思われます。また、クーポンや賞品などに換えられるのもやりがいにつながるとてもいい取組であると感じます。しかし、現実的に健康寿命を延ばす取組を行うときに関心が高く、重要度も高いと思われるのが、高齢者の方たちと思われます。
 アプリという高齢者の方たちに比較的ハードルの高いツールを使う上で、その方たちへ興味、関心を持っていただくために工夫はなされているのでしょうか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 御指摘の工夫につきましては、本アプリは利用開始時の登録情報を簡素化するとともに、シンプルで操作しやすい画面構成にするなど、初めて利用する方にも配慮した仕様となっております。また、アプリの利用が苦手な方も含め、興味、関心を持っていただけるよう、本アプリの利用方法を案内するため、高齢者向けのオンライン活用講座を開催するとともに、市政だよりや公民館での健康教室など様々な機会を捉えて周知、啓発を図っております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) あべひでき議員。
○34番(あべひでき) 高齢者の方たちにも使いやすい配慮がなされており、市民の運動促進につながる効果的な取組の一つではないかと思います。これからも高齢者をはじめ、各世代に興味、関心を持っていただくために、さらなる利用者の拡大に向けて取り組んでいただくよう要望いたします。
 最後に、超高齢社会となってから久しいこの現状において、さらに重要性が増してくる健康寿命を延ばすためには、アプリの活用なども含め、いかに広い世代や健康無関心層にアプローチし、生活習慣の改善や運動習慣の定着促進を図っていくかが重要になってくると思われますが、さらなる健康寿命の延伸に向けて、今後どのように市民の健康づくりに取り組んでいくのか、御所見をお尋ねして、私の質問を終わります。
 
○議長(打越基安) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 福岡市では人生100年時代を見据えて、誰もが健康で自分らしく活躍できる持続可能な社会の実現を目指すプロジェクト、福岡100を産学官民オール福岡で推進いたしております。その一環として、運動や食生活などの生活習慣の改善を図るとともに、各種健診事業や重症化予防として慢性腎臓病対策などに取り組んでおります。また、九州大学と連携した医療や介護、健診等に関するビッグデータの分析を基にFitness Cityプロジェクトやオーラルケア28プロジェクトなども推進をしております。引き続き、エビデンスやデータを活用しながら、子どもから大人までライフステージに応じた市民の健康づくりを促進し、健康寿命の延伸に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) この際、休憩し、午後3時40分に再開いたします。
午後3時30分 休憩  
午後3時40分 開議  
○副議長(松野 隆) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。大沢めぐみ議員。
○35番(大沢めぐみ)登壇 日本維新の会福岡市議団の大沢めぐみです。このたび初当選させていただき、初めての一般質問になりますので不慣れな点もあるかと思いますが、市民の皆様のため精いっぱい取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。
 私は、前職でプログラミングをはじめとした時代のニーズに合った教育を提供する通信制高校に勤務をしておりましたことから、本日は日本維新の会福岡市議団を代表して、市議として最も成し遂げたい教育分野の改革の中より、プログラミング教育の充実について質問をさせていただきます。
 現在、福岡市はグローバル創業・雇用創出特区として国家戦略特区の指定を受け、様々な規制改革メニューを活用し、4年連続、開業率が政令市でトップとなるなど、全国から最も元気な都市として注目を浴びています。
 また、天神ビッグバンや博多コネクティッドなどのハード面に加え、ソフト面では産学官によるオール福岡の推進組織であるTEAM FUKUOKAの一員として国際金融機能誘致に取り組むなど、アジアのリーダー都市を目指して、都市の産業競争力強化のための様々な取組をされていることと存じます。
 初めに、アジアのリーダー都市を目指す福岡市において、次世代を担う子どもたちへ、キャリア教育として率先してアントレプレナーシップ教育に取り組まれていると認識をしておりますが、その内容をお示しください。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて質問をいたします。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) アントレプレナーシップ教育については、児童生徒が自分の将来の夢や希望に向かってチャレンジしていく意欲を育成することを目的として、小学校では著名人を講師に招く夢の課外授業や働く人の仕事の様子を収録した動画を活用した職業探求プログラムを、中学校では起業家による講話の動画を活用した未来を切り拓くワークショップ等を実施いたしております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 大沢めぐみ議員。
○35番(大沢めぐみ) 御説明ありがとうございます。
 アントレプレナーシップ教育は、起業家精神の醸成、イノベーションの促進、就業の選択肢の拡大など、個人の成長と発展だけではなく、経済と社会の持続的な発展にも重要な役割を果たす上に、起業家精神とイノベーションの力を持つ人材が育成されることで、新たなビジネスや社会の課題解決に貢献することが期待されますので、私もとても重要な取組であると感じるところです。
 次に、このアントレプレナーシップ教育を始めた経緯について、本市の意思決定のプロセスとなった指針やガイドラインなどと併せてお示しください。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 平成23年1月の中教審答申や文部科学省が作成したキャリア教育の手引きにおいて、一人一人の社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質、能力を育成することが求められており、福岡市としても平成26年1月に策定いたしました新しいふくおかの教育計画の後期実施計画において、キャリア教育のさらなる推進を位置づけ、平成27年度よりアントレプレナーシップ教育を開始したものでございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 大沢めぐみ議員。
○35番(大沢めぐみ) アントレプレナーシップ教育について、平成26年1月に策定された新しいふくおかの教育計画に位置づけ、事業を開始されたとのことですが、現在、アントレプレナーシップ教育は何に位置づけて実施されているのか、お示しください。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和元年度策定の第2次福岡市教育振興基本計画において、推進すべき施策の一つとしてグローバル社会を生きるキャリア教育の推進を掲げておりまして、その具体的な取組としてアントレプレナーシップ教育を実施いたしております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 大沢めぐみ議員。
○35番(大沢めぐみ) 現在は第2次福岡市教育振興基本計画に基づき実施されていることが分かりました。
 次に、第2次福岡市教育振興基本計画にはどのようなことが規定されているのか、その終期と併せてお示しください。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 当該計画は、策定からおおむね6年間を計画期間として策定しておりまして、福岡市の教育の大きな方向性を示す基本的な計画として、目指す子ども像や重視する教育の方法、推進すべき17の施策などを定めてございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 大沢めぐみ議員。
○35番(大沢めぐみ) 福岡市の教育の大きな方向性を示す計画であること、そして令和6年度までの計画であることが分かりました。
 ここで、皆様も御存じかもしれませんが、今後の教育にも関わる重要な2つのフレーズを御紹介させてください。
 オックスフォード大学のマイケル・オズボーン教授は、今後10年から20年程度で半数近くの仕事が自動化される可能性が高いと言われております。また、ニューヨーク市立大学大学院センターのキャシー・デビッドソン教授は、子どもたちの多くは将来、今は存在していない職業に就くと言われております。
 さらに、今世界中で話題になっているチャットGPTなど、生成系AIの登場も見逃すことができません。私は、この生成系AIの登場によって、さらにその社会ニーズが著しく変化をし、AIをいかに活用していくのかというAI新時代の教育の必要性を感じているところです。実際に質問に当たり、このチャットGPTに、今後生成系AIの登場によってどのように教育が変わるのかを聞いてみましたところ、以下のような回答がございました。1つ目がスキルの転換、2つ目がコンピューターサイエンスとプログラミングの重要性、3番に学びの個性化と柔軟性、4番目に応用と倫理の教育、5番目にコラボレーションとチームワークの重要性でございます。もちろん、チャットGPTの回答は必ずしも正確ではなく、うのみにするわけではございませんけれども、スキルの転換やコンピューターサイエンスとプログラミングの重要性などは私が前職で感じた課題と同一であり、既に生成系AIにおいても課題として回答するほど、世界的には一般的な課題であると認識をしております。
 また、私の経験則で申し上げますと、前職の通信制高校では実践的なプログラミング教育に力を入れており、生徒や保護者の皆様からも次世代を担う子どもたちへの教育として、学校を積極選択するキーワードとして高い評価をいただいておりました。
 私は、改めてこれまでの教育スタイルが大きく変革を求められること、そしてプログラミング教育の重要性が一層増していくことは間違いないと感じるところです。
 私は、福岡市がこれからさらにアジアのリーダー都市となるためには、島市長の言われるような次世代への種まきを教育分野でもより積極的に行っていくべきであると考えております。特にこのAI新時代を生き抜くためには、早期のプログラミング教育が重要になってくると思います。
 つきましては、現在本市で行っている小学校のプログラミング教育の実施概要につきまして授業時間数、授業内容、誰が教えているのかを含めお示しください。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 小学校におけるプログラミング教育は、学習指導要領において、コンピューターに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身につけるための学習活動と示されておりまして、福岡市では全ての小学校において学級担任等の指導の下に、5年生の算数でプログラムを活用して多角形を作図する学習や6年生の理科でプログラムを基に電気回路を制御する学習などに取り組んでございます。
 また、令和5年度のプログラミング教育の、予定授業時数は平均で5年生で3.6時間、6年生で4.1時間となっております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 大沢めぐみ議員。
○35番(大沢めぐみ) 現在の本市におけるプログラミング教育の概要が分かりました。
 必修化から3年ほどがたった今、課題も見えてきております。プログラミング教育は教える側にスキルが必要と認識をしており、専門性が求められるとともに、教員の負担感も高いのではないかと感じておりますが、学級担任への具体的な支援体制をお示しください。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 教員のスキル向上等のために教育センターや各学校で指導の内容や方法について研修を行うとともに、月に2回、全ての学校にICT支援員を派遣し、学習の進め方、操作などについて各担任が相談できる体制を整えております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 大沢めぐみ議員。
○35番(大沢めぐみ) 研修やICT支援員などを配置し、対応されていることは分かりましたけれども、ICT支援員の業務内容はICT機器の操作支援等を含む多岐にわたるものであると聞いておりまして、プログラミング学習の支援としては十分とは言えないのではと感じております。
 そこで、提案なんですけれども、知見を持った専任の講師の導入や動画の活用などが必要と考えておりますが、御所見をお聞かせください。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 小学校段階のプログラミング教育においては、論理的思考力を育成することが中核であるとされてございまして、また、専門的知識を持ったICT支援員がプログラミング教育のサポートも行っているため、改めて専任講師を任用するまでの必要性は乏しいのではないかと考えております。
 また、授業で活用できる動画につきましては、教育委員会のウェブサイトで紹介を行っており、今後も更新を行ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 大沢めぐみ議員。
○35番(大沢めぐみ) これまでの質問で、本市では令和5年度のプログラミング教育の平均授業時間数が小学校5年生で3.6時間、6年生で4.1時間と非常に少ない授業時間であること、また、学校単位に月に僅か2回のICT支援員を配置しているので、専任講師を任用するまでの必要はないと考えられていることが分かりました。
 私、今回の質問に当たりまして、現役の小学生にヒアリングをしましたところ、やっぱり授業時間数が足りないといった声も聞いております。
 また、国の推進するプログラミング教育についても調べてまいりました。文部科学省、総務省及び経済産業省が小学校プログラミング教育の実施に向けた準備を推進するため、令和元年9月を未来の学び プログラミング教育推進月間、通称みらプロと設定をされ、企業と連携し、プログラミングが社会でどう活用されているかに焦点を当てた、総合的な学習の時間における指導案等の提供を行う取組を実施されておりましたので、ウェブサイトに掲載されている指導案を御紹介させていただきます。
 このみらプロのウェブページに書かれているプログラミング教育の指導案は、おおむね35時間です。例えば、グーグル社が提供する教材の指導案では、ユーチューブにある役に立つ動画を探し、次にユーチューブがまちの魅力発信にどのように役立つかを探り、プログラミングで地域の魅力を紹介するアニメーションを作って、作成したまちの魅力発信についてのアニメーションと動画を地域の人に発表するという指導案です。
 私は紙とペンで行っていたこれまでの学習など、プログラミング以外の教育とプログラミング教育を一体化することで、年間35時間程度の授業時間を確保し、また、AI新時代を生き抜く思考力を育むためにも、民間の力やテクノロジーを活用することで、教員の負担感も軽減しながら、質の高い授業が担保できるのが望ましいと考えます。ぜひとも国が示すように、本市としても教育現場に具体的な指導案を示すなど、プログラミング教育のさらなる充実を前向きに御検討いただきますよう御要望いたします。
 次に、本市の事例とルールづくりについてお伺いいたします。
 私の地元南区の弥永西小学校など、学校によっては独自に小学校1年生からのプログラミング教育を取り入れている学校もあるようですが、実施校数や実施概要についてお示しください。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 1年生よりプログラミング教育に取り組んでいる小学校は、145校のうち51校ございまして、低学年の段階からコンピューターで描いた絵を動かす簡単なプログラミングを体験するなど、各学年の発達段階に応じて論理的な思考力の育成に取り組んでおります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 大沢めぐみ議員。
○35番(大沢めぐみ) 現在51校の小学校では、小学校1年生からのプログラミング教育を実施しているということが分かりました。私はこの51校の取組は時代のニーズに合致しており、非常にすばらしいと考えております。
 そこで、お伺いいたします。冒頭のアントレプレナーシップ教育について福岡市は率先して取り組まれていると認識をしております。プログラミング教育においても、小学校1年生から市内全校でぜひとも実施をしていただきたいと考えておりますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 小学校段階のプログラミング教育においては、論理的思考力を育成することが中核であるとされておりますが、各学校においては、1年生からプログラミング教育として開始するかどうかにかかわらず、各教科の中で論理的思考力を育成する学習活動に取り組んでございます。
 論理的思考力を養っていくためには、各学校において子どもたちの発達段階や学校の特色を生かして、1年生から6年生までを見通した系統的な教育課程を編成していくことが重要であると考えております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 大沢めぐみ議員。
○35番(大沢めぐみ) それぞれの学校の特色を大事にすることももちろん大変重要なことではありますが、通っている学校によって、今後ますます重要性が増すプログラミング教育の学習機会に差が出てしまっている状態が適切であるのか疑問に思う次第であります。制度として可能なのであれば、ここで福岡市としてプログラミング教育の優先順位を上げることは、今後の都市の競争力強化にもつながるのではないでしょうか。また、学年の拡大だけではなく、プログラミング教育の中身の充実も必要と考えております。
 そこでお尋ねいたしますが、プログラミング教育に知見のある第三者などによる検証を行うとともに、児童生徒のプログラミング教育に関する意欲等を調査し、それらを踏まえプログラミング教育に関する実施内容を更新していくべきと考えますが、そのような仕組みはありますでしょうか。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 令和2年度にプログラミング教育を必修化するに当たりまして、学識経験者の意見もお伺いしながら、効果的な指導方法について検討を重ね、各学校に示しております。
 また、調査という形は取っておりませんが、各教員はプログラミング教育を含む各授業内容について、子どもたちの理解度や意欲を日々確認し、把握するように努めてございまして、加えて教員研修の際には、実施状況や指導上の課題などを集約し、指導内容の工夫改善に向けた検証も行っております。
 今後も国の動向など最新情報を基に、より効果的なプログラミング教育の推進に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 大沢めぐみ議員。
○35番(大沢めぐみ) プログラミング教育必修化の際には、学識経験者の意見を伺っておられたということは分かりました。また、教員研修の際には、実施状況や指導上の課題などの把握をされているとのことでございますが、必修化後の検証や児童生徒に対する意欲調査はなされておらず、それらを踏まえて教育内容を更新していく仕組みはないということが分かりました。
 そこで提案ですが、次世代を担っていく子どもたちが変化する社会ニーズに適合し、生きる力を身につけるためにも、第2次福岡市教育振興基本計画が令和6年に改定される際に、プログラミング教育の充実とプログラミング教育に知見のある第三者などによる検証を行うとともに、児童生徒のプログラミング教育に関する意欲等を調査し、それらを踏まえプログラミング教育に関する実施内容を更新していくべき仕組みが必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(松野 隆) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) プログラミング教育を含め、日々の授業において教員が児童生徒一人一人の意欲や理解度等を把握し、その状況を踏まえて授業改善に取り組んでいくことは大変重要であると考えております。そのため、1人1台端末を活用することで得られた児童生徒の意欲や理解度等に関するデータを分析し、これを授業改善等に活用するデータ駆動型教育への転換を進めることとしております。
 こうした取組を着実に推進することにより、子どもの個別最適な学びの支援の充実と客観的な根拠に基づく教育施策の立案に努めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 大沢めぐみ議員。
○35番(大沢めぐみ) 本市がデータ駆動型教育への転換を進めようとされていることが分かり、これは大変いい動きであると思っております。
 重ねてになりますが、アジアのリーダー都市を目指す福岡市でありますから、教育の分野でも世界を見据え、時代のニーズを酌み取り、国際教育拠点をつくる意気込みで、他都市に先んじて取り組んでいただく姿勢をお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛)登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表して、商店街への支援について、今後のコロナ対応医療機関への対応について、保育施策の充実についての3点について質問いたします。
 初めに、商店街への支援についてお尋ねいたします。
 私は常々、商店街はまちの大事なインフラであり、地域コミュニティに不可欠な存在であると思っております。そのため、これまでも福岡市の商店街支援施策について度々質問し、直近では新型コロナウイルス感染症の影響で4回目の緊急事態宣言が発出された直後の令和3年9月議会で、コロナ対策を含めた福岡市の商店街支援の在り方について質問いたしました。その1年半後の今年3月にはマスク着用が個人判断となり、さらには5月8日にコロナ感染症の5類移行など、コロナ感染症の影響も緩和し、今後は社会経済活動の正常化が進む一方で、世界的な原材料価格の上昇や円安の影響による物価高騰が続いており、多く商店街は先行きを心配しています。
 そこで、本日は福岡市が商店街に対してコロナ禍にどのような支援施策を実施したのか、改めて整理するとともに、今後はアフターコロナに向けてどのような支援施策に取り組むのかなどについてお尋ねしてまいります。
 今から3年前、世界中に急速に広まったコロナウイルス感染症ですが、その影響により多くの市民が外出を控え、商店街を訪れる機会が激減し、各店舗は非常に厳しい状況となりました。
 最初に、新型コロナウイルス感染拡大期、令和2年度、3年度においては、どのような考え方で商店街支援を実施してきたのか、お尋ねいたします。
 以上で1問目を終わり、2問目からは自席にて質問いたします。
 
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 新型コロナウイルスの感染拡大期におきましては、感染拡大の防止と社会経済活動の維持の両立を図るとともに、市内中小企業の事業を継続させ、雇用を支えるという基本方針の下、新しい生活様式を踏まえた商店街活動を支援してまいりました。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 感染拡大の防止と社会経済活動の維持の両立を基本として、商店街を支援されたとのことであり、私も商店街の方から福岡市の支援はとてもありがたかったなど感謝の声も聞いております。
 そこで、その時期の主な商店街支援事業の概要と成果をお尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 感染拡大期におきましては、マスクや消毒液などの購入費用を補助することで市民の安心、安全な商店街利用を可能とするとともに、新しい生活様式を踏まえた商店街マップのデジタル化やアプリを活用した商店街PRなどを支援することで若手会員が商店街運営に参加するという効果が見られたところでございます。加えて、商店街プレミアム付商品券の発行を支援し、2年間で総額43億1,400万円余の商品券が販売されることで、新規顧客の獲得や新たな消費喚起につながったものと考えております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) コロナ禍においては、多くの商店街が福岡市の支援施策も活用しながら、必死に頑張ってこられたことと思います。商店街は地域活力を支える重要な存在であると改めて認識いたしました。
 新型コロナに関しては、令和4年度に入ってからワクチン接種の進展等もあり、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置は実施されず、水際対策として実施された入国規制も令和4年10月以降緩和され、時を同じく開始された全国旅行支援も追い風となり、市内でも観光客を見かけるようになりました。ロシアによるウクライナ侵略等による物価高騰の影響はあるものの、令和4年度は社会経済活動の正常化が進んだのではないかと思います。
 そこで、こうしたコロナからの回復期の令和4年度において、商店街活動の活性化に向けて、どのような商店街支援を実施し、どのような成果があったのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 回復期におきましては、中止していたイベントの再開などに対して積極的に経費を支援することで、久しぶりに商店街がにぎわいを取り戻したとの意見をいただいております。また、商店街プレミアム付商品券の発行を再度支援し、広報や換金作業の効率化などを助言するアドバイザーを派遣した結果、単年度では過去最高となる48団体、総額33億9,700万円余の商品券が販売されたところでございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 新型コロナウイルスの感染拡大により、大きく影響を受けた商店街活動も活気を取り戻しつつありますが、新型コロナの影響で商店街活動が停滞したことで、会員離れによる人手不足や次世代を担う若手の経験不足が問題であるという声も聞こえてきており、商店街の人材確保、人材育成がこれまで以上に大きな課題となっているのではないでしょうか。
 そこで、商店街の人材育成及び人材確保に向けてどのような支援を行っているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 令和4年度は市内商店街のやる気のある若手に集まっていただきまして、活発に活動している商店街が抱える課題やその解決方法について専門家を交えた意見交換やフィールドワークを行いまして、令和5年度からはその若手を中心に商店街の課題解決に向けた具体的な計画の立案や事業化を促すなど、より丁寧な伴走支援を行っているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 商店街活動を行うに当たって、人材が必要不可欠であることは言うまでもなく、商店街を取り巻く環境が目まぐるしく変化する昨今においては、その重要性も増しているものと考えられます。引き続き商店街の人材育成、人材確保を支援していただきたいと思います。
 今年のゴールデンウイークは、博多どんたく港まつりが4年ぶりに通常開催され、報道では2日間で210万人の人出で、5月3日には私ども市議会どんたく隊もパレードに参加し、大いににぎわいを感じました。また、7月には博多祇園山笠や世界水泳選手権も開催され、多くの観光客が福岡市を訪れることが期待できます。
 このように、国内移動にとどまらず、インバウンドも回復する状況は、コロナで傷ついた商店街にとっても大きなチャンスと言えるのではないでしょうか。現に私の地元でもある新天町商店街も観光を含む大勢の買物客でにぎわいを取り戻しつつあると聞いております。
 そこで、この機会を捉え、商店街に国内外の観光客を呼び込み、にぎやかな商店街を目指すべきだと思いますが、福岡市の所見をお尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 堤田議員御指摘のとおり、回復する国内外からの観光客を商店街に呼び込み、にぎやかな商店街を目指す大きなチャンスであると認識しておりまして、現在、観光エリア近隣の商店街に専門家を派遣し、観光連携に向けたプランの策定やイベントの開催などを支援する事業を開始したところでございます。
 また、あわせて、個々の商店街の特性に応じた、さらなる魅力向上に有効な支援施策の検討も進めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 福岡市を訪れた皆様には、観光地だけではなく、様々な特色がある商店街にも足を運び、買物や食事なども楽しんでいただきたいと考えます。国内外から多くの旅行者が訪れる観光エリアは市内に幾つもありますが、残念ながら周辺商店街にまで足を運ぶことは少ないのではないでしょうか。ぜひ多くの方々に訪れていただき、さらなるにぎわいが生まれることを願っています。
 一方で、市内商店街の中には観光エリアと隣接せずとも魅力的な商店街も多く、その魅力を磨くことに日夜奮闘している皆さんもしっかりと支援していかねばならないと考えます。ぜひ商店街の隠れた魅力を引き出し、国内外に発信することで、新たなにぎわいと活力を創出してほしいと思います。
 商店街に対してコロナ後の新たな各種支援を行うことが分かりましたが、既存の支援も含め、まだまだ息の長い支援が必要だと思います。
 そこで、改めて福岡市の商店街への今後の支援の在り方について御所見をお尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 鈴木経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(鈴木順也) 商店街は市民の暮らしを支え、買物の場を提供する地域経済の担い手であるとともに、市民に交流やにぎわいの場を提供する地域コミュニティの担い手でもある大変重要な存在であると認識しております。また、各商店街ではコロナ下においても商品券の発行や各種イベントの開催に取り組まれるなど、これまで懸命に努力してこられたものと認識しております。福岡市では、新たな取組にやる気を持ってチャレンジする頑張る商店街を重点的に支援することを基本方針として、商店街の財政規模や地域の特性、課題に応じて活用していただける施策を準備し、今後とも全力で支援してまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 経済観光文化局におかれましては、頑張る商店街の魅力向上に向けて、来年度以降もしっかりと予算を確保し、アフターコロナに向けたハード、ソフトの両面で商店街支援を加速していただきますようお願いいたします。
 最後に、昨年末に新天町商店街を含む天神二丁目南ブロック駅前東西街区プロジェクトの計画概要書が出されましたが、福岡市としても今後生まれ変わる商店街を全力でサポートしていただきますよう要望して、この質問を終わります。
 次に、今後のコロナ対応医療機関への対応についてお尋ねいたします。
 新型コロナウイルス感染症は、5月8日にようやく感染症法上の位置づけが2類相当から季節性インフルエンザと同等の5類感染症へと変更されました。
 令和2年2月に福岡市で最初の感染者が確認され、約3年という非常に長い期間でしたが、その間、最前線で新型コロナウイルス感染症の対応に当たっていただいた医療機関や保健所などの関係者の皆様に敬意を表し、この場をお借りして厚く感謝を申し上げます。
 5類移行により、日常の基本的な感染対策については個人や事業主の判断に委ねられることとなりましたが、現在もウイルスそのものがなくなったわけではなく、引き続き、外来診療や入院など、市民が必要なときに医療を受けられる体制を整えておくことが重要だと考えています。
 そこで、新型コロナウイルス感染症の5類移行後の対応について、医療提供体制を中心にお尋ねしてまいります。
 まず、新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類感染症となったことにより、主に変わった点、変わっていない点をお尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) まず、変更点につきましては、主なものとして医療機関からの陽性者の届出が不要となったことで、感染者数の把握が毎日の全数把握から週1回の定点把握となったことや、保健所による健康観察や濃厚接触者の特定及び無料検査や宿泊療養施設が終了したことなどがございます。次に、継続するものといたしましては、主なものとして高齢者施設等における従事者等への検査を当面実施するとともに、発熱時の受診先を案内する相談ダイヤルを本年9月末まで延長することといたしております。また、ワクチン接種につきましては、自己負担なしでの接種を令和6年3月末まで実施いたします。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 5類に移行後もワクチンは今年度まで無料で接種できるとのことですが、今年度実施される接種はどのようなものとなっているのでしょうか。また、来年度以降の接種はどのようになるのでしょうか、お尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 今年度のワクチン接種につきましては、2回目までの接種を完了した方に対し、新たな追加接種を行うこととされております。まず、重症化リスクが高い65歳以上の方や基礎疾患のある方などを対象に春開始接種として5月8日から実施をいたしております。また、5歳以上の全ての方を対象に秋開始接種として9月以降実施することといたしております。来年度以降の詳細につきましては未定ではございますが、ワクチン接種を継続するに当たっては、安定的な制度の下での実施を国において検討することとされております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) ワクチン接種は重症化予防などの効果が期待されており、特にリスクが高いとされる高齢者や基礎疾患のある方がスムーズに接種できることは大変重要であると考えています。来年度以降の接種は国において検討されるとのことですが、ぜひ希望される方が接種しやすい制度となるよう国に働きかけていただきますようお願いいたします。
 さて、新型コロナウイルス感染症が5類に移行して、市民の皆さんが特に不安に感じておられることの一つは、感染したかもしれないというとき、すぐに医療機関を受診できるのだろうか、必要なときに入院できるのだろうかということだと思います。
 そこで、5類移行後の医療提供体制はどのようになっているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 医療提供体制につきましては、コロナ診療を限られた医療機関で行う体制から幅広い医療機関で行う体制に段階的に移行することとされております。そのため、現在、県単位で作成された入院医療体制等に関する移行計画に基づき、医療機関への設備整備等の支援を通じて、新型コロナウイルス感染症に対する医療機関の拡大に向け取り組んでおります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 発熱した際に身近なかかりつけの医療機関に受診することができれば、市民の皆さんが安心できると思います。
 コロナ患者の外来に対応する医療機関の現状はどうなっているのでしょうか、お尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 外来対応医療機関につきましては、これまでコロナ診療を行ってきた医療機関において引き続き対応いただくとともに、現在、市医師会と連携し、外来対応に関する研修の実施や取組事例の周知などを行いながら、新たにコロナ診療に対応する医療機関の拡大に向けた取組を進めております。外来対応医療機関の数は、5類移行前、5月2日時点の600から6月16日時点で659医療機関に拡大いたしております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 5類移行後に外来対応医療機関の数が増えていることに安堵いたしましたが、院内での感染対策の強化が必要で、まだ多くの医療機関で発熱した患者の診療は難しいとの声も聞いております。
 このように一定の負担がかかっている外来対応医療機関に対しては、5類移行後も何らかの支援が必要ではないかと思いますが、それらの医療機関への支援内容についてお尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 外来対応医療機関に対しましては、国の緊急包括支援金を活用したコロナ患者受入れに要する設備整備や個人防護具の確保等への支援、新たに発熱外来を開始する医療機関に対する設備購入等の支援が実施される予定でございます。また、5月8日から診療報酬上の特例として、一定の診療報酬の加算が行われております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 外来対応医療機関に支援を継続していることは分かりましたが、5類移行に伴い、行政が行っていた入院調整も新たに担うこととなり、入院が可能な医療機関との調整がスムーズにいくのか不安があるとのお話を伺いました。
 そこで、外来対応医療機関が行う入院調整に対し、どのような支援を行っているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 入院調整につきましては、外来対応医療機関が患者の状態に応じて入院の受入れが可能な医療機関と調整を行うこととなっており、その支援といたしましては、入院受入れ可能な医療機関の一覧表や医療機関等情報支援システムなどにより空き病床の情報提供をいたしております。また、5月8日から外来対応医療機関において入院調整を行った際に一定の診療報酬の加算が行われております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 今のところ大きな感染の波は押し寄せていませんが、外来対応医療機関は感染が再拡大したときにコロナ患者を受け入れる病床がいっぱいになってしまい、受入先がなかなか決まらないのではないかと危惧しています。
 そこで、感染拡大時において、医療機関同士での入院調整が難しくなった場合については、行政による支援が必要ではないかと考えますが、所見をお伺いいたします。
 
○副議長(松野 隆) 藤田保健医療局長。
○保健医療局長(藤田三貴) 感染拡大時におきましては、県単位で作成された移行計画に基づき、入院者数に応じて段階的に病床が拡大されることとなっており、本市においては市内の医療従事者が中心となって作成した空き病床が確認できるシステムなどを活用し、市医師会や医療機関と連携して入院調整の支援を行ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、ようやく日常の市民生活が戻りつつあります。5類移行後もコロナ対応医療機関へ必要な支援を継続していただき、今後も市民が必要なときに必要な医療を受けることができ、安心して日々の生活が送れるような体制をつくっていただくことをお願いして、新型コロナウイルス感染症に関する私の質問を終わります。
 次に、保育施策の充実についてお尋ねいたします。
 福岡市ではこの10年間、全国的な課題でもあった保育所待機児童を解消するため、保育所整備に力を入れてきたところです。我が会派をはじめ、福岡市議会においても、この福岡市としての取組をサポートし、これにより保育所への入所申込数を上回る保育所定員数を確保するに至り、結果として今年度の待機児童数はゼロになりました。これまでの保育所整備における取組と成果は評価したいと思います。
 一方で、2022年の出生数は77万747人と、1899年の統計開始以来、初めて80万人を割り込み、過去最少を更新する状況となっており、人口が増え元気があると言われている福岡市でさえも、少子化の波は着実に進んできています。特に地域によってばらつきはあるようですが、子どもの数が減り、定員割れとなっている保育園も少なくないようです。
 そこで、今後の福岡市における保育所整備の考え方についてお尋ねしていきたいと思います。
 令和5年度当初における福岡市の保育所の総定員数及び入所児童数、そのうち定員割れを起こしている保育所の数と割合、欠員数をお尋ねいたします。さらに、そのうち定員を10人以上割り込んでいる保育所の数はどの程度あるのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 令和5年度当初の保育所の総定員数は4万2,054人、入所児童数は3万9,242人、定員に空きのある施設は168か所で、保育所及び認定こども園300か所の56%、欠員数は3,066人でございます。また、定員に10人以上空きのある施設の数は112か所で、割合は約37%でございます。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 保育所運営に必要な費用は、定員数に応じて設定されている単価に、実際に入所している児童の数に応じて支払われると聞いております。この単価は定員数が小さいと高く設定されており、定員数が大きくなるに従い1人当たりの単価は低くなる仕組みで、定員割れした場合、低い単価で委託費が支払われることになり、保育所の経営が苦しくなると聞きました。
 そこで、定員数は保育需要に応じて適切な規模になるよう随時見直しを行う必要があると思いますが、どのように対応しているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 定員数の見直しにつきましては、地域における就学前の児童数や保育所の入所状況等、保育需要の状況を踏まえ、保育所の運営者と協議を行い、適切な定員となるよう丁寧に対応しております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 需要に応じた適切な定員設定は、児童のためにも大事なことなので適切に対応していただきたいと要望いたします。
 一方で、地域の開発動向などで、地域によっては新たな保育需要が生まれることも考えられますが、今後どのような考えで保育所整備に取り組んでいくのかをお尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 今後の保育所整備につきましては、地域の保育需要動向を踏まえ、増築や改築など既存園の定員見直しなどを基本に対応していくこととしております。なお、大規模な開発などの影響でエリア的な児童数の増加も想定されることから、適宜需要動向に留意し、整備の在り方を検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 保育所整備に当たっては、施設の声に耳を傾けていただくとともに、地域の保育需要をしっかり見極めながら、必要な整備を行っていくようお願いしたいと思います。
 さて、先日、報道でも大きく取り上げられておりましたが、未就園児の定期的な預かりモデル事業が8月からスタートするとのことです。保育所や幼稚園に通っていない家庭保育の児童を、保護者が仕事をしているかどうかや収入の額にかかわらず利用できるということで、これまでにない新たな保育ニーズに対応するサービスとして期待しています。保育所に求められる地域の子育て支援の拠点機能強化、育児疲れの親を社会全体で支える仕組みづくりのためにこのような新たなメニューにも積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 一方で、サービスのメニューが増えれば、新たな労働力の確保が必要となりますが、現場では依然として保育士不足が課題となっているようです。我が会派では、保育士の確保の充実に向け、保育士の家賃補助や奨学金の返済補助など、新たな取組を積極的に支援してきました。現場からは非常にありがたい、この福岡市で働きたいとの多くの声もいただいていますが、それでも保育士が足りないという声も現場から聞こえてまいります。ハローワークを使わない人が増え、募集するにしてもなかなか人が集まらない、経営者は仕方なく民間仲介業者を通じて確保しているケースもあるようですが、仲介料が年収の30%とも言われており、本来保育士の給与に充てられるべき費用の大部分が仲介手数料で飛んでしまうことになり、頭を悩ませているようです。
 そこで、保育士確保をはじめ、保育の現場の人的な環境充実についてお尋ねいたします。
 まず、保育士の処遇改善にどのように取り組んでいるのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) お尋ねの件につきましては、国において平成25年度以降、保育士等の処遇改善のための公定価格の見直しが行われてきております。加えて、福岡市独自の支援といたしまして、民間保育所等に対し、勤続年数が短い保育士を対象として学歴及び勤続年数に応じ月額1人当たり900円から5,300円の初任給調整措置費や、勤続年数に応じ月額1人当たり1,000円から1万2,000円の勤続手当等に係る経費の助成を行っております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 次に、保育士の確保のために福岡市では具体的にどのような支援を行っているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 保育士確保の取組につきましては、まず保育士・保育所支援センターでの就職のあっせんや、園の特徴などを簡単に検索、比較できるウェブサイト、保育士就職支援ナビにより福岡市内の保育所等の紹介を行っております。また、就職時には福岡市内の保育所等に2年間勤務することにより返済が免除される就職準備金や保育料の一部貸付けなどを行うとともに、就職後においても家賃や奨学金の返済支援の助成や就労継続支援のために保育士の勤務条件やメンタルヘルスに関する相談支援を実施しております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 保育士を充足させるのは、福岡市だけの問題にとどまらない難しい課題ですが、ぜひ頑張って取り組んでいただきたいと思います。
 このような中で、保育士を支える保育支援者を配置する取組として保育体制強化事業が行われておりますが、保育所からは非常に助かるとの声を聞いており、この制度についてはより充実させるべきだと感じています。
 そこでお尋ねいたしますが、この事業の目的と今後どのように取り組んでいくのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 保育体制強化事業につきましては、基準上必要な保育士に加えて配置している保育支援者が、保育に係る周辺業務に従事することで児童の安全をより確保するとともに、保育士の負担を軽減し、安全な保育環境及び保育士が働きやすい環境づくりを促進するもので、令和2年度から保育支援者の雇用に係る経費の助成を行っているところでございます。また、令和5年度より助成の対象に小規模保育事業などの地域型保育事業を新たに追加するとともに、登園時の繁忙時間帯などスポット的に支援者を配置する場合も対象とするなど、内容をより充実させ取り組んでいくこととしております。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 保育の現場では、保育士だけでなく、事務員や調理員もなかなか集まらないとお聞きします。経営を支える観点からも、保育士以外の職員も含め処遇改善を図り、職員が働きやすい環境をつくり出すことで、現場の負担を減らせるよう支援していただきたいと思います。
 そこでお尋ねいたしますが、保育所における働きやすい環境づくりを支援する新たな取組についてどのようなものがあるのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 保育所における働きやすい環境づくりの支援につきましては、利用者の利便性の向上や保育士の負担軽減のため、民間保育所がICT化する際の経費について、平成28年度より助成を行っているところでございます。さらに、令和5年度より保育現場の魅力向上支援事業といたしまして、社会保険労務士の個別訪問による働き方改革に係る課題解決に向けた支援や、業務改善をテーマとした集合研修を通じた各施設における働き方改革の取組の支援を実施してまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) 堤田寛議員。
○6番(堤田 寛) 保育現場が魅力的になれば、保育所で働きたいという人も増えると思いますので、支援策にぜひ力を入れていただきたいと思います。
 そして最後に、障がいのある子どもたちに対する保育の支援についてです。
 児童の健やかな成長のために、誰もが保育所で一緒に育つこと、集団生活の中で成長していくことはとても大切なことであり、障がいがあるなど特別な支援を必要とする児童の状況に合わせて手厚い保育が可能となるよう保育士を配置していく特別支援保育はインクルーシブな社会を実現していく上で、さらに重要性を増しております。福岡市においては、受け入れる児童の障がいの程度などに応じて保育士の雇用費助成を行っているところですが、保育現場からは、やはり人手が足りない、もっと充実させてほしいとの声をいただいており、特別支援保育の充実に取り組むべきと考えます。
 そこで最後に、特別支援保育の充実について、今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
 
○副議長(松野 隆) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 特別支援保育につきましては、心身の障がいにより特別な支援を必要としている児童の保育を実施する保育所に対し、保育士等の雇用費の助成や訪問支援、研修などを実施しているところでございます。雇用費の助成は児童一人一人の障がいの状況や保育士の関わりの程度、在籍する障がい児の人数に応じて保育士等を雇用するための経費としております。令和2年度からは医療的ケアを実施する看護師の雇用費を新たに助成するとともに、障がいの程度が重い児童の支援区分を創設するなど、支援の充実を図っております。また、児童1人当たりの補助単価につきましては、毎年見直しを行い、令和5年度は支援区分に応じ、月額で最大1万6,000円増額しております。今後も障がいを持った児童やその保護者が安心して保育所を利用できるよう、現場の声にしっかり耳を傾けながら、制度の充実に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(松野 隆) この際、あらかじめ時間を延長いたします。
 この際、休憩し、午後4時50分に再開いたします。
午後4時37分 休憩  
午後4時50分 開議  
○議長(打越基安) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子)登壇 福岡市民クラブのついちはら陽子です。会派を代表して、身近な地域における、子どもの一時的な預け先について質問いたします。
 さきの統一地方選挙において、様々な子育てに関する意見を、特に、育児に疲れたときなど子どもを少しの間だけでも預かってもらいたいという声を多くの方からお聞きしました。本日は、地域で子どもを安心して育てられる環境づくりについて、今よりもさらに子育てしやすい福岡市になってほしいという願いを込めてお尋ねいたします。
 子育て支援策の充実が求められている今日、市町村が実施主体となる地域子ども・子育て支援事業へのニーズは大きいものと考えますが、初めに、本市において乳幼児を含む子どもの一時的な預け先について実施している事業をそれぞれの目的と概要を伺います。
 また、今月6日に市が発表しました、定員に余裕がある保育園で未就園児を週に1日、2日受け入れるモデル事業を8月から試行されるとのことですが、その事業についても同様に伺います。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市における一時的な預かりにつきましては、保護者の子育てに対する不安感や負担の軽減のため、一時預かり事業、一時保育事業、ファミリー・サポート・センター事業、子どもショートステイ事業を実施しております。各事業の概要は、一時預かり事業、一時保育事業は、保護者が必要なときに保育所等で乳幼児を一時的に預かるものでございます。ファミリー・サポート・センター事業は、子育ての支援を受けたい方と子育てを支援できる方がそれぞれ依頼会員、提供会員として登録し、地域の中で育児の相互援助活動を行う事業でございます。子どもショートステイは、一時的に家庭において子どもを養育できない場合に里親家庭等で預かるものでございます。定期的預かりモデル事業につきましては、他の児童と共に過ごし、遊ぶ経験を通じ、子どもたちの発達を促すことや育児疲れなど負担を抱える保護者を支援するために未就園児を対象に保育所等の空き定員や余裕スペースを活用して、週に1回から2回程度、定期的に預かるものでございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 福岡市における乳幼児の直近の人数と未就園児の人数をお尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市におけるゼロ歳から2歳の児童数は約3万8,000人で、そのうち保育所等の利用者数を除いた家庭内養育と推定される児童数は約1万8,000人でございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 過去3年間の一時預かり事業などの各利用者数をそれぞれ伺います。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 一時預かりと一時保育の延べ利用者数につきましては、令和2年度1万9,239人、3年度2万1,484人、4年度2万6,363人、ファミリー・サポート・センター事業における提供会員の活動回数は、令和2年度9,166回、3年度1万860回、4年度1万2,486回、子どもショートステイの延べ利用者数は、令和2年度850人、3年度1,197人、4年度1,793人となっております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 利用者数は年々増加傾向にあることが分かります。
 未就園児の数に対して一時預かりなどの事業は十分足りているとの御認識でしょうか、御所見を伺います。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 一時預かり事業等につきましては、利用者数を上回る受入れ体制を確保しておりますが、利用者が集中した際には希望に添えない場合が生じていることや、利用者から実施施設の拡充を望む声もあることなどから、引き続き充実に努めてまいります。また、子どもショートステイについても、受入れ体制の拡充に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) では、希望があったにもかかわらず、市が断った件数をお尋ねします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 一時預かり事業においては、利用者が集中したことによる定員超過を理由にお断りした件数が、令和3年度は196件となっております。なお、一時保育事業、ファミリー・サポート・センター事業、子どもショートステイについては統計がございません。以上でございます。
 
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 一時保育事業、ファミリー・サポート・センター事業においては統計は取られていないとのことでした。市内には子育て家庭が急激に増加している地域などもあり、事業の受入れ体制の充実をはじめ、改善を図るため校区ごとの状況を把握する必要があると思います。
 一時預かり事業においては、利用者が集中したことによる定員超過とのことですが、利用者が集中する時期はどういった時期なのでしょうか。利用者集中の状況について詳細を教えてください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 一時預かり事業につきましては、年末の新年に向けた家事の多忙や年度末に保護者が新年度の保育所入所前から仕事に復帰するなどにより、利用が集中する傾向がございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 一時預かり事業、一時保育、ファミリー・サポート・センター事業においては、利用者数を上回る受入れ体制を確保しているとのことですが、年末や年度末に利用者が集中したときに要望に添えない場合もあるようです。
 一時預かり事業などに寄せられる市民からの要望はどのような内容が多いのでしょうか。その内容を市は把握されていますか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 本事業への要望につきましては、市民からのメールや市政への提案のほか、事業者へのヒアリングなどにより把握をしており、実施施設を増やしてほしいなどの意見がございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 事業者へのヒアリングだけではなく、利用者の声を生かして充実したものにしていただきたいと思います。
 以前、あいくるの一時預かりを利用しようと訪ねたことがあります。一時預かりを利用する際に、事前に利用登録を行うこととなっていますが、その利用登録の面談をするのに1か月半待ちと言われました。あいくるができて間もなかったこともありますが、そんなに先だと預けたいと思っていても諦めてしまう方が少なくはないと思われます。もう1か月半も待つことはないと思いますが、現在では面談を受けるのにどれぐらいの時間がかかっているのでしょうか。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 一時預かり事業においては、安全管理の上で児童の詳細な状況を把握するため、利用登録に係る面談を実施しております。中央児童会館あいくるにおきましては、現在、面談の申込みから実施まで2週間程度のお時間をいただいております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) なぜいまだにそんなに時間がかかるのか、理由をお尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) あいくるにおきましては、交通利便性の高さなどから他の施設と比較しまして利用希望者が多いことなどで時間を要しているものと考えております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) あいくるでは利便性の高さなどから利用希望が多いため、一時預かりの利用登録面談は2週間も待つ必要があるようですが、保護者としてはできるだけ早く預けたいという状況にあると思います。施設ごとの利用状況に応じて環境を整えていただきたいと考えます。
 市全体で乳幼児親子を支える仕組みをつくるため、受皿である施設の拡充だけでなく、支援を行っていただく人材の育成と支援者同士のネットワークをつくることも重要だと考えますが、市はこれまで人材育成やネットワークづくりなどの取組をどのように行ってきたのでしょうか。あわせて、地域で支える仕組みづくりの課題について、どのように分析しているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 地域で支える仕組みづくりにつきましては、担い手の人材確保が課題であると考えており、ファミリー・サポート・センター事業や子どもショートステイ、地域の見守りの下で行う子育て交流サロン等において、研修などによる質の向上、交流会等によるネットワークづくりを図り、子育てを地域で見守り、支援する体制の構築に努めているところでございます。以上でございます。
 
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 伺ってきたように、様々な子育て支援サービスが実施されていますが、保育所の空き定員等を活用した未就園児の定期的な預かりモデル事業についても、その情報が子育て家庭にちゃんと届いているのか心配です。
 市が行っている情報発信はどのようなものがありますか。また、必要な人に必要な情報がちゃんと届いているとお考えか、御所見をお伺いします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 情報発信につきましては、ふくおか子育て情報ガイドの配布をはじめ、福岡市のホームページ、市政だよりや公民館だより、SNSなど様々な広報媒体を効果的に活用し、行っております。また、定期預かりモデル事業については、市長会見で情報発信し、多数のメディアに取り上げていただくなど、広く子育て中の家庭にお届けできていると認識しております。
今後とも、施策事業のターゲットに応じた制度周知に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 次に、福岡市では新たな価値観や社会の変化に対応するため、様々なDXの取組を進めていますが、東京都港区では子育て支援のためにみなと母子手帳アプリを作成し、スマートフォンから24時間いつでも乳幼児一時預かりの空き状況の確認や利用の予約も行うことができます。一時預かりの利便性を高めることは、子育てをしている方々の安心感を高めることができるツールの一つになると思います。
 福岡市でもオンラインを活用して、一時預かりの空き状況の確認や利用予約を行えるよう検討してはどうかと思いますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 一時的な預かりにつきましては、子どもの年齢やアレルギーの有無など安全管理の上で配慮すべき事項が子どもごとに異なるため、丁寧にその状況を確認する必要がございます。また、実施施設からは、長時間の利用の際は子どもが集団生活に慣れるための期間が必要であるため、突発的な利用ニーズに対しすぐに対応することが難しく、日頃から施設との関わりを密にして、子どもが施設に慣れてもらうことが大事だと伺っております。このような状況から、まずは様々な広報媒体を効果的に活用し、実施施設や利用方法などの周知に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 私のところに御相談いただいた方は、もうすぐ2歳になるお子さんが大変元気で、昼寝もほとんどせず、朝からずっと歩き回っていて、ひとときも目が離せない。精神的にも体力的にも限界に達する前にお子さんを一時的に預かってほしいとネットで調べ、自宅近くの一時預かりをしてもらえる施設に何件も問合せをされたそうです。そのときには、どこも空きがなく、ファミリー・サポート・センターを尋ねるよう案内されたそうです。
 港区のようなオンラインサービスがあれば、時間や場所を選ぶことなく、知りたい情報をすぐに知ることができ、ファミリー・サポート・センター事業への相談も早めに対応できるなど、保護者の方々の精神的負担や身体的負担が軽減されたのではないかと思います。ぜひ一時預かりの空き状況の確認などをオンライン化していただけるよう強く要望いたします。
 次に、ファミリー・サポート・センター事業について詳しくお尋ねします。
 この事業は、子育てを応援してほしい依頼会員と子育てを応援したい提供会員の助け合いによる子育て支援制度です。先日、ファミリー・サポート・センターの提供会員で、まだ自宅での預かりはされたことがなく、子どもさんの送迎だけの依頼を受けたことがある方にお話を伺う機会がありました。自宅には子どもにとって危険なものや段差もあったりと不安であるため、御自身の自宅では預かれないけれども、公民館などの公共施設であれば預かることができるのにといった御提案でした。お話を伺ったとき、周りにいらっしゃった方も深くうなずかれ、自宅では難しいけれど、子育ての応援はしたいのにとファミリー・サポート・センター事業の制度の見直しを求められていました。子育て期間を終えて久しい家庭にとっては、お預かりする子どもさんを安全に見守るために、自宅のあらゆる危険箇所を整えるにはかなり時間と費用がかかると思い、提供会員になるためのハードルがそこにもあると感じました。
 ファミリー・サポート・センター事業における国の実施要綱では、子どもを預かる場所は会員の自宅、児童館や地域子育て支援拠点等、子どもの安全が確保できる場所とし、会員間の合意により決定することとなっているのに対し、福岡市では提供会員は自宅で預かることとなっていますが、預かり先が自宅限定というのはなぜなのでしょうか。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市では、提供会員にとって慣れない場所での子どもの預かりに対するリスクを可能な限り避けるため、原則として提供会員の自宅でお預かりすることとしております。なお、福岡市においても、状況に応じて会員間の合意の下で依頼会員の自宅で預かることも可能としております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 児童館や子どもプラザなど提供会員の自宅以外でお子さんを預かっている都市を把握されていますか。把握されていればお示しください。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 川崎市や横浜市、熊本市などで提供会員の自宅以外での預かりを実施されております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) では、川崎市や横浜市、熊本市では自宅以外のどういった場所で預かりを行っているのでしょうか。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 他都市におきましては、児童館や、福岡市でいえば子どもプラザに当たる地域子育て支援拠点等も活用されております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 川崎市や横浜市、そして熊本市ではなぜ自宅以外で子どもの預かりができているのか、把握されていますでしょうか。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 提供会員が自宅以外の施設で預かる場合は、施設のほかの利用者との接触によるけがやトラブルが起こらないよう、安全に留意した上で実施されているとお聞きしております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 提供会員の自宅以外で預かっている都市は何か問題が生じているのでしょうか、お尋ねいたします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 他都市においては、提供会員の自宅以外での子どもの預かりについて、特に大きな問題はないと聞いておりますが、実施に当たりましては、子どもを預かる提供会員の一層の理解と協力が必要だと考えております。以上でございます。
 
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) ファミリー・サポート・センター事業は地域のネットワークを活用した助け合いによる子育て支援制度です。地域における子育て支援を拡充していくため、サービスを利用する方々の目線に立った検討を行う必要があると思います。
 児童館や子どもプラザ、公民館など身近な場所でも、ファミリー・サポート・センター事業を市民のニーズに応えて利用できるよう運用の見直しを検討する必要があるかと思いますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) ファミリー・サポート・センター事業につきましては、依頼会員と提供会員が共に安全に安心して相互援助活動が行える事業となるよう、引き続き運営について検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) ついちはら陽子議員。
○56番(ついちはら陽子) 平成30年度の福岡市子ども・子育て支援に関するニーズ調査によりますと、約7割の乳幼児の保護者が子育てに不安や負担を感じていると答えています。保護者の子育てに対する不安や負担の増大から子どもへ及ぼす影響も避けられません。
 子どもは福岡市の未来をつくるかけがえのない存在です。子育ては楽しく、それぞれの成長を感じられる充実した時間である一方で、24時間休みなしで、心身の疲労、負担との戦いです。都市化や核家族化が進展する中で、地域コミュニティの希薄化などの課題もあり、子育て家庭、とりわけ乳幼児を育てる家庭への支援をさらに充実させる必要があります。
 そこで、育児疲れがたまっている子育て世代の方々に、時には気分転換を行ってもらい、より楽しく子育てを続けてもらうため、身近で利用しやすい一時預かりやファミリー・サポート・センター事業のさらなる拡充が必要だと考えますが、最後に局長の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
 
○議長(打越基安) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) これまで地域全体で子どもと子育て家庭を見守り、支える環境をつくるため、一時預け先の確保等、身近な地域における子育て支援の充実に取り組んできたところでございます。今後とも、地域における子育てのニーズに応じた支援の充実を図ってまいります。以上でございます。
 
○議長(打越基安) お諮りいたします。
 本日の会議はこの程度にとどめ、残余の質問は明22日の会議にこれを繰り延べたいと思います。これに御異議ありませんか。
      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 
○議長(打越基安) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次の会議は明22日午前10時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後5時10分 散会