令和元年9月18日(水)

令和元年第4回福岡市議会定例会
議  事  日  程 (第4号)
                             9月18日 午前10時開議
第1  一 般 質 問

本日の会議に付した事件
議事日程のとおり

出 席 議 員 (62名)
1番  稲 員 稔 夫       2番  鬼 塚 昌 宏
3番  堤 田   寛       4番  川 上 陽 平
5番  津 田 信太郎       6番  大 森 一 馬
7番  平 畑 雅 博       8番  伊 藤 嘉 人
9番  打 越 基 安      10番  川 上 晋 平
11番  阿 部 真之助      12番  勝 山 信 吾
13番  川 上 多 恵      14番  淀 川 幸二郎
15番  調   崇 史      16番  大 坪 真由美
17番  古 川 清 文      18番  高 木 勝 利
19番  新 村 まさる      20番  大 原 弥寿男
21番  今 林ひであき      22番  篠 原 達 也
23番  尾 花 康 広      24番  松 野   隆
25番  楠   正 信      26番  冨 永 計 久
27番  森   英 鷹      28番  南 原   茂
29番  おばた 久 弥      30番  山 口 剛 司
31番  大 石 修 二      32番  黒 子 秀勇樹
33番  藤 野 哲 司      34番  堀 本 わかこ
35番  中 島まさひろ      36番  天 野 こ う
37番  山 口 湧 人      38番  松 尾 りつ子
39番  井 上 麻 衣      40番  飯 盛 利 康
41番  はしだ 和 義      42番  浜 崎 太 郎
43番  堀 内 徹 夫      44番  綿 貫 英 彦
45番  森   あやこ      46番  福 田 まもる
47番  国 分 徳 彦      48番  藤 本 顕 憲
49番  倉 元 達 朗      50番  中 山 郁 美
51番  荒 木 龍 昇      52番  高 山 博 光
53番  ついちはら陽子      54番  田 中 たかし
55番  成 瀬 穫 美      56番  山 田 ゆみこ
57番  宮 浦   寛      58番  近 藤 里 美
59番  川 口   浩      60番  落 石 俊 則
61番  田 中しんすけ      62番  池 田 良 子

欠 席 議 員 (0名)

説明のため出席した者
  市       長   島 宗一郎   副市長  光 山 裕 朗
副  市  長  中 村 英 一   副市長  荒 瀬 泰 子
水道事業管理者  清 森 俊 彦   交通事業管理者  重 光 知 明
総務企画局長  小野田 勝 則   財政局長  松 本 典 久
市民局長  下 川 祥 二   こども未来局長   田 浩 輝
保健福祉局長  舟 越 伸 一   環境局長  坂 本 秀 和
経済観光文化局長   島   収   農林水産局長  細 川 浩 行
住宅都市局長  石 橋 正 信   道路下水道局長  駒 田 浩 良
港湾空港局長  清 家 敬 貴   消防局長  山 下 周 成
会計管理者  水 町 博 之   教育長  星 子 明 夫
教育委員  町     孝   選挙管理委員会事務局長  宮 崎 晶 子
人事委員会事務局長  中 村 郁 子   監査事務局長  馬 場 哲 久

職務のため出席した事務局職員
議会事務局長  土 井 裕 幹   議会事務局次長  金 子 佳 史
議事課長   着 一 孝   議事係長  中 村   博
外関係職員

午前10時 開議  
○議長(阿部真之助) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、一般質問を行います。発言通告者のうちから順次質問を許します。平畑雅博議員。
 
○7番(平畑雅博)登壇 おはようございます。自由民主党福岡市議団を代表して、2学期制及び午前中5時間授業、防災協定、総合体育館の交通アクセス、市民体育館のあり方、以上4点についてお尋ねいたします。
 最初に、2学期制及び午前中5時間授業について質問いたします。
 まず、学校2学期制とはどういうものか、お尋ねいたします。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 2学期制は10月の体育の日を含む連休を境に、前期と後期の2つの学期に分けるもので、年間の授業日数や夏季休業日などの日数や時期は、従来の3学期制と同じでございます。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 20政令市での実施状況並びに福岡市での実施状況をお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 令和元年度の政令市20市の状況は、市内小中学校全校で2学期制を実施している政令市が仙台市、千葉市、川崎市、静岡市、広島市の5市、各学校が選択し実施している政令市が福岡市、横浜市、新潟市の3市でございます。
 福岡市では、3年間の実践研究期間を経て、平成23年度に小学校3校と中学校2校で2学期制を開始しました。近年の実施校数につきましては、平成28年度は小学校10校、中学校2校、平成29年度は小学校11校、中学校3校、平成30年度は小学校18校、中学校3校で、令和元年度は小学校144校のうち31校、中学校69校のうち3校が2学期制を実施しております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 福岡市でも少しずつ拡大しているようです。
 2学期制のメリット、デメリットをお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) メリットは、始業式や終業式などの回数が減り、その時間を学習時間に充てることができることや、本来なら学期末に当たる7月や12月に修学旅行などの学年全体で取り組む行事の設定が可能になることなどでございます。また、山笠などの地域行事に児童生徒が参加しやすくなったとの声もございます。
 また、デメリットは、児童生徒にとっては学期の境が短いため、気持ちを切りかえにくいことや保護者にとっては通知表を受け取る回数が2回になることで、学習状況や生活の様子を知る機会が減ることでございます。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 授業日数は3学期制と同じということですが、授業時間数は異なると思いますが、いかがでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 2学期制を実施することで、始業式や終業式などの回数を減らすことができ、その分平均5時間程度の授業時間数の増加につながっております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) ことしも一斉休校になったのが特別警報がもう出たので1回あります。気兼ねなく休校を選択できることもメリットと考えます。
 デメリットと考えられている通知表が3回から2回に減ることに対しては、保護者への連絡、報告を細かくすることでデメリットにならないとの声もあるが、いかがでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 2学期制の学校では、夏季休業前や夏季休業期間などに児童生徒の学習状況を保護者に直接伝える機会を設けることで、児童生徒が目的を持って充実した夏季休業期間を過ごすことができると考えております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 保護者、教員それぞれの声をお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校に対して行った聞き取り調査では、保護者からは、評価の機会が減り心配だったが、夏季休業前に個人面談があり、直接子どもの様子が聞けてよかった、教員からは長期休業の直前まで宿泊を伴う自然教室や修学旅行などの大きな行事を実施できる、長期休業前に余裕を持って児童生徒にかかわることができるなどの声がございます。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 教育委員会会議での状況をお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 2学期制については、令和元年6月10日に実施された教育委員会会議において、協議報告事項として説明いたしました。その中で、児童生徒の成績評価の機会が減るが大丈夫か、教員の負担軽減につながり働き方改革の点ではよいが、今後、児童生徒にとっての成果を検証する必要があるなどの意見が出されました。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 先日、渋谷区で話を聞いてきました。渋谷区では平成17年から授業時数が確保しやすく、子どもたちがじっくりと計画的に学習できるということで全面実施されています。もちろん、東京23区ですから、公立の中学校に行く子どもは約50%、半数は私立を選択します。ですから、小中一貫も学校選択制も導入されています。私は2学期制のメリットは何か大きく変わったなと思うこと、そしてその意識改革が進むことで、教員も子どもも保護者も発想の転換ができることと思います。もちろん、勉強も大事だけれども、自分で考え判断できる子ども、本当の意味での生きる力を持っている子どもを育てるために教師の意識改革が進むことで、新たな取り組みにつながると考えています。
 福岡市が試行を始めて10年以上がたちました。教育委員会として2学期制を今後どのように展開していくのか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 福岡市教育委員会では、3学期制を原則としておりますが、教育上必要があると認められた場合は2学期制を選択できることとしております。
 学校が2学期制を実施する場合、教育委員会が事前に学校長にヒアリングを行い、児童生徒にとって教育的効果が期待され、よりよい教育活動に資するものになっているか、保護者や地域に対して丁寧な説明を行い、十分理解を得るものになっているかなどについて確認した上で実施を承認しております。
 今後とも、2学期制を実施している学校に対しては、取り組み状況を把握し、適切な指導や助言を行うなど、児童生徒にとってよりよい教育課程の実施を図ってまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 2学期制を始めるとなったときに、学校内がまとまればそれでいいとはなりません。保護者や地域に説明し、理解を求めるという作業が必要です。それを現場の校長先生にお任せしていつまでやるのかというふうに思います。教育委員会として判断すべき時期が来ているのではないかというふうにも思います。検討を求めておきたいと思います。
 それでは、午前中5時間授業とはどういうものか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 小学校で行われる、いわゆる午前中5時間授業とは、給食の前に1こま45分の授業を5こま行うことで、1日6こま授業を行う場合は給食前に5こま、給食後に1こま、また1日5こま授業を行う場合は給食後は授業を行わず、昼休み、帰りの会等を行い、下校することでございます。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 政令市での実施状況並びに福岡市での実施状況をお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 令和元年度、福岡市以外の政令市における午前中5時間授業の実施状況は、神戸市が1校、新潟市が1校、熊本市が2校実施していると聞いております。
 福岡市は毎日実施している小学校が57校、1週間に1日など特定の曜日だけ実施している小学校が19校、家庭訪問などの学校行事の時期のみ実施している小学校が12校でございます。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 19政令市でわずか4校しか実施していないのに福岡市では144校中88校、61%が午前中5時間授業を導入しているとのことです。ことしの3月議会で自民党、川上陽平議員から5分間休みがないこと、トイレにも行けない、行けても自由に授業を抜けていくこと、トイレと言えない子どもがいること、給食が1時になることなどから、拙速に進めるべきではないと厳しく指摘されていましたけれども、今年度は新たに10校導入しています。
 確認しますが、5分間の休みはきちんととっているのか、中休みはあるのか、つまり授業の途中で自由にトイレに行かせているということはないのか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 平成31年3月20日付で、平成31年、午前中5時間授業実施に係る調査を実施し、午前中5時間授業を実施する予定の88校全てで、授業と授業の間に休み時間やトイレ休憩の時間をとっていることを把握しております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 午前中5時間授業のメリット、デメリットについてどのように考えているのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 午前中5時間授業を実施するメリットは、実施している学校から、児童にとっては放課後の補充学習や遊ぶ時間がふえること、また余裕を持って習い事に行けるようになったこと、教員にとっては研修や教材研究の時間が確保でき、授業の充実が図れることや勤務時間内に会議、研修の時間が十分確保できることなどの報告を受けております。
 デメリットは、朝食をとらずに登校することがないよう、朝食の大切さについての指導が必要になったこと、トイレ休憩など休み時間を確保するための工夫が必要になったこと、下校後の児童の安全な過ごし方についての指導が必要になったことなどの報告を受けております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 余裕を持って習い事に行けることがメリットとして挙げられました。子どもたちにとっては下校時間が平均20分早くなったので、遊ぶ時間など余裕が少しできたと思いますが、それが子どもたちにとってのメリットなら、午前中5時間授業というのは誰のため、何のためにするのかと思います。
 学校の授業が今までより早く終わった放課後、子どもたちは何をすればいいと考えているのでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 下校時刻が4時間授業の場合より平均で20分程度早くなることから、放課後の時間に授業でわからなかったところや苦手な学習を教員に個別に教えてもらったりする補充学習など、学力向上のために活用したり、余裕を持って自分の好きなことや興味、関心があることに取り組む時間として、また友達とのよりよい人間関係づくりや体験的な活動の広がりなどに活用することができると考えております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 平成13年に福岡市で最初に始めた校長先生のお話だと、補充学習、つまり勉強がおくれている子どもたちのために始めたということだったようです。午後は補充学習で助かっている、よくやってもらっているという肯定的な意見を残念ながら私は聞くことができませんでした。
 教員からのメリットは、勤務時間内に職員会議や研修ができるからとのことでした。働き方改革と連動しているのでしょうか。教員の負担軽減も考えなければならないと理解はしていますが、研修については夏休み、冬休みの期間に集中してやれないのかと思いますし、登校時間が早くなったり、給食が13時になったりして、子どもたちにしわ寄せが来ての午前中5時間授業になっていないか、教員のための午前中5時間授業と言われても仕方がないのではないかと思うが、いかがでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 児童が学校生活を送る上で基盤となる時間割りは、児童のことを第一に考えて編成すべきであると認識しております。
 午前中5時間授業については、児童にとって無理はないか、生活習慣の確立につながるか、学力の向上につながるかという面から十分に検証し、実施していく必要があると考えております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) ある保護者からは、4月から午前中5時間授業になりますと、プリント1枚だったと聞きました。帰宅時間は20分程度しか変わらないので大きな反対もしなかった、ただ、何が目的かよくわからないというふうに聞きました。導入に当たり、保護者や地域にどのような説明を行ったのか、説明ください。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 午前中5時間授業を導入するに当たって、学校では前年度までに保護者、地域に対して、導入する目的として放課後の時間を活用した個別指導の充実を図ることや自由時間を拡大して遊びや友達関係の広がりにつなげていくことなどを説明したと報告を受けております。
 説明方法については、保護者に対しては全保護者を対象とした説明会やPTA研修会、PTA総会などで、地域に対しては地域住民を対象とした地域懇談会、自治協議会の定例会や公民館の運営懇話会などさまざまな機会に校長が中心となって理解が得られるよう説明したと報告を受けております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 説明方法はばらばらという答弁でございました。全保護者対象の説明会は全校実施したのかというふうに思います。また、PTA研修会、PTA総会とは本来趣旨が違うところでの説明会ということになります。ペーパー1枚の学校もあると思いますし、一体どんな把握をしているのかというふうに思います。
 それでは、過去の実施校の変遷と令和元年度に実施している88校の区ごとの状況をお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 午前中5時間授業については、平成13年度に1校が導入したことに始まり、20年度は3校、25年度は12校で実施しております。その後、平成26年度より午前中5時間授業を実施する学校数がふえ、平成26年度は31校、27年度は32校、28年度は32校、29年度は55校、30年度は78校、令和元年度は88校です。
 令和元年度における区ごとの実施状況は、東区が29校中15校、博多区が18校中15校、中央区が12校中9校、南区が25校中17校、城南区が11校中10校、早良区が25校中8校、西区が24校中14校です。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) それでは、毎日実施校57校の各区の状況をお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 令和元年度に毎日実施している57校の区ごとの実施状況は、東区が8校、博多区が11校、中央区が6校、南区が15校、城南区が8校、早良区が2校、西区が7校です。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 区によっても差があると感じます。私がお話を聞いた校長先生は、転勤族の方も多いので、午前中5時間は自分の地域には導入しにくいというお話もされておられました。
 それでは、教育委員会会議での意見はどうだったのか、議題となった回数並びに年度ごとの意見をお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 教育委員会会議では、これまでも教育課程について意見交換をしており、午前中5時間授業についても教育委員の間でさまざまな機会を捉え、意見交換を行ってまいりましたが、協議報告事項として取り上げたのは令和元年6月10日が初めてでございます。その際、教育委員から午前中5時間授業が子どものためではなく、教員の働き方改革や会議時間の確保にあるのであれば、それは違うのではないか、子どもの目線で考えていただきたい、適切な時間割り編成を検討するため、検討委員会を設置すると聞いているが、他都市の事例や各学校でのいろいろな工夫も取り上げてモデル事例を作成してほしいなどの意見が出されました。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) さまざまな機会を捉えて意見交換を行ってきたということなんですが、過去19年間、教育委員会会議での議事録もない、けど意見交換はしたという答弁であります。正式に取り上げたのがことしの6月、教育委員さんからは職員会議の時間なら違う、子どもの目線で考えるべきという当然の意見が出ています。平成13年に始まって26年で31校になっています。現在88校、ほぼ野放し状態で拡大していると言わざるを得ないというふうに思います。
 教育委員会における第2次福岡市教育振興基本計画への位置づけはあるのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 令和元年6月に策定した第2次福岡市教育振興基本計画の中で、午前中5時間授業について直接触れてはおりませんが、これからの福岡市の教育が目指す姿、あるべき学校像において、学校の自主性を生かし、それぞれの学校事情を踏まえて、校長が策定した運営方針のもと、組織的に教育活動を行うこととし、新学習指導要領の趣旨を踏まえ、児童に必要な資質、能力を育むための教育課程の編成を行うこととしております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 位置づけはないが、拡大解釈で実施しているということになります。
 学校は何を根拠に推進したのか、法的根拠をお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学習指導要領においては、学校において教育課程を編成するということは、学校教育法第37条第4項において、校長は校務をつかさどり、所属職員を監督すると規定されていることから、学校の長たる校長が責任者となって編成するということであると示されております。
 また、時間割りの編成については、各学校においては児童や学校、地域の実態及び各教科等や学習活動の特質等に応じ、弾力的な教育課程を編成し、実施することができると示されております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 今、弾力的な教育課程を編成することができるという答弁がありました。ただ、これは運動会の時間割りだったり、合唱コンだったり、演劇鑑賞の時間があったりと、今度は熱中症があると、そんなときに学校長が柔軟にできるというような話であって、これを教育委員会が振りかざして午前中5時間をやるということになると、収拾がつかなくなるというふうに思います。
 十数年、学校の校長任せで拡大してきた午前中5時間授業、おまけに教育委員会会議の議題になったのはことし6月の1回だけ、これだけ放置していた教育委員会の責任は大変重いと考えます。これからアンケートをとるということも言っておられますが、教育委員会の責任として一旦白紙にする、つまり午前中4時間に戻すのは当然ではないでしょうか。午前中5時間授業について教育委員会はまず学校も含めた内部での議論、教育委員会会議、そして我々議会での議論、重ねた上で今後の方向性を決めていくようにすべきと思うが、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 時間割りの編成については、児童の教育活動の質の向上を図るとともに、児童が無理なく安心して学校生活を送れるようにすべきであると認識しております。
 これまで教育委員会として各学校の時間割りの編成について強く関与しておりませんでしたが、本年度からは適切な時間割りを編成する上での基本的な考え方や考慮すべき事項を明らかにするため、教育課程編成検討委員会を設置いたしました。この委員会では、今後、児童の学校や家庭での生活の様子や教員の児童へのかかわりなどに関するアンケートを実施し、全市的な実態の把握、分析を行うこととしております。
 教育委員会としましては、その結果をもとに教育委員会会議での協議や議会の御意見を伺うなどして適切な時間割り編成のあり方について検討してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) どうぞよろしくお願いしておきます。
 ちょっと順番を変えて、総合体育館の交通アクセスについて先に質問させていただきます。
 アイランドシティにある総合体育館の交通アクセスについては、最寄り駅の香椎花園駅まで徒歩30分であります。まだまだバスの本数も少ない中で自家用車と貸し切りバス、タクシーが中心になると考えます。
 自家用車については、北側の未利用地を自家用車の臨時駐車場として使っており、タクシーについては、平成30年3月の予算委員会での質疑の中で、大規模大会時は臨時でタクシー待機場を考えるとのことでしたが、昨年12月開館以来、これまでの間の利用状況はどうだったのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 総合体育館につきましては、敷地内に500台の駐車場を整備するとともに、総合体育館北側の港湾空港局所有の未分譲地を大規模大会時の臨時駐車場として活用し、512台分の駐車スペースを確保することとしており、臨時駐車場は開館から8月末までの9カ月間に35日の利用実績がございます。
 また、タクシー待機場につきましては、2台分の常設待機場のほかに大規模大会時の臨時待機場を約10台分確保しておりますが、これまで臨時待機場としての利用実績はございません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) ことしの夏、初めて金鷲旗、玉竜旗の大会が開催されました。そのときの駐車場及びタクシーの利用状況はどうだったのか、お聞かせください。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 金鷲旗、玉竜旗大会につきましては、大会期間9日間に約13万人の来館者があり、駐車場については雁の巣レクリエーションセンターとも連携し、その確保に努めておりますが、敷地内駐車場及び臨時駐車場とも満車の状況でございました。
 タクシーについては、主催者側が総合体育館の駐車場内に20台分の臨時の待機場所を設け、対応を行っており、延べ約1,100台のタクシー利用があったと聞いております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 金鷲旗、玉竜旗の大会当日、近隣の渋滞がひどかったと聞きましたが、地域からの声は何か聞いていないか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 金鷲旗、玉竜旗の大会期間中の近隣の交通状況につきましては、開会式の直前など、選手や関係者の車両が集中する時間帯に総合体育館駐車場への入場待ちの車列が正面玄関前まで発生しておりました。また、総合体育館玄関付近では、選手の乗降のため、路上停車していた車両があり、地域から苦情が寄せられております。
 大会の開催に当たりましては、事前に主催者と交通対策について十分協議を行っておりますが、こうした交通の状況をしっかり検証し、さらに改善に向けて協議を行ってまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 自家用車の臨時駐車場も、先ほどの答弁ではいっぱいになることもあったとのことですが、これからの総合体育館としての役目を考えれば、駐車場の拡大も大きな課題であり、早急な検討を求めておきたいと思います。
 また、先ほど、答弁で臨時のタクシー待機場で20台分あったと、主催者が確保したということだったですが、これは主催者の1人がタクシー事業者の方だったので、マイカー駐車場の中にタクシー待機場ができたということだったんですが、そこのタクシー会社以外は、逆に言うと入れない、利用できないのに、一般の方は当然ほかのタクシーも利用されるので、そのタクシーがどこに行っていいかわからないで、あの大混雑の中、タクシーも含めて自家用車と大混乱を起こしていたというふうに聞いております。
 これは、ほとんどの皆さんが知ってありますけれども、(パネル表示)正面エントランス、こうやって入ってくるのが総合体育館、(パネル表示)これは入ってきて、エントランスから正面を見て右手、ここがタクシー待機場であります。一応2台あるんですが、この正面側は何かというと、セブンイレブン、コンビニの駐車場、これは15台あります。それは確かに15台用意しとかないと、コンビニに入ってくれないので、ただ、コンビニ利用者以外は使えないということになっております。
 (パネル表示)まず、タクシーの待機場、後ろも前も囲まれていて、縦列で入らないかんという駐車場になっているわけですが、非常に入りにくいと思いますけれども、何でこういうふうになっているのか。改良してほしいというふうに思いますが、お願いします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) タクシー待機場につきましては、2台分の常設待機場を確保しておりますが、議員御指摘のように、縦列で待機していただく配置となっており、タクシー運転手の方からはとめにくいといったお声もいただいております。今後、福岡市タクシー協会などとも協議を行い、待機場の改良について検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) (パネル表示)今度は正面エントランスから出てきたところ、左手に、これは本来だとホームページ上では、このあたりがタクシープールというか、タクシー待機場になっているようにホームページはなっているんですが、現実はどうだというと、(パネル表示)これは「のるーと」のミーティングポイントというのはあるんです。「のるーと」、アイランドでのオンデマンドのバスですから、それは非常にいいんですが、これはこれであっていいんだけれども、タクシーの待機場とかタクシー乗り場というのはどこにもない。遠くから来た人はタクシーしか使わないのに、何でこんなことになっているのかなと思いますが、それはつけるべきではないですか。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 総合体育館内の案内表示につきましては、利用者の利便性の向上を図るため、適宜改善に努めてまいることとしておりました。タクシー乗り場の表示についても、利用者によりわかりやすくなるよう検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 開館して10カ月になっているのに、今までないことのほうがおかしいし、それは福岡市の総合体育館であるので、そこは管理者としてちゃんとやっていただきたいというふうに思います。
 肝心の、大混乱していたので、結局今のままでは大規模大会のときの臨時のタクシー乗り場はないということになります。(パネル表示)よく見ると、答弁では確保するとあったんで、確認をすると、この緑地帯、今はバスがとまっているんだけれども、ここを使えるのかと、使えるならきちんと整備を含めてやっていただければと思っていますが、いかがでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 入り口正面の緑地帯につきましては、多目的に利用できるスペースとして整備しており、大規模大会などの開催時に臨時のバスやタクシー待機場としても活用できるようにしております。今後とも、大規模大会などの開催時にスムーズに活用していただけるよう、福岡市タクシー協会などと協議を行い、しっかりと対応してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 福岡市の総合体育館であります。国際大会もできるということでつくりました。ただ、場所がアイランドシティ、すると、国際大会だと飛行機や新幹線を利用して来られる方も大勢いらっしゃるということになる。そうすると、それの交通アクセスの整備は福岡市が責任を持ってやる。それは主催者任せじゃだめということなので、しっかりやっていただきたいというふうに要望しておきます。
 次に、市民体育館のあり方についてお尋ねいたします。
 平成31年3月の条例予算特別委員会において、市民体育館のあり方について質問を行いました。市民体育館の後継施設となる新たな拠点体育館として、総合体育館が整備され、本来であれば施設の老朽化や運営コスト等の課題から廃止されるのではないかと危惧していますが、副市長からは、施設の老朽化の状況や改修に要する費用の精査を行うとともに、全市的な体育館の利用状況なども含め、改めて検討を進めていくとの答弁をいただきました。この半年間での検討状況について確認していきたいと思います。
 まず、市民体育館の老朽化の状況についてお尋ねします。劣化しているとのことですが、具体的な内容についてお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 市民体育館につきましては、昭和47年に開館し、築47年となっており、メーンアリーナのある第1競技場棟では外壁の亀裂、補助競技場、プールのある第2競技場棟では雨漏り、排水管の漏水、床板などの剥離、トレーニング室や事務室などがある本館棟では外壁の亀裂や雨漏りが発生するなど、施設全体の劣化が進むとともに、電気、機械設備については大幅に耐用年数を超過するなど、老朽化が進んでいる状況でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 外壁の亀裂や雨漏りなど、施設全体の劣化が進んでいるとのことですが、市民体育館の長期的保全に要する費用について、どの程度の改修費用が必要となるのか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 市民体育館の長期的保全に要する改修費用につきましては、外壁、屋上の改修や電気、機械設備の更新などに約30億円が必要と考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) メーンアリーナのある第1競技場とそれ以外の改修費用の内訳についてお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 改修費用の内訳につきましては、メーンアリーナのある第1競技場棟は約14億6,000万円、それ以外の本館棟及び第2競技場棟は約14億9,000万円となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 平成29年度の管理運営費について、メーンアリーナのある第1競技場とそれ以外の管理運営費についてお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 平成29年度の市民体育館の管理運営費につきましては、全体で約2億8,000万円となっており、その内訳につきましては、第1競技場棟は約1億円、それ以外の本館棟及び第2競技場棟は約1億8,000万円となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 全市的な体育館の利用状況について、過去3年間の利用者数をお尋ねします。あわせて、昨年12月に総合体育館が開館し、市民体育館の第1競技場にあるメーンアリーナの大会利用に影響はあったのか。土日祝日が多いと思いますが、30年12月から令和元年8月末までの土日祝日の市民体育館における大会利用状況とその概要についてお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 過去3年間の福岡市の体育館利用者の推移につきましては、平成28年度が約186万人、29年度が約196万人、30年度が約201万人となっております。
 平成30年12月から令和元年8月末までの市民体育館の第1競技場における土日祝日は全て利用があっており、そのうち大会利用の割合については96.6%となっております。
 また、大会の概要は、福岡市中学校総合体育大会や市民総合大会などの全市的な大会、社会人や大学生による全国大会や県大会などがほとんどでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 市民体育館については、外壁の亀裂や雨漏りなど施設全体の劣化が進んでおり、長期保全に要する費用も約30億円程度と多額な費用がかかるとのことでありました。さらに、運営費用も年間2億8,000万円の費用がかかることがわかりました。
 その一方で、全市的な体育館の利用実態について、利用者は3年間で15万人もふえています。特に市民体育館のメーンアリーナにおける大会開催状況は、総合体育館が開館した後も相変わらず多く、土日祝日の大会利用も96%と高い状況です。本館及び第2競技場内にあるトレーニング室やプールなどは、他の公共施設や民間施設などもあり、代替利用の選択肢はありますけれども、観客席を備え、全市的な大規模な大会が開催できるメーンアリーナは代替がなく、公共が担うべき重要な施設であると考えます。
 改修や管理運営にかかるコストの縮減を図りながら、市民スポーツ振興の観点から、第1競技場はぜひ残してもらいたい。現在の検討の方向性についてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 中村副市長。
○副市長(中村英一) 市民体育館につきましては、施設の老朽化が進んできたこと、また後継施設となる総合体育館が昨年12月に開館したことなどを踏まえ、廃止を含めて今後のあり方について検討してまいりました。市民体育館は長期保全に多額の費用がかかるものの、平畑議員御指摘のとおり、第1競技場棟は総合体育館の開館後も大規模大会の会場としてのニーズが高く、他の公共施設や民間施設などにおいては代替できないことを踏まえ、改修や管理運営にかかる費用の縮減を図りながら、継続して利用できる方向でさらに検討を進めてまいります。
 一方で、本館棟や第2競技場棟については、他の公共施設や民間施設などにおいてもサービス提供が可能であり、多大な改修費用や管理運営コストがかかりますことから、時期も含め廃止の方向で検討をしてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) ただいま第1競技場については後継施設としての総合体育館が整備されたものの、依然として大会利用のニーズが高い状況であることから継続して利用する方向性で検討を行うとの答弁でありました。
 国際大会や全国大会から各区の大会まで、大会の規模やニーズはさまざまであるため、総合体育館、市民体育館及び地区体育館のそれぞれの機能に応じた役割分担を検討していただくとともに、費用の軽減を図りながら市民がスポーツをする、見る、支える環境づくりに取り組んでいかれることを要望してこの質問を終わります。
 最後に、防災協定についてお尋ねをいたします。
 台風や大雨、地震などの自然災害や事故発生時に緊急に対応いただくために業界団体や企業と防災協定を結んでいると思いますが、福岡市の現状をお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 防災に関する協定につきましては、災害時に企業等が有する人材や物資等の資源を効果的に活用できるよう、現在130の業界団体や企業、公的機関などと災害時応援協定を締結しております。
 協定の内容はライフラインや施設の復旧等に係る人的支援、資機材や食料の提供等による物的支援など多岐にわたっており、各所管局が関連する団体や企業と順次締結しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 防災協定を締結している業界団体や企業のうち、台風や大雨などの災害時に道路や河川などの緊急対応を行うことを目的として、財政局で締結している団体があると思いますが、財政局が協定を締結している土木と建築の団体についてお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 災害時における緊急対応を目的として財政局が災害協定を締結している団体は、土木関係では福岡市土木建設協力会、福岡市土木建設協同組合、福岡市西部土木建設協力会、福岡市舗装協会の4団体であり、建築関係では福岡防災機構の1団体であります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 土木関係は4団体、建築関係は1団体とのことでした。
 緊急対応を実際にしていただいたのは市内でどれくらいあるのか、過去5年分の実績を土木と建築に分けて年度ごとにお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 災害時における緊急対応の実績につきましては、土木関係の団体では、平成26年度が1カ所、27年度が6カ所、28年度が15カ所、29年度が10カ所、30年度が39カ所となっております。
 次に、建築関係の団体では、平成26年度が3カ所、27年度が1カ所、28年度が1カ所、29年度が1カ所、30年度が10カ所となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 土木、建築について毎年のように出動している実績がわかりましたが、土木関係は道路や河川など公共性が高い箇所と思いますけれども、建築は具体的にどういった活動になるのか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 建築関係の団体につきましては、台風や大雨などの災害時に市民などからの協力要請に基づき、被災または被災のおそれのある民間戸建て住宅及びその敷地において屋根へのシートかけや土砂撤去などの応急処置を無償で行っていただいております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 土木は公共工事にかかわる物件がほとんどであり、市役所や区役所と連携しながら迅速に活動していただいています。建築は役所を通さず防災協定を結んでいる団体に民間から直接連絡が入って無償で活動していただくものであり、そこが大きく違うというふうに思います。市民からすると、こちらのほうが相談することが多いと思いますけれども、いろんな相談や選択できるということが大事なんだろうというふうに思いますし、幾つか選べるということも大変大事だというふうに思います。
 災害発生が頻発している状況で、福岡市は結んでいただきたいという姿勢を示し、いざというときの市民のために防災協定の締結を積極的に働きかけるなど、防災活動を強化する努力が必要であると考えますが、財政局及び防災を担っている市民局はどのように考えているのか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 防災に関する協定につきましては、関係団体や企業などと災害時における連携のあり方や手順などをあらかじめ確認し、取り決めておくことで、迅速かつ効果的な災害対応につながるものと考えおり、今後とも、災害時応援協定の拡充に向けた取り組みを推進するなど、災害対応力の向上に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 近年自然災害が相次いでいることから、議員御指摘のとおり、災害時における緊急対応にたけた団体とより一層連携し、防災力を強化していくことが必要と考えております。
 このため、令和元年度より防災協定の締結要件について一部緩和などを行っており、引き続き新たな団体との締結を進め、防災体制の強化を図ってまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 市民局はもちろん、財政局も防災協定を推進したいとの答弁でございましたので安心をしました。特に建築は民間と民間との活動になります。建築団体も幾つもあるので、幅広く協定を結ぶように要望しておきます。
 総合評価の改正が行われました。改正前の災害対策協力企業の評価項目では、本市と防災協定を締結した団体に所属する企業は、協定締結期間5年以上が1点、5年未満が0.5点と加点され、協定を結んでいないのはゼロだったんですが、今回の改正では締結期間10年以上の団体には2点、5年以上10年未満が1.5点、5年未満が1点となり、協定を結んでいないのは加点ゼロということになります。なぜ協定締結期間に応じ4区分に分けたのか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 工事の請負契約の落札者を決定する総合評価方式につきましては、防災協定の締結を促進するため、令和元年8月に災害対策協力企業の評価拡充を行ったところであり、令和2年4月1日以降の入札公告案件より適用することとしております。
 その具体的な内容としましては、加点する最大配点を1点から2点、最小配点を0.5点から1点に拡大することにより、協定締結へのインセンティブを高めており、締結期間に応じて4区分の配点としております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 個別の企業ではなく、団体と防災協定を結んでいるので、仮に創業7年の会社でも締結して10年以上の協定団体に入れば、総合評価における加点は2点となるのか、確認をします。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 災害時における迅速な防災体制の確立には組織力が重要との考えから、福岡市では防災協定の締結を関係団体と行っているところでございます。このため、総合評価方式におきましても防災協定を締結した団体を対象に加点を行っており、入札に参加する企業が協定締結期間10年以上の団体に所属している場合、2点が加点されることになります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 防災協定はやっぱり市民のための、いざというときの協定です。企業評価、ましては総合評価のための協定であってはならないというふうに思います。
 締結期間が長ければ長い団体に所属すれば、新しい会社であろうとも最大配点となるということ、これが本当に正しい評価になるのかというふうに思います。それよりは多くの団体に財政局としても締結していただきたいというふうに考えるべきだというふうに思います。
 本来、防災協定とは市民の安全を守るために緊急対応をお願いしているものであり、多くの団体に締結していただきたいし、総合評価として加点するとしても同じ点数でないとおかしいのではないかと思いますけれども、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 総合評価方式においては、災害時における実際の緊急対応のほか、防災訓練や講習会への参加など、防災活動の実績を踏まえ、団体との協定の締結期間に応じて評価を行っているところでございます。
 このような継続的な防災活動を行っていただくことで、経験が積み重ねられ、協定締結団体の災害時における対応力が高まるなど、福岡市の防災力の強化に寄与するものと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 平畑雅博議員。
○7番(平畑雅博) 同じ企業評価でも本店所在地だと、最大配点は1点ですよ。その1点を4つに分けて0.25とか0.5、0.75と分けている。余りに配点が大きいのではないかというふうに心配をしています。特に総合評価になると、今、各会社も本当に血眼になっているものですから、そこは財政局として配慮するべきだというふうに思います。
 土木工事は公共工事がメーンです。建築は民間であります。市民がいざというときに連絡するところは幾つあってもいいし、選択できるようにするのが必要だというふうに思います。今、建築の防災協定を結んでいる団体は1つですが、それはどこでわかるのかと、市民がいざというときにビニールシートをかけてほしい、土砂を撤去してほしいという連絡先、ここでわかっている人がどれだけいるかということです。せっかくの防災協定を結んでいる、どうやったらわかるかというと、ホームページを探してください、それはあのホームページの膨大な量の中から防災機構の連絡先を探すのは大変ですよ。それ以外、区役所にしか置いていない。そんな状況の防災協定にもなっているので、幅広く活動していただきたいと思います。
 総合評価方式における評価方法も含め、防災協定の締結団体をふやしていく取り組みを推進すべきであると要望して、質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 川上晋平議員。
○10番(川上晋平)登壇 おはようございます。私は自由民主党福岡市議団を代表して、福岡市の総合計画とまちづくりの考え方について質問してまいります。
 福岡市では、総合計画において都市の成長と生活の質の向上の好循環を基本戦略として掲げ、まちづくりを進めています。
 このうち都市の成長については、先人たちが築き上げてきた土台の上に都心部の機能強化や観光・MICEの推進、スタートアップ都市づくりなどに重点的に取り組んできた結果、今や本市は日本で一番元気のある都市と言われるように、順調に進んでいます。
 一方で、生活の質の向上についてはどうでしょうか。確かに都心部を中心に市民サービスは充実してきてはいますが、住宅、医療、教育、買い物、交通などさまざまな分野で地域間格差が見られるように思います。
 そこで、まず本市の基本戦略である都市の成長と生活の質の向上の好循環について、現在どのように評価しているのか、御所見をお伺いします。
 以上で1問目を終わり、2問目からは自席で行います。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 福岡市では多くの市民の皆様とともに策定した総合計画において、都市の成長と生活の質の向上の好循環をつくり出すことを都市経営の基本戦略として掲げ、まちづくりを進めております。これまでの取り組みの結果、人口や来訪者数は増加を続け、企業の立地や創業が進み、市税収入は6年連続で過去最高を更新しております。また、この成長の果実を生かし、子育てしやすい環境づくりや教育環境の充実、安全、安心なまちづくりなどに積極的に取り組み、元気なまち、住みやすいまちとして高い評価をいただいているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上晋平議員。
○10番(川上晋平) 都市の成長については、私も同感で、すばらしい成果を上げていると思っております。しかしながら、生活の質の向上も都市の成長の果実を生かし、すばらしい成果を上げているという評価をされているのなら、私の評価とは少し違うようです。なぜなら生活の質の向上については、市の平均値が上がればいいというものではなく、都心部も周辺部も全ての地域で、地域ごとの課題を把握し、対策を講じていくものだと考えているからです。
 そこで、本市がさまざまな地域の課題をどのように把握し、どのような対策を講じているのか、周辺部地域の課題を中心にさまざまな例を挙げながら質問していきたいと思います。
 まず、住宅政策についてお尋ねします。
 本市における公共住宅と民間住宅を含めた賃貸住宅の数と賃貸住宅に住んでいる世帯の割合をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 総務省の平成25年住宅・土地統計調査によりますと、福岡市における居住者のいる住宅総数は約74万4,700戸、このうち公営住宅3万5,100戸を含めた公的事業者が供給する賃貸住宅は6万6,200戸、民間賃貸住宅は36万6,700戸、これらを合わせました賃貸住宅数は43万2,900戸であり、住宅総数に対する割合は58.1%となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上晋平議員。
○10番(川上晋平) 本市では約6割の方が賃貸住宅にお住まいとのことです。
 それでは、公営住宅を整備する目的は何か、また、本市における市営住宅の整備の考え方についてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 公営住宅法によりますと、その目的は健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低所得者に対して低廉な家賃で賃貸することにより、国民生活の安全と社会福祉の増進に寄与することとされております。
 また、本市の市営住宅の整備の考え方につきましては、昭和40年代より量的確保を図るため、住宅建設5カ年計画に基づき整備してまいりましたが、その後、住宅数が世帯数を上回り、全市的に住宅が充足するとともに、市営住宅の約半数が更新時期を迎えております。このような状況を踏まえ、平成12年の住宅審議会においていただいた、低所得者向け住宅は民間を含めた住宅市場全体で受け持つことを基本とし、市営住宅の管理戸数は現状程度にとどめ、量の拡大よりストックの質の向上に重点を置いた対応が必要との答申に基づきまして、計画的かつ効率的な機能更新や維持保全に取り組んでいるところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上晋平議員。
○10番(川上晋平) 低額所得者向け住宅は民間を含めた住宅市場全体で受け持ち、市営住宅の管理戸数は現状程度にとどめるとのことですが、つまり、福岡市全体では民間を含め住宅は足りているので、新たな市営住宅の整備は考えていないということです。
 次に、地域ごとの賃貸住宅の現状をお尋ねしますが、周辺部地域において過疎化や高齢化が進んでいる校区はどこか、また、その校区における公営住宅と民間住宅を含めた賃貸住宅の数と住んでいる世帯の割合をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 人口減少が著しく、少子・高齢化や1次産業の担い手不足が深刻な地域として市街化調整区域の土地利用規制緩和を行っている校区でお答えいたしますと、東区の志賀島、勝馬、早良区の脇山、内野、曲渕、西区の北崎、今津、能古の8校区であります。
 平成27年の国勢調査によりますと、この8校区における世帯数の合計は5,791世帯となっており、そのうち賃貸住宅にお住まいの世帯数の合計は568世帯で、その割合は9.8%となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上晋平議員。
○10番(川上晋平) 賃貸住宅に住んでいる世帯の割合は、周辺部地域では1割弱と、全市平均に比べて非常に低くなっています。
 都心部では民間の賃貸住宅も十分にありますし、公営住宅もありますが、農山漁村地域などの周辺部地域では農業や漁業の担い手となるような若い人たちがそこに住みたいと思っても、賃貸住宅はほとんどありません。家を建てるにも、若いうちは経済的に難しいため、結局は地域を離れなければならないというのが現状です。
 それでは、本市の過疎化や高齢化が進む周辺部地域に対する定住化促進などの住宅政策の実績及び効果についてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 福岡市住生活基本計画においては、住み続けられるまちづくりの推進を基本方針の一つとして、農漁村地域において定住化促進のための空き家等の活用への支援や既存集落などの定住化方策に取り組んでおります。
 具体的に申しますと、住宅市場活性化協議会において福岡県や関係団体と連携し、空き家を含む中古住宅の流通促進に取り組むとともに、市街化調整区域における人口減少などに対応するため、建築制限を緩和する区域指定型制度を設けており、これまでに今津地区など8地区を指定し、戸建て住宅を中心に48棟を許可いたしております。あわせて、経済的支援として市街化調整区域では子育て世帯に対する住みかえ助成制度の所得要件を緩和しており、その活用実績はこれまで市内全体235件のうち3件となっております。
 また、住宅リフォームなどに対する福岡県の補助事業の活用実績は、これまで市内全体102件のうち市街化調整区域で1件となっております。市街化調整区域においては、活用実績が少ない状況でございますため、支援策の周知に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上晋平議員。
○10番(川上晋平) さまざまな施策が行われているようですが、市街化調整区域ではほとんど利用されていない制度もあります。周辺部地域の過疎化、高齢化の現状を考えると、さまざまな施策もその効果は限定的と言わざるを得ません。
 これまで答弁いただきましたように、本市の賃貸住宅において都心部と周辺部地域では大きな格差があります。それだけが原因ではないでしょうが、賃貸住宅が少ないことが過疎化、高齢化につながっている地域もあります。
 全国的に見ると、同じように過疎化や高齢化が進む自治体では、自治体を挙げて定住化促進施策に取り組んでいます。本市においても地域の現状をしっかり把握して、周辺部地域に市営住宅を検討するなど、きめ細かい住宅政策に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、本市の1次産業の現状についてお尋ねいたします。
 まず、本市における1次産業、2次産業、3次産業、それぞれの従事者の割合について、50年前から20年前、10年前、現在までの推移をお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 福岡市における産業分類別の従事者割合の推移につきましては、直近の国勢調査の平成27年を基準に、その50年前の昭和40年、20年前の平成7年、10年前の17年及び27年でお答えいたします。
 まず、第1次産業につきましては、昭和40年は5.8%、平成7年は1.0%、17年は0.8%、27年は0.6%となっております。
 次に、第2次産業につきましては、昭和40年は25.5%、平成7年は17.5%、17年は14.5%、27年は13.9%となっております。
 最後に、第3次産業につきましては、昭和40年は68.6%、平成7年は81.5%、17年は84.7%、27年は85.5%となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上晋平議員。
○10番(川上晋平) 1次産業の従事者の割合は、昭和40年の5.8%から平成27年には0.6%と著しく減少し、ここ20年を見ても減少し続けています。
 それでは、本市における1次産業の予算額及び一般会計に占める割合について、50年前と現在の数値をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 細川農林水産局長。
○農林水産局長(細川浩行) 福岡市の第1次産業の予算額につきまして、農林水産業費の総額から市場費を除いた当初予算額でお答えいたします。
 50年前の昭和44年度は11億535万9,000円で、一般会計総額に占める割合は3.6%、令和元年度は59億7,057万4,000円で、一般会計総額に占める割合は0.7%でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上晋平議員。
○10番(川上晋平) 本市の1次産業は従事者も減少し大変厳しい状況にあるにもかかわらず、本市予算に占める1次産業関連予算の割合はわずか0.7%にまで減っています。
 このような状況を踏まえて、本市の1次産業の現状をどのように認識し、今後どのように取り組んでいくべきと考えているのか、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 細川農林水産局長。
○農林水産局長(細川浩行) 福岡市の農林水産業は全国と同様、従事者の減少や高齢化による担い手不足など厳しい状況であると認識いたしております。
 そのような中、平成30年度の市政に関する意識調査では、新鮮でおいしい食べ物の豊富さに対する満足度が90.7%と過去最高値を更新しており、また、福岡市の強みとしては人口159万人の大消費地を抱えていることや都心部と農山漁村地域が近いことなどがあると考えております。
 今後とも、福岡市の強みを生かしながら、農林業総合計画及び水産業総合計画に基づき、生産性の向上や6次産業化による所得の向上、販路拡大による地産地消の推進、担い手の確保、育成など農林水産業の振興に向けた取り組みをしっかりと進めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上晋平議員。
○10番(川上晋平) 農林水産業を取り巻く厳しい状況を認識している、本市の特色を踏まえ、生産性向上や6次産業化、担い手の確保、育成等に取り組んでいくとの答弁をいただきましたが、これまでも同じような答弁をずっといただいてきました。しかし、なかなか予算もつかず、本市農林水産業を取り巻く状況は年々厳しくなってきております。また、それに伴い昔からある農山漁村地域も過疎化、高齢化が進んでおります。そのような状況の中、ことしの条例予算特別委員会の分科会において農林水産局長も農林水産業を取り巻くさまざまな課題を解決すべく着実に取り組んでいるが、それには予算が必要であることは十分認識していると答弁されました。私も今のビジョンと予算では厳しいと思っています。
 本市の農林水産業が発展していけるように、大学や民間の専門家の知恵もかりながら、しっかりビジョンを持ち、必要なところには予算をつけていただきたいと思います。
 次に、中学生の学力についてお尋ねいたします。
 これについては、平成21年と平成23年の12月議会でも質問させていただいていますが、平成5年に公立の中学校における業者テストが廃止され、順位や偏差値などの公表がなくなり、生徒が自分の学力を客観的に知ることが難しくなりました。その結果、テストの順位や偏差値を公表している学習塾に通っている生徒とそうでない生徒との学力差が広がったのではないかと私は思っております。
 当時の私の質問を受けて、現在、教育委員会では小学校6年生と中学校3年生を対象に行われている全国学力・学習状況調査の結果や小学校3年生から5年生、中学校1、2年生を対象で行われている福岡市独自の学習定着度調査などで生徒個人や学校ごとの学力を把握するシステムを導入されています。
 そこで、本市の中学校69校について、平成30年度における全国学力・学習状況調査の結果をどのような区分で把握しているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 全国学力・学習状況調査の結果については、全体を4つの区分に分けて把握、分析しております。
 具体的には、正答率の全国平均を基準として全国平均よりも上回っている場合は上回っている、やや上回っているの2つに区分し、ほぼ同じ正答率の場合は同程度であるとし、全国平均より下回っており、改善の必要がある場合は努力を要するとしております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 川上晋平議員。
○10番(川上晋平) それでは、平成30年度に4つの領域全てにおいて上回っているまたはやや上回っているに区分されている学校は合わせて何校あるか、お尋ねします。また、同程度であるまたは努力を要するに区分されている学校は合わせて何校あるか、お尋ねします。さらに、努力を要するに区分されている学校は何校あるか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 全国学力・学習状況調査は国語A、B、算数・数学A、Bの4つの領域で調査が行われており、平成30年度には4つの領域全てにおいて上回っているまたはやや上回っている学校は13校、同程度であるまたは努力を要する学校は31校で、そのうち努力を要する学校は7校でございます。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 川上晋平議員。
○10番(川上晋平) 各学校で自校の子どもたちの学力を向上させるために、先生方はさまざまな努力をされているとは思いますが、4段階評価の中で評価の高い学校と低い学校は固定化されていないでしょうか。
 先ほど平成30年度の学力の状況をお示しいただきましたが、過去5年間ではいかがでしょうか。平成26年度から平成30年度までの5年間において、状況が変わらない学校は何校あるか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 平成26年度から30年度の5年間、全ての年度で上回っているまたはやや上回っている学校は9校、同程度であるまたは努力を要する学校は17校で、そのうち全ての年度で努力を要する学校は1校でございます。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 川上晋平議員。
○10番(川上晋平) やはり固定化の傾向が見られるようです。
 それでは、各学校で毎年テストを受けている生徒たちは変わっていくのに、学校ごとの成績に偏りがあることをどのように分析しているのか、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 教育委員会では、各学校の学力の経年変化及び学習習慣や生活習慣と学力との関係など、学力に影響する要因について多面的に分析しております。その結果、児童生徒の課題に応じた少人数指導を行っている学校や家庭学習の習慣が身についている児童生徒が多い学校において、学力が向上する傾向が見られると捉えております。
 教育委員会といたしましても、子どもたちの学力向上のためには、各学校が自校の課題を明確にし、実態に応じた学力向上のための取り組みを進めていくことが重要であると認識しており、今後も学校の実態に応じた学力の向上に取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 川上晋平議員。
○10番(川上晋平) 本市の中学生の多くが学習塾に通っている現状の中、塾が近くにない地域など塾に通っている生徒が少ない学校が苦戦しているのではないでしょうか。そうでないにしても、ずっと同程度であるか努力を要するに区分される学校には、その原因を分析し、対策を講じていただきたいと思います。
 また、私は偏差値や順位を公表することで、生徒自身が自分の学力を認識しながら学習を進めたり、進学先を決めたりすることができると考えています。せめて入試科目の5教科で自分の学力を理解することで、塾に通っている生徒とそうでない生徒との差が出ないように取り組んでいただきたいと思います。
 次に、地域医療についてお尋ねします。
 福岡市の地域医療については、福岡市立では市民病院やこども病院、玄界、能古診療所などがありますが、ほとんどは民間に委ねている現状です。民間の医療機関は当然利益を上げなければ経営できませんので、患者の少ない地域では医療機関がないという地域もあります。
 そこで、本市において校区内に医療機関のない校区はどのぐらいあるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 医療機関のない小学校区につきましては、東区の志賀島校区と勝馬校区、早良区の脇山校区の3校区となってございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上晋平議員。
○10番(川上晋平) 医療機関が全くない校区も3校区あるそうです。
 また、一言に医療機関といっても実際は内科、整形外科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科など、さまざまな診療科があります。例えば、高齢になると足腰が痛くなるなど整形外科に通院する方も多くなりますが、地域に内科はあっても整形外科はなく、遠くまで通わないといけないという話も聞きます。
 そこで、それぞれの診療科別の医療機関の配置状況について、校区ごとに把握しているのか、お尋ねします。また、医療機関が余りない校区の方がどのようにして医療機関を受診しているのか把握されているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 診療科別の医療機関の配置状況につきましては、県の医療機関情報案内、ふくおか医療情報ネットにより把握できるようになっておりまして、校区ごとの状況につきましては、各種事業の実施に要する際など、必要の都度、必要な範囲で把握をいたしております。
 また、医療機関がない校区における受診状況につきましては、特別な調査等を行っておりませんので把握いたしておりませんし、困難であるというふうに考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上晋平議員。
○10番(川上晋平) それでは、眼科、耳鼻咽喉科などの専門的な診療科も含め、地域医療についての行政の責任についてはどう認識しているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 地域医療に関する行政の責任につきましては、良質かつ適切な医療が効率的に提供されることにより、誰もが住みなれた地域で安心して必要な医療サービスを受けられる環境づくりを進めることであるというふうに考えております。
 そのため、福岡市では急患診療センター等において、一次救急医療を提供いたしますとともに、離島には診療所を開設いたしております。また、今後、高齢化の進展により在宅医療を必要とする患者の増加が課題となることから、福岡市医師会とともに、在宅医療の提供体制の構築にも取り組んでおります。
 今後とも、限られた財源の中で持続可能で最適な医療提供体制の構築に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上晋平議員。
○10番(川上晋平) 医療は市民が安心に生活していくためには必要なサービスです。しかしながら、本市においては医療機関のほとんどが民間経営であるため、地域によって配置に格差が生じています。
 先ほどからの答弁では、医療機関が全くない校区や余りない校区において、住民の方が医療機関をどのように受診しているのか、受診の状況の把握さえもされていないし、今後も困難であるとのことです。それなのに、誰もが住みなれた地域で安心して必要な医療サービスを受けられる環境づくりを進めると矛盾した答弁をしています。まず、医療機関がない、あるいは少ない地域の方がどのような頻度、交通手段で、どこの病院を受診しているのか把握をするべきであるし、市民生活の質の向上というなら、ある程度の地域医療は行政の責任で確保するという政策が必要であると私は思います。
 次に、日常の買い物についてお尋ねいたします。
 毎日の食事をするための食材や生活に必要なものを買うことは、生活していく上で必要不可欠です。都心部では歩いていける場所や、そうでなくても公共交通機関ですぐに行けるお店が多くある一方で、過疎化が進んでいる周辺部地域では、そういう日常の買い物ができるお店がなくなっています。
 そこで、近くにスーパーマーケットがない、地域の購買店等の利用も難しいなど、日常の買い物に困っている地域について把握されているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 買い物に係る地域の状況につきましては、平成31年2月に小学校区ごとのスーパーマーケット、商店街、コンビニエンスストアといった買い物先の有無を初め、高齢化率や交通機関の状況等について調査を実施しておりますが、これによりますと、議員お尋ねの購買店等の利用も難しいような校区につきましては、勝馬、志賀島、内野、曲渕、北崎の5校区が該当するものと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上晋平議員。
○10番(川上晋平) 答弁いただいたお店のない5校区は最たるものと考えますが、地域にお店があっても高齢化が進む中、坂道が多い地域などでお店やバス停まで歩いていくことができない高齢者世帯、いわゆる買い物難民が多くいる地域があると聞いております。
 そこで、そのような地域はどのくらいあるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) いわゆる買い物難民に関する定義が明確ではございませんが、地理的特性や買い物先の有無、生活交通の状況に加え、それぞれの住まい方や身体的状況等によって買い物の支援を必要とする人は市内のあらゆる場所で日常的な問題として生じ得るものと考えております。
 したがいまして、買い物支援が必要な地域を限定することは難しいところではございますが、議員御指摘のような地域においては課題が顕在化しやすいものと考えており、こうした点も踏まえ、地域の特性やニーズに応じて安定的に事業を継続できるように、多様で持続可能な買い物支援の仕組みづくりが必要と考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上晋平議員。
○10番(川上晋平) 把握していないということですね。
 いわゆる買い物難民の対策として、本市では2年半ほど前から買い物支援のモデル事業を香住丘校区で行っています。これは大変よい試みであり、しっかり知恵を出して改良しながら、ほかの地域にも拡大してほしいと要望しておりましたが、現在どのようになっているのか、また、今後どうしていくつもりなのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) お尋ねの事業につきましては、平成29年2月から市が地域団体に車両を貸し出し、地域ボランティアの運転、付き添いによって高齢者を店舗まで送迎する買い物支援のモデル事業を公募により選定された香住丘校区において実施しております。
 モデル事業の実施を通じて、地域ボランティアだけではなく、介護保険事業所や医療機関の参画を得るなど改善を図っているところでございますが、依然として運転ボランティアなどの担い手や車の確保、運行ルートやシフトの調整といった地域負担の軽減などが課題となっており、より安定的に事業を継続できる方法、そして超高齢社会の中で今後さらに増大するであろう支援ニーズに対応していける多様で持続可能な仕組みづくりが必要であると考えております。
 このため、香住丘校区において引き続き買い物支援自動車モデルの検討を行いますとともに、移動販売車の運行や臨時販売所の開設、商店街等による宅配など、多様な方法を民間の活力や地域の支え合いの力、ICTといった新しい技術など、多様な社会資源を生かして具体化し、地域の特性やニーズに応じて、それに適した支援が行えるよう、多様で持続可能な買い物支援の仕組みづくりに取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上晋平議員。
○10番(川上晋平) 香住丘校区のモデル事業を募集する際、ほかに2つの校区が手を挙げられたと聞いております。香住丘校区の事業が始まった後もやりたいというほかの校区の声を聞きました。そういう声を当初から当局に伝え、調査をして拡大してほしいと要望していましたが、全く進んでいません。それどころか、日常の買い物も困難な地域があるのに何の対策もありません。生活していく上で必要不可欠の日常の買い物でも大きな地域格差が生じています。市民生活の質の向上を図っていく上で先頭に立って仕事をするべきなのが保健福祉局であると考えています。他局とも連携しながら、もっと真剣に取り組んでもらいたいと思います。
 次に、生活交通についてお尋ねします。
 ここまでの質問で、地域医療や日常の買い物には地域間格差があることを確認してきました。ほかにも市民サービスで市に1つしかない博物館や市民会館、各区に1つの区役所、体育館、図書館、老人福祉センターなどでも、住んでいる地域によって利用しやすさに格差があります。その地域間格差を緩和できるツールこそが公共交通だと私は思っております。しかしながら、現状ではさまざまなサービスが受けづらい地域ほど公共交通も脆弱です。都心部はさまざまな市民サービスが、行政はもちろん民間でも提供されています。当然人も多いので、公共交通は黒字です。一方、周辺部地域は過疎化が進み、民間のサービスは成り立たなくなってきており、公共交通も弱いのです。よく民でできることは民でと言いますが、市民生活を守るために最低限必要な市民サービスの提供については、民間で提供できない周辺部地域では、行政が責任を持って行うべきです。
 そこで、周辺部地域のさまざまな課題を解決し、市民生活の質の地域間格差を緩和するためには、本市の責任で公共交通を初めとする生活交通を充実させるべきと考えますが、御所見をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 高齢化の進展などに伴い、今後も通勤、通院、買い物など必要な生活交通の重要性が高まっていく一方で、郊外部における人口減少やバス乗務員の不足などにより、バス路線の維持にも課題が生じているところでございます。
 このため、福岡市では郊外部の公共交通空白地等において民間の力では解決できない生活交通の確保を図るため、生活交通条例に基づきまして、地域、交通事業者と共働して休廃止対策などに取り組んできたところでございます。
 今後とも、関係局と連携しながら、地域の実情に応じた生活交通の確保に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上晋平議員。
○10番(川上晋平) 局長、今回の質問では、市民生活の質における地域間格差を明らかにし、その緩和策を公共交通でカバーすべきだと申し上げております。それにもかかわらず、休廃止対策などに取り組んできたとの答弁ですけれども、現在の休廃止対策だけで十分と考えておられるのか、お答えください。また、いま一度、地域間格差を緩和するために生活交通の確保に向けた住宅都市局の決意、意気込みについて答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 福岡市においては、平成22年に議員提案により生活交通条例が制定され、これまでこの条例に基づく施策に取り組んできたところでございます。令和元年6月には公共交通不便地等の生活交通に関する住民意識調査の実施等を求める請願が提出され、8月の福祉都市委員会で採択すべきものとされたところでございます。
 こうした状況を踏まえまして、今後、住民意識調査のエリアや項目などの調査方法を検討し、より詳細な実態把握に努めるとともに、その調査結果などを踏まえ、生活交通の施策について検討していくこととしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上晋平議員。
○10番(川上晋平) 住民意識調査を行い、その調査結果などを踏まえ、生活交通の対策について検討していくとの答弁でしたが、それはしっかり取り組んでください。しかし、局長、私の質問にちゃんと答えてください。これまでの質問で明らかになったように、生活の質には医療、買い物、交通等、地域間格差があります。しかし、全ての地域に病院等、さまざまな施設を整備することはできないでしょう。だから、行政が責任を持って公共交通、生活交通を充実させることで地域間の格差を緩和して、それなりの市民サービス、生活の質を確保すべきではないかというふうに聞いております。改めて答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 生活交通におきまして、地域間格差の緩和や解消を目的とすることは、鉄道やバス路線が充実した地域との差を埋めるという目的や方向性で各種取り組みを進めるということになります。一方で、生活交通条例の目的は、最低限度の生活を営むために必要な移動を市民や市、交通事業者の役割分担と努力によりまして確保していこうというものでございます。
 住宅都市局といたしましては、条例の枠組みの中で調査、検討を継続してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上晋平議員。
○10番(川上晋平) これ以上は言いませんけれども、福岡市のまちづくりの基本戦略は都市の成長と生活の質の好循環ということをうたっているわけですよ。都市の成長というのはいいけれども、生活の質という面じゃ、やっぱり地域間の格差があるから、それを何とか解消していきたいと、それには公共交通でしっかり努力をするべきだというふうに言っているんですけれども、ぜひ本当に福岡市のまちづくりの基本ですから、しっかり取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 次に、久しぶりの質問ですので、志賀島について聞かせていただきます。
 これまでさまざまな質問をしてまいりましたが、そのほとんどに当てはまるのが志賀島地区です。志賀島では、そのような状況を踏まえ、平成28年3月に地域と行政が協力をして志賀島活性化構想を策定しました。この活性化構想には10年後の人口や雇用等の具体的な目標値を定め、コミュニティや住環境、観光、農漁業の分野ごとに取り組む内容や地域、行政、民間事業者の役割分担などを示し、地域とともにさまざまな取り組みを進めてきているところであります。
 活性化構想を策定して3年が経過したところでありますが、設定した目標に対して現在どのような状況か、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 平成27年度策定の志賀島活性化構想において設定された令和7年度の目標のうち、主な項目の進捗状況についてお答えいたします。
 まず、志賀島の総人口につきましては、策定時が1,749人、目標1,800人に対しまして令和元年6月末時点で1,616人となっており、策定時より133人減少しております。
 次に、15歳未満の子どもの数につきましては、策定時が105人、目標150人に対しまして令和元年6月末時点で105人となっており、策定時と同数となっております。
 次に、志賀島島内線バスの年間利用者数につきましては、策定時が3万5,000人、目標が策定時より増加とされているのに対しまして平成30年度の利用者数は4万5,047人となっており、策定時より約1万人増加しております。
 最後に、新規就農者数につきましては、目標が策定時からの累積で15人とされているのに対しまして令和元年6月末までに新たに6人が就農されているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上晋平議員。
○10番(川上晋平) 答弁をいただきましたが、志賀島では活性化構想の策定以降、地域も行政の担当者も協力しながら一生懸命にまちづくりに取り組んでまいりました。それにもかかわらず人口減少、高齢化はとまらない状況です。なぜでしょうか。もともと構想の策定時に地元地域からは、農業、漁業生産者の販売や6次産業化、ブランド化の拠点として道の駅の整備や景観を生かすためのサイクリングロード、汐見公園の整備などの要望が上がっていたのですが、まずは予算をかけずに取り組もうということになりました。しかしながら、やはり予算をかけずにイベント等のソフト事業だけでは難しいということだと思います。
 志賀島から車で15分走ったところにアイランドシティがあります。15年前は誰も住んでいなかったアイランドシティですが、立地交付金や道路、公園などに約2,200億円投資するなど、しっかり計画を立て、予算をつけた結果、今や約1万人の人口、約6,000人の雇用が生まれています。
 志賀島を初め、ほかの農山漁村地域などの周辺部地域もアイランドシティとまでは言いませんが、行政が本気になって計画を立て、もう少し予算をかければ人口減少や高齢化に歯どめがかかるのではないでしょうか。御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 志賀島を初めとする農山漁村地域などにつきましては、議員御指摘のとおり、人口減少や高齢化の進展等に伴い、農林水産業の振興やコミュニティの維持など、さまざまな課題を抱えていると認識しており、それぞれの地域の課題や特性に応じ、生活の質の向上に向けた効果的な取り組みを実施していくためにも、引き続き必要な予算の確保に努め、関係部局が連携し、地域と一体となって活性化に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 川上晋平議員。
○10番(川上晋平) しっかり目標が達成できるように予算をつけていただきたいというふうに思います。
 次に、保育についてですが、保育についてはこれまで質問してきた分野と違って、もちろんまだ十分とまでは言いませんが、行政が責任を持って取り組んでいただいていると考えています。新しいまちができ、子どもの数がどんどんふえている地域でも保育所を整備するなど対応していただいています。このことはもちろんよいことですが、ここで少し考えてみてください。福岡市ではアイランドシティや西部地区など新しいまちが開発されています。そこには子育て世代の若い方が多く住み、学校や保育園も新設されています。一方で、まちができて30年、40年たつ地域では子どもたちが巣立ち、まちができた当時、子育て世代だった方が年をとり、少子化、高齢化の進む地域となっています。
 これらは核家族化等、社会形態の変化も一因ですが、しっかり福岡市が政策を立てて対応しないと、今は新しいまちでせっかく整備した学校や保育園が将来要らなくなってしまうこともあるかもしれません。そうならないように、例えば、3世代の同居や親世代との近居に思い切った補助金を支給することで、年齢のばらつきの少ない均衡のとれた持続可能なまちづくりができるなど、そういった将来を見据えた政策が大事じゃないかなというふうに思っております。
 ここまで住宅、産業、教育、医療、福祉、交通などを例に挙げて、生活の質に関する地域間格差について質問してまいりましたが、都市の成長と生活の質の向上の好循環という理念は大いに賛同するものであり、これからもしっかり進めてほしいと思っています。その中で、都市の成長は市税収入が6年連続過去最高を更新するなど、成果がしっかりあらわれていますが、生活の質の向上については、これまでの質問で明らかなとおり、道半ばです。生活の質の向上は全市平均で見るものではなく、地域の意見をしっかり聞きながら、地域の実情に合わせてきめ細かに対応しなければなりません。
 行政がしっかり計画を立てて予算をかければ、私の言う地域間格差の少ない本当の意味での生活の質の向上は必ず実現できると思っています。国も地方創生を掲げていますが、日本で一番元気のよい都市である福岡市で、市域全ての地域に住む市民の皆さんが生活の質の向上を実感できるように、地域創生をなし遂げ、地方都市のリーダー的存在であることをしっかり示していただきたいと思います。
 最後に、福岡市総合計画の基本戦略である都市の成長と生活の質の向上の好循環をなし遂げるため、特に生活の質の向上に対する島市長の決意をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市は都市的な魅力と、また豊かな自然環境が調和をした、コンパクトな都市を形成しており、住みたいまち、また住みやすいまちとして国内外から高い評価をいただいているところでございます。
 一方で、その豊かな自然環境を育む農山漁村地域におきましては、人口が集積する都心部とは異なって、人口減少や高齢化の進展などによって医療や生活交通などの市民生活に必要なサービスにおいて利便の低下が生じるとともに、農林水産業の振興やコミュニティの維持など、さまざまな課題を抱えているものと認識をしております。
 今後とも、都市の成長と生活の質の向上の好循環を確固たるものとするため、成長を牽引する都市機能の強化を図るとともに、農山漁村地域などにお住まいの方が住んでよかった、今後も住み続けたいと思っていただけるよう、地域特性を生かした活性化や魅力の向上、また医療や生活交通などの基本的な市民生活サービスの維持向上など、持続可能な取り組みによる生活の質のさらなる向上を図ってまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 川上晋平議員。
○10番(川上晋平) 島市長から農山漁村地域などにお住まいの方が住んでよかった、今後も住み続けたいと思っていただけるように、地域特性を生かした活性化、魅力の向上、医療や生活交通などの基本的な市民生活サービスの維持向上など、生活の質のさらなる向上に取り組んでいただくと力強く答弁をいただきました。ありがとうございます。
 私は市民生活の質の向上こそが本来の目的で、それを続けていくための手段が都市の成長だと考えています。これから来年度予算についても検討が始まると思いますが、都市の成長が順調に進む中、まだまだ行き届いていない市民生活の質の向上のためにしっかり予算を確保していただきますよう要望して、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) この際、暫時休憩いたします。
 午後は1時10分に再開いたします。
午前11時31分 休憩  
午後1時10分 開議  
○副議長(楠 正信) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。井上麻衣議員。
○39番(井上麻衣)登壇 私は福岡市民クラブの井上麻衣です。大変緊張をいたしておりましたが、おかげさまで少し和らぎました。4月の選挙で初当選させていただき、今回が初めての一般質問となります。市民の皆様の声をしっかりと届けてまいりますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、福岡市民クラブを代表して、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律、いわゆる女性活躍推進法の施行に関し、本市が取り組む女性活躍推進のための企業への支援策について質問をいたします。
 私は前職で求人広告の営業職をしており、市内の多くの企業の人材採用のお手伝いをしてまいりました。人材不足で悩まれている中小企業の経営者、人事担当の方とかかわる中で、多くの課題を実感いたしました。募集をしても応募がない、人を雇うことができても定着をしない、そのような企業も大変多く、根本的な職場環境改善の必要性を感じております。
 今回の質問では、職場環境改善の一環として、女性が働きやすい就労環境づくりに焦点を当て質問をいたします。
 平成28年4月1日から女性活躍推進法が施行され、全国的にも女性活躍を推進する機運が高まっております。
 本市においては、女性の人口比率も高く、より女性活躍推進に関して取り組みを強化すべきであると考えております。男女問わず、誰もが生き生きと活躍ができる、そんな福岡市を目指すために、現状の把握、そして、改善点を見出すために質問をいたします。
 初めに、本市の現役世代の人口とその男女比を平成27年と直近の数値でお示しください。あわせて、現在の本市の労働力人口とその男女比を教えてください。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて質問をいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 現役世代、いわゆる生産年齢である15歳以上65歳未満の福岡市の人口につきましては、福岡県人口移動調査によりますと、平成27年8月1日現在で98万1,524人であり、男性が48.0%、女性が52.0%、令和元年8月1日現在で98万2,163人であり、男性が48.0%、女性が52.0%でございます。
 また、就業者と完全失業者を合わせた福岡市の労働力人口は、平成27年の国勢調査によりますと70万3,779人で、男性が53.6%、女性が46.4%となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 井上麻衣議員。
○39番(井上麻衣) いただいた答えによりますと、現役世代の男女比は女性が多いにもかかわらず、働いている人、もしくは働く意欲があるが職につけていない人をあらわす労働力人口では、男性のほうが多いということがわかりました。
 今後、現役世代の人口も減り、さらなる人手不足が懸念される今こそ、女性の就業促進や定着率の向上を図る必要性があると考えます。その上で、今回は働く場での女性活躍推進に関し、特に企業における女性活躍推進の支援に関して御質問をいたします。
 ところで、本市には女性活躍推進課がありますが、これを市民局内に設けた理由も含めて、課の設置目的を伺います。また、何名の職員が所属しているのかもあわせてお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 女性活躍推進課につきましては、女性の活躍推進が国の成長戦略の中核として位置づけられ、本市においても実効性のある女性活躍支援策を男女共同参画施策とあわせ効果的に推進していくため、市民局男女共同参画部内に設置したものでございます。平成26年度に当初、女性活躍推進担当課長として設置し、28年度から係長を増員し、女性活躍推進課となり、課長及び係長1名の2名体制となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 井上麻衣議員。
○39番(井上麻衣) 女性活躍推進課の設置の目的はわかりました。働く女性側に対する施策と企業側に対する施策を、どちらも担っていらっしゃると思います。
 それでは、本市が女性活躍推進として企業に対して行っている取り組みをお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 企業に対する女性活躍推進の取り組みにつきましては、経営者や人事担当者を対象とした女性活躍推進に関する講演会やセミナーの開催、一般事業主行動計画の策定を支援するセミナーや個別訪問の実施、ふくおか女性活躍NEXT企業見える化サイトによる企業における女性活躍への取り組みの見える化の推進、市が発注する指名競争入札での指名回数の優遇などを行う社会貢献優良企業優遇制度における次世代育成、男女共同参画支援に関する企業の認定などを行っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 井上麻衣議員。
○39番(井上麻衣) 講演会やセミナーでの啓発事業のほかに、企業の女性活躍推進に関する取り組みを可視化するための特設サイトを設けていることがわかりました。
 それでは、そのふくおか女性活躍NEXT企業見える化サイトについてお尋ねをします。このサイトの設置目的をお聞かせください。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 見える化サイトにつきましては、企業における女性活躍やワーク・ライフ・バランスの一層の促進を図ることを目的としており、労働者や管理職の男女別の数、多様な働き方の導入状況など各企業の女性活躍等の状況について、学生や求職者を主な対象に広く見える化するため、ウエブサイトとして開設したものです。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 井上麻衣議員。
○39番(井上麻衣) それでは、この見える化サイトへの掲載対象となる福岡市内に事業所を有する企業は現在何社あるのか伺います。あわせて、現在このサイトへの掲載企業は何社あるのか、サイト設置当初からの推移をお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 見える化サイトにつきましては、従業員規模にかかわらず、福岡市内に事業所を有する全ての企業を対象に申請を受け付けているところであり、平成28年経済センサス−活動調査における市内全事業所数でお答えいたしますと、7万2,284事業所でございます。
 掲載企業数につきましては、平成28年8月から開設しており、28年度が167社、29年度が223社、30年度が244社となっており、令和元年度は8月1日現在で260社となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 井上麻衣議員。
○39番(井上麻衣) 掲載対象となる企業は、福岡市内に事業所を有する全ての企業であり、7万件以上の事業所が対象とのことですが、直近のサイトへの掲載件数は260社ということがわかりました。
 それでは、このサイトへの掲載企業はどのように決まっているのか教えてください。あわせて、掲載件数の目標を設けておられるのかもお伺いをいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 見える化サイトにつきましては、掲載を希望される企業について認定の上、掲載するとともに、社会貢献優良企業優遇制度の次世代育成・男女共同参画支援事業として認定された企業についても掲載しております。
 また、掲載企業数は令和2年度末までに270社とすることを目標としております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 井上麻衣議員。
○39番(井上麻衣) 企業からの掲載希望の申請に基づき認定されているとのことですが、見える化サイトを市内の各事業所に対してどのように広報や周知を図っておられるのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 企業に対しましては、市ホームページによる広報のほか、フェイスブックなどのSNSの活用、女性活躍推進に係る講演会やセミナーでのチラシの配布などにより、見える化サイトの周知に努めております。
 また、女性活躍推進法や次世代育成支援対策推進法に基づき、国から特に優良企業と認定された企業については、個別訪問や電話にて見える化サイトへの掲載を依頼しております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 井上麻衣議員。
○39番(井上麻衣) 先ほどの質問でもお答えをいただきましたが、7万件を超える対象事業所が市内にあるにもかかわらず、現在の掲載件数が約260件というのは、割合にすると0.4%にも満たないことになります。かなり少なく感じますが、残りの99%の事業所は女性活躍推進ができていないということなのでしょうか。どのように各事業所の女性活躍推進に関して実情を把握しておられるのか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 女性活躍が推進されている企業につきましては、見える化サイトに掲載されている企業のほか、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定する企業の情報を逐次収集するとともに、福岡県内の企業を中心とした女性の大活躍推進福岡県会議において女性大活躍推進自主宣言を登録された企業や、福岡県女性の活躍推進ポータルサイトで取り組みが紹介された企業等の情報を収集するなど、把握に努めているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 井上麻衣議員。
○39番(井上麻衣) それでは、情報を収集されていらっしゃるとお示しをいただきました一般事業主行動計画の策定企業、女性の大活躍推進福岡県会議での女性大活躍推進自主宣言登録企業、福岡県女性の活躍推進ポータルサイトでの取り組み紹介企業は、それぞれ何社あるのか、お示しをください。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 女性活躍が推進されている企業につきましては、令和元年8月の時点で一般事業主行動計画を策定している市内企業は448社、女性の大活躍推進福岡県会議での女性大活躍推進自主宣言に登録している福岡地区の企業は234社、福岡県女性の活躍推進ポータルサイトにおいて取り組みが紹介されている市内企業は15社となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 井上麻衣議員。
○39番(井上麻衣) 一般事業主行動計画の策定をしているというだけでも、この見える化サイトへの掲載要件を満たしていることになりますが、策定企業が448社あるにもかかわらず、見える化サイトには現在260社しか掲載されておりません。全社掲載をできていない要因を伺います。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 一般事業主行動計画を策定している企業につきましては、国から特に女性活躍を推進していると認定された企業を中心に個別に掲載依頼をしており、行動計画を策定した市内企業についても、今後、見える化サイトの周知を行い、掲載に向けて働きかけてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 井上麻衣議員。
○39番(井上麻衣) これまで見える化サイトについて主に質問をさせていただきましたが、このサイトに載っていない残りの99%の企業にもしっかりと目を向けるべきだと思います。
 平成26年度の福岡市女性労働実態調査によると、回答者の半数以上の50.9%の企業が女性活躍推進の取り組みを実施していないという結果があります。取り組みを推進していない理由として、取り組みをしなくても労働力確保は十分だからと答える企業が39.2%と最も多い結果となっております。
 冒頭でも述べましたが、これからの将来は人材不足がさらに顕著になっていく中で、どんな方でも働きやすい環境の整備は必要不可欠になってまいります。育児中の方、介護中の方、持病を抱えた方など、働く時間や場所に制約を抱えるような方でも働くことのできる環境づくりを進めることが、これからの将来の優秀な人材の確保にもつながることになります。特に女性の中には、出産後も働きたいが、子育てとの両立が難しく、退職を余儀なくされているという方が約6割にも上るという調査もあるほどでございます。
 そのような中で、女性活躍の必要性を感じられていない企業や、どのように進めていけばいいのか具体的な取り組み方法がわからないという企業がまだまだ多いと思いますが、御所見をお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 企業における女性活躍の推進につきましては、従業員の就業状況や女性活躍推進の取り組み状況などを把握する実態調査を今年度、市内2,000の事業所を対象として実施する予定としており、取り組みが進んでいない企業の現状や理由などについても調査し、今後の施策に反映させてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 井上麻衣議員。
○39番(井上麻衣) 答弁の中で、事業所の実態調査を今年度実施予定であるということがわかりました。早急に実態を把握し、実態に応じて推進をいただきたいと思います。
 質問冒頭でお話をいたしましたが、以前、求人広告の営業職をしていたときの経験をお話しいたします。求人掲載の際、ほとんど応募が来なかった募集案件に対し、お子様連れの面接オーケーや、お子様連れでも勤務可能と新たに広告に載せるだけで100人以上の応募があった事例がありました。これは平均の10倍以上の人数でございますが、その内訳を見ますと、ほとんどが小さなお子さんがいるママさんだったそうです。求人広告を作成する際に私のほうから提案をし、それらの文言を入れていただいたのですが、その企業は子ども連れでも働けるということが求職者にとってメリットであり、そして、企業にとっても大きなPRポイントであるということを認識してはおられませんでした。その事実を知ることで、この企業は新しい打ち出し方を導入し、採用活動をし、その結果、能力の高い求職者を採用することができたのです。
 あわせて、他都市の事例も御紹介をいたします。茨城県のつくば市では、つくば市型子連れ出勤導入基本マニュアルを作成し、企業へ配布をいたしております。子連れ勤務を取り入れるための方法が準備段階から細かく記載してある企業向けのマニュアルであり、取り入れた企業からも、育休明けの離職率を大きく下げることができた、新規採用や教育にかけるコストが削減できたなど喜びの声が上がっているそうです。
 そこで、本市でも今の取り組みに加え、つくば市のような企業に対しノウハウを提供するような新たな取り組みもぜひ検討いただきたいと思っておりますが、御所見をお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 企業における女性活躍の推進につきましては、女性活躍推進法の施行から3年が経過し、一般事業主行動計画の策定が進むなど取り組みが広がっており、今後とも、女性がその個性と能力を十分に発揮し活躍できるよう、他都市における事例なども参考にしながら効果的な取り組みを検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 井上麻衣議員。
○39番(井上麻衣) それでは続いて、企業に対するアプローチの仕方に関してお尋ねをいたします。
 現在行っている見える化サイトへの掲載依頼も必要であると思いますが、見える化サイトに掲載をできる企業は、既に女性活躍推進への取り組みを始めている企業だと思います。これからより重要になってくるのは、現状、女性活躍を推進できていない企業へのサポートだと考えております。女性活躍を推進していくための具体的な取り組み方法がわからない、行動計画の立て方がわからないと思っている企業にこそアプローチをし、女性活躍の重要性や取り組み方に対する啓発活動に力を入れていくべきだと思いますが、先ほどお答えをいただいた、現在本市が進めている一般事業主行動計画策定の支援や女性活躍推進講演会の開催などの女性活躍推進事業の内容について、現在、どのように企業に広報をされていらっしゃるのか、お伺いをいたします。また、全企業の何割ほどに周知をされているのかもあわせて伺います。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 女性活躍推進に係る事業につきましては、ホームページで広く周知するとともに、講演会、セミナーの開催などについて、事業内容や対象に応じて見える化サイト登録企業へのメール、対象企業への郵送、関係団体を通じた会員への周知、関連メルマガでのお知らせなど、さまざまな周知方法を活用し、広報に努めております。
 なお、全企業に対する周知割合については把握しておりません。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 井上麻衣議員。
○39番(井上麻衣) ホームページでの広報や、関係企業に周知をしておられることはわかりました。
 しかし、早急に女性も活躍のできる職場づくりを進めていくためには、より多くの企業に女性活躍の推進をすべき意義や具体的な取り組み方を啓発することが必要であると思います。各施策を準備しても、一部の事業所にしか周知できていなければ、現状は大きく変わりません。
 さきに出した見える化サイトも、就職を控えた大学生が就活の参考に閲覧をしているという話も聞きました。ぜひもっと掲載件数をふやしていただきたいと思います。そのためにも、さらに周知の徹底を図っていただきたいと考えておりますが、現在、周知ができていない企業に対して、どのようにこれからアプローチをしようと考えておられるのか、お尋ねをいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 企業への周知につきましては、多くの企業を会員に持つ経済団体や関係機関とも連携し、広く講演会やセミナーの情報などを企業にお伝えできるよう努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 井上麻衣議員。
○39番(井上麻衣) 関係機関と連携をし周知に努めるとのお答えですが、例えば、電子メールなどで広く効率的に周知を行うために国や県などと連携をし、本市内にある事業所のメールアドレスなどの情報を得ることは難しいのか、お尋ねをいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 企業への周知につきましては、必要に応じ国や県とも連携しながら情報の周知に努めてまいりたいと考えておりますが、国や県が収集した情報については特定の利用目的で収集されており、メールアドレスなどは個人情報に該当し、提供していただくことは難しいものと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 井上麻衣議員。
○39番(井上麻衣) 企業情報を得ることはやはり現実的に難しいということがわかりました。しかし、周知ができていない企業にアプローチをするために、新たな取り組みをしていく必要性があると思います。
 そこで、視点を変え、企業に対する広報の仕方に関してお尋ねをいたします。
 本市では、人材獲得支援や働き方改革の推進など企業向けの事業を経済観光文化局で多く担っていらっしゃると思いますが、経済観光文化局ではどのように企業に対して本市の施策や事業内容の周知を行っているのか、お示しください。また、あわせて約何社ほどにアプローチをかけておられるのか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 経済観光文化局における施策、事業内容の企業に対する周知につきましては、市のホームページや市政だよりに掲載するほか、福岡市中小企業サポートセンターや情報プラザでチラシを配布しております。
 また、年間約5,000社の企業へ個別に訪問するほか、福岡商工会議所や中小企業団体等を通じて、延べ約2万4,000社に対して中小企業の支援に関する情報をお知らせしております。
 さらに、約140の各種業界団体に会員企業への周知協力を依頼しております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 井上麻衣議員。
○39番(井上麻衣) 現状、市民局がアプローチできている事業所と経済観光文化局がアプローチできている事業所では大きな違いがあることがわかりました。本市がリーチできる事業所情報を各局横断的に活用ができると、無駄が省け、効果的に施策を推進することができると思います。
 そこで、現在、市では福岡市LINE公式アカウントというサービスで市民に対し、防災、ごみの日、子育て、防犯、交通安全、各種イベントなどの生活に密着した情報を配信する取り組みを行っております。この仕組みを参考に企業向けのアカウントを開設し、企業に有益な情報の提供や本市の企業向け事業の広報などを登録者に配信するなど、企業に対しての新たなアプローチ方法を取り入れることはできないのか、お尋ねをいたします。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 企業に対する新たなアプローチとして、今年度から市内企業の人材確保につながる情報を中心に、福岡市しごと情報をフェイスブックを活用して情報発信を行っております。また、福岡商工会議所や中小企業団体等の関係機関と連携して、事業者が集まる場へ市の担当者が出向いて施策の説明を行う等の取り組みについて着手したところでございます。今後とも、企業のニーズに応じたきめ細やかな情報提供に努めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 井上麻衣議員。
○39番(井上麻衣) さきの質問で、経済観光文化局も独自のルートで企業に対しアプローチをしておられることがわかりました。
 経済観光文化局は、本市でも最も企業に向けた施策に取り組んでいらっしゃる局でもあります。今回は、女性活躍推進事業に関して質問をさせていただいておりますが、他局にも企業向けの施策は多くございます。より効果的に進めるためにも、そのような他局と連携をし、経済観光文化局の持つルートを他局の企業向け広報に活用すべきと思いますが、所見を伺います。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 各局との連携につきましては、これまでも、例えば、総務企画局が所管する外国人留学生を対象としたインターンシップ事業への企業の参加や、保健福祉局が所管する企業の従業員を対象とした親の介護講座について、福岡商工会議所等を通じ市内企業への周知を行うなど、適宜連携を図っております。今後も、各局からの要請に応じ、市内企業向けの情報発信について連携を図ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 井上麻衣議員。
○39番(井上麻衣) さきの質問でもお答えをいただいたように、市として女性活躍推進課を設置しているものの、2名という少ない職員で市内の事業所にアプローチをしていかなければならない状況の中、大変前向きな答弁をいただいたと思います。
 市民局としては、職場での男女共同参画に限らず、家庭、地域、学校など、さまざまな場面で市民の男女共同参画に関する意識改革にも取り組んでいらっしゃるとは思いますが、就労環境での女性活躍推進のためにも、それらの根本的な意識改革のさらなる推進は必要不可欠であると考えております。
 本市でも特定事業主行動計画を立てて取り組みを始めてからは、徐々に女性職員の管理職の割合がふえたり、育児休業の取得率が高くなったりと成果が出てきているとお聞きをいたしました。
 繰り返しになりますが、これからの人口減少に伴う人材不足の問題は企業にとって大変大きな問題でございます。女性の割合が多い本市においては、特に男女にかかわらず、誰もが働きやすい就労環境を整えることは、その人材不足を解決する上で非常に重要になってまいります。本市一丸となって女性活躍の推進を進めていただくためにも、市民局がリーダーシップをとり、経済観光文化局を初めとする他局との連携も強化をしながら取り組みを継続していただきたいと思っております。
 最後に、男性、女性ともに生き生きと活躍ができる福岡市にしていくための決意をお聞かせいただきまして、私の質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 女性の活躍推進につきましては、女性が働きやすい企業は全ての労働者にとって働きやすい企業であり、また多様な視点を経営に取り入れることにより、企業の一層の発展にもつながるものと考えております。
 今後とも、関係局と連携し、仕事と生活の調和を実現できる社会、働く場において男女が対等に参画し、女性が活躍できる社会の実現に向けて取り組みを進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし)登壇 福岡市民クラブの田中たかしです。ことし4月の統一地方選挙で西区より初当選させていただきました。皆様どうぞよろしくお願いいたします。
 私は福岡市民クラブを代表して、福岡市の政策決定過程における市民参加について、特に基本計画策定時に焦点を絞って質問させていただきます。
 2000年の地方分権一括法の施行により実現した地方分権改革は、自治体運営に大きな変革をもたらしたと言えます。地域の実情に沿った自主性、自立性を高めた地域づくりの取り組みが活発化してきており、地域のことは地域で決めるという風潮も一般的になってきました。それに伴い、各自治体においても、政策決定過程において市民の意見を反映させようとする動きは加速してきており、さまざまな手法も用いられるようになってきています。しかしながら、その一方で、市民参加の効果を疑問視する声、形骸化の懸念があることも事実です。
 行政への市民参加という概念は定着しつつありますが、参加の領域には大変な幅があります。
 財団法人地方自治研究機構は、まちづくり活動や環境美化活動、防犯、防災活動などへの参加をあらわす住民活動領域、地域住民団体やその他のNPO団体などが、行政と互いに自主性、独立性を認め合いながら地域課題に取り組むことをあらわす協働活動領域、そして、広聴、広報施策を初め、審議会、住民アンケート、パブリックコメント、ワークショップなどによる多様な方法によって行政の政策決定過程に市民が参加することをあらわす行政活動領域の3つに分類しています。
 全国の自治体においても、住民活動領域や協働活動領域での市民参加は住民自治の観点から一定の効果を上げることが証明されてきておりますが、それだけにとどまらず、行政活動領域に分類される自治体の政策決定過程にも市民参加の新たな取り組みが見られるようになっています。多様化、複雑化する市民生活に行政として的確に対応していくためには、市民とともに公共サービスの企画立案や計画、実施、そして評価、改善を行っていく必要があり、また、政策決定の正当性を担保する意味でも行政活動領域における市民参加の必要性は今後も一層増していくと考えます。
 特に行政の大きな方向づけを担う基本計画は、市民生活のあり方にも大きくかかわるものであり、計画策定に際し、いかに市民の意思を取り込むかは大変重要であると考えます。
 以上を踏まえた上で、まずは平成24年の第9次基本計画の策定時にさかのぼってお尋ねしたいと思います。
 福岡市の政策決定過程における市民参加の姿勢を示す大きな事例として、平成24年の第9次基本計画策定時のプロジェクトが挙げられます。福岡市は基本計画の策定に先立つ、平成23年5月から11月にかけて新ビジョン、アジアのリーダー都市ふくおか!プロジェクトを取り組みとして実施されました。この取り組みは、一般市民が参加しやすいように、25年後の福岡をどのようなまちにしたいかというテーマを設定し、広く市民の参加を促し、また、市職員による局横断の提言チームも組織されるなど、当時としては市民参加の実例として先進的な取り組みであったと言えます。各種の報告書や論文、有識者の検証などによれば、おおむね成功に終わったと言われているプロジェクトではありますが、その中でも幾つか課題が残るように私は感じられます。
 それは何かといえば、1つは参加者の固定化に対する懸念、そして時間的制約、さらに市民意見の反映方法です。まずは、その課題点について順次御質問をさせていただきます。
 初めに、参加者の固定化に対する懸念についてお伺いいたします。この取り組みにおいて、市は、延べ1万人を超える方々にかかわっていただいたとしていますが、つまり、十分に市民の意見が反映された基本計画であるということを強調していると理解しましたが、その延べ1万人について根拠をお示しください。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて質問いたします。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 福岡市基本構想及び第9次福岡市基本計画の策定に当たりましては、まず、平成23年度にアジアのリーダー都市ふくおか!プロジェクトを実施し、産学官民の幅広い御意見をいただいた上で、福岡市の将来の姿を示す新ビジョンを取りまとめております。その後、この新ビジョンを踏まえながら、基本構想及び基本計画の素案を策定し、総合計画審議会における審議とパブリックコメントを経まして、24年12月に議会の議決をいただいております。
 お尋ねの延べ1万人の根拠につきましては、このアジアのリーダー都市ふくおか!プロジェクトにかかわっていただいた人数で、市民アンケートに3,250人、ワークショップに約2,500人、フォーラムに約1,100人など、さまざまな手法により延べ1万人を超える方々にかかわっていただいております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) では、その1万人の方々はどのようにして選ばれたのでしょうか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) アジアのリーダー都市ふくおか!プロジェクトにおいては、無作為抽出によって選ばれた市民の皆様を対象としてアンケートを実施したほか、市政だより、ホームページ、リーフレットなどによりワークショップやフォーラムなどの開催を広く周知し、多くの市民の皆様に参加を募ったものでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) さまざまな手法で周知し、市民参加を広く募られたということでありますが、市民参加を実施する際に一般的に指摘される課題として、参加者の偏りや固定化、サイレントマジョリティーの参加不足、市民の意識や関心の低さなどが挙げられています。つまり、特定の人物もしくは団体などの意見ばかりが反映されていては、多様な市民の意見の反映という市民参加の本来の趣旨から外れてしまうのではないかという危惧があるわけですが、そこでお尋ねいたします。
 第9次基本計画策定の際に市民参加を広く募るに当たって、居住地、性別や年齢、職業など各個人の属性は調べていらっしゃるのでしょうか。また、参加される市民の固定化を防ぐための策は何か用いられたのでしょうか、お答えをお願いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 参加者の属性につきましては、アンケートにおいて回答者の住所、性別及び年齢などを、また、ワークショップ及びフォーラムにおいて参加申し込み者の住所及び氏名を確認しております。
 次に、参加者の固定化を防ぐための方策につきましては、できるだけ多くの市民の皆様から御意見をいただくため、無作為に抽出した多くの市民の皆様を対象としたアンケートを実施するとともに、ワークショップ及びフォーラムにつきましては、公民館や大学、民間オフィスなどさまざまな場所で、土日や夜間などさまざまな曜日、時間帯に開催しております。
 さらに、総合計画審議会におきましても、15回の審議を全て公開し、あわせて動画配信を実施するとともに、パブリックコメントの実施に当たっては、多くの意見をいただくためのイベントや説明会を開催するなど幅広い市民の皆様の参画を得る工夫を行っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 今の御答弁によりますと、無作為抽出のアンケートを実施する、ワークショップやフォーラムをさまざまな場所や時間帯で開催する、また、その都度、氏名と住所は確認しているので、これらをもって固定化を防ぐための策としているということだと受けとめましたが、この手法だけでは参加者の固定化を防ぐための策が十分に整備されているとは言えないと私は考えます。
 同一人物が複数回参加することを一概に否定するわけではありませんが、基本計画のような都市ビジョンを策定する際の市民参加であれば、そこで得られる参加者は固定化された限られた市民だけではなく、より多様性を内包した社会の縮図であることが望ましいと考えます。政策決定過程への市民参加の本来の意義を考えれば、居住地域、性別、年齢だけにとどまらず、障がい者やひとり親家庭、独居老人など異なった生活背景にある参加者が、それぞれの立場に立って多様な意見を述べられるような緻密な制度設計が必要であったのではないでしょうか。福岡市としては、この点についてどのような御所見でしょうか。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) アンケートの実施に当たっては、調査対象者の性別や年齢などの構成が市民全体の構成とおおむね同様となるよう、統計調査の手法に従い、住民基本台帳から無作為に抽出した市民の皆様を対象としております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 参加者の固定化を防ぐということが容易ではないということは理解しておりますが、さまざまな階層、属性の方から意見をいただくということが市民参加の根底となりますので、今後はぜひ検討をお願いしたいと思います。
 続いて、時間的制約についてお伺いさせていただきます。
 新ビジョンプロジェクトは、市長の参加呼びかけから新ビジョンの取りまとめまで、約半年というタイトなスケジュールで実施されました。意見収集、意見集約、成果の公表と、それぞれの場面でタイムリミットがあり、多様な市民の意見を得る上で十分な時間を確保できたかといえば疑問も残るところだとは思うんですが、この点についての御所見はいかがでしょうか。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 平成23年度に実施したアジアのリーダー都市ふくおか!プロジェクトにおいては、検討開始から新ビジョン取りまとめまでの間に、無作為に抽出した多くの市民の皆様を対象としたアンケートを実施するとともに、ワークショップを109回、フォーラムを11回開催するなど、幅広い市民の皆様から御意見をいただく機会の確保に努めております。
 また、24年度には総合計画審議会における15回の審議とパブリックコメントを実施しており、2年間にわたって多くの市民の皆様の参画を得る工夫を行っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 今の御答弁によれば、新ビジョンプロジェクトの実施から、その後の総合計画審議会までを2年間にわたって開催されたということを根拠に、時間的制約に問題がなかったとの見解を示されたわけですが、そもそも審議会というものは進行管理や原案の作成、委員の人選等が市によって行われるものであり、行政の意思が多分に反映されかねません。その審議会の開催を理由に市民参加が十分になされているという論理は、市民参加の本来の趣旨である多様な市民の意見を市政に反映させるという観点からいえば、不十分ではないでしょうか。このプロジェクトが先駆的な取り組みであったとの評価があることを考えれば、時間的制約があったというのは大変もったいないことです。この点については、市民参加を取り扱った研究機関の事例報告や検証論文でも指摘されております。今後は、市民参加の実施期間の長短についても検討課題として認識していただいてもいいのかと考えます。
 続いて、市民の意見の反映方法についてですが、数々の手法を経て集約された市民の御意見は、それを具体的に市政に反映させなければ、市民参加が成立したとは言えません。
 そこでお尋ねします。第9次基本計画の策定に当たり実施されたパブリックコメントやアンケート、ワークショップなどで上がった一般市民の御意見が、実際に第9次基本計画に反映された実例を幾つか具体的に示してください。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) アジアのリーダー都市ふくおか!プロジェクトにおいて、アンケートやワークショップなどを通していただいた御意見につきましては、新ビジョンとして取りまとめた上で、福岡市が目指す将来の姿として基本構想に掲げる都市像に反映するとともに、施策の方向性を定める上で不可欠な福岡市の現状と課題の整理にも反映させております。
 また、基本構想及び基本計画の原案に対するパブリックコメントにおきましても、改めて多くの御意見をいただき、基本計画の総論や各施策の方向性、成果指標など計画全般にわたり市民の皆様の御意見を反映しております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 参加者からいただいた御意見はしっかりと反映させているとの所見を示されたわけですが、私は今後、市民参加が一層の発展を遂げるためには、参加された方々の充足感や納得感も要素として大切なものと考えています。自分の出した意見が採用され、まちづくりの一端を担っているという感覚が、市民参加への喜びを生み、参加の裾野を広げるための一助になります。参加者が自覚と責任を持って福岡市のために出した意見が、最大公約数的に一くくりにされ、自分が出した意見がどこにどう反映されているのか不明確ということでは、参加した市民の充足感や納得感を得られることにはならないと思います。基本計画という性質上、内容表現が抽象的になることはいたし方ないことかもしれませんが、時間と労力を割いてまで参加していただいた市民の皆さんの御意見をどのように反映させるのか、今後も検討を重ねていただくよう要望させていただきます。
 ここまで私なりに課題点について質問させていただきましたが、福岡市として第9次基本計画策定時の市民参加について、どのような評価をされているのか、お聞かせください。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 基本構想及び第9次基本計画の策定に当たっては、まず、検討に先立ち実施したアジアのリーダー都市ふくおか!プロジェクトにおいてアンケート、ワークショップ、フォーラムなどの多様な手法により幅広い市民の皆様の御意見をいただき、福岡市の将来の姿を示す新ビジョンを取りまとめております。
 さらに、新ビジョンを踏まえ、策定した基本構想及び基本計画の原案に対するパブリックコメントにおきましても、改めて多様な御意見をいただくなど、2年間にわたるさまざまな取り組みにより多くの市民の皆様方とともに計画を策定することができたものと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 今、多くの市民の方とともに策定することができたとの御答弁ということで、福岡市としては、結果としては評価できるものであると認識していると私は理解いたしました。
 しかしながら、政策決定過程での市民参加というものは、まだまだ発展途上であり、いかにして効率的かつ直接的に市民の意思を行政に反映させるのか、そして、そのための、より完成度の高い参加手法をどのようにしてつくり上げていくのか、どの自治体も、その都度試行錯誤しながら取り組んでいます。
 私は、先ほど参加者の充足感についても言及いたしましたが、その点も含めて市民参加実施後に検証を行っている自治体もあるわけです。例えば、埼玉県宮代町では、市民参加により実施した政策または事業における市民参加手法等に関することについて評価及び検証をすることと宮代町市民参加条例で定めています。このように、市民参加をただのやりっ放しにすることなく、次に生かそうという姿勢が見られます。
 そこで、お尋ねいたします。第9次計画策定時に参加された市民の方々に対し、市民参加の実施方法に関する意見聴取やアンケートなど何らかの調査は行われたのでしょうか。また、その調査結果をもとに、プロジェクト終了後に市として効果の検証または反省点の洗い出しなどは行われたのでしょうか。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 第9次基本計画の策定に参加された市民の皆様に対し、市民参加の実施方法に関するアンケートなどは行っておりませんが、幅広い市民の皆様から御意見をいただくため、無作為に抽出した多くの市民の皆様を対象としたアンケートを実施するとともに、ワークショップの実施に当たりましては、参加を希望される市民の皆様から事前に日時や場所の御希望を伺った上で、公民館や大学、民間オフィスなどさまざまな場所で、土日や夜間などさまざまな曜日、時間帯に開催しております。
 さらに、総合計画審議会における審議の公開や動画配信、パブリックコメントで多くの御意見をいただくためのイベントの開催など、幅広い市民の皆様の参画を得る工夫を行っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 市民参加後の参加者への調査等は行われていないということですが、市民参加を実施したという事実のみでは将来的な発展は期待できません。市民参加に実際に携わられた方々の率直な御意見は、引き続き市民参加を実施していく上で貴重な知見となり得るものであり、評価、判断基準として重要な要素を占めると私は考えます。今後は、ぜひ参加された方へのアンケートなども行い、ぜひ将来に生かしていただきたいと思います。
 ここまで、第9次基本計画策定時の市民参加を事例として、福岡市の市民参加に対する認識をるる質問してまいりましたが、その際に採用された公募による市民参加は、公募である以上、参加するのかしないのか、それは市民の意思に委ねられるわけであり、その仕組みだけでは参加者の集合体に社会の縮図を求めるには限界があると考えます。
 その問題を解決する新たな手法として、現在は無作為抽出により参加者を募るブラーヌンクスツェレという手法も採用されつつあります。これは、ドイツで実施されている市民参加の手法を参考にしたもので、特徴としては、参加者を無作為抽出で選ぶ、参加者に謝礼を払う、1グループを5人に分けて参加者だけで話し合い、全体で投票を行う、各話し合いの前に現状や課題などの情報提供を行うなどの点が挙げられます。このため、参加者は限られた特定の人の集団や専門家ではなく、ほとんどの場合、テーマに関し直接の当事者ではない一般の市民となります。また、男女比率、年齢や職業などの構成が、その地域の構成と同様の傾向を示すことになり、その意味において参加者はその地域の代表者であると言えます。実際に、三鷹市などで基本計画改定の際に活用されております。
 また、例えば、愛知県高浜市のように、基本計画について市民と市職員が一緒になって約10年先の高浜市の理想の姿を描き、その実現のためのアイデアを具体的に練り上げるとともに、実現に向けて力を合わせていくため、高浜市の未来を描く市民会議を結成し、検討している事例もあります。高浜市内に在住、在勤、在学の方、市職員など約150名で構成され、テーマごとにグループ形式で討議し、まとめた提言書を市長へ提出します。また、提言提出後は計画の実現に向けた実践活動を行うというものです。
 市民の声をいかにダイレクトに行政に反映させるか、そして、参加した市民の満足度を向上させるか、各自治体は従来の手法の是非を検証し、さらに新たな手法を検討するだけでなく、実際に実行に移しています。市の規模の程度の差こそあるかもしれませんが、新たな試みとして検討するに値するものと私は考えます。
 福岡市においては、令和4年には第10次基本計画が策定されることになります。より一層の市民参加が推進されるためには、第9次基本計画策定時の反省点や課題もクリアにした上で、より多様な市民の意見を反映させるための新しい手法も検討されなくてはいけません。
 そこで、第10次基本計画策定に向けての福岡市の所見を伺います。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 福岡市では、多くの市民の皆様とともに策定した基本構想及び第9次基本計画に基づき、まちづくりを着実に進めてきた結果、市政への信頼度が大きく向上するとともに、元気なまち、住みやすいまちとして高い評価をいただいているところでございます。
 市政運営の基本となる基本構想及び基本計画につきましては、その策定プロセスにおいて幅広い市民の皆様の参画を得ることにより、市民と共有し、市民が共感できる計画を策定することが極めて重要であると認識しており、次期基本計画につきましても、より多くの市民の皆様から御意見をいただきながら策定してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 田中たかし議員。
○54番(田中たかし) 第10次基本計画策定に際しても、より多くの市民から御意見をいただきたいとの御答弁をいただきましたので、福岡市の市民参加の発展のためにも、そこは改めて強くお願いしておきたいと思います。
 今後、福岡市も人口減少時代を迎えます。行政としても、これまでに前例や経験のない事態と対峙することになると考えられます。近年では、地方自治の原点とも言える自己決定、自己責任の重要性が再認識され、住民自治の制度的拡充が求められています。今回取り上げた行政活動領域に市民が参加することだけではなく、まちづくり活動や環境美化活動、防犯、防災活動などへの参加、地域住民団体やNPO団体などが行政と互いに協力し合いながら地域課題に取り組むことなど、幅広い意味で市民参加は実践されるべきです。
 今後ますます多様化する市民生活に、行政が的確に対応するためには、政策決定過程において市民参加は一層促進されなくてはいけません。その一方で、市民参加を実施する上で特に課題となっているのが、サイレントマジョリティーの意見をいかに酌み取るか、参加者の市民代表制の担保、参加者の固定化の回避、各手法により挙げられた市民の意見の反映方法です。政策決定過程においての市民参加は、時間と経費と労力を乱費するだけであるとの懸念があることも承知してはいますが、私はいたずらに形式的な参加を求めるだけで市民参加が行われたとする態度がとられることを大いに危惧しています。
 第9次基本計画策定時の市民参加は、市長の発案でなされました。この事実が示すように、市民参加の方向性というものは首長の裁量によるところが大きいわけですが、政策決定過程への市民参加の重要性が増している現在、時の首長によって市民参加の手続、手法が左右されているようでは、時代の要請に対応可能な成熟した制度設計は期待できません。
 一連の質問を通じての実感ですが、現在の福岡市では市民参加を保障するルールづくりが不十分であり、仕組みの脆弱性を解消するには至っていません。福岡市がこれまでにさまざまな手法で市民参加に取り組んできた、その事実は認めますが、現行の運用方法では、そのときの市長の意向によって、これまでに得られた知見も今後生かされない可能性もあります。アリバイ主義による市民向けのパフォーマンスとしての市民参加では、当然、有効性に乏しく、やはり全庁的に統一した明確なルールづくりが必要なのではないでしょうか。
 これまでの福岡市の御答弁を踏まえると、市としては現状の制度内で十分に市民参加は運用されているとの認識であると私は受けとめましたが、本市でも自治基本条例や市民参加推進条例などを制定し、市民参加の機会の保障を明文化するべきではないでしょうか。多くの自治体が首長のリーダーシップのもとに制定しています。この点について、最後に市長の所見をお伺いし、私の質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 島市長。
○市長(島宗一郎) 政策決定の過程における市民参加は、市民との共働によるまちづくりを推進する上で大変重要であるというふうに認識をしております。
 市民参加を進めるに当たって、福岡市ではこれまでも市民との対話の場である出前講演会やワークショップの開催、各種計画の策定におけるパブリックコメントの実施など、さまざまな機会を捉えて市民とのコミュニケーションを推進してきたところであり、これによって市政への信頼度も大きく向上してきたと考えております。
 今後とも、これまでの取り組みをさらに進めることによって幅広く市民の皆様の声をお聞きし、市政の運営に生かしてまいりたいと考えております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) この際、休憩し、午後2時25分に再開いたします。
午後2時11分 休憩  
午後2時25分 開議  
○議長(阿部真之助) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。調崇史議員。
○15番(調 崇史)登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表して、高齢者の社会参画促進について、妊娠期の女性への支援について質問をさせていただきます。
 高齢者の社会参画促進についてです。
 8月に福祉都市委員会において、生活交通に関する請願が採択されました。これからの生活の足の確保に向けた関心、市民並びに議会の関心が高まりつつあるというふうに思っております。とりわけ、昨今は高齢者の運転による加害事故が相次いでおりまして、免許証を返納する動きが広がっております。しかしながら、その後の生活のことを考えたときに、免許証の返納というのは、簡単ではありません。自家用車の代替となる生活の足が確保されなければ、多少の無理を押してでも運転を続けざるを得ない高齢者は多いのではないかと思っております。高度成長期に車の急激な普及を経験してこられた高齢の先輩方でありますけれども、これからは逆モータリゼーションあるいは卒モータリゼーションともいうべき潮流にのまれるということになると思いますが、車がなくても日々の生活、社会参画ができる仕組みが必要になってくるというふうに思っております。とりわけ、今回、代替交通の確保という観点から生活交通に関する取り組み状況について質問させていただくと同時に、高齢者乗車券の細かな課題について、私なりに考えるところを述べさせていただきたいというふうに思っております。
 まず最初に、本市における運転免許証の返納の状況等についてお尋ねをします。
 高齢者による加害事故防止を念頭に、本市はどのような取り組みをしておられますでしょうか。また、あわせて本市における65歳以上の高齢者の運転免許証の返納件数の直近の状況をお尋ねいたします。
 以上で1回目を終わり、以降は自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 高齢運転者による事故防止の取り組みにつきましては、高齢者御自身が加齢に伴う身体機能や判断能力の変化に気づくことで、安全運転に心がけていただけるよう認知症予防講座と実技運転を組み合わせた高齢運転者講習を開催するとともに、高齢者を対象とした交通安全の出前講座を実施しております。また、高齢運転者講習や四季の交通安全運動の街頭キャンペーンなどにおいて、運転免許証の自主返納制度や交通事業者による自主返納者を対象とした支援サービスの周知を行っております。
 次に、福岡市における65歳以上の高齢者の運転免許証の返納件数につきましては、福岡県警が平成29年から集計しており、29年が3,565件、30年が3,527件、令和元年が6月末現在で2,387件となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 答弁にもありましたとおり、本年、過去2年と比べて特に返納の件数が多くなりそうだというふうに思います。早良区で大きな事故がありましたけれども、影響があるのかなというふうに思います。
 最近、私の里であります城南区の南部の山裾や山合いの地域で、運転免許証を返納するために、高齢者が住みなれた住宅を売却して、市の中心部の近くにマンションを買って移住するといったケースを耳にするようになってまいりました。このようなケースが今後ふえるのではなかろうかということを心配しております。
 運転免許証の返納に伴う転居などのケースについて、本市では実態を把握しておられるでしょうか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 運転免許証の返納後の状況につきましては、制度を所管している福岡県警に確認いたしましたが、返納後の転居などの状況は把握していないとのことであり、本市としても把握できておりません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 市内から市内への転居という、特に高齢者の方を対象に、もしよかったら区役所の窓口などで任意のアンケートをとってみてほしいなというふうに思います。恐らく何か見えてくる状況があるのではないかなというふうに、私は肌感覚ですが、今感じております。
 今、現に起きていると思っていますのは、いつまでも住みなれた地域でという多くの市民に共通する願いが運転免許証の返納のためにかなわないという事態であります。山裾や山合いのコミュニティというのが、今後、加速度的に衰退するということにもつながってしまうのではないかと思っています。
 今述べたような事態は、本市の各種計画に掲げられております理念や方針に照らして好ましくないというふうに思っております。
 お尋ねいたしますけれども、住みなれた地域でいつまでも暮らしていけるまちづくりということについて、保健福祉総合計画にどのように規定をされておりますでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 平成28年6月に策定いたしました福岡市保健福祉総合計画におきましては、市民が自立し、かつ相互に連携して支え合うという精神のもとに、高齢者や障がいのある方を初め、全ての市民が一人の人間として尊重され、住みなれた家庭や地域で安心して暮らし続けることができるハード、ソフト両面に調和がとれた健康福祉のまちづくりを基本理念として掲げ、各種施策に取り組むことといたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 答弁にありましたとおり、基本的な理念の一つという位置づけになっているというふうに思います。それゆえに、生活交通の確保やあるいは買い物支援といった観点で、本市でもこれまでさまざまな試験的な取り組みがなされてまいりました。午前中の質疑では、川上晋平議員から本市総合計画に絡めて言及がありましたけれども、私も一つの事例として、東区の香住丘校区のふれあいかすみ号の取り組みについてお尋ねをしたいと思います。
 この事業では、平成28年度から本市が車両を貸与しまして、地域の皆さんがボランティアで運転をしたり、付き添いをしながら、買い物の足を支えておられます。
 このふれあいかすみ号の取り組みについて、本市はどのような評価をしておられるか、お尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 買い物支援につきましては、香住丘校区におけるモデル事業を実施していく中で、運転ボランティアなどの担い手や車の確保、運行ルートやシフトの調整といった地域の負担の軽減などの課題も把握できておりまして、この買い物支援自動車モデルについて、より安定的に事業を継続できるよう検討するとともに、他の手法も含めて、より多様で持続可能な仕組みづくりが必要であると認識をしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 地域の負担も決して小さくないというふうに拝察をいたします。また、持続可能性という点では、課題もあるという認識であったというふうに思います。
 どこの地域でもこれはできることではないんだろうなというふうにも感じているところです。地域が主体となる取り組みが全市に今後広がっていくというふうに考えておられるか、その点を伺いたいと思います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 超高齢社会が進展し、社会の支え手が減少する一方、支援を必要とする高齢者は増加することが見込まれておりまして、日々の暮らしの中で必要な買い物の支援に当たりましては、多様な主体の参画、多様な地域資源の活用などにより、持続可能な仕組みとしていく必要があると考えております。このため、買い物先への送迎のほか、移動販売車の運行や臨時販売所の開設、商店街等による宅配など多様な方法を民間の活力や地域の支え合いの力、ICTといった新しい技術など多様な社会資源を生かして、地域の特性やニーズに応じて、それに適した支援が行えるよう、多様で持続可能な買い物支援の仕組みづくりに取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) やはり持続可能性というところで多様な主体という言葉がたくさん出てきたんですけど、私個人的には民間の営利活動のベースにしっかり乗っていく仕組みでないとやはり厳しいのではないのかなということを感じているところであります。
 私たち自由民主党福岡市議団では、去る6月ですけれども、港湾空港局と西鉄などが連携をして、今、西鉄が中心になって実証運行しておられるオンデマンドバス「のるーと」について、管内視察の一環で見学をさせていただいてまいりました。
 この「のるーと」ですけれども、アイランドシティを中心に今、運行されております。スマートフォン対応の専用アプリから配車予約や決済ができる仕組みで、決められた時刻表がなく、利用者が乗りたいときに予約ができて、アイランドシティ地区内などに設置されたミーティングポイントで乗りおりできる、タクシーとバスの中間をいくようなサービスであります。民間の活力で維持をされ、しかも、安い費用負担で利用できる生活交通というのが私は理想だというふうに思っておりますけれども、「のるーと」は一つのモデルとして今後の展開が期待できるように感じました。
 いつまでも住みなれた地域で市民が暮らしていけるということを主眼にして、生活交通の確保が必要だというふうに思っております。今後のさらなる高齢化の進展を念頭に、待ったなしの課題である生活交通の確保に向けての所見並びに意気込みを聞かせていただきたいというふうに思います。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 高齢化の進展などに伴いまして、今後も生活交通の重要性が高まっていく一方で、郊外部における人口減少やバス乗務員の不足などによりまして、バス路線の維持にも課題が生じているところであります。このため、まず、生活交通条例に基づく休廃止対策や不便地対策などにしっかりと取り組んでいくとともに、新たなモビリティーサービスの技術革新の動向も注視しながら、関係局と連携し、地域の実情に応じた生活交通の確保に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 冒頭申し上げたとおりで、請願が採択されたという経緯もありますので、しっかりお願いをしたいというふうに思っております。
 冒頭に申し上げた卒モータリゼーションという勝手に自分でつくった言葉なんですけど、そういった時代の社会参画という観点から、高齢者乗車券のサービスについても、高齢者の社会参画の促進のためには欠かせないものになっているというふうに思っております。
 きょうはこの高齢者乗車券の細かな問題について幾つかお尋ねしたいんですが、まず初めに、サービスの概要について簡単に御説明をお願いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 高齢者乗車券交付事業につきましては、高齢者の社会参加を促進するため、満70歳以上の方を対象に公共交通機関の乗車料金の一部を助成する事業でございます。地下鉄や西鉄、JRなどの全国相互利用サービス対象の路線で利用できる交通用福祉ICカードやタクシー助成券など5種類の乗車券の中から1種類を選択していただき、交付しております。交付額は、所得や申請時期で異なりますが、年額1万2,000円または8,000円を上限といたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 今、御紹介がありました。
 では、サービスの対象となっている高齢者の方の人数の過去3年間の推移をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 高齢者乗車券の対象者数につきましては、平成27年度が16万4,127人、28年度が17万4,236人、29年度が19万4,453人となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 今、ふえているなという印象を受けました。福岡市の人口増加のペースと同等か、それ以上に高齢者乗車券のサービス対象者はふえているということです。
 今回は、特に今答弁にありました中でも交通用福祉ICカードでサービスを利用している方のことをちょっと話題にさせていただきます。この交通用福祉ICカードは、はやかけんをベースにしておりますので、今回の質問では単にはやかけんということにさせていただきます。このはやかけんを選択した場合、サービス対象の高齢者の方はどのような方法で交付を受けておられるのか、お尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 高齢者乗車券につきましては、各区役所などにおいて申請の受け付けと交付を行っておりまして、そのうち、交通用福祉ICカードにつきましては、所得及び申請月に応じた金額をチャージして交付しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) このはやかけんですけれども、高齢者乗車券全体で見たとき、5つのサービスがあるということでありましたけれども、どのような割合で利用されているというか、選択される率というか、その点をお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 高齢者乗車券の交付数に占めます交通用福祉ICカードの割合につきましては、平成29年度の実績で80.4%となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 8割がはやかけんということでありました。
 このはやかけんについてですけれども、地下鉄、私鉄、バスなど交通機関の種別ごとの利用割合をお尋ねしたいと思います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 交通用福祉ICカードの交通機関別の利用割合につきましては、平成29年度の実績で西鉄バスが58.7%、地下鉄が18.8%、JR九州の電車及びバスが11.4%、西鉄電車が10.4%となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 答弁にあったように、バスが約6割、60%近くであります。地下鉄の実に3倍もバスを利用しておられるということになるわけですけれども、ここでちょっと1点疑問が湧くんですけど、そもそも何ではやかけんなんだろうと。
 はやかけんにチャージをして交付をすることになった経緯について御説明をいただきたいと思います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 交通用福祉ICカードにつきましては、主な交通機関が従来の磁気カードからICカードに移行したことに伴い、地下鉄、西鉄、JR九州の相互利用に対応する乗車券として平成22年度に導入したものでございます。高齢者乗車券交付事業は、高齢者の社会参加の促進を目的とした事業であることから、公共交通機関のみで利用できるよう電子マネー機能のないカードとする必要があったため、関係事業者と協議を行い、協議が調った福岡市交通局のはやかけんをベースに専用カードを開発しております。また、導入に当たっては、交付用チャージ機の開発や地下鉄券売機の改修などを実施いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) いろいろな設備投資とか、システムの改修とか、駅の券売機の改修とか、いろんなことが必要だったので、市がやることになったのかなというふうには思います。
 ただ、ちょっと細かいことを申しますと、西鉄バスの利用をされる方なんですが、バスの都心部への乗り入れを減らす同社の取り組みというのがあっていまして、例えば、大橋駅ではバスからバスへ乗りかえをしてもらっている。ある程度の本数、バスをそこでまとめて、都心に乗り入れるバスを減らしておられるわけです。これはとりもなおさず、都心部の渋滞対策という政策的な本市の取り組みとも直接関係があるというふうに思っております。
 西鉄バスに西鉄の交通系ICカードでありますニモカを使って乗車する場合、バスからバスへの乗りかえを行った場合に利用時に最大80円分の割引を受けることができるわけです。乗りかえの初乗り運賃軽減のためにこういうことをしておられるわけですけれども、しかしながら、はやかけんで西鉄バスの乗りかえをしたときにはこの還元が受けられません。地下鉄から離れた地域の高齢者乗車券の利用者にとっては、ニモカにチャージをしてもらったほうがよっぽど都合がよいのではないかというふうに思うわけです。
 はやかけん以外の交通系ICカードを選択できるようにならないでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 交通用福祉ICカードは、高齢者乗車券専用に交通機関のみで使えるように特別な仕様で開発したカードでありまして、ほかの交通系ICカードを選択できるようにするためには、各事業所において、新たに電子マネー機能を外したカードを開発する必要がございます。その場合、技術的な問題を初め、機器や専用線の導入など物理的な問題、さらには費用負担の問題などさまざまな課題がありまして、その対応は難しいものと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 高齢者乗車券の制度の仕組み上──仕組みというか、趣旨上ですね、コンビニとかスーパーとかで、ピッとやって買い物ができるということではいけないということで、いわゆる交通系ICカードをベースにした高齢者乗車券のICカードは電子マネー機能を外してあると。私鉄とか、民間企業のICカードでそれをやろうというぐあいには、まず、電子マネー機能を外すところからやっていただかなければいけないということだったと思います。
 ただ、比較のためにお尋ねいたしますけれども、一般的な、いわゆる高齢者に限らず、全ての方が利用されているはやかけん、これで地下鉄を一駅の区間利用した場合、後日100円分のポイントが還元される仕組みになっていると思います。また、そもそも一駅に限らず、市営地下鉄を利用するとポイントが還元される仕組みになっているというふうに思いますが、高齢者乗車券のはやかけんで地下鉄を利用した場合、この一駅区間の100円分のポイント還元あるいは全線利用のポイント還元は受けられるんでしょうか、お尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 交通用福祉ICカードで市営地下鉄を利用した場合につきましても、はやかけんと同様にポイントが付与されます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) これまでのやりとりをまとめますと、高齢者乗車券の利用者の8割がはやかけんを選択して、そのうち、2割弱が地下鉄を利用して、この方々はポイント還元が受けられる。西鉄やJRを利用しておられる約8割はポイント還元を受けられないということになっています。
 今、西鉄と申し上げたのは、バスも当然含みますけれども、高齢者の社会参画の促進のためには、出かけたくなる仕組み、あるいは出かけやすい仕組みが大事だと思っております。今、経済的に余裕がある方が比較的多いのも高齢者の世代であります。しっかりまちに繰り出して、さまざまな消費をしていただくというためにも、高齢者乗車券の制度をより使いやすいものにしていただきたいというふうに思います。
 とりわけ、ほぼ政策的に現金を給付するようなケースに当たると思うんですが、少しでも政策効果が大きいほうがよいというふうに思います。バスで乗りかえをするごとに小さなロスが出てしまっている現状は非常にもったいないし、今回例にとった大橋駅の乗りかえで御協力をいただいている南区方面の方にとって、政策的に与えられるお出かけの機会が最大限に有効活用できない事態になっているというふうに思います。
 以上、やれ80円だ、それ100円だと細かい話をするもんだというふうに思われたかもしれませんが、3期目の最初の質問の機会でもありまして、細かいことを見落とさないというふうな決意表明と御理解いただきたいというふうに思います。
 高齢者の社会参画促進の観点で、この質問の最後に、今回の質問で指摘させていただいたこもごもの課題の改善に向けて善処をお願いしたいというふうに思いますが、所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 高齢者の社会参加は、生きがいのある毎日を送り、健康を維持していくためにも重要であると考えております。高齢者乗車券につきましては、70歳以上の市民の方々に広く認知され、利用されている事業であり、今後とも、さまざまな課題を踏まえながら、利用者の利便性向上に向けて改善や工夫を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) よろしくお願い申し上げます。
 次に、妊娠期の女性への支援についてということで質問させていただきます。
 去年、妊婦加算という言葉が話題になりました。いわゆる妊娠期の女性が病院にかかると診療報酬が加算される仕組みであります。平成30年度の診療報酬の改定で新設されたと認識していますけれども、これは非常に厳しい意見が相次ぎました。
 お尋ねいたしますが、いわゆる妊婦加算が設けられた背景と凍結に至った経緯をお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 妊婦加算につきましては、国によりますと、妊婦の外来診療に関して妊娠の継続や胎児に配慮した診療が必要であることから、通常よりも丁寧な外来診療を評価することで妊婦がより安心して医療機関を受診できるよう、平成30年度の診療報酬改定で新設されたものでございます。しかし、コンタクトレンズの処方など妊婦でない患者と同様の診療を行う場合に妊婦加算が算定されるなど加算の趣旨に反するような事態や、妊婦の自己負担が増加することに対する指摘があり、平成31年1月の診療分から当分の間、妊婦加算については算定を見合わせることになったものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 御答弁にもありました。コンタクトレンズをつくるということで、例えば、眼科にかかられても、妊婦であるということで追加の負担が生じるということです。こういうところで妊婦税とかいう批判も出たように記憶をしております。
 時に妊娠期の女性の医療費について、福岡市の現状はどうなっているのか、お尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 妊娠期の女性の医療費につきましては、福岡市全体の統計はございませんが、福岡市国民健康保険において妊婦加算が計上された平成30年4月から12月までの調剤を除く医療費は約1億3,000万円となっておりまして、この値から1人当たりの年間医療費を算出しますと約11万円となります。なお、妊娠期の女性に対しましては、妊娠期間中に14回の妊婦健康診査の公費負担を行い、出産時には御加入の健康保険から出産育児一時金の支給がございますが、これらは先ほど約11万円と申し上げました医療費には含まれておりません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 私も今回の質問に向けて、いろいろやりとりさせていただくまで知らなかったことなんですけれども、妊娠中の女性に関係する医療費を拾い上げるということ自体がそもそも本当はできなかったというか、難しかったということだったようです。妊婦加算が計上された9カ月間だけ、本市でも国保の加入者に関してのみデータが集まったというか、残ったということになります。そこからの推計で、今、御答弁もいただきました。1人当たり11万円ということでした。福岡市では、年間約1万4,000人の女性が出産を迎えておられまして、その医療費の3割を自己負担として、先ほどの数字で単純に計算いたしますと、薬を除くあるいは出産一時金を除くということでありますけれども、妊婦にかかる医療費は恐らく4億6,000万円程度になるというざっくりとした推計ができるかと思います。
 今回の質問では、仮にこの妊娠期の女性に関する医療費を本市が補助、助成した場合にどうなるのかということをちょっと話題にしたいと思うんですけれども、その参考としてなんですが、妊娠期の女性の医療費について、他の政令市における取り組み、何かありましたら御紹介ください。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 妊娠期の女性の医療費につきましては、政令指定都市では新潟市において、健康保険の診療対象となる医療費に対して助成を実施されてあります。具体的には、所得税非課税世帯の妊産婦に対して、申請日の翌月1日から出産日の翌月末日までの医療費の自己負担相当額のうち、市が設定した負担額を除いた額が助成されてあります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 新潟市で事例があるということでした。
 では、この新潟市における決算額をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 新潟市における妊産婦医療費助成事業の平成29年度決算額は79万1,458円でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 調崇史議員。
○15番(調 崇史) 79万1,000円ということで、そう大きくはない金額でありますけれども、新潟市の妊娠期の女性の医療費支援というのは、新潟市における子ども医療に対する医療費助成と同じ時期、昭和58年から取り組んでおられるということでありました。金額は御答弁のとおり、そんなに大きくないのと、所得の高くない方に限っているという点で、決して幅広な取り組みとは言いにくいところがありますけれども、ただ、さまざまな御苦労の中で新しい命を大切に育んでおられるお母さん方にちょっと優しいという点で、私は非常に渋いというか、非常に光るなというふうに感じたところであります。
 今回の質問では、私もさわり程度ということにとどまるわけなんですけれども、思いますのは、国難ともいうべき少子化の時代であります。人口減少の時代であります。産業構造上、若い女性が非常に多く活躍しておられる本市でありますし、まさにこの出産という、とうとい一大事業に臨まんとされるお母さん方に医療費の心配は要らないよというメッセージを発することができれば、これは非常にさまざまなところで大きな意味があるというふうに思っております。
 本市でも妊娠期の女性の医療費の無償化について、まず、必要経費や課題等を研究していただきたいというふうに思いますけれども、御所見をお伺いして質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 妊娠期の女性の医療費につきましては、国における妊産婦に対する診療のあり方についての議論の動向を注視するとともに、政令市の状況、福岡市におけるひとり親、障がい者など他の医療費助成制度や他の母子保健施策との関連性など幅広い観点から、関係局と連携しながら研究してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇)登壇 私は緑と市民ネットワークの会を代表しまして、生活道路の交通安全対策について及び建築紛争予防条例の問題点について質問します。
 まず、生活道路の交通安全対策について質問します。
 国、自治体、地域の取り組みで交通事故発生件数は、国の調査によると、この10年間ほどで大幅に減少していますが、生活道路の交通事故はいまだ10万件ほど起こっています。そこで、生活道路での交通事故発生状況及び対策について質問します。
 まず、福岡市における直近5年間の歩行者、自転車が関係する交通事故件数の推移について説明を求めます。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席で行います。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 福岡市内における歩行者や自転車が関連する交通事故件数の過去5年間の推移につきましては、歩行者が関連する交通事故件数は、平成26年が1,143件、27年が1,307件、28年が1,129件、29年が1,117件、30年が996件となっており、自転車が関連する交通事故件数は、平成26年が2,812件、27年が2,582件、28年が2,246件、29年が2,271件、30年が1,859件となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) では、政令市における福岡市の10万人当たりの歩行者、自転車事故の件数はどうなっているでしょうか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 福岡市の人口10万人当たりの歩行者や自転車が関連する事故件数につきましては、平成30年は歩行者が62.9件、自転車が117.5件となっておりますが、各政令指定都市において同様の条件で公表された資料がなく、政令指定都市間の比較はできておりません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) では、全国において、2017年の生活道路における人口10万人当たりの死傷事故件数と死亡事故件数で最も多い年代はどのようになっているのか、また、福岡市では全国と比べてどうなっているのか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 全国の2017年の生活道路における人口10万人当たりの死傷事故件数や死亡事故件数の年代別の状況につきましては、国土交通省の資料によりますと、年代別死傷事故件数では小学生が25.2件で最も高くなっており、年代別死亡事故件数では75歳以上の高齢者が0.44件で最も高くなっております。また、福岡市においては、年代別死傷事故件数では小学生が41.3件で最も高くなっており、年代別死亡事故件数では75歳以上の高齢者が0.64件で最も高くなっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 答弁のように、小学生の事故、そして高齢者の死亡事故、福岡市は全国平均に比べて高くなっております。
 生活道路における事故において、衝突速度が30キロを超えたとき、致死率はどのように変わるというふうに言われていますでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 生活道路におきまして事故が発生した場合、その致死率は、国土交通省によりますと、衝突速度が時速20キロメートルから30キロメートルの場合が0.37%であるのに対しまして、時速30キロメートルを超えた場合は1.56%でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) では、歩行中、自転車乗用中における人口10万人当たりの交通事故死者数について、先進7カ国における国際比較で日本はどのような状況でしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 歩行中、自転車乗用中における交通事故死者数につきましては、国土交通省によりますと、日本は人口10万人当たり2.0人と、先進7カ国、いわゆるG7の中でも最も多い結果となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) さて、生活道路の交通安全対策において、国の第10次交通安全基本計画の中で言及されておりますけれども、そもそも国が策定する交通安全基本計画とは、国においてどういった位置づけの計画なのか、また、国の第10次交通安全基本計画での道路交通の安全についての目標及び生活道路の交通安全対策はどのようになっているか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 国の交通安全基本計画につきましては、昭和45年に制定された交通安全対策基本法に基づく計画であり、以後5年間に講ずべき交通安全に関する施策の大綱として、これまで10次にわたり策定されているものでございます。
 第10次交通安全基本計画におきましては、道路交通の安全についての目標として、平成32年度までに交通事故死者数を2,500人以下、死傷者数を50万人以下にすること、さらに歩行中、自転車乗車中の死者数を交通事故死者数の減少割合以上の割合で減少させることが設定されております。また、生活道路の交通安全対策として、最高速度を時速30キロメートルで区域規制したゾーン30を整備するなどの低速度規制や、ハンプやクランクなど車両速度を抑制する道路構造等により、歩行者や自転車の通行を優先するゾーン対策、ビッグデータの活用による潜在的な危険箇所の解消などに取り組むこととされております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 今、答弁がありましたように国の対策がとられているわけですけれども、そういった中で、国土交通省は平成27年にデバイス検討委員会というのを立ち上げております。このデバイス検討委員会で道路構造令の運用に対する基準を定めておりますけれども、その背景は何か、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 生活道路におきまして、車両の速度抑制の効果が期待できるものといたしまして、道路面を隆起させるハンプなどの道路構造がございますが、これらは平成13年に改正されました道路構造令に既に位置づけがなされていたものでございます。しかしながら、こうした構造物の設置についての技術基準は当時示されておらず、道路管理者に設置のノウハウがなかったこと、また、地域住民と道路利用者との合意形成が困難などの理由によりまして、ハンプ等の設置が全国的に十分浸透していなかった状況がございました。このため、平成27年3月、国土交通省におきまして、ハンプ等の設置に係る技術的知見や理解の促進につきまして、専門的見地から審議を行うため、生活道路における物理的デバイス等検討委員会が立ち上げられ、平成28年3月にハンプ等の設置についての技術基準が定められたものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 国の調査では、生活道路において30キロ規制をしても、実際の通行車の速度は40キロから50キロ以上が多く、30キロ未満での通行車はほとんどいないという結果があります。生活道路での交通事故を抑制するとともに、事故の被害を軽減するためには、30キロ未満での走行を確保する必要があり、道路の構造を変える必要性を国も強く認識しており、デバイス検討委員会が立ち上がった、そういう経緯があります。そこで、以下、生活道路の構造変化の取り組みについて質問をいたします。
 国の第10次交通安全基本計画における生活道路の交通安全対策を受けて、ハード対策について、福岡市はどのように計画を立て、実施しているのか、また、福岡市におけるコミュニティ道路、コミュニティゾーン、ゾーン30の経年的な取り組みの状況について説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 国の第10次交通安全基本計画におきまして、福岡市は平成28年10月、第10次福岡市交通安全計画及び実施計画を策定いたしました。この中で、生活道路における交通安全対策、これに向けたハード対策といたしましては、交通管理者が指定するゾーン30、これにあわせまして路側のカラー化や路面標示の設置等を実施することといたしております。
 次に、これまでの取り組み状況でございますが、まず、コミュニティ道路につきましては、通過車両を減らすとともに、車両の速度を抑制する目的で車道を蛇行させるなどの整備を行ったもので、昭和56年度から昭和62年度までの間に中央区の市道荒戸1187号線など5路線の整備を実施いたしました。
 次に、コミュニティゾーンにつきましては、25ヘクタール程度の住居系地区におきまして、ハンプなどの道路構造の工夫と速度規制を組み合わせ、面的整備を行ったものでございまして、平成11年度から平成24年度にわたり、南区若久地区を初め、4地区におきまして整備を実施いたしました。
 次に、ゾーン30につきましては、平成23年度から平成30年度にわたり、58カ所で整備を実施いたしました。このうち、薬院、平尾、平丘町地区におきましては、ETC2.0から得られた急ブレーキや速度超過などの走行履歴のビッグデータが活用され、平成31年3月、当該危険箇所にハンプや狭窄を付加した安全対策を実施したものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 以上、生活道路の交通安全対策について確認してきましたが、具体的に早良区で実施されようとしているオレンジ通りの直線化についてお尋ねします。
 まず、西新一丁目のオレンジ通りの事業名と事業内容及び予算について説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 西新一丁目の市道西新78号線、通称オレンジ通りの整備でございますが、区役所が実施する交通安全事業として取り組んでいるものでございます。
 次に、事業内容につきましては、道路のバリアフリー化を図るもので、ベビーカーや車椅子がすれ違える有効幅員2.0メートルの歩道を車道の両側に確保し、歩道面につきましては、滑りにくく、水はけのよい透水性舗装で施工するなどの計画でございます。また、令和元年度当初予算につきましては、約6,516万円でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) では次に、オレンジ通りのクランクが整備された経緯について説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) オレンジ通りを現在の形状に整備した経緯でございますが、国土交通省が昭和56年に策定した第3次交通安全施設等整備事業五箇年計画におきまして、コミュニティ道路の整備事業が新規施策として位置づけられたことを契機に、オレンジ通りをコミュニティ道路として整備することとしたものでございます。
 整備内容でございますが、歩道部につきましては、幅員1.5メートルを標準とする歩道を両側に配置し、車道部におきましては、通過交通の抑制に向け、一方通行化とし、さらに速度を抑制する観点から、最小の幅員である3.0メートルとするとともに、クランクを取り入れたものでございます。以上の内容につきまして、地域での合意をいただき、昭和60年度から昭和61年度の2カ年で整備をしたものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) では、オレンジ通りの今回の整備目標について説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) オレンジ通りにつきましては、平成23年1月12日に地域から歩道改良の要望書をいただいており、その理由といたしまして、歩道舗装の傷みによるがたつきや水たまりが発生していること、歩道幅員が狭く、傾斜が急な箇所もあるため、高齢者や障がい者が歩きづらいことなどの御意見が付されております。改良の検討に当たりましては、西新、藤崎地区が平成14年3月に策定されました福岡市交通バリアフリー基本方針におきましてバリアフリー重点整備地区に指定されたことを踏まえまして、福岡市福祉のまちづくり条例の整備基準等に沿い、ベビーカーや車椅子等のすれ違いを考慮した有効幅員2メートルの歩道を両側に確保し、誰もが安心して歩ける歩道とすることを目標としているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) では、オレンジ通りはバリアフリー重点地区に含まれているにもかかわらず、道路直線化を計画した理由は何なのか、また、さまざまな住民の声に対して早良区はどのように対応してきたのか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) オレンジ通りの現況は、クランクにより車道を蛇行させているため、歩道幅員が最小で1.2メートルの部分がございます。福岡市福祉のまちづくり条例の整備基準を踏まえますと、ベビーカーや車椅子等のすれ違いに配慮した幅員として2.0メートル、さらに電柱などの路上施設の設置余裕を含めますと、幅員2.5メートルの歩道を両側に整備する必要がございます。このため、早良区が計画いたしました当初案におきましては、現況の道路幅員内ではクランク等による車道を蛇行させる余裕幅は生まれず、結果的に車道が直線的な形状になったものでございます。
 次に、早良区役所の対応でございますが、オレンジ通りの整備計画につきましては、地域の御意見を伺う場として、早良区役所が平成30年8月21日から令和元年6月18日までに4回の地元説明会を実施したところでございます。
 その第1回説明会におきまして、先ほどお答えいたしました当初案をお示ししましたところ、車道の形状や無電柱化、植栽など多岐にわたり御意見をいただいたところでございます。第3回の説明会までに御意見が多かった車道の形状につきましては、第4回の説明会におきまして、道路幅員にやや余裕がある一部の区間におきまして、クランクを取り入れた整備案を改めて提示させていただいたところでございます。さらに地域の御意見を改めてお伺いするため、早良区役所と地域とで協議を行い、オレンジ通りの整備に関するアンケートを令和元年7月24日から8月31日まで地域が主体となって実施いたしたところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) バリアフリーの重点地区であるオレンジ通りは、直線化ではなくて電線地中化が必要ではないかというように思いますが、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 福岡市では防災上の観点から、また、安全、円滑な交通確保や、さらには景観形成、観光振興の観点からも、電線類を地中に埋設する方法により無電柱化を推進しているところでございます。無電柱化には多額の費用を要することから、昭和61年度から計画的に整備を進めてきており、令和元年6月には新たな無電柱化推進計画を策定したところでございます。
 本計画におきましては、昨今、激甚化した自然災害が頻発していることから、災害直後からの物資供給や緊急車両の通行を確保すべき緊急輸送道路を優先して無電柱化を進めていくこととしており、おただしのオレンジ通りにつきましては、現計画には位置づけを行っていないところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 今、答弁がありましたけれども、問題は早良区で直線化を提案したときに、1つは、そもそもいわゆる生活道路の安全という視点から、直線化そのものが疑問視される声が出ていたわけです。そして、もし本当に必要であれば、いわゆるハンプを設置する等のそういった代替案を提案して、きちんと生活道路の安全対策について説明すべきところを、何とその職員はハンプは音が出るから設置できないと、こういった発言をしているわけです。こういった住民に対する対応を見ると、これでは早良区職員は市の取り組みを知らないのではないかと思われます。
 生活道路における交通安全対策及び福岡市の取り組み状況は全市的に共有されているのか、私は疑問を持たざるを得ません。所見を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) おただしの生活道路における交通安全対策等に関する区役所との情報共有でございますが、定期的に開催している会議等の機会を捉え、関係部署間で密に情報共有を行っているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 9月2日付、日経新聞の医療、健康欄には、歩きやすい街、お年寄り元気、車通り抜け防止、広く安全な歩道と記事が掲載されていますが、オレンジ通りの先進的な取り組みを否定するような早良区職員の認識について、市としての所見を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) オレンジ通りの改良事業につきましては、福岡市福祉のまちづくり条例の整備基準で定める歩道幅員を確保しつつ、車道幅員につきましては、速度の抑制を見込める最小の3.0メートルで計画しているところでございます。この車道幅員は現況と同様でございますが、コミュニティ道路として整備をした経緯も踏まえました上で、今般、ユニバーサル都市・福岡の理念に基づき、バリアフリーの基準に最大限沿った検討を進めているところでございます。今後は、地域が先般行ったアンケートの結果を踏まえるなど地域との合意形成にこれまで以上に意思疎通を図りながら進めていく必要があると、このように考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 先ほどの7月から8月にかけて地域でとったアンケート結果を見ますと、約7割の方は現状でよいと答えているわけです。このことを踏まえると、現計画は白紙撤回の上、地域での合意形成を行うと理解されます。日経新聞の記事のように、生活空間における安心、安全な歩道はこれからますます重要になっており、国においても、市においても生活道路の交通安全対策が進められており、オレンジ通りはこの取り組みを踏まえた整備がなされるべきです。
 次に移ります。
 建築紛争予防条例の問題点について質問します。
 建築紛争予防条例における説明の義務について、相変わらず形式的な資料の投げ込みで説明を済ませていることについて、市の認識を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 福岡市建築紛争の予防と調整に関する条例、いわゆる建築紛争予防条例におきましては、一定規模以上の建築物について、建築主が当該建築物の計画概要を近隣住民へ周知する標識を設置するとともに、建築計画や施工方法などについて事前説明を行うように義務づけております。事前説明の方法につきましては、戸別に訪問し、面談により行うことを原則としておりますが、日時を変えて3回訪問しても不在等でやむを得ない場合は、建築主等の連絡先を記載した不在連絡票とともに、説明資料の投函による周知を認めております。また、近隣住民から説明を求められた場合には適切に対応するよう指導しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 今のような説明で事前説明の義務を果たしていると言えるのでしょうか、実態は脱法行為が繰り返されているという認識はないでしょうか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 事前説明につきましては、繰り返しになりますが、訪問時間などを工夫し、所有者、管理者、居住者それぞれにできるだけ面談で対応するよう指導しております。また、日時を変えて3回訪問しても不在等の場合は、不在連絡票と資料一式を投函するとともに、建築計画の説明を受けたいとの申し出があれば適切に対応するよう指導しており、脱法行為がなされているという認識はございません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 福岡市は、3回訪問して不在のときは資料の投函でよいと、事実上、脱法行為を追認していますが、神戸市や名古屋市などの紛争予防条例等ではそのような記載はありません。神戸市では、説明会の議事録をつくることを双方に指導しています。福岡市の条例がいかに甘いか、問題です。
 次に、建築物解体時の事前説明の必要性について質問します。
 西新四丁目の事例では、解体工事の影響による道路陥没が起こっていますが、近隣住民に対する事前の説明及び事前の家屋調査が必要ではないのか、法及び市の条例ではどのような扱いになっているのか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 一定規模以上の建築物が建築される場合には、良好な近隣関係の保持や、新たな建築物と周辺の居住環境との調和が必要となりますことから、建築紛争予防条例に基づきまして、近隣住民に対して事前説明を行うことを義務づけております。一方、建築物がなくなる解体工事につきましては、そうした配慮の必要性が低いことから、条例上に近隣住民に対する事前説明や事前の家屋調査に関する規定はございません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 配慮の必要性は低いと言っていますけれども、建築物解体時に騒音、振動、粉じん、交通問題、アスベストなど環境に配慮すべきことが多い。これは、今回指摘している解体工事でも振動による被害や隣接する道路での陥没事故が起こっており、解体時には近隣住民に対する事前説明及び家屋調査を義務づけるべきと考えますが、所見を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 建築物解体時においても、一般的には解体業者と近隣住民との話し合いの上、事前説明や家屋調査などが適宜行われていると仄聞しておりますが、さきに答弁いたしましたように、建築物がなくなる解体工事につきましては、事前説明等の義務づけまでの必要性は乏しいのではないかと考えております。なお、他の全ての政令市の条例におきましても、建築物解体工事のみの事前説明等を義務づける規定はございません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 横浜市では、中高層建築物の建築と既存建物の解体工事をあわせて行う場合においては事前説明を義務づけており、名古屋市では事業者に事前説明を指導しています。東京都23区の多くの区や枚方市などでは条例や要綱で事前説明を義務づけており、福岡市の認識はおかしいのではないかと思います。解体時に具体的に被害が生じているので、以下質問をします。
 西新四丁目で建築物解体に伴って起こった道路陥没事故の費用負担についての市の考えを求めます。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 御指摘の道路損傷は、西新四丁目地内のビル建築予定地と市道との境界付近で生じたもので、長さ40センチ、幅10センチ、深さ10センチほどのくぼみでありましたが、市民からの通報を受け、早良区役所におきまして、令和元年6月7日に緊急補修を行ったものでございます。くぼみの原因につきましては、地下埋設物に起因することもありますため、現地を調査いたしましたが、埋設物の破損など周辺に異常はございませんでした。
 一方、建築予定地におきまして、当時、解体工事が施工されていたことから、当該工事の内容につきまして、施主側に問い合わせを行っているところでございます。なお、道路損傷の原因者が特定できた場合は、道路法第58条の規定に基づき、原因者負担金として補修に要した費用を請求することとなります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 西新四丁目において解体工事が土どめをせずに実施されており、道路に隣接する解体工事が原因であることは一目瞭然です。なぜ原因を特定しないのか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 道路損傷の原因につきましては、地下埋設物の破損など路面下に異常はなかったことから、解体工事との関連につきまして、現在、施主側に工事内容を問い合わせているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 西新四丁目の陥没した道路は1カ所だけではありません。区が補修した箇所は1カ所ですが、別の箇所は解体事業者が補修しています。区は、この補修について申し出を受け、かつ了承したのか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 補修箇所につきましては、早良区役所が補修しました1カ所のほか、建築予定地と市道との境界付近に4カ所を確認しております。この4カ所の補修につきましては、道路管理者が行ったものではないことから、建築予定地での解体工事との関連につきまして、施主側に問い合わせを行っているところでございます。なお、早良区役所では、当該4カ所の補修につきましては、事前にお申し出等はお受けしておりません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) 市の同意なく道路の改変が許されるのか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 道路管理者以外の者が道路の工事または維持を行う場合につきましては、道路法第24条によりますと道路管理者の承認が必要となりますが、道路の維持で軽易なものにつきましては、承認を受けることを要しないものと規定されております。なお、先ほどの答弁で申し上げましたとおり、4カ所の補修につきましては、現在、建築予定地での解体工事との関連につきまして、施主側にお問い合わせを行っているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) この陥没事故は、もう既に3カ月を経ております。3カ月経過しているにもかかわらず、原因者の確認ができない理由は何なのか、改めて明快な回答を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 早良区役所が補修いたしました1カ所及びその他4カ所の補修箇所につきましては、早良区役所と道路下水道局で情報を共有し、この間、対応について協議を行ってきたところでございます。現在、道路管理者である早良区役所から解体工事との関連につきまして、施主側に問い合わせを行っているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) この間、建築紛争予防条例に関して質問してきました。建築紛争予防条例は、脱法行為を容認する欠陥条例です。3回訪問して留守のときは資料の投函でよいという条項は削除すべきです。また、説明及び説明会開催については、義務づけをもっと明確にするとともに、説明または説明会がなされたときは議事録を作成し、双方で確認することを義務づけることが必要です。
 建築物解体時には、アスベストを初め、騒音、粉じん、振動、工事車両の問題など考慮すべき事項は多く、現に西新四丁目では被害を生じさせています。解体時には、アスベストについては全ての建築物の調査が義務づけられています。アスベストの有無について、近隣住民に調査結果を知らせることは必要であり、あわせて工事工程の説明が必要なことは当然であり、前述のように他都市では条例で事前説明を義務づけております。福岡市においても、建築物解体時には近隣住民に対する事前説明を義務づける条例をつくるべきです。
 さらに、西新四丁目の区及び市の対応は極めて遅く、まさに不作為としか言いようがありません。早急に措置することを求めて質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) この際、休憩し、午後3時40分に再開いたします。
午後3時28分 休憩  
午後3時40分 開議  
○副議長(楠 正信) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。新村まさる議員。
○19番(新村まさる)登壇 本市では小学校入学時、生活保護世帯と就学援助世帯を対象にして入学準備金が支給をされます。
 まずは、それぞれの支給額をお尋ねいたします。
 以降は自席で行います。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 生活保護世帯に支給されます小学校の入学準備金の額につきましては、令和元年度で児童1人当たり6万3,100円となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 令和元年度の就学援助の小学校の入学準備金は5万600円です。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 子ども2人がいる4人家族の場合、生活保護及び就学援助対象世帯の年収基準をお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 生活保護につきましては、世帯の収入が保護基準額に満たない場合にその差額を支給する制度でありまして、年収基準という定めはございません。なお、保護基準額につきましては、世帯の年齢構成や世帯員の状況などで異なることから一概には申し上げられませんが、仮に30代の両親と小学生1人、未就学児1人の4人世帯を一例として令和元年度の保護基準額を年額で試算いたしますと、約290万円となります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 両親と子ども2人世帯の場合の就学援助の認定基準額を年収額で見ますと、令和元年度は約402万円でございます。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 本市の小学生のうち、生活保護の対象児童数をお尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 生活保護世帯の児童数につきましては、平成30年4月末現在で1,657人となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 1,657人、これは全体の約2%に当たります。
 次に、本市で就学援助を受ける小学生の人数と全児童数に占める割合をお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 平成30年度の小学校の就学援助の認定者数は1万7,717名で、小学校の全児童に占める割合は21.7%でございます。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) およそ4人に1人が生活保護または就学援助の対象です。
 小学校入学時にはどのような出費が想定されるのか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 小学校入学の際には、一般的にランドセル、体操服、上靴、筆記用具などの学用品の購入が想定されます。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 入学準備金には皆さんとても感謝をされています。一方で、お示しいただいた学用品のほかにも、卒園式、入学式に着用する衣類やお祝い行事への出費、学習机や新生活に向けた身の回り品の準備など、入学準備金で全ては賄えず、特に家計を圧迫する時期です。
 本市の入学児童数は平成30年度で1万3,600人ほどですが、そのうち、生活保護及び就学援助の認定を受けた小学1年生の数をお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 生活保護世帯の小学1年生の数につきましては、平成30年4月末現在で216人となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 平成30年度の小学校1年生の就学援助の認定者数は2,975名です。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 数万円を要するランドセル購入の出費が生活維持に支障を来すほど重い負担となる家庭も実際に少なくありません。一方で、使い終わったランドセルを提供したいと、こういう相談もあります。
 ランドセルなど高価な学用品をリユースする仕組み、これは市民ニーズに沿うものだと思いますけれども、所見をお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) ランドセルなどの学用品のリユースにつきましては、例えば、ランドセルにおいては、色、サイズや素材なども変化してきており、リユース品に対する保護者の考え方もさまざまであることから、今後、必要な調査を行い、課題を整理し、他都市の状況なども踏まえ、必要性も含め検討してまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) まだ利用できそうなランドセルを募集して、必要な世帯に譲渡できるような本市独自のランドセルバンク制度の検討に向けて、まずは対象世帯へのニーズ調査の実施、これを要望しておきます。また、ランドセルの収集方法や保管場所、修繕の必要性など課題の集約とあわせて、解決手法の分析作業も進めていただくよう要望いたします。
 次に、在住外国人への取り組みについてです。
 共生を目的に在住外国人の生活をサポートをしていく意義や重要性について、まずは本市の認識を確認させてください。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 福岡市では、他都市に先駆けてアジアに開かれたまちづくりを進める中、在住外国人も年々増加しております。そのような中、共生の現場である基礎自治体として、在住外国人を孤立させることなく、社会を構成する一員として受け入れていくという視点に立ち、地域住民と外国人の交流支援などを進め、日本人だけでなく、外国人にも住みやすく、活動しやすいまちづくりに取り組む必要がございます。
 また、どの国や地域から来た外国人でも福岡で安心して生活し、活動できる環境を整えることは、世界中から人、モノ、情報、さらには投資などが集まり、多様な交流による新たな価値の創造が進むなど、アジアの交流拠点都市を目指す福岡市にとって重要なことであると考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 本市の在住外国人の数とこの10年の増減数をお尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 福岡市の在住外国人の人数につきましては、平成31年3月末の登録人口は3万6,673人となっております。また、10年前の登録人口2万2,111人と比較して1万4,562人の増加となっております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 次に、在留資格についてですが、日本全体では永住者が全体の28%と最も多く、留学が12%、技能実習が12%という順に続きます。
 同様に、本市では上位3つの在留資格の人数と割合はどうなっていますでしょうか。あわせて、それら在留資格の内容も御説明ください。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 福岡市の在住外国人数の多い上位3つの在留資格につきましては、留学、永住者、技術・人文知識・国際業務でございます。
 平成31年3月末現在の在留資格ごとの人数及び割合につきましては、留学が1万2,781人で34.9%、永住者が6,777人で18.5%、技術・人文知識・国際業務が3,907人で10.7%となっております。
 次に、在留資格の内容につきましては、留学は大学や日本語教育機関に通う者など、永住者は10年以上継続して日本に在留しているなどの条件を満たす者など、技術・人文知識・国際業務は企業の技術者、通訳、デザイナーなどでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 本市では、留学の割合が34.9%と極めて高いのが特徴です。
 それでは、留学生が通う市内の大学等または日本語教育機関への在籍者数をそれぞれお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 福岡市内の大学及び短期大学に在籍する留学生の人数につきましては、福岡県内の大学、地方公共団体、経済団体及び国際交流関係団体などで構成される福岡地域留学生交流推進協議会の調査結果によりますと、令和元年5月1日現在で3,695人となっております。なお、日本語教育機関につきましては、所管する法務省が公表しておりません。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 次に、市内の大学等や日本語教育機関の留学生について、卒業後の進路をどう把握しているのか、参考になるデータがあればお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 市内の大学等に在籍する留学生の卒業後の進路につきましては、福岡地域留学生交流推進協議会においても調査されてございません。また、日本語教育機関の卒業者の進路につきましても、所管する法務省が公表していないため、把握できておりません。
 参考になるデータでございますが、大学等の留学生の育成、定着などを産学官が一体となって推進するグローバルコミュニティFUKUOKA推進プラットフォームが会員である市内の8大学に対し、平成30年度に実施したアンケート調査結果では、30年3月に大学や大学院を卒業した留学生の進路でございますが、就職が42.1%、帰国が17.7%、大学院などへの進学が14.8%、不明、その他が25.4%となってございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 日本語教育機関からの情報、これが特に集約できていないという状況です。
 この間、日本語教育機関に対して行ってきた取り組みをお尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 福岡市の日本語教育機関に対する取り組みにつきましては、災害時における電話相談など外国人支援に関する情報提供を行っているほか、福岡よかトピア国際交流財団と連携し、生活ルール、マナーの出前講座や地域住民と留学生との交流に対するサポートなどを行っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 福岡県内の日本語教育機関の数と、そのうち、本市にどれくらい設置されているのか、確認をさせてください。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 法務省の告示によりますと、令和元年8月末現在で福岡県内の日本語教育機関の数は45校、そのうち、福岡市内に設置されている数は30校でございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 先ほど在籍者は不明とありましたけれども、本市で日本語教育機関に通いながら学んでいる留学生の数は、ざっと1万人ほどいると推計されます。これら日本語学校の留学生は、専門士等の資格取得者や母国の大卒者などの一部を除いて、卒業後、就職する資格を持ちません。
 将来的な就労を目指して、どれほどが大学等へ進学しているのか、あるいは帰国者数や退学者、不法在留者数など日本語教育機関卒業者の進路情報について、本市には情報の収集、把握が求められると思いますが、所見をお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 日本語教育機関卒業者の進路につきましては、令和元年8月1日付で改定された日本語教育機関の告示基準に基づき、各日本語教育機関が令和元年10月1日以降の入学者から大学等への進学者の数や就職を目的とした在留資格への変更を許可された者の数などを公表することとされております。福岡市としても、これらの情報の収集、把握に努めていきたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) ぜひ受け身でなく、能動的な姿勢を期待したいと思います。
 留学生が集中する福岡市です。今後、市内の日本語教育機関との連携、協力の関係も必要になってきます。
本市とおのおのの日本語学校による情報交換や行政施策等の適切な伝達あるいは留学生や学校側の悩みや生活課題の集約などを目的として、市内の日本語教育機関全てを対象にした協議会設置の検討を提起いたしますが、所見をお尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 市内全ての日本語教育機関を対象とした協議会の設置については、福岡市と各日本語教育機関における情報交換や福岡市からのさまざまな行政情報の発信などは重要であることから、今後検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 外国人の居住や留学、就労は、制度環境に大きく左右されます。昨今、新たに導入された特定技能の制度下では、これまで帰国を前提としていた技能実習生、一定の要件を満たせば、この技能実習生は特定技能の在留資格を無試験で取得できるようになります。一方、日本語学校の留学生にとっても就労の道が用意されることになります。この特定技能においては、福岡でも宿泊と外食分野で既に試験が実施されており、ビルクリーニングや介護分野の試験も今後検討されております。
 中長期に本市の在住外国人数はどのように推移していくと予測しているのか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 福岡市の在住外国人数の将来的な中長期の推移につきましては、外国人をめぐる諸制度や国際情勢、景気の変動など不確定要素があり、一概には申し上げられませんが、福岡市の将来推計人口が増加傾向であることなどを考慮しますと、当面、在住外国人数も増加していくものと予測しております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 今の増加予測とあわせまして、在留資格別の動向まで着目いただいて、よりきめ細かい施策反映につなげていただくよう求めておきます。
 加えて、多国籍化も今後顕著に進みます。本市の多言語化への対応について認識をお尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 福岡市の多言語化への対応につきましては、これまで外国人に対する広報物やホームページなどについて、英語、中国語、韓国語を基本として情報提供を行うとともに、区役所窓口などにおいて、電話やテレビ電話によるオペレーターを介した通訳サービスのほか、翻訳アプリなどによる対応を進めております。また、令和元年度は18の外国語に対応する福岡市外国人総合相談支援センターや災害時外国人電話相談窓口を設置しております。さらに、増加傾向にあるベトナム、ネパールへの対応として、ベトナム語及びネパール語の生活便利帳を作成し、区役所へ転入手続に訪れた際にウェルカムキットとして配付しております。今後は、国が決定した外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策の内容も踏まえ、より多くの言語による情報提供や発信を進めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 緊急性が求められるような場面では、多言語による対応が間に合わないケースも出てきます。本市の在住外国人のうち、8割以上の方が一定程度の日本語と英語を理解しているといった調査結果もあります。
 今後、やさしい日本語や英語による支援体制の充実も大切な視点だと思いますが、本市の認識をお尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) まず、やさしい日本語につきましては、多くの国、地域の外国人に対し、迅速、正確、簡潔に情報を伝えることができることから、これまで外国人向け生活便利帳や防災ハンドブック、災害時におけるSNSでの情報発信などで活用しております。また、市民の方にも御活用いただけるように、やさしい日本語のガイドブックを公民館へ配付するなど啓発に努めているところでございます。
 次に、英語につきましては、多くの外国人が英語を認識できるため、福岡市の多言語対応の基本となる言語と考えており、災害時など迅速に情報発信を行う場合においても、やさしい日本語とともに、外国人への情報提供の言語として活用しております。今後も福岡市の多言語化の取り組みの中で英語による支援も進めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 次に、悩みや生活課題を直接相談できる体制の必要性についてです。
 本年4月に設置された外国人総合相談支援センターの役割と東区役所で行われております外国人窓口の運営についてお尋ねをいたします。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 福岡市外国人総合相談支援センターの役割でございますが、同センターでは、在住外国人からの在留手続、雇用、医療、福祉、出産、子育て、子どもの教育などの生活に係る相談を対面または電話において受け付け、適切な情報提供及び関係機関への取り次ぎを行っております。
 東区役所での外国人窓口の運営につきましては、月曜日に英語、木曜日に中国語の通訳を配置し、市内の在住外国人を対象に窓口や電話での相談を実施しております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 将来的には、身近な相談場所として各区役所へ専門の窓口を設置したり、あとは翻訳機材の活用など在住外国人からの相談体制と機能の拡充を検討すべきだと思いますが、今後の方針をお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 区役所等における外国人を対象とした相談体制の拡充につきましては、AIやIoTなどの先端技術の活用検討のほか、翻訳機器の強化や三者間通話による通訳機能の強化など外国人が福岡市で安心して暮らせる、外国人が安心して福岡を訪れることができる環境の整備に関して既に検討を進めております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) この在住外国人の増加に伴って、国籍など共通分野ごとに外国人コミュニティの活動も活発化しています。
 本市には、既にどのようなコミュニティがあるのか、また、それらの活動をどう認識しているのか、お尋ねをします。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 外国人コミュニティにつきましては、ベトナムやネパールなどの国籍別のコミュニティや留学生で構成されているコミュニティなどを把握しております。それらのコミュニティでは、日本で安心して生活するため、さまざまな悩みの相談や情報共有などが行われていると伺っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 本市を中心に活動する外国人コミュニティの把握や、それぞれコミュニティとコミュニケーションを今後図っていく必要性について所見をお尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 外国人コミュニティの把握やコミュニケーションにつきましては、在住外国人の支援を行っていく上で有意義なことと考えており、今後も引き続き外国人コミュニティの把握に努め、必要な情報提供などを実施してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 加えまして、新たにコミュニティを立ち上げようとする際の助言であったり、支援も将来的には行政の大切な役割だと思っています。また、生活課題の集約や行政施策の周知などを進めるためにも、特に国籍別のコミュニティとの定期的な意見交換の場の必要性を指摘しておきたいと思います。
 一方で、在住外国人に関する問題提起や地域課題を市民の皆さんから集約する体制も大切です。これまで以上に市民の声を集約する取り組みが進むことを期待しますが、所見をお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 市民からの在住外国人に関する相談や問題提起などにつきましては、各区役所において随時受け付けるとともに、地域に出向いて実情や課題をお聞きした上で集約した情報を関係局・区で共有し、課題への対応などを行っております。また、令和元年度は、市政アンケートの中で日本人を対象に外国人との共生に必要な課題などを調査しており、今後、その結果を踏まえ、在住外国人との共生に向けた取り組みをさらに進めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 新村まさる議員。
○19番(新村まさる) 今後、本市では就労現場を初めとして、さまざまな生活場面で在住外国人の皆さんと一緒に過ごす機会がますますふえていきます。配偶者や家族の帯同もふえますし、実際、先ほどの留学生、彼らも大学等に進学したり、技人国の在留資格を取得したり、さらには長期滞在の後、永住者となる方もふえていきます。
 在住外国人の定住化は都市の活力を生み出すと期待される一方で、これから先、最も懸念、配慮すべきは、日本人と外国人との、あるいは外国人同士によるあつれきや対立、差別の噴出です。それらを生み出し、増幅させるのは、在住外国人を取り巻く経済環境や対人関係など生活基盤の不安定や不満に起因するものが多いのが実情です。在住外国人の生活全般を支援しながら共生を目指していくことは、都市としての健全性や治安を維持するために極めて大切な考えであることを改めて強調しておきたいと思います。
 最後に、お互いを尊重し、理解し合える共生都市を目指す上で、本市の今後の責任ある姿勢を強く期待して、質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 淀川幸二郎議員。
○14番(淀川幸二郎)登壇 私は、福岡市の第1次産業の振興について、特に福岡市西区にある北崎校区、今津校区の現状を踏まえて質問をさせていただきます。
 福岡市西区の高齢化率は福岡市の平均を上回っており、西区の中でも特に北崎校区や今津校区の高齢化率が著しく、65歳以上の割合は福岡市が21.4%なのに対し、北崎校区は39.6%、今津校区は40.4%にも上がります。人口も北崎校区で2000年、3,104人あったのが、2018年には2,323人、今津校区では3,515人あったのが2,944人になっております。
 この地区の中心産業は、第1次産業の農業、漁業であります。我々が生きていく上で欠かすことのできない大変重要な産業であります。第1次産業をさらに魅力化していくことで、この地区の人口を確保していくことも重要なことであります。
 私は先日、北崎校区の農業の立て直しに熱心に取り組んでおられる知人の農家のもとを訪れ、話を聞いてまいりました。その方は、農業や漁業に従事するだけでは生活を維持できない、そういったことからやめていく方も多くいるという現状を切実に訴えていらっしゃいました。また、後継者不足の課題や農業においては、それに伴う耕作放棄地の問題が浮き彫りになっているともおっしゃっておられました。こういった声を受けて、私は改めてもっと危機感を持ち、第1次産業の振興に努めていかなければならないと考えさせられたところであります。
 私は、第1次産業の魅力を高め、課題を解決していくことは、福岡市としての魅力を大きく向上させていくことにもつながる、そのように確信をいたしております。
 それでは、まず初めに、現状を把握するために福岡市の農業従事者数と漁業就業者数の直近及び10年前との比較をお尋ねいたします。
 以上、1問目の質問を終わり、2問目以降は自席にて行わせていただきます。
 
○副議長(楠 正信) 細川農林水産局長。
○農林水産局長(細川浩行) 農業従事者数と漁業就業者数につきまして、福岡市農林水産統計書に基づき、平成20年と30年の数値の比較でお答えします。
 まず、農業従事者数は平成20年の4,976人から平成30年の3,044人へと1,932人、38.8%減少しております。また、漁業就業者数は840人から573人へと267人、31.7%減少いたしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 淀川幸二郎議員。
○14番(淀川幸二郎) 次に、新規農業者と漁業者の過去5年間の推移をお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 細川農林水産局長。
○農林水産局長(細川浩行) 新規就農者数につきましては、平成26年度7人、27年度11人、28年度16人、29年度18人、30年度21人でございます。また、沿岸漁業の新規就業者数につきましては、暦年での統計となっており、平成26年9人、27年4人、28年3人、29年4人、30年3人でございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 淀川幸二郎議員。
○14番(淀川幸二郎) 農業従事者数、漁業就業者数が減っている中で、やはり新規の農業者や漁業者の確保がとても大事になります。
 それでは、新規就農者及び就業者向けの支援にはどのようなものがあるか、お尋ねをいたします。
 
○副議長(楠 正信) 細川農林水産局長。
○農林水産局長(細川浩行) 新規就農者に対します支援につきましては、就農希望者に対する相談対応のほか、野菜栽培の基礎研修や農家から直接指導を受けるインターンシップを実施するとともに、新規就農者の経営確立を支援する助成金の交付及び機械や施設の取得費用の助成並びに低利融資等を行っております。漁業の新規就業者に対する支援につきましては、漁業就業時に必要な資格や漁具の取得費用の助成及び低利融資等を行っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 淀川幸二郎議員。
○14番(淀川幸二郎) これらの支援策をどのようにPRされているのか、お尋ねをいたします。
 
○副議長(楠 正信) 細川農林水産局長。
○農林水産局長(細川浩行) 新規就農者向けの支援策につきましては、福岡市ホームページで周知するとともに、市の相談窓口でのパンフレットの配布や農協でのチラシの配布を行うほか、新規就農を希望される方には市や農協から個別に説明を行っております。
 次に、漁業の新規就業者の支援策につきましては、市漁協の全支所に対し、直接支援策の説明をいたしており、市漁協より対象者に対し、説明を行っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 淀川幸二郎議員。
○14番(淀川幸二郎) 農業を始めようとする方の中には、これらの支援策を知らなかった、どういうものなのかわからないといった声をお聞きいたします。現段階では、新規就農に興味を持つ方は市のほうにアクセスさえすれば情報が得られるようになっておりますが、市のほうからのアプローチは少ない印象を受けております。
 もともとは、新規就農に興味のない方であっても、農業の魅力や既存の助成金制度を知るきっかけがあれば、新規就農に興味を持っていただけるかもしれません。こういった層の方々にも情報が行き届くように、もっと積極的に工夫して提供してはいかがでしょうか。
 
○副議長(楠 正信) 細川農林水産局長。
○農林水産局長(細川浩行) 今後とも、農協や農業委員会と連携し、新規就農者の情報把握に努め、適切に情報提供を行いますとともに、より一層、積極的にSNS等を活用するなど福岡市の農業の魅力を発信してまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 淀川幸二郎議員。
○14番(淀川幸二郎) 北崎、今津の農家の方からは、インターンシップをぜひ受け入れたいとの声もお聞きいたします。意欲のある農家の力もおかりしながら、今後も新規就農の支援にしっかりと取り組んでいただきますように御要望をいたします。
 次に、耕作放棄地再生事業についてお尋ねをいたします。
 まずは、制度、対象農地となる条件についてお伺いをいたします。
 
○副議長(楠 正信) 細川農林水産局長。
○農林水産局長(細川浩行) 耕作放棄地再生事業につきましては、耕作放棄地となっている農地を借り受け、利用する農業者等に対し、作物栽培の再開に向けた農地の障害物除去、整地などに係る経費を一部助成する制度でございます。対象となる農地は、従来、耕作放棄地のうち再生が容易な農地に限定しておりましたが、令和元年度より市街化調整区域の全ての耕作放棄地に拡大したところでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 淀川幸二郎議員。
○14番(淀川幸二郎) 制限をなくした理由についてお尋ねをいたします。
 
○副議長(楠 正信) 細川農林水産局長。
○農林水産局長(細川浩行) 福岡市における耕作放棄地のうち、再生が容易なものは全体の1割程度であり、耕作放棄地の解消に向けた取り組みを進めるため、重機を用いる必要があるなど再生に手間がかかる市街化調整区域内の耕作放棄地も補助対象に拡大したところでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 淀川幸二郎議員。
○14番(淀川幸二郎) 耕作放棄地再生事業の今年度の現時点での申請件数をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 細川農林水産局長。
○農林水産局長(細川浩行) 耕作放棄地再生事業の今年度の申請件数につきましては、9月1日時点で2件でございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 淀川幸二郎議員。
○14番(淀川幸二郎) 申請件数が少ないのはなぜなのかをお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 細川農林水産局長。
○農林水産局長(細川浩行) 農業者が新たに農地を借りる場合、耕作しやすく、適正に管理された農地を希望される方が多く、耕作放棄地は活用されにくい傾向にあるためと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 淀川幸二郎議員。
○14番(淀川幸二郎) 確かに耕作放棄地は活用されにくいということはわかりますが、この事業がもっと活用されやすいように工夫が要るのではないでしょうか。
 この事業は農地を借り受けることが条件であり、農業経営基盤強化促進法に基づく利用権設定の手続が必要となります。利用権設定の手続にある程度の時間がかかることはやむを得ませんが、再生事業の申請を利用権設定の手続と同時にできるようにして、時間の短縮はできないのでしょうか。また、耕作放棄地を再生するには、10アール2万5,000円では余りにも少ないという声をお聞きいたします。交付金を増額するということは考えられないのでしょうか。
 
○副議長(楠 正信) 細川農林水産局長。
○農林水産局長(細川浩行) 利用権設定に係る手続と同時に再生事業の事前申請を受けることにつきましては、関係者の御意見も聞きながら、今後検討してまいります。
 また、交付金の額につきましては、国から示された基準額を踏まえ算出しており、今後もPR等により活用を図ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 淀川幸二郎議員。
○14番(淀川幸二郎) 平成30年度、国の荒廃農地等利活用促進交付金が廃止になり、耕作放棄地の再生自体が厳しい現状となっております。もっとこの事業が活用されやすいように事業の見直しをぜひ御検討いただけることを御要望いたします。
 耕作放棄地の問題は、大変重要かつ難しい課題であります。福岡市として、今後どのように耕作放棄地対策に取り組んでいくのか、お伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 細川農林水産局長。
○農林水産局長(細川浩行) 農業委員会などと連携し、引き続き耕作放棄地の現状把握や農地を求める人とのマッチングに取り組むとともに、再生事業の活用や栽培しやすい機能性作物の普及促進及び新たな作物の研究を行うなど、耕作放棄地解消に向けた取り組みを進めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 淀川幸二郎議員。
○14番(淀川幸二郎) 過疎化が進む中山間地域などの農村地域では、地域の活性化が必要であります。そのための拠点として、地域で直売所を設置したいとの声もあります。直売所が開設されることによって、今まで使われていなかった耕作放棄地が耕作されるようになる可能性は十分に考えられます。運営者の問題や品ぞろえ、立地場所などの多くの課題があることは認識いたしておりますが、地域住民の思いが実現できるよう、市としても地域に寄り添った支援をしていただくよう御要望をいたします。
 最後に、市として今後、第1次産業の振興にどのように取り組んでいくのか、御所見をお尋ねいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 
○副議長(楠 正信) 細川農林水産局長。
○農林水産局長(細川浩行) 福岡市では、農林水産業が市民生活を支える重要な産業として持続的に発展するとともに、農地、森林、海域の有する多面的機能を将来にわたって発揮できるよう農林業総合計画及び水産業総合計画を策定し、農林水産業の振興に向けた取り組みを進めているところであります。今後とも、これらの計画に基づき、新規就農者の支援、耕作放棄地の解消などに着実に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高山博光議員。
○52番(高山博光)登壇 九大六本松の敷地、URは6万4,915平米を99億2,000万円で購入いたしました。坪当たり50万円です。そのうちの約3分の1、32.6%の2万1,147平米を民間企業JRに117億円で売却しました。URは32.6%の土地を売って幾らもうかったんでしょうか。
 2問目から自席にて質問いたします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 売却額につきましては、UR都市機構が六本松の既存校舎の解体を初めとしまして、土壌汚染対策や道路、公園などの基盤整備や土地の造成を行った後に、近傍同種の土地の取引価格と均衡を失わないよう予定価格を設定した上で公募したと聞いております。適正な手続を行った結果として落札されたものと認識いたしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高山博光議員。
○52番(高山博光) 117億円で3分の1を売って、99億円で全体を買っていますから、だから32億4,000万円の原価を117億円で売っておるから、84億6,000万円、ここでURがもうけております。JRは単価、幾らで買ったんでしょうか。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) JR九州への売却単価につきましては、1平方メートル当たり約55万3,000円、坪当たり約182万6,000円と伺っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高山博光議員。
○52番(高山博光) 坪当たり50万4,000円でURは買っておるんですよ。50万円で3.3平米。それを182万6,000円で売却しておるんです。これはもうけはURで、九大の取得はいかに安いかという証拠ですね。
 次に、残りの3分の2の4万3,768平米は各官庁に払い下げておりますが、土地の購入価格を言わないんですが、幾らで払い下げたかわかっておりますか。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 六本松キャンパス跡地の他の団体への売却額につきましては、中身を非公表としている団体もございますので、全ては把握できておりません。改めて問い合わせいたしましたけれども、御回答はいただけておりません。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高山博光議員。
○52番(高山博光) 売却当時の路線価で推計いたしますと、高等裁判所、法務省、検察庁、弁護士会館、西部ガス、福岡国道事務所、福岡市、平米当たり20万9,000円です。これは買収当時の路線価で推測しています。3.3平米、坪当たり69万円ですね。91億6,000万円の売却推計だと思いますが、この推計、どう思われますかね。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 大変申しわけありませんが、議員がなさった推計の試算方法につきまして、検証できる材料が手元にございません。また、議員の御指摘、十分に私のほうで理解できたと申し上げられる状況ではございませんので、それに対する評価については差し控えさせていただきたいと思っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高山博光議員。
○52番(高山博光) JRが117億円で3分の1を買収しました。残地の3分の2を各官庁に分譲していますが、路線価で推計すると91億円になります。だから、JR117億円と91億円を足すと208億円の売却と推計できます。仕入れは99億2,000万円ですから、108億8,000万円の利益が、ここに剰余金が出ております。それから土地改良費、その他解体費を8億8,000万円と推計すると、残りの100億円がURの収入利益、これは低く低く見てもそのように推計されますが、いかがですかね。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 売却額につきましては、先ほど申しましたとおり、UR都市機構が既存の校舎の解体を初めといたしまして、土壌の汚染対策でありますとか、道路、公園などの基盤整備や土地の造成を行いました後に機構の規定に基づきまして適正な手続を行い、売却されたものと認識いたしております。
 また、議員が行われました試算の方法につきまして、私自身、十分に理解できたと申し上げられる状況ではございませんので、それに対する評価につきましては差し控えさせていただきたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高山博光議員。
○52番(高山博光) 解体費、土壌汚染の改良費に8億8,000万円推計して、URの取り分が100億円ですね。九大が約100億円。土地を出して100億円ですよ。約2万坪ありますけどね。URは中に立って100億円ですよ。余りにもこれはお金の動きがアンバランスと私は推測しております。
 この路線価も、当時入札したら坪当たり幾らですかね。百三十何万円でしょう。138万円ですか。入札して落札したのが182万6,000円です。九大から買った価格は3.3平米、50万円ですよ。50万4,000円ですから、1坪132万円もうかっておるんです。やり過ぎと、このように思うんですよ。UR、やり過ぎだなと、そのように私は推測しております。
 URは、全国で売り上げが例年1兆円を超しておるんですよ。政府出資の超優良企業です。私の地元のURの別府団地、家賃が12万円プラス共益費3,000円ですよ。単身用でも7万円取っておる。団地というよりも中古勤労者寮、高級マンション化しているんです。いいですか、九大は九州をリードする知的リーダー集団です。土木工事にしても、建築にしても、企画、設計、施工や、人材があまたいるんです。最高の知的集団であります。それが政治力学ではなく、九大主導であるべき、この九大民族の知的集団の再生産活動をURの利益中心に分譲されておる。一抹の心配を覚えることをここに申し述べておきます。もっと九大主導でいくべきではないかなと思うわけですが、いかがでしょうか。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 九州大学につきましては、国立大学法人法第22条によりまして、移転跡地における都市基盤整備につきましては、工事発注も含めて業務の範囲外ということで実施することができないこととなっております。早期の土地処分に向けて迅速な基盤整備が可能な事業者の参画が必要であるというふうに聞いております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高山博光議員。
○52番(高山博光) それで、今度、九大箱崎もURと九大で分譲計画が進んでおりますが、所有者である九州大学の主導性のもとに分譲されることを祈っておるわけですね。
 それで、六本松の分譲のごとく、地主九大と仲介あっせん人の収入がフィフティー・フィフティーやら、あり得ては困るんですね。1兆円企業のURに私はやり過ぎではないかと思っておるんですけど、国家的政治力でそういうふうに推測しておりますが、そう思いませんか。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 箱崎キャンパス跡地につきましては、UR都市機構は、六本松キャンパス跡地とは異なりまして、部分的にしか土地を所有しておらず、主たる売却者になるわけではございません。また、先ほど申しましたとおり、国立大学法人法の規定によって、九州大学はみずから基盤整備について工事発注も含め実施することができませんことから、土地処分に向けて基盤整備が可能な事業者の参画が必要となります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 高山議員に申し上げます。既に持ち時間を経過しておりますので、これ以上の発言を許可するわけにはまいりません。御協力をよろしくお願いいたします。御理解をいただきまして、議事を進めさせていただきます。川口浩議員。
 
○59番(川口 浩)登壇 私は、AI、IoTの活用について、将来における市施設の市民負担についてお尋ねいたします。
 まず、AI、IoTを積極的に活用しなければいけないのではないかと思っております。今、日本の中でこういったAIやIoTを活用して、これが次世代の経済の牽引になるのではないかと言われております。福岡市だけではないんですね。全国でやっておる中で、福岡市がなかなかどのような思いでやっているのか見えません。
 市はどのように考えているのかお尋ねし、1問目を終わります。2問目以降は自席にて質問させていただきます。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) AI、IoTの活用について、市の所見についてお答えいたします。
 福岡市が今後も元気で活力ある都市として発展し、多様化する市民ニーズに的確に対応していくためには、AIやIoT等の先端技術の活用が必要だと考えております。AI、IoTを活用することで、企業においては事務の効率化や生産性の向上が期待され、今般の人手不足にも対応できるものと考えております。また、一般市民におかれましても、日常生活の中でスマートフォンのアプリやSNS等を利用することで、便利で快適な質の高い市民生活を送ることができると考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 川口浩議員。
○59番(川口 浩) 島局長から御答弁いただいたんですけど、このAIとかIoT、市長の得意分野ではないですかね。市長がやっぱり抱負を語るぐらいの意気込みがないと、福岡市、おくれますよ。頑張っているところがあるので、それを見ながら、知らないところもあるので、ぜひこういうのは市長がもう少し思いを発信していただきたいなと思います。
 質問ですが、AIやIoTの活用について、市はどのような課題があるか、そういった課題を認識しているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) AI、IoTの活用における課題についてお答えをいたします。
 平成30年7月に総務省が発行した情報通信白書によると、企業が今後、AI、IoTの活用を進める上の課題として、その活用がもたらす効果について具体的に見えてこないということが挙げられております。また、福岡市が中小企業に行ったアンケートにおいても、AI、IoT等の活用について、事業展開に必要なツールと捉えている企業の割合は低くなっております。
 さらに、平成31年4月に経済産業省が発表したIT人材需給に関する調査結果によると、IT人材は2030年には約45万人も不足すると言われており、AI、IoT活用に当たり、テクノロジーを支えるエンジニアが集まり、活躍し、成長する環境が必要であると認識しております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 川口浩議員。
○59番(川口 浩) 課題を述べていただいたんですけれども、これは予算書にも少し載っていたんですね。しかしながら、福岡市がどう取り組んでいこうというようなのは、全く発信がないんですよ。そして、各局ではそれぞれやっている。農林水産局でもやっていますし、AIやIoTを使っての農業のいろいろな取り組みというのもやっています。各局あると思うんですけれども、その窓口である経済観光文化局のほうがなかなか、項目で挙げるぐらいの程度なんですね。だから、市民も知らないし、議会も知らないし、いろいろなシンポジウムをされても誰も知らない状況で動いている。これではまずいので、課題がたくさんあります。そして、5Gの時代とかまたは通信網の整備、これは市はNTTと一緒にやっているわけでしょう。こういったものをどう活用するのか。そして、エンジニアの方たちにとどまらず、民間企業が幅広く活用することによって有効になるわけですから、そういうところにどうアプローチとか、紹介とか提案ができるのかが勝負かなと。民間だけでは利益が出るところしか動きませんので、市がそういったところのサポートや啓発、どういうことになっていくんですよというものを知らせる必要があると思います。
 そういったことで、議会にも委員会にも市民にもそういった思いを伝えることができていませんので、しっかり頑張っていただきたい。こういった課題、言われた課題も含めて、今後、市としてどういうところに力を入れて取り組んでいかれるのか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) AI、IoTの今後の取り組みについてお答えをいたします。
 福岡市の取り組みですが、平成28年に福岡市IoTコンソーシアムを立ち上げ、AI、IoTを活用した新サービスの創出等を目指し、現在、400を超える企業が参加しております。また、平成29年にはIoT向け通信ネットワーク、いわゆるFukuoka City LoRaWANを市内に整備し、企業の皆様に防災や見守り、農業、ヘルスケア等の分野で実証実験を支援してまいりました。
 さらに、エンジニアが集まり、活躍し、成長する環境をつくるため、この令和元年8月には赤煉瓦文化館にエンジニアカフェを設置し、エンジニアやエンジニアコミュニティの活動支援などに取り組みを始めました。
 また、今後は議員の御指摘も踏まえ、市議会や委員会の場においても議員や市民の皆様によりわかりやすく説明することを心がけ、また、市政だよりやホームページ、記者発表などを幅広く活用して丁寧に広報し、議会や市民の皆様の御理解を深めるように努めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 川口浩議員。
○59番(川口 浩) 2月にもそういったシンポジウムをされている。私どもも選挙の前だということで案内がなかったのかもしれませんが、もっともっと頑張って、みんなでやっていって、そして、なれない企業の方たちにもこういう使い方があるんですよとか、物すごく効率的になりますよという提案をできるような構えをしていただきたいなと思います。
 次に、将来における市施設の市民負担についてお尋ねします。
 財政運営の考え方において、収益が見込まれる公共施設の管理運営方法のあり方についてどう考えているのかなと疑問があります。幾つかの施設にもあります。ここで一つ例を挙げますと、マリンメッセといえば、建設費の償還は全て税金で払っています。100億円超えるのかなと思っていますけれども、ちょっと額は忘れましたが、しかし、収益も上がります。収益のほとんどを指定管理者である福岡コンベンションセンターに利益として享受させています。このような過剰な内部留保をさせることなく、収益の一部を還元させて建設費の償還等の財源とすべきは当たり前でありますが、身内に甘いんですね。早急な対応を求めて、所見を伺いたいところですけれども、本来のテーマではないので、早急な対応を求めます。
 このほかにもたくさんありますので、ぜひ身内に甘いのはやめていただきたいなと思っております。例えば、国際会議場でも市が返済補償をして毎年やっていますよ。全部税金。それから、コンベンション施設をつくったら、利益が上がろうが、全部税金で建設費を払っている。こういうのではいけませんので、身内にもしっかり厳しく対応していただきたいと。
 私は持続可能な市政運営のために、マリンメッセを初め、市の施設における市民の負担という観点では、どれぐらいかかっているのか、議案が通ればそこで終わりで見えづらくなっていると感じます。
 市は、持続可能な市政運営のために市債残高を着実に減らしていますと市政だよりで言っていますが、それは市民負担のうちの一つのみを捉えた指標であります。PFIなど資金調達方法が変わってきており、市債残高のみの説明は実態を正確に伝えることができないのではないかと思います。
 債務負担行為や一部事務組合の負担金など、市債以外の実質的な将来負担を含めた形で市民にわかりやすく開示すべきではないかと思いますが、所見をお伺いします。
 
○副議長(楠 正信) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 福岡市が今後負担すべき債務につきましては、決算の概要をわかりやすく説明する財政のあらましを作成し、市のホームページでも公表するとともに、議会に対しましても健全化判断比率及び資金不足比率報告書をお示ししております。
 福岡市が今後負担すべき債務の公表に当たりましては、市債や基金の残高とあわせ、地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づき算定、公表することとされる将来負担比率をお示ししているところです。この将来負担比率における将来負担額は、一般会計等の地方債残高のほか、債務負担行為に基づく支出予定額のうち地方債をもってその財源とすることができる経費や、福岡市が加入する組合等の地方債のうち福岡市分の負担見込み額なども算入することとされており、その内訳も公表しております。なお、福岡市の将来負担比率は毎年度改善してきております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 川口浩議員。
○59番(川口 浩) 公表されているけど、具体的な中身がわからんでしょう。何で幾らかかっているんだと、将来どんなのが発生するか。だから、もっと市民にわかりやすくと、額だけは出ていますよ。
 市は、将来負担し得ることを公表していると言うけど、例えば、今度は和白の地域交流センターのように民間ビルに入居する場合、公共施設の賃料などは将来負担比率には含まれていません。また、将来負担比率は示されていますけれども、施設ごとの金額や将来負担の年次割は公表していないのであります。民間でいうところの減価償却残高的な発想で、将来、例えば市役所だったら、いつごろ建てかえて幾らぐらい来ますよとか、これは市民会館とか体育館もあると思いますけど、そういった将来の負担を示すことが求められると思いますけど、そういったことを取り組むのは可能でしょうか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 行政では、税収など現金をどれだけ収入し、どれだけ支出したのかを客観的、確実に確認し、厳密に管理する現金主義により会計を管理しております。議員提案の減価償却費は発生主義における会計処理手続の一つで、実際には現金の支出を伴わない費用を計上するものでございますが、そのような経費につきましても、福岡市では総務省より示された統一的な基準に基づく財務書類を作成、公表しており、その中で建物等の減価償却累計額につきましてもお示ししております。一方で、減価償却費は今後の計画的な修繕に要する改修費などを反映できないことから、施設ごとや年次割の将来負担額をあらわす指標としては不向きと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 川口浩議員。
○59番(川口 浩) 今後、施設の老朽化が進む中で、施設の大規模改修や建てかえなどアセットマネジメントに係る費用も膨らむと思っています。そういった中で、アセットマネジメントの表もあるんですけれども、試算を行っていると思います。建物がいつごろどうなると、こういったものがあるので、こういったものを工夫して将来負担を示す材料として活用できるのではないかと思いますが、いかがお考えか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) アセットマネジメントに係る経費の試算についてのお尋ねですが、平成20年度に福岡市アセットマネジメント基本方針を作成した際に、導入効果の試算を行っております。試算に当たっては、市有建築物の耐用年数を60年と想定した上で計画的な修繕に要する改修費、補修委託費、光熱水費及び耐用年数経過後に一律に同規模での改築を行うという条件を置いた上での改築費を含むこととし、平成19年から60年間での投資額が4兆690億円との試算結果を得ております。
 この試算につきましては、市有建築物を対象にアセットマネジメントを導入するに当たり、どの程度の効果があるのかを把握するために一定の条件のもとに行ったものでございまして、今後の現金支出の予定額を積み上げて算定しました将来負担額と同様に扱うことは難しいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 川口浩議員。
○59番(川口 浩) そしたら、一定規模以上の施設に関する将来負担というくくりもあると思うんですよ。全部をきれいに出せではなくて、そういったくくりの中で将来どういったものが建てかえが来ますよと。それで、アセットマネジメントで出されたんですね。十何年前、当時、中村副市長さんが財政におられたころなんですけど、ああいうのを活用して、将来のどういったものがいつごろ来ると。それから、教育委員会もですけれども、校舎の建てかえ計画も建てかえ予定も出ていないんですよ。市のやつも、アセットの資料のほうがわかりやすいんですね。将来、これが60年たったら幾ら来ますよというのがわかると思います。
 だから、そういった一定規模以上の箱物等について、これはまた、起債のやつとか、いろいろ種類がありますので、債務負担のやつとか、そういうのを全部、将来こういったものが市のかかわり、ダムもあれば、これは企業会計でしょうけれども……
 
○副議長(楠 正信) 川口浩議員に申し上げます。持ち時間を経過しておりますので、速やかに質問をまとめていただきますよう御協力をお願いいたします。
○59番(川口 浩)続 焼却場もありますので、こういったものを何らかの工夫でぜひ公開可能にしてほしいと思いますが、いかがかお尋ねします。それで終わります。
 
○副議長(楠 正信) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 福岡市の将来負担につきまして、市民にわかりやすく示すことは重要な視点であると考えておりまして、これまでも将来負担比率における将来負担額として算入されるものにつきましては、財政のあらましなどの資料で公表しております。また、既存の市有建築物の改修や建てかえに係る経費につきましても、一定条件のもと、アセットマネジメントの導入効果の試算を行い、公表してきたところでございます。
 御指摘がございました施設の改修費や賃料などの費用も含めた施設ごとの将来負担の見込みにつきましては、社会情勢の変化などによりまして、施設を更新せずに用途を廃止する可能性がありますことや、今後の技術革新によりまして、さらなる建築物の長寿命化が可能になることも考えられるなど確定的な将来負担を見込むことが難しい面もございますが、よりわかりやすい資料の作成につきまして検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 以上で一般質問を終結いたします。
 本日の日程は終了いたしました。
 次の会議は9月24日午後1時10分に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後4時47分 散会