令和2年6月17日(水)

令和2年第4回福岡市議会定例会
議  事  日  程 (第3号)
6月17日 午前10時開議
第1  一 般 質 問

本日の会議に付した事件
議事日程のとおり

出 席 議 員 (62名)
1番  稲 員 稔 夫       2番  鬼 塚 昌 宏
3番  堤 田   寛       4番  川 上 陽 平
5番  津 田 信太郎       6番  大 森 一 馬
7番  平 畑 雅 博       8番  伊 藤 嘉 人
9番  打 越 基 安      10番  川 上 晋 平
11番  阿 部 真之助      12番  勝 山 信 吾
13番  川 上 多 恵      14番  淀 川 幸二郎
15番  調   崇 史      16番  大 坪 真由美
17番  古 川 清 文      18番  高 木 勝 利
19番  新 村 まさる      20番  大 原 弥寿男
21番  今 林ひであき      22番  篠 原 達 也
23番  尾 花 康 広      24番  松 野   隆
25番  楠   正 信      26番  冨 永 計 久
27番  森   英 鷹      28番  南 原   茂
29番  おばた 久 弥      30番  山 口 剛 司
31番  大 石 修 二      32番  黒 子 秀勇樹
33番  藤 野 哲 司      34番  堀 本 わかこ
35番  中 島まさひろ      36番  天 野 こ う
37番  山 口 湧 人      38番  松 尾 りつ子
39番  井 上 麻 衣      40番  飯 盛 利 康
41番  はしだ 和 義      42番  浜 崎 太 郎
43番  堀 内 徹 夫      44番  綿 貫 英 彦
45番  森   あやこ      46番  福 田 まもる
47番  国 分 徳 彦      48番  藤 本 顕 憲
49番  倉 元 達 朗      50番  中 山 郁 美
51番  荒 木 龍 昇      52番  高 山 博 光
53番  ついちはら陽子      54番  田 中 たかし
55番  成 瀬 穫 美      56番  山 田 ゆみこ
57番  宮 浦   寛      58番  近 藤 里 美
59番  川 口   浩      60番  落 石 俊 則
61番  田 中しんすけ      62番  池 田 良 子

欠 席 議 員 (0名)

説明のため出席した者
市       長   島 宗一郎   副市長  光 山 裕 朗
副  市  長  中 村 英 一   副市長  荒 瀬 泰 子
水道事業管理者  坂 本 秀 和   交通事業管理者  重 光 知 明
総務企画局長  龍   靖 則   財政局長  松 本 典 久
市民局長  下 川 祥 二   こども未来局長  久 田 章 浩
保健福祉局長  舟 越 伸 一   環境局長  細 川 浩 行
経済観光文化局長  天 本 俊 明   農林水産局長  中 村 健 児
住宅都市局長  石 橋 正 信   道路下水道局長  駒 田 浩 良
港湾空港局長  清 家 敬 貴   消防局長  山 下 周 成
会計管理者  中 村 郁 子   教育長  星 子 明 夫
教育委員  木 本 香 苗   選挙管理委員会事務局長  内 藤 玲 子
人事委員会事務局長   田 浩 輝   監査事務局長  小 西 眞 弓

職務のため出席した事務局職員
議会事務局長  藤 田 英 隆   議会事務局次長  金 子 佳 史
議事課長   着 一 孝   議事係長  重 松 孝 昭
外関係職員

 
午前10時 開議  
○議長(阿部真之助) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、一般質問を行います。発言通告者のうちから順次質問を許します。荒木龍昇議員。
 
○51番(荒木龍昇)登壇 おはようございます。私は緑と市民ネットワークの会を代表して、新型コロナウイルス感染症対策について、スーパーシティについて、自衛隊へ名簿提供することについて質問します。
 まず、新型コロナウイルス感染症対策について質問します。
 福岡市独自の支援策の実施に関し、店舗などの家賃や休業等要請対象外施設への支援、医療機関や高齢者施設や障がい者施設など、民間事業者などに対する給付の進捗状況及び相談、支援の人員は足りているのか、説明を求めます。
 1問目はこれで終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 家賃支援につきましては、5月13日より第1期の支援、5月27日より第2期の支援の申請受付を開始し、6月12日時点で1万2,273件の申請があり、そのうち5,785件について支援金を支給しております。
 相談、支援の人員体制につきましては、当初の40名程度を5月27日から70名程度へ増員し、申請受付、支給の業務は順調に進んでおります。
 次に、休業等要請対象外施設への支援につきましては、5月25日より申請受付を開始し、6月1日から支給を開始しております。6月12日時点で3,183件の申請があり、そのうち648件について支援金を支給しております。
 相談、支援の人員体制につきましては50名程度であり、申請受付、支給の業務は順調に進んでおります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 医療機関や介護施設の従事者等への特別給付金につきましては、6月16日までに、医療機関では2,721件、高齢者施設や障がい者施設等では2,670件と、全体の7割を超える施設に対して支給を完了いたしております。
 次に、市民の感染患者を受け入れる医療機関への特別給付金につきましては、6月16日までに138件、全体の約4割の支給が完了しております。
 なお、申請の受付、支給は順調に進んでおりまして、人員は充足しているものと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 状況は分かりました。次に、地域外来・検査センターが増設されることになりましたが、設置場所と体制について説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 地域外来・検査センターは、市内に4か所設置しておりますが、設置場所は厚生労働省の通知に基づき、感染拡大防止の観点から非公表とされております。
 また、体制につきましては、検査センターごとに医師1名、看護師2名、その他事務員等が配置されております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 秋口には新型コロナウイルス感染症の第2波が来ると考えられますが、医療における秋口の新型コロナウイルス対策実施体制について、医師会及び現場の開業医の意見は聴取されているのか、また、その意見はどのようなものか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 今後の新型コロナウイルス感染症対策の実施体制につきましては、医師会や市内の指定医療機関、大学病院などと意見交換を行っております。
 主な意見といたしましては、実際にクラスターが発生した医療機関や高齢者施設、また、感染防止に関心の低い若者に対する教育、啓発の強化、早期診断、早期治療のためのPCR検査体制の拡充、新型コロナウイルス感染症との同時流行を防ぐためのインフルエンザ対策の強化などがございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) では、秋口の新型コロナウイルス感染症の第2波はインフルエンザと重なると考えられ、一般外来と発熱外来を分けることが必要と考えます。発熱外来を区に1か所設置することについて所見を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 現在の新型コロナウイルス感染症における受診、検査の流れとして、感染の疑いのある場合は帰国者・接触者外来またはかかりつけ医を受診の上、医師の判断によりPCR検査を実施いたしております。
 今後、感染者の増加に備え、発熱外来の機能を有し、感染拡大防止のため十分な感染対策が行われております帰国者・接触者外来の充実に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 次に、安倍首相の根拠がない要請に応じて、福岡市は3月2日から一斉休校しました。私たち会派は3月4日に、今回の措置について検証するように求めました。
 そこで、児童生徒への影響及び感染拡大防止に関する評価について所見を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 2月27日に開催された国の新型コロナウイルス感染症対策本部において、内閣総理大臣より、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校における一斉の臨時休業を要請する方針が示され、文部科学省が学校保健安全法第20条に基づいて学校の臨時休業を要請したことを受け、3月2日から実施した福岡市立学校の一斉臨時休業については、何よりも子どもたちの健康、安全を第一に考え、未知なるウイルスからの感染のリスクにあらかじめ備える上で必要な措置であったと認識しております。
 臨時休業によって、児童生徒の学びや生活面に影響が生じていることは認識しており、学校を再開するに当たっては、子どもの安全と子どもの学びの保障を両立させるとともに、心のケアの面からも力を入れて取り組んでいるところでございます。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 答弁はそのように言っていますけれども、2月の福岡市の状況は、2月20日に感染者が2名以外に感染者は出ておらず、全校一斉休校する状況ではありませんでした。安倍首相は根拠もない思いつきで一斉休校を要請したことは、国会答弁でも明らかです。子どもの影響や保護者への甚大なる影響、地域経済に対する影響を見ると、島市政の誤った判断の責任は重いと言えます。きちんと経過を点検し、同じような過ちを繰り返さないよう強く求めます。
 次に、文部科学省が3月24日に出した新型コロナウイルス感染症に対応した臨時休業の実施に関するガイドラインでは、子どもの居場所確保に当たり、児童生徒に対し、学校給食の調理場や調理員を活用して昼食を提供することも工夫の一つと考えられ、地域の実情やニーズに応じて対応を判断していただきたいとされていますが、市においてどのような検討をなされたのか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 新型コロナウイルス感染症対策における子どもに関する御質問にお答えいたします。
 学校の臨時休業の実施に伴う子どもの居場所の確保につきましては、学校の協力も得ながら、午前中から留守家庭子ども会を開設する等の対応を行ってきております。また、6月には一部再開を始めた子ども食堂やフードバンク福岡に対し、個別包装され、衛生的で調理せずに子どもが食べられる市の防災備蓄食料を最大5万食提供する等の支援を行っております。
 今後とも、新型コロナウイルス感染症対策に向けた子どもたちへの支援につきましては、感染拡大の防止に十分配慮しながら、教育委員会や関係機関等と連携して、必要な支援に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) では、長期休業状態に加え、子ども食堂の閉鎖などがある状況で、居場所がない子どものフォローができていたと考えるのか、また、昼食が取れていない子どもの把握や対策はなされてきたのか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 学校の臨時休業中の子どもの居場所の確保につきましては、繰り返しになりますが、新型コロナウイルス感染症の影響で臨時休業が続く中、学校の協力も得ながら、午前中から留守家庭子ども会を開設する等の対応を行ってきたところでございます。
 また、学校の臨時休業中においても、各区に設置されている要保護児童支援地域協議会において、区の保健福祉センターと学校や保育所などの地域の関係機関が連携しながら、例えば、食事が取れないなどの養育上の問題を抱えている家庭の子どもについての状況の把握に努めてきたところであり、虐待が疑われる事案については速やかに対応するなど、感染症の影響で外出自粛を要請された中でも必要な対応を適切に行ってきているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 次に、秋口に新型コロナウイルス感染症の第2波が予想されます。今後、児童生徒に感染者が出た場合、再度休校するときの判断はどのように行うのか。日本小児科学会が5月20日に出した、小児の新型コロナウイルス感染症に関する医学的知見の現状では、保育園の休園や学校の休校による子どもの影響が大きいとの指摘があり、休校期間や学校再開の時期については、専門家の意見を聞いた上で判断していく必要があると考えますが、所見を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 児童生徒や教職員に新型コロナウイルスへの感染が確認された場合は、教育委員会と当該学校で協議の上、休校についての決定を行い、その学校の保護者の皆様にお知らせすることとしております。休校後は速やかに学校施設の消毒を行うとともに、他の児童生徒や教職員の健康状態を把握し、経過を観察してまいります。
 休校の期間や学校再開の時期などにつきましては、学校内における児童生徒や教職員の感染状況を踏まえ、保健所や保健福祉局と協議し、また、専門家の意見等も聞きつつ、総合的に判断してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 秋口に来るインフルエンザと新型コロナウイルス感染症などとの複合的に発熱を伴う感染症が広がることが懸念されますが、休校の判断は子どもの利益を第一に考え、安易な一斉休校措置はしないよう強く求めておきます。
 次に、スーパーシティについて質問します。
 スーパーシティ法の概略について説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 令和2年6月に公布されました改正国家戦略特別区域法によりますと、スーパーシティにつきましては、AIやビッグデータなど第4次産業革命における最先端の技術を活用し、未来の暮らしを先行実現するまるごと未来都市のことであり、このまるごと未来都市を実現するに当たり、個別分野ごとの技術の実証実験ではなく、キャッシュレス化、行政手続ワンスオンリー化、遠隔教育、遠隔医療、自動走行など、規制改革を伴う複数分野のスマート化に関する取組を同時に暮らしに実装し、社会的課題の解決を図る生活実装実験を行うものとされております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) スーパーシティ法は国家戦略特区法の改正法です。スーパーシティの指定を受けるため、必要な手続の流れはどのようになるのか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) スーパーシティのエリア選定の手続につきましては、法律の施行後、速やかに国家戦略特別区域基本方針にスーパーシティの選定基準が定められ、それに従ってエリア公募、選定が行われるとされており、今後、国において具体的な制度設計が進められるものと承知しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 福岡市において、スマートシティとして九大移転跡地の利用が検討されてきましたが、スマートシティはどのような検討がなされているのか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) FUKUOKA Smart EASTとは、少子・高齢化など様々な社会課題を解決しながら持続的に発展していくため、最先端の技術革新の導入などによる快適で質の高いライフスタイルと都市空間の創出を目指すものでありまして、その先駆けとして箱崎キャンパス跡地等のまちづくりにおいて取組を進めております。現在、まちづくりの指針でありますグランドデザインなどに基づき、九州大学等とともに、公募条件の整備などに取り組んでいるところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) スーパーシティはSociety5.0の延長線上に進められており、AIやIoTを駆使した生活全般を支えるまるごと未来都市となっています。FUKUOKA Smart EASTもSociety5.0を進めることでのまちづくりが構想されると考えられますが、スーパーシティとの違いについて説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) FUKUOKA Smart EASTは、様々な社会課題を最先端の技術革新の導入などにより解決していく本市のまちづくりの取組でありますが、一方でスーパーシティは、国が改正された国家戦略特別区域法に基づきまして、地域や事業者と一体となって、規制改革により複数分野のスマート化を進める構想でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) スーパーシティは通信システムとAIによる大量な情報処理により、生活全般のサービス提供がなされます。そのためには、行政情報、個人情報、企業情報全てを運営主体が自由に使えるようにするとしていますが、個人情報保護の視点から問題ないのか、所見を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) スーパーシティにおける個人情報保護につきましては、関係する全ての事業者に個人情報保護法令の遵守徹底を求めることを前提にしているとの考え方が示されており、また、参議院では個人情報保護の徹底に関する附帯決議が付されたものと承知しております。今後、政府において政令、省令など具体的な制度設計が進められるに当たり、適切な措置が講じられるものと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 国の先進事例としていたカナダ・トロント市では、グーグル系列のサイドウォーク・ラボがウォーターフロント再開発地区4.9ヘクタールで、2015年からスーパーシティ構想を進めてきましたが、今年5月20日に計画から撤退しました。トロント市の状況について、福岡市の所見を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) トロント市の事例につきましては、事業計画していたサイドウォーク・ラボが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、必要資金を確保するめどが立たなくなったことを理由に事業を断念したとの報道があったことは承知しておりますが、その詳細を把握しておらず、所見を申し上げる立場にはございません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) スーパーシティでは情報通信の高度化が求められ、5Gが利用されると考えられます。5Gは30ギガヘルツの領域であり、直進性が強く、150メートルから200メートル間隔で中継基地が必要なことから、中継基地の増加、ミリ波でのエネルギーが大きいこと、透過性が高いことなどから、5Gの電磁波による健康被害が海外では危惧されています。市の安全性に対する認識を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 電波の人体に与える影響については、国において科学的知見を基に、十分な安全率を考慮された電波保護指針が策定されており、当該指針を基にした規制値を遵守するよう法令に規定されているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 2019年5月、カリフォルニア州サンフランシスコ市議会は、公共機関による顔認証システムの導入を禁ずる条例案を可決しました。カナダ・トロント市ではスーパーシティは撤退になりましたが、地元では個人データや社会関連データを営利企業がどうやって収集し、どう管理するのかという点に疑問が噴出し、監視社会のディストピアとやゆしています。利便性が強調されますが、監視社会へ大きな危険を伴うもので、本当に必要なサービスなのか、全国民的な議論が必要です。
 次に、自衛隊へ名簿提供することについて説明を求めます。
 自衛隊への名簿提供に当たり、福岡市はどのような措置を取ったのか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自衛隊への募集対象者情報の提供につきましては、個人情報保護審議会答申の附帯意見を踏まえ、市のホームページや市政だより、ツイッター、学校へのポスター送付等による周知を行うとともに、自己の情報を提供してほしくない旨の申出を行った対象者については、提供する情報から除外する措置を実施しております。
 また、目的外利用の禁止等の情報管理の徹底や確実な廃棄などについて、自衛隊と新たに協定を締結し、個人情報の適正な管理の徹底を図るとともに、情報の提供は紙媒体により、募集対象者の氏名及び住所のみに限定し、自衛隊に募集対象者情報を提供した後、速やかに市のホームページで公表しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) では、答申は誠実に実行されたと考えているのでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 個人情報保護審議会の答申につきましては、その附帯意見を踏まえ、これまでは住民基本台帳の閲覧により募集対象者の情報を提供していたため、自己の情報を提供してほしくない対象者の除外はございませんでしたが、令和2年度からは本人の申出により、233名の方の情報を除外するなど、適切に実行しているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 個人情報保護法及び福岡市個人情報保護条例では、本人または第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがあると認められる場合は、公益上の必要があっても個人情報の提供を禁じており、福岡市は該当する市民に権利利益を侵害するおそれがないことを説明する責任があります。自衛隊は海外派兵で戦闘に巻き込まれる可能性があるなどの説明をしたのか、また、コロナ禍で高校や大学は休校の上、市政だよりやホームページを見ている市民は2割程度という状況で、権利を擁護するために十分な説明、周知をしたと考えているのか、所見を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自衛隊への募集対象者情報の提供につきましては、個人情報保護審議会の答申で公益上の必要性が認められるとされたことから、本人の同意は必要ございませんが、これまでなかった、自己の情報を提供してほしくない対象について、提供する情報からの除外申請を受け付けるとともに、提供する情報の利用目的を自衛官等募集の案内に限定するなど、個人情報の適正な管理の徹底について自衛隊と新たに協定を締結しており、個人の権利利益の侵害に当たることはございません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 個人情報保護審議会に対して、5月22日に市民からの申入れがなされ、また、5月15日には私たち会派の申入れを出しましたけれども、個人情報保護審議会の全委員に届けられたのでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 審議会委員全員に送付しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) では、個人情報保護審議会の委員の声はどのようなものであったのか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 個人情報保護審議会委員からは、御意見は特にいただいておりません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 私は確認する必要があると考えます。自衛隊に名簿提供する際に交わした協定書において、使用目的について、自衛隊員及び自衛官候補生の募集に係る事務とされておりますが、2月5日の個人情報保護審議会目的外利用等審査部会では、ポスティングのためと説明されております。自衛官募集に係る事務とはポスティングということなのか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自衛隊福岡協力本部では、これまでも住民基本台帳を閲覧し、書き写した募集対象者情報を基に、自衛官等の募集案内のポスティングを行っておりましたが、引き続きポスティングのみを実施すると聞いております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 市と自衛隊との協定書に記載されている目的外使用の禁止、複写、複製及び第三者提供の禁止、委託の禁止、個人情報の適正な管理、業務終了後の破棄、有効期限について、市はどのように確認するのか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 提供した個人情報の管理につきましては、これまでも個人情報保護に関する関係法令に基づき、適切な管理に努めてまいりましたが、令和2年度からは新たに自衛隊と個人情報の取扱いに関する協定を締結し、情報管理を徹底することとしております。
 なお、業務完了後の個人情報の廃棄については、管理責任者立会いの下、シュレッダーによる処理を行い、その処理状況を確認できる写真を添付した報告書の提出を求めております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 他都市の個人情報保護審議会では、自衛隊法施行令第120条に規定されている資料に個人情報が含まれるという解釈をすることは困難と判断されていますが、所見を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自衛隊への募集対象者情報の提供につきましては、福岡市個人情報保護条例第10条第2項第6号に基づき、福岡市個人情報保護審議会へ諮問し、公益上の必要が認められるとの答申をいただいたものです。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) では、個人情報の公益上の取扱いに関する基準における類型3、保有個人情報の目的外での利用または提供(条例第10条第2項第6号)のb、実施機関以外の者への提供の規定からは、業務従事者募集を目的として個人情報を提供することは公益性の基準に該当しないと考えますが、所見を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 個人情報の公益上の取扱いに関する基準につきましては、個人情報の取扱いに関して、類型に該当する事案については、あらかじめ審議会の意見を聴いたこととして、実施機関が個別具体的な内容に応じて判断するなどの事務処理に関する基準を定めたものであります。今回の自衛隊への募集対象者情報の提供は、この基準における類型に該当する事例がないことから、個人情報保護審議会へ諮問し、公益上の必要性が認められるとの答申をいただいたものです。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 類型がないんだったら、適用したらいかんとですよ。市は6月5日に、自衛隊に適齢市民の名簿を渡しております。私たちは立会いを求めましたけれども、拒否しましたが、その理由について説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自衛隊への募集対象者情報の提供につきましては、通常の事務の一環であり、公開を前提としておらず、また、個人情報の受渡しでもあることから、立会いはお断りしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) おかしな理屈ですけれども、では、この提供の状況について、議会への報告をするのか、しないのか、しない場合は理由は何なのか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自衛隊への募集対象者情報の提供に関する議会報告につきましては、令和2年2月議会において、個人情報保護審議会の答申を踏まえた今後の対応等について御報告するとともに、3月の請願審査においても、事務手続やスケジュールなどについて丁寧に御説明しております。その後、答申の附帯意見を踏まえるとともに、御報告した事務手続に沿って適切に名簿提供の事務を実施していることから、改めて議会へ報告することは考えておりません。
 なお、これまで4つの政令指定都市において、自衛隊への募集対象者情報の提供が行われておりましたが、特に運用上での問題等はお聞きしておらず、さらに令和2年度からは、福岡市も含め、新たに6つの政令指定都市において提供が行われることとなっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 報告や立会いを認めないというのは、毎年、自衛隊に個人情報を提供したことについて公表すると答申では述べているわけですけれども、このことに反します。個人情報は基本的人権です。県内の60自治体のうち、名簿を提供しているのは10自治体しかないわけです。これを見ても、福岡市は異常だと私は思うわけです。自衛官募集というのは業務員の募集ということで、市民の名簿を渡すことに公益性は全くありません。名簿提供することをやめるよう強く求めて、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史)登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表して、発言通告に基づき質問いたします。
 本日、傍聴席には消防学校で今訓練に励まれている若い消防士の皆さんが来られているというふうに聞いております。私の左手の手前から5番目ですね、消防局長が座っておられます。消防局関連の質疑があるときは、皆さんを代表して局長が答弁に立たれております。ともあれ、これから連日、暑い中での訓練になると思いますけれども、市民の負託に応える消防士として、皆さんがしっかり鍛練に励まれて、一日も早く第一線で活躍されることを心から御祈念申し上げます。
 さて、質問に入らせていただきますけれども、まずは本市の感染症への対応力についてであります。
 本市では最近、散発的に感染者の報告があっているものの、全体としては新型コロナウイルス感染の拡大が一旦落ち着いたように見受けられます。いわゆる第1波の混乱の中で患者の治療に当たっていただいた医療関係の皆様、そして、不眠不休で対応に当たっていただいた本市関係職員各位の御労苦をねぎらうとともに、仕事、学校、お店や会社の経営など、様々な場面で不利益を受けながらも我慢を重ねていただいた全ての市民の皆様に深甚なる感謝の意を表するものであります。
 医療崩壊を招かないためにという文脈で、医療崩壊という言葉を連日耳にしてまいりましたが、最近はあまり耳にしなくなりました。医療の現場も少し落ち着きを取り戻したということなんだろうと思っています。ただ、第2波は防止しなければなりませんが、万が一到来した場合の本市の対応力について、今回の質問では話題にさせていただきたいと思っています。
 第2波の感染防止の観点でのPCR検査等の体制については、あした津田信太郎議員が質問されるので、私は医療体制に絞って質問させていただきます。まずは、感染第1波で福岡県内の医療の状況がどのくらい逼迫したのかということを確認したいと思います。
 感染第1波時において、県内の病床確保の状況がどのように推移したのか、また、感染者がピークを迎えた時期において、どの程度の病床が埋まったのか、お尋ねいたします。
 以降の質問は自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡県域における医療提供体制につきましては、県において体制整備が行われております。入院患者の受入れ確保病床数につきましては、4月13日時点で320床、5月3日時点で430床、5月18日時点で490床が確保されており、さらに当面570床を目標として、関係医療機関との調整が進められております。
 また、患者発生のピークでありました4月13日時点では、確保病床320床に対し258人の方が入院されておりました。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 福岡市内に幾つか大きな病院がございますけれども、新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れていただいてまいったわけですが、風評被害のおそれもあるので、どの病院に何名の患者の受入れ実績があったのかということについては公表されておりません。しかしながら、本市の病院で唯一、感染症指定病床を4床抱えている市民病院については市立病院でありますので、状況が確認できるようです。
 以下、市民病院が果たした役割についてお尋ねをしていきます。
 市民病院における患者の受入れ体制について、まずは4床ある感染症指定病床でどのような体制が取られたのか、お知らせください。
 また、今回の感染症が持病のある方が重症化する傾向があったことから、感染症指定病床について、基礎疾患への対応で施設改修にも取り組んでいただいたということを伺っております。こうした施設改修については幾らくらいかかっていて、経費は誰が負担するのかということも併せてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 市民病院におきましては、感染症病床での患者受入れ当初、医師2人、看護師10人の体制で対応に当たっております。
 また、施設改良につきましては、感染症病床のうち2床について、透析治療に必要なポータブル精製水製造機を導入しますとともに、水道管改修工事を行っております。施設改良費につきましては、総額で122万円となっておりまして、その全額を市民病院が負担しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) この感染症指定病床の4床については、日頃からも感染症の対策としてベッドを空けておく必要があるということでありまして、こうした経費の大半は、福岡市が独立行政法人である病院機構にお渡ししている運営費負担金で手当てされています。これも本来なら国や県で見てもらいたい費用だと思っています。今回の施設改良費についても、病院機構に負担させる性質のものではないんではないかというふうなことも感じますが、意見として申し上げておきます。
 さて、市民病院の感染症指定病床の4床ですが、今回は到底足りない状況になったんではないかというふうに思っています。市民病院における患者の受入れ体制について、感染症指定病床の満床後にどのように強化されていったのか、受入れ実績としては、市内のほかの医療機関と比べてどうだったのか、お尋ねいたします。
 また、ピーク時の入院患者数、それに伴う医師や看護師などの医療スタッフの不足状況などへの対応についても、お知らせいただきたいと思います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 市民病院の入院患者受入れ体制につきましては、感染症病床4床に加えて、一般病棟のワンフロアを感染症入院患者専用病棟に変更しまして、合計で32床に強化しております。
 また、受入れ実績につきましては、6月10日時点で本市の患者を55人受け入れておりまして、市内の医療機関の中では、市民病院が最も多くの受入れを行っております。市民病院において、入院患者数が最大となりました4月13日には32人の患者を受け入れるとともに、医師はほかの病院からの派遣を含めた5人、看護師はほかの病棟からの応援を含めた約60人で対応いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 今の答弁にもありましたように、本市の病院で一番多くの新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れていただいたのが市民病院でありました。本市は非常に日頃から恵まれた医療環境にあるというふうに思っているんですが、とりわけこのような有事の際には、公立病院ならではの役割があったのではないかというふうに感じます。
 感染第1波において、市民病院が果たした役割をどのように評価しておられますでしょうか、お尋ねします。また、第2波を想定して、現状で把握している課題があればお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 市民病院につきましては、市が定めた福岡市立病院機構の第3期中期目標において、新型インフルエンザ等の感染症発生時においては、福岡市における対策の中核的役割を果たすため、必要な対応を図ることとしております。
 今般の新型コロナウイルス感染症の対応においては、感染が疑われる患者の診察や入院受入れを積極的に行ってまいりました。また、患者数の増加に伴い、感染症病床に加え、一般病床の一部を入院患者に充てるとともに、高度な呼吸器管理を要する重症患者も多く受け入れるなど、コロナ禍における本市の医療の提供において中核的な役割を果たしたものと評価いたしております。
 今後の課題につきましては、患者の急激な増加に対応できる外部専門医師の迅速な招聘体制や安定的な医療資材の供給体制の構築といった備えが必要であると考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 第2波の想定の課題としては、応援スタッフの確保や資材の確保ということを挙げられました。この点では、ほかの民間病院についても含めたところで、本市としてもできる限りの備えをしていただく必要があるというふうに思っています。
 公立病院については、国においても地域医療構想の検討の中で再編や統合を進めるという姿勢を示しているところでありまして、地域医療における役割の明確化というものが一層求められる局面にあります。こうした意味においては、今回の新型コロナウイルス感染症への対応で、市民病院の欠くべからざる役割が再認識されたということは非常に大きかったと思っています。折しも、今年度は市民病院の運営方針に関する計画等の見直しの作業が行われる年に当たっています。我が会派としても、本年度当初議会の代表質問において、市民病院については感染症対応や高度医療の提供など役割を特化しながら、今後の在り方を検討すべきとの考えを述べさせていただいたところであります。
 この質問の最後に、市民病院に関する次期の中期目標の議論に当たっては、新型コロナウイルス感染症の再拡大などを視野に、引き続き市民病院を中核としながら、本市の感染症への対応力がしっかりと強化されていくように取り組んでいただきたいと考えておりますが、所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 市民病院につきましては、高度専門医療や感染症対応など、市立病院として担うべき医療の安定的かつ効率的な提供に努めております。
 次期中期目標につきましては、今回のコロナ禍において、市民病院が多くの感染患者の受入れや重症患者に対する高度な医療提供など、感染拡大の防止に向けて、本市の医療提供体制の確保において果たした中核的な役割などを踏まえながら、検討を行ってまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) では次に、幼稚園児の安全確保のための駐車場への課税についてということで質問します。
 幼稚園の敷地から道路を1本挟んだ駐車場について御相談を受けました。この幼稚園は住宅街にありまして、前面の道路はやっと車が離合できるくらいの広さであります。子どもの送り迎えの安全確保のために、園の向かいに宅地を購入されて、それを整地して駐車場を確保しておられるということです。その話を伺ってみますと、固定資産税あるいは都市計画税の課税対象になっているということが納得いかないんだということでありました。その相談者の方がおっしゃるには、保育園で同じようなケースがあった場合は非課税扱いになっているのに、なぜ幼稚園は課税されるのかということでありました。
 そこで、固定資産税、都市計画税を課税するあるいは非課税にするというのは、誰が、どのように判断をしているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 固定資産税、都市計画税につきましては、各自治体が現地調査により利用状況を確認した上で、地方税法の規定に基づき、課税、非課税の判断をしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 各地方自治体ごとに課税するということ。今、私が申し上げた固定資産税、都市計画税、これはいわゆる市税ですので、つまり本市が判断するということであろうと思います。保育園のケースでは、つまり本市が非課税と決めているということだと思っていますが、いわゆる飛び地の駐車場のケースですね、非課税になっているものが保育園で幾つあるのか、お尋ねいたします。
 またあわせて、過去、分かる範囲で結構ですけれども、幼稚園の飛び地の駐車場について、課税に関する要望や問合せが何件あっているか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 保育所の園地から離れた送迎用駐車場を非課税としているのは、市内に9か所ございます。
 また、幼稚園の園地から離れた送迎用駐車場への課税に関して、過去に要望や問合せがあったのは、把握できたもので7件ございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) では、なぜ保育園と幼稚園で課税、非課税の判断が分かれているのかをお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 保育所と幼稚園では地方税法上の非課税の規定が異なっており、保育所につきましては、非課税の要件が単に児童福祉施設の用に供する固定資産とされているため、園地から離れた送迎用駐車場も園地と同様、非課税としております。
 一方、幼稚園につきましては、非課税となる要件が直接保育または教育の用に供する固定資産と規定されていることから、園地から離れた送迎用駐車場につきましては、直接教育の用に供する固定資産には該当しないものとして課税しているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 非課税を判断する法律の条文に、直接という言葉があるかどうかの違いだという説明だったと思います。御相談を頂いた幼稚園なんですが、同じ駐車場の用地を取得するに当たってなんですが、都道府県税である不動産取得税について、非課税の取扱いを県にお願いに行かれております。そして、県では現に非課税の取扱いになったということであります。同じ土地への課税をめぐって、現状では県と市の判断が分かれている状況になっています。市民からすれば、県も市も行政というくくりでは同じなので、何で考え方に差が出るんだろうということが不思議に感じられても仕方がないところであります。
 問題の本質は、先ほど御答弁いただいたように、法律の文言の解釈論だと思っています。本市の従来の解釈というのは、幼稚園の園児が安全に登園するための措置は教育と直接関係がないという考え方、県はそれが直接関係があるというふうに認めるから不動産取得税を非課税にした。そしてまた、保育園に関して言いますと、非課税の取扱規定に直接保育の用に供するという、直接という言葉がないので、本市では現状でも柔軟に取扱いをしているということだと思っています。
 しかし、この辺りの解釈論は市民から見ると非常に分かりにくくて、しかも、保育園、幼稚園、この園児の安全確保という両方大事な視点なんですが、何で市が差をつけているんだと、この部分だけが関係者の中でクローズアップされているのが現状だというふうに感じています。せっかく子育てしやすいまちを目指して、積極的に様々な施策を打っていただいている中であります。誤解を招くおそれがあると思っていて、早急にこの取扱いの差異は解消するのが望ましいんではないかというふうに感じております。
 今日、私が話題にさせていただいたような幼稚園の園児の安全のために確保された飛び地の駐車場への課税については、これまでの方針を見直していただきたいと考えておりますが、明確な答弁をお願いします。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 近年、共働き世帯の増加に伴い、幼児教育、保育に対するニーズも多様化しており、幼稚園においても、市内全園で預かり保育を実施するなど、幼稚園と保育所の垣根は低くなるとともに、昨年10月からは、幼児教育と保育が共に無償化の対象として実施されるなど、子育てに関する制度は大きく変化しています。
 また、幼稚園の送迎用駐車場を保育所と同様、非課税として取り扱う政令市が増えてきております。このような状況を踏まえ、幼稚園の送迎用駐車場につきましては、取扱いの見直しにつきまして検討を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 明確な答弁を頂いたと思っております。今年度は固定資産税の評価替えの作業をする年と──3年に1回ですかね──に当たるというふうに聞いております。見直しに前向きな方向を示していただきましたので、ぜひ来年度には非課税になるように進めていただければというふうに思っております。よろしくお願いします。
 次に、中体連、中文連中止の代替措置についてということであります。
 中体連、中文連の夏季の大会あるいは発表会の中止については、5月26日に教育委員会からお知らせを頂いたところでありますが、その前日ですね、5月25日に、やっと6月1日から全校登校ができるということが発表されたばかりでありました。なので、御一報いただいたときには、これはあまりにも性急な判断なのではないかなというふうに感じました。
 私は、常任委員会は教育こども委員会に所属させていただいておりますけれども、5月20日に5月臨時会の委員会報告で、教育委員会とお話しする機会に、既に決まっている県大会以上の中止はいかんともしようがないにしても、中体連であれば、せめて区大会の開催ができないか、できれば市大会までは開催するなど、特に最上級生である中3の子どもたち、この心情に寄り添った検討をお願いできないかということを申し上げていたところであり、中止の決定を伺ったときには正直納得がいかないと感じたのも事実でございます。
 ただ一方で、今議会には代替の大会を保護者等が企画することを支援するということで、補助に係る経費が630万円計上されてもおります。これは市民局の所管でありますけれども、教育委員会が示した方向性との整合性など、確認あるいは整理していきたいというふうに思っています。まず、この間の教育委員会における検討状況等をお尋ねしてまいります。
 初めに、中体連、中文連の夏季の大会あるいは発表会の中止については、主にどのような理由で決定をされたのか、また、発表に至るまでの経緯についても、併せて答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 中学校の部活動における夏季の競技大会や発表会の実施については、福岡市中学校体育連盟と福岡市中学校文化連盟がそれぞれ役員会を複数回行い、検討しております。生徒のこれまでの努力や気持ちを十分踏まえ検討した結果、新型コロナウイルス感染症が終息していない状況では、生徒の安全を完全に守れないこと、試合を行う際に密接を避けられない競技があることから、全ての競技大会や発表会が平等に実施できないと判断し、それぞれの連盟が中止の方針を決定したとの報告を受けております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 競技によっては、競技団体、協会や連盟などといったものの意向が特に強く働くものがあるということも聞いていまして、どうしても対外試合ができない競技があるということは承知をしております。中体連、中文連の先生方も、全体の足並みがそろわない以上やむを得ずということで、苦渋の決断をされたというふうに思っていますが、ただ、これを知らされた子どもたちの状況が、保護者に流れてきたメールを通じてというものから、部活動の顧問の先生を通じて丁寧に説明を受けたというものまで実は様々ありまして、特に家で親から急に聞かされたという子どもたちがその場で泣き崩れるような場面があったということも耳にしております。やっと部活が再開されるということを喜んだ翌日の知らせでありました。その心情は察するに余りありますし、伝え方というものもあったんではないかというふうに思っています。落胆する我が子の姿を見るのが非常につらいという声が幾つか私のところにも届きました。
 本件に関する発表後、教育委員会にはどのような意見が寄せられたか、お尋ねいたします。また、特に最上級生である3年生の部活動生徒たちの心情について、教育委員会としてどのような所見を持っておられるか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 保護者からは教育委員会に対して、ぜひ市大会を開催してほしいという意見が数件寄せられております。教育委員会としては、最後の競技大会や発表会に向けて練習を重ねてきた3年生の心情を思うと、中止という結果はとても残念ではありますが、生徒たちの安全を最優先で考え、それぞれの連盟が苦渋の決断をされたものと認識しております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 部活動については、今、段階的に再開をされてきています。学校が通常登校というふうになった今、感染防止への十分な配慮をしながら、私としては子どもたちには部活動に大いに励んでいただきたいというふうに思っているところです。
 ここで、そもそも部活動について、国からどのような通達が来ているかということについて資料を頂いて読んでみました。5月22日に文科省から、学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアルが出されております。ここには部活動について、地域ごとの感染状況をレベル1からレベル3に分けて方針が示されています。
 お尋ねいたしますが、本市の現状はこのマニュアルに示すレベル1から3ではどこに該当するのか、答弁を求めます。また、本市が該当するレベルでは、部活動についてどのような対応を取るべきと記されているかも併せてお尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 文部科学省が示した学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアルでは、レベル3を生活圏内の状況が特定警戒都道府県に相当する状況、レベル2を感染拡大注意都道府県に相当する状況、レベル1を感染観察都道府県に相当する状況としております。
 現在の福岡市はレベル1の状況であると考えており、十分な身体的距離を確保すること、密接な状態をつくらないこと、体育館などの屋内では小まめな換気を徹底すること及び用具を不必要に使い回しせず消毒を行うことなど、可能な限りの感染症対策を行った上で部活動を行うこととしております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) マニュアルなんですが、レベル1──本市が該当する部分ですね──の対応としては、感染防止に注意して、通常の活動をしてよいということが書かれてあります。これは前提として押さえさせていただきたいと思っています。
 一方で、感染防止への対応、対策といっても、競技ごとに気をつける部分が違ってくると思っていますので、それぞれに必要な対策について検討があったということを伺っております。
 お尋ねいたしますが、部活動の再開に向けて、各競技、種目ごとにどのような検討があったのか、中身についてお知らせいただきたいと思います。また、特に部活動そのものの再開ができないというふうなことで最終的に判断をした競技などがありましたらお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校再開後の部活動については、教育委員会と各競技部門の代表者で、生徒の安全性に配慮した部活動の実施方法等について協議を行い、活動に当たっては十分な身体的距離を確保し活動すること、密接な状態をつくらないこと、屋内で活動する際は換気を徹底することなど感染症対策を徹底した上で、全ての部活動を再開することとしております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 部の活動自体は再開できるということでありました。私は部活と一言で言ったときには、対外試合を行うことも、まさに部活動の一環であるというふうに感じているわけですけれども、今の答弁にあったような各競技、種目ごとの安全面への配慮と、こうした要件を満たした場合には、対外試合が行われることについては、教育委員会として容認するということでよろしいでしょうか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 対外試合については部活動の一環であり、福岡市の感染状況を踏まえて、3つの密をできる限り避けることなどの、教育委員会が示した部活動を実施する際の留意事項が守られていること、生徒の体力の回復状況を十分に把握し、けがの防止に努めること、さらに日本スポーツ協会が示すスポーツイベントの再開に向けた感染拡大予防ガイドラインを守っていただければ、実施することは差し支えないと考えております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) いろいろ条件はつくんですが、対外試合は可能であるということでありました。それならば、中体連、中文連、特に中体連ですが、代替となる措置について、教育委員会としてどこまでのことができるのかということをお尋ねしたいと思っています。感染の状況が落ち着いていることが前提でありまして、また、今年は夏休みも短くなるということで、いろいろ制約があることは承知しておりますけれども、教育委員会として夏季の大会や発表会について、主催をして代替の措置を取ることは考えられるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 代替の措置については、生徒が参加する競技大会や発表会の中には、生徒と生徒の密集や密接が避けられないものもあり、一部の部活動では競技大会や発表会への参加が困難な状況もございます。そのため、教育委員会としては、生徒の安全を守ることや公平性の観点から、代替の競技大会や発表会の主催を行わないこととしております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 目標にしてきた大会あるいは発表会を失ってしまったという子どもたちは、これから何を励みに部活に参加するのか、こういった喪失感を背負わせたまま、中学校の課程を終わって、次の高校の課程に送り出していいのか。部活の内容によっては、練習すらままならないものも今もあるというふうに思っていますが、せめて問題のない競技、種目については、代替の大会が開催されることを多くの保護者、そして、部活動生が願っている状況であります。
 こうした願いを受けて、本市は今議会に代替の大会支援に係る630万円の経費を補正して計上したのだというふうに思っていますが、ここで改めて教育委員会に確認させていただきますが、最上級生の引退試合などの意図で、例えば、各区ごとに保護者の有志が連絡を取り合って任意のカップ戦などを企画し、区内のいずれかの中学校のグラウンドや体育館または各区の体育館等に集まって試合を行うことなどは問題がないかということについて、教育委員会の所見を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 保護者などが企画する対外試合については、文部科学省が示す学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル及び日本スポーツ協会が示すスポーツイベントの再開に向けた感染拡大予防ガイドラインが遵守され、生徒の安全が確保されていれば実施することは差し支えないと考えております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 問題がないということだったと思います。それならば、あとは形式の問題でありまして、どこまでのことを本当にしてあげられるのかということだと思います。教育委員会では先ほどの答弁で、代替の大会は主催できないということでありましたので、市民局にお尋ねをさせていただきます。
 日頃、スポーツの振興を所管しておられる市民局には、例えば、各区の区長と連携を取っていただいて、様々な競技、種目ごとに任意のカップ戦の主催者から求めがあった場合には、区長杯などの名目で賞状を出すなどの心ばかりの支援というか、後押しにぜひとも取り組んでいただけないだろうかと考えておりますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 中学生のスポーツ大会につきましては、これまでも申請があった場合、名義後援などの支援を行ってきておりますが、日頃の練習で培った成果を披露するため、中学校体育連盟の大会の代替として開催されるスポーツ大会に対しましても、御申請いただければ名義後援や区長名の賞状の交付などの支援を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 前向きな姿勢を示していただいて、大変ありがたいというふうに思います。今議会に上程された630万円の経費についてもですが、金額の多寡の問題ではなくて、こうした本市の姿勢に対して、非常にうれしいという声を私、伺っているところであります。
 一方で、通常の中体連の大会であればなんですが、市の主催行事とのみなしの中で、会場費の負担がどうなるかという問題が生じないわけです。ただになる。ただ、任意のカップ戦ということになったときに、この点は特に柔軟に扱ってあげないと、会場費の負担が生じてしまうんではないかというふうにも思っています。ぜひ市民局にはこうした部分にまで配慮して後押しいただけることを期待いたしますが、いかがでしょうか、御所見を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 中学校体育連盟の大会の代替となるスポーツ大会につきましては、開催に際し、感染対策を徹底していただくよう感染症対策経費などの助成を行うとともに、会場使用料についても、中体連の大会と同様に取扱いできるよう、関係局と連携し検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 多くの方が喜んでいただけるんではないかなというふうに思います。ぜひ後押しをお願いします。
 また、今回の経費が、補正の630万円ですけれども、どのように申請するのかあるいは何に使えるのかという情報については、確定しましたら、市民局からぜひとも教育委員会のほうにしっかりと情報提供していただくようにお願いを申し上げておきます。
 一方で、中体連が主催をしない任意の大会であるというふうなことになりますので、学校の先生方もどこまで関わっていいのかということを戸惑いを持たれるケースがあるんではないかというふうに心配しています。子どもたちにせめてもの気持ちの区切りをということでありましたらば、今まで指導してこられた先生方の思いも、生徒の思いも、そして、保護者の思いも同じ方向を向くはずであります。
 再度教育委員会にお尋ねいたしますが、代替の大会等の開催に向けた、例えば、他校との連絡調整、そして、大会等での指導について、先生方が関わりやすいように、教育委員会としても御配慮願えないかというふうに思いますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 大会運営に関する支援や試合の審判などについて、保護者等から支援の要請があった場合は、教育委員会として積極的に支援を行いたいと考えており、これらに関わる部活動の顧問や担当教員が支障なく参画できるよう、各学校に周知したいと考えております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) これまで教育委員会、そして市役所で部活動やスポーツに関わりを持つ方々が、せめてものという思いで真摯に検討された結果を答弁で伺ってまいりました。学校の先生方も含めてですけれども、多くの大人たちが部活動生、特に最上級生の心情にできる限り寄り添って、何とかしてあげたいと思って頑張っているということが子どもたちにも伝わってくれればというふうに思います。
 部活動の関連でここまでお尋ねしてきましたが、運動部についてですね、仮に代替のカップ戦等が実施される場合、3年生の引退試合の実施は7月23日からの4連休あたりが有力なんだろうというふうに思います。ここで何らかの区切りをつけられる子どもたちは少しはいいのかなと思うんですが、もし代替となる大会等ができない競技があれば、その子たちの気持ちの区切りについては、何か手だてを取る必要があるんではないかというふうにも思います。各学校ごとに状況は異なってくると思いますが、しかるべきタイミングで、例えば、3年生だけを集めた引退式を開くなど、代替の大会等に参加できない子どもたちのケアについて、各学校で適切に取り組んでいただけるような配慮が必要ではないかと思いますが、所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) これまで競技大会や発表会を目指して練習を積み重ねてきた生徒が、代替の競技大会等にも参加できないことは非常に残念に思います。また、生徒の心情に寄り添い、心のケアを図っていくことはとても重要であると認識しております。生徒がこれからも有意義に学校生活を送ることができるように、引退式や後輩への引継ぎ式等の区切りの活動の実施について、各学校に周知し、支援してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) ありがとうございます。では次に、文化部への対応です。例えば、吹奏楽や演劇などは演奏会、発表会等が通常屋内で行われることや、客席が密になる状態が起こり得ることから、節目となる催しが開きにくいというふうなことも伺っております。しかしながら、いわゆる文科系の部活動も、仲間で目標を持って頑張ってきたことに何ら変わりはありません。今の御時世、歌うこととか演奏するということに特に敏感になっている傾向にありますけれども、例えば、ブラスバンドでありましたらば、通常より広い会場を押さえたり、パートごとに演奏したりと、いろんな発表の仕方があるというふうに思っています。
 教育委員会としてはぜひとも、一律で何でもかんでも駄目だという話にならないように、文科系の部活生の区切りの活動についても、しっかりと心を寄せていただきたいというふうに思っています。その上で、文科系なりの発表とか表現の在り方としての一つの考え方なんですけれども、例えば、どこかで収録をした演技や演奏したものをウェブを通じて保護者や関係者に見てもらうなど、オンラインの活用なども考えられないかということを思いますが、教育委員会として取れる手だてはないでしょうか、所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 吹奏楽の演奏や演劇については、換気の悪い密閉空間を避けること、多くの人が密集しないようにすること、互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声を行わないことなど、生徒たちの活動については様々な工夫が必要であると考えておりますが、これらの対策が十分に行われることを前提として、動画を撮影することは可能であると考えております。
 また、動画の配信に当たっては、保護者や生徒本人の同意を得るなどプライバシー保護に十分配慮した上で、福岡 TSUNAGARU Cloudを通して発表することなどは差し支えないと考えております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 今、クラウドの活用によるという示唆がありました。擬似的なこうした発表会や演奏会みたいなものの開催については、ぜひともクラウドの活用なども含めて検討していただいて、学校に周知をしていただきたいと思っています。また、同じように芸術関係の部活についても、例えば、生徒の作品を画像や映像に収めて鑑賞できるようにするなど、クラウドの活用によって、せめてもの節目の発表の機会をつくっていただくことをお願いしておきたいと思っています。
 以上、部活動への対応について質問してまいりました。新型コロナウイルスの最大の損害の一つが、部活動も含めたところでの子どもたちの学びの機会が長期間にわたって失われたということだと思っておりまして、少しでもその損害を埋め合わせていくことが、教育に関わる者、そして、我々市政に関わる者の今の役割だというふうに考えております。この苦難の時期に様々な節目を迎える子どもたちには、心にただ何か暗いものを抱えるということではなくて、ぜひとも逆境に負けない強い心を持って、これからの人生を歩んでいただきたいというふうに願うものでありまして、そのために必要となるなお一層の支援に、本市を挙げて取り組んでいただくことを切にお願い申し上げまして、質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵)登壇 公明党の川上多恵でございます。私は公明党福岡市議団を代表して、アプリを活用した妊産婦支援及び妊活支援について質問いたします。
 厚生労働省が6月5日に発表した2019年の人口動態統計によると、1人の女性が一生のうちに産む子どもの数、合計特殊出生率は1.36となり、4年連続で低下となりました。生まれた子どもの数は86万5,234人で過去最少となり、予想を上回るペースで少子化が進んでいます。急速に少子化が進む中、誰もが安心して子どもを生み育てることができるよう、今こそ妊産婦などへの支援を拡充することが大事であると思います。
 今回の新型コロナウイルス感染拡大を防止するための不要不急の外出自粛や3密を避けるための行動は、国民生活に大きな影響を与えました。特に妊産婦にとっては、このような状況の中で行動することに大きな不安を感じたことは言うまでもありません。
 そこで、まずお尋ねいたしますが、不安を抱える妊産婦から新型コロナウイルスに関する相談はありましたか。あれば、その内容を教えてください。
 以上で1問目の質問を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 妊産婦の方からの御相談につきましては、区の子育て世代包括支援センターにおいて、保健師や助産師が電話や面談によりお受けいたしております。
 お尋ねの新型コロナウイルス感染症に関するこれまでの主な相談といたしましては、感染した場合の重症化や子どもへの影響に対する不安、里帰り先での出産を希望される場合に、里帰り先の病院での受入れに関する不安、県外への移動自粛により、実家での産前産後のサポートが得られないことへの不安などがございました。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 今、御答弁いただいたような不安を解消するためにある制度として、家庭訪問を実施する母子保健訪問指導があります。その中で乳児家庭全戸訪問も行われておりますが、これまでどおり実施されているのか、お答えください。
 また、訪問中止の場合は、告知はどのようにされていたのか、その際の妊婦や乳幼児の状況をどのように把握したのか、教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) お尋ねの母子保健訪問指導につきましては、保健師や助産師が妊産婦の方や乳児がいらっしゃる御家庭への訪問を行うものでございますが、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大している状況におきましても、緊急性やリスクが高いと思われる御家庭につきましては、感染対策を十分講じた上で、引き続き訪問を実施してきております。
 次に、訪問を中止する場合の告知につきましては、区の子育て世代包括支援センターから訪問予定の御家庭に電話などで御連絡をするとともに、連絡の機会を利用して、発育、発達状況の確認や育児上の相談に応じて必要な助言、指導を行っております。また、電話連絡のやり取りの中で直接の支援が必要と判断した場合にも、感染対策を十分講じた上で家庭訪問を実施いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 妊産婦に寄り添った支援を行うとともに、特に緊急性やリスクの高い家庭への配慮を引き続きお願いいたします。
 次に、乳幼児健診について、新型コロナウイルス感染症の影響と今後の対策について教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 乳幼児健診についてでございますが、基本としております区の保健福祉センター等での集団健診については、新型コロナウイルス感染症の影響により、現在休止しておりますが、そのうち4カ月児健診につきましては、5月25日から集団健診を再開するまでの間、医療機関において自己負担なしで個別健診を受けることができるようにいたしております。
 また、1歳6カ月児健診につきましても、今後、集団健診を再開するまでの間、同様に個別健診を受けられるようにするとともに、3歳児健診につきましては感染対策を十分講じた上で、できるだけ早い時期に集団健診を再開できるよう準備を進めているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 3密を避け感染防止策を十分講じていただき、安心して健診を受けていただくために、しっかり体制を整えていただくよう要望いたします。
 では、妊産婦への必要な情報提供はどのように行っているのか、御教示ください。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 妊産婦の方への情報提供についてでございますが、出産、子育てに関する全般的なお知らせについては、母子健康手帳やふくおか子育て情報ガイド、市政だより、公民館だよりのほか、ホームページやLINE及びメールマガジンにより情報提供を行っております。
 また、健康診査や予防接種の時期など、対象者に個別にお知らせする内容につきましては、郵送によるほか、LINEやメールマガジンによる情報提供も行っております。
 さらに、母子健康手帳を交付する際や乳幼児健診、家庭訪問の際には、対面により直接、妊産婦の方に必要な情報を提供いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 様々なツールを使って情報を提供されていますが、子育て世代のユーザーが多いLINEでの発信について詳細をお尋ねしてまいります。
 福岡市LINE公式アカウントで、引っ越し、ごみ、子育てなどの生活情報を配信していますが、子育て情報に登録している方の人数をお示しください。
 また、LINEを使って具体的にどのような情報を提供しているのか、教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 福岡市LINE公式アカウントにおける子育て情報につきましては、令和2年6月1日現在で2万1,222人の方が登録をされております。
 また、福岡市LINE公式アカウントにおける子育て情報の提供内容につきましては、母親の妊娠月数や子どもの月齢、年齢に応じた健康診査や予防接種などの情報を定期的に配信しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) では、本市のLINE子育て情報の登録者数を増やすために、妊婦や子育て世代の方に対してどのような努力をされているのか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 福岡市LINE公式アカウントにおける子育て情報の登録者数を増やすための方策といたしましては、母子健康手帳やふくおか子育て情報ガイド等の妊産婦等の方に直接お渡しする配布物の中にQRコードを掲載し、気軽に登録いただけるよう周知を図っております。
 また、令和2年4月1日からは、福岡市LINE公式アカウントにおいて、子育て情報ガイドの内容やお問合せの多い御質問について会話形式で案内するチャットボットの機能を追加し、より利便性を高めることにより、効果的な情報発信に取り組んでいるところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 私もふくおか子育て情報ガイドを改めて手に取ってみましたが、本市の子育て支援策が分かりやすく、コンパクトにまとまっており、子育て世帯にとっては必読本であると感じた次第です。
 ふくおか子育て情報ガイド等にQRコードを掲載しているとのことですが、本市のホームページを見ると、この情報ガイドの紹介はされていますが、どこで入手できるのかなども併せて掲載していただき、もっと子育て情報ガイドの広報及び活用に努めていただきますよう要望いたします。
 今回の新型コロナウイルス感染症対策において、厚生労働省による妊娠中の女性労働者等への配慮の要請や、日本産科婦人科学会などが医療者向けに院内感染対策に十分留意するよう要請したことを受け、民間のIT会社から産婦人科向けのオンライン診療システムの無料提供が実施されています。これを利用することで、患者はスマートフォンのアプリから病院を検索、予約ができ、診察、決済、処方箋の受取りまでを自宅で行うことが可能となります。
 また、妊娠、不妊に関する意識調査や今回のような新型コロナウイルス感染症に関するアンケート調査も実施するなど、願ったりかなったりのすばらしいシステムだと思います。他都市においても、例えば相模原市では、母子健康手帳のアプリを導入し、妊婦健診、乳幼児健診の管理、予防接種のスケジューリング機能を活用しており、また、神戸市でも予防接種ナビを導入するなど、積極的にアプリを活用して、妊産婦にとって利便性の向上につながっている事例も多くあります。
 このように、全国で400もの自治体がアプリを活用した子育て支援を提供しており、アプリを活用することで、一からシステムを作り込まなくても、より充実した支援が可能となります。
 また、国におきましても、子育てノンストップサービスについて議論されており、民間のアプリと連携して、紙の申請等手続を電子化することにより行政の事務負担を軽減するとともに、業務の効率化を図り、対面での支援や確認の機会を確保できるとの見解を示しています。
 さらに国の第2次補正予算の中で、妊産婦等への支援の強化に対して177億円の予算をつけ、不安を抱える妊婦に対する新型コロナウイルスの検査費用の補助、オンラインによる保健指導、里帰り出産が困難な妊産婦への育児等支援サービスの提供を行うなど、不安やリスクを解消するための支援策が盛り込まれました。福岡市においても、しっかりとした取組を行っていただきたいと思います。
 これらの国の施策、特にオンラインによる保健指導の要となるツールとして、アプリの活用は不可欠であると考えます。
 そこで提案ですが、妊産婦にとって大事な母子健康手帳と併用する形で、民間アプリをもっと活用してはいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 民間のアプリの活用につきましては、民間のアプリには様々なサービス内容のものが提供されており、子どもの成長記録や予防接種のスケジュールなどを入力して管理できるなど、母子健康手帳の補完的なサービスとして有効に利用されていると認識いたしており、今後、利便性の高いアプリとの連携の在り方について検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) ありがとうございます。次に、不妊で悩まれている方への支援、いわゆる妊活支援についてお尋ねいたします。
 まず、本市の不妊専門相談センターにおける、開設されて以降の相談者数と相談件数をお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 不妊専門相談センターにおける平成29年11月に開設して以降の相談状況でございますが、平成29年度には11月から翌年3月までの間に、301組の方から延べ463件、平成30年度には1,002組の方から延べ1,463件の御相談をお受けいたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 本市では不妊専門相談センターが平成29年11月から開設されていますが、平成30年度の1年間で1,000組以上もの方が利用されているとのことです。
 それでは、不妊専門相談センターではどのような支援を提供されているのか、教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 不妊専門相談センターでの支援内容につきましては、不妊カウンセラーや医師が不妊、不育に関する専門的な相談に応じるとともに、講演会の実施などにより、妊娠、出産に関する正しい知識の普及啓発を行っております。
 相談につきましては、来所によるほか、電話やメールでの御相談にも対応しております。また、平日昼間に仕事をしている方も相談しやすいよう、土曜日も月2回開設いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 妊娠を希望する御夫婦にとって、不妊治療は精神的にも、経済的にも、そして、肉体的にも大きな負担となります。本市ではこれまでの特定不妊治療費への助成に加え、平成30年7月より一般不妊治療の費用を一部助成するようになりましたが、相談者数から見てもより充実した妊活支援が求められていると感じます。
 不妊に関する相談はデリケートな問題であり、不妊専門相談センターへ相談される方以外にも、もっと多くの方が悩んでおられるのではないかと推測します。そのような方々に本市から適時的確にダイレクトに届く妊活支援等に関する情報発信ができないでしょうか。
 大阪府や北九州市では、民間の妊活アプリと連携して、不妊、妊娠、出産、育児に関する正しい知識の普及啓発や自治体の不妊治療助成制度などの情報を発信し、妊娠を希望する御夫婦の妊活支援に活用されています。この民間の妊活アプリはエビデンスに定評があり、国立成育医療研究センターは共同して、日本初の生理の周期についての調査結果を発表しているほどです。
 民間アプリはたくさんありますが、使いやすさ、情報の収集、分析、活用、発信、情報の内容の専門性、他の自治体での活用実績などをしっかり見定め、妊活、出産、育児などの女性の人生をサポートする大事なアプリであるので、ベストのものをしっかり選択していただきたいと思います。
 そこで、本市においても不妊に悩む女性を含め、多くの方が利用し、エビデンスに定評がある民間の妊活アプリを活用して、妊活を支援してはどうかと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) アプリを活用した妊活への支援につきましては、現在、様々な民間の妊活アプリが提供されており、今後、より多くの方に対する具体的な妊活の支援につなげるため、アプリと不妊専門相談センターなどとの連携について検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 今後5年間の少子化対策の指針となる政府の少子化社会対策大綱が5月29日に閣議決定されました。大綱では、政府が目標とする希望出生率1.8の実現に向けて、若い世代が希望する時期に結婚して、子どもを育てられる環境を整備するとしています。また、不妊治療を受ける方々の経済的負担を軽減するために、今年度実態調査を行い、効果的な治療には公的医療保険の適用を検討するとし、強力に少子化対策を推し進めていくこととしています。
 このような国の方針を踏まえ、特に新型コロナウイルスの感染拡大の影響によりハイリスクとなる妊産婦への支援、また、不妊で悩んでおられる方々への妊活支援をより一層拡充し、不妊、妊娠、出産、育児の切れ目のない子育て支援をぜひとも進めていただきたいと思います。
 最後に、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえ、民間アプリを活用した妊産婦への支援及び妊活支援の拡充について、島市長の御所見をお伺いし、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、妊産婦の皆さんは自身や、また、子どもへの感染リスクに不安を持ちながら、出産の準備や子育てをされております。そのため、引き続き保健師等によります電話相談や家庭訪問を実施していくとともに、乳幼児健診の再開などによって、妊産婦の方の不安の軽減を図ってまいります。
 また、川上議員から御提案のありました民間アプリとの連携など、子どもを望まれる方が希望をかなえられるように、妊娠、出産、育児に役立つ情報を届ける、より効果的な手法についても、検討してまいります。
 今後とも、安心して子どもを生み育てられる環境づくりをしっかりと進めてまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) この際、暫時休憩いたします。
 午後は1時10分に再開いたします。
午前11時24分 休憩  
午後1時10分 開議  
○副議長(楠 正信) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。田中たかし議員。
○54番(田中たかし)登壇 私は福岡市民クラブを代表して、地域におけるごみ減量活動の現状と課題について、また、自治会、町内会の活性化について質問させていただきます。
 まずは、地域におけるごみ減量のための活動についてです。
 2000年に循環型社会形成推進基本法に3Rの考え方が導入されたことなどにより、市民のごみに対する意識にも変化が見られるようになりました。現在は行政と市民が連携、協力してごみ問題に取り組む土壌も形成されてきております。このような中、福岡市では2011年に一般廃棄物の処理に関する計画として、新循環のまち・ふくおか基本計画が策定されましたが、そこでまずお伺いさせていただきます。
 本年1月の環境審議会におきまして、新循環のまち・ふくおか基本計画が全面改定となることについて審議、了承されましたが、全面改定に至った理由と経緯について説明を求めます。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○副議長(楠 正信) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) 現在のごみ処理基本計画である新循環のまち・ふくおか基本計画の全面改定に至った理由と経緯につきましては、平成23年度に策定した現在のごみ処理基本計画では、令和2年度の人口を約150万人で見込んでおりましたが、現状では既に160万人を超えており、大きく上回っております。
 また、経済状況の好転により、計画策定後、事業所数も大きく増加したことにより、現状に合わせた目標値を再設定する必要性が出てきたことに加え、国におけるプラスチック資源循環戦略や食品ロスの削減の推進に関する法律の制定など、環境行政を取り巻く社会情勢の変化に迅速に対応するため、生活環境委員会や環境審議会での審議を経て計画の全面改定を行うに至ったものでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 全面改定の理由としまして、人口の増加というのを挙げられたわけですけれども、では、ごみ処理基本計画が掲げます各項目の中間目標値と実績値の数値の乖離に関しまして、人口増加がどのような影響を及ぼしたと分析されているのか、説明を求めます。
 
○副議長(楠 正信) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) ごみ処理基本計画に対する人口増加の影響につきましては、令和元年度の市全体のごみ処理量の実績は約57万トンであり、計画の基準年度である平成21年度と比較して約1万トン減少しております。これを同計画の令和2年度の中間目標値である50万トンと比較いたしますと、約7万トン上回っておりますが、一方で、市民1人1日当たりのごみ処理量は着実に減量が進み、平成29年度に中間目標値を3年前倒しで達成したところであります。
 ごみ処理量の実績は目標値と差が出ておりますが、現在の人口が計画策定時の人口見込みを上回っていることや、好調な経済状況がその一因であると考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) では、ごみ処理基本計画における中間目標値と実績値についての環境局としての評価をお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) ごみ処理基本計画における中間目標値と実績値の評価につきましては、市民1人1日当たりのごみ処理量は着実に減少し、先ほども御答弁いたしましたとおり、令和2年度の中間目標値を3年前倒しで達成しており、1事業所当たりのごみ処理量についても減少傾向であります。これらのことから、市民、事業者の協力の下、計画に基づくごみ減量施策の効果は着実に現れているものと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 取り組んでこられた効果は出てきているとのことでありますけれども、そうしますと、ごみ処理基本計画に基づいて実施された事業にはどのようなものがあるのでしょうか。
 
○副議長(楠 正信) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) 現在のごみ処理基本計画に基づいて実施している事業につきましては、市民、事業者の自主的、自発的な取組を促進するため、環境教育や広報、啓発による人づくり、資源物回収拠点などの3Rの基盤整備、環境市民ファンドや事業系ごみ資源化推進ファンドを活用した市民、事業者のごみ減量・リサイクル活動に対する支援などを行っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) では、環境教育や広報、啓発を実施することによってどのような効果が生じたのか、また、効果に対する評価をお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) 環境教育や広報、啓発の効果につきましては、3Rの認知度を調査した市政アンケートでは、計画の基準年度である平成21年度と比較して令和元年度は、リデュースについては、38.2%から70.1%へ31.9ポイントの増加、リユースについても49.8%から72.4%へ22.6ポイント増加しており、市民のごみ減量に対する意識の向上が見られる結果となっております。
 また、ごみ減量効果の指標となる市民1人1日当たりのごみ処理量も減少しており、計画に基づくごみ減量施策の効果が着実に出ているものと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) ごみ減量に対する市民の意識が向上したとの御答弁ですけれども、ではお伺いしますが、福岡市にはボランティア団体やNPO、市民団体まで含めまして、リサイクルやごみ減量に関わる団体はどの程度あるのでしょうか。また、それらの団体と併せて自治協議会や自治会、町内会で地域清掃活動などを行われていると思いますけれども、市ではどの程度あるのか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) まず、リサイクルやごみ減量に取り組まれている団体数につきましては、令和元年度の実績で申し上げますと、資源物の回収活動を行う町内会、子ども会などの地域集団回収の実施団体が1,900余でございます。次に、清掃活動に取り組まれている団体数につきましては、町内会をはじめとする地域ぐるみ清掃の実施団体が1,300余でございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 大変多くの団体が活動されているということでありますけれども、では、福岡市で行われている特徴的な取組はどのようなものがありますでしょうか。市としての効果も含めてお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) 福岡市独自の特徴のある取組といたしましては、海岸や河川、公園などを一斉清掃するラブアース・クリーンアップを実施しており、毎年500以上の団体、約4万人の方に御参加いただいております。
 この活動は、地域、企業、NPOや学校など多様な主体の皆様が協力して実施する大規模なボランティア清掃で、昨年28回目を迎えました。また、昨年からは清掃活動だけでなく、近年問題となっております海洋プラスチックごみ対策としまして、プラスチックごみ削減啓発も新たに実施しており、直接的な効果であるごみ回収に加えて、啓発効果も見込まれるものと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) では、そういった環境活動団体や自治協議会などの主体的な活動に対しまして、市はどのような支援を行っているのか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) 町内会や子ども会、自治協議会などの環境活動に対する支援につきましては、地域集団回収活動において、古紙や布類など集めた資源物の回収量に応じた報奨金を支給しており、各団体の環境活動経費や地域コミュニティづくりの資金として活用されております。
 地域ぐるみ清掃などの地域主体で取り組まれる清掃活動においては、ごみ袋の配布及び集められたごみの収集などの支援を行っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 福岡市の環境美化が多くの団体の自主的な活動によって支えられているということはよく分かりました。しかし、これはあくまで任意団体による善意ですので、行政の権限でそういう団体に対して指導的な何かをできるというわけではありません。
 そこで、他都市では環境指導員や環境美化推進委員といった名称で、例えば、茅ヶ崎市などでは市長から委嘱の上、特別職地方公務員としての位置づけの下、報償もあるといった公共性の高い役職を設けていたりもしますが、福岡市ではこれに相当する役職の方はいらっしゃるのかどうか、お示し願います。
 
○副議長(楠 正信) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) 地域における人材配置につきましては、福岡市におきましても、以前は地域の生活環境の向上を図るため、町内及び校区に環境推進委員を配置しておりましたが、地域コミュニティによる主体的な取組が進んだことにより、平成20年度にこの制度を終了しております。現在は自治協議会内に設置されております環境部門の環境委員の方を中心に、ごみ減量・リサイクル推進や環境美化に関する活動を行っていただいております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 福岡市の場合は既に終了しているということで、自治協議会等の環境部門が担っているという御答弁でありますけれども、この方々も善意に頼ったボランティアということになります。地域事情に合わせた清掃活動などが行えるような仕組みだとは思いますが、地域ごとに抱える実情は違うでしょうから、自治協議会の間で活動内容にばらつきが出てしまうのではないかと思うところであるんですが、では、ごみ減量のために全市一丸となって取り組む必要があると考えれば、差が認められた際には、その差を解消するための支援を強化する必要があると考えますが、御所見をお伺いします。
 
○副議長(楠 正信) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) 地域における環境活動への市の支援につきましては、区ごとに校区の環境委員が参加する環境活動連絡会議を定期的に開催し、校区間での取組の情報交換に加え、市からも情報提供を行い、環境活動の活性化に向けて支援を行っております。
 さらに、環境局と区役所が連携し、地域ごとの実情に合った活動を個別に提案するなど、円滑な環境活動に資する支援を行っているところでございます。今後とも、地域の実情把握に努め、きめ細かな支援を行ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) これは環境活動に限らず様々な活動においても言えることだとは思うんですけれども、このような任意の活動は、積極的に参加する人と全く関心を持たない人の二極化が進んでしまうという現状があります。ごみ減量という地域にとって有為なはずの活動が一部の人の負担で成立しているということです。やはり市民全体の意識の底上げが重要だと思いますが、そのためには人材教育、育成も重要だと考えます。福岡市では第三次福岡市環境教育・学習計画を策定し環境教育を実施されておりますが、現在、ごみ問題に関しての環境教育はどのようなものが行われているのか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) ごみに関する環境教育につきましては、小学4年生を対象に、ごみについて学ぶ社会科副読本「ごみとわたしたち」の配付や、環境局の職員による環境学習を実施しております。環境学習では、家庭から出るごみの分別やごみ減量の3Rをクイズ形式や展示などの体験を通じて分かりやすく説明しております。このほか、地域団体などに対して、ごみの分別や3Rの実践例、食品ロス削減などをテーマにした出前講座を実施しております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 福岡市環境教育・学習計画にも、地域社会が一つの方向性を共有して共働、連携した取組を進めていくことが必要と示してありますが、これまでの取組で具体的に何か成果として現れたものはあるのか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) 成果のあった具体的な取組事例といたしましては、早良区飯原校区において自治協議会が主体となり、スローガンとして、「チーム飯原で環境の町を目指し、雑がみ回収で意識改革を促進」と掲げて取り組まれ、令和元年度に福岡市が提供する雑がみ回収促進袋を、校区全戸に配布を行っております。その結果、配布後3か月間に分別された雑がみの回収量は、前年同時期と比較して32%増加したとの報告を受けております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 成果が出ているということは大変いいことだと思いますが、一方で、福岡市は大学生や単身者など若年層の転入者も多く、そういう方々は地域コミュニティとの接点も希薄、また、福岡市のごみ処分のルールをよく理解されていないという方も多いと思いますが、そのような方々に対しての啓発活動や環境教育はどのようにされているのか、御答弁願います。
 
○副議長(楠 正信) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) 若年層の転入者などへの啓発や環境教育につきましては、広報物の配布やSNSでの発信など様々な媒体を活用して行っております。具体的には、家庭ごみルールブックを転入時に区役所で配布するとともに、不動産会社と連携し、ごみ出し日が記入できるパンフレットを新たに入居される世帯へ配布しております。また、LINEやホームページを活用した情報提供を行うほか、大学においては新入生向けガイダンス時などにごみの適正排出について啓発を行っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) では、そのような啓発活動を行った上で、それでもルールを守らない市民に対してはどのような対応を取られているのでしょうか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) 分別が正しくないなどルールが守られていない場合は、収集を行わず、ごみ袋に収集できない理由を書いたシールを貼り、改めて分別を行っていただくとともに、排出者が特定できる場合には個別に指導を行っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 先ほどの御答弁で、市民の1日のごみ排出量は減っている、それも環境教育や啓発活動の結果だと、そういうふうに私も思いますが、そこで改めてお伺いしたいのですが、福岡市の1人1日当たりのごみ処理量は何グラムか、また、それは他政令都市と比較して程度はどれほどなのか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) 市民1人1日当たりのごみ処理量の他の政令市との比較につきましては、平成30年度の福岡市のごみ処理量は499グラムとなっております。他の政令市の実績値は351グラムから614グラムであり、福岡市は中程度となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 少ない都市では351グラムということで、この数字を踏まえてお尋ねしますが、福岡市では個人が排出するごみの量はまだ減らすことができるのか、環境局としての見解をお聞かせください。
 
○副議長(楠 正信) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) 個人が排出するごみの量は、これまでも市民のごみ減量に対する取組により市民1人当たりのごみ処理量は着実に減少してきたところでございます。その一方で、家庭ごみの中には古紙などの資源化可能なものが一定量含まれているなど、ごみ減量の余地はあると考えております。このため、資源物の回収促進に向けた取組やごみとなってしまう不必要なものを断るリフューズの推進について、市民との連携を強化し、さらなるごみ減量に取り組んでいるところであります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 家庭ごみの中にはまだ資源化が可能なものが一定量あるということですが、福岡市では雑がみの分別をするように呼びかけや広報を行っておりますが、そこでお伺いいたします。雑がみ回収に特化した目的と、回収方法などの詳細をお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) 特に雑がみに力を入れて広報を行っている目的は、燃えるごみに出される紙類の約5割がリサイクル可能な紙であり、その約9割、重量にして約4万トンが雑がみであることから、雑がみ回収を促進することにより、効果的なごみ減量を推進するためであります。
 次に、回収方法は、地域集団回収や区役所などに設置しております資源物回収拠点などで回収し、リサイクルしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 雑がみをリサイクルへ回すことができれば、相当なごみ減量につながるということは理解できますが、これは市民にとって負担が大きいような気も私はしています。まず、雑がみの線引きが複雑ということがあります。さらには、出す際には指定された場所にまで持っていかなくてはいけない。お年寄りや体の不自由な方にとってはなおさらのことだと思います。実際に昨年の市政アンケートでも、集団回収に古紙を出していると答えている方が64.5%、区役所や地域の回収ボックスに古紙を出しているとしている市民の方は23.2%となっており、まだまだ数字としては改善の余地があるのではないかと思うところですが、市としても市民に手間や労力をかけさせるだけではなく、今以上に古紙分別に協力しようという気持ちを喚起させるような支援策が必要だと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) 市民が古紙分別に協力しやすくなるための支援策につきましては、雑がみの種類や出し方を分かりやすく解説した雑がみ回収促進袋を様々な機会で配布し、実践行動につながる周知、啓発を行っております。また、令和元年度に自宅から最寄りの回収場所などが一目で分かる資源物回収場所早わかりマップを作成するなど、校区単位での活動支援を図っているところであります。今後とも、さらに周知、啓発の強化や活動支援に努め、市民の古紙分別などのリサイクル活動を促進してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 市民に協力をお願いするという点に関していいますと、事業系一般廃棄物についても、今年10月からは古紙の分別が義務化されるということになっております。これまで燃えるごみと燃えないごみに分別していればよかったものが、新たに古紙の区分ができるということで、事業所の負担が増加するということになりますが、そこでお伺いいたします。
 事業系一般廃棄物の古紙分別の義務化について、制度導入の理由と見込まれる効果についてお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) まず、事業系一般廃棄物の古紙分別義務化の導入理由は、事業所から排出される可燃ごみには約3割、重量にして年間約7万トンの資源化可能な古紙が含まれております。これらの古紙のさらなる資源化を推進するため、平成30年度からごみ収集業者の収集ルートを活用した古紙回収の仕組みや新たな古紙分別施設、福岡市リサイクルベースが整備されるなどの環境が整ったことから、環境審議会における議論などを踏まえ、令和2年10月から事業系ごみを現行の燃えるごみ、燃えないごみの2分別から、古紙を追加した3分別へと変更することとしております。
 次に、見込まれる効果は、他都市の実績を参考にいたしますと、燃えるごみに含まれていた資源化可能な古紙のうち約4割が資源化されていることから、制度定着後には約3万トンの古紙が新たに資源化されると見込んでおります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 事業者に対する環境は整ったという御答弁ですけれども、福岡市では家庭系ごみの回収袋を有料化することで、ごみは出すより抑制するほうが得であるとの認識が広まり、家庭から排出されるごみの発生を抑えることに成功しました。それと同様に、今回の事業系ごみの分別義務化についても、リサイクルベースに持ち込むほうが金額的には得であるという設定にはなっていますが、適正排出のためには搬入物検査まで含めた指導体制が必要かと考えますが、市としてどのような対応を考えているのか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) 分別義務化に向けた対応につきましては、昨年度からリーフレット送付をはじめ、事業者への個別訪問などに取り組んでおります。さらに、今年度は担当課に職員を増員し、これまで行ってきた取組の強化に加え、メディアを活用した広報や各種業界団体への説明会、出前講座などにより制度の周知を図るとともに、事業者の問合せ窓口を新たに設置するなどきめ細かに対応してまいります。また、古紙保管場所の設置や既存保管場所の改修などが必要となる事業者に対し、新たに整備にかかる経費の支援を行ってまいります。さらに、制度開始に伴い、清掃工場で搬入物検査を実施し指導を行うなど、新制度の円滑な導入に向け取組を推進してまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) ここまでの質問を通じまして、市民や事業者に対してこれまで以上に協力をお願いしながら、さらなるごみの排出抑制を図っていくという方針が分かりました。
 そこで大事なのは、市民にお願いする以上は、福岡市もそれ相応の体制を取らなければいけないというところだと思うわけですけれども、私はその一環として、環境行政に従事する人員の再配置や育成というのも一つの有為な策だと考えております。
 そこで、環境行政の最前線で働く環境業務員についてお伺いいたします。
 福岡市は、これまで直営の環境事業所を所有していましたが、現在は閉鎖されております。直営収集部門の民間への委託について、これまでの経緯と環境事業所で勤務していた環境業務員の方が現在どのような業務に従事されているのか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) 福岡市におきましては、これまで本庁舎や区役所などの市の施設から排出されるごみや資源物の収集業務を環境事業所で行ってきたところでございます。この収集業務につきましては、効果的、効率的な事務事業を行う観点から、段階的に民間委託を進め、令和元年度末で環境事業所を廃止したところでございます。
 次に、環境事業所で勤務していた環境業務員は、各区役所や清掃工場などに配置し、市民からのごみに関する相談対応やごみの適正搬入指導などの業務に従事しております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) ごみ収集の現場を熟知しております環境業務員の方、ごみ処理についての知識、技術、実践活動の専門家であるということだと思うんですけれども、市にとっては大きな財産であると思います。これからのごみ問題解決のための大きな武器となるのではないかと思うわけですが、今年に入ってからは、コロナの影響で在宅時間が増えたということで、ごみの量も増加しております。廃棄物に関する相談件数も大変多いと伺っております。また、相談や通報を受けても、現場に駆けつける必要があっても、人員不足のために時間がかかるということもあると聞いております。福岡市が環境教育や啓発活動を行ってきた結果、市民の意識も高まっているとするならば、市民相談に対応していくため、今以上の人員体制の強化が必要であると思うのですが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) 環境行政を取り巻く状況が変化する中、多様化するごみやリサイクルに関する諸問題に適切に対応していく必要があると考えております。令和2年度には一部の区役所において、地域におけるごみ減量の取組支援や相談体制の強化を行ったところであります。今後とも、質の高い環境行政サービスを提供していくため、適切な体制整備に努めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 廃棄物行政への市民ニーズは世間の環境美化意識の高まりも追い風となって多様化してきております。環境業務員などの有為な人材をぜひ有効的に配置して、市民に寄り添った環境行政を進めていただきたいと強く要望させていただきます。
 福岡市は2040年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを目指すとしております。他都市は2050年というのが多い中、福岡市は2040年です。先ほどから述べているとおり、現代の環境行政は市民の協力抜きには進まないわけですから、この目標を達成するためには市民にも相当頑張ってもらわないといけないということになると思います。福岡市が立てた目標や計画を達成するために市民に相応の協力を求めるのであれば、市民との共働というものをうたう福岡市としてもその本気度、覚悟を示さなければ市民の理解は得られないと思います。
 市民との共働を推進する観点からも、今まで以上に積極的な取組を推進し、その本気度を示すべきと考えますが、ごみ問題の最後の質問として、市の御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) 現在のごみ処理基本計画では、市民、事業者の自主的、自発的な取組を促進するため、環境教育、広報、啓発などによる人づくりや、資源物回収拠点などの3Rの基盤整備、環境市民ファンドや事業系ごみ資源化推進ファンドを活用した市民、事業者のごみ減量・リサイクル活動に対する支援などを進めてまいりました。その結果、市民1人当たりのごみ処理量は着実に減少するなど、一定の成果が現れております。
 現在、ごみ減量施策のさらなる強化とプラスチックごみや食品ロスといった新たな課題に対応するため、計画の改定作業を進めているところであります。
 今後とも、循環型社会の構築に向けて、市民をはじめ、事業者やNPOなど多様な主体と連携し、より一層ごみ減量の取組を推進してまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) ここまで、福岡市のごみ問題への取組と市民との共働という点についてお伺いしてまいりました。今後はあらゆる分野で市民との共働が必要というのは、全国的に共通した認識だと思います。ここからはその共働の一翼を担う自治会、町内会についてお伺いさせていただきます。
 福岡市は様々な場面で市民との共働を理念として挙げておりますが、2月21日の市長の市政運営方針の中でも、様々な課題の解決に向けて、市民、地域、企業、NPO、大学など多様な主体との連携、共働を進めると述べられております。他都市では、市民との共働を条例として明文化し、行政と市民それぞれの責務、役割分担などを明確にしているところもありますが、そこでまず初めにお伺いします。
 福岡市には自治協議会や自治会、町内会との共働を定義する条例はあるのかどうか、御答弁願います。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 共働に関する条例につきましては、市民公益活動の活性化を図り、共働によるまちづくりを推進することを目的に福岡市市民公益活動推進条例を制定しており、その中で、自治協議会や自治会、町内会について市民公益活動団体の一つと位置づけております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) では、福岡市市民公益活動推進条例は自治協議会や自治会、町会内の活動に対してどのような効果を与えると考えて制定されたものでしょうか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 市民公益活動推進条例につきましては、市民公益活動の理念を示すとともに、市民及び市民公益活動団体等の役割や市の責務を明らかにすることで、市民一人一人の自治意識や意欲を高め、より多くの市民の参加、参画を得るよう制定したものでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) では、福岡市市民公益活動推進条例に基づきNPOを対象とした共働事業提案制度などが実施されておりますが、自治協議会や自治会、町内会を対象とした同様の制度はあるのかどうか、お答えください。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自治組織との共働につきましては、自治協議会に対する補助金制度を設けているほか、各区地域支援課に配置した校区担当職員を通じて、その運営や活動を支援するなど、共働でまちづくりを進めております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 今の御答弁で、共働でまちづくりとおっしゃられたようでありますけれども、その共働対象である自治協議会や自治会、町内会の位置づけが不鮮明だという指摘はこれまでもされてきております。それも踏まえてのことだとは思いますが、今年の市政運営方針では、持続可能な地域コミュニティづくりのため、自治協議会及び自治会、町内会の位置づけの明確化や新たな支援の導入に向けた検討を行いますとも述べられております。
 そこでお伺いしますが、位置づけの明確化とは具体的にどのような方法が考えられるのか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自治協議会につきましては、福岡市では福岡市自治協議会に関する要綱において、多くの住民の参加の下、まちづくりの主体としてコミュニティを運営する組織と定めておりますが、他都市では条例などにおいて自治会、町内会の自治組織について定めを置いている都市もございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) では、今年度行われる新たな支援の導入に向けた検討というのは、どのようなことなのか、現時点での進捗と方向性についてお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 外部検討委員会につきましては、持続可能な地域コミュニティづくりのため、自治協議会や自治会、町内会の位置づけの明確化や新たな支援策について検討を進めることとしております。
 新型コロナウイルスの影響により、少し遅れておりますが、現在、自治協議会会長、公民館館長、学識経験者や企業などの10名で構成する外部検討委員会を設置し、第1回会議の開催に向けて準備を進めているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 市が共働のパートナーであると言っている自治協議会や自治会、町内会ですけれども、実際には、地域の方からは、対等とは思えない、町内会は行政の下請だという声も多数耳にします。その理由の一つとして、市からの協力依頼等があると思うのですが、まず、その点についてお伺いいたします。
 市から地域への協力依頼等の件数は何件か、把握できる年に遡ってお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自治協議会など地域に対して協力依頼やお知らせ、報告、協議、提案などを行っている件数につきましては、調査をしている平成28年度以降の結果によりますと、区単位の合計件数では、平成28年度は480件、29年度は504件、30年度は537件、令和元年度は553件となっており、これを1校区当たりの平均にいたしますと、平成28年度は69件、29年度は72件、30年度は77件、令和元年度は79件となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 多くの協力依頼等が行われているようではありますけれども、市民局長は平成29年第4回定例会の中で、行政から地域への依頼等につきましては、平成28年4月に地域への協力依頼等に関する方針を定め、地域への協力依頼は原則として行わないこと、やむを得ず協力依頼をする場合は相応の報酬等を支払うとともに、適切なサポートを行うと述べられております。しかし、現実には原則廃止としながら、廃止するどころか年々増加しています。
 そこでお伺いしますが、原則として行わないこととしながら、いまだに多数行われている理由と、本市の協力依頼等に対する考え方について説明願います。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 市から地域への協力依頼等につきましては、地域の負担を軽減するため、原則として行わないこととしておりますが、防災や地域福祉など地域との協議や地域の協力が不可欠な場合もあると考えております。また、やむを得ず協力依頼する場合は、相応の報償等の支払いや適切なサポートを行うことなどを方針として定めており、これまで実施してきた見直しにより、負担が大きいとの声がある推薦依頼等については、新たな報償費の支払いや、報償の額の増額などを行っております。
 今後も引き続き、全局区における地域への協力依頼等の状況把握に努め、必要な助言や指示を実施しながら、積極的に見直しを推進してまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 過去、議会においても何度も見直しに取り組んでいくと答弁されていますが、実際には減っていないわけです。
 そこでお伺いしますけれども、市からの協力依頼等に自治協議会や自治会、町内会の活動総量の比重が偏ってしまって、地域の自主的な活動範囲を狭めてしまっているということはないか、市の御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 市から地域への協力依頼につきましては、今後とも、状況把握に努めるとともに、市から地域への協力依頼に関する見直し方針を徹底することで、地域の負担軽減を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) ただでさえ協力依頼等が負担になっている中、現在はコロナ禍の影響で自治会、町内会も従来の活動ができないという状態にあります。地域の負担感は増す一方だと思うわけですけれども、今年度の協力依頼等について、ここまでの実施状況と今後の予定を昨年度と比較してお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 今年度の協力依頼等の状況につきましては、新型コロナウイルスの影響により、市の事業の多くが中止または延期していたことや、外出自粛要請により地域活動も縮小していたことなどから、昨年と比較して減少しているものと考えております。
 また、自治会、町内会に対し、回覧や掲示をお願いしている市の広報物につきましては、市政だよりや公民館だよりを除き、当面の間、中止しているところでございます。
 外出自粛要請が解除されたことで、市と地域の協議なども始まっておりますが、地域の負担軽減の観点から、今後も引き続き見直しに取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) さらに指摘させていただきますと、協力依頼等については地方自治研究者の間では、縦割り行政の結果、未調整の状態のまま各事業担当課から地域へ依頼がされてしまい、業務の累積を大きくしていると問題視する声もあります。
 そこで、協力依頼等が行われる際に、市役所内では担当部局ごとにどのような調整がなされているのか、庁内での調整過程とその協力依頼等が自治会、町内会に届くまでの経過をお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 市から地域への協力依頼等につきましては、各局区において依頼の必要性や適切なサポートなどについて検討を行った後、市民局や区役所と協議した上で、各区の自治協議会の代表者が集まる共創会議や各区の自治協議会会長会などで依頼し、各校区に届けることを原則としております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 負担軽減のために調整はなされているということのようですが、では、自治協議会や自治会、町内会などの活動を支援するために、市として行っている取組は何か、具体的にお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自治協議会に対する支援につきましては、主なものとして、自治協議会が主体的に行うまちづくり活動を支援する自治協議会共創補助金を交付するとともに、区役所地域支援課の校区担当職員による自治協議会の運営や活動の支援を行っております。
 また、公民館における活動の場の提供や地域活動への助言、企業、NPOなどの様々な主体と地域をつなぐ共創コネクターの配置などの取組を行っているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 活動に対して支援はされてはいらっしゃいますけれども、協力依頼等に多くの時間を取られることで運営に参加することが敬遠され、結果的に人材が育たないという悪循環を断ち切るにはまだ至っていません。自治会、町内会が抱える課題の背景に協力依頼等の過重負荷の問題があるということは各方面から相次いで指摘されています。やはり協力依頼等を即刻見直し、負担感を減らさなければ根本的な解決には至らないと考えますので、速やかに改善されるよう要望させていただきます。
 続きまして、自治会、町内会への加入促進策についてお伺いしますが、まず、福岡市ではどのような対策を取られているのか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自治会、町内会への加入促進につきましては、転入者に対し、自治会、町内会活動の大切さをお知らせするチラシを市民課窓口で配布するとともに、地域の皆様が自治会、町内会への加入を呼びかける際に活用していただけるチラシを提供いたしております。
 また、自治会、町内会の住民の自治意識の醸成と地域活動への参画を促進することを目的に、住民同士の交流を図る事業に対して支援を行う地域デビュー応援事業を実施しております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) では、その促進策を取られているということで、加入率に変化はあったのかどうか、お示し願います。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自治会、町内会の加入率につきましては、平成30年度に実施した自治会、・町内会アンケートの調査結果によりますと、85.7%となっております。
 加入率に対する市の取組の効果をはかることは困難でございますが、地域デビュー応援事業がきっかけとなり自治会未加入者から加入の申出があった、自治会役員を引き受けてくれる方が見つかったなどの声を頂いており、自治会、町内会への加入促進などにも一定の成果が上がっているものと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 今の御答弁で、加入率に対する市の取組の効果をはかることは困難という御答弁でしたけれども、効果がはかれないということは検証もできないということですので、それは税金を使っている事業として問題があるのではないかと考えますが、この点について御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 地域デビュー応援事業につきましては、本事業がきっかけとなり自治会、町内会への加入の申出があったとの声を頂くなど、一定の成果が上がっているものと考えております。
 自治会、町内会への加入率の変化には、社会的要因など様々な要因があることから、加入率に対する市の取組の効果のみをはかることは困難であると考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) これまでの御答弁で、加入促進策の一つとして地域デビュー応援事業というものを挙げていらっしゃいますけれども、では、その地域デビュー応援事業の概要と実績、対象数と事業利用の比率をそれぞれ把握できる年に遡ってお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 地域デビュー応援事業につきましては、自治会、町内会の住民の自治意識の醸成と地域活動への参画を促進することを目的に、住民同士の交流を図る事業に対して支援を行うものでございます。
 事業開始以降の支援件数につきましては、平成26年度は198件、27年度は284件、28年度は395件、29年度は219件、30年度は155件、令和2年度は220件でございます。
 また、市内の約2,300の自治会、町内会のうち、この事業を利用した割合は、把握している事業開始からの累積で、平成28年度末で21.1%、29年度末で22.8%、30年度末で24.7%、令和元年度末で26.9%でございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 毎年一定数は行われているようでありますが、実績は伸びていないように感じられます。その利用件数が伸びない理由は何だとお考えでしょうか、御所見をお伺いします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) まず、訂正させていただきます。先ほど令和元年度220件と言うべきところを令和2年度と申し上げました。訂正いたします。
 次に、地域デビュー応援事業につきましては、事業開始当初は1団体につき1事業に限った補助でございましたが、地域からの要望を受け、令和元年度からは補助事業の拡大を図ったところでございます。また、毎年多くの自治会、町内会が新たに本事業の利用を開始するなど、住民同士の交流が図られるきっかけとなっております。
 今後とも、地域の実情に応じて本事業を御活用いただけるよう周知に努めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 地域デビュー応援事業については、平成30年度の自治会・町内会アンケートによりますと、自治会、町内会の未加入者からの加入の申出があったと回答しているのは9.6%、特に効果はなかったと回答しているのも5.8%いらっしゃいます。
 そこでお伺いしますが、地域デビュー応援事業が自治会、町内会への加入促進のための策として、私は効果が伴っていないんではないかと思うわけですけれども、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 地域デビュー応援事業につきましては、平成26年度の事業開始から令和元年度までの間に、延べ約24万人の方が参加されており、そのうち、いわゆる地域デビューされた方は約5万7,000人となっております。
 先ほど申しましたように、本事業がきっかけとなり、自治会未加入者からの加入の申出があった、自治会役員を引き受けてくれる方が見つかったなどの声を頂いており、自治会、町内会への加入促進などにも一定の成果が上がっているものと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 一定の成果は上がっているとおっしゃるわけですけれども、なかなか自治会、町内会の根本的な課題の解決には至らないわけです。加えて今はコロナの影響で活動に制限が出ています。従来の活動を取り戻すにも相当な時間を要すると思われますが、地域デビュー応援事業は対象事業としてイベントものが想定されているものですから、当然、現在活動が制限されている中ではイベントものを開催できませんので、この支援策も使えません。
 そこでお伺いいたしますが、コロナ禍で落ち込んだ自治会、町内会活動の回復のために、地域デビュー応援事業のような使途に制限がある支援ではなく、地域活動の活発化を促すための柔軟性の高い支援をすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自治会、町内会活動の支援につきましては、地域デビュー応援事業のほか、組織の運営や活動についての基本的なマニュアルである自治会活動ハンドブックを作成、配布するとともに、会計に関する標準的な様式をデータで作成し、提供するなどの支援を実施しております。
 新型コロナウイルスの影響がある中で、今後の地域活動が円滑に行えるよう、地域の御意見を伺いながら支援を行ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 町会長さんの中には、こういうコロナ禍の影響で活動に制限がある今こそ、せめて町内に掲示板でも設置して会員同士の情報共有と意思疎通を図るようにしたいと活動している方もいらっしゃいます。こんなときこそ町内会を下火にさせないために、このように活動に励んでおられる方もいますので、こういう活動に報いるための柔軟な支援をぜひお願いしたいと思います。
 原則論でいえば、加入率の低下など組織維持に関わる課題は自治会、町内会それぞれの自主性に委ねるべき案件です。しかし、現在の社会状況から考えれば各団体の自己責任に委ねるだけでは限界があります。福岡市が自治会、町内会を共働の対象と定め、協力依頼等を行っている以上、公共性が高いわけですから、やはり福岡市も組織維持のために積極的な策を講じる責任があるのではないでしょうか。
 他都市でもそのため様々な策を打っています。例えば、さいたま市をはじめ多くの自治体では加入促進のための条例が制定されておりますし、横浜市や川崎市では転入者の多い3月や4月に市役所内に加入案内ブースを設置するなどしています。また、箕面市では個人情報保護法への過剰反応を見直し、必要な情報を共有するためにふれあい安心名簿条例を制定するなどの積極的な取組をしています。
 自治会、町内会は任意団体ですから行政が加入を強制することはできませんけれども、自治会、町内会を市の共働のパートナーとしていることを考えても、他都市が取っているような積極的な加入促進策を福岡市も導入すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自治会、町内会への加入促進につきましては、転入者に対し自治会、町内会活動の大切さをお知らせするチラシを市民課窓口で配布するとともに、地域の皆様が自治会、町内会への加入を呼びかける際に活用していただけるチラシを提供しているところであります。
 また、マンションなどの集合住宅については、集合住宅向けの加入促進の手引を作成し、自治会、町内会活動の重要性や加入促進のためのノウハウなども紹介しているところであり、今後とも、自治会、町内会への加入促進に向けてしっかりと支援してまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) ここまでいろいろと質問させていただきましたが、福岡市が自治会、町内会を市と対等、共働のパートナーとしながら、その一方で、その立ち位置を保障するための根拠法となる条例を制定していないというのは、やはり制度として遅れを取っていると言わざるを得ません。
 自治会、町内会の位置づけが分かりづらく、そのために新規会員の勧誘にも支障を来しているという指摘も多く耳にしております。
 福岡市市民公益活動推進条例において自治会、町内会を共働の対象と位置づけ、協力依頼等をする一方で、自治会、町内会は任意団体であるとの理由で他都市が行っているような積極的な加入促進策も打たないというのでは、自治会、町内会はパートナーだ、ましてや対等だとはとても言えないと思います。
 やはり市が自治会、町内会を対等な共働のパートナーとするのであれば、位置づけの明確化、そして、自治会、町内会に対する市の責務を明文化した条例を制定するべきです。
 先ほど位置づけの明確化についてお聞きしましたが、改めて条例化を視野に入れて検討していただくことを強く要望し、最後に島市長の御所見をお伺いして私の質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 島市長。
○市長(島宗一郎) 自治会、町内会は住民の皆様にとって最も身近な自治の基礎となる組織でございまして、校区単位の活動を行う自治協議会と同様に、重要な役割を担っていただいておりまして、地域の皆様の御尽力によって、それぞれの地域で住みやすいまちづくりが着実に進められております。
 一方、地域活動の担い手不足などの課題は深刻化しておりまして、自治会、町内会に対し加入促進の取組や地域デビュー応援事業をはじめとした地域の人材発掘に資する支援などを行っております。
 さらに、今年度から外部の検討委員会を設置して、条例なども含めて自治協議会や自治会、町内会の位置づけの明確化や新たな支援策について検討することとしておりまして、今後とも、持続可能な地域コミュニティづくりに向けて、地域の皆様とともにしっかりと取り組んでまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ)登壇 福岡令和会を代表しまして、一般質問をさせていただきます堀本わかこです。
 本市のコロナ対策では、島市長のリーダーシップの下、スピード感を持って対応していただき、市民からの称賛の声がたくさん聞かれました。その裏側には、行政の皆様の熱い心の熱い思いと、そして、行政の皆様の一人一人の努力と思いがあったのだろうと思います。市民のために、本当にありがとうございます。
 昨年、初めて挑んだ、この6月議会の一般質問から早いもので1年がたちました。その際に、両足が義足の母を持ち、また、妹も難病であることが私の政治原動力であることをお話ししました。
 本日は、重度の障がいがある方の自立支援について、次に、アフターコロナを想定した新しい行政と社会について質問をさせていただきます。安心、安全と、明るい、新しい社会の実現のため、前向きな答弁を求めるものです。
 初めに、重度の障がいがある方の自立支援について伺います。まず、重度の障がい者の定義を教えてください。
 以上、2問目以降は自席にて質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 重度障がい者の定義につきましては、法令等の明確な規定はございませんが、福岡市におきましては、障がい児・者等実態調査におきまして、身体障害者手帳の1級、2級、療育手帳のA判定、精神障害者保健福祉手帳の1級に該当する方を重度障がい者といたしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 次に、福岡市では重度の障がいがある方が何名いらっしゃいますでしょうか。それぞれ教えてください。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 重度障がい者の人数につきましては、令和2年3月31日現在で、身体障がい者が2万5,946人、知的障がい者が5,085人、精神障がい者が973人、合計で3万2,004人となります。
 なお、障がいが重複している方もおられますので、合計の数値は延べ人数となります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 次に、重度の障がいがある方が生きていくために、特に独り身の方には、常時ヘルパーが必要かと思いますが、現在どのような支援策があるのか、教えてください。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 重度障がい者に対する支援につきましては、ホームヘルパーが家庭を訪問して、食事や入浴、排せつの介護、調理や洗濯、掃除等を行う居宅介護や、これに見守り等を加えて長時間、断続的に支援を行う重度訪問介護のほか、視覚障がい者に対しましては、外出時に同行して、移動の支援を行う同行援護などがございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 障がいがある方でも、安心して地域での生活が続けられるような支援について、居宅介護、重度訪問介護、同行援護などがあることが分かりました。
 次に、福岡市には、重度の障がいがある方が、外出する際に、ヘルパーが移動の介護を行う移動支援事業制度があるかと思いますが、その制度の概要を教えてください。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 移動支援につきましては、障害者総合支援法に基づく制度でございまして、1人では外出困難な重度障がい者が通院や買物など日常生活に必要不可欠な外出を行う際に、ガイドヘルパーによる移動の支援を行うものでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 次に、福岡市移動支援事業の対象となる方を教えてください。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 移動支援につきましては、重度の脳性麻痺などの全身性障がい者や知的障がい者、精神障がい者など、単独では外出困難な人を対象といたしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 次に、就業について伺います。昨年、国会議員に重度の障がいがある方が当選し話題になりましたが、重度の障がいがある方が就業を希望した場合、その就業時間中、また、その移動中の介護について、福岡市では重度訪問介護や移動支援事業は利用できるのか、利用できないのであれば、それを補完する制度があるのか、教えてください。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 重度障がい者の就業時間中や移動中における介護につきましては、企業が国の助成金を活用し、職場等における支援や通勤支援を行うこととなっておりまして、日常生活を支援する重度訪問介護などの利用については、通勤や経済活動に係る外出は対象外とする国の考え方に基づき、福岡市でも利用の対象外といたしております。
 しかしながら、令和2年度からは、国において新たな就労支援として、雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業が創設され、本年10月1日以降に施行される予定となっております。
 この事業は、企業が国の助成金を活用し、通勤支援や職場等における支援を実施してもなお不足する部分について、市町村の判断で重度訪問介護や同行援護等と同等のサービスを提供するものでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 現在は、重度の障がいがある方が経済的活動をした場合に、訪問介護や移動支援事業の対象外となることが分かりました。また、国が今年10月から新たな制度を開始し、今まで対象外であった通勤支援や職場等における支援を実施してもなお不足する部分について、市町村の判断で重度訪問介護や同行援護等と同等のサービスを受けられることが分かりました。
 そこで、支援を実施してもなお不足する部分とは、どういったものなのかも詳しく教えてください。
 あわせて、この重度の障がいがある方が就業した場合に利用できる新しい国の制度では、どこが主体となって判断すると定めているのかも教えてください。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 助成金を活用した支援を実施してもなお不足する部分につきましては、国の通知によりますと、助成金の支給対象外となる喀たん吸引や体位変換、安全確保のための見守りなどの支援が想定されております。
 また、支援の判断を行う主体につきましては、障がい者本人の状況、民間企業の規模や助成金の活用状況などを勘案し、市町村が支援の必要性や方法を判断することとなっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 市町村がその判断をするとのことですが、他都市において重度の障がいがある方が通勤及び職場等において、介護サービスが受けられる支援制度を拡充したところがあれば教えてください。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 重度障がい者の通勤及び職場等における支援につきましては、政令指定都市におきましては、大阪市と堺市が今年6月末までに独自に支援を開始する予定と聞いております。
 また、さいたま市におきましては、在宅勤務における介護サービスに限り、昨年度から実施をされております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 自治体の判断で、重度の障がいがある方への就労支援策を行っている都市があることが分かりました。
 これまでの質問を整理しますと、重度の障がいがある方には、国の制度として24時間の自宅での介護が受けられるようになっています。また、病院や買物などに行く際には、介護のサービスがそのまま受けられる一方で、本市では、市の判断によりお仕事をするなど経済的活動をすると、その支援サービスから除外されるとのことです。
 そこで、一つの疑問が生じますので、パネルを使って説明します。(パネル表示)健常者の保育に関する本市の施策と、障がいがある方の介護に関して比較する表を作りました。
 子どもを持つ全福岡市民には、そのお父さんやお母さんが就業などの経済的活動をする際に、保育園などの支援制度があります。このことについては、誰も疑問視する声もありません。しかし、重度の障がいがある方が、就業となると、経済的活動を理由に、その介護のサービスは打ち切られるというのが、現在の福岡市の施策になっています。
 私の友達に、筋ジストロフィーという難病を持つ重い障がいのある方がいます。その方は、「パソコンが得意だから、健常者と同じように仕事に就きたいです。でも、通勤することになれば、家から出た瞬間からヘルパーさんを外されます。自立を諦めて、家にいれば、24時間ヘルパーさんがついているのに。」と言われていました。
 また、市に相談をされても、重度の障がいを理由に、作業所に行くように勧められたそうです。しかし、その彼は、私に、作業所は、障がい者がお客様のようになっていて、自分は一般の健常者と同じように働いて、納税者になりたいということを言われました。
 私は、重度の障がいがある方から、納税者になりたいと言われたことに衝撃を受けたのと、障がいがある方の真の自立支援をしなければならないと思った次第です。
 全ての人が、公平にその人らしく生きていくためにも、国が新たに創設し、市町村が事業化判断をすることになっている雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業を確実に事業化していただけるようお願いしまして、本市の御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市におきましては、障がいのある人が必要な支援を受けながら、自らの能力を発揮し、地域や家庭でいきいきと生活することのできるまちづくりを目指し、障がい者施策の充実を進めているところでございます。
 そのような中、常時介護が必要な重度の障がいのある方の働きたいという気持ちに寄り添い、就労機会の拡大を図っていくことは重要であると認識をいたしております。
 このため、今年度新たに国が創設しました雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業の実施につきましては、今後、国が発出する通知などを確認しながら検討を行ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業の実施について、検討するという前向きな回答を頂き、ありがとうございます。現行のルールは、障がいがある方が自立しないことを支援する制度になっています。ですので、本市が先行し、早期実現できるよう、重ねてお願いいたします。
 次に、アフターコロナを想定した新しい行政と社会について質問をさせていただきます。
 実は先日、ニュースな国民会議という番組が放送されていました。その番組の中で、約7,000人に聞いたこの半年で見えた日本の問題というアンケートがありましたので、まずはこのグノシーリサーチの調査結果を3位以下は割愛し、1位、2位のみ紹介します。
 この半年で見えた日本の問題、第2位は、IT化の遅れで568名の方が回答され、第1位は、政府の対応が遅いと1,505名で、何と22%の方が答えたそうです。
 例えば、特別定額給付金一つを例にしても、多くの市民の皆様に支給されるのが6月以降という状況で、先ほどお話ししたアンケート結果の要因ではないかと思います。
 特別定額給付金のオンライン申請については、住民情報と申請内容の確認作業を紙ベースで行わなければならないなど、とても大変な作業だったと聞いています。
 そこでお伺いしますが、今回のオンライン申請に係る作業をシステム上で迅速な処理ができなかったのは、どのようなことが問題だったのか、また、どのようにすれば改善できるのでしょうか、教えてください。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 特別定額給付金のマイナンバーカードを活用したオンライン申請につきましては、各自治体が持っている世帯情報と連携しておらず、申請者自身が世帯情報を入力する必要があるため、入力ミスや申請が認められていない世帯主以外の方からの申請、また,同一申請者による重複申請が散見されるなど、システム上の問題が全国的に指摘されております。
 福岡市においても、こうした申請の誤りがないか、住民基本台帳の情報や、添付された預金通帳などのコピーと照合する必要があり、一つ一つ職員が手作業で照合作業を行っております。
 これらの状況を改善する方法としましては、マイナンバーと住民基本台帳の情報や振込先の口座情報が、システム上で連携することができれば、世帯情報や口座情報の確認が不要となり、特別定額給付金などの迅速な振込が可能となるものと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 行政の皆様には、ゴールデンウイークも返上で大変な作業だったと伺っています。本当にお疲れさまでした。
 市長は、5月20日のブログに、今回の問題点を改善しないと、次に同じような給付があればまた時間がかかってしまうと書かれていました。私も行政のデジタル化を推進してほしいという同じ思いです。
 問題解決の手法として、マイナンバーが銀行口座とひもづけできれば、特別定額給付金の迅速な給付が可能であったとの指摘があります。なぜ、今回の給付金事務ではマイナンバーと銀行口座がひもづけできないのか、その根拠となる法令等があれば教えてください。
 
○副議長(楠 正信) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) マイナンバーにつきましては、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律、いわゆるマイナンバー法において、利用可能な事務が限定的に列挙されており、今回の特別定額給付金に関しては当該事務として規定されていないことから、マイナンバーと銀行口座との紐づけができなかったものでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 地方公共団体のマイナンバーの利用範囲について、国が認めた事務に限られることが分かりました。
 このマイナンバーと銀行口座のひもづけについては、6月8日に自民、公明、維新の3党の議員立法案として、国会に、特定給付金等の迅速かつ確実な給付のための給付名簿等の作成等に関する法案が提出され、閉会後も継続審議されると伺っています。
 この法案が成立すると、マイナンバーカードの普及次第では、今回のような特別定額給付金の執行事務で起きた問題が大きく改善するのではないかと期待を寄せているところです。
 そこで、福岡市におけるマイナンバーカードの申請率はどうなっているのか、教えてください。
 
○副議長(楠 正信) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 福岡市のマイナンバーカードの申請率のお尋ねですが、令和2年4月末現在での申請数は31万5,289件で、人口に対する申請率は約20.5%となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 本市のマイナンバーカードの申請率が20.5%であることが分かりました。
 私はアメリカと香港に合わせて5年弱住んでいたんですが、他国では当たり前に100%普及していて、行政手続がスムーズだったことを考えると、やはり普及こそが住民サービスの向上に直結すると思うところです。
 この福岡市の申請率が低いことに関して、他国のように強制でないことはもちろんですが、その取得したときの市民側のインセンティブが見えないことも要因ではないかと思います。
 そこで、このマイナンバーカードのインセンティブに注目してみますと、本年9月からマイナポイントというキャッシュレス決済が始まると聞いていますが、具体的にどのようなものでしょうか。
 
○副議長(楠 正信) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) マイナポイント事業につきましては、消費を活性化するとともに、マイナンバーカードやキャッシュレス決済の普及を後押しすることを目的とした国の事業でございます。
 具体的には、マイナンバーカードを取得し、一定の手続を経た上で、令和2年9月から令和3年3月までの間に、事前に選択した民間キャッシュレス決済サービスを利用する際に、利用額の25%、最大5,000円分のマイナポイントが付与されるものでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) マイナポイントが市民へのインセンティブとなることで、マイナンバーカードはまだまだ普及の余地があると思います。
 そこで、マイナンバーカードの普及に向けて、本市ではどのような施策を行うのか、お伺いします。
 
○副議長(楠 正信) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) マイナンバーカードの普及に向けた施策についてでございますが、令和2年度につきましては、マイナポイント事業の実施に併せ、国の補助金を活用し、申請方法が分からない方や、区役所まで行くことが困難な方などを対象に、公民館やショッピングセンター等の市民に身近な場所へ職員が出向き、新型コロナウイルス感染症拡大防止に向けた十分な対策の下、申請手続の補助や受付等を実施することで、マイナンバーカードの普及促進を図ることとしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) マイナンバーカード普及のため、公民館やショッピングセンター等において申請の受付をされることが分かりました。
 次に、施策の執行スピードを上げる観点から、行政のデジタル化の拡大が重要になってくるかと思います。報道によりますと、先日、西区役所では、市民の方が特別定額給付金の申請をして2週間の振込がなく、専用ダイヤルに電話してもつながらなかったことで、区役所窓口に来て、職員の手を殴り、逮捕される事件が起きました。
 今、市民の要望としてよく聞くのは、行政のデジタル化による施策執行スピードを上げてほしいという声です。
 そこで、今回、法改正を見据え、市独自の行政が運営するシティアプリを作成またはLINEなどの民間の既存アプリの活用を含めて検討できないかと考えたところです。スマホアプリとして、スマホの中に8つ目の区役所を設置し、既にマイナンバーの利用が認められている福祉、保健、医療などの社会保障、地方税及び防災情報などを提供することができれば、時間や場所を問わず、24時間オンライン手続でき、市民サービスが向上しますし、国がマイナンバーの利用範囲を変更した際にも直ちに仕様変更ができます。
 一部では、マイナンバーカード取得に抵抗がある方もいらっしゃると伺っていますが、その抵抗ある方には、これまでどおり区役所の窓口を利用してもらうことになりますが、窓口の3密も少しでも避けることができるのではないかと思います。
 新型コロナウイルス感染症拡大により、日常生活の基盤をオンライン化し、デジタル技術による新たな生活様式を実現することが今までになく求められています。また、新しい生活様式に向けて、今ある目の前の課題を解決しながら、将来やるべき施策とつなげていくという大きな構想力がとても大切だと思います。アフターコロナの新しい生活様式に向けて、行政手続のオンライン化もさらに進めるべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 行政手続のオンライン化につきましては、市民の利便性の向上と行政の効率化を図る観点から、令和元年度末の時点で218手続、年間総処理件数の約73%の行政手続について、オンラインによる申請等を可能としてきたところでございます。
 また、あわせて、申請時の負担軽減とオンライン化を推進しやすい環境づくりのため、申請書等への押印の廃止、いわゆる判こレスにつきましても、令和元年度末時点で約2,700種類を見直すなど、その取組を進めているところでございます。
 新型コロナウイルスの存在を前提としながら、日常生活を取り戻していく観点から、密閉、密集、密接の3密をできる限り避けるなど、新しい生活様式の実践が求められる中、行政手続のオンライン化や判こレスにつきましては、その重要性がより高まってきているものと認識しており、見直しを前倒しして実施するなど、積極的に推進してまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) ありがとうございます。主にアフターコロナを想定した行政についてお伺いさせていただきましたが、次に、アフターコロナを想定した新しい社会についてお伺いさせていただきます。
 新型コロナウイルス感染症の影響で経済や雇用の状況は大変不安定となり、失業者や倒産する企業が増え、社会全体として閉塞感、停滞感が広がっています。
 その一方で、テレワークなどのオンライン化が進み、アフターコロナの新しい社会を想定した新しい産業やサービスへの社会ニーズが起こってきています。これにより、従来のビジネスのやり方を続けるだけでは需要と供給がマッチングせず、福岡市の産業全体に経済的損失が生じることが予想されます。
 福岡市はもちろん、国や県が取り組んでいる感染症対策や中小企業の経営支援などの有事の支援はとても重要ですが、あわせて、コロナ収束後の社会を見据えた、アフターコロナでも元気な福岡市を目指し、社会のイノベーションを生み出すような福岡市独自の起業支援、スタートアップ支援が求められてきていると思います。
 そこで、コロナ禍における本市の創業支援に関する状況を教えてください。
 
○副議長(楠 正信) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) コロナ禍における福岡市の創業支援につきましては、緊急事態宣言時においてもFukuoka Growth Nextやスタートアップカフェを中心にセミナーや起業相談をオンラインで開催するなど、継続して実施しているところでございます。
 なお、5月における起業相談件数は昨年よりも増加しており、引き続き積極的に支援を実施してまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) これからは社会のオンライン化が進み、通勤から解放されるなど、働き方改革により、サラリーマンとして働くだけではなく、夢を実現するため、在宅ワークでの起業やアフターファイブ社長などのサラリーマン起業家、学生起業家が生まれる可能性が広がってきています。世界的トップ企業となったアメリカのフェイスブック社も、ザッカーバーグ氏が学生時代に立ち上げたネットサークルが始まりだったと聞いています。
 このように新しくチャレンジをしようとしている方々の起業のハードルを引き下げることで、初めは小さなアイデアかもしれませんが、福岡市を牽引するような新たな産業を生み出していくきっかけにつながることができると思います。
 国においては、起業のハードルを下げるために、認定を受けたセミナーを受講することで、会社設立に係る登録免許税が半額になる特定創業支援事業があると伺っています。
 これはサラリーマン起業家や学生起業家にとって効果的な支援策と考えますが、この制度を利用する方法と、福岡市における直近3年間の利用者数について教えてください。
 
○副議長(楠 正信) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 特定創業支援事業につきましては、サラリーマン起業家や学生起業家などにも幅広く活用いただけるものと考えております。
 その利用方法といたしましては、福岡商工会議所やスタートアップカフェなど国の認定を受けた創業支援機関のセミナーや個別相談を通じて、経営、財務、販路拡大、人材育成について、1か月以上にわたり起に必要な知識を習得いただくことで、会社設立時に必要な登録免許税の減額などのメリットを受けることができます。
 また、福岡市において直近3年間で登録免許税の減額を受けた方は、平成29年度が35名、30年度が38名、令和元年度が41名となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 少し利用者が少ないようにも感じます。起業のハードルを下げ、新たな起業家が生まれやすい環境をつくることは、新型コロナ感染症の影響で倒産、失業した市民の方々に新たに仕事を創出するとともに、再チャレンジの機会を与えることにつながると思います。
 国の持続化給付金については、今年1月から3月に起業した、スタートアップ企業まで拡大されると発表がありましたが、福岡市や国、県の経済支援施策は既存の中小企業支援が中心で、緊急事態宣言後に起業した方々や、これから新たにチャレンジしようとする方々への支援が行われていない状況です。
 会社を立ち上げる際の初期費用の中でも、登録免許税のような公的な手数料は事業への投資効果が少なく、負担感が大きいとの声を聞いています。ですので、新型コロナウイルス感染症の影響の大きい今だからこそ、起業に際しての費用負担を軽減することで、起業を目指す方々の新しい一歩を後押しできるのではないかと思います。
 新型コロナウイルス感染症対策として、また、アフターコロナでも元気な福岡市となるためにも、特定創業支援事業制度のさらなる利用を促し、新たな企業の創出に向け福岡市が独自に支援を上乗せすることで、会社設立に係る登録免許税ゼロ円化を実現していただけるようお願いしまして、本市の御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) コロナ禍における新たな企業の創出につきましては、起業のハードルを下げることが創業の裾野を広げるために重要なことと認識しております。ついては、新たな企業を生み出すため、国による登録免許税の半額免除に加えて、残りの半額相当額を福岡市が支援することにより、実質登録免許税ゼロ円化を実現するなど、福岡市独自の施策について検討を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 登録免許税ゼロ円化について、検討をするという前向きな回答を頂き、ありがとうございます。スタートアップ支援に取り組むことは、アフターコロナに対応した新しい産業を生み出すとともに、新たな雇用を生み出し、ひいては福岡市の成長、税収増にもつながると思います。それは重度の障がいがある方の自立支援や新しい行政サービスの拡充にもつながると思います。
 そこでお尋ねします。アフターコロナの社会に向けた起業家支援、スタートアップ支援の方向性について市長がどのようにお考えになっているのか、御所見をお伺いし、私、堀本わかこの質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 島市長。
○市長(島宗一郎) スタートアップ支援につきましては、コロナ禍にも歩みを止めないように、Fukuoka Growth Nextを中心としまして、オンラインを活用しながら支援に取り組んでおります。
 今回の新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、大きく生活様式が変わって、社会のニーズが変わるからこそ、供給する側の産業も新しく変わっていかなければならないと考えております。
 こうした大きな変化のタイミングだからこそ、スタートアップにとって大きなチャンスのときであり、実際にコロナを機に新しいことにチャレンジをしたい人は増えつつあります。
 堀本議員御指摘のとおり、登録免許税の実質ゼロ円化など新たな市独自の施策に取り組みながら、ウィズコロナ、アフターコロナに対応した新しい価値の創造にチャレンジする方々をしっかり後押しをすることによりまして、雇用の創出、そして、福岡市全体の経済の活性化を目指していきたいと考えております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) この際、休憩し、午後2時50分に再開いたします。
午後2時35分 休憩  
 
午後2時50分 開議  
○議長(阿部真之助) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康)登壇 私は自民党新福岡を代表して、新型コロナウイルス感染症への対応について質問をさせていただきます。
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、市民生活は大きな混乱に見舞われ、地域経済に大きな影響を与えました。
 一旦、感染状況は落ち着きましたが、有効な治療薬やワクチンというものは、いまだ完成をしておりません。つまり、私たちは新型コロナウイルスと当分の間、治療薬、効果的なものがまだない中で共生をしていくと、そういう生活をしなければならないということだと思っております。
 日常的な社会生活の中で、感染リスクが高いと言われております医療機関をはじめ、毎日の通勤や通学で利用する公共交通機関、市民に身近な区役所などの公共施設、子どもたちが集まる学校など、様々な場所での感染は当然起こり得る、常に起こり得るというような状況であるというふうに考えております。その中で、では、また改めて感染が拡大するといったことになれば、当然ですが、また経済を止める、全てを止めるということをもう一度やるのかということになります。
 これからは、出来得る限り感染を広げない中で日常生活を送っていくためにどうすればいいのかということを、これは行政だけではなく我々議会も、そして市民の皆さんも真剣に考えていただき、そして力を合わせて、この状況を乗り越えていかなければいけないというふうに思っております。
 特に職員の皆さんがこれまで様々な対応というものを現場でしていただいております。そういった中で得られた経験や、それから知見というものを、市民も含めてお伝えをしていただきたい、共有をしていただきたいと。そうすることによって、第2波が来たとき、混乱をするというのが一番大きな問題であると私は思っておりますので、少しでも混乱を減らし、皆さんがいろんな知見を共有することで混乱が減らせるのであれば、そういうのを含めて、ぜひ情報を、もしくは考え方というものを教えていただきたいというふうに思っております。
 第2波、第3波というのは、起き得るとテレビでも言っております。また併せて、秋以降には、このコロナウイルスというものとインフルエンザウイルスの流行の時期が重なる秋口というのが非常に危ないとも言われております。
 インフルエンザの検査に行った、インフルエンザのつもりで行ったんだけれども、病院でコロナに感染したと、こんなリスクは絶対に抑えなければいけない。可能な限りなくしていく必要があると私は思っております。特に感染すると、家庭、地域、学校と、影響が非常に広範に及ぶ子どもたちへの対策は、ぜひとも、重く、重要であり、行政の皆さんも考えていただきたい、お力を貸していただきたいというふうに思っております。
 今回はそのような考え方を踏まえつつ、質問をさせていただきたいというふうに思います。最後までよろしくお願いします。
 それではまず、おさらいという意味を含めて、今回の新型コロナウイルス感染症、令和2年1月15日に国内で最初の感染者が確認された後、国内で急速に拡大したことから、4月7日、国による緊急事態宣言というものが初めて発出をされました。
 緊急事態宣言については、当初、7つの都府県が対象になっておりましたが、4月16日には、その範囲がこの日本中全てに及ぶというような形に拡大をしました。5月4日、当初は30日間と言われていたものが、やはり収まらないということで延長もされました。その後、感染者数の減少を踏まえ、段階的に対象区域が解除され、5月25日には全ての都道府県が緊急事態措置を実施すべき区域に該当しないということで、解除ということになりました。これは皆さん御承知のことと思います。その間この福岡、まちも、人も、生活も、本当に大きな影響を受けました。
 そこで、緊急事態宣言期間における福岡県内や福岡市内の感染状況、市の取組について、るるお尋ねをしていきます。
 それではまず、福岡市における緊急事態宣言の状況並びに緊急事態措置の概要についてお尋ねをさせていただきます。
 以上、以降は自席にて質問いたします。
 
○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 福岡市における緊急事態宣言の状況及び緊急事態措置の概要につきましては、まず、4月7日に国が緊急事態宣言を発出した際、緊急事態措置を実施すべき区域として福岡県が指定されております。これを受けまして福岡県においては、同日、緊急事態措置として、外出は生活維持に必要な場合を除き控えること、在宅勤務や時差出勤で人との接触を避けることなどの要請を行うとともに、4月13日には、施設の休業や営業時間の短縮に関する要請を行っております。また、5月4日には、国による緊急事態宣言が5月31日まで延長されたことに伴い、福岡県による緊急事態措置も延長されております。
 その後、福岡県におきましては、県内の感染状況を踏まえ、5月14日に緊急事態宣言が前倒しで解除され、福岡県による緊急事態措置につきましても解除されております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) 次に、緊急事態宣言が発出された時点と、緊急事態宣言が解除をされた時点における、福岡県内及び市内の感染者数についてお尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡県内及び福岡市内の感染者数につきましては、緊急事態宣言が発出されました4月7日時点では、福岡県199名、うち福岡市119名。緊急事態宣言が解除されました5月14日時点では、福岡県657名、うち福岡市372名となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) 緊急事態宣言が出される直前は、福岡県内及び市内において感染者の急速な広がりが見られ、感染経路が不明といった方が多数上がっていたと。そういったことから、まず第一に感染拡大防止に取り組む必要があるということだったと記憶をしております。
 一方で、休業要請などの緊急事態措置を行う、そういったことは、やっぱり市民に大きな不安、負担を担っていただく、背負っていただかないといけないというような状況でもあったと思っております。
 その取組を進めるに当たっては、市民や事業者の方々からの心からの理解をいただかなければ、お願いをする、仕事を休んでいただく、生活の糧を得ることをやめていただくという行動を取っていただかなければならないということで、非常に皆さんも、そして島市長も、大変悩まれたと思います。
 そうした中で、市長は決断をしていただいて、実効性のある、いわゆる休んでいただくために少しでも何かできることを、支えていきたいという思いを、市民の皆さんに見せて、ぶつけていただいた。それは多分、市民の皆さんが一番感じていただいて、御協力をいただいたんだろうというふうに思います。この場を借りて改めて、島市長、それから行政の皆さん、ありがとうございました。そして、そのおかげで、まずは一旦は収束をしたと、波は収まったというふうに思っております。
 改めてですが、その際に、この独自の施策についてどういった目的のために皆さんが考えていただいて、努力をしていただいたのか、改めてお聞かせください。
 
○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 福岡市独自の支援策についてお答えいたします。
 福岡市といたしましては、施設の休業等の要請が市民生活や地域経済に与える影響が大きいことから、市民の協力を得るためには経済的な支援を併せて実施し、市民の不安を少しでも解消する必要があると考えておりました。
 そのため、施設の休業要請等の実効性を高め、感染拡大防止を強力に推し進めるとともに、市民生活に必要なサービスを提供する施設や最前線で働いている人たちへの支援を目的といたしまして、店舗への家賃支援や医療、介護、保育従事者などへの特別給付金の支給などの独自支援策を早期に打ち出したところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) そういったことに取り組んでいただきました。ただ、その間、福岡でも、やはり皆さん気をつけて、対応していただいたんですが、どうしても医療機関といったところや介護施設などにおいてクラスターが発生したという事例がありました。
 こうした施設には、感染リスクが高い高齢者や基礎疾患をお持ちの方がいらっしゃることから、非常に重要視をしておられたと思います。どのような対策を行っているのでしょうか。
 また、市は、当該施設をはじめ、高齢者や障がい者、子どもに関連した施設などに対しても衛生資材を提供しているというふうに思っております。これまでの供給状況はどうなっているのか、お尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 医療機関や高齢者施設などにおけます感染予防策につきましては、クラスターが発生した状況や要因を踏まえ、施設運営や職員、利用者の注意点をまとめた感染拡大防止の指針の通知を行いますなど、周知、徹底を図っております。
 次に、医療機関や高齢者施設等への衛生資材の供給につきましては、国で一括購入し、必要な施設等に優先配付されることとなっておりますが、福岡市におきましては、これに加え、市民や企業の皆様からの御寄附や、市が購入するなどして調達した衛生資材に関しまして、これまでにマスク約83万枚、防護服類約1万5,000枚、消毒用アルコール約150リットルを配付いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) 当然なんですが、自分だけじゃなくて、家族も含めていろんなリスクがある中で、最前線で頑張っていただいている医療従事者、介護従事者の皆さん、本当にその方々を支えていただくためにも、今後とも、衛生資材というのは、ぜひ安定的に供給を行って、少しでもお支えをいただきたいというふうに思います。
 それから、新型コロナウイルス感染症の拡大防止については、これは行政だけでも駄目です。市民の皆さんだけでも駄目だというふうに思っております。
 ウイルスと共存をしていくということについては、いわゆる新しい生活様式というものを、市民や事業者にしっかりと御理解をいただいて、少しでもそのような形で自己防衛の意味も含めて、生活に定着させていただくことが本当に大事ではないかと思っております。
 そこで、日常生活や活動における感染防止対策についてどのように周知を図っているのか、お尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 感染防止対策につきましては、国が示す新たな日常生活実践例を市ホームページや市政だよりに掲載するほか、チラシを配布するなど、市民への周知を行っております。また、事業者に対しましては、市ホームページの事業者向け情報ページに、感染拡大予防のためのガイドラインを掲載しますとともに、国内でクラスターが発生するなど、リスクが高いと考えられる業種につきましては、個別に事業者へチラシ等を配布し、感染防止対策の徹底を図っているところでございます。
 さらに、活発に活動し、軽症や無症状が多いとされます若者世代に対しましては、自分が感染しているかもしれないと考えて行動していただくため、市立学校のほか、私立学校や大学に対して、直接新しい生活様式の徹底についての文書を送付するなど、注意喚起を図っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) 言いたいことがあるんですが、ちょっと先に行きます。
 緊急事態宣言中は外出自粛要請ということもあり、区役所は、市民の生活を維持していくためのサービスといったものがありましたから、そういったもの以外の、いわゆる美術館であるとか博物館、ほとんどの公共施設というのは休館というふうになっていたと思います。
 今、緊急事態宣言が解除されて、これからは文化活動、それから地域活動、市民がこれまでしていた活動というのは少しずつ広がってきているというのも、これもまたいいことだとは思います。ですが、先ほどの共生をしていくという観点からいくと、そこもまたリスクがあるということになってくるとも思います。
 公共施設における感染予防対策というのも、しっかりとしていただいていると思いますが、改めてお伺いをしたいと思います。区役所や市民センターなどの公共施設において、どのように感染防止対策を取っておられますか。
 また、5月14日の緊急事態宣言解除の後、大体1か月ぐらいたっています。私はふだん地下鉄は乗らないんですが、いろんなテレビの報道であったりニュースというのを見ると、元の生活、いわゆる密集に戻ってきているというふうなことも聞いております。あわせて、地下鉄利用者に対してはどのような感染予防策を講じておられるのか、お尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 区役所における感染予防対策につきましては、窓口での飛沫感染対策としてアクリル板などを設置するとともに、繁忙期などの来庁者が多い場合については、来庁者の密集を避けるため、入場制限や大会議室を利用した待合スペースの拡大などに取り組んでおります。
 また、市民センターなどの公共施設については、5月18日以降、順次開館しており、開館に当たり、マスクの着用や入場時の消毒などの基本的な対策を徹底するほか、施設の特性に応じ、人と人との十分な間隔を確保するための行列場所の誘導や人数制限等の対策を行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 重光交通事業管理者。
○交通事業管理者(重光知明) 地下鉄利用者に対する感染予防策につきましては、駅及び車両の定期消毒の実施や朝夕のラッシュ時間帯での換気の強化、混雑を避けて御利用いただきますための混雑情報の提供などに取り組んでまいりました。
 また、緊急事態宣言解除後の5月15日からは、密接回避などの取組といたしまして、マスクアンドライドキャンペーンを実施いたしております。これは、利用者の皆様に、特別な事情のある場合などを除きまして、必ずマスクを着用していただきますこと、緊急の場合を除いて、車内での会話を自粛いただきますこと、混雑の緩和を図るため、テレワークや時差出勤に取り組んでいただきますことの3つの協力をお願いするもので、朝ラッシュ時のマスク着用率が99%を超えるなど、多くの皆様に御協力をいただいているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) それでは続きまして、学校における取組についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 市内の学校は、5月21日から分散登校が始まりました。そして、6月1日からは全員登校ということに今なっております。本当に地域でも、学校に子どもがいて、先生方がいてというのは、本来の何となく日常に戻ってきたなという喜ばしい気持ちもあります。しかしながらその一方で、全員が来るとなったときに──これまで子どもから子どもという感染がなかったパターンでした。そういう不安、心配も当然しなければならないということになります。当然、我々大人もそうですが、子どもたちの保護者である地域の皆さんも同様に、そのリスクというものも感じておられるのが現状だと思っております。
 そこで、授業や給食などを実施するに当たって、どのような感染予防策を行っているのか。また、それらについて保護者にどのように周知をしているのか、お尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 子どもたちが安全で安心して学校生活を送るためには、日頃からの感染症対策の徹底が不可欠であると考えております。
 まず、登校時や外から教室に入るときなど、小まめな手洗いの徹底を行っております。教室については、児童生徒の座席の間隔を1メートルを目安として最大限取るとともに、常に2つの方向の窓を開けて換気しております。
 学習活動では、近い距離で話し合う活動や身体接触を伴う活動など、感染のリスクが高い学習は実施しないこととしております。
 また、体育の授業等を除いて、児童生徒、教職員共にマスクを着用することとしておりますが、熱中症予防の観点から、授業中、換気をよくした上でマスクを外して深呼吸をさせるほか、小まめな水分補給も指導してまいります。
 教室の温度につきましても、学校長の判断で空調設備の温度管理を適切に行い、児童生徒の健康管理に努めているところでございます。
 給食については、マスク、エプロン及び衛生手袋を着用した教職員が配膳を行うとともに、子どもたちには給食前後の手洗いの徹底をはじめ、給食中は机の配置は向かい合わせにしない、私語は控えるなどの感染防止対策を行っております。
 学校施設の消毒につきましては、教室、階段や廊下などの共用部分、特別教室や体育館、校庭の遊具など、児童生徒がよく触れる場所について、毎日、学級担任やその他の教員、学校用務員などが役割分担しながら行っております。
 なお、これらの感染予防対策については、保護者にリーフレットを配布し理解を求めております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) 今お答えをいただいた中で、先生方が消毒、そして給食の配膳というのも今行っているということでした。確かに、子どもたちが一番守るべき存在です。ですので、先生方も一生懸命努力をしていただいているんだろうというふうに理解をしております。
 ですが、やはり先生方も人間です。消毒もしながら、しかも日常的に子どもたちに勉強も教えながら、いろんなことをやりながら、そして給食の配膳までしながらというのは、第2波、第3波というのもまだ先に控えているという状況の中で、大変何か、ちょっと負担が大き過ぎるように感じます。そこについて、改めて御所見をお伺いしたいと思います。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 給食の配膳や学校施設の消毒については、子どもの命を守ることを最優先に考えて教職員が行っておりますが、一方では、教職員の負担が大きいという声が上がっていることは承知をしております。
 給食の配膳については、給食をつぎ分ける道具を複数の児童生徒が使用する場合の感染リスクを考え、学級担任を中心に行っておりますが、必要に応じて副担任や専科教員、調理業務員など、学校内の教職員が連携し、協力しながら実施をしております。
 学校施設の消毒については、各学校に主に消毒業務を行う学校運営補助員を配置し、教職員の負担軽減を図ることとしております。
 今後とも、給食の配膳や学校施設の消毒については、工夫、改善しながら、教職員の負担軽減に努めてまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) 当然、今は緊急事態ということでもあります。まずは、安全を時間をかけずに確保していくという考え方の中で、先生方にお願いをしているというのも理解をしております。ですが、とにかく薬とか、ワクチンとかできるまで倒れていただくわけにはいかないので、やっぱりそこも踏まえて、実際に人として先生方が対応できる環境というのは、教育委員会としてもぜひ整えていただきたいというふうにお願いをしておきます。
 それから、再び感染が拡大した場合、市民センターなどの公共施設では、どのような対応を取ることになるのか、お尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 市民センターなどの公共施設につきましては、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図る視点で、国から示された感染対策や新しい生活様式などを踏まえ、各施設における感染対策を徹底してまいります。
 なお、感染状況等を踏まえ、福岡県による外出自粛要請や休業要請等がなされた場合には、再度休館させていただくこともあると考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) 同じく、再び感染が拡大した場合の学校の対応についてお尋ねをしたいと思っております。
 大変近い、同じ県内の北九州市のほうでは、御承知のとおり学校のほうで出ております、クラスターというのが。福岡市においても、いつ起こってもおかしくないと、多分、保護者の方も皆さん思ってあるんではないかなと思いますが、児童生徒などに感染が確認された場合、学校は休校になると思います。どれくらいの期間、休校になるのかなど、今の現状では示されていないというふうに私は思っております。
 どれくらい休むのか、どれくらい自分たちが家で子どもたちを面倒見るのかということが分からないという声をたくさん聞いております。保護者や地域は、分からないことが一番不安だというふうによく言われます。
 休校後、どういった対応を取ることになるのか、あらかじめお知らせができる範囲、出すべきだというふうに私は思っております。それについて御所見をお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 児童生徒や教職員に新型コロナウイルスへの感染が確認された場合は、教育委員会と当該学校で協議の上、休校の決定を行い、速やかに学校施設の消毒を行ってまいります。
 休校後、児童生徒や教職員についての濃厚接触者や学校内の感染状況など、保健所の調査を踏まえるとともに、児童生徒等の健康状態の把握に努め、学校の安全を確認した上で再開してまいります。
 こうした休校後の学校の対応については、保護者や地域に対しても適切に情報を提供するとともに、学校再開までの期間につきまして、今後目安となる期間をお示しできるような検討もしてまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) ありがとうございます。何も分からない中で準備を、というのは、これは保護者の方は非常に難しいところがあります。そういった部分でぜひ御協力をいただきたいと思います。
 それから、あわせて、もし学校でそういう感染拡大というのが確認をされた場合、当然ですが、留守家庭子ども会というものも学校の施設の中にあります。
 同じくですが、留守家庭子ども会の対応についてお尋ねをいたします。
 また、その対応によっては今まで利用していた子どもたち、それから保護者の皆さんにも、当然、留守家庭子ども会の休会という形になりますので影響が出ると思いますが、同じようにあらかじめ検討しておくことができるように、事前に留守家庭子ども会の対応を保護者に通知をしていただく、お知らせをしていただくということが重要だというふうに思っておりますが、御所見をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 留守家庭子ども会の御質問にお答えいたします。
 学校において感染者が確認された場合の留守家庭子ども会の対応につきましては、学校における対応や保健所の調査状況等を踏まえ、感染拡大防止の観点から、留守家庭子ども会の休会等について判断を行ってまいります。
 また、留守家庭子ども会が休会になる場合については、原則として御家庭での子どもの見守りをお願いすることになることから、保護者の皆様に対し、その対応について事前に周知を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) ありがとうございます。先ほどの教育長の御答弁では、学校で感染者が出た場合には休校措置を取るということでした。当然これは今有効な対策を取っていただいていると思いますが、学校は学びの場という場所でもあります。学習の場が失われるということにもなってまいりますので、そこについてお尋ねをさせていただきます。
 学校では第2波、第3波に備えて、教育機会の確保、学びの保障についてどのような対応を講じていくのか、お尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 教育機会の確保、学びの保障につきましては、現在、基礎疾患があるなどの理由で学校に登校していない児童生徒に対して、インターネットで教室と家庭をつなぎ、家庭にいても授業を受けることができるオンライン授業の取組を、準備が整った学校から順次、開始をしています。
 また、GIGAスクール構想の約12万7,000台の児童生徒用タブレット端末の整備を前倒しし、9月から中学3年生、12月からは全ての学年でタブレット端末を利用した学習を始める計画としております。
 今後、十分に予測される新型コロナウイルス感染症の第2波や第3波により、学校が休業や分散登校となった場合には、これらのタブレット端末を活用したオンライン授業を実施することにより、学びを止めることなく、切れ目のない教育を行ってまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) 続いて、水際対策についてお尋ねをしたいというふうに思います。
 今回の新型コロナウイルス感染症については、ダイヤモンド・プリンセスという船の名前が大変有名になりました。そういったクルーズ船内での集団感染というのがクローズアップされました。
 島市長は、この問題が表面化する前に、いち早くクルーズ船のリスクについておっしゃっておられました。そして、驚くほどあっさりと寄港を、すみません、遠慮していただけないかということをおっしゃっておられたのを記憶しております。こうした迅速な対応が、市民の不安の払拭につながったものと私は考えております。
 第3次産業が9割を占める福岡市としては、交流人口を増やしていくということをやっていかざるを得ないということも片方ではあります。中長期的にはクルーズ振興をしっかり進めないといけないと私は思っております。
 しかしながら、このコロナウイルスの第2波、第3波と想定される中で、今、感染症拡大防止を最優先で取り組んでいかなければいけないと思っております。今後のクルーズ船の受入れに関して、何らかの対策を、と思っておりますが、御所見をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 博多港におきましては、現在クルーズ船の寄港をお断りしておりまして、2月3日以降、寄港いたしておりません。このクルーズ船につきましては、横浜港と長崎港におきまして、多くの乗客及び乗員が新型コロナウイルスに感染したことで、クルーズ船に対する市民の不安が大きくなったものと認識をいたしております。
 このような状況を踏まえまして、新たな感染症が発生した際の対応として、感染リスクが高いクルーズ船に対しては有効な治療方法が確立されるなど、安全に受入れができる環境が整うまでは、岸壁の利用を認めないことなどを明確にした、福岡市独自のルールを定めたところでございます。
 クルーズ船の受入れ再開に当たりましては、市民の安全に対する不安を解消することが前提であると考えておりまして、市民の安全、安心を第一に、慎重に判断してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) 国などの機関とも連携をしっかりとしていただいて、引き続き水際対策もよろしくお願い申し上げます。
 新型コロナウイルスの感染拡大の第2波が到来した際に、最も──これは皆さんが分かっておられると思います。一番避けたいというのが、医療体制の崩壊ということだと思います。今のうちから、検査、医療提供体制を充実させていくというのは、当然の備えではないかというふうに思うのですが、どのような対策を取っているのか、お尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 第2波到来に向けた医療提供体制に係る対策といたしましては、入院や宿泊療養など、患者の症状に応じた適切な療養が可能となるよう、福岡県などとも連携をして、医療提供体制の確保に取り組んでおります。
 また、市内医療機関と症例検討や第2波到来に向けた課題の共有などを行い、連携を図っております。
 次に、PCR検査体制充実に係る対策といたしましては、保健環境研究所において検査機器の増設を行うなど、検査体制を整えるとともに、5月にドライブスルー方式の地域外来・検査センターを開設し、6月中にさらに3か所の増設を行うなど、より一層の検査体制の充実を図ってまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) ありがとうございます。インフルエンザが流行するという秋以降についても、これはまた言われております、コロナとインフルがどうなるんだということをですね。いわゆる院内で、どっちか分からないけど、どっちも両方もらうという可能性があると。そうすると、重篤化もするんではないか、どうなるんだということを非常に医療機関の中でも言われているように、報道等でも目にします。私も思います。できるだけ接触をしないということは、それだけリスクを分散させることができるのではないかと思っております。
 そこで、ほかの患者さんや医療関係者との接触を避けられるオンライン診療というものを促進し、院内感染、そして感染拡大のリスク自体を低減させるという考え方が必要になるというふうに思います。御所見をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) オンライン診療につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大に際して、時限的、特例的に初診からの診断や処方が可能となっております。
 また、新型コロナウイルス感染症の感染予防の観点から、インフルエンザ流行期においては、検査をせずに、抗インフルエンザ薬を処方することが推奨されているところでございます。
 このような状況下におきまして、インフルエンザ流行期に向けて、接触リスクを低減する観点から有効性や役割が増しているオンライン診療を生かして、院内感染や感染拡大を防止する仕組みづくりとその啓発について、医師会や医療機関と協議を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) 今言ったみたいに、オンライン診療の中でも薬だけは先に出してくださいという、そういう通知が出ているということでもあります。ぜひ、そういったことが出ているということをお知らせいただければ、子どもさんを抱えてある御家庭もいろいろ安心する部分も出るのではないかというふうに思います。
 先ほどからお尋ねをしております、本当に、私は子どもたちが一番心配です。コロナウイルスに感染をした、ある場所では、その子どもたちの仲よしがみんな感染して、結局そこで、今非常にトラブルが起きているということも聞いております。
 それまでは仲のいい友達同士、女の子同士の友達が、このコロナウイルスに感染した、うつされた、いろんな感情を大人は持ちます。子どもも、分からずに持つかもしれません。そういったもので、それまで信頼関係を持っていたものがやっぱり崩れていくと。これは、子どもたちだけじゃなくて、保護者同士も、非常に関係がおかしなことになっているというふうにも聞いています。
 コロナウイルスはやっぱりかかると思って行動しなければいけないと私は思っておりますが、これは誰も──自分たちの家族、皆さん守りたいものがありますので、一生懸命になる。一生懸命になることは何も悪いことではないと思うんです。ただ、悪いことではないんですが、やはり悲しいことも一緒に起きてしまうということも多々あるように思っています。
 そういったもので、せっかく病気を治しに行こうと思った病院でまた違うものにかかってくるとか、治しに行った先で重篤化するなんていうことがあってほしくないと僕は思っています。当然、受診をされる方の中には、きちんとお医者さんに診ていただきたいという方も多分いらっしゃると思います。そこについては、両方の意見が今、多分渦巻いていると思います、連れていくのも怖い、でも診ていただきたい。ですから、行政としてはやっぱり、できるだけ選択できる環境をつくっていただくと大変ありがたいと。特に小さな子どもを持っておられる保護者の方は多分、大変ありがたいんではないかというふうに思っております。
 小さな子どもであればあるほど──小学校だけではないかもしれない。幼稚園にきょうだい児がいるかもしれない、保育園にきょうだい児がいるかもしれない。いろんな意味で、地域には非常に広く関わってくる存在だというふうに思っておりますので、そこを少しでもリスクを低減させる、もしくは分けられるということが可能であるんであれば、ぜひともオンライン診療の活用というものを推進していただきたい。よろしくお願いいたします。
 そして感染者への差別、誹謗中傷、そういったものというのができる限り起きないように、市民の皆さんへの啓発というのも併せてしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 1問飛ばします。
 最後の質問をさせていただきたいというふうに思います。
 本当に皆さんの努力、市民の皆さんの御協力、多くの皆さんのお力のおかげで、第1波というのが一旦収まったやに思っております。しかし、いつ、大きな形で出てくるのか。もしくは、少しずつ出て、報道もなされておりますが、それが本当に拡大期というものになるのかどうか、そこは分かりません、我々は。何をもって拡大していくのかというものも分からないような状況になっております。
 先ほどの学校と同じで、やっぱり少しでも分からないと不安というのが一番の混乱の原因ではないかと思っておりますので、そういったものがあれば、ぜひ今後、市民にもお知らせをいただくと大変ありがたいなと思っております。
 それでは最後に、島市長、160万人の基礎自治体の長として、今後どのように新型コロナウイルス感染症対策に取り組んでいかれるのか、決意をお尋ねして私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 新型コロナウイルス感染症につきましては、飯盛議員御指摘のとおり、第2、第3の感染拡大の波が来ることや、また、インフルエンザの流行時期と重なる可能性があることを想定しながら、しっかりとその対策を進めていくことが重要であるというふうに考えています。
 そのために、新しい生活様式の定着、それから事業者による感染拡大予防ガイドラインの実践など、感染の予防実践をしっかりしていくとともに、感染拡大の兆候を早期に把握し、迅速な対応が取れるように、検査体制の充実、また、県などとも連携をした適切な医療提供体制の確保に取り組んでいるところでございます。
 また、市民が安心して公共施設を利用できるような対策や、子どもたちの学びを保障する環境づくりなど、感染拡大の防止と社会経済活動の維持の両立を図るための取組を進めているところでございます。
 市民に最も身近な基礎自治体の長として、市民の不安を少しでも払拭し、市民生活と地域経済を守るために、新型コロナウイルス感染症対策に全力を挙げて取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人)登壇 私は日本共産党市議団を代表して、学校開催に当たっての課題と今後の教育の在り方について及び自衛隊への青年名簿提供問題について質問します。
 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が解除され、約3か月ぶりに学校が全面再開されました。長期の休校による子どもの学習の遅れと格差の拡大、心に抱えた不安とストレスは大変深刻であります。コロナのことを考えると嫌だ、最近集中できないなど、子どもの痛切な声が寄せられております。
 そこで、学校再開に当たり、子どもたちの学び、心身のケア、安全を保障する取組について質問したいと思います。
 まず、授業時数について、1こまの授業時間を何分に、そして、1日何時間の授業を確保しようとしているのか、答弁を求めます。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 授業時間については、小学校は35分、中学校は40分とし、1日最大7時限の授業を確保してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 小学校では35分、中学校で40分と授業時間を10分短縮し、最大で1日7時間の授業を行うとのことですが、なぜ授業時間を10分短縮するとしたのか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 児童生徒の安全を守り、感染の拡大を防止するために、対面での話合い活動など、感染のリスクが高い学習活動を避けながら授業時間を10分短縮することにより、1日に実施する授業のこま数を増やし、今年度に必要な授業時数を確保するためでございます。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) こま数、授業時数を確保するためだと言われました。かつてない学習の遅れと格差に対して、子ども一人一人に丁寧に教えていくことが必要です。例えば、理科の授業では、初めに何を学ぶか捉え、自分で予想や仮説を立てるのに10分、その後、グループで話し合ったり全体に発表したりしてそれぞれの考えを深め、実際に実験したり、観察したり、調べたりして答えを導くまで30分、最後の5分で授業のまとめをします。このような授業の流れを35分に縮めるとなると、実際にはグループ討議や実験などは削らざるを得ないわけです。
これでは、授業が一方的な知識の伝達だけの場になってしまうのではないかと思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 授業時間を短縮した場合においても、授業の展開を工夫することで、児童生徒が主体的に学ぶことができる授業を実施してまいります。国は、狭い空間での身体の接触を伴う活動や長時間密集して行うグループ学習などは実施しないよう通知しておりますが、児童生徒の交流学習については、マスクを着用した上で、可能な限り距離を取って適切に行ってまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 工夫が必要だとおっしゃいますけれども、現場からは、この35分授業では双方向のやり取りがやっぱりどうしても少なくなって、理解できていない子どもへの個別の声かけや指導の時間が十分に取ることはできないと、そういう声が上がっています。例えば、中学1年生の数学で、最初に習うのは正の数・負の数ですけれども、小学校では学ばなかったマイナスという概念に慣れるだけでも時間がかかります。数直線を使って絶対値や符号の関係を理解した上で、正負の数の足し算、引き算を学ぶことになりますが、休校中に課題プリントでやっただろうと、そのことを前提に、駆け足で今授業が進んでいるので、既に学力の格差が広がっております。
 したがって、10分それぞれ時間を短縮して、1日最大7時間行うというのでは丁寧な指導ができず、子どもにとって、精神的にも肉体的にも大きな負担を強いることになり、まさに機械的な授業時数の詰め込みにほかならないと思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 文部科学省が定める学習指導要領においては、各教科において学習しなければならない授業時数が標準授業時数として示されております。1日の授業時数を増やすことは、3月2日から5月20日までの臨時休業により失われた授業時間の回復を目的としております。なお、7時限授業においても、1日に学習する時間は従来より短く、さらに、休み時間を適切に位置づけているため、負担にはならないと考えております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 文科省は、無理に詰め込んで標準授業時数を確保しなければならないとまでは言っていないんですよ。標準授業時数に達しなくても大丈夫ですよと、そういう通知を出しているはずです。子どもや教員の負担は何も考えていない答弁だと言わなければなりません。
 早速、現場からは、4時間座っているだけでも耐えられないと悲鳴が上がっています。加えて土曜授業も始まり、夏休みと冬休みも短縮して、とにかく時数の確保、明らかな詰め込みで子どもを追い詰めることは許されません。
 さらに、教育課程について、その全ての教科の標準授業時数を確保するとしながら、1週間の時間割を見ますと、国語、社会、数学、理科、英語、5教科の時数が、通常時よりも増えています。その理由について、御説明ください。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 文部科学省は、新型コロナウイルス感染症に対応した小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校における教育活動の実施等に関するQ&Aにおいて、感染症対策を講じてもなお感染の可能性が高い学習活動については、当分の間これを行わないこと、指導順序の変更など、指導計画の見直しを検討することとしております。教育委員会としましては、コロナウイルス感染症の影響により、授業時数の確保が不透明な中、新型コロナウイルスの感染の可能性が高いとされる学習活動の音楽、家庭、体育などの教科については指導順序を後にして、基礎学力につながる教科を優先的に学習することといたしました。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) いつまた休校になるかもしれない、分散登校になるかもしれない、だから、土曜授業も活用して、とにかく5教科だけ時数を稼いでおこうと、そういうわけですね。これは、明らかに5教科偏重のカリキュラムだと思いますが、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 現時点の指導計画においては、基礎学力につながる教科を優先して実施するようにしておりますが、それ以外の教科についても、感染症対策を講じながら、可能な限り授業時数を確保してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 明らかに偏ったカリキュラムであります。5教科については、通常の年度よりも、今早いペースで進んでいます。来年の1月には全ての単元が終わるという計画です。だから今、5教科の時数が増えているんです。ある保護者の方は、時間割を見ると国語と算数の繰り返し、もう既に、子どもは学校に行きたくないと言っていると、そう私に相談されました。例えば、小学校の学習指導要領には、図工の目標の一つに、「つくりだす喜びを味わうとともに、感性を育み、楽しく豊かな生活を創造しようとする態度を養い、豊かな情操を培う」とあります。
 お尋ねしますが、教育委員会は、図工のような教科は切り捨ててもよいと考えているのか、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 新型コロナウイルスの感染の可能性が高いとされる学習活動の音楽、家庭、体育などの教科については、十分な身体的距離を確保して活動すること、密接な状態をつくらないこと、屋内で活動をする際は換気を十分に行うことなど、感染症対策を徹底した上で、最大限できる範囲で実施することとしております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 実態を見ていないですよ。現場では実際に減っているんです。人格の完成という教育の目的の実現のために、図工なども必要な教科であります。とにかく5教科だけまず詰め込みで行うというのは明らかに間違っていると指摘しておきます。
 一方で、限られた授業時間の中で、不要不急な学習内容は思い切って削ることが必要です。
 そこでお尋ねしますが、今年度から小学校で本格実施となる外国語教育やプログラミング学習は予定どおり実施されるのか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 外国語活動とプログラミング活動については、学習指導要領に基づいて実施してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 予定どおり行うということですけれども、小学校の教員で英語免許状の取得状況は、2018年で僅か約6%に過ぎません。また、プログラミング教育について、一般財団法人LINEみらい財団の調査によれば、全体で7割を超える教員が不安を感じ、授業を通じた評価の仕方が分からないなど、多数、声が寄せられております。
 このように、指導の経験が蓄積されていない外国語教育やプログラミング学習は、感染対策の業務が加わる中で、教員の負担を軽減するためにも思い切って削減すべきと考えますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 外国語活動の授業やプログラミング学習は、児童生徒の外国語によるコミュニケーション能力の育成や国際理解教育及びプログラミング学習を通した論理的思考能力の育成を目指すものであり、児童生徒にとって大切な学習だと認識しております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 削減するとは言われないですが、現場の蓄積が乏しい教科を詰め込みで教えることは、教員にとって大きな負担であり、あまりに無謀であります。
 次に、学校行事について、運動会や校外学習など、軒並み中止となっております。指導要領には、運動会は特別活動の健康安全・体育的行事に位置づけられ、子どもの心身の健全な発達や健康の保持増進、責任感や連帯感を育み、体力の向上などに資するように、などとあります。
 このような教育的意義を持つ健康安全・体育的行事は不要だと考えているのか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 体育的行事については、子どもたちの心身の健全な発達や健康の増進、体力の向上にとって大切だと考えておりますが、大勢の子どもや保護者が集まる運動会や体育大会は、人の密集や接触が考えられるため、子どもたちの健康と安全を考え、やむを得ず中止としております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 意義はあるけれども、感染防止の観点からやむを得ないということですが、運動会の練習の時間を削って授業時数を確保したいというのが教育委員会の本音ではありませんか。だから、あなた方は4月30日に早々と中止を決定したわけであります。
 文科省のQ&Aでは、運動会等の実施は、内容や方法の工夫が必要で、地域の感染状況等を踏まえ、必要に応じて実施時期についての検討をお願いしますとあります。これに照らせば、各学校の裁量で実施できるかどうか、内容や方法の工夫を検討させるべきと思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 運動会や体育大会など全校で行う体育的行事については、現在のコロナウイルス感染症の収束が見通せない中、十分な身体的距離を確保して活動すること、密接な状態をつくらないこと、屋内で活動する際は換気を徹底することなどの感染症対策を十分に講じることは難しく、実施はできないと考えております。今後の感染状況を踏まえ、各学校において感染症対策を徹底した上で、学級や学年での体育の学習を工夫して実施することは差し支えないと考えております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 仕方ないと言い訳されますけれども、一方的に中止せよという通知に、子どもや保護者の間には落胆が広がっております。人との接触が制限され、仲間との関係性が断ち切られていた子どもたちにとって、主体的に関わる運動会など学校教育ならではの学びの場、学校行事こそ、大変重要だと指摘しておきます。
 また、学校が自主的に取り組む児童演劇などの学校公演も、中止、キャンセルが相次いでおります。休校中ずっと家に閉じ籠もり、スマホやゲームで気を紛らわせてフラストレーションをため込んでいた子どもたちの心にゆとりを取り戻すためにも、文化芸術に触れる機会は大切なことだと思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 子どもたちが文化や芸術に親しみ、美しいものや優れたものに触れることは、豊かな情操を育てる意味で大切だと考えております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 文化芸術に触れることは大切だと言われました。
 市内の児童劇団に話を伺いますと、予定していた学校公演が全て中止になった、4月、5月に学校を回って営業もできず、今年度の公演の予定はないとのことです。コロナの影響で収入が激減し、家計が困窮している世帯こそ、文化に触れる機会は減っています。そのような中で、友達と一緒に生の演劇を見て、笑ったり悲しんだり、感想を交流したりすることは、子どもの健やかな心の発達のために欠かせないことでありまして、傷ついた心身のケアにもなります。
したがって、教育委員会は、学校における児童演劇鑑賞会や音楽鑑賞会なども安易に切り捨てず、積極的に実現できるよう助言すべきと思いますが、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 文化芸術に触れる機会については、換気の悪い密閉空間を避けること、多くの人が密集しないようにすること、互いに手を延ばしたら届く距離での会話や発声を行わないことなど、基本的な対策が十分に行われることを前提として、各学校が工夫して実施することは差し支えないと考えております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 文化芸術は子どもの心の栄養となり、豊かな感受性を育みます。このような機会を保障することを重ねて求めておきます。
 次に、今回の学校再開の決定プロセスと学校の感染対策について質問します。
 5月19日の教育こども委員会で学校再開の取組についての報告がありました。この時点では、クラスを2つに分けて1日置きに登校する分散登校が当面の間続き、全員登校に移行するのは慎重な判断が必要だという説明でした。ところが、25日には分散登校もまだ始まっていないのに、6月1日からの全員登校開始が発表されました。
僅か1週間もたたない方針転換は、どこでどのように決定されたのか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 福岡市では、段階的な学校再開に向けて5月21日から当面の間、分散登校を行うこととしておりました。しかしながら、5月22日に文部科学省が示した学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアルに基づき、保健福祉局とも協議し、直近1週間の福岡市の陽性患者の発生状況が極めて少なかったことなどを踏まえ、福岡市においては最も感染レベルの低いレベル1の状況であると考え、全員登校を決定したものでございます。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 22日の文科省の指針を受けてすぐに従ったというわけですが、科学的知見に基づかず、またも専門家の意見を聴取せずに判断されたのですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 全員登校の決定については、緊急事態宣言解除後の福岡市における感染状況や文部科学省が通知した学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアルに示された感染レベルについて、保健福祉局とも協議し、最も感染レベルの低いレベル1の状況であると考え、決定したものでございます。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 繰り返し国の見解だけ。地域ごとに感染状況が違うわけですから、国の見解だけで判断すべきではありません。学校の新しい生活様式では、今後の学校の実施について、地域や生徒児童及び教職員等の生活圏ごとの蔓延状況を踏まえて判断することが重要とされています。報道によると、北九州市では、今後の学校運営において、小児科医や感染症の専門家から日常的に助言を受ける場の設置が検討されています。
よって、本市でも、科学的知見に基づいた機械的な判断を行うために、独自に専門家の意見を聴取できる体制を整えるべきと思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 休業等の判断については、全市的な対応を基本とすべきと考えており、保健所や保健福祉局と協議するとともに、学校内における児童生徒や教職員の感染状況及び国の専門家会議の意見等も踏まえ、総合的に判断してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 国の見解、それから保健福祉局と連携する、それは当然ですけれども、保健福祉局は専門家集団ではないでしょう。今後は、行政区ごとあるいは校区ごと、こういう対応が必要になります。教育委員会として、小児科医や感染症の専門家の意見を聴取できる体制を至急整えるべきと強く要求しておきます。
 問題はそれだけではありません。現場には、学校再開や全員登校への移行など、重要な決定が知らされる前に、市長のブログや報道で知った保護者からの電話が殺到し、大混乱となりました。
 お尋ねしますが、今回の学校再開及び全員登校への方針転換について、事前に一切相談がないので、現場では、無力感や徒労感が広がっていると思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) これまで行ってきた休業や再開の決定に際しては全て、小学校、中学校、特別支援学校及び高等学校の校長会の会長の意見も参考としております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 校長会を開いたと言われますけれども、これは相談じゃなくて、決定事項の伝達だと現場では言われております。教育委員会の指示待ちで何もできないと不満が語られています。
 思い起こせば、3月の安倍首相による突然の休校要請には、教育委員会会議すら開かずに市長の意向に唯々諾々と従い、新学期に入っても、教科書や学習プリントの配付について対応が二転三転して、現場は振り回されました。今回も来年の3月まで分散登校が続くことを想定して、現場ではたくさん知恵を出し合って、相当の時間をかけて準備したことがひっくり返されたわけですよ。
 したがって、教育委員会は現場の声を聞かずにトップダウンで決定事項を下ろして従わせるような在り方は見直し、その都度、現場にフィードバックすることが必要だと思いますが、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 教育現場の意見の把握については、日頃から教育委員会事務局職員と学校教職員が連絡、情報交換を行うとともに、私自身、多くの学校に足を運び、子どもたちの教育の最前線で働いている教員の様子を見て、また声を聞いてまいりました。今後とも、学校現場の状況も踏まえ、適切な判断を行ってまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 緊急時だからこそ現場の声を聞く、専門家の意見を聴く、このことが必要であります。このような在り方に早く教育委員会が改めるよう申し上げておきます。
 ここまでの質疑で明らかになったように、あなた方は、1日7時間授業をやる、土曜授業もやる、夏休みは短縮して学校行事はやらない、そして、いつ休校になるか分からないから、授業はどんどん進めていく。しかし、今大切なことは、かつてない不安とストレスをため込んだ子どもたちを受け止める手厚い教育と、学習が遅れた子どもへの個別の手だてを取ることであります。
そのためには、教員を抜本的に増やし、少人数学級を実現することが必要であり、文科省の通知にもあるように、児童生徒の負担が過重とならないよう柔軟な教育課程を編成して、何が何でも1年で終わらせようとするのではなくて、二、三年かけて取り戻していくという姿勢に改めるべきだと思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 文部科学省は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた学校教育活動等の実施における学びの保障の方向性等において、最終学年以外の児童生徒に係る教育課程に関する特例的な対応として、各学校において学年内に指導を終えられるように努めてもなお臨時休業及び分散登校の長期化などにより指導を終えることが難しい場合には、令和3年度または令和4年度までの教育課程を見通して検討を行い、教育課程を編成することを可能としております。しかしながら、福岡市では授業時間の短縮、土曜授業の実施、長期休業期間の短縮などを行い、可能な限り本年度の学習内容を年度内に終えられるよう目指してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) その姿勢が子どもたちを苦しめているんです。詰め込みにならないようにと言われますが、実際に現場では詰め込みになっているんです。5教科に特化した指導がきりきり舞いで進んでいます。
さらに言えば、学びとともに、人間関係の形成、遊びや休息をバランスよく保障する柔軟な教育のために、学習内容の精選が重要です。中学1年の数学で比例と反比例は、これは次年度に回して1次関数と併せて学習したり、また、総合の時間でコロナ問題を教材にして、感染率を使った算数の割合の学習、世界保健機関の役割の学習、ウイルスと細菌の違いを調べたりなど、教科横断的な学びで真にゆとりある教育課程を編成することが今求められております。
 そのためには、指導要領どおりにやることから現場を開放し、子どもを直接知っている学校現場の創意工夫を生かして、教育課程の弾力化に踏み込むことが必要だと思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 現在、福岡市では、授業時間の短縮、土曜授業の実施、長期休業期間の短縮により授業時数の確保に努めており、基礎学力につながる教科を優先し、それ以外の教科も感染症対策を講じながら可能な限り取り組み、工夫して、年間指導計画を実施しております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 教科書どおりに全速力で授業を消化することに追われ、長期の休校明けの子どもにとって、大変な苦痛をもたらしております。西区の中学1年の女の子ですけれども、宿題が終わらない、明日も7時間ある、休みたいけど、1日休むとついていけなくなる、そう言って、毎晩10時頃から2時間ずっと泣いているそうです。胸が痛まないですか。教育長、何を見てきたんですか。目の前の子どもたちに寄り添う教育が行われていないんですよ。
日本国憲法の精神は、教育の本質から教員の一定の自主性を認め、教育内容への行政の介入の抑制を求めています。この観点から、指導要領でも教育課程の編成権は個々の学校にあることが明記されました。すなわち、各学校が行政に忖度せず、目の前の子どもたちを丸ごと受け止め、何を教えたらよいか話し合って、柔軟に教育課程を編成して授業を行うことは、各学校の当然の権限なんです。
よって、教育委員会による上意下達の管理と押しつけで、徹底して5教科の授業を詰め込むことは、これまでの学校の営みを壊し、子どもの成長、発達をゆがめ、学力格差をさらに深刻に広げるだけのもので、直ちに見直すべきだと思いますが、教育長の明確な答弁を求めて、この質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 基礎学力につながる教科を優先して実施するようにしておりますが、それ以外の教科につきましても、感染症対策を講じながら、可能な限り授業時数を確保してまいります。現時点では、第2波、第3波に備え、新型コロナウイルスの感染の可能性が高いとされる学習活動の音楽、家庭、体育などの教科については指導順序を後にして、基礎学力につながる教科を優先的に学習することとしておりますが、どの教科も年間を通してバランスよく実施してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) コロナ感染対策に直面する学校に、学力至上主義の無理な詰め込みを押しつけずに、子どもの実態に応じた教育が実践されるよう、教職員の負担軽減に取り組むとともに、現場と子どもの意見を尊重する教育行政への転換を強く求めておきます。
 次に、自衛隊への青年名簿提供問題について質問いたします。
 市長は、6月5日、自衛官新規募集の対象となる18歳と22歳の市民の名簿提供を強行いたしました。
 そこでまず、今回、自衛隊に提供された名簿の人数をお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自衛隊への自衛官等募集対象者情報の提供人数につきましては、2万9,817人でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 2万9,817人分。福岡市個人情報保護審議会は、名簿提供に当たり、市民への周知を行い、自己の情報を提供してほしくない旨の意思表示を行った市民については、提供する情報から除外する措置を講じることという厳しい条件をつけました。
 それでは今回、提供名簿から除外されたのは何人なのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 募集対象者情報の提供につきましては、これまでは住民基本台帳の閲覧により提供していたため、自己の情報を提供してほしくない対象者を除外する制度はございませんでしたが、令和2年度からは本人の申出により除外する措置を実施しており、その人数は233人でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 何か今までできなかったことができるようになったかのようなことを言われておりますけれども、対象者の0.8%、僅か233人に過ぎないんですよ。あなた方の周知が全く不十分だからではないですか。審議会の条件は、個人情報保護法23条2におけるオプトアウト制度と同じもので、その実施のためには、個人情報の提供についてあらかじめ本人に通知しまたは本人が容易に知り得る状態に置くことが前提となっています。
 そこで、当事者への周知はどのように行われたのか、まず、市政だよりには掲載しましたか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 募集対象者情報の提供につきましては、4月15日号の市政だよりに掲載しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 4月15日号のたった1回だけであります。しかも5面です。2ページめくらないと出てこないんです。個人情報保護法のガイドラインでは、定期刊行物への定期的掲載を定めています。明らかに違反しています。
 次に、市のホームページのトップページには、どのくらいの期間掲載されていたのか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 募集対象者情報の提供につきましては、4月1日時点ではホームページのトップページに掲載されており、また、4月9日及び5月21日に内容を更新した時点でもトップページに掲載されておりますが、その期間についてはシステム上管理されておらず、確認できておりません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 本当でたらめですよ。いずれにしても、すぐにトップからは消えています。ガイドラインには、トップページから1回程度の操作で到達できる場所とありますが、実際はトップページから7回クリックしないとたどり着かないところにあり、これもガイドライン違反であります。
 それでは、市の公式ツイッターでの発信はしましたか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 募集対象者情報の提供につきましては、広報戦略室の公式ツイッターで4月1日と5月21日の2回、情報を発信しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 2回だけです。ツイッターのフォロワー数は7.9万人です。一方、若者の多くが利用し、登録者数も約168万人と圧倒的に多い福岡市のLINEページでの発信はありません。あえて登録者が少ないほうで発信して、なるべく知らせないようにしていたんではないか、そう思われても仕方ありません。
さらに、市内学校へのポスター掲示について、高校と大学を合わせて56校に掲示依頼をされておりますが、実際に掲示したところを確認したんですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 募集対象者情報の提供につきましては、市内の高等学校42校及び大学14校にポスターを送付し掲示を依頼しており、市立高校の4校に確認したところ、掲示を行ったとのことでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) ほとんど確認されていないわけです。そもそも5月中旬まで学校は休校で、ポスターの掲示による周知の効果があったとはとても言えません。
このように、市が行ってきた周知状況は、個人情報保護法やそれに基づくガイドラインの考えに反しており、本人が容易に知り得る状態であったとは到底言えないのではないかと思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) これまで住民基本台帳の閲覧で提供していた情報につきましては、自己の情報を提供してほしくない対象者を除外する制度はなく、募集対象者情報の提供については、事前の周知は行っておりませんでしたが、令和2年度から様々な媒体を活用し、除外する制度について事前に周知を図り、申出があった233人の対象者の除外措置を実施しております。なお、個人情報の保護に関する法律についてのガイドラインにつきましては、個人情報取扱事業者、いわゆる民間事業者を対象としたものであり、地方公共団体は適用対象ではございません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 今、局長がガイドラインは民間事業者を対象にしたものだったと言われましたので、あえて聞きたいと思いますけれども、意思表示した人を除外する、いわゆるオプトアウト制度は確かに本市の条例の中には存在しませんが、あえて本市の個人情報保護審議会がそのようなオプトアウトを設けるよう意見を述べたのは、なぜだと思いますか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自衛隊への募集対象者への情報提供につきましては、個人情報保護審議会の答申で公益上の必要性が認められるとされたことから本人の同意は必要ございませんが、答申の附帯意見を踏まえまして、情報提供を望まない方を除外する措置を行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 違います。市の名簿提供の公益性があまりにも低いと、そう判断されたからこの制度が設けられたわけであります。
 続けます。自衛隊は、名簿の使用目的を自衛官及び自衛官候補生の募集に関する案内の配布だとしております。それ以外には使用されないという担保はどこにありますか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 募集対象者情報の取扱いにつきましては、これまでも個人情報保護に関する関係法令に基づき管理に努めておりましたが、令和2年度からは、新たに自衛隊と個人情報の取扱いに関する協定を締結し、目的外利用の禁止など、情報管理を徹底することとしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 協定書で定めていると。じゃあ、その協定書によれば、使用目的終了後の名簿は、シュレッダー処理により廃棄されるとしていますが、そのことを市はどのように確認するんですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 募集対象者情報の業務完了後の取扱いにつきましては、自衛隊と締結した個人情報の取扱いに関する協定書において、情報管理責任者の立会いの下、シュレッダー処理等により、確実かつ速やかに廃棄を行うこととしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 廃棄報告書などで廃棄してもらうということなんだと思いますが、市側が立ち会って、直接廃棄しているところを確認するわけではないですよね、確認します。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 募集対象者情報の廃棄処分につきましては、これまでは特に報告書の提出は求めておりませんでしたが、令和2年度から新たに廃棄報告書の提出を求め、確実に確認することとしており、市職員の立会いは予定しておりません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 立会いは考えていない。自衛隊が廃棄しましたよと、その書面で確認をする。そもそも、自衛隊が名簿をどう活用し、本当に廃棄するのか、市側が直接確認することはできないんですよ。
 例えば、仮に自衛隊が偶然を装って対象者の自宅を訪問したとしても、それが元の名簿を使ってなのかあるいはコピーした名簿を使ってのものなのか、そんなことは市は確認することはできませんよね、確認します、いかがですか。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自衛隊につきましては、今回の名簿につきましてはポスティングのみに活用すると聞いております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 実際に、勧誘のために自衛隊が突然自宅に上がり込んできたと、そういう話を聞いております。自衛隊の行動を逐一チェックするなんてできないわけです。協定書が何の担保になりますか。名簿提供は、全く道理がありません。
 さらに、当事者をはじめ市民にとって、本当に市が名簿を提供するのか、それはいつなのか、大きな関心事だったわけです。あなた方は5日の提供当日にも、我が党の議員から提供日時の公表を求められたにもかかわらず、根拠を示さず、公表できないの一点張りで情報を秘匿し続けました。そして、提供した事実について市民に暴露されそうになるに及んで、8日の勤務時間が終了した午後7時過ぎに、我が党の控室に口頭で伝えに来たのであります。
 市は、議員や市民の再三にわたる提供日時等の情報の公開要求を拒否し続けた、その理由を御説明ください。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自衛隊への募集対象者情報の提供につきましては、通常の事務の一環であり、公開を前提としておらず、また、個人情報の受渡しでもあることから、事前に提供日時を公表することは考えておりません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) そんなの理由にならないですよ。福岡市情報公開条例は、その目的に、市民の知る権利を具体化するため、「市の保有する情報の一層の公開を図り、もって市政に関し市民に説明する市の責務が全うされるようにする」とあります。組織上の事務手続のために職員が作成したメモや電子メールなどであっても、基本的に公開するというのが原則です。
 それでは、今回の事例は同条例第7条5で公開しなくていい情報として定める、いわゆる不開示情報に当たると言われるのか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 仮に今回公文書公開請求があった場合につきましては、情報公開条例第7条第5項の非公開情報に該当すると考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 不開示情報に相当すると。驚くべき答弁であります。
 さらに聞きますが、提供日時等の情報は、7条5に列挙してある事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれのどれに当たるのか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 該当する条文につきましては、本文中の「その他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」に該当するものと考えております。以上でございます。(発言する者あり)
 
○議長(阿部真之助) いいですか。下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 第7条の第5号の本文中に当たるものと考えております。以上でございます。(発言する者あり)本文中の、「当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」に該当すると考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) すみません、どんな支障を及ぼすおそれがあると判断されたのか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 募集対象者の情報提供に当たりましては、個人情報を安全に受け渡すため、その過程について慎重な情報管理を行う必要があると考えていることから、支障を及ぼすおそれがあると考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 全く納得できない答弁であります。提出する名簿自体を見せろなんて言っているわけではないんですよ。個人情報が心配だということを言われましたけれども、その個人情報を確認しようというわけではないんですよ。提供日時を教えてくれと、そのことがどうして支障を及ぼすおそれに当たるのか、明確な答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 繰り返しになりますが、募集対象者情報の提供に当たっては、個人情報を安全に受渡しするため、その過程において事故等が発生しないよう、慎重な情報管理を行う必要があると考えており、第7条の第5項に当たると考えています。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 事故等が発生するおそれというふうな答弁でした。重大な答弁だと思いますよ。審議会の傍聴を希望して集まることとか、市長などに請願をすることは憲法で保障された参政権、請願権です。もし提供日時を教えたら、そうやって市民の方がたくさん押しかけてそれが迷惑だと、そういうことではないでしょうか。それらの行使、その参政権、請願権、こういう行使は、どうして事業の適正な遂行に支障を及ぼすと言えますか。情報公開制度は、住民自治が機能するために不可欠の制度であって、市民の知る権利を保障するために、行政は説明責任を果たし、保有する情報を市民に積極的に公開していくことが必要です。同条例の解釈及び運用というガイドラインでは、情報を公開しない場合は、相当程度の重大性が求められるとして、この規定の濫用を厳しく戒めております。まさに濫用ですよ。したがって、今回の提供日時等の情報を隠し続けたのは、明らかに情報公開条例違反だと思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自衛隊員の募集対象者情報の実際の提供は、通常の事務の一環であり、公開を前提としたものではございませんので、今回の公開につきましては、事後には公開しておりますので、情報公開条例に反するものとは全く考えておりません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 全く納得できる答弁ではありませんけれども、世論の高まりを理由に公開しないというなら、同条例1条の「市民の監視と参加の下にある公正で開かれた市政の推進に資する」という条例の目的を、市長自ら、根本から破壊することになりますよ。これは市長も同じような立場ですか。こんなだまし討ちのようなやり方は、市民の代表である議員の調査権を妨害し、行政についての情報を徹底的に隠蔽しようとするものであり、決して許されることではありません。
 今、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う自粛要請、長期にわたる学校の休校で、当事者である学生、青年たちの生活も困窮し、将来に大きな不安とストレスを抱えています。そして市長は、1人10万円の特別定額給付金を一刻も早く全ての人に届けることを、今最優先に取り組まなければならないときに、不要不急な自衛隊への青年名簿の提供を粛々と行ったことに、失望と怒りが高まっております。何やってんだと、やることが違うだろうと。今日も多くの若い青年が傍聴に来ていますけれども、その青年の声にどう答えますか。審議会が求めた除外申請方法の周知も全く不十分であります。
 したがって、当事者は誰も望んでいない自衛隊への名簿提供を強行したことについて、島市長は謝罪し、提供した名簿は速やかに引き揚げ、提供自体を撤回すべきだと思いますが、最後に市長の答弁を求めて私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 自衛隊への募集対象者情報の提供につきましては、個人情報保護審議会の答申並びに附帯意見を踏まえ、これまでなかった自己の情報の提供を望まない対象者の除外措置を行う制度を設け周知を図るとともに、新たに自衛隊と個人情報の取扱いに関する協定を締結するなど、個人情報の適切な管理の徹底を図っており、適切に募集対象者情報の提供を実施しております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) この際、休憩し、午後4時30分に再開いたします。
午後4時19分 休憩  
 
午後4時30分 開議  
○副議長(楠 正信) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎)登壇 福岡令和会の浜崎太郎です。私は障がい者グループホームの設置補助金について、高齢者施設における非常用自家発電設備について、農福連携事業について、以上3項目を質問していきます。
 昨年の9月議会で重度障がい者のグループホームの整備について質問させていただいたんですが、今回は全ての障がい者グループホームの設置費に対する補助金について質問をいたします。
 要点は、福岡市ではグループホームを開設して、2か月して定員の半分以上の利用者が入居していないと補助金はもらえないとなっています。何でかなと思いました。障がいを持つ方が共同生活をする場所ができれば、すぐ満室になると思っているのでしょうか。まあ、そうなんでしょう。グループホームを設置する事業者は、そこに住む利用者ができるだけ住みやすいように山奥ではなく、生活をしやすい都心につくり、そして集団生活をしやすいように居室には壁を増設したり、階段には滑り止めをつけたり、手すりをつけたり、照明をきれいにしたり、みんなが集まるリビングには大きなテレビを買ったり、安全のために警備会社と契約をしたり、消防の点検があるんですけれども、じゅうたんやカーテンは不燃のものにしたり、停電のときには必ず点灯するライトを工事業者を入れて設置したり、地域に根差すために自治会長さんや民生委員さんに協力をしてもらったり、町内会の清掃や祭りに参加をしたり、いろいろなことを踏まえて開設していきます。補助金ですので、厳格に要綱に定められるべきでしょうが、しかし、中身を見て、これはどうかと思える部分があるので、確認をしたいと思います。
 まず、補助対象者の要件を尋ねます。また、補助金の額が決定する要件をお尋ねします。
 そして、補助金の交付が決定した後の取消し等の要件をお尋ねします。また、過去に何件申請があり、そのうち何件補助金の取消しをしたのか、お尋ねします。
 次に、高齢者施設における非常用自家発電設備についてです。
 昨年の千葉を襲った台風19号と15号は、市民生活に多くの被害をもたらしました。ゴルフの打ちっ放しの柱が倒れたやつですね。気温の高い夏の時期に長期にわたった停電は、特に高齢者施設などでは生死に関わる状況だったとかなりの報道がされていました。福岡市でも地震や台風での大災害は十分考えられ、千葉の状況を福岡にシミュレーションした人も多かったのではないでしょうか。
 平成30年に起こった豪雨や台風、そして死者43人を出した北海道胆振東部地震を踏まえ、厚生労働省は社会福祉施設等における災害時に備えたライフライン等の点検についてという事務連絡を都道府県、政令市、中核市に通達しています。その中の停電に備えた点検の中に、非常用自家発電関係という欄があり、非常用自家発電機がある場合、燃料の備蓄、緊急時の燃料の確保策、24時間営業のガソリンスタンドの把握、定期的な点検を行っているかなど、非常用自家発電機の効力を強く伝えています。非常用自家発電機をそろえなさいと言っているんですね。ここで、昨年の9月17日の東京新聞の記事をお伝えいたします。大きな被害をもたらした台風15号の記事です。
 長期にわたる停電が続く千葉県では、12日に君津市の特別養護老人ホームに入所していた女性、82歳が熱中症の疑いで亡くなった。この施設は停電直後から国や県への電源車の配備を求めたが、停電から4日間にわたり非常用電源だけでしのぐことを強いられた。施設には106歳までの約100人が暮らす。もともと非常用電源は3台あり、台風後に知人から譲り受けて20台まで増やした。それでも固定電話や調理室の冷凍庫、薬を保管する冷蔵庫など、施設機能の維持に必要な電力を確保するため、エアコンは動かせなかった。その後、気温は32度、35度、33度と毎日酷暑が続いた。入所者10人ほどが体調不良を訴えたが、職員が濡れタオルを体に当てるなどしてしのぐのが精いっぱいだった。亡くなった女性は救急車に運ばれたが、救急隊が5か所に入院を打診したが、停電のため断られ、しばらく出発できなかった。その後、外来診療を行っていた市内の病院に搬送されたが、ここも停電で十分な治療ができず、それから紹介を受けた病院に到着し入院したのは、救急車に乗ってから6時間後だった。女性は翌朝に亡くなった。
 ネットを検索しますと、このような記事を目にします。もしエアコンが稼働できる環境であったなら、このような事態は起こらなかったはず。厚生労働省が通達をした非常用自家発電機の導入では、季節によっては対策は不十分であります。
 そこで、福岡市内の特別養護老人ホームで非常時にエアコンが稼働できる非常用電源を整備している施設はどれほどあるのか、お尋ねします。
 また、国には地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金という補助金があります。この補助金制度で非常用自家発電設備が補助対象となったのはいつか、また、この交付金を使う事業の令和2年度の予算額は幾らか、これまで福岡市においてこの交付金を使ってどのような施設整備がなされたのか、お尋ねをいたします。
 次に、農福連携事業についてです。
 福岡市は御承知のとおり、第3次産業を中心に発展してきたまちであります。長く福祉事業に携わってきた私としても、障がいがある方々の社会参加の方法として、お弁当やパンなどを作り、販売していくことばかりを考えていました。しかし、農業への参画が全国で盛んになっていることもよく知っていたので、以前、浜松市にある水耕栽培の作業を障がい者と一緒に行っている京丸園株式会社さんや、同じく水耕栽培で有名な群馬県の半導体チップ製造の関連会社NPO法人ソーシャルハウスさん、鹿児島の大隅半島の広大な土地で農業をしている社会福祉法人白鳩会の花の木ファームさんなどを今まで訪ねてきました。また、糸島では私の先輩も障がい者施設として農業を行っています。
 平成20年、障がい者が農林水産分野に就労した数は全国で747人であったが、平成26年には2,870人と約4倍となっています。障がい者が就労した全ての産業の増加率が1.9倍ですので、いかに農業と福祉の連携が注目を浴び増加しているのか、皆知っているところです。ただ、この福岡市では土地の関係から農業ができてもせいぜい水耕栽培かなと感じていました。そんな感覚でいるところに、福岡市が福祉業界へ農業分野における従事者の確保や耕作放棄地の有効活用、また、福祉分野では障がい者の活躍の場の創出などに向け、農福連携の取組を始めないかと聞いてきていると耳にしました。すばらしい取組を行政が始めてくれた。これから福岡市という大きな商圏もある中で、障がい者福祉施設はもしかしたらすごい発展を遂げることができ、障がい者の皆さんもさらに高い工賃を得られ、また仕事に生きがいを持ちながら従事できる時代が来るかもしれないと感じた次第です。
 農福連携については、国において厚生労働省、農林水産省それぞれが注力をしており、昨年6月に策定された農福連携等推進ビジョンには、令和6年度までに新たに農福連携に取り組む主体を3,000創出するという目標が掲げられています。全国でも近年、社会福祉法人やNPO、民間事業者等、様々な主体による取組が広がっているところであり、福岡市でもやっと主体的に取り組んでいくということをうれしく思います。
 一方で、自然相手の農業は簡単ではないということは言うまでもありません。現在の農業従事者の労働環境は実際どうなのか、そこに障がい者が参画することは可能と考えるのか、障がいがある方々に何をもたらすことができるのか、それを踏まえて障がいのある方に将来どのようになってもらいたいのかなど、しっかり考えているのか私は疑問に感じています。
 そこで、事業の立ち上げの経緯と新たに農福連携に取り組むに当たっての課題をどのように認識しているのか、お尋ねします。また、令和2年度予算案の中に農福連携推進事業に229万円の予算がついていますが、その目的と事業内容についてお尋ねいたします。
 以上、1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
保健福祉局長(舟越伸一) 障がい者グループホーム設置補助金についての御質問にお答えいたします。
 まず、補助の対象者につきましては、補助金交付要綱に基づき、障がい者グループホームを行うための人員配置や設備などの基準を満たすものとして、市が指定した事業所でございます。
 次に、補助金額につきましては、グループホームの新設や消防用設備の改修を行う際の備品購入費や家賃、改修費などを補助対象経費として算定し、所定の額の範囲内で決定をいたしております。
 次に、補助金を取り消す場合の要件につきましては、補助金を他の用途に使用したとき、補助金の交付に関して不正、怠慢、その他不適当な行為があったとき、設置後2か月以内に利用契約者が定員の2分の1に満たない場合など、補助金交付要綱において9項目を定めております。
 次に、補助金の申請件数及び取消し件数につきましては、交付取消しの規定を要綱に追加しました平成28年度以降で申し上げますと、平成28年度が14件の申請のうち取消しはゼロ件、29年度が20件のうちゼロ件、30年度が16件のうち2件、令和元年度が38件のうち10件となっております。
 次に、高齢者施設における非常用自家発電設備についての御質問にお答えいたします。
 まず、福岡市内の特別養護老人ホームの非常用自家発電設備の設置状況につきましては、令和元年10月の調査によりますと、数日間の停電においても通常業務を継続できる非常用自家発電設備を有する特別養護老人ホームは市内全86施設のうち38施設となっております。
 次に、国の制度であります地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金におきまして、特別養護老人ホームの非常用自家発電設備が補助対象に加えられた時期につきましては、平成31年1月でございます。
 次に、この交付金を活用する事業の令和2年度の当初予算額につきましては6,272万円となっております。
 また、交付金を活用した施設整備につきましては、非常用自家発電設備、空調設備、スプリンクラー等の整備や老朽化に伴う大規模修繕、倒壊事故防止のためのブロック塀の改修等を行っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 中村農林水産局長。
○農林水産局長(中村健児) 農福連携事業の御質問にお答えいたします。
 まず、事業立ち上げの経緯につきましては、農業分野においては担い手不足や耕作放棄地の増加などの課題があり、多様な人材と連携し、地域農業の活性化を図っていく必要があります。また、福祉分野においては、障がい者の方々などの生きがいづくりや就労機会を確保する必要があることから、保健福祉局と連携し、新たに農福連携に取り組むものであります。
 人生100年時代を見据え、誰もが健康で自分らしく暮らせる持続可能な社会を目指すプロジェクト福岡100の取組の一つとして進めてまいります。
 課題認識につきましては、農家と福祉事業所とのマッチングに当たって、農地と施設の距離が近いことが望ましいことや福祉事業所職員に農作業のノウハウが必要なこと、また、農業者と福祉事業者の相互理解の醸成が必要なことなどの課題があると認識いたしております。
 次に、事業の目的につきましては、福祉事業所との連携により農業従事者を確保し、地域農業の活性化を図るとともに、障がい者の方々などの農業分野での就労を促進していくことといたしております。
 また、令和2年度の事業内容でございますが、農福連携に関心のある農業者と福祉事業者が意見交換会や先進地の視察を行うとともに、福祉事業所職員を対象とした農業指導や相談会の開催、利用可能な農地情報の提供を行ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) この際、時間を延長いたします。浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) 障がい者グループホーム設置補助金ですけれども、交付要綱の第12条の1項(7)に開設後2か月以内に利用定員の2分の1以上の数の利用者の契約がない場合、150万円の補助をなしにするという条文があります。これは平成28年から突然入ってきたものですけれども、たった2か月で入居を本当に決められるのでしょうか。この時点でグループホームは既にオープンしていますから必要経費は払っている。利用者は半数いないかもしれないけれども、半数以下でも実際に利用している方がいらっしゃるので、通常どおり運営していかなくてはならない。
 そこで、この条文は誰がどのような経緯で制定したものか、お尋ねします。また、なぜその条文を必要としたのか、お尋ねします。
 それから、ただし書があって、事業者の責めによらないやむを得ない事情があると認められる場合はこの限りでないとありますが、その内容をお尋ねいたします。
 次に、高齢者施設の非常用自家発電設備についてですが、平成28年の熊本地震後、もうこんな災害はないだろうと思いましたが、翌年には九州北部豪雨があり、それから毎年どこかで大災害が起こっています。先ほどお尋ねしました国の補助金、地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金の補助金対象となる項目が複数ある中、名古屋市や京都市は特に非常用自家発電機の導入に特化した案内を出していました。さらに、令和元年9月、10月と台風が直撃し甚大な被害を生じた千葉市の案内には、さきの台風で停電による被害が大きかったことを踏まえ、喫緊の課題である非常用自家発電設備の整備に絞って申請を受け付けますと書かれています。
 京都市へ事情を確認すると、平成30年9月に発生した台風21号により、京都市内では大規模な停電が発生し、高齢者施設における非常用自家発電の必要性が話題となり、施設管理者などから多くの問合せがあったようです。市としてどのように対応すべきか検討していたところ、国が補助対象に追加するとした動きを捉え、非常用自家発電の導入に対する補助金に特出したアナウンスを行ったとのことでした。そして、今年度は非常用自家発電に対する補助制度を20以上の施設が活用したようで、令和2年度の補助についても同様のアナウンスを行っており、希望する施設を募集しているようです。
 福岡市の多くの施設では、国の補助金を使って、古くなった浴室や食堂の改修、屋上の防水工事、古くなった給排水設備やエアコンの取替え、バルコニーとの段差解消や室内のバリアフリー化などを行っています。非常に大切なことでもありますが、私は全国で生じている被災の状況を見ると、被災後3日間の電源が今は何より大切だと感じています。
 災害はいつ発生するか分かりません。多くの高齢者が生活をしている福祉施設では、停電は大敵であり、被災後3日間の電源確保が最も重要と考えています。全ての施設において自助の体制が整っているとは言い難い中、施設管理者の危機管理意識向上のためにも行政からの情報発信のアナウンスは大変重要なことと思います。
 福岡市も国の補助金である地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金の活用に対し、数年間は災害時対応のための施設改修に絞るなど、優先をつけて募集したほうがいいのではないかと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 次に、農福連携事業についてです。
 障がい者施設が農業を始めるということは、専門外の分野への新規参入となるため、かなりのハードルがあり、覚悟が必要であることは一目瞭然です。障がい者の就労機会の創出や生きがいづくりの観点からは、ぜひ進めてもらいたい取組ではありますが、一般企業が農業へ参入することもなかなか進まない状況の中、障がい者施設がチャレンジするためには、参入を前向きに検討したいと思う施設を後押しするような側面的支援として、必要な情報の提供と農業と福祉両者間のニーズを踏まえたマッチングが重要です。
 そこで、市内には耕作放棄地も含め、活用可能な農地がどこにあるのか、その情報をどうやって得て、農地をどのようにして借りることができるのか。また、その土地に合った栽培可能な作物などの情報提供や農家と障がい者施設のマッチングを具体的にどのように進めるのか、お尋ねします。
 全国では多くの成功事例がある中、障がい者の就労機会の創出、生きがいづくりという点から、保健福祉局から見て成功と考える事例について御紹介をお願いいたします。
 以上で2問目を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 障がい者グループホーム設置補助金についてお答えいたします。
 交付取消しに関する規定につきましては、平成28年6月に保健福祉局において、グループホームの運営の安定化を図ることなどを目的に交付要綱を一部改正した際に追加したものでございます。
 次に、制定の理由につきましては、グループホームは定員4人以下の小規模なものが多く、空室による減収の影響を受けやすい状況にあることがグループホームの設置が進まない要因として懸念されましたことから、開設する法人に対して早期に経営の安定化を図るための定員確保を促し、計画的にグループホームを運営していただくことを目的として当該規定を設けたものでございます。
 次に、事業者の責によらないやむを得ない事情といたしましては、利用契約を締結した人の死亡や入院または自然災害の発生に伴い、利用者の受入れが困難な場合などでございます。
 次に、高齢者施設における非常用自家発電設備についてお答えいたします。
 交付金を活用した施設整備につきましては、入所者の安心、安全を確保するため、災害対応のための施設改修、とりわけ非常用自家発電設備の整備は重要であると認識しておりまして、補助事業の募集に当たりましては、ホームページの工夫などによりその重要性についてさらに周知をしてまいりたいと考えております。
 次に、農福連携事業についてお答えいたします。
 他都市の取組事例につきましては、まず、神戸市において障がい福祉サービス事業所11か所が連携をして、遊休農地を活用した野菜や加工品の生産、販売を通して障がいのある方の就労の場を確保するとともに、農家や地域住民の支援のもと、ビニールハウスの建設や農業用機械の導入、農産品販売会の開催など、地域に根差した取組が行われております。
 また、石川県におきましては、障がい福祉サービス事業所が遊休農地を活用した少量かつ多品種の野菜や果物の生産、販売を通して障がいのある方の就労の場を確保するとともに、事業所内に地元農家が出店できる場を設けて、高齢化、過疎化が進む地域の農家にとっての販路拡大や所得確保につなげる取組が行われております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 中村農林水産局長。
○農林水産局長(中村健児) 農福連携事業についての御質問にお答えをいたします。
 活用可能な農地の情報につきましては、農業委員会のホームページで公表しております。また、農地を借りる際の手続につきましては、農業委員会において農地を借りたい人と農地所有者との間の橋渡しを担うとともに、農地を借りる際の手続等の相談対応を行っております。
 次に、農家と福祉事業所のマッチングにつきましては、福祉事業所職員を対象とした農業研修や農業委員会と連携した事業相談会等を開催し、農地の紹介や農地に適応した作物等の情報提供、さらに農作業のアドバイスを行うことによりマッチングにつなげてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) 障がい者グループホームの設置補助金ですけれども、事業者の責めによらないと言っても、全て利用予定者と利用契約書を締結していないと、これは対象にならないんですよね。契約は入居する直前で誰でも行うと思うんですよね。契約に至るために、その前に事業者と家族と何度も協議を重ね、また体験入居をしたりするものです。障がい者基幹相談支援センターに聞いてみました。ここは障がいを持つ方々の生活相談に応じるセンターですが、グループホームに入居する場合は通常3か月ないし半年に1人入居できればいいほうだと言われています。
 他都市にも私、電話で聞いてみました。まず、神戸市の福祉局障害福祉課に聞きました。今年グループホームを設置する場合は、神戸市が現地に赴き、確認して実際のものであると認められれば補助金を出すそうです。条件は次の年の5月までに指定を受けることだそうです。まあ、オープンするときは指定をその時点で受けるのが通常ですけど、指定前でも設置する事業者へ補助金を出しているということです。
 次に、横浜市健康福祉局障害施設サービス課に確認しました。福岡市の要綱を伝えたところ、それは厳しいですねと言われました。横浜市では半年をかけて体験をし、他の利用者との相性を確実に見て決定してくださいと常に説明しているそうで、お金の都合で利用者を拙速に受け入れた場合に不仲などで退去するケースが多くあるとのことでした。福岡市とは真逆ですね。ただ、その場合でも補助金の取消しは過去に一度もないということでした。私が言いたいのは、お金ではなく考え方の問題ですよね。
 この補助金の要綱は修正が必要であると感じますが、最後に御所見をお伺いし、この質問を終わります。
 多くの高齢者が共同生活を送る高齢者施設においては、エアコンが使えない環境が長期間にわたり続くことは致命的であります。私はさきにも述べたように、被災後3日間の電源確保が何より大切だと感じています。
 ガソリンを入れて発電する自家発電機があればとても重宝します。照明や通信手段の電源、医療的配慮が要る方の人工呼吸器や酸素療法、喀たん吸引など必ず必要な行為です。ですので、非常用自家発電機は必要でしょう。しかし、冒頭にもお伝えしましたが、厚生労働省が通達した非常用自家発電機の導入では季節によっては足りない。エアコンは動かせません。世の中の技術の発展を考えるのであれば、もう一つ上の非常用発電を考えることはできないでしょうか。昨年の台風15号による広域停電が長期化した千葉県で、電気自動車が活躍したとありました。日産自動車は電気自動車を東京電力や被災自治体に53台貸し出し、被災地に派遣されたそうです。トヨタ自動車もプラグインハイブリッド車や水素燃料車を20台派遣したそうです。
 非常用自家発電機は燃料が必要です。2日から3日分の燃料をストックするのは難しいでしょう。胆振東部地震や千葉の被災地でもガソリンの入手が困難であったとあります。また、入手できてもエアコンはこれでは動かせません。
 これを見ていただきたいんですが、(パネル表示)これは電気自動車から直流の電気をここのEVパワースーションを通って建物につないでいく、また太陽光パネルからも電気を取っていくということで、このEVパワースーションを使えば1台でエアコン3台分ぐらいは動かせるというふうになっています。この見積りをいろいろ取ったんですけれども、この施設にエアコンを6台、そしてEVパワースーション約500万円以内で設置できるということで、3日間ぐらいはこれで電力供給ができて、エアコンがつなげられるということです。各居室にエアコンは行かないと思いますけれども、非常時ですので、高齢者の方は移動してもらって、そこでエアコンに当たっていただくということで危険を回避していくということにつながるだろうというふうに思っているところです。これはニチコンさんというところに見積りのお願いをして、大体聞いた感じでございます。
 あとは、この電気自動車は一番電気が大きいやつは1台440万円それぐらいするそうですけれども、各事業者が10年ローンを組んだりとか、そういうことをすれば導入が可能なのかなというふうに思っているところです。
 福岡市も他都市に先んじて補助対象を拡大し、成功事例を生み出すなど一歩踏み込んだ検討も必要かと思います。交付金については、地方からもしっかり訴えていくべきだと思います。
 そこで、高齢者福祉施設における非常用自家発電設備の整備促進に向け、今後の方向性について御所見をお伺いして、この質問を終わります。
 最後に、農福連携事業についてです。
 先日、西区北崎にある農業をされている方から、大根が豊作だから取りに来ていいよと言われ、障がいがある施設利用者のみんなと一緒に収穫に行ってきました。雨の中でしたけれども、土の中から大きな大根を一本一本丁寧に抜いて、みんな大喜びでした。力仕事と言われる地中から抜く作業や運搬、洗浄など障がい者でも十分働けることが分かりました。また、障がい者の皆さんも緑の中、土に触れ、作物を手にし、とてもやりがいを感じていました。将来的にはときめきプロジェクト事業やふくおかさん家のうまかもん事業と連携するなど、福岡ならではの農福連携の取組に発展してほしいと応援しています。農福連携、やるからには成功しかないと思います。
 福岡市は農福連携という名の下、何をもって成功とするのか、農業の視点及び福祉の視点からそれぞれ目指す姿をお尋ねして、私の質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 障がい者グループホーム設置補助金についてお答えいたします。
 交付取消しの要件につきましては、経営の早期安定化を図ることを目的として制定したものではありますが、一方で、近年、グループホームの新規開設件数が増加してきておりまして、要綱改正当時とは状況も変化してきております。このため、障がい者グループホームの設置に関わる補助金の交付に当たりましては、今後、入居率の推移や体験利用などの入居契約に至るまでの手続の実態等を踏まえまして、より現状に即した制度となるよう検討してまいりたいと考えております。
 次に、高齢者施設における非常用自家発電設備についてお答えいたします。
 非常用自家発電設備の整備につきましては、入所者の安心、安全を確保するため、大変重要であると認識をいたしております。福岡市といたしましては、ホームページなどにより非常用自家発電設備の重要性についてさらに周知を図り、引き続き国の交付金を活用し整備を促進しますとともに、国に対しては補助制度の継続と拡充を要望してまいります。
 次に、農福連携事業についてお答えいたします。
 福祉の視点からの目指す姿につきましては、障がいのある方が様々な農作業に従事することで、就労に向けた訓練や心身の状況の改善が促されるとともに、農家をはじめとする地域住民との交流によるコミュニケーション力の向上や障がいに対する理解の促進を図り、障がいのある方が自らの能力を最大限発揮して、生き生きと活躍できる福祉のまちづくりにつなげてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 中村農林水産局長。
○農林水産局長(中村健児) 農福連携事業についての御質問にお答えいたします。
 農福連携は、障がい者の方々の農業分野での活躍を通じて、農業経営の発展とともに、障がいを持つ方々の自信や生きがいを創出し、社会参画を実現する取組であり、農業と福祉の双方がウィン・ウィンの関係を構築することでございます。
 そこで、おただしである農業の視点からの農福連携の成功や目指す姿でございますが、福祉と連携することで不足する農業従事者が安定的に確保でき、また障がい者を受け入れることで改めて生産工程や作業体系を見直す機会になるなど、生産の効率化や地域農業の活性化につながることと考えております。
 さらに、浜崎議員が言われるように、将来的にはときめきプロジェクト事業やふくおかさん家のうまかもん事業との連携まで発展できるよう一つ一つ着実に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子)登壇 私は福岡市民クラブを代表いたしまして、女性の新規就農者の活躍推進について質問いたします。
 新型コロナウイルス感染症の拡大を機に2つの「しょく」について改めて見直す人たちが増えていると思います。一つは仕事の職について、もう一つは食べ物の食についてです。仕事の職については、働き方において考え方が変わり、新たな職種にチャレンジしようとする人が増えてきているようです。また、食べ物の食については、私の周りでも自粛中、家での食事の回数が増え、今まであまり気にしていなかった食べ物に対する意識が変わってきているという話を耳にします。
 ある女性の方からは、自分で野菜を育てて、その野菜を調理してお弁当をつくったりして、お店に出したいと理想はあるけれども、実際にどこから始めていいのか分からないといったお話を伺いました。また、ある子育て中の母親の方は、子どもを畑に連れていき、作物がどうやって育っていくのかを教えてあげたいし、自分で育てた新鮮な野菜を食べさせてあげたいなどとそんな思いを語ってくれました。農業に関心があるけれども、就農にまでは至っていないという方たちがほかにもいるのではないかと考えました。
 私はこれを機に農業について調べてみました。すると、農業従事者の高齢化や担い手不足が課題となっており、新規就農者を増やすための取組が様々行われているということが分かりました。また、農業といえばきつい、大変というネガティブなイメージを持っている方も多いと思いますが、近年ではAIやロボットの活用もしながら効率化を図り、働き方も変わってきているようです。以前に比べ女性も農業に従事しやすくなるのではないかと考えました。
 さらに、農林水産省の農業における女性の活躍推進についてという資料によりますと、女性が農業経営に関わることで経常利益が増加するというデータがありました。女性の視点やアイデアを生かした農業を推進するために、女性の新規就農者、そして経営者を増やす施策にもっと力を入れるべきであると考えます。
 それでは、まず福岡市が現在行っている支援策としてはどのようなものがあるのか、尋ねてまいります。
 まず初めに、福岡市での農業従事者数について、過去5年間の推移をお示しください。また、男女の内訳をお示しください。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて質問いたします。
 
○副議長(楠 正信) 中村農林水産局長。
○農林水産局長(中村健児) 農業従事者数につきましては、福岡市農林水産統計書に基づき、直近の平成30年までの過去5年間の推移をお答えいたしますと、平成26年が3,798人、27年が3,543人、28年が3,368人、29年が3,202人、30年が3,044人でございます。
 また、農業従事者数における男女の内訳につきましては、平成27年の農林業センサスに基づきお答えいたしますと、男性1,902人、女性1,641人で、農業従事者に占める女性の割合は46.3%でございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) それでは、次に福岡市の新規就農者数の過去5年間の推移を男女の内訳とともに、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 中村農林水産局長。
○農林水産局長(中村健児) 新規就農者数の過去5年間の推移につきましては、平成27年度が11人、28年度が16人、29年度が18人、30年度が21人、令和元年度が20人でございます。このうち女性につきましては、平成27年度が2人、28年度が2人、29年度が3人、30年度が3人、令和元年度が2人でございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 農業従事者の数は毎年約200名ほど減少していることが分かりました。また、農業従事者の女性の割合が46.3%ということに関しては、家族経営をしている農家が大半であるからだと伺いました。
 一方で、新規就農者数においては、少しずつではありますが、増加しているようです。女性の新規就農者の数はほぼ横ばいで、予想以上に少ないということが分かりました。
 新規就農者については、男性と比べると女性は1割ほどしか就農していないことが分かりましたが、福岡市としてこの現状をどうお考えでしょうか。
 
○副議長(楠 正信) 中村農林水産局長。
○農林水産局長(中村健児) 過去5年の新規就農者に占める女性の割合につきましては、10%から18%となっております。
 一般に農作業につきましては、力仕事を伴うものもあり、女性が単独で就農するには難しい面がございますが、その一方で、女性農業者は生活者としての知恵や視点を生かした商品開発や販売方法の工夫をするなど、新たな農業経営の展開が期待されることから、本市といたしましても、女性の新規就農を促進するよう、さらに取り組んでいく必要があると考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 新規就農者を対象とした支援策については、国が行っている次世代人材投資資金や県が行っている農業大学校、市の事業である新規就農スタートアップ支援事業、就農応援事業、福岡市の農業委員会が行っている農地情報提供事業など様々あるようですが、中でも女性に向けた支援事業はどういったものがあるのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 中村農林水産局長。
○農林水産局長(中村健児) 女性を対象とする本市の事業としましては、女性農業者の下でインターンシップ研修を行う農業女子チャレンジ応援事業のほか、女性農業者を中心とした食や農に関するグループ活動の支援や女性農業者と本市の農業振興施策に関する意見交換などを行う女性農業者活躍支援事業を実施しております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) では、農業女子チャレンジ応援事業と女性農業者活躍支援事業とはどういった内容なのか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 中村農林水産局長。
○農林水産局長(中村健児) 農業女子チャレンジ応援事業につきましては、女性の就農や6次産業化に関する情報提供のほか、女性農業者の体験談などの講話、圃場の見学などを行う農業女子ガイダンスと農業経営に深い知識、技術、経験をお持ちの女性農業者から営農、加工、販売等について直接指導を受ける農業女子インターンシップを実施しております。
 また、女性農業者活躍支援事業につきましては、JA福岡市、JA福岡市東部のそれぞれの女性組合員の団体の活動として、小学校等で実施するみそづくりの指導や団体の研修会等に対する支援、ほかにも福岡市女性未来農業サポーターの皆さんと本市の農業振興施策についての意見交換の実施と研修会に対する支援などを行っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) これらの女性に向けた支援事業を始めた理由をお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 中村農林水産局長。
○農林水産局長(中村健児) 本市の農業者における女性の割合は約5割を占めており、女性の活躍が期待されております。しかしながら、女性のロールモデルがないことで、経営的視点を持った女性農業者が少ないなどの課題があると考えており、こうした課題に対応する必要があることから女性を対象とした支援事業を開始したものであります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 福岡市女性未来農業サポーターとは、どのような方がおられるのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 中村農林水産局長。
○農林水産局長(中村健児) 福岡市女性未来農業サポーターは、農業経営に深い知識、技術、経験及び優れた指導力を有する女性農業者として、平成28年10月に市長が7人の女性農業者に委嘱しており、自ら農産物直売店を経営されている方や珍しい西洋野菜の生産に取り組む方、販売まで手がける博多和牛の生産者などがおられます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 農業女子チャレンジ応援事業の農業女子ガイダンスと農業女子インターンシップについて、昨年度の具体的な実施内容をお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 中村農林水産局長。
○農林水産局長(中村健児) 農業女子ガイダンスにつきましては、令和元年6月14日に開催し、14人の参加がありました。当日はふくおか6次産業化・農商工連携サポートセンター企画推進員による農業の魅力についての講演のほか、女性農業者の講話や平成30年度の受講者による農業女子インターンシップの体験談の紹介、圃場や直売所の視察を行いました。
 また、農業女子インターンシップにつきましては、農業女子ガイダンス参加者の中から3人の受講がありました。受講者には令和元年9月から令和2年2月にかけて農産物直売所において加工、販売に係る研修や野菜農家において生産に係る研修を受けていただきました。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 農業女子チャレンジ応援事業のこれまでのインターンシップの受講者数の推移をお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 中村農林水産局長。
○農林水産局長(中村健児) 農業女子チャレンジ応援事業は、平成28年度に6次産業化を目指す女性を対象に女性農業者ステップアップ応援事業として開始したもので、令和元年度から就農を目指す女性を対象に加え、農業女子チャレンジ応援事業と名称を変更して実施しています。
 この4年間のインターンシップ受講者数の推移につきましては、平成28年度が2人、29年度が4人、30年度が2人、令和元年度が3人の合計11人でございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 平成28年度から女性農業者ステップアップ応援事業として始まり、令和元年からは対象に就農を目指す女性を加え、農業女子チャレンジ応援事業として実施されているようです。受講者の推移は横ばいのようですが、まだまだ農業に挑戦してみようという女性たちを逃しているように感じます。今年はコロナの影響で農業女子チャレンジ応援事業のうち、農業女子ガイダンスについては中止となりましたが、来年には多くの受講者の参加を期待したいと思います。
 農業女子インターンシップの成果とこれからの課題をお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 中村農林水産局長。
○農林水産局長(中村健児) 農業女子インターンシップの成果と課題につきましては、受講された11人のうち、農産物直売店に就職された方がお一人、農家にパート勤務されている方がお二人おられます。現時点で御自身で加工や販売を行うに至った方がおられないということが課題ではありますが、過去の受講者からは受入農家の御紹介で女性農業者グループに加入したり、研修終了後も受入農家と連絡を取り合い、つながりを継続されるなど、将来的な就農や6次産業化、農や食に携わる仕事などに引き続き関心をお持ちいただいていることなどを伺っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) これまで11名のインターンシップ受講者に対して、経営にまで至っている方がいないというのは非常に残念ですが、農林水産局から事前に頂いたアンケート結果によりますと、ほとんどの受講者の皆さんたちが充実したインターンシップだったと答えておられました。中には、農業というよりも食について興味を持つ方の参加もあったりと、本格的に就農を目指している方ばかりではなかったことが分かりました。農業というものに全く知識のない状態で参加をしましたが、農業に興味を持てたので、農業を学ぶ上でのいいきっかけになりましたという前向きな感想もあり、インターンシップが意味のあるものだと実感しました。
 先日、福岡市女性未来農業サポーターの方にお話を伺ってまいりました。その方は農家の御出身で、今は直売店を経営されている女性農業者の先駆け的存在であり、農作物にはもちろん、人への愛情もたっぷりと注いでおられる方で、自然とその方の周りに人が集ってくるような、とても人間力のある方でした。その方は農業にチャレンジをしたいという女性たちみんなに就農させてあげたいし、これからも応援していきたいと笑顔で話してくださいました。
 インターンシップでは、そのようなすばらしいプロフェッショナルなサポーターの方々と出会い、貴重なお話を聞けて、農業についての知識や魅力など多くのことを学べるいい機会だと思います。しかし、目標とする女性の就農者の方々のレベルが高過ぎて、それから先の自分の経営イメージを見いだすことができていないことが一歩を踏み出せていない要因だと感じました。目標を高く持つことは重要ですが、始めようと思った時にすぐに挑戦できるように同じ気持ちを共有できる仲間づくりも必要ではないでしょうか。サポーターの方も農業は女性一人で始めるのは難しいとおっしゃっていました。
 そこで、農林水産省が始めた農業女子プロジェクトへの参加を促すなど積極的にすべきと考えます。農業女子プロジェクトとは、社会、農業界での女性農業者の存在感を高めること、女性農業者自らの意識改革と経営力の向上を促すこと、そして若い女性の職業選択に女性農業者を加えることを目的に2013年に発足され、当初37名から令和2年5月20日現在では811名にまで増加しています。また、協賛企業と共同で女性向けの農機具や作業着の開発をするなど、女性目線の新たな商品やサービスを生み出す個別プロジェクトも成果を上げつつあると言います。
 このような同じ目標を持つ女性たち同士がつながりを持つことで日々の情報を共有できたり、仲間の発信などにお互い刺激を受けながら就農に向けて躍進していってほしいと思います。
 女性たちが農業により関心を持つために、市政だよりやホームページでサポーターさんたちの紹介などをされているようですが、それに加えて、ふだん生活の中で目にする食品スーパーや区役所、美容室などにも御協力いただけるところがあればお願いをしていくなど、周知を行っていただきますよう要望しておきます。
 また、今年度は農家所得調査に加えて、今回初めて意識調査が予定されていると伺っております。農家の実態や現場の声を生かすためにもすばらしい取組であると思います。さらに、男女別の項目を増やしたり、女性たちの声も反映されるよう御検討いただきたいと思います。
 最後に、農業にチャレンジしようとする女性たちを様々な角度からしっかりと応援していただきたいと考えますが、御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 中村農林水産局長。
○農林水産局長(中村健児) 本市の農業従事者の約半数が女性であり、女性は本市農業の担い手として重要な役割を果たされております。また、女性の農業者は生産、加工、販売のそれぞれの場面において、女性ならではの柔軟性や発想力、ネットワークなどを生かし活動されている方も多くおられ、6次産業化の担い手としても大きく期待されております。
 こうしたことから、本市といたしましても、就農を通じて女性が能力を発揮し活躍できるようしっかり支援していく必要があると考えております。
 一般に新規就農に当たっての課題は資金、技術、農地と言われており、本市におきましても、これらの課題に対応した支援策を講じてきたところでございますが、今後さらに女性の新規就農が促進されるよう、農業を志す方々の御意見も伺いながら、ニーズに応じた支援となるよう努めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) この際、休憩し、午後5時35分に再開いたします。
午後5時22分 休憩  
 
午後5時35分 開議  
○議長(阿部真之助) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。篠原達也議員。
○22番(篠原達也)登壇 まず初めに、新型コロナウイルスに罹患された方々に心よりお見舞いを申し上げます。約4か月の長きにわたるコロナ禍において、医療従事者をはじめ、様々な分野のソーシャルワーカー及びエッセンシャルワーカーの皆様には、自身の経済的、精神的な痛みに耐えながらも、他者を思いやる行動に徹して御尽力いただき、心からの敬意と感謝を申し上げますとともに、我慢に我慢を重ね、自粛を貫き通しておられる市民の皆様にも心より御礼を申し上げます。
 私は公明党福岡市議団を代表し、保健所の機能強化について、障がい者に寄り添う支援について、2つの質問をいたします。
 まず、保健所の機能強化について、新型コロナウイルスとの闘いは、全国民の協力と努力により、パンデミックを抜け、今のところ落ち着きを見せておりますが、コロナとの闘いは長期戦の様相を呈しております。
 初めに、福岡市での相談件数、検査実施数、陽性者数の最も多かった日とその数を伺います。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市におきましては、各保健所に設置した帰国者・接触者相談センターへの相談件数が最も多かったのは4月6日の1,472件、検査件数が最も多かったのは4月14日の302件、陽性者が最も多く判明しましたのは4月4日と10日の26人となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 今御答弁にありましたように、すさまじい件数でした。感染拡大防止の最前線で闘われているのは全国の保健所です。電話相談や患者の搬送、感染経路の追跡など、文字どおり想像を絶する保健所の皆様の毎日の働きに、ただただこうべを深く垂れ、感謝を申し上げます。
 保健所の機能強化について、国から通知が出ていると思いますが、その概要をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 3月13日付の厚生労働省通知につきましては、保健所の業務継続のために帰国者・接触者相談センターの外部委託や非常勤職員の活用、保健所内の感染症以外の業務を担当する職員や事務職員による応援等について検討を促す内容となっております。また、4月4日付の通知では、検討を行うに当たっての参考として患者の移送など外部委託や事務職員による支援が可能と考えられる業務のリストが示されております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 感染症対策については、帰国者・接触者相談センターや積極的疫学調査などにより保健所の業務が増大しています。感染症の流行を早期に収束させるためには、積極的疫学調査などに重点的に人員を投入し、クラスターの連鎖を打ち切っていかなければなりません。これからも起こり得る感染拡大に備え、保健所の機能強化が求められます。
 今回、保健所においての外部への委託、ITなどの活用、職員の体制強化、それぞれの視点でお尋ねしていきます。
 まず、電話相談を外部に委託して保健所の負担がどのように軽減したのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市の電話相談につきましては、当初、各保健所に設置した帰国者・接触者相談センターと新型コロナウイルス感染症に関する一般的な相談を受け付ける新型コロナウイルス感染症相談ダイヤルの2つの窓口を設け、職員が対応しておりました。4月20日からは帰国者・接触者相談センターと一般相談ダイヤルを合わせて相談回線を専用化し、看護師や保健師などの専門職の派遣人材を最大36人配置することによりまして、保健所職員が電話応対業務に直接携わることがなくなり、疫学調査などの防疫業務に専念できる体制となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 次に、患者の移送や検体の搬送についても委託されているか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 新型コロナウイルス感染症患者の移送につきましては、市の感染症対応の専用車両を市内の民間移送事業者に貸与し、運行を委託しております。また、検体の搬送につきましては、保健所以外の職員による応援体制により実施いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 5月上旬、相談、受診の目安から37.5度以上の発熱が4日以上との言葉が削除され、体温などの基準が緩和されたため、保健所への相談が増え、PCR検査を求める声が増加しています。それに対応するため、かかりつけ医などからPCR検査が必要とされれば保健所を介さずに検査できる地域外来・検査センターの導入が進んでいます。
 本市における地域外来・検査センターの設置状況、ドライブスルー方式、唾液検査の導入など、PCR検査体制の強化に向けた取組状況をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市では保健環境研究所において、検査機器の増設や人員の増員などを行い、検査体制の強化を図っているところでございます。また、ドライブスルー方式の地域外来・検査センターにつきましては、5月から民間機関による検査を開始しますとともに、6月にさらに3か所の増設を行っております。これにより、市内での検査件数は保健環境研究所と合わせて少なくとも1日に440件程度が可能となっております。唾液による検査など新たな検査方法につきましては、国が示す指針に基づいて適切に導入してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 次に、ICT、情報通信技術の活用についてお尋ねいたします。
 東京都港区では、保健所の相談業務について、3月下旬より人工知能、AIで自動回答するプログラム、チャットボットを導入し、区のホームページを開ければ、イラストの女性との会話、チャットを通し、検査を受けたい、感染を予防するにはなどの相談に24時間対応しています。
 本市においても同様の取組を行っていると思いますが、その概要と利用状況を教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市におきましては、福岡市公式アカウントや福岡県と共働で開設しております福岡−新型コロナ対策パーソナルサポートにおいて、チャットボットを活用して予防方法や気になる症状があるときの対処方法を自動で案内するなどの相談対応を行っております。現在、公式アカウントの登録人数は約168万人、パーソナルサポートは約33万人となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 医療現場が逼迫し、軽症者や無症状の感染者に自宅などで療養してもらうと、実は保健所の負担が増えます。感染者や濃厚接触者と連絡を取り、入院などが必要な状態に悪化していないか見守る役目を担っているからです。
 感染者が1,700人を超えた大阪府では、ICT、情報通信技術を活用し、自宅やホテルなどで療養する軽症や無症状の感染者の健康状態を把握するITシステムを導入した結果、保健所に勤める保健師の女性は、以前より患者の声に耳を傾けられるようになったと語っています。このシステムでは、感染者自らが体温やせきの有無、息苦しさなど注意が必要な13項目をスマートフォンなどで入力を行います。導入前は自宅などで療養する何人もの感染者に毎日電話して聞き取り、その内容をコンピューターに入力していました。現在では感染者が情報を入力すると、保健師や府の担当部署などとオンライン上で即座に共有されます。1人で二、三十分かかることもあった聞き取りや打ち込みの手間が減ったと言います。
 本市も同様のITシステムを導入することにより、保健所業務の機能強化を図ってはどうかと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 濃厚接触者等の健康観察につきましては、福岡市におきましても保健所の機能強化と負担軽減を図るため、対象者本人がスマートフォンやパソコンから健康状態を入力できるサービスを導入しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) また、大阪府はコロナ追跡システムというITシステムを導入し、感染拡大を早期に封じ込めるため、QRコードを使って施設やイベント会場での新型コロナウイルス感染確認を利用者に一斉メールで通知するコロナ追跡システムの運用を始めました。クラスターが発生したと判断した場合は、事業者側の同意を得て施設名などを利用者に伝え、感染拡大を早期に封じ込めるようにしています。
 国もスマートフォンアプリを使って感染者と濃厚接触者を把握し通知する仕組みの実用化を急いでいます。いずれも個人が特定されて偏見や差別がないよう匿名性に力点が置かれています。
 本市でも感染の再拡大を防ぐため、このようなシステムの導入を検討されてはいかがですか、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 議員御指摘のような感染者と接触した可能性が分かるアプリ等の活用につきましては、感染経路の追跡を迅速に行うことで、感染の拡大を防ぐために有用と考えております。現在、国において導入に向けた準備が進められていることから、その動向なども踏まえ、適切に導入できるように検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 感染拡大防止に有効だと思いますので、ぜひ検討をよろしくお願いいたします。そして導入される際には、まず、本市のコンベンション施設や美術館、博物館のように、人がたくさん集まる市の公共施設から取り組んではいかがでしょうか、要望いたします。
 命も経済も守る。IT技術を使って未曽有のコロナ危機を乗り越える新しい生活様式を確立してまいりたい。
 そこでお尋ねいたしますが、新型コロナウイルス感染症が収束するまでの時限措置として、自宅などでスマートフォンやパソコンを使い、テレビ電話のように受診するオンライン診療の初診が解禁になりましたが、本市では誰でも利用できたのか、利用実績、具体的にはどのようなものか、本格的普及などへの課題についてお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) オンライン診療につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大に際して、時限的、特例的に初診からの電話やスマートフォンによる診断や処方が可能となっております。福岡市内におきましては、5月末現在で202の医療機関がオンライン診療を実施する医療機関として公表されておりまして、そのうち約68の医療機関は初診から利用可能となっておりますが、利用実績につきましては、オンライン診療を実施する医療機関が県を通じて国に報告することになっておりまして、現在、国において集計中でございます。
 オンライン診療を希望する場合の具体的な手順でございますが、まず医療機関のホームページ等でオンラインによる診療を行っているか確認の上、事前予約した時間に受診することとなります。薬の配送を希望する場合には、薬局に連絡の上、電話等で服薬指導を受け、その後、薬が自宅等に配送されるというものです。
 今回の時限的、特例的な取扱いは、新型コロナウイルス感染症の感染が収束するまでの間とされておりますが、オンライン診療の本格的な普及に向けましては、対面診療と比較して十分に医療の質と安全性が確保されることや医療情報のセキュリティー対策などが課題と考えられますが、現在、ガイドラインの改定や診療報酬の改定に際し、国において検証が行われることとなっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 感染拡大防止のため、非接触型のサービスが新しいスタイルとして普及していくことを期待いたします。
 次に、保健所の体制についてお尋ねいたします。
 これまでの対応を振り返り、今後の感染の再拡大に備えるためには、現場である各区役所の保健所の職員の声は大事です。保健福祉局と各区の保健所職員がこれまでの対応の意見交換をされることはありましたか、また、現場からはどのような意見が出ているか、教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 保健所と保健福祉局との職員間の意見交換につきましては、ウェブ会議などによりまして頻繁に行っているところでございます。
 保健所からは、市民からの電話相談対応や検体搬送などの業務が増大し負担が大きい、感染者や濃厚接触者の調査方法を整理してほしい、各区での患者発生状況や症例などを共有してほしい、また個人情報の取扱いルールを決めてほしいなどの意見が出されております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 現場からの声に検体搬送業務の支援強化を望むとありましたが、これまでは他の部局からの応援で対応していました。しかし、今後、感染が再拡大した際には、保健所が負担を抱えることがないよう、場合によっては外部への委託も検討されてはいかがでしょうか。
 次に、5月のある新聞では、保健所の増える業務、人員横ばい、コロナ以外にしわ寄せの懸念と見出しに大きく出ていました。4月下旬に開かれた全国保健所長会のオンライン記者会見では、高齢者の認知症予防、自殺予防、難病の医療費助成といった業務への影響を心配する声もあり、5月4日の国の専門会議の提言では、国内でPCR検査が進まなかった理由に、保健所の業務過多が挙げられました。コロナ対応以外にも飲食店の営業許可や病院への立入検査など、本来の業務に手が回らないことへの懸念もあります。
 現在、各区保健所における感染症を担当する職員の人数をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 保健所において感染症対応を担当する職員につきましては、いずれも健康課健康づくり係の7人でございまして、7保健所合わせて49人でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 今お聞きしました人数では、4月、5月のピーク時にはとても対応できる人数ではなかったと思います。6月13日の新聞報道では、その職員49人のうち3割に当たる14人が、4月に過労死ラインとされる100時間以上の残業をしていたとの記事がありました。
 保健所全体の業務に影響は出なかったのか、対策業務に支障はなかったのか、また、保健所の職員体制を強化されたのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 保健所が行う業務につきましては、新型コロナウイルス感染症対応が急を要する中で、優先度に応じて業務の実施時期を変更するとともに、健康教室や健診などの人が集まる事業については、感染拡大防止の観点から、一定期間、休止や先送りとするなど、柔軟かつ計画的に実施しているところでございます。一方で、4月に患者が急増した際には、市民からの電話相談対応など保健所の業務量が増大し、負担が大きくなった状況がございました。そのため、保健所におきましては、業務量の増加に応じて相談対応、検体搬送、健康観察などについて外注化や効率化を図りますとともに、市役所全体での応援体制を整えることによって、保健所が疫学調査などの防疫業務に注力できる体制を強化し、感染拡大の防止に取り組んでおります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 職員の体制強化については、保健所以外の職員の応援で対応されたようですが、それにしても保健所職員の残業時間はあまりにも多く、大変な負担だったと思います。第2波、第3波に備え、国の通知で紹介されているような、県などからの応援派遣の受入れや保健所OB職員の再雇用なども策の一つと考えられます。
 およそ100年前、1918年から19年にかけて世界に猛威を振るったスペイン風邪は、多くの地域で第2波のほうが致死率が高かったと言われています。その歴史を教訓とし、十分な対策を講じていただきたい。
 公明党は6月11日の国会質疑において、地域の感染対策で大きな役割を果たしている保健所の機能強化に力を入れるべきと訴え、厚生労働大臣は、都道府県や保健所設置市と密に連携し、必要な支援に取り組むと答弁しています。今のうちにこれまでの対策を検証し、体制強化を図っておくことが重要です。
 新型コロナウイルス感染症対策を所管される荒瀬副市長に、これまでの保健所の対応や評価、また、認識された課題など、今後どのように生かしていかれるのか、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 荒瀬副市長。
○副市長(荒瀬泰子) 今回の新型コロナウイルス感染症は、これまで経験しことのない全く未知の感染症であり、想像を超えた急速な拡大が見られましたが、福岡市保健所の迅速な対応により、劇的な拡大を防ぐことができたものと考えております。
 感染症に関する保健所としての仕事は多岐にわたりますが、今回、福岡市においては、可能な限り業務の集約、応援、委託、外注を実施し、負担の軽減を図るとともに、保健所職員が患者の発症前後の状況を細かく聞き取り、感染源の追及や接触者を特定していく積極的な疫学調査を集中的に行い、感染拡大防止に努めてまいりました。さらに、第1波から得た知見を基に、病院、施設、学校、市民等へ注意喚起を行ってきたところでございます。
 今後も、国際ゲートウェイ都市である福岡市においては、新興感染症への対策は必須であり、保健所機能の在り方を再検証し、体制や機能の強化を図ってまいりたいと考えております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 今後とも、ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、障がい者に寄り添う支援についてお尋ねいたします。
 福岡市の障がい者別の人数と、そのうち視覚障がい者と聴覚障がい者の人数、また障がい者の方が新型コロナウイルス感染症に関してどのようなことで不便を感じておられますか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市の障がい者の人数をそれぞれの手帳所持者数で申し上げますと、令和2年3月31日現在で、身体障がい者が5万2,161人、うち視覚障がい者が3,508人、聴覚障がい者が4,340人、知的障がい者が1万2,497人、精神障がい者が1万7,454人となっております。
 新型コロナウイルス感染症に関して障がい者が不便に感じることといたしましては、関係団体からの聞き取りなどによりますと、視覚障がい者では情報が確認しづらい、手で物を触れる機会が多いため感染が心配、聴覚障がい者ではマスクで口の動きや表情が分かりづらい、知的障がい者では情報が複雑で理解しづらいなどの声が上がっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) ありがとうございます。その中で、視覚障がい者の方は、まず情報が確認しづらく、手で物を触ることが多く、日々感染の不安におびえながら暮らしておられます。ある弱視の壮年は、職場においても自分用の消毒液を置き、席を離れるたびに手を消毒するなど、可能な限り感染防止策を取っているものの、不安が付きまとうと言われていました。また、ある女性も、もしも感染したら入院やホテルでの宿泊療養では、どこに何があるか教えてもらわなければ何もできない、体温を測っても、自分では表示を読めません。感染拡大で外出を補助するガイドヘルパーの支援がなくなることにも不安を抱かれています。
 本市のガイドヘルパー支援では、現場からはどのような声が出ていますか。また、福岡市としては事業所に対してどのような対応をされているのか、お伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 障がい福祉施設や事業所の団体によりますと、利用者によってはサービス提供前の体温の計測を拒否したり、人混みなどの3密を気にかけないなど、新型コロナウイルス感染症の予防に対する意識の持ち方に個人差があり、ヘルパー自身への感染に対する不安の声があると聞いております。
 また、事業所への対応についてでございますが、ガイドヘルパーが視覚障がい者の外出に同行し、移動の支援を行う同行援護サービスは、国の運営基準によりますと、正当な理由なくサービスの提供を拒否してはならないとされております。したがいまして、事業所に対しましては、サービス提供前後の手洗いやマスク着用等により感染防止の徹底に努めながらサービスを提供するよう文書で通知しており、事業所におきましても適切に対応していただいているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) コロナ禍において、ガイドヘルパー要請の集中が起きており、ヘルパーさんも大変御苦労をされています。中でも初めての方、土地カンのない方、また高齢のガイドヘルパーさんは自身の感染も恐れています。また、障がい者は糖尿病や持病を抱える方も多く、感染イコール死と頭をよぎり、不安を拭えないと言われていました。
 そこで、同行援護事業者に買物代行を依頼できないかとの要望がありました。これについてのお考えをお聞かせください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 法令等により、買物代行は同行援護のサービスの対象となっておりません。しかしながら、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の必要性に鑑み、本年4月の国の通知により、当面の間、同行援護サービスの対象として買物代行を利用することが可能となっております。このため、福岡市におきましても、新たな国の考え方に基づき対応しているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 今後も感染の状況により柔軟に同行援護の支援をお願いいたします。
 次に、聴覚障がい者についてですが、先ほどの答弁でもありましたように、聴覚障がい者にとって相手の口の動きや表情は重要な役目を果たします。しかし、マスクによりそれが全く読み取れず、大変苦労をされています。フェイスシールドなど口の動きが見えるようにしてほしいとの要望が上がっております。
 さて、かねてより公明党が推進してきました電話リレーサービスが6月5日に法制化いたしました。電話リレーサービスとは、手話通訳者などのオペレーターが聴覚障がい者と健聴者、耳の聞こえる方の間に入って通話をサポートします。(パネル表示)ちょっとパネルは小さいですが、上に電話リレーサービスの仕組みと、それで耳の不自由な方が真ん中の上の通訳オペレーター、ここは基本的に手話通訳の方が対応されています。パソコンで、テレビ電話の要領で手話で話すか、もしくは文字で手話通訳の方に伝えると、その手話通訳の方が反対側の店とか病院のほうに直接電話で音声で伝えます。それを耳の不自由な方も直接パソコンを見ておられますので、会話が成立するという、こういう仕組みになっております。その際に、聴覚障がい者の間で懸念されているのは、リレーサービスの認知度を高めなければ、いたずら電話などと誤解されるおそれがあるとの声があります。広く市民への理解が必要です。
 本市としても、このサービスが円滑に導入、普及していけるよう、ぜひ取り組んでいくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 電話リレーサービスにつきましては、日本財団が厚生労働省から補助金を受け、モデルプロジェクトとして実施している事業でありまして、来年度中に国において公共のサービスとして開始される予定となっております。電話リレーサービスの普及に向けましては、福岡市といたしましても、聴覚障がい者情報センターなどを通じ、広く周知を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 今回、この電話リレーサービスの法制化により、安心して365日、24時間対応で、警察、消防への緊急通報が実現し、聴覚障がい者だけでなく、耳が遠くなった高齢者への活用も期待されています。
 次に、医療的ケアや障がい者、高齢者を在宅で介護する家族は、もし自分がコロナに感染したらどうなるのかという不安を抱えています。
 そこで、お尋ねいたしますが、ふだん高齢者や障がい者などを介護している家族がコロナに感染して入院などすることになった場合、残された障がい者などに対する支援について、本市ではどのような対応を行っているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 家族が新型コロナウイルス感染症で入院し、介護が必要な障がい者が自宅に残される場合につきましては、残された障がい者の介護を行うためにホームヘルパー等を派遣する事業所に対し給付金を支給する制度を5月に創設しておりまして、介護を要する障がい者の日常生活の支援が切れ目なく行われるよう対応してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 介護者が入院した場合にはヘルパーによる支援がなされるとしても、それぞれの症状や特性に配慮する必要があり、ふだん面倒を見ていた人が急な病気やけがに見舞われたとき、要介護者の情報、介護を引き継げる相手がいるかいないか、名前、連絡先のほか、要介護者の状態、コミュニケーションの取り方、配慮すべき障がいの特性など、ほかの家族や施設の職員にスムーズに伝えられるようケアについての留意点などを記録することが必要となってきます。こうした緊急引継ぎシートを活用した人は、同居家族でも知らないことも多く、あらかじめ書いておくことで介護者の気持ちも軽くなるということです。
 このような緊急引継ぎシートを本市においても積極的に活用すべきではないでしょうか、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 緊急時の引継ぎにつきましては、福岡市では障がい者を支援するNPO法人との共働事業によりまして、家族等が障がい者に関する情報を支援者に伝えるためのパーソナルブックを作成しているほか、障がい者団体や事業所におきましても情報の引継ぎの取組がなされているものと聞いております。今後とも、緊急時の支援に役立つ情報の引継ぎにつきましては、様々な機会を捉え、取組事例の情報収集や周知、広報に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 今こそ引継ぎシートの取組強化をお願いいたします。
 さて、コロナに対しての様々な支援策の中でも、全ての国民に一律10万円が支給される特別定額給付金は、一日も早い支給を待ち望まれています。現在、本市においての支給済みは、今週末でも約25%です。この申請について、障がい者の団体から支援を求める声を多く頂いております。書類やオンラインでの手続が困難で諦めたという人もいました。
行政においても急ピッチで対応されていることと思いますが、本市の特別定額給付金の手続に関して、障がい者の方へはどのような配慮をされていますか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 特別定額給付金につきましては、市政だよりやホームページ、新聞各紙への広報の掲載のほか、LINE公式アカウントへのQ&A機能の新設など、様々な媒体を活用して、障がいのある方にも分かりやすい広報に努めているところでございます。特に視覚障がいのある方に対しましては、申請書に同封している案内チラシに音声コード、ユニボイスを掲載し、音声でチラシの内容を案内できるようにしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 特別定額給付金の申請期限は8月31日消印までですが、障がい者や高齢者は郵送を選ぶ人が多いと見られます。
自力で書類を読み、記入し、提出するのは難しいと諦めてしまうことがないよう、郵送後、一定期間申請がない場合、コール、リコールの手法を取られてはいかがですか、お伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 特別定額給付金につきましては、高齢者や障がいのある方なども含め、一定の期間内において申請がなかった場合に、申請漏れが生じないようコール、リコールの手法を検討するとともに、関係局区とも連携し、市政だよりやホームページ、SNSなど様々な広報媒体を活用し、周知を図ってまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 視覚障がい者の方に申請方法を適切に伝えるためには、書類に点字や音声コードが有効です。
 本年2月、私は福岡市役所の各部局にアンケートを行いました。視覚障がい者に郵送物を送る際、音声コードを印刷していますかとの問いに、しているとの回答はゼロでした。それが今回の特別定額給付金申請書の送付で初めて印刷されました。公明党の山口代表が総務大臣に直接、音声コードの利用を要望した経緯もあり、私も即日、福岡市の特別定額給付金課長に今回の申請書類に音声コードの印刷を要望し、間に合わせていただきました。(パネル表示)大きくても字が小さいので見えにくいかも分かりませんが、これが今回、皆様方のところにも来ました定額給付金、この中に、(資料表示)こういう小さいチラシが入っています。ここに音声コードがついているんですね。初めて見られた方も多いと思いますが、この音声コードは、このチラシのところに(資料表示)実際にはこういうふうにカットしてあるわけです。視覚障がい者の方が触ると、ここで2つあるということは、表と裏の両方に音声コードがついていますよという意味合いがあります。そこに皆さんが持っておられるスマートフォンのアプリに、ユニボイスというアプリがありますので、それをダウンロードしていただいて、ここにかざしていただくと、音声で分かりやすく説明がされると、これは裏も表もそういう仕組みになっております。
 それで、今ちょっと見ていただきましたように、欲を言えば、封筒にも音声コードを印刷していただき、切り欠き加工といって今の半円をつけていただければ、(資料表示)ここについていれば、この中に音声コードが入っているということが視覚障がい者の方にも分かりますので、それがあればさらに分かりやすかったなと思います。
 全国的に見ても、この音声コードの活用は20政令市のうち福岡市、さいたま市、横浜市、広島市、福岡県内では久留米市と数少ない中、福岡市は迅速に対応していただきました。また、保健福祉局から全所属長宛てにこの音声コードの活用についても通達していただきました。
 さらに、特別定額給付金に続き、経済支援についても音声コードを活用した案内をされていると伺いましたが、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 天本経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(天本俊明) 経済支援に係る音声コードを活用した案内につきましては、福岡市の主な事業者向け経済支援策である店舗等への家賃支援及び休業等要請対象外施設への支援について、音声コードを印刷した視覚障がいがある方にも配慮したチラシを作成しており、今後、保健福祉局と連携し、関係団体の御協力を頂きながら、障がいがある方への情報提供に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 早速、福岡市の家賃支援金と休業等要請外施設への支援のチラシの案内に活用されているとのことです。大変ありがとうございます。今、私の手元にありますが、先ほどと同じように福岡市家賃支援金の御案内ということで、(資料表示)こちらに音声コード、ユニボイス、裏側には福岡市休業等要請対象外施設の支援ということで、こちらにもユニボイス、音声コードがついております。
 先ほどの保健福祉局の依頼文の中に事例として挙げられている納税通知書、選挙入場券、水道料金のお知らせ、検針票について、今後、音声コードを活用されることを期待いたしますが、いかがお考えでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 納税通知書につきましては、現在、希望される方に対し、封書に納税通知書である旨の点字シールを貼り付けて送付しております。音声コードは、点字が読めない方でも利用できることや納税通知書の内容をより詳細に伝えることができるなどの利点があることから、希望される方に対応できるよう、他都市の先行事例を参考に導入に向けた検討を行ってまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 内藤選挙管理委員会事務局長。
○選挙管理委員会事務局長(内藤玲子) 選挙の際の投票所入場整理券につきましては、現在、希望される方には、点字シールを貼り付けた封筒に入れて送付いたしております。音声コードの活用については、視覚障がいのある方への情報支援につながることから、希望される方に対応する方向で考えてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 坂本水道事業管理者。
○水道事業管理者(坂本秀和) 水道局におきましては、現在、お客様からの申出に基づき、検針通知書などのお知らせを点字化して郵送するなど、視覚障がいのある方に寄り添った対応に努めております。篠原議員御指摘のとおり、音声コードを活用することで視覚障がいのある方へのさらなる支援の充実につながると考えておりますので、7月には、現在、点字対応している方を対象に音声コードの利用について希望確認を行い、希望される方には次回から郵送する通知書に音声コード付文書を同封する予定でございます。あわせて、この取組につきましては、福岡市ホームページや障がい関係団体等を通じて周知を図ってまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) ありがとうございます。音声コードは日本語が読めない外国人等に対する情報伝達のツールにもなりますので、職員の皆様には音声コード作成ツール、これは無償ですので、各自パソコンに導入していただきますよう要望いたします。
 福岡市として、今後は音声コードを市の全ての郵送物に印刷すべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 障がいの有無にかかわらず、社会の一員として共に生きる社会を目指すための合理的配慮として、視覚障がい者への情報を伝える音声コードを活用することは非常に大切なことであると認識しております。このため、音声コードの活用が進むよう、市役所内の全所属に対しまして、市民向けのチラシや各種行政計画などを作成する際には音声コードを掲載するよう文書で依頼をしたところでございます。
 今後とも、視覚障がい者に寄り添った支援として、音声コードの普及啓発に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 篠原達也議員。
○22番(篠原達也) 今回の質問では、主に音声コードによる支援などを取り上げましたが、情報弱者と言われる方への支援は、あらゆる手だてを講じていただきたい。
 新型コロナの対策により、一層不自由を感じている障がい者などの生活に、私たちは想像力をもっと働かせ、今こそSDGsの精神にのっとり、誰一人取り残さないことを命に刻み、ウィズコロナと言われる、これからの時代、障がい者に寄り添った支援の拡充について、島市長の御所見をお伺いし、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 新型コロナウイルス感染症の対策につきましては、感染拡大防止と市民生活や経済活動の維持を両立させていくため、福岡市独自の支援策などに全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
 新型コロナウイルス感染症対策の推進に当たりましては、障がいの有無にかかわらず、必要な支援が行き届くように専用コールセンターの設置やSNSを使った様々な情報発信、さらには今回の特別定額給付金では音声コードも活用しているところでございます。
 今後とも、障がいのある方をはじめとした、情報が届きにくい方々への支援や、その伝達方法について十分に配慮するとともに、障がいのある方の生活に寄り添った支援を進めていくことで、「みんながやさしい、みんなにやさしいユニバーサル都市・福岡」の実現に向けたまちづくりをしっかりと推進してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) お諮りいたします。
 本日の会議はこの程度にとどめ、残余の質問は明18日の会議にこれを繰り延べたいと思います。これに御異議ありませんか。
      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 
○議長(阿部真之助) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次の会議は明18日午前10時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後6時22分 散会