令和4年9月7日(水)

令和4年第4回福岡市議会定例会
 
議  事  日  程 (第2号)
 
9月7日 午前10時開議
 
 
 
 
第1  一 般 質 問

本日の会議に付した事件
1.議事日程のとおり

出 席 議 員 (62名)
1番  稲 員 稔 夫       2番  鬼 塚 昌 宏
3番  堤 田   寛       4番  川 上 陽 平
5番  津 田 信太郎       6番  大 森 一 馬
7番  阿 部 真之助       8番  平 畑 雅 博
9番  打 越 基 安      10番  川 上 晋 平
11番  伊 藤 嘉 人      12番  淀 川 幸二郎
13番  勝 山 信 吾      14番  川 上 多 恵
15番  調   崇 史      16番  大 坪 真由美
17番  古 川 清 文      18番  高 木 勝 利
19番  新 村 まさる      20番  大 原 弥寿男
21番  今 林ひであき      22番  篠 原 達 也
23番  尾 花 康 広      24番  松 野   隆
25番  楠   正 信      26番  冨 永 計 久
27番  森   英 鷹      28番  南 原   茂
29番  おばた 久 弥      30番  山 口 剛 司
31番  大 石 修 二      32番  黒 子 秀勇樹
33番  藤 野 哲 司      34番  堀 本 わかこ
35番  中 島まさひろ      36番  天 野 こ う
37番  山 口 湧 人      38番  松 尾 りつ子
39番  井 上 麻 衣      40番  飯 盛 利 康
41番  はしだ 和 義      42番  浜 崎 太 郎
43番  堀 内 徹 夫      44番  綿 貫 英 彦
45番  森   あやこ      46番  福 田 まもる
47番  国 分 徳 彦      48番  藤 本 顕 憲
49番  倉 元 達 朗      50番  中 山 郁 美
51番  荒 木 龍 昇      52番  高 山 博 光
53番  ついちはら陽子      54番  田 中 たかし
55番  成 瀬 穫 美      56番  山 田 ゆみこ
57番  宮 浦   寛      58番  近 藤 里 美
59番  川 口   浩      60番  落 石 俊 則
61番  田 中しんすけ      62番  池 田 良 子

欠 席 議 員 (0名)

説明のため出席した者
市       長   島 宗一郎   副市長  光 山 裕 朗
副  市  長  中 村 英 一   副市長  荒 瀬 泰 子
 水道事業管理者  坂 本 秀 和   交通事業管理者  重 光 知 明
総務企画局長  龍   靖 則   財政局長  松 本 典 久
市民局長  下 川 祥 二   こども未来局長  野中   晶
福祉局総務企画部長  酒井雄二   保健医療局長  舟 越 伸 一
環境局長   田 浩 輝   経済観光文化局長  天 本 俊 明
農林水産局長  藤 本 広 一   住宅都市局長  中 村 健 児
道路下水道局長  名古屋 泰 之   港湾空港局長  井 口 宏 樹
消防局長  内 村 弘 文   会計管理者  小 川 明 子
教育長  石 橋 正 信   教育委員  町     孝
選挙管理委員会事務局長  内 藤 玲 子   人事委員会事務局長  大 園 喜代香
監査事務局長  小 西 眞 弓

職務のため出席した事務局職員
議会事務局長  曽根田 秀 明   議会事務局次長  八 木 智 昭
議事課長  水 ア 亮 二   議事係長  重 松 孝 昭
外関係職員

午前10時 開議  
○議長(伊藤嘉人) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、一般質問を行います。発言通告者のうちから順次質問を許します。藤野哲司議員。
 
○33番(藤野哲司)登壇 おはようございます。まず初めに、このたびの台風第11号により被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げます。また、市内において避難所設置をはじめ、市職員の皆様方が一丸となって対応に当たっていただきました。改めて敬意を表するとともに、心から感謝申し上げます。市内各地においても被害があったかと思います。一日も早い復旧と迅速な被災者への支援を市政一丸となって進めていただきたいと思います。
 私は自民党新福岡を代表して、スケートボードの振興について、インクルーシブな遊具広場整備の取組について、以上2項目について質問いたします。
 まず初めに、スケートボードの振興についてお尋ねいたします。
 昨年開催された東京オリンピック・パラリンピックにおいては、各国を代表する一流の選手たちが積み上げてきた努力の成果を発揮され、メダルを目指して全力を尽くす姿に多くの感動をいただき、改めてスポーツのすばらしさを感じたところであります。その中でも、日本人選手の目覚ましい活躍が見られた競技の一つがスケートボードであります。若い選手が躍動し、男子ストリート、女子ストリート、女子パークの3種目で合計5つのメダルを獲得され、子どもたちに夢や希望を与えてくれたと思います。しかしながら、スケートボードについては、ニーズが高まる一方で、練習する場所や指導者不足など、実施できる環境が十分とは言えませんので、今後、充実を図っていただきたいという観点からお尋ねしてまいります。
 まず、市内の公共施設でスケートボードをできる施設があるのか、お尋ねいたします。
 以上で1問目を終わり、2問目からは発言者席にて質問してまいります。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) スケートボードができる本市の公共施設につきましては、現在、雁の巣レクリエーションセンター内に指定管理者の自主事業として開設された初心者向けの専用エリアがございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) 市内におけるスケートボードの競技人口を把握しているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 本市におけるスケートボードの競技人口につきましては、実数の把握はしておりませんが、雁の巣レクリエーションセンターのスケートボード教室等の受講希望者は増加していると聞いております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) 私も関係団体の方からお話を伺ったところ、実数の把握は難しいが、スケートボードの愛好家は全国で100万人、福岡県にも3万人いると言われているとお聞きいたしました。また、近年は特に若年層の方が増えてきているとのことです。
 それでは、雁の巣レクリエーションセンター内のスケートボードエリアの利用人数をお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 雁の巣レクリエーションセンター内のスケートボードエリアの利用人数につきましては、月ごとの平均利用者数で申しますと、令和元年度が35人、2年度が149人、3年度が150人、4年度が221人と増加傾向となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) 利用者数については、令和元年度で月平均35人であった利用者が、令和4年度は221人で6倍以上になっており、大きく伸びてきているとのことです。利用者が増えてくれば、需要に見合った施設を確保していく必要があります。
 そこで、子どもたちを中心にニーズが高まる中で、スケートボードエリアの令和4年度の整備予定をお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) スケートボードエリアの令和4年度の整備予定につきましては、雁の巣レクリエーションセンター内の専用エリアを現状の125平方メートルから1,000平方メートル程度に拡張することとしております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) 初心者から上級者まで様々なレベルの方がいると思いますが、どのような運用を考えているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 整備後の運用につきましては、多くの方に親しんでいただける施設にするため、子どもたちを中心とした初心者も安心して御利用いただけるよう運用してまいりたいと考えております。また、関係団体の意見もお伺いしながら、競技レベルに応じた運用についても検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) スケートボード施設については、今年8月に東区の社領に民間のスケートボード施設がオープンしています。この施設は、一般社団法人の福岡スケートボード協会が設置、運営を行う屋内型の施設であり、スケートボードスクールなども実施されると聞いております。この一般社団法人福岡スケートボード協会は、スケートボードを新しいスポーツとして定着させ、福岡から世界へ挑戦できる環境づくりや選手の育成などを行うことを目的としており、具体的にはスケートボード施設の設置、運営やスクール、競技会の開催などの競技者育成の取組、指導者の育成、スケートボーダーたちの自発的なマナーの向上などの取組を行う団体であります。私がお話をお聞きした協会の代表の方は、プロとして御活躍されていた方ではありますが、子どもたちを中心に、スケートボードをやってみたい、始めたいというニーズが高まっている中で、世界を夢見る子どもたちを応援し、福岡から世界に羽ばたいてほしいとの思いから取り組んでいるんだということを話されておられました。
この団体の方とお話しする中で、スケートボードを普及していくために課題となるものの一つに、指導者の育成があるとお聞きいたしました。スケートボードのニーズが急激に高まる中で、子どもたちがルールを守りながら安全に練習を行うためには指導者が必要ですが、指導できる方が不足しており、ニーズに追いついていないとのことであります。そのため、福岡スケートボード協会においてインストラクターの認定を行うなど、指導者の育成に取り組んでいきたいとのことでありました。
 そこでお尋ねいたしますが、市において指導者に関する支援の取組があるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 指導者に関する支援の取組につきましては、福岡市スポーツ協会におきまして、市民からの派遣要請に対し、登録された指導者の派遣、紹介を行うスポーツリーダー・バンクの取組を行っておりますが、現時点でスケートボードの指導者として登録されている方はいない状況でございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) 競技面での技術的な指導は競技団体などが中心となると思いますが、指導できる方と指導を受けたい方をつなぐスポーツリーダー・バンクのような取組や、安全などに関する指導者向けの講習などの取組は重要でありますので、今後とも、充実を図っていただきたいと思います。
スケートボードについては、以前はスポーツというよりも若者の趣味として、マナーが悪いなどといったイメージもあったように思います。スケートボードに関しては、騒音や、集まって騒いでいる、施設を壊されたなどといった話を聞くこともあります。また、東京の事例ですが、高架下のスペースを活用してスケートボード施設を整備したものの、近隣住民からの反対で供用できなかったという話もお聞きいたしました。スケートボードを楽しむためには、ルールやマナーを守り、近隣にお住まいの方がいらっしゃる場合は御理解をいただきながら、安全、安心に楽しむことのできる環境をつくっていく必要があります。そのため、関係者は安全に楽しむためのルールの指導やマナーアップの取組なども行っているとのことでありました。マナーアップに関しては、一朝一夕に解決するものではなく、様々な主体が連携して、幅広く継続的に取り組んでいく必要があると考えます。
 そこで、マナーアップについては、市やスポーツ協会、競技団体などの関係者が連携して取り組んでいくべきだと考えますが、御所見をお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) マナーアップに関する取組につきましては、近隣にお住まいの方々の理解を得ながら安全にスポーツができる環境づくりを進めることは重要だと考えており、スポーツ協会や競技団体との連携を図り、ルールを守り、周囲への配慮を行いながらスポーツを楽しんでいただけるよう効果的に実施していく必要があると考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) スポーツは行政だけが推進するものではなく、学校や企業、地域、関係団体など様々な方が関わり、連携しながら推進していくことが重要であります。ここまでスケートボードをできる場の確保、指導者の育成、マナーアップの取組などについてお尋ねしてまいりましたが、いずれの取組についても、行政や競技団体が単独で取り組むのではなく、相互に強みを生かして補完し合いながら連携して取り組んでいくことで効果的に実施していくことができるのではないでしょうか。
 先ほど福岡スケートボード協会の取組などを御紹介させていただきましたが、世界で活躍したいという夢や希望を持った子どもたちが増えてきている中で、そうした子どもたちの思いを支えたい、応援したいという熱意を持った関係者は実に多くいらっしゃいます。東京オリンピックの女子パークで金メダルを獲得された四十住さくら選手は、地元の酒造会社がもともと精米所として使っていた倉庫を無償で提供し、練習施設を自宅すぐ近くに確保することができたそうです。練習をするために往復3時間かけて通っていたものが、家から5分となり、練習をする時間を確保できたとのことでしたが、こういった地元の方の応援、協力が金メダル獲得という偉業の大きな原動力となったのではないでしょうか。
 また、協会の方は、以前御自身もプロとして活躍されていた方ですが、子どもたちが実際に海外に行って世界を肌で感じることが非常に重要であり、そうして刺激を受けた子どもたちが日本に帰ってきて、それを周囲に伝えることでさらに広がっていくということをお話しされていらっしゃいました。そのため、今後は選手を育てる側に回って、大会の優勝者を海外に派遣するなど、機会づくりを考えていきたいとのことでした。こうした世界を目指す一流の競技者の育成については、行政というよりも、競技団体や民間のスポンサーなどがついて実施されるケースが多いと思いますが、私がお話を伺った福岡スケートボード協会の方のように、選手として活躍された後は、御自身の経験を生かして、指導者や支える側に回り、次の選手を育てていくといったサイクルができていくことが重要であります。そして、そうしたサイクルが出来上がっていく過程では、行政や競技団体、競技経験者、民間企業、学校など多様な主体が連携して取り組んでいくことで、スケートボードについても、スポーツとしての定着が進んでいくと考えます。
 そこで、今後スケートボードを振興していくためには、関係団体などとしっかりと連携を図っていくことがますます重要になってくると考えますが、御所見をお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) スポーツの振興に向けた関係団体との連携につきましては、スポーツ活動を支えるハード、ソフト、人材の充実を図る上でも競技団体や民間企業、大学など様々な主体との連携を図っていくことが重要であると考えております。スケートボードにつきましても、関係団体との連携を図りながら、環境づくりなど振興に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) スケートボードについては、東京オリンピックを契機に子どもたちを中心に人気が高まっている一方で、練習できる場所の整備や指導者の確保、育成など、楽しむことのできる環境が整っておりません。また、競技団体についても、応援したいといった熱意のある方が集まり、活動を行われておりますが、これから活動の幅を広げ、安定的な組織を目指されていくといった状況であります。スケートボードのような新しいスポーツについては、競技団体だけで安定的な活動を行っていくことは難しい場合もありますので、行政としてバックアップを行いながら、組織や関係人材を育てていく必要があります。
今後、関係団体としっかり連携を図りながら、スケートボードを楽しむことのできる環境をつくり、ここ福岡から世界に羽ばたく子どもたちが生まれてくることを期待し、この質問を終わります。
 次に、インクルーシブな遊具広場整備の取組について質問してまいります。
 近年、世界的にSDGsの誰一人取り残さないという理念であったり、全てを包み込むという意味のインクルーシブの取組が重視されてきています。本市においては、多くの市民の皆さんとともに策定した福岡市総合計画において、生活の質の向上と都市の成長の好循環を都市経営の基本戦略として掲げ、経済的な成長と安全、安心で質の高い暮らしのバランスが取れたコンパクトで持続可能な都市づくりを進めることにより、SDGsの達成に取り組んでいます。また、少子・高齢化の中、高齢者が安心して暮らせることに加え、子どもを安心して生み育てられる環境づくりが必要とされており、さらに、国際交流の進展、ノーマライゼーションの考え方の普及などの社会環境の変化に伴い、年齢、性別、能力、背景等にかかわらず、誰もが生き生きと働くことができ、過ごしやすい環境づくりも求められています。
そこで本市は、ユニバーサルデザインの理念に基づいた、誰もが思いやりを持ち、全ての人に優しいまち、ユニバーサル都市・福岡の実現に向けて様々な取組を推進しています。そのような中、インクルーシブの取組に関しては、舞鶴公園において昨年11月に10日間、インクルーシブな遊具広場の実証実験を行い、大変好評だったと聞いております。その後、今年3月に整備指針を策定するための検討委員会を立ち上げ、7月30日には再度舞鶴公園にインクルーシブな遊具広場を体験する場を設けています。
 そこで、本市でのインクルーシブな遊具広場の整備に向けた取組について質問してまいります。
 まず、インクルーシブな遊具広場とはどのようなものなのか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) インクルーシブな遊具広場とは、明確な定義はございませんが、福岡市においては、障がいの有無などにかかわらず、あらゆる子どもたちがお互いに理解、支え合いながら安心して一緒に遊ぶことのできる遊具広場と考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) では、他都市ではどこか設置したところはあるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 他都市の事例につきましては、東京都において令和2年3月に都立砧公園内において整備されたのを皮切りに、全国的にも幾つかの事例が見られます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) インクルーシブな遊具広場を整備するに当たって、本市ではすぐに整備に着手するのではなく、まず検討委員会を立ち上げて検討を進めており、東京パラリンピック女子マラソン金メダリストの道下美里さんも参加されているようですが、整備に先立ち、検討委員会を立ち上げた理由とその目的、委員の構成についてお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 検討委員会を立ち上げた理由については、障がいのある子どもの保護者や関係者、有識者など様々な視点を持つ人々が検討に参画することで、インクルーシブな遊具広場への理解促進や整備に向けての機運醸成のためでございます。次に、設置の目的につきましては、インクルーシブな遊具広場の整備指針を策定するため、専門的、技術的見地から、市に対して情報の提供及び助言等を行うことでございます。また、委員の構成につきましては、視覚障がいのある道下美里さんをはじめ、インクルーシブデザインの有識者、障がいのある子どもの保護者、車椅子利用者である障がい者関係団体の代表者、特別支援学校の校長の5名となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) 次に、検討委員会はどのように進めているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 検討委員会につきましては、これまで3月と8月に会議を開催し、整備指針策定に向けての御意見を伺っております。また、この2回の会議や個別での委員とのやり取りのほか、有志の委員の御参加により、オンラインでこれまで7回の意見交換会を行い、実証実験やアンケートに対する御意見なども伺っているところでございます。今後、12月に最終の会議を行うことを予定しておりますが、その間も引き続き意見交換を行いながら整備指針を策定してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) これまで検討委員会の会議のほか、意見交換も行っていただいているとのことで、委員の皆様には御多忙のところ、福岡の子どもたちのために非常に熱心に御議論いただき、大変ありがたいことであります。
 それでは、これまでの検討委員会ではどのような意見が出ているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 検討委員会におきましては、これまで多くの御意見をいただいており、例えば、車椅子利用者は駐車場から遊具広場までに段差や坂があると非常に行きづらく、行こうという気になれない、視覚障がいのある方はテレビや広報誌での告知では情報が入手しづらい、小学校では特別支援学級と通常の学級との交流があるため、インクルーシブな遊具広場を学校の授業で活用するとよいなどといった御意見をいただいております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) 当事者の立場や専門的な観点から、たくさんの御意見を伺っているようです。
今後、12月の会議の後、整備指針に反映するとのことですが、整備指針は検討委員会が決定するのでしょうか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 整備指針につきましては、検討委員会でいただいた御意見を踏まえて、市において策定をいたします。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) 検討委員会で有識者や障がいのある子どもをお持ちの保護者の方々などの意見をしっかり聞きながら、丁寧に進めていこうという姿勢が見られ、非常に評価できると思います。
 先日、舞鶴公園の三の丸広場に設置されたインクルーシブな遊具広場に私の子どもと行ってきました。8月であったため気温が非常に高い中ではありましたが、何組かの家族連れが楽しそうに遊んでいらっしゃいました。また、9月3日には検討委員会委員である道下美里さんも参加され、障がいのある子とない子の交流とお互いの理解促進などを目的として、遊び体験イベントが開催され、私ものぞいてみました。当日はあいにくの雨でしたが、道下さんによる子どもたちへの御講演の中で、特殊な眼鏡をかけての視覚障がいの視力体験や金メダルを触らせてくれたりなど、子どもたちは貴重な経験をしたと思います。それだけでは遊び足りなかったのか、雨の中、遊具で遊び出す子どもたちが出てきて、楽しそうにしていたのがとても印象的でありました。
 それでは、この舞鶴公園に設置されている遊具広場はどういった目的で設置しているのか、また、4か月もの長期にわたって設置される間、どのような取組を行うのか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) インクルーシブな遊具広場の整備には理解促進や機運の醸成が重要であるため、遊具広場を市民に実際に見て、体験し、知ってもらうことを目的としております。あわせて、使った感想などを整備指針策定の参考にするため、7月30日から11月30日までの4か月間設置するものでございます。また、取組については、障がいのある子どもや保護者、公園管理者などを対象に、期間中3回程度イベントを開催し、意見を聴取するとともに、2次元コードを活用したアンケートや利用状況調査などを行う予定でございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) 7月30日の設置後1か月程度経過しており、利用者から様々な声があると思いますが、昨年度の実証実験も含めて、どのような意見があるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) これまで利用者からは、障がいのある子どもも一緒に楽しめる遊び場は多様性のある社会のために必要だといった取組そのものに関する御意見に加えまして、子どもを見守るための日陰やベンチなどの休憩施設が必要、おむつ替えのできるトイレが欲しいといった具体的な施設に関する御意見などをいただいております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) 私も実際にインクルーシブな遊具広場を見て、体験することで、駐車場からの距離や暑さ対策など、日頃気づかなかった課題があることを実感しました。しっかり利用者や関係者の意見を聞きながら進めてほしいと思います。
 ちなみに、3月に行われた第1回目の検討委員会では、東京都の先進事例について、都議会議員でいらっしゃる龍円あいり氏に御紹介いただいたようですが、龍円都議は、ダウン症のあるお子さんの母として海外で生活された経験から、インクルーシブ公園を日本のスタンダードにしようと活動されており、龍円都議の提案をきっかけに、東京都立砧公園のみんなのひろばが整備されたとのことです。その龍円都議のブログを拝見すると、福岡市の実証実験や障がい関係者へのヒアリングなどの取組について、非常に丁寧であり、日本を代表するモデルになるのではないかと高い評価をされております。
東京都立砧公園のみんなのひろばは、令和2年に整備されているようですが、近年、他都市でもインクルーシブ公園が整備されたなどの記事を見かけることがあり、全国的にも事例が出始めているようです。しかしながら、インクルーシブな遊具広場を真に実現するためには、単にインクルーシブ系の遊具を設置するだけでは不十分ではないかと思います。障がいのある子もない子もその保護者も、お互いを思いやって一緒に遊ぶといった、使う人みんなの意識の変化が相まって、ようやく実現されるものではないでしょうか。だからこそ、様々な関係者や利用者の意見を取り入れながら、公園全体をハード、ソフトの両面でインクルーシブなものにしていく必要があると思います。ハード面でいえば、例えば東京都立砧公園の事例では、障がいのある子が転んでも安全なように、また、車椅子でも移動しやすいように、ゴムチップ舗装がされているようですし、駐車場から遊具広場までの動線は段差のない園路となっているなど、遊具広場を利用するための周辺施設が整って成り立つものだと思います。そのためには、これまでの公園より多くの費用がかかるのではないでしょうか。
 本市には多くの公園がありますが、インクルーシブな遊具広場はどのように整備されていくのか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) インクルーシブな遊具広場の整備につきましては、現在、検討委員会で行われている御議論を踏まえ、市において整備指針を策定し、具体の整備を進めてまいります。なお、これまでの検討委員会やアンケートなどにおいては、インクルーシブな遊具広場には駐車場やバリアフリートイレなどの施設が近くにあり利用しやすいこと、また、遊具広場までの動線がスムーズで到達しやすいことが望ましいなどの御意見をいただいております。そのため、それらの施設が充実している、例えば総合公園または運動公園のような大規模な公園の中から、まずは先行事例を整備することを想定しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) 子どもと公園に行った際に障がいのあるお子さんと一緒になると、子ども同士は何の気兼ねもなく普通に遊んでいますが、親は、けがをさせやしないか心配しながら、一歩引いて見ていたりしています。公園の遊具広場がインクルーシブになることは、障がいのあるなしにかかわらず、子ども同士が一緒に遊ぶことが当たり前となり、さらに、保護者も同じ気持ちを持つこととなり、インクルーシブ社会を体感する意識醸成の場としての役割を担うことであり、非常に重要だと思います。そのためにはインクルーシブな遊具広場が身近な公園にもあってほしいと思いますが、一足飛びにはいかないことも十分理解できます。まずは多くの利用者が集まる公園で、先進事例として整備し、たくさんの市民に使ってもらい、課題を検証し改善していく。そうすることで市民のインクルーシブへの意識が高まっていく。そして、将来的に市民の意識の高まりに伴って、身近な公園にも広げていってほしいと思います。
インクルーシブな遊具広場が市民意識の醸成の場となるためには、遊具広場を運営するソフト面の取組が重要になってくると思います。これまで2回の実証実験を行っていますが、現時点で今後運営していく上での課題があれば、お示しください。
 
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 運営に当たっては、障がいのある方とない方のお互いの理解促進のために定期的な交流イベントや見守りが必要ではないかと考えております。また、視覚や聴覚などに障がいのある方にも伝わりやすい情報提供の手段やツールの検討、さらに、発達障がい、知的障がい、精神障がいの方などの様々なコミュニケーション上のニーズを理解し、自然な見守りができるような運営なども今後検討が必要だと考えております。さらに、整備後も継続的に利用者の御意見を伺いながら知見を積み重ね改善していく必要があると考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) 障がいのある子どもを持つ親は、日常の子どもの世話にも大変苦労しながら過ごしており、日々どのような接し方をすればよいのか、また、子どもの将来はどうなるかと大変な不安を感じています。そのような状況でも安心して子どもを連れていくことができる、そういう空間ができれば大変意義のあることだと思います。インクルーシブな遊具広場づくりを進めていく上で大切なことは、管理者や利用者の意識面において、多様性に関する理解促進、すなわち心のバリアフリーが重要な課題なのではないかと思います。インクルーシブな遊具広場整備を単なるインクルーシブ系の遊具を設置するだけで終わらせず、誰でも自分の居場所を見つけることができる公園、遊び場づくりに向けて頑張っていただきたいと思います。
 最後に、インクルーシブな遊具広場の整備に対する当局の意気込みをお尋ねして、私の質問を終わります。
 
○議長(伊藤嘉人) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 全ての子どもが公園で安心して楽しめるよう、これまで園路や入り口、トイレなどのバリアフリー化を進めてまいりましたが、遊び場についてもユニバーサルデザインの取組が必要になってきていると考え、検討委員会を設置し、インクルーシブな遊具広場の検討を行っているものでございます。検討に当たっては、委員の皆様に何度も御議論いただくとともに、障がいのある子どもや保護者がインクルーシブな遊具を体験した感想や、あまり公園に来ることができない障がいのある子どもがどのようにしたら公園へ来れるかなどの提案など、多種多様な御意見をしっかり把握しながら検討を進めております。また、議員御指摘のとおり、インクルーシブな遊具広場にはハード整備だけではなく、管理、運営のソフト面も重要であり、今後、管理者を含めた研修会や利用者に対する理解促進のための啓発などにも取り組んでまいります。福岡市が掲げる「みんながやさしい、みんなにやさしいユニバーサル都市・福岡」の実現を目指して、あらゆる子どもたちが楽しく遊ぶことのできるインクルーシブな遊具広場の整備に向け取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵)登壇 公明党の川上多恵でございます。私は公明党福岡市議団を代表して、医療的ケア児・者とその家族の支援について、博多区における相生踏切のバリアフリー化について、子育て支援サービスのデジタル化について質問をいたします。
 初めに、医療的ケア児・者とその家族の支援についてです。
 先日、先天性の病気により重度障がいの娘さんを28年間育ててこられ、現在も医療的ケアを受けながら生活をしている御家族の方から、レスパイト事業に関する相談を受けました。相談内容は、さいたま市に住むお孫さんの運動会に参加したいが、娘さんを預かってもらえる事業所がなかなか見つからないというものでした。この市民相談をきっかけに、主に18歳以上の医療的ケアを必要とする方とその家族の日常生活における支援、相談体制の整備、関係機関との連携及び情報共有の促進、広報啓発への取組などを柱に質問を進めてまいります。
 まず、医療的ケア児の定義を教えてください。また、本市における医療的ケア児の推計値を10年前と令和2年でお示しください。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は発言者席にて行います。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 医療的ケア児の定義でございますけれども、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律におきまして、日常生活及び社会生活を営むために恒常的に医療的ケアが不可欠な18歳未満及び18歳以上の高等学校等に在籍する児童と規定されております。また、福岡市の医療的ケア児の人数につきましては、全国の医療的ケア児の推計から人口比で案分して推計値を算出いたしますと、平成24年が159人、令和2年が253人となります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) では、本市が行っている障がい者施策全体の中から、18歳以上の方への医療的ケアに関する施策を教えてください。
 
○議長(伊藤嘉人) 酒井福祉局総務企画部長。
○福祉局総務企画部長(酒井雄二) 18歳以上の医療的ケアが必要な方への施策につきましては、障害者総合支援法に基づく障がい福祉サービス事業として、介護者が疾病などの理由により一時的に介護ができない場合に、施設などにおいて宿泊を伴った支援を行う短期入所や、重度障がい者に自宅での介護、外出時の移動の支援などを総合的に行う重度訪問介護などがございます。また、市単独事業におきましては、介護者の負担軽減のため、看護師の訪問により見守りを行う訪問型在宅レスパイト事業がございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) 令和3年9月に施行された医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の基本理念には「医療的ケア児及びその家族に対する支援は、医療的ケア児が18歳に達し、又は高等学校等を卒業した後も適切な保健医療サービス及び福祉サービスを受けながら日常生活及び社会生活を営むことができるようにすることにも配慮して行わなければならない」とされており、18歳以上の医療的ケア者への切れ目のない支援の必要性が明記されております。
 そこで、まずはこの医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の所管課はどこになるのか、教えてください。また、この法律を受けて、本市としてどのような施策を展開されたのか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の所管課は、こども未来局こども発達支援課でございます。また、福岡市においては、法律の施行前から保育所等における医療的ケア児の受入れ促進や医療的ケア児の家族の負担を軽減するための訪問看護などに取り組んでおり、法律の施行後、これらの事業を拡充いたしております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) 医療的ケア児・者の方に必要な支援策を展開するためには、当事者やその御家族の実態を把握することが重要です。
 本市では医療的ケアを必要とする方々の実態調査及びニーズの把握のためにどのような取組を行っているのか、お伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市においては、平成30年度に医療的ケア児の保護者の就労の意向や保育所の利用希望を把握するために、医療的ケア児に関する保育ニーズ調査を実施するとともに、福岡県が県内全域の医療的ケア児・者や介護者に実施したアンケート調査の結果を、福岡市医療的ケア児関係機関連絡会議の場で共有し、課題やニーズを把握いたしております。また、在宅で24時間人工呼吸器を使用している方について、災害発生時に速やかに安否確認を行う必要があることから、緊急連絡体制を整備いたしております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) ただいまの御答弁では、本市としては平成30年度に医療的ケア児に関する保育ニーズ調査を行っただけで、18歳以上の方へのニーズ調査はされていません。私はこの質問に当たり、横浜市とさいたま市の医療的ケア児・者への施策について調査をしてまいりました。横浜市では、医療的ケア児・者等及びその御家族へ必要な支援につなげるために、本年1月より医療的ケア児・者等実態調査を実施しています。対象となる医療的ケア児・者や重症心身障がい害児・者が専用のフォームに必要事項を入力します。これにより、当事者の実態を把握する一助となり、さらには保育、教育、福祉の充実や災害時の支援、新型コロナウイルス感染症対策などの施策情報を早く適切に届けることができます。
 そこで、本市でも医療的ケア児・者やその御家族の実態を把握するべきと思いますが、御見解をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市内の医療的ケア児・者やその御家族の実態やニーズを把握することは課題であると認識をしており、他都市の取組状況も参考に検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) 18歳以上の方へのニーズ調査については、早急に実施していただくよう要望をしておきます。
 次に、在宅で生活している医療的ケア児・者の介助を行う家族の精神的及び身体的負担を少しでも軽減するためのレスパイト事業の充実はとても重要です。しかしながら、冒頭に述べた相談者のように、いざ利用したいと思っても、受入先がなかなか見つからずに、結局諦めざるを得ないという状況があります。
 本市では、医療的ケアが必要な方が利用できる福祉強化型及び医療型の短期入所事業所は、それぞれ何か所あるのか、お示しください。あわせて、受入れ事業所の拡充を図るために、これまでどのような取組をされてきたのか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 酒井福祉局総務企画部長。
○福祉局総務企画部長(酒井雄二) 短期入所の事業所数につきましては、令和4年4月1日現在、福祉強化型が10か所、医療型が13か所ございます。また、これまでの取組につきましては、事業所からの相談時など様々な機会を通じて、医療的ケアが必要な方を対象とした短期入所事業所の開設などの働きかけを行っております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) さいたま市では、重症心身障がい児・者を受け入れる事業者に対し、法定報酬に上乗せをして、市独自で助成金を交付しているそうです。助成額はスコアによって1人1日当たり1万円から2万円。埼玉県下統一事業として行い、医療的ケア児・者の受入先を確保し、家族への負担軽減を図っているとのことでした。
 そこで、医療的ケア児・者が短期入所や日中一時支援を利用できる事業者に対し、本市でも市独自の助成金を交付し、受入先の拡充を図ってはどうかと提案いたしますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 酒井福祉局総務企画部長。
○福祉局総務企画部長(酒井雄二) 短期入所などの事業者に対する助成につきましては、国に対して十分な支援体制が確保されるよう、引き続き報酬の見直しを要望してまいります。また、受入先の拡充につきましては、独自助成を行っている重度障がい者向けグループホームのほか、医療機関などに対して働きかけてまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) 国への働きかけはもちろんですが、全国的な報酬の見直しはすぐに実現するものではありません。国の動きを待つのではなく、まずは基礎自治体として、利用したくても利用できない人がいるという実態を調査していただき、受入先の拡充につながるような独自の取組について早急に御検討していただくよう改めてお願いをいたします。
 では、ここからは相談体制の整備について質問をしてまいります。
 医療的ケア児・者の御家庭では、日常生活における課題が多岐にわたっており、相談体制の充実を図ることは重要であると考えます。そこで、適切な支援を調整する人材を養成するため、医療的ケア児等コーディネーターの養成研修が行われています。
まず、医療的ケア児等コーディネーターの意義と役割についてお示しください。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 医療的ケア児等コーディネーターは、医療的ケア児等が必要とする保健、医療、福祉、教育等の支援の利用調整や、地域における支援機関のネットワークづくりなどを推進するものでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) ただいま御答弁があったように、医療的ケア児等コーディネーターとは、当事者に必要な医療、福祉、教育等の社会資源をつなぐ人です。
 では、本市では医療的ケア児等コーディネーターをどのように養成され、配置状況はどうなっているのか。また、直近3年間の研修受講修了者の人数をお示しください。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 医療的ケア児等コーディネーターの養成につきましては、相談支援専門員、保健師、訪問看護師、医療ソーシャルワーカー、保育士、学校職員等で、現在医療的ケア児の支援を行っている、または行う予定がある者を対象に、国が定めた運営要領に基づいた研修を実施し、修了証を発行いたしております。福岡市におきましては、市の医療的ケア児等コーディネーターを心身障がい福祉センターに1名配置しているほか、研修修了者が民間の相談支援事業所などでコーディネーター業務に従事しております。また、直近3年の研修の受講修了者の人数でございますけれども、平成30年度36人、令和元年度38人、3年度46人でございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) お答えいただいたように、本市では医療的ケア児等コーディネーターは、心身障がい福祉センター、通称あいあいセンターに1人のみとのことです。
 直近の令和3年度では46名の方が本研修を修了しているとのことでしたので、その方々に現場で活動していただくために、本市としても積極的な取組が必要であると思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) コーディネーターの活動についてのおただしでございますけれども、今年度、研修修了者にアンケート調査を行いまして、現在の活動状況や課題等を把握した上で、コーディネーターのネットワークづくりやフォローアップ研修など現場での活動を支える取組を検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) 横浜市では、横浜型医療的ケア児・者等コーディネーターとして、その養成、配置、関係機関及び行政との連携など、先進的な取組をされていました。具体的には、1、養成については厚生労働省のガイドラインでは研修時間が28時間以上となっているのに対し、横浜市では400時間の設定、2、配置については18の行政区の中で6区にコーディネーター拠点を設置することで全区を網羅している点、3、対応事例や意見交換の場となる市との定例会を毎月開催などです。
 そこでお尋ねいたしますが、医療的ケア児等コーディネーターが関係局、関係機関と連携して協議を行う場はあるのか、あればその開催頻度、協議内容についてお示しください。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 平成30年度に医療的ケア児支援のために、保健、医療、障がい福祉、保育、教育等の関係機関や庁内の関係部署が連携するための福岡市医療的ケア児関係機関連絡会議を設置いたしまして、年1回開催いたしております。これまでこの連絡会議におきまして、福岡市医療的ケア児に関する保育ニーズ調査や福岡県の医療的ケア児者実態調査の結果を共有いたしますとともに、医療的ケア児等コーディネーター養成研修や障がい児保育の今後の在り方などについて協議をいたしております。なお、市の医療的ケア児等コーディネーターには、今年度から連絡会議に参画してもらう予定としております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) 今年度より連絡会議へのコーディネーターの参加を予定されているとのことですが、今後、コーディネーターの知見や経験を生かしながら、関係機関との連携がより深まるような意義のある会議となるよう期待をしております。
 さて、本市では令和元年度にコーディネーターを1人配置しておりますが、医療的ケア児・者や関係機関からどのようなニーズがあるのか、課題は何なのかを把握し、真に寄り添った支援サービスを提供するためにも、コーディネーターの果たす使命は大きく、とりわけ配置状況への対応は喫緊の課題であると思います。
 ますは各区に人材を確保し、横浜市のように漏れなく市内を網羅できるようなコーディネーターの配置について検討していただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市におきましては、心身障がい福祉センターに配置している医療的ケア児等コーディネーターが、市内の民間相談支援事業所などで活動されている医療的ケア児等コーディネーターをサポートするなど、医療的ケア児・者支援のための地域づくりの中心的な役割を担っており、その体制につきましては、状況に応じて検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) ぜひよろしくお願いいたします。さらには、日常的に医療的ケア児・者に対応可能な医療、福祉、教育分野等の受入先の充実を図るための人材育成も欠かせません。横浜市では、医療、福祉、教育等に関する基礎的な知識及び多職種連携について学習できる研修も行っています。対象は訪問看護師や関係機関で従事する方で、医療的ケア児・者等の支援に関心がある者とし、全8日間の日程で行われます。
 このように、事業所等において医療的ケア児・者の受入れを積極的に行えるよう、また、人材の育成の観点から、本市でも支援者養成研修を推進してはどうかと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市の医療的ケア児等コーディネーター養成研修は、医療的ケア児の支援に当たる方を広く対象とし、支援者養成研修の役割も果たしております。今後とも、事業所等において医療的ケアが必要な方の受入れを進めるため、現場のニーズを確認しながら研修の充実を図ってまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) 横浜市のこのような取組は、当事者に寄り添い、病気や障がいについての理解を深め、受入先の充実につながっていると思います。本市においても、さらなる研修の充実を図り、人材育成を推進していただきますよう要望をしておきます。
 次に、医療的ケア児・者の日常生活における支援についてです。
 さいたま市では、常時床に就いている重度身体障がい者に対し、寝具乾燥消毒及び丸洗いサービスを、また、心身に重度の障がいがある方に訪問理美容サービスを行っています。
重度障がいのある方が少しでも快適に生活するためのこのようなサービスが本市でも展開できないのか、お伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 酒井福祉局総務企画部長。
○福祉局総務企画部長(酒井雄二) 医療的ケアが必要な方を含めた重度障がい者の支援につきましては、障がい者団体の意見やニーズの把握、さいたま市の各種事業を含めた他都市の状況などを踏まえながら、総合的に検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、医療的ケア児・者への情報提供についてです。
 現在、本市のホームページから医療的ケアに関する支援を探そうとすると、18歳未満であれば子育て関連のページから、18歳以上であれば障がい者関連のページから入っていくようになっており、非常に分かりにくいというふうに感じます。
 そこで、市民への情報を一元化するために、本市の支援内容や給付金、相談窓口など、医療的ケア児・者に関する情報をまとめたサイトをホームページに開設するべきと思いますが、御見解をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 福岡市のホームページの医療的ケア児・者に係る支援等の情報につきましては、現在は子育てや障がい者福祉など、それぞれのページに掲載しており、探しやすさの点で改善の余地があると考えております。今後、情報をまとめて確認できるホームページの作成を検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) ありがとうございます。この件につきましては、昨年9月議会において、我が会派の勝山議員からも提案、要望しているところですので、早急に実現していただくようよろしくお願いいたします。
 次に、医療的ケアのことを市民の皆さんに知っていただくことも重要です。
 気管切開で喉に管をつけていることに対して冷たい視線を感じ、外出に対してのハードルが高いという声も実際にあると聞いています。横浜市では「医療的ケアってなんだろう」という冊子を作っております。この一部を本日、パネルにしてまいりました。(パネル表示)こちらは「医療的ケアってなんだろう」という表紙でございまして、表紙には「知ってほしい 医療的ケア児者と家族の思い」というふうに書かれております。中は、このように医療的ケアの具体的な、どういうことが医療的ケアなのかということで、胃ろうですとか経鼻栄養ですとか、様々な具体的なものが文字とイラストを使って分かりやすく紹介をされております。また、こちらになりますけれども、「いけあちゃんと家族の1日」ということで、日常生活が時間帯ごとに記されておりまして、その医療的ケアを受けられている方の生活が手に取るように分かるようになっております。ちなみに、このパンフレットのイラストを担当されたのは、御自身も医療的ケア児を育てられているお母様ということでございました。こちらのパンフレットは公共施設などに配備され、保育園や幼稚園、学校などでも本人の人権に配慮しながら、このパンフレットを活用しているとのことで、医療的ケア児への理解を深めるためのとても重要な取組だと実感したところです。
 先ほどホームページについては検討いただく旨の御答弁をいただきましたが、ホームページの開設にも時間を要すると思います。まずは分かりやすいパンフレットを作成するなどの広報に取り組む必要があると思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 広報に関しまして、医療的ケア児等コーディネーターや訪問看護師等の支援者、医療的ケアが必要な方や御家族の御意見等を伺いながら、パンフレットも含め分かりやすい広報について検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) ありがとうございます。これまで18歳以上の医療的ケアを必要とする方及びその御家族への日常的生活支援や相談体制などについて、るる質問をしてまいりました。その中で、18歳を境に、こども未来局と福祉局に施策が二分され、特に18歳以上の方については障がい者施策の中に医療的ケアの施策が盛り込まれており、どのような支援があるのか分かりにくい状況があるということが分かりました。そのような状況を回避するために、横浜市では、こども青少年局、健康福祉局、医療局、教育委員会の4局が一体となって、医療的ケア児・者の支援事業を推進されていました。医療的ケア児も成長すれば医療的ケア者となり、継続的な支援が必要です。
 今後は、医療的ケアを必要とする方及びその御家族の視点に立ち、局を超えた横断的な施策の推進が重要になってくると思いますが、本市としての今後の展望についてお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 医療的ケア児・者の支援につきましては、庁内の関係部署や外部の支援機関と連携した施策の展開が必要と認識しております。今後さらに連携を深め、支援を担う人材の育成、受入先の確保、情報発信などの施策を一体的に推進してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) ありがとうございます。今後、本市の関係局と外部の関係機関が一体となり、チーム医ケアとして施策に取り組んでいかれるよう期待をいたします。
 最後に、医療的ケア児・者がライフステージに応じた医療、福祉等の切れ目のない支援が受けられるよう、また、御家族とともに地域で安心して生活していけるよう本市としてどのように取り組んでいかれるのか、島市長の御決意をお伺いして、この質問を終わります。
 
○議長(伊藤嘉人) 島市長。
○市長(島宗一郎) 医療的なケアが必要な方や、またその御家族が地域や家庭で生き生きと生活することのできるまちづくりの実現に向けては、その方を社会全体で支え、個々の状況に応じて適切に支援をしていくことが重要であるというふうに認識をしております。福岡市では、平成14年から特別支援学校への看護師の配置など、早い時期から医療的ケアが必要な方に対する施策を実施し、さらに、平成29年以降、御家族の負担を軽減するレスパイト事業、緊急時の受入れ体制の整備、小中学校や保育所への看護師の配置など支援を拡充してまいりました。さらに、令和3年9月には医療的ケア児支援法が施行され、医療的ケアが必要な方を社会全体で支える環境が整ってきております。今後とも、医療的ケアが必要な方が充実をした社会生活を送ることができるよう、医療、保健、福祉、教育などの関係機関の連携によって、ライフステージに応じた切れ目のない支援にしっかりと取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) 次に、博多区における相生踏切のバリアフリー化について質問いたします。
 博多区寿町のJR南福岡駅北側に相生踏切という横断歩道橋が設置されている踏切があります。(パネル表示)こちらがその踏切になります。このように線路が6本通っている非常に大きな踏切になっています。また、その線路の上に、見づらいんですけれども、このように歩道橋が架けられた、設置された相生踏切になっております。
 先日、地域の方からこの相生踏切の横断歩道橋にはエレベーターがなく、昇り降りに大変苦労するため、エレベーターを設置してほしいとの相談を受けました。相談を受け、私も実際に現地を見てきたところ、相生踏切は6つの線路をまたいでいる踏切であり、また、すぐ近くにはJR南福岡駅や車両基地もあるため、在来線に加え様々な特急列車などが行き来し、遮断機が開いたと思ったらまたすぐに閉まるという状況でした。この相生踏切について調べてみたところ、相生踏切は平成18年に国が実施した踏切交通実態総点検において、様々な課題があることから緊急に対策が必要な踏切として抽出されています。この点検結果を受け、相生踏切では、これまでに交通の円滑化のための対策が講じられてきていると思いますが、現地を確認した中では、高齢者、障がい者は相生踏切をゆとりを持って円滑に渡れていないというのが現状のように感じます。私は全ての人が相生踏切を安全に安心して渡るためには、横断歩道橋におけるバリアフリー化の観点も必要であると考えます。このようなことを踏まえ、今回は相生踏切におけるこれまでの移動円滑化の取組や、エレベーター設置を含めた今後のバリアフリー化への対応について質問をしてまいります。
 まず、平成18年度に実施された踏切交通実態総点検において、相生踏切は緊急に対策が必要な踏切として抽出をされていますが、緊急に対策が必要な踏切とはどのような基準で抽出されるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 緊急に対策が必要な踏切につきましては、ピーク時の遮断時間が1時間当たり40分以上となっている開かずの踏切、踏切の遮断により自動車及び歩行者の滞留が多く発生している自動車と歩行者のボトルネック踏切、踏切前後の歩道に比べて踏切内の歩道が狭い、もしくは歩道がない歩道が狭隘な踏切のいずれかに該当する踏切となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) 開かずの踏切、自動車と歩行者のボトルネック踏切、歩道が狭隘な踏切のいずれかに該当する踏切が緊急に対策が必要となる踏切として抽出されるということですが、平成18年度の踏切交通実態総点検では、福岡市内において、当時何か所の踏切が抽出されたのか、お伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 点検で抽出された緊急に対策が必要な踏切は25か所ございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) 福岡市内において抽出された25か所のうちには相生踏切も含まれていると思われますが、抽出基準に対し、相生踏切はどれに該当するのか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 相生踏切は、平成18年度の総点検当時、開かずの踏切、自動車と歩行者のボトルネック踏切、歩道が狭隘な踏切の全てに該当していたものでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) では、相生踏切は開かずの踏切、自動車と歩行者のボトルネック踏切、歩道が狭隘な踏切の全てに該当したとのことで、早急に対策を講じる必要があったと思われますが、これらの課題に対し、相生踏切ではこれまでにどのような対策を実施しているのか、お伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 相生踏切につきましては、開かずの踏切、自動車と歩行者のボトルネック踏切への歩行者対策といたしまして、地域からの要望を踏まえ、歩行者の通行経路を確保するための横断歩道橋を平成25年度に設置しております。また、歩道が狭隘な踏切への対策といたしまして、平成26年度に踏切を拡幅し、歩道を設置しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) これまでに相生踏切の課題解決を図るために様々な対策が実施されていることは分かりました。地域が要望して設置された横断歩道橋により、遮断機が下りているときも踏切を横断することができるようになったことから、以前と比べ歩行者にとっては非常によくなったと思います。しかし、地域からは、高齢者や障がい者の方は相生踏切の横断歩道橋にはエレベーターが設置されていないため、昇り降りに大変な思いをしており、さらには、相生踏切は踏切内の延長が長いことから、踏切内もゆとりを持って通行ができないという声を聞いています。
 そこで、相生踏切の踏切横断距離はどのくらいあるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 相生踏切を横断する長さは約27メートルとなっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) これだけの横断距離が長い踏切は市内にもそうないのではないかと思います。私が現地を見に行ったときも、歩行者が踏切内を横断している途中で警報機が鳴り出し、遮断機が下りる前に慌てて踏切を通行している方がいらっしゃいました。
踏切をゆとりを持って安全に渡るためには、警報機が鳴り出して遮断機が下りるまでの時間も一定程度必要であると思いますが、相生踏切では警報機が鳴り始めて遮断機が下りるまでの時間はどのくらいなのか、お伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 鉄道事業者からの聞き取りによりますと、警報開始から遮断機が下りるまで約20秒となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) 高齢者や障がい者の方にとって、27メートルの踏切を渡っている途中で警報機が鳴り出し、それから20秒で踏切を渡り切るのが難しい場合もあるのではないかと思います。相生踏切は車両基地も近く、開かずの踏切に指定されているほど遮断時間も長いため、高齢者や障がい者の方は、いつ鳴り出すか分からない警報機に不安を抱きながら踏切を渡っているのが現状であり、大変な負担になっていると思います。高齢者や障がい者の方が踏切内も安心してゆとりを持った横断ができず、横断歩道橋にエレベーターがないため、昇り降りに大変な思いをされております。
このような相生踏切の現状についてどのように認識されているのか、お伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) これまでに実施してまいりました踏切の拡幅や歩道設置並びに横断歩道橋の設置により、一定の効果は得られていると認識しております。しかしながら、通勤、通学時間帯において、横断歩道橋の利用者は全歩行者の2割程度にとどまっている状況でございます。この横断歩道橋は道路上の横断歩道橋と比べて橋の高さが高く、上下の移動距離が長くなっており、利用者は階段や斜路を昇り降りする必要があることから、バリアフリーの観点において課題があると認識しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) 駅に設置されている横断歩道橋はよく見かけますが、相生踏切の横断歩道橋のように、踏切に設置された横断歩道橋は市内でも珍しいのではないかと思いますが、同じような横断歩道橋は市内でほかにもあるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 踏切を横断するための歩道橋は、福岡市内で相生踏切横断歩道橋のみでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) 御答弁いただきましたように、踏切部に設置された横断歩道橋は市内でここ相生踏切だけとのことです。先日、西鉄天神大牟田線雑餉隈駅から下大利駅区間で高架化の切替えが行われ、本市内でも複数の踏切が廃止されたと聞いております。今回取り上げました相生踏切については、近くに車両基地もあり、6つの線路をまたぐ特殊な踏切であり、高架化などの対策は非常に難しいと思われますので、まずは横断歩道橋のバリアフリーの課題に向けた対策が非常に重要であると考えます。
 そこで、バリアフリー化の観点から相生踏切の横断歩道橋にはエレベーターを設置する必要があると思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 高齢者や障がい者など全ての人が快適に安心して移動できる環境づくりは重要であると認識しております。議員おただしのエレベーターの設置につきましては、構造やスペースなどの課題がございますが、相生踏切は横断距離や横断歩道橋の上下の移動距離が長いことなども踏まえ、当該箇所におけるバリアフリー化について検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) ありがとうございます。全ての人が安心して移動できる環境づくりに向け、相生踏切のバリアフリー化についてしっかりと検討していただくことをお願いして、この質問を終わります。
 次に、子育て支援サービスのデジタル化について質問をいたします。
 私は令和2年6月の定例会で、妊婦健診、乳幼児健診の管理、予防接種のスケジューリング機能を活用し、母子健康手帳のアプリや予防接種ナビなど民間アプリの積極的活用を提案し、それに対し、利便性の高いアプリとの連携の在り方を検討していくとの御答弁をいただきました。
その後、令和2年11月には株式会社エムティーアイと福岡市が連携協定を結び、妊活や育児支援等の充実を図りましたが、それによりどのような効果があったのか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 株式会社エムティーアイは、女性の健康管理のためのアプリ等を提供する事業者でございますが、当該事業者と福岡市が連携協定を締結いたしまして、アプリの中に福岡市の不妊、不育に関する助成制度や相談窓口等の情報を掲載することによりまして、必要な方に、より効果的な情報発信ができるようになったと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) また、不妊で悩む女性が基礎体温などのデータを本市の不妊専門相談センターに送り、情報を共有できるルナルナメディコを全国の自治体で初めて導入されました。その効果についてもお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) ルナルナメディコは、利用する方がアプリ上に記録した御自身の基礎体温等のデータを医療機関や相談機関と共有できるサービスでございますけれども、このサービスの導入によりまして、不妊専門相談センターに来所できない場合でも、相談者とセンターの相談員とが基礎体温等のデータを確認しながら、具体的な相談が可能になったものと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) 利便性の高いアプリの導入により、より効果的な情報発信や、相談センターに来所しなくても、データを確認しながら電話やオンラインでより具体的な相談ができるようになるなど十分な効果が得られたのではないかと思います。利便性の高いアプリを活用した事業を早速実施していただき、改めて感謝申し上げます。
 では、その後、妊婦や子育て家庭の利便性の向上につながるアプリの活用についてさらに検討をされたのか、お伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 妊婦や子育て家庭の利便性向上につきましては、令和5年度中の乳幼児健診の受診情報のデジタル化を目指しまして、現在、システム構築に取り組んでおります。具体的には、母子の健康情報を記録できるアプリを活用し、保護者がスマートフォン等を使って乳幼児健診の問診項目の入力や受診結果の閲覧が可能になるとともに、医療機関と市で受診結果の即時共有を図ることができるようになるものでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) 乳幼児健診において、保護者がスマートフォンなどで問診票の入力や受診結果の閲覧が可能になるシステムを来年度から導入されるとのことです。妊娠が分かってからの窓口等で行う手続や提出書類などは様々なものがあり、とても大変です。
 そこで、とりわけ妊娠から就学前に必要な手続には主にどのようなものがあるのか、お示しください。
 
○議長(伊藤嘉人) 野中こども未来局長。
○こども未来局長(野中 晶) 妊娠から就学前の手続につきましては、主に妊娠の届出、児童手当等の受給申請、保育所の利用申込みなど、様々な子どもや子育てに関する手続がございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) 御答弁いただいたように、子育てに関する行政手続は種類も多く煩雑になりがちです。これら以外に予防接種がありますが、予診票の記入や接種のスケジュール管理など保護者にとっては大きな負担となります。国においては、このような子育て世帯の手続に係る負担軽減や利便性向上のため、例えば、予防接種や家事サービスなどの妊娠から就学前までの手続に関して、官民の様々なサービスが最適なタイミングで案内され、ボタン1つで申請できるサービスについて議論されております。
 そこで、乳幼児の定期予防接種、予診票のデジタル化について、令和3年6月に閣議決定された成長戦略フォローアップの内容をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 成長戦略フォローアップの内容につきましては「乳幼児の定期予防接種について、民間による電子的な予診票を利用可能とするため、保護者及び医師が従来求められていた署名に代えて、同意ボタンやチェックボックスにチェックを入れるなど簡易な確認方法により行うことができるという考え方を整理して公開する。これにより、先行対応可能な市町村から統一された予診票のデジタル化を順次実現することを目指す」とされております。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) ただいまお示しがあったように、デジタル庁を中心としたデジタル化推進のための具体的施策の一つとして、先行対応可能な自治体から定期予防接種予診票のデジタル化について順次実現することを目指すとされております。
私はこの質問に当たり、全国で唯一、小児予防接種のデジタル化に取り組んでいる千葉県市原市を訪問し、話を伺ってまいりました。市原市では、定期予防接種の複雑なルールや大量の紙による処理に多くの手間がかかるなどの課題をデジタル化に取り組むことで解決されていました。例えば、保護者にとってのメリットは、予診票に氏名や生年月日、住所などを毎回記入していたところ、アプリに登録されている基本情報が自動入力され、正しい接種履歴を基に対象年齢や接種間隔などは自動スケジューリングされます。医療機関においては、接種者名や接種日などの記録は自動入力され、請求金額の自動計算や請求書の作成、郵送もボタン1つで完了。さらに、自治体においても、予診票の印刷、郵送、再交付などが不要となるなど多くのメリットがあることが分かりました。保護者の負担軽減はもとより、複雑化している予防接種の種類や間隔のミスを防ぎ、事故を予防できることが大きなメリットであると担当者は語っておられました。医療機関や保護者からも大変喜ばれており、高い評価を得ているとのことでした。
本市でも、保護者、医療機関、自治体の手間を削減し、簡単で安全な定期予防接種、予診票のデジタル化にぜひ取り組むべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 議員御指摘のとおり、予診票のデジタル化は保護者の利便性向上をはじめ、医療機関や行政の業務負担の軽減、間違い接種の防止などに資するものであると考えております。デジタル化に係る国の動向を踏まえ、今後とも、積極的に先行自治体や事業者からの情報収集に取り組み、より効果的で効率的な予防接種の実施について検討を行ってまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 川上多恵議員。
○14番(川上多恵) 大変前向きな御答弁ありがとうございます。DXを積極的に推進している本市だからこそ実現可能な事業であると思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 最後に、子育て支援サービスのデジタル化など保護者にとって利便性の高い行政サービスの展開、また、一人一人に寄り添った質の高い子育て支援について島市長の御決意をお伺いし、私の質問を終わります。
 
○議長(伊藤嘉人) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市におきましては、市民の利便性の向上と業務の効率化を図る観点から、DXの推進に積極的に取り組んでいるところであります。子育ての分野におきましても、保護者の負担を軽減し、よりきめ細やかな行政サービスを提供していくため、デジタル技術が果たす役割は非常に大きいと考えており、今年度は乳幼児健診情報のデジタル化に着手し、保護者の利便性の向上や健診結果のより一層の早期把握を目指しております。今後とも、業務の効率化により生じる人的資源を子どもの施策などの人のぬくもりが必要な分野に配置することなどによって、一人一人の子どもや子育て家庭に寄り添った支援を行い、安心して生み育てられる環境づくりにしっかりと取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) この際、暫時休憩いたします。
 午後は1時10分に再開いたします。
午前11時22分 休憩  
午後時10分 開議  
○副議長(山口剛司) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦)登壇 福岡令和会の国分徳彦でございます。私は会派を代表して、子ども、若者の自殺対策について、一人一花運動について、以上2点について質問いたします。当局の明快な回答を期待いたします。
 まず、子ども、若者の自殺対策についてお尋ねします。
 新型コロナウイルス感染症の拡大は、市民生活に様々な影響をもたらしています。病気に対する不安や恐怖のほか、社会生活の変化、経済面への影響、外出自粛による孤独感、先行きが見えない不安感などで多くの人がストレスを感じており、自殺が増えているということです。また、その中で、子ども、若者の自殺も増えていると聞いています。
 そこで、本市における子ども、若者の自殺の状況と、その対策についてお尋ねしてまいります。
 まず、福岡市における自殺の状況はどうなっているのか、過去3年間の自殺者数と、そのうち20歳未満の人数をお尋ねします。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は発言者席にて行います。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 福岡市の自殺者につきましては、警察庁の自殺統計によりますと、令和元年が252人、2年が286人、3年が293人で、このうち20歳未満は、令和元年が8人、2年が5人、3年が17人となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) コロナ前の令和元年と3年を比較すると、全体で41人、20歳未満の若者では9人の増加となっています。大変残念なことです。1人の方が亡くなれば、その家族、友人、知人など、周りで多くの人が悲しみを抱えることになります。そのような不幸な人を生まないためにも、自殺対策にはしっかりと取り組まなければなりません。
 そこで、福岡市では自殺対策としてどのようなことを行っているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 自殺対策につきましては、福岡市自殺対策総合計画に基づき、3つの柱として、ゲートキーパーの養成、自殺未遂者や自死遺族の支援、児童生徒への自殺予防教育に重点的に取り組んでおります。また、生きづらさを抱えている人には自殺予防相談窓口を設けておりまして、令和3年度の相談件数は2,924件で、主な相談内容としては、心の悩み、生活困窮、家庭内のもめごとなどでございました。相談に当たりましては、相手の気持ちを受け止めて傾聴することを第一にするとともに、話がしやすいように相談は匿名やニックネームでもできるようにするなど、相談しやすい環境づくりに努めております。さらに、若年層への対策といたしましては、天神や博多駅などの大型ビジョンで啓発を行いますとともに、自殺予防啓発カードを大学や鉄道の駅などで配布いたしております。また、周りの人の心の変化に気づいて適切な対応を行うゲートキーパーの養成研修を大学や専門学校でも実施し、生きづらさを感じる人が一人でも多く相談につながるよう取り組んでおります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) 本市では自殺対策総合計画に基づき様々な方策を取られていますが、一人でも多くの命を救うためには、市民一人一人が周りの人の心の変化に気づき、命を守るゲートキーパーになることが大変重要だと思います。ぜひ、さらに取組を進めていただきたいと思います。
 それとともに、小中学校における自殺予防の取組も重要です。そこでまず、小中学校における自殺予防の取組についてお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) まず道徳において、生命の貴さについて、その連続性や有限性なども含めて理解し、かけがえのない生命を尊重する態度を育成いたしております。また、児童生徒の悩みを早期に把握し、スクールカウンセラー等と連携して解決につなげるため、年に1回、学級の居心地のよさや学校生活への意欲等について確認いたしますQ−Uアンケートや、月に1回、いじめに関するアンケートを実施するとともに、担任等による全員面談を行っております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) 小中学校で命を大切にする教育や、児童生徒の悩みなどを早期に発見し、その解決を目指していく取組を実施されていることが分かりました。早期発見や解決に当たっては、スクールカウンセラーの役割も大きいと思いますが、小中学校において、児童や生徒からスクールカウンセラーへの相談が何件あったのか、小学校と中学校、それぞれ過去3年間についてお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) スクールカウンセラーへの相談件数は、小学校が令和元年度1万1,570件、2年度1万8,866件、3年度2万908件、中学校が令和元年度1万2,911件、2年度1万1,872件、3年度1万9,128件でございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) それでは、市立高等学校の生徒について、スクールカウンセラーへの相談件数は何件あったのか、過去3年間についてお尋ねします。
 
○副議長(山口剛司) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 市立高校では、令和元年度1,556件、2年度1,434件、3年度1,702件でございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) 次に、市立高校では、自殺予防についてどういう取組をしているのか、お尋ねをいたします。
 
○副議長(山口剛司) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 市立高校では、まず、命を大切にする人権教育を実施するとともに、生徒が抱える問題の早期発見に向け、日常的な観察や担任等による全員面談を通じて生徒の状況を確認し、ホームルームの際や放課後に継続的な支援を行っております。また、各学校に配置しているスクールカウンセラーは、生徒や保護者と定期的な面談を行って心理的なサポートをしており、スクールソーシャルワーカーは、奨学制度利用の方法を家庭に伝えるなど、福祉の面からの支援を行っております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) 様々な判断をしながら自殺予防対策に取り組んでいると思いますが、その判断をしていく上で、市立高校だけではなく、多くの高校の自殺予防の取組について把握しておくことは重要であると考えますが、そのような取組を把握しているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 県立高校におきましては、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを活用した相談体制づくりに努めるとともに、生徒に対して相談機関の連絡先を周知することなどを通じて、自殺予防を図っていると伺っております。また、県教育委員会が主催する自殺予防教育の研修会に市立高校の管理職も参加させていただいておりまして、県内の取組の把握に努めてございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) 自殺予防対策に新たな手だてを加えていくためには、市立高校だけではなく、多くの高校の自殺予防の取組を把握し、可能なものを取り入れていくことが非常に効果的な方法だと考えます。今後は県立高校に限らず、私立の小中高校にも情報共有の幅を広げ、多くの情報を参考にして、自殺予防の取組の充実に努めていただきたい。
 児童や生徒からの相談件数もこの3年間で増加しており、早期発見に向けて、学校がきめ細かに対応していることの表れだとは思いますが、ただ一方で、全国的には自らの命を絶つ児童生徒の数は増加しています。また、若い世代では、死因の第1位が自殺という状況が続いており、このような痛ましい死を何とかなくしていかなければならないと思います。
 そこで、福岡市においても、子ども、若者の自殺を防ぐために、これまで以上にしっかりと取り組む必要があると思いますが、保健医療局長及び教育長に御所見をお伺いし、この質問を終わります。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 近年の自殺者は減少傾向で推移しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で、自殺の要因となり得る様々な問題が悪化したことなどにより、令和2年には増加に転じ、特に子どもや若者の自殺も増えており、その対策は大変重要であると認識をいたしております。このため、生きづらさを抱えた若者が速やかに相談窓口につながり、支援を受けやすくなるよう、若い世代のゲートキーパーの養成を強化しますとともに、若者がアクセスしやすいICTを活用した相談ツールの検討を行うなど、相談しやすい環境づくりをより一層進めてまいります。また、このような支援を必要とする若者は様々な悩みを抱えており、学校、地域や、福祉、就労等の関係機関、支援団体と連携を強化して、生きることの包括的支援にしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 自殺予防においては、児童生徒の命の危機のサインを見逃すことがないよう、全ての児童生徒に自殺の可能性があるという意識を持って早期発見に取り組み、早期解決につなげていくことが重要であると認識いたしております。そのため、全ての小中学校で実施しておりますQ−Uアンケートの分析や活用に関する研修への指導主事の派遣など、児童生徒の状況について、教師がサインに気づく力が高まるよう取組を進めてまいります。また、ハイリスクの児童生徒に対して、学校、家庭、地域の専門機関が連携して支えていく体制をさらに充実させてまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) 次に、一人一花運動についてお尋ねします。
 2018年に一人一花運動が始まった際に、大きな期待を持ちながらも、これまでの同様の取組が尻すぼみになることも多かったことから、始動直後に取組の方向性等について幾つか質問させていただきました。それから4年半を経過しましたので、今回は現在の状況や今後の展開の方向性等について検証していきたいと思います。
 まず、観光客などが多く集まる玄関口を彩りのある花で満たしていくことが必要だと申し上げておりましたが、どのように広がっているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 天神や博多駅など都心部を彩るおもてなし花壇に参画する企業数及び協賛数は、運動開始直後の平成30年3月末時点の30社、32口から、令和4年7月末現在で158社、179口と大幅に増えており、過去最高の協賛数となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) 確かに天神や博多などは、四季を通じて一年中、花にあふれたおもてなし景観ができていると感じます。これがこのコロナ下においても、多くの企業の協賛による一企業一花壇の取組として、福岡のまちに彩りと潤いが与えられていることは本当にすばらしいと思います。
しかし、この運動を継続、発展させるためには、企業だけではなく、市民をはじめ、様々な方々の参加が必要不可欠であると考えます。そのため、まずは各局区が市民のお手本となるよう、全庁を挙げて取り組むことが大切だと申し上げておりましたが、その取組状況についてお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 市の取組については、一人一花運動の機運醸成を図るためにも、まず各区役所が地域と一体となって、周辺での花壇づくり等に取り組んでおります。さらに、身近な拠点である公園、道路などを所管する部署が窓口となり、市民や企業の皆様による花壇づくりの輪を広げており、公有地における花壇づくりとしては、ボランティア花壇制度の登録数は平成30年3月末時点の170団体から令和4年7月末時点で300団体と大幅に増加しております。また、民有地における花壇づくりとしては、パートナー花壇の登録数が平成31年1月の制度開始から令和4年7月末までに548団体となるなど、活動が市内全域に広がっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) まずは区役所が率先して取組を行ったことで、市民や企業の皆さんによるボランティア花壇やパートナー花壇が大きな広がりを見せていることが分かりました。私の事務所でも花を育てていますが、今年の夏はとても暑く、水やり等も大変でした。地域で花づくりをされている皆さんも同様で、一生懸命花づくりをされています。一方、公共施設においては、管理されているところもあれば枯れているところもあり、せめてロゴ入りのプレートを挿すなど、工夫をすればいいのにと残念に思うことがあります。また、そもそもやっていないところもあるなど、いまだ取組に差があるのではと感じています。
 そこで、公共施設での取組状況について、実態等は把握されているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 各局区が所管している公共施設や多くの人の目に触れる公園等で、大学や地域と連携しながら花づくりを進めており、これらの取組状況については、副市長をトップとして、各局区の総務担当部長から成る一人一花連絡調整会議などにおきまして、適宜、各局区に周知、共有しております。また、この会議では、各局区での部署や世代を超えた推進体制、地域との連携方策等の好事例についての情報共有の場ともなっており、お互いに参考としながら、今後さらに、公共施設における取組を進めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) 公共施設の取組状況や参考となる好事例については共有されているということですが、公共施設は200を超える小中学校をはじめ、市内各所にあり、まだまだ広がる余地があると思いますので、ぜひ積極的な取組を期待しております。
 次に、このような運動は、市民や企業の皆さんに花壇づくりを継続していただくことが極めて重要だと考えています。そのため、一過性ではなく継続した取組となるよう、花壇活動への支援を行うよう求めておりましたが、取組状況についてお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 花壇管理の支援につきましては、花壇の日々の水やり負担を軽減するための散水栓設置や、水タンクを内蔵した一人一花ロゴ入りの路上フラワーポットの設置、また、活動開始時の花壇の土壌改良などを行っております。さらに、市民や地域の活動を民間企業が支援する仕組みとして、活動サポート企業制度を創設し、一人一花運動に参加する活動団体を対象に、花苗や園芸用品の購入費を5%割引する一人一花割引を実施していただいておりますが、対象店舗は市内及び近郊で9社、28店舗に広がっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) 市の支援メニューに加えて、企業によるサポート制度も充実しているということですが、このようなメニューを市民や企業の皆さんにしっかり届けていくためには、もっと寄り添ったところでの支援が重要と考えます。
 そこで、市と福岡市緑のまちづくり協会がしっかり連携を図り、きめの細かい対応をしていくべきと考えますが、御所見をお伺いします。
 
○副議長(山口剛司) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 市と協会の連携につきましては、両者は一体となって一人一花運動を推進しており、市は制度設計や全体的なプロモーションなどを行い、協会はより市民や企業に身近な役割として、花、緑活動の窓口となり、緑のコーディネーターによる講座やイベントの実施、活動団体への助成などを担っております。なお、地域の花づくり活動への助成は、運動開始の平成29年度の140団体から令和3年度は215団体と大幅に増えております。また、今年度末に協会の本部事務所が一人一花運動の拠点であります植物園に移転する予定となっており、これまで以上にお互い補完し合いながら連携することで、両輪となってしっかり取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) 緑のまちづくり協会も植物園に移転し、より一体となって取組を進めていかれるということですので、この機会を捉え、支援メニュー等をより充実させることで、この4年半の取組をさらに発展させてはどうかと考えます。
 そこで、参加していただいている市民や企業などにアンケート調査を行い、課題やニーズ等を把握してはどうかと考えますが、御所見をお伺いします。
 
○副議長(山口剛司) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 一人一花運動は市民や企業の皆様と一緒に取り組むものであることから、日頃から活動団体や協力企業との対話により、ニーズ等の把握に努めております。これまでも、花づくり活動に取り組むことで地域の絆が深まった、一人一花割引のおかげでより多くの花を植えることができたなどの声をいただいており、路上フラワーポットを更新する事業では、管理団体の声をデザインや機能等に反映させた結果、管理に係る負担が減った、ますます取り組みやすくなったなどの反響もいただいております。引き続き様々な機会を捉えて、活動団体のニーズ等の把握に努めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) 活動団体等のニーズ調査については日頃から行っているということですが、今後も様々な機会を捉えてニーズ等を把握していただきますよう要望しておきます。
 次に、この運動を広げていくためには、より多くの市民や企業に知ってもらい、参加意識を高めてもらう必要があると申し上げていましたが、取組状況についてお尋ねをいたします。
 
○副議長(山口剛司) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 本運動の周知につきましては、一人一花プロモーション事業として、一人一花運動の狙いや取組についてSNSを活用した効果的な情報発信や、一人一花サミット、スプリングフェスなどの関心を高める場や参加の機会づくりに取り組んでおります。さらに、ウェブメディアやテレビ、ラジオ局などから成る一人一花メディアパートナー18社と連携した情報発信を行っております。このようなプロモーションの効果もあり、まちなかで花による彩りや潤いのある状況を見た市民や企業の方々から、自分たちもぜひ同じようにやりたいとお問合せをいただき、新たに取組を始める事例も生まれており、まちに花があふれる好循環をもたらしていると感じております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) これまでの質問で、4年前の心配は杞憂であり、一人一花運動はしっかり継続され、かつ広がっていることが確認できました。言うなれば、これまでの花づくり活動から一つ上の段階に来たということだと思います。
 そこで、レベルアップしたこの花づくり活動を継続させながら、さらに広げていくためには新しいチャレンジも必要と考えますが、所見を伺います。
 
○副議長(山口剛司) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 今後の取組につきましては、一人一花運動の輪を広げる担い手づくりの強化のため、拠点である植物園において、花や緑の魅力や価値を感じてもらえる機会となるイベントの開催や、ガーデニングセミナーやコンテストの拡充などを行うことで、キーパーソンとなる高度な人材づくりにチャレンジしてまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) これからの花づくりの牽引役となる方がたくさん生まれ、さらに活躍できる場も増えていけばと思います。
 さて、まちなかを見ますと、市民や企業の取組で目を引くものがあります。博多駅近くの空港通り沿い、まさにゲートウェイの一つとも言える場所にある正興電機製作所横の道路植栽帯に立派な花時計ができました。この花壇の維持管理は、企業が旗振り役となって、地域や子どもを巻き込んだ優れた仕組みとなっています。また、東若久校区では、一人一花ロゴ入りのピックを活用して花づくりの輪を広げることで、一人一花運動が校区内のコミュニティづくりの合い言葉の一つになっており、御高齢の方の生きがいにもつながっていると聞いております。こういった取組をもっとPRすることで、より一層、一人一花運動の輪が広がるのではと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 議員御指摘の正興電機製作所様の取組をはじめ、福岡のランドマークであるペイペイドームでは、子どもからプロまでが参加できるガーデンコンテストがソフトバンクホークス様主催により開催されており、また、博多区の美野島交差点では、美野島校区の方々の花壇づくりをパナソニック様が支援し、中央区の長浜公園では、親不孝通りエリアまちづくり協議会が中心となって行っている地域の花づくりに長谷工グループ様が参画し、企画段階から連携するなど、地域と企業の共創の取組が広がっております。これらの取組は、市民と企業の共創のモデルケースとして多くの方に知ってもらい、もっと広げていきたいと考えておりますので、市のホームページやSNSだけでなく、一人一花メディアパートナーとも連携して積極的に発信してまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) 市内各地で広がっている地域と企業による共創の取組をしっかりPRしていただければと思います。
 さて、2005年の都市緑化ふくおかフェアを覚えてありますでしょうか。このフェアを契機に、緑のコーディネーター制度が始まり、今では300名以上の方が一人一花運動の牽引役として様々な場所で活躍され、緑化フェアのレガシーともなっています。そういった意味で、来年の世界水泳はおよそ20年ぶりに訪れた大きなチャンスであると考えますので、花によるおもてなし景観づくりについては、予算を含めてしっかりと準備をしていただきたいと思います。福岡市は花の産地でもありますので、特に駅や空港、港などのゲートウェイには、大会関係者や観客が驚くような花を、ぜひ市内産のもので飾って、福岡に到着した瞬間に、福岡ってすごいなと思ってもらえるようなインパクトのあるおもてなしをしていただきたいと思います。また、世界水泳をきっかけに、市民や企業と連携した花によるおもてなしが進めば、花にあふれた福岡市を世界に発信することができますし、それが花づくりの輪を広げる機会ともなると考えます。
 そこで、世界水泳を通じた花のおもてなしにしっかり投資をし、全庁挙げて取り組むことがシティブランドの向上や花によるまちづくりの定着などにつながり、これからの福岡市にとっての財産となり、大きな価値を生むと考えておりますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 世界水泳選手権は、市の魅力を伝えるシティセールスの面でも、花づくりの輪を広げる面でも絶好の機会になるものと捉えております。世界水泳に向けては、大会会場周辺や大博通りなどで花によるおもてなしを実施するため、各局区と連携しながら検討を進めております。多くの市民や企業などの参画が大会の機運醸成ともなり、また、世界水泳のレガシーともなるよう、全庁挙げて取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) 福岡市で開催される久しぶりの大規模国際イベントである世界水泳に向けて、現在、各局区と多くの市民や企業と連携した花によるおもてなしを検討しているということですが、フラワーシティ福岡を最も効果的にPRするためには、特に福岡空港でのおもてなしが重要だと考えます。選手や関係者、観客の多くが降り立つ福岡空港でのインパクトのあるおもてなしをしっかりしていただきますよう要望しておきます。
 最後に、アフターコロナを見据え、世界水泳などを生かしながら、一人一花運動が目指す花による共創のまちづくりが定着したフラワーシティ福岡の実現に向け、どのように取り組んでいくのか、市長の意気込みをお伺いし、私の質問を終わります。
 
○副議長(山口剛司) 島市長。
○市長(島宗一郎) 一人一花運動につきましては、平成30年1月の開始からおよそ4年半がたちまして、一人一花、一企業一花壇を合い言葉に、多くの市民や企業の皆様の取組によって、福岡のまちが花でいっぱいになってきていると実感をしております。また、このコロナ下においては、花や緑が持つ力、それらの価値が再認識されているところでありまして、まちに彩りと潤いを与え、人のつながりと心の豊かさを生み出す一人一花運動は、市民一人一人のウエルビーイングの向上やSDGsの実現に向けたまちづくりにも欠かせないものと考えております。今後とも、世界水泳選手権をはじめ、様々な機会を捉え、市民、企業、行政が一体となったオール福岡体制で活動の推進や支援の拡充を図り、一人一花運動の輪をさらに広げることで、まちの価値や魅力を高めながら、花による共創のまちづくりの実現に向けた取組を全力で進めてまいります。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 冨永計久議員。
○26番(冨永計久)登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表して、市民病院の在り方検討について、福岡市が目指す都市像について、以上2点について質問いたします。
 まず、市民病院の在り方検討について質問いたします。
 令和元年12月に中国武漢市で原因不明の肺炎から検出されたウイルスによる新型コロナウイルス感染症は、今日に至るまで変異を繰り返しながらパンデミックを引き起こしてきました。福岡市でも令和2年2月に最初の陽性患者が確認されて以降、いまだその収束の兆しが見えず、本年7月にはオミクロン株のBA.5系統への置き換わりなどにより、新規陽性者数は急速に増加し、医療体制の確保が重要な課題となっております。
 福岡市においては、第2種感染症指定医療機関として市内で最大の感染症病床を有する市民病院が、感染症から市民を守る重要な役割を担っており、新型コロナウイルス感染症においてもその役割を果たしてきたところであります。感染症医療については、私も委員の一人ですが、福岡市病院事業運営審議会に対して、市民病院における感染症医療の役割と、それを果たすための取組についての諮問を昨年10月に行い、その答申を本年2月に受けています。この答申においては、福岡市民病院の新型コロナウイルス感染症の対応について、感染症指定医療機関として、発生初期から、疑似症を含む軽症から重症までの患者を積極的に受け入れるとともに、公立病院として県内最大の専用病床を確保し、最も多くの患者を受け入れるなど、福岡の感染症医療において先導的、中核的な役割を担ったと評価されております。
 そこでまず、市民病院の新型コロナウイルス感染症対応について、具体的にどのような役割を担ってきたのか、お尋ねいたします。
 福岡市においては、新型コロナウイルス感染症の収束を待たずして、いち早く市民病院における新型コロナウイルス感染症への対応を検証するとともに、感染症医療における公立病院としての役割を整理するなど、今後の未知なる新興感染症に備えた対応をしているところであります。一方で、現在のグローバル化した社会においては、感染症が一度発生すると世界的に拡大することを、今回の新型コロナウイルス感染症で経験いたしました。市民病院における感染症の役割と取組は整理されたところでありますが、感染症医療については、国の医療政策においても重要な位置づけがなされるべきだと考えます。
 そこで、国はこの新型コロナウイルス感染症を経て、どのような医療政策の見直しを行っているのかをお尋ねいたします。
 そもそも公立病院に期待される主な役割、機能については、国が策定した公立病院経営強化ガイドラインに示されており、山間僻地など民間医療機関の立地が困難な過疎地域等における一般医療の提供、救急、災害、感染症など不採算・特殊部門に関わる医療の提供、民間医療機関では限界のある高度・先進医療の提供などとされております。一方で、福岡市内には2つの大学病院をはじめ、多くの医療機関が存在しており、福岡県の地域医療構想においても、福岡、糸島医療圏の現在の医療提供体制は充実していると評価されているところであります。その中にあって、福岡市が公立病院として市民病院を持つことには、国が例示しているように、民間では提供が困難な医療の提供を行うという相応の理由が必要であります。
 そこで、感染症医療は市民病院がこの役割を担うことは確認されていますが、市民病院が公立病院として担っている感染症以外の医療についてお尋ねいたします。
 次に、福岡市が目指す都市像について質問いたします。
 昭和62年に策定された福岡市基本構想では、今後の福岡市の発展には海外との多面的な交流が不可欠であるとの観点から、4つの都市像の一つとして、活力あるアジアの拠点都市の目標を掲げておりました。現在の基本構想においても、文言こそ変わりましたが、地理的にも、歴史的にもアジアとの深いつながりで成長してきた福岡市は、アジアの拠点都市として、ヒト、モノ、カネ、情報を集積させることで発展していくべきという長期の目標は変わっていません。農業中心でも工業中心でもなく、地下資源があるわけでもない福岡市は、この交流拠点都市という長期的な目標に基づいて、都市基盤の整備に計画的に取り組んできました。言い換えれば、交流拠点都市、物流都市でしか福岡市は生き残れないと言っても過言ではありません。
 私が議員になった平成11年の福岡市の人口は約130万人、東京都が約1,200万人、日本の人口は1億3,000万人でした。ちょうど東京都の10分の1、日本の人口の100分の1が福岡市の人口だったと記憶しております。当時、市の東部地域ではアイランドシティ整備事業が、また、西部地域では九州大学の移転事業が本格的に動き始め、都市高速道路の整備や地下鉄七隈線の開業に向けた整備も進んでいました。平成11年当時、消防ヘリに試乗させていただき、実際に空から見た福岡市は、福重、橋本、堤、野多目、板付方面の外環状道路用地の買収が終わった空き地が1本の線でつながっていたのを昨日のように思い出します。今ではアイランドシティ整備事業は埋立てが終わり、土地が完売し、照葉には1万3,000人を超える方が暮らしています。また、九州大学伊都キャンパスは移転が完了し、多くの学生や教職員が勉学や研究にいそしんでいます。外環ができ、その上には都市高が環状になり、福岡インター、太宰府インターとつながりました。福岡空港は外国との人流や物流の交流基盤として24時間運用できるようにするため、海上空港にすべきという議論もありましたが、最終的には滑走路の増設で決まり、整備が進められています。福岡市が交流拠点都市、物流都市を目指すなら、24時間空港にしておくべきであったと残念でなりません。
 福岡市はこうした都市基盤の整備に関する取組に加えて、交流人口の増加に向けた取組も着実に進めてきました。私は議員になって24年目ですが、その間、九州・沖縄サミット福岡蔵相会合やライオンズクラブ国際大会、G20財務大臣・中央銀行総裁会議など、様々なMICEの誘致に取り組んできた結果、国内でも有数のMICE都市と認められるようになり、着実にプレゼンスが高まっていると感じています。これは福岡市が競争を勝ち抜き、そして、生き残るために、先人たちが優れた先見性を持って第3次産業の育成や交流拠点都市づくりに絶え間なく取り組んできたこと、また、島市長がそれを受け継ぎ、天神ビッグバンや国家戦略特区による規制緩和等により、民間活力を引き出しながら発展させてきたことによるものだと考えております。
 そこでまず、3期12年の島市政を振り返り、福岡市が行ってきたまちづくりの成果について所見をお伺いいたします。
 以上で1問目を終わり、2問目からは発言者席で行います。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 市民病院の在り方検討についての御質問にお答えをいたします。
 まず、市民病院が担った役割につきましては、本年7月末現在、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れるため、感染症病床4床を含む43床の病床を確保し、県内最大となります延べ1万404名の患者を受け入れております。また、新型コロナウイルス感染症の発生初期である令和2年4月には、感染症病棟の施設整備を行い、透析患者の受入れを開始するとともに、昨年7月から10月までの間、福岡市が実施する深夜帯のワクチン接種への協力を行っております。
 次に、医療政策の見直しにつきましては、国は令和3年5月に医療法を改正し、県が作成する医療計画の記載事項に、新興感染症等の感染拡大時における医療を位置づけ、関連する地域医療構想においても、民間医療機関を含めた各医療機関の対応方針の策定や検証、見直しを求めているところでございます。また、本年3月に、公立病院の役割や機能などを定める公立病院改革ガイドラインが公立病院経営強化ガイドラインと改称されるとともに、公立病院の役割として感染症医療が追加されるなどの改定が行われたところでございます。
 次に、市民病院が担う感染症以外の医療につきましては、災害発生時などの緊急時において、福岡市地域防災計画等に基づき、必要な医療の継続及び救護活動を実施するとともに、地域に不足する高度救急医療を提供しております。また、医療計画に定められているがん、脳卒中、心血管疾患といった疾病への対応を中心に高度専門医療を提供するとともに、地域医療支援病院として、紹介患者に対する医療提供や救急医療など、地域における医療の確保のために必要な支援を行っております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 福岡市が目指す都市像についての御質問にお答えいたします。
 福岡市では、多くの市民の皆様とともに策定した総合計画において、都市の成長と生活の質の向上の好循環をつくり出すことを都市経営の基本戦略として掲げ、まちづくりを進めております。これまでの取組により、全国的に人口減少が進む中、福岡市の人口は増え続け、162万人を超えるとともに、企業の立地や創業が進み、市税収入は令和元年度まで7年連続で過去最高を更新し、その後も高水準で推移しております。この成長の果実を生かし、子育てしやすい環境づくりや教育環境の充実、安全、安心なまちづくりなどに取り組んできた結果、福岡市を住みやすいと感じる市民の割合が9年連続で95%を超えるなど、国内外から元気なまち、住みやすいまちとして評価をいただいているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 冨永計久議員。
○26番(冨永計久) 2問目に入ります。まず、市民病院の在り方検討についてです。
 1問目の質問では、国においても、感染症医療は重要な医療であること、また、感染症拡大時における公立病院の果たす役割の重要性が改めて認識されたことが分かりました。また、市民病院においては、感染症医療のみならず、公立病院として求められる災害医療、救急医療、高度医療を担っていることが確認できました。一方で、平成元年開院の市民病院は築33年が経過し、その建物は老朽化や狭隘化が進み、医療機器や設備も十分とは言えない状況と考えられます。今後も想定される新興感染症や激甚化する災害への対応を現在の市民病院で十分に果たせるのかどうか、疑問に感じています。
 そこで、現在の市民病院の施設、設備の課題をどのように認識しているのか、お尋ねいたします。
 そもそも市民病院は、福岡市に不足する高度医療、特に肝臓、腎臓の疾患に対して専門的医療を提供する病院を理念として、平成元年に開院されました。当時は肝臓、腎臓、肝腎センターと言われていたと思います。その後、平成14年の福岡市病院事業運営審議会の答申においては、成育医療、救急医療、高度先進医療など、市民に求められる医療の実現や効率性を発揮するため、こども病院と市民病院の統合による一体的整備を求められましたが、アイランドシティ事業とともに、また、当時の市長の意向──これは島市長ではありませんけれども──もあり、再検証が行われたところであり、改めて平成20年に同審議会から答申が出され、こども病院──新病院ですね、こども病院は小児医療、周産期医療、小児救急医療に取り組むとされ、市民病院は当面は現在の施設を活用して存続させることが適当であるが、施設老朽化の時期などにおいて、その在り方を再度検討する必要があるとされました。平成14年の答申、平成17年の新病院基本構想では、こども病院と市民病院を統合し、子どもから大人までの福岡市に不足している医療を見るというすばらしい計画でしたが、平成20年にこども病院のみアイランドシティに移転することになりました。なお、同年9月、平成20年の福岡市議会決議においては、新病院は将来的に高度先進医療や救急医療、成育医療などの機能拡充を検討することや、市民病院は地方独立行政法人移行後に検証、その結果を経て在り方を検討することを求めているところでありますが、平成20年の答申以降、今日に至るまで検討は行われておりません。自民党としては、2つの病院を統合するということは、まだ生きているものと考えております。市民病院の在り方検討は重要な課題であり、令和4年度予算における代表質問でも質問をさせてもらいましたが、将来に向けて、公立病院としての役割である感染症対策をはじめ、高度先進医療、救急医療、災害対策、それに加えて、子どもから大人までの一貫した医療である成育医療、現在は移行期医療と言うそうですけれども、移行期医療などに対応できる病院となるよう、早期に今後の在り方の検討を行う必要があると考えます。
 そこで、市民病院の在り方について、どのように検討を行っていくのか、また、どの程度時間を要するのか、所見をお伺いいたします。
 次に、福岡市が目指す都市像についてです。
 今や福岡市は、日本一元気な都市と言われるまでに成長いたしました。一方で、新型コロナウイルスは人流や経済活動を抑制し、市民の生活や社会経済活動に大きな影響を及ぼしています。こうした状況にあっても、福岡市が今後も生き残るためには、ヒト、モノ、カネ、情報、この4つの流れをしっかりとつくり、都市としての成長を続けなければなりません。
 来年は、本市で2度目となる世界水泳選手権が開催されます。新型コロナウイルス感染症により大きなダメージを受けたMICEや観光については、戦略的に推進していく必要があります。さらに、オール福岡で国際金融機能を積極的に誘致し、世界から金融機関や、金融に関する人材や資金、情報を集積させ、国際金融都市福岡を実現させることにより、都市間競争を勝ち抜けるまちづくりを進めていく必要があります。こうしたソフト面での都市の成長に向けた取組が不可欠というのは言うまでもありませんが、やはり物流をはじめとする4つの流れの源泉となるのは、まちの骨格となる道路、鉄軌道、港湾、空港といった公共インフラの整備ではないかと思います。そして、多くの人的、物的、資金的な資源を必要とするからこそ、一朝一夕になせるものではなく、中長期的な視点をしっかり持って行わなければなりません。
 来年3月には地下鉄七隈線が博多駅まで延伸され、ますます便利になるという期待の声を多く聞きます。一方では、例えば、もともとは計画にあった中洲川端をキーステーションにして、空港線、箱崎線、七隈線が改札を出ることなく乗り換えることができる、そして、さらにウォーターフロント地区を結ぶルートも、さらなる公共交通ネットワーク強化のために、まだ検討する余地があるのではないかと思いますし、鉄軌道をはじめ、交通基盤の整備はこれで終わりではなく、今後も検討が必要なのではないかと思っています。また、港湾については、物流拠点港として国際競争力をさらに高めるため、アイランドシティのDコンテナターミナルの早期整備を進めるなど、機能強化を図る必要があると考えています。1問目でも言いましたが、空港については、交流拠点都市、物流都市を目指すなら、将来の24時間空港も見据えていくべきと考えます。
 そこで、今後のさらなる都市の成長に向け、特に道路、鉄軌道、港湾、空港といったハード面である都市基盤の今後の在り方や取組について所見をお伺いし、以上で2問目を終わります。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 市民病院の在り方検討についての御質問にお答えをいたします。
 施設、設備の課題につきましては、築33年を経過することによる老朽化に加え、提供する医療の高度化、多様化などにより、開院時は10の診療科であったものが、現在は19診療科となっていることなどに伴い、狭隘化も進んでおります。こうしたことにより、高度化する医療の提供や療養環境への影響が懸念されるとともに、医療環境や医療制度改革などの取り巻く環境の変化への対応が困難となってきております。また、病床が204床と病院の規模が小規模で、経営的、運営的に非効率であるとともに、特に感染症医療につきましては、本年2月の病院事業運営審議会の答申におきましても、動線やエリアの分離など、感染症に対応できるような施設整備について検討する必要があるとされております。
 次に、市民病院の在り方の検討につきましては、福岡市病院事業運営審議会に諮問を行い、その中で議論をしていただくこととなりますが、まずは市民病院に求められる役割と、それを果たすために必要な機能について検討、次に、この役割、機能を担うために必要となる病院の規模を検討いただいた上で、それらを満たすことのできる設置場所、こうした順で検討がなされるものと想定をしております。
 なお、審議会での検討に要する期間につきましては、審議の内容にもよりますが、前回のこども病院の老朽化等に伴う市立病院の在り方の検討におきましては、およそ2年半を要しております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 中村住宅都市局長。
○住宅都市局長(中村健児) 福岡市が目指す都市像についてお答えいたします。
 福岡市では交通政策の指針となる福岡市都市交通基本計画に基づき、公共交通を主軸とし、多様な交通手段が相互に連携した総合交通体系の構築を目指し、地下鉄七隈線などの鉄道ネットワークの強化や幹線道路ネットワークの整備とともに、交通マネジメント施策の推進による公共交通の利用促進など、総合的に取り組んでいるところでございます。鉄軌道や幹線道路は、都市の成長を支える重要な都市基盤であると認識いたしておりまして、充実した都市機能と豊かな自然環境が近接したコンパクトな都市という強みも生かせるよう、今後の在り方について検討していく必要があると考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 井口港湾空港局長。
○港湾空港局長(井口宏樹) 福岡市が目指す都市像について、港湾と空港についてお答えをいたします。
 博多港及び福岡空港は、福岡のみならず、九州、西日本地域の市民生活や経済活動を支えるとともに、国内外の交流を促進する重要な役割を担っております。
 まず、博多港につきましては、アイランドシティにおいて、国のC2岸壁延伸工事等が完了し、令和3年9月に供用を開始したところであり、現在、令和4年度内の供用を目指し、コンテナターミナルの拡張工事を進めております。今後とも、利用者から選ばれる港づくりに向け、D岸壁の早期採択を国に強く働きかけるなど、博多港のさらなる機能強化に取り組んでまいります。
 また、福岡空港につきましては、重要かつ喫緊の課題となっております航空機混雑の抜本的な解消や、将来の航空需要に適切に対応するため、令和2年1月に完了いたしました平行誘導路の二重化に続き、滑走路増設事業の早期完成に向けた取組を国や県とともにしっかりと進めてまいります。なお、24時間空港につきましては、引き続き福岡空港の総合的な調査の結果を踏まえ、調査研究されるよう国に提言していくとともに、今後、航空需要が国の予測を大きく超える状況になった場合には、さらなる空港の機能強化について必要な対応を国に対して求めてまいります。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 冨永計久議員。
○26番(冨永計久) 3問目に入ります。まず、市民病院の在り方検討についてです。
 市民病院の在り方については、まずは役割と機能から検討を始めるとのことですが、市民病院は市内の感染症医療、災害医療、高度救急や高度医療の提供など、福岡市の医療圏において重要な役割を果たしており、これらは今後もしっかりと担っていくべきであると考えます。
 15年ほど前、熊本市民病院に話を聞きに伺いました。熊本では脳血管障害、脳梗塞とか、くも膜下出血を発症した患者の3割が障がいが残るか死亡される、7割の方は社会復帰をされるという話をお聞きしました。はっきりしたデータではありませんが、福岡市は逆で、障がいが残るか死亡される方が6割から7割くらいあったとお聞きしました。これはなぜかというと、発症して3時間から4時間以内の超急性期の処置ができるかできないかの違いであります。熊本では、超急性期の処置は熊本市民病院でまずやります。そして、1週間ほど入院して、リハビリは民間でやるという熊本市民病院と民間病院との連携がうまくいっているためというお話でした。しかしながら、超急性期の処置はスタッフや設備で費用がかかります。費用の問題等で民間では担えないが、市民病院が担えば、市民が社会復帰できるというような医療、そのような医療を市民病院が担えば費用はかかりますが、市民が納得できる税金の使い方というふうに考えます。
 今後の在り方の検討に当たっては、老朽化、狭隘化している市民病院の建て替えの検討が必要になると思われますが、現病院の広さから見て、提供している医療を止めずに現地での建て替えが可能なのかどうかの課題があります。また、移転が必要となった場合でも、その場所はどこでもいいということではなく、現在の患者の受入れ状況や市内の医療バランス、さらには交通アクセスなど、様々な要件を検討する必要があります。このような状況を考えると、今から在り方の検討に着手しても、新病院がオープンするまでには相当の年数がかかることが容易に想像できます。市民の命を守る医療を取り巻く環境については、昨今の激甚化する災害や世界中に拡大した新型コロナウイルス感染症などの状況により、大きく変化しています。その中で、公立病院の担う役割も変化しており、その重要性も高まっています。
 グローバル化の進展が著しい現代社会において、九州・アジアのゲートウェイ都市である福岡市は、常に未知の感染症の脅威にさらされていると言わざるを得ず、その中核的な役割を担う市民病院の機能強化は急務であります。新型コロナウイルス感染症がいまだ収束していない中、世界では世界保健機関が警戒を呼びかけているサル痘も広がっており、新興感染症のみならず、再興感染症への懸念も広がっています。老朽化、狭隘化した現在の市民病院では、市民の生命、暮らしを守ることに限界があります。そのため、早急に在り方の検討に着手し、これから先、数十年にわたって市民を守ることができる新しい病院を整備し、今後も市民病院が感染症医療をはじめ、福岡市で不足する医療など、必要な役割を果たしていくことを期待しています。
 そこで最後に、市民病院の果たす役割が大きく変化し、重要度が増す中で、市民病院の在り方検討については早急に着手すべきと考えますが、市長の御所見をお伺いし、この質問を終わります。
 次に、福岡市が目指す都市像についてであります。
 来年3月に福岡市の水道は創設100周年を迎えます。市域内に一級河川のない福岡市の発展には、昔から水がネック、水がアキレス腱だと言われてきましたが、経済発展により増え続ける人口に対応するため、近郊での水資源開発はもとより、筑後川からの導水や海水淡水化施設、五ヶ山ダムの建設など、水の安定供給に長期的な視点で取り組んできた結果、水不足という積年の課題にも道筋をつけることができました。このように、都市基盤の整備は数十年先を見据えた取組が不可欠です。
 私は、この質問の冒頭で福岡市基本構想に触れました。その福岡市基本構想には、ヒト、モノ、カネ、情報に加えて、夢が集まる、活力と存在感に満ちたアジアの拠点都市を目指しますと書かれています。私たちはまさに、子どもたちが夢を持ち、お年寄りが安心して生活でき、誰もが笑顔で暮らすことのできるまちを目指して、全力で取り組んでまいりました。
 福岡市は、先人たちのすばらしい夢の実現へのたゆまぬ努力のおかげで、いまだに人口が増え続けています。しかしながら、人口は伸びていますが、少子化が進み、高齢者の人口も増加の一途をたどっています。人生100年時代の到来を見据え、今後の少子・高齢化をまちづくりの中でどう乗り越えていくのか、手を休めるわけにはいきません。また、都心は活気がありますが、市内には北崎や志賀島、離島など、人口減少で過疎化が進んでいる地域もあります。こうした地域にもしっかり手を打つ必要があると考えます。
 福岡市もいずれは人口減少の局面を迎えます。デジタル化が進み、便利な世の中になる一方で、不慣れな方へもしっかり手を差し伸べていかなければなりません。将来にわたって日本を、そして、アジアを牽引する都市であり続けるためには、未来のための投資を絶えず行っていく必要があると考えます。市長は3期12年、しっかり都市づくりに取り組んでこられましたが、まだまだ解決すべき課題はあるのではないかと考えます。
 そこで最後に、ハード、ソフトの両面からバランスよく取組を進めるため、島市長が先頭に立ち、福岡市はどのような都市を目指していくのか、市長の御所見をお伺いします。また、市長選挙の日程が11月6日公示、11月20日投票と決まりました。島市長は、いつ、どの時点で進退を表明されるのかお伺いして、私の質問を終わります。
 
○副議長(山口剛司) 島市長。
○市長(島宗一郎) 新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大、また、パンデミックの発生によりまして、感染症の蔓延が経済、社会に大きな影響を及ぼすことが改めて認識されました。冨永議員御指摘のとおり、グローバル化の進展が著しい現代社会におきましては、新型コロナウイルス感染症に限らず、常に未知の感染症の脅威にさらされており、特に九州・アジアのゲートウェイ都市である福岡市においては、これからも起こり得るパンデミックの影響を最小限に抑えるためにも、感染症に対応したまちづくりを進めていくことが重要だというふうに考えております。そうした中において、福岡市の感染症対策の中核的な役割を担う市民病院の機能の強化は急務でありますことから、改めて市民病院に求められる役割や機能などの在り方について、速やかに検討を進めてまいります。
 福岡市が今、住みたいまち、働きたいまちとして選ばれているのは、冨永議員をはじめ、福岡市の発展を支えてこられた先人たちが、交通インフラの充実や水の安定供給の実現、都市的魅力と豊かな自然環境が調和した、コンパクトで暮らしやすいまちづくりなどに長年にわたって御尽力をされてきたたまものと考えております。この元気で住みやすい福岡市をさらに発展させ、将来に引き継いでいくためには、次代を担う子どもたちをはじめ、高齢者や障がい者など、あらゆる人がその能力を十分に発揮でき、そして、ぬくもりのある持続可能なまちづくりを進めるとともに、都心部や市街化調整区域など、それぞれの地域の資源や特性を生かした魅力あるまちづくりにしっかりと取り組んでいく必要があると考えております。今後とも、経済的な成長と安全、安心で質の高い暮らしのバランスが取れた、コンパクトで持続可能なまちづくりを進め、人と環境と都市活力の調和が取れたアジアのリーダー都市の実現を目指してまいります。
 また、私自身の進退の決断の時期についておただしがありましたが、今はまさにこの9月議会、そして、この後に控えております決算特別委員会に全力で集中をさせていただき、決算が終わり次第、決断をしたいと考えております。以上です。
 
○副議長(山口剛司) この際、休憩し、午後2時30分に再開いたします。
午後2時15分 休憩  
午後2時30分 開議  
○議長(伊藤嘉人) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。落石俊則議員。
○60番(落石俊則)登壇 私は福岡市民クラブを代表して、安倍元首相を悼む記帳所、献花台設置及び弔旗掲揚問題について、高齢者の労働災害防止について、ふくおか「働き方改革」推進企業認定事業の推進について、以上3点について質問します。
 初めに、安倍元首相を悼む記帳所、献花台設置及び弔旗掲揚問題についてです。
 7月8日、安倍元首相が参議院選挙演説中に銃撃を受けて死去されました。心からお悔やみ申し上げます。安倍元首相の葬儀に関しては、12日に家族葬が執り行われ、14日、岸田首相は法的根拠がない国葬を執り行うことを表明、22日に閣議決定がされました。
 本市では7月11日、光山副市長、総務企画局、行政部総務課名で、各所属長宛てに民主主義を擁護し、犠牲となった安倍晋三元首相を悼む弔旗掲揚についてが通知されました。その内容は、7月11日から15日までの間、本庁1階ロビーに記帳所及び献花台を設置するとともに、本庁舎において半旗掲揚を行うことから、各施設等も15日まで弔旗掲揚について配慮をお願いするとされていました。
 そこで、記帳所、献花台の設置の経緯、また、半旗掲揚の通知はどこの部署のどのような判断で行ったのか、お尋ねします。
 以上で1問目は終わり、2問目以降は発言者席にて行います。
 
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 記帳所及び献花台の設置については、令和4年7月8日の正午前に安倍元首相が銃撃されたという報道がなされ、同日夕方5時頃、救命措置もかなわず御逝去されたことが報じられました。
 総務企画局では、この痛ましい事件を受けて、歴代の首相経験者や皇族の方々が御逝去された際の本市の対応や今回の事件を受けての他都市の動向、報道で伝えられる事件の反響などについて情報収集を行うとともに、福岡市としてどのような対応を行うべきか検討を行いました。そして二役まで協議を行い、7月11日に民主主義を擁護するという決意を多くの市民と共有するとともに、事件の犠牲となられた安倍元首相を追悼したいという市民の思いを受け止めるための記帳所及び献花台を同日から15日までの5日間、市役所本庁舎1階に設置することとしたものでございます。
 また、弔旗掲揚については、官房長官の会見において国の施設で弔意を表す半旗を掲げることとしたことや、福岡市において記帳所及び献花台の設置を決定したことを踏まえ、市役所本庁舎を管理する財政局において本庁舎の弔旗掲揚を決定し、光山副市長へ報告するとともに、その期間について相談を行っております。副市長からは、期間については記帳所及び献花台の設置期間と合わせ15日までとすること、また、本庁舎以外の公共施設を所管する所属長にも取組の趣旨を周知して弔旗掲揚の配慮を依頼することの2点について指示があり、総務企画局総務課で通知の起案及び発出を行ったものでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 記帳所、献花台の設置については、市長等との協議を経て決定した、弔旗掲揚の通知については、7月11日の官房長官会見を受け、光山副市長らと相談の上、本庁舎の半旗掲揚を決定し、各所属長にも通知したということです。先ほどの官房長官の会見とはどのような内容だったのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 7月11日の松野官房長官の会見は、「政府としては、これまで現職の総理が亡くなられた場合に弔意を表す半旗を掲揚してきました。このたび安倍元総理は、民主主義の根幹たる選挙が行われている中、突然の蛮行により命を落とされたものであり、国民の悲しみの感情にも鑑みて、現職総理が亡くなられた場合に準じ、本日と明日、弔意を表す半旗を掲げることとしたものであります」との内容でございました。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 政府の関連施設に半旗を揚げるという内容であり、地方公共団体への対応を求めたものではないと解されます。各所属長に出された通知の表題は、民主主義を擁護し、犠牲となった安倍晋三元首相を悼む弔旗掲揚とされていましたが、民主主義を守るため、安倍元首相が凶弾に倒れ犠牲となったと解釈できますが、どのような趣旨だったのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 民主主義を擁護しとの表現については、7月8日に発生した残忍で痛ましい事件が国政選挙のさなかに、これを妨害する許し難いものであり、民主主義を揺るがす暴力への怒りや抗議の思いを多くの市民の皆様と共有するという趣旨を端的に表したものでございます。民主主義を擁護した安倍元首相が犠牲となられたという趣旨ではございません。
 なお、記帳所及び献花台の設置の趣旨については報道機関への資料に記載するとともに、記帳所の会場入り口にもパネルを設置して周知を行ったところでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 選挙の応援演説中の悲劇とはいえ、弔問記帳所の案内も民主主義を擁護し、犠牲となった安倍元首相を悼むとされています。民主主義を守るため、安倍元首相が犠牲となったと受け止めた市民が多くいたのではないか、誤解を招く不適切な表題だったと指摘しておきます。
 その記帳所、献花台の設置について伺います。
 7月11日から15日まで、本庁舎1階ロビーに記帳所及び献花台が設置され、夜7時過ぎまで市職員が訪れる方々の対応に当たられていました。5日間対応に当たった市職員の延べ人数と経費の執行状況はどうなのか。また、本市には設置基準があるのか、あるとすればどのような基準なのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 記帳所の運営に従事した職員については、記帳の受付を行う職員を原則1日3交代制で常時2名配置しており、5日間の延べ人数としては28名となっております。また、混雑時にはこれと別に、会場の誘導等を行う職員を1名ないし2名配置しております。
 経費については、記帳台や献花台に使用する備品、記帳いただく芳名録、筆記具などの一般的な消耗品については既存のもので対応しており、今回の記帳所及び献花台の設置のために特別に要した経費としましては、遺影の印刷代5,073円でございます。
 記帳所及び献花台の設置の基準については、特に基準は設けておりません。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 記帳所、献花台の設置について、政府から通知があったのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 国から通知は来ておりません。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 元首相の葬儀に関しては、1995年、福田赳夫元首相の葬儀以来、2020年の中曽根康弘元首相の葬儀まで内閣・自民党合同葬が執り行われてきましたが、それぞれの家族葬の際も、今回と同じように記帳所、献花台が設置されたのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 歴代の首相経験者が逝去された際に家族葬が行われたかについては把握しておりませんが、確認できる範囲では、福岡市において過去に元首相の逝去を受け、記帳所及び献花台を設置した事例はございません。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) それでは、福岡市の歴代市長の逝去の際も記帳所及び献花台は設置されたのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 歴代の福岡市長が逝去された際の対応については、確認できる範囲では、桑原敬一元市長、進藤一馬元市長、阿部源蔵元市長の逝去に際し市民葬を実施しており、その中で参列者の献花を行っております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 歴代首相経験者の家族葬に関し、記帳所及び献花台は設置されておらず、本市の歴代市長の市民葬が執り行われた際には参列者の献花が行われたとしています。安倍元首相が憲政史上最長の8年8か月間首相を務められたとはいえ、事件当時は一政治家であり、本市で生まれ育ったわけではありません。確かに、現役の政治家が凶弾に倒れたことはあまりにも衝撃的ではありますが、一政治家の家族葬の日に5日間、延べ28人の職員を配置し、記帳所及び献花台を設置したことは問題だと考えますが、副市長の所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 光山副市長。
○副市長(光山裕朗) 去る7月8日に、安倍元首相が第26回参議院議員通常選挙のさなかに銃撃を受け逝去されるという事件が発生をいたしました。当該行為は、国民が日本の将来を選択する重要な機会である国政選挙のさなかに起きた許し難いものであり、テレビやインターネットを通じて繰り返し流される残忍で痛ましい事件の映像に多くの国民や市民が大変なショックを受け、民主主義に対する脅威を感じるとともに、暴力行為に対する抗議の声や事件の犠牲となった安倍元首相に対し哀悼の意を表す動きが事件直後から広がっていったところでございます。
 こうした中で、福岡市として民主主義を揺るがす暴力行為に対する抗議と民主主義を擁護する決意を多くの市民と共に共有するとともに、事件の犠牲となられた安倍元首相を追悼したいという市民の思いを受け止めるための場を提供する必要があると判断し、記帳所及び献花台を設置したものでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 承服、納得し難い答弁であります。
 次に、弔旗掲揚について伺います。
 7月11日、光山副市長名で各所属長宛てに弔旗掲揚について御配慮いただく旨の通知が出されました。各所属長にどのような対応を求めたのか、伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 公共施設を所管する各所属長には、通知の趣旨を踏まえ、各施設の実情に応じて弔旗掲揚の判断をお願いしたものでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 教育委員会は、教育支援課長、小中学校教育課長等の名で、市立小中学校、高等学校、特別支援学校に弔旗掲揚についてを通知し、添付された市公文通知には弔旗掲揚について、御配慮いただきますようお願いいたしますとされていました。
 平成11年の国旗及び国歌に関する法律では、第1条、国旗は、日章旗とする。第2条、国歌は、君が代とするという条文と、別記で、日章旗の制式──寸法の割合──と君が代の歌詞及び楽曲が定められていますが、国旗の揚げ方についての条文はなく、国旗の掲揚については通例や慣習であって、法律はありません。教育委員会は、学校における弔旗掲揚について、どのような基準に基づき通知したのか、また、教育基本法第14条にうたう政治的中立に抵触するとの認識はなかったのか、所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 学校における弔旗の掲揚基準は設けておりません。
 また、教育基本法第14条では、特定の政党を支持し、また、これに反対するための政治的教育、その他の政治的活動が禁じられておりまして、この政治的活動については、国においてその行為の目的が政治的意義を持ち、その効果が政治に対する援助、助長、促進または圧迫、干渉になるような行為とされてございます。
 今回の通知等は、その目的が政治的意義を持つものではないこと等から、同法に抵触するものとは考えてございません。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 通知にある御配慮とは、各学校への弔旗掲揚の要請ではなかったのか、所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 今回の通知は、教育委員会から各学校長に対して、市役所本庁舎での取組等について情報提供を行うため、総務企画局の公文通知の写しを付して通知があった旨をお知らせしたものでございまして、弔旗の掲揚を要請したものではありません。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 各学校に対しての通知は情報提供だとの答弁がありました。情報提供としての通知であるならば、弔旗掲揚の有無の把握はすべきでないと考えますが、所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 今回の通知は、各学校長に対して市役所本庁舎での取組等についてお知らせしたものであり、弔旗掲揚の状況については把握しておりません。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 総務企画局長は、各施設の実情に応じて弔旗掲揚の判断をお願いした、教育長は、市役所本庁舎の取組について情報提供しただけとの答弁がありました。また、弔旗掲揚の基準はないとの答弁もありました。弔旗掲揚の基準もないまま、各学校に判断を任されたわけです。
 教育基本法は、「学校は特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治活動をしてはならない」としています。特定の政治家に弔意を示すことは法の趣旨に抵触する可能性が大です。
 2016年に18歳投票権が導入され、若者に向けて政治について考える機会を与え、主権者としての資質を育む主権者教育が進められています。学校現場では教育基本法に抵触しないか、悩みながら教材研究に取り組んでいると聞いています。
 私の調査では、東区の小中学校、特別支援学校のうち、全ての学校ではありませんが、弔旗掲揚した学校が16校、行っていない学校が7校、弔旗掲揚した学校でも9校が教職員への説明は行われていません。市内の多くの学校が、とりわけ学校長は今回の通知を教育基本法に照らし合わせ、どう判断すべきかを悩まれたと思います。中には他校の判断を見ながら決めるという、いわゆる同調圧力を感じた学校長もいたやに聞いています。
 教育委員会は、学校の政治的中立を守るべき行政機関です。弔旗掲揚について御配慮いただきますとしながら、各学校は実質的に自主判断できる基準はなく、学校に混乱を招いたことは無責任な通知であり、教育委員会自体が政治的中立を侵していたのではないかと言わざるを得ません。
 銃撃され、命を落とされた安倍元首相の無念を思い、追悼したいという個人の心情は尊重されなくてはなりません。しかし、公の施設、とりわけ学校教育で政治的中立が求められているのは、子どもの人格が形成される上で学校の姿勢や教育内容が大きな影響を与えるからです。
 弔旗掲揚は政治的意義を持つものではないと答弁されましたが、安倍元首相の功罪については国民の評価が分かれており、学校や子どもたちに肯定的な評価を示すことになり問題です。各学校への通知を発出すべきではなかったと指摘しておきます。
 9月27日執り行われる予定の国葬について伺います。
 政府は昨日、ようやく国葬に関わる警備費や海外要人の接遇費等を明らかにしました。式典に係る費用と合わせ、国葬の全体費用は16億6,000万円の規模となっており、実際はさらに膨らむのではないかと懸念されます。政府は、参列者を衆参両院の議長ら三権の長や国会議員のほか、地方自治体の代表など6,000人程度とし、案内状を順次発送するとしています。
 この問題の最後に、市長には国葬の案内があったのか、また、参列される予定があるのか、伺います。
 また、8月31日、岸田首相は、国民に弔意は強制しない、自治体や教育委員会にも弔意表明を要望しないとの方針を表明しました。国葬の当日、記帳所、献花台の設置及び市施設や学校に対し、弔旗掲揚を求めるべきではないと考えますが、市長並びに教育長の所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 国葬に関しましては、御指摘の総理大臣の御発言等も踏まえ、また、今後の国の動向等も注視しながら適切に対処してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 島市長。
○市長(島宗一郎) 国葬について、現時点では国からの案内は届いておりませんが、指定都市の市長全員が案内をされると聞いておりまして、案内がございましたら、行政のトップとして出席して弔意を表明したいと考えております。
 また、国葬の際の記帳所及び献花台の設置や公共施設へ弔意を求めることについては、岸田総理が会見の中で、国民に弔意を強制するものではない、地方公共団体や教育委員会等の関係機関に対する弔意表明の協力の要望の予定はないことを述べられております。国葬は国が行う儀式でありますので、国から示される考え方や通知などを踏まえ、適切に判断をしてまいります。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 国葬については、基準、法的根拠が曖昧なことや旧統一教会との関係も含め、元首相に対する政治的評価は二分しています。亡くなった方への弔意は内心の自由に関わる問題であり、政府は国葬によって賛美、礼賛を国民に強要するべきではなく、国葬は行うべきではないと考えます。報道各社の世論調査でも反対、評価しないが多数を占める結果が相次いでいます。また、民意を代表する国会での議論が行われないまま国葬が営まれることは問題であり、島市長が国葬に参列することには賛同できないと意見を述べ、この質問を終わります。
 次に、高齢者の労働災害防止について伺います。
 内閣府が公表した令和4年版高齢社会白書によれば、令和3年の労働力人口は6,907万人、うち65歳から69歳は410万人、70歳以上は516万人、労働力人口総数に占める65歳以上の割合は13.4%と増え続けています。
 福岡市の高齢者の就業状況はどうなのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 酒井福祉局総務企画部長。
○福祉局総務企画部長(酒井雄二) 福岡市の高齢者の就業状況につきましては、5年に1度国が実施している就業構造基本調査によりますと、直近の平成29年では、65歳から69歳の方が4万7,400人、70歳以上の方が3万3,200人となっております。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 2012年の調査では、65歳から69歳が2万8,200人、70歳以上が2万1,900人と推計されており、5年間で約3万500人も増えています。本年度、2022年度の就業構造調査が実施されますが、働く高齢者がさらに増えているものと想定されます。
 では、高齢者は就業についてどのような意欲を持たれているのか、また、どんな理由で働きたいのか、希望する就業形態はどうなのか、市では2019年、60歳から74歳未満の高齢者を対象に福岡市高齢者の就業に関する調査が実施されています。就業意欲がある方の割合とその理由、希望する就業形態や業種についてお尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 酒井福祉局総務企画部長。
○福祉局総務企画部長(酒井雄二) 令和元年度に市が実施した調査によりますと、60歳から74歳までの方のうち、働きたいと思っている方が約62%であり、その理由といたしましては、割合が高い順に、生活のための収入が欲しいが約58%、健康のためが約35%、生活のリズムや刺激を得るためが約30%、社会貢献、社会とのつながりが約28%となっております。
 また、希望する就業形態は、パート、アルバイトが約43%、嘱託、契約社員が約14%、フリーランスを含む個人事業主が約11%、希望する業種は飲食を含むサービス業が約18%、卸、小売業が約11%、医療、福祉が約11%となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 高齢者の約6割が就業の意欲を持たれ、生活のために働かざるを得ない高齢者は6割弱となっています。物価が上がり、平均寿命も延びていく。一方、年金の手取り額は下がり、生活資金は足りなくなる。多くの人たちが生活不安を抱き、働かざるを得ない状況になっています。社会保障を充実させるとともに、生活のために働かざるを得ない高齢者のための就労支援の強化が求められています。
 本市では、高齢者の就業支援としてシニア活躍応援プロジェクトを推進しています。区役所や老人福祉センターなど市内14か所にシニアお仕事ステーションが設置され、求人情報の掲示やセミナー、相談会のチラシ配付が行われ、年間を通じて就業セミナーや個別相談会が実施されています。また、高齢者が事業所等で就業体験を行うシニア・インターンシップが実施されていますが、就業セミナーや個別相談会、シニア・インターンシップ、それぞれの2021年度の内容や参加状況をお尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 酒井福祉局総務企画部長。
○福祉局総務企画部長(酒井雄二) お尋ねの件につきましては、いずれも令和元年度より実施しておりますシニア活躍応援プロジェクトの一環として取り組んでおります。高齢者向けの就業セミナーにつきましては、業種別の仕事内容や求職活動のノウハウなどを提供するもので、令和3年度の開催回数は25回、参加者数は256人、個別相談会につきましては、求職活動に当たってアドバイザーによる個別相談を受けるもので、開催回数は25回、参加者数は61人、シニア・インターンシップにつきましては、企業で就業体験を行うもので、開催回数は6回、参加者数は16人となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) さらに、本市では国家戦略特区を活用し、高齢者の就業を重点的に支援するシニア・ハローワークふくおかが2021年3月に福岡商工会議所ビルに開設されました。シニア・ハローワークふくおかでの支援内容についてお尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 酒井福祉局総務企画部長。
○福祉局総務企画部長(酒井雄二) シニア・ハローワークふくおかにおきましては、おおむね60歳以上の方を対象に求職相談や高齢者の雇用に積極的な企業の求人情報の提供を行っているほか、ライフプランに関する個別相談やセミナーも開催しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) シニア活躍応援プロジェクト開始後、これまで何人の方が市の支援を受けて就職されたのか、市のプロジェクト全体と、うちシニア・ハローワークふくおかの実績をお尋ねします。また、就職先の主な職種についてもお尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 酒井福祉局総務企画部長。
○福祉局総務企画部長(酒井雄二) シニア活躍応援プロジェクトにおける就業者数は、令和元年度の事業開始から4年6月末までの累計で1,314人であり、そのうちシニア・ハローワークふくおかを通じて就職した方は169人となっております。
 また、就職先の主な職種は、清掃、コールセンター業務、事務補助、調理補助などとなっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 2019年6月から本年6月までの3年間で約1,300人余りが就業されています。これは求職活動のセミナーやアドバイザーによる個別相談会など、高齢者の希望に応じた支援の効果であると考えます。今後もシニア・インターンシップの周知を図るとともに、個別相談会等を充実させるよう要望しておきます。
 一方、高齢者の労働災害が増加しているとの報道があります。本年2月には、新潟県の菓子メーカーの工場火災により、夜勤の清掃業務を担当していた60歳代と70歳代の女性従業員4人が亡くなっています。地元紙は、4人とも火災を感知して閉じられた防火シャッターのすぐ内側に倒れており、避難訓練には一度も参加しておらず、避難経路や非常ドアの扉の存在を知らず、真っ暗闇の中、煙にのまれたと報じています。非正規雇用労働者が全労働者の約4割にもなり、政府は人生100年時代と言い、高齢者等の雇用の安定等に関する法律の改正などをして高齢者の就業を後押ししています。高齢者の就労支援の強化とともに、命と安全を守る対策が必要です。
 厚労省は、令和3年の労働災害発生状況を2022年5月に公表しました。高齢者の労働災害はどのような傾向にあるのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 酒井福祉局総務企画部長。
○福祉局総務企画部長(酒井雄二) 高齢者の労働災害につきましては、厚生労働省によりますと、令和3年に労働災害に遭った方のうち、60歳以上の方は全国で3万8,574人であり、全体の25.7%を占めております。最も多い事故は転倒で、発生率は特に女性が高く、また、男女ともに高年齢になるほど上昇する傾向がございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 2021年の労働災害発生状況を見れば、死亡を含め65歳から74歳までの労働災害発生率は、30歳前後の最小値と比べ、男性で約2倍、女性で約3倍にもなっています。また、60代後半女性の転倒災害発生率は20代の約16倍にもなっています。厚労省は、高年齢の労働者の就労が増えることを想定し、2020年3月、高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン、いわゆるエイジフレンドリーガイドラインを公表し、企業、事業者に対し高年齢労働者の労働災害防止を促していますが、どのような取組を求めているのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 酒井福祉局総務企画部長。
○福祉局総務企画部長(酒井雄二) 国のガイドラインにおいて事業者に求められている事項といたしましては、企業の経営トップによる方針表明などの安全衛生管理体制の確立、安全な施設、設備への改善などを行う職場環境の改善、高齢者の体力チェックなどの健康や体力の状況の把握、高齢者の労働時間の短縮や作業の転換などの健康や体力の状況に応じた対応、高齢者を対象とした分かりやすい安全衛生教育の5つがございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 福岡市では、シニア活躍応援プロジェクトの中で、高齢者雇用に関し、専門知識を持ったコンサルタントが各事業者の現状を踏まえて、勤務条件の整備や事故防止の措置等の職場環境整備の支援を行う取組も開始されていると聞いています。事故防止に関し、事業者からの声はないのか、伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 酒井福祉局総務企画部長。
○福祉局総務企画部長(酒井雄二) 高齢者の事故防止につきましては、事業者から、高齢者を雇用する上で配慮すべきことや高齢者に事故なく働いてもらうための改善点などについて相談を受けており、相談の内容に応じて産業医の活用や体力維持のためのパンフレットの配付などの助言を行っているところでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 2021年1月、ふくふくプラザで行われた高齢者と企業の交流会、個別面談会を見学しました。ビルメンテナンスや介護サービス、ドラッグストア等の企業による事業説明の後、座談会形式の意見交換会や個別面談が行われていました。先ほど2021年度セミナーが25回開かれ、参加者が256人、25回の個別相談会には61人が参加したとの答弁がありました。高齢者と企業の交流会、個別面談会の参加企業に対してエイジフレンドリーガイドラインを基に労働災害防止に向けた取組を示してもらうとともに、職場の段差解消や床や通路の滑り防止対策、危険箇所への安全標識、警告灯設置など、職場環境の改善費用を補助対象とするエイジフレンドリー補助金の案内周知を行うなど、高齢者が安心して働くことができるよう支援すべきと考えますが、所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 酒井福祉局総務企画部長。
○福祉局総務企画部長(酒井雄二) 高齢者が安心して働くことができるようにするためには、各事業者において高齢者が働きやすい職場環境を整えていただくとともに、高齢者が事前に具体的な仕事の内容などを把握できるよう取り組んでいくことが重要であると考えております。今後とも、事業者に対して個別訪問やコンサルタント派遣などにより、働きやすい職場環境の整備を働きかけるとともに、高齢者に対しても企業との交流会や個別相談会、シニア・インターンシップなどを通し必要な情報提供を行ってまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 次に、ふくおか「働き方改革」推進企業認定事業の推進について伺います。
 ふくおか「働き方改革」推進企業認定事業が2017年11月スタートし、約5年経過しました。成果と課題、今後の取組について伺います。
 本事業は、働き方改革を積極的に進めている企業を市が推進企業として認定することにより、市内企業、事業所における働き方改革の促進を図ることを目的としています。市内企業、事業所ではコロナ以前より人材の育成と確保が課題となっています。これまで人材の確保として、学生の地元就職を促進するための交流イベントやオンラインによる合同会社説明会が開催されていますが、過去4年間の参加事業所と参加者数をそれぞれ年度ごとにお示しください。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 学生の地元就職を促進するための交流イベントにつきましては、平成30年度及び令和元年度にふくおか地元就職・人材確保支援事業を実施しており、30年度は企業から408人、学生などの求職者は943人、元年度は企業から430人、学生などの求職者は1,022人が参加しております。オンライン合同会社説明会については令和2年度から実施しており、2年度は出展企業が81社、学生などの求職者は2,930人、3年度は出展企業が192社、学生などの求職者は5,001人が参加しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 2018年度と2019年度の2年間実施されたふくおか地元就職・人材確保支援事業には約2,000人、コロナ禍でのオンライン合同会社説明会には約8,000人の学生等が参加したとの報告がありました。
 一方、2017年、内閣府が行った就労等に関する若者の意識調査では、仕事観について、仕事よりも家庭、プライベートを優先すると回答した若者は63.7%、2011年時の52.9%より約10ポイント高くなっています。現在の若者の家庭、プライベートを優先する仕事観を無視することができず、企業はワーク・ライフ・バランスを含む働き方改革を進めていくことが求められています。本事業の対象は、市内に本店または主たる事務所を有していることを要件としています。2016年の総務省の経済センサス活動調査によれば、2016年現在の市内の事業所数は7万1,909事業所となっています。本事業の対象となる要件に該当する事業所は、全事業所のうち、どのくらいの事業所が該当するのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 平成28年の経済センサスによりますと、福岡市内の事業所のうち、本店や本社が福岡市内にある事業所は4万3,912事業所で、福岡市内に立地する事業所の約6割が本事業の対象となります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 市内全事業所のうち、約6割が対象となる事業です。働き方改革推進企業に認定されるためには、働き方改革の方針を策定していることや、福岡市が独自に定めた働き方改革に関する28の取組項目のうち、16項目以上を達成していることが要件となっていますが、具体的にどのような項目があるのか、お示しください。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 働き方改革に関する取組の具体的な項目につきましては、例えば、非正規雇用の処遇改善及び正規雇用の促進の分野では、非正規雇用労働者に対する法定の条件を上回る休暇制度の設定や正規雇用労働者数の増加などの項目がございます。また、長時間労働の是正の分野では、ノー残業デーの設定や一定時刻以降の全社一斉消灯の実施などの項目がございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 総務省の就業構造基本調査によれば、2012年の非正規雇用者の割合は、全国が38.2%に対し、本市は42.0%、2017年は全国は38.2%に対し、本市は40.4%と非正規雇用者の割合が高い状況が続いています。非正規雇用者にとっては自分が働いている企業、事業所が認定を受ければ仕事へのモチベーションが高まり、定着率アップにもつながります。また、ワーク・ライフ・バランスを重要視する若者に地元企業への就職を選択することにもつながります。市内の企業、事業所にはどのように周知、広報が行われているのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 本事業の周知、広報につきましては、市のホームページや市政だよりへの掲載のほか、情報プラザや中小企業サポートセンター、区役所などでのチラシの配架、福岡市しごと情報や福岡商工会議所の登録企業へのメールマガジンの送付など各種媒体を活用し、周知、広報に努めております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 市ホームページや中小企業サポートセンター等でのチラシ配布などで周知、広報が行われているとのことですが、認定された企業、事業所数を年度ごとにお示しください。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 認定した企業数につきましては、平成29年度4社、30年度12社、令和元年度27社、2年度64社、3年度34社となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 事業が始まってから5年、認定された企業、事業所数は合わせて141社となります。
 業種の内訳をお示しください。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 認定企業の業種別の内訳につきましては、多い順に建設業104社、サービス業16社、運輸、通信業7社、卸売、小売、飲食業6社、金融、保険業4社、製造業2社、不動産業2社となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 141社中104社が建設業です。認定のメリットとして、商工金融資金制度で金利や保証料が有利なメニューを利用できる、また、市が発注する工事、委託等の入札で優遇措置が受けられるとなっていることから建設業が多く、地場の大手建設業者も認定を受けていることから同業者へ波及しているようですが、他業種に広めていく必要があります。
 本事業は、本市独自に定めた正規雇用の推進や非正規雇用労働者の処遇改善、長時間労働の是正、ワーク・ライフ・バランスの確保、高齢者の活躍の推進を含めたダイバーシティの推進など28項目の分野別の取組が示され、約6割の16以上を達成すれば認定される制度となっています。認定要件が低く設定されているにもかかわらず、市内の対象企業、事業所のうち、認定された企業、事業所数が少ないと思われますが、その要因をどのように捉えているのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 平成29年度の事業開始以来、認定企業数は毎年度増加しており、市内企業における働き方改革の機運は広がっているものと認識しております。
 一方で、市内企業の働き方改革を促進していくためには、より多くの企業に認定企業になっていただくことが重要であると考えております。そのためにも、働き方改革の必要性をはじめ、企業のイメージアップや入札などでの優遇措置などメリットの部分についてもしっかりとPRしながら、本事業の積極的な周知、広報に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 2017年12月定例会では、市内企業の働き方改革を後押しする事業であり、働き方改革の機運を高めるために経営者が働き方改革推進の意識とリーダーシップを持って取り組めば達成可能な項目数を勘案し、全体の約6割に当たる16項目以上の達成を認定基準に定めたとの答弁がありました。
 また、私たち議員に配付された資料によれば、企業には近年の人手不足に対応する観点からも、働き方改革に的確に対応し、職場環境の改善に取り組むことが求められているとされ、働き方改革がテーマの認定制度、政令市初とその意気込みが込められています。政令市初とアドバルーンを揚げた割には、対象事業所数4万3,912社の0.3%、141社にすぎません。地場企業からの申請を待つのではなく、認定のメリットも拡充しながら、同業者に波及するよう、サービス業や運輸、通信業など地場大手に積極的に働きかけていくべきではないか、所見を伺い、私の質問を終わります。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 認定のメリットにつきましては、令和2年度から財政局が所管する社会貢献優良企業優遇制度の事業に追加され、入札などでの優遇措置が受けられるようにするなど拡充を図ってまいりました。働き方改革に取り組む企業数を増やしていくためには、この認定のメリットなども含め、積極的な周知、広報が必要であると認識しており、市ホームページや市政だよりなどによる周知、広報に加え、福岡市から業界団体や福岡商工会議所が実施するセミナーなどに出向き、働き方改革の必要性や本事業の内容について、地場大手企業の取組事例なども交えながら、直接、企業の経営者や担当者に紹介する取組も行っているところでございます。
 本事業は、働き方改革の取組を通して労働環境の改善や生産性向上が図られ、働きやすく魅力ある企業になっていただくことを目的としており、各種媒体による周知、広報に加え、地場企業への積極的な働きかけを行うなど、より多くの企業に働き方改革に取り組んでいただけるよう努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美)登壇 私は、日本共産党市議団を代表して、安倍晋三氏の国葬等問題、統一協会問題、国民健康保険料及び介護保険料の負担軽減について質問を行います。
 まず、国葬等の問題についてです。
 今年7月8日、奈良県で参議院選挙における応援演説中の安倍晋三氏が統一協会に恨みを持った容疑者から銃撃され、命を落とすという事件が起きました。安倍氏の死去に際して、福岡市は7月11日から15日まで、献花台と記帳台を市役所ロビーに設置し、市役所職員を配置しました。しかし、安倍氏は現職の総理でもなく、自民党所属の一衆議院議員であり、市民の間でも評価が分かれる人物です。
その死去に際し、公共施設である市役所のロビーを使い、市職員の配置まで行い運営したことは、公平、公正であるべき地方自治法の在り方や全体の奉仕者としての公務員の役割に照らして問題ではなかったのか、島市長の御所見を伺います。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は発言者席にて行います。
 
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 記帳所及び献花台の設置については、去る7月8日に安倍元首相が参議院議員選挙のさなかに銃撃を受け、逝去されるという事件が発生しました。当該行為は、国民が日本の将来を選択する重要な機会である国政選挙のさなかに起きた許し難いものであり、テレビやインターネットを通じて繰り返し流される残忍で痛ましい事件の映像に多くの国民や市民が大変なショックを受け、民主主義に対する脅威を感じるとともに、暴力行為に対する抗議の声や事件の犠牲となった安倍元首相に対し哀悼の意を表す動きが事件直後から広がっていったところでございます。こうした中で、福岡市として民主主義を揺るがす暴力行為に対する抗議の思いを多くの市民と共有するとともに、事件の犠牲となられた安倍元首相を追悼したいという市民の思いを受け止めるための場を提供する必要があると判断し、記帳所及び献花台を設置したものでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 民主主義を守るということと献花台の設置は結びつきません。市長は、名義後援問題においては行政の中立性と殊さら強調し、自分が一方的に特定の政治的立場だと判断する企画は一切後援しないという態度を取ってきました。この対応と比較すると、特定の政治家の死去に際し、献花台や記帳台を設置する対応は全く矛盾しています。これこそが行政の中立性に反し、偏っています。今年は6月19日の福岡大空襲の慰霊式典は新型コロナ感染症の影響を理由に中止、縮小されました。この対応との対比で見ても、他の自治体の対応に比しても、福岡市のやり方は異常です。安倍氏との関係が深かった島市長は、自ら行政の中立性を踏み破り、市役所の私物化を行ったと言わなければなりません。そこで、手続に問題はなかったか見ていきます。
献花台と記帳台の設置について、最終決裁者は誰で、決裁日はいつなのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 記帳所及び献花台の設置の方針決定の決裁者は市長で、令和4年7月14日に決裁を完了しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 島市長が決裁し、日付は7月14日、おかしいですね。実際には決裁前の11日から実施されております。順番が逆です。
 福岡市公文書の管理に関する規則においては、事案の処理に係る意思決定及び報告は、公文書を作成することにより行わなければならないとされており、決裁前に既に実施してしまったというのはこの規則に反しております。重大な瑕疵ではないか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 記帳所及び献花台の設置方針については、7月11日の総務企画局と市長との協議の中で決定しておりますが、同日は記帳所及び献花台の設置準備などのため、事務を担当する総務企画局総務課において直ちに方針決定の起案を行うことは困難であったため、市長まで御了解いただいた内容を福岡市公文書の管理に関する規則第6条の規定に基づき、翌12日に起案し、7月14日に市長の決裁をいただいたものであり、その手続は適正であったと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 6条に基づいてと言われましたが、これは作成が困難だった場合は、これは後に決裁というのもあり得ると書いてあるんですね。しかし、作成が困難だったというのは、今言われたこの記帳所設置の準備で困難だったと、こんなのは理由にならないと思いますよ。これ、ただし書に当てはまらないんですよ。正当な手順での意思決定をしなかったと。
誰が指示してやらせたのか、答弁を求めます。
 
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 福岡市公文書の管理に関する規則第6条第2項では、意思決定と同時に公文書を作成することが困難であるときは、当該事案の処理後、速やかに公文書を作成しなければならない旨を定めております。記帳所及び献花台の設置方針については、7月11日の総務企画局と市長との協議の中で決定しておりますが、同日は設置準備などのため、事務を担当する総務企画局総務課において直ちに方針決定の起案を行うことが困難であったため、市長まで御了解いただいた内容を同規則に基づき、翌12日に起案し、7月14日に市長の決裁をいただいたものでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 島市長が関係の会議で決めたという話ですけどね、トップダウンで結局は何の手続も取らないまま部下に命令したということなんですよね。決裁文書は後でつじつま合わせに作ったということにすぎないということが明らかだと思います。
いずれにしても文書決裁主義、これが行政手順の基本中の基本ですよ。この原則を踏み破ってまで何が何でも安倍氏への弔意を示そうとしたやり方、これは異常だったと思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 先ほど答弁したとおり、また、先ほどの落石議員の質問の中でも答弁したとおり、設置の方針は7月11日の総務企画局と市長との協議の中で決定しております。その内容に基づき、総務企画局総務課において記帳所及び献花台を設置したものでございます。記帳所及び献花台の設置については、その設置の趣旨に鑑み、公共性があり、問題はなかったものと認識しております。また、決裁の手続については、福岡市公文書の管理に関する規則に基づき、適正に行ったものと認識しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) こんなの適正と言いよったら何もかにも適正になりますよ。これは許されないと思います。
 行政への信頼を揺るがすという重大問題を起こしたわけですけれども、次に、弔旗の掲揚についておただしします。
 献花台設置の7月11日、今度は市役所や区役所から公民館に至るまで、各所属長宛てに弔旗の掲揚について配慮するよう求める通知が光山副市長名で出され、これを受け、各施設では半旗が掲げられるという事態になりました。これも行政の中立性を侵し、安倍氏に対する弔意を全ての公共施設と利用者である市民に実質強制するものであり、問題ではなかったか、御所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 弔旗掲揚の通知については、官房長官の会見において、国の施設で弔意を表す半旗を掲げるとしたことや、市役所本庁舎1階ロビーにおいて記帳所及び献花台の設置を決定したことを踏まえ、本庁舎では半旗掲揚を行うことから、他の公共施設を所管する所属長へ取組の趣旨を周知し、弔旗掲揚について配慮いただくよう通知を行ったものであり、問題はなかったと認識しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 現に公民館で掲げられた半旗を見た市民から、なぜそこまでやるのかという問合せや抗議の声が私どもにも寄せられました。
島市長が安倍氏を特別扱いにした結果、自治体や公務員が旨とすべき行政の中立性を踏み破り、国民の思想信条の自由を保障した日本国憲法にも反する事態を生み出してしまったわけです。その責任は重大だと思いますが、島市長自身の御所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 繰り返しになりますが、記帳所及び献花台の設置や弔旗掲揚の通知については問題はなかったと認識しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 行き過ぎた対応だったと認めるべきです。
 もう一つは、学校現場への弔旗要請の件についてです。さきの光山副市長名で出された11日付配慮要請文書が、翌12日に通知という形で市内の各学校長宛てに横流しされました。これを受けて学校現場では半旗を掲げるかどうかの悩ましい判断を迫られ、職員に諮らず校長判断で掲揚したところもあるなど混乱しました。子どもに半旗を掲げさせた学校もあると聞いております。また、突然学校に掲げられた弔旗を見て、少なくない子どもや教職員、保護者が驚いたり不快に思ったりしました。教育基本法は、特定政党支持など学校の政治的活動を禁じています。
したがって、学校現場に弔旗配慮の通知を出したことは教育基本法に反するとともに、思想信条の自由を保障する日本国憲法にも反する行為であったと思いますが、教育長の御所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 今回の通知は、教育委員会から各学校長に対しまして、市役所本庁舎での取組等について情報提供を行うために、総務企画局の公文通知の写しを付して通知があった旨をお知らせしたものでございまして、弔旗の掲揚を要請したものではありません。そのため、憲法19条の思想、良心の自由に抵触するものとは考えてございません。また、教育基本法第14条では、特定の政党を支持し、またはこれに反対するための政治教育その他の政治活動が禁じられておりまして、この政治活動については、国において、その行為の目的が政治的意義を持ち、その効果が政治に対する援助、助長、促進または圧迫、干渉になるような行為をいうとされてございます。今回の通知等は、その目的が政治的意義を持つものではないこと等から、同法に抵触するものとも考えてございません。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 本庁舎での取組を紹介すると、情報提供だとおっしゃいました。なぜ本庁舎の取組を学校現場に情報提供する必要があるのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 先ほど総務企画局から御説明がありましたとおり、こういう取組が行われているということを施設の管理者について広報するということでございましたので、我々としても施設の管理者である各学校長に情報提供することは、教育委員会で消してしまわずに情報提供することは必要と考えてお知らせしたものでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) それが問題なんですよね。公正であるべき教育委員会が市長サイドに追随し、法にも憲法にも触れる行為を行ったのでありますよ。猛省すべきです。
 ところで、この通知文は教育支援課長など5名の連名で出されておりますが、決裁したのは誰なのか、答弁を求めます。
 
○議長(伊藤嘉人) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) お尋ねの通知の決裁者は教育委員会教育支援部長でございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 部長決裁とのことですが、なぜ教育長ではないのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 今回の通知につきましては、総務企画局の通知を受け、私も含め、教育委員会事務局内で協議した結果として、各学校に対し事務的な連絡を行うこととしたため、前例に従いまして教育支援部長の決裁としたものでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 弔旗掲揚というのは高度な政治的行為なんですよね。これを事務作業と言い放つ人物が教育長を務めているというのは重大問題です。市長サイドから副市長名で配慮してくれ、つまり弔旗を掲げてほしいという文書が来れば学校長はなかなか無視できません。学校ごとの判断という責任転嫁は許されませんよ。
 そこで、今回通知という形で教育基本法にも憲法にも反する行為を行った教育委員会の責任者である教育長の責任は重大だと思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 繰り返しとなりますが、今回の通知は、各学校長に対して情報提供を行うために、総務企画局の公文通知の写しを付して通知があった旨をお知らせしたものでございまして、弔旗の掲揚を要請したものではございません。また、教育基本法第14条では、特定の政党を支持し、またはこれに反対するための政治教育その他の政治活動は禁じられておりますが、この政治的活動については、国において、その行為の目的が政治的意義を持ち、その効果が政治に対する援助、助長、促進または圧迫、干渉になるような行為をいうとされてございます。今回の通知等については、特定政党を支持するなどの政治的意義を持つものではなく、同法に抵触するものとは考えてございません。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) あなたの認識間違っていますよ。あなた方が出した通知で学校現場の校長さんたちは圧迫を感じたんですよ。これこそ政治的圧力だ。認識を改めてほしい。教育長としての資格が問われます。
 さらに、問題は教育長だけではありません。島市長はこの問題について記者に問われ、市教委が判断したこと、自分は何も関与していない、市教委が判断すればよいと述べたとの報道を見て私は?然としました。市長に成り代わって光山副市長が通知を出し、それが教育現場にも押しつけられたわけです。福岡市総合教育会議の主催者でもある市長自身が、一連の動きについて人ごとのような発言をするのは許されません。新型コロナの第1波の際、市長はトップダウンで現場に一斉休校を押しつけました。今回の弔旗掲揚問題についても、また島市長に押しつけられたという思いが教職員や市民の間で広がっております。
したがって、島市長は、学校に対し実質弔旗を押しつけ弔意を強制した問題について、自分には責任がないという一連の発言を撤回し、責任を認めるべきではないか、答弁を求めます。
 
○議長(伊藤嘉人) 光山副市長。
○副市長(光山裕朗) 各学校への弔旗掲揚の通知につきましては、私から各所属長へ発信した通知を教育委員会として各学校にも情報提供されたものでございまして、この教育委員会の対応については問題はなかったものと認識いたしております。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 副市長が責任をかぶる形で答弁されましたけど、内部統制はどうなっとるんですかね。結局、さっき確認したように、決裁者は市長なんですよ。一連の動きの最終決裁は市長、ここが行ったと。副市長がやったから知らないとまさか言わないと思うんですよね。無責任極まりない。いいかげんトップダウンのやり方はやめるべきだと指摘しておきたいと思います。
 次に、安倍晋三氏の国葬問題についてです。
 岸田内閣は、安倍晋三氏の国葬を行うことを閣議決定し、今月27日に強行しようとしております。しかし、国民、福岡市民の間では日に日に反対世論が高まっております。
 そこで、国葬実施について、島市長の御所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 国葬について様々な御意見があることは承知していますが、国葬については国が行う儀式でありますので、国において適切に執り行われるものと認識しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) それは国が決めたことと追認されました。しかし、今回の安倍氏の国葬実施について閣議決定した理由は、東日本大震災からの復興、日本経済の再生、日米関係を基軸とした外交の展開等の大きな実績を様々な分野で残されたことなど、その御功績は誠にすばらしいものだとするなど、安倍晋三氏やその政治を賛美、礼賛する立場です。島市長が安倍氏の功績を賛美する立場だというのは誰の目にも明らかです。しかし、私も含め、多くの市民はそうではなく、いわゆる安倍政治を評価しておりません。だからこそ各種メディアがこの間行った国葬実施に関する世論調査においても、読売新聞で反対56%、賛成38%をはじめ、軒並み反対多数です。
したがって、そのような中での国葬実施は安倍政治を礼賛する立場や弔意を国民に強制するものであり、全ての国民に内心の自由を保障した憲法違反に当たるのではないか、市長の御所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 国葬は国の儀式であり、国の考え方については内閣官房長官や岸田首相の会見の中で、国民に弔意を強制するものではないと述べられているものと認識しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 述べられたか述べられないかが問題ではないんです。実質どうなるかという話なんです。
 国葬に関しては大日本帝国憲法の下では国葬令が存在していましたが、戦後、日本国憲法の下ではこれは廃止され、1968年には当時の政府が国葬に法令根拠はないことを認めております。その後も何の基準もつくられてきておりません。だからこそ吉田茂元首相以来、誰に対しても国葬は行われてこなかったのです。
 そこで、何の法令根拠もない国葬を閣議決定だけで強行実施するやり方について問題だと思わないのか、市長の御所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 繰り返しになりますが、国葬については国が行う儀式であります。なお、国葬を行う判断に至った理由として、岸田首相が8月31日に行われた会見の中で、民主主義の根幹たる国政選挙を6回にわたり勝ち抜き、国民の信任を得て、憲政史上最長の8年8か月にわたり重責を務められたこと、東日本大震災からの復興や日本経済の再生、日米関係を基軸とした戦略的な外交を主導し、平和秩序に貢献するなど様々な分野で歴史に残る業績を残されたこと、諸外国における議会の追悼決議や服喪の決定、公共施設のライトアップをはじめ、各国で様々な形で国全体を巻き込んでの敬意と弔意が示されていること、民主主義の根幹である選挙活動中の非業の死であり、こうした暴力には屈しないという国としての毅然たる姿勢を示すことを説明されたとともに、丁寧な説明に全力を尽くして、国民の皆様の御理解を得ながら国葬儀を執り行っていきたいと述べられたと認識しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 政府の代弁をここでとうとうとするのはやめてくださいよ。
 もし実施となれば、国民が納めた税金から多額の経費が費やされることになります。政府が当初明らかにした会場費等2億5,000万円という経費でさえ、これを知った市民から、ほかにやることがある、勝手に税金使うななど厳しい批判の声が広がりました。加えて、総額は事後にしか示さないという姿勢がさらに国民の怒りに火をつけ、首相は昨日、16億6,000万円という数字を渋々示しました。しかし、これも3年前の天皇の即位の儀では90億円以上かかったことを考えると、まともな試算とは言えず、100億円程度に膨れ上がる可能性もあります。岸田首相は、国葬実施によって断固として民主主義を守り抜くと述べています。しかし、根拠法もない、国民の中で評価が分かれる一政治家に対する弔意を国民に押しつけ、多額の公金を支出する、こんなやり方は民主主義を守るどころか、逆に踏みにじる行為にほかなりません。岸田政権への批判は統一協会問題と併せ、内閣支持率の大幅低下という形で現れております。
したがって、憲法遵守義務のある市長は、一片の道理もなく問題だらけの国葬の実施に反対し、中止を求めるべきではないか、御所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 繰り返しになりますが、国葬については国が行う儀式でありますので、国において適切に執り行われるものと認識しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 最後まで情けない答弁ですが、安倍氏と島市長との関係や付き合いがどうであれ、筋は通すべきです。
 確認しておきますが、国葬が強行された場合、27日は本市議会においては決算特別委員会の期間中です。先ほど案内があれば出席するとおっしゃいましたが、決算議会に全力を尽くすとおっしゃったんですよね。これは矛盾することになると思うんですよね。市長がこの決算をほっぽり出して東京まで出かけていくというのはあってはならないと思いますが、答弁を求めたい。あわせて、もし万が一行くと言われるならば、これは公費なのか私費なのか、明らかにしてください。
 
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) まず、議会会期中の出張についてのお話ですが、国葬には指定都市の市長全員が出席者に推薦されると聞いており、国からの案内を受けて公務として出席するものでございます。議会対応が最優先と考えておりますが、公務のためやむを得ず出張するものであり、当日は分科会の日になりますが、議会運営に支障がないよう、副市長以下で万全の体制を取ることとしております。会期中の公務出張については、議会日程等、公務の緊急性、必要性等を総合的に勘案し、検討の上、適切に対応してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 島市長。
○市長(島宗一郎) 今、総務企画局長からお話をしましたが、国葬については、現時点ではまだ国から案内は来ていませんが、政令指定都市の市長全員が案内をされると聞いておりまして、案内がありましたら、行政のトップとして出席して弔意を表明したいというふうには思います。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 局長が公費での出席だと、こう言われた。福岡市民の暮らしに関わる大事な決算を審査するよりも、この賛否が分かれる国葬に出席することを選ぶと、これは禍根を残しますよ。忠告しておきます。
 さらに、もし強行された場合、市関連施設に弔旗を掲げたり、市民に弔意を強制したりということは断じて許されないと思いますが、市長の御所見を伺います。また、学校現場においても弔旗の掲揚や弔意の押しつけは一切許されないと思いますが、これについては教育長の答弁を求めます。
 
○議長(伊藤嘉人) 石橋教育長。
○教育長(石橋正信) 国葬に関しましては、大臣の御発言や今後の国の動向等も注視しながら適切に対処してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 島市長。
○市長(島宗一郎) 9月27日に予定されている国葬につきましては、岸田総理が会見の中で、国民に弔意を強制するものではない、地方公共団体や教育委員会等の関係機関に対する弔意表明の協力の要望の予定はないことを述べられております。国葬については国が行う儀式でありますので、国から示される考え方や通知などを踏まえ、適切に判断をしてまいります。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) これまで適切にやられてこなかったから忠告しているわけです。過ちを重ねることがあってはならないと指摘しておきたいと思います。
 次に、世界平和統一家庭連合、いわゆる統一協会問題についてです。
 この団体は、名称が変わっても本質は何も変わっていないことから、私は統一協会という表現を使います。安倍晋三氏銃撃事件をきっかけに、当団体や関連団体の反社会的活動や政治家との関係が浮き彫りとなり、国民的な問題となっています。この団体は、1954年に韓国で文鮮明氏によって設立され、日本では国際勝共連合と表裏一体の組織として1959年から活動を始めました。霊感商法や多額の献金の強要、集団結婚などで多数の被害者を出してきた反社会的なカルト集団です。大学等には原理研究会という名称で入り込み、学生取り込みを図ってきており、大学当局も注意喚起する対象団体です。
 ところが、福岡市は2016年と2020年の2回にわたり、九州大学の原理研、いわゆる九大CARPに対し環境行動賞奨励賞として島市長名で表彰しており、これがネット上などで大きな話題になり、今年7月25日に慌ててこれを取り消しました。
 そこで、市長は九大CARPが統一協会の関連団体だということを知らなかったのか、答弁を求めます。
 
○議長(伊藤嘉人) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) お尋ねの団体につきましては、大学周辺でのごみ拾いを週に1度3年以上継続して実施したことにより、平成28年度に環境行動賞奨励賞受賞82件の一つとして、また、8年以上継続して実施したことにより、令和2年度に奨励賞受賞69件の一つとしていたものでございます。環境行動賞については、福岡市環境行動賞表彰実施要領の規定において、宗教団体を表彰対象者から除くこととしておりますが、当該団体は宗教法人ではなく、また、当該団体に対し宗教活動を行っていないことを確認した上で表彰していたところでございますが、御指摘の旧統一教会との関わりまでは認識できていなかったものでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) この団体のホームページを見れば、九大CARPというのは原理研究会であり、原理研は統一協会の学生組織だというのはすぐに分かったはずなんですね。環境局はその基本的なことを調べなかったのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 環境行動賞における宗教団体に該当するかどうかの判断に当たっては、宗教の布教、啓発を目的とした宗教活動の有無により判断しており、宗教活動を行っていないとの確認を行うことが主であったことから、表層的な調査にとどまってしまっていたものと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 宗教団体ではないか当事者に確認しただけと、そんな話が信じられますか。忘れもしませんが、平和のための戦争展の名義後援拒否問題、あのとき所管の総務企画局は、戦争展のジョイント企画の講演会で講師を務める方の過去の発言や思想までインターネットなどで調べ上げました。そして、事もあろうに特定の政治的立場などとレッテルを貼って名義後援を拒否しました。その際の対応とあまりにも違います。
それならなぜこの環境行動賞の審査の際にはインターネットなどを使い調べなかったのか、重ねて答弁を求めます。
 
○議長(伊藤嘉人) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 当該団体への聞き取りでも宗教活動を行っていないとの申立てがあったことから、結果的に表層的な調査にとどまってしまっていたものであり、特定の団体との関連性も含め、宗教活動の特定に至らなかったことについては、環境行動賞の事務局である環境局における当時の調査、確認が不十分であったものと言わざるを得ないと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 環境局の調査、不十分と言われました。それならばお名前、島市長の名前で表彰されていますから、市長に聞きたいと思うんですね。島市長は九州大学の大学院で学ばれた時期がありますよね。
アナウンサーもされて知見もおありだから、九大CARPが統一協会と一体の団体だというのは御存じだったはずだと思いますが、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 不十分であったと言わざるを得ませんが、当時、当該団体名だけを捉えて旧統一教会と関連づけるまでの認識が不足していたものと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 島市長。
○市長(島宗一郎) 確かに九大の大学院に学んでいた時期があるわけですけれども、そのようなサークル活動をしていたわけではないということ、それから、そのような団体があるという存在自体も知らないということ、それから、こういった団体の選定においては、100近くあるような団体に表彰しているというのは、その選考過程に私が関わっているわけではありませんし、一つ一つその団体がどういったところが表彰されるか、当日になってみないと分からないわけですし、また、何十も表彰する場合は、1つだけ名前を読み上げて、あとは後日配るとか、いろんなパターンがありますので、そのようなものは一切認識はしておりません。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 知らなかったとおっしゃいました。しかし、これは不自然だと思うんですよね。九大CARPが統一協会と一体の原理研だと承知の上で表彰した疑念も高まってまいります。
 九大CARPは表彰を受けた後、島市長名の表彰状を団体のホームページにも上げ、自分たちの存在をアピールしている。学生たちに近づく際の宣伝材料に使ったとすれば、島市長が反社会的活動の片棒を担いだことにもなります。そのことの重大性を認識していないのか、答弁を求めます。
 
○議長(伊藤嘉人) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 環境行動賞は、環境に優しい都市の実現を目指すため、福岡市における環境の保全、創造に貢献し、顕著な功労、功績のあった個人、団体、学校及び事業者を表彰する制度でございます。お尋ねの団体につきましては、過去2回、ごみ拾い活動等に対し、環境行動賞奨励賞の対象としていたものでございますが、実施要領に定める宗教団体に該当すると判断し、表彰の取消しを行ったものでございます。
 環境行動賞の事務局である環境局として、過去の表彰時における調査、確認が不十分であったことについては深く反省し、今後、表彰者の決定を含む環境行動賞の運営に当たっては、より慎重に対応してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 深く反省とおっしゃいましたが、宗教団体だから取り消したというんでは、これは反省の意味がないんですよ。反社会的集団だからという理由に改めるべきなんです。今回発覚するまで6年間も原理研の広報に利用されてきた表彰ですよ。事は重大であり、厳格に対応するべきです。
 もう一つ、福岡市NPO・ボランティア交流センターあすみんに世界平和女性連合が利用団体として登録されている問題についてです。この団体も統一協会の関連団体だと思いますが、当局の認識を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 世界平和女性連合福岡第1連合会につきましては、団体に対し聞き取りを行ったところ、ボランティア団体であり、宗教活動は行っていないとの主張でありましたが、世界平和統一家庭連合、旧統一教会の友好団体であるとのことであり、何らかの関連はあると考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 何らかの関連はあると。
これですね、このあすみんの条例施行規則では、市民公益活動を継続的に行うものであることという条件がこの登録団体の条件として定められているんですが、この女性連合の登録を認めた時点で、市民公益活動を継続して行っている団体だという認定をしたということですか。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 世界平和女性連合福岡第1連合会につきましては、団体への聞き取りを行ったところ、留学生支援などのボランティア活動を継続して行っているとのことでございます。
 なお、あすみんの利用は令和3年度以降ございません。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) これね、登録を認めた時点で何らかの関係があるという認識はあったのかなかったのか。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 28年4月に登録をしており、その当時については、そういった認識はございませんでした。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) では、これは認識したのはいつですか。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 世界平和女性連合福岡第1連合会につきましては、8月の下旬に団体から聞き取りを行いまして、友好団体であるとのことでございました。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) じゃ、その後、この団体登録については取り消したのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 世界平和女性連合福岡第1連合会につきましては、福岡市NPO・ボランティア交流センターあすみんにおきまして、平成28年4月以降、毎年利用団体として登録しており、令和4年8月31日で登録期間が終了したため、改めて利用許可の申請があっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 今一旦切れたから申請があっていると。これは認めるんですか。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) あすみんの利用登録につきましては、当該団体が市の施設を利用することへの市民の不満や市の施設で勧誘などが行われるのではないかという市民の不安が懸念され、NPOやボランティアの利用が抑制されるおそれがある一方、単に旧統一教会の友好団体であるというだけで地方自治法上の公の施設の利用を拒むことは憲法で保障されている集会の自由を制限するおそれがあることから、当該団体の利用許可の可否について、市民公益活動推進審議会に諮問し、答申を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) この団体は、あすみんを長年無料で使用するだけでなく、アミカスやあいれふ、市民センターやさざんぴあなどの公共施設も幅広く使用して、講演会やコンサート、ルワンダ支援バザーなどを展開しています。朝倉の豪雨被災者訪問も行っています。こういう活動を通じて市民と結びついて教義を広めたり、霊感商法や献金集めをしたりするのが統一協会関連団体の常套手段です。
あすみんの利用登録についてぬるいことをおっしゃいました。これね、遡って登録を取り消すべきではないか、答弁を求めます。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 繰り返しになりますが、当該団体の利用許可の可否につきましては、市民公益活動推進審議会に諮問し、答申を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 腰の引けた対応にあきれます。消費者庁は、統一協会や関連団体によるいわゆる霊感商法に関する消費生活相談が2017年度以降、1,200から1,500件程度全国であっていることを公表しています。また、全国霊感商法対策弁護士連絡会等が被害者救済や再発防止の活動を今も展開しておられるのが現状です。
 そこで、統一協会やその関連団体による霊感商法について反社会的活動だと認識していないのか、また、本市においても被害者がいるのではないか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 霊感商法につきましては、運勢が開ける、購入しないと不幸になるなどの不安をあおる言葉で勧誘し、商品や祈?などの契約をさせるものでございます。消費者契約法により、契約を取り消すことができる行為として定められており、消費生活センターにおきましては、世界平和統一家庭連合、旧統一教会からの被害を受けたとの相談はあっておりませんが、全国的には被害を受けた方から訴訟の提起などがなされております。国においても「旧統一教会」問題関係省庁連絡会議や霊感商法等の悪質商法への対策検討会で議論がなされており、その動向を注視してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 国の動向を注視するということですが、福岡市においては被害状況を積極的に把握するという立場にいまだ立っていない、ここが問題なんです。統一協会は集団結婚式も行ってきました。自らの意思ではなく、教祖や教団関係者が決めた相手と結婚させられる。そして結婚とセットで多額の献金も要求され、ノルマも課されるなど社会的に厳しい批判を受けています。
 そこで、統一協会が行ってきた集団結婚については人権侵害問題だという認識があるのか、答弁を求めます。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 旧統一教会のいわゆる合同結婚式につきましては、信者個人の信教の自由は尊重される必要があると考えておりますが、元信者の合同結婚式への参加が団体の指示を遵守した結果であるにすぎず、婚姻しようという確たる意思を有していなかったとして婚姻の無効が認められた判決等もあっており、社会的に問題もあるのではないかと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) これは問題があるということなんだけれども、明らかに人権侵害だということを明確にすべきだと思います。
 統一協会はほかにも様々なダミー団体をつくり、市民の中に入り込んで、セミナー等に引き込み洗脳したり、教義と称して市民を不安に陥れたりして高額献金を搾り取るなどしてきました。その結果、信者の家庭が崩壊したり、人生を大きく狂わされたりする問題が続発してきたわけです。
このような統一協会と関連団体について、そもそも本市は反社会的集団だと規定していないのか、答弁を求めます。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 旧統一教会につきましては、霊感商法や法外な寄附など様々な報道がなされており、実際に被害を受けた方からの訴訟等もあっていることから社会的に問題があるものと考えておりますが、国において認められた宗教法人であり、団体の位置づけについては法律等に基づき、国で定められるべきものと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 熊本県など他の自治体では、関連団体が行ったピースロードと銘打った企画の名義後援を取り消すなど、次々と毅然とした対応を取っています。しかし、本市は対応という対応もせず、反社会的集団だといまだに規定さえしていないというのは重大問題です。今、安倍晋三氏を中心に自民党等の政治家たち、そして自治体の首長の一部も当団体や関連団体との関係を持ってきたことが次々と明らかになり、大問題に発展しています。
 そこで、島市長自身、統一協会関連行事への参加、メッセージ等の送付、会費の納付など、関係性を持っていないのか、答弁を求めます。
 
○議長(伊藤嘉人) 島市長。
○市長(島宗一郎) 旧統一教会及び関連団体については、行事への参加やメッセージ送付、会費を納入したこと等はございません。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) では、選挙支援を受けたことはないか、また、寄附を受けたり、政治資金パーティー券を購入してもらったりした実績もないか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 島市長。
○市長(島宗一郎) 旧統一教会及び関連団体から選挙支援を受けたことはございません。また、寄附を受けたことやパーティー券を購入していただいたこともございません。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 全く関係ないとおっしゃいましたが、それならちょっと確認したいんですけどね、8月25日時点で市民の会という市民団体が公開質問状を市長に提出しています。回答期限8月31日で回答してくれということで統一協会との関連があるかないかというのを聞いたんですけど、31日までの期限には回答できないという回答があって、9月9日まで待ってくれという話になっている。関係がないんだったら、なぜその旨、回答をすぐにしないんですか。これがよく分からない。説明してください。
 
○議長(伊藤嘉人) 島市長。
○市長(島宗一郎) それは何のことかよく分からないので、ちょっと回答ができないんですけれども、いずれにしても、どこか受けたところがですね、いろいろ私に確認をするような時間の問題だったのかなというふうに思いますが、いずれにしても、私の認識の中では、今答えたとおり、一切の関係はございません。考える必要もないぐらいないということです。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) じゃ、聞きます。島市長宛てに出されている公開質問状ですよ。私も立ち会ったけどね、これは確実に市長本人に伝えてくれという公開質問状ですよ。市長室を経てあなたに届いとるはずだ。届いていないと言うたらこれは大問題よ。正式に回答を待ってくれという返事があっておるんだから、これは今からでも精査してくださいよ。どこの責任か、市長室か。そんないいかげんな答弁ないよ。どっかしかるべきところが答弁しなさいよ。できんのやったら精査してください。
 
○議長(伊藤嘉人) 光山副市長。
○副市長(光山裕朗) ただいま御指摘の公開質問状については、確認の上、至急対応させていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 本会議場で答弁を求めていますから、答弁してくださいよ。
 
○議長(伊藤嘉人) どなたか答弁できますか。光山副市長。
○副市長(光山裕朗) ただいま公開質問状の回答につきましては、市長室のほうで一旦受けさせていただいて、その上で、各所管のほうに確認をさせていただいているというところ等につきまして時間を要しているということでございまして、先ほどの回答の期限を一旦お答えしたものだというふうに認識しております。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 各所管の確認をしているということは、市役所内部で関連がないかどうかの精査をしているということですね。市長自身の関連は一切ないと本人が先ほど拒否された。間違いないでしょうかね。否定したんですね。これは政治資金パーティーのチケットを買ってもらったかどうかというのは、これは特段調べないと分かりにくい問題だと思うんですよ。そこも含めて精査されたということで確認してよろしいか。
 
○議長(伊藤嘉人) 島市長。
○市長(島宗一郎) 精査をした上で、私としては一切ないということです。
 ただ、行政は行政でそうしたことで公開か何か知らないけど、聞かれたものについては、行政として間違いがないか、多分行政の中で今調べているということでしょうが、私としては一切ないということです。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 一切ないと否定されましたね。島市長と安倍晋三氏との関わりからすれば、市長が何も関係ないというのは考えにくいというのが多くの市民の感覚なんです。
 そこで、統一協会との関係について、自ら改めて調査して市民の前に明らかにすべきではないかと思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 島市長。
○市長(島宗一郎) 何度も申しているとおり、一切ないものはないということです。安倍総理との関係がというところから無理やり結びつけていらっしゃるんでしょうけれども、安倍総理との関係が、それは政治的にいろんな御相談とか、これまでお話しさせていただいたことはありますけれども、宗教団体とか支援団体とか、そういったことの話をしたことはないですし、統一教会の話など一度も聞いたことは一切ないわけでありまして、ですから、いずれにしても私は何にも関係ないですし、選挙支援を求めることもないですし、関係はないということです。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 恐縮ですが、国会では何も関係ないと言っていた方が、調べたら実はあったんだと、知らんかったと、こうおっしゃる例も多々あっていますのでね、老婆心ながら、これはきっちり調べるべきではないかと申し上げておきたいと思います。疑惑に蓋をすることは許されないと思うんですね。
 念のために、市長を支えている3人の副市長それぞれに統一協会や関連団体との関わりを持ったことがないか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 光山副市長。
○副市長(光山裕朗) 旧統一教会及び関連団体と関係を持ったことは一切ございません。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 中村副市長。
○副市長(中村英一) 一切ございません。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 荒瀬副市長。
○副市長(荒瀬泰子) 一切ございません。同様でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) ないということですが、この問題は市長選挙でも大きな焦点になるのは間違いありません。
したがって、島市長は統一協会と関連団体について反社会的集団だと規定するとともに、世界平和女性連合のあすみん利用登録を取り消すべきではないか、答弁を求めます。また、表彰や名義後援あるいは公共施設の使用等において、関連団体も含めて市がお墨つきを与えた実績はないかなど、全庁にわたる調査を行うとともに、市長自身と団体との関係についても調査を行い、公表すべきではないか、御所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 島市長。
○市長(島宗一郎) 旧統一教会については霊感商法等様々な報道が行われておりまして、被害者の方から訴訟も提起されるなど社会的に問題のある団体として認識をしており、市独自の表彰制度や名義後援などについては、福岡市が社会的に問題のある団体の活動を支持しているとの誤解を与えることかないよう、各局において調査や取消しも含め、適切に対応しているところでございます。 また、公の施設の使用については、国に対して宗教団体等の利用基準等について統一した基準を示すよう要望するとともに、あすみんにおける利用登録の可否については、市民公益活動推進審議会に諮問し、その答申を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。また、繰り返しますが、私自身は旧統一教会や関係団体との関わりは一切ございません。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) これまでの対応を抜本的に改め、一切の関係を断ち切るよう強く求めておきます。
 次に、国民健康保険料、介護保険料についてです。
 共産党市議団は今年、市民アンケートを行ってきました。現時点でお寄せいただいた2,000以上の回答のうち、優先して進めてほしい政策のトップは税金の無駄遣いをなくすこと、2位が国保料の引下げ、3位は介護の保険料や利用料の引下げという結果となっています。市民の多くが保険料負担の重さを実感していることが浮き彫りとなった形です。これは新型コロナの影響と打ち続く物価高騰の影響で国保、介護ともに保険料の負担がこれまでにも増して重くなっていることの表れではないかと思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 今般の物価高騰などの社会経済情勢は、保険料の負担感にも一定の影響を及ぼしているものと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 酒井福祉局総務企画部長。
○福祉局総務企画部長(酒井雄二) 物価高騰につきましては、介護保険料の負担感にも一定の影響を及ぼしているものと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 一定の影響があるということですね。国保料については過去大きな議論となりました。
 そこで、市長就任前に決定された2010年度1人当たり保険料と就任直後に決定された2011年度1人当たり保険料の比較について、40歳から64歳までの介護分も含む数字でお示し願います。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 平成22年度の1人当たり保険料は9万4,994円、23年度は9万2,340円で、2,654円の減額となっております。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 島市長が当初公約されたとおり、2,654円の引下げとなっていた。
では、今年度、2022年度はその2011年度と比較して同じ1人当たり保険料はどうなっているか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 令和4年度の1人当たり保険料は9万7,371円で、平成23年度と比べ5,031円の増となっております。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 12年たてば自らの公約を破ってもよいと考えておられるのか、市長に御所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 国民健康保険料につきましては、平成23年度に医療分と支援分合計で1人当たり保険料の引下げが行われており、保険料の軽減化は図られたものと認識をしております。 なお、保険料については、1人当たり医療費が年々増加していく中で、その後、8年間据え置かれていまして、令和2年度の増額につきましては、保険料の負担緩和などに充てられるいわゆる赤字分の法定外繰入金の削減、解消が求められる国の制度改正などに伴い行われたものでございます。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) これね、公約を破ったことがそれで免罪になるわけではないんですよ。
具体的にモデルケースで尋ねますが、給与収入が300万円、所得にすれば202万円の3人世帯では、介護分まで含む保険料は年額で幾らになるか、答弁を求めます。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) お尋ねの年間保険料は34万7,800円となります。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) これは10回払いなので毎月約3万4,000円の支払いとなるわけです。これは所得の約18%に当たります。重過ぎる負担だと思われませんか、御所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 国民健康保険制度につきましては、必要な医療費などの経費を国や県からの支出金などの公費と被保険者からの保険料で賄う社会保険制度でありまして、被保険者にも応分の負担をいただく仕組みとなっております。しかし、国民健康保険の被保険者は他の保険に比べ医療費水準が高い一方で、所得水準が低いため、所得に対する保険料負担が重くなるなど構造的な問題を抱えております。そのため、福岡市では歳入の確保や歳出の抑制を図り、財政健全化に努めますとともに、毎年度一般会計から多額の繰入れを行っており、保険料負担の軽減を図っております。この結果、令和4年度の医療分と支援分を合計した1人当たりの平均保険料の額は、20政令市の中で低いほうから2番目となっております。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 一般会計からの法定外繰入れについて、市長就任直後の2011年度と2022年度の金額はそれぞれどうなっているか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 法定外繰入れにつきましては、予算額で平成23年度が約71億円、令和4年度が約41億円となっております。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 30億円も減っているんですね。都道府県単位化が強行され、繰入れを減らせと許し難い圧力がかけられているものの、まだ市町村の裁量権は残っています。
繰入れをこんなに減らして保険料を大幅に引き上げるというのは問題ではないか、御所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 法定外繰入れの減額につきましては、国において財政運営の県単位化など様々な制度改正が行われ、国から財源が措置される法定繰入れが充実されたことに伴い、決算補?等目的の法定外繰入れ、いわゆる赤字繰入れについては計画的、段階的に解消することを求められていることによるものでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 正当化できるものではありませんよ。今見たのは40歳から64歳に当たる例ですが、介護分を負担しなくてよい39歳までの若い世代においても新型コロナの影響、物価高騰の影響は重くのしかかり、国保料は重い負担となっています。65歳以上の高齢者はそれに加え年金削減も強行され、国保料と別に取られるようになる高い介護保険料と合わせた重い負担に悲鳴を上げています。つまり、国保加入世帯は年代を問わず保険料の重い負担に苦しんでいるんです。
したがって、市長は国保料を引き下げるといった公約破りはやめ、少なくとも保険料を島市長が就任した直後の水準に戻すべきではないか、御所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健医療局長。
○保健医療局長(舟越伸一) 国民健康保険制度につきましては、必要な医療費等の経費を国や県からの支出金などの公費と被保険者からの保険料で賄う社会保険制度でありまして、被保険者にも応分の負担をいただく仕組みとなっております。保険料につきましては、安定的な制度運営を図る観点から、法令に基づき適切に設定しつつ、歳入の確保と歳出の抑制に最大限取り組むとともに、毎年度一般会計から多額の繰入れを行うなど負担の軽減を図っているところです。物価高騰の影響などにより保険料の支払いが困難となった方については、事情を十分お聞きした上で、それぞれの状況に応じて分割納付などの納付緩和措置を行い、また、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少したなどの一定の事由がある方には減免を適用するなど、引き続き適切に対応を行ってまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 公約破りは許されないことを指摘しておきます。
 次に、負担が重い介護保険料について、市長が就任した当時の保険料の年間標準額と現在の標準額は幾らか、それぞれについてお示し願います。
 
○議長(伊藤嘉人) 酒井福祉局総務企画部長。
○福祉局総務企画部長(酒井雄二) 福岡市における第1号被保険者の介護保険料基準額につきましては、島市長就任時の平成22年度は年額5万3,926円、令和4年度は年額7万4,699円となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 2万円以上も引き上がっております。
 一方、この間進められてきた制度改悪で受けられるサービスはどんどん減らされています。先日、私が受けた相談では「家事援助で掃除のサービスを受けたいが、駄目だと言われた。使えないなら保険料支払いがばからしい、もう払わない」というものでした。
高い保険料を含め、介護保険制度そのものに対する信頼が揺らいでいるのではないか、御所見を伺います
 
○議長(伊藤嘉人) 酒井福祉局総務企画部長。
○福祉局総務企画部長(酒井雄二) 介護保険料につきましては、3年ごとに介護保険事業計画を策定する中で、必要な介護費用等を見込み、関係法令に基づき設定しております。また、福岡市におきましては、保険料段階を国の基準である9段階より多い13段階で設定するとともに、平成27年度から原則給付費の5割の公費とは別枠で、国が定める割合の上限まで国費、県費、市費を投入し、低所得者の保険料の低減を図っているところでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 当事者の大変さが全く分かっておられません。10月からは75歳以上の後期高齢者においては医療費窓口負担の2倍化まで強行されようとしております。加えて今、先の見えない物価高騰が襲いかかっています。一方、年金は今年度0.4%の引下げが強行されました。収入は減るのに出費は増える、どうやって生きていけばよいのかという声がアンケートでもたくさん寄せられております。後期高齢者医療保険料は県下一本で保険料が決められますが、介護保険料はそれとは違い、市町村の裁量で決められます。
したがって、今こそ基金も活用し、介護保険料の引下げを図るべきではないか、答弁を求めます。
 
○議長(伊藤嘉人) 酒井福祉局総務企画部長。
○福祉局総務企画部長(酒井雄二) 介護保険料につきましては、3年ごとに介護保険事業計画を策定する中で、必要な介護サービス費用等を見込み、関係法令に基づき設定しており、その際は介護給付費準備基金も活用し、保険料の上昇抑制を図っているところでございます。福岡市といたしましては、今後とも介護保険制度を適正に運用するとともに、第1号被保険者の保険料の上昇を抑制するため、国の負担割合を引き上げるなど必要な措置を講じるよう、引き続き国に対し要望してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 国保料も介護保険料も重過ぎる負担はもう限界です。
 本市のある会計年度任用職員の方の例を紹介します。この方は単身66歳の女性です。年金は僅かな額が今年度さらに減らされ、年間47万円、給与収入は年間117万円です。合計で164万円の収入で生活しておられます。市県民税は年額1万8,600円、家賃は月額約3万4,000円で、年間43万円が出ていきます。水光熱費、医療費の自己負担、その他生活雑費等で支出合計は約94万円で、手元に残る金額は70万円程度です。この中から国保料5万700円と介護保険料8万2,169円の計13万円余が取られ、生活に使える金額は57万円程度となり、1日当たり食費を含んで1,500円程度しか使えません。「美容院にも行けない、服も買えない、化粧品も買えない、本当にきついです。洋服や靴は娘や孫のお下がりをもらっています。仕事を辞めた後のための蓄えなどできるはずがありません」と語っておられます。
この方の例のように、もともと僅かな収入しかない被保険者をさらに生活困窮に陥れるような保険料徴収のやり方は重大な問題だと思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 酒井福祉局総務企画部長。
○福祉局総務企画部長(酒井雄二) 介護保険料につきましては、関係法令に基づき定めているものであり、何らかの理由で保険料の支払いが困難になった場合は、事情を十分にお聞きした上で徴収猶予を適用するとともに、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少したなど、一定の事情がある方については減免措置を適用するなどの対応を行っております。また、生活保護を必要とするレベルまで生活が困窮する場合は、収入等個々の実情から判断し、保険料の負担を軽減する措置を行っております。お困りの方に対しましては、区役所の窓口においてこれらの制度を御案内するなど、引き続き適切な対応を行ってまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 高い保険料こそ問題です。保険料の原則は応能負担です。もともと負担能力を超えた本市の国保、介護保険料は大問題です。そして現在、被保険者は政治がつくり出した異常円安によって未曽有の物価高騰にさらされ、多くの被保険者の実質負担能力はさらに低下しております。さらに、帝国データバンクによると、この9月、新たに食品2,424品目が値上げされています。今は世代を問わず生活困難と不安が一気に増大しているまさに非常事態です。
したがって、あらゆる手だてを取って国保料、介護保険料については緊急減免制度をつくるなどして実質負担も大幅に引き下げるとともに、次期保険料設定においては国保も介護も負担能力に見合う保険料へと抜本的に引き下げるべきだと思いますが、市長の答弁を求め、質問を終わります。
 
○議長(伊藤嘉人) 島市長。
○市長(島宗一郎) 国民健康保険及び介護保険につきましては、公的保険制度であり、必要な経費を国や県の支出金などの公費と被保険者の保険料負担で賄うことを基本としております。保険料については、それぞれの事業の安定的な運営を図る観点から、法令に基づき適切に設定しつつ、公費を投入することなどにより、可能な限りの負担軽減を図っているところです。物価高騰などの影響により保険料の支払いが困難となった方には、事情を十分にお聞きした上で減免制度を適用するなど、引き続ききめ細かく丁寧に対応してまいります。今後とも、各制度の安定的で持続可能な運営を図る観点から、歳入の確保や歳出の抑制を図り、財政の健全化に努めるとともに、引き続き国に対して財政基盤強化のための国庫負担割合の引上げなどを要望してまいります。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、残余の質問は明8日の会議にこれを繰り延べたいと思います。これに御異議ありませんか。
      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 
○議長(伊藤嘉人) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次の会議は明8日午前10時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後4時26分 散会