令和元年12月12日(木)

令和元年第5回福岡市議会定例会
議  事  日  程 (第3号)
                             12月12日 午前10時開議
第1  一 般 質 問

本日の会議に付した事件
議事日程のとおり

出 席 議 員 (62名)
1番  稲 員 稔 夫       2番  鬼 塚 昌 宏
3番  堤 田   寛       4番  川 上 陽 平
5番  津 田 信太郎       6番  大 森 一 馬
7番  平 畑 雅 博       8番  伊 藤 嘉 人
9番  打 越 基 安      10番  川 上 晋 平
11番  阿 部 真之助      12番  勝 山 信 吾
13番  川 上 多 恵      14番  淀 川 幸二郎
15番  調   崇 史      16番  大 坪 真由美
17番  古 川 清 文      18番  高 木 勝 利
19番  新 村 まさる      20番  大 原 弥寿男
21番  今 林ひであき      22番  篠 原 達 也
23番  尾 花 康 広      24番  松 野   隆
25番  楠   正 信      26番  冨 永 計 久
27番  森   英 鷹      28番  南 原   茂
29番  おばた 久 弥      30番  山 口 剛 司
31番  大 石 修 二      32番  黒 子 秀勇樹
33番  藤 野 哲 司      34番  堀 本 わかこ
35番  中 島まさひろ      36番  天 野 こ う
37番  山 口 湧 人      38番  松 尾 りつ子
39番  井 上 麻 衣      40番  飯 盛 利 康
41番  はしだ 和 義      42番  浜 崎 太 郎
43番  堀 内 徹 夫      44番  綿 貫 英 彦
45番  森   あやこ      46番  福 田 まもる
47番  国 分 徳 彦      48番  藤 本 顕 憲
49番  倉 元 達 朗      50番  中 山 郁 美
51番  荒 木 龍 昇      52番  高 山 博 光
53番  ついちはら陽子      54番  田 中 たかし
55番  成 瀬 穫 美      56番  山 田 ゆみこ
57番  宮 浦   寛      58番  近 藤 里 美
59番  川 口   浩      60番  落 石 俊 則
61番  田 中しんすけ      62番  池 田 良 子

欠 席 議 員 (0名)

説明のため出席した者
   市       長   島 宗一郎   副市長  光 山 裕 朗
副  市  長  中 村 英 一   副市長  荒 瀬 泰 子
水道事業管理者  清 森 俊 彦   交通事業管理者  重 光 知 明
総務企画局長  小野田 勝 則   財政局長  松 本 典 久
市民局長  下 川 祥 二   こども未来局長   田 浩 輝
保健福祉局長  舟 越 伸 一   環境局長  坂 本 秀 和
経済観光文化局長   島   収   農林水産局長  細 川 浩 行
住宅都市局長  石 橋 正 信   道路下水道局長  駒 田 浩 良
港湾空港局長  清 家 敬 貴   消防局長  山 下 周 成
会計管理者  水 町 博 之   教育長  星 子 明 夫
教育委員  木 本 香 苗   選挙管理委員会事務局長  宮 崎 晶 子
人事委員会事務局長  中 村 郁 子   監査事務局長  馬 場 哲 久

議会事務局長  土 井 裕 幹   議会事務局次長  金 子 佳 史
議事課長   着 一 孝   議事係長  中 村   博
外関係職員

午前10時 開議  
○議長(阿部真之助) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、一般質問を行います。発言通告者のうちから順次質問を許します。森あやこ議員。
 
○45番(森 あやこ)登壇 おはようございます。私は緑と市民ネットワークの会を代表し、生きる力を育むための読書環境の充実について質問してまいります。
 学校図書館における読書環境の充実のためには、学校司書の存在が重要です。まず、これまでの小中学校の学校司書の配置の経緯と配置開始のきっかけをお尋ねいたします。
 これで1問目を終わり、2問目から自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校司書は、学校図書館の環境整備、図書館資料の分類、整理、図書選定、読書案内などを行い、子どもの読書活動の活性化を図る司書の資格を有した職員で、平成8年度に子どもの読書活動の推進を図るための調査研究事業として、初めて1名を配置いたしました。それ以降、平成13年度は7名、16年度は15名、21年度は30名、26年度は36名、そして、令和元年度からは43名と順次増員してまいりました。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) ありがとうございます。徐々に増員が図られてきましたが、市内213校への配置としては足りません。学校図書館法が平成27年度に一部改正され、学校司書の配置等が加わりました。平成26年3月にまとめられた文科省の調査報告書では、教職員の一員としての位置づけです。司書教諭との対等な関係のもとで業務を行う学校司書は、全員が非常勤嘱託員です。
 では、学校図書館の専門的職務をつかさどらせるために、小中学校に司書教諭が配置されておりますが、学級担任をされているのはそのうち何名でしょうか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 司書教諭は学校図書館の運営、活用について中心的な役割を担う教員であり、学級担任をしている司書教諭の人数は小学校に配置している司書教諭143名のうち133名、中学校に配置している司書教諭67名のうち39名となっております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 担任でないのは小学校10人、中学校28人ですが、専科を担うなど仕事量としては差は余りないと聞いています。学校図書館法には、司書教諭がその職責を十分に果たす重要性が示されています。図書館機能を担う時間的余裕が持てない働き方では職責は果たせません。学校司書との連携も求められます。
 では、1人の学校司書が担われる小中学校の数を昨年度と今年度でお答えください。また、配置の決定に当たって配慮されている点も含め、誰が決定するのか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校司書1人が担当する学校数は、平成30年度は小学校2校と中学校2校の4校、または小学校2校と中学校1校の3校でございます。令和元年度は小学校3校と中学校2校の5校、または小学校4校でございます。
 また、学校司書の配置は、本人の居住地から勤務する学校までの通勤距離や希望校等を勘案し、教育委員会が決定しております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 昨年度と今年度で1人の学校司書が担う小中学校1校当たりの日数をお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校司書が1年間に勤務する日数は150日で、学校司書が1校当たりに勤務する日数は、平成30年度は小学校2校と中学校2校を担当することを基本としており、その場合、1校につき小学校は61日、中学校は12日でございます。令和元年度は、小学校3校と中学校2校を担当することを基本としており、その場合、同じく小学校は37日、中学校は18日または19日でございます。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 小学校1校当たりの日数が激減しています。この新体制で学校司書の役割を発揮できると判断されてのことでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 小学校に対する学校司書の配置は、これまで市内の全小学校を2つに分け、1年ごとに交互に配置しておりました。令和元年度からはこれまで隔年で配置していた体制を見直し、市内の全小学校に毎年継続して学校司書を配置する体制にしたことによって、より児童と学校司書がかかわることができるようになるため、読書活動や学習活動がさらに活性化すると考えております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 拠点校は決められてなく、出校日は校長指示と伺っていますが、学校の雰囲気、子どもや地域の様子など、年間で1校たったの19日や37日では、本来持つ重要な役割を果たせないと考えますが、学校司書の業務は昨年度と比べて変わるのでしょうか、また、どのような業務か、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校司書の主な業務は昨年と同様で、図書の貸し出しや返却、児童生徒からの本に対する質問に答えたり、本の紹介などを行うレファレンスサービス、季節や行事に合わせた本の展示コーナーをつくるなどの環境整備、学校が新規に購入する本や廃棄する本に関するアドバイスなどでございます。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 司書教諭が実質、存分に図書館機能充実のために動けない状況の中、学校司書は子どもたちの学年や興味にマッチした教材としての本を選び、豊富なアドバイスができる、本をつかさどる司書資格を有した人材です。業務は変わらず配置校増では、その役割は発揮しがたいと考えますが、児童生徒へのレファレンスサービスの効果について、これまでの検証はどのようにされてこられましたか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) レファレンスサービスの効果は、児童生徒が実際に本を読んだ冊数である読書冊数によって検証しているところで、ここ数年、小学校において読書冊数が増加し、効果があらわれていると考えております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 冊数以外の検証が必要です。心豊かな教育現場として、数字にあらわすことができないことこそ、生きる力となることについての検証が重要と考えます。
 社会とのかかわりがより芽生えてくる小学生から思春期にかかる中学生までに出会う本や大人たちとのかかわりは、一人一人の人生にとって大きな影響があると考えます。私の人生の一冊は小学3年生のときに出会った「ヘレン・ケラー」です。最近になって、またよりその影響の大きさ、深さを感じております。ぜひ豊かさ、生きる力の検証をし、機能充実を推進してください。
 次に、社会状況の変化や学習指導要領改訂等もあり、教育者として切磋琢磨することがより必要となっています。
 そこで、平成27年度から令和元年度までの学校司書の研修について、年間の研修回数と研修内容をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 教育委員会が主催する学校司書の研修は、平成27年度から30年度までは年4回実施し、研修内容は学校司書の役割と年間業務についての講義、それぞれの学校での実践の交流、司書教諭との合同研修、年間の振り返りなどでございます。令和元年度は、研修内容を精選して年2回の実施にするとともに、学校長の指導や司書教諭との連携のもと、学校での実際の業務を通した研修により人材育成を図っております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 削った研修の実践の交流や年間の振り返りも重要です。たまにしか行けない学校での実際の業務の中では、配架整備等々で時間が足りず、本が読めない子どもに寄り添いたくても足りないくらいです。熱心な方ほど自己研修もそれぞれにされますが、全員の研修を行政としてきちんと行うことが重要です。文科省は学校図書館ガイドラインに課題を踏まえての重要さを示しています。
 今後のアクティブ・ラーニングを進めるに当たっても、学校図書館機能発揮の重要さがあります。学校図書館機能の充実についての御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 令和2年度から実施される新しい学習指導要領では、主体的、対話的で深い学びの実現に向けて、今まで以上に学校図書館がさまざまな学習活動を支援する機能を果たしていくことが求められております。福岡市においても第2次福岡市教育振興基本計画の施策の一つに読書活動の推進を掲げ、学校図書館を読書活動の場としてだけではなく、授業での活用を積極的に進め、言葉で考え、言葉で正確に理解したり、適切に表現したりする力を育成する取り組みを充実させてまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 次に、来年度から学校司書は会計年度任用職員へ移行されますが、学校司書の増員は検討されるのでしょうか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 令和元年度から学校司書を7名増員し43名の配置体制としており、今後も学校図書館の運営のあり方を含め、学校司書の効果的な配置について検証してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) では、会計年度任用職員制度への移行により、具体的に学校司書の報酬額はどのように変わるのか、お尋ねいたします。また、現行よりも処遇が悪化することはあってはならないことと思いますが、御所見をお聞かせください。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 現行の学校司書の報酬額は日額6,570円でございます。一方、会計年度任用職員に移行後の学校司書の報酬額は、個々の職員の経験年数に応じて日額4,668円から5,504円となりますが、これに加え、新たに期末手当が支給されることとなるため、報酬と期末手当を合わせた年収は現行の嘱託員である学校司書が引き続き会計年度任用職員として採用された場合、現行の水準を上回ることとなります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) では、どのような説明の機会を設け、どのような意見や質問が出されたのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 会計年度任用職員に関する制度の説明は、研修の場を活用し、制度の情報提供を行うとともに、説明回を3回に分けて実施し、周知を図ってきております。
 なお、説明会では制度に関する意見はありませんでしたが、給与や勤務条件などについて質問がありましたので、丁寧に説明をしております。今後とも、適宜、制度の周知を図ってまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 1人5校は仕事にならないとの声を聞いています。学校司書のように、専門の資格を持った者について、会計年度任用職員として任用するのではなく、正規職員として任用すべきではないかと考えますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校司書につきましては、業務の特性などを踏まえ、現在は嘱託員として任用しており、今後とも、適切な人員配置となるよう努めてまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 5年までで終わる可能性がある会計年度任用職員では、一貫した長期蔵書計画ができず、漫画がふえていたり、購入や廃棄に無駄があったりと、大きな課題があると考えます。スクールソーシャルワーカー配置のように、各区に1人配置するなどの拡充を求めます。
 では、かかる費用についてです。国が5カ年ごとに策定する学校図書館の図書整備等に係る計画の中で方針を定めていますが、平成29年度からの5カ年計画で、国が示した学校図書館関係の地方財政措置額と学校司書配置に関して示していることをお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校図書館に係る地方財政措置は、学校図書館の図書整備、新聞の配備及び学校司書の配置に必要な経費を地方交付税の算定基礎に算入することとなっております。措置額は平成29年度からの5年間で、全国において図書整備に約1,100億円、新聞の配備に約150億円、学校司書の配置に約1,100億円で、小中学校に学校司書をおおむね1.5校に1名程度配置することが可能な規模を措置することが示されております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 福岡市は実質5校に1名です。本市の予算として地方財政措置の額を当てはめると、1.5校に1人の配置ができる額になっています。週5日、1日5.5時間の図書館司書や読書相談員の雇い方にしたとしても2校に1人の配置がかないます。
 知的虐待という言葉を耳にします。世界の大学ランキングでは日本は下がっており、3年ごとに行われるOECDの2018年国際学習到達度調査では、前回調査に続き日本の子どもの読解力の低下傾向が示されました。読解力は学力の基本です。質のよい教育を受ける機会を、自治体は予算や人材で保障すべきと考えます。
 平成29年度に示された学校図書館整備等5カ年計画を受けて、本市ではどのような拡充を図られたのか、平成24年度からの5カ年と比べて整備等の拡充状況をお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 読者や学習のための図書整備については、文部科学省が示す学校図書館図書標準の達成を目指すとともに、児童生徒にとって必要な図書をそろえるよう努めております。
 学校図書館への新聞配備については、今後、モデル校をつくり、効果を検証してまいります。
 学校司書の配置数については、全ての小中学校に学校司書を配置するため、令和元年度から学校司書を7名増員し、43名に拡充しております。
 今後も引き続き学校図書館のさらなる充実を図ってまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 図書整備も未達成で、新聞配備、活用もこれからとのことです。例えば、地域の方々も加わった回し読み新聞を社会科や総合の授業に取り入れるなど、文章を読むあるいは読み解くことの楽しみを根づかせる取り組みをぜひ進めていただきたい。そのためにも学校司書増員を求めます。学校司書は貸し出し業務や本の整備、読み聞かせ等だけではない、まさにアクティブ・ラーニングを進めるに当たって、豊かな学びを導く存在です。
 では次に、公立図書館との連携ですが、平成27年4月から行われている学校図書館への情報提供、読書相談員による訪問や助言など支援の実績について、平成27年度からの年度ごとの実績をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 各学校が学校図書館を効果的に運用できるよう、総合図書館内に設置している学校図書館支援センターにおきましては、情報、人、モノの3点から学校図書館関係者に対して支援を実施しております。
 福岡市総合図書館の読書相談員による相談、助言につきましては、平成27年度139件、28年度103件、29年度108件、30年度136件、令和元年度が11月末現在で168件でございます。
 読書相談員による学校訪問につきましては、平成27年度42回、28年度72回、29年度111回、30年度50回、令和元年度が11月末現在で78回でございます。
 また、ホームページや学校図書館支援センターだよりの発行、研修会等での情報発信を通じて、学校図書館への情報提供を実施しております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 学習支援用図書の貸し出し冊数についても、年度ごとの実績をお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学習支援用図書の貸し出し冊数につきましては、小学校が平成27年度936冊、28年度2,566冊、29年度5,768冊、30年度5,641冊、令和元年度が11月末現在で配本予定も含め6,133冊でございます。中学校が平成28年度161冊、29年度260冊、30年度497冊、令和元年度が11月末現在で配本予定も含め265冊でございます。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 学校図書館支援センターの成果と拡充についての御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校図書館支援センターにおきましては、平成27年度の開設から学習支援用図書の貸し出しが小学校で約6倍になるなど、利活用が進んでおります。令和元年度につきましては、学校司書の配置増を受け、さらに支援センター活用が広がりつつあると認識しております。
 今後とも、より学校現場のニーズに応じた支援内容の拡充について検討してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 市立小学校の在籍者数は約8万2,000人、中学校は約3万5,000人です。小中の1学年だけの対応だとしても、年間1万冊以上の貸し出し冊数となるべきです。一人一人の豊かな学びと育ちのためにぜひ拡充をお願いいたします。
 子どもたちは日々成長します。本の楽しさを知ったときから、積極的に探求し、大人になり、まちの公共図書館にも関心が高まります。
 では、その公共図書館についてですが、平成28年度から総合図書館の施設管理及び東図書館の運営に指定管理者制度を導入し、4年目となりましたが、制度導入の目的をお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 総合図書館、東図書館の指定管理者制度につきましては、行財政改革プラン及び指定管理者の指定の手続に関するガイドラインの考え方に基づき、多様化する市民ニーズに、より効果的、効率的に対応するため、民間能力の活用によるサービスの向上を目的として導入したものでございます。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 指定管理の効果について、読書環境の向上なども含め、どのような評価項目をもって検証と評価をされているのでしょうか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 指定管理の評価項目についてのお尋ねですが、図書館施設の運営や広報、読書関連事業、人員配置、職員研修、窓口受付、接遇、指定管理者の収支の状況等を評価項目としております。また、検証及び評価につきましては、毎年度、評価項目ごとに図書館事務局で評価を行った後、5人の外部委員による福岡市総合図書館に係る指定管理者選定・評価委員会を実施し、検証、評価を行っております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 東図書館の運営経費は、ほかの直営の図書館分館の運営経費と比べたときの差はどうなのか、また、今後、市全体の図書館をどのように運営されるお考えでしょうか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 東図書館の運営経費と他の直営の図書館分館の運営経費との差につきましては、東図書館は他の分館と異なり、開館時間が長く休館日が少ないなど運営条件や施設の老朽化の度合いなどが大きく異なるため、比較するには他館と同じ条件となるよう人員体制や1日のシフト状況、施設の状況などを細かく検討、調整する必要があり、一概に比較することは困難でございます。
 また、今後の福岡市図書館の方向性については、福岡市総合図書館新ビジョンの基本理念などを踏まえながら、より効果的かつ効率的な図書館運営が必要であると考えております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 指定管理者制度を導入している総合図書館及び東図書館の今後の運営方法についての検討状況と、他の分館にも広げる考えがあるのか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 総合図書館の施設管理及び東図書館の運営については、指定管理が現在4年目であり、毎年、指定管理者選定・評価委員会において検証、評価を行っているところでございます。指定管理期間が終了した後の令和3年度以降の運営方法につきましても、引き続き外部委員で構成する指定管理者選定・評価委員会の検証、評価を踏まえ、検討してまいります。
 また、他の分館の運営方法については、総合図書館及び東図書館の運営状況や成果等を見ながら、多様化する市民ニーズに、より効果的、効率的に対応できるよう検討してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 東図書館の運営を請け負った指定管理者側の声や利用者アンケートへの対応と今後の充実について、また、新ビジョンの後期計画は議会への報告をいつの時点でされたのか、お伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 東図書館の指定管理者におきましては、タイムリーで個性的な展示や市民ニーズに応える企画事業を実施するなど、意欲的に管理運営を行っており、今後とも全ての利用者に満足し親しまれる図書館運営を目指し取り組んでいきたいとのことでございます。
 また、毎年実施されている利用者アンケートでは、おおむね満足という評価を得ており、引き続き市民サービスの向上に努めてまいります。
 福岡市総合図書館新ビジョンを効果的に推進するための令和元年度からの5年間の取り組みを示した後期事業計画は、平成31年2月に当時の第2委員会に御報告しております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 効果的、効率的なことと言われると、民にはできて公にはできないと言っているように感じます。公共図書館という場所は、利益を出すところではなく、目先の採算に惑わされることなく、行政が責任を持って、まちの知的財産を育てるところです。長い将来を見据え、事業者にとっても市民にとっても本当によいのかどうかを細かく分析して比較検討しなければならないと考えます。利用者アンケートでも、中には改善を求める声が上がっています。新ビジョンの後期事業計画に示されている指定管理者制度の継続は決定ではないとお聞きしております。今後の細かな検証を見ていきたいと思います。
 では次に、ネット社会が進んだ現代ですが、人生においての本の持つ力をどのように捉えられているのか、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 図書、雑誌などの出版物は、現代社会における知識と文化の有力な流通手段であり、将来、人類の文化遺産となるものであると認識しております。また、読書習慣を身につけることは、一生の財産として生きる力ともなり、楽しみのもとともなると言われておりますが、それに加え、子どもにとって読書活動は、子どもが言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身につけていく上で欠くことができないものと考えております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) ありがとうございます。
 本だけがあればいいわけではなく、そこに常に人がいて、本の中にぎっしり詰まっている宝物を手渡し、また膨らませることがとても重要です。読書力、創造力、生きる力を育てる学校教育や生涯学習の充実として、今後の学校を含めた図書館のあり方、市民にとっての読書環境の充実を図ることへの御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校図書館の役割には、読書に親しむ場としての読書センター、学習活動を支援する場としての学習センター、情報を収集する場としての情報センターとしての機能があるとともに、児童生徒が安心して過ごせる心の居場所としての役割も求められていると認識しております。今後も児童生徒が主体的、意欲的に読書活動や学習活動を進め、豊かな心の育成と学力向上を図っていけるよう、学校図書館の機能を充実させてまいります。
 また、公共図書館におきましては、市民の高度化、多様化するニーズに対応できる資料や情報を提供する生涯学習施設として、多くの市民がくつろぎ、本や人と楽しく触れ合える楽しさを共有できる新たな学び、情報、交流の拠点となる図書館を目指してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) その思いがぜひ形になるよう、よろしくお願いします。
 地方交付税の財政措置については、平成24年度からの5年間、そしてさらに5年間、国の学校図書館の図書整備等に係る計画の中で方針を定め、学校司書を配置し充実するために拡充されています。福岡市の全校配置とは数字合わせでしかない状況です。これからの厳しい社会を担っていく子どもたちにとっての学びの場の実情がどれだけ豊かなものになっているかが重要です。
 先月13日には福岡市総合教育会議が開催されました。市長、教育委員双方から、子どもたちに不足していることとして論理的思考、文章力、考える力、発想力等々の面に問題があると共通認識を示されました。次の時代をどう導くのか、今の大人の重要な課題であり、重大な責任です。生きる力の人としての基本、基底部分をおろそかにしないよう教育行政の推進を図っていただきたいと思います。
 そのためには、子どもたちの成長発達に必要な実質的な質の高い運営ができるための人材の配置や育成を含めた財政措置をしっかりと行ってほしいと考えます。税の再配分を行う大きな権限を持つ市長の御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 子どもを取り巻く環境は急激に変化をしておりまして、その大きな変革として超スマート社会と呼ばれますSociety5.0の到来が予測されています。しかし、こういった社会におきましても、文章や、また情報を正確に理解し、また論理的に思考するとともに、創造力豊かに発想するということは人間の強みと言えます。
 未来を担う子どもたちにとって、思考力や創造力を育んでいくために、情報の源となります読書環境の充実は大変重要であると考えておりまして、今後ともさまざまな教育施策について教育委員会と連携をしてしっかりと取り組んでまいります。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) よろしくお願いします。
 市民の方から、子どものころに出会った本が生涯にわたり支えになったということをよくお聞きします。生きていくための知恵、もっとよりよく生きる知恵、自分で情報を得、調べ、選択できるようになる、そんな生きる力を育む図書館行政となることが望まれます。
 本は心の栄養です。市民一人一人の心の栄養が満たされた福岡のまちとなることを期待し、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵)登壇 公明党の川上多恵でございます。私は公明党福岡市議団を代表して、青少年のネット・メディア依存対策について、災害時の文化財保護について、児童虐待根絶に向けての取り組みについての3点について質問させていただきます。
 まず、青少年のネット・メディア依存対策についてです。
 2018年8月、厚生労働省研究班は病的なインターネット依存が疑われる中高生が93万人にも上るという調査結果を公表しました。これは中高生の7人に1人に当たり、5年前の調査からほぼ倍増していると言われています。
 そこで、お尋ねいたしますが、平成30年度青少年のインターネットを利用している子どもの割合をお示しください。
 以上で1問目の質問を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 平成30年度に内閣府が実施した青少年のインターネット利用環境実態調査によると、全国でインターネットを利用している子どもの割合は小学生85.6%、中学生95.1%、高校生99.0%となっております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) ただいまの御答弁のように、児童生徒におけるインターネットを利用している割合は小学生においては8割以上、中高生においては9割以上との調査結果となっています。また、総務省が毎年発表している青少年のインターネット利用環境実態調査によると、インターネットを利用していると答えた小学生のうち、スマートフォンを利用している割合は2018年で約46%まで急増しているとの報告が発表されていました。インターネットを利用していると答えた高校生のうち、スマートフォンを利用している割合は限りなく100%に近づきつつあるという状態です。
 では、子どもたちはスマートフォンやインターネットでどのようなことをやっているのでしょうか。LINE、ユーチューブ、ニコニコ動画、ツイッター、ゲームアプリ、さまざまな検索、動画の撮影、送信、書籍を読む、お財布機能など、日常生活のあらゆる場面でスマートフォンは極めて便利な道具となっています。興味のある分野に没頭してしまうと、気がつけば長時間にわたってスマートフォンを触っているという状況です。世界保健機関、WHOは本年5月、ゲーム障がいを新たな依存症として正式に認定いたしました。
 そこで、お尋ねいたしますが、ネット依存、ゲーム障がいとはどのような状況のことをいうのか、教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) インターネット依存、ゲーム障がいとは一般にインターネットやオンラインゲームなどを過剰に使用し、日常生活や健康よりもインターネットの使用を優先して、使用時間などを自分でコントロールできない状態とされております。
 なお、ゲーム障がいにつきましては、世界保健機関の定義によりますと、日常生活の中でゲームを最優先し、ゲームをする時間や頻度などをコントロールできず、生活に問題が生じてもゲームを続ける状況が12カ月以上続く場合とされております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 厚生労働省は先月末、若者のゲーム障がいに関する全国実態調査の結果を公表しました。その結果、10代と20代の約12%が休日に6時間以上ゲームをしており、プレイ時間が長い人ほど学業、仕事への悪影響や心身の不調を感じながら、ゲームをやめられないなど依存傾向にあることがわかりました。
 それでは、小中高生のどのくらいの割合がネット依存の状態にあるのか、過去の調査結果と直近の調査結果を比較して教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 中高生のネット依存の状態につきましては、厚生労働省が平成24年度と29年度に調査を実施しており、ネット依存の状態をスクリーニングテストによってはかっております。このテストでは、インターネットを使うことを渇望する、使い始めに意図したよりも長い時間使う、時間を減らしたり、やめようとすると落ち着かなくなるなど、8つの質問項目のうち5項目以上に該当した者を病的使用者とみなしており、その割合は平成24年度は中学生が6.0%、高校生が9.4%で、29年度は中学生が12.4%、高校生が16.0%となっており、5年間で中学生では約2倍、高校生では約1.7倍となっております。なお、本調査において小学生は対象とされておりません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 福岡市では小中高生のどのくらいの割合がネット依存の状態にあるのか、直近の数を教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 福岡市教育委員会が実施した平成25年度小中学生のメディアに関する意識と生活アンケート調査、及び平成27年度の高校生のメディアに関する意識と生活アンケート調査において、ゲーム、インターネット、携帯について思った以上に時間を使っているや、する時間を減らしたり、やめたりすると落ち着かなくなっていらいらするなど、使用時間や気持ちに関する8項目の設問に対し、全く当てはまらない、少し当てはまる、割と当てはまる、とても当てはまるの回答を点数化し、その合計点数によって4群に分けたうち、最も高い依存レベルである依存危険群とされた割合が、小学4年生から6年生までは7%、中学生では11%、高校生では14%となっております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) それでは、子どもたちがネット依存の状態になると、どのような問題が発生するのか、御教示ください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) インターネット依存による子どもへの影響につきましては、精神面では生活リズムの乱れによる睡眠障がい、いらいらや鬱状態、ひきこもり状態などが生じることがあり、また、身体面では視力の低下、運動不足による筋力や運動機能の低下、偏った食生活による栄養障がいなどが生じることがあるとされております。さらに、人間関係では、コミュニケーション能力の低下や暴言などにより家族や友人との関係悪化や孤立が生じるなど、日常生活や学業に大きな影響が出る場合があるとされております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 先日、小学校6年生十数名にゲームをしているか聞いてみました。すると、全員がゲームをしていると答えました。さらに、放課後の時間をどのように過ごしているか質問してみると、ほとんどの子どもが友達の家に行ってゲームをしていると答えました。そして、おうちの人とゲームなどの利用時間やルールを決めているかどうか尋ねてみると、決めていると答えたのはわずか1人だけでした。現代の小学生の遊び方、ゲームをするに当たってのルールが決められていないことなどがわかり、現実を再確認させられる機会となりました。
 このような現状を踏まえ、心身ともに子どもの成長をむしばんでいくネット環境から何としても子どもを守ることは喫緊の課題であると思います。もちろんスマートフォンを持たせるのは保護者であり、その際に使用する目的や使い方のルール、フィルタリングの設定など、各家庭で話し合われていることも多いと思われますが、先ほどお示しいただいた影響を考えると、学校や地域社会で子どもたちにメディア全般についてその危険性も含めてしっかり学ぶ機会を設けていく重要性を感じます。例えば、ゲームやスマートフォンなどの電子メディア漬けの生活を見直すアウトメディアやメディアリテラシー教育に取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 子どもたちのメディアへの過度な接触を減らすことは、子どもたちと家族とのかかわりや自分自身の生活を見詰め直す機会になるなど、インターネットやメディアへの依存防止につながるものであると考えております。また、メディアリテラシー教育は情報社会で適正な活動を行うためのもとになる考え方や態度を育てることにつながると認識しており、今後も引き続き取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) この質問に当たり、静岡県のゲーム障害・ネット依存対策事業についてお話を伺ってまいりました。ゲーム障がい、ネット依存が社会問題となっている現状を踏まえ、教育、医療機関が連携して、対策の強化を図るために取り組んでいる事業でした。ゲーム障がい、ネット依存に対する周知、啓発や中高生を対象にネット依存度スクリーニングテストやスマホルールアドバイザーのボランティア人材の養成、さらにネット環境から離れる機会をつくるため、つながりキャンプを実施しています。また、医療機関と連携し、本人や家族向けのプログラムを実施するなど、すばらしい取り組みだと思います。
 他都市の例も参考に、福岡市においてもネット依存が疑われる児童生徒が自分の生活を見詰め直すきっかけとなるような取り組みをしてはいかがでしょうか、また、ネット依存やゲーム障がいによって重症化した場合に専門的に診ていただける専門外来を市立病院に創設するなど、専門医療の普及拡大を検討されてはいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 児童生徒が自分の生活を見詰め直すきっかけとして、インターネットやゲームへの依存の状態を客観的に知ることはとても大切だと認識しており、今後取り組みについて、他都市の例も参考にしながら検討してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 市立病院への専門外来の創設など、専門医療の普及拡大についてのお尋ねでございますが、インターネット依存やゲーム障がいの診察、そして治療につきましては、専門的な知識やスキルが必要となっておりまして、現在、国が具体的な診断基準などの整備検討を進めているところでございます。
 福岡市といたしましては、インターネット依存やゲーム障がいに対する今後の国の方針や研究の進捗状況などにも留意し、情報収集を図りながら、専門医療の普及促進に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 専門外来の創設などネット依存、ゲーム障がいの対策をスピード感を持って取り組んでいただきたいと要望しておきます。
 インターネット上での書き込みがいじめ、不登校につながることから、福岡市としてどのような対策を講じておられるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) インターネット上の書き込みへの対応としては、不適切な書き込み等を監視する、いわゆるネットパトロールを業者に委託しており、不適切な書き込みを検知した場合は、教育委員会を通じて学校へ通知しております。
 また、教育委員会のホームページに児童生徒及び保護者、教職員を対象としてインターネット利用に関する啓発資料を掲載するとともに、同様の内容を学校に通知することで周知に努めております。さらに、小学校5、6年及び中学校、各学年の道徳や中学校の技術、家庭科の授業において、他の人に迷惑をかけない情報発信や個人情報の保護等の情報モラルについての指導を全ての学校で行っております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) ネットパトロールで掌握できた件数を直近3年間で教えてください。また、そのうちネットトラブルが何件なのかもあわせて教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) ネットパトロールによって検知された件数は、平成28年度は1,857件、29年度は1,910件、30年度は1,515件となっております。そのうち、内容がいじめや中傷に関するものだったために、学校が児童生徒に確認し、指導を行った件数は平成28年度は114件、29年度は49件、30年度は44件となっております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 自己抑制力や判断力が未熟な子どもたちが自分のスマートフォンを手にして、ネット社会に足を踏み入れてしまうと、さまざまな事件や事故に巻き込まれてしまうおそれがあります。2017年、埼玉県座間市で自殺願望をスマートフォンでつぶやいた女子高校生など9人が殺害されるという衝撃的な事件が起こりました。また、つい先月も、大阪の小学校6年生の女子児童が誘拐され、栃木県で保護された事件は、犯人と知り合ったきっかけになったのはツイッターでした。今回と同様の事件はことし3月にも福岡県に住む小学生の女子児童が犯人に誘われ、大阪市で保護されるなど、SNSを通じて犯罪に巻き込まれる子どもがふえています。SNSを通じて児童売春や誘拐などの犯罪被害に遭った18歳未満の子どもは、一昨年に1,813人と過去最高となり、昨年も1,811人に上っています。子どもはSNSでつながった相手と面識はなくても知らない人ではなく知り合いと認識し、警戒心を緩めてしまうのではないでしょうか。まして相手が犯罪者であるかもしれないという想像力は大人よりも乏しく、言葉巧みに誘い出され、犯罪に巻き込まれるおそれが大きいことは、最近の事件を見るまでもありません。
 このようにSNSを通じて子どもたちが事件に巻き込まれる危険性は常にあり、心身に及ぼす悪影響とあわせて、この問題への対策は待ったなしです。ネット依存やゲーム障がいへの理解を深めるための普及啓発や身近に相談できる窓口の拡充が必要であると思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 児童生徒にインターネットやメディアとの正しい接し方を理解させることは重要であり、犯罪に対する被害防止やネット依存の防止につながるものと認識しております。ネット依存防止の啓発は、これまで教育委員会のホームページに掲載しているインターネット利用に関する資料に加えて、ネット依存防止の理解を深めるための資料を掲載するとともに、同様の内容を学校に通知することで啓発の充実を図ってまいります。また、相談先としてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置、SNSによるLINE相談の開設等、相談できる窓口の拡充を図ってきており、今後も子どもたちが気軽に相談できる体制の充実に努めてまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ネット依存やゲーム障がいに関しましては、平成30年度に市民講演会を実施し、今年度もゲーム依存の理解と支援と題した市民セミナーを実施するなど啓発に努めております。ことし5月に世界保健機関がゲーム障がいを新たな疾病と認定したところでありまして、今後、具体的な診断基準などが整備され、令和4年1月に施行される予定となっております。
 このような動向を注視し、関係機関と連携しながら相談や診療ができる医療機関の拡充やネット依存、ゲーム障がいの啓発に加えて、当事者や家族に対する相談支援の充実に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) この質問の最後に、島市長の子どもたちをネット・メディア依存やSNSを通じたネット犯罪などに巻き込まれないための対策に向けての御決意、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 近年のインターネットなどの急速な普及に伴いまして、社会が大きく変化をし、多くの利便性がもたされているわけでございますが、その反面、川上議員御指摘のとおり、ゲームやメディアへの依存ですとか、また、ネット犯罪などへの深刻な問題が発生をしている状況にございます。子どもたちを守るための対策を講じていく、これは大変重要であるというふうに考えています。そのためにインターネットやメディア依存の予防、啓発、そして、SNSを通じたネット犯罪に子どもたちが巻き込まれないという取り組み、これを引き続き推進しますとともに、国の依存症対策のための新たな知見等を踏まえまして、専門医療の普及啓発に努めますなど、青少年のネット・メディア依存対策にしっかりと取り組んでまいります。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) ありがとうございます。
 次に、災害時の文化財保護についてお尋ねいたします。
 台風19号により川崎市市民ミュージアムが浸水し、9つある地下収蔵庫が全て水没し、美術品や貴重な資料など、約26万点の多くが被害を受けました。この質問に当たり、独立行政法人国立文化財機構文化財防災ネットワーク推進室を訪問し、お話を伺ってまいりました。この推進室は文化財防災ネットワークの維持強化により、地域における文化財防災の推進を図るための事業を行っております。さまざまお話を伺う中で、印象的だったのは、文化財の活用ばかりが注目されていますが、大事なのは文化財をいかに保全し、継承していくかですとおっしゃられていたことです。
 福岡市では、高潮発生時の浸水状況と避難行動に役立つ情報を市民の皆さんに提供するために、高潮ハザードマップをウエブマップ上で公表しています。それによりますと、福岡市博物館は1から3メートル、福岡市美術館は3メートル以上、高潮の浸水が想定されています。
 そこで、お尋ねいたしますが、福岡市博物館や福岡市美術館において展示品の展示場所や収蔵品の保管場所は何階に位置しているのか、教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 博物館及び美術館の展示室と収蔵庫の場所につきましては、博物館では1階に収蔵庫、2階に展示室があり、美術館では1階に収蔵庫と展示室、2階に展示室がございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 1階であれば浸水が起きた場合に文化財を守る対策が必要であると考えます。対応についてどのように考えているのか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 浸水の際の文化財を守る対策につきましては、博物館と美術館において浸水が想定される際には、外部からの出入り口に土のうや止水シートを設置するとともに、収蔵庫や展示室に至る建物内部の通路などにも土のうを設置し、浸水を防ぐ対策を迅速に講じることとしております。今後とも、他都市における浸水被害事案も参考にしながら、浸水に対する対策の充実に努めてまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 各地を襲っている最近の台風や大雨は災害級と言われるほど想定外の被害に見舞われています。土のう等で浸水を防ぎ、大事な文化財を本当に守ることができるのでしょうか。あらゆる自然災害を想定しながら、今後の対策にしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 10月31日未明に発生した首里城の大規模火災は、正殿が全焼し、少なくとも7棟を全焼する大きな被害となりました。沖縄県民の方々にとって象徴的な建造物である首里城が火災により焼失してしまったことは大変ショックであり、その衝撃は全国的にも大きなものとなりました。
 福岡市内にも多くの文化財建造物があり、特に私の地元、博多区にはお寺や神社などの歴史的建造物も数多くあります。博多区では千年煌夜や灯明ウオッチング、博多情緒めぐりなど、寺社を舞台に年間を通してイベントが開催されています。
 先日、博多区の東長寺を訪れ、福岡市の指定文化財である六角堂についてお話を伺ってまいりました。六角堂には消火器が建物内部に設置されているとのことでした。市民の皆様に親しまれている寺社を中心とした地域イベントが安心して実施できるよう、ここからは歴史的建造物などの火災時の対応についてお尋ねいたします。
 まず、文化財建造物について、指定文化財と登録文化財がありますが、その違いを教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 指定文化財は文化財建造物のうち、特に重要なものを国、県、市が指定し、財政的な支援などを通じて恒久的に保存していくための制度でございます。一方、登録文化財は緩やかな規制のもとで、所有者等が利用しながら保存していくことを目的としており、国及び市が登録文化財を認定する制度でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 万一、災害や火災が発生した場合の初期対応について、行政として指導していることはありますか、また、行政として初動対応はどのようなものがあるのか、御教示ください。
 
○議長(阿部真之助) 山下消防局長。
○消防局長(山下周成) 災害や火災が発生した場合の初期対応につきましては、消防局では文化財防火デーであります1月26日を起点として文化財防火運動を展開し、消防演習や消防職員による立入検査の実施を通じて、防火管理体制の確認のほか、通報、初期消火、重要物件の搬出及び避難誘導訓練の指導を行っております。加えて、文化財関係者に対して防火対策等の徹底について、文書送付による注意喚起を行い、防火意識の向上に努めております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 文化財担当としての初動対応につきましては、台風や地震などの災害発生の後に文化財の被災状況を把握するため、文化財所有者から連絡をいただくだけではなく、職員がみずからパトロールを行うなど、情報収集に努めているところでございます。
 なお、文化財が被災をしている場合には速やかに被災状況を確認し、復興や修理に対する支援を行うこととしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 放火や延焼に備えて、放水銃やスプリンクラーの設置がされているのか、お答えください。また、後づけする場合に費用の助成金制度などがあれば教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 市内の指定文化財建造物35件のうち、放水銃が設置されているものは6件、スプリンクラーが設置されている建造物はございません。また、指定文化財においては、後づけで設置する消防・防火設備につきまして、国が策定した防災ガイドライン等に基づき、関係機関と協議の上で設置する場合には補助金の対象となるものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 災害等により文化財建造物が破損したり、焼失したりした場合に支援できるサービスがあれば教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 災害等により指定文化財建造物が被災した場合には、復興や修理に多額な費用が必要となることから、その費用の一部を補助金により支援する制度がございます。さらに、指定文化財及び登録文化財の建造物については、福岡市が保有しています図面や写真の提供、修理に関する技術的な助言などの支援も行うこととしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 国宝や重要文化財を数多く有する京都市では、文化財市民レスキュー体制が整っています。この制度は、災害時に文化財の保護等に当たるもので、有事の際に対応できるよう消防局での合同訓練や研修等を行っています。消防隊が到着するまで寺社の関係者や門徒、周辺住民が分担して消火、通報、文化財搬出等の初動活動に当たるそうです。また、観光ガイドやタクシー乗務員などを対象に講習を行い、初期消火や応急手当てなどを迅速に行う文化財防災マイスター制度も実施しています。さらに、小中学生に文化財に対する防災への意識を高める文化財サマースクールも行っており、こうした地道な取り組みが将来にわたる文化財防災につながっていくのではないかと思います。
 災害に備えて地域で文化財の保護意識を高めるために、行政と地域の関係者やNPO法人などが連携したネットワーク体制が整っているのか、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 文化財建造物を災害から守り、長期的に保存していくために、福岡市では平成30年度に登録文化財建造物の所有者や歴史文化遺産の保存に関する専門家であるヘリテージマネジャー、そして学識経験者とともに、登録文化財建造物に係る連絡会を設置したところでございます。
 このような文化財関係者によるネットワークの充実を図りながら、文化財の保存活用に係るさまざまな課題の解決に取り組んでいるところであります。今後はそれに加えて、災害時の支援体制の構築などについても検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) ことし4月に施行された改正文化財保護法では市町村がまちづくりと連携して文化財保護に取り組むため、都道府県が文化財の保存、活用に関する大綱を防災の観点も重視した上で、地域社会全体で文化財を継承していく体制づくりを促しています。いつ起こるかわからない大規模災害に備えて、文化財防災の重要性を認識し、先人から受け継いだ文化財を損なうことなく、後世に継承していけるような体制づくりをぜひ本市に行っていただきたいと思います。
 この質問の最後に、島市長に災害時の文化財保護に対する御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市には国宝の金印、また、国遺跡福岡城、鴻臚館など二千年を超える歴史を物語る貴重な文化財ですとか歴史的な建造物が数多く残されています。市内の各地域に伝わります文化財は地域の宝でありまして、まちづくりや、また、地域振興などの核をなすものでございます。こうした文化財を保存、そしてまた継承していくために、これまで福岡部のライトアップウォークですとか福岡城のおおほりまつりなど、地域の皆さんとも連携をしながら、さまざまな取り組みを行ってまいりました。さらに、ことしはG20福岡財務大臣・中央銀行総裁会議ですとかラグビーワールドカップの期間中に文化財を生かしたおもてなしですとか、伝統文化イベントを実施して世界各国に福岡市の歴史、文化の魅力を発信することができました。
 川上議員御指摘のとおり、このように貴重な文化財や歴史的な建造物が災害等によって失われることがないように、市民や地域、企業、行政などが協力をして地域社会全体で文化財の保存と活用の取り組みを進めてまいります。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 次に、児童虐待根絶に向けての取り組みについてお尋ねいたします。
 大変悲しいことに児童虐待による死亡事故が相次いでいます。厚生労働省の調査によると、2018年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待件数は、前年度と比べて約2割増の約16万件にも上り、調査を始めた年から28年連続でふえ続けているとのことです。毎年11月は厚生労働省が定める児童虐待防止推進月間です。私たち公明党は、児童虐待防止のシンボルマークにちなんだオレンジリボン街頭演説会を全国各地で実施し、小さな命を守るとともに、安心して子育てできる環境づくりの大切さを訴えています。福岡市の子どもたちが虐待を受けることなく、健やかに成長していけるよう虐待の根絶に向けての取り組み、対策について質問してまいります。
 まず、虐待にはどのような行為があるのか、わかりやすく教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 児童虐待の種類につきましては、児童虐待防止法の定義によりますと、児童の身体に外傷が生じまたは生じるおそれのある暴行を加える身体的虐待、児童にわいせつな行為をすること、また児童をしてわいせつな行為をさせる性的虐待、児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食または長時間の放置など、保護者としての看護を著しく怠る放任虐待、児童に対する著しい暴言または著しく拒絶的な対応を行うなど、児童に著しい心理的外傷を与える言動を行う心理的虐待の4つの行為とされております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 今お示しのありましたそれぞれの虐待の福岡市における相談対応件数を教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 平成30年度の虐待内容別の児童虐待相談対応件数につきましては、身体的虐待が526件、性的虐待が23件、放任虐待が424件、心理的虐待が1,345件でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 福岡市における虐待相談の対応件数を直近の5年間で教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 過去5年間の児童虐待の相談対応件数につきましては、平成26年度は798件、27年度は894件、28年度は1,387件、29年度は1,616件、30年度は2,318件でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) ただいまお示しのありましたとおり、本市における虐待相談件数は5年前の平成26年度と比較すると、平成30年度は約3倍近くにふえていることがわかります。虐待に関する相談件数が余りにもふえていることに驚きとショックで本当に胸が痛みます。
 それでは、虐待相談対応件数の増加の要因は何であるとお考えですか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 虐待相談対応件数の増加につきましては、主に警察からの通告、特に子どもの面前における夫婦間等でのDVに関する通告、いわゆる面前DVを心理的虐待とする通告の増加と一般の市民の方の児童虐待に対する関心の高まりによる近隣、知人からの通告が増加していることが主な要因となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 虐待防止に関する対策としてどのようなことをされているのか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 虐待防止に関する対策につきましては、児童虐待の未然防止に向け、妊娠期から子育て期までの支援を切れ目なく提供するため、各区保健福祉センターに子育て世代包括支援センターを設置し、助産師等の専門職による新生児全戸訪問や養育支援が必要な家庭に支援員を派遣する養育支援訪問事業を行っております。また、市内2カ所に子ども家庭支援センターを設置し、子どもに関する家庭からの相談対応やこども総合相談センターや区の保健福祉センターと連携した支援を実施いたしております。さらに、子どもにかかわる機関、団体、28団体と本市で構成する福岡市子ども虐待防止活動推進委員会において、虐待防止に向けた情報共有を行うとともに、市民フォーラムやオレンジリボンキャンペーンを共働で行い、広報啓発に取り組むなど、地域全体で子どもと家庭を見守る取り組みを推進いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 学校、地域、行政、医療機関などの関係機関の連携強化についてはどのように取り組んでおられるのか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 関係機関の連携強化につきましては、各区に要保護児童支援地域協議会を設置し、支援を要する子どもや家庭を対象に、構成機関、団体のメンバーが連携して地域での支援を行っております。また、福岡市と福岡県警察本部との間で児童虐待事案に関する情報共有について協定を締結したほか、こども総合相談センターの事務室と同一フロアに設置されている福岡県警少年サポートセンターと協力して対応するなど、警察との連携を強化いたしております。
 そのほか、市内の主な医療機関、関係機関で構成する医療ネットワークを構築し、地域の医療機関等を対象とした児童虐待に関する相談窓口を拠点病院に設置するとともに、定期的に意見交換の場を設け、医療機関がかかわった児童虐待対応についての情報共有等を行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 相次ぐ悲惨な事件で地域の方々など、社会の関心が高まり、警察や学校、近隣住民などからの相談や通告もふえているとのことです。また、虐待の要因に目を向けてみますと、家庭環境や子どもの成長の過程での様子など、さまざまではあると思いますが、その一つに核家族化や地域のつながりの希薄化による親の孤立があると思われます。子育て中の親を対象にしたNPO主催のイベントでは、全てを1人でこなすワンオペ育児で、心身ともに疲れ果てた、社会に取り残されているような不安が専業主婦にはあるといった訴えが相次いだそうです。
 そこで、お尋ねいたしますが、核家族化などで育児のサポートが受けられない御家庭に対しての支援策はどのようなものがあるのか、教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 育児のサポートが受けられない家庭に対しての支援策につきましては、生後4カ月未満の乳児と産後家族からの支援を受けられない母親を対象に産科医療機関などで授乳や沐浴の指導、育児相談、母体の体調管理を行う産後ケア事業を実施いたしております。また、生後6カ月未満の乳児と産後家族からの支援を受けられない保護者を対象にヘルパーを派遣し、家事や育児の援助を行う産後ヘルパー派遣事業を実施いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 育児のサポートが受けられない御家庭に対しての支援策を周知徹底していただき、利用者の経済的負担の軽減も含め、一人も見逃さない、置き去りにしないという心で拡充を求めておきます。
 未就園の子どもで、健診に来ない御家庭などに対してどのように子どもの安全を確認されているのか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 未就園児のうち医療や保健福祉サービスを利用していない児童につきましては、保健福祉センター職員による家庭訪問、関係機関による目視確認、入国管理局への出国照会などを行い、対象児童全員の安全確認を実施いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 次に、産後鬱状態の方への支援はどのようなものがあるのか、教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 産後早期の支援につきましては、助産師等が乳児がいる全家庭を生後二、三カ月ごろに訪問し、保健指導を実施いたしております。訪問時には産後鬱病のリスクや育児不安がある母親を把握するため、母親自身に記入していただくエジンバラ産後うつ病質問票等による状況把握を行い、支援が必要と判断した場合は保健師等の継続訪問、専門医の受診勧奨、子ども家庭支援員の派遣を行うなど、きめ細かな支援を実施いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 双子や三つ子などの、いわゆる多胎育児は1人の子どもを育てるよりも大変であることは言うまでもありません。日本多胎支援協会が昨年まとめた調査によると、多胎家庭における虐待死亡事案の発生頻度は単体家庭の2.5から4倍と発表しました。過度な育児負担などが原因であると指摘しています。昨年、愛知県豊田市で三つ子を育児中の母親が次男を暴行し死亡させた事件では、市と医療機関の連携不足や市の担当者が母親の悩み事を受けとめて聞く姿勢に欠けていたことが問題視されました。母親が行政のサービスを利用できず、育児で孤立していたことを浮き彫りにする悲惨な事件となりました。厚生労働省は2020年度予算の概算要求で多胎妊産婦への支援を初めて計上するなど、政府も多胎育児家庭への支援に向けて動き出しています。佐賀県では家に引きこもりがちになる多胎家庭への外出をサポートするため、タクシー利用券2万円分を交付したり、医療機関と行政、子育てサークルが連携し、多胎児の妊娠から出産、育児までを切れ目なく支援するさが多胎ネットを発足するなどの取り組みが始まっています。
 こうした状況を踏まえ、本市として多胎育児をされている御家庭への支援にしっかりと取り組むべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 妊産婦への支援につきましては、各区の子育て世代包括支援センターにおいて母子健康手帳交付の際に助産師等が全ての妊婦と面談を行い、必要な支援につなげるほか、出産後は助産師等による新生児全戸訪問や養育支援が必要な家庭への支援員の派遣など、多胎育児をされている家庭を含め、出産前から出産後、乳幼児期へと切れ目のない支援に取り組んでおります。多胎育児をされている家庭への支援につきましては、国の動向や他都市の状況も踏まえながら、そのあり方について検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 負担の多い多胎育児家庭への支援施策にしっかり取り組んでいただくことを要望しておきます。
 さて、2017年に起きた虐待死58件の半数以上の保護者は、行政などによる子育て支援を全く受けていなかったことが厚生労働省の検証結果等で明らかになっています。子どもが亡くなる事件が起こると、世間の批判は児童相談所に向かうことが多い。だが、児相は本来、虐待通告を受けて動き出す、児童虐待のゴールキーパーである。そのため、虐待の発生予防には児相の前に子どもや親に日ごろからかかわる市区町村の担当課や学校の教師、医師などのサポートが重要になると言われています。昨年3月に東京都目黒区で発生した虐待死、そしてことし1月に千葉県野田市で発生した虐待死事件を受けて、社会や国の省庁、政府などが大きく動き、6月には改正児童虐待防止法が成立し、一部を除いて来年4月から施行されます。今回の改正では、保護者らによる体罰禁止が明文化されたことや児童相談所の体制強化を図ることなどが盛り込まれました。
 先日、私も福岡市こども総合相談センターえがお館を訪れ、館内の見学や職員の方からさまざまな現状をお伺いいたしました。私が訪れた日も5階の10部屋ある相談室が全て満室で、多くの相談や面談が行われていることを目の当たりにしてまいりました。
 そこで、福岡市では児童相談所の職員の体制強化に向けてどのように取り組んでおられるのか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 児童相談所の職員の体制強化につきましては、近年の虐待相談対応件数の増加や児童福祉法改正に伴う家族関係再構築支援など業務の増大に対応し、平成29年度に児童福祉司2名、30年度に児童福祉司3名及び児童心理司1名、31年度に児童福祉司3名及び児童心理司2名の増員を行い、体制の充実を図っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) 言語道断であり、決してあってはならないことですが、児童虐待の相談施設のかなめであるえがお館で、ことし7月、市の職員であるケースワーカーが担当の女子中学生にわいせつな行為をした事件が発生いたしました。市は再発防止のため、えがお館の相談室に監視カメラを設置すると発表しました。私は市民の方から、市の職員の不祥事防止のために子どものプライバシーが侵害され、相談しにくい状況になっては本末転倒です。カメラの設置は断固やめてくださいという御相談を受けました。相談のニーズがとても高いことから、より一層職員のモラルを高め、子ども本位、子ども目線に立っての相談事業を拡充していただきたいと強く要望しておきます。
 少し視点を変えますが、虐待を行う親へのアプローチも必要だと思います。東京都千代田区でも採用されている子どもへの暴力防止のための開発された支援プログラムについて、NPO法人にお話を伺ってまいりました。子どもの行動を理解する、子どもの怒りの感情を理解する、親の理解とコントロール、子どもと暴力、子どもと電子メディア、しつけと養育スタイル、肯定的な行動を導くしつけをテーマに虐待を行う親を対象に体験的に気づきを与える取り組みはとても大事なことだと感じました。また、大阪市西成区でも虐待に至ってしまった保護者が自己の内面を掘り下げ、セルフケアにつなげていくMY TREEペアレンツ・プログラムを実施しています。起きている虐待にどう対応するのかとの対策は当然のことでありますが、虐待に至らせないためには何ができるのかとの観点も今後重要になってくるのではないかと思います。子どもを虐待から守り、断じて子どもの命を救っていくために、これからも地域や行政、教育、医療機関、警察など全てのネットワークが連携して、いま一重施策の充実を図っていただきたいと思います。
 ぜひ他都市の先進的な取り組みも参考に、虐待をしてしまう親への支援策なども新年度から積極的に進めていただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 虐待をしてしまう親への支援策につきましては、職員が通常行っている保護者との面談、面接の中で、それまでの児童へのかかわりをともに振り返り再発防止を図ることや、さらに必要に応じて養育スキルを向上させるプログラムの受講を促しております。また、新たに虐待傾向のある保護者の養育支援と虐待の再発防止を目的としたMY TREEペアレンツ・プログラムの保護者向けプログラムについて、今年度はプログラム実施者養成のための研修を職員に受講させており、来年度から実施できるように準備を進めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上多恵議員。
○13番(川上多恵) このテーマの質問の最後に、児童虐待根絶に向けての島市長の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 児童虐待は子どもの人権を著しく侵害し、子どもの心身の成長及び人格の形成に重大な影響を与えるもので、決して許されないものと考えています。
 福岡市では各区に子育て世代包括支援センターを設置し、妊娠期から子育て期までの支援を切れ目なく提供しますとともに、児童福祉司ですとか児童心理司を増員し、こども総合相談センターの体制の充実を図るなど、児童虐待の防止に向け取り組みを強化してまいりました。さらに、福岡市子ども虐待防止活動推進委員会において、子どもにかかわる機関また団体と行政が連携をして、虐待防止活動に取り組んでおります。
 今後とも、引き続き関係機関や団体としっかり連携を図り、支援が必要な家庭にはこども総合相談センターや保健福祉センターを中心に早期に支援を開始し、子どもの虐待防止に向けて全市を挙げて取り組みを進めてまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗)登壇 私は日本共産党市議団を代表して、電動キックボードの規制緩和、台風、豪雨災害における避難問題、地球温暖化対策、小中学校の過大規模校について質問をいたします。
 まず、電動キックボードの規制緩和についてです。
 福岡市は都市の成長と市民の生活の質の向上を図るとして、国家戦略特区を活用することにより、さまざまな規制緩和を行っております。その中身については、まさに大企業の利益最優先のまちづくり方策にほかならず、我が党は従前からこのような市政のあり方について厳しく指摘してきたところであります。そうした中、本市はことし2月4日、国家戦略特別区域会議において原付バイク扱いになっている電動キックボードの規制を緩和して、自転車と同じように乗れる特区を国に提案しました。
 そこで、お尋ねしますが、規制緩和をもくろんでいる電動キックボードというのはどういうものなのか、説明を求めます。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行わせていただきます。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 電動キックボードにつきましては、L字型をしたキックボードに電動の原動機を取りつけて発展させた自走可能な乗り物でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) 電動キックボードについて説明をしていただきましたが、それでは、今なぜ電動キックボードの規制緩和をやらなければならないのか、その理由と内容についてお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 今回の提案理由の説明でございますが、電動キックボードが交通結節点、特に駅やバス停に到着してから最終目的地までの移動、いわゆるラストワンマイルの手軽な移動手段として効果的であり、福岡市におきましてもこのような新しい技術やサービスの社会実装を支援することで、ラストワンマイルや生活交通の維持といった交通課題の解決の一助になるものと考えたことから、平成31年2月の国家戦略特別区域会議で提案したものでございます。
 提案の内容でございますが、現在、日本では電動キックボードは原動機付自転車に分類されており、公道で走行するには車体にミラーなどの保安部品の装備や、ヘルメットの着用、それから運転免許が必要となるなど、手軽な移動手段という本来の利点が失われております。しかしながら、電動キックボードの操作性や車体の規格、走行速度、重量などは一般的な電動アシスト自転車と同等であると考えておりまして、シェアリングサービス事業者の適切な管理を前提として、自転車と同等とみなし、公道での走行ができるよう規制緩和を提案したものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) つまり電動キックボードは法令上、原動機付自転車に分類され、運転免許はもちろん、ヘルメットの着用やナンバープレート、ウインカーが必要ですが、ただの自転車とみなして現在の規制をなくしてしまい、自転車と同等に取り扱うということであります。
 あなた方は規制緩和の理由として、国家戦略特別区域会議でこう言っているんです。自転車のほうがよっぽど早いスピードが出るからと言っています。電動キックボードと自転車の安全性は同じだと考えておられるようです。しかし、スピードだけでなくどこで使用するかとか、ぶつかったとき、これは20キロぐらい出るんですよ、ぶつかったときの衝撃など、もっと多面的に検討すべきではないでしょうか。
 自転車のほうがスピードが出る、それだけの理由で現在、法律で原付免許が必要とされている電動キックボードが自転車と安全性は同等というのは余りにも短絡的と思いますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 電動キックボードにつきましては、操作性が容易であることに加えまして、一般的な電動アシスト自転車と比較して、速度が同程度、それから重量に関してはその約半分程度でございます。これらを総合的に勘案して電動キックボードの安全性は自転車と同等としたものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) いろいろ言われましたけど、電動キックボードと自転車の安全性が同等だという根拠は何もないんですよ。あくまでもあなた方の希望的な思い込みにすぎません。世界各地で電動キックボードのレンタルサービスが拡大する中で、事故の発生件数もふえています。この業界の大手として知られるライム社は、ことし2月、少なくとも30名が負傷する事故をニュージーランドで発生させていたと報じられています。日本でも電動キックボードではありませんが、ペダルをこがなくても電動モーターで自動で走行するモペットという電動式自転車で歩行者をはねて大けがをさせ、そのまま逃げた26歳の男が逮捕されたという事件も11月に大阪で起きました。
 このように、さまざまな事故や事件が起きているにもかかわらず、規制を強化するどころか、規制を緩和することは運転する人はもちろん通行人にとっても危険が伴うのではないかと思いますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 危険性に関するお尋ねでございますが、現在、電動キックボードは原動機付自転車と分類されておりまして、自転車と同等とみなす規制緩和が実現すれば、ミラーなどの保安装備やヘルメットの着用、運転免許などが不要となります。電動キックボードにつきましては、先ほども申し上げましたけれども、操作が容易であることに加え、一般的な電動アシスト自転車と比較して速度が同程度でございます。重量に関してはその半分程度でございまして、こういったことを総合的に勘案して電動キックボードの安全性は自転車と同等であると考えており、危険性はないものと考えております。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) 電動キックボードは世界的に見てみると、事故が多いという理由でフランスでは規制が強化されました。オランダでは禁止になりました。局長は自転車と同じぐらいなんだと言うけど、自転車が果たして本当に安全なのかと、今でさえ自転車による事故が多発しており大きな問題になっております。それにプラスして電動キックボードが公道を走るとなると、さらに危険が増すんじゃないですか。自転車専用レーンの整備がおくれている本市において、電動キックボードが歩道を走れば歩行者と、車道を走れば車との接触事故が多発するのではないかと予想されます。その電動キックボードが走るエリアの人たちはたまりませんよ。私が指摘してきたような危険にさらされるわけです。
 そこで、お尋ねしますが、どういう地域で規制緩和して電動キックボードを走らせようとしているのか、あるいは全市的にそれを認めようとしているのか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) どういう地域でこれを適用するかというのは今後の詰めをしていかなくちゃいけないと思っています。公道での実証実験が現在の制度上、提案内容に沿った形での実証実験ができないということでございますので、今後、そういった安全性でありますとか、どこの地域で適用するのか、もちろん議員御指摘のとおり、例えば、自転車でも事故が起こっているわけでございますから、安全運転に関するそういったことの課題解決についても今後詰めながら、やはり私どもといたしましては、速度からしましても、重量からしましても、それから形も自転車の半分ぐらいのサイズでございますし、安全性については電動アシスト自転車と同等ではないかと考えておりますので、今後、そういう安全性の詰めをしながら、しっかりと詰めていきたいと思います。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) 甘いですよ。事故が起きないとか、本当に希望的な観測ですよ。しかも、さっき答弁で、公道では実証実験できないわけでしょう。じゃ、いきなりやるんですよ。こんな危ないことないですよ。
 局長はごまかされるけれども、9月2日付の日経新聞に「移動の未来 福岡が実験場 九大跡再開発、起点に」という記事がありました。電動キックボードにドローン、人工知能バス、福岡市が次世代モビリティーサービスを都市開発に生かそうとしている。起点となるのが九州大学箱崎キャンパス跡地で進む開発構想、FUKUOKA Smart EASTと報じています。となれば、これは電動キックボードの規制緩和の想定エリアは箱崎の再開発、九大跡地で行われるということではありませんか、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 実際に電動キックボードをどのエリアで実装するかというのは今後検討していく課題と考えておりまして、Smart EASTで決め打ちをしているわけではございません。先ほど私、申し上げましたように、現在、道路運送車両法上では原動機付自転車に該当するということになっておりますので、議員御紹介ありましたように、前照灯でありますとか、それから番号等、それから方向指示器などのいわゆる保安基準を満たすということが必要でございます。
 それから、原動機付自転車でございますから、当然自動車損害賠償責任保険に入らなくちゃいけない、それから軽自動車税の対象になるということで、当然ナンバーといいますか、標識もつけなくちゃいけないという、今、法の制限があります。しかしながら、やはり形状でありますとか走行スピードでありますとか、そういった安全面に関しましても自転車に近いものがあるというふうに考えておりまして、そういう交通の手軽な移動手段としては有効であるというふうに考えておりますので、今後、議員から御指摘のありました自転車の事故の問題でありますとか、そういったことも詰めながら、どういった形で導入していくのか、どのエリアに導入していくのかということは、私ども最後の詰めをしたいと思いますので、これについては進めさせていただきたいと思います。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) 局長が語れば語るほど問題が見えてくるんですよ。そして、場所についてはごまかされるんですけれども、島市長だって、先ほど紹介した日経新聞の記事によると、箱崎の再開発について、最先端のまちづくりにつながる実験をやっていきたいと、このように語っておられます。
 そこで、お尋ねしますが、市長が進めようとしているFUKUOKA Smart EASTとはどういうものなのか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) FUKUOKA Smart EASTは、少子・高齢化などまちづくりのさまざまな課題を解決しながら、持続的に発展をしていくために最先端の技術革新の導入などによる快適で質の高いライフスタイルと都市空間を創出し、未来に誇れるモデル都市を創造していきたいというものでございます。
 まずは、その先駆けとして箱崎のまちづくりにおいて取り組み、それが全市に広がり、より多くの人々に届くよう進めているものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) いろいろ説明してくれましたけれども、Smart EASTは先進的な技術や革新的なビジネスモデルなどの実証実験を行う場に九大跡地を変質させようとしているものなんです。全国一律の法律ではなく、特区などの枠組みを使って、安全性の確認とか社会合意がない技術を拙速に本市で試すことは許されません。
 このような取り組みを前提にしたSmart EASTの進め方は抜本的に見直すべきだと思いますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 今後、少子・高齢化の進展などによりまして、大きく人口の構成が変わるなど、社会のあり方が変わっていく中で、さまざま発生してまいります社会課題を解決して、持続可能な社会を実現していくためには、先進的なテクノロジーなども積極的に活用していくことは大変重要であると私は思っております。箱崎のまちづくりにおきましても、このFUKUOKA Smart EASTの考え方を取り入れまして、必要なテクノロジーなどの導入を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) いろんな社会問題を局長は先端技術で解決することは重要だというふうに言われるんですが、ここは役割分担があるんですよ。行政がやるべきことじゃありません。それは企業がやることなんですよ。行政がやるべきことは安全性や社会合意を得ることなのに、その逆で、規制緩和をやろうとしている。電動キックボードなどのパーソナルモビリティーは今売れ筋です。大企業はこの分野での開発に乗り込み、需要を大きくするために規制緩和を求めています。本市での実証実験でもKDDI、住友商事がかかわっています。それに呼応して島市長が規制緩和を行い、実験場まで提供しようとしているのが今回の特区提案であります。
 そもそも運転許可はしっかりと実験を行った上で専門家の意見も反映させて全国一律に法で定めるべきものであって、特区によってこの地域は許可なしで運転していいよなどという特例をつくっていいものではありません。したがって、今回提案した電動キックボードの規制緩和は市民の安全を脅かしてまで、大企業のもうけ口をつくってやるものであり、撤回すべきだと思いますが、市長の答弁を求めたいと思います。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 人口減少ですとか、また少子・高齢化が進行している日本において、直面するさまざまな課題を克服し、より高度な経済、より便利で豊かな生活を体現するためには、既存の制度や考え方にとらわれず、新しい技術やイノベーションを積極的に取り入れていくことが重要であるというふうに考えています。
 今後の高齢化、そしてまた、今移動の自由ということが課題となっている中で、例えば、自動運転での車椅子ですとか、もしくはパーソナルモビリティー、そうした中の一つとしてこうしたキックボードなどもあるわけであります。今後、こうした状況、少子・高齢化も進んでいく中で、それぞれ個人の移動の自由をどう確保していくのかを考えていくのは非常に重要な課題だというふうに考えています。その上で、安全性の確保ですとか、そうした民間がもちろんすることもあるんですけれども、あわせて行政がすることの一つに規制や、そうしたものをどういうふうにこれから対応していくか、今新しい技術が生まれてくる前に規制された、そうしたものをどういうふうに対応していくかということも行政の大事な仕事でございます。現在、九州大学の伊都キャンパスにおきまして、バスが通って、人が通って、そして車や自転車も通るという、つまり伊都キャンパスというのは、非常に一般の交通の現場と近い、その環境の中で実際キックボードの実証実験が行われています。こうした検証の結果なども踏まえて、これから実際の公道でどうしていくのかという検討がなされていくものというふうに考えています。
 ラストワンマイル、また、生活交通の維持といった交通課題、こうしたものを手軽で安全な移動手段として電動キックボードを社会実装することはまたその一助になるものと考えておりまして、もちろん場所としてもどういった場所がいいのか、人が歩いてぶつかりそうな、そんな場所はもちろんするべきではないと思いますし、一方で、歩道が広く整備をされたような場所、もしくは歩車分離の、こうした新しい移動手段が専用で通れるような場所であればより安全ではないか、こんなことも検証しながら、今後の技術をにらみながら、まちづくりを進めていくという形でSmart EASTも進めていければというふうに考えています。
 今後も国家戦略特区を活用することによりまして、技術革新や、また市民ニーズの変化で時代に合わなくなった規制を緩和し、また、新しい価値の創造にチャレンジする企業の支援ですとか既存企業と創業企業との連携による相互の成長を図って、福岡市の都市の成長と生活の質の向上を図ってまいります。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) 市長の答弁は、新たに起きる問題、それから弊害を全く顧みない答弁であります。特区は撤回すべきだと改めて要求しておきたいと思います。
 次に、台風、豪雨災害における避難問題についてただしてまいります。
 ことし9月から10月にかけて3つの台風が連続して関東から東北地方にかけての東日本地域を襲いました。これらの災害から浮かび上がった問題点や課題、教訓を生かし、同じような災害を繰り返さないことは行政の大きな役割です。今回の台風19号でも各地で多くの人的被害や住宅などに取り残され、救助を待つ人々が多数発生しております。行政がこの問題にしっかり向き合って、逃げおくれをゼロにすることが求められています。
 そこで、改めて本市の浸水ハザードマップを見せてもらいました。これは城南区版です。(資料表示)どの地域でどんな災害が想定されるのかが示してあるんですが、何せこれは大き過ぎます。自分の地域がどこだろうかというふうに見て探したとしても小さくて、自分の家もどこか特定できないんですよ。それで、もっと言うと、住民にとっては極端な話、自分が住んでいる地域をもっと拡大して見たいというふうに思っていると思うんです。特に避難に困難を要するために一番マップを事前に見ておいてほしい高齢者にとっては、この大きさ、そしてこの小ささは難しいんではないかというふうに思います。
 したがって、浸水ハザードマップについては、高齢者にも災害想定を詳しく知ってもらうためにも行政区単位のものだけではなくて、小学校区単位や町内単位のわかりやすいものを作成すべきと思いますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 浸水ハザードマップにつきましては、河川が氾濫した場合には被害が広範囲にわたる可能性が高く、安全な避難所に避難していただくには、できるだけ広範囲の浸水想定区域を確認していただく必要があることから、行政区単位で作成しています。また、市民の皆様が必要なときに必要な情報をスマートフォンやパソコン等で確認でき、お住まいの校区や町内会単位で任意の場所の拡大や印刷、そして、地域ごとのハザードマップが作成できる総合ハザードマップを平成31年3月より配信しており、この活用について周知、啓発を図っているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) スマートフォンを活用して情報発信していると答弁されましたが、それこそ高齢者には厳しいんです。スマホを持っていても電話以外の機能は使ったことがないという高齢者はたくさんいらっしゃいます。きめ細やかな対応を求めるものです。
 もう1つ、(資料表示)このマップを見ていて感じたのは、どこに逃げたらいいのかが書いていないんですよ。これはハザードマップのトップなんですけれども、ここに我が家の避難所という欄があるんです。これは空欄なんですよ。自分で避難所を書き込まなくちゃいけない、そのようになっています。でも、これはなかなか高いハードルだと思いますよ。以前、私が住んでいる団地で高齢者の人たちに集ってもらって、防災士の方の話を聞く会を催しました。皆さんの避難場所どこかわかりますかというふうに聞いたら、やっぱりわからないという人がたくさんいらっしゃるわけです。
 そこで、ハザードマップを危険災害予測だけでなく、災害に対応してできるだけ安全な避難経路や避難場所などを示す地図にして避難先を周知していかなければならないと思いますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 浸水ハザードマップにつきましては、避難所及び避難場所の位置とともに、浸水害に対する使用の可否を表示しております。どのような避難経路及び避難すればよいかについては、氾濫する河川やその状況及びお住まいの住宅構造の違いなどにより異なってくることが多く、災害に備え、市民の皆様が平時からみずからの避難経路を確認いただき、適切な避難行動をとっていただきたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) 局長が言われたみたいに、いざ災害が起きたとき、非常に複雑なんですよ。悩むんですよ。それだけにいろんな想定をあらかじめ周知しておくということが大切、細かな対応が必要なんです。この地域の人たちはここに逃げるんですよ、こういう場合はここに逃げるんですよと、より具体的な周知を行政が行うべきだし、マップもより実用的なものにする必要がある。そのためにも小さい地域単位でのマップをつくる必要があると思います。
 さて、避難所に足を向けさせるためには避難所環境の質の改善が求められます。なぜなら避難所環境が劣悪なものならば、住民の避難行動を敬遠させ、避難をちゅうちょさせる要因にもなるからです。本市の避難所は学校施設や公民館などの公共施設が使用されますが、体育館や学校教室での冷たい床での雑魚寝を強いられるような環境では避難する人は今よりも多くならないと思いますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 避難所の環境整備につきましては、簡易式のベッドを博多区の埋蔵文化財センター月隈収蔵庫に備蓄するとともに、プライバシー確保のための段ボール間仕切りと、更衣室や授乳室などとして使用できるテント式のマルチルームを各小学校に設置している防災倉庫に備蓄しており、避難生活が長期化する場合にはこれらを設置することとしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) 簡易ベッドにしても全市で400個ですよ。ですので、やはり数が圧倒的に足らないと思うんです。足腰が悪い人や持病を抱える人が避難しても安心できる環境を整えるべきです。
 さらにお尋ねしますが、避難所でのプライバシーの配慮についてはどのようになされているのか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 避難所におけるプライバシーの配慮につきましては、福岡市地域防災計画において、避難所の運営に当たっては、プライバシーの確保や高齢者、女性などさまざまな視点を取り入れた運営、男女別の更衣室や仮設トイレ、物干し場の確保、乳幼児のいる家族に配慮した授乳スペース、育児スペースの確保などに留意することと定めております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) 先ほど答弁で段ボールの間仕切りを言われたんですけど、これも高さが1メートルしかないんです。とてもプライバシーに配慮したというものにはなりません。それから、授乳室とか更衣室とか、このテント、マルチルームにしても、これもまた300張りしかないんですよ。抜本的に数をふやしてプライバシーが配慮される環境を整備すべきだと要求しておきます。
 夏の猛暑が続く近年、避難所の空調設備の整備はもはや待ったなしの課題であります。しかしながら、本市の学校体育館には空調設備がありません。
 そこで、体育館に直ちに空調設備をつけることは避難所環境の質の改善として当然の措置だと思いますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) エアコンが設置されていない避難所における空調対策につきましては、民間事業者との災害協定に基づき、必要に応じて速やかに移動式エアコン等を設置することといたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) いざというときに、移動式エアコンをレンタルしてくると、こんなふうに言われるんだけど、それこそ危機管理意識に欠けているのではないでしょうか。避難したものの熱中症で倒れたといった事例を出さないためにも早急に空調設備の設置を求めておきます。
 以上、避難先を明確にすることと避難しても安心な環境をつくることについて述べてまいりました。しかし、ハザードマップの改定には後ろ向きだし、避難所の質の改善も積極的に取り組む姿勢は見えません。別にぜいたくを求めているわけではないんです。被災者の基本的人権や人としての尊厳を保障する問題であり、これは行政の義務ですよ。
 そこで、ハザードマップの改定や避難所環境の質の改善など災害時の逃げおくれをなくすとともに、この間の災害での教訓に学び抜本的な防災計画の見直しを行うべきと思いますが、この問題の最後に市長の答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市におきましては、これまでも東日本大震災や、また熊本地震など、さまざまな災害の教訓などを踏まえまして、適宜福岡市地域防災計画の見直しを行っておりまして、国の動向などを踏まえて、さらなる充実を図ってまいります。
 今後とも、市民のとうとい命と財産を守ることを第一に、災害に強いまちづくりを進め、防災先進都市福岡を目指し取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) 急いで計画を見直して災害に備えることを要求しておきます。
 次に、地球温暖化対策についてただします。
 全国各地に甚大な被害をもたらした台風19号は、外国メディアでもスーパー台風などと報じられました。最近は日本付近に来て発達するものなど強い台風が非常に多くなっているとも言われています。
 そこで、お尋ねしますが、台風が強く大きくなっているのは地球温暖化によるものだという指摘がされていますが、市はどのようにお考えか、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
○環境局長(坂本秀和) 台風や豪雨と地球温暖化の関係につきましては、気候変動に関する政府間パネル、ICPPの第5次報告書や気象庁による気候変動監視レポートによりますと、近年、台風の勢力が強く、大型化するとともに、災害をもたらすような短時間豪雨や大雨発生の回数などの増加が報告されております。これらの気候変動は地球温暖化が影響していると言われており、福岡市でもそのように認識をいたしております。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) だからこそ、自然災害が多発する原因を取り除くこと、すなわち地球温暖化対策に取り組むことは住民の命や財産を守るためには不可欠になっているのであります。
 本市においては、2016年12月に作成された福岡市地球温暖化対策実行計画に基づいてこの問題に取り組んでおられます。
 そこで、お尋ねしますが、温室効果ガス排出量の削減目標を計画に定めておられますが、長期目標2050年度までに2013年度の排出量と比べて何%の削減を目指すのか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
○環境局長(坂本秀和) 2016年12月に策定いたしました福岡市地球温暖化対策実行計画における長期目標につきましては、2050年度に2013年度比で温室効果ガス排出量の80%削減を目指すことといたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) 80%削減が掲げた目標なんですが、2015年にパリで開催された国連気候変動枠組条約第21回締約国会議、COP21で採択された協定は、21世紀後半までに人間活動による温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする方向を打ち出しました。
 そこで、お尋ねしますが、本市の80%という目標は国際的な動きに比して余りにも低過ぎると思いますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
○環境局長(坂本秀和) ちょっと答弁の前に、最初の答弁で政府間パネルのことをICPPと言ってしまいました。正しくはIPCCでございます。
 それから、今お尋ねの件についてでございますけれども、福岡市地球温暖化対策実行計画で定めます温室効果ガス排出量の長期目標につきましては、国が2016年5月に策定いたしました地球温暖化対策計画における長期目標と同等ということにいたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) あたかも妥当な目標のように答弁されましたが、現在マドリードで行われていますCOP25では、議長に選出されたシュミット・チリ環境大臣がパリ協定に基づく各国の目標設定を見直す2020年に向け、より野心的な数値を掲げることを参加国に求めました。こうした流れから本市の削減目標も80%と言わず実質ゼロを目指して積極的に温暖化対策に打って出るべきと思いますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
○環境局長(坂本秀和) 福岡市におきましては、福岡市地球温暖化対策実行計画に基づき、福岡市の地域特性等を考慮し、家庭部門、業務部門、自動車部門に重点を置いて、市民や事業者により構成する福岡市地球温暖化対策市民協議会や、主要な事業者、団体により構成するエコ・ウェイブ・ふくおか会議と連携を図りながら、さまざまな対策を実施してきておりまして、温室効果ガス排出量も毎年度着実に減少いたしております。
 今後とも、市民や事業者の皆様と連携を図りながら、しっかりと地球温暖化対策の取り組みを進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) やるだけじゃだめなんですよ。そのテンポが今求められているんです。
 では、2030年度までに達成する中期目標を見てみたいと思います。2013年度904万トンの排出量を2030年度までに651万トンに削減するというものです。
 そこで、お尋ねしますが、2030年度の目標の651万トンのうち二酸化炭素の排出量は幾らですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
○環境局長(坂本秀和) 福岡市地球温暖化対策実行計画に定めます温室効果ガス排出量の中期目標は、地球温暖化対策推進法に規定されております7種類の温室効果ガスの総排出量として設定をしており、二酸化炭素などのガス種別ごとの排出量の目標は設定はいたしておりません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) 温室効果ガスのうち95%が二酸化炭素ですから、計算すれば618万トンとなります。京都議定書で1990年が基準になったのは、温暖化が人間活動によることが科学的な根拠を持って語られ始めたのが1990年ごろからであったため、先進国の場合は1990年からの削減努力を見るのが妥当という考えであります。
 そこで、1990年当時の福岡市の二酸化炭素排出量は幾らですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
○環境局長(坂本秀和) 1990年度の福岡市内における二酸化炭素排出量は約614万3,000トンでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) 1990年よりも2030年度の中間目標のほうが二酸化炭素排出量は多いという目標です。本市の中間目標は二酸化炭素を減らすどころかふえる目標であり、極めて不十分だと思いますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
○環境局長(坂本秀和) まず、1990年度と中期目標年度であります2030年度の温室効果ガス排出量につきましては、比較する上で前提となります人口動態や経済状況などが異なるため、単純には比較できないものと考えております。
 現在の国の計画におきましては、排出量の算定基礎となっております世帯数や自動車保有台数などの活動量の将来推計について、人口減少により世帯数や自動車保有台数が減少傾向になることを前提に、2013年度を基準年度として2030年度に26%削減する目標を設定しております。
 一方、福岡市におきましては、人口増加により算定基礎となる数値が増加傾向と予測している中、国に準じた基準年度の2013年度の温室効果ガス排出量約904万8,000トンを中間目標年度の2030年度に約651万5,000トンまで、国の目標に2%上乗せした約28%を削減するよう目標を設定しており、積極的な姿勢をあらわしたものであると考えております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) COP25で化石賞をとるような日本の基準に準じたりしたってだめですよ。それと、都市が膨張しているということを理由にする、こんなの全然理由になりません。
 じゃ、聞きますが、本市は天神ビッグバンやウォーターフロントの大型開発を計画していますが、都心部に企業が今以上に張りつけば、さらに排出量がふえていくのではないかと思いますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
○環境局長(坂本秀和) 建物の建てかえ等に当たりましては、省エネの観点は非常に重要であると考えております。一般的にビルの建てかえに際しましては、気密性や断熱性などの環境性能を高め、最新の省エネ機器の導入が行われることで、エネルギー利用の効率化が促進されますとともに、省エネ効果によるコスト削減等が期待できると考えております。
 このため、省エネの取り組みによるメリット等について、開発事業者に対し広報、周知を図るとともに、事業所の自律的、計画的な省エネの取り組みを推進するために平成30年度に新設いたしました事業所省エネ計画書制度を活用するなど、しっかりと事業者の省エネの取り組みを促進してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) 局長の答弁は建物だけの話で、そこで行われる経済的活動については何も関与していません。温暖化が原因で激甚の気象災害が頻発し、多くの人の命が失われています。温暖化はもう将来の問題ではなく、今、現実の問題となっている認識が全く足りません。
 今、地方自治体として気候非常事態宣言を出すという運動が世界的に広がっています。宣言した自治体は20カ国を超え1,000以上になると言います。日本でも9月に長崎県壱岐市で国内では初めての気候非常事態宣言を出し、12月には長野県も宣言しました。
 そこで、本市も温暖化対策に本気で取り組む意思を示すためにも気候非常事態宣言を出すべきだと思いますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
○環境局長(坂本秀和) 福岡市におきましては、福岡市温暖化対策実行計画に定めます温室効果ガス排出量削減について国を上回る目標を定め、全庁を挙げて地球温暖化対策を進めてきたところでございます。
 しかしながら、世界的な気候変動の影響はますます大きくなっており、また、国は自治体に対して脱炭素社会を目指した取り組みの強化を求めるなど、これまで以上に温暖化対策に取り組む必要があることから、かねてより対策の強化についての検討を行っているところでございます。
 今後とも、温暖化対策や気候変動対策にしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) そんな言うなら、宣言を出したらいいじゃないですか。
 持続可能な開発目標に関する国連の最新報告書は、最も緊急に行動が必要な分野が気候変動だ。影響は破局的で取り返しがつかなくなってしまうと強調しています。若い世代は自分たちの未来を憂慮し、抗議の集会やデモ行進などの具体的な行動を世界中で行っています。この福岡市でも先日、グロバール気候マーチが行われ、地球を守れと若者たちが声を上げていました。世界は大きく動いています。しかし、日本政府の動きは鈍く、日本の温暖化対策に対する国際的評価は極めて低いのが実態です。そして、その政府に追随して時代おくれの計画を正そうともしない本市もまたおくれた都市として批判の的にされるでしょう。
 したがって、市長は温室効果ガスを抑えるために再生可能エネルギーの開発、普及に力を入れるとともに、今の地球温暖化対策実行計画の目標値を抜本的に見直し、野心的な目標を定めるべきと思いますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市におきましては、これまでも福岡市地球温暖化対策実行計画等に基づき、市民、そして事業者と連携し、省エネの促進や再生可能エネルギーの導入、水素などの活用による次世代自動車の普及促進などの温暖化対策にしっかりと取り組んできたところでございます。
 一方で、世界的に気候変動による気象災害が頻発化また激甚化し、地球温暖化対策の重要性や緊急性が高まっておりますが、福岡市におきましては、防災先進都市として防災、減災対策や被災地支援を行う中で改めて温暖化や気候変動への対応の強化が必要であることを強く認識したところであり、国の動向も注視をしながら、福岡市の地域特性や、またポテンシャルを踏まえたさらなる施策の推進について既に検討を進めているところでございます。
 引き続き人と地球に優しい持続可能な都市の構築の実現に向けて取り組んでまいります。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) あなた方がつくった実行計画のパンフレット。(資料表示)地球にやさしいと書いてあります。しかし、国連事務総長が言うように、今求められていることは、美しい言葉ではなくて具体的な実行計画をつくることです。そのことを指摘しておきたいと思います。
 次に、小中学校の過大規模校についてです。
 学校は子どもたちが学び、生活する最も重要な教育環境であり、学校教育施設は子どもの安全が確保されるとともに、人間形成の場にふさわしく改善、整備されることが必要です。小学校、中学校の過大規模校に見られる非教育的な学校施設の教育条件は、子どもたちの知的、道徳的、身体的な調和のとれた健やかな発達を妨げるものとなっています。
 そこで、お尋ねしますが、過大規模校の定義は何か、説明を求めます。あわせて、国の標準学級数は1校当たり幾つなのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 福岡市におきましては、福岡市立小・中学校の学校規模適正化に関する実施方針において、学級数が31学級以上の学校を過大規模校と定義しております。
 また、国の標準学級数の考え方につきましては、学校教育法施行規則第41条において「小学校の学級数は、12学級以上18学級以下を標準とする。ただし、地域の実態その他により特別の事情のあるときは、この限りでない。」と規定されております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) 過大規模校は本議会でも多くの議員が取り上げて是正を求めてきた問題です。本市では今年度どれだけの過大規模校が存在するのか、学校名とあわせて答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 令和元年度の過大規模校につきましては、小学校が12校で、学級数が多い順に高取小学校、西高宮小学校、名島小学校、西新小学校、平尾小学校、松島小学校、西都小学校、今宿小学校、別府小学校、那珂小学校、姪浜小学校、壱岐小学校でございます。
 また、中学校の過大規模校はございません。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) 12校が過大規模校なんです。この5年間で最高の数です。
 それでは、今年度推計による過大規模校化が見込まれる学校、つまり、今後6年間で31学級を超える見込みの学校は幾つあるのですか、学校名とあわせてお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 令和元年度の推計では、令和7年度までに1年度でも31学級以上となることが見込まれる学校は、小学校が7校で、香住丘小学校、千早小学校、香椎下原小学校、照葉北小学校、舞鶴小学校、西花畑小学校、内浜小学校でございます。
 また、中学校は2校で、和白中学校と元岡中学校でございます。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) 小中学校合わせて9校、今後も過大規模校問題は続いていく見込みです。
 さて、このような過大規模校が子どもたちにどんな影響を与えているのか。文部科学省が定めた公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引では、過大規模校の課題としてどのような事例を挙げているのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 文部科学省の公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引におきましては、大規模校及び過大規模校の課題として、学校行事等において、子どもが活躍する場や機会が少なくなること、異学年交流の機会が設定しにくくなる場合があること、特別教室や体育館を利用する授業などが制約されることなどが挙げられております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) 一人一人が活躍する場や機会が少なくなる、児童生徒間の人間関係が希薄化する、きめ細やかな指導を行うことが困難であり問題行動が発生しやすい、こういった課題を国は具体的に挙げているわけです。しかし、本市においてはこれだけではありません。最大の問題は教室が足らないということです。さらに、グラウンドが狭くて、自分の学校で運動会ができない、昼休みに遊べない、こういった状態です。教育委員会は過大規模校による弊害、子どもたちへの影響を軽く見ています。
 では、なぜ本市でこのように過大規模校が生まれるのか、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 過大規模校が生じる理由は、交通の利便性が高く、住宅の立地条件のよい地域や土地区画整理事業などのまちづくりが行われた地域において住宅の開発が進み、子どもの数が増加していることなどが考えられます。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) 簡単に言われますけど、過大規模校の原因は市長が都市の成長などとして人口流入を推し進めてきていることであることは明白です。西区の学研都市駅周辺の開発で、児童生徒が急増し、分離新設した西都小学校がわずか2年でパンクして、新しい学校が必要になりました。元岡中学校も過大規模校になる予定です。また、東区の人工島では、住宅開発によって2つ目の照葉北小学校が、こちらは開校初年度でパンク。照葉中学校も将来的に過大規模校になると教育委員会は発表し、小中一体の学校を新設することも視野に入れていることを明らかにしました。まさに無秩序な開発がこのような状況をつくり出しているのであります。
 そこで、お尋ねしますが、無秩序な開発が過大規模校を生み出して子どもたちに犠牲を押しつけていると思いますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 福岡市のまちづくりといたしましては、福岡市基本計画の目指すまちの将来像の実現に向けまして、地区の特性に応じ、良好な市街地形成に取り組んでいるところでございます。土地区画整理事業などの実施に当たりましても、校区内の児童数や学級数の推計の基礎資料として、計画人口や事業スケジュールなどの情報を提供するなど、教育委員会と連携して取り組んできたところでございます。
 引き続き関係部局と連携しつつ、福岡市基本計画などに基づき、本市の都市機能上必要なまちづくりは適切に進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) 教育委員会と連携してもこのありさまですから、ちゃんとした取り組みがされていないということですよ。
 では、教育委員会にも同じことをお尋ねします。無秩序な開発が過大規模校を生み出して、子どもたちに犠牲を押しつけていると思いますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 現在の地域にお住まいの市民や子どもたちにとっても、また、福岡市に魅力を感じ、夢と希望を持ってこれから移り住まれる保護者や子どもたちのためにも良好な教育環境を整備することは福岡市教育委員会の責務と考えており、それぞれの地域の実情も踏まえ、関係局とも連携を図りながら、適切な教育環境の確保に努めてまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) 相変わらず市長部局も教育委員会もこの問題から逃げていますよ。無責任です。
 先日、文部科学省に過大規模校を生む開発行為についての見解を聞きに行ってきました。担当者は自治体として総合的に開発と教育を考えるべきと述べられました。また、都市開発の際に教育の観点で物を言うことは望ましい、こう述べられています。都市の成長のために子どもが犠牲になっていいとは国も言っていないわけです。となると、何らかの仕組みがどうしても必要です。
 そこで、教育委員会は開発抑制に関与する仕組みをつくるように市長と協議を行うべきと思いますが、御所見をお伺いします。あわせて、市は過大規模校を生み出すような開発を抑制する条例をつくるべきと思いますが、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 民間企業の開発行為について、学校教育の観点から規制することはさまざまな課題があり、困難であると考えておりますが、児童数の推移や住宅開発の動向を踏まえ、関係局と連携しながら適切な教育環境の確保に努めてまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) 議長、条例についてお尋ねしていますので、条例について答弁いただきたいと思います。
 
○議長(阿部真之助) 答弁できますか。星子教育長。
○教育長(星子明夫) 条例についても、同じく学校教育の観点から規制することはさまざまな観点があり、困難であると考えておりますが、今後、児童数の推移や住宅開発の動向を踏まえ、関係局と連携しながら適切な教育環境の確保に努めてまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 倉元達朗議員。
○49番(倉元達朗) 適切な教育環境がつくられていないからこうやって質問しているわけです。
 仕組みを住宅都市局と教育委員会で協議していると言うけど、それもうまくいっていない。うまくいっていないから、こうやって開設初年度からまた分離新設しなくちゃいけない、こういうことが起きているわけです。わからないわけないですよ。両者がきちんと協議して仕組みをつくるべきです。
 文科省は過大規模校について速やかにその解消を図るよう学校教育法施行規則によって促しています。福岡市でも過大規模校の状態が一定期間継続すれば適正化の手だてをとるとしていますが、教育長、子どもの学校生活は一度きりであります。これ以上放置し続けることは許されません。
 したがって、福岡市立小・中学校の学校規模適正化に関する実施方針を大幅に見直し、早急に過大規模校の解消を図るべきと思いますが、教育長の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 福岡市立小・中学校の学校規模適正化に関する実施方針における適正な学校規模等につきましては、法令や国の見解を基本とし、他の自治体の考え方や福岡市の学校規模の状況などを踏まえて、総合的に勘案し、設定したものでございます。
 過大規模校への対応につきましては、児童生徒数の推移や住宅開発の動向を注視しながら、実施方針に基づき適切に取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) この際、暫時休憩いたします。
 午後は1時25分に再開いたします。
午後0時14分 休憩  
午後1時25分 開議  
○副議長(楠 正信) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ)登壇 福岡市民クラブ、山田ゆみこです。お疲れさまです。お昼、今から眠くなるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。
 私は福岡市民クラブを代表して、スポーツ施設の維持、改善について、市内在住アスリートの支援、協力について、豪雨災害対策について伺ってまいります。
 ことし、全国で開催されたラグビーワールドカップは、本市でも全国的にも盛り上がり、ラグビーファンはもちろんのこと、もともとラグビーに興味がなかった人にとっても、「4年に一度じゃない。一生に一度だ」というキャッチコピーのように貴重な経験となりました。今回のラグビーワールドカップやマリンメッセ福岡で開催されたワールドカップバレーなどで、スポーツに本市でも関心を持つ人もふえたように思われます。
 スポーツ基本法によると、スポーツは、世界共通の人類の文化である。スポーツは、心身の健全な発達、健康及び体力の保持増進、精神的な充足感の獲得、自律心その他の精神の涵養等のために個人又は集団で行われる運動競技その他の身体活動であり、今日、国民が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活を営む上で不可欠なものとなっている。スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利であり、全ての国民がその自発性の下に、各々の関心、適性等に応じて、安全かつ公正な環境の下で日常的にスポーツに親しみ、スポーツを楽しみ、又はスポーツを支える活動に参画することのできる機会が確保されなければならないとあります。
 今日、交通の便が大変よくなった一方で、体を動かす機会が非常に減少しており、精神的なストレスや運動不足などの影響で生活習慣病になりやすくなるなど、社会環境が心身に与えるマイナスの影響も大きくなっているように感じます。いつまでも健康な体の維持や、精神的なストレス解消などを図るために体を動かすことが効果的であると考えます。また、単に健康維持のために体を動かすだけでなく、競技としてのスポーツにおいては、プロであれ、アマチュアであれ、一般市民であれ、成績を追求し、自分自身の記録の向上などにより達成感や爽快感を得ることができますし、団体競技では連帯感が生まれ、みんなで喜びを分かち合うことができ、スポーツを通じて地域の人たちが交流を深め、住民相互の新たな連携を図ることで、地域住民が一つの目標に向かい達成感を味わうことや、地域に誇りを持ち愛着を感じるなど地域の一体感や活力にもつながると考えます。さらに、競技者が一生懸命に努力をしている姿を見ることで、見ている人にも熱い夢や希望、感動が伝わるなど、明るく豊かで活力に満ちた社会の形成に貢献できると考えます。
 そこで、たくさんの市民が生涯にわたってスポーツに親しむことができるように、身近なスポーツ施設について伺ってまいりますが、まずはその大前提としまして、スポーツの振興に当たり、基本的な指針となる総合的な計画及びその中で設定している目標項目についてお尋ねいたします。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 福岡市におきましては、福岡市スポーツ振興計画の中でスポーツ振興の理念など基本的考え方をお示しするとともに、5つの目標を掲げております。具体的には、目標1としてスポーツで心と体の健康づくり、目標2としてスポーツで仲間ときずなづくり、目標3としてスポーツで夢と希望あふれる活力ある都市づくり、目標4としてスポーツ活動のための場づくり、目標5としてスポーツ活動のための担い手づくりを掲げております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 本市では、スポーツ振興計画というものがあり、スポーツで心と体の健康づくりなど5つの目標を立てているということですが、目標4のスポーツ活動のための場づくりについてどのように取り組まれているのか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 目標4のスポーツ活動のための場づくりにつきましては、身近な地域でのスポーツ環境の充実として、地区体育館や市民プールなどのスポーツ施設の管理運営を行うとともに、施設の計画的な改修を行い、安全、安心で誰もが使いやすい施設となるよう取り組んでおります。また、福岡マラソンや市民総合スポーツ大会の開催など、多くの市民の方がスポーツに親しんでいける環境づくりに努めております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 身近な地域でのスポーツ環境の充実はとても重要だと思います。先ほど5つの目標をお聞きしましたが、この5つの目標に対して取り組みの成果を把握するための成果指標はございますでしょうか。成果指標の目標値と直近の数値をお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 福岡市スポーツ振興計画につきましては、目標に対し、2つの成果指標を定めております。1つ目の成果指標は、スポーツをする活動を週に1回以上継続的に実施している市民の割合としており、目標値60%に対して、平成30年度は53.3%となっております。また、2つ目の成果指標はスポーツを見る活動を週に1回以上継続的に実施している市民の割合としており、目標値90%に対し、30年度は61.5%となっております。さらに、福岡市基本計画において、スポーツに関する成果指標を設けており、その指標はスポーツをする場や機会が身近にあると感じる市民の割合としており、目標値70%に対し、30年度は58.8%となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 成果指標の目標として、スポーツをする場や機会が身近にあると感じる市民の割合を70%として設定されていますが、現状値は58.8%ということです。現在の取り組みの進捗についてどのように評価されているのか、御所見をお伺いします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 身近なスポーツ環境に対する満足度につきましては、スポーツ振興計画を策定した平成22年度は46.7%であり、30年度の58.8%と比較すると12.1ポイント増加しております。この間、ウオーキングコースの設定やマップの作成、公園や歩道の整備、公園等における健康遊具の設置、地区体育館の計画的な改修や開館時間の延長などに取り組むとともに、フィットネスクラブなど民間のスポーツ施設も増加しており、満足度の向上につながったものと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) フィットネスクラブなど民間のスポーツ施設の増加もあって、スポーツをする場や機会が身近にあると感じる市民の割合が向上しているようですが、目標達成に向けて、これまで本市が取り組んできた公園や歩道の整備等も含めた事業についても引き続き継続強化していく必要があると感じます。
 ここからは、市民のスポーツ活動を支える施設の中でも、自然環境に左右されず、若者からお年寄りまで、また、個人競技から団体競技まで幅広い市民が本格的に運動することができる市の体育館に着目してお伺いしていきます。
 本市が保有する7つの地区体育館とももち体育館、市民体育館、新設された総合体育館と、閉館しましたが、九電記念体育館の延べ利用人数とメーンアリーナの稼働率について、5年前との比較をお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 議員おただしの体育館の利用者数につきましては、平成26年度が約175万人、30年度が約201万人となっており、メーンアリーナの稼働率は平成26年度が93.1%、30年度が89.7%となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 昨年度は200万人以上が利用しているということですが、総合体育館と本市が保有する7つの地区体育館、ももち体育館、市民体育館の令和元年度の直近半年分の利用者数についてお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 議員おただしの体育館の令和元年度の4月から9月までの利用者数につきましては、約111万人となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 新しい総合体育館ができたことも影響しているのでしょうが、この半年間の利用者数が約111万人ということは、年間を通して見ると、昨年度の200万人を大きく上回る多くの市民に利用されていることが容易に予想されます。先ほどの回答にもありましたが、体育館利用者はこの5年間で25万人も増加し、稼働率も90%と非常に高い率を維持していますし、予約がとれないケースも多発していると聞きます。また、新設された総合体育館を含む体育館の令和元年度の利用者数を見ると、平成31年3月に閉館した九電記念体育館があれば、より多くの利用者が期待できたものと残念でなりません。
 まずは、現在ある本市の体育館において、今後もより多くの市民の方が気軽にスポーツに参加できるよう運用の工夫に努めていただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 体育館の運営につきましては、利用しやすい環境づくりのため、スポーツ教室の運営やイベントを開催するほか、開館時間の延長や利用こまの見直しなどに取り組んでおります。
 今後とも、利用者のニーズの把握などに努め、市民の皆様が利用しやすい環境づくりに努めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 開館時間の延長や利用こまの見直しにより予約の枠数がふえたことや、体育館で開催されているスポーツ教室に参加している市民の方から好評であるとの声を聞きます。ぜひ幅広いより多くの市民の方に体育館を利用していただけるよう工夫、改善を続けていただきたいと思います。
 ただ、運用面での工夫も必要ですが、それだけでは十分ではありません。先ほど名前を挙げた体育館の中にも、老朽化が進んでおり、いつまで使用できるか心配されている施設があると聞いております。身近なところで市民が安心して気持ちよくスポーツに取り組むことができるように、施設の充実についても、あわせて取り組んでいただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 福岡市の体育施設につきましては、近年、総合体育館や今津運動公園野球場などの新たなスポーツ施設の整備を行うとともに、ラグビーワールドカップ開催に向け、レベルファイブスタジアムなどの大規模改修などを実施しております。また、身近な地区体育館などにおいても、利用者の皆様が安全に利用できるよう日ごろから点検や維持補修に努めるとともに、計画的にユニバーサルデザインにも配慮した大規模改修に取り組んでおります。
 今後とも、ハード、ソフト両面において、利用者の皆様の利便性の向上や安全性の向上を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 本市では、スポーツの振興、スポーツに積極的に取り組むことができる環境づくりに力を入れていることはよくわかりました。また、本市が保有している身近な地区体育館などにおいても、利用者の皆様が安全に利用できるよう日ごろから点検や維持補修に努めるとともに、大規模改修に取り組んでいるとお答えいただきました。
 ただ、本市の屋内のスポーツ施設の延べ利用人数と稼働率の状況から明らかなように、市民のスポーツへの関心は非常に高く、たくさんの市民の方がスポーツに取り組もうとしています。2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されることもあり、より一層、市民のスポーツへの関心が高まり、スポーツを始めるきっかけとなることから、本市としても先ほど伺った成果指標であるスポーツをするの現状値53.3%から目標の60%に近づける大きなチャンスであると思われます。
 現在の利用者が引き続き利用できるように、老朽化している施設も含めて市が保有するスポーツ施設の現状規模を維持することに加え、今後ますますふえるニーズに対応する新たな施設整備を検討していただきますよう強く要望いたします。
 次に、市内在住アスリートの支援、協力についてです。
 スポーツには、楽しいレクリエーションや健康づくりのためのスポーツ、目標を持ち成績を追求していく競技スポーツがあります。ここからは、競技スポーツに取り組むアスリートについて伺ってまいります。
 本市は、アスリート、運動を積極的に頑張っている競技者たちにどのような応援をしているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) アスリートや競技者への支援につきましては、市内におけるスポーツ大会の開催に要する経費の一部助成を行っております。また、小中学生が全国規模以上のスポーツ大会に出場する場合、出場に要する経費の一部助成を行うとともに、福岡市スポーツ協会において、ジュニア層の競技力向上を図るため、スポーツ少年大会や強化練習開催に要する経費の一部助成を行っております。さらに、国際大会や全国大会などにおいて顕著な成績を上げたアスリートなどに対し、福岡市市民スポーツ賞を贈呈しております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) スポーツ大会への開催助成や全国大会などに出場するための出場助成など、また、福岡市スポーツ協会においては、ジュニア層の競技力向上を図るため、少年スポーツ大会や強化練習開催に係る経費の一部助成を行っているとのことですが、それぞれの取り組みについて具体的な事業内容をお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) スポーツ大会の開催助成につきましては、福岡市スポーツ協会等が加盟する競技団体が主催者として、一般社会人または大学生を対象とした大会を福岡市内で開催する場合に、大会規模などに応じ、補助金として2万円から8万円を交付しております。また、全国規模以上の大会への出場助成については、福岡市内の小中学生に対し、開催地に応じて補助金として1人当たり2,000円から8,000円を交付しております。さらに、ジュニア層の競技力向上については、福岡市スポーツ協会加盟団体が少年スポーツ大会や強化練習を開催する場合に補助金として1団体当たり10万円を上限に交付しております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 本格的に競技に取り組むジュニア層にとっては、大会へ出場し、そこでたくさんのライバルと競い合うことは、とても大きな経験の場となっています。ぜひたくさんの大会が開催されるよう、ジュニア層も参加しやすくなるようなサポートをお願いします。
 次に、国際大会や全国大会などで優秀な成績を残した団体や個人を表彰する福岡市市民スポーツ賞について伺います。
 市民スポーツ賞はいつから始まったのか、その概要と具体的な選考対象者をお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 福岡市市民スポーツ賞につきましては、昭和54年度に創設したもので、福岡市におけるスポーツ・レクリエーションの健全な普及、発展に寄与した個人または団体に対して贈呈しております。また、市民スポーツ賞の選考対象者は、国際大会または全日本大会において顕著な成績をおさめた方、世界新記録、日本新記録またはこれらに準ずる記録をおさめた方、文部科学大臣表彰等を受けるなど多年にわたりスポーツの普及、振興に著しく功績があった方としております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 市民スポーツ賞の選考対象者は、国際大会または全日本大会において顕著な成績をおさめた者、また、世界新記録や日本新記録に準ずる記録をおさめた者とのことです。昨年度は、全国大会5連覇の高校や国際大会で優勝した若いアスリートが表彰されていますが、競技者は賞をとるまでにたくさんの努力をし、さまざまな壁を乗り越えて、優秀な成績や結果を残しました。優秀な成績を残した競技者の中には、プロを目指すなど次のステップを考えている若者もいると思います。
 そこで、市民スポーツ賞を受賞したような優秀なアスリートに対して本市として何か支援は行っているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 市民スポーツ賞の受賞者につきましては、報道機関への情報提供やホームページ、市政だよりへの掲載などにより広く受賞者の周知、広報を行っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 市民スポーツ賞受賞者の中から、将来、日本を代表するようなトップアスリートが誕生するような本市独自の工夫が必要だと考えます。例えば、本市では今年度、4大陸フィギュアスケートの大会やワールドカップ男子バレー大会、また、ラグビーワールドカップなどさまざまな世界的な大会が開催されました。アスリートにとっては、高いレベルの試合を間近で見ることができるまたとないチャンスであり、このチャンスを最大限活用することはできないでしょうか。スポーツに真剣に取り組もうとしている競技者の育成や、さまざまな競技の知名度を上げるために、例えば、4大陸フィギュアスケートの大会の会場を使用し、大会終了後、そのスポーツに携わっている競技者に、その会場を短い時間でいいので練習ができるように開放する、また、2021年に開催予定である世界水泳の大会終了後、トップアスリートが泳いだ大会の余韻が残っているプールで泳ぐイベントや、世界大会で活躍している選手たちの練習風景を見学し、身近に感じられるような体験をするなど、世界的な大会を活用して市内のアスリートのモチベーションを上げるような取り組みを期待いたします。
市民スポーツ賞の受賞者に対し、現在、本市ではホームページや市政だよりへ掲載しているとのことですが、積極的なPRを実施することは、スポンサーの目につく機会がふえることから、競技に係る選手の費用負担が軽減されることを願いたいと思っています。本市でも費用の一部を負担することを検討していただければと思います。
 他都市の事例を御紹介しますと、久留米市では2020年の東京オリンピック・パラリンピックなどで活躍が期待されるジュニア選手を支援するトップアスリート支援事業に取り組んでいます。その事業内容は、大会や合宿での交通費、宿泊費、備品購入費などを1人当たり最高50万円補助するもので、市内居住か市内の学校に通学、市内の小学校を卒業した選手で、オリンピック・パラリンピック競技に携わっている人が対象で、前年度の国際大会や全国大会の成績によって年度ごとに認定し、A、B、Cの3つのランクづけをし、ランクに応じた補助を実施しています。また、大阪府茨木市では、東京2020オリンピック・パラリンピックで活躍が期待できる選手に対し、50万円を限度とする補助金を交付しており、選手の競技活動に係る経済的負担の軽減を図るとともに、市を代表する選手としての意識と自覚を醸成し、茨木市におけるスポーツの推進を図ることを目的とする茨木市トップアスリート支援事業というものです。補助の対象者は、市内に在住し、在学しまたは在勤する者、競技活動により報酬を得ていない者、市と協力して本市のスポーツの推進に取り組むものとして市長が認める者、中央競技団体等から日本代表として指定を受けている者、日本オリンピック委員会の強化指定を受けている者、日本オリンピック委員会の正加盟団体から強化指定を受けている者、日本パラリンピック委員会の強化指定を受けている者、日本パラリンピック委員会の加盟競技団体から強化指定を受けている者としています。
 本市でもぜひ他都市のようにトップアスリート支援事業に取り組んでいただきたいと考えますが、御所見をお伺いします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) アスリートや競技者への支援につきましては、これまでもスポーツ大会の開催や全国大会出場への一部助成などを行っておりますが、トップアスリートへの支援については、他都市の取り組みなども参考にそのあり方も含め、今後研究してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 世界大会やオリンピック・パラリンピックを目指そうとしているアスリートは、努力する、才能がある、実力がある、しかし、中には金銭的に、経済的に競技の継続が困難なアスリートがいると聞いております。頂点を目標とし、一生懸命頑張っているアスリートの姿を見ることで、勇気をもらったり、希望を持ったりするでしょう。
 そこで、スポーツに真剣に取り組んでいるアスリートたちにさまざまな支援が必要だと考えます。例えば、本市で高い目標を持ち、世界を目指している競技者に対して、競技者の露出度を高めて企業とのかけ橋になれるような取り組みや、久留米市や茨木市が行っているような支援など競技者には必要だと考えます。ぜひ本市でも、高い目標を持ち、世界を目指している競技者に対し、支援していただきたいと強く要望いたします。
 次に、豪雨災害対策についてです。
 近年、温暖化の影響による自然災害が多発しており、ゲリラ豪雨のような局所的豪雨により、下水道の排水処理が間に合わず、マンホールのふたを押し上げ、あふれ出しているような映像を頻繁に見るようになりました。このような局所的豪雨への対策の一つとして、雨水を貯留する施設の整備も進められていると聞いています。台風19号では、各地で豪雨の被害が発生しました。私の住んでいる博多区では近隣に大きな川があることから、何人もの方から博多地区は大丈夫なのかという声をいただきました。
 そこで、雨水整備レインボープラン博多で整備した山王雨水調整池について伺ってまいります。
 まず、雨水整備レインボープラン博多が策定された経緯をお尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 福岡市におきましては、平成11年6月29日に時間雨量79.5ミリの集中豪雨により市内各所で甚大な浸水被害が発生しました。特に博多駅周辺地区におきましては、地下空間を含め、広い範囲で浸水が発生し、とうとい人命が失われました。交通機関も停止し、都市機能が麻痺する事態となりました。これを受け、平成12年度に雨水整備Doプラン、これを策定し、取り組みを進めておりましたが、平成15年7月19日にも再び博多駅周辺地区で甚大な浸水被害が発生したところでございます。これを踏まえ、博多駅周辺を三たび浸水させないという強い決意のもと、浸水安全度のさらなる向上に向けて国との協議を重ねました。当時は、国の雨水施設整備水準といたしましては、一般的に10年に1度程度までの降雨、これは福岡市では時間雨量59.1ミリに相当いたしますが、これに対応するものとされていました。国との協議の結果、我が国で初めて福岡市において、これまでの水準を大幅に上回る雨量も考慮できることとされました。
 こうして先ほど冒頭で触れました平成11年集中豪雨における時間雨量である79.5ミリ、これに対応できる整備水準へと引き上げた計画、雨水整備レインボープラン博多を平成16年度に策定いたしまして、緊急的かつ重点的に取り組んだところでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) では、博多駅周辺地区の取り組みである整備水準を引き上げた雨水整備レインボープラン博多では具体的にどのようなことに取り組んだのか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 雨水整備レインボープラン博多での取り組みといたしましては、先ほど申し上げましたような経緯の中で、施設の整備水準を実績降雨まで引き上げ、従来の雨水管やポンプ場などのいわゆる流下型施設の整備に加えまして、山王雨水調整池などの雨水貯留施設やあるいは浸透施設の整備に取り組み、平成24年度には主要施設の全てが完成いたしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 雨水整備レインボープラン博多では、雨水管やポンプ場などの流下型施設の整備に加え、山王雨水調整池などの雨水貯留施設の整備に取り組んだとのことですが、本市内に雨水貯留施設は幾つあるのか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 下水道に係る雨水貯留施設といたしましては、雨水整備Doプランや雨水整備レインボープランに基づき福岡市が整備するものと、民間が設置する雨水貯留タンクなどがございます。
 福岡市が整備いたしました雨水貯留施設の設置数につきましては、まず、博多区においては、山王公園の地下に整備しました貯留施設であります山王雨水調整池を初め、7施設、また、中央区内は天神周辺地区におきまして、貯留機能を有する雨水管渠として2施設を整備しており、合計で9施設となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) では、雨水整備レインボープラン博多で整備した山王雨水調整池の役割についてお尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 山王雨水調整池は、雨水整備レインボープラン博多の主要な施設として、平成18年6月に供用開始いたしました。その役割は、当該地域に降った雨は通常でしたら雨水管により排水されますが、豪雨時に雨水管の排水能力を超える雨水が地表にあふれる前に同調整池に一時的に貯留することにより当該地域における浸水の防除を図るものでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 山王雨水調整池の貯留量についてわかりやすくお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 山王雨水調整池は3つの施設から成ってございます。
 まず、山王公園内の野球場を約1.8メートル掘り下げまして、降雨時に最大で水深1.5メートル、約1万3,000立方メートルの雨水を貯留できる施設でございます。また、同公園内の多目的グラウンドの地下に、長さ78メートル、幅35メートル、深さ6.4メートルで約1万5,000立方メートルの雨水を貯留できる施設がございます。3つ目は、雨水を排水するポンプ施設と併設し、約2,500立方メートルの雨水を貯留できる施設でございます。
 これらの施設全体での貯留量は約3万立方メートルに達し、小学校のプールで約85杯分に相当するものでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 山王雨水調整池の貯留量は施設全体で約3万立方メートル、小学校のプールで約85杯分に相当する量ということです。
 山王雨水調整池の今までの稼働回数とその整備効果をお尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 山王雨水調整池は、平成21年7月24日と同26日、平成24年7月20日、平成25年8月31日の計4回稼働いたしました。
 このうち、平成21年の中国・九州北部豪雨におきまして、7月24日には時間最大雨量116ミリが観測されました。これは、ことし10月に発生いたしました台風19号での1時間における最大雨量を上回っておりますが、このときでも山王雨水調整池で少なくとも約2万立方メートルの雨水を貯留したことなどにより、博多駅周辺では大きな浸水被害は発生しておらず、施設の整備効果が発揮されたものと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 博多駅周辺地区では、平成21年7月24日に発生した時間最大雨量116ミリの豪雨に対しても、山王雨水調整池などの整備効果により大きな浸水被害は発生しなかったとのことですが、地球温暖化による気候変動により、これまでの想定以上の豪雨や台風が発生し、ハード整備では対応できず、風水害が発生する可能性は今後ますます高まってくるものと思われます。
 そこで、実際の風水害時に市民に適切な避難行動をとってもらうため、避難情報を的確に発信する必要があると考えますが、どのような情報伝達手段を用いているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 災害発生時の避難情報の伝達手段につきましては、テレビやラジオを初め、ホームページへの掲載や防災メール、各種SNSや緊急速報メールなどによって広く発信するとともに、広報車を利用し、地域における周知を図るなど、多様な手段を用い、迅速かつ的確な情報発信を行っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) では、河川が氾濫するおそれがある場合、テレビやラジオ、ホームページ、また、防災メールや各種SNS、緊急速報メールなどのほか、広報車による地域巡回など、さまざまな手段を用いて発信しているとのことですが、避難情報を受けた市民はどこに避難すればよいのでしょうか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 河川氾濫のおそれがある場合につきましては、あらかじめ指定した避難所のうち、災害の状況及び規模を勘案し、公民館や小学校などの適切な避難所を開設いたします。住民の皆様には、最寄りの避難所への避難や御自宅での垂直避難など、その状況に応じ、御自分の命を守るための適切な避難行動をとっていただきたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 災害時に適切な避難行動をとるためには、平時からの取り組みが重要と考えます。
 そこで、市民への防災に関する啓発をどのように行っているのでしょうか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 災害時における適切な避難行動につきましては、日ごろからハザードマップ等により御自宅周辺の危険度を確認しておいていただき、災害時には気象情報や福岡市が発令する避難情報を踏まえ、状況に応じ、適切な避難行動をとっていただくことが重要であると考えております。
 このため、市政だよりやホームページなどによる広報を行うほか、各種講演会や地域での出前講座を実施するとともに、河川の浸水や土砂災害に関するハザードマップ、防災の手引きを配布するなど、災害時の適切な避難行動につながるよう防災知識の周知、啓発に取り組んでおります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 本市では、市政だよりやホームページなどによる広報や、各種講演会や地域での出前講座を通じて、ハザードマップ等により自宅周辺の危険度を確認していただくなどの周知、啓発に取り組んでいただいておりますが、パソコンやSNSなど使用できない方々もおられますので、まだまだ多くの市民に知っていただく必要があると思います。
 いつ起こるかわからない自然災害への対応は、公助だけでは限界があり、自助、共助の取り組みは不可欠ですが、そのためには御自身や地域での事前の備えが必要です。各校区において、地域の特性に応じた効果的な防災訓練が行われるよう支援するとともに、学校や公民館を初め、福祉施設や病院での出前講座などを通じて、子どもから高齢者まで御自身のお住まいの地域における災害時の適切な避難行動をあらかじめ知っていただくことが重要だと考えます。また、先日、我が会派で実施した議会報告会でこんな声をいただきました。万が一、福岡市内に大きな災害があった場合どうしたらいいのかという声や、外出先での避難はどうしたらよいのかなどの声をいただきました。
 また、本市には多くの外国人の方や観光客の方々が訪れています。どのような対応をしていいのかわからないと思いますので、誰もがわかりやすい告知をしっかりしていただくよう強く要望し、私の質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦)登壇 私は福岡令和会を代表して、民生委員の業務の見直しについて、外国人材の獲得について、以上2点について質問いたします。当局の明快な回答を期待いたします。
 まず、民生委員の業務の見直しについてお尋ねします。
 民生委員におかれましては、今月1日に3年に1度の一斉改選が行われ、福岡市では2,345名の方が委嘱をされております。高齢者や障がい者を初め、地域で手助けを必要とされる方々に対して献身的な活動を行われている民生委員の皆様に改めて心から敬意を表するとともに、深く感謝申し上げます。
 近年では、高齢化の進展など社会情勢の変化に伴い、民生委員の活動内容も昔に比べて複雑多岐になっていることから、ややもすると民生委員の仕事は大変だというイメージだけが先行してしまい、なり手が見つからないといった声をよく耳にします。
 そこでまず、民生委員の活動内容はどのように規定されているのか、お尋ねいたします。
 以上で1問目の質問を終わり、2問目からは自席にて行います。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 民生委員の職務につきましては、民生委員法第14条におきまして、住民の生活状態を必要に応じ把握しておくこと、援助を必要とする者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、生活に関する相談に応じ、助言その他の援助を行うこと、援助を必要とする者が福祉サービスを適切に利用するために必要な情報の提供その他の援助を行うこと、社会福祉を目的とする事業を経営する者または社会福祉に関する活動を行う者と密接に連携し、その事業または活動を支援すること、社会福祉法に定める福祉に関する事務所その他の関係行政機関の業務に協力することと規定をされております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) 民生委員は、先ほど答弁のあった本来の業務以外にも行政や社会福祉協議会などから多くの依頼を受けており、それが大きな負担になっているとも聞きます。私は、民生委員の業務は活動の限界に来ており、このままでは民生委員のなり手がいなくなるのではないかとの思いから、平成26年度及び29年度にも民生委員の業務の見直しについて質問してまいりました。
 そこで、民生委員の負担の軽減について、私が質問した平成26年度以降、具体的にどのようなことに取り組んできたのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 民生委員の負担軽減につきましては、民生委員の改選ごとに定数の見直しを行い、平成26年度からは92名の増員を行っております。また、民生委員活動に資する施策としまして、平成27年度に地域包括支援センターの増設や土曜日の開庁を始めたほか、平成30年度にはスクールソーシャルワーカーの配置を全中学校区に拡大をいたしております。さらに、業務の一部を見直し、災害時要援護者台帳調査につきましては平成27年度で終了しますとともに、敬老祝い金及びシルバー手帳の配付につきましては平成28年度で終了いたしております。
 このほか、これまでのさまざまな調査依頼やイベント等への参加依頼、各種団体からの役員就任依頼に対しまして、現在、民生委員の御意見をお聞きしながら精査を行っているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) 市としてさまざまな施策に取り組み、また、多くの業務を見直していることについては評価したいと思いますが、これらの施策や見直しによって民生委員の活動状況はどのように変化したのか、また、負担軽減の効果は出ているのか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 民生委員の活動状況につきましては、災害時要援護者台帳調査業務の終了などによりまして、平成26年度と比べ、平成30年度は調査等の件数が30%以上減少するなど、行政からの依頼事項を見直してきた効果があらわれてきているものと考えております。しかしながら、単身世帯の増加や地域コミュニティの希薄化、高齢化の進展など社会状況の変化に伴い相談などの本来業務が増加しておりまして、年間活動日数は平成26年度以降、横ばいの傾向となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) さきの一斉改選で2,345名の民生委員が委嘱されていますが、先ほど答弁があったように民生委員の負担が依然として大きい中、これほど多くの方を候補者として推薦していただけたのは、地域の方の並々ならぬ御努力があったものと思います。実際、私も地域の方から悲鳴にも似た声をお聞きしております。
 そこで、市は民生委員の候補者を推薦するに当たって地域の方々の声を聞いているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 民生委員の推薦に当たりましては、自治会長や町内会長を初めとした自治協議会等の皆様方に大変な御苦労をおかけしていることは承知をいたしておりますが、民生委員は地域との連携、協力や信頼が必要であることから、地域の方々に候補者の推薦をお願いしているところでございます。こうした中、自治協議会等への推薦依頼の説明会などにおきまして、報酬がなく、負担も大きい民生委員の候補者を探すのは容易ではないといった意見が多くございました。このような地域の皆様の意見を今後の民生委員の推薦依頼に反映させていくため、ことしの9月より自治協議会会長、自治会長、町内会長を対象といたしまして、民生委員の推薦に係るアンケート調査を実施したところでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) 地域の方は本当に大変であったろうと思います。地域の方々へ民生委員の推薦に係るアンケート調査を実施されたということですが、現時点で把握できているもので構いませんので、民生委員のなり手不足についてどのような意見が多かったのか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 自治協議会等へのアンケート調査につきましては、民生委員の候補者の探し方や、なり手不足の原因として考えられること、また、なり手の確保に有効だと思う方策などについてお尋ねをしております。現在、集計の途中ではございますが、民生委員の確保に有効だと思う方策といたしましては、役割のうち、軽減可能なものを整理して見直す、活動費を増額する、制度や活動内容について周知を積極的に行うなどの意見が多くなっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) 地域の方へのアンケートの結果によると、民生委員のなり手を確保していくためには、業務の軽減に加えて活動費を増額すべきという意見が多いようです。
 そこで、本市の活動費は幾ら支払われているのか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 民生委員の活動費につきましては、民生委員法第10条により、民生委員には給与を支給しないとされていることから、市は交通費や通信費などの費用弁償のみを支給いたしておりまして、その額は年間1人当たり10万2,000円となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) 年間で1人当たり10万2,000円とのことですが、この活動費の額は他の政令指定都市や春日市、大野城市など福岡市の近郊の市と比べてどのような状況なのか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市の費用弁償の額につきましては、政令指定都市において高いほうから6番目でありまして、政令指定都市の平均は7万9,000円余となっております。また、福岡県内の市町村につきましては、政令指定都市及び中核市を除き、一律5万9,500円とされております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) 他の政令指定都市や県に比べて活動費の額が高いということはわかりましたが、年間10万2,000円、月にすると8,500円では、高齢化が進展する社会の中でますます重要性が増している民生委員の活動実態に合わないのではないかと思います。民生委員は無給のボランティアということですが、活動内容はボランティアの域をもう既に超えています。地域へのアンケート結果についても、民生委員の確保に向けて業務の軽減や活動費の増額が必要との意見が多かったとのことですが、私も本当にそのとおりだと思います。
 市は地域の声に真摯に耳を傾け、民生委員のさらなる業務の見直しに加えて活動費を増額すべきと思いますが、当局の考えをお伺いし、この質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 民生委員の負担軽減に向けまして、業務のさらなる見直しに加え、各種団体からの調査依頼やイベント参加依頼、役員就任依頼の精査など不断の見直しに努めてまいります。また、民生委員が活動しやすい環境づくりに向けまして、民生委員及びその活動を地域住民に広く理解いただくための広報、啓発に努めますとともに、活動費につきましては、社会情勢の変化等を踏まえながら、民生委員の活動実態に即したものとしていく必要があると考えております。
 今後とも、民生委員や地域の御意見をしっかりお聞きをしながら、民生委員の担い手の確保に努めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) 次に、外国人材の獲得についてお尋ねします。
 福岡市は、古来から日本とアジアとの交流拠点として発展してきました。国際的な都市間競争が激化する現代において今後も活力を維持し続けるためには、アジアの交流拠点都市として世界中の人を引きつける都市を目指し、さまざまな施策に取り組む必要があり、その中で外国人に対する施策は重要な事項の一つでもあると考えます。また一方、市内中小企業では人手不足が大きな経営課題であるとの声もよく耳にしています。国内人材の最大限の活用はもちろんのこと、今後、多様な価値観、経験、ノウハウ、技術を持った外国人材を積極的に獲得していくことは、福岡市のさらなる経済発展の観点からも重要ではないでしょうか。
 そこでまず、福岡市を含む福岡地域における外国人労働者は5年前と比較してどのような状況なのか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 福岡労働局によりますと、福岡市を含む福岡地域の外国人労働者数は平成30年10月末時点で3万736人であり、平成25年は1万200人でありましたので、約3倍となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) 福岡地域でも外国人労働者数は5年間で約3倍に急増しており、外国人材の受け入れ対策は待ったなしの状況です。今後の対策を考える上で、福岡地域だけでなく、福岡市の状況を把握する必要がありますので、ぜひ福岡労働局に対して福岡市データの公表を申し入れるよう要望しておきます。
 さて、外国人材の受け入れについては、いろんな国や地域から来た外国人が言葉の壁を感じることなく、福岡で安心して暮らすことができる生活環境と、留学生の就職や外国人の創業など外国人が活躍しやすい環境を整えることが必要となっています。
 そこで、外国人が安心して暮らせる生活環境や活躍できる環境の整備に向けた福岡市の取り組みについてお尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 外国人が安心して暮らせる生活環境の整備につきましては、多言語による生活情報の提供、生活ルール、マナーの紹介、日本語取得の促進、地域における国際交流の促進、ワンストップ型の外国人相談窓口の設置などを行っております。
 次に、外国人が活躍できる環境整備につきましては、将来、活躍が期待される優秀な留学生の育成、定着の促進を目的として地場企業へのインターンシップ事業などを行っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 外国人が活躍できる環境整備のうち、外国人の創業につきましては、福岡市はグローバル創業都市・福岡の実現を目指しており、日本で創業を志す外国人が円滑にビジネスを立ち上げることができるよう、在留資格に係る規制を緩和するスタートアップビザを活用するなど外国人の創業支援に取り組んでおります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) ワンストップで外国人からの相談を受けることができる窓口の設置を初め、福岡に来た外国人が生活しやすい環境を整備してきた点は評価したいと思います。また、高度人材の卵である留学生の育成、定着の促進や創業を行う外国人材の誘致は福岡市の成長の強みとなるものですので、さらに磨きをかけてください。
 ここからは、外国人材を獲得するための市の施策について尋ねていきたいと思います。
 冒頭で述べたとおり、福岡市のさらなる経済発展の観点からも外国人材の獲得は避けて通れない課題と考えますが、一方、市内の中小企業における外国人材の雇用は現状余り進んでいないように感じられます。
 今年度、福岡商工会議所がアンケートを実施されているようですが、その結果をどのように分析されているのか、お尋ねをいたします。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 福岡商工会議所が行ったアンケートによりますと、外国人材を受け入れている市内の企業は3割程度となっております。また、外国人材を受け入れていない理由としては、外国語が話せる社員がいないという回答のほか、文化の違いがわからない、ビザ等の知識がないなどが挙げられ、外国人材受け入れに関する知識やノウハウが不足していることが要因の一つであると認識をしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) 企業の中には、海外から外国人材を獲得するために海外に出向いて現地の日本語学校と接触したり、現地でみずから日本での就業を前提とした研修を行うなど独自に活動を行っている事業者もおられます。しかし、市内の中小企業では、ノウハウがない、時間がかかるなど外国人材の雇用はハードルが高いのが実態のようです。そこで、福岡市が姉妹都市としてのつながりを生かしたり、情報提供など側面的な支援にかかわることで中小企業の現地での信頼度が増し、3年かかることが1年で終わることもあるかもしれません。
 そこで最後に、今後も人手不足が心配される中、中小企業の外国人材の獲得に向け、福岡市の支援が必要であると思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 市内の中小企業におきましては、特に人材の確保が課題となっており、人材不足への対策の一つとして外国人材の雇用は有効であると認識しております。福岡市としましては、中小企業が外国人材を雇用できるよう経済団体や中小企業等と連携するとともに、姉妹都市との関係性の活用も含めて、知識、情報の提供や、イベント、セミナー開催などの支援を検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 国分徳彦議員。
○47番(国分徳彦) 今後、福岡市が一層の成長を遂げるには、世界中から優秀な人材が集まる選ばれる都市になっていくことが重要です。他都市に学ぶのではありません。福岡市こそが他都市のモデルとなって、日本を牽引していく役割を担っていくべきです。
 福岡市として他都市に先駆けて外国人材獲得のロールモデルを構築し、先人たちが築き上げたアジアの交流拠点福岡市をさらに次のステージに上げる施策に取り組んでいただくことを強く要望し、私の質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) この際、休憩し、午後2時45分に再開いたします。
午後2時31分 休憩  
午後2時45分 開議  
○議長(阿部真之助) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。堤田寛議員。
○3番(堤田 寛)登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表して、悪質な客引き対策について、宿泊税導入に向けた取り組みについて、スポーツMICEの推進について、以上3点について質問いたします。
 まず、悪質な客引き対策についてお尋ねいたします。
 本年6月議会では、悪質な客引き行為によって、地域住民や通行人、まちを訪れる方々などが不安を感じることから、誰もが安心して公共の場所を通行し、利用することのできる安全、安心で快適なまちづくりのために一定のルールづくりが必要ではないのかとお尋ねいたしました。
 さらに、決算特別委員会で我が会派の南原議員が総会質疑を行い、すぐにできる対策は、地域や警察と連携してしっかりと取り組むとともに、悪質な客引き行為等を規制する条例の早期制定についてお尋ねし、福岡県に対して福岡県迷惑行為防止条例の拡充を要望するとともに、実態を踏まえ、実効性のある対策を検討するなど、悪質な客引きを許さない安全、安心のまちづくりに向けて取り組むとの答弁をいただきました。
 しかし、マスコミ報道によると、サービスします、地元の個人経営の店だから安心ですよと通行人らに声をかけ、居酒屋などに誘う客引き行為が、天神・大名地区及び博多駅地区でふえており、しつこくつきまとったり、うそをついて予約店をキャルセルさせたりする悪質なケースもあり、実際に逮捕者も出ている状況であります。
 本日の質問では、福岡市における悪質な客引きを許さない、安全、安心のまちづくりに向けた取り組みの内容や福岡県への要望状況などについて、具体的に確認してまいります。繁華街における悪質な客引き行為等は、一朝一夕に根絶できるような問題ではなく、地域、警察、行政が一体となって、まち全体として悪質な客引き行為をなくそうとする対策が不可欠であると考えます。そのためにも、現在の取り組みをさらに強化し、あわせて、地元の自浄作用が働くような取り組みを行うなど、総合的な対策を講じていくことが必要であると思います。
 そこでまず、新聞報道では、博多駅筑紫口と天神・大名地区で客引きの実態調査を行うとのことでしたが、調査概要と結果についてお尋ねします。また、調査結果を今後どう生かすのか、お尋ねいたします。
 あわせて、天神・大名地区で悪質な客引き対策について地元が自主的な活動を行うと聞いておりますが、どのような状況であるのか、また、市としてこうした地元の活動をどう支援するのか、お尋ねします。
 次に、宿泊税導入に向けた取り組みについて質問をいたします。
 先月、総務大臣の同意を得て、令和2年4月から福岡市観光振興条例並びに福岡市宿泊税条例が施行されることになり、宿泊税が導入されます。これまでも福岡市は、交流人口の増加を通じて都市の発展を図るため、観光・MICE施策を積極的に推進してきました。
 そこでまず、観光・MICE振興の大きな成果の一つとして、インバウンドの増加が挙げられると思いますが、福岡市への外国人入国者について、過去3年間の推移についてお尋ねします。
 次に民泊についてですが、これまで条例の議論を進めていく中で、観光と市民生活の調和は一つのテーマであったと記憶しております。昨年6月の民泊新法施行前までは、民泊の大半は旅館業法の必要な許可を取得しておらず、いわゆる違法民泊がはびこる状態でした。このような状態を改善するため、市としては違法民泊ゼロに向けた取り組みを進めてきたと思いますが、民泊施設に関して、過去3年間の旅館業法の許可や住宅宿泊事業法の届け出施設数の推移についてお尋ねいたします。また、市民、旅行者の安全、安心を確保するために、民泊施設への監視指導を強化しなければならないと思いますが、これまでの取り組みやその成果についてお尋ねいたします。
 次に、スポーツMICEの推進について質問いたします。
 日本初開催のラグビーワールドカップは、日本代表の活躍もあって、日本中が大いに沸きました。恐らく大会前の予想を大きく上回る盛り上がりだったのではないでしょうか。来年は東京オリンピック・パラリンピックの開催、令和3年にはここ福岡市で世界水泳選手権の開催と、日本で3年連続で世界規模の大会が開催ということで、スポーツ熱をさらに高めていきたいと願い、ラグビーワールドカップでの取り組みや現在予定されている福岡市でのスポーツ大会の準備状況をただし、今後の大規模国際スポーツ大会の招致に対する考えをお尋ねいたします。
 まず、ラグビーワールドカップについてですが、大会期間中、ここ福岡市でも3試合が開催され、スタジアムはほぼ満席となり、まちの中も国内外から訪れたラグビーファンでにぎわいました。この大会を成功に導くため、大会の認知度を向上させ、チケットの販売も促進し、市民の期待感も高めていく必要もあったかと思われますが、大会開催に向け機運の醸成にどのように取り組んできたのか、お答えください。また、ラグビーファンを迎えるに当たってどのような取り組みを行ってきたのか、お尋ねします。
 大会では、準備や運営に携わった関係者以外にも多くのボランティアの方々に活動いただいたと聞いておりますが、大会ボランティアとして何人ぐらいの方に活動いただいたのか、どのような活動を行ったのか、お尋ねします。
 大会期間中、福岡市では公認チームキャンプ地として、イタリア、アメリカ、サモアの3チームを受け入れました。試合に向けた調整を行う中、限られた時間でしたがチームとの交流イベントが開催されたと聞いております。
 そこでお尋ねしますが、具体的にどのような交流イベントを行ったのか、お答えください。
 以上で1問目を終わり、2問目からは自席にて質問いたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) まず、悪質な客引き対策に関する御質問にお答えいたします。
 客引き行為の実態調査につきましては、天神・大名地区、博多駅筑紫口地区、中洲地区において午後5時から午前0時まで、1時間ごとの巡回、目視により、令和元年11月21日から12月1日の間に延べ8日間実施しております。その調査結果について、最も多くの客引きが確認できた時間帯と人数を申し上げますと、天神・大名地区は9時台で111人、博多駅筑紫口地区は9時及び10時台で55人、中洲地区は9時台で15人となっております。
 今後この調査結果をもとに防犯カメラの設置やさらなるパトロール活動の強化を実施するなど、福岡県警と連携を図りながら、悪質な客引き行為の根絶に向けた取り組みを推進してまいります。
 次に、天神・大名地区における地域の自主的な活動状況につきましては、令和元年10月25日に天神・大名地区安全安心のまちづくり推進協議会が立ち上がり、悪質な客引き行為等の根絶に向け、呼び込みは自店舗前で行うことや、モラル・マナーを守り不快感を与えるような行為をしないこと、客引き専門業者を利用しないことなどの安全、安心まちづくり指針を定め、賛同者を募って活動の輪を広げていく取り組みが始まっているところでございます。
 また、11月29日には当協議会の決起集会及び街頭キャンペーンが行われ、福岡県警及び本市も参加し、来街者等に対しまして啓発グッズを配布するなど、悪質な客引き行為への注意を呼びかける啓発活動を実施したところでございます。
 本市といたしましては、今後とも、福岡県警とも連携を図りながら、従来から実施している合同パトロールのさらなる充実や飲食店等及び来街者に対しても啓発活動を行うなど、悪質な客引きを許さないまちづくりに向けた取り組みを、地域と共働しながら積極的に推進してまいります。
 次に、スポーツMICEの推進に関する御質問にお答えいたします。
 ラグビーワールドカップの機運醸成の取り組みにつきましては、大会の1年前や500日前などの節目に、イベントやセレモニーを開催するとともに、ラグビー日本代表のテストマッチのパブリックビューイングや、小学校でのトップリーグ選手を招いたラグビー教室などを実施しております。また、各種メディアを通じた大会の魅力発信や各種イベントへのブース出展等を行い、大会のPRなどに取り組んでまいりました。
 次に、ラグビーファンを迎える取り組みにつきましては、おもてなしの拠点としてJR博多駅前にファンゾーンを設置しパブリックビューイングを実施するとともに、福岡ならではの食べ物や着物の着つけ体験などのブース出展、駅構内に設置した、大会をモチーフとした山笠により、ラグビーファンの皆様に、福岡や日本の文化を楽しんでいただきました。
 また、天神・渡辺通やはかた駅前通りでの街路灯バナーの掲出などにより都心部を装飾するとともに、スタジアム最寄りである福岡空港駅では、ホームからスタジアムへの動線に合わせ、ラグビー選手が躍動する姿で壁一面を装飾し、大会の雰囲気づくりに取り組んだところでございます。
 次に、大会では、約700人の方がボランティアとして試合会場やそのアクセス経路、ファンゾーンなどにおいて、国内外から来られた観戦客に対し、会場案内や誘導などを行っていただきました。また、試合後にはハイタッチなどで観戦客を見送るなど、盛り上げ役としての活動も行っていただきました。
 最後に、各国チームとの交流につきましては、公認チームキャンプ地として受け入れたイタリア、アメリカ、サモアの各代表チームと交流イベントを実施しており、9月25日にイタリア代表チームが市立席田小学校を訪問し、ボールパスのデモンストレーションを披露するなど、全校生徒との交流を行っております。
 また、9月29日と10月8日には、アメリカ代表チームとサモア代表チームがそれぞれ福岡市博物館を訪れ、地元のジュニアチームや高校ラグビー部の選手と一緒に、特別展「侍〜もののふの美の系譜〜」を観覧するなどの交流を実施しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 宿泊税導入に向けた取り組みについてお答えいたします。
 福岡市における外国人入国者数の過去3年間の推移でございますが、福岡空港及び博多港から入国した外国人の数は、平成28年が約257万5,000人、29年が約298万3,000人、30年が約309万4,000人となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 民泊に関する御質問にお答えをいたします。
 まず、旅館業法に基づく許可施設数につきましては、平成29年度末で99施設、30年度末で322施設、令和元年度は10月末で442施設となっております。また、住宅宿泊事業法に基づく届け出施設数につきましては、法が施行された平成30年6月から年度末までで699施設、令和元年度は10月末で985施設となっております。
 次に、民泊施設への監視、指導につきましては、平成30年度から環境衛生監視員を増員し、監視、指導体制を強化しますとともに、民泊の苦情相談窓口を一元化、明確化し、迅速に対応を行っております。また、福岡県警と協定を締結し、違法民泊ゼロ作戦としまして、市内で1,000件を超える要確認施設を抽出し、一つ一つ調査、確認をし、必要なものには指導をするという徹底した調査、指導を行っております。こうした取り組みによりまして、違法民泊はおおむね解消されてきているものと考えておりまして、民泊に関する苦情も着実に減少してきております。
 今後とも、新たに設置される施設の対応も含めまして、引き続き民泊施設への監視、指導に徹底して取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堤田寛議員。
○3番(堤田 寛) それでは、2問目にまいります。
 まず、悪質な客引き対策についてです。
 実態調査につきましては、結果をしっかりと分析し、現状を把握した上で繁華街対策としての防犯カメラを積極的に設置するなど、地元や警察と連携し、悪質な客引きを許さないまちづくりの強化に努めてほしいと思います。
 さて、ただいまの答弁によりますと、天神・大名地区では、天神・大名地区安全安心のまちづくり推進協議会を立ち上げ、悪質な客引き行為等の根絶に向け、自主ルールとして、客引き専門業者を利用しないなどの安全安心まちづくり指針を定め、賛同者を募り活動の輪を広げているとのことでした。
 11月29日の決起集会及び街頭キャンペーンには、私と我が会派の稲員議員も参加したところであり、こういった活動は地道に続けていくことが必要だと改めて実感いたしました。博多駅周辺についても、悪質な客引き行為などが問題となっておりますので、博多駅周辺においても地域団体の方々や警察とも連携して対策を行うことが必要だと思います。
 しかしながら、実態調査の結果によりますと、時間帯によっては大変多くの客引きがいます。これでは通行の妨げになることはもちろん、まちの環境悪化や治安の低下を招くおそれがあります。この状態に対して何の対策も打たなければ、悪質な客引きが当たり前のまちになってしまうため、地元の自主ルールはもちろんですが、これを規制する市条例などの一定のルールが必要ではないかと思います。
 先日の新聞報道では、決算特別委員会における我が会派の総会質疑に対する島市長の答弁を踏まえ、小川知事が県警と県及び北九州、本市の4者の実務者レベルで対応を協議する方針であることが報じられておりますが、福岡県に対し、福岡県迷惑行為防止条例の拡大、拡充を要望していると思いますが、要望状況とその趣旨についてお尋ねします。さらに新聞報道で、福岡県と協議を行っていくとのことでありましたが、その検討状況についてお尋ねします。
 次に、宿泊税導入に向けた取り組みについてです。
 福岡市が観光・MICE都市としてさらなる発展を目指すに当たっては、これまでの施策を推進してきた中で見えてきた課題もあるのではないかと思います。例えば、さまざまな国、地域から訪れる外国人観光客に対し、福岡の歴史や伝統文化資源をより堪能していただくための体験コンテンツづくりや飲食店舗などでの多言語対応の充実など、訪れる方がより快適に過ごし、満足度を一層高めるための取り組みが必要であると思います。
 そこで、今後、観光振興を進めていくに当たって、観光・MICE施策における課題をどのように認識しているのか、お尋ねいたします。
 次に、民泊についてです。
 違法民泊はほぼ解消されたとの答弁でございましたが、まだまだ悪質な違法民泊があるとの声も聞こえてきます。今、民泊は黎明期であり、玉石混交の状態です。本人確認ができない場合など、犯罪者やテロリストの潜伏、違法薬物の取引等に悪用される事態も起こり得ることから、民泊施設への監視、指導は徹底的に行ってもらいたいと思っています。
 そこで、これまでの取り組みを踏まえ、民泊に関して今後の課題をどのように認識しているのか、お尋ねいたします。
 次に、宿泊税の課税開始に向けた宿泊事業者への取り組みについてです。
 宿泊税の課税に当たり、宿泊事業者には特別徴収にかかわる事務を行っていただくこととなります。そのため、円滑な課税の開始には宿泊事業者の御理解と御協力が不可欠になりますが、宿泊税の課税開始に当たり、特別徴収義務者となる宿泊事業者に対して、宿泊税の制度や特別徴収事務に関する説明をどのように実施したのか、お尋ねします。
 さらに、宿泊事業者は特別徴収義務者として日々の宿泊者への説明や宿泊税の徴収、毎月の申告納入など、さまざまな事務の負担が生じることとなります。特に外国人宿泊者への説明や徴収には不安を感じているのではないでしょうか。また、経営規模の小さい事業者ほど、この特別徴収に係る負担感は大きくなるのではないかと思います。
 そこで、宿泊事業者の事務負担軽減のための取り組みがあるのか、経営規模に応じた支援があるのか、お尋ねします。
 次に、スポーツMICEの推進についてです。
 ラグビーワールドカップに関する取り組みについて答弁いただきましたが、大会の機運醸成に取り組まれた結果、チケットもほぼ完売に至り、満員のスタジアムで盛り上がるとともに、来福される観戦客の皆様にも、大会の雰囲気やまちを挙げて歓迎していることが伝わったのではないかと思います。また、大会ボランティアとして活動いただいた皆様には、感謝申し上げます。
 次に、2021年に開催される世界水泳選手権及び世界マスターズ水泳選手権についてお尋ねします。
 前回、2001年に本市で開催された世界水泳選手権は、メーン会場のマリンメッセ福岡に、史上初めて仮設プールを設置し開催され、その後の大会においてその手法が福岡方式としてスタンダードとなり、国際水泳連盟から高く評価されていると聞いております。
 まず、20年ぶりに本市で開催される世界水泳選手権及び初開催となる世界マスターズ水泳選手権の概要についてお尋ねします。あわせて、福岡大会の現在の準備状況についてお答えください。
 また、ラグビーワールドカップでの取り組みのような、市民がボランティアとして直接大会に参加したり、福岡市の将来を担う子どもたちがトップレベルの競技に触れたり、選手と交流する機会を設けることは検討されているのでしょうか、お答えください。
 以上で2問目の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) まず、悪質な客引き対策に関する御質問にお答えいたします。
 福岡県に対する迷惑行為防止条例拡充等の要望状況につきましては、本年10月24日に福岡県に対する提言書を提出しており、その重点項目として、繁華街における悪質な客引き対策の強化を掲げ、悪質な客引き行為を広域的に規制する条例の整備及び悪質な客引き行為をなくすための諸対策の検討について提言を行ったところでございます。
 提言の趣旨については、悪質な客引き行為をやめさせるには、警察官による指導や取り締まりが効果的であるとともに、客引き事業者は繁華街を求めて移動してくるため、広域的に規制をかける必要があることから、福岡県警が所管する迷惑行為防止条例の拡充や県による新たな規制条例の制定がより効果的であると考え、提言を行ったものでございます。
 特に新たに規制条例を制定する場合については、市の条例とすると市の行政指導員による指導等が中心となり抑止効果には限界がございますが、県の条例とすると、県の行政指導等の権限を同じ自治体組織の職員である警察官に補助執行をさせることが可能となりますので、その場合、警察官が直接、指導や過料の徴収等を行うことができ、警察官の取り締まりにより抑止効果は格段に上がり、悪質な客引きの根絶につながるものと考えております。
 以上のことから、福岡県による条例の整備を求めているところでございます。
 次に、福岡県との客引き対策の検討状況でございますが、現在、福岡県及び福岡県警、そして、同じ客引き問題で課題を抱える福岡市、北九州市、久留米市が参加した5者による検討会が立ち上がり、これまで2回にわたって会議が開催され、規制のあり方や県警との連携のあり方など、悪質な客引き対策について検討を行っているところでございます。
 次に、スポーツMICEの推進に関する御質問にお答えいたします。
 2021年に福岡市で20年ぶりに開催される世界水泳選手権は、約190カ国、地域から約2,400人のトップアスリートの参加が見込まれ、水泳界では、オリンピックに次ぐ重要な大会と位置づけられる、世界でも有数のスポーツイベントでございます。
 また、同時に開催される世界マスターズ水泳選手権は、元水泳選手や水泳愛好家がみずからエントリーして参加する大会であり、約100カ国、地域から約1万人もの参加者が見込まれる大規模なスポーツ大会でございます。
 次に、現在の準備状況でございますが、令和元年5月に大会基本計画を策定し、世界水泳選手権につきましては、メーン会場となるマリンメッセ福岡や国際センターなどのウォーターフロントエリアと、百道浜エリアの2会場に会場を集約するコンパクトな会場配置を決定いたしました。
 また、世界マスターズ水泳選手権につきましては、WITH THE KYUSHUの理念のもと、大会の開催効果を九州全体に広げ、九州全体の発展につなげるため、熊本市、鹿児島市を加えた3都市開催とすることを決定いたしました。現在、競技日程や会場、競技実施方法など、具体的な大会運営全般に関する協議や検討を進めております。
 最後に、市民の大会への参加や子どもと選手との交流につきましては、大会の開催に当たり、多くの市民の皆様にボランティアとして参加していただきたいと考えており、現在ボランティアの募集に向けた準備を進めているところでございます。
 また、子どもたちがトップレベルの競技に触れる機会を設けることは、スポーツの振興や青少年育成の観点からも重要なことと考えており、小中学生等を対象とした観戦事業や選手との交流事業などを検討してまいります。
 世界マスターズ水泳選手権については、市民の皆様が直接参加することが可能な大会であり、積極的な大会参加などにより、海外からの参加者の皆様と交流していただきたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 宿泊税導入に向けた取り組みについてお答えいたします。
 観光・MICE施策における課題でございますが、ウォーターフロント地区のMICE施設で発生している催事のお断りやハイクラスホテルの不足といった都市の供給力不足やG20財務大臣・中央銀行総裁会議やラグビーワールドカップの成果を踏まえた都市の存在感の向上につながるMICEのさらなる誘致や外国人を初めとする観光客の受け入れ環境の整備を行うこと、また、観光客の増加に伴うトイレ利用などの外国人観光客のマナー改善や観光バスによる交通混雑、交通産業における人手不足などがあり、今後これらの課題に向けた取り組みが必要であると認識をしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 民泊に関する御質問にお答えをいたします。
 今後の課題といたしましては、まず、現在の大手民泊仲介サイトの監視に加え、国内外にあるさまざまな民泊仲介サイトについても監視を行い、違法物件を把握していく必要がございます。
 また、外国人の宿泊者や営業者がふえていることから、これに対応した監視、指導体制を整えていくことも重要となってまいります。
 さらに、増加する民泊施設と市民生活との調和を保つため、健全な民泊の普及推進に向けた啓発や相談対応を充実していく必要があると考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 宿泊事業者に対する説明についてのお尋ねにお答えいたします。
 まず、宿泊税の課税に向けまして、ことし9月に財政局の宿泊税担当職員を3名増員するなど体制を強化し、宿泊事業者への制度説明や情報提供などに取り組んでおります。具体的には、特別徴収に係る事務や手続の流れ等を説明した特別徴収事務の手引きやQ&Aなどを作成し、説明会を5カ所で計10回開催したほか、事業者や関係団体等の依頼を受け、随時個別の説明を行っております。
 また、市のホームページに、説明会で配付した資料等を掲載するとともに、説明会での質疑応答を踏まえ、Q&Aを随時更新するなど速やかな情報提供に努めており、引き続き丁寧な制度周知を行ってまいります。
 次に、宿泊事業者の事務負担軽減のための取り組みにつきましては、まず、宿泊事業者が円滑に宿泊税を徴収するための宿泊者への広報として、市内各所でのポスター等の掲示やインターネット広告を実施し、国内外の旅行者に向けて広報を行うほか、11言語に翻訳したリーフレットやステッカーなどの広報ツールを作成し、各宿泊事業者へ提供しております。
 また、宿泊事業者が外国人宿泊者とのコミュニケーションに困った場合の対応といたしまして、福岡県が設置しております外国人向けコールセンターの活用を案内しております。
 また、宿泊税の先行自治体が導入しております特別徴収義務者に対する事務費の支援制度につきましては、小規模事業者等に配慮した例はないと承知しております。
 本市の宿泊税は、福岡県及び北九州市と同時に課税を始めるものであることから、両団体と協議を行いつつ、導入先行自治体の事例を参考に支援制度の検討を行っているところでございます。
 さらに、宿泊税の申告事務の負担軽減のため、納入申告書等の提出について、利便性の高い電子申告を導入するほか、原則、毎月行う必要がある申告納入について、年間の宿泊税額が一定以下などの要件を満たす場合には3カ月ごとに申告納入することができる、小規模事業者等に配慮した特例制度を設けているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堤田寛議員。
○3番(堤田 寛) それでは、3問目にまいります。
 まず、悪質な客引き対策についてです。
 先日、福岡市における悪質な客引き行為等の対策を考えるに当たって参考にするために、繁華街での客引きや客待ち行為などを規制する独自の市条例を施行している熊本市と仙台市の両政令市を視察いたしました。
 両市における市条例による効果の濃淡はありますが、熊本市では、客引きの数が7割減り、仙台市では大体3割程度は減っているとのことでした。両市とも条例の施行に合わせて、客引き行為に対し指導や警告等を行う巡回指導員を予算化し配置しており、さらに、県警からも現職警察官が派遣され、繁華街の客引き行為等の規制に積極的に取り組まれているとお聞きしました。
 また、仙台市では、実際に条例の制定に携わった方々からお話をお聞きしましたが、商店街の方からは、悪質な客引き行為等を規制する市条例を制定しても魔法のように客引きがいなくなるわけではなく、しっかりとした地元での対策が必要であるとの声が多かったが、一方で、条例を制定すれば、私たちが取り締まれるわけではないが、違反していることを客引きに対して注意することができるようになったとの話もありました。
 仙台市役所の方からは、市条例であれば、罰金ではなく過料までとなってしまい、規制の限界があるのは事実である。しかし、兵庫県だけ唯一、県の知事部局が客引き行為を規制する条例を制定しているが、やはり身近な自治体が規制をすべきだという考えであり、地域と警察と行政が一体となって取り組めば、市条例でも十分に効力があるとお聞きしました。
 今実際に、福岡県及び福岡県警、同じ課題を抱える北九州市、そして、久留米市も参加した5者による検討会が立ち上がり、規制のあり方や県警との連携のあり方など、悪質な客引き対策について検討を行っているとの答弁がありましたが、現状、多くの都市において独自に客引き行為などを規制する条例を施行しており、規制がない都市へ悪質な客引きは移動していきます。今取り組まれている対策については、それはそれでしっかりと取り組まなければなりません。しかしながら、県条例による規制では、他自治体との協議も必要ですから制定までに時間がかかってしまい、その間、悪質な客引きを野放しにしてしまいます。パトロールの強化や防犯カメラの設置、地元の活動支援など、客引き対策に取り組む姿勢は評価いたしますが、安全、安心のまちづくりの観点や国内外から多くの観光客が訪れる福岡市としては、悪質な客引き行為等を規制する市独自の条例が必要であると考えます。
 できるだけ早期に条例を制定し、悪質な客引きを繁華街から一掃することを強く要望いたします。
 次に、宿泊税導入に向けた取り組みについてです。
 民泊についてですが、国内外の仲介サイトを監視するなど、新たな取り組みが必要なことはわかりました。今後も持続可能な観光の振興を目指し、宿泊施設と市民生活との調和に配慮することはもちろん、宿泊事業者全てに適正な監視、指導ができる体制づくりについても、強く要望いたします。
 次に、宿泊事業者への制度の説明についてですが、宿泊事業者からは、まだ制度の理解について不安があるという声も伺っております。宿泊税の円滑な導入には、宿泊事業者の理解と協力が不可欠ですので、引き続き宿泊事業者への丁寧な説明に努めていただくように要望いたします。
 また、宿泊事業者の事務負担への支援については、周知、広報や申告納入に関する特例制度などでは、私はまだ十分ではないと思います。特に小規模事業者は電子申告などに対応するための設備投資は容易ではなく、負担感はさらに大きいと思います。このため、経営規模に応じた支援について引き続き検討いただくことを強く要望いたします。
 来年4月から始まる宿泊税という新しい財源をもとに、国内外から福岡を訪れる多くの方をもてなし、観光客、住んでいる市民や宿泊事業者の方が福岡はよいまちだと思えるまちづくりを推進していただきたいと思います。
 そこで、宿泊税を活用して、今後の福岡市の観光・MICE施策をどのように進めていくのか、御所見をお伺いします。
 最後に、スポーツMICEの推進についてです。
 ラグビーワールドカップや世界水泳選手権などの大規模国際スポーツ大会を開催することは、福岡市民が世界最高峰の選手たちと直接触れ合う機会を持つことになりますし、また、ボランティアとして市民が大会に参加できるということも市民にとって貴重な経験になるなど、非常にメリットがあるということがわかりました。スポーツを見る人がふえれば、スポーツをする人がふえ、一方、スポーツをする人がふえればスポーツを見る人がふえるという好循環が期待できます。大規模国際スポーツ大会のもたらす効果というものは、今申し上げたこと以外にも、福岡市の知名度アップなど、はかり知れない効果がたくさんあると思っております。
 今後も、大規模な国際スポーツ大会の誘致を積極的に進めていくべきと考えますが、所見をお尋ねして私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 宿泊税導入に向けた取り組みについてお答えいたします。
 まず、先ほどの私の答弁ですが、観光産業における人手不足と言うところを交通産業と申し上げました。訂正をさせていただきます。
 続いて答弁でございます。
 福岡市は、第3次産業が9割を占める産業構造であり、来訪者をふやし、消費を拡大することが都市全体に活力をもたらすことから、観光・MICEの振興に積極的に取り組み、着実に成果を上げてまいりました。宿泊税を活用した今後の観光・MICE施策につきましては、これまでの成果や課題を踏まえ、地域や事業者の皆様と連携しながら、MICE施設を初めとする都市機能の強化や九州周遊観光の促進などの九州のゲートウェイ都市機能の強化や、観光客が安心、安全に過ごすことができる受け入れ環境の向上や歴史、文化遺産の積極的な活用など、特に大型MICE開催等の集客拡大への対応をすること、また、宿泊事業者を初めとする観光産業の生産性向上や健全な民泊の普及促進などの、地域や市民生活と調和した持続可能な観光振興に取り組んでまいります。
 歴史文化資源の積極的な活用でございます、訂正させていただきます。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 中村副市長。
○副市長(中村●一) 私から、スポーツMICEの推進についてのお尋ねにお答えさせていただきます。
 福岡市では、これまでもユニバーシアード大会を初め、さまざまな大規模国際スポーツ大会を開催しており、令和元年9月から10月にかけて福岡市で開催されたラグビーワールドカップの3試合は、議員おっしゃいましたとおり、いずれもほぼ満席となり、市民の皆様に元気をもたらすとともに、国内外から多くのラグビーファンに訪れていただきました。また、20年ぶり2回目となる2021年の世界水泳選手権福岡大会につきましても、市民の皆様に開催してよかったと思っていただけるよう着実に取り組んでまいります。
 大規模国際スポーツ大会の開催は、トップアスリートの競技を間近で観戦することにより、市民の皆様が夢や希望を育み、活力ともしていただけるなど大きな効果がありますとともに、地域経済の活性化や福岡市のプレゼンスの向上に寄与する絶好の機会であると考えており、今後とも、その誘致にしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ)登壇 よろしくお願いいたします。私は自民党新福岡を代表して、共創による地域コミュニティづくりについてお尋ねしていきます。
 地域コミュニティをめぐっては、超高齢社会の到来や東日本大震災を初めとする自然災害の経験などから、共助の大切さが全国的にその重要性も再認識され、見守りや支え合いの場としての期待が高まってきている一方で、都市化の進展による単身世帯の増加や価値観の多様化などにより、地域コミュニティの関心の低下、地域活動への参加者の減少、住民同士のつながりの希薄化など、深刻な課題を抱えている現状は、皆さん御存じのとおりでございます。
 本市におきましても、都市の成長と生活の質の向上の好循環をつくり出すという都市経営の基本戦略のもとでさまざまな施策が進められており、私は、その生活の質の向上の基盤となるものは地域コミュニティであると常々考えております。地域コミュニティが良好であれば、子どもは地域で元気に夢を持って育ち、働く人も元気に安心して働くことができ、高齢者も生きがいを持って笑顔で楽しく暮らすことができます。
 しかしながら、多くの方が地域コミュニティの重要性を認識しているのにもかかわらず、実際の活動には参加していないというのが現状ではないでしょうか。
 福岡市の地域コミュニティの歴史を振り返ってみますと、戦後長らく市民と行政のパイプ役として町世話人制度がありました。平成15年度に廃止となり、平成16年度からは自治協議会制度が創設されたという経緯がございます。自治協議会制度が始まって15年が経過し、現在では全ての校区、地区で自治協議会が設立され、さまざまな取り組みが進められています。
 そこで今回は、本市が進める共創による地域コミュニティづくりの中で、特に自治協議会や自治会、町内会、さらには公民館、区役所といった地域づくりの中心的役割を担う主体に焦点を当てて質問してまいりたいと思います。
 まず初めに、平成15年度に廃止になった町世話人制度とはどのような制度であったのか、お尋ねいたします。
 これで1問目の質問を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 町世話人制度につきましては、市民の福祉を増進し、市政の円滑な運営を図ることを目的に、昭和28年6月から平成16年3月までの50年にわたり運用された制度であり、広報物の配布などの業務を行っていただいておりました。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 次に、町世話人の身分はどうなっていたのか。また、報酬についてはどのようになっていたのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 町世話人につきましては、市の非常勤特別職職員として任用しており、報酬については、平成15年度末現在で、1世帯当たり月額160円でございました。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) ただいまの答弁によりますと、1世帯当たり月額160円ですので、300世帯だと月額4万8,000円渡していたということになります。
 では、どのような方が町世話人になっていたのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 町世話人につきましては、約8割の方が自治会、町内会の会長をしておられました。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 町世話人は、公民館長と同じ非常勤特別職の身分を持ち、一定の報酬を受けながら、公務員としての業務を担っていました。一方で、この町世話人のうち約8割の方が任意の自治組織である自治会、町内会の会長を兼務していて、町世話人と自治会、町内会長とは、まさに表裏一体の関係にあったということが言えると思います。
 そのような中、町世話人制度から自治協議会制度に移行するわけですが、その趣旨はどのようなものだったのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自治協議会制度につきましては、地域の自治を確立し、地域コミュニティを対等なパートナーとして共働でまちづくりに取り組むために創設した制度であり、町世話人を通じて市の主導で施策を一律に進める施策のあり方から、地域住民が主体となり、共働でまちづくりを進めるあり方へと転換を図ったものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 町世話人制度から自治協議会制度に移行した趣旨は、本市の指導で施策を一律に進めるあり方から、地域住民が主体となり共働でまちづくりを進めるあり方へと転換を図ったものということです。確かに、自治協議会を中心とした校区単位でのまちづくりが着実に進んでいると思います。
 その一方で、自治会、町内会においては、なお地域活動への参加者の減少、担い手の不足、固定化といった課題が引き続き残されています。特に次の担い手が生まれにくいという背景には、役員になると大変だという負担感があるのではないでしょうか。負担感の一因には、行政から地域へいろいろな依頼がなされていることがあるのではないかと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 市から地域への依頼につきましては、地域への協力依頼等に関する方針を定め、平成28年度に全所属に通知し、積極的な見直しを図っております。
 今後とも、協力依頼等の状況把握に努めるとともに、ルールを徹底していくことで、少しでも地域の負担軽減を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 町世話人業務の中心に広報物の配布がありましたが、現在はどのようになっているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 広報物の配布についてのお尋ねでございますが、市政だよりについては希望する自治協議会や自治会、町内会等に対し配布を依頼するとともに、それ以外の地域への配布は民間企業へ委託しております。
 公民館だよりについては、自治協議会や自治会、町内会等に配布を依頼しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 広報物配布に対する謝礼はどのようになっているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 広報物配布に対する謝礼につきましては、配布を行った自治協議会や自治会、町内会等に年2回、実績報告書を提出していただき、確認を行った上で配布実績に応じた金額をお支払いしております。
 謝礼金額は、市政だよりについては、原則2回配布しておりますが、1部当たりの単価が16ページの場合で配布1回当たり7.33円、公民館だよりについては、1部当たりの単価が月額15円となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 市政だよりの配布は、自治会、町内会等の希望制になっているとのことですが、その理由をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 市政だよりの自治会、町内会等による配布につきましては、地域の財源になるとともに、配布により顔の見える関係づくりにも資するということなどから、希望する自治会、町内会等に依頼しているものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 今の答弁にありましたとおり、市政だよりの配布は地域の財源確保の手段でもありますが、地域内の顔の見える関係づくりにも資するものであり、すばらしい取り組みだと私は思います。
 かつて町世話人の時代には、広報物の配布も含めて非常勤特別職の公務員としての報酬が支払われていました。現在の自治会、町内会長は公務員としての身分を有するわけではなく、当然報酬もほとんどないわけですが、行政からの依頼で御負担をかける場合にはそれ相応の対価が支払われるべきだと考えます。
 自治会、町内会では、広報物の配布のような本市からの依頼のほかにも、加入促進のための取り組みや清掃活動や防犯活動など自治組織としてのさまざまな活動が行われています。これについても、自治会、町内会長は大変御苦労をなさっておられ、その御苦労にはいつも頭の下がる思いでございます。
 自治協議会制度に移行し、自治協議会との連携のもとでまちづくりが進んでいくことはよいことだと考えておりますが、一方で、町世話人制度が廃止され、単位自治会、町内会と本市の関係が薄くなっているのではないかと心配しております。自治会、町内会の活動は、地域コミュニティづくりを進めていく上で欠かせないものだと改めて認識しておく必要があると思います。
 そこで、自治協議会の中の自治会、町内会の位置づけをどのように認識されているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自治協議会の中の自治会、町内会の位置づけにつきましては、自治協議会は当該小学校区内のおおむね8割以上の自治会、町内会の加入を要件としており、自治協議会の基礎的構成団体であると認識しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 次に、自治会、町内会の活動に対して、本市はどのような支援を行っているのでしょうか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自治会、町内会の活動に対する支援につきましては、地域の皆様が自治会、町内会への加入を呼びかける際に活用いただけるチラシや、組織の運営や活動についての基本的なマニュアルである自治会活動ハンドブックを作成、配布するとともに、各区において新任の自治会、町内会長を対象とした研修を実施するなどの支援を行っております。
 また、住民同士の交流を図る事業に対して支援を行う地域デビュー応援事業などを実施しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 例えば、厚生労働省から委嘱されている地域の民生委員と、自治会、町内会が連携することも大切だと思います。また、地域活動の担い手不足を解消するために、多くの方に自治会、町内会に加入していただくことが必要なことであり、自治会、町内会が抱える大きな課題の一つでもあります。
 そのような状況で、一部住民の方からは、自治会、町内会が何をしているかわからない、自治会、町内会費の使い道がわからないといった理由で、自治会、町内会活動に参加したくないといった声を耳にすることもあります。
 そこでお尋ねしますが、自治会、町内会の活動について、本市はどのような広報を行っているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自治会、町内会の活動に対する広報につきましては、転入者に対し、自治会、町内会活動の大切さをお知らせするチラシを市民課窓口で配布しております。
 また、自治会、町内会の特色ある取り組みを紹介するコミュニティ通信を定期的に発行するとともに、自治会、町内会に関する基礎知識や活動の事例などをわかりやすく紹介した自治会ミニブックを作成、配布するなどの支援を行っております。
 さらに、令和元年11月15日号の市政だよりにおいて、自治会、町内会の活動や町内会費の使われ方などについて紹介し、周知を図ったところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 自治会、町内会費の使い道がわからないといった声に対しては、自治会、町内会の活動は住民が納める会費により成り立っており、その使途については透明性が確保されることが必要であると思います。
 自治会、町内会の活動や会計の透明性について、本市として適切な指導をすべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自治会、町内会の活動や会計の透明性に関する指導につきましては、自治会、町内会は任意の組織であり直接的な指導は行っておりませんが、自治会、町内会運営の基本的マニュアルとして自治会活動ハンドブックを配布するとともに、新任の自治会、町内会長を対象とした研修を実施しております。
 また、会計に関する標準的な様式をデータで作成し、日ごろの活動に活用していただけるよう会計事務に関する支援にも取り組んでおります。
 今後とも、自治会、町内会が適切に運営できるよう支援してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 直接的な指導を行っていないようです。自治会ハンドブックを渡すだけでは理解できず、研修会を実施するときに休んだ自治会長、町内会長には再度説明会を開催し、活動や会計処理などを理解してもらうことも大切だと私は思います。
 いろんな理由で加入しない方々を取り込むことになり、担い手増加にもつながっていくと思うので、しっかりと支援に取り組んでほしいと思います。
 さて、地域の自治を確立し、地域コミュニティを対等なパートナーとして共働でまちづくりに取り組むことを目指し、自治協議会制度は始まったわけでございますが、地域コミュニティの関心の低下、住民同士のつながりの希薄化といった課題が続く現状においては、地域自治を尊重しつつも、引き続き、本市が地域コミュニティ活動をあるべき姿に向けて支援を継続していく必要があると考えています。
 そこで、小学校区ごとに設置され地域コミュニティづくりの拠点となる公民館が、区役所の指導のもとで地域とどのように連携し地域コミュニティをどのように支援しているのか、お尋ねしてまいります。
 まず、公民館の設置目的及び公民館が実施している主な事業についてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 公民館の設置目的につきましては、福岡市公民館条例において、住民の生涯学習及び地域コミュニティ活動の支援により、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与するためといたしております。
 また、主な事業として定期的な講座の開催、社会教育関係団体、地域団体等との連絡調整、地域住民の活動等に対する公民館施設の提供などを行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) では、公民館が実施する主催講座にはどのようなものがあるのでしょうか。また、そのうち、全ての公民館で必ず実施する事業とはどのようなものでしょうか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 公民館の主催講座につきましては、全ての公民館で実施する基本事業として、人権問題学習及び子どもの健全育成関連事業を実施しております。
 また、地域の実態やニーズを踏まえて実施する推進事業として、ボランティア養成などの地域人材の育成、高齢者の地域参画支援、安全、安心まちづくりなどの講座を実施しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 全ての公民館で実施する基本事業には、人権学習講座と子どもの健全育成関連事業があるとのことですが、その基本事業は公民館1館平均で年間どの程度実施されているのでしょうか。また、それ以外の事業はどの程度実施されているのか、あわせてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 基本事業の人権問題学習及び子どもの健全育成関連事業につきましては、平成30年度の1館当たりの平均が約19回、基本事業以外の推進事業については、1館当たりの平均が約42回となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) ただいまの答弁によりますと、各公民館では、平均して年間61回、月5回もの主催事業が実施されているとのことであり、そのうち42回は必須とされている基本事業ではなく、公民館主事を中心に、各公民館がみずから企画し、実施している事業とのことです。各館において、積極的に頑張っておられると考えます。
 そこでお尋ねしますが、公民館の開館時間はどのようになっているのでしょうか。また、館長、主事の勤務時間及び補助要員の配置の考え方について、あわせてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 公民館の開館時間につきましては、午前9時から午後10時までとなっております。勤務時間については、館長は、勤務時間に定めのない非常勤特別職でございますが、週4日程度を目安としており、主事の勤務時間は週27.5時間といたしております。
 補助要員は、主事の不在時の窓口対応や主催講座の補助等にご協力いただいている有償ボランティアであり、謝礼として1館当たり月250時間程度の予算を確保しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 館長や主事におかれましては、社会教育活動や地域コミュニティに関する深い理解と関心を持ち、限られた時間の中で主催事業の内容を充実されているなど、積極的な運営に努められていると思います。また、公民館を利用するサークル活動にも場所の提供をされていると思います。
 公民館には、今後、共創のまちづくりにおけるコミュニティ活動の拠点施設として、自治協議会を初めとした地域団体の活動に対するさらなる支援の充実が求められていくと考えます。
 そのような中、単に公民館の利用者や業務量をふやしていくことではなく、むしろ主催事業などの効率性を高め、地域の持つ潜在的な力を引き出すような工夫が必要ではないでしょうか。
 公民館の業務には、地域コミュニティ活動の支援が位置づけられておりますが、具体的にはどのようなことを行っているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 地域コミュニティ活動の支援につきましては、ボランティアの養成などの地域人材育成等に関する講座を実施しているほか、自治協議会への事務スペースの提供や地域活動への助言、施設の提供などを行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 本市は、小学校区内に1つ公民館を設置している全国でも珍しい都市ですが、その公民館は単に生涯学習の推進に取り組む社会教育施設としての役割だけではなく、平成12年の公民館条例の改正により、地域コミュニティの活動を支援する役割も組み込まれています。公民館の基本的な機能として、集まる、学ぶ、つなぐということがよく言われます。その機能を最大限に発揮し、担い手の不足や固定化を初めとする地域のさまざまな悩みや課題の解決に向けてコミュニティの拠点施設として、場と機能の両面で支援していく役割こそが重要であると考えます。
 次に、地域コミュニティにおいて、公民館と両輪をなす自治協議会についてお尋ねしてまいります。
 さきにも述べましたが、地域自治の確立に向け町世話人制度を廃止し、地域コミュニティを対等なパートナーに位置づけて共働でまちづくりに取り組むため、自治協議会制度が創設されました。まさに、地域コミュニティ施策の大きな転換であったと考えます。
 自治協議会制度の創設当初は、施策の大きな転換に地域も戸惑いがあったのではないかと思いますが、15年が経過した今、自治協議会制度も定着し、自治に関する住民の意識も大分根づいてきているのではないかと思います。
 そこで、お尋ねいたします。自治協議会の活動を支援するために、本市はどのような支援を行っているのか、お伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自治協議会に対する支援につきましては、自治協議会制度を開始した平成16年度に各区地域支援課に校区担当職員を配置し、自治協議会の活動全般を支援するとともに、自治協議会の活動を支援する補助金を創設しております。
 また、28年度から共創のまちづくりを進めており、当該補助金を自治協議会共創補助金として拡大するとともに、29年度から企業やNPOなどさまざまな主体と地域をつなぎ、新たな担い手の発掘を支援する共創コネクターを配置するなどの取り組みを行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) それでは、その成果をどのように認識しておられるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 成果につきましては、自治協議会制度の創設以降、自治協議会を中心に校区内の連携が深まるとともに、地域の実情に応じた一体的な活動や住民意見の地域活動への反映などが促進され、校区ごとの住みよいまちづくりが着実に進められていると認識しております。
 共創の取り組みといたしましては、博多区大浜地区において休止となっていた夏祭りを地域の若い世代と地域にある専門学校が連携し、学生も運営に携わって、みんなの大浜まつりとして開催した事例などがございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 自治協議会制度が始まり、行政のサポートもあって地域による自治の確立が進められた、そして、自治の確立の段階から次の段階へと移り、平成28年度から地域の未来をともにつくり出していく共創のステージへと進んできたということでございます。
 共創の取り組みを進めるに当たり、自治協議会への支援として拡大が図られたのが自治協議会共創補助金であろうと思いますが、自治協議会共創補助金の目的及び交付額についてお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自治協議会共創補助金につきましては、自治協議会が主体的に行うまちづくりを推進することを目的に交付しております。
 補助金の交付額については人口規模に応じた額としており、令和元年度は、校区、地区当たり人口2,000人までが253万円、2,001人から5,000人までが295万円、5,001人から1万人までが337万円、1万1人から1万5,000人までが369万円、1万5,001人以上が401万円となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) では、自治協議会共創補助金の補助対象事業についてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 共創補助金の補助対象事業につきましては、安全、安心、子どもの健全育成、環境、健康づくり、男女共同参画に関する事業や地域みずからが企画し、自主的に取り組むまちづくり活動などを対象としております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 地域においても、地域の活性化や課題解決につながるさまざまな事業が実施され、共創補助金の補助対象となっているとのことでございます。
 先ほどお尋ねした公民館での安全、安心や子どもの健全育成など、講座を実施しているとのことでありましたが、地域が実施する事業に対して公民館はどのような支援や連携を図っているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 公民館につきましては、地域が実施する事業に対して、講師の紹介や助言等の支援を行っているほか、自治協議会との共催などといった連携を図っている事例もございます。
 また、平成28年度からは、地域の担い手パワーアップ事業として、公民館職員の地域コミュニティ支援の能力向上を図るための講座を実施しているほか、地域団体の役員等を対象とした地域課題解決のための講座、地域の交流機会の創出等にも取り組んでおります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 公民館と自治協議会が連携して実施する事例もあるとのことですが、全体的に見ると、うまくいっている地域もあれば、そうでもない地域もあるのではないですか。
 例えば公民館では、地域の中の居場所、たまり場として、ふだんは地域行事に参加していない住民に向けて、地域活動を知ったり、地域行事に参加したりするきっかけをつくる、また、人と人が交流して、ふだんから気にかけ合ったり、困ったときに助け合えるようなつながりをつくるといった目的でカフェを実施している例があります。いい取り組みだと思いますが、実は地域においても、同じような目的でカフェを実施している例があったりします。
 カフェの実施に当たっては、企画から広報物の作成、配布等、さらに多くの方に集まってもらえるように集客面の取り組みなども必要であり、講師などに来てもらう場合は、その手配なども必要となります。
 私も、人が集まらないので来てよと言われたこともあります。これだけの手間と労力がかかるカフェの運営ですが、地域における交流の促進ときずなづくりという共通する目的に向けて、公民館と自治協議会は、ぜひとも力を合わせて一緒に実施できるよう工夫していただきたいと思います。そうすることで予算や労力の面でも効率化が図られ、集客面でも相乗効果が発揮されるのではないでしょうか。
 カフェに限らず、公民館と地域が同じような目的を持った事業を重複して実施する例を目の当たりにする場合がございます。そのようなことを避けるためにも、双方が日ごろからそれぞれの実施予定の事業について、目的や対象者などをしっかりと情報共有し、地域コミュニティ活動の効率的な運営に向けて共催するなど、実施に当たっての工夫と連携を高めていく必要があると思います。
 また、公民館長や主事は本市の職員という意識を持ち、自治協議会との調整役を担うことで、それぞれが別々に実施するよりも地域の負担軽減につながるのではないかと思います。
 さて、質問に戻りますが、自治協議会の会長方からは、お忙しいという声もよく聞きます。
 そこで、自治協議会会長の1月当たりの活動日数と年間の手当等の支給状況をお伺いします。また、公民館長と主事の報酬額についても、あわせてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自治協議会会長につきましては、平成30年度に実施した自治協議会・自治会等アンケートの調査結果によりますと、1月当たりの活動日数は平均16.6日、手当の平均額は年間12万4,000円、活動費の平均額は年間4万9,000円となっております。
 また、公民館長の報酬額は月15万1,000円、主事の報酬額は月23万150円となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 公民館長は、勤務時間に定めのない非常勤特別職の市職員として月15万円、年間180万円でございます。主事は、勤務時間が週27.5時間の非常勤特別職の市職員として月23万円です。年間276万円の報酬があるとのことですが、任意団体である自治協議会の会長は年12万円、月1万円程度の手当であります。会長以下役員の皆様も、ほとんどボランティアとして活動をされております。ボランティアとして当たり前と言えばそうなりますが、自治協議会の会長や役員は、こうした少額の手当で日々、校区のために大変お忙しく活躍されておりますが、今後、例えば公民館長と自治協議会の会長を兼務することや公民館長を主事と同じ雇用形態に変更するなど、仕事内容に応じた報酬も検討していただきたいと思います。
 このように、公民館と地域の連携を高め効率化を進めることで、会長を初めとした自治協議会の負担を軽減していく視点が必要ではないでしょうか。
 ここでは、共創補助金の活用を含めた自治協議会の事業、公民館で実施している各種事業が重複している例があるのではないかという問題や非常勤特別職の公民館長や主事とボランティアの自治協議会の会長の報酬などについて確認させていただきました。
 公民館としての事業と自治協議会など地域コミュニティへの支援をばらばらに考えるのではなく、コミュニティ施策全体で効果的、効率的に施策を展開していくことが大切です。
 地域活動を支援するために交付している共創補助金がより効果的なものになるよう、そのあり方について整理が必要なのではないかと思います。自治協議会と公民館の事業をうまく連携させ、よりよい方向に導いていくためには、両者に対して支援を行うために設けられた各区役所の地域支援課が十分にその機能を発揮することが必要だと思います。
 そこでお尋ねしますが、地域コミュニティの拠点施設である公民館と自治協議会が連携した共創社会をつくっていくために、各区役所の地域支援課が公民館と地域の支援を別々に考えていくのではなく、全体最適を考えしっかりとつないでいくとともに、共創補助金のあり方について検討を行うべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 共創のまちづくりにつきましては、自治協議会と地域コミュニティ活動の拠点である公民館の連携、協力が不可欠であると考えており、各区、地域支援課がそれぞれをしっかりとつないでいくよう、さらなる支援の充実を図ってまいります。
 また、自治協議会共創補助金については、自治協議会が主体的に行う活動を支援するため、事業内容は地域の皆様が決めていただけるような仕組みとしており、今後とも、地域の実情に応じて、効果的に活用いただけるよう検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 中島まさひろ議員。
○35番(中島まさひろ) 地域と公民館が連携し、一緒にできる事業は一緒に実施することにより、予算の効率化を図り、担い手の負担を軽減し、さらには事業への参加者の増加にもつながっていくのではないでしょうか。また、地域の実情に応じて柔軟な取り組みを行うためには、共創補助金における必須事業の見直しも必要になるのではないかと考えます。
 このような工夫により、自治協議会と公民館の融合による好循環が生まれ、それぞれの強みが生かされることで、一体的に地域住民の皆様を支えるネットワークや支え合いの場が形成されると考えます。地域の発展につながる共創の地域コミュニティづくりとは、そのようなものではないでしょうか。
 本市が進める共創の取り組みでは、これらに加え、企業やNPOなど、さまざまな主体をうまく巻き込んでいく必要があります。地域や公民館といった基盤となる部分をしっかりと見つめ直し、今後、真の意味での共創による地域コミュニティづくりが進んでいくようお願いしたいと思います。
 今回、私のこれまでの経験や課題意識から、共創による地域コミュニティづくりについて質問してまいりました。以前、私の父は町世話人で町内会長をしておりましたが、そのときは市政だよりの配布などを通じて、市の方々や地域住民とのかかわりを持っていました。現在、町世話人制度が廃止され、自治協議会制度に移行してからは、町世話人としての非常勤特別職の役割がなくなり、自治会長としての役割だけになり、そうなることで市の方々と直接かかわることもほとんどなくなりました。
 今、自治協議会や自治協議会を構成する単位自治会、町内会の担い手が不足しており、我々市議会の中にも、自治会長、町内会長を務める議員も出てきていると聞いております。
 そのような中、今回の質問において、自治協議会と公民館で同じような事業を同じエリアで行っていることがわかりました。もっと公民館と自治協議会が連携し、効率的、効果的に事業を行うべきです。そのためには、市職員である公民館長、主事がもっと自治協議会活動に率先して協力していく必要があると思います。本市の出先機関である公民館が、これからさらに地域コミュニティの拠点としての役割を果たし、地域への目配り、気配り、心配りを実施していただくことを願っておきます。
 最後になりますが、共創の地域コミュニティづくりに対する島市長の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 地域コミュニティにつきましては、自治協議会制度創設以来、地域の皆様の御尽力によりまして、校区ごとの住みやすいまちづくりが着実に進められているわけでございますけれども、地域活動の担い手不足などの課題は深刻化しますとともに、超高齢社会や大規模災害への対応など、地域のきずなづくり、また担い手づくりというものが強く求められています。
 このため平成28年度から、自治協議会と市がパートナーとして、企業やNPO、また大学などさまざまな主体を巻き込みながら、地域の未来をともにつくり出していくという共創の取り組みを進めますとともに、自治会、また町内会につきましても、加入促進の取り組みですとか、また地域デビュー応援事業を初めとした地域の人材発掘に資する支援を行っております。
 共創のまちづくりにおきましては、中島議員御指摘のとおり、自治協議会や自治会、町内会といった地域コミュニティと公民館や、また区役所が連携をして、地域の実情に応じた取り組みを進めることが重要であるというふうに認識をしておりまして、今後とも、持続可能な地域コミュニティづくりに向けて、住民の皆さんとともに、しっかりと取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) この際、休憩し、午後4時20分に再開いたします。
午後4時8分 休憩  
午後4時20分 開議  
○副議長(楠 正信) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。冨永計久議員。
○26番(冨永計久)登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表し、農山漁村地域における観光振興と地域活性化について、子ども医療費の助成拡大について、以上2点について質問いたします。
 まず、農山漁村地域における観光振興と地域活性化について質問いたします。
 福岡市は、博多湾を抱きかかえるように、東は志賀島、西は今津、北崎、そして南は早良区の板屋、脇山とアルファベットのYの字のようになっており、豊かな自然環境を有する農山漁村地域がその先端に位置しています。そのYの字の中心に天神、博多駅があり、そのYの先端に当たる3地区は人口減少が激しく、急激な過疎化が進んでいます。
 9月議会で我が会派の川上晋平議員が東区の志賀島を取り上げ、周辺部地域の活性化について質問いたしましたので、私は西の今津、北崎について質問してまいります。
 福岡市西区には、西部7校区と呼ばれる地域があります。今宿、今津、北崎、玄洋、周船寺、元岡、そして3年前に誕生した西都校区です。この西部7校区は大変美しい海岸線と緑の山並みを擁する自然環境に恵まれた地域であり、また、農業、漁業が盛んな福岡市でも有数の生鮮食料品の供給地となっています。また、この豊かな田園地帯に、平成30年10月に九州大学が移転を完了し、新たなまちづくりも進んでいます。今では多くの学生や教職員が行き来するまちとなり、これからも学術研究都市として大きく変貌していくことが期待されています。しかし一方で、西部7校区のうち今津や北崎校区は高齢化の進展や人口減少が著しく、地域の主な産業である農業、漁業が停滞するどころか、この先、地域コミュニティの維持すら困難になると地域の住民の皆さんも大変な危機感を抱いています。農山漁村地域の活性化を考えるとき、この地域の魅力は何なのかが重要です。それは、都市部にない美しい海や緑といった豊かな自然、そして、このような自然環境に身近に触れることができるということではないかと思います。このような自然環境は非常に貴重な観光資源です。この農山漁村地域の豊かな美しい自然環境をうまく生かしていくことが福岡市の観光振興において重要なポイントになるのではないかと考えます。
 そこで初めに、福岡市は農山漁村地域の現状をどのように認識し、どのような取り組みを進めているのか、お尋ねいたします。
 以上で1問目を終わり、2問目からは自席にて行います。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 福岡市は、博多湾や玄界灘、また、緑豊かな山々など美しい自然に囲まれた地形的特徴を生かし、都心部を中心に高度な都市機能が集積するコンパクトな都市として国内外から高い評価を受けており、農山漁村地域はこのような福岡市の魅力や特性を維持向上させていく上でも大変重要な役割を担っていると考えております。一方で、農山漁村地域は人口減少や高齢化の進展等に伴い、農林水産業の振興やコミュニティの維持などさまざまな課題を抱えていると認識しており、規制を緩和した開発許可制度の活用などにより民間事業者のチャレンジを促しながら、定住化の促進や農林水産業、観光業といった地域産業の振興を図るなど、関係部局が連携し、地域と一体となって活性化に向けた取り組みを進めております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 冨永計久議員。
○26番(冨永計久) 農山漁村地域の重要性については十分認識していただき、その活性化に向けて、地域住民と一体となり取り組んでいるとのことです。そして、特に地域産業の振興については、数年前に市街化調整区域の土地利用規制が緩和され、その緩和された制度を活用して民間事業者の進出を促す取り組みも行われています。
 そこで、規制緩和を活用したいという民間事業者からの相談件数や進出意向の多い地域、さらには制度の活用状況はどのようになっているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 地域産業の振興を目的とした土地利用の規制緩和につきましては、地域住民の合意など一定条件のもと、地域の農林水産物や観光資源を生かした飲食店、宿泊施設等の建築を可能とするものであり、平成28年6月より運用を開始いたしております。これまで民間事業者の意向調査や地域住民と民間事業者の対話の場の設定など、民間活力の導入に向けた取り組みを進めてきた結果、民間事業者等から事業展開に向けた具体的な相談が54件あっておりまして、そのうち北崎校区が16件、志賀島校区が15件とその大半を占めております。また、相談のあった54件のうち、規制緩和の手続まで完了したものは4件で、志賀島の勝馬校区にある農業研修施設、北崎校区の宿泊施設の2件が供用を開始しているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 冨永計久議員。
○26番(冨永計久) 今の答弁をお聞きすると、農山漁村地域の中でも特に美しい海岸線、海辺に面した北崎や志賀島が民間事業者の関心が高い地域になっています。これは、北崎や志賀島が国内外からの旅行者に楽しんでいただける場所としてのポテンシャルを秘めているということではないかと思います。
 そこでまず、西部7校区の中でも、とりわけ人口減少や高齢化が著しい一方で、民間事業者の関心が高い地域、北崎の観光資源について取り上げてみたいと思います。
 北崎には、福岡市の公共施設である海づり公園があります。博多湾に面した場所にあって、景観もすばらしい、家族でのんびりできる魅力的な空間となっております。例年11月からは、海づり公園の広場を利用し、唐泊恵比須かきのカキ小屋がオープンします。その期間だけは多少にぎわいますが、その他の時期は余り人が集まっていないように感じます。カキ小屋の横にはバーベキューができる施設もありますが、人が入っているのをほとんど見たことがありません。一方、この海づり公園と対照的なのが、すぐ隣にある民間施設です。この飲食店は、一年中、常に人があふれています。海を見渡す浜辺には撮影したくなるヤシの木のブランコがあり──ただヤシの木にロープを縛っただけです。多くの若者が集まって楽しむ、今、はやりのインスタ映えする大変な人気スポットになっています。この飲食店のように、海づり公園ももっとこの美しい自然環境を生かし、釣り客だけでなく、多くの人たちが集まり、憩える場所となるよう工夫していく必要があるのではないかと思います。極端に言えば、カキ小屋やバーベキュー施設を民間に任せるというのも一つの手ではないかと思います。海づり公園では、地域住民の協力を得ながら民間事業者も参入し、さまざまなイベントを実施されています。今年度はキタザキ・マルシェと銘打ち、10月に開催された秋のイベントには私も参加させていただきましたが、今までのイベントより盛況だったと感じております。
 そこで、この海づり公園でのイベントはどのような目的で行っているのか、また、秋に開催されたイベントの概要についてお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 細川農林水産局長。
○農林水産局長(細川浩行) まず、海づり公園でのイベントの目的は、北崎地区の特産品など地域のさまざまな魅力を広く発信することで関心を高め、集客につなげるとともに、同公園内への民間事業者の進出を促すための社会実験として取り組んでいるものであります。
 次に、秋イベントの概要は、カキ小屋オープンの1週間前に北崎校区の住民や団体の御尽力により、地域の食の魅力を発信する唐泊恵比須カキや西浦鯛めしなど約300食の試食会を開催いたしました。また、カキ小屋を活用し、地元農産物、干物の販売のほか、地元の方の指導によるわらや竹を使った昔の遊び道具づくりを実施するとともに、花の産地北崎をPRするため、フラワーアレンジメント教室や花の植栽を行うなど、地域と連携した魅力発信の取り組みを行ったところでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 冨永計久議員。
○26番(冨永計久) 地元の尽力によりイベントが行われたことはわかりましたが、このイベントは農林水産局の主催であって、北崎校区がお手伝いをするという形になっています。そうではなく、北崎校区が主体となって農林水産局が協力するという形にならなければ、地域住民にとって、いつまでも農林水産局がやるなら協力してやろうという気持ちが抜けないのではないかと思います。また、イベントの内容がすばらしくても、多くの人に来てもらわないと何の意味もないわけです。北崎という地域を、その魅力を市内外の多くの方々に知っていただく、そういう意味では事前の周知、広報が大変重要になります。
 そこで、今回のイベント開催に当たり、どのような広報活動を行ったのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 細川農林水産局長。
○農林水産局長(細川浩行) 今回のイベントの広報活動につきましては、市政だよりや市ホームページ、ツイッターへの掲載に加え、新たに北崎地区ポータルサイトを開設するなどSNS等の活用による情報発信を行うとともに、ポスターやチラシによる広報を行っております。チラシは2万部を作成し、西部7校区の各公民館や市民センター等公共施設のほか、新聞折り込みでも配布するなど、紙媒体とインターネット媒体双方を活用したところであります。イベントの周知、広報は、議員御指摘のとおり大変重要であると考えており、今後とも、多くの方に御来場いただけるよう効果的な広報に努めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 冨永計久議員。
○26番(冨永計久) 今後は、海づり公園でのイベントについても、地域を挙げた継続的な取り組みとなるよう、農林水産局の主催ではなく、地元の住民や団体がより主体的に運営する仕組みや工夫が必要ではないかと思います。
 さて、海づり公園でのイベントは、ただイベントをすることが目的ではなく、多くの集客を図り、民間事業者の進出を促すという目的があるわけです。そのためには、参加者の意見をしっかり把握し、今後につなげていくことが重要だと思います。
 そこで、ことし開催した秋のイベントでは参加者へのアンケート調査を実施したと聞いていますが、その結果はどうだったのか、また、イベントの成果はどのようなものであったと考えるのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 細川農林水産局長。
○農林水産局長(細川浩行) 今回の秋イベントには、2日間で延べ約1,500人の来場者があり、アンケート調査への御協力をお願いいたしました。御回答を得られたアンケートの集計結果は、イベントの満足度において、満足とやや満足を合わせますと約80%の方が満足したと答えられており、次回もイベントに参加したいかの問いについては、97%の方がまた参加したいとのお答えをいただいております。また、北崎地区を知ってどんなところが魅力と感じたかとの問いに対し、海産物、農産物、海釣りや花に魅力を感じるとの回答が数多く寄せられました。これらのことから、今回のイベントにより北崎の魅力を一定発信できたものと考えておりますが、今後とも、北崎地区の住民や団体と共働し、より一層効果的な魅力発信に努めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 冨永計久議員。
○26番(冨永計久) この海づり公園でのイベントが地域にとって好循環を生み出すことができるよう期待しております。
 また、北崎には海づり公園やカキ小屋といった集客施設に加え、西浦に隣接する糸島半島の夫婦岩がある二見ヶ浦海岸周辺は、福岡県内でも指折りの風光明媚な景観が保全され、話題の人気スポットとして、年間を通して多くの観光客が訪れます。この海岸周辺は福岡マラソンの目玉コースともなっていますが、近年は糸島ブームもあり、観光客の数も急激に増加しています。糸島市域内の二見ヶ浦海岸沿いは、自然景観に配慮した舗装の歩きやすい歩道が整備され、ベンチに座り、夫婦岩をゆっくり眺めることができる。そんな自然景観を生かした道路空間が整備されていますが、福岡市域の北崎側に入るとどうか。途端に通常の昔ながらのアスファルト舗装が続く歩道もない道となり、残念な思いをします。その違いは明らかです。また、観光客の多くはバイクや自動車で二見ヶ浦を訪れるのですが、夏だけではなく、春や秋も天気がよい日は多くの観光客が集まり、ひどい交通渋滞が発生しています。この交通渋滞は、地域で暮らす住民をも悩ませる大きな問題になっています。
 このように、二見ヶ浦は既に人気の観光スポットではありますが、風光明媚な自然景観をしっかり保全しながら、また、地域住民の暮らしを守りながら、観光振興を持続的なものとしていくためには、観光客の増加による交通混雑への対応や道路空間の景観づくり、わかりやすく適切な観光案内が必要ではないかと考えます。今の二見ヶ浦から西浦にかけての地域は、国内外から観光客を受け入れていく環境として十分とは言いがたいと感じています。
 そこで、福岡市は二見ヶ浦エリアの観光の現状と今後の取り組みについてどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 二見ヶ浦周辺エリアは海辺の魅力が豊富であり、夫婦岩を初めとした写真スポットやカフェなどに国内外から多くの観光客が訪れていますが、それに伴う交通混雑などの課題も発生しております。今後、関係局とともに、二見ヶ浦周辺の交通混雑の対応を図るとともに、二見ヶ浦の集客を北崎地区に広げるため、写真に撮りたくなるような海辺の魅力向上や情報発信を行う立ち寄りスポットづくりなどに加え、海づり公園などの観光スポットをめぐる周遊促進が必要だと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 冨永計久議員。
○26番(冨永計久) 答弁いただきましたように、二見ヶ浦周辺の海辺には魅力的な観光資源があり、これらを生かして観光振興にしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 また、海水浴客も観光振興の重要な一つの要素だと考えます。そこで、海上の安全性の確保という問題があります。近年、特に海水浴シーズンにおいては、水上バイクやプレジャーボートがルール、マナーを守らず、衝突事故が起こるなど問題になっています。この問題については福岡県議会でも取り上げられ、県内海水浴場での水上バイク規制等が議論されたところでありますが、福岡県でもしっかり研究されるものと伺っています。そこで、福岡市でも市内の海辺を楽しむ市民や観光客の安全、そして安心を確保するため、水上バイク等の規制やルールづくりの検討をぜひ進めていただきたいと、強くこれは要望しておきます。
 また、先ほど二見ヶ浦へのアクセスはバイクや自動車が中心であると申し上げましたが、唯一のバス路線として昭和自動車が運行する西の浦線があります。この西の浦線は、平成20年に路線廃止の申し出がなされました。関係者が協議を行い、運行継続となりましたが、利用者の減少はとまらず、バスの運行は危機的状況にありました。このような中、最近では観光客の増加もあって、利用者が増加してきていると聞いています。ことし7月にはバス路線の延伸まで行われました。これは、観光客の増加が地域の唯一の生活の足である路線バスの維持に、そして利便性の向上にも一役買っていると言えます。農山漁村地域では、地域の貴重な観光資源である景観や食を最大限に生かしながら、地域の活性化につながる持続可能な観光施策をしっかり進めていただきたいと思います。
 北崎の観光振興、そして地域活性化を考える上で、避けては通れないもう1つの大きな課題があります。光通信回線の整備です。近い将来、5GやIoTが当たり前となってくるような現代社会において、北崎地区には光が来ておりません。北崎は、福岡市内の離島を除く地域では唯一、光通信回線が整備されていない地域です。一方で、北崎は九州大学が隣接している地域でもあるのです。この問題については、私は随分前から再三訴えてきたところです。これからの社会において、通信環境の充実は必須です。店舗やキャッシュレスが進み、農業もスマート農業の時代です。観光や農業の振興といった地域産業の活性化や地域課題の解決には高度な無線環境が有効であり、そのバックボーンとして、光回線など通信インフラの充実は欠かせないものではないかと思います。
 私は北崎地区の光回線の整備について平成28年12月議会で質問いたしましたが、当時の答弁は、通信事業者に対して積極的な働きかけを行っていくとのことでした。
 そこで、通信事業者との協議はどのような状況なのか、また、行政として今後この問題をどのように考えていくのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 北崎地区の光回線整備につきましては、通信事業者への働きかけを継続しておりますが、いずれの事業者からも事業採算性の観点から民間単独での整備は難しいとの回答を受けているところでございます。しかしながら、冨永議員の御指摘のとおり、通信インフラの充実は、生活の質の向上はもとより、北崎地区の産業活性化や地域課題の解決のために必要なものであると認識しており、令和2年度の予算編成の中でしっかりと検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 冨永計久議員。
○26番(冨永計久) 通信インフラの充実は重要な課題であると認識していただいているということで、令和2年度予算、来年度の予算においてしっかり検討していくということで期待をいたしております。よろしくお願いいたします。
 福岡市では、昨年、観光振興条例が議員提案により制定されました。来年4月からは宿泊税も導入されます。この観光振興条例の第8条には「国内外からの旅行者の来訪の促進を図るため、地域の食、歴史、文化、自然その他の観光資源の魅力の増進及び新たな観光資源の発見、国内外に向けた魅力の発信その他の必要な施策を講ずるものとする」と書いてあります。農山漁村地域の豊かな自然環境や新鮮な食材は、まさにこの8条でいうところの貴重な観光資源であると思います。特に二見ヶ浦を含む北崎地区については、海づり公園や夫婦岩、フォトスポットとなった民間施設、また、今津にある元寇防塁などを活用しつつ、豊かな自然環境と景観を有する海辺を生かしていけば、国内に誇れる魅力的な観光資源が生まれるものと考えます。
 もちろん、これは北崎だけの話ではありません。福岡市内には、海や山などの自然環境に囲まれ、美しい景観を有する地域が数多くあります。例えば、東の志賀島には金印や志賀海神社、蒙古塚など貴重な歴史資源がたくさんあります。また、右手には玄界灘、左手には博多湾が見渡せる国内でも珍しい風景の道切り部など、観光資源になり得る美しい自然の風景と歴史資源があります。これらをもっと生かせば、観光振興によって農山漁村地域の真の意味での活性化を図ることができるのではないかと思います。
 ここまで農山漁村地域の活性化について、海辺を生かした観光振興の観点からるる質問してまいりました。9月議会では、我が会派の川上晋平議員が、都市の成長が順調に進んでいる今だからこそ、農山漁村地域などの周辺部地域にも必要な投資を行っていくべきという質問をいたしました。島市長は、市政運営に当たり、都市の成長と生活の質の向上の好循環を確固たるものにしていくと伺っています。スタートアップや天神ビッグバン、そして、博多コネクティッドなど都市の成長についてはすばらしい成果を上げつつあります。次は、この成長の果実を市内隅々まで浸透させ、福岡市全体として生活の質の向上に取り組んでいく時期に来ていると思います。そこで、周辺部地域と言われる農山漁村地域にもう一度光を当て、豊かな美しい自然環境を最大限に生かした観光振興に取り組んでいってはどうかと思っています。これこそが、まさに成長の果実を隅々まで行き渡らせる、そして、市民の生活の質の向上を実現していく施策となるのではないかと考えております。
 そこで、北崎や志賀島を初めとする農山漁村地域の魅力を最大限生かした観光振興と地域の活性化について、今後どのように取り組んでいかれるのか、島市長の御所見をお伺いして、この質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市は、都市的な魅力と豊かな自然環境が調和したコンパクトな都市を形成しており、住みたいまち、そして、住みやすいまちとして国内外から高い評価をいただいているところでございます。一方で、豊かな自然環境を育む農山漁村地域は、人口減少ですとか、また、高齢化の進展などによって地域コミュニティの維持などの課題が顕在化をしておりまして、その活性化を図るに当たっては、豊かな自然環境や美しい景観、また、歴史、文化資源など都心部にはない地域の魅力を生かしていくことが大変重要であるというふうに考えています。中でも、冨永議員からお示しがありました北崎や志賀島のような海辺空間は、現在多くの観光客が訪れて、フォトスポットとしても人気のある大変魅力的な空間でございます。令和2年4月から導入する宿泊税の活用も検討しながら、海辺や景観を保全しますとともに、観光地としての受け入れ環境の整備など、ハード、ソフトの両面からしっかりと取り組むことによって貴重な観光資源を磨き上げ、そして、地域の魅力を最大限引き出すことができると考えております。
 農山漁村地域にお住まいの方が住んでよかった、住み続けたいと思うことはもちろん、多くの観光客が訪れたいと思うような魅力的な地域となりますように、地域特性を生かした観光振興と地域の活性化にしっかりと取り組んでまいります。
 
○副議長(楠 正信) この際、時間を延長いたします。冨永計久議員。
○26番(冨永計久) どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、子ども医療費の助成拡大について質問いたします。
 福岡市の子ども医療費助成制度は、市民並びに本市議会からの要望を踏まえながら、段階的に拡充されてきました。現状では、入院医療費はゼロ歳から中学校3年生までが無料に、また、通院医療費については3歳から一部自己負担があるものの、小学校6年生までが助成対象となっています。ここで特筆すべきは、中学校1年生から3年生までの入院医療費で、現状では福岡県からの補助がない中で福岡市独自に助成制度を設けているということです。保育の受け皿づくりや担い手の確保についても同様ですが、子育てしやすい環境づくりに向けて、真摯な取り組みをいただいてきた島市長以下、関係局の御尽力にまずは敬意を表する次第です。
 また、子ども医療費助成に関しても、島市長は福岡県や小川知事本人に対して積極的に粘り強く交渉されてきました。このような中、私ども自由民主党福岡市議団は、去る12月2日に福岡県議会を訪問し、栗原福岡県議会議長や自由民主党福岡県議団の幹部に対し、子ども医療費助成制度の拡充に向けた支援をお願いするため、要望書を提出してまいりました。
先ほど述べたとおり、福岡市では中学校1年生から3年生までの入院医療費を市が単独で助成している状況ですが、これを通院医療費まで拡充していくためには福岡県からの財政支援の可否が大きな鍵を握るところであり、この点について、福岡県議会並びに自由民主党福岡県議団の後押しを求めるのがせんだっての要望活動の趣旨でありました。その後、去る12月6日の福岡県議会代表質問において、自由民主党県議団から小川県知事に対し、子ども医療費の助成の拡大を要望し、小川知事が極めて前向きに応じたと伺っております。
 そこで、県議会の議場におけるやりとりについて、福岡市として把握されている状況をお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡県議会の代表質問におけるやりとりということでございますが、医療費助成の拡充に関する質問に対し、県知事が令和3年度から子ども医療費助成対象を入院、通院ともに中学校3年生までに拡大をするとともに、中学生については、政令市も含め、県内市町村は一律に2分の1の補助率としたいとの旨を答弁されたものと承知いたしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 冨永計久議員。
○26番(冨永計久) 答弁いただいたとおり、政令指定都市や一般市町村の区別なく、2021年度、つまり令和3年度から中学生の医療費に対して福岡県が2分の1を新たに助成することを検討するというのが自民党福岡県議団に対する福岡県知事の答弁概要のようです。
 さて、ここに至るまでには、島市長を初め、市当局において、さまざまな努力を積み重ねてきたと思います。ことし5月には島市長と小川県知事によるトップ会談が行われ、宿泊税及び医療費助成制度に関する合意がなされました。その合意の内容は、医療費助成制度のあり方について引き続き協議を進めるという内容だったと記憶しております。
 そこで、福岡市においては、これまで子ども医療費助成制度について、福岡県とどのような協議を行ってこられたのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 子ども医療費助成制度につきましては、県費補助の格差是正に向け、これまでもさまざまな機会を通じて要望を行ってまいりました。特に今年度に入ってからは、5月に福岡市と福岡県とのトップ会談において、政策調整のための協議に関する合意書を締結いたしまして、これに基づき、鋭意、実務者協議を行いますとともに、去る10月24日には副市長から副知事に対し、医療費支給制度に係る補助率の引き上げ及び補助対象の拡充について要望を行うなど、本市といたしましても積極的に働きかけを行ってまいったところでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 冨永計久議員。
○26番(冨永計久) 島市長や市当局がさまざまな機会を捉えて要望活動など行ってきた結果、子ども医療費助成制度について一定の成果が得られたことは大変評価したいと思います。
 さて、このような状況を受け、福岡市でもいち早く子ども医療費のさらなる助成拡充に向けた検討を行っていただきたいと思っているところですが、ここで、現在、福岡市の中学校1年生から3年生までの子ども医療費助成のための年間執行額はどの程度なのか、また、新たに通院医療費にまで拡大した場合の新たな財政負担をどのように見込んでいるのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 中学生に対する子ども医療費助成につきましては、現在、入院のみを助成の対象としておりまして、その執行額は平成30年度決算額で約8,000万円となっております。通院医療費の助成対象を中学校3年生までに拡大した場合につきましては、平成26年度の試算によりますと、自己負担がない場合で約7億7,000万円を要するものと見込んでおります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 冨永計久議員。
○26番(冨永計久) 7億7,000万円、決して小さくはない額ですが、福岡県からの2分の1の補助が得られる見通しとなったことは大きな後押しになるものと思います。
 私ども自由民主党福岡市議団では、平成31年度、つまり令和元年度の政策要求において、中学校3年生までの通院医療費助成の拡大を市長にお願いしており、その点、私たち自身も汗をかくべきであるとの考えから、さまざまな場面を捉え、福岡県議会への後押しを求めてまいりました。今回、島市長を初め、市当局と市議会がともに行った要望活動が一つの実を結んだことを喜びたい気持ちと同時に、福岡市がさらに子どもを生み育てやすいまちとなるよう、しっかり取り組んでいきたいと考えています。私どもとしては、長年の懸案でもある乳幼児及び学童の医療費に対する福岡県の補助率4分の1が他の市町村同様に2分の1となるように、今後も福岡県議会への根強い要望を続けていく考えであることを申し添えておきます。
 そこで、島市長におかれましては、これまでの子育て環境の充実の御努力をさらに推し進める観点からも、福岡県政における子ども医療費助成の拡大方針をきっかけに、福岡市での中学校3年生までの通院医療費助成を早急に実現していただきたいと考えますが、最後に市長に御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市を安心して子どもを生み育てられるまちとするために、現在、子育て支援の充実などさまざまな取り組みを行っているところでございます。
 その中で、福岡市における子育て支援策の大きな柱の一つであります子ども医療費助成制度につきましても、従来から県費補助率の引き上げ及び補助対象の拡充について県と協議を行ってまいりました。また、知事選の争点にもしてまいりました。
 このたび、福岡県において、令和3年度から子ども医療費助成制度の対象に中学生を加えること、また、政令市も含め、県内の市町村は一律公平に2分の1の補助率とするということに対しまして歓迎しますとともに、一定の評価をしております。
 福岡市としましては、子育て支援策の一環として医療費助成制度の拡充を検討してきたところでありますので、今回の県の方針を踏まえて、制度拡充に向けた検討をしっかりと進めてまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ)登壇 福岡令和会を代表いたしまして、質問をさせていただきます堀本わかこです。
 本年10月1日より消費税率が8%から10%に引き上げられ、初めての年末を迎えます。年末年始商戦ではモノが売れにくくなっている中で、体験型福袋などが話題になっており、小売業の企業努力が連日報じられています。また、税の支出について、ここ数年で消費税率が5%も引き上げられたことから、これまで以上に納税者の意識がシビアになっており、長年の慣例であったことまでもが、さきの国会報道のように、より公平な税の配分が求められているように思います。
 人生100年時代、超高齢化社会を迎えるに当たり、医療や介護に係る財政支出は増大の一途をたどっており、本市において独自財源の確保が非常に重要です。そこで、過去の本会議でも多くの議員から一般質問や常任委員会で質疑が行われてきたふるさと納税ですが、令和時代にふさわしいふるさと納税のあり方の質問をさせていただきます。前向きな答弁を期待するものであります。
 全国の自治体におけるふるさと納税の受け入れ件数と受入額の過去5年間の推移はどのような状態なのか、教えてください。
 以上、1問目を終え、2問目以降は自席にて質問をさせていただきます。
 
○副議長(楠 正信) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 全国の自治体におけるふるさと納税の受け入れ件数とその額につきましては、平成26年度が191万件余で388億円余、27年度が726万件余で1,652億円余、28年度が1,271万件余で2,844億円余、29年度が1,730万件余で3,653億円余、30年度が2,322万件余で5,127億円余でございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) ふるさと納税の制度及びその変遷について教えてください。
 
○副議長(楠 正信) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) ふるさと納税の制度につきましては、自治体に対し寄附を行うと、5,000円を超える部分について、従来の寄附控除額に加え、個人住民税の所得割額の1割を上限に住民税等から控除される制度として平成20年度に創設されております。また、23年度に適用の下限額が5,000円から2,000円に引き下げられ、27年度には控除の上限額が個人住民税所得割額の1割から2割に引き上げられる制度改正が行われるとともに、ふるさと納税先の自治体に申告特例の申告書を提出することにより、一定の条件で確定申告を行うことなく寄附金控除を受けることができるワンストップ特例制度が創設されております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 近年、全国で返礼品競争が過熱し、社会的な問題になっています。そのことから、総務省より指定を受けた自治体だけがふるさと納税制度の適用を受けるという指定制度が創設されたようですが、総務省が定めた返礼品の条件はどのようなものがあるのでしょうか。
 
○副議長(楠 正信) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 平成31年度の税制改正におきまして、ふるさと納税の対象となる自治体を総務大臣が指定する制度が創設されております。本制度における返礼品の条件といたしましては、寄附額に対する返礼割合を3割以下とすること、返礼品は地場産品とすることとなっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 福岡市のふるさと納税の状況についてお伺いいたします。
 現在、どのような寄附メニューや返礼品を用意しているのでしょうか。また、総務大臣からの指定は受けていますでしょうか。
 
○副議長(楠 正信) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 本市の寄附メニューにつきましては、福祉、子育て、暮らし、文化、芸術、スポーツ、まちづくり、動植物、環境、自然といった分野で、施策事業に関連した26のメニューを設けております。返礼品につきましては、市内産のブランド化等の観点から、農水産物や伝統工芸品について、関係局と協議により、16品を用意しております。また、総務大臣からの指定につきましては、令和元年6月1日から令和2年9月30日までの期間について、ふるさと納税の対象団体として指定されているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 福岡市へのふるさと納税の過去5年の件数と金額の推移はどのような状況でしょうか。
 
○副議長(楠 正信) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 本市へのふるさと納税の件数と金額につきましては、平成26年度が993件で3,700万円余、27年度が956件で4,600万円余、28年度が851件で9,200万円余、29年度が985件で4,900万円余、30年度が832件で4,000万円余でございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 平成30年度の実績で、政令市における福岡市のふるさと納税の件数と金額の順位を教えてください。
 
○副議長(楠 正信) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 平成30年度、本市ふるさと納税の政令指定都市における順位でございますが、寄附件数につきましては、20政令指定都市中、多いほうから17番目でございます。寄附額につきましては、多いほうから18番目でございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 福岡市は政令市の中でも件数及び金額の順位が低いことがわかりました。
 次に、福岡市民がふるさと納税を利用することによって、本来、市に入るべき税収が控除され、失った額は平成30年度では幾らか、お伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 福岡市に入るべき税収から控除されたふるさと納税に係る寄附金控除額につきましては、平成30年度で約29億9,000万円でございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 福岡市の寄附金控除額が約30億円に対して、本市への寄附額が約4,000万円と、その差が大きく開いていることがわかりました。
 福岡市民から他都市への寄附については、地方交付税の算定上、市民税の減収額の4分の3相当額の基準財政収入額が減少し、地方交付税等の増額要素となりますが、それでも実質の減収分以上に大きく寄附を集めることはとても重要だと思います。
 ふるさと納税は、市町村において重要な事業になっており、市域の資源を生かせる貴重な財源です。他の政令市は、寄附金額や寄附件数をふやすためにどのような工夫、取り組みを行っているのでしょうか、本市の参考になる取り組みがあれば教えてください。
 
○副議長(楠 正信) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 本市におきましては、施策や事業に共感や賛同を得られることに重きを置いて取り組んでおります。寄附メニューの数は政令指定都市の中では5番目に多い状況でございます。一方、返礼品の数は政令指定都市の中でも少なくなっておりまして、また、他の政令指定都市におきましては、モノだけではなく、空き家の見守りサービスでありますとか観光ツアーなど、コトの提供を行っているところがございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 私は、本市のふるさと納税について、寄附メニューは充実しているものの、コモディティ化していることが寄附額の伸び悩みの主な要因ではないかと思います。そこで、冒頭に民間企業が年末年始商戦で体験型福袋を販売している話を紹介しましたが、ここに寄附額をふやすヒントがあるのではないかと思います。
 令和の時代になり、欲しいものはネットで何でも手に入るようになり、シェアリングエコノミーなどモノの所有には興味のない人が極めて多くなっています。これからの時代は、モノの消費ではなく、体験や人間関係、インスタ映えなどの風景や歴史、文化、出会いなどコトの消費に注目が集まっています。令和の時代は、モノからコトへと生活者の興味が進化しているからこそ、本市でないと成立しない体験型返礼品を打ち出すことで、他の市町村と差別化できるのではないかと思います。
 そこで、体験型返礼品の積極的な導入について本市の御所見をお伺いできますか。
 
○副議長(楠 正信) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) ふるさと納税の返礼品につきましては、今般の制度改正によりその条件が明確化されたことから、本市におきましても返礼品の充実強化を図ってまいりたいと考えております。具体的には、国が定めた返礼品の条件に従って寄附額に対する返礼割合を3割程度まで引き上げることとし、公募の実施により、モノだけではなく、コトの返礼品も加えるなど、種類、品数ともに充実を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 具体的な実例をもとに質問を続けさせていただきます。
 ことし4月に初当選後、5月に、六月大歌舞伎の本市の補助事業でもある船乗り込みに地元の市議として招待していただき、参加させていただきました。沿道には数万人の観客があり、本市の観光事業としては285万円の補助額に対して一定の効果があり、また、歌舞伎の根強いファンの多さに驚いたところです。また、この事業については、さらなる可能性を感じたところです。
 この船乗り込みにはどういう方々が乗船されているのでしょうか。そして、何名の乗船枠があり、その乗船枠への乗り込む者をどのように決定されているのでしょうか。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 船乗り込みにつきましては、地元を中心とした実行委員会が開催しており、その乗船者につきましては、歌舞伎の役者のほか、実行委員会の関係者、協賛企業、地域代表、議員等の来賓や公募した市民の方など約130人の方が乗船しております。また、乗船者の人選につきましては、実行委員会で人選を行い、決定をしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 現在、船乗り込み事業には本市の補助金が出ていますが、歌舞伎ファンの方が多い一方で、全く関心のない方からも徴収した税金も含まれていて、例えば、私のように議員というだけで、受益者としての負担することなく乗船できる状況です。
 冒頭にお話ししましたとおり、納税者による税の使い道への関心は高まっており、これまでの慣例をも、受益者負担と公平な選定基準が求められているかと思います。このことから、船乗り込みのような文化行事を継続的に支援を行い、福岡市の魅力として発信していくために、ぜひこのような体験を福岡市のふるさと納税制度であるふくおか応援寄付の体験型返礼品メニューの一つに加えていただきたいと思いますが、所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 平成11年度の博多座開設から継続的に開催されております船乗り込みは、福岡・博多の春の風物詩として、歌舞伎ファンのみならず、多くの市民、来街者にお楽しみいただいております。船乗り込みは、地元を含む実行委員会が国内外への地域の魅力発信と地域の活性化を目的に取り組んでいるものでございまして、本市としましても、継続的に実施されるよう支援を行っているところでございます。乗船体験をふくおか応援寄付の体験型返礼品のメニューに加えることにつきましては、これまでにない手法であることから、今後、実行委員会と相談していきたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 体験型返礼品については、知恵によっては仕入れがかからないものや、より本市の魅力をPRできる体験型など、今後も無数のアイデアが形にできるかとも思います。他都市を調べますと、10万円の寄附をすると市長から感謝状がもらえるという、コストもかからず、幾らでも在庫が確保できるようなものもあります。島市長の高い人気からも、感謝状手渡しのインスタ映えなど、すぐに本市においても導入できないだろうかと思ったところです。また、お隣の太宰府市では、体験型返礼品として笑いを届けるというモノからコトへの返礼品が話題になっています。
 本年の6月21日に政府が閣議決定したまち・ひと・しごと創生基本方針2019にも、クラウドファンディング型の仕組みを活用するなど、制度の趣旨を踏まえて地域活性化に取り組む地方団体を支援すると記載があります。本市が伝統文化などに支出する補助事業については、できる限り全ての事業に体験型返礼品を補助対象者が考え、本市の補助額を目標にプロジェクトごとに寄附を募るクラウドファンディング的な手法を採用することが、財源確保という視点とは別に本市の伝統文化のPRという両側面で有効ではないかと思います。もちろん、補助額に満たなかった場合の不足した分については、これまでのように市の負担が重要です。そのためには、返礼品の充実について、市が選定する方式と別に、補助事業と連動したクラウドファンディング型を採用した対象事業者が選定、思考できる仕組みづくりの御検討のほどをいただきたいと思います。
 続きまして、11月28日の日経新聞の1面に出ていましたが、政府・与党がことしの年末に終了する予定であった企業版ふるさと納税への税制優遇措置を延長と拡充する方針を固めたとの報道がされ、令和2年度税制改正要望事項が財務省のホームページに公開されました。
 その内閣官房による要望事項の内容はどのようなものでしょうか。
 
○副議長(楠 正信) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 企業版ふるさと納税につきましては、内閣総理大臣が認定した地域再生計画に位置づけられた事業に対して企業が寄附を行った場合に、3割の損金算入措置に加え、平成28年度から令和元年度までの間、法人関係税に係る税額控除3割の特例措置が講じられるものでございます。国の概算要求において、内閣府から財務省に対し、企業版ふるさと納税の関連で、令和2年度税制改正要望5項目がなされております。その内容につきましては、税額控除の特例措置を令和6年度まで5年間延長すること、税額控除割合を3割から6割に引き上げること、個別事業を認定する方式から包括的な認定とし、法適合性を事後報告する方式に転換することにより認定手続の簡素化を図ること、併用可能な国の補助金、交付金の範囲を拡大すること、寄附時期の制限を緩和することでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 令和2年度税制改正要望事項によると、損金算入3割と控除6割を合わせて9割となることから、例えば、100億円寄附するとなれば、実質10億円の負担でふるさと納税ができるようになり、企業の決算期に合わせた寄附や認定手続が簡素化されることから、今後は企業版ふるさと納税の都市間競争の激化が予想されると思われます。この企業版ふるさと納税の争奪戦は、個人版ふるさと納税と同じく、本市に本社を置く企業が他都市に寄附をした場合、税収を失う可能性も十分にあるかと思います。
 そこで、よりスピード感を持って、福岡市だけができるような独自メニューを創設し、より多くの寄附が集まる企業版戦略が必要になるかと思いますが、本市の御所見をお伺いできますでしょうか。
 
○副議長(楠 正信) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 企業版ふるさと納税につきましては、企業の本社が所在する地方公共団体への寄附につきましては対象外とされていることから、地元の地方公共団体へ貢献したいという企業の思いに十分応えられないなどといった制度上の課題もございます。本要望事項につきましては、本日決定されました令和2年度与党税制改正大綱に盛り込まれたところであり、今後の政府や国会の動向を注視してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) この企業のふるさと納税について、例えば、福岡市が100億円かかると試算するような新たな交通インフラ整備を極力市民の税負担を抑える手段として、1口100億円のふるさと納税で募集することも可能となるのではないかと思います。企業版ふるさと納税は、代償として経済的な利益の提供が禁止されており、返礼品は渡すことはできないとされていますが、寄附企業にネーミングライツ権まではできなくとも、実例のあるスポンサー花壇のように寄附者名のアナウンスをすることは他都市でも行っており、十分に可能ではないかと思います。
 私は、今回の令和2年の税制改正によって、例えば、福岡城の再建や学校の建てかえ、また、新たな交通インフラ整備など、福岡市の成長についての財源として大きな期待をしているところです。これまでの本市のふるさと納税の議論の大半は、個人が対象であり、10万円、20万円の寄附を集めて運営されていたわけですが、今後は国の税制改正を後押しとして、企業版ふるさと納税など大口の寄附を募り、福岡市のさまざまな事業を一気に推し進めるチャンスと思います。
 このような動きも踏まえ、今後のふるさと納税の活用に向けた取り組みにつきまして、最後に島市長の御所見をお伺いいたしまして、私の一般質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 島市長。
○市長(島宗一郎) これからのまちづくりにおいて、いかに税金を使わずに、民間の力を最大限引き出しながらまちをつくっていくかは非常に大事な発想だというふうに思います。その上で、ふるさと納税の活用ということ、それからクラウドファンディングだとか、こういうことも非常に意義のあることだというふうに考えています。ふるさと納税に関しましても、今後それぞれの取り組みによって、応援したい自治体というものが選択されるような制度になっていくということが望ましいとも考えています。
 福岡市を応援したいという善意にお応えしていただけるように、ふるさと納税を活用して、福岡市のさまざまな魅力もアピールするとともに、企業なども含めてより多くの方々に福岡市の施策ですとか事業、こうしたものに共感や賛同を得ていけるように、ふるさと納税、ふくおか応援寄付の推進にこれからもいろんな工夫をしながら取り組んでいきたいと考えております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) お諮りいたします。
 本日の会議はこの程度にとどめ、残余の質問は明13日の会議にこれを繰り延べたいと思います。これに御異議ありませんか。
      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 
○副議長(楠 正信) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次の会議は明13日午前10時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後5時19分 散会