令和2年6月16日(火)

令和2年第4回福岡市議会定例会
議  事  日  程 (第2号)
6月16日 午前10時開議
第1  一 般 質 問

本日の会議に付した事件
議事日程のとおり

出 席 議 員 (62名)
1番  稲 員 稔 夫       2番  鬼 塚 昌 宏
3番  堤 田   寛       4番  川 上 陽 平
5番  津 田 信太郎       6番  大 森 一 馬
7番  平 畑 雅 博       8番  伊 藤 嘉 人
9番  打 越 基 安      10番  川 上 晋 平
11番  阿 部 真之助      12番  勝 山 信 吾
13番  川 上 多 恵      14番  淀 川 幸二郎
15番  調   崇 史      16番  大 坪 真由美
17番  古 川 清 文      18番  高 木 勝 利
19番  新 村 まさる      20番  大 原 弥寿男
21番  今 林ひであき      22番  篠 原 達 也
23番  尾 花 康 広      24番  松 野   隆
25番  楠   正 信      26番  冨 永 計 久
27番  森   英 鷹      28番  南 原   茂
29番  おばた 久 弥      30番  山 口 剛 司
31番  大 石 修 二      32番  黒 子 秀勇樹
33番  藤 野 哲 司      34番  堀 本 わかこ
35番  中 島まさひろ      36番  天 野 こ う
37番  山 口 湧 人      38番  松 尾 りつ子
39番  井 上 麻 衣      40番  飯 盛 利 康
41番  はしだ 和 義      42番  浜 崎 太 郎
43番  堀 内 徹 夫      44番  綿 貫 英 彦
45番  森   あやこ      46番  福 田 まもる
47番  国 分 徳 彦      48番  藤 本 顕 憲
49番  倉 元 達 朗      50番  中 山 郁 美
51番  荒 木 龍 昇      52番  高 山 博 光
53番  ついちはら陽子      54番  田 中 たかし
55番  成 瀬 穫 美      56番  山 田 ゆみこ
57番  宮 浦   寛      58番  近 藤 里 美
59番  川 口   浩      60番  落 石 俊 則
61番  田 中しんすけ      62番  池 田 良 子

欠 席 議 員 (0名)

説明のため出席した者
市       長   島 宗一郎   副市長  光 山 裕 朗
副  市  長  中 村 英 一   副市長  荒 瀬 泰 子
水道事業管理者  坂 本 秀 和   交通事業管理者  重 光 知 明
総務企画局長  龍   靖 則   財政局長  松 本 典 久
市民局長  下 川 祥 二   こども未来局長  久 田 章 浩
保健福祉局長  舟 越 伸 一   環境局長  細 川 浩 行
経済観光文化局総務・中小企業部長  酒 井 雄 二   農林水産局長  中 村 健 児
住宅都市局長  石 橋 正 信   道路下水道局長  駒 田 浩 良
港湾空港局長  清 家 敬 貴   消防局長  山 下 周 成
会計管理者  中 村 郁 子   教育長  星 子 明 夫
教育委員  町     孝   選挙管理委員会事務局長  内 藤 玲 子
人事委員会事務局長   田 浩 輝   監査事務局長  小 西 眞 弓

職務のため出席した事務局職員
議会事務局長  藤 田 英 隆   議会事務局次長  金 子 佳 史
議事課長   着 一 孝   議事係長  重 松 孝 昭
外関係職員

 
午前10時 開議  
○議長(阿部真之助) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、一般質問を行います。
 発言通告者のうちから順次質問を許します。中山郁美議員。
 
○50番(中山郁美)登壇 おはようございます。私は日本共産党市議団を代表して、10万円の特別定額給付金問題並びに新型コロナに関する検査の在り方について質問を行います。
 まず、特別定額給付金についてです。
 4月7日に政府が発出した緊急事態宣言により、国民に対し、外出の自粛、人と人との接触を最大限削減することなどが要請されました。自粛と補償は一体にという声が沸き起こる中、政府が当初打ち出した1世帯に30万円給付するという案は、世帯主の収入が半減したなど、あまりに対象が狭く不公平だと国民的な批判が起こりました。我が党は全ての日本在住者を対象に、まず1人10万円を支給することがより迅速な給付を実現するためにも有効だと提案し、野党が一致して要求する中、政府が当初案を撤回し、1人10万円の特別定額給付金が4月30日に国会で可決。まさに国民の声が政治を動かした結果であります。給付事業費は約13兆円、事務費は約1,460億円が組まれております。
 そこで、本事業の目的並びに具体的な給付の流れについて説明を求めます。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 特別定額給付金事業につきましては、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策において、「新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の下、生活の維持に必要な場合を除き、外出を自粛し、人と人との接触を最大限削減する必要がある。医療現場をはじめとして全国各地のあらゆる現場で取り組んでおられる方々への敬意と感謝の気持ちを持ち、人々が連帯して、一致団結し、見えざる敵との闘いという国難を克服しなければならない」と示され、このために感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行うことを目的としております。
 次に、給付されるまでの流れですが、オンラインまたは郵送により申請していただいた後、世帯情報や振込先口座情報の確認等を行い、不備などがなければ、振込データを銀行に持ち込み、4営業日後、月曜日に持ち込めば金曜日には指定された口座へ給付金が振り込まれることとなります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 実施主体は市町村。簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行うというのが目的であります。スピーディーにかつ必要な人に確実に届けて暮らしを支えるためのものです。本市においては、5月1日、臨時議会において約82万世帯、157万人分として1,580億円の補正予算が成立し、現在、給付作業が行われております。
 そこで、給付作業は迅速かつ的確に行われているのか、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 特別定額給付金事業につきましては、国がマイナンバーカードを活用したオンライン申請を開始した5月1日から福岡市においても速やかに受付を開始し、5月11日には給付を開始するなど、一日でも早く迅速に給付金がお届けできるよう作業の効率化を図るとともに、申請内容の不備も多いことから、間違いのないよう二重チェックを行うなど、迅速かつ正確な給付手続に努めております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 迅速かつ的確にやっているかのように言われましたけど、局長、ごまかしちゃいけませんよ。予算が議会で可決された5月1日から、まず、マイナンバーカードによるオンライン申請が開始されたものの、スタート時には問合せが殺到し、区役所窓口は密な状態となり、感染拡大の心配が広がりました。問合せ専用ダイヤルもパンクしました。さらに、オンラインシステムがダウンして、作業がストップする事態ともなりました。出だしから大混乱。そして、続く郵送による給付作業についても大きく遅れており、6月も半ばの今日現在でもいまだ大半の世帯に10万円は届いておりません。共産党市議団には連日、市民からの問合せが寄せられております。
 そこで、いつになったら10万円は市民の手元に届くのか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 特別定額給付金の振込につきましては、5月中に申請いただいたオンライン申請分につきましては、6月5日までに既に約3万8,000件の振込を完了しております。また、オンライン申請分と郵送申請分を合わせますと、7月10日までには全世帯の90%を超える約74万世帯の口座に振込ができるものと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 早くやっているから7月10日までには届くと、こういう答弁ですけどね、とんでもないと思うんですよ。迅速でも的確でもない。遅過ぎる、うちはもらえないのかなど、市民の間では怒りと不安が大きく広がっています。
 そこで、なぜこんな事態になっているのか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 特別定額給付金の振込時期につきましては、人口100万人を超える福岡市以外の政令指定都市10市との比較で申し上げますと、最も早い5月11日から振込を開始し、全82万世帯のうち、これまでに約27万件の申請の処理を終え、来週月曜日までには振込が完了する予定であり、政令市の中ではトップクラスの実績と考えております。また、先ほど申し上げましたように、7月10日までには全世帯の90%を超える約74万件の振込ができるように取り組んでおり、政令指定都市の中でも早いペースで給付できるものと考えておりますが、引き続き市民の皆様に一日でも早く給付金がお届けできるよう精力的に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 局長の答弁を聞くと、7月10日までに届けば早いでしょうと、その感覚自体が大きくずれておるんですよ。
 この遅れの責任をどう感じておられるのか、島市長の御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 先ほども申しましたように、特別定額給付金につきましては、人口100万人を超える他の政令指定都市と比較しましても早いペースで給付できているものと考えておりますが、市民の皆様に一日でも早くお届けできるよう、今後とも、精力的に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。(発言する者あり)島市長。
○市長(島宗一郎) 局長の答弁のとおりでございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 何を2人そろってとぼけたことを言っているのか。
 給付する責任は市長にあるんですけれども、大体、ここまで遅れたこの作業について具体的に誰にやらせているのか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 特別定額給付金事業につきましては、約82万世帯へ送付する申請書や封筒の作成、封入、申請書の発送業務、給付事務を管理するシステムの構築などのほか、市民の皆様からの問合せに対応するコールセンターの運営や申請書の受付、審査を行う事務処理センターの運営など、多岐にわたる大量の業務を短期間で迅速かつ的確に行うため、民間事業者に一連の業務を委託しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) これね、業務委託しておるんでしょう。どこにしているんですか、再度答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 委託業者は株式会社パソナでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) パソナに業務委託していると。なぜ直接市が作業しないのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 特別定額給付金事業につきましては、先ほど申し上げましたように、多岐にわたる業務を民間事業者のノウハウを生かしながら一体的かつ効率的に進めるため委託しておりますが、申請に不備のある案件やケース・バイ・ケースの判断、調整が必要な処理基準が明確でない業務などにつきましては市職員が直接処理を行うなど、一日でも早い給付に向け、精力的に取り組んでおります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 書類が不備なのがあるから遅れているかのように言われますけど、ごく一部でしょうが。ごまかしたらいけませんよ。
 お尋ねしますけど、そのパソナとの契約では申請書の送付と10万円の給付はそれぞれいつまでに完了するようになっているのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 特別定額給付金事業につきましては、業務委託契約において申請書の送付や受付、審査に係るスケジュールについては、委託事業者と福岡市で適宜協議、調整の上、決定することといたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 仕様書に期限も書いていないんですか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 申請書の送付につきましては、仕様書の中で申請書や封筒の部数、仕様、必要書類の封入方法や発送の手順などを定めており、その納期については、委託事業者と福岡市で協議の上、定めることとしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) だからね、協議するとなっているんですよ。協議した結果、いつまでを納期と定めたのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 申請書につきましては、約82万世帯へ送付する申請書や封筒の作成、印刷、封入、DV避難者の申出に基づく申請書の引き抜きなど、大量の作業を短期間で行ってきたところであり、完成した申請書は5月29日までに発送を完了することとしておりました。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 5月29日、つまり5月末までに発送すればいいというね、こういうことが協議されておるわけですよ。マスコミでは当初、福岡市は5月中の給付を目指していると報道していましたよ。ところが、5月中旬になって市の説明は申請書の発送を5月中に終わらせるとなり、結局、申請書の各家庭への到着は6月にずれ込みました。振込時期については6月5日から順次行うとされていますが、どんな順番で届くのかも分からない。市のLINEにアップされているQ&Aでも、振込日について個別に答えることはできないと、極めて不親切な記載があるだけであります。申請書が届いてすぐ送ったのにまだ振り込まれない、もう生活費が底をつく、いつ頃になるのか見込みだけでも知りたい、こういうのが市民の今の切実な声ですよ。
 そこで、お尋ねしますが、そもそも島市長が給付期限も示さないままパソナとずさんな委託契約を結んだことが異常な遅れを生み出している根源ではないか、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 特別定額給付金事業につきましては、日々刻々と変化する様々な大量な事務処理に柔軟に対応するため、業務委託契約に基づき、福岡市と委託事業者間で適宜協議、調整を行いながら適切に事業進捗を図っており、おおむね予定どおりスケジュール管理ができているものと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) いつまでにやってしまえという期限も定めない契約があるもんですか。
 市民に対し外出等の自粛を要請したのは、市長、ほかでもないあなたであります。仕事に行けず収入が途絶え、暮らしに大きな打撃を受けている多くの市民に一刻も早く10万円を届け、急場をしのいでもらうというのが制度の目的です。今届けないといけないわけです。その責任は市長にあるんです。6月末になっても約半分にしか届かないなど、許されません。今からでも期限を切って、早急に市民の下へ10万円を届けるべきです。
 そこで、いつまでに届けさせるのか、市長はこの場で市民に約束していただきたい。明確な答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 特別定額給付金につきましては、先ほど申しましたように、オンライン申請と郵送申請を合わせますと7月10日までには全世帯の90%を超える約74万件の振込ができるものと考えており、市民の皆様に一日でも早く給付金がお届けできるよう、今後とも、精力的に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 完了期日を市民に約束もできないわけですよ。これは業務委託そのものが間違いだったということであります。
 そもそもパソナとはどういう企業なのか。国会で大問題となっている持続化給付金に関する業務委託において、20億円中抜き疑惑のサービスデザイン推進協議会。これを電通とともに構成している超大手派遣会社です。会長は竹中平蔵氏。彼は島市長が推進している国家戦略特区の仕掛け人の一人で、特区会議でも島市長の提案を持ち上げるなど、市長との仲も大変深いと言われております。この企業が本市における全市民への10万円の特別定額給付金事業でも荒稼ぎしているのではないか、解明していきたいと思います。
 そこで、委託金額は一体幾らなのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 特別定額給付金に係る業務委託の契約金額は6億8,202万8,490円でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 6億8,200万円。委託業務の内容について説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 委託業務の内容につきましては、約82万世帯へ送付する申請書や封筒の作成、申請書の発送業務、給付事務を管理するシステムの構築などのほか、コールセンターの運営として最大50名、申請書の受付や審査を行う事務処理センターの運営に最大140名、各区役所における相談受付補助要員として最大30名の人員を確保するなど、短期間で迅速かつ正確に申請書の送付及び給付金の支払いを進めるため、多岐にわたる業務となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) これですね、振込作業だけは市が行うんですね。それ以外の作業は全てパソナに丸投げしている。
 そこで、どのような経過、選定方法でパソナに決まったのか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 委託事業者の選定につきましては、令和2年4月23日に提案競技方式による事業者の公募を開始し、1社より4月28日に参加申込書の提出があり、4月30日の企画提案書の提出を経て、5月1日に選定委員会による審査を行い、評価結果が審査基準を満たしていたことから、本事業の委託事業者として株式会社パソナを選定したところでございます。その後、事業者とは提案内容等を基に最終的な仕様を決める協議を行い、見積合わせの上、5月1日に契約を締結しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 1社しか参加しなかったということで、5月1日に競争はしないまま決めたということであります。これで提案競技というのは、無理があります。
 ちなみに、提案に対する評価点数については何点だったのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 提案競技につきましては、事業者からの企画提案書を基に、その提案について審査を行う選定委員会を設置しており、全委員の平均評価点が100点満点のうち60点未満、もしくは50点未満の委員が一人でも存在した場合は失格としております。参加者が1社の場合でも同様の審査を行うこととしており、今回の企画提案については、100点満点のうち全委員の平均評価点が66.6点かつ50点未満の委員がいないことから、今回の委託事業者を最優秀提案者として選定しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 100点満点でいうと66点だったけれども、ここ1社しか参加しなかったので、ここに決めたというわけですよ。
 提案競技というのは名ばかりで、契約方法としては随意契約をしていますよね。答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 契約方法につきましては、提案競技方式による事業者公募を行い、事業者を決定しており、その事業者と提案内容等を基に最終的な仕様を決める協議を行い、見積合わせによる随意契約により契約を締結しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) そもそも随意契約でよいのかというのが問題になります。過去の度重なる談合等の事件を受け、財務省が公共調達の適正化についてという通知を出しています。この中では、行政補助的な業務に係る役務等の契約は、原則として、価格競争による一般競争入札によるものとするとされております。
 今回の業務はまさに行政補助的な業務であり、随意契約としたのはこの通知に照らして問題ではないか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 特別定額給付金事業につきましては、事業者公募を提案競技方式により実施し、事業者の特定を行った上で随意契約を締結したものであり、適切なものと考えております。
 なお、短期間で事業者を決定する必要があるため、特命随意契約も可能であるとの国からの通知が出されており、多くの政令指定都市では公募によらない特命随意契約が締結されておりますが、福岡市では透明性を確保するため公募による提案競技を実施しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) よう言いますね。適正だと言われるんですけどね、通知では冒頭に、いやしくも国民から不適切な調達を行っているのではないかとの疑念を抱かれるようなことはあってはならないと断じております。パソナへの随意契約は最初から決まっていたのではないかとの大きな疑念を抱かせるものであり、それ自体が許されるものではないということを指摘しておきます。
 次に、6億8,200万円という契約金額に決まった経緯と根拠について説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 契約金額につきましては、過去の給付金事業の実績などを参考に、コールセンターに必要な電話回線数や事務処理センターの規模、印刷発送量などの数量を算出し、公共単価や市場価格などを用いて設計金額を定め、事業者の見積金額が設計金額内であることを確認し、契約したものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) つまり、パソナ側の言い値で決まっているわけですよ。
 そこで、市が設計書を確定して、いわゆる予定価格を決定したのはいつなのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 設計金額を決定した日につきましては、令和2年5月1日でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 5月1日ですね。そして、パソナから見積りが出されたのはいつなのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 株式会社パソナから見積りが提出された日につきましては、令和2年5月1日でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) これも5月1日ですね。そして、島市長名でパソナとの委託契約を交わしたのはいつか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 委託契約締結日につきましては、令和2年5月1日でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) これも5月1日なんですよね。さらに見ていきますが、私の調査では、パソナは受託した業務の多くを別会社に再委託していますね。契約の際に確認する仕様書では、再委託の場合は事前に書面で申請し、承諾を得ることとされております。
 そこでまず、印刷発送業務はどこに再委託したのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 印刷発送業務の再委託先につきましては、凸版印刷株式会社でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 凸版印刷。ここに再委託することがパソナから市に申請されたのはいつか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 凸版印刷株式会社への再委託の申請日につきましては、令和2年5月1日でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 5月1日。そして、市が承諾したのはいつか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 承認日につきましては、令和2年5月1日でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 次に、問合せ等に対応するコールセンターの再委託先はどこか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) コールセンターの再委託先につきましては、ビーウィズ株式会社でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) ビーウィズ株式会社。では、パソナが市にここへの再委託を申請したのはいつか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 再委託の申請日につきましては、令和2年5月1日でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) この申請も5月1日。市が承諾したのはいつか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 承認日につきましては、令和2年5月1日でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) ほかにもシステム開発やサポート等で6社に再委託をしています。申請、承諾、全て5月1日ということなのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) コールセンター業務、印刷発送業務以外の再委託業務につきましては、チャットボット開発、メンテナンス業務や、外国人留学生の採用アドバイザー業務、コールセンターにおける通訳業務、給付金管理システムの構築業務など、6社に再委託が行われており、再委託の申請及び承認日はいずれも令和2年5月1日でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 全て5月1日です。これまでの一連の流れを整理すると、議会が予算を可決した5月1日に市は6億8,700万円の事業設計書を作った。同じ日にパソナに見積りを出させ、提示された6億8,200万円でオーケーと局長が決裁した。ほぼ同じ額ですよね。そして、その日にパソナと契約した。パソナはその日に自らの子会社、先ほどのビーウィズもそうなんですけど、この3社を含む8社への再委託申請を出した。市はその日のうちに8社分全ての再委託を承諾した。こういうことですね、確認させてください。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 委託契約につきましては、令和2年4月23日に提案競技方式により事業者の公募を開始しております。また、4月27日には福岡市から提案競技実施要領の中で6億9,100万円の額を提示しております。その後、パソナから4月30日に企画提案書の提出及び6億9,080万円の額での提案がございました。そして、5月1日に選定委員会による審査を行い、評価結果が審査基準を満たしていたことから、本事業の委託事業者として株式会社パソナを選定したところでございます。その後、事業者とは提案内容等を基に最終的な仕様を決める協議を行い、見積合わせした上で、5月1日に契約を締結しております。また、事業者が5月1日に提出してきた再委託先、再委託の範囲、期限等が記載された再委託承諾申請書を基に、福岡市が5月1日に承諾を行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) これね、すさまじいスピード委託です。これは聞きよる皆さんは驚くんではないでしょうかね。普通はあり得ませんよ。事前に仕込んでいたとしか考えられません。結局、4月20日に国の第1次補正が閣議決定されて、本市には大体10億円程度の事務費が国から来ることが分かったんですね。その時点でパソナに委託してもうけさせることが決まったと。そして、パソナは事業の大部分を再委託して、関係の深い企業と利益を分け合うという流れが市とパソナとの間で出来上がった。それで、書類は早くから作られ、日付は便宜上、5月1日にそろえた。これが事の真相にほかならないと思いますが、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 特別定額給付金につきましては、一日でも早く市民の皆様にお届けすることが求められており、事業に早期に着手するため、事業者側が再委託事業者とも調整、協議の上、応募してきたことから、5月1日に契約し、事業着手体制が整ったものと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) それで早く届いとりゃいいけどね、全然違うやないですか。
 苦しい言い訳をされるわけですけれども、今言った私が示した流れが違うと言うんだったら、もう一つの可能性はこうですよ。この質問に当たって、私は先週から関係資料を請求しましたが、請求してから出されるまでに、遅いものは3日かかりました。存在する文書をコピーするだけでしょうに、なぜなのか。実は設計書も、各種決裁文書も、再委託申請書も、承諾書も、提案競技の採点表も存在していなかったので、私の請求後、慌てて後追いでつじつま合わせに書類を作った。だから、全部日付は5月1日でそろえたということです。
 確かに関係書類の日付は全部5月1日でそろっているんですよ。パソナとの契約金額は相手の提示どおり。再委託も追認。提案競技はまともにやっていない。福岡市とパソナはまさにずぶずぶの関係で、早々に決まっていた。こっちの線も私はあるのかなと思いますけど、局長、当たっているんではないですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 中山議員の想像力には敬意を表しますが、私どもは全くそういうことはございませんで、委託契約につきましては、提案競技方式による事業者公募を行い、事業者からの企画提案を基に、選定委員会での選定結果を踏まえて事業者を決定したものであり、適切かつ透明性を高めてきちんと契約を行ったものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 結構推理小説が好きでね、子どもの頃、読んだんですよね。
 これは誰が見ても出来レースだと思います。パソナへの委託は決め打ちだったという疑念は拭えません。
 ところで、パソナが8社に再委託したとされる契約金額は合計で幾らになるのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 再委託の契約金額は2億3,144万5,855円でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 2億3,000万円余であれば、残り4億5,000万円がパソナが業務に充てる経費と利益分ということになります。
 そこで、パソナ本体は一体何の業務を行っているのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 株式会社パソナにつきましては、特別定額給付金業務全体の統括管理を担っており、各再委託先との業務調整や協議、進捗管理を行うとともに、本委託の主要業務である申請書の受付、審査、給付金の振込処理などを行う事務処理センターの運営並びに区役所等における相談受付の補助を行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 事務処理センターと区役所等の相談受付補助だけというのが実質な業務です。
 2つの業務について市がつくった設計額はそれぞれ幾らか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 福岡市の設計書の見積額につきましては、直接業務費でお答えいたしますと、事務処理センター運営業務は3億2,981万1,000円、区役所等相談受付補助業務は3,300万5,200円でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 事務処理センターの3億3,000万円のうち、人件費全体は幾ら見積もっているのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 福岡市の設計書における事務処理センターの人件費は1億9,405万1,000円でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 1億9,000万円と。その内訳について、さらに具体的にお尋ねします。
 全体を統括する責任者の人件費は日額単価で幾らに設定されているか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 福岡市の設計書における全体統括責任者の人件費日額は6万9,800円でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 1日約7万円。すごいですね。その高さに耳を疑います。
 ほかにも管理職が置かれているようですが、管理職全体の平均日額についてお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 福岡市の設計書における管理職全体の平均日額は約3万8,000円でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) これね、私がもらった資料で計算するのとちょっと違うんだけれども、いずれにしても4万円前後ですよ。高いんですね。
 では、一般事務を行う従事者についてはどうですか。こちらも8時間勤務として、日額換算でお願いします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 福岡市の設計書における一般事務の時給は1,850円、日給は1万4,800円でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) その額が従事者に支払われるのか。実際にパソナの求人広告を見てみると、福岡市内では行政関係の業務で時給は1,200円程度とされています。これと比較すると650円も高い設計額です。日額にすれば5,200円も高く見積もっていることになります。加えて、市の設計よりも実際には少ない人員配置しかせず人件費を浮かせていると。このような差額がパソナの利益となっていくわけです。
 そこで、パソナはこの事務処理センター業務で一体どのくらいの利益を生むのか、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 契約金額につきましては、先ほど申しましたように、過去の給付金事業の実績などを参考に、コールセンターに必要な電話回線数や事務処理センターの規模、印刷発送量などの数量を算出し、公共単価や市場価格などを用いて設計金額を定め、事業者の見積金額が設計金額内であることを確認し、適切に契約しており、契約金額は適正であると考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 分からないと言われるんだけれども、過去からそういう委託については相当な利益を与えるということで設計書を作られていたと思うんですね。今回もかなりのもうけが出る見積りになっています。事前に頂いた資料を見るとね、区役所等の相談受付補助も同様にかなり高めの設定になっています。
 そこで、お尋ねしますが、パソナに大きな利益をもたらすようにお手盛りの設計書を作ったのではないか、答弁を求めるものであります。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 繰り返しになりますが、契約金額につきましては、公共単価や市場価格などを用いて設計金額を決め、事業者の見積金額が設計金額内であることを確認し、適切に契約しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 否定されますが、パソナの子会社のビーウィズに再委託されたコールセンター業務でも必要経費よりもかなり高めの設計となっています。
 そこで、お尋ねしますが、市民へ急いで給付金を支給しなければならない業務を必要以上の経費をかけて大手大企業に委託し、大もうけを上げさせることに全く道理はないと思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 特別定額給付金事業につきましては、提案競技による公募の結果、事業者として株式会社パソナを選定したものであり、契約については適切であると考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 大体ね、4月23日に公募して、5月1日までに提案を出せということ自体が無理なんですよ。これをクリアできたのはパソナだけなんですね。それで支給業務はここまで遅れていると。
 最初から公共施設などを活用して事務処理センターにし、市が直接従事者を大量に雇用して作業を行えば経費も抑えられ、大幅にスピードアップできたのではないかと思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 特別定額給付金業務につきましては、約82万世帯へ送付する申請書や封筒の作成、申請書の発送業務、給付事務を管理するシステムの構築などのほか、コールセンターの運営、申請書の受付や審査を行う事務処理センターの運営など、短期間で迅速かつ正確に申請書の送付及び給付金の支払いを進めるため、多岐にわたる大量の業務を行う必要があり、業務の効率化及び給付の迅速化が図られることから業務を委託したものでございます。
 なお、今回の福岡市の委託契約金額につきましては、人口100万人以上の政令指定都市においては最も低廉なものとなっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) ほかの都市のことをいろいろ言いよったら、また問題になりますよ。市民は本当に怒っていますよ。そしてまた、困っている。10万円が届かないために見込みが狂い、さらに困窮に陥っている市民もいます。大事な給付金制度が市長のお友達の企業のもうけづくりに利用され、肝腎な市民には必要なときに届かないというのは、まさに本末転倒であります。迅速かつ的確に家計への支援を行うという制度の趣旨をねじ曲げることは許されません。
 したがって、島市長はパソナとのずさんな契約を行い、10万円の給付を大幅に遅らせ、市民の苦しみを広げていることについて謝罪すべきではないか、お尋ねいたします。
 さらに、その上で、市長の責任で事務処理作業を大幅に前倒しさせ、振込作業についても体制を強化し、一刻も早く全市民に届けるための手だてを取るべきだと思いますが、この問題の最後に島市長の答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 特別定額給付金につきましては、これまでも担当部局の適切な進捗管理の下、受託事業者において鋭意事務を執行してきたところであり、先ほどの局長の答弁のとおり、人口100万人を超える政令市と比較しても早いペースで進んでおりますが、今後とも、一日でも早く特別定額給付金を市民の皆様のお手元に届けることができるように引き続き全力で取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 反省がないんですよね。被害を被っている市民の怒りは広がっているということを重ねて指摘しておきます。
 次に、再度の緊急事態宣言を回避するための新型コロナ検査体制の抜本的強化についてです。
 北九州市や東京都での新規感染者の拡大に見られるように、ウイルスによる市中感染は続いており、第2波に備え感染者を早期に発見し、症状に応じた医療と隔離を行う必要があります。日本の人口当たりPCR検査数はいまだにヨーロッパ諸国の20ないし30分の1など、諸外国に比べて桁違いの少なさであり、検査の在り方を根本から見直し、大規模に行える体制を整えることが必要です。そのような中、本市においては4月、5月と臨時議会で立て続けに予算を確保し、PCR検査センター等の拡充を図ってきました。
 そこで、市内で検査できる箇所数は4月までと比較し、5月以降でどのくらい増えたのか、また、1日当たりの検査能力は4月までと5月以降でどう変化したのか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) PCR検査につきましては、4月までは帰国者・接触者外来で検体を採取し、保健環境研究所において検査を実施しておりました。その際、4月における検査能力につきましては1日当たり約240件でございました。5月以降は民間の検査を行います地域外来・検査センターを4か所増設し、新たに1か所当たり1日最大50件の検体採取が可能になるなど、民間検査が充実してきましたため、現在では保健環境研究所と合わせて1日当たり少なくとも440件の検査が可能となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 拡充してきたわけです。
 そこで、4月において1日で行った最高の検査数と1日当たり平均検査数は何件か、5月、6月についても同様にお示し願います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) まず、1日当たりの最大検査数につきましては、4月が302件、5月が137件、6月は12日までで169件となっております。また、1日の平均検査数につきましては、4月が130件、5月が57件、6月は12日までで104件となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 答弁のように、検査体制を拡充したのに、5月には検査数が逆に大幅に減少し、6月においては少し増えているものの、検査能力からすれば大きな乖離があります。4月までは感染症相談ダイヤルから保健所に連絡が行き、保健所が必要だと判断した場合のみ帰国者・接触者外来で受診し、検査を受けるという流れでした。5月からは地域のいわゆるかかりつけ医の判断によって、医師会に市が委託している地域外来・検査センターへ紹介されれば診療、検査が受けられるという流れも加わりました。このように、検査にこぎ着ける流れ自体は大きく広がった。ところが、全体の検査数は伸びていない。
 そこで、これはなぜなのか、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) PCR検査につきましては、医師の判断によりまして必要な方に対して実施するものでありまして、希望される全ての方が検査を受けられる仕組みにはなっておりません。したがいまして、検査数につきましては、その時々の感染状況によって変化することになりまして、検査能力が上がったからといって必ずしも増加するものではございません。検査数が急増した4月に比べまして、現在、感染状況が落ち着いているという中で、医師が検査を必要と判断する患者の数が減ってきていることが検査数減少の主な要因になっているものと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 医師の判断によると従来からの答弁を繰り返されますが、責任転嫁はいけませんよ。5月8日にはそれまで厚労省が保健所等に示していた検査の目安が緩和されました。37度5分以上の発熱が4日以上続く場合など、科学的根拠が乏しく、受診や検査を遠ざけ重症化を招くなどとして国会でも大問題となった結果です。
 そこで、現在では相談の目安についてどう改善されたのか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 変更後の相談、受診の目安につきましては、息苦しさ、強いだるさ、高熱等の強い症状のいずれかがある場合、重症化しやすい方で発熱やせきなどの比較的軽い風邪の症状がある場合、これら以外の方で発熱やせきなどの比較的軽い風邪の症状が続く場合などにはすぐに御相談いただくこととなっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 強い症状がある場合、重症化しやすい方の場合、比較的軽い風邪の症状が続く場合という3つの条件が示されています。
 このうち、どれかに該当しなければ相談さえ受けられないという運用は、体調悪化や感染の不安を抱え、検査を希望する人にとっては引き続き高過ぎるハードルになっているのではないか、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 相談、受診の目安につきましては、国におきまして必要な方が適切なタイミングで医療を受けられる体制を確保することを目指して改定されたものでございまして、その趣旨を踏まえて適切に運用してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 適切にと言われましたが、どれにも該当しない場合は現状では検査を受けられないんです。ある障がい者グループホームで暮らす男性が平熱より0.5度ほど高い微熱が3日間続き、施設の責任者が保健所に検査の相談をしたが、様子を見ましょうとなりました。この方自身に風邪の症状があるかと尋ねても、うまく表現できないわけですよ。1週間経過しても熱は下がらず、再度保健所に検査の要請をしたが、検査要件に該当しないとかたくなに拒まれました。もし感染していたらクラスターになりかねないとの必死の訴えも受け入れられませんでした。あまりのしゃくし定規な対応に理事長が厚労省に相談したところ、機械的な対応であり問題があるとの見解でした。
 そこで、局長は保健所のこのような対応は問題だと思われませんか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) まず、電話相談に当たりましては、症状の聞き取りを行いまして、相談、受診の目安に該当するかを確認した上で、感染が疑われる方を適切に受診につなげております。また、相談、受診の目安に該当しない場合でありましても、症状等に応じて柔軟な対応を行うことといたしておるところでございます。
 御指摘のような事例につきましては、まずはかかりつけ医の受診が可能かを確認した上で、受診ができない方につきましては帰国者・接触者外来の受診につなげ、医師の判断により検査を実施する、こうした対応となるものでございますが、電話相談窓口には多くの相談が寄せられておりまして、電話口のみのやり取りとなりますために、こちらの御説明がきちんと届いていないということが考えられますので、事例を周知し、現場の対応を再確認するなど、適切に対処してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 対処していただきたいんですけどね、念のため、もう一つあるんですよ。介護施設入所中の90歳の女性は39度5分の発熱のため、施設から連絡を受けた家族が相談ダイヤルに相談したけど、駄目。かかりつけ医に相談するよう言われ、電話で相談したけれども、検査までは必要ないとされました。90歳で高熱なのに、不思議にも重症化しやすいという目安に当てはまらなかったと。これは解せないんですね。別の病院を紹介されて、PCR検査はしないまま受診したところ、CT検査の結果、別の疾患が見つかり、即入院となりました。いまだにPCR検査はなされていません。相談ダイヤルとかかりつけ医という二重の壁がPCR検査を阻む事例であります。このような対応を続けていたのでは、感染を見逃し、重症化して手遅れになったり、目に見えない市中感染を拡大させたりすることにもなりかねません。
 そこで、これまでの機械的な対応を改めるよう、保健所に対して指導、改善するとともに、かかりつけ医としての役割を果たしている医療機関に対しても柔軟な対応で検査を推奨するよう要請すべきではありませんか、御所見をお願いします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 相談、受診の目安につきましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、適切な受診につなげていくために改定されたものでございます。こうした趣旨をしっかり踏まえ、帰国者・接触者外来の受診につなげて、医師の判断により検査を実施する、こうした流れを、しっかり事例を周知しまして、現場の対応を再確認するなど、適切に対処してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 適切な対応を求めたいと思いますが、人員不足で過酷な状況となっている保健所体制の充実と併せて対応を求めておきたいと思います。
 ところで、全体として極めてPCR検査に対して消極的なんですよね。局長の答弁にも表れているように、現場の医師任せにしている根本姿勢に問題があると言わなければなりません。去る5月26日、広島、岩手、愛知など、18道県の知事が提言を出しました。感染拡大を防止しながら一日も早く経済・社会活動を正常化し、日常を取り戻すための緊急提言というものです。この中では、積極的感染拡大防止戦略への転換として、有症者、症状がある者に対してのみ検査を行うこれまでの受動的な検査の発想を転換し、PCR検査をはじめとする検査を大規模に拡大し、感染者を早期発見することが提起されています。
 この提起に本市も学び、検査対象をごく狭い範囲に限定する姿勢を根本的に改めるべきではないか、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 感染症対策におきまして検査体制の強化は必要でありまして、全国的にもPCR検査センターの整備が進むなど、医師が必要と判断すれば迅速に検査できる体制が整ってきております。一方で、国民全体で検査すべきなど、検査の抜本的な拡大、こういった議論があることは承知しておりますが、現在の我が国では、検査の機器、検査の人員、試薬など、検査資源が全員検査、多くの検査に対応できる水準にはおよそまだ達しておりません。このため、限られた検査、医療資源の適正配分の観点から、現時点では重症、重篤者を診療する医療機関に優先して資源を供給するなどのために、希望する人全てではなく、医師の判断で必要とされた人に検査を行う仕組みとされているものと理解しております。
 もちろん今後とも、検査の拡大を図っていくことが重要でございまして、それに向けましては、急激な対象拡大により資源の不足と混乱が生じることのないよう、検査能力や医療資源の拡大に応じて段階的、計画的に行っていくことが不可欠であり、また、一自治体だけで行うのではなく、国が示す指針や戦略に基づいて広域的に行っていくことが必要であると考えております。したがいまして、福岡市といたしましては、医師が必要とする方が確実かつ迅速に検査を受けることができるように検査体制の充実に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 医師が必要とすればということから抜け出さないんだけれども、今ならこの検査数を増やすということをやれるんですよ。今やっておく必要がある。この道しかないと思います。これまでの有症者に絞る検査では経路不明者が増え、結局、経路が追えなくなって緊急事態になる。これを回避するためには、諸外国のように10倍、20倍と検査数を増やす。3億円も予算を組んで拡充した検査体制を生かすべきです。また、提言では検査対象をあらかじめ適切に設定することの重要性を指摘しています。ハイリスク者の中でクラスターが発生することを防止し、重要な社会的機能を守るために、症状の有無にかかわらず、医療従事者及び入院者並びに介護従事者及び介護施設利用者等、医療、介護、障がい福祉関係者について優先的に検査を行うことを提起しています。
 これは現場の切実な願いでもあり、やるべきだと思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 繰り返しになりますが、PCR検査につきましては、医師が感染を疑う人に対して検査を行う仕組みとなっております。福岡市では、患者が発生した際には全ての濃厚接触者に対して、症状の有無にかかわらず検査を行っております。これに加えて、感染リスクの高い医療機関や介護施設において患者が発生した際には、濃厚接触者ではない職員や入院患者、入所者などに対しても幅広く検査を実施しているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) いや、前提が狭いんですよね。
 それならばね、これまでの本市における感染者のうち、医療、介護現場等におけるクラスターによる感染者はどのくらいになっているか、その実態について答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) クラスター感染者の数については現在持っておりません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) これね、クラスターが起きたというのは、福岡市では例外なく医療現場、そして介護現場ですよ。その実態を踏まえれば、院内、施設内感染をいかに止めるかが重要なことは明らかであります。岐阜大学前学長で東大名誉教授の黒木登志夫氏は、院内感染防止に成功した3つの病院の取組を分析し、接触した可能性がある人、職員、入院患者のPCR検査を徹底したことが成功の要因だとしています。
 したがって、国の方針転換を待つのではなく、まず、医療、介護、福祉等の職場では職員、患者、入所者全員に検査を受けてもらうことを市の方針とすべきではないかと思いますが、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 繰り返しになりますが、PCR検査につきましては、医師が感染を疑う人に対して検査を行う仕組みとなっております。これにつきましては、限られた検査、医療資源を必要な方に充当するという考え方で行われております。福岡市といたしましては、必要な方に対して速やかに検査が行われるよう検査体制の充実に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中山郁美議員。
○50番(中山郁美) 現場の実態を見るべきです。本市においても、第1波の際にはクラスターを止めることができなかったという痛恨の反省を生かすべきです。医療現場では防護服がいまだに不足している中、最前線でコロナと闘いながらも、従事者たちは皆、自分も感染しているんではないか、家族に感染させたらどうしようと不安を募らせています。仕事そのものが濃厚接触を伴う介護や障がい福祉の現場でも同じです。今、医療現場や介護、福祉の現場に対して求められているのは、大規模な財政支援とともに、感染拡大防止の手だてであり、検査です。
 したがって、本市におけるPCR検査については、濃厚接触者や重症者のみに限定する受動的な検査姿勢から脱却し、対象者を抜本的に広げ、検査数を10倍、20倍と飛躍的に増やすとともに、医療、介護、障がい者福祉等の現場では職員、患者、利用者、家族等を無条件で検査対象とするなど、緊急提言の方向で積極的感染拡大防止戦略への転換を図り、実行に移すべきではないかと思いますが、島市長の答弁を求め、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 新型コロナウイルス感染症の拡大防止に当たりましては、ウイルスは身近に存在しており、第2、第3の波は必ず来るという前提で備えておく必要があると考えております。福岡市といたしましても、第2波に備えて感染拡大の兆候を早期に把握し、迅速な対応が取れるように市内の感染状況をモニタリングするとともに、ドライブスルー方式のPCR検査センターを増設して検査体制の充実に取り組んでいるところでございます。今後とも、検査が必要な方が速やかに検査を受けられるよう検査体制の充実に努めてまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ)登壇 おはようございます。まず初めに、このたび新型コロナウイルス感染症によってお亡くなりになられた方に哀悼の意を表すとともに、御遺族の方に心よりお悔やみ申し上げます。また、感染された方の一日も早い回復と新型コロナウイルス感染症の一日も早い収束を心よりお祈りいたします。
 今般の新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するため、3月初めに学校が臨時休校となり、その後、4月7日には緊急事態宣言が発出され、長期にわたり不要不急の外出自粛や在宅勤務が求められるとともに、事業者に対する休業要請が行われるなど、我々の日常生活や社会の状況はこれまでとは一変しました。
 そこで、私は自民党新福岡を代表して、この社会状況の変化を踏まえ、持続可能な水道事業の運営について、コロナ禍の現状と今後のごみ対策について、交通事故、犯罪状況及び防犯施策の推進について、以上3項目質問してまいります。
 まず初めに、持続可能な水道事業の運営についてです。
 新型コロナウイルス感染症の拡大状況においては、一人一人ができる感染症対策として、かつてないほど手洗いやうがいが勧められているところですが、これらは安全な水があってこそできることであります。安心して使える水が途切れることなく、24時間いつでも市民の皆様の下に届くことは当たり前のようですが、改めて水道が福岡市民160万人の命、生活を守るために必要不可欠なライフラインであることを認識したところであります。また、市民の暮らしを支えるため、感染症対策の最前線で働く医療現場や介護、保育などに従事されている方々に対しましては、尊敬の念に堪えないところです。同じく感染リスクがある中で、電力やガス、公共交通機関、そして、水道といった社会インフラを維持するための業務に携わるエッセンシャルワーカーの方々の存在なくして、私たちの生活は成り立ちません。
一方、緊急事態宣言の際には人々の行動を変えることが最も重要とされ、人と人との接触機会を最低7割、極力8割削減することを目指すとして外出の自粛が強く求められました。このため、いわゆるステイホームとして、大人も子どもも家庭で過ごす時間が多くなり、家庭で水を使用する機会も増えたと考えられます。一方で、イベントの自粛や休業要請による経済活動の停滞、在宅勤務の推進によってオフィスや飲食店などで使用する水の量は減少したと思われます。
 そこで、お尋ねしますが、新型コロナウイルス感染症の影響で生活が一変した3月から5月の使用状況が最も反映される5月検針分の使用水量と料金収入について、家庭で使われた家事用とオフィスや飲食店などの事業で使われた家事以外用がそれぞれ前年度の状況と比べてどうなっているのか、お尋ねいたします。
 以上で1問目を終わり、2問目からは自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 坂本水道事業管理者。
○水道事業管理者(坂本秀和) 水道料金の検針は、地区ごとに偶数月、奇数月に行っておりますので、おおむね半数の使用者の状況ということになりますが、まず、5月検針分の使用水量につきましては、家事用は令和元年が962万立方メートル、令和2年が1,025万立方メートルで、前年度と比べ63万立方メートル、率にして6.5%増加しております。また、家事以外用については、令和元年が228万立方メートル、令和2年が168万立方メートルで、前年度と比べ60万立方メートル、率にして26.3%減少しております。
 次に、5月検針分の料金収入についてお答えいたします。
 家事用につきましては、令和元年が約15億8,000万円、令和2年が約16億8,000万円で、前年度と比べ約1億円、率にして6.5%増加しております。また、家事以外用については、令和元年が約9億2,000万円、令和2年が約6億6,000万円で、前年度と比べ約2億6,000万円、率にして28.1%減少いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) やはり家庭での使用量が増えており、一方で、オフィスや飲食店などで使う量は減っているということになります。料金収入も同じ傾向ですが、トータルでは減収となっているようです。家庭での使用量が増えていることから、中には水道料金の支払いでお困りの方もいらっしゃると思います。
そこで、お尋ねしますが、新型コロナウイルス感染症の影響により水道料金の支払いが困難な方に対して、どのような対処をされているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 坂本水道事業管理者。
○水道事業管理者(坂本秀和) 水道局におきましては、現在、新型コロナウイルス感染症の影響により水道料金の支払いが困難なお客様を対象に支払い期限の延長を行っているところでございますが、令和2年6月12日現在で1,743件の相談があり、これらの全てについて支払い期限を延長いたしております。他都市の中には、あらかじめ支払い延長の期限を設けているところもございますが、福岡市では延長の期限を定めることなく、相談者の個々の状況に応じた、きめ細やかな対応を行っております。さらには、相談がなく料金をお支払いいただけない状況となった場合におきましても給水を継続しているところであり、今後とも、お客様に寄り添った丁寧な対応に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 水道局では、新型コロナウイルス感染症の影響により料金支払いでお困りの方に対して、相談があったもの全て支払い期限を延長しており、支払い期限も定めることなく、個々の状況に応じて対応されているとのことです。このような、市民に寄り添った丁寧な対応をされている水道局の姿勢を高く評価するとともに、今後も引き続き個々の相談に寄り添ったきめ細やかな対応をぜひともお願いしたいと思います。
 そして、安全な水を市民の下に届けるためには、基盤となる水道施設の整備や管理が極めて重要なことですが、近年は全国的に水道管の老朽化による漏水が発生し、断水や濁水、道路の冠水など、市民生活や社会経済活動に影響を与える事故も発生しております。本市の配水管の総延長は約4,000キロメートルを超えると聞いておりますが、4,000キロと言うと、福岡から北海道までの往復の距離になります。この市内一円に埋設される膨大な長さの配水管を健全な状態で管理していくことは非常に大変なことだと思いますが、命に直結する大切な水を市民に絶え間なく供給し続けていくためには適切に維持、更新していくことが必要不可欠であります。
 そこで、お尋ねしますが、本市の配水管について更新の考え方、計画をお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 坂本水道事業管理者。
○水道事業管理者(坂本秀和) 配水管更新の考え方につきましては、実際に道路を掘削して管の腐食状況や埋設土壌、地下水の状況等を調査、分析した上で、それぞれの埋設環境を踏まえた配水管の実質的な耐用年数を40年から120年程度と見込み、この実質的な耐用年数以内に更新していくこととしております。
配水管の更新計画につきましては、平成29年度に策定いたしました福岡市水道長期ビジョン2028において、更新延長を年間40キロメートルから45キロメートルにペースアップしており、これにより平成30年度末時点で実質的な耐用年数を超過した配水管約263キロメートルの更新を令和8年度までに完了させることができるため、それ以降は実質的な耐用年数を超過することなく順次更新ができるようになり、健全な状態で配水管を維持することが可能となるものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 本市では約4,000キロメートルを超える配水管が適切に更新され、しっかり計画的に取り組まれているようで安心いたしました。市民の命、生活を守るライフラインである水道に関しては、緊急事態だからといって必要な整備が行われなければ市民生活に大きな影響を及ぼしかねません。
 そこで、新型コロナウイルス感染症の影響により本市の配水管更新工事に支障は生じていないのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 坂本水道事業管理者。
○水道事業管理者(坂本秀和) 水道局におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた措置を促す国からの通知に基づき、本年3月初めに既に契約いたしておりました149件の受注者に工事の一時中止の意向を確認したところ、配水管更新工事では1件の申出がありましたが、その後、3月中旬には工事を再開いたしております。また、国の緊急事態宣言が出された4月初め及び宣言の期間が延長されました5月初めにも同様の調査を行いましたが、いずれも一時中止の申出はありませんでした。これまでの間、福岡市の配水管更新工事の現場では作業に従事する者の感染は確認されておらず、工事に必要な作業員の確保や管材の調達にも問題はなく、工事に支障は生じておりません。引き続きこの状態を継続していくため、全ての作業従事者に対し感染予防策を徹底しますとともに、メーカーに管材の備蓄を働きかけるなど、更新工事の進捗に支障が生じることがないよう万全を期してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 工事への影響は生じていないということで、ひとまず安堵いたしました。今後も配水管の更新工事の進捗に支障が生じないよう、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 今、私たちはウィズコロナと言われるように、新型コロナウイルスとの共存を前提として生活していくことが求められています。安全な水道水は、感染症対策のみならず、熱中症の予防、公衆衛生の向上など、市民の命を守る最も重要なライフラインです。今回のような未知のウイルスの出現や大規模な災害によって社会が困難な状況に陥っているときは、なおのこと安全な水の供給を絶対に止めてはなりません。このため、水道施設における感染予防には万全を期する必要があります。
また、老朽化し、大量更新期を迎える配水管をはじめとした水道施設については、計画的に更新を進めていくとともに、大きな災害にも耐え得るよう、耐震化などにもしっかり取り組み、確実に次の世代に引き継いでいく必要があります。そのためには料金収入を基本とした独立採算性の下、安定した経営を行っていくことが何よりも重要です。水道局に対しては、将来にわたって安全な水を供給し続け、市民の健康と命を守り抜いていくという崇高な使命を果たしていくことを強く望みます。
 最後に、市民の命、健康を守るライフラインである水道事業の今後の運営について、水道事業管理者の決意をお尋ねし、この質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 坂本水道事業管理者。
○水道事業管理者(坂本秀和) 中島議員御指摘のとおり、水道は市民の命と生活を守る極めて重要なライフラインであり、水道事業者はどのような危機的状況下にあっても安全、安心な水道水を供給し続けるという重大な使命を担っておりますことを、今般の新型コロナウイルスの感染拡大に接し、改めて強く認識したところでございます。この使命を果たしていくために、老朽化した配水管の更新をはじめ、浄水場の再編や施設の耐震化などに計画的に取り組み、水道施設の基盤の強化を図りますとともに、新型コロナウイルス感染症対策につきましても、要員及び物資の確保や感染予防措置の徹底など、万全を期しているところでございます。今後、新型コロナウイルス感染症の影響により料金収入の大幅な減収が懸念されますが、より一層の計画的、効率的な事業運営に努め、安定的な経営の持続を図りながら、福岡市水道長期ビジョン2028に掲げる事業計画を着実に実施し、将来にわたり安全で良質な水道水を安定して供給し続けてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 次に、コロナ禍の現状と今後のごみ対策についてです。
 ここでは、水と同様に、市民生活に密接な関係があるごみについてお聞きしてまいりたいと思います。
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛が長く続き、また、働き方も多様化しており、テレワークやオンラインでの会議など、在宅勤務を行った方も多く、家にいる機会が増えたため、家庭ごみが非常に増えているのではないかと思っております。ごみ減量につきましては、これまでも循環型社会の構築に向けて様々な施策に取り組んでいただいていると思います。全国でも数少ない、人口が増加し続けている状況の中、福岡市の皆様の御努力もあり、市民1人1日当たりのごみ処理量は着実に減っております。今回は、3月から5月の3か月が通常の生活環境が大きく変わった中で、ごみがどう変わったかを比較し、これからもまだ続く新しい生活様式の中でごみ対策をどう進めていくのか、お尋ねいたします。
 まず、家庭ごみが増え、反対に事業系ごみは減っているのではないかと思いますが、3月から5月の3か月間の家庭ごみ、事業系ごみ、それぞれの処理量と前年と比較してどうだったのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) 3月から5月の3か月間のごみ処理量につきましては、速報値となりますが、まず、家庭ごみは令和2年が8万1,607トンで、前年同時期と比較して4,833トン、6.3%の増となっております。次に、事業系ごみは令和2年が5万5,242トンで、前年同時期と比較して1万6,955トン、23.5%の減となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) やはり家庭ごみがかなり増えているようですが、3月から5月の3か月間の家庭ごみのうちで、可燃ごみ、不燃ごみ、粗大ごみそれぞれの処理量と前年と比較してどうだったのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) 3月から5月の3か月間の家庭ごみのうち、可燃ごみ、不燃ごみ、粗大ごみそれぞれのごみ処理量につきましては、速報値となりますが、まず、可燃ごみは令和2年が7万4,273トンで、前年同時期と比較して3,564トン、5.0%の増となっております。次に、不燃ごみは令和2年が5,346トンで、前年同時期と比較して1,033トン、24.0%の増となっております。次に、粗大ごみは令和2年が1,989トンで、前年同時期と比較して237トン、13.5%の増となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) また、外出自粛の間は家庭で片づけをされた方も多かったということが言われております。不要なものをごみとして出すだけではなく、家庭で分別をして資源物として出される方もおられるのではないかと思います。
 そこで、資源物の3月以降の回収状況は前年と比較してどうだったのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) 資源物の回収状況につきましては、戸別回収しております空き瓶、ペットボトルの3月から5月の回収量の合計は令和2年が2,521トンで、前年同時期と比較して355トン、16.4%の増となっております。また、区役所や市民センター等、市内9か所に設置しております資源物回収ボックスでの3月から4月の回収量の合計は令和2年が297トンで、前年同時期と比較して15トン、5.3%の増となっております。資源物回収ボックスでの回収品目のうち特に増えておりますのは、空き缶が18.7%の増、空き瓶が13.3%の増、雑がみが13.1%の増、段ボールが13.0%の増となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 新聞報道などによると、緊急事態宣言による外出自粛により余分なものを捨てる断捨離を行う人が多く、燃えるごみでは衣類、燃えないごみでは陶器類、粗大ごみでは椅子や布団などが増えており、また、家での食事に伴う飲酒で缶や瓶も増えていると聞いております。粗大ごみについては、受付体制の縮小や処分を急がないものの申込みの自粛要請を行い、現在でも粗大ごみを室内などから持ち出すサービスについては、市民との接触が避けられないので、自粛要請を継続中と聞いておりますが、それでも粗大ごみの量は増加しているようです。
 資源物回収では、空き缶、空き瓶、段ボール、雑がみが増えているとのことでした。これは燃えないごみと同じく、飲酒による缶や瓶が増え、通販の利用による段ボールが増えたのではないでしょうか。また、雑がみについては、家の片づけで出た不要な本や、家にいる時間が多かったこともあり、家庭で紙の分別を行い、きちんと資源物として出していただいたのではないかと思います。ウィズコロナの生活の中では、ごみが増えることは仕方ない部分もあると思いますが、少しでもごみを減らしていくためには、その中からいかに資源物に回していくかが大切なことだと思います。
 では、先ほど資源物の回収量をお聞きしましたが、その資源物回収ボックスの利用状況はいかがだったのでしょうか。利用者数は前年と比較してどうだったのか、また、ホームページに回収場所等を掲載されていますが、その回収拠点の検索数はどうだったのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) 資源物回収ボックスの利用者数につきましては、3月から5月の合計で令和2年が6万1,221人、前年同時期と比較して6,844人、12.6%の増となっております。また、区ごとの回収場所を市のホームページに掲載しておりますが、そのアクセス数は3月から5月の合計で令和2年が10万786件、前年同時期と比較して3万4,790件、52.7%の増となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) コロナの影響でごみが増えているということはよく分かりました。そして、市民の皆様もごみ減量にしっかり御協力いただいていることも分かりました。
 新しい生活様式においては今後も家庭ごみが増えるかと思われますが、そこで、増えるごみの中から資源物をいかに回収してごみ減量できるか、また、確実にごみ収集ができるかが重要だと思いますが、どのような対策を行っていくのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) 循環型社会の構築に向けて、ごみ減量を推進していくためには、中島議員御指摘のとおり、資源物の効果的、効率的な回収が大変重要であると考えております。ごみ減量対策につきましては、資源物回収促進に向け、回収品目や回収場所が一目で分かる、校区ごとの資源物回収場所早わかりマップや雑がみの種類を記載した雑がみ回収促進袋を活用して周知を図るなど、地域の実情に応じた、資源物を出しやすい環境づくりを行ってまいります。さらに、資源化できる瓶が不燃ごみに例年2割程度含まれており、このような分別間違いをなくして資源物として循環させるために適正排出の広報、啓発を強化してまいります。また、確実なごみ収集につきましては、収集業者に対し、安全で安定的に事業を継続できる体制づくりや、ごみ収集作業時における手袋やマスクの使用等、感染予防策の徹底について周知するなど、引き続き適切に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 安全かつ安定的に収集事業を継続するための収集体制づくりというお話が出ましたが、増えるごみを収集する作業については、感染不安を抱えながら日々作業に当たっていただいており、生活に必要不可欠なインフラを支える作業員の皆様に改めて感謝申し上げます。
 その感染リスクを軽減するためにも、一人一人が注意をしてごみを出すべきだと思いますが、そのための広報、啓発についてどのようなことを行っているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 細川環境局長。
○環境局長(細川浩行) 収集業者の感染リスクを軽減するための市民への広報、啓発につきましては、市のホームページで家庭ごみを出すときに御注意していただきたいこととして、使用済みマスクを捨てる際はビニール袋に入れて密封して出すことや、ごみ袋の破裂を防止するために袋は余裕を持った状態で空気を抜いて結ぶことなどの具体的な内容を周知しております。また、ホームページやLINEで登録された方へは、ごみ出し日通知サービスでも同様の内容をお知らせしております。今後とも、収集業者の感染リスクを軽減するため、市民へごみ出しルールの協力を呼びかけるなど、状況に応じて適切に情報提供しながら、安全かつ安定的なごみ処理事業を継続してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 感染症に係る廃棄物の対策については、しっかりと行っていただき、市民に対しても分かりやすい広報に努めていただきたいと思います。
 最後になりますが、ごみ減量に向けて循環型社会のさらなる推進が重要であると思います。現在、本市においては、新たなごみ処理基本計画を策定されておられますが、策定に当たっては、今回の生活様式の変化という視点も盛り込み、また、機会を捉えて市民の実践行動を呼び起こす施策を行っていただきたいと思います。今回のような予期せぬ感染症や災害などの際には、地域の環境活動においても影響が出るようなこともあるかと思います。その際には分かりやすい情報発信など丁寧に行っていただきますよう要望して、この質問を終わります。
 最後に、交通事故、犯罪状況及び防犯施策の推進についてです。
 ここでは新しい生活様式が市民の安全に生活できる環境にどのような影響があったのか、交通事故や犯罪件数などについて確認させていただきたいと思います。
 感染が拡大した今年2月以降は車の交通量や人出が減っているので、当然、交通事故件数は減少していると思いますが、本市における2月から4月の交通事故と自転車関連事故の発生件数について、月ごと及び3か月合計の前年同期との増減並びに前年及び今年の発生件数についてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 福岡市内における令和2年2月から4月の月ごとの交通事故発生件数の増減につきましては、前年同月との比較では2月が125件の減、3月が101件の減、4月が113件の減となっており、3か月合計では339件の減となっております。また、2月から4月の交通事故発生件数につきましては、平成31年が1,919件、令和2年が1,580件となっております。
 次に、令和2年2月から4月の月ごとの自転車関連事故発生件数の増減については、前年同月との比較では2月が30件の減、3月が1件の減、4月が47件の減となっており、3か月合計では78件の減となっております。また、2月から4月の自転車関連事故発生件数については、平成31年が413件、令和2年が335件となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) その期間における交通事故件数と自転車事故件数については、どちらも減少しているということは分かりましたが、新たな生活様式の実践でテークアウトやウーバーイーツなど、デリバリーの利用が増え、配送が特に多くなっているように思います。そこで気になっているのが、配達員がかなりのスピードで走っていたり、無灯火だったり、ながらスマホなど、危険な走行が見られています。他都市では配達中の自転車と歩行者が衝突する事故も発生しており、自動車との衝突事故による死亡事故も報じられております。本市においてそのような悲惨な事故が発生しないよう、自転車利用者への交通ルール遵守、マナー向上を図る指導、啓発にしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 また、自転車利用者が加害者となるこのような事故において、高額の損害賠償を命じる事例が全国的にも相次いでいることなどを踏まえ、本市では福岡市自転車の安全利用に関する条例を改正し、令和2年10月1日から自転車損害賠償保険等への加入が義務づけられます。
 そこで、現在、自転車損害賠償保険等の加入状況をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自転車損害賠償保険等の加入率につきましては、令和元年に福岡県が実施したアンケートによりますと、48.3%となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 加入率が半分以下ということは、まだまだ保険の必要性が伝わっていないと思います。また、自転車損害賠償保険等への加入については、新たに自転車を購入する人はお店から案内があれば保険に加入しやすくなると思いますが、自転車を既に所有している人は自分が対象なのかも分からない場合もあります。
そこで、自転車損害賠償保険等の加入義務化の対象者についてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自転車損害賠償保険等の加入義務化の対象者につきましては、自転車利用者、自転車を利用する児童等の保護者、自転車貸出し業者及び従業員に自転車を利用させる事業者となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 加入義務者は自転車利用者だけではなく、自転車貸出し業者や従業員に自転車を利用させる事業者も対象ということであれば、しっかりと自転車損害賠償保険等への加入の促進を行うべきと思いますが、どのように進めていくのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自転車損害賠償保険等への加入促進につきましては、保険の加入状況の確認方法や保険の種類などを分かりやすく説明したチラシを作成し、加入義務者や自転車販売店等に配布するとともに、市政だよりや市ホームページ、LINEなどを活用した広報に努めてまいります。また、自転車安全利用キャンペーンや交通安全の出前講座など、様々な機会を捉えて自転車損害賠償保険等の必要性を周知し、加入促進に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 自転車保険の加入については、万が一、交通事故が発生した際に被害者の身体や生命に生じた損害への補償だけではなく、多額の賠償請求による加害者側の経済的な破綻を回避するためにも必要なことであるので、しっかりと加入促進の働きかけを行っていただくようお願いいたします。
 次に、交通事故の減少と同じく、市民の安全な生活環境において重要な犯罪件数の減少についてどのような影響があったのか、お伺いいたします。
 外出自粛、休業要請に伴い、まちの人出も相当数減少したことから、当然、犯罪件数も減少していると思います。
 そこで、本市における2月から4月の刑法犯認知件数について、月ごと及び3か月合計の前年同期との増減並びに前年及び今年の認知件数についてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 福岡市内における令和2年2月から4月の月ごとの刑法犯認知件数の増減につきましては、前年同月との比較では2月が34件の減、3月が79件の減、4月が403件の減となっており、3か月合計では516件の減となっております。また、2月から4月の刑法犯認知件数については、平成31年が3,199件、令和2年が2,683件となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 刑法犯認知件数については、いずれの月も減少しているということですが、減少件数が多い上位3つについて犯罪の種類及び減少件数についてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 福岡市内における令和2年2月から4月の刑法犯認知件数につきましては、前年比の減少件数が多い上位3つの罪種は、自転車盗、万引き、オートバイ盗となっており、その減少件数については、自転車盗が152件、万引きが76件、オートバイ盗が39件となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 刑法犯認知件数も減少しており、自転車盗、万引き、オートバイ盗の減少件数が多いとのことですが、報道によると、休業している店舗を狙った窃盗事件なども発生しているようです。防犯対策としては、地域の防犯パトロールや青パトでの巡回活動が非常に有効であると思いますが、外出自粛、密を避けるため、地域の目がなくなり、活動も自粛されていたように感じました。このような状況においても、特に自治会、町内会などで設置されている街頭防犯カメラは、感染リスクもなく、犯罪の抑止効果が期待でき、犯人の特定や逮捕にも大きな力を発揮すると思われます。
 本市においては、平成24年度から地域の防犯活動の支援のため、地域が設置する街頭防犯カメラに補助を行っていますが、福岡市街頭防犯カメラ設置補助金制度の利用団体数及び設置台数の過去3年間の推移と制度開始後の利用団体数及び設置台数の総数についてお尋ねいたします。
 また、地域における街頭防犯カメラの設置に対する市の考え方についてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 街頭防犯カメラ設置補助金制度の過去3年間の利用団体数及び設置台数につきましては、平成29年度が35団体、126台、30年度が35団体、108台、令和元年度が56団体、158台となっており、制度開始後の総数については、利用団体数が延べ300団体、設置台数が1,076台となっております。
街頭防犯カメラの設置については、市民の防犯意識の高揚や犯罪抑止の観点から非常に有効な手段と考えており、今後とも、設置促進に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 新型コロナウイルス感染症拡大防止の取組は今後も継続され、新しい生活様式の実践が求められることと思われます。その中で、市民が安全に安心して生活できるまちづくりを進めるため、交通安全施策や防犯施策の着実な推進を求めます。特に地域の防犯対策として非常に有効である街頭防犯カメラの設置促進については、引き続き積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、今後、新しい生活様式を踏まえて、交通安全施策や防犯施策に対する決意を島市長にお伺いして、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 新型コロナウイルス感染症対策の実施に伴いまして、市民の皆様の生活様式が大きく変化する中、地域における防犯パトロール活動なども自粛されておりまして、防犯のまちづくりを推進していく上で、中島議員御指摘のとおり、街頭防犯カメラの活用は、市民の防犯意識の高揚や犯罪の抑止などの観点から大変有効であるというふうに考えています。今後とも、新しい生活様式の実践によりまして、世の中が大きく変化していく中で、AIやIoTなどの新しい技術も積極的に取り入れていきながら、安全、安心のまちづくりの実現に向けて、交通安全施策や防犯施策の推進に全力で取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) この際、暫時休憩いたします。
 午後は1時10分に再開いたします。
午前11時43分 休憩  
 
午後1時 分 開議  
○副議長(楠 正信) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。藤本顕憲議員。
○48番(藤本顕憲)登壇 福岡令和会の藤本顕憲であります。質問に先立ち、今日までに新型コロナウイルスの魔手に命を奪われた我が国、そして、世界の被害者の皆様方に心から御冥福をお祈り申し上げます。また、罹患されたまだ病床にある皆様の一日も早い御回復をお祈りし、心からお見舞い申し上げるものであります。そして、市長を支え、市行政に全力を傾注されている職員の皆さん、全ての医療関係者にも心から感謝を申し上げます。また、我が福岡市議会にあっては、超党派で3月議会会期の短縮を図り、市行政が市民支援に集中できる異例の決断をしました。正副議長、各会派代表をはじめ、同僚議員各位の見識に心から敬意を表します。
 この不可解な未知の悪魔の生命体との遭遇は、全く突然の、そして、まだ始まったばかりの出会いであります。無知な愚生にとり、この災厄は100年に一度、あるいは1920年代の大経済恐慌や、新しくはリーマンショックをはるかに上回る経済危機を招来するなど、各種専門家諸氏のおぞましい予知、予測や報道の前にただ立ちすくむのみであります。
 その悲観的な見解のあふれる中で、唯一希望の光に触れたのが、我が福岡市の島宗一郎市長の市民を守る責任感と気迫にあふれた施策の決断と実行力であったのであります。私の愛読する全国紙、雑誌等、メディアがこぞって報道し、称賛を送った福岡市の独自の緊急経済支援策は、国をはじめ、全国都道府県や自治体を自立に目覚めさせるきっかけとなり、その後、全国各クラスの自治体首長の救援策の発信が続いたのであります。また、島市長の明快な所信はもちろん、その当面の市民との支援の約束の日限を5月6日までと定め、明快な期間設定を断言しました。45歳の若さで政治の真髄を知り抜いた老練とも言える日限設定の持つ説得力、この政治センスこそ市民の心を一つにし、コロナ危機の第1波を鎮める今の全てを表しています。
 私はかつて桑原市政時代の平成2年3月、予算議会の意見開陳において地方自治論を申し述べました。従来、地方自治と称している地方行政について、多くの学者は憲法の解釈を、国、すなわちザ・ステーツとは、日本国民、ザ・ネーションの存在と発展に責任を持つ中央統治機関であり、それがザ・セントラルガバメントであると定義づけています。憲法第8条の地方自治のローカル・セルフ・ガバメントは地方統治の意味であり、国との対比でいえば、地方自治とは国民生活の一定地域における諸問題の解決に責任を持つ地方政府という解釈が妥当であると主張されており、私もそれに同感であります。なぜ地方政府と称すべきを地方自治と矮小化してきたのか、それは中央地方関係は国の中枢組織とその命を受けて事業を実践する末端組織の関係であり、命令統制関係にあるという考え方であります。明治以来の中央集権的覇権主義の名残であります。それを必要とした時代もありましたが、今やそういう感覚の時代ではありません。自主自立の名実ともに地方政府の意識を高揚し、自覚する時代になっていると思うのであります。2000年に地方分権一括法の施行で国が事務を代行させる機関委任事務を廃止して、制度上、中央は地方と対等の存在になったのでありますが、国、地方の税財源分配の平等化への移譲は進まず、実質依然実態は中央集権であります。今回のコロナ対応が地方自治を地方分権、すなわちその基本は自前の政策力と自主財源の確立する地方政府であるとの自覚を覚醒せしめていると感じるのでございます。
 福岡県が国の意を受け、島市長が市独自の救済策で休業要請に各種補償を約束する政府的機能に踏み込んだのであります。私は今ようやく長年の地方自治の限界を突破する、コロナ効果とでも言える瞬間に立ち会ったと思っています。世界枢要国に劣らぬ財力を有する東京都が国との協議が調わず、できなかった壁をこの福岡市がいち早く打ち砕いたのであります。首長として断固たる姿勢で住民の強い共感を呼び、国の政策を誘導する手法であります。災害が多発し、重複する厳しい時代に、地方政府の自覚で取れる責任と選択を迫る機会が増加しています。この歴史的実績は間違いなく将来の地方自治行政の役割と、地方分権機能と権限を変えていくと思います。
 さて、改めて初動の観点から時系列で支援策について振り返りたいと思います。国においては、4月7日、緊急事態を宣言し、同日に100兆円を超える経済対策を併せて発表しましたが、福岡市が発表した支援策のような休業要請の対象者に焦点を当てた内容ではなく、また、実際には支援が行き届くまでに時間がかかっており、デジタル化の遅れ、あるいは老朽化した国の機能障害が露呈した状況であります。そのような中で、福岡県においても、国の緊急事態宣言の発出を受け、何ら支援策を示さないまま、4月13日に休業要請等が発表されたわけであります。
 そこで、新型コロナウイルス感染症の今後に備えても、1次の襲来にどう対応したかが大変重要となりますが、県との比較において、時系列で4月13日の休業要請等を受けた福岡市の支援策の推移をお尋ねいたします。また、市の支援策の目的と内容も併せてお尋ねいたします。
 以上で1回目の質問を終わり、2回目からは自席にて行います。
 
○副議長(楠 正信) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 休業要請等を受けた福岡県と福岡市の支援策に関するお尋ねでございますが、福岡市におきましては、福岡県が休業要請等を発表した翌日の4月14日に家賃支援などの福岡市独自の支援策を発表しております。福岡県におきましては、4月17日に事業継続の支援と医療提供体制の強化を柱とする新型コロナウイルス感染症緊急対策を発表しております。
 また、福岡市の支援策の目的と内容につきましては、福岡県が求める休業要請等の実効性を高めるため、感染拡大防止に協力いただいた事業者や最前線で働いている方々への支援を目的としたもので、施設の休業等に協力いただいている店舗への家賃支援や飲食店が行うデリバリー事業への支援、宿泊事業者の感染予防策への支援、文化・エンターテインメント事業への活動支援、感染者を受け入れる病院への特別給付金の支給、医療、介護、保育従事者などへの特別給付金の支給などでございます。市民に最も身近な基礎自治体である福岡市として、市民の生活と地域経済を守るため、市民の不安を少しでも解消し、福岡県の要請等に納得して御協力いただけるよう、これらの支援策を早期に打ち出したものでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 藤本顕憲議員。
○48番(藤本顕憲) 家賃補償、それから、特に全国で反応が大きかったのが文化・エンターテインメント事業への活動の支援だったというふうに記憶しています。
 それでは、2回目の質問に入ります。
 私は3年前の平成29年3月24日、予算特別委員会総会質疑において、感染症の脅威と対策について強い警戒を訴える質問を行いました。それは結果的に今日の新型コロナ危機を予言したことになり、まさに自分自身が大変驚いておるところであります。その質問を振り返ってみますと、国連世界観光機構、UNWTOによると、全世界の国際旅行者数は2020年までに14億人、2030年までに18億人と予測、その増加の大半はアジア地域と予測しています。日本政府観光局は訪日外客数を2016年2,400万人、2020年4,000万人、2030年6,000万人と大幅修正をし、また、2030年、北海道新幹線が全線開通すると、北は北海道から南は鹿児島まで国内南北の大動脈が完成し、空と陸と海でアジアの大交流時代が到来します。このグローバル化には光と影があります。光は交流人口のもたらす大きな経済効果と福岡市の都市活力の強化であります。そして、そのもたらす影こそ輸入感染症のリスクであります。新興感染症として、1969年のラッサ熱、エボラ出血熱、エイズ、SARS、また、コレラ、赤痢、デング熱、マラリア等の再興感染症等、地球温暖化等により過去の感染症が再び流行の兆しを見せています。また、鳥から人への感染症、人から人への感染症等、枚挙にいとまがありません。2016年ブラジル・リオオリンピックは開催されたものの、デング熱、ジカ熱による大会中止が危ぶまれました。人の往来は人と人との接触する機会をつくり、海外で流行している感染症や細菌やウイルス等の病原体を拡散することにつながります。2020年東京オリンピック・パラリンピックを控えている我が国も他人事ではありませんと述べたことがありますが、とうとう開催延期となり、私の憂慮は現実となりました。
 私は2030年代の世界、国内交流時代を迎えるに際し、交通インフラや天神ビッグバンといった都市のハード面の強化も急務でありますが、輸入感染症を未然に防ぐ検疫施設や緊急事態発生の有事に備えた医療機関等、総動員の危機管理体制の構築が急がれると訴えました。そのためにも感染症隔離施設等の医療機関の充実を訴えたのであります。
 そこで、私のあの3年前の質問以来、この問題提起に福岡市はどう対応されたのか、お尋ねいたします。
 また、インバウンド促進の面からは、率直に言って福岡市単独では自然景観や歴史資源等が乏しく、クルーズ観光客にとっては、他の港湾都市に比べ、商業施設の充実以外、港の景観などに格別優れた特色がないのが博多港であります。札幌市とほとんど面積の変わらない福岡都市圏である糸島や宗像、粕屋、筑紫5市は観光資源に恵まれています。つまり福岡への来客は福岡都市圏を周遊するわけでありますから、共通の利害を持つ福岡都市圏で医療の危機管理についても連携し、一体化することが極めて現実的であり、重要であると考えます。
 そこで、改めて福岡都市圏の医療の戦力、新型コロナウイルス感染症に対抗するためにどのような体制になっているのか、お尋ねいたします。
 まず、都市圏及び福岡市における直近の医療施設の種別、施設数、クリニック、医院、診療所、病院等々、職種別従事者及び10年前との総数の比較をお尋ねいたします。
 次に、都市圏及び福岡市における感染症指定医療機関及び感染症病床数をお尋ねいたします。
 次に、第1波を検証してみて、第2波に備えての医療の提供体制について所見をお尋ねいたします。
 また、PCRなどの検査体制の強化策について所見をお尋ねいたします。
 また、直近の福岡市から各国への1日平均の出国者数及び10年前との総数の比較をお尋ねいたします。あわせて、外国から福岡市への1日平均の入国者数及び10年前との総数の比較をお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 感染症対策についての御質問にお答えをいたします。
 まず、議員の問題提起への対応についてのお尋ねでございますが、福岡市には国際空港及び国際港など複数の交通拠点があることやアジアにおける地理的特性などから、国際的に脅威となります新興感染症が市内で発生するおそれが大いにあり得るとの認識の下で、市内での感染症患者の発生に備え、福岡県や検疫所など関係機関と連携しながら情報共有や訓練を実施しますとともに、対応マニュアルの整備、衛生資材や予防薬の備蓄等を行ってきたところでございます。
 次に、福岡都市圏の医療施設につきましては、平成30年の医療施設調査によりますと、病院189施設、一般診療所2,248施設、歯科診療所1,503施設で、うち福岡市内の医療施設は病院114施設、一般診療所1,574施設、歯科診療所1,028施設でございます。
 なお、福岡都市圏の医療施設の総数は平成30年は3,940施設で、平成20年の3,582施設に対して10%程度の増となっております。
 次に、福岡都市圏における職種別従事者数につきましては、平成30年の医師・歯科医師・薬剤師調査によりますと、医師7,618人、歯科医師2,797人、薬剤師5,382人で、うち福岡市においては医師5,832人、歯科医師2,069人、薬剤師3,725人となっております。
 なお、福岡都市圏の医師、歯科医師、薬剤師の総数は平成30年は1万5,797人で、平成20年の1万3,648人に対して16%程度の増となっております。
 また、看護師、助産師などの看護職員につきましては、福岡都市圏における経年的な統計はございませんが、福岡県地域医療構想によりますと、平成26年12月31日現在で3万1,656人となっております。また、福岡市の看護職員は平成30年の衛生行政報告例によりますと2万2,264人となっております。
 次に、福岡都市圏及び福岡市における感染症指定医療機関及び感染症指定病床数につきましては、福岡都市圏においては、福岡東医療センター、福岡市民病院、九州医療センター、福岡赤十字病院、福岡大学筑紫病院、福岡徳洲会病院の6病院、24病床となっており、そのうち福岡市内は福岡市民病院、九州医療センター、福岡赤十字病院の3病院、8病床となっております。
 次に、福岡県域における医療提供体制につきましては、県において体制整備が行われております。本年4月以降の患者の増加に伴い、感染症指定医療機関に加え、患者を受け入れる協力医療機関等での病床の確保が図られておりまして、現時点で490床、さらに、当面570床を目標として関係医療機関との調整が進められております。また、軽症患者などを受け入れる宿泊療養施設につきましては、現時点で3施設、826室が確保されており、今後、5施設、1,200室の確保を目標として事業者との調整が行われております。
 次に、検査体制の強化策につきましては、保健環境研究所において検査機器の増設や人員の増員などを行い、検査体制の強化を図っているところでございます。また、5月にはドライブスルー方式の地域外来・検査センターを設置し、民間機関による検査を開始するとともに、6月に3か所の増設を行っております。これにより市内での検査件数は保健環境研究所と合わせて少なくとも1日に440件程度が可能となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 酒井経済観光文化局総務・中小企業部長。
○経済観光文化局総務・中小企業部長(酒井雄二) 直近の福岡市から各国への出国者数及び10年前との総数の比較についてお答えします。
 まず、出国者数につきましては、出入国管理統計によると、令和元年では約132万人、1日平均で約3,600人となっております。平成21年の福岡市からの出国日本人数約83万人と比較すると、令和元年は約1.6倍の増となっております。
 次に、直近の外国から福岡市への入国者数につきましては、令和元年では約269万人、1日平均で約7,400人となっております。平成21年の福岡市への外国人入国者数約47万人と比較すると、令和元年は約5.7倍の増となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 藤本顕憲議員。
○48番(藤本顕憲) 3回目の質問に入ります。
 私はかねがね福岡市を語るときは、福岡都市圏を意識するように議会で訴えてまいりました。したがって、今回のコロナ危機のような危機管理のためには、福岡都市圏内の最新の医療の実態を毎年しっかり把握し、県はもちろん、より以上に都市圏の関係機関との連携が必要であります。先ほど答弁があったように、市内感染症患者用ベッドはわずか8ベッドにすぎません。3年前の提案は生かされていなかったと私は思います。残念であり、不安を感じる次第です。また、医療施設数はここ10年間で約1割増え、体制が強化されている一方で、外国人入国者数はここ10年で約6倍に増えるなど、輸入感染症のリスクは桁違いに増えています。当局には常に最新の状況を把握した上で、都市圏の関係機関との連携にしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 私はIT関連に疎い人間で、専門的なことはとんと分かりませんが、しかし、あれだけマイナンバーやデジタル化の推進を標榜し、莫大な税金を投入しているはずなのに、日本のデジタル化は一向に進んでおらず、残念ながら世界の先進国では物笑いになっています。せっかくの国民生活の支援策や企業への救済策も、連日の報道を見るとほとんど役に立っていません。国は国民を一体何と心得ているのか。大きく構えて小さく使う、相変わらずのやったふりの姿勢に、怒りよりも、むしろ情けなく、悲しみすら感じます。今や先進国で最もデジタル化が遅れた国となっております。私からして言わしめれば、ローカルガバメントを地方自治と訳した明治以来の官僚体質は全く変わっていない。現実は悲惨なものであります。このコロナ危機に我が国、国家行政機関は猛省を迫られています。それなくしては2波は乗り切れません。ちなみに、厚生労働省設立以来、私は厚生労働省解体論が持論でありまして、やはり心配しておった状況になっていると感じております。
 また、他国との比較でPCRを含む検査体制が少ないなど、実効性がないと国会で安倍総理が問われ、人的な目詰まりと答弁させ、天下の総理に恥をかかせるような感覚は到底信じられません。それが事実ならともかく、各種報道や専門的見地からも内外様々な技術の存在やより効率的な検査体制が示されております。感染症に対する意識の低い日本の特異な体質だと指摘もされています。その実態を踏まえて、例えば、世界のPCR検査は、私が調べたところによりますと、5月20日現在、人口1,000人当たりの平均検査数は、その過去1週間で英国は1.01、米国は1.11、ドイツは0.65、イタリア1.02、韓国0.24、インド・ネパール0.07に対し、日本は0.04、途上国以下で、驚くべき結果になっています。その中で、国の感染症権益集団の縄張り意識に猛省を促したのが我々地方自治体であります。地方自治体が地元医療機関などPCRセンターを設置し始めてから、反省の声が生まれてきたのであります。先ほど答弁があったように、福岡市の場合、対応能力は1か所50人くらいではあります。ドライブスルー方式の地域外来・検査センターが今週末までに4か所設立されると。やはりこういった新しい動きが大きな刺激になっていく。福岡市の踏み込んだ対応に私は心から賛意を表する次第であります。
 そこで、要望を込めた質問に入ります。
 申し上げるまでもなく、本市は典型的な第3次産業都市であります。その本質は、人流、物流の圧倒的な機能の集積であります。私は市のコンベンションビューローの設立を提案し、昭和60年9月、その開設に携わったわけでありますけれども、本市は限りなく貪欲に人を集める、集客をすることが唯一の資源の都市であります。そして、小資源国日本そのものが世界中からの集客、いわゆるインバウンドで新たな発展を期しています。私は来年のオリンピック開会日のその前日までに日本中の商店街のシャッターが上がり、全ての観光施設の門を開け、オリンピックに集う海外からの観客に再び日本の魅力を再認識していただき、国が掲げる2030年の訪日外国人旅行者の目標値6,000万人に向けて、新たなインバウンドの飛躍と日本経済再浮上の契機にしてほしいと願うものであります。
 平成の30年間で福岡都市圏の人口は約60万人増加しました。クルーズ実績日本一をはじめ、特区など、政府の協力と支援によるところも大であります。我が国日本と、この政治の窮状を打破するために人流の渦を起こすことに福岡市が一役買うべきではないかと、私はそう思うのであります。いよいよ空港、港湾の全面的な開国の機運が出てきております。我が国から海外への出入国、海外から我が国への入出国には必ず検査が義務づけられます。そこで、人流の渦を起こすために最新鋭のPCR検査、その他感染症検査の技術を特区的に集約し、例えば、福岡空港、博多港に近く、広大な土地もある九州大学箱崎キャンパス跡地などへ検査施設の誘致を国に強く要望されることを提案します。仮設の暫定利用としてでもよいのでありますが、そういうものがあれば、国内外から、福岡に行けば安全、安心かつ迅速に、そして処理数が飛躍的に高い施設で検査してもらえる、福岡空港から飛び出せば本当に助かるという声が起こってくると思います。そういった意味で、福岡市から人流の渦をつくっていく、その必要性があると考えるものであります。全国紙6月10日付の1面に、日本企業の技術によりPCR検査が2時間で5,000件、アメリカで承認へと出ています。日本の企業が日本ではなく、なぜアメリカなのでしょうか。アメリカでは迅速な承認体制が整っていますが、欧米に比べ、日本ではスピード感が劣り、新しい技術が実用化される環境が整っていないという現状なのであります。
 そこで最後に、今回の新型コロナウイルス感染症への対応の経験を踏まえた地方自治体の危機管理の在り方など、今後のコロナ危機打開に向けた市長の決意と、福岡市から人流の渦をつくる、そのために全国に先駆けた最新鋭のPCR検査技術を導入し、日本一のクルーズのまちに日本一の検査施設をPRするなど、福岡市の経済活性化に向けた市長の所信をお伺いして、質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 島市長。
○市長(島宗一郎) 新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、今後、第2波の到来が想定される中で、感染拡大の防止と社会経済活動の維持の両立を図っていくことが必要であると考えています。また、藤本議員御指摘のとおり、福岡市は第3次産業が9割を占める産業構造でありまして、今後も都市活力を維持していくためには、国内への感染者の流入を防止しながら、段階的に海外との交流を回復させ、再び交流人口の増加につなげていくことが重要であります。福岡市といたしましては、今後、感染症の拡大を防止しつつ、観光・MICEの振興などによる地域経済の活性化に取り組んでいくために、検査体制の強化をはじめとした感染症対策について、国の動向を的確に把握するとともに、今回の経験を生かしながら、市民に最も近い基礎自治体として市民生活と地域経済を守るため、その役割をしっかりと果たしてまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛)登壇 私は福岡市民クラブを代表し、感染症対策に係る保健所体制の強化について、学校休業を踏まえた児童生徒への支援について、障がいのある児童生徒の就学について、以上3つの項目について質問いたします。
 まず、感染症対策に係る保健所体制の強化についてです。
 新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策に関して、この間、官民挙げて難局を乗り切るための様々な取組が行われてきました。中でも保健所はPCR検査に係る窓口業務、陽性患者の受入先の手配、接触者の追跡調査など、感染症対策の最前線に立って御尽力されてきたと思います。まずはその取組に感謝を申し上げます。
 先月、緊急事態宣言は解除され、今のところ市内の感染者数は一定程度落ち着いているものの、感染拡大の第2波、第3波への可能性や、収束しないまま秋冬を迎え、インフルエンザの流行期と新型コロナウイルス感染症対策が重なる可能性もあるため、今後のさらなる保健所体制の強化を図る必要があるとの観点から質問を行います。
 最初に、感染症対策に係る保健所の役割についてです。
 保健所の設置目的と感染症対策に関する役割をお聞きします。
 これ以降の質問については自席から行います。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 地域保健法第6条によりますと、保健所は地域保健に関する思想の普及及び向上に関する事項、医事及び薬事に関する事項、エイズ、結核、性病、伝染病その他の疾病の予防に関する事項などについて企画、調整、指導等を行うとともに、地域住民の健康の保持及び増進を図ることとされております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 保健所は地域住民の健康と衛生を支える公的機関であり、その業務範囲は健康増進から医療、薬事や精神保健まで多岐にわたっています。感染症関連業務もその重要な一つであると思います。
 感染症対策に関して、平常時にはワクチン接種事業や予防の啓蒙活動を様々な組織と連携して行っておられると思いますが、今回のような非常事態などの際、本市の保健所における感染症に関する業務の具体的な事例をお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 保健所の感染症関連業務といたしましては、感染症相談業務、感染症患者の健康調査及び行動歴の確認、濃厚接触者の確認及び調査、就業制限、入院勧告、入院先医療機関の調整などがございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 次に、保健所への相談件数増加の状況と対応の経過についてです。
 4月の緊急事態宣言の前後から、全国的にも保健所パンクなどと題したテレビや新聞、インターネットなどでの報道が続きましたが、福岡市の保健所への相談件数の状況と本市においても電話がつながりにくかった期間があったのであれば、その状況をお聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 各保健所に設置しました帰国者・接触者相談センターへの相談件数につきましては、福岡市において連日患者が確認される前の3月25日には全市で約200件でございましたが、その後の感染状況や社会的な動向等によって急増し、緊急事態宣言が出された4月7日には約1,100件の相談が寄せられる状態となりました。そのため、保健所では相談対応を行う職員を増員して対応しておりましたが、相談が集中した際には全ての相談回線が塞がるということもございました。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) ピーク時には1日1,000件を超える相談があったようです。私も社会福祉事業者の方や市民の方から保健所への電話がつながりにくいといった声を受けました。
 そこで、今日までの相談体制をどのように改善してきたのか、その状況をお聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 相談体制につきましては、電話相談の増加に対応するため、4月20日から各保健所の帰国者・接触者相談センターと、別途本庁に設置しておりました一般相談ダイヤルを併せて相談回線を専用化し、看護師や保健師などの専門職の派遣人材を最大36人配置して対応しまして、保健所の負担軽減を図っております。そのため、現在は各保健所の電話相談窓口において回線が塞がるというような状況はございません。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 次に、この間、激務が続いたであろう保健所職員の時間外勤務等の状況についてです。
 全国的にも休みが取れず、残業時間が月200時間を超える職員もいたとの事例や、本市においても一部新聞報道がありましたが、本市において3月から4月にかけて職員の超過勤務はどの程度発生したのか、最も多かった方の時間数と併せ、関係職員の超過勤務の総時間数について前年度との比較をお聞きします。また、関係職員は4月の30日間のうち何日くらい休むことができたのか、お聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 各保健所における健康課健康づくり係の時間外勤務及び休日勤務の合計時間数につきましては、平成31年3月が241時間、4月が459時間、令和2年3月が1,089時間、4月が3,244時間となっております。最も時間外勤務等が多かった職員の時間数は令和2年4月の155時間でございます。3月、4月の時間外勤務等の時間数は前年度と比較し、1人当たり1か月約37.1時間の増加となっております。また、令和2年4月の出勤しなかった日数の平均は1人当たり約6.3日となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 4月は全体で前年比7倍を超える時間外勤務が発生、また、最も多かった方は月間155時間とのことのようです。また、休暇も十分に取れなかったことが分かりました。
 厚生労働省の「過重労働による健康障がいを防ぐために」と題した資料によると、時間外労働が月100時間を超えると健康障害のリスクが大きく高まるとされています。答弁で示された最も多かった方の155時間という数字はこれを大きく超えており、関係職員の健康管理の措置を実施することが求められるということと併せて、緊急事態の際にはもっと早期に応援体制を取る必要があるのではないかということを意見として述べておきます。
 次に、保健所関係予算及び人員の推移についてです。
 質問冒頭の答弁でもあったように、保健所は地域住民の健康を支える中核的な施設であり、感染症対策の最前線に立つ行政機関です。しかし、全国的にはこの間の小さな政府への動きの中で保健所数が大幅に削減されていると聞いています。
 本市においては7区それぞれに保健所を配置し、その役割を果たしてきていると認識していますが、本市における過去10年間の保健所の人員配置数について5年ごとの推移をお示しください。また、そのうち感染症対策に係る医師、保健師などの専門職員数の推移も併せてお聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 保健所の人員につきましては、平成23年度が312人、27年度が337人、令和2年度が360人となっております。そのうち医師、保健師の人員は平成23年度が147人、27年度が159人、令和2年度が176人となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 本市においては、医療専門職も含め、保健所の人員は一定増員されてきていることが分かりました。
 それでは、その専門職のうち、感染症対策において相談や指導、調整などの最前線に立たれている保健師の配置状況についてお聞きします。
 先ほどの答弁でもあったように、保健所において1か月の時間外労働時間が過労死ラインとも言われる100時間を大きく超えたケースもあり、今回のような緊急時には全庁内の応援体制を取る必要もあることから、特に保健師の体制整備は重要だと考えます。
 本市には保健所以外に配置されている保健師もいるのか、その数も含めた市全体の保健師の過去10年間の5年ごとの推移をお聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 保健師の人員につきましては、市全体で平成23年度が189人、27年度が205人、令和2年度が204人となっております。そのうち、保健所以外に配置されている人員は平成23年度が56人、27年度が60人、令和2年度が42人となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 保健師についても、これまで本市においては削減されることなく配置されていることが分かりました。しかし、今後の感染症対策の充実に向け、さらなる計画的な配置検討が必要であるとの意見を述べておきます。
 次に、予算についてお聞きします。
 過去10年間の感染症対策予算について5年ごとの推移をお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 感染症対策費につきましては、平成23年度が約23億円、27年度が約48億円、令和2年度が約52億円となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) この項の最後に、今後の体制強化についてです。
 今回の新型コロナウイルス感染症対策の業務の中で、保健所は対策の最前線に立ち、重要な役割を果たしてこられています。また、関係職員のみならず、保健所を挙げてこれまでは感染症対策業務を最優先に取り組まれてきたのであろうとも思います。しかしその一方で、保健所は地域住民の健康の保持及び増進を図るため、環境・食品衛生、健康、医療、子育てや高齢者相談など、多くの重要な役割を担っています。今般の状況の中で応援体制のため、これらの感染症対策以外の地域保健福祉などの年度当初業務のスタートを調整されてきたのではないかと察します。
 このことも踏まえつつ、保健所における感染症対策に関し、今回の経過や対応の中から見えてきた課題をどのように認識しているのか、お聞きします。その上で、今後の体制強化の必要性についての考えと具体的な方針をお聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 新型コロナウイルス感染症対策の課題につきましては、4月に患者が急増した際には、市民からの電話相談対応など保健所の業務量が増大し、負担が大きくなったということがございました。そのため、業務量の増加に応じて、相談対応、検体搬送、健康観察などについて外注化や効率化を図るとともに、市役所全体での応援体制を整えるなど、体制強化に努めてきたところでございます。今後、さらにこれまでの対応に関する振り返りを踏まえ、応援体制や対応マニュアルを整備するなど、第2波の到来時に保健所が疫学調査などの防疫業務に注力できる体制を強化し、感染拡大の防止に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 次に、学校休業を踏まえた児童生徒への支援についてです。
 本市において3月2日に開始された学校休業は約3か月間という異例の長期休業となりましたが、6月1日からは全面登校再開となりました。休業については、先の見通しが立たない中、大変に難しい判断であったと思いますが、休業中の取組について検証し、次に備えるとともに、休業で大きく影響を受けた児童生徒への支援に関し質問を行います。
 最初に、学校休業中の児童生徒支援の現状についてです。
 休業期間中、児童生徒、各家庭への指導や連絡について市教委として各学校に対しどのような指示を行ってきたのか、お聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 臨時休業期間中の児童生徒の家庭での過ごし方については、日常的な健康管理や感染症対策及び児童生徒の家庭学習の支援をすることを基本とし、具体的には部屋の換気や手洗いの徹底のほか、不要不急の外出を控えることや生活のリズムを崩すことなく計画的に学習プリントに取り組むことなどについて指導するよう、各学校長に通知しております。また、電話や家庭訪問を通して児童生徒の実態の把握などに努めることについても指示しております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 電話や家庭訪問を通して実態把握に努めるよう通知されたとのことでした。しかし、感染防止の観点もあったと思いますが、児童生徒、特に新入生の保護者からは、学校からの家庭訪問や連絡はなく、家庭での対応をどうしてよいのか分からないといった声を聞きました。
 そこで、3月から5月までの休業期間中、小中学校における家庭訪問の実施状況をお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 臨時休業中の家庭訪問については、小学校は144校中44校、中学校は69校中26校が実施いたしました。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 感染防止の観点から、直接対面での家庭訪問については難しい面もあることは一定理解できますが、やはり直接声を聞くこと、双方向での対話は重要だと考えます。
 そこで、電話連絡も含め、児童生徒、家庭との相互連絡は十分に行われたと考えているのか、お聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 臨時休業中の児童生徒や家庭への連絡については、全ての家庭に対して学校から電話連絡を行い、児童生徒の実態を把握するよう努めました。また、必要に応じて学級担任が家庭訪問を実施しており、可能な限り児童生徒の実態を把握できたものと考えております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 一定程度児童生徒の実態は把握できていたとの答弁でしたが、学校休業が始められた3月、また、緊急事態宣言が出された4月の取組は必ずしも十分ではなかったのではないかと指摘をしておきます。中でも、電話での連絡について、学校現場からは電話機の設置数に限りがあり、全児童生徒への小まめな連絡は難しいとの声を聞きました。
 そこで、各学校における電話の設置状況をお聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 市立学校の電話回線については、小学校、中学校が3回線、特別支援学校、高等学校が3から4回線とし、各学校の必要台数を設置しておりましたが、臨時休業中の児童生徒や家庭への連絡に適切に対応するため、5月中旬に電話回線の増設希望があった小学校、中学校、特別支援学校、合計146校に最大5回線の増設を行い、電話機についても必要台数を増設しております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 電話回線の増設は5月に入ってからとの答弁でしたが、もっと早い時期に臨時回線を増設する必要があったことについて指摘をしておきます。
 次に、インターネットやテレビ放送の取組とその効果についてです。
 休業中に配信された福岡 TSUNAGARU Cloudの視聴数及びテレビ放送の視聴率をお示しください。さらに、その評価と今後の取組継続についての考えをお聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 臨時休業中に福岡 TSUNAGARU Cloudから配信した家庭学習を支援する学習動画の視聴数は延べ53万2,263回でございます。また、テレビ放送で配信した学習動画の視聴率については放送局側では把握できないとのことでしたが、多くの児童生徒や保護者からは手軽に学習動画を視聴できるようになり、利用しやすくなったという感想が寄せられております。
 なお、6月1日からの全員登校の再開に伴い、福岡 TSUNAGARU Cloudから配信する学習動画についてはインターネット回線からの視聴は継続しておりますが、テレビ放送は終了しております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 今後とも、その内容充実に向けた取組を進めていただきたいとの要望をしておきます。
 今回の休業中に見えてきた児童生徒支援の在り方に関する課題をどのように認識しておられるのか、お聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 臨時休業中においては、学級担任等が児童生徒と直接関わり、実際に様子を見て支援することが極めて重要であったと認識しております。今後も電話や家庭訪問に加えて、年内に整備する学習用端末機などのICT機器も有効に活用し、児童生徒の状況に応じたきめ細やかな支援を行ってまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 次に、学校再開後の児童生徒の出席状況についてです。
 今回の学校休業は約3か月に及ぶという異例で長期のものでした。
 そこで、今回の学校再開後の児童生徒出席状況について昨年度との比較をお聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学年ごとに分散登校を開始した5月21日から23日の3日間の出席の割合は、小学校が98.7%、中学校が98.0%、特別支援学校が89.4%、高等学校が99.5%となっております。令和元年度との比較につきましては、小学校は毎年状況調査を行っている小学校5、6年生で、出席の割合は0.7%減少しております。中学校は出席の割合はおおむね同数となっております。特別支援学校は出席の割合は6.3%減少しております。高等学校は出席の割合はおおむね同数となっております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 答弁によりますと、5月21日の分散登校開始時に登校できた小学校5、6年生の児童の割合が0.7%減少したとのことでした。これは小さな数値のようですが、必ずしもそうではありません。私の手元の資料によると、昨年度の登校していない児童の割合は全体の0.7%であったものが、今回は1.4%へと倍増したことを示しています。
 この変化、つまりは登校していない児童が倍増したことについて、その要因分析と対応をどう考えているのか、お聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 小学校や特別支援学校で出席の割合が減少した要因は、例年に比べ、本人や家族に基礎疾患があるため登校を控えた児童生徒や新型コロナウイルス感染の不安などにより登校を控えた児童生徒が一定数あったためと考えております。保護者に対しては学級担任が連絡を取り、学校が実施している消毒等の感染症対策について十分説明を行い、安全、安心な学校運営体制について理解を得るよう努めております。また、児童生徒には著しい学習の遅れが生じないように、プリント等による家庭学習を適切に課すとともに、希望する児童生徒にはオンラインで授業に参加できる仕組みも構築しております。今後も引き続き、欠席している児童生徒の状況を的確に把握するとともに、適切な支援に努めてまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 登校していない児童が増加した要因については、確かに基礎疾患を有する児童の存在や保護者の不安などもあることは理解しますが、長期となった休業で生活リズムや心身のバランスを崩した児童生徒の増加や、保護者の失業、休業など、経済状況も含めた家庭内の大きな変化なども要因として推測されます。今後さらに増えることも推測されます。実態の把握とその適切な対応を求めておきます。
 次に、授業時数などの確保についてです。
 今後の授業時数確保のための具体策をお聞きします。また、学校行事や社会体験の機会、子ども同士のコミュニケーションを図るための時間の確保など、教科学習以外の取組方針をお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 授業時数の確保については、長期休業期間の短縮や土曜授業の実施に加えて、授業の時間についても10分短縮して、小学校では35分授業、中学校では40分授業とした上で、1日の時間割を6時限から最大7時限に拡大するなど、様々な工夫をしております。教科学習以外については、長期休業の影響も踏まえ、児童生徒の健康や学習の遅れを取り戻すことを最優先にしたため、当面、学校行事や社会体験などを中止としており、福岡市における今後の感染状況も踏まえ、実施の判断をしてまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) この項の最後に、市立高校入試の見直しについてです。
 授業時数の確保については様々な工夫がなされるようですが、結果として学校で勉強する時間が減少することは避けられない現実です。義務教育の中で限っていえば、高校受験を控えた中学校3年生の生徒や教員に特に現実的な不安があるのではないかと考えます。
 本市は市立4校を有していますので、来春の入学試験に向けて配慮が必要であると考えますが、試験範囲などの見直しとその早期周知の必要性について本市の認識をお聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 市立高等学校の入学者選抜については、令和2年5月13日に文部科学省から通知された「中学校等の臨時休業の実施等を踏まえた令和3年度高等学校入学者選抜等における配慮事項について」に基づき、出題範囲や内容、出題方法等について適切な措置を講ずるとともに、できるだけ早く情報を提供し、入学志願者の不安払拭に努めてまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) このことについて、県立高校や私学を所管する福岡県との連携協議を進めることや県への要請を積極的に行う考えはあるのかお聞きし、この項の質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 市立高等学校の入学者選抜については、県立高等学校の入学者選抜に準じており、例年、福岡県教育委員会との情報共有や連携を図り、実施しております。令和3年度入学者選抜についても、全ての入学志願者が安心して受検に臨めるように、例年以上に福岡県教育委員会との情報共有や連携を密に図ってまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 次に、障がいのある児童生徒の就学についてです。
 私は昨年の6月議会一般質問においても、支援を要する児童生徒の就学についてとの項目で、障がいのある児童生徒の就学先決定などについて質問を行ってきました。引き続きこの間の本市の取組などについて質問を行います。
 最初に、学校生活支援員の配置状況についてです。
 教員に加えて、障がいのある児童生徒への教育活動を支援する人材として学校に配置される学校生活支援員の制度が変更されていますが、その概要をお聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 配慮を必要とする児童生徒に対して配置する学校生活支援員は、移動の際の介助や授業中の個別の対応など、学校生活上や学習活動上の支援を行っております。昨年度までは臨時的任用職員として任用しておりましたが、地方公務員法の改正により、今年度からは同法第22条の2第1項に規定する会計年度任用職員として任用しております。これに伴い、任用期間を1年間に改め、日額の報酬に加えて期末手当を支給するなど、勤務条件の変更を行っております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 昨年度の質問の中で、新学期4月当初の支援員の任用率が約71%と極めて低い配置状況であったことが明らかになりましたが、今年度の学校生活支援員の配置状況をお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校生活支援員については、今年度希望があった学校195校全てに計228人を配当しております。任用状況は小学校140校、167人、中学校55校、58人で、実際に任用している人数を配当した228人で割った任用率は98.7%となっております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 任用率が98.7%と大きく増加したとのことでした。支援員の制度改正と併せ、募集時期を早めていただくなど、その100%任用に向けた取組については大きく評価と感謝をいたします。
 次に、障がいのある児童生徒の就学先を相談する就学相談会などの今年度の就学先決定の流れについてです。
 さきの質問でも申し上げたとおり、長期の学校休業により新学期のスタートが遅れています。例年であれば5月から開始されてきた就学相談の流れを確認させてください。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 就学相談については、本年度も5月末より募集を開始し、7月から9月にかけて就学先に関する保護者相談会を18回実施する予定です。その後、医師、臨床心理士、教育関係者等で構成する就学支援委員会での審議を経て、翌年1月までに就学先を決定いたします。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 学校休業のため、相談会の当初の周知が遅れていることも考えられますので、より丁寧な取組を要望しておきます。
 次に、車椅子を使用する児童生徒のための階段昇降車の導入経過と運用状況についてです。
 この間、小学校に車椅子に乗ったままで階段を上り下りできるキャタピラー式の階段昇降機が導入されたと聞きますが、その概要と現在の配置数をお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 階段昇降車については、エレベーターが設置されていない学校に就学している肢体不自由のある児童生徒の障がいの状態に応じて、必要性が高いと判断した場合に導入しております。令和元年度は柏原小学校と田隈小学校に1台ずつ2台、令和2年度は春住小学校と内野小学校に1台ずつ2台を配置しております。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 合計4つの小学校に配置、導入されたとのこと。
 それでは、導入された学校での運用状況や利用者の反応と今後の導入計画についてお答えください。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 階段昇降車は肢体不自由のある児童生徒が階段を利用して校舎内を移動する際に、保護者や教員の補助の下、利用しております。利用者からは、移動に時間はかかるものの、安全で操作が簡単であり、移動手段として有効であるとの声を聞いております。また、僅かな力で安全に動かすことができるため、職員の心的、身体的な負担軽減にもつながっております。今後も児童生徒の障がいの状況を把握し、計画的に導入してまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 階段昇降機については、児童生徒のみならず、車椅子を使用する保護者も利用可能であり、授業参観や保護者会への参加の機会が増えると期待されています。今後の追加導入について積極的に検討されるように要望いたします。
 しかし一方で、昇降機の安全性は十分だとは思いますが、車椅子で乗った際に足元の階段が見えないなどのため、視覚的に不安を感じる方もいらっしゃるとも聞いています。何より、その昇降機の操作には補助者が必要であり、児童生徒が自らの意思や操作で階段を昇降することはできません。児童生徒もいずれは社会に出て生活をしていくことになります。社会の中では階段昇降機や補助者がいる状況は一般的ではなく、私はやはりエレベーターが標準であると考えます。自分で行きたいときに目的の階のエレベーターのボタンを押し、移動ができる環境が望ましいこと、このことは社会生活へのトレーニングにも重要であると考えます。
 そこで、改めて学校におけるエレベーターの計画的な設置について質問します。
 まず、各区ごとのエレベーター設置校の状況及び肢体不自由特別支援学級の設置状況をお聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 小中学校におけるエレベーターの設置校数は、東区8校、博多区4校、中央区6校、南区2校、城南区1校、早良区3校、西区6校となっております。肢体不自由特別支援学級設置校数は、東区2校、中央区2校、南区2校、西区2校で、8校全てにエレベーターを設置しております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 現在のところ車椅子を使用する児童生徒などが通う肢体不自由特別支援学級は7つの行政区のうち4区にしか設置されておらず、残る3区、博多区、城南区、早良区にはありません。
 それでは、現状でエレベーターが設置されていない学校にエレベーターを設置する際の標準的な手続とかかる期間、費用の概算をお聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) エレベーターの設置については、設置箇所の検討、基本設計、実施設計、工事を施工するという手順になります。エレベーターを設置する場合の標準的な期間はおおむね2年程度で、費用は約5,000万円となっております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 配置検討から整備にかかる期間はおおむね2年程度であり、エレベーター未設置の学校に追加で配置するためには一定の時間を要すること、また、その費用は約5,000万円とのことでした。
 障害者差別解消法において、行政機関は社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならないと定められており、私は心身に障がいがあってもできる限り、当事者が希望する場合は居住する地域校区への就学ができるよう、自治体として必要な人的支援や環境整備を進めることは重要であり、当然のことだと考えます。
 そこで、今後の学校へのエレベーター設置と肢体不自由特別支援学級の増設に向けた方針をお聞きします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校へのエレベーターの設置については、児童生徒の障がいの状況を踏まえ、肢体不自由のある児童生徒が入学、転入する場合や肢体不自由特別支援学級を新設する場合、または福祉のまちづくり条例に基づき一定規模以上の校舎の新築や増改築を行う場合において設置を検討しております。肢体不自由特別支援学級の増設については、障がいの状況に応じた専門的な指導を必要とする児童生徒の増減及び居住地等の実態を踏まえ、検討してまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 私は昨年6月の一般質問の中で、電動車椅子を使用しながら居住校区の小学校に入学された、当時新1年生の児童の事例を挙げさせていただきました。現在、御家族や補助者の方が同行しながらですが、友達や地域の見守り隊にも支えられ、元気いっぱいに2年生に進級しています。今年は中止となりましたが、昨年の運動会ではしっかりと創作ダンスの輪の中に入り、笑顔で演技をしていた姿が印象的でありました。保護者の方に今後の進路についての考えを伺いますと、本人の気持ちや成長の状況によるけれど、当然に友達と一緒に校区の中学校への就学を考えていますとのことです。福岡市障がい者差別解消条例第7条において、市は事務事業を行うに当たり、不当な差別的取扱いにより障がい者の権利利益を侵害してはならないことの具体項目として、障がい者もしくはその保護者の意見を聞かず、もしくは意思を尊重せず、またはこれらの者に必要な説明を行わずに就学する学校を決定することを掲げています。このことからも、前の答弁でありましたが、翌年度の就学先を決める今の就学相談会のような、言わば単年度スケジュールでの対応ではなく、新たな支援学級の開設やエレベーターの設置も含めたハード整備にかかる期間なども考慮しながら、先を見据えた相談や支援体制の構築を図られるよう強く求めるとともに、全ての市民、国民が障がいの有無によって分け隔てられることなく、人格と個性をお互いに尊重しながら共に生きる社会を実現するため、本市の全ての施策充実を要望し、質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) この際、休憩し、午後2時30分に再開いたします。
午後2時18分 休憩  
 
午後2時 分 開議  
○議長(阿部真之助) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。松野隆議員。
○24番(松野 隆)登壇 私は公明党福岡市議団を代表して、新型コロナウイルス感染症に関連し、一般質問を行います。
 新型コロナウイルス感染症の発症、緊急事態宣言発出から解除と、この間の医療、介護従事者の皆様、エッセンシャルワーカーの皆様、そして、市民に安心感を与えた島市長の素早い決断と市職員各位の御尽力に心から感謝と敬意を表し上げます。誰も想像しなかった長期にわたる仕事の在り方や生活様式の変化を私たちは経験し、この間、私もずっと気になっていたのが、地域の高齢者やひとり親世帯の子どもさんがどのような生活を送っているのかということでした。
 集うこと、触れ合うこと、外出したり人と話すことが制限される中、ひとり親や貧困家庭の子どもたちに食と居場所をどう提供していくのか、独り暮らしの高齢者の日常生活や健康を支え、災害時の要支援者避難はどうするのか、ようやく地域活動も少しずつ再開し、これまでとは違う新しい日常の中で、どういう形で地域福祉活動を進めていくべきか、今問われております。
 そこで、今回は特に子どもと高齢者のセーフティネットの再構築について質問してまいります。
 初めに、子どもについてです。
 学校等の休業や外出自粛が続く中、子どもの見守り機会が減少し、虐待のリスクが高まっているとして、4月10日付で新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言等を踏まえた支援対象児童等への対応について、厚生労働省から子どもの生活環境の変化に伴う状況把握と支援に関する事務連絡が発出され、さらに今般、要保護児童対策地域協議会が中核となり、様々な地域のネットワークを総動員し、支援ニーズの高い子ども等を早期に発見する体制を強化しながら、定期的な見守りを確保する子どもの見守り強化アクションプランの実施が4月27日に公表されました。
 まず、支援対象児童等について、本市が把握している対象の児童等は何人いるのか、お答えください。
 以上で1問目を終わり、以降は自席にて質問いたします。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 福岡市が把握している支援対象児童等の人数についてお答えいたします。
 児童福祉法に規定する要保護児童対策地域協議会、福岡市における要保護児童支援地域協議会において把握しております支援対象児童等は、令和2年3月末現在で1,016人となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) また、児童等とあるように、その対象者の詳細についてお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 支援対象児童等の詳細につきましては、就学児童、保育所、幼稚園等の児童、特定妊婦、未就園児等となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) では、支援対象児童等についてどのような対応を求めているのか、就学児童、保育所、幼稚園等の児童、特定妊婦、未就園児別にお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 支援対象児童等へ求められている対応についてでございますが、まず、就学児童につきましては、学級担任やスクールソーシャルワーカー等が電話などで、おおむね1週間に1回など定期的に児童生徒の状況を把握し、関係機関と緊密に連携して必要な支援を行うこととされております。次に、保育所、幼稚園等の児童につきましては、保育所、幼稚園等において、おおむね1週間に1回など定期的に状況を把握し、関係機関との連携を密に取ることとされております。次に、特定妊婦につきましては、子育て世代包括支援センター、母子保健事業における保健指導や相談支援、養育支援訪問事業などを有効に活用するなどにより、定期的な状況の把握を行うこととされております。未就園児等につきましては、要保護児童支援地域協議会において主たる支援機関を決定し、定期的に状況を把握することとされております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 次に、定期的な状況把握の実態についてお聞きします。
 地域のネットワークの中核となる要保護児童支援地域協議会について御説明ください。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 要保護児童支援地域協議会につきましては、児童福祉法に基づき、支援が必要な児童に対し適切な支援を行うことを目的に、地方公共団体が設置、運営する組織であり、福岡市では区の保健福祉センターが調整機関となっております。要保護児童支援地域協議会を構成する関係機関が支援を必要とする子どもやその家庭への支援内容について協議を行い、連携しながら適切に支援を実施いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 緊急事態宣言継続中のこの協議会の活動実態と、支援対象児童等の状況把握をどのように行ったのか、また、子どもを見守るNPOや地域ネットワークにはどのようなものがあり、連携や役割分担はどうなっているのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 緊急事態宣言継続期間中の要保護児童支援地域協議会の活動についてでございますが、国の子どもの見守り強化アクションプランの内容を踏まえ、主たる機関において定期的な状況把握を緊密に行うとともに、調整機関である区の保健福祉センターにおいて情報を集約し、支援が必要と判断した児童等については、子育て支援サービスにつないだり、児童相談所へ支援を依頼したりするなど、適切に対応を行っております。
また、子どもを見守るNPOや地域ネットワークにつきましては、警察、学校、保育所、幼稚園、児童相談所、医療機関、弁護士会、民生委員児童委員協議会、児童虐待防止に取り組む民間のNPOなどが地域の虐待防止のネットワークである要保護児童支援地域協議会の構成メンバーとなっております。次に、連携や役割分担につきましては、協議会においてあらかじめ対象児童等の状況に応じて支援の内容や役割分担を決め、情報共有を図りながら連携して支援を行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 今回の第2次補正予算には、子どもの見守り体制強化の経費を支援する事業が盛り込まれておりますが、事業概要についてお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 国の第2次補正予算における子どもの見守り体制強化の経費を支援する事業の事業概要についてでございますが、子どもの見守り強化アクションプランの取組を一層推進するため、子ども食堂を運営する民間団体等が要保護児童支援地域協議会の支援対象である子どもの現状を確認するなど、子どもの見守り体制の強化を支援するものとなっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) この事業の実施主体は市町村であり、まずは地域の実態を把握することから始めなければなりません。1民間団体当たり約800万円を上限として、全額国費で、人件費や感染症対策に充てられるなど使い勝手はよく、4月に遡及することもできます。しかし、一番の課題は、民間団体と要保護児童支援地域協議会の連携が不十分であるということです。先月、子どもの見守り強化アクションプランが出された後も、要保護児童支援地域協議会から何ら働きかけがないと全国的に声が上がっているようです。
 これを機に、要保護児童支援地域協議会と民間団体が連携できる仕組みを構築し、虐待などから子どもを守り、安心できる生活支援や食事の提供が進むよう取り組むべきだと思いますが、今後の取組について御所見を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 今後の取組についてでございますが、福岡市といたしましても、地域全体で子どもと家庭を見守る取組は重要であると考えており、松野議員御指摘の国の補助事業を活用するなど、子ども食堂の運営団体と要保護児童支援地域協議会との連携を図りながら、子どもの見守り体制をさらに強化してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 子ども食堂などにも行けないような子どもさんにいかに光を当てて支援体制をつくるのかが、この事業の狙いであります。さらなる取組の強化をお願いしておきます。
 さて、去る6月1日に公明党福岡市議団は島市長宛てに、第2次補正予算と連動し、様々な対策を行っていただくよう、22項目にわたる第4回目の緊急申入れを行いました。その中で、保育所の副食費や市立の小中学校の給食費を当面無償化するよう求めました。
 保育園の副食費や市立の小中特別支援学校の給食費無償化を今年度行った場合の必要額についてお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 保育所等の1か月の副食費の額につきましては各施設において決定しているところでございますが、国が示している目安は4,500円となっております。3歳から5歳児で副食費免除制度の対象となっていない児童数は約1万4,000人であり、無償化を行った場合は1か月当たり約6,000万円が必要となります。仮に今後7月から来年3月まで9か月間の無償化を行った場合には約5億6,000万円が必要となります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校給食費無償化の必要額につきましては、小学校、特別支援学校小学部の1か月の給食費4,200円、中学校、特別支援学校中等部、高等部5,000円に全児童生徒数約12万人を掛けて試算いたしますと、1か月の必要額は約5億4,000万円になります。仮に7月から来年3月までの9か月間で試算いたしますと、必要額は約48億6,000万円となります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 今年度、仮に9か月間の無償化を行えば、必要合計額は約54億円とかなりの事業費になります。しかし、ある民間アンケート調査によりますと、緊急事態宣言地域居住の家庭の収入の40%以上が減ったと回答、一方、フリーランスとして働く人で収入に影響が出ていると答えた人は6割超、さらに、住宅ローン返済中の男女対象のアンケートでは、住宅ローンの返済が既に苦しい世帯は40%、今後苦しくなると予想する世帯も合わせると70%に達したなどの調査結果が出ており、新型コロナウイルスによる家計への影響は、ひとり親家庭や就学援助対象世帯はもちろん、それ以外の多くの子育て世帯をも直撃しております。今回の一連の支援は、事業所や生産者向けの多彩な支援メニューの充実に対し、いわゆる生活者向けの支援は一度限りの特別定額給付金が中心となっており、残業減や子どもの休校による休暇取得によって今後の生活に不安を拭えない家計と心を温めるには、より柔軟で、さらなる支援の拡充が必要ではないかと感じております。
 全ての子育て世代の負担軽減のための当面の給食費の無償化について明確な答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 保育所等の副食費の助成につきましては、市独自の第3子優遇事業などにより経済的な理由から援助が必要な世帯に対して支援を行っております。
 副食費の無償化につきましては多額の費用を要することから、国に対して財政的な支援を強く要望していくとともに、今後、福岡市といたしましても、新型コロナウイルス感染症の影響による経済的支援が必要な世帯の状況把握に努め、支援の方策について検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校給食費につきましては、法令により保護者負担とされているもののうち、食材料費相当額のみを負担していただいておりますが、経済的な理由から援助が必要な世帯に対しましては生活保護や就学援助の制度により支援を行っております。新型コロナウイルス感染症の影響により一時的に経済的な支援が必要となっている世帯に対しましても、就学援助制度等をしっかり御案内し、適切な支援を行ってまいります。
 給食費の無償化につきましては多額の費用を要することから、国に対して財政措置を強く要望するとともに、今後、市としても新型コロナウイルスの感染状況や他都市の状況なども見ながら支援の方策について検討してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 何とぞ御検討をよろしくお願いいたします。
 次に、高齢者についてですが、冒頭に申し上げましたように、民生委員や地域ボランティアの活動も自粛となり、安否確認の訪問や声かけの頻度も減り、独り暮らしの高齢者や障がい者の健康状態が心配されます。報道でもありましたが、東京都内の独り暮らしの高齢男性の孤立死が発見され、検査の結果、新型コロナウイルス感染が認められたということでした。
 本市において、独り暮らし高齢者が、訪問の結果、亡くなっていたケースの有無をお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 地域にお住まいの方などが孤立死の疑いに気づいたときの連絡先となります福岡市見守りダイヤルでは、令和2年4月、5月に計36件の通報があり、そのうち7件で死亡が確認されております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) ふれあいサロンやよかトレ実践ステーション、公民館活動も休止され、家から一歩も出ない、会話もしない日が続くことで、高齢者の心身にどのような影響が考えられるのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 一般社団法人日本老年医学会によりますと、動かないことにより歩くことや身の回りのことなど生活動作が行いにくくなったり疲れやすくなったりし、こうした心身の活力が低下した状態が長く続くと要介護状態や寝たきりとなるリスクが高くなるとされております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 抵抗力が落ち、より身体的なリスクが高まるのではないでしょうか。
 緊急事態宣言は解除されたものの、地域の見守りや声かけが本格的に再開していない現状において、もしも大きな災害が起きた場合、持病がある高齢者や障がい者で避難行動要支援者名簿への登録には同意したものの、誰が助けてくれるのかとの声にどう応えるのか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 避難行動要支援者に対する支援につきましては、名簿を提供している校区自治協議会などを中心として、平常時から顔の見える関係づくりや地域の実情に応じた防災訓練の実施などを進めていただくとともに、災害発生時には自らの身の安全を確保した上で、安否確認や避難支援などを行っていただきたいと考えております。また、現下の情勢において活動を行う際は、マスクを着用するなどの新型コロナウイルス感染症対策を講じた上で活動していただきたいと考えております。福岡市としましても、地域による災害時の避難支援の取組が進むよう、避難行動要支援者支援ハンドブックを作成するとともに、個別計画の策定に向けた出前講座などを行っており、今後とも、これらの取組を推進してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) いまだ続く新型コロナ感染の恐怖に対し、不要不急の外出を控える生活が続く高齢者にとって、毎年9月から各区役所で交付される高齢者乗車券の受け取りは感染リスクが非常に高く、配付方法を検討する必要があると思われます。
毎年、何人の高齢者に交付しているのか、また、最も多い時期に区役所では1日何人の方に交付しているのか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 高齢者乗車券の交付者数につきましては、平成30年度の実績で14万7,344人となっております。例年9月の交付開始直後に申請が集中しておりまして、最も多い区役所では1日当たり最大約1,200人に交付いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 答弁では、新しい日常とは言えない密状態です。高齢者をコロナ感染リスクから守るため、高齢者乗車券の交付方法について検討すべきと考えますが、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 高齢者乗車券につきましては、区役所窓口での交付に伴う混雑が発生しておりまして、議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点からも、より適切な方法で交付を行っていく必要があるものと考えております。そのため、令和2年度から区役所窓口で交付を行う従来の方法を見直し、郵送などにより申請の受付と交付を行う方法に変更してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) ありがとうございます。
 さて、忘れてはならないのが高齢者、障がい者の権利擁護です。成年後見センターの設置については、公明党福岡市議団は20年来要望してまいりました。本市でも認知症施策推進大綱において、令和3年度中に設置予定となりました。目前の2025年には団塊の世代が後期高齢者となり、課題を抱えた高齢者が間違いなく急増します。地域には独り暮らしの高齢者や障がい者、また、低所得者など、素人では解決できないたくさんの課題や複雑な家庭の事情を抱えた方たちの生活実態の事例がたくさんあります。そのような高齢者や障がい者の権利を守り、地域で安心して普通に暮らせる道筋をつけるため、成年後見支援のための中核機関の設置、相談体制の充実は欠かせません。
 中核機関の最大の役割は受任調整にあります。地域包括支援センターなどから上がってくる虐待や成年後見の相談を適切に受ける専門性の担保が極めて重要ですが、中核機関の設置について御所見を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 中核機関の設置につきましては、令和2年4月に福岡市社会福祉協議会内に中核機関開設のための準備室を設け、後見業務を担っている専門職の団体などと協議、調整を行っているところでございます。今後、11月から適切な後見人の選任について協議をします受任調整会議を開催するなど、令和3年度中の開設に向けて準備を進めていくことといたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 着実に準備を進めていただきたいと要望いたします。
 今後ますます成年後見のニーズは高まってくると思われますが、もう1つの課題として、成年後見のための費用負担能力のない人、低所得の高齢者が全国的に増加しており、負担能力がない人のために成年後見利用支援事業がありますが、本市では市長申立てに限っております。市長申立ての全政令市を比較すると、福岡市は極端に少なくなっております。本来は市長申立て以外にも本人申立て、親族申立ても支援対象としていますが、本市は限定的であります。その結果、費用助成を受けられる人も非常に少なく、無報酬案件が増加しているため、受任先である弁護士会、司法書士会、社会福祉士会等から、必要な人が適切に制度の利用が可能となるよう支援対象の拡大と中核機関の関わりを求める声を何度もお聞きしました。
 無報酬案件のまま受任者が見つからない事態を回避するため、利用支援制度の対象拡大を行うべきですが、明確な答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 利用支援制度につきましては、本市においては、後見等の申立てを行う親族がいない場合は市長申立てを行っており、そのうち生活保護を受給されている方または後見人等の報酬を負担することで生活保護の基準を下回る方については、後見人の報酬等を助成いたしております。成年後見のニーズが高まる中で、利用支援制度の対象拡大については重要な課題と認識しておりまして、今後、中核機関設置に向けての関係団体との協議等を踏まえて検討を行ってまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松野隆議員。
○24番(松野 隆) 今、前向きな答弁を頂きました。何とぞよろしくお願いいたします。
 高齢者が認知症になっても安心して住み慣れた地域で生活できるよう、成年後見センターは専門性を備え、質、量ともに十分なものとし、制度利用対象を本人、親族まで広げ、後見のみではなく、保佐、補助までも対象とし、誰もが成年後見制度を利用できるものとするよう強く要望いたしておきます。
 今後、新型コロナによる収入減や失業で家賃が払えなくなったり、生活が成り立たないといった生活困窮者が増加することも考えられます。本市では、オンライン診療、オンライン薬局など、ICTを活用した新しい仕組みも始まっていると聞きますが、独り暮らしの高齢者はそれが利用できる環境になく、通院も自粛しておられます。先日、国会でスーパーシティ法が成立しました。2040年には日本は高齢化のピークを迎え、85歳以上人口で車の運転ができない、足腰が弱って自力で病院に行けない、買物や公民館にさえ行けない、こういう世の中の課題をスーパーシティは解決してくれる大きな可能性を秘めております。誰もが人間の尊厳を持って自分らしく生きていくためには、独り暮らしでも、おじいちゃんでも、おばあちゃんでも、ICTの利活用で簡単にサービスにアクセスできる社会にすることは有意義な事業ではないでしょうか。今回、多くの市民が外出自粛を余儀なくされ、電子申請さえできずに途方に暮れた事実がそのことを物語っております。社会的弱者と言われる高齢者や障がい者が新しい日常を迎えたくても迎えられずに地域に潜在化することのないよう、行政の支援はもちろんのこと、地域住民や企業が困窮者を排除せずに地域の一員として必要な支援が行き届き、全ての住民の暮らしが顕在化するよう、受け入れる環境をつくることも行政の責任ではないでしょうか。
 厚労省が新型コロナに対応し、設置した生活を守るプロジェクトチームによる第3回会議での有識者の声を紹介します。感染防止が求められる今、人と人とが対面したつながりの構築は難しい、孤立化を防止するため、新しいつながり方を提案するのが必要、その際には、事態が収束した後の顔を合わせたつながりの構築まで見据えた支援が必要、また、今回の新型コロナウイルス感染症対策が、これまでの縦割りを見直し、地域づくりの視点が加わった地域共生の本格的な取組につながるよう政策展開を進めてほしいなどの声が出ております。
 高齢者や子ども、障がい者も困窮者も全ての人が住み慣れた地域の中で孤立化せず、安心して自分らしく生きていける地域共生社会実現のために、これから福岡市は地域福祉にどう取り組むのか、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえて島市長の御所見をお伺いし、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 松野議員御指摘のとおり、子ども、高齢者、そして障がい者など、全ての人々が住み慣れた地域で孤立することなく、安心して自分らしく生きていける地域共生社会の実現を図ることは大変重要であるというふうに考えています。福岡市ではこれまで人生100年時代を見据えた持続可能な社会の実現を目指す福岡100の推進や、見守り、支え合う、共創の地域づくりを通して相談体制の充実を図るとともに、多様な地域活動の普及促進を図ってまいりました。こうした取組の積み重ねに加えまして、さらなるICTの活用を図るなど、感染症拡大防止のために対面活動が制約される場合であっても、地域住民や多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えてつながることができる関係を構築することで、全ての人々が安心して住み続けられる地域共生社会の実現を目指してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博)登壇 自由民主党福岡市議団を代表して、コロナ禍における学級編制について、保育問題について、避難所運営について、テレワークについて、以上4点についてお尋ねいたします。
 最初に、コロナ禍における学級編制についてです。
 福岡市では3月2日から学校が休校となり、その後、5月21日から段階的に再開し、今月1日から全員登校が始まりました。しかし、コロナが完全に収束したわけでなく、引き続き学校現場においては児童生徒及び教職員の感染リスクを可能な限り低減する必要があります。
 そこで、本市の学校ではどのような感染症対策に取り組んでいるのか、お尋ねします。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校の感染症対策につきましては、密閉、密集、密接を避けるとともに、マスクの着用及び手指の手洗いなど、基本的な感染対策を徹底することとしており、教室においては、児童生徒の座席の間隔を1メートルを目安に確保し、常時2方向の窓を開けて換気しております。学校施設の消毒については、教室をはじめ、階段や廊下などの共用部分などにおいて、児童がよく触れる場所を中心に、随時または定期的に学級担任やその他の教員、学校用務員などが分担、協力しながら行っております。給食については、マスク、エプロン及び衛生手袋を着用した教職員がつぎ分けを行うとともに、食事中は机を向かい合わせにしないなどの取組を行うことにより、感染リスクを可能な限り低減することに努めております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) ソーシャルディスタンス、3密回避は理解できるんですが、楽しい給食の時間を黙って1方向を見ながらというのは、本来の学校給食からはかけ離れているというふうに思います。ぜひ早いうちに元に戻るように期待したいというふうに思います。
 昨日の議案質疑では、国の2次補正に基づく加配教員や既存の担任以外の教員を活用し、今年度、小学5年と6年及び中学3年で35人を超えている学級で少人数編成による指導を行い、授業を行う人数を35人以下に抑えるとの説明がありました。密を下げるだけでなく、児童生徒へのきめ細かな学習指導にもつながるものであり、大変よい取組だと思います。ただ、少人数編成による指導というのは、学級編制を変更することなく学習集団を少人数化して授業を行うということですが、3密回避の徹底を図る意味からも正式に学級編制を変更したほうがよいのではと考えます。
 そこで、今回、学級編制を変更することなく少人数編成による指導を行うのはなぜか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学級編制については、法令上の基準日が5月1日とされ、その日をもって学級数及びその学級数に基づく教職員定数が確定し、年度内はこの学級編制により対応することとされております。しかしながら、教室内における密集を避ける観点から、加配教員や担任以外の教員を活用し、学級編制は変更せずに、実際に授業をする際の集団を少人数編成にし、指導を行うこととしております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 年度途中での学級編制の変更が難しいことは分かりました。
 ところで、教育委員会では4月議会で予算を補正し、GIGAスクール構想のスケジュールを前倒しして、年内にも小中学校の児童生徒1人1台の端末整備を完了するということになっておりますけれども、そうなれば小中各学校に1教室あり、空調も整っているパソコン教室は空き教室になるのではないでしょうか。子どもたちの安全確保を一番に考えるなら、今年度だけでなく、来年度以降も35人を超えない少人数編成による指導を行うべきと考えます。
 そこで、パソコン教室が普通教室として活用できるようになるのであれば、少なくとも令和3年度は既に各学校に一定数配置されている担任以外の教員を活用しながら、小中学校全ての学年で35人学級を暫定的にでも実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 新型コロナウイルス感染症への対応については、その収束が見通せない中、今後の第2波、第3波も想定した上で、あらゆる対策を講じ、子どもたちの健康を守りながら学びを保障することは教育委員会の責務であると考えております。平畑議員御提案の空き教室となるパソコン教室や担任以外の教員を活用した小中学校全学年での35人以下学級の暫定的な実施は、教室の密度を下げ、感染リスクを低減させるための一つの対応策であると考えられ、その実現性や課題について早急に整理してまいりたいと考えております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 次に、保育問題についてです。
 まず、保育士の処遇改善等の取組について確認いたします。
 子ども・子育て支援新制度が始まったのが平成27年度。福岡市においては長時間手当や被服費、研修費が削減され、保育団体から保育士の処遇改善を求める請願が出される事態となりました。保育の実施義務は自治体にあり、保育士の処遇は守りたいという保育団体と国で手当てされているという双方の主張が対立したものです。もともと福岡市では市有地を無料貸与して建物の4分の3を国と市、残り4分の1を社会福祉法人が負担するという福岡方式と言われる整備手法がありました。保育士の処遇改善を求める新福岡方式を構築してほしいとの請願でした。
 そこで、平成27年度以降の処遇改善について国と市の施策をお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 保育士の処遇改善についてでございますが、国においては、公定価格において、平成27年度以降、月額約3万円の改善に加え、技能や経験に応じた最大4万円の追加的な改善が行われております。また、福岡市においては、これまでも勤続手当等の助成を行っておりましたが、平成27年度から家賃の一部助成や奨学金の返済支援を行っており、さらに、令和2年度からは保育士の負担軽減等を目的として、保育支援員の配置費用を助成いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 保育士への家賃補助については、正規保育士で、かつ世帯主にしか補助されていません。せめて常勤雇用の非正規には補助すべきと思います。奨学金はありがたいと思いますが、保護者の判断で奨学金制度を利用しなかった人もいます。今から保育士になる夢を持って養成校に行く人にとっては大変よい政策ですが、全保育士に対する支援ではありません。つまり家賃補助も奨学金も条件に当てはまる人となることは指摘しておきたいと思います。
 令和2年度の予算に約4億9,000万円の保育体制強化事業が計上されています。どのようなものか、説明してください。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 保育体制強化事業についてお答えいたします。
 事業の目的については、子育て経験者などの地域の多様な人材を保育支援員として保育所等に配置し、園外活動時の見守りや遊具の消毒などの保育を支援する業務に従事いただくことにより、児童の安全な保育環境を整えるとともに、保育士の負担を軽減することで働きやすい職場環境を整備するものでございます。事業の内容につきましては、保育支援員の配置費用として民間保育所等に対して月額最大15万円を助成するものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 保育士資格がなくてもいいので、各保育所が大変助かると考えます。新福岡方式の構築を求められていた保育協会からも、家賃補助、奨学金に加えて、今回の体制強化補助金ですので、新福岡方式と理解したという話もお聞きをいたしました。これからも保育士の処遇改善や保育園の体制強化は続けなければなりませんが、一旦新福岡方式の話はまとまったと理解したいというふうに思います。
 新型コロナウイルス感染症が拡大する中、政府が学校の臨時休業を要請したのが2月末でした。しかし、学校は休業でも、警察や消防だけでなく、医療関係者や市民生活を支える人たちのために休園できないのが保育園です。
 今回のコロナにおいて休園した園はあったのか、また、休園するとしたら、どのような場合が想定されるのか、また、併せて幼稚園の状況についてお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 新型コロナウイルス感染症への保育所の対応等についてお答えいたします。
 まず、新型コロナウイルス感染症により休園した保育所等は現在までございません。
 次に、保育所等の休園が想定される場合につきましては、保育所等の児童や職員に新型コロナウイルス感染症への感染が確認された際に、保健所の調査等を踏まえ、その保育所等に対して休園を要請する場合が考えられます。
 なお、保護者が感染した際には、保健所の調査等を踏まえ、感染のリスクがある場合を除き、保育所等に対して原則として休園を要請することはないと考えております。また、保護者が感染した場合に濃厚接触者となった児童につきましては、登園を控えていただくことといたしております。
 次に、幼稚園の緊急事態宣言期間中の開園状況につきましては、幼稚園は福岡県による休業要請の対象となっておりましたが、一部の園では保育を必要とする児童等を受け入れるため、預かり保育を実施いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 保育士または園児が陽性であったら休園とのことですが、園児の保護者の場合は休園にならないということです。もちろん園児は検査もするし、登園を自粛することになると思います。コロナ感染者が増加していく中、3月から学校は休業になりましたが、保育園は通常どおりです。また、一部の幼稚園においても、保育を必要とする児童のために預かり保育を実施していただいていたということであります。園児も保育士も不安がないと言えばうそになると思いますが、保育園としての責任感、使命感を持って保育していますと異口同音のお話を聞いて、こちらまで心が熱くなりました。そして、4月の臨時議会で医療関係者などと同様に、コロナの最前線で働いている人たちへの支援として、保育士にも給付金をいただきました。本当に金額の多寡ではなく、保育士に対する配慮を覚えていただいていたということで、本当に感謝を申し上げたいというふうに思います。
 今年のゴールデンウイークは、休日保育を実施している5つの公立保育所で医療関係者などのために追加利用枠を設定したと聞いていますが、利用者はどのくらいだったのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) ゴールデンウイーク中の公立保育所の休日保育において追加で設定した利用者数につきましては、令和2年5月3日から6日までで延べ14人となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 昨年のゴールデンウイークが10連休で、初めて開所したということがありました。今年はコロナの関係で利用することができたということですが、よく配慮されたというふうに思いますし、出勤された保育士にも感謝を申し上げたいと思います。
 自粛要請を受けて、真面目に家庭にいる子どもたちのストレスは相当なものです。公園で遊んでも駄目ということでもありましたので、ゴールデンウイーク中、自主的に園庭を開放された保育園もあったそうです。自粛している家庭のストレス解消策なども今後の課題であろうと思います。また、民間保育園260園の中にも平時より災害時の備蓄もしていて、柔軟に対応いただく災害対応保育園のようなものも必要ではないかと考えます。
 もちろん簡単に手が挙がるとは思いませんが、どのような場合に保育所を開所するのか、保育士は何人必要なのかなど早急に検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 災害時等における保育所等の対応につきましては、これまでも台風の接近などの際には具体的な対応について、市から各保育所等に対し、通知を行ってきたところでございます。保育所等における感染が拡大する際の具体的な対応や災害発生時の対応の基準などにつきましては、令和元年10月の国の通知によりますと、国において災害時等の場合の休園の基準について検討されているとのことから、その状況も考慮し、福岡市保育協会とも協議しながら検討を進めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 緊急事態宣言が出たときに、島市長から会見で保育園への登園自粛に触れていただきました。その後、同趣旨の文書もこども未来局から各園に送付されましたので、大半の保護者に協力していただきました。やはり保育園からの説明だけでは効果は少なかったのが、市長からも自粛依頼を頂いたので、多くの保護者に理解をいただけたと思います。
 それでは、緊急事態宣言中の園児の出席率はどのくらいだったでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 緊急事態宣言の期間中における保育所等の児童の出席率につきましては、おおむね3割から4割程度で推移していたものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) おかげで子どもを持った保育士や遠方からの通勤の保育士などは交代で休むことが可能になりました。台風でもコロナでも休めないとなると、ますます保育士不足になると心配しておりましたので、福岡市の素早い対応に感謝の言葉も頂きました。コロナの第2波の流行も懸念されていますが、保育園は必ずしも安全な場所ではありません。特にゼロ、1、2歳の子どもたちもいて、おんぶに抱っこは当然の世界です。その場合は改めて市長からも触れていただくとありがたいし、併せて保育料の公費負担も同様にお願いしたいというふうに思います。
 自粛が解除になりましたけれども、これから夏祭りや運動会、誕生会、生活発表会など、諸行事についてどのように考えていますでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 保育所等における運動会等の行事の開催につきましては、国からの通知において示されている、風邪の症状がある方には参加を自粛いただく、参加者にはマスクの着用や手洗い、アルコール消毒を行っていただくといった感染拡大防止の措置や、参加人数を抑える、参加者同士のスペースを確保するといった実施方法の工夫の例を踏まえ、各保育所等において適切に御対応いただきたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 保護者の中には、一部なんですが、小中学生を持つ親が、学校では運動会がないのに保育園は実施して大丈夫なのかと尋ねる人もいます。逆に、運動会がないと、なぜないのかという保護者もいるわけです。
 小学校のように最低限の決め事があったほうが保育園も対応できるのではないかと考えますが、保育協会などから相談はあっていないのか、また、こども未来局として考え方を示すことはできないのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 保育所等における運動会等の行事の実施に関しましては、福岡市保育協会のほうからお尋ねを頂いており、国の通知等に基づき、行事の実施に当たっては感染対策を十分講じていただくよう各保育所等に回答いたしております。
 次に、保育所等の行事の開催に関する考え方につきましては、国においては、保育所等における行事はそれぞれの保育所等での保育の自主性を生かして企画し、実施されるという前提の下で、実施に当たっての感染拡大防止の措置や実施方法の工夫に関する具体的な例が示されております。福岡市といたしましても、保育所等において行事を開催するに当たっては、国の通知等を踏まえ、感染対策に十分留意しながら適切に御対応いただきたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 安全を考えれば規模縮小か中止とせざるを得ないが、子どもの貴重な体験であり、特に年長児にとっては最後の1年で、思い出もたくさんつくってあげたいと考えるのは保育園としては当然です。小学校ではマスク着用ですが、保育園では原則しておりません。3密や換気を気にする保護者もいるわけです。
 説明や対応に苦慮している園もありますが、公立保育所は行事についてどのように考えているのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 公立保育所における運動会等の行事の対応につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況も考慮しつつ、国が示している感染拡大防止の措置や実施方法の工夫の例などを踏まえながら行事の実施について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 公立保育所の対応については、こども未来局が検討するという答弁です。保育の実施義務を担う福岡市が委託費を支払い、保育料の徴収も福岡市、それなのに指針を示せないというのは、どういうことでしょうか。委託している福岡市としての考え方を示すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 久田こども未来局長。
○こども未来局長(久田章浩) 各民間保育所等における運動会等の行事につきましては、それぞれの園の保育目標等に基づき、独自に企画し、実施されているものでございます。また、新型コロナウイルス感染症への対策として国が示している具体的な感染拡大防止の措置や実施方法の工夫の例などを講じながら行事を実施することは可能であると考えております。したがいまして、今後、状況の変化は考えられますが、現時点では福岡市として各保育所等における運動会等の行事について一律に中止を要請する状況ではないと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) もちろんこども未来局が方針を示したとして、全園がそれに従うということにはならない、その必要もないと思います。ただ、何度も言いますが、園児たちのために何とか思い出をつくってあげたいけど、どんなに3密を回避したとしてもコロナが発生しないとは限りません。そのとき、一部の保護者からクレームが来たらどう対応するのか、それなら何もやらないほうがいいとなりかねないので、何度もお尋ねをさせていただきました。先ほどの答弁では公立保育園については実施に向け検討するとのことでしたので、民間保育園についても、公立における判断を基に実施ということになるのかと思います。小学校では教育委員会の指導で修学旅行以外の行事はほとんどなくなっている状況があります。誰もが経験したことのない、何が正解なのか悩ましく判断に迷う、こういうときだからこそ市の一定の考え方を示すべきであり、示していただくよう要望しておきたいと思います。
 次に、避難所運営についてお尋ねします。
 災害が発生した場合、小学校や公民館が避難所に指定されていますが、新型コロナウイルス感染リスクがある中で、3密を避けなければならなくなっています。
 このような中での避難所運営につきまして、市の防災を担う市民局は具体的にどのように考えているのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 避難所における新型コロナウイルス感染症対策につきましては、避難所における新型コロナウイルス感染症対応マニュアルを作成し、各避難所の運営を行う区役所と共有し、災害時には適切に対応できるよう取り組んでいるところでございます。具体的な対応としましては、公民館に加え、学校施設なども早期に開設するなど、より多くの避難所を確保することとしております。また、避難所においては、間仕切りや養生テープでゾーニングするなど、避難者間のスペースを十分に確保するとともに、小まめな換気を行うこととしております。さらに、マスクの着用や手洗い、消毒を徹底するなど、避難所における感染症対策に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 市街地ではホテルや旅館を避難所として活用することも考えられると思いますが、平成30年の西日本豪雨においては、早良区南部の脇山や入部校区では避難所となった公民館が満杯になり、集会所などにも分散避難を余儀なくされました。
 その経験を踏まえ、地域との協議はどのようになっているのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 脇山校区及び入部校区につきましては、区役所と校区の自治協議会が協議を行い、地元の民間施設など4か所を新たに臨時避難所として利用できるようにしており、災害時の避難についても、地域において情報の周知、共有をしていただいております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 民間、JA福岡市さんの御協力を頂くということになったというふうにお聞きをいたしました。
 ホテル、旅館以外で事前に親戚の家に避難をしていただくことも重要ですが、コロナ感染のリスクを考えると、校庭などにおける車中泊も考えられますが、いかがでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 車中泊につきましては、浸水時の車での避難は危険を伴いますので、避難経路や駐車場所が浸水想定区域でないことの確認を十分に行っていただくとともに、エコノミークラス症候群への対応を行っていただきたいと考えており、市政だよりや市のホームページなどにおいて車中泊の注意喚起を行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 先日発表された新型コロナウイルス感染症を踏まえた災害時の避難に関する内容を見ると、避難所における密を避けるために学校施設も早期開設するとなっていますが、教室の利用はどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 災害時における教室の利用につきましては、これまでも妊産婦及び乳幼児などの要配慮者の方が利用する福祉避難室として利用することとしておりますが、今回、避難所における新型コロナウイルス感染症対応マニュアルにおいて、発熱、せき等の症状のある避難者を隔離するための専用スペースとしても利用することとしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 特に学校は鍵の管理がですね、体育館とか門の鍵は地域でも預かっているんですが、なかなか教室の鍵は持っていないので、そこは詳しく協議をいただければというふうに思います。
 自宅待機のコロナ陽性者は保健所の指示に従うことになっておりますけれども、そのような方は移動にはバス、電車、タクシーなどの公共交通機関が利用できないとなっております。
 そこで、保健所はどのような指示をするのか、また、移送はどのように考えているのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 新型コロナウイルス感染患者につきましては、基本的には医療機関に入院または宿泊療養施設に入所していただくことになります。事情により自宅療養となった場合で、その方が避難する必要が生じた際には、原則として宿泊療養施設に避難いただくこととしておりまして、その際の移送につきましては、感染症予防対策を施した患者移送車で行うことといたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 患者移送車ですね、これは民間に委託しているんですが、何とか今2台はそろっているんですが、それしかないということであります。大雨のように警報が事前に出ているときはいいんですが、そうではない災害もあるわけです。いろんな場合を想定していただくようにお願いをしておきたいと思います。
 避難所の運営は市職員と地域の役員となりますが、避難者で熱などがあり隔離していた人が検査の結果、コロナの陽性、プラスとなった場合、世話役の人が濃厚接触者となり、自宅隔離になると思いますが、その場合の対応はどのようになるのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 避難所運営につきましては、原則、避難者への対応は市職員が行うこととしておりますが、職員が濃厚接触者となり、運営に携わることが困難となった場合は、交代の避難所運営職員を派遣し、対応することといたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) もちろん市の職員の場合は交代が来るようになるというのは当たり前なんですが、地域の避難所は、基本、地域の方がいて運営ができているわけです。もう一歩踏み込んで、地域との協議をしっかりしていただくように要望しておきたいというふうに思います。
 災害が発生した場合、被災地の声を聞くと必ず、電気、水道が使用できずトイレに困ったとの声を聞きます。もちろん水、食料、毛布など備蓄しているのは分かりますが、食事は我慢できても、トイレは我慢できるものではありません。阪神・淡路大震災や東日本大震災、また、近年の大雨による豪雨災害などに加えて、コロナのおそれもあります。
 被災地におけるトイレ状況についてどのような状況だったのか、本市が把握していればお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 災害時のトイレにつきましては、平成28年4月に国が作成した避難所におけるトイレの確保・管理ガイドラインによりますと、東日本大震災などにおいて、避難者数に対してトイレが不足していたためにトイレの衛生状態が劣悪になったこと、また、トイレの使用を減らすために水分や食事を控えることとなり、被災者の心身の機能の低下や様々な疾患の発生並びに悪化が見られたことが報告されております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 福岡市の場合はどう対応するようになっているのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 災害時のトイレの確保につきましては、断水などにより施設のトイレが使用できない場合、市が備蓄している携帯トイレ、簡易トイレ、マンホールトイレを活用するほか、民間事業者との災害協定に基づき、必要に応じて速やかに仮設トイレを設置することとしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) マンホールトイレについては、新しく造る小学校、公民館などで整備しているというふうに聞いておりますけれども、整備状況をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) マンホールトイレにつきましては、下水道管路にあるマンホールの上に簡易な便座やパネルを設け、災害時において迅速にトイレ機能を確保するものでございます。設置状況については、公民館5か所に10基、学校5か所に21基、総合体育館に4基、地区体育館3か所に10基、公園4か所に15基、合計18か所に60基を設置しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) マンホールトイレの整備はなかなか進んでいないという感じです。小学校、公民館の新設のときだけでなく、既存の施設においても必要なところには整備を進めるべきと考えます。災害の状況や規模によって一概に言えないのでしょうが、例えば、大雨時の避難先は浸水や土砂災害のハザードマップと照らし合わせ、安全が確保される避難所を開設すると思います。
 それらを踏まえると、避難所の機能の一つとなるマンホールトイレの整備についても、ある程度優先度をつけ進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) マンホールトイレにつきましては、避難所である小中学校や公民館などで新設や大規模改修時に整備することとしており、関係各局とも連携し、優先度等、整備の在り方を検討するなど、設置に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 福岡市で大災害が起きたときは、福岡市の基本戦略は仮設トイレ、いわゆるくみ取式トイレで対応することになっています。小学校の体育館を避難所と仮定した場合、仮設トイレは早ければ発注当日、または翌日までに設置完了するというふうに聞いています。トイレの問題は衛生面であります。現代の人は水洗トイレに慣れていて、便器が汚れたり、臭いがきつかったりするので、半日もたつと使用できなくなる人が続出するというふうに思います。
 今年の初め、自民党市議団で移動式完全自己処理型トイレ、つまり電源が不要、上下水道設備不要、くみ取り不要で、きれいで快適な水洗洋式トイレを視察してきました。太陽光パネルを使用して蓄電池があるので、電源設備が要らない、洗浄水は循環させて排せつ物を細かく粉砕し、微生物で汚泥を分解、フィルターで洗浄水の不純物を取り、無臭処理されているというものであります。(パネル表示)小さくて申し訳ないんですが、これは左右に1つずつついているものです。ちょっと中が狭いんですが、もう1つ、(パネル表示)これはユニバーサルのトイレなので、非常に広くできています。こういうトイレが3年前の九州北部豪雨、杷木町のボランティアセンターでも既に利用されていました。2年前の倉敷のまび記念病院ですね、そこにも設置をされていまして、大変な好評を頂いたというふうにお聞きをいたしております。
 ちなみに、金額は幾らかというと、普通、男女1つずつついているのが大体1,800万円ぐらいだそうであります。じゃ、何と比べたらいいのか、よく分かりませんが、一応住宅都市局にお聞きをいたしました。我々の近くにある公園の男女共用のトイレ、あれが大体1,200万円ぐらいでできるそうです。男女別になっているトイレは大体2,000万円ぐらいということで、あまり変わらないような金額だなというふうに思います。もちろん移動式のトイレですから、一番いいのは、本当は山の中だったり、大きな公園の端のほうに置いておくというのは、工事が要りませんので、安くつくのではないかというふうに思いますが、今回こういうコロナのことがあっています。男女に分けるのも当たり前ですが、コロナの感染者用のということも必要になってきます。また、大きな地震があった場合は、この天神なんかは帰宅困難者でいっぱいになる可能性もあります。ふだんより市役所の西側広場とか、警固公園とか、天神中央公園とかに置いておいて、いざというときに活用するというのもありなのかなというふうに思っております。
 こういう自己処理型トイレの購入について、市民局長の答弁を頂きたいというふうに思います。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自己処理型トイレも含めまして、災害時のトイレの確保につきましては、今後とも、平常時の利用方法や費用対効果など、様々な観点からしっかりと検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) ぜひよろしくお願いします。
 最後に、テレワークについてのお尋ねです。
 コロナ関連の取組の一つとして、新たにテレワーク導入に向け環境整備を行う中小企業に対し、最大50万円まで支援するというテレワーク促進事業支援金があります。これはどのような内容なのか、支援内容について説明ください。
 
○議長(阿部真之助) 酒井経済観光文化局総務・中小企業部長。
○経済観光文化局総務・中小企業部長(酒井雄二) テレワーク導入支援事業の内容につきましては、新たにテレワーク環境の整備を行う市内の中小企業等を対象として、テレワークに必要な機器の購入費用や専門家の助言を受けるためのコンサルティング費用などについて、50万円を上限に支援するものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 4月の補正予算では1億円計上でありましたけれども、申込みが多くて、1億円の追加補正を行い、2回目の募集までしたということでしたが、現状どのような状況でしょうか。
 申し込んだが受付してもらえなかった会社はあるのか、またあわせて、既に今回の福岡市のテレワーク支援を活用して環境整備を完了された会社はどのくらいあるのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 酒井経済観光文化局総務・中小企業部長。
○経済観光文化局総務・中小企業部長(酒井雄二) テレワーク導入支援事業の申請状況につきましては、5月7日から始めました募集は目安としていた400件に達したため、一旦停止いたしましたが、申請額が上限額に満たないものも見込まれたため、追加募集をしたところ、519件の申請がございました。追加募集につきましては、申請者数の上限を設けず、申請があったものは全て受付を行っております。また、6月11日時点でテレワーク環境の整備が完了し、支援金を支給した件数は47件でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 想像以上の申込みの多さではないかと思います。全国的にも多くの企業が今回のコロナをきっかけに働き方を見直すなど、社会の構造を大きく変える大転換の年になることは間違いないというふうに思います。
 テレワーク支援事業の募集要項等には先着順との明記はしてありませんでした。ウィズコロナ時代の新たな働き方をつくり出していくために、多くの企業が必要としているこの事業は意義のある事業であり、せめて申込者は全員支援の対象となるべきだし、予算も増やして対応しなければならないと思いますが、いかがでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 酒井経済観光文化局総務・中小企業部長。
○経済観光文化局総務・中小企業部長(酒井雄二) テレワーク導入支援事業の申請者への対応につきましては、予定していた400件を大幅に上回る919件の申請を受け付けておりますが、これらの事業者は新型コロナウイルス感染症の拡大防止や事業継続体制の強化に積極的に取り組む意欲のある事業者であり、市として支援すべきと考えており、既決予算の中で申請のあった全ての事業者を支援対象とするよう対応してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 今回、補正予算には入っていませんでしたが、さらなる支援拡大をすべきと申し上げておきます。
 それでは、市役所でもテレワーク、いわゆる在宅勤務が利用されたと思いますが、市役所における在宅勤務とは具体的にどのような仕事でしょうか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために実施した在宅勤務につきましては、市役所の庁内ネットワークにつながるパソコンを使用して行う場合のほか、パソコンを使用しなくても自宅で実施できる業務が整理できる場合についても、その対象としたところでございます。在宅勤務中の業務につきましては、それぞれの部署が所管する業務に応じて自宅でできる業務を整理した上で実施することとしており、例えば、データの集計や報告書の作成、企画立案などの業務がございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) パソコンの持ち出しとなると、個人情報等のセキュリティーはどうだったのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 個人情報などのセキュリティーにつきましては、住民記録や税情報、マイナンバーなどの個人情報を取り扱う事務を行う場合はパソコンの持ち出しを禁止しており、また、自宅のパソコンからもこれらの個人情報を扱うシステムにはつながらないようになっております。一方、その他の事務を行う場合につきましては、セキュリティーを確保したパソコンの貸与や自宅のパソコンに在宅勤務専用のアプリをインストールすることにより、自宅から市役所のシステムに接続できる環境を整備しているところでございます。
 なお、専用のアプリにより在宅勤務中に利用したデータは自宅のパソコンには一切残らない仕組みとなっており、職場と同様のセキュリティーを確保しているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) それでは、市役所において実施された時差出勤や在宅勤務について、時差出勤の活用状況と在宅勤務はどのような部署でどれくらい実施したのか、併せてお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 時差出勤につきましては、2月25日から通常の始業時間に加え、新たな始業時間を設定して実施したところであり、本庁舎では9割を超える所属が活用しているところでございます。
 次に、在宅勤務につきましては、4月8日から妊娠している職員なども対象となるよう要件を拡大して実施したところであり、4月13日から5月6日までは感染拡大防止のために出勤者数の抑制目標を定めて実施したところでございます。その実施に当たりましては、市民に最も近い基礎自治体として、感染症対策に係る業務や窓口業務など、市民のために必要不可欠な業務に従事する部署に必要な人員を充てることとした上で、それら以外の部署で実施したところであり、4月27日時点での実施率は50.2%となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 今、4月27日で50%ということでありました。もうちょっと詳しく言うと、全職員、教職員を除く正規職員8,683人中、必要不可欠な業務に従事する以外の部署、正規職員3,204人、そのうちの約48%がその日、在宅勤務をしていたということであります。会計年度任用職員も同様に入って、合わせて職員数が4,000人のうち2,000人が在宅勤務で50%というようなことでございました。
 今回、保健福祉局や経済観光文化局、市民局、大変忙しい部署と、そうでもないという部署があったと思います。この危機的状況に対応するため、部署を超えてどの程度協力したのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 新型コロナウイルス感染症への対応に当たりましては、市民の生活や経済活動を守るための各種施策を迅速かつ的確に実施するため、人事異動や職務命令による延べ3,200人程度の応援体制を構築するとともに、医療機関等へ配布するマスク等の入手やPCR検査のための検体搬送業務等を農林水産局や環境局が実施するなど、局区を超えた柔軟な業務分担を行いながら全庁を挙げて取組を進めているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 先ほど1日で在宅勤務したのが約2,000人ということでした。局を超えて応援に行ったのが、この2か月間で延べ3,200人ということであります。この人数が多いのか少ないのかということであります。もちろん今回、保健福祉局とか経済観光文化局、それぞれの担当以外にコロナの関連を担当されていて大変忙しくて、でも、その人数はもちろん入っていません。友人や同期で協力した、加勢したというのも当然カウントはされていないということはもちろん分かります。最優先は感染拡大防止であったので、在宅勤務もしてほしいということで数値目標もつけてお願いをしたので、このくらいにはなったんだということではあります。ただ、未曽有の危機であるこのコロナのときに、個人的には市役所職員全員で対応した、頑張った、みんなで力を合わせてやったと、福岡市の底力を出すという場面でもあったのではないかというふうにも思ったりもします。
 3月、4月は異動の時期で、大変忙しい時期であります。しかしながら、今回はそれにプラスしてコロナもありました。しかし、区役所は日曜日も開いていましたけれども、大混雑をしておりまして、住民票を取るのに1時間、2時間かかるというのも当たり前でございました。市民からすると、もう少し人を増やして、機械を増やして、広い場所でというふうに思った人もいると思います。国も県も市も新しい施策も出ましたが、電話もつながらない、でも相談をしたいという市民も大勢いたというふうに思います。来年の3月、4月、そして、第2波に備えても、まだまだいろんな工夫の余地はあるというふうに思います。
 今後の働き方として、在宅勤務の活用に向けてどのように考えているのか、今後導入していくのか、有事のみなのか、在宅勤務した人の声はどうか、メリット、デメリットなど把握できているのか、お尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 龍総務企画局長。
○総務企画局長(龍 靖則) 今回の要件を拡大して実施した在宅勤務につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための取組として、緊急かつ一時的に実施したものでございます。在宅勤務の活用など、多様な働き方を推進していく観点から、今後、今回の取組に係る職員の意見なども把握してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 在宅勤務を一回もしていないよという職員も大勢いらっしゃるというふうに思います。休みも取っていないという方もたくさんいらっしゃるというふうに思います。
 今後、オンライン会議というものも当然となってくるとは思いますが、これはふだんから慣れていないと会議にならないというふうに聞きました。会議となると、司会者はもちろん、他の人の発言もリアクションも分からないと本当の会議にはならないというふうに聞きました。福岡市役所もグローバルに対応していく必要がありますが、フェース・ツー・フェースが大事な仕事でもあります。職員同士の何げない会話や雑談があって、チームワークや団結も生まれます。
 これからの新しい生活様式を踏まえた市役所の新しい働き方に対する市長の所見をお尋ねして、質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止する観点から、国において専門家会議の提言を踏まえた新しい生活様式が示され、オンライン会議やテレワークの推進など、新しい働き方の実践が求められているところでございます。福岡市におきましては、市民に最も近い基礎自治体であり、相談業務や福祉の分野など、区役所をはじめ、多くの部署が市民と直接関わる業務に従事をしていることから、これまで同様、市民サービスの提供を丁寧かつ着実に行いながら、新しい生活様式における実践例を踏まえ、オンライン会議など、ICTの活用をこれまで以上に推進するとともに、テレワークなどの多様な働き方について検討してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) お諮りいたします。
 本日の会議はこの程度にとどめ、残余の質問は明17日の会議にこれを繰り延べたいと思います。これに御異議ありませんか。
      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 
○議長(阿部真之助) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次の会議は明17日午前10時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後3時49分 散会