令和元年9月17日(火)

令和元年第4回福岡市議会定例会
議  事  日  程 (第3号)
                             9月17日 午前10時開議
第1  一 般 質 問

本日の会議に付した事件
議事日程のとおり

出 席 議 員 (62名)
1番  稲 員 稔 夫       2番  鬼 塚 昌 宏
3番  堤 田   寛       4番  川 上 陽 平
5番  津 田 信太郎       6番  大 森 一 馬
7番  平 畑 雅 博       8番  伊 藤 嘉 人
9番  打 越 基 安      10番  川 上 晋 平
11番  阿 部 真之助      12番  勝 山 信 吾
13番  川 上 多 恵      14番  淀 川 幸二郎
15番  調   崇 史      16番  大 坪 真由美
17番  古 川 清 文      18番  高 木 勝 利
19番  新 村 まさる      20番  大 原 弥寿男
21番  今 林ひであき      22番  篠 原 達 也
23番  尾 花 康 広      24番  松 野   隆
25番  楠   正 信      26番  冨 永 計 久
27番  森   英 鷹      28番  南 原   茂
29番  おばた 久 弥      30番  山 口 剛 司
31番  大 石 修 二      32番  黒 子 秀勇樹
33番  藤 野 哲 司      34番  堀 本 わかこ
35番  中 島まさひろ      36番  天 野 こ う
37番  山 口 湧 人      38番  松 尾 りつ子
39番  井 上 麻 衣      40番  飯 盛 利 康
41番  はしだ 和 義      42番  浜 崎 太 郎
43番  堀 内 徹 夫      44番  綿 貫 英 彦
45番  森   あやこ      46番  福 田 まもる
47番  国 分 徳 彦      48番  藤 本 顕 憲
49番  倉 元 達 朗      50番  中 山 郁 美
51番  荒 木 龍 昇      52番  高 山 博 光
53番  ついちはら陽子      54番  田 中 たかし
55番  成 瀬 穫 美      56番  山 田 ゆみこ
57番  宮 浦   寛      58番  近 藤 里 美
59番  川 口   浩      60番  落 石 俊 則
61番  田 中しんすけ      62番  池 田 良 子

欠 席 議 員 (0名)

説明のため出席した者
  市       長   島 宗一郎   副市長  光 山 裕 朗
副  市  長  中 村 英 一   副市長  荒 瀬 泰 子
水道事業管理者  清 森 俊 彦   交通事業管理者  重 光 知 明
総務企画局長  小野田 勝 則   財政局長  松 本 典 久
市民局長  下 川 祥 二   こども未来局長   田 浩 輝
保健福祉局長  舟 越 伸 一   環境局長  坂 本 秀 和
経済観光文化局長   島   収   農林水産局長  細 川 浩 行
住宅都市局長  石 橋 正 信   道路下水道局長  駒 田 浩 良
港湾空港局長  清 家 敬 貴   消防局長  山 下 周 成
会計管理者  水 町 博 之   教育長  星 子 明 夫
教育委員  菊 池 裕 次   選挙管理委員会事務局長  宮 崎 晶 子
人事委員会事務局長  中 村 郁 子   監査事務局長  馬 場 哲 久

職務のため出席した事務局職員
議会事務局長  土 井 裕 幹   議会事務局次長  金 子 佳 史
議事課長   着 一 孝   議事係長  中 村   博
外関係職員

午前10時 開議  
○議長(阿部真之助) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、一般質問を行います。発言通告者のうちから順次質問を許します。森あやこ議員。
 
○45番(森 あやこ)登壇 皆さんおはようございます。私は緑と市民ネットワークの会を代表し、質の高い市民サービスのための人材育成及び職場環境について質問をいたします。
 市民の方からとても深刻な相談を多数受ける中、せっかくある制度でも使いづらい、また、その方の今を支えられない制度の切れ目となっている。そして、社会状況が移り変わってきた中、制度等の創設の必要性も見えてきます。一人の方の困った状態は、その方だけの問題ではなく、多くの方々の困った状態ではないかなど調査等も行いながら、制度の範囲でも工夫できることを含め、関係部署の職員や携わる方々とお話をし、相談者への対応や議会での質問、要望などを行ってまいりました。今困っている方々は、先に教えてくれた存在であるという視点に立つことも重要だと考えます。
 持続可能な社会のために、誰一人取り残さないとうたっているSDGsの17の目標にも掲げられた中に、全ての人に健康と福祉、質の高い教育や働きがい、そして、平和と公正というものが含まれます。誰一人取り残さない一人一人が大切にされる社会の実現、それは一人一人が人を大切にできる、支え合える社会や地域づくりを実践することです。制度や仕組みをつくり、預かった税金を使って執行する行政の責任と役割は言わずとも基本で、このまちを住み続けられるまちにするために行政職員も市民も、ともに力を発揮でき、その姿を次世代に見せ、引き継ぐことです。
しかし、区役所や市役所へ相談に行った際、たらい回しで困った、職員の知識不足のため誤った対応をされた、市民の状況や真のニーズなど内容が正確に上司に伝わらず、適切な判断や対応がされない、市民への情報提供不足のために多大な不利益を与えたなどがあります。もちろん問題整理ができれば見直しや改善等をしていただけますが、時には職員の市民目線に欠けた接遇態度が結局問題を長引かせ、本来の仕事が滞る悪循環になり、困っている方々の心に寄り添い、真のニーズを捉え、解決を図る、その余裕がないように見えます。区役所窓口等、一日のうちで憤慨した市民の大声が起きない日はないなど聞きます。お互いが圧力で抑えたとしても、結果としては社会としての真の改善はなされず、繰り返しの悪循環となり、市民も行政職員も疲弊し、ストレスを抱える、それは社会にとっての大きなマイナスです。日ごろから誠意を持って親切に対応してくれたと思える環境、公正な職務遂行ができ、やりがいが感じられる職場環境があることが質の高いすてきなまちだと言えます。
 そこでまず、いま一度公務員倫理から確認してまいります。
 福岡市職員の公務員倫理に関する条例の第1条の目的をお答えください。
 以上で1問目を終わり、2問目からは自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 福岡市職員の公務員倫理に関する条例は、市職員が市民全体の奉仕者であって、その職務は市民から負託された公務であることを自覚し、公務員としての倫理観を保持しつつ、公正に職務を執行することにより公務に対する市民の信頼を確保することを目的としております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 職務に係る倫理の保持に資するため必要な措置を講じることにより、職員の職務に関する使命感の自覚と高揚を促すとともに、職務の執行の公正さに対する市民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、というところはお読みになられませんでした。市民全体の奉仕者であること、職務執行の公正さ、公務に対する市民の信頼確保が基本である重要なこととまず第1条に示されています。
 では、第3条、倫理原則の第1項から第3項をお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 福岡市職員の公務員倫理に関する条例第3条の倫理原則は、職員は、職務の遂行に当たっては、公共の利益の増進を目指し、最大の能率を発揮しながら全力を挙げてこれに取り組まなければならない、職員は、市民福祉の向上を図るため、積極的に市民の意見及び要望の把握に努め、民主的な行政の運営に当たらなければならない、職員は、市民全体の奉仕者であり、市民の一部に対してのみの奉仕者ではないことを自覚し、職務上知り得た情報について市民の一部に対してのみ有利な取扱いをする等市民に対し不当な差別的取扱いをしてはならず、常に公正な職務の執行に当たらなければならないとしております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 私が受けた困難な相談事例を見ると、改善すべき点があるあらわれとも言えます。最大の能率発揮については、職員による事故や事件、そしてミスもあり、その処理等にも多くの手間を要することは最大の能率が発揮できているとは言いがたい状況です。一方、現場で一生懸命親身に頑張ってくださっている職員方々の姿も拝見し、承知していますが、その働き方はさまざまな要因で業務に追われ疲弊してはいないか、上司が仕事や職員の状況を正しく把握できているのか、そんたくが必要ではないか、上司に何でも相談できる雰囲気があるのか、人員的に限界ではないのかと感じることがあります。
 そこで、公務員倫理に関する条例の施行規則に書かれている倫理監督者と責務について、第14条と第15条の第1項第1号と第3号をお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 福岡市職員の公務員倫理に関する条例施行規則第14条の倫理監督者については、総務企画局長、消防局総務部長、水道局総務部長、交通局総務部長、教育次長、選挙管理委員会事務局長、人事委員会事務局長、監査事務局長、農業委員会事務局長、議会事務局長としております。
 次に、同規則第15条第1項の倫理監督者の責務については、第1号で職員からの相談に応じ、必要な指導及び助言を行うこと、第3号で任命権者を助け、職員の公務員倫理の保持のための体制の整備を行うこととしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) より権限と責任を持つ管理職も含め、いま一度、市民全体の奉仕者と学んできたことを思い起こし、職員の公務員倫理の保持のための市民の利益を第一に考える原点に立ち返り、携わる誰かがおかしいと気づいたとき、より質の高い仕事ができているのか、組織として検討できる余裕を持てる体制整備が必要です。
 それでは、職員定数と育児休業や病気休職により生じた職員の欠員について、平成17年度、平成24年度及び平成30年度の状況をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 旧県費負担教職員を除いた職員定数につきましては、平成17年度が1万28人、24年度が9,216人、30年度が9,406人となっております。
 次に、市長事務部局の主な事務、技術職で育児休業や病気休職の代替として正規職員が配置されていない数につきましては、5月1日現在で平成24年度が21人、30年度が6人となっており、平成17年度については記録がございません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 御答弁いただいた条例定数はここ数年ふやされてはいますが、社会状況の変化には追いついていないと考えます。
 年間の欠員数やその影響は数字には出せないようですが、実態に関して、年間を通じて把握されている実際の状況をどのように捉えられているのか、解決策はどのようにお考えなのでしょうか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 年間の欠員状況についてのお尋ねでございますが、年度中途の退職や新たに育児休業を取得するなどにより年度中途で欠員が生じる場合がございます。そのような事由により生じた欠員につきましては、所属の状況などを勘案し、臨時的任用職員または正規職員を配置しているところでございます。今後とも、各所属において業務が円滑に実施できるよう職員の配置に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) なかなか希望がかなわないとも聞いております。人口増や高齢化、多様性も高まる状況の中、部署の異動や人員の増減による人の入れかわりなど、一職員の負担は増していると推測します。では、この状況の中、一人一人の職員方々がしっかりと職務を遂行していくためには研修内容を濃くする必要があると考えます。
 そこで、福岡市職員研修規程の第3条、研修の目標をお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 研修の目的につきましては、福岡市職員研修規程の第3条において、研修は、職員が市民全体の奉仕者として職務を遂行するうえにおいて必要な知識、技能、態度等を修得させ、その資質及び能力の向上を図ることを目標とするとしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) ありがとうございます。
 公務員倫理や接遇に関する職員研修の平成30年度の実施状況についてお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 平成30年度の公務員倫理に関する研修につきましては、新規採用職員や主任昇任時、係長昇任時などに原則として全員が研修を受講することとしており、924人が受講しております。さらには6月、7月には各職場単位で飲酒運転再発防止を目的とした研修を実施するなど、職員の服務規律の遵守や不祥事の再発防止に努めております。また、接遇に関する職員研修につきましては、職員としての基本的な接遇やビジネスマナーを学ぶ研修を原則として新規採用職員全員が受講することとしており、209人が受講しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 公務員倫理研修について、1問目でお尋ねした目的にあるように、基本の基を改めて研修することは重要です。接遇研修については、管理職は行っていないとのことです。嘱託員、臨時職員も含め、充実が必要です。研修目標にもありますが、これからの時代は特に資質の向上が必要です。それには丁寧さと時間を必要としますが、実情は研修に割く時間も厳しい状況だと推測します。
 では、本市の人材育成・活性化プランの目的についてお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 福岡市職員の人材育成・活性化プランは、信頼、共働、挑戦の市役所づくりを担う人材を育成すること及び職員の元気とやる気を高め、職員の力を引き出すことを目的としております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 次に、期待される職員像についてお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 期待される職員像につきましては、市民に信頼される公共サービスの提供者、市民と共働する行政のプロフェッショナル、チャレンジ精神あふれる自律型職員としております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 次に、重点取り組みについてお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 重点取り組みにつきましては、人材を育成する組織づくり、チャレンジ意欲の向上、女性職員の活躍推進の3つを定めております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) そして、推進体制及び求められる役割についてお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 推進体制につきましては、職員一人一人が人材育成に向けた役割をしっかりと認識し、主体的に取り組むとともに、管理監督者による育成、指導や人事・研修部門のサポートなどとあわせて一体的に推進していくこととしております。
 次に、求められる役割としましては、管理監督者につきましては、職員が仕事を通じて能力向上を図れるように仕事の機会を与えるとともに、人事評価面談などの機会を捉え、今後のキャリア形成や能力開発に向けて、必要に応じて指導助言を行うこととしております。また、各職場においては、先輩職員による後輩職員の育成やお互いを高め合うことによる成長など、職員一人一人が人材育成の主体となり、取り組んでいく必要があると定めております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) ここで他都市の紹介です。成熟型社会の都市モデルである松本市は、これからはみずからの生き方を問う時代が訪れると市長の考えがあり、市民主体型成熟社会の実現を目指し、世界の誰もが経験なき超高齢化時代において行政に改めて求められる最終命題は、そこに住む人々に生きていてよかった、このまちに住んでいてよかったという肯定感を抱かせる、生きる喜びを実感できる生きがいの仕組みづくりを多くの市民とともに進められています。松本市職員の役割は、総合計画の実現に向け、市民と協働し、全力を傾注し、市民福祉の向上に努めること、そのために心身の健康を保ち、職場の良好な人間関係の形成に努めることを重視され、足元から政策づくりを担う住民自治を支え、協働による地域づくりを担うとされ、求められる職員像は、市民の立場に立った気配り、思いやりの心で親切に対応する、市民の声に敏感に反応し、柔軟な発想と行動力、好奇心を持ち、みずから学び、創造性豊かで感動する心のある職員です。目指すべき職員像は、現状を見詰め、業務改善や政策づくりができる、地域と積極的につながり、コーディネートできる、連携を大切にし、資源を最大限に生かした総合力を発揮できる職員と掲げ、職員が能力、態度を十分に発揮することにより組織としての大きな成果へと結びつけるとする、職員一人一人に対する温かみを感じます。ぜひ本市にない部分を組み込んでいただきたく要望いたします。
 次に、本市プランの実施計画の指標についてと進捗状況についてお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 実施計画の指標につきましては、取り組みの進捗状況を把握するため、職員意識調査などを活用し、重点取り組みに係る指標を8項目設定しております。指標は4年間の実施計画の最終年度である令和2年度の値を目標値として掲げており、計画期間の2年目に当たる平成30年度の実績値では目標値を達成しているものが8項目の指標のうち5項目となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 調査された職員の声から、まだまだ課題があるとも認識されているところです。女性職員の活躍が進んでいると思う職員の割合はマイナス評価で、もともと設定が低い重点目標項目もあります。ぜひ役所内外で思いやりの心を育て、それに応えられる職場環境にできる研修をふやしてください。
 次に、このプランの資料編にある職務遂行能力について能力区分の説明と活用実態をお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 標準職務遂行能力につきましては、係長級以上の役付職員は職位ごと、係員については事務・技術、医療職・保育士などの職群ごとに、意欲・姿勢、発揮能力、実務処理の3つの能力区分に応じ、求められる具体的な能力を定めております。具体的には市民本位や公務員倫理といった全職員に求められる共通項目のほか、役付職員には統率力や人材育成、係員にはコミュニケーション能力や専門的知識・技能といった職位に応じた能力を定めております。また、その活用につきましては、具体的な能力を人事上の評価項目として活用し、評価者である上司がその項目ごとに評価を行い、被評価者である部下との面談において評価をフィードバックすることにより人材育成につなげております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 局長、部長、課長、係長、係員の職位全てに、市民全体の奉仕者として高い倫理観を持ち、法令及び服務規律を遵守することができると書かれています。市民に直接接する係員の判断を市民の姿が見えにくい上司の判断によって覆される場合もあり、目の前で困っている市民を何とか支援できないか、真剣に考える職員ほどジレンマに陥る状況です。職務遂行能力に適切な判断、指示や命令とありますが、主権者である市民の奉仕者であるという基本が抜けた状態での判断や指示、命令は、ずれる可能性もあります。幾つもの局にかかわる案件になれば、市民と行政の間に立ち、責任を持って公正に判断できるようなシステム、全体を調査、検証する機能を求めます。超高齢社会に突入した時代に、既に起こっているふぐあいをしっかり捉え、制度や仕組みを生み出し、よりよい市民サービスの提供のための創造力、縦割り行政を超えるコーディネート力などの育成強化を求めます。
 良好な職場環境として、今年度、総務企画局に公正職務推進室が設置されています。困難な対応も昨今ふえてきている状況の中、多くの市民にとって職務遂行できる環境づくりのためにも必要だとして設置されたとお聞きしています。職員の状況を受けとめ、それが人員体制や研修等に反映されることを求めておきます。
 人事院勧告の指摘には、ハラスメント防止、メンタルヘルス対策推進、コンプライアンス推進を全庁的に対策を講じること、風通しのよい職場づくりに努め、コンプライアンスの向上に取り組むことにより市民の信頼確保が必要とあります。本市にとって、まだまだ足りていないことがたくさんあるということです。ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思っております。トップに立つ市長の政治倫理に関する条例では、民主的な市政の発展に寄与することを目的とし、政治不信を招くことのないよう品位と名誉を損なう行為を慎むこととされています。市民の責務も示され、主権者としてみずから市政を担い、公共の利益を実現する責任を負うことについて自覚を持つことも同時に書かれています。約160万人の市民の長として、全てがわかるわけではないので、一人一人の市民が輝く元気なまちになるよう市民や職員の状況について心の目を凝らし、捉えようとする市政運営を行い、誠実に問題解決できる機能を高めていただくことを要望し、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 打越基安議員。
○9番(打越基安)登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表して、自治会、町内会支援の強化について、再犯防止の推進について、井尻地区の連続立体交差事業の早期事業化についての3点について質問いたします。
 まず初めに、自治会、町内会支援の強化についてお尋ねいたします。
 私は地域コミュニティの活性化は行政の最大の目標でなければならないと考えています。近年、少子・高齢化の進展や大規模災害の影響などにより地域コミュニティの役割はますます重要性を増しています。平成12年にまとめられました福岡市経営管理委員会の提言においても、コミュニティの自律経営こそが市行政の最終目標であるとされています。本市は任意組織である自治協議会を小学校区単位で立ち上げるよう促し、その活動を公民館とも連携しながら支援し、行政と地域住民との共働によるまちづくりを進めています。確かに行政から見れば、金太郎あめみたいに、どの校区も同じ自治協という組織体であり、管理はしやすいと思いますが、弊害が出てきています。市の主導で設置が進められた自治協議会の中には、いわば行政の下請組織となり、補助金も使い道が限定され、本来、自由な任意の組織であるにもかかわらず、活動がマンネリ化し、自治協議会を支える人も固定化しているところもあり、地域コミュニティの自律経営が損なわれているように思います。
 そのような中、福岡市では地域のきずなづくりや新たな担い手づくりを進めるため、自治協議会と福岡市がパートナーとして、企業やNPOなど、さまざまな主体と地域の未来をともにつくり出す共創の地域づくりを推進していますが、私は自治協議会の活性化を図るためには、自治協を構成する一つ一つの自治会、町内会に目を向けることが大切だと考えます。この自治会、町内会の活性化なくしては自治協議会の発展、そして、共創の地域づくりは進まないと考えており、自治会、町内会にこそきめ細かな支援が必要との認識で、以下、質問してまいります。
 初めに、自治会、町内会の現状についてお伺いしますが、直近の自治会、町内会の加入率をお尋ねいたします。
 次に、本市がコミュニティ関連施策に投じている費用についてお尋ねいたします。
 福岡市では昭和28年から平成15年度まで町世話人制度が置かれていました。
 町世話人が廃止される直前の平成15年度、町世話人の報酬を含めたコミュニティ関連の決算額は幾らだったのか、また、令和元年度予算ではそれは幾らになっているのか、お尋ねいたします。
 続いて、再犯防止の推進について質問いたします。
 長年、私は保護司として更生保護に携わっておりますが、ここで改めて保護司について説明をしますと、法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員として、犯罪や非行をした人の立ち直りを支えるボランティアで、地域社会の事情をよく理解している方々です。主な役割として、保護観察を受けている人と定期的に面接を行い、指導や助言をすることや、出所した後にスムーズに社会復帰を果たせるよう帰住先の生活環境を調整するといったものがあります。犯罪をした人が社会の一員として立ち直るには、何より地域社会の理解と協力が不可欠です。更生保護は犯罪や非行をした人を取り巻く地域社会の事情をよく理解していることが肝要ですから、保護司の役割というものが大変重要になってきます。しかしながら、近年、保護観察の対象者が抱える課題が複雑多様化しており、また、家族関係や地域のきずなが希薄化するなど、社会環境の変化もあって、保護司の皆さんはそれぞれ大変御苦労をされておられます。福岡保護観察所に確認したところ、平成31年は福岡市における保護司の定数531名に対して委嘱数は482名、委嘱数は定数に対して約9割程度で推移しており、ほぼ全国平均並みではあるが、保護司のなり手の確保が課題であるとのことでした。近年、我々福岡市議会議員に対して保護司になってほしいとの要請が多く、現在、11名が保護司を務めています。今後、定年でやめていかれる方も多くなる一方、新しいなり手がいなくなるのではないかと懸念されます。
 警察庁犯罪統計によると、全国の刑法犯認知件数は平成25年の131万4,140件から平成30年には81万7,338件と大幅に減少しております。しかしながら、犯罪白書によると、刑法犯検挙人員に占める再犯者の割合、いわゆる再犯者率は平成8年の27.7%から一貫して増加を続け、平成29年では48.7%となっています。つまり検挙された人のうち、実に2人に1人が過去にも罪を犯しているということです。犯罪を減らすためには、一度罪を犯してしまった人が二度と犯罪に手を染めることがない社会をつくっていくことが大切です。
 そこで、お尋ねをいたします。
 まず、福岡市内の刑法犯検挙人員及び再犯者率の過去3年間の推移はどうなっていますか。福岡市の統計がなければ、福岡県内の数値でよいので、お答えください。
 また、福岡市では再犯防止に関するさまざまな支援や取り組みを行っておりますが、保護司の活動に対する支援を含め、どのような支援や取り組みを行っているのか、お尋ねいたします。
 次に、井尻地区の連続立体交差事業の早期事業化についてです。
 現在施行されている西鉄天神大牟田線雑餉隈駅付近の連続立体交差事業につきましては、約1年半後の令和3年春には県事業区間と同時に高架切りかえがなされ、間もなく事業も完了すると聞いております。この事業が完了すると、福岡市内の西鉄天神大牟田線で高架化されずに残るのは井尻駅周辺区間だけとなるため、次はいよいよ井尻地区の連続立体交差事業が始まることを期待するばかりでありますが、当局におかれましては引き続き速やかに井尻地区の事業化に入っていただきたいと思っております。
 井尻駅周辺の道路交通環境につきましては、西鉄天神大牟田線を立体的に横断している福岡外環状道路のほかに、西鉄天神大牟田線と並行している都市計画道路御供所井尻線や長浜太宰府線などの幹線道路がいずれも平成23年4月に供用されたことから、確かに以前と比べれば自動車の走行環境も改善されてきたという実感もありますが、やはり依然として西鉄天神大牟田線が地上を走っておりますので、これが原因で踏切部では自動車や歩行者の交通のボトルネックとなっているだけでなく、線路両側でどうしても地域コミュニティが分断されている感が否めませんので、ぜひとも鉄道の高架化の実現につなげていただくことを地元は強く望んでいます。私がこの問題について、前回、議会で一般質問したのは平成27年度ですが、その後、しばらく時間がたっております。
 そこでまず、平成28年度以降、これまでの間、当局が取り組んできた井尻地区の連続立体交差事業に係る調査、検討の経緯についてお尋ねいたします。
 以上で1問目を終わり、2問目以降については自席にて質問いたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自治会、町内会支援の強化に関する御質問にお答えいたします。
 自治会、町内会への加入率につきましては、平成30年度に実施した自治協議会、自治会等アンケートの調査結果によりますと85.7%となっております。
 次に、平成15年度のコミュニティ関連の決算額につきましては、町世話人の報酬を含めまして約16億6,200万円でございます。また、令和元年度のコミュニティ関連の予算額は約13億1,000万円でございます。
 次に、再犯防止の推進に関する御質問にお答えいたします。
 刑法犯検挙人員及び再犯者率につきましては、福岡市内の統計がございませんので、福岡県内の過去3年の推移で申し上げますと、平成27年は刑法犯検挙人員が1万992人、再犯者率が49.3%、28年は1万880人、50.1%、29年は1万475人、49.8%となっております。
 次に、再犯防止に関する取り組みにつきましては、保護観察対象者などの就労支援に向け、平成28年度から社会貢献優良企業優遇制度において協力雇用主支援事業として、保護観察対象者などを積極的に雇用する企業を社会貢献優良企業に認定し、本市が公共工事等を発注する際の入札参加機会の拡大など、優遇措置を講じることとしております。また、市内の保護司会や更生保護女性会が行う犯罪予防活動等を対象に補助金を交付するとともに、保護司会に対し、市役所北別館及び城南市民センターにおいて更生保護サポートセンターとしての使用を許可し、その土地使用料を全額免除しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 再犯防止の推進に関するお尋ねについてお答えいたします。
 再犯防止に関する取り組みといたしまして、保護観察所、保護司連絡協議会、警察署などとともに、社会を明るくする運動福岡市推進委員会を設置し、各区ごとに7月の強調月間を中心に講演会や街頭キャンペーンなど啓発活動を行い、犯罪や非行を防止し、罪を犯した人たちの立ち直りを支える活動を推進いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 井尻地区の連続立体交差事業についての御質問にお答えいたします。
 平成28年度以降の調査、検討につきましては、平成28年6月に国から全国の緊急対策踏切が新たに公表されましたが、このうち福岡市内で対策の検討が必要な11カ所の踏切につきまして、井尻地区を含め、5地区に分けて調査に着手いたしております。平成28年度から29年度にかけては、これらの踏切の実態を把握するための調査や分析を実施してまいりました。続く平成29年度から30年度にかけては、対象となる5地区それぞれの現場状況を踏まえた上で、踏切の抜本対策である連続立体交差事業を想定した場合の高架区間の延長、国が定める物理的要件の適合や実施に際しての課題など、技術的な面からの検討を行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 打越基安議員。
○9番(打越基安) それでは、2問目に入ります。
 自治会、町内会の支援の強化についてお尋ねしていきます。
 任意の組織である自治会、町内会の加入率が85.7%とは高いのか低いのか、どう評価すればよいのでしょうか。私は従前の町世話人制度、そのもっと前の昔からの自治会、町内会は全員加入が当たり前だったことを考えると、低くなったと思います。まずは加入してもらうことが自治会、町内会活性化の第一歩であろうと考えます。私は加入を促進するためには、自治会、町内会の必要性、存在意義があること、また一方で、住民を引きつける求心力も要るのかもしれません。自治会、町内会は防犯灯の設置、維持管理や環境美化、子どもや高齢者の見守り活動など、さまざまな活動を行っています。より暮らしやすい地域づくりを進めるために、なくてはならない存在です。住民にここに住んでよかったと言われる地域であることが必要です。そのためには、自治会、町内会だよりなど広報活動の充実、地域に関する案件に賛否を問うアンケートを実施するなど行政との窓口としての役割、役員の任期や公募の手続などを定めた規約の整備、こういったことがあろうかと思います。昔に比べて難しくなっているのは、自治会、町内会への加入が義務ではないことです。強制ではないからと言われれば、それまでになってしまいます。確かに自分には関係ない、必要ないと思っている人がいることも事実かと思います。このような方々に町内会の必要性、メリットを訴え、加入していただくためにも、自治会、町内会だよりといった広報活動が必要です。ただ、それには相応の経費も必要になってきます。また、地域と行政の窓口も必要で、市として、自治協議会だけでなく、その基盤である自治会、町内会にその役割を期待することも理解できます。ただ、自治会、町内会はそのために結成された組織ではありませんし、本来、市が担うべき部分を地域に肩がわりさせることがあってはなりません。もし自治会、町内会に行政施策上の一定の役割を期待するのであれば、自治会、町内会という組織を維持するためにももっと手厚い支援をすべきであり、活動費の助成があってもよいのではないかと考えます。
 さきの答弁によると、コミュニティ関連の予算は平成15年度の決算と比較して3億5,000万円ほど減っているということです。従来の町世話人事務の見直しや区役所に地域支援課を設置するなど、組織の再編などにより削減となっている部分もあるかと思いますが、地域コミュニティづくりを行政と地域住民との共働によるものと位置づけるならば、少し乱暴な話かもしれませんが、予算という度合いで比べるなら、当時と同程度の予算をトータルで確保することはもちろん、自治協議会だけでなく、自治会、町内会の活動にも予算を確保すべきではないでしょうか。繰り返しになりますが、町世話人制度の廃止に伴い、校区単位の自治協議会に対し、地域活動のための補助金制度が創設され、一定の充実、拡大が図られてきていることは承知しています。ですが、自治協議会の基盤となる自治会、町内会にももっと目を向けるべきです。
 自治会、町内会に対して、その活動に必要な経費を補助する制度を創設すべきだと思いますが、所見をお尋ねいたします。
 次に、自治会、町内会の活動の場にも目を向け、お尋ねいたします。
 福岡市におきましては、校区ごとに公民館が設置されており、地域コミュニティ活動の拠点として重要な役割を担っていると考えていますが、自治会や町内会の活動をさらに活性化していくためには気軽に集まることができる、公民館よりもせめて身近な地域集会施設の設置を促進していく必要があると考えています。また、福岡市には町内会などが設置する集会施設について、新築、購入や増改築、修繕、借り上げ等に要する費用の一部を補助する地域集会施設補助金がありますが、この補助制度においては、新築や増改築などの区分ごとに補助の上限が設けられております。
 そこで、地域集会施設の設置や老朽化した施設の建てかえや増改築等をさらに促進していくため、近年、建築に要する費用が上昇している状況を踏まえ、例えば、新築時の補助金の上限額を800万円から1,500万円程度に、改築時の補助金の上限額を200万円から500万円程度に引き上げるなど、制度の拡充を図っていく必要があると考えますが、所見をお尋ねいたします。
 次に、再犯防止の推進についてです。
 先ほどの答弁でわかるとおり、福岡県内の数値ではありますが、刑法犯検挙人員は減少しているものの、再犯率については全国と同様にかなり高くなっています。本市ではこれまでも保護司会への支援や福岡保護観察所との連携、協力雇用主支援など、再犯防止に関連するさまざまな支援、取り組みを行っているとのことですが、再犯者率の改善にはつながっておりません。更生保護は保護司のほかにも更生保護施設や福岡市更生保護女性会、福岡市BBS会、協力雇用主などの民間協力団体によって支えられています。
 ここで、23年間にわたって保護司を務められた方がみずから中央区に会社を立ち上げ、再犯防止に取り組まれていますので、御紹介したいと思います。この会社は就労支援、宿泊支援、教育支援が三位一体となった株式会社として、資源リサイクル事業で働く場所を提供し、泊まる場所として一時保護施設と社員寮を運営、そして、独自のプログラムに基づき、就労につながる職業訓練や資格取得のための教育を行っておられ、現在、会社内外を含めて25人の卒業生を輩出し、その卒業生たちは今や福岡市の納税者となっております。また、この企業はユヌス・ソーシャル・ビジネス・カンパニーとして日本初の認定を受けています。ユヌス・ソーシャル・ビジネスとは、平成13年に福岡アジア文化賞大賞を受賞し、平成18年にはノーベル平和賞を受賞されたバングラデシュのムハマド・ユヌス氏が提唱するもので、利益の最大化を追求するのでなく、社会課題を解決することを最大の目的とするビジネスモデルです。この企業は再犯という社会課題の解決を第一の目的に掲げ、資源リサイクル事業により経済的自立を図ることで持続可能な取り組みを進めているのです。そして、本当にすばらしいことに、会社設立以来7年間、再犯者は一人として出しておりません。
 犯罪をした人の更生には本人の強い意思と努力が必要なのは当然ですが、犯罪や非行をした人の中には貧困や疾病、障がい、厳しい生育環境、不十分な教育などによる生きづらさといった問題を抱える方がいらっしゃいます。このような人たちの更生には公的機関による取り組みに加え、こういった民間による支援も大切になってくると思います。こうした中、平成28年12月に再犯の防止等の推進に関する法律が制定されました。この法律では地方公共団体の責務等として、地域の実情に応じた施策を策定し実施すること、再犯の防止等に関する活動を行う民間の団体等との連携、協力の確保に努めることなどが定められており、これまで以上に保護司会や福岡保護観察所、更生保護施設、民間協力団体等との緊密な連携、協力が重要となってきます。また、法律では努力義務となっておりますが、福岡市においても地方再犯防止推進計画を策定し、再犯防止に関する施策をこれまで以上に計画的、効果的に推進していくことが必要と考えます。
 そこで、今後の福岡市における再犯防止に向けた取り組みについて御所見をお伺いいたします。
 続いて、井尻地区の連続立体交差事業の早期事業化についての質問に移ります。
 これまで当局が井尻地区を初めとする5地区の連続立体交差事業について、さまざまな調査、検討を進めてきたことは承知しましたが、当局だけではなく、井尻地区の地元においても、連続立体交差化の早期実現を期して地道なまちづくり活動にこれまで取り組んできたことをここで改めて伝えておきたいと思います。今から8年前の平成23年8月に地元の高木、宮竹の両校区の自治協議会や井尻商店街、各町内会などの地域の代表者などで組織した井尻地区まちづくり期成会が発足し、同年10月には島宗一郎市長に対して、井尻地区の連続立体交差化について要望書を提出してきたところであります。その後、平成28年6月には、期成会の会長を初め、3,000名を超える署名とともに、西鉄天神大牟田線井尻地区における連続立体交差化の早期実現を求める請願を市議会へ提出し、同年12月においてこれが全会派一致で採択をされたところであります。地元の住民は今や遅しと連続立体交差事業の早期事業化を待ちわびているのですが、期成会設立からこれまでの間に、地下鉄七隈線の博多駅への延伸事業を初め、自動車専用道路のアイランドシティや福岡空港への延伸事業など、他の大規模な交通対策事業に先を越されてしまいました。井尻地区の連続立体交差事業については、事業化に至るまでの全体の道のりが一体どれほどあって、現時点ではその道のりのどこまで進んでいるのかがわかりにくい状況であると感じている次第であります。
 そこで、連続立体交差事業の事業化を判断するまでには今後どのような調査が必要であるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自治会、町内会支援の強化に関する御質問にお答えいたします。
 自治会、町内会活動に対する補助制度につきましては、住民の自治意識の醸成と地域活動への参画を促進することを目的に、住民同士の交流を図る事業に対して助成を行う地域デビュー応援事業を実施しております。また、新任の自治会長、町内会長の皆様に対し、公民館において自治会、町内会の運営や活動などについての研修を実施するとともに、地域の皆様が自治会、町内会への加入を呼びかける際のチラシや自治会、町内会に関する基礎知識や活動の事例などをわかりやすく紹介したふくおか自治会ミニブックを作成するなど、日ごろの自治会、町内会活動への支援を行っており、今後とも、自治会、町内会活動への必要な支援について検討してまいります。
 次に、地域集会施設補助金につきましては、平成26年度に会議室等の借り上げを補助対象に追加するとともに、今年度から増改築にあわせて耐震改修工事を行う場合に補助限度額を上乗せするなど、補助制度の充実を図ってきたところでございます。自治会、町内会活動において身近な地域集会施設は重要であると考えており、今後とも、補助制度の充実等に努めてまいります。
 次に、再犯防止の推進に関する御質問にお答えいたします。
 刑務所出所者などの円滑な社会復帰を支援し再犯を防ぐことは、犯罪のない安全で住みよいまちづくりの実現において重要であると認識しております。今後とも、現在の取り組みを推進するとともに、国や県の再犯防止推進計画を踏まえまして、保護観察所や保護司会などの関係機関、団体及び市の関係部局と連携を図りながら、再犯防止の推進に向け、計画の策定も含め、さらなる取り組みを検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 井尻地区の連続立体交差事業についての御質問にお答えいたします。
 事業化を判断するまでに今後必要となる調査につきましては、連続立体交差事業が多額の事業費を要し、事業期間が長期にわたることなどから、国庫補助事業に採択されることが不可欠でございます。そのための事前調査として、先ほどお答えいたしました対象となる踏切の実態把握のための調査分析や物理的な要件の確認に続きまして、今後は連続立体交差事業を実施した場合の費用対効果、いわゆるBバイCの検証が必要となります。これが十分であることが確認されて初めて、国庫補助を含めた財源確保についての協議、調整などの段階に進めることとなります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 打越基安議員。
○9番(打越基安) 再犯防止につきましては、今、下川局長のほうから再犯防止計画を含めた取り組みをしていただくという答弁をいただきましてありがとうございます。重ねてお願いをしておきたいと思います。
 それでは、3問目に入ります。
 自治会、町内会支援の強化についてです。
 繰り返しになりますが、地域コミュニティに関連する予算が減額されている現状があり、少なくとも平成15年度決算と本年度予算の差額3億5,000万円については地域の活動のために確保されるべきものです。コミュニティ関連予算を戻して、各自治会、町内会の活動とともに、民生委員への助成、校区主催事業の拡大、活性化への助成などに充てるべきと重ねて申し上げておきます。
 本市は区が分かれ、海側、山側など地域性があり、全ての自治協議会が同じ状況ではないかもしれませんが、ここで、ある町内会の会長を務めておられる方から私のもとに寄せられた提案を御紹介したいと思います。この方は福岡市が提唱している一人一花運動について、市民それぞれがその趣旨を十分に理解され、市内各所できれいな花が目を楽しませてくれていると運動の成果を高く評価されておられます。一方で、まちなかには相も変わらずごみのポイ捨てが目立ち、有志によるごみ拾いも焼け石に水の状態にあって、その対応に町内会としても苦慮しているとも訴えられておられます。そこで、この方は提案の一つとして、ごみ拾いボランティアの新設を提案されており、定期的に町内のごみ拾いをしてくれる方を有償ボランティアとして募り、実施してはどうかとおっしゃっておられます。各町内から複数名出すのか、目的に対する点検評価といったチェックシステムはどうなるのか、実施に当たって検討すべき事項まで提案されており、真剣に町内のこと、地域のことを思ってくださっております。このほかにも自治会長や町内会長の中には、本当に汗をかいて、時には身銭を切って地域のために頑張っておられる方がたくさんおられます。そして、民生委員さんもわずかな報酬で地域のために献身的に活動を続けていらっしゃいます。本当に頭が下がる思いですが、今後も一部の方のボランティア精神に頼り続けていくやり方では、こういった方々の志を引き継いでいく方、自分も地域活動に頑張ろうと思う方が出てくることも難しいのではないか、自治会、町内会の継続性も担保できないのではないかと危惧しております。何より災害時の地域での助け合いに実効性を持たせるために、大切なのは日ごろからの顔の見える関係づくりです。自治協議会への支援も必要ですが、自治協議会を支える自治会、町内会の活動や苦労に報いる仕組みというものが今後必要となってくると思います。
 自治会、町内会への支援の充実に一層取り組んでいく必要があると思いますが、所見をお尋ねいたします。
 最後に、井尻地区の連続立体交差事業の早期事業化についてです。
 今月5日、京急本線の神奈川新町駅近くの踏切で列車がトラックと衝突し、脱線する事故が発生しました。報道によると、トラックが幅員の狭い道路から踏切に侵入した後、踏切内で立ち往生したため事故が起こったようです。井尻でも狭隘な道路と線路が接続している箇所がたくさんあり、横浜と同じような事故がいつか起きるのではないかと、ニュースのあるたびに不安に感じています。実際、井尻では1975年、昭和50年3月1日19時6分ごろに井尻駅近くの踏切内で脱輪し、立ち往生していたライトバンに特急列車が衝突、脱線事故が発生しております。多数のけが人が出ましたが、幸い事故現場周辺はその当時田んぼばかりで、民家3戸に突っ込みましたが、死者はありませんでした。(パネル表示)このパネルが脱線事故当時の写真でございます。古い写真でございますので、引き伸ばしに限りがありますので、余り見えないと思いますが、雰囲気をつかんでいただければと思います。私が見ました現場は、事故が夜であったために夜間照明のおびただしい光景でありました。当時、私は大学2年生でありましたけれども、本当にこの光景を見たときに声が出ない状態であったことを覚えております。また、この事故で、当時、遮断機がなかった井尻3号踏切は廃止をされたということでございます。
 さて、私は時代劇が好きで、よく見ます。火事とけんかは江戸の華と言いますが、振り袖火事として知られる1657年の明暦の大火では、当時の隅田川に橋がなかったために逃げ場を失い、一説には10万人もの人が焼け死んだと言われております。時代も場所も違いますが、私には当時の江戸と警固断層の線上にも位置する天神大牟田線の井尻近辺が重なって見えるのです。当時の幕府は大火事の後で新しい橋をかけたそうですが、井尻では大事に至る前に鉄道を高架化するしかないと思います。連続立体交差事業は確かに多額の事業費を要します。そのため国庫補助が不可欠であることは理解しますし、今後、費用対効果の調査が必要になることも理解します。しかし、立体交差の効果は非常に大きいのであります。このことで一つおもしろいエピソードがありますので、披露をしておきます。先日、福岡都市圏の議員と話しているときのことです。彼はこう言いました。天神大牟田線が立体交差になって踏切が全部なくなれば、特急や急行がスピードアップするよね、僕らは天神に行くときに便利になるなと。私は鉄道の専門家ではありませんが、なるほど、そんな効果もあるのかと感じました。
 ところで、島市長が進めておられる天神ビッグバンは、規制緩和により民間活力を最大限に引き出すことで都市の成長を牽引しようとするものであります。その実績には率直に敬意を表したいと思っております。この政策が推し進められることにより、福岡都心部には人、モノ、情報が今以上に集中することになります。しかしその一方で、そうした人、モノ、情報が集まる都心部へ向けた列車の運行に支障を来すような事故が起きれば、多くの市民生活、ひいては都市機能に重大な影響を及ぼすことが懸念されます。このような都市機能の麻痺を回避するためにも、間もなく来る雑餉隈駅付近の連続立体交差事業の完了と継ぎ目なく、井尻地区の連続立体交差化を進めていただき、踏切事故の解消、踏切遮断による交通渋滞の緩和、線路両側のまちの一体化が図られることを地域住民一同、強く願う次第であります。
 以上のような地元の思いを受けとめ、次の井尻地区の事業化に向け、取り組みを進めていただくことを強く要望して、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 自治会、町内会支援の強化に関する御質問にお答えいたします。
 自治会、町内会につきましては、住民の皆様にとって最も身近な自治の基礎となる組織であり、地域デビュー応援事業を実施するなど、支援に取り組んでいるところでございます。平成27年10月にいただいた地域のまち・絆づくり検討委員会からの提言におきましても、自治会、町内会などの小さなコミュニティを大切にし、住民相互の顔の見える関係づくりに取り組むことが求められており、今後とも、持続可能な地域コミュニティづくりに向け、自治会、町内会活動の支援の充実に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広)登壇 公明党の尾花康広でございます。4期目の議席を賜り、今期初の登壇となります。公明党には、小さな声を、聴く力、という一貫した政治姿勢があります。市民相談に寄せられた市民の方からの貴重な御意見をもとに、ひとり親家庭の自立支援策の充実、AED、自動体外式除細動器施策の検証と実践的な配置、公園愛護会への活動実態に即した支援策の拡充の3点について質問いたします。当局の積極的かつ前向きな答弁に期待するものであります。
 まず、ひとり親家庭の自立支援策の充実についてです。
 先般、公明党福岡市議団に、ひとり親家庭で働きながら2人の子どもを育て、美容師の免許を取得するため通信教育の美容専門学校に学ばれている方から御相談がありました。その内容は、国の制度に高等職業訓練促進給付金制度、以下、給付金と呼びますが、というものがあるのを知り、福岡市に問い合わせたところ、福岡市は通学でないとこの制度を利用できないと言われました。全日制の学校に通いながら子どもを育てることができるひとり親がどれだけいるでしょうか、年間100万円を超す学費を払えるひとり親がどれだけいるでしょうか、国の方針は通信でも支給対象としているのに、なぜ福岡市はだめなのでしょうか。この制度を知ったきっかけは、同じ学校の方から教えてもらったからです。その人は大牟田市在住ですが、通信でも支給されています。福岡市では利用者数が多くて予算がないと言うなら話はわかりますが、問い合わせても決まりなので、では、何のための制度なのか納得できません。国からはこの制度の周知徹底が通達されていましたが、どこに行けば知ることができたのでしょうか。私は学校に通い始めて、もう1年半になりますが、全く知りませんでした。ことし息子の高校受験も重なっているので、仕事を2つにふやしました。これから資格取得を目指して頑張っているひとり親が一人でも多くこの制度を知って自立につながっていってほしいのと、ひとり親の現状を知ってほしく御相談をいたしました。この相談で問題提起された事柄についてお尋ねしてまいりたいと思います。
 まず、高等職業訓練促進給付金制度とは何か、その概要をお知らせください。
 以上で1問目の質問を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 高等職業訓練促進給付金は、児童扶養手当の対象となる所得水準にあるひとり親家庭の母または父が、就職の際に有利であり、かつ生活の安定に資する資格の取得をするため養成機関において修業する場合に、最長4年間、所得に応じて月額最大10万円、さらに、最終学年では支給月額に4万円を加算して支給し、ひとり親家庭の経済的な支援を行う事業でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 国の方針、すなわち厚労省の通達、母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業の円滑な運営についてでは、この給付金について、平成28年4月から支給期間の延長、2年から3年、対象資格の拡大、2年以上修学する資格から1年以上修学する資格、通信制の利用要件の緩和、本人が仕事をしながら資格取得を目指す場合にも通信制を利用可などの充実に取り組むよう各自治体に通知されています。
 そこで、お尋ねいたしますが、この国の方針、通達に対する本市の対応状況を御教示ください。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 国の通知に基づく本市の対応につきましては、支給期間の延長及び対象資格の拡大を平成28年4月から実施いたしております。
 なお、通信制の利用要件の緩和につきましては本市では実施いたしておりません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) この給付金の充実策の一つとして、仕事をしながら資格取得を目指す場合などにも通信制を利用可とする、すなわち通信制の利用要件の緩和について、支給に係る留意事項の中で「修業形態については、通学制を原則とするが、養成機関が遠隔地にあるため通学が困難な場合等、特にやむを得ない場合や、養成機関に通う者は職を辞して修業を開始する者も多いことから、離職するリスクを負うことができないひとり親についても、修学する機会を確保できるよう、働きながら資格取得を目指す場合にも通信制の利用を可能なものとする」と明記されています。それにもかかわらず、本市は通信制を認めていないとのことです。本市のこの給付金に関するホームページやリーフレットを見ると、通信教育は対象外ですと、他の自治体がまずは事前に相談してくださいと個々の事情をしんしゃくして判断する姿勢をとっているのに対し、はなから紋切り型で拒絶しています。
 それでは、通信制を認めている各政令市の状況をお知らせください。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 各政令市の状況につきましては、本市を含む20政令市中16の政令市で通信制も対象としていると聞いております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 議会事務局への委託調査結果によれば、20政令市中16の政令市では、国の方針、通達どおり通信制を認めています。
 本市として、なぜ国の方針、通達どおり通信制を認めなかったのか、当時の検討の経緯を詳細にお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 通信制を認めなかった理由といたしましては、当時の検討経緯の詳細を資料として作成いたしておりませんが、国の通知で示された要綱では高等職業訓練促進給付金の対象者の要件の一つとして、就労または育児と修学の両立が困難であると認められる者であることとなっていること、また、当該給付金の支給目的が受講に際しての生活の負担の軽減であることやこれまでの実績等を勘案し、通学制のみの対応としたものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 今それなりの御答弁をいただきましたが、恐らくこういう検討経緯だろうということで、国の方針、通達と違った重要な判断を下したにもかかわらず、当時の検討の経緯を詳しく知る資料は残っていないとのことであります。市独自の判断を行った場合は、市民の立場を十分に考えて慎重に検討するよう意見として強く申し上げておきます。
 この給付金の充実策の一つとして、対象資格の拡大により2年以上修学する資格から1年以上修学する資格も対象とすることになりました。
 本市において、これまでどのような資格が対象で、国の方針、通達により新たにどのような資格が対象となったのか、具体的な資格名をお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 対象資格につきましては、平成28年4月に看護師、介護福祉士、保育士、理学療法士、作業療法士に加え、国の通知に示された対象資格の例に準じ、新たに歯科衛生士、美容師、社会福祉士、製菓衛生師、調理師を対象といたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 合わせて10の資格の対象にとどまっております。この質問に当たり、さいたま市の先進事例を視察調査しました。さいたま市では、国の方針、通達に基づき全ての充実の取り組みを実施しています。通信制による資格取得を認めた実績として、この質問のきっかけとなった美容師、保育士、教育職員、社会福祉士、精神保健福祉士、理容師、2級建築士、看護師があり、本市と比較して7つ多い17の資格取得について給付金の対象となっておりました。
 さて、福岡市はひとり親家庭の実態調査を行っております。直近の調査結果において、転職、退職の有無及び転職、退職の理由はどうなっているのか、御教示ください。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 平成28年度に実施いたしました福岡市ひとり親家庭実態調査におけるひとり親家庭になったことにより転職または退職した経験のある方の割合は、母子家庭では転職したが30.7%、退職したが11.6%、父子家庭では転職したが11.0%、退職したが7.2%となっております。また、転職、退職の理由につきましては、母子家庭では収入が少ないが49.3%と最も高く、父子家庭では労働時間が長いが25.0%で最も高くなっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 母子家庭の母親では転職または退職を経験している割合が4割を超え、転職、退職の理由は収入が少ないが5割近くと最も高くなっています。これは全日制の学校に通いながら子どもを育てることができるひとり親がどれだけいるでしょうかとの訴えを裏づけるものであり、働きながら学校に通わざるを得ない状況に置かれているひとり親家庭の厳しい実態が推察されると思います。そうは思われませんか、こども未来局長の御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 実態調査において、母子家庭になったことを契機として転職や退職をした方が4割を超え、その理由として収入が少ないと答えた方が約半数を占めている調査結果につきましては、母子家庭の置かれた厳しい状況をあらわしているものと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) こうしたひとり親家庭の厳しい経済事情に寄り添い、自立のための資格取得を容易にするために創設され、たびたびの拡充が図られてきたのが、この高等職業訓練促進給付金制度です。
 それでは、本市のこの給付金の最近5年間の予算額及び支給実績、件数、受給者数、支給金額をお知らせください。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 高等職業訓練促進給付金の過去5年間の当初予算額及び支給実績につきましては、平成26年度が予算額1億320万6,000円に対し、支給実績は受給者数81人、決算額8,748万円、27年度は予算額1億258万円に対し、受給者数64人、決算額6,181万5,000円、28年度は予算額9,688万8,000円に対し、受給者数76人、決算額7,735万2,000円、29年度は予算額9,363万4,000円に対し、受給者数83人、決算額8,446万1,000円、30年度は予算額8,848万5,000円に対し、受給者数98人、決算見込み額1億296万1,000円となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 充実がうたわれているのに、平成26年度から平成30年度にかけて年々給付金の予算額は減少しており、この予算の組み方が福岡市の行政当局のこれまでの姿勢を物語っていると思います。国の方針、通達の中で、周知、広報に係る留意事項として、養成機関は毎年4月に開講することが多いことから、事前に養成機関に必要な情報提供を行うこと、また、平成28年度から開始されたひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付、以下、貸付と呼びますが、については、一定の要件を満たせば返還が免除されるものであり、高等職業訓練促進給付金とあわせて利用することで、ひとり親家庭の修業をより一層容易なものとし、ひとり親家庭の資格取得を促進するものであることから、積極的に周知を行うこととされています。
 そこで、お尋ねいたしますが、この貸付事業の概要及び本市の最近の3年間の実績、あわせて事前に養成機関に対して必要な情報提供を行っているのか、積極的な周知、広報を行っているのか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業は、高等職業訓練促進給付金を活用して養成機関に在学し、就職に有利な資格取得を目指すひとり親家庭の母または父に対し、入学準備金50万円、就職準備金20万円を上限に貸し付け、これらの方の修学を容易にすることにより資格取得を促進し、自立の促進を図る目的で福岡市社会福祉協議会が行っている事業でございます。過去3年間の貸付実績につきましては、平成28年度が15件で750万円、29年度が48件で1,710万円、30年度は39件で1,470万円でございます。また、周知、広報につきましては、養成機関に対しての情報提供や周知、広報は行っておりませんが、制度の対象となり得る全ての世帯に対し、毎年行う児童扶養手当の現況届提出の案内の際に当該給付金、貸付金について記載したひとり親家庭支援施策のチラシを同封し、周知するとともに、区役所での制度の案内のほか、ひとり親家庭ガイドブックの配布、さらには市のホームページなどで周知に努めております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 資格を取るための専門学校などへは事前に必要な情報提供は行っていないとのことであります。この貸し付けについては、養成機関を修了した後、取得した資格を生かして就職し、その業務に5年間従事した場合には貸付金の返還が免除されるものであります。この給付金の支給を受けて資格を取得し、就職したひとり親が継続的に業務に従事できるよう、この給付金の支給が終了した後も母子・父子自立支援員や就業支援専門員等の相談関係職員は必要に応じて就業継続支援を行うこと、この給付金の効果とは、支給を受けたひとり親が就業を継続し、自立した状態を維持できるかによるものであるので、積極的に就業継続支援を行うことが重要とされています。
 本市において、こうした就業継続支援の取り組みが行われているのか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 高等職業訓練促進給付金の支給を受けて資格を取得し、就職したひとり親家庭に対しましては、本市から定期的に連絡するなどの就労継続支援は行っておりませんが、生活や仕事上の悩みなどは母子・父子自立支援員を配置する各区の家庭児童相談室や就労相談の専門員を配置するひとり親家庭支援センターで相談を受け、必要な対応を行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 就業継続支援まで行う体制はできていないということであります。私もこの事業のスキーム、流れがわかりにくいので、行政窓口に出向き、職員の方からお話を伺ってまいりました。この給付金の申請手続は各区役所の子育て支援課の家庭児童相談室、書類審査及び支給決定は本庁のこども未来局こども家庭課、貸し付けの申請手続は福岡市社会福祉協議会で行われています。特に最初の申請手続の窓口である区役所子育て支援課家庭児童相談室では、相談内容は多岐にわたっており、この給付金及び貸付事業制度はたび重なる改正が行われ、窓口で十分な説明ができているのか心苦しいですと率直な気持ちを吐露されておりました。また、ひとり親家庭の就労支援施設である福岡市立ひとり親家庭支援センターでは、なぜかこの給付金の申請手続を行っておらず、この給付金を充実する通達のことも御存じではなく、お尋ねがあれば、ひとり親家庭ガイドブックで制度の概略のみを説明しているとのことでありました。ひとり親家庭の方が就職に有利な資格を取るための給付金、貸付制度であり、申請手続を含め、ひとり親家庭の就労支援を行っている福岡市立ひとり親家庭支援センターにおいても、就業継続支援を含め、懇切丁寧な対応を行っていただきたいと思います。
 この給付金、貸付制度の積極的な周知、広報を含め、申請手続から就業継続支援に至るまでの業務の充実、最適化を図るべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 高等職業訓練促進給付金などに係る業務のあり方につきましては、制度の利用を望む方がより利用しやすくなるよう、区役所とひとり親家庭支援センターの一層の連携を図るとともに、ひとり親家庭支援センターをより利用しやすい窓口にしていくなど、効果的な就業継続支援のあり方について検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) さいたま市の担当者の方のお話によれば、子育てといえばさいたまと言われるように、平成23年10月9日に制定したさいたまキッズなCity大会宣言に基づき、市民の皆様とともに、社会全体で子育てを推進する地域社会の実現を目指し、市長を先頭に子育て支援に全力で取り組んでおり、市民の子育て支援に寄与するものなら何でも素直に積極的に取り入れておられるそうです。
 本市においても、国の方針、通達に基づき通信制の利用要件の緩和、すなわち本人が仕事をしながら資格取得を目指す場合などに通信制を利用可とし、対象資格の拡大を図るなど、さらなるひとり親家庭の自立支援の充実を早急に図るべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 高等職業訓練促進給付金につきましては、ひとり親家庭の自立を促進する有効な事業と考えております。通信制の利用や対象資格の拡大も含め、今後とも、就業支援を初めとするひとり親家庭の自立に向けた総合的な施策の充実に向け、取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 通信制の利用や対象資格の拡大に取り組んでいただけるとのことです。他の政令市と比較して、かなりおくれをとっています。スピード感を持って取り組んでいただき、遅くとも来年度には実施できるよう、しっかり準備していただきたいと思います。
 島市長は平成31年度市政運営方針の中で、誰一人取り残さないというSDGsの理念を踏まえ、高齢者や障がい者を含むあらゆる人がその能力を存分に発揮できる環境を整えるなど、持続可能なまちづくりを進めていきますと所信を述べられました。ひとり親家庭の方がその能力を存分に発揮できる環境をぜひ本市においても早急に整えていただきたいと思います。
 このテーマの質問の最後に、島市長の御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 全ての子どもがその生まれ育った環境に左右されることなく、心身ともに健やかに育成できるよう社会全体で支援する環境づくりを推進していく必要があると考えています。ひとり親家庭の方が安心して子育てができ、仕事と子育てが両立できる環境を整え、自立に向けて支援を行っていくことは重要な課題であると認識をしており、尾花議員の御指摘も踏まえながら、今後とも、ひとり親家庭の自立に向けて、生活や、また就業などを支援するさまざまな施策の充実や利用の促進に向けて取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 次のテーマ、AED、自動体外式除細動器施策の検証と実践的な配置に入ります。
 地元の自治会長さんから、休日に中学校で壮年ソフトボールをしていた40代の方が突然倒れ、心肺停止状態となり、たまたま学校関係者の方がいたので学校からAEDを取り出せ、救命できたが、今後のことを考えると屋外でもAEDを使えるようにしてほしいとの市民相談をいただきました。AEDに関しては、これまで多くの議員の方が議会質問などで取り上げてまいりましたが、多くの市民が利用する公の施設や庁舎などで緊急時に有効に使用できるよう、効果的かつ効率的に設置されているのか、その管理が適切になされているのか、その進捗状況がとても気になるところであります。
 まず、本年7月4日にAEDの設置及び管理等についてをテーマにした平成30年度の行政監査結果が報告されましたが、どのような監査委員の御意見があったのか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 平成30年度の行政監査結果報告における監査委員の意見といたしましては、市有施設における設置基準の作成の検討、一括契約など調達方法の見直し、設置場所の工夫、効果的な表示、日常的な点検などの適切な管理の徹底、指定管理施設への指導の徹底、救命講習の受講促進などがございました。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 以下、監査結果報告に基づいてお尋ねいたしますが、市有施設のうち、国の適正配置に関するガイドラインに照らし、AEDの設置が推奨されている施設の中でAEDがいまだに設置されていない施設の状況及びその理由を御教示ください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 監査結果報告書によりますと、平成25年9月に厚生労働省から通知された自動体外式除細動器の適正配置に関するガイドラインにおいてAEDの設置が推奨される施設を調査した結果、AEDの未設置施設が市全体で264施設あり、そのうち最も多かったのは留守家庭子ども会の138施設で、未設置の理由といたしましては、隣接施設から借用できるためとなっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 未設置の数が138施設と一番多い留守家庭子ども会、未設置の理由は隣接施設から借用できるためとのことです。隣接施設は小学校のことなどを指していると思いますが、留守家庭子ども会が行われている時間まで小学校は鍵をかけずに確実にAEDを取り出せる状態にあるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 留守家庭子ども会につきましては、小学校の敷地内で運営していることから、各学校が設置しているAEDを使用することとしております。このため、各留守家庭子ども会に対して、AEDの配置場所や使用手順を適宜学校に確認し、緊急時に確実に対応できるよう周知しておりますが、その実情について改めて確認したいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 改めて実情を確認するとのことですが、学校には既に鍵がかかり取り出せない事態も想定され、緊急の際は、あの分厚い玄関ドアガラスを割って取り出さなければならないこともあるようです。文部科学省によれば、玄関は扉に透明なガラス面を大きくとる等、受付から来訪者が見通せる構造にすることが望ましい、扉にガラスを使用する場合は、事故防止及び侵入防止のため、容易に破壊されにくいガラスや防犯フィルムを使用することが望ましいとされ、学校の玄関ドアのガラスを割るのはなかなか至難のわざだと思われます。
 それでは、市有施設の心肺停止発生件数の多い施設はどのような施設か、御教示ください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 監査結果報告書によりますと、AEDを設置している市有施設において、平成25年4月1日から平成30年5月1日までの間に心停止の事例が40件発生しており、その内訳といたしましては、スポーツ関連施設が10件と最も多く、次に、学校等の7件、次いで交通機関関連施設が6件の順となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) やはり学校などが上位に挙がっております。
 国が示しているAEDの適正配置に関するガイドラインによれば、施設内でのAEDの配置に当たって考慮すべきことはどんなことか、お示しください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 国のガイドラインによりますと、施設内でのAEDの配置に当たって考慮すべきこととして、心停止から5分以内に除細動が可能な場所に配置すること、入り口付近などわかりやすい場所に配置すること、鍵をかけないなど誰もがアクセスできること、運動場など心停止のリスクがある場所の近くであること、AED配置場所について周知することなどとされております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 市有施設のAEDの配置状況について、このガイドラインに沿って心停止から5分以内に電気ショックが可能な配置になっているのか、誰もがアクセスできる、鍵をかけない、あるいはガードマンなど常に使用できる人がいる、心停止リスクがある場所、運動場や体育館等の近くへの配置などの場所になっているのか、御教示ください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 監査結果報告によりますと、緊急時に迅速に対応できる場所に設置している施設が多く、大きな問題は認められないものの、心停止のリスクがある場所や誰もがアクセスできる場所という視点を考慮すると、工夫を要する事例も一部見受けられたとされ、また、学校は児童生徒だけでなく、地域住民も利用する施設であるが、夜間や休日等の施設開放時にAEDを使用できない学校が約6割あり、設置場所の選定に配慮が必要であるとされております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 残念ながら本市のAED配置はガイドラインに沿った適正配置には至っていないとのことであります。
 この質問に当たり、神奈川県大和市のAED設置施策の先進事例を視察調査しました。大和市では応急救護体制の充実と救命率の向上を図るため、重篤な傷病者が発生した場合にいち早くAEDを使用できる環境の整備を進めています。AEDは公共施設や24時間営業のコンビニエンスストア、やまとAED救急ステーション認定事業所、郵便局、AEDの設置数が比較的少ない2,000平米以上の大規模集合住宅などに設置しております。現時点では市内453カ所のAEDが使用可能となっており、最寄りのAEDにおおむね3分以内にアクセスできる環境を整備し終えたそうであります。また、市立小中学校全校に屋外AED収納ケースを整備し、これまで屋内にあったAEDを昇降口前などの屋外で保管しています。このことにより、心停止の発生率が最も高いグラウンドなどでの使用において、AED使用までの時間の短縮を図っています。このほか、夜間、休日の開放事業時や地域住民の緊急時、災害時など、いつでも誰でも使用できるようにしております。
 そこで、お尋ねいたしますが、本市において小中学校のAEDの配置を屋内から屋外に変更した事例はあるのか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 夜間、休日にも地域の方などが学校施設を使用することを考慮し、小学校1校でAEDの配置を屋内から屋外に変更した事例がございます。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) これまで多くの議員の方がAEDの効果的な配置について質問してきたにもかかわらず、小中学校においてさえも十分な対応が行われていないとのことであります。
 国のガイドラインの趣旨に沿い、効果的かつ効率的な配置に取り組み、大和市のように、まずはスピード感を持って市立小中学校全校に屋外AED収納ケースを整備し、これまで屋内にあったAEDを昇降口前などの屋外で保管すべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 全ての市立学校のAEDにつきましては、これまで誰にでもわかりやすい場所への設置や表示に取り組んでまいりましたが、AEDのリース契約がことし12月に更新時期を迎えることから、国のガイドラインで示されている誰もがアクセスできることなどを考慮し、屋外への配置を含め、効果的かつ効率的な配置になるよう検討してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 屋外の配置も検討していただけるとのことであります。留守家庭子ども会の皆様はこれで安心してAEDが利用できると思います。
 冒頭での答弁にございましたが、監査結果報告では市有施設の調達方法の見直しなどについても、意見がなされました。
 まず、仕様についてですが、視察調査した大和市では既に実施済みでしたが、AEDがいざというときに良好に使用できるように、AED本体、バッテリー等のセルフチェック、自己診断機能、AEDの状態、パッドの使用期限、バッテリー残量等に関する遠隔監視システム、受注者による消耗品の定期交換、動産総合保険の加入など、仕様の基準を統一し、ヒューマンエラーを防止する見直しを行っていただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 市有施設におけるAEDの管理につきましては、各施設管理者において実施しておりますが、一部の施設で管理状況に不適切な事例が確認されていることから、標準的な仕様の作成など、適切な管理が図られるよう検討を行ってまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) AED調達の契約金額については、購入、リース、単独、一括にかかわらず、最低費用と最高費用に驚くほどの開きがあることが意見されております。その概要をお知らせください。
 あわせて、複数台まとめた長期リース契約とし、複数の業者から見積もりを徴収し、スケールメリットを生かした経済的な調達方法を行えば、同規模の予算で新たな施設へのAEDの設置や複数台のAEDが必要な施設に適切に設置できると思います。ぜひ調達方法の見直しを行っていただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 監査結果報告によりますと、AED1台当たりに要する年間費用は、購入の場合で最低が2万5,011円、最高で6万3,575円、リースの場合で最低が2万7,266円、最高で9万9,792円であったとされております。調達方法の見直しにつきましては、複数台をまとめた購入や長期のリース契約など、できる限り経済的な調達が可能となるよう検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 市有施設で心配停止が発生した場合、AEDを使える施設職員の存在がとても重要であります。指定管理施設において、AED設置、管理、救命講習の受講に関することを協定書に規定していない施設が約7割存在し、そうした規定の有無にかかわらず、市によるAED管理状況の把握が行われていなかった施設が約7割に上ったことも明らかになりました。
 早急に改善が必要だと思いますが、指定管理者の指定の手続に関するガイドラインを見直すべきではありませんか。所管する総務企画局長の御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 救命処置の医療機器であるAEDにつきましては、人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれもある医療機器であり、緊急時に有効に機能するよう、また、施設利用者の安全が確実に担保されるよう、施設管理者において適切に管理されなければならないと考えております。総務企画局といたしましても、指定管理施設の所管課に対して改めて適切な管理を周知徹底するとともに、議員おただしの趣旨を踏まえ、ガイドラインの充実と改善に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) ただいまの御答弁、しっかりとガイドラインにAEDの適正管理のことを明記し、周知徹底していただけると理解いたしました。
 監査報告の監査委員の御意見として、イの一番に市有施設のAEDの設置に関する全庁的な統一基準の作成の検討が挙げられております。その策定などについては、保健福祉局が名指しで投げかけられておりますが、監査委員の御意見が多岐にわたることから、命を守る最前線で日々奮闘されている消防局、最少の予算で最大の効果を生む視点から財政局との連携がとても重要だと思われます。保健福祉局長、消防局長、財政局長それぞれに統一基準作成など監査委員の改善を求める意見に対する御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 市有施設におけるAEDにつきましては、これまで国のガイドラインに従い、各施設管理者の判断により設置及び管理が進められてきましたが、今回の行政監査の結果報告にもございますとおり、各施設管理者のガイドラインの解釈が統一されておらず、結果として設置等が適切でない事例も一部見受けられております。保健福祉局といたしましては、今後、設置の考え方や調達に当たっての標準的な仕様を共有するなど、関係局とも連携し、AEDの適切な設置及び管理に向けて取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山下消防局長。
○消防局長(山下周成) 監査委員からの改善を求める御意見を受けまして、過去に一度も救命講習を受講したことがない施設に加え、各局、区、室に対し、施設職員の救命講習の受講を促進するように依頼をいたしました。救急車が現場に到着する前に、その場に居合わせた方がAEDを適切に使用することは非常に重要だと考えており、消防局では年間約4万7,000人の市民に対して救命講習を実施するなど、胸骨圧迫、いわゆる心臓マッサージやAEDの使用方法などの普及に努めているところであります。引き続き市有施設の職員はもちろん、市民の方に対する救命講習を積極的に実施してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 今回の監査委員の御意見のうち、AEDの調達方法の見直しに係るものにつきましては、財政局といたしましても、保健福祉局を初め、関係局と連携しながら、最少の経費で最大の効果が得られるよう、効率的で効果的な予算の執行に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 視点を市有施設から大きく広げますが、本市の最近3年間の消防局の救急活動におけるAEDの使用実績を御教示ください。
 
○議長(阿部真之助) 山下消防局長。
○消防局長(山下周成) 福岡市の過去3年間の救急活動におけるAEDの使用実績につきましては、除細動、いわゆる電気ショックを実際に行った件数は、平成30年が87件、29年が101件、28年が104件であります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 今の御答弁は実際に電気ショックを行った件数で、AEDを装着し、電気ショックに至らなかった件数を含めると、AEDの使用はその10倍以上の件数になるようで、本市においても救急現場でAEDが多く使用されています。国のガイドラインによると、電気ショックが1分おくれると社会復帰率が9%減少すると報告されていることから、心肺停止に陥った方に対して、一般市民による迅速なAEDの使用が重要であることは言うまでもありません。また、同ガイドラインでは、AEDの設置が考慮される施設として、コンビニエンスストアなどの地域のランドマークとなる施設、保育所、認定こども園、集合住宅などが挙げられており、先ほど紹介した視察調査を行った大和市では、市長の陣頭指揮のもと、完璧な対応が行われておりました。本市も市有施設以外のAEDの設置推進の取り組みを漫然と進めるのではなく、大和市のようにおおむね3分以内にアクセスできる環境など、明確な目標を定めて進めていただきたいと思います。
 このテーマの質問の最後に、島市長のAED施策の検証と実践的な配置に関する御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) AEDにつきましては、救命や社会復帰の点ですぐれた効果を発揮するものでありまして、市有施設においても積極的に設置を進めてまいりました。尾花議員御指摘のとおり、心肺停止に陥った方に対する迅速な使用が重要であることから、AEDが有効に活用されるよう、国のガイドラインやAED設置施設を周知するとともに、使用方法の普及に向けた救命講習を積極的に行ってきたところでございます。また、心肺停止の方のもとへ一刻も早く届けるため、先日は九州大学箱崎キャンパス跡地のFUKUOKA Smart EASTエリアにおきまして、地元の方も参加をして、ドローンを使って現場に自動操縦でAEDをいち早く届ける実証実験も行いました。
 今後とも、AEDの効果的、効率的な配置や適切な管理の実施を初めとした市民の命を守る取り組みを進め、より一層安全、安心なまちづくりを推進してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 最後のテーマである公園愛護会への活動実態に即した支援策の拡充に入ります。
 公園愛護会の方から市民相談をいただきました。地域にある約6,500平米の公園の清掃や除草を老人会の有志で愛護会を結成して行っているが、清掃用具を遠く離れた公民館から持ってこなければならないので大変苦労している。公園内に清掃用具を入れる倉庫を設置していただけないかと行政に相談したが、清掃用具を入れる倉庫は、報償金を差し上げているので、それを積み立てて捻出してくださいとの回答だったとのことであります。
 そこで、お尋ねいたしますが、公園愛護会とは何で、本市において公園愛護会が結成されているのは全公園中何件で何%に当たるのか、あわせて公園愛護会への報償金の概要及び支給実績をお知らせください。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 公園愛護会は、日ごろから地域の庭として利用されております身近な公園において、利用者が自発的に簡易な除草や清掃、施設の見守りなどのボランティア活動を行うために結成されたものであります。本市が管理する都市公園数は、平成31年4月1日現在、1,680カ所で、そのうち愛護会結成公園数は1,300カ所、その割合は77.4%となっております。
 公園愛護会への報償金の概要につきましては、清掃や簡易な除草などの基本活動に対し、活動面積に応じて一定金額を交付するものと、これに加えまして機械除草やトイレ清掃などの選択式の活動内容に応じて上乗せして交付するものがあり、清掃用具や用具入れの購入、お茶代など、広く愛護会活動に充てられております。交付額は平成30年度決算額で5,870万円余となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) ただいまの御答弁では、報償金には上乗せ交付しているものが別途あるとのことですが、その正式名称と概要についてお知らせください。
 あわせて、御答弁いただいた支払い額の5,870万円余のうち、その上乗せ交付分は幾らなのか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 上乗せして交付する報償金の正式名称は、地域内連携公園管理事業報償金であります。その概要は、機械除草やトイレ清掃などを選択的に行う公園愛護会に対しまして、活動内容に応じた報償金を交付するものであります。交付額は平成30年度決算額の5,870万円余のうち1,840万円余となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 1,300の公園愛護会のある公園のうち、地域内連携公園管理事業が行われている公園は何カ所あるのか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 地域内連携公園管理事業が行われている公園数につきましては、276カ所でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 全体の約2割にとどまっております。地域内連携公園管理事業は、樹木管理、剪定、害虫駆除、機械による公園の芝生や草刈り、便所清掃を行った場合に特別に支給されるものであり、簡易な除草や清掃、施設の見守りなどの一般的な公園愛護会活動を行う報償金とは区別されているとのことであります。議会事務局に委託調査をお願いしたところ、報償金、交付金、委託費、活動支援費、補助金など、使われている名称はまちまちですが、外郭団体が支給しているものも含め、全20政令市で愛護会への報償金を支給しています。
 本市の公園愛護会の報償金の額を決める際、他の政令市の動向も把握されていると思いますので、地域内連携公園管理事業を含まない純然たる公園愛護会報償金ベースでの報償金総額について、政令市における最高額、最低額及び平均額並びにその順位を御教示ください。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 公園愛護会への報償金につきましては、本市では2つの報償金交付要綱に基づきまして、愛護会の基本活動と選択活動に対してそれぞれ報償金を支払う2本立ての制度といたしておりますが、他都市におきましては、1つの交付金要綱で報償金等を支給するものや基本活動とする対象や内容も都市によって異なっていることから、地域内連携公園管理事業を含まない部分の報償金等の額について単純に比較してお答えすることは困難でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 本市の公園愛護会への報償金が十分に足りているのか、他都市としっかり比較検討していただくよう意見として申し上げておきます。
 それでは、清掃用具入れの支給を行っている政令市の状況がわかればお知らせください。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 横浜市や大阪市、北九州市など、20都市中8市において清掃用具入れを貸与している事例がございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 議会事務局への委託調査の結果によれば、20政令市中、横浜市、静岡市、名古屋市、大阪市、堺市、神戸市、北九州市、熊本市の8市が清掃用具入れ、倉庫を市が公園備品として設置しております。そのうち7市は報償金には含まず、別建てで設置しております。御相談いただいた公園は約6,500平米ですので、人口規模が同程度の神戸市の基準を当てはめれば、年間約6万2,500円の報償金、助成金を支給した上に備品倉庫の貸与を行っております。これに対して、本市ではこの公園愛護会への報償金は年間3万8,000円のみ、これを12カ月で割れば月3,166円余りで、主に参加者への清掃後の飲料代などに使われております。これを積み立てて、何年かかるかわかりませんが、自前で清掃用具入れ、倉庫を買い、設置の許可申請まで行ってくださいというのは、余りにもひど過ぎる話だと思います。
 その後、この公園は機械による除草を行えば地域内連携公園管理事業の報償金が上乗せでき、清掃用具入れの購入の費用に充てることもできるとの説明を受けましたが、地域内連携公園管理事業報償金の対象となる公園については、公園愛護会報償金とセットで説明し、公園愛護会の御要望に真摯に向き合うよう各区役所担当窓口に徹底していただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 地域内連携公園管理事業につきましては、公園愛護会活動を支援するメニューであり、これまでもパンフレット等を作成して広報に取り組んでいるところでございます。平成18年度にモデル事業としてスタートしたこの事業も、現在は276カ所になり、制度を活用する愛護会は徐々にふえております。今後もさらにこの取り組みを広げていけるように、窓口の対応におきましても愛護会の御要望を十分に伺い、丁寧な説明ができるよう努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) それでは、本市の公園愛護会が結成されている1,300カ所のうち、清掃用具入れを設置している公園は幾つあるのか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 清掃用具入れを設置している公園数につきましては、518カ所でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 全体の約4割程度にとどまっております。
 本市において、公園の維持管理が公園愛護会のような地域のボランティアの協力なしでは成り立たないのであれば、公園愛護会の主な活動の一つである公園の清掃や除草のための清掃用具入れ、倉庫は他の政令市のように市が公園の標準装備として別建てで予算措置を行い、責任を持って設置すべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 本市では、地域の庭として利用されている身近な公園において、利用者が自発的に簡易な除草や清掃、施設の見守りなどのボランティア活動を行う愛護会活動を支援するために報償金を交付しているところであります。公園愛護会の規模や活動内容はさまざまであり、それぞれの愛護会が必要とする活動費用も清掃用具入れの購入費や活動時のお茶代など、さまざまでありますことから、本市ではその費用に自由に充てられるように使途を定めない報償金といたしているところでございます。議員の御指摘のように、他都市では市が清掃用具入れを貸与している事例があります一方で、本市では既に多くの愛護会が清掃用具入れを設置している状況も踏まえまして、活動団体のニーズの把握や他都市の取り組み状況を調査しながら支援策のあり方について検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 本市では平成29年度よりコミュニティパーク事業を立ち上げておりますが、その概要と実績、さらなる利用促進に向けた取り組みをお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) コミュニティパーク事業につきましては、地域による公園の利用ルールづくりと自律的な管理運営により地域にとって使いやすい魅力的な公園づくりと地域コミュニティの活性化を目指しておりまして、事業を実施している公園は、令和元年8月末現在、5カ所となっております。これまで自治協議会との連絡協議会の場などで制度の周知を図ってきたところでありますが、これからも市政だよりやホームページなどにおいて事例紹介を行うなど、コミュニティパーク事業の普及に努めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) ただいま御答弁いただきましたように、本市の公園施策は、公園愛護会報償金、地域内連携公園管理事業、そして、コミュニティパーク事業と、これまでの愛護会活動による維持管理から、それを取り込んだ上での地域にとって使いやすい魅力的な公園づくりと地域コミュニティの活性化を目指すものへと制度がさま変わりしております。
 これからますます市内一律のルールに基づき制限されていた公園の利用が、地域独自の決まり事によって幅広く可能となってまいります。公園愛護活動のための清掃用具入れ、倉庫も地域による公園の利用と自律的な管理運営に沿った用途に広げることを検討してもよい時期に来ているのではないでしょうか、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) コミュニティパーク事業では、地域に自律的に管理運営に携わり、使いやすく魅力的な公園づくりを進めていただいており、その効果も把握してまいりたいと考えております。それとあわせまして、公園の管理と利用に必要となる倉庫の設置につきまして、その用途など地域のニーズ等も踏まえながら今後検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 尾花康広議員。
○23番(尾花康広) 公園の管理と利用に必要となる倉庫の設置については、地域のニーズ等を踏まえながら検討していただけるとのことであります。島市長は人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市を目指すと常々おっしゃっておられます。地域の庭である公園が隅々まで地域の愛護ボランティアの方々の喜々とした喜び勇んだ活動によって良好に保たれているまちこそ、その理想とするところではないでしょうか。
 最後に、公園愛護会への活動実態に即した支援策の拡充について島市長の御所見をお伺いし、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 公園愛護会は日ごろから公園を利用される地域みずからが地域にとって使いやすく魅力的な公園となるよう活動されているものでありまして、市民との共働による緑のまちづくりを推進する上で重要な取り組みの一つと考えています。今後、それぞれの地域の実情に応じたものになるよう、公園愛護会の御意見も伺いながら、市民、地域、企業の皆様とともに、花と緑を守り、つくり育てるまちづくりを推進してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) この際、暫時休憩いたします。
 午後は1時10分に再開いたします。
午前11時52分 休憩  
午後1時10分 開議  
○副議長(楠 正信) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ)登壇 福岡市民クラブ、山田ゆみこです。私は福岡市民クラブを代表して、高齢者を対象とした運動機会の拡充について質問を行います。
 少しだけ自己紹介をさせていただきます。私は冬のスポーツでありますショートトラックスピードスケートという種目をやっており、1988年カルガリーオリンピックに出場し、銀メダルをいただくことができました。(発言する者あり)ありがとうございます。メダルをいただけたのも皆様の熱い御支援のおかげだと思っております。ありがとうございました。
 そこで、皆様に恩返しがしたいという思いで、5年前に訪問看護ステーションを立ち上げ、地域の皆様の声を聞き、高齢者の方々の介護予防にも携わってきました。現在は子どもたちのスケートの指導や高齢者向けの簡単なストレッチ講座などもやっております。私がオリンピックに出場するまでの経験や引退後の体のアフターケアも踏まえて、この超高齢社会になった今、高齢者の方々にいつまでも健康で動ける体づくりや要支援、要介護にならないように、介護予防の視点から高齢者の運動機会の拡充に関して伺います。
 初めに、現在と10年前を比較して、福岡市の65歳以上の人数と人口に占める割合がどのように変化したか、また、将来に向かってどのように変化すると推計しているかをお示しください。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて質問いたします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市の65歳以上の人口とその割合につきましては、7月1日現在の国勢調査に基づく推計人口で申しますと、10年前の平成21年が24万4,553人で16.9%、令和元年が34万6,731人で21.8%となっております。また、将来の推計につきましては、団塊の世代が全て75歳以上となる令和7年が約39万6,000人で24.8%、団塊の世代ジュニアが65歳以上となる令和22年が約49万7,000人で31.0%と見込んでおります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 65歳以上の人口が10年前から現在まで約5%、また、将来の推計でも6.2%上昇するとのことですが、では、65歳以上の市民の介護保険の利用状況について伺います。
 現在と10年前を比較して、福岡市の要支援者と要介護者それぞれの人数と65歳以上の人口に占める割合がどのように変化したか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市の65歳以上の要支援者数につきましては、7月末現在で比較いたしますと、10年前の平成21年が1万3,535人で高齢者に占める割合は5.6%、令和元年が2万4,231人で7.2%となっております。また、65歳以上の要介護者数につきましては、平成21年が3万47人で高齢者に占める割合は12.5%、令和元年が4万2,737人で12.8%となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) ただいま伺った推移をもとにすると、今後ますます高齢者は増加し、また、介護認定者がふえると想定されます。
 そこで、福岡市では介護予防についてどのような考え方で取り組んでこられたか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 介護予防につきましては、できる限り住みなれた地域で自立した生活を続けていくことができるよう、市民の身近な地域において介護予防に取り組める環境づくりを推進してきたところでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 私の周りの高齢者の方々も、できるだけ住みなれた地域で自立した生活を続けたいと思っている方が大変多く、介護予防への関心が高まっていると感じています。介護予防の対策として、1、運動する、2、食事に気をつける、3、病院での治療、4、環境を整えるなどが予防につながっていくと思われますが、今回の質問では主に1の運動について伺ってまいります。
 まず、福岡市における運動を取り入れた介護予防施策はどのようなものがあるか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 運動を取り入れた介護予防施策につきましては、介護予防教室、生き活き講座、運動から始める認知症予防教室、よかトレ実践ステーション等を実施いたしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 介護予防に向けていろいろな取り組みをされていますが、その中でも、私はただいまお答えにあったよかトレ実践ステーションについて詳しくお伺いしていきます。
 よかトレ実践ステーションの取り組みはいつごろから始まり、どのような場所で、どのようなことを行っているか、また、どのくらいの高齢者の方が利用しているかをお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) よかトレ実践ステーションにつきましては、平成29年4月から開始をいたしております。公民館や集会所など地域の身近なところで、祝いめでた体操や黒田節体操、椅子に座ってできる簡単な体操など6種類のよかトレ体操を実施しているところでございます。よかトレ実践ステーションは、令和元年8月末現在、151校区、地区中148校区、地区で実施されておりまして、実施団体は455団体、高齢者の登録者数は9,161人となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) よかトレ実践ステーションが開始されてから2年5カ月がたちましたが、よかトレ実践ステーションを知らない高齢者の方々がまだまだいると思います。よかトレ体操についても、私は最近、ユーチューブでどんな体操なのか初めて見ました。もっと市民の皆様に知っていただきたいと思いました。
 そこで、福岡市が取り組んでいるよかトレ実践ステーションのことを市民の皆様に知っていただくための対策を伺います。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) よかトレ実践ステーションにつきましては、市政だよりによる広報やチラシ、リーフレットの配布を各種イベントで行いますとともに、保健福祉センターの保健師や地域包括支援センターの地域訪問等を通じて周知を図っているところでございます。また、平成30年4月には介護予防応援WEBサイトを開設し、自分の住まいに近いよかトレ実践ステーションを探せるような環境を整備いたしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 冒頭に紹介させていただきましたが、私のスポーツ選手としての経験や介護予防の視点から申しますと、運動をするということは身体機能の向上につながります。例えば、ももを上げる運動をすることで足が上がるようになり転倒防止につながる、また、体を動かすことにより食欲も増し、食事をすることで顎を動かし、脳の活性化で介護予防につながると言われています。先ほどの回答にもありましたが、よかトレの登録者9,161人の方々に今後もよかトレをできるだけ継続していただくことが重要だと考えます。
 そこで、お尋ねしますが、継続的に参加していただくために本市はどのような取り組みをしているのか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 継続的に参加いただくための取り組みにつきましては、身体状況の評価を行う理学療法士や新たな体操の紹介などを行う健康運動指導士の派遣による支援事業を実施しております。また、よかトレ実践ステーションを実施する団体同士で活動の工夫やユニークな取り組みを共有する機会を設けるなど、団体活動の支援も行っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) ただいまお答えにもあったとおり、理学療法士、指導士の派遣は大事ですが、それに加えて、プログラムを工夫し、お友達同士楽しみながら通えるなども御検討いただきたいです。
 では、たくさんの方々によかトレを知っていただき、参加をしていただきたいと思いますが、それでは、これからよかトレを始めたい、参加したい個人の方々の手続方法はどのようにしたらよいのか、また、グループで始める場合の手続はどうしたらよいのか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) よかトレ体操への参加を希望される個人の方につきましては、御希望のよかトレ実践ステーションに直接参加を申し出ていただくほか、各区の保健福祉センターでも相談をお受けしております。また、よかトレ実践ステーションを始めるため登録を希望されるグループにつきましては、各保健福祉センターへ申請を行っていただくこととしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 申し込みや申請手続についてはわかりましたが、窓口が市内7カ所の保健福祉センターだというのは少なく、遠方の方にとっては気軽に立ち寄ることは難しいと思われます。
 では、今後も高齢者が増加していく中、現状でのよかトレを行っている実施場所で十分なのでしょうか、所見を伺います。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) よかトレ実践ステーションにつきましては、平成29年4月の事業開始以来、着実に増加しておりまして、令和元年8月末時点で延べ455カ所において実施されております。今後とも、市民が主体的かつ気軽に介護予防に取り組める環境づくりを推進するため、福祉施設など身近な地域において、さらに実施場所をふやしていく必要があると考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 先ほどお答えいただきましたが、現在取り組んでいる介護予防対策に関してさまざまな取り組みをされていますが、その中でもよかトレ実践ステーションはよい取り組みであり、継続していただきたいと考えます。
 では、よかトレをふやしていくために公民館や集会所、民間施設などの場所の確保が必要だと思いますが、福岡市では場所を確保するための支援などをしているのか伺います。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) よかトレ実践ステーションの場所の確保につきましては、社会福祉法人などに活動場所を提供いただく高齢者生き活きパートナー事業を実施しており、令和元年8月末時点で特別養護老人ホームやグループホームなど38カ所の施設に登録をいただいております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 高齢者生き活きパートナー事業によりグループホームや特養など38カ所の事業所に登録をしていただいているとのことですが、今後、高齢者がふえる中、よかトレの実施場所の登録数をふやすための取り組みをどのようにしているのか、また、新たな取り組みや計画などがあるのか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 高齢者生き活きパートナー事業における実施場所の登録数をふやす取り組みといたしましては、関係団体や事業者等に協力依頼の文書を発送しているほか、各区保健福祉センターの保健師による地域訪問等を通じて直接協力依頼を行っているところでございます。今後とも、このような取り組みを強化いたしますとともに、市政だより等を通じて積極的な広報を行うなど、実施場所の登録数の増加に向けて取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 山田ゆみこ議員。
○56番(山田ゆみこ) 各区の地域保健福祉課の保健師による地域訪問や関係団体、また、事業者等に協力を依頼する文書を発送するなど実施しているということですが、既に地域の関係団体や事業者等とつながりを持っている地域包括支援センターであれば、場所の確保に力を発揮できるのではないかと思います。
 先日、埼玉県川口市に高齢者を対象とした運動機会の拡充について視察に行ってまいりましたので、御紹介したいと思います。川口市は平成30年4月1日に中核市へ移行し、現在、人口60万人を超える都市で、多くの方々に住みたいと選ばれるまちづくりを目指し、各種政策に取り組んでおられます。川口市では、要介護認定を受けていない高齢者を対象に、毎年、その方の誕生月に基本チェックリストを配付し、運動機能や生活動作に関する自己診断を行い、一定以上の結果が生じた方には地域包括支援センターへの相談を促しています。地域包括支援センターでは、介護に関する相談だけではなく、チェックリストによる相談も受けており、運動機会を提供する民間企業やNPO法人の事業を紹介し、各事業への参加につながっています。健やかなライフスタイルを築くため、公民館や地域のスポーツクラブ等で個人に合った運動プログラムを作成するなど、きめ細かい対応でした。多くの高齢者の方々がお友達同士で参加することで、お互いの安否確認や運動の継続化を促す取り組みにもつながっていました。こうした身近な場所での個人のニーズに沿った運動機会の提供が介護予防につながり、介護や医療費の軽減につながっていると伺ってきました。
 福岡市でも高齢者を対象とした運動機会の拡充について取り組んでいると思いますが、地域団体や民間企業などの協力で、地域での交流ができ、高齢者同士でも支え合える地域の環境づくりや楽しみながら運動を続けられる環境づくりなど、まだまだ拡充していくことが必要だと思われます。これからも高齢者を対象とした運動機会の拡充に向けて取り組んでいただきたいと考えますが、所見を伺い、私の質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市では、人生100年時代の到来を見据え、誰もが健康で自分らしく暮らすことができる持続可能なまちを目指すプロジェクト、福岡100を産学官民オール福岡で推進しているところでございます。運動を通じた介護予防や健康づくりにつきましては、気軽に楽しみながら継続していただくことが重要であると考えておりまして、今後とも、行政だけではなく、すぐれた発想や手法を持つ事業者や、場所の提供など活動を支援していただく地域団体等と連携することにより、市民の身近な地域における介護予防や健康づくりに取り組みやすい環境づくりを進めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる)登壇 私は自民党新福岡を代表して、繁華街における客引き問題について、福岡空港の機能強化と周辺環境整備のさらなる推進について質問いたします。
 まず初めに、繁華街における客引き問題についてお尋ねします。
 最近、テレビなどで博多駅周辺や大名、西通りの繁華街において悪質な客引き行為の問題を取り上げられることがふえております。近年、博多駅を初めとする駅周辺の繁華街など一部の地域で悪質な客引き行為が目立ち、地元の事業者や市民などからは、安心して道路を通行できるよう悪質な客引き行為の対策強化を求める声が上がっていると聞いております。博多駅周辺でお店を営業している方から相談を受けた話では、夕方になると多数の若者が路上で通行人に声をかけて、居酒屋やカラオケ店などの店舗を紹介するといった客引き行為を自分の店舗の前で行い、お客さんをとられた、多くの店舗の方が同じような経験をしており、非常に迷惑しているといった内容でございました。実は私自身も以前、そのような客引きに直接声をかけられました。夕方ごろに博多駅周辺を歩いていると、もうお店は決まっていますか、どんなお店に行かれるのですか、もっといい店を案内しますよなど声をかけてきて、違う場所の居酒屋などの店舗に案内するというようなものでありました。そのときは一言、もう店は決まっているので結構ですと断ったものの、やはりしつこくつきまとわれ、不快な思いをしました。また、そのような客引き行為を行っている者の中には、ごみのポイ捨てや路上喫煙など、マナー違反を行う者もいるため、地元の事業者の方はもとより、日ごろより清掃活動を自主的に行っている地域の方々も大変苦慮しているという話もあります。このような状況はまちの治安低下やイメージダウンにつながり、観光都市として多くの観光客が訪れる福岡市にとって決して好ましい状況ではないと考えております。
 そこでまず、博多駅周辺などの繁華街における客引き行為などについて、具体的にどのような行為が悪質な行為としてまちの問題になっているのか、お尋ねいたします。
 私は客引きを行う行為そのものは、店舗の宣伝、集客活動といった営業活動という一面もあり、どのようなお店があるかわからないふなれなところで、善良な案内のおかげで安くておいしい店に行くことができたという方も少なからずおられるのではないかと思っております。問題なのは、悪質な客引き行為などにより地域住民やまちを訪れる方々に不安や不快な気持ちを与え、ひいてはまちのイメージダウンなど、さまざまな悪影響を及ぼしていることであり、このような行為をいかにしてなくしていくかが求められていると考えております。
 現在、客引き行為に関しては、迷惑行為として福岡県迷惑行為防止条例により禁止されていると思いますが、具体的にどのような客引き行為等が禁止対象となっているのか、お尋ねいたします。
 次に、福岡空港の機能強化と周辺環境整備のさらなる推進についてお尋ねいたします。
 私は昨年6月以降、4度の定例市議会で福岡空港の機能強化や福岡空港関連自動車専用道、空港の民間委託について取り上げ、福岡空港の重要性と空港の周辺環境について質問してきました。福岡空港は、国内はもとより、アジアを中心に海外の多くの都市と福岡・九州をつなぐアジアの玄関口として極めて重要な公共インフラとなっていることは言うまでもありません。充実した航空路線や世界的にもトップクラスの都心部へのアクセス利便性を有していることなどが大きな魅力となっており、西日本における主要な拠点空港に発展しております。福岡空港は本市にとって、まさに都市の成長エンジンとなっております。
 しかしながら、福岡空港がここまで発展してきた背景には過去の歴史を確認しなければなりません。私自身、何度も議会で取り上げてきた福岡空港に関する内容でもあります。ことしの春、統一地方選挙にて初当選された議員の方々も多数いらっしゃいますので、簡単ではありますが、この空港の歴史をひもといていきたいと思います。
福岡空港は、太平洋戦争末期の昭和19年に旧日本陸軍が飛行場として整備するため、それまで農地であった民有地を強制的に接収したことに始まります。今でも空港の敷地内には約3分の1の面積の民有地が存在しているゆえんでもあります。敗戦後、米軍により再び接収され、板付飛行場と名前を変えると、さらに軍事基地として拡張工事を始めました。昭和25年に朝鮮戦争が勃発すると、米軍の重要拠点軍事基地となり、その後も飛行場拡張のための接収が繰り返され、その基地としての規模を拡大していきました。そのような中、昭和26年10月、民間航空の国内線路線の開設に至り、昭和31年9月には木造モルタル2階建てのターミナルが完成し、その当時、外国であった沖縄へ初の国際定期便としての運航が実現することとなりました。その後も、昭和30年以降の高度経済成長を背景に、釜山への航空路線が開設されるなど、各方面への航路がふえるとともに、乗降客数も伸び続け、西日本の空の玄関口として、米軍管理のもとで発展してまいりました。そして、昭和47年3月、ようやく米軍板付基地が我が国に返還され、同年4月、正式に福岡空港として国が設置、管理する空港に指定されることとなりました。その福岡空港の年間発着回数は、国管理空港となった昭和47年に約6万回だったものが平成7年に10万回を突破、平成29年には約17万8,000回と、当初に比べて3倍近い回数となっております。また、福岡空港の乗降客数は、昭和47年に約380万人だったものが昭和62年に1,000万人を超え、平成27年にはついに2,000万人を超えました。福岡空港は人流、物流のゲートウェイとして今日の福岡の発展を支えてきたことは、誰もが認めるところであります。一方で、周辺地域住民の多大な御理解と御協力に支えられていることも忘れてはなりません。
 さて、現在、福岡空港では航空機の混雑解消を図るとともに、将来の航空需要に適切に対応するため、平行誘導路の二重化や滑走路の増設などの空港機能の強化が進められており、さらに、本年4月からは福岡空港の民間委託が全面開始されるなど、福岡空港は大きく生まれ変わろうとしております。また、空港機能の強化にあわせて、国内線旅客ターミナル方面へのアクセス強化及び空港周辺道路の混雑緩和を目的として、福岡空港関連自動車専用道路の計画が進められております。このため、空港周辺地域の交通基盤等の環境整備は今こそしっかりと整えておく必要があります。
 それではまず、空港を取り巻く環境の変化の要因である空港機能の強化について改めてお尋ねいたします。
 福岡空港における過去5年間の発着回数の推移、そして、この混雑状況の解消に向けて、現在進められている空港機能強化事業とその完成時期についてお尋ねいたします。
 空港機能の強化により空港容量が増大し、発着回数や便数がふえて空港利用者がふえることは福岡市の発展に寄与するものであります。しかし一方で、発着回数がふえるということは、周辺の地域に対しては現在よりも騒音がひどくなるという、より一層の負担を強いることにもなります。
 そこで、騒音対策としてはどのようなことが実施されているのか、お尋ねいたします。
 以上で1問目の質問を終わり、2問目以降は自席にて質問いたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 繁華街における客引き問題に関する御質問にお答えいたします。
 繁華街における悪質な客引き行為につきましては、具体的には、通行人の前に立ち塞がり、しつこくつきまとう行為や、客待ちのため路上にたむろし、車の通行を妨げる行為、自分の店に案内するため、うそをついて他店の予約を取り消す行為、誘いを断った通行人に暴言を吐く行為などがございます。市民や地元飲食店の方々からは、こうした悪質な客引き行為が治安低下の要因や営業妨害となっているとの声が上がっております。
 次に、福岡県迷惑行為防止条例につきましては、不当な客引き行為として、スナックなどの風俗営業の許可を受けなければならない接待飲食業及び性風俗営業などにおいては、相手方を特定して勧誘を行う客引き行為や勧誘目的で客を待つ行為、不特定の者に対して呼びかける行為を禁止対象としております。また、居酒屋やカラオケ店を含む飲食店等においては、人の身体または衣服を捕らえることや所持品を取り上げること、進路に立ち塞がること、つきまとうことなどの執拗な方法で行う客引き行為を禁止対象としております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 福岡空港の機能強化と周辺環境整備のさらなる推進についての御質問にお答えをいたします。
 まず、福岡空港における過去5年間の発着回数の推移につきましては、平成26年が約17万2,000回、27年が約17万3,000回、28年が約17万6,000回、29年が約17万8,000回、30年が約18万回となっております。また、現在進められている空港機能強化とその完成時期につきましては、平行誘導路の二重化が令和2年1月末に完成する予定となっており、増設滑走路の供用時期が令和7年3月末の予定でございます。
 次に、どのような騒音対策を実施しているのかとのお尋ねにつきましては、まず、国及び空港周辺整備機構が、いわゆる航空機騒音防止法に基づき設定された騒音対策区域におきまして、住宅や教育施設の防音工事、空調機更新工事への助成などを実施しております。また、空港運営会社が自治体などが実施する生活環境改善を図る事業への助成など、航空機騒音防止法を補完する事業を行っております。福岡市におきましては、公園整備や生活道路などの改善に取り組むとともに、国や空港運営会社と連携し、移転補償跡地を活用した地域の広場や花壇の整備などの空港周辺の環境整備を推進しております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 2問目に入ります。
 繁華街における客引き問題についてですが、先ほどの答弁によりますと、福岡県迷惑行為防止条例では、現在問題となっている悪質な客引き行為などが必ずしも禁止行為となっていないというものであります。
 それでは、その条例のほかに悪質な客引き行為などを取り締まることができないものか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 福岡県迷惑行為防止条例以外での取り締まりにつきましては、道路交通法違反として、客待ちのため路上でたむろし、車の通行を妨げる行為などについて逮捕した事例がございます。また、刑法の偽計業務妨害罪を適用し、自分の店に案内するため、うそをついて他店の予約を取り消した行為などについて逮捕した実績がございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 警察において取り締まりを強化していただいているとのことですが、本市も警察と連携して、この問題に積極的に取り組んでいくべきだと考えております。
 また、規制以外にも、悪質な客引き行為などをなくしていくために、まちとして自浄作用が働くような取り組みや仕組みづくりを地域住民、地域団体、警察、行政が連携して取り組むことが重要だと思いますが、福岡市において現在どのような対策を行っているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 福岡市における現在の対策につきましては、天神地区の西通りなどにおいて、地域、警察、行政が一体となって夜間合同パトロールや街頭ビジョンを活用した啓発動画の放映、店舗への啓発ポスターの掲示などの取り組みを実施しております。また、この取り組みに賛同した天神・大名地区の一部の飲食店経営者等が呼び込みやビラ配りの適正化を図るための協議会を自主的に立ち上げるとともに、自治会、町内会など地域住民と連携し、交差点及び横断歩道上での客引き行為を禁じるなどの自主ルールの作成や店舗周辺の清掃活動などに取り組まれております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 現在は天神・大名地区において取り組んでいるとのことですが、博多駅周辺についても、悪質な客引き行為などが問題となっておりますので、博多駅周辺においても地元飲食店経営者等の声にしっかりと耳を傾けていただき、警察とも連携して対策を整えていただきますようよろしくお願いいたします。
 また、このようなことは本市に限ったことではなく、全国的に見れば、繁華街を有する他都市でも同様な問題が起きているのではないかと考えております。
1つ例を挙げます。熊本市では、災害の復興にあわせ、熊本市街の繁華街において悪質な客引きが増加していたため、本年4月より居酒屋やカラオケ店の客引き行為を規制する条例が施行されたとの話を聞きました。
 ほかにも居酒屋やカラオケ店などの客引き行為などを規制する条例を制定し、対策を行っている都市があると思いますが、他都市では居酒屋やカラオケ店などの客引き行為に対して基本的にどのような行為を規制の対象とし取り締まりを行っているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 客引き行為を禁止する他都市の条例につきましては、本年4月から施行されている熊本市や仙台市においては、居酒屋やカラオケ店を含む飲食店等について、道路などの公共の場で行われる相手方を特定して勧誘を行う客引き行為や勧誘目的で客を待つ行為及びこれらの行為等を用いて営業することを禁止行為として定めております。また、この条例の施行にあわせ、新たに客引きを取り締まる指導員等を配置し、区域指定された繁華街などにおいて巡回指導を行い、悪質な場合は警告を経て過料を徴収するなどの取り組みを行っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 他都市の事例で報道されている内容を調べてみますと、仙台市では条例の施行直後では客引きが大幅に減ってはいるが、その後の調査では徐々に客引きがふえている、また、既に8年前に条例を施行した青森市では、条例の施行前と比べて減少はしましたが、ここ数年は横ばいが続いており、根本的な解決につながっていないといったことも起きているようです。このような問題があることを踏まえると、それぞれの地域の事情や背景などの違いはあるとは思いますが、条例による規制だけでは必ずしも悪質な客引き行為がなくなるといった根本的な解決はできないのではないかと考えております。
 そこで、他都市において客引き行為などを規制するといった条例による対策以外の対策を行っている事例がありましたら、どのような対策を行っているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 他都市における悪質な客引き対策につきましては、悪質な客引き防止の機運を高めるための啓発看板の設置、地元商店街、警察及び市などが連携して行う合同パトロールやチラシの配布、キャンペーン等による環境浄化活動などの事例がございます。また、地元飲食店組合を中心に、行政、警察も参加する客引き行為の適正化に関する協議会を立ち上げ、悪質な客引き行為を禁止する自主ルールの作成や夜間合同パトロールなどを実施されている都市もございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) これまで繁華街における客引き問題について、現状や他都市における対策などについて質問してまいりました。客引きを行う行為そのものは、店舗の宣伝、集客活動といった営業活動という一面もあることから、現在問題となっている悪質な客引き行為などは一朝一夕に根絶できるような問題ではなく、その対策についても、決して容易ではないと思っております。また、この問題は、取り締まりを福岡市だけを強化すれば、北九州市や久留米市など周辺都市に客引きが移ってしまうなどの問題も懸念され、福岡県全域で対策を検討することも必要ではないかと考えております。しかしながら、現実に悪質な客引き行為によって、まちの雰囲気、にぎわいがこの数年で悪くなっており、地域住民を初め、事業者の方々も大変苦慮されていると聞いております。私は地域、警察、行政が一体となって、まち全体として悪質な客引き行為をなくすための対策を行うことが不可欠であると考えております。そのためにも、現在も取り組んでいる活動をさらに強化し、できることはすぐに実施していただき、あわせて地元の自浄作用が働くような取り組みとして、例えば、悪質な客引き業者の収入源を絶つといった新たな視点による対策や福岡県及び県警と協力して実効性の高い規制等について検討を行うなど、地域、警察、行政が一体となって総合的な対策を講じていくことが必要であると考えます。
 この質問の最後に、繁華街における客引き問題に対して、本市として今後どのように取り組んでいくのか、中村副市長の御所見をお伺いし、この質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 中村副市長。
○副市長(中村英一) 繁華街における悪質な客引き行為につきましては、まちの治安や都市のイメージが損なわれる行為でございまして、福岡市が安心、安全のまちづくりや国内外から多くの観光客が訪れるアジアの交流拠点都市を目指す上で、その対策は重要な課題であると認識をいたしております。現在、地域、警察、行政が一体となった夜間合同パトロールなどの取り組みを進めているところではございますが、今後とも、地域や警察、飲食店経営者の方々などとも十分連携を図りながら、さらなる取り組みも速やかに実施してまいりたいと考えております。
 また、福田議員御指摘のとおり、悪質な客引き対策は広域的に対策を講じる必要がございますことから、福岡県に対しましても福岡県迷惑行為防止条例の拡充なども要望いたしまして協力を求めますとともに、規制のあり方も含め、実効性のある対策を検討するなど、悪質な客引きを許さない安心、安全のまちづくりに向けてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) ありがとうございました。
 次に、福岡空港の機能強化と周辺環境整備のさらなる推進について質問してまいります。
 先ほどの答弁によりますと、騒音対策として、国、運営会社、福岡市のそれぞれが役割分担をしながら実施していることがわかりました。
 現在、福岡市の南部地域と国内線ターミナル方面の行き来が可能となるなど、空港へのアクセス強化を図る自動車専用道路の計画が進められておりますが、その進捗状況についてお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 福岡空港関連自動車専用道路につきましては、現在、都市計画と環境影響評価の手続を進めておりまして、平成31年2月に都市計画原案の縦覧や説明会を実施し、その後、平成31年4月から5月にかけて都市計画案及び環境影響評価準備書の縦覧や説明会を実施しております。引き続き環境影響評価書の手続を実施し、都市計画決定を行う予定であります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 現在、自動車専用道路の都市計画の手続と環境影響評価手続を進めているとのことですが、その自動車専用道路の計画において、当該地域である東吉塚校区の中で交差点の通行に影響が出る場所があると聞いておりますが、どこがどのように変わるのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 自動車専用道路は空港口交差点をトンネルで立体交差する計画としておりますが、そのトンネルの開口部が吉塚八丁目交差点に支障しますことから、同交差点で南北方向の横断や右折ができなくなるものであります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) ただいまの答弁では、吉塚八丁目交差点では横断や右折ができなくなるということですが、そのことについて地域からどのような意見が出ているのか、また、どのように対応していくのか、御所見をお伺いします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 吉塚八丁目交差点の影響につきまして地元への説明を行う中で、歩行者や自動車の迂回距離が短くなるような対策をしてほしい、狭い道路が多いため安全対策を十分に行ってほしい、通過交通の対策を行ってほしいなどの御意見をいただいております。地域からいただいた御意見を踏まえ、道路下水道局と連携し、歩行者や自動車の迂回対策だけでなく、歩行者の安全確保など、従前からの地域の交通安全対策も含めまして検討を進めているところであります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 今、お聞きしましたように、この地域においては自動車専用道路の計画において交差点の通行に影響が生じるということであります。加えて、ことしになって滑走路増設事業に伴い、拡張予定地内で営業を行っている物流業者の移転を円滑に進めるため、吉塚中学校の近隣にある空き地、これは移転補償跡地として国が所有している土地でありますが、この移転補償跡地に物流業者が移転してくるというお話を聞いております。
 この物流業者が移転することについて国は地域に対して説明を行っていますが、その際にどのような意見が出ているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 地域からの主な御意見につきましては、国が地元の自治協議会や隣接地のマンションの住民などに対して実施した説明会におきまして、物流業者のトラックがふえることで近くの中学校の生徒など子どもたちの交通事故が心配である、また、この地域の道路は変則的に狭い部分などがあり、トラックがふえると今でも激しい渋滞がさらにひどくなる、また、物流業者を移転させるならば道路や交通上の課題を先に改善してほしいなどの御意見がございました。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) 地域からは交通安全上の不安や従前からある道路環境の課題の改善を求める声があるとのことですが、このような地域の意見についてはどのように認識されているのか、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) おただしの道路環境に対する地域からの御意見につきましては、これまで地域と博多区役所との懇談の場や、博多区交通安全推進協議会が実施いたしますスクールゾーン点検の際など、さまざまな機会を通じてお伺いをしてきたところでございます。東吉塚校区におきましては、吉塚中学校の東側道路などでは幅員が狭い道路にダンプトラックの通行が多いことや歩道が連続していない箇所があることから、歩行者の安全確保が懸念されるなどの御意見を伺っております。このため、安全に対する懸念の声が強かった吉塚中学校の東側道路の交通安全対策を検討するため、平成30年度に交通実態調査を実施いたしましたところ、地域内を通過する、いわゆる通り抜けの車両が交通量全体の約8割を占めること、交通量全体に対しダンプトラックなどの大型車の割合が高いことを確認しております。また、令和元年8月、つい先ごろ実施いたしました交通実態調査におきましても、現在、その調査結果を取りまとめているさなかではございますが、大型車の割合がさらに増加していることがわかり、地域の課題を改めて認識いたしたところでございます。
 さらに、今後、福岡空港関連自動車専用道路の整備の進捗に伴い、校区南側に隣接する空港通りの吉塚八丁目交差点におきまして、校区側から歩行者の横断ができなくなることや車が直進及び右折ができなくなることから、地域住民にとって利便性が低下するという課題がございます。また、福岡空港滑走路増設事業に伴い、校区内へ物流業者が移転してくることとなっており、交通量の増加による交通安全上の課題が生じます。こうした福岡空港の機能強化に向けた事業の進展に伴う新たな課題に対しましても、校区におきます従前の課題とあわせまして、総合的な対応が必要であると認識しております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) そのような認識だということで、それでは、このような地域の交通、道路の課題への対応についてどのように考えているのか、御所見をお伺いします。
 
○副議長(楠 正信) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 東吉塚校区におきます交通や道路の課題への対応につきましては、これまで地域からいただいた御意見を踏まえ、交通管理者などと協議を行いながら、道路標識の設置や路面への注意喚起の標示など、順次対応を行ってきたところでございます。また、先ほど答弁いたしました課題認識を踏まえまして、福岡空港の機能強化に伴う地域の交通環境への影響による新たな課題への対応ともあわせまして、歩行者の安全対策や自動車の迂回対策などについて関係局と対応方策を検討してきたところでございます。この対応方策につきましては、早急に地域にお示しをし、御意見を伺いながら、地域の御理解と御協力が得られるよう住宅都市局など関係局と連携し、検討を進めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) ありがとうございます。
 空港周辺の地域は、空港機能の強化などにより、いわばしわ寄せとして、これまでにはなかった負担をさらに受けることとなります。来年にはさらに1時間当たりの発着回数の上限値が35回から38回にふえる計画だとも聞いております。それだけ騒音の頻度も上がるということですから、このことも負担の増大になります。地域の方々は、これからも空港と共生をしていかなければならない以上、できる限りその負担を軽減することが絶対に必要なことであります。そのためには、空港関係業務を所管する港湾空港局だけでなく、全庁挙げて地域の課題の解決に取り組むようにと私は昨年の9月議会で要望しました。特にこの東吉塚校区は、2年後に生活地域のど真ん中、中学校のそばに物流業者が移転してくることで、交通安全や道路問題に対する待ったなしの危機感を抱いておられます。それにもかかわらず、これまでずっと抱えてきた地域の課題は解消させないままで、滑走路増設などの事業や発着回数の増加などによって負担を大きくするだけでは、住民の不安や不信感は増すばかりであります。これでは地域の方々から空港行政や空港運営への理解も協力も先々得られなくなることは明らかであります。そのような状況を踏まえて考えますと、これまでの福岡市の対応や取り組み方ではまだまだ十分ではないと感じております。
 先ほどのように、地域の要望は道路問題や交通安全といった内容が多数を占めております。そのような課題を解決するには、本市だけでなく、県警を所管する県の積極的な関与も必要であります。これまで本市の対応として、県の管轄なので難しい、相談したができないなど、簡単に引き下がってきた場面も何度も見てまいりました。今回の福岡空港の機能強化は国が推し進める大変大きな事業であります。従来どおりのように簡単に引き下がるのではなく、どのようなことを行えば実現できるのかと前向きに、また、本気で取り組んでいただきたい。
さらに、本市だけではなく、先ほどのように県の問題としてもしっかりと働きかけるなど、もっとレベルを上げて積極的に推し進めていかなければ、成るものも成りません。
 そこで、お尋ねしますが、地域の負担の軽減と地域課題の解決を実現していくためには、今後どのように取り組んでいかれるおつもりなのか、御所見をお伺いします。
 
○副議長(楠 正信) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 地域の負担の軽減と地域課題の解決の実現につきましては、これまで滑走路増設などの空港を取り巻く環境の変化に対応するため、道路下水道局など関係各局と横断的な検討会を立ち上げ、地域が抱える課題の抽出や課題解決の方向性などについて協議を行ってまいりました。今後につきましては、地域の負担の軽減と地域課題の解決は全市を挙げて取り組むべき重要事項であることを踏まえ、どのようなことを行えば実現できるのかという視点を持って、これまで以上に関係局と連携するとともに、県の空港部門を通じた県警への働きかけなどにも取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 福田まもる議員。
○46番(福田まもる) ありがとうございます。
 福岡空港が地域と共生していくためには、まずは空港周辺の地域には空港があるがゆえに大きな負担をかけているのだという認識を共有し、空港周辺環境整備の推進という大きな観点で取り組むことが重要であります。そして、実際に地域の長年の課題が1つでも2つでも解決されることで、これからの福岡空港のさまざまな事業に関して応援していただけるような関係が構築されるものであると考えております。
 そこで、この質問の最後にお尋ねします。
 地域と空港が共生していくためには、福岡空港が周辺地域にかける負担を軽減し、地域の課題を解決することが不可欠だと考えていますが、市長の決意をお伺いし、私の質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡空港は、福岡市のみならず、九州・西日本地域の成長を牽引する重要な公共インフラでありまして、世界でも屈指の利便性の高い空港として発展をしている一方で、空港が市街地に位置するゆえの騒音問題などを抱えており、空港の円滑な運営は地域住民の理解と協力に支えられていることを忘れてはならないと考えています。福田議員御指摘のとおり、現在進められている空港の機能強化によって、その周辺地域を取り巻く環境が大きく変わろうとしていることから、周辺地域が現に抱える課題の解決や、将来、空港が与える影響の軽減について、港湾空港局を初めとして関係局が連携をし、全市を挙げて取り組んでまいります。
 今後とも、国や空港運営会社などと連携をして、福岡市の活力の源泉となる空港の機能強化と周辺地域の振興や活性化を図り、経済的な成長と安全、安心で質の高い暮らしのバランスがとれたまちづくりを進めていきたいと考えています。以上です。
 
○副議長(楠 正信) この際、休憩し、午後2時20分に再開いたします。
午後2時8分 休憩  
午後2時20分 開議  
○議長(阿部真之助) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子)登壇 私は日本共産党市議団を代表して、旧こども病院の跡地利用について、ジェンダー平等社会の推進について、障がい者支援事業所職員の処遇改善について、福祉施設の指定管理者の公募化問題について質問いたします。
 質問の第1は、旧こども病院の跡地利用についてです。
 この跡地については、日ごろから、これから何ができるのという質問とともに、老人ホームや保育園をつくってほしいという要望が私のもとに寄せられています。そもそもこども病院の移転については、移転に反対する署名が30万筆以上も集まるほどの大きな運動があり、見直しを掲げた島市長が当選しました。ところが、市長は当選から半年後の2011年5月に多くの子どもの命を守るために高度医療はアイランドシティ、地域医療はアクセスのよい現在地へと言い切り、公約を破って移転を強行したのです。このときに市長は唐人町に病院をつくると明言しました。記者会見の新聞記事には、移転に伴う地域医療の空洞化に対応するため、福岡市医師会が跡地に小児科を備えた病院の新設を検討すると書かれていました。
 そこで、市長にお尋ねします。このときに約束した地域医療について現在どうなっていますか、答弁を求めます。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市西部地域における小児2次医療につきましては、医療の専門家で構成する福岡市立こども病院の移転に関する小児2次医療連絡協議会において検討いただいた結果、平成25年4月に病院の役割分担の明確化や医療連携の強化を図るとともに、新しい浜の町病院の小児科を増強し、西部地域の小児2次医療の受け皿とするという取りまとめをいただきました。この取りまとめに沿った体制の強化等がなされ、平成28年6月には同協議会において総括を行っていただき、こども病院移転後の福岡市西部地域における小児2次医療については、医療資源は充足しており、特に問題は発生していないとの結論をいただいたところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) 特に問題ないと言われましたけれども、病院をつくるという約束をしたのに、今の状況はとても市民は納得しませんよ。約束違反ではありませんか。改めて市長の御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 平成23年5月の市長の発言につきましては、こども病院移転後の西部地域の小児2次医療提供体制を確保するという観点から、その一つの選択肢として、跡地またはその地域での小児科の新設を挙げられたものでございます。その後、西部地域における小児2次医療提供体制の確保策につきましては、先ほども申し上げました小児2次医療連絡協議会において、各病院や医師会の役割分担の明確化、医療連携の強化、さらには浜の町病院の小児科増強など、よりよい結論をいただいたものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) 同じ答弁をされますが、それでは市民を欺いたということです。私は保護者の方から、人工島までは遠くて行けない、大変困っている、専門的な治療を受けられないという声をたくさん聞いています。市民の皆さんは怒っていますよ。今からでもこの地域に市民と約束した病院をつくるべきです。
 したがって、旧こども病院跡地は1万7,000平方メートルという広大な市民の土地なのですから、医療機能を充実した公共利用をすべきではありませんか、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 先ほど答弁いたしましたとおり、こども病院移転後の福岡市西部地域における小児2次医療につきましては、医療資源は充足しており、特に問題は発生していないとの結論をいただいております。こども病院の跡地につきましては、跡地活用による周辺に与える影響やまちづくりの視点なども踏まえながら、総合的に検討を進めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) 市のホームページには民間売却も検討の中に入っていると書いてありましたが、民間売却はやめて公共利用をすべきです。私たち日本共産党市議団は、ことし2月に旧こども病院跡地のある当仁校区及び隣接する福浜校区、南当仁校区の1万世帯にアンケートを配布しました。唐人町のこども病院跡地の利用について自由にお書きくださいという設問に、特養ホームや認可保育園、公園をつくってほしいという要望が多数返信されました。中でも特養ホームをつくってほしいという要望が一番多くありました。
 本市の特別養護老人ホーム待機者数は2016年で2,194人います。非常に多くの人が入所できずに困っています。そもそもこの場所に隣接している福浜には約2,700世帯もある中央区で最大の公営団地があり、65歳以上の人口割合は昨年9月末現在で43.9%と中央区の中でも突出しており、本市全体の21.4%と比較して2倍以上の高齢化率であります。自治会の見守りだけでは限界があると大変な思いが語られるほど、高齢化が深刻な問題になっています。住みなれた土地に老人ホームをつくってほしいという声も多く出されています。さらに、ここは地下鉄唐人町駅から歩いて約10分という立地条件で、中央区全体やほかの区からも交通の便がよい都心にこそ老人ホームをつくってほしいという要望があり、それに応え得るものです。
 よって、旧こども病院跡地に特別養護老人ホームは適していると思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 特別養護老人ホームの整備につきましては、介護保険事業計画において、市全体の高齢者や待機者の状況等を踏まえ、目標量を定め、計画的に取り組んでおります。こども病院跡地の近辺には既に複数の特別養護老人ホームが整備されていることなどから、現時点でこども病院跡地において特別養護老人ホームを整備する必要性は低いものと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) そんな答弁では納得できませんよ。これだけ切実な要望は、ぜひ具体化することを求めておきます。
 次に、特養ホームに次いで多かった要望は、認可保育園をつくってほしいというものです。ことし4月1日現在の中央区の未入所児は160人、当仁、福浜、南当仁の3校区では23人です。現在、ヤフオクドームと大型商業施設マークイズの間に584戸もある超高層マンションが建設中です。また、この周辺は開発が進み、唐人町、黒門、大濠などもマンション建設が相次ぎ、急激な人口増が見込まれ、保育園の需要がさらに高まるのは必至です。
 そこで、お尋ねしますが、この場所には認可保育園がどうしても必要だと思いますが、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 保育所の整備につきましては、待機児童解消に向け、公募により民間事業者が保育所用地を確保することを基本に進めているところでございます。こども病院跡地がある地域においては、待機児童が4年連続で発生していないことから、現時点では保育需要は充足しており、保育所整備の必要性は低いと考えております。
 なお、今後の保育需要の動向については注視してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) そんな無責任な答弁では市民は納得しませんよ。そんな悠長なことを言っていたら、保育園に入れない子どもたちがふえていきます。この場所に認可保育園の建設をすることを強く求めておきます。
 次に多かった要望は、公園が必要というものです。アンケートでは、スポーツ公園や親水公園など子どもからお年寄りまで利用できる公園をつくってほしい、防災公園にしてほしい、ボール遊びができる公園をつくってほしいという要望や、グラウンドゴルフをしたくても隣の校区まで行かなければできない、小学校の校庭が開放されても中高生は使えない、中高生の居場所づくりをしてほしいという要望もありました。
 したがって、全世代が使えるような公園が必要だと思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 地域に身近な公園につきましては、小中学校区を単位とした適正配置に努めているところでございます。跡地が位置します当仁中学校区には、地行中央公園など身近な公園に加えまして、大濠公園などの大規模な公園もあることから、新たに公園を設置する予定はございません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) いろいろと言いわけをされますが、それだけの公園があっても、多くの公園をつくってほしいという要望が出ているのです。公園づくりについても、真剣な検討を求めておきます。
 なお、そのほかにも児童館や老人福祉センターをつくってほしいという要望もありました。
 旧こども病院跡地について、住民アンケートに基づいて具体的な提案をしてきましたが、このこども病院跡地は30年以上にわたって市内外の子どもたちの命を救ってきた市民にとっては宝の土地です。この土地を民間売却するなど絶対にあってはいけません。病院が移転させられてからも根強い要望がある病院や福祉施設、公園こそ求められているのであります。
 したがって、市民参加の仕組みもつくり、医療、福祉の複合施設など、こども病院の跡地利用については公共利用を具体化するべきだと思いますが、市長に御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) こども病院の跡地につきましては、平成20年に策定した新病院基本構想において、新病院の整備費用に充てるために売却することを基本に検討するとしておりまして、跡地活用による周辺に与える影響、地域の特性やニーズ、そして、まちづくりの視点なども踏まえながら総合的に検討を進めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) 約束を破った上に市民の声を聞こうとしない姿勢に、市民の怒りはさらに高まりますよ。旧こども病院の跡地は、市民の声を聞いて公共利用することを強く求めておきます。
 次に、ジェンダー平等社会の推進について質問します。
 ジェンダー平等とは、つくられた性差を自覚することで、男はこうあるべき、女はこうあるべきという意識を乗り越え、対等な関係性をつくっていこうとする考え方であり、全ての人がより生きやすい、公正な社会をつくっていこうというものです。昨年は性暴力、ハラスメントに声を上げるミー・トゥー、声を上げた人を孤立させないとするウィズ・ユーの運動が世界的に大きく広がり、日本でも元TBS記者からのレイプ被害を告発した伊藤詩織さんの記者会見、財務事務次官のセクハラ事件、医学部の女子学生入試減点事件などがあり、性差別、性暴力を許さないという世論が沸騰しました。
 そこで、ジェンダー平等を率先して進めるべき立場にある役所の現状をただしてまいります。
 まず、お伺いしますが、本市における課長級以上の職員全体に占める女性の登用率の目標は何%で、現状は何%ですか。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 課長級以上の市職員に占める女性の割合につきましては、女性活躍推進法などに基づき、平成28年3月に策定した福岡市特定事業主行動計画において、管理職に占める女性の割合を計画時の11%から5年後の令和2年度までに15%程度、10年後の令和7年度までに20%程度とすることを目標として定めており、現状値は平成元年5月1日現在で14.3%となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) この目標と現状は、ジェンダー平等が望まれている今、低過ぎます。内閣府のホームページにある市町村女性参画状況見える化マップで他都市の女性管理職登用率を調べたところ、昨年度は本市が13.7%に対し、同じ政令市のさいたま市は20.8%、福岡県では筑後市が30.6%、筑紫野市が24.5%で、本市を大きく上回っています。本市も見習うべきです。なお、本市で今年度に採用した職員に占める女性の割合は44.8%で、男女の比率に大きな差はありません。
 そこで、お尋ねしますが、本市において管理職の男女の数に大きな開きがあるのは、男性よりも女性のほうが能力が低いと思っているあらわれではありませんか、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) まず、先ほどの答弁で平成元年5月1日と申し上げましたが、令和元年5月1日の間違いでございました。訂正させていただきます。
 管理職への任用につきましては、地方公務員法に定める平等取り扱いの原則や成績主義の原則を踏まえ、男女の別なく、職員の能力、意欲などに基づいて行っております。管理職に占める男女の割合については、職員全体の男女比や女性職員の年齢構成などが反映しているものと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) いろいろと言われますが、こんな低い目標をよしとするならば、本市は女性の能力が低いと考えていると思われます。男女共同参画基本法では、2005年の第2次計画で、社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に女性が占める割合が少なくとも30%程度になるように期待するとの目標設定をするようにしています。
 そこで、お尋ねしますが、そもそも女性の登用率は男性に比べてなぜ低いのですか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 繰り返しの答弁になりますが、管理職への任用につきましては、地方公務員法に定める平等取り扱いの原則や成績主義の原則を踏まえ、男女の別なく、職員の能力、意欲に基づいて行っており、管理職に占める女性職員の割合につきましては、職員全体の男女比や女性職員の年齢構成などが反映しているものと考えております。そのため、女性活躍推進法に基づき福岡市特定事業主行動計画を策定し、女性職員の活躍推進に向け、取り組みを進めております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) いろいろと言いわけされましたが、根底には女性が働きにくい職場環境があります。その一つに、長時間労働の問題があります。昨年、福岡市職員労働組合が行った職場アンケートでは、過去1年間に時間外勤務をした人から、時間外勤務をするのは無能だからといった空気があるため、申告せずにサービス残業をしている、早朝や休日に業務をするようになったという回答があり、400時間以上の時間外勤務をした人からは、サービス残業は100時間ぐらいしているという回答もありました。
 このように長時間労働が常態化しており、本市においては女性が働きやすい環境になっていないと思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 管理職に占める女性の割合につきましては、福岡市特定事業主行動計画を策定した平成27年度の11%から令和元年度は14.3%となっており、目標に向け、着実に向上しております。
 なお、時間外勤務の縮減につきましては、ワーク・ライフ・バランスの観点などから引き続き取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) 取り組みをしていると言われますが、長時間労働はなくなっていません。あなた方の統計でも、昨年度の時間外勤務が年間の上限とされる360時間を超えている職員は584人もいます。このような長時間労働は早急になくすべきです。長時間労働の実態を認め、女性が働きやすい環境を整備しなければ、家事や子育て、介護を押しつけられた女性は定年を待たずに離職せざるを得ない状況に追い込まれてしまいます。あなた方が2016年に作成した福岡市特定事業主行動計画にある仕事と家庭の両立支援に関するアンケートの結果によれば、5割近くの職員が仕事と家庭の両立を困難に感じています。その理由としては、子どもや要介護者の病気等による急な休暇の取得や急な時間外勤務、保育所送迎や介護等による日常的な時間の制限を挙げる意見が多くありました。また、男女別に見ると、両立を困難に感じる割合は女性のほうが高く、約6割となっています。さらに、職員ヒアリング意見では、本庁は残業が多いが、そもそも長時間労働で働くという職場風土があるため、定時で帰りにくいし、休暇もとりにくい、子育てをしながら本庁で働きたいが、残業が多く休みにくいので希望できないという回答があります。
 したがって、これらの意見に対応できるよう、行動計画の抜本的な見直しなど、実効性のある時間外勤務の縮減対策をし、女性がもっと働きやすい環境をつくるべきだと思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 時間外勤務の縮減につきましては、職員の健康を保持するとともに、ワーク・ライフ・バランスの観点から大変重要なものであると認識しております。このため、時間外勤務の縮減に関する指針に具体的な取り組みを定め、事前命令の徹底や業務の効率的な遂行などについて所属長に周知するとともに、全庁一斉定時退庁日や定時退庁を促す庁内放送の実施など、さまざまな取り組みを実施しており、さらには10月1日から新たに時間外勤務の上限規制を導入することとしております。特定事業主行動計画においても、時間外勤務の縮減について本指針を基本としており、引き続き取り組みを進めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) あたかもやっているかのように言われますが、なかなか改善されないのは対策が甘過ぎるからです。私が提案したように、具体的な措置を計画に盛り込むべきです。
 次に、女性が働き続けにくい理由にハラスメントの問題もあります。ハラスメントは、身体的な攻撃、精神的な攻撃、過大な仕事を与える、過小な仕事しか与えない、人間関係から切り離す、私的なことに過度に立ち入るなど、さまざまな形態で痛めつける重大な人権侵害であり、絶対に許されません。
 そこで、お尋ねしますが、本市でのハラスメントの相談は年間で何件ありますか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) ハラスメントの相談件数につきましては、平成30年度はセクシュアルハラスメントが1件、パワーハラスメントが3件、令和元年度は9月1日現在、セクシュアルハラスメントが1件、パワーハラスメントがゼロ件となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) あたかも本市では余りハラスメントが行われていないように言われますが、先ほどの市職労のアンケートでは、セクハラ35件、パワハラ138件が見聞きされたという結果が出ています。
 そこで、お尋ねしますが、本市はハラスメントの実態を把握できていないのではありませんか、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 職場におけるハラスメントにつきましては、全職員を対象としたeラーニングによる研修などにより、ハラスメントに関する基本的な知識や考え方、相談窓口について全職員に周知を図るとともに、令和元年度からパワーハラスメントに加え、セクシュアルハラスメント及びマタニティハラスメントについても、外部の相談窓口を設置するなど、相談体制の強化を図っております。また、ハラスメントの相談があったものについては、事実関係を調査し、必要に応じ、是正のための措置を行っております。今後とも、相談窓口の周知を図るなど、より相談しやすい環境づくりに取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) そう言われても、アンケートには女性が現場に行って泣けば問題が解決するからといって現場に行かされた、一つでもできないことがあれば全てできない人として扱われる、ばかにした言葉をかけられる、妊娠したら先輩の態度が明らかに威圧的になり萎縮してしまったなど、生々しい声が寄せられ、体や精神を病んで休職や退職にまで追い込まれるような大きな問題になっています。ハラスメントの実態を隠そうとしていると思われても仕方がありません。なぜ本市のハラスメントの把握数が少ないのか。それは、本市ではハラスメントの相談を受け、その調査をし、判断をするのが全て同じ部署で行われているからです。都合の悪いことが表に出ない可能性があり、このような仕組みは大問題です。だから、アンケートと市が把握している実態が大きく乖離しているのです。どうしてこういう状態が放置されているのか。労働政策研究・研修機構の副主任研究員の内藤忍さんは、最大の問題は日本の法にハラスメントの禁止規定がないことです。禁止規定がないとハラスメントをしてはならないというルールが社会で共有されませんと言っています。
 そこで、実効性のあるハラスメント禁止条例を本市で独自につくって、女性が働きやすい環境をつくるべきではありませんか、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) ハラスメントにつきましては、令和元年5月の法改正により、国においてセクシュアルハラスメントなどの防止対策について強化されるとともに、パワーハラスメント防止のための措置を講じることが事業主に義務づけられており、女性活躍推進の観点からも監督指導権限を有する国と連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) 防止措置があっても全く役に立っていません。だから、どうしてもハラスメント禁止条例が必要です。これまで見てきたように、長時間過密労働やハラスメントに本市が手をつけようとしていないので、管理職の男女比の格差が一向に埋まりません。他方で、世界ではジェンダー平等を推進する流れが強くなっています。6月にはILO、国際労働機関が職場での暴力やハラスメントを全面的に禁止する初の国際条約を採択しました。従業員や就職活動中の学生など、幅広い関係者へのセクハラや嫌がらせを禁じ、政府や雇用主に対策を講じるよう求めるものです。このような提言を本市でも実行し、女性が働きやすい職場をつくるべきです。
 この質問の最後にお尋ねしますが、民間企業に手本を示す意味からも、役所の中から男女差別をなくす、とりわけ女性管理職の登用率を上げる施策を行い、ハラスメント禁止条例をつくるなど、島市長がジェンダー平等社会の先頭に立つべきだと思いますが、市長に御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市におきましては、女性職員がチャレンジをし、活躍できる環境づくりを推進しており、男女を問わず、意欲と能力のある職員を積極的に登用するよう努めています。引き続き女性職員を含む全ての職員が働きやすい職場環境づくりを推進しますとともに、女性職員のキャリア形成を積極的に進め、女性管理職の登用にも努めてまいります。
 今後とも、職場や地域を初め、あらゆる場において男女が対等に参画し、女性が活躍できる社会の実現に向けて取り組みを進めてまいりたいと考えております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) 登用率を上げる具体策もない、ハラスメント禁止条例をつくることにも言及しないということであれば、ジェンダー平等社会の実現はできません。再考を強く求めます。
 次に、障がい者支援事業所職員の処遇改善について質問します。
 我が党はこれまで福祉業務に従事する職員の処遇改善を求めて、保育士や介護労働者について、たびたび取り上げてきました。今回は、障がいがある人に対し、自分らしく生きるために必要な支援をすることを仕事にしている障がい者支援事業所職員の処遇改善について質問します。
 共同作業所の全国連絡会であるきょうされんが加盟する事業所を中心に職員の労働実態調査を行ったところ、3,586人の回答を得て、2015年度に支給された給与、賞与について、貧困ラインとされる年収200万円未満が全体の3割を占めており、本市が低所得世帯と規定している年収300万円未満が全体の6割を占めていました。
 これは福祉の専門職として余りにも賃金が低過ぎると思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 障がい福祉サービス事業所で働く職員の賃金に関しましては、国の調査におきましても、他の産業と比較して低い状態にあるとされておりまして、障がいのある方の地域生活を支える人材の確保、定着につなげ、安定した事業所運営を図っていくためにも改善を図っていく必要があると認識をいたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) 人ごとのようですね。私はこの質問をするに当たって、障がい者支援施設を経営する人や、そこで働く人たちに聞き取りを行いました。ある40代の女性は、正職員でも基本給が月15万円、時給に換算すると最低賃金ぎりぎりで、サービス残業をすれば最低賃金を下回るという実態でした。食費を抑え、洋服は何年も新しいものを買っていない、体調が悪くても病院に行けないなど、疲弊感の強い訴えを何人もから聞きました。ぐあいが悪くても無理に仕事に出てくるという人もいました。
 そこで、お尋ねしますが、このような状況で障がいを持つ利用者さんに寄り添った適切な支援ができると思うのか、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 障がい福祉サービス事業所におきましては、国が定める基準に基づき適切にサービスが提供されているものと考えておりますが、今後もさらにサービスの質の向上や良質な人材の確保、定着、また、事業所の経営の安定化を図っていくためには、障がい福祉人材の処遇改善を進めていく必要があると考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) そう言われますが、やりがいを持って就職をしても、生活をしていくのが大変だと低賃金を理由にした離職が相次ぎ、人材不足に悩まされ、残った職員の有給休暇が十分にとれず、サービス自体が成り立たない状況にあります。サービス残業が蔓延している事業所が多数あり、現場は疲弊しています。そのため、福祉サービスの低下につながっていることは明らかです。
 全ての国民が障がいの有無にかかわらず、ひとしく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念のもとに策定された福岡市障がい福祉計画を推進する立場の本市が、国が決めた仕組みだからと済ませるのは余りにも無責任だと思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 障がい福祉サービスは障害者総合支援法に基づき実施されるもので、その報酬の基準、単価の設定につきましても、同法により国の役割とされております。福岡市といたしましては、障がい福祉サービスは全国共通の制度として運用されているものであるため、市独自の人件費の補助などの支援を実施する予定はございませんが、事業所の経営実態に見合う報酬水準が確保され、良質な人材の確保が図られるよう、今後とも、適切な報酬単価の設定について国に要望してまいります。また、事業者や職員に対する研修の実施に加え、事業所に対して処遇改善加算の取得を促進するなど、労働環境や処遇の改善につながる取り組みを進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) そんな姿勢では、障がいを持つ利用者さんたちに余裕を持った支援はできません。本市として現場に寄り添った支援策を求めます。
 そこで、所得が低い障がい者支援事業所職員たちを経済的に支援するため、家賃補助制度など本市独自の支援策をつくって処遇改善を図るべきだと思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 繰り返しになりますけれども、障がい福祉サービスは障害者総合支援法に基づき実施されているものでございまして、その報酬の基準等につきましても、国が定めることとされております。福岡市といたしましては、市独自で人件費の補助などの支援を実施する予定はございませんが、今後とも、適切な報酬単価の設定について国に要望しますとともに、事業所に対して処遇改善加算の取得を促進するなど、労働環境や処遇の改善につながる取り組みを進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) そんな姿勢だから、いつまでたっても処遇が改善されないのです。この深刻な事態を指をくわえて見ているだけなのは許されません。また、大変なのは働く人だけではありません。経営に携わっている人からも話を伺いました。それによると、国の処遇改善費は一部の職員にしか与えられないものですが、加算に該当する職員だけでなく、全ての職員の交通費や定期昇給分の補?分として使用していると、本来出すべき分の穴埋めとして使われている実態を聞きました。さらに、加算ではなく、全ての職員の給与が改善されるような報酬体系にしてほしいという切実な声も聞きました。
 したがって、障がい福祉サービス等に係る報酬体系を抜本的に引き上げることを早急に国に求めるべきだと思いますが、市長の御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 国におきましては、福祉・介護職員の賃金改善を目的とした加算の拡充等が行われているところでありまして、令和元年10月にも障がい福祉サービス事業所に対するさらなる拡充が予定されているところでございます。国に対しましては、事業者の経営実態や職場環境等の把握に努め、従業者のサービスの質の向上や良質な人材の確保等が継続的にできるよう、今後とも、適正な報酬単価の設定について要望してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) 早急に対応することを求めておきます。
 そもそも国の報酬体系が低過ぎるのが問題ですが、障害者自立支援法が施行され、常勤換算方式や、利用者が休んだときにはその分の報酬が削られる日払い方式が導入され、我が党も危惧していたように、事業所の運営費収入が不安定になりました。それは障害者総合支援法にも引き継がれています。中途採用で年収200万円未満の非正規職員を多く確保しなければ、現場の支援が成り立たない状況は、常勤換算方式と日払い方式の導入以降、急速に広まっています。この状態が続けば、障がいを持った人たちに大きな負担をかけると思います。
 障がいについての基礎的理解と専門性を育み、適切な支援を提供できる正規職員を長期に雇用し続け、ベテラン職員として育成することが極めて困難な状況を改善するべく、常勤換算方式と日払い方式を廃止するよう国に求めるべきではありませんか、市長の御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 人員配置の常勤換算方式につきましては、障がい福祉サービス事業所等におきまして、常勤職員と非常勤職員の勤務時間の合計を常勤職員の人数に換算する方式でありまして、事業所が必要な人材を確保し、適正なサービスを提供するための制度であると認識をしております。また、報酬の日払い方式につきましては、利用者の障がいの状況やニーズに応じていろいろなサービスを組み合わせて利用することができるようにした制度でありまして、利用者本位のサービスを提供するための制度であると認識をいたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) 障がいを持った人たちに寄り添わない答弁です。そのような姿勢は、平等な社会参加のために必要な支援を権利として保障し、国と自治体の支援提供義務を規定した障害者権利条約に反するものです。憲法と障害者権利条約の理念を地域の隅々に広げながら、誰もが安心できる社会の実現を目指すべきであります。
 そこで、公的責任を投げ捨てる姿勢を改め、困難にあえぐ障がい者支援事業所職員に本市独自の補助をすべきだと思いますが、市長の御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市では、障がいのある人が必要な支援を受けながら、みずからの能力を最大限発揮し、地域や家庭で生き生きと生活することができるまちづくりに取り組んでおります。障がい福祉人材の処遇の改善につきましては、人材の確保、定着につなげ、安定した事業所運営を行っていくためにも重要であると認識をしておりまして、引き続き事業所の経営実態に見合う報酬水準が確保されるよう国に要望してまいりますとともに、キャリアアップに資する研修の実施など、処遇改善に向けた取り組みを進めてまいります。
 今後とも、障がいのある方の生活の質の向上が図られるよう、しっかりと障がい者施策を推進してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) もっと障がいを持った人及びそこで働く職員の人たちに寄り添った施策をするべきです。
 次に、福祉施設の指定管理者の公募化問題について質問します。
 ことし5月、児童療育施設めばえ学園の指定管理を突如、来年から公募することが明らかになり、公募撤回を求める請願署名が短期間で6,000筆を超える大きな運動が取り組まれ、8月19日に請願審査が行われました。結果、継続審議となっています。これに続いて、障がい者スポーツセンター、早良障がい者フレンドホーム、西障がい者フレンドホームの指定管理者について、これまでの福岡市社会福祉事業団を外して公募を行う方針が打ち出され、大問題になっています。
 そこで、そもそも事業団はどのような目的でつくられたのか、設立の経緯とあわせてどのような役割を果たしてきたのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 社会福祉事業団につきましては、多様な福祉サービスの利用者が心身ともに健やかに育成され、また、その有する能力に応じ、自立した生活を地域社会において営むことができるよう支援することを目的として、昭和48年2月に設立をしております。また、設立以降、福岡市が設置した社会福祉施設の運営を初めとして、多様な福祉サービスを安定的に供給する役割を果たしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) 非常に大事な役割を果たしてきたということです。
 それにもかかわらず、これまで指定管理を担ってきた事業団を応募できないようにするのはおかしいのではないですか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 社会福祉事業団の公募への参加についてのお尋ねでございますが、福岡市の指定管理者の指定の手続に関するガイドラインにおきまして、福岡市が出資する外郭団体のうち、人的、財政的支援の程度が大きく、民間事業者との比較が公平性の観点から困難な場合は応募を認めないなどの措置を検討することとされております。事業団につきましては、本市が出資する外郭団体であり、本ガイドラインの規定に該当することから、この原則に従って公募への参加は認めないことといたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) 今の答弁は全く理由になっていません。長年、この3施設は事業団に非公募で任せられてきました。今年度更新されている本市のホームページでも、非公募にしてきた理由が明記されております。
 そこで、それぞれ3施設について、非公募で指定管理を任せてきた理由の説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) おただしの3施設の現在の指定の期間、つまり平成27年度から令和元年度までの指定管理者を選定するに当たりましては、その前年度であります平成26年度に非公募とすることを決定いたしております。その際の理由といたしましては、まず、障がい者スポーツセンターにつきましては、障がい者スポーツに対する専門的な知識を有し、指導技術の有資格者を擁する法人は事業団のみであること、また、早良障がい者フレンドホームはももち福祉プラザと、また、西障がい者フレンドホームは西部療育センターとそれぞれ合築した施設であり、効率的な施設運営の観点から同一の指定管理者を選定する必要があることとしていたものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) 今述べられたように、これまで非公募であったのは正当な理由です。
 それを突然、方針転換して事業団を排除するのは全く道理に合わないと思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 繰り返しになりますが、社会福祉事業団につきましては、福岡市の指定管理者の指定の手続に関するガイドラインにおける外郭団体の応募に係る除外規定に該当することから、その原則に従いまして公募への参加は認めないことといたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) 後づけの理由を繰り返されますが、これまで指定管理者制度が強行されても、福祉の現場においては専門性や継続性が必要だということで、多くの施設が専門的に担える事業団を非公募で指定管理者としてきたのです。それを総務企画局が作成した指定管理者の指定の手続に関するガイドラインに沿って、効率性、経費節減のために公募を頭ごなしに持ってくるのはあってはならないことだと思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 指定管理者の制度の目的は、公の施設の管理に民間の能力を活用しつつ、経費の削減のみならず、住民サービスの向上に寄与することにあると承知をいたしております。御指摘のガイドラインは、指定管理者制度を適切かつ円滑に運用するために必要となる本市の基本的な考え方や標準的な手続などをまとめたものであり、これに基づき3施設を公募化することにより、効率的な運営とともに、利用者サービスの向上を図られるものと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) 何が何でも事業団を外したいという答弁ですが、そこで、お尋ねしますが、本市から事業団に対する受託事業支出について、昨年度と今年度の予算はどうなっていますか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 社会福祉事業団の予算における福岡市からの受託額につきましては、平成30年度は27億2,190万円余、令和元年度は26億55万円余となってございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) 予算が一気に1億2,000万円も減らされています。
 来年度からの社会福祉事業団の指定管理の排除を先取りして、強引に経費節減を迫ったのではないですか、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 社会福祉事業団への予算につきましては、過去の決算額を参考にしつつ、当該年度に必要な経費を見込んで積算しているものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) 減らせる部分があったということですが、実態は全く違います。現場はぎりきりでやっていて、突然の大幅予算カットによって、やりくりが困難となっています。現場では、職員の人件費を下げなければならないのかと不満と混乱が広がっています。
 本市から事業団の多くの職員には相談や、まともな説明はなく、こんな一方的なやり方は到底許されないと思いますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市からの指定管理料等につきましては、事業の運営に必要な額を積算の上、予算措置をしており、事業団におきましては、これらの予算をもとに適切に運営がなされているものと考えております。また、公募化の方針につきましては、社会福祉事業団本部事務局及び公募予定の3施設の管理者に対しまして適宜説明を行ってございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 松尾りつ子議員。
○38番(松尾りつ子) 何を言っていますか。私は現場の職員から聞きましたよ。事前の相談は何もあっていないと。これではモチベーションが下がります。
 福祉の現場は専門性や継続性が求められるものであり、本来ならば市が直接運営をして、充実した職員体制で事業を進めるべきものです。その仕事を本市においては、社会福祉事業団という公的団体がかわりに担ってきたのです。福祉サービスの内容は公的施設にふさわしい支援が行われ、利用者との間にも信頼関係をつくりながら、質の高い実践をつくり上げてきております。それを民でできるものは民へなどと言って、財政局や総務企画局がこれまでの実践や努力を無視して頭ごなしに事業団を外す決定を下すというのは、ひどいやり方です。つまり行く行くは、あなた方は福祉を担う事業団をお荷物だとして潰そうとしているのです。事前の相談もなく、こんな強引な進め方をするのは余りにも異常で、市長のトップダウンの姿勢があらわれています。経費節減を優先させ、事業団を指定管理から排除し、公募にかけるというやり方は、福祉サービスの質を低下させ、利用者の権利を奪うことになります。
 そこで、市長にお尋ねしますが、この方針は撤回して、引き続き非公募で事業団に任せるべきだと思いますが、市長の所見を求めて、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 指定管理者制度につきましては、多様化する住民ニーズに、より効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に民間の能力を活用しつつ、住民サービスの向上を目的として実施するものでございます。障がい者福祉の分野におきましても、障害者総合支援法の施行により民間事業者の参入が進んできたことから、民間の創意工夫による利用者サービスの向上を目指し、可能な施設については、公募による指定管理者の選定を行っていくことといたしております。3施設につきましても、公募により適正かつ公正に指定管理者の選定を行い、利用者サービスのさらなる向上を図ってまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 藤本顕憲議員。
○48番(藤本顕憲)登壇 福岡令和会の藤本顕憲であります。改選後、初めてここに立ちますが、女性の議員が随分ふえられましたね。よく頑張ってこられたと思います。市の幹部職員の比率よりも議会のほうが既に上回っているわけですからね、皆さんの御健闘をお祈りします。
 私は、福岡都市高速道路の利便性向上について、中央ふ頭クルーズ受け入れ環境の整備についてお尋ねいたします。
 まず、福岡都市高速道路の利用にかかわる利便性向上についてであります。
 昭和から平成にかけて計画された主要な都市計画幹線道路は、市民の皆さんの大変な御協力と関係機関の御尽力により、平成23年4月29日の福岡外環状道路の全線開通及び平成30年3月17日の博多バイパスの供用開始をもって、本市の発展と市の骨格をなす道路はおおむねその完成を見たのであります。本市の発展と市民生活の利便性を担うこれら最重要道路インフラの整備にかかわってこられた国を初めとする関係機関並びに本市で携わられた本市職員の皆様の御尽力に改めて敬意を表するところであります。
 全国的に人口減少傾向が進んでいる中で、人口増が続く都市として注目を浴びている本市においては、福岡市や拡大する都市圏の発展の中で取り組むべき道路整備として、次の一手が注目と関心を呼んでいます。近年の社会情勢の急速な変化と急激な都市の変貌に都市インフラが対応できるのか、本市の道路交通ネットワークを総点検する時期を迎えたという観点から、今回の質問では、福岡都市高速道路をその対象として本市の考えをただしてまいります。
 そこで、福岡市の道路の現状についてお尋ねします。
 他都市と比較するには非常にわかりやすい指標である幹線道路における平均旅行速度について、他の政令指定都市と比較してどのような状況であるかをお尋ねします。
 以上で1回目を終わり、2回目からは自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 福岡市内におけます幹線道路の平均旅行速度を人口集中地区、いわゆるDID地区において見ますと、国土交通省が5年ごとに実施しております全国道路・街路交通情勢調査の最新データであります平成27年度の調査結果では、時速17.9キロメートルでございます。この数値は、全国20の指定都市及び東京都特別区を合わせました21都市中、速度の速い順では15番目でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 藤本顕憲議員。
○48番(藤本顕憲) 本市並びに福岡都市圏は、平日のみならず、日祝日において自動車交通量が増加していると感じます。
 そこで、本市の主要な幹線道路の自動車交通量についてどのような状況か、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 福岡市街地を中心に春日方面、福重方面、香椎方面の国道、県道及び主要な市道におけます交通量は、国土交通省が実施しております全国道路・街路交通情勢調査の平成22年度と平成27年度の調査結果で比較いたしますと、方面ごとに約3%ないし約8%増加しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 藤本顕憲議員。
○48番(藤本顕憲) 今の御答弁のように、平均旅行速度が全国と比べても低いと。つまり恒常的な渋滞状況にあり、幹線道路では自動車交通量が依然としてふえ続けているというデータに、国の関係機関は強い危惧を現実の危機という認識をしており、本市、都市圏のさらなる発展及び市民生活の安全を見据え、次の道路整備に向けた熱心な検討がなされていると聞き及んでおります。当事者である本市において、今やしっかり現状を踏まえた上で、市の発展と市民の安全、安心の調和の視点から道路交通の将来像を描く総点検が喫緊かつ不可欠であると考えます。
 私は日常的に都市高速道路を利用しておりますが、朝晩はもちろん、最近では昼でもよく渋滞の渦中にいます。先ほど全市的に交通量がふえているとの答弁がありましたが、都市高速道路の交通量増大もまさに実感であります。
 そこで、福岡都市高速道路が九州自動車道と直結した平成11年度、環状化が完成した平成24年度、それと、平成30年度のそれぞれの都市高速道路の供用延長、利用台数をお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 福岡都市高速道路が九州自動車道太宰府インターチェンジと直結いたしました平成11年度末時点での供用延長は約31キロメートル、また、利用台数につきましては、年間で平均しますと1日当たりの通行台数は約12万4,000台、平成24年度末時点では供用延長は約57キロメートル、1日当たりの通行台数は約17万1,000台、平成30年度末時点では供用延長は約57キロメートル、1日当たりの通行台数は約19万台でございます。平成11年度末と平成30年度末を比較いたしますと、供用延長で約1.8倍、1日当たりの通行台数におきまして約1.5倍でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 藤本顕憲議員。
○48番(藤本顕憲) 本市の発展に伴う市街地の拡大などにより、平成の30年間で福岡都市圏の人口はおよそ60万人、そのうち福岡市がおよそ30万人増加しております。これは都市高速道路を初めとする幹線道路や新たに誕生した道路交通ネットワークの整備、拡充と本市の経済政策の成功に起因する雇用の増大との相乗効果と思われます。また、ちなみに、60万人という数字は、福岡都市圏に鹿児島市レベルの都市が誕生したというような大変な数字でもあります。
 福岡北九州高速道路公社設立当時は、そもそも中央区や博多区など都心部の交通課題へ対応するとの考え方のもと、都心部の環状道路として整備する構想がありましたが、都市の広がりを背景に外環状道路の計画とその道路空間活用の相乗効果が図られたものであります。その効果は驚異的であり、福岡都市高速道路の環状化や外環状道路の整備は、従来の本市の道路交通体系の大きな欠点と言われた放射型道路ネットワークを環状型道路ネットワークでつなぎ、東西、南北の通過交通が大幅に排除され、平面街路の負担が軽減されるなど、都市発展の中で市民生活の安全性と快適性を高めることにもつながっています。この平成の間に当局が外環状道路とあわせて平面街路も含めて、いかに大変な思いをして道路整備を進めてきたのかは、その経緯をよく知る者として十分に認識しておりますが、一方で、道路を整備しても整備してもイタチごっこのように、自動車が湧き出すようにふえてきて、相変わらず渋滞が常態化している、また、当然交通量の増加に伴い、渋滞の件数も増加しているものと推察されます。
 そこで、都市高速の環状化が完成した平成24年以降の都市高速道路内で発生した渋滞件数について、渋滞の定義とあわせてお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 福岡都市高速道路を整備、管理、運営しております福岡北九州高速道路公社におきまして、渋滞を走行速度が時速20キロメートル以下で車列長が500メートル以上の状態が30分以上継続した状況として捉え、継続的に統計をとることで渋滞動向を把握しているところでございます。この統計結果によりますと、平成24年度が372件、25年度が470件、26年度が403件、27年度が539件、28年度が553件、29年度が611件、30年度が599件となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 藤本顕憲議員。
○48番(藤本顕憲) 先ほど申し上げた国が次の道路整備について検討を始めたというのは、例えば、早ければ年内着手が見込まれている筑豊地区との都市圏交流の急増に対応するための八木山バイパスの再有料道路としての4車線化への拡幅であります。この道路が完成すれば、今でも朝夕常時渋滞している福岡流通センター周辺道路や百年橋通りの二又瀬、社領地域の混雑は想像を超えるものと予想されます。いずれにしても、天神ビッグバンなどの拠点都市開発が進む本市におきまして、それ相応の多方面対応の道路のインフラ整備が喫緊の課題であります。
 そこで、都市高速道路の総点検として、現在、最も渋滞がひどい箇所はどこか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 福岡北九州高速道路公社が実施いたしました平成30年度の統計結果によりますと、年間で最も渋滞発生件数が多かった箇所は、1号香椎線の貝塚ジャンクションから東浜の区間でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 藤本顕憲議員。
○48番(藤本顕憲) きょうも通ってきましたけれども、本当にすごい渋滞です。
 この渋滞は何が原因と考えられるのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 貝塚ジャンクションから東浜の区間での渋滞につきましては、先ほど答弁いたしましたように、福岡都市高速道路の全体の交通量がこの20年間で約1.5倍に増加していること、また、貝塚ジャンクションから東浜方面に向かって一番右側の車線は、東浜出口とその手前約700メートルの区間まで出口専用の減速車線としており、本線3車線がこの区間では2車線に絞られていることもこの線上の渋滞を招く要因の一つであると考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 藤本顕憲議員。
○48番(藤本顕憲) 福岡市は東浜のような都市高速道路の渋滞ポイントに関してどのような認識をされているのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 福岡県内の渋滞状況を把握し、総合的な交通渋滞対策を実施、推進することを目的として、国土交通省九州地方整備局、福岡県、福岡市、福岡北九州高速道路公社及び福岡県警察、さらに道路利用者等により構成される福岡県交通渋滞対策協議会が設置されております。同協議会では、渋滞箇所の的確な把握について検討を行い、平成25年1月、地域の実態や道路利用者の実感にも沿った主要渋滞箇所を公表し、今後はこれを踏まえ、効果的な対策を協議していくこととなりました。福岡都市高速道路につきましては、東浜など14区間が同箇所に位置づけられているところでございます。これらの14区間は現時点におきましても主要渋滞箇所としての位置づけのままであり、都市高速道路としての本来の機能が十分に発揮されていない状況が継続しているとの認識の上、渋滞緩和に向けた効果的な対策が必要であると考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 藤本顕憲議員。
○48番(藤本顕憲) それでは次に、利便性の向上といった視点で要望があっている他の箇所はありますか、あるのであれば、その概要についてお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 福岡都市高速道路の利便性向上に関連する要望といたしましては、今宿や周船寺など、西区の西部地域方面から福岡前原道路を経由して姪浜地区と行き来する場合、最寄りの出入り口は拾六町もしくは百道であり、いずれも姪浜地区と距離が離れているため不便であるという御意見、また、福岡市の南部方面から福岡都市高速道路を利用して博多駅方面と行き来する場合、最寄りの出入り口は半道橋もしくは千代であり、いずれも博多駅から距離が離れているため不便であるなどの御意見が寄せられていると福岡北九州高速道路公社から聞いております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 藤本顕憲議員。
○48番(藤本顕憲) 福岡都市高速道路は、都市の成長とともに、物流などの交通も担い、生活道路の安全性確保など、多様な効果を要す重要な役割を担っております。今後ますますその価値が高まっていくということは間違いありません。大きく変貌する福岡市の成長を支える都市高速道路が現実的に迫られている機能強化を図るためにも、短中期的な視点に立って急ぎ抜本的な対策を行う必要があると考えます。実際に都市高速道路を管理しているのは福岡北九州高速道路公社でありますが、設立の経緯も踏まえると、設立団体の福岡県、福岡市との関係から受け身的な立場にならざるを得ず、公社が自主的に検討を始めることは難しいのではないでしょうか。
 そこで、市は公社との関係性を踏まえてどのように対応していくお考えか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 福岡都市高速道路のネットワークの充実を図るために、福岡市といたしましては、これまで国や福岡県などと協議、調整を図るとともに、福岡北九州高速道路公社に対しましても、事業化に向けた情報提供、協議等の働きかけを行い、同公社のこれまでの経験や技術的知見を発揮していただきながら、ともに事業を進めてまいりました。
 福岡都市高速道路が昭和55年10月の供用開始以来、長期にわたりその役割を担う中で生じてまいりました渋滞緩和や利便性向上などの課題につきましては、今後、同公社を含め、関係者間で認識の共有を十分に図ってまいります。また、同公社に対しましては、適切な交通需要推計、これを踏まえた事業の投資効果や採算性など、必要な対策の実現可能性の調査研究に着手していただくよう働きかけを行ってまいります。その結果を踏まえ、課題を含めまして、関係機関と事業化の可能性の検討を図っていくこととなります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 藤本顕憲議員。
○48番(藤本顕憲) ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 次に、中央ふ頭クルーズ受け入れ環境についてお尋ねします。
 けさもクルーズ船が泊まっておりましたけれども、私は都市高速道路を通るたびに、このロマンあふれるクルーズ船を見るのが楽しみであります。とりわけ昨年の秋には中央ふ頭の西側岸壁延伸の完成を知り、いよいよ以前発表されておりましたように豪華なクルーズ船が2隻並んで着岸している姿がいつも見られるものだと楽しみにしておりました。しかしながら、目にするのは、依然としてクルーズ船が中央ふ頭と箱崎ふ頭に分かれて泊まっているという姿であり、なぜであろうかなと疑問に感じておるところであります。
 そこでまず、昨年秋に供用した中央ふ頭西側岸壁の延伸工事の概要とその効果についてお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 中央ふ頭におきまして、クルーズ受け入れの環境整備を進めてございまして、平成28年度から国直轄事業により西側岸壁を330メートル延伸する工事が実施されました。平成29年5月には延伸工事が一部完了したことにより、それまで箱崎ふ頭において曜日を限定して受け入れていたアジア最大級のクルーズ船、クァンタム・オブ・ザ・シーズを中央ふ頭で毎日受け入れることが可能となりました。さらに、平成30年9月には延伸工事の完了に伴い、世界最大のクルーズ船オアシス・オブ・ザ・シーズの受け入れが可能となり、クルーズ船の組み合わせなど、条件によっては2隻同時着岸も可能となりました。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 藤本顕憲議員。
○48番(藤本顕憲) 別に2隻泊まっているのが見られないということで残念ではありますが、とがめているつもりはないんですけどね。ただ、やはりそういう構想が発表されたものだから、結構そういった視点で見ている人も多いということを知っておいていただかねばなりませんね。
 そこで、クルーズ船の2隻同時着岸も可能になると答弁されましたが、実際に中央ふ頭西側岸壁で2隻同時に着岸した回数はどのくらいあったんでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 中央ふ頭西側岸壁の延伸部が供用開始いたしました平成30年9月以降、クルーズ船が2隻同時に着岸した回数は4回となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 藤本顕憲議員。
○48番(藤本顕憲) やっぱり少ないですね。
 そこで、岸壁が延伸されたにもかかわらず、中央ふ頭西側に2隻同時着岸する機会が少ないのはなぜなのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 中央ふ頭西側岸壁におきまして、クルーズ船を2隻同時に受け入れるためには、2隻に対応した岸壁やターミナル機能が必要となります。まず、岸壁につきましては、延伸工事は完了いたしましたが、現在、岸壁の一部を国際定期フェリーが利用しているため、大型クルーズ船が2隻同時着岸することができない状況でございます。次に、ターミナル機能につきましては、中型船同士や大型船と小型船などの組み合わせの場合であっても、現在のクルーズセンターでは1隻ずつの入出国の手続しか行えないため、2隻同時に着岸した場合は手続に時間を要すことから、現状では2隻目のクルーズ船については箱崎ふ頭を利用している状況でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 藤本顕憲議員。
○48番(藤本顕憲) そういうのは、ある意味、最初からわかっておった話だと思うんですけどね。
 ところで、今後、クルーズ拠点港にふさわしい受け入れ環境の整備にどのように取り組んでいかれるのか、お尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) クルーズ受け入れ環境の整備につきましては、港湾計画におきまして、中央ふ頭西側に大型クルーズ船が2隻同時着岸できるよう計画してございまして、あわせて埠頭西側にある国際定期機能を東側に移転させることといたしております。現在、この国際定期機能の移転に先立ち、その移転先にある市所有の上屋の撤去など必要な取り組みを着実に進めているところでございます。また、ターミナル機能を強化することといたしておりまして、民間ノウハウを最大限生かしたコンセッションの導入も視野に事業化に向けて取り組んでいるところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 藤本顕憲議員。
○48番(藤本顕憲) ひとつしっかり頑張っていただきたいと思いますね。
 クルーズ船というのは、非常に寄港に波があるということで、やはり前々から皆さんもお考えだと思いますが、安定的に船を何とか博多港に多く誘引していきたいということで、その一つとして、博多上海定期クルーズ航路の実現というテーマでさきの議会でお尋ねしたことがあります。その後の状況についてお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 博多と上海両港を定期的に発着するクルーズの実現に向けた取り組みといたしましては、平成30年度から既存の上海発着のクルーズを活用した博多を発着する試験ツアーを実施しております。この試験ツアーは、クルーズ船により博多−上海間を往復するだけでなく、片道に飛行機を利用するものや、価格、時期などさまざまなパターンのツアーを船会社や旅行代理店の協力を得て実施するなど、クルーズのニーズ把握を目的に行っているものでございます。
今後におきましても、クルーズ人口の拡大につながるアウトバウンドの促進を図るため、フライ・アンド・クルーズなど、多様な博多発着クルーズの振興に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 藤本顕憲議員。
○48番(藤本顕憲) とにかく頑張っていただきたいわけでありますけれども、質問の最後に、博多港におけるクルーズ施策についてどのような戦略をもって取り組もうとしておられるのか、お尋ねしたいと思います。
 
○議長(阿部真之助) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 第3次産業が9割を占める産業構造となっている福岡市が持続的に成長していくためには、交流人口の拡大が重要であると考えております。現在、クルーズ船が寄港する中央ふ頭におきましては、MICE、クルーズ、にぎわいが融合した一体的なまちづくりを進め、東アジア有数のグローバル交流拠点の形成に取り組んでいくことといたしております。その中で、クルーズにつきましては、さらに成長が見込まれる東アジアのクルーズ市場を積極的に取り込むため、にぎわいを有し、利便性、快適性にすぐれたターミナル機能などのクルーズ機能強化を行い、供給力の向上に取り組んでいくとともに、クルーズ船で訪れる方々に再び福岡に行きたいと思っていただけるような福岡ならではのおもてなしに取り組んでまいります。
今後におきましても、市が一丸となってハード、ソフト両面からの多角的な取り組みを行うことにより、多様なクルーズ船が寄港する質の高いクルーズ拠点港を目指してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 藤本顕憲議員。
○48番(藤本顕憲) とにかく安定した港湾運営ができるような政策を強力に打っていただきたいと思いますけれども、最後に私見で申し上げておきますが、全国的に港町として著名な港湾というのは、ほとんど坂ででき上がったまちが多いんですね。坂のまちです。九州では鹿児島、これは東洋のナポリと言われる本当にすばらしい景観ですね、海から入ってまちを眺めるとき。それから、長崎港の夜景も実に抜群の景観を持っています。これもやっぱり坂のまちです。全国的にも、函館もそうだし、神戸もそうだし、横浜もやはり坂のまちでありますしね。船上からまちの景色が見られるというなかなか有利な点があります。その点、福岡市はフラットな地形でありますので、若干そのハンディキャップがあるわけでありますが、とにかく市内の歓迎システムを民間の力をフルに活用して強化すること、それからもう1つは、行政でないとできないのは、きのうもクルーズセンターに行ってまいりましたけど、あそこは一番雨風が強いところですから、私は雨のときにもよく行きますが、とにかく船からおりたら、ドームでもかけて、雨風からお客さんを守ると、やっぱり早くそういう整備をしなければいけませんね。それから、バスに乗るときも雨にぬれてお客が行き来しているのを、よく雨のときに行ってみると見るんですね。タクシーもそう。それから、歩道がありますけど、屋根が小さい。しかも、屋根が小さい上に外向きに屋根のひさしが上がっているものだから、風雨がもろにバス停のところから歩く歩道に入ってくるんですよね。だから、消費税も決まった、宿泊税も決まったわけでありますし、補助金もいいけれども、やっぱりこれだけかけた福岡の観光でありますので、思い切ってね、天蓋、大きな屋根をつけて、福岡に無事に着いていただいたら、雨にぬれずにまちに案内して、お帰りになるときも雨にぬれずに船に乗っていただくというふうな設備ぐらいはそろそろ考えていいのではないかなというふうに思います。
 それから、ショップもいろいろ工夫しておられますけれども、ゲイシャ、フジヤマみたいな昔の観光の日本ではありませんので、お見えになる人のほうがはるかに日本についての知識は持ってあるから、もっとスマートな店舗づくりをされたらどうかなと。そういうのも含めてドームの中に置くと。そうすると、博多港は外から入ってきて玄関が見えません。勝手口ばかりです。ですから、あそこが福岡の玄関なんだと、博多港の玄関なんだと言えるようなものをひとつお考えになったらどうかなというふうに思います。
 いろいろ2問お尋ねしてまいりましたけれども、最後に私見で恐縮でありますが、一言申し上げておきたいと思います。先ほど申し上げたように、本市では天神ビッグバンなど、すばらしいまちづくりがめじろ押しであり、福岡市という都市が飛躍していくために必要であることは当然理解しております。しかし、そこに集い、働く人、内外からの消費者たちですね、どうやって移動するのか。また、まちの発展が波及していくエリアまで考えた場合、例えば、道路、鉄道、バスなどの交通インフラについてどう配慮しなければならないか。今の本市の取り組みによって、10年もすれば見違えるようなまちに変わっていくのは目に見えていますが、しかし、そこに欠くべからざる下水道や道路やインフラの完成までは、それからまたさらに10年、20年が必要になる、それもまた真実であります。都市の発展は、人を豊かにし、人の人生の可能性を切り開くことにつながります。そのような福岡のさらなる飛躍、発展のためには、都市の土台であるインフラの整備にあらかじめしっかり取り組んでおかないと、都市そのものの限界が露呈するのではないかと危惧するものであります。インフラ整備は、都市に集う人のためのみならず、将来、そこで生活する人のために一貫して継続していく必要があります。いわゆる社会基盤整備の教育インフラやいろんなインフラがありますけれども、私が建設インフラに関心を持ったのは、私の尊敬する恩師が──第1次全国総合開発あたりを手がけた人でありますけれども、いつもおっしゃっていたのは、インフラ整備は政治に左右されてはならないと、また、公心日月のごとくあれと。インフラ整備に取り組む姿勢は、公の仕事をする人は、我々議員も、そして、行政の皆さんも当然でありますけれども、関係者が公心日月、おてんとうさまやお月様が24時間、四六時中しっかり光で照らして地球を守るように、やっぱりこつこつと着実に一歩一歩積み上げていく努力をずっとやっていくと。施設は古くなりますし、やりかえなければなりませんしね。そういうことも含めて、間断なく着実なペースでインフラをやっていかないといかんのだということをいつもおっしゃっていたのを今思い出すわけであります。
 我々の先人が努力されたこのすばらしい福岡、揺るぎない安全、安心、便利、快適な福岡の市民生活を将来の市民に確実に引き継いでいく、その重い責任が我々にあるということをぜひ訴えて、質問を終わります。ありがとうございました。
 
○議長(阿部真之助) この際、休憩し、午後3時55分に再開いたします。
午後3時41分 休憩  
午後3時55分 開議  
○副議長(楠 正信) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎)登壇 私は、福岡令和会を代表し、市営住宅の入居制度について、重度障がい者のグループホーム整備について、キャッシュレスの普及について、以上3つの質問をさせていただきます。
 まず、住宅に困窮する市民に対して良好な居住環境を提供するという重要な役割を担っている市営住宅の入居制度について質問をいたします。
 ことしの6月8日、この日はバレーボールをやっている私のかわいい娘のインターハイ予選、高校3年生最後の大会でした。小中とずっと一緒に過ごしてきた同い年の子どもたちも、高校は違えど、同じ会場にみんな集まり、最後のプレーを全力で戦いました。私の家族も早くから家を出て会場に足を運び、子どもたちの成長の姿を見ることを楽しみにしていました。そんな中、娘の友人の一人がなぜか来ていなかったので、最後の大会なのにどうしたんだろうと心配をしていました。最初は寝坊と伝わってきたのですが、その子が所属するチームが敗退をし、事実が伝わってきました。けさ早く、その子の母親が寝たままお亡くなりになられたということでした。母子家庭で、高校3年生の長女、高校1年生の次女の3人暮らしで、博多区の市営住宅に住んでいました。娘たちは一生懸命母親を起こそうとし、救急車を呼び、監督さんに連絡を入れたそうです。監督さんはいち早くその子の自宅を訪問し、いろいろな手助けをしてくれたそうです。高校3年生と1年生の娘さんたちが目の前で母親の死に直面し、何をしていいのか本当にわからず、つらい時間だったろうと心が痛みました。私は市営住宅に入居していることを知っていましたので、次の日の朝、住宅都市局にこの状況を説明し、何とか子どもたちの生活が保障されるようにと伝えました。それから、亡くなられた母親の姉の方が住宅供給公社に足を運び、話をされたんですが、そこで言われたことが、子どもだけでは住めませんので退去になりますという衝撃的な言葉でした。
 それでは、お伺いしますが、市営住宅の入居者、借り主が亡くなるケースは年間にどれぐらいあるのでしょうか、そのうち引き続き入居されるケースは何件ぐらいあるのか、お尋ねします。
 以上で1問目を終わり、2問目からは自席にて行います。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 平成30年度中に市営住宅の名義人が亡くなられた事案は520件ありまして、そのうち同居人が名義変更をして引き続き入居されているのは267件であります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) 今回のケースのように未成年の子どもが残されるケースは過去にもあったのか、また、住み続けたい場合、手続はどのようになるのか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 市営住宅の名義人が亡くなり、未成年のお子さんだけが残された事例はこれまでにもございます。残された未成年のお子さんが市営住宅に住み続けたい場合は、民法に未成年者が法律行為をするにはその法定代理人の同意を得なければならないと規定されておりますので、市営住宅の名義を変更する際に法定代理人の同意が必要となります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) 過去にも同様なケースがあった、また、一定の手続を経て住み続けることができるとの答弁です。しかし、今回のケースでは実際そのような説明ではなく、すぐにでも退去しなければならないのかと不安を感じさせる説明であったと本人から聞いております。
 なぜそのようになったのか、事実関係はどうなのか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 本件は、名義人が亡くなられた直後に、そのお子さんとその姉の方が住宅供給公社の窓口に御来所され、相談されました。窓口の対応といたしましては、連帯保証人として別にお子さんたちの父親がいることなどから、お子さんたちの今後の監護や養育などに関する話し合いの経過も踏まえながら、引き続き継続して対応していく必要があると考えたために、最初の対応の際には十分な説明に至らなかったものでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) 私も説明を受けましたが、未成年だけでは契約はできないとのことでした。また、来年3月までは住むことができるようになったとも説明を受けました。残された高校生の姉妹に4月には退去しなければいけないと思わせるような説明をしたことにためらいはなかったのでしょうか。
 その後、この家族に対してどのように対応されたのか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 7月初旬に亡くなられた名義人の姉の方が改めて相談に見えられ、家庭裁判所でその方が未成年後見人となる手続中であるとの申し出がございました。これを受けまして、未成年後見人に決定すれば、その名義人の姉の方の同意のもとに子どもたちに名義を変更できること、また、同居の手続を行うことで一緒に住むことができることを御案内いたしております。その後、手続を進める上で、確認のために9月初旬に改めて名義人の姉の方に同様の説明を行っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) 行政として適正な運用が大事なことは十分承知しております。しかし、もっと大事なことは、本当に困って相談に来ている市民に対して、もっと丁寧に親身になって対応することではないでしょうか。今回の対応については、非常に残念というより、強い憤りを感じています。当局は今回のケースを重く受けとめ、今後このようなことがないようにしっかり対応していただきたいと思っています。
 そうこうしているうちに、母親の姉の方が未成年後見人になることが決まり、娘たちとこの部屋に住む権利ができ、3月末までに退去という話はなくなりました。しかし、子どもたちがこの部屋に住み続けるということは、いろいろなことを思い出すこともあります。いわゆるトラウマです。
 住みかえを希望する場合の手続、要件等はどうなっているのか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 住みかえを認める際の要件につきましては、世帯人数の増加や減少による場合や、加齢や病気等のために階段の上りおりが困難であるなど日常生活に支障を来している場合、心身の状況から見て現住宅での生活が困難であると認められる場合などでございます。住みかえの申請に当たりましては、申請の原因となった事実を証する書面の提出を求めております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) できれば引っ越しをしたいと娘たちは言っています。今回のケースではどのようになるのか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 申請の際に原因となった事実を証する書面として、一般的には客観性の高い医師の診断書等、現住宅での生活が困難であることがわかる書面の提出を求めております。今回のようなケースでは、御家庭の事情も踏まえ、今後、丁寧に事実確認を行った上で、他の住宅に住みかえることが適切であるかどうかを判断していくことになります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) 私も説明を受けましたが、このトラウマを精神的な問題として医者に診断を受け、その診断書があれば可能になるとのお話でした。しかし、私は感じます。今回のケースはお医者さんが絡んですることではないんですね。この高校生の姉妹は医者にかかる状況ではないですし、診断書を書いてもらう状況でもないんです。市営住宅を管理するに当たって、適正に運用していくことの重要性は十分わかっています。しかし、今回のケースで何でこのような話になるのか。近所の人たちに言われた誰のための市営住宅なのかという言葉が今でも耳を離れません。言うまでもなく、市営住宅は市民のためのものです。どうしてもっと市民に寄り添いながら対応することができなかったのかと。市営住宅は住宅に困窮する市民に対して、良好な居住環境を提供するという重要な役割を担っているのです。
 市営住宅業務に当たっては、その役割を十分認識し、市民に寄り添いながら親身になって丁寧に対応していく責務があると思いますが、この質問の最後に当局の御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 市営住宅の入居者への対応につきましては、入居者が抱える悩みや課題はさまざまでございまして、御指摘のとおり、それぞれの事情に応じた適切な対応が必要であると認識いたしております。市営住宅の役割を踏まえながら、入居者が安心して快適に住み続けられるよう、より丁寧な対応に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) 次に、重度障がい者のグループホーム整備について質問をいたします。
 まずは重度心身障がい者お二人の写真をごらんいただきたいと思います。御本人と御家族には許可を得ております。こちらの方ですね。(パネル表示)この方は深堀里沙さんという29歳の重度の脳性麻痺の方です。首が座らず、日常生活において全面介助を必要とする寝たきりの状態です。命をつなぐため、口からの食事は中止となり、胃ろうからの栄養注入をしています。気管切開をして、今は声を出せませんが、顔の表情や体のわずかな動きでコミュニケーションをとっておられます。(パネル表示)もう一方、こちらの写真の方は安達ひとみさんという27歳の方です。筋ジストロフィー症で、幼いころは医療的ケアは必要ありませんでしたが、たんの吸引、酸素吸入、呼吸器と、徐々に医療的ケアが必要となってきました。さまざまな体調の変化がある中、御家族の深い愛情と介護によって、この笑顔を守ってこられています。
 2人ともこの福岡市で、昼間は生活介護などの通所施設に通い、時々ショートステイを利用しながら、20歳代の今を懸命に生きておられます。写真の2人は医療的ケアが必要な方ですが、そのほかにも、いわゆる重症心身障がい者と言われる身体と知的の両方に重い障がいがある方で、医療的ケアが今は必要でない方もたくさんおられます。全面介助を必要とする方々の御家族は、昼夜を問わず一生懸命に子どもさんの暮らしと命を支えておられます。こういう無償の愛と介護の力により、障がいの重い人たちの地域の暮らしは成立しているのが現状です。しかし、月日は過ぎていき、最初の深堀さんのお父様は58歳、お母様は55歳、2人目の安達さんの御両親はともに54歳。御家族の悩みは、親が年老いていき、世話ができなくなったらどうなるのだろうということです。今、安心して彼女たちを預けられる施設があれば、心から安心すると思います。
 それでは、質問していきます。
 写真のお二人のような20歳以上の重症心身障がい者の方は市内に何人くらいいらっしゃいますでしょうか。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 重症心身障がい者の数につきましては、その判定基準が明確にされていないことから統計もございません。
 なお、平成21年に名古屋市が独自の基準に基づいて行った調査によりますと、重症心身障がい者の数は人口1万人当たり4人となっておりまして、この結果を福岡市の20歳以上の人口に単純に当てはめますと、その数は500人程度となります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) 500人ですね。
 福岡市の重症心身障がい者の施設は、昭和44年に国立南福岡病院、今の国立病院機構福岡病院につくられたこばと病棟がありますが、常に満床で、入所どころかショートステイも利用できない状態が長く続いています。御家族の切実な思いを酌み取った民間事業者が、その窮状を解消するために療養介護事業所虹の家を博多区千代に平成26年に開所しました。
 お尋ねしますが、この療養介護事業所虹の家の最新の療養介護とショートステイの定員数をお答えください。また、現在の利用状況と、もし待機者がいれば、その数をお尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) お尋ねの虹の家の療養介護サービスの定員につきましては52人で、そのうち9人分がニーズの高いショートステイとして利用されております。
 次に、利用状況につきましては、令和元年6月現在で満床状態となっておりまして、待機者は33人と聞いております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) 現在、福岡病院も満床、新しく建った虹の家さんももう満床。福岡病院は過去ずっと常に満床状態でしたが、この福岡病院が建ってから虹の家ができるまでの約50年間、福岡市内にお住まいの重症心身障がいの方で家族で介護できなくなった人たちは市外の施設を利用されたのでしょうが、現在においては市内、市外の施設をどれほどの方が利用されているのか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市における重症心身障がいの方が利用する療養介護サービスの利用者数につきましては、令和元年6月現在、市内の施設が98人、久山療育園や福岡東医療センターなどの市外の施設が128人となってございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) 先ほど500人とありましたけれども、子どもさんを預けるなら、今住んでいる近くがいいと御家族は思うでしょうけれども、市内には施設がないんですから、一生懸命、福岡県内や県外の施設を探してこられたんです。県外では佐賀県や長崎県が多いですが、九州全域を探してこられたとも聞いています。
 その費用面ですが、このような施設に支払う費用は最後に住んでいた自治体が責任を負う制度になっています。市外のそのような施設へ128人が入所されているとのことですが、福岡市が1年間に支払う療養介護給付の額は幾らになっているのでしょうか、お答えください。また、療養介護給付以外で、例えば、入所施設である障がい者施設やグループホームなどの施設で福岡市から市外施設へ支払う金額と利用者数を教えてください。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市が市外の施設に支払った療養介護給付費等についてでございますが、まず、平成30年度の給付費につきましては3億9,900万円余となっております。
 次に、市外の療養介護事業所以外の施設に支払った平成30年度の給付費と令和元年6月現在の福岡市からの利用者数につきましては、障がい者支援施設が12億300万円余で855人、グループホームが7億1,200万円余で447人となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) 人口160万人都市福岡市には障がいの重い人の受け皿がなく、近隣施設にこれほどの人がお世話になっているこの現状を障がい福祉の長としてどのようにお考えになるのか、お聞かせ願います。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市では障がい者施策の基本理念として、高齢障がい者及び親なき後の地域での生活を見据えた総合的な支援など、障がいのある人が必要な支援を受けながら、みずからの能力を最大限に発揮し、地域や家庭で生き生きと生活することができるまちづくりを目指すことを掲げております。このため、障がい者が住みなれた家庭や地域で安心して生活できるための支援が重要であり、グループホームの設置促進や相談支援体制の充実などに努めていく必要があると考えてございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) 繰り返しますが、写真のお二人は20歳代で、親御さんの年齢も50歳代半ばを超えています。ある家族団体のアンケートでは、障がい支援区分5、6の重度の方で60代、70代の親と同居している方は福岡市内に75人おられるという結果が出ています。高齢者介護で老老介護という高齢者同士が介護し合う状況をあらわす言葉があります。障がい者を支える親たちを指して、老障介護という言葉も生まれてくるくらい、親が高齢になっても自宅で障がい者を介護している状況が生まれています。障がいの重い人は昔は短命と言われてきました。しかし、現代は医学の進歩のおかげで障がいの重い人も長命になりました。
さらに、この世代の親御さんは御自身の親の介護も負っているという人も少なくありません。そのような状況の中、一日も早く障がいの重い我が子が暮らせる安全で安心な住まい、尊厳のある人らしい暮らし、毎日が楽しいと思える暮らしの場を見届けたいという親御さんの思いは切実だと思います。
 在宅の重度障がい者が親元から自立できる暮らしの場、グループホームは福岡市にどれほどありますか。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市内のグループホームにつきましては、令和元年6月現在で153カ所となっておりまして、そのうち24カ所が障がい支援区分5または6に該当する重度障がい者を受け入れております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) 確かに身体障がいを受け入れ対象とするグループホームはありますが、それらは軽度知的障がいのある身体障がい者または知的障がいのない身体障がい者の受け入れがほとんどで、重症心身障がいのある人たちの受け皿はほぼないのが現状です。先ほどの写真のお二人のように、重症心身障がいの人は生きることそのものに、命を守るためにたくさんの介護を必要とします。御家庭でそれができているのは御家族の深い愛情と献身的な介護のたまものでありますが、御高齢の親御さんたちにはそれはもう難しくなってきています。
 今、福岡市内のグループホーム入居者の障がい支援区分の平均を教えてください。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市内のグループホーム利用者の障がい支援区分の平均値につきましては、令和元年6月現在、約3.3となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) 国の総合支援法、共同生活援助は、障がい程度の軽い自立可能な人を想定して制度設計されており、支援区分の重い人たちをグループホームで受け入れても運営ができないことは明らかです。
 ここでパネルを見ていただきたいんですが、(パネル表示)これは今の法律に基づいた運営費のシミュレーションということで、東区の社会福祉法人明日へ向かってさんが計算されたシミュレーションですけれども、上の段が支援区分3が7人のホーム、下の段が支援区分6が7人のホームということで、下のほうが重度者の方ばっかりが入っているという計算になりますが、支援区分3だと、年間収支として128万円のプラスになります。しかし、重度の方が7人入っているホームでは、国から入る収入は多いんですけれども、それ以外のかかる費用のほうがさらに上回るように大きい。年間収支としては425万円の赤字ということになっています。これはちゃんとした法人がシミュレーションしたことでございますから、必要経費は確実にこういう状況になる。これは高い給料とかではないですよ。平均的な給与でしか職員さんの計算も入れていませんし、こういう現状があるんです。
 もう1部見ていただきたいんですが、(パネル表示)そういう環境の中、城南区の葦の家福祉会さんがすまいるホームという共同生活の施設を一昨年建てられました。入居者10名のホームです。支援区分6の人が8人、5の人が1人、4の人が1人ということで計10名、重たい方ばかりです。言ったとおりなんですけれども、年間の赤字が743万円という現実が出ています。これを整備をどんどんやれやれと言っても、どこがやります。やれないんですよ。福祉業界は、国の報酬で加算のシステムとかいっぱいつくってありますけど、その加算を一生懸命とって、セミナーを受けて、あっち行ってこっち行って、やっととってやっているんですけれども、こういう状況なんですよ。最大限に頑張っても、これ。国も悪いでしょう。でも、こういう状況を国が悪いからとずっと言っておっても、きょう生きられている方はたくさんいらっしゃるんですよ。きょう何とかしなくちゃいけないということがたくさんあるわけですね。
 このため、いろんな自治体では重度者の受け入れや運営を促進するため、独自の補助金を設けています。例えば、横浜市では、家賃補助、サービス管理費、水道料、要介護支援費等があり、入居者7人のホームでは年間約340万円、横浜市から別個の補助が出ています。堺市では、重度障害者対応型共同生活援助事業費補助金が生活支援員の配置をすれば年額200万円、看護師の配置をすれば年額110万円補助がある。広島市においては、共同生活援助重度障害者受け入れ促進補助事業として、障がい支援区分4の方1人につき年額17万円、区分5の方27万円、区分6の方37万円といったものがあります。重度者のグループホーム運営にはこのような支援制度があることで運営ができるものであり、通常の国の報酬単価で運営可能なグループホーム、いわゆる軽度な方のグループホームとは別建てで考える必要が本当は制度上の中にないといけないんだと私は思っています。
 次期保健福祉総合計画では、通常の報酬で運営可能なグループホームとは別建てで、軽い人たちだけのグループホームではなくて、重度対応型グループホームに対し、国が何もしないなら、変わらないなら、福岡市独自の支援策を盛り込む必要があると思いますが、保健福祉局のお考えをお聞かせください。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 障がいの程度にかかわらず、障がいのある方が地域で安心して生活していくための居住の場としてグループホームは大変重要であり、福岡市では開設時に必要な敷金や備品購入費を補助するなど、設置促進に努めているところでございます。一方で、議員御指摘のとおり、重度障がいがある方を受け入れるグループホームの設置が進んでいないことは課題であると認識をしております。
福岡市においては令和3年度を初年度とする次期保健福祉総合計画の策定に着手したところでありまして、保健福祉審議会や障がい当事者の御意見を伺いながら、親なき後の生活の安心や障がいの重度化に対応したグループホームの設置促進のあり方について、次期計画に反映するよう検討を行ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) ありがとうございます。
 私は思いますが、重度者用のグループホームの整備数をきちんと決めて計画に出していいと思います。そうなると、予算も腹をくくって出すようになるんだと思っています。
 北海道伊達市などでは、外部サービス利用型、個人単位でのホームヘルプ利用において十分なサービス量を支給決定することで、重度者、高齢障がい者のグループホームの運営が成立しているケースがあります。当地福岡市においては、冒頭で述べたとおり、家族と本人の高齢化が進んでおり、一日も待ったなしの状況だと思います。早急に対応する必要があります。今すぐにできる対応として、伊達市のように、個人単位での個別支援計画に基づいたホームヘルプが利用可能となれば、早期に着手を検討するという事業者も現実にあります。
 今回は重度障がい者のグループホームの整備はどうやったら進んでいくのかについて尋ねてきました。補助金も地域での格差もあります。サービスもホームヘルプサービスが受けられたり、受けられなかったり、ばらばらです。移動支援についても、地域により格差があります。人口がふえ続けている福岡市、これから障がいを持つ方もふえると思います。ぜひ福岡市には福祉サービスをもう少し細かく分析いただいて、次の保健福祉総合計画に反映されるよう願っていますが、最後に島市長の御所見をお伺いして、この質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡市では「みんながやさしい、みんなにやさしいユニバーサル都市・福岡」の実現に向け、障がいの有無にかかわらず、全ての人にとって暮らしやすいまちになるよう取り組んでいます。浜崎議員御指摘のとおり、グループホームの設置を初めとした障がいのある方の親なき後の支援や障がいの重度化への対応、また、社会参加の促進など、障がいのある方が地域で安心して生活していただくための環境づくりは大変重要であるというふうに考えており、このような認識のもと、次期保健福祉総合計画の策定を進めてまいります。
 今後とも、障がいのある方が必要な支援を受けながら、みずからの能力を最大限発揮し、地域や家庭で生き生きと生活ができるまちづくりにしっかりと取り組んでまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) キャッシュレスの普及について。
 最近、キャッシュレスが新聞等で話題となっておりますが、数カ月前にフェイスブックで私の知人が、携帯電話に登録されたペイペイで買い物したら幾ら戻ってきたと言っていました。金額は明確に覚えていませんが、かなりの金額が戻ってきたように書いてありました。キャンペーンの一環でしょうが、浸透させようとかなりのサービスをしていたように思います。私は携帯で支払いするなんて、落としたらどうすると、と思いながら全く対応しませんでしたが、少しうらやましく思っていました。今からは本格的にキャッシュレスが主流になっていくのかなと感じ始めています。中国ではキャッシュレス比率が66%、何と韓国は96%、アメリカは46%、日本は20%、まだまだ低いですが、これを高めていくためには市民のしっかりとした理解が伴わないとと感じます。私自身もいまいちキャッシュレスが絶対必要と感じていないので、理解させてもらいたい気持ちです。
 福岡市がキャッシュレスを推進する目的は何か、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 福岡市がキャッシュレスを推進する目的でございますが、まず、事業者に対しましては、キャッシュレス決済を導入することで、現金のやりとりが減り、会計や売り上げ集計に要する時間が短縮されることや、インバウンドを初めとする国内外の消費を取り込み、売り上げアップにつなげること等でございます。
また、消費者に対しては、会計時に現金のやりとりの手間が省けることや、キャッシュレスのポイントの還元等により現金決済よりも便利でお得に買い物ができ、消費者の利便性が向上するものでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) キャッシュレスを推進することは大事と考えますが、先日、キャッシュレス決済に係る不正問題があり、キャッシュレスの安全性に不安を感じている消費者も多いと思います。
 決済事業者においては、そうした不安を払拭するためにどのような取り組みを行っているのか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) キャッシュレス決済に係る不正利用につきましては、決済事業者において2段階認証などのセキュリティーを高める取り組みが進められております。また、万が一不正利用された場合でも、決済サービスの利用規約に第三者に不正利用された場合の被害額を補償する旨の規定が追加されるなど、利用者保護に向けた対策がとられております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) キャッシュレスを推進するために、キャッシュレス決済の周知、意識啓発をすべきと思いますが、市ではどのような取り組みを行っているのか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 福岡商工会議所や市民の決済事業者と連携してキャッシュレス普及イベントを開催し、キャッシュレスに関する講演やキャッシュレス決済を体験できるブース展示を行い、周知を図っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) キャッシュレス決済を体験できるブース展示やキャッシュレスに関する講演とは具体的にどのようなものか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) ブース展示では、さまざまなスマートフォン決済サービスの説明や来場者に決済端末を使ってスマートフォン決済の体験をしてもらうなど、キャッシュレスの周知を行いました。また、講演では、中国の大手でありますウィーチャットペイやアリペイの2社から、スマートフォン決済で得られた購買データを販路拡大に利用する方法を紹介していただきました。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) 幾ら市民がキャッシュレスに詳しくなっても、利用できる場所が少なくては意味がないです。市ではどのような取り組みを行っていますか。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 市の取り組みにつきましては、平成30年度は全国に先駆けて屋台で35件、商店街で24店舗、タクシーで305台を含む市内約900カ所でスマートフォンによるキャッシュレス決済の実証実験を行い、事業者にキャッシュレスの便利さを体験してもらうことでキャッシュレスの機運醸成に取り組んでまいりました。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) 市の公共施設ではどの程度キャッシュレス決済を導入しているのか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 福岡市の施設におけるキャッシュレス決済につきましては、平成31年4月より20窓口、39施設において導入しております。区役所の窓口で発行する住民票の写しなどの証明書交付手数料や動植物園の入園料などがスマートフォンで決済できるようになっており、市民の利便性の向上が図られております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) キャッシュレス推進の取り組みの成果はあったのか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 福岡市内においては、キャッシュレス実証実験の取り組みを契機として、大型商業施設や中小店舗において飲食店や小売店を中心にキャッシュレスを導入する店舗が増加しております。あわせて、全国に先駆けた福岡市のキャッシュレス実証実験の取り組みがテレビや新聞、雑誌等で大きく取り上げられ、全国の自治体から視察を受け入れ、注目されており、大手決済事業者のキャンペーンもあり、全国的にもキャッシュレスを導入する動きが広がっております。
 なお、先ほど答弁で福岡商工会議所や民間の決済事業者と連携してと言うところを市民の決済事業者と申しました。訂正させていただきます。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) 事業者の皆さんがキャッシュレスによる生産性の向上や利益向上につながることが望ましいですが、キャッシュレスの実証実験では導入事業者からどのような声が上がっているのか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 導入事業者の声としては、特に屋台などからは、会計に要する時間が短縮されて楽になった、現金を扱わないでよいため衛生面でも安心である、若年層の来店者がふえ、新しい客層の開拓につながったなどの声を聞いております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) 時代は変わってきたなとひしひしと感じますが、でも、やはりこの日本は昔からの商いのやり方もしみついているはずですので、周知は簡単ではないとも感じます。キャッシュレスを推進するに当たっての課題は何か、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) キャッシュレスを導入する事業者につきましては、決済手数料の負担が大きいことやキャッシュレス決済を導入するメリットがわからないことが理由で、特に小規模店舗への普及が進みにくい現状もございます。また、消費者につきましては、特にキャッシュレス決済になれていない高齢者等に対して、キャッシュレスのわかりやすい説明、周知が必要であると考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) やはり日本全体での動きが必要と感じます。キャッシュレスを推進するために国ではどのような取り組みを行っているのか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 国では、消費税率の引き上げに伴い、需要を平準化する対策として、10月1日からキャッシュレス・事業者還元事業を実施します。消費税率引き上げ後の9カ月間に限って、中小・小規模事業者におけるキャッシュレス手段を使った決済に関して、決済端末の導入費や決済手数料の一部などを国が補助し、キャッシュレスの推進を支援する事業でございます。
 なお、消費者はこの事業に参加した中小・小規模店舗でキャッシュレス決済をした場合には、5%または2%のポイントの還元を受けることができるものでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 浜崎太郎議員。
○42番(浜崎太郎) これからどんな社会になっていくのでしょうか。福岡市民はいち早く対応できるような心構えが必要かと思います。これからさらにグローバル化していく世界で、後世のためにしっかりとした社会システムをつくり上げ、国際競争に勝ち進んでいく日本をつくっていくことが大切です。
 最後に、福岡市として今後どのようにキャッシュレスを推進していくつもりなのかをお尋ねして、私の質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 福岡市としましては、これまで述べましたように、市民の利便性の向上に加え、中小・小規模事業者の業務の効率化や売り上げアップのため、キャッシュレスを推進してきたところでございます。今後、福岡市の施設におけるキャッシュレス決済の拡大や10月1日から始まる国のキャッシュレス・消費者還元事業、先ほど私はこれを事業者還元事業と申しましたが、キャッシュレス・消費者還元事業の機会を捉え、福岡商工会議所などの関係機関と連携し、事業者と消費者双方への制度の周知に努め、さらなるキャッシュレスの機運醸成を図ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) この際、あらかじめ時間を延長いたします。ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子)登壇 皆様こんにちは。私は福岡市民クラブのついちはら陽子です。福岡市民クラブを代表いたしまして、子どもや若い世代に向けた健康増進施策について質問いたします。初めての一般質問です。熱意のある答弁を期待いたします。
 人口減少時代に突入している中、福岡市の人口増加は政令市の中でも最も多く、便利で住みやすいまちとして選ばれている、とても魅力のあるまちです。中でも10代、20代の割合は政令市の中でも最も多く、活気あふれるまちとして注目を浴びています。しかし、若さイコール健康であるとは限りません。20歳を過ぎると、筋力は誰しも衰えていくものです。動かないと太ってしまうということを気にする方はいると思いますが、運動したいと思っていても、その始めるきっかけがないのが現実です。思い立ったらすぐに始められるような運動のできる環境を整えていくこと、そして、そのきっかけづくりをしていくことが重要であると考えます。若いころからの運動習慣が将来の病気や介護のリスクを減らしていけると思います。市民一人一人が健康増進に対してもっと意識をしていくことで、健康寿命の延伸にもつながることから、早急に取り組む必要があると考えます。
 健康寿命というのは、介護などを必要とせず、自立して日常生活を送ることができる期間のことを言いますが、まず初めに、福岡市の健康寿命の推移を男女別にお尋ねいたします。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて質問いたします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市の健康寿命の推移につきましては、厚生労働省が平成30年7月に発表した調査結果によりますと、男性は平成22年が70.38年、25年が71.07年、28年が71.04年、女性は平成22年が71.93年、25年が72.99年、28年が75.22年となっておりまして、平成22年から28年にかけて、男性は0.66年、女性は3.29年延伸してございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 男性に関しては0.66年と余り延びが認められませんが、女性に関しては3.29年も健康寿命が延伸している現状がわかりました。健康寿命のさらなる延伸を図るためには、自分の体の状態を知り、身近で気軽に健康づくりに取り組める環境整備を進める必要があると思います。お金もかからず、身近な健康づくりの場として一番に思い浮かぶのが近隣公園です。近年、公園には、子どもの遊具だけでなく、健康遊具と言われるジャンプタッチや腹筋ベンチ、背伸ばしベンチ、ぶら下がりなどの遊具も設置されているところを目にします。
 そこで、公園における健康遊具の整備状況について伺ってまいります。
 福岡市内に公園は何カ所あり、うち健康遊具を設置しているところは何カ所ありますか、また、どのような公園に設置されているのかをお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 市内には福岡市が管理する公園が1,680カ所ありますが、そのうち平成30年度末時点で運動公園などの大規模公園から住宅地にある身近な公園までの173カ所の公園に健康遊具を設置いたしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 健康遊具に関して市民からどのようなお声があるのかをお尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 平成26年度に国が実施いたしました都市公園利用実態調査では、公園に期待する役割といたしまして、公園利用者の3割以上の方が運動、スポーツ、健康づくりの場を挙げており、これは全体で2番目に高い比率となっております。また、福岡市においても、地域の方々が参加して公園のプランづくりを行うワークショップでは多くの公園で健康遊具の設置を希望されており、市民の健康遊具への関心は高いと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 健康遊具に対する市民の関心は高いとのことですが、日ごろから身近な公園で気軽に自分の体力を知ることができて、維持向上ができるようなきっかけづくりのために体力を測定できる遊具があると、さらに効果があると思いますが、その中にはありますか、また、そういった公園は現在どこにありますか。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 健康遊具の中には前屈の柔軟性を確認できるものや跳躍力を測定できるものなどがあり、南区の桧原運動公園や東区の青葉公園などの大規模公園の健康遊具コーナーに設置いたしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) ただ設置しているだけでは何の役目も果たせません。使い方の説明や効果的なトレーニング方法をお知らせできていますか。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 健康遊具を設置する際には、使い方や利用による効果などをわかりやすくお伝えできるように、健康遊具のそばにイラスト入りの解説板を必ず設けるようにいたしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 健康遊具の設置状況はわずか1割です。今後も市民の皆様のニーズにお応えしながら健康遊具の設置を進めていただきたいと考えますが、所見をお伺いします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 健康遊具を設置している公園の数は平成20年度末の67カ所から平成30年度末には173カ所となっており、この10年間で2倍以上に増加させております。今後も公園を利用される方が気軽に健康づくりに取り組めるよう、地域のニーズを踏まえながら、公園の整備や施設改修の機会を捉えて健康遊具の設置を進めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 前向きに進めていくという答弁をいただきましたので、市民の声にしっかり耳を傾け、体力測定ができる遊具も含め、さらに健康遊具の設置を進めていかれるよう要望しておきます。
 市政だよりの9月1日号で、市民の皆様に健診を促すため、4ページにわたって大きな絵やグラフでとてもわかりやすく特集がされておりました。死亡原因の割合を見ると、約5割以上が生活習慣病で亡くなっていることや、定期的な健診による生活習慣病の早期発見の呼びかけなど、市民にしっかりと発信できていると思います。しかし、もっと若い世代の人たちを巻き込めるような発信もこれから積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、全国の中でも若い世代が多いとされる福岡市の実際の年代別人口の割合をお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市の人口の年代別割合につきましては、平成27年の国勢調査の結果によりますと、10代が9.4%、20代が12.7%、30代が14.8%、40代が15.4%、50代が11.9%、60代が12.7%、70代が8.4%、80代以上が5.7%となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 福岡市の10代から30代の割合は政令市の中でどのくらいの割合なのかと、政令市の中では何番目なのかを伺います。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市の人口に占める10代から30代までの割合につきましては36.9%で、20政令市中2番目に高くなっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 運動、スポーツの実施状況について、市民全体と年代別でお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 運動やスポーツの実施状況につきましては、平成30年度福岡市基本計画の成果指標に関する意識調査において、週1回以上運動やスポーツを行うとした市民の割合が市民全体では53.3%となっており、年代別では18歳から19歳が70.0%、20代が42.1%、30代が42.4%、40代が46.3%、50代が52.3%、60代が56.3%、70代が65.8%となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 10代までは70%と高いものの、20代、30代に至っては全体の53.3%より10%も下回っており、若い世代の運動離れがうかがえます。この一番の理由としては、仕事や子育てなどで時間がないことが推測されますが、この若いときからの運動習慣が睡眠の質や1日のカロリー消費量、平均寿命にも影響してくるというデータがあります。できるだけ筋力がある若いうちから運動習慣を身につけておけば、代謝の向上や疲れにくい体をつくり、年齢を重ねても体機能の維持ができます。さらに、子どものころから運動する習慣を身につけておくことで、体のさまざまな機能の発達が促され、健康的で活動的な生活習慣を保つことも期待できます。
 そこで、福岡市における若い世代へ向けた健康増進への取り組みについて伺います。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 若い世代へ向けた健康づくりの取り組みにつきましては、生活習慣病予防対策の一つとして、職場等において健康診査を受ける機会がない30歳代の市民を対象に、よかドック30を実施しております。また、若い世代も含めた市民の自主的な健康づくりを支援するため、健康づくりフェスタふくおかなどの各種イベントを開催するなど、健康づくりに取り組みやすい環境づくりを進めるとともに、関係機関や団体等と連携し、ライフステージに応じた生活習慣の改善や生活習慣病の発症予防などに取り組んでおります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 若い世代の生活習慣病予防対策の一つとして、よかドック30を始めたとのことですが、その取り組みについて伺います。どういう経緯で始めたのですか。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市では18歳から65歳未満の市民を対象とした健康増進教室を実施しておりましたが、平成20年度に40歳以上を対象とした特定健診が全国的に開始されたことから、より若い世代の生活習慣病の早期発見と健診受診の定着化を目指して、平成23年度から30歳代の健康診査よかドック30を開始したものでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 平成30年度の受診者数は何人ですか。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 平成30年度の受診者数につきましては、4,114人となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 健康診断も重要ですが、日ごろからの運動を通じた健康増進も、何度も繰り返しますが、重要です。
 以前、福岡市で行われていた、ふくおか健康マイレージについて伺います。
 これは食事や運動、イベント参加や健康診断受診などの健康づくりに関する市民の活動をポイント化して、たまったポイントに応じて商品を提供したり、ためたポイントに応じて表彰をするなどといった楽しみながら健康になれる継続的な健康づくりの推進事業です。現在は行っておられないようですが、その事業の目的、事業を開始した経緯について伺います。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ふくおか健康マイレージにつきましては、健康増進法に基づき策定した健康日本21福岡市計画におきまして、ライフステージに応じた健康づくりを進めることを基本方針として掲げており、その取り組みの一つとして、若い世代も含め、健康づくり活動を始めるきっかけづくりやその活動の継続促進を目的に、平成26年度から29年度にかけて試行的に行ったものでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) ふくおか健康マイレージの参加人数を伺います。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ふくおか健康マイレージの参加人数につきましては、平成26年度が1,054人、27年度が1,738人、28年度が1,986人、29年度が2,041人となってございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) この参加人数の数字を見ると、年々確かにふえてはいますが、参加者数の伸びを見ると、平成27年度では684人、平成28年度では248人、平成29年度になると55人と、年々伸びが減少しています。
 一方で、ふくおか健康マイレージ事業の成果もあったかと思いますが、伺います。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ふくおか健康マイレージの成果といたしましては、これまで健康づくり施策への参加が少なかった30歳代から50歳代の市民の参加を促し、自主的な健康づくりや生活改善に取り組むきっかけとなったことなどがあると考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) ふくおか健康マイレージ事業は市民の自主的な健康づくりのきっかけとなるなどの成果が出ており、私はとてもいい取り組みだと思います。しかし、参加者の伸びは年々減少し、平成29年度を最後にこの事業は終了してしまいました。
 そこで、お尋ねしますが、これらの成果と課題を踏まえ、今後どのような仕組みで若い世代の健康づくり施策に取り組んでいくのか、方向性について伺います。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 幅広い市民に継続的な健康づくりに取り組んでいただくことは大変重要でありまして、現在、健康づくりフェスタふくおかやラジオ番組とのコラボレーションによるウオーキングイベントなどを開催するとともに、お出かけや買い物のついでに健康チェックを行うよりみち健診などを実施し、市民が楽しく気軽に健康づくりができる環境づくりに取り組んでおります。また、市民の健康づくりなどに関する行動変容を促す仕組みづくりについて、市民意識調査も実施しながら、現在検討を進めているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) ついちはら陽子議員。
○53番(ついちはら陽子) 昨年から行われているラジオ番組とのコラボレーションによるウオーキングイベントでは500人の定員に対して約2,000人の応募があったと聞きましたが、市民の心をつかむすばらしいイベントだと思います。現在、20代から40代を中心に市民へウオーキングを促進するためのスマートフォンアプリを活用した実証事業も行われておりますが、これらの結果も参考にしながら、高齢者のみならず、若い世代に向けた積極的な取り組みを進めていくことを強く要望いたします。
 子どもたちから高齢者まで簡単に取り組める、例えば、体年齢を測定して実年齢との差を比較して維持向上を目指したり、1年間でどれくらい変化したかを個人で記録するなど、次の目標を持てるような健康増進へのきっかけづくりが重要であると考えます。現在の福岡市の健康増進施策については、高齢者中心の事業展開になっていると感じます。
 健康づくりに対して無関心層も含め、市民の健康増進を推進していくためには、子どもや若い世代とかかわる他局と連携した取り組みが必要であると考えますが、御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市では誰もが心身ともに健康で自分らしく生きていける持続可能な社会の仕組みを構築するため、産学官民オール福岡で推進するプロジェクト、福岡100に取り組んでおります。このプロジェクトの推進に当たりましては、担当副市長をトップに、関係局区長をメンバーとするプロジェクトチーム会議を設置しまして、保健福祉分野のみならず、住まいや地域づくり、働き方などのさまざまな分野と連携することにより、世代を問わず、自然に市民が健康になれるまちづくりを進めており、引き続き全庁を挙げて一体的な施策の推進に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) この際、休憩し、午後5時5分に再開いたします。
午後4時55分 休憩  
午後5時5分 開議  
○議長(阿部真之助) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。山口剛司議員。
○30番(山口剛司)登壇 本日予定の最後の登壇です。皆様お疲れかと思いますが、前向きの提案をしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。私は公明党福岡市議団を代表して、子どもたちの学習支援についてと介護支援ボランティア事業についてお尋ねいたします。
 まず、子どもたちの学習支援についてお尋ねいたします。
 SDGs17の目標のうち4番目に、質の高い教育をみんなにとあります。我が国においては、中学卒よりも高校、大学へと進学してもらい、自分の目標に挑戦して将来の日本を担ってほしいと願っております。さらに、国が2014年に子どもの貧困対策に関する大綱を発表してから5年が経過いたしました。本年は見直しの時期を迎えており、努力義務ではありますが、各自治体において計画策定を県から市町村まで拡大するようになりました。
 そこで、福岡市のこれまでの取り組みと課題、そして、これからの方向性について質問してまいります。特に私は中学3年生に対する学習支援が必要と感じていますので、この点もお尋ねいたします。
 まず、平成28年、2016年の決算総会質疑においてこのテーマで質問した折、荒瀬副市長の答弁で29年度から関係局会議を開催し、子どもの貧困対策を行うと発言されました。その中身として、具体的な施策を構築するという点と実施に向けた推進体制をつくると発言されましたが、どう取り組まれたのか、お伺いいたします。
 以上で1回目の質問を終わり、2回目以降は自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 子どもの貧困対策につきましては、副市長を本部長とし、関係局長等で構成する福岡市子どもの貧困対策に関する推進本部及び関係部課長で構成する幹事会を平成28年12月に設置し、これまでに推進本部を7回、幹事会を5回開催するなど、関係部局が連携し、福岡市の子どもの貧困対策を総合的に推進しております。具体的な施策につきましては、関係各局において、平成30年度からスクールソーシャルワーカーの全中学校区への配置、放課後補充学習の全小学校での実施、訪問型学習支援の実施、いわゆる子ども食堂への支援の拡充などを行い、平成31年度においては、経済的に厳しい状況にあるひとり親への支援として、未婚のひとり親に対する寡婦控除のみなし適用対象事業の拡大や、ひとり親自立支援給付金事業の拡充など、施策の充実に取り組んできたところです。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) 今、提示された施策の中で、教育委員会として学校の放課後を利用し、平成28年度からふれあい学び舎事業を実施されておられますが、その対象学年は何年生でしょうか。その学年を対象とされた理由もお示しください。
 また、平成30年度は何校で実施され、何人が学習に参加されましたでしょうか。対象学年ごとの参加児童数と対象学年全児童数に占める割合についてお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 放課後の時間を活用して子どもたちが学ぶことができるふれあい学び舎事業の対象学年は、原則小学校3年生及び4年生としております。理由は、学識経験者による、小学校3年生及び4年生の学力がその後の学力の定着に大きな影響を与える傾向が強いという分析を踏まえ、教育委員会が4年生までの学力の確かな定着を重要視したものでございます。また、平成30年度は全ての小学校144校で実施、4,744名の児童が学習に参加しております。
 次に、対象学年ごとの参加児童数と対象学年全児童数に占める割合は、3年生の参加児童数が2,430名で3年生全体の約18%、4年生は1,540名で4年生全体の約11%でございます。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) 今お示しいただいたこの事業の効果はいかがだったのでしょうか。そして、令和元年度はどのような体制で実施し、何人が学習に参加しているのか、お尋ねいたします。
 また、今後、学年を拡大されることを検討されているのか、お伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) ふれあい学び舎事業の成果は、解くことができなかった内容が振り返り学習を行うことで解けるようになった児童が見られるなど、学力と学習意欲の向上につながっております。また、実施体制は2名ないし3名の指導員を基本としておりますが、令和元年度からは小学校144校のうち30校で指導員をさらに1名増加し、3名ないし4名にすることでさらなる指導の充実を図っており、令和元年度は6月1日現在で5,120名の児童が参加しております。参加学年は3年生及び4年生を対象としておりますが、現在、5年生や6年生に参加を呼びかけている学校や、放課後、自主的に学習に取り組むことができるように廊下に机を並べるなどの環境を整えている学校もございます。今後も各学校が自校の実態に応じて工夫できるように取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) 今、教育長のお示しのとおり、拡大に各学校が努力をしていただいているということは本当にうれしいことでございます。ですが、この事業はその講師が大変だというお話も聞いております。
 全体で何人が今このふれあい学び舎事業に担当いただいて、そのうち教員OBで学習支援にかかわっていただいている人は何人ぐらいおられるのでしょうか。平成30年度と令和元年度についてお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 平成30年度の指導員は372名で、そのうち教員OBは115名であり、令和元年度の指導員は427名で、そのうち教員OBは144名です。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) いろんな方々、特に教員のOBの皆さん、志を持って担当していただいていると感謝申し上げます。
 また、この指導員の登録サイトがあると聞きました。何人が登録され、その方々、学校現場の利用状況はどのようになっておりますでしょうか。平成30年度と令和元年度についてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 登録サイトには平成30年度は440名、令和元年度は480名が登録されております。また、利用状況は平成30年度は32校、令和元年度は18校が登録サイトを利用し、指導員の確保に役立てております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) この指導員、いろいろ幅広く、特に教員OBの方々はそういうふれあい学び舎事業があっているということは御存じかと思います。それ以外の方々は余り御存じではないということもお聞きしておりますので、どうかこの指導員の登録サイト、こういうことをやっておりますよという発信をぜひ教育委員会にこれからも強くお願いしたいと思います。
 次に、スクールソーシャルワーカーについてお尋ねしてまいります。
 教員とスクールソーシャルワーカーが連携し児童生徒に向き合うと、さまざまな気づきが早くできると推奨され、全国でもスクールソーシャルワーカーの配置が推進されております。福岡市では他の自治体よりも早く全中学校区にスクールソーシャルワーカーを配置されました。今後はスクールソーシャルワーカーの資質向上が望まれていますが、本市の場合はいかがでしょうか。若手に対する質の向上のやり方など、取り組みを進めておられることがありましたらお示しください。また、これまでの相談件数と児童生徒や保護者に直接かかわった件数、そして、解決できた件数はどのように推移しているのか、平成29年度と平成30年度についてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) スクールソーシャルワーカーの資質向上の取り組みは、勤務経験の長いスクールソーシャルワーカーを中心としたグループによる研修や大学と連携した研修を実施するとともに、令和元年度から正規職員である拠点校スクールソーシャルワーカーを各区に1名ずつ配置し、その他のスクールソーシャルワーカーに対し指導、助言を行うことにより資質向上を図っております。また、平成29年度の相談件数は1,595件、そのうち児童生徒や保護者に直接かかわった件数は536件、解決できた件数は310件でございます。平成30年度の相談件数は4,450件、そのうち児童生徒や保護者に直接かかわった件数は1,088件、解決できた件数は722件でございます。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) 学校現場と保護者と、そして児童生徒、その間に入ったスクールソーシャルワーカーは大変な役割を担っていただいていると思います。この方々を中心に、また、学校現場の担任を含めて、子どもたちのこれからの学びの質を確保するために、どうかスクールソーシャルワーカーの若い方々も丁寧に資質向上を進めていただければとお願いをいたします。
 次に、就学援助を受けている中学3年生の人数は何人で、その子らへの対応、例えば、学習支援などを行われているのか、お伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 中学校3年生の就学援助の認定者数は、平成30年度は2,753名でございます。また、小中学校において就学援助認定者のみを対象とした学習支援などは行っておりません。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) ここが私はポイントだと考えております。先ほども述べましたが、なかなか中学3年生、つまずきや理解ができないというふうになりますと、勉強するのがだんだん嫌になってくる、そしてまた、学校にも行きたくないようになってしまう、そういう悪循環を繰り返してはいかんと思っております。先ほどふれあい学び舎事業も学年を拡大するとおっしゃられました。どうか学習支援の子たちだけではなくて、中学3年生、学びたい子は寄っておいでみたいな、そういう取り組みをぜひ教育委員会として考えていただければとお願いをいたします。
 次に、生活保護世帯の児童に対する学習支援についてお伺いしてまいります。
 まず、福岡市全体における生活保護の受給世帯数及び人数は何人か、お示しください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市における生活保護の受給世帯数及び人数につきましては、令和元年7月末現在、3万3,560世帯で、4万2,891人となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) 今お示しいただいた生活保護の受給人数のうち、小中学生の人数は何人でしょうか、また、そのうち中学3年生は何人いるか、お示しください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 生活保護の受給人数のうち、小学生は1,553人、中学生は915人となっており、そのうち中学3年生は307人となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) その300名を超える中学3年生、その生活保護世帯の中学3年生への進学支援や学習支援としてはどのようなことを行っておられますでしょうか、お伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 生活保護を受給されている世帯のうち、中学3年生がいる世帯に対する進学支援につきましては、活用できる奨学金の申請方法や時期、授業料の減免制度などの情報を提供する高校進学支援プログラムにより、進学に必要な手続に漏れがないよう支援を行っております。また、学習支援につきましては、子育て支援などの関係機関や学校と連携し、世帯の実情に応じた個別の支援を行っております。
 なお、子どもの生活習慣や育成環境に課題がある世帯に対しましては、社会福祉士の資格を持つ相談支援員が対象家庭を訪問し、助言、支援を行うとともに、必要に応じて学習支援員が個別に家庭を訪問し、学習や進路の相談支援を行う子どもの健全育成支援事業にも取り組んでいるところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) 今、個別支援とおっしゃられました。たしかまとまったところの会場でこれまでは学習支援をされておられたのではなかろうかと思います。その、これまでの内容をお示しいただくとともに、その後どのような支援に変えたのか、そのきっかけ、内容についてお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) これまでの学習支援につきましては、平成24年12月から小中学生を対象に、公共施設などを利用して居場所の提供や学習支援を行う子どもの学びと居場所づくり事業を実施してまいりました。この事業は対象者を経済的困窮者に限定し、集合型で実施していたため、困窮に向けられる社会からの偏見、いわゆる貧困のスティグマにより参加することに対して保護者からの抵抗感があったことや、子ども自身にとっては友達を誘って参加できないことなど、事業手法としては課題がございました。そのため、従来から行っていた子どもの健全育成支援事業の支援内容を充実させ、平成30年度から訪問型の学習支援を開始したものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) そのように個別的に変えられたという御説明でした。その生活保護世帯のうち、訪問型の学習支援を受けている子どもは今、何人になるのでしょうか。全員だったらいいんですが、そうはいかないかと思いますけれども、今、学習支援を行われている人数をお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 訪問型の学習支援を受けている子どもの数につきましては、令和元年7月末現在、中学2年生7人、中学3年生11人、中学卒業後未進学の子が1人、高校生5人の計24人となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) 今お示しいただいたとおり、個別支援ですから、やはり相手の子どもたちに対する人数というのは、制限があろうかと思います。
 ここで、生活保護行政の先進事例として釧路市を視察してまいりましたので、御紹介いたします。釧路市では課題として、1、母親の自立のためには子育て支援が必要である、2、母親が連れてくる子どもの中には発達に疑問がある子どもがいる、また、仕事等で子どもの勉強を見てあげられない場合が多く、子どもの教育面でのフォローが必要である、3、受給母子世帯の母親は必要な情報を知らないことがわかった、4、受給世帯の子どもの中3で144人中、8割強が母子世帯の子どもだった、5、中学生の子を持つ母子世帯では学力や進学に対する悩みが圧倒的に多く、6割の親は高校までの進学を望むが、生活基盤は脆弱で子どもの学習意欲を育んだり学習環境を整えたりするには決定的な困難を抱えている、6、偏差値の輪切りの中で入れる高校に行くしかないのが実態だったと分析されていました。これらの点は本市でも当てはまる内容ではないかと思われます。そこで、改善するための施策として無料の学習支援塾を開講されていました。対象は生活保護の児童生徒だけではなく、誰でも自由に参加できるとされています。この塾の案内は、扶養手当の書類に同封して、塾があることを告知されていました。塾の内容は子どもの居場所が必要と考えられていて、それこそ参加者が自由にくつろげて学ぶこともできる、そんな融通をきかした取り組みでした。普通、このような塾の開講に当たって懸念されることは、先ほど保健福祉局長の説明にもあったとおり、生活保護受給世帯の子どもが参加する場合、差別につながらないかと考える大人や制度側の意見として学びの場をつくることに抵抗があります。しかし、子どもたちは友達つながりというくくりであっさりと越えてみせました。高校に進学したい、学びたい子どもたちが友達も誘って集うようになったということでした。塾に参加した親からも、早く塾をやってほしかった、中3の子もこれまで不登校ぎみだったが、この勉強会に行くようになって初めて勉強が楽しいと言ったなど、市民からとても感謝される取り組みとなっていました。先ほど集合型の学習支援がうまくいかなかった旨の答弁がありましたが、まだやりようがあるように私には思えてなりません。生活保護対象の生徒のみならず、就学援助世帯の子どもたちや母子家庭の子どもたちも参加できるような仕組みをぜひつくっていただきたいと要請いたします。
 さて、学習支援には子ども食堂で勉強を見ておられるところもあると以前からお聞きしておりました。子ども食堂は、全国で始まったときは貧困層と見られるのが困るなどの理由で食堂に参加させない親御さんが少なからずいました。しかし、2018年では全国で1,400カ所ふえたとNPO法人センターから発表されました。合計で3,718カ所になりましたが、本市の場合は何カ所から何カ所ふえたのでしょうか、お伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 福岡市が運営費を助成している団体の数でお答えいたしますと、平成28年度の助成団体は14団体、平成30年度は20団体となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) そのうち何カ所が学習もセットで実施していると把握されていますでしょうか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 平成30年度の助成団体である20団体の実績報告では、12団体が学習支援を実施されております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) 本市ではこの3年間で何人が子ども食堂に参加してくれたのでしょうか、お示しください。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 福岡市が助成している団体からの実績報告では、延べ人数で平成28年度5,515人、平成29年度9,761人、平成30年度1万1,797人が参加されております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) 年々ふえてきて、今では1万1,700人、すごい人数の子どもたちがここに通ってくれるようになりました。私は子ども食堂も大変かとは思いますが、ぜひ学習支援も強化していただきたい。教師を目指している学生さん、また、地域の皆さんでも小学生の勉強を見ちゃろう、教えちゃろうという人たちがいらっしゃったら、ぜひこういった場所で子ども食堂をやっているので力をかしてくれませんかというようなボランティアの働きかけをされてもいいのではないでしょうか。
 ここで改めて伺いますが、こども未来局では子どもの食と居場所づくり支援事業を進めておられますが、まず、その事業の概要をお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 子どもの食と居場所づくり支援事業は、経済的な事情で十分な食事がとれない子や、家の中でひとりで食事をしている子などに対して、食事の提供と学習支援などの居場所づくりを行う団体に対し、活動経費の一部を助成し、子どもが健やかに育成される環境整備を促進するものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) 今後、この子どもの食と居場所づくり支援事業をどのように進めていかれようとしているのか、方針をお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 平成28年度から子ども食堂への支援を開始いたしましたが、この支援事業を契機に新たに開設された団体もあり、活動の広がりを見せております。また、団体の運営が安定するなど評価を得ているところであり、引き続き子どもたちにとって安心して過ごせる居場所となるよう支援に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) 神奈川県横須賀市でも、生活困窮者並びに学習支援事業を開催されていました。詳細はここでは割愛しますが、参加した生徒の声をここで紹介いたします。受講した子どもは83人、全員が希望どおりの高校に進学していました。英語が授業ではさっぱりわからなかったのが、ゆめ塾のおかげで理解できるようになりました、そしてまた、ゆめ塾に通うようになって学習の意欲が出てきました。志望校は諦めていましたが、先生たちの期待を裏切りたくなかったので、頑張りました。おかげで合格しました。1年間本当に楽しく通いましたなど、たくさんの感謝の声が寄せられています。本市の中学3年生も、塾など費用が出せない家庭でも、理解できなくてつまずいている子どもたちを発見してサポートできる体制がとれれば、将来を担う子どもたちが夢に向かって頑張れるのではないかと確信いたします。中学3年生ともなりますと、子どもたちは我が家の経済状況をよくわかっています。ですから、塾に行きたくても行きたいなど声を上げません。親をやっぱりかばっていくわけです。そこで、ぜひ学習塾の無料受講券など、そういうものも考えていただけたらいいのではないかと考えております。貧困の連鎖を断ち切るためには教育の支援は大変重要であり、誰でも参加しやすい学習支援の場が必要と考えます。
 この質問の最後に、島市長の御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 子どもの貧困対策につきましては、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることがないように、全ての子どもが健やかに育成される環境を整備することが重要であると考えております。そのため、福岡市といたしましても、教育の支援、生活の支援、保護者に対する就労の支援、経済的支援など、さまざまな方面から総合的に施策を推進してまいりました。山口議員御指摘のとおり、教育の支援は大変重要であると認識をしており、今後とも、貧困が世代を超えて連鎖することなく、全ての子どもたちが能力と可能性を最大限に伸ばし、夢や希望を持つことができるように、教育の支援を初めとする子どもの貧困対策にしっかりと取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) これからもぜひ荒瀬副市長を座長とされた関係局会議、毎年毎年、この福岡市の中でどうか進化させていけるように、各局の局長または教育長の皆さん、どうか協力いただいて、子どもたちのために頑張っていただければと要望いたします。
 次に、介護支援ボランティア事業についてお尋ねいたします。
 各自治体ではさまざまな知恵を絞られて、元気に高齢者が生活するためにどのように行政がかかわっていくのかがとても重要と認識されて、計画や施策を実行されています。今回の質問では、本市の場合はどう取り組まれていくのか、もっと強化しなければならない事案があるのではないかという視点で質問してまいります。
 まず、福岡市の基本情報として、前期、後期高齢者数と総人口に占める高齢者の割合をお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市の前期及び後期高齢者数につきましては、住民基本台帳に基づく令和元年7月末現在の人数で申し上げますと、65歳から74歳までの前期高齢者が17万4,383人、75歳以上の後期高齢者が16万115人、合計で33万4,498人でありまして、総人口に占める高齢者の割合は21.6%となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) 今お示しいただきました。全国平均は28.4%だそうです。福岡市は若いまち、若い市であるということで21.6%という今お話でございましたが、それでも33万人もいらっしゃいます。
 私はその中で介護認定を受けておられない方々を元気高齢者と位置づけていますが、その元気高齢者に対する施策は何か実施されていますでしょうか、事業名などでお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 高齢者が社会の中で元気に活躍し、生きがいのある生活を送れるよう支援、促進する施策につきましては、老人クラブ活動の支援や、アラカンフェスタの開催による趣味や地域ボランティア、就労等を行うきっかけづくり、働きたい高齢者の就業の支援、老人福祉センターにおける各種講座、教室の開催など、さまざまな取り組みを行っております。このほか、介護保険事業といたしまして、介護保険施設等でのボランティア活動によって生きがいづくりや健康づくり、介護予防に役立てていただくことを目的とした介護支援ボランティア事業などを実施してございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) 今お示しいただいたその元気高齢者の65歳以上は何人おられますでしょうか。全体との割合もあわせてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 要介護認定を受けていない方を元気高齢者と位置づけました場合、その数は令和元年7月末現在で約26万7,000人で、高齢者全体の約80%となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) 今お示しいただきました。高齢者人口の80%の方がお元気な方々、この方々に対して2011年に松野議員が介護保険制度のインセンティブ施策として介護支援ボランティア制度の実施を質問いたしました。ボランティア活動実績に基づきポイントをお渡しして、それを現金換算や寄附につながる仕組みを提案しました。その後、8年が経過していますが、この制度に参加されている登録人数は開始当時と今現在ではどのように推移していますでしょうか。開始当時は市全体の人数で、現在は区別と市全体の登録者数をお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 介護支援ボランティア事業が開始された平成25年12月末現在の市全体の登録者数につきましては、1,232人となっております。また、平成30年12月末の市全体の登録者数につきましては1,970人となっておりまして、その区別の内訳は東区371人、博多区173人、中央区252人、南区311人、城南区245人、早良区333人、西区285人となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) 今お示しいただきました。区別でいきますと、結構ばらつきはありますが、それでもやっぱり少ないなというのが私の実感です。
 ここで、このボランティアの仕組みとして、登録後からポイントの受け取り、交換までの流れをお聞きします。まず、どのくらいの時間の活動で何ポイントをもらい、1ポイントは幾らになるのか、そして、交換の申請はどこに行い、どのようにして受け取るのか、流れをお示しください。また、ポイントの上限があるのか、1日ではどうか、超えた場合はどうするのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ポイントについてのお尋ねでございますが、ポイントにつきましては、1時間以上の活動に対しまして200ポイントが付与されます。活動でためたポイントは福岡市社会福祉協議会または各区の社会福祉協議会で交換申請を行うことができます。1ポイント1円として5,000円を上限に、奨励金の受け取りまたは社会福祉協議会への寄附を選択していただき、奨励金を選択された場合は活動者本人名義の通帳へ振り込まれます。1日当たりの付与ポイントにつきましては、200ポイントが上限となります。年間ポイントにつきましては、ポイントとしての上限はございませんが、奨励金の受け取りや寄附ができるのは年間5,000ポイントまでとなってございます。
 なお、年間5,000ポイントを超えた方に対しましては、抽せんによる協賛品の配付がございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) ここで今、局長が御説明いただいた介護支援ボランティア手帳、これをいただきました。(資料表示)たしか8年前は紙ベース。これも紙ですけれども、もっと薄い、ええ、何それ、なくしそうというような感じだったように記憶しております。ところが、今は毎年更新で、こんなふうな立派な手帳をつくってくれています。中をあけますと、日にちごとに何日に何ポイントあなたは取られましたよというふうに記録することができます。そして、最後には200ポイント掛け何回みたいな形で計算をして、ポイントの交換の申請ができる、そんな手帳をつくっておられました。これは私も保健福祉局を所管する常任委員会に4年間おりましたが、5年目にして初めて知りまして、本当にこういうのが、まずあるということも我々も知らない人もおられるんじゃなかろうか、そして、市民も御存じない方がいらっしゃるんじゃなかろうかと、そのように思っております。
 そこで、このボランティアの参加登録はどこの場所で手続ができるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 介護支援ボランティアの登録手続につきましては、福岡市及び各区社会福祉協議会ボランティアセンターにおいて受け付けを行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) 登録されたその参加者が実際に活動される協力施設数と属性、種類をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 登録者が活動している協力施設につきましては、平成30年12月末現在、510施設ございます。また、その種類につきましては、通所介護事業所、介護老人福祉施設など、市内の介護保険事業所となってございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) そのボランティアの皆様はどのような活動をそこで行っておられますでしょうか。その内容と、施設側の反応として、皆様が活動に来られることをどのように思われているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ボランティアの主な活動といたしましては、囲碁、将棋などのレクリエーションの補助、歌や踊り、手品などの芸能披露、話し相手、清掃、衣類の整理などとなっております。受け入れ施設におきましては、さまざまなレクリエーションや話し相手などをしてもらうことで、職員が介助を行う時間がふえてサービスの質の向上につながっている、施設利用者にとって外部とのコミュニケーションがふえてよい刺激となっている、芸能ボランティアが来所される際、一緒に参加される地域の方と施設利用者との間に交流が広がっているなどの歓迎する声が多く寄せられているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) 施設側も歓迎されている。それですと、今この事業に何人の方が参加しておられますでしょうか。登録数との割合もお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 本事業の活動者数につきましては、平成30年12月末現在で1,012人となっておりまして、登録者数に占める割合は51.4%となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) 50%台、半数とは少ないと思います。なぜ参加者が少ないのでしょうか、どのように分析されていますでしょうか、お伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 活動に参加しない理由について、ボランティア登録者へアンケート等でお尋ねしましたところ、自分の健康状態に不安がある、活動先の選び方に不安がある、支援する人とのコミュニケーションのとり方が難しいなどが挙げられておりまして、主に活動内容や利用者との意思疎通などに不安を感じていることが実際の活動につながっていない要因であると考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) 私はこの事業、まず、説明会と登録する場所の告知が足りないのではないかと考えます。元気高齢者が26万7,000人、登録はその0.7%です。もっとやりようがあるのではないでしょうか。事実、各区の社協で登録ができることを今回の質問を通して私は初めて知りました。各区役所に募集のポスターを掲示したり、例えば、民生委員さんの会合などにチラシを配ったりすれば、もっとこの介護支援ボランティア事業の募集が進むのではないでしょうか。さらに、説明会の会場です。目的が説明会だけでは、参加したいと思われる方々はときめきが少ないのではないでしょうか。例えば、ベジフルスタジアムや鮮魚市場での食事や買い物などとセットで説明会などを行えば、皆様に喜んで来ていただけるのではないかと思います。ぜひこのような取り組みを考えてはいかがかと提案いたします。
 この制度をうまく機能させるには、まず登録人数をふやす手だてが必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 介護支援ボランティア事業に関しましては、チラシやリーフレットの送付等により周知を図っているところですが、今後はさらに広く認知されるよう、市政だよりへの掲載や区役所におけるポスター掲示など、積極的に広報に取り組んでまいります。また、より多くの市民の方々に参加いただけるよう、説明会の場所や説明内容につきましてもニーズを把握しながら工夫してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) ぜひいろんな手だてを考えて、皆様に告知をしていただきたい。
 次の問題は、参加人数です。先ほどの説明で半数でした。参加されていない方の理由の一つに体の不調というのはあるかもしれませんが、それと私が気になったのは、活動先選びに不安があるということが参加されていない理由として述べられていました。
 それでは、どのようにしてこの活動先選びの不安を改善されるおつもりでしょうか、お伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 今後、より多くの方に参加いただくための取り組みといたしましては、ボランティアの方々の希望に沿った施設を紹介したり、必要に応じてコーディネーターが活動に同行するなど、ボランティアに寄り添い、不安な気持ちを解消できるよう、より丁寧なコーディネートに取り組んでまいります。また、活動内容の情報提供や登録者の経験に応じた基礎研修、スキルアップ研修などについても、引き続き実施してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) ここはボランティアの場所など、どんなところか、活動を始める前に希望される皆様と複数人で施設の下見見学会など、ツアー企画をされてはいかがでしょうか。そして、何を手伝ったらいいのか、どのように活動すると施設の皆様に喜んでいただけるかなど、事前に知ってもらうことが大事な点であると申し上げます。
 次に、この事業の委託先はどちらでしょうか。委託に際しては登録と参加の人数をふやす手だてなども依頼されているのでしょうか、お伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 本事業の委託先につきましては、社会福祉法人福岡市社会福祉協議会でございます。委託に際しましては、登録者数の増加に向け、より身近な地域で活動を行えるよう、受け入れ施設の拡大などに取り組むよう指示を行っております。また、活動者数をふやすため、登録者のうち未活動者を対象として施設ボランティア体験の研修を実施するなど、ボランティア活動の後押しを行うよう指示を行っているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) 対応はされているようです。しかし、人数がふえておりません。ここは工夫が必要ではないかと感じております。
 次に、本年度のこの事業予算は幾らでしょうか。前年と比較して増加しているのか、それとも減少しているのか、お伺いいたします。また、本年度の場合、本市の持ち出し割合と金額もお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 令和元年度の事業予算につきましては1,641万円で、平成30年度と比較いたしますと98万2,000円の増となっております。また、令和元年度の市費の負担割合は12.5%で、金額は205万3,000円となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口剛司議員。
○30番(山口剛司) 国もこの制度の充実のために動き出しています。国は高齢者の介護ボランティア支援の中で、ポイント付与事業について交付金を設けています。本年度、2019年は200億円を確保し、来年度は250億円から300億円程度に増額する方向で検討しているとお聞きしました。私は個人的に、支援が必要のない方々を元気高齢者と今回の質問で使わせていただいていますが、ぜひ福岡市バージョンで格好いいネーミングを考えていただけたらいいなと思っております。
 元気高齢者がこれからも社会貢献や生活の張り合いの場所として、生きがいを持てる行動として、この介護支援ボランティア事業にたくさん参加いただけたら本当にすばらしいことだと考えますが、この質問の最後に島市長の御所見をお伺いし、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) これからの超高齢社会におきましては、高齢者が一律に支えられる側になるのではなくて、いつまでも生きがいを持って元気に社会参加をし、そして、意欲や能力に応じて社会の支え手として活躍いただくことが大変重要であるというふうに考えています。山口議員御指摘のとおり、この介護支援ボランティア事業は高齢者の皆様の社会参加や生きがいづくり、ひいては健康寿命の延伸に寄与するもので、より多くの方に参加をしていただくことが必要だというふうに考えています。福岡市では人生100年時代の到来を見据え、誰もが健康で自分らしく暮らすことができる持続可能なまちを目指すプロジェクト、福岡100を推進しているところでございまして、今後とも、引き続き高齢者の皆様が社会の中で活躍できる仕組みや環境づくりを進め、介護予防や、また健康づくりにしっかりと取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) お諮りいたします。
 本日の会議はこの程度にとどめ、残余の質問は明18日の会議にこれを繰り延べたいと思います。これに御異議ありませんか。
      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 
○議長(阿部真之助) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次の会議は明18日午前10時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後5時50分 散会