令和3年9月7日(火)

令和3年第4回福岡市議会定例会
議  事  日  程 (第3号)
9月7日 午前10時開議
第1  一 般 質 問

本日の会議に付した事件
議事日程のとおり

出 席 議 員 (62名)
1番  稲 員 稔 夫       2番  鬼 塚 昌 宏
3番  堤 田   寛       4番  川 上 陽 平
5番  津 田 信太郎       6番  大 森 一 馬
7番  阿 部 真之助       8番  平 畑 雅 博
9番  打 越 基 安      10番  川 上 晋 平
11番  伊 藤 嘉 人      12番  淀 川 幸二郎
13番  勝 山 信 吾      14番  川 上 多 恵
15番  調   崇 史      16番  大 坪 真由美
17番  古 川 清 文      18番  高 木 勝 利
19番  新 村 まさる      20番  大 原 弥寿男
21番  今 林ひであき      22番  篠 原 達 也
23番  尾 花 康 広      24番  松 野   隆
25番  楠   正 信      26番  冨 永 計 久
27番  森   英 鷹      28番  南 原   茂
29番  おばた 久 弥      30番  山 口 剛 司
31番  大 石 修 二      32番  黒 子 秀勇樹
33番  藤 野 哲 司      34番  堀 本 わかこ
35番  中 島まさひろ      36番  天 野 こ う
37番  山 口 湧 人      38番  松 尾 りつ子
39番  井 上 麻 衣      40番  飯 盛 利 康
41番  はしだ 和 義      42番  浜 崎 太 郎
43番  堀 内 徹 夫      44番  綿 貫 英 彦
45番  森   あやこ      46番  福 田 まもる
47番  国 分 徳 彦      48番  藤 本 顕 憲
49番  倉 元 達 朗      50番  中 山 郁 美
51番  荒 木 龍 昇      52番  高 山 博 光
53番  ついちはら陽子      54番  田 中 たかし
55番  成 瀬 穫 美      56番  山 田 ゆみこ
57番  宮 浦   寛      58番  近 藤 里 美
59番  川 口   浩      60番  落 石 俊 則
61番  田 中しんすけ      62番  池 田 良 子

欠 席 議 員 (0名)

説明のため出席した者
市       長   島 宗一郎   副市長  光 山 裕 朗
副  市  長  中 村 英 一   副市長  荒 瀬 泰 子
水道事業管理者  坂 本 秀 和   交通事業管理者  重 光 知 明
総務企画局長  龍   靖 則   財政局長  松 本 典 久
市民局長  下 川 祥 二   こども未来局長  久 田 章 浩
保健福祉局長  舟 越 伸 一   環境局長   田 浩 輝
経済観光文化局長  天 本 俊 明   農林水産局長  中 村 健 児
住宅都市局長  西 野   仁   道路下水道局長  名古屋 泰 之
港湾空港局長  清 家 敬 貴   消防局長  内 村 弘 文
会計管理者  中 村 郁 子   教育長  星 子 明 夫
教育委員  町     孝   選挙管理委員会事務局長  内 藤 玲 子
人事委員会事務局長  柴 田 淳 司   監査事務局長  小 西 眞 弓

職務のため出席した事務局職員
議会事務局長  曽根田 秀 明   議会事務局次長  八 木 智 昭
議事課長  水 ア 亮 二   議事係長  重 松 孝 昭
外関係職員

午前10時 開議  
○議長(伊藤嘉人) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、一般質問を行います。発言通告者のうちから順次質問を許します。森あやこ議員。
 
○45番(森 あやこ)登壇 おはようございます。私は緑の党と市民ネットワークの会を代表し、新型コロナウイルス遺伝子ワクチン接種と感染症対策について質問いたします。
 先月、モデルナ製ワクチンの異物混入事故がありました。ステンレスやゴム片の混入で、重大な副作用を引き起こす可能性は低いとしていますが、食品なら即回収調査されるところ、情報提供や公表には時間がかかり、既に3分の1は接種されていたとのこと。接種者の死亡事例もあり、厚生労働省や関係機関などには、因果関係について調査はきちんとすべきものだと考えています。
 そこで、本市でも7月は接種会場において、8月は医療機関において、2つの事故が報告されました。これらの接種事故の説明を求めます。
 以上、2問目からは発言者席にて行います。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) まず、7月の事案につきましては、集団接種会場である中央体育館において、廃棄すべき使用済みの空の注射器を誤って再度使用したものでございます。また、8月の事案は、博多区の医療機関において、医師の誤認により、2回目の接種時に1回目と異なる種類のワクチンを接種したものでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 2件ともあり得ない、まさかの事故です。再発防止としてどのように対応されたのでしょうか。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 再発の防止につきましては、今回の事案を全ての接種医療機関に共有しますとともに、国が示す新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する医療機関向け手引きにのっとり接種を実施するよう、改めて注意喚起を行っております。また、全ての集団接種会場において、接種後の注射器は速やかに廃棄することを徹底するため、接種ブース内に補助スタッフを追加配置しましてチェック体制を強化しますとともに、分かりやすい接種手順を大きく掲示するなどの対応を行っております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 接種された方の経過観察をしっかりお願いします。医療機関や接種事業に携わる方々の慎重さと事故に対する危機感が問われることです。スタッフを増員され、慣れない中での作業やルーティンとなってのミスなど、大きな事故ではないのですが、実施状況について市民の方々からも情報が寄せられるなどしています。
 では、本市での接種スタート時と現時点における接種医療機関数とその経緯についてお伺いします。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市における接種医療機関につきましては、接種の本格実施を開始した5月当初は約750か所でありましたが、福岡市医師会の働きかけなどによりまして、現在は約850か所となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 市内多くの医療機関で実施されています。全国でも空打ちや注射器の処理ミスで注射針が誤って刺さる事故、それから、薬剤混ぜ合わせなど、してはならないことがあっていました。
 人類初の経験のない遺伝子ワクチンの接種事業、市民の命を預かるこの事業全般において、他都市の事故事例などを共有し、医師の認識不足も起こり得るとした具体的なチェック機能の強化が必要と考えますが、さらなる安全性の確保についてのお考えをお答えください。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ワクチン接種につきましては、市民が安心して接種を受けられるよう、適宜、接種医療機関や集団接種会場で他都市の事故事例を共有し、同様のリスクがないか点検を行うなど、今後とも、事故のないようしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 事故防止の徹底をどうぞよろしくお願いします。
 本事業の契約実施期間は、今年2月17日から2022年の2月28日までです。そして、ファイザー社とモデルナ社のワクチンは、いずれも特例承認され、販売開始後6か月間、安全管理の一環として、副反応疑い事例等について調査を実施し、国へ報告されることとなっております。ファイザー社のワクチンは国内販売開始から6か月がたちましたが、その後の調査に関してどうなるのか、お伺いします。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ファイザー社のワクチンにつきましては、販売開始から6か月が経過したため、現在、市販直後調査自体は終了し、国への報告に向けた調査結果の取りまとめが進められているものと聞いております。また、ワクチンの安全性や効果を評価するための製造販売後臨床試験等が継続実施されております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 臨床試験は継続とのこと。では、ワクチンの職域接種についてですが、現在、本市の実施事業者数をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 職域接種につきましては、福岡市内に会場を設置し接種を実施することとして国からの承認を受けている企業等が8月31日現在で59社、接種対象者数は23万8,949人となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 接種の進捗についてお伺いします。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 職域接種の進捗状況ですが、実施企業等が接種済みの情報を入力しておりますワクチン接種記録システムによりますと、9月4日現在の市民の接種回数は11万3,180回となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 全国統一様式の契約書を用い、原則として集合契約の形となっていますが、実施のための費用についてお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 職域接種の費用につきましては、接種1件当たり2,277円を国が負担することとなっており、さらに、平日の時間外に接種を行った場合は1件当たり803円が、休日に接種を行った場合は1件当たり2,343円がそれぞれ加算されることとなっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) ということは、現在、少なくとも3億円余りの税金がかけられています。企業等の収入とこれはなりますが、これには所得税がかからないことになっております。また、中小企業や大学等が実施する場合において、これとは別に、会場設置等に要する費用を新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金により実費補助を行うとされています。
 実施に関する職域接種向け手引を見ると、医師やオンライン研修を行った歯科医師、それから、看護師、薬剤師、事務職員等を企業や大学等が自ら確保し、薬剤の厳重な保管や調整、そして、自治体による接種に影響を与えないようにすること等、118ページにわたり記されております。読むと本当に大変な接種事業で、事故も起こしかねない内容と薬剤の取扱いになっています。また、個人情報の適正管理や信義誠実な契約履行、それから、実効性の高い内部通報制度を整備し運用するなど、法令を遵守する体制の整備に努めることとなっています。これは自治体にも課せられています。
 また、接種要注意者に関して、被接種者の健康状態及び体質を勘案し、慎重に予防接種の適否を判断するとともに、説明に基づく同意を確実に得ること、そしてなお、基礎疾患を有する者については十分な予診を行い、基礎疾患の状況が悪化している場合等については、接種の延期も含め、特に慎重に予防接種の適否を判断する必要があることと書かれていますが、打てない体質の方には、自分のことだけ考えずに周りのために打ちなさいと言われ、つらい思いをしている方がいらっしゃいます。介護従事者からも相談が多くあるのですが、まず、職員接種の進捗状況についてお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市におきましては、高齢者入所施設への出張接種の際に、高齢者に加え、施設従事者への接種を実施し、また、訪問、通所施設の従事者については、福岡市独自の優先接種を実施しておりまして、いずれも希望する方への2回の接種が完了いたしております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 次に、入所者の接種の進捗状況、そして、接種後亡くなった方の状況把握をされているのでしょうか、お答えください。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 高齢者施設につきましては、出張接種の実施により、希望する入所者への2回の接種が完了しております。
 また、接種後の状況につきましては、高齢者施設に限らず、接種後に発生したアナフィラキシーや予防接種との関連性が高く入院治療を必要とする症状等について、医師等が国に予防接種後副反応疑い報告書を提出することになっておりまして、そのうち福岡市民に該当する報告書については、接種後に亡くなられた方を含め、国から福岡市に情報提供がなされております。なお、接種後亡くなられたこととワクチン接種との因果関係については、別途国において専門家による評価が行われることとなっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 入所施設全体の調査を行い、実態把握をぜひお願いいたします。
 介護施設からの相談内容等について、どのような声が寄せられましたか。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 高齢者施設からは、出張接種や独自優先接種により、施設従事者に早くワクチンを接種してもらえてありがたいなどの声が寄せられたほか、職場からワクチンを接種するように言われたが、必ず接種する必要があるのかとの相談があり、接種は任意である旨を回答したケースもございました。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 職場等の半強制的な接種の勧めに関しての相談を受けています。従事者は差別やいじめだけでなく、職を失うことにもつながります。6月の議会でも取り上げた予防接種法に対する附帯決議の項目2番に、ワクチンを接種しない者に対して、差別、いじめ、職場や学校等における不利益取扱い等は決して許されるものではないことを広報等により周知徹底するなど、必要な対応を行うこととありますが、市民に伝わっているとお考えでしょうか。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ワクチン接種につきましては強制ではなく、本人の同意の下に行われるものであり、ワクチン接種の有無により、本人やその家族が差別的取扱いを受けることのないよう、引き続きワクチンの正しい理解につながる情報の提供に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 不利益取扱い等は決して許されるものではないことを、介護施設や職域接種を担うところだけではなく、社会全体として認識を深められるよう周知徹底と必要な対応を講じられることを強く要望します。
 次に、副反応が起こった方の対応と医療体制についてお答えください。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ワクチン接種後の副反応への対応につきましては、各医療機関及び集団接種会場においては、ワクチン接種後15分から30分程度の経過観察を行っており、万が一、アナフィラキシー等の副反応が見られた場合は、その場で適切な応急処置を実施しますとともに、必要に応じて救急搬送等の対応を行っております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 接種会場や医療機関での救急搬送があったと聞いていますが、帰宅後は救急搬送時にワクチン接種に関しての把握は徹底されていないようです。亡くなられた方の御家族も、接種後の副反応報告をするということが行き届いていません。なので、数日後に亡くなられても、副反応報告がなされていない現状があるのです。私の周りでも数人いらっしゃいます。
 では、全国と福岡市の副反応報告数、そして、死亡事例数をそれぞれお答えください。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 厚生労働省のホームページによりますと、全国の副反応疑い報告は、8月8日現在で約1億回行われましたワクチン接種のうち、接種との関連なし、または評価不能とされたものを含め、3万3,005件となっております。また、死亡事例の報告は、8月20日現在で1,093件となっており、このうち専門家による評価を終えたものが1,002件で、内訳として、情報不足等により接種との因果関係は評価できないとされたものが997件、ワクチンと死亡との因果関係が認められないとされたものが5件となっております。
 次に、国から情報提供されました福岡市民の副反応疑い報告につきましては、8月31日現在で123件となっており、うち死亡事例は9件で、内訳として、情報不足等により接種との因果関係は評価できないとされたものが8件、評価前のものが1件となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) これは報告が上がっている分だけです。私の知り合いで、透析されていたお父さんが、2回目を接種して約1か月後に心臓疾患で突然死されました。それまで心臓が悪いと言われたことはなく、元気にされていたそうです。副反応報告することを御存じありませんでした。また、介護従事者の方は、病院から報告は上げないと言われ、弁護士にお願いされています。
 厚労省の副反応報告を見ると、18歳や50代以下で、重い症状だけど、転帰日不明、転帰内容不明や未回復の方が何人もいて、血小板減少症や脳脊髄炎なども含まれます。報告医評価で関連ありとされているのもあります。この方々は回復か死亡されたのかなど、厚労省のコールセンターでは分かりかねるとのこと。死亡で関係性ありとされても評価不能、病理解剖しても特定できないなど、一人の方の命に対してこれで終わりなのかなと、つらく思います。今は多くて検証ができていないのが現実です。救済制度を利用しても、給付までに1年近くかかることもあると言われたと言われます。
 では、健康被害救済制度の最新の対応状況についてお答えください。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市の新型コロナウイルスワクチンの接種においては、現時点で健康被害救済制度による申請はなされておりません。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 過去のワクチン被害裁判でも、なかなかこれは認められていません。では、附帯決議の項目13に、緊急性や注目度の高い事例が発生したときは、特に国と当該地方自治体との情報共有及び情報発信に向けた緊密な連携が重要であることに鑑み、国及び地方自治体の担当者の間や、国と医師会等の医療関係団体の間で迅速に情報共有が図られるよう、あらかじめ発生時の対応や連絡窓口等を確認するとともに、情報交換窓口の一本化、公表内容や公表時刻の調整等に努めることとあります。
 緊急性や注目度の高い事例が発生したとき、市が接種事業を実施する上で想定されていたこと、そして、緊密な連携の具体化についてお答えください。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 附帯決議の項目13につきましては、緊急性や注目度の高い事例が発生したときに、国と地方自治体の担当者との間で迅速に情報共有が図られるよう、事前に互いの連絡窓口を確認しておくことが重要であるとの趣旨と認識をいたしております。このため、厚生労働省に設置されております自治体サポートチームと各自治体との間で緊急時の連絡体制を確認しますとともに、安全かつ円滑なワクチン接種を推進できるよう、適宜、各自治体における取組状況や先進事例の共有を行うなど、緊密な連携を図っております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 接種推進というだけでなく、副反応への対応も必要です。命は助かっても、たらい回しの事例もあります。全部情報が分かった上で選択できるのがフェアではないでしょうか。予防のためのワクチンで、市民9人、そして、全国では1,000人ほどの方が亡くなられ、評価は不能。そして、厚生労働省は、現時点で接種体制に影響を与える重大な懸念は認めらないとして、引き続き接種を進めるとしています。
 亡くなられた方の御家族は、まるで戦時中のようだと悲痛な思いを話されます。まずは情報提供が重要と考えますが、附帯決議項目5の中に、ワクチンによる副反応を疑う事象について情報公開を徹底するとともに、健康被害が拡大することのないよう的確に対応すること、また、項目14には、情報弱者に配慮した情報提供の方法について、地方自治体とも連携して検討することとあります。情報提供の方法についてと、情報公開の徹底、的確な対応として具体的に実行されていることをお答えください。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 副反応に関する情報につきましては、厚生労働省のホームページなどで広く公開されており、市のホームページにおいても積極的に紹介いたしております。また、障がい者や高齢者などの情報弱者への情報提供につきましては、接種券に同封する案内文書の色使いや文字の大きさを工夫するとともに、視覚障がいのある方などにお使いいただく音声ガイド用のコードを当該案内文書に掲載するなど、一人一人に正しく内容が伝わるよう、ユニバーサルデザインに配慮しながら実施いたしております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 情報公開の徹底は健康被害が拡大しないためです。接種に対して自己判断をする市民が知ることが何より重要です。市民の健康を気遣う泉大津市の南出市長のように、発信力ある市長が、リスクについても市民のために会見をされますようお願いいたします。
 次に、ワクチン接種後の感染はどのくらいいらっしゃるでしょうか。お答えください。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 陽性者のワクチン接種状況につきましては、本人からの聞き取りにより確認できた数になりますが、令和3年6月30日から8月31日までの陽性者約1万4,000人のうち、2回目のワクチン接種日から免疫を獲得するのに必要な2週間が経過した後に発症した人は435人で、約3.1%となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 接種をしても感染し、本市では3名の方が亡くなられたと聞いております。国内での活用を検討されているワクチンパスポートは意味をなさず、接種済証がある中で、その費用をコロナ禍で困窮されている方への支えになるものとなればと考えます。
 次に、陽性者に対する医療体制の現状と体制強化についてお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 陽性者の受入れ体制につきましては、8月27日現在、県全体で入院病床1,472床、うち重症病床203床が確保されるとともに、入院が必要となる自宅療養者等に対して、一時的に酸素投与の処置を行う酸素投与ステーションが34床設置されております。陽性者の受入れにつきましては、県入院調整本部において、福岡市を含む県域全体での入院調整を行っておりまして、入院が必要な方は、当日または遅くとも翌日には入院ができる状況となっております。
 なお、入院病床数につきましては、今後、1,480床まで増床し、酸素投与ステーションについても、必要に応じて200床程度まで増床するものと聞いております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 現在の病床の使用状況と使用率についてお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市における入院者数につきましては、9月5日時点で309名、うち重症者は14名となっております。福岡県全体の病床使用率につきましては、9月4日時点で61.5%、重症病床使用率は17.7%となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 宿泊施設の利用状況と稼働率についてお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡県内の宿泊療養施設は、9月5日時点で10施設、2,106室、利用者数は1,190人で、稼働率は56.5%となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 宿泊施設の看護体制の課題として、部屋で一人になることで不安になられる方がいます。自宅でも同様です。日本医師会では、自宅療養、宿泊療養している方に対しての強化を検討されていますが、一人一人に寄り添えるよう関係機関との連携を図り、保健師増員や往診などの体制を充実されることを求めます。
 本市において、救急搬送が間に合わず亡くなられた事例があるのでしょうか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 本市において、お尋ねのような事例は生じてございません。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 事例はないとのことですが、油断はできません。ワクチン接種率が高い国が感染拡大している事象もあります。ワクチン接種した知り合いは、鼻血、目の出血、中耳炎、そして、ぼんやりする、それとか交通事故、体のだるさなどを訴えました。ファイザーとモデルナ共通に、略称がDSPCという添加物があります。皮膚接触、飲み込み有害、目の炎症、発がん性、胎児への損傷、長時間暴露での中枢神経系とか、腎臓、肝臓、呼吸器系に損傷などがあるとされる添加物です。ワクチンは体に異物を入れるので何らかのリスクはあり、これによって体調を崩し、重篤化する場合もあると考えます。
 そこで最後になりますが、副反応状況をどのように捉えていらっしゃるのかと、感染症対策について市としてのお考えを副市長にお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 荒瀬副市長。
○副市長(荒瀬泰子) 新型コロナ感染症のメッセンジャーRNAワクチンにおける副反応といたしましては、一般的に接種部位の痛みや腫れ、発熱などが見られることがありますが、二、三日以内には回復しております。また、比較的若い女性に多い迷走神経反射なども見られておりますが、アナフィラキシー反応にも対応できるよう、個別医療機関や集団接種会場では薬剤等も備え、体制を整えておりますので、安心して接種に臨んでいただきたいと考えております。また、接種後の重篤な副反応につきましては、国のほうに報告し、評価されることとなっておりますので、いただきました情報につきましてはしっかりと提供をしてまいります。
 急速に置き換わっておりますデルタ株につきましては、従来株よりも極めて強い感染力を有しており、重症化しやすく、ICU使用率や死亡率も上がってきているという報告がなされております。メッセンジャーRNAワクチンを2回接種した人にも少ないながら発症者が見られておりますが、重症化予防には非常に高い効果が認められております。現時点では感染療養者の重症化を防ぎ、医療体制を守るためにも新規感染者数を抑えていくことが重要でございます。ワクチン接種は任意ではございますが、重症化予防には高い有効性を有しているため、多くの方々に接種を勧奨していくとともに、マスクの着用や換気の徹底などにより、感染拡大防止に取り組んでまいります。
 
○議長(伊藤嘉人) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 私は接種された方に、デトックスと腸内環境を整えるために発酵食品を取ることを勧めています。適度な運動、ストレスを抱えない、必要な栄養と酸素を取り込むことが健康のために重要です。ワクチンのベネフィットとリスクを考える上で、副反応は大きな要素です。慎重な判断が必要で、立ち止まり考えることが大事だということを述べ、私の質問を終わります。
 
○議長(伊藤嘉人) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康)登壇 私は自民党新福岡を代表して、今後の福岡市政におけるDXの推進について質問をさせていただきます。
 福岡市では総合計画により、目指す都市像として、人と環境と都市活力の調和が取れたアジアのリーダー都市を掲げ、都市の成長と生活の質の向上の好循環を創出することを都市経営の基本戦略とするとされております。これまでも様々な施策を展開し、全国的に人口減少社会を迎える中にもかかわらず、福岡市の人口は増加を続け、また、市民からの住みやすさの評価は高い水準を維持し続けており、順調に成果が現れていると感じております。しかしながら、コロナ禍の現在、デルタ株という非常に感染力が強い新しい変異株の登場などによる新型コロナウイルス感染症の拡大は、本市にも大きな影響を及ぼしており、今まさに全市を挙げて、新型コロナウイルスに感染された方や濃厚接触者の方々への対応に当たっているところであります。
 対策の切り札と言われるワクチン接種については、先日、市内の対象者のうち8割が、2回目の接種を10月までに完了できるとの見通しが発表されました。改めて最前線で働いていただいている医療従事者の方々をはじめ、エッセンシャルワーカーの皆様、保健所をはじめ、本市職員の皆様に敬意を表するとともに、感謝を申し上げます。
 課題はコロナだけではありません。本年8月には、近年多くの災害を引き起こしている線状降水帯が九州北部地方などに発生し、猛烈な雨が降り続いたことで、西日本の広い範囲に大きな被害をもたらしております。福岡市には大きな被害はなかったものの、8月14日には大雨特別警報が発令されるなど最大級の警戒が続く中、市内各避難所の運営など災害対策業務に従事された職員も多かったことと思っております。毎年のように発生する大雨による被害は、昨今の地球規模での気候変動が影響していると思いますし、今後の気温上昇のトレンドを思いますと、さらなる豪雨などの災害の激甚化、また頻発化も懸念される状況であります。
 私は令和3年3月議会において、行政手続のオンライン化やRPAの活用などの取組状況を質問するとともに、デジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXの推進に伴う市民への恩恵や業務効率化による市民サービスの利便性の向上について、広範囲に質問をさせていただきました。そのような中、いよいよ本年9月1日に、行政のデジタル化を推進するデジタル庁が発足いたしました。もともと行政の縦割りを打破する、複数の役所に分かれている政策を一元的に強力に進めるとの意見を背景に、構想から僅か1年足らずで発足にこぎ着けており、国の情報システムの統合、一体化や地方共通のデジタル基盤の構築、マイナンバーカードが健康保険証として利用可能になることやスマホへの搭載、さらには運転免許証との一体化など、今後、デジタル社会の形成に向けて、迅速かつ重点的に施策が進むものと考えております。
 今回、新型コロナウイルス感染症や気候変動による災害など、かつてない事態への突発的な対応が求められる中、福岡市においては、基礎自治体として福岡市民の生命と財産を守るため、限られたリソースの確保、有効活用の観点から、平時よりDXによる業務のシステム化や効率化を徹底することで職員の余力を生み出し、これまで以上に有事への迅速な対応を図っていく必要があると考えております。
 そこで、DXをはじめとするICTを活用した業務効率化について、福岡市の方針をお尋ねいたします。
 そもそも私は、DXについてはまだ一部に誤解があるのではないかと思っております。単にシステムを使ってデータを管理するというだけの認識にとどまっているのではないでしょうか。私は、DXの本質とは、現在、人が長時間かけて作業している業務などを、ICTなど先進的な技術を活用したシステムなどで置き換えることで、作業やチェックなどにおけるヒューマンエラーや不正を排除し、業務の質を均一化しながら効率を上げていくことであるというふうに考えております。例えばですが、公共工事の場面において、完了検査の際には膨大な書類の確認が必要だというふうに聞いております。施工状況を人の目で確認すること、これは人が直接すべき必要なことだと考えております。しかしながら、届出書類の確認まで全て職員が自らの目や手を使って行うことが本当に必要なことなのでしょうか。人間が行えばミスをすることもありますし、習熟度によっては差もあります。資料の不足、記載の誤りといった類いのことは、システム化したほうがよほどミスがなく、迅速にチェックできるのではないかと考えております。
 コロナ禍になって、まちなかでよく目にするようになったセンサーカメラは、体温測定や、百貨店や公共施設の入退館者数の管理などで活用されております。検温や入退館者数管理を全て人間がやっていては、どれだけの人数が必要になるか分かりません。何より、そのことによって密になって感染の危険も増すこともあるのではないかというふうにも思っております。コロナ禍をきっかけに、機械が人間の代わりに危険で労力が必要な業務の肩代わりを行っている例だと思っておりますし、今後ますます置き換わっていくのではないのかというふうにも思っております。
 アメリカではもっと進んだ考え方があるようです。医師の行う手術の中でも、軽微な手術であれば、ヒューマンエラーが起きない機械のほうが人間よりふさわしいのではないかという考え方も取り入れられていると聞いております。
 このような観点から、DXを進めるということは、業務をシステムなどへ置き換えていくということにはなるのですが、そのためにはまず、業務そのものの分析や見直し、さらに、必ず人が介在しなければならない業務、人間でなければならない業務とそうでない業務の仕分けなどが必要となるのではないかと思っております。
 そこで、こうした業務分析や業務見直しに、福岡市はどのように取り組んでいるのか、お尋ねをいたします。
 また、ICTを活用した業務効率化の成果についてお尋ねをいたします。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は発言者席にて行います。
 
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 今後の福岡市政におけるDXの推進についてお答えいたします。
 ICTを活用した業務効率化の方針についてのお尋ねでございますが、福岡市におきましては、行政運営の基本的な指針となる行政運営プランに基づき、ICTなど先進的技術や民間活力を活用した行政運営の効率化に取り組んできたところでございます。また、ICTの活用に関する個別計画として、AIなどの先端技術を活用して、誰もが便利で快適な超スマート社会を実感できることを目指し、基本的な方針や考え方をまとめ、福岡市が重点的に取り組むべき内容を具体的に定めたデータ活用推進計画を策定しております。この計画に基づき、行政手続のオンライン化を推進するとともに、定例的、定型的な事務作業をパソコン上で自動的に行わせることができるソフトウエアであるロボティック・プロセス・オートメーション、略してRPAの対象業務の拡充などにより、市民の利便性向上と業務の効率化を推進しているところでございます。
 次に、業務分析や業務見直しにつきましては、市民サービスの向上とオンライン化を推進しやすい環境づくりのため、令和2年9月末までに、法令等で押印を義務づけている書類以外は全て押印を廃止する、いわゆるハンコレスの取組を完了し、現在、令和4年度末までに年間総処理件数の90%以上の行政手続について、オンライン申請等が可能となるよう取り組んでいるところでございます。また、RPAや、紙に書かれた文字を高い精度で読み取りデータ化するAI−OCRの対象業務をさらに拡充するとともに、それらも活用しながら、システムの自動連携によるデジタル完結の仕組みの構築を図ってまいりました。こうした取組により、行政における業務の効率性や生産性の向上を着実に推進してまいります。そのほか、システムの刷新などに合わせ現行業務を見直し、重複や無駄を排除し、標準的な業務手順を構築する業務プロセス改革、いわゆるBPRを実施しております。
 次に、ICTを活用した業務の効率化の成果につきましては、令和3年3月末時点で年間総処理件数の約79.1%の行政手続について、オンライン化による申請等を可能としてきたところでございます。また、RPAにつきましては、令和元年度は17業務に、令和2年度は9業務に導入しており、AI−OCRの導入も含め、年間約5,100時間に相当する業務の自動化が図られております。そのほか、BPRを実施することによる事務執行の効率化、標準化を図ることで、行政における生産性の向上につながっているものと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) それでは、2問目に入ります。
 皆さん御承知のことだと思いますが、全国に先駆けてハンコレスの取組を完了したことは、日本の中においても、よいリーディングケースになったと思っております。行政運営プラン及びデータ活用推進計画の下、様々な取組がなされ、RPAをはじめとするツールの導入などにより、一定の効果が上がっているということも理解をいたしました。
しかしながら、私が思うに、現時点ではICTなど先進的な技術の活用による業務の効率化が、個々の既存の業務のうち、幾つかの作業の手間を減らすという取組にとどまっているように見受けられております。現在行われている個々の業務について、なぜ職員がしなければならないのか考えていただきたいというふうに思っております。これまで行政は、そのようなことに疑問を持たずにやってきたのではないのでしょうか。従来どおりやってきた現場の職員からは、なかなか気づきにくいということもあるかもしれません。しかしながら、それを見出す努力をして、そこを変えていくということが必要になると思っております。
例えば、通知書を作成して送るという業務に、RPAなどを使って自動的に文書を作らせれば、手間は減るかもしれませんが、それでは部分的ではないかと思っております。申請をオンラインで受け付けて、通知もオンラインで確認できるようにすれば、そもそも紙の通知書を作成するということも必要がなくなるのではないかというふうにも思います。さらに、マイナンバーカードの普及がもっと進み、プッシュ型の行政サービスが実現すれば、市民の申請行為さえ必要なくなり、様々なサービス、どういったサービスがあるのかということを知っているかどうかに関わりなく、必要な方々が必要なときに公平にサービスを受けることができるようになると私は思っております。既にサービスが提供されているごみ出し日のお知らせのようなプッシュ型の行政サービスも、近い将来、年齢や、子どもの入学、結婚などのイベントや健康状態、果ては趣味などに応じて、市民一人一人に最適化されたお知らせや行政サービスとして提供されるようになれば、市民にとって大変大きなメリットになると思います。
 これは例えばですが、保険証と医療証、この個人データがつながるということがあれば、受診した病院窓口で自動的に処理できるようになるのではないかというふうにも思っております。現在は、知らない市民の方々は病院に行きます。いろんな診察を受けます。その上で、最後に終わって精算をします。そのときに、病院の方々がこういうのがありますよというお知らせをしていただければ、初めて知って、改めて区役所に手続に行き、その証を頂いて、また改めて病院に提出するということが多々見受けられるというふうに私は思います。これが自動的に情報共有連結ということができるのであれば、当然市民の方々はそういう受けられるサービスというのを知らなくても、自動的に窓口のほうで処理をしていただけるようになる。そうすると、市民も窓口へ行かなくて済む。もっと言えば、行政もその窓口で受ける手続もしくは作業というのがなくなるということも同時に実現することができるのではないかというふうに、これは私の勝手な考え方ですけれども、そういうこともできるのではないかと思ったりもいたします。DXにはそういったメリットがあるということを、行政がまずは理解して形にしていくこと、それが一番重要であるのではないかというふうに私は思っております。
 また、デジタル化するということは、データで見せることができるということにも言い換えられるのではないかと思います。これは私の個人的な見解ですが、報道や世間話で、よくワクチン接種に関する不安の側面というのを取り上げられております。それで何となくワクチン接種を希望しない方々が多数いるのではないかと感じておりました。しかし、本年8月の毎日新聞の世論調査によると、ワクチンの接種を受けましたかという質問に対して、既に受けた、予約を取った、受けたいが予約が取れないなど、受ける予定を含めてワクチンの接種を受ける方の割合は約90%です。迷っている方は5%、受けるつもりはないという方が4%という世論調査が出ております。これはあくまで一つの民間調査でありますし、必ずしもそれが全ての実数を表しているというものではないというふうには私も理解をしております。しかしながら、定期的な世論調査として行われているものでありますから、統計学的根拠が全くないというものでもないというふうに私は思います。
 感覚で捉えるものとデータに基づいて考えるものでは、全く違う結果が生まれるかもしれません。当然ですが、ワクチン接種はあくまでも個人の判断で行われるものであるというふうに思っておりますが、しかしながら、このようなデータをはじめ、多様なデータを指標として、例えば、限られたリソースの最適な再配分というものを行えば、ワクチンの接種を効果的に進めていく、様々な施策の実効性を担保していく、そういったことをするのが私は行政の役割だというふうに思っております。要は、これまでの業務フローをそのまま置き換えるというものではなくて、デジタル化を前提として業務そのものを見直す発想、その上で各職場の業務量をはかりながら、システム化を行う際の費用、時短効果、個人情報管理などのリスク分析をしっかりと行い、それを共有、見える化した上でダイナミックな見直しを行う必要があるというふうに私は思っております。
 この業務の置き換えを進める上で、ICTなど先進的な技術の活用と既存の業務の見直しは表裏一体でなければならない、それぞればらばらに進めていっても効果が落ちるというふうに私は思います。それぞれ各所、各人で頑張っているとは私も思っております。ですが、それが福岡市におけるそれぞれの動きがいま一つ、一つの形に、方向に、一つのものにつながっていくように見えてこないようにも感じてもおります。理想形にたどり着くまでに、あるいは目指す方向へ進む過程において、ある程度の期間は必要なことだと思っております。だからこそ、関係する部署が連携し、全体をマネジメントする観点で効果的に進めていくべきではないかというふうに思います。
 そこで、DXによる業務の効率化については、関係部署が連携して、得られる効果を見極めながら、時間軸ごとに整理して進めていただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 今後、超少子高齢化により、ますます行政コストは増大していきます。対面窓口での職員によるぬくもりのある対応など、今後、人でしかできないサービスのニーズも増えていくと私は思います。こうした状況を踏まえ、従前から様々な行政改革や行政の効率化の取組がなされてきました。こうした行革の話をするとき、一昔前ならコスト縮減にばかり着目されていたように思います。もちろん、それはそれで大切なことだというふうには思いますが、これからの行政に求められるのは、単にコストを下げるだけではなく、新たな価値をつくって市民に提供していくこと、これが必要なことだと思っております。
 環境変化の激しい時代において、市民にとっての価値を生み出すために、限られた予算と人材をいかに活用し、どれだけスピーディーに取り組めるか、これが一番肝になるのではないかと私は考えます。しかし、現在、本市の職員のうち、突発的な事案に対応できる人員、新しい企画を推進できる人員はどれくらいいるのでしょうか。
 先般、福岡市ではワクチン接種の予約に関し、インターネットに不慣れな高齢者のサポートを行うため、職員を各公民館に派遣して対応しました。このような市民に寄り添う対応がいつでもできるよう、いざというときに迅速で的確な対応ができるよう、組織の自由度を高めておかなければならないと考えます。
このため、不要な業務の廃止などによる業務効率化や行政サービスの改善に取り組み、人がしなくてもできる業務は自動化、システム化して、新たな取組に対応可能な人的資源の確保を図っていくべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 以上で2問目を終わります。
 
○議長(伊藤嘉人) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 今後の福岡市政におけるDXの推進についてお答えいたします。
 業務の効率化を進めるためには、行政手続の流れのうち、申請や届出など市民に利用していただくユーザーインターフェースと、審査や入力など職員の処理する事務を一体的に改善していくことが重要と認識しており、業務の効率化を推進する関係部署がしっかり連携して取り組んでまいります。短期的には、オンライン化やRPAの活用などを進めるとともに、ユーザーインターフェースの改善等により、子どもから高齢者まで、誰もがデジタル技術を活用できる環境づくりを進めてまいります。中長期的には、AIなどの先端技術の積極的な活用により、業務の見直しとシステムの最適化を進め、より効果的、効率的な行政運営の実現を目指してまいります。
 次に、業務効率化による人的資源の確保につきましては、議員御指摘のとおり、不要な業務の廃止や職員の業務の自動化、システム化によって迅速かつ正確な事務を実現しつつ、真に人の手によらなければならない業務に職員の能力を発揮できるようにしていくことは大変重要であると認識しております。本年6月に策定した新たな行政運営プランにおきましては、迅速で便利なサービスへの転換を端的にスマートと表し、多様なニーズに寄り添うサービスの提供を同じくぬくもりと表し、サービスの両輪として掲げるとともに、これらを支える変化に柔軟に適応する組織づくりをしなやかと表し、これら3つを基本的な取組方針としております。この取組方針の下、業務の効率化を進め、これにより生じた人的資源を、ぬくもりのあるきめ細かな対応や新たな行政課題の解決へ振り向けるなど、限られた資源を最大限に生かして必要な施策事業の推進を図ってまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) 3問目に入ります。先ほどお答えいただいた考え方というのを、ぜひ全庁で共有していただいて、各部署が連携して、DXというものを全体として取り組んでいただきたいというふうにお願いいたします。
 さて、福岡市が掲げる人と環境と都市活力の調和が取れたアジアのリーダー都市のうち、都市活力については、天神ビッグバンなどによりハード面が更新されつつあります。税収が過去最高を更新し続けたり、国際金融機関の誘致など、これまでの取組により成果が現れてきたと私は認識をしております。引き続きアジアのリーダー都市にふさわしいロールモデルとして、世界の多くの人々に選ばれるまちになっていただくためには、人と環境の面からも、もっと福岡市のプレゼンスを高めることが必要であるというふうに考えております。
 今は、環境に配慮していない企業は世界の投資家から選ばれない時代であります。福岡市のまちづくりを世界レベルにしていくことができないと、せっかく誘致した企業もそのうち出ていっていなくなってしまうかもしれません。
 加えて言うなら、DXは人から機械への置き換えだけでなく、紙から機械へ、つまり、ペーパーレス化という取組でもあると思っております。今、非接触が求められる医療機関においても、まだまだDXが進んでおらず、様々な審査の確認書や手術の承認書、確認書、そういったのもまだまだ紙です。紙で病院の中でやり取りされております。ペーパーレスはコスト削減や働き方改革はもちろん、脱炭素社会、感染症対応シティの実現にも大きく寄与します。こうした観点からも、DXを進めていただきたいというふうに思います。
 この福岡市においても、現在、コロナ禍の中、多くの市民がコロナウイルスに対する不安、また、そのような環境の中での子育てに対する不安、仕事に対する不安、日常の生活、これはしていいのか、あれはしていいのか、これをすると迷惑をかけるんじゃないか、様々な不安の中、そして、閉塞感の中で生活をなさっておられる方もたくさんおられると思います。子どもたちも、そして働く世代も、高齢者の方々も、本当にいつ終わるのか、先が見えないという中で、皆さん一人一人が頑張っていただいているというふうに思っております。
 そういったときだからこそ、福岡市が、このまちが何か市民の皆さんに希望を、光を、どきどきするようなこと、わくわくするようなこと、そういったものを提示していくことが私は必要ではないかというふうに思っております。多くのシステムを変えるということで、多くの不安を持つ方も同時におられることも、これもまた事実だと思います。職員の皆さんもそうだと思います。しかしながら、日頃、島市長にお願いしたことも、この議場でもあると思います。まずは行政が新しい価値を市民の皆さんに提示すること、見ていただくこと、そして触れていただくこと、実感していただくこと、それによって新しい価値を市民が理解して、その価値に市民が共感を覚えるのではないかと。だからこそ、福岡市の皆さん、職員の皆さんが失敗を恐れず新しいものにチャレンジして、それを見せ、提供し続けてほしいというふうに思っております。
 かのナポレオンの言葉にこういう言葉があります。リーダーとは希望を配る人のことであると。今まさに、福岡市にそのリーダーとして希望を市民に与えていただきたい。その一つの手法として、DXというものが私はあるというふうに思っております。
DX本来の目的である、新しい理念や行動規範、付加価値の創出に取り組み、的確に社会の状況に応じてアップデートし続ける市役所の組織の構築に努めていただきたいと思っておりますが、最後に福岡市のかじ取りについて島市長の決意をお尋ねして、私の質問を終わります。
 
○議長(伊藤嘉人) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市では総合計画において、都市の成長と生活の質の向上の好循環をつくり出すことを都市経営の基本戦略として掲げ、まちづくりを進めてきた結果、元気なまち、住みやすいまちとして、国内外から高く評価をされております。しかしながら、今般の新型コロナウイルス感染症は、市民生活や地域経済に大きな影響を及ぼすだけでなく、これまでの社会全体の弱点を一挙に浮き彫りにいたしました。こうしたピンチをむしろDXを推進し、新しい価値を創造するチャンスと捉え、感染症に強く、より国際競争力の高いまちづくりに積極的にチャレンジをしていくためには、飯盛議員御指摘のように、従来の発想や手法にとらわれず、不断の改善に取り組んでいくことが大変重要であると認識をしています。
 今後とも、DXを積極的に推進し、急激な社会経済情勢の変化にも適応できる柔軟かつ機動的な組織体制を構築していくことによって、経済的な成長と安全、安心で質の高い暮らしのバランスが取れたコンパクトで持続可能な都市づくりを進め、広く世界の人々や企業から選ばれるまちを目指していきたいと思います。また、市民の皆さんが元気と勇気を感じられるような発信を、しっかりとこれからも心がけていきたいと思います。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏)登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表して、航空機燃料譲与税について、下水道事業における浸水対策について、消防団員確保の取組について、以上3点について質問をいたします。
 まず、航空機燃料譲与税についてお尋ねします。
 福岡空港は都心に近く、利便性が高く、そのおかげで福岡市の経済成長や発展を牽引してきたと思いますが、その反面、空港周辺地域では長年の間、航空機騒音や道路交通渋滞などに大変悩まされております。私自身、空港の前に住んでいる地元の人間であり、小さい頃から福岡空港の存在が私の生活の一部でもありました。空港とともに育ってきたと言っても過言ではありません。
 福岡空港は昭和47年4月に、それまでの米軍の管理下であった板付飛行場が、現在の国土交通省が設置管理する福岡空港として供用開始がなされましたが、これと時期を同じくして、福岡市は政令指定都市に昇格を果たしております。翌年に私も生まれ、物心がついた頃から日々、福岡空港の発展と空港周辺地域が開発されていく姿などを目の当たりにしてきました。
平成元年には、福岡市でアジア太平洋博覧会が開催されましたが、37の国や地域などが参加し、世界中から800万人を超える来客があったとのことで、福岡空港は国内外から大変多くの方々をお迎えしました。さらには、翌年にはとびうめ国体が、平成7年にはユニバーシアード福岡大会が開催され、空港に近接する東平尾公園の博多の森球技場などでは多くの熱戦が繰り広げられました。
 これらの開催に当たっては、総合運動公園の建設はもとより、福岡空港への市営地下鉄延の伸乗り入れや幹線道路網の整備など、急速に空港周辺の環境整備が進められてきました。福岡空港は昭和62年に年間の乗降客数が初めて1,000万人を突破するなど、ピーク時間帯をはじめとする混雑が顕著となっていたことなどから、平成5年に国内線第2ターミナルビルが完成し、平成11年には空港の西側に現在の国際線旅客ターミナルビルが供用を始めるなど、福岡市の発展とともに福岡空港の機能強化も鋭意進められてきました。福岡市の人口は平成25年に150万人を超えましたが、福岡空港における年間乗降客数も、平成27年にはついに2,000万人を突破するなど、現在も福岡空港の需要は高まる一方であることから、滑走路増設事業などが進められているところであります。
 このように、福岡空港を取り巻く環境は日々変化し続け、今後も空港機能の強化に伴い、また大きな変化を迎えようとしているところであります。ただ、決して忘れてはならないのは、福岡空港が都心に近い分、日頃から空港より派生する航空機騒音や道路交通渋滞などの様々な影響を受けているたくさんの地域住民の方々がいるということであります。
 このことを念頭に置き、空港周辺地域の方々が安心して生活ができる環境づくりやまちづくりを力強く推進していくことが非常に重要であると考えます。そのためには、しっかりとした予算の確保が必要不可欠です。新型コロナウイルス感染症の猛威などにより、福岡市の財政状況は厳しいものと理解はしております。しかし、福岡空港が都心近くに所在することによって、福岡市には毎年、航空機燃料譲与税が譲与されております。航空機燃料譲与税法によりますと、空港対策に要する財源として、空港関係市町村及び空港関係都道府県に対して譲与するものとされておりますが、空港周辺地域の方々が、果たして本当にその恩恵を実感できているのでしょうか。私は、地元住民の方々から、このような疑問の声をよく聞くことがあります。
 そこで、航空機燃料譲与税はしっかりと活用していただきたいという観点から、質問を進めてまいりたいと思います。
 まずは、航空機燃料譲与税創設の経緯についてお尋ねをいたします。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は発言者席にて質問をさせていただきます。
 
○議長(伊藤嘉人) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 航空機燃料譲与税につきましては、昭和40年代の航空需要の増大に伴い深刻化した航空機騒音や空港周辺における環境整備などの問題に対応するため、国税である航空機燃料税の一部を空港関係市町村に譲与するものとして、昭和47年に創設されたものでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 航空機燃料譲与税の創設の経緯については分かりました。昭和40年代において、航空機騒音や周辺環境整備の問題が深刻化したことを契機ということで、まさに今でも福岡空港が抱える課題のために創設されたということがうかがえます。
 そこで、具体的に航空機燃料譲与税の使途はどのように定められているのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 航空機燃料譲与税の使途につきましては、航空機燃料譲与税法及び同法施行令において、航空機による騒音等により生ずる障害の防止、市町村または都道府県が設置し、または管理する空港の整備及び維持管理、空港に関連する上下水道、排水施設、清掃施設、道路、河川、駐車場及び公園の整備、空港または航空機の災害に備えるため、空港またはその周辺に配置される消防施設の整備などの費用に充てなければならないとされております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 昭和47年に航空機燃料譲与税が創設され、もうすぐ50年がたちますが、そこで、直近3か年の決算額及びこれまでの譲与総額についてお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 直近3か年の航空機燃料譲与税の決算額につきましては、令和元年度は27億円余、平成30年度は26億6,000万円余、29年度は26億7,000万円余となっており、昭和47年度より令和元年度までの譲与総額は879億2,000万円余となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 航空機燃料譲与税が創設されて以来、これまでに900億円近い譲与税が市の歳入として入っており、近年は27億円前後で推移しているとのことですが、一方、歳出のほうはどうでしょうか。
 そこで、過去3か年の空港周辺対策事業への充当額と直近の決算における充当事業についてお尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 過去3か年における航空機燃料譲与税の充当につきましては、先ほど申し上げた各年度の譲与税額全額を空港周辺対策事業へ充当しております。直近の決算でございます令和元年度の充当事業につきましては、航空機による騒音等により生ずる障害の防止に3億2,000万円、空港に関連する上下水道、道路、河川、公園の整備に23億8,000万円余を充当しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 今年の3月議会において、私は周辺地域が空港との共生を図っていくためには、しっかりと予算を確保し、環境対策や環境整備の取組を積極的に進めていく必要があると意見を述べましたが、これまでの答弁によると、福岡市に交付されている航空機燃料譲与税は、その法令に則して、その全額が空港対策に活用されているとのことですが、福岡空港の機能強化が進められている中、空港周辺地域の方々の理解と協力をいただくためには、航空機燃料譲与税の活用の中身をよく知ってもらうことが大事なことだと思います。
 そこで、航空機燃料譲与税がどのような空港対策に使われたのか、令和元年度の具体的な事業をお答えください。
 
○議長(伊藤嘉人) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 令和元年度における航空機燃料譲与税を財源とした空港周辺対策事業につきましては、航空機騒音対策として、住宅の防音工事や空調機更新工事に対する助成、地域集会所の池石会館及び西春町会館における空調機更新工事等に対する助成のほか、席田小学校、板付小学校及び箱崎小学校の空調設備工事や、那珂南会館及び東月隈会館などの空港周辺共同利用会館における改修工事などを実施いたしております。また、空港周辺の生活環境の改善に資するため、生活道路の改善や、大井中央公園及び上月隈中央公園の再整備などを実施いたしております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 住宅や地域集会所への助成に加え、学校や空港周辺共同利用会館などの市の施設にも必要な対策が取られていることが分かりました。確かに近年、大井中央公園がきれいに再整備されて、親子連れでにぎわうほほ笑ましい場面を目にすることがあります。このように、航空機燃料譲与税は地域の活性化などにつながる貴重な収入財源であります。
 一方、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、福岡空港の離発着も大幅な減便が余儀なくされており、航空機燃料譲与税にも影響が生じているのではないかと思います。
 そこで、令和2年度の航空機燃料譲与税へのコロナの影響についてお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 令和2年度の航空機燃料譲与税につきましては、当初予算で28億8,000万円余を計上しておりましたが、航空需要の減や航空機燃料税の徴収猶予の特例の影響等を考慮し、令和2年9月議会で8億8,000万円余に減額したところでございます。なお、決算見込額は6億2,000万円余となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 令和2年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響や徴収猶予の特例を受けて、航空機燃料譲与税が大幅に減少したということですが、令和3年度についても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による厳しい状況は続くと考えられます。
 そこで、令和3年度の航空機燃料譲与税の当初予算額についてお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 令和3年度の当初予算額につきましては、国の航空機燃料譲与税見込みを踏まえ、航空需要の一定の回復と令和2年度の徴収猶予分の増収を見込み、34億円余を計上しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 令和2年度の税収は一旦落ち込むものの、徴収猶予の特例分は実質的に令和3年度へ持ち越され、市の税収として入ってくるということで安心いたしました。空港がここにあり続ける以上、周辺地域と空港が共存共栄していくために、空港対策の取組を充実強化していく必要があります。航空機騒音や道路交通渋滞などの影響を受けている空港周辺地域の方々に理解と協力をいただくためにも、安心して生活ができる環境づくりに航空機燃料譲与税を活用し、その中身を知ってもらうことが非常に重要であると考えております。周辺地域といっても、その範囲は大変広く、たくさんの方々が住まわれております。地域によって実情は異なり、抱える課題やニーズも様々であると思いますが、ぜひともそれに応えるような形で、空港とその周辺整備のために航空機燃料譲与税をしっかり活用してもらいたいと考えております。
 そこで最後に、空港周辺地域における航空機燃料譲与税の今後の活用方針についてお尋ねし、この質問を終わります。
 
○議長(伊藤嘉人) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 議員おただしのとおり、空港周辺地域の環境整備は重要であることから、今後とも、港湾空港局をはじめ、関係局と十分連携しながら、法令の趣旨に沿って、航空機燃料譲与税を適切に充当してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 次に、下水道事業における浸水対策についてお尋ねいたします。
 近年、全国各地で集中豪雨などによる水害が激甚化、頻発化しており、人命や家屋、社会経済などに甚大な被害が生じております。令和2年7月豪雨では、九州などで観測史上1位の降水量を記録し、全国で80名以上の方々が亡くなり、家屋被害4,000棟以上、家屋浸水1万3,000棟以上となる極めて甚大な被害が発生いたしました。また、令和3年においても、7月の豪雨が全国に大きな被害をもたらすとともに、8月には福岡県などで過去最高の降水量を記録するなど、西日本を中心に広い範囲で甚大な被害が発生しております。犠牲になられた方々に対し御冥福をお祈り申し上げますとともに、多大な被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。あわせて、被災された自治体におかれましては早期復旧を祈念いたします。
 このように、毎年各地で観測史上1位の降水量を記録するなど、浸水被害がいつ、どこで発生するか分かりません。本市においても皆さん御承知のとおり、平成11年6月29日に、時間雨量79.5ミリの集中豪雨により、市内一円で甚大な被害が発生しました。これを契機として、その翌年には市内59地区を重点地区とする雨水整備Doプランが策定されました。また、平成16年度に博多駅周辺を対象とした雨水整備レインボープラン博多が、さらには、平成21年度に天神周辺を対象とした雨水整備レインボープラン天神が策定され、浸水対策が積極的に進められてきました。具体的には、雨水幹線やポンプ場など主要な雨水排水施設の整備により、本市は水害に大変強いまちになってきたと実感しております。
ただ、これらのプランの推進によって、過去に浸水被害を受けた全ての地区で対策が完了するわけではございません。私は、平成29年12月議会においても、本市における浸水対策に関して質問を行ったところでありますが、今回、改めて現在の進捗状況と新たな取組についてお尋ねをいたします。
 まず、平成29年12月議会のおさらいとなりますが、これまで進められてきた雨水整備Doプラン及び雨水整備レインボープランの概要及び進捗状況をお聞かせください。
 
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 雨水整備Doプランにつきましては、平成11年6月29日の集中豪雨により甚大な浸水被害が発生したことを受け、当該豪雨による浸水被害が重大で、かつ、過去にも複数回浸水した市内59地区を重点地区と位置づけ、平成12年度に策定したものでございます。59地区のうち、博多駅周辺及び天神周辺を除く地区につきましては、10年確率降雨である時間雨量59.1ミリメートルを整備水準としており、これに対応する主要な施設が平成30年度に完成しております。
 次に、雨水整備レインボープランにつきましては、博多駅周辺及び天神周辺地区を対象として、それぞれ平成16年度及び21年度に策定しており、博多駅周辺地区につきましては、雨水整備レインボープラン博多に基づき、平成11年の実績降雨である時間雨量79.5ミリメートルに対応する主要な施設が平成24年度に完成しております。また、天神周辺地区につきましては、博多駅周辺地区と同じく、時間雨量79.5ミリメートルへの対応を目指した雨水整備レインボープラン天神に基づき、第1期事業として約100ヘクタールの区域を対象に、時間雨量59.1ミリメートルに対応する主要な施設が平成30年度に完成しております。引き続き第2期事業として、対象区域を約180ヘクタールに拡大し、時間雨量59.1ミリメートルに対応する施設の整備を進めております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 雨水整備Doプランや雨水整備レインボープラン博多などにより、主要な施設が完成したことは分かりました。これらの成果が先ほどの私の実感につながっているものではないかと思います。雨水整備レインボープラン天神についても、引き続き着実な推進をお願いいたします。
 一方、本市では令和元年度より、新たに雨水整備Doプラン2026を進められておりますが、このプランの策定の目的と対象地区の選定基準をお尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 雨水整備Doプラン2026の策定目的につきましては、既に完了した雨水整備Doプランの対象となる59地区以外にも、過去に浸水被害が発生した地区があることから、さらなる浸水安全度の向上に向けた取組を推進するため、平成30年度末に策定したものでございます。対象地区につきましては、平成元年から30年までの期間に浸水被害が発生した地区の中から、前プランの59地区を除き、被害の大きかった33地区を新たに重点地区として選定しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 過去の浸水被害などを踏まえ、新たに重点地区を選定しているとのことでありますが、雨水整備Doプラン2026の対策の内容、事業期間及び事業費についてお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 雨水整備Doプラン2026の対策内容につきましては、時間雨量59.1ミリメートルに対応する雨水幹線や側溝整備などを実施しているところでございます。また、事業期間は令和元年度から8年度までの8年間で、全体事業費は約70億円を見込んでおります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 重点地区を33地区選定しているとのことでありますが、区ごとの地区数をお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 重点地区33地区につきましては、東区が5地区、博多区が12地区、中央区が1地区、南区が7地区、城南区が1地区、早良区が3地区、西区が4地区となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 重点地区が全市的にあることが分かりました。ちなみに、博多区の中には、私の地元である金の隈や東月隈、西月隈も重点地区として選定されております。その3地区については、平成15年7月19日や平成21年7月24日の集中豪雨により浸水被害があったことが私も強く記憶に残っております。
 そこで、金の隈、東月隈、西月隈の3地区の浸水対策の取組状況についてお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) お尋ねの3地区につきましては、平成15年や21年に浸水被害を受けていたため、雨水整備Doプラン2026を策定する以前から、福岡県と連携した御笠川の河川改修や雨水幹線の整備などの浸水対策を進めてきたところでございます。今後は同プランに基づき、金の隈地区につきましては、令和3年度に既設の雨水幹線を増強するため、管渠の新設などに着手するとともに、東月隈及び西月隈地区におきましては、雨水管路の増強などについて、令和4年度の工事着手に向け、現在設計を進めているところでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 今、私の地元である3地区を事例として、取組内容を確認させていただきましたが、具体的に取組が進められているということで安心をいたしました。これらを含む重点地区33地区については、再度浸水被害が発生しないよう、しっかりと浸水対策を進めてもらいたいと思いますが、雨水整備Doプラン2026を進めていくに当たって、道路下水道局長の意気込みをお伺いします。
 
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 下水道事業における浸水対策につきましては、平成12年度以降、59地区を重点地区とする雨水整備Doプランによる主要な施設の整備を進めてきた結果、平成25年8月の時間雨量72.5ミリメートルの集中豪雨におきましても、過去に比べ浸水被害が著しく減少するなど、一定の効果を上げてきたものと認識しております。平成30年度末には、さらなる浸水安全度の向上に向け、新たに雨水整備Doプラン2026を策定したところであり、市民の生命と財産を守るため、令和8年度完了を目指し、浸水対策を着実に推進してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 本市の浸水対策を進めていくことについて、大変心強い答弁をいただきました。一方で国においては、近年、全国各地で洪水や内水氾濫、土砂災害などのいわゆる水災害が激甚化、頻発化していることなど、今世紀末に降雨量が増加する傾向を踏まえ、流域治水関連法が本年5月に改正されておりますが、この流域治水とは具体的にどのようなものか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 流域治水とは、気候変動の影響による水災害の激甚化、頻発化などを踏まえ、これまでの下水道や河川による浸水対策だけではなく、例えば、利水用のダムやため池を活用するなど、流域全体を俯瞰した取組を進めるとともに、国、地方公共団体に加え、企業や住民など、あらゆる関係者が協働して、水災害への対策を行うという考え方でございます。
 国において示された具体的な取組といたしましては、まず、氾濫をできるだけ防ぐための対策として、利水ダムの事前放流やため池の治水池への転用、民間の雨水貯留浸透施設の整備促進など、次に、被害対象を減少させるための対策として、浸水リスクの高いエリアからの移転促進や災害時の避難先となる拠点の整備など、さらには、被害の軽減、早期復旧・復興のための対策として、浸水想定区域図のエリア拡大による浸水リスク情報の充実化など、ハード、ソフト一体で多層的に進めるものでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 今後、流域治水を進めていくに当たり、国土交通省では、気候変動の影響により21世紀末には降雨量が1.1倍に増加すると試算されておりますが、国は各地方公共団体の下水道事業に対して、どのような新たな取組を求めているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 各地方公共団体の下水道事業に求められている取組につきましては、主に2つございます。1つは、将来の降雨量の増加に対しても浸水被害をできるだけ防ぐため、下水道の整備水準の見直しについて地域の実情に応じて検討すること、もう1つは、想定される最大の内水氾濫から命を守るため、1000年に一度の大雨に相当する想定最大規模降雨を対象とした内水浸水想定区域図について、これまでの地下街を有する区域から住宅等がある区域までエリアを拡大し、令和7年度までの作成を目指すこととされております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 今般の法改正や国の方針を踏まえ、本市の下水道事業では流域治水に対してどのように取り組むのか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 激甚化する水災害から市民の命を守り、浸水被害を防止、軽減するため、下水道による浸水対策に加え、流域全体で取り組む流域治水を推進することは大変重要であると認識しております。そのため、福岡市の下水道事業におきましても、今般の法改正を踏まえ、福岡市の実情に応じた下水道の整備水準の見直しや浸水想定区域図のエリア拡大について鋭意検討を進めるなど、将来にわたり浸水安全度のさらなる向上に向けて、流域の様々な関係者とともにしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 今回、下水道の浸水対策について質問を行ってきましたが、今後、激甚化、頻発化する水災害に対し、流域治水の取組が重要であることが分かりました。本市がこれまで以上に市民の安全、安心を守り、暮らしやすく住みやすいまちとして選ばれるためにも、さらに水災害に強いまちにならないといけません。
 雨水整備Doプラン2026などに基づき、引き続き浸水対策に積極的に取り組むとともに、将来的にも気候変動により増加する降雨量に対応するため、浸水想定区域図の作成や整備水準の見直しなどの検討が鋭意進められることを期待し、この質問を終わります。
 最後に、消防団員確保の取組についてお尋ねをいたします。
 先ほどの質問で述べましたとおり、気候変動の影響による水災害の激甚化、頻発化には、引き続き積極的に浸水対策に取り組んでいく必要がありますが、いざ災害が発生した場合には、市民の生命、身体、財産を守っていかなければなりません。本市を含む九州全域に災害級の規模で降り続いた今年8月の大雨でも、広範囲において被害が生じ、住民が避難を余儀なくされるなど、市民生活に大きな影響を与えました。
 また、本年は東日本大震災から10年目の節目の年を迎えております。本市においても、警固断層帯南東部での地震が今後30年以内に発生する確率は0.3%から6%と、我が国の主な活断層の中では高いグループに属しており、平成17年3月に発生した福岡県西方沖地震の影響により、警固断層帯南東部の活動を促進する可能性もあると言われております。本市でも大規模災害がいつ発生してもおかしくない状況ですが、このような中、平成25年に施行された消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律においては、消防団が将来にわたり地域防災力の中核として欠くことのできない代替性のない存在であると明文化され、消防団の役割は重要なものとなっております。
 さて、消防団の重要性は増すばかりですが、その歴史は古く、起源は江戸時代にまで遡ると言われております。
 そこでまず、本市における消防団の歴史的経緯についてお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 江戸時代の1670年代に町火消し制度が設けられたことが消防団の始まりとされております。それから明治、大正と時代の流れとともに、消防組、警防団と組織を変え、昭和22年に消防団設置条例に基づき、4団33分団を設置しております。その後も周辺町村の編入や人口増加など、福岡市の発展とともに改編を重ね、昭和29年4月に現在の体制である7団63分団となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 消防団が古くから本市の安全、安心を守ってきたということはよく分かりました。消防団は消防組織法に基づき設置される消防機関であり、常備消防が進展している今日においても、地域密着性や要員動員力などの特性から、地域の安全、安心のためには不可欠な存在であり、地域の消防防災体制の中核的役割を担っております。
 また、消防団員は本業を持ちながら、有事の際には消防団活動に従事する非常勤特別職の公務員として身分を有していますが、全国規模で見ますと、昭和29年に約202万人とピークを迎えた後は年々減少し、平成2年には100万人を割り込んだ後も減少の一途をたどり、令和2年には約81万人になっています。特にこの2年は毎年1万人以上減少する危機的状況になり、極めて憂慮すべき事態となっております。
 減少の理由としては、災害が激甚化、頻発化する中で、消防団の役割も多様化しており、一人一人の消防団員の負担が大きくなっていること、また、社会環境の変化により、住民の消防団活動への理解不足や連帯意識の希薄化、消防団活動を負担と感じる方が増えていることなどによるものと考えられますが、本市の消防団員数について、最も多くなった年の人数、充足率と現状についてお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) まず、先ほどの質問に修正を加えさせていただきたいと思います。平成29年を誤って昭和29年と申し上げました。訂正させていただきたいと思います。
 質問の第2でございます。現在の消防団の定員2,602人となった平成8年以降、4月1日時点で比較いたしますと、消防団員数が最多となったのは平成11年の2,515人で、充足率は96.7%でございます。その後、全国の状況と比較すると緩やかではあるものの、消防団員数は年々減少傾向にあり、令和3年4月1日時点の消防団員数は2,304人、充足率は88.5%で過去最低となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 本市においても、二十数年の間に200人以上減少しており、消防団員の減少傾向が続き、歯止めがかかっていない状況と考えられます。消防団員の減少は、地域防災力が低下し、ひいては地域住民の生命、身体、財産の保護に支障を来すことになります。
地域防災の中核である消防団員の確保は喫緊の課題であると思いますが、この課題を解決するためにどのように対応しているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 平成18年度に福岡市消防団員確保対策検討委員会を設置し、消防団員の入団促進や活性化に取り組んでまいり、消防団員数が一時は増加するなど、一定の成果がございました。しかし、その後も消防団員数が減少傾向にあったことから、平成24年度に福岡市消防団体制強化検討委員会に名称を変え、従来の確保策に加え、消防団に関わる様々な課題について多面的に検討を行い、さらなる団員確保に努めております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 本市においても、消防団員の確保について組織的な検討体制を整備し、消防局が消防団とともに取り組んでいることは分かりました。
 では、これまでの消防団員の確保に関する具体的な取組内容についてお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) まず、消防団の区域に通学する学生を入団可能としたことや、定年延長など団員資格を拡大しております。また、消防団活動に協力する事業所等を社会的に評価する消防団協力事業所表示制度や消防団員の福利厚生を図る消防団応援の店を導入するなどしております。そのほか、博多どんたく港まつりや、令和元年に開催されたG20福岡財務大臣・中央銀行総裁会議での消防団伝統技術演技披露などの消防団活動PRにも積極的に取り組んでおります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 様々な取組をしてきたようですが、消防団員の確保に加え、消防団活動をさらに活性化していくためには、若い世代、特に大学生や専門学校生への働きかけも必要です。
 そこで、大学生や専門学校生の加入促進に対する取組についてお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 福岡市内の各大学や専門学校を訪問し、ポスター掲示やチラシ配布などの募集活動を実施しております。特に福岡大学では、毎年、消防局職員が消防団活動や防災全般に関する講義を実施しており、講義に併せて直接学生に入団を呼びかけております。また、令和3年8月1日時点で40人在籍している学生団員に対して、消防団活動を認証する証明書を交付し、就職活動を支援するなどの取組も実施しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 引き続き大学生等を中心とする若い世代に対する入団への取組を進めていただくようお願いいたします。
 また、すぐには消防団に入団できないとしても、将来の地域防災の担い手として、中学生や高校生に対して消防団の活動を知ってもらうことも重要であると思います。
 そこで、中学生や高校生に対する取組についてお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) まず、高校生に対しては、消防団員が講師となり、福岡第一薬科大学付属高等学校の生徒に対して、南区役所と連携し、防災教育を実施しております。今後、他の学校への展開も検討してまいります。また、中学生に対しても、同じく消防団員が講師となり、教育委員会と連携し、各中学校での防災教育の実施を検討しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 消防団員が消防団活動の一環として、地元の中学校や高等学校等を訪問し、防災教育などを実施することで、学生が消防団員と触れ合い、消防団活動の理解、ひいては消防団への入団にもつながるかと思いますので、積極的な取組をお願いいたします。
 さて、消防団員数が減少している一方で、その重要性が増している中、消防団員の処遇向上についても検討が必要であると思います。非常勤特別職の公務員である消防団員には、その活動の対価として報酬等が支払われていますが、現在の本市の報酬等の金額についてお尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 本市では、階級に応じて支給する報酬と災害や訓練等への出動回数に応じて支給する費用弁償がございます。報酬額につきましては、団員の階級で年額3万6,500円、費用弁償額につきましては、出動1回につき7,000円を支給しており、全国トップクラスの金額となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 幅広く活動する消防団員の労苦に報いるためには、現在の金額では不十分かもしれませんが、全国トップクラスの金額ということで、本市としても消防団員の処遇向上について真摯に取り組まれてきたのだと思います。
 一方で、消防団員数の減少は全国的な課題でもあり、消防団員の負担が増加していることを踏まえ、消防団員を確保することを目的として、総務省消防庁において消防団員の処遇等に関する検討会が開催されました。
検討会において、どのような検討が行われたのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 消防団員の確保策の一環として、報酬や出動手当をはじめとした消防団員の適切な処遇の在り方などについて検討が行われました。その検討結果を踏まえ、総務省消防庁において、今年4月に非常勤消防団員の報酬等の基準が策定されております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 非常勤消防団員の報酬等の基準が策定されたとのことですが、その基準はどのようなものか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 非常勤消防団員の報酬等の基準は、報酬等の地域格差を是正し、消防団員の処遇改善を図るために策定されたものでございます。基準の内容といたしましては、報酬の種類が年額報酬と出動報酬の2種類とされました。また、それぞれ年額報酬額は、団員の階級で年額3万6,500円、出動報酬額は、災害については日額8,000円を標準とすることなどが明確に示されております。なお、基準は令和4年4月1日から適用されることとなっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) では、非常勤消防団員の報酬等の基準を踏まえ、本市では今後どのように対応していくのか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 自らの危険を顧みず、地域防災の要として御活躍いただいている消防団員の皆様のさらなる処遇向上に向けて、関係局と協議を進め、令和4年4月1日の運用開始に向け、着実に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 鬼塚昌宏議員。
○2番(鬼塚昌宏) 消防団員の処遇向上について、適切に検討してもらいたいと思います。よろしくお願いします。
 消防団員は本業を持ちながら、自分たちのまちは自分たちで守るという郷土愛精神の下、日々活動をしております。消防団員の労苦に報いるための処遇の向上は、消防団員の士気向上のみならず、その家族等の理解を得るためにも必要なもので、消防団員の確保にもつながるものと思います。消防団員の処遇向上と併せて、消防団に入ってよかったと思える環境整備や必要な支援を含め、より魅力ある消防団づくりに取り組んでいただくことを期待し、質問を終わります。
 
○議長(伊藤嘉人) この際、暫時休憩いたします。
 午後は1時10分に再開いたします。
午前11時47分 休憩  
午後1時10分 開議  
○副議長(山口剛司) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦)登壇 私は日本共産党市議団を代表して、自閉症・情緒障がい特別支援学級について、介護施設入居者の食費、居住費を補助する補足給付制度の改定問題について質問します。
 まず、本市の自閉症・情緒障がい特別支援学級についてです。
 情緒障がいのある児童生徒は、状況に合わない感情、気分が持続し、それらを自分の意思ではコントロールできないことが継続し、学校生活や社会生活に適応できなくなる状態を有しています。本市の就学相談会において、当該特別支援学級への就学が適切と判断された児童生徒数が2016年度の71人が2020年度には151人と急増しており、情緒障がいの児童生徒に対する適切な教育が求められています。
 私は先日、来年4月に美和台小学校に入学する子どもを持つお母さんから御相談をいただきました。お母さんは、子どもが情緒障がいと診断されているが、地元の美和台小学校に知的障がいに対応する支援学級はあるものの、情緒障がいに対応する学級がないために、安心して学校へは通学できないと悩みを語られました。
 そこでお尋ねしますが、地元の学校に安心して通学できないのは理不尽ではないかと思いますが、答弁を求めます。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は発言者席にて行います。
 
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 自閉症・情緒障がいのある児童生徒に対しては、障がいの特性に応じた質の高い教育を行うため、拠点となる学校に、自閉症・情緒障がい特別支援学級を設置し、高い専門性を持つ教員や安全を見守る会計年度任用職員を配置しております。また、特別支援学級が設置されていない場合においても、特別な支援を必要とする児童生徒のニーズに応じた適切な指導や必要な支援を行えるよう校内支援委員会を設置し、学校全体で理解を促進し、支援方法を検討するなど、校内の支援体制の充実に努めております。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 教育長は言い訳をされましたけれども、情緒障がいを持っていることで地元の小学校に安心して通うことができない、こんな理不尽なことがまかり通っているんです。障害者権利条約第24条には、「自己の生活する地域社会において、障害者を包容し、質が高く、かつ、無償の初等教育を享受することができること及び中等教育を享受することができる」と明記されています。
 そこでお尋ねしますが、情緒障がいがあるにもかかわらず、地元の小学校では対応する教育が保障されていないため安心して通学できないことは障害者権利条約に反しているのではないかと思いますが、答弁を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 障害者の権利に関する条例第24条には、自己の生活する地域において、初等中等教育の機会が与えられること、個人に必要な合理的配慮が提供されること等が必要とされております。福岡市においては、就学相談において、本人や保護者の意向を尊重し、就学先を決定しており、また、その際、個に応じた支援等については、本人や保護者と学校が話し合い、具体的な支援内容を決定しております。このように、児童生徒は本人の意向を基に在籍する学校で合理的配慮を受けることができます。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 教育長は一人一人のニーズに応じた支援をしているかのような答弁されましたけれども、実態は全く違います。このお母さんは、地元の小学校の情緒障がい支援学級に子どもを通学させたいと希望していますが、当該支援学級はありません。当該支援学級に通学したければ、遠くの香椎小学校か千早西小学校に通学しなければなりません。お母さんは、仕事の都合でとても子どもの送り迎えはできないと述べられています。福岡市障がい者差別解消条例第8条には、障がい者などから社会的障壁の除去を必要とする旨の意思表明があった場合、合理的配慮の提供をしなければならないと市の義務が定められています。
 そこでお尋ねしますが、障がいのあるなしで地元の学校に通えないということは、合理的配慮に欠けており本市の障がい者差別解消条例にも反しているのではありませんか、答弁を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 福岡市障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例には、障がい者やその家族等から意思の表明があった場合に合理的配慮をしなければならないとされております。特別な支援を必要とする児童生徒については、本人及び保護者と学校とが具体的な支援方法について話し合い、一人一人の教育的ニーズに応じた教育活動を行っております。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 反していないというふうに言われますけど、情緒障がい学級に通いたくても地元の学校にはないんです。合理的配慮に欠けることは明らかではありませんか。お母さんは「幼稚園に通っていたときには障がいに対応した援助が受けられずに、集団になじめず、1年間門のところで過ごしていた。保育園に変わってからこの子に援助する保育士さんが加配され、丁寧な援助でようやく昨年7月から集団になじめるようになった。この子の状況を見れば、来年4月から当該支援学級のない小学校に入学すれば、また行けなくなるのではないかと心配している」と不安を述べられております。一方で、あなた方が策定した第2次福岡市教育振興基本計画における特別支援教育の推進では、一人一人の教育的ニーズに応じた教育活動を展開していくこととされています。
 そこでお尋ねしますが、あなた方が掲げている特別支援教育の理念にも反しているのではないかと思いますが、答弁を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 第2次福岡市教育振興基本計画には、一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善または克服するために適切な指導及び必要な支援の推進を図ることを掲げております。特別支援学級設置の有無にかかわらず、特別な支援を必要とする児童生徒に適切な指導及び必要な支援を行えるよう、校内の組織的な支援体制の構築や研修等による職員の専門性の向上に努めております。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 教育長はニーズに応じた支援をやっているというふうなことを答弁されました。
では、お尋ねしますけれども、それならば、この子に応じた教育を地元の小学校で保障するために、美和台小学校に情緒障がい支援学級を設置するということですか、お尋ねします。
 
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 自閉症・情緒障がいのある児童生徒に対しては、障がいの特性に応じた質の高い教育を行うため、拠点となる学校に自閉症・情緒障がい特別支援学級を設置し、高い専門性を持つ教員や安全を見守る会計年度任用職員を配置している一方で、特別支援学級を設置していない場合においても支援を必要とする児童生徒のニーズに応じた適切な指導や必要な支援を行えるよう校内支援体制の充実に努めております。今後の自閉症・情緒障がい特別支援学級の整備については、対象となる児童生徒数の増減及び居住地等の実態を踏まえ検討してまいります。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 教育長はいろいろと言われますけど、このお母さんと子どもは地元に情緒障がい支援学級を設置してほしいというふうに願っているではないですか。それなのに、設置するとは答弁されておりません。本当おかしいですよ。この子どもと母親は地元の小学校にも情緒障がい支援学級を設置して地元の小学校にいる4年生のお姉ちゃんと一緒に学校に楽しく通いたいと思っています。これは当然のことです。ところが、この当たり前のことが保障されていません。理不尽極まりません。他の政令市ではどうなっているのか、見てみたいと思います。
 まず、全国の福岡市以外の政令市の自閉症・情緒障がい特別支援学級の設置状況について、小学校、中学校ごとの平均設置率について説明を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 福岡市を除く政令指定都市19都市における自閉症・情緒障がい特別支援学級の設置率の平均は、小学校が86.4%、中学校が87.3%となっております。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 小学校では86.4%、中学校では87.3%にもなっています。横浜市、川崎市は、全ての小中学校に設置をされています。
 では、本市の小中学校への設置状況について説明を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 福岡市においては、自閉症・情緒障がい特別支援学級を、小学校には13校36学級、中学校には8校20学級設置しております。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 小学校では市内144校のうち13校、たった9%、中学校では69校のうち8校、11%しかありません。
 お尋ねしますが、設置校数があまりにも少ないのではないかと思いますが、御所見をお伺いします。
 
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 福岡市における自閉症・情緒障がい特別支援学級の設置については、障がいの特性に応じた質の高い教育を連携して行うため、拠点となる学校に通常複数の学級を設置しております。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 教育長は質の高い教育を保障していると答弁されましたが、私は質の問題なんか聞いていないんですよ。設置校数が少ないのではないかとお尋ねしています。再度答弁してください。
 
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 福岡市におきましては、拠点となる学校に通常複数の学級を設置しております。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 教育長はまともに答弁されませんが、市内の小中学校213校のうち21校しか設置されていません。私は川崎市の担当者に設置方針などを聞いてみました。担当者の方が校区に1人でも該当する障がいを持つ児童生徒がいれば、その障がいに対応する特別支援学級を設置する方針ですと述べられています。ところが、本市ではこの当たり前の方針を持っていません。だからこそ情緒障がい支援学級に通学するために、市内の設置校の近く、また、近隣の自治体に転居する方もおられます。教育長、恥ずかしくないですか。そのような中、東区美和台の支援を必要とする子どもの親の会が、市内全ての小中学校への自閉症・情緒障がい特別支援学級の設置を求める請願署名運動を始められました。今やノーマライゼーションは教育現場においても重要なキーワードとなっており、障がいをはじめとするどのようなバックグラウンドを持つ人でも一緒に教育が受けられるようにするインクルーシブ教育の重要性が強調され、それぞれのニーズに合った教育を提供する環境を整えることが重要となっています。
 したがって、市内全ての小中学校に自閉症・情緒障がい特別支援学級を設置すべきと思いますが、答弁を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 福岡市における自閉症・情緒障がい特別支援学級の設置については、対象児童生徒の増減及び居住地等の実態を踏まえ、拠点となる学校に複数の学級を設置し、より高い専門性を持つ教員や安全を見守る会計年度任用職員を配置することによって、情緒障がい等のある児童生徒が自分の持つよさを伸ばしながら生きる力を育むための質の高い教育を行うこととしております。
 また、特別支援学級が設置されていない場合においても、学校長を中心とした校内支援委員会を組織し、関係機関と連携しながら具体的な支援策を検討し、特別な支援を必要とする児童生徒のニーズに応じた適切な指導や必要な支援を行えるよう努めております。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 教育長は拒否されますが、地域の学校で安心して通いたいと願う当たり前のことを踏みにじることは許されない。全ての小中学校に設置することを強く求めておきます。
 次に、自閉症・情緒障がい学級への教員の配置についてです。
 まず、情緒障がい学級への教員の配置はどうなっているのか、説明を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 特別支援学級については、1学級当たりの児童生徒数を8人以下として学級編制を行い、学級数に応じた教員の配置を行っております。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) ほかの特別支援学級と同じように児童生徒8人に1人が配置されています。情緒障がいの子どもは人との関わりが苦手で情緒が不安定であるためにパニックを起こしやすく、ほかの子どもに手を出すこともあります。
 そこでお尋ねしますが、教員1人で8人の子どもを見守り、学習支援をすることは難しいのではないかと思いますが、答弁を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 特別支援学級の学級編制及び教員配置については、国の公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律に基づき適切に行っております。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 国の基準に従って適切に対応しているというふうに答弁されましたが、現場の実態は全く違います。私は先生方にお話を聞いてきました。1人で8人の子どもにとても対応できない。授業中にパニックを起こしたら、パニックを起こした児童生徒に寄り添った対応をする必要がある。そうなれば、ほかの児童の対応はできなくなると言われていました。
 お尋ねしますが、情緒障がい支援学級は複数の教員で対応する必要があり、市独自で加配教員を増やし、教員1人当たりの子どもの数を減らすべきではありませんか、答弁を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 特別支援学級の学級編制及び教員配置については、国の法律に基づき適切に行っており、教職員定数の充実について、今後とも国に要望してまいります。自閉症・情緒障がい特別支援学級については、教員のほかに特別支援学級職員を配置しております。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 教育長は情緒障がい特別支援学級には特別支援学級職員を配置していると言われました。
では、その配置状況について説明を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 特別支援学級職員は、自閉症・情緒障がい特別支援学級を設置した学校に、学級数や児童生徒数等に応じて、1名、もしくは2名を配置しております。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 全ての自閉症・情緒障がい学級に配置されているわけではありません。設置校に原則1人が配置されているだけであります。これでは一人一人の児童生徒に丁寧な対応はできません。全く足りていないということです。
 次にお尋ねしますが、特別支援学級職員の仕事内容並びに資格や身分はどうなっているのか、説明を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 仕事内容としては、担任等の指示の下、児童生徒に対する学校生活上の介助や学習のサポート、見守りを行っております。身分は会計年度任用職員で、資格は特段必要としておりませんが、障がいのある児童生徒一人一人に寄り添った支援が必要であることから、任用期間を通して職務に従事でき、特別支援教育に興味をお持ちの方としております。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 仕事内容については、児童生徒の安全確保や移動介助、特別な対応が必要な学級で教員の補助をするということになっております。身分については、会計年度任用職員となっており、1年ごとに更新しなければならず、継続して雇用されるとはならないのであります。
 そこでお尋ねしますが、情緒障がいの児童生徒の支援に継続性がなくても大丈夫なのか、答弁を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 障がいのある児童生徒に対しては、担任が個別の教育支援計画及び個別の指導計画を引き継ぎ、計画的に指導、支援を行っているところで、特別支援学級職員においても、担任等の指示により業務を行っているため、支援の継続性は保たれていると考えております。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 問題ないかのように答弁されましたけれども、支援学級職員が継続して雇用されずに1年ごとに変わるようなことになれば、人間関係に敏感である情緒障がいの児童生徒は不安定な精神状態になることは明らかではありませんか。また、資格要件については、専門的な知識は必要なく、障がい者の就労支援に意欲がある方としています。
 お尋ねしますが、専門的な知識がなく児童生徒に対応することに問題はないのか、答弁を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 特別支援学級職員は、担任や管理職、特別支援教育コーディネーター等から助言を受け、児童生徒一人一人の特性を把握するとともに、個別の支援方法を学ぶことで児童生徒の特性に応じた適切な支援を行っております。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) これも問題がないかのように答弁されましたが、許し難い姿勢です。情緒障がいの児童生徒への支援をする職員には専門性も継続性も必要ないなどとよく言えたものであります。独立行政法人国立特別支援教育総合研究所のホームページに、情緒障がいの大きな特徴である選択性緘黙について、子どもへの配慮について述べられています。
 お尋ねしますが、どのような配慮が必要と述べられているのか、説明を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 国立特別支援教育総合研究所によると、選択性緘黙は、教員が話さないことだけに注目してしまうと、話させようとする働きかけが多くなり、その結果、児童生徒に極度の緊張と萎縮を生じさせ、さらに話すことを難しくしてしまうため、故意に話さないのではなく、話そうとしても話せないという視点に立ち、緊張や不安、恐怖心を少しでも軽減するように関わることが大切であるとされております。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 今説明されましたけれども、専門的な知識がないと適切な支援ができないことは明らかです。継続性も専門性も要らないということは間違いなんです。一人一人の児童生徒に対して丁寧に対応していくことができる専門性と継続性が求められています。
 そこでお尋ねしますが、現状の特別支援学級職員の配置では、継続して専門的な支援ができず、一人一人の児童生徒に十分な支援ができないのではないかと思いますが、答弁を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 障がいのある児童生徒については、一人一人の教育的ニーズに応じた指導を行うことが重要であり、個別の教育支援計画及び個別の指導計画に基づいて計画的に指導、支援を行っております。今後も担任等が研修等を通して専門性の向上に取り組むとともに、一人一人の教育的ニーズに応じた長期的な視点から指導方法等を記載した個別の教育支援計画及び個別の指導計画に基づき、指導、支援を進めることで継続した支援に努めてまいります。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 教育長は言い訳をされましたけれども、川崎市では、一人一人に丁寧な対応ができるように特別支援学級には教員1人当たり四、五名の児童生徒を担当できるように、学級担任のほかに1人の教員を加配していると担当者の方は話されておりました。私がただしてきたように、本市の自閉症・情緒障がい学級の取組は他の政令市と比較しても不十分なのは明らかです。他の政令市の多くは校区に一人でも自閉症・情緒障がいに該当する障がいを持つ児童生徒がいたら、その小中学校に自閉症・情緒障がい学級を設置する方針を持っています。さらに、一人一人の児童生徒に適切な教育が行き届くように教員の加配もしている政令市もあります。
 そこでお尋ねしますが、市内全ての小中学校に自閉症・情緒障がい特別支援学級を設置し、学級担任のほかに教員を加配し、自閉症・情緒障がいの児童生徒が安心して学校生活を送れるようにすべきと思いますが、答弁を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 自閉症・情緒障がい特別支援学級については、子どもたちがその持てる力を高められるよう、対象児童生徒の増減及び居住地等の実態を踏まえて増設を検討してまいります。 特別支援学級の学級編制及び教員配置については、国の法律に基づき適切に行っており、教職員定数の充実について、今後とも、国に要望してまいります。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 自閉症・情緒障がい特別支援学級を全ての小中学校への配置と教員の加配を強く求めておきます。
 次に、介護保険施設に係る補足給付制度問題についてです。
 介護保険制度は、20年前、家族介護から社会で支える介護へとスローガンを掲げて導入されました。しかしながら、実際にはサービス内容や支給額が極めて厳しく制限され、スタート当初から保険あって介護なしと言われてきました。さらに、歴代政権の社会保障費削減路線の下、負担増やサービス取上げの制度改悪が繰り返されてきたのであります。
 そこでお尋ねしますが、2012年の安倍政権発足後、介護保険制度においてどのような改定が行われてきたのか、説明を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 主な制度の改正につきましては、要支援の方が利用する介護予防訪問介護と介護予防通所介護の介護予防・日常生活支援総合事業への移行、特別養護老人ホームの新規入所者を原則要介護3以上への限定、公費投入による低所得者の保険料の軽減割合の拡大、一定以上の所得のある利用者の自己負担割合の引上げ、また、市民税世帯非課税等の施設等利用者の食費、居住費の負担を軽減する補足給付制度の見直しなどがございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 安倍政権は、要介護1、2を特別養護老人ホーム入居対象から外し、締め出すとともに、要支援1、2の訪問、通所介護を保険給付から外しています。さらに、2005年に施設、短期入所等の居住費、食費が全額自己負担になりました。そうした中、低所得の負担軽減をするために補足給付制度が導入されましたが、安倍政権の下で一定の預貯金がある人が対象外になるなど、要件が厳しくなりました。さらに、今年8月からこの補足給付制度がさらに改悪されたのであります。
 そこでお尋ねしますが、今回の改定で資産要件がどうなったのか、説明を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 補足給付制度の改正につきましては、在宅で介護を受ける方との公平性等の観点から能力に応じた負担となるよう見直しが行われたもので、資産要件につきましては、これまで一律で設定されていたものが所得段階に応じて設定されております。具体的には、補足給付対象の第1から第3までの所得段階のうち、最も所得が高い第3段階が、本人の年金収入等が120万円以下の第3段階の1、120万円を超える第3段階の2に細分化された上で、単身者の場合は資産要件が一律1,000万円以下であったものが、第2段階は650万円以下、第3段階の1は550万円以下、第3段階の2は500万円以下に改定されております。また、夫婦の場合では資産要件が一律2,000万円以下であったものが、第2段階は1,650万円以下、第3段階の1は1,550万円以下、第3段階の2は1,500万円以下に改定されております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 資産要件について、これまで預貯金額が本人1,000万円以下という基準が8月から本人の要件が厳しくなり、単身世帯では所得区分に応じて500万円から650万円まで大きく引き下げられています。つまり、これまで700万円の預貯金があった単身者は補足給付の対象となり居住費や食費は軽減されていましたけれども、今年8月からは対象外になり全額自己負担になってしまうのであります。
 そこでお尋ねしますが、補足給付制度を利用していた人が今回の改悪によって対象から外れると、特別養護老人ホームなどの施設入所にかかる負担がどれぐらい増えるのか、説明を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 補足給付の対象外となる方の負担につきましては、入所しております施設の種類によって異なりますけれども、例えば、特別養護老人ホームについて月額で申し上げますと、ユニット型個室の場合、所得段階が第2段階では約6万8,000円、第3段階では約4万5,000円の増、多床室の場合、第2段階では約4万7,000円、第3段階では約3万9,000円の増となります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 大幅な負担増になります。私はどれぐらいの負担が増えるのか、調査をしています。東区で特別養護老人ホーム2か所を運営している社会福祉法人の事務長は、補足給付の対象から外れたら一月当たり3万5,000円から6万9,000円程度負担が増える人も出てくる。年に83万円もの負担増になる人もいると述べられ、利用者の負担が大幅に増えることを危惧されております。
 そこでお尋ねしますが、補足給付の対象から外れ、利用者の負担が大幅に増えることについて島市長はどのような認識をお持ちなのか、答弁を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 今回の制度改正は、在宅で介護を受ける方との公平性等の観点から、能力に応じた負担をしていただくものであると認識をいたしております。今回の見直しで対象外となりますのは一定額以上の預貯金等がある方でありまして、それに応じた負担をいただくものでございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 負担能力に応じた負担であるも影響はないかのように答弁されました。これはとんでもない認識です。9月1日朝日新聞に、「高齢者追い詰める、制度の変更」というタイトルの投稿がされています、紹介します。ある50代の男性は、介護施設に入所しているおばさんが預貯金が700万もあるので、補足給付から外れて月5万円超の負担増になる。年金も少ないので、預貯金を取り崩すしかないが、いつかは行き詰まるのは明らか。高齢者が最後の頼みの綱としている、さして高額でない預貯金を国がていよく巻き上げるのも同然だと述べられています。こういったことが全国で起きようとしています。負担が増えるのはこれだけではありません。今回の改定で介護保険加入者の収入の第3段階を2つに分け、第3段階の2の所得区分、本人の年金収入が120万円超ということになれば、介護施設等の食費負担が増えることになります。
 そこでお尋ねしますが、月にどれぐらいの食費負担が増えるのか、説明を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 最も所得が高い所得段階であります第3段階の2につきましては、施設入所者の場合ですと、負担額を月額で約2万2,000円引き上げる改定となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 施設入所者の場合、1日の食費負担が650円から1,360円にも増えます。つまり、月に2万2,000円もの負担が増えるのであります。
 お尋ねしますが、多くの高齢者が月に10万円程度の年金収入しかないのに、2万2,000円もの食費の負担が増えることは酷なのではありませんか、答弁を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 食費等の負担額が増えることで、生活保護を必要とするレベルまで生活が困窮する場合は、収入など、個々の実情から判断し、食費等の軽減する措置を行っております。また、一部の社会福祉法人等においては、生活が困窮している方に対しまして、食費等を含めた介護サービスの利用者負担の軽減を行っております。お困りの方に対しましては、区役所の窓口においてこれらの制度を御案内するなど、適切な対応を引き続き行ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 局長は問題ないかのように言われましたけれども、これもとんでもない認識です。全日本民主医療機関連合会が取り組んだ補足給付制度の見直しに関するアンケート調査には、悲鳴にも似た声が届けられています。ある特別養護老人ホームの入居者は、今回の改悪について、一番弱いところから取るのはやめてください。あと数年の命ですが、どこにも行けずに一日一日を過ごす楽しみは食べることですと述べられています。また、老人保健施設に入所をしている方は、少ない年金の中から何とかやりくりをしています。今回の見直しはもう一度検討していただきたいと回答しています。これが利用者の声です。大きな影響が出てくるのです。
 では、本市におけるこの制度改悪の影響について見てみたいと思います。
まず、本市の補足給付利用者数及び今回の見直しで影響を受ける利用者数について答弁を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 補足給付につきましては、令和3年4月の利用者数は6,769人でございます。このうち今回の見直しで影響を受ける方は、令和2年度に把握をしました収入及び資産状況等による試算によりまして、約3,500人と見込んでおります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 補足給付制度を利用されている6,769人のうち約3,500人、半分以上が影響を受けます。
 では、今回の制度改悪によって補足給付制度の対象外になる利用者数について答弁を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 資産要件で補足給付の対象外となる方につきましては、約700人と見込んでおります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 約700人の利用者が制度から外れて給付を受けられなくなります。
 そこで、補足給付の対象から外れたり食費の負担が増えれば、介護施設の退所に追い込まれる利用者が出てくるのではないかと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 今回の制度改正は在宅で介護を受ける方との公平性等の観点から能力に応じた負担となるよう見直しが行われたもので、一定額以上の預貯金等や収入がある方については、それに応じた負担をいただくものでございます。仮に今後、預貯金等が減少し、資産要件を満たすこととなった場合には、申請により補足給付の対象となりますことから、施設での生活に支障は生じないものと考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 局長はまた無責任な答弁されましたが、もう既に払えないとの声が現場では出されています。独り暮らしの高齢者は退所するしかありません。施設で見守られていたのに自宅で孤独な生活が強いられるのです。介護を支えている家族からも不安の声が上がっています。特別養護老人ホームに親が入所している方は、コロナ禍で自分たちの収入も減っていてこの先が不安なのに、今、親の負担が増えるとなると生活はできなくなってしまうと語られています。
 お尋ねしますが、補足給付制度の見直しは利用者の家族にも大きな影響を与えるのではないかと思いますが、答弁を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 今回の見直しは一定額以上の預貯金等や収入がある方にはそれに応じた負担をいただくものでございます。お困りの方に対しましては、個々の実情から判断し、食費等の軽減を行ったり社会福祉法人等による利用者負担軽減制度を案内するなど、引き続き適切な対応を行ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 介護を支える家族の苦労が分からない無責任な答弁です。影響は家族だけにとどまりません。
 厚生労働省によれば、老人保健施設が受け入れている入所者の51%が病院からの紹介となっています。医療機関の関係者は、補足給付の改悪で部屋代や食費の負担軽減がされないと施設に入所できず、退院先が見つからない患者が増えるのではないかと危惧しています。もし退院先が見つからない場合でも、入院期間が長くなればなるほど病院の収入が減らされていく仕組みになっているので、退院を迫らなくてはいけません。つまり、介護施設にも入れない、長く病院で療養もできない、医療介護難民が大量に出てくることになるのであります。
 そこでお尋ねしますが、補足給付制度の見直しは医療現場にも大きな影響を与えると思いますが、答弁を求めます。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 繰り返しになりますが、今回の見直しでは、一定額以上の預貯金等や収入がある方にそれに応じた負担をいただくものでございまして、施設入所等には支障は生じないものと考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 綿貫英彦議員。
○44番(綿貫英彦) 局長は医療現場の実態が何も分かっていません。必要な医療を提供し、自宅や施設に戻ってもらうという責任が果たせなくなる。医療関係者の苦悩は広がるばかりであります。
 今回の補足給付制度の改悪は、コロナ禍の中で強行されました。緊急事態宣言の中、特別養護老人ホームに入居中の利用者は、家族などとの面会ができずに精神的にも厳しい状況に置かれています。家族も雇用が不安定となり費用負担が難しくなったケースが全国で多発しています。本市でも例外ではなく、このような事態を放置するわけにはいかないのであります。
 高齢者への負担増はこれだけではありません。2017年から強行されてきた後期高齢者医療費の保険料に係る特例軽減の段階的廃止などで、福岡県では1人当たりの保険料は史上最高額になっております。さらに、菅政権はコロナ禍の中で、75歳以上の高齢者の医療費窓口負担で患者本人に2割負担を導入することを決めました。その一方で、年金がマクロ経済スライドが続く中で減り続けています。このように、責任を投げ捨て、高齢者をお荷物扱いし、世代間の対立をあおり、分断を図るのが、菅首相の言う自助、共助、公助の実態です。老人福祉法には、第1条で、老人の福祉を図ることを明示し、第2条では、高齢者について多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として、かつ豊富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに、生きがいを持てる健全で安らかな生活を保障されるものとしています。補足給付制度の改悪は、老人福祉法の目的と理念にも逆行していることは明らかです。したがって、重大な問題がある補足給付制度の改悪をやめるよう国に求めるとともに、市で負担増の補?をすべきと思いますが、最後に島市長の答弁を求めて、私の質問を終わります。
 
○副議長(山口剛司) 島市長。
○市長(島宗一郎) 介護保険制度につきましては、全国共通の制度として関係法令に基づき実施されております。今回の制度改正につきましては、負担の公平性を図りますとともに、制度の持続可能性を確保するものでありまして、福岡市といたしましては、今後とも、介護保険制度を適正に運用するとともに、国に対して低所得者の負担軽減について要望してまいります。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 藤本顕憲議員。
○48番(藤本顕憲)登壇 福岡令和会の藤本顕憲であります。なかなかコロナの暗闇から抜け出せませんが、私は4年前の平成29年3月24日、予算特別委員会総会質疑において、感染症の脅威と対策について強い警戒を訴える質問を行いました。この新型コロナ危機は私の想定をはるかに上回る歴史的な大禍となっております。この間、島市政は全国に先駆け、休業要請に協力した店舗への家賃支援を行ったり、医療、介護等従事者への感謝の気持ちを届けるため、ありがとう基金を創設するなど、不安な市民に少しでも明るい話題、そして安心をお届けしようと非常に苦心されておる様子がうかがわれます。島市長並びに昼夜を分かたず全力を傾注されている職員の皆さん、そして、医療関係者の方々に心から感謝を申し上げる次第であります。
 さて、今回、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会において、本県出身の多くの選手が活躍をされました。新種目として新たに正式種目に採用された空手道は、本市出身の宮原美穂さん、西村拳さんの2人が日本代表の8人に選ばれ、惜しくもメダルに届きませんでしたが、非常に健闘されました。指導者の先生方や関係機関、県・市民の皆様方、関係者のこれまでの大変な御支援のおかげであります。福岡県の空手道連盟の会長として深く感謝と御礼を申し上げる次第でございます。誠にありがとうございました。
 さて、今回は、三津交流事業と鑑真和上について、自然災害への備えについて、そして、世界水泳に向けた市長の決意についてお尋ねします。
 皆さん、日本三津という言葉を御存じでしょうか。福岡は筑前博多津として二千年に及ぶ大陸との交流の歴史がありますが、中国の茅元儀という人が明の時代の1621年に著した中国の兵法書「武備志」の中に、日本の主要な港として博多津を含む3つの港が記されております。今でも港を津というところはたくさんありますけれども、当時、津は港を表し、薩摩の坊津は、全体の入り口、出口、その総路として日本と外国を行き交う船が必ず立ち寄る港。博多は真ん中の中に津と書いて中津、中国の商人が集まるところで広大な松林があり、唐人町に多くの中国人がいたと伝えています。三重県の安濃津、末津で、天皇が居所とする山城国に近いというふうに書かれておりまして、この3つの津は音読みで「さんしん」と呼ばれ、今日の日本国形成の礎として、多くの人々と産業、物産や文化を全国に届けてきたのであります。この三津の一つとして海を通じた交流を軸に発展してきた福岡市は、今日、第3次産業が約9割を占める産業構造となっております。この三津の遺伝子だろうと思うんですね、将来の可能性を求め、天神ビッグバンをはじめ、天をつくビルの建設が始まり、戦後復興以来の都市の大改造で大きく変貌しつつあります。この新たな都市づくりへの挑戦は、筑前博多津が大陸との交流において古くより様々な文化が通過したまちとしてこれまでどのように発展してきたのか、どのような役割を担ってきたのか、その歴史的資源を世に知らしめることで、日本社会形成に果たした博多津の一つ一つの史実が市民の誇り、すなわちレジェンドとして郷土愛のよりどころとなり、市民の心をつなぐ絆となり、福岡の発展を支える盤石な市民意識の基礎となり、福岡発展への大きな力になると考えております。
 時は1300年ほど遡り、奈良時代。当時、仏教先進国であった中国から、国家形成のため、正しい仏教普及の必要性を痛感された聖武天皇が中国から高僧を招かれ、鑑真和上が日本渡航に挑まれました。この挑戦は、井上靖先生の「天平の甍」──私は当局に差し上げた資料で「やすし」の名前をちょっと間違っておりまして、この場を借りて井上先生におわび申し上げたいと思いますが、靖国神社の「靖」であります──「天平の甍」にも書かれていますが、当時の航海は誠に命がけで、来日を志してから12年、5度の失敗や両目の失明など、困難の末、6度目にしてようやく三津の総路でもある坊津にたどり着き、筑前博多津、そして太宰府に挨拶に行かれ、また海路、三重安濃津の三津を巡り、奈良の平城京に入京され、正しい仏教伝授のみならず、その後、唐招提寺を開山されたほか、東大寺に戒壇院を設けるなど、政治、医薬、造形技術、建築、彫刻など、今日の日本の骨格となる多くの分野の発展に貢献されました。また、太宰府に戒壇院を設けてありますが、尼さんのお寺ですけれども、その縁によるものであると言われています。
 なお、鑑真和上が最初に到着した坊津は、日本人女優、浜美枝が出演した「007」の映画のロケ地となり、水上勉の小説「坊の岬物語」の舞台でも知られ、その地域には博多浦という地名があります。日本で最も古い造船所がある場所という博多浦でありますけれども、この地名からも、薩摩坊津と筑前博多津が古くから深いつながりがあったということが推測されます。
 「武備志」によると、「はかた」は中国では花の冠の塔、フラワーの花に冠の五重の塔の塔と書きますが、あるいは旭日旗ですね、漢字の九という字に日が乗る、戦前の日本の海軍の旗が旭日旗でありますけれども、この花の冠の塔、あるいは花旭塔と言うんですか、こういう書き方をするわけですが、それを中国語の意味で訳しますと、人やモノがたくさん集まる場所という意味だと言われております。中津こと博多津は、古来中国人によってそのように「はかた」という、要するにモノや人がたくさん集まる場所、唐人町の大きいのがあったのもそういったことだと思いますが、そういうふうに中国から呼ばれておったんではないかという気がします。西九州は朝鮮の言葉で地名語を理解すると非常に分かりやすいと言われていますし、南九州は大体、中国語で地名語を理解すると分かりやすいというふうなことがありますけれども、そういったことではないかと思います。
南九州からトカラ列島、奄美、琉球などの島々へ至る海上交易路は一般に海の道と呼ばれておりますが、三津はこのように、鑑真和上を代表として様々な人々による国内外の交流拠点として日本の発展に大きく寄与してきた港町であります。現代においては、その歴史的な交流を大事にしようという思いから、南さつま市──坊津は今、広域合併で南さつま市に包含されますけれども、そして福岡市、三重県津市によって日本三津交流会議が設置され、3都市の交流が行われているものと思います。
 そこで、この日本三津交流事業はどのような経緯でどのような行事がいつから行われているのか、お尋ねいたします。
 次に、自然災害への備えについて質問いたします。
 今なおコロナ災害の渦中にありますが、地球温暖化などが原因とされる自然災害は激しくかつ多発的で、ますます災害に強いまちづくりが求められており、自然災害が少ないと言われてきた福岡でさえも、近年の災害状況を鑑みると、足元の備えに対する重要度が増してきていると言わざるを得ません。中でも警固断層を震源とする地震の発生率は30年以内で最大6%と我が国の主な活断層の中では、発生率の高いグループに属しており、自然災害として決して侮れないレベルであります。福岡県西方沖地震からはや15年以上経過した私たちの記憶はだんだん薄れてきているのではないでしょうか、そのことが案じられます。また、災害は往々にして重なることが多く、あのときの災害を思い起こして、治にいて乱を忘れず、備えを怠らないということが必要であると考えます。
自然災害への対応には、ソフト、ハードの両面が備わっていることが求められます。市民一人一人の平時からの心構えと公共施設の備えがうまく融合して進めていくことが必要でありますが、今回は地震に対するハード面の取組について確認していきたいと思います。
 まず、福岡市における耐震化すべき公共施設はどのようなものがありますか、また、それらの耐震対策の進捗状況についてお尋ねいたします。
 以上で1回目を終わり、2回目以降は発言者席にて行います。
 
○副議長(山口剛司) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 日本三津交流事業についてお答えします。
 本事業の経緯などにつきましては、三重県の津市、鹿児島県の南さつま市、そして福岡市において、歴史的につながりの古い貿易港を有する3都市の発展と経済の活性化を図るため、昭和62年7月に日本三津交流会議を設置し、各都市の祭りへの参加など、34年にわたる交流事業を行っているものでございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 自然災害への備えについてお答えいたします。
 公共施設の耐震化につきましては、福岡県西方沖地震を踏まえ、地震における被害を最小限にするため、福岡市公共施設の耐震対策計画に基づき取り組んでおります。計画の対象となる公共建築物につきましては、地震発生時の災害対策活動を速やかに行うために必要となる、庁舎、学校、公民館等の防災関連施設、浄水場、水処理センター等のライフライン関連施設、市民会館、福祉施設等の多数利用施設がございます。また、公共土木構造物につきましては、地震発生時の救助活動や物資、人員の輸送、ライフラインの維持などに必要となる橋梁、水道、下水道、地下鉄等の施設がございます。
 耐震対策の実施状況につきましては、令和3年3月末時点で、公共建築物は260施設のうち259施設で完了し、進捗率は99%、公共土木構造物は71施設のうち69施設で完了し、進捗率は97%となっておりますが、関係法令や国の基準等の改正、社会情勢の変化等を踏まえ、今後とも、耐震対策を推進してまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 藤本顕憲議員。
○48番(藤本顕憲) 次に、また三津交流についてお尋ねしますが、9月5日をもって終了した東京オリンピック・パラリンピックでは、スポーツの魅力と国を超えた人々のスポーツ交流のすばらしさを改めて認識する機会となりました。世界のあちこちに紛争の火種の絶えない緊張感の高まる中で、知らない国々の間のスポーツの交流は、建前だけの国家外交だけでは果たせないスポーツ外交の役割と重要性を改めて認識できたと思います。
 福岡市は、コロナ蔓延以前はクルーズ船で中国などから多くの観光客を受け入れてきましたが、多くのインバウンドの人々が、百聞は一見にしかず、中国政府の教育で聞かされてきた訪日前の日本の印象と現代の現実の日本は全く違い、日本への好印象を持って帰国される話をよく耳にいたしました。すばらしい交流効果であります。これまで福岡市は市民交流として、アメリカのオークランド市とアトランタ市、フランスのボルドー市、中国の広州市、ニュージーランドのオークランド市、マレーシアのイポー市、釜山広域市、ミャンマーのヤンゴン市の海外8都市のほか、国内の都市において、行政、観光、スポーツなどの分野で市民や青少年の様々な交流を行ってきています。その交流の中でも、古くから国際交易都市として日本の発展に重要な役割を果たしてきた福岡市と鹿児島県の南さつま市、三重県の津市で取り組んできた日本三津交流事業は、比較的新しい事業ではありますが、このように古い歴史を踏まえて始まった交流は、非常に意味が深く、特に価値があると私は思います。
 そこで、この三津交流は現在どのように実施されているのか、お尋ねします。
 次に、自然災害への備えについて、これまで実施してきた公共施設の耐震対策については一定のめどが立っていることは分かりました。市内随所で戦後最大の市全体の大改造に着手しています。未知の分野への挑戦も多く、社会情勢の変化にも対応し、引き続きさらなる耐震対策を着実に進めていただきたく思います。
 そこで、公共施設の中でも、市民に一番身近なインフラは道路であり、福岡市においては約3,900キロメーターの道路が整備され、人や地域を相互につなぎ、人、モノなどの移動を支援するだけではなく、災害時においては、救急救命、救援物資輸送のための命の道としての機能を果たさねばなりません。熊本地震では、落橋、橋が落ちるなどの被害で道路が遮断され、物流がストップし、食料や生活必需品が確保できず、混乱が伝えられました。その経緯を踏まえ道路の耐震対策を行うことは、迅速な復旧、復興へ不可欠であるとされています。非常時の道路のネットワークを確保するために、都道府県において、地震発生直後であっても緊急車両の通行を確保するための重要な道路を緊急輸送道路として位置づけており、国土交通省では、東日本大震災を踏まえて、この緊急輸送道路上にある橋梁の耐震対策を重要な施策として実施し、各自治体へも緊急輸送道路上の橋梁の耐震対策の推進を求めています。
 そこで、福岡市における緊急輸送道路はどのくらいの指定延長があるのか、また、その緊急輸送道路における橋梁の耐震対策について、現状と今後の取組についてお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 日本三津交流事業についてお答えします。
 本事業につきましては、現在、2年ごとの会議開催のほか、5年ごとに3都市持ち回りによる周年事業を開催し、祭り交流の一環として各都市の祭りやイベントに参加するとともに、各都市間の観光PRなどの交流を行っております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 自然災害への備えに関する質問にお答えします。
 まず、福岡市における緊急輸送道路の延長につきましては、約420キロメートルとなっており、このうち直轄国道や都市高速道路を除く福岡市管理道路は約260キロメートルとなっております。
 次に、緊急輸送道路における橋梁の耐震対策につきましては、平成17年度に策定した福岡市公共施設の耐震対策計画において、当時の緊急輸送道路上にある166橋のうち36橋を耐震改修が必要な橋梁と位置づけ、現在35橋の耐震改修が完了し、残る1橋の興徳寺橋については、令和4年度の完了を予定しております。また、今後の取組につきましては、東日本大震災を踏まえた国の耐震補強基準の見直しに伴い、福岡市では、令和3年3月に福岡市橋梁耐震補強計画を新たに策定し、緊急輸送道路上にある163橋のうち国の見直し基準を満たしている67橋を除く96橋について、道路をまたぐ跨道橋や線路をまたぐ跨線橋など、重要度の高い橋梁から順次計画的な改修に取り組むこととしております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 藤本顕憲議員。
○48番(藤本顕憲) 三津交流については、コロナ禍でイベント開催に大変御苦労されておる中、南さつま市では、12月に奈良の東大寺、唐招提寺、興福寺のトップ管長が参加する、鑑真和上の遺徳を偲ぶ集いが予定されております。奈良七山のうちの三山の管長が一堂に会するのは奈良でもめったにないということだそうでありますが、鑑真和上の御遺徳の高さがしのばれます。
 3市においては、定例会議や周年事業など、しっかり連絡を取り合い、事業を進めておられるかと思いますが、見聞を広める上でも年末の行事へ御参加いただければと、できればぜひお願いしたいと思うところであります。福岡は、古来から常に歴史を刻み続ける活発なまちであり、多くの人やモノが集まる博多津の語意は、第3次産業都市を標榜する福岡の遺伝子であると思います。そのような意味でも、由緒ある深い歴史的な由来から始まった交流を大事にしていく必要があると考えております。
 そこで、コロナ終息後においても引き続き日本三津交流事業に取り組んでいただきたいと思います。担当、中村副市長の御所見をお願いいたします。
 次に、自然災害への備えについて、先ほど緊急輸送道路上における橋梁の耐震化については計画的に取り組んでいくとの答弁でありましたので、一応の安心はできるものの、地震はいつ起こるか分かりませんので、耐震化をできるだけ迅速に進めることが必要であると思います。耐震対策は、官民含めた技術者や民間の業者の皆様はじめ、多くの人が要りますし、物理的な、あるいは予算的にも難しい点が多々あることは承知した上で申し上げますが、突然襲ってくる地震などは年次計画ではなく、特に水道や下水道の耐震化は集中して一気に完了させるように取り組むべきであり、福岡市の交通ネットワークや防災拠点となる建築物など、市民生活や都市機能の継続を支える公共施設における備えはしっかりと進めていただきたいと考えております。
 そこで、福岡市における公共施設の耐震対策に向けた取組について光山副市長の御所見をお願いいたします。
 最後になりますが、今回の質問では、三津交流、姉妹都市交流、そして、東京オリンピック・パラリンピックといった人と人との交流について触れてまいりました。ギリシャの哲学者、アリストテレスは、人間は社会的動物であると喝破しています。その言わんとするところは、私なりに「人は独りでは生きていけない。人と人は助け合っていく社会の仕組みを必要としている。したがって、人と人との交流、国と国との交流は、私たち人間の本性である」と私は理解しています。遺憾ながら人流抑制を余儀なくされているこのコロナ下であります。であればこそ、人と人との交わりの重要性を再認識させられているのかもしれません。
 2021年7月23日に開会し、9月5日に閉会した東京オリンピック・パラリンピックは、その開催にかまびすしい議論を引き起こしましたが、幸い無事に終了しました。残念ながら無観客の中でありましたが、それでもテレビ等を通じ大きな感動を与えてくれたすばらしい大会でありました。特にパラスポーツは、障がい者の社会参加と自立に夢と希望と勇気と可能性を与えてくれました。パラリンピック参加国、162の国、地域と難民選手団を合わせ4,400人のアスリートの活躍は、我が国の障がい者問題やパラスポーツへの日本の課題を教えていただきました。そして、いよいよ来年は世界水泳選手権2022福岡大会が開催されます。一流の泳ぎを間近に見て多くの感動が生まれる大会となるとともに、世界を身近に感じ、交流する絶好の機会となることを願っております。
 そこで、日頃から私は、市長の鋭い感性を刮目しておりますが、その市長の鋭い感性で、この東京オリンピック・パラリンピック、どのように感じられたのか、来年の世界水泳に向けてどのような決意をお持ちなのか、ぜひお尋ねしてみたいと思います。市長のお気持ちを率直にお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 理事者の答弁の前に、藤本議員に申し上げます。一括質問・一括答弁方式を選択しておられますので、1回目で質問をされていない項目については3回目で質問することはできません。それで、世界水泳に関する質問に対する理事者の答弁は差し控えさせますので、御理解をいただきますようお願いいたします。中村副市長。
 
○副市長(中村英一) 日本三津交流事業についてお答えをいたします。
 福岡市は、二千年を超える歴史の中で、海を通じた交流を軸に多様な文化と交わりながら独自の豊かな歴史、文化を育み、発展してまいりました国際交流都市でございます。現在も元寇防塁や鴻臚館など、日本で唯一の史跡や、食文化、禅僧文化などのほか、どんたくの起源でございます博多松ばやしや山笠といった祭りなど、福岡ならではの多くの伝統文化が残されており、市民をはじめ、国内外からの観光客にも楽しんでいただいているところでございます。これら伝統文化は長い交流の歴史を積み重ねてきた産物であり、引き続き保存継承を行いますとともに、三津交流など、他都市との連携も含め、祭りや伝統文化などを生かした魅力ある都市づくりと観光施策に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 光山副市長。
○副市長(光山裕朗) 自然災害への備えについてお答えいたします。
 藤本議員御指摘のように、市民の貴い命と財産を守るため、公共施設の耐震対策を迅速に進めることは重要であると認識しております。国においては、国土強靭化基本計画を策定し、災害時に重要なインフラ整備や耐震対策を推進しており、福岡市においても、福岡市公共施設の耐震対策計画などに基づき、公共施設の耐震対策に取り組んでおります。また、近年頻発する自然災害を受け、国において令和2年12月に防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策が策定されており、このような国の動きなどを踏まえ、福岡市においても、安全で安心な市民生活や企業活動が確保できるよう、災害に強いまちづくりにしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。(発言する者あり)
 
○副議長(山口剛司) 藤本議員、(発言する者あり)3回目の発言で質疑も終わっております。(発言する者あり)いやそれは、すみません、許可できませんので、議席にお戻りください。
 この際、休憩し、午後2時35分に再開いたします。
午後2時21分 休憩  
午後2時35分 開議  
○議長(伊藤嘉人) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。落石俊則議員。
○60番(落石俊則)登壇 私は福岡市民クラブを代表して、ミドル世代就職支援事業の推進について、博多湾ブルーカーボン・オフセット制度について、通学路の安全対策の取組について、以上3点について質問します。
 初めに、ミドル世代就職支援事業の推進についてです。
 本年7月に発表された厚生労働白書では、正規雇用を希望しながら非正規雇用で働く者が11.5%存在し、特に若年層が16.8%と高い割合になっており、正社員を希望する方の正社員転換や非正規雇用を選択する方の待遇改善を推進する必要があるとしています。コロナ禍でパートや派遣社員などの非正規雇用労働者の困窮が増していることから、正社員転換と非正規雇用労働者の待遇改善を積極的に推進していく必要があります。
 そこで、本年度の新規事業であるミドル世代就職支援事業の概要をお尋ねします。
 以上で1問目は終わり、2問目以降は発言者席で行います。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) ミドル世代就職支援事業につきましては、博多区の就労相談窓口におおむね35歳から50歳にかけてのミドル世代を対象とした専用の相談窓口を設置するとともに、就職支援セミナーを実施するものでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 専用相談窓口を設け、就職支援セミナーを実施するとしていますが、35歳から50歳までのミドル世代が就職困難に陥った背景についてどのように認識されているのか、所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) ミドル世代が就職困難に陥った背景についてでございますが、この世代はいわゆる就職氷河期世代に当たり、平成のバブル景気の崩壊以降、雇用環境が厳しい時期に就職活動を行ったことを背景として、希望する就職ができず、不本意ながら不安定な仕事に就いている方などが多く含まれているものと認識しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 就職氷河期と呼ばれる世代は、正規雇用の職を希望していたものの、非正規雇用に甘んじ、不安定な就労状態にある人、いわゆる不本意非正規雇用労働者や、幾度となく求職活動を行ったものの、壁にぶつかり、長期にわたり無業の状態にある人、さらに、ひきこもりなどの状態にあり社会参加に向けた支援を必要とされる人もおられます。本事業の対象はどのような方なのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 事業の対象につきましては、おおむね35歳から50歳の求職者であり、具体的には、不本意ながら非正規で働く方や無業の状態にあり、求職活動を行う方でございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) ひきこもり状態にある方は本事業の対象外となっています。本市では従前より、福岡市ひきこもり成年地域支援センターよかよかルームで公認心理師等による相談支援や市民啓発講演会、研修会などが行われています。社会参加に向けてさらに充実した事業になるよう要望しておきます。
 就職氷河期は、一般的に1993年から2004年までの就職難であった約10年間を指しますが、その時期は単に経済状況が悪いために企業の採用枠が少なかったわけだけではありません。それまで特定の業務に限っていた労働者派遣法が改正され、製造業をはじめ、どの業種でも派遣で働くことが解禁され、雇用の非正規化が推し進められたことも大きな要因です。政府や企業の責任は重いと言わざるを得ず、官民が連携して就職氷河期世代への支援に取り組む体制を整備する必要があります。
 本事業の対象者について伺います。本市の直近2017年の就業構造基本調査では、正規雇用者が42万6,500人に対し、非正規雇用者が28万8,600人、また、無業者で求職中の方が5万7,500人とされています。そのうち本支援事業の対象となっている不本意非正規雇用者並びに求職活動をしている無業のミドル世代はどのくらいになると推計されているのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 不本意非正規雇用のミドル世代の対象者につきましては、平成29年の就業構造基本調査によりますと、福岡市の非正規雇用者28万8,600人のうち、不本意非正規雇用者が3万8,100人であり、そのうち現在のミドル世代におおむね相当する29年調査時に30歳から44歳であった1万1,000人でございます。また、求職活動をしている無業のミドル世代の対象者につきましては、同調査によりますと、福岡市の無業者で求職中の5万7,500人のうち、29年調査時に30歳から44歳であった1万6,300人でございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 本事業の対象者は不本意非正規雇用者と求職中の無業の方を合わせて約2万7,300人になります。
 では、非正規雇用労働者の賃金はどうなのか。年代別に25歳から29歳と35歳から39歳、45歳から49歳の正規、非正規それぞれの月収をお尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 非正規雇用労働者の賃金につきましては、厚生労働省の令和2年賃金構造基本統計調査によりますと、25歳から29歳の正社員は月額24万9,600円、正社員以外は20万2,400円、35歳から39歳の正社員は31万6,300円、正社員以外は21万4,300円、45歳から49歳の正社員は36万5,600円、正社員以外は21万2,800円となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 正社員の月収は年齢を重ねるごとに上昇していくのに対し、非正規社員は25歳から既に正社員と4万円近い格差があり、しかも、45歳になっても月収はほとんど変わりがなく、正社員の賃金の約58%にとどまっています。この低賃金状況が少子化や働く女性の貧困問題、ひとり親家庭の貧困問題などの起因となっています。健康で文化的な最低限度の生活保障のための最低賃金の引上げと非正規雇用労働者の正規雇用転換へのさらなる支援強化が必要です。
 本市では、身近な区役所で予約制による就労相談窓口事業が行われています。過去3年間の就職決定件数、そのうち正規雇用決定件数、また、ミドル世代の就職決定件数と正規雇用決定件数をお尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 就労相談窓口事業における過去3年間の就職決定件数につきましては、平成30年度が420件、令和元年度が390件、2年度が311件であり、このうち正社員就職決定件数は、平成30年度が110件、令和元年度が91件、2年度が64件でございます。また、就労相談窓口の就職決定件数のうち、ミドル世代におおむね相当する35歳から49歳の就職決定件数は、平成30年度が123件、令和元年度が112件、2年度が89件であり、このうち正社員就職決定件数は、平成30年度が41件、令和元年度が38件、2年度が23件でございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 就労相談窓口事業の過去3年間の就職決定件数、正規雇用決定件数、ミドル世代の就職決定件数と正規雇用決定件数、どの数字も減少しています。
 本年度の就労相談窓口事業並びにミドル世代就職支援事業の目標値をお尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 令和3年度の各事業の目標値についてでございますが、就労相談窓口事業は、就職決定件数500件、ミドル世代就職支援事業は、就職決定件数150件としております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 本年度の就職決定目標は、ミドル世代150件を含め500件とされています。先ほどの答弁で、全体の就職決定件数のうち、過去3年間の平均の就職決定件数は374件、そのうちミドル世代の就職決定件数は108件、正規雇用決定件数は僅か34件となっています。これまでの就労相談窓口事業の実績から大変厳しい数字です。本人の努力だけではなく、目標達成には県との連携も含め、事業の周知とともに、企業の協力が不可欠です。
 今回の支援事業では、業種に特化した講座、事業は行わず、博多区の窓口に専任の相談員及び求人開拓員を1人ずつ配置するとしていますが、具体的な業務内容並びに就職支援セミナーの内容をお尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 窓口相談員などの業務内容についてでございますが、窓口相談員については、ミドル世代の求職者の希望や適性などを踏まえたきめ細やかな相談支援を行っており、求人開拓員については、窓口相談を通して把握したミドル世代の求職者の希望や適性などを踏まえた求人開拓を行っているところであり、相互に連携して就職支援を実施しております。また、就職支援セミナーについては、就労経験不足などミドル世代の課題に対応することを目的に、仕事の選び方や応募書類の作成、ビジネス基礎などをテーマとして開催しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) セミナーの内容は、仕事の選び方や応募書類作成など、無業状態にある方や就労経験が少ない方の就職活動を支援する内容になっています。オンラインによる就職支援セミナーが既に始まっていますが、参加者の状況並びに反応はどうか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 就職支援セミナーの参加者の状況などにつきましては、令和3年5月から7月末までに9回開催し、24人の参加があっております。また、徐々に参加者が増え、参加者からは、自らの強みを生かせる仕事が分かった、ビジネスのルールや言葉遣いを知ることができたといった声が寄せられており、好評を得ているものと認識しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 既に9回開催され、徐々に参加者が増えているとのことでした。事業のさらなる周知が必要です。
 正規雇用転換への取組について伺います。
 独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によれば、34歳以下の若年層に比べ、ミドル世代の正規雇用への転換が進まない背景の一つにスキルアップ及びキャリアアップが困難な点があるとしています。そのため、企業向けの主な支援である国のトライアル雇用助成金やキャリアアップ助成金の活用を企業に促すことが重要です。トライアル雇用助成金一般トライアルコースは、職業経験の不足などから就職が困難な求職者を原則3か月間試行雇用することにより、その適性や能力を見極め、常用雇用へのきっかけづくりを目的とした制度で、対象者1人当たり月額最大4万円、最長3か月が企業に助成されます。また、キャリアアップ助成金正社員化コースは、企業内での正社員転換の取組を促進するための制度で、事業者に対して助成金が支給されます。
県内における過去3年間のトライアル雇用助成金一般トライアルコースやキャリアアップ助成金正社員化コースの制度の支給決定件数についてお尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 県内における各助成金制度の支給決定件数につきましては、福岡労働局によりますと、トライアル雇用助成金一般トライアルコースは、平成30年度が391件、令和元年度が218件、2年度が50件であり、キャリアアップ助成金正社員化コースは、平成30年度が4,161件、令和元年度が3,773件、2年度が2,629件と聞いております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) どちらの助成金とも支給決定件数は年々減少しています。減少要因として支給要件の変更やコロナの影響などもあったと聞いておりますが、正規雇用転換への取組は、先ほども言いましたように、企業の協力が不可欠です。トライアル雇用助成金は2019年4月より45歳未満のフリーターやニート、生活困窮者にも対象が拡大され、キャリアアップ助成金は本年4月より支給要件が緩和され、中小企業への加算措置も増額されています。
トライアル雇用助成金などの企業への周知の強化と活用促進を図っていくべきと考えますが、所見を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 周知の強化と活用促進を行うべきとのおただしについてでございますが、国が行う雇用確保や処遇改善に関する支援策について、現在、福岡市が独自にまとめたチラシを作成し、福岡市ホームページに掲載するなどの周知に取り組んでおり、市内企業による活用が図られるよう、引き続き積極的な周知を行ってまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 福岡市ホームページやチラシ等で周知を図るとの答弁でした。本市では3年前から市内企業の働き方改革の取組を応援するとして「働き方改革」推進企業認定事業を始めています。現在120社が認定され、市のホームページに掲載されています。その認定要件の一つに非正規雇用労働者の処遇改善や正規雇用の推進があります。
これら企業、事業所をはじめ、働き方改革を進めている企業、事業所に対し、今回配置された専任の窓口相談員や求人開拓員を活用し、これら助成金等の周知の強化と活用促進を福岡商工会議所などと連携を図りながら推進していく必要があると考えます。最後に所見を伺い、この質問を終わります。
 
○議長(伊藤嘉人) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 周知の強化と活用促進につきましては、ふくおか「働き方改革」推進企業認定事業の認定企業などの関連事業者への周知を行っていくほか、福岡商工会議所など経済団体とも連携し、機会を捉えて積極的に周知を行ってまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) よろしくお願いします。
 次に、博多湾ブルーカーボン・オフセット制度についてお尋ねします。
 地球の平均気温は、現状のままだと2100年には最大4度上昇すると予測され、我が国においても毎年の集中豪雨や大型台風の襲来等により甚大な災害が頻発し、気温上昇をもたらすCOの削減は待ったなしの状況です。
 このような中、1997年、温室効果ガス削減の取組を義務づける京都議定書が採択され、その方策の一つに、市民や企業等が自らの温室効果ガス排出量を把握した上で削減努力をしたにもかかわらず、削減できない量を他の場所での排出削減、吸収量で埋め合わせ、オフセットする取組、カーボン・オフセットが世界各地で実施されるようになりました。日本でもCOを吸収する森林に着目したグリーンカーボン・オフセットの取組が各自治体で進められています。
2009年10月、国連環境計画の報告書において、アマモやワカメなどの海草、藻場の海洋生態系に取り込まれた炭素がブルーカーボンと命名されました。森林が吸収するグリーンカーボンの海洋版と言えます。海草、藻場はCOの約30%を吸収するとの研究報告もあり、CO吸収源対策の新しい選択肢として着目されています。
 2014年、横浜市は、市民や企業、団体との共働により、ブルーカーボンなど臨海部の資源を生かし、市民にとって親しみやすい海づくりも同時に推進する全国初となる脱温暖化プロジェクト、横浜ブルーカーボンをスタートさせました。
本市でも2020年10月より博多湾ブルーカーボン・オフセット制度が始まりました。制度の概要とどのような効果をもたらすと考えられているのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 博多湾ブルーカーボン・オフセット制度の概要につきましては、博多湾のアマモ場などの藻場による二酸化炭素の吸収量をクレジット化し、そのクレジットを企業や市民に購入していただくことで博多湾の環境保全活動の推進を目指すものでございます。また、本制度がもたらす主な効果につきましては、脱炭素の取組に関する市民の機運醸成や博多湾の環境保全活動の活性化でございまして、温室効果ガスの削減にも資するものと考えております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 博多湾のアマモ場が吸収するCOの量に価格をつけて企業や市民に販売することにより、博多湾の環境保全活動の推進を目指すということですが、博多湾にはアマモをはじめ、アオサやワカメ、クロメなど様々な海草類が生息しています。アマモに着目した理由をお尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) アマモは海の揺り籠とも呼ばれ、生き物を育むとともに、水底質の改善に寄与するものでございます。また、効率的かつ大規模な造成が可能であることから、港湾空港局においては博多湾の環境保全のため、これまでアマモ場の造成に取り組んできたところでございます。さらに、博多湾の様々な場所で市民によるアマモ場づくりも活発に行われていることなどを踏まえまして、本制度ではアマモ場を主な対象としているものでございます。なお、アマモ場のほか、アイランドシティ外周護岸のワカメ場やガラモ場もその対象といたしております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 博多湾の環境保全を目的に港湾空港局が実施しているアマモ場造成や市民によるアマモ場づくりに着目したということですが、昨年度の博多湾ブルーカーボン・クレジットの実績をお尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 昨年度の実績につきましては、販売クレジット量は43.4トンで完売いたしており、販売収益は税抜きで34万7,200円となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 昨年度は43.4トンが完売し、販売収益は34万7,200円とのことですが、43.4トンの積算根拠と1トン当たり販売クレジット額の積算根拠をお尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 販売クレジット量43.4トンの積算根拠につきましては、能古島周辺のアマモ場とアイランドシティ外周護岸のワカメ場とガラモ場について、生育面積や生育密度などの調査を行い、アマモ場が42.1トン、ワカメ場とガラモ場が1.3トンの合計43.4トンと算定したものでございます。次に、1トン当たりの販売クレジット額につきましては、先行して制度を創設した横浜市と同額の税抜き8,000円としたものでございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) アマモ場やワカメ場などの生育面積だけではなく、生育密度も調査し、2014年にブルーカーボン・オフセット事業を始めた横浜市を参考にし、販売しているとのことでしたが、昨年度の販売件数とその販売収益はどのように活用されているのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 昨年度の販売件数につきましては35件で、その内訳は、企業などの団体が14件、個人が21件でございます。また、販売収益につきましては、市民や市民団体、漁業関係者などで構成する博多湾NEXT会議で行うアマモ場づくりの活動など、博多湾の環境保全創造の取組に活用いたしております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 販売収益は博多湾NEXT会議の活動に活用しているとのことですが、博多湾NEXT会議の設置目的と構成メンバーをお尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 博多湾NEXT会議の設置目的につきましては、多様な主体が連携、共働し、豊かな博多湾の環境を未来の世代に引き継いでいくため、ネットワークを構築し、博多湾の環境に係る課題や科学的知見の共有、情報の発信などの活動を行うことでございます。また、会員につきましては、市民、市民団体、漁業関係者、企業、高校、大学など47団体と個人24名でございます。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 市民や漁業関係者、企業などで構成される博多湾NEXT会議は、豊かな博多湾の環境を未来の世代に引き継ぐために設置されているということでした。会のメンバーである高校生や大学生の活動を通じて、環境保全への理解と共感がより多くの市民、若者世代に広がることを期待します。
 アマモ場が吸収するブルーカーボンの収益はアマモ場づくりの活動に活用され、アマモ場が広がるという好循環をつくり出す財源になっています。本市でも横浜市と同様に、販売価格を0.1トン、100キログラム800円からに設定されているので、市民にも購入しやすく、昨年度は企業や団体が14件、個人が21件購入していただいたとの答弁がありました。今後、より多くの企業、市民に購入していただくためにも、アマモ場が生息する藻場の環境保全と藻場の拡大を進めていく必要があります。
 2019年、環境局ドローン調査により、アマモ場が能古島沖、志賀島沖に約3万1,000平方メートル分布していることが報告されています。アマモなど藻場が増えれば、その分COとともに、窒素やリンも吸収され、水質の浄化につながり、稚魚のすみかにもなります。しかし、近年、海水温上昇や海底に堆積しているごみの問題など博多湾の環境が懸念されております。博多湾環境保全計画にのっとり、関係各局が連携し、下水の高度処理や河川の清掃など、博多湾流域の対策を実施し、環境保全を図られるよう要望しておきます。
 次に、アマモ場の拡大について伺います。これまで造成した海域と面積並びに今後の計画をお尋ねします。また、2018年2月、博多湾NEXT会議設立のきっかけとなった博多湾アマモ場づくり情報交換会では、九州大学の川口先生から、アマモ場づくりの共働の候補地として、貴重な砂浜である地行浜等が適しているとのアドバイスがありました。現在の状況と今後の取組についてお尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) これまでにアマモ場を造成した海域と面積等につきましては、御島海域で2,650平方メートル、和白海域で6,960平方メートルでございまして、今後も和白海域においてアマモ場の造成を継続することといたしております。
 次に、アマモ場づくりの現在の状況等につきましては、博多湾NEXT会議の会員によって地行浜などで行われており、港湾空港局においても能古島、志賀島及び御島海域において市民共働でのアマモ場づくりを行っております。今後においても専門家の御意見を伺いながら、アマモ場の造成、多様な主体との連携、共働によるアマモ場づくりを推進してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 港湾空港局による和白海域等での造成のほか、博多湾沿いの各海域で市民共働によるアマモ場づくりが進んでいます。地球温暖化抑制への関心が高まっている今、この活動を支え、多くの市民、団体、企業の参加を得るためにも市民意識の機運醸成が必要です。
 本市では、市民、行政、企業の取組でCO排出量は、環境局発表によると、2013年度の855万トンから2019年度には570万トンに減少しています。これらCOを直接減らす事業に比べ、ブルーカーボン・オフセットによる量は僅かですが、市民の財産でもある博多湾を活用するため、脱炭素の取組に対する多くの市民、企業等の賛同と協力を得ることができます。しかし、森林が吸収するグリーンカーボンに比べ認知度が低い課題があります。
2019年12月に開催された博多湾シンポジウムでは、ブルーカーボンの効果についての講演がありました。認知度を高め、市民、企業の理解、協力を得るためにも、シンポジウムやイベントを継続的に開催するなど事業の周知をさらに図る必要があると考えます。最後に所見を伺い、この質問を終わります。
 
○議長(伊藤嘉人) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 博多湾ブルーカーボン・オフセット制度の主な目的でございます脱炭素の取組に関する市民の機運醸成や博多湾の環境保全活動の活性化のため、ブルーカーボンの認知度を向上させ、本制度に関する理解促進を図ることが重要であると認識をいたしております。今後も市民や企業の御理解や御協力を得て本制度を推進していくため、市政だよりやホームページ、SNSを活用して広報を行うとともに、各種シンポジウムやイベント開催など、あらゆる機会を捉え、積極的に周知を図ってまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) よろしくお願いしておきます。
 次に、通学路の安全対策の取組について伺います。
 本年6月、千葉県八街市で小学生の列に飲酒運転のトラックが突っ込み、児童5人が死傷するという痛ましい事故がまたも起きました。2012年に京都府亀岡市で児童と保護者の列に無免許の少年が運転する自家用車が突っ込み3人が亡くなる事故、2019年には滋賀県大津市で乗用車と軽乗用車が衝突し、軽乗用車が保育園児の列に突っ込み、園児ら計16人が死傷する事故が起きています。八街市の事故は、逮捕された60歳の運転手が、車内で昼食を食べているときに酒を飲んだと供述していることから、飲酒運転撲滅への運動をさらに強化する必要があります。
 一方、今回の事故では、数年前から、児童が通っていた小学校のPTA会長等からガードレールや歩道の設置を求める要望書が提出されていたにもかかわらず、財源面等から他の交差点整備を優先させ、同市が16年にまとめた通学路安全対策計画には、事故現場は安全対策を講じる箇所に含まれていなかったと地元紙は報じています。事故を未然に防ぐ対策が急がれます。
 本市では、2006年8月25日、東区海の中道大橋で飲酒運転事故が発生し、幼い3人の命が奪われました。
初めに、福岡市内における過去3年間の飲酒運転の検挙件数、また、飲酒運転事故が発生した2006年、その翌年の2007年及び2020年の飲酒運転事故発生件数をお尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 福岡市内における過去3年間の飲酒運転の検挙件数につきましては、平成30年が333件、令和元年が340件、2年が324件となっております。また、海の中道大橋での飲酒運転事故が発生した平成18年及び19年の飲酒運転事故発生件数については、平成18年が210件、19年が97件となっており、令和2年については31件となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 本市では毎年8月に、飲酒運転はしない、させない、絶対許さない、見逃さないをスローガンとして、生命(いのち)のメッセージ展・アルコール依存症パネル展や飲酒運転撲滅大会など、飲酒運転ゼロへの啓発、機運を高める取組が進められてきました。また、福岡県では飲酒運転撲滅運動の推進に関する条例が施行され、酒を提供する事業者、飲食店営業者は飲酒運転の撲滅に取り組む旨の宣言を行うよう努めることとされています。しかし、飲酒運転事故発生件数は、海の中道大橋での事故直後から減少しているものの、残念ながら依然として事故が度々発生し、過去3年間の検挙件数は300件超えをし、ゼロに至っていません。
市として飲酒運転撲滅に向けた決意を伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 飲酒運転撲滅につきましては、飲酒運転はしない、させない、絶対許さないという強い決意のもと、市民、警察、関係団体、企業等と一体となり、折り鶴プロジェクトや生命(いのち)のメッセージ展など様々な取組を推進してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 次に、事故を未然に防ぐ安全確保の対策についてです。
警察庁によれば、小学生が歩行中に交通人身事故に遭った人数は、全国で過去5年間で2,734人、うち908人が登下校中に事故に遭っているとしています。登下校時間中における本市の過去5年間の発生状況をお尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 登下校中に交通事故に遭った人数は、平成28年度が28人、29年度が41人、30年度が24人、令和元年度が28人、2年度が16人、合計137人でございます。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 登下校時、5年間で137人の交通人身事故が発生しているとの報告でしたが、そのような状況の下、各学校においては通学路上の危険をどのように把握されているのか、お尋ねします。各学校においては安全マップが作成され、交通安全指導に活用されていますが、毎日通学路を通って登校している子どもの声を把握することが重要です。子どもの視点から見た危険箇所は反映されているのか、伺います。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 安全マップの作成に当たっては、学校、地域、保護者による点検だけではなく、子どもの視点から見た校区内の危険箇所も反映させた上で、毎年各学校で作成し、交通安全指導に活用しております。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 毎日通学路を利用している子どもの意見は重要であり、ぜひ多くの子どもの声を反映させた安全マップになるよう要望しておきます。
 また、子どもたちが交通事故に巻き込まれないように、通学路の安全点検にとどまらず、生活圏である校区の安全対策も必要です。各小学校校区では自治協議会による校区安全安心マップが作成されています。マップの中には交通事故多発箇所や危険箇所等が記されていますが、そのような箇所を地域が改善を求める場合の手続についてお尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 地域が交通事故多発箇所などの改善を求める場合の手続につきましては、まず、自治協議会などから交通安全施設の設置要望などを区交通安全推進協議会事務局である区役所へ提出いただいております。区役所が地域の要望内容を確認するとともに、カーブミラーや路面標示などについては所管する道路管理者へ、横断歩道や信号機、交通規制などについては県公安委員会へ要望を行っております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 地域の声を受け、道路管理者や交通管理者である公安委員会や警察、学校などによる対策を講じていることは理解できました。
本市ではそのような取組を進めながら、2012年の京都府亀岡市での事故を受け、通学路の安全体制づくりを進めるために、福岡市通学路交通安全対策プログラムを策定し、通学路交通安全対策推進協議会が設置されています。その構成メンバーについてお尋ねします。また、例えば、学校は通学路を点検し、対策が必要である箇所を認識した場合、どのような流れで対策が講じられるのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 福岡市通学路交通安全対策推進協議会は、学校や保護者、地域と警察署、道路管理者等の関係機関によって組織されております。協議会では、年度当初に各学校から報告された通学路の危険箇所について、毎年関係者が現地に出向き合同点検を実施して、改善対策について検討するとともに、改善結果の情報を共有しております。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 各学校から報告された内容に関し、学校関係者や交通管理者、道路管理者などと現地を確認し、対策を立案されているとのことでしたが、福岡市通学路交通安全対策プログラム策定後、点検を開始した2015年度から2020年度まで、対策を求められた箇所数と対策の状況並びに対策が未実施の箇所はあるのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 令和2年度末時点で関係機関が合同で実施した点検箇所は119か所で、そのうち歩道や信号機の新設、路側帯のカラー化など対策を完了しているのは90か所でございます。また、現在対策を実施中で完了に至っていない箇所は14か所で、関係機関と調整中や実施を予定している箇所は15か所でございます。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 様々な対策に取り組まれていることは理解しましたが、その中でも通学路の安全確保のためには、歩道設置や路側帯のカラー化などハード整備が重要だと私は考えます。
 そこで、点検を開始した2015年度から2020年度までに道路管理者において対策を行うこととした箇所数とその対策の状況をお尋ねします。また、対策が未実施の箇所があれば、その対策内容と状況についてお尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 平成27年度から令和2年度までに合同点検を行った119か所のうち、道路管理者において対策を行うこととした箇所数は70か所となっており、令和2年度末までに51か所の対策が完了しております。完了していない19か所のうち、路側帯のカラー化やカーブミラーの改良などの対策を行うこととしている8か所につきましては、令和3年度末までに完了する予定でございます。残る11か所の対策内容につきましては、新たな歩道設置など用地取得を伴うことから、現在、地権者との交渉を行っているところであり、引き続き早期完了に努め、通学路の安全確保に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 本市として、福岡市通学路交通安全対策プログラムにのっとり、学校関係者、行政など連携を密にし、通学路の安全対策に取り組まれているということですが、まだ対策未実施箇所が11か所あるとの答弁です。用地取得等に時間を要することは理解しますが、命に関わる問題です。子どもたちが安全に登下校できるよう、今後も引き続き汗を流していただくよう要望しておきます。
 そのような中、千葉県八街市において飲酒運転が原因による児童を巻き込む痛ましい事故が発生しました。この事故を受け、文部科学省や国土交通省、警察庁の連名で緊急点検の指示がなされていると報道等で聞いております。
千葉県八街市の事故を受け、本市でも通学路の緊急点検が行われていると思いますが、危険箇所の報告は何か所上がっているか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 今回の調査では、小学校に対して例年以上に幅広い観点から危険箇所の報告を依頼しており、9月1日時点で252か所の報告がございました。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 252か所の報告が上がっているとのことです。今後どのように取り組まれるのか、お尋ねします。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 通学路は児童生徒が通学のために通常利用する経路であり、児童生徒の貴い命を守るために、その安全確保は大変重要であると認識しております。今後も各学校における通学路の危険箇所の把握や、学校、地域、道路管理者、警察と連携した合同点検などの取組を推進するとともに、教育委員会と関係局等で連携しつつ、危険箇所の計画的な改善に努めてまいります。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 八街市の事故も飲酒運転が原因の事故です。本市でもこのような事故が起こらないとは限りません。今回、小学校からの危険箇所として252か所の報告が上がっています。先ほどの未実施箇所11か所を含め、子どもたちの笑顔が悲鳴とならぬよう、引き続き通学路における安全対策にしっかりと取り組まれるよう要望し、私の質問を終わります。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広)登壇 私は公明党福岡市議団を代表し、特別支援教育の充実、SDGsを踏まえた公園の機能強化の2点について質問いたします。当局の前向きな答弁に期待するものであります。
 まず初めに、特別支援教育の充実についてです。
 先日、ひとり親家庭で3人の発達障がいのお子さんを持つお母様から市民相談をいただきました。「春から子どもの担任の先生が交代し、その先生は教員歴20年ほどのとても真面目な方ですが、初めて特別支援学級を受け持たれたようで、子どもの特性をあまり理解してくれていないようです。子どもが帰ってきて暗い顔をして、死にたいと口にするようになりました。学校の教頭先生や校長先生、専門機関にも相談しました。校長先生や教頭先生は、何でも担任に言ってくださいとの一点張り。専門機関の方は、相談としてお話はお伺いいたしましたが、これから先は学校から要請がないと動けませんとの対応でした。そのやり取りの中で感じたことは、特別支援学級の先生は、担任をされる前に特別支援教育に関する事前研修が必須になっていないこと、担任の先生がだんだんと疲弊されていく様子が手に取るように分かるのに、学校全体としてあまりフォローが行われないということにとても驚きを覚えました。親として子どもの将来を思い、子どもの特性を学ぶ研修などを何度も受講して必死で努力しているのに、家庭よりも子どもがいる時間が長い学校で、特別支援学級の先生の十分な研修やフォローが行われていない現状がとても残念でなりません。このままでは子どもが自己肯定感を喪失してしまい、二次障がいを引き起こし、将来的に自傷、他傷など強度行動障がいになるかもしれないと思うと不安でたまりません」との内容でした。
 文部科学省の発達障害支援の地域連携に係る全国合同会議において、発達障がいの可能性のある児童生徒等に対する支援事業の一環として、経験の浅い教員の専門性の向上に係る支援体制等の構築の必要性が述べられております。
 そこで、本市の議会事務局が令和元年11月に発行した議会調査レポート第24号に、政令指定都市の特色ある施策・事業として、相模原市の特別支援教育事業が掲載されておりましたので、この質問に先立ち、その先進的な事例を調査してまいりました。本市の特別支援教育の現状を踏まえ、その充実のための一助になればとの思いからこの質問を行ってまいります。
 まず、本市の小中学校の特別支援学級及び通級指導教室の対象児童生徒数の推移と児童生徒の全体に占める割合についてお示しください。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は発言者席にて行います。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 特別支援学級の児童生徒数及び全体に対する割合は、令和元年度が2,557名で2.17%、2年度は2,880名で2.42%、3年度は3,236名で2.68%です。同様に通級指導教室は、令和元年度が789名で0.67%、2年度は837名で0.70%、3年度は836名で0.69%となっております。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 少子化の影響等により、全国的な傾向と同じく、本市においても児童生徒数が減少しつつある中で、逆に特別支援学級及び通級指導教室で学ぶ児童生徒は年々増加していることが分かります。
 それでは、本市の小中学校における特別支援学級及び通級指導教室の設置状況、児童生徒数の増加を踏まえての今後の対応策をお答えください。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 特別支援学級は、小学校144校のうち140校に、中学校69校のうち67校に、通級指導教室は、小学校144校のうち18校に、中学校69校のうち4校に設置しております。今後も特別な支援を必要とする児童生徒数の増加が見込まれるため、障がいの種別、居住地等の状況に応じて新たな設置を検討してまいります。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) たくさんの小中学校で特別支援学級が設置されておりますが、通級指導教室も併せ、児童生徒の増加に伴い、計画的に新設や新たに学級を増やすことが検討されているようであります。同じ学校で通常学級と特別支援学級の児童生徒が共に学び、経験を共有することでお互いを尊重し、多様性を受け入れることの大切さや豊かな人間性を育むことができるインクルーシブ教育は、共生社会の実現の観点からも大変重要な取組ですので、しっかり検討を進めていただきたいと思います。
 それでは、特別支援学級を担う教師の専門性の向上に向けた取組についてお尋ねしてまいります。
 まず、特別支援学級の担任は、誰がいつ頃どのような基準で決め、いつから教鞭をお執りになるのか、お知らせください。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 担任は、教員のこれまでの経験や学年及び学校全体の配置のバランスなどを考え、校長が新年度の校務分掌などと併せて年度末に決定しております。担任としての業務は4月1日から始まり、始業式から実際に子どもたちの指導を行っております。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 特別支援学級の担任は、教員のこれまでの経験や学年及び学校全体の配置のバランス等を考え、学校長が決定されるとのことですが、全く特別支援学級の経験を踏まれていない教員が、系統だった事前研修もお受けにならずに学級を任されることがある現状について、その認識と御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 特別支援学級は小中学校における学級の一つで、全ての教員に担任をする可能性があります。そのため、初めて特別支援学級を担任する教員に対しては、年度当初に、経験のある教員などが学級経営や児童生徒の指導方法について適切な指導を行い、子どもに関わることができるようにしております。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 全ての教員が特別支援学級の担任をすることはあるとのことですから、全ての教員の方が、支援が必要な児童生徒の特性等を踏まえた学級経営、授業づくりを研さんすることが重要であり、校内人材を活用したOJTによる支援体制の充実が必要なことが理解できます。
 そこで提案ですが、特別支援学級の安定的な運営のためには、必ず一度は教員奉職中に特別支援学級を受け持つなど、経験により特別支援教育の大切さや苦労が実感できる中長期的な人材育成に取り組まれてはいかがでしょうか。人事構想に盛り込む必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 教員の人事異動を行うに当たっては、学校長の学校経営構想などを十分にヒアリングし、特別支援学級の経験者や希望者を全市的な観点から適切に配置しております。また、特別支援学校の教員についても、積極的に小中学校に配置し、特別支援学級の担任を務めることができるようにするとともに、その知識やノウハウを他の教員にも習得してもらえるように取り組んでいるところでございます。今後とも、研修や人事を通して学校現場において特別支援教育に対応できる人材を増やしていけるよう、中長期的な人材育成に取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) それでは、特別支援学級の担任の研修体制及び研修の受講の現状、実績について具体的にお尋ねいたします。
 初めて特別支援学級の担任となった教員に対する研修の有無、回数、時期、内容、受講者数、受講率をお知らせください。また、全教員が受講できる特別支援教育に関する研修の受講者数についても、併せてお知らせください。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 初めて特別支援学級の担任となった教員への研修については年3回実施しており、4月に特別支援学級の基礎についての研修を、5月に保護者との連携や障がい種に応じた指導などをテーマとした研修を、6月から11月にかけて障がい種など個別の課題に対応した11講座から選択する研修を実施しております。受講者数については、令和3年5月に実施した研修では、受講対象者166名のうち163名が受講しており、受講率は98%となっています。
 また、全教員が受講できる研修については、今申し上げました11講座の選択研修は誰もが受講できる研修としており、令和元年度は721名が受講し、令和3年度は525名が受講する見込みとなっております。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 本市の教員の方は約7,800名おられると伺っておりますので、全教員が受講できる特別支援教育に関する受講者数は1割程度であり、もっと多くの教員が受講できるように、研修方法や内容などを工夫する余地があると思われます。
 相模原市の取組を紹介すると、特別支援学級や通級指導教室を初めて担任される教員には、1学期計3回の研修講座を必ず行い、その後に特別支援学校での1日実習も実施しておられました。また、特別支援学級を現在担任されている教員向けに、各校1名必ず参加で、特別支援教育の所掌事務の確認のための研修を実施されています。さらには、特別支援教育スキルアップ研修として、年6回、回ごとに希望者を募って、時には外部講師を招き、テーマ別の研修を行うなど、特別支援教育に当たる教員が参加することに喜びを感じ、支援対象の児童生徒や保護者に安心を与えることができる研修を目指し、不断の改革に取り組んでおられました。
 先般、早良区百道にある福岡市教育センターを訪問調査し、本市においても特別支援教育に関する様々な研修が実施されていることは承知しております。一方で、教育現場は多忙を極めているとの声が私のところにも寄せられております。OJTやオンラインなど多忙な学校現場に寄り添った特別支援教育に関する研修の充実を図る必要があります。
 支援を必要とする児童生徒は年々増加しておりますので、本市においても教員の専門性の向上により特別支援教育の充実を図るため、わくわく感と申しましょうか、画一的な形式にのっとることで目新しさや独自性を失うことなく、全ての教員の方が受講してみたいと思い、また、受けやすいと思う研修改革が今ほど求められているときはないと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 特別支援教育に係る研修については、従来の集合研修を行うとともに、オンラインやオンデマンドによる研修も実施するなど、教員が受講しやすい研修となるように取り組んでおり、さらに、特別支援教育に対する全ての教員の理解を深めるために、経験年数に応じた定期研修において特別支援教育に関するメニューを追加することや、全ての教員がいつでも学びたいときに学ぶことができるよう、研修動画の配信についても検討してまいります。今後とも、特別支援教育に係る研修については、議員の御指摘も踏まえ、より効果的で魅力あるものとなるよう見直しに取り組むとともに、校内研修の充実に向けた支援も図ってまいります。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 次に、特別支援学級の教員の方のフォローはどのように行われているのか、お尋ねいたします。
 本市では、学校生活支援員や無償の学校生活支援ボランティアによるサポートが行われているようですが、その配置及び活動状況をお示しください。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 令和3年9月1日現在において、学校生活支援員の配置を希望する小学校142校及び中学校60校に対して267名を配置しております。活動内容は、配慮を必要とする児童生徒の健康や安全確保等の学校生活上の支援や、学校行事における介助等の学習活動上の支援に当たっております。学校生活支援ボランティアについては、希望する小学校14校及び中学校1校に対して25名を配置しており、障がいのある児童生徒に係る学校職員の補助的な活動に当たっております。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) ただいま御答弁いただいた学校生活支援員や学校生活支援ボランティアの配置や活動について、教育現場からどのような声が寄せられているのか、お答えください。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 特別支援教育担当者による協議会の中で、学校からの声として、支援員の声かけなどのサポートにより、児童生徒の学校生活や学習に改善が見られた、支援員が会計年度任用職員となったことで、1年間の見通しを持った支援が可能となったなどの声が寄せられております。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 小中学校の学校生活支援員や学校生活支援ボランティアの配置状況は、冒頭にお尋ねした特別支援学級や通級指導教室の対象児童生徒数と比較して少なく、学校現場のニーズに十分に応えているものにはなっていないと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校生活支援員に対するニーズの高まりは認識しているところでございます。令和3年度は前年度から25名を増員し、児童生徒の適切な支援の充実につなげております。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 相模原市では、学校をサポートしてくださる方の登録を募集していますと市のホームページ上で分かりやすく広報して、非常勤介助員、学校看護師、学校図書館図書整理員、観察実験アシスタント、支援教育支援員、学習教育支援員、合わせて6職種の学校サポートを行うスタッフを登録募集しております。その中の非常勤介助員は、福岡市でいうところの学校生活支援員に当たると思いますが、会計年度任用職員として採用となれば、支援の必要な児童生徒の日常生活、身辺自立の補助や介助を行うことを業務内容として、週二、三日程度、シフト制で1週間を2人で分けて、1人年間約102日の勤務で、午前8時半から午後5時までの間の実働6時間、日額6,906円の収入を得ることができます。この非常勤介助員は子育ての経験が役に立つということで、これといった資格も要らず、9割が女性で人気が高く、1年更新で最長5年まで同一学校に勤務することができます。そのため、非常勤介助員は支援が必要な児童生徒の個々の特性もよく理解されており、人事異動により特別支援学級の担任の交代があったとしても、そのことによって児童生徒が特段不安に駆られることはないとのことであります。特別支援学級の教員の負担軽減、支援が必要な児童生徒の不安の軽減、市の事業を通じての雇用の創出など、幾重にもシナジー効果が高いとてもよい制度だと思います。
 本市においては、学校生活支援員のさらなる増員を図るとともに、それと併せて知識理解の深化とスキルアップを図る研修にも取り組んでいただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校生活支援員については、今後も対象となる児童生徒の実態を踏まえながら適切に配置してまいります。また、学校生活支援員の資質向上を図るため、障がいの理解等についての研修を実施しており、今後も研修の充実に取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 次に、福岡市発達教育センターなどの専門機関は、特別支援学級及び通級指導教室に対してどのような関わり方をしておられるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 小学校や中学校からの要請などがあった場合には、担任に対しては学級経営や児童生徒への接し方など、管理職に対しては校内支援体制の在り方などについて、発達教育センターが他課とも連携して必要に応じた支援を行っております。また、発達教育センターにおいて保護者を対象とする教育相談を実施しており、学識経験者や臨床心理士、言語聴覚士、指導主事等が相談者のニーズに応じて個別に対応しております。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 何かしらの問題が生じた際に、学校からの要請等に応じて、担任及び管理職に対して必要に応じた支援を他課と連携して行っているとのことであります。また、保護者からの相談に対しても、担当窓口として専門スタッフが個別に対応しておられるとのことです。
 先般、中央区地行浜にある福岡市発達教育センターを実際に訪問し、調査させていただきましたので、とても大事な役割を担っていただいていることは承知しておりますが、どちらかというと、事前よりも学校からの要請があった場合という事後的な対策への取組に重きが置かれているようであります。
 それでは、福岡市発達教育センターを含めた特別支援学級及び通級指導教室の関係機関の連携状況はどうなっているのか、現状をお示しください。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 関係機関の連携としましては、各区保健福祉センター子育て支援課、こども総合相談センターこども支援課、教育委員会指導部、特別支援学校、小中高等学校特別支援教育コーディネーター等で組織する各区特別支援教育連携協議会を年3回実施しており、配慮を要する子どもたちがよりよい学校生活を送れるよう、幅広い視点から支援方法を協議するなど、それぞれの分野の情報の共有や意見交換を行っております。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 年3回ほど多様な関係機関が集まり、幅広く情報や意見交換を行っておられるようであります。
 相模原市では、年に3回どころか、隔週置きに関係機関が集まり、教育委員会の学校教育部の学校教育課が主導し、各学校の特別支援学級などの運営がうまくいっているか、介助支援員がうまく機能しているか、医療的ケアが必要な児童生徒への対応は十分か、通常学級から特別支援学級への措置替え──児童生徒の移籍の必要性の有無など、どこまでも学校現場に寄り添い、担任の教員が一人で問題を抱え込まないように、関係機関の意思の疎通がうまくいかず児童生徒への対応が後手に回らないようにと、これほどまでにと思えるきめ細やかな取組が行われておりました。まさにケース会議、支援会議といった様相の定例会議が行われておりましたが、本市においてもこのような取組の充実が必要だと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 福岡市においても教育委員会の関係各課が随時各学校への支援方策についての会議を行っており、協議した内容を各学校に伝え、児童生徒の支援につなげております。今後も教育委員会内で情報共有を行い、学校支援の充実を図ってまいります。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) ここでポイントとなるのがICTの活用などによる特別支援教育の質の向上であります。相模原市では、指導内容の充実、教師の負担軽減、校務改善等の幅広い観点を踏まえ、ICTの活用が徹底されておりました。
 本市において全小中学校に配置されている校務支援システムは、特別支援教育の学校内及び支援に向けた関係機関間の情報共有においてどのように活用されているのか、お示しください。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校内においては校務支援システムを活用して個別の教育支援計画や個別の指導計画を作成し、校内支援委員会においてその共有を行い、支援体制を整えるとともに、進級、進学の際には内容を新年度に引き継ぎ、継続的な支援につなげております。また、一人一人の児童生徒の実態に応じた支援を行うため、校務支援システムで作成した個別の教育支援計画を基に、必要に応じて医療機関や福祉施設などの関係機関とケース会議を実施しております。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) また、学校現場に各種取材を行ったところ、新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議の報告でも触れられておりますように、校長をはじめ、管理職の方のリーダーシップの発揮に期待する声が大きいようであります。特別支援学級と通常の学級との交流及び共同学習を充実するため、学級や学年等の間で年間指導計画等の在り方を研究したり、特別支援学級における各教科等の学習を充実するため、学級担任間や教科担任等との連携による指導の体制を整えたり、人的環境整備として適切に特別支援教育支援員を確保、配置し、専門性の向上に取り組んだり、ためらわずに各種専門機関との連携を図ることが今求められております。
校長等の管理職の方がさらにリーダーシップを発揮され、学校全体としてカリキュラム、マネジメントの深化を図り、教職員が適切に役割を分担しつつ、相互に連携し、支援が必要な児童生徒への指導、支援の質の向上をたゆむことなく図っていく必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 校長をはじめとする管理職が特別支援教育の方針を明確に示すなど、リーダーシップを発揮し、学校全体で特別支援教育に取り組んでいくことは重要であると考えております。これまで各学校の校内支援委員会において支援の在り方に関する情報共有などを行っておりますが、さらに、校内の特別支援教育の推進体制を強化していくため、校長を中心に担任と特別支援教育コーディネーターが密に連携するなど、支援の充実を図ってまいります。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 特別支援教育の充実について、主に教師の専門性の向上とフォローの在り方の視点からるる述べてまいりました。この時期の支援の関わり方いかんで、その児童生徒の人生が大きく変わっていくとの強いミッション、使命感で特別支援教育に携わっていただいている教職員の方々を含め、全ての関係機関の皆様に心から御礼と感謝を申し上げたいと思います。
 コロナ禍の折、視察先が限られておりましたので、今回は相模原市の先進事例を取り上げさせていただきましたが、支援担当教員などの研修の充実や非常勤介助員等のマンパワーサポート体制の充実、関係機関の隔週の定例会議など、その特別支援教育に対する熱量には目をみはるものがあり、感動を禁じ得ませんでした。SDGsの誰一人取り残さないとの理念が特別支援教育に脈打っていることがとても大切だと思います。冒頭に紹介したひとり親家庭で3人の発達障がいのお子さんを持つお母様のニーズに十分に応えられる特別支援教育体制の構築を、他都市の先進事例を取り入れ、今後、本市に展開されることを切望しております。
 このテーマの最後に、特別支援教育の抜本的な拡充のための体制構築に向けた教育長の総括的な御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 令和3年1月に出された中央教育審議会答申によると、特別支援教育の今後の方向性として、多様な教育的ニーズのある子どもたちに対して、自立と社会参加を見据えて、その時点での教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる多様で柔軟な仕組みを整備することが重要であると示されており、福岡市においても障がいのある児童生徒の教育的ニーズに的確に応えるための条件整備が重要であると認識しております。今後も国や県、他都市の取組について情報収集を図るとともに、教員の研修や支援体制の充実に取り組み、児童生徒一人一人に対し適切な指導や必要な支援を行ってまいります。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 次のテーマ、SDGsを踏まえた公園の機能強化に入ります。
 本年6月、持続可能な開発ソリューション・ネットワーク、SDSNとドイツのベルテルスマン財団は、サステナブル・ディベロップメント・レポート、持続可能な開発報告書2021を発表いたしました。その報告書によると、日本のSDGsの達成状況の順位は、昨年の17位から18位に後退し、取組が不十分だとされている中に、ゴール13の気候変動、ゴール14の海の生物多様性、ゴール15の陸の生物多様性などの環境関連の目標が目立ちます。
特に大きく悪化したのはゴール15「陸の豊さも守ろう」で、前年が「穏やかな改善」だったのが、今回は「悪化」となり、赤信号がともっております。この主な理由は、生物多様性にとって重要な保護された陸地の平均面積の減少と内陸水面の平均面積の減少が起因しているそうであります。
最近、私が住む東区においても、樹林地やため池が宅地化されていく様子を目にいたしました。農業用ため池などは、本来の用途を終え、公共用地の有効活用や防災上の観点から民間に売却されたものと一定の理解はできますが、あれだけ大きな樹林地や水辺空間が一挙に消失、消えうせてしまったことには言い知れぬ寂しさを感じます。
 そこでお尋ねいたしますが、福岡市において、この10年間でどれだけ保全系の緑が減少したのかお示しください。また、それは福岡ペイペイドーム何個分に当たるのか、お答えください。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 保全系の緑の面積については、把握している直近の10年間で申しますと、平成19年は約1万5,222ヘクタール、29年は約1万4,886ヘクタールと約336ヘクタール、福岡ペイペイドームの敷地面積約39個分が減少をしております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) そこで、創出系の緑の拠点である公園に注目したいと思います。公園は、あらゆる人にとって健康と安らぎの場であり、また、環境や防災の面でも重要な公共の資源であることは言うまでもありませんが、国際スタンダードとして求められているのはSDGsの観点からの公園の機能強化であります。
 まず、「ゴール15 陸の豊さも守ろう──陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る」の観点からお尋ねしてまいります。
 先日、海外から、「サー」(ナイト、伯爵)の称号を贈られた造園の熟練技能者の方からお話を伺うことができました。
最近の公園にはしっかりとした樹木が少なくなったように思える。これだけ猛暑が続いているのに、もっと木陰で憩えるような場所が公園に必要ではないか。樹木を植える際も公園の端っこはNG。樹木が成長するにつれ枝が公園の敷地からはみ出し、近隣の道路や住宅地に迷惑をかける事態になるので、頻繁に枝打ちをしなければならず、これでは立派な木が育たない。「この木何の木、気になる木」のCMに出てくるようなシンボルツリーがでーんとある公園を全市的に増やすべきではないか。
その道の達人ならではの至極ごもっともなお話でございました。
 そこでお尋ねいたしますが、一体全体、公園の樹木は増えているのでしょうか、減っているのでしょうか。公園における樹木の配置計画はどのようにお決めになっているのでしょうか、お示しください。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 直近3年間の公園の植樹実績で申しますと、平成29年度は高木120本、低木、地被類1万1,019平方メートル、30年度は高木433本、低木、地被類2万5,222平方メートル、令和元年度は高木448本、低木、地被類2万5,990平方メートルとなっておりますが、維持管理や枯損、倒木などにより減少した樹木の本数については集計しておりません。また、樹木の配置計画については、地域の御意見を伺いながら、公園のゾーニングを検討する中で、広場空間や遊具の配置などとの調整を図りつつ、樹木の将来的な成長度合いや樹形などの特性を考慮し、決定しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 年々高木の本数、低木、地被類の面積、ともに植樹実績は増えているとのことですが、伐採した、切った実績は把握されておらず、要するに、よく分からないということであります。公園の活用方法は、高齢者の方からのニーズの高いグラウンドゴルフなど実に様々なものがあり、どちらかというと樹木の配置は隅っこに追いやられているようであります。
先ほど紹介した熟練技能職の方のお話の中に、猛暑が続いているのにとのくだりがありましたが、昨今の地球温暖化による極端気候を考えると、COを吸収する樹木を増やすことはとても大事なことであり、グラウンドゴルフなどの競技をする上でも、樹木がでーんとあって、多少その木が邪魔になったとしても、そのことを前提にプレーが行われるような市民の意識変革が必要なときが到来しているように思えます。
市民への啓発も含め、緑が脇役ではなく主役となるような公園を増やす取組を今こそ充実していく必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 公園は、都市環境の改善や生物の生息、生育環境の維持、レクリエーションの場の提供、災害の防止、美しく安らぎのある風景の形成など多様な役割を担っております。公園の整備に当たり、ワークショップなどにおいて地域の御意見を伺う中で、ボール遊びなどができる広場空間や防犯の観点からの見通しの確保を重視されることが多くありますが、緑陰の形成や季節感の創出など、緑の持つ機能についても丁寧に御説明し、市民の御理解をいただきながら、緑豊かな公園づくりに取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) また、生物多様性の保全の観点から、せめて公園においては、過去に学校などで注目されたビオトープのような生物が生きていける環境を少しでも多く残していく必要があると思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 公園におけるビオトープについては、かなたけの里公園などで地域の御協力を得ながら整備、管理している事例があります。生物多様性の保全のためには、生物の連続的な生息、移動空間を確保することが重要であり、これまで市街地周縁部の山並みや市街地に延びる丘陵地の緑、博多湾の水辺環境の保全を行うとともに、市街地に点在する公園、緑地、農地と、これらをつなぐ河川、街路樹などの緑を充実させてまいりました。今後とも、生物多様性の保全に資する公園緑地や街路樹等の整備を進めるとともに、河川、干潟などの水辺環境や樹林地の保全に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 次に、「ゴール13 気候変動に具体的な対策を──気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る」の観点からお尋ねいたします。
 千早並木広場など公園の照明の電力として太陽光発電を利用している事例もあるようですが、全公園の街路灯に占めるソーラーLED照明灯の数、全体の照明灯に対する割合をお示しください。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) ソーラーLED照明灯については、千早並木広場を含め、4公園に12灯設置しており、全体の照明灯に対する割合は約0.2%となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) まだまだソーラーつきのLED照明灯は少ないようであります。
 それでは、ソーラーつきとはいかないものの、省エネ性能の高いLED照明灯の数、全体の照明灯に対する割合をお示しください。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) LED照明灯については1,076灯設置しており、全体の照明灯に対する割合は約17%となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 公園の照明灯のLED化もさほど進んでおりません。神戸市などでは民間資金活用型のESCO事業を導入し、市内の約1,600公園、約1万灯の一括LED化を進めているようであります。
 そこでお尋ねいたしますが、民間資金活用型ESCO事業とは何か、その概要をお示しください。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 民間資金活用型ESCO事業とは、事業者が施設の光熱水費削減に必要な設備の導入や運用、保守管理などの資金を負担して施設の光熱水費削減を実施し、実現した削減額の一部を報酬として受け取る事業のことです。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) LED照明灯の設置などの初期コストの平準化が図られ、早期のLED化が実現できるとてもよい制度で、本市においても既に道路照明灯などで取り入れられていることは承知しております。
脱炭素社会の目標達成に向けて、公園照明灯のLED化においても民間活用型ESCO事業などの手法を用い、公園照明灯の一括LED化100%を早期に目指す必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 公園照明灯のLED化におけるESCO事業の活用については、令和元年度に検討した結果、公園照明灯は道路照明灯と比べ灯数が少ないこと、1灯当たりの電力削減効果が低いことなど事業規模が小さいことから、事業活用のメリットが小さく、実施を見送っております。なお、公園照明灯のLED化については、これまでは照明灯の新設、更新の機会を捉え、順次行ってまいりましたが、令和3年度からはLED化を目的とした予算を確保し、LED化を加速させているところであり、早期に完了するようしっかり取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 次に、地球温暖化により、これまでに経験のない豪雨が頻繁に降るなど、河川の氾濫を遅らせるため、雨水が河川に到達する速度を抑える取組が今ほど急がれているときはありません。福岡市においては、市街化による土地利用の変化に伴い、コンクリートやアスファルト化が進み、まち全体の貯留、浸透機能が低下しているとして、福岡市雨水流出抑制指針に基づき、各局が連携して雨水流出施策が展開されていることは承知しておりますが、不断の努力として、公園などで、その保水機能を高める必要があると思います。
 まず、福岡市全体の公共施設における雨水貯留施設及び浸透側溝、雨水浸透ます、園路や駐車場の透水性舗装などの雨水浸透施設整備の進捗状況の推移をお示しください。
 
○議長(伊藤嘉人) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 福岡市の公共施設における雨水貯留浸透施設の整備状況につきまして、平成27年度末と令和2年度末の5年間で比較しますと、治水池や雨水貯留管などの雨水貯留施設が約65万2,000立方メートルから約70万4,000立方メートルで約5万2,000立方メートルの増加、また、雨水浸透施設のうち、浸透側溝が約131キロメートルから約154キロメートルで約23キロメートルの増加、雨水浸透ますが235基から356基で121基の増加、透水性舗装が約108ヘクタールから約136ヘクタールで約28ヘクタールの増加となっております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 特に公園について、雨水貯留浸透施設整備の進捗状況の推移をお示しください。また、今後の気候変動による降雨量の増大を考慮すると、公園の雨水貯留浸透施設の整備をこれまで以上に進めていかなければならないと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 公園における雨水貯留浸透施設整備の進捗状況については、平成27年度末と令和2年度末を比較しますと、雨水貯留施設は679立方メートルから892立方メートルとなり213立方メートル増加、浸透側溝等は7.9キロメートルから16.6キロメートルとなり8.7キロメートル増加、雨水浸透ますは135基から186基となり51基増加、透水性舗装は約8万5,000平方メートルから約13万6,000平方メートルとなり約5万1,000平方メートル増加しております。公園は緑や土で覆われている面積が大きく、それ自体が雨水を浸透し保水する機能を有しているとともに、舗装面や排水施設などを雨水が浸透しやすい材質や仕様にすることで、さらに雨水流出抑制に寄与するものと考えております。今後とも、雨水貯留浸透施設を持つ公園の整備を進めてまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 地球温暖化が要因の一つである新型コロナウイルス感染症が全国的に猛威を振るっておりますが、その感染拡大防止対策の一例として公共施設のトイレの洋式化を進めることがあります。蓋を閉めて流すことで排せつ物の飛散が防止され、感染拡大を防ぐ効果があると言われております。
市の公共施設における感染症対策はどのように取り組んでおられるのか、また、公園トイレでの感染拡大防止対策にどのように取り組んでいるのか、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 公共施設における感染症対策につきましては、施設の新築、改修に合わせて換気能力の十分な確保やウイルスの拡散を抑制する空調設備の導入のほか、主に高齢者、障がい者、子どもが利用する施設の手洗い水栓の非接触化などに取り組んでおります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 公園のトイレにおける感染防止対策については、トイレの水栓をワンプッシュ式にする改良を進めております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 東京都は新宿中央公園付近においてスマートポールという事業の共同事業者の公募を開始したそうであります。このスマートポールとは、公衆Wi−Fiに加えて、5G基地局や人流解析のカメラ、デジタルサイネージなどを備える多機能ポールのことだそうです。この東京都の取組について把握しておられましたらお示しください。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 東京都においては、「未来の東京」戦略で西新宿エリアを「スマート東京」先行実施エリアと位置づけ、5Gと先端技術を活用したサービスの都市実装に向けて取り組んでおり、令和2年度に複数事業者の協力を得て、西新宿エリアに5Gアンテナ基地局、高速Wi−Fi及びセンサー等の様々な機能を備えた計9基のスマートポールを試行設置し、有用性等の検証を行っていると聞いております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) Wi−Fiも最新機能を取り入れどんどん進化しております。
障がいの有無、国籍に関係なく、あらゆる方が集い合う公園の広域避難場所としての役割を考えるとき、公園の要所要所に無料Wi−Fiの整備をぜひ進めていただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 公園における無料Wi−Fiの導入については、現在、市民サービス向上の観点から、動植物園やかなたけの里公園において管理事務所などのお客様が集まる屋内空間に設置している事例や、東平尾公園においてベスト電器スタジアムに通信事業者が設置している事例があります。今後、公園が災害時に広域避難場所として果たす役割も踏まえ、無料Wi−Fi等の必要性を検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 次に、「ゴール3、 すべての人に健康と福祉を──あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」の観点からお尋ねいたします。
 福岡市の公園には児童遊具や健康遊具が整備されておりますが、その整備状況の推移をお示しください。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 公園の遊具については、現在4,785基設置しており、近年は老朽化した遊具を更新する整備を主に行っていることから、その数はここ10年横ばいとなっております。このうち健康遊具については地域のニーズが高く、遊具の更新に当たって設置を要望されることが多くあるため、10年前と比較すると約2倍の647基を設置しております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 地域のニーズを踏まえ、着実に整備を進めていただきたいと思います。
 最近、障がいを持つ子どもなども含め、誰もが遊べる公園づくりの一環として、けがや事故のリスクを減らすため、地面はクッション性に優れたゴムチップ舗装、アスファルト部分は滑りにくい樹脂系舗装、寝そべることができる幅広ベンチ、車椅子に乗ったまま遊べる複合遊具、介助者も一緒に乗れるブランコ、車椅子の方も一緒に囲めるテーブル、広場全体を白いフェンスで囲い、子どもの急な飛び出しを防ぐ設計など、UD、ユニバーサルデザインに基づいた遊具や遊び場などがある公園がインクルーシブ公園などと呼ばれ注目されております。
東京都などでは一部整備され、札幌市、名古屋市などで導入に向けての検討が始まっているようであります。東京都の事例について把握されていましたらお示しください。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 東京都においては、様々な子どもの障がい関係者へのヒアリングや有識者への意見聴取などを行い、令和2年3月に都立砧公園の遊具エリアの一部、約4,000平方メートルに、障がいの有無や国籍などにかかわらず、あらゆる子どもが一緒に遊べるインクルーシブな遊具広場の第1号が整備され、オープン以降、多くの子どもたちに利用されていると聞いております。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) インクルーシブ社会の実現のためにとても大事な取組だと思いますが、福岡市においても導入を検討されてはいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 福岡市では、誰もが思いやりを持ち、全ての人に優しいまち、ユニバーサル都市・福岡の実現を目指し、公園においてもバリアフリー、ユニバーサルデザインを取り入れた整備を行ってきたところであります。インクルーシブな遊具や遊び場のある公園づくりには、近づきやすさや利用のしやすさ、安全性の確保といった観点でのハード面での整備に加え、管理者や地域住民、ボランティアなどの多様な関係者が参画して継続的に運営の改善を行っていくといったソフト面の取組も重要と言われております。今後、東京都などの先進的な事例も参考にしながら検討を進めてまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) ぜひ検討を進めていただきたいと思います。
 次に、福岡市緑のまちづくり協会の事務所が近々、福岡市動植物園に移転すると伺っております。企画、広報、技術部門及び自主事業によって得られた収益を公共のために使うシステムを併せ持つ同協会のSDGsに基づいた施策の展開に大いに期待したいと思っております。
 そこで提案ですが、障がいのある方も楽しめる福岡市動植物園の無料開放日を設けてはいかがでしょうか。米国の遊園地などでは、障がい者のために日を決めて照明や音響効果などを抑えるところがあるそうで、感覚過敏障がいなどで来場を控えておられた方たちが来られるようになったと伺っております。インクルーシブ社会の実現のために一役買っていただけないでしょうか、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 動植物園では現在、通常時でも障がいのある方の入園料及び駐車料金を介護者1名とともに全額減免としており、令和元年度は1万6,182人、2年度は1万3,100人の方に御利用をいただきました。また、障がいのある方向けのサービスとして、これまで、小動物との触れ合いや骨格標本に触れる企画、動物園クリーンスタッフの仕事体験などを実施しております。御提案の、障がいのある方も楽しめる無料開放日につきましては、どのような御希望があるのか、どのような受入れが可能なのかなど、今後関係団体等の御意見を伺ってまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) SDGsを踏まえ公園機能を強化するためには、財政規律を守りながらも事業を確実にSDGsの目標達成に導く財源確保が必要であります。最近では北九州市がサステナビリティボンド、川崎市がグリーンボンドというESG投資を呼び込む債券を発行する仕組みを導入したようであります。これらの制度は、債券発行後は、その調達した資金によってどのような事業を行い、どのような成果を上げたのか、KPI、重要業績評価指標の進捗状況を毎年レポートという形で、対外的に適格に問われるために、SDGsに基づいた着実なインフラ整備の推進につながります。
本市においても既にグリーンボンド発行への準備を進めていただいていることは承知しておりますが、さらには、サステナビリティボンド、ソーシャルボンドの取組も進めることで、それらに適格する事業は、KPI、重要業績評価指標に基づき、SDGsを確実に推進することとなると考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(伊藤嘉人) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) グリーンボンドの発行につきましては、福岡市の環境の取組や環境改善などの効果が専門の認証機関から評価され、それを国内外にPRできる有効な仕組みであり、現在、認証を得るための準備を進めているところでございます。議員おただしのESG債は、環境、社会、ガバナンス等を考慮した資金調達であり、認証機関からの認証取得や管理コストなどの課題がございますが、福岡市がSDGsに取り組んでいることを示す手法の一つであると認識しており、グリーンボンドも含めたESG債の活用を今後検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(伊藤嘉人) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) SDGsを踏まえた公園機能の強化についてるる述べてまいりました。福岡市においては新たな緑の基本計画の策定に向け検討を進めていると伺っております。SDGsの観点からしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 御承知のとおり、SDGsの目標到達年は2030年であります。残すところあと10年を切りました。コロナ禍という未曽有の困難なときではありますが、その根本的な解決のためにも、SDGsの目標達成のため、着実に歩み続けることが大切だと思っております。
 最後に、SDGsを踏まえた公園機能の強化に対する島市長の御所見をお伺いし、私の質問を終わります。
 
○議長(伊藤嘉人) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市では多くの市民の皆様とともに策定をした福岡市総合計画に基づき、経済的な成長と安全、安心で質の高い暮らしのバランスが取れたコンパクトで持続可能な都市づくりを進めることによってSDGsの達成に取り組んでいます。公園をはじめ、公共空間における緑や花々は、都市環境の改善、生物多様性の確保、景観、レクリエーション機能など様々な役割を担っており、これまでも特別緑地保全地区の指定や都市公園の整備など、緑地の保全や緑化の推進を図りますとともに、市民や企業の皆様と一緒に一人一花運動を進め、花による共創のまちづくりに取り組んできたところでございます。
今後とも、誰一人取り残さないというSDGsの理念を踏まえ、風格ある緑豊かな環境共生都市を目指し、未来を担う子どもたちをはじめ、高齢者や障がい者などあらゆる人々が暮らしやすい都市環境づくりに取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(伊藤嘉人) この際、休憩し、午後4時25分に再開いたします。
午後4時14分 休憩  
午後4時25分 開議  
○副議長(山口剛司) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。
 この際、あらかじめ時間を延長いたします。楠正信議員。
○25番(楠 正信)登壇 お疲れさまでございます。もうしばらくお付き合いください。
 私は公明党福岡市議団を代表して、家庭ごみの分別について、福祉避難所について、道路照明灯一括LED化ESCO事業について、3点質問いたします。
 最初に、家庭ごみの分別についてです。
 個人的なことで申し訳ありませんが、私の妻は、地域の資源物回収に取り組む団体の代表を任され、活動しています。我が家では、プラスチック系のごみ、名刺以上の大きさの紙類、どうしても捨てなければならないごみと生ごみ、ペットボトル・瓶、燃えないごみと分別するよう指導されています。紙類を手で丸めて捨てようものなら、厳しい指導が入ります。おかげで、我が家のごみはどのような組合せになっているのかよく分かります。週2回のごみ出しで、30リットルの指定袋のうち、90%がプラスチック系のごみとなり、10%が生ごみです。目で見ると驚きを感じます。資源物としてまとめられた紙類の多さにも、これを燃やしていたのかと思うとぞっとします。しかも、この紙類はお金になります。そして、プラスチック系ごみは、カップ麺の器とその蓋、レジ袋、納豆や卵のパックなど、生活の全てでプラスチックにお世話になっていることが分かります。そして、そのプラスチックごみは再生が可能である、リサイクルできるという識別表示がほとんどについています。製品を作っている企業に対してリサイクルを義務化しているのです。
 リサイクルできるのに福岡市では燃やされている識別表示マークがついているプラスチックごみは、家庭ごみの燃えるごみのうち、全体でどれくらいの量になるのか、お尋ねいたします。また、それは家庭ごみの排出量の何%を占めているのか、お示しください。
 これで1問目を終わり、2問目以降は発言者席で行います。
 
○副議長(山口剛司) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 家庭から排出される可燃ごみに含まれる識別表示マークがついているプラスチックごみの量につきましては、組成調査結果に基づく推計によると、令和元年度が4万4,889トンとなっており、家庭から排出される可燃ごみ量の約16.7%となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) (パネル表示)このマークが資源物ですよというマークです。再生ができますという、プラマークと呼ばれているマークであります。お菓子とか、冷凍食品とか、(包装紙表示)こういった包み紙、チキンラーメンの包み紙も全部このマークが入っています。それで、福岡市はペットボトルを出すときに、フィルムは燃えるごみに捨ててください、キャップも燃えるごみに捨ててくださいというふうに言われていますけど、キャップも、これもプラマークがついていますので、資源化ができます。私驚いたのは、スライスチーズを包んでいるこの紙、これにもプラマークがついています。だから、プラマークのついていないプラスチックごみを探すほうが難しいです。
 では、燃やす家庭ごみの処理量はどのように推移していますか。また、その処理に係る経費はどのように推移していますか。平成21年度から5年刻みでお示しください。
 
○副議長(山口剛司) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 家庭から出る可燃ごみ処理量につきましては、平成21年度が26万7,306トン、平成26年度が26万9,622トン、令和元年度が26万8,796トンとなっております。次に、ごみ処理施設での処理にかかった費用につきましては、事業系ごみの経費も含めて、平成21年度が約99億2,200万円、26年度が約95億6,600万円、令和元年度が約130億5,800万円となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 数字が表しているとおり、分別も何もしていないので、燃やす家庭ごみは一向に減る気配はありませんし、処理経費だけが増加しています。
 このプラスチック製容器包装を分別収集し、リサイクルしている都市は20政令市中、何都市あるのか、リサイクルしていない都市はどことどこなのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) プラスチック製容器包装につきましては、20政令市のうち、16都市が分別収集した上でリサイクルを実施しており、分別収集をしていない都市は、千葉市、静岡市、岡山市、福岡市の4都市となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 20政令市中、福岡市を含めた4都市だけがリサイクルせず、燃やし続けています。先進都市としてSDGsを標榜しながら、資源物を燃やし続けることは、その理念との逆行にならないのか心配です。
 先月、国連のIPCC気候変動に関する政府間パネルの作業部会は、人間活動の影響で地球温暖化が進んでいることについて疑う余地がないと初めて断定する報告書を発表しました。国も地方も脱炭素社会を実現するため、温室効果ガス排出量の削減目標を掲げ、大量廃棄、大量リサイクルから脱却し、資源物を含むごみの総排出量を抑制する循環型に転換してきました。これは多少費用はかかりますが、20政令市中、16都市が取り組むごみ処理計画、環境対策です。
 福岡市がプラスチック製容器包装を分別せずに燃やしている理由をお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) プラスチック製容器包装の分別収集につきましては、既に分別収集を実施している都市の中には、その回収率が5割程度であり、残りは燃えるごみとして排出されている状況も見られることや、プラスチックごみとして回収した中の3割程度は、油汚れ等により不適物として熱回収されていることなどを踏まえ、福岡市が夜間戸別収集を実施している中、分別、排出時の市民負担、収集運搬や処理に係る経費及び環境負荷やリサイクルの効率性に課題があることなどを総合的に判断し、実施いたしておりません。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) リサイクルの効率性に課題があるので分別収集はしませんとの回答でした。リサイクルするのに効率性は関係ありません。循環型社会形成推進基本法では、資源物であれば、あくまでもリサイクルさせる、これ以上リサイクルできないというものだけを燃やしていいことになっています。廃棄物の処理の際に発生する熱をエネルギーとして回収するサーマルリサイクルは、この法律では既にリサイクルとは呼びません。また、ほかのリサイクルと比較することすら適切ではないとされていますが、これが福岡市がやっているリサイクルの一部です。リサイクルに回したほうがCO発生量を必ず抑えていく、このことは国が調査したデータでも明らかです。
 取りも直さず、カーボンニュートラル、脱炭素社会の基本は燃やさないということです。脱炭素社会へ向けてのごみ処理計画、第5次福岡市一般廃棄物処理基本計画の中で、重点3品目の一つであるプラスチックごみには、どのような削減目標を立て、どのような具体策が進められていくのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) プラスチックごみの削減目標と施策につきましては、令和3年8月に策定しました第5次福岡市一般廃棄物処理基本計画におきまして、国のプラスチック資源循環戦略などを踏まえ、不要なものを断るリフューズの推進や、マイバッグ、マイボトルの普及促進による発生抑制に取り組んでいくほか、使い捨て食器等のワンウエープラスチックについて、バイオマス素材等への転換による代替素材の普及を促進するとともに、プラスチックのリサイクルの在り方を検討してまいります。また、削減目標につきましては、家庭から排出されるプラスチックごみの焼却量を2030年度までに3,000トン減らすこととしているほか、取組指標としまして、レジ袋の辞退率や簡易包装商品の購入率、マイボトルの持参率などを設定いたしております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 掲げられた削減目標、9年間で3,000トンというのは、現在燃やされている1年間のプラスチック資源物4万4,000トンの15分の1であり、脱炭素社会へ向けての目標にはなり得ません。具体策も民間に厳しく、行政に甘い取組と言わざるを得ません。国際社会から厳しい目を向けられているプラスチックごみの対策は、国全体で取り組む必要があります。
 本年6月に成立したプラスチック資源循環促進法に基づき、国は企業や自治体に求める対策を政令や省令で定め、来年4月の施行を目指していると大きく報道されました。この法律の目的、自治体に求められている内容、そして、今まで先進的に取り組んできた自治体にはどのようなメリットがあるのか、具体的にお示しください。
 
○副議長(山口剛司) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律の目的につきましては、多様な物品に使用されているプラスチックに関し、包括的に資源循環体制を強化し、製品の設計から製造、販売、廃棄物処理までの各段階に関わるあらゆる主体によるプラスチック資源循環等の取組を促進するための措置を講じるものでございます。地方自治体においては、プラスチック廃棄物の分別収集及び再商品化に必要な措置を講ずることに努めるものとされております。なお、プラスチック製容器包装の分別収集をしている都市のメリットにつきましては、プラスチック製容器包装の分別収集に、法律で新たに対象となる玩具などのプラスチック製品を併せて収集する体制への移行が容易であるものと考えられます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 今、局長がお答えになった、最後にお答えいただいた部分が大事なところなんです。今後、プラスチック製品であるバケツ、洗面器、おもちゃなどなど、どのように分別しているのか自治体に求められます。そして、プラスチック系ごみとして一括回収するための自治体の費用は、今後、地方財政措置される見込みであるということもポイントになります。
 第5次福岡市一般廃棄物処理基本計画は、5年後に見直しが行われると聞いております。国の法律の趣旨を踏まえて、プラスチック系ごみの拠点回収や分別収集も含め検討していただき、対策としての方向性だけは示していくべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 第5次福岡市一般廃棄物処理基本計画につきましては、今後の社会状況の変化等に対応するため、10年間の長期ビジョンと5年ごとの具体的な施策を定める実行計画で構成しております。プラスチックごみのリサイクルの在り方につきましては、今後示される国の政省令等を見ながら、拠点回収や分別収集も含めて課題の整理を行い、今後の方向性について検討を行ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) ありがとうございます。よろしくお願いしておきます。
 もう一つの家庭ごみの中の資源物、古紙、紙類のことをお尋ねいたします。
家庭ごみの燃えるごみのうち、資源化が可能な古紙、紙類は全体でどれくらいの量となるのか、お尋ねいたします。また、それは家庭ごみ排出量の何%を占めているのか、お示しください。
 
○副議長(山口剛司) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 家庭から排出される可燃ごみの中に含まれている資源化が可能な古紙の量につきましては、組成調査結果に基づく推計によると、令和元年度は4万4,083トンとなっており、家庭から排出される可燃ごみ量の約16.4%となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) リサイクルできるのに燃やしている古紙、紙類の年間量は4万4,083トンとなり、家庭ごみの16.4%を占めていました。リサイクルできるプラスチック製容器包装と合わせると、燃やしている家庭ごみの中には33%の資源物が入っているということです。
 この古紙、紙類のリサイクルとして中心的な取組となっているのが地域集団回収です。その古紙、紙類の回収量を平成21年度、平成26年度、令和元年度でお示しください。
 
○副議長(山口剛司) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 地域集団回収における古紙回収量につきましては、平成21年度が3万5,956トン、26年度が3万541トン、令和元年度が2万1,809トンとなっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 頼りにしてきた地域集団回収量も5年ごとに約5,000トンずつ減少しています。私の地域もそうですが、集団回収を支えてくださる人材の減少はどうにも止まりません。それではどうするか。
 昨年10月から、事業系ごみの古紙の分別が始まりましたが、搬入されたリサイクルベースの実績をお尋ねします。また、10月より排出事業者が古紙問屋さんと直接契約をしリサイクルされた総量もお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 事業系古紙を受け入れ、選別処理を行っている施設である福岡市リサイクルベースへの搬入量につきましては、令和2年10月から令和3年3月までの合計で5,644トンとなっております。また、古紙を排出する事業者から古紙回収業者が回収した量につきましては、民間事業者間の取引であり、把握いたしておりません。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) リサイクルベースへの搬入による排出事業者のメリットは何なのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) リサイクルベースへの搬入による排出事業者のメリットにつきましては、リサイクルベースにおける処理手数料が市の清掃工場における処理手数料の半額であること及び施設で選別を行うため、様々な種類の紙を1つの袋にまとめて出すことができ、分別の手間が省けることが考えられます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) リサイクルベースの実績からのごみ処理の削減効果についてお尋ねをいたします。
 
○副議長(山口剛司) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) リサイクルベースの実績から見た市のごみ処理経費の削減効果につきましては、令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、単純に比較することはできないと考えておりますが、事業系ごみ処理量が減少している中でも、令和2年度の10月から3月までのリサイクルベース搬入量は、令和元年度の10月から3月までと比較して、約1,700トン増加しており、その増加量に基づき試算しますと、市のごみ処理経費としては約3,000万円の削減効果があったものと考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 昨年10月から排出する事業者が古紙問屋さんと直接結んだ契約で収集された古紙の総量は、組合役員さんにお聞きしたところ、半年で約3,000トンだったとのことでした。今お答えいただいた削減効果に当てはめると、約5,000万円の削減となります。リサイクルベースの実績と合わせて、半年間で約8,000万円の処理経費の削減効果が出たことになります。分別収集を行えば、出す人も、収集する人も、福岡市も得をする。しかもCO削減効果も非常に高いのです。
 市民から家庭ごみでの古紙分別収集の要望を受けたことはありますか、お尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 家庭から排出される古紙に関して、市に寄せられる市民の声等において、古紙を分別して収集してほしいという意見を受けたことはございます。なお、令和元年度に実施しましたごみ・減量リサイクルに関する市民意識調査におきまして、ごみの分別に関するアンケートを実施しており、分別収集について、分別を増やすべきと回答した市民の割合は12.6%となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 家庭ごみでの古紙の分別収集を古紙問屋の組合さんから要望を受けたことはありますか、お尋ねをいたします。
 
○副議長(山口剛司) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 家庭から排出される古紙の分別収集に関する要望につきましては、古紙回収業者の組合から、近年、正式な要望としては受けておりませんが、意見交換を行う中で、一部からの意見としての要望はお聞きしております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) ごみ処理経費の削減効果の実績があり、市民からの声があり、古紙問屋組合さんからの要望もある。ぜひとも家庭ごみ古紙分別収集の道を開いていただきたいと要望いたしますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 家庭から排出される古紙の回収につきましては、これまで主に地域集団回収で行われており、地域集団回収が共創のまちづくりの理念に合致していることや環境教育の場になっていること、また、回収量に応じた報奨金が地域の活動資金になっているという現状がございます。一方で、高齢化等による回収の担い手等の課題もあることから、まずは地域や古紙回収業者とも協議しながら、地域集団回収における回収量の増加に向けた検討を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) ちょっと残念な回答でありましたが、最初のほうで20政令市の分別収集の状況を示してもらいましたが、プラスチック系ごみの分別収集も古紙、紙類の分別収集も両方とも一度もやっていない都市は、私たちの住む福岡市だけです。家庭ごみの分別は、カーボンニュートラル、脱炭素社会達成の大きな鍵を握っていると考えます。
 市民の方々も環境意識を大きく変えようとしています。その市民の皆さんとともに、どのような循環型社会をつくっていかれるのか、島市長の御所見をお伺いして、この質問を終わります。
 
○副議長(山口剛司) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市におきましては、人と環境に優しい持続可能な都市を目指し、環境負荷を低減し、都市の発展を持続させる福岡式循環型社会システムの構築に取り組んできております。楠議員御指摘のとおり、環境行政を取り巻く国内外の状況は大きく変化をしていることから、今般策定をした新たなごみ処理基本計画であります循環のまち・ふくおか推進プランに基づき、引き続きごみの減量、またリサイクルの推進に向け、福岡市に関わる全ての市民、事業者、団体等の皆様とともに、持続可能な社会を実現し、安全、安心な生活環境を将来世代に引き継いでいけるように取組を進めてまいります。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) ありがとうございます。
 次に、福祉避難所についてお尋ねいたします。
 本年4月、西日本新聞の1面のトップに「高齢者や障害者 どこに逃げれば…」、「福祉避難所 不足深刻」との大きな記事が掲載されていました。5年前の熊本地震では、福祉避難所が機能せず、災害による死者268人のうち8割、218人は避難生活による災害関連死であったと報道されていました。地震の災害で直接亡くなった方が50人、避難生活による災害関連で亡くなった方が218人だったことに衝撃を受けました。福岡市で災害が起こったとき、高齢者や障がい者の逃げる場所があるのか、守ってもらえるのか、今回ここをお尋ねしたいと思います。
 まず、福祉避難所とはどのような避難所なのか、お尋ねいたします。また、福祉避難所運営に各地で起きた災害の教訓がどのように生かされているか、具体的にお示しください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福祉避難所は、主として高齢者、障がい者、乳幼児、その他の特に配慮を要する方が滞在することを想定した避難所でございます。福岡市におきましては、あらかじめ協定を締結した高齢者施設等に開設することとしておりまして、避難の際は、まずは一時避難所である公民館等へ避難していただき、配慮が必要な状況等を確認の上で、二次避難所である福祉避難所へ移っていただくことといたしております。
 各地での災害の状況も踏まえた対応につきましては、台風や大雨などの情報に基づき、あらかじめ各施設に避難者受入れの可否を確認し、避難が必要な方の迅速な受入れを図ることといたしております。また、円滑な運営に向けた施設の受入れスペースや設備の状況、受入れ可能な障がいの種別などの把握や、大規模災害に備えた福祉避難所の拡充に取り組んでおります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) では、その福祉避難所に避難できる方について、市のホームページにはどのように掲載されているのか、お尋ねをいたします。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 市のホームページには、福祉避難所の対象者として、日常生活に介助や常時見守りが必要な、食事や排せつ、移動が一人では困難な方、家族の付添いがなく、常時介護が必要な方、重度の知的障がいがある方、胃ろう、寝たきりの方などと掲載いたしております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 福岡市の告知の仕方は、福祉避難所に避難できる人を厳しく制限しているように感じます。
 お隣の熊本市のホームページでは、福祉避難所に避難できる方、対象者はどのようになっていますか、お尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 熊本市のホームページには、高齢者、障がい者、乳幼児、その他の特に配慮を要する方と掲載されております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) お隣の北九州市も神戸市も同様です。条件をつけている都市はどこもありません。福岡市の告知の仕方では、ほとんどの人が福祉避難所への避難を諦めてしまいます。
他都市と同様の告知へと変えるべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 市ホームページにおきましては、どのような方が福祉避難所の対象者となるのか、具体例を挙げる形で掲載をしているところでございますが、他都市の事例を参考に、より分かりやすく、正しく伝わるよう、内容の見直しを行いたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 弱い立場の人たちを救うために、時間をかけずに、よろしくお願いいたします。
 障がいのある方から、私たちはどこに避難したらいいのでしょうかとよく尋ねられます。高齢者団体、障がい者団体などから、指定避難所や福祉避難所に対してどのような要望を受けていますか、お尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) これまでに障がい者団体から、福祉避難所の箇所数の増加、事前公表や直接避難の実施などの要望をいただいております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) では、その福祉避難所の箇所数は幾つあるのか、3年間の推移でお示しください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福祉避難所の箇所数につきましては、各年3月末現在で、平成31年が102か所、令和2年が109か所、3年が115か所となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 福祉避難所の数は若干増加していますが、115か所。もともと福祉事業を行いながら、空きスペースに避難者を受け入れるところが115か所です。福岡市には要介護の高齢者が約5万人、2級程度以上の障がいのある方が3万人、合わせて8万人を115か所で受け入れることは当然不可能です。福祉避難所へ避難するために、障がいのある人たちは一般指定避難所へ行くわけですが、そこへの移送はごく僅かになり、そもそも迷惑をかけると思っているので、指定避難所へはますます行きづらくなるのです。
 もう一つよく尋ねられるのが、高齢者、障がい者が通所サービスを利用中に大きな災害が発生した場合です。避難所はどこになるのか、お示しください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 高齢者や障がい者が日中のサービスを利用している際に災害が発生した場合、利用している施設や周辺地域の被災の状況などにより、施設内の安全が確認された場所にとどまったり、施設の職員とともに最寄りの避難所に避難するなど、各施設における非常災害対策計画に沿って対応することとなっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 最寄りの避難所と簡単に言われますが、障がい者などが自宅のある地元ではなく、遠く離れたサービス事業所周辺の避難所を利用するとき、そこで自分たちを受け入れてもらえるのかどうかが心配なのです。
障がい者施設側とその避難所運営側の連携が取れているのか、お尋ねをいたします。もし取れていないのであれば、早急に連携を取るべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 障がい者施設と避難所運営に携わる地域との連携につきましては、それぞれの施設によって様々ではございますが、令和3年4月に施行された厚生労働省令により、施設における避難訓練に地域住民の参加が得られるよう、地域との連携に努めるとされたことを踏まえ、今後、市としても施設と地域住民との連携強化に向けて支援をしていきたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 皆さんが避難に対してちゅうちょすることがないよう、しっかり連携強化をお願いしておきます。
 次に、本市は特別支援学校を福祉避難所に指定されていますが、そこに至った背景をお尋ねいたします。また、受入れの対象者をお示しください。
 
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 指定の背景については、平成28年に発生した熊本地震の際に、現地で支援活動に従事した発達教育センターの職員が、障がいがあることによって、多くの方が安心した避難生活を送ることができないという状況を目の当たりにしたことや、さらに、報道等でも災害時における障がい者の避難について話題となったことから、福岡市としても災害が発生した場合において、障がいのある子どもとその家族が安心して避難生活を送ることができる環境を確保する必要があると考え、特別支援学校をこども福祉避難所といたしました。また、受入れ対象者は、在籍児童生徒とその家族を想定しております。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 平成28年の熊本の震災での教訓がここでは生かされています。教訓は本来であれば、本市福祉避難所全体の運営に生かされるべきと考えます。要望しておきます。
 指定避難所を経由せず、児童生徒とその家族が直接避難できる画期的な取組であると評価します。ただし、遠方から通ってくる生徒とその家族が目的の学校までたどり着くことができるのか、こども福祉避難所としての訓練を実施されるよう要望しておきます。
 福祉避難所とこども福祉避難所の備蓄内容をお示しください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福祉避難所につきましては、各施設において必要に応じて水や食料、毛布、タオルなどの備蓄を行っております。また、避難者の受入れに際して物資に不足がある場合は、施設と協議の上、対応することといたしております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) こども福祉避難所には、福岡市が公民館に公的に備蓄している量と同様に、水500ミリリットル入りのペットボトル240本、レトルトの御飯240食、レトルトの白かゆ50食、保存が利くパン240食を備蓄しております。以上です。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 物資に不足がある場合には、施設と協議の上、対応することとしているというお答えは、市では協定を結んだ民間施設への提供を目的とした備蓄はないとのお答えです。特別支援学校も児童生徒とその家族が避難するとなると、300人を超えるところもあります。1日分にも満たない備蓄では命は守れません。後ほどまとめて提案いたします。
 また、福岡市の福祉避難所は非公開とお聞きしておりますが、なぜ非公開なのか、理由をお尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福祉避難所につきましては、市と協定を締結している施設が被災などにより福祉避難所として機能することが困難となる状況も想定されることや、対象とならない方が直接施設に避難された場合、混乱が生じるおそれもあることから、事前にその場所を広く公開するような取扱いは行っていないところでございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 今、局長がお答えになった逆のことが熊本市で起きています。熊本市は、5年前の震災時の教訓を生かし、福祉避難所の充実を図っています。先日、お話を伺ってきました。
西日本新聞に報道されたとおり、福祉避難所は機能せず、一番手を差し伸べなければならなかった弱い立場の人を避難所に受け入れることができませんでした。そこから問題解決に取り組まれています。熊本で実際に起きた状況は、指定避難所での生活が困難な高齢者、障がい者の方々が福祉避難所を知らなかったという現実でした。福祉避難所を知らないので、当然、迷惑をかけるであろう指定避難所には行きません。壊れた家屋で過ごすなど、危険な状態での生活を送っていたことが後で分かりました。
 また、福祉避難所として協定を結んでいた社会福祉施設に、一般の地域の方々が避難されてきたため、高齢者、障がい者など要配慮者を受け入れることができませんでした。避難してきた一般の方々も、そこが福祉避難所とは知らなかったのです。一部開設できた福祉避難所も、水や食料、生活物資が極端に不足し、物資の供給が始まるまで、水の供給を受けようと、職員さんたちが手分けをして指定避難所の長い列に並んだそうです。
 教訓を生かし、災害時に明らかになった課題を協議し、福祉避難所マニュアルを改定されていました。そして、非公開だった福祉避難所を、高齢者、障がい者の要配慮者の方々にも、一般の方々にも、どのような避難所なのかを知ってもらうため、公開に切り替えました。直接福祉避難所へ避難することはできませんが、自分の住んでいる近くに何か所福祉避難所があるかは明確に分かります。
 指定避難所でのトリアージ、優先順位を受けた後、近くの福祉避難所に移送となります。福祉避難所としての協定を結ぶ社会福祉施設の方々が現状をよく理解してくださり、熊本地震当時の協定数の倍以上、現在191か所と協定を結んでおられました。ちなみに、熊本市の人口は福岡市の半分以下の74万人ですが、協定数は福岡市の約2倍となっています。
 災害備蓄は、物資の供給、運搬体制が整うまでかなりの期間を要したこと、障がいを持った児童生徒とその家族が配食に並ぶことも困難だったことを教訓に、福祉避難所の中心施設を区ごとに決め、そこに備蓄体制をつくり上げていました。福岡市の発達教育センターの職員さんたちが見てきたとおりであります。
 熊本市だけの教訓ではなく、全国の災害報告や各団体からの要望を受け、国は福祉避難所の確保・運営ガイドラインの改定を本年5月に行いました。その内容をお示しください。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 改定の主な内容でございますが、指定福祉避難所について、受入れ対象者を特定し、あらかじめ指定の際に公示する制度の創設、地域防災計画や個別避難計画の作成を通じた指定福祉避難所への直接の避難の促進、避難所の感染症、熱中症対策や、衛生環境対策のための必要な物資の備蓄、緊急防災・減災事業債等を活用した指定福祉避難所の機能強化などとなっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 災害対策基本法等の一部を改正する法律が同じく5月に施行され、福祉避難所については、あらかじめ受入れの対象者を特定し、本人とその家族のみが避難する施設であると公示、公開することを明確化しました。そして、福祉避難所となる特別支援学校においては、自治体が人材の確保や備蓄等について必要な支援を行うこととされ、福祉避難所となる施設管理者とも連携し、必要な備蓄を図ることとなっています。また、他都市の事例集を通し、補助金を活用した備蓄整備への取組も奨励しています。
 お隣の熊本の教訓を生かし、国の改定ガイドラインに沿った福祉避難所の公表、協定数の拡大、想定される受入れ避難者の備蓄体制の構築を具体的に検討し、福祉避難所の確保、運営に積極的に取り組むべきと要望いたしますが、御所見をお伺いし、この質問を終わります。
 
○副議長(山口剛司) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福祉避難所につきましては、協定を締結する施設数の拡大に取り組むとともに、本年5月に改正されました災害対策基本法施行規則や福祉避難所の確保・運営ガイドラインを踏まえ、今後の在り方について検討を行っているところでありまして、この中で施設名称等の公表や、物資の備蓄体制についても検討を行ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) ありがとうございます。よろしくお願いをいたします。
 次に、道路照明灯一括LED化ESCO事業についてお尋ねをいたします。
 私は6年前の平成27年も道路照明灯のLED化について質問をいたしました。3万4,570基ある道路照明灯のうち、LED化が進んでいたのは2,853基で、僅か8%の進捗率でした。いろいろな手法を用いてLED化を進めてもらいたいこと、耐用年数が大幅に超えているものは検査してもらいたいこと、天神周辺のLED化は照明灯の色も形もばらばらで、統一されたデザインにしてもらいたいことなどを要望いたしました。
 まず、一括LED化ESCO事業でLED化がどれぐらい進んだのかお尋ねいたします。また、ESCO事業の仕組みを分かりやすく説明してください。
 
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 道路照明灯のLED化につきましては、平成24年度に着手して以降、毎年国庫補助を活用しながら工事を実施し、令和元年度までの進捗率は約32%でございました。その後、道路照明灯一括LED化ESCO事業により令和2年度に2万基のLED化工事を行った結果、令和2年度末現在の道路照明灯約3万8,000基のうち、約3万3,000基が完了し、進捗率は約87%となっております。
 また、ESCO事業の仕組みについてですが、受注した事業者が自らの資金によりLED化工事及びその後10年間の維持管理を行う一方、発注者である福岡市がLED化により削減される電気料金等の範囲内で、事業者にLED化工事や維持管理などのサービスに対する報酬としてESCOサービス料を10年間にわたり支払うものでございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) このLED化に際して福岡市の初期投資はなく、浮くであろう電気代で事業が進められ、しかも毎年一定の削減効果を最終利益として福岡市が得ることができます。
 令和3年度のESCOサービス料の支払い回数、時期、金額をお尋ねいたします。また、本市の最終利益額もお示しください。
 
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 令和3年度のESCOサービス料につきましては、支払い回数が4回、支払い予定時期は7月、10月、翌年1月、4月、支払い金額は1年間で約1億6,000万円となっております。また、削減効果額としましては、年間で約1億2,000万円を見込んでおります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 浮いた電気代の範囲内で事業者にサービス料を支払う、さらに浮いた電気代は福岡市の手元に残る、その金額が1億2,000万円です。
一括LED化事業によって削減される電気料金は、今後、道路照明灯の補修などに活用されるべきと考えます。活用されるのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 一括LED化事業による電気料金削減によって生み出される財源につきましては、道路照明灯の補修などの道路維持に活用してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 活用していくとのお答えでしたので、来年度予算を楽しみにしたいと思います。
 このESCO事業は契約日から2万基にも及ぶLED化完了まで、約1年間という短い期間での工事となりました。受託した事業者は、どのような業務を順番に行わなければならなかったのか、その内容をお示しください。
 
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 事業者の業務手順につきましては、福岡市が指定した道路照明灯2万基について、まずは現地調査を行い、柱の健全性などを目視点検した上で、LED灯具の機種選定を行い、工事を実施いたしております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) LED化が完了する間近、今年の2月以降、3か所の通りの方々から市民相談が上がってきました。1か所目は、LEDの工事があったのに暗くなったという相談です。2か所目は、ばらばらのLEDをちゃんときちっとしてもらいたい。3か所目は、倒れそうな照明灯が何本もあるということでした。1か所目は国体道路から桜坂に抜ける、はなみずき通りというところですが、確かに現地に行ってみると、20本以上のLED照明灯の中で相談者の近辺にある2本だけがぼんやりとした照明灯でした。周りは明るいのにそこだけ暗く感じます。確認すると、この通りの照明灯は全てESCO事業でのLED化の対象とできたのに、この2本だけがLED化されていないことが分かりました。2か所目も現地に行ってみると、親不孝通りの交番からあいれふの短い通りですが、ESCO事業でLED化されている照明灯とされていないものと、ばらばら状態になっていました。
 気になって中央区内を少し見て回りましたが、中央市民体育館の通りや北天神の通りも同じようにLED化は歯抜け状態になっていました。なぜこのような状態になるのか、なぜこのような非効率的な工事となるのか、御説明ください。また、受託事業者は工事の前に現地調査をすることになっています。工事が終わっても報告があります。なぜ2回ある報告時に気がつかないのか、御説明ください。
 
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) まず、ESCO事業の対象となる2万基の道路照明灯につきましては、福岡市が道路照明灯の台帳の中から選定を行い事業者に指示したものでございますが、選定に当たっては、柱の老朽化等により建て替えを計画しているもの、灯具が取り外せないような特殊デザインのものなどを対象外といたしておりました。議員御指摘の赤坂はなみずき通りなどにおいてLED化されていない照明灯が生じておりますが、これらにつきましては、選定基準に基づき対象外としたものに加え、道路照明灯の台帳に一部記載漏れがあったことにより、選定対象から外れたものでございます。
 次に、事業者がなぜ気づかなかったのかとのおただしですが、事業者は福岡市の指示に基づき対象となる照明灯のLED化工事を実施したものであり、対象外の照明灯についての調査報告までは求めていなかったものでございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) LED化の対象となっている道路照明灯は、福岡市が指示し、その番号どおりに事業者が工事をしたとのお答えでした。つまり、台帳に一部不備があったことにより、通りの中で配列どおりに選定できず、LED化が歯抜け状態になったとのことです。中央区のたった4つの通りでこれだけ台帳と違う、福岡市全体となれば相当数の不一致があったはずです。
ESCO事業によって判明した現地と違う情報の台帳の書換え、更新に早急に取り組んでいくべきと考えます。また、歯抜け状態となっているところにも工事を完了させる手だてを考えていくべきです。御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 道路照明灯の台帳につきましては、市内に約3万8,000基ある道路照明灯の設置位置やランプ種別などの情報を登録した道路維持管理システムにおいて整備しております。今回のESCO事業でLED化した2万基につきましては、工事完了後に台帳の更新を完了したところでございますが、議員御指摘の登録情報に不備があったものにつきましても、現地確認などを行いながら適宜更新を行ってまいります。また、今回対象外となったものも含め、LED化されていない道路照明灯につきましては、LED化推進事業の中で令和8年度の完了を目指し、引き続きLED化を実施してまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) 私は、台帳と違うということは、これは本当に問題があるんではないかなというふうに思っています。3か所目の市民相談は、倒れそうな照明灯が何本もある、大丈夫ですかということです。これが倒れそうな照明灯です。(パネル表示)大丈夫というふうに言われましたけど、私は危険だなと思います。もともと照明灯は傾いていてはいけません。受託事業者の現地調査で、この柱はLEDに不適当ですとなぜ報告されなかったのか不思議でなりません。
 照明灯の胴体部分が?離しているもの、大きな傾きのある照明灯、これは喫緊のうちに、我が会派が以前より要望している非破壊検査を行い、適切に対応していただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 御指摘の道路照明灯につきましては、事業者の現地調査において目視点検の結果、柱の塗装?離や変形はあるものの、重度の腐食や穴空きは見られなかったとの報告を受け、福岡市としましては道路照明灯を維持管理していく上で特段問題はないと判断し、ESCO事業の対象としたものでございますが、今回の御指摘を踏まえ、改めて現地の状況を確認した上で、超音波等を用いて内部の劣化状況を調べる非破壊検査等の実施を検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) そもそも北天神も大手門三丁目も公園に隣接し、美しいデザイン照明灯が歩道に設置されています。LED化されるべき2万基の照明灯は、それらのデザイン灯を含まず、全て道路照明灯でLED化を進めるべきでした。また、そのように進められると記憶しておりました。
 これは大手門三丁目と天神にあるデザイン照明灯です。(パネル表示)きれいな照明灯、公園の近くにあるので、30基ほどがきれいに並んでいるデザイン照明灯です。
 今回のESCO事業でLED化されなかった道路照明灯、いわゆる標準型の照明灯は何基ありましたか、お尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 今回のESCO事業でLED化の対象となる2万基を選定するに当たりましては、主に車道を照らすための標準的な形状をした照明灯を優先することとし、今回LED化した標準型照明灯は約1万9,050基で、お尋ねのLED化されなかった標準型照明灯は約1,650基となっております。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) その約1,650基の道路照明灯はなぜLED化されなかったのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 今回のESCO事業で対象外となった約1,650基の標準型の道路照明灯につきましては、選定段階において柱の老朽化等により建て替えを計画しているものや、道路整備に伴い建て替えや撤去を計画しているもの、また、事業着手後において事業者の現地調査で柱の腐食等により不適と判定されたもの、そのほか、道路照明灯台帳の不備により選定対象から外れたものでございます。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) 楠正信議員。
○25番(楠 正信) ESCO事業でLED化されたデザイン灯は約950基とお聞きしています。このLED化されなかった道路照明灯1,650基が今回のLED化に含まれていれば、デザイン灯をわざわざ数に入れる必要はありませんでした。どうしても2万基という数に合わせなければならず、対象外にすべきだったデザイン灯にも手を出してしまいました。今さっきの美しいデザイン灯は現在こんなふうになっています。(パネル表示)一度壊れたデザインは元には戻りません。
市民の方は、環境にいいだけでなく、デザインもいい、両方兼ね備えたものを求めています。舞鶴二丁目のあいれふのある通りや中央市民体育館のある通りなどは、きれいなデザイン灯がまだたくさん残っています。今後、一括LED化によりデザイン灯が今回のように壊されないよう、デザインはそのままで電球と配線を替えるユニット型のLED化を進めていくべきと考えます。他都市が取り組んでいるようにリースを活用し、ESCO事業と同じ、本市の初期投資なしで、このLED化は進められます。
 小さな通りごとに、デザインを守りながらLED化を確実に進めていただきたいと要望しますが、御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
 
○副議長(山口剛司) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) まず、福岡市の道路照明灯のLED化につきましては、国のガイドラインで示されている照明灯具の耐用年数15年を参考に、費用対効果等の観点から、照明灯具を一式更新することを標準として事業を進めております。今後、デザイン灯のLED化を進めるに当たり、特に景観への配慮が望ましい路線につきましては、照明灯具外箱を残して内部をLED化できるLEDユニット工法などを含め、十分比較検証した上で、最適な工法を採用してまいります。また、リース契約につきましては、現時点では国庫補助が活用できないなどの課題がございますが、他都市の導入状況なども調査しながら検討を行ってまいります。
 最後に、道路照明灯のLED化につきましては、議員からいただいた御指摘も踏まえ、通りごとのデザイン等に十分配慮しながら、しっかり取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(山口剛司) お諮りいたします。
 本日の会議はこの程度にとどめ、残余の質問は明8日の会議にこれを繰り延べたいと思います。これに御異議ありませんか。
      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 
○副議長(山口剛司) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次の会議は明8日午前10時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後5時22分 散会