令和元年12月10日(火)

令和元年第5回福岡市議会定例会
議  事  日  程 (第1号)
                             12月10日 午前10時開議
第1 会期決定の件
第2 議案第39号 平成30年度福岡市一般会計歳入歳出決算
第3 議案第40号 平成30年度福岡市後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算
第4 議案第41号 平成30年度福岡市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算
第5 議案第42号 平成30年度福岡市介護保険事業特別会計歳入歳出決算
第6 議案第43号 平成30年度福岡市母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計歳入歳出決算
第7 議案第44号 平成30年度福岡市集落排水事業特別会計歳入歳出決算
第8 議案第45号 平成30年度福岡市中央卸売市場特別会計歳入歳出決算
第9 議案第46号 平成30年度福岡市港湾整備事業特別会計歳入歳出決算
第10 議案第47号 平成30年度福岡市営渡船事業特別会計歳入歳出決算
第11 議案第48号 平成30年度福岡市伊都土地区画整理事業特別会計歳入歳出決算
第12 議案第49号 平成30年度福岡市香椎駅周辺土地区画整理事業特別会計歳入歳出決算
第13 議案第50号 平成30年度福岡市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出決算
第14 議案第51号 平成30年度福岡市駐車場特別会計歳入歳出決算
第15 議案第52号 平成30年度福岡市財産区特別会計歳入歳出決算
第16 議案第53号 平成30年度福岡市立病院機構病院事業債管理特別会計歳入歳出決算
第17 議案第54号 平成30年度福岡市市債管理特別会計歳入歳出決算
第18 議案第55号 平成30年度福岡市モーターボート競走事業会計利益の処分について
第19 議案第56号 平成30年度福岡市モーターボート競走事業会計の決算について
第20 議案第57号 平成30年度福岡市下水道事業会計利益の処分について
第21 議案第58号 平成30年度福岡市下水道事業会計の決算について
第22 議案第59号 平成30年度福岡市水道事業会計利益の処分について
第23 議案第60号 平成30年度福岡市水道事業会計の決算について
第24 議案第61号 平成30年度福岡市工業用水道事業会計の決算について
第25 議案第62号 平成30年度福岡市高速鉄道事業会計の決算について
第26 議案第94号 令和元年度福岡市一般会計補正予算案(第3号)
第27 議案第95号 令和元年度福岡市後期高齢者医療特別会計補正予算案(第1号)
第28 議案第96号 令和元年度福岡市国民健康保険事業特別会計補正予算案(第1号)
第29 議案第97号 令和元年度福岡市介護保険事業特別会計補正予算案(第1号)
第30 議案第98号 令和元年度福岡市集落排水事業特別会計補正予算案(第1号)
第31 議案第99号 令和元年度福岡市中央卸売市場特別会計補正予算案(第2号)
第32 議案第100号 令和元年度福岡市港湾整備事業特別会計補正予算案(第2号)
第33 議案第101号 令和元年度福岡市営渡船事業特別会計補正予算案(第1号)
第34 議案第102号 令和元年度福岡市香椎駅周辺土地区画整理事業特別会計補正予算案(第2
号)
第35 議案第103号 令和元年度福岡市市債管理特別会計補正予算案(第2号)
第36 議案第104号 令和元年度福岡市モーターボート競走事業会計補正予算案(第1号)
第37 議案第105号 令和元年度福岡市下水道事業会計補正予算案(第2号)
第38 議案第106号 福岡市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案
第39 議案第107号 福岡市幼稚園型認定こども園,保育所型認定こども園及び地方裁量型認定こ
ども園の認定の要件を定める条例の一部を改正する条例案
第40 議案第108号 福岡市幼保連携型認定こども園の設備及び運営の基準を定める条例の一部を
改正する条例案
第41 議案第109号 福岡市児童福祉施設の設備及び運営の基準を定める条例の一部を改正する条
例案
第42 議案第110号 福岡市建築関係手数料条例の一部を改正する条例案
第43 議案第111号 福岡市建築基準法施行条例の一部を改正する条例案
第44 議案第112号 福岡市営住宅条例の一部を改正する条例案
第45 議案第113号 福岡市立学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案
第46 議案第114号 福岡市立小呂保育所に係る指定管理者の指定について
第47 議案第115号 福岡市立つくし学園に係る指定管理者の指定について
第48 議案第116号 福岡市立ふよう学園に係る指定管理者の指定について
第49 議案第117号 福岡市立ももち福祉プラザに係る指定管理者の指定について
第50 議案第118号 福岡市立心身障がい福祉センターに係る指定管理者の指定について
第51 議案第119号 福岡市立療育センターに係る指定管理者の指定について
第52 議案第120号 福岡市立早良障がい者フレンドホームに係る指定管理者の指定について
第53 議案第121号 福岡市立西障がい者フレンドホームに係る指定管理者の指定について
第54 議案第122号 福岡市立障がい者スポーツセンターに係る指定管理者の指定について
第55 議案第123号 福岡市立あゆみ学園に係る指定管理者の指定について
第56 議案第124号 福岡市立めばえ学園に係る指定管理者の指定について
第57 議案第125号 福岡市立児童心理治療施設に係る指定管理者の指定について
第58 議案第126号 福岡市立急患診療センター等に係る指定管理者の指定について
第59 議案第127号 福岡市立玄界診療所に係る指定管理者の指定について
第60 議案第128号 福岡市立能古診療所に係る指定管理者の指定について
第61 議案第129号 平尾霊園等に係る指定管理者の指定について
第62 議案第130号 福岡市葬祭場に係る指定管理者の指定について
第63 議案第131号 かなたけの里公園に係る指定管理者の指定について
第64 議案第132号 市営川端地下駐車場に係る指定管理者の指定について
第65 議案第133号 南区内設置の自転車駐車場に係る指定管理者の指定について
第66 議案第134号 早良区内設置の自転車駐車場に係る指定管理者の指定について
第67 議案第135号 福岡市立中央市民センターに係る指定管理者の指定について
第68 議案第136号 福岡市立早良市民センターに係る指定管理者の指定について
第69 議案第137号 福岡市立博多市民センターに係る指定管理者の指定について
第70 議案第138号 福岡市立城南市民センターに係る指定管理者の指定について
第71 議案第139号 福岡市立西市民センターに係る指定管理者の指定について
第72 議案第140号 福岡市立雁の巣児童体育館に係る指定管理者の指定について
第73 議案第141号 福岡市の区域内における糸島市道の設置に関する協議について
第74 議案第142号 当せん金付証票の発売について
第75 議案第143号 博多区新庁舎整備等事業に係る契約の締結について
第76 議案第144号 総合西市民プール大規模改修工事請負契約の締結について
第77 議案第145号 福岡市道路照明灯一括LED化ESCO事業に係る契約の締結について
第78 議案第146号 都市公園区域の廃止について
第79 議案第147号 都市公園区域の一部廃止について
第80 議案第148号 訴えの提起について
第81 議案第149号 訴えの提起について

本日の会議に付した事件
1.日程第1
2.日程第2ないし日程第25
3.日程第26ないし日程第81

出 席 議 員 (62名)
1番  稲 員 稔 夫       2番  鬼 塚 昌 宏
3番  堤 田   寛       4番  川 上 陽 平
5番  津 田 信太郎       6番  大 森 一 馬
7番  平 畑 雅 博       8番  伊 藤 嘉 人
9番  打 越 基 安      10番  川 上 晋 平
11番  阿 部 真之助      12番  勝 山 信 吾
13番  川 上 多 恵      14番  淀 川 幸二郎
15番  調   崇 史      16番  大 坪 真由美
17番  古 川 清 文      18番  高 木 勝 利
19番  新 村 まさる      20番  大 原 弥寿男
21番  今 林ひであき      22番  篠 原 達 也
23番  尾 花 康 広      24番  松 野   隆
25番  楠   正 信      26番  冨 永 計 久
27番  森   英 鷹      28番  南 原   茂
29番  おばた 久 弥      30番  山 口 剛 司
31番  大 石 修 二      32番  黒 子 秀勇樹
33番  藤 野 哲 司      34番  堀 本 わかこ
35番  中 島まさひろ      36番  天 野 こ う
37番  山 口 湧 人      38番  松 尾 りつ子
39番  井 上 麻 衣      40番  飯 盛 利 康
41番  はしだ 和 義      42番  浜 崎 太 郎
43番  堀 内 徹 夫      44番  綿 貫 英 彦
45番  森   あやこ      46番  福 田 まもる
47番  国 分 徳 彦      48番  藤 本 顕 憲
49番  倉 元 達 朗      50番  中 山 郁 美
51番  荒 木 龍 昇      52番  高 山 博 光
53番  ついちはら陽子      54番  田 中 たかし
55番  成 瀬 穫 美      56番  山 田 ゆみこ
57番  宮 浦   寛      58番  近 藤 里 美
59番  川 口   浩      60番  落 石 俊 則
61番  田 中しんすけ      62番  池 田 良 子

欠 席 議 員 (0名)

説明のため出席した者
  市       長   島 宗一郎   副市長  光 山 裕 朗
副  市  長  中 村 英 一   副市長  荒 瀬 泰 子
水道事業管理者  清 森 俊 彦   交通事業管理者  重 光 知 明
総務企画局長  小野田 勝 則   財政局長  松 本 典 久
市民局長  下 川 祥 二   こども未来局長   田 浩 輝
保健福祉局長  舟 越 伸 一   環境局長  坂 本 秀 和
経済観光文化局長   島   収   農林水産局長  細 川 浩 行
住宅都市局長  石 橋 正 信   道路下水道局長  駒 田 浩 良
港湾空港局長  清 家 敬 貴   消防局長  山 下 周 成
会計管理者  水 町 博 之   教育長  星 子 明 夫
教育委員  町     孝   選挙管理委員会事務局長  宮 崎 晶 子
人事委員会事務局長  中 村 郁 子   監査事務局長  馬 場 哲 久

職務のため出席した事務局職員
議会事務局長  土 井 裕 幹   議会事務局次長  金 子 佳 史
議事課長   着 一 孝   議事係長  中 村   博
外関係職員

午前10時 開議  
○議長(阿部真之助) ただいまから令和元年第5回福岡市議会定例会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。
 会議録署名議員に川上陽平議員、川口浩議員を指名いたします。
 日程に入るに先立ち、この際、報告いたします。
 まず、市長から別紙報告書類一覧表に記載の書類が提出されましたので、その写しを去る12月3日お手元に送付いたしておきました。
 次に、人事委員会から地方公務員法の規定に基づき、議案第106号及び議案第113号、以上2件に対する意見が提出されましたので、その写しをお手元に送付いたしておきました。
 次に、市長から令和元年第4回定例会で採択された請願の処理経過及び結果について報告がありましたので、その写しをお手元に送付いたしておきました。
 次に、地方自治法第100条第13項及び会議規則第125条第2項の規定により、お手元に配付いたしております議員派遣報告一覧表のとおり、議長において議員の派遣を決定いたしておきました。
 以上で報告を終わります。
 これより日程に入ります。
 日程第1、会期決定の件を議題といたします。
 お諮りいたします。
 今期定例会の会期は、本日から12月18日までの9日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 
○議長(阿部真之助) 御異議なしと認めます。よって、会期は9日間と決定いたしました。
 次に、日程第2ないし日程第25、以上24件を一括して議題といたします。
 この際、委員長の報告を求めます。決算特別委員長、中島まさひろ議員。
 
○35番(中島まさひろ)登壇 皆さんおはようございます。ただいま議題となっております平成30年度決算関係議案24件について、決算特別委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
 本委員会は、去る9月12日に設置され、9月18日の委員会において正副委員長の互選を行い、その後、10月2日の委員会では決算の概要について理事者に説明を求め、監査委員から決算審査についての意見を聴取いたしました。
 次いで、10月3日、4日及び7日に総会を開き、議案全般についての質疑を行い、10月8日から11日まで及び15日に全委員が5分科会に分かれ、鋭意審査を行いました。
 各分科会における質疑、意見の概要については、既に文書をもって各委員に配付いたしておりますので、省略させていただきます。
 次いで、10月18日に総会を開き、さらに質疑を行いました。
以下、総会において特に議論され、各委員から意見、要望がありました諸点について御報告いたします。
 本市の人口増加の影響については、中長期的な政策の立案において、人口動態の分析をしっかりと行い、子育て世代の動向や単独世帯の増加など、本市特有の変化を反映すべきとの意見。
 効率的な働き方の推進については、RPAやAI、OCRの導入を積極的に推進するとともに、庁内パソコンのモバイル化を検討し、場所の制約から解放されたスマートオフィスを実現されたいとの要望。
 G20福岡財務大臣・中央銀行総裁会議については、本市の持つポテンシャルが成功に寄与したことから、今回の経験を生かし都市機能をさらに高め、次のステージへ進めていくべきとの意見。
 日韓関係については、現在の状況は本市経済に大きな影響を与えているため、政経分離と対話による外交的解決を国に求めるとともに、釜山広域市との姉妹都市交流を復活するなど、友好を強める施策を推進すべきとの意見。
 在住外国人については、技能実習生や留学生などの実態を把握して支援を行うとともに、共生社会を実現する条例や、人種差別を助長する活動を規制する条例をつくるべきとの意見。
 障がい者雇用の充実、改善については、障がいの有無にかかわらず、誰もが任用の期限なく安定して仕事が続けられることが望ましいため、可能な限り正規雇用率を高められたいとの要望。
 正規職員の採用試験における知的及び精神障がい者への受験資格の拡大、積極的なチャレンジ雇用の推進、雇用終了者に対する就職支援などに全庁で取り組まれたいとの要望。
 財政の健全性については、実質公債費比率、将来負担比率とも、いずれも政令市の中では高い位置にあり、これからも市債残高の縮減に取り組むべきとの意見。
 自律的な行政運営については、社会環境の変化とともに、施策や事業の行政関与の必要性、優先度、有効性の見直しが必要であり、他都市の先進事例等を参考に、改革促進に取り組まれたいとの要望。
 財政運営の偏りについては、市民生活にかかわる分野の歳出が少な過ぎる現状を改め、市民の命と暮らしを守る施策を最優先に進めていくべきとの意見。
 公共施設整備については、リスク管理の観点から、施設の法定耐用年数まで負担を平準化できる市債発行とPFI方式による債務負担行為のバランスのとれた資金調達を考えられたいとの要望。
 市有財産の活用については、目的外の過大整備とせず、適切な計画とすべきとの意見。
 施設の建てかえなどの機会を捉えて、歳入の確保、費用の削減や不足するサービスの提供などに取り組まれたいとの要望。
 市役所北別館については、再整備計画を撤回し、財界に売り渡すことなく市民の財産として有効活用すべきとの意見。
 市民行政については、自治協議会との共創について、地域づくりの重要な組織と明確に位置づけ、さらにクリーンで開かれた運営のための支援に本気で取り組むべきとの意見。
 再犯防止の推進について、犯罪や非行をした人の中には、地域社会で生活する中でさまざまな困難や課題を抱えている人も多く、よりきめ細やかな再犯防止推進計画を策定すべきとの意見。
 繁華街における悪質な客引きについて、都市のイメージ低下につながる迷惑行為であるため、苦慮している地元の各団体の思いも受けとめ、規制する条例を早期に制定すべきとの意見。
 交通安全対策について、運転免許証の自主返納者への効果的な支援、自動車の急発進防止装置の設置費用等の助成、ドライブレコーダーの普及促進、保育施設等の周辺道路でのキッズゾーン設置などにより、さらに推進されたいとの要望。
 災害に強いまちづくりについて、避難場所をふやし、避難情報を高齢者や障がい者など一人一人に確実にきめ細かく伝える仕組みを早急に整え、避難所における情報提供の充実を図るべきとの意見。
 災害時でも市民生活や企業活動を維持するためには、電力の安定供給が重要であり、無電柱化をさらに推進すべきとの意見。
 日向峠−小笠木峠断層帯地震を想定した揺れやすさマップや地域防災計画に改定し、活断層の真上にある学校施設を移築するとともに、断層に隣接する施設を長寿命化しない方針にすることを検討されたいとの要望。
 防災、減災、縮災のためには、貯留施設の整備などだけではなく、ハザードマップの地域での活用も必要であり、また、原子力災害対策として安定ヨウ素剤の備蓄も進められたいとの要望。
 スポーツMICEの推進について、ラグビーワールドカップに続き、今後も市民スポーツの振興や地域経済の活性化などの効果が期待できる大規模国際スポーツ大会の誘致を積極的に進めていくべきとの意見。
 世界水泳について、特定の企業を優遇して業務を行わせ、また、今後の収支の見込みがわからないような大会の開催は返上し、市民スポーツの環境整備にこそ税金を投入すべきとの意見。
 体育館と市民センターの駐車場について、不適正利用防止のため、有料化はやむを得ないが、施設をよく利用する人の負担軽減など公平性の向上と適正化を図り、利用しやすい環境整備に取り組まれたいとの要望。
 子ども行政については、児童館について、増設をかたくなに拒否する姿勢を改め、雁の巣幼稚園の跡地に設置するとともに、各行政区に少なくとも1カ所は設置すべきとの意見。
 DV相談と児童虐待問題について、子どもがいるDV相談者には、面前DVの可能性も考慮した対応が必要であり、一体的に解決するため、これまで以上に関係局が連携すべきとの意見。
 不妊・不育治療について、仕事との両立などについて理解を深め、若い世代に対しては適齢期があることを知ってもらうことが重要であり、パンフレットを作成して啓発を推進されたいとの要望。
 幼稚園類似施設について、幼保無償化の対象としていない国の制度は不十分であるため、子どもの発達、成長に役割を果たしていることをしっかりと認め、本市独自に補助を行うべきとの意見。
 教育行政については、学校規模適正化について、小規模校は統合も含めた検討を行うべき、また、校区調整を行った学校が再び過大規模校となっているため、分離も含めて幅広く地域の意見を聞き、協議を進めていくべきとの意見。
 避難所となる学校について、財源面や災害時等に効果が期待できる電力量の高い太陽光パネルを民間活力の活用により増設されたいとの要望。
 学校施設の適正な維持管理について、財政負担や教員の負担軽減などの観点から水泳の授業を民間委託化するなど、施設更新時に選択の幅を広げる検討を進められたいとの要望。
 学校における省エネ対策について、適切な学習環境を確保した上でエアコンの適正利用などの取り組みを行うとともに、既存校舎における改修工事等の機会を捉えて断熱性能を改善、向上させる整備を検討されたいとの要望。
 子どもの人権相談体制の充実について、SNSを活用した相談体制の構築に当たっては、安全性等を十分理解するとともに、子どもや家庭へ配慮し、誰もが手軽に利用できる子どもの人権SOSミニレターの周知、定着を図るべきとの意見。
 特別支援教育の拡充について、障がいのある子どもたちが社会に順応して活躍するためには、早い段階で専門的な教育を行うことが非常に有効であることから、将来的には全ての学校に自閉症・情緒障がい特別支援学級を整備すべきとの意見。
 情緒障がい等のある児童生徒が通う通級指導教室について、巡回指導型も含めた増設を検討し、生活支援員をさらに増員されたいとの要望。
 経済観光文化行政については、観光施策について、国内外の都市と観光客誘致の競争が激しくなっているため、来年度から導入される宿泊税を最大限活用し、さらなる観光・MICEの振興に取り組まれたいとの要望。
 博多旧市街まるごとミュージアムなどを将来的に本市全体でのアートイベントとして発展、継続させ、東京オリンピックや世界水泳等の機会にPRに努め、来訪者に感動を与えられたいとの要望。
 農林水産行政については、林業について、森林の多面的機能を発揮させるために活性化が重要であり、未来を担う子どもたちや地球のために、荒廃森林整備など林業施策にもっと目を向けられたいとの要望。
 植える、育てる、使う、また植えるというサイクルが大切であり、課題解決に向け、国の森林環境譲与税を有効活用し、森林保全を早急に進められたいとの要望。
 博多湾について、海底ごみなどさまざまな要因によって漁場環境が悪化し、漁業に影響を及ぼしており、水産業の復活、振興のためにこれまで以上にスピード感を持って積極的に環境改善、底質改善事業に取り組まれたいとの要望。
 陸域からのごみの流入抑制のため、普及啓発や清掃活動の実施、不法投棄の監視強化など、流域自治体との連携に取り組まれたいとの要望。
 保健福祉行政については、生活困窮者支援について、ひとり親家庭やひきこもり状態にある人などに対するアウトリーチの取り組みを進めるとともに、就学援助の対象の拡大、給付型奨学金制度の拡充等を行うべきとの意見。
 生活保護について、国に対して生活扶助費の削減の撤回を求めるとともに、本市独自の夏季、年末一時金を復活させ、人権侵害である面接室の監視カメラを撤去して、保護受給者、相談者に寄り添うように改めるべきとの意見。
 ひきこもり状態にある人たちへの支援について、引き続き、中学校と高校の連携等に努めるとともに、よかよかルームに40歳以上の人を対象とする相談窓口を設け、周知を強化し、支援の充実を図るべきとの意見。
 断らない相談支援について、相談者の複合化した悩みに対応するため、つなぐシートを全庁で導入し、関係機関との連携を図るなど、縦割りを超えた総合的かつ伴走型の支援体制を構築されたいとの要望。
 検診受診と予防接種について、がん検診受診者の利便性が向上するオプトアウトを導入すること、また、高齢者肺炎球菌ワクチン接種率を向上させるために65歳の未接種者に再度通知することを検討されたいとの要望。
 高齢者乗車券について、市民の寄附文化の醸成を図るため、乗車券の申請時にふくおか応援寄付を選択肢として追加すべきとの意見。
 加齢性難聴者の補聴器購入等に対する支援について、聞こえのバリアフリーのため、本市独自の補助制度及び購入後の調整を手助けする制度を創設すべきとの意見。
 障害者手帳等について、本市の先進的なIT技術を駆使してカード化することなどにより、障がい者の心のバリアを除いていく施策をさらに進められたいとの要望。
 保護猫活動への支援について、動物愛護管理センターでの取り組みの充実や地域猫活動への支援だけではなく、人と猫との共生が幸せなものとなるよう一生懸命に取り組む個人にも目を向けられたいとの要望。
 住宅都市行政については、住宅政策について、市営住宅の管理戸数をふやすとともに、縦割り組織の壁を越え、居住、就労、生活に関する総合的な支援をワンストップで行うべきとの意見。
 放置された空き家等について、地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしているものもあるため、空き家条例に基づき是正が進むよう粘り強く取り組むとともに、本庁と区役所のより一層の連携に努められたいとの要望。
 ウォーターフロント地区の交通アクセス強化について、質の高い民間施設を誘導するためには、地下鉄を含めたさまざまな交通システムの検討が必要であり、地下鉄については、具体的な延伸区間に基づいた建設費や、採算がとれる利用者数などを試算されたいとの要望。
 狭小公園について、少子・高齢社会の進展による利用者数の減少や管理体制の弱体化などへの対応として、統合や規模拡大など使い勝手のよい公園への再整備を検討すべきとの意見。
 コミュニティパーク事業について、地域内の相互理解を深め、実のある取り組みに発展するよう、住宅都市局だけで推進するのではなく、関係局との連携に努められたいとの要望。
 ため池の活用について、前例にとらわれず、周辺の遊歩道等を公園として位置づけ、トイレを設置するなど、関係局が連携を図り、柔軟な発想で取り組まれたいとの要望。
 道路下水道行政については、都市計画道路について、道路整備に対する投資が抑制されて、市民生活に不可欠な幹線道路の整備が進んでいないため、地域の実情をしっかりと調査し、予算を確保されたいとの要望。
 交差点等の安全対策について、滋賀県大津市の事故を受け、対策が必要と判断された市内153カ所の交差点について、歩行者の安全確保を第一に考え、速やかに市民が安全で安心して利用できるようにすべきとの意見。
 身近な生活道路について、ビッグデータの活用によるゾーン30の整備など、より効果的な取り組みをされたいとの要望。
 下水道事業会計及び水道事業会計について、料金収入が伸び悩む一方で、施設や設備が大量更新の時期を迎えているため、的確に現状を把握し、将来にわたり安定的に事業が継続できるよう、しっかりとした経営戦略を立てるべきとの意見。
 水道行政については、人口の増加ほど給水量や料金収入はふえていないことから、引き続き安定した経営を維持するために、収入の確保と計画的な施設の維持管理を行うべきとの意見。
 環境行政については、アスベスト対策について、専門部署の設置、専門家の養成など必要な体制を整備するとともに、九州大学箱崎キャンパス跡地における建築物の解体に当たっては、抜き打ちの立入検査、住民への健康調査を直ちに実施すべきとの意見。
 ごみ減量について、海洋汚染防止のため、市民の意識を向上させる環境教育や啓発、不必要なプラスチックを削減する取り組みを行うべき、また、粗大ごみの収集を受け付ける前にリユースに関する情報を提供すべきとの意見。
 交通行政については、増収への取り組みについて、営業感覚を磨き、高め、成果につなげる意識を持って、駅構内空きスペースの有効活用による営業収入増と、にぎわいづくりの実現に積極的に取り組むべきとの意見。
 以上のように、議案全般についての質疑を終了し、10月21日の委員会において、各派代表による意見開陳を行い、続いて採決を行った結果、議案第39号ないし議案第62号、以上24件について、全会一致または賛成多数をもって、いずれも認定または可決すべきものと決しました。
 以上、審査の経過及び結果を述べてまいりましたが、理事者におかれましては、本委員会において表明された各委員からの意見、要望などに十分留意され、厳しい財政状況の中で、今後とも、行財政の見直しを進め、経費の削減と効率的な執行に努められますとともに、市民サービスの向上のため、市政全般にわたって、なお一層の努力を傾注されますよう要望いたしまして、御報告を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 本案に対し、討論の通告があります。順次これを許します。堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫)登壇 おはようございます。私は日本共産党市議団を代表して、2018年度一般会計及び特別会計並びに企業会計決算諸議案のうち、議案第39号ないし42号、45号、46号、48号、49号、51号、53号ないし60号及び62号について認定することに反対し、討論を行います。
 2018年度は米朝首脳会談を初め、朝鮮半島で平和を求める流れが劇的に進行し、沖縄県知事選で玉城デニー候補が勝利して、新基地ノーの審判が下されるなど、安倍政権の戦争をする国づくりの破綻があらわになりました。また、安倍政権のもとでパートを含む労働者全体の実質賃金が18万円減り、そのために家計消費は2人以上世帯の実質消費支出で見て21万円減るなど、国民の暮らしは冷え込みました。他方で、大企業の内部留保は449兆円と史上最高を更新し、成長と国民生活の好循環を実現すると看板を掲げたアベノミクスの破綻もあらわになったのであります。さらに、うそと隠蔽で民主主義を壊す政治は、森友、加計疑惑での公文書改ざんだけでなく、自衛隊の日報の隠蔽、勤労統計の不正、偽装にまで及びました。
 このような国のひどい政治が進む中で、最も身近な自治体である福岡市政に求められたことは、市民の暮らしを守るための防波堤の役割を果たすことであり、また、平和や民主主義を守るために国に対して声を上げていくということだったはずであります。ところが、島市長はこのような役割を果たさなかったばかりか、安倍政権に追随して高齢者乗車券の廃止、縮小に見られる市民犠牲の行財政改革を強行しようとしました。その一方で、ロープウエー構想に見られる無駄な大型開発、規制緩和に固執し続けました。また、市長は国の改ざんや隠蔽に対して物を言うことはありませんでした。2018年度決算には、こうした島市政の特徴があらわれております。
 まず、大型開発と規制緩和の問題についてです。
 市長が私の夢だと称して強引に推し進めてきたロープウエー構想は、市民の強い反対の前に今年度は白紙撤回に追い込まれましたが、決算年度は調査費1,729万円が計上されております。しかしながら、ロープウエーが予定されていたウォーターフロント地区の再整備は大企業のもうけづくりにしかならず、市民には全く恩恵がないにもかかわらず、温存され、2018年度も15億円がつぎ込まれ、さらに博多港全体の再編につながる箱崎ふ頭の埋め立てには調査、検討費として9,000万円が費やされました。また、地元商店にはほとんど経済効果のないクルーズ船の受け入れ関連整備などにも13億円が使われました。
 天神ビッグバン、博多コネクティッドなどのビルの規制緩和は、大量の人を呼び込んで、渋滞、避難スペース不足、地価上昇による住民、中小業者追い出しなどの弊害をもたらすものですが、2018年度合わせて16億6,400万円が費やされています。天神ビッグバンのために、市役所北別館を民間企業に売り払うことも2018年度から検討され、具体化されつつあります。市民の財産を犠牲にすることは認められません。
 博多駅周辺の開発にかかわって、市長は決算年度に博多駅前四丁目の市営駐車場跡地をURと借地契約を結び、破格の安さで貸し出しています。その土地で市長の知り合い企業がバスステーションを運営している事実も、我が党の決算質問の中で明らかになりました。まさに特定企業優遇のやり方ではありませんか。同様に、博多駅中央街のKITTE博多とバスステーション博多という民間の建物をつなぐ立体歩行者通路についても、2018年度までに6億5,700万円をつぎ込んでいることがわかりました。ここでも市長の知り合い企業の優遇が明らかになりました。
 決算年度には、市は天神ビッグバンに関連する大名小学校跡地の活用についても、積水ハウス、西鉄、西部ガスなどの企業グループに年6億3,000万円で土地を貸す契約を結びました。これは周囲のオフィス賃料と比較しても1割から3割という異常な安さでの貸し出しとなっており、ここでも大企業優遇があらわになっております。さらに、破綻した人工島事業に108億円を投入するとともに、ほとんど時間短縮効果のない人工島や福岡空港への都市高速道路の延伸に約900億円の事業費を見込み、2018年度も約31億円の事業費を投じています。特に人工島への延伸は、当初事業費の見込みは250億円だと述べておきながら、事業にゴーサインが出るや否や、次々に口実を設けてこれを水増しし、今では401億円にも膨らんでおります。こんなことが許されるはずがありません。
 島市長は、このような大型開発と規制緩和による都市の成長が市民の生活の質の向上という好循環を起こすと主張してきましたが、大もうけしたのは一部の大企業だけであり、市民はますます貧しくなりました。市内の法人企業の可処分所得は市長就任時から1.5倍にもなり、議会事務局の調査によれば、利益剰余金に引当金や準備金などを加えた内部留保の額は、2009年度と2018年度を比較してみると、市内の大企業で4,853億円もふえております。他方で、市民雇用者1人当たりの賃金、俸給は減り、市民の手取りのお金である家計の可処分所得は、1世帯当たりでも市民1人当たりでも大きくダウンしています。
 なお、決算の分科会審議において、我が党は市内大企業の内部留保についてただしましたが、市側は減っているかのような答弁を行いました。しかし、これは上場していない企業や統廃合した企業などを除いた全く恣意的な集計であり、市内大企業の内部留保の合計がふえたか減ったかとは何の関係もない数字でした。国の担当者にも確認いたしましたが、国の内部留保集計の手法とも全く違うものでありました。統計を操作して、でたらめな答弁をするなど、安倍政権仕込みのやり方で市民と議会を欺くことは許されません。
 結局、大型開発、規制緩和優先の島市政は、市民の暮らしを向上させておりません。島市政は、年収300万円未満の世帯を低額所得世帯としておりますが、市の調査でもこのような世帯は全世帯の半分に当たる46.5%にも上っています。ここにこそ政治の光を当てなければならないのに、島市政は全く無策であります。若い人や高齢者への家賃補助は拒否し、市営住宅は単身高齢者、障がい者では30倍という異常な競争倍率にもかかわらず、1戸も新築をせず、若い単身者の入居も拒み続けています。
 低い年金の中で高い交通費にあえぐ高齢者にとって、高齢者乗車券は大変喜ばれてきたものですが、市長はその廃止、削減を計画し、議会でその計画や調査の存在を指摘されてもひた隠しにしたあげく、4万を超える市民の反対署名の前についに存続を表明せざるを得なくなったのであります。同じように、わずかな年金や収入で暮らす障がい者に対し、福祉乗車証の廃止をこの年度も進めてきましたが、今年度、結局継続の方向を言及したことに見られるように、市長の廃止ごり押しは間違いであったことが今や明らかになっております。
 生活保護についても、安倍政権の連続引き下げに無批判に追随し、受給世帯はふえているのにもかかわらず、扶助費は切り下げ前と比べ約30億円も下がりました。
 高過ぎる国民健康保険料については、引き下げも子どもの均等割軽減も行われませんでした。国保法第44条に基づく窓口負担の減免制度についても7年連続で利用がゼロとなっており、全世帯に占める国保証の取り上げ、すなわち資格証明証の発行は政令市で最悪になっています。今、市内では引き下げを求める署名運動が広がっております。
 我が党は窓口負担について、国保料の滞納をしている人は原則として減免制度を利用できないかのように市の手引の中で記述していることを示して、これが利用の妨げの一因になっていることを追及しました。市側は、決算審議ではあたかも問題がないかのように答弁しましたが、結局、手引の改定をせざるを得なくなったのであります。
 保育については、2018年度当初の待機児童が40人、未入所児童は1,471人にも及びましたが、市長はこれを解消するための認可保育所新設の抜本的手だてを打たず、安倍政権が進める企業主導型保育などをふやすことで乗り切ろうとしました。その結果、とんでもない不良企業がこの枠組みに群がり、福岡市を舞台に補助金詐取事件まで起きる始末でした。
 企業主導型保育については、市内の施設で保育士給与の未払いや電話の停止が何カ月も生じましたが、市の立入調査では全く見抜くことができませんでした。それどころか、保育のための調理室に立ち入っても、それが隣接するレストランの厨房として使われているという実態さえ気づかないずさんな調査でした。このような、市が何の責任も負わず、立入調査も形だけのいいんかげんな企業主導型保育を推進することは許されません。
 教育についても、市民や保護者の願いである少人数学級については、引き続き1学年も拡大しませんでした。教員が足りずに現場で大混乱が起きている問題でも、我が党の追及の前に2018年度は前年度比1.7倍の667人を新規採用しましたが、今年度は例年よりも少ない採用数に逆戻りしております。また、開発行政のせいで人口が急増しているにもかかわらず、分離新設の手だてをとったのは東区の照葉小学校と西区の西都小学校のみで、他は校舎やグラウンドがパンク状態になっています。
 第7期介護保険事業計画がこの年度からスタートし、低、中所得層では介護保険料が制度発足から1.5倍から3倍になるなど、大幅な引き上げが押しつけられました。
 福祉の分野でいえば、もうけ本位の民営化、民間委託が進められました。就学前の障がい児の発達支援を行う市立めばえ学園について、社会福祉事業団での管理運営を望む保護者の強い反対を押し切って、決算年度に公募の方向を確定し、今年度公募に踏み出しました。他の障がい者施設でも、市がこうした動きを強めていることは絶対に許せません。
 中小企業については、2018年度の中小企業対策費は2億3,000万円と一般会計のわずか0.02%しかありません。
開発偏重のゆがみによって市民に必要な事業の費用は不足しています。2018年度の普通会計ベースで見ると、消防費の構成比は政令市の中で最低となり、消防本部職員1人当たりの管轄人口は政令市の中で最多となっております。人件費の構成比も政令市の中で最低となっており、少ない人数で長時間労働に追い立てられているのが本市職員の実態であります。
 島市長は市債が減ったと自慢しておりますが、市債のかわりに債務負担行為をふやしているだけです。国が将来負担として示している市債現在高と債務負担行為の合計で見てみると、島市政がスタートした2010年度決算と比べ、普通会計ベースでは28億円もふえております。結局ここでも市長のごまかしの宣伝とは裏腹に大型開発偏重のツケが市政に重くのしかかっているのであります。
 以上述べてきたように、2018年度決算は自治体の責務を放棄し、無駄な大型開発と市民の暮らしを壊す規制緩和を進める一方で、市民に犠牲を押しつけるものであり、認められません。
 以上で我が党の反対討論を終わります。
 
○議長(阿部真之助) はしだ和義議員。
○41番(はしだ和義)登壇 私は福岡令和会を代表して、平成30年度一般会計及び特別会計並びに企業会計の歳入歳出決算について、これを認定することに賛成の意を表するものであります。
 なお、詳細につきましては、特別委員会における総会及び分科会において私どもの会派議員がそれぞれ意見を述べておりますので、ここでは要約して述べることといたします。
 まず、平成30年度歳入歳出決算についてでありますが、一般会計におきましては、形式収支で126億8,750万円、実質収支では99億7,096万円の黒字となっており、適正な財政状況を保持しているものと認められます。しかしながら、平成30年度末の市債残高を見てみますと、満期一括積立金を除く総額で2兆771億2,184万円であり、市民1人当たりに換算いたしますと約135万円となります。また、これを普通会計ベースで他都市と比較しますと、20政令市中、多いほうから4番目となる見込みであり、過去多いほうから2番目であった平成22年度末と比べると、確かに好転してはいるものの、いまだに高い水準にあることは否めません。
 これまで我が会派が強く要望してまいりました投資の重点化、効率化などにより、市債発行額の抑制と残高の縮減に取り組まれたことにつきましては一定の評価はいたしますが、今後も将来世代に過大な負担を残すことのないよう、民間資金の活用に伴う将来負担比率への影響についても十分考慮の上、市債残高を着実に縮減していかれるよう要望いたします。
 また、本市財政につきましては、市税収入が6年連続で過去最高を更新するなど一般財源は増加傾向にあるものの、それを上回る勢いで少子・高齢化に伴う福祉サービスや医療、介護保険への繰出金等に係る社会保障関係費の増大、さらに公共施設の老朽化に伴う改修、修繕経費が伸びていくものと思われ、厳しい財政状況は今後も続いていくものと見込まれます。
 人件費についても、人口が増加し、多様な行政サービスが求められる中、単純に削減していくことは困難でありますし、公債費についても依然として高どまりする見込みであります。こうした状況にあっても、持続可能な財政運営を行っていくためには、不要不急の歳出削減はもちろん、費用対効果や市民満足度の分析などを踏まえた事業の選択と集中、民間活力の積極的な導入、新たな財源の確保、さらには未収金対策の強化など一層の取り組みが必要であります。平成29年度に財政運営プランが策定されましたが、このプランに基づき、将来にわたり持続可能な財政運営に向けた取り組みを着実に推進していかれるよう強く要望いたします。
 また、財政運営プランとあわせて策定された行政運営プランでは、ICTなど先進的技術を活用した行政サービスの提供、システムづくりに取り組んでいく方針が示されております。ちなみに、平成30年度は福岡市データ活用推進計画の策定に向けた検討を行うとともに、AIを活用した粗大ごみ収集受け付け、キャッシュレス決済、定例的、定型的な事務作業を自動的に行うRPAの導入に関する実証実験を行うなど、効果的、効率的な行政運営に向けた取り組みが着実に進められており、評価するものであります。さらに、我が会派が繰り返し主張してきた技能労務職に係る事務事業の見直しについても、原則、退職不補充として民間活用が進められていますが、着実に取り組みを推進していただきたいと思います。
 今後とも、引き続き行政運営プランの方針に従い、よりよい市民サービスの提供や業務の効率化を着実に実行していただくよう要望いたします。
 次に、外郭団体につきましては、外郭団体のあり方に関する指針を策定し、引き続き外郭団体の見直しに取り組んでいくという姿勢は評価いたしますが、特に求めるのはそのスピードであります。外郭団体のメリットが十分に発揮されているかなどについて検証を行い、残すべき団体とそうでない団体を明確に区分し、めり張りをつけて見直しを進めるべきであります。また、効率的な団体運営を進めていく観点から、現役職員の派遣につきましては、知識、経験が豊富なOB職員へ切りかえていくべきであると考えます。民でできることは民での視点をしっかりと踏まえ、これまで以上にスピード感を持って外郭団体の見直しに取り組み、効果的、効率的な行政運営を進めていかれるよう要望いたします。
 ここからは個別の施策について幾つか意見を述べさせていただきます。
 まず、災害に強いまちづくりについてですが、最近の激甚化、頻発化する災害から市民の生命、身体及び財産を保護するため、防災・危機管理体制の強化や地域防災力の向上など災害に強いまちづくりを推進するとともに、子どもたちが安全で安心して学べる教育環境の整備や学校施設の安全性の確保に取り組まれるよう要望いたします。
 また、激甚災害及び非常災害に指定された本年10月に発生した台風19号などの記録的な大雨は、各地で河川の氾濫や堤防の決壊を引き起こし、広い範囲で浸水被害が発生しました。このような河川能力を超える大規模な豪雨が頻繁に起きている状況を踏まえ、治水対策について改めて検討していただくよう要望いたします。
 次に、自治協議会との共創についてですが、想定外の災害が起こる今の時代、いざというときも踏まえて地域のつながりが重要であり、そのためには自治協議会の力が必要であります。企業やNPO等とも連携を深め、自治協議会とともに共創のまちづくりを一層推進されますよう要望いたします。加えて、自治協議会の基盤となる自治会、町内会に対しても適切な運営を初め、その活動の支援にしっかりと取り組まれるよう要望いたします。
 次に、保護猫活動への支援についてですが、地域において個人で保護猫ボランティア活動をしている方々は、譲渡活動などを通して野良猫問題の解決を図るなど人と猫との共生が幸せなものとなるために一生懸命に活動していますので、これらの活動に目を向け、しっかりと取り組んでいただくよう要望いたします。
 次に、情緒障がいのある児童生徒が通う特別支援学級についてですが、情緒障がいのある子どもたちが将来に夢と希望を抱き、社会に順応して活躍できるためには、早い段階からの専門的な教育が大切です。そのため、自閉症及び情緒障がい特別支援学級の設置校数をふやしてほしいという要望をよく聞きます。今後は、情緒障がいのある児童生徒が通える特別支援学級を少しでも多くふやし、将来的には全ての学校に設置するように取り組まれるよう要望いたします。
 次に、交差点の安全対策についてですが、全ての交差点を市民が安全で安心して利用できるようにすべきであると考えており、現在、対策検討中の153カ所については、可能な箇所から速やかに取り組んでいくとのことでありますので、未来を担う子どもたちを初め、歩行者の安全確保を第一に考えた交差点の整備の実現に向け、スピード感を持って取り組んでいただくよう要望いたします。
 最後に、市長を初め、職員の皆様方におかれましても、このような厳しい社会経済情勢の中だからこそ、将来にわたり持続可能な市政運営の実現に向け、全庁を挙げて、いま一層の不断の改善に努められるとともに、安全で安心して夢を持って暮らせるまちづくりに積極的に邁進されることを期待して、我が会派の賛成討論を終わらせていただきます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ)登壇 討論に入ります前に一言。アフガニスタンで用水路整備や医療支援を続ける福岡市のNGOペシャワール会現地代表で医師の中村哲さんの御葬儀があすとり行われます。アフガン東部山村の復興を目指す緑の大地計画に取り組み、1万6,000ヘクタールの土地に命の水を引き、約60万人の農民の生活を支え、何より世界の平和を心から願う魂とその思いは、より強く引き継がれていくことと思っています。中村哲さんへ心から哀悼の意を表します。
 では、私は緑と市民ネットワークの会を代表し、2018年度一般会計、特別会計並びに企業会計決算諸議案のうち、議案第39号ないし42号、44号ないし46号、48号、49号、51号、53号ないし58号、60号及び62号に反対し、討論いたします。
 近年、頻発する甚大な災害からもわかるように、人間の活動がこの地球に対し、気候変動をもたらしています。経済優先より命優先の社会となるように、多くの政策を早急に見直していかなければなりません。100年間における日本の平均気温の上昇は1.19度、福岡市は3.1度の上昇となっています。都市の無秩序な開発やまちのコンクリート化と緑地減少、海面減少や河川空間の減少などによりヒートアイランド現象の激化の結果です。これが現実ですが、経済成長優先の政策は地球環境が危機的状況にあるにもかかわらず、有効に対処できない構造をつくっているのです。ゆでガエル状態になって、手だてとなる施策が間に合わない状況ではないでしょうか。地球温暖化防止対策として、都市の成長路線は転換されるべきです。
 討論などで何度も発信しておりますが、「福岡市は、すべての市民がかけがえのない存在として大切にされ、一人ひとりがあたたかく支え合う心を共有し、それぞれが社会の一員としての役割を果たし、共に心豊かに生きることのできる都市をめざします」と福岡市総合計画の骨格となる基本構想に記されています。それぞれが社会の一員としての役割を果たす、それが実行できるよう、より市民の暮らしに近いことを決めている地方行政として、今の社会の現実とこれからの社会を見据え、制度や仕組みを細かくつくり上げていかなくてはなりません。
 2018年度の決算では、一般会計99億7,000万円余の黒字、特別会計では59億4,000万円余の黒字、歳出総額は8,389億円と前年度と比較して109億円、1.3%の減となっています。これは市民からお預かりした税金の再配分ができていないあらわれです。
 世界の中で相対的貧困率が常に上位となっている日本は、自殺者年間約3万人、教育費の公費負担は低く、非正規や派遣の雇用増、経済格差、教育格差、子どもの貧困を生み出しています。子どもの貧困は、子どもだけが貧困なのではなく、社会の貧困です。福岡市においても、就学援助を受けている子どもたちは4人に1人です。経済格差、教育格差を生み出しているのは、本人の努力の問題ではなく、政治の失敗です。
 今、福岡市では開発による急激な児童増による教室不足や運動場の狭隘化等々、子どもの教育環境に大きな問題が生じています。教育、子育て、障がい者支援などの福祉、介護の現場は働き手が少なくなっており、危機的な状況になっています。行政需要に応じた人口増を図る都市の成長管理政策が必要です。来年度から会計年度任用職員制度が始まりますが、専門職であれば、キャリアアップができない構造が固定化します。今後、超少子・高齢化を促進しないためには、教育、保育、介護を初め、命を預かる職種は特に正規労働者に転換を図り、給与や労働時間などの処遇を改善するための投資が必須です。働く側にとっても支援を受ける側にとっても生活の質の向上につながり、その現実を目にする若者に希望を与え、継続的雇用を生み出し、自立をし、社会を担う強い力になり、これが好循環の社会につながります。
 国民健康保険、介護保険、後期高齢者保険は前年度黒字になっているにもかかわらず、負担軽減はされず、2018年度も黒字です。10月から消費税10%の引き上げにより市民生活は一段と苦しくなっています。私どもの意見開陳でも述べたように、福岡市市民経済計算の数字を見ても、雇用者報酬はこの約10年近くほぼ頭打ちとなっており、物価上昇を考えると国と同様に実質的な所得は減少していると言えます。2018年度の黒字は市民の負担軽減に使うべきです。市民の税金を原資とする財政で厳しい状況という中、優先すべき課題の解決が急がれます。これから迎える人口減少社会への対策として、縮小経済をいかに力強く構築していくかに思案し、実行することが重要です。そのような制度や仕組みが機能するためには、やはり人工島事業、中央ふ頭再開発、天神や博多駅再開発など都市の成長が優先ではなく、福岡市で生活を営む在住外国人も含めた全ての人、市民の暮らしを支えるため、インフラの維持管理や地域で循環する経済と市民サービスを向上させる人への投資を優先にし、需要を生み出し、経済の活性化につなぐことです。困難な時代だからこそ、未来にツケを残さない持続可能な社会を構築し、市民の福祉の増進を図る地方自治体としての役割を果たさなければと考えます。
 昨年のニュースで目にしたものですが、米国の無人攻撃機による誤爆で祖母を失い、けがをした12歳の少女のメッセージで、無人攻撃機でテロ指導者の何人かを殺せたかもしれないが、地域のテロはむしろふえた。無人攻撃機に費やすお金を教育に使えば、この地域を楽園に変えられたはずです、と。ことしはグレタさんの怒りの発言もありましたが、未来を担う子どもたちにこのようなことを言わせる社会では申しわけないでは済まされず、大人の責任を全力で果たさなければならないと考えます。預けられた大切な税金を命のために再配分する社会を心から望みます。
 以上、2018年度決算は市民の福祉の増進を図る地方自治体としての役割を果たせたとは言いがたい黒字決算となっていることから、私ども会派は反対し、私の討論を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫)登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表いたしまして、平成30年度一般会計及び特別会計並びに企業会計の歳入歳出決算について、これを認定することに賛成をし、討論を行います。
 まず、平成30年度決算については、市税収入が前年度比約392億円の増と6年連続で過去最高額を更新するとともに、市債残高は既存事業の見直しや重点化の徹底、臨時財政対策債の発行抑制などにより全会計で前年度比538億円の減、平成16年度のピークと比べると約5,100億円の減と着実に減少しています。財政の健全性を示す指標については、借金返済の負担割合を示す実質公債費比率は11.0%で前年度比0.7ポイントの低下、市債のほか、債務負担行為も含めた将来負担の割合を示す将来負担比率は123.2%で前年度比12.3ポイントの低下と、これらの指標が法定化されて以来、一貫して低下し続けております。健全な財政運営が行われているものと認識をしております。
 福岡市は、これまでの住みやすいまちとの評価に加えて、近年、入り込み観光客は2,100万人を突破し、市税収入も連続して過去最高額を更新、今年度はラグビーワールドカップを開催し、さらに今後は世界水泳などの大規模国際大会の開催を予定するなど非常に元気な都市として評価を高めております。その一方で、需要の拡大による都市としての供給力の不足や、元気のある本市でも例外ではない超高齢社会の到来、さらには更新期を迎えた公共施設の大量更新などの課題を抱えており、これらに適切に対応していく必要があります。そのため、これまでにも増して市税収入率の向上や市有財産の有効活用などの積極的な歳入確保や、施策や事業の選択と集中などによって真に必要となる施策事業を推進していく財源を確保するとともに、超高齢社会に対応する持続可能な仕組みづくりやアセットマネジメントの推進など、将来にわたって持続可能な財政運営に取り組んでいただくよう要望しておきます。
 以降は、決算特別委員会総会質疑において、我が党の議員からそれぞれの意見、要望を述べたことを中心に各論について述べます。
 まずは、安全、安心で誰もが暮らしやすいまちづくりについてであります。
 近年、自然災害が激甚化し、全国で記録的な豪雨による河川の氾濫や大規模な停電が発生するなど、市民生活に多大な影響を及ぼしています。本市でも同様に、豪雨災害、警固断層の地震、台風とさまざまな災害が想定される中、市には災害から市民を守る責務があります。他都市における災害を教訓とし、防災関係機関や電力会社との連携強化を初め、防災に関するさまざまな取り組みを強化し、引き続き災害に強いまちづくりを推進していただくよう要望いたします。
 また、災害時における避難情報の伝達は、市民一人一人に確実に届けることが大変重要です。本市では、テレビやラジオを初め、市ホームページや防災メール、避難情報配信システムなどの多様な手段により情報発信を行われていますが、スマートフォンやハイテク機器の操作になれていない高齢者や障がい者へ確実に避難情報を伝えるには、さらなる取り組みが必要です。避難情報の確実な伝達は、市民の命を守るという市の重要な責務です。全ての市民に迅速かつ的確に災害情報や避難情報が届けられる仕組みを早急に整備するように要望いたします。
 本市では、地域による公園の利用ルールづくりと自律的な管理運営により、地域にとって使いやすい魅力的な公園づくりと地域コミュニティの活性化を目指すコミュニティパーク事業を現在5つの公園にて実施されております。暮らしやすいまちづくりには地域コミュニティの活性化が不可欠であり、そのためには、多世代が集う場所である地域に身近な公園をこれまで以上に活用することが重要です。地域の皆様に喜んでもらえ、実のある取り組みに発展するように、引き続きアドバイザーの派遣などの細やかな支援を行い、地域と連携しながらしっかりと事業を推進されることを要望いたします。
 また、放置された空き家等については、地域住民の生活環境に影響があり、問題となっております。このような空き家に対しては、空家等対策の推進に関する特別措置法や空家等の適切な管理に関する条例に基づき、所有者に対し、助言や指導を行った結果、改善された空き家もあるとのことです。しかしながら、いまだに放置された空き家もあり、不安に思っている市民の方も多くいることから、今後も積極的に空き家対策に取り組まれるよう要望いたします。
 近年、博多駅筑紫口や天神、大名、中洲地区では、居酒屋やカラオケ店などの悪質な客引きがふえ、迷惑行為が問題視されています。このことは、国内外から多くの観光客が訪れ、アジアの交流拠点都市を目指す福岡市のイメージ低下にもつながりかねません。本年9月には、島市長に対し、博多筑紫口客引き対策協議会などの関係18団体から、福岡市中心市街地での悪質な客引き、客待ち行為等迷惑行為に対する規制の条例化等に関する要望書が提出されました。悪質な客引き行為等をなくすための取り組みの強化を強く要望いたします。
 体育館や市民センターなどの公共施設は、市民がいつでも気軽に利用できる必要があり、駐車場についても施設利用者が利用しやすい環境を整える必要があります。駐車場の有料化については、利用する方と利用しない方の公平性を図ることも大事ですが、交通の利便性が悪いことから車を利用せざるを得ない方や利用頻度の高い方にとっては負担が大きくなっています。今後の駐車場の有料化に当たっては、施設使用料と駐車場料金のバランス等も考慮し、施設利用者の声をしっかり聞きながら、誰もが利用しやすい環境整備に取り組まれるよう要望いたします。
 次に、次代を担う子どもたちの育成と子育て支援についてであります。
 本市では、これまで計画的な保育所等の整備を推進するとともに、就職準備金の貸し付けや家賃の助成など保育士の確保にも積極的に取り組まれてきました。その取り組みについては評価しておりますが、依然として本年4月時点で20人の待機児童、1,272人の未入所児童、9月時点では102人の待機児童、1,863人の未入所児童が発生をしております。保育所等を利用したいという市民の切なる願いに応えられるよう、企業主導型保育事業や幼稚園の活用など多様な手法により保育の受け皿を確保するとともに、乳幼児の健やかな成長のためにも質の高い保育を安定的に提供できるよう、そして、保育士が安心して長く働くことができる環境づくりを推進されることを強く要望いたします。
 小中学校の普通教室のエアコン設置についてですが、本市では、児童生徒の健康や学習環境の向上のため、小中学校の普通教室のエアコン整備を平成26年からの3年間で精力的に実施され、児童生徒は快適な学校生活を送ることができていますが、一方で光熱費の負担が増加傾向にあります。省エネルギー対策については、運用面や施設面において工夫していただいているとのことですが、子どもたちのためだけでなく、教職員の就労環境にも配慮できる、そういった環境づくりをさらに進めていただくようお願いをいたします。
 また、新しい学校のほうが省エネの効果が高いということでした。財政事情も踏まえつつ、大規模改造等のいろいろな機会を捉えて、気密性を上げるなど省エネ対策に取り組んでいただくことを要望いたします。
 次に、活力ある都市づくりとしての地域振興についてであります。
 魚がおいしいまちとして知られる福岡の食の魅力は、福岡市漁業協同組合の漁業者の皆さんが支えているとも言えるわけですが、全国的に漁業が縮小傾向にある中、本市も例外ではなく、高齢化や担い手不足など厳しい状況にあります。漁業者の所得向上や新規就業者の確保のためにも、漁業生産基盤である漁場環境を抜本的に改善する必要があります。本市では、博多湾の漁場生産力向上のため、微生物製剤による底質改善事業に取り組まれていますが、水産業の復活、振興のために、スピード感を持って積極的に取り組まれるよう要望いたします。
 また、連日テレビや新聞で取り上げられ、社会的な関心が高まっている海洋ごみ問題については、博多湾においても早急に取り組まなければならない喫緊の課題となっています。本市では、漁業者と連携し、海底ごみを回収する取り組みを進められていますが、これら海洋ごみの大部分は陸域で発生した生活ごみであり、この問題を解決するためには市民一人一人の意識向上が重要となります。豊かな海の恵みを届けてくれる博多湾の環境を守り、次の世代に引き継いでいくためにも、市民のライフスタイルの変革を促す環境教育、啓発について積極的に取り組まれるよう要望いたします。
 多面的機能を発揮する森林づくりと林業の活性化についてです。
 近年、地球温暖化による異常気象によって、日本だけではなく、世界各地で災害が発生し、多くの方たちが犠牲になっております。温暖化防止や自然災害防止、水資源の確保など多面的な機能を持つ森林が私たちの社会に果たす役割は大きく、未来を担う子どもたちや孫たち、そして未来の地球のために、荒廃森林整備など林業施策をさらに推進し、林業の活性化に取り組んでいただくよう要望いたします。
 次に、活力ある都市づくりとしての都市基盤整備についてであります。
 ウォーターフロント地区では、増加するMICEの需要を受けとめるために第2期展示場の整備が進められており、今後も福岡サンパレスの後継となるホールの整備、クルーズ船の2隻同時受け入れに対応したターミナル整備などが予定をされております。今後も、MICE機能や海のゲートウェイ機能の強化を行うとともに、海辺の空間を中心としたにぎわいの創出を図り、市民や来街者が楽しめる新たな都心拠点にふさわしい魅力あるまちづくりを進めていくためには民間投資の喚起が重要であり、再整備の具体的な検討を進めるとともに、交通アクセスに関する検討を着実に進めていただくよう要望いたします。
 ため池を活用した公園整備についてです。
 市民にとって身近な公園は、市民の憩いの場や災害時の避難場所として活用され、順次整備が進められておりますが、まだ十分な状況ではありません。一方で、福岡市には農業用のため池や治水用のため池が多数あり、これまでもため池周辺状況の変化や農地の減少に伴い、有効活用が図られております。市街化の進捗により公園用地の確保が困難な状況の中、近年における災害の激甚化に備えるためにも、用途廃止された農業用地や農業用ため池などの跡地を有効活用し、積極的に公園整備を進めていただくよう要望いたします。
 最後に、活力ある都市づくりの中でも、雇用創出、集客、観光を初めとした人流の促進についてであります。
 まず、スタートアップ支援についてですが、本市ではスタートアップ支援に力を入れており、中でもことし5月末にリニューアルオープンした施設、Fukuoka Growth Nextは、入居者数も120社を超えるなど順調に推移しており、スタートアップ都市福岡を象徴する拠点となっていると認識をしております。一方で、他都市もスタートアップ支援に力を入れてきているとも聞き及んでおりまして、本市においては、他都市とも切磋琢磨しながら、今後もトップランナーとしてスタートアップ支援に力を入れ、さらなる雇用創出や経済の活性化を一層推進していかれますようお願いいたします。
 次に、観光・MICEの推進についてですが、福岡ブランドの発信や観光産業の振興、エリア観光の推進、MICEの誘致等に取り組んできた結果、外国人入り込み者数が過去最高を更新するなど着実に成果が出ております。来年4月から導入が決定した宿泊税の活用につきましては、福岡市観光振興条例を踏まえ、納税者や宿泊事業者の理解を得ながら、九州のゲートウェイ都市機能強化、大型MICE開催等の集客拡大への対応及び観光産業や市民生活へ着目した取り組みを推進していただきますよう要望いたします。
 また、本年6月にセントラルパーク構想を具体化したセントラルパーク基本計画が策定されております。基本計画においては、大濠公園、舞鶴公園の特性を最大限に生かし、県民、市民、観光客によるさまざまな利活用を推進することとされております。両公園の特性である都心部における自然豊かで広大なオープンスペース、美術館を初めとした文化施設、福岡城跡や鴻臚館跡などの歴史資源を活用し、集客や観光振興を図るため、構想の実現に向けて力強く取り組むよう要望いたします。
 結びに、我々自由民主党福岡市議団は市民福祉の向上と福岡市のさらなる発展に向けて、真に必要な施策の推進を見きわめながら議論を重ね、本市政に責任ある役割を果たしていく決意であることを申し添えて、自由民主党福岡市議団を代表しての討論を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 田中しんすけ議員。
○61番(田中しんすけ)登壇 私は福岡市民クラブを代表して、平成30年度一般会計及び特別会計並びに企業会計の歳入歳出決算について、これを認定することに賛成の意を表し、討論を行います。
 初めに、財政運営全般について意見を申し述べます。
 歳入決算については、市税収入は平成29年度決算比で392億円余りの増で約3,326億円となっており、法人市民税は企業収益の改善及び納税義務者数の増により約40億円の増収、個人市民税は人口増を背景とした納税義務者数の増加により約311億円の増となっています。これら法人市民税、個人市民税について詳細に見てみると、法人市民税については平成30年度の納税義務者数は5万7,427社であり、前年度の平成29年度と比較して1,609社の増、個人市民税については平成30年度の納税義務者数は74万6,646人であり、直近の国勢調査の実施された4年前の平成27年と比較しても約6万4,500人、割合にして約9.5%の増加となっています。
 このように、本市は人口増に伴う納税義務者数の増という恩恵を受けて市税収入が6年連続で増加しているわけですが、一方で歳出状況を見ると、社会保障関係費の増加や公共施設等の改修、修繕等に係る財政需要の増大が見込まれています。市民生活に必要な行政サービスの安定供給のためには、市民税以外にも積極的な財源確保が必要であり、とりわけ市有財産の有効活用等による税外収入の確保は重要な取り組みであると考えます。普通財産の有効活用については、約379万平方メートルにも上る市の所有する普通財産を確実に把握し、貸し付けや売却を積極的に進めていくために一元管理のもとで専門性を持ったチームによる取り組みが必要です。
 また、行政財産の有効活用については、公的施設の駐車場や公園利用に係る受益者負担の見直しによる適正利用の促進や、公共施設の建てかえに伴う事務所機能の集約化及び余剰スペースの活用により歳入歳出両面から財政効果を生み出す取り組みを推進されるよう要望いたします。
 また、市債残高を見ると減少傾向にはありますが、企業会計等とあわせ、いまだ2兆700億円余りという多額の市債残高となっています。高齢社会や経済格差による保健福祉費、社会保障費等の増加も続き、本市の財政状況は依然として深刻です。公債費の割合が高いと財政硬直化を招き、他の行政サービスへ振り向ける財源が乏しくなることから、市債発行を伴う事業については、真に市民生活の向上につながるものを厳選して実施されるよう求めておきます。
 続いて、歳出決算について、我が会派が総会質疑、分科会質疑において申し述べた意見の中から特に優先的に取り組んでいただきたい事項について申し述べます。
 初めに、子育て、健康、福祉分野についてです。
 待機児童の解消に向けては、保育士への支援について、雇用の正規化を促進する施策に取り組むとともに、非正規保育士への家賃補助の拡大など処遇改善につながる施策を推進されるよう要望いたします。
 病児保育施設の設置については、各区の病児・病後児デイケアルームの増設とあわせて、当該事業の利用者に対する周知を促進すること、不妊に悩む夫婦への支援については、不妊専門相談センターにおける相談体制を充実させるとともに、相談の敷居を下げるために定期的な講演会の開催頻度を高めることを求めます。
 また、児童虐待の防止に向けた取り組みについては、DV被害と子どもの心理的虐待、面前DVの関連性を踏まえ、DV発覚時から一体解決につながる相談体制の構築に向けて取り組まれるよう要望いたします。
 社会的要望の推進については、子どもの自立を促す支援策を充実させるとともに、里親や乳児里親の登録者をふやす取り組みを強化されるよう要望いたします。
 市民の健康増進に向けた取り組みについては、市民の健康寿命を延ばすために定期検診の受診内容をさらに充実させるとともに、受診率の向上につながる取り組みを強化すること、また、日々の健康維持の観点からかかりつけ医を持つことを奨励し、医療機関での適正受診や適正服薬を促進するためのさらなる取り組みを要望いたします。
 障がい者の雇用拡大と定着支援については、採用試験における精神、知的障がい者への門戸拡大を図ること、あわせて任用期限つきの非正規ではなく、正規職員としての採用枠をふやすとともに、採用後の定着支援を充実させるよう要望いたします。
 女性の活躍支援については、ふくおか女性活躍NEXT企業見える化サイトの登録会社数の拡大を図るなど、女性が活躍の幅を広げられるような積極的な支援策を講じられるよう要望いたします。
 再犯防止の推進については、市内における再犯者率の増加及び保護司の欠員状況を踏まえ、本市が独自に再犯防止推進計画を策定されるよう強く求めておきます。
 次に、経済、産業、まちづくり分野についてです。
 安定的な雇用の創出については、とりわけ女性は依然として非正規雇用が多い現状を踏まえ、正規雇用への転換が促進されるような施策を講じること、また、外国人の雇用については、とりわけ大学、大学院を卒業した留学生が引き続き本市で働くことができるよう地場企業に関する情報提供を行うとともに、当該企業とのマッチング支援を強化されるよう求めておきます。
 地場中小企業に対する支援については、人材確保が難しくなっている現状を踏まえ、本市独自の求人掲載アプリの充実を図るとともに、商店街に対する支援については、独自にイベントを実施する体力や人材が不足している商店街がふえていることから、個々の実態に即したきめ細かい支援策に取り組まれるよう要望いたします。
 働き方改革の推進については、本市が認定しているふくおか「働き方改革」推進企業の認定数をさらにふやしていくための施策を講じるなど、本市において働き方改善の機運が高まる取り組みを求めておきます。
 食のまち福岡に向けた取り組みについては、ラーメン、うどん、もつ鍋、水炊きなど福岡の有名な食をブランド化して戦略的に海外へ売り込むため、Food EXPO Kyushuを初めとした展示会、商談会における本市の支援を強化されるよう要望いたします。
 民間委託が始まった福岡空港については、今後も適正な空港運営に本市が積極的にかかわるとともに、騒音防止対策や周辺整備事業を推進すること、また、博多港の振興については、海外からの貨物を取り込むためのセミナー開催頻度を高めるなど営業活動を強化し、取扱貨物量の拡大を図られるよう要望いたします。
 博多湾の環境改善については、福岡市漁協による博多湾クリーンアップ作戦や市民啓発事業であるFUKUOKAおさかなレンジャーの継続及び河川流域の自治体との連携やプラスチックごみ削減に向けた啓発活動の強化を要望いたします。
 農業の振興については、農業従事者の確保に向けて、若者、女性及び帰農者など多様な人材が就農できるような効果的な施策を講じること、また、6次産業化の推進については、生産者に商品化のメリットを感じてもらえるような仕組みづくりや広報強化に取り組まれるよう要望いたします。
 気候変動への対応については、住宅窓の複層ガラス等への改修促進に向けて具体的な支援策を検討すること、次世代型自動車の普及促進については、充電設備の設置希望場所としてスーパーやコンビニエンスストアなど日常的な生活圏にある民間施設が挙げられている現状を踏まえ、当該施設における充電設備の設置を促進する施策に取り組まれるよう要望いたします。
 また、まちなかにある狭小な公園については、地域住民にとって社会状況の変化に対応しながら、整理、統合も含めて使い勝手のよい公園整備を推進されるよう要望いたします。
 次に、市民自治、地域コミュニティ、行政改革分野についてです。
 早良南地域交流センターの整備については、建設予定地の南側の5校区は10年前から人口が減少しており、本市の平均よりも早く少子・高齢化が進んでいることを踏まえ、地域課題に即した地域交流センターとなるよう引き続きの取り組みを求めておきます。
 男女共同参画の推進については、男女の平等感や固定的性別役割分担意識の解消を図るため、地域や市民グループの自発的な活動に対する支援を拡充されるよう要望いたします。
 市民と市長との対話集会については、現在の自治協議会を単位としたものに加えて広く市民に開かれた開催を検討すること、また、市政アンケート調査については、本市への住みやすさという漠然とした指標のよしあしにのみに拘泥することなく、犯罪やマナー、福祉の充実など、とりわけ個別分野の政策課題を改善するツールとして、さらに精度を向上させるよう求めます。
 若年者の投票率向上に向けた取り組みについては、市内に居住しているが住民票を異動していない学生の実態を調査することに加えて、当該学生に対して住民票の異動を促す施策を講じられるよう要望いたします。
 本市職員の採用試験については、とりわけ社会人経験者採用選考に関する応募条件を緩和すること、また、職員研修のあり方については、市民サービスの提供に際して嘱託員に求められる職務やスキルが多様化、専門化してきていることを踏まえて、研修内容の見直し、充実を図られるよう要望いたします。
 最後に、安心と安全、多様性、教育分野についてです。
 道路照明灯の整備促進に当たっては、自治会、町内会に対して防犯灯のLEDへの切りかえを促すとともに、防犯灯を新設する際の費用負担の軽減に取り組むこと、また、無電柱化の促進について、地震や台風による電柱の倒壊被害を減じる効果もあることから、整備費用の低減を図りながら、地下埋設区間のさらなる延伸に取り組まれるよう要望いたします。
 水道行政については、現行の水道料金を維持しながらも、配水管の更新を計画的に行えるよう効率的な運営を心がけるとともに、民間委託先の労働環境に十分配慮されるよう要望いたします。
 消防行政については、救急車の適正利用を促進するために県事業である♯7119のさらなる広報に努めるとともに、救マーク認定施設の増加につながる施策を促進するなど、民間企業の協力を得ながら救急体制の強化に取り組まれるよう要望いたします。
 ひきこもり支援については、本人、家族から各区保健福祉センターに寄せられた相談を早期に適切な窓口につなげられるよう地域支援員を活用して連携強化を図ること、また、不登校、ひきこもりの傾向がある子どもへの支援として実施している大学生相談員の活動については、その認知度を高める施策を実施されるよう要望いたします。
 さらに、不登校などにより十分な教育を受けられなかった人や学び直すことを希望する市民を広く受け入れる夜間中学の設置に向けて、具体的な取り組みを講じられるよう要望いたします。
 少人数学級の拡大について、教師が子ども一人一人に向き合い、きめ細かな教育を行うために、35人以下の学級を小学5、6年生を初め、中学3年生まで拡大できるよう、さらなる教員の加配を行うこと、また、学校司書及び栄養教諭の配置については、それぞれの負担が過重にならないよう1人当たりの担当校数を減じる取り組みを要望いたします。
 ふれあい学び舎事業については、その対象を現行の小学校3、4年生から段階的に他の学年や中学生まで広げるとともに、本市が独自に実施している学習定着度調査については、調査の結果、課題が見つかった学校には非常勤の教員を加配するなど、調査の実施が教育環境の改善につながるような取り組みとなるよう要望いたします。
 学校事務のあり方については、事務職員が専門的な分野で教員のサポートができる体制を検討することに加えて、事務作業の負担軽減に向けた施策につなげるために、学校事務職員や共同学校事務室の職員に対してアンケート等を実施することを求めます。
 特別支援教育の推進については、自閉症、情緒障がい特別支援学級を増設するとともに、対象となる児童生徒が日ごろ通う小中学校への専門教員の巡回も含めた通級指導教室の設置に取り組むこと、また、人権教育の推進については、あらゆる差別の解消に向けて、教員一人一人の人権意識が高められる機会の拡充に向けて、さらなる取り組みを求めておきます。
 以上、歳入歳出決算につきまして意見を述べてまいりましたが、市長を初め、当局におかれましては、我が会派の議員が総会や各分科会で申し述べてきた意見、要望について真摯に御検討いただいた上で今後の市政運営に当たられるよう強く要望し、討論を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康)登壇 風邪がまだ治り切っておりませんで、大変申しわけありません。お聞き苦しいのとあわせて、マスクをつけたまま、申しわけありませんが討論をさせていただきたいと思います。
 私は自民党新福岡を代表いたしまして、平成30年度一般会計及び特別会計並びに企業会計の歳入歳出決算について、これを認定することに賛成し、討論を行います。
 なお、決算の内容につきましては、既に決算特別委員会総会及び分科会において我が会派の議員からそれぞれの意見、要望を述べておりますので、ここでは要点のみとさせていただきたいと思います。
 まず、平成30年度決算について、一般会計を見てみますと、実質収支は約100億円の黒字、戦略的に取り組んできた都市の成長に伴い市税収入は約3,326億円と6年連続で過去最高額を更新するとともに、選択と集中による市債発行額の抑制などにより市債残高は着実に減少しております。また、特別会計全体の実質収支についても約59億円の黒字となっており、全会計ベースの市債残高は約538億円の縮減となっています。さらに、全国統一の健全化判断比率の指標を見てみますと、実質公債費比率は11.0%で0.7ポイントの低下、将来負担比率は123.2%で12.3ポイントの低下となっております。
 島市長は、平成30年度の当初議会において、財政規律と投資のバランスを保ちながら、都市の成長と生活の質の向上の好循環をさらに確かなものとし、福岡市を次のステージへと飛躍させるチャレンジを着実に進めるとの所信を述べられましたが、今回の決算が示す市税収入額や健全化指数などの各数値は、まさに有言実行の結果を示すものとして高く評価するところであります。引き続き、福岡市総合計画に掲げる人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市を目指して、政策推進プランに基づき、施策や事業の選択と集中を図るとともに、行政及び財政運営プランに基づき、不断の改善に取り組みながら、持続可能な市政運営の実現に取り組んでいただくよう要望いたします。
 それでは、各論について入ります。
 初めに、誰もが住みやすいまち福岡について申し上げます。
 まず、安心して生み、子育てしやすい環境づくりについてであります。
 一般不妊治療への医療費助成については、平成30年度から独自助成を開始しており、一定の前進と評価しております。少子化対策は、地道で息の長いさまざまな取り組みが必要であります。そのため、幼稚園の認定こども園化や既存園の増改築など既存ストックの活用による待機児童の解消や保育士の処遇改善など、今後も手を緩めることなく取り組みを進めていただきますよう要望いたします。
 次に、子どもの未来を育む教育についてであります。
 教育は社会を支える礎であり、今後とも、計画的に取り組む必要があります。そのため、土曜日授業の実施拡大などによる授業実数の確保や、教育ICT化の推進などによる子どもの学力向上に取り組むとともに、家庭、地域、学校、行政が連携し、通学路の安全対策やメディアリテラシー教育にも継続的に取り組んでいただくよう要望いたします。
 続いて、支える福祉の推進についてであります。
 本市では、ユニバーサル都市・福岡の取り組みを進めておりますが、とりわけ障がい者の住みやすいまちづくりは重要なことであると考えております。そのため、障がい者の就労支援対策の強化にしっかりと取り組んでいただきますよう要望いたします。また、人生100年時代を見据え、高齢者の在宅医療、介護の推進のための施策の充実に取り組むとともに、民間企業のすぐれたアイデアやICT、IoTなどの最新技術の活用などにより、誰もが住みなれた地域で心身ともに健康で自分らしく暮らしていける持続可能な社会の構築に取り組んでいただきますよう要望いたします。
 次に、共創による地域づくりについてであります。
 本市においては、共創の取り組みにより持続可能な地域のまちづくりを推進しておりますが、その実施に当たっては、自治協議会とそれを構成する自治会の運営基盤強化が不可欠であると考えております。そのため、さまざまな事業を通じ、地域団体にしっかりとかかわり、コミュニティ活動の拠点である公民館と自治協議会の連携強化にしっかりと取り組んでいただきますよう要望いたします。
 次に、安全、安心な市民生活についてであります。
 街頭防犯カメラは、犯人の特定や逮捕はもちろん、犯罪の抑止効果が期待できます。そのため、今後も防犯カメラのさらなる設置に取り組むとともに、設置地域の公表、積極的なPRによる犯罪防止の推進を要望いたします。
 また、防災対策の基本は自助、共助、公助の3つであり、特に自分と家族、自分が住む地域を守るためには自助、共助が重要であります。そのため、地域における防災訓練の実施などによる自主防災組織の活動推進に取り組んでいただきますように要望いたします。
 次に、福岡の豊かな自然環境、文化を生かしたまちづくりについてであります。
 中世に由来する歴史、伝統、文化など魅力ある観光資源が点在する博多部につきましては、歴史、文化に配慮した道路整備などにより、雰囲気あるまち並み形成に向けた博多旧市街プロジェクトのさらなる推進について要望いたします。
 次に、日本一チャレンジしやすい福岡について申し上げます。
 まず、世界とつながるスタートアップシティについてであります。
 本市は、国家戦略特区を活用したスタートアップ支援を加速させ、創業都市としての存在感が向上してきております。この機を逃すことなく、ユニコーン企業の誕生を目指し、Fukuoka Growth Nextやエンジニアカフェを活用し、グローバル展開の支援などによるスタートアップ企業のさらなる成長や国内外の優秀なエンジニアの集積にしっかりと取り組むよう要望いたします。
 次に、観光・MICE都市福岡の推進についてであります。
 本市は第3次産業が9割を占めており、交流人口の増加が消費を拡大し、都市全体に活力をもたらします。そのため、来年度から始まる宿泊税を活用した観光・MICEの戦略的な推進に取り組むとともに、ハイクオリティーホテルの整備や適正民泊の普及による宿泊機能の強化にもしっかりと取り組んでいただきますように要望いたします。
 続いて、地場企業、地元商店街が活躍するまちづくりについてであります。
 本市の事業者の大多数を占める地場中小企業や地元商店街の小規模事業者は、地域経済の担い手であり、地域コミュニティの活性化や災害時の対応などにおいて重要な役割を果たしています。そのため、意欲ある地場中小企業や地元商店街に対し、生産性向上と担い手確保などの施策の充実に取り組むよう要望いたします。
 最後に、都市基盤が充実し、次の世代のために歩むまち福岡について申し上げます。
 まず、未来に向けて生まれ変わるまちづくりについてです。
 天神ビッグバンやウォーターフロントネクストなど、都市としての供給力や安全性、魅力向上を図るとともに、FUKUOKA Smart EASTなど次世代に対応した先進的なまちづくりを確実に推進し、未来に誇れる質の高いまちの創造にしっかりと取り組むよう要望いたします。
 福岡空港は、市街地に立地するその立地特性から、世界でも有数の利便性を誇る空港でありますが、地域住民の御理解と御協力により支えられていることを忘れることなく、空港機能強化と並行して、周辺地域の振興や活性化に向けた環境整備に取り組むことを切に要望いたします。
 第3次産業中心の福岡市経済にとって人流、物流機能の強化は重要な課題であり、海の玄関口である博多港の国際海上コンテナターミナルの機能強化やクルーズ機能の強化に引き続きしっかりと取り組むよう要望いたします。
 次に、災害に強く環境に優しいまちづくりについてであります。
 近年、全国各地で豪雨、地震が頻発しており、このような異常気象が日常的になりつつある中、市民の生命、財産を守るためには、常に災害に対して備えていかなければなりません。そのため、安全、安心な市民生活の根幹を支える道路などインフラの整備、維持管理にしっかりと取り組むとともに、特に本年の千葉県の台風被害、長期停電を踏まえ、無電柱化の推進と非常用電源確保などによるブラックアウト対策の推進に取り組むよう要望いたします。
 また、ユニバーサルデザインに基づくバリアフリーのまちづくりについても、引き続きしっかりと進めていただきたいと思っております。
 以上、さまざまな要望をいたしましたとおり、我が会派が総会質疑や分科会など、あらゆる機会を捉えて申し述べた要望や提案につきまして、その実現に向け、引き続き取り組みを進めていただきますようよろしくお願い申し上げます。
 今後も、3期10年目を迎えた島市長とともに、この住みやすいまち福岡をより一層発展させ、人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市福岡の実現に向けて取り組んでいく所存であります。
 以上をもちまして、自民党新福岡を代表し、賛成討論を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾)登壇 私は公明党福岡市議団を代表し、平成30年度一般会計及び特別会計並びに企業会計の歳入歳出決算について、これを認定することに賛成し、討論を行います。
 なお、決算内容の詳細については、さきの決算特別委員会並びに各分科会において我が党の議員が意見、要望を伝えておりますので、ここでは要点を述べさせていただきます。
 本市の財政状況は、6年連続で市税収入が過去最高を更新し、一般会計及び15の特別会計で実質収支が黒字または収支均衡となっていること、また、全会計ベースの市債残高についても着実に縮減していることは一定の評価ができるものと感じています。しかし、歳出では扶助費などの義務的経費の割合が高水準で推移していることは楽観できる状況ではなく、引き続き財政運営の堅実性と弾力性及び行政水準を確保する市政運営を求めておきます。特に、収入増として期待できるふるさと納税については、福岡を応援したいという寄附者の善意にお応えするためにも、公募による地場事業者の魅力ある返礼品をそろえるなど、制度の魅力や福岡の魅力を最大限生かす取り組みを求めておきます。
 今や福岡市は、創業支援やさまざまな先進的取り組みによって人口も増加を続け、経済的にも活気があり、元気な都市として、アジアを初め、全国的に高い評価を得ています。その一方で、全国的に台風や集中豪雨による河川の氾濫や土砂災害など自然災害が多発し、その損害による自治体としての対策費の増加、また、日韓関係の影響から受け入れ観光客が激減していることなど、本市の今後の経済状況に不安要素があるのも事実です。行財政改革プランや行政運営プラン等に基づき、行政組織のスリム化やICT、AI等を活用した業務の効率化など、さらなる効率的、効果的な財政マネジメントに取り組まれ、SDGsの精神である誰ひとり取り残さない市政の運営の実現を真に要望いたします。
 たくましく生きる子どもの育成については、子どもたちの好奇心や独創性、自然体験を踏まえた成長のために、引き続き現場の要望に応えられる自然教室の継続を要望いたします。
 若者の居場所づくりの事業については、事業内容の再検討や利用者アンケートの実施による利用者増加に向けた取り組みを検討されるよう求めておきます。
 学校の事務職員の業務負担軽減について、学校事務センターの先行実施により教員が子どもと向き合う環境づくりにつながっているのか、検証されるよう求めておきます。あわせて学校事務センターによる事務軽減が現場において改善されているかなど、アンケートを実施されるよう要望いたします。
 九州のゲートウェイ都市として、観光集客のため、福岡市美術館、博物館、アジア美術館、博多座などと連携した集客力の強化や回遊性向上のための定期観光バスの再開やナイトエコノミーの充実など都市のエンターテインメントの強化を要望いたします。
 クルーズ船誘致活動を積極的に進め、中央ふ頭を拠点港として集約化し、博多港発着のアウトバウンド、インバウンドクルーズの促進、さらにおもてなしの観点から港の色彩計画や景観づくりの推進を求めます。
 また、消費税引き上げによる影響緩和のためにプレミアム付商品券事業で、地元消費の喚起による商店街や小売店舗の活性化を図るとともに、キャッシュレス化に伴う事業者へのさまざまな支援を求めておきます。
 さらに、就職氷河期世代が安定した就労により将来設計を描くことができ、子育てや介護の両方を担うダブルケアなどに奮闘する世代が安心と希望を持ち、高齢者、障がい者が意欲と能力に応じた多様な働き方の推進を求めます。
 農林水産業の担い手として意欲ある人材や団体の参入促進を図るとともに、農地の集約化などで農林水産業従事者の所得の向上を図り、新規就業者の育成強化を強く求めます。
 また、市内農畜水産物の学校給食への利用拡充や、ふくおかさん家のうまかもん認定事業者を積極的に拡大し、生産者にもメリットが及ぶよう機運を醸成させ、さらに地域産木材の公共建築物への利用促進の後押しを求めます。
 障がいの有無にかかわらず、誰もが地域社会の中で安心して暮らすことができるよう、「みんながやさしい、みんなにやさしいユニバーサル都市・福岡」の実現のためにさまざまな事業に取り組んでいただいておりますが、短期入所や移動支援の充実、グループホームの設置促進、日常生活用具など、ますます複雑多様化するニーズに対し、福祉サービスのさらなる充実を要望いたします。
 一人一人が健康で生涯元気に活躍できる社会づくりについては、生活習慣病対策において、保健事業の効果的かつ適正な推進のため、オプトアウト方式による各種検診の受診率向上、妊婦歯科検診等の利便性向上や健康づくりのサポート強化などにより保健指導の拡充を要望いたします。
 全ての人が安心して暮らせる福祉の充実については、認知症対策として、認知症の人とその家族の居場所づくりの支援として、認知症サポーターによる訪問見守りの強化やユマニチュード技法の習得機会の拡充、認知症カフェの小学校区ごとの設置など、普及啓発、利用促進をさらに推し進めていただくよう求めておきます。
 障がい者の自立と社会参加の支援については、障がい者就労施設等優先調達方針において、公的なイベントなどでの調達を促し、障がい者施設の売り上げが伸びるよう調達目標額を明確に設定するとともに、目標額の増加幅を拡大するよう要望いたします。
 バス運行の効率化の取り組みやフィーダー系統のバス増便については、公共交通幹線軸の形成及び乗り継ぎ拠点の整備にあわせ、バスの幹線、特に支線ネットワークのさらなる構築を求めておきます。
 高齢者、障がい者の住宅あっせん支援については、サービス付き高齢者向け住宅やセーフティネット住宅のあっせんなど、保証人がいなくても入居できるよう住宅施策と福祉施策の一体的な取り組みを図り、さらに高齢化が顕著な市営住宅については所得要件緩和などを行い、ファミリー世帯の入居の促進とともに、大規模建てかえ時には高齢者、障がい者施設等の機能導入をさらに進めるよう要望いたします。
 鉄道駅のバリアフリー化については、今後、1日当たり平均利用者数が3,000人未満の鉄軌道駅におけるバリアフリー化への取り組みの推進を強く要望いたします。
 安全でおいしい水プロジェクトの推進については、小中学校の直結給水化を着実に推進するとともに、民間小規模貯水槽の水質管理を大規模、10トン超並みに強化、具体化し、より安全でおいしい水の供給に努められますよう求めておきます。
 近年、頻発化、大規模化している災害に対応するため、浄水場などの耐震化を強化するとともに、停電時においても避難所となる学校体育館で給水が途絶えないよう万全を期し、災害に強い水道を目指すよう要望いたします。
 また、台風の大型化などにより電柱の倒壊による停電が頻発している状況を踏まえ、無電柱化を強力に推進するとともに、腐食による道路照明灯の倒壊防止のため、検査方法を見直すなど対応強化を要望いたします。
 地球温暖化対策については、温室効果ガス排出量削減目標の達成に向け、事業所省エネ計画書制度の参加事業所数をふやすとともに、積極的な優良事業所の公表や表彰、排出量取引制度の創出、条例によるCO削減義務化などを検討するよう求めておきます。
 また、プラスチックごみによる海洋汚染が世界的問題となる中、レジ袋やストローなど使い捨ての不要なプラスチックごみをできるだけ使わないという市民へのリフューズの啓発促進の必要性を指摘しておきます。
 さらに、食品ロスの削減の推進に関する法律を踏まえ、市民や事業者への普及啓発をさらに推進し、寄贈された未利用食品を有効活用するため、フードバンクへの支援強化を要望いたします。
 増加が続いている自転車保有台数に対応するため、駅周辺などの駐輪場では満杯状態を超えている箇所もあり、しっかり実態調査を行い、新たな駐輪場整備や機械式駐輪場の設置など、さらなる拡大を検討するよう求めておきます。
 福岡市立小中学校での指導者資格を取得した教職員による救命講習の実施率は、全国政令市の中でトップであるものの、今後はさらに全213校での実施を目指すよう求めておきます。
 また、住宅用火災警報器の100%設置を目指すとともに、適切な時期での交換や点検を促す広報活動を強化するよう要望いたします。
 以上、さまざまな要望をいたしましたとおり、我が党議員が総会質疑、分科会など、あらゆる機会で申し述べた要望や提案を実現していただきますようお願いを申し上げます。
 今後も福岡市がさらに魅力あるまちとして発展し続けていくため、島市長のリーダーシップに期待して、公明党福岡市議団の賛成討論を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 川口浩議員。
○59番(川口 浩)登壇 私は平成30年度決算について認定することに賛同し、討論を行います。
 30年度予算に比べまして、決算はそれなりにしっかりと執行されたものと思っております。しかしながら、何点か意見、要望がありますので、述べさせていただきます。
 まず、まちづくりや地域コミュニティづくりについてであります。
 昨今、災害等もふえ、町内単位での取り組みが重要になってきているのではないかと感じております。そういった中、市民局ではどのような議論がされておるのか。自治協議会との連携は大切でありますが、いざ、災害等起こったときには1万人を超える単位のものが一つで動くのは大変難しい面もあります。そういった中で、地域のコミュニティ、そして見守りやお年寄りへの声かけ、手助け等、やはりその核となるのは町内ではないかと。そういったところがだんだん今、疲弊をしながら、町内会の活動が難しい、お金のあるところ、ないところの差もありますし、人がいないというようなたくさんの課題を抱え、それがいい方向に向かっているとはなかなか思えない現状があります。
 そういった中で、市においてはいろいろな支援策をしておられますけれども、やはり防災訓練を初め、町内単位での活動、人が集まるような取り組みの支援、それにはまずはしっかりとパートナーとして町内会を位置づけするというような取り組みが必要ではないかと。そういった議論がされておるのに、なかなかまだ表に出てきておらない。研究はされておると思いますが、早急に今後の地域コミュニティ活性化のあり方についてしっかりと取り組まれるよう要望いたします。
 次に、教育委員会について、何点か意見、要望を述べさせていただきます。
 過大規模校対策が、大変少子化になる中、偏りが出ておると思っております。そういった中で、西都小、照葉北小、新聞によりますとですが、分離していくということで、これは早い対応で評価いたすところでありますけれども、校区調整をした学校や将来的なねじれが起きている──私の近くでも同じビルで別々の小学校、別々の中学校、話したこともない、そして、町内会が回っていかないと。そういった中、一つの小学校で200人以上がエリア外の小学校に通っている現状が放置されておりますし、数字を聞いたところ、今、その小学校に通っておる数だけしか公表がなされません。しっかり分離すべきところはし、子どもたちが中心になった考え方を教育委員会は目指していくべきだと思っております。
 そのほか、学校もだんだんだんだん古くなってくると建てかえが必要になります。そういった時期を迎えつつあるのにどういった建てかえ計画をお持ちなのか、しっかりともう示さなければならない。また、現状の中では、トイレ等も洋式化が進む中、小学校は和式のトイレが多くて、洋式がなくて、子どもたちが学校で用を足せないというようなこともあります。どうしても教育現場の施設整備がおくれているのではないか、否めないところであります。世界的には教育に対する予算への投資が少ないのではないかと、日本中の都市がですね。そういった数字も聞いたことがあります。
 そのほかにも長期欠席児童、その中でも不登校もあれば、いろいろな事情で欠席する子もある中、教育委員の会議でそういったものが日ごろ議論されているのか。教育委員会から言われた分だけの議論では足らずに教育委員さんの会議の活性化を求めるものでありますし、また、学力格差や、例えば、かばんが重い、クラブと塾の間で、そういった小さなことで学校に行きたくないというような相談も幾つか受けたこともあります。教育に関しては、次のこの国、このまちの未来を託すわけですから、しっかりと予算を使って環境を整え、しっかりと福岡市の子どもを育てていくんだという覚悟のもと、議論を重ねて、必要なところに必要な予算をしっかりつけていただきたい。それがまだまだ見えない、不十分だという思いでしっかり頑張っていただきたいと要望させていただきます。
 次に、港湾空港局について1点、意見、要望を述べます。
 市の港湾計画というものがありますが、これが委員会には報告はなされておるんですけれども、議会に報告がなされていないと。委員会では、これは条例違反ではないかということに対し、局長は条例違反で申しわけないという答弁をなされました。そういった中で、対外的に発表してしまっているので、これは計画としては成り立っているということであります。しかしながら、条例違反の状態でありますので、何らかの善後策をとらざるを得ない。これは市の責務でありますし、当然市長は知らなかったかと思いますが、いつ知られたのか知りませんが、決算の分科会で指摘されて明らかになっておるわけで、速やかな場でここの修正等が市長の見解も含めてなされるべきでありますけれども、その取り扱いについて何もまだ私どもは聞いておりません。市で、議会でできた条例ですから、のっとっていないということが明らかになっておるし、これは重要な埋め立てを含む案件でありますので、しっかりした対応をされますように要望いたします。
 次に、住宅都市局といいますか、住都行政について意見、要望を述べます。
 これは昨年度ロープウエー構想、唐突な話がありました。学者の意見を聞いて、いろいろな観点から研究すると。まだまだ不十分であったと思います。例えば、ガイドウエーバスをするにしても、なぜ博多駅から上に上げなければいかんのか、途中からで十分ではないかとか、いろいろ意見もあった中に、いきなりこれは夢だということで提案もなされ、当然のごとくといいますか、議論不十分という意見があったところであります。
 しかしながら、これは終わりではありません。ウォーターフロント地区にホールやホテルを建設したい、第2期展示場を建設したいということで進んでおりますので、その中でそのままの状態ではさばけない、渋滞解消ができない、たくさんのところで大変な渋滞が起きるということで、新たな交通システムを検討したいということがスタートであります。ロープウエーがだめだったから終わりではなくて、それならば、ベイエリアのそういった事業も見直さざるを得ません。しっかりとした議論がなされなければならなかったんですけれども、平成30年度におきましては、そういった中途半端なやり方で進んだと私は感じておりますし、その後の対応が非常に悪いと思っておりますので、速やかにどうしていくのか、どう研究していくのか、どういうことが可能なのか示されますように要望いたします。
 次に、道路下水道行政についてです。
 都市計画道路予算が毎年どんどんどんどん少なくなっております。維持メンテナンスの時代になりまして、新規の道路が減ったのかもしれません。それならそれで、まだ残っている道路、これは戦後復旧からの道路もまだたくさんあると思います。どういった課題を抱えているのか、そういったものを整理しないと、ただ、あと残りがあるから少しずつやっていけばいいという発想ではないと思います。大変危険な箇所や歩行者が危なくて通れない、通学路にもできない、都市計画道路が整備されないためにですね。そういったところもたくさん見受けられると思います。しっかりと一度、これだけどんどんどんどん予算が減っていくのであれば、どこの道路がどう急ぐのか、危ないのか、しっかりした検証のもとに再度必要なところにはしっかり予算をつけて、市民の生活、暮らしを守っていく、危険なところを解消していくという思いで、再度しっかりと見直しを行っていただきたいと思います。
 最後に、環境行政についてです。
 プラスチックごみ等の問題が新聞やテレビで報道されました。福岡市においても、ラブアース福岡の取り組みがなされておりますけれども、やはりペットボトルや袋ごみが散乱していて、毎年たくさんのごみが回収されております。回収されないものは海へ、または資源として海外へ輸出されて、その後の処理等もよくなくて海洋に流れたケースもあると思っております。そういった中で、やはりもとから絶つというのが一番早いのかなと。少し費用はかかってでも、それを抑えていきながら、代替があるものはかえていく、使ってはいけないものは使えない方向でいろいろ研究していく。例えば、ストローがその例と思いますし、いろいろな産廃になるようなプラスチック製品は代替の自然に戻るものがあるならば、私はそこの補助をしてでも採算を落としてあげて、転換していく。少しはエコに対するお金を市民の方にも負担いただくことを研究もしなければならないと思いますが、今のままでは、福岡市ではごみは焼却処分していますし、適正にしてくれれば、皆さん全員が間違いなくしてくれれば出ないはずなんですけどということでは、もう解消できない待ったなしの課題かなと。
 環境行政について、特に要らないものはつくらないリデュースを中心に、そして、代替ができるものを積極的に行政の支援や、ある面では使用禁止や、負担をいただきながら考えていって、福岡からそういった取り組み──いろいろな例もあると思います。当然焼却するからスーパーのレジ袋をエコのものにかえんでもいいではなくて、かえてくれたらしっかりと宣伝してあげるとか、取り組みを市が一緒に宣伝するまたは幾らか補助を出したり、それはずっとではなくてもいいわけで、そういったものが下がってくるまたは宣伝効果として事業者が期待されれば当然成り立つわけで、大きなスーパーやコンビニさんの中でも、全部ではなくても環境への取り組み、やはり行政だけではなくて、民間と一緒に考えて、民間のメリットも考えてあげながら全体として急いですべきと思います。
 そういった中で、環境局は残念ながら、まだいろいろな具体策を出せておりません。啓発、啓蒙だけではもうだめなんだと。そして、京都、北九州は少し取り組み始められました。しかしながら、まだまだ不十分と思っております。まだ、自然系のものを、燃やしてもこの分はもとが植物系だからCOカウントに入らないというレベルだと思います。ぜひ福岡市は来年度に向けて、いろいろな具体的な取り組みを含め、そこには予算をかけてでもと思います。特に環境は今話題にもなっておりますし、福岡も昔、環境の会議を行った市でもあります。未来の子どもたちのために恥ずかしくない取り組みを提案するということ、特に環境に力を入れていただきたいという思いもあります。そんな意見、要望をぜひ令和2年の予算に反映していただきたい。
 どうも客間はきれいにしておるけれども、市民が暮らす居間や、そういうところが後回しになってはいないかと。安心、安全や暮らしが後回しになってはいないかと。そういったところをしっかりと市民の暮らしが一番という思いで取り組んでいただきますように要望いたしまして、平成30年度決算に対する討論を終わらせていただきます。ありがとうございました。
 
○議長(阿部真之助) 以上で討論を終結いたします。
 これより採決に入ります。
 まず、議案第59号を採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、原案可決であります。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の議員の挙手を求めます。
      〔賛成者挙手〕
 
○議長(阿部真之助) 賛成多数であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
 次に、議案第55号及び議案第57号、以上2件を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の議員の挙手を求めます。
      〔賛成者挙手〕
 
○議長(阿部真之助) 賛成多数であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 次に、議案第43号、議案第47号、議案第50号、議案第52号及び議案第61号、以上5件を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、いずれも認定すべきであるとするものであります。
 本案は、委員長の報告のとおり認定することに賛成の議員の挙手を求めます。
      〔賛成者挙手〕
 
○議長(阿部真之助) 全員賛成であります。よって、本案はいずれも委員長の報告のとおり認定することに決しました。
 次に、議案第44号を採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、認定すべきであるとするものであります。
 本案は、委員長の報告のとおり認定することに賛成の議員の挙手を求めます。
      〔賛成者挙手〕
 
○議長(阿部真之助) 賛成多数であります。よって、本案は委員長の報告のとおり認定することに決しました。
 次に、議案第39号ないし議案第42号、議案第45号、議案第46号、議案第48号、議案第49号、議案第51号、議案第53号、議案第54号、議案第56号、議案第58号、議案第60号及び議案第62号、以上15件を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、いずれも認定すべきであるとするものであります。
 本案は、委員長の報告のとおり認定することに賛成の議員の挙手を求めます。
      〔賛成者挙手〕
 
○議長(阿部真之助) 賛成多数であります。よって、本案はいずれも委員長の報告のとおり認定することに決しました。
 この際、暫時休憩いたします。
 午後は1時25分に再開いたします。
午後0時20分 休憩  
午後1時25分 開議  
○副議長(楠 正信) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第26ないし日程第81、以上56件を一括して議題といたします。
この際、市長から提案理由の説明を求めます。島市長。
 
○市長(島宗一郎)登壇 提案理由の説明に入ります前に、去る12月4日に中村哲医師がお亡くなりになりました。中村医師はパキスタンやアフガニスタンにおいて、医療活動やかんがい事業などの人道支援に取り組んでこられ、平成25年には福岡アジア文化賞大賞を受賞されるなど、その功績は福岡市民の誇りであります。謹んで哀悼の意を表します。
 それでは、ただいま上程になりました議案56件について、提案の趣旨を説明いたします。
 まず、予算案について説明いたします。
 今回の補正規模は、一般会計1億2,986万円の追加、特別会計2,797万円の減額、企業会計56億1,443万円の追加、合計57億1,632万円の追加となっております。
 その主な内訳は、番号制度対応経費として4,461万円の追加、河川整備事業として4,000万円の追加、このほか、モーターボート競走事業会計の売り上げの増加等に伴う経費として56億3,296万円追加などとなっております。
 以上の歳入歳出予算の補正のほか、年度内に執行を終わる見込みのないものについて、繰越明許費の補正を295億4,455万円計上いたしております。
 また、債務負担行為の補正といたしまして、合葬墓等整備事業2億5,244万円の追加などを行うものであります。
 次に、条例案について説明をいたします。
 職員の給与に関する条例の改正案につきましては、人事委員会の勧告等に鑑み、一般職職員の給料月額及び住居手当の額の改定等を行うものであります。
 幼稚園型認定こども園、保育園型認定こども園及び地方裁量型認定こども園の認定の要件を定める条例の改正案、幼保連携型認定こども園の設備及び運営の基準を定める条例の改正案並びに児童福祉施設の設備及び運営の基準を定める条例の改正案につきましては、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準等の一部改正に鑑み、保育室等を3階以上に設ける場合の設備の基準を改める等の改正を行うものであります。
 建築関係手数料条例の改正案につきましては、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部改正に伴い、複数建築物の連携に関する計画の認定等の事務に係る手数料の額を定めるものであります。
 建築基準法施行条例の改正案につきましては、建築基準法の一部改正に鑑み、木造の共同住宅等の用途に供する建築物のうち、内装に関する制限を受けないものの範囲について、所要の改正等を行うものであります。
 市営住宅条例の改正案につきましては、公営住宅を取り巻く状況等に鑑み、連帯保証人に関する規定を削除するものであります。
 学校職員の給与に関する条例の改正案につきましては、人事委員会の勧告等に鑑み、教育職員の給料月額の改定等を行うものであります。
 次に、一般議案について説明いたします。
 まず、福岡市立小呂保育所などの公の施設について、指定管理者の指定を行うための議案、計27件を提出いたしております。
 次に、糸島市が福岡市の区域内に市道の一部を設置することについて、糸島市と協議するための議案を提出いたしております。
 次に、令和2年度において福岡市が発売する当せん金付証票の発売総額を定めるための議案を提出いたしております。
 次に、契約関係といたしまして、博多区新庁舎整備等事業に係る契約、総合西市民プール大規模改修工事請負契約及び道路照明灯一括LED化ESCO事業に係る契約、以上、計3件の契約を締結するための議案を提出いたしております。
 そのほかの一般議案といたしましては、野芥5号公園への統合に伴い、野芥6号公園の区域の全部を廃止するための議案及び博多区役所庁舎の建てかえに伴い、藤田公園の区域の一部を廃止するための議案、計2件並びに滞納学校給食費等の支払いを求めるため、訴えの提起をするための議案、計2件を提出いたしております。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議をお願いします。
 
○副議長(楠 正信) これより質疑に入ります。発言通告者のうちから順次質疑を許します。松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子)登壇 私は日本共産党市議団を代表して、議案第112号、福岡市営住宅条例の一部を改正する条例案及び議案第135号ないし議案第139号、福岡市立市民センターに係る指定管理者の指定についてに関する質疑を行います。
 まず、福岡市営住宅条例の一部を改正する条例案についてです。
 今回提案されている条例案は、民法の一部改正を受けて、2018年3月に国の公営住宅管理標準条例案が改正されたことによるものです。
 質問の第1は、連帯保証人についてです。
 1点目は、連帯保証人の削除についてです。これまで市営住宅の入居時に連帯保証人が必要とされていましたが、今回の改正に伴う国の通知では、近年、身寄りのない単身高齢者等が増加していることなども踏まえると、今後、公営住宅への入居に際して保証人の確保が困難となることが懸念されますとあり、本市でも連帯保証人に関する規定が削除されることになりました。これまで本市でも、市営住宅に当選したものの、連帯保証人がいないために辞退したり、応募を控える例が少なくありませんでした。
 そこでお尋ねしますが、今回、条例から連帯保証人が削除されることになった理由並びに社会的背景について、御所見を伺います。
 2点目は緊急連絡先についてです。公営住宅の保証人要件の削除に伴い改正された国の標準条例案では、入居時において、緊急時の連絡先を提出させることが望ましいと定めております。
 そこで、本市において、緊急連絡先について、今回の改正に伴ってどのように取り扱うのかお尋ねします。
 3点目は、機関保証、いわゆる民間の保証会社を使うことについてです。国の通知では、必要に応じて機関保証を活用するとしていますが、民間の家賃保証会社はトラブルや問題が多いと言われています。
 そこでお尋ねしますが、本市でも今回の改正に伴って、家賃債務保証業者等による機関保証を活用する予定があるのか、答弁を求めます。
 質問の第2は、市営住宅の管理における住民の負担についてです。本市条例で住宅管理について定めておりますが、誰でも入居しやすくなる市営住宅になるのかどうかただしていきます。
 市営住宅の皆さんから、高齢化により共益費の徴収が困難になったり、設備管理についての負担が大変だということで、住民同士のトラブルに発展しているという話を聞いております。
 そこでお尋ねいたしますが、公営住宅法第15条では、公営住宅の管理についてどのように定められているのか、答弁を求めます。
 あわせて、本市では市営住宅の管理について、管理組合ハンドブックで定めています。同ハンドブックは住民に対してどういう強制力を持っているのか、お尋ねいたします。
 質問の第3は、低廉な家賃の住宅の必要性についてです。今回の条例改正は、住宅確保要配慮者が市営住宅に入りやすくするためのものですが、この観点に立って、ほかにも改正すべき点がないか、今回の改正だけでいいのかただしていきます。
 1点目は、市営住宅の応募倍率についてです。本市の市営住宅の応募倍率は、昨年度が一般枠で13.4倍、単身の高齢者、身体障がい者は30.2倍など高倍率となっております。この倍率は近年高どまりしており、入居したくても入れない市民が少なくありません。
 そこでお尋ねしますが、これほど倍率が高いのは、低廉な家賃の住宅に住みたいという市民のニーズの高さをあらわしていると思いますが、御所見を伺います。
 2点目は、市営住宅以外での家賃補助についてです。市営住宅は高倍率で入れない事態が広がっている中で、貧困などで住宅に入れずに困っている人たちを支援する必要があります。本市では住宅確保要配慮者賃貸住宅供給促進計画が作成されており、その中で、民間アパート等に入居する人に対して家賃補助制度をつくることが検討されております。
 そこでお尋ねしますが、この計画では高齢者及び若い単身者が家賃補助制度の対象になるのか、それぞれについて答弁を求めます。
 次に、福岡市立市民センターに係る指定管理者の指定についてです。
 本議案は本市が設置している中央区、早良区、博多区、城南区、西区の市民センターの管理を来年度から5年間行わせる指定管理者を指定することについて、議会の議決を求めるものです。
 本市は2012年度より、市民センターの管理を直営から指定管理者制度に切りかえて以降、利用者の気持ちに沿った施設管理がされていない、自主的な活動に対する理解がない、サービスが低下した、使い勝手が悪くなった等の苦情が相次いでいます。この問題についてただしていきます。
 指定管理者と市は、市民センターの管理運営について契約を結んでおります。市から渡されている管理運営仕様書及び業務一覧の中身を見ますと、指定管理者は、業務の遂行に当たっては、当該業務の目的を十分に理解し、善良なる管理者の注意をもって利用者の安全に留意し、誠実かつ確実な業務遂行に努め、利用者に対しては懇切丁寧を旨とし、不快の念を抱かせないようにしなければならないと定めております。
 そこでお尋ねしますが、利用者から施設管理に対して少なくない苦情が寄せられているということは、仕様書の規定に照らして問題があると思いますが、御所見を伺います。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 福岡市営住宅条例の一部を改正する条例案についての御質問にお答えいたします。
 まず、連帯保証人制度の廃止の理由や背景につきましては、民法改正によりまして、個人根保証契約において極度額の設定が必要となったことや、近年、身寄りのない単身高齢者などが増加していることから、今後、入居者にとって保証人の確保がより一層困難となっていくことが懸念されるため、国において標準条例から連帯保証人に関する規定が削除されるとともに、各自治体に対しまして適切な対応をとるよう通知されたところでございます。
 次に、連帯保証人にかわる緊急連絡先につきましては、単身高齢者などの増加を背景としておりまして、見守りや安否確認などの観点からも緊急連絡先の届け出は重要であり、登録を促していくこととしております。
 次に、民間保証会社による機関保証につきましては、連帯保証人の代替的な方法であり、別途入居者の費用負担が発生するため、現時点で導入する予定はございません。
 次に、公営住宅の管理につきましては、公営住宅法第15条では、事業主体は常に公営住宅及び共同施設の状況に留意し、その管理を適正かつ合理的に行うよう努めなければならないと定めております。
 なお、入居者に対しましては、同法第27条に入居者の保管義務の定めがございます。
 次に、市営住宅に関する管理組合運営ハンドブックにつきましては、これまで入居者や管理組合から問い合わせや相談が多数寄せられていたことから、管理組合の円滑な運営を図り、役員の負担を軽減することを主な目的といたしまして、平成28年8月に福岡市住宅供給公社で作成したものでございます。
 本ハンドブックは入居者サービスの一環として、共同施設などの維持管理、迷惑行為の発生時の対応などについての手引きとなるよう、標準的な方法などを記載しているものでございまして、強制力があるものではございません。
 次に、低廉な住宅への多くのニーズにつきましては、少子・高齢化の進展に伴いまして、高齢者や障がい者などの住宅確保要配慮者が増加していく見込みであることから、今後、重層的な住宅セーフティネット機能の強化を図っていく必要があると考えております。
 そのため、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律、いわゆる住宅セーフティネット法に基づきまして、平成31年3月に福岡市住宅確保要配慮者賃貸住宅供給促進計画を策定し、住宅確保要配慮者の居住安定確保に向けた取り組みを進めることとしたところでございます。
 あわせて、同計画につきましては、民間賃貸住宅を活用したセーフティネット住宅への家賃低廉化補助などの経済的支援について、平成31年2月の住宅審議会の答申も踏まえ、市営住宅入居資格者のうち、特に住宅に困窮する要支援世帯を対象とする方向で検討しておりまして、高齢者は含まれますが、若年単身者は含まれておりません。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 市民センターに係る指定管理者の指定に関する御質問にお答えいたします。
 市民センターに対する利用者からの御意見につきましては、毎月実施している定期モニタリングの中で、意見や要望の内容及びその対応状況について報告を受けることとしているほか、必要に応じて施設巡回等を実施し、対応状況の現地確認等を行っております。
 また、毎年利用者アンケートを実施し、その結果等を踏まえた指定管理業務の評価も実施いたしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) まず、市営住宅条例の改正についてです。
 局長は保証人の削除について、近年、身寄りのない高齢者がふえたことにより、保証人を立てるのが難しくなってきたと答弁されました。これは緊急連絡先についても、同じことが言えるはずです。緊急連絡先について、局長は条例には盛り込まない、安否確認などのために重要だと答えましたが、身寄りがないのに緊急連絡先を求められても、頼める人がいないと入居をためらう人が出てくる懸念があります。義務でないと言いながら、義務のように求められるとちゅうちょしてしまうことになります。
 そこでお尋ねしますが、緊急連絡先は原則不要とし、あくまでも任意での提出にすべきだと思いますが、御所見を伺います。
 次に、機関保証の活用についてです。
 民間保証会社の中には高い手数料を取ったり、民間保証会社から保証人を求められる等の悪質な事例が数多くあります。局長は民間保証会社を活用するつもりはないと言われましたが、現在の入居者を含め、今後とも、活用しないようにすべきではありませんか、答弁を求めます。
 続いて、市営住宅の管理についてです。
 局長が答弁されたように、公営住宅法では市や公社が管理に責任を持つよう定めております。しかし、本市では管理組合に押しつけられているのが実態です。例えば、共益費は管理組合の担い手が高齢化する中で、集金そのものが大変な作業になっています。払ってくれない人がいた場合、留守や居留守の家も含め、繰り返し説得、説明に訪れなければなりません。認知症の方がいてお願いをすること自体が困難な場合もあるという話を聞きました。電球交換は高い位置での作業をする際、足元が不安定で転倒の危険性があります。草取りや清掃は参加を呼びかけても参加者が少なく、広い敷地内の管理をすることができず、環境保全が不十分になってしまうという話も聞きました。駐車場管理は担当する住民に時間的な拘束、手間がかかる等の負担になっています。このように、管理組合が共益費徴収や設備管理をする中で、住民同士のトラブルを引き起こすこともあり、大きな問題になっています。
 先ほど局長は、管理組合ハンドブックに対して強制力はなく、標準的な方法を示しただけだと言われましたが、事実上の強制になっています。本来、任意加入であるはずの管理組合について、ハンドブックには、入居者は必ず管理組合に加入しなければなりませんと下線まで引いて強調して書いています。また、ハンドブックのQ&Aでは、共益費の徴収は市でできないのかという問いに対し、管理組合が集めるのが最も合理的かつ効率的だなどと書いています。市営住宅の管理が住民に押しつけられているのは明らかです。けれども、これは市が手間暇、金をかけたくないということを言いかえただけだと言わなければなりません。
 そこでお尋ねしますが、公営住宅法に定められている市や公社の管理責任が、管理組合の実質強制加入を通じて住民に押しつけられているというのが実態ではありませんか、答弁を求めます。また、ハンドブックに加入が義務だと書かれているのも、公営住宅法に照らして不適切ではありませんか、御所見を伺います。
 次に、低廉な家賃の住宅の必要性についてです。
 市営住宅の応募倍率の高さに関して、局長は市民の高いニーズを認識しているにもかかわらず、実際この間、低廉な家賃の住宅に住みたいというニーズがまるでないかのように、約20年もの間、市営住宅の増設をしていません。さらに、3月に策定された市の計画を見ると、管理戸数は逆に減らされております。
 そこでお尋ねしますが、市営住宅を増設しないのは許されないと思いますが、御所見を伺います。
 次に、市営住宅以外での家賃補助についてです。
 高齢者は要支援世帯で対象になっているということですが、要支援世帯に対する家賃低廉化補助を受けるには、登録されたセーフティネット住宅に入居しなければなりません。市が住宅審議会に提出した資料によれば、要支援世帯のうち、家賃低廉化、住みかえ補助の対象となる世帯数は、2025年度末時点で約3万世帯を見込んでいます。あなた方はそのうち数パーセントが住みかえると想定していますが、それでも1,860世帯が必要となります。ところが、現在、セーフティネット住宅は186世帯分しか確保できていません。
 そこでお尋ねしますが、セーフティネット住宅は要支援世帯の高齢者の受け皿としては全く足りないのではありませんか、答弁を求めます。
 また、若い単身者に関して、局長は冷たく対象外だと言われました。実態がわかっておられないようですね。福岡県の20代前半では、非正規雇用率が半分にも上っています。例えば、コンビニのアルバイトでいえば最低賃金ぎりぎりのケースで働く人が多く、仮に最低賃金で1日8時間、平日全て働いたとしても、月収は14万8,000円にしかなりません。また、ダブルワーク、トリプルワークをして何とか生活をしている人も数多くいます。
 福岡県労働組合総連合の調査では、福岡市での20代が賃貸している物件の家賃は5万円前後に集中していますので、このままでは家賃負担率が35.7%にもなり、市が不適当だとしている高家賃負担率を超えてしまいます。
 そのような中、都心では住まいと呼べないネットカフェ、ファミレス、ファストフード店や倉庫、レンタルオフィスで夜を過ごし、出勤する人がふえていると言われています。本市でも車中泊をしている、友人宅を転々としている、ネットカフェや公園のトイレで夜を過ごした経験があるという住宅困難者がいます。
 そこでお尋ねしますが、若い単身者は生活が困難な中、高い家賃に悩まされているのに低廉な家賃の住宅が全く足りないのではありませんか、御所見を伺います。
 次に、市民センターの指定管理者の指定についてです。
 市民センターのモニタリング等では特に苦情は寄せられていないと言われますが、私どもには全く正反対の情報が寄せられています。例えば、トイレのドアが壊れている、手洗い場が壊れている、(パネル表示)これは私どもが確認した西市民センターのホール横にある男子トイレの手洗い場の写真です。12月6日現在のものですが、2カ月近くも壊れたままの状態ということです。ほかにも楽屋のコンセントに電気が通っていない、楽屋通路にロッカーが常設され通行の妨げになる、バリアフリーになっていない、舞台道具搬入用の大型トラックの駐車スペースがなく、上演中は自分たちで探した駐車場にトラックを駐車しなければならなかった等の苦情を聞きました。また、ホールの客席に関して、子ども用のクッションを貸し出してほしい、折り畳み式の座席はすき間に子どもが挟まるおそれがあるので安全性に気を配ってほしい、緩やかなスロープのような座席配置、前後が重ならないような座席配置にしてほしい等の要望があります。これらはほんの一例です。こうしたふぐあいが無数にあるのに、指定管理者は苦情や要望を放置したままにして、市はそれをまともに把握していないというのが実態です。
 したがって、ふぐあいに関しては早急に指定管理者に連絡して改善すべきではありませんか、答弁を求めます。また、指定管理者制度にしたことで、市が責任を放棄しているのではないかと思いますが、御所見を伺います。
 以上で2問目を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 福岡市営住宅条例の一部を改正する条例案について、御質問にお答えいたします。
 緊急連絡先の届け出につきましては、緊急連絡先は安否確認の観点からも重要でありまして、届け出を促してまいりたいと思っております。
 次に、民間保証会社による機関保証の将来的な導入につきましては、繰り返しになりますが、連帯保証人の代替的な方法でありまして、別途入居者の費用負担が発生するため、状況の変化がない限り、導入の予定はございません。
 次に、管理組合運営ハンドブックにつきましては、市営住宅条例等により、入居者には共用部分の光熱水費等の費用負担をお願いいたしておりますが、性質上、光熱水費を入居者それぞれが電力会社などに支払うことはできないこと、また、共用部分の清掃などは入居者全体で行っていただく必要があることから、入居者全員で構成される管理組合等が必要なため、同ハンドブックには加入しなければならないと表現しているものでございます。
 市営住宅を増設しないのはなぜかとのおただしでございますが、平成12年の住宅審議会において、全市的に住宅が充足するとともに、市営住宅の約半数が更新時期を迎えていた状況を踏まえて、低額所得者向け住宅は民間を含めた住宅市場全体で受け持つことを基本とし、市営住宅の管理戸数は現状程度にとどめ、量の拡大よりストックの質の向上に重点を置いた対応が必要との答申をいただいております。この答申を受け、市営住宅ストック総合活用計画を策定し、管理戸数は現状程度とし、居住水準などの向上を図るために計画的かつ効率的な機能更新や維持保全に取り組んでいるところでございます。
 次に、セーフティネット住宅の登録戸数につきましては、全国的に登録が進んでいない要因として、国土交通省の見解によりますと、登録申請者の事務負担が大きいこと、登録手数料の水準が高い場合があること、登録の面積基準が実態に合っていない場合があることの3点が挙げられてございます。
 このため、登録促進に向け、国において平成30年7月から施行規則改正による登録申請書類の大幅削減がなされ、あわせて福岡市において、平成31年4月から登録手数料の廃止及び登録面積基準の緩和などを行ったところでございます。引き続き国、県や福岡県宅地建物取引業協会などの関係団体と連携しながら、登録促進を図ってまいります。
 次に、若年単身者につきましては、高齢者や障がい者などの配慮が必要な世帯と比較いたしまして、賃貸住宅市場において、自力で適正な水準の住宅を確保することが困難で、特に配慮を要するとまでは言いがたいことから、所得が少ないという理由だけでは市営住宅の入居対象とすることは難しいと考えております。
 なお、単身世帯でも高齢者や心身障がい者、DV被害者などに該当される方はより住宅困窮度が高いことから、市営住宅への入居申し込みができることといたしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 市民センターに係る指定管理者の指定に関する御質問にお答えいたします。
 設備のふぐあい等への対応につきましては、指定管理業務の中に緊急修繕業務を位置づけており、設備の突発的な故障やふぐあい等が生じた際は、速やかに報告を受け、指定管理者において迅速に対応することといたしております。
 施設の改修など、市が実施すべき内容に関する要望等につきましては、定期モニタリングや利用者アンケート等を通じて十分に情報共有を図っているところであり、緊急性や必要性、費用等を勘案の上、市の責任において対応いたしております。
 次に、指定管理の管理運営につきましては、毎月提出される月次報告書を踏まえまして、定期モニタリングを実施し、管理運営業務の実施状況を確認の上、必要な指示を行っているほか、施設における事故や設備のふぐあい等が生じた際は速やかに報告を受け、連携して対応することといたしております。
 また、利用者の御意見や御要望等につきましては、定期モニタリング等を通じて十分に情報共有を図っているところであり、よりよいサービスの提供に向けて日常的に打ち合わせ等を行いながら、連携して管理運営や事業を実施しているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) まず、市営住宅条例の改正についてです。
 連帯保証人を削除するのは当然ですが、緊急連絡先がないことが入居の支障にならないように格段の配慮をするとともに、今後とも、民間の保証会社の活用をしないように強く求めておきます。
 市営住宅の管理における住民の負担についていえば、局長は繰り返し強制ではないと言われますが、住民の負担感は非常に重いですよ。同じ公共的賃貸住宅であるURでは、共益費の徴収、電灯の管理や草取り等の施設管理は全てURが行っています。本市も、共益費を徴収することは公営住宅法違反にならないと解されているため、条例の改正等により、自治会等の運営に行き詰まっていたり、高齢化により徴収困難なところは、事業主体がかわりに徴収を行うことは可能だという答弁を議会でしております。他の政令市を見ても、仙台市は市営住宅全体で、京都市や神戸市などが一部の市営住宅で共益費の徴収に踏み出しています。
 したがって、共益費の徴収や設備管理、住環境整備など、市営住宅の管理は管理組合に押しつけず、市が責任を持って行うとともに、問題のあるハンドブックについては直ちに改定すべきだと思いますが、市長の答弁を求めます。
 また、低廉な家賃の住宅の必要性に関して、局長は市営住宅をふやさないことを正当化されましたが、無駄な大型開発には湯水のように税金を使っているではないですか。人工島への都市高速道路の延伸では、事業費があっという間に150億円も膨れ上がっています。市営住宅の増設ができないという言いわけは通りません。
 高齢者や若者の家賃補助についても、後ろ向きの答弁しかされませんでした。高齢者は家賃補助を行っても、そもそも貸してくれる住宅が少ないので、市や公的な団体が住宅を確保しなければ住まいを得ることができないのが実態です。若者は低賃金が多いため、安いと思われている家賃の住宅でも家賃負担が大変です。また、安い家賃の住宅の多くは、国が定める最低居住面積水準の25平方メートル以下です。このような状況に何も手だてをとらないのは無責任です。そもそも住まいは人権であり、行政として、所得等の違いによって住宅に困窮する住民をつくらないというのは、地方自治体の責務です。
 したがって、市営住宅については抑制政策をやめ、増設へと政策転換すべきだと思いますが、答弁を求めます。
また、要支援世帯に対する家賃低廉化補助制度を創設し、セーフティネット住宅については現在の登録数を大幅に拡充するとともに、民間アパートの借り上げ等も進めるべきだと思いますが、御所見を伺います。
さらに若い単身者を市営住宅の入居対象にして、民間アパート等への家賃補助に対しても対象にすべきだと思いますが、市長の答弁を求めます。
 次に、市民センターの指定管理者の指定についてです。
 局長は、私が実態を突きつけたことについては明確な答弁をされませんでした。適切な対応がされていないということですよ。このような手洗い場の故障など、直ちに修理すべきです。
 私どもには苦情がたびたび寄せられ、10月中旬にトイレの手洗い場が故障して使えなくなっているという話を聞き、12月6日に同僚議員が確認したところ、改善されていませんでした。結局、指定管理者はまともな管理をしないし、市にもきちんと報告をしていません。そして、市は管理責任を果たさず、指定管理者の言うことをうのみにして、ろくな確認もしていません。いろいろ言いわけされますが、このような実態について、直ちに現地を調査して改善すべきです。
 市民センターは社会教育施設であって、住民が使いやすく、住民の学びの場、文化と交流の拠点とならなければならない施設です。ところが、今回の指定管理者を見ると、JR九州、NTT、九電、西鉄等の関連会社等に丸投げされています。その結果、単なる箱物の管理になっており、社会教育施設ではなく、大企業のもうけの場として利用されているのが実態です。特定大企業を優遇する島市長のやり方が市民サービスを悪化させ、本市における社会教育を後退させていることは明らかです。
 そこでお尋ねしますが、民間企業にもうけを明け渡し、ずさんな管理をする指定管理者制度を続ける本議案は撤回し、市民センターの管理を直営に戻し、市が責任を持って行うべきだと思いますが、最後に市長の答弁を求めて、私の質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 市営住宅条例の一部を改正する条例案についての御質問にお答えいたします。
 共益費の徴収などを市が行うべきではないかとのおただしでございますが、繰り返しになりますが、市営住宅条例及び同条例施行規則によりまして、入居者には共用部分の光熱水費等の費用負担のほか、敷地内を適正な状態において維持していただく必要がありますことから、管理組合等による共同での履行をお願いしてまいります。
 次に、市営住宅を増設すべきとのおただしでございますが、これも繰り返しになりますが、市営住宅ストック総合活用計画に基づき、管理戸数は現状程度とし、居住水準などの向上を図るため、計画的かつ効率的な機能更新や維持保全に取り組んでまいります。
 最後に、住宅困窮者の住宅確保を図るための住宅施策のさらなる拡充につきましては、民間も含めた賃貸住宅市場全体による重層的な住宅セーフティネット機能の強化が求められており、セーフティネット住宅の登録促進を図るとともに、住宅審議会の答申を踏まえ、より住宅に困窮する世帯への家賃低廉化補助などの経済的支援等について検討をしているところでございます。
 あわせて、市と住宅事業者や福祉団体、居住支援法人等で構成する居住支援協議会において、住宅確保要配慮者が民間住宅に円滑に入居できるよう支援をしてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 市民センターに係る指定管理者の指定に関する御質問にお答えいたします。
 指定管理者制度につきましては、民間の持つすぐれた能力やノウハウを生かすことにより、市民サービスの向上や効率的な管理運営を図るものであります。
 市民センターについては、指定管理者制度の導入により、指定管理者の提案による企画事業の充実や受け付け時間の延長などが行われているところであり、今後とも、指定管理者制度により市民サービスの向上に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 近藤里美議員。
○58番(近藤里美)登壇 私は福岡市民クラブを代表して、本議会に上程されております諸議案のうち、議案第106号、福岡市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案及び議案第112号、福岡市営住宅条例の一部を改正する条例案、以上2議案について質問を行います。
 初めに、議案第106号、福岡市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案のうち、住居手当額の改定についてお伺いします。
 まず、本条例の改正案について、提案に至った経緯、理由、目的についてお尋ねいたします。
 あわせて、市職員の賃金制度において、住居手当を設けている理由並びに現行の住居手当の支給ルールと改正概要について説明願います。
 次に、住居や職員の住まいに関連する手当について、これまでの制度改正の流れについてお尋ねいたします。
 住まいに関連する手当に対し影響を与えることが考えられる家賃相場について、福岡市の10年前と現状の家賃相場についてお尋ねいたします。
 次に、議案第112号、福岡市営住宅条例の改正案についてです。
 まず、市営住宅を初めとする公営住宅の役割について説明願います。
 本条例の提案理由に、公営住宅を取り巻く状況等に鑑みとありますが、どういう状況にあるのか説明願います。
 本改正は連帯保証人に関する規定を削除するというものですが、これまで連帯保証人に求めてきた役割、責務についてお尋ねいたします。
 あわせて、市営住宅への入居手続において、連帯保証人を必要としてきた背景についてお尋ねいたします。
 また、本改正内容に関する国の動向についてお尋ねいたします。
 以上で1問目の質問を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 福岡市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案についてお答えいたします。
 まず、住居手当を見直すこととした経緯等につきましては、令和元年の人事委員会の報告及び勧告におきまして、福岡市の住居手当制度は国に準拠した制度となっていることから、国に準じた見直しを行うよう勧告されたところでございます。
 職員の給与につきましては、地方公務員法を踏まえ、人事委員会の報告及び勧告や国及び他の地方公共団体の職員との均衡などを考慮しながら決定する必要があり、勧告どおりの内容で改定を行いたいと考えております。
 次に、住居手当の制度につきましては、みずから居住するために住宅を借り受け、一定額を超える金額の家賃を負担している職員に対して、その家賃の一部を補うために支給しているものでございます。
 次に、住居手当の支給ルールと今回の改正内容でございますが、住居手当は月額1万2,000円を超える家賃を負担している職員に対して、家賃額に応じて最大で月額2万7,000円を支給するものであり、今回の見直しにより、令和2年度から月額1万6,000円を超える家賃を負担している職員に対して、最大で月額2万8,000円を支給するよう改めるものでございます。
 次に、これまでの住居手当制度の改正についてでございますが、家賃を負担している職員に対する住居手当につきましては昭和45年5月から支給しており、政令市に移行した昭和47年度以降は、民間給与の実態を反映した人事委員会の勧告に基づき改定してきたところでございます。
 次に、福岡市の10年前と現在の家賃相場についてのお尋ねでございますが、総務省統計局が実施している住宅・土地統計調査によりますと、福岡市の住宅の1カ月当たりの平均家賃額は、平成20年では5万1,470円、平成30年では5万4,928円となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 福岡市営住宅条例の一部を改正する条例案についての御質問にお答えいたします。
 まず、公営住宅の役割につきましては、公営住宅法第1条において、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、または転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することと規定されてございます。
 次に、公営住宅を取り巻く状況等につきましては、民法改正により、個人根保証契約において極度額の設定が必要となったことや身寄りのない単身高齢者が増加していることなどが挙げられます。
 次に、連帯保証人の役割、責務につきましては、家賃等に係る債務保証のほか、緊急時の連絡先としての役割、その他入居者への指導等に関する協力を求めてございます。
 次に、連帯保証人を必要としてきました背景につきましては、これまで賃貸住宅への入居には連帯保証人を立てることが広く一般的であったこと、また、国の公営住宅管理標準条例においても、連帯保証人を立てることが規定されていたことによるものでございます。
 次に、国の動向につきましては、国土交通省は民法改正により、個人根保証契約において極度額の設定が必要となったことや身寄りのない単身高齢者が近年増加していることから、今後、入居者にとって保証人の確保がより一層困難となっていくことが懸念されるために、住宅に困窮する低額所得者への住宅供給という公営住宅の目的を踏まえると、保証人の確保を入居の前提とすることから転換すべきであるとの考えのもとに、国の標準条例から連帯保証人に関する規定を削除するとともに、各自治体に対して適切な対応をとるよう技術的助言を行ったところでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 近藤里美議員。
○58番(近藤里美) 2問目に入ります。
 まず、議案第106号についてです。
 今回の住居手当の改定については、国に準じた見直しを実施するよう言及された人事委員会の勧告に対し、その勧告のとおり改定するもので、これまでも民間給与の実態を反映した人事委員会の勧告に基づき改定してきたとのことでございました。また、住居手当は職員自身が居住するために借り受けている家賃負担の一部を補うために支給されている手当であるとのことでしたので、職員本人の年齢や役職等とは別に、生活に対する費用負担の一助として支給されていることがわかりました。
 では、住居手当の改定に伴う影響など、詳細について伺ってまいりますが、改定に伴い住居手当の支給額が減額となる職員数と増額となる職員数についてお尋ねいたします。
 また、下限額が1万6,000円に引き上げられることによって支給対象外となる職員はいるのか、確認をしたいと思います。
 また、家賃5万9,000円未満の職員については、改正により手当支給額が減額されますが、手当の減額に伴う収入減に対する緩和措置についてお尋ねいたします。また、その対象人数についても、お示しください。
 現在の支給対象者を前提とすると、本改正に伴う住居手当の支給総額原資はどうなるのか、1人当たりに換算した金額とあわせてお答えいただきたいと思います。
 今回の条例の改正により、住居手当が減額となる職員のうち、給与の増も踏まえ、年収ベースで減額となる職員はいるのか伺います。
 今回の改定は、あくまでも国の住居手当に準じた見直しを実施するという内容ですが、10年で約3,500円上昇しております福岡の家賃相場や職員の実態に応じた支給金額の検討などは実施されなかったのか、その理由もお尋ねいたします。
 次に、議案第112号、福岡市営住宅条例の改正案についてです。
 市営住宅は住宅困窮者に対して住宅を供給する役割を担っていますが、これまで入居の際に連帯保証人を必要としてきた理由として、民間の賃貸住宅の入居の際は連帯保証人を立てることが一般的であったことや、国の提示する標準条例においても連帯保証人を立てることが規定されていたということが挙げられました。
 本条例の改正に対する国の動向については、民法改正により契約手続に関する変更が必要であること、一方で公営住宅に求められる役割に照らすと、保証人を必須とすることは住宅困窮者に対する的確な住宅供給にとっては妨げになることなどから、国土交通省として標準条例から該当する規定を削除するとともに、各自治体に技術的助言が行われているといったような内容でございました。
 続いて、福岡市の市営住宅を取り巻く現状について何点かお尋ねしたいと思います。
 まず、直近の市営住宅の戸数と入居者数についてお尋ねいたします。
 入居者のうち、65歳以上の高齢者世帯数について、単身世帯数と2人以上世帯数をお尋ねいたします。
 あわせて、高齢単身者世帯の応募状況についてお尋ねいたします。
 入居などの際に連帯保証人が確保できない場合はどのようにされているのか、件数など状況がわかればお伺いしたいと思います。
 続いて、1問目でお伺いしました連帯保証人の役割、責務で挙げられました家賃等の債務保証の役割、もう一つは緊急時の連絡先、入居者への指導に関する協力の2項目について、連帯保証人を削除した場合の影響について伺いたいと思います。
 まず、1つ目の役割であります家賃等の債務保証についてですが、連帯保証人を廃止することから、本市の滞納対策をさらに強化する必要があると思われますが、現在の市営住宅の家賃の滞納者への対応についてお尋ねいたします。
 また、不納欠損に至るまでの流れについて、かかる時間も含め、説明をお願いしたいと思います。
 市営住宅の家賃の収納状況については、10年前、5年前と比較した場合の収納率と不納欠損額及び不納欠損処理を行った件数についてお尋ねいたします。
 続いて、連帯保証人に求められる2つ目の役割でございます、入居者に対する指導への協力や緊急連絡先としての役割についてですが、市営住宅では日々の暮らしの中で、住民による騒音やごみなどの衛生上の問題などが発生した場合、入居者への指導に関する協力を得ていたと思われます。そのような連帯保証人が担ってきた役割について、連帯保証人制度を廃止した場合にどのような対応を考えているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 福岡市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案についてお答えいたします。
 まず、住居手当の見直しによる影響につきましては、本年の人事委員会勧告の調査期日である平成31年4月1日の支給状況によりますと、減額となる職員は全市で2,260人、増額となる職員は3,342人、据え置きとなる職員は154人となっております。
 次に、今回の見直しにより住居手当の支給対象外となる職員につきましては、家賃額が1万2,100円から1万6,000円までの場合でございますが、平成31年4月1日時点では該当する職員はおりません。
 次に、手当の減額に伴う緩和措置とその対象職員数についてでございますが、人事委員会から手当額が2,000円を超えて減額となる職員については、令和2年4月から1年間、国と同様に減額幅を2,000円とする経過措置を講じるよう勧告されたことから、勧告どおり措置するものであり、その対象となる職員数につきましては、平成31年4月1日時点では全市で11人となっております。
 次に、見直しに伴う支給総額と職員1人当たりの額についてのお尋ねでございますが、平成31年4月1日時点の支給対象者で試算いたしますと、支給総額は全市ベースで年間約856万円の減となる見込みであり、これを職員1人当たりに換算しますと、月額で約45円となります。
 次に、住居手当の見直しと給与の引き上げによる年間給与の影響についてでございますが、今回の給与改定においては、月例給及び勤勉手当を引き上げるとともに、住居手当の見直しを行うものでございまして、その結果として、年間給与で減となる職員もおりますが、1年間の経過措置や定期昇給を合わせると、影響は最小限にとどまるものと考えております。
 次に、今回の改正に当たっての検討についてでございますが、今回の住居手当の見直しは、人事委員会が市内民間の住宅手当の支給状況を調査し、職員の実態なども考慮した上で勧告されたものであります。
 また、人事委員会勧告につきましては、公民の較差を解消するために行われるものであり、増額、減額いずれの場合においても、勧告に基づき改定する必要があることから、住居手当につきましても勧告どおりの内容で改定いたしたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 福岡市営住宅条例の一部を改正する条例案についての御質問にお答えいたします。
 まず、市営住宅の戸数と入居者数につきましては、平成30年度末で申し上げますと、管理戸数については3万1,535戸、入居戸数は2万9,009戸、入居者数は6万469人となっております。
 次に、65歳以上の高齢者世帯数につきましては、平成30年度末の状況で申し上げます。単身世帯が8,189世帯、2人以上の世帯は3,802世帯となっております。
 次に、高齢単身者世帯の応募状況につきましては、平成30年度定期募集の状況で申し上げます。単身の65歳以上の応募者数は2,463人であります。
 次に、連帯保証人が確保できない場合の状況につきましては、身寄りがないなどの事情から連帯保証人の確保が困難な場合には、連帯保証人を免除しておりまして、平成30年度に免除した件数は78件でございます。
 次に、家賃滞納者への対応につきましては、初期滞納者に対して文書、電話、訪問による納付指導を行い、必要に応じまして福祉部門等の相談窓口の案内も行っております。滞納4カ月で明け渡し請求の対象となり、全額の納付がない場合、契約解除の上、連帯保証人を含め、訴訟等の法的措置に着手いたしております。
 次に、不納欠損に至るまでの流れにつきましては、名義人及び連帯保証人に対して、退去後の滞納家賃の納付を催告しておりますが、時効期間の5年が経過し、名義人の無資力など弁済の見込みがない等の場合は、債権放棄をした上で不納欠損処分をしております。
 次に、家賃の収納状況につきましては、まず、現年度と過年度を合わせた家賃収納率を申し上げますと、平成20年度は95.35%、25年度は97.85%、30年度は98.81%となっております。
 不納欠損額につきましては、平成20年度が2,262万3,000円、25年度が2,303万4,000円、30年度が530万2,000円となってございます。
 不納欠損件数につきましては、平成20年度が240件、25年度が174件、30年度が46件であります。
 次に、入居者への指導につきましては、迷惑行為を行う入居者に対して、引き続き住宅供給公社を初め、関係機関とも連携しながら、必要な指導を適切に行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 近藤里美議員。
○58番(近藤里美) 3問目に入ります。
 まず、議案第106号の住居手当の改定についてです。
 今回の住居手当の改定は、支給金額を引き上げるという提案ではあるものの、必ずしも現在の支給対象者の全員が増額するものではなく、減額となる職員は2,260人で対象者の約4割を占めており、その中で激変緩和措置の対象となるのは11人のみで、中には年収ベースで減額となる職員もおられることがわかりました。家賃月額が1万6,000円以下で住居手当の支給対象外となる職員がおられなかったことは幸いですが、国と同様の見直しを実施するとはいうものの、本市として福岡市の家賃の動向や職員の実態を踏まえた検討をもう一歩踏み込んで実施すべきではなかったかと思われます。
 今回の市職員の住居手当の改定を踏まえ、少し民間の状況を伺ってみました。大きな流れとして、昨今の経済情勢を踏まえ、各種手当は減額される傾向にあるようですが、それでも年齢や働き方、役職等の区分とは違う、暮らしを支えるための費用負担の一助としての住宅手当のニーズは一定程度存在しているようです。
 企業によっては、事業所所在地の近隣に住むことを前提とする場合など、業務内容に応じて自由に居住地を選択できない従業員への配慮や居住地を制限することへの負担軽減、居住地域の違いによって生じる従業員同士の不公平の是正などの観点から、家賃の補助や住宅手当の支給を行っているところがあるようです。
 一方で、ここ数年、日本のあちこちで大規模災害が発生している中で、市民の皆様から非常時の行政の対応について、さまざまな声をいただくようになりました。万が一、福岡市内で大きな災害が発生した場合に、休日や業務時間外であっても、市職員はそれぞれの持ち場に駆けつけることができるのだろうかという声もその一つです。現在、本市では職員の居住地を制限しておりませんが、非常時の対策として、一定の役割を担う職員については市内に居住を促すようなこともこれから考えていく必要があるのではないかと感じます。また、市職員も仕事を離れれば地域で住まう市民です。今後ますます地域活動が重要になってくる中で、市職員の皆さんがその経験を生かして地域コミュニティの中で活躍いただけることは、地域の担い手不足が叫ばれる今、重要な点だと思われます。
 こうした市民ニーズを踏まえ、福岡市外と比較すると相対的に家賃の高い市内に居住する職員に対し、家賃負担の一部を補う手当支給を検討することは意義のあることだと考えます。中長期的な視点で、市職員の今後の住まいに関する手当について検討していただきますよう要望いたします。
 次に、議案第112号、福岡市営住宅条例の改正案についてです。
 連帯保証人を廃止することへの一番の気がかりは、家賃の滞納対策だろうと思われます。家賃滞納者への現在の対応状況について、不納欠損処理に至るまでの流れを説明いただきましたが、文書や電話、訪問などさまざまな手段で指導を行い、かなりの手続を経て不納欠損にまで至るようでございます。家賃収納率については、10年前の約95%から98%へと改善し、不納欠損額も約1,700万円の減、件数も46件となりました。
 当局としては相当な努力をされていることと思いますが、一方で、滞納者がいる以上は対策の手を緩めるわけにはまいりません。民間では保証会社が、これまでの連帯保証人にかわって家賃滞納を防ぐ役割を担っていると思われますが、本市としてはそういった状況も踏まえ、連帯保証人にかわる滞納対策について検討はされたのか、また、その検討を踏まえた今後の取り組みについてお尋ねいたします。
 また、市営住宅の入居状況についてお尋ねしましたが、管理戸数3万1,535戸のうち、入居は2万9,009戸、65歳以上の高齢世帯は1万1,991世帯で入居世帯の約4割強、単身高齢世帯は約28.2%を占めており、昨年度の応募数は2,463件と、全体戸数の約8%に相当するニーズがあることがわかりました。冒頭に伺いました市営住宅の役割である住宅困窮者への住宅供給と近年増加傾向にある単身高齢者への対応を考えると、これまでの連帯保証人から別の形への進化が必要となっているような思いもします。単身高齢者が増加していることを踏まえ、かかりつけ医なども含めた緊急連絡先を複数確保しておく必要があると思われますが、御所見をお伺いし、私の質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 福岡市営住宅条例の一部を改正する条例案についての御質問にお答えいたします。
 まず、連帯保証人にかわる滞納対策につきましては、家賃債務保証業者等による機関保証は連帯保証人の代替的な方法であり、別途入居者の費用負担が発生するという問題があるため、住宅に困窮する低額所得者向け住宅である市営住宅においては、機関保証の導入は困難ではないかと考えております。
 滞納対策につきましては、滞納初期の段階で催告など早期対応に努めるとともに、滞納に至った事情を踏まえた的確な対応を強化していくことといたしております。
 次に、緊急連絡先の複数確保につきましては、市営住宅における単身高齢者などの増加を背景として、見守りや安否確認などの観点からも、緊急連絡先の届け出は大変重要であると考えております。そのため、入居手続や収入申告時などの機会を捉えて、複数の緊急連絡先の登録を促してまいりたいと考えております。
 また、生活困窮者については生活自立支援センターや消費生活センターの御案内を、認知症の疑いなど単身での生活に生命、身体の危険があると思われる方につきましては、地域包括支援センターや各区地域保健福祉課への情報提供を行うなど、福祉部門との連携を図ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) この際、休憩し、午後2時40分に再開いたします。
午後2時30分 休憩  
午後2時40分 開議  
○議長(阿部真之助) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を継続いたします。荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇)登壇 私は緑と市民ネットワークの会を代表し、今議会に上程された諸議案のうち、議案第145号、福岡市道路照明灯一括LED化ESCO事業に係る契約の締結について及び議案第94号、福岡市一般会計補正予算案のうち、スタートアップ支援施設運営事業債務負担行為補正について質疑を行います。
 質疑に先立ち、先日、アフガニスタン復興支援中に銃撃によって亡くなられた中村哲医師に、心から冥福をお祈りいたします。中村医師の平和と復興への願いが実現されることを強く願います。改めて、安倍政権が進める戦争への道は世界の平和を遠ざけるものであり、武力で平和は実現できないとの思いを強くするものです。
 では、質疑に入ります。
 まず、福岡市道路照明灯一括LED化ESCO事業について質疑します。
 日本ではことしも台風15号、19号と立て続けに甚大な被害を受けました。地球温暖化による甚大な気象災害は世界各地で多発しており、世界では気象変動問題は気象変動危機との認識となっています。気象変動危機に対処するためには二酸化炭素排出削減が急がれており、省エネルギー社会を進めることが求められています。今回の議案は省エネルギー対策として、道路照明灯を一括してLED化するESCO事業として行うものです。
 ESCO事業はPFIと同じような手法で、短期間にLED化をすることで省エネを実現し、電気料金の削減を図るとともに、契約事業期間に削減が見込まれる電気料金の範囲内で、LED化工事費等を事業者に委託料として支払い、それとともに、発注自治体も一定の利益を得るものです。
 そこで、以下説明を求めます。
 まず、今回の対象となる2万基の道路照明灯はどのようなもので、事業費は幾らと見積もっていたのか、事業期間におけるLED化による電気料金削減の見積額及び省エネ効果、その算出根拠について説明を求めます。
 福岡市として得る利益は幾らを予定していたのか、また、利益はどのように算出したのか、今回のLED化事業において、ESCO事業を使うことで国の助成はあるのか、そして最後に、提案事業者間に保証利益総額及びESCOサービス料に大きな開きがありますが、工事費は安いが、電気料金は下がらないという関係になっているように見えますが、所見を求めます。
 次に、スタートアップ支援施設運営事業債務負担行為について質疑します。
 まず、そもそもスタートアップ支援施設運営事業の内容並びに2019年度当初予算、議案の当該事業の当初予算と執行額、債務負担行為を求めるに至った経緯について説明を求めます。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 議案第145号、福岡市道路照明灯一括LED化ESCO事業に係る契約の締結に関するおただしにお答えいたします。
 まず、福岡市が管理する道路照明灯は、平成30年度末時点で約3万7,000基ございます。このうち、既にLED化を実施いたしました約1万1,000基及び照明灯の形状が特殊なため、今回の一括交換になじみにくいもの約6,000基、これらを除きました2万基を本事業の対象といたしております。
 また、事業費は令和3年度から毎年1億8,000万円を見込み、10年間の債務負担といたしまして、平成31年3月議会におきまして、事業限度額18億円の御議決をいただいたところでございます。
 次に、おただしの2点目でございます。
 LED化による電気料金の削減額は、福岡市の試算では年間約2億円を見込んでおりました。また、省エネルギー効果は消費電力量の削減量として、年間約960万キロワットアワーを見込んでいたところでございます。これらの算定につきましては、いずれも平成30年度での実績とLED化後の見込みとを比較して算出いたしたものでございます。
 次に、おただしの3点目でございます。
 一括LED化による福岡市のコストメリットにつきましては、年間約5,000万円を見込んでおりました。算定方法につきましては、年間の電気料金の削減額約2億円に、LED化に伴い不要となりますランプの交換費用約3,000万円、これを加えまして、年間の総削減額約2億3,000万円から、今回の事業に係る年間予算1億8,000万円を控除したものでございます。
 次に、おただしの4点目でございます国の助成につきましては、本事業は国の補助対象ではございません。
 次に、1問目の最後のおただしであります保証利益総額及びESCOサービス料の関係についてでございます。
 まず、ESCOサービス料は、福岡市が事業者に今般の事業の委託料としてお支払いするもので、その内訳といたしましては、一括LED化に係る工事費、これが大部分を占めますが、これに加えまして10年間の維持管理費及び省エネルギー量を把握するための検証経費などを計上したものでございます。
 次に、保証利益は平成30年度の実績に対し、事業者が提案する電気料金等の削減見込み額から、先ほど申しましたESCOサービス料を控除して算出する、福岡市が享受すべきコストメリットですね。これのうち、各事業者がみずからの算定において保証できる額を提案したものでございます。
 したがいまして、御指摘のような関係性にあるとまでは一概には言えないものと認識をいたしておるところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 令和元年度福岡市一般会計補正予算案のうち、スタートアップ支援施設運営事業の外壁改修工事についてお答えをいたします。
 スタートアップ支援施設運営事業につきましては、スタートアップ企業の成長を目的として、旧大名小学校の校舎を活用した官民共働型のスタートアップ支援施設を運営する事業であり、その一環としまして外壁改修工事を実施しております。
 当該事業における今年度の当初予算につきましては約1億8,370万円であり、そのうち外壁改修工事に係る予算額は約6,690万円、執行額は約6,770万円となっております。
 外壁につきましては、ことしの8月までに改修する予定でありましたが、実際の工事に当たり打診調査を行うと、築90年であり、想定よりも老朽化が激しく改修箇所が多かったことから、作業に時間や費用がかかったため、南面を除き、工事を完了しております。
 南面の工事につきましても、市民や利用者の安全確保のために早期に実施する必要があり、年度内に着手いたしますが、工事完了が令和2年度になることから、債務負担行為を求めるものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) ではまず、LED化ESCO事業について質疑を続けます。
 答弁によると、市の試算ではLED化することで年間5,000万円の利益が得られるとしており、落札者は10年間の総額として、その2倍である10億円余を保証しています。また、工事費及び事業者の利益と諸費用を含めた委託料も、市の工事等見積額18億円よりも低い16億1,000万円余であり、落札者の提案では、10年間の市の試算の電気料金削減額約20億円を超えており、消費電力削減量も市のベースラインである年間960万キロワットアワーを上回る978万キロワットアワーとなっており、ESCO事業の目的は果たしているというふうには言えます。しかし、いわゆる入札における総評を見ると、どの事業者も実績や技術力は認められており、技術的に大きな差はないと思われます。また、リスク分担も明確になっています。
 そこで、入札結果を見ると、最も利益保証をしている事業者は、落札した事業者より10年間の事業期間で1億円余の利益保証をしている。また、両事業者を比べると、落札業者は市が支払う年間サービス料は約380万円少なくなっていますが、最も利益を保証している事業者の提案では、落札事業者に比べて市に保証する利益が年間約1,000万円多くなっており、最も利益保証する提案を選択すれば、市は年間約700万円多く利益を得ることになります。経済性の評価点の配点が技術提案能力の評価点の配点に比べて低い理由はなぜなのか、その理由について説明を求めます。
 次に、ESCO事業では、事業期間中の電気料金の削減及び消費電力の削減が契約どおり履行されていることが重要です。
 そこで、事業者が経年の支払い電気料金及び消費電力量の検証をすることになっていますが、検証のための機器が各街路灯に設置され記録されるのか、また、街路灯ごとに評価され、その積算によるものなのか、次に、事業者は報告を毎年提出し、市は確認するとしていますが、どのように確認するのか、また、事業者が契約の電気料金削減及び消費電力削減を実現できなかった場合は、事業者にどのようなペナルティーを課しているのか、説明を求めます。
 次に、スタートアップ支援施設運営事業債務負担行為についてお尋ねします。
 答弁によると、今回の債務負担行為が求められている理由は、旧大名小学校跡地活用のための外壁改修工事は築90年以上であり、想定以上に劣化していることから、作業や時間及び経費がかかり、予定期間内に工事が終了できず、また、費用も不足することになったと説明しています。校舎の南壁を除く外壁3面の工事に使った費用は約6,770万円で、当初予算約6,690万円を使い切っております。つまり、外壁3面の工事費は約6,770万円となります。南面工事費は債務負担行為の約7,200万円であり、3面の工事費を上回ります。最終的には外壁工事としての予算の2倍を超える額となります。外壁の工事費用が2倍を超えることになった理由として、旧大名小学校校舎が築90年を経過しており、想定よりも著しく劣化していたとしておりますが、そもそも2倍を超える修理費となったことについて、事前の調査に問題はなかったのか、外壁以外の改修についても予算を上回ることはなかったのか、外壁の崩落など利用者への影響が考えられますが、改修が済むまで事業は延期することを考えなかったのか、また、施設の開設を急いだ理由は何なのか、以上、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 道路照明灯一括LED化ESCO事業についてお答えいたします。
 本事業は事業者が経費を負担して、2万基の照明灯のLED化工事やその後10年間の維持管理などを行う事業です。このため、今回の公募における配点におきましては、事業を所管する道路下水道局との協議を踏まえ、経済性だけではなく、施工や維持管理、エネルギー削減効果の計測、検証などの技術提案能力や本市経済への貢献など、バランスのよい提案を選定できるよう、他都市の先行事例や外部有識者の意見等も参考にしながら配点を設定したところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) おただしの2点目でございます。
 電気料金及び消費電力削減量の検証のための機器の設置につきましては、LED化後の照明灯の電気料金は契約ワット数に応じた定額の料金改定となりますことから、照明灯ごとに測定機器を設置するものではございません。
 なお、消費電力量の削減量の検証のため、契約ワット数ごとに抽出いたしました照明灯において、年1回消費電力の実測を行うこととしております。
 次に、おただしの3点目でございますが、電気料金及び消費電力削減量の確認方法につきましては、事業者は電気料金の削減効果、消費電力量の削減量及びCO発生量の削減効果を3カ月ごとにみずから検証した上で、年度ごとに事業報告書を福岡市に提出することとしております。市は同書をもとに検査を行うことといたしております。
 次に、おただしの4点目の電気料金及び消費電力量の削減を実現できなかった場合の措置につきましては、まず、消費電力量の削減量は、事業者との契約におきまして、目標値として設定いたしますが、実際の削減量が目標値に達しなかった場合の措置につきましては、特段の定めはございません。
 ただし、削減量が目標値に達しなかったことにより、福岡市が支払う電気料金の額は、事業者の提案額を上回り、そのため、福岡市が本来享受すべきコストメリットは減少することとなります。そこで、その額が事業者の保証利益額を下回った場合、その差額を事業者が負担するものといたしております。このことにより、本事業における福岡市のコストメリットを確保するものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) スタートアップ支援施設運営事業の外壁改修工事についてお答えをいたします。
 外壁改修工事の事前積算に当たりましては、施設の全面にわたる目視確認を現地で行ったほか、過去の学校校舎の類似改修事例を参考にし、工事実施に必要な調査を十分に行っており、問題はないものと考えております。
 当該施設は東西に細長い形状であり、その外壁の面積を比較した場合、今年度に工事を終了した北面、東西面の3面の合計面積が1,475平米に対して、今回、補正予算で工事を行う南面の面積は1,143平米と、300平米ほどしか差がありません。過去の工事例から、通常は南面が日射による老朽化がより激しいことが想定されるために、今回の債務負担行為の額は妥当な金額であると考えております。
 なお、外壁以外の改修工事につきましては、予算の範囲内において執行しております。
 また、外壁改修工事は、通常は施設運営を継続しながら施工することができる工事であり、当該施設も利用者の利便性や安全を確保しながら事業継続し、施設を運営できるものと考えており、特に開設を急いだということはありません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) ではまず、LED化ESCO事業について質疑します。
 ESCO事業の活用は、短期間にLED化を進めるということで、環境負荷を削減する事業としては評価できるものと言えます。他方、事業実施に当たり、消費電力削減量及び電気料金削減額が適正に見積もられなければなりません。また、事業実施後の検証が適正になされているかが重要となります。
 事業の検証については、電気料金は契約ワット数に応じた定額の料金設定になることから、照明灯ごとに機器の設置は行わないとしています。契約ワット数ごとに電力料金が決まっているということであれば、市の支払う料金は契約時点で確定することになります。しかし、照明が十分であるのか、事業開始後の現場確認が必要です。
 消費電力削減の検証については、事業者は消費電力を検証するために、契約ワット数ごとに抽出した照明灯で消費電力を年1度実測するとしております。市は事業者の報告にて確認するとのことです。消費電力については、ベースラインを下回ってもペナルティーはないとしており、電力料金は確保することから、消費電力削減については重視しないのではないかという疑念を感じます。省エネを進める上では報告書での確認では十分とは言えず、契約ワット数ごとに抜き打ちでサンプル調査を行い、契約を下回ればペナルティーを科すべきです。今回の事業は消費電力削減に問題があるものの、省エネ推進事業としては評価できます。事業選定において、事業執行能力とともに、費用及び消費エネルギー削減について最大の効果が出る仕組みを充実させることを期待するものです。
 そこで、今後、市全体としてESCO事業を検討する計画があるのか、所見を求めてこの質問を終わります。
 次に、スタートアップ支援施設運営事業の債務負担行為についての質疑を行います。
 今回の外壁改修が予算の2倍を超える事態になったことについて、事前の調査に問題がないと答えておりますが、当初予算の2倍を超える事態は極めて問題ではないかと考えます。外壁南面は日射による老朽化が他の3面よりも劣化しやすいということは理解できますが、他の外壁3面合計の改修費を上回る費用がかかることは理解しがたいものです。予定期間内に終了できなかったことから、施設利用開始時期をおくらせないために、施設利用と並行した改修をするとしたことで工事の日時を要し、工事内容も変わることになり、費用がかさんでいます。人工島への都市高速道路延伸事業においても、当初予算が250億円であったものが既に400億円を超えており、西鉄大牟田線高架化事業でも事業期間が延長される事態が起こっています。いずれも工事をやってみないとわからないという、ずさんと言える事業が立て続いており、今回の外壁改修も同様なずさんな事業と言われても仕方ありません。一旦利用をとめて、短期間で集中して改修工事をしたほうが利用者の安全を図れるとともに、費用削減になると考えますが、改めて所見を求めます。
 また、築90年の建物であることは事前にわかっており、それなりの時間がかかることは予測できたのではないのでしょうか。事業推進に前のめりになり過ぎることが改装計画そのものをゆがめ、結果として経費増になったのではないか、所見を求めます。
 以上で質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 道路照明灯一括LED化ESCO事業についてお答えいたします。
 今後のESCO事業の導入につきましては、市有施設の設備更新等に当たって、エネルギー消費が大きい設備で、更新することにより光熱水費の削減効果が見込まれる際に導入の可能性を検討することとしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) スタートアップ支援施設運営事業の外壁改修工事についてお答えをいたします。
 当該施設につきましては、築90年の建造物であることは事前にわかっていたものの、外壁改修工事は実際に打診調査を行うまで、その損傷箇所や損傷ぐあいが正確に把握できない性格の工事と理解をしております。実際の打診調査で想定よりも改修箇所が多かったことから、作業に時間や費用がかかったものであります。
 また、当該施設は内装の改修等に伴い、ことしの3月から5月にかけて施設を閉鎖しておりました。その後、リニューアルオープンいたしましたが、当初からこの外壁改修工事については、施設運営を行いながら工事を進める予定でありましたので、特に工事の内容を変更したものではございません。
 外壁改修工事は利用者の利便性や安全を確保しつつ、施設運営を継続しながら改修する工事であり、当該施設の南面の外壁改修工事でも、今後、施設の運営事業者と十分に協議を行いつつ、適切に工事を実施してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 以上で質疑を終結いたします。
 ただいま議題となっております議案56件は、お手元に配付の議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
 以上で本日の日程は終了いたしました。
 次の会議は明11日午前10時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後3時7分 散会