令和3年12月21日(火)

令和3年第6回福岡市議会定例会
議  事  日  程 (第4号)
12月21日 午前10時開議
第1  一 般 質 問

本日の会議に付した事件
議事日程のとおり

出 席 議 員 (62名)
1番  稲 員 稔 夫       2番  鬼 塚 昌 宏
3番  堤 田   寛       4番  川 上 陽 平
5番  津 田 信太郎       6番  大 森 一 馬
7番  阿 部 真之助       8番  平 畑 雅 博
9番  打 越 基 安      10番  川 上 晋 平
11番  伊 藤 嘉 人      12番  淀 川 幸二郎
13番  勝 山 信 吾      14番  川 上 多 恵
15番  調   崇 史      16番  大 坪 真由美
17番  古 川 清 文      18番  高 木 勝 利
19番  新 村 まさる      20番  大 原 弥寿男
21番  今 林ひであき      22番  篠 原 達 也
23番  尾 花 康 広      24番  松 野   隆
25番  楠   正 信      26番  冨 永 計 久
27番  森   英 鷹      28番  南 原   茂
29番  おばた 久 弥      30番  山 口 剛 司
31番  大 石 修 二      32番  黒 子 秀勇樹
33番  藤 野 哲 司      34番  堀 本 わかこ
35番  中 島まさひろ      36番  天 野 こ う
37番  山 口 湧 人      38番  松 尾 りつ子
39番  井 上 麻 衣      40番  飯 盛 利 康
41番  はしだ 和 義      42番  浜 崎 太 郎
43番  堀 内 徹 夫      44番  綿 貫 英 彦
45番  森   あやこ      46番  福 田 まもる
47番  国 分 徳 彦      48番  藤 本 顕 憲
49番  倉 元 達 朗      50番  中 山 郁 美
51番  荒 木 龍 昇      52番  高 山 博 光
53番  ついちはら陽子      54番  田 中 たかし
55番  成 瀬 穫 美      56番  山 田 ゆみこ
57番  宮 浦   寛      58番  近 藤 里 美
59番  川 口   浩      60番  落 石 俊 則
61番  田 中しんすけ      62番  池 田 良 子

欠 席 議 員 (0名)

説明のため出席した者
市       長   島 宗一郎   副市長  光 山 裕 朗
副  市  長  中 村 英 一   副市長  荒 瀬 泰 子
水道事業管理者  坂 本 秀 和   交通事業管理者  重 光 知 明
総務企画局長  龍   靖 則   財政局長  松 本 典 久
市民局長  下 川 祥 二   こども未来局長  久 田 章 浩
保健福祉局長  舟 越 伸 一   環境局長   田 浩 輝
経済観光文化局長  天 本 俊 明   農林水産局長  中 村 健 児
住宅都市局長  西 野   仁   道路下水道局長  名古屋 泰 之
港湾空港局長  清 家 敬 貴   消防局長  内 村 弘 文
会計管理者  中 村 郁 子   教育長  星 子 明 夫
教育委員  原   志津子   選挙管理委員会事務局長  内 藤 玲 子
人事委員会事務局長  柴 田 淳 司   監査事務局長  小 西 眞 弓

職務のため出席した事務局職員
議会事務局長  曽根田 秀 明   議会事務局次長  八 木 智 昭
議事課長  水 ア 亮 二   議事係長  重 松 孝 昭
外関係職員

午前10時 開議  
○議長(伊藤嘉人) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、一般質問を行います。発言通告者のうちから順次質問を許します。黒子秀勇樹議員。
 
○32番(黒子秀勇樹)登壇 皆さんおはようございます。私は公明党福岡市議団を代表して、文化芸術の振興、特にアーツカウンシルの設置について、特産品等のブランド化への取組について、さらに、脱炭素社会の実現に向けて質問をしてまいります。
 初めに、文化芸術の振興についてお尋ねをします。
 新型コロナウイルス感染症により飲食業や宿泊業、文化芸術など、様々な分野が影響を受けています。その中でも、文化芸術は最も影響を受けた分野の一つであるとともに、コロナ禍の現在、多くの人が文化芸術の必要性を再認識したのではないかと思います。文化芸術は心豊かな活力ある社会の形成に重要な意義を持ち、人々の潤いのある生活に欠かせないものであるとともに、都市の魅力、価値を向上させる大きな力を持っています。
 今回、コロナ禍における本市の文化芸術の振興について、今年度の新たな取組であるストリートピアノとFukuoka Wall Art Projectに触れながら、アートを生かしたまちづくりとアーツカウンシルの設置について質問を進めてまいります。
 先日、公明党福岡市議団の全員でストリートピアノとFukuoka Wall Art Projectの現地調査を行いました。特にストリートピアノは我が会派の大石修二議員の議会質問によって実現したものであります。
 ストリートピアノの市民の評価についてお聞かせください。
 以上で1回目の質問を終わり、2回目以降は発言者席で行います。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) ストリートピアノの評価につきましては、毎日30人近くの方が利用するなど盛況であり、立ち止まり、演奏に聴き入る方も多く、まちのにぎわい創出につながっております。市民の皆さんからは、演奏を聴きに来る楽しみができた、都心の憩いの場になるなど、設置を歓迎する声をいただいております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) ストリートピアノの市民からの評価も非常に高いようで、設置を実現していただき感謝しております。大石修二議員に代わって御礼を申し上げます。
 実際にピアノを演奏された方からも、福岡にはなかったストリートピアノが設置されてうれしい、このように広い場所で弾くと音がきれいに響きすばらしいという声があります。今後もまちなかにストリートピアノが増えるよう取り組んでいただきたいというふうに思います。
 また、コロナ禍において現代アートに注目が集まっている中、Fukuoka Wall Art Projectは仮囲いへアートを掲出するという新しい取組であります。
 Fukuoka Wall Art Projectの目的と成果についてお尋ねをいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) Fukuoka Wall Art Projectの目的につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で活動の機会が減少している美術分野のアーティストに、仮囲いなどを活用したまちなかでの発表の場と作品を展示、販売する機会を提供し、アーティストの活躍につなげるとともに、アートによるまちのにぎわい創出を図ることでございます。
 成果については、Fukuoka Wall Art賞の応募総数83件の中から優秀賞5作品、入賞25作品を選定し、仮囲いに10作品を掲出したほか、アートフェアにおいて6作品の販売につながっております。また、アーティストからは、まちに自分の作品が飾られることに心が躍るや、福岡のまちにアートがあふれる景色を一緒につくっていきたいなどの声をいただいております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) Fukuoka Wall Art Projectについては、天神ビッグバンや博多コネクティッドでビルの建て替えが進む中、まちの中にある仮囲いに着目し、作品の発表の場を提供するとともに、アートによるまちのにぎわいの創出を図るすばらしい取組であると思いました。
 このプロジェクト以外に、これまで現代アートを活用した取組としてどのようなものがあるのか、これまでの本市の現代アートにおける取組をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 現代アートにおける取組についてでございますが、福岡アジア美術館において、平成11年度からアジアの美術作家を招聘するレジデンス事業を実施するとともに、11年度から26年度には福岡アジア美術トリエンナーレを開催したほか、福岡市美術館において令和元年のリニューアルを契機に、美術館の新たなシンボルとなる大型屋外彫刻作品を設置しました。また、現代アートを活用したイベントとして、平成22年度から26年度にまちなかアートギャラリー福岡を実施したほか、29年度からは博多旧市街などで国内外アーティストによる作品を展示するまるごとミュージアムを実施しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) 特にコロナ禍においてアートがもたらす効果として、癒やしや最近よく耳にするウエルビーイングの向上などについて世界中から注目が集まっております。ポストコロナ期に向けて、市民に勇気と希望を与え、福岡のまちににぎわいを取り戻していくため、アートの力が必要であると考えます。Fukuoka Wall Art Projectについては、一つの成功事例として高く評価をしております。今後もポストコロナ期に向け、絵画などの現代アートを活用したまちづくりが必要だと考えております。
 島市長のアートを生かしたまちづくりに対する所見をお聞かせください。
 
○議長(伊藤嘉人) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市には、古くからアジアの玄関口として発展し、培われてきた文化的な土壌があり、世界で唯一、アジアの近現代美術を専門とする福岡アジア美術館を有するとともに、福岡市美術館ではリニューアルに合わせ、多様性と交流により成長してきた福岡市が次のステージへ向けて前進するイメージと重なる大型屋外彫刻作品を設置したところであります。また、コロナ下において実施をしたFukuoka Wall Art Projectは、アーティストの活躍の場とまちのにぎわいの創出につながり、高い評価を得られたところです。
 黒子議員御指摘のとおり、近年、国内外で現代アートが注目されており、市民が身近にアートに触れる機会を創出し、市民のウエルビーイングの向上を図るとともに、アーティストが活躍できる環境づくりが必要であると考えています。ポストコロナの時代を見据え、アートを生かしたまちづくりにしっかりと取り組んで、都市の成長と生活の質の向上の好循環をつくり出し、人と環境と都市活力の調和が取れたアジアのリーダー都市を目指してまいります。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) 市長から、アートを生かしたまちづくりにしっかり取り組んでいくという前向きな答弁をいただき、感謝をいたします。そして、さらに期待をしたいというふうに思います。
 さて、コロナ禍で音楽、演劇、伝統芸能など、市内の文化芸術活動者は活動の中止を余儀なくされるなど、厳しい状況が続いております。そのような中、福岡市では様々な文化、エンターテインメント支援策を実施してこられ、一定の評価を得ているところであります。一方で、ポストコロナ期に向けて支援の充実を求める声も聞こえてきております。福岡市は二千年にわたりアジアとの玄関口として発展してきた歴史交流都市です。地域の歴史、文化や福岡市独自の文化資源があり、これらは本市にとって貴重な財産となっております。そして、これらを次の世代に継承していくために、日々地道な活動をされている方がいらっしゃいます。私は、このように長い歴史の中で継承されてきた福岡市独自の伝統文化を継承していくことが大切であると思っております。そのためにも、様々な分野の文化芸術活動者への支援の強化を考えていく必要があると思います。
 そこで、ここからはコロナ禍における市内の文化芸術活動者の状況を踏まえながら、文化芸術活動者への支援を有効に機能させる仕組みの一つであるアーツカウンシルについて質問をしてまいります。
 まず、市内の文化芸術活動者のコロナ禍における現状をお聞かせください。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 文化芸術活動者の現状につきましては、イベントの収容人数の制限が緩和され、活動が少しずつ再開されているところであり、リアルとオンラインを合わせたハイブリッド開催の取組も広がってきております。一方で、イベント主催者や市民の慎重な動きなども続いており、文化芸術活動者からは、当分厳しい状況が続くのではないかといった声も伺っております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) コロナ禍における市内文化芸術活動者の現状はいまだ厳しい状況であります。文化芸術活動者の支援として、私はこれまで再三アーツカウンシルの設置について提案、要望をしてきたところであります。これをぜひ実現したい気持ちから、先日、新潟市のアーツカウンシルについて調査を行ってきました。アーツカウンシルについては文化政策を論じる上で大変重要なものであり、文化関係者の中でよく使われる言葉ですが、市民の皆様にとってなじみのない言葉かもしれません。
 そこで、改めてアーツカウンシルとは何か、アーツカウンシルの定義について分かりやすく説明をしてください。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) アーツカウンシルの定義について海外と国内の事例でお答えしますと、まず、海外のアーツカウンシルの事例では、文化芸術に対する助成を基軸に、行政と一定の距離を保ちながら、専門家による助言、審査、評価などを行い、文化芸術への支援策をより有効に機能させる役割を担っております。また、国内の事例では、文化芸術の支援策を有効に機能させるため、各都市の文化芸術財団内に設置し、助成事業を中心に、相談事業、広報事業などを実施するソフト部門をアーツカウンシルと位置づけている都市が多い状況でございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) 福岡市ではこれまでアーツカウンシルの設置に向けてどのような検討を行ってきたのか、お聞かせください。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) アーツカウンシルの設置に向けた検討状況でございますが、福岡市文化芸術振興財団においては、文化芸術活動者への助成や支援としてステップアップ助成プログラムを実施するなど、アーツカウンシルとしての機能の一部を担っており、他都市の事例なども踏まえ、同財団内へのアーツカウンシル設置について検討を行ってきたところでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) 現在、東京都をはじめ、大阪府や沖縄県などがアーツカウンシルを設置しております。政令市では横浜市、浜松市、大阪市、堺市、新潟市の5都市であります。一言でアーツカウンシルといっても、それぞれの都市においてその内容は様々であります。調査に伺った新潟市では、アーツカウンシルの運営に当たり、専門のディレクターを配置し、全体コーディネートを行っており、ディレクターから直接話を聞くことができました。アーツカウンシルの役割として最も重要なことは何かとお尋ねしたところ、文化芸術活動者の話を聞く力が最も大切で、活動者に寄り添った伴走型──一緒に走るということですね──のアーツカウンシルが求められているとのことでありました。
 福岡市において目指すアーツカウンシルとはどのようなものなのか、お答えをください。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 福岡市が目指すアーツカウンシルにつきましては、福岡市内の文化芸術活動者がいつでも気軽に相談でき、それぞれの活動に寄り添った支援を行うとともに、様々な文化芸術情報を発信する機能を発揮していきたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) コロナ禍の今こそ、福岡らしい福岡版アーツカウンシルの設置が必要と考えますが、所見をお聞かせください。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 福岡版アーツカウンシルの設置についてでございますが、コロナ下において、これまで以上に文化芸術活動者への支援の充実が求められており、より活動しやすい環境づくりが必要であると考えております。福岡市文化芸術振興財団において、令和4年度当初にアーツカウンシルの機能を担う推進体制を設置し、現在実施しているステップアップ助成プログラムや相談対応、情報発信機能の充実を図り、福岡市内の文化芸術活動者の様々な状況に応じたきめ細かな支援を行っていけるよう取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) 福岡版アーツカウンシルが、市内の文化芸術活動者に寄り添い、さらなる活躍につながるよう、実効性のあるものとなるよう、しっかりと進めていただきたいというふうに思います。特に文化芸術そのものを理解している専門のスタッフを配置して、専門的立場からきめ細やかな助言や支援を行っていけるような体制を構築していただきたいと強く要望をしておきます。
 最後に、今後も本市のすばらしい文化芸術、そして、アートが都市の魅力、価値となるまちづくりを進めていただくよう島市長にお願いし、この質問は終わります。
 次に、福岡市における特産品等のブランド化への取組について質問をいたします。
 福岡市には独自の多様な食文化や伝統工芸品など、魅力的で質の高い数多くの特産品があり、市民や来訪される方々の魅力の一つとなっております。これらの特産品を観光資源として活用し、国内外へ強く発信することで誘客の促進に努め、観光、飲食業をはじめ、各産業の活力向上につなげていく必要があると考えております。例えば、本市の魅力の代表と言える食の分野を見てみますと、新鮮な農畜産物や魚介類が豊富で、もつ鍋や水炊きなどの鍋物、博多ラーメン、うどんなどの飲食店がそろっており、福岡市は食事がおいしいまちとの評価があります。このような中、平成26年9月には、食を目的とする観光客の来訪促進、関連産業の健全な発展及び市民の健康で豊かな生活の向上などを目的に、ふくおかさん家のうまかもん条例が制定をされました。
 この条例に基づき、農林水産局では目的達成の一つとして、ふくおかさん家のうまかもん事業者認定事業を実施しておりますが、その取組内容と実績についてお答えください。
 
○議長(伊藤嘉人) 中村農林水産局長。
○農林水産局長(中村健児) ふくおかさん家のうまかもん事業者認定事業におきましては、市内産農水産物及びその加工品を利用する飲食店や小売店等をふくおかさん家のうまかもん認定事業者として認定を行い、専用ホームページで紹介するほか、のぼり旗やタペストリー等を配付し、認定店のPRを行っております。また、福岡マラソン等のイベントへの出店などを通し、認定店の紹介に併せ、市内産農水産物や加工品のPRを行い、地産地消の機運の醸成や消費拡大を図っているところでございます。現在、事業開始後6年が経過しており、830店舗の認定を行い、PRに努めているところでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) 平成27年度から事業を開始し、多くの飲食店や小売店を認定し、店舗のPR等を行うことで、市内産農水産物の利用、消費拡大に向け取り組んできたということですが、6年を経過した中で事業をどのように評価しているのか、お尋ねをいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 中村農林水産局長。
○農林水産局長(中村健児) 現在の認定事業は消費者に対する事業の認知度の低さや認定事業者へのメリットが少ないなどの課題があり、認定事業者数につきましても、毎年100から200店舗ずつ増えてはいるものの、目標の1,300店舗には到達していない状況でございます。また、認定事業者数を現農林業総合計画の指標としたことから、認定店を増やすことに主眼を置いていたため、事業の目的である市内産農林水産物の利用や消費拡大の状況が見えにくいなどの課題が生じたものと認識いたしております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) 事業の認知度の低さや認定店のメリットが少ないなどの課題があるとのことですが、その課題解決のため今後どのような取組を行っていくのか、お聞かせください。
 
○議長(伊藤嘉人) 中村農林水産局長。
○農林水産局長(中村健児) 認知度の低さにつきましては、情報発信力が弱いことから、今後はSNSなどを活用し、消費者や生産者、認定事業者が必要とするタイムリーな情報発信を行ってまいります。また、市内の大学等と連携し、新たな取組として学生が生産現場を取材し、生産者の生の声を伝えたり、農水産物のレシピを考案し紹介するなど、若く柔軟な発想力と行動力で生産者と消費者のかけ橋となることで事業の認知度を高めていきたいと考えております。また、認定事業者へのアンケートを実施し、ニーズの把握に努めるとともに、消費者や生産者へもメリットがある仕組みの構築を検討したいと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) ふくおかさん家のうまかもん事業者認定事業の今後の展開を考えると、情報発信力の強化をはじめ、かなり創意工夫の余地があると感じております。
 市のホームページを見てみますと、農林水産局でふくおかさん家のお気に入りというものを運営し、トマトケチャップや苺の実アイスなどの商品をPRしているようですけれども、その目的や取組の内容についてお答えください。
 
○議長(伊藤嘉人) 中村農林水産局長。
○農林水産局長(中村健児) ふくおかさん家のお気に入りにつきましては、市内産農畜産物の付加価値を高め、農家の所得向上を図ることを目的に、平成19年度から取組を開始したもので、商品開発やブランド化に取り組む農家に対し、コーディネーターを活用して生産、加工、流通が連携した商品化や販売に向けた支援を行っております。支援した商品等につきましては、ふくおかさん家のお気に入り商品として専用ホームページで紹介、PRを行っており、現在27品目を登録しているところでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) 福岡市産農水産物を活用した商品開発やブランド化を図ることは、ふるさと納税制度などで地域ブランド品を認知する機会が増えており、非常に大事なことだと思います。
 農林水産局では、市内産農水産物を活用した商品開発やブランド化などの支援を行ってきておりますが、ブランド化をどう捉えているのか、また、ブランド化を図るにはどのような手法があり、今後どのような事業展開を考えているのか、お尋ねをいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 中村農林水産局長。
○農林水産局長(中村健児) 農水産物のブランド化につきましては、付加価値を高め、特別な名称などをつけて他の農水産物や産地との差別化を図ることと考えており、その手法としましては、商品名を登録し保護する商標登録、地域の特産品をJA等の団体が登録する地域団体商標、品質や評価などが生産地と結びついている産品を登録する地理的表示、いわゆるGI、安全、安心な農産物の生産のため生産工程管理を行うGAPなどがあると認識しております。
 今後の事業展開でございますが、生産者の意向や市民ニーズの把握に努め、農水産物の加工品開発や商標登録、GAPなどの支援を行うことでブランド化の推進を図り、市民や来訪者の魅力の一つとなるよう取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) 農林水産物の地域ブランドづくりには、5年先、10年先を見据えたビジョンに立脚した手法と商品開発が必要であると思います。全国でも多くの自治体で地域ブランドの担当部門が設置をされ、地域ブランド戦略とアクションプランを策定しております。政令市である千葉市では、ふくおかさん家のうまかもん条例と同じように、地産地消を推進し、生産者と飲食店をつなぐ食にまつわる事業を実施しております。令和元年度に、これまで実施してきた事業の成果をさらに発展させ、地域の事業者や生産者とともに市内外に向け千葉市の食のブランドを確立することを目指し、食のブランド化推進事業を開始しております。最終的な成果として、中長期的なブランド戦略の提言を取りまとめると聞いております。神戸市でも地域の農水産業と関連した神戸らしい新たな食ビジネスと食文化を育て、そして、生かす戦略として、食の都、食都神戸を掲げて、世界に誇る持続可能な都市づくりに取り組んでおります。
 本市においても、ふくおかさん家のうまかもん事業者認定事業の成果をさらに発展させ、地域の事業者や生産者とともに本市の食のブランドを確立することを目指し、食のブランド化推進に向けて戦略的かつ具体的に取り組んでいく必要があると思いますが、所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 中村農林水産局長。
○農林水産局長(中村健児) 認定事業のさらなる発展に向け、生産者や関係団体及び認定事業者が一体となり、ふくおかさん家のうまかもんの認知度を高めることで、地産地消の推進、消費拡大につなげてまいります。食のブランドには、農水産物など第1次産品のブランドをはじめ、加工品や郷土料理、福岡ならではの食べ物など、幅広いものがあると考えております。そのため、食のブランド化の推進につきましては、経済観光文化局、保健福祉局、教育委員会、農林水産局で構成するふくおかさん家のうまかもん条例連絡会議で情報共有を行い、連携を強め、食の魅力がさらに高まるよう取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) 先日調査に訪れました広島市では、この広島市は経済観光局が広島の特産品で特に優れたものをザ・広島ブランドとして認定をし、広くPRすることで知名度をより高め、その消費拡大を図るとともに、広島のイメージを向上させ、地域経済の活性化及び誘客の促進を図っておりました。
 そこで、経済観光文化局長にお尋ねをいたします。
 経済観光文化局においては、食を目的とする観光客の来訪の促進等にどのように取り組んできたのか、具体的にお聞かせください。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 食を目的とする観光客の来訪促進についてでございますが、福岡市にとって食は重要な観光資源であると認識いたしております。そのため、これまで観光情報サイト「よかなび」やSNS、動画共有サイトなどの活用をはじめ、現地プロモーションやメディア招請などを行い、観光客に人気のある博多ラーメンやもつ鍋、水炊き、新鮮な海産物などの豊かな食文化に関して情報発信を行ってまいりました。また、令和元年度に開催されたラグビーワールドカップ2019では、外国人観光客の受入れに積極的な飲食店や小売店などをおもてなし店舗として募集し、ガイドブックやホームページで情報発信を行ったところでございます。さらに、世界水泳選手権の受入れに向けて、現在、おもてなし店舗を募集しているところでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) 先ほど紹介をしましたザ・広島ブランド制度は平成19年に創設をされ、令和3年4月現在、91品目が認定をされております。認定に当たっては、広島市が有識者で構成する広島市特産品等ブランド化推進審議会が、広島にちなんだ自然、歴史、文化的背景または物語性があり知名度の向上が期待できることなどを踏まえて審査し、評価基準に適合したものをザ・広島ブランドとして認定をし、お墨つきを与えております。一口でブランドといっても、これは定義が非常に曖昧で、そこから抱くイメージは人によって様々あるようです。ある意味、地域ブランドというのは、自分たちで見つけ出して、そして、磨き上げ、確立をさせていくものであると思います。
 先ほどの答弁で農林水産局長は、食のブランド化の推進については、ふくおかさん家のうまかもん条例連絡会議で推進をしていくとのことでありましたが、推進体制の強化が必要であると思います。農林水産局と経済観光文化局を中心にプロジェクトチームをつくり、関係する団体とも協議を進め、(仮称)福岡ブランド化推進審議会を設け、福岡ブランドを創設し、魅力の発信に取り組むことが観光客の誘致につながるものと思いますが、所見をお聞かせください。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 福岡の魅力を生かした観光客の誘致についてでございますが、福岡の食に関する認知度を高め、安全、安心に食を楽しんでいただく機会を増やすことが観光客の来訪促進、ひいては地域経済の活性化につながるものと認識しております。そのため、生産者と事業者がつながり、地域ブランドとして磨き上げるために、今後とも農林水産局と連携し、また、他都市の手法なども参考にしながら、さらなる魅力発信の仕組みづくりを検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) これはザ・広島ブランドのロゴマークです。(パネル表示)折り鶴から発想した折り紙をモチーフにし、広島の頭文字、「h」を折り紙で折ったイメージで広島らしさを表現しております。また、確かな品質が保証をされているという意味で使われる折り紙つきという意味も込められております。ロゴマーク一つとっても非常に考えられておりますし、磨き上げられているし、練り上げられているということですね。
 まさに地域ブランド戦略とはシティセールスでもあり、都市ブランド戦略でもあると思います。全庁挙げての取組が必要であると思います。今後の取組の決意をお伺いして、この質問を終わります。
 
○議長(伊藤嘉人) 中村副市長。
○副市長(中村英一) 福岡市は豊かな自然と新鮮な農水産物に恵まれ、食事がおいしいまちとの高い評価をいただいております。このような福岡市の魅力を発信するため、ふくおかさん家のうまかもん条例に基づき、地産地消や特産品開発に努めているところでございます。また、福岡市は第3次産業が9割を占める産業構造であり、来訪者を増やして消費を増やすことが地域経済の活性化につながりますことから、福岡市の大きな魅力であります食を生かしながら観光・MICEの振興に取り組んでいるところでございます。
 黒子議員御指摘のとおり、地域ブランド戦略の推進は福岡市の産業振興において重要なことであると認識をいたしております。今後とも特産品等のブランド化を推進いたしますとともに、関係局や生産者、事業者とも連携しながら、福岡市の特産品などの魅力の発信に努め、誘客を促進することにより、農林水産業はもちろんのこと、観光関連産業などをはじめとした地域の産業振興にしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) 最後に、福岡市が進める脱炭素社会の実現に向けてお尋ねをいたします。
 本年11月、イギリスのグラスゴーにおいて、国連気候変動枠組条約締約国会議、COP26が開催をされました。地球温暖化による気候変動への対策に向けて様々な課題について議論が交わされ、これから目指すべき脱炭素社会の実現に向け、各国の目標の達成とさらなる対策の強化が求められました。COP26に臨むに当たり、目標の見直しを行った国もあります。例えば、開催国であるイギリスは、昨年12月に2030年での温室効果ガスの削減目標を、それまでの40%から68%へ引き上げました。バイデン大統領に替わったアメリカも、今年4月の気候変動サミットに合わせ、2025年までに26%程度に削減するという目標を2030年までに50%程度の削減へと引き上げ、国連へ提出をしております。我が国もアメリカと同じく気候変動サミットにおいて、2050年のカーボンニュートラルに向けた整合的かつ野心的な目標として、2030年度までの温室効果ガス削減量を2013年度比で従来の26%削減から46%の削減、さらに50%の高みに向けた挑戦と、さらなる目標の引上げを表明いたしました。
 気候変動対策はSDGsで定める17のゴールの一つですが、この課題の達成にはエネルギー問題、廃棄物の削減、技術革新、自然環境保全など、同じくSDGsで有機的につながっている様々な課題の同時解決が必要となっています。このような気候変動対策となる脱炭素への取組が世界の潮流となる中、福岡市においては、脱炭素社会の実現に向けたチャレンジとして、様々な取組を推進していくための検討が進められております。昨今の議会でも、これまでの取組への評価や今後の方向性について議論されてきたところであります。
 そこで、直近のCOP26での世界的な議論や国の温暖化対策の目標、我が会派でのこれまでの主張等を踏まえ、福岡市の脱炭素社会の実現に向けた市の取組の方向性と今後の決意についてお尋ねをしていきます。
 最初に、福岡市の温室効果ガスの排出状況について確認をします。
 福岡市域の二酸化炭素排出量の直近の数値と、基準年度からの削減割合、また、二酸化炭素排出量に占める主な部門別の割合をお答えください。
 
○議長(伊藤嘉人) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 福岡市域における二酸化炭素の排出量につきましては、直近の数値である2019年度の排出量は約570万トンと推計しており、基準年度としている2013年度と比較して約33%の減少となっております。また、二酸化炭素排出量に占める主な部門別の割合につきましては、多い順に、自動車部門が約32%、業務部門が約28%、家庭部門が約24%となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) では次に、温室効果ガスの排出量が多い自動車、業務、家庭部門のエネルギーの消費量はどのように推移しているのか、お伺いをします。
 
○議長(伊藤嘉人) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 部門別のエネルギー消費量の推移につきましては、自動車部門は車両の燃費性能の向上などにより2010年度頃までは減少傾向が続いておりましたが、近年は横ばいとなっております。また、業務部門、家庭部門はLED照明や省エネ型機器の普及などによりまして、業務部門は2007年度をピークに、家庭部門は2010年度をピークに減少してきております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) 省エネが進んでいることは分かります。しかし、脱炭素は省エネだけでは到達できない目標であります。
 そこで、福岡市が脱炭素を掲げるに当たり、今後はどの分野、どの施策を重点的に進めていこうと考えているのか、お聞かせください。
 
○議長(伊藤嘉人) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 福岡市では2020年2月に、二酸化炭素の排出を実質ゼロにすることを目指すゼロカーボンシティの表明を行い、これを総合的かつ計画的に推進していくため、現在、福岡市地球温暖化対策実行計画の改定を進めております。改定に当たりましては、家庭、業務、自動車、廃棄物の4つの部門について特に取組を進めることとし、省エネのほか、再生可能エネルギーについてはつくるだけでなく利用するという視点や、オンライン化などライフスタイル、ビジネススタイルの転換、そのほか、森林などによる炭素吸収の施策を加え、温室効果ガスの削減を進めていきたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) 新たな計画の話が出ましたが、現在、その計画の検討状況はどういった状況になっているのか、また、国が2030年度の温室効果ガスの排出量46%削減という高い目標を掲げている中、福岡市ではどのような目標を設定しようと考えているのか、お尋ねをします。
 
○議長(伊藤嘉人) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 福岡市地球温暖化対策実行計画の改定につきましては、環境審議会での審議を経て、骨子案として取りまとめたところでございます。その中で、チャレンジ目標として、2040年度温室効果ガス排出量実質ゼロを掲げており、まずは2030年度までの目標として、温室効果ガス排出量を2013年度と比較して50%程度まで削減する方向で現在精査を行っております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) 福岡市は国よりもさらに高い目標として50%削減を考えていること、また、国は2050年カーボンニュートラル達成という目標を掲げていますが、それよりも早い2040年度の温室効果ガス排出量実質ゼロにチャレンジしていくということでした。
 では、2040年度の温室効果ガス排出量実質ゼロに向けてどのように達成しようとしているのか、お聞かせください。
 
○議長(伊藤嘉人) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 2040年度温室効果ガス排出量実質ゼロの達成に向けましては、省エネルギーの推進、再生可能エネルギー等の導入や利用による使用エネルギーの脱炭素化、森林など吸収源の保全に取り組んでいくほか、都市としての特性を踏まえ、環境に優しい消費やサービスを選ぶ、いわゆるエシカル消費の拡大、メタン発生の抑制効果がある廃棄物埋立技術、福岡方式による国際貢献など、市外での温室効果ガスの削減効果が生まれる取組にもチャレンジし、達成を目指していきたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) 私たちの消費行動というのは、資源の有効活用、地産地消による輸送エネルギーの削減、食品ロスなど廃棄物の削減といった様々な環境、社会課題への取組につながっていることから、そのつながりを知り、世界がどうすればよくなるのかを考えるエシカル消費は、SDGsの目標12、つくる責任、つかう責任に関連しており、市民一人一人が身近でできるSDGsそのものだと思います。脱炭素に向けては、エシカル消費のような環境のことを考えた行動を取る人を増やしていくことが大事で、いかに市民を巻き込んで取り組んでいけるかが大切なポイントであると私は考えています。我々公明党は重点政策として、環境に配慮した製品購入や脱炭素への行動などにポイントを付与するグリーンライフ・ポイント制度を掲げ、国でも予算化が進められているところであります。この制度の内容は、ふだんの買物や行動を脱炭素につながる取組として変えていく、その行動のインセンティブとしてポイントが付与され、ポイントがたまっていくことで、もっと取り組みたくなるというものであります。
 そこで、福岡市では、現在、市民の日常生活の中で行動変容を促していくためにどのようなことに取り組んでいるのか、お尋ねをいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 現在、市内の企業、団体、行政等が参画し、地球温暖化対策の実践活動を推進している福岡市地球温暖化対策市民協議会を通じ、省エネ型ライフスタイルへの転換を促進するため、省エネ家電の購入、住宅窓の複層ガラス等への改修など、家庭での省エネ行動に応じて交通系ICカードにポイントが付与されるECOチャレンジ応援事業などを行っております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) 先ほど話をしましたグリーンライフ・ポイント制度の対象とする脱炭素への行動には、省エネ行動に加え、カーシェアやシェアサイクルの利用といった移動やリユース品の購入など、市民の身近なところで脱炭素型ライフスタイルへの転換を促すこととしております。
 そこで、現在、検討している新たな地球温暖化対策実行計画では、エシカル消費など、市民の脱炭素型ライフスタイルへの行動変容をどのように進めていこうとしているのか、お伺いをいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 脱炭素型ライフスタイルへの行動変容を推進するため、ECOチャレンジ応援事業において、これまでもマイバッグの持参や再生可能エネルギー由来電力の利用など、省エネ以外の取組についてもポイント付与の対象として拡大してきたところでございます。今後、国の動向も踏まえながら、改定計画の方向性に沿って、エシカル消費に関する市民の行動を後押しできるような内容の充実に向けて検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) 脱炭素社会に向け、特に市民の理解を得ながら脱炭素の取組を進めていくには、まず市役所自身が率先をして取り組んでいく必要があると思います。
 令和3年条例予算特別委員会において、我が会派の高木勝利議員が市役所自身の取組として再生可能エネルギー由来電力の調達について質問をしておりますけれども、その後の検討状況と、あわせて、市役所自身の温室効果ガスの削減目標についてお尋ねをいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 現在、福岡市役所の業務に関しましても率先的な温暖化対策の検討を進めており、市有施設で使用する電力につきましては、今後、原則再生可能エネルギー由来電力への切替えを進めてまいりたいと考えております。そのほか、市有施設の省エネ性能の向上や庁用車の脱ガソリン車化などに取り組むことによりまして、市役所自身の温室効果ガスの削減目標としましては、2030年度までにエネルギー起源の二酸化炭素排出量を2013年度と比較して70%削減する方向で検討を進めております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) 今回は福岡市の脱炭素社会の実現に向けた目標や市の取組の方向性についてただしてきましたが、国はカーボンニュートラルの実現にはイノベーションによる新しい技術も想定をされております。目標達成に向けては、事業者、行政がそれぞれの立場でできる様々な取組を連携して行っていきながら、いかに市民を巻き込んで脱炭素という新しい社会をつくっていけるかが大切なポイントであります。
 そのためには、脱炭素社会のイメージを市民や事業者と共有し、挑戦していくことが大事だと思いますけれども、どのように考えているのか、お答えください。
 
○議長(伊藤嘉人) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 現在、改定作業を進めております福岡市地球温暖化対策実行計画におきまして、2040年度に向けた基本的な考え方と2030年度までの数値目標や具体的な取組を示していくこととしております。将来の脱炭素社会のイメージを共有することは、市民や事業者の皆様とともに脱炭素について考え、行動していく上で大変重要であると考えております。脱炭素社会は日常のライフスタイルの変容や進展していく新たな技術の利用など、様々な主体によるアプローチにより実現していくことを分かりやすく伝えていけるよう、効果的な方策について検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 黒子秀勇樹議員。
○32番(黒子秀勇樹) 市民や事業者と計画を共有できるものを考えていただきたいと思います。また、イメージの共有と併せて、市内で先行的に脱炭素社会を実装したモデルとなるような事例をつくり出していくことも重要ではないかと思います。福岡のまちの特徴に合った取組を進められることを要望しておきます。
 脱炭素への取組というのは、誰かが頑張ればよいというものではなく、日本中、世界中の一人一人が取り組んでいくものであり、将来のイメージやモデルが具体的な取組として示されれば、市民や事業者も自分事として取り組んでくれるものと思っております。
 最後に、福岡市は2040年度カーボンニュートラルに向けてチャレンジをしておりますが、どのようなまちを目指していくのか、島市長の決意をお尋ねして、質問を終わります。
 
○議長(伊藤嘉人) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市におきましては、気象災害など気候変動が及ぼす安全、安心への懸念から、世界が目指すカーボンニュートラルに参画をするため、ゼロカーボンシティを表明し、取組を進めているところでございます。脱炭素の価値を世界と共有しながら、カーボンニュートラルを実装した都市を目指して、まちが一体となって積極的なチャレンジを進めていきたいと考えております。そのためには、黒子議員御指摘のとおり、市民、事業者の皆様との共感を広げて様々な取組を行っていくことが重要と考えておりまして、市役所自身も高い目標を掲げ、率先して行動しますとともに、未来の脱炭素社会に向けたイメージをできるだけ分かりやすくお示ししていきたいと考えております。引き続き、人と環境と都市活力の調和が取れた世界から選ばれる都市を目指して、市民、事業者の皆様と一体となって脱炭素社会の実現に向けて取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 堤田寛議員。
○3番(堤田 寛)登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表して、農業用ため池の治水池への転用について、まちのにぎわいづくりに向けたオープンスペースにおけるキッチンカー等の活用について、学校給食における地産地消の推進と食材の安定供給について、以上3点について質問いたします。
 初めに、農業用ため池の治水池への転用についてです。
 近年、これまでに経験したことのないような記録的な豪雨により、全国各地で毎年のように被害が発生しています。平成29年7月の朝倉市や東峰村で甚大な被害が発生した九州北部豪雨をはじめ、平成30年7月豪雨、令和元年東日本台風、令和2年7月豪雨、そして、今年の8月には久留米市や隣の佐賀県などにおいて観測史上1位となる降水量を記録するなど、水害の激甚化、頻発化が進んでいます。このような状況の中、本市においてもこれまで度々大きな水害に見舞われており、中でも平成21年7月中国・九州北部豪雨の際には、南区の柏原で時間最大雨量91ミリという猛烈な雨が降ったことなどにより樋井川からの溢水が生じ、中央区鳥飼や城南区田島などにおいて甚大な被害が発生したことを記憶しています。
 水害が発生する要因の一つとして、以前は大雨が降っても森林や水田などに水がたまったり、土のところにしみ込んでいったりする、いわゆる保水機能があることで、時間をかけてゆっくり川まで流れてくるというような状況だったものが、樋井川流域などにおいては都市化が進んでいるため、雨水がコンクリート製の側溝や水路などを伝わり、短時間で急激に川の水位が上昇することなどが考えられないでしょうか。
 そこでまず、樋井川に関する治水対策について質問していきたいと思います。
 初めに、平成21年の水害を受けて、樋井川ではどのような計画が策定され、どのような河川改修が行われてきたのか、お尋ねします。
 また、先ほども述べました保水機能を含めて、河川改修以外にどのような取組がなされているのか、お尋ねします。
 次に、まちのにぎわいづくりに向けたオープンスペースにおけるキッチンカー等の活用についてお尋ねします。
 福岡市をさらに魅力的なまちにするためには、まちなかにおける持続的なにぎわいを創出し、地域を活性化していくことが重要と考えておりますが、その策の一つとして、オープンスペースにキッチンカー等を設置したまちのにぎわい創出が考えられます。
 そこでまず、様々な場所でキッチンカー等を活用したにぎわいづくりが既に行われているようですが、その現状を確認させていただきたいと思います。
 まず、まちなかの貴重な公共施設である公園においてイベントを開催した事例があると聞きますが、どのような目的で実施され、どのような運用となっているのか、お答えください。
 次に、民地内等の公共的な空間である公開空地においては、イベントの開催に当たり、どのようなルールで運用し、どのように活用されているのか、お答えください。
 また、新型コロナウイルス感染症を契機に、飲食店等を支援するための緊急措置としてオープンスペースでのテラス営業を行うことができるとのことですが、実施に当たり、どのようなルールで運用され、どのように活用されているのか、お答えください。
 次に、学校給食における地産地消の推進と食材の安定供給についてお尋ねいたします。
 学校給食は、山形県の鶴岡町の小学校で貧困児童を対象に昼食を提供したのが発祥であると言われています。戦後、学校給食が再開され、教育活動の一環として位置づけられ、子どもの体位向上と栄養学的知識の普及により家庭における食生活の改善を図ることができるよう、学校給食の実施体制が整備され、貧困対策から始まった給食も栄養改善から教育活動へと変化を遂げてきました。昭和25年、福岡市は福岡県下で初めてパン、ミルク、おかずがそろった完全給食を実施しました。また、中学校における完全給食の実施も早い段階から開始し、その後、給食の内容も牛乳の導入、米飯給食の導入が進み、献立も時代とともに変化してきました。私もこれまで給食を試食する機会がありましたが、栄養面、品質面において随分献立の内容が変わってきたと実感しています。
 このように、子どもたちの成長を支える学校給食の充実が図られてきた背景には、安定的にかつ安全な食材を供給するための国や福岡市の取組があったからだと考えますが、その時代で起こり得る災害や疫病、変化する世界情勢、物価上昇にも備え、さらなる給食実施の体制整備が求められます。加えて、食材の調達においては、地元産の農産物や魚の利用について、これまでも会派として要望してきました。福岡市は自然豊かで、学校給食で利用できる様々な野菜が市内で生産されており、シュンギクや博多雑煮には欠かせないカツオナ、大根やトマト、最近ではアスパラナという野菜の生産も増えていると聞きます。地産地消の推進は、教育活動の一環である学校給食の重要な役割だと考えます。
 そこで、お尋ねいたします。学校給食における地産地消の考え方と学校給食で使用する食材の安定供給のための取組についてお答えください。
 また、新鮮さが求められる生鮮食品が地産地消の食材になると思いますが、学校給食で使用する生鮮食品の主な産地についてお答えください。
 また、市内産の主要野菜及び魚の過去3年の利用状況をお答えください。1日の使用量が多い学校給食にも取り入れやすいよう、農産物を加工し、活用することは安定供給の観点から有効であると考えますが、どのようなものがあるか、お答えください。
 以上で1問目を終わり、2問目からは発言者席で質問いたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 農業用ため池の治水池への転用についてお答えします。
 まず、樋井川における計画及び改修につきましては、河川管理者である県において、平成21年7月の豪雨などを踏まえ、長期的な河川整備の目標を定める河川整備基本方針、中期的な具体的目標を定める河川整備計画が策定されるとともに、平成22年度から26年度の5年間にわたり床上浸水対策特別緊急事業として河床掘削などの河川改修が行われたところでございます。
 次に、樋井川における河川改修以外の取組につきましては、同基本方針及び整備計画において河川への雨水の流出抑制に努めていくこととされております。これを踏まえ、福岡市におきましては、かんがい用途が廃止された農業用ため池の治水池転用や公共施設への貯留、浸透施設の導入などに取り組んでいるところでございます。具体的には南区桧原にある源蔵池や城南区七隈の五ヶ村池、城南区南片江の道手池を治水池として活用していくことなどを検討しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) オープンスペースにおけるキッチンカー等の活用についての御質問にお答えいたします。
 まず、公園の活用実績としましては、長浜公園におきまして、親不孝通りエリアまちづくり協議会が、親不孝通りの昼間のにぎわい創出と地域活性化を目的に、東側噴水前の一部を使用し、令和3年4月から実施しております。
 なお、キッチンカーの売上げの一部はまちづくり協議会の公園清掃やにぎわいイベント等の活動に充当されており、設置を許可する日数については、法の規定により最長3か月となっておりますが、必要に応じてこれを延長できることとしております。
 次に、公開空地の活用実績についてでございますが、建物の容積率緩和などに伴い確保され、日常一般に開放されるものであるため、イベントの際は、自由に通行できる通路幅の確保などを行った上で、これに付随する物販等についても、年間180日以内、1つのイベントにつき原則10日以内であれば活用できるルールを定めて運用しております。これまで屋外コンサートと併せてキッチンカーを設置したほか、飲食ブースを並べたイベントやクリスマス時期のにぎわい創出を目的としたマーケットなどの物販を伴うイベントが開催されております。
 次に、お尋ねの緊急措置と併せた公開空地での活用実績でございますが、キッチンカーによるテイクアウト販売が行われたほか、テーブルセットの設置やストリートパフォーマーによる演出を行ったマルシェなどが開催されております。なお、令和4年3月末までの期限が設けられた緊急的な措置であることから、イベントに係る日数制限は特段設けておりません。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校給食に関する御質問にお答えします。
 まず、地産地消については、学校給食で使用する食材はできるだけ市内産、県内産、九州産、国内産の順で調達に努めることとしております。食材の安定供給の取組については、福岡市の学校給食は1日の食数が約12万食と非常に多く、献立作成の段階から福岡市学校給食公社が市場調査を行い、量の確保が可能で、品質や価格面からも安定的に供給できるものを使用するようにしております。また、年間を通して使用する食材のうち、パン、米飯、牛乳、野菜、食肉、豆腐製品などは、福岡市内や市外近郊の納入業者で組合などを組織し、不測の事態が起きた場合も相互に協力が取れるよう体制を整備しております。特に、使用量が多い米や牛乳は、福岡県農林水産部と連携し、一般に流通されるものとは別に、学校給食用として優先的に年間使用量を確保できる体制としております。
 次に、学校給食で使用する生鮮食品の産地については、野菜は市内産、県内産、九州産が中心で、食肉は豚肉及び鶏肉は主に九州産、牛肉は主に北海道でございます。学校給食は大量かつ安定供給が可能である食材を調達する必要があるため、市内産、県内産、九州産の食材が確保できない場合は北海道産などの食材も使用をしております。
 次に、市内産主要野菜と魚の利用状況についてですが、まず、市内産主要野菜は平成30年度が27.2%、令和元年度が30.0%、2年度が31.4%でございます。市内産の魚は平成28年度から提供を開始し、ブリをフライや照り焼きにしたり、コノシロをすり身にしてすまし汁に入れたりするなどして利用拡大を図っており、平成30年度が3品目、令和元年度が4品目、2年度が5品目提供をしております。
 次に、市内産農産物を活用した加工品については、コマツナのコロッケ、キャベツ入りメンチカツ、シュンギク入りのソーセージ、能古島の甘夏ミカンのゼリーやマーマレード、元岡のあまおうのタルトやクレープなどを提供しております。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 堤田寛議員。
○3番(堤田 寛) それでは、2問目に参ります。
 まずは、農業用ため池の治水池への転用についてです。
 近年では、市域内で300か所以上ある農業用ため池のうち、市街化や農業従事者の高齢化などに伴い水田が減少し、用途を廃止され、埋め立てられるため池もあるように見受けられます。用途廃止された農業用ため池を埋め立てることは流域の保水機能の低下につながる可能性もあり、水害リスクという観点からは決して好ましい状況とは言えないのではないかと思います。このような状況を踏まえると、今後、用途が廃止されたため池については積極的に治水対策に活用していくべきと考えます。先ほどの御答弁では治水池としての転用を検討している対象として3か所の池を挙げられましたが、その中でも源蔵池は群を抜いて大きな池ですので、雨水の流出を抑制する治水池として活用することは非常に有効であり、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと考えています。
 そこで、源蔵池を治水池として活用するために地域とはどのような協議を進めてきているのか、また、今後、市としてどのように取り組んでいくのか、所見をお尋ねいたします。
 次に、まちのにぎわいづくりに向けたオープンスペースにおけるキッチンカー等の活用についてです。
 先ほどお聞きしたとおり、福岡市ではまちなかのオープンスペースである公園や民地内等に整備された公開空地において、まちのにぎわい創出やコロナ感染症対策の一環としてキッチンカー等を活用した取組が行われていることが確認できました。
 今後、長浜公園で実施されているようなキッチンカー等を活用したまちのにぎわい創出と地域活性化に向けた取組は他の公園に広げていくことも必要と考えますが、御所見をお尋ねいたします。
 また、私の地元でもある旧大名小学校跡地におきましては、2022年12月の竣工に向けてビルの建設工事が着々と進められており、完成後には公開空地として3,000平米の広場が整備されます。新たなビルには、公民館などの公共施設をはじめ、ホテルやオフィスなどの機能が導入され、地域の方々やホテル利用者、オフィスワーカーなどによる新たな交流が生まれることが期待されております。今後の大名地区のにぎわいを創出する取組としまして、3,000平米の広場を地域の運動会や夏祭りなどに活用することはもちろんのこと、キッチンカーなどの日常的な設置を許容し、オープンスペースを積極的に活用することで、新たに生まれる交流がより魅力的なものになると考えております。また、旧大名小学校跡地をはじめとしたまちなかのオープンスペースは福岡市の貴重な資源であり、その資源をうまく活用してイベントなどによるにぎわいを創出することで、地域はもちろん、都市としての魅力を最大限に引き出し、さらには感染症対策にもつながっていくと考えております。
 まちの限られた資源である公開空地を活用した都市の魅力向上や持続的なにぎわい創出に向けた取組については、キッチンカー等を設置するイベントの日数制限を緩和するなど、柔軟な運用も必要と考えますが、御所見をお尋ねいたします。
 次に、学校給食における地産地消の推進と食材の安定供給についてです。
 先ほどの答弁では、市内産の主要野菜や魚の利用状況は少しずつ増えていることが分かりました。今後とも、市内産の野菜や魚の利用と農産物の加工品の活用も進めてほしいと思います。
 地産地消が進んでいるようですが、ここで牛肉について触れたいと思います。
 先日、学校給食の献立にポークシチューが出ていたと聞きました。以前はビーフシチューが出ていたように思います。牛肉を使用した献立は子どもたちにも人気だと思いますし、献立の充実のためにも牛肉は提供してもらいたい食材の一つです。
 そこで、お尋ねしますが、牛肉は主に北海道産とのことですが、その理由について詳しい説明をお願いいたします。また、令和2年度は何回使用しているのか、お答えください。
 先日の鳥インフルエンザのニュースは記憶に新しく、豚コレラの発生などは食肉の流通へ影響を与えることもあります。
 今後も起こり得る様々な影響を考慮し、食材の供給体制を考えていかなければなりませんが、安定供給と地産地消推進の観点から、九州産の牛肉も使用できる体制にすべきだと考えますが、御所見を伺います。
 また、食肉は子どもたちの体づくりに必要なたんぱく源です。加えて、福岡の正月に欠かせないがめ煮をはじめ、各地域の郷土料理には、牛肉だけではなく、鶏肉や豚肉が用いられます。
 子どもたちに様々な食経験をさせるためにも、学校給食に鶏、豚、牛をバランスよく取り入れるべきではないかと考えますが、御所見をお尋ねいたします。
 以上で2問目の質問を終わります。
 
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 農業用ため池の治水池への転用についてお答えします。
 まず、源蔵池に係る地域との協議状況でございますが、平成30年にかんがい用途が廃止されて以降、土地の所有者である財産区や周辺の住民の方々と活用方法について継続的に協議を実施してきたところであり、直近では令和3年11月1日に桧原財産区より福岡市に対し、治水池として整備がなされるよう要望書が提出されております。次に、今後の取組でございますが、福岡市としましても、源蔵池を治水池として活用することは樋井川流域の雨水流出対策を進める上で大変効果があるものと認識しており、令和3年度より測量や設計等に着手するとともに、財産区や地域住民の方々と協議を行いながら早期に工事を実施してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) オープンスペースにおけるキッチンカー等の活用についての御質問にお答えいたします。
 公園でのキッチンカー等を活用したまちのにぎわい創出や地域活性化に向けた取組につきましては、公園設置の目的を考慮しながら、今後、地域の声等を踏まえ、適切に対応していきたいと考えております。
 次に、公開空地についてでございますが、これまでもニーズに合わせて、感染症対応などの視点も加えながらその運用面において対応を行ってきたところであります。天神ビッグバンなどによりビルの建て替えが進む中、今後、貴重なオープンスペースである公開空地が順次生み出されていくこととなります。これらの公開空地における都市の魅力向上や持続的なにぎわい創出につきましては、官民連携の上、しっかりと取り組んでいきたいと考えており、今後、緊急措置期間中の利用状況や他都市における取組などを踏まえ、キッチンカーの活用や適切なイベント実施期間の設定などについても検討し、魅力あるまちづくりに向けて取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校給食に関する御質問にお答えします。
 まず、主に北海道産の牛肉を学校給食で使用している理由については、現在、肉の品質や価格面を考慮し、乳用種を食肉用に肥育した牛肉を使用しておりますが、乳用種の牛肉は九州全体で見ても流通量が少ないため、北海道産の牛肉を使用している状況でございます。令和2年度の牛肉の使用回数は小学校は9回、中学校は10回でございます。
 次に、九州産の牛肉を使用することについては、特に、令和3年度はコロナ禍の影響もあり、乳用種の牛肉の確保ができない時期もございました。このような市場の牛肉の流通状況などを踏まえ、今後は安定供給と地産地消推進の観点から、乳用種に限らず、品質や価格面に留意しながら九州産の交雑種の牛肉の使用も進めていきたいと考えております。
 次に、学校給食にバランスよく鶏、豚、牛の食肉を取り入れることについては、子どもたちが心身ともに健やかに成長できるよう成長期に必要な栄養素を提供するとともに、郷土料理などを通して各地域の産物や歴史、食文化を理解することは重要であると考えており、そのため、食肉についても、牛肉だけではなく、鶏、豚をバランスよく取り入れるなど、今後とも、献立を工夫してまいります。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 堤田寛議員。
○3番(堤田 寛) それでは、3問目に参ります。
 まずは農業用ため池の治水池への転用についてです。
 先ほどの御答弁では、源蔵池を治水池として活用するために今年度から測量などに着手していくとのことでしたが、地域の治水安全度の向上のためにもぜひ早期整備に向けて御尽力いただきたいと思います。
 しかし、源蔵池は平成30年7月豪雨の際に周辺の民有地が崩壊した経緯もあることから、治水池の整備に当たっては、水位が上昇しても安全性が確保できるよう堤体を補強するなど、安全な施設として整備されるとともに、地域の声にしっかり耳を傾け、地域特性にも配慮しながら整備を進めていかれることを強く要望しておきます。
 さて、最近の治水対策に関する国の動向としては、河川や下水道の整備だけではなく、利水ダムの事前放流や水田に一時的に雨水を貯留し田んぼダムとして活用するなど、流域全体で治水対策に取り組む流域治水という考え方への転換が進められているということを聞き及んでいます。今までの御答弁を通して、樋井川流域においては、農業用ため池を治水池に転用し、流出抑制対策を進めるなど、流域治水の考え方を先んじて取り入れられていることが分かりましたが、このような気候変動を踏まえて、あらゆる関係者が協働して流域全体で行う総合的かつ多層的な水災害対策である流域治水という考え方を浸透させるとともに、これに基づく対策を加速化させていくことは極めて重要であると考えます。
 そこで最後に、流域治水の考え方に基づき、市民の生命や財産を守るため、市としてどのように取り組んでいかれるのかお尋ねして、この質問を終わります。
 次に、まちのにぎわいづくりに向けたオープンスペースにおけるキッチンカー等の活用についてですが、特に公開空地における運用を検討していかれるとのことでしたので、よろしくお願いいたします。
 次に、学校給食における地産地消の推進と食材の安定供給についてです。
 近年、九州産だけでなく、全国的に食肉用の乳用種の流通量は減っていると聞いています。先ほどの御答弁では、九州産の交雑種の使用も進めていくということですが、ぜひ子どもたちが喜ぶような献立を提供していただきたいと思います。学校給食は食に関する指導を効果的に進めるための教材として重要な役割を担っています。これまで地産地消の推進や食材の安定供給の体制強化について質問してきました。
 そこで、お尋ねいたします。
 私はこれら一つ一つの学校給食の取組が、食育の推進のみならず、子どもたちの生きる力を育むことにつながるものと確信しております。
 最後に、学校給食のさらなる充実に向け、教育長の御所見をお尋ねして、私の質問を終わります。
 
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 農業用ため池の治水池への転用についてお答えします。
 激甚化する水災害から市民の命を守り、浸水被害を防止、軽減するため、河川改修などによる治水対策に加え、利水ダムやため池の活用を図るなど、あらゆる関係者が協働し、流域全体で取り組む流域治水を推進することは大変重要であると認識しております。現在、県において令和4年3月の公表に向け、流域の様々な関係者とともに今後取り組むべき治水対策の全体像を示した流域治水プロジェクトを取りまとめているところであり、これに基づき県下一丸となって流域治水の取組をさらに推進していくこととなっております。福岡市といたしましても、同プロジェクトを通じて様々な関係者と連携を図りながら、河川改修や治水池整備、また、下水道事業による内水対策など、総合的な治水対策をしっかりと推進してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校給食に関する御質問にお答えします。
 私たちの生活において食は命の源であり、食育は生きる上での基本です。学校給食に地元の食材を積極的に取り入れることは、子どもたちが郷土に関心を寄せる心や生産者や自然の恩恵に対する感謝の心を育むことにつながります。また、食材を安定的に確保し、多様な食品を適正に組み合わせることで、子どもたちは多くの食材に触れることができ、食に関する様々な知識の習得を図ることができます。今後とも、地産地消の推進と食材の安定供給体制の整備を図り、子どもたちに安全、安心でおいしい給食を提供し、学校における食育を一層推進してまいります。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) この際、暫時休憩いたします。
 午後は1時10分に再開いたします。
午前11時19分 休憩  
午後1時10分 開議  
○副議長(山口剛司) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男)登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表して、平成27年バリウム誤嚥事故における市の対応について、市街化調整区域における有料老人ホーム等の開発について、以上2点について質問をさせていただきます。
 初めに、平成27年バリウム誤嚥事故における市の対応についてお尋ねいたします。
 本質問は、令和2年9月定例会、今年6月定例会に引き続き、3回目の質問となります。それで、(パネル表示)前回の昨年9月にも皆さん方に見ていただきましたが、これはKさんのバリウムが入った胸の写真です。御覧のように、大量のバリウムが肺の奥まで入っているのが御覧いただけると思います。質問の中では、既に亡くなられた誤嚥事故当事者をKさん、Kさんの配偶者をMさん、胃がん検診を福岡市から受託した福岡県すこやか健康事業団を事業団と呼ぶことにします。Mさんは事故発生から6年以上にわたって事故の原因や事故後の対応について福岡市や事業団に疑問を問い続けてこられましたが、納得のいく回答が得られていません。私は事故が発生して2年後にMさんから相談を受けました。それ以来、市の担当部局と何度も話合いの場を持ち、2度にわたる議会質問もしましたが、いまだ納得のいく説明が得られません。
 さて、今年4月2日、Mさんに同行し、福岡県医師会館を訪問して院内事故調査委員会の委員長から医療事故調査制度について説明を受けました。委員長は、医療事故調査は本来1年以内、それも本人さんが御存命のうちに行うようにしています。事故から6年もたっており、御本人さんがお亡くなりになって難しいところですが、今回は特別に事故の検証を行うようにしますと言われました。Mさんはそれを聞いてほっとされた様子でしたが、事業団役員に向かって、このようなことができるなら、なぜもっと早くやってもらえなかったのですかと語気荒く、机をたたき、悔し涙を流しながら訴えられました。なぜ事故の検証着手にこれだけ歳月がかかったのか、その間、市の対応に問題はなかったのか、質問していきたいと考えています。
 それでは、質問に入ります。
 Mさんが個人情報開示請求で誤嚥事故の文書一式を入手されましたが、誤嚥事故の対応方針を決定した文書が見当たりません。
 福岡市主催の胃がん検診で発生した重大な事故の対応方針です。慎重な検討の下に方針を決定されたはずです。その方針決定はいつ、何に基づいて行われたのですか、また、方針決定文書はなぜないのですか、お答えください。
 以上で1問目の質問を終わり、2問目以降は発言者席にて行います。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) まず、対応の方針につきましては、事業の実施主体である事業団からの報告に基づき、市として調査確認を行った上で、事業団の事故発生時の一連の対応に大きな瑕疵はなかったものと判断したものでございます。具体的には、検診前の問診時に誤嚥の既往歴がないことを確認するとともに、受診者は高齢であり、誤嚥の発生率が高くなることから、内視鏡による検査をお勧めしていること、受診者がバリウムを飲む際に職員が立ち会っており、むせびなどがなかったことを確認していること、その後、透視台で肺内のバリウムを確認したため、直ちに検査を中止し、受診者に対して背中をたたいてバリウムの排出を促すタッピングなどの応急処置を行うとともに、事業団の嘱託医による診察を行った上で、その指示の下、事業団の職員が付き添って近隣の診療所を受診していることなどから判断したものでございます。
 なお、方針決定につきましては、受診者の御家族からの事故の責任等に関する御質問に対する回答文書の内容の決裁と併せて、平成30年6月26日に行っております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) 方針決定の決裁には、普通、市の調査結果や考察があると思いますが、市の答弁は全て事業団の報告に基づくものになっています。事業団報告が方針になっているので、市としての方針決定を行わなかったということでしょうか、お答えください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 繰り返しになりますが、実施主体である事業団からの報告に基づき、市として調査確認を行った上で、事業団の事故発生時の一連の対応に大きな瑕疵はなかったものと判断をしております。回答文書の内容を決定する決裁の中で、対応方針についても併せて決裁をしておりますことから、別途の決裁文書はございません。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) 市は、過去の誤嚥性肺炎の報告がなかったから誤嚥事故の責任を負うことはいたしかねると主張されています。しかし、Kさんは誤嚥性肺炎にかかった事実はありません。
 Kさんの肺炎はインフルエンザによる肺炎であって、誤嚥による肺炎ではない。西急患診療所のカルテにインフルエンザによる肺炎と記載されている。市のほうで確認してほしいとMさんが要請されましたが、確認されたのでしょうか、お答えください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 当該カルテの確認は行っておりません。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) 私もカルテを見せていただきましたが、やはりインフルエンザによる肺炎と記載がありました。
 この事実は責任の所在が大きく変わるキーポイントなのに、なぜカルテを確認されなかったのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) まず、カルテの内容につきましては個人情報でありまして、御本人が請求していただくべきものであったことから、その開示の手続について御家族には御案内をしていたところでございます。また、当該カルテの確認につきましては、受診者に誤嚥の既往歴があったか否かを確認するために求められたものと理解をしておりますが、過去の一時点の状況を表す1つのカルテだけでは過去の病状を判断することはできないと考えたものでございます。
 なお、受診者に誤嚥の既往歴があったかにつきましては、受診者の御家族の同意を得て、関連の情報が収集され、第三者の専門家による検証が行われているものと認識をしております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) カルテを確認しなかった理由にはなっていません。誤嚥事故の当事者の声を聴き、事実確認を行うことは市の大切な責務です。
 Mさんから市のほうで確認してほしいとの要請があっているにもかかわらず、なぜ市はカルテを確認しなかったのか、その理由をお答えください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) カルテの内容につきましては個人情報であり、御本人が請求をしていただくべきものであったことから、その開示の手続について御家族には御案内をしていたものでございます。また、当該カルテを確認したとしても、過去の一時点の状況を表す1つのカルテだけでは過去の病歴を判断することができないと考えたものでございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) 次に、バリウム誤嚥はKさん御自身で飲まれた結果によるものとの事業団の報告について伺います。
 事業団報告には、飲む速度は遅かったが、むせる等の症状はなかったとありますが、生前のKさんからMさんが聞いた話は全く違います。飲むのが遅いとして、検査技師から顎部分に手を当てられて姿勢を固定させられたとKさんから聞いたそうです。先ほど見ていただいたレントゲン写真は胃と肺の両方にバリウムがあるのを確認できます。これは、最初に飲んだ発泡剤とバリウム20ccは正常に胃のほうに飲まれたということです。次に飲んだバリウム130ccが肺に入ったことになります。飲む速度が遅いのに、そんなに多量のバリウムをむせることなく誤嚥するということは、どう考えても不自然です。検査技師が姿勢を固定していたということであれば合点がいきます。事業団はKさんに嚥下障害があったと主張されますが、誤嚥事故発生前までは普通の食事をすることができた人です。これも事業団の一方的な主張にすぎません。市は事業団の報告に問題ないという判断をされましたが、検査技師から顎部分に手を当てられて姿勢を固定させられたというMさんの訴えのほうがつじつまが合っているのではないでしょうか。
 市はMさんの訴えを頭から否定されています。Kさんや御家族に聞き取りは行われたのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 事故当時、受診者は入院されておりましたので、市は事故の原因や対応等について受診者の御家族とやり取りをしておりました。その後も受診者との直接のやり取りは行っておりません。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) Mさんは市から意見を否定され、市とやり取りをした事実はありません。答弁は誤っています。
 なぜ市は否定されるのか、その理由をお答えください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 御家族からの申出を受けまして再度の確認をしておりますが、受診者が検診車内の待合室でバリウムを飲まれる際は放射線技師は別室におり、介助者は受診者に触れることはなくバリウムを飲む状況を確認しており、通常もそのような対応をしていることを確認しております。この点は双方の主張が分かれているところですが、仮にバリウムを飲む際に誰かが首に手を当て姿勢を固定したとしても、それによって全くむせることなく肺にバリウムが入るということはないものと考えております。肺に異物が入ってむせるという現象は、意識や意思とは無関係に起こる反応、つまり反射でありまして、姿勢を固定されたということをもって我慢することはできないものであり、これが現れなかったということは、少なくとも事故発生時点においては受診者に何らかの理由で嚥下障害が生じていたと考えるのが自然であると考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) 検査技師が顎部分に手を当てて姿勢を固定したとしても、全くむせることなく誤嚥することはあり得ない、だから、Mさんの主張は事実ではないというのが市の見解と理解してよろしいでしょうか。
 また、Kさんは事故当日まで普通に食事ができていた人であり、バリウムによる胃透視も過去何回も経験された人です。何らかの嚥下障害が生じたものと考えられると市が答弁する根拠は何ですか、お答えください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 繰り返しになりますが、肺に異物が入ってむせるという現象は、意識や意思とは無関係に起こる反応である反射でございまして、姿勢を固定したか否かということにかかわらず、これが現れなかったということは、少なくとも事故発生時点においては受診者に何らかの理由で嚥下障害があったと考えるのが自然であると考えております。
 なお、この点につきましても認識が大きく異なっているため、体を固定することで反射が起こることなく肺に異物が入るものかどうか、第三者の専門家による検証が行われているものと認識をしております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) 次に、救急搬送しなかった理由についてお伺いします。
 市は救急車を呼ばなかった理由を、医師が診察し、重篤な身体症状等の所見がなかったからと説明されますが、最も重視すべきは多量のバリウム誤嚥です。医療関係の方に尋ねても、肺の中にこれほど多量のバリウムが流入した例は聞いたことがないと言われます。
 多量のバリウム誤嚥自体が重篤な身体症状なのです。市の所見をお答えください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 重篤か否かにつきましては、医師の診断の結果、判断されるべきものと考えますが、今回は嘱託医が診察し、緊急搬送を要するような重篤な身体症状等の所見がないという理由でタクシーで診療所を受診しているものでございます。また、受診者は初めに診察を受けた診療所から別の病院に搬送されておりますが、その際も診療所の医師の判断でタクシーで搬送されていることから、その時点でも重篤な状況ではなかったものと思われます。
 なお、この医師の搬送の判断につきましても、第三者の専門家による検証が行われているものと認識をしております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) 市は、救急車を呼ばなかった医師の判断そのものの是非については、市として判定することは不可能であり、専門家の判断に委ねるしかないと言われ、主催者としての責任が全く感じられません。
 診察した医師に当時の判断を直接再確認されましたか、お答えください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 当時の嘱託医の判断につきましては、御家族から御要望をいただいた際などに改めて事業団を通じて確認をしております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) 再三説明していますように、事業団は誤嚥事故の当事者です。
 なぜ誤嚥事故の当事者に市は確認されないのですか、お答えください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 当時の嘱託医の判断につきましては、業務委託契約に基づき、実施主体である事業団を通じて調査、確認を行ったものでございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) 医師の判断の是非を市が判定することは不可能であり、専門家の判断に委ねるしかないとの認識がありながら、なぜ今まで専門家の意見を聴かなかったのですか、その理由をお答えください。また、事故調査委員会設立以前の市、事業団の対応を質問しているため、事故調査委員会の話で答弁されるのは控えていただきたいと思います。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 市は事故発生の当初、事故の経緯について御家族にお知らせをしますとともに、事故の当事者である事業団と御家族との協議の場を設けるなどの対応を行ってまいりました。その後、事業団と御家族との間で示談や裁判所による調停の手続が行われましたが、不調になったところでございます。市におきましては、それ以降も御家族からの医療的、法的な側面も含む問題点や疑問点について事業団に調査、報告を求めた上で御家族に説明を重ねてきたものでございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) 次に、バリウム誤嚥時対応マニュアルについて伺います。
 マニュアルの目的は検診従事者が誤嚥事故の状況を的確に判断し、円滑に事故対応できるように事業団が作成したものと理解しています。いわゆる危機管理マニュアルの一つで、従事する職員全てが遵守しなければならないものとして策定されているものです。間違いないでしょうか、市の所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 当該マニュアルにつきましては、事業団が任意で作成しているものでございまして、巡回検診における誤嚥事故の対応について標準的な対応を定めているものであると認識をしております。事故が発生した際には、基本的にはマニュアルに沿って対応すべきものではありますが、全てのケースを網羅的に定めることは難しいことから、個別の事例に応じて臨機応変に対応する場合もあり得るものと考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) 事故発生後の対応はマニュアルに従って行っているとの説明を市から受けていますが、答弁では標準的な対応を定めているものと言われます。普通、事故対応マニュアルと言えば、規定されたことを厳格に運用することが鉄則です。
 マニュアルに規定されたことは厳格に運用すべきではありませんか、再度市の見解をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 繰り返しになりますが、事故が発生した際には、基本的にはマニュアルに沿って対応すべきものでありますが、全てのケースを網羅的に定めることは難しいことから、個別の事例に応じて臨機応変に対応する場合もあり得るものと考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) 次に、マニュアルに示された手続と事業団の対応についてお伺いいたします。
 マニュアルでは、誤嚥確認後、リーダーまたは看護師は酸素飽和度を確認することになっています。しかし、酸素飽和度は測定されていません。事業団は酸素飽和度測定器の用意をしていなかったのです。また、タクシーで搬送した診療所で酸素飽和度が測定されましたが、来院時は80%とカルテに記載されており、命に関わる極めて危険な状態でした。検診会場で酸素飽和度が測定されていたら、医師は救急車を要請したはずです。
 遵守すべきマニュアルを無視し、酸素飽和度の測定をしなかった事業団の対応について市の所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) おただしの対応につきましては、現場の嘱託医が看護師によるバイタルチェックの結果なども踏まえて総合的に判断し、タクシーでの搬送を指示しており、この対応に特段の問題はなかったものと考えております。なお、酸素飽和度の測定を含めて、この対応が適切だったかどうかにつきましては、第三者の専門家による検証が行われているものと認識をしております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) 人命に関わる医療行為について、市からこのような答弁があるとは信じられません。マニュアルに明記されているのに、当日、測定器を用意していなかった、だから、酸素飽和度を測定できなかった、これが事実ではないですか。
 酸素飽和度を測定しなかったのは事業団の重大な過失です。市の所見をお答えください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 医師は看護師によるバイタルチェックの結果なども踏まえ、診察をした上で総合的に判断したものであり、酸素飽和度の測定がなされなかったことをもって直ちに過失があったということにはならないものと考えております。いずれにしましても、この点についても、第三者の専門家による検証の結果を待つ必要があると考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) マニュアルには事故のてんまつを時系列に記録する誤嚥状況報告書2──以下、報告書2と言います──の作成が義務づけられていますが、当該事故の報告書2が作成されていません。人の記憶は時間の経過とともに、曖昧になっていきます。マニュアルも当日中に誤嚥報告書を作成し、コンピューターに保存することになっています。報告書2の代わりに事故報告書を作成したというのであれば、事故発生後、速やかに報告できたはずです。20日以上も経過するとは社会常識を逸脱しています。報告内容の信憑性に大きく関わる問題です。
 報告書2が作成されていないというマニュアル無視について、市の見解を具体的かつ詳細にお答えください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 誤嚥状況報告書2は事故後の経緯を記載する様式でございまして、本件におきましては、事故に関わった職員からの情報を基に、マニュアルとは異なる様式ではありますが、必要な内容が記された報告書が市に提出をされたものでございます。様式の違いによって内容の信憑性に違いはないものと考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) 当日中に誤嚥報告書を作成し、正確な記録を残すというマニュアルの趣旨が無視され、20日以上経過して提出された報告書には信憑性の問題があるのではないかという質問です。
 様式の違いをもって信憑性を議論しているものではありません。市の見解を具体的かつ詳細にお答えください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 提出は早いほうが望ましくはありますが、報告書にまとめるべき内容は随時事業団から報告を受けておりましたし、マニュアルに沿っていないことをもって直ちに内容に問題があるということにはならないものと考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) 当日中に誤嚥報告書を作成し、正確な記録を残すというマニュアルの趣旨を無視した答弁と指摘しておきます。
 次に、当日の胃がん検診スタッフについて意見を述べます。
 市は特段の資格は必要ないと言われますが、介助者に事業団の自動車運転手を充て、また、誤嚥状況報告書の作成全般を担うリーダーに若い外勤事務職員をそれぞれ配置していました。あまりにもずさんな職員の配置です。看護師資格までは求めないにしても、医療に関する知識は必要なはずです。医療に直接従事している職員を配置すべきです。誤嚥報告書2が作成されなかったなどのマニュアル無視が起きた原因の一つです。このようなずさんな職員配置では、安心して胃がん検診を受けることはできません。受託者である事業団に強く改善指導する必要があることを指摘しておきます。
 次に、検診に従事していた内科医師についてお伺いします。
 医師法第6条第3項には、厚生労働省令が定める事項を届出しなければならないと届出を義務づけていますが、検診に従事していた医師は届出をしていません。
 医師法違反の医師を選定したことは事業団の過失ではないですか、市の見解を具体的かつ詳細にお答えください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) おただしの医師法第6条第3項による届出制度は、医師の年齢、従事場所、診療科目等による分布を明らかにし、厚生労働行政の基礎資料を得ることを目的として実施されているものでありまして、当該届出がないことをもって医師としての資格に問題が生じるものではございません。また、事業団は嘱託医の医師免許を確認した上で業務に従事させております。
 なお、届出そのものは行う必要があることから、福岡市からその旨を事業団に知らせ、嘱託医自身により届出が行われております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) 医師としての資格を問題にしているわけではありません。胃がん検診に従事していたときに医師法違反の状況だったことを問題にしているのです。届出制度は医師の義務であり、50万円以下の罰金刑もあります。また、健康増進課長から、実際に医業に携わっていなかったから登録していないとの説明を受けています。
 このような医師を従事させたことについて市の所見をお答えください。あわせて、基礎資料を得ることが目的と言われる根拠もお示しください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 届出は医師個人が行うものとされておりまして、また、当該届出がないことをもって医師としての資格に問題が生じるものではございません。事業団は嘱託医の医師免許を確認した上で業務に従事をさせており、特に問題はないものと考えております。なお、厚生労働行政の基礎資料を得るためとの目的につきましては、本届出に関する国の通知によるものでございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) マニュアルには、検診会場に専門医がいないことから、事務所帰着後、専門医師に胸部画像を読影してもらった後、再度当事業所から連絡することと明記されています。
 マニュアルの専門医師の定義を具体的にお答えください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) おただしの専門医師とは、エックス線撮影された画像を読影し、誤嚥の程度を判断できる医師のことでございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) Kさんを診察し、重篤な身体症状等はなかったと判断した医師はマニュアルに定める専門医師でしょうか、具体的にお答えください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) おただしのマニュアルの該当箇所は、受診者に誤嚥が発生した際、応急処置の上で受診者がすぐに医療機関を受診するのではなく、担当者が事務所帰着後に胸部画像を専門医師に読影してもらった上で受診者へ医療機関への受診を勧めるか否かを判断するという業務手順となっております。今回は現場の嘱託医の判断で、受診者を帰宅させることなく直接医療機関へ搬送しており、マニュアルによらない迅速かつ臨機応変な対応を行ったものでございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) マニュアルでは受診者への誤嚥状況報告と病院受診の指示は専門医師が行うことになっています。専門医師でなければ正確な診断ができないとの判断です。
 Kさんを診察した医師は誤嚥状況を診断できる医師ではなかったということになります。事業団の重大な過失です。市の所見をお答えください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 繰り返しになりますが、今回は現場の嘱託医の判断で、受診者を帰宅させることなく直接医療機関へ搬送しておりまして、迅速かつ臨機応変な対応を行ったものであり、マニュアルに沿っていないことをもって直ちに過失があったということにはならないと考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) 第3回定例会において荒瀬副市長から、御遺族の皆様も疑問を抱かれたまま今日を迎えられており、大変重く受け止めているとの答弁がありました。しかし、遺族がいまだ疑問を抱いているのは、市が真摯に質問に答えていないことが要因の一つであることは間違いありません。
例を挙げます。Mさんは担当職員から疑問や照会は書面で提出してほしいとの要請を受け、平成30年4月から令和2年10月までの間に9回、保健福祉局に文書照会をしています。通常ですと長くても1か月以内には回答がなされると思いますが、2か月、3か月、4か月、最も長いのは6か月以上の期間を要しています。質問は事実関係の確認がほとんどです。なぜこのように時間がかかったのでしょうか。社会常識からあまりにかけ離れています。御遺族の方が疑念を抱くのも当然と思います。
 質問の回答や資料提供に長期間を要した理由をお答えください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 御家族からいただきました資料提供の御要望やお尋ねの文書につきましては、多岐にわたる詳細な内容を含んでおり、いただいた多くの御質問に対して事業団への確認などを行いながら慎重に対応する必要があったことから、回答の作成に時間を要してしまったものでございます。結果として回答が遅くなったことにつきましては申し訳なく、御家族に対しておわびを申し上げたところでございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) 答弁は質問の回答になっていません。多岐にわたる内容を含んでいたから時間を要したとの答弁ですが、A4用紙7枚の質問になぜ6か月以上の期間が必要なのですか。御遺族が疑問を持たれる原因は市の対応にあることを認識すべきです。内部ガバナンスに問題があると思われます。
 改めて伺います。回答に6か月も期間を要した理由を具体的に答弁お願いします。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 繰り返しになりますが、多岐にわたる詳細な内容を含んでおり、いただいた多くの御質問に対して事業団への確認などを行いながら慎重に対応する必要があったことから、回答の作成に時間を要してしまったものでございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) 今年の6月議会の質疑で、事業団が第三者を加えた調査委員会で真相究明に取り組んでいる最中に、事業団に瑕疵はないと主張されるのはなぜか、結論ありきの調査なのか、事業団に瑕疵はなかったという回答文書を撤回すべきではないかと副市長に問いましたが、それについての回答はいただけませんでした。
 改めてこの回答を撤回していただきたいと考えますが、御所見をお伺いします。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) これまで御答弁しましたとおり、事業団の対応として、検診前の問診時において誤嚥等の症状の有無などを確認するとともに、内視鏡による検査をお勧めしていること、職員が立ち会っており、むせることがなかったことを確認していること、受診者に対して応急処置を行うとともに、嘱託医による診察を行った上で、嘱託医の指示の下、事業団の職員が付き添って近隣の診療所を受診していることなどから、福岡市としましては事業団の事故発生時の一連の対応に大きな瑕疵はなかったものと判断をしたものでございます。しかしながら、事業団と受診者の御家族とでは事故の原因や対応について認識が大きく異なっているため、第三者の専門家による検証が行われているところであり、その結果を踏まえて、御家族への御説明、さらなる再発防止の徹底など、必要な対応を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) 最後に、市長のお考えをお聞かせください。
 今回の誤嚥事故は発生から7年を経過しました。市からは令和元年11月8日付文書に「福岡市としては、これまでの回答でお答えすべき点はおおむねお答えしたと考えております。M様にはいまだ御満足いただいておりませんが、その場合は最終的には第三者の判断に委ねるしかないと考えます」と書かれています。先ほど担当局長に質問しましたが、御家族の疑問に半年間も放置するなど、社会常識では考えられないことを担当局は行っています。また、マニュアルすら遵守しない事業団を市は指導することもなく、マニュアル無視を正当化するような答弁をされます。
 担当局は適切な対応を行っていると思われますか、市長のお考えをお聞かせください。
 平成28年に起きた地下鉄工事の陥没事故では、第三者機関をもって事故原因と事故責任が速やかに結論づけられました。このように事故が起きたときの真相究明が迅速かつ適正に行える制度が必要です。
 そこで、提案です。胃がん検診をはじめ、福岡市が主催する集団健診事業で事故が発生し、御本人、御遺族が事故の説明に疑問を持たれ、疑問が解消されない場合、第三者委員会に異議申立てできる制度を創設していただきたいのです。医療関係の調査が必要なことから、実施機関の中に第三者を加えた委員会を設置する方法もありますが、実施機関は事故の当事者です。
 透明性を高めるためには、福岡市による第三者委員会の設置が望まれます。健診事業にはリスクが伴います。福岡市民が安心して健康診断を受診するためにも必要な制度と考えます。市長のお考えをお聞かせください。
 
○副議長(山口剛司) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市が主催する検診におきましてバリウムの誤嚥事故が発生したこと、その対応に時間を要していることにつきましては大変遺憾に思っております。こうした事故が発生した場合には、原因等を調査し、関係者に真摯に説明する必要があると考えており、本件については、現在、第三者の専門家による検証が行われているところでございます。
 なお、医療事故につきましては、事故が発生した医療機関において調査、検証を行うことが通例となっており、今後とも、事案に応じて適宜、適切に対応してまいります。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) 次に、市街化調整区域における有料老人ホーム等の開発についてについてお尋ねいたします。
 本格的な高齢化社会を迎えたことを背景に、高齢者向け住宅の供給を促進するため、福岡市は平成25年に福岡市高齢者居住安定確保計画を策定し、施策を推進されています。
 それでは、質問に入ります。
 市は令和2年度4回開発審査会で、平成23年度7回開発審査会において市街化区域の境界付近の市街化調整区域に有料老人ホームが乱立している傾向が見られ、市街化の促進につながるのではないかとの意見を本審査会の委員からいただいた。だから、有料老人ホームについては慎重な取扱いを続けていると説明されています。
 有料老人ホームが乱立している市街化調整区域はどこですか。そのエリアの有料老人ホームの棟数も含め、乱立している傾向が見られる地域全てについて教えていただきたいと思います。
 
○副議長(山口剛司) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 過去15年間の有料老人ホームの許可実績は16件で、西区が9か所と大半を占めており、ほとんどが市街化区域に近いエリアに立地しております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) 平成23年度7回開発審査会以降、有料老人ホームについては慎重な取扱いを続けているとのことですが、その方針は開発審査会で議論、決定されたのですか、お答えください。
 
○副議長(山口剛司) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 有料老人ホームなどの開発行為については、都市計画法第34条第14号において開発審査会の議を経て許可することとされており、国の通知等に基づいた福岡市開発審査会附議基準を審査会に諮った上で策定しております。有料老人ホームなどの個々の案件については、この附議基準に照らし判断した上で、開発審査会の意見をいただきながら審査することとしております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) 慎重な取扱いにすることを開発審査会で決定したのかとの問いに答えていません。開発審査会に諮らずに運用方針を変更したのであれば大きな問題です。国の開発許可運用指針に、法第34条の趣旨を踏まえ、通常原則として許可して差し支えないものと考えられるものとして有料老人ホーム等が明記されています。また、国の都市計画運用指針には、開発審査会については、法第34条第14号に基づく審査も含め、地域の実情に応じた弾力的な開発許可制度の運用のため、積極的な役割を果たすことが期待されるとの記載があります。
 高齢者の居住安定確保が喫緊の課題です。弾力的な開発許可制度の運用にかじを切り、住み慣れた地域で自立した生活を安心して送るという地域包括ケアシステムの基本的考えを踏まえた運用を行うべきと考えますが、市の所見をお伺いします。
 
○副議長(山口剛司) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 高齢者の居住の安定確保は重要と考えております。一方で、市街化調整区域は市街化を抑制すべき区域とされており、国の運用指針においても、市街化区域内において行うことが困難または著しく不適当と認められる場合は、都市計画法第34条第14号において開発審査会の議を経て許可することとされていることから、福岡市開発審査会附議基準に基づき審査しているものでございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) 次に、開発審査会の附議基準について質問します。
 西区飯盛の市街化調整区域に農園によるリハビリ機能等を有した有料老人ホームの申請が市に提出されています。保健福祉局から副申書が提出されており、市街化区域に立地することが困難な理由も説明されています。また、施設の性質上、病院や介護施設との連携は不可欠であり、近隣の病院や介護施設と提携することになります。しかし、市は、その場所でなければ医療、介護機能との密接な連携が図れない理由が説明されていないから開発審査会に附議できないと主張されています。その根拠は、附議基準の「当該施設が市街化調整区域又は近接する市街化区域に所在する病院又は特別養護老人ホーム等が有する医療、介護機能と密接に連携しつつ立地する必要がある場合」との定めにあると説明されます。
 しかし、この定めを何度読み返しても、その場所でなければ医療、介護機能との密接な連携が図れない理由を求めているとは読めません。どこをどう読めばそのような解釈になるのでしょうか。一般の人が理解できるよう、分かりやすい言葉でお答えください。また、附議基準の定めの趣旨は、その文言の後に続く「施設の機能、運営上の観点から市街化区域に立地することが困難又は不適当であること」にあると理解しています。私の解釈について市の所見をお答えください。
 
○副議長(山口剛司) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 都市計画法において、市街化調整区域は市街化を抑制すべき区域とされております。市街化調整区域において、農林漁業従事者の住宅や日常生活に必要な店舗等の限定的に認められる開発行為等以外の開発行為等については、市街化を促進するおそれがなく、かつ市街化区域内において行うことが困難なものであれば、都市計画法第34条第14号に基づき開発審査会の議を経て許可することができるとされており、その計画地で開発される必要性を確認した上で附議しております。例えば、地域密着型特別養護老人ホームや認知症高齢者グループホーム等については、福祉施策上、圏域を定めた上で未整備圏域への整備を誘導しているものであり、これに沿ったものについては市街化調整区域に立地する必要性が確認できることから開発審査会に附議しております。しかしながら、有料老人ホームについては、誘導すべき場所や戸数等を定め、計画的に整備を進めているものではないため、法に定める市街化区域内において行うことが困難な開発行為であることなどの前提条件に加え、附議基準第1の16に定める「当該施設が市街化調整区域又は近接する市街化区域に所在する病院又は特別養護老人ホーム等が有する医療、介護機能と密接に連携しつつ立地する必要がある場合」などの基準に対して、事業者により立地の必要性が合理的に示されたものについて附議することとしております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 大原弥寿男議員。
○20番(大原弥寿男) 答弁を聞いても、施設の機能、運営上の観点から市街化区域に立地することが困難または不適当であることや、その場所でなければ医療、介護機能との密接な連携が図れない場合の解釈が、附議基準のどこに示されているのか分かりません。ここで明らかになったのは、市は高齢者の居住の安定確保は重要と言いつつ、市街化調整区域において有料老人ホームの設置を進めようにも、市の附議基準の運用により依然として開発審査会に諮ってもらえないという事実です。
 そこで最後になりますが、開発計画を考える事業者が許可を受けるためにはどのようなことが必要なのか、分かりやすい附議基準にする必要があると考えますが、市の所見をお答えください。これで最後の質問とさせていただきます。
 
○副議長(山口剛司) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 今後、他都市の調査等も行い、より分かりやすい附議基準となるよう検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子)登壇 私は福岡市民クラブを代表いたしまして、特別養子縁組の支援の充実について、IoT等を活用した子ども見守り事業について、猫の適正飼育の推進について、3点質問してまいります。
 まず初めに、特別養子縁組の支援の充実についてです。
 昨年度、18歳未満の子どもが親などの保護者から虐待を受けたとして児童相談所が対応した件数は、全国で20万5,029件と過去最多を更新しました。福岡市においても2,637件と過去最多となっています。厚生労働省は新型コロナウイルスの影響で子育てに悩む保護者が孤立するリスクは高まっていて、見守り体制の強化を進めたいとしています。昨年3月までの1年間に親などから虐待を受けて死亡した子どもは、心中を除いて全国で57人に上り、そのおよそ半数がゼロ歳児となっていることが厚生労働省のまとめで分かりました。一方で、心中で死亡した子どもは21人で、保護者の精神疾患や経済的困窮などが動機となったケースが多くなっています。小さな命を守るためには、様々な形の支援策が必要です。
 その一つに里親制度がありますが、福岡市で取り組んでいる里親制度の概要をお尋ねします。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は発言者席にて行います。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 里親制度につきましては、児童福祉法の規定に基づき、保護者のいない、または保護者に養育させることが不適当であるなど、様々な事情により自分の家庭で生活することができない子どもについて、児童相談所が、一定の研修を受講し里親として登録された方に養育を委託するものでございます。福岡市では、社会的な養護が必要な子どもが家庭と同じような養育環境の下、心身ともに健全に成長できるよう、里親の普及啓発や里親養育の質を確保するための支援や研修などに、子どもに関わるNPOと共働で取り組んでいるところでございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) その実績として、就学前の児童のうち、3歳未満の児童と3歳以上の児童の里親委託率の過去5年間の推移をお示しください。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 里親委託率の推移につきましては、3歳未満の児童は平成28年度末が33.3%、29年度末が52.8%、30年度末が53.8%、令和元年度末が66.7%、2年度末が71.4%、3歳以上の児童は平成28年度末が47.7%、29年度末が56.0%、30年度末が63.5%、令和元年度末が71.4%、2年度末が78.3%となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 令和2年度の里親委託率について、市の目標との比較と全国との比較をお示しください。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 福岡市の里親委託率につきましては、第5次福岡市子ども総合計画において、令和6年度末の目標を乳幼児75%、小学生以上の児童50%と設定しておりますが、令和2年度末時点で乳幼児76.1%、小学生以上の児童52.1%となっており、いずれも目標を達成しております。また、全国との比較については、令和元年度末時点で全国平均の21.5%に対し、福岡市は52.5%となっており、政令市中第2位となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 市の里親委託率の目標は既に達成しており、全国的に見ても福岡市は政令市の中では2位ということです。福岡市はNPOとの連携や、その他多くの方からの御尽力による成果だと思います。
 福岡市の乳幼児の里親委託率は76.1%と、令和6年度の目標値を上回っております。しかし、以前、私も質問いたしましたが、虐待により死亡した18歳未満の子どもの半数近くはゼロ歳児です。新生児里親委託は虐待死の防止という点からも、重要な施策と考えます。
 令和2年度の新生児の里親委託数をお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 令和2年度の新生児の里親委託数につきましては、特別養子縁組を希望している里親に委託している新生児が4人、一時的な保護が目的で委託している新生児が6人、合計10人となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 予期せぬ妊娠や望まぬ妊娠などで悩む方など、社会的に困難な状態にある方に対し、支援する機関と医療機関が連携して支援することが肝要だと考えますが、所見をお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 予期せぬ妊娠等で悩む方への支援につきましては、産前・産後母子支援センターこももティエにおいて、妊娠早期からの様々な相談に応じ、医療機関等と連携しながら、訪問による支援や住まいの提供、日常生活の支援を行うとともに、子育て世代包括支援センターにおいても関係機関と連携して支援を行っております。このような支援を行う中で、相談者が自分で育てられない事情があるなど、新生児里親委託を希望される場合には、関係機関と児童相談所が連携し、特に相談者に寄り添った支援を行っているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 産前・産後母子支援センターこももティエが設置された令和2年10月からの1年間で、予期せぬ妊娠や望まぬ妊娠など、誰にも相談できない妊婦からセンターに寄せられた相談件数をお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 相談件数につきましては、センターを設置した令和2年10月から令和3年9月までの1年間で332件となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 予期せぬ妊娠や望まぬ妊娠による妊婦などからの相談件数が1年間で332件寄せられたとのことです。相談することで困難な状況を克服したり、問題解決したケースが多いのかとも推測しますが、この件数から見ると、新生児の里親委託数が10人という数は少ないのではないかという心配もあります。事情によっては、里親委託よりも養子縁組により生涯にわたって安定的に親子関係を継続できることが望ましいケースもあるかと思います。
 2020年4月施行の民法等の一部を改正する法律で、特別養子縁組における養子となる者の年齢の上限が引き上げられました。
 そこで、特別養子縁組についての制度概要をお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 特別養子縁組制度の概要につきましては、実親による子どもの養育が著しく困難または不適当な場合に、家庭裁判所の決定により、実親との親子関係を解消し、養子縁組を希望する方との間に、実の子どもと同様の親子関係を結ぶ制度でございます。また、令和2年度から子どもの年齢を6歳未満から15歳未満に引き上げるなどの民法等の改正がなされております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) その特別養子縁組を仲介する機関として児童相談所が取り組んでいますが、児童相談所を介して成立した令和2年度の人数は何人か、お示しください。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 令和2年度に特別養子縁組が成立した人数は4人となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 特別養子縁組が成立した後の親御さんには、子育てに関する様々な悩みや不安もあるかと考えますが、支援体制についてお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 支援体制につきましては、法律上の親子となり、里親委託が解除された後も児童相談所において養育する親からの相談に対応しているほか、交流の場である養子縁組親子の会で出された子育ての悩みなどについても、必要に応じて相談支援につないでおります。また、里親同士の交流の場である里親カフェにも養育する親を案内し、悩みなどを共有できる場を提供しているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 相談対応や養子縁組親子の会などの交流会で支援をされているとのことですが、そこから見えてきた特別養子縁組の課題と今後の取組についてお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 特別養子縁組につきましては、特に新生児を受け入れた場合、里親にとっては精神的、身体的な負担や育児の不安感も大きいことから、子どもを受け入れた後も、きめ細かな支援を続けることが課題であると認識しております。法律上、実の親子となる特別養子縁組が成立した後も、親子が良好な関係を築き、子どもが新しい親の下で心身ともに健やかに成長できるよう丁寧な相談対応に努めるなど、引き続き親子の支援に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 対象期間が2019年度から2022年度までの児童虐待防止対策体制総合強化プランには、児童相談所の体制強化として、児童福祉司の配置基準の見直しとともに、里親養育支援体制の構築及び里親委託の推進を図るため、各児童相談所に里親養育支援のための児童福祉司を配置するとあります。
 福岡市にも里親養育支援のための児童福祉司を配置されているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 里親養育支援のための児童福祉司につきましては、国が定める強化プランにおいて、児童福祉司等の増員のほか、里親養育支援のための児童福祉司の配置などにより、児童相談所の体制強化を図ることとされております。福岡市においては、国のプランを踏まえ、児童福祉司等の専門職を増員するほか、里親支援を担当する係を設置し、里親養育支援を専任する児童福祉司を配置しております。今後とも、里親養育支援と里親委託の推進にしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 社会福祉法人福岡県母子福祉協会が運営する産前・産後母子支援センターこももティエは、開所から1年余り、特定妊婦の支援に取り組んできましたが、このたびその機能を拡充し、妊娠期から子どもが就学するまで切れ目なく支援する全国初のワンストップ型母子支援拠点施設を2023年開設すると発表されました。福岡市は既に里親養育支援を専任する児童福祉司を配置しているとのことですが、こももティエの拡充に伴い、その役割はますます重要になると考えます。声を上げづらい特定妊婦と言われる方々を妊娠期からサポートし、養子縁組活性化のために、里親委託や養子縁組を担当する専任の常勤職員のさらなる増員を求めておきます。
今後も母子支援センターや医療機関とともにしっかり連携し、子どもの最善の利益のために、子どもが生涯にわたり安定した家庭で特定の大人の愛情に包まれて育つよう、まだまだ認知度が低い特別養子縁組の啓発と促進に御尽力いただくことを要望し、この質問を終わります。
 次に、IoT等を活用した子ども見守り事業について伺います。
 平成30年5月、新潟市において小学2年生の女児が下校途中に連れ去られ、殺害されたという痛ましい事件が発生したことは記憶に新しいと思われます。私の周りの、特に低学年のお子さんを育てる親御さん方から多くの不安の声を聞きました。これからこのような事件から子どもたちを守るために必要なことは何なのか、考えていかなければなりません。特に登校時に比べると下校時は子どもの帰宅する時間帯に幅があり、一人一人を見守ることは難しい中、子どもの見守りは大変重要な活動ですので、本事業について伺ってまいります。
 初めに、IoTを活用した子ども見守り事業を始めた背景とその経緯についてお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) IoTを活用した子ども見守り事業につきましては、全国的に子どもを狙った悪質な犯罪が発生し、社会全体で子どもの安全を守るための対策が求められている一方で、地域の見守りボランティアの高齢化、共働き家庭の増加などにより地域の目が減少し、子どもの見守り強化が課題となっていることなども踏まえ、地域の目を補完する見守りサービスとして、IoT技術を活用した事業の検討を行いました。事業の実施に当たっては、実証実験を行った後、民間事業者2者による企画提案協技を経て、現九州電力送配電株式会社と協働で取り組むことといたしました。令和元年10月以降、順次小学校へ導入し、令和3年1月に全市立小学校、特別支援学校への導入を完了しております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 見守りボランティアの高齢化や共働き家族の増加による地域の目が減少している一方で、全国的に子どもを狙った悪質な犯罪が発生していることを踏まえ、IoTを活用した子ども見守り事業を開始したという背景が分かりました。また、九州電力との連携により令和元年10月以降導入を開始し、全小学校、特別支援学校への導入が既に完了していることが分かりました。
 では、IoTを活用した子ども見守り事業について概要をお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) IoTを活用した子ども見守り事業につきましては、保護者が利用登録した見守り端末機を携帯した児童が、市内全域に設置された基地局の近くを通過した際に位置情報を記録し、行方不明など有事の際に、警察からの照会に対して位置情報などを提供することで、警察による迅速な捜索に役立てるものでございます。基地局については、公民館などの公共施設のほかにも地域の店舗や企業に設置するほか、見守り活動を行う方などに御協力いただき、見守りアプリのインストールをしていただくことにより、市内全域で見守りのネットワークを構築し、社会全体で子どもの見守りを強化するものであり、官民協働で事業を推進しております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 本事業は、児童が携帯する端末機を通じて位置情報を記録するもので、子どもの行方不明などの有事の際、位置情報を提供することで警察による迅速な捜索が可能となるようです。
 子ども見守り事業には有料のサービスがあると聞いていますが、その内容と金額をお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 有料サービスにつきましては、保護者自身のスマートフォンで児童の位置情報の確認が可能になるほか、事前に設定した見守りポイントを児童が通過した際に通知を受けることができるサービスで、金額は月額で税込み528円となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 市の費用負担や役割について伺います。
 
○副議長(山口剛司) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 当該事業に係る経費につきましては事業者が全額負担しており、市の費用負担はございません。市の役割は、小学校やPTAに対する事業説明、事業実施に必要な基地局を公民館などに設置する場合の協力依頼及びサービス利用者増に向けた広報、啓発でございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 本事業を実施する上で市の費用負担は発生しておらず、事業実施に必要な説明や基地局の設置に関する協力等が本市の役割とのことでした。
 では、子ども見守り事業についてどれくらいの方が利用されているのか、登録率をお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 登録率につきましては、令和3年11月1日現在で62.4%となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 子ども見守り事業の登録率が62.4%ということですが、子どもの通学時の安全確保という視点から考えると、登録率が低いように感じます。
 市の役割として、サービス利用者増加のための広報、啓発とされているとのことでしたが、利用者を増やすために保護者への登録方法の説明などはきちんとされているのでしょうか、お尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 保護者への登録方法の説明につきましては、新入生説明会等の場でサービス内容や登録方法を記載した文書を配付し、案内しております。また、多くの保護者の方に利用していただくため、学校ごとの登録率を定期的に各学校へフィードバックするとともに、市政だよりや市ホームページなどを活用し、登録の呼びかけを行っております。そのほか、九州電力送配電株式会社が事業の紹介動画をユーチューブで公開するなど、協働で登録率の向上に努めております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) この見守り端末機、キューオッタバイはとても軽く、子どもたちにとってはお守りのような感覚で、負担なく持ち歩けるものだと思います。この機能を活用するためには事前に登録が必要なのですが、コロナ禍でもあり、文書の配付による説明のみで、保護者への説明会などは開催されていなかったそうです。学校で配られたものなので、取りあえず登録をしてみようと試みたものの、仮パスワードを何度登録しても次に進まないとか、登録方法に手間取って諦めたという方もいると聞いております。学校が目の前にあり、通学時の心配がないため必要がないという方もいらっしゃるとは思われますが、必要な方で登録ができずに諦めてしまっている方に対しては、もう一度登録方法の説明をきちんとするべきと思います。対応をよろしくお願いいたします。
 ほかにも、子どもの安全のためには有料のサービスの登録をしたいが、月額料金の負担がネックとなって登録に至っていない方も多くいらっしゃるようです。有料のサービスの金額の調整はできないのでしょうか、お尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 有料サービスにつきましては、サービスの運用費用などを踏まえ、安定的、持続的な見守りサービスが提供できるよう、事業者である九州電力送配電株式会社が月額利用料を設定しております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 特に低学年の間の下校時は不安に思う保護者が多くいらっしゃると思われます。利用者の費用が減額されるよう、事業者との調整やサービスの提供などの意見具申も含めて要望いたします。
 次に、子どもの位置情報を把握するために必要な基地局についてですが、現時点での固定基地局数をお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 基地局数につきましては、令和3年10月末で3,067か所となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 直近の基地局数は3,000か所を超えているようですが、単純に小学校数で案分すると1校区20か所程度ということになります。端末機を持った子どもがその設置場所を通過すると位置情報が記録されるわけですが、死角をなくすという観点からは、もっと細かい位置情報が把握できるほうがいいのではないかと思います。
 基地局をさらに増やすべきと思いますが、御所見をお伺いします。
 
○副議長(山口剛司) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 固定基地局につきましては、公民館や交番などのほか、保護者の意見等を踏まえ、通学路の分岐点など位置情報の検知に効果的な場所に設置されており、設置要望等をいただいた場合は随時増設の検討を行っております。また、固定基地局を補完するものとして、見守り人アプリの登録者増に取り組んでおります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 固定基地局は保護者の意見等を踏まえて設置されているとのことで、要望に応じて随時増設を検討しているとのことでした。また、基地局を補完するものとして、無料の見守り人アプリを活用しているとのことです。
 このアプリは携帯にインストールするだけで、通勤や散歩等の外出時に見守り端末を持つ子どもとすれ違った場所を保護者に伝えることができ、地域の見守り活動に貢献できると思われますが、では、直近の見守り人アプリの登録者数をお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) アプリの登録者数につきましては、令和3年11月現在で約3,000人となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 登録者数は約3,000人とのことで、先ほどの基地局数と合わせて市内で約6,000の地点ということになりますが、地域の子どもたちを守るためにも、もっと地域の方に見守り人アプリの登録を勧めるべきではないかと思いますが、御所見をお伺いします。
 
○副議長(山口剛司) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) アプリの登録につきましては、これまでも市政だよりや市ホームページによる広報に加え、学校を通じた保護者への周知などにより登録を呼びかけております。今後とも、多くの市民の皆様が子どもの見守り活動に参加していただけるよう、引き続き周知、広報を実施してまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 市政だより等による広報に加え、保護者への周知により登録を呼びかけているとのことですが、子どもの帰宅時間帯に子どもが近くを通る店舗や施設をはじめ、タクシーやバスなどの交通各社などにも御協力をいただき、基地局や位置情報を記録するスポットの拡大に努められるよう、本市が積極的に働きかけを行っていただくことも要望いたします。
 IoTを活用した子ども見守り事業に加えて、地域の見守り活動が重要な役割を担っていますので、ここからは地域の見守り活動について伺ってまいります。
 地域の見守り活動への本市の支援状況について伺います。
 
○副議長(山口剛司) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 地域の見守り活動への支援につきましては、地域の防犯パトロールへの支援や街頭防犯カメラの設置補助などを行っております。また、自治協議会共創補助金も地域における防犯活動に活用いただいております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 本市の支援状況について3点挙げていただきました。
 その中でも、地域の防犯パトロールへの支援について、令和3年度の支援の概要と予算額をお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 令和3年度の地域防犯パトロールへの支援の概要と予算額につきましては、地域防犯パトロールカーとして、自治協議会等を対象に、使用期間が満了した庁用軽自動車を車検整備後、無償譲渡しております。また、自治協議会等において年間を通じて地域防犯パトロールカーとして使用されている車両を対象に、10万円を上限とした車検費用を補助しており、それらの予算額は573万円となっております。さらに、地域防犯パトロールカーのガソリン代について、新規導入から2年間、年間3万円を上限とした燃料費を助成しており、予算額は30万3,000円となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 防犯パトロールカーを活用した地域活動を支えるため、3つの支援策が設けられているようです。
 福岡市では何校区でパトロールカーは活用されていますか、お尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 地域防犯パトロールカーによる活動が行われている校区数につきましては、令和2年12月末現在で106校区となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 151校区中106校区でパトロールカーが活用されているとのことでした。パトロールカーによる防犯活動については、子どもの帰宅時間や夕刻の薄暗くなる時間帯に合わせたパトロールを実施するなど、地域の皆さんが連携しながら日々の活動を継続していただいていることと思います。パトロールカーを活用されていない校区もあるようですが、それぞれに課題を抱えておられるのではないかと思います。支援内容についても、改善を続けていっていただきたいと思います。
 最後に、子どもたちの見守りに必要なIoTを活用した新たな施策と、これまで地域で日々活動を続けてこられた見守り活動の双方の取組がより充実できるよう局長に御所見をお伺いし、この質問を終わります。
 
○副議長(山口剛司) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 子どもの見守りにつきましては、引き続きIoTを活用した子ども見守り事業をより多くの方に利用していただけるよう周知、広報に努めるとともに、地域における登下校時の見守り活動などの自主的な防犯パトロール活動を支援することにより、今後とも犯罪のない安全で住みよいまちづくりを推進してまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 次に、猫の適正飼育の推進について伺います。
 ある市民の方からお話を伺いました。マンションの1階に子猫が捨てられていて、すごく気になったけど、その方は既に1匹猫を飼ってあるので、もう飼えないということで、そのまま家に帰られたそうです。次の日にはその猫はいなくなっていて、保護してあげるべきだったとすごく後悔されたそうです。そんな経験から、猫たちの殺処分をゼロにしてほしい、飼い猫の適正飼育を徹底してほしいと要望されました。その後、コロナ禍で生活環境の変化により新たに飼われ始める犬や猫が増加しているというニュースを目にしました。調べてみると、ペットフード協会の全国犬猫飼育実態調査によると、2019年に比べ、2020年では新たに飼われ始めた犬は14%増、猫は16%も増加しているそうです。
 今回の質問では、猫に絞って質問していこうと思いますが、おうち時間が増え、生活に癒やしを求めて安易に猫たちを飼ってしまう方が増えているとしたら、最後まで飼えなくなったときに手放してしまう方も増えてしまうのではないかと危惧します。そうならないためにも、適正飼育について正しい知識が必要であると考えます。
 東部動物愛護管理センターへ収容された猫の数について、過去3年の推移をお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 東部動物愛護管理センターに収容された猫の頭数につきましては、平成30年度が596頭、令和元年度が415頭、2年度が361頭となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) センターに収容された時点で衰弱していたり、病気等で亡くなることが多いそうですが、収容後の死亡や、譲渡ができずにやむを得ず殺処分を行っている猫の数について、過去3年の推移をお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) センターへの収容後に死亡した猫の頭数につきましては、平成30年度が67頭、令和元年度が64頭、2年度が43頭、また、猫のやむを得ない殺処分頭数につきましては、平成30年度が280頭、令和元年度が202頭、2年度が191頭となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 生まれたばかりの子猫は、親猫から離れてしまうと体温調節ができず、病気にもかかりやすくなるため、収容後すぐ死亡してしまうことが多いようです。
 収容後の死亡や、やむを得ない殺処分を除いた猫の実質的殺処分の数について、過去3年間の推移をお示しください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 猫の実質的殺処分頭数につきましては、平成30年度は50頭でございましたが、令和元年度にゼロ頭となり、2年度も殺処分ゼロを継続いたしております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 令和元年度からは実質的殺処分はゼロとなっていて、これが何年も続くことを願いますが、実質的殺処分ゼロを達成した背景についてお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 猫の実質的殺処分ゼロを達成した背景につきましては、平成28年度から、殺処分の大半を占める子猫を離乳するまでボランティアの方に哺乳していただき、その後、動物病院などを通して新しい飼い主へ譲渡を行うミルクボランティア事業に取り組み、子猫の譲渡が進んだことが要因と考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) ミルクボランティアの協力などにより実質的殺処分ゼロを達成した御努力に敬意を表しますが、現実にはまだ多数の収容数があることを見ると、コロナ禍で安易にペットを飼い始める人が増えているとしたら、安易に手放そうとする人が増えてしまうのではないかと私は懸念しております。一度飼うと決めたら、最後まで責任を持って育てるという当たり前のことがきちんと守れていないことに疑問を抱きます。福岡ねこともの会の会員さんとお話をする機会があり、お話を伺うと、猫はもともと愛玩動物だから、野良猫なんて初めからいないんですとおっしゃっていました。つまり、飼い主に捨てられた猫や外で飼って繁殖した猫が野良猫になった結果、動物愛護管理センターに収容されているのです。そうした中、センターでは、道徳の授業で小学校の中学年から中学生を対象に動物を飼うことの責任や命の大切さ、動物に関する問題について学び考えることを目的に職員が出張授業を行っているそうですが、このような適正飼育の普及の取組が非常に大事だと思います。
 そこで、猫の適正飼育に関する飼い主への啓発の取組状況についてお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 猫の飼い主に対する適正飼育の啓発の取組につきましては、啓発イベントとして、毎月、動物愛護管理センターにおいて、わんにゃんよかイベントや犬猫よろず相談を動物関係団体などと連携をして実施するとともに、毎年、動物愛護週間における啓発パネル展や動物愛護フェスティバルを開催しております。そのほか、出前講座を実施するとともに、動物愛護管理センターホームページへの啓発コンテンツの掲載や啓発チラシを配布するなど、適正飼育に関する情報発信を行っております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 啓発チラシ等にはどのようなことが記載されているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 猫の適正飼育に関する啓発チラシの内容としましては、猫の安全確保や近隣への迷惑防止のための屋内飼育の必要性、無秩序な繁殖を防止し適正な飼育頭数を保つための不妊去勢手術の必要性、逃げ出した猫が飼い主の下へ戻るための迷子札の装着など所有者明示の必要性、最後まで飼い続ける飼い主責任としての終生飼育の義務、猫を捨てる、傷つけるなどの虐待の防止などについて記載をいたしております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 適正飼育の啓発を強化すべきと考えます。センターで犬猫を譲渡する際に配付されているチラシには、あなたは本当に飼えますかという10項目の質問があり、高齢動物の介護をする心構えがあるかや、1日数回餌を与えること、トイレの後始末を10年間欠かさず続けられるかなど、一つでも当てはまらない項目があれば譲渡をお断りする場合がありますとか、「途中で飼うのをやめるということは、あなた自身が殺すことと同じです。場合によっては飼わないでおくのも立派な愛情です」と大きな文字で書かれてあります。
 猫を飼おうとする前に、人生設計を考えながら、本当に飼い続けられるかどうか考えるよう、飼い始める際にきちんと啓発が行われることに加え、現在飼育していない方にも広く啓発を行う必要があると思います。最後に御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) お尋ねの適正飼育の啓発につきましては、まず、センターから猫を譲渡する際には、飼育を希望される方に対し、最期まで飼い続けることができるかを考えていただくため、譲渡前に適正飼育に関する講習を実施いたしております。また、平成30年度に開始しました犬猫パートナーシップ店制度において、福岡市が認定したペットショップが犬猫を販売する際には、購入者に対し、適正飼育や飼い主責任についての講習を実施いたしております。今後も動物取扱業者や動物関係団体などとの連携を深めながら、これから猫を飼育する方への啓発を行いますとともに、現在飼育していない方に対しましても、各種イベントなど、様々な機会を捉えて適正飼育の啓発を継続しながら、SNSなどの媒体を活用した効果的な啓発方法について検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) この際、休憩し、午後2時50分に再開いたします。
午後2時35分 休憩  
午後2時50分 開議  
○議長(伊藤嘉人) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。おばた久弥議員。
○29番(おばた久弥)登壇 自民党のおばた久弥でございます。私は自由民主党福岡市議団を代表し、福岡市の今後の感染症対応について、土砂災害警戒区域指定による地域への影響について、以上2点について質問いたします。
 まず、福岡市の今後の感染症対応についてであります。
 新型コロナウイルス感染症につきましては、ワクチン接種が進んでいるところですが、世界的な流行はいまだ収まることなく、新たな変異株への対応や第6波が懸念されております。こういった感染症の大規模な流行は、新型コロナウイルスが初めてではありません。特に、国境を越えた交流が盛んになった明治時代以降、日本人は大規模な感染症の流行を何度も経験してきました。感染症対応の歴史をひもとくことは、福岡市が今般の新型コロナウイルス感染症をどう乗り越え、その後どのように新たな感染症に立ち向かっていくかを検討する上で大変重要なことであると私は考えます。例えば、スペインインフルエンザ、いわゆるスペイン風邪ですが、1918年から1920年にかけて世界的に流行し、当時の世界人口の3分の1が感染したと言われております。日本においても約2,300万人もの方が感染したとされています。当時の日本国内の人口が約4,800万人ですから、ほぼ2人に1人はこのスペイン風邪にかかったと言っても過言ではありません。
 そこでお尋ねいたしますが、まず、福岡市ではスペインインフルエンザにどのくらいの方が感染し、社会にどのような影響を及ぼしましたか。
 以上で1回目の質問を終わり、2回目以降は発言者席にて行います。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) スペインインフルエンザにつきましては、市制90周年を記念して発行されました「福岡市の歴史」によりますと、1918年、大正7年11月から全国的な流行が始まり、その中旬には福岡県内の約45万人が感染し、福岡市におきましては、当時の人口約9万7,000人のうち1万3,000人余りが治療を受け、160人が死亡したとされております。また、学校は休校し、電車も運転本数が減るなど、日常生活が開店休業状態になったとされております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) おばた久弥議員。
○29番(おばた久弥) 福岡市においても感染が拡大し、社会が混乱していたことがよく分かりました。
 では、このスペインインフルエンザに対して福岡市ではどのように対応されましたか。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 当時の対応につきましては、伝染病の蔓延を防ぐための措置等を規定した伝染病予防法に基づいて、地方長官である福岡県知事が中心となり対応することとなっており、当時の公文書によりますと、福岡県警が医師会に対して患者を隔離するなど感染を防ぐ対応を行うよう指示した記録が残っております。また、当時は保健所法の制定前であり、保健所を中心とした防疫体制はございませんでしたが、福岡市博物館の資料によりますと、伝染病予防法に基づく伝染病院であった市立荒津病院においても多くの患者を受け入れていたと記録をされております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) おばた久弥議員。
○29番(おばた久弥) 当時の伝染病予防法に基づいて対応されており、福岡市においても、伝染病院だった市立荒津病院においてたくさんの方が医療の提供を受けていたとのことです。
 その後、医学、医療の進歩や衛生水準の向上により多くの感染症が克服されておりますが、新たな感染症の出現や既知の感染症の再興により、また、国際交流の進展等に伴い、感染症は人類に脅威を与え続けております。
このような感染症をめぐる状況の変化を踏まえ、感染症の患者に対する良質かつ適切な医療の提供を確保し、感染症に迅速かつ的確に対応するため、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する総合的な施策を推進することを目的に、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律、略して感染症法が1998年、平成10年に制定されました。地球温暖化により感染症を媒介する動物の分布域が広がっていることが指摘されているとともに、福岡市はアジアの玄関口として、特にアジアとの交流が盛んであり、アジアで流行が見られるような熱帯性の感染症や新興感染症が持ち込まれるリスクもあると思います。
 そこでお尋ねですが、現行の感染症法において、福岡市はどのような感染症対策を実施することになっておりますか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 保健所設置市であります福岡市におきましては、一類から五類の感染症や新型インフルエンザ等感染症など、感染力や症状の重篤性等を勘案し分類された8つの類型に応じて、感染症の発生動向の把握や濃厚接触者に対する検査等の積極的疫学調査の実施、就業制限、入院勧告等の感染症蔓延防止の措置を実施することとなっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) おばた久弥議員。
○29番(おばた久弥) 明治時代には、主にコレラの感染対策として避病院、伝染病予防法が制定された後は伝染病院が設置され、患者を他と隔離して収容し、治療していたと聞いております。
 それでは、現行の感染症法において、どのような医療機関が感染症患者の治療に当たり、その体制はどこが確保することとなっておりますか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 感染症患者の治療につきましては、感染力や症状の重篤性から見た危険性が高い一類、二類感染症、新型インフルエンザ等感染症の患者について、感染症法に基づき、感染症指定医療機関が担うこととなっており、その医療体制は、国が示した基準に基づき都道府県知事が確保することとなっております。福岡県では、福岡県感染症予防計画に基づいて感染症指定医療機関の必要病床が確保されております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) おばた久弥議員。
○29番(おばた久弥) 感染症指定医療機関の必要病床については、ちょっと本当にそうなのかなという思いがありますが、感染症法に基づく医療提供体制についてはよく分かりました。
 先ほど触れましたスペインインフルエンザも当時の新型インフルエンザですが、今後も新たな新型インフルエンザや新興感染症の発生も懸念されるところであります。
 そこでお尋ねですが、スペインインフルエンザ以降、世界的大流行、いわゆるパンデミックを引き起こした感染症にはどのようなものがありますか。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) スペインインフルエンザ以降の主な感染症につきましては、現在、世界で流行しております新型コロナウイルス感染症のほかに、1957年に発生したアジアインフルエンザ、1968年に発生した香港インフルエンザ、2009年に発生したA(H1N1)型の新型インフルエンザなどがございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) おばた久弥議員。
○29番(おばた久弥) それでは、新型インフルエンザや新興感染症の世界的大流行に備えて、どのような対策を講じることになっているか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 新たな感染症への対策につきましては、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、国、都道府県、市町村は行動計画を策定し、平素から準備を行い、感染症発生時にはそれぞれが役割分担の下、対策を進めることとされております。まず、国におきましては、ワクチンや医薬品の調査研究の推進等に努めるとともに、発生時には基本的対処方針を決定し、検疫の強化などの対策を強力に推進することとなっております。また、福岡県におきましては、医療の確保をはじめ、医薬品、食料品等の緊急物資の流通や運送の確保など、県民の生活や経済の安定に向けた準備を推進し、発生時には市町村における対策の支援や調整等を行うこととされております。福岡市におきましては、平素から個人防護具等の医療資材の整備や、検疫所、指定医療機関などの関係機関との連携、訓練などを実施するとともに、発生時においては、国、福岡県や関係機関と連携し、感染拡大を可能な限り抑制するため、全庁的な危機管理体制により、迅速に対応することとしております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) おばた久弥議員。
○29番(おばた久弥) 鳥インフルエンザが日本でも各地で報告されているようですので、いつ鳥インフルエンザが変異し、ヒト−ヒト感染を起こす新型インフルエンザが発生するか分かりません。また、今般の新型コロナウイルスのような新興感染症がいつ発生するかは分かりません。十分に備えていただくよう求めます。
 また、目下の新興感染症である新型コロナウイルス感染症ですが、今年の夏には第5波という大変大きな感染拡大が発生しました。現在、国内においては感染が落ち着いている状況ですが、一方で、新たな変異株であるオミクロン株も確認されており、今後、またいつ感染が拡大するかという懸念は拭えません。
 そこでお尋ねですが、今後想定される新型コロナウイルス感染症の第6波に対してどのような準備をされていますか。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 令和3年11月に国が示した基本的対処方針におきましては、今夏の感染拡大に学び、今後、感染力が2倍となった場合にも対応できるよう、医療提供体制の強化、ワクチン接種の促進、治療薬の確保などの対策に取り組むこととされております。福岡市においても、こうした方針を踏まえ、福岡県と連携した医療提供体制の確保、検査体制の拡充、往診、外来診療などによる自宅療養者への支援の充実、業務の効率化や委託化等による保健所体制の強化、福岡市医師会等と連携したワクチンの3回目接種の促進など、第6波に備えた様々な取組を進めております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) おばた久弥議員。
○29番(おばた久弥) それでは最後になりますが、さらなる新興感染症が大流行しても、感染状況に応じた対応が適切かつ柔軟に行えるよう、今般の新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、まずは市の対策の基本的な考え方や発生段階に応じた措置等を示した計画の改定や、危機管理体制の強化に取り組むなど、しっかりと準備を行うべきと考えますが、所見をお伺いします。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 感染症につきましては、人、モノの交流、移動の増大やグローバル化の進展により世界規模での感染拡大が発生しやすくなっており、特にアジアのゲートウェイである福岡市においては、感染症に関する危機管理体制の構築が重要であると認識をいたしております。今後の新興感染症への対応につきましては、これまでの新型コロナウイルス感染症への対応をしっかりと総括した上で、新たな感染症の流行に備えた国や県の行動計画などの方針を踏まえ、市の行動計画を刷新するとともに、検査体制や県と連携した医療提供体制の拡充、地域の実情に応じた防疫を担う保健所体制の整備、感染症担当部局をはじめとした全庁的な危機管理機能の強化など、さらなる感染症対策の充実に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) おばた久弥議員。
○29番(おばた久弥) 今回、私があえてこのような質問をした背景には、先ほどからの答弁にあるように、全て県の計画にのっとって対応していくとの福岡市の姿勢に少なからず不安を覚えているからであります。先ほど我が会派の大原議員の質問への答弁は、全て「事業団が」ということに終始されました。大福岡市保健福祉局の主体性が全く見えないのであります。もう一度、地域の特性に応じた対応を福岡市が本当にできているのか、もう一度検証していただき、市民に安心を与えていただくことを期待して、この質問を終わります。
 次に、土砂災害警戒区域指定による地域への影響について質問いたします。
 土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域、いわゆるイエローゾーン、レッドゾーンにおける避難の在り方や対策、福岡市の今後の取組などにつきましては、我が自民党福岡市議団の川上晋平議員が9月の決算総会質疑において質問をされており、私もとても参考にさせていただいているところであります。しかしながら、イエローゾーン及びレッドゾーンに指定されていることで、今もなお多くの住民が不安を抱えており、私にも、何とかしてほしいという切実な声が届いております。本質問におきましては、川上晋平議員とは別の視点として、土砂災害警戒区域指定による地域への影響について質問してまいります。
 まずは、土砂災害警戒区域の基本的な内容について改めて確認しておきたいと思います。
 イエローゾーン及びレッドゾーンの概要と福岡市内のそれぞれの箇所数、また、各区の内訳についてお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) イエローゾーンにつきましては、急傾斜地の崩壊等が発生した場合には住民等の生命または身体に危害が生じるおそれがあると認められる土地の区域で、当該区域における土砂災害を防止するために警戒避難体制を特に整備すべき土地の区域とされております。レッドゾーンについては、イエローゾーンのうち、急傾斜地の崩壊等が発生した場合には建築物に損壊が生じ、住民等の生命または身体に著しい危害が生じるおそれがあると認められる土地の区域で、一定の開発行為の制限及び居室を有する建築物の構造の規制をすべき土地の区域とされております。
 次に、箇所数については、令和3年4月1日現在でイエローゾーンは1,779か所指定されており、各区の内訳は、東区365か所、博多区85か所、中央区95か所、南区133か所、城南区73か所、早良区449か所、西区579か所となっております。また、イエローゾーンのうち1,537か所がレッドゾーンに指定されており、各区の内訳は、東区282か所、博多区76か所、中央区81か所、南区100か所、城南区52か所、早良区432か所、西区514か所となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) おばた久弥議員。
○29番(おばた久弥) 福岡市内にはイエローゾーンが約1,700か所、そのうちレッドゾーンが約1,500か所というかなりの数が指定されているとのことであります。特に、私の地元である西区が多くなっておりますが、西区に限らず、各区に指定がなされており、イエローゾーンやレッドゾーンの問題が一部の住民に限定した話ではなく、全市的な問題であることが分かっていただけるのではないかと思います。
 ここからは、全市的な観点から、イエローゾーンやレッドゾーンの指定による土地の資産価値への影響について質問してまいります。
 まず、イエローゾーン及びレッドゾーンに指定されると土地の評価にどのような影響が及ぶのでしょうか。
 
○議長(伊藤嘉人) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 固定資産税の土地の評価につきましては、イエローゾーンにおいては土地利用に当たっての制限はないため、減額は行っておりません。また、レッドゾーンにおいては、指定されることにより開発行為の一定の制限や建築物の構造規制等が行われるため、減額を行っております。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) おばた久弥議員。
○29番(おばた久弥) レッドゾーンに指定されると土地の評価額が減額されるとのことですが、レッドゾーンの指定がなされる前と指定された後では福岡市の固定資産税の収入がどの程度変わったのでしょうか。
 
○議長(伊藤嘉人) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 固定資産税の土地評価は地方税法の規定により3年ごとに見直すこととされており、福岡市のレッドゾーンの指定年度と必ずしも一致をしないことから、一概に指定前後で比較はできませんが、福岡市の固定資産税の税額全体からすると影響は小さいものと思われます。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) おばた久弥議員。
○29番(おばた久弥) 大福岡市からすると影響は小さいんでしょうけれども、明確な金額の差は分からないということでありますが、市内の約1,500か所にレッドゾーンが指定されていることからも、固定資産税の税収に及ぼす影響はゼロではないということも行政の皆さんは十分に把握されていると思います。
 では次に、市街化調整区域でも開発が認められる緩和規定の区域に指定され、定住化を促進している地域などでは土地の評価はどうなるか、お答えください。
 
○議長(伊藤嘉人) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 市街化調整区域のうち開発が認められる区域に指定されることにより、直ちに固定資産税の土地の評価額に影響が及ぶものではございませんが、当該区域内の土地の売買取引がなされ、地価が変動する場合には土地の評価額へ反映されることとなります。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) おばた久弥議員。
○29番(おばた久弥) 定住化が促進されることで、本来は資産価値が上がる可能性があるのに、レッドゾーンに指定されているがために、そうした区域から除外され、土地の評価が下がるのであれば、土地の所有者にとっては大きな痛手であります。田舎という言葉はあまり使いたくないですけれども、田舎ではもともと土地が安いところが多いんですが、土地の面積が大きいので、その土地がどういうエリアになっているのか、福岡市がどういう施策を進めているかによって資産価値に大きな違いが出てきます。また、そういうところは高齢化しているところが多く、相続の問題にも関わってきます。住民の生命を守るというイエローゾーンやレッドゾーンの指定の意義は大変よく理解でき、もちろんそれは大切なことですが、指定によって個人の資産価値にも大きな影響があるのだということを行政の皆さんにもきちんと理解しておいていただきたいと思います。
 これまで、イエローゾーン及びレッドゾーンの指定による全市的な問題として、土地の資産価値への影響について質問してまいりました。ここからは、イエローゾーン及びレッドゾーンの指定による定住化への妨げの懸念について触れておきたいと思います。
 冒頭で当局から答弁があったとおり、イエローゾーン及びレッドゾーンの各区の内訳においては、福岡市の中でも特に山間部を含む東区、早良区、西区が多くなっていることが分かりました。私の地元である西区の今津や今宿上ノ原地区などは市街化調整区域にある集落ですが、山間部にあるということでイエローゾーンやレッドゾーンの指定が多くなされております。西区に限らず、市街化調整区域のこういった集落は、イエローゾーンやレッドゾーンが指定されている地域が多いのではないかと思います。
 イエローゾーンやレッドゾーンのエリア内に土砂災害などが発生した場合には、住民の生命や身体に危険が生じるおそれがあるため、そういった場所であることを関係住民に知らしめ、不測の災害に備えるためにもエリアの指定は必要なことであると思います。しかしながら、福岡市の市街化調整区域の一部においては、人口減少や高齢化の進行などの課題を抱える地域があることも事実です。市街化調整区域の活性化につきましては、地域コミュニティの維持、活性化が図られるよう、福岡市の重要施策の一つとして様々な取組を行っておられ、大変感謝しているところであります。一方で、イエローゾーンやレッドゾーンの指定によって、市街化調整区域における既存集落の今後の地域コミュニティの維持、活性化や定住化の妨げになるのではないかと懸念をしております。福岡市としては、災害から市民の生命及び身体を守らなければならない一方で、市街化調整区域など、過疎化が進んでいる地域に歯止めをかけなければならない。どちらも福岡市として大変重要な施策であります。災害から市民の生命及び生活環境を守るため、安全への配慮は大事なことですので、引き続き地域住民の声も聞きながら、地域の活性化や定住化を進めていただきたいと思います。
 ここまで、イエローゾーンやレッドゾーンの概要や課題などについて質問してまいりました。ここからは、指定された区域の住民に対する支援や対策、エリアの解消に向けた取組などについて質問します。
 まず、レッドゾーンにおいて、建物の改修などに関して行政として何らかの支援を行っているのか、改めてお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) レッドゾーンにおいては、国の制度を活用し、土砂災害に対する安全性を確保するための外壁の改修や擁壁の設置に対し、経費の23%かつ75万9,000円を限度に助成を行うほか、レッドゾーン、イエローゾーン以外の市内への移転に際し、97万5,000円を限度に助成を行っております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) おばた久弥議員。
○29番(おばた久弥) 安全性を確保するための外壁の改修や擁壁の設置、市内のイエローゾーンやレッドゾーン以外の場所への移転等に対し助成しているとのことですが、その金額はごく僅かであり、大部分は個人で負担するしかありません。住民への支援としては不十分と言わざるを得ないと思います。ないよりましという程度ですね。エリア内のそれぞれの住民に過度な負担を強いるのではなく、イエローゾーンやレッドゾーンの解消に向けて、行政が主体的に動くべきであると思います。川上晋平議員の決算総会の質疑でのやり取りによりますと、エリア内のそれぞれの敷地において対策工事を行ったとしてもレッドゾーンが解除されるものではないが、県の急傾斜地崩壊対策事業が実施されると、イエローゾーンは地形で決められているため解消されず災害ハザードエリアからは外れないものの、レッドゾーンについては解消されるとのことです。住民の不安を解消し、財産を守るためにも、やはり行政が対策工事を実施すべきであると思います。
 県は毎年60か所程度で急傾斜地崩壊対策事業を実施しているそうですが、県内において事業の採択要件を満たす箇所はかなりの数になると思います。県内全域が対象となりますので、その中でも福岡市内で事業を実施できる箇所はごく僅かであると思います。
 そこで、市内のレッドゾーンで県による急傾斜地崩壊対策事業の要件を満たす対象箇所は幾つあり、そのうち年間に何か所程度工事を実施されているのか、お伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 市内にあるレッドゾーン1,537か所のうち、急傾斜地崩壊対策事業の採択要件である事業費7,000万円以上、急傾斜地の高さが10メートル以上、被害が及ぶおそれのある人家の戸数がおおむね10戸以上などを満たす対象箇所は147か所となっております。また、県における工事の実施状況といたしましては、近年、市内3か所程度で複数年かけて事業が進められているところでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) おばた久弥議員。
○29番(おばた久弥) 県の採択要件を満たすものは市内に147か所あり、年間に3か所程度しか工事を実施できないのであれば、全ての箇所の工事が終わるのに、少なくともこれから50年以上、1つの工事に2年かかるとすると100年以上が必要という計算になります。県内でも優先順位が高い箇所から整備を進めていくのでしょうから、福岡市の順番はいつになるか分からないということだと思います。
 これまで質問してきたとおり、土砂災害警戒区域指定による地域への影響は、財産の問題や定住化の妨げなどにも及んでおります。また、宅地だけでなく、農地整備にも大きな影響を及ぼすものであると考えております。これらは市民の生活や人生設計に関わる大きな問題です。区域指定されているからしようがないでは済まされない問題です。特に市街化調整区域の定住化促進とレッドゾーンの指定は二律背反の施策であり、相入れないものではないかと私は考えています。決算総会質疑で川上晋平議員も述べられていたとおり、レッドゾーンの解消に向けた事業については県が実施するものではありますが、福岡市としても独自の対策を実施すべきであると考えております。福岡市の問題は福岡市が主体となって解決するんだという覚悟を持って、他の政令市とも情報交換を行いながら、国から直接補助が受けられるような制度を要望するなど、国、県への積極的な働きかけと市独自の対策をぜひ検討していただきたいと思います。
 最後に、土砂災害警戒区域指定による地域への影響が低減されるよう、市としても最大限の努力をしていただくことを強く要望し、私の質問を終わります。
 
○議長(伊藤嘉人) 調崇史議員。
○15番(調 崇史)登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表して、油山の登山道、空き家の有効活用、豪雨災害時の避難、それから生活交通について、以上4点について質問をいたします。
 まず、油山の登山道についてです。
 コロナ禍で土日に地域行事が入らないことが多くなりましたので、かつての友人とか先輩などと連れ立って油山にたまに登るようになりました。城南区の東油山六丁目から山に入りまして、市民の森の管理事務所まで登って、そこからはAからCの3つの登山ルートが整備されているんですけれども、この市民の森からおおむね1時間半から2時間程度で山頂に着きます。休憩を挟みながらゆっくり、それでも往復4時間程度で楽しめる油山登山は観光資源としての魅力も感じられるところでありますし、健康づくりの観点からも、もっとはやっていいのではないかというふうに思うわけでありますけれども、それほど何か本市として推奨しているというふうにも感じないところであります。
 そこでお尋ねしますが、本市はこれまで油山の登山道の整備にどのように取り組んでこられたでしょうか、お示しをいただきたいと思います。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は発言者席で行います。
 
○議長(伊藤嘉人) 中村農林水産局長。
○農林水産局長(中村健児) 油山市民の森から油山山頂へ向かう登山道の整備につきましては、市民の健康づくりと自然との触れ合いを充実させるため、昭和61年度から平成5年度にかけてA、B、C、3つの登山ルートを整備したものでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 市民の森から山頂へのAからCのルートを整備していただいたということであります。ただ、そのほかのルートというのが幾つかあるんですけれども、そこには手を入れていないということだと思います。今日は、実は非常にもったいないじゃないかという観点から質問させていただくわけです。
 本市として油山への登山に対する基本姿勢といいますか、登山そのものを推奨しているのかどうかということについて答弁をいただきたいと思います。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 登山はハイキングからクライミングまで範囲が広く、それぞれの体力や技術、経験に応じて、自然の風景を楽しむことや健康づくりなどを目的に行われていると認識しております。油山をはじめ、市内のハイキングコースは本市の恵まれた自然環境を活用し、身近なレクリエーションの場を提供するとともに、市民の健康づくりを促進する観点から取り組んでおります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 以下、あまり手入れの行き届いていない登山道のことを話題にしたいと思うんですけれども、市が整備したAからCのルート以外の話であります。油山山頂からの下りなんですが、私の場合は、私の里である梅林方面へのルートを通るんですけれども、おおむね1時間半程度。ちょっと今日、その眺めを見ていただきたいと写真を準備したんですが、すみません、印刷に自分で行ったらサイズを間違ってしまいまして、ちょっと大きい自分で持てないサイズで、(パネル表示)コピー屋さんでも怒られてしまったんですが、これは下りかけにある妙見山という山頂からの眺めなんです。油山から梅林のほうに下っていく途中に、もう1つ山があるということなんです。実は油山の山頂って城南区から東側があんまり見えないんですけれども、この妙見山からだと、ちょうど正面、この日は8月、すごく晴れた日で小呂まで見えるぐらい晴れておりました。切れているんですけど、東は空港のほうまで飛行機の離発着も見えるし、西は今津のほうまでしっかり見えるということで、言い切ってしまうんですけど、油山の山頂よりこっちのほうがはっきり言って眺めはいいということなんですね。
 こういうものがある梅林ルートなんですが、地域の登山愛好家の方から、登山道がちょっと危ないんじゃないかというふうな声をいただいたもんですから、私は去る9月26日、状況を確認するためにですね、我が会派の川上陽平政調会長にお付き合いいただいて油山に登ってまいりました。端的にちょっと危ないと感じたところを──これは急にサイズが、これでもA1で小さく見えるんですけど、(パネル表示)これは尾根なんですね、登山道が。この部分が、要は平均台みたいになってしまって、雨で削れてしまって、非常に薄くなっているというふうな状況。横はそんなに急じゃないにしても傾斜ですので、ちょっと、こう崩れてしまうと非常に怖いかな、転落してしまうかなというおそれがある。ただ、削ってなだらかにするにしても、これは周りが全部腐葉土なので、削れば済むという話でもなさそうだなという非常に悩ましい事例です。もう一つが、(パネル表示)これも谷になっているんですけど、昔、ここは谷に木をはめて、実は土が入っていたんですね。これは階段になっていたんですが、雨の通り道でどんどん土が流れてしまって、もう浮いてしまっています。これは足かけのわなみたいになってしまっているという、そういう状況です。(パネル表示)そしてもう一つが、これも谷になっているんですが、雨の通り道なんですけれども、かなり深くなって、御高齢の登山客の方なんかは両手にいわゆるストックといいますか、あれを持って楽しまれているんですけど、こういうふうになると、ちょっとそれも使いようがないというふうな状況になっている、そういう状況であります。
 こうした幾つか危ないかなというふうな部分があったんですけれども、こういった危険箇所で、もし遭難というか、けがなどが起きてしまった場合に、やはり福岡市の消防のほうとか、いわゆる救助体制を組んだりとかいうことでやはり大変なことになると。極端な危険箇所というのは、ある程度解消しておくのが望ましいんじゃないかというふうに思ったところであります。
 この登山道の危険箇所について何らか点検をして、必要な改修を加えるべきではないかというふうに思うところでありますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) ハイキングコースにつきましては、地権者から土地の使用承諾を得た上で設定し、自然を楽しむため、また安全確保のため最小限の整備を行っております。御指摘の登山道は自然発生的に利用されている登山ルートの一つと考えられ、主に民有地内に位置していると想定されることから、まずは現況について確認してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 答弁にあったとおり、民有地が入り組んでいるということで、山もそんなに簡単じゃないんだなということのようであります。ただ、現況調査していただいて、ぜひ打てる手を考えていただきたいというふうにお願いを申し上げておきます。
 次に、空き家の有効活用についてでございます。
 議員として日頃地域活動をしておりますとですね、隣の空き家の木が茂って困っている、どうにかならないかという御相談を年に一、二件いただいている状況であります。空き家問題への対処というのは重要な政策課題でありますけれども、こうした中で、本市でも国の空き家対策総合支援事業を活用するために、自治体が定めるべき計画であります空家等対策計画がこのほど策定をされました。
 まずは、国の空き家対策総合支援事業について、どのような支援が得られるのか、空き家をどのように活用する場合に使えるものなのか、答弁を求めます。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 国の空き家対策総合支援事業は、市町村が空家等対策計画に基づき総合的に対策に取り組む場合、その活用などについて改修費等の一部を補助するものでございます。活用用途としては、地域集会所や福祉施設などの地域コミュニティの維持、再生に関するものが対象となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 今答弁がありました中で特に気になっていますのが、空き家を地域集会所として活用する場合にも支援の対象となり得るという点であります。私が事務所を置かせていただいております校区だけでも、少なくとも2つの町内から集会所が欲しいという声を伺っています。
 今日は地域集会所への活用に絞って質問をさせていただきたいと思いますが、初めに、過去5年間、福岡市で新たにできた地域集会所というのが幾つございますでしょうか。また、空き家活用の実績を把握しておられるか、お尋ねをいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 地域集会施設に対する支援につきましては、自治会、町内会を対象に地域集会施設補助金制度を設けております。過去5年間に本補助金を活用して設置された地域集会施設数につきましては、平成28年度は2件、29年度は1件、30年度は4件、令和元年度はゼロ件、2年度は2件の合計9件となっております。そのうち、空き家を活用したものはゼロ件となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 9件で、空き家活用はゼロということでした。
 地域集会所のニーズについて本市がアンケートを取ったという実績はないということを聞いているんですけれども、どれくらいの地域自治組織が集会所を持っているのかということは調査されたことがあるということでした。御参考までに、その調査の結果をお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 平成30年度に自治会、町内会を対象に実施したアンケート結果によりますと、回答があった1,737団体のうち、地域集会施設を保有している団体は776団体であり、約45%となっております。また、保有している776団体のうち、地域集会施設を所有している団体が506団体、地域集会施設として建物を借り上げている団体が270団体となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) これまで本市では、公園内に地域がパークハウスという集会にも使える公園施設を建てることを特例的に認めてきましたが、用地費の確保が必要でないこの手法ですね、公園内のパークハウスでさえ、建設費などの捻出が町内単位では簡単ではないので、それほど活用が進んでいないというように認識をしております。一方で、国の空き家対策総合支援事業を活用すれば、既に建っている空き家を地域集会所として活用する場合に改装費等の一定額が支援の対象となるということでありますので、地域から大変喜ばれるのではないかと思うと同時に、空き家を少しでも減らしていく一助となるということも期待できると考えています。
 住宅都市局にお尋ねいたしますけれども、空き家を改装して地域集会所として活用する場合の国の空き家対策総合支援事業の活用イメージについてお示しをいただきたいと思います。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 空き家対策総合支援事業では、空き家を地域集会所へ改修し、10年以上活用する場合に内外装工事などの改修費の一部を所有者または賃借人へ補助することができます。補助額については、空き家所有者等が改修する場合、最大で国、市合わせて3分の2を負担することになっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 国、市合わせて3分の2の改装費負担があり得るということです。やはり国の空き家対策総合支援事業をぜひ活用していくということが、やはり今取っておられる方向性がいいのじゃないかなというふうに思うところであります。
 市が改装費に助成を行うとした場合なんですが、このやり取りの窓口というのは、市民局になっていくのかなというふうに思うわけです。市民局ですけれども、先ほど答弁があったとおり、これまで地域自治組織が集会所を建てる際に一定の額を助成してこられました。しかし、現在、助成の対象となっているのは地域自治組織が建物を所有するケースでありまして、空き家活用、つまり所有者が別にいる場合については想定がございません。国の空き家対策総合支援事業に対応していくためには補助要綱の見直しが必要になるというふうに思われるわけです。つまりは空き家活用の前提として、市民局としては地域自治組織が所有しない建物の改装に対する助成ができるように御検討いただく必要があると思うわけです。
 ここは課題を整理した上で、できるだけ早い時期に要綱の見直しを進めていただきたいと願うところでありますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 地域集会施設の改修につきましては、自治会、町内会が所有する建物については助成の対象としております。自治会、町内会が所有しない建物の改修への助成については、令和3年12月に策定された福岡市空家等対策計画なども踏まえながら、関係局と連携し、検討を進めてまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 空き家の活用が想定されるケースとしてですが、今日は地域集会所ばかり話題にしましたが、例えば、NPO、社会福祉法人などが開設する児童福祉に関する施設とか、あるいは保育、介護などに関連する施設も空き家活用のケースがあり得るというふうに思います。こうした公益性のあるサービスを提供する施設の開設時には、本市の各所管局ごとに様々な助成制度を準備していただいています。
 今日お願いをしたいことは2点ありまして、1点目は、空き家対策が急務であることに鑑みて、国の支援事業ができれば来年度から活用できるように準備を進めていただけないかということであります。そして2点目は、各局において所管される公益サービス事業者の開設支援メニューを見直していただいて、空き家を活用するケースに対して補助金の支出ができるように今のうちから要綱等を見直していただきたいということであります。
 この質問の最後に、私が今述べさせていただいた2点について、ぜひとも前向きな取組をお願いしたいというふうに考えるわけでありますが、これは局を横断する内容になりますので、二役のほうでしっかり各局の取組を注視していただくということがよいのかなというふうに思います。副市長の所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 光山副市長。
○副市長(光山裕朗) 福岡市の空き家につきましては長期的に見ると増加傾向にありまして、特に賃貸や売却用以外の利活用の余地がある空き家は一貫して増加をしておりまして、これまでも官民が連携いたしました住宅市場活性化協議会における流通促進など、空き家の発生予防や利活用、適正管理の促進などに幅広く取り組んできたところでございます。一方で、空き家活用の社会的ニーズの高まりを受けまして、空き家を利活用の余地がある地域の資産として捉え、福岡市全体で施策を総合的かつ計画的に推進するため、福岡市空家等対策計画を12月に策定したところでございます。この計画の策定によりまして、国の支援メニューでございます空き家対策総合支援事業の活用が可能となることから、空き家を地域集会所や福祉施設へ用途転換する際の改修費用に対する助成など、地域活性化に資する課題解決にも寄与できるものと考えており、各局での積極的な活用を促してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) どうもありがとうございました。よろしくお願いします。
 次にですね、豪雨災害時の避難についてということであります。
 つい先ほどおばた久弥議員がレッドゾーン、イエローゾーンの資産価値、税収、そういった観点の問題に触れられたばかりでありますけれども、私は避難の観点で質問をさせていただきたいと思います。
 今年8月の大雨がありましたが、多くの校区で避難所が開設されました。各避難所には区役所からだけではなくて、各局から応援の職員さんも出られて、夜間を含めて張りついていただいたというふうに認識をしています。ただ、実際に避難をした市民の方というのは、総じて少なかったわけであります。この点は、さきの決算議会でも川上晋平議員が質問されたので、できる限り重複は避けたいというふうに思っておりますが、幾つか確認や提案をさせていただきたいと思っています。
 まず、8月の大雨における避難所開設数について、ピーク時で何か所になったのかをお尋ねいたします。あわせて、どのような地域が避難指示の対象となり、対象者数はピーク時で何人だったのか、お尋ねをいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 8月11日からの大雨で開設した避難所の数につきましては、最大で119か所でございます。また、避難指示を発令した対象は、土砂災害の発生のおそれがある区域及び河川氾濫のおそれがある区域で、対象者数は両区域合わせて14万4,992人でございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 8月の大雨の際に実際に福岡市が開設した避難所に避難された市民の数のピーク、何人かをお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 8月11日からの大雨に伴う避難者数につきましては、最大105人でございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 約14万5,000人の対象者がいて、実際に避難されたのが最大で105人ということでありました。避難所開設のために張りついていただいた職員の方の延べ人数が1,689人というふうに伺っていますけれども、やはり避難された方よりも職員の方のほうが多かったというのが今年の8月の大雨だったわけであります。ちょっと疑問に思ったというところなんですけれども、福岡市として、今回本当に逃げてほしかったのかどうかというところなんですね。それとも、不安な方はどうぞというぐらいのスタンスだったのか。避難所の開設は非常に早かったと思いますし、職員の皆さんに大変な御苦労をいただいて維持をされたことは当然評価すべきでありますけれども、結果として、やはり大半の市民の皆様は避難をされなかった。だからといって、次の大雨シーズンが来たときに、来年の初夏以降になると思うんですが、同じ程度の雨の予想があれば、これまた避難所を開設しないわけにはいかないというふうに思うわけです。こうしたことを繰り返しているうちに、避難指示という言葉も何か大したことがないというような間違った雰囲気が漂い始めて、本当に逃げるべきときに逃げ遅れるということになってしまわないかということを危惧いたしております。
 そもそもレッドゾーン、イエローゾーンの線引きがされる際の話ですが、これは基本的に県が決めたことという状況でして、福岡市として何かその線引きに意見を申し述べる機会がなかったというふうに聞いています。土砂災害を想定した避難を呼びかけるのも、そういう意味では基本的に県の線引きに沿って行っているというのが実情であります。本市として、もう少し細かな精査が必要ではないかということを率直に思います。今年8月に避難の対象となった市民の全てを各校区あるいは地域で公設になっている避難所に収容することはできません。これは川上晋平議員も質疑で明らかにされましたが、このような状況でただ避難所を開設するということであっても、言葉は悪いんですが、帳面消しに終わってしまうおそれがあるということであります。
 避難指示の発令と同時に、必ず逃げてほしい世帯というのをもう少し絞り込んで精査する作業をぜひ行っていただきたいというふうに考えるわけでありますが、御所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) イエローゾーン及びレッドゾーンにつきましては、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律に基づき、福岡県において区域指定に必要な基礎調査等を実施し、指定されているものでございます。過去の大雨では、イエローゾーンにおいても家屋被害等が発生するなど、土砂災害の予測は困難であることから、国の基準に沿って県が指定した区域からさらに避難すべき世帯等を絞り込むことは困難であり、福岡市としましては、土砂災害のおそれのあるイエローゾーンとレッドゾーンの住民の皆様に対し、適切な避難行動を取っていただけるよう、引き続き周知、啓発に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 精査してくださいと言ったけど、なかなか難しいということだとは思います。だったら、違った方面での努力をお願いできないかという視点で、以下、私見を述べさせていただきたいと思うんですけれども、そもそも大雨の災害は地震とは異なりまして、多少事前の想定が可能であります。備えができるということです。大雨災害時の行動予定を記したマイ・タイムラインの準備が推奨されています。本市のホームページでは、作成手順を紹介するなど、それなりに広報されているようでありますが、市民に十分に広く認知されているという感じは今のところしておりません。
 マイ・タイムライン、ざっと言いますと、台風の接近とか気圧配置などの関係で大雨が予想される二、三日ぐらい前から、現に雨が降り出すまでの行動あるいは準備について、あらかじめ個人や世帯ごとのスケジュールを明記しておくというものであります。個人的な発想の領域は出ないんですが、先ほど申し上げたように、福岡市の避難所に全ての避難対象者が入らないということが前提になっていますので、例えば、このマイ・タイムラインに親戚の家あるいはホテルへの避難というのを明記して、その情報を行政に事前登録しておくと、例えば、実際の災害時に避難した際の交通費あるいはホテルの滞在費のうち一定額が助成されるなどといった、思い切った特典つきの意識づけがあってもいいのではないかというふうに思うわけです。大事なのは、福岡市として、校区、地域の避難所だけではなくて、別の避難方法もしっかり考えていますよということを示すことだと思います。そして、市民に災害への備えと計画的な避難行動をしっかり呼びかけるということが大事だと思います。今日、先ほどあえて帳面消しという厳しい例えを出したんですが、市民の命がかかっているので、これからぜひ有効な手だてを示していただかなければいけないというふうに思っているところです。
 今日のところは、この質問の最後に、レッドゾーンやイエローゾーンにお住まいの方々のうち、災害時、特に避難行動を急いでいただきたい高齢者などの配慮を要する方々に対してマイ・タイムラインの作成を積極的に勧奨すべきだというふうに考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 災害時における適切な避難行動につきましては、日頃からハザードマップ等により御自宅周辺の危険度を確認しておいていただき、災害時には気象情報や福岡市が発令する避難情報を踏まえ、状況に応じ適切な避難行動を取っていただくことが重要であると考えております。マイ・タイムラインについては、災害発生時に自らの身を守る方法や避難などについて家庭などであらかじめ考えるきっかけとなり、市民の適切な避難行動につながることから、ホームページに作成手順を掲載するほか、地域での出前講座で周知を行っているところでございます。今後、特にレッドゾーンやイエローゾーン等における高齢者などの配慮を要する方々の適切な避難行動につながるよう、マイ・タイムラインを活用した避難行動の支援強化に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) よろしくお願いします。
 最後の項目で、生活交通についてであります。
 自由民主党福岡市議団においては、9月に川上晋平議員を座長として生活交通プロジェクトチームを立ち上げまして、団塊の世代が後期高齢者となられる2025年を念頭に、いつまでも住み慣れた地域で暮らしていける福岡市を実現するために、必要な交通手段について本格的な検討に取り組んでいるところであります。プロジェクトチームを以下PTと申しますが、私、PTのメンバーの一員として、今後の具体的な検討について要望を交えて質問させていただきたいというふうに思います。
 まず、本年6月の議会質問において生活交通に関する質問をさせていただきましたが、今年度はぜひともこの問題に取り組む上で、いつまでに何をやるという意味でのロードマップを作ることから頑張っていただきたい旨のお願いを申し上げたところであります。
 今年度の生活交通に関する検討状況、進捗等あればお知らせをいただきたいと思います。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 令和3年度は生活交通条例に基づく休廃止対策などに引き続き取り組むとともに、多様な交通手段の特性などの調査、検討を行っているところであります。近年、AIを活用したオンデマンド交通といった新たな取組など、交通手段は多様化しており、持続可能な生活交通としていくためには、運行形態や車両等によって異なる交通手段の特徴と地域の実情をうまくマッチングする必要があると考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) これまで本市の生活交通に関する取組というのは、議員提案である、いわゆる生活交通条例に沿って行われてまいりました。時間の経過とともに、最近の課題である都心部の高齢化、あるいは市内各地の高台が抱える課題などに追いつかなくなってきたということは既にこれまでも指摘をさせていただいてまいりました。PTでは、まず、既存のバス路線等を維持しながらも、市内7行政区のそれぞれの地域が抱える課題に対応するための新たな交通手段としてオンデマンド交通に関する研究を進めています。
 総括的にお伺いします。生活交通の確保に向けて、オンデマンド交通を他都市で導入している事例についてお示しをいただきたいと思います。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) オンデマンド交通の事例といたしまして、愛知県豊明市では定員8名のジャンボタクシー車両2台で運行、長崎県五島市富江地区では定員4名の小型タクシー車両1台で運行されているものなどがあります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 御答弁でありました愛知県の豊明市のケースですが、御当地の大手薬局が大口のスポンサーになっていらっしゃるようです。一方で、地域のコミュニティ施設とか市役所などの公共施設へのアクセスも確保するということになっているから、行政も一定の負担をしているということを聞いております。
 豊明市ではスポンサーと行政がどのように事業の経費を負担しているのか、基本的な考え方や仕組みについてお示しください。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 豊明市におきましては、交通空白地対策等として、民間事業者が運営主体となった「チョイソコとよあけ」が運行されており、採算性の向上を図るため、協賛金額に応じて乗り場設置や車内広告などの特典を受けられるエリアスポンサー制度が導入されております。また、運行経費からスポンサー収入や運賃収入等を差し引いた額を行政が負担していると聞いております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 伺うところによりますと、豊明市のケースですが、経費のかなり大きな部分を公金で支えている、公的な支出で支えているようであります。私はこれまでの質問でも再三述べさせていただいてきたんですけれども、事業の持続可能性というものを念頭に置いたときには、民間の採算にできるだけ乗るような仕組みをまずは目指すべきではないかというふうに考えています。行政の負担も必要な場面というのは必ずあるんですが、それにしても採算性を度外視すべきではないというふうに思うところであります。
 本市では、アイランドシティでの実証運行を皮切りに、西区の橋本駅エリアでもオンデマンド交通の試験的な取組が進んでおります。橋本駅・壱岐南地区での運行は周辺の商業施設などがスポンサーとなり協賛金を出しておられるので、アイランドシティでの実証運行よりも、かなり実用化に近い取組になっているというふうに認識をしています。
 壱岐南地区の実証運行については、スポンサー収入等を踏まえ、目標利用者数をどのように組み立てたのか、概要をお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 民間事業者により実証運行されているオンデマンドバス「壱岐南のるーと」につきましては、沿線の病院や商業施設などからの広告協賛が行われております。目標利用者数につきましては、運行経費から協賛金収入等を差し引いた額を運賃収入目標額とし、目標利用者数を設定していると聞いており、現在、1日当たり72人とされております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 今御答弁、お示しをいただいた目標に対して、実際のところがどうなっているのか、お示しください。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 「壱岐南のるーと」は、コロナ下の令和2年6月から運行を開始しており、利用者数は令和2年度平均で1日当たり22人、令和3年10月の1か月間平均で1日当たり32人と目標には達しておりませんが、運行開始以降、地域や交通事業者と一体となって利用促進に取り組んでおり、利用者は徐々に増加しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 大変参考になる事例でありまして、引き続き注視をしていきたいというふうに思います。
 自由民主党福岡市議団では、生活交通について、今年、独自のアンケート調査を行いました。概要については6月議会でも御紹介させていただいたんですが、本市がおととし行ったアンケート調査の結果と市議団独自の調査も併せて判断をしたところでありますが、高齢者の買物あるいは通院の外出頻度として最も多い回答というのが、地域特性にかかわらず、週に二、三回であると。地理的要因、公共交通からの距離などで課題を抱える地域では自家用車への依存度が高く、運転免許証の返納が進みにくいということなどが明らかになりました。こうした状況も加味してプロジェクトチームで研究していますのは、週二、三回の運行エリアを幾つか組み合わせるという手法、つまり、同じところを毎日車両が走っているというのではなくて、例えば、3つのエリアで、1つのエリアは月、木、2つ目が火、金、3つ目が水、土、次はこのローテーションを入れ替えるといったことをしながら、自家用車の感覚に近い車両を可能な限り幅広いエリアで運行して、幅広いニーズに応えられる事業手法にならないかということであります。オンデマンド交通の新たな展開ということになると思うんですが、今申し上げた手法だと、毎日外出をしたいんだというニーズにはお応えすることはできないわけなんですけれども、一方で、多くのスポンサー収入が見込めるエリアとそうではないエリアを組み合わせることで、事業採算を確保しながらサービスを維持していけないか、また、現在よりもサービスのエリアを広げられないかということを考えているところであります。
 これまでにプロジェクトチームでは、市内各地で高台、山間地、公共交通の乗り入れがない地域、あるいは道路狭隘な地域などをリストアップして、これらの地域から結節していくことが望ましいと考えられる利便施設の集積エリアを地図上に落とし込むという作業を行いました。また、こうした地図上の作業と併せて、今月の3日にプロジェクトチームのメンバー全員で市内7行政区を順に回りました。例えば、中央区なんですが、意外なほどに急な坂道が多く、運転免許証の返納後の生活維持というのが明らかに困難だと思われる地域がありました。博多区には、坂が多いだけではなく、志免町の道路を経由しなければたどり着けないという飛び地のエリアもありました。東区、早良区、西区には、公共交通網がなく利便施設も集積していない農山漁村地域があり、また、南区、城南区には、油山の裾に沿って高台の住宅街というのが連なっております。メンバー全員でそれぞれの区の代表的な課題地域の現状を共有したところであります。今後は事業者からのヒアリングも含めて、オンデマンド交通の具体的な採算性の課題などについても研究を進めていくことにしております。
 こうした会派の取組状況をお伝えさせていただいた上で、以下、特に会派を代表して明確な答弁をお願いしたいというふうに思うわけでありますが、1つは、生活交通の確保が喫緊の課題であるという危機感の共有であります。冒頭でも述べさせていただきましたし、これまでの質問でも繰り返し述べさせていただいてきたんですが、私どもは2025年を念頭に置いて、生活交通の確保に向けた取組を急ぐべきだということを考えています。さらにもう1点は、今日述べさせていただいたとおり、一つの具体的な手法としてオンデマンド交通を軸とした課題解決の手法について、検討へと歩みを進めていただきたいということであります。もちろん、これまでの生活交通条例の枠組みで進めていただいてきた公共交通空白地や不便地対策、これらを維持しながらなんですが、条例が想定していなかった事態、つまりは過疎化が進む地域以外にも高齢化の波とともに、困難が広がっているという問題への対処法を真剣に検討していただきたいということであります。
 以上、2点をまとめてお伺いさせていただきますが、改めて生活交通の問題に対して本市が今後危機感を持った取組を進めていただくように求めるものでありますが、決意をお伺いしたいと思います。また、現在本市で進んでいる事業者主体のオンデマンド交通の実証運行に加えて、本市としても主体的にオンデマンド交通の利便性、採算性などの課題に関する具体的な検討を進めていただきたいと考えておりますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 生活交通確保に向けた取組につきましては、高齢化の進展などに伴い、今後ますます重要性が高まっていくと考えております。一方で、郊外部における人口減少やバス乗務員の不足に加え、今般の新型コロナウイルス感染症の影響に伴いバス利用者が減少していることなどから、路線バスの維持について事業者とも危機感を共有しているところであります。このため、生活交通条例に基づく休廃止対策などに着実に取り組んでいくとともに、持続可能な取組の一つとして展開の可能性があるオンデマンド交通について、まずは運行内容の工夫などによる試験的な運行を視野に検討を進めるなど、地域の実情に応じた持続可能な生活交通の確保に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 危機感を共有していただけたと思いますし、また、本市としてもオンデマンド交通をテストしていくお考えをお示しいただいたというふうに思います。心から御期待を申し上げたいと思いますし、また、テストしていく上でスポンサー探しとかニーズ調査とか、いろんな問題、課題が手前であると思うんですが、必要な場面があれば、我々もしっかり連携をして汗をかきたいというふうに思っております。
 会派としては引き続き2025年を一つの目標年次としながら、本市のできる限り広いエリアにおいて展開が可能な生活交通の確保策について鋭意研究を進めたいというように考えています。いつまでも住み慣れた地域で暮らしていける福岡市を実現するという目標に向けて、本市が今後さらに一層、生活交通の問題に力を入れていただくことを切に要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
 
○議長(伊藤嘉人) この際、休憩し、午後4時10分に再開いたします。
午後3時59分 休憩  
午後4時10分 開議  
○副議長(山口剛司) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。
 この際、あらかじめ時間を延長いたします。森あやこ議員。
○45番(森 あやこ)登壇 私は緑の党と市民ネットワークの会を代表し、新型コロナウイルスワクチン接種について質問いたします。
 先日の議案質疑では補正予算案に係る感染症対策費等に関してお聞きしましたが、本日は副反応やワクチンパスポートなどについてお伺いしてまいります。
 政府は国全体のベネフィットとして、多くの情報は接種を推奨するものとなっていますが、それは必ずしも個人のベネフィットと同じではありません。薬剤におけるベネフィットとは、薬本来が目的としている効き目のこと。しかし、そのほかの好ましくない副作用、つまりリスクが出ることもあります。例えば、抗生物質によって細菌感染を治療するベネフィットの一方で、リスクとして下痢を伴うこともあります。また、薬剤耐性菌を発生させる原因でもあり、これは世界的な社会のリスクとなっています。ウイルス性感染症予防としてのワクチンも、自分や家族、特にお子さんや養護している方などにとっての個々のリスクをよくよく理解する必要があります。
 そこでまず、副反応についてですが、国全体と福岡市民の副反応報告数、死亡事例数についてお尋ねをいたします。
 以上で1問目を終わり、2問目からは発言者席にて行います。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 厚生労働省のホームページによりますと、11月14日現在で約2億回行われましたワクチン接種のうち、全国の副反応疑い報告は4万7,634件となっており、接種との関係なしまたは評価不能とされたものも含まれております。また、死亡事例の報告は11月26日現在で1,387件となっております。このうち、専門家による評価を終えたものが1,315件で、内訳は情報不足等により接種との因果関係は評価できないとされたものが1,308件、ワクチンと死亡との因果関係が認められないとされたものが7件となっております。
 次に、国から情報提供が行われている福岡市民の副反応疑い報告につきましては、11月末現在で160件となっており、うち死亡事例は13件で、いずれも情報不足等により接種との因果関係は評価できないとされております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 厚労省のホームページにある副反応報告を細かく見ると、報告医の評価が「関連あり」で、「ワクチンと死亡との因果関係は否定できない」との記述があっても、「因果関係は評価できない」との部類がされて、認められたものはないということになっています。不明な項目が多く、一人一人の評価のための詳しい調査を積極的に行うことはされていません。これでエビデンスが得られるとは思えません。
 副反応報告の状況がある中で、接種を実施する市と国の協議は具体的にどのようにされているのでしょうか。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 新型コロナウイルスのワクチン接種につきましては、予防接種法に基づき、厚生労働大臣の指示の下、市町村が実施することとなっております。また、接種に係る事務取扱いなどについて、適宜、国から通知が発出されますとともに、自治体に向けたオンライン説明会も実施されております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 12月3日の副反応検討部会で、モデルナは10代、20代の男性において一般集団と比べて報告頻度が高いことが示され、ファイザーにおいてもおおむね同様の傾向が示されています。9月から比べてみると、30代、40代でも発症確率は増加しております。
 市として安全性に関する懸念はないのでしょうか。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 副反応疑い報告として国が収集した事例につきましては、全て厚生労働省の審議会において専門家による評価が行われており、安全性において重大な懸念は認められないとされております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 検討部会では、現時点においては個々の死亡事例について新型コロナワクチンとの因果関係があると結論づけられた事例は認めないとしたものの、心筋炎等について重大な副反応と位置づけるとしました。ほかにも様々な議論がありますが、自治体や市民には届きづらいと思います。厚生労働省のホームページにある資料を基に分かりやすく示された若年層のワクチン接種の推奨に反対する意見広告が新聞広告でも大きく出されていましたので、見られた方も多くいらっしゃると思いますけれども、ここでちょっとそのデータを少し紹介します。(パネル表示)ワクチン接種後何日目に死亡したか、これは88日まで示されていますが、大体1日から4日の間がこれだけ数字が伸びております。それから、(パネル表示)これはワクチン接種後の死亡、1,000万回接種した場合のインフルエンザとの比較です。インフルエンザが1名で、コロナワクチンは71名、71倍となっております。それから、(パネル表示)これはCDCの心筋炎の患者、例年の数からしたら、この表では1万2,000を超えていますけど、もっと新しいものは1万5,000を超えている状態になっております。それから、今、全国で統計調査を出されていますけれども、(パネル表示)死亡の超過数ですね、この緑で示したところが昨年よりも超過している数です。ここに書いているのは8月分なので、今は6万8,000人も超過をしている状況があります。それから、(パネル表示)これがコロナワクチン、これは日本人です。ネットでは外国人のがよく出ていたりしますけど、私の身近な人でもこういう状態があったり、まつげが全部抜けたとか、そういうことも聞いております。
 因果関係の有無にかかわらず報告をすることとされているのではないでしょうか。違いますでしょうか。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 副反応疑い報告につきましては、予防接種法に基づき、接種後4時間以内に発生したアナフィラキシー、接種後28日以内に発生した血栓症、入院治療を必要とする症状、死亡、身体機能の障がいに至る症状等のうち医師が予防接種との関連性が高いと認めた症状等について、その発生を知った医師等が、予防接種後副反応疑い報告書を国に提出することとなっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) ワクチン接種との因果関係が示されていない症状も含め、幅広く評価を行うため報告を積極的に行うことと厚労省のホームページにあり、注意事項には、その他の反応を除き、それぞれ定められている時間までに発症した場合は、因果関係の有無を問わず、国に報告することを予防接種法等で義務づけをしております。報告基準中の発生までの時間を超えて発生した場合であっても、それが予防接種を受けたことによるものと疑われる症状については、その他の反応として報告してくださいとお願いレベルですが、その他の反応には、けいれん、ギラン・バレー症候群など23種の症状を示し、それ以外の症状名にも記載できるようになっています。ちなみに、報告基準には症状発生までの時間がBCG関連で1年や2年というのもあります。
 市と医師会から、接種を実施するだけでなく副反応や死亡診断書を書く可能性のある医師に対して、副反応等に関して国へ報告するように周知されていないのでしょうか。されているなら、その周知の仕方と内容について教えてください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 新型コロナワクチンを含めた各種予防接種につきましては、副反応が疑われる症状が認められた場合には副反応疑い報告書を国に提出するよう、福岡市医師会を通じて各医療機関に周知を行っております。特に新型コロナワクチンにつきましては、副反応疑い報告の提出等について記載したマニュアルを接種医療機関に配付し、周知の徹底を図っております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 接種していない医師も患者を診ることになります。報告マニュアル配付を要望します。
 では、医師からの報告に関しての相談はありませんか。相談内容の事例も併せて教えてください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 医学的な治験を必要とする専門的な相談への対応につきましては各都道府県が行うこととされておりまして、医師等から副反応に関する問合せを受けた場合は、福岡県が設置する新型コロナウイルスワクチン専用ダイヤルを案内いたしております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 副反応が多いため大変という声を聞きます。実際、報告が上げられていないと市民からの相談もあります。
 それから、副反応報告には年齢、ロット番号、接種日等、情報として不明となっているものがあるのですが、そのような管理でいいと考えられているのでしょうか。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 副反応疑い報告書においては、副反応として疑われる症状のほか、年齢やロット番号等の情報を国に報告することとされております。報告に当たっては、市町村を介さず、医師等から直接国へ報告書を提出することとされておりまして、国においては幅広く副反応疑い事例を収集する観点から、全ての項目が完全に記載されていないものについても受領しているとのことでございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) データがそろわずして正しい検証はできません。これらの問題点の改善のために医療機関への周知徹底を求めます。
 次に、副反応に対しての補償が準備されてはいますが、その申請について手順を教えてください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 副反応等による健康被害救済給付の申請につきましては、ワクチン接種に伴う健康被害を受けたとされる本人やその家族が、申請書にカルテなどの必要書類を添付の上、予防接種を受けたときに住民登録をしていた市町村に提出することとなっております。また、申請受付後は市町村が設置する予防接種健康被害調査委員会による調査を経て、都道府県を経由して厚生労働省に進達され、厚生労働省が設置する疾病・障害認定審査会で審査が行われることとなっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 市民から補償に関する相談はありませんでしたか。あれば、何件で、その内容を教えてください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 市民からの健康被害救済制度に関する相談につきましては、月に数件程度寄せられておりまして、申請をするか悩んでいる、申請に必要な書類は何かなどといった内容でございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 副反応に対しての補償の申請状況をお伺いします。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 健康被害救済給付の申請につきましては、11月末時点で20件となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 福岡市民の報告された副反応は160件でした。過去の事例からも、死亡事例に対しては簡単には評価できない状況。そして、体調を崩しても副反応と思わない、また、思っても病院に言われていない方がいました。
 副反応に対する補償など、市民への周知は行き届いているとお考えでしょうか。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 健康被害救済制度につきましては、接種対象者に接種券を送付する際に同封しておりますワクチン接種のお知らせの中で救済制度に関する説明を記載いたしております。また、市ホームページに制度の概要を掲載するほか、接種会場で接種を終えた方に制度の案内が記載されたチラシを配布するなど、制度の周知を図っております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) ちょっと分かりづらいと思うんですね。なので、動画等でも配信されることを求めます。
 また、副作用問題として不妊の不安があると市民から寄せられていますが、心配する必要はないのでしょうか。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 厚生労働省のホームページにおいて、新型コロナワクチンについて注意が必要な誤った情報がまとめられておりまして、その中で、ワクチンが原因で不妊になるという科学的な根拠はないと示されております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) カナダのオンタリオですが、例年五、六人の死産があっていますが、今年は半年の時点で90人近くになっています。中長期的にはまだ何も分かっていません。若者や子どもに安易に推奨してはならないものだと思います。検討部会では、エビデンスがありませんとか、若年層への接種だとか、また、3回目にどういったことが起こるのかどうかは明確な市販後のデータはありませんとか、100万回当たり1人でも2人でも重篤事例が出れば、それは非常に大きな問題であるとの議論があります。鎌倉市の13歳の男の子が接種後4時間で亡くなられています。同じロット番号の死亡者は分かっているだけでも4人で、副反応報告は十数名ずらりとあります。福岡市でも使われたロット番号です。
 同じロット番号で何人も死亡事例の報告がされていることについて市はどのように捉えられているのでしょうか。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) おただしの件について国に確認をしましたところ、特定のロット番号のワクチンによる死亡リスクが高いといった見解は示していないとのことでございました。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 検討部会の議事録を見ると、ロットごとの違いというところは重要であることが議論されています。実施自治体としても、注意深く安全を重視した市民への対応をしていただくことを求めます。
 では、5歳から11歳の接種について市として必要であると考えられているのでしょうか。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 5歳から11歳までの小児に対するワクチン接種につきましては、国において小児の感染状況や諸外国の対応状況及び小児に対するワクチンの有効性、安全性を整理した上で議論が進められていくものと認識をいたしております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) これからの議論ですよね。
 若い人に接種をする理由についての市の御所見をお伺いします。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 新型コロナウイルス感染症につきましては、若年者も多く感染をし、学校等でのクラスター、家庭内での感染も数多く報告されておりまして、基礎疾患のある方は重症化するリスクが高いとされております。このような中で、ワクチン接種は若年者においても発症予防などの高い効果が期待でき、家族等への感染を減らすことで安心な日常生活につながるものと考えております。
 なお、接種に当たっては、予防接種による効果と副反応のリスクの双方について理解をした上で、本人や保護者の同意に基づいて接種を受けていただくものとされております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 全国での10代のワクチン接種後の死亡報告数は5人です。コロナ感染後の死亡報告数は3人、それを5人として超えました。その3人のうち2人は基礎疾患があった方、1人は交通事故死の後の検査で陽性が分かりました。心筋炎、心膜炎のリスクをやっと言い出しましたが、因果関係は評価できないとした内容とその事実を見ていく必要があります。
 では、県が思いやりワクチンのポスターや動画を税金を使って作成していますが、思いやりワクチンとはどういう意味があるのでしょうか。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡県におけるワクチン接種の啓発活動でございますが、「ワクチン接種で、自分を守る。みんなを守る。」をスローガンに、動画やワクチン接種の体験談などを特設サイトに公開し、啓発が行われております。当該サイトでは、思いやりワクチンをキャッチフレーズとして、みんなのために打つという意味合いを強め、接種に迷われている方を後押しするとされております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) ワクチンは思いやりで接種するのでしょうか。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ワクチン接種に当たりましては、予防接種による効果と副反応のリスクの双方について理解をした上で、本人や保護者の同意に基づいて接種を受けていただくものとされております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 誰であっても自己責任ということです。
 では次に、国が示したワクチン・検査パッケージについて御説明ください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ワクチン・検査パッケージにつきましては、国が定めた制度要綱において、感染対策と日常生活の回復の両立に向けた取組であり、飲食店やイベント主催者等の事業者が利用者のワクチン接種歴または検査結果の陽性のいずれかを確認することにより、感染リスクを低減させ、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置等の継続中においても、飲食やイベント、人の移動等において課される行動制限を緩和するものとされております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) ワクチン・検査パッケージが導入された場合は、陰性証明は行政として行うのでしょうか。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 国の通知によりますと、ワクチン・検査パッケージにつきましては、民間検査機関等において結果通知書等が発行されることとなっております。
 なお、国の基本的対処方針におきましては、都道府県が健康上の理由等によりワクチン接種を受けられない方を対象として、令和4年3月末まで無料で検査を受けられるよう支援することとされております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) ありがとうございます。それでは、自治体が持つ情報をマイナンバーを活用して国やほかの自治体間で共有できるようになるものと思いますが、どこまで確立しているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 自治体をまたいで転居された方の接種履歴について、本人の同意がなくとも自治体間で確認できるよう国においてワクチン接種記録システムの改修が行われ、12月14日から運用が開始されております。他の自治体で2回接種後に福岡市に転入された方について、以前は本人からの申請により接種履歴を把握の上、接種券を交付することとしておりましたが、同システムの改修に伴い、転入前の自治体での接種履歴を福岡市が直接確認できるようになったため、本人からの申請不要で接種券をお送りするようにいたしております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 一見便利なようですが、皆が持つ保険証で管理するというのは一切なく、マイナンバーによって本人の同意なく個人情報が扱われることは問題が生じているのではないかと疑念を持ちます。
 では、市が発行しているワクチンパスポートは、接種の回数によってどのようにされるのでしょうか。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 新型コロナウイルス感染症予防接種証明書、いわゆるワクチンパスポートにつきましては、ワクチン接種を受けたことを証明する書類として交付するものでありまして、2回目までの接種が済んだ方と3回目の接種が済んだ方はいずれも同じ様式で、各回の接種日や接種したワクチンの種類などが表示されるものとなっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) ファイザーの社長は4回目や6か月の赤ちゃんにまで接種をする可能性を言及していますが、2回接種でのワクチンパスポートは有効なのでしょうか。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ワクチン・検査パッケージにおきましては、現時点では国は2回目接種から14日以上経過していることが確認できるワクチンパスポートであれば有効としております。 なお、ワクチンパスポートのほか、接種終了後に各自に交付される接種済証についても、同じく有効な書類とされております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 子どもに接種しないと決めている国もあります。
 ここで集団免疫について厚労省の説明の書類があります。(パネル表示)ホームページでも見れます。感染予防のためとは、接種した人が感染しないことだが、感染予防効果は実証しにくく、臨床試験で確認することはまれ。発症しない感染者が多数存在する新型コロナでは、実証はほぼ不可能と考えられる、こう書いてあります。発症予防のためとは、発症者が減少するかということを、接種者と非接種者を比較する臨床試験等で、両群の発症者の数を比較することで効果を測定できる。重症化予防のためとは、重症患者、死亡や入院等が減少すること。このことを臨床試験、治験等で評価を行うことができるとして現在行っているわけです。集団免疫効果とは、一番下のここに書いてありますけれども、接種していない人にも波及する予防効果だが、大規模な接種後までは分からない。インフルエンザワクチンでは、研究により2割から6割とされる一定の発症予防効果や重症化を予防する効果は示されてはいるが、集団免疫効果はこれまで実証されていないとここに書かれております。シンガポールでは8割が、新型コロナワクチン接種完了者が感染をしております。それから、イギリスでは未接種者の2倍の感染率となっております。集団免疫効果を図るための思いやりワクチンやワクチンパスポートなどの推奨は、市民の納得できる説明にはならないと考えます。
 先ほどの思いやりワクチンというのも、国内で活用されているワクチンパスポートも、差別、いじめなど、人権侵害につながるおそれがあると思いますが、ワクチンは誰のために接種するのでしょうか、市の御所見をお伺いします。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) まず、先ほどのワクチン・検査パッケージに関する答弁の中で、私、検査結果の陽性を確認するというふうに申し上げましたが、陰性を確認するの誤りでございます。申し訳ございません。訂正をさせていただきます。
 ワクチン接種は強制ではなく、予防接種による効果と副反応のリスクの双方について理解した上で、本人の同意に基づいて接種を受けていただくものとされております。福岡市といたしましては、ワクチン接種の有無により本人やその家族が差別的な取扱いを受けることのないよう、今後とも、正しい理解につながる情報の提供、啓発に努めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 誰かのための接種ではないので、人権侵害されないような取組の強化を本当に心からお願いしたいのです。重篤な心筋炎、心膜炎の副反応疑いや致命的な転帰に至った症例が報告されているワクチンです。アレルギーや疾患等で接種できない方に関しての配慮等の確保について市として取組強化しなければ、市民の間ではどうしても差別や不当な扱いを受けることにつながります。
 そして、11歳以下の接種が必要と考えられているのか、国が進めればそれに従うだけなのか、そして、副反応疑い等の状況を把握して国への意見はされないのか、市民の代表としての市長の御所見をお伺いします。
 
○副議長(山口剛司) 荒瀬副市長。
○副市長(荒瀬泰子) 11歳以下の接種につきましては、小学校や幼稚園等でのクラスターが多数発生したことにより、有効性、安全性を整理しながら国において議論が進められているところでございます。
 副反応と思われる事案につきましては、接種医療機関等から直接国へ報告されておりますが、市内における事案につきましては直接目を通しております。注射部位の痛みや腫れからアナフィラキシー疑いまで幅広く示されており、国において専門家による評価が行われ、公表されているところであり、安全性に重大な懸念は認められないというところでございます。
 新型コロナウイルスワクチンは優れたワクチンの有効性を示しており、福岡市といたしましては、ワクチン接種を希望される市民の皆様が安全に、そして、接種を受けやすい環境を整え、新型コロナウイルス感染症から市民の生活を守るため、しっかりと取り組んでまいります。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 見えてきた副反応の状況を踏まえ、その検証をきちんとして、医療提供も含め、被害者への補償をすること、それから、若者や子どもの副反応被害、死者を本当に出したくないと思っております。中止を強く求めます。ぜひ市長には自治体の長として国に対して声を上げていただきたいと強く要望し、私の質問を終わります。
 
○副議長(山口剛司) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる)登壇 先日、児童虐待の予防を目的とした新しい親子支援モデルの構築に向けて、福岡市は日本財団と協定を締結しましたが、まずは、その協定内容を御説明ください。
 以降の質問は発言者席で行います。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 福岡市と日本財団との協定につきましては、児童虐待の予防と家庭養育の推進のため、福岡市が民間事業者と協働で企画する民間の支援事業に対し、日本財団が5年間で5億円規模の助成を行うものでございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 助成予定の民間団体と事業について、内容と助成額をそれぞれお示しください。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 事業の内容につきましては、虐待を受けた子どものケアを担ってきた民間団体や里親と協働で、子どもへの虐待を防ぐための様々な親子支援に取り組むものでございます。現在、本協定に基づき助成が予定されているのは4団体5事業で、社会福祉法人仏心会による乳児院の改築、心理療法や親子宿泊による支援、里親の支援など、多機能な親子支援を行う事業に5,233万円、NPO法人キーアセットによる里親制度の啓発や里親のリクルートのための広報を行う事業に9,077万円が決定しております。残りの3事業は申請中であり、産前からの継続的な母子支援拠点の整備、里親家庭でのショートステイや親子支援などを予定しております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 今後、本市において必要な事業を検討され、随時日本財団へ助成を申請していくと伺っておりますが、今後、民間団体から新たに親子支援事業の提案を募るのか、お尋ねをします。また、既に検討している事業があれば、その内容をお示しください。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 親子支援に関する助成事業につきましては、児童虐待防止に向け、先駆的に取り組んできた民間団体に対して助成されるものであり、今後も市の施策の方向性に沿った事業展開の検討を進めております。また、現在、専門的な知見に基づく親子訓練を行う事業などを検討しております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 今後の事業検討においては、市内で子ども支援に取り組む民間事業者へ広く周知いただいて、効果的な親子支援への事業提案が数多く集まる体制づくりを求めるところです。
 次に、今後、協定に従って実施される親子支援事業に期待する成果を聞かせてください。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 現在予定されている親子支援事業の取組により、妊娠早期からの継続支援による良好な親子関係づくり、身近なサポートによる育児不安の解消など、児童虐待につながるリスクを軽減し、子どもが健やかに成長できる環境を充実させることができると考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) この5年で助成を受ける複数の親子支援事業は、早稲田大学社会的養育研究所において成果検証が進められるそうです。その検証により十分な効果が認められたモデルを全国に広げることが協定の目的の一つなのか、確認をさせてください。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 日本財団の資金提供につきましては、福岡市との協定を通じ、家庭養育推進の成果や課題を検証し、全国に同様の取組を広げていくためのモデルを構築することが目的の一つとされております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 全国的な取組普及を目指すわけですから、事業ごとの成果検証が極めて重要になります。そのためにも、本市には現場レベルからの意見、課題の集約と詳細な指標データの集積が求められます。また、5年を目安とした助成期間が終了した後も継続すべき親子支援事業への費用負担の在り方について、こちらも今後、早い段階で議会に方針を示されるよう求めておきたいと思います。
 次に、本市児相が受理した昨年度の児童虐待相談件数につきまして、5年前との増減数をお示しください。また、児相への通報者の主な内訳をお尋ねします。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 児童虐待相談受理件数につきましては、平成27年度が756件、令和2年度が2,678件で、1,922件増加しております。また、児童虐待に係る通告元は、多い順に警察、近所の人や知人、学校となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 相談受理件数のうち、児相職員による現地訪問はどの程度行われているのか、また、現地訪問をしない場合はどう対応しているのか、お尋ねをします。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 児童相談所職員により現地訪問を行う場合につきましては、児童虐待相談を受理した後、安全確認等が必要と認められるケースとしており、その他、児童の安全が既に確認できている場合などについては、関係機関に対し、状況確認や支援を依頼するなどの必要な対応を行っております。その結果、児童相談所職員による現地訪問に至らずに適切な支援につながっているケースもございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 緊急性に応じて児相職員が現地に駆けつけ、その他の場合には学校や保育所など関係機関との連携により対応されています。
 本市児相について、児童福祉司、それから児童心理司の職員数とそれぞれの役割、具体な業務内容をお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) おただしの職員数につきましては、令和3年度は児童福祉司62名、児童心理司31名となっております。それぞれの役割と業務内容については、児童福祉司は児童の保護や福祉の増進を担う専門職員として、児童や保護者などの相談に応じ、必要な調査や関係者等への支援、指導を行っております。また、児童心理司は心理に関する指導等を担う専門職員として、児童や保護者などの相談に応じ、面接、検査などにより心理診断、心理療法、カウンセリング等を行っております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) この5年で児相への虐待相談は4倍近くに急増していますが、児相職員のマンパワーは不足していないのか、人員配置の課題と併せてお尋ねをいたします。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 児童相談所の職員体制につきましては、児童虐待相談対応件数の増加に、よりきめ細かに対応するため、これまで体制の強化を図ってきており、令和3年度は児童福祉司13名、児童心理司6名を増員しております。今後も児童虐待の対応等に必要な専門性の向上に継続して取り組んでいく必要があると考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 相談件数の急増に加えて、相談内容の複雑化も相まって、対応する職員への過度な負担が想像されます。行政の関わりが必要な子どもや家庭への対応が滞らないよう、今後、状況に応じた適切な人員配置と職員の心身へのケアを要望したいと思います。
 次に、昨年度、児童虐待による一時保護件数をお示しください。また、一時保護所による保護件数と一時保護委託件数とに区分して、5年前との増減数をお示しください。あわせて、一時保護委託先の比率もお示しください。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 令和2年度に一時保護に至った件数につきましては延べ180件となっており、一時保護所による保護については平成27年度が延べ126人、令和2年度が延べ96人で30人の減、一時保護委託については平成27年度が延べ27人、令和2年度が延べ84人で57人の増となっております。また、一時保護委託となる児童のうち、約5割を乳児院、約4割を児童養護施設、そのほかを里親等に委託しております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 一時保護委託の数、割合が増えている理由と今後の方針をお尋ねします。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 一時保護委託が増加している理由につきましては、平成28年の児童福祉法改正により定められた家庭養育優先の原則や、平成30年に国が定めた一時保護ガイドラインに基づき、家庭的な環境で保護するとともに、引き続き同じ学校へ通学できるよう一時保護委託を増やしているためでございます。今後も一時保護委託を進めていきたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 児相対応の虐待事案のうち、一時保護には至らないものの、引き続き見守りや支援を必要とする児童や家庭は在宅支援となりますが、その後、どのような対応となるのか、お尋ねをします。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 見守り等を必要とする児童や家庭への対応につきましては、児童相談所、区保健福祉センター、関係機関等によるネットワークで情報共有などを行い、虐待の再発防止を図りながら、必要な在宅支援サービスにつなぐなど、子どもの健全な成長のために家族の生活を支援しております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 児相への虐待相談の後、在宅支援とされた家庭の見守りや生活支援へ中心的な機能を担うのが各区の保健福祉センターに設置されている要保護児童支援地域協議会、通称要支協という機関です。この機関の役割と取組内容をお尋ねします。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 要保護児童支援地域協議会につきましては、児童福祉法に基づき、虐待を受けている子どもなどへの支援を図ることを目的に運営されており、協議会の構成機関である区保健福祉センターや児童相談所、学校、保育所、医療機関などが連携し、子どもやその家庭に対する支援を行っております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 在宅支援とされた児童や家庭の現状について、各区の要支協ではどのように情報共有しているのか、お尋ねします。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 情報共有につきましては、児童相談所による対応後に児童相談所から区保健福祉センターへ引き継がれたケースについて、協議会における会議や機関同士の連絡調整等によって情報共有を図っております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) これらの情報共有の後、各区の要支協において、要保護児童と要支援児童への判定、登録が実施されることになります。この要保護、要支援の定義と、その判定基準をお尋ねします。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 要保護児童は保護者がいない、または保護者に養育させることが適当でないと認められる児童、要支援児童は保護者の養育を支援することが特に必要と認められる児童であり、その登録に当たっては、学校や保育所、医療機関などからの相談、通告を受け、区保健福祉センターが中心となって実施する調査を基に、要保護児童支援地域協議会において総合的に判断しております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 児童保護への緊急性に応じて、一時保護、次に要保護児童、要支援児童と段階的な判別と対応手法が図られていることが分かります。
昨年度、児童虐待による一時保護件数は180件でした。同様に、要保護児童、要支援児童の数について5年前との増減をお示しください。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 要保護児童の人数につきましては、4月時点で申し上げますと、平成27年度が426人、令和2年度が626人で200人の増、要支援児童については平成27年度が294人、令和2年度が375人で81人の増となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 要保護児童、要支援児童へのその後の具体な対応や支援についてお尋ねします。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 要保護児童への対応や支援につきましては、速やかに安全確認を行うとともに、子ども及び家庭の状況等を調査の上で、要保護児童支援地域協議会において計画を作成し、支援及び指導を行っております。要支援児童については、子ども及び家庭の状況等の情報収集を行い、協議会の構成機関等が連携し、必要な見守りや支援を行っております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) これらの家庭が利用できる支援サービスに養育支援訪問事業があります。その目的と内容を御説明ください。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 養育支援訪問事業につきましては、支援が特に必要な家庭における適切な養育を支え、地域における児童虐待の未然防止や再発予防を図ることを目的としております。事業内容は、子育て不安や虐待のおそれがあるなど、養育上の課題を抱える家庭に対して、子ども家庭支援員が訪問して相談に応じる専門的相談支援とヘルパー等を派遣する育児、家事援助を行っております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 専門的相談支援と育児、家事援助の2つのサポートについて、取組内容と今年度当初予算額、利用見込件数をそれぞれお示しください。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 専門的相談支援につきましては、保育士、看護師などの資格を有する子ども家庭支援員が支援が必要な家庭を訪問し、養育に関する相談や指導、助言などを行っております。令和3年度の当初予算額は733万5,000円で、利用件数は延べ約1,700回を見込んでおります。育児、家事援助につきましては、虐待リスクを抱える家庭にヘルパー等を派遣し、日常の育児、家事を行っております。令和3年度の当初予算額は3,055万8,000円で、利用件数は延べ約5,000回を見込んでおります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) これらの養育支援訪問事業は、どのような流れで支援サービスが実施されるのか、お尋ねをします。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 養育支援訪問事業につきましては、区保健福祉センターや児童相談所が支援が必要と判断した家庭に対して個別に利用を促して実施しております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 国は児童虐待未然防止を目的としてプッシュ型の支援を推奨しています。これらの訪問ケアもその一環で、国庫補助金を活用できる事業です。それぞれ週に一、二回利用するケースが多いという実態に照らしますと、今年度予算では30から50世帯の利用見込みにとどまることになります。今後はさらに、専門的相談支援と育児、家事援助によるサポートを推進して、要保護、それから要支援の児童家庭との積極的な関わりを強くお願いしたいと思います。
また、当事者や関係機関と直接コンタクトを取る各区の子育て支援課の果たす役割は今後ますます大きくなります。適切な支援が滞り、支援を必要とする子育て家庭を孤立させることのないよう、状況に応じた人員の配置の見直しも要望しておきます。
 児童虐待は閉じられた家庭の中で起こることが多く、外部からの早期発見が難しいところに大きな課題があります。この課題に対して、今後注力する取組とその方針をお尋ねします。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 児童虐待の早期発見に向けた取組につきましては、乳児家庭全戸訪問や乳幼児健診、関係機関との連携を通じた家庭の状況把握に引き続き取り組んでまいります。また、11月の児童虐待防止月間を中心に、市政だより、ポスター、チラシ等の配布、ホームページやSNS、福岡タワーのライトアップ、交通広告や動画放映により虐待の通報先である189ダイヤルの周知を行うなど、虐待の早期発見につながる啓発活動にも取り組んでいくこととしております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) そもそも児童虐待が起こってしまう根本原因について当局がどう認識されているのか、お尋ねをします。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 児童虐待は保護者や子ども、家庭環境における精神面や経済面の課題、地域からの孤立など、様々な要因により家族関係が不安定になって起こるものと考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) お答えのとおり、家庭内外の様々な問題により親が長い間ストレスをため込み、言葉や身体的な暴力となって、そのはけ口が子どもに向かうケースが多く見受けられます。虐待を楽しむような大人や親はほんのごく一部で、子どもへの虐待が日常化してしまっている家庭であっても、親は子どもへの愛情を失っているわけではありません。
児童虐待を未然に防ぐためにも、生きる上で様々な問題を抱え、虐待が起こってしまいかねない状況に直面している家庭の早期発見と、その家庭に対して早い段階でプッシュ型の支援が届く仕組み、取組が今後極めて大切だと考えますが、当局の所見をお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 児童虐待防止につきましては、虐待の早期発見、早期対応と併せて、家庭が抱える課題を早めに把握し、不安や悩みが小さなうちから支援する未然防止の施策に今後もしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 南区の長住商店街に博多一番太鼓というわらび餅屋さんがあります。店主の長尾さんは二十数年来、自転車屋台による移動販売の傍ら、市内各地の、御飯を食べることもままならない子どもたちへ無料でわらび餅を届けながら、安否確認や相談支援を続けています。長尾さんからは、これまでに直面されてきた児童虐待の実例、これを数多くお聞きします。涙を流しながらスーパーで万引きをしようとする幼いきょうだい、母親の内縁の夫から性のはけ口とされ家出を決意した小学5年生の女の子。行政による取組とはよそに、地域には子どもたち一人一人の幸せを願って独自に活動されている個人、団体も少なくありません。そういった市民の善意にも今後目を向けていただいて、行政と民間との活発な情報交換ができる体制の在り方について今後検討いただきたいと思います。
また、外部から児童虐待の予兆に気づくためには、小学校や保育所など関係機関に加えて、近隣住民をはじめ、地域市民による協力が欠かせません。気がかりな子ども一人一人を地域の網の目で見守るために、市民皆さんに対して虐待の未然防止、早期発見への協力を継続的に啓発いただくよう強く求めて、私の質問を終わります。
 
○副議長(山口剛司) 川口浩議員。
○59番(川口 浩)登壇 私はクリエイターズ及びアジアンパーティについて、グローバルスタートアップ推進事業について、地球温暖化防止対策について質問いたします。
 まず、クリエイターズ及びアジアンパーティについてですが、一般的にはなかなか知られていないのではないかと思いますが、クリエイターズとはどのようなものなのか、また、アジアンパーティとの関わり、また、アジアンパーティはどのようなものなのか、どのような取組がなされてきたのか、お尋ねします。
 以上で1問目を終わり、2問目からは発言者席にて質問させていただきます。
 
○副議長(山口剛司) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) まず、アジアンパーティについてお答えします。
 アジアとの交流の窓口として発展してきた福岡市において、市民の皆さんにアジアの今を体感していただく機会を創出し、さらなる交流を目指すとともに、今後、大きな成長が見込まれるクリエイティブ関連産業の活性化を図り、アジアの活力を取り込みながら、活気のある都市づくりの実現に向け、取り組んでおります。毎年9月から10月にかけ、民間企業、団体などと連携して様々な事業を実施しており、令和3年度はザ・クリエイターズや福岡アジア文化賞、民間主催の映画祭、アート作品展示会などを登録事業として実施いたしました。
 次に、ザ・クリエイターズについては、アジアンパーティの中核事業として実施している市民参加型の事業で、地元クリエイティブ関連企業のビジネス拡大や次世代を担うクリエイティブ人材の育成などを通してクリエイティブ関連産業の振興を図ることを目的としております。令和3年度については、市役所西側ふれあい広場や福岡市科学館、福岡市美術館などにおいて、クリエイティブ関連企業によるPRブースや地元アーティストなどによる音楽ライブ、小中学生を対象としたアプリ制作コンテスト、ものづくりワークショップなどを実施いたしております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 川口浩議員。
○59番(川口 浩) ありがとうございます。クリエイティブ関連産業の育成というのはよく分かるんですけど、なかなか一般の方にはなじみがないのかなという思いもあります。
 どのような将来的な姿を目指して推進していく覚悟なのか、また、こういったものが関係者だけでなく、もう少し広く広報で知ってもらうというような取組が必要かと思いますけれども、これはアジアンパーティ、クリエイターズを併せてですけれども、所見をお伺いします。
 
○副議長(山口剛司) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) クリエイティブ関連産業につきましては、音楽や映像、ゲーム、ファッション、デザインをはじめとする関連産業を官民一体となって振興しており、創造的活動が活発で、多様な人材が新しい価値を生み出している都市を目指して、人材育成やビジネス拡大支援、情報発信などに取り組んでおります。また、広報については、アジアンパーティやクリエイティブ関連産業の各事業において、事業の目的や具体的な内容が市民の皆さんに十分伝わっていないという課題を認識しております。今後は各事業の内容をさらによいものとし、幅広く市民の皆さんに事業目的や具体的な内容を理解していただくとともに、多くの市民の皆さんに関心を持っていただき、参加していただけるよう、工夫して情報発信に努めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 川口浩議員。
○59番(川口 浩) 局長、市民の方に分かりやすく頑張っていただきたいと思います。
 次に、グローバルスタートアップ推進事業についてです。
 どのような事業が行われているのか、よく見えないと思っております。グローバルスタートアップ推進事業の趣旨と推進事業の取組内容はどのようなものか、お尋ねします。
 
○副議長(山口剛司) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) グローバルスタートアップ推進事業につきましては、海外展開を目指す市内スタートアップ企業及び福岡市への進出を図る海外スタートアップ企業等を相互に支援するため、11か国・地域、15の海外スタートアップ拠点と連携するなど、グローバル展開を見据えた創業環境づくりを進めております。主な取組内容といたしましては、オンラインを活用した海外展開研修や海外スタートアップ企業との連携を生かした国際ビジネスマッチングイベントの開催のほか、マッチング支援に特化したコーディネーターの設置など、スタートアップ企業の海外ビジネスの具体化支援に取り組んでおります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 川口浩議員。
○59番(川口 浩) グローバルスタートアップ推進事業、いいかもしれないんですけれども、現場任せでね、いろいろな御苦労、トラブルも多いと聞いております。MOUを締結する11か国・地域、15拠点の創業環境づくり事例等や推進事業の今後の課題等はどのようなものがあるのか、また、さらにこういった取組をどうしていくのかを周知していくことができないのかと思っておりますが、所見をお伺いします。
 
○副議長(山口剛司) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) グローバルスタートアップ推進事業の広報につきましては、先ほど答弁しました事業を円滑に実施するため、主にスタートアップ企業や支援機関、投資家などを対象としたイベント等の事前告知を行っているところでございますが、その取組内容や海外拠点の創業環境づくりの事例などについて市民の皆様にも分かりやすい広報に努めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 川口浩議員。
○59番(川口 浩) グローバルスタートアップについては、相手の捉え方もあると思いますので、相手からも喜ばれるようなところを、任せっきりではなくて、しっかりチェックして支援していただきたいと思います。
 時間も限られておりますので、次に、地球温暖化防止対策についてお尋ねします。
 地球温暖化防止対策についてはどのように取り組んでおられるのか、国の動向も併せて、目標というか、考えをお知らせください。
 
○副議長(山口剛司) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 地球温暖化対策につきましては、気候変動による影響の深刻化や世界的な脱炭素化の潮流を受け、福岡市においても低炭素から脱炭素へと積極的に取組を進めていくこととしております。令和2年2月には二酸化炭素の排出を実質ゼロにすることを目指すゼロカーボンシティの表明を行い、福岡市地球温暖化対策実行計画の改定に着手しており、福岡市環境審議会等での議論を経て、現在、骨子案を取りまとめたところでございます。また、国においては、令和2年10月に2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする2050年カーボンニュートラルが宣言され、令和3年6月には地球温暖化対策推進法を改正し、10月に地球温暖化対策計画等が策定されたところでございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 川口浩議員。
○59番(川口 浩) 大変危機的な状況なんですが、まだ取り組むのがよく見えてこないんですね。2030年までに福岡市では2013年度比50%程度の削減目標を立てるということであります。具体的な取組と個別の削減数値目標についてはどのようにお考えなのか、早急につくっていかれるのか、お伺いします。
 
○副議長(山口剛司) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 温暖化対策実行計画の骨子案において、家庭、業務、自動車、廃棄物の4つの部門と再生可能エネルギーや炭素吸収の施策を、取組を進める対象とし、それぞれ、市民、事業者、行政が取り組む方向性、進捗を管理するための成果指標の項目について取りまとめております。取組の詳細、成果指標の目標数値につきましては、今後策定していく原案においてお示しできるよう、さらに検討を進めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 川口浩議員。
○59番(川口 浩) 原子力発電所発電停止中の2013年度の50%減なんですね。これは2019年度と比較すると、2019年度の30%減というのを2030年度までに目指さなければならないということを福岡市が対策実行計画の中で言っているわけですね。また、国は2050年カーボンニュートラルを宣言しておりますし、福岡市もこの2030年にとどまらず──2040年だったと思いますが、カーボンニュートラルを目指してやっていくと。とすれば、福岡市は今後大胆な事業というか、そこの進めるのを拡充していかなければならないと思っております。この前のお話でも、福岡市はいろいろ組織を持っているけれども、環境局の力も弱いのか、まだまだ浸透が足らないと思っております。そして、数字目標も今からということなんですが、今回初めてつくっているわけではないんです。過去に第3次、第4次と──今回が何次かな。ごめんなさい、間違えたらいけませんので──過去にもあったわけですね。今からつくるではなくて、できることを早急にせないけませんし、途中でもやるべき姿というとを早め早めに出さないといけない。家庭等にはかなりいろいろな文書も含めて、こういうふうにしたらいいですよと啓発はされてこられたのかなと思っております。そこで、また家庭部門、業務部門、自動車部門と、この3つが特に大きいんですね、COというか、出しているのがね。ここを何とかせないかんと。
 今分かっている範囲で、今後どのような取組、数字を明確に早急に出していきますよとか、どんなものを進めていくとか、車だったら、やっぱりメーカーに頼る部分が多いのかもしれません。では、福岡市でできることは何なのか、市民の協力を得てどのような取組を進めていこうとしているのか、お尋ねします。
 
○副議長(山口剛司) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) まず、家庭部門につきましては、脱炭素型のライフスタイルへの移行、住宅の省エネルギー化、省エネルギー機器の導入などの取組を、次に、業務部門につきましては、脱炭素を取り込んだ企業経営への移行、再生可能エネルギーの利用拡大、建築物の省エネルギー化などの取組を、また、自動車部門につきましては、公共交通等の利用促進、次世代自動車の普及、車両のシェアリングなどの取組を推進してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 川口浩議員。
○59番(川口 浩) 先ほど言いましたけれども、市民への啓発は結構こうはされているのかなと思っております、いろんな分別を含めですね。応援される議員さんもたくさんおると思います。福岡市はやはり模範となってやっていかないかんと思っておるんですね。しかし、そこが環境局の情報発信なり、組織もあるのに弱いと思っています。
 福岡市には福岡市温暖化対策推進会議というのを内部でつくっておられます。このメンバーはどういう方たちがなっておられるか、お尋ねします。
 
○副議長(山口剛司) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 福岡市温暖化対策推進会議は、環境局を所管する副市長を会長、他の副市長を副会長として、各局長、区長などを委員として構成しております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 川口浩議員。
○59番(川口 浩) ちょっと聞く順番を間違えまして、具体的にも聞こうと思って。そういう方たちがなっておられるんですね。しかし、各局はただ名前を連ねているだけになっているんではないかなと。
 そこで、ちょっとお尋ねしますが、特に太陽光パネル等の活用とかがすぐ分かりやすく、福岡市でもできることかなと。それで、学校とか市営住宅、また、住宅都市局では天神ビッグバン等ですね、また、港湾空港局、博多区役所、どのような取組をされておられますか、お尋ねします。
 
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校施設における太陽光パネルについては、現在休校中の学校を含む市立学校226校中、現在100校に設置してきたところです。また、当初は1校当たりの発電容量を10キロワットとしておりましたが、近年、発電容量を順次増量してきております。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) まず、市営住宅における太陽光発電設備の導入については、平成25年度、26年度に屋根貸し太陽光発電事業の設置事業者公募を実施したところ、申込みがなかったこともあり、現時点では設置に至っておりません。現在、課題整理や整備方法の検討に取り組んでおります。
 次に、天神ビッグバン等におきましては、市独自の容積率緩和制度も活用しながら、太陽光発電設備の設置も含む環境負荷低減の取組を誘導しており、引き続き努めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 港湾空港局の状況についてでございますが、アイランドシティのまちづくりエリアにおいて、これまでも戸建て住宅を中心に太陽光発電設備の導入が進んでいるところでございまして、現在公募中の区画につきましては、戸建て住宅への同設備の設置を土地分譲条件の一つとしているところでございます。同じくみなとづくりエリアにおきましては、令和3年度に実施した港湾関連用地の分譲公募で分譲予定者に決定した事業者に対しまして、今後建設される物流施設への同設備の設置について要請を行っているところでございます。また、港湾空港局所管の施設につきましては、建て替え時などに同設備の設置を検討するとともに、博多港に立地をしております民間施設の建て替え時などにおける設置についても、事業者に働きかけてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 博多区役所新庁舎につきましては、約6キロワットの太陽光発電装置を整備しております。今後とも、市民局所管の施設については、改築などの機会を捉え、太陽光発電装置の設置について検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 川口浩議員。
○59番(川口 浩) 学校は昔10キロ、今70キロとかつけてあります。しかし、この数字は電灯を賄うということなんですね。余った電力を売ろうとは考えていないし、これはまだ採算が合わん部分もあると思います、買取りが下がって。市長にはぜひですね、国にやっぱり公共施設の屋根利用を進めないかんではないかと。国、自動車産業でも大変なことになりますよ、課税されると。だから、市長はそこが成り立つようなことを国に考えるべきやないかと、もう少し環境行政に興味を持っていただきたいなと思っております。ぜひこれは新たなテーマとして、市長が率先して福岡市ね、そういうものを進めていっていただきたい。市営住宅は自己消費ができないもんですから、これは売るということになると厳しいと思います。ただ、今後これは買取りで、有料でそういったものを求める時代になってきますので、ぜひね、いろいろコストも出していただきましたけれども、さらにそういった設置の在り方を検討いただきたい。これは採算だけではないと思います。いろんな市の事業は、やっぱり啓発でやる部分が多いわけですから、住宅都市局も容積率を緩和するならば駐車場も要らんと。そういったときに、しっかり環境問題、当然ビルをエコで造れというのは分かりますよ。それ以上にできること、やっぱり市民に対して模範を示さないかん。福岡市の施設だってやっていますよと。港湾空港局はしっかりやっていると思います、今のところね。基金もたくさんお持ちでしょうから、ぜひ環境にしっかり使うような努力、工夫をしていただきたい。博多区役所の保健福祉センターは聞いていませんけれども、お粗末と思うんですね。検討もしない。博多区役所でいうと、緑をつくらないかん。だから、上に載せちゃえ──これは法定義務ではないです。上に載せちゃって、太陽光は検討しないよという姿にしか見えない。誰も入らない緑ですよ。メンバーになっているんだから、もう少し各局が真剣に考えて、市長が環境でしっかりやっとると、福岡は人を集めるだけではなくて市長は環境にも頑張っとるやないかという福岡市にしていきたい。
 最後に、担当副市長に決意をお伺いして、質問を終わります。
 
○副議長(山口剛司) 中村副市長。
○副市長(中村英一) 川口議員御指摘のとおり、福岡市におきましては世界が目指すカーボンニュートラルに積極的に取り組むことといたしておりまして、2040年度を目指したチャレンジを行っているところでございます。地球環境対策の取組は、単に環境の分野にとどまらず、様々な行政分野においてその趣旨を反映させて様々な施策に取り組んでいくものであり、全庁を挙げて取組を推進してまいります。また、施策の推進に当たっては、市民の皆様の御理解、御協力を得ながら、行政だけではなく、様々な主体とのパートナーシップを構築していくことや、新たなイノベーションを積極的に取り入れるなどの視点も不可欠と考えております。今後とも、持続可能な都市の成長を目指し、市民、事業者の皆様と連携して、市役所もしっかりと率先しながら脱炭素社会の実現に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 以上で一般質問を終結いたします。
 本日の日程は終了いたしました。
 次の会議は12月23日午後1時10分に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後5時19分 散会