令和4年3月4日(金)
令和4年第1回福岡市議会定例会
議 事 日 程 (第6号)
3月4日 午前10時開議
第1 議案第26号ないし議案第77号
本日の会議に付した事件
議事日程のとおり
出 席 議 員 (61名)
1番 稲 員 稔 夫 2番 鬼 塚 昌 宏
3番 堤 田 寛 4番 川 上 陽 平
5番 津 田 信太郎 6番 大 森 一 馬
7番 阿 部 真之助 8番 平 畑 雅 博
9番 打 越 基 安 10番 川 上 晋 平
11番 伊 藤 嘉 人 12番 淀 川 幸二郎
13番 勝 山 信 吾 14番 川 上 多 恵
15番 調 崇 史 16番 大 坪 真由美
17番 古 川 清 文 18番 高 木 勝 利
19番 新 村 まさる 20番 大 原 弥寿男
21番 今 林ひであき 22番 篠 原 達 也
23番 尾 花 康 広 24番 松 野 隆
25番 楠 正 信 26番 冨 永 計 久
27番 森 英 鷹 28番 南 原 茂
29番 おばた 久 弥 30番 山 口 剛 司
31番 大 石 修 二 32番 黒 子 秀勇樹
33番 藤 野 哲 司 34番 堀 本 わかこ
35番 中 島まさひろ 36番 天 野 こ う
37番 山 口 湧 人 38番 松 尾 りつ子
39番 井 上 麻 衣 40番 飯 盛 利 康
41番 はしだ 和 義 43番 堀 内 徹 夫
44番 綿 貫 英 彦 45番 森 あやこ
46番 福 田 まもる 47番 国 分 徳 彦
48番 藤 本 顕 憲 49番 倉 元 達 朗
50番 中 山 郁 美 51番 荒 木 龍 昇
52番 高 山 博 光 53番 ついちはら陽子
54番 田 中 たかし 55番 成 瀬 穫 美
56番 山 田 ゆみこ 57番 宮 浦 寛
58番 近 藤 里 美 59番 川 口 浩
60番 落 石 俊 則 61番 田 中しんすけ
62番 池 田 良 子
欠 席 議 員 (1名)
42番 浜 崎 太 郎
説明のため出席した者
市 長 島 宗一郎 副市長 光 山 裕 朗
副 市 長 中 村 英 一 副市長 荒 瀬 泰 子
水道事業管理者 坂 本 秀 和 交通事業管理者 重 光 知 明
総務企画局長 龍 靖 則 財政局財政部長 松 島 清 隆
市民局長 下 川 祥 二 こども未来局長 久 田 章 浩
保健福祉局長 舟 越 伸 一 環境局長 田 浩 輝
経済観光文化局長 天 本 俊 明 農林水産局長 中 村 健 児
住宅都市局長 西 野 仁 道路下水道局長 名古屋 泰 之
港湾空港局長 清 家 敬 貴 消防局長 内 村 弘 文
会計管理者 中 村 郁 子 教育長 星 子 明 夫
教育委員 武 部 愛 子 選挙管理委員会事務局長 内 藤 玲 子
人事委員会事務局長 柴 田 淳 司 監査事務局長 小 西 眞 弓
職務のため出席した事務局職員
議会事務局長 曽根田 秀 明 議事係長 重 松 孝 昭
外関係職員
午前10時 開議
○議長(伊藤嘉人) これより本日の会議を開きます。
日程第1、議案第26号ないし議案第77号、以上52件を一括して議題といたします。
これより質疑に入ります。発言通告者のうちから順次質疑を許します。古川清文議員。
○17番(古川清文)登壇 皆様おはようございます。私は公明党福岡市議団を代表し、高木勝利議員の代表質問を補足し、公園整備に関し、東平尾公園のリニューアルについて、SDGsに関し、SDGsの推進状況と今後の課題について、以上2項目質問いたします。
初めに、東平尾公園のリニューアルについてです。
令和4年度当初予算案のテーマは、ぬくもりと彩り。本市は新型コロナウイルス感染症の長期化により市民生活に様々な影響が広がる中、特に困難な環境に置かれている子どもたちがぬくもりを感じられるよう、しっかりと支援するための取組を推し進める、また、天神ビッグバン等により都市機能のアップデートが進む中、経済的な価値にとどまらない多様な魅力が輝くよう、まちに彩りを加えるための取組を推し進めると説明されております。
ぬくもりを感じられるまち、そして、多様な魅力が輝く彩りのあるまちを構築するための観点から、公園のリニューアルに関し、質問してまいります。
コロナ感染症パンデミックの影響で、修学旅行、遠足、運動会といった学校行事の相次ぐ中止、給食の時間も友達との距離を置き、全員と会える機会も少なくなった学校生活。部活の中止や各種大会の縮小、学生時代の楽しみや思い出を奪われ、夢や希望を諦めた子どもたちもいるかもしれません。家庭の経済状況も大変な中、我慢を強いられることも多く、この数年のコロナ禍で子どもたちがストレスを感じていると思えてなりません。私が子どもの頃は公園で夢中で遊び、ストレスを発散していたと思うのですが、近年では地域の公園もボール遊びは禁止され、思いっ切り遊べる公園が少なくなった印象であります。
そのような中、博多区にある東平尾公園は、都心から車で15分から30分圏内に位置しながら、自然の地形と広大な敷地を生かした公園として人気です。特に大谷広場においては、全長80メートルのロングローラー滑り台や、自然の地形を生かした人工芝草スキー、遊具も多く、大広場ではバスケットゴールが常設され、屋外でもバスケットボールができる環境であります。今日はちょっと写真を持ってまいりました。(パネル表示)見えますでしょうか。こういう形ですね。
人気の理由は自然の環境であり、遊具施設を何回利用しても無料ということ。家族連れが大半で、何よりも小さな子どもたちを思いっ切り遊ばせることができるため、保護者にも本当にありがたいと好評であります。これが、緑のやつが草スキーになっていますし、奥の山の中に見えるのが80メートルある……(発言する者あり)じゃ、こっちにも。この滑り台を降りていったところに遊具がたくさんある、また別の公園があるという状況です。
それでは初めに、この東平尾公園及び大谷広場の設立の歴史、運営概要、コロナ禍の現在においての大谷広場の利用状況をお伺いいたします。
この公園で驚きなのは、ここで人気な遊具施設である人工芝の草スキー場。草スキーの道具を借りるのも無料ということです。何回滑っても無料ということに、初めて訪れた家族連れは驚かれます。
遊具施設の使用料や草スキーの道具を無料で提供できる仕組みをお伺いいたします。
一方、楽しい公園ですが、人工芝の破損など、施設の老朽化という重大な課題があります。昨年の春、親子で遊びに来ていた知り合いから、破損して危険との御指摘をいただき、私もすぐに現地に見に行きました。住宅都市局や緑のまちづくり協会に報告し、人工芝の張り替え等、対応をお願いしたものの、改修費用が高額であるためか、全面的な解決には至っておりません。
そこで、令和4年度予算で計画されている東平尾公園のリニューアル関連の事業と予算額をお伺いいたします。
私は東平尾公園に関する相談をいただいて以来、何度か訪れ、子ども目線や保護者の立場から様々な御意見を伺いました。その上で、利用者の意見を代弁し、3つの提案があります。
1点目は、何といっても家族連れに人気の大谷広場をリニューアルすべきだということ。具体的には、利用禁止となることが多い老朽化したローラー滑り台や草スキーのマットの改修など、遊具施設の更新をするとともに、バリアフリー化され、衛生的なトイレへの更新、遊んでいる子どもたちを見守りながら保護者がくつろげるベンチ等を設置するべきです。
大谷広場のリニューアルはすぐにでも取りかかるべきだと思いますが、御所見を伺います。
2点目に、駐車場に関する課題です。東平尾公園には駐車場が点在しています。まず、駐車場の数と駐車可能台数を伺います。
また、DX、デジタルトランスフォーメーションを推進する本市においては、それら点在した駐車場をネットワーク化して、空き駐車場情報をその場に行かなくてもリアルで分かる仕組みを導入すべきだと思いますが、御所見を伺います。
3点目に、大谷広場では、子どもたちを見守る保護者は楽しそうに遊ぶ子どもの表情をスマホのカメラで写真や動画を撮っております。また、スマホでSNSなどを利用している方も多くいます。今や無料Wi−Fiは既にインフラとなったと言えますが、東平尾公園では一般利用者向けのWi−Fi環境が提供されておりません。
そこで、無料Wi−Fiの整備を東平尾公園、大谷広場にも進めるべきだと思いますが、御所見を伺います。
次に、SDGsの推進状況と今後の課題についてです。
国連でのSDGs採択から6年がたち、日本国内でもSDGsに関する認知度は大きく高まりました。企業経営にもSDGsが浸透し、カーボンニュートラルの実現が着実に進展するなど、日本国内でもSDGsの理念が浸透しているものと感じています。また、コロナ禍でこれまで進まなかったデジタル化も急速に進み、誰一人取り残さないという理念の下に、次世代への進化を開始し始めたと思っておりました。
ところが、令和3年12月に我が国のSDGs推進本部がまとめたSDGsアクションプラン2022の冒頭の書き出しは、ある意味、衝撃でした。次のように記されていますので、紹介いたします。
新型コロナウイルス感染症の拡大は、持続可能な開発目標(SDGs)の様々な分野に深刻な影響を与えている。国連の「SDGs報告2021」によれば、2020年には、新型コロナウイルス感染症の拡大により世界で極度の貧困の割合がこの数十年で初めて増加し、新たに1億1,900万人から1億2,400万人が極度の貧困に追いやられることになった。また、新型コロナウイルス感染症の影響で7,000万から1億1,600万人が飢餓に陥り、教育分野では、ロックダウンなどで学校に通えない状況が生じ、この20年での前進が帳消しにされたとも言われている。喪失された雇用の数については、世界金融危機のときの4倍とも言われており、2030年までの目標達成には、各国が、前例にとらわれない戦略を立て、団結して取組を加速しなくてはならない。
2030年までの達成を目指す持続可能な開発目標、SDGsですが、期限まで残り8年となった状況で、国連のグテーレス事務総長は、我々は目標から遠ざかっていると報告しております。
政府はSDGsの達成に向けた取組を加速するため、今年取り組むべき具体策を盛り込んだアクションプラン2022を決定しましたが、ここで注目したいのは、あらゆる人々が活躍する社会、ジェンダー平等の実現をアクションプランの重点項目の第1に挙げられたことであります。
そこで、世界的に進捗が遅れていると指摘されているジェンダー平等の実現に関する目標を本市はどのように捉えているのか、世界的動向を見て今後どう取り組むのか、伺います。
私のSDGsに関する議会質問は、2年前の予算委員会総会質疑で行って以来、2度目となります。そのときの質問では、主にSDGsの周知、広報を中心に伺いました。
そこで、本市はこれまで市民向けにどのような広報を行ってきたのか、伺います。
また、それらの取組によりSDGsに関する福岡市民の認知度はどれくらい上がったのか、指標があれば伺います。
他の自治体を見ても、SDGsの広報活動は活発です。北九州市は環境面での先進都市として非常に分かりやすい取組が、同県内にいる私たち福岡市民にも伝わってきます。また、札幌市は世界からの観光客も多い自治体で、市のSDGsの取組を世界に発信しています。その一つが観光パンフレットにも表れております。これら先進的に取り組んでいる多くの自治体では、SDGs未来都市や自治体SDGsモデル事業など、政府から認定された称号がついています。
そこで伺いますが、本市はそこに名を連ねていませんが、SDGs未来都市、自治体SDGsモデル事業とはどのような事業なのか、伺います。
また、本市がSDGs達成を目指す上で自治体の役割として何が必要と考えているのか、お伺いいたします。
以上で1回目を終わり、2回目以降は発言者席で行います。
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 東平尾公園のリニューアルについての御質問にお答えします。
東平尾公園につきましては、昭和51年度に供用開始し、その後、平成2年の国民体育大会や平成7年のユニバーシアード福岡大会の開催に向けて、陸上競技場等の運動施設を整備しております。公園の管理運営につきましては、指定管理者制度を導入し、公益財団法人福岡市緑のまちづくり協会が行っております。大谷広場につきましては、昭和51年度に供用開始した草スキー場や多数の大型遊具を配置した広場であり、コロナ禍においても以前と同様に、春や秋には月に約1万人が訪れる人気の遊具広場となっております。
次に、遊具広場や草スキーの道具を無料で提供している仕組みにつきましては、都市公園は誰もが自由に利用できるという観点から、運動施設など、特に条例で定めている一部の施設を除き、原則無料で利用できるようにしております。また、子どもたちに人気が高い草スキーについては、子どもたちが利用しやすいよう、無料で道具を貸し出しております。
次に、令和4年度における東平尾公園の施設改修に係る事業と予算額につきましては、主なものとして、ベスト電器スタジアムにおきまして、屋根部材の塗装に3億円、大型映像装置の更新に2億円、博多の森陸上競技場におきまして、ウレタン舗装の更新に6,800万円余など、6億9,300万円余を計上しております。
次に、大谷広場のリニューアルにつきましては、これまで事故のおそれが高い遊具等の更新を行っておりますが、一部の遊具の老朽化やトイレのバリアフリー化などの課題があることから、計画的に施設改修に取り組んでまいります。
次に、東平尾公園の駐車場につきましては、陸上競技場等の施設に付随して整備しており、公園内に10か所、計1,298台分の駐車が可能となっており、新技術の活用を含め、効率的で利用しやすい運営に取り組んでまいります。
次に、無料Wi−Fiにつきましては、本市の公園においては、市民サービス向上の観点から一部の公園の管理事務所等で導入しております。東平尾公園においては、ベスト電器スタジアムに通信事業者が導入しておりますが、大谷広場についても、利用者のニーズを踏まえ、導入を検討してまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) SDGsの推進状況と今後の課題に関する御質問にお答えいたします。
ジェンダー平等など、男女共同参画の推進につきましては、SDGsの目標5に、ジェンダーの平等を達成し、全ての女性及び女児のエンパワーメントを行うことが掲げられており、福岡市といたしましても、その実現に向けて取組を進めていくことが重要であると考えております。そのため、第4次福岡市男女共同参画基本計画に基づき、職場や家庭、地域など、あらゆる場において、女性が個性と能力を十分に発揮して活躍できる環境づくりに全庁挙げて取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) SDGsの取組についてお答えします。
市民向けの広報については、各種パンフレットなどの印刷物を活用した広報や、地下鉄の駅、コンビニなどへの啓発ポスターの掲示、市役所1階ロビーでのデジタルサイネージによる啓発動画の放映、出前講座などを実施するとともに、昨年10月には市政だよりにSDGsに関する特集記事を掲載するなど、様々な機会を捉え、SDGsの普及啓発に取り組んでおります。また、市民の認知度については、令和3年度の福岡市基本計画の成果指標に関する意識調査において、「SDGsという言葉を聞いたことがある」と回答した市民の割合は73.6%で、前年度の33.2%から40.4ポイント増加しており、「聞いたことがある」と答えた方のうち、「SDGsの意味を知っている」と回答した市民の割合は79.2%で、前年度の65.5%から13.7ポイント増加しております。
次に、SDGs未来都市と自治体SDGsモデル事業、自治体の役割については、国においては持続可能なまちづくりや地域活性化に向けた取組の推進に当たり、SDGsの理念を取り込むことで、政策の全体最適化、地域課題解決の加速化という相乗効果が期待できることから、SDGsを原動力とした地方創生を推進しております。平成30年度から優れたSDGsの取組を提案する地方自治体をSDGs未来都市として選定し、特に優れた先導的な取組を自治体SDGsモデル事業として支援し、成功事例の普及を促進しているところでございます。また、SDGsの達成には、市民や企業、NPOなど、多様な主体の参画が重要であると認識しており、自治体にはSDGsの理念の周知や達成に向けた取組を促す啓発などを実施する役割があるものと考えております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 古川清文議員。
○17番(古川清文) 2回目に移ります。
初めに、東平尾公園のリニューアルについてです。
新年度に高額な費用を要する東平尾公園のリニューアルの予定があるようですが、計画されているリニューアルは大型スポーツ施設の部分であり、先ほど言った市民や家族連れに利用されている大谷広場は完全に取り残されております。先ほどの私の具体的な3つの提案に対し、前向きな答弁もいただきましたが、その費用をどうするかが課題ではないかと思っております。
財政局や住宅都市局に予算確保に頑張ってもらう必要はありますが、そのほかに財源を用意するとなると、費用についてどこかを削るか、財源を生み出すかの2つしかないと思っております。
まず、1つ目の削るという点から支出の削減について確認しますが、これまで市が行ってきた管理費の削減の取組を伺います。
また、市民参加型などによって行われた管理費の削減の取組はあるのか、お伺いいたします。
次に、2つ目の財源を生み出すという点から確認します。
他都市を調査すると、公園の維持管理や整備にはいろんな手法があり、各都市とも財源確保に努力されていることを知りました。公園トイレなど施設ごとに企業スポンサーを募り、企業や団体から寄附で整備費を用意する例。また、ネーミングライツといった民間資金によって整備費や維持費を捻出する例。また、公園整備を行うに当たり、クラウドファンディングの活用も近年では多くなっております。
東平尾公園における予算確保についてこれまでどのような取組がなされてきたのか、お伺いをいたします。
また、東平尾公園のリニューアルを目的として、クラウドファンディングで財源を確保する取組はできないのか、お伺いいたします。
また、近年ではパークPFIという手法もあるようです。このパークPFIという公園の運営手法の概要についてお尋ねいたします。
また、福岡市内で既にパークPFI方式の公園があるなら、具体例をお示しください。
さらに、様々な手法が考えられる中で、東平尾公園の中の大谷広場に民間のアイデアを生かすパークPFI制度を導入してはどうかと思いますが、御所見を伺います。
次に、SDGsの推進状況と今後の課題についてです。
1995年の第4回国連世界女性会議で初めて公式に用いられたジェンダーという言葉は、男性または女性はこうあるべきだと決められてしまう社会的、文化的性の差別、性差を意味しました。今や服装や髪型に加え、言葉遣い、選択する職業、家庭や職場での役割や責任、考え方の違いにも及んでおります。そして、上級管理職や幹部職員の男女同数を2020年1月に達成した国連では、女性の登壇者がいない国際会議には参加しないという意識が職員に浸透しているというのであります。国内でも、例えば、2020年12月に閣議決定された第5次男女共同参画基本計画には、民間企業などの係長級の30%、課長級の18%、部長級の12%を2025年までに女性にするという登用目標を実現するとしています。しかし、民間信用調査の帝国データバンクが昨年7月に行った調査によると、女性の管理職比率は平均8.9%と、まだまだ低いと公表されております。
そこで、本市は平成24年に福岡市総合計画を掲げ、施策7−5、
チャレンジする若者や女性が活躍するまちづくりとして、市内企業における女性管理職比率を2009年度現状値5.5%から2022年度には12%に引き上げる目標を掲げました。
2022年度となる現在、市内企業における女性管理職比率目標に達したのか、お示しください。
また、第4次福岡市男女共同参画基本計画における本市の審議会等の委員への女性の参画率について目標及び現状をお示しください。
先ほど、女性が個性と能力を十分に発揮し、活躍できる環境づくりを全庁挙げて取り組んでいくと答弁されましたが、新年度の取組でどのようなことが計画されているのか、分かりやすくお示しください。
また、SDGsをさらに進めるためには資金調達も欠かせません。市の資金調達において、投資家の力を借りたグリーンボンドなど、SDGs債の発行を我が会派の議員が議会質問で指摘しました。本市は今後どのような対応を行うのか、お伺いいたします。
また、SDGsを推進する上で、企業との連携は今後ますます重要です。本市と企業の提携により、SDGs推進に寄与する新たな取組があればお示しください。
私はSDGsに関する市民の機運を高めるためにも、優秀な活動をしている企業、団体、市民等を表彰する取組等がもっと必要だと思います。新年度はどのような機運を高める取組が計画されているのか、お伺いいたします。
さらに、自治体としてのSDGsの取組の情報発信はとても重要です。SDGs未来都市が発信している情報は、他都市にいる私たちにも分かりやすく伝わっています。先ほど紹介した札幌市の観光パンフですが、これでございます。(資料表示)ちょっと小さいので、拡大をして作ってみました。(パネル表示)こういう形なんですけど、開いていけば、これは札幌ですけど、札幌が取り組んでいるSDGsの取組が書かれておりまして、これに「市民のみなさんへ」ということと「観光客のみなさんへ」ということで多言語表示で書かれているというのが特徴でございます。自治体と観光客が一緒になってSDGsに取り組めるよう多言語表示で推進しております。
福岡市を訪れる観光客等に向け、福岡のSDGsの取組を国内外問わず情報発信することが必要だと思いますが、御所見を伺います。
以上で2回目を終わります。
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 東平尾公園のリニューアルについての御質問にお答えします。
本市における管理費の削減の取組につきましては、電気料金の削減として、照明灯具のLED化や入札による電気事業者の決定、水道料金の削減として、節水型水栓への改修などを実施しております。また、市民参加によるものとしましては、公園への愛着や親しみを持っていただくため、地域団体による公園愛護会活動や公園でのボランティア花壇活動などが実施されており、維持管理経費の削減にも寄与するものとなっております。
次に、東平尾公園における予算確保につきましては、博多の森球技場においてネーミングライツを導入しており、命名権料を維持管理費の一部に充当しております。また、指定管理者におきましても、大谷広場等へのキッチンカーの出店や、アビスパ福岡の試合開催時において臨時売店や有料の臨時駐車場の運営などを行い、その収益を東平尾公園の維持管理費に充当しております。
次に、東平尾公園の施設の再整備に際しては、クラウドファンディングなど、新たな財源確保の手法についても検討をしてまいります。
次に、パークPFI制度につきましては、平成29年の都市公園法改正において公募設置管理制度として創設されたものであり、飲食店、売店等の公園利用者の利便の向上に資する公園施設の設置と、当該施設から生じる収益を活用して、その周辺の園路、広場等の公園施設の整備、改修を一体的に行う者を公募により選定する制度となっております。福岡市内では、福岡県管理の天神中央公園及び大濠公園におけるカフェ等の施設並びに国営海の中道海浜公園における遊戯施設やキャンプ場等の施設といった事例があります。パークPFI制度については、公園のにぎわいや魅力づくりの手法の一つとして、今後、制度の活用を検討してまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) SDGsの推進に関する御質問にお答えいたします。
企業における女性管理職比率につきましては、第9次福岡市基本計画において令和4年度までに12%とすることを目標としており、元年度の福岡市女性活躍推進に関する事業所等実態調査において11.3%となっております。また、福岡市の審議会等委員への女性の参画率につきましては、第4次福岡市男女共同参画基本計画において令和7年度までに40%とすることを目標としており、3年8月1日現在では36.3%となっております。
次に、女性活躍などに向けた新年度の取組につきましては、女性の視点を活かした防災ミニブックを活用した講座を行うなど、男女共同参画の意識啓発に取り組むとともに、コロナ下で困難や不安を抱える女性に対する相談機会の提供等の支援を行ってまいります。また、企業における女性活躍への取組の見える化の推進や、男性の育児休業取得促進に向けた企業の取組支援を行うなど、働く場におけるワーク・ライフ・バランスの普及促進に努めるとともに、女性の起業支援に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 松島財政局財政部長。
○財政局財政部長(松島清隆) SDGsに係る市の資金調達についてお答えします。
SDGs債の一つであるグリーンボンドにつきましては、今年度、福岡市では初めて50億円発行をいたしました。グリーンボンドは、専門の認証機関から評価された環境への取組や環境改善などの効果を国内外にPRできる有効な仕組みであり、今後も環境への取組などを踏まえ、積極的にグリーンボンドを活用してまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) SDGsの取組についてお答えします。
企業との連携については、具体例として、令和4年2月にトヨタ自動車株式会社と水素社会実現に向けた連携に関する協定書を締結し、今後の社会インフラを担う車両の開発、実装や物流における水素社会モデルづくり、市民に身近な施設、イベント等での水素エネルギーの活用などに連携して取り組むこととしております。
次に、機運を高める取組については、表彰などを通じてSDGs達成に向けた機運を高める取組は重要であると考えており、ユニバーサルデザインの考え方に基づく優れた取組を行う市民や団体等を表彰するユニバーサル都市・福岡賞や、環境の保全、創造に顕著な功績のあった市民や団体等を表彰する環境行動賞など、様々な形で表彰などを実施しております。
令和4年度については、福岡市における暮らしの満足度の向上と持続可能な環境、社会、経済の実現を目指して、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念であるウエルビーイングの向上とSDGsの達成に向けて取り組む企業等を応援するための登録制度を新たに創設することとしており、登録企業等へのインセンティブとして市ホームページを活用したPRや認定マークの付与などを検討しております。また、環境フェスティバルなどの市民参加型イベントによる啓発や、様々な媒体を活用した広報、出前講座の実施などを通して普及啓発に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 観光客等向けのSDGsに関する取組についてお答えします。
コロナ下において観光を取り巻く環境やニーズが変容しており、観光客のSDGsへの関心も高まっております。福岡市はこれまで豊かな自然や歴史、文化を生かした観光振興に取り組んできたところであり、現在、Fukuoka East&West Coastプロジェクトなど、自然と共生した観光の魅力を発信するとともに、修学旅行などでSDGsを学ぶことができる体験学習プログラムの開発支援を行っております。
また、令和4年度においては、二酸化炭素排出量の抑制や環境保全などを組み込んだモデルツアーの実証を行うなど、サステナブルツーリズムを推進し、観光分野におけるSDGsの取組を国内外の観光客や観光関連事業者に向けて発信してまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 古川清文議員。
○17番(古川清文) 3回目に移ります。
初めに、東平尾公園のリニューアルについてですが、パークPFIの詳細、市内の事例を伺いました。福岡市内でも国営や県営の公園においてカフェなどの施設を設置しているとのこと。先日、西公園のリニューアルにおいても、パークPFIを導入するとの報道があったところであります。これらの公園は、どちらかというと大人の憩いの公園という印象です。のんびりするための公園ももちろんいいのですが、他都市では家族連れで思いっ切り遊ぶ目的のため、遊び場を充実させているパークPFIの事例もあります。横浜市の横浜動物の森公園や千葉市の泉自然公園には、自然共生型アウトドアパークのフォレストアドベンチャーがあります。年齢に合わせて、森の中で冒険気分が味わえる公園だそうであります。
東平尾公園の大谷広場は家族連れで遊びに行く印象の公園であり、公園遊具で思いっ切り遊ぶ子どもたちを保護者が見守る印象です。今後のアイデア次第では、新たな遊具設備の整備、カフェや売店、また書店など併設して、日が落ちる夕暮れどきも明るい雰囲気をつくり出せるかもしれません。収益を上げることも可能だと思いますので、パークPFIが適している公園だとも思います。
私は福岡市が平成30年から開始した一人一花運動の考え方に共感を持っております。行政だけがまちを彩る責任を負う時代ではない。スポンサー花壇であるおもてなし花壇の促進や、事業所や団体、学校、各地域で一人一人が一花でまちをきれいにする一企業一花壇、一人一花でまちを彩るように、公園も皆が協力し合って、未来の宝である子どもたちが思いっ切り遊べる公園遊具の安全を確保し、残し続けていかなければならないと思うのであります。
最後に、東平尾公園のリニューアルについて、行政だけでなく、市民や企業の力も活用して取り組むことにより、これからも長く、博多区はもとより、福岡市が誇れる魅力ある公園になると思いますが、島市長の御所見を伺います。
次に、SDGsの推進状況と今後の課題についてです。
SDGsで進捗が遅れているという視点で、ジェンダー平等に焦点を当てて質問をしてまいりました。市内の企業における女性管理職の登用割合や審議会等への女性の参加率など、おおむねクリアしつつある現状が見えてまいりました。男性には男性のよさがあり、女性には女性にしかできないよさがあるのも事実です。お互いに支え合うことがジェンダーという意味だと私は理解をしております。
今、宿泊や飲食業、観光業などの接客業、医療や福祉、小売業など、感染リスクにさらされる産業の雇用者が女性に偏っている事実があります。コロナの影響で、これらの職種に従事する女性たちが感染のリスクとともに、就労を奪われ収入が減るなど、相当な心理的負担が生じております。また、最近の市民相談の中で心配なのは、やはり弱い立場の女性からの相談です。いろいろあって御主人と離婚調停中だったり、DVを受けていたり、また、これは女性に限らずかもしれませんが、高齢者で障がいを持っている独り暮らしの女性であったりと、深刻な相談も多いのであります。コロナ禍の今こそ、こういう方々を誰一人取り残さず、支援が届く形や施策がつくれないかと思うのであります。関係局の皆様の御尽力を今後もお願いしたいと思います。また、福岡市が目指す人と環境と都市活力の調和が取れたアジアのリーダー都市としての自覚は、SDGsの推進に関してもリーダー役としてアジアを牽引し行くべきだと思います。
最後に、SDGs達成に向けた新年度の決意を島市長に伺い、私の質問を終わります。
○議長(伊藤嘉人) 島市長。
○市長(島宗一郎) 東平尾公園につきましては、県下唯一の日本陸連公認第1種陸上競技場や、また、サッカーJ1アビスパ福岡のホームグラウンドであるベスト電器スタジアム等を有する福岡市を代表する大規模な総合公園でございます。また、広大な敷地と豊かな樹林地を生かしたレクリエーションの場となっておりまして、中でも大谷広場につきましては、周辺の自治体からも利用者が訪れる大変人気の広場であるわけでありますが、開園から40年以上が経過をして、遊具の老朽化も見られるなど、施設のリニューアルが必要な状況であると認識をしております。
公園は市民生活の豊かさや、また、都市の魅力づくりの観点から大変重要な施設であると考えておりまして、古川議員御指摘のとおり、市民や企業との連携をさらに強めて、パークPFIを含めて、これまで以上に柔軟な発想による制度の活用などの検討を進めて、今後も東平尾公園が、福岡市が誇れる魅力ある公園であり続けるように、また、次世代にも引き継がれていくように取り組んでまいります。
それから、福岡市では、多くの市民の皆様とともに策定をした総合計画において、都市の成長と生活の質の向上の好循環をつくり出すことを基本戦略として掲げ、経済的な成長と安全、安心で質の高い暮らしのバランスが取れたコンパクトで持続可能な都市づくりに取り組んでおります。これは、誰一人取り残さない持続可能な社会の実現を目指すというSDGsの理念と方向性を一にするものでありまして、総合計画の着実な推進によりまして、SDGsの達成に向けて取り組んでいるところであります。また、男女共同参画の推進につきましては、個々を尊重し合い、一人一人が生き生きと輝ける社会の実現に向け、令和4年度も引き続き、誰もが安心して暮らせる環境づくりを進めてまいります。今後とも、SDGsの理念を踏まえ、未来を担う子どもたちをはじめ、高齢者や障がい者など、あらゆる人々がその能力を存分に発揮できるような持続可能なまちづくりを進め、人と環境と都市活力の調和が取れたアジアのリーダー都市の実現を目指してまいります。以上です。
○議長(伊藤嘉人) 藤本顕憲議員。
○48番(藤本顕憲)登壇 皆さんおはようございます。私は福岡令和会の藤本顕憲であります。質問に先立ち、2月25日の朝刊、私は5紙取っておりますけれども、新聞の全ての1面がロシアのウクライナ侵攻で埋め尽くされ、身も心も凍りつく思いで驚愕いたしました。生物感染の自然災害とされるコロナの感染がいまだ収まらない中、ロシアの暴挙は、生物感染のこのコロナに対する人為災害の最たる戦争行為であります。今や世界は自然災害のコロナ感染と人為災害の戦争に身も心も金縛り状態にあると言っても過言ではありません。今、私は座右の銘とする公心日月の如し、公心日月に如くとも読みますけれども、この公心日月の如しを心にかみしめています。あらゆる公の仕事に携わる者は、太陽や月が刻々と日夜の別なく地球を照らすように、その職務の継続性と勤勉性と、今回のような史上まれに見る非常事態に備える公の人としての心構えを問う言葉であります。
このコロナ渦中にあって、献身的に一身の危険を顧みず、医療に尽瘁されている皆さん、公職にあって身を粉にして精励される職員の皆さん、本当に御苦労さまであります。何が起ころうと職務に真っ正面から向かい合い奉職され、市民の足元を照らされている全ての皆様に衷心より尊敬と感謝を申し上げます。誠にありがとうございます。
最近、私は暇々にアイランドシティやその周辺をウオーキングしていますが、アイランドシティの美しい景色の中を歩いていると、昔の住宅公団による、今のURでありますけれども、ホテルの建設や福岡都市高速道路6号線の延伸など、政治の場で微力ながら携わってきたこれまでの人生を振り返るとき、九州大学箱崎キャンパスが移転した後の東区の果たすべき役割は何なのか、胸にぽっかり空いた空虚感を埋める東区の将来像に思いをめぐらしながら、今やその大きな変貌ぶりを楽しんでいる心境であります。特に、建ち並ぶ高層マンションや商業施設を見ていると、アイランドシティに人生の夢を描き、住まいを定めた皆さんや、ここに莫大な投資をして市の事業に多大な協力をいただいた多くの市民や企業の大切な財産を守り、このアイランドシティをより安全、安心なまちとしてさらに守り育てていかなければならないと強く感じるのであります。
そこで、今回は火災、地震、高潮など、災害への備えを万全なものとするため、歴史から学んだ教訓を未来へとつなぐとともに、災害のアンテナであり、防災の原点でもある消防施設の導入について、天野議員の代表質問を補足してお尋ねいたします。
まず、昨年7月に発生した静岡県熱海市での土石流をはじめ、8月の日本各地で発生した大雨による被害など、毎年、多くの命が自然災害の犠牲となっております。また、昨年末には大阪市北区において多数の死傷者を伴うビル火災が発生しました。大きな災害や社会を騒がす事件、事故が相次ぐ中、改めてその怖さを感じたところであります。犠牲となられた方々の御冥福、そして、被災された方々にお見舞いと、一日も早い復旧、復興をお祈り申し上げる次第であります。
また、記憶にも新しいトンガで発生した海底火山の噴火では、日本においても潮位変動が観測されるなど、近年、大規模な災害が頻発する中、いつ起こるか分からない想定外の災害を前に、防災・減災、国土強靱化の取組を進めることが重要であり、国民の生命、財産を守る消防の果たす役割はますます大きくなっております。さらなる災害に強いまちづくりが求められている中、約160万人の市民が暮らし、国内外から多くの人が訪れるこの福岡市が、災害に強く、安全で安心なまちとなるべく、防災力を強化、向上させることは市にとって喫緊の課題であり、さらには、起きてしまった災害に対し、市民の命を救い、そして守る消防行政は災害対応の原点であり、それこそ福岡市の責務であると私は考えます。
市民が安全、安心に暮らすことができるよう、まちづくりの観点から市民の生命と財産を守る消防行政についてお尋ねいたします。
初めに、消防行政を推進していく上で根幹となる福岡市消防局の運営方針をお尋ねいたします。
次に、人々が快適に暮らすまちの中には、道路や上下水道をはじめ、住まいや商業施設、オフィスなど様々なものがあります。中でも欠かすことのできない安全、安心の分野においては、消防の機能は古来より欠かすことのできないものとなっています。消防の歴史は古く、江戸時代の火消しから始まったとされています。当時は木造の住宅しかなく、電動ポンプはもちろん、水道もないため、消防活動の中心は火災周辺の建物を破壊して延焼を防ぐ破壊消防という手段を用いていたそうであります。明治になると、火消しは消防組へと変わり、警察機関の一部として消防業務を行うことになり、ポンプの輸入や国産化が進んで、消防の近代化が図られました。その後、大正に入ると、自動車やエンジンを活用したポンプも普及し、消防技術も向上してまいりました。そして、昭和に入ると、国際情勢の変化に伴い、国防上重要な都市の消防体制を強化するため、各都市に順次公設消防署が設置されるとともに、消防は従来の水火災の鎮圧という任務のほか、新たに防空という任務が加えられることになり、消防組は警防団へと名称を変え、防空監視や空襲爆撃下の救護活動の任務も担うことになります。第2次世界大戦後、ポツダム宣言を執行するために日本で占領政策を実施した連合国軍機関である連合国軍最高司令官総司令部、いわゆるGHQの指導により、警防団という戦時体制の消防は、警察機関から独立し、消防団として再出発することになります。そして、昭和23年には消防組織法が施行され、現在の自治体消防に移行するとともに、それまでの火消しとしての消防を脱却し、新たに火災予防業務なども担い、住民の安全、安心に大きな役割を果たすことになったのであります。
また、救急業務については、もともと消防の任務ではありませんでしたが、昭和初期、自動車が急速に普及し始めたことで、交通事故による死傷者が後を絶たなかったため、昭和38年に法制化され、正式に消防業務に含まれることになりました。さらに、当初、交通事故などの外傷患者を対象としていたものが、昭和62年には傷病者を病院にいち早く搬送するために一般疾病による急病患者にまで対象が拡大し、そして、平成3年には特定の医療行為が認められる救急救命士制度が創設され、質を高めてきました。また、平成7年に発生した阪神・淡路大震災を契機として、市域を超えた広域応援の重要性が高まり、緊急消防援助隊の制度が創設されるとともに、自助、共助の精神に基づいた各地域での防災体制の強化が進められてまいりました。
このように、都市構造の進展や災害の大規模化、住民生活とニーズの多様化など、消防を取り巻く環境が大きく変化する中で、消防はその時代時代に合わせて着実に進展を遂げ、その果たすべき役割は高度化、そして拡大しているのであります。福岡市は、今後も都市の進展とともに人口も増加していく見込みであり、その崇高なる消防の使命を果たすためには、まちの発展に合わせた、あるいは社会情勢の変化に対応した消防体制のさらなる充実強化が迫られていると考えます。
そこで、消防署または消防出張所について整備する際の基準をお尋ねします。
また、火災、救助、救急などの消防の業務が過去と比べてどのように変化してきたのか、お尋ねします。
以上で1回目の質問を終わり、2回目以降は発言者席にて質問いたします。
○議長(伊藤嘉人) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) まず、消防局の運営方針につきましては、消防局では、安全、安心で良好な生活環境が確保されている災害に強いまちづくりを目指し、災害防ぎょ活動体制の充実、救急体制の充実、防火・防災体制の充実、これら3つを施策の柱として消防力の強化を図ることを運営方針としております。
次に、消防署または消防出張所を整備する際の基準につきましては、国が定める消防力の整備指針を踏まえ、人口など、地域の実情を総合的に勘案して、実態に即した消防体制を整備することとされております。
最後に、消防の業務の変化につきましては、近年、社会環境の急速な変化により災害や事故の対応は複雑、多様化し、従来からの火災、交通事故、水難事故などへの対応だけでなく、化学剤によるテロや集団救急事故など、様々な危機事象への対応が求められております。また、激甚化する大規模自然災害に対応するため、他の市町村への応援出動が増加するとともに、人口の増加や高齢化の進展などにより救急需要が急速に増加しております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 藤本顕憲議員。
○48番(藤本顕憲) それでは、2回目の質問に入ります。
次に、アイランドシティの現状及び消防体制と対応状況についてお伺いします。
その前に、今日のアイランドシティに至るまでの記憶をひもといてみますと、皆さんも御記憶にあると思いますが、実は当初、和白干潟の整備として、市は干潟の埋立てを予定していたのであります。その計画に際し、和白地区より野鳥保護の観点から反対請願が提出されました。その件の取扱いにつき、和白在住の市議会議員であった安河内議員から御相談があり、環境問題は党派イデオロギーにそぐわない、超えた問題であるとの私の意見を福政会の先輩議員に賛同いただき、各会派の御協力の下、吉浦公正、吉田学、安河内洋捷各議員と私が紹介議員となり、和白干潟の整備についての請願が昭和62年、請願第18号として受理されたのであります。審査結果は、平成3年5月、議員の任期満了により審議終了とされ、並行して平成元年5月、第3委員協議会にて、港湾局より博多港東部の埋立計画を陸続きから島方式に変更した博多港港湾計画について報告が行われ、人工島計画へ市はかじを切ったのであり、アイランドシティはばたき公園は、その経緯によるものであります。
また、昨年の9月議会一般質問、三津交流事業と鑑真和上についてでも触れましたが、福岡市は古来より、港により発展を支えられてきました。博多港は現在、本市のみならず、九州・西日本を支える港に成長し、その重要性から全国で18か所ある国際拠点港湾の一つに国から政令で指定されています。今後とも、中枢国際港湾として果たす役割はますます大きくなると期待されています。
国際拠点港湾は平成23年に特定重要港湾から名称が変更されたものですが、その特定重要港湾、ふだん特重と言っておりましたけれども、私は昭和60年3月9日、第1回福岡市議会定例会において、博多にはベイ、湾あれどポートなし、市制100周年であり、また、博多港開港90周年にも当たる昭和64年までに特定重要港湾の指定獲得を目指すべしと、時の進藤一馬市長に質問をいたしました。昭和61年3月12日、第1回市議会定例会、昭和61年12月7日、第6回市議会定例会で度々お尋ねをし、そして、平成元年12月13日、第4回市議会定例会において平成2年7月には国が認める方針との答弁を得て、特定重要港湾の指定が決定したのであります。この決定に当たって、活動を共にした武田隆輔元助役、末藤洋元助役、渡邊正人元港湾局長、そして、日本港湾協会の偉大なリーダーでありました、そして博多港のよき理解者でもあった歴代理事長である岡部保、藤野慎吾、佐藤肇の各氏の御協力は銘記しておきたいと存じます。
この博多港の港湾機能強化のために必要となる大水深の航路整備等で生じるしゅんせつ土砂及び地下鉄など内陸部の都市基盤整備に伴い発生する土砂等を活用し、本市の発展とともに、博多港東部に誕生した土地がアイランドシティです。みなとづくりエリアでは、水深15メートルの岸壁を有する国際コンテナターミナルの整備や大規模物流施設の立地が進むなど、国際競争力ある物流拠点の形成が図られ、市民生活や経済活動を支えています。まちづくりエリアでは、博多湾西部のシーサイドももち地区と同様、海に面した特性を生かすことに加え、さきに述べた経緯を踏まえ、環境共生に重点を置いたまちづくりが進められています。現在、海上遊歩道であるあいたか橋やまちづくりエリアの海沿いにつながる緑地など、豊かな自然と共生する快適な親水空間は近隣の市民の憩いの場ともなっています。また、アイランドシティ中央公園や福岡市総合体育館が整備されるとともに、病院や大型商業施設、ホテルの開業など、多様な都市機能の集積が進み、多くのスポーツイベントに市域内外はもちろん、全国からも多くの人が集まっています。島方式へ計画変更した経緯から関わってきた私は、アイランドシティの誕生から広大な埋立地の今日に至るまでの進化を見るにつけ、今では豊かな自然をはじめ、近代的な建築物や港特有の多彩な施設に加え、タワーマンションや住宅が増えるなど、アイランドシティの変貌ぶりには目をみはるばかりであります。実際に多くの外国人をはじめ、住む人、働く人、訪れる人など、本当に多くの人が日常生活や社会生活を営むまちになってきており、機能は違えども百道と肩を並べるところまで来ています。現在、まちづくりエリアでは、大規模区画としては最後となる分譲公募が行われており、今後も脱炭素社会の実現に向けた先進的な住宅の整備が進むことから、アイランドシティの人口、就業人口はこれからもさらに増加していくことが予想されます。
そこで、アイランドシティの現状について、世帯数、居住者数、事業所数、就業人口などをお尋ねいたします。
また、市内全体とアイランドシティの火災件数について、過去3年分の推移をお尋ねいたします。
アイランドシティには150メートルを超えるタワーマンションなど、市内で上位1位から3位までの高さを誇る建物があり、今後も高層建築物は増加していくものと予想されます。高層建築物に欠かすことのできないエレベーターについて、国土交通省の調査によると、平成30年、最大震度6弱を観測した大阪府北部を震源とする地震が発生した際には、周辺地域では約6万3,000台ものエレベーターが停止し、そのうち346台で乗っていた人が復旧するまで閉じ込められております。去年、千葉を襲った地震も震度5弱でありましたけれども、7万5,000台のエレベーターが止まったという報告が東京都からあっております。私も以前、市内の施設でエレベーターに乗っていた際に停止したことがあったのですが、狭く暗い空間の中で、エレベーターが再稼働するまでとても不安だったことを覚えています。改めて防災に関しては、しっかりとした取組が必要であると痛感したところであります。
また、アイランドシティには商業施設や病院などの施設もあり、一たび火災が発生すれば、多数の来訪者の命にも危険が及ぶ可能性があります。さらに、百道のまち並みとは違い、過去に他都市で大規模火災が発生したような大型倉庫もあり、収容物によっては大量の可燃物による大規模火災や危険物火災などの発生も懸念されます。このように様々な用途の建物がある中で、タワーマンションなど超高層の建物で火災が発生した場合については、高層階に消防隊がたどり着くまでに多くの時間を要してしまうのではないかと考えます。
そのための設備として、非常時の際にも使用できるエレベーターがあるとも聞いておりますが、このような高層建築物には防火、防災上、どのような施設、設備が備わっているのか、そして、実際に火災や地震が発生した場合にはどのような消防活動が行われるのかをお尋ねいたします。
また、先ほど述べた、私が遭遇したエレベーターの停止は機器のトラブルによるものでありましたが、万が一、火災など有事の際に非常用のエレベーターが使用できないのであれば、人命被害の拡大が想定されます。先進的な未来都市であるアイランドシティでは、建物の基本性能として既に防火対策が十分に図られていることと思いますが、幾ら建築技術や性能が優れていても、幾ら法規制により防災設備を備えていても、それを使う人が、人間が管理をおろそかにしていては何も効果は期待できません。非常用のエレベーター以外にも、非常用電源設備など、様々な防災上の機能が備えられているとは思いますが、それらの確実な点検と維持管理について、高層建築物が多い百道での経験を踏まえながら、行政側においても徹底した指導等をお願いしたいと思います。
記憶にまだ新しいものとして、平成21年7月、中国・九州北部豪雨の際、樋井川溢水による大規模な浸水被害の陰に隠れていましたが、多々良川津屋地区の周辺においても240戸にも及ぶ家屋浸水が発生いたしました。私はその被災現場に立ち、夜間のゲリラ豪雨の怖さをまざまざと体験したのであります。そして、この被害については、津屋堰あるいは隣接する排水ポンプの点検といった平時の点検を怠ったことによる人災であったとも言えるものでありました。そして、異常な降雨による増水のスピードの前には、迅速な地域住民への情報伝達が必要であり、水位計や監視カメラなどの防災機器の整備や地域住民の防災意識の醸成を図る必要性を痛感しました。その経験を踏まえ、現在では中小河川にも水位計が設置され、市内の河川監視カメラも暗視機能つきのものへと更新されるなど、監視面の充実が図られるとともに、定期的な点検も実施されているとお聞きして、大変安心しているところであります。災害対応は発生するまでの備えが大事になります。想定外のことをどれだけ想定しておくかが大切であり、ましてや過去に起きた災害であれば、当然想定内として備えておくべきことであります。
今から約200年前、我が国の自然災害史上、最悪な災害に福岡市が遭遇していたことを御存じでしょうか。私は令和2年10月、決算特別委員会の総会質疑でも取り上げましたが、戦後最大の高潮災害と言われる昭和34年9月の伊勢湾台風をはるかに上回る被害が、当時、福岡藩のあった北部九州で起こっていたのであります。この台風は、江戸時代末期、長崎にいた医師、シーボルトによる気象観測データが残されていたことから、シーボルト台風とも呼ばれています。日本気象学会の論文「1828年シーボルト台風と高潮」によると、主に有明海、博多湾、周防灘で3メーターから4メーターの高潮が発生して、陸地が浸水、死者は約1万9,000人、この死者のうち約2割が水死したと見られ、家屋の全半壊は約12万戸にも上ったということであります。そして、福岡市でも特に顕著な高潮被害が見られたのは博多湾の東側の奥のほうで、その浸水区域は東区をはじめ、志賀島はあの丘の頂上まで潮が来たという記録が残っていますけれども、博多区や中央区の、そして今の南区にまで及んだという記録も残っておると聞いています。
また、土木学会の論文「博多湾における高潮の発達特性に関する基礎的研究」によると、将来的な地球温暖化により、これまで以上に強大な台風が来襲し、九州北岸においても高潮災害の甚大化が懸念されるとあり、その中でも博多湾の湾奥部が、湾の奥が高潮の危険性が高いとの研究結果が出ております。このことからも、約200年前に大水害が福岡市を襲ったように、いつまたこのように大きな高潮災害が発生するか分かりません。事実、令和2年9月には一時、大型で非常に強い勢力まで発達し、過去最強クラスと予想された台風10号が発生しており、その勢力や進路がシーボルト台風と酷似していたことから、私は非常に強い危機感を募らせたことを覚えています。実際に九州に接近した際は、当初の予想より勢力が落ちていたことで、結果的には特別警報が発表されることはありませんでしたが、気象庁においても早い段階から最大級の警戒を呼びかけていたために、覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このように、今までシーボルト台風のような大水害が福岡市で発生しなかったことは、言わば運がよかったと捉えるべきでありましょうし、それが幸運にも長い期間続いていたのだと考えるべきではないでしょうか。さらに、世界有数の地震国である我が国は、これまで幾度となく地震による甚大な被害を受けてきており、地震に対する備えも必要不可欠であります。福岡管区気象台へ出向き、新しいまちアイランドシティについて質問に関する取材をする中で、専門家の御意見を伺ったところ、皆さん口々に地震が一番心配だと率直に答えられました。余談ですが、ついでながら申し上げますと、この取材を行った数日後、令和4年1月22日に日向灘を震源とする震度5強クラスの地震が起き、本市でも揺れを感じました。今後も広範囲に影響が及ぶと想定されている南海トラフ地震や首都機能を麻痺させる首都直下地震など、大規模地震が危惧されているとともに、本市においても、平成17年の福岡県西方沖地震のように警固断層帯や県内の活断層を震源とする地震の発生も否定できません。福岡市は自然災害が少ないという、いわゆる安全神話から脱し、災害をより現実的なものとして捉え、決して逃れることができないこの自然災害に対し、万全の備えをもって取り組むことが必要であります。
一方で、このような大規模自然災害の場合は、火災や一般的な災害と違い、建物だけではなく、まち全体が被災するような状況になるかと思いますが、このような同時多発的な災害が発生した場合の消防局の対応をお尋ねします。
また、昨今においては、新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえた避難所の開設、運営等については、避難者の健康管理、避難所の衛生管理、避難者スペースの十分な確保、発熱者などへの対応など、より困難な状況にあります。場合によっては、避難所での密を避けるため、車中泊をはじめ、知人宅や親戚宅のほかにホテルを避難先とするなど、今までにない新しい形の避難も選択肢の一つになってきています。また、アジア、世界の交流拠点都市として、福岡市には海外から多くの方々が訪れているとともに、市内には3万5,000人、うち東区には約9,000人を超える外国の方が居住しておられます。アイランドシティも多くの外国人が居住しているほか、港、事業所、住宅が存在することで、特有のコミュニティも形成しています。自分の命を自ら守るため、より多くの避難の選択肢を持ち合わせておくためにも、まち全体で協力関係を築き、自助、共助、公助が一体となって安全、安心な環境づくりに取り組む必要があります。
福岡市全体の人口は引き続き増加していく見込みであります。想定外の人数が避難所に押し寄せてきたという言い訳は通用しません。待ってはくれない、あるいは明日来るかもしれない大規模自然災害に備え、改めて平時の事前準備について、より一層の対応をお願いしたいと思います。
次に、先ほどるる申し上げましたが、アイランドシティには様々な施設や超高層建築物があり、防火対策も十分に図られていることと思いますが、一方で、一般住宅と店舗が一体となった建物なども見受けられ、こういった建物についても、しっかり安全、安心を守っていかなければなりません。
そこで、消防の査察や指導の対象となる建物の棟数、高層建築物の棟数について、市内全体とアイランドシティの割合をお尋ねいたします。
次に、アイランドシティについては、人口の増加による要因だけではなく、物流の増加に伴う交通事故や船舶事故なども相まって、救急需要が増加しているのではないかと危惧されます。また、昨年、自動車専用道路福岡高速6号線が開通したところでありますが、港湾物流の増加に加え、アイランドシティの中だけではなく、志賀島方面への交通需要の増加に伴う慢性的な交通渋滞が課題となっており、今後、国営海の中道海浜公園には滞在型レクリエーション拠点もグランドオープンし、さらなる交通需要の増加が見込まれます。救急出動は一分一秒を争うわけでありますが、このような状況を考えると、アイランドシティにおける救急車の現場到着に遅れが生じるのではないかと懸念しております。
そこで、市内全体とアイランドシティの救急件数と救急隊が現場に到着するまでの平均時間について、過去3年分の推移をお尋ねします。
以上で2回目の質問を終わります。
○議長(伊藤嘉人) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) アイランドシティの現状についてお答えをいたします。
世帯数及び居住者数につきましては、令和4年1月末時点で約4,500世帯、約1万3,000人でございます。また、事業所数及び就業人口につきましては、令和3年5月末時点で約250か所、約7,800人でございます。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) アイランドシティの消防に関する御質問にお答えします。
まず、市内全体とアイランドシティの火災件数の過去3年分の推移につきましては、令和3年中は市内全体が280件で、そのうちアイランドシティは1件、令和2年中は市内全体が261件で、そのうちアイランドシティはゼロ件、令和元年中は市内全体が307件で、そのうちアイランドシティは1件でございます。
次に、高層建築物に備わっている防火、防災上の施設、設備につきましては、消防法令に基づき、スプリンクラー設備、消防車から上層階へ送水する連結送水管や、カーテンなどを燃えにくい素材にすることが義務づけられています。また、建築基準法に基づき、避難する際に使用する特別避難階段や消防隊専用の非常用エレベーターのほか、火災の拡大を防ぐための防火区画などが義務化されており、防火や避難のための規制が強化されております。一たび火災や地震が発生した際の消防活動につきましては、一般の建物火災より多くの消防車両が出動し、はしご車や消防ヘリコプターなどを最大限に活用するとともに、様々な消防用設備等を駆使して人命救助を最優先とした組織的な消防活動を展開することとしております。
次に、同時多発的に災害が発生した場合の対応につきましては、災害の規模や内容に応じて非番職員の非常招集を行い、119番通報の多発に備えて受信体制を増強するなど、警備体制の強化を図ります。特に大規模地震の場合は非常事態体制に切り替え、最も警戒すべき同時多発火災に備え、消火を最優先とした部隊に再編するほか、多数の負傷者の発生に備え、7つの消防署に応急救護所を設置するなど、消防の総力を挙げて対応に当たってまいります。さらに、本市のみでの対応が困難な場合は、各種応援協定に基づき、他都市への応援要請をちゅうちょなく行うこととしております。
次に、査察や指導の対象となる建物の棟数と高層建築物の棟数の割合につきましては、令和3年12月末現在、市内全体では対象となる建物5万9,354棟のうち高層建築物は2,616棟で、その割合は4.4%、一方、アイランドシティでは対象となる建物190棟のうち高層建築物は34棟で、その割合は17.9%と、高層建築物の割合が高くなっております。
最後に、救急件数の推移につきましては、令和3年中は市内全体が7万8,424件で、そのうちアイランドシティは410件、令和2年中は市内全体が7万2,700件で、そのうちアイランドシティは283件、令和元年中は市内全体が8万1,447件で、そのうちアイランドシティは324件でございます。また、救急隊の平均到着時間の推移につきましては、令和3年中は市内全体が8分21秒に対し、アイランドシティは11分41秒、令和2年中は市内全体が8分11秒に対し、アイランドシティは12分3秒、令和元年中は市内全体が7分31秒に対し、アイランドシティは10分44秒でございます。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 藤本顕憲議員。
○48番(藤本顕憲) 御答弁ありがとうございました。それでは、3回目の質問に入ります。
最後に、消防施設の導入についてお伺いいたします。
東区は、豊かな自然や悠久の歴史、文化に加え、多くの大学が立地しているなど、恵まれた地域資源を有しており、個性や創造性が発揮できる魅力あるまちとなっています。そのような中、災害の甚大化や社会情勢の変化に加え、市民のニーズや地域の課題は多様化、複雑化してきており、これらの実情に応じて、その特性や地域資源を生かしながら、個性豊かで魅力あるまちづくりに取り組む必要があります。そして、福岡市がさらなる成長を実現するためには、まちの持つ文化と歴史を継承しつつ、百道のまちづくりで培った経験をアイランドシティのまちづくりに生かすように、福岡市の未来のまちづくりへとその経験をつないでいくことが肝要だと思います。
先日、市職員とともにアイランドシティを視察しましたが、やはりその変貌ぶりには皆さんも驚かれております。特に夕刻、対岸の香住ケ丘からアイランドシティを一望しましたが、夕日に照らされたその姿は目に焼きついて離れず、そして、その後に現れる壮大な夜景の姿にも感動を覚えました。アイランドシティは着実にその存在感を高めており、九州大学の移転で率先して賛成した後ろめたさ──市会議員は全市を俯瞰する役割でありますけれども、やはり自分の居住する地域には特別な愛着があるわけでありますが、九大を手放すということについての地域住民のいろんなお声があったことを思い起こして後ろめたい思いをしたのも事実であります。そういった思いを埋めて余りある新生東区、将来の市の発展に新しい存在感が生まれてきたと、新しい東区が生まれつつあると確信しております。
島市長はアイランドシティにこども病院を移転することを決定いたしました。誠に的確な選択だったと思います。市長にもぜひ大きく進化するアイランドシティ、その夜景、全体像を御覧いただきたいと思います。そうすれば、私と同じようにこの事業に多大な協力をいただいた市民や企業の大切な財産を守るとともに、安全、安心を支え、保障する責務が市にあると強く感じられると思います。未来のまちに必要な消防とは何なのか、また、未来の福岡市民が消防に求めるものは何なのかといった自問自答を繰り返し、変化を恐れず、未来都市における新たな消防の形について常に考えていかなければならないと思います。
そこで最後に、アイランドシティという未来都市の舞台に、防火、防災の要となる新たな消防施設を導入するなど、島内の防災力、さらにはこれをきっかけにして、市内全域の防災力を高めるべきだと考えますが、島市長の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
○議長(伊藤嘉人) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 先ほどの答弁でアイランドシティにおける事業所数約250か所と答弁をいたしましたが、正しくは280か所でございます。訂正させていただきます。申し訳ありませんでした。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 島市長。
○市長(島宗一郎) アイランドシティにおきましては、福岡市の成長に寄与するよう、先進的モデル都市づくり、また国際物流拠点の形成などに取り組んでいるところでございます。平成17年にまち開きが行われて以来、年々人口が増加していく中、住民一人一人が自ら防災意識をしっかりとお持ちいただくこと、これは消防行政の課題でもございますので、御指摘の消防施設等の在り方についても、しっかりと研究をしてまいります。今後とも、消防力の充実強化や、また防災力の向上に努め、福岡市の安全、安心なまちづくりをさらに進めてまいります。以上です。
○議長(伊藤嘉人) この際、暫時休憩いたします。
午後は1時10分に再開いたします。
午前11時25分 休憩
午後1時10分 開議
○副議長(山口剛司) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を継続いたします。倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗)登壇 私は日本共産党市議団を代表して、綿貫英彦議員が行った代表質疑を補足して、脱炭素への転換と地域発展について、加齢性難聴者に対する補聴器助成制度の創設について、学校給食の無償化について質疑を行います。
質問の第1は、脱炭素への転換と地域発展についてです。
異常な豪雨、猛暑、森林火災など、気候危機と呼ぶべき非常事態が起こっており、その打開は待ったなしです。本市は国よりも10年早い温室効果ガス排出実質ゼロを掲げていますが、2050年でも達成が困難と専門家が言っている中、相当の努力が必要なことは言うまでもありません。しかし、代表質疑の答弁においても具体的な方策や目標は全く示されませんでした。まさにやっているポーズだけであります。
新年度の施策を見てみると、未来につなぐ脱炭素のまちづくりとして様々なメニューが並んでおります。まず、市有施設の電力を再エネ由来電力に切り替える事業についてです。本事業は、庁舎、学校、公民館、浄水場、水処理センター等の使用電力を再生可能エネルギー由来電力に切り替えるというものであり、約5.7万トンの二酸化炭素削減を新年度行うとしています。
そこでお尋ねしますが、この削減量は市役所全体の何割を占めるのか、答弁を求めます。
あわせて、全ての施設で再エネ由来電力に替えた場合、どれだけの削減量になるのか、お尋ねします。
次に、電気自動車、燃料電池自動車等の購入、充電設備設置補助事業についてです。これは次世代自動車への転換を促進するため、車両購入に対する助成を行うとともに、急速充電設備設置への助成等による電気自動車等の利用環境整備を進めるものであります。これは電気自動車を購入した場合、10万円を補助、プラグインハイブリッド自動車は5万円、燃料電池自動車は60万円で2,875万円が計上されております。仮に全ての補助対象が電気自動車となった場合、その対象件数は287台となります。
お尋ねしますが、自動車部門の脱炭素推進は極めて重要であるにもかかわらず、本事業の対象件数はあまりにも少な過ぎると思いますが、御所見をお伺いします。
次に、事業所省エネ計画書制度についてです。本制度は、専門家の派遣等により事業所の自主的、計画的な省エネの取組を推進し、各事業所及び市域全体のエネルギー使用量や温室効果ガス排出量の削減を図るというものであります。省エネの促進は脱炭素への転換において重要な取組であることは言うまでもありません。本制度の2018年度の参加事業所は20、2019年は34、2020年は39と伸びてはいるものの、合わせて93事業所という数は少な過ぎます。ちなみに、本市の事業所は約7万2,000か所であります。
したがって、本制度の規模は省エネの重要性から見ると不十分だと思いますが、御所見をお伺いします。
中小企業の脱炭素の取組を支援せよとの我が党の代表質疑に対して市長は否定されませんでしたが、問題はその内容と規模であります。新年度施策を見てみますと、カーボンニュートラルに向けた取組に対する金融支援、福岡グリーンイノベーションチャレンジくらいのもので、ほかには見当たりません。前者はお金を借りなければなりませんし、後者は対象が狭過ぎます。第2次みんなで応援!中小企業元気都市プラン素案では、脱炭素など新しい価値に基づく事業が創出されることで、域内経済の活性化や都市の成長が促されるとうたっています。これに対して中小企業振興審議会では、委員からも、脱炭素は今後かなり大きな潮流になるために、中小企業振興政策での取組を強化すべきだという大事な意見が出されています。
したがって、中小企業への脱炭素の取組に対する支援に期待が高まっているにもかかわらず、新年度のこの分野の施策はあまりにもお粗末ではないかと思いますが、御所見をお伺いします。
質問の第2は、加齢性難聴者に対する補聴器助成についてです。
我が党は毎年、代表質疑で制度の新設を求めてきましたが、市長は、国や他自治体の動向を見守ると答弁するのみで、全くやる気を見せません。市民の切実な要求に背を向ける冷たい態度であります。
老化に対する長期縦断疫学研究によれば、難聴有病率は65歳以上で急増し、65歳から69歳では男性の43.3%、女性の27.7%、80歳以上では男性の84.3%、女性は73.3%まで上昇しています。世界保健機関、WHOは、65歳以上の3人に1人が難聴を抱えていると見解を発表しています。聴覚は人間が本来持っている能力を構成する重要な要素であり、他者とのコミュニケーションや関わりを持つ上で最も重要な感覚であります。難聴を患うと日常生活の中での孤独を感じる機会が多くなります。しかるに、ひきこもりなどの社会的孤立や認知症の発症、家族、友人との人間関係の悪化を引き起こす要因にもなっています。また、アメリカの調査では、40歳から69歳において難聴が10デシベル悪化するごとに転倒のリスクが1.4倍高まったとの結果が報告されています。さらに、難聴は交通事故も誘発しており、その影響は本人だけでなく、他人にも及びます。
このように、難聴に起因する障がいは日常生活を送るに当たり大きな損失を引き起こすとともに、事故などで他人を巻き添えにしてしまう事態も想定されるため、聞こえのバリアフリーは看過できない問題であると思いますが、御所見をお伺いします。
難聴をケアすることにおいて、適切に調整された補聴器を使用することは、言葉の聞き取りなどが容易となり、社会的孤立の解消にも多大な効果を発揮しています。また、補聴器は交通事故の発生頻度や不意の転倒、認知症や鬱病の発症を防ぐといったもろもろの役割を果たしていることは数々の研究で明らかとなっています。
そこでお尋ねしますが、補聴器を装用することで高齢者の認知機能低下のリスクが減少すると思いますが、御所見をお伺いします。
質問の第3は、学校給食の無償化についてです。
学校給食は、児童生徒の心身の健全な発達など、食に関する正しい理解と適切な判断力の育成を図る上で重要な役割を担っております。我が党は代表質疑で学校給食の無償化を要求しましたが、教育長はこの間、学校給食法で保護者負担とされていると無償化に背を向けてきました。しかし、2017年度の文科省調査によれば、1,740自治体中82自治体で無償化、424自治体で一部補助が行われており、調査時以降も学校給食の無償化に向けた流れは強まっていることをまさか教育長は御存じないのでしょうか。この法律が施行されたときの事務次官通達では、学校給食の実施に必要な経費は、地方自治体、学校法人その他の者が児童の給食費の一部を補助するような場合を禁止するものではないとしています。つまり、自治体などが食材費を負担することは禁じない旨を明記しております。
そこでお尋ねしますが、学校給食の無償化を行っている自治体は学校給食法に違反して無償化を実施していると福岡市教育委員会はお考えなのか、答弁を求めます。
また、教育長は我が党の代表質疑に対して、経済的な理由により支援が必要な世帯に対しては就学援助などによる支援を行っていると答弁されました。しかしながら、就学援助を受けられる子ども1人世帯の月収は上限約28万円です。この基準を超えれば支援を受けられません。ぎりぎり基準を超えた世帯にとって給食費は重くのしかかります。
したがって、コロナ禍の下で経済的負担は増えている世帯が多くなっている中で、今までと同じように生活保護や就学援助世帯には支援をしているから十分だという態度は問題だと思いますが、御所見をお伺いします。
以上で1問目を終わり、2問目以降は発言者席で行います。
○副議長(山口剛司) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 脱炭素に関する御質問にお答えいたします。
まず、令和4年度に実施を予定している再生可能エネルギー由来電力への切替えによる二酸化炭素排出量の削減割合につきましては、市役所全体で使用している電気やガスなどのエネルギー消費を起源とする二酸化炭素の総排出量の約35%に相当いたします。
次に、全ての市有施設で使用する電力を再生可能エネルギー由来電力に切り替えた場合の二酸化炭素削減量につきましては、令和2年度の電力使用量の実績から試算しますと、約13万トンとなることが見込まれます。
次に、電気自動車等の購入に対する補助台数につきましては、これまでの補助実績を踏まえ、令和4年度に複数の国内メーカーから新たな車種が販売される予定であることを勘案して、想定される補助台数を前年度よりも約3割の増といたしております。
次に、事業所省エネ計画書制度につきましては、エネルギー使用量が多い事業所を対象に省エネ計画書を提出していただき、福岡市が専門家を派遣するなどの支援を行うことにより、事業所の自主的、計画的な省エネを推進する制度でございます。これまで事業所への個別訪問時などに本制度への参加を呼びかけておりますが、既に省エネに取り組まれている事業所も多くある中で、新たに取組を始められるなど、支援を必要とする事業所に対しては十分対応できているものと認識いたしております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 中小企業の脱炭素の取組支援についてお答えします。
中小企業が脱炭素に取り組むことで、光熱費などの低減につながるだけではなく、自社製品の競争力強化や企業認知度の向上につながるなどのメリットを周知するとともに、新設するカーボンニュートラル資金により金融面からも支援してまいります。また、脱炭素をビジネスチャンスと捉え、製品開発など新たな事業を展開する企業を九州先端科学技術研究所と連携して支援する福岡グリーンイノベーションチャレンジや、観光分野の二酸化炭素排出量の抑制などを組み込んだモデルツアーの実証を行うサステナブルツーリズムを推進してまいります。今後とも、中小企業の脱炭素に向けた取組や事業展開を着実に支援してまいります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 加齢性難聴者に対する補聴器助成制度についてお答えをいたします。
聴力の低下や変化につきましては、日常生活やコミュニケーションなどに影響することはあるものと認識をしておりまして、難聴の方の聞こえづらさを解消することは生活の質を改善する上でも重要と考えております。
次に、難聴と認知症のリスクに対するお尋ねでございますが、難聴が認知症の危険要因とされていることは承知をしております。難聴と認知機能低下の関係性については、国において平成30年度から令和元年度にかけて認知症の機能低下の予防効果を検証するための研究が行われ、一定の相関関係が確認をされております。しかしながら、難聴になった結果として認知症になるのかといった因果関係についてはまだ研究結果を得ることに至っておらず、研究が継続されているものと伺っております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校給食の無償化についてお答えいたします。
まず、学校給食費を徴収する考え方についてですが、学校給食法におきましては、経費の負担区分として、学校給食の実施に必要な施設及び設備に要する経費並びに人件費などの政令で定める経費を学校の設置者の負担とし、それ以外の学校給食に要する経費は学校給食を受ける児童生徒の保護者の負担とするとされております。そのため、多くの自治体が給食費を徴収しており、福岡市におきましては、法令により保護者の負担とされている光熱水費や食材料費などの経費のうち、食材料費相当額のみを保護者に負担していただいております。
次に、就学援助の認定基準については、原則として国が決定している生活保護基準に準じており、適切な水準に定めているものと考えております。以上です。
○副議長(山口剛司) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) まず、脱炭素への転換についてです。
新年度行う予定の幾つかの施策についてお尋ねしました。市有施設の電力を再エネ由来の電力に切り替える取組ですが、全ての施設で切替えを行えば13万トンの二酸化炭素排出を抑制することができ、そのうちの5.7万トンを新年度で達成するとのことです。再エネ由来の電力に切り替えることは二酸化炭素の排出量を減らすために重要です。私たちは専門家の方と試算をしてみました。パネルを用意してきましたので、ちょっと見ていただきたいと思います。(パネル表示)最終的にどの部門がエネルギーを出したのかという見方、いわゆる間接排出ではなくて、自分たちが出している二酸化炭素がどういうエネルギーからやってきているかを表す直接排出で福岡市の二酸化炭素の排出を分析したものをグラフにしてみました。福岡市は産業が少ないので、産業熱というのは少ないんです。見てもらったら分かるように、購入電力が49%を占めているというのが福岡市の特徴です。これは言い換えれば、購入電力を全て再エネ由来に切り替えれば、福岡市から排出される二酸化炭素の約半分の量が抑制されるということであります。ですので、再エネ由来電力に切り替えるという取組は大きな方向性として間違っていないと思うんです。しかし、市有施設の切替えだけで十分かというと、極めて不十分です。先ほど局長から答弁があったように、市有施設を全て再エネ由来の電力に切り替えても約13万トンであり、福岡市全体の排出量に占める割合は約2%にすぎません。となると、本格的に家庭や民間施設が使う電力を再エネ由来電力に替える必要があります。この割合を高めるために、国はもちろん、自治体も様々なメニューを市民や事業所に提示することが求められています。
そこで、2点今日は提案したいと思います。
まず1点目は、情報提供です。今、電力小売会社は、経済産業省のホームページによると、2月21日現在で749もあるんです。自宅や事業所を再エネ由来の電力に替えようと思っても、各電力小売会社の電源構成、すなわち再エネ由来なのか、火力なのか、原発なのか、こういう情報や、価格はどのぐらいするのかという情報については、一つ一つホームページを開いて調べなければなりません。これは大変な労力になります。特にお年寄りとかは。
そこで、本市が電力小売事業者の電力構成や価格を分かりやすくホームページやパンフレットで情報提供することによって、再エネ由来の電力へ切替えしやすくすることは二酸化炭素排出量を減らすことに貢献すると思いますが、御所見をお伺いします。
また、業者もいろんな情報を出しているんですが、業者に相談しても、自分の商品に誘導されてしまうかもしれないと安心して相談できません。市が中立、公平な立場でアドバイスを行う窓口を開設すべきと思いますが、お尋ねします。
提案の2つ目は、市が再エネ由来の電力小売事業を行うということです。周知のとおり、政令指定都市の浜松市は、株式会社浜松新電力に出資しています。浜松市内の太陽光発電所や清掃工場の電源から電気を調達し、浜松市内の公共施設や民間需要家に供給しています。このような取組は、再エネ普及だけでなく、エネルギー自給率の向上と地域活性化につながります。
したがって、再エネの普及を促進するだけでなく、地域経済を潤すためにも、本市が電力小売事業に足を踏み出すべきと思いますが、御所見をお伺いします。
次に、電気自動車等への補助制度についてです。ここでもう一度パネルを見ていただきたいと思います。(パネル表示)購入電力が一番多かったという話は先ほどしました。そこで、2番目は何かといいますと、この緑色の運輸燃料のところです。運輸燃料、すなわちガソリンであります。では、どうすればいいかといいますと、ガソリン車を電気自動車に替えるということであります。ですので、電気自動車への補助制度というのは大事なんですが、新年度施策の予算規模と想定台数は、市内の車の保有台数――これは76万台あるんです、これから見ると、あまりにも本市の施策は不十分だということを指摘しなければなりません。局長は、今までよりも3割台数を増やしたんだと、こういうお話をされたんですが、気候変動問題は世界中で待ったなしの課題だとスピードが求められているのに、そんなことでは本気さが問われると言われても仕方がありません。
補助額についても言及しておきます。電気自動車の本体価格は300万円から400万円と言われており、ガソリン車が100万円から300万円であることと比べるとまだまだ高額です。このことが電気自動車の購入の際のネックとなっている調査結果が多々見受けられます。環境省が行っている補助制度が電気自動車の場合、最高上限額80万円ですから、本市の10万円と合わせても90万円にしかなりません。
そこで、電気自動車の購入を促進するためにも補助額をもっと引き上げるべきだと思いますが、御所見をお伺いします。
次に、事業所省エネ計画書制度事業についてですが、省エネの大切さは論を待ちません。この事業について全て否定するわけではありませんが、やはりこれも数が少な過ぎるんです。方向性は間違っていないわけですから、もっとスピード感を持って事業を拡大すべきです。そのためには、この制度の対象をもっと広げる必要があります。現在、この制度の対象となっているのは、オフィス、事業所では電気使用量年間約200万キロワットアワー以上とされています。小売店舗も延べ床面積が約1万平方メートル以上、病院は150床から200床以上が対象になっています。
そこで、もっと多くの事業所の省エネの取組を応援するために、事業所省エネ計画書事業の対象を広げるとともに、予算を抜本的に増やすべきだと思いますが、御所見をお伺いします。
また、今後、省エネの取組の支援を事業所に限っていいのかという問題があります。家庭での省エネを進めることも重要です。家庭でエネルギーを多く使うのは家電です。節電のためには、消費電力を減らすことと省エネ家電に切り替えるという取組が求められています。家電製品の省エネ性能は年々向上しているため、古い家電を長く使っている場合は、新しい製品に交換するだけでも高い省エネ効果を期待できます。しかしながら、価格が高い、どれを選んでいいか分からないということで省エネ家電への切替えをちゅうちょする人も少なくありません。
お尋ねしますが、例えば、家電などを買い換えるときに省エネ家電が少々価格が高くとも、数年使えば総じて安くなるからお得ですよといったアドバイスができる専門家、省エネアドバイザーを配置した相談窓口を設置して、家庭での省エネを推奨する取組を行うべきと思いますが、御所見をお伺いします。
中小企業の脱炭素の取組をどう応援するかについてですが、新年度施策を局長は御紹介されたわけですが、今必要なのは、もっと直接的に支援して脱炭素の取組を進めていくことです。環境に優しいツアー商品を開発することが全く駄目と言うつもりはありませんが、これが脱炭素の取組だと言われれば、もっと別の策がなかったのかと言いたい。極めて不十分です。
私どもの試算では、省エネ、再エネの設備投資や省エネによる光熱費削減分をほかの投資や消費に回すこと、地元再エネ売電または自家消費の利益分をほかの投資や消費に回すことで、2050年までに本市だけで3,600億円の平均投資額、2万2,700人の雇用効果があると見ています。福岡市の一般会計予算の約3分の1もの投資額、人工島で生み出される雇用の見込みは1万8,000人ですから、それを大きく超える雇用効果が脱炭素対策によって本市で生まれます。これだけの大きな経済効果と雇用効果があるわけですから、地元の中小零細企業に仕事が回って地域経済が活性化するよう行政が誘導する必要があります。大企業は放っておいてもこの分野に食い込んできますから、独占させるのではなく、しっかりと中小企業のビジネスチャンスを保証する、そのための一つの提案を今日させてもらいたいんですが、省エネ住宅新築・リフォーム助成制度をつくってはどうでしょうか。省エネは、建物では断熱規制が有効です。新築はゼロエミッションハウス、ゼロエミッションビルを規制基準にした規制導入が望ましいと言われています。既存建築物についても、断熱規制導入が求められています。
そこで、このような断熱効果のある新築やリフォームを行い、かつ地元の工務店を使った場合、補助金などを支給するインセンティブ制度を導入すれば、脱炭素の取組も進む、地元経済の仕事興しにもつながると思いますが、御所見をお伺いします。
次に、補聴器補助制度についてです。
聞こえのバリアフリーの必要性については否定されませんでした。「聞こえず、適当に相づちを打っていることが時々ある」、「人の言っていることが分からないために誤解を生じる。電話は聞こえない。全てつらい」、「耳が聞こえないのは悲しいです。大切なことは何回も聞くなりして対応していますが、会合などはつい控えてしまいます」。切実な声が私どものところにも寄せられています。局長は、補聴器の重要性について、まだまだ研究中なんだ、国においても研究中なんだと、こういうふうに言いますが、これは勉強不足の答弁です。やはり頼みの綱は補聴器なんです。補聴器さえあれば他人とのコミュニケーションも取れる、認知症予防にもなる、事故も防ぐことができる。なのに、日本補聴器工業会が実施した調査では、日本の難聴者の補聴器所有率は14.4%、装用者の満足度は38%と、欧米諸国と比較して極端に低い状態にあることを示しています。なぜこんなに所有率が低いのか。購入費が高いことが補聴器を使用する上で大きなハードルとなっています。3年前に行った私どものアンケートでも、補聴器を購入しなかった理由はとの問いに対して、圧倒的に価格が高いと答える人が多かったのであります。補聴器の値段は性能によって違いがありますが、一般的には耳穴型を選ぶと1台20万円前後、両耳使用なら40万円程度の費用がかかると言われています。さらに高性能を選べば1台50万円以上、両耳なら100万円以上となるものもあります。
そこで、難聴者にとって補聴器購入は大きな経済的負担になっていると思いますが、御所見をお伺いします。
補聴器の価格が高額である一方、障害者手帳を持っていない軽度、中等度の難聴者や加齢性難聴者の多くは公費助成の対象外として自費購入を強いられています。そこで、購入費用の助成を実施する自治体がたくさん増えてきました。東京都港区では4月から助成額が上限13万7,000円の制度が発足します。助成の対象は60歳以上で、所得制限はありません。画期的な制度です。兵庫県は新年度、高齢者の補聴器活用状況の調査の実施としてモデル事業を行います。この事業では、要件を満たした人から抽せんで400人程度、上限2万円で補聴器の購入費用を補助するものです。県がこのような事業に踏み出したことも画期的なことです。
そこでお尋ねしますが、聞こえのバリアフリー促進のために自治体の補聴器購入の際の助成制度は必要だと思いますが、御所見をお伺いします。
次に、学校給食の無償化についてです。
コロナ禍の下で、経済的に厳しい状況に置かれている子どもや家庭が増えている中で、今までどおりの支援でいいのかという問いに、教育長は、何ら問題がないという答弁をされました。実態を見ない冷たい答弁です。文部科学省の平成28年度子供の学習費調査を基に計算してみると、公立中学校に通う経費の24%を給食費が占めており、公立小学校ではその比率は43%となります。給食費の負担というのは、やはり各家庭に重くのしかかっているわけです。無償化に踏み切れば、給食費が払えない、家計を圧迫すると、親も子どももつらい思いをしなくて済みます。
さらに、観点を変えて論じたいと思います。給食の今日的意義です。給食は栄養補給だけでなく、一緒に食べることでコミュニケーションが豊かになり、心身の成長につながります。給食の食材やそれに関わる人、調理方法など、地域の伝統や日本の食文化を伝えることも食育として大切です。人間として豊かに生きるために必要なことを、食べる体験を積み重ねて学ぶ教育の場です。まさに給食そのものが教育の一環であります。本市の教育要覧では、学校給食は、児童生徒の心身の健全な発育に資し、かつ、食生活の改善に寄与するものであり、教育活動の一環として実施していると、福岡市もそう書いているじゃないですか。
そこで、憲法第26条は「義務教育は、これを無償とする」とうたっており、教育の一環である給食を無償化することは当然のことと思いますが、御所見をお伺いします。
以上で2問目を終わります。
○副議長(山口剛司) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 脱炭素に関する御質問にお答えいたします。
まず、市民や事業者の再生可能エネルギー由来電力の利用につきましては、引き続き、小売されている電気に関する情報提供の実施や、民間事業者との協働により実施している再生可能エネルギー由来電力の共同購入事業、EE電などを実施することにより、利用しやすい環境づくりを進めてまいります。
次に、地域新電力会社の設立につきましては、福岡市においては再生可能エネルギー由来電力を提供できる小売電気事業者が複数存在していることから、まずはその小売電気事業者とその利用を希望する市民や事業者をつなぎ、発電時に温室効果ガスが排出されない再生可能エネルギー由来電力を利用しやすい環境をつくっていくことが重要であると考えております。
次に、電気自動車等の次世代自動車への補助額につきましては、福岡市の燃料電池自動車の補助額は政令市の中で最も高い額となっているなど、相応の水準となっているものと考えております。また、国の補助との併用ができる制度としており、国制度と併せた広報を行うことにより、ガソリン車からの切替えを支援してまいります。
次に、事業所省エネ計画書制度の対象規模につきましては、福岡市域内の温室効果ガス排出量の約3割を占める業務部門において、特に排出量が多い事業所の自主的、計画的な省エネの取組を重点的に推進するため、原油換算で年間おおむね500キロリットル以上のエネルギーの使用実績がある事業所を対象としております。また、エネルギー使用量の少ない事業所に対しましては、国が実施している専門家の派遣制度の活用を紹介しながら省エネの取組を進めております。令和4年度におきましては、省エネの推進を含む脱炭素を重視する経営への転換を図り、脱炭素化に先行して取り組むことの重要性について情報を発信し、本制度への参加を含め、脱炭素化の推進に向けた啓発を進めてまいります。
次に、家電製品の省エネルギー性能につきましては、エネルギーの使用の合理化等に関する法律、いわゆる省エネ法に基づく小売事業者表示制度で対象とされている製品ごとに表示される統一省エネラベルに、日本工業規格、いわゆるJIS規格に基づいて算出された省エネ性能や年間消費電力量及び公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が定める電力料金目安単価から算出された電気料金の目安などが表示されております。多くの家電量販店においてこのラベルが表示されており、福岡市では、ラベルを参考に省エネ性能が高い家電製品を選ぶことについて市政だよりなどで啓発を行うとともに、ECOチャレンジ応援事業において、該当する製品を購入した際には、交通系ICカードへポイントを付与する取組を行っております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 断熱効果がある新築住宅などに対する補助制度についてお答えします。
国においては、高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や住宅の省エネ改修などに対しての補助事業が実施されており、また、県においても、県内の事業者の施工を条件に省エネ改修も対象とした補助事業が実施されていることから、それらの制度の周知に努めてまいります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 加齢性難聴者に対する補聴器助成制度についてお答えをいたします。
補聴器につきましては、片耳当たり3万円程度から、高価なものでは50万円程度まで価格は様々であると聞いております。補聴器の購入費用につきましては、聴覚に一定以上の障がいがある方で身体障害者手帳を取得されている方に対し、障害者総合支援法に定める補装具支給制度に基づき助成を行っております。
次に、助成制度についてのおただしですが、難聴や老眼など老化に伴う身体機能の低下は誰の身にも起こり得ることでありますので、これに対応した社会生活上の支援を行うことについては、その実施による効果を見極めながら慎重に検討する必要があると考えております。加齢性難聴につきましては、国において難聴と認知機能低下の関係性についての研究が継続して行われているところでございます。福岡市といたしましては、引き続き、身体障害者手帳を取得されている方に対して補聴器の購入に対する助成を行いますとともに、国や他都市の動向を見守ってまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校給食の無償化についてお答えいたします。
学校給食費の保護者負担でございますが、憲法第26条の義務教育の無償は、法令及び判例においても授業料を徴収しないことを意味するとされており、光熱水費や食材料費などの経費は学校給食法で保護者の負担と定められております。福岡市におきましては、このうち食材料費相当額のみを保護者に負担していただいております。以上です。
○副議長(山口剛司) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) 再エネ由来の電力にどうやって切り替えていくかについてです。
電力小売事業者の情報を市が積極的に提供することに対して、局長は、利用しやすい環境をつくるんだというふうに答弁されたわけです。ならば、私が提案したようなことをやったらいいと思うんです。何で市がやるかというと、自治体という公が発する情報だからこそ中立性、公平性が保たれ、消費者に安心感を与えることができるんです。取組を検討すべきであります。本市が電力小売事業を行うことについては拒否されましたが、市民や企業に対しての強力なイニシアチブを発揮することになるとともに、実際、再エネの普及の促進や地域にお金が落ちる、新たな雇用が生まれるなど、地域経済の発展にもつながります。再考を促すものです。
電気自動車への補助制度もこれでいいんだという答弁ですが、やる気を感じられません。車は約10年から13年使用しますので、今後、市長が定められている2040年という目標の期限までに2回ほどの更新の機会があります。2040年までには電気自動車を選択してもらう、そのための施策としては極めて不十分です。事業所の省エネの取組でも、対象を増やせと求めても、このままでいいということです。この事業の3年間の実績は93か所。もう一回言いますよ、市内の事業所は7万2,000か所です。0.1%にすぎません。家庭での省エネの取組についても、消費者任せの答弁です。エアコン、冷蔵庫など、家電のサイクルは10年から13年、これも2040年までに二、三回の更新の機会があり、更新時に確実に省エネ型に切り替えてもらうように誘導策をもっと積極的にやるべきです。
市長は、2040年までに温室効果ガスを実質ゼロにするという目標を掲げておられますが、何をどう、いつまでにやるのかが全く見えません。省エネ目標は持とうとしないし、再エネの目標も8%しかありません。新年度施策についても、私がるる述べてきたように極めて不十分であり、まさにポーズだけであります。
そこで、省エネ目標の策定、再エネ目標を大幅に引き上げ、中間目標も明確にして、2040年までに温室効果ガス排出ゼロという目標を達成すべきではありませんか、あわせて、市の施策全体を見直して具体策を持つべきと思いますが、市長の答弁を求めます。
省エネ住宅新築・リフォーム助成制度についてもやるとは言われない。国や県があるからというふうに言われますが、私はこの制度にやはり市が上乗せ、横出しすべきだと思いますよ。東北大学の明日香壽川教授は、短期間で実施できて、かつ経済効果も大きいという意味では、今ある建築物の断熱工事による省エネが最も優れており、そのための補助金等の拡充は早急に検討されるべきだと指摘しています。これまで本市は耐震化とかバリアフリー化といった公的目的に資するリフォームに助成をやってきたわけです。ならば、脱炭素化という公的目的に資する省エネ助成制度をつくるべきです。脱炭素への転換は大きな投資を生みます。それを大企業が根こそぎ持っていくのを指をくわえて見ているのではなく、中小零細企業の仕事づくりにつなげるのが市長の仕事です。そんな取組が全く見えないんですよ。
そこで、中小零細企業の脱炭素の取組を応援する施策を抜本的に強めるべきだと思いますが、市長の御答弁を求めます。
次に、補聴器助成についてです。
補聴器購入が大きな経済的負担になっていることについて、局長は、重度の方にはやっているんだと。しかし、私が今日問題にしているのは、重度ではなくて軽度、中等度の人たち。こういう人たちの聞こえの悪さを放っといたら、ずっと述べてきた、いろんな障がいが出てきたり、いろんなリスクが出てきて大変なんですよ、こういうお話をしているわけです。全くお門違いの答弁です。基本的に市の態度は、耳の聞こえが悪くなったとしても自分で何とかしろと自己責任を押しつけるものであり、行政の取るべき態度ではありません。市長は、身体的、精神的、社会的に良好な状態であることを意味する概念であるウエルビーイングが注目を集めていると市政運営方針で述べられた上で、困ったときには助けてくれる人がいる、全ての人に優しく、ぬくもりのある社会を目指すと言われました。ならばなぜ、高額な補聴器が買えずに困っている高齢者を助けようとしないんですか。聞こえが悪くて悲しんでいる高齢者に優しくしていないじゃないですか。それが市長の言うぬくもりのある社会なんですか。認知症の人が安心して自分らしく暮らせるよう、認知症フレンドリーシティ・プロジェクトを推進するなどと言っていますが、認知症の予防になる補聴器購入補助に背を向けているというのは、おかしくないですか。市長は自分の言葉に責任を持つべきです。
したがって、島市長は、難聴を患い聞こえが悪くなり、困っている高齢者が経済的理由で補聴器を購入できないことがないように本市でも補助制度を創設すべきと思いますが、御所見をお伺いします。
学校給食の無償化については、教育長は、あくまでも義務教育は授業料だけであるというふうに言われます。しかし、憲法学者の多くは就学費用の全てを無償にしていくべきという見解を示しています。給食自体が丸ごと教育なのですから、当然、食材も含めて無償化すべきです。徴収しているのは材料費、食材費だけということは、受益者負担の考え方です。受益者負担とは、地方自治法第224条に基づいたもので、特定のサービスを受ける者に受益に応じた負担を求めるものです。給食の食材費がこれに該当しないことは明らかであります。しかるに、食材費だけ保護者に負担してもらっているというのは、法的根拠があるかというと、はっきりそうだとは言えないのです。
したがって、市教委が学校給食の無償化を行わない理由は破綻しており、直ちに実施すべきと思いますが、教育長の答弁を求めて、私の質問を終わります。
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校給食の無償化についてお答えいたします。
学校給食に要する経費につきましては、法令において保護者負担とされているもののうち、食材料費相当額のみを保護者に負担していただいております。なお、経済的な理由により支援が必要な世帯に対しましては、生活保護や就学援助の制度により必要な支援を行っております。以上です。
○副議長(山口剛司) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市は、世界が目指すカーボンニュートラルに積極的に取り組むこととして、2040年度を目指したチャレンジを掲げ、福岡市域の地球温暖化対策実行計画の改定を進めており、省エネルギーや再生可能エネルギーなどに関する目標の設定と、その達成に向けて取り組む方向性について定めることとしております。
地球温暖化対策の取組は環境の分野にとどまらず、施策、事業を計画、実施するに当たって、市政全般において検討が必要なまちづくりの重要な視点と認識をしております。また、中小企業の脱炭素に対する取組は重要であると考えており、脱炭素経営に向けた取組を金融面で支援するとともに、カーボンニュートラルをビジネスチャンスと捉え、製品開発など、新たな事業へチャレンジする企業の支援などに取り組んでまいります。引き続き、人と環境と都市活力の調和が取れた、世界から選ばれる都市を目指して、市民や事業者の皆様と一体となって脱炭素社会の実現に取り組んでまいります。
難聴の方の補聴器の購入につきましては、身体障害者手帳を取得されている方に対し、費用の助成を行っているところであります。いわゆる加齢性難聴につきましては、加齢に伴って誰の身にも起こり得ることであり、補聴器購入の費用の助成につきましては、国や他都市の動向を注視してまいりたいと考えております。以上です。
○副議長(山口剛司) 池田良子議員。
○62番(池田良子)登壇 私は福岡市民クラブ、落石俊則議員の代表質疑を補足し、障がい者の就労自立支援について、子どもの権利保障について、これは性暴力から子どもを守るという観点から、及び福岡市の地域コミュニティ活性化について質問いたします。
初めに、障がい者の就労自立支援についてです。
2016年4月から施行された障害者差別解消法は、不当な差別的取扱いを禁止し、合理的配慮の提供を求めて、障がいのある人もない人も共に暮らせる社会を目指しています。福岡市では2019年1月から施行されています。そして、2021年5月、改正障害者差別解消法が成立しました。これまで合理的配慮の義務づけは国や自治体のみで、民間事業者には努力義務となっていましたが、今回の改正によって、障がいのある人から求めがあれば、民間事業者も今後は義務として合理的配慮を行わなければならなくなりました。SDGsの推進もさることながら、ダイバーシティとインクルージョンの実現に向けた官民連携の重要性がより一層強まってきています。一方、障がい者の職業の安定を図ることを目的とする障害者雇用促進法は、障がいのある方に対し、職業生活における自立を実現するための職業リハビリテーション推進について、または事業主が障がい者を雇用する義務をはじめ、差別の禁止や合理的配慮の提供義務等を定めています。障害者雇用促進法で定められている義務のうち、事業主にとって重要になるのが法定雇用率です。その障がい者の法定雇用率が2021年3月1日から民間企業は2.3%に、国、地方公共団体等は2.6%に、都道府県等の教育委員会は2.5%に引き上げられました。
福岡市役所と市教育委員会の障がい者雇用率について、それぞれお尋ねいたします。
福岡市は障がい者を非常勤で雇用するチャレンジ雇用と称していました障がいのある人を対象とする会計年度任用職員制度を導入していますが、その制度を導入した年度とその目的、現在の制度概要、処遇についてお尋ねいたします。
また、法定雇用率の基準日である2021年6月1日現在の採用人数を市役所や区役所等の市長事務部局等と学校等の教育委員会別にお知らせください。
あわせて、障がい種ごとの人数についても、お尋ねいたします。
障がい者の職員を専門的に支援するジョブコーチがいますが、障がいのある人を対象とする会計年度任用職員をサポートするジョブコーチ、その人数と具体的な任務についても、お尋ねいたします。
次に、子どもの権利保障についてです。
本議会では、子どもの権利保障の中でも特に子どもへの性暴力について、その実態、相談体制、防止教育の観点から質問をしてまいります。
2017年、刑法の性犯罪規定が大幅に改正されました。改正は1907年、これは明治40年の制定以降初めてで、実に110年ぶりの改正となりました。暴行や脅迫を用いて性行為をする強姦罪は強制性交等罪と名称が変わり、最も短い刑の期間は3年から5年に引き上げられました。しかし、暴行や脅迫がなくても、被害者が恐怖心などから抵抗できない例は少なくなく、被害者や支援団体などからは、暴行や脅迫があったことを立証できないと罪に問えない暴行脅迫要件を見直し、性交の同意がないことを要件とする不同意性交罪の創設を求める声が上がっていましたが、見直しには至らず、性交同意年齢13歳の引上げや、10年となっている強制性交罪の公訴時効の延長や撤廃、上司や教師らが地位や関係性を悪用した性行為に対する処罰規定の必要性などは先送りにされました。
そのような中、子どもへの性暴力を許さない世論の高まりが後押しして、2020年6月11日、性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議は、性犯罪・性暴力対策の強化の方針を決定したほか、昨年5月には議員立法として教育職員等による児童生徒性暴力防止法が成立し、本年4月1日施行となります。性暴力等は被害者に生涯にわたって重大かつ深刻な影響を与えます。教職員等による子どもへの性暴力等はとりわけ許されるものではありません。この法では、教職員等が児童生徒に性暴力等を行うことは法律違反であり、懲戒処分の対象となることを明確にしました。性暴力等によって懲戒免職となった教員については、都道府県教育委員会に設置した第三者機関である教員免許再授与審査会の意見を踏まえ、教員免許授与権者が適当であると認められる場合に限り免許状を再交付できるとし、当該教員の名前と失効事由を記載したデータベースも整備することとしました。これは要約すると、わいせつ行為で懲戒免職となった教員の免許再取得を制限し、加害教員を学校現場から排除することを可能としたということです。また、学校には教員による性暴力等を防止する責務があることや、子どもを守り、子どもの権利を擁護することが明記されています。
そこでお尋ねいたします。教育委員会はこれらの動きについてどのように認識されているのか、御所見を伺います。
近年、子どもたちがSNSで性的な自撮り画像を送らされたり、わいせつ行為をされたりする被害が後を絶ちません。子どもたちは学校内外を問わず、絶えず危険にさらされていると言っても過言ではありません。警察庁の調べでは、2020年度は1,800人以上の児童生徒が被害に遭ったという報告が上がっていますが、これは氷山の一角だと言われています。
児童生徒へのわいせつ行為やセクシュアルハラスメントが起きた場合、子どもの相談ツールとしてどんなところがあり、どんな方法があるのか、あわせて、受けた相談に対してどのような対応をしているのか、お尋ねいたします。
文部科学省のわいせつ行為等に係る懲戒処分等の調査では、全国の公立学校でわいせつ行為やセクハラで懲戒処分や訓告を受けた教職員が2019年度は273人、2020年度は200人に上っています。福岡県内では2020年3月に小学校教員が、2021年1月には高校教諭が児童買春をしたことで逮捕されるなどしています。
そこで、2016年度から2020年度まで、本市教職員によって引き起こされた児童生徒に対するわいせつ行為等に係る懲戒処分事案の数、概要についてお尋ねいたします。
中でも、児童虐待に当たる性的虐待は非常に見えにくく、潜在化が問題となっています。過去5年間での子どもへの家庭内での性的虐待件数をお尋ねします。また、教育委員会でも関係機関から情報提供を受けるばかりでなく、学校における事案を把握すべきと考えますが、御所見を伺います。
次に、福岡市の地域コミュニティ活性化についてです。
福岡市は2004年3月に町世話人制度を廃止し、同年4月から自治協議会制度をはじめとした新たなコミュニティ施策を実施しています。本年度で18年が経過しますが、現在、多くの地域に共通する切実な課題として、自治会加入者の減少や地域活動の担い手不足、地域活動への参加者の固定化、関心の薄さ、役員の高齢化などに直面をしています。
各地域では課題解決のために様々な取組が行われてきたと思われますが、各地域の具体的な取組と、その取組に対し、市ではどのような支援をしてきたのか、お尋ねします。
また、自治会、町内会は任意の組織であるため、特に近年、市民の価値観や生活様式の変化から、自治会、町内会に加入しない世帯の増加が課題となっています。あくまで任意組織であるがゆえに、強制的な加入促進もできない状況です。中には、マンションが建設されて新しい住民が入居しても、マンションの全世帯が町内会に加入しないというケースもあると聞き及んでいます。自治会、町内会に加入しない理由はどういった内容が多いのか、また、自治協議会制度がスタートした、その頃からの町内会の加入状況の推移をお尋ねします。
我が会派、福岡市民クラブは、住民自治の基盤強化のため、市民生活を地域で支える自治会、町内会活動の公共性を明確化した住民自治支援基本条例の制定を要望してきました。
本議会に福岡市共創による地域コミュニティ活性化条例案が提案されていますが、条例案を提出するに至った経緯と条例案の趣旨、制定目的をお尋ねします。
以上で1回目の質問を終わり、2回目以降は発言者席にて行います。
○副議長(山口剛司) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 障がい者の就労自立支援についてお答えします。
まず、障がい者雇用率については、令和3年6月1日現在、福岡市役所全体では2.61%、そのうち教育委員会が2.5%となっております。
次に、障がいのある人を対象とする会計年度任用職員の制度概要等でございますが、市役所での就労経験を生かし、民間企業への就労につなげることを主な目的として、平成17年度に嘱託員として任用を開始したものであり、現在は会計年度任用職員として、文書整理等補助や学校事務等補助などの業務に従事しております。勤務時間は週30時間、任期は1会計年度内で、勤務成績が良好な場合は再採用が4回まで可能となっており、報酬は勤務年数等に応じて日額5,398円から5,689円となっております。
また、任用者数は、令和3年6月1日現在、市長事務部局等が66人、教育委員会が93人となっております。
次に、障がい種別ごとの人数については、身体障がい者26人、知的障がい者32人、精神障がい者101人となっております。
次に、ジョブコーチについては、人数は現在、総務企画局2人、教育委員会2人の合計4人体制となっております。その職務内容については、採用後の職場定着のため、障がいのある職員が働きやすい、より活躍できる職場環境づくりのための業務に従事しております。具体的には、生活リズムの構築や業務指導、職場定着のためのサポートを実施するため、障がいのある会計年度任用職員を任用している所属を巡回し、職員との面談や職員の障がいの特性を踏まえた所属長への助言等を行っております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 子どもの権利保障についてお答えいたします。
性暴力等の対策強化については、性犯罪、性暴力は被害者の尊厳を著しく踏みにじる行為であり、生涯にわたって回復し難い心理的外傷など、重大な影響を与えるため、国の動向等も踏まえ、その根絶に向けた取組や被害者支援を強化していく必要があると考えております。また、教職員による児童生徒へのわいせつ行為は決してあってはならず、未然防止や相談支援の取組は極めて大事なことと考えております。
次に、児童生徒からの相談方法とそれに対する対応としては、学校において教職員やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどがそれぞれ直接相談を受けるほか、教育委員会の事業としてSNSを活用した相談を実施しております。また、学校において相談を受けた場合、文部科学省の24時間子供SOSダイヤル、法務局のSOSミニレター、福岡県の性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターなどの専門相談窓口を紹介するとともに、校内で支援会議を開催し、関係機関と連携しながら対応しております。
次に、教職員の懲戒処分については、平成28年度以降の5年間で児童生徒に対するわいせつ行為等に係る懲戒処分は7件あり、児童買春及び福岡県青少年健全育成条例違反が3件、盗撮が2件、体に触れる行為、セクシュアルハラスメントがそれぞれ1件でございます。
次に、学校における事案の把握については、各学校に配置しているスクールカウンセラーが相談業務の中で性的虐待についても相談を受けることがあり、その際には関係機関と連携して適切に対応しております。以上です。
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 子どもの権利保障についての御質問にお答えいたします。
こども総合相談センターにおきましては、24時間対応の相談電話や女の子専用相談電話を設置し、性的被害を含む子ども自身からの様々な相談に対応しております。令和4年度からはSNSを活用した全国統一の相談支援システムによる相談事業を始めるほか、子ども自身がより相談しやすいよう、児童生徒に1人1台配付しているタブレット端末を活用した相談支援を新たに実施することとしております。また、子どもから相談を受けた場合は、まずは子どもの気持ちに寄り添って話を聞くなど、心のケアに努めるとともに、事案に応じて関係機関と連携して適切に対応を行っております。
次に、こども総合相談センターにおける性的虐待の相談対応件数につきましては、平成28年度が10件、29年度が9件、30年度が20件、令和元年度が17件、2年度が27件となっております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 地域コミュニティ活性化に関する御質問にお答えいたします。
各地域における具体的な取組につきましては、夏祭りや運動会などの様々なイベントの開催や広報紙の作成、配付のほか、加入促進のための転入者宅への個別訪問など、住民同士の交流を促進するとともに、活動の参加者や担い手を増やすための様々な取組が行われております。市といたしましても、自治協議会に対し共創補助金を交付するほか、自治会、町内会に対し地域デビュー応援事業補助金の交付や自治会活動ハンドブックの作成、配付、加入促進チラシの提供を行うなど、地域の運営や活動に対し様々な支援を行っております。
次に、自治会、町内会に加入しない理由につきましては、令和2年度に実施した市政アンケート調査の結果によりますと、加入を勧められたことがない、活動や運営の状況が分からないなどの意見が多くございました。また、自治会、町内会への加入率については、4年ごとに実施しております自治会・町内会アンケート調査の結果によりますと、平成18年度は90.9%、22年度は88.6%、26年度は89.1%、30年度は85.7%となっております。
次に、条例案を提出した経緯につきましては、平成16年度に自治協議会制度を創設し、地域コミュニティへの支援に取り組んでまいりましたが、地域においては、市民の価値観の多様化などにより、依然として担い手不足や参加者の固定化などが課題となっております。地域からは活動しやすい環境づくりや自治協議会や自治会、町内会への支援などを求める声があり、持続可能な地域コミュニティづくりのために市としての姿勢などを示したいと考えたものでございます。また、条例の趣旨と制定目的については、地域コミュニティ固有の価値を広く市民と共有し、良好で持続可能な地域コミュニティの形成を推進するとともに、自治協議会や自治会、町内会の位置づけの明確化を図るものでございます。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 2回目に入ります。
初めに、障がい者の就労自立支援についてです。
福岡市の障がい者雇用率が2.61%、福岡市教育委員会が2.50%とのことですが、どちらも法定雇用率すれすれの雇用状況ということが分かりました。障がいのある人を対象とする会計年度任用職員制度は、福岡市役所での就労経験を生かして民間企業への就労につなげることを目的としているとのことですが、その目的からしても、より一層の雇用率の向上に努めていただくことを要望しておきます。
ジョブコーチ支援は、対象障がい者がその仕事を遂行し、職場に対応するため、具体的な目標を定め、支援計画に基づいて、障がいのある職員が働く職場を巡回して作業の進め方の助言などのサポートをしていきますが、総務企画局に2名、教育委員会に2名とのこと。
市長事務部局等66名、教育委員会93名の支援をするには少ないのではないかと危惧をいたします。拡充の必要はないのか、現状をお尋ねします。
さらに、障がい者本人に対する職務の遂行や職場内のコミュニケーション等に関する支援だけでなく、所属長に対しても障がい特性に配慮した雇用管理等に関する支援を行うとのことですが、本市ではそれを適切に行われているのか、お伺いします。
会計年度任用職員は雇用年限が最大5年となっていますが、毎年、再採用のための評価はあるのか、あるなら誰が評価するのか、お尋ねします。
また、障がいのある人を対象とする会計年度任用職員についても、再度の受験は可能なのか、その場合の試験制度についても、お尋ねします。
最終年度の5年目や民間などへの就労を希望する場合、就労移行支援についてはどんな支援を行っているのか、具体的な支援をお尋ねいたします。
また、障がい者就労支援センターとはどんな連携をしているのかもお尋ねいたします。
次に、子どもの権利保障についてです。
過去5年間の本市教職員によって引き起こされたわいせつ行為等に係る懲戒処分等が7件ということが分かりました。教職員等による子どもへの性暴力やわいせつ行為等は絶対にあってはならないことから、7件という数字は、これは本当に許されざる数字です。
性犯罪やわいせつ行為の多くは犯罪として警察案件となりますが、教職員のわいせつ行為やセクシュアルハラスメントについて、学校に対応が求められることもあると考えられます。その場合の相談、調査、解決に至るまでどこで誰が対応するのか、お尋ねします。
一方、家庭内での性的虐待件数も昨年度は27件という見過ごせない実態があります。子どもへの性暴力等は学校内だけで起きているわけではありません。性犯罪、性暴力の加害者には実の父親や義理の父親など、監護者や親族が加害者となる事例も多く見られます。低年齢児を含め、子どもがターゲットとなった場合、それが性被害だと気づかず、年齢を重ねていくうちに被害後から相当な時間が経過してから気づき、心理的に大きな傷を受けるという事案も生じています。子どもを性被害から守り、被害に遭ったときに支えになるのは保護者や周囲の大人です。社会全体で全ての大人が責任を持って予防したり、対応したりする包括的な体制を整備することは急務です。子どもが性暴力の加害者や被害者、傍観者のいずれにもならないよう、性犯罪・性暴力の強化の方針を踏まえ、教育、啓発内容の充実、相談を受ける体制の強化が必要と考えます。
文科省と内閣府が連携し、教材及び指導の手引を作成していますが、その活用も含め、CAPのワークショップなど、命の安全教育を積極的に行うべきだと考えますが、御所見を伺います。
次に、福岡市の地域コミュニティ活性化についてです。
町内会会員の減少は深刻な課題の一つですが、御答弁いただいたように、令和2年度の市政アンケート調査での加入していない理由の上位2項目として、加入を勧められたことがない、活動や運営の状況が分からないがそれぞれ52.7%、そして、33.3%という結果に驚きを隠せません。加入や活動を一生懸命努力している町内会がある一方で、活動が停滞しているのではないかと思わざるを得ない町内会があることは非常に残念です。加入状況では、同じ平成30年調査でも、自治会・町内会長アンケートでは85.7%とのことですが、市政アンケート調査を調べてみると、71.7%と大きな差異があります。令和2年度市政アンケート調査での加入状況は68.5%であることから、調査協力員自らが回答する数値のほうがより実態に近いのではないかと考えます。そういう意味からも、地域コミュニティの活性化は待ったなしで、ここに本条例案を提出する意義があると考えます。
条例案に規定する事項案への意見募集が12月24日から1月21日まで行われましたが、何件の意見が寄せられたのか、また、その主な内容についてお尋ねします。
また、条例案第2条の定義に、地域コミュニティとは「一定の区域における市民等のつながりを基礎とする社会をいう。」とされていますが、これまでに地域コミュニティが果たしてきた役割をお尋ねします。
条例案には、第4条、市民の役割から、第5条、町内会等の役割、第6条、自治協議会の役割、第7条、事業者の役割、第8条、学校の役割、と地域を構成するそれぞれが担う役割が明記されています。しかし、町内会等や自治協議会が担う役割については、組織としてそこに関わる役員が担う役割であり、責任と負担がかかることは必至です。今回の条例案の目玉は、その責任と負担を軽減するために、第9条、市の責務が明記されたのではないかと解釈しています。
その1項に地域活動に取り組む市民等への支援、共創による地域コミュニティの活性化のために必要な施策を実施するとありますが、具体的にはどういうことを想定されているのか、お伺いします。
また、4項に市は事務事業の実施に当たり町内会等及び自治協議会の負担が過重なものとならないようにしなければならないとあります。これまで町内会長、自治協議会会長への過重な負担も指摘されてきたところですが、これまで地域へ協力を求めてきた事業等の見直しを行うということなのか、それとも、負担軽減のための措置を検討するのか、お尋ねいたします。
以上で2回目を終わります。
○副議長(山口剛司) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 障がい者の就労自立支援についてお答えします。
まず、ジョブコーチについては、総務企画局では平成31年2月から、教育委員会では令和2年4月から1人ずつ任用を開始し、職員数の増加等に合わせ、令和3年4月から総務企画局及び教育委員会にそれぞれ1人ずつ増員して体制を拡充したところでございます。障がいのある職員が勤務する所属へ定期的に巡回し、職員や所属からの相談に応じる等、円滑にサポートできているものと考えております。
また、所属長に対するジョブコーチの支援については、職場環境や障がいの特性等を踏まえながら、職務内容や障がいのある職員との関わり方、通勤時間帯の設定や休暇制度の活用等について助言を行うなど、適切に対応しているものと考えております。
次に、再採用を行う際の評価については、会計年度任用職員は会計年度ごとに任用される職であるため、所属長がその任用期間ごとの勤務成績評価等に基づく客観的な能力の実証を行った上で再採用を決定することとなっております。
次に、障がいのある人を対象とする会計年度任用職員の再受験については、4回の再採用により5年間任用された後の次年度以降の採用試験を再度受験することは可能となっております。また、その場合には一般公募に応募し、改めて実技、面接、実地の試験を受験していただくこととなります。
次に、民間などへの就労を希望する場合の就労移行支援については、障がいのある職員から次の就職に向けて相談等を受けた場合には、就労相談ができる適切な関係機関の情報等を提供するなど、必要に応じてサポートを行っております。
次に、障がい者就労支援センターとの連携については、市長事務部局など各任命権者からの相談や各所属における業務の創出、職場での支援、対応の仕方など、課題の解決が必要な場合に同センターからの助言や技術的な支援を受ける体制を構築しているところでございます。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 子どもの権利保障についてお答えいたします。
教職員による児童生徒へのわいせつ行為については、他の教職員やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどに相談されることがあり、その際は教育委員会が報告を受け、調査を行っております。また、被害に遭った児童生徒に対してはスクールカウンセラー等による心のケアに努めております。
次に、子どもが性暴力の加害者や被害者、傍観者にならないための教育については、令和3年度より人との接し方などについて学習する性暴力対策アドバイザー派遣事業を全ての小学校で2年に1回、中学校及び高等学校で3年に1回実施しております。今後も相談体制を強化するとともに、文部科学省作成の教材の活用や参加体験型の学習など、子どもが性暴力の加害者や被害者、傍観者にならないための教育の充実に努めてまいります。以上です。
○副議長(山口剛司) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 地域コミュニティ活性化に関する御質問にお答えします。
パブリックコメントの実施結果につきましては、25名から76件の意見が提出されており、主な意見としましては、自治会、町内会について、市民に加入を強制しないでほしいというものや、その反対に、積極的に加入するよう定めてほしいといったものがございました。また、市の責務について、地域コミュニティを支援する視点や市民等の多様性に配慮する視点を加えてほしいというものや、転入者に自治会、町内会への理解促進のための広報を行うことを規定してほしいといったものがございました。
次に、地域コミュニティが果たす役割につきましては、市民の支え合いの基礎となるものであり、少子・高齢化の進展や災害の激甚化、頻発化などから、その重要性が再認識されているところでございます。また、持続可能な地域コミュニティづくりについて検討いただいた外部検討委員会からは、地域コミュニティには命を守る、暮らしを豊かにする、地域をつくるといった固有の価値があるとの御意見をいただいております。
次に、地域コミュニティへの支援につきましては、平成16年度の自治協議会制度創設以降、各区の地域支援課による自治協議会などの運営や活動の支援や、自治協議会共創補助金や地域デビュー応援事業補助金の交付など、様々な支援を行ってまいりました。令和4年度からは持続可能な地域コミュニティづくりに向け、自治協議会共創補助金の使途の柔軟化や自治会、町内会への新たな補助を行うなど、取組を進めてまいります。
次に、市から地域への協力依頼につきましては、これまでも事業内容の見直しと地域の負担軽減の両面から取組を進めてきております。令和4年度からはさらに地域への協力依頼に係る規則やガイドラインを策定し、協力依頼などに係るルールを徹底することとしており、見直しと負担軽減の両面から取組を進めてまいります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 池田良子議員。
○62番(池田良子) 3回目に入ります。
初めに、障がい者の就労自立支援についてです。
まず、ジョブコーチの拡充についてです。
作業の進め方の助言や、時にはモチベーションの低下や職場で起こる様々な相談などのサポートはもちろんですが、職場環境を整えるために職員の理解促進、所属長への助言など、ジョブコーチの任務は多岐にわたっています。よりよい職場環境の中で継続就労を目指すためにも、ジョブコーチの拡充を要望しておきます。
また、会計年度任用職員の評価制度について理解はいたしますが、万が一、その職場での評価が厳しいものであった場合は、それを最優先するのではなく、この制度の当初からの目的である、福岡市役所での就労経験を生かし民間企業への就労につなげる、この理念を重んじ、雇用を切るのではなく、同一職場で適切な仕事内容を障がい者本人と共に話し合ったり、適切であると思われる職場への配置替えなど、合理的配慮をすべきと強く申し上げておきます。
障がい者の自立支援のためには雇用の継続は大変重要ですが、民間への就労移行には職業訓練など、トレーニングが必要な場合もあります。しかし、働きながらのトレーニングは非常に困難です。有給休暇が20日あっても、障がい者の特性によっては休暇日数が足りないことも生じます。
新たな職種への開拓のためのトレーニングを、例えば職免研修など、権利として認めるなどの支援策が必要と考えますが、御所見を伺います。
障がいのある方に対しては、就労に関する個別のニーズに基づき、相談、アセスメントから職場への適応や定着に向けた一連の支援が必要です。福岡市は、発達障がいのある人の相談を受け付ける発達障がい者支援センターと、様々な障がいのある人の就労を後押しする障がい者就労支援センターが機能をそれぞれ拡大、拡充した上で、2023年度に同じ施設に新築移転をいたしますが、その面でも大いに期待をするところです。
就労移行支援など、障がい者就労支援センターとの連携を今以上に行うべきと考えますが、御所見をお伺いし、この質問を終わります。
次に、子どもの権利保障についてです。
こども未来局は、2022年度の新規事業として、子どもの権利擁護の推進として、里親、児童養護施設、一時保護所などで保護、養育されている子どもに第三者である意見表明支援員、子どもアドボケイトを配置し、子どもの立場で代弁や対応促進を行うとしています。そもそもアドボケイトは、権利表明が困難な子ども、寝たきりの高齢者、障がい者など、本来、個々人が持つ権利を様々な理由で行使できない状況にある人に代わり、その権利を代弁、擁護する者を指します。先ほどの御答弁で、教職員のわいせつ行為やセクシュアルハラスメント等の学校での対応については教職員やスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーで行うとのことでしたが、学校内で問題を解決しようとしたときの多くは、学校長や同学年の教職員が聞き取りをします。ソーシャルワーカーやカウンセラーは客観的な立場ではありますが、教職員が入ることにより児童生徒との力関係が大きく左右するため、校内の教職員による聞き取り、調査は公平性を欠く行為であると考えます。状況によっては子どもが恐怖で話せなかったり、言っていることをなかなか信じてもらえなかったり、萎縮したり、諦めたりすることも考えられます。
教育委員会においても、スクールソーシャルワーカーやアドボケイト、臨床心理士、弁護士などで構成する第三者相談機関を設置し、こども未来局が新年度から開始されるタブレット端末を活用した相談支援も含め、子どもにとっても安心でき、公平、公正な相談ができる子ども相談窓口の一元化も視野に入れた体制を整えるべきだと考えます。御所見をお伺いし、この質問は終わります。
最後に、福岡市地域コミュニティ活性化についてです。
地域コミュニティ活性化のために、あれもやりたい、これもやってみたいという思いはあっても、これまでは町内会費では賄えず、補助金には自由度がないということを自治会長や町内会長から聞いてまいりました。しかし、新年度より自治協議会共創補助金の使途の柔軟化が図られ、町内会活動の活性化や課題解決のための活動への助成が創設されるとのことで、町内会の課題解決への一助になると思われます。しかし、こう考えるのは、主体的な活動を行ってきた自治会や町内会であって、うちの町内会は何をしているのか分からないとか、町内会費の使途が不明などといった言葉に象徴されるように、自主活動がほとんど見受けられない町内会にとっては、絵に描いた餅で終わるのか、もしくは自由度のある助成金ということで不正な申請が行われないのかなど、様々な懸念が生じます。市内には約2,300の自治会、町内会がありますが、活動の温度差は様々です。そこで重要なのが、町内会と密接に相談を受けたり、活動を助言したり伴走してくれる人的な支援です。現在、各区役所地域支援課に配置された校区担当職員が自治協議会などの運営や活動を支援しています。しかし、持続可能な地域の特性を生かした自主的な地域コミュニティを運営するためには、校区に専任の担当者の配置も考えてはいかがでしょうか。我が会派はかねてより公民館への行政コンシェルジュの配置を提案、要望してまいりました。持続可能な地域コミュニティ形成のために、市が支援と責務を明確化することで、その役割の重要度はますます増してくると考えられます。
行政コンシェルジュとは、地域住民が求める多様な行政ニーズを一次的にさばき、相談窓口の提示をするといったものですが、これは公民館だけでなく、自治協議会の負担軽減にも一役担えるのではないかと考えますが、御所見を伺います。
本条例案に基づく施策を講じるためには当然のごとく予算が生じます。京都市地域コミュニティ活性化推進条例第7条には、財政上の措置として、「本市は、地域コミュニティの活性化の推進に関する施策を実施するために必要な財政上の措置を講じるよう努めなければならない。」と条例にうたっています。
必要な予算の確保に努めることが肝要と考えますが、御所見を伺います。
昨今、自治会、町内会に加入されていた方が退会されるケースも少なくありません。この間、聞き及んだ退会理由としては、役員をやりたくないや、高齢化、加入のメリットが感じられないなどがあります。自治会、町内会の会長が感じておられる課題としても、地域の高齢化や役員の成り手不足などが挙がっていますが、高年齢者雇用安定法による定年延長で役員の成り手不足にますます拍車がかかるのではないかと懸念しています。新たな担い手を育成するためにも、役員の負担を軽減し、地域活動の魅力を高め、発信していくことは大変重要です。
地域には多様な人材がおられます。本条例案には、市民等の多様性及び自主性の尊重、と包括してうたっており、事細かに男女共同参画や高齢者などの視点でという文言はありませんが、地域においても多様な人材の方々の主体的な活動を対等な立場で保障していくことが重要で、人材発掘をどのように行い、どのような方法、どのような形で活躍していただくのかなど、今後の具体的な取組が問われます。さらに、マンションなどの共同住宅の新築時における不動産事業者との連携も必要です。条例案に規定はありませんが、宅地建物取引業協会、いわゆる宅建協会との連携協定の締結です。西区は2013年11月9日、西区自治協議会会長会と公益社団法人福岡県宅地建物取引業協会福岡西支部及び西区役所の三者で、自治会、町内会が取り組む安全、安心で明るく住みよいまちづくり活動に対し、連携して取り組んでいく旨の協定を締結しました。これによって自治会、町内会に参加してもらうため、地域の自治会役員から居住者に入居契約時等に説明するなど、連携した取組ができ、自治会等の会員加入促進及び円滑な地域活動の推進を図ることが可能となりました。
このように、地域コミュニティを活性化するためには様々な仕組みや取組が必要となってきます。条例を推進していくためには、地域コミュニティの現状と課題を把握し、中長期的に目指すべき地域コミュニティの姿を明確にして、具体的な方針や取組などを計画的に推進する必要があります。京都市では、京都市地域コミュニティ活性化推進条例に基づき、地域コミュニティの活性化を総合的かつ計画的に推進するために、京都市地域コミュニティ活性化推進計画を策定しています。推進計画には、「みんなでめざす10年後の姿」を実現するため、市民、事業者の方々と力を合わせて方針を明確化し、その方針に基づいて取組を推進しています。
条例は理念法です。福岡市においても、条例制定とともに、地域コミュニティの活性化に関する施策を総合的かつ計画的に推進していくためにも、福岡市共創による地域コミュニティ活性化推進計画を策定すべきと考えますが、御所見をお伺いします。
最後に、島市長は本条例を今後どのように生かして地域コミュニティの活性化に取り組もうとされるのか、御所見をお伺いし、私の質問を終わります。
○副議長(山口剛司) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 障がい者の就労自立支援についてお答えします。
障がいのある職員が就職活動を行う際、就職を希望する企業等が実施する採用説明会や採用試験等へ出席する場合などには職務に専念する義務を免除することができることとしており、そのうち年度5回までは有給となっております。
障がい者就労支援センターとの連携については、障がいのある職員が働きやすい、より活躍できる環境づくりができるよう、今後とも、連携を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 子どもの権利保障についてお答えいたします。
子どもが安心して相談できる体制については、学校において日頃から委員会活動や生徒会活動などで子どもたちが自分の意見を伝えることができる機会を設けるとともに、授業の中においても子どもたちが自分の考えをまとめ、発表することを大切にした学習に取り組んでおります。今後、学校において実質的にアドボケイトの役割を担うスクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーなどの専門スタッフに子どもたちが意見を言い、安心して相談できるよう、チーム学校としての体制を充実させてまいります。以上です。
○副議長(山口剛司) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 地域コミュニティ活性化に関する御質問にお答えします。
地域を支援する体制につきましては、各区地域支援課に校区担当職員を配置し、自治協議会や自治会、町内会の運営や活動の支援を行うとともに、自治協議会などからの御意見についても、行政の各部署とのつなぎ役として対応しております。令和4年度からは校区担当職員を合計9名増員するなど、地域支援体制を強化することとしており、自治会、町内会も含めた地域コミュニティの運営や活動の支援によりきめ細かに取り組んでまいります。
次に、地域コミュニティに関する予算につきましては、これまでも自治協議会への共創補助金の交付や自治会、町内会が行う住民同士の交流促進活動への補助など、必要な予算を措置してきたところでございます。令和4年度は自治会、町内会に対する新たな補助制度など、地域コミュニティの活性化に資する予算を計上しているところでございます。
次に、地域コミュニティ施策の推進につきましては、条例に定める基本理念を地域の皆様と共有するとともに、地域ごとの特性や実情に応じて、地域の皆様の御意見を伺いながら必要な施策を着実に実施してまいります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 島市長。
○市長(島宗一郎) 地域コミュニティにつきましては、地域の皆様の御尽力によって校区ごとに住みよいまちづくりが着実に進められているわけでありますが、超高齢社会ですとか大規模災害への対応など、地域の絆づくり、それから、担い手づくりが強く求められております。このため、今回、共創による地域コミュニティ活性化条例案を提出するとともに、それぞれの特色を生かした地域づくりにより一層取り組んでいけるように、補助金制度の見直しや地域支援体制の強化を図ることとしております。今後とも、地域の皆様の御意見を十分にお聞きしながら、持続可能な地域コミュニティづくりに向けて共創の地域づくりをしっかりと推進をしてまいります。以上です。
○副議長(山口剛司) この際、休憩し、午後3時5分に再開いたします。
午後 時 分 休憩
午後 時 分 開議
○議長(伊藤嘉人) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を継続いたします。藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司)登壇 私は自民党新福岡を代表して、健康寿命の延伸に向けた環境づくりについて、就労に特化した特別支援学校の新設について、以上2項目について、さきの福田議員の代表質問に続き、補足質疑を行いたいと思います。
初めに、健康寿命の延伸に向けた環境づくりについてお尋ねします。
日本人の平均寿命は令和2年現在、男性が81.6歳、女性が87.7歳となり、100歳まで生きることも珍しくない人生100年時代が到来しています。一方で、健康寿命の平均は令和元年現在、男性が72.7歳、女性が75.4歳となっており、その差は男性で約9年、女性で約12年となり、これは支援や介護を必要とするなど、健康上の問題で日常生活に制限のある期間が平均で10年近くもあることになります。人生100年時代を迎えた今、長寿であることを御自身も御家族も心から喜び、生き生きと暮らしていける社会にしていくためには、健康寿命を延伸し、平均寿命と健康寿命の差を縮めていくことが何よりも重要ではないかと考えております。
本日は超高齢社会の現状や課題についてお伺いし、それに対応する健康寿命の延伸に向けた福岡市の令和4年度の施策などについて質問してまいります。
まず、超高齢社会の現状や課題について、我が国では高齢者の人口は昭和25年には総人口の5%に満たなかったものが、昭和45年に7%を超え高齢化社会に、平成6年には14%を超え高齢社会に、さらに、平成19年には21%を超え超高齢社会となり、高齢化率はその後も上昇を続け、令和2年10月現在、28.6%に達しています。これに比例して、我が国の予算に占める社会保障関係予算額も年々上昇しており、国の令和4年度の当初予算案では一般会計に占める社会保障関係費の割合は約3分の1に上っています。福岡市におきましても、平成29年に高齢化率が21%を超え、全国平均と比べれば約10年のタイムラグがあるものの、それでも若いと言われている福岡市でさえも、既に超高齢社会に突入しております。
そこでお尋ねしますが、保健福祉局の一般会計予算額及び一般会計全体に占める割合についてお聞きいたします。令和4年度からは福祉局と保健医療局になりますが、合算してお答えください。
また、医療や介護、扶助費などの社会保障関係費について3年間の推移をお尋ねします。
我が国ではこれまで世界に類を見ない速さで高齢化が進んできており、既に超高齢社会となっておりますが、今後についても、現在の状況が高止まりするのではなく、さらなる高齢化率の上昇が見込まれています。福岡市が令和3年に策定した福岡市保健福祉総合計画によりますと、福岡市でも2040年には3人に1人が高齢者となる一方、生産年齢人口の割合は低下し、社会保障制度の需給バランスの維持が困難になる可能性があると予測され、それに対応する持続可能な社会を構築していく必要があるとされています。私はこうした超高齢社会において、医療や介護サービスの充実を図ることはもちろん大切ですが、何よりも重要となるのは、まだ健康なうちからの運動などによって身体機能を維持し、健康寿命の延伸を図ることではないかと考えています。厚生労働省が策定している健康日本21においても、身体活動、運動の意義と重要性が国民に認知され、実践されることが超高齢社会を迎える我が国の健康寿命の延伸に有用であるとされており、計画の最重点の目標の一つに、身体活動の客観指標である歩数の増加を据えて取組を進めています。
そこでお尋ねですが、福岡市では健康寿命の延伸に果たす運動の役割についてどのように認識し、位置づけているのか、お伺いいたします。
また、平成30年度に実施された健康日本21の中間評価では、今後の課題として、生活習慣の改善が健康寿命の延伸に寄与することは研究により示されているものの、都道府県、市町村レベルでの健康格差の確固たる要因の把握について、都道府県等の調査研究が必要であると指摘されています。この評価にあるとおり、各自治体においてそれぞれの住民の健康に関するデータを把握し、住民の状態に応じた施策を実施していくことは大変重要だと考えております。
そこで、福岡市において市民の健康に関するデータの収集や分析を行っているのか、お伺いします。
次に、就労に特化した特別支援学校の新設についてであります。
特別支援教育の推進について求めた我が会派の代表質問に対して、教育長は、第2次福岡市教育振興基本計画に基づき、一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活上や学習上の困難を改善または克服するための指導や支援に努めており、また、特別支援学校高等部卒業生の就労率の向上を目指し、就労支援に特化した特別支援学校高等部2校の新設に取り組むとの答弁をいただきました。障がいのある生徒の家族の中には将来に対する不安を感じている方が多いのが現状であり、そのような状況の中で、障がいのある生徒が働いて社会で生活するための技術や態度を身につけ、必要な支援を受けながら就労し続け、できる限り自立した生活を送ることは、本人の自己実現のためにも、家族の安心のためにも大変意義深いことだと考えております。
令和3年度当初予算において、就労支援に特化した特別支援学校高等部2校の地質調査や実施設計等に着手されましたが、令和4年度にはどのようなことに取り組まれるのか、令和4年度当初予算額の内訳をお尋ねします。
また、教育委員会は、令和3年6月に特別支援学校高等部新設に関する基本計画等について示されていますが、その資料によると、福岡市立特別支援学校の児童生徒数の推移は平成29年度が1,112名であったのに対し、令和3年度には1,338名と、5年間で約1.2倍に増加しており、特別支援教育のニーズが高まっていることが分かります。福岡市においては、特別な支援を必要とする児童生徒数の増加に対応し、これまでに特別支援学校を8校設置してきておりますが、特に就労に特化した博多高等学園においては、企業就労を目指した教育を行い、一定の成果を上げています。
このような状況の中で、就労に特化した特別支援学校高等部2校を新設するのはなぜなのか、改めて新設する背景や必要性をお尋ねします。
次に、新設する特別支援学校高等部2校は、全市域を対象とする特別支援学校高等部が令和5年度、東エリアを対象とする特別支援学校高等部が令和7年度の開校を目指しているということですが、新設する特別支援学校高等部の開校までのスケジュールをお尋ねいたします。
以上で1問目の質問を終わり、2問目以降は発言者席にて行います。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 健康寿命の延伸に向けた環境づくりについての御質問にお答えをいたします。
まず、令和4年度における福祉局と保健医療局を合算した一般会計予算額につきましては2,446億3,173万円余で、一般会計全体に占める割合は23.5%となっております。
次に、当初予算額における社会保障関係費につきましては、令和2年度は約2,884億円、3年度は約2,925億円、4年度は約3,002億円となっております。
次に、健康と運動の関係につきましては、ふだんからの運動で糖尿病、心臓病、脳卒中、がん、鬱、認知症などになるリスクを下げることができること、また、市民の健康を阻害している要因の上位は適正でないBMI、つまり痩せ過ぎや肥満の状態、また身体活動量の不足であること、特に30代から50代の働く世代においてその傾向が強くなることが分かっております。こうしたことを踏まえ、保健福祉総合計画では運動や身体活動の促進を健康寿命の延伸に向けた重要な施策の一つとして位置づけ、取組を推進しているところでございます。
次に、市民の健康に関するデータ分析につきましては、エビデンスに基づく最適な施策の企画、立案などを目的としまして、福岡市が保有する保健、医療、介護などに関するビッグデータを一元的に集約、管理する地域包括ケア情報プラットフォームを構築しておりまして、令和2年度から九州大学と連携をして、市民の健康課題などを明らかにするための分析を行っているところでございます。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 就労に特化した特別支援学校の新設についてお答えいたします。
令和4年度当初予算案の内訳は、全市域に住む生徒を対象として新設する特別支援学校高等部の開校準備等に係る経費として、旧住吉中学校の校舎の改造費用などで7,540万9,000円を、また、東エリアに住む生徒を対象として、市営城浜住宅建て替えにより創出された土地に新築する高等部の実施設計費用など7,274万6,000円をお願いしております。
次に、特別支援学校高等部を2校新設する背景や必要性については、中学校の特別支援学級から特別支援学校高等部への進学者が年々増加しており、特別支援教育へのニーズが高まっていることから、軽度や中度の知的障がいのある生徒等を対象に、将来の自立を促すため、2校を新設し、就労支援に特化し、福祉的就労等を目指した教育を行っていく必要があると考えております。
次に、開校までのスケジュールについては、全市域を対象とする特別支援学校は令和4年度に校名、校歌の決定や教育課程の編成、備品購入等の準備を行い、令和5年度の開校を予定しております。東エリアを対象とする特別支援学校は令和4年度に実施設計を行い、令和5年度に校舎建設工事、令和6年度に開校準備を行い、令和7年度の開校を予定しております。以上です。
○議長(伊藤嘉人) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) 2問目に入ります。まず、健康寿命の延伸に向けた環境づくりについてです。
福岡市においても社会保障関係費が年々増加していること、運動には糖尿病、心臓病、脳卒中、がん、認知症のリスクを下げるなど様々な効果があること、市民の健康に関するデータを収集し、九州大学と連携して分析を行っていることなど、御答弁をいただきました。健康寿命の延伸に向けて、運動をはじめとした身体活動の増加が有用であるということは論をまたないと思いますが、一言で運動と言っても、我々のような働く世代に必要とされる運動と高齢者に必要とされる運動には大きな違いがあり、それぞれのライフステージに応じた運動習慣の定着が必要になります。また、市民が目的意識を持って自主的に健康づくりに取り組むためには、こうした行動が自身の健康につながるという科学的な証拠、つまり健康に関するエビデンスをしっかりと伝えていく必要があると考えます。
そこで、福岡市では各世代に応じた運動促進にどのように取り組んでいるのか、お尋ねします。
また、九州大学と連携して行っている福岡市民の健康に関するデータ分析ではどのようなことが分かってきているのか、お尋ねします。
先ほどの御答弁では、福岡市が行った調査において、市民の健康を阻害する要因の上位は身体活動不足と適正でないBMIであり、特に30代から50代の働く世代においてその傾向が顕著であるとのことでしたが、働く世代の身体活動量が不足している要因についてお尋ねします。
身体活動が特に不足しているのは働く世代という福岡市の調査は令和元年に行われたものですが、私は現在では高齢者も身体活動が大きく不足しているのではないかと心配しています。新型コロナウイルス感染症の流行から2年が経過し、長引く自粛生活や行事の中止などによる高齢者のひきこもりが起きているのではないでしょうか。実際に私の身の回りにおいても、高齢者の方とお話をすると、外出の機会を減らされていたり、お孫さんとなかなか会えないという声をお聞きしますし、多くの地域行事が中止や縮小されています。高齢者がひきこもってしまうことで、身体活動量や人との交流が減少し、要介護のリスクや、鬱、認知症のリスクが増加することなどが懸念され、これは早急に対応すべき課題であると考えます。
そこで、福岡市ではコロナ禍における高齢者の健康の維持について、令和4年度予算においてどのような取組を進めていかれるのか、お尋ねします。
次に、就労に特化した特別支援学校の新設についてです。
先ほどの教育長の答弁で、新設する特別支援学校の対象が軽度や中度の知的障がいのある生徒であること、就労支援に特化し、福祉的就労等を目指した教育が必要であることが述べられ、特別支援学校高等部2校を新設する背景や必要性は理解できました。軽度の知的障がいのある生徒だけでなく、中度の知的障がいのある生徒までを対象としたことは、必要な支援を受けながら就労し続け、できる限り自立した生活を送りたいという生徒や保護者のニーズにより幅広く対応し、障がいのある生徒の可能性を広げる積極的な取組であると考えております。そのためには、障がいの状況に応じた教育内容や就労先の確保、卒業後の支援の在り方などの就労支援にもより一層の創意工夫が求められます。
一方で、文部科学省が発表した知的障がい特別支援学校高等部を卒業した生徒の就労状況によると、卒業生の就労率は全国平均で3割程度となっております。福岡市においては、小学部、中学部、高等部がある知的障がい特別支援学校の就労率は全国平均と同程度の3割前後で推移していますが、高等部のみで就労に特化した教育を行っている博多高等学園では、卒業生のおよそ8割から9割が企業に就労しているとのことです。対象としている生徒の状況も違えば、教育内容も違うので、就労率に差があるのは当然であると考えます。新設する特別支援学校は就労支援に特化するという点では博多高等学園と同じですが、対象とする生徒の障がいの状態や想定する就労先が違えば教育内容にも違いがあると考えられますし、また、福祉的就労等ということであれば、当然、福祉との連携も必要であると考えられます。
そこでお尋ねしますが、就労支援に特化し、福祉的就労等を目指した教育とは具体的にどのような教育を行うのか、また、福祉とどのように連携していくのか、お尋ねします。
また、博多高等学園の卒業生は現在どのような分野で活躍しているのか、お尋ねします。
あわせて、新設する特別支援学校の教育内容は博多高等学園と比べてどのように違うのか、また、どのような就労先を想定しているのか、お尋ねします。
以上で2問目を終わります。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 健康寿命の延伸に向けた環境づくりについてお答えをいたします。
各世代に応じた運動促進の取組につきましては、親子で楽しく運動できるオンラインイベントの開催や、運動不足が顕著な30代から50代の女性を対象とした気軽に取り組める運動動画の配信、50代から60代の中高年層を対象としたロコモ予防の啓発などに取り組むとともに、高齢期においては、よかトレ実践ステーションなど、市民が気軽に介護予防に取り組むことができる通いの場づくりを推進しております。また、全世代が取り組みやすい運動としてウオーキングを推奨しておりまして、ウオーキングマップの作成などに加え、スマートフォンアプリ、ふくおか散歩と連携をして、市民の運動習慣定着を促進するとともに、本アプリを通じて健康づくりや外出を促進する地域イベントなどの情報発信を行っております。
次に、九州大学が行った調査分析につきましては、健康診断の結果とその後の要介護認定との関連を分析し、要介護のリスクを高める生活習慣などを明らかにするものでありますが、その分析結果から、歩行速度が同年代と比較をして速くない方は、そうでない方に比べて約2倍、そしゃく能力が低下した状態の方では約1.5倍、また、朝食を食べない方では約1.3倍、要介護のリスクが高くなることが明らかとなっております。令和4年度はこうしたエビデンスを活用して、市民の健康づくりや介護予防などを支援、促進してまいります。
次に、30代から50代の働く世代の身体活動量が不足している要因につきましては、令和元年度の厚生労働省の調査によりますと、仕事や家事、育児などが忙しくて時間がないこと、また、面倒くさいことが上位となっております。
次に、高齢者の健康維持につきましては、コロナ禍において高齢者が家に閉じ籠もりがちになり、認知症や要介護のリスクが高まることが懸念される中、高齢者の健康づくりや介護予防に集中的に取り組むことが重要であると考えております。令和4年度におきましては、ストップフレイルプロジェクトとして、医療、健診、介護データから抽出したフレイルのリスクの高い方への専門職によるアウトリーチ支援を行うとともに、SNSの活用によるオンラインでの交流やコミュニケーションの支援、促進、また、要介護高齢者の重度化防止事業などに取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 就労に特化した特別支援学校の新設についてお答えいたします。
具体的な教育内容については、働いて生活するために必要な力を身につける職業コースと、社会で生活するために必要な基礎的な力を身につける作業コースを位置づけ、職業コースでは報告、連絡、相談の仕方やビジネスマナー、金銭管理の仕方、作業コースでは挨拶や買物の仕方などの学習を行ってまいります。福祉との連携については、卒業後3年間は就労先での状況を確認し、生徒の特性に応じた支援の仕方について就労先と協議するとともに、福祉などの関係機関に情報を提供してまいります。
次に、博多高等学園の卒業生については大部分が企業に就職しており、その多くがスーパー店舗内業務、事務補助、倉庫内作業等に従事しております。
次に、教育内容における博多高等学園との違いについては、博多高等学園は職業コースのみの位置づけとしておりますが、新設校は職業コースと作業コースの2つのコースを予定しております。また、想定する就労先として、博多高等学園が主に企業であることに対し、新設校は主に就労継続支援A型事業所などを想定しております。以上です。
○議長(伊藤嘉人) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) それでは、3問目に入ります。まず、健康寿命の延伸に向けた環境づくりについてです。
福岡市では各世代に応じた運動促進にICTなども活用しながら工夫して取り組まれており、特に令和4年度はコロナ禍で心配される高齢者のフレイル対策にプロジェクトを組んでしっかりと取り組んでいただくということでした。さらに、九州大学と連携した分析によって、市民の健康に関するエビデンスが明らかになってきているということでした。
私はこのエビデンスについて、全国の調査ではなく、福岡市民を対象として分析できていること、その結果が単に「有用である」や「関連がある」にとどまらず、歩行速度が速くない方は要介護リスクが約2倍という数値で示されていることなど、大きな可能性を秘めていると考えています。先ほど申し上げましたとおり、健康寿命の延伸に向けて、運動をはじめとした身体活動の増加を市民に促していくためには、それぞれのライフステージに応じたアプローチが必要であり、また、目的意識を持って自主的に健康づくりに取り組めるように健康に関するエビデンスをしっかりと伝えていくことが必要です。これからも各世代に応じた運動習慣の定着促進やエビデンスの収集、情報発信に取り組んでいただくとともに、コロナ禍における高齢者のフレイル対策にしっかりと取り組んでいただくよう強く要望いたします。
また、先ほどの御答弁では、働く世代において仕事や育児等で忙しく運動する時間がないとのことから、運動が健康維持に役立つと分かっているものの行動していない、健康知識と行動のギャップが多く表れていることが分かります。自分自身を振り返ってみても、なるほどと思っております。今はまだ健康であるがゆえに、健康維持、ましてや介護予防という響きがまだまだ先のことに感じてしまい、優先順位が後ろになってしまうのだと思うのです。しかしながら、健康維持は日々の積み重ねです。いつまでも元気で自分らしく生き生きと暮らしていくためには、まだ元気なうちからの健康づくりが非常に大切だと思います。御答弁でもありましたが、運動には様々な介護リスクを下げる効果があります。こうしたエビデンスを基に、働く世代からの健康づくりの必要性をしっかりと啓発し、市民一人一人の健康づくりを促していただきたいと思いますが、それでもやはり健康に無関心の方を啓発によって動かすには限界があるというのも現実であります。そこで、私は、たとえ健康無関心層であっても健康づくりに取り組めるように、義務感に訴えるのではなく、楽しみながら取り組むことができる工夫や、さらに一歩進んで公園や道路、歩道などのハード整備も含め、身体活動が自然と促されるような環境を整備していく、こうしたまちづくりとして健康づくりを進める暮らしがゼロ次予防になるというような考え方が大切ではないかと思います。
この質問の最後に、人生100年時代を心から喜べる社会のための健康寿命の延伸に向けて、身体活動が自然と促されるような工夫や環境整備について市の考えや取組をお尋ねいたします。
次に、就労に特化した特別支援学校の新設についてです。
先ほどの教育長の御答弁で、新設する特別支援学校2校には2つの教育コースを設定すること、就労先は就労継続支援A型事業所などが提供する働く場を想定していることが述べられ、新設する特別支援学校高等部2校が博多高等学園よりも幅広い層の生徒を対象とし、就労継続支援A型事業所などの福祉事業所が提供する働く場を主な就労先に想定して、障がいの状態に応じた就労支援を行い、福祉サービスを提供する事業所と連携しながら、障がいのある生徒の就労を促していく学校であることが分かりました。
就労することは障がいのある生徒の社会参加を促すとともに、生徒本人が社会から必要とされる喜びを味わい、より豊かな人生を送るための手がかりとなるだけでなく、家族にとっても重要なことと考えております。障がいのある生徒が大人になったときの姿を保護者の立場になって想像してみると、自分の身の回りのことが自分でできるようになるだろうか、職場や近所の人とうまく付き合っていけるのだろうか、生活に困らないだろうか、仕事は長続きするだろうか、自分たちがいつまで支援できるだろうか、支援できなくなったらこの子はどうなるのだろうか、期待よりも不安のほうが大きくなるのではないかと想像しています。新設する特別支援学校高等部での教育活動においては、博多高等学園で培ったよさも取り入れながら、現場実習等、実社会に即した具体的な学習など、地域社会とのつながりを大切にした教育を展開していただきたいと考えております。また、生徒の長い人生の中では、卒業したからといって学校の役割は終わりということではなく、福祉などの関係機関と丁寧な情報交換を行い、卒業後においても支援を充実させ、切れ目のない支援体制をつくっていただきたいと考えております。
障がいのある生徒が就労に特化した教育を受けることができ、自分の身の回りのことが自分でできることが多くなり、職場や近所の人とうまくコミュニケーションが取れることで、自分に必要な支援を周りの人に適切に伝えることができます。さらに、収入を得て自立した生活ができれば、家族の支援がほとんど要らなくなるようになり、家族にとっても安心や希望につながっていくと考えております。就労に特化した特別支援学校高等部が本人と家族にとっての希望の光になってくれたらと期待しております。
最後に、就労支援に特化した教育の充実について教育長の御所見をお伺いし、私の質問を終わります。
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 健康寿命の延伸に向けた環境づくりについてお答えをいたします。
議員御指摘のとおり、超高齢社会を迎えた中、健康寿命の延伸に向けて誰もが気軽に外出し、暮らしの中で自然と楽しみながら健康になるまちづくりを進めていくことが重要であると認識をしております。福岡市では、これまでもバリアフリー基本計画に基づき、誰もが外出しやすいハード整備や身近な場所へのベンチの設置を進めてまいりました。令和4年度は引き続きこれらの取組を推進しますとともに、公園や道路、駅などのまちの中で自然と楽しく体を動かしたくなる仕組みや仕掛けをつくるFitness City プロジェクトの取組をしっかりと進めてまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 就労に特化した特別支援学校の新設についてお答えいたします。
障がいのある生徒が就労し働くことで積極的に社会参加し、貢献することは、共生社会の実現につながる意義深いことであると認識しております。障がいのある子どもたちがその能力や可能性を最大限に伸ばし、卒業後も充実した社会生活を送ることができるよう、今後も一人一人のニーズに応じた教育の充実に取り組んでまいります。以上です。
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏)登壇 私は自由民主党福岡市議団、冨永計久会長の代表質問を補足して、消防学校の機能強化について、マイナンバーカードの普及促進と利活用について、国道3号博多バイパスなど空港周辺の交通対策について、以上3点について質問をしてまいります。
まず、消防学校の機能強化についてです。
間もなく東日本大震災から11年を迎えようとしています。改めて犠牲となられた全ての方々に対しまして哀悼の意をささげたいと思います。
東日本大震災以降、毎年のように大規模な自然災害が発生しており、今年の1月にも日向灘を震源とする最大震度5強の地震が発生し、宮崎県、大分県を中心に大きく揺れ、ここ福岡市においても一部の地域で震度3を記録しました。幸いにも福岡市内では被害の報告はなかったようですが、市内で震度3が観測されたのは約2年ぶりであったこともあり、改めて災害の怖さや災害に対しての事前の備えの重要性を認識したと同時に、平成17年3月20日に発生した福岡県西方沖地震の震源域である警固断層帯の活動への影響を危惧させられた地震でもありました。
私は東日本大震災において、現地で懸命に頑張っている消防団員の活動を見たときに、自分も生まれ育った地域のために何かをしたい、地域住民の役に立ちたいと強く思い、地元の博多消防団席田分団に入団をしました。消防団は、仕事を持ちながらもボランティアとして、火災をはじめ、突発的に発生する地震災害や、大雨や台風などによる豪雨災害などの災害活動はもちろんのこと、登山中に行方が分からなくなった方の捜索活動や、応急手当ての普及啓発活動、火災予防のための警戒、広報活動など、安全、安心のための地域に密着した活動を行っています。私も消防団員として約10年間、様々な活動を経験してきましたが、その中でも特に重要な活動であると感じたのが災害に対応するための教育と訓練です。消防団に入団した私は、分団長をはじめとした消防団の先輩や消防署の方々の教育や指導を受けながら訓練を行ってまいりましたが、初めて大きな火災に出動した際、燃え盛る炎を前に足がすくんで、うまく活動ができなかったことを今でもはっきりと覚えています。それ以降、災害に出動するたび、また、各地で大規模な災害が発生するたびに、地域住民、福岡市民の安全、安心を守っていくためには、繰り返し繰り返し教育を受け、訓練に励んでいかなければならないと自分を戒めているところでもあります。
このように、消防団員である私が教育と訓練の重要性を痛感しているのですから、災害の対応のプロである消防職員にとってそれがいかに重要であるか、言うまでもありません。我が自由民主党の代表質問において、冨永会長が消防学校の機能強化や施設更新についてただしましたが、消防職員はこれまでに経験したことのないような大きな災害や私たちが想像もつかないような特殊な災害に対して、決して戸惑うことなく、落ち着いて対応することが求められていることから、様々な知識や技術をしっかりと身につけるための教育と訓練の充実が重要となるのです。
そこでお尋ねしますが、福岡市民の安全、安心を守る中心的存在である消防職員を育成していくために、消防局ではどのようにして教育や訓練に取り組んでいるのか、お答えください。
また、消防職員や消防団員に対する教育、訓練施設である福岡市消防学校の設立からの経緯、役割をお示しください。
次に、マイナンバーカードの普及促進と利活用についてです。
国においては、地方からデジタルの実装を進め、都市の活力と地方のゆとりの両方を享受できるデジタル田園都市国家構想の実現を目指すとされております。具体的には、地方を支えるデジタル基盤の整備や地方の課題を解決するデジタルサービスの生活への実装などに取り組むこととされており、デジタル基盤の整備については、主な施策の一つとして、マイナンバーカードの普及促進が掲げられております。令和4年度末にはほぼ全国民にマイナンバーカードが行き渡ることを目指しており、本市においても普及を強力に促進していく必要があると考えております。
そこでまず、確認の意味で伺いますが、マイナンバーカードの交付の開始時期や機能、利用方法などの概要についてお尋ねします。
また、マイナンバーカードの普及に向け、福岡市として現在どのような取組を行っているのか、お尋ねします。
さらに、現在の福岡市のマイナンバーカードの申請件数と申請率についてお尋ねします。
また、DXを推進している福岡市にとって、次の時代を担う若い世代へのマイナンバーカードの普及は特に重要であると考えておりますが、20代前半のマイナンバーカードの普及状況はどうなのか、それはほかの世代と比較してどうなのか、お伺いします。
最後に、国道3号博多バイパスなど空港周辺の交通対策についてです。
道路は市民生活や都市活動を支える重要な社会基盤です。福岡市ではおおむね4年間を推進期間とする道路整備計画、いわゆる道路整備アクションプランを踏まえ、市民生活の安全、安心の確保や円滑な都市活動の推進に向けて取組を進めておられますが、市内の一部においては依然として混雑が見受けられます。都市計画道路など幹線道路の整備については、このような混雑の緩和に効果があるほか、生活道路を通過していた車両が幹線道路に転換し、沿線地区内の安全性向上にもつながります。代表質問においても、都市計画道路などの幹線道路の整備推進についてただしたところですが、幹線道路の中でも、私は特に、福岡・九州の空の玄関口として広域的な経済、産業の発展を支える重要な交通基盤である福岡空港周辺地域の交通対策について質問をしていきたいと思います。
空港周辺では長年の間、地域住民が道路交通渋滞などに大変悩まされております。また、渋滞を避けようとする車が生活道路に流入するなど、交通安全上の課題もあります。そういった状況の中、令和2年6月に都市計画決定された福岡高速3号線延伸事業が令和3年度、いよいよ事業着手されましたが、事業が完了することで、福岡市南部地域や太宰府インターチェンジ方面からの国内線旅客ターミナルへのアクセスが強化されるほか、空港口交差点の混雑緩和にも寄与いたしますので、早期の整備完了が望まれます。
また、福岡高速3号線と同時に整備される都市計画道路博多駅志免線、通称空港通りは、福岡空港国内線ターミナルの利用者はもとより、志免町、粕屋町方面などから都心に向かう東西方向の主要な基幹道路であるため、特に朝夕の時間帯は国道3号バイパスと交差する空港口交差点において著しい渋滞が発生しておりますし、空港通りには歩道が片側しかない区間もあります。さらに、都市高速の空港通出口を降りて、空港通りを志免町、粕屋町方面に向かうと、その先に稲城、柏木、五斗蔵といった慢性的に渋滞が見受けられる交差点が存在しております。現在、糟屋郡の人口は増加しており、滑走路の増設により空港通りの交通量がさらに増加すれば、空港口交差点などにおける渋滞が悪化するのではないかということで、混雑緩和を願う地域住民からの声も寄せられております。私がちょうど1年前に質問した際に、稲城交差点については市において対策を実施していくこと、また、柏木、五斗蔵交差点については管理者である県において対策の検討が進められているとの答弁をいただきました。福岡高速3号線延伸事業を着実に進めるためには地域の理解、協力が不可欠と思いますので、稲城交差点などの対策についても、早期に完了させていく必要があると考えております。
そこで、福岡高速3号線延伸事業の令和4年度の予算額及び事業内容、そして今後の予定についてお答えください。
また、同時に進められる空港通りの整備内容はどのようなものか、さらに、稲城、柏木、五斗蔵交差点における対策の現在の取組状況はどうなっているのかについてお答えください。
以上で1問目を終わり、2問目からは発言者席にて行います。
○議長(伊藤嘉人) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 消防学校の機能強化についてお答えいたします。
職員に対する教育、訓練への取組につきましては、消防本部が定める消防隊教育・訓練計画の指針、消防学校が定める消防学校教育計画、各消防署が定める警備業務基本計画などに沿って、消防学校や各消防署において様々な教育や訓練を計画的かつ継続的に取り組んでおります。
次に、設立からの経緯につきましては、昭和48年に当時の西区原に設立し、その後、昭和53年から現在の消防学校がある早良区西入部に移転して、今日に至っております。役割につきましては、消防職員のみならず、消防団員や一般の事業所の方々に対して、災害や救急などの防災の教育を行ったり、大小様々な消防の訓練を行うことができる福岡市で唯一の訓練施設として、本市の消防、防災行政において大変重要な役割を担っております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) マイナンバーカードについてお答えいたします。
マイナンバーカードは12桁の番号が記載された顔写真つきの身分証明書で、社会保障・税番号制度の開始に伴い、平成28年1月から交付されております。また、カードに内蔵されたICチップには電子証明書の機能を搭載しており、コンビニエンスストアでの証明書交付をはじめ、インターネットを通じた各種申請手続など、様々な場面で利用されております。マイナンバーカードは、オンラインで確実に本人確認ができ、デジタル社会を支える基盤となるものであり、福岡市におけるDXを推進する上でも重要な役割を担うことから、その一層の普及に取り組んでいるところでございます。
次に、その普及に向けた取組については、カードの申請方法が分からない方や区役所まで行くことが困難な方などを対象に、公民館やショッピングセンターなどの市民に身近な場所で申請手続の補助や受付等を行う出張サポートを令和2年8月より実施しており、令和3年10月からはワクチンの集団接種会場でも実施するなど、取組を強化しております。また、令和3年度からは公民館などのほか、地域の団体等が希望される場所に出向く出前サポートを新たに実施しているところでございます。
次に、令和4年1月末現在の総申請数は83万6,528件で、人口に対する申請率は約53.5%となっております。
また、20代前半のカードの普及状況については、総務省によりますと、令和4年1月1日現在の全国の20歳から24歳までの人口に対する交付率は約37.7%となっており、25歳以上の約43.3%と比較して低くなっております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 国道3号博多バイパスなど空港周辺の交通対策についてお答えします。
まず、福岡高速3号線延伸事業についてですが、令和4年度の予算額は福岡北九州高速道路公社に対する出資金及び貸付金として5億4,000万円を計上しており、同公社において令和3年度に引き続き、測量や設計を行うとともに、用地買収にも着手することとしております。今後につきましては、用地買収後に工事に着手し、令和12年度の事業完了を予定しております。
次に、空港通りにつきましては、空港口交差点東側において、右折レーンの延伸や左折レーンの新設と併せ、同交差点から東側約700メートルの区間において北側に歩道を新設いたします。さらに、おただしの3つの交差点のうち、空港通りと県道水城下臼井線が交差する稲城交差点につきましては、北側において歩道の新設と併せ、南向き車線を現在の1車線から3車線に拡幅する計画としており、現在、測量に着手しております。また、柏木及び五斗蔵交差点は県が管理しておりますが、柏木交差点につきましては、令和3年3月に近傍のバス停カットの工事が完了し、五斗蔵交差点につきましては、現在、右折レーンの設置などの検討を進めていると伺っております。これら3つの交差点の対策については、引き続き県と連携しながら取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 2問目に入ります。まず、消防学校の機能強化についてです。
先ほどの答弁で、消防局が取り組む消防職員、消防団員に対する教育や訓練の中で、消防学校が重要な位置づけにあり、専門的な教育を行う役割、また、様々な訓練ができる施設や場所としての役割を担っているほか、事業所の方々に対しても、防火、防災に関する教育や訓練を行っていることが分かりました。私も消防団員として、消防学校で何度も教育を受けたり、訓練を行ったりしたこともあるのですが、そのたびに消防職員の方からの厳しい指導の下に、消防団員としての心構えや基礎的な活動要領などをしっかりとたたき込まれた記憶があります。
そこでお尋ねしますが、消防学校では消防職員や消防団員、事業所の方々に対して具体的にどのような教育を行っているのか、実績も含めてお答えください。
また、現在、全国の消防本部においては、世代交代により経験の浅い若年層の消防職員が増加していることや、火災件数の減少などにより災害対応経験が少なくなっていることから、実際の災害を想定した訓練や安全管理に関する教育を充実させるために、実際の災害に近い環境下で訓練が実施できる施設を整備している消防学校もあるようです。
そこでお尋ねしますが、消防学校の訓練施設の整備には何か基準があるのか、福岡市の消防学校には現在どういった施設があり、今後どのような施設を整備していく必要があるのか、お答えください。
さらに、教育や訓練を行っていく上で、施設整備以外にも消防には様々な課題があると思いますが、消防学校では課題解決のためにどのような対策を考えているのか、お答えください。
次に、マイナンバーカードの普及促進と利活用についてです。
先ほどの答弁によりますと、本市におけるマイナンバーカードの申請率は5割を超えているとのことです。平成28年1月にマイナンバーカードの交付が始まって以来、6年間をかけて、ようやく半分の方が申請されたことになりますが、これから残り半分の市民の皆さんに対して、いかに取得を促していくかが重要となります。全国的な動きでは、今年の1月からマイナポイント第2弾が実施されており、本市においても新たな取組などが実施できないかと考えています。
先ほどの答弁において、マイナンバーカードの出張サポートや出前サポートを実施しているとのことでしたが、令和4年度においてはどのような取組を実施していくのか、お伺いします。
また、先ほどの答弁では、20代前半のマイナンバーカードの交付率が比較的低いことが分かりました。恐らく若者にとっては行政手続を行う機会があまりなく、特に福岡市には進学のために県外から多くの若者が転入しておりますが、そういった方々にとっては区役所や公民館などはあまりなじみがないこともあって、なかなか普及が進んでいないのかもしれません。しかしながら、マイナンバーカードは行政手続の電子申請などに利用できますので、日頃からスマートフォンなどで商品の購入やサービスの予約など、インターネットを通じて様々なサービスを利用している若い世代にこそ、マイナンバーカードをより身近に感じてもらえるのではないかと思われます。そして、そうした世代にマイナンバーカードが普及することで、オンラインでの申請が増え、行政のDXが一層進み、より市民の利便性が高まることになるのではないかと思います。そのためにも、若い世代に向けた積極的な取得促進策を講じることも重要だと考えています。例えば、神戸市では新成人向けに抽せんでホテルの食事券等が当たるマイナンバーカード申請キャンペーンを実施しており、福岡市においてもこのような取組を行ってはいかがでしょうか。
そこでお尋ねしますが、若い世代のマイナンバーカード普及に向け、今後どのような取組を行っていくのか、お伺いします。
また一方で、せっかくマイナンバーカードを取得しても、それをふだんの生活で利用できなければ意味がありません。これまでカードを申請してこなかった方も、これからカードを取得しようという気持ちにはならないと思います。今後、さらにマイナンバーカードを普及させていくためには、マイナンバーカードをより身近で便利なものにしていくことが必要なのではないでしょうか。本市においても、マイナンバーカードの利活用の取組を積極的に進めていくべきではないかと思います。
そこでお尋ねしますが、マイナンバーカードを活用した行政サービスやカードの利便性向上に関する施策について、本市独自の取組も含めてお示しください。
最後に、国道3号博多バイパスなど空港周辺の交通対策についてです。
福岡高速3号線延伸事業については、来年度より用地買収に着手するということで、本格的な整備が始まることになります。稲城など3つの交差点についても対策が進んでいくようですが、こちらについても、まだ時間はかかりそうです。令和7年3月末には増設滑走路が供用開始されることもありますし、周辺地域への負担がますます大きくなっていくことを考えると、柏木、五斗蔵交差点の対策を実施される福岡県ともしっかり連携して、早期に対策完了をしていただきたいと思います。
また、福岡高速3号線延伸事業と空港口交差点で交差する国道3号博多バイパスは国が管理する道路になりますが、広域道路ネットワークを形成する特に重要な役割を担っております。国の資料によりますと、国道3号博多バイパスは市東部地域における交通混雑の緩和などを図るため、全長約7.7キロメートルの6車線道路として、昭和43年度に国において事業化されました。昭和54年度に新二又瀬橋交差点から松島交差点までの間、約1.9キロが最初に供用され、その後、段階的に供用区間を広げながら、平成30年3月に全線開通したところです。国によりますと、全線開通前と比べて、博多バイパスと並行して走っている国道3号及び県道町川原福岡線の交通量が約2割から3割減少するなど、周辺道路の混雑緩和などに大きな効果があったとのことです。とある小学校の保護者からも、開通後は通学路の交通量が減り、子どもが安全に通学できるようになったとの声も寄せられております。また、博多バイパスが最初に開通した昭和50年代と比べ、市東区の人口は約1.8倍に増加しており、博多バイパス沿線地域において物流企業の進出や地域開発などが促進されるなど、全線開通により大きな効果が得られたことは喜ばしいことではありますが、一方、現在、空港口交差点などの主要渋滞箇所を中心に、空港周辺で以前よりも著しい混雑が発生しているように感じております。この国道3号博多バイパスについては、国において、現在、主要渋滞箇所を含む区間の立体化が検討されております。
そこで、国における立体化の検討経緯と現在の検討状況についてお答えください。
あわせて、国道3号博多バイパスの立体化による効果についてお答えください。
以上で2問目を終わります。
○議長(伊藤嘉人) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 消防学校の機能強化についてお答えいたします。
消防学校が行う教育につきましては、まず、消防職員に向けて、新規採用職員への教育のほか、救急隊や救助隊になるための専門教育など、20種類の教育を行っております。次に、消防団員に向けては、新人団員はもちろんのこと、幹部団員への教育など、7種類の教育を行っております。さらに、デパートや病院などの事業所に勤務する方を対象として、初期消火や避難誘導などの防災教育を行っております。そのほか、福岡県下はもちろんのこと、九州各県の消防職員を対象とした教育もあり、全てを合わせますと年間で延べ250日以上、約2,000人に対して、ほぼ毎日教育を行っております。
次に、消防学校の施設に関する基準につきましては、総務省消防庁が定めた消防庁告示「消防学校の施設、人員及び運営の基準」があります。また、現在、本市の消防学校には、告示の基準に基づき、火災や救急などの基礎的な訓練を行うことができる施設がございます。今後は、災害が複雑化、大規模化していることなどを受け、告示の基準に新たに加えられた大規模地震や都市型災害に対応するためのより実践的な訓練施設が必要となっております。
次に、教育や訓練を行っていく上での施設整備以外の課題につきましては、職員の災害経験値の減少や定年延長による職員の高齢化への対応など、様々な課題がございます。そのため、消防学校教育のカリキュラムや期間の大幅な見直し、あるいは、教育課程を目的や年齢ごとに細分化するなど、より効果的、実践的な教育、訓練体制の充実を図ることで、これらの課題解決に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) マイナンバーカードについてお答えいたします。
出張サポートなどの令和4年度の取組については、これまで行ってきた公民館やショッピングセンター、ワクチンの集団接種会場などでも引き続き実施し、実施回数を令和3年度からは2倍以上に増やす予定としております。また、出前サポートについては、その対象を20人程度以上から5人程度の小規模団体にまで拡大することとしております。
次に、若い世代への取組については、カードの普及が進んでいない若年層を対象とした取得促進キャンペーンを実施する予定としております。具体的には、19歳から22歳のカード取得者を対象に商品券等を抽せんで贈呈することで、若年層への普及を図りたいと考えております。
次に、マイナンバーカードを活用した行政サービスについては、コンビニエンスストアで証明書交付サービスを受けられるとともに、税の申告や児童手当の現況届の提出、ワクチン接種証明書の入手など、インターネットを通じた各種手続の利用が可能となっております。このほか、福岡市におきましては、住民票の写しや納税証明書等の交付申請や転出の届出が自宅や外出先などからいつでもスマートフォンで簡単にできるようになっております。なお、国においては、電子証明書のスマートフォンへの搭載、健康保険証としての利用や運転免許証との一体化など、カードの利便性の向上を図っていくこととされております。これらの動きも踏まえ、福岡市としましても、マイナンバーカードの活用による市民サービスのさらなる利便性向上に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 国道3号博多バイパスなど空港周辺の交通対策についてお答えします。
まず、立体化の検討経緯ですが、平成30年3月の博多バイパス全線開通後に下臼井、新二又瀬橋及び空港口の3つの交差点を中心として著しい旅行速度の低下が見られ、医療施設への救急搬送に支障が生じるなど、市民生活にも影響を与えている状況を踏まえ、令和元年度より国、県、福岡市などで構成される福岡県交通渋滞対策協議会において交通の円滑化に向けた検討が進められ、令和3年9月、下臼井から空港口までの区間、約1.6キロメートルを立体化する方針が国において決定されたものでございます。その後、国から都市計画手続の依頼がなされたことを受け、福岡市において令和3年10月から11月にかけて地元説明会を実施し、令和4年2月には福岡市都市計画審議会を経て、都市計画決定の告示を行ったところでございます。現在は国において、令和4年度新規事業化の採択可否を判断するための評価手続が進められていると伺っております。
次に、立体化による効果ですが、区間内の7か所の信号交差点全てを立体交差させることによる交通混雑の大幅な緩和や、生活道路を通過していた大型車などが同バイパスへ転換することによる沿線地区内の安全性向上、さらには福岡高速3号線延伸事業との相乗効果による空港へのアクセス向上などが期待できるものと認識しております。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 3問目に入ります。まず、消防学校の機能強化についてです。
消防学校というと、特定の限られた人だけのための教育、訓練施設というイメージがあったのですが、本市の消防学校は、160万人を抱える大都市としてますます発展する本市の消防、防災行政の推進のために、数多くの人を対象として様々な教育や訓練を行っていることがよく分かりました。また、災害経験の減少など、現在の消防学校が抱える課題や課題解決に向けた考え方も分かりました。
火災件数等が減ってきていることは我々市民にとっては大変喜ばしく、消防職員や消防団員の日頃の予防啓発活動の成果であり、消防行政として目指すべき姿であるはずです。しかし、現場経験の不足は過酷な災害現場での活動を強いられる実戦部隊にとっては命にも関わる深刻な問題です。また、災害は時代の変化とともに複雑化、大規模化し、悪い意味で進化しているようにも感じます。消防職員に対する教育と訓練は、消防を取り巻く環境が厳しさを増す中で、市民の安全、安心を守っていくために、そして、変化する災害に対応していくためにも、欠かすことができない最も大切なものでありますので、消防学校の役割である教育と訓練の両面の機能を強化することについて、ぜひ前向きに進めていただきたいと考えています。
そこで最後に、市は今後、消防学校の機能強化にどのように取り組んでいくのか、所見をお尋ねしまして、この質問を終わります。
次に、マイナンバーカードの普及促進と利活用についてです。
来年度はマイナンバーカードの申請をサポートする取組が一層強化されるということで、特にカードの普及が進んでいない若者に向けた取得促進キャンペーンは大変効果的な取組だと思います。また、カードの利活用についても、国の取組と併せ、オンライン申請の拡充など、本市独自の取組が強化されるということが分かりました。
私はマイナンバーカードの将来に大きな期待を持っておりますし、カードを取得したくなる、あるいは使いたくなるような思い切った取組がもっとなされるべきではないかと思います。岸田総理は昨年12月の所信表明演説において、マイナンバーカードは安全、安心なデジタル社会のパスポートであり、社会全体のデジタル化を進めるため最も重要なインフラであると説明されております。このように重要なマイナンバーカードが、今後とも、より一層普及し、市民の皆さんに身近で便利なものとして様々な場面で大いに利用され、そして、将来的にはこのカード一枚で行政や民間のいろいろなサービスが利用できる、そんな社会が実現することを期待しております。
マイナンバーカードの普及促進と利活用についての取組を引き続きしっかりと進めていただくことを要望して、この質問を終わります。
最後に、国道3号博多バイパスなど空港周辺の交通対策についてです。
福岡高速3号線延伸事業については、これまでの答弁どおり、周辺交差点の混雑緩和に対する取組を併せて進めていただいており、早期完成に努めていただきたいところであります。また、市内全域を見渡しますと、都市高速道路の整備が進んでおりますが、東浜や野多目などの降り口が接続する道路では、交差点付近で著しい交通混雑が発生している事例もありますので、空港周辺においては都市高速道路などの完成後、その先のことも見据えて、地域住民が安心できるように取組を進めていただきたいと思います。
また、国道3号博多バイパスの立体化について、現在、国において新規事業化の評価手続が進んでいるとの答弁でございました。長年、交通混雑に悩まされている地域住民としましても、この事業に対する期待は非常に大きく、一刻も早い事業化を望んでおります。さらに、近年、道路の整備には長い年月を要することが多くなっておりますが、国道3号博多バイパスの立体化が事業化した暁には、スピード感を持って取り組んでいただくことが地域の願いです。
そこで最後に、国道3号博多バイパス立体化の早期事業化と事業の早期完了に向け、市は今後どのように取り組んでいくのかお尋ねして、私の質問を終わります。
○議長(伊藤嘉人) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 消防学校の機能強化についてお答えいたします。
市民の生命、身体、財産を守るという崇高な使命を果たすために最も重要なことは、一人一人の消防職員の資質の向上であります。人こそ消防の財産である、この信念の下、市民から親しまれ、信頼される消防職員を育む上で、これからも重要な役割を担う消防学校の機能強化について、しっかりと検討してまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 国道3号博多バイパスなど空港周辺の交通対策についてお答えします。
国道3号博多バイパスの立体化については、これまでも機会を捉えて早期事業化を国に要望してきた結果、今般、新規事業化採択の評価手続に至ったところでございますが、引き続き早期事業化に向けて強く働きかけてまいります。また、立体化事業が着手された場合には、事業主体となる国と連携して地域への説明や関係者との調整を図るなど、地元自治体として積極的に協力を行いながら早期完了に向けて取り組んでまいります。以上でございます。
○議長(伊藤嘉人) この際、休憩し、午後4時35分に再開いたします。
午後4時20分 休憩
午後4時35分 開議
○副議長(山口剛司) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を継続いたします。
この際、あらかじめ時間を延長いたします。森あやこ議員。
○45番(森 あやこ)登壇 私は緑の党と市民ネットワークの会を代表し、昨日の荒木議員の代表質疑を補足し、安心して子どもを生み育てられる環境づくりに関わる産後ケアと食育の観点で質疑を行います。
まず、産後ケアについてです。
少子化が進み、人口減少は深刻さを増しています。核家族化も進み、産後の支援が十分に受けられず、産後鬱を引き起こすこともあります。虐待問題、未遂も含めた自殺や一家心中を図るなど、子育ての中で困難な状況に陥って起きてしまう事件や事故があり、大事な時期をしっかり支える支援の充実が求められています。うれしい出産、楽しい育児を思い描いていた方も、子育ての困難さに疲れを感じない人はいないと思います。さらに、コロナ禍によって孤立化した状態があり、不安が増している方も増えていると思います。
以上のことから、安心して子どもを生み育てられる環境づくりという点で、まず、切れてはいけない周産期からの切れ目のない支援についてどのように取り組まれてきたのか、お尋ねします。
2点目に、産後ケア事業ではどのような利用形態がありますか。また、利用形態ごとの過去3年間の利用者数についてお尋ねします。
3点目に、産後ケアに関する事業の令和2年度の決算額と令和4年度を含む過去3か年の当初予算額の推移をお尋ねします。
4点目に、令和4年度の取組で充実されることの説明をお願いします。
5点目に、産後ケアの利用につながらなかったケースについて件数と内容の把握はされているのか、お尋ねいたします。
次に、食育に関してです。
発達障がいの増加は、脳への影響をもたらす化学物質も関係していると言われています。農業で使用される化学物質である農薬自体が有する科学的特性や有害性に関連する災害が後を断たず、化学農薬における労働衛生学的リスク管理の研究も進められています。農薬は人、家畜等への安全性や土壌、水環境への影響をはじめとした厳しい試験で問題がないことが証明された後に、農林水産省、環境省、厚生労働省など、行政機関の審査等を経て市場へ出され、現場で使用されることになります。市場に出回った当初では、環境、生態系、人などへの有害影響は認められなくても、後に影響が認められ、使用禁止等の措置となったケースがあり、例えば、有機塩素系農薬のDDTやBHC、有機リン系殺虫剤のパラチオン、除草剤のPCPが代表例として挙げられています。昨今は有機リン農薬の代替として多用されているネオニコチノイド系及びフェニルピラゾール系農薬について、生態系、特に蜜蜂への影響が指摘されていることは御存じの方も多いと思います。近年の研究の報告では、人をはじめ、哺乳類に対しても有害性を示すとした研究結果が国内外で多く確認されています。
このネオニコチノイド系農薬は1990年代に農薬市場に参入し、国内の出荷量は2010年から2014年では年間約550から900トンの間で推移をし、世界中で最も使用されている農薬の一つとされています。ネオニコチノイド系農薬の物理化学的性質及び有害性の研究等では、ニコチンに化学的構造が似ている特徴があり、薬理作用はアセチルコリン受容体に結合して、本来の刺激伝達物質であるアセチルコリンの作用を遮ることが分かっています。害虫以外の生物へも農薬が作用し、生存につながる大きな課題があることが示され、無脊椎動物及び脊椎動物に与える影響についての研究論文が提示されています。論文の一つに、日本人はネオニコチノイド系農薬により胎児期から暴露を受けており、その摂取源は飲食物である可能性が高いことが明らかになったなど、ほかにも多くの論文があります。日本人の体内にはたくさん入っていて、赤ちゃんの尿から検出されていることから、子育て世帯の20世帯が協力し、オーガニック食材を摂取して尿の変化の検証をする調査が行われ、5日間で50%に減り、その後、1世帯のみの検証ですが、1か月で95%近く減ったとの結果もあります。しかし、体内のたんぱく質にくっつき、尿で全て排出されるわけではなく、ネオニコチノイド系農薬は作物中にしみ込んでいて、洗っても皮をむいても減らせない、煮ても焼いても壊れない物質だそうです。社会として農薬フリー、ネオニコフリーを進める必要があります。
成長期の脳への影響を及ぼす農薬が入っていないものを望んでいるのは子どもたち。しかし、自ら選べない子どもたちは化学物質の影響を強いられています。基本的人権の域にあると研究者は語られています。国も有機農産物を増やすための検討を進めていますが、今この瞬間にも成長している子どもたちです。いち早く農薬や添加物といった化学物質を暮らしの中からできるだけなくしていくことが必要です。胎児に次いで、より影響を受けやすい乳幼児の置かれた環境をよりよくすることは重要です。健全な育成を社会で行うためにも、主に保育所の給食と福岡市食育推進計画についてお尋ねしてまいります。
まず、公立保育所の給食に係る経費の令和4年度予算についてお伺いします。
また、公立保育所の給食メニューはどのような観点と基準で作成されているのか、お伺いいたします。
現在検討中の第4次福岡市食育推進計画がありますが、現在の第3次福岡市食育推進計画に基づく取組についてどのように現状を分析されているのか、お尋ねいたします。
また、第3次福岡市食育推進計画の中で、福岡産の積極的な利用も挙げられ、その成果指標として学校給食に関する項目があります。学校給食の地産地消を進めることは、2040年度ゼロカーボンチャレンジにも資すると思いますが、環境局、教育委員会からそれぞれに地産地消と脱炭素についての見解をお答えください。
また、現在検討中の第4次福岡市食育推進計画では、基本目標として新たに環境に優しい食生活を送りましょうという内容を追加する方向で検討されているようですが、どのように議論されてきたのか、その経緯についての説明を求めます。その議論に2040年度ゼロカーボンチャレンジという観点があったのかを併せてお尋ねいたします。
以上で1問目を終わり、2問目からは発言者席にて行います。
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 産後ケアに関する御質問にお答えいたします。
産前産後の支援につきましては、妊娠届出の際に助産師等が全ての妊婦と面談し、相談に応じるとともに、妊産婦に対する健康診査、保健師による家庭訪問、不安を抱える方に対する産後ケア事業や産後ヘルパー派遣事業の実施、乳幼児健康診査など、コロナ下においても感染対策を講じながら、妊娠、出産や子育てに対する不安や負担の軽減に努めているところでございます。
次に、産後ケア事業の利用形態については、出産後1年未満の母子を対象に、育児相談、心身のケアなどを行っており、現在は産科医療機関などに宿泊して利用するショートステイと日帰りで利用するデイケアの2つの形態がございます。ショートステイの実利用者数は平成30年度73組、令和元年度131組、2年度192組、デイケアは平成30年度177組、令和元年度395組、2年度520組となっております。
次に、産後のケアに関する産後ケア事業と産後ヘルパー派遣事業を合わせた令和2年度の決算額の合計は3,180万6,000円となっております。また、過去3か年の当初予算額は令和2年度1,864万7,000円、3年度2,470万1,000円、4年度予算案が3,853万3,000円となっております。
次に、令和4年度の取組については、産後ケア事業を拡充して新たに訪問型の事業を実施することとしております。
次に、産後ケアの利用につながらなかったケースについては、その件数等の確認は困難であり、把握しておりませんが、母子健康手帳交付時においてチラシを配付するなど、様々な機会を捉えて、必要な方が利用できるよう制度の周知を図っております。
次に、保育所の給食に関する御質問にお答えいたします。
令和4年度の公立保育所の給食に係る予算につきましては8,975万7,000円となっております。
次に、公立保育所の給食献立については、国の法令等に基づき、日本人の食事摂取基準を活用し、子どもの発育に必要な栄養量の目標を満たすように作成しております。また、献立作成に当たっては、国のガイドラインに基づき、季節感や地域性、多様な食品や料理の組合せ、子どものそしゃく機能等の発達、窒息や誤嚥の防止、衛生的な調理工程などを考慮しながら、子どもの食に関する体験が広がり、かつ深まるように配慮しております。さらに、民間保育所にも献立を参考に送付していることから、食材は入手しやすく、調理方法は複雑にならないようにしております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 食育についての御質問にお答えをいたします。
第3次福岡市食育推進計画につきましては、食を通じた健康づくりを進めること、福岡で取れる食材を日々の食事に生かすこと、食を楽しみ福岡の食文化を伝えること、この3つの基本目標に基づき、家庭、地域、学校、職場など、多様な主体と連携し、食育に取り組んでまいりました。その結果、生活習慣病の予防や改善のために食生活に気をつけ、実践している市民の割合や、食の安全に関する正しい知識を持ち、実践している市民の割合が増加するなど、おおむね順調に進捗しているものと考えております。
次に、第4次福岡市食育推進計画の策定に当たりましては、条例に基づく福岡市食育推進会議において検討部会を設置し、国が定める食育推進基本計画の内容を基本に検討を行ったものでございます。この基本計画には持続可能な食を支える食育の推進が重点事項として位置づけられていること、また、食品ロスの削減などに取り組むことが、脱炭素の概念も含め、環境と調和の取れた持続可能な食を支えることにつながることから、検討部会における議論の結果、市の計画の基本目標に環境に優しい食生活を送ることを追加しているものでございます。以上です。
○副議長(山口剛司) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 食育に関する御質問の地産地消に関してお答えいたします。
地産地消につきましては、地域で生産された農林水産物をその地域で消費しようとする取組であり、遠くにある生産地から輸送する場合と比べて、使用される燃料が少なく、二酸化炭素排出量の削減に貢献するものと認識いたしております。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校給食についてお答えいたします。
学校給食における地産地消の推進は、子どもたちが郷土に関心を寄せる心を育むなど、高い教育効果がある一方で、地元食材の使用により輸送距離を短くすることができ、CO2の削減にも寄与するものであると考えております。以上です。
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 産後ケアについて、まず行います。
取組の利用件数と予算はともに増加しています。しかし、さきの代表質疑で御答弁されていたように、年間出産数約1万3,000人がいる中で、産後ケアを利用した割合は7%と少なく、利用につながらなかった方のことはなかなか把握はされていないとのことです。利用しやすいようにと改善をされてきていますが、声なき声を聞くための調査など、事業に組み込む必要があるのではないかと考えます。
2022年度は居宅訪問による産後ケア事業を新たに実施予定されているとのことでした。不安を抱える方にとって、より頼れる事業になると考えますが、まず、新年度の形態ごとの予算についてと、新たに始める居宅訪問による産後ケア事業の取組方法と目標についてお尋ねします。
2点目に、これまでの産後ケア事業の利用者や施設の声を把握されていますか。把握されているのであれば、どのような意見が上がっているのか、お尋ねいたします。
3点目に、市外にお住まいの方が福岡市内で里帰り出産した場合に産後ケアのサービスは受けることができないのか、お伺いいたします。
4点目に、妊産婦の虐待のリスクについてどのように把握しようと考えられているのか、お尋ねいたします。
5点目に、産後、不安を抱えている方は多く、それが結果として虐待や自殺の企図につながるようなケースもあると思うのですが、そのような相談の把握はされているのか、お伺いします。
6点目に、1人目を産んでも2人目を産む気持ちになれないといった声を聞くこともあり、これが少子化問題にもつながっていると思います。少子化対策の足りていない部分はどこだと捉えられているのか、お尋ねいたします。
7点目に、産前のケアも必要と考えますが、両親が学べる機会と利用状況についてお尋ねをいたします。
8点目に、産後のサポートとして食育についての機会はどのくらいあるのか、お尋ねします。
次に、保育所の給食についてですが、季節感を取り入れながら子どもの健全な発育に必要な栄養量や機能等の発達など、また、衛生面や事故等につながらないための考慮なども含めて献立を作成されているとのこと。その公立の保育所の献立が市内の保育所の参考献立とされていて、市内の多くの子どもたちに反映することになります。
そこで、季節感を取り入れるという旬の作物を提供する観点があるけれども、実際には旬ではない作物が提供されています。市が民間保育所に提供している参考のための献立を変えれば、旬としてオーガニックを導入しやすいのですが、旬ではない作物が提供されているのはなぜなのか、お伺いいたします。
また、1問目の御答弁にあった予算約8,900万円は、7か所の公立保育所の定員が約1,000人でということになりますが、コストを含めて、オーガニック食品など、より安全な食材を導入していく検討などはこれまでにされたことがあるのか、お尋ねをいたします。
また、メニューの作成に当たり、安全性の観点から添加物の入った食材の使用についてどのように考えているのか、お尋ねをいたします。
また、献立作成に当たり、地産地消についての考えをお尋ねします。
また、輸入食材の使用状況についてと、使用することの考えをお尋ねいたします。
また、乳児用と幼児用に関しての献立の違いとして、特に重視されている点をお尋ねします。
また、市内の保育所の冷蔵、冷凍庫の整備環境、食材保管の状況について、市が示す基準をお尋ねいたします。
また、公立保育所での障がい児への対応や支援について、食育を絡めた取組について何かされていることはありませんか、民間保育所でのそのような取組はありませんか、お尋ねいたします。
また、農福連携の流れでは、農業従事者や農地を増やすことにもつながり、その消費の場として保育所や学校給食に利用することが社会を支えることにつながります。さらに、オーガニックを進めることで、土壌を守り、生き物の健全な環境づくりに寄与することがワンヘルスの観点でも重要な取組となるのですが、そういった考えで保育所から親に対しての食育、また、親育ての機会を進めるという考えをお持ちかどうか、教えてください。
また、市内の保育所同士の勉強や情報共有できる機会はあるのか、お伺いいたします。
管理栄養士等の働きはとても重要です。民間保育所で管理栄養士等を採用するための助成、保育所運営を円滑にするための事務員のスキルアップに関する経費の助成などが必要だと考えますが、御所見を伺います。
次に、市民への食育推進に関しては、生活習慣病予防や改善のための知識を持ち、実践している方が増えるなどの進捗が見られていると、御答弁いただきましたように、推進計画の中には環境問題への意識や、学校給食での食育や農業と流通の在り方などが盛り込まれています。コロナ禍で健康を意識する人も増え、オーガニックのニーズは増えてきています。保育所や学校の給食に有機食材が採用されれば、有機農産物の需要が一気に拡大し、農家も安心して有機農業に切り替えることができるようになります。実際に福岡県内でも、高校ですが、導入しているところがあります。有機農業をされている方からは、元気に育った野菜ではそんなにコストは上がらず実践されているお話を聞き、健康な食べ物で子どもたちが生き生きとしている様子も伺っています。また、千葉県いすみ市では、市長が音頭を取って農家に協力を呼びかけ、学校給食用のお米が100%有機米になっています。全国でも有機食材を導入するところが出てきています。完全なオーガニック給食でなくても、少しでも今より地球環境や子どもたちの健康に配慮したよりよい選択ができれば、子どもたちの心身は健全に育まれます。食の安全に対する費用をかける意義は大いにあり、一日でも早く、できることから取り組んでいくことは社会問題の包括的な解決策となると考えます。
旬をしっかり取り入れ、給食へのオーガニック食材導入という点を取り上げましたが、第3次福岡市食育推進計画の中に、旬という言葉が出てきていないようです。日本の四季折々の農産物の旬を知ることは、とても大事な食育ではないでしょうか。その点のお考えをお伺いし、第4次福岡市食育推進計画に追加されないのかお尋ねし、2問目を終わります。
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) まず、産後ケアに関する御質問にお答えいたします。
令和4年度予算案における産後ケア事業の内訳につきましては、宿泊型のショートステイが1,471万2,000円、日帰り型のデイケアが1,066万8,000円、訪問型が654万8,000円となっております。また、訪問による産後ケア事業については、助産師が利用者の家を訪問して育児相談、心身のケアなどを行うこととしており、支援を必要とするより多くの方が利用できるよう取り組んでまいります。
次に、利用者や施設の声については、利用者からは、相談に乗ってもらえてよかったなどの声をいただいております。一方で、料金が高い、実施施設を増やしてほしいとの御意見があったことから、令和元年度から利用者の負担額を減額するとともに、順次実施施設を拡大しております。また、実施施設からは、訪問型の事業も実施してほしいなどの声をいただいております。
次に、福岡市外の方の利用については、産後ケア事業は、国により市町村で実施することとされており、福岡市では福岡市民が対象となるものでございます。
次に、妊産婦における虐待等のリスクの把握については、妊娠届出の際の面談や妊産婦に対する健康診査、保健師による家庭訪問や乳幼児健康診査などの様々な機会を通じて、育児不安などの困難な状況にあり、支援が必要な方の把握に努めております。
次に、産後の不安に関する相談については、保健師や助産師が、乳児がいる全ての家庭を対象に訪問し、相談に応じております。訪問の際には、産後鬱病などのリスクが高く、育児不安が強い母親の把握に努めるとともに、支援が必要と判断した場合は必要なサポートを実施いたしております。
次に、少子化については、社会の様々な要因が相互に影響しており、コロナ下での出産や子育てに係る不安や負担などもその原因の一つと認識しております。福岡市においては、これまで相談支援や健康診査、産後サポート事業を充実するほか、コロナ下を踏まえた新たな取組として、妊婦へのPCR検査費用の助成やオンラインによる妊産婦への健康や子育てに関する助言、産後ケア事業における利用期間の延長など、様々な施策により出産や子育ての不安や負担を軽減し、子どもを生み育てやすい環境づくりに取り組んでいるところでございます。
次に、産前のケアについては、妊婦とその家族を対象としたマタニティースクールを実施しており、令和2年度は感染対策を講じながら実施し、利用者は1,837人となっております。
次に、産後のサポートにおける食育の機会については、乳幼児健康診査や母子巡回健康相談などにおいて栄養士等が食事面のアドバイスを行うほか、産後ケア事業において産婦の栄養や離乳食に関する相談に応じております。
次に、保育所の給食に関する御質問にお答えいたします。
公立保育所の献立につきましては、子どもが食べ飽きることのないよう、短期間で同じ食材を繰り返し使わないことや、保育所では1日に3回以上の調理を行うため、限られた時間内で円滑に調理ができるメニューや食材にすることなどを考慮する必要があり、年間を通じて比較的入手しやすい食材については、旬に限らず取り入れることとしております。
次に、オーガニック食材の導入については、現在、オーガニック食材は安定的に入手できる食材とは言えないことから、これまで具体的な検討は行っておりません。
次に、保育所の給食の食材については、一般に流通している食材を使っており、厚生労働省が定めた、健康に影響がないとされる添加物の基準を満たしていることから、問題はないと考えております。
次に、公立保育所の献立の食材については、市内産、県内産、九州産を中心に、できるだけ国産のものを使用するなど、地産地消を推奨しております。
次に、輸入食材の使用状況については、バナナなどの果物類は国産の調達が困難な場合もございますが、乳幼児にとってなじみ深く、栄養価が高い食材であるため使用しております。また、国や自治体において適切な検査等がなされており、使用上の問題はないと考えております。
次に、公立保育所における乳児用の献立については、幼児用との違いとして、乳児が一般的にかんだり飲み込んだりすることが未熟なことなどを考慮し、国のガイドラインに基づき、離乳の状況に応じた食材や調理方法を用いたものとしております。
次に、保育所における食材の保存などの基準については、国のマニュアルに基づき、食材は適切な温度で保存すること、また、常温保存が可能なものを除き、肉、魚、野菜などの生鮮食品については、原則1回で使い切る量を調理当日に仕入れることになっております。
次に、障がい児への食育の取組については、食育は保育の一環であることから、障がいの有無にかかわらず、日常の保育の中で子ども一人一人に応じた食育の取組がなされております。
次に、保護者への食に関する子育て支援については、保育所においては、これまでも離乳食の相談など、食育の観点から保護者への様々な子育て支援を行ってきており、今後とも、必要に応じて食に関する情報提供に取り組んでまいります。
次に、保育所同士の給食に関する勉強などの機会については、福岡市保育協会において、給食担当者などを対象にした研修会が年に2回開催されております。また、福岡市保育士会において、給食をテーマにした勉強会や研修会が行われております。
次に、保育所における栄養士などの配置への助成については、国の公定価格により、栄養士を活用して献立や食育に関する継続的な指導などを受ける施設に対して栄養管理加算が設けられております。また、事務員のスキルアップについては、公定価格により加算が設けられているほか、福岡市保育協会において実務的な研修が行われております。今後とも、国に対して公定価格の充実などを要望してまいります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 食育についてお答えをいたします。
お尋ねの旬とは、魚介、野菜、果物などがよく取れ、味が最もよく、栄養価が高い時期のことと認識をしておりますが、こうした旬の食材を含め、福岡の食べ物について知り、日々の食事に積極的に取り入れることは大切であるとの認識の下、福岡で取れる食材を日々の食事に生かすことを計画の基本目標に掲げているものでございます。以上です。
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 3問目に入ります。
産後ケアについて、産後ケア事業の委託業務を受けるところがこれからも増え、そして、利用しやすい環境が充実していくなど、拡充される新年度の取組に期待をいたします。
少子化問題の解決には、産んでよかった、子育てが楽しいと心底思える社会が必要です。出産は本当に命がけです。人生の大きな節目でもありますが、心身ともに大きな変化をもたらし、思うように動けないもどかしさも生まれます。声を上げられない状況に陥る人もいます。頼りたい家族である夫に対しても、産後クライシスといった問題も起こってきます。両親学級の参加も増やせる取組を求めます。
また、産後の状態をよりよくするためには、妊娠前や妊娠中の学ぶ機会や過ごし方やサポートも重要です。フィンランド語で相談する場という意味のネウボラという包括的支援や、産後の母親に寄り添い支える産後ドゥーラという役割を担う人がいて、支援が行われるようになってはきましたが、母親の負担、責任はどうしても重いものです。核家族やひとり親家庭、また、貧困状況や虚弱な状況等々、困難を抱える方々はいます。母親一人で抱えてしまわないよう、マンパワーを増やす取組、例えば、校区単位くらいに1人の保健師や助産師がいて、ソーシャルワーカーや医療機関などとも連携できるチームがあって、母子ともに安定し、安心した中で命が誕生できる環境を整えることができればと思います。妊娠したらお産に関しての知識と経験と知恵がある助産師と会う機会をもっとつくるなど、様々な手法で子育て支援につながるよう、サポート体制が構築され、そして、それが虐待や自殺が起こらない、人が生まれ健やかに育つサステーナブルな社会を築いていくため、ぬくもりのあるマンパワーへの予算を増やすなど、産前からの取組の充実を図るべきと考えます。
また、里帰り出産については、本市は産後ケア事業を利用できないとのことですが、実家の家族は市民です。里帰りでも両親は仕事をされている場合も少なくありません。その方にとって、お産の場所やお産の仕方など、一番安心して子どもを産み、子育てができる環境づくりのためにも、広域での利用ができるよう、県内自治体との連携や国に対しても要望し、支援事業の一層の充実を図るべきと考えます。
るる述べてきましたように、今後、中長期的にも充実をしなければと考えますが、市としての産後ケアに対するビジョンをお尋ねします。
そして、食育についてです。
衛生面の安全ということは被害が分かりやすいので、対応しやすいことですが、やはりそれに加えて、素材の質を高めることがこれからの社会は重要になってくると考えます。新しくできる食育推進計画に、サステーナブルな社会を目指して、環境負荷軽減についてや生きる力を培えるハイクオリティーな中身をしっかりとうたっていくことが重要と考えます。そして、この計画を基に、市民全体に意識の向上をもたらすよう、啓発や関係各局の取組の充実をお願いいたします。
身土不二という言葉があります。東京都立中央図書館のデータベースによれば「体と土とは一つであるとし、人間が足で歩ける身近なところ、三里四方、四里四方で育ったものを食べ、生活するのがよいとする考え方」とあります。生き物は食べたもの、飲んだもの、吸った空気、触ったもの、医療行為から影響を受け、体ができています。食べ物は命を育むもの、食べることは生きることそのものです。その食べ物が経済優先や効率優先の社会で生み出されてしまえば、生き物としての命の育みに異常が生じてくるおそれを感じます。子どもたちの生きる力を育む教育は、最初に口にしたとき、物心つく前から始まっています。そのことを実践する母親、保育士や子育てに関わる方々にはとても重要な役割があり、1問目で述べたような化学物質の問題についても、最新情報を学ぶ機会を増やすことも重要です。産後ケアの時期、保育所での食育が後の市民の健康を左右することにつながると考えます。
最後に、改めて産後ケアにおける食育と保育における食育についての御所見、そして、市民の健康につながるための食育の推進に対するまとめとしての御所見を求め、私の質疑を終わります。
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 産後ケアに関する御質問にお答えいたします。
産後ケア事業につきましては、これまで実施施設の拡大や自己負担の軽減、利用期間の延長など、より利用しやすい制度となるよう取り組むとともに、令和4年度は新たに訪問型を実施することとしております。今後も産前産後の子育て世帯における育児不安や負担の軽減など、支援の充実に取り組んでまいります。
次に、食育に関する御質問のうち、保育の分についてお答えいたします。
産後ケアにおける食育につきましては、母親の健康と子どもの健やかな発育のため、引き続き産後ケア事業の授乳や栄養等の助言を行う中で食育の推進に取り組んでまいります。また、保育所における食育については、健康な生活の基本としての食を営む力の育成に向け、その基礎を培うことを目標としております。今後とも、保育所保育指針に基づき、各保育所において、子どもが生活と遊びの中で食に関する体験を積み重ねていく取組を推進していけるよう支援を行ってまいります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 食育についてお答えをいたします。
食は生命を維持し、子どもたちが健やかに成長し、また、人々が健康で幸福な生活を送るために欠かせない営みであり、高齢化がさらに進んでいく中、人生100年時代に向けて食育の重要性は増しているものと認識をいたしております。そのため、福岡市食育推進計画に基づき、食に関する関心と理解を深め、正しい知識の普及啓発を進めるとともに、減塩の推進や肥満、低栄養の予防や改善に取り組むなど、生活習慣病の予防や健康寿命の延伸につながる食を通じた健康づくり、食育の推進に取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(山口剛司) お諮りいたします。
本日の会議はこの程度にとどめ、残余の質疑は3月7日の会議にこれを繰り延べたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(山口剛司) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
次の会議は3月7日午前10時に開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午後5時14分 散会