令和3年6月17日(木)

令和3年第3回福岡市議会定例会
議  事  日  程 (第3号)
6月17日 午前10時開議
第1  一 般 質 問

本日の会議に付した事件
議事日程のとおり

出 席 議 員 (62名)
1番  稲 員 稔 夫       2番  鬼 塚 昌 宏
3番  堤 田   寛       4番  川 上 陽 平
5番  津 田 信太郎       6番  大 森 一 馬
7番  平 畑 雅 博       8番  伊 藤 嘉 人
9番  打 越 基 安      10番  川 上 晋 平
11番  阿 部 真之助      12番  淀 川 幸二郎
13番  勝 山 信 吾      14番  川 上 多 恵
15番  調   崇 史      16番  大 坪 真由美
17番  古 川 清 文      18番  高 木 勝 利
19番  新 村 まさる      20番  大 原 弥寿男
21番  今 林ひであき      22番  篠 原 達 也
23番  尾 花 康 広      24番  松 野   隆
25番  楠   正 信      26番  冨 永 計 久
27番  森   英 鷹      28番  南 原   茂
29番  おばた 久 弥      30番  山 口 剛 司
31番  大 石 修 二      32番  黒 子 秀勇樹
33番  藤 野 哲 司      34番  堀 本 わかこ
35番  中 島まさひろ      36番  天 野 こ う
37番  山 口 湧 人      38番  松 尾 りつ子
39番  井 上 麻 衣      40番  飯 盛 利 康
41番  はしだ 和 義      42番  浜 崎 太 郎
43番  堀 内 徹 夫      44番  綿 貫 英 彦
45番  森   あやこ      46番  福 田 まもる
47番  国 分 徳 彦      48番  藤 本 顕 憲
49番  倉 元 達 朗      50番  中 山 郁 美
51番  荒 木 龍 昇      52番  高 山 博 光
53番  ついちはら陽子      54番  田 中 たかし
55番  成 瀬 穫 美      56番  山 田 ゆみこ
57番  宮 浦   寛      58番  近 藤 里 美
59番  川 口   浩      60番  落 石 俊 則
61番  田 中しんすけ      62番  池 田 良 子

欠 席 議 員 (0名)

説明のため出席した者
市       長   島 宗一郎   副市長  光 山 裕 朗
副  市  長  中 村 英 一   副市長  荒 瀬 泰 子
水道事業管理者  坂 本 秀 和   交通事業管理者  重 光 知 明
総務企画局長  龍   靖 則   財政局長  松 本 典 久
市民局長  下 川 祥 二   こども未来局長  久 田 章 浩
保健福祉局長  舟 越 伸 一   環境局長   田 浩 輝
経済観光文化局長  天 本 俊 明   農林水産局長  中 村 健 児
住宅都市局長  西 野   仁   道路下水道局長  名古屋 泰 之
港湾空港局長  清 家 敬 貴   消防局長  内 村 弘 文
会計管理者  中 村 郁 子   教育長  星 子 明 夫
教育委員  町     孝   選挙管理委員会事務局長  内 藤 玲 子
人事委員会事務局長  柴 田 淳 司   監査事務局長  小 西 眞 弓

職務のため出席した事務局職員
議会事務局長  曽根田 秀 明   議会事務局次長  八 木 智 昭
議事課長  水 ア 亮 二   議事係長  重 松 孝 昭
外関係職員

午前10時 開議
○議長(阿部真之助) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、一般質問を行います。発言通告者のうちから順次質問を許します。森あやこ議員。
 
○45番(森 あやこ)登壇 おはようございます。私は緑の党と市民ネットワークの会を代表し、治験中である劇薬のコロナワクチン接種は自己責任であることの市民への周知について質問いたします。
 まず、昨年12月9日、各都道府県、保健所設置市衛生主管部(局)長宛て通知文、予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律等の施行についての説明及び改正の概要の中の予防接種に係る実施体制の整備や損失補償契約の締結についての説明をお願いします。
 以上、1問目を終わり、2問目からは発言者席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) お尋ねの通知文につきましては、新型コロナウイルスの予防接種実施体制及び損失補償契約に関する事項を関係機関に周知するものでございます。具体的には、新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの接種を予防接種法の臨時接種と位置づけ、厚生労働大臣の指示の下、市町村において予防接種を実施すること、また、ワクチン製造販売業者等を相手方として、ワクチンの使用による健康被害に係る損失を政府が補償する契約を締結できることとされたものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 改正によって臨時接種に位置づけられ、そして、ワクチン製造販売会社等の損失は国民の税金で行うことになっています。
 加藤官房長官は法改正前の11月19日の会見で、新型コロナウイルス向けワクチン接種については、国民各自の判断で行うことになるとの見解を示されましたが、現時点でもこの見解は変わらないのでしょうか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ワクチン接種につきましては、予防接種法に基づき努力義務とされております。なお、妊娠中の方に対しましては、努力義務は適用しないこととされております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) ワクチンの副作用などが明らかになっていない現状も踏まえた発言で、接種の是非は自ら選択することになると語り、一般論としてですが、御自身の接種は様々な状況を勘案して判断するとの御見解でした。
 そして、答弁のように、妊婦さんや授乳中の方は努力義務が外されています。これは承認前の臨床試験から除外され、これまでの使用経験が少なく、安全プロファイルが不明であるためで、今は副反応の発現状況を把握するために、通常の医薬品安全性監視活動が進められています。
 ここに医薬品インタビューフォームというのがあります。(パネル表示)これは解説になるものです。ここには市販直後の調査と書いてあります。販売開始後6か月の期間になっています。劇薬ということも、きちんとここに書かれています。取扱いを注意するということです。一旦このことを押さえた上で、ここからは新型コロナの感染症について確認などしていきます。
 まず、PCR検査の陽性判定は感染性の証明ですか。厚生労働省の見解をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 厚生労働省の通知によりますと、PCR検査とは、ウイルスの遺伝子を特異的に増幅させ、検体の中に遺伝子が存在しているか否かを定量的に確認する方法とされておりまして、PCR検査で陽性と判定されたことをもって新型コロナウイルスの感染性を証明するものではございません。なお、感染性につきましては、検査結果や臨床症状などから医師が総合的に判断するものと認識をいたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) PCR検査の結果だけで感染性を証明するものではないということ。
 では、新型コロナウイルスの日本における死亡率を人数と併せてお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 全国の死亡率につきましては、厚生労働省が公表しております令和3年6月2日時点の新型コロナウイルス感染症の国内発生動向によりますと、令和2年1月からの累計で陽性者73万7,086人に対し死亡者1万1,003人で、その割合は約1.5%となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) この数字は累計です。感染拡大と毎日毎日報道で流されると、本当に恐怖感が高まります。
 では、昨年の全国の死者数は増えているのか、過去2年分の死者数をお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 全国の死者数につきましては、令和元年が138万1,093人、2年は概数になりますが、137万2,648人となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 実際には自殺者が増えております。死者数は答弁のように減りました。
 厚生労働省の人口動態統計月報から出した数字を基にしたグラフです。(パネル表示)新型コロナの数字は15か月分になっています。ほかのは1年分で計算されています。コロナの死者は、全国の人からするとこの部分になります。
 そして、先ほどの新型コロナの死者数の数字の根拠となる死者数の定義を御説明お願いします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 死亡者数につきましては、厚生労働省の通知によりますと、新型コロナウイルス感染症の陽性者であって入院中や療養中に亡くなった方について、死因を問わず集計することとされております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 死因を問わずの意味を詳しく具体的に二、三、事例を挙げて御説明ください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 死因を問わずとは、新型コロナウイルス感染症を直接の死因とする方以外も含まれるものでありまして、例えば、他の疾患の増悪や、けがなどの外傷により亡くなられた方などが含まれるものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) この外傷には交通事故死も含まれるとのことです。
 それでは、私たちが住んでいる地域がどのような状況か、お聞きします。
 重症患者数、死亡者数累計、また、死亡者数のうち新型コロナ関連死とされる、まず国内、そして福岡県及び福岡市の人数を教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 厚生労働省や福岡県のホームページによりますと、令和3年6月7日時点で、まず全国では重症者が1,099人、死亡者累計が1万3,641人となっており、コロナ関連死は公表されておりません。次に、福岡県では重症者が62人、死亡者累計が482人で、このうちコロナ関連死が446人となっております。最後に、本市では重症者が29人、死亡者累計が171人で、このうちコロナ関連死が154人となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 確認ですが、死亡者累計と関連死の差は何か、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 死亡者累計と関連死の差につきましては、他の疾患の増悪や、けがなどの外傷により亡くなられた方など、新型コロナウイルス感染症を直接の死因としない方の数でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 厚労省の6月5日発表の死因が出ています。昨年の2020年、コロナ死と見る場所では3,466人──これは概数ですけど、なっています。インフルエンザの数字を見てみますと、2019年は3,571人、2018年は3,325人、この点、報道されているような状況とは違っております。我が子もインフルエンザで入院したことがあります。そのとき後遺症の心配が本当にありました。なので、これを甘く考えているわけでは決してありません。
 それで、ファイザー社とモデルナ社のメッセンジャーRNAについて、また、いつまでの治験となっているのかについても、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ファイザー社とモデルナ社のメッセンジャーRNAワクチンにつきましては、ウイルスを構成するたんぱく質の遺伝情報を投与することにより、体内でウイルスのたんぱく質を作り、そのたんぱく質に対する抗体が作られることで免疫を獲得する仕組みとなっております。また、いずれのワクチンについても、国内における臨床試験において発症予防効果が確認された海外での臨床試験と同等の傾向が見られたことや、複数の人種が組み入れられた海外試験において有効性が示されたことを踏まえて、新型コロナウイルス感染症の予防に対する有効性を期待して承認をされております。なお、薬事承認後は、ファイザー社は令和4年2月まで、モデルナ社は令和4年3月まで、製造販売後、臨床試験を実施することとなっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) どちらも、だから、今は臨床試験中ということです。
 コロナ向けワクチンの有効成分と添加物の説明をお願いします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 現在、福岡市で使用しておりますファイザー社のワクチンにつきましては、有効成分はトジナメランと呼ばれるメッセンジャーRNAで、添加物としましては、コレステロールやポリエチレングリコールなどが含まれております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) やっぱり懸念される添加物が入っているんですけれども、その一つであるポリエチレングリコールに関する注意点について御説明ください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) アメリカ疾病予防管理センター、いわゆるCDCによりますと、新型コロナワクチンに含まれるポリエチレングリコールに対し重いアレルギー反応を起こしたことがある方への接種は推奨されておりません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) それでは、劇薬、処方箋医薬品と書かれているコミナティ筋注の18番、薬効薬理のその1の作用機序に書かれている文章をお読みください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ファイザー社のワクチンの使用上の注意や用法、用量などが記載されております添付文書の作用機序の項目におきましては「本剤に含有される修飾ウリジンメッセンジャーRNAは脂質ナノ粒子に封入されており、それにより非複製性であるメッセンジャーRNAが宿主細胞に取り込まれ、メッセンジャーRNAにコードされる新型コロナウイルスのスパイクたんぱく質が一過性に発現する。本剤接種によりスパイクたんぱく質に対する中和抗体産生及び細胞性免疫応答が誘導されることで、新型コロナウイルスによる感染症の予防に寄与すると考えられている」と記載されております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) ワクチンを接種した患者に関する初の死後研究事例と題して、国際感染症学会誌に今月掲載された論文、これは私も今朝、この情報を知ったんですけれども、死後の分子マッピングにより、検査したほぼ全ての臓器ウイルスRNAが発見されたと書かれてあります。スパイクたんぱく質をメッセンジャーRNAが生み出し、寄与するどころか、その男性は死亡したと書かれております。
 では次に、21の承認条件、21の2の文章をお読みください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 添付文書の承認条件21の2の項目には「本剤は、医薬品医療機器等法第14条の3第1項の規定に基づき承認された特例承認品目であり、承認時において長期安定性等に係る情報は限られているため、製造販売後も引き続き情報を収集し、報告すること」と記載されております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) これは、だから、情報が限られているということは、まだ情報がないということなんですね。長期の安定性ということは、まだ安全性は見られないということなんです。できたばかりです、これは。
 それから、21の承認の条件の21の4の文章をお読みください。お願いします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 添付文書、承認条件21の4の項目には「現在国内外で実施中又は計画中の臨床試験の成績が得られた際には、速やかに当該成績を独立行政法人医薬品医療機器総合機構に提出するとともに、本剤の有効性及び安全性に係る最新の情報を、医療従事者及び被接種者が容易に入手可能となるよう必要な措置を講じること。また、国が行う本剤の有効性及び安全性に係る情報の発信について、適切に協力すること」と記載されております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) ここにもきちんと試験中ということが書かれています。
 では、21の5には何と書かれていますか。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 添付文書の承認条件21の5の項目には「本剤の接種に際し、本剤の有効性及び安全性については今後も情報が集積されることを踏まえ、あらかじめ被接種者又は代諾者に最新の有効性及び安全性に関する情報が文書をもって説明され、予診票等で文書による同意を得てから接種されるよう、医師に対して適切に説明すること」と記載されております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 医師に説明するのは、接種を実施する自治体としての責務もあると思います。
 次に、福岡市として副反応の報告の出し方について、その説明をお願いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 副反応疑いの報告につきましては、予防接種法に基づき、医師が、予防接種を受けた方がアナフィラキシー等の症状を呈したことを把握した場合には、厚生労働大臣に報告することとされており、指定の報告様式に症状の概要等を記載し、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に提出することとなっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) こうやって報告を上げなければいけないんですけれども、一人暮らしの方が接種後、孤立死をされ、発見が遅れた場合、報告はきちんと上げられるのか、ちょっと疑問に思っています。
 少し長くなりますけど、接種要注意者についての説明をお願いします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 厚生労働省の新型コロナウイルス感染症に係る臨時の予防接種実施要領によりますと、接種要注意者につきましては、過去に免疫不全の診断がなされている者や心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患などに該当すると認められる場合は、被接種者の健康状態及び体質を勘案し、慎重に予防接種の可否を判断するとともに、説明に基づく同意を確実に得ることとされております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 接種の先行の中に基礎疾患を有する方の要件が書かれています。その診断書は必要ないということ。だけど、この要注意のところに心臓だったり、肝臓、腎臓、そういった面の注意がなされているんですけど、この病気を持っている方は優先接種の基礎疾患を有する方というふうに指定されています。少し矛盾を感じております。
 そして、ちょっと次に進みます。予診票の確認についての説明をお願いします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 厚生労働省が定める予診票の様式には、接種される方の予防接種の効果や副反応などへの理解、現在治療している病気の確認などについて本人が回答する欄が設けられており、医師がその内容を確認しながら問診、診察を行い、予防接種の可否を判断することとなっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) けいれんを起こしたことのある方についての説明をお願いします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 厚生労働省のホームページによりますと、けいれん発作が起こる方につきましては、小児期の熱性けいれん等の既往のみでは接種不適当者には該当せず、また、現在においてけいれん発作が起こる方も、けいれん発作状況がよく確認されており、病状と体調が安定していれば、主治医や予診医が適切と判断した場合には接種をしても差し支えないとされております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) では、この場合、副反応に対しての責任の所在はどこにあるんでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ワクチン接種につきましては、強制ではなく、予防接種による感染症予防の効果と副反応のリスクの双方について理解をした上で、本人の同意に基づいて接種を受けていただくものでございます。なお、一般的に予防接種に伴う副反応は、関係者に過失がない場合にも起こり得ることから救済制度が設けられておりまして、新型コロナワクチンの接種についても、健康被害が生じた場合には、予防接種法に基づき、医療費の自己負担分や医療手当等の給付を受けられることとなっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 自らの意思ということは、サインをすれば自己責任になるということです。
 現在の国民、そして福岡市民のワクチン接種者数、そして、福岡においては副反応状況について教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ワクチンの接種回数につきましては、令和3年6月14日時点で、日本全国で約2,503万回、福岡市で約22万回でございます。また、予防接種法に基づき国に報告された福岡市民の副反応疑い報告は、倦怠感や発熱などといった症状を含めて66件となっております。国において、ワクチン接種との関連について専門家による評価が行われることとなっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 死者も出ているというふうにはちらっと聞いたんですけれども、お答えにはなられなかったですね。
 副反応の症状についての説明で、実際の症状の事例、そして、厚生労働省のホームページにある全体の報告件数、それから、死亡として報告された事例の副反応報告内容を教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ワクチン接種による副反応につきましては、厚生労働省のホームページによりますと、令和3年5月30日現在で約1,300万回行われたワクチン接種のうち、副反応疑い報告は、接種との関連なし、または評価不能とされたものも含めて1万675件となっており、接種部位の痛み、発熱、頭痛、倦怠感等の症状が多く報告されているところでございます。また、6月4日までに報告された死亡事例は196件であり、このうち専門家による評価が行われた139件については、心不全等の心臓障害、くも膜下出血等の神経系障害等が死亡要因として多く報告されておりますが、いずれも情報不足等により接種との因果関係は評価できないとの結果となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 日本で起きている死亡事例、三、四日ぐらいに脳出血を起こしている事例をいろいろ見てみますと、接種で体に負担を助長した可能性があると報告者の──この検討委員会の評価があるものもあります。状況的に関係があるというふうにされるも、病理解剖、そしてワクチン前検査、それをしていないから、死因を推定するための情報が著しく乏しいという評価になっているということです。これを見たら、頭痛、胸痛、腰痛、それから背中が痛い、そして、知っている方は頭の後ろが痛いと言っていました。病院の先生のお話によると、こういうときは即CTを撮ってくださいと言われていました。
 それから、副反応や死亡例の情報について、きちんとこの状況を市民は理解できる状況にあるのでしょうか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ワクチン接種後の副反応の事例につきましては、厚生労働省のホームページで詳細に公開されております。また、副反応などワクチンの安全性について、市政だよりやホームページのほか、接種券に同封したお知らせに記載するなど、ワクチンに関する正しい情報の積極的な発信に努めております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) これが配られているんですね。(パネル表示)接種券と一緒に。ここにどんなワクチンでも副反応が起こる可能性がありますというふうには書いてくださっています。そして、そこから何とかホームページを使って入れば、これが出てきますけど、(パネル表示)めちゃくちゃ小さいです、これは画面で。そして、ここにはちゃんと死亡したというふうに──持病が悪化したり、原因は分からないけれども、死亡したということも書いてあるんですけど、本当に小さくしか書いてありません。こういう状況が今起こっています。
 そして、お医者さんに関わることなんですけれども、ヒポクラテスの誓い、これについての説明をお願いします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ヒポクラテスの誓いとは、古代ギリシャの医師であるヒポクラテスによる医師の職業倫理について書かれた宣誓文とされておりまして、私は能力と判断の限り患者に利益すると思う養生法を取り、悪くて有害と知る方法を決して取らないなどといった内容が記載されているものと承知をしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 劇薬と書いてあるワクチンであっても、治験中だから接種を勧めているのかなというふうにちょっと受け止めてしまいました。
 接種会場にも医師がいますが、十分な問診、診察ができているのでしょうか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 集団接種会場につきましては、医師がワクチン業務に従事しており、来場者が記載した予診票等に基づき問診や診察を行うなど、接種の可否について必要な予診を行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) いろんな人から声がかかってきます。接種後すぐに帰られている病院もあります。お年寄りがわんさか来られるので、密にならないようにとどんどん送り帰されている状況も聞いています。実際にあります。なかなか十分な対応は取れていないのではないかと思っております。
 それから、子どもの接種が始まっております。「コロラド州、15歳の少年、2日後に死亡。フロリダ州、1歳男児、2日後に死亡。バージニア州の2歳女児、5日後に死亡」というふうに臨床試験ではなっております。
 20代までの人たちはコロナでの死亡者ゼロです。長期的副作用は不明の治験中のものを未成年者に打たせるのはなぜでしょうか。それで死亡したり、副反応が強く出て、つらい暮らしを強いられたりしたら、その責任は誰になるのでしょうか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 新型コロナワクチンにつきましては、接種のメリットが副反応のデメリットを上回っているとして国はワクチン接種を勧めておりますが、接種を受けることは強制ではございません。なお、16歳未満の場合は、予防接種による感染症予防の効果と副反応のリスクの双方について理解をした上で、保護者が同意をし、接種を受けていただくものとされております。また、一般的に予防接種に伴う副反応は、関係者に過失がない場合にも起こり得ることから救済制度が設けられており、新型コロナワクチンの接種についても、健康被害が生じた場合には、予防接種法に基づき、医療費の自己負担分や医療手当等の給付を受けることができることとなっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 強制ではない接種をして、死亡や重度の後遺症が残れば、それは自己責任ということですね、お聞きします。そして、現在、コロナワクチン接種での死亡給付の実績はありますか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 予防接種につきましては、一般的に副反応は関係者に過失がない場合も起こり得ることから救済制度が設けられており、新型コロナワクチンの接種についても、健康被害が生じた場合には、予防接種法に基づき、医療費の自己負担分や医療手当等の給付を受けることができることとなっております。国によりますと、現時点で新型コロナワクチンの健康被害救済制度による死亡補償を行った実績はないとのことでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 200人ほど報告が上がっただけでもいらっしゃる。そうだけど、補償はできていないということです。
 では、コロナ陽性者の抗体についての見解、ワクチンの必要性についてお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 新型コロナウイルスに感染した際に抗体が作られ、一定期間維持されるという研究結果もございますが、現時点で国において感染後の抗体とワクチン接種の必要性の関係については言及をされておりません。なお、厚生労働省によれば、既に新型コロナウイルスに感染した方も接種を受けることができ、接種前に感染したかどうかを検査して確認する必要はないとされております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) ワクチンの歴史は、流行が収まった頃にワクチンが出回るとも言われていますが、劇薬であるコミナティ筋注などのワクチン類を接種した方は、濃厚接触者になったときや風邪の症状が出た場合、PCR検査はしなくていいのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 濃厚接触者になった場合や、発熱等の風邪症状があり、医師が必要と判断した場合は、ワクチン接種の有無にかかわらず、PCR検査等を行うこととなります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) ワクチン接種をされた方が検査をした場合、陽性になることもあるのか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 厚生労働省によりますと、新型コロナワクチンを接種してから免疫が得られるまでに1週間から2週間程度要することや、例えば、ファイザー社のワクチンでは発生予防効果は約95%とされ、100%の発症予防効果が得られるものではないことから、ワクチンの接種後でも新型コロナウイルスに感染する場合があるとされており、検査で陽性になる場合がございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) それでは、ワクチン類を接種した方としていない方で、陽性、陰性者の隔離や解除の判断などの取扱いは変わるのか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ワクチン接種の有無にかかわらず、検査結果に基づく感染症法上の取扱いに違いはございません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきであるとしています。附帯決議が出されています。その政府の責任であって、接種を実施する当該自治体として福岡市はそれを遵守する責任はないのでしょうか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 附帯決議につきましては、政府が講ずるべき措置について示されているものであり、国はこの附帯決議を踏まえ、施策を実施しているところでございます。本市におけるワクチン接種につきましても、国が発出する通知等に基づき実施していることから、附帯決議の内容が反映されたものとなっているものと認識をしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) では、附帯決議の2番、5番、6番、8番をお読みください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 附帯決議の内容でございますが、2は「新型コロナウイルスワクチンを接種していない者に対して、差別、いじめ、職場や学校等における不利益取扱い等は決して許されるものではないことを広報等により周知徹底するなど必要な対応を行うこと」、5は「新型コロナウイルスワクチンによる副反応を疑う事象について、広く相談窓口を設置し、国民に周知すること。また、海外における情報も含め、医療機関又は製造販売業者等から迅速に情報を把握し、情報公開を徹底するとともに、健康被害が拡大することのないよう、的確に対応すること」、6は「新型コロナウイルスワクチンには、新しい技術を活用したワクチンが含まれることを踏まえ、接種に伴って健康被害が生じた場合の健康被害救済制度について、広く周知を図るとともに、迅速、円滑な運用に努めるなど的確に対応すること」、8は「新型コロナウイルスワクチン接種の対象者の選定及び優先順位の決定に当たっては、科学的根拠に基づいて行うとともに、その理由を国民に丁寧に説明すること」となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 厚生労働省が出している副反応の報告、市はどのように通知されるのか、そして、行政や医師はその副反応について「知らなかった」が通用するのか、市民は知る必要はないのでしょうか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 副反応報告の内容につきましては、市民がワクチン接種を行うかどうか判断するに当たり重要な情報であることから、厚生労働省や市のホームページにおいて広く公開しているほか、接種医療機関に対して副反応報告の内容を確認するよう案内するとともに、マニュアルで予診を行う際のポイントを示すなど、安全に接種を行うために必要な情報を周知しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 質問をちょっと飛ばします。保健福祉局と市民局、両方にお伺いします。
 実際、現場では同調圧力でパワハラが起こっております。パワハラ、差別、同調圧力、これは起こっても仕方がないのか、絶対に駄目だと考えているのか、確認します。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ワクチン接種の有無による差別やパワーハラスメントはあってはならないものと考えております。引き続き、ワクチンの正しい理解につながる情報の提供、啓発に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) ハラスメントや差別的な取扱いを行うことにつきましては許されることではないと考えており、今後とも、国や県、関係局と連携した啓発に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 昨日の答弁で、いずれのワクチンも有効性と安全性が確認されていますので、皆さんに接種をお勧めしていますとの答弁があっておりました。本当に亡くなられた方が実際にいらっしゃいます。原因はほかには考えられないと言われています。
 亡くなられた八女市の26歳の看護師さんのお母さんとお話ができました。「本当に太陽のようにいつも笑顔で、周りを明るくしてくれていた子。本人は接種したくなかった。病院勤めで責任を感じて打ったんだろう。これ以上つらいことはない。もう戻ってはこない。ほかの親御さんたちにはこんな思いはさせたくない」。血栓ができていたところの頭の後ろが痛いと言っていたそうです。自己判断で治験や調査、これに参加して自己責任になるのです。決して他人事ではないのです。薬も開発はされております。子どもたちへの接種は特に心配です。マスクについても、リスクがあります。ぜひ子どもたちへの接種は止めていただきたい、そう思っております。ちょっと長くなりましたけど、飛ばしましたけど、これで私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう)登壇 私は福岡令和会を代表して、感染不安で登校できない子どもたちへの支援について質問をします。
 コロナ禍による学校現場における影響は長期にわたっており、中でも感染不安で登校ができない子どもたちが、本市に限らず全国各地で生じております。本質問においては、該当する子どもたちに関する把握状況や支援体制に関してお尋ねをしてまいります。
 初めに、学校における新型コロナウイルスによる直近の感染症発生状況とこれまでの推移に関してお尋ねをします。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は発言者席にて質問をします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 直近の状況について、5月の1か月間の感染者数で申し上げますと、小中学校合わせて171名で、これまでの最多だった令和3年1月の108名を上回っております。その推移としましては、全市的な傾向と同様に5月中旬をピークに減少傾向にあります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) 5月はこれまでで最も多い感染者が発生したようでしたが、現在は減少傾向ということです。
 では次に、感染不安で登校できていない児童生徒数とこれまでの推移をお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 令和3年6月14日時点での人数を申し上げますと、小中学校合わせて230名で、その推移としましては、令和3年1月下旬の1,225名をピークに減少傾向にあります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) 6月14日時点で230人、ピーク時の1,225人と比較をすると、感染者数の減少傾向に応じて少なくは感じますが、まだ依然として相当数の児童生徒が感染不安を理由に欠席をしております。
 感染不安で登校できない児童生徒に対して、オンラインによる学習支援を行っていると聞いております。支援内容の詳細に関してお尋ねをします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学びの継続を図ることを目的とし、ビデオ会議サービスを活用して、学校と家庭をつないでの双方向によるオンライン授業を実施しており、福岡 TSUNAGARU Cloudで公開している学習動画やAIドリルも活用しております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) 感染不安で登校できなくても、家にいながらオンライン学習で参加できることはすばらしいことだと思います。オンライン参加であっても出席扱いにしていると聞いており、これまでにない画期的な取組が行われております。
 一方で、感染不安で登校できておらず、なおかつ、オンライン学習にも十分に参加できていない子どもたちの状況も気になります。
 家庭の状況によって様々な背景があるかとは思いますが、登校できない理由として、児童生徒本人の意向によるものが多いのでしょうか、それとも保護者などの意向が強いものが多いのでしょうか、お尋ねをします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 教育委員会において、児童生徒等の意向を逐一確認しているわけではございませんが、各学校においては欠席の連絡を保護者から受けており、児童生徒と相談の上、連絡されているものと理解しております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) 当然のことながら、各家庭において児童生徒と保護者が話し合って欠席をしているものと思いますが、その感染不安にどのような背景があるのか、もう少し教育委員会として詳細な把握が必要ではないでしょうか。これだけコロナ禍が長期化をすれば、感染不安による欠席が単発的な児童生徒もいれば、長期化している児童生徒もいるのではないかと思います。
感染不安で登校できていない児童生徒がどの程度長期化をしているかなど把握をしていますでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 長期欠席児童生徒については、各学校で調査した結果を毎月教育委員会へ報告することとしております。令和2年度の調査結果では、新型コロナウイルスへの感染不安のため、小中学校合わせて156名の児童生徒が年間累計30日以上登校できていない状況となっております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) 昨年度156人もの児童生徒が、いわゆる長期欠席をしていたということです。
 本年度も始まって2か月がたちますが、昨年度同様に欠席が長期化している児童生徒がいるのではないかと思います。もちろん長期欠席の理由も様々かとは思いますが、感染不安と一言で言っても、このように欠席が長期化している場合には、やはりその子どもたちの状況が心配になります。小中高生の自殺者数が昨年増加していることは多くの報道などで聞いてきました。本市教育委員会も昨年、全ての児童生徒に先生やスクールカウンセラーが面談を実施されたことも記憶に新しいところです。
 私は、本質問で取り上げている感染不安で登校できない子どもたちは、そのリスクが一般に登校できている児童生徒と比べて高いのではないかと考えています。オンラインによる学習保障も大切ですが、感染不安を抱える児童生徒や保護者に対して精神的なケアなども必要ではないでしょうか。
 感染不安で登校できない児童生徒や家庭の状況を教育委員会としてどこまで把握をしていますでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 感染不安を抱えた児童生徒や家庭の状況については、各学校で把握に努めているところで、教育委員会としては、まずは感染不安で登校していない児童生徒数に関して学校からの報告を受けております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) 各学校において把握の努力をされているとは思いますが、教育委員会としては、感染不安で登校していない児童生徒の人数のみを把握していると聞きました。
 そもそも感染不安というカテゴリーによる長期欠席理由は、今回のコロナ禍により初めて生じたものです。文科省も今年の3月に全国の教育委員会に、新型コロナウイルスの感染回避による長期欠席、その人数の調査依頼を行っております。
長期欠席の主要なカテゴリーの一つである不登校に関しては、不登校の要因をいじめなどの学校に係る状況や、家庭や本人に係る状況かどうかなど詳細な把握を行っております。要因把握にとどまらず、不登校児童生徒に対する相談、指導等の状況に関しても、適応指導教室の活用など9つの項目で整理をして、学級担任などの対応状況も、家庭訪問で本人と会っているのか、また、保護者と会っているのかなど7つの項目で細かく把握に努めております。一方で、今回の感染不安による長期欠席に関しては、不登校による長期欠席と別のカテゴリーであることから、既に述べたような詳細な把握は現在行われておりません。
 私は、感染不安による欠席が長期化している児童生徒の中には、もはや不登校に近い状況になっている、そういう子どもたちもいるのではないかと危惧をしております。今後は教育委員会として、先ほど述べた不登校児童生徒のように、感染不安によって長期欠席となっている児童生徒についても詳細な状況把握に努めていくべきではないでしょうか、御所見をお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 感染不安により長期欠席となっている児童生徒については、教育委員会として学校から定期的な報告を受けることとしており、今後は不登校児童生徒と同様に一人一人の状況の丁寧な把握に努めてまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) ありがとうございます。本年度も4月、5月と経て、感染不安による長期欠席児童生徒も今月から詳細な把握、集計が可能かと思います。
 感染不安という長期欠席カテゴリーが不登校カテゴリーと別であるからこそ、把握、支援の状況に違いが出ています。軽微な感染不安である場合は、そもそも長期欠席になりづらいと思います。ただ、感染不安で長期欠席となっている児童生徒に関しては、人数の集計上の違いはあるにしても、不登校児童生徒に準じた詳細な把握をぜひお願いいたします。
 これまでは感染不安による長期欠席児童生徒の把握状況に関してお尋ねしてまいりましたが、次に把握後の支援に関してお尋ねをします。
 不登校児童生徒に対する支援策として代表的なものに校内適応指導教室があるかと思います。現在において、感染不安を理由に登校できていない児童生徒に対して、校内適応指導教室などを活用している実績はありますでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 感染不安を理由に登校していない児童生徒に対しては、適宜オンライン授業を実施することにより学びの継続を図っているところで、校内適応指導教室などを利用しているという報告は受けておりません。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) 校内適応指導教室の活用実績は現在ないということでした。現状では、感染不安による長期欠席児童生徒は、不登校児童生徒に対する相談、指導において活用されている校内適応指導教室や児童相談所などによる支援の対象外になっています。
 今後は、感染不安で欠席が長期化している児童生徒に対して不登校支援の要素が必要であると判断できる場合には、校内適応指導教室などの活用を図っていくべきではないでしょうか、御所見をお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 登校していない状況が長期化し、不登校傾向が見られる児童生徒に対しては、校内適応指導教室などを活用し、担任や教育相談コーディネーターを中心に個に応じた丁寧な対応を行い、教室へ登校できるよう支援してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) ありがとうございます。御答弁いただいた教育相談コーディネーター、不登校対応教員などによる支援も含めてぜひお願いいたします。
 コロナ禍により、困難を抱えた児童生徒、保護者が増えているのではないかと思います。その兆候とも言える感染不安で登校できていない子どもたちの状況は、その困難性を把握する重要なきっかけにもなり得ます。
 児童生徒のみならず、家庭環境も含めて、必要であれば早期に適切な支援につなげていくことは福祉的な観点からも重要ではないでしょうか、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 御指摘のとおり、感染不安が長期化し、登校できない児童生徒の中には、家庭環境の変化が影響していることも考えられます。そのため、児童生徒の状況や家庭環境などの背景を丁寧に把握していくとともに、スクールソーシャルワーカーや関係機関と連携しながら適切な支援を行ってまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) よろしくお願いいたします。
 感染不安による欠席状況に関しては、感染状況の落ち着きに伴って減少していくと見ていた向きもあると思います。実際に現在は減少しているものの、まだ一定数の感染不安により欠席をしている児童生徒がいます。コロナ禍がワクチン接種も含めて落ち着けば、このような欠席している児童生徒は自然となくなるだろうと考えるのは楽観的過ぎます。ましてや、家庭におけるオンライン学習の活用により、休んでも問題ない、そういった状況から、どのように児童生徒や保護者に対してアプローチをすればいいのか、現場も判断が難しいのではないでしょうか。
 もちろん無理して登校させる必要はないのですが、どうすれば感染の不安が解消されるのか、各家庭の状況に合わせたアウトリーチな手法も含めて活用していく方向性を教育委員会が示す必要があると考えますが、御所見をお尋ねして、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い社会の閉塞感が増す中、児童生徒一人一人の心のケアに取り組んでいくことは大変重要であると認識しております。これまで、教育委員会として電話相談やSNS相談の充実を図り、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーと連携した教育相談体制を強化し、児童生徒に対する支援を実施してまいりました。今後、感染不安を理由に長期に登校していない児童生徒に対しても、学校からの連絡をはじめ、様々な相談方法を活用した状況の丁寧な把握に努めるとともに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーと連携したアウトリーチの支援を充実させてまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫)登壇 私は日本共産党市議団を代表して、コロナ禍の中での生活保護行政について、市役所のパワハラ対策について、五輪合宿問題について質問をいたします。
 まず、コロナ禍の中での生活保護行政についてです。
 コロナ禍で生活困窮者が急増する中、国民の命と暮らしを守る最後のセーフティネットである生活保護がますます重要です。コロナというパンデミックの中で、国民の生存権がいつにも増して脅かされているものになってきています。だからこそ、いつも以上に生活保護行政が果たすべき役割は大きいときです。果たして、福岡市の保護行政は生活保護利用者に寄り添ったものになっているのか、また、生活困窮者に対して適切な支援体制が構築できているのか、ただしてまいります。
 そこでまず、2020年度の生活保護の申請件数は幾らで、前年比率はどうなっているのか、答弁を求めます。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は発言者席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 令和2年度の生活保護申請件数につきましては、4,929件で、前年度に比べ35件、0.7%の増加となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) コロナ禍の中で、申請件数が35件増えており、前年比で0.7%増ということです。読売新聞によれば、生活保護申請件数は全国で前年比2.3%増となったと報道されています。全国の伸びに比べて、福岡市の生活保護申請件数の伸びは3分の1以下になっています。
 そこで、なぜ本市の伸びが低いのか、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 国において、住居確保給付金や社会福祉協議会が実施をします総合支援資金の特例貸付けの支給要件が緩和されたことなどによりまして、これらの制度の利用者が増えたことが要因の一つではないかというふうに考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) いろいろやっていると言われますが、生活保護になかなかつながっていないというのが現実です。私はこの間、生活に困っている人たちに聞き取りをしました。例えば、生活保護を受けようと思っても、これまで区役所に何回か行ったけど、決定が下りなかったことから、どうせ受けさせてもらえないのではないかと思い込んでいる人もおられました。また、受けると家族や周囲に迷惑をかけると申請をちゅうちょされている方もおられました。しかし、いずれも保護を受けることができる人たちでした。なぜ受けるべき人たちが受けられていないのか、検証していきます。
 そこでまず、周知の問題です。
 お尋ねいたしますが、市役所のホームページの新型コロナウイルス感染症に関する情報の中に生活保護への案内はあるのか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市ホームページの新型コロナウイルス感染症に関する情報に生活保護制度の案内はございません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) ありませんよね。
 では、コロナ禍の中で、この1年半の間に生活保護に関する記事を掲載した市政だよりは発行されているのか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 令和2年1月以降、市政だよりに生活保護に関する記事は掲載しておりません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 市政だよりにも案内がないわけです。
 では次に、コロナ禍の中での生活保護についての弾力的な運用について尋ねます。
 厚生労働省は、これまで自動車を持っている人や働く能力のある人、生命保険に加入している人については、保護利用を基本的に認めていませんでした。ところが、コロナ禍の中、困っている国民が多いことから、弾力的な運用としてこれらの条件を緩和する通知、(資料表示)これですけど、これを出して弾力的運用を求めています。
 この弾力的運用について、本市はどのように市民に知らせたのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 市民の方への周知につきましては、生活保護の相談は個別に対応すべきものでございますので、それぞれの事情や状況に応じて事務連絡の内容を御説明いたしております。また、市のホームページに生活保護の弾力的な運用の概要を掲載し、市民の方へ周知を図っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) ホームページに掲載されたと言われましたが、いつ掲載されたのですか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 令和3年6月11日に掲載をいたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 厚生労働省がこの弾力的運用について本市に最初に事務連絡をしてきたのはいつですか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) すみません。ただいま事務連絡の内容は承知してございません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) これは昨年5月26日の通達ですよ。昨年の5月26日から1年1か月も放置して、今年の6月11日、先週になってこれをホームページに載っけた。
 なぜ1年1か月間も放置していたんですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 市民の方への周知につきましては、生活保護の相談において個別に対応すべきものでございますので、その保護相談において、それぞれの事情や状況に応じて内容を御説明するということで周知を図ってきたものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) いや、周知をしていないということを言っているんですよ。怠慢としか言いようがありません。
 では、この弾力的な運用によって保護受給が開始された事例はそれぞれ何件ですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 令和2年度に弾力的な運用によりまして保護を開始決定した世帯数につきましては、35世帯ございます。その内訳としましては、通勤用自動車の処分の留保は21世帯、稼働能力活用の判断の留保は3世帯、生命保険の処分の留保は2世帯、その他弾力的な運用は9世帯となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 自動車の保有が僅か21件、その他運用についても極めて少ない数です。6月11日までの1年以上も弾力的運用の周知を放置していたのだから、本来この運用を知って保護制度を利用できた人が排除された結果ですよ。コロナ禍で困窮している市民が多くいるのにもかかわらず、あなた方がホームページにも市政だよりにも掲載せず、弾力的運用の周知を怠ってきたことで必要な情報が市民に伝わらず、本来申請が増えるところ、ここまで押さえつけられてきたのであります。
 したがって、コロナ禍における生活保護制度の周知は全く足りていないと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 生活保護制度につきましては、市のホームページや生活自立支援センターで周知をしますとともに、生活保護ホットラインや保護相談時に配付をします保護のしおりによりまして、個別に制度の説明を行うなど周知に努めております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) あなたがさっきから述べているのは、窓口に来た人に対してはしますよという話でしょう。そうじゃなくて、全市民に周知しなければいけないという話を私はしているんです。周知徹底を抜本的に強化すべきです。求めておきます。
 次に、市民の生活困窮のシグナルを市役所はどう受け止めているか、ただしてまいります。
 昨年12月、大阪市港区のマンションで68歳と42歳の母子が餓死しているのが見つかり、大きな社会問題となりました。この家庭は、水道料金滞納があり、給水を止められていましたが、市の福祉局にはこの情報は伝わっておらず、救済の手が差し伸べられることがありませんでした。こうした悲劇を本市で繰り返してはなりません。
 では、水道料金の滞納による給水停止は、2020年度、本市では何件行ったのですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 坂本水道事業管理者。
○水道事業管理者(坂本秀和) 令和2年度におきまして、水道料金の滞納により給水停止をした件数は2,312件で、全調定件数に占める割合は0.05%でございます。
 水道局におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、令和2年3月25日から期限を定めない支払い期限の延長と給水停止をしない特例措置を実施しておりますが、2,312件につきましては、令和2年4月1日から令和2年5月10日までに支払い期限延長の相談をいただけず、お支払いがなかった方を対象にやむなく給水を停止したものでございます。その後、5月11日以降は緊急事態宣言の適用も踏まえ、コロナ禍という有事であるとの認識の下、よりお客様に寄り添った対応を行うため、相談のあるなしにかかわらず、全ての方に対して給水停止を行っておりません。併せて、既に給水を停止していた方につきましても全て解除をしております。
 他都市におきましては、独立採算である企業会計の経営の観点から既に給水停止を再開したところもありますが、福岡市では引き続き配慮を行っているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 今、数字を言われましたけどね、結局命の水を2,312件、あなた方は止めたんですよ。問題は、その方々に対する対応をどうしたかなんです。
 生活保護につないだのはそのうち何件ですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 坂本水道事業管理者。
○水道事業管理者(坂本秀和) 令和2年度に給水停止した2,312件につきましては、電話や訪問によりお客様の状況を把握するように努めましたが、不在などによりお会いすることができず、やむなく給水停止したものであり、生活自立支援センター等への御案内はできておりません。
 水道局といたしましては、お客様から料金のお支払いが困難であるとの御相談を受けた場合には、支払い期限の延長や分割払いの御提案をさせていただくなどお客様の事情に寄り添ったきめ細やかな対応に努めております。また、御相談を受ける中で生活困窮の可能性を把握した場合には、お客様の心情やプライバシー保護に配慮しつつ、生活自立支援センターや保健福祉センターなどを御案内させていただいており、その件数は令和2年度で年間326件でございます。今後とも、営業所業務を行う中で可能な限り生活状況の把握に努め、適切に福祉部局と連絡、連携してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 生活保護にはつないでいないことが分かりました。生活自立支援センターにつないだと言われましたけど、その方々が支援センターに行ったかどうかも分からない。しかも、生活保護までつながったかどうかも分からない。さらには、326人以外の約2,000人の水を止められた人には何の手だても打っていないということが今分かりました。これが実態です。
 では、国民健康保険料についてです。
 保険料を滞納した方を生活保護につないだ件数は何件なのか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 国民健康保険料を滞納している方で支援が必要な状況と判断した場合は保護課を案内しておりますが、件数は把握をいたしておりません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 水道も国保も生活保護につながっていません。料金収納の場所に、ほかにも市税、介護保険料、市営住宅使用料、保育料、学校給食費などがあり、それぞれ市民の滞納が分かる、つまり、市民の生活困窮のシグナルをつかめるところです。
 では、保護課が各局を通じて困窮者を知り得て、生活保護につないだ件数は2020年度何人なのか、局ごとに人数をお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 関係課から保護課を案内された人数等につきましては把握をいたしておりません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 把握をしていない。つまり、連携していないということです。これでは、困窮しているとシグナルが出ても、滞納者としてしか見ることができません。そもそも保健福祉局からも、生活保護につないでくださいと各局に要請をしていないでしょう。
 滋賀県の野洲市では、くらし支えあい条例をつくり、滞納が発生したら、ようこそ滞納いただきましたと市民生活相談を始めるとともに、関係課の連携を強化して生活困窮者のシグナルを受け止め、市民の滞納を支援につなげる施策を行っています。これこそ自治体の役割ではないでしょうか。
 本市でも、収納等に滞納が発生したら関係機関が連携して生活保護につなげるべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市におきましては、従前より国民健康保険料や税などの納付相談において、生活状況等から必要と判断した場合は保護課を案内するなど、各担当課と連携をして対応しているところでございます。また、生活自立支援センターとも連携をし、状況に応じて生活困窮者を生活保護の相談に案内することも行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) いろいろ言われますけど、しっかり連携されていないということが今日もうはっきりしました。今は生活困窮者の情報を待っているだけでは駄目です。コロナ禍で一刻も放置できない人がいます。本市から積極的に出かけていって、生活保護につなげなければなりません。
 私は、昨年末の12月26日に警固公園で開催された福岡地区労働組合総連合主催の街角なんでも相談会に参加し、市民の生活相談を受けました。本来ならば、行政が行うべきことであります。
 そこで、お尋ねいたしますが、市として街頭相談会を行い、困窮している市民を生活保護制度につなげるべきだと思いますが、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 生活保護の相談をお受けする場合には、相談者の健康状態、それから、収入、資産などの状況を具体的にお伺いする必要がありますので、街頭など不特定多数の方が集まる場所での相談会を実施することは好ましくないものと考えております。生活保護制度に関しましては、今後も保護が必要な人が分かりやすく、より効果的につながっていきますように、周知、広報について努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) コロナ禍における生活保護行政について尋ねてきましたけど、まともに周知もしていない、市民の困窮のシグナルに何も積極的な手だては講じようともしていない、市役所内の連携も全く取れていない、街頭相談会も提案いたしましたけど、アウトリーチもしようとしない、そういうことだから、全国では生活保護利用者が増えているのに福岡市ではごく僅かしか増えていないのであります。地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることが基本です。その理念を今こそ十分に発揮すべきであり、コロナ禍の中、生活に困窮する市民に大いに生活保護を利用してもらうことがとりわけ重要なときです。
 したがって、生活保護制度について、市政だより、ホームページ、テレビやラジオなどを活用して積極的な周知徹底に努めるとともに、各局が生活困窮者の情報を共有し、生活保護につなげる取組を抜本的に強化し、アウトリーチも行い、コロナ禍で困窮する市民を救済するべきだと思いますが、市長の御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 生活保護制度は、生活に困窮する方を支援する最後のセーフティネットであり、大変重要な制度であると認識をしています。今後とも、生活保護制度を有効に機能させていくため、制度の周知を図りますとともに、引き続き関係機関の連携によって生活に困窮する方の状況に応じたきめ細やかな支援を行い、真に必要な人が保護を受けられるようにしっかりと取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 非常時ですから、実効ある手だてを早急に取ることを強く求めておきます。
 次に、市役所内でのパワハラ対策について質問いたします。
 ハラスメントは、精神的、身体的に労働者を傷つけ、時に命をも奪う重大な人権侵害です。2019年6月、国際労働機関の年次総会において、労働の世界におけるハラスメントを全面的に禁止する条約が採択され、市役所内でも実態調査と相談支援体制が求められています。特に消防の職場では、危険な現場における活動が求められていることから階級制度に基づいた指揮命令系統が確立されており、安全管理のため、一定程度の厳しい指導、訓練が行われています。これは消防が人の命に関わる職務である以上、必要な面はありますが、業務の適正な範囲を超えた指導や暴力行為は断じて許されるものではありません。
 そこで、消防局にお尋ねいたします。
 昨年2月7日に、救助隊に所属していた職員が勇気を持って自身が受けたパワハラを消防局職員課人事係に告発したのです。1つは、消防出張所の裏庭で仕事のミスを理由に上司により複数回蹴られた事件です。このとき、所長も目撃しており、家畜やないんやから蹴ったらつまるもんかとその場で制止しています。もう1つは、市消防学校での救助隊総合訓練のときのことです。被害者が勤務明けでひげをそっていなかったことを理由に、大勢の中で平手打ちをされたのです。
 この2つの件について、消防局は暴力事件と認定しているのですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 本件に係る2つの行為につきましては、行き過ぎた指導があったものと認識しているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 暴力事件です。
 では、この事件の加害者に対しては、消防局としてどのような処分を下したのですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 本件に係る処分につきましては、消防局長から文書訓戒を当該職員に行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 明らかな暴力事件なのに、処分ではなく、文書訓戒という単なる注意です。これはおかしな取扱いです。
 本市消防局は、パワハラについての指針をつくっています。代表的な事例と懲戒処分の種類について説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 懲戒処分の指針では、その標準例の中で、まず、パワーハラスメントを行ったことにより相手に著しい精神的または身体的な苦痛を与えた職員は減給または戒告とする。次に、パワーハラスメントを行ったことについて指導、注意等を受けたにもかかわらず、パワーハラスメントを繰り返した職員は停職または減給とする。最後に、パワーハラスメントを行ったことにより相手を強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患させた職員は免職、停職または減給とするとなっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 相手に著しい精神的または身体的な苦痛を与えた場合は懲戒処分です。この被害者は暴力まで受けています。それでも加害者は処分にはなっていない。
 さらに、懲戒処分の指針には、職場内秩序紊乱について職場での暴行行為を定めています。どのように規定していますか。
 
○議長(阿部真之助) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 懲戒処分の指針では、標準例の中で、まず、上司その他の職員に対して暴行により傷害を負わせ、職場の秩序を乱した職員は免職、停職または減給とする。次に、上司その他の職員に対して暴行し、職場の秩序を乱した職員は停職または減給とする。最後に、上司その他の職員に対する暴言、虚偽の風説の流布等により職場の秩序を乱した職員は減給または戒告とするとなっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) パワハラの指針から見ても、懲戒処分の指針から見ても、加害者の文書訓戒という処分は極めて不当だと思いますが、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 本件については、懲戒処分の指針等に基づき、平成25年当時の上司や同僚約30人の職員から聞き取り調査を行うなど慎重に調査を行った上で、総合的な判断の下、適正な処分をしたものと認識しているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 暴力行為まで働いているのに懲戒処分には当たらないという。暴力行為ですから、刑事事件が相当であり、当然懲戒になるというのは、誰が見ても分かります。
 それを総合的判断だと言って懲戒しないのは、結局、懲戒指針を無視した運用をしているということだと思いますが、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 懲戒処分の決定につきましては、懲戒処分の指針において、事案の状況や日頃の勤務態度、また、非違行為後の対応等も含め、総合的に考慮の上、判断するものとされております。さらに指針では、ハラスメントの事案の処分を行う際は具体的な行為の態様、悪質性等も情状として考慮の上、判断するものとされており、本件についても、慎重な調査の上、総合的に判断したものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) おかしいです。市の懲戒処分の指針に当てはまっていません。
 2018年12月、海上自衛隊の横須賀基地で海士長が勤務態度に不満を感じて指導したとして胸や腕を殴った事件では、パワハラとして認定され、加害者は懲戒処分となっています。民間企業でもパワハラは経営的な損失へつながっていくとして、加害者への懲戒処分等の適用を行っています。消防局の本件に対する文書訓戒という処分は、本市の基準から見ても、全国の対応から見ても妥当なものとは言えません。
 したがって、消防局は懲戒処分の検討の対象にもしないという本件についての不当な取扱いは撤回し、厳正な処分をするべきではないかと思いますが、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 本件につきましても、過去の非違行為事案と同様に懲戒処分も含めて慎重な調査の上、総合的な判断の下、適正な処分をしたものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 指針を無視することは許されません。消防局が認めたこの暴力事件以外にも、同じ被害者が告発したもので、パワハラと疑われるものがあります。それは毎回の勤務明けの朝、次の日の当番がそろったところに放送で呼び出され、失敗ノートをみんなの前で大声で発表させられていたというものです。どういう告発だったのか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 本人からの告発内容につきましては、個人的な情報も含むことでございますので、差し控えさせていただきたいと考えております。また、議員から御指摘いただいた申出人の告発内容につきましては、調査の結果、事実は確認できませんでした。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) この失敗ノートというのは、被害者だけに課せられたもので、勤務中の失敗や先輩たちからの指摘を全てメモにせよというものです。しかも、その失敗や指摘というのは、仕事のことではなくて、電話は全て出ろとか、ばかがまた何かやっとるとか言われたことをメモにするように指導されていたわけです。被害者は、発表しながらみんなの前で罵られ、無能、ごみなどと暴言を浴びさせられたと告発しています。それが1時間を超えたときもあったそうです。
 お尋ねいたしますが、これは明らかにパワハラ指針の暴言、名誉棄損、侮辱であり、繰り返しの執拗な非難に当たると思いますが、何に該当すると判断したのか、明確な答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 調査の結果、当該行為については事実確認ができないため、パワーハラスメントの防止等に関する指針における記載のどの部分に該当するかにつきましては判断いたしかねます。また、消防局といたしましては、管理監督する立場の職員に対し、研修などを通じてパワーハラスメント防止について徹底するとともに、業務や私生活で悩みを抱えている職員が相談しやすい環境整備を進めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 関係者に聴取したというけれど、証言者もおらず、認定できないと言われました。しかし、私が聞いているのは、その聴取の後で一部の職員が、あのときは止めれんでごめんね、止めたら私がターゲットになるから言えんかったと被害者に謝っています。
 聴取が適切に行われなかった可能性があると思いますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 繰り返しになりますが、本件については、懲戒処分の指針等に基づき、平成25年当時の上司や同僚約30人の職員から1か月にわたり聞き取り調査を行うなど慎重に調査を行った上で、総合的な判断の下、適正な処分をしたものと認識しているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) ハラスメントを本気でなくすという思いが伝わらない答弁です。
 さらに、消防局の聴取に対して、被害者が日頃からかなり強く当たられていたとか、顔面に膝蹴りをされていたとか、飲み会の際、1時間以上正座させられ、説教されていたなどの証言も出されていると聞いています。結局、パワハラが幾つもあったと被害者は私に切実に訴えていますが、消防局は明らかにパワハラ指針に抵触する事実に対してまともな調査もしていないということです。おかしいです。救助隊に憧れ、頑張ってきた職員が、自分と同じような目に遭う人がいないようにしてほしいと、そして、消防局のパワハラの体質を改善してほしいと告発しているんです。消防局はその勇気ある行動を真正面から受け止め、職場環境を改善する責務を自覚すべきです。パワハラが容易に認定されないという問題は、市役所全体に共通しているおそれがあります。
 そこで、市役所における2020年度のパワハラに関する相談件数と認定件数について答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 福岡市役所における令和2年度のパワーハラスメントの相談件数は15件となっており、当該件数のうち、是正のための対応を行った件数は2件となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 僅か2件しか認定されていません。これはパワハラ指針が機能していないのではないかという疑いが出てきます。
 では、そのパワハラ指針について見ていきます。
 お尋ねいたしますが、本市の指針ではパワハラに関してどのように定義していますか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) パワーハラスメントにつきましては、福岡市職員パワーハラスメントの防止等に関する指針において、職務に関する優越的な関係を背景として行われる、業務上必要かつ相当な範囲を超える言動であって、職員等に精神的もしくは身体的な苦痛を与え、職員等の人格もしくは尊厳を害し、または職員等の勤務環境を害することとなるようなものと定義しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) では、今言われました業務上必要かつ相当な範囲を超える言動として、パワハラに当たらないと規定している部分がありますが、その規定を読み上げてください。
 
○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) パワーハラスメントの防止等に関する指針において、業務上の必要な指示や注意、指導を不満に感じたりする場合でも、客観的に見て業務上の必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導についてはパワーハラスメントには当たらないとしております。また、パワーハラスメントに該当するか否かは、言動の目的、言動を受けた職員の問題行動の有無、言動が行われた経緯及び態様など具体的な状況を踏まえ、総合的に判断する必要があるとしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) そうやって総合的に判断するから、消防局の事例はパワハラ認定されていなかったというわけですよ。これでは、悪意からこの規定を利用してハラスメントの認定を免れることも起きかねません。
 お尋ねいたしますが、この規定は削除すべきではありませんか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) パワーハラスメントの防止等に関する指針につきましては、人事院の定める指針等を踏まえ、策定したものであり、今後とも、国の動向も踏まえ、適切に対応してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) これまで具体的な事例をただしてまいりましたが、暴力行為として認定されている事件でも、総合的判断という言葉を使えば懲戒処分の対象にさえされず、また、複数の関係者が被害者へのパワハラを証言している事件でもパワハラ認定を行わないなど、指針が全く形骸化されていることが分かりました。これが市役所における指針でも共通であり、だから、相談しても意味がないからと相談が少なく、認定もほとんど行われていない結果となっています。せっかく昨年6月の法改正によりパワハラ防止措置が事業主の義務となったものの、市長がハラスメントをなくす立場に立って指針や体制をきちんと見直すということをやってこなかったために、依然としてパワハラが横行しているのではないでしょうか。また、そもそもパワハラをILO条約のようにきちんと違法なものだと位置づけていないことが大本にあると専門家も指摘しています。
 したがって、市長としてハラスメントは許さないという自らの意思を明確にし、それを全職員に徹底すべきではないかと思いますが、答弁を求めます。
 また、指針の曖昧な部分については削除や修正を行うとともに、ハラスメントに対する抜本的な対策を講じるために、ハラスメントは違法であることを明確にしたハラスメント禁止条例を制定すべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 職場におけるハラスメントにつきましては、人格や尊厳を傷つけられることで仕事への意欲や自信を喪失させ、勤務能率の低下を招き、ひいては市民サービスの低下を招きかねない問題であり、その防止は職員が安心して職務に専念できる職場環境を確保する上で重要なことであると考えております。
 福岡市役所におきましては、国の法改正を踏まえ、令和2年6月にハラスメントの防止に関する要綱等を策定し、職員の責務としてハラスメントをしてはならないことを明確に規定しますとともに、ハラスメント相談窓口や対応方法も含め、全庁的に周知徹底を図ったところであります。今後とも、国が定める法令等を踏まえ、ハラスメントの防止に向けて適切に取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 暴力を振るってもおとがめなし、ちょっとだけ反省しとけよと紙切れ1枚でおしまい、こういう無法地帯の職場の状況が市役所の中にあるんです。ハラスメントは職員の仕事と人生を奪い、社会は担い手を失い、市役所での経済的損失ともなります。ハラスメント禁止の市役所の対応体制の抜本的強化を求めておきます。
 次に、五輪合宿問題についてです。
 東京オリンピック開催予定まで、あと5週間となっています。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長が、今の状況でやるというのは、普通はないと踏み込んだ発言をしていますが、菅総理は五輪開催の理由を説明できず、国民の命と健康、医療体制を軽視する態度に国民の怒りが高まっています。そういう中、福岡市は、大会に参加するスウェーデンとノルウェーの選手団約350名を事前合宿として受け入れようとしています。この問題についてただしてまいります。
 お尋ねいたしますが、オリンピックを契機に新型コロナウイルス感染症が拡大するのではないかと心配の声が市民から上がっていますが、五輪合宿受入れに当たってはどのような感染拡大防止策を講じているのか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 事前キャンプにつきましては、国から示された感染対策に基づき、滞在先や用務先を空港、宿泊場所、練習場所に限定するほか、公共交通機関を利用せず、専用車両を利用すること、宿泊や練習場所などにおいて一般の方との動線を分離すること、市民との直接の交流は行わないこと、毎日PCR検査を実施することなど感染対策を徹底することといたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 国の手引どおりに対策をしているというわけですね。果たしてそれで感染防止がされているんでしょうか。
 まず、待機の問題です。
 来日時の措置の基本は、入国翌日から14日間の待機とされてきていますが、スウェーデンとノルウェーの選手団は、入国したその日のうちから福岡へも移動してきて、練習も可能だということです。
 これでは感染防止対策になっていないと思いますが、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) スウェーデン及びノルウェー選手団につきましては、入国前にワクチン接種を終えると聞いており、さらに現地出発前及び入国時にPCR検査を行い陰性を確認するほか、入国後についても、滞在先や用務先、移動手段の制限、毎日のPCR検査の実施など国から示された感染対策を徹底してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 待機期間を全く設けていないというこのやり方は、神奈川県の会議でも感染症専門家の皆さんから数多くの疑問が寄せられております。感染防止になっておりません。
 次に、移動の話です。
 手引では、原則として公共交通機関を利用せず、専用車両を利用するとなっていますが、入国した選手団は福岡まで航空機を利用し、他の一般乗客と一緒に搭乗することになっています。多少空席によって間隔は空けるものの、基本的には換気もない、仕切りもない、同一空間で入り混じっての状態です。
 お尋ねいたしますが、これでは感染防止には値しないと思いますが、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 航空機利用の際の感染対策につきましては、国から示された感染対策に基づき、機内や乗降時に一般客と分離を行うために一般客との間に空席を確保するほか、一般客よりも先に乗り込み、一般客よりも後に降りるなど空間的及び時間的にも分離をきちんと行い、感染防止に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 空席の確保だけなら、感染防止策とは言えません。
 次に、アテンド、つまり、お世話と接待役の問題です。
 入国から帯同するアテンドは、選手の一番身近で行動が求められます。アテンドの方はワクチン接種を終わっているんですか。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) アテンドなどの関係者につきましては、国から示された感染対策においてワクチン接種は必要とされておりませんが、従事前にPCR検査を行うほか、マスクの着用、消毒の徹底、常時一定の距離を確保するなど、アテンド等に当たって感染対策を徹底することになります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) アテンドの人が選手に感染症をうつさないまたは選手から感染症をうつされないという担保があるんですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) アテンドに関する感染対策につきましては、選手団は入国前にワクチン接種を終えると聞いております。また、アテンドについては、従事前にPCR検査を実施し陰性を確認するとともに、マスクの着用、消毒の徹底、常時一定距離の確保など国から示された感染対策を徹底することといたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) あまりにも楽観過ぎますよ。今、変異株によって、マスクをつけていても、かつソーシャルディスタンスを取っていても感染が広がっています。結局、アテンドのワクチン接種は不明、選手との接触も避けられないわけです。
 次に、その他のスタッフの問題です。
 選手団は競技団体ごとに五月雨式に日本に入国し、福岡に来ます。入国したその日にも、宿泊施設であるヒルトン福岡シーホークとザ・ルイガンズ、練習場のある博多の森陸上競技場、総合体育館、西市民プールを行き来することになります。手引では、宿泊はフロア貸切り、食事は個室を原則、練習会場は貸切りとしています。
 お尋ねいたしますが、マスコミ、ホテルや練習施設の従業員、移動する際の運転手、通訳、警備、消毒、清掃に携わる方々は、全員がワクチン接種を完了した状況で選手団と行動することになりますか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) ホテルや専用車両の運転手などの関係者につきましては、国から示された感染対策においてワクチン接種は必要とされておりませんが、マスクの着用、消毒の徹底、常時一定の距離を確保するなど、それぞれの業務において感染対策を徹底することとなります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) ワクチン接種は義務ではない。
 では、この方々はPCR検査を毎日するんですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) ホテルや専用車両の運転手などの関係者につきましては、国から示された感染対策に基づき、従事前にPCR検査を行い、陰性を確認するとともに、一定期間ごとにPCR検査を実施することといたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 毎日する人としない人が出てくるということです。全員にはワクチンもしない、PCR検査もしない。結局、選手団は隔離、待機されることもなく福岡に他の乗客と一緒にやってきて、アテンドや関係者が無制限に接触することとなります。感染防止策は全く破綻しているということが分かりました。そのような中で、五輪合宿で感染が広がったら地域医療はどうなるか。手引では、検査で陽性者が出た場合について、診察、検査、入院、搬送するとされています。
 そもそも2国のオリンピック委員会と福岡市との基本合意文書では、活用される医療機関はどこになっていますか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 事前キャンプにおいて協力をお願いする医療機関につきましては、基本合意書において九州医療センターが想定されております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 九州医療センターは、コロナ対応もしてもらうことになっているんですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) コロナウイルス感染症の対応につきましては、国から示された感染対策において、万が一陽性者が発生した場合は県や保健所、医療機関等と連携することとされており、九州医療センターと協議を行っているところでございます。また、九州医療センターには感染症の対応をしていただいております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 九州医療センターは、市民のコロナ対策で中枢的役割を果たしてきている病院です。それが五輪合宿で感染者が広がった場合、その対応に追われて日常業務ができなくなる可能性があるということです。
 この病院が逼迫すれば、福岡都市圏の地域医療に新たな負担を負わせることになるのではありませんか、明確な答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 選手団につきましては、入国前にワクチン接種を終えると聞いており、さらに現地出発前及び入国時にPCR検査を行い陰性を確認することとなります。入国後についても、滞在先や用務先、移動手段の制限など、まずは感染しないことを第一に国から示された感染対策を徹底いたします。また、万が一陽性者が発生したとしても、地域医療に負担にならないよう県や保健所、医療機関等とあらかじめ対応について協議、確認を行うことといたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) コロナ対応は何も決まっていないと繰り返し述べられているんですよ。現時点で受け入れる医療機関も正確には決まっていない。逼迫している地域医療に大きな負担をかけるのは必至です。
 次に、感染拡大したら地域の保健機能はどうなるかということです。手引では、選手とともに、接触する可能性のある関係者には毎日PCR検査をすることになっています。
 お尋ねいたしますが、これで選手団に陽性者が出た場合、ホテルの中ではどのように隔離するのですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 選手団につきましては、国から示された感染対策に基づき、毎日PCR検査を行い、陽性が確認された場合は速やかに宿泊している個室に隔離を行うとともに、保健所の指導に従い、症状等に応じて入院等の措置を行うこととなります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) これもホテルとの協議中だということです。全く無責任です。
 さらに、陽性者の濃厚接触者は誰が調査し、検査するのですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 陽性者の検査につきましては、保健所等の検査になると考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 保健所に五輪合宿参加者の検査業務をしてもらうことはできないんですよ。
 そもそも内閣官房が出しているこれですね。(資料表示)変異株等に対応した追加的な対策について、この文書の中では、ホストタウンにおいて地域の保健衛生機能に支障を来さないよう、必要な検査、医療提供が可能となる体制を整備するとされています。
 支障を来さないような体制を取るなどというのは、どだい無理な要求ではないかと思いますが、明確な答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 選手団につきましては、入国前にワクチン接種を終えると聞いております。さらに現地出発前及び入国時にPCR検査を行い、陰性を確認することとなります。入国後についても、滞在先や用務先、移動手段についての制限など、まずは感染しないことを第一に国から示された感染対策を徹底いたします。また、万が一陽性者が発生した場合の対応につきましても、県や保健所、医療機関等とあらかじめ対応について協議、確認を行い、地域医療に負担とならないよう万全を期してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 無理な話です。今日の質疑では、市民局長がずっといろいろ答弁されていますけど、実際に医療現場や保健所がどうなっているのか、現場のことを分かっておられますか。市民の命と選手の命がかかっている極めて重大なことをあなたはしようとしているんです。無責任な態度は許されません。このまま進めば、市民の命を守る医療が崩壊することにつながりかねません。全国では6月1日現在、109自治体が五輪合宿を中止しています。これが住民の命を考えた当たり前の対応です。
 したがって、五輪合宿中止を市として判断するべきではありませんか、明確な答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 事前キャンプにつきましては、2008年の北京オリンピックにおいて、スウェーデン選手団が福岡市で事前キャンプを行い、その際のアクセスのよさや受入れ体制などを高く評価いただき、今回もぜひ福岡市で実施したいとの申出があり、基本合意書を締結したものでございます。先方から中止の意向が示されない限り受入れを行うものであり、受入れに当たりましては、国から示された感染対策に基づき、滞在先、用務先、移動手段についての制限、宿泊や食事、練習会場における対策、PCR検査の実施など感染対策を徹底してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 局長は何が何でも強行する構えです。絶対に許されません。
 京都大学の西浦博教授は、緊急事態宣言が今月20日で解除した場合、ワクチン接種が済んでいても東京では流行が再拡大し、都内の重症者だけでも緊急事態宣言の目安となる850人を8月に突破し、9月には1,500人に達するおそれがあるとの試算を発表しています。仮に五輪やパラリンピックがあれば、その感染者数はさらに増加すると指摘されています。さらには、内閣官房が三菱総研に委託した東京都内の新規感染者の予測が公表されており、東京の1日当たりの新規感染者数は、8月末には五輪を開催しなくても800人、五輪を開催したら1,000人になるとされています。明らかにオリンピック開催で新たな感染拡大の波が起こる危険があるということです。それは、このまま強行したら、福岡市もこの感染拡大の原因の一つともなりかねません。重症者が増え、そして、亡くなる方が増えることになります。今、誰のための五輪なのか、なぜそこまでして五輪をやるのかと多くの市民が思っています。西日本新聞も五輪中止の社説を5月25日に掲げています。市民の不安と疑問に向き合うべきです。
 そこで、感染症拡大を防止し、市民の命を守るために五輪合宿の中止を決定し、スウェーデンとノルウェーのオリンピック委員会に意思表示するとともに、東京オリンピック・パラリンピック開催についても、政府に中止を求めるべきだと思いますが、市長の明確な答弁を求めて、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 事前キャンプにつきましては、スウェーデン及びノルウェーからぜひ福岡市で実施したいとの申出を受け、基本合意書も締結をしており、先方から中止の意向が示されない限り受入れを行うものであります。
 オリンピック・パラリンピックの開催については言及する立場にございませんが、事前キャンプの受入れに当たりましては、国から示された感染対策を徹底するなど、選手団、市民の皆さんの双方にとって安全、安心なキャンプとなるように努めてまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) この際、暫時休憩いたします。
 午後は1時10分に再開いたします。
午前11時45分 休憩
午後1時10分 開議
○副議長(楠 正信) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。高木勝利議員。
○18番(高木勝利)登壇 私は公明党福岡市議団を代表し、福岡県立高校の学区割、奨学金返還支援、避難対策、消防行政について4項目質問をいたします。
 初めに、福岡県立高校の学区割についてです。
 福岡県では地域ごとに第1学区から第13学区までとなっており、その学区ごとに進学できる福岡県立の高校が定められ、福岡市内は第4、第5、第6学区に分類されています。高校受験にチャレンジする中学生は自分がどこの学区のどこに住んでいるかによって受験できる県立高校が決まってくるわけですが、県内13学区のうち福岡市内の中学校3校にのみ、不適切と思われる学区割が存在します。1つは、南区の長丘中学校のうち第5学区に住む生徒が受験できる福岡県立の高校普通科は筑紫丘、柏陵、福岡中央、春日、太宰府、筑紫中央、武蔵台、筑紫高校の8校、第5学区以外は城南、修猷館、早良、玄洋、筑前、糸島、柏陵、福岡中央高校の8校が受験可能です。これにつきましては南区の皆様の御意見やお考えを十分にお聞きする必要があり、どちらも同じ8校が受験可能ということですので、その議論はまたの機会に譲りたいと思います。
 今回指摘したいのは、残り2つの早良区の中学校2校についてです。これまでも受験に直面してきた生徒や保護者、地域住民や学校教職員などから、おかしくないですかとの指摘があり、私も何度か教育委員会に調査を依頼し、改善すべきと申し上げてきた経緯がありますが、結果的には県が決めた学区割なので、福岡市としてはいかんともし難いとお聞きしてきました。具体的に申し上げますと、早良区の原中央中学校は大原小学校と原小学校の児童が進学します。そして、高校受験で福岡県立の高校普通科を志望する場合、大原小学校卒業の生徒が受験できるのは城南、修猷館、早良、玄洋、筑前、糸島高校の6校です。一方で、同じ原中央中でも原小学校卒業の生徒が受験できるのは、先ほどと同じ6校、城南、修猷館、早良、玄洋、筑前、糸島高校に加えて、福岡中央高校が受験できます。同じ中学校でありながら、大原小学校卒業の生徒は福岡中央高校を受験できないという現状です。大原小学校卒業の生徒が受験できる福岡県立高校普通科の数は6校、同じ中学校でも原小学校卒業の生徒が受験できる福岡県立高校は7校、受験できる高校数に差があり、これでは不平等ではないでしょうか。
さらに、早良区では次郎丸中学校のうち星の原団地以外に在住する生徒は、先ほどの大原小学校卒業生が受験できる6校なのに対し、次郎丸中学校の生徒でも星の原団地に在住する生徒は原小学校卒業生が受験できる福岡中央高校が加わりますので、7校となります。
 ちなみに、全国政令市に対し、議会事務局から福岡市と同様な事例があるのか調査をお願いしましたところ、もともと学区がなく市内はどこでも受験できるという市も多く、学区は存在していても、把握している中では同様な事例は存在しないとの調査結果を得ました。
 なかなか解決しづらい問題があるのかもしれませんが、同じ中学校の生徒でありながら出身小学校や在住地によって受験できる福岡県立の高校数に違いがあるのはおかしくないですか。それも全国政令市では福岡市だけです。恐らく他の市町村にもないと思われます。これは確かに福岡県の学区割によるものですが、福岡市はこの不平等に直面する生徒たちと同じ当事者側であり、致し方ないで済ませてよいはずはありません。生徒たちには何の罪もありません。ここは大人の責任で福岡市と福岡県が協議し、解消すべきと考えます。今日は50年以上も変わることがなかったこの事例を議員各位、島市長、星子教育長、各理事者や多くの市民の皆様にもぜひ知っていただき、課題解決のきっかけにしてもらいたいと願っています。
 今回は過去の経緯や理由などはお聞きしません。ただ1点、限られた地域の小さな声かもしれませんが、その声を県にしっかり届けていただきたいと考えます。星子教育長の所信を伺い、この質問を終わります。
 以降の質問は発言者席から行います。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 福岡県立高校の通学区域につきましては、議員御指摘のとおり、福岡市内は都市圏と合わせて3つの学区に区分されており、同じ中学校に在籍しながら居住地により受験できる普通科高校の数が異なっている中学校が第6学区である早良区内に2校ございます。その通学区域につきましては、それぞれの高校の成り立ちなど過去の経緯等を踏まえつつ設定されていると認識してはおりますが、御指摘の件について福岡県教育委員会にしっかりとお伝えいたします。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 公平、公正、平等は学校教育の原点であると考えます。何よりも生徒の立場に立った、寄り添った対応を心から期待しております。
 次に、奨学金返還支援についてです。
 公明党青年委員会では、2016年、2019年に続き本年3月から5月まで全国でボイスアクション2021と題して、青年委員会が提示する5つの政策の中から若者がぜひ実現してもらいたい項目を選んでもらう青年政策アンケートを実施し、若者の声を集め、国に政策提言を行っています。現在寄せられた回答は約72万件、このうち15%に当たる11万人が奨学金返還支援を求める結果となりました。コロナ禍による内定取消し等で就職できないまま卒業した方、コロナ禍で収入が減少するなど奨学金の返還が困難な方に対し、奨学金の減額や返還猶予制度の周知、各自治体等による奨学金返還支援、介護など人材不足の業種に従事する方への返還支援、企業等による奨学金返還支援、給付型奨学金などの周知、大学進学を目指す高校生への奨学金支援などを求めた内容です。
 まずは福岡市独自でコロナ禍にあっての学生支援を行いましたが、その施策の目的、実績、学生の声などお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) コロナ下で福岡市独自に行った学生支援につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、アルバイト等の収入が減少するなど、本人や保護者が経済的に厳しい状況にある学生への緊急支援として1人5万円の学生支援特別給付金を7,974人の学生に支給いたしております。
 次に、給付金を受け取った学生の方からはアルバイト収入が減って困っていたと支援に感謝する声や、学生の保護者の方からは給付金を基にしっかりと勉強を頑張ってほしいといった声などが寄せられております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 福岡市では市内の認可保育所等で働く保育士の奨学金返還支援を行っていますが、その制度の概要と利用実績、効果についてお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 保育士に対する奨学金返済支援事業補助金につきましては、奨学金を活用して資格を取得した正規雇用の保育士に、当初の返済期間の2分の1までの間、短大等の卒業者は月額1万円、大学の卒業者は月額1万5,000円を上限に奨学金の返済額を助成するものであり、補助金の対象となった保育士数は事業を開始した令和元年度が908人、2年度が1,028人でございます。
 また、福岡市ではこの奨学金返済支援のほか、家賃助成など保育士確保のための様々な事業を実施しているため、この事業だけの直接的な効果とは言えませんが、福岡市内及びその近郊の保育士を養成する大学等を卒業した学生が福岡市内の保育所等へ就職した割合は、補助開始前の平成28年度の34.8%から令和元年度は39.8%に上昇しております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 保育士確保の効果が出ているようです。
 一方で、2019年の日本学生支援機構の発表で利用者は129万人、大学生の2.7人に1人が利用しており、2019年度末の奨学金返還延滞者数は32万7,000人、延滞債権額は5,400億円にも上るそうです。
 福岡市教育振興会の奨学金の貸付けの利用状況、また、返還の延滞の状況をお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 教育振興会奨学金の令和2年度末時点での状況は、貸与者数は1万2,212名、滞納者数は2,328名、滞納額は3億6,209万2,000円となっております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 滞納額は3億6,000万円にも上ります。こうした奨学金返還の負担軽減に向け、返還を肩代わりする国と地方自治体の公的奨学金返還支援制度が2015年から実施されており、2020年6月現在、32府県423市町村が導入しています。地方への若者の定住や地域産業の人手不足を解消する狙いで、2020年6月にはこの制度が拡充されています。支援対象者が大学生等から高校生等にまで拡充され、日本学生支援機構以外の奨学金も支援対象となりました。全ての自治体で利用可能と聞いており、通常は国の措置率は0.5、上限1億円ですが、20から24歳人口が流入超過である福岡市の場合には0.3、上限6,000万円であるため、福岡市負担額が大きくなることもあり、検討が必要と思われます。
これとは別に、民間企業型の奨学金返還支援として、日本学生支援機構の奨学金を受けていた企業の社員に対し、その企業が返還額の一部または全額を代理返還する仕組みもあります。本年3月末までは企業が社員にその金額を送金し、社員が日本学生支援機構に返還するという流れでしたが、本年4月1日より企業が社員の返還額の一部または全額を直接日本学生支援機構に送金することが可能になりました。企業にとってのメリットは、日本学生支援機構に直接送金する場合は給与として損金算入が可能となり、法人税の負担が減ります。また、従前制度の場合、対象の社員は住民税や社会保険料負担額が増えていました。これを企業が直接日本学生支援機構に送金することで、住民税や社会保険料負担も増加せず、社員本人や企業双方ともにメリットがあります。制度変更になったばかりであり、まだ広く知られていないと聞いておりますが、こちらについては福岡市でも十分検討可能と思われます。
 本年1月の参議院予算委員会で公明党議員の質問に対し菅総理は「各企業が社員の奨学金返還を支援することは、若者の奨学金返還の負担軽減や人手不足の中小企業の人材確保に有効な取組。本年4月から日本学生支援機構の奨学金については、企業が社員に代わり機構に直接返還する仕組みを導入することで返還支援した金額は損金算入できる。今後、直接返還を行う企業名をホームページや各種説明会で広く紹介し、取組を広げていきたい」と答弁されています。
 福岡市としても、本年4月から制度が拡充され企業にも社員にもメリットがあることを経営者に周知することなど、福岡市内企業への導入働きかけを積極的に行い、民間企業型の奨学金返還支援を推進してもらいたいと考えますが、所見を伺います。
 
○副議長(楠 正信) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 民間企業型の奨学金返還支援制度につきましては、コロナ禍においても、業種や職種によっては採用意欲が高い企業も多く、こうした企業では人材確保策の一環として本制度を活用しているところがあると認識しております。今後の状況を把握しつつ、活用事例を含めた制度周知について検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) また、他政令市においては市と市内の認定企業が半分ずつ費用を負担する奨学金返還支援なども行われており、最善の施策をしっかり調査し、実現してもらいたいと思います。さらに、福岡市が実施している保育士への奨学金返還支援のように、例えば、人材不足と言われている介護従事者にも拡大するなどの検討も必要と考えます。
 奨学金返還支援制度の周知や就労支援も含めた若者支援の強化について、島市長の御所見を伺います。
 
○副議長(楠 正信) 島市長。
○市長(島宗一郎) コロナ下におきまして円滑な就職活動が困難であったり、また、収入が減少するなど、大変厳しい状況にある若い方も多くおられると認識をしています。そのため、若者の就職支援として、オンライン合同会社説明会の開催や各区の就労相談窓口での個別支援など、福岡市独自の対策に加え、国、県、経済団体とも連携をし、求人企業と求職者とのマッチング機会を創出しております。また、国や大学などによる給付や貸付事業、奨学金制度などの経済的支援の分かりやすい周知に取り組んできたところであり、企業などによる奨学金返還支援制度の周知も行うこととしております。今後とも、コロナの影響が続く中でも、若者が将来に希望を持って暮らせるよう、様々な若者支援に取り組んでまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) ありがとうございます。
 次に、避難対策についてです。
 九州北部は5月15日、平年より20日も早く梅雨入りとなりました。毎年のように甚大な被害をもたらしてきた大雨による河川の氾濫などの洪水や土砂災害などに万全の備えが必要です。先月、5月20日には改正災害対策基本法が施行され、逃げ遅れゼロを目指すため、市町村などが発令する避難情報について、避難勧告は廃止、避難指示に一本化されたこと、自力での避難が困難な高齢者や障がい者の個別避難計画の策定が市町村の努力義務となりました。
 まずは避難情報の今回の改正の目的は何か、何がどう変更になったのか、また、市民への徹底した周知の方法について御説明ください。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 今回の避難情報の改正につきましては、国によりますと、避難勧告や避難指示の両方が警戒レベル4に位置づけられており、その違いが分かりにくく、避難勧告で避難すべきであることが理解されていないことなどから、避難のタイミングなどをより明確化し、適切な避難行動を取っていただくことを主な目的とされております。また、改正の概要としましては、警戒レベル3は従来の避難準備・高齢者等避難開始から高齢者等避難に改められており、警戒レベル4は避難勧告が廃止され避難指示のみとなり、避難のタイミングが明確化されております。さらに、警戒レベル5の災害発生情報が緊急安全確保に改められ、災害が切迫、発生した状況であることを伝え、近傍の堅固な建物への移動等、身の安全を確保するための行動を指示できることとなっております。
 次に、市民への周知については、市政だよりやホームページに改正の概要を掲載し、啓発に努めるとともに、ポスター等を大手コンビニの各店舗や公民館、市立小中学校、病院、市営地下鉄などに掲示しております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 気象庁はまさに本日6月17日より避難行動を呼びかけるため、線状降水帯というキーワードを用いた顕著な大雨に関する情報の提供を始めます。線状降水帯をキャッチするタイミング、観測精度など、クリアしなければならない問題も多く、この線状降水帯の予測は大変難しいとされています。
 この新しく線状降水帯というキーワードを用いた顕著な大雨に関する情報の役割はどのようなものか、お聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 気象庁が提供する顕著な大雨に関する情報の役割につきましては、大雨による災害発生の危険度が急激に高まっていることを認識していただくとともに、災害リスクが認められる場所にいる住民に対して、市町村から発令される避難情報や土砂災害の危険度分布、河川の水位情報等の確認を促すものとされております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 国は各地で大雨による甚大な災害が多発し、特に線状降水帯の予測精度に関わる課題が大きかったことから、線状降水帯予測の精度向上に努めているようです。また、地域に密着した情報発信や詳細な情報を住民自らが取得するため、気象庁のホームページの雨雲の動きが確認できるナウキャストや洪水や土砂災害の危険度分布を示すキキクルの活用など、早めの避難行動につなげるための市民へのさらなる周知が必要と考えます。
 気象情報を入手しても、避難のタイミングがいつなのか、また、避難するきっかけが分からないという市民も少なくないと思いますが、市民が適切な避難行動をするために必要な避難情報提供について、福岡市はどのような基準で発令し提供していくのか、お聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 避難情報の発令につきましては、気象情報や雨量並びに河川の水位情報などを踏まえ、地域防災計画に定める基準に基づき、災害発生のおそれがある地域の皆様に対し、避難情報の発令を行っております。また、市民への提供については、テレビやラジオをはじめ、ホームページへの掲載や防災メール、各種SNSや緊急速報メールなどによって広く発信するとともに、広報車を利用し、地域における周知を図るなど、多様な手段を用い、迅速かつ的確な情報発信を行っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 今回の避難情報発信の強化により、危険地域の方が一人でも多く避難していただくことは大変重要ですが、例えば、レベル3である高齢者等避難が出された場合、これまでよりも多くの方が公民館などに避難することが想定されます。これまでも台風の接近時や警報の段階で早めに避難される方もいらっしゃいましたが、その段階で避難される方は水や食料は各自が準備する必要があることを知らないまま避難され、水や食料を公民館職員の方が提供した例などもよく聞いています。
 避難する際に最低限個人で準備が必要なものなどの周知をさらに進める必要がありますが、どう対応するのか、お聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 避難する際の非常持ち出し品につきましては事前に準備していただくことが重要であり、市政だよりやホームページ、防災啓発冊子などに掲載するほか、地域での出前講座において周知を図っております。今後とも、災害時の適切な避難行動につながるよう、防災知識の周知、啓発に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 昨年7月豪雨では球磨村の特別養護老人ホーム千寿園が浸水し、大変痛ましいことに入所者14人が犠牲となられ、改めてお悔やみ申し上げます。国交省、厚労省の検証では、千寿園は浸水想定区域で避難確保計画を作成し、避難訓練も年2回行われていたものの、山に囲まれる地形であったため、どちらかといえば土砂災害の危険性を重視していたとされています。浸水が想定される区域に立地する全国8万6,000の高齢者施設などの要配慮者利用施設のうち、避難確保計画が作成済みなのは昨年6月時点で54.5%にとどまっています。さらに、浸水想定区域や土砂災害警戒区域に特養などの介護施設がある自治体は全国で1,000市町村との昨年の共同通信アンケート結果があります。
 福岡市内の洪水浸水想定区域や土砂災害警戒区域に立地する高齢者施設は何か所か、避難確保計画の策定状況はどうなのか、お聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市内の洪水浸水想定区域内に立地する高齢者施設は603施設で、そのうち252施設で避難確保計画が策定されております。また、土砂災害警戒区域に立地する高齢者施設は92施設で、そのうち58施設で避難確保計画が策定されております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 計画策定が急がれます。また、避難が困難な高齢者や障がい者の個別避難計画の策定が市町村の努力義務となり、福岡市でも計画策定が進められています。消防庁の調査では、2019年6月時点で要支援者名簿を作成した市区町村は98.8%に達するものの、要支援者全員の計画策定は全国市町村の12.1%にすぎないとの報告もあります。
 福岡市での自治協議会等の避難支援等関係者へ提出する同意者名簿の掲載人数、個別避難計画は誰がどのように作成し、作成率はどのくらいか、お聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 同意者名簿の掲載人数につきましては、令和2年度の集計で1万8,570人となっております。また、個別避難計画については、自治協議会などの避難支援等関係者が中心となって地域の実情に応じ作成に取り組んでいただいており、作成件数は令和2年度の集計で845件、作成率は同意者名簿の掲載人数の約5%となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) こちらも作成率は5%、ペースアップが必要です。国は今後5年でハザードマップの危険な地域に住む人、推計250万人の計画作成を優先させ、避難訓練の実施も盛り込むこと、また、個別避難計画の外部委託も可能にするとしています。
別府市では、別府モデルと言われるインクルーシブ包括的防災事業として、ふだんから高齢者や障がい者に携わるケアマネや相談支援員の福祉専門職に計画づくりに協力してもらっています。福祉専門職は配慮すべきことを熟知し、日頃のケアサービスの延長線上で計画作成が可能であり、別府市が報酬を支払う仕組みです。
 福岡市内の同意者名簿に掲載されている方のうち、大雨による浸水や土砂災害が想定される地域に住む人は何人か、その方々の個別避難計画を特に急ぐべきではないか、別府市のような例を参考に外部委託を検討してはと考えますが、所見を伺います。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 同意者名簿に掲載されている方のうち、大雨による浸水や土砂災害が想定される地域に居住されている人数につきましては、令和2年度作成の名簿において1万3,862人となっております。個別避難計画の作成はハザードマップで危険度の高い地域に居住の方や独り暮らしの方などを優先的に取り組むこととしており、国の取組指針や別府市など他の自治体の事例なども踏まえ、作成率の向上に向けた取組を検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) また、全国4割の自治体が難病患者を避難行動要支援者名簿の対象としていないとの調査があります。難病患者は市町村からの把握が難しいため、岡山県では医療費助成に必要な受給者証の申請で保健所に来られた患者の同意を得て市町村に情報提供しており、9割が名簿登載されており、多くの命を救うことにつながると考えます。
 福岡市では特に難病患者からの申出があった場合には名簿登載しているとお聞きしましたが、これらを参考に難病患者の名簿登載も検討すべきと考えますが、所見を伺います。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 難病患者の名簿登載につきましては、指定難病には様々な病気があり、避難に支援を必要としない場合もあることから、希望された方について名簿への登載を行うこととしており、保健福祉センターの窓口などに避難行動要支援者名簿に関するチラシや申込書を設置するなど、関係局区と連携して名簿制度の周知に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) どうぞよろしくお願いいたします。こうした避難行動要支援者だけではなく、全国では災害時の家族単位の計画であるマイ・タイムラインの作成支援が進んでいます。2019年3月の条例予算特別委員会の篠原議員の質疑でもマイ・タイムラインを福岡市でも作成するよう提案、局長からは普及を検討したいと答弁をいただいております。マイ・タイムラインの推進方法として、防災ガイドブックでの紹介や視覚障がい者向けの音声QRコードでの紹介、自治会、町内会への配布、作成方法の出前講座、作成方法について自治体のホームページでの紹介や動画での作成支援、小学生と教員向けの作成支援、マイ・タイムラインを取り入れた災害避難カードや逃げキッドの作成、マイ・タイムライン普及リーダーに認定する事業などがあります。
 また、福岡市は共同住宅が全国で一番多いとされており、今回、比較的共同住宅が多い川崎市と相模原市が推進しているマイ・タイムラインの重要性や共同住宅の上層階に居住する方への考え方をお聞きしました。洪水時など、上層部は安全であり、移動を伴う避難は必要ないと考えるが、居住者にそのことを認識してもらう必要があり、その方法としてマイ・タイムラインを活用している。また、マイ・タイムライン作成がきっかけとなり、改めてハザードマップを確認する人が増え、自宅やその周辺の災害リスクを確認し、屋内での安全確保も検討できるため、マイ・タイムラインの周知は有効との回答を得ました。自宅が共同住宅の上層階の場合、避難の必要性は低いと考えられるものの、例えば、マイ・タイムラインに沿って近隣の戸建て住宅に住む祖父母の避難のタイミングはいつか、浸水で外出できない想定も含め、薬や水、食料などの備蓄はどうか、平地に止めているマイカーの移動はどうかなど、備えておくべきことは多くあります。
 福岡市でも共同住宅の高層階にお住まいの方も含め、マイ・タイムラインを家族ごとに作成することにより、福岡市民が我が家の避難対策について考える新たなきっかけとなり、避難行動に大きな効果が得られると思いますが、市ホームページに具体的なマイ・タイムラインの作成手順を掲載するなど、マイ・タイムラインを活用した避難対策の支援強化をすべきと考えますが、所見を伺います。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) マイ・タイムラインにつきましては、災害発生時に自らの身を守る方法や避難などについて家庭などであらかじめ考えるきっかけとなり、市民の適切な避難行動につながることから、令和元年度より出前講座で周知を行っているところでございます。議員からの御提案も踏まえ、ホームページに作成手順を掲載するなど、引き続きマイ・タイムラインを活用した避難行動の支援強化に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) どうぞよろしくお願いいたします。今回の改正災害対策基本法や線状降水帯情報に関する情報の提供などを契機に、福岡市でもさらに災害対策を強化していただきたいと考えます。
 避難対策の強化について島市長に所信を伺います。
 
○副議長(楠 正信) 島市長。
○市長(島宗一郎) 近年、毎年のように全国各地で大規模な自然災害が続いており、高木議員御指摘のとおり、行政が適切なタイミングで避難情報等を発信することや、市民が常日頃から災害に備え必要な準備を行い、危険が迫ったときには適切な避難行動を取っていただくことが大変重要であるというふうに考えています。引き続き市政だよりやホームページ、出前講座などで防災知識の普及啓発に取り組むとともに、災害対策本部機能の充実や避難行動要支援者名簿のさらなる活用など、避難対策の充実強化を図ってまいります。今後とも、市民の尊い命と財産を守ることを第一に、災害に強いまちづくりを進め、防災先進都市福岡を目指し、取り組んでまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) どうもありがとうございます。
 次に、消防行政についてです。
 今のコロナ禍にあって、昼夜を分かたず市民の命を守り抜く消防局職員の皆様の我が身を省みない献身的な日々の御活躍に心から敬意を表し、お礼を申し上げたいと思います。福岡市消防局予算は毎年減少傾向ではありますが、市民の誰からも期待を寄せられている消防行政のさらなる推進は大変重要であり、十分な予算確保も必要と考えます。
 そこで、幾つか確認、提案をさせていただきます。
 2020年3月条例予算特別委員会分科会で、以前視察したつくば市消防本部が導入しているロボットスーツHALの導入を要望しました。脚と腰にベルトを巻くタイプで、体を動かそうとすると脳から筋肉に伝わる生体電位信号をセンサーが検出し、装着者の意思に従って動作をサポートし、重い物を運ぶ際などに腰への負担を軽減させます。重量は3キロ、1回の充電で3時間稼働可能、装着時間は慣れれば30秒で、迅速さが求められる救急隊の出動には影響がないそうです。急病人を持ち上げたり運んだりする救急隊は腰痛がある人も少なくないと言われ、隊員の腰への負担軽減や女性隊員の活躍推進も期待されています。つくば市消防局の女性隊員の話では、果たして男性隊員に比べて急病人やけが人を担架で搬送する際に揺らさないように安定して運べただろうかと心配することもあったが、ロボットスーツ着用によってその心配が軽減されましたとのこと。
 再任用として御活躍いただいている隊員や女性隊員の腰への負担軽減のため、まずは試験的な導入を検討すべきと考えますが、所見を伺います。
 
○副議長(楠 正信) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) ロボットスーツHALにつきましては、導入することにより、傷病者の搬送に当たる隊員の腰への負担が軽減される効果があると導入実績のある消防本部から聞いております。一方で、ロボットスーツを着用した場合、狭い場所での活動が困難となる場合があることや救急活動中にロボットスーツが予期せぬ動きをする場合があり、点滴の針を刺す場合など、細かい動きが要求される救命処置に支障を来すおそれがあるといった一定の課題もあると聞いております。以上のことから、本市におきましては、他都市での導入状況や運用実績などを注視しつつ、引き続きその導入効果について検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) また、石油コンビナートなどでの特殊な災害により消防隊員が現場に近づけない危険な状況でも、複数の消火用ロボットが連携し、情報収集、放水、消火活動などを行える消防ロボットシステム・スクラムフォースが2019年5月、全国で初めて国から市原市に無償で配備されました。
 福岡市でも県などと共同で石油コンビナート等総合防災訓練も実施されていますが、このようなケースの場合の対応はどうなっているのか、これらの導入の必要性も検討してはと考えますが、所見を伺います。
 
○副議長(楠 正信) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 石油コンビナート等での災害対応につきましては、事前に防御活動計画を策定しており、消防ヘリや消防艇、ドローンを活用した情報収集や、高所からの泡放射による消火や石油タンク側面への冷却放水を行うこととしております。このため、現状の体制で対応可能と考えておりますが、今後、消防ロボットシステムの導入の必要性も含めて、さらなる消防体制強化を検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 2020年8月より福岡市都市圏ではNet119緊急通報システムの運用を開始。聴覚や会話に障がいがある方など、音声による通報が困難な方がスマホや携帯から119番通報が可能になっています。外出先からの通報もGPS機能で場所を特定、チャット機能で文字や写真を使って現場状況を送信するものです。
 まずは2020年中の119番通報は年間何件で、うちスマホや携帯からの通報は何件か、また、Net119緊急通報システムの2020年中の利用実績を伺います。
 
○副議長(楠 正信) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 2020年中の119番通報の件数につきましては10万2,511件となっており、そのうち携帯電話からの通報は6万4,270件となっております。また、2020年8月から運用を開始しておりますNet119緊急通報システムの利用実績につきましては、2020年中に4件の通報がございました。
 なお、4件の内訳として、救急通報が1件、操作の誤りによる誤通報が3件となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 携帯電話からの通報は6割を超えているという現状です。
 神戸市や堺市などでは、スマホや携帯電話からの119番通報の際に消防管制員が現場の映像が必要と判断した場合、管制員が通報者に協力を依頼してスマホなどで撮影した映像を送ってもらうシステム、映像通報システムLive119や映像通報119などが運用されています。管制員が通報者の安全を確認した上でショートメール、そのURLを通報者がタップすれば起動し、撮影開始となります。映像により発生場所の特定や現場状況の詳細な把握が迅速にできるため、確実な消防救急活動につながります。
 防災情報カメラや音声だけの通報では情報が分かりにくいケースもあり、これらのように通報者に映像を送ってもらうシステムを福岡市でも導入してはと考えますが、所見を伺います。
 
○副議長(楠 正信) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 映像通報システムにつきましては、通報者が撮影した映像により、周囲の建物などから災害現場を正確に特定することができるなど、災害救急指令センターの機能強化につながる有効なシステムであると考えております。現在、システムを先行導入している他の消防本部からその整備内容や運用方法について情報収集を行っているところであり、今後、都市圏消防本部や関係局と導入に向けた協議を進めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) よろしくお願いいたします。さらに、神戸市では2019年9月から消防団員が災害発生時にLINEで被災情報を共有する消防団スマート情報システムを活用し、災害発生時に市消防局が消防団員に対し、現在地周辺の被害状況を報告するようメッセージを一斉送信。団員が位置情報や被害状況を写真や文章で報告することで被災状況が集約されるとともに、地図上に表示され全員が確認できるもので、今後、市民向け導入も検討されています。
 この消防団員の協力や市民向けの協力について福岡市でも導入すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 
○副議長(楠 正信) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 消防団スマート情報システムにつきましては、大規模災害時に複数の消防団員がSNSで投稿した写真や映像を基に、人工知能、AIを活用し、早期に災害の規模や全体像が把握できるようになると聞いております。現在、本市では防災情報カメラや消防ヘリコプター、ドローンを活用して災害現場の映像等を収集しておりますが、今後、神戸市の事例を参考に関係局とも情報共有しながら、その導入の効果について検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 2017年の道路交通法改正で準中型免許が新設され、2017年3月11日以前に普通免許を取得した人は総重量5トン未満まで運転可能となっていますが、2017年3月12日以降の普通免許取得者は3.5トン以上を運転できなくなっており、総重量7.5トン未満まで運転可能な準中型免許取得が別途必要になりました。
 福岡市消防団車両では総重量何トンの車両が何台あるのか、また、3.5トン以上の消防団車両を運転できる人数と3.5トン未満までしか運転できない2017年3月12日以降に普通免許を取得した人数についてお聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 消防団の車両につきましては、現在72台を保有しており、総重量別の内訳は3.5トン以上の車両が66台、3.5トン未満の車両が6台でございます。また、消防団車両を有する54の消防分団における自動車免許の取得状況につきましては、3.5トン以上の車両を運転できる消防団員は1,604人、3.5トン未満の車両しか運転できない消防団員は19人でございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 埼玉県三郷市など全国市町村では、消防活動の円滑化と消防力強化のため、消防庁が実施している特別交付税による地方財政措置を活用した消防団員の準中型免許取得の助成を行っています。消防団長が推薦し、免許取得後5年以上消防団活動を誓約する団員などに上限15万円を補助するものです。
 福岡市では2020年度からは総重量3.5トン未満の新型車両を導入していく計画と聞いています。また、現状では運転者の確保はできていると思いますが、この準中型免許取得については国の財源措置を活用し、10年後、20年後の将来も見据え、福岡市でも助成を検討すべきと考えますが、所見をお聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 消防団車両の運転者の確保につきましては、地域における消防団活動を将来にわたって円滑に行っていく上で重要な課題の一つであると考えております。今後の消防団活動に支障が出ることがないように、引き続き消防団員の準中型自動車免許の取得について国の財政措置の活用も含めた対応策を検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 相模原市では消防職員の働き方改革の一環で、育児や介護に直面している職員が希望により平日8時半から夕方5時15分までの勤務とする日勤救急隊を発足させています。
 親の介護や子どもの育児休業明けなど、本人が希望すればその期間中に働き方を選択できるシステムはあるのか、昼夜を分かたず任務に当たる消防局だからこそ導入拡大すべきと考えますが、所見をお聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 内村消防局長。
○消防局長(内村弘文) 親の介護や子の育児に当たる消防職員の働き方につきましては、市長事務部局職員と同様に、在宅勤務の実施や勤務時間を柔軟に短縮、変更するなど、働き方を選択できるシステムを消防局でも採用しております。また、本市でも早良消防署に日勤救急隊を配置しており、職員の希望に応じて勤務することも可能でございます。今後とも、消防職員が多様で柔軟な働き方を選択できるよう職場環境の整備を進めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高木勝利議員。
○18番(高木勝利) 最後に、福岡市消防学校については昭和53年の開校から43年目となりました。老朽化が著しく、高度な災害対応能力が求められる一方で、訓練施設等のリニューアルも進んでいないとお聞きしています。これからも福岡市民の安心と安全を守り抜いていただくための人材育成や教育訓練の牙城となる福岡市消防学校の機能強化や施設更新についても、早急に予算措置を講じ、協議に入るよう要望いたします。
 福岡市消防行政のさらなる推進へ本日提案しました内容も含め、島市長の所信を伺い、質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市の消防行政の推進につきましては、都心部の災害即応体制強化や高齢化に伴い増加する救急需要に対応するため、中央区内にある消防署所の再編整備を行うとともに、年々大規模化、激甚化する自然災害等への備えとして、ヘリコプターの更新や消防航空隊の体制の強化に取り組んできたところであります。高木議員御指摘のとおり、今後とも、消防行政推進の根幹となる人材育成を進める一方で、ICT等先進的技術の活用や消防団を中核とした地域防災力の充実強化を図るなど、市民の皆様が安全、安心で暮らせる災害に強いまちづくりの実現に向けてしっかりと取り組んでまいります。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫)登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表いたしまして、小学校における英語の教科化について、植物園の活性化について、この2点について質問いたします。
 まず、英語の教科化についてです。
 現在、グローバル人材の育成ということを日本国内でもよく耳にいたしますが、私はこのグローバル人材とはどのような人を想定して言っているのだろうかと考えることがあります。単に英語のテストの点数がいい人なのか、海外への留学経験がある人なのか、もしくは海外の方々と英語を使って気軽に会話ができる人なのか、海外の企業に勤めている人なのか、どのような人たちをグローバル人材と見るのでしょうか。
 そこで、グローバル人材とはどのような人をいうのか、お尋ねをいたします。
 以上で1問目の質問を終わり、2問目以降は発言者席にて行います。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 文部科学省が開催した産学連携によるグローバル人材育成推進会議の最終報告書によりますと、グローバル人材とは、世界的な競争と共生が進む現代社会において、日本人としてのアイデンティティーを持ちながら、広い視野に立って培われる教養と専門性、異なる言語、文化、価値を乗り越えて関係を構築するためのコミュニケーション能力と協調性、新しい価値を創造する能力、次世代までも視野に入れた社会貢献の意識などを持った人間とされております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) グローバル人材として一つ身につけておいたほうがよいものとして、英語があると思います。SNSの普及のおかげで誰でも気軽に海外の方々とつながることが可能となっている現在、通訳等を介さずに海外の方々とつながりを持てることは海外の方々の生活様式や考え方を知れますし、また、他国の状況を知ることで自国に対する様々なことを考え直すよい機会にもなると感じております。
 そこで、グローバル人材の育成の一つとして、本市においては国の学習指導要領に示されている年よりも早く、市立小学校の5、6年生に対して英語の授業が開始されておりますが、5、6年生に対する英語の教科化に向けた本市の取組についてお示しください。また、英語が教科化となり、授業のコマ数が増えることになりますが、他の教科の授業を実施するに当たり差し支えがないのかもお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 令和2年度からの英語の教科化に向けては、国の方針を前倒しして平成27年度から29年度にかけ、小中高連携モデル地区を設置し、福岡市独自のカリキュラムを作成するとともに、小学校においてネイティブスピーカーを活用するなど、外国語活動の充実に取り組んでまいりました。平成30年度からは全ての小学校にネイティブスピーカーを配置し、令和元年度にかけて年間70時間の英語授業の実施へと移行しております。また、授業時数については、外国語活動を実施していた年間35時間の振替に加え、長期休業期間の見直しや土曜授業の実施により生み出した時数などを活用しており、他の教科への影響が出ない工夫を行っております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 通常、小学校はクラス担任制となっており、担任の先生が各教科を教えていますが、学校規模によって担任外の先生が配置され、少人数指導等を行っていると思います。そのうち特定の教科を専門に教えている、いわゆる専科教員として指導している教科にはどのような教科があるのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 専科の教員が指導している教科は、主に理科、外国語、家庭科でございます。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) なぜ理科、外国語、家庭科は専科の教員が指導しているのでしょうか、お尋ねします。また、小学校においてクラス担任が教える教科はそれぞれ中学校の該当教科の教員免許が必要なのでしょうか。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 専科による指導は、児童の興味、関心に応える授業づくりを行うため、教員が工夫して作成した教材の活用などが行える教科で実施することが望ましいことから、多くの学校で理科や外国語、家庭科などで行われております。また、小学校の各教科は中学校の該当教科の教員免許を有していなくても、小学校の教員免許を有していれば全ての教科において指導が可能でございます。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 例えば、大学では教員の免許等を有していなくても教授として講義がなされているかと思いますが、なぜ小学校の教員が各教科を教えるのに教員免許が必要なのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 小学校の教員免許は児童への指導に当たる教員の資質の保持とその証明のため、教育職員免許法により必要とされております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) それでは、小学校にて英語を教えるに当たり、小学校の教員は中学校英語の教員免許を有しているのでしょうか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 教育職員免許法上、小学校で英語を教える教員に中学校英語の教員免許が必要とされているものではありませんが、免許を有している教員もおります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 小学校で英語を教えている教員全員が中学校英語の免許を有しているわけではないということですが、それでは、英語の授業は誰がどのような形で実施しているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 小学校の英語は、他の教科と同様に主に学級担任が授業を実施しております。また、中学校英語の教員免許を有した英語の専科教員の配置も行っており、令和3年度は24人の専科教員が40校で授業を実施しております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 現在、中学校の英語の免許を有した教員24名が40校の小学校で教えておられるということですが、残り104校の多くの児童は、小学校の免許を有しているが、中学校英語の免許は有していない教員から英語を習っているということになります。
 そこで、私が懸念いたしますのは、中学校英語の免許を有した教員から習っている児童とそうでない児童とで英語に対する理解力に差が生まれるのではないかということです。教員の指導力を高めることが必要だと思いますが、御所見を伺います。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 教員の指導力向上は、教育委員会で主催して教員研修を実施するとともに、それぞれの学校では教員が相互に授業を観察し、改善点等について話し合うことで指導力の向上を図る研修の実施にも努めております。あわせて、小学校3、4年生ではゲストティーチャーを、5、6年生ではネイティブスピーカーを効果的に活用することにより、生きた英語に触れる機会をつくり、英語力の向上に努めております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 5、6年生ではネイティブスピーカーによる授業を実施されているとのことですが、どのくらい関わっているのか、また、通常の授業とネイティブスピーカーによる授業とでは何が違うのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 小学校5、6年生に配置しているネイティブスピーカーは年間70時間の授業時数のおよそ半分の授業に関わっております。担任による授業との違いは、担任は主に電子教材を活用したコミュニケーション活動を実施しておりますが、ネイティブスピーカーは主に学習のまとめの段階で担任とともに実践的なコミュニケーション活動を行っております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) それでは、3、4年生ではゲストティーチャーによる外国語活動を実施していますが、年間何時間配置されているのでしょうか。また、ネイティブスピーカーとゲストティーチャーの違いをお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) ゲストティーチャーは、年間35時間の小学校3、4年生の外国語活動のうち、3年生に18時間分、4年生に8時間分を配置しております。ネイティブスピーカーとの違いについては、ゲストティーチャーはそれぞれの学校が招聘した英語を母国語とする外国人や地域在住の英語が堪能な方々で、主に担任の授業の補助を行っており、ネイティブスピーカーは教育委員会が委託した会社から派遣された英語を母国語とする外国人の指導講師で、担任とともにより高度で実践的なコミュニケーション活動の指導を行っております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) これまで英語の授業は小学校では実施されていなかった上に、英語は使い続けていないと忘れてしまうとよく言いますが、中学校英語の教員免許を有しない教員が外国語活動ならまだしも、教科として英語の授業をすることは相当な負担となるのではないでしょうか。
 そこで、現場からこのような声が上がってきていないのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 英語の授業について苦手意識を持っている教員がいることは認識しておりますが、研修による指導力の向上を図る一方で、ゲストティーチャーやネイティブスピーカーを配置することにより、苦手意識の克服や負担軽減につながっていると考えております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 次に、英語が教科化されるということは、当然テストがあり、教員による採点や評価も伴ってくると思います。教員が一人一人の児童の習熟度を把握していくことも重要になってくると考えます。私は中学校英語の教員免許のない教員が正しく英語を教えることができるのかという不安とともに、正しい評価ができるのかという不安があります。
 英語の評価として、読む、書く、聞く、話すの評価の仕方があるかと思いますが、そこで、5、6年生の英語のテストでは読み書きに重点を置くのか、それとも、聞き取りや発音に重点を置くのか、どう考えているのでしょうか。また、免許のない教員で正確に評価ができるものなのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学習指導要領では、小学校5、6年生における評価を、聞くこと、読むこと、話すこと、書くことの観点から実施するように示されており、文部科学省において具体的な評価の基準が示されていることから、それに基づき、各学校において適切に評価されていると考えております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) それでは、3、4年生では外国語活動を実施されておりますが、外国語活動から教科としての英語の授業への移行はスムーズにできているのか、児童の興味をつないでいく取組はどのようにされているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学習指導要領では、小学校3、4年生の段階で児童の英語に対する興味、関心を高め、5、6年生において主体的に英語を用いたコミュニケーションを図ろうとする態度を養うことが大切であると示されております。福岡市においても、電子教材やゲストティーチャーの活用を通して、3、4年生の英語に慣れ親しませる学習から、5、6年生の身近な事柄について聞いたり話したりするなどの主体的なコミュニケーションを行う学習につなげており、スムーズな移行がなされていると認識しております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 英語の評価は、聞く、読む、話す、書くの観点から評価されるとのことですが、全小学校に中学校英語の免許を有した教員の配置が可能となるまでの間はネイティブスピーカーと連携した授業をさらに行い、子どもたちがより英語に親しむことができ、また、児童の学習習熟度も把握していかなければならないと考えますが、御所見を伺います。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学級担任がネイティブスピーカーと連携し授業を実施するとともに、学習における児童の習熟度を把握することは大切であると認識しております。今後も学級担任がネイティブスピーカーと授業内容を検討したり、一人一人の学習状況を把握して共有するなどにより、英語の学習におけるコミュニケーション活動の充実を図り、生きた英語を使って自分の考えを表現できる子どもの育成に努めてまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 今後もネイティブスピーカーとの連携を深めていくとのことでありますが、ネイティブスピーカーはあくまでも授業の補完をする人たちであり、個々人で質も変わってくると思いますし、教員の免許は有しておりません。先ほどの答弁にもありましたように、小学校の教員免許は資質の保持を目的とするとありました。やはり責任を持って授業ができるのは免許を有した教員であります。
 先ほどの答弁で、現在40校を24名の英語専科教員で対応しているとのことでしたが、今後、中学校英語の免許を有した教員を確保し、配置人数を増やすことも検討しなければならないと考えますが、御所見を伺います。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 英語の専科教員については国からの加配措置により学校に配置を行っており、加配の充実について引き続き国に要望してまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) しっかり要望していただきますよう求めておきます。
 次に、英語の専科として配置されている教員の中で、中学校でしか授業をしたことのない教員には、逆に小学校と中学校での授業の仕方の違いに戸惑う教員もいるかと思いますので、研修なども必要ではないかと考えますが、御所見を伺います。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 英語専科教員に対しては教育委員会で小学校における英語の指導法に関する研修を実施しておりますが、さらに動画を活用した研修の充実を図り、指導力の向上に努めてまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 研修動画を活用した研修の充実を図るとのことですが、重要なのは、このような動画に先生方が簡単にアクセスできるということです。教育委員会が保有しているオンラインのシステムにて配信されるのだと思いますが、現状をお尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 教育委員会が配信している動画については、教員が職員室にある自分のパソコンからすぐに視聴できるシステムを構築しており、個人の研修や学校全体の研修の際に活用しております。英語に関する動画を活用した研修は現在11のコースの受講を可能としており、今後も受講できるコースの充実に努めてまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 先生方が動画を職員室にある自分のパソコンから視聴できるようになっていることは、よい取組だと思います。さらに、自宅やスマートフォンなどからも視聴できるようになると、時間や場所に制約されずに先生方が自分のニーズやペースに合わせて視聴でき、研修の充実にもつながると思いますが、所見を尋ねます。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 教育委員会が配信する動画は基本的に校内で視聴し、研修に役立てることを想定しております。今後は教員が様々な場所で視聴できるよう、福岡 TSUNAGARU Cloudの活用検討など、引き続き工夫をしてまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 福岡市では小学校での英語の教科化に向けた取組を国の方針を前倒しして実施されておりますが、まだこの取組の効果や課題の検証はできていないと思いますので、今後しっかりと課題や効果の検証をしていただきますよう要望しておきます。
 これまでは英語の教科化について質問してきましたが、大切なことは、英語を学び、それをどう生かしていくのかであります。日本は日本語をしっかりと身につけていれば国内の情報などは誰でも入手できますし、進学や就職もできる国です。このことが日本国内の格差を最小にとどめている重要な部分でもあると考えます。だからこそ大切なのは、まず、日本語をしっかりと学んで理解しておくということです。
 そこで、英語を学ぶ前にも大切な国語について少し質問してまいります。
 そこで、本市小学生の過去5年間の全国学力・学習状況調査において、国語の平均正答率の傾向と令和元年度の結果についてお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 全国学力・学習状況調査における国語の傾向については、令和元年度以前の5年間は全国平均正答率とほぼ同程度で推移しております。また、令和元年度の平均正答率は全国の63.8%に対し、福岡市は64.0%となっております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 全国学力・学習状況調査における令和元年度の本市生徒の正答率は64%であり、全国よりは少し高いですが、私は低いのではないかなと感じておりますが、小学校国語では子どもたちの学力にどのような課題があるのか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 全国学力・学習状況調査では、言語についての知識、理解、技能の観点で全国平均を上回り、基本的な言語能力が身についていると評価できる一方で、話す、聞く能力と書く能力の観点で全国平均を下回っていることから、自分の考えをまとめ、表現することに課題が見られます。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) ただいまの答弁によりますと、基本的な言語能力が身についており、平均正答率が全国を上回っていることはよいことであると思いますが、自分の考えをまとめ、表現することに課題があるとのことです。私は表現力を高めるためには、子どもたちがたくさんの言葉を知っているだけでなく、話や文章の中で使いこなすことができる言葉を増やすことなど、子ども一人一人がふだん使っている言葉の量や質を高めていくことが重要であると考えています。日本には様々な語彙があり、語彙力という言葉もあるように、多くの語彙を習得し使いこなしていることが、表現力にとどまらず、教養を高める意味でも大切であると感じております。
 そこで、教育委員会として語彙力を習得させるために必要なことについてどのような認識をお持ちなのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 語彙力を伸ばしていくため、読書活動を推進するとともに、国語科を中心に全ての教科で豊かな言語活動を行い、言葉への興味、関心を深めていくことが必要であると認識しております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) それでは、国語の授業において語彙力を伸ばすために具体的にどのような活動をされているのか、お尋ねいたします。また、言葉とは情報伝達の手段としてだけではなく、思考の手段でもあると言われておりますが、学んだ語彙を活用して人とのコミュニケーションを取っていくことが重要になると考えますが、他教科においても何か取組はされているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 国語科においては、言葉の美しさやリズムを体感させるとともに、想像したことや考えたことを自分の言葉で書いたり話したりする活動を行っております。他の教科においては、感じたことを自分の言葉で表現する活動、観察や見学した内容を書いたり発表したりする活動などを行っております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 日本語というのは、英語と違い、言葉一つにもいろんな意味を含んでおり、創造性を育む上でも大変意義深いものです。海外の方が日本語を学ぶことで日本人独特の思いやりなどを学び、性格が優しくなったということを聞いたこともあります。それだけ日本語というのは、すばらしい言語であると感じております。グローバル人材とは、冒頭にも答弁いただきましたが、日本人としてのアイデンティティーを持ちながら、国際社会の中で、言語、文化、価値観の異なる多様な人々と意思、感情、思考を伝達し合い、主体的に課題に取り組んでいける人であると思います。そうした中で、日本人として、正確な我が国の歴史を、そして、伝統、文化、精神をしっかりと学んでおくことも重要であると考えます。英語ができるからすばらしいということではなく、まずは日本人として日本人の感性をしっかりと身につけられるよう、国語の授業のさらなる充実に加え、日本の歴史、伝統、文化、精神も学ぶ機会を増やしていかなければならないと考えます。
 そうした中で、グローバル人材育成の一つとして、また、子どもたちの幅を広げてあげるための英語の教科化にも取り組んでいただきたいと考えますが、最後に御所見をお伺いしまして、この質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 令和元年6月に策定した第2次福岡市教育振興基本計画では、日本の文化を正しく理解し、様々な価値観を認め合い、理解し合うなど、グローバルな社会で活躍できる児童生徒の育成に努めることとしております。国語においては、言葉で考え、豊かな言語活動を通して自分の考えを広く発信できる力の向上を図るとともに、英語に対する児童の興味、関心を高め、意欲的に学ぶことができる学習を通して、英語によるコミュニケーション能力を身につけていく学習の充実を図ることにより、世界に羽ばたき活躍する人材の育成に取り組んでまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 次に、植物園の活性化について質問します。
 現在、動物園においてはゾウ舎の拡張やペンギンの展示施設の新設等、魅力向上のためのリニューアルが進められております。一方、植物園に関してはこれまで変化を感じることがなく、また、植物園に行くという人も動物園に比べると少なかったと思います。そうした中で、本市植物園の魅力向上につながればという思いで幾つかの角度から質問してまいります。
 まずは、子どもという観点です。
 私も子どもを連れて動植物園をよく訪れるのですが、どうしても子どもは動いているものに興味があることから、動物園のほうに行きたがるわけです。これが正直な子どもの反応であります。子ども連れの場合、どうしても子どもの意思を尊重せざるを得ないのはどこの家庭でも同じではないでしょうか。今後、植物園の活性化を図る上で重要な視点の一つは、子どもたちをはじめ、これまで植物園に興味がなかった人に対して、行きたくなるような仕掛けを生み出していくことではないでしょうか。
 そこで、植物園で実施している市民向けの催事実績についてお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 植物園では春のバラまつりやオオオニバス試乗体験会などのイベントを行っており、過去3年間の実績で申しますと、平成30年度64件、令和元年度54件、2年度27件となっております。また、春の盆栽と山野草展や植物画コンクールなどの展示会として、平成30年度51件、令和元年度52件、2年度41件、さらには押し花教室や寄せ植えなどの講座として、平成30年度52件、令和元年度61件、2年度48件を実施しております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 多種多様な市民向けの催事を植物園で開催していることが分かりました。以前、緑の情報館を訪れた際に、ドングリを使ったトトロなどの精巧な工作展示に魅了され、また、それらを作るワークショップに喜んで参加し、子どもは目を輝かせながら制作していたことがありました。また、様々な取組をしていく中で、室温の管理もできる情報館にて蛍を飼育し、いつでも蛍を観賞することができれば、子どもたちならず、大人にも大変喜ばれると思いますし、環境教育にもつながると考えます。北九州市ほたる館で同様の取組をされておりますので、参考になると思います。このように、工夫次第では植物園ならではの自然との触れ合い、環境教育としての学びも可能であると感じています。
 緑の情報館をセミナールームとしてもっと活用することで植物園の魅力向上に寄与するものと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 植物園で実施しております自然素材を活用したイベントや講座などにつきましては、根強い人気があり、好評いただいております。そのほかにも市内各所において、緑のまちづくり協会が窓口となり、緑のコーディネーターによる花や緑に関する講座など、魅力的な取組を数多く実施しております。今後、これらを緑の情報館へ集約するとともに、より効果的な環境教育の場として磨き上げ、さらには情報発信の強化を図るなどにより、植物園の魅力向上につなげるように取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 子どものときに植物園で楽しい思い出をつくることで、繰り返し来園したくなる効果も見込めるものと考えますので、よろしくお願いいたします。
 次に、一人一花運動という観点です。
 福岡市では市の重要プロジェクトとして、平成30年から一人一花運動を展開しております。これは市民、企業、行政一人一人が花と緑を育て、公園や歩道、会社、自宅など、福岡市のありとあらゆる場所を花と緑でいっぱいにするという取組であり、花をツールとした共創のまちづくりによって、まちの魅力や価値を高めるすばらしい取組であると感じています。私も2年前頃ですが、幼なじみと近所の公園に花を植えたことがあります。結構な数の花でしたけれども、2人で植えていると、近所の顔見知りの方が通りまして、何しようとねと聞かれたので、花を植えていることを伝えたところ、その方は一度戻られて、数分後に何人かの地域の方を連れて、私たちも手伝うよと言って一緒に花を植えたことがあります。そのとき、花は見て楽しむだけではなく、人と人をつなぐきっかけづくりにもなるんだと感じた次第です。
 そこで、一人一花運動の実績としてどの程度広がっているのか、お尋ねをいたします。
 
○副議長(楠 正信) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 一人一花運動の開始前の平成29年3月末と令和3年3月末の比較で実績を申しますと、天神、博多駅などの福岡都心部におけるおもてなし花壇につきましては協賛企業が30社から147社に増えており、また、公共空間での花壇づくり活動であるボランティア花壇は登録団体が116団体から259団体に増えております。それらに加え、新たに開始した取組として、民有地での花壇づくり活動であるパートナー花壇の登録団体が396団体、市民の花づくりを支援する活動サポート企業が13社、情報発信面で既存メディアと連携する一人一花メディアパートナーが10社など、一人一花運動の輪は着実に広がっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 一人一花運動はかなりの広がりを見せているところでありますが、今後も共創のまちづくりを展開していく上では、花や緑のポテンシャルをもっと引き出して生かしていく必要があると考えています。
 そのためにも、植物園は一人一花運動の拠点としての事業をさらに展開していくことが重要だと思いますが、これまでに一人一花運動の拠点として植物園ではどのような取組を行ってきたのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 植物園においては、毎年、秋の一人一花サミットの開催やオンライン一人一花サミットウェブサイトでの情報発信、市民との共創による花壇づくりなど、一人一花運動の拠点としての取組について緑のまちづくり協会と両輪となって進めております。さらに、令和3年4月には一人一花アンバサダーである世界的ガーデナーの石原和幸氏による新たなガーデンづくりを行ったところであります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 先ほどの答弁であった新たなガーデンについては一人一花ホームページにも紹介されており、実際に訪れたところ、写真を撮りたくなってしまうほど魅力的かつすてきな空間ができていました。
 そこで、新たなガーデンを設置した趣旨や目的についてお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 新たなガーデンにつきましては、一人一花スプリングフェスをきっかけに、一人一花運動のシンボルとなる場として設置したものであります。一人一花スプリングフェスは、毎年春に天神、博多駅地区を花で結ぶチューリップロードや警固公園での花装飾を行っており、さらに、今年の春は「花で取り戻せ元気」をテーマとして取り組み、博多駅前広場では石原和幸氏によるガーデンを展示いたしました。この展示ガーデンはサステーナブルをテーマとしており、9日間のイベント期間中だけの展示とするのではなく、植物園へ移設することを前提としたコンセプトで造られており、イベント終了後に一人一花運動の拠点である植物園に移設したものです。今後は当ガーデンが一人一花運動の輪を広げる人材づくりの場にもなるよう展開してまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) コンセプトの説明を受けると、なおのこと植物園の新たな魅力となる可能性が感じられるので、多くの方が見に行きたくなり、まねしたくなり、広がりのきっかけとなるよう、テーマやデザインコンセプトについて市民の皆さんが分かりやすいよう伝える工夫を進めていただければと思います。
 さて、世の中の状況といえば、一昨年からの新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴い、生活する上で何かと制限をかけられ、先の見えない閉塞感を感じながら過ごしている状況となっております。改めて医療従事者や関係者の皆様、また、島市長をはじめ、対応に携わる皆様におかれましては、様々な支援やワクチン接種の早期実現などに向けて日々奔走されており、感謝の念に堪えません。しかしながら、まだ閉塞感を払拭はできておりません。
こういったときだからこそ、花や緑は癒やしとしての重要性を増しており、また、身近な花や緑の空間が求められているのではないでしょうか。国土交通省が令和2年8月に公表した新型コロナ危機を契機としたまちづくりの方向性では、身近な自然資源としての緑やオープンスペースの重要性が再認識されているとの見解を示しており、今後、地域の多様なニーズに応じて柔軟に活用していくことが必要であると強調されています。そういった意味でも、植物園という緑あふれる環境はコロナ禍での新たな生活様式における市民の居場所としてのニーズが相当あるものと考えており、その受皿となるべき重要な公共施設でもあると考えています。
 まさに新たな植物園として活性化を図るチャンスが到来しているのではないかと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 御指摘のとおり、コロナ下において自宅での園芸や身近な公園での過ごし方など、緑の価値が再認識されていると考えております。そのような中、植物園の新たな需要をつかんでいくために、一年を通じて市民が安心して楽しむことができ、また、行きたくなる場づくりに取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) そこで、利用しやすさという観点です。
 春先に訪れた際に植物園の立体駐車場が出来上がっていましたが、立体駐車場の設置経緯と利用開始後の状況についてお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 設置経緯につきましては、動植物園利用者の多くが自家用車を利用していることもあり、駐車待ちによる近隣住民への影響が課題となっておりました。そこで、動植物園再生事業の一環として、植物園の駐車台数を110台増やして、240台が駐車可能となる立体駐車場の整備を行い、動植物園全体で449台の受入れが可能になったところであります。令和3年4月の利用開始に伴い、周辺道路での駐車待ちが大幅に減少し、近隣住民への影響が緩和されるとともに、来園者の利便性が向上していると考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 次に、魅力あるアトラクションという観点です。
 私は過去に動物園の乗り物コーナーがある遊園地スペースをリニューアルすることで魅力向上につながるという内容で質問しておりますが、当時からリニューアルするなら、平たんな土地が多い植物園への移転を提唱していました。例えば、動物園と植物園とをつなぐところの急傾斜地にはスロープカーがあります。もともとの設置目的は障がいのある方や高齢者の方の移動手段として設置されたのだと思いますが、実際乗っているのは親子が多く乗っております。なぜなら子どもが乗りたがっているからです。ここにヒントがあるのではないでしょうか。例えば、上空から植物を眺めることができる空中散歩ができる、また、植物園内をトロッコ列車で回遊できるなど、子どもたちが行きたがる何かが植物園にあれば、自然と植物園にも足が向くのではないでしょうか。
 そこで、子どもたちが植物園に行きたくなるような新たな仕掛けを検討できないか、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 小さな子ども連れの家族を対象とした仕掛けにつきましては、花の見頃である春、秋の週末に民間事業者による電動式のトレーンを運行しており、人気を博しているところであります。今後は来園者アンケートや近隣の小学校へのヒアリングを行うなど、子どもたちのニーズの把握に努めながら、新たな仕掛けについても検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) しっかりとニーズの把握に努めていただくようお願いをいたします。
また、今まで植物園に興味がない新たな顧客の獲得も考えていくべきであると思います。次に、新規顧客の開拓という観点です。
 植物園の周辺に目を向けますと、複数の高等学校が集中していますが、その割には高校生をあまり園内で見かけることがないように感じています。もったいないなと感じているところであり、例えば、高等学校の茶道部が季節に合わせて野外で茶をたてる野だてを実演することで風情を演出することができると考えます。
 植物園と高等学校の近接性というポテンシャルを生かしていくことも大事なことであると考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 植物園では春や秋のバラまつりの際に、吹奏楽部の御協力をいただき園内コンサートを開催しており、出演者、来園者ともに楽しんでいただいております。今後、若い発想や活力をさらに取り入れながら、植物園の活性化を図っていけるよう近隣の高等学校との連携を深めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 先ほどコロナ禍における癒やしとして、花、緑には新たな役割やニーズが生まれていることに触れましたが、それに関して2つの視点がポイントになると考えます。1つは、集客性の高い食に関することです。緊急事態宣言も延長され、福岡の魅力の一つである食文化が大きな打撃を受けているのは周知のとおりであります。そのような中でも知恵を絞って新たな食の提供を試みようとする企業もあり、私の知るところでは、キッチンカーによる移動販売に着目し、市民への娯楽の提供とともに、飲食業界への支援にもつながる事業を展開しているところがあります。コロナ禍においても、花や緑に囲まれた植物園の強みを最大限に生かして新たな食の提供に着目してみてはどうでしょうか。
もう1つは、新型コロナウイルス感染症拡大がなかなか収まらない状況下で遠出ができないこともあり、確実に自宅で過ごす時間は多くなっています。そのような中、身近なところでウオーキングを始めるなど、健康づくりに励む方が多くなっているように感じますし、ペットブームも相まってペット同伴での散歩需要が高まっているのではないでしょうか。動植物園では、飼育している動物への影響があることからペットの持込みができないことは十分理解できるところではありますが、開園時間外の朝夕の時間帯は、夏には涼しく活動でき、来園者との利用形態を差別化することもできるかと思います。また、植物園の近くには宿泊施設もあります。健康を意識している方々が増えている中、宿泊した方が朝夕のウオーキングを植物園できれいな花を見ながらできるといいなとも思います。また、植物園内の展望台からの景色も最高ですし、ここから動物園の動物たちを見られるようにすると、また植物園の利用者増にもつながると考えますので、展望台の有効活用を考えてもよいのではないかなと感じております。新たな植物園の顧客獲得という側面でも検討に値するかと考えています。
 植物園にしかできないこと、コロナ禍だからこそ花や緑を生かした癒やしの場づくりにチャレンジすべきことを検討することで、昨今の暗い状況を打破する新たな市民サービスの提供とともに、植物園の活性化にもつながるものと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 植物園来園者へのサービス向上に向けては、緑のまちづくり協会と連携し、来園者が多い5月の連休時にキッチンカーを設置しております。また、令和3年4月に植物園ショップや展望台カフェをリニューアルし、観葉植物や花苗の販売のほか、テークアウトメニューも充実したところであります。コロナ禍における新たな生活様式や花、緑への関心の高まりに合わせ、市民ニーズや機会を捉え、新たなチャレンジに取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) コロナ禍だからこそ積極的なチャレンジが植物園を変えていくきっかけにもなると思いますので、ぜひ御検討いただければと思います。
 さて、これまで幾つかの提案を含め質問をしてまいりました。全市的なプロジェクトである一人一花運動の輪が広がっている追い風もありますし、植物園を活性化し、一人一花運動の拠点としての機能強化を今まさに図っていこうとされていると思います。動物園のリニューアルも着実に進んでおりますので、歩調を合わせる形で植物園も市民ニーズに合わせた変化と進化が必要だと考えます。また、植物園を回遊していただけるような取組もしながら、市だけではなく、両輪である緑のまちづくり協会の活動実績や活動団体とのネットワークを最大限生かすことで、さらに効果的、効率的に植物園の活性化を進めることができると考えております。
 最後になりますが、改めて市と緑のまちづくり協会が一体となり、一人一花運動に象徴する花や緑にあふれたまちづくりの実現に向けて、植物園の活性化に挑む市としての意気込みをお聞かせいただき、質問を終わらせていただきます。
 
○副議長(楠 正信) 光山副市長。
○副市長(光山裕朗) 福岡市植物園は、植物の展示及び緑化の普及啓発とレクリエーション機能を備え、市民の憩いの場として楽しみながら花や緑を育てることをコンセプトとした都市緑化型の植物園であり、一人一花運動の拠点にも位置づけております。昨年から新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延により、人々の生活様式が大きく変わる中、身近にある緑やオープンスペース、また、そのような場で過ごすことの重要性が再認識されるなど、花や緑あふれる植物園の存在意義は以前にも増して高まっているものと考えております。このような時期だからこそ、子どもたちをはじめ、より多様な市民ニーズに応えられる施設として、また、一人一花運動を推進する拠点として、より利活用されるよう前向きにチャレンジしていくことが肝要であると考えており、これまで以上に緑のまちづくり協会と一体となって植物園の活性化や魅力づくりにスピード感を持って取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) この際、休憩し、午後2時55分に再開いたします。
午後2時43分 休憩
午後2時55分 開議
○議長(阿部真之助) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。福田まもる議員。
○46番(福田まもる)登壇 私は自民党新福岡を代表して、GIGAスクール構想におけるオンライン授業の在り方について、天神ビッグバンにおける感染症対応シティへの取組について、以上2項目について質問してまいります。
 まず、GIGAスクール構想におけるオンライン授業の在り方についてであります。午前中の天野議員の質問と一部重複しますが、確認の意味合いもありますので、よろしくお願いいたします。
 今日の社会は、生活のあらゆる場面でICTを活用することが当たり前の世の中となっております。さらに人工知能、ビッグデータ、IoT、ロボティクスなどの先端技術が高度化し、あらゆる産業や社会生活に取り入れられ、社会の在り方そのものが劇的に変わるSociety5.0時代の到来が予想されております。このような時代において、次世代を切り開く子どもたちには、情報活用能力をはじめ、言語能力や数学的思考力など、これからの時代を生きていく上で基盤となる資質、能力を確実に育成していく必要があり、そのためにもICTを効果的に活用していくことが必要となっています。
 本市においても、ICTを活用した教育を進めるため、令和2年度までに教室へプロジェクターの設置、教員へタブレットパソコンを配布、また、学校へ無線LANを設置するなど、日常的に教師が授業の中で活用することができるよう整備してこられました。さらに、GIGAスクール構想の一環として、児童生徒に対して1人1台のタブレット端末を配布するとともに、各学校の校内通信ネットワークの高速大容量化といった対応についても、全国でもトップレベルのスピードで進めていただいており、大変感謝しております。
 こういった対応により、新型コロナウイルス感染症の影響による休校や学級閉鎖とせざるを得ない状況であっても、整備された1人1台のタブレット端末を活用することで、オンライン授業を積極的に行っていただいていると聞いております。
 そこでまず、改めて本市においてオンライン授業を実施している目的についてお尋ねいたします。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は発言者席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) オンライン授業の目的は、様々な理由により、子どもたちが学校で授業を受けることができなくなった場合に、ICTを活用して授業を行うことで、児童生徒の学びを止めず、学習の機会を保障することでございます。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 今答弁いただいたように、オンライン授業については、やむを得ず登校することができていない児童生徒に対して、大変有効な方法であると考えます。
 次に、本市では現在、どのような児童に対してオンライン授業を行っているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) オンライン授業の対象は、休校や学級閉鎖で登校できない児童生徒、新型コロナウイルス感染症が不安で登校していない児童生徒、不登校や長期病気療養により登校していない児童生徒、病院に入院している院内学級の児童生徒などでございます。さらに昨年度は、土砂災害の影響で休校となり登校できない児童生徒に対しても、オンライン授業を実施いたしました。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 新型コロナウイルス感染症による休校、学級閉鎖の場合にとどまらず、感染不安や基礎疾患のある児童生徒、不登校の児童生徒など、欠席の理由を問わず、様々な子どもたちに対してオンライン授業を実施していただいているということが分かりました。
 それでは、ここから新型コロナウイルス感染症などの影響で休校や学級閉鎖となり、登校できなくなった児童生徒に対して実施しているオンライン授業についてお尋ねいたします。
 本市では、文部科学省が進めているGIGAスクール構想で示されているスケジュールを前倒しし、令和2年11月末までに1人1台端末を整備したと聞いております。
一方、令和2年度のオンライン授業について、GIGAスクール構想による1人1台端末の整備が完了する前は、どのようにしてオンライン授業を行ってきたのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 御指摘のとおり、令和2年11月末までに1人1台端末を整備しておりますが、それ以前は、家庭に端末がない場合、教育委員会が家庭の通信環境に応じて貸し出したWi−Fiモデルのタブレット端末やLTE通信機能つきのタブレット端末を活用し、オンライン授業を実施してまいりました。整備後の12月以降は、1人1台端末を活用するとともに、通信環境がない家庭に対しては、モバイルルーターを貸し出して対応しております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 新型コロナウイルス感染症の発生により、学校現場では様々な感染症対策を講じることによって、学びを止めないための努力をなされてきたかと思いますが、他都市の状況を見てみますと、オンラインを活用した取組について十分に実施することができなかったところもあったように聞いております。そのような中においても、本市ではいかなる場合でも学びを止めないといった目的を達成するために、必要となる機器の整備を令和2年度の早い時期から着実に進めていただきました。
 では、令和2年度におけるオンライン授業についてはどのような内容であったのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校と家庭をつなぐビデオ会議サービスを活用し、子どもたち一人一人の反応を踏まえた双方向型の授業を実施しており、その際には福岡市独自の教育クラウド、福岡 TSUNAGARU Cloudで公開している学習動画やAIドリルなども活用しております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 今答弁いただいたような授業については、当然ながら、児童生徒や保護者にとっては初めての経験であり、様々な声が届いているのではないかと思います。
 そこで、オンライン授業を受けた後、児童生徒や保護者がどのような感想を持ったのか、教育委員会として把握していることがあれば、具体的にお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 一部の学校で、令和2年度にオンライン授業に関するアンケート調査を実施しており、それを基に申し上げますと、児童生徒からは、学校は休みだったが、友達の顔を見ながら授業を受けることができてよかった、保護者からは、学校の事前の準備がしっかりとできており、子どもが親の手を借りずに自分で楽しく授業に参加していたといった感想が多く、おおむね好評であったと伺っております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) オンライン授業を実施したことが、児童生徒や保護者にはおおむね好評であったということは成果の一つと言えますが、改めて教育委員会として、令和2年度のオンライン授業について、成果と、そして、課題をどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) オンライン授業の成果は、基本的な生活リズムを維持できたこと、学級担任等が児童生徒に直接家庭学習の内容を示すことができ、学習習慣の定着と内容の充実につながったことなどで、課題は、オンライン授業に円滑に移行できるよう、それぞれの家庭からの通信環境を整えていく必要があること、授業内容として、教員への研修等をさらに充実させ、オンライン授業の質を向上させていく必要があることなどでございます。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) オンライン授業を実施することによって、児童生徒にとっても、学校へ登校するときと同じような生活リズムで家庭学習を行うことができたことは、学びを止めないといった観点からも、大きな成果だと思います。
 一方で、課題として大きく2点について答弁がありました。それらについて掘り下げて聞いていきたいと思います。
 まず、家庭の通信環境についてです。令和3年度当初予算では、通信環境のない家庭であっても、教育委員会がモバイルルーターを配付することによって、家庭でも1人1台端末をインターネットに接続できるような環境を整備し、オンライン授業を受けることができるようにするとのことでしたが、現在、通信環境のない家庭への対応はできているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 令和3年4月に通信環境に関する一斉調査を実施し、モバイルルーターの貸出しを希望する全ての御家庭に約6,500台を配付しております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 報道等によりますと、他都市ではまだオンライン授業ができる環境にはないという都市もある中、本市では家庭の通信環境への対応も行っているとのことです。このことは全ての児童生徒の家庭において、いつでもオンライン授業ができる環境になっているということになります。家庭の通信環境という大きな課題についても、今回、スピード感を持って取り組んでいただきまして、保護者の方々も大変安心されております。
 昨年は、オンライン授業の教科や内容については、各学校で教員が工夫をして実施されたと聞いております。では、令和3年度から教育委員会として新たに取り組まれていることはあるのでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 令和3年度は教員等がオンライン授業をする際に、指導者用デジタル教科書を導入しており、これに掲載されている写真や動画を活用することにより、児童生徒の理解を深めるための工夫をしております。また、学校の授業内容に合わせて作成している動画を福岡 TSUNAGARU Cloudにアップロードし、オンライン授業でも活用できるようにしております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 令和3年度の取組として学習動画を作成しているということですが、具体的にはどのような内容で、どのぐらいの数の動画を作成しているのか、また、その動画をどのように活用しているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 教員が教科書の各単元ごとに5分から10分程度にまとめた動画を、学習の進捗に合わせて毎月80本程度作成しており、その結果、5月末で約1,400本の学習動画をストックしております。これらの活用方法としましては、教員や児童生徒が学年別や単元ごとのメニューをクリックすると、すぐに視聴できるようにしており、教員が授業中に児童生徒の理解を深めるための参考教材として視聴させたり、児童生徒が復習のために授業後に視聴するなど活用されております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) そのような多くの動画を授業の進捗に合わせて毎月作成されているということで、大変御苦労もあるかとは思いますが、こうした取組については引き続き力強く進めていっていただきたいと思っております。
 しかし、このようなコンテンツも利用されなければ意味がありません。視聴回数や利用状況などを把握することが、動画をよりよいものへと改良、改善していくことにつながっていき、また、より多くの児童生徒が積極的に活用することにもつながっていくと思います。動画の視聴回数や効果の検証を行い、しっかりとメンテナンスを行っていただきますよう、併せてお願い申し上げます。
 また、オンライン授業を実施する上で、教員のスキルの向上についても取組を進めていく必要があります。その活用を推し進める教員のスキルが追いついていないのであれば、その効果は半減してしまいます。
 そこで、令和2年度から3年度にかけて、オンライン授業の内容が充実することにつながる取組を進めてありますが、オンライン授業に関する教員のスキル向上のため、どのような取組を行ってこられたのか、また、実際にはどの程度のスキルが身についているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 福岡市においては、休校や学級閉鎖を想定し、管理職や校内の中心的な役割を担うICT推進リーダーの教員を対象に、令和2年8月からオンライン授業に関する研修を進めてまいりました。令和2年度には実際に全市一斉で学校と各家庭とをつなぐオンライン授業を3回実施したところで、大部分の教員がオンライン授業に必要な知識や基礎的な技能を身につけたと考えております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 今答弁にありました、全市一斉に実施されたオンライン授業については、他都市に例を見ない取組として、新聞やテレビなどで報道されてあったかと記憶しております。本市の全ての教員がオンライン授業に取り組む機会を位置づけたことは、福岡市全体の教員のオンライン授業のスキルの確かな底上げにつながったとともに、オンライン授業を含めたICTを活用した新たな学びを実現していくことの重要性に、教員一人一人が目を向けることにつながったのではないでしょうか。
 今後のオンライン授業の充実のためには、引き続き教員に対して研修を行っていくことにより、さらに教員一人一人のスキルの向上を図っていく必要があると考えますが、教員の研修に関しまして、令和3年度の取組はどのように進められているのでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 令和3年度は、2年度に実施した基礎的な研修に加え、各校のICT推進リーダーを対象に、ICTの応用的な活用による授業の実現に向け、高度な知識を持った外部の専門講師による研修を実施いたします。また、全ての教員が質の高い授業の実施例とその解説動画をいつでも視聴できるようにしており、今後も教員一人一人のスキル向上を図ってまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) オンライン授業についての環境整備、内容の充実、先生方のスキル向上への取組など、様々な課題に対し積極的な取組を答弁いただき、大変心強く思います。ただ、先ほどの答弁では、ICT教育のスキルを底上げするためのものであり、オンライン授業を行うに当たっての取組とはまた若干違うものになるのではないかと考えております。
 オンライン授業といっても様々な方法があろうかと思います。先ほどの答弁であったように、ネット上に保存した動画や教材で学ぶオンデマンド方式や、ビデオ会議サービスを利用し、教員と子どもたちがリアルタイムで映像や音声をやり取りする同時双方向、もしくは対面授業と同時双方向を併用したハイブリッド方式など、いろんな可能性があります。それぞれの特性を生かしたオンライン授業が的確に行われるように、教育委員会として示していくべきだと思われます。
 それで、各学校がオンライン授業を進めていくに当たり、基準を教育委員会として定めているのでしょうか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) オンライン授業を効果的に実施するため、オンライン授業に関するガイドラインを作成し、各学校に通知しております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) ガイドラインを作成し、学校に通知しているとのことですが、ガイドラインの内容については、どのようなものになっているのでしょうか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 新型コロナウイルス感染症等により、休校や学級閉鎖を行った場合にオンライン授業に移行しますが、その際に学校が活用できる時間割、実施する教科や内容の例、安全面への留意事項、出席停止に関する取扱事項などについてガイドラインに記載しております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 昨年、短期間で福岡市内全ての学校においてオンライン授業を実施できたのは、こうしたガイドラインなどを作成することにより、各学校がオンライン授業の具体的な運用について考えていく際の基準となっていたからであると思います。その点については感謝申し上げます。しかし、現在作成されてあるガイドラインについては、主にコロナ禍におけるオンライン授業の運用であると考えます。コロナ禍で取り組まれてきているオンライン授業については、この流れを後戻りさせないという意識の下、継続とスピードという視点を大切にしつつ、今後を見据えた方針として示すことが必要であります。
 コロナ禍、さらにはアフターコロナの学校の教育活動を考える際の視点として不可欠なのは、将来、今回と同様の事態が再び生じ、学校が通常の教育活動を行えなくなった場合でも、子どもたちの学びを確実に保障し得る環境を事前に整えておくことではないでしょうか。私自身は全てをオンライン授業に切り替えろと言っているわけではありません。小中学校に通う多くの子どもたちは、昨年の休校の際に、学校に行きたい、友達や先生たちに会いたい、勉強したり遊んだりしたいと本気で願っておりました。やはり、学校に集い、対面にて授業を行うことが子どもたちの学びを深め、一方の教員も子どもたちの反応を確認しながら授業を進めることで、教員としてのやりがいや誇りを感じるのではないでしょうか。
 しかし一方で、今回のような事態や思いもしない有事で休校や学級閉鎖となった場合でも学びを止めないためにも、今後、オンライン授業を活用しなければならないことにもなる。だからこそ、今のうちに教育委員会として、オンライン授業をどのように立てつけを行い、活用、実践していくかという方針、指針が示されるべきだと感じております。それが示されないことには、各学校現場において、オンライン授業の取組が曖昧なままで、せっかく昨年行ったオンライン授業に対する熱量がこの1年で冷めてしまうことを危惧しております。全ての子どもたちの学びを保障していくためのツールとなるよう、いざというときに全ての学校において質の高いオンライン授業が実施できるように、恒常的に準備をしておくことが必要であると考えております。本市において取り組んでいただいているオンライン授業は、全国に目を向けても先進的な取組となっており、本市の教育の新たな可能性を開くものであると私は強く信じております。
 最後に、今後、福岡市におけるオンライン授業やICT教育の推進について、教育長の所見をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) オンライン授業を推進するに当たっては、その特性に適した教科や学習内容において、思考や表現の有効なツールとしてICTを効果的に活用していくことや、教員の指導力をさらに向上させていくことが重要であると認識しております。令和2年度は、基礎疾患や感染不安などの理由により登校できない児童生徒に対するオンライン授業にいち早く取り組んだところで、その後、休校や学級閉鎖での実施へと拡大し、学習の機会の保障に努めてまいりました。
 教育委員会として、いわゆるアフターコロナを見据えた具体的な方針を各学校に示し、感染症や自然災害等による学級閉鎖や休校の際に、速やかにオンライン授業に移行できるようにするとともに、これまでの対面の授業におけるよさを生かしつつ、最先端のICT教育とのベストミックスを図り、教員や児童生徒の力を最大限に引き出す教育の充実に努めてまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、天神ビッグバンにおける感染症対応シティへの取組についてであります。
 昨年9月の質問では、2015年2月に発表された天神ビッグバンのこれまでの歴史をひもといてまいりました。現在、幾つかのビルが解体工事に入り、一部では新しいビルの形も見えてきたところで、天神の景色がさま変わりしている最中でもあります。
 これからは新型コロナ危機を契機として、ビルやオフィスの役割を含め、新しい時代に対応した都市づくりが求められております。まちは時とともに進化するもので、それに合わせて都心部の機能更新も時代に応じてバージョンアップが行われるべきだと思います。経済の先行きが不透明でネガティブな声もある中、福岡市は今まさに、まちが生まれ変わろうとしているタイミングでもあります。
 コロナ禍において、本市では昨年8月に「世界に先駆けた感染症対応シティへ」と打ち出すなど、いち早くピンチをチャンスに変える取組が行われていると考えております。今回、その取組を推進する天神ビッグバンの進捗を確認してまいります。
 まず、確認ですが、天神ビッグバン始動の起点となった航空法高さ制限の緩和の内容についてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 国家戦略特区において認められた航空法高さ制限の緩和につきましては、まず、平成26年11月に第1弾として天神明治通り地区において、従前の約67メートルから約76メートルの高さの建物が建てられるよう緩和が認められております。また、その際に、今後、福岡市による具体的な地区計画の検討と並行して、迅速に承認に向けた手続を進めるとされております。その後、平成29年7月に大名地区において、従前の約76メートルから約115メートルへ、平成29年9月に天神明治通り地区において、最大115メートルへ、令和3年3月には天神一丁目地区において、最大約96メートルへの緩和が認められたところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 天神地区においては、官民連携での計画的なまちづくりを進めるため、地区計画制度を活用しておりますが、天神ビッグバン始動後にエリア内で策定された地区計画についてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 天神ビッグバン始動後、平成27年9月に天神一丁目南ブロック、29年9月に旧大名小学校跡地、31年3月に天神二丁目南ブロック、令和2年9月に天神一丁目北ブロック、令和3年3月には天神一丁目地区において地区整備計画を都市計画決定しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) メインエリアである天神明治通り地区で残る天神二丁目北ブロックにおいても、まちづくりに関する地権者間の協議は進んでいると思いますので、しっかりとサポートのほうをお願いいたします。
 次に、地区計画を策定したエリア内における大規模なビルの建て替え計画の進捗状況についてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 平成31年1月には天神ビッグバンボーナス認定第1号となる天神ビジネスセンターが着工しており、令和3年9月末の竣工予定でございます。また、平成31年7月に着工した旧大名小学校跡地では、令和4年1月から公共施設を順次供用開始し、4年12月にオフィスや商業施設など、4年度末にホテルが開業予定でございます。さらに、福ビル街区建替プロジェクトが、平成31年4月から既存ビルの解体工事に着手しており、令和6年12月に竣工予定でございます。また、令和2年10月からヒューリック福岡ビルが解体工事に着手しているほか、建て替えに向けて相談を受けている案件が複数ある状況でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) これら建て替えのタイミングに合わせて感染症対応を実施していくことが重要と考えております。
 そこで、感染症対応シティへの取組概要についてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 感染症対応シティへの取組につきましては、天神ビッグバンなどによって、ビルの建て替えが今まさに進行している都心部におきまして、容積率緩和制度を活用し、感染症対応の機能を実装することで、これからの時代に求められる新しい価値を生み出していくものでございます。ビルの建て替え時に、換気、非接触、身体的距離の確保、通信環境の充実などの感染症対策の取組を誘導することで、より国際競争力が高く、安全、安心で魅力的なまちづくりを行うものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 本市では規制緩和によって民間活力を引き出す手法を採用しておりますが、感染症対応の取組の誘導策についてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 容積率緩和制度を活用して誘導することとしており、まちづくりの取組評価項目の一つである国際競争力の分野に感染症対策を追加するものであります。また、感染症対策を実施するビル計画につきましては、天神ビッグバンボーナスの適用期限を、令和6年12月末から令和8年12月末に特例的に延長するものであります。これらの制度の拡充により、ビルの建て替えに合わせた感染症対策の取組を誘導してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) それでは次に、感染症対策が見込まれるプロジェクトについてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 昨年8月に感染症対応シティの取組を公表して以降、天神ビジネスセンターにおきましては、株式会社ジャパネットホールディングスの機能移転が発表され、感染症対応シティへの取組が福岡市を選ぶ際の後押しになったと聞いております。また、旧大名小跡地活用事業、福ビル街区建替プロジェクトやイムズの建て替えにおきましても、民間事業者から、感染症対応シティへの取組をビルに導入していくことが次々と発表されております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 本市が感染症対応シティを公表したことで、実際に機能移転してきた企業から評価されたことや、スケールの大きなプロジェクトに感染症対策が実装されることは、安全で先進的なまちとして大きなPR効果が期待できると考えております。
 それでは、具体的に各プロジェクトにおける感染症対策の取組内容についてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 天神ビジネスセンターにおきましては、機械換気における最大換気量を法基準の1.7倍に増強するとともに、目的階までタッチレスで移動可能なエレベーターの追加や、トイレ空間での接触機会低減などの取組、また、旧大名小跡地活用事業におきましては、外装材への自然換気スリットの導入、エレベーターシステムの非接触機能に加え、広場も含めた敷地全体での多様な活動に対応したWi−Fi整備などを実施することとしております。さらに、福ビル街区建替プロジェクトにおきましては、自然換気が可能となるダブルスキンの導入、エレベーターシステムの非接触機能追加、ワンフロア約1,400坪となる西日本最大規模の基準階面積の確保などに取り組むこととしており、換気、非接触、身体的距離の確保、通信環境の充実などの感染症対策が大規模ビルへの建て替えと併せて実現される予定でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 感染症対策の取組内容について、具体的に市民を含めた皆さんがイメージできるように公表されることは、これから計画を進めていく事業者にとっても大きなヒントになり得ると思いますし、取組の将来的な標準化を推進することにもつながると考えます。
 では、市独自の容積率緩和制度を活用し、感染症対策を実施するビルについては、その取組を積極的にPRすることで企業誘致にもつながり、結果的にまちの活力を生み出すことができると考えますが、所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 西野住宅都市局長。
○住宅都市局長(西野 仁) 拡充した制度につきましては、既に地区計画を策定している地区や進行中のビル計画などにおいても活用が可能であり、積極的に感染症対策の取組を誘導してまいります。市民や来街者にとっても、感染症対策を実施していることを示すことは大事であるため、市の制度を活用しているビルにつきましては、感染症対策に取り組んでいることを市としても積極的に発信していきたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 本市が感染症対応シティを目指し、天神ビッグバンを推進することで、ハイクオリティーなオフィスが整備されようとしていることは、外資系金融機関をはじめとする国際金融機能の誘致に関して絶好の機会であるとも考えております。
 本市も参画する産学官の推進組織、TEAM FUKUOKAでは誘致の実績を積み重ねており、今年に入り香港の資産運用会社、MCPホールディングスやシンガポールの新興企業、キャップブリッジファイナンシャル、東京のフィンテック企業、ダルマ・キャピタルがこの福岡市に拠点を設立することを発表しております。また、新聞記事にあった監査コンサル大手のデロイトトーマツが、天神にデジタル人材育成とソフトウエア開発の拠点を設立するといった企業の立地は、天神ビッグバンを含めた本市の今後の成長を期待して進出してきたものではないかと考えております。
 以前も述べましたが、福岡市は地形的な特徴として、海や山が身近にあり、都市的な魅力と豊かな自然環境が調和した、働くにも住むにもちょうどいいあんばいの都市であり、さらに感染症に対応した機能が加わることにより、感染症拡大防止と社会経済活動の両立を図りつつ、新しい時代が都市に求める魅力と価値が一気に高まるに違いありません。第3次産業が中心の本市においては、多様な都市機能が高度に集積する都心部の発展が不可欠で、新しく生まれ変わるまちに国内外から良質な企業を呼び込み、新たな雇用を生み出していくことが重要であり、都市の成長につながっていくと考えております。ウィズコロナ時代のニューノーマル社会に向けて、東京のような過密過ぎるメガシティ中心の時代から、職住近接したちょうどよい価値の地方拠点都市の時代に移行していく過渡期であると思いますし、実際に本市へ拠点を移す企業の動きも出てきている中で、今後とも、感染症時代に対応した新しい福岡都心のまちをしっかりとアピールしていただきたいと思います。
 これまで感染症対策への取組をはじめ、天神ビッグバンの進捗について確認させていただきましたが、本市はこのコロナ禍にあっても、現状にとどまることなく、未来に向けて果敢にチャレンジし、新型コロナウイルスに立ち向かおうとしております。現在もコロナ禍における影響が続いてはおりますが、厳しい状況だからこそ、ピンチをチャンスに変える姿勢が大事で、いち早く実践することが重要だと思います。この困難を克服することによって、本市はまさに世界に先駆けた感染症対応シティとして、日本だけでなく、世界に向けてその魅力を高めていくことにつながっていくと期待しております。
 最後に、将来を見据えたビッグプロジェクトである天神ビッグバンを含め、福岡市の都心部をどのようなまちにしていきたいかを島市長にお伺いして、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡都心部におきましては、航空法の高さ制限の緩和をはじめとする規制緩和によりまして、天神ビッグバンなどの建て替えプロジェクトが進行し、今まさに多くの更新期を迎えたビルが耐震性の高い最先端のビルへと建て替わり始めております。
 福田議員御指摘のとおり、今回の新型コロナウイルスの感染拡大を契機として、公共空間やオフィスの役割を含め、新しい時代に対応した都市づくりが求められております。このような機会を捉え、福岡都心部について感染症対応シティにつくり変えるインセンティブを新たに導入しており、これまでの安全、安心で魅力的なまちづくりに加え、感染症に強いまちへと生まれ変わらせることによって、より国際競争力が高く、企業をはじめ、多くの人々に選ばれるまちにしていきたいと考えております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし)登壇 私は福岡市民クラブを代表して、福岡市の河川行政について、治水対策と河川ごみの2つの視点から質問をいたします。
 まず、治水対策からお伺いしていきます。
 近年は、豪雨による河川の氾濫が全国的に頻発しており、福岡市民の河川防災への意識も高まってきています。我が家のそばを流れている川は氾濫しないのか、近頃の雨の降り方を見ると気が気でない、私もそのような御相談を多く受けるようになりました。氾濫に備えた河川の災害対策の重要性は言うまでもありませんが、市内全ての河川を一度に整備できるわけはなく、限られた行政資源を効果的に活用しながら市民の要望に応えなくてはなりません。しかし、河川は管理者と工事実施主体が異なる場合もある、また、工事などは技術的に難解な事柄も多いなど、市民にとっても誰に相談していいのか、どのようなお願いをすればいいのか、分かりづらい仕組みとなっております。
 そこで、福岡市内を流れる河川防災の取組についてお尋ねしていきます。
 まず、河川の種類、また、その種類ごとに河川管理者が誰で、どのような役割があるのか、御説明ください。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は発言者席にて質問いたします。
 
○議長(阿部真之助) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) まず、河川の種類でございますが、河川法に規定される1級河川、2級河川及び準用河川のほか、市町村が制定した条例に規定される普通河川に分類されます。
 次に、これらの河川管理者につきましては、1級河川は国土交通大臣が、2級河川は都道府県知事が、準用河川及び普通河川は市町村長がその管理を行うこととされております。
 また、河川管理者の役割といたしましては、公共の安全を保持するため、洪水等による災害発生の防止や流水の正常な機能維持など、総合的に河川の管理を行うことでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 河川の種類と管理者をそれぞれ御答弁いただきましたが、県が管理者である2級河川の改修を福岡市が行っている場合もあります。
 そこで、市が2級河川の改修を行っていることについて説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 2級河川につきましては、基本的に河川管理者である県が改修工事や維持修繕を行うこととなりますが、周辺のまちづくりと一体となった河川整備を行うため、河川法第16条の3の規定に基づき、県との協議により区間を定めた上で、福岡市が改修工事等を行うことができるものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 周辺のまちづくりと一体となった河川整備を効率的に行うためにも、市も2級河川の整備に携わるということで理解をいたしました。
 では、市は河川改修や河川の維持管理について、どのような取組を行っているのかお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 福岡市における河川改修につきましては、過去と同様の被害を再び発生させないため、また、都市化の進展に適切に対応するため、河道の拡幅や掘削、護岸の整備等を推進しております。また、河川の維持管理につきましては、排水機場や護岸などの河川管理施設において、定期的な点検による状況把握や修繕を行うとともに、河川の流水機能を確保するためのしゅんせつや除草などを実施しているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 様々な取組をされているということですが、その中でまず私が取り上げたいのは、維持管理の中にありましたしゅんせつについてです。御答弁では河川の流水機能を確保するためと述べられておりましたが、河川のしゅんせつの重要性について、市はどのように認識されているのか御説明ください。
 
○議長(阿部真之助) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 河川のしゅんせつにつきましては、河川内に堆積している土砂を除去することにより、所定の流下能力を確保し、洪水などによる災害の発生を未然に防止するためのものであることから、河川管理上、大変重要であると認識しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 河川の管理上、大変重要であると、そう御答弁いただきました。その認識を踏まえた上で、こちら(パネル表示)今日初めてパネルを出すんですけれども、御覧いただきたいんですが、こちらは目が覚めるような緑なんですけど、これは西区を流れる七寺川です。これは川なんです、全部。このそばに家が建っているわけですね。河川がこういう状態になっていて、私も近隣の方から何とかならないかと御相談を受けたわけですけれども、そこでお尋ねいたしますが、河川がこのような状態になっていることについて、水流に及ぼす影響をどのように考えておられるのか、見解をお聞かせください。
 
○議長(阿部真之助) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 河川内に草などが生い茂っている箇所につきましては、その下に土砂が堆積している場合もあり、堆積の程度によっては溢水の原因となる可能性があるものと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 溢水の原因となると、つまり、大雨で増水したときには、草木や土砂が水流を止めてしまって氾濫を引き起こす危険性があると、そういうことだと思います。
 では、今年度の福岡市におけるしゅんせつ事業の内容について説明願います。
 
○議長(阿部真之助) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 河川のしゅんせつにつきましては、例年必要な予算を計上し、点検結果や地域からの要望等を踏まえ、緊急性に応じて実施いたしております。また、これに加え、令和2年度からは国において緊急浚渫推進事業が創設され、地方自治体が緊急的に河川などのしゅんせつを行う際に、交付税措置が優遇された地方債を活用できることとなったことから、令和3年度は七寺川や金屑川など6河川で当該事業を活用し、しゅんせつを実施することとしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) ありがとうございます。今御答弁ありましたけれども、七寺川ですね、確かにこの状態でしたけれども、国の事業でしゅんせつされることになりました。それはそれでありがたいんですけれども、市独自のしゅんせつに加えて、国が創設した緊急浚渫推進事業も活用して行われるということで、国もわざわざ緊急とつけて事業を創設するわけですから、しゅんせつが果たす役割は大変大きいんだと、まさに裏づけていると私も思うわけです。市民の方も重要だと思っているわけですから、私も要望を大変多く聞くんですけれども、市が溢水の可能性を認めるのであれば、市はしゅんせつの要望に対して、スピード感を持って取り組んでいく必要があるかと考えますが、どのように対応されているのか御説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 河川のしゅんせつに関する要望への対応につきましては、河川内における土砂の堆積状況や河川背後の土地利用状況などを踏まえて、沿川住民に説明を行った上で、緊急性の高い箇所から実施いたしております。
 なお、しゅんせつ工事の実施に当たっては、1つの河川を幾つかの区間に分け、下流側から複数年にわたって実施する場合もございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 市としては、市民の要望に対して緊急性に応じて対応している、また、1つの河川を区分けして、数年かけて行われる場合があると、そういう御答弁でした。緊急性の判断や河川を区分けして行うといった手法については、専門的知見に基づいた対応なのだろうと、私もそう思いますが、市民の方全てが河川のメカニズムを理解しているわけではありません。要望の中には、こういうインパクトのある見た目ほど緊急性を要しない川、そういうのもあるとは思いますが、氾濫の危険性がないのであれば、その根拠を丁寧に説明して、不安の払拭にぜひ努めていただきたいというのとともに、しゅんせつが必要な箇所については、市民の命に直結しますので、今後も予算をしっかり確保していただきまして、しゅんせつ事業を確実に推進していただきたいと要望させていただきます。
 続いて、改修についてお伺いしていきます。
 まず現在、福岡市における河川改修はどのような事業により進められているのか、主な事業とその内容についてお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 福岡市における河川改修につきましては、都市基盤河川改修事業や準用河川改修事業などにより進めております。まず、都市基盤河川改修事業につきましては、都市水害に対してきめ細かな治水対策を進めるため、2級河川において、市が事業主体となって改修工事を実施するものであり、国、県からそれぞれ事業費の3分の1が補助されることとなっております。具体的には周船寺川や水崎川などにおいて、河川管理者である県と協議の上、実施する区間を定め、福岡市において事業を行っております。次に、準用河川改修事業につきましては、福岡市が管理する準用河川において、国から事業費の3分の1の補助を受けて実施するものであり、具体的には若久川などの河川改修を進めているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) まず、今御答弁いただいた準用河川改修事業については、こちらは市の独自の判断で行われますから、市民の要望も届きやすいんだろうと思います。私が本日取り上げたいのは、もう1つの都市基盤河川改修事業、これについてです。
 まず、この都市基盤河川改修事業の福岡市のこれまでの実績についてお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 都市基盤河川改修事業の実績につきましては、福岡市域内を流れる2級河川42河川のうち、20河川を対象として、これまでに御笠川や那珂川など17河川について整備が完了しており、現在は周船寺川、水崎川、金屑川の3河川において事業を実施しているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) では、これら都市基盤河川改修事業を活用した治水対策工事は、何に基づいて進められているのか、説明願います。
 
○議長(阿部真之助) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 福岡市域内における2級河川の治水対策につきましては、平成9年に改正された河川法に基づき、長期的な河川整備の目標を定める河川整備基本方針及び20年から30年程度の中期的な具体的目標を定める河川整備計画が県において順次策定され、これらの計画などに基づき、必要な工事を進めているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 治水工事を実施する上で、河川整備基本方針と河川整備計画、この2つが基礎となるとのことです。
 では、お伺いしますが、福岡市内の河川について、河川整備基本方針と河川整備計画の策定状況、これはどのようになっているのか、お示しください。
 
○議長(阿部真之助) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 河川整備基本方針及び河川整備計画につきましては、水系ごとに策定されることとなっており、福岡市内の2級河川13水系のうち、これまでに河川整備基本方針は、湊川、多々良川、御笠川、那珂川、樋井川、瑞梅寺川の6水系で、また、河川整備計画は、湊川、御笠川、那珂川、樋井川、瑞梅寺川の5水系で県により策定されております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 私が住む西区と早良区、ここの間には室見川が流れています。この室見川というのは、もう少しで氾濫というところまで過去何度も水位が上がっております。そのたびに市民からも治水対策を求める声が上がり、福岡市議会でも安全性を問う質問が過去されています。しかし、その室見川は今の御答弁で分かるとおり、河川整備基本方針や河川整備計画、いまだに策定されていないという状態です。
 そこでお伺いしますが、河川整備基本方針、河川整備計画が策定されていない河川の治水対策、これはどのようになっているのでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 河川整備基本方針及び河川整備計画が策定されていない河川につきましては、原則として、新たに改修等を行うことができないこととなっておりますが、平成9年の河川法改正以前に策定された工事実施基本計画に基づき、既に事業に着手されている場合は、当該計画により整備を行うこととされております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 少し分かりづらいというところもあると思うんですけど、基本方針も整備計画も策定されていない河川では新たに改修工事はできないと、平成9年の河川法改正より前に策定されていた工事実施基本計画が基本となると、その計画で既に取りかかっていた事業はそのまま進められると、そういうことになると思います。
 では、その室見川の工事実施基本計画はいつ策定され、これまでにどのような整備を行ってきたのか、具体的に御説明ください。
 
○議長(阿部真之助) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 室見川水系における工事実施基本計画につきましては、県において平成9年に策定され、これまでの間に、同計画に基づく室見川の河川改修は行われておりませんが、それ以前におきましては、昭和38年から昭和43年にかけて災害関連事業に伴う護岸整備が県により実施されております。また、平成30年7月の豪雨を受け、小田部大橋下流付近から外環室見橋下流付近までの約1.5キロメートルにおいて、県によりしゅんせつが行われ、それ以降も毎年しゅんせつが実施されているところでございます。
 なお、現在、室見川水系についても、河川整備基本方針が県において策定中であると聞いております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 今の御答弁によりますと、室見川の工事実施計画は平成9年に策定はされていると。その計画に基づく整備は、でも行われていないということなんですよね。しかも先ほど明らかにされましたが、河川整備基本方針も河川整備計画も定められていませんので、近年の危険な水位上昇があったとしても、新たな河川改修ができないと、室見川はそういう状態なんです。県は新たに河川整備基本方針を作成中であると御答弁いただきましたけど、じゃあ、いつ頃できるんですかと私も県に確認しましたら、明確な時期を定めていないわけです。室見川は何度も氾濫の危険があったにもかかわらず、先ほど御答弁にありましたとおり、昭和40年代前後という相当に古い災害関連事業による整備しかされていない。しかも、新たな河川改修ができないと、そういうところに私は大きな不安を感じているわけです。
 そこでお尋ねしますけど、室見川が相当期間、抜本的な河川改修が行われていないことについて、市としてどのようにお考えなのか、御所見をお聞かせください。
 
○議長(阿部真之助) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 先ほど答弁いたしましたとおり、室見川につきましては、県において毎年しゅんせつが実施されるとともに、河川整備基本方針を現在策定中であると聞いております。福岡市としましても、室見川の早期改修が実現するよう、県に対して同方針及び整備計画の策定を積極的に働きかけるとともに、適切な維持管理について引き続き要望してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 計画の早期策定を県には要望されているという御答弁ですが、ここで私はやはり指摘しておきたいんですけど、やはり管理者区分による権限という壁があるんだと思うんです。室見川のように氾濫が怖いという市民の声があっても、権限移譲されない限り、整備など何も市はできないわけですね。そういったことから、福岡市議会でも河川整備の権限について、県に移譲を求めると、そういった質問も過去されていますが、そこでお尋ねしますけど、河川管理の権限移譲について、現在、県とはどのような話をされているのか、説明願います。
 
○議長(阿部真之助) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 河川管理の権限移譲につきましては、福岡市内を流れる2級河川42河川のうち、起点から終点までが市内で完結する28河川について段階的に権限移譲を受けることを、平成15年に福岡市の方針として定め、県との協議を行ってきたところでございます。その後、平成22年10月に、県より、国の出先機関改革や1級河川の管理権限の移譲の議論の経過等を踏まえながら、継続的検討が必要との回答を受けており、今後とも、国の動きなどを注視しながら、県との協議を行ってまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 要するに、平成15年に権限移譲の方針が決定されていながら、18年たった今もほとんど何も進捗していないと、そういうことなんですよ。これはもう県という相手があることですので、全てこちらの市側の都合だけで考えるわけにはいかないとは思いますが、少なくとも、これは御答弁でもありましたけど、福岡市内で完結する2級河川については、一刻も早く権限移譲されるべきだと私は思います。
 私も3月の補足質疑の中で、県から市への権限移譲について質問させていただきました。その議論の中で、法令改正により34の事務移譲が可能とされていることが明らかにされましたが、その34の事務の中には2級河川の管理というのも入っているわけです。先頃、流域治水関連法案、これが成立しましたけれども、これは流域全体を俯瞰し、あらゆる関係者が協働して取り組む流域治水の実現を図ることを目的としたものです。今は河川のみで水害対策をするのではなく、流域住民が河川氾濫の危険性を共有し、一体となって減災に取り組む方向へと進んでいます。そのためにも、地域に密着した市が河川管理の主体であるべきだと私は思います。
 河川管理の権限移譲を図り、より効率的に水害対策を進めることが必要だと考えますが、流域治水の取組と併せて御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 2級河川の権限移譲につきましては、福岡市が主体となって、周辺のまちづくりと一体となった治水対策の推進が図れるなどのメリットがあると考えておりますが、そのためには、必要となる財源の移譲を合わせて行うことが不可欠であることから、こうした課題も踏まえ、継続して県との協議を行う必要があるものと考えております。
 また、流域治水の取組につきましては、県において、今後取り組むべき治水対策の全体像を流域治水プロジェクトとして策定、公表し、推進していくこととされているため、福岡市といたしましても、市が管理する河川の改修や治水池の整備、また、下水道事業による浸水対策など、同プロジェクトを通じて県と連携を図りながら、総合的な治水対策を推進してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 福岡市は準用河川改修事業、また、先ほどあった都市基盤河川改修事業などを通じて、2級河川を管理するだけのノウハウを持っているわけですから、ぜひ市内で完結する2級河川、これの権限移譲を受け、市民の要望に沿った治水対策を実現してもらえるよう、ここは改めて強く要望しておきたいと思います。
 続きまして、河川ごみについて参ります。
 最近は海洋ごみが社会問題化しておりますが、海に流れているごみの約7割は陸域由来だと言われています。日本海側では約5割が、川を通じて陸のごみが海に流れ込んでいるそうです。海洋ごみの解決には、河川ごみ対策が鍵を握るということが言えるわけですが、そこでまずお伺いします。河川から海へ流れ込むごみについて、市としてどのように認識されているか、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 河川から海洋へ流れ込むごみにつきましては、大雨などにより上流から流れてくる落ち葉や流木など、自然に由来するものを除くと、人為的なポイ捨てなどにより散乱したごみなどがございます。このうち、特にペットボトルやレジ袋などのプラスチックの散乱ごみにつきましては、河川からの海洋流出によって、生態系、生活環境、漁業、観光などへの影響が懸念されており、福岡市といたしましても、河川ごみの削減については、まずはポイ捨てなどによるごみの発生をなくす、ごみとなるものをもらわないなどの一人一人の意識啓発が重要であると考え、取組を進めているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) では、河川ごみを減らすためにどのような取組をされているのか、お示しください。
 
○議長(阿部真之助) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 河川ごみを減らすための取組といたしましては、河川ごみの実態を把握するため、令和元年度においては、室見川及び金屑川で回収した河川ごみの組成調査を実施し、2年度においては、樋井川流域の河川ごみの個数、組成、分布状況などを調査するとともに、河川ごみ分布マップを作成いたしました。これらの結果につきましては、ごみの削減を啓発するパンフレットや福岡市ホームページなどに掲載するとともに、出前講座や環境学習などに活用して、実践活動につながるような取組を行っております。また、ごみのポイ捨て禁止を周知する看板を地元地域と協議の上、設置いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 様々な施策をお答えいただきました。その中で、調査について少し触れたいと思います。今の御答弁で、市では幾つかの川で組成調査を行われており、令和2年度は樋井川ではさらに詳しい調査を行って、河川ごみマップも作成されたと、そういうことです。広報、啓発や環境学習などもされておりますが、河川ごみへの問題意識を高めるには、可視化すること、これが私、重要だと思うんです。河川ごみは低密度で広範囲に散乱、漂着していますから、なかなか可視化できないわけでして、そのため、問題の深刻さが十分に認識されていないとも言われております。
 そこでお伺いしますが、河川ごみのもっと詳細なデータを取るために、樋井川以外の河川においても調査してみてはいかがかと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 河川ごみ調査につきましては、ごみのたまりやすい場所や捨てられやすい状況などの把握を目的として、流域が市内で完結していることなどから樋井川流域を選定し、調査を実施いたしました。本調査で得られた知見は、他の河川の環境活動においても活用できるものと考えております。今後は、本調査結果を市民の皆様による河川清掃に御利用いただくとともに、環境学習の素材として、河川ごみ分布マップを活用した啓発を進めていくこととしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) この河川にこれだけのごみがあると、そういうのがそれぞれ見られれば、可視化されれば、市民もより身近な問題として意識も変わると思いますので、樋井川のような調査並びに河川ごみマップの作成をほかの河川にも広げていただくように要望しておきたいと思います。
 続いて、またパネルなんですけど、(パネル表示)次に私が問題提起したいのは、このように既に捨てられてしまっている川のごみなんです。ちょっと見づらいかもしれないんですけれども、これですね。これはまた、同じ西区を流れる瑞梅寺川です。瑞梅寺川で、こちら奥のほうに行くと、これはもう今津干潟ですね。いわゆるカブトガニの産卵場所、福岡市も環境保全に特段取り組んでいるところなんですけれども、その手前にある、ここは中洲なんですが、中洲もちょっと分け入ると、こうやってごみがあるわけです。これは大雨が降れば、当然この中洲から河川ごみが流れ出すわけですよ。市も力を入れている今津干潟のほうにこのごみが流れていくわけです。
 じゃあ、既に捨てられているこの河川ごみ、これは河川管理者としてどのように処理されるのか、お示しください。
 
○議長(阿部真之助) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 福岡市管理の河川に捨てられているごみにつきましては、市民からの通報やパトロール等を基に、治水上の安全などの緊急性に応じて撤去を行うとともに、河川のしゅんせつや除草を行う際にも、併せて撤去を行っております。
また、福岡市では準用河川や普通河川に加え、県との協定に基づき、市が維持修繕を行っている2級河川も対象として、河川の清掃や除草などの河川愛護活動を行っていただいている団体に対し支援金を交付するなど、地域活動の支援を通じて河川の環境保全に努めているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) ここでまず指摘をしておきたいんですけど、今の御答弁は道路下水道局がされました。河川管理者であると、そういう理由です。しかし、道路下水道局がごみを回収する主な目的、これは今御答弁あったとおり、治水上の安全なわけですね。つまり、氾濫防止や水流を阻害しないと、そういうために河川ごみは回収すると。これは環境問題という観点からいけば、私は少し物足りないのではないかとも感じています。
 御答弁では、そうやって行政も河川ごみ回収をしているようですけれども、やはりそれでは追いつかないということで市民団体の協力も得られながらやっている。支援金も支払われていると、そういうことでありましたけれども、そこでお尋ねしますが、その支援金は幾つの団体に、総額で幾ら支払われたのか、令和2年度の実績をお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 名古屋道路下水道局長。
○道路下水道局長(名古屋泰之) 河川愛護活動に対する支援金につきましては、令和2年度において、9団体に対し、総額105万円を交付いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 9団体に105万円ということです。これは福岡市の規模から考えると、決して多くはないのではないかと私は思うわけです。私も幾つかの河川清掃している団体にこの支援制度について聞いてみましたけれども、高齢化や会員減少で活動が縮小しているので、交付対象団体としての条件を満たさない、またはそもそもこの制度を知らないと、そういった団体がありました。日頃から河川清掃をしている団体の中には、活動が思うようにできていない団体も多いと聞きます。先ほどの御答弁のとおり、河川ごみ回収は団体の協力に頼るところが大きいわけですが、頼みの綱であるこの清掃団体が活動できなくなってしまったら、では、この捨てられているごみ、これは一体どうなるのか、ただ海に流れていくのを待つしかないということになるわけです。今のうちから清掃団体への手厚い支援や効率的な活動を担保する仕組みづくりが必要かと思いますが、そこでお尋ねします。
 まず、河川清掃していただいている団体や町内会、これは市内にどれほどあるのか、市は把握しているのか、お示しください。
 
○議長(阿部真之助) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 河川清掃に取り組まれている団体の数につきましては、市民、企業、行政等が協力して、海岸や河川、公園などを一斉清掃するイベントであるラブアース・クリーンアップにおいて、河川清掃に取り組んでいただいている団体は、令和元年度の参加実績で114団体でございます。また、お住まいの地域にある河川、海岸、歩道等の清掃に取り組んでいただいている自治会、町内会は、令和元年度の活動実績で1,314団体でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 多くの団体があるということは把握されているようです。では、それぞれの団体の活動状況や課題、困り事、要望など実態をつかむような調査、これは行われているのか、お示しください。
 
○議長(阿部真之助) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 清掃活動を実施してある全ての団体を対象とした、個別の実態を把握するための調査は実施しておりませんが、各団体の活動状況につきましては、清掃を実施される場合の区役所等への連絡や回収したごみの収集依頼などを通じて把握いたしております。また、団体からの相談や要望につきましては、区役所の生活環境課を窓口としてお受けしており、状況を把握し、地域の実情に応じて、きめ細やかな対応を行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 実態調査はしていないけど、活動状況は把握していると、相談が来ればきめ細やかに対応すると、そういう御答弁です。これは、私としては少し積極性に欠けるんじゃないかと思うわけですね。その姿勢で果たして本当に団体のニーズに応えられているのか疑問に感じるわけですが、そこでお尋ねしますが、河川清掃を行っている団体に対し、どのような支援策があるのか、お示しください。
 
○議長(阿部真之助) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 河川清掃に取り組まれている団体に対しましては、団体の自発的な環境美化への取組である清掃活動を支援するため、清掃道具の貸出し、専用のごみ袋の配付、集められたごみの収集などを行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 先ほども言いましたけど、清掃団体に話を聞きますと、ごみ袋の配布とごみの収集、これには大変感謝されているわけです。しかし、もう少し行政に支援してほしいと、多くの方が考えているというのが現状なんです。例えば、団体同士で意見交換できる場を行政につくってほしい、市は相談が来れば受けるという待ちの姿勢ではなく、団体と積極的に関わり、実情に合った支援をしてほしい、相談してもたらい回しにされるので窓口を一本化してほしいと、そういう声がありました。
 そこでお尋ねしますけど、それぞれの清掃団体は、活動頻度や参加者人数、環境への意識も違いますから、団体間の連携が十分とは言えません。そのため、例えば、清掃場所が重なってしまう、清掃に行ってみたら、既に別の団体が清掃を終えていたなどの非効率な面もあるように聞いています。清掃団体が効率的に清掃活動に取り組めるよう、団体間の連携を取り持つような仕組み、これが福岡市にあるのか教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 団体間の連携を取り持つ仕組みにつきましては、ラブアース・クリーンアップでは、市民、企業、団体、学校、行政等、複数の団体が協力して清掃を行うため、マニュアルの作成や役割分担などを行い、団体間の連携が図れるよう調整を行っております。
また、日常的に清掃活動を実施いただいている地域団体につきましては、区ごとに各校区の環境委員を集めた環境活動連絡会議を定期的に開催し、各校区での取組の情報交換や市からの情報提供等を行っております。そのほか、環境保全を目的に活動されている団体等を対象として交流会等を開催し、情報交換の場を設定するなど、清掃活動も含めた環境活動の活性化を支援しているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 市はやれることはやっていると、そういう御認識だと思います。しかし、果たして十分と言えるのか、私は疑問に思っています。例えば、今御答弁ありましたけれども、環境活動連絡会議や交流会をされているということでしたけれども、しかし、そこから漏れている団体も実際にあるわけです。ですので、先ほどのような要望が出てくるわけですから、ぜひ団体の実態調査を行って、個々の実情を知っていただきたいと思います。
 以上を踏まえての要望なんですけれども、私は昨年6月の一般質問で、環境業務員の積極的な活用、これを求めました。環境業務員は直営のごみ収集の現場業務や各区生活環境課の業務を通じて、廃棄物に関する専門知識はもとより、地域事情や人間関係にも精通しています。環境業務員などの人材を、各団体の実態調査の際の要員、または団体間の調整役や清掃現場における相談役などに充てれば、清掃団体のニーズにも応えられるのではないかと思いますので、ぜひ専門的に配置していただきたいと改めて要望しておきたいと思います。
 ここまで河川ごみについて質問してきましたが、私と市の認識には温度差があるなというのが率直なところです。河川ごみ対策には排出抑制が大事であると、そこは私も同じです。広報、啓発はしっかりやるべきと思っています。しかし、現実問題、河川ごみは一定量出ますし、その河川ごみは行政の回収では追いつかないので、多くの団体が清掃してくれていると、そういう状況なわけです。しかし、その頼みの団体も困り事を抱えている、困っているところが多いわけですから、これまで以上に実効的な支援策を打たないと、河川ごみは回収されることなく博多湾など海に流出するだけ、そうだと思うんです、私は。
 そこで最後の質問ですが、河川ごみ削減のために、行政による市民への支援を今より踏み込んで進めるべきと考えますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 河川から海へ流れ込むごみを削減するためには、まずは発生の抑制が重要であると考えており、これまでもごみのポイ捨てを禁止する看板の設置をはじめ、ラブアース・クリーンアップにおけるプラスチックごみ削減の啓発など、市民、団体、民間事業者、関係行政機関と連携して取り組んできたところでございます。
今後は河川ごみの調査を基に作成した河川ごみ分布マップなどを活用し、さらに見える化して市民に伝えていくとともに、レジ袋など不要なものはもらわない、ペットボトルなどの資源はリサイクルするといったライフスタイルへの変革を啓発するほか、河川を共有する福岡都市圏の各自治体と連携した取組の充実などに取り組んでまいります。引き続き、河川ごみの削減に向けて活動を行っていただいている市民や団体の活動を支援しながら、共働、連携した取組を推進してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 広報、啓発と併せて、市民や団体との連携、そして、活動も支援すると御答弁いただきました。ぜひ環境行政を所管する環境局、河川管理者である道路下水道局などが、局の垣根を越えて負担軽減や活動しやすい仕組みづくりに取り組んでいただくとともに、今以上に積極的に河川ごみ対策を推進し、市も本気で取り組んでいるという姿勢を示していただきたいと改めて要望し、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) この際、休憩し、午後4時25分に再開いたします。
午後4時10分 休憩
午後4時25分 開議
○副議長(楠 正信) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ)登壇 私は福岡市民クラブを代表して、福岡市の不法投棄対策についてと、みんなにやさしい福岡市の窓口サービスの在り方についてと、パピオアイスアリーナの存続について、以上3点について質問をしてまいります。
 初めに、福岡市の不法投棄対策について伺います。
 市内で、ごみ置場ではない空き地や高架下などで、家具や家電が長い間放置されているのを見かけることがあります。福岡市においては、不法投棄は減少傾向にあると伺っておりますが、一部の心ない人によるごみの不法投棄は後を絶ちません。
 そこで、本市の不法投棄処理件数と処理量は、10年前に比べてどのくらい減っているのか、お尋ねいたします。
 以上、1問目を終わり、2問目以降は発言者席にて行います。
 
○副議長(楠 正信) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 不法投棄の状況につきましては、令和2年度の処理件数は326件であり、10年前の平成22年度の815件と比較して約60%減少しております。また、令和2年度の処理量は21トンであり、10年前の平成22年度の84トンと比較して約75%減少しております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 処理件数、処理量ともに大幅に減少しているとはいえ、決して少なくない状況です。本市の不法投棄は、どんな場所で、放置されているものはどのようなものが多いのか、その傾向についてお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 不法投棄が行われやすい場所につきましては、山間部、道路脇、河川部など、比較的人目につかず、車の寄りつきがよく、周囲から死角になりやすい場所が多くなっております。また、不法投棄されているものにつきましては、テレビ、冷蔵庫等の家電製品や机、椅子等の家具類が多くを占めております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 山間部、道路脇などの人目につかない場所が多く、家電品、家具が多いようです。不法投棄は重大な犯罪であり、貴重な地球の資源を無駄にしている行為です。
 では、なぜ不法投棄は行われるのか、その理由をお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 不法投棄が行われる理由につきましては、廃棄物を処分するに当たり必要となる処理費用の負担を免れようとするなどの意識があるのではないかと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 不法投棄の理由はいろいろあると思いますが、中でも、処理費用の負担をしたくないということが多くあるようです。家電など、処理する費用は一般的にどれぐらいかかるのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 廃棄物を処理する費用につきましては、廃棄物の種類や処理方法により異なってまいります。
 まず、家電リサイクル法に定めるテレビ、冷蔵庫、冷凍庫、エアコン、洗濯機及び衣類乾燥機の6品目は、メーカー及び型番などにより990円から9,900円のリサイクル料金が定められております。これに加え、各販売店等が定める収集運搬料金が必要となります。
 次に、家電6品目以外の大きな廃棄物を粗大ごみとして処理を依頼される場合は、品目や大きさなどにより、300円、500円または1,000円の処理手数料となっております。また、市の処理施設へ御自身で持ち込まれる場合の処理手数料は、10キログラムまでごとに140円となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 確かに、廃棄物の種類によっては数千円の処理費用が必要になることは分かりました。しかし、犯罪である不法投棄が正当化されることは決してありません。
不法投棄対策としては未然に防ぐことが重要だと思いますが、本市での対策はどのように行っているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 不法投棄防止対策といたしましては、不法投棄されるおそれの高い場所へのパトロールの実施や監視カメラを設置するほか、自治協議会による不法投棄防止活動への支援を行っております。また、毎年12月を不法投棄防止強化月間として街頭キャンペーンを実施するほか、警告看板を提供するなど、広報、啓発活動にも力を入れて取り組んでおります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) パトロールの実施や監視カメラの設置、自治協議会による不法投棄防止活動や啓発活動などを実施されておりますが、市民の方が不法投棄を発見し本市に通報があった場合どのような対応をしているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 不法投棄を発見した等の連絡があった場合の対応につきましては、まずは職員が現場にて不法投棄の状況を確認し、可能であれば連絡をされた方や不法投棄があった土地の管理者等から話を伺っております。なお、投棄者の特定などについては警察とも連携を図りながら行っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 通報者や土地の管理者からも話を伺っているとのことですが、土地の管理者が分からない場合は、本市はどのように調査を行うのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 土地の管理者が分からない場合につきましては、近隣住民から情報収集を行うほか、登記簿等で土地の所有者を調査するなどにより、管理者の把握に努めております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 先ほど、市で速やかに状況を確認し、警察とも連携されていると伺いました。過去に不法投棄で検挙された事例などあるのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 不法投棄で検挙された事例につきましては、市民が警察に通報し、不法投棄の疑いで逮捕に至った事案を報道で確認いたしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) では、不法投棄された管理者側は、不法投棄されないように努めていると思いますが、場所によっては管理者が気づかないことで放置されてしまう場合があると聞きました。放置された不法投棄物の処理についてですが、誰が処理をするのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 不法投棄物の処理につきましては、不法投棄をした者に撤去する責務があることから、投棄者に対し速やかに撤去するよう、口頭または文書で指導をいたしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 本市で指導を行ったとしても投棄者が撤去を実行するまでの間は、場所によっては危険が伴い、大きなものが放置され、それが倒れて他人にけがをさせてしまう可能性も出てきます。管理者が対応をしない限り危険な状態であり、近隣住民が大変な被害を被ることも懸念されます。このような場合、本市ではどのような対応をするのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 不法投棄物を放置することで危険が予測される場合は、管理者等とも協議しながら、危険な状態の回避に取り組んでおります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 管理者と協議しながら市が対応されていると聞いて安心しましたが、管理者側が管理できていない敷地内に頻繁に不法投棄された場合、どこに連絡をして、どのように対処すればよいのかなど、分からない場合があるのではないかと思います。その場合は、どこに連絡をすればよいのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 連絡先につきましては、福岡市のホームページなどで環境局産業廃棄物指導課や区役所の生活環境課または警察へ連絡していただくよう案内をいたしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 不法投棄は減少傾向にあるとはいえ、注視していかなければならないと思います。
 空き地に大きな家具や家電が置いてあると、ごみ置場だと勘違いされることも考えられます。福岡市は転勤で人の出入りが多く、また、留学生や外国の方も多く住んでおります。本市に住み始めたときに家庭ごみの捨て方は分かったとしても、引っ越しなどで不要になった家電や家具の処理をする場合、料金が必要になるなどのアナウンスやどこに連絡をすればよいかなど、処理前に対処できないのか。本市では、今後、不法投棄対策をどのように取り組んでいくのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 田環境局長。
○環境局長(田浩輝) 福岡市に転入された方には、転入時に家電や粗大ごみなどの処理方法を記載した家電ごみルールブックをお渡ししており、外国の方向けにも、英語、韓国語、中国語の3か国語でルールブックを作成し、区役所の窓口や不動産業者を通じて配布いたしております。さらに、QRコードを読み込むだけで外国人が母国語で情報を読めるコンテンツを使用して、英語、韓国語、中国語、ベトナム語、ネパール語など、10種類の言語で基本的なごみ出しルールを案内いたしております。
 不法投棄を防止するためには、不法投棄をされない環境づくりが重要であると考えております。これまで行ってきた対策により、不法投棄の処理件数及び処理量は減少してきておりますが、引き続き、パトロールの実施や広報、啓発活動など、不法投棄の未然防止に積極的に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 不法投棄をなくすための取組は非常に重要であり、不法投棄させないように分かりやすい啓発をしていただく必要があります。本市は、家庭ごみの分別に関しては、燃えるごみ、燃えないごみ、空き瓶・ペットボトル及び粗大ごみの4分別と非常にシンプルであり、先ほど答弁がありました複数言語でのごみ出しルールの案内など、分かりやすく案内しておりますが、粗大ごみの捨て方に関しても、全ての方により分かりやすい案内や掲示を行っていただきたいと思います。
 不法投棄がなく、環境に優しいまちづくりを目指して、今後もパトロールの実施や監視カメラの設置、また、地域による不法投棄防止活動への支援などに引き続き取り組んでいただくとともに、ひいてはSDGsにつながるように、子どもの頃からの環境教育についても、より一層力を入れて実施していただきたいと強く要望し、この質問を終わります。
 次に、みんなにやさしい福岡市の窓口サービスの在り方についてです。
 近年、いろいろな場面でデジタル化されつつあります。また、窓口業務の一部もデジタル化されており、便利な時代になりつつあると言えるでしょう。しかし、機械が苦手な方々には、ヒアリングや話をしながらでないと手続を進めるのに困難な場合もあり、手助けが必要だと聞きます。
 そこで、区役所の窓口サービスの在り方について伺ってまいります。
 区役所に行くといろいろな手続や証明書を発行する窓口がありますが、区役所の窓口の、特に市民課では、主にどのような要件の方々の来庁が多いのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 区役所市民課窓口における主な手続につきましては、住民票、印鑑登録証明書、戸籍謄抄本などの各種証明書の取得や転入、転出、転居などの住所異動の手続、マイナンバーカードの受け取りなどでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 先日、博多区役所に行ってまいりました。博多区役所に行くといつも混雑して、特に1階の市民課はいつも待たされているように感じますが、市民課の窓口に来庁された方は、どのくらいの待ち時間で発行書類を受け取れているのか。加えて、繁忙期とそうでない時期の差はどれくらいあるのか、区役所の待ち時間について今までに苦情などなかったのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 市民課窓口での待ち時間につきましては、平成30年度区役所来庁者実態調査における呼出しまでの待ち時間でお答えいたしますと、通常期が9分程度、繁忙期が16分程度であり、繁忙期が約1.7倍となっております。また、窓口サービスで特に改善が必要なものとして、待ち時間を挙げた方が最も多くなっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 本市では、証明サービスコーナーと自動交付機を設置されていますが、それぞれ何か所、どこに設置されているのか、何年に設置されたのか、理由も併せてお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 証明サービスコーナーにつきましては、休日や時間外に住民票等の証明書の発行を求める市民の声に応えるため、平成12年度に天神イムズビルに開設し、17年度に市役所1階に移転しております。また、23年度に地下鉄博多駅構内に開設し、28年度には東区千早のなみきスクエア内に開設しております。
 次に、自動交付機については、窓口の混雑緩和を図るとともに、コンビニ交付サービス利用の促進につなげるため、住民票や戸籍証明書等を取得できるマルチコピー機を、26年度から東区役所に設置しており、28年度からなみきスクエアに、令和元年度から中央区役所に設置しております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 天神には市役所1階、博多駅は地下鉄博多駅構内、東区はなみきスクエア1階に証明サービスコーナーを開設されていますが、証明サービスコーナーではどのような証明書を受け取ることができるのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 証明サービスコーナーにおきましては、曜日や時間帯等により対応できる証明書が異なりますが、住民票、印鑑登録証明書、戸籍謄抄本などを取得することができます。また、千早証明サービスコーナーでは、平日には所得証明書などの税証明も取得できるほか、天神及び千早の証明サービスコーナーでは、インターネットで予約した本人に限り、休日や時間外に一部の税証明を受け取ることが可能となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 証明サービスコーナーで交付している証明書は、住民票や印鑑登録証明書、戸籍謄抄本等の証明書などですが、令和2年度の市民課関係の証明書総発行件数をお尋ねします。また、区役所、出張所証明サービスコーナーのほかにも証明書を取得する窓口や方法があるかと思いますが、それぞれ全体に占める割合を多い順にお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 令和2年度の市民課関係証明書の総発行件数につきましては、189万1,157件でございます。交付場所別の割合については、区役所、出張所が55.1%、住民票等郵送請求センターが18.5%、証明サービスコーナーが14.7%、コンビニエンスストアが7.4%、34か所の郵便局が4.3%となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 証明書を役所以外で取得できるサービスはよい取組だと思います。しかし、証明サービスコーナーに比べ、自動交付機の利用はまだ少ないように思われます。区役所以外で取得できるサービスをもっと知ってもらうべきだと思います。
 コンビニで取得するにはマイナンバーカードが必須であり、ITに弱い人は難しいと思われます。IT弱者には、郵便局のようなスタイルは必要だと思います。
 そこで、郵便局の窓口はなくさないでほしいのですが、なぜ一部の局だけなのか、どのように決まっているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 住民票などの証明書を取り扱う郵便局につきましては、各郵便局から半径1.5キロメートルの範囲をサービスエリアとして設定し、居住エリアをできる限りカバーできるよう、費用対効果や区役所との距離なども考慮し、34か所の郵便局を指定しております。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 区役所に手続に来られる方々が多かったら、一人一人に対応する時間が減り、丁寧な接客ができずに苦情につながることも懸念されます。証明書だけなら別のところで取得していただき、来庁者の分散化を図り、区役所では丁寧な対応をしていただき、ゆっくり相談したい方のために窓口はもっと余裕のある状態にすべきだと思います。
 また、円滑な手続のためには、最初に書類を間違いないようにするなどの案内やどこに何をどのように記入するのかの説明などが大事だと考えます。
 そこで、各区には、記載台のところに何人くらいの対応者がいるのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 区役所市民課の記載コーナーにつきましては、おおむね2名から3名を配置し、申請書の記入方法など、来庁者の方がスムーズに手続ができるよう対応しております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 先ほども申しましたが、区役所での丁寧な対応は市民サービスにとってとても重要であり、本来、機械を使用すれば数分で終わってしまう処理も、IT弱者の方は機械に対して苦手意識や使用することすら面倒になったりする方もいます。
 そこで、区役所窓口の対応はとても大事だと考えます。また、区役所での手続をする方々のために、区役所で案内する人をもっと充実させるべきではないか、例えば、接客スキルを生かしたお仕事を得意とする方などの活用は窓口サービスの向上につながるのではないか、所見をお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 区役所窓口での対応につきましては、今後とも、市民サービスの向上に向け多様な人材の活用について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 博多区役所の新庁舎が令和4年5月に開庁する予定ですが、新庁舎では、待ち時間短縮のために何か新たな工夫など具体的な対応策はあるのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 博多区の新庁舎につきましては、窓口の混雑緩和や待ち時間の短縮など、市民サービスの向上に向け、現在検討を進めているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) この際、時間を延長いたします。山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 混雑緩和や待ち時間の短縮に向けて検討を進めているとのことですが、IT弱者の方々や手続が苦手な方々は、丁寧な接客や付き添ってくれる人が必要になると思います。また、仮に待ち時間があったとしても、待ち時間を短く感じるように、時間を有効に使える工夫などをしていただきたいと思います。また、人材に関してですが、先日、コロナによって自宅待機になっているCAの方のお話を聞く機会がありました。もともとCAさんは接客のスペシャリストであります。収入が減ることはもちろんだが、何より、せっかくの高度な接客スキルを発揮する場がなく、やりがいがないという声を聞きましたので、例えば、今回のコロナ禍の中、一定期間や繁忙期などだけでも、市または委託先が航空業界などのサービス業の方々とのマッチングをすることで接客スキルを生かすと、市民へのサービス向上につながると思います。
 さらに、窓口業務の効率化を図り、窓口職員の業務が軽減する取組として、基本情報は自動入力できるシステムを導入するなど、習熟していない職員も間違いのない手続ができるようにすることで、手続を熟知している特定の職員に業務負担が集中するといった状況の改善が期待でき、窓口の混雑緩和もできるのではないかと思います。ぜひ、博多区新庁舎でもこのような視点で取り組んでいただきたいと要望し、この質問を終わります。
 次に、パピオアイスアリーナの存続についてです。
 本年の予算特別委員会総会質疑で、パピオアイスアリーナについて質問をさせていただきました。パピオアイスアリーナは、福岡市民にとっても、福岡在住の競技者や愛好家にとっても、また、福岡の氷の上のスポーツ文化を守るためにも大切な施設であることを知っていただきました。
 当初は施設の点検により3月末で休館になると報道で伝えられていましたが、6月末に延長になったようですが、理由など分かれば教えてください。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) パピオアイスアリーナにつきましては、令和3年1月に発出された緊急事態宣言の影響等により、大会の開催機会が減少している状況等を踏まえ、休館時期を6月末に見直したと聞いております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) これまでに、パピオアイスアリーナを利用している各団体や市民からの本市への要望などないのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) パピオアイスアリーナにつきましては、令和2年7月に競技団体から施設存続の支援についての要望を受けております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 昨年、競技団体から施設存続の支援についての要望を受けているということですが、要望を受けて本市はどのように対応したのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) パピオアイスアリーナにつきましては、市として事業者に運営を継続していただきたいと考えており、競技団体からの要望についても、その趣旨を運営事業者に伝えております。運営事業者からは、存続の可能性を探るため、施設の詳細な点検を行うと聞いているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 来年、北京で冬季オリンピックが開催されます。本市でも、来年のオリンピックを目指して頑張っている競技者がおります。唯一の通年リンクが本市からなくなるかもしれないことが、市民の楽しみを奪うことになり、パピオアイスアリーナを利用していた競技者は練習すらできなくなると危惧されます。
 本市では、本年の予算特別委員会総会質疑で、現事業者において存続の可能性を探るため、施設の詳細な点検を行うとのことで、今後も、現事業者において運営を継続していただきたいと考えており、状況を注視したいと御回答をいただいておりますが、今後、本市ではどのような対応をされるのか、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) パピオアイスアリーナにつきましては、市として、事業者に運営を継続していただきたいと考えており、施設の点検結果を踏まえ、運営事業者としての今後の施設の方向性などについてお伺いしていきたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 本市は、事業者に運営を継続していただきたいとお答えいただいておりますが、なぜ継続をしてほしいのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) パピオアイスアリーナにつきましては、年間を通じ、市民の皆様が気軽にアイススケートなどを楽しめる場になっていることから、市として事業者に運営を継続していただきたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 昨年、市民の方々がパピオアイスアリーナを存続する会を発足し、パピオ前や博多駅前での署名活動をされ、集めた署名は運営事業所の代表の方にお渡しし、パピオアイスアリーナを何とか存続してくださいとお願いされました。
 全国のスケート場の中でも、特に福岡のパピオアイスアリーナは、利用する市民の方や競技団体が多いので、存続をしてほしいとの声が多く上がっていると聞いております。
 そこで、本市では、スポーツ全般に力を入れておられますが、子どもたちのスポーツ教育の一環として、氷の上のスポーツ文化は絶やしてならないと考えます。本市では、氷の上のスポーツ文化をどのように考えているのか、お伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 氷上スポーツにつきましては、その他のスポーツと同様に、市民の健康増進や自己実現、余暇活動の充実など、市民の生活の質の向上につながるものと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 全国でも、氷上のスポーツを取り巻く環境は年々厳しさを増している状況でありますが、本市では、他のスポーツと同様に健康増進など、市民の生活の質の向上につなげたいと考えているとのことで、福岡市民にとって氷上のスポーツ施設は必要だと考えます。
 市民のために、氷の上のスポーツ文化を絶やさないために、どのような対策を取ってきたのか、また今後、氷上のスポーツ普及と振興を進めるためにどのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 氷上のスポーツの振興につきましては、ウインタースポーツフェスタの開催のほか、その他のスポーツと同様に、福岡市スポーツ協会に加盟する競技団体が主管する市民総合スポーツ大会開催に対しての補助金交付や加盟団体の競技力及び指導力の向上を目的とする事業に対して、スポーツ協会を通じて補助金を交付しております。
 今後とも、する、見る、支えるの視点に立って、スポーツの普及、振興に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 氷上のスポーツの振興については、他のスポーツと同様に、市民総合スポーツ大会や競技団体に対して助成等を行っているところであり、今後も、する、見る、支えるの視点に立って普及、振興に努めてまいりたいとのことですが、それならば、福岡市民にとって氷上のスポーツ施設は必要だと考えます。
 今後は、例えば、福岡の各スケート連盟やカーリング協会、その他の氷の上に関する競技団体との連携を図り、福岡の氷の上のスポーツを大切にしていただき、氷の上のスポーツの普及、振興及び競技者の競技力向上を図るとともに、市民の皆様が年間を通じて氷の上のスポーツを楽しめるように、アイススケート文化を絶やさないために、施設の確保にしっかり取り組んでいただきたいと強く要望し、私の質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) お諮りいたします。
 本日の会議はこの程度にとどめ、残余の質問は明18日の会議にこれを繰り延べたいと思います。これに御異議ありませんか。
      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 
○副議長(楠 正信) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次の会議は明18日午前10時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後4時57分 散会