令和2年3月11日(水)

令和2年第1回福岡市議会定例会
議  事  日  程 (第5号)
                             3月11日 午前10時開議
第1 議案第25号ないし議案第75号

本日の会議に付した事件
議事日程のとおり

出 席 議 員 (61名)
1番  稲 員 稔 夫       2番  鬼 塚 昌 宏
3番  堤 田   寛       4番  川 上 陽 平
5番  津 田 信太郎       6番  大 森 一 馬
7番  平 畑 雅 博       8番  伊 藤 嘉 人
9番  打 越 基 安      10番  川 上 晋 平
11番  阿 部 真之助      12番  勝 山 信 吾
      14番  淀 川 幸二郎      15番  調   崇 史
16番  大 坪 真由美      17番  古 川 清 文
18番  高 木 勝 利      19番  新 村 まさる
20番  大 原 弥寿男      21番  今 林ひであき
22番  篠 原 達 也      23番  尾 花 康 広
24番  松 野   隆      25番  楠   正 信
26番  冨 永 計 久      27番  森   英 鷹
28番  南 原   茂      29番  おばた 久 弥
30番  山 口 剛 司      31番  大 石 修 二
32番  黒 子 秀勇樹      33番  藤 野 哲 司
34番  堀 本 わかこ      35番  中 島まさひろ
36番  天 野 こ う      37番  山 口 湧 人
38番  松 尾 りつ子      39番  井 上 麻 衣
40番  飯 盛 利 康      41番  はしだ 和 義
42番  浜 崎 太 郎      43番  堀 内 徹 夫
44番  綿 貫 英 彦      45番  森   あやこ
46番  福 田 まもる      47番  国 分 徳 彦
48番  藤 本 顕 憲      49番  倉 元 達 朗
50番  中 山 郁 美      51番  荒 木 龍 昇
52番  高 山 博 光      53番  ついちはら陽子
54番  田 中 たかし      55番  成 瀬 穫 美
56番  山 田 ゆみこ      57番  宮 浦   寛
58番  近 藤 里 美      59番  川 口   浩
60番  落 石 俊 則      61番  田 中しんすけ
62番  池 田 良 子

欠 席 議 員 (1名)
     13番  川 上 多 恵

説明のため出席した者
市       長   島 宗一郎   副市長  光 山 裕 朗
副  市  長  中 村 a 一   副市長  荒 瀬 泰 子
水道事業管理者  清 森 俊 彦   交通事業管理者  重 光 知 明
総務企画局長  小野田 勝 則   財政局長  松 本 典 久
市民局長  下 川 祥 二   こども未来局長   田 浩 輝
保健福祉局総務企画部長  中 村 卓 也    環境局長  坂 本 秀 和
経済観光文化局総務・中小企業部長 今 村    寛   農林水産局長  細 川 浩 行
住宅都市局長  石 橋 正 信   道路下水道局長  駒 田 浩 良
港湾空港局長  清 家 敬 貴   消防局長  山 下 周 成
会計管理者  水 町 博 之   東区長  山 方   浩
博多区長  宮 島 哲 瑞   南区長  有 川 由 美
城南区長  渡 邊 恭 順   早良区長  永 渕 英 洋
西区長  永 浦 洋 彦   教育長  星 子 明 夫
教育委員  武 部 愛 子   選挙管理委員会事務局長  宮 崎 晶 子
人事委員会事務局長  中 村 郁 子   監査事務局長  馬 場 哲 久

職務のため出席した事務局職員
議会事務局長  土 井 裕 幹   議会事務局次長  金 子 佳 史
議事課長   着 一 孝   議事係長  中 村   博
外関係職員

午前10時 開議  
○議長(阿部真之助) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第25号ないし議案第75号、以上51件を一括して議題とし、昨日に引き続き各派代表による質疑を行います。発言通告者のうちから順次質疑を許します。中山郁美議員。
 
○50番(中山郁美)登壇 おはようございます。私は日本共産党市議団を代表して、島市長の市政運営方針と2020年度予算案及びその他の諸議案について、市長並びに教育委員会等に質問いたします。
 初めに、新型コロナウイルス感染症についてです。
 拡大防止のための相談、検査体制の抜本的な強化とともに、学校の臨時休業に伴う留守家庭子ども会などの利用料の完全無料化、フリーランスや自営業者の損失補?などの対策を行うべきではないかと思いますが、答弁を求めます。
 また、安倍首相が要請した全国一律の学校臨時休業は科学的根拠がなく、現場の意見も聞かずに強行されたものであり、各自治体が自主的に判断すべきものであることが国会審議で明らかになりました。市長が国の要請に無条件に追随し、教育委員会との協議を行ったとして臨時休業を強行したことにより、留守家庭子ども会での感染リスクを広げるなど、様々な現場に混乱と困難をもたらしたのであります。
 したがって、医学、公衆衛生等の学識経験者の意見や学校現場の声を踏まえて、学校の臨時休業の適否や時期、範囲を見直すとともに、現状でも登校日の設定など、各学校の自主的な判断を尊重すべきではありませんか、御所見をお伺いします。
 次に、安倍政権の政治に対する島市長の態度についてです。
 安倍政権の下で桜を見る会疑惑に続いてカジノ汚職が発覚し、底知れない疑獄事件に発展する様相を呈しています。どちらも安倍首相を直撃する大問題に発展しており、政治のモラル破壊が行き着くところまで来たと言わねばなりません。こんなことが放置されたら、日本の民主主義は根から腐り果て、法治国家ではなくなってしまう大問題であり、国に対して疑惑の徹底解明を求めるべきではありませんか、答弁を求めます。
 消費税が10%に引き上げられ、景気はひどい落ち込みとなりつつあります。そもそも低所得者ほど負担が重くなる消費税は社会保障財源にはふさわしくありません。消費税に頼る道をやめ、大企業や富裕層に応分の負担を求める税制へと転換するとともに、緊急に消費税を5%に減税するよう国に求めるべきではありませんか、答弁を求めます。
 紛争の危険が高まる中東への自衛隊の派兵など、安倍政権による憲法の破壊、戦争する国づくりは許されません。安倍政権の下での憲法第9条の改定に本市として反対を表明し、同条項を変えないよう国に求めるべきと思いますが、御所見をお伺いします。
 次に、島市長の市政運営方針の基本点と新年度予算案の基調についてです。
 安倍政権のこうした暴走から市民の暮らしを守るのが自治体本来の役割のはずですが、島市長は逆にこの暴走の先兵となっております。とりわけ見過ごせないのが、本市の若者の名簿を一括して自衛隊に提供する方針を打ち出し、強行しようとしている問題です。多くの自治体が名簿を出さないことを安倍首相は憲法改悪の口実としてきましたが、市長はその顔色をうかがって方針転換をしたものです。また、本人同意もなく個人情報を提供するやり方は本市条例が定める個人の権利利益の侵害に当たります。
 したがって、自衛隊への名簿提供の方針を撤回すべきと思いますが、答弁を求めます。
 島市長は安倍政権と一体になって、人工島事業、天神ビッグバン、ウォーターフロント再整備などの大型開発の強行、特区を活用した安全性の社会的合意がない電動キックボードの規制緩和を掲げています。他方で、国民健康保険料は3万2,000筆を超える引下げ署名には応えず、逆に値上げを打ち出し、子どもの貧困が大きな問題となる中で、生活保護基準の切下げに連動して就学援助基準を引き下げようとしています。本市では、年収300万円未満の低所得世帯が全体の半数を占めており、このような予算、市政運営では市民の暮らしは立ち行かなくなります。市長は一丁目一番地の重点施策として、クルーズ船誘致などの安倍政権仕込みの観光行政をしゃにむに進めてきましたが、日韓関係の悪化や新型コロナウイルスの影響によって、この路線は劇的に破綻しました。外からの呼び込み頼みでは、外部の事情に絶えず左右される上、短期で陳腐化するMICEなどの施設建設に巨額の投資を繰り返さざるを得ず、持続可能な発展は不可能です。
 内発的で地域循環型の経済に切り替えるときであり、とりわけ消費増税によってGDPが年率換算で6.3%も落ち込んだ今こそ、市民の暮らしと福祉、地元中小企業を応援する予算へと組み替えるべきではないかと思いますが、市長の所見を伺います。
 次に、大型開発と規制緩和について質問いたします。
 第1は、ウォーターフロント開発、博多湾大改造についてです。
 まず、ウォーターフロント開発ですが、本事業はMICEやクルーズの機能強化として、今後、第2期展示場、立体駐車場、都市計画道路、新交通システム、さらに、新たな埋立て、ホールやクルーズターミナル、高級ホテルとそれに続く車路などを市民に総事業費も明らかにしないまま推進しようとする異常な開発計画です。
 本事業は特定企業や大企業ばかりがもうかり、本市財政を圧迫し、将来に大きな禍根を残すものであり、きっぱり中止すべきだと思いますが、御所見をお伺いします。
 次に、博多湾大改造についてです。
 破綻した人工島埋立てに責任を負うべき本市が新たな埋立計画を予算も示さずに進めることは許されません。ペイペイドーム9個分、65ヘクタールもの箱崎ふ頭地区の水面貯木場及び海面処分場の埋立ては、人工島埋立ての平均平米単価10万6,000円で計算すれば、埋立費用だけで700億円です。
 莫大な費用がかかり、必要もない新たな埋立計画はやめるべきだと思いますが、答弁を求めます。
 また、クルーズ船の寄港数が減少する中、中央ふ頭の新たな埋立てをやめるとともに、博多港港湾計画を大幅に見直すべきだと思いますが、御所見をお伺いします。
 第2は、天神ビッグバンと博多コネクティッドについてです。
 これらのプロジェクトは、建て替えでオフィスを大量に創り出すために国家戦略特区などを活用してビルの高さ規制を緩和するとともに、にぎわい創出と称して地下道建設や橋の架け替えなどへの税金投入、水上公園のレストランや大名小跡地のホテル建設で便宜を図るなど、特定企業への不当な優遇を行うものです。これまで市内中心部におけるオフィスビルの賃貸面積は10年間で10万坪もの大幅増加となりましたが、同時期の市民1人当たりの家計の可処分所得は逆に減っており、オフィスが増えても市民の暮らしの向上に結びつかず、一部の大企業を潤わせるものでしかないのは明らかです。それどころか、これらのプロジェクトは地価の暴騰、住民の追い出し、渋滞、ラッシュ、災害時の混乱などといったインフラのパンクを引き起こして都心の一極集中とまち壊しを進めかねません。他方で、建て替えが集中する期間、人の流れが変わってしまう心配が広がっており、商売が続けられずに店を畳む零細業者も既に生まれています。
 したがって、天神ビッグバンと博多コネクティッドは中止すべきと思いますが、答弁を求めます。
 第3は、破綻した人工島事業に巨額の公金を投入し続けている問題についてです。
 人工島事業は、市が土地を税金で買い取り、島市長の下で、こども病院、新青果市場、福岡市総合体育館など、公共施設を強引に移転させてきました。民間への土地分譲についても、建設単価さえも下回る分譲単価の大幅引下げ、土地を購入した企業への数億円もの立地交付金の投げ渡しなどによって、ようやく売却しているのが実態であります。市長は土地の分譲が順調だと言っていますが、市の計画どおりに土地処分が進んだとしても、最大で421億円もの赤字となり、事業の破綻は明らかです。
 破綻した人工島事業に島市長は毎年約100億円を投入しており、新年度予算においても140億円もの莫大な税金をつぎ込もうとしています。したがって、これ以上の税金投入はやめるべきと思いますが、御所見をお伺いします。
 人工島への都市高速道路の延伸事業費は当初250億円だったものが次々と膨れ上がり、401億円にもなっております。また、福岡空港への路線も僅か2キロの延伸に500億円を見込んでいますが、どこまで膨れ上がるか分かりません。僅か数分の時間短縮のため、途方もない公費を投入するこれらの無駄な高速道路延伸計画は直ちに中止すべきと思いますが、御所見をお伺いします。
 第4は、国家戦略特区についてです。
 島市長が安倍政権と一体に推進するグローバル創業・雇用創出特区は、市民を守るルールを壊す規制緩和を次々と行っています。これ以上、市民を犠牲にして財界のもうけづくりに突き進むことは許されず、本市の特区指定を返上すべきと思いますが、答弁を求めます。
 本市が国家戦略特区会議で提案した電動キックボードについての規制緩和は、特区などの枠組みを使って安全性の確認や社会合意がない技術を拙速に市内で試すものであり、撤回すべきだと思いますが、答弁を求めます。
 また、九州大学箱崎キャンパス跡地を念頭に推進しているFUKUOKA Smart EASTは、先進的な技術や革新的なビジネスモデル等の実証実験を行う場に同跡地を変質させようとするものであり、抜本的に見直すべきだと思いますが、答弁を求めます。
 次に、医療、介護、生活保護、高齢者、障がい者福祉など、社会保障の改善について質問いたします。
 第1は、国民健康保険及び後期高齢者医療等の問題です。
 本市の国保世帯の平均所得は約73万円、所得200万円以下の低所得者がその約86%を占める中、所得233万円の3人世帯で41万円など、異常に高い保険料を生み出し、国保世帯の5分の1が滞納するなど、深刻な事態をつくり出してきました。しかし、市長は新年度、都道府県単位化による納付金の上昇や赤字解消計画に基づく法定外繰入れ削減方針に基づき、21億円もの剰余金を保険料引下げに充てることなく全額基金に積み立てる一方で、1人当たり保険料については2,000円、介護分を含めると4,300円余も引き上げようとしております。
 これは保険料を引き下げるとして当選した島市長自身の公約を10年越しで踏み破るものであり、許されないと思いますが、御所見を伺います。
 また、法定外繰入れについて、国は県単位化の下でも自治体独自の判断だとしており、機械的な削減をやめ、必要額を確保し保険料引下げを行い、保険証取上げ、短期証への切替え、滞納の事情を考慮しない問答無用の差押えをやめるべきだと思いますが、御所見を伺います。
 あわせて、高い保険料の要因となっている均等割と世帯割について公費を1兆円投入して廃止するよう国に求めるとともに、子どもの均等割分については市独自に補?して負担をなくすべきだと思いますが、答弁を求めます。
 後期高齢者医療については、保険料軽減特例の縮小、廃止の影響を回避し、大幅に引き下げるために県の財政安定化基金、広域連合の運営安定化基金を活用するよう福岡県広域連合に求めるとともに、国に対して、軽減措置を元に戻し、窓口負担の2割への引上げは絶対に行わないよう申し入れるべきではありませんか、お尋ねいたします。
 こども病院並びに市民病院については、勤務時間内での引継ぎや更衣時間の確保をはじめ、職員の声を生かし、労基法を遵守し、働きやすい職場へと改善するよう指導すべきと思いますが、御所見を伺います。
 第2は、介護保険についてです。
 医療介護総合確保推進法により、要介護2以下が特養ホーム申込みから締め出され、利用料の2割、3割負担の導入のために必要な介護が受けられない事態が続いています。さらに、要支援の訪問介護と通所介護が総合支援事業へと移行させられるなど、介護保険そのものが崩壊の危機にさらされております。
 自治体の長が国の言いなりで保険あって介護なしという状況をつくり出すことは許されず、条例を改定し、サービス水準等を市独自に改悪前に戻すべきだと思いますが、お尋ねします。
 また、介護職員の報酬引上げと人材確保のための独自補助を行い、深刻な介護職員不足を解消すべきではありませんか、答弁を求めます。
 上がり続けてきた高過ぎる介護保険料については、一般会計からの繰入れを行い、引き下げるべきではありませんか、お尋ねします。
 また、絶対的に不足している特別養護老人ホーム整備については、希望者全員が速やかに入所できる計画へと見直し、公共施設跡地等の用地を無償貸与し、早急に待機者解消を図るべきだと思いますが、答弁を求めます。
 第3は、生活保護並びに貧困対策についてです。
 貧困率が15.6%に上る中、貧困問題の解決は喫緊の課題となっております。ところが、安倍政権は生活保護基準の連続引下げを強行し、昨年10月にも生活扶助の引下げとなり、食事は1日2食、子どもの服が買えないなど、生存権さえ否定される事態が常態化しております。
 市長は生活扶助費などの切下げの中止とともに、過去削減した各種扶助費を元に戻すよう国に対し厳しく求め、市独自の下水道料金減免、夏季、年末見舞金を復活させるべきではありませんか、お尋ねします。
 また、保護相談者等への人権侵害である面談室の監視カメラは直ちに撤去するとともに、病気や年齢等の状況を無視した機械的な就労の強要を根絶すべきではありませんか、答弁を求めます。
 ケースワーカーについては、100件以上を担当する過重負担によって不適切な対応や誤りが後を絶ちません。国の標準を守るように増員し、専門性を高め、きめ細やかな支援ができる体制をつくるべきだと思いますが、御所見を伺います。
 第4は、障がい者福祉についてです。
 障がい者差別解消条例に続き、手話言語条例の制定を急ぐとともに、精神障がい者の運賃割引についてはJRに実施を強く求め、各種交通機関の料金割引を療育手帳Bにも広げるよう手だてを取るとともに、ガイドヘルパーによる移動支援について細かく制限せず、政治、宗教活動等にも利用可能にすべきだと思いますが、御所見を伺います。
 不足している児童発達支援センターについては、南部療育センターをはじめ、単独通園施設の抜本的な増設を図るとともに、通園施設を機械的に指定するやり方は改め、当事者の意向を最優先にすべきではありませんか、答弁を求めます。
 知的障がい者等が地域でも施設でも安心して生活できるよう、事業所や利用者への支援体制の充実を図るとともに、障がい者施設等の労働者の賃金引上げや運営に対する市独自の助成金をつくり、グループホーム等の増設を後押しし、強度行動障がい者の短期入所施設についても増設を急ぐべきではありませんか、お尋ねいたします。
 第5は、高齢者施策についてです。
 加齢性難聴によって認知症悪化や社会参加の妨げとなることなどが指摘され、補聴器購入の補助制度を求める要望も広がっています。他都市に倣い補助制度をつくるべきであると思いますが、御所見を伺います。
 高齢者乗車券については、要望の強い所得要件及び利用上限額の廃止を行うべきだと思いますが、御所見を伺います。
 次に、子ども、子育て支援、教育、文化、スポーツ行政について質問いたします。
 第1は、保育行政です。
 昨年12月1日時点で待機児童133人、未入所児童2,671人と依然として希望する保育所に入れない子どもたちがいます。市長は保育の受皿確保のために、殊さら保育基準が大幅に緩和された企業主導型保育事業を推進してきました。しかし、企業主導型保育をめぐって助成金詐取事件が発生し、容疑者が関与していた博多区の企業主導型保育園では、保育士の給与の未払い、保育園のテナント料や電話代の滞納など、保育所存続の危機に追い込まれました。
 したがって、問題の多い企業主導型保育事業をこれ以上推進するのはやめて、保育の質と安全がしっかり確保された適正規模の認可保育所を抜本的に増やして、保育所に入れない子どもたちをゼロにすべきだと思いますが、お尋ねします。
 2点目は、昨年10月より始まった幼保無償化に伴う問題についてです。
 今回の無償化は対象年齢が限定され、副食費が保護者の実費負担となるなど、真の無償化には程遠いものとなっています。よって、全ての子育て家庭の負担を軽減させるためにも、無償化の対象を全ての年齢に広げるよう国に求めるとともに、市独自に副食費の無償化や減免の拡充の手だてを取るべきだと思いますが、御所見を伺います。
 3点目は、保育士の処遇についてです。
 給料を月5万円アップしてほしいという声が上がるなど、保育士の賃金は極めて低く、将来に希望が持てない状態です。そのために、保育士の確保もままなりません。したがって、国に公定価格の抜本増を求めるとともに、市独自の賃上げの手だてを取るべきと考えますが、答弁を求めます。
 4点目は、保育士の労働環境についてです。
 現在の保育士の労働実態を調査し、労働時間の短縮を図り、働き続けられる環境を整備することが求められています。そこで、どの業務が労働時間に当たるのか、労働時間内にすべき業務とそうでない業務とに区別するガイドラインを作成し、業務の軽減を図るべきと考えますが、御所見を伺います。
 また、国に対し配置基準の引上げを求め、本市として独自に配置基準を改善すべきと思いますが、答弁を求めます。
 第2は、子どもの医療費助成についてです。
 半数を超える政令市が通院、入院ともに中学卒業まで助成を広げています。本市では入院は中学卒業まで無料化されたものの、通院については小学校卒業までであり、かつ自己負担が導入されています。
福岡県が2021年度より医療費助成を中学生まで拡大する方針を示しました。県の施策を待たずとも、市民の願いに応えて、直ちに通院についても中学卒業まで助成対象を広げるとともに、自己負担をなくし、子どもの医療費は完全に無料にするべきと思いますが、答弁を求めます。
 第3は、留守家庭子ども会についてです。
 政府は児童福祉法に基づく省令で定める基準の中で、従うべき基準だった職員配置基準を拘束力のない参酌基準とし、自治体の判断で無資格者1人での運営も可能になるという法改定を強行しました。本市の留守家庭子ども会を利用する児童が増え続ける中で、経験豊かな支援員こそ必要です。
 したがって、会計年度任用職員制度の導入による人員削減は許されず、手厚い体制と専門職にふさわしい処遇と正規化を図るべきだと思いますが、答弁を求めます。
 第4は、児童館についてです。
 本市の児童館は中央児童会館の1館のみであり、これでは国が新たに定めた児童館ガイドラインにおける児童館の拠点性や地域性は発揮できないことは明らかであります。
 専門職員のいる児童館は公民館など他の施設とは違う役割があり、早急に児童館を全ての行政区に設置するとともに、公立幼稚園、学校、こども病院の跡地など、公有地を活用して計画的に増やしていくべきだと思いますが、御所見をお伺いします。
 第5は、児童虐待についてです。
 本市の児童虐待の相談対応件数は2018年度で2,318件となっており、深刻な状況が続いています。親身な相談活動ができるよう、専門職である児童福祉司、児童心理司、弁護士資格を持つ職員を正規で大幅に増員すべきと思いますが、答弁を求めます。
 また、一時保護所のニーズが高まる中、児童養護施設の職員配置基準を見直し、さらに人員増を図るとともに、児童相談所を増設すべきと考えますが、御所見をお伺いします。
 第6は、子どもの貧困対策についてです。
 新年度より始まる第5次福岡市子ども総合計画において、子どもの貧困対策の推進が掲げられていますが、本市は子どもの貧困率を調査しようともしません。
 他都市に倣って子どもの貧困率を公表し、削減目標を立て、ひとり親家庭への独自の家賃補助など、直接給付の具体的な施策を取るべきと思いますが、答弁を求めます。
 第7は、教育行政についてであります。
 1点目は、本市の教育計画についてです。
 第2次福岡市教育振興基本計画は、小学校低学年から英語教育を推進するなど、グローバル教育、起業家教育を押しつけ、子どもの発達段階を無視するゆがんだ内容となっています。教育計画は憲法と子どもの権利条約の立場に立ち、子どもの発達と人格の完成を土台に据えたものへと抜本的に見直すべきだと思いますが、御所見を伺います。
 また、権限移譲分を除けば、一般会計の約8.0%と低い水準となっている本市の教育予算を抜本的に増額するとともに、全ての学年、学校で35人以下学級を実施すべきだと思いますが、答弁を求めます。
 2点目は、教職員の働き方の改善についてです。
 教員の長時間労働が社会問題となる中、これを改善するためなどとして、安倍政権は公立学校の教員を1年単位の変形労働時間制で働かせることを可能にする法律をさきの国会で強行しました。そこで、8時間労働制を壊し、長時間労働の固定化につながる同制度は本市においては選択すべきではないと思いますが、答弁を求めます。
 また、文部科学省の調査で、1年未満の依願退職者が九州で2番目に多い21人となっている本市の新任教員については、研修の多さや指導方法の問題などが指摘されており、実態を調査し、教員として働き続けられるようにすべきだと思いますが、答弁を求めます。
 3点目は、授業時間数についてです。
 教員の持ち時間数の上限を1日4こまを目安に定め、必要な教員増を図るとともに、授業時間数を削減すべきだと思いますが、お尋ねします。
 午前中5時間詰め込む無理なやり方は子どもの発達上問題があり、教職員への負担も重く、見直すよう助言すべきだと思いますが、所見を求めます。
 4点目は、教育の在り方についてです。
 市立学校に下着の色のチェックや頭髪黒染め強要など、いわゆるブラック校則と言われる人権侵害の校則、生活指導、決まりがないか、子どもから直接聞き取ることを含め、丁寧に実態調査し、完全になくすべきだと思いますが、答弁を求めます。
 5点目は、教育を受ける権利の保障についてです。
 生活保護の引下げを理由に就学援助基準を改悪することは許されず、基準を元に戻し、さらに拡充すべきだと思いますが、所見を求めます。
 お金の心配なく学べるよう市独自の給付制の奨学金を創設するとともに、教育振興会奨学金は希望者全員が借りられるよう改善すべきだと思いますが、答弁を求めます。
 あわせて、給食費無償化、フリースクールへの補助制度の創設を行うとともに、議会請願もなされるなど要望の強い公立夜間中学校を市内に開設すべきではありませんか、お尋ねします。
 6点目は、教育環境の改善についてです。
 災害時に避難所になる体育館をはじめ、特別教室だけでなく、日本語指導教室、不登校ぎみの生徒のためのステップルーム、PTA会議室、給食調理室などへのエアコンの設置を早急に行うべきだと思いますが、答弁を求めます。
 校舎等整備費を抜本的に増額し、大規模改造、トイレ不足解消と洋式化、プールの改修とプールを覆う日よけの設置を早急に完了すべきではありませんか、お尋ねします。
 公共施設を考える会のアスベストアナライザーによる調査で、複数の学校で塗装やスレート板の破損部分から検出されたアスベストについて、直ちに調査し、飛散防止の緊急対策を図るとともに、計画的に学校施設のゼロアスベストを進めるべきだと思いますが、答弁を求めます。
 7点目は、過大規模校の問題についてです。
 市長が都市の成長などとして無秩序な開発によって人口流入を推し進めることで、毎年、過大規模校が増えていく事態は全国的に見ても異常です。教室やグラウンドが足りないなど、教育環境が悪化し、教育の機会均等の原則が侵されており、教育委員会として開発による人口集中で過大規模校が生じるのを防ぐための条例を検討するべきだと思いますが、答弁を求めます。
 第8は、文化、スポーツ政策についてです。
 本市の文化、スポーツ行政は都市を売り込むことを目的としており、一方で、市民が身近で使いやすい文化、スポーツ施設が量的、質的にも十分ではありません。市民がスポーツを楽しむ機会を保障するために、身近なスポーツ施設を増やすとともに、多くの市民が利用している福岡市民体育館のプールやトレーニング室、卓球場などを廃止する方針を撤回し、経費、収支の見込みもずさんな世界水泳から手を引くべきと思いますが、答弁を求めます。
 拠点文化施設の整備に当たっては、よりよい施設にするために文化芸術関係者や市民、利用者などの声を聞いて設計に反映させるべきではないかと思いますが、答弁を求めます。
 また、音楽・演劇練習場を直ちに未設置の西部地域に造るとともに、全ての行政区に設置すべきと思いますが、答弁を求めます。
 次に、中小企業、産業振興、雇用、景気対策について質問いたします。
 消費税増税や新型肺炎による景気の落ち込みなど、中小零細企業の営業は大変厳しいものとなっています。今ほど中小零細企業への支援が求められているときはないにもかかわらず、本市の施策はスタートアップ都市づくりに3億円、観光・集客戦略の推進には32億5,000万円など、企業や人を呼び込むものに偏重した経済振興策となっています。
 本市の経済と雇用を支えている中小企業、小規模事業者の振興予算こそ抜本的に増やすべきと思いますが、答弁を求めます。
 第2は、生活密着型の公共事業、公契約条例についてです。
 公共事業は大型開発から地域循環、生活密着型に転換し、地場の産業や企業など、地域の力を支援し伸ばす施策で、地元中小企業、特に小規模企業を優先して発注するべきではありませんか、答弁を求めます。
 さらに、市発注の公共事業の下請賃金について、従業員への聞き取り調査を行い、設計労務単価が守られているかを調査するとともに、実効ある対策を講じるべきだと思いますが、答弁を求めます。
 あわせて、本市が発注する建設工事や業務委託等に従事する全ての労働者に適正な賃金を保証する公契約条例の制定を進めるべきだと思いますが、答弁を求めます。
 第3は、住宅リフォーム、商店リフォームについてです。
 地場中小企業の仕事づくりのために、経済効果が投入予算の10倍から25倍あると言われる住宅リフォーム助成制度を対象工事を限定せずに創設すべきではありませんか、答弁を求めます。
 商店街に対する助成に加え、商店街振興に資する魅力ある地域づくり、店舗の新築、増築、リニューアルや備品購入などに対し助成を行う商店リニューアル助成制度をつくるべきと思いますが、御所見をお伺いします。
 第4は、雇用対策、ブラックな働かせ方対策についてです。
 過酷な労働条件、雇用環境で労働者を使い捨てにするブラックな働かせ方を強いる企業が後を絶ちません。そうした中、雇用関係によらない働かせ方が急速に広がっています。
 ウーバーイーツなど、雇用契約を結ばないため労働基準法や最低賃金法も適用されない新たなブラックの手口が生まれており、市独自の実態調査を行うべきと思いますが、御所見をお伺いします。
 県や国に任せるだけでなく、専門職員を配置した労働相談窓口を各区につくり、街頭相談や電話やSNSを使った相談体制を市がつくるべきと思いますが、御所見をお伺いします。
 また、調査、相談、啓発を網羅したブラックな働き方をなくすための条例を制定すべきと思いますが、答弁を求めます。
 第5は、農業の振興についてです。
 日米貿易協定は、日本が牛、豚肉や一部の乳製品など、約72億ドル分の米農産物に対する関税を撤廃、削減することになっており、国に撤回を求めるべきと思いますが、御所見をお伺いします。
 本市の農家の経営主の平均年齢が71.7歳となっています。農家戸数及び農業従事者数についても、2014年度と2018年度を比較すると303戸、754人も減少をしています。
 そこで、お尋ねしますが、農家の後継者づくりについては、生活支援や資金、技術、農地の面での総合的な支援体制を整え、農業への新規参入者を増やすべきと思いますが、御所見をお伺いします。
 また、これ以上耕作放棄地を増やさない手だてを取るとともに、活用については、市民農園や体験農業、学校農園、農業ボランティアなど、様々なチャンネルで市民の多くが農業、農村に触れ、生産に関わる取組ができるようにするべきと思いますが、御所見をお伺いします。
 次に、安心、安全な生活と環境を優先する都市づくりについて質問いたします。
 第1は、防災対策についてです。
 毎年のように全国各地で豪雨水害、台風、地震、火山活動など、深刻で広範囲に被害が及ぶ災害が相次いでいます。従来の枠だけにとらわれない備えを取るよう地域防災計画を見直すべきと思いますが、答弁を求めます。
 また、本市の地域防災計画は基本理念において自助、共助を強調して、公的責任を放棄しています。災害の発生を抑え、被害の拡大を防止するための予防対策など、行政の責任を明記すべきと思いますが、御所見をお伺いします。
 本市一般会計の歳出に占める消防費の予算の構成比は1.7%であり、極めて低い水準にとどまっております。したがって、抜本的に予算を増額し、消防力を強化すべきと思いますが、答弁を求めます。
 公共施設の耐震性を確保することは地震に対する予防対策の基本となっていますが、本市の水道配水管の耐震化率は58%であり、最優先で耐震改修を行うべきと思いますが、御所見をお伺いします。
 避難対策については、避難すべき住民の0.2%程度しか避難行動をしていない実態を踏まえ、実際の避難行動に結びつくよう調査研究し、避難所が満員で入れない事態を生まないための対策を取り、避難者数に見合う公的備蓄にするとともに、政府通知に基づいて、食事、簡易シャワーなど衛生面、プライバシーの確保など、避難所の質の改善を図るべきと思いますが、答弁を求めます。
 第2は、住宅政策についてです。
 住まいは生活の基本であり、憲法25条が保障する生存権の土台とも言うべきものです。住まいは人権との立場に立ち、公的責任を果たすことが求められています。ところが、市営住宅の応募状況は一般枠で13.4倍、単身の高齢者、身体障がい者は30.2倍など、深刻な状況は改善されていません。住宅確保要配慮者のための住宅セーフティネット登録は全く不十分です。
 市民の居住権を守り、必要な市民が入居できるよう大幅な新規市営住宅建設計画を立てるとともに、当面、建て替え時に管理戸数を増やすべきだと思いますが、答弁を求めます。
 また、UR賃貸住宅の空き家や民間賃貸住宅を借り上げて市営住宅にするなど、多様な供給方式の具体化を早急に行うべきだと思いますが、御所見を伺います。
 さらに、現行の入居基準を見直し、子育て世代の入居を促進し、国も認めている若者の単身者世帯枠をつくるとともに、民間賃貸住宅に居住する低所得の若者や高齢者世帯への家賃補助制度を創設し、安心して暮らせるよう支援を強めるべきだと思いますが、答弁を求めます。
 また、市営住宅の共益費徴収や設備管理、住環境整備を管理組合に押しつけず、市が責任を持って行うべきだと思いますが、答弁を求めます。
 第3は、公共施設の跡地利用についてです。
 本来、市民の財産である公共施設の跡地について、公的活用に意欲を示さない全庁の状況は異常です。公共施設跡地を次々売却し、一部の大企業の利潤追求の場に提供することは許されず、市民のために公用地として活用すべきだと思いますが、答弁を求めます。
 箱崎九大跡地は、住民の要望をまとめた九大跡地利用4校区協議会の提案を具体化するため、市が責任を持って土地を確保し、国指定の史跡に指定された元寇防塁跡や九州大学総合研究博物館を保存、活用するとともに、跡地全体を防災公園として整備すべきだと思いますが、御所見を伺います。
 さらに、貝塚公園については、周辺4校区住民の意見をまともに聴取しないやり方は市民無視も甚だしく、現在の方針を撤回するべきだと思いますが、答弁を求めます。
 唐人町の旧こども病院跡地についても、市民の財産である土地を医療、福祉の拠点など、公共用地として活用するために病院機構から取得すべきだと思いますが、答弁を求めます。
 第4は、公共交通についてです。
 西鉄バスの減便は住民の移動手段を奪うものであり、日常生活に大きな支障を来しており、早急に従前同様の増便を図るよう西鉄に強く求めるべきだと思いますが、答弁を求めます。
 あわせて、本市の公共交通不便地におけるコミュニティバスは、地域住民に負担を押しつけることなく、市が責任を持ってバス等を運行すべきだと思いますが、御所見を伺います。
 また、市営地下鉄とJR筑肥線の乗継ぎ割引については、請願採択を踏まえ、現在の20円から東部の西鉄との乗継ぎ同様、60円へ拡大するようJR九州に強く働きかけるとともに、本市分だけでも先行して割引額を引き上げ、連続割引区間を2区から3区に拡大すべきだと思いますが、御所見を伺います。
 さらに、JR博多駅をはじめ、市内のJR各駅及び西鉄天神大牟田線各駅に早急にホームドアを設置するよう関係事業者に要求すべきだと思いますが、答弁を求めます。
 第5は、エネルギー問題、温暖化対策についてです。
 広島高裁判決は、日本が世界有数の地震国、火山国であり、原発を動かす条件がないことを改めて明らかにし、四国電力伊方原発3号機の可否をめぐって、運転してはならないとする決定を出しました。
 市長が原発ゼロの立場に立つとともに、直ちに九州電力に対して玄海原発の廃止を要求するべきだと思いますが、御所見をお伺いします。
 再生可能エネルギーについては、市内の利用可能量を全て導入すれば市内の全電力消費量の2倍を賄える潜在能力があるのに、本市の目標は2030年で市内の電力量の僅か8%です。
 太陽光、風力などの再生可能エネルギーで賄う目標量を、当面、電力需要の4割とするべきだと思いますが、答弁を求めます。
 福岡市地球温暖化対策実行計画での温室効果ガスの削減目標は2030年度で2013年度比28%にすぎず、パリ協定採択後の世界の情勢を踏まえて実質ゼロを目指し、その実現のために削減目標を大幅に引き上げるなど改めるべきではありませんか、答弁を求めます。
 また、世界的規模で気候変動の抑制を求めるグローバル気候マーチには185か国、760万人の市民が参加し、福岡でも連帯した若者たちが声を上げています。主催した九州大学の学生らから請願も出されている気候非常事態宣言について本市でも行うべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 次に、民主的で公正、清潔、平和の行政運営について質問いたします。
 第1は、行財政改革についてです。
 市長が推進している政策推進プラン、行政運営プラン、財政運営プランは、人工島、ウォーターフロント再整備などの大型開発は聖域にする一方で、教育、福祉など市民サービスを切り捨てるものとなっています。撤回すべきと思いますが、答弁を求めます。
 また、新年度から導入される会計年度任用職員の月々の報酬を引き下げるなど、処遇悪化は許されず、改善を図るとともに、正規化を進めるべきだと思いますが、答弁を求めます。
 第2は、人権と個人の尊厳を守る問題についてです。
 1点目は、ジェンダー平等についてです。
 ジェンダー平等を求める国際的潮流が大きく発展し、経済的、社会的差別をなくし、誰もが尊厳を持って自分らしく生きられる社会を目指すことが求められています。市内事業所の男女の賃金格差を調査し、男女賃金格差の是正を図る指標を持ち、福岡市男女共同参画基本計画や福岡市働く女性の活躍推進計画に盛り込むとともに、本市としてハラスメントが違法であることを明確にしたハラスメント禁止条例を制定すべきと思いますが、答弁を求めます。
 また、性的指向、性自認等を理由とした差別を禁じる立場を市長が明確にするとともに、パートナーシップ条例を本市においても制定すべきと思いますが、答弁を求めます。
 2点目は、ヘイトスピーチについてです。
 本市では、相変わらず日本以外の出身者に対して民族差別をあおる街頭宣伝やデモが天神や博多駅周辺などで繰り返し行われています。こうしたヘイトスピーチを放置することは許されず、市長が根絶のための宣言を行い、それに基づくヘイトスピーチ根絶条例を制定すべきと思いますが、答弁を求めます。
 3点目は、外国人労働者についてです。
 本市で増え続ける外国人労働者の人権や生活を守るために、気軽に相談できる市独自の労働相談窓口をつくるとともに、市として総合的な多文化共生推進計画をつくるべきと思いますが、答弁を求めます。
 第3は、コニュニティについてです。
 本市が自治会、町内会などに依頼している業務は年間約500にも及び、過重になって担い手づくりが困難となっています。市の下請にする、このようなやり方を抜本的に見直して、依頼協力件数を大幅に減らすべきと思いますが、答弁を求めます。
 また、市が条例などで自治会、町内会活動を強制することは許されず、自発的な参加を促すべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 第4は、平和の課題についてです。
 核兵器禁止条約の締結を市長が直接国に働きかけるとともに、核兵器廃絶のためのヒバクシャ国際署名に市長自ら署名すべきではありませんか、答弁を求めます。
 また、本市として非核自治体宣言を行うべきではありませんか、御所見をお伺いいたします。
 本市は広島、長崎に次いで被爆者が多く、また、日本で最大の引揚港を持ち、犠牲者1,000人を超える大空襲も経験しています。若い世代に戦争の悲惨さ、被爆の実相を伝えていくために常設の平和資料館を建設すべきと思いますが、答弁を求めます。
 市民団体が開く平和のための戦争展などの名義後援を本市が拒否していることは、市民団体の表現の自由を脅かす検閲まがいの行為として許されるものではなく、名義後援の承諾に関する取扱要領を抜本的に見直すべきと思いますが、答弁を求めます。
 また、本市は板付米軍基地の即時全面返還を求めているにもかかわらず、福岡空港の滑走路増設に伴う板付米軍基地の施設移転費の一部を負担することは道理がなく、直ちに税金の投入をやめるとともに、板付基地の即時全面返還と福岡空港や博多港の軍事利用の中止を国と米軍に対して強く要求すべきと思いますが、答弁を求めます。
 以上、市長及び教育長等の誠意ある、かつ明確な答弁を求め、長時間の御清聴に感謝し、日本共産党市議団の代表質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎)登壇 ただいま日本共産党福岡市議団を代表して中山議員より御質問いただきましたので、まず私から御答弁いたします。
 最初に、新型コロナウイルスに関する質問にお答えいたします。
 福岡市では現在までに相談ダイヤルの24時間化や1日当たりの検査件数の増強などに取り組んできたところであり、今後とも、状況に応じた体制の整備に取り組んでまいります。また、留守家庭子ども会の利用料などについては、継続して利用している世帯の負担額が増えないように対応してまいります。
 フリーランスや自営業者の損失補?などの対応については、国の対応状況を注視してまいります。
 学校の臨時休業に関する御質問については、後ほど教育委員会から御答弁いたします。
 次に、国政に関する御質問にお答えします。
 まず、桜を見る会や統合型リゾートをめぐる議論については、国において適切に対応されるものと考えております。
 消費税率の引上げについては、社会保障の充実強化のため実施されたものと認識いたしております。
 憲法の在り方については、国民的な議論の下で検討されるべきものと考えております。
 次に、市政運営方針と新年度予算案に関する御質問にお答えいたします。
 まず、自衛官等募集事務については、法定受託事務であり、自衛官の募集に必要な情報の提供は公益性があるものと考えております。また、個人情報保護審議会の答申においても、自衛官等募集事務に利用する目的で自衛隊に情報を提供することについては公益上の必要性が認められるとされており、この答申を踏まえた制度構築を進め、令和2年度から実施してまいります。
 次に、令和2年度予算案については、総合計画を推進し、都市の成長と生活の質の向上の好循環を確固たるものとするために、財政規律と投資のバランスを図りながら編成したところであり、これによって生活の質のさらなる向上を図ってまいります。
 次に、ウォーターフロント地区については、MICEやクルーズの機能強化を図るとともに、市民や来街者のにぎわいと憩いの空間づくりに取り組んでまいります。
 箱崎ふ頭地区の埋立てについては、引き続き総合的に検討してまいります。博多港港湾計画については、おおむね10年から15年の将来を目標とした長期的な計画であり、今後とも、活力と存在感に満ちたアジアの拠点港を目指し、中央ふ頭地区の埋立ても含め、港湾機能の強化を進めてまいります。
 天神地区については、航空法高さ制限の緩和や福岡市独自の規制緩和などにより複数の建て替え計画が着実に進行しており、耐震性の高い先進的なビルへの建て替えを促進することで天神ビッグバンをさらに加速させていきます。
 博多駅周辺地区については、規制緩和などによりビルの建て替えを促進することで、博多駅の活力とにぎわいを周辺につなげる博多コネクティッドを推進してまいります。
 アイランドシティについては、居住者が1万人を超え、まちの成熟や港湾機能の強化が進んでおります。今後とも、未来をリードする先進的モデル都市づくりや国際物流拠点の形成など、福岡市の成長に寄与するようしっかりと取り組んでまいります。
 自動車専用道路アイランドシティ線については、広域的なネットワークの形成や物流の円滑化、東部地域の交通混雑の緩和を図るため、早期の供用に向けて取り組んでまいります。また、福岡空港への延伸については、国内線ターミナルへのアクセス強化や空港周辺道路の混雑緩和などを図るため、事業化に向けた取組を進めてまいります。
 次に、グローバル創業・雇用創出特区については、国の施策や規制改革に福岡市独自の施策を組み合わせることで、創業の裾野を広げ、多くの企業や雇用を生み出すもので、医療保険制度で全国初となる遠隔服薬指導を実施するなど、市民生活の質の向上に寄与してきました。引き続き特区の活用を図ってまいります。
 また、電動キックボードの規制緩和については、ラストワンマイルや生活交通の維持といった交通課題に対し、その解決の一助となる手軽な移動手段と考えており、引き続き国に実現を働きかけてまいります。
 FUKUOKA Smart EASTについては、最先端技術による快適で質の高いライフスタイルと都市空間を創出し、未来に誇れるまちづくりに取り組んでまいります。
 次に、社会保障に関する御質問にお答えします。
 まず、国民健康保険料については、国の制度改正に伴い、赤字対象の法定外繰入金を解消するため、歳入の確保や歳出の抑制に努め、保険料負担の抑制を最大限図った上でもなお不足する財源について保険料を引き上げるものであります。
 保険料の滞納世帯への対応については、滞納者との接触の機会の確保と被保険者間の負担の公平性の観点から、法令に基づき、資格証明書などを交付しております。差押えについては、資力がありながら催告などに応じず、長期間滞納している世帯に実施しております。
また、応益分の保険料については、法令に基づき全ての被保険者が負担する仕組みとなっております。なお、多子世帯の保険料減免について令和2年度に検討をしてまいります。
 次に、後期高齢者医療の保険料については、福岡県後期高齢者医療広域連合において、運営安定化基金などの活用も含め、適切に対応することとされております。また、制度の見直しは国において法に基づき行われており、被保険者の負担感に十分な配慮がなされるよう引き続き要望してまいります。
 市立病院機構における労働環境については、法令に基づき自律的に労務管理が行われており、今後も労働環境の向上に努めてまいります。
 次に、介護保険ですが、まず、介護予防・日常生活支援総合事業については、従来のサービスに加え、専門職によらない割安なサービスを実施しており、要支援者が安心して在宅で生活できるよう努めてまいります。
 介護職員の処遇改善などについては、国において段階的に介護報酬への処遇改善加算が拡充されており、引き続き国に要望してまいります。
 介護保険料の設定については、法令に基づき適切に実施しており、今後とも、福岡市独自の減免などを行うとともに、国の公費負担割合の引上げなどを要望してまいります。
 特別養護老人ホームについては、介護保険事業計画に基づき、国有地の活用なども図りながら適切に整備を進めてまいります。
 生活保護基準については、法に基づき、国において適切に定められたものと考えております。下水道使用料については、負担の適正化を図り、見舞金については個人給付施策の見直しの観点から廃止したものです。防犯カメラについては、犯罪や事故の未然防止などのために設置しており、相談者のプライバシーに配慮した運用を行っております。就労支援については、本人の能力や意向を踏まえつつ、効果的な支援に取り組んでおります。ケースワーカーについては5名増員するなど、体制強化を図ってまいります。
 次に、手話言語条例の制定については、障がい者差別解消条例の施行状況や国の動向を見守りながら対応を検討してまいります。各種交通機関の料金割引については、引き続き県や他都市と連携してJRに要望してまいります。移動支援については、特定の利益を目的とする団体活動などを除き、社会参加の促進や生活上欠かせない外出を対象としております。
 次に、障がい児の療育環境については、相談から診断、療育までを行う療育センターを3か所、療育のみを行う児童発達支援センターを7か所設置しており、さらに、令和3年度の開設に向け、雁の巣幼稚園跡地に8か所目の整備を進めてまいります。また、南部地域の相談、診断、療育機能を強化するため、療育センターの設置に向けた基本計画を検討してまいります。
 次に、知的障がい者などへの支援体制については、グループホームに対する運営費補助制度を福岡市独自で創設するとともに、国に対して福祉、介護職員の賃金改善を働きかけるなど、支援体制の充実に努めてまいります。短期入所については、必要に応じて利用できるよう事業所の拡充に努めてまいります。
 補聴器購入の補助については、引き続き身体障害者手帳を取得されている方に助成するとともに、国や他都市の動向を注視してまいります。
 次に、高齢者乗車券については、多くの市民に利用され、社会参加の促進に寄与している制度であり、引き続き利用者の利便性向上に取り組んでまいります。
 子育てや教育、文化、スポーツなどに関する御質問にお答えします。
 まず、保育の受皿確保については、保育所の新設や増改築のほか、幼稚園の活用などにより、令和2年度は1,000人分を確保してまいります。また、立入調査を通して保育の質を確保しながら、企業主導型保育事業を促進してまいります。
 幼児教育・保育の無償化については、国の制度に基づき適切に運用してまいります。また、副食費の取扱いについては、国の制度により低所得世帯や多子世帯は負担が軽減されております。これに加えて、福岡市では保育所を利用する第3子以降の児童の副食費の助成を独自に行っており、令和2年度からは対象を幼稚園、企業主導型保育施設、認可外保育施設にまで拡大いたします。
 保育士の処遇については、国の公定価格などに基づき、これまで月額およそ4万5,000円の改善を行うとともに、経験年数がおおむね7年以上の保育士に月額最大4万円の追加的な改善を行っております。引き続き国に対し、公定価格の充実を求めてまいります。また、福岡市独自に保育士への勤続手当の助成や家賃の一部助成、奨学金の返済支援などに取り組んでおります。
 保育士の負担軽減については、保育業務のICT化を進めるとともに、就労関係の相談窓口を設置するほか、保育支援員の配置費用を新たに助成することとしております。
 保育士の配置基準については、国の公定価格において3歳児の基準を改善する加算が設けられており、引き続き国に充実を求めてまいります。また、福岡市独自の制度として、配置基準が大きく変わる1歳児と3歳児に一定期間保育士を加配する費用の助成を行っております。
 次に、子ども医療費助成制度については、令和3年度からの制度拡充に向けて準備を進めてまいります。通院医療費に係る自己負担については、持続可能な制度とするため導入しております。
 留守家庭子ども会については、条例に基づき主任支援員などを配置しており、児童が安心して過ごせるよう取り組んでまいります。また、勤務条件については、福岡市の制度に基づき適切に対応してまいります。
 児童館については、市内全域から利用しやすいよう最も利便性の高い場所に設置するとともに、公民館や各区の体育館において館外活動を実施しております。
 児童虐待への対応については、こども総合相談センターの児童福祉司や児童心理司を増員し、体制強化を図っております。また、児童養護施設については、基準を上回る職員配置を行うとともに、一時保護の地域分散化を進めてまいります。
 子どもの貧困対策については、令和2年度はひとり親家庭自立支援給付金事業や放課後補充学習事業について拡充を図り、全ての子どもが健やかに成長できる環境づくりを推進いたします。
 次に、教育予算について私からお答えいたします。その他の教育行政に関する御質問については、後ほど教育委員会から御答弁いたします。
 教育予算については、学力向上やいじめ、不登校、ひきこもり対策などに重点的に取り組むとともに、校舎の大規模改造事業をはじめ、子どもが安心して学ぶことができる教育環境の整備に必要な予算を確保しております。
 次に、スポーツ施設については、総合体育館や今津運動公園野球場の供用を開始しており、今後とも、地区体育施設の計画的な改修を進めてまいります。
 市民体育館については、第2競技場棟及び本館棟は令和2年度末をもって廃止し、メインアリーナのある第1競技場棟は引き続き運営することとしております。
 世界水泳の開催については、市民スポーツの振興に加え、地域経済の活性化や福岡市のプレゼンス向上に寄与する絶好の機会であり、しっかりと取り組んでまいります。
 拠点文化施設については、市民や文化団体などの意見を踏まえて検討を進めてきたところであり、令和6年の開館を目指し、整備を進めてまいります。
 音楽・演劇練習場の西部地区への設置については、既存施設の有効活用なども含め、全市的な観点から検討してまいります。
 次に、中小企業、産業振興、雇用などに関する御質問にお答えいたします。
 スタートアップ都市づくりや観光・MICE推進プログラムなどにより、中小企業の成長、発展の促進に取り組むとともに、経営基盤の強化のため、商工金融資金と、金融対策に必要な予算を確保するなど、しっかりと取り組んでまいります。
 公共事業については、アセットマネジメントなどの事業費を確保するとともに、発注に当たっては、小規模事業者をはじめ、地場企業への優先発注を基本方針として、可能な限り分離分割発注を行ってまいります。
 福岡市発注の公共工事の下請賃金については、毎年、下請契約の締結状況などを確認しております。引き続き元請業者に対し、適切な水準の賃金の支払いを要請してまいります。
 公契約条例の制定については、国において法制を整備するのが適当であると考えております。
 住宅リフォーム助成制度については、耐震化やバリアフリー化などの公益目的に資する住宅リフォームに対し助成を行っております。また、商店のリニューアルなどに対する助成については、商店街の共同施設の設置費用の一部を助成しております。
 次に、いわゆるブラック企業対策については、今後とも、弁護士による法律相談を受けるほか、監督指導権限を有する国や県の相談窓口などと連携をしながら取り組んでまいります。
 日米貿易協定については、国において適切な対策を講じることとされており、今後も万全な対策の実行などを要望してまいります。
 農家の後継者づくりについては、就農希望者と農地所有者をつなぐとともに、研修の実施や新規就農時の経営の安定化に向けた支援を行ってまいります。
 耕作放棄地対策については、農地への再生に係る経費の助成や農業委員会と連携をした活用可能な農地の情報提供などにより、発生防止と活用に取り組んでまいります。
 次に、安全、安心のまちづくりに関する御質問にお答えいたします。
 まず、地域防災計画については、様々な災害の教訓などを踏まえ、適宜見直しを行っており、今後とも、行政、市民、企業の共創による防災先進都市づくりに取り組んでまいります。
 次に、消防費については、令和2年度は博多消防署に救急隊1隊を増隊するなど、消防力を強化しており、今後とも、必要な予算の確保に努めてまいります。
 水道の耐震化に関する御質問については、後ほど水道事業管理者から御答弁いたします。
 次に、避難対策については、防災知識の周知、啓発を図るとともに、多様な伝達手段により避難情報を発信し、適切な避難行動につなげていただけるよう努めております。また、災害種別ごとの避難所の指定や食料や資機材の備蓄など、避難所の環境整備に取り組んでまいります。
 住宅確保要配慮者については、賃貸住宅市場全体で対応することとしており、新たに住宅セーフティネット制度による経済的支援に取り組むなど、民間賃貸住宅への円滑な入居支援に取り組んでまいります。
 市営住宅については、ストック総合活用計画に基づき、引き続き建て替えや改善に取り組んでまいります。また、入居の募集に当たっては、より住宅困窮度の高い世帯に配慮するとともに、共益費の徴収などについては、管理組合等による共同での履行をお願いしております。
 次に、公共施設跡地の有効活用については、公共利用を考慮しつつ、市民ニーズや地域の特性などを踏まえ、財源確保の観点にまちづくりの視点も取り入れながら総合的に検討を進めてまいります。
 九州大学箱崎キャンパス跡地については、跡地利用協議会との協議を踏まえ、策定したグランドデザインに基づき、良好な市街地形成と新たな都市機能導入に向け取り組んでまいります。
 こども病院跡地については、新病院の整備費用に充てるため、売却を基本に検討してまいります。
 バス交通は重要な公共交通であり、今後とも、必要なサービスが確保されるよう交通事業者に働きかけてまいります。公共交通不便地については、条例に基づき、地域主体の取組に対し支援を行ってまいります。
 市営地下鉄とJR筑肥線の乗継ぎ割引に関する御質問については、後ほど交通事業管理者から御答弁いたします。
 ホームドアについては、JR筑肥線や西鉄福岡天神駅で設置が進められており、引き続き鉄道事業者に対し、さらなる安全対策を働きかけてまいります。
 原子力発電所の稼働などについては、国のエネルギー政策の枠組みの中で判断されるべきものであると考えております。
 再生可能エネルギーについては、太陽光発電を中心に、今後とも、導入拡大に取り組んでまいります。
 温室効果ガスの削減については、これまでも国より高い目標を掲げ取り組んでおり、引き続き地球温暖化対策の推進を図り、脱炭素社会の実現を目指してまいります。
 気候変動の抑制については、市民や事業者と連携しながら福岡市の地域特性を踏まえた施策を推進してまいります。
 次に、行政運営に関する御質問にお答えいたします。
 まず、政策推進プラン、行政運営プラン、財政運営プランについては、一体的に推進することにより、投資の選択と集中を図るとともに、歳入の積極的な確保や行政運営の効率化、既存事業の組替えなど、不断の改善に取り組み、将来にわたり持続可能な市政運営を目指してまいります。
 会計年度任用職員の勤務条件については、法に基づき適切に対処するとともに、業務の質と量に応じた職員の配置に努めてまいります。
 男女共同参画の推進等については、計画に基づき、働く場における男女の均等な機会と待遇の確保や、男女を問わず個性と能力を十分に発揮できる環境づくりに取り組んでまいります。
 ハラスメントについては、企業向けの研修会の実施など、啓発に努めるとともに、男女共同参画推進センターや人権啓発センターなどにおいて相談に対応してまいります。
 性的マイノリティへの支援については、パートナーシップ宣誓制度の他都市との連携拡大に努めるとともに、企業や団体に対して引き続き理解を促進する取組を進めてまいります。
 ヘイトスピーチについては、引き続き国や県などと連携を図りながら、解消に向けた啓発に取り組んでまいります。
 外国人労働者については、外国人総合相談支援センターなどで在住外国人の相談に応じるとともに、国の専門窓口を紹介するなど、連携を図りながら取り組んでおります。
 多文化共生推進計画については、総合計画に多文化共生に係る施策を位置づけ、推進しております。
 地域コミュニティについては、地域デビュー応援事業や公民館における事業などを通して幅広い世代の住民の地域活動への参加を支援しております。また、自治協議会役員などの負担軽減を図るとともに、自治協議会や自治会、町内会の位置づけの明確化や新たな支援の検討を行うなど、共創の地域づくりを推進してまいります。
 核兵器廃絶に向けた取組については、平和首長会議国内加盟都市会議として政府に対し要請を行っており、核兵器のない世界の実現に向けて取り組むとする国の動向を注視してまいります。また、非核自治体宣言については、これまで福岡市議会において平和都市宣言が決議されているほか、福岡市としてアジア太平洋都市宣言において、国際交流活動を通して平和友好の推進に力を注ぐという姿勢を宣言するとともに、福岡市基本構想においても、日本、アジア、世界の平和と繁栄に貢献していくとうたっております。今後とも、これらの宣言などの趣旨を市政に生かしてまいります。
 平和資料館の設置については、戦争の悲惨さと平和の尊さを後世に正しく伝えていくため、博物館やふくふくプラザにおいて戦時関係資料の展示を行っており、今後もその充実に努めてまいります。
 名義後援については、行政運営に求められる中立性の確保などの観点から、取扱要領に基づき適切に対応してまいります。
 最後に、福岡空港における米軍施設については、滑走路増設事業に伴い移設するものであり、福岡市はその費用の一部を空港法の規定に基づき負担するものであります。
 板付基地の返還については、板付基地返還促進協議会を通して引き続き国や在日米軍司令部に要望してまいります。福岡空港については、民間空港として広く利用されており、今後とも、市民生活の安全を確保するという立場で対応してまいります。また、博多港の利用については、入港目的が友好親善や乗組員の休養などで、商船の荷役に支障がない場合は港湾管理者として適切に対応してまいります。
 以上、市政各般にわたり御答弁いたしました。今後とも、人と環境と都市活力の調和が取れたアジアのリーダー都市の実現を目指して全力で市政運営に取り組んでまいります。よろしくお願いをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 清森水道事業管理者。
○水道事業管理者(清森俊彦) 水道に関する御質問にお答えいたします。
 配水管の耐震化については、新設、更新時には全て耐震管を使用し、特に避難所などへの給水ルートの耐震化を優先的に進めるなど、引き続き計画的に実施してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 重光交通事業管理者。
○交通事業管理者(重光知明) 地下鉄に関する御質問にお答えいたします。
 JR筑肥線との乗継ぎ割引については、接続する事業者双方で等しく負担することを基本とし、協議の上、決定しているものであります。割引の拡大については、議会の御意見を踏まえ、引き続きJR九州と協議を進めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 教育に関する御質問に対しまして教育委員会からお答えいたします。
 まず、新型コロナウイルス対策としての学校の臨時休業については、国の要請に基づき、子どもたちの健康を守るため、各校長会会長の意見も聞いて実施したものです。登校日については、子どもの安全を最優先し、学校の種類や学年に応じて必要最小限の日数を設定しております。
 次に、第2次教育振興基本計画については、「やさしさとたくましさをもち、ともに学び未来を創り出す子ども」という目指す子ども像の実現に向け、取り組んでまいります。
 次に、35人以下学級については、第2次教育振興基本計画に基づき、小中学校9年間の発達段階区分に応じた教育を推進するため、小学校1年生から4年生までは35人以下学級、中学校1年生では学校の選択による35人以下学級を引き続き実施してまいります。
 次に、教員に対する1年単位の変形労働時間制の導入については、他都市の動向などに留意しながら検討してまいります。
 新任教員の研修については、負担軽減のため実施回数を削減し、採用後3年に分けて実施しております。指導教員による校内研修については、新任教員の負担感に配慮しつつ、充実したものとなるよう管理職や指導教員に指導をしております。
 次に、教員の配置については、義務標準法に沿って適切に行っておりますが、教職員定数の充実について、今後とも、国に要望してまいります。
 年間の標準授業時数については学習指導要領で示されており、時数を確保した教育課程とするよう指導をしております。
 小学校における時間割編成については、午前中4時間授業を基本としつつ、午前中5時間授業を実施する学校には毎年度計画書を教育委員会へ提出させ、基本的な考え方にのっとっているかを確認し、実施を判断してまいります。今後も午前中5時間授業実施の成果と課題を検証してまいります。
 次に、校則については、学校が教育目的を達成させるために必要かつ合理的範囲内において定めているものであり、今後も生徒、保護者が理解し、より教育的効果を高める内容となるよう取り組んでまいります。
 次に、教育を受ける権利の保障については、就学援助の認定基準は原則として国が決定している生活保護基準に準じて定めております。
 奨学金制度については、教育振興会において、貸与型奨学金の安定運営を図りつつ、国、県の修学支援制度の動向も踏まえながら適切に実施してまいります。
 学校給食費については、法令により保護者負担とされているもののうち食材料費相当額のみを負担していただいておりますが、経済的理由により援助が必要な世帯に対しては、就学援助などによる支援を行っております。
 フリースクールについては、社会的自立を助ける上で適切であると学校長が判断した児童生徒について出席扱いにするなどの対応を行っております。
 夜間中学については、認知度を上げるため、引き続き広報に取り組むとともに、国や県、設置の動きがある他都市の情報収集を行うなど、教育機会の確保に向けた取組を進めてまいります。
 次に、特別教室へのエアコン設置については、夏季の授業における不都合の解消や災害時の福祉避難室としての活用の可能性などから、空調設備の整備に向け、取り組んでまいります。給食調理室へのエアコン設置については、大規模改造工事などの機会を捉え、実施してまいります。体育館などへのエアコン設置については、多額の整備費を要することから、今後の検討課題であると考えております。
 大規模改造などの施設整備については、老朽化の状況を勘案し整備を進めるとともに、学校トイレの整備については洋式化及び乾式化を標準として改善に取り組んでまいります。
 アスベスト含有検査への対応については、改修などの際に調査を行い、関係局とも連携し、法令に基づき適切に対応するとともに、破損した場合は修繕を行うなど、飛散防止対策を行っております。
 最後に、過大規模校への対応については、民間企業の開発行為を学校教育の観点から規制することは様々な課題があり、困難であると考えておりますが、児童数の推移や住宅開発の動向を踏まえ、関係局と連携しながら適切な教育環境の確保に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) この際、暫時休憩いたします。
 午後は1時10分に再開いたします。
午前11時20分 休憩  
午後1時10分 開議  
○副議長(楠 正信) 休憩前に引き続き会議を開き、各派代表による質疑を継続いたします。国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦)登壇 お疲れさまです。私は福岡令和会を代表して、令和2年度予算案並びに諸議案に対して質問と提案をいたします。
 本議会においては、感染症拡大防止に向けた対策として会期日程等が変更されており、その趣旨を踏まえ、簡潔に質問と提案をしてまいります。市長の明快な答弁を期待するものであります。
 本市では都市の成長と生活の質の向上の好循環の創出を都市経営の基本戦略に掲げ、島市長の強いリーダーシップの下、民間活力や国家戦略特区などを活用した都市の活力を、さらに子育てしやすい環境づくりや安全、安心なまちづくりなどに生かし、子どもから高齢者、障がいのある人など、誰もが安心して暮らせるまちづくりに取り組んできました。全国的に少子・高齢化や人口減少が進む一方で、本市は見込みを上回る勢いで人口が増加し、また、市税収入は政令都市で唯一、6年連続過去最高を記録し、元気で住みやすいまちとして高く評価されていることは周知のことであります。都市の成長と生活の質の向上の好循環を力強いものとし、本市がアジアをはじめ、世界で輝く都市としてさらに成長していくためには、将来をしっかり見据え、気を緩めることなく市政運営に当たっていく必要があります。
 そこで、福岡市政の今後の方向性について、我が会派がさきに行った施策要望の5つの柱に沿って質問をしてまいります。
 まず第1は、行財政改革の推進についてであります。
 本市の財政状況の見通しは、少子・高齢化に伴う社会保障関係費の増加や老朽化した公共施設の改修など財政需要の増大が見込まれており、引き続き厳しい状況にあります。また、将来にわたって持続可能な財政運営を推進するに当たり、特に重要視すべき市債残高は満期一括積立金を除く全会計では令和2年度末に約1兆9,933億円となる見込みで、ピークの平成16年度末から5,949億円縮減となりますが、依然として政令市の中では高い水準にあります。そのため、施策の展開に当たっては、明確な優先順位の下、事業費の圧縮や平準化、民間資金の活用を図るとともに、必要性や緊急性が薄れた事業あるいは優先度が低くなった事業の見直しを行うなど、選択と集中をさらに進める必要があります。
外郭団体については、これまでの改革実行計画等により団体数の削減や財政的、人的関与の縮小に一定の成果が見られますが、今後とも、見直しを実行していただきたいと思います。簡素で効率的な市政運営の実現には、民間でできることは民間に任せるという視点で、民間が有する専門的技術やノウハウのより一層の活用が不可欠であります。中でも、現業業務の見直しについては、退職不補充を原則として民間活用を着実に推進していただきたいと思います。また、行政の様々な分野におけるICTなどの先進的な技術の活用は、よりよい行政サービスの提供や業務の効率化を進める上で重要であり、積極的に推進していただきたいと思います。また、補助金等については、制度の目的が既に達成されていないかの検証を行い、長期にわたるものなどについて徹底した見直しを実施すべきだと考えます。さらに、適正な受益者負担の観点から、各種施設の使用料などについて適正なルールづくりに取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、ただいま掲げた項目について今後どのように取り組み、真に実効性のある行財政改革を進めていかれるのか、御所見をお伺いします。
 次に、本市の重要な施策の推進や今後の行政課題の対応に必要な財源確保のためにも、民間ノウハウも取り入れながら市有財産の一層の有効活用を図るべきであります。そこで、より多くの人が国内外から集まるようにするためには、こども病院跡地など、都心部周辺の公共施設跡地を有効活用することで、まちのにぎわいや魅力あるまちづくりに取り組むことが重要であります。
 したがって、財源確保の観点に加え、まちづくりの観点からも跡地活用の方策について、跡地の実情を踏まえて検討し、時期を逸することなく早期に活用につなげていくべきと考えますが、御所見をお伺いします。
 次に第2は、子どもたちが夢を描けるまちについてであります。
 少子・高齢化や核家族化など、子育て家庭を取り巻く環境が著しく変化する中、子育て支援の充実は喫緊の課題であります。まず、保育に関しては、待機児童の解消に向けて引き続き保育所等の整備や企業主導型保育事業の促進など、多様な保育ニーズへの対応とともに、保育士の処遇改善等に取り組む必要があります。また、幼児期の教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培うものであり、引き続き幼稚園、保育所、認定こども園などにおける保護者負担の軽減に取り組む必要があります。また、ひとり親家庭については、就業支援を中心に子育てや生活支援などの総合的な取組をより一層充実させる必要があります。さらに、児童虐待の相談件数が年々増加する中、保護者の育児に関する不安や地域からの孤立などへの対応が求められており、虐待の未然防止に向け、行政をはじめ、関係機関や団体が連携して支援を行う必要があります。
 そこで、誰もが安心して生み育て、子どもたちが健やかに成長することができるよう、今後、子育て支援の充実にどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いします。
 また、いじめや不登校問題の解決も重要な課題であります。いじめ問題は喫緊の課題として取り組む必要があります。また、不登校問題は専任で対応する教員やスクールソーシャルワーカーが配置されていますが、未然防止の取組など、さらなる充実が必要であります。
 そこで、子どもたちが安心して学校生活を送るために、今後、いじめ、不登校対策にどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いします。
 また、学校規模については、昨年4月に開校した照葉北小学校が児童数の急増により分離新設が必要となるなど、今後も過大規模校が増加することが懸念されます。その一方で、市街化調整区域などでは少子・高齢化による小規模校化が進んでおります。
 そこで、福岡市の未来を担う大切な子どもたちが公平によりよい教育環境の下で学校生活を送るために、学校規模の適正化を推進する必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。
 また、子どもたちに安全、安心な学校給食を提供するために、市内産農水産物の利用を拡大し、地産地消を進めるとともに、日本の伝統的な食文化である和食献立を推進していく必要があると考えますが、御所見をお伺いします。
 次に、放課後の居場所づくりの支援についてお尋ねします。
 共働き家庭が増加している現状において、子どもたちが放課後を安全、安心に過ごせる場所が重要であります。遊びは子どもたちにとって運動能力や社会性、創造性などを発達させる大事な活動ですが、外遊びをする時間は減少傾向にあります。
 こうした状況の中、放課後に小学校の校庭を活用して自由に安心して遊べる場であるわいわい広場の充実や留守家庭子ども会事業との連携が必要と考えますが、御所見をお伺いします。
 次に、子どもたちが担う未来はグローバル化の進展や次世代の通信方式5Gをはじめとする急速な情報化が進み、予測困難な時代になると言われています。したがって、このような社会に対応していくためには、情報を選択し、活用していく力が必要になってまいります。そこで、学校教育においては、新学習指導要領の中で地域の人的、物的資源を活用したり、放課後や土曜日等を活用した社会教育との連携を図るなど、社会に開かれた教育課程の実現が求められております。こうした中、民間企業と連携することで、企業の専門性を活用し、子どもたちの持っている力をさらに伸ばしていくことも考えられます。
 そこで、教育委員会として、今後の学力の向上とともに、初等中等教育における専門的な教育にどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いします。
 次に第3は、自然と人に優しいまちについてであります。
 本市は超高齢社会を迎えており、2025年には4人に1人が高齢者になると予測されています。そこで、今後も活力ある都市として発展していくためには、社会全体で健康寿命の延伸に取り組み、高齢になっても健康で意欲を持ちながら地域社会で活躍していただくことが重要であります。このような中、年齢を重ねても住み慣れた地域で自分らしく暮らせるよう、医療、介護、予防、生活支援などが一体的に提供される地域包括ケアの充実に向けた取組が必要です。また、地域包括支援センターは高齢者等の身近な相談窓口としてしっかりと根づくとともに、求められる役割が年々大きくなってきていると感じております。さらに、保健福祉センターや公民館などでの健康づくりや介護予防についての教室や講座による意識啓発の継続も重要であります。
 そこで、高齢者が自立して元気に暮らし続けるための健康寿命延伸に向けたこれからの高齢者施策の推進について今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。
 次に、介護人材の確保については本市でも課題となっており、今後ますます人材の確保や定着を図る取組が重要となります。
 そこで、本市においては、令和元年度から外国人介護人材の受入れ支援や介護の経営力強化研修などの新たな取組が行われており、引き続き新規人材の参入促進や労働環境の改善などに積極的に取り組んでいくべきと考えますが、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。
 また、障がい者もその家族も安心して生き生きと生活していくためには、障がい者が社会参加しやすい環境づくりが重要であります。
 そこで、地下鉄無料パスの福祉乗車証は、制度の変更に伴い、本年9月末までの経過措置とされましたが、重度障がい者の社会参加を促進するものとして多くの方々に利用されています。昨年6月に我が会派からも要望書を提出しており、経過措置終了後も福祉乗車証を継続すべきと考えますが、御所見をお伺いします。
 また、働きたいという希望を持っている障がい者が自らの能力を十分に生かすことができる環境で働くことは、経済的な自立を促進するという観点からも重要であり、障がい者の就労支援に向けた取組を進めていくべきと考えますが、御所見をお伺いします。
 次に、障がい児の療育環境の整備についてお尋ねします。
 障がい児については、早い段階から障がいの種別やその特性に応じた適切な支援を行うことが重要であります。近年、市内3つの療育センター等における新規受診児数は増加傾向にあり、いずれの施設も市内北部に立地していることから、特に南部地域の療育環境整備が求められております。また、児童発達支援センターでは利用希望者が増加傾向にあり、定員の超過が常態化しております。
 こうした状況を踏まえ、本市の療育環境についてはさらなる整備が必要であり、また、併せて療育施設と障がい児が通う保育所等との連携強化を進めるべきと考えますが、御所見をお伺いします。
 次に、地球環境の保全対策と再生可能エネルギーについてお尋ねします。
 地球環境の保全対策については、地球温暖化対策の国際的枠組みであるパリ協定の本格実施や脱炭素化の動きが国内外で高まる中、本市においても、二酸化炭素の排出削減をはじめとした気候変動の影響への適応策、PM2.5対策、3Rの推進や誰もが取り組むことができる段ボールコンポストの普及促進などのごみ減量の取組をより一層推進する必要があると考えます。また、再生可能エネルギーや水素エネルギーは積極的に活用を図っていくべきであります。特に水素には再生可能エネルギーを長期間ためられるという特性があるため、今後の活用が期待されます。
 そこで、地球環境の保全対策とともに、再生可能エネルギーの活用や水素エネルギーの普及に向けてどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。
 次に、都心部の空間である大濠公園と舞鶴公園については、春の福岡城さくらまつりをはじめとして、様々なイベントが開催されるなど、市民の憩いの場としてのにぎわいも増してきております。
 昨年6月にはセントラルパーク基本計画も策定されたことから、構想の早期実現に向けて、福岡県などと連携しながらさらに積極的に取り組む必要があると考えますが、御所見をお伺いします。
 次に、自然環境に配慮した水辺空間整備の推進については、博多湾や河川、ため池などは多様な生き物が生息する場であるとともに、自然と触れ合うことができ、安らぎや潤いを与える憩いの場としても貴重な空間であります。
 これら水辺空間から受ける恩恵を将来にわたって享受していくため、その整備や維持管理においては自然環境に配慮し、市民に親しまれるという視点が重要であると考えますが、御所見をお伺いします。
 次に、我が国の農林水産業を取り巻く状況については、従事者の高齢化や後継者不足、耕作放棄地の発生などにより、その活力は低下する一方であり、農林水産業を活性化していくためには第1次産業に取り組む人々の所得を上げていく必要があります。
 それには大消費地を擁する福岡市の特性を生かした地産地消や6次産業化を推進するとともに、AIやIoTなどを活用し効率化を図るなど、所得向上に向けた取組を進めていく必要があると考えますが、御所見をお伺いします。
 また、林業に目を向けると、市域面積の3分の1を占める森林では杉やヒノキなどの人工林が木材として利用可能な時期を迎えております。
 これらの森林資源を有効利用し、林業振興を図るため、令和元年度から導入された森林環境譲与税を活用し、市内の公共建築物等への地域産木材の利用促進を図るべきと考えますが、御所見をお伺いします。
 次に第4は、文化薫る洗練されたまちについてであります。
 本市はアジアとの交流を通して発展してきた長い歴史を有しており、国宝金印をはじめ、元寇防塁や鴻臚館跡といった全国的にも貴重な遺跡が数多くあります。また、博多旧市街エリアでは中世博多の歴史、文化を楽しむことができ、ユネスコ無形文化遺産に登録された博多祇園山笠や国の重要無形民俗文化財に指定されることになった博多松ばやしなどの祭り行事、博多織、博多人形などの様々な伝統文化も福岡、博多という都市の個性を際立たせる貴重なものです。
 そこで、本市が有するこれらの遺跡や出土品などの文化財、地域で受け継がれてきた伝統文化については文化面、観光面において活用し、振興を図るとともに、市民や福岡を訪れる観光客に対して積極的な情報発信に取り組む必要があると考えますが、御所見をお伺いします。
 また、コンベンションなどMICEについては、参加者の宿泊や飲食などによる経済効果はもちろん、新たなビジネスや雇用の創出、さらには国内外に都市をPRする大きな機会になるなど、都市の成長を牽引する大変重要な役割を持つものであります。そういった中、本市では昨年、G20福岡やラグビーワールドカップが開催されるなど、ハイレベルなMICEを受け入れることにより、国内を代表するコンベンションシティとして着実に成長しているように感じます。一方で、新型コロナウイルスの影響が危惧されるものの、昨年は高いMICE開催需要に対して供給力が追いついておらず、開催余力の向上が急がれるとともに、コンベンションゾーンを国内外の主要都市に劣らないMICE拠点としていくことが大変重要であります。本市が国際的なコンベンションシティとしてさらに認知されるためには、MICE誘致活動の強化とともに、将来を見据えたホールの更新やホテルの誘致など、次の一手を打っていく必要があると考えます。
 そこで、今後のコンベンションシティづくりに向けて、戦略的なMICE誘致やMICE施設の機能強化にどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いします。
 また、ウォーターフロント地区については、地区の持つポテンシャルを最大限に生かしながらMICE機能やクルーズ機能の強化をさらに進める必要があります。一方で、市民や来街者が海辺を楽しめるにぎわいの創出や将来の交通需要に対応した交通環境の改善を図り、世界に通用する交流拠点づくりを進めていかなければなりません。
 そこで、ウォーターフロント地区の再整備については、福岡の成長を牽引する新たな都心の形成に向けて、必要な交通対策とともに、民間活力を最大限に活用した一体的なまちづくりに早急に取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いします。
 次に、地域商店街は住民の暮らしを支え、買物の場を提供する地域経済の担い手であるとともに、地域の交流、にぎわいの場を提供する地域コミュニティの担い手としてなくてはならない存在であります。しかしながら、消費者ニーズの多様化やインターネット、通信販売の拡大など、取り巻く環境の変化に対応できていない商店街も少なくありません。また、国内外からの観光客が増加する中、観光客の消費取り込みに向けた対応が進んでいないように思われます。
 そこで、今後このような地域商店街の活性化に向け、どのような取組を進めていかれるのか、御所見をお伺いします。
 また、本市はスタートアップ都市宣言以降、様々な創業支援を実施されております。Fukuoka Growth Nextにおいては、独自のファンドを立ち上げるなど、成長支援施策がより充実し、スタートアップカフェにおいても、開業ワンストップセンターが開設し、より一層創業しやすい環境が整えられています。さらに、海外展開を進めることで、事業や雇用を拡大している事例も出てきています。
 そこで、こうした海外展開支援が事業拡大にとどまらず、スタートアップへの国内外からの投資にもつながることからも、しっかり取り組んでいく必要があると考えますが、創業支援や海外展開支援について、これまでの主な成果と今後の取組について御所見をお伺いします。
 次に、新たなサービスを生み出すには、テクノロジーの核心部分を担うエンジニアが不可欠であり、雇用争いが激化している中、エンジニアがここで働きたいと思うようなまちづくりを進める必要があります。
 そこで、エンジニアが集まり、活躍するまちとなるためにどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。
 次に、本市の成長を牽引する都心部についてですが、天神地区においては、国家戦略特区を契機に天神ビッグバンプロジェクトに取り組まれており、天神ビジネスセンターや旧大名小学校跡地活用事業が着実に進捗しております。
 今後も新たな空間と雇用の創出に向け、民間活力を生かしながら積極的に天神ビッグバンに取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いします。
 また、博多駅周辺地区においては、博多コネクティッドプロジェクトに取り組まれており、ビルの建て替え誘導や回遊性向上の取組が着実に進捗しております。
 今後も博多駅の活力とにぎわいをさらに周辺につなげていくため、民間活力を生かしながら積極的に博多コネクティッドに取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いします。
 さらに、博多部においては、博多旧市街プロジェクトにより点在する歴史、伝統、文化の魅力を市民や観光客に分かりやすく伝えるストーリーづくりを展開するとともに、博多部の歴史や伝統を生かしたまちづくりが行われております。今後もより一層福岡市の魅力向上に向けた取組を強化されるよう要望します。
 次に、九州大学の移転に伴う西区西部地域のまちづくりと箱崎キャンパス跡地及び周辺のまちづくりは、本市にとって重要なプロジェクトであります。九州大学の移転は平成30年に完了し、伊都キャンパス及び周辺地域は、国際会議や学会の増加に伴い、国内外から多くの方が訪れることが予想されます。今後とも、西区西部地域のまちづくりを進めるとともに、交通アクセスの強化を図っていく必要があると考えます。また、箱崎キャンパス跡地及び周辺においては、都心部に近い広大な敷地のポテンシャルを生かすとともに、100年を超える長い歴史を踏まえ、周辺地域との連携を大切にしたまちづくりを進めていく必要があると考えます。昨年10月には九大跡地利用4校区協議会からJR鹿児島本線箱崎−千早駅間の新駅設置に関する要望書が提出されており、JR新駅は跡地のまちづくりに大きな活力をもたらすものと期待しております。
 そこで、九州大学の移転に伴う西区西部地域のまちづくりと箱崎キャンパス跡地及び周辺のまちづくりに向けた取組について御所見をお伺いします。
 次に、スポーツ環境の充実についてお尋ねします。
 今年は東京オリンピック・パラリンピックが開催され、本市ではマラソンスイミングの最終選考会のほか、スウェーデンやノルウェーチームの事前合宿が予定されています。また、2021年には世界水泳選手権が開催されます。これらはFUKUOKAが国際スポーツ都市としての認知度を向上させている表れであります。また、大規模国際スポーツ大会の開催は地域経済の活性化や市民スポーツの振興につながるもので、必ず成功させなければなりません。
 そこで、大規模国際スポーツ大会の成功に向けて、受入れ環境を整備、充実するとともに、大会終了後の市民への開催効果の還元を踏まえた取組を進める必要があると考えますが、御所見をお伺いします。
 次に、福岡市民体育館の在り方についてお尋ねします。
 平成30年12月に総合体育館が開館した一方で、昨年3月に九電記念体育館が閉館し、市民体育館は老朽化が進んでおります。
 そこで、市民体育館については、可能であれば必要な改修をしつつ、存続を求める声もあると聞いておりますが、今後の在り方について御所見をお伺いします。
 次に、拠点文化施設についてお尋ねします。
 市民会館の後継施設である拠点文化施設は、福岡の文化振興の中心的役割を担うものである上、計画地の須崎公園は天神地区とウォーターフロント地区の中間に位置し、今後の福岡のまちづくりを進める上でも大変重要なものとなります。
 そこで、当該施設の開館に向け、時代にふさわしい新たな文化の拠点となるよう整備を進めるべきと考えますが、御所見を伺います。
 また、福岡市有地である須崎公園内の県立美術館について、県は残して活用する方針を示されていますが、園内の一体開発に大きな支障となることを懸念しております。
 市としては完全な移転を求めるなど、積極的に県と協議を行っていただくよう求めますが、御所見をお伺いします。
 次に、博多港は本市の経済活動や市民生活を支える重要な役割を果たしていますが、アイランドシティでは岸壁が混雑し、既存のコンテナターミナルも満杯に近い状況にあることから、その機能強化を推進していく必要があると考えます。また、船舶の大型化に対応するためには、航路を掘り、土砂の受入先を将来にわたって確保していかなければならず、さらに、分散する機能の集約化など、港湾機能の再編に取り組む必要があるため、土砂の受入先と再編のための土地の確保もできる箱崎ふ頭地区の埋立計画の事業化を図るべきと考えます。
 今後とも、博多港が担う重要な役割を果たし、福岡市の持続的な成長を牽引していくため、港湾機能の強化に取り組んでいく必要があると考えますが、御所見をお伺いします。
 次に第5は、安全で安心して暮らせるまちについてであります。
 昨年12月に中国湖北省武漢市で新型コロナウイルスの感染が報告されて以降、世界各地に感染が広がる中、とうとう先月、福岡市でも感染者が確認されました。関係部局においては様々な対応に追われていることと思いますが、市民の不安を和らげることができるよう引き続き正確な情報提供に努めるとともに、関係機関と十分な連携を図り、感染症の拡大防止に向けて全力で取り組まれるようお願いいたします。
 次に、本市では今後の人口増に加え、天神ビッグバンなどのまちづくりの進展に伴う流入人口の増加が見込まれる中、これらにしっかり対応した道路整備が重要であると考えます。次の段階として、既存交通基盤の有効活用や高齢化を踏まえた公共交通空白地等における生活交通の確保などの取組、また、生活道路などのバリアフリー化を進めるとともに、自転車通行空間の整備、自転車の運転マナー向上など、市民の安全、安心を守る取組も着実に進めていく必要があります。さらに、通学路を含め、全ての交差点は市民が安全で安心して利用できるようにすべきであり、未来を担う子どもたちをはじめ、歩行者の安全確保を第一に考えた交差点の整備の実現に向け、スピード感を持って取り組む必要があります。
 そこで、今後、安全で快適な道路整備の推進に向けて、どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いします。
 また、昨年は佐賀県を中心とした8月の記録的な大雨をはじめ、台風15号による大規模停電や台風19号により河川が相次いで氾濫するなど、甚大な被害をもたらしました。災害はいつどこで起こってもおかしくない状況です。近年の大規模な自然災害に対応するには、河川改修や浸水対策、非常用電源の確保などの取組とともに、市民の適切な避難行動を促し、住民主体の取組強化による防災意識の高い社会づくりが求められており、本市においても防災対策の充実強化は喫緊の課題であると考えます。
 そこで、市民の生命と財産を大規模自然災害から守る防災・危機管理対策の取組について御所見をお伺いします。
 あわせて、河川改修による治水対策や下水道における浸水対策を積極的に推進していくべきと考えますが、御所見をお伺いします。
 次に、天神地区や博多駅地区などの都心部では、今後、都市機能の更新、集積が進み、ますます多くの人や車が集まってくることになり、将来の都心部の発展を支える交通環境づくりは極めて重要であります。さらに、地下鉄七隈線延伸事業については、本市のさらなる成長を促す重要な事業であり、市民への丁寧な情報発信や安全を最優先とした施工に努めながら、一日も早く開業できるよう鋭意推進するとともに、沿線のまちづくりの促進に取り組む必要があります。
 そこで、交通事業者などと連携を図りながら、公共交通を主軸とし、多様な交通手段が有機的、効率的に連携した総合的な交通体系づくりを推進していく必要があると考えますが、御所見をお伺いします。
 また、西鉄天神大牟田線大橋駅以南の鉄道の高架化については、早期実現を目指すとともに、雑餉隈駅周辺の連続立体交差事業についても、できる限り早期の高架切替え実現に向け取り組んでいただき、新駅周辺における歩行空間の確保やバスとの乗継ぎ利便性向上などの安全、安心、快適な交通環境づくりを進めていただくようお願いします。
 次に、市街化調整区域の活性化についてお尋ねします。
 本市は非常に元気のある都市ですが、市域の約50%を占める市街化調整区域の人口は平成7年をピークに約14%も減少し、少子・高齢化や農林水産業の後継者不足など、市街化調整区域に暮らす方々を取り巻く生活環境は極めて厳しい状況にあります。今後とも、定住化の取組を進めるとともに、土地利用規制緩和による民間活力の導入を促進するなど、農林水産業をはじめ、観光業などの地域特性を生かした産業の振興にしっかりと取り組んでいただき、福岡市全体がバランスの取れた成長をしていくことを期待するものであります。
 そこで、今後、市街化調整区域の活性化に向けてどのように取組を進めていかれるのか、御所見をお伺いします。
 本市では、天神ビッグバンをはじめ、博多コネクティッドやFUKUOKA Smart EASTなど様々なプロジェクトが進行中でありますが、都市機能をさらに高めていくには最先端の技術やビジネスモデルの積極的な活用とともに、市民、企業、行政が一緒になった取組をより一層推進していく必要があると考えます。
 福岡市は昨年、市制130周年を迎えました。いよいよ人口160万人が目前に迫り、成長が続く福岡市においても、他都市と同様、超高齢社会を迎え、社会保障関係費の増加、少子化による担い手不足などに直面し、これまで以上に事業の選択と集中が重要になります。島市長におかれましては、これからも持ち前の先見性と強力なリーダーシップにより、市民一人一人が心豊かに将来にわたって持続可能な都市経営の着実な展開をしていただくことはもちろんのこと、この福岡市が九州のみならず、日本全体の牽引役として役割を担っていくようお願いをし、代表質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 島市長。
○市長(島宗一郎)登壇 ただいま福岡令和会を代表して国分議員より御質問をいただきましたので、まず私から御答弁いたします。
 最初に、行財政改革についての御質問にお答えいたします。
 社会保障関係費が引き続き増加するなど、福岡市の財政が依然として楽観できる状況にない中にあっても、総合計画を着実に推進し、都市の成長と生活の質の向上の好循環を確固たるものとしていく必要があります。そこで、行政運営プラン及び財政運営プランの取組の方向性を踏まえ、重要施策の推進などの財源確保のため、投資の選択と集中を図りつつ、歳入の積極的な確保や行政運営の効率化、既存事業の組替えなど、不断の改善を進めるとともに、引き続き市債残高の縮減に向けて取り組んでまいります。
 外郭団体については、これまで13団体を削減したほか、補助金などをおよそ120億円、市職員の派遣をおよそ450人削減しております。今後とも、外郭団体のあり方に関する指針に基づき、着実に取組を推進してまいります。
 技能労務職に係る事務事業の見直しについては、引き続き原則、退職不補充とした上で、改めて業務内容を精査し、民間活力の導入などを図りながら、より適切な人員配置となるよう努めてまいります。
 行政におけるICTなど先進的な技術の活用については、データ活用推進計画に基づき、定例的、定型的な事務作業を自動的に行うRPAの対象業務の拡充やAIを活用した議事録作成支援システムの活用などにより市民の利便性の向上と業務の効率化を推進してまいります。
 補助金については、補助金ガイドラインに基づく終期の設定や積極的な公募化などにより見直しを進めてまいります。
 各種施設の使用料などについては、料金設定の根拠を明確化し、施設利用者の公平性を確保する観点から統一的な基準を策定してまいります。
 次に、公共施設跡地の有効利用については、市有財産が市民から負託された貴重な経営資源であることから、公共利用を考慮しつつ、市民ニーズや地域の特性などを踏まえ、財源確保の観点にまちづくりの視点も取り入れながら総合的に検討を進めてまいります。
 次に、子どもや教育に関する御質問にお答えいたします。
 まず、子育て支援の充実については、保育ニーズへの対応として、保育所の新設や増改築のほか、幼稚園の活用などにより令和2年度は新たに1,000人分の受皿を確保してまいります。また、保育士の処遇改善として、潜在保育士への就職準備金の貸付けにより積極的に人材確保に取り組むとともに、福岡市独自の制度として保育士への勤続手当、初任給調整措置費の支給や家賃の一部助成、奨学金の返済支援に加え、令和2年度からは新たに保育支援員の配置費用を助成することとしております。
 保護者負担の軽減については、3歳以上の児童の幼児教育・保育の無償化を実施するとともに、保育施設などのゼロ歳児から2歳児までの保育料について、国の徴収基準額から減額しております。また、保育所を利用する第3子以降の児童の副食費の助成を福岡市独自に行っており、令和2年度からは対象施設を幼稚園、企業主導型保育施設、認可外保育施設にまで拡大いたします。
 ひとり親家庭の支援については、自立支援給付金事業の拡充など、制度の充実を図ってまいります。
 次に、児童虐待の防止対策については、産後早期の母親に対する健康診査や子育てに困難を抱える家庭に対するヘルパー派遣を新たに実施するほか、こども総合相談センターの児童福祉司や児童心理司を増員するなど、さらに取組を進めてまいります。また、各区の要保護児童支援地域協議会や児童虐待防止医療ネットワークにおいて、関係機関が連携しながら虐待の早期発見、早期対応に取り組んでまいります。
 いじめ、不登校対策など教育に関する御質問については、後ほど教育委員会から御答弁いたします。
 次に、放課後の居場所づくりの支援については、遊びを通して子どもたちの自主性や社会性、創造性を育むため、わいわい広場の実施校の拡大に取り組むとともに、留守家庭子ども会と共通の遊びを通して交流を図るなど、連携に努めてまいります。
 学校教育における学力の向上と専門的な教育に関する御質問については、後ほど教育委員会から御答弁いたします。
 次に、福祉に関する御質問にお答えいたします。
 まず、健康寿命の延伸に向けた高齢者施策については、福岡100の一環として、よかトレ実践ステーションへの支援や運動習慣定着推進事業の実施など、健康づくりや介護予防に取り組みやすい環境づくりを進めてまいります。また、引き続き地域包括支援センターや関係機関と連携しながら、地域包括ケアの充実に取り組んでまいります。
 次に、介護人材の確保については、新たな人材の参入促進、介護ロボットのレンタル制度の試行など、労働環境、処遇の改善及び研修を通した資質の向上に一体的に取り組んでまいります。また、外国人の受入れを促進するため、ミャンマーなどへ介護士を派遣し、現地での教育支援を行うとともに、外国人の介護人材と地域住民との交流などに取り組んでまいります。
 福祉乗車証については、障がいのある方の社会参加をより一層促進する必要があることから、経過措置終了後も交付を継続してまいります。
 障がいのある方の就労支援については、障がい者就労支援センターを中心に、就労相談や、職場開拓から職場適応、定着までの支援を行うとともに、企業訪問やセミナーなどを引き続き実施してまいります。
 障がい児の療育環境については、相談から診断、療育までを行う療育センターを3か所、療育のみを行う児童発達支援センターを7か所設置しており、さらに、令和3年度の開設に向け、雁の巣幼稚園跡地に8か所目の整備を進めてまいります。また、南部地域の相談、診断、療育機能を強化するため、療育センターの設置に向けた基本計画を検討してまいります。
 保育所などに通う障がい児への支援については、療育センターによる外来療育や保育士などによる訪問支援、児童発達支援センターの分園との並行通園などを引き続き実施するとともに、新たな分園の設置についても、検討を進めてまいります。
 次に、環境や自然などに関する御質問にお答えいたします。
 まず、地球環境の保全対策については、脱炭素社会の実現に向けた取組をはじめ、気候変動の影響への適応策、PM2.5の分かりやすい情報発信、さらには発生抑制や再使用に重点を置いたごみ減量対策などを一層推進してまいります。再生可能エネルギーについては、太陽光発電を中心に導入拡大に取り組んでまいります。水素エネルギーの普及については、世界初の下水バイオガスによる水素ステーションを核として先進的なまちづくりへの活用に取り組んでまいります。
 次に、セントラルパーク構想については、引き続きサインやベンチの更新などに取り組むとともに、歴史資源や四季折々の花々を生かしたイベントの充実などにより、にぎわいの創出を図り、県と共同で構想の実現に向けて取り組んでまいります。
 自然環境に配慮した水辺空間の整備については、博多湾について、水底質改善や博多湾NEXT会議と連携した自然環境の保全、創造に取り組んでまいります。河川については、適切な維持管理を行うとともに、自然環境や地域の特性を十分考慮し、潤いや親しみのある環境を整備してまいります。自然共生型ため池については、地域との共働により適切に維持管理を行い、自然を生かした身近な水辺空間、市民の健康づくりや憩いの場となるよう努めてまいります。
 次に、農林水産業の従事者の所得向上については、生産基盤の計画的な整備やスマート農林水産業の取組などにより生産性の向上を図ってまいります。また、市内産農水産物の学校給食への利用などによる地産地消を推進するほか、市場における安全、安心の確立や新たな商品開発への支援など、ブランド化や6次産業化を促進してまいります。
 また、森林環境譲与税を活用して公共建築物の木造、木質化を推進するなど、地域産木材の利用に努めてまいります。
 次に、経済、文化、観光・MICEに関する御質問にお答えいたします。
 まず、伝統文化の振興については、福岡市の貴重な史跡である鴻臚館、福岡城の公開活用や生の松原元寇防塁の受入れ環境整備を進めるとともに、博多祇園山笠、博多松ばやしなどの祭り行事や博多織、博多人形などの伝統工芸品をはじめ、地域で受け継がれた文化財や伝統文化の保存、活用に取り組んでまいります。
 さらに、博多旧市街プロジェクトの推進などにより福岡の歴史や文化を積極的に情報発信し、観光資源としての活用を強化してまいります。
 次に、MICE機能強化の取組については、Meeting Place Fukuokaの体制強化や支援施策の充実などにより戦略的な誘致活動を展開してまいります。
 また、コンベンションゾーンにおいて、マリンメッセ福岡B館などの整備を進めるとともに、ホールの整備やホテルなどの誘致に取り組み、MICE関連施設が一体的、機能的に配置されたオール・イン・ワンの実現を目指してまいります。
 次に、ウォーターフロント地区については、MICEやクルーズの機能強化を図るとともに、貴重な海辺を生かし、にぎわいと憩いの空間づくりを進めることで新たな都心拠点の形成に取り組んでおります。令和2年度は民間活力を生かしたまちづくりや必要な交通対策の検討などに取り組んでまいります。
 次に、地域商店街の活性化に向けた取組については、引き続き次世代を担う人材の育成などを行うとともに、国内外からの観光客の消費取り込みなどの新たなチャレンジを支援してまいります。
 創業支援については、国家戦略特区制度と福岡市の独自施策を一体的に進めることにより、スタートアップカフェでは220社以上が起業し、Fukuoka Growth Nextの入居企業には110億円以上の投資が集まるとともに、海外展開による雇用も増加するなど、着実にスタートアップ都市としての地位を確立してきております。引き続き創業の裾野の拡大を図り、独自の技術を有する大学の研究成果を活用した創業支援などに取り組んでまいります。
 また、世界を舞台に成長するスタートアップ企業の誕生を目指し、海外で実践型研修を実施するなど、グローバル展開を支援してまいります。今後とも、新たなビジネスや価値の創造にチャレンジする企業を支援するとともに、既存企業とスタートアップ企業との連携による相互の成長を促進してまいります。
 次に、エンジニアカフェにおいては、交流や技術力向上などを支援するとともに、関連団体及び企業の表彰やフェスティバルの開催、国内外への情報発信などを通してエンジニアフレンドリーシティ福岡の取組を推進してまいります。
 次に、都心の魅力向上に関する御質問にお答えします。
 都心部のまちづくりについては、福岡市独自の規制緩和制度の活用などにより複数の建て替え計画が着実に進捗しております。引き続き耐震性の高い先進的なビルへの建て替えを誘導するとともに、天神ビッグバンにおけるエリアマネジメント団体等と連携した持続的なにぎわいの創出や、博多コネクティッドにおける周辺地区との回遊性の向上などにより、安全、安心で質の高いまちづくりに取り組んでまいります。
 九州大学の移転に伴う西部地域のまちづくりについては、引き続き交通アクセスの検討を行うとともに、伊都キャンパス周辺のまちづくりの支援を進めてまいります。
 箱崎キャンパス跡地については、都市基盤の整備を進めるとともに、関係者とJR新駅設置の協議を進めてまいります。また、最先端技術による快適で質の高いライフスタイルと都市空間を創出するFUKUOKA Smart EASTの実現に向けて、九州大学などと連携し、未来に誇れるまちづくりに取り組んでまいります。
 大規模国際スポーツ大会については、東京オリンピック・パラリンピックに関連し、市民が参加できる応援事業やスウェーデン、ノルウェーチームの事前合宿の支援などに取り組んでまいります。また、令和3年に開催される世界水泳選手権福岡大会及び世界マスターズ選手権九州大会の成功に向け、開催準備や機運醸成などを着実に進めてまいります。
 市民体育館については、第2競技場棟及び本館棟は令和2年度末をもって廃止し、メインアリーナの第1競技場棟は必要な改修をしながら引き続き運営していくこととしております。
 拠点文化施設については、須崎公園との一体的な整備により令和6年の開館を目指し、整備を進めてまいります。
 県立美術館については、県が老朽化による移転を表明しており、拠点文化施設と須崎公園が一体的に活用され、市民の憩いの場となるよう県と協議を行ってまいります。
 次に、港湾機能の強化については、博多港の国際海上コンテナ取扱量は令和元年に過去最高となるおよそ96万TEUを記録し、コンテナターミナルは満杯に近い状況にあり、早急な対応が求められています。このため、アイランドシティにおいて、国と連携を図りながら岸壁や背後のヤード整備などコンテナターミナルの機能強化に取り組むとともに、D岸壁全体の完成に向け、国に対して今後も提言を行ってまいります。
 箱崎ふ頭地区の埋立てについては、博多港港湾計画に位置づけており、引き続き総合的に検討を進めてまいります。
 最後に、安全、安心のまちづくりに関する御質問にお答えいたします。
 まず、安全で快適な道路整備の推進については、生活道路の整備や交差点などの交通安全対策、自転車通行空間の整備を進めるとともに、主要幹線道路の整備などを計画的に進めてまいります。
 防災・危機管理対策の取組については、災害時の避難支援として電気自動車を活用した公民館の非常用電源の確保や内水ハザードマップの作成、災害対策本部機能の充実強化に取り組んでまいります。また、避難所の運営を学ぶワークショップの開催や運営を支援するエキスパートの育成に加え、避難行動要支援者対策のさらなる推進など、行政、市民、企業の共創による防災先進都市づくりに取り組んでまいります。
 次に、河川の治水対策については、河川改修などを推進するとともに、二級河川を管理する県に対して適切な維持管理及び改修を引き続き要望してまいります。
 雨水対策については、雨水整備Doプラン2026に基づく取組や天神地区における雨水整備レインボープラン第2期事業により、従来の流下型施設の整備に加え、雨水流出抑制施設の導入を進めてまいります。
 総合的な交通体系づくりについては、地下鉄七隈線の延伸や幹線道路の整備など、交通ネットワークの強化を図るとともに、パーク・アンド・ライドや鉄道駅へのバス停の近接化など、交通マネジメント施策を推進し、ハード、ソフトの両面から総合的に取り組んでまいります。
 市街化調整区域については、地域の主体的な取組を支援するとともに、規制を緩和した開発許可制度の活用により定住化の促進や地域産業の振興を図るなど、地域と一体となって活性化に取り組んでまいります。特に志賀島及び北崎地区においては、宿泊税も活用しながら、海辺を生かした観光振興に取り組んでまいります。
 以上、市政各般にわたり御答弁いたしましたが、承りました御意見、御提言に留意し、市民の代表である議会との対話を真摯に進めてまいります。今後とも、経済的な成長と安全、安心で質の高い暮らしのバランスが取れたコンパクトで持続可能な都市として九州全体の発展に貢献し、アジアの中で存在感のある都市づくりを進め、人と環境と都市活力の調和が取れたアジアのリーダー都市の実現を目指して全力で市政運営に取り組んでまいります。よろしく御協力をお願いします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 教育に関する御質問に対しまして、教育委員会からお答えいたします。
 まず、いじめ問題については、学校、保護者、地域で構成するいじめ防止対策委員会において、指導の在り方や個別の事案の対応について協議するなど、取組を強化するとともに、児童生徒が主体となったいじめゼロサミットをはじめとするいじめゼロプロジェクトを継続して推進してまいります。
 不登校対策については、登校支援を要する児童生徒に専任で対応する教員を小呂中学校、玄界中学校を除く全ての中学校に配置しており、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーと連携し、不登校などの課題を抱える児童生徒に対してチーム学校として組織的に支援してまいります。また、学級集団の状態や児童生徒の意識を把握するQ−Uアンケートを小学校4年生から中学校3年生までの全ての児童生徒に実施するとともに、SNSのLINEを活用した教育相談を実施し、いじめ、不登校などの未然防止、早期発見の充実に努めてまいります。さらに、大学教授や医師などを委員とする登校支援対策会議において、長期欠席児童生徒への効果的な支援などについて検討しており、今後の取組につなげてまいります。
 次に、学校規模の適正化については、子どもたちに安心して学ぶことができる良好な教育環境を提供するため、関係局と連携し、長期推計を含めた児童生徒数の推計の改善を図りながら、地域の実情に応じた対策に取り組んでまいります。
 次に、学校給食における地産地消については、福岡市とJAで構成する協議会において市内での生産状況などを踏まえた協議を進め、市内産農水産物の利用拡大に努めてまいります。また、日本の伝統的な食文化である和食の継承は食育の観点からも重要であり、和食献立の推進に努めてまいります。
 最後に、学校教育における学力の向上と専門的な教育については、放課後に補充学習を行うふれあい学び舎事業を拡充するとともに、習熟度別の学習やチームティーチングによる指導、さらに、ICTを活用した教育などの充実を通して確かな学力の定着や発展的、専門的な学習に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) この際、休憩し、午後2時20分に再開いたします。
午後2時9分 休憩  
午後2時20分 開議  
○議長(阿部真之助) 休憩前に引き続き会議を開き、各派代表による質疑を継続いたします。福田まもる議員。
○46番(福田まもる)登壇 私は自民党新福岡を代表して、令和2年度市政運営方針及び予算案などに対し質問いたします。
 まず、質問に入ります前に、今般の新型コロナウイルス感染症について少し触れさせていただきます。新型コロナウイルス感染症は今や全世界に広がり、日本の感染者もとうとう500人を超え、全国各地に広がってきました。私たちのまち福岡市においても、先月20日に2名の感染者が確認され、3月2日からは臨時休校が実施されるなど、市民の不安は一気に高まりました。しかし、保健福祉局を中心に全庁を挙げて各部署が連携しながら最大限の力を発揮して対応いただいていることに際し、感謝申し上げる次第でございます。引き続き感染の拡大防止、事態の一日も早い収束に向けて御尽力いただきますようお願いいたします。
 さて、いよいよ今年、オリンピック・パラリンピックが日本で開催されます。日本が一丸となって新しい時代を踏み出していく節目の年であります。国においては、安倍内閣が発足して7年、デフレ脱却と経済再生を最重要課題として取り組み、アベノミクスの推進により雇用、所得環境は大きく改善しました。一方、福岡市は平成24年に未来の設計図である総合計画を策定し、目指す都市像として人と環境と都市活力の調和が取れたアジアのリーダー都市を掲げ、都市の成長と生活の質の向上の好循環を創出することを都市経営の基本戦略として、これまで都市づくりに取り組んできました。その結果、全国の中でも最も元気なまちとして高く評価されています。また、全国的に人口減少社会を迎えている中において、今もなお福岡市の人口は毎年約1万人ずつ増加し続けており、本年には160万人を迎えようとしております。さらに、市民からの住みやすさの評価は7年連続で95%を超える高水準を維持し続けております。
 このように市内外で高い評価を受けているのは、これまで福岡市が国と良好な関係を築き、天神ビッグバンなど、国家戦略特区をはじめとする国の施策に市独自の施策を加えてパッケージとして事業を推進するとともに、G20福岡財務大臣・中央銀行総裁会議をはじめとした大型MICEの誘致、ICTなど先端技術の活用など、戦略的かつ積極的なチャレンジを行ってきたからであり、島市長の強い政治力とリーダーシップのたまものだと確信しております。この元気な福岡市を決して一過性のものにしないため、そして、将来にわたって元気な福岡市を持続可能な形で子の代、孫の代へと引き継いでいくためには、福岡市の未来を担う責任世代である私たちの今の努力やチャレンジが非常に大事になってきます。昨年4月の統一地方選挙において、福岡市議会は13人もの初当選議員が誕生し、女性議員も改選前の6名から11名へと大きく増加いたしました。私たち福岡市議会もまた福岡市の未来を担う責任をしっかり果たすべく、意識を高く持ち、職務を全うしていかなければなりません。
しかしながら、全国的な少子・高齢化の傾向には福岡市もあらがうことはできません。福岡市の高齢化率は2016年に21%を超え、他都市と同様に既に超高齢化社会を迎えております。将来にわたり支える人と支えられる人のバランスが大きく変化していきます。そのため、今後の社会保障関係費の増加や公共施設の大量更新の必要性も勘案すれば、引き続き厳しい財政状況が継続することが見込まれることから、今後もさらに事業の選択と集中を進めながら、本市の活力維持向上のため、魅力をさらに磨き、仕事を創出していく必要があります。さらに、人生100年時代を見据えて自助、共助、公助のベストミックスにICTやテクノロジーの活用を加え、次世代においても持続可能な社会システムを早急に構築していく必要があります。
 これらのことを踏まえ、具体的にそれぞれの項目について質問いたします。
 まず、市長の施政方針とその実現に向けた令和2年度予算編成についてお尋ねいたします。
 島市長は福岡市総合計画に基づき、都市の成長と生活の質の向上の好循環を創り出すことを基本戦略として掲げ、人と環境と都市活力の調和が取れたアジアのリーダー都市を目指してまちづくりを進めていますが、その実現に向け、令和2年度予算案をどのような考えで編成しているのか、予算案の特徴と併せてお尋ねいたします。
 次に、行財政改革についてお尋ねいたします。
 本市においては、これまでも歳入の積極的な確保や行政運営の効率化、既存事業の組替えなどにより財源の確保に取り組んでいるところでありますが、一般財源総額の大幅な増加が見込めない中、少子・高齢化や公共施設の老朽化などにより社会保障や施設の改修、修繕の経費が増え続けるなど、市の財政を取り巻く環境は依然として楽観できる状況にはありません。そのため、歳入においては、これまで以上に市有財産の有効活用や収入、収納率向上に取り組むとともに、交流人口の増加や都市の成長をより一層推進し、税源の涵養に努める必要があると考えております。また、歳出においては、明確な優先順位づけの下で事業費の圧縮や平準化、民間資金の積極的な活用を図るとともに、既存事業については時代の変化に応じて必要性、緊急性の観点から見直しを行うなど、さらなる選択と集中が必要であると考えます。
 令和2年度は平成29年度に策定した行政運営プラン及び財政運営プランの最終年度となりますが、これらのプランに基づき、どのように行財政改革に取り組んでいくのか、所信をお伺いいたします。
 医療費支給制度や文化財保護事業については、福岡県において県下市町村への県費補助を行い、県民の福祉の増進や生活の質の向上に寄与しているところでありますが、本市及び北九州市については補助率が他市町村に比べ低率または補助の対象外とされております。政令指定都市は大都市特有の財政需要を抱えており、近年の厳しい財政状況も鑑み、これらの事業の継続に当たりましては財源の確保が重要な課題となっております。
 このような中、昨年12月に福岡県において令和3年度から子ども医療費助成制度の対象に中学生を加えること、また、その補助率については政令市も含め、県内市町村は一律、公平に2分の1とする方針が示されたことは明るい材料でありますが、いまだに残っている県費補助の格差の是正についてどのように取り組んでいくのか、所信をお伺いいたします。
 近年、AI、IoTなどの先端技術の進展により様々な都市で行政サービスの効率化に向けた取組が開始されております。
 超高齢社会への対応や市民ニーズの多様化による行政需要の増加に対し、限られた経営資源で的確かつ迅速に対応していくためには、ICTなど先進的な技術を活用した効率的な行政運営の推進に取り組むべきだと考えますが、所信をお伺いいたします。
 次に、誰もが住みやすいまち福岡の実現に向けた取組について質問してまいります。
 まず、安心して生み、子育てしやすい環境づくりについてお尋ねいたします。
 昨今の社会経済情勢の変化や働く女性の増加などにより、保育所への入所申込みは依然として増加を続けており、引き続き待機児童の解消に向けて、今後も増加が見込まれる保育ニーズに的確に対応していく必要があります。
 特に保育の受皿確保に当たっては、地域の状況をしっかり把握した上で、幼稚園の認定こども園への移行や既存保育園の増改築による既存ストックの活用など、多様な手法による将来を見据えた計画的な保育の受皿確保に取り組むべきだと考えますが、所信をお伺いいたします。
 働く女性の増加に伴い、晩婚化や晩産化が進み、それに伴い不妊、不育に悩む夫婦が増えております。少子化対策としても不妊症や不育症に対する支援が必要であり、そのためには妊娠、出産や不妊、不育に関する正しい知識と情報を早期に提供することが重要であります。そのような中、本市では平成29年11月に不妊専門相談センターを設置し、不妊、不育に悩む方への心のケアや妊娠、出産に関する正しい知識の普及啓発に取り組むとともに、平成30年7月からは一般不妊治療の治療費の一部助成を開始されたことは高く評価いたします。
 引き続き子どもを望む夫婦がその希望をかなえられるよう、不妊症や不育症に悩まれている方へのさらなる支援策の推進と不妊専門相談センターの啓発強化に取り組むべきと考えますが、所信をお伺いいたします。
 全国の児童相談所への児童虐待相談対応件数が年々増加の一途をたどっており、平成30年度には約16万件に上っております。また、子どもの生命が奪われる重大な事件が後を絶たないなど、児童虐待が依然として深刻な社会問題となっております。
 全ての子どもが安心して健やかに成長できるよう、子どもたちを虐待から守るため、児童虐待防止対策に取り組むべきと考えますが、所信をお伺いいたします。
 次に、子どもの未来を育む教育についてお尋ねいたします。
 近年、知識、情報、技術をめぐる変化の速さが加速度的となり、情報化やグローバル化といった社会的変化が我々の予測を超えて進んでおります。近い将来訪れるSociety5.0時代に生きる子どもたちにとって、ICTを活用する力を育成することは今後ますます必要になってまいります。令和2年度から全面実施される小学校の新しい学習指導要領では、新たにプログラミング教育が導入され、情報活用能力が全ての教科の基盤として育まれる資質、能力として位置づけられるなど、ICTを活用した授業の充実について規定しており、国においては各自治体におけるICT教育環境の整備について推進していくことを求めております。
 本市においても、常設プロジェクター、指導者用タブレット、無線環境等、着々と学校現場の環境整備が進められているところでありますが、今後はICT教育を活用した教育内容の平準化、授業準備などにおける教員の負担軽減、ICT教育の充実など、教育の質の向上に取り組むべきと考えておりますが、所信をお伺いいたします。
 教員の職務は子どもの健全な心身の発達や人格形成に大きな影響を与えるものであると考えており、教員の資質、能力を高めていく必要があると言えます。
 社会の急激な変化や学校教育における諸課題の複雑化、多様化に迅速かつ適切に対応するため、これまで以上に教員が高度な知識、技能の習得を図りつつ、適宜刷新していくなど、教員の資質、能力の向上による学校教育の活性化に取り組むべきと考えますが、所信をお伺いいたします。
 近年、出生数の減少や世帯構成の変化などにより全国的に少子化が進んでおります。そのような中、元気で住みやすいまちとの評価を受けている本市においては、人口、児童数が増加を続けており、住宅の開発が急速に進む一部の地域では児童生徒数の急激な増加により過大規模化している学校もあります。一方、本市においても将来的には児童生徒数は減少に転じることが見込まれ、一部の都心部地域や新たに住宅開発ができない区域など、人口が減少している地域等においてはクラス替えができないような小規模な学校が今後増えていくことが想定されております。
 子どもは学校という集団の中で学習し、社会性を養っていくものであり、子どもが学びやすい学校規模にしていくように将来を見据えて取り組む必要があると考えますが、所信をお伺いいたします。
 文部科学省の調査によりますと、平成30年度の不登校児童生徒数は全国で16万人を超え、25年度以降、年々増加しており、本市においても同様の傾向があると考えられます。このような状況の中、不登校児童生徒への支援は彼らの将来的な社会的自立を目指していく上で喫緊の課題として取り組んでいく必要があると考えております。
 また、不登校の要因は学業の不振や友人関係をめぐる問題など、一人一人様々であることから、不登校となってしまう児童生徒に対する支援については、その要因や背景などをしっかり把握した上できめ細やかな支援を行っていく必要があると考えますが、所信をお伺いいたします。
 9年前の本日、東日本大震災が発生しました。その際に現地の小学校、中学校も被災し、多くの児童生徒が犠牲になりましたが、その一方で、彼らが地震発生と同時に迅速に避難し、押し寄せる津波から生き延びることができた地域もありました。防災、減災で大切なことは、日頃から具体的な災害を想定し、訓練と備えを実施することであり、小学校高学年の児童や中学校の生徒は災害に備えた訓練を繰り返すことで災害時に支援する側の役割も期待できるようになります。
 市民の大切な命を守るため、小中学校における防災対策、避難訓練及び公的備蓄の推進に取り組む必要があると考えますが、所信をお伺いいたします。
 次に、令和2年度から小学校で全面的に実施となる新しい学習指導要領では、一つ一つの知識がつながり、子どもたちが分かった、面白いと実感できる授業や、周りの人たちと共に考え、新しい発見や豊かな発想を生み出していく授業が求められています。そのためには子どもたちが自分の考えをしっかりと生み出すための時間や友達とじっくり意見交換をする時間など、これまで以上に学習に取り組める時間を確保することが重要であり、このことによって、いわゆる主体的、対話的で深い学びの実現が期待できると考えます。
 そこで、子どもたちの学びを深めていくために必要となる授業時数を確保するため、夏季休業中や冬季休業中を含めた長期休業期間の見直しや土曜日授業の実施拡大に取り組む必要があると考えますが、所信をお伺いいたします。
 また、発達障がいなど障がいのある児童生徒がその個性や能力を生かして社会で活躍できるよう、一人一人の教育的ニーズに沿った特別支援教育を推進する必要があると考えますが、所信をお伺いいたします。
 教育現場において、子どもたちに単に教科書の知識を習得させるだけではなく、地元福岡のことを知る機会を通じて健全な郷土愛や規範意識を高める道徳教育も重要であると考えますが、所信をお伺いいたします。
 子どもは本市の未来を支え創造するかけがえのない存在であり、第2次福岡市教育振興基本計画で目指す「やさしさとたくましさをもち、ともに学び未来を創り出す子ども」を育成するためには、ICT教育など学力向上に向けた施策の充実強化に取り組む必要があると考えますが、所信をお伺いいたします。
 次に、支える福祉の推進についてお尋ねいたします。
 高齢化のさらなる進展により、医療や介護を必要とする高齢者が増加していく中、住み慣れた自宅や地域で自分らしく暮らし続けるためには、それを支える仕組みが必要であります。
 そのため、今後も増加し続ける高齢者が住み慣れた地域や自宅で安全、安心に暮らし続ける仕組みづくりについて取り組むべきと考えますが、所信をお伺いいたします。
 地域福祉の担い手として重要な役割を担っている民生委員は、地域において生活や福祉全般に関する相談を受けたり、高齢者の見守りなどの援助活動を行ったり、様々な活動をしております。近年、高齢化の進展や地域コミュニティの希薄化などにより、その役割はますます重要になる一方で、ボランティアベースで活動されている各委員への負担も増大しているのが現状であります。そのような状況の中、本市が民生委員の活動費を増額し、政令市のトップ水準に引き上げる方針を示したことは高く評価したいと思います。一方で、民生委員のこれまでの業務の整理や見直し、改善を要望しておきます。
 生活保護受給者に対する医療扶助につきましては、医療機関を繰り返し過剰に受診する頻回受診の是正や症状が重症化する前に適切な治療を行うことが重要であると考えますが、医療扶助の適正化や重症化予防の取組について所信をお伺いいたします。
 超高齢化社会において予測される医療や介護などのニーズの増大や多様化に対応し、持続可能な社会を実現していくためには、IoTやAIをはじめとした新たな技術、企業、大学などの新たな発想や手法を積極的に取り入れ、活用していくことが必要であると考えます。
 そのため、現在、本市においても人生100年時代を見据え、誰もが心身ともに健康で自分らしく暮らすことができる健寿社会の実現に向け、産学官民オール福岡で取組を進めているプロジェクト、福岡100をさらに推進していくことが必要であると考えますが、所信をお伺いいたします。
 次に、共創による地域づくりについてお尋ねします。
 本市においては、様々な主体が共に地域の未来を創り出す共創の取組によって、地域の特性に応じた魅力あるまちづくりや安全、安心な地域づくりが進められておりますが、地域においては活動の担い手不足などの課題を抱えております。また、地域の活動拠点である公民館と自治協議会や自治会、町内会などの地域コミュニティとの連携も不可欠となっております。
 そこで、自治協議会や自治会、町内会などの現状を把握し、地域活動の担い手確保、育成にしっかりと取り組むとともに、公民館との連携を図っていく必要があると考えますが、所信をお伺いいたします。
 次に、安全、安心な市民生活についてお尋ねします。
 地域の防犯活動の支援のため、自治協議会や自治会などの地域団体が設置する街頭防犯カメラの費用に対する助成が行われ、その設置数は年々増加しております。
 犯罪の抑止効果や犯罪発生時の犯人の特定及び検挙には街頭防犯カメラの設置が有効であるため、今後も防犯カメラのさらなる設置を推進するとともに、設置地域の公表、積極的なPR等による犯罪防止に取り組んでいく必要があると考えますが、所信をお伺いいたします。
 天神や博多などの繁華街では、通行人に声をかけて強引に居酒屋などに誘う客引きが後を絶ちません。中には、しつこく付きまとうなど悪質な事例もあり、まちの治安や都市のイメージが損なわれております。
 安全、安心のまちづくりや国内外から多くの観光客が訪れるアジアの拠点都市を目指す上で、悪質な客引き対策にしっかりと取り組んでいく必要があると考えますが、所信をお伺いいたします。
 長寿社会を迎え、運転免許保有者に占める高齢者の割合は年々高まっており、全国的にも高齢運転者による重大な交通事故が頻発しており、社会問題化しております。
 身体機能や判断能力の低下が避けられない高齢者が安心して運転できる環境づくりについて取り組むべきと考えますが、所信をお伺いいたします。
 近年、全国各地で地震や豪雨による大規模災害が頻発し、甚大な被害をもたらしております。大規模な災害が発生した場合、被害を最小限に食い止めるためには、自分自身の命を守る自助の力を高めるとともに、地域住民同士での助け合い、いわゆる共助の力が必要不可欠であり、自主防災組織を中心とした自助、共助による地域防災力の向上を図っていくことが非常に重要であると思います。
 そのため、地域の災害対応力の向上を図り、自主防災組織の体制強化と地域における自主訓練などの活動を促進していく必要があると考えますが、どのように取り組まれるのか、所信をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 福田議員、質疑中ではございますが、この際、議員、理事者並びに傍聴人の方々にお知らせいたします。黙?のため、ここで質疑を一旦中断いたします。福田議員は自席にお戻りください。
 本日、3月11日で東日本大震災の発生から9年を迎えます。ここに改めてお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、黙?をささげたいと思います。一同御起立願います。──黙?
      〔総員起立、黙?〕
 
 黙?を終わります。一同御着席ください。
 各派代表による質疑を再開いたします。福田まもる議員。
○46番(福田まもる)登壇 それでは、質問を再開させていただきたいと思います。
 一方、少子・高齢化の進展や社会経済情勢の変化などにより地域における防災活動の担い手を確保することが困難になっております。
 消防団員など地域の防災活動を支える担い手の確保や育成についても、引き続きしっかりと取り組んでいく必要があると考えますが、所信をお伺いいたします。
 次に、福岡の豊かな自然環境、文化を生かしたまちづくりについてお尋ねいたします。
 本年は東京オリンピックが開催され、市民のスポーツへの意識や関心が高まっております。スポーツは市民の健康増進やコミュニティ形成等、様々な効果が認められますが、個々のスポーツに応じた場が必要であります。
 今回の東京オリンピックではスケートボードなどの競技が新たに正式採用されるなど、市民のスポーツニーズも一層多様化してきており、これらに合わせた環境整備の推進に取り組むべきと考えますが、所信をお伺いいたします。
 次に、日本一チャレンジしやすいまち福岡の実現に向けた取組について質問してまいります。
 まず、世界とつながるスタートアップシティについてお尋ねします。
 日本は急速な少子・高齢化、多発する都市型災害など、世界の多くの都市が経験していない社会課題に先んじて直面する課題先進国であります。そのため、現在、国を挙げてAI、IoTなどの新技術やビッグデータを活用することにより様々な社会課題の解決を図るスマートシティの実現に向けて取組を始めております。
 本市においても、スタートアップによる新サービスの創出や市内企業の労働生産性の向上等のため、AIやIoT等の革新的技術の実装や生み出されるビッグデータの活用等、データ利活用型スマートシティの構築に向けてチャレンジすべきと考えますが、所信をお伺いいたします。
 本市はこれまでスタートアップ都市づくりにチャレンジし、新たなイノベーションを起こし続けてきました。中でも、AIやIoTなど最新テクノロジーを駆使するIT分野は非常に大事ですが、新しいサービスや製品づくりを支えているエンジニアが不足しているとも言われております。
 これまでの本市のイノベーションの力をさらに加速させ、経済成長や市民生活の向上を図るためには、海外ICT技術者の積極的な誘致により国内外からエンジニアが集まり、活躍し、成長するまち福岡の実現に向けて取り組むべきと考えますが、所信をお伺いいたします。
 次に、地域経済のグローバル化の推進についてお尋ねします。
 アジアを中心とした新興諸国の成長で新しい市場が生まれている一方、経済のグローバル化はますます進展し、国際的な競争は厳しさを増しております。
 このような中、海外展開を目指す地場企業のため、本市の姉妹都市とのネットワークを活用した経済交流やさらなるビジネス展開の推進に取り組むべきと考えますが、所信をお伺いいたします。
 本市では大学や日本語学校に通う外国人留学生だけでなく、専門的、技術的分野で働く外国人なども増加しており、出身地も多様化しております。これは、これまで本市が基本構想の中でアジアの交流拠点都市を掲げ、様々な国際施策に取り組んだ結果が評価され、選ばれる都市になってきたあかしの一つと言えるのではないでしょうか。今後もグローバル化による都市間競争が激しくなる中で、世界中から留学生や外国人材などを引きつけるためには、外国人が日本人と同様に公共サービスを受けることができる環境を整備するとともに、地域、社会との共生を進めることが必要不可欠であります。
 そのため、行政窓口の多言語対応をはじめ、日本に来て間もない外国人に対する生活ルール、マナーの周知など、外国人にも優しく住みやすいまちづくりを推進すべきと考えますが、所信をお伺いいたします。
 次に、観光・MICE都市福岡の推進についてお尋ねします。
 本市は入り込み観光客数が平成28年には2,000万人を突破、また、G20財務大臣・中央銀行総裁会議が開催されるなど、日本を代表する観光・MICE都市として成長を続けております。また、昨年はラグビーワールドカップの開催で多くの外国人観光客が福岡を訪れました。
 そのような中、本年4月1日からいよいよ宿泊税が導入されますが、宿泊税財源を活用した観光・MICEの戦略的推進と受入れ環境の整備にどのように取り組んでいくのか、所信をお伺いいたします。
 一方で、近年の国際的な人流、物流の拡大に伴い、海外から新種のウイルスによる感染症が持ち込まれるリスクが高まっております。
 今般の新型コロナウイルスによる肺炎など、新たな感染症の脅威に対しては、国や市のそれぞれの役割がある中で、市として適切に判断し、的確に対応していくことが必要と考えますが、所信をお伺いいたします。
 次に、地場企業、地域商店街が活躍するまちづくりについてお尋ねします。
 商店街は買物の場を提供し、地域住民の暮らしを支える地域経済の担い手でありますが、近年、地域住民の絆づくりや安全、安心などに取り組む地域コミュニティの担い手としての役割も注目されています。そのため、商店街が地域において果たす役割や機能の重要性を十分に理解し、地域の要望や期待に応えようと頑張る商店街を行政がしっかり支援することが重要であると考えております。
 商店街が地域から必要とされる存在となり、その価値を一層高めるよう活力のある地域商店街の創出に向けてどのように取り組んでいくのか、所信をお伺いいたします。
 地場中小企業は市内事業所数の約99%、従業者数の約86%を占めており、本市経済の重要な役割を担うのみならず、市民の雇用や暮らしを支え、地域社会においてもコミュニティの活性化、防災や災害時の対応など、重要な役割を果たしております。しかし、少子・高齢社会の進展、働き方改革、世界経済の変動リスク、第4次産業革命とも呼ぶべき技術革新など、中小企業はこれまでにない経営環境の変化に直面しており、人材不足、資金調達、生産性向上などが重要な経営課題となっております。
 そのため、本市は地場中小企業の振興、経営課題の改善に今後どのように取り組んでいくのか、所信をお伺いいたします。
 次に、都市基盤が充実し、次の世代のために歩むまち福岡の実現について質問してまいります。
 まず、未来に向けて生まれ変わるまちづくりについてお尋ねいたします。
 本市の都心部は業務、商業、行政などの多様な都市機能が高度に集積する本市の成長エンジンであるとともに、陸、海、空の広域交通拠点が集中、近接する世界、アジア、九州の玄関口であり、都市の魅力や国際競争力をさらに高める戦略的なまちづくりに取り組む必要があります。天神地区においては、航空法の高さ制限の特例承認や容積率緩和制度を活用したビルの建て替え誘導により、天神ビジネスセンターや旧大名小学校跡地活用事業をはじめ、続々とビルの建て替えが進められております。建て替えに当たっては、それまで別々であったビルの地権者同士が天神ビッグバンの下に協力して、一体的に開発を計画するという流れも加速してきており、新しい天神のまち並みに期待も膨らみます。
 引き続き天神ビッグバンによるビルの建て替えを誘導するとともに、商業ビルなど集客施設の建て替え工事期間も含めたまちのさらなるにぎわい創出などにも取り組むべきと考えますが、所信をお伺いいたします。
 博多駅周辺地区については、駅を中心ににぎわいを見せている一方で、九州の陸の玄関口としてのさらなる発展が期待されており、今後、規制緩和などを活用しながら、博多コネクティッドによるビルの建て替え誘導や歩行者ネットワークの拡大などに取り組むべきと考えますが、所信をお伺いいたします。
 また、ウォーターフロント地区においては、MICEやクルーズ機能の強化、にぎわいの創出が融合した一体的なまちづくりや交通環境の改善に取り組むことにより、天神・渡辺通地区、博多駅周辺地区に並ぶ都心部の新たな拠点として早期の再整備が期待されております。今後、ウォーターフロントネクストにどのように取り組んでいくのか、所信をお伺いいたします。
 100年の歴史を持つ九州大学箱崎キャンパス跡地につきましては、交通利便性が高く、都心部に近い約50ヘクタールという広大な敷地が一体的に活用できる強みを生かし、先進的なまちづくりに取り組んでいく必要があります。
 近年、世界中でIoTやロボット、AI、ビッグデータといった先端技術をあらゆる産業や社会生活の様々な場面で活用する取組が進められており、本市でも快適で質の高いライフスタイルと都市空間の創出に向けて、FUKUOKA Smart EASTを進めていますが、今後どのように取り組んでいくのか、所信をお伺いいたします。
 次に、人流、物流機能の強化についてお尋ねいたします。
 本市では都心部を中心に、市民生活の核となる広域拠点や地域拠点などにその特性に応じて多様な都市機能が集積し、また、拠点間においては交通基盤のネットワークにより移動の円滑性が確保されたコンパクトシティを推進しております。これには放射環状型の幹線道路ネットワークの形成が必要でありますが、既成市街地における道路整備につきましては用地取得に多額の費用がかかる等の問題が発生しております。今後の道路整備につきましては、公共用地の上空や地下など、利用できる空間をうまく活用して事業の経済性を確保するなど、工夫を凝らした新しい手法が求められております。
 そこで、都心部にある薬院新川を活用した新たな都市計画道路を早期に検討すべきと考えますが、所信をお伺いいたします。
 コンパクトシティである本市において、地下鉄駅は全35駅がありますが、中でも天神駅や博多駅をはじめとする主要駅が都心部にあります。市民だけでなく、通勤、通学利用者、近年ではインバウンド観光客などの利用が年々増加している状況に鑑みますと、駅空間を活用した収入確保やにぎわい創出にもっと取り組むべきであると考えます。
 天神ビッグバンや博多コネクティッドなどのまちづくりの進展に併せて、地下鉄駅と周辺のビルがますます結節していくことで、駅の付加価値が向上することが期待されます。このような機会を捉えて、駅空間を最大限に活用し、具体的には利便施設、店舗などの設置を積極的に展開し、収益の確保やにぎわいの創出に取り組むべきと考えますが、所信をお伺いいたします。
 次に、災害に強く環境に優しいまちづくりについてお尋ねします。
 都市公園は良好な都市環境を提供し、また、市民のコミュニティ活動の場、憩いの場、災害時の避難の場であり、市民生活にとって必要不可欠な公共施設であります。しかしながら、一部の公園施設については老朽化が進行しており、公園の機能低下が懸念されるところであります。また近年、社会状況の変化や市民ニーズの多様化に伴って公園に求められる機能も様々に変化しており、従来の管理運営手法ではその魅力を十分に発揮できていないものも散見されます。
 そこで、公園を適正かつ効率的に維持管理するとともに、多様なニーズに対応できるよう、また、さらなる魅力を生み出せるよう民間のノウハウを活用した管理運営の検討を進めるべきと考えますが、所信をお伺いいたします。
 海洋プラスチックごみ問題が世界的な課題となっている中、国においては令和元年5月にプラスチック資源循環戦略を策定し、令和2年7月からの導入を決定しているレジ袋有料化義務化などによるワンウエープラスチックの削減や代替品、代替素材への転換など、プラスチックごみ削減に向けた取組が進められております。
 環境のような地球規模の問題に対してでも、日常生活の中で一人一人ができる行動を積み重ねていくことが大変重要になってくると考えますが、環境に優しい循環型社会システムの構築に向けて、ごみの再資源化や適正分別等によるごみ減量対策についてどのように取り組んでいくのか、所信をお伺いいたします。
 世界を見渡してみますと、SDGsの達成やパリ協定に基づく地球温暖化対策の重要性の高まり等の潮流を受け、脱炭素社会に向けた経済、生活システムの変革が求められてきています。
 本市としましても、こうした世界の潮流を捉えて地球温暖化対策について一気に加速させていくべきと考えますが、所信をお伺いいたします。
 市民生活においては、高齢者や障がいのある人をはじめとする全ての市民が一人の人間として尊重され、地域社会において相互に支え合い、生きがいのある生活が保障され、様々な社会活動に参加できることが必要であります。また、超高齢社会への突入を踏まえると、自立した日常生活や社会生活を確保するため、移動や施設の利用は重要な手段であり、バリアフリー化された生活環境は市民生活において不可欠な社会基盤であります。
 本市において、どこでも誰でも自由に使いやすくというユニバーサルデザインの理念により、誰もが安全で快適に暮らせるまちづくりを推進するための方向性を示した福岡市バリアフリー基本計画を策定していますが、今後どのようにユニバーサルデザインに基づくバリアフリーのまちづくりに取り組んでいくのか、所信をお伺いいたします。
 近年、全国各地で予想を超える豪雨、地震が頻発しております。このような異常現象が日常的になりつつある中、市民の生命、財産を守るためには常に災害に対して備えなければなりません。国においては平成25年12月に国土強靱化基本法が制定され、それに伴い、地方公共団体は国との適切な役割分担を踏まえて、その地域の状況に応じた施策を総合的かつ計画的に策定し実施する責務を有するとされており、現在、様々な地域で計画策定に取り組まれているところであります。
 そこで、本市として国土強靱化地域計画の策定及び防災、減災対策の推進にどのように取り組んでいくのか、所信をお伺いいたします。
 次に、市内に位置するため池については、農業用水を確保するために不可欠である一方、自然災害による決壊等の発生が懸念されているところであります。
 そこで、市民の安全、安心のため、今後、農業用ため池の安全対策にどのように取り組んでいかれるのか、所信をお伺いいたします。
 昨年5月、滋賀県大津市で保育園児が犠牲となった大変痛ましい交通死亡事故が発生したことは記憶に新しいところであります。本市ではこの事故を受け、交通安全対策を進められていると伺っておりますが、これまでは実際に発生した事故に対する対症療法的な対策が主であり、今後は潜在的な危険箇所に対する対策も必要になってくるのではないかと考えます。
 そこで、安全、安心な市民生活を確保するためには、市民生活に身近な生活道路の整備を推進していただくとともに、交通事故を未然に防ぐという観点からビッグデータを活用した交通安全対策の推進に取り組む必要があると考えますが、所信をお伺いいたします。
 2018年9月、最大震度7を観測した北海道胆振東部地震に伴い、北海道エリア全域において大規模停電、すなわちブラックアウトが発生し、住民の生活や地域のビジネスに与えた経済的損失は甚大なものとなりました。また、昨年9月、関東を直撃する台風としてはこれまでで最強クラスの台風第15号の影響に伴い、関東広域で停電が発生しました。特に千葉県では送配電設備の被害が大きく、復旧に時間を要したことから停電が長期化し、高度化した都市機能の脆弱性を露呈する結果となりました。
 大規模災害はいつ起こるか分からないことから、本市においてもこうした状況に備えて都市のライフラインを守るため、非常用電源の確保等によるブラックアウト対策の推進が必要であると考えますが、所見をお伺いいたします。
 9年前の東日本大震災では、約5万6,000本もの電柱が倒壊したことにより、市民生活や企業活動を支える電力や通信が遮断したほか、倒れた電柱が道路を塞ぎ、緊急車両や援助物資を輸送する車両の通行を妨げ、被災者支援や被災地復興に影響を与えました。
 こうしたことから、電線の地中化、いわゆる無電柱化の実現に当たっては多額の費用がかかることや、電線管理者との協議に時間を要することなどの課題があることは承知しておりますが、災害に強いまちづくりを進める重要な方策として、無電柱化を強力に進めるべきだと考えますが、所信をお伺いいたします。
 水道は市民生活や都市の成長に欠かすことのできない大変重要なライフラインであります。これからの水道事業は大量更新期を迎えた水道施設の適切な維持、更新に加え、近年頻発しています台風や豪雨、地震等の大規模災害時においてもライフラインとしての機能を維持できるよう施設の耐震化や停電対策等にも取り組む必要性があると考えます。
 これらの課題に適切に対応し、将来にわたり安全で良質な水道水の安定供給と安定経営を持続させていくためには計画的な事業運営が重要であると考えますが、所信をお伺いいたします。
 政令指定都市で唯一、市域内に一級河川がないといった水資源に恵まれていない本市では、世界トップクラスの漏水率の低さを維持するなど、限りある水資源の有効利用に努めてきました。これらを通じて培ってきた水道技術は国際的にも高い評価を受けております。また、環境分野ではごみ埋立場で生じる汚水や悪臭、メタンガスの発生を抑制するごみ埋立技術である福岡方式が海外においても注目されております。
 このような本市が強みを持つインフラの技術やノウハウなどを生かし、海外事業案件の受注や地場企業のビジネス機会の創出を図っていくべきと考えますが、所信をお伺いいたします。
 これまで自民党新福岡を代表して質問してまいりました。福岡市は近年の集中的な取組の結果、市税収入や入り込み観光客数、人口数や人口伸び率など、様々な指標でその勢いが示され、自他ともに認める元気な都市となりました。昨今、地球規模で人、モノ、情報が移動するグローバル社会の下、IoTやAIといった先進的な技術の開発が急速に進み、生産性が向上する一方、産業構造の転換が迫られる等、まさに時代の大転換期に差しかかっております。この時代の転換期だからこそ、島市長は福岡市の強みを生かし、世界基準の視点で持続可能なまちづくりにチャレンジし、まさにこの福岡市を次のステージへと飛躍させようとしております。来年度の事業においても、本市のさらなる成長のために先手を打つとともに、その成長で得た果実により、しっかりと生活の質の向上に取り組み、あらゆる人にその恩恵を届けていただきたいというふうに思います。順調に見える本市の状況ではありますが、これは日々チャンスを積極的に捉え、引き寄せ、その一方で、リスクを未然にあるいは最小限の被害にとどめる、そういった不断の努力の積み重ねがあってこそだと思います。島市長の強いリーダーシップと、それを支える職員の皆さんの御尽力に敬意を表します。これまで福岡市の発展を牽引され、10年目という節目を迎えた島市長が未来の設計図である総合計画を着実に推進し、基礎自治体の長として地域の声に耳を傾け、その思いを大切に市政を進められる限り、全力で支えてまいります。
 そのことを申し上げて、自民党新福岡を代表しての質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎)登壇 ただいま自民党新福岡を代表して福田議員より御質問をいただきましたので、まず私から御答弁いたします。
 最初に、市政運営の方針と予算編成に関する御質問にお答えいたします。
 まず、令和2年度予算案については、総合計画を推進し、都市の成長と生活の質の向上の好循環を確固たるものとするとともに、「FUKUOKA NEXT」の取組を着実に進めることを基本的な方針として編成いたしました。令和2年度は「次代を担う子ども、グローバル人材の育成」、「見守り、支え合う共創の地域づくり」、「福岡の成長を牽引する観光・MICE、都心部機能強化の推進」、「人と企業を呼び込むスタートアップ都市づくり」という4つの分野に加え、災害に強いまちづくりに力を入れることとしており、財政規律と投資のバランスを図りながら必要な予算を確保したところです。特に次世代に誇れるまちを実現するための施策を最重点として位置づけ、保育支援員の配置や保育士などに対する家賃及び奨学金返済に係る支援の拡大、民間保育所などの医療的ケア児の受入れ支援、さらには小中学校の特別教室への空調整備など、次世代を担う子どもたちのための施策をはじめ、高齢者や障がい者を含むあらゆる人がその能力を存分に発揮できる環境を整えてまいります。
 次に、行財政改革については、社会保障関係費が引き続き増加するなど、福岡市の財政が依然として楽観できる状況にない中にあっても総合計画を着実に推進していくため、行政運営プラン及び財政運営プランを踏まえ、投資の選択と集中を図りつつ、歳入の積極的な確保や行政運営の効率化、既存事業の組替えなど、不断の改善を進めるとともに、市債残高の縮減に向け取り組んでまいります。
 子ども医療費などに係る県費補助の格差是正については、引き続き県に対して強く要請してまいります。
 次に、ICTなどの先進的な技術を活用した行政運営については、データ活用推進計画に基づき、定例的、定型的な事務作業を自動的に行うRPAの対象業務の拡充やAIを活用した議事録作成支援システムの活用などにより業務の効率化を推進してまいります。
 次に、子どもや教育に関する御質問にお答えいたします。
 まず、保育の受皿確保については、保育所の新設や増改築のほか、幼稚園の活用などにより令和2年度は新たに1,000人分を確保してまいります。
 不妊治療などに対する支援については、特定不妊治療や人工授精に係る治療費の助成に加え、令和2年度から新たに不育症の検査費及び治療費への助成を福岡市独自に実施いたします。また、不妊専門相談センターにおいて引き続き不妊や不育に関する相談、正しい知識の普及啓発に取り組んでまいります。
 児童虐待の防止対策については、産後早期の母親に対する健康診査や子育てに困難を抱える家庭に対するヘルパー派遣を新たに実施するとともに、こども総合相談センターの児童福祉司や児童心理司を増員するなど、さらに取組を進めてまいります。また、乳幼児健康診査において医療機関の受診を促すほか、保健師などの家庭訪問による状況の確認や保健指導に加え、各区の要保護児童支援地域協議会や児童虐待防止医療ネットワークにおいて関係機関が連携しながら虐待の早期発見、早期対応に取り組んでまいります。
 次に、教育についての御質問でありますが、まず、小中学校など地域における公的備蓄に関する御質問について私から御答弁いたします。その他の御質問については、後ほど教育委員会から御答弁いたします。
 小中学校など地域における公的備蓄については、小中学校に防災倉庫を設置し、避難所で必要となる発電機や照明器具などの資機材を配備するとともに、各公民館に食料、水、簡易トイレなどを備蓄しております。
 福祉に関する御質問にお答えします。
 まず、高齢者が自宅や地域で安全、安心に暮らし続ける仕組みづくりについては、医療と介護の連携強化を進めるとともに、身近な地域での生活支援や見守り、支え合いの充実、地域包括支援センターによる相談対応や支援など、地域包括ケアの構築に向けて総合的に取り組んでまいります。
 生活保護の医療扶助については、主治医などと連携をし、頻回受診の是正などの指導を行うとともに、健診の受診勧奨や保健指導による重症化予防に取り組むなど、適正化に努めてまいります。
 福岡100の推進については、AIを活用したケアプラン作成システムの構築や認知症の方の支援から活躍へとステージアップをサポートするなど、認知症フレンドリーシティ・プロジェクトに産学官民オール福岡で取り組んでまいります。
 次に、地域づくりや安全、安心のまちづくりに関する御質問にお答えいたします。
 まず、地域活動の担い手確保については、地域デビュー応援事業や公民館における事業などを通して、幅広い世代の住民の地域活動への参加を支援するとともに、共創コネクターの配置などにより企業や商店街などと地域をつないでおります。また、公民館と地域コミュニティの連携強化を図るとともに、自治協議会や自治会、町内会の位置づけの明確化や新たな支援の検討を行うなど、共創の地域づくりを推進してまいります。
 次に、街頭防犯カメラについては、地域の要望に適切に応えるとともに、効果の周知や設置地域ごとの台数の公表など、設置の促進を図ってまいります。
 悪質な客引き対策については、夜間合同パトロールなど、地域や警察と一体となった取組を進めるとともに、福岡市、北九州市、久留米市と県及び県警察による検討会において、条例など規制の在り方も含め、対策の協議を進めております。さらに、令和2年度からは客引き対策指導員の配置や防犯カメラの設置による効果的な指導、巡回を実施するなど、悪質な客引き行為を許さない環境を構築してまいります。
 次に、高齢者が安心して運転できる環境づくりについては、認知症予防講座と実技運転を組み合わせた高齢運転者講習や出前講座を実施するとともに、安全運転サポート車などの普及促進に取り組んでまいります。
 地域防災力の向上については、避難所の運営を学ぶワークショップの開催や運営を支援するエキスパートの育成に加え、避難行動要支援者対策のさらなる推進など、行政、市民、企業の共創による防災先進都市づくりに取り組んでまいります。
 地域の防災活動の担い手確保、育成については、消防団員の確保に向け、様々な機会を捉えて広報活動を行うとともに、消防団協力事業所表示制度などの普及促進に努め、入団しやすく活動しやすい環境を整備してまいります。また、地域における研修会や訓練などによる防災リーダーの育成や学校における防災教育の推進などに取り組んでまいります。
 次に、市民スポーツの環境整備については、総合体育館や今津運動公園野球場の供用を開始しており、今後とも、地区体育施設の計画的な改修を進めてまいります。
 次に、経済や観光・MICEなどに関する御質問にお答えいたします。
 まず、データ利活用型スマートシティの構築については、データ活用推進計画に基づくオープンデータの活用やAI、IoTを活用した実証実験の支援、これらの先端技術の実装による社会課題の解決を促進するなど、超スマート社会の実現に向けてチャレンジを進めてまいります。
 次に、エンジニアカフェにおいては、交流や技術力向上などを支援するとともに、関連団体及び企業の表彰やフェスティバルの開催、国内外への情報発信などを通してエンジニアフレンドリーシティ福岡の取組を推進してまいります。また、海外の関係機関や団体などとのネットワークを構築するなど、国内外からエンジニアが集まり、活躍し、成長するまち福岡の実現に向けて取り組んでまいります。
 姉妹都市との経済交流については、これまでに築いた関係を生かしながら、地場企業の販路拡大や新たなビジネス創出につながる取組を推進してまいります。
 外国人にも優しく住みやすいまちづくりについては、テレビ電話通訳やAI多言語音声翻訳システムを区役所に導入するなど、窓口における多言語対応の充実を図るとともに、転入手続時の生活ガイダンスによりルール、マナーなどの周知に取り組みます。また、地域住民との交流促進を図るなど、外国人にも暮らしやすいまちづくりに取り組んでまいります。
 観光・MICEについては、宿泊税という貴重な財源を活用し、九州のゲートウェイ都市機能の強化に向けて施設整備を進めるとともに、福岡市を拠点とする九州周遊観光の促進などに取り組んでまいります。また、今後の大型MICEの開催に向けては、博多旧市街をはじめとする歴史文化資源の魅力向上や地域における消費拡大のための受入れ環境の充実などを図ってまいります。さらに、観光の活性化と地域や市民生活との調和を図るため、海辺などの地域資源を生かした観光振興や健全な民泊の普及推進などに取り組んでまいります。
 新型コロナウイルス感染症については、国の感染症対策の基本方針のとおり、患者の増加スピードと流行の規模を抑制する感染拡大防止策を実施する重要な局面へ移行しております。福岡市においては、拡大防止のため、正確、迅速な情報提供や相談ダイヤル等での相談受付の強化に加え、区役所での待ち時間を短縮するため、引っ越し手続のオンライン予約など、新たな取組を開始しております。また、集団感染を防止するため、学校の臨時休業やイベントなどの中止、延期、施設の休館などの対策を企業などと連携して実施しております。一方で、感染が疑われる方の早期の検査受診のため、検査体制の拡充とともに、患者数の増加に備えて指定医療機関や医師会などと連携をし、医療体制の充実に取り組んでおります。今後とも、国の基本方針を踏まえ、関係機関と連携をし、感染症の拡大防止に全力を挙げて取り組んでまいります。
 次に、活力ある地域商店街の創出については、引き続き次世代を担う人材の育成などに取り組むとともに、国内外からの観光客の消費取り込みなど、商店街の新たなチャレンジを支援してまいります。
 地場中小企業の振興については、条例などに基づき、経営相談や専門家派遣などの総合的な支援、融資制度の拡充などにより経営基盤の強化を図るとともに、キャッシュレスの推進などにより生産性の向上を図ってまいります。また、地域資源を生かした産業の振興に取り組むとともに、第二創業の支援や知識創造型産業の振興など、地場中小企業の成長、発展の促進に取り組んでまいります。
 次に、都市基盤の充実に関する御質問にお答えします。
 都心部のまちづくりについては、福岡市独自の規制緩和制度の活用などにより複数の建て替え計画が着実に進捗しております。引き続き耐震性の高い先進的なビルへの建て替えを誘導するとともに、天神ビッグバンにおけるエリアマネジメント団体等と連携した持続的なにぎわいの創出や博多コネクティッドにおける周辺地区との回遊性の向上などにより、安全、安心で質の高いまちづくりに取り組んでまいります。
 ウォーターフロント地区について、MICEやクルーズの機能強化を図るとともに、貴重な海辺を生かし、にぎわいと憩いの空間づくりを進め、新たな都心拠点の形成に取り組んでおります。令和2年度はマリンメッセ福岡B館などの整備を進めるとともに、民間活力を生かしたまちづくりや必要な交通対策の検討などに取り組んでまいります。
 九州大学箱崎キャンパス跡地については、都市基盤の整備を進めるとともに、最先端技術による快適で質の高いライフスタイルと都市空間を創出するFUKUOKA Smart EASTの実現に向けて、九州大学などと連携をし、未来に誇れるまちづくりに取り組んでまいります。
 薬院新川を活用した新たな都市計画道路については、地形や構造などの課題があることから、引き続き交通円滑化の調査を行ってまいります。
 駅空間の活用に関する御質問につきましては、後ほど交通事業管理者から御答弁いたします。
 次に、公園の管理運営については、多様な市民ニーズに対応し、より魅力的な公園となるよう民間のノウハウも積極的に活用するとともに、市民や企業との共働を進めてまいります。
 ごみ減量対策については、新たなごみ処理基本計画の策定を進めるとともに、レジ袋などを断るリフューズの啓発の強化や給水スポットの設置によるマイボトルの利用促進など、プラスチックごみ削減に向けた取組を推進してまいります。また、校区における雑がみ回収のさらなる促進や令和2年10月から事業系ごみの分別に新たに古紙を追加するなど、古紙の資源化を強化してまいります。
 地球温暖化対策については、脱炭素社会の実現に向けて計画の改定を進めるとともに、市役所が率先してさらなる省エネをはじめ、再生可能エネルギーの導入や利用の拡大を推進してまいります。また、温室効果ガスの排出削減を図るため、市民や事業者にマイボトル利用などの行動を促すとともに、次世代モビリティーなどの革新的な環境技術の創出を支援してまいります。
 次に、ユニバーサルデザインに基づくバリアフリーのまちづくりについては、福祉のまちづくり条例及びバリアフリー基本計画に基づき、道路や公共施設などを整備するとともに、ノンステップバス、ユニバーサルデザインタクシーの導入を支援してまいります。また、身近な場所へのベンチ設置を促進するなど、「みんながやさしい、みんなにやさしいユニバーサル都市・福岡」のまちづくりに取り組んでまいります。
 防災、減災対策の推進については、災害時の避難支援として内水ハザードマップの作成、災害対策本部機能の充実強化に取り組むとともに、国土強靱化地域計画の策定を進めてまいります。
 農業用ため池の安全対策については、適切な維持管理や整備、保全に取り組んでまいります。
 生活道路の整備については、必要性や緊急性などの観点から優先度を勘案し、取り組んでまいります。また、ビッグデータの活用については、公開されている様々なデータなどを活用し、事故を未然に防ぐ交通安全対策を検討してまいります。
 ブラックアウト対策につきましては、電気自動車を活用した公民館の非常用電源の確保などに取り組むとともに、関係機関との連携強化を図ってまいります。
 無電柱化の促進については、引き続き防災の観点から緊急輸送道路を中心に計画に沿って取り組んでまいります。
 水道事業に関する御質問につきましては、後ほど水道事業管理者から御答弁いたします。
 最後に、福岡市が強みを持つインフラの技術やノウハウを生かした国際ビジネス展開については、国やJICAなどとの連携を密にしながら、官民連携のプラットフォームを活用し、案件の受注や地場企業のビジネス機会のさらなる創出を図ってまいります。
 以上、市政各般にわたり御答弁いたしましたが、承りました御意見、御提言に留意し、市民の代表である議会との対話を真摯に進めてまいります。今後とも、経済的な成長と安全、安心で質の高い暮らしのバランスが取れたコンパクトで持続可能な都市として九州全体の発展に貢献し、アジアの中で存在感のある都市づくりを進め、人と環境と都市活力の調和が取れたアジアのリーダー都市の実現を目指して全力で市政運営に取り組んでまいります。よろしく御協力をお願いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 清森水道事業管理者。
○水道事業管理者(清森俊彦) 水道に関する御質問にお答えいたします。
 水道事業については、水道長期ビジョン2028に基づき、老朽化した水道施設の計画的な更新及び地震や大規模停電などの災害対策に取り組むとともに、単年度利益の確保や企業債残高の縮減など財政の健全化に努め、将来にわたり安全で良質な水道水の安定供給と安定経営に向けて取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 重光交通事業管理者。
○交通事業管理者(重光知明) 地下鉄に関する御質問にお答えいたします。
 駅空間の活用については、天神ビッグバンによるビル建て替えに併せ、天神駅東口構内で店舗を含むにぎわいスペースの創出に取り組むとともに、博多コネクティッドによる歩行者ネットワーク拡大の機を捉え、博多駅筑紫口構内に新店舗区画を創出することといたしております。今後とも、まちづくりの進展に併せ、駅のにぎわいづくりや収益性の向上に向け取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 教育に関する御質問に対しまして教育委員会からお答えいたします。
 まず、教育におけるICTの活用については、令和2年2月よりインターネットを使った福岡 TSUNAGARU Cloudの運用を開始し、児童生徒向けに授業や家庭学習で利用できる動画を配信しております。また、ICTの活用により授業を工夫し、確かな学力を身につけさせるよう取り組むとともに、教員が個々に準備していた教材をクラウドを利用して全市的に共有することで授業準備の効率化を図るなど、教員の負担軽減に努めてまいります。
 次に、教員の資質、能力の向上については、全ての児童生徒の学力向上や人格形成を目指し、経験年数や担当教科に応じて学習指導や生徒指導に関する研修を充実してまいります。また、研修用デジタルコンテンツの配信を増やし、教員が学校にいながら各自のパソコンで繰り返し研修を受講できるように支援してまいります。
 次に、学校規模の適正化については、子どもたちに安心して学ぶことができる良好な教育環境を提供するため、関係局と連携し、長期推計を含めた児童生徒数推計の改善を図りながら、地域の実情に応じた過大規模校対策や小規模校対策に取り組んでまいります。
 次に、不登校対策については、学級集団の状態や児童生徒の意識を把握するQ−Uアンケートを小学校4年生から中学校3年生までの全ての児童生徒に実施するとともに、SNSのLINEを活用した教育相談を実施し、いじめ、不登校などの未然防止、早期発見の充実に努めてまいります。また、登校支援を要する児童生徒に専任で対応する教員を小呂中学校、玄界中学校を除く全ての中学校に配置しており、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーと連携し、不登校などの課題を抱える児童生徒に対してチーム学校として組織的に支援してまいります。さらに、大学教授や医師などを委員とする登校支援対策会議において不登校の要因や背景について検証し、今後の取組につなげてまいります。
 次に、小中学校における防災対策については、学校の危機管理マニュアルに基づき、毎年、火災や風水害、地震や津波などに対応する避難訓練を計画的に実施するとともに、避難訓練モデル校において緊急地震速報を活用した公開避難訓練を実施しております。今後も東日本大震災の実例に基づいた教材や特別支援学校防災推進マニュアルの活用を促進するなど、防災教育の充実に努めてまいります。
 次に、授業時数の確保については、長期休業期間の短縮や全ての小学校、中学校、特別支援学校において土曜授業を年4回実施することによって生み出された時間を令和元年度から授業時数に充てることを可能としております。今後とも、授業時数の確保に努めるとともに、児童生徒の学力の向上を図ってまいります。
 次に、特別支援教育の推進については、一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善または克服するため、学校生活支援員の配置や医療的ケア支援体制の充実など、適切な指導及び必要な支援の推進を図り、特別支援教育の充実に努めてまいります。
 次に、郷土愛や規範意識を高める道徳教育については、小学校は平成30年度から、中学校は令和元年度から道徳の教科化が実施され、家庭や地域社会と連携しながら道徳性を育む教育を推進しております。
 最後に、学力向上の取組については、言語能力や数学的思考力とともに、情報活用能力を確実に育成することが必要であり、児童生徒1人1台の端末を活用したICT教育の実現に向けたモデル事業に取り組んでまいります。全ての小中学校において自校の学力の実態を把握し、その課題の解決に向けて取り組む学力パワーアップ総合推進事業を実施しております。特に小学校では地域や保護者などと連携し、放課後に補充学習を行うふれあい学び舎事業の拡充を行うとともに、学習指導に携わる指導員の指導力向上などの充実に努め、引き続き児童生徒に確かな学力の定着を図ってまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) この際、休憩し、午後3時50分に再開いたします。
午後3時36分 休憩  
午後3時50分 開議  
○副議長(楠 正信) 休憩前に引き続き会議を開き、各派代表による質疑を継続いたします。荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇)登壇 私は緑と市民ネットワークの会を代表して、2020年度予算案及び島市長の市政方針に関して代表質問をします。
 島市政の核をなす都市の成長政策は非正規雇用を増やし、格差を拡大させ、福岡市の自然環境及び住環境を悪化させています。気候変動は危機的状況となっており、世界の現状の取組では平均気温の上昇を工業化前に比べて1.5度以内に抑えるというパリ協定の目標実現は不可能と見られています。福岡市は気候変動を危機的状況にあると捉え、思い切った対応と増え続ける自然災害に対しての対応が求められています。また、安倍政権が進める新自由主義政策と企業が求める人材育成の教育は、子どもの貧困、いじめや虐待に有効な手だてが打てない状況を生み出しています。都市の成長優先政策は地方自治体の主たる役割ではなく、住民の福祉の増進を図ることです。地方自治体と国は別の実施機関であり、地方自治体は戦前のような国の機関ではありません。住民の福祉の増進を図る自治体の本来の責務から、国の誤った政策は地方自治体として正していく必要があります。情報化が進み、シンギュラリティーが現実のものになろうとしている今日、個人情報保護がより一層重要であり、福岡市の個人情報保護強化が求められています。地方自治体の本旨にのっとり、都市の成長を優先する政策から人への投資、環境政策を優先する市政に転換を求め、以下質問を行います。
 まず、環境及び開発について質問します。
 福岡市の温室効果ガス排出量削減目標は2030年度において2013年度比28%削減となっていますが、世界的にも批判がある我が国の削減目標26%よりも高くなっています。とても気候変動危機に対応しているとは言い難い。
 既に他都市では気候変動緊急事態宣言や2050年二酸化炭素排出実質ゼロ宣言が出されており、福岡市も気候変動緊急事態宣言ないし2050年二酸化炭素排出実質ゼロ宣言を出し、対策を打つべきと考えますが、所見を求めます。
 また、福岡市購入の電力については、石炭火力発電や原発の電力はやめて、再生可能エネルギーにすべきと考えますが、所見を求めます。
 福岡市は都市の成長を優先し、人工島事業、セントラルパーク構想、中央ふ頭再開発、天神再開発、博多駅周辺再開発と開発を進めていますが、緑地の劣化が進み、ヒートアイランド現象は激化しています。開発優先の市政を転換し、質が高い緑地の拡大政策を図るべきと考えます。
 都市緑化制度の導入、生態系を生かした福岡城址等の整備、近自然工法による河川、ため池等の整備、和白干潟のラムサール条約登録を進めるべきと考えますが、所見を求めます。
 2016年に改訂された港湾計画は博多港の貨物取扱量の予測、コンテナ取扱量の予測、クルーズ船の寄港回数の予測など、将来需要予測と現状は大きく乖離しており、港湾計画は既に破綻しています。港湾計画は見直すべきではないか、所見を求めます。
 中米貿易摩擦による低迷、イギリスのEU離脱による不透明な状況、さらに、世界的な格差の拡大が世界の経済成長を妨げています。世界経済の動向からも、また、日本が既に少子・高齢化、人口減少社会に突入していることからも、将来的にも日本経済は低成長、ゼロ成長となっていきます。
 地域経済を活性化させるためには、地域の需要を生み出すために市民の所得を増やす必要があり、PFIや指定管理者制度による低賃金構造を増やすべきではないと考えますが、所見を求めます。
 この間、安倍政権の新自由主義経済施策で格差と貧困が広がっており、島市長が進める都市の成長もトリクルダウンは起こっておりません。
 地域経済を活性化するためには、都市の再開発に投資するよりも、教育、福祉、医療、文化、芸術に携わる人への投資を優先すべきと考えますが、所見を求めます。
 また、中小零細企業の支援を行い、小規模修繕事業者登録制度の実施や公契約条例制定による末端労働者の生活の保障をすべきと考えますが、所見を求めます。
 都市の成長政策を優先的に進め、無秩序なマンション建設は住環境の破壊や子どもの教育環境の悪化を招いています。空き家が増えており、住宅開発、とりわけタワーマンションは、将来、都市のスポンジ化を招くと指摘されています。こういった問題に対処するために、神戸市では中心部での住宅の建築規制がなされています。福岡市は無秩序な開発を抑制するために、行政として受入れ可能な需要に合わせた開発を行う成長管理政策を進めるべきと考えますが、所見を求めます。
 厳しい財政において、都市高速道路から人工島への接続道路建設や空港への接続道路などの無駄な公共事業をなくし、開発投資から人への投資を行い、公共施設については長寿命化だけではなく、総量管理をすべきと考えますが、所見を求めます。
 また、マンション紛争も相変わらず多い状況です。建築紛争をなくすために、建築紛争予防条例において周辺住民への周知の在り方や住環境保全について事業者の責任の明確化、建築物解体時の周辺住民への説明を義務づけるなど、抜本的な改正をすべきと考えますが、所見を求めます。
 今日、化学物質が家庭や生産活動などで広く使われ、化学物質による環境破壊や健康被害が顕在化しています。既に1950年代にアメリカの科学者レイチェル・カーソンの沈黙の春で農薬による環境破壊が指摘され、ベトナム戦争で使用された枯れ葉剤、カネミ油症のPCB汚染、廃棄物焼却によるダイオキシン汚染、シックハウス症候群、香りの害、いわゆる香害、合成洗剤に含まれるノニルフェノールなどの環境ホルモンが問題となっています。EUでは有害化学物質の使用削減に向けてREACH規制を2007年から行っています。環境省では化学物質による健康被害や障がいについてエコチル調査を行っています。
 福岡市として化学物質が健康被害や障がいの原因になっていることについてどのように認識し、どのような化学物質削減策を取っているのか、また、香害や合成洗剤など、身近な化学物質による健康被害について市民や教育現場で周知しているのか、所見を求めます。
 また、化学物質の問題としてプラスチックを焼却すればダイオキシンが発生し、また、環境中に放置すれば動物の誤食による被害やマイクロプラスチックとして環境を汚染し、プラスチックに使用される添加剤による環境汚染も生じます。福岡市として庁内及び市民に対して、プラスチック使用削減にどのような取組をしているのか、所見を求めます。
 5Gが解禁されることにより情報化が進むと言われています。他方、5Gは波長が短い周波数帯を利用することで、健康被害やシューマン振動など地球環境への影響を指摘する科学者もいます。
 福岡市として、電磁波による健康被害及び5Gの健康や環境への影響についてどのような認識を持ち、対応を考えているのか、所見を求めます。
 次に、人権尊重の取組について質問します。
 カード社会、顔認証技術の進捗、街頭や様々な施設での監視カメラの設置、AI技術の進捗と情報化社会を迎え、個人情報保護がますます重要となっています。全ての国民にナンバーがつけられ、国家による国民の監視が現実的となっています。個人情報保護は憲法第13条から導き出されるプライバシー権として、基本的人権です。
 市長はシステム改修により住民基本台帳からの抽出が容易になったことを理由に、自衛官募集に18歳、22歳の名簿をデータ、紙媒体で提供すると発言していますが、市長は個人情報保護をどのように考えているのか、また、本人の同意がないまま目的外使用することについて市長の所見を求めます。
 また、自衛官募集の公益性と個人情報保護の公益性についてどちらが重いと考えているのか、市長の所見を求めます。
 先日の個人情報保護審議会において、福岡市は自衛隊の公益性について国の防衛と災害救助を挙げていますが、集団的自衛権行使を容認する安保関連法による日本の防衛以外の海外での戦闘に関して、公益性とするのか説明がありませんでしたが、市長の所見を求めます。
 新たに外国人の在住資格が拡充され、共生社会の構築が求められています。他方、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律、通称ヘイトスピーチ規制法が出来ましたが、いまだ在住外国人に対するヘイトスピーチなど差別がなされています。川崎市では共生社会をつくることを目的に、ヘイトスピーチを行う団体の公共施設使用の禁止やヘイトスピーチを行った団体や個人に対する罰則を伴う条例を制定しています。本市においても、共生社会を構築するために川崎市のような条例制定が必要と考えますが、所見を求めます。
 また、川崎市では共生社会に向けて早くから外国人市民代表者会議を開催し、当事者の声を市政に反映させてきています。本市においても外国人市民代表者会議を設置すべきと考えますが、所見を求めます。
 また、部落差別解消推進法、障害者差別解消法が制定され、全ての差別をなくす動きが進められています。本市においても障がい者差別解消条例が制定されましたが、手話言語条例の制定を当事者から求められています。手話言語条例の制定及び障がい者、性的マイノリティ、被差別部落など、様々な被差別当事者の声を聴くための場をつくることについて所見を求めます。
 子どものいじめや不登校は相変わらず解消されていません。また、児童虐待も解消されていません。子どもの人権を守るためには、子どもの権利条約にうたわれている生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利を子ども自身が権利主体として自覚することと、大人が子どもは自立した個としての存在であることを理解する必要があります。そのためには子どもが自ら権利主体であることを自覚できる教育を行うことと、子どもの権利条例をつくり、大人が子どもの権利を理解することを促進することが必要であると考えますが、所見を求めます。
 また、川崎市のように子どもの人権オンブズパーソン制度をつくることについて所見を求めます。
 民族教育を受ける権利は子どもの権利条約及び国際人権規約でも明記されています。しかし、安倍政権は朝鮮学校への助成は行わず、また、幼稚部、朝鮮高校を無償化の対象から外しており、人権侵害と言えますが、所見を求めます。
 また、その背景には歴史修正主義があると考えられますが、歴史修正主義に関して市長の所見を求めます。
 次に、教育について質問します。
 子どもの生き生きとした学校生活ができるためには、個々の特性に応じた教育が必要です。そのためには少人数学級で教師と児童一人一人が向き合える環境にすべきです。また、教員の数を増やす、原則正規雇用の教員にしていく必要があると考えますが、所見を求めます。
 子どもの豊かな心を培い、学ぶ力の強化のためには図書館利用の充実が必要と考えます。読書活動を活性化するためには、学校図書館の充実、全ての小中学校に正規採用の学校司書の配置が必要と考えますが、所見を求めます。
 豊かな心と自ら学ぶことを培うためには、五感を使った体験学習が重要と考えます。企業が期待する人材育成を優先するアントレプレナーシップ教育に重点を置く教育や英語教育に前のめりの教育は、子どもの可能性の芽を摘むもので、自己責任論を強要しかねない問題をはらんでいると考えますが、所見を求めます。
 子どもの貧困対策として、スクールソーシャルワーカーによる学校、地域、家庭の連携した取組が重要となっています。現在、中学校区内の拠点となる小学校に69名配置していますが、拡充が必要と考えますが、所見を求めます。
 また、子どもの支援として学習支援の拡充や就学援助対象者を拡充すべきと考えますが、所見を求めます。
 福祉、子育てについて質問します。
 実質賃金は増えない中、消費税引上げで市民の暮らしは一段と厳しくなっています。子育て世代、若者、高齢者まで市民生活への支援が必要です。
 妊娠、出産、子育て、思春期、青年期、結婚のサイクル及び高齢者期とライフステージに合わせた切れ目ない包括的な支援について所見を求めます。
 また、縦割りをなくした取組が必要と考えますが、所見を求めます。
 保育、教育の無償化として3歳から5歳児の保育所や幼稚園などの保育料が無償化されましたが、全ての子どもが対象となっていません。3歳未満児及び対象外の全ての子どもを無償化の対象にすべきと考えますが、所見を求めます。
 今回対象となる保育料は無償化されましたが、副食費の負担が求められています。副食費についても市が負担すべきと考えますが、所見を求めます。
 無償化により保育需要が増えていますが、保育士不足が深刻化しています。保育士の処遇改善と認可保育園の増設の取組が必要とされていますが、市の取組について所見を求めます。
 また、企業主導型保育など多様な保育が広がり、保育園での乳幼児の事故死や虐待など、保育の質が問題となっています。保育の質の確保のための対策はどのようにしているのか、所見を求めます。
 県では中学生まで子ども医療費助成対象の拡大を行うとしています。福岡市においても中学生までの通院医療費の無償化をすべきと考えますが、所見を求めます。
 国民健康保険事業は累積収支が黒字であるにもかかわらず、令和2年度は保険料を年間2,000円引き上げることが適当であると答申されていますが、従来どおり法定外繰入れで対応し、保険料を引き上げるべきでないと考えますが、所見を求めます。
 また、国民健康保険は構造的な課題を抱えているため、応益分についての保険料負担を廃止することで負担を軽減するなど、抜本的改革をすべきと考えますが、所見を求めます。
 介護保険料は年々負担が重くなっていますが、介護認定は厳しくなっています。必要な人が必要な介護を受けられる介護保険制度はどのようにしていくのか、また、不足する特別養護老人ホームの確保について所見を求めます。
 移動の自由は人権です。高齢者乗車券は外出の機会を増やし、健康維持に役立つという他都市の報告もあり、高齢者乗車券や福祉乗車証は拡充すべきと考えますが、所見を求めます。
 また、ガイドヘルパーによる障がい者の移動支援を拡充し、移動の自由を保障すべきと考えますが、所見を求めます。
 住宅は福祉の基盤であり、良質で安価な住宅の提供が必要です。住宅セーフティネット法が改正されましたが、十分に機能しているのか、事業の現状及び今後の見通しについて所見を求めます。
 安価で良質な住宅の供給として公営住宅の増設が必要と考えますが、所見を求めます。
 また、若者単身者を市営住宅入居の対象とすべきと考えますが、所見を求めます。
 新自由主義経済が進められ、非正規雇用が4割を占めるに至っています。非婚率は収入が大きく影響しており、若者支援が必要です。正規雇用の支援、給付型奨学金の拡充及び現在抱えている奨学金の減免策が必要と考えますが、所見を求めます。
 ひきこもり問題が社会的に問題となっています。適応障がいや発達障がいなどがひきこもりの原因とも言われ、早期発見、早期支援、継続的支援が必要と考えますが、人的体制や制度的な連続性が整備されているのか、所見を求めます。
 8050問題が問題となっており、国も対策に乗り出しています。ひきこもりの支援にはアウトリーチが重要であり、取組を強化すべきと考えますが、所見を求めます。
 子どもの居場所づくりやひきこもり解消に向けて、中高生から青年まで継続的に利用できる居場所や自立支援センターの拡充について、また、子ども食堂や若者の居場所づくりをしている団体への支援、助成の現状及び拡充について所見を求めます。
 憲法で保障された最後のセーフティネットである生活保護について、ケースワーカー1人当たりの所管の世帯数を80世帯以下にする、経験年数が多い職員を配置するなど、利用者に寄り添った体制を構築すべきであると考えますが、所見を求めます。
 また、生活保護は利用資格がある方の2割程度しか利用していないと言われており、社会的偏見をなくすための啓発について所見を求めます。
 子どもの虐待を防ぐために児童相談所機能の拡充と、子どもの家庭的養護を進めるために里親制度及び里親支援の拡充について所見を求めます。
 DV被害者や虐待体験者の当事者の声が政策に反映されるよう、当事者の会議を設置し、市へ政策提言ができる仕組みをつくるべきと考えますが、所見を求めます。
 ひとり親家庭の貧困率は50%を超え、離婚後に養育費を受け取っている家庭は2割と言われています。支援の拡充として、養育費が確実に支払われるよう明石市のような仕組みをつくるべきと考えますが、所見を求めます。
 最後に、防災・危機管理について質問します。
 近年、地球温暖化によると考えられる巨大台風や記録的豪雨による浸水被害、土砂災害が多発し、高潮被害も発生しています。このような災害に対するハード、ソフト面での対策について質問します。
 ハード面として、河川整備について今後どのように進めるのか、また、内水面浸水対策や洪水浸水に係る流出抑制対策はどのように取られているのか、総合治水の考え方として雨水利用と流出抑制施設及び幹線導水管の貯留機能を連携拡充すべきと考えますが、所見を求めます。
 ソフト面として、河川から浸水が想定される箇所の周知や河川氾濫の危険箇所への監視カメラの設置状況、浸水災害危険地域及び土砂災害危険地域での居住規制、避難所の適正な配置、長期避難所開設に備えた備品の備蓄、マンホールトイレ、避難所となる各小中学校の体育館における空調設備、自家発電や太陽光発電などの電源設備の整備などについて所見を求めます。
 高齢者、様々な障がいがある方、在住外国人など、避難支援が必要な人への対策をどのように進めるのか、所見を求めます。
 本市は玄海原発から40から60キロにあり、福島第一原発から飯舘村の距離と同じ地理的位置、環境にあります。万が一の原発事故に備えて、ソフト、ハード面の避難計画が出来ているのか、また、二次避難の計画は出来ているのか、所見を求めます。
 国では30キロ圏内の住民には安定ヨウ素剤の事前配布を検討していますが、福岡市においても50キロ圏内はもとより、全ての市民に安定ヨウ素剤を事前に配布すべきと考えますが、所見を求めます。
 近年、国際間の人的、物的交流の拡大に伴い、人、家畜、植物に対する新型ウイルスや疫病等の感染及び害虫等の侵入事例が生じています。検疫等の強化はもとより、このような危機に対する福岡市の危機管理体制について所見を求めます。
 今回の新型コロナウイルス対策として、小中学校休校について事前に学校等の現場の声を聴いたのか、また、今後の危機管理マニュアル作成のために様々な現場の意見の集約や詳細な経過報告を作成し、検証が必要と考えますが、所見を求めます。
 今回の突然の一斉休業は学期末の子どもたちに様々な負担を生じさせ、弱い立場にある子どもや市民にしわ寄せが来ています。根拠のない安倍首相の一斉休業要請に無批判に実施した福岡市の措置は地方自治の本旨を否定するものであることを申し添えて、代表質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 島市長。
○市長(島宗一郎)登壇 ただいま緑と市民ネットワークの会を代表して荒木議員より御質問いただきましたので、まず私から御答弁いたします。
 最初に、環境及び都市の成長に関する御質問にお答えいたします。
 まず、地球温暖化対策については、脱炭素社会の実現に向け、市民や事業者と連携をしながら、福岡市の特性を踏まえた施策を推進してまいります。また、福岡市が行う電力の購入については、今後とも、再生可能エネルギーの活用などを含め、環境に配慮した電力調達に努めてまいります。
 緑化の推進については、新・緑の基本計画に基づき、公園や街路樹の整備、特別緑地保全地区など、緑地の保全、民有地の緑化助成などに取り組んでまいります。また、福岡城跡については、景観などに配慮をして整備するとともに、河川については、自然環境や地域の特性を考慮し、潤いや親しみのある環境を整備してまいります。
 農業用ため池については、貴重な自然空間であり、今後も適切な維持管理に努めてまいります。
 和白干潟のラムサール条約登録湿地の指定については、登録に必要な要件を満たしておらず、将来的な課題であると考えております。
 博多港港湾計画については、おおむね10年から15年の将来を目標とした長期的な計画であり、今後とも、活力と存在感に満ちたアジアの拠点港を目指し、港湾機能の強化を進めてまいります。
 PFIや指定管理者制度については、公共施設の効果的、効率的な整備、運営を行うため、専門的なノウハウを持つ民間企業の活用など、適切な事業手法を検討してまいります。
 地域経済を活性化するための投資については、福岡市は総合計画において都市の成長と生活の質の向上の好循環を基本戦略として掲げ、まちづくりを進めています。この結果、人口は増加を続け、企業の立地や創業が進むとともに、市税収入は過去最高を更新しております。この成長の果実を生かし、子育てしやすい環境づくりや安全、安心なまちづくりなどに積極的に取り組み、元気なまち、住みやすいまちとして高く評価されています。この好循環を確固たるものとするため、子育て支援や教育環境の充実、人生100年時代を見据えた持続可能な社会づくりなどに取り組んでまいります。
 次に、中小企業などの振興については、中小企業振興条例などに基づき、経営相談や専門家派遣などの総合的な支援や融資制度の拡充などにより経営基盤の強化を図ってまいります。
 小規模修繕事業者登録制度については、課題の整理などを行っており、公契約条例については国において法制を整備するのが適当であると考えています。
 次に、都市の成長については、総合計画に基づき、計画的で良好なまちづくりを進め、自然環境と都市機能が調和したコンパクトな都市の形成に取り組んでまいります。
 公共施設のアセットマネジメントについては、用途が異なる施設の統合や複合化を図るなど、安全、安心で良質な公共サービスを持続的に提供できるよう取り組んでまいります。
 建築紛争の予防については、条例に基づき、紛争解決に向けた調整に努めるとともに、専門家派遣制度の活用により当事者間の理解と話合いを促進しており、今後とも、効果的な制度となるよう研究してまいります。
 化学物質による健康への影響については、建築物シックハウス対策ガイドラインによる市民、事業者への情報発信や相談対応を行っております。
 なお、教育現場での取組については、後ほど教育委員会から御答弁いたします。
 次に、プラスチック使用削減への取組については、本庁舎15階に給茶器を設置し、ペットボトルの削減に率先して取り組むとともに、出前講座などにおいてマイボトルや詰め替え商品利用など、実例を紹介しながら啓発に努めております。
 電波の人体への影響については、国において科学的知見を基に電波防護指針が策定されており、この指針を基にした規制値を遵守するよう法令で定められております。
 次に、人権に関する御質問にお答えをします。
 まず、自衛官等募集事務については法定受託事務であり、自衛官の募集に必要な情報の提供は公益性があるものと考えております。また、個人情報保護審議会の答申においても、自衛官等募集事務に利用することを目的として自衛隊に情報を提供することについては、公益上の必要性が認められるとされており、この答申を踏まえた制度構築を進め、令和2年度から実施してまいります。
 ヘイトスピーチについては、引き続き国や県などと連携を図りながら、解消に向けた啓発に取り組んでまいります。
 外国人市民代表者会議については、アンケートや外国人住民との交流事業などを通して意見や要望を伺い、外国人にも暮らしやすいまちづくりに反映するよう努めてまいります。
 手話言語条例の制定については、障がい者差別解消条例の施行状況や国の動向を見守りながら対応を検討してまいります。
 人権問題については、人権教育・啓発基本計画に基づき、関係機関と連携をしながら取組を推進してまいります。
 教育に関する御質問のうち、まず、子どもの人権などに関する御質問について私から御答弁いたします。その他の御質問については、後ほど教育委員会から御答弁をいたします。
 まず、子どもの権利については、新たに策定する第5次子ども総合計画に基づき、権利の大切さを広く市民に浸透させるとともに、権利を保障するための取組を進めてまいります。
 子どもの人権オンブズパーソン制度の創設については、支援を要する子どもに対し、要保護児童支援地域協議会において支援を行うほか、こども総合相談センターにおいて相談に対応しており、法務局とも連携を図っております。
 朝鮮学校への助成については、教育の無償化等に関して、国が制度の趣旨も含め制度設計を行い、運用されていると考えております。
 次に、福祉や子育てなどに関する御質問にお答えをします。
 まず、切れ目がない包括的な支援については、全ての市民を対象にライフステージごとに必要となる支援やサービスを確実に届けながら取り組んでまいります。
保育料の無償化については、国の制度に基づき、適切に運用してまいります。なお、保育施設などのゼロ歳児から2歳児までの保育料については、国の徴収基準額から減額しております。
 また、副食費については、国の制度により低所得世帯や多子世帯は負担が軽減されております。これに加えて、福岡市では保育所を利用する第3子以降の児童の副食費の助成を独自に行っており、令和2年度から対象を幼稚園、企業主導型保育施設、認可外保育施設にまで拡大いたします。
 保育士の確保については、これまで保育士への勤続手当の助成や家賃の一部助成、奨学金の返済支援などに取り組むとともに、令和2年度からは新たに保育支援員の配置費用を助成いたします。
 保育の受皿確保については、保育所の新設や増改築のほか、幼稚園の活用などにより令和2年度は新たに1,000人分を確保してまいります。
 保育の質の確保については、保育所や認可外保育施設を対象に研修を実施しております。また、実地監査や立入調査により状況を確認し、指導を行っております。
 子ども医療費助成制度については、令和3年度からの制度拡充に向けて準備を進めてまいります。通院医療費に係る自己負担については、持続可能な制度とするため導入しております。
 国民健康保険料については、国の制度改正に伴い、赤字対象の法定外繰入金を解消するため、歳入の確保や歳出の抑制に努め、保険料負担の抑制を最大限図った上でもなお不足する財源について、保険料を引き上げるものであります。
 また、応益分の保険料については、法令に基づき、全ての被保険者が負担する仕組みとなっております。
 次に、介護保険制度については、全国共通の制度として法令に基づき、保険料の設定や要介護認定を適切に行うなど、適正に運営してまいります。
 また、特別養護老人ホームについては、介護保険事業計画に基づき、適切に整備を進めてまいります。
 高齢者乗車券については、多くの市民に利用され、社会参加の促進に寄与している制度であり、引き続き利用者の利便性向上に取り組んでまいります。
 福祉乗車証については、障がいのある方の社会参加をより一層促進する必要があることなどから、経過措置終了後も現行制度を継続してまいります。
 障がいのある方への移動支援については、グループホーム入居者の利用など、支援対象を拡充いたします。
 次に、良質で安価な住宅の提供については、賃貸住宅市場全体で対応することとしており、新たに住宅セーフティネット制度による経済的支援に取り組むなど、民間賃貸住宅への円滑な入居支援に取り組んでまいります。
 市営住宅については、ストック総合活用計画に基づき、建て替えや改善に取り組んでおり、その入居資格として、心身障がい者など、より住宅困窮度の高い世帯を対象としています。
 若者に対する正規雇用の支援については、各区の就労相談窓口で15歳以上の求職者に対し、正社員への就職の支援を行ってまいります。
 奨学金制度に関する御質問については、後ほど教育委員会から御答弁いたします。
 次に、ひきこもり支援については、ひきこもり地域支援センターを設置し、社会福祉士や公認心理師などの資格を持つコーディネーターを配置して専門的支援を行っております。また、早い段階で支援が届くよう相談窓口を周知するとともに、本人や家族が抱える課題に応じて関係機関が連携し、途切れのない支援に努めております。
中高年のひきこもりについては、本人の状況や家族の要望を踏まえて訪問支援を行っており、関係機関との連携により、より早期の支援に取り組んでまいります。
 子どもの居場所づくりについては、地域で子どもや若者の居場所づくりを行う団体への経費助成などの支援や交流会の開催などによる運営ノウハウの共有を進めており、引き続き充実に取り組んでまいります。また、ひきこもりの子どもや青年の自立支援を行う居場所をこども総合相談センターなどに開設しており、充実を図ってまいります。
 生活保護については、高齢者世帯への支援を強化するほか、ケースワーカーを5名増員するなど、体制強化を図ってまいります。また、生活保護制度が最後のセーフティネットであることを踏まえ、市の広報媒体の活用などにより周知、啓発を図ってまいります。
 児童相談所については、児童福祉司や児童心理司を増員して、児童虐待の防止に向け、さらに取組を進めてまいります。
 里親制度については、里親養育に関する研修や相談支援を実施するとともに、新たな里親の募集からきめ細やかな研修や養育支援まで、包括的な支援体制の充実に取り組んでまいります。
 DV被害者や虐待体験者の声については、面談時などに伺った意見を施策の検討に生かしております。
 養育費の仕組みについては、引き続き啓発や相談による支援に努めるとともに、国の動向や他都市の状況を注視してまいります。
 最後に、防災・危機管理に関する御質問にお答えします。
 まず、河川整備については、都市基盤河川をはじめとする河川の改修などを推進するとともに、浸水対策については、雨水整備Doプラン2026や雨水整備レインボープランに基づく取組を進めてまいります。また、雨水の流出抑制対策については、治水地や浸透側溝の整備などに取り組んでまいります。
 河川の氾濫などへの対策については、想定最大規模の降雨による浸水ハザードマップの配布、暗視機能つきの河川監視カメラの更新、水位計の増設など、市民の迅速かつ適切な避難行動の促進に向け、情報収集、発信機能を強化しております。また、災害種別ごとの避難所の指定や、食料や必要な資機材の備蓄など、環境整備に取り組んでおります。
 小中学校の体育館における空調設備の整備に関する御質問については、後ほど教育委員会から御答弁いたします。
 次に、高齢者などへの避難支援については、避難行動要支援者名簿を活用した地域の取組を支援しており、さらなる推進を図ってまいります。また、外国人に対してはSNSなどを活用した多言語での情報発信や災害時外国人情報支援センターの設置などの支援を行ってまいります。
 次に、原発事故に備えた避難計画などについては、国の原子力災害対策指針の改正動向などを踏まえ、適宜見直しを行ってまいります。
 安定ヨウ素剤については、福岡市独自に備蓄を行っており、避難経路上にある小中学校などにおいて配布することとしております。
 新型ウイルス感染症などに対する危機管理体制については、国や県、医療機関などと密接に連携をしながら、防疫及び医療体制の整備、充実に努めてまいります。また、市民に対する正確な情報提供や感染予防、蔓延防止対策を迅速かつ効果的に実施するため、全庁的な危機管理体制の下、情報共有を図りながらしっかりと取り組んでまいります。
 また、感染症の危機管理マニュアルについては、これまでと同様に、今回の新型コロナウイルス感染症への対応の状況や経過などを踏まえ、適切に検証、見直しを行ってまいります。
 学校の臨時休業に関する御質問については、後ほど教育委員会から御答弁をいたします。
 以上、市政各般にわたり御答弁いたしました。今後とも、人と環境と都市活力の調和が取れたアジアのリーダー都市の実現を目指して全力で市政運営に取り組んでまいります。よろしくお願いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 教育に関する御質問に対しまして教育委員会からお答えをいたします。
 まず、化学物質による健康被害等については、教育現場においてアレルギー等の症状がある児童生徒に適切に対応するため、アレルギー等疾患対応マニュアルで教職員の研修を実施しております。
 次に、子どもの権利については、社会科において自らが権利主体であることを自覚できるよう指導しており、今後も人権に関する理解を深めるとともに、様々な体験活動を通して自分や他者を大切にする心を育ててまいります。
 次に、朝鮮学校への助成については、教育の無償化等に関して国が制度の趣旨も含め制度設計を行い、運用されていると考えております。
 次に、少人数学級については、第2次教育振興基本計画に基づき、小中学校9年間の発達段階区分に応じた教育を推進するため、小学校1年生から4年生までは35人以下学級とし、中学校1年生においても学校の選択による35人以下学級を引き続き実施してまいります。
 教員の配置については、義務標準法に沿って適切に行っておりますが、教職員定数の充実について、今後とも、国に要望してまいります。
 教員の正規雇用については、児童生徒数の増減による教員定数の変動に適切に対応するため、臨時教員を一定程度任用しておりますが、正規教員の比率を高めることも必要であり、今後とも、正規教員の計画的な採用に努めてまいります。
 次に、学校図書館については、読書活動の場としてだけではなく、授業での活用を積極的に進めることができるよう読書環境の充実に努めてまいります。
 学校司書については、業務の特殊性なども踏まえ、会計年度任用職員として任用することとしており、今後も適切な人員配置となるよう努めてまいります。
 次に、アントレプレナーシップ教育や英語教育については、夢や目標を持ち、これからの社会を生き抜く力を身につけさせ、国際社会の一員として自らを確立し、主体的に行動できる人材育成のために重要で、今後も指導の充実を図ってまいります。
 次に、スクールソーシャルワーカーについては、令和元年度から正規職員である拠点校スクールソーシャルワーカーを各区に1名配置し、各中学校区のスクールソーシャルワーカーに指導、助言を行うなど、相談体制を強化しております。
 次に、配慮を要する子どもの学習支援については、小呂中学校、玄界中学校を除く全ての中学校区に配置している、登校支援を要する児童生徒に専任で対応する教員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーがチーム学校として連携し、教育、心理、福祉の面から組織的に支援してまいります。また、就学援助の対象者については、その認定基準を原則として国が決定している生活保護基準に準じて定めております。
 次に、奨学金制度については、現行の貸与型奨学金の安定運営を図りつつ、国、県の修学支援制度の動向も踏まえながら適切に実施してまいります。
 次に、小中学校の体育館における空調設備の整備については、多額の整備費を要することから、施策の優先順位を総合的に判断していく必要があり、今後の検討課題であると考えております。
 最後に、新型コロナウイルス対策としての学校の臨時休業については、国の要請に基づき、子どもたちの健康を守るため、各校長会会長の意見も聴いて実施したものでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 以上で各派代表による質疑は終わりました。
 お諮りいたします。
 本日の会議はこの程度にとどめ、残余の議事は明12日の会議にこれを繰り延べたいと思います。これに御異議ありませんか。
      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 
○副議長(楠 正信) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次の会議は明12日午前10時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後4時35分 散会