令和元年9月13日(金)

令和元年第4回福岡市議会定例会
議  事  日  程 (第2号)
                             9月13日 午前10時開議
第1  一 般 質 問

本日の会議に付した事件
議事日程のとおり

出 席 議 員 (62名)
1番  稲 員 稔 夫       2番  鬼 塚 昌 宏
3番  堤 田   寛       4番  川 上 陽 平
5番  津 田 信太郎       6番  大 森 一 馬
7番  平 畑 雅 博       8番  伊 藤 嘉 人
9番  打 越 基 安      10番  川 上 晋 平
11番  阿 部 真之助      12番  勝 山 信 吾
13番  川 上 多 恵      14番  淀 川 幸二郎
15番  調   崇 史      16番  大 坪 真由美
17番  古 川 清 文      18番  高 木 勝 利
19番  新 村 まさる      20番  大 原 弥寿男
21番  今 林ひであき      22番  篠 原 達 也
23番  尾 花 康 広      24番  松 野   隆
25番  楠   正 信      26番  冨 永 計 久
27番  森   英 鷹      28番  南 原   茂
29番  おばた 久 弥      30番  山 口 剛 司
31番  大 石 修 二      32番  黒 子 秀勇樹
33番  藤 野 哲 司      34番  堀 本 わかこ
35番  中 島まさひろ      36番  天 野 こ う
37番  山 口 湧 人      38番  松 尾 りつ子
39番  井 上 麻 衣      40番  飯 盛 利 康
41番  はしだ 和 義      42番  浜 崎 太 郎
43番  堀 内 徹 夫      44番  綿 貫 英 彦
45番  森   あやこ      46番  福 田 まもる
47番  国 分 徳 彦      48番  藤 本 顕 憲
49番  倉 元 達 朗      50番  中 山 郁 美
51番  荒 木 龍 昇      52番  高 山 博 光
53番  ついちはら陽子      54番  田 中 たかし
55番  成 瀬 穫 美      56番  山 田 ゆみこ
57番  宮 浦   寛      58番  近 藤 里 美
59番  川 口   浩      60番  落 石 俊 則
61番  田 中しんすけ      62番  池 田 良 子

欠 席 議 員 (0名)

説明のため出席した者
  市       長   島 宗一郎   副市長  光 山 裕 朗
副  市  長  中 村 英 一   副市長  荒 瀬 泰 子
水道事業管理者  清 森 俊 彦   交通事業管理者  重 光 知 明
総務企画局長  小野田 勝 則   財政局長  松 本 典 久
市民局長  下 川 祥 二   こども未来局長   田 浩 輝
保健福祉局長  舟 越 伸 一   環境局長  坂 本 秀 和
経済観光文化局長   島   収   農林水産局長  細 川 浩 行
住宅都市局長  石 橋 正 信   道路下水道局長  駒 田 浩 良
港湾空港局長  清 家 敬 貴   消防局長  山 下 周 成
会計管理者  水 町 博 之   教育長  星 子 明 夫
教育委員  武 部 愛 子   選挙管理委員会事務局長  宮 崎 晶 子
人事委員会事務局長  中 村 郁 子   監査事務局長  馬 場 哲 久

職務のため出席した事務局職員
議会事務局長  土 井 裕 幹   議会事務局次長  金 子 佳 史
議事課長   着 一 孝   議事係長  中 村   博
外関係職員

午前10時 開議  
○議長(阿部真之助) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、一般質問を行います。発言通告者のうちから順次質問を許します。天野こう議員。
 
○36番(天野こう)登壇 皆さんおはようございます。私は福岡令和会を代表して、政策、方針決定過程における男女共同参画の推進について、夏季イベント開催時における熱中症対策について、以上2点について質問をしてまいります。
 まず、政策、方針決定過程における男女共同参画の推進についてお尋ねします。
 本市議会において、春の統一地方選挙を経て、多くの女性議員の方々が誕生し、議会における男女共同参画は間違いなく進んできました。本市行政におきましても、これまで長年取り組んでこられた男女共同参画の取り組みに関して、この機を捉えて、いま一歩推し進めていただきたいと思います。
 では、まず初めに、本市がこれまで取り組んでこられている男女共同参画の取り組みの概要をお示しください。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 本市の男女共同参画の推進につきましては、第3次福岡市男女共同参画基本計画におきまして、男女平等意識が浸透した社会、女性への暴力が根絶され、男女の人権が尊重されるとともに、誰もが安心して暮らせる社会、仕事と生活の調和を実現できる社会、働く場において男女が対等に参画し、女性が活躍できる社会、政策、方針決定過程に男女がともに参画できる社会、地域において男女がともに支えあい、安全、安心で住みよい地域社会の、6つの社会を目指すことを基本目標として施策を推進しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) 本市は女性が多いまちであり、平成27年の国勢調査では、全国の人口に占める女性の割合が51.34%であるのに対し、本市では52.77%と、全国平均を約1.4ポイント上回っている状況にありました。本市の男女共同参画基本計画においてもさまざまな施策が実施されておりますが、今回の質問においては、本市の政策、方針決定過程における男女共同参画状況に絞ってお尋ねしてまいります。
 では、改めてお尋ねしますが、本市の政策、方針決定過程における男女共同参画とはどのようなものでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 政策、方針決定過程における男女共同参画につきましては、市の政策、方針決定過程や職場など、あらゆる分野の意思決定過程に男女がともに参画することで新しい視点が提起され、さまざまな人の立場を考慮した政策等の立案、実施が可能になる社会を目指しており、審議会等への女性の参画促進や市の女性職員の登用を図るとともに、企業や地域等における女性の参画を促進しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) 本市の政策、方針決定過程において重要な役割を果たしているのが各種審議会等の諮問機関です。市民の代表や専門家などから構成され、本市施策における重要な政策、方針決定にかかわっております。
 では、そういった本市の審議会等委員への女性の参画状況について、第3次福岡市男女共同参画基本計画における数値目標と、過去5年間の推移をお尋ねします。また、政府が定める成果目標もあわせてお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 第3次福岡市男女共同参画基本計画につきましては、本市の審議会等委員への女性の参画状況に関して2つの数値目標を掲げております。
 まず、法律または条例の定めるところにより設置される審議会等委員への女性の参画率について、令和2年度までに40%とすることを目標としております。過去5年間の推移につきましては、各年度6月1日現在で、平成26年度は30.5%、27年度は33.7%、28年度は33.7%、29年度は34.3%、30年度は34.7%となっております。また、令和2年度までに女性委員のいない審議会等の解消を目指すことを目標としており、26年度及び27年度は女性委員のいない審議会等が2つございましたが、28年度以降は全ての審議会等において女性委員が参画しており、既に目標を達成しております。
 次に、国が定める成果目標につきましては、第4次男女共同参画基本計画において、市町村の審議会等委員に占める女性の割合を令和2年までに30%以上にすることとなっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) まだ本市が定める目標水準までは至っておりませんが、参画率は上昇傾向にあり、女性のいない審議会等は解消されたとのことです。ただ、お示しいただいた数値は、審議会等における全体平均であり、個別の審議会等における参画率にはばらつきがあると思われます。
 では、それらの審議会等に関して、政府が示す成果目標である3割以上の参画率と比較をして、それ未満の審議会等は幾つあるのでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 女性委員が3割未満の審議会等の数につきましては、平成30年6月1日現在で、本市の審議会数73のうち24でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) まだまだ政府が示す目標値以下の審議会等が存在しております。全ての審議会等の参画率だけをまとめた全体平均値だけだと、極端に言えば9割の参画率と1割の参画率の審議会が混在している可能性もあり、個別の審議会等の参画率に関して適正な評価ができません。全体として3割を超える参画率があるからよしとするのではなくて、個別で参画が進んでいない審議会等があれば、もっと底上げを図っていくべきだと思います。
 次に、審議会と一言で言ってもさまざまなものがあると思います。法律や条例に定めがある審議会等と、規則や要綱等により設置される協議会等に分けられるようです。これまでお答えいただいた審議会等の参画率は、法律や条例に定めのあるもののみを集計し、数値化したものです。
 では、本市における規則や要綱等により設置される協議会等における女性参画率をお示しください。また、女性の委員数がゼロである協議会等もあわせてお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 学識経験者、市民等の意見を行政に反映させることを主な目的として、規則、要綱等により設置される協議会等につきましては、平成30年6月1日現在で294あり、女性委員の参画率は34.4%で、女性委員のいない協議会等の数は16でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) 規則や要綱等により設置される協議会等、以下、協議会と簡略化させていただきますが、それらも全体としては3割以上の参画率となっています。しかしながら一方で、個別に見ると女性委員がゼロの協議会が16件あることがわかりました。これは、先ほどまでの法律や条例に定めのある審議会にはなかったことであり、望ましい状況とは思えません。
 法律や条例に定めのある審議会等と定めのない協議会で、参画率向上に向けた取り組みに違いはあるのでしょうか、それぞれわかりやすくお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 審議会等につきましては、委員の新たな選任や再任に際し、事前協議として個別に報告を求めることとしており、特に女性委員の数が半数を超えていない審議会等や新設の審議会等については、所管部署と直接協議を行っております。
 また、協議会等については、庁内の推進体制である男女共同参画推進協議会等において、男女共同参画の進捗状況の周知徹底を図るなど、所管部署全体に女性委員参画の働きかけを行っているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) 審議会においては個別の事前協議を行い、結果が望ましくなければ所管課と個別協議まで行っているということでしたが、協議会においては個別対応を行わずに全体的な周知にとどまっているとのことでした。ここまで取り組みに差異があれば、女性委員がゼロの協議会が生じてもおかしくはありません。私が承知している限りにおいても、平成29年に設置された早良南地域交流センター整備事業における事業者検討委員会や、本年6月議会において報告を受けた博多区新庁舎整備等事業に係る事業者検討委員会においても、女性委員はゼロでした。
 どこまで検討を行ったのか、どうしてゼロとなったのかの理由をお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) おただしの両事業者検討委員会を含む協議会等につきましては、設置に際し、女性委員の参画について検討を行うこととしております。博多区新庁舎整備等事業の事例で申しますと、設計や施工を行う落札者を決定するため、その分野を専門とされる学識経験者で構成する事業者検討委員会を設置したものですが、当該分野での女性の学識経験者が少なく、女性委員として適切な方の選定が困難であったため、女性委員の参画に至らなかったものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) 検討は行ったが、当該分野では見つからなかったとのことです。分野で選定することは委員選定における基本だとは思いますが、男女共同参画がもたらす利点は、このような男性しかいない場での検討から、新たに女性の視点を入れることであり、分野を超えた効果が期待されるものです。本検討委員会の前に協議された施設の整備基本計画の検討時点では女性の意見も聞いたとのことですが、どこかのタイミングで女性の視点が入ったらいいという問題ではなくて、事業者検討の際にもしっかりと、そういった女性視点を引き継ぐ形で事業者検討がなされるべきであったと感じております。
 法律や条例に基づき設置されていないとはいえ、女性委員がゼロである協議会について本市ではどのように考えているのでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 審議会等と同様に、協議会等においても女性委員の参画を促進していくことは重要であると認識しており、今後とも、女性委員の参画率を高めるよう、より一層取り組みを進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) 政府が平成27年に策定した第4次男女共同参画基本計画における基本方針では、平成11年の基本法の制定に始まり、平成15年の男女共同参画推進本部による、社会のあらゆる分野において2020年までに指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になるよう期待する、との目標設定がなされたとあります。
 私は、本市における女性人口が5割を超える状況にあって、少なくとも3割という政府の目標設定は重く受けとめるべきだと考えています。それにもかかわらず、本市において目標達成はおろか、協議会委員という指導的地位に属する女性がいまだにゼロの協議会があるということは、本来であればあり得ない、危機感を持つべきことだと思います。
 協議会においても、より一層取り組んでいくと御答弁いただきましたが、例えば協議会も審議会のように事前協議などを個別に行っていくべきではないでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 事前協議につきましては、女性委員のいない審議会等が解消されるなど、一定の成果を上げていることから、協議会等についても、その対象や手法などについて検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) 審議会、協議会で、取り組みになるべく差異がなくなるようによろしくお願いいたします。
 私はもっと全庁的に、審議会、協議会問わず取り組みを強化する必要性を感じています。そのためには、先ほどから申し上げているとおり参画率を単純な全体平均だけで出すのではなくて、もっと個別の精査が必要です。
 現在、本市において審議会や協議会の参画率を個別に公表していますでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 審議会等の参画率につきましては、全体の参画率を公表しており、個別には公表しておりません。また、協議会等の参画率につきましては公表しておりません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) 本市が定めた行政運営プランにも、情報公開に基づいた市民とのコミュニケーションの推進を掲げています。審議会や協議会の参画率についても、全体平均だけでなくて、個別により具体的な数値を公表し、市民に対して、本市の政策、方針決定過程における男女共同参画状況を説明するべきです。
 公表することでより広く参画率を高める議論を喚起し、女性委員のさらなる参画促進を図ることができるのではないでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 審議会等や協議会等の個別の参画率を公表することにより、女性委員の参画に対する意識が高まり、参画促進につながることが期待できると考えており、個別の参画率や状況なども含め、公表のあり方について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) 積極的な情報公開の実施をお願いいたします。
 あわせて、私はそれでも女性委員がゼロの協議会等は、その理由も明示するべきであると考えています。参画率を高めることがやむを得ずできないのであれば、しっかりと理由を示すことで説明責任を果たす必要があると考えておりますので、理由の明示に関しても要望しておきます。ただ女性委員をふやせとかけ声だけでふえるものではないことも事実です。佐賀市や静岡市、秋田市などにおいては、審議会等に御参加いただいた女性委員から許可をいただいた上で名簿化する女性人材リストをつくっており、全庁的な活用を図っております。
 所管課によっては女性人材を探すことに苦労しているでしょうから、男女共同参画部がそういったリストをつくることは有益と考えますが、いかがでしょうか。また、どうしても女性委員が見つからない場合は、協議会以外の政策、方針決定過程の中で女性の意見募集を行うなどの別の手法を取り入れて、女性意見を反映できるように努めるべきではないでしょうか、御所見を求めて、この質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 審議会等や協議会等につきましては、あらゆる分野において企業や地域における女性の参画を促進することで委員となり得る女性をふやすとともに、参画促進に向けた手法について検討してまいりたいと考えております。
 また、女性委員の参画が難しい協議会等につきましては、状況に応じてさまざまな手法で女性を含め多様な意見を反映できるよう、所管部署に働きかけてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) よろしくお願いいたします。
 では次に、夏季イベント開催時の熱中症対策についてお尋ねします。ことしも9月に入ってからも暑い日が続いており、毎日のように暑さ対策に関する報道がなされております。
 まず初めに、ことしの夏の暑さを概観でお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
○環境局長(坂本秀和) 福岡管区気象台の発表によりますと、ことしの夏の平均気温につきましては、梅雨明けが7月25日と平年より遅かったこともあり、7月上旬、中旬は平年よりも低かったものの、7月下旬は平年並み、8月上旬は平年よりも高い状況となっております。その後、8月中旬は平年並み、8月下旬は平年よりもかなり低い状況となったため、梅雨明け以降につきましては平年並みとなっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) 昨年の暑さは、気象庁が一つの災害と認識していると発表するなど記録的な猛暑でしたが、ことしも昨年ほどではないにしても、大体平年並みの暑さのようです。暑さにより気をつけるべきこととして熱中症があります。
 熱中症とはどのような症状か、御説明ください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 熱中症の症状につきましては、環境省の熱中症環境保健マニュアルによりますと、軽症では、めまい、立ちくらみ、こむら返り、手足のしびれ。中等症では、頭痛、吐き気、倦怠感、虚脱感。重症では、意識がない、真っすぐ歩けない、けいれん、高体温などとなっております。
 また、体温調節機能が低下している高齢者や、体温調節機能が十分に発達していない小児、幼児につきましては、成人よりも熱中症のリスクが高いとされております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) 軽症から重症まで症状の程度はさまざまであり、全国的には熱中症で亡くなられる方もいるようです。特に高齢者や幼児は熱中症になりやすいとのことで、市民に対して適切に情報提供を行っていく必要があります。
 では、今夏の市民の熱中症による救急搬送者数と傷病程度及び高齢者、子どもの人数の割合をお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 山下消防局長。
○消防局長(山下周成) 今夏の熱中症搬送者数と傷病程度のおただしでありますが、8月末現在の熱中症による救急搬送者数につきましては562人でございます。傷病程度別につきましては、軽症が332人、中等症が229人、重症が1人であります。
 高齢者の救急搬送数につきましては234人で、全搬送者の41.6%。子どもにつきましては、乳幼児と少年を合計して82人、全搬送者の14.6%であります。高齢者、乳幼児、少年の合計につきましては316人となり、全搬送者の56.2%であります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) ことしの夏も相当数の熱中症患者が発生しております。また、本市のホームページによると、過去5年間の熱中症による救急搬送者数の推移を見てもおおむね右肩上がりの増加傾向にあり、年々その危険度は増しているように感じます。
 また、高齢者、子どもの人数だけで患者の過半数を超えていることにも特段の注意が必要です。
 熱中症対策も対象者や場所によってさまざまかと思います。お調べいただいた情報によると、発生場所として一番多い場所が住居、次に多いのが、不特定多数の人が出入りする公衆の場所、そして道路といった順番でした。本市として個人の住居における熱中症対策は、平成26年度から実施されている温度計つきカードの配布等で取り組みが進んでいることかと思います。
 ただ、あくまでそれは個人の住居で間接的に対策を促すものであるのに対して、例えば本市主催の夏季イベントでの熱中症対策ともなれば、本市は主催者として直接的に対策がとれるものと思います。
 では、本市が夏季にイベントを実施する際に庁内で情報共有をしている、環境省が示す熱中症対策方針を概要でお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
○環境局長(坂本秀和) 環境省におきましては、夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドラインを策定しており、イベントの主催者や開催施設の管理者を対象に、夏季のイベントで熱中症患者が発生しやすいポイントや、熱中症患者発生のリスクを予測するために参考となるデータ、イベントを安全に実施するための対策などについて解説をしています。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) では、そのガイドラインの中で暑さ指数を用いた、運動に関する指針について御説明ください。
 
○議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
○環境局長(坂本秀和) 熱中症予防運動指針につきましては、公益財団法人日本スポーツ協会が定めたもので、暑さ指数に応じてどのように運動したらよいのか、目安が5段階に分けて示されております。
 暑さ指数が21度未満のほぼ安全段階では、通常は熱中症の危険は小さいが、適宜、水分、塩分補給は必要であること。21度以上、25度未満の注意段階では、熱中症の兆候に注意するとともに、運動の合間に積極的に水分、塩分を補給すること。25度以上、28度未満の警戒段階では、積極的に休息をとり、適宜、水分、塩分を補給すること。28度以上31度未満の厳重警戒段階では、激しい運動や持久走などは中止すること。暑さ指数が31度以上の危険段階では、運動は原則中止することとされております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) 熱中症の発生しやすさを示す暑さ指数が、熱中症予防運動指針として28度から31度は厳重警戒、激しい運動は中止、31度以上であれば運動は原則中止とあります。
 では、これまで本市が主催したイベント等で、熱中症患者が発生したイベントと、その概要をお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
○環境局長(坂本秀和) 熱中症が疑われる患者が発生した福岡市主催イベントにつきましては、福岡市熱中症対策推進本部を設置した平成26年度以降、7件でございます。そのうち5件はスポーツイベントや自然観察会など野外を利用するイベントで、2件は子どもを対象とした室内イベントでございます。また、熱中症患者数は全体で9名となっており、その内訳は7歳から17歳までの少年が5名、18歳から64歳までの成人が3名、65歳以上の高齢者が1名でございます。
 なお、熱中症になられた方はいずれも軽症で、多くが前日からの体調不良や当日の水分摂取不足によるものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) 幸い、いずれのイベントにおいても軽症で済んではおりますが、子どもの患者数が多く、今後も注意が必要です。
 環境省が示す指針はあるようでしたが、本市として主催イベント等における暑さによる全庁的な開催基準はあるのでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
○環境局長(坂本秀和) 福岡市主催イベント等における暑さによる全庁的な開催基準はございませんが、イベント時の熱中症対策として、各局、区、室に対し、環境省が策定した夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドラインの情報共有を図るなど、熱中症対策の徹底を周知いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) 暑さによる全庁的な開催基準はないとのことです。
 では、ちなみに、台風、大雨等の場合におけるイベント等の開催の判断は気象情報が必要だと考えますが、そのような情報は全庁的に共有され、イベント等の開催の判断に活用されているのでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 台風や大雨等のおそれがある場合につきましては、風水害等への事前の対策のため、気象に関する情報等について各局、区、室に提供しており、イベント等を所管する各局、区、室において、気象等に関するさまざまな情報をもとに、開催時間や場所、内容等を考慮し、開催の可否や時間変更などの判断がなされているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) 台風や大雨情報といった、見るからに危険が差し迫った状況であれば、明確な全庁的開催基準をわざわざ設けなくても、各所管部局の開催判断等は比較的しやすいかと思います。一方で、暑さ情報となると、暑い日がときに連日のように続くことや夏のイベントである以上、ある程度の暑さは想定しているでしょうから、どの程度の暑さをもって危険と考えるのか、開催判断にまで影響を与えるものなのかといったように、各所管部局も判断に迷うこともあるのではないでしょうか。
 暑さに対する全庁的なイベント開催基準がない中で、どのように各所管部局は暑さ対策を行ってイベントを実施しているのでしょうか、各所管部局の判断状況をお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
○環境局長(坂本秀和) 令和元年7月から9月に開催される福岡市主催イベントについて調査した結果、各局等におきましては、67件の全てのイベントにおいて熱中症予防行動の周知を初め、休息時間の確保、日陰や休息場所の確保、飲み物等の配布など、それぞれのイベントの内容や形態に応じた熱中症対策を講じております。
 また、おおむねどのイベントにおきましても、気温や暑さ指数など、イベント開催時の気象情報を活用した判断を行っており、具体的には、複数回答ではございますが、開催可否の検討が24件、開催時間等の変更が27件、会場の変更が20件、活動内容の変更が20件、熱中症対策の変更が25件となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) 全てのイベントにおいて、何らかの熱中症対策を実施しているとのことでしたが、一方で、高温時の開催判断状況にはイベントごとにばらつきが見受けられます。開催時間等の変更を検討しているものが27件、会場変更を検討しているものが20件、熱中症対策の変更を検討しているものが25件とばらばらで、本市主催イベントの開催判断状況として統一感に欠けており、疑問が残ります。ましてや開催時間等の変更と熱中症対策の変更では、判断における意味合いが大きく異なっており、前者は厳しい環境自体を変えることで、熱中症リスクを根本から低減する効果が期待できるのに対して、後者はあくまで厳しい環境下で実施することを前提としていることから、熱中症リスクの低減効果も限定的かと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
○環境局長(坂本秀和) 特に夏季イベントにつきましては、開催時期、時間、会場の変更の検討を行うことは、より確実に暑さを避けることができ、熱中症リスクの低減につながるものと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) 熱中症リスクの低減は、より効果的に実効性のあるものから順番に実施していくべきです。もし、本来できたはずの開催時期、時間、会場の変更等の検討を先に行わずに、とりあえず熱中症対策として水分補給体制や避暑地を設ければいいという短絡的な考えに基づいたイベント実施が、本市において一つでもあれば危険です。熱中症リスクを確実に低減する検討プロセスを、全庁一丸となって、あらゆるイベント開催時に適用するべきではないでしょうか。
 同じ政令市である横浜市では、夏季イベント開催に向けた熱中症対策と銘打った資料を作成しており、その中で、先ほど申し上げました暑さ指数ごとの熱中症予防運動指針とともに、開催の検討ステップを4段階でわかりやすくフロー図で示しておりました。ごらんいただいたほうがわかりやすいと思ってパネルを作成してきました。(パネル表示)開催の検討ステップにより、柔軟に対応できるようにしましょうと銘打って横浜市は作成しております。
 まず、ステップ1として開催時期の見直し、暑い時期を避けた開催の検討を行い、次に、実施時間の変更、朝夕への時間帯の変更、時間の短縮など。そして、それでも変更検討がかなわない場合にステップの3、開催場所の変更、屋外から屋内への見直しの検討など。ただ、それでもどうしても真夏にイベントを開催しないといけないという判断をした場合のステップ4、開催時等における熱中症予防対策、発生時の対応策の検討、暑さ指数等を参考にした実施、中止基準の策定等を行うというふうに、開催検討プロセスを明確にしております。これは、横浜市行政内部はもちろんですけれども、市民や民間イベント主催者にも広報しております。
 本市主催イベントにおいても、このような企画段階からのイベント開催検討ステップを全庁的な開催基準として統一して明確にするべきではないでしょうか、御所見を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
○環境局長(坂本秀和) 屋内外を問わず、多くの人が集まる夏季イベント等におきましては熱中症のリスクが高まることから、主催者の危機管理として、イベント等の企画段階から、まずは開催時期、時間、場所を検討し、次に、開催時の熱中症予防対策を検討するという全庁共通の検討手順、いわゆる開催検討ステップを示すことは、主催者の適切な判断を助け、熱中症リスクのさらなる低減につながるものと考えます。
 今後、来年の夏季イベント等に備え、開催検討ステップを示したリーフレット等を作成し、各局、区、室への周知を図ってまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 天野こう議員。
○36番(天野こう) ぜひともよろしくお願いいたします。
 本市主催イベントにおける熱中症リスクの低減を、本市としてできることは全て行い、子どもからお年寄りまでなるべく快適な環境の中で、本市主催イベントをより多くの市民の皆様に楽しんでいただけるものとなるよう、来年の夏の取り組みに期待いたします。
 本市の熱中症対策本部は荒瀬副市長をトップとした組織であるとお聞きしました。ことしの夏の本市主催イベントにおいて、残念ながら3人の熱中症患者が発生しておりましたが、来年以降は明確な開催検討ステップのもと、少なくとも本市主催イベントにおいては、熱中症患者を一人も出さない、また、市民向けにも基準を公開し、行政機関として民間イベント主催者に対して範を示していく意気込みを荒瀬副市長にお聞きして、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 荒瀬副市長。
○副市長(荒瀬泰子) 福岡市におきましては、平成25年度が記録的な猛暑となり、死者も発生したことから、平成26年度に熱中症対策を総合的に推進し、熱中症による福岡市民の健康被害を防止するため、福岡市熱中症対策推進本部を設置し、御指摘がありました熱中症予防リーフレットや温度計つきの予防カードを広く市民に配布するなど、全庁一丸となって取り組んできたところでございます。
 天野議員おただしの開催検討ステップの作成、周知につきましては、平成30年度、昨年が、福岡市が災害級の猛暑に見舞われ、今後も気候変動の影響が懸念される中、被害を回避、軽減する適応策としては有効であると考えております。
 今後、福岡市主催のイベントのみならず、夏祭りを初め、多くの市民が集まる民間主催イベントへも周知を図るなど、市民の生命、健康を守るという強い使命感を持って、しっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫)登壇 私は日本共産党市議団を代表して、国民健康保険料について、福岡空港内の米軍基地問題について質問いたします。
 質問の第1は、国民健康保険料についてです。
 高過ぎる国民健康保険料に市民が悲鳴を上げています。ほかの医療保険制度と比較しても、年齢構成は高く、加入者1人当たりの平均所得は低く、保険料負担が重いのが国民健康保険だと、福岡市も国民健康保険運営協議会で述べているところであります。
 福岡市の国民健康保険加入世帯の31.78%が所得ゼロで平均所得も低くなっており、高い保険料の原因の一つとなっています。国保の平均保険料は政府の試算でも、中小企業の労働者が加入する協会けんぽの1.3倍、大企業の労働者が加入する組合けんぽの1.7倍という高い水準です。そういう中、福岡市では国保の滞納世帯が全加入世帯の15.76%となっており、無保険になったり、正規の保険証を取り上げられるなどの事例も多く見られます。
 そこでまず、国保の保険料が高過ぎて市民の中に深刻な事態を生み出していると思いますが、市長の認識についてお伺いいたします。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 国民健康保険制度につきましては、必要な医療費等の経費を国や県からの支出金等の公費と被保険者からの保険料で賄う社会保険制度であり、被保険者にも応分の負担をいただく仕組みとなっております。
 しかしながら、国民健康保険の被保険者は、他の医療保険に比べて高齢者が多く年齢構成が高くなることから医療費が高くなる一方で、低所得者が多く所得水準が低いため、所得に対する保険料負担が重くなるという構造的な課題を抱えております。このため、福岡市におきましては、毎年、一般会計から170億円以上の多額の繰り入れを行い、保険料負担の軽減を図っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) わかっておられないようなので、具体的な事例で紹介します。全日本民主医療機関連合会の経済的事由による手遅れ死亡事例調査では、2018年、少なくとも全国で77人が経済的困難から受診おくれで亡くなったことが確認され、国保料滞納などの事例も多くありました。うち、福岡市の例を紹介します。
 国保滞納者で年金生活の60代男性の方の例です。ぐあいが悪くなり一度入院されます。そのとき、生活保護申請をされたのですが、年金額がわずかに生活保護基準を上回り却下されました。そこで、滞納していた国保料を分割で支払い始めて短期保険証の発行に至ります。分割といっても高い保険料です。年金も少なく、生活も厳しく、病院で支払う窓口負担に不安があったため、退院後は病院にかかれなかったのです。とうとう2018年6月に救急車で搬送されました。担ぎ込まれた病院での検診の結果は、既に胃がんの末期でした。この方は、受診からわずか1カ月後に亡くなられました。もしも受診抑制していなければ、助かった命かもしれません。
 そこで、お尋ねいたしますが、国保料が高過ぎて払えずに医療を受けられず、命を落としている事態が生じているのではないですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 国民健康保険におきましては、低所得世帯に対する保険料の軽減制度や所得が著しく減少するなど、保険料の納付が困難になった世帯に対する減免制度を設けております。
 また、特別な事情なく長期にわたり保険料を滞納している世帯には、医療費の窓口負担が一旦10割となる資格証明書を交付する場合がございますが、こうした滞納世帯にあっても、窓口負担が困難との申し出があった場合は、経済的事情によって受診がおくれたりすることのないよう事情をよくお聞きするなどして、1カ月分の短期の保険証を交付するなど、柔軟な対応を行っているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 高過ぎる保険料や窓口負担によって命を落とす実例が現実にあるということに、真剣に向き合うべきですよ。まず、高過ぎる保険料の問題からただしてまいります。
 今でも高いのに、さらに保険料を引き上げようとする動きが起きています。安倍政権は、2018年から、これまでの国民健康保険は市町村が運営主体であったものを都道府県が財政運営の責任を担う、いわゆる都道府県単位化を強行し、市町村の保険料を県が示す標準保険料率に合わせて引き上げようとしています。
 そこで、お尋ねいたしますが、福岡県が示している標準保険料率では、給与収入200万円、所得122万円の1人世帯、3人世帯の場合、福岡市の国保の保険料は幾ら上がるのか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) お尋ねの世帯につきましては、県が示す標準保険料率で試算した令和元年度の保険料は、福岡市の保険料より1人世帯で年間5,200円、3人世帯で1万2,200円高くなっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 所得122万円の3人世帯で1万2,200円もふえる、年間保険料は24万4,700円にもなる、この負担は大き過ぎますよ。1人世帯でも同様です。国保の保険料を今よりも引き上げることは、加入者の生活と健康をさらに深刻にすることになります。市民の命を守るために、国や県がすることがひどいことなら、福岡市が防波堤になるべきです。
 したがって、国保の県単位化のもとで県が示す標準保険料率は、あくまで参考値に過ぎず、福岡市がそれに従って保険料を上げることは許されないと思いますが、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 市町村標準保険料率につきましては、県内統一の算定基準に基づき、市町村ごとの標準的な保険料率の水準をあらわすもので、将来的な保険料負担の平準化を進める観点から、各市町村のあるべき保険料率の見える化を図るものでございます。
 なお、保険料の県内均一化につきましては、福岡県国民健康保険運営方針において、各市町村の医療費水準の平準化等を図りながら、中長期的に行うこととされております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 上げないとは明言されませんが、高過ぎる保険料を、これ以上県単位化の中で引き上げることは許されないことを指摘しておきます。
 県単位化のもとでのもう一つの問題は、一般会計からの繰り入れ問題についてです。県が示す標準保険料率では、市町村が保険料の値上げを抑えたり、独自の減免措置を実施するために行っている一般会計から国保会計への法定外繰り入れを行わないことを前提に計算されています。しかし、本市の判断によって、国や県の圧力をはねのけ、これまでどおり一般会計の法定外繰り入れによる国保料の負担抑制や自治体独自の保険料減免を維持、拡充することは可能であると思いますが、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市におきましては、毎年、一般会計からの多額の繰り入れにより保険料負担の軽減を図っておりますが、そのうち法定外繰り入れの財源は国保加入者以外の市民も負担している市税でございます。国保加入者以外の市民は、それぞれが加入する被用者保険において保険料を負担した上で、さらに国保の保険料軽減のための市税も二重に負担する構造となっております。
 また、超高齢社会の進展や医療の高度化による1人当たり医療費の増加や、国保への前期高齢者の納付金の増加などにより、国保加入者以外の市民の保険料は年々増加しております。こうした中で、法定外繰り入れをふやして、さらに国保の保険料を引き下げることや独自減免を拡充することは、国保加入者以外の市民との負担の公平性の観点から、理解を得ることが難しく、その額は必要最小限にとどめるべきものと考えております。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) ごまかした答弁は許されませんよ。目の前に高い保険料で困っている市民の生活を守るのが本市の役割です。
 そこで、高過ぎる国民健康保険料を引き下げるために、本市の一般会計からの法定外繰り入れをふやすことが大変大事になってきています。
 お尋ねいたしますが、市長就任直後の2011年と今年度の法定外繰り入れについて、当初予算額は幾らか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 一般会計繰入金のうち、法定外繰り入れの当初予算額につきましては、平成23年度は約71億円で低所得者の保険料軽減や保険者支援制度の拡充に伴い、法定の繰り入れが増額となったことなどによりまして、令和元年度は約36億円となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 就任直後から35億円も法定外繰り入れを減らしています。国保加入世帯は約21万世帯ですから、市長就任時に戻せば、1世帯当たり平均で1万6,000円の年間保険料が引き下げられます。
 お尋ねいたしますが、8年前の水準に一般会計からの繰り入れをふやして、負担の重い国民健康保険料を引き下げるべきと思いますが、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 国民健康保険制度につきましては、必要な経費を国や県からの支出金等の公費と被保険者からの保険料で賄う社会保険制度であり、被保険者の方にも応分の負担をいただく仕組みとなっております。
 繰り返しになりますが、福岡市におきましては毎年、一般会計から多額の繰り入れにより保険料負担の軽減を図っておりますが、そのうち法定外繰り入れはその財源が市税で、国保加入者以外の市民は二重に負担をする構造となっております。こうした中で、法定外繰り入れをふやし、さらに国保の保険料を引き下げることは、国保加入者以外の市民との負担の公平性の観点から難しく、その額は必要最小限にとどめるべきものと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 国保のことについて何らわかっておられない答弁です。国保以外の市民との負担の公平性なんて言いますが、国保は相互扶助ではなく社会保障制度でしょう。国保法第1条には、「国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」と規定してあるではないですか。行政が市民の命を守るために運営する社会保障制度であること、肝に銘じるべきです。したがって、一般会計からの繰り入れをふやして、国民健康保険料を引き下げることを強く求めておきます。
 では次に、高過ぎる保険料の原因のもう一つである均等割の問題についてただしてまいります。
 国保料を算定する際に、所得割、均等割、世帯割という計算があります。そのうち均等割というのは、世帯の人数に応じて保険料を計算する仕組みであります。家族がふえると、均等割が人数分掛け合わされて保険料がふえるという仕組みです。近代の納税は、応能負担が原則です。税を担う力とは関係なく、頭数で保険料負担をふやすというのは、古代の人頭税そのものです。
 お尋ねいたしますが、国民健康保険と後期高齢者医療保険以外に均等割がある医療保険制度がありますか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 協会けんぽ、健康保険組合、共済組合などの他の公的医療保険におきましては、健康保険法等の関係法令に均等割保険料を規定しているものはございません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 他の保険制度にはありません。国民健康保険料独自の算出方法です。具体的に見てみると、医療分、支援分、介護分、それぞれにこの均等割がかかってきます。この均等割という制度はおかしいと思いませんか、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 国民健康保険制度につきましては、必要な経費を国や県の支出金と被保険者からの保険料で賄うため、受益に応じた応益割と、負担能力に応じた応能割によって経費を負担する社会保険制度でございます。適切かつ公平な保険料負担により健全な事業運営を図るために、国民健康保険法施行令に基づき、原則として全ての被保険者に保険料を負担いただく仕組みとなっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 適切などと冷たい答弁をされましたが、この均等割について、人ごとじゃありませんよ。均等割があることで、保険料は協会けんぽの1.3倍にもなっているんです。市民の大きな負担だから、制度の是正を国に求めるのが市長の責任だと思います。
 そこで、お尋ねいたしますが、国に対して均等割の廃止を求めるべきではありませんか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 繰り返しになりますが、国民健康保険制度につきましては、必要な経費を国や県の支出金と被保険者からの保険料で賄うため、受益に応じた応益割と、負担能力に応じた応能割によって経費を負担する社会保険制度でございます。しかしながら、国民健康保険は他の医療保険に比べ高齢者や低所得者が多いことから、被保険者の保険料負担が重くなるという構造的な課題を抱えております。そのため、国に対しましては、国民健康保険事業の安定的かつ持続的運営ができるよう、医療保険制度の一本化などの抜本的改革や財政基盤強化のための国保負担割合の引き上げなどを求めております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 本市として均等割を廃止せよと強く求めるべきだと指摘しておきます。その上で、子どもの均等割についてただしてまいります。国保料は、生まれたばかりの赤ちゃんの分も容赦なく保険料を計算します。子どものいる御家庭には大変な負担になっているのです。
 そこで、具体的にお尋ねしますが、夫婦2人だけの世帯で年間給与収入400万円、所得266万円の介護分該当世帯の場合、本市の国民健康保険料は幾らなのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) お尋ねの世帯の令和元年度の保険料は、年間42万4,600円でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) では、その世帯に子どもが1人生まれた場合、保険料は年間で幾らになりますか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) お尋ねの世帯の令和元年度の保険料は、年間45万3,800円でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 子どもが1人ふえて、年間2万9,200円ぐらいの保険料が引き上がっていきます。この世帯の保険料は、この後、子どもが1人生まれるたびにその1人分がふえていくわけです。子どもがふえて収入がふえたわけではないのに、子どもが生まれるたびに増額、増額と保険料だけがふえていく。
 そこでお尋ねいたしますが、このような仕組みはおかしいと思いませんか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 繰り返しになりますが、国民健康保険制度は、必要な医療費を賄うため、受益に応じた応益割と負担能力に応じた応能割によって保険料を負担する社会保険制度であることから、全ての被保険者に応分の負担をいただく仕組みとなっております。
 なお、低所得者の保険料負担の軽減を図るため、均等割と世帯割の保険料について、国、県、市の公費により、所得や世帯構成に応じて、7割、5割、2割の減額措置を行うこととされております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 問題ないと言われるが、子どもに係る均等割は、子育て支援への逆行にほかならないと思います。
 こども未来局にお尋ねいたします。子どもがふえることによって、家庭への経済的支援について本市で行っている施策を挙げてください。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) こども未来局において現在行っている多子世帯に対する経済的支援につきましては、保育施設等の保育料につきまして、同一世帯で2人以上の児童が保育施設等を同時に利用している場合においては、上から2人目の児童の保育料を半額、3人目以降の児童を無料とし、同様に、留守家庭子ども会の利用料につきましても、保護者が同一年度に2人以上の児童を子ども会に入会させている場合においては、2人目以降の児童に係る基本利用料の全額及び加算利用料の半額を減免しております。
 また、児童手当につきまして、第3子以降の支給額を増額しており、同様に、児童扶養手当につきましても、多子世帯についてはその支給額を増額しております。さらに、私立幼稚園の入園料、保育料につきまして、入園料、保育料を減免するための就園奨励費補助を実施しており、世帯の市民税額や園児の兄や姉の状況に応じて、その補助額を増額しております。
 最後に、18歳未満の児童が3人以上いる御家庭の経済的負担を軽減するため、その児童の養育の態様別に支援を行う第3子優遇事業を実施しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 子どもの多い世帯に対する経済的支援制度はいろいろとされているし、第3子優遇事業と留守家庭子ども会利用料の減免は、市独自の事業だということです。8月に発表された、福岡県が5年ごとに行っています県民意識調査でも、少子化対策に必要な施策の第一が子育て家庭への経済的支援でした。今の行政の制度は、子どもがふえたら応援して、負担を軽くしていこうというのが社会の流れでしょう。ところが国保では、この均等割が存在する以上、子どもが生まれたら、まるでペナルティーのように保険料がうんと上がっていくんですよ。全くほかの子育て支援施策とは矛盾していますよ。
 お尋ねいたしますが、子どもの均等割という制度は、本市の子育て支援の考え方とは相反するものだと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 国民健康保険制度は、全ての被保険者が等しく保険給付を受ける権利があり、被保険者全体で支え合う社会保険制度であるため、応分の負担をいただく必要があると考えております。
 なお、低所得者の保険料負担の軽減を図るため、均等割と世帯割の保険料について、所得や世帯構成に応じて7割、5割、2割の減額措置を行うこととされており、子どもを含む被保険者の人数が多いほど保険料軽減の対象になりやすくなっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 制度上の問題を繰り返し言われる。しかし、全国市長会は、国保が高いという構造的な問題に対して、国民健康保険制度に関する提言の中で、子育て世帯の負担軽減を図るために、子どもに係る均等割保険料を軽減する支援制度を創設することと、国の積極的な措置を求めています。
 そこで、お尋ねいたしますが、子どもの均等割をなくすことを市長会で求めているということは、当然、島市長も子どもの均等割をなくすという立場ですよね、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 国に対しましては、国民健康保険事業の安定的かつ持続的運営ができるよう、医療保険制度の一本化などの抜本的改革や財政基盤強化のための国庫負担割合の引き上げとともに、子どもに係る均等割保険料を軽減する支援制度の創設を求めているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 国にはそうやって市長会が求めていると言うんでしょうけど、しかし、福岡市が出している国に対する提言では、一言も均等割については触れていませんよ。結局、本気でなくすという立場に市長は立っていないということです。
 そこで、お尋ねいたしますが、本市で子どもの均等割分としてかけられている年間保険料は幾らなのか、その対象者数とあわせてお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 18歳未満の被保険者に係る均等割保険料につきましては、平成30年度で試算いたしますと、年額は約6億3,000万円、対象者は約3万1,800人となります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 逆に言えば、3万人を超える子どもたちから6億円を絞り取っているということですよ。6億円あれば、子育て世帯への負担軽減ができるのです。今、全国で、子どもの均等割は子育て世帯への大きな負担だからその分の補?をしようという声が大きくなり、実行し始めた自治体がふえてきています。仙台市では、子どもの均等割を減免する条例を求める住民運動が起こり、条例が実現していますよ。市独自でも、ほかの自治体に見習って手だてを講ずるべきであります。
 したがって、国が動くのを待つというのではなく、本市でも国民健康保険料の均等割分の補?を独自に行い、実質、子どもの均等割はなくすべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 繰り返しになりますが、国民健康保険制度は、全ての被保険者が等しく保険給付を受ける権利があり、被保険者全体で支え合う社会保険制度でありますので、応分の負担をいただく必要があると考えております。
 しかしながら、国民健康保険は他の医療保険に比べ高齢者や低所得者が多いことから、被保険者の保険料負担が重くなるという構造的な課題を抱えております。このため福岡市では、毎年、一般会計から多額の繰り入れを行い、保険料負担の軽減を図っております。
 なお、低所得者の保険料負担の軽減を図るため、均等割と世帯割の保険料について、所得や世帯構成に応じて減額措置を行うこととされており、子どもを含む被保険者の人数が多いほど、保険料軽減の対象になりやすくなっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 本当にかみ合わない答弁です。子どもをだしにして高い保険料を理不尽に押しつけるやり方はやめるべきです。保険料とともに、被保険者の重い負担となっているのが病院の窓口での負担です。高い保険料を払えたとしても、病院の窓口での3割という自己負担が重たいものとなっています。この窓口負担を解消するために、国民健康保険法第44条があります。現状でどうなっているのか、医療機関での窓口一部負担の減免の問題について尋ねてまいります。
 国保法第44条で規定されている同制度というのはどういうものですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 国民健康保険法第44条で規定されております一部負担金の徴収猶予及び減免の制度につきましては、災害等により資産に重大な損害を受け、あるいは失業等により著しく収入が減少し、生活が困難になり、保険医療機関への一部負担金の支払いが困難であると認められる場合に、一定の期間、一部負担金の徴収を猶予すること、あるいは減免することができる制度でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 医療機関に窓口で支払う医療費や薬代を支払うことを減免する大事な制度ということですが、福岡市ではほとんど活用されていません。
 お尋ねいたしますが、本市においてこの制度を最後に適用したのはいつですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 直近の適用については平成23年度でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 8年前ということは、適用は7年間ゼロということです。
 では、この7年間、申請件数、相談件数はどうなっていますか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 平成24年度から平成30年度までの間は申請はございません。また、相談件数につきましては統計をとってございません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 国保法第44条に基づく窓口一部負担の減免制度は、病院の窓口負担ができない人を救済するために定められている大事な制度です。それなのに、福岡市は病院で支払う医療費の支払い猶予や減免について、相談があったのかも、なかったのかもわからない。そして、申請もゼロとの今の答弁、とんでもない話ですよ。
 なぜこんなことになっているのか、明確な答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 減免等の申請に至っていない理由といたしましては、本制度はあくまで災害や失業などの特別な理由により、一時的に一部負担金の支払いが困難となった場合に適用できる制度であり、恒常的な生活困窮者は対象とならないこと、また、医療費が高額となった場合、従前は、一旦全額を保険医療機関に支払うこととなっておりましたが、平成19年度以降、段階的な制度改正により、医療機関での支払いを自己負担限度額までにとどめることができるようになったこと、さらに、福岡市の行う各種医療費助成制度が充実してきたことなどが要因であると考えております。
 なお、低所得者等の生活困窮者で、本制度の対象とならない方につきましては、生活保護等の案内を行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) ごまかしは許されませんよ。例えば、病院の窓口で二、三千円の医療費を払えない人にとっては、数万円単位の高額療養費制度などが活用できる状況ではないでしょう。生活が厳しい人にとっては、病院の窓口での負担が不安で、受診するかどうか真剣に悩まれている方は多いですよ。また、自営業者にとっては、生活保護を受けることで車や不動産などを手放せば、その後の自立の見通しが持てなくなるという不安が出てきます。そういう人たちのために、窓口一部負担の減免制度があるのです。
 ほかの制度を案内しているというのは、制度を使わせないための言いわけなのではありませんか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 本制度は、あくまで災害や失業などの特別な理由により、一時的に一部負担金の支払いが困難となった場合に適用できる制度であります。したがいまして、実際に相談があった場合には状況をよくお聞きし、本制度の適用の可否を判断し、その上で、対象とならない方につきましては、生活保護等の案内を行っているものでございます。
 以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 大体この制度について、窓口となる医療機関には周知していないのではないですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 医療機関に対しましては、医師会等を通じて本制度を周知するとともに、その窓口において区役所での相談等を案内していただくよう協力を依頼しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 言っていればいいというものではないですよ。幾つかの医療機関に、窓口で支払いが困難な人にどう対応しているかと聞きましたけど、第44条を適用しているというような話は1件もないですよ。そして、そういう患者さんがおられたら対応しますよという話もありません。つまり、医療機関としては、支払いに困った人が来たときに、この窓口一部負担の減免制度を活用しようという立場には立っていないというのが現状です。それは、本市が医療機関に対して、この制度を活用しましょうという働きかけが弱いからです。
 お尋ねいたしますが、支払いが困難な患者さんがおられたら、窓口一部負担の減免制度を紹介してくれ、そして、適用ができるようにしてくれと、改めて医療機関に要請し直すべきではありませんか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 医療機関に対しましては、本制度の周知と相談等の案内につきまして依頼しておりますし、今後も引き続き行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 強く求めておきます。
 もう一つ、この第44条の窓口一部負担の減免制度が使われていない理由があります。あなた方が市民に配っている国民健康保険のてびき、これですね。(資料表示)この第44条の適用に関して何と書いてあるか、滞納をしていないことなどの条件があると書かれています。これでは、本当にお金がなくて保険料を何らかの理由で滞納している人が、病気やけがをして、いざ病院に行こうと思っても、お金がないので医療を受けられないということになります。
 そこで、厚生労働省の通知、生活に困窮する国民健康保険の被保険者に対する対応についてに基づくQ&Aでは、保険料を滞納している世帯に属する被保険者について、一部負担金減免を行うことは適当でないと考えるがどうかという問いについて、厚生労働省は何と答えているか、読み上げてください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) お尋ねの国のQ&Aの回答でございますが、今回示した基準に該当する被保険者については、保険料の滞納の有無にかかわらず、一部負担金減免を行っていただきたいと考えているとなっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 滞納の有無にかかわらず活用せよと国は言っているんですよ。
 お尋ねいたしますが、なぜ福岡市は滞納者をこの制度から排除しているのですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) ただいま御答弁しました平成22年9月13日の通知で示されました国の基準に該当する被保険者につきましては、福岡市におきましても、Q&Aに示されておりましたとおり、保険料の滞納の有無にかかわらず減免等の対象といたしております。ただし、福岡市では、国の基準より広い範囲を対象とする市独自の減免基準を設けておりますので、市独自の基準に基づき、減免等を適用する方に対しましては、その財源が保険料であることから、保険料を誠実に納付されている被保険者との公平性の観点から、原則として保険料を滞納していないことを要件としているものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 何を言っているんですか、大体。厚生労働省の通知、これには、滞納の有無にかかわらずと明確に書いてある。ところが、一方、あなた方が市民に配っているこの手引きには、滞納をしていないことと明確に書かれているではないですか。これは明らかに福岡市が勝手に制度の運用をねじ曲げて、全国一律の制度を福岡市では適用しないということですよ。そんなことは許されませんよ。国保法第44条で定められていることが、福岡市民には適用されない。だから、現実に7年間も申請も適用もゼロなんでしょう、これは極めて重大問題ですよ。
 お尋ねいたしますが、厚生労働省の通知どおりに、滞納がある人でも医療機関窓口での支払い猶予や減免の運用ルールを改定し、適用できるようにするべきではありませんか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 繰り返しになりますが、福岡市におきましては、国の通知に基づく基準に該当する場合は、保険料未納世帯につきましても減免等の対象といたしております。ただし、福岡市独自の減免基準が国の基準より広い範囲を対象としており、この部分を適用する際には、そこに限って保険料を誠実に納付されている被保険者との公平性の観点から、原則として保険料を滞納していないことを要件としているものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 厚生労働省の通知の文章を読み取りきれない答弁ですね。原則として滞納者を排除しているのが福岡市のやり方ですよ。つまり、基準が狭過ぎるから適用ゼロが続いているんです。先ほどの厚生労働省のQ&A、さっき読み上げてもらったのは問いの3なんですけど、問いの1には、市独自の基準が、今回示した基準による範囲よりも狭い場合は、今回示した基準まで対象を拡大していただきたいと書かれている。つまりこれは、滞納の有無を適用の要件にすべきではないということですよ。これはまさに福岡市に言われていることですよ、速やかに改定するよう求めておきます。
 これまで、本市の国民健康保険料について取り上げてきました。県が示す標準保険料率に合わせた引き上げは許されないということ、一般会計から法定外繰り入れをふやして保険料を引き下げよということ、子どもの均等割は実質なくせということ、国保法第44条の適用基準を改め、滞納者も減免せよということを求めてまいりましたが、いずれも行政としてやる気のない、また、高い保険料に苦しめられている市民に対して気持ちのない答弁でした。こんなことを放置していたら、市民の健康が損なわれ、助かる命が危険にさらされますよ。今、高過ぎる国民健康保険料を引き下げようと、議会に対する請願署名も始まって、各行政区で、駅前で、スーパー前で、たくさんの市民が署名に応じていますよ。10年前にも、全市で4年間に30万人の国保引き下げを求める署名が市議会に届けられました。9年前の市長選挙で、国保料を引き上げた当時の市長に対し、国保料引き下げを公約して市長になったのが、島市長、あなたでしょう。
 そこで、本市において一般会計からの法定外繰り入れを大幅にふやして、保険料の引き下げを図るとともに、国に対しては、全国知事会が要望しているように、1兆円の公費投入により、保険料の大幅な引き下げを求めるべきだと思いますが、答弁を求めます。
 また、均等割については国に廃止を求めるとともに、少なくとも子どもの均等割については市独自で補?を行い、子育て世帯への負担軽減を図るべきだと思いますが、この問題の最後に、市長の御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 国民健康保険事業は公的医療保険制度でありまして、必要な経費を国や県の支出金と被保険者の保険料負担で賄うことを基本としておりますが、低所得者を多く抱えているなど、抜本的な構造的な課題によりまして、被保険者の保険料負担が重くなっております。そのため、国や県の公費による財政支出や低所得者の方に対する保険料の減免などを行っております。
 また、福岡市におきましても、保険料負担の軽減を図るため、多額の法定外繰り入れを行っておりますが、市税を財源とする法定外繰り入れをさらに増額して保険料を引き下げることは、国保加入者以外の市民の皆さんとの負担の公平性に欠けると考えております。
 今後とも、国民健康保険事業の安定的な運営を図る観点から、収納対策の強化や生活習慣病予防の推進などにより医療費の伸びの抑制を図り、財政の健全化に努めますとともに、国に対して医療保険制度の一本化などの抜本的な改革や財政基盤の強化のための国庫負担割合の引き上げのほか、子どもに係る均等割保険料を軽減する支援制度の創設を求めるなど、引き続き要望を行ってまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 高過ぎる福岡市の国民健康保険料の引き下げを強く求めておきます。
 次に、福岡空港の米軍基地問題についてただしてまいります。
 福岡空港は、混雑空港だとして、ヘリ基地を雁の巣に移転させ、今後は需用もふえると言って民間委託し、呼び込み政策に基づいて必要のない滑走路増設をしています。一方、福岡空港の一角には米軍基地が存在し、その面積は空港全体の14%を占め、日本で唯一の米軍専用区域がある民間空港です。
 そこでまず、お尋ねいたしますが、米軍機の飛来数はどうなってきているか、過去3年について答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 過去3年間の米軍機の飛来数につきましては、平成28年が66回、29年が94回、30年が71回と聞いております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 3年間で231回。国内に89ある民間空港で、米軍機飛来数は3年連続の日本一です。しかも、その米軍機が何を積んで、何の目的で来ているかも一切明らかにされておりません。福岡空港は日本一危険な民間空港にさせられており、市民の安全を脅かす存在になっていると言わなければなりません。
 このような状況は異常だと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 米軍機の飛来についてのおただしでございますが、これは国の専管事項であり、国において適切に対応されているものと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 異常ではないという答弁です。米軍追随は許されません。西日本新聞は、昨年5月14日付で、福岡空港内の米軍基地が軍事作戦拠点にもなる可能性について報道しています。その中で米国防総省幹部は、朝鮮半島に近く、今後も基地機能を確保する。平時は商業空港として活用すべきだが、有事には作戦拠点として機能を拡大したいと明かしています。日米共同使用区域である滑走路や駐機場なども、軍事作戦に使う構想があると言います。有事の際、福岡空港は米軍優先の軍事空港、すなわち出撃基地と変貌させられるのであります。
 お尋ねいたしますが、この報道で見られるように、これは福岡空港の軍事利用であり、拒否するべきではありませんか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) おただしの内容につきましては、繰り返しの答弁になりますが、国の専管事項でございまして、国において適切に対応されるものと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) そんなことを許しちゃだめなんですよ。今、在日米軍は、日本全体で大きく再編され、その関係で各地の米軍基地と自衛隊基地が大増強されてきています。県内では、築城基地が米軍普天間基地の有事展開拠点機能基地に位置づけられ、米兵300人が常駐可能な基地に強化されようとしています。山口にはイージス・アショアが、佐賀空港にはオスプレイが配備されようとしています。本市周辺地域に限ってもこれだけの増強がされており、決して人ごとではありませんよ。各地で住民が政府とアメリカに対して立ち上がって抗議を続けています。
 そこで、福岡空港における滑走路増設に伴う米軍専用区域の移転工事の事業期間と総事業費について答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 福岡空港につきましては、福岡市の成長を牽引する重要な役割を果たしてございまして、平成30年度の乗降客数は2,400万人を超えてございます。今後も増大する航空需用に適切に対応していくため、空港機能強化が喫緊の課題でございますから、国土交通省におきまして、滑走路増設事業が進められてございます。
 御指摘の米軍施設につきましては、この滑走路増設事業を進める上で支障となることから、国土交通省の移転補償として移設が行われております。お尋ねの米軍施設の移設に係る事業期間につきましては、平成28年度から令和2年度までの5年間の予定となっており、事業費の総額につきましては約30億円であると国土交通省から伺っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 4年前から総額30億円もかけて移転工事をしているということです。
 お尋ねいたしますが、新たに建設される米軍施設の内容と目的について答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 移設後の米軍施設につきましては、九州防衛局から福岡市に提出をされました建築計画概要書によりますと、用途は倉庫等となっております。
 また、施設の目的につきましては、同局に確認いたしましたところ、現在の施設と同様に、物資や人員の輸送等のために使用されるというふうに聞いております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 30億円の倉庫ですか、そんな倉庫見たことありませんよ。
 倉庫と言われるけれども、実は米軍の重要な目的と機能を持つ新しい施設を、移転に乗じて福岡空港の中につくろうとしているのではないんですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 九州防衛局に確認をいたしましたところ、移設後の米軍専用区域につきましては、従前と同じ約2万3,000平方メートルでございまして、施設規模も現在の規模と同程度で、移設後も現在と同様に、物資や人員の輸送等のために使用されるものであるというふうに伺っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) どう考えてもおかしい話ですよ。30億円ですよ。明らかに軍備拡張と考えるのが当たり前です。
 では、この移設費用を福岡市は幾ら負担するのですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 福岡空港の滑走路増設事業に伴う、米軍施設の移設に係る福岡市の負担額につきましては、国土交通省に確認いたしました総事業費の約30億円をベースに、空港法の規定に基づいて福岡市の負担額を試算いたしますと、約4億円となってございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 市が4億円も出すということです。
 お尋ねいたしますが、福岡市が米軍基地移転の費用を負担させられるというのはおかしいと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 福岡空港の滑走路増設事業につきましては、現在の混雑状況を抜本的に解消するとともに、将来の航空需用に適切に対応するため、国土交通省において進められております。この滑走路増設事業におきまして、米軍施設が支障となることから、移転補償として移設が進められており、その費用は国土交通省の滑走路増設事業費に計上されております。この滑走路増設事業費につきましては、空港法第6条の規定により、国土交通省が3分の2、福岡県が3分の1を負担することになっており、加えて同法第7条の規定により、福岡県は、空港の設置により利益を受ける福岡市に対して、県負担分の一部について負担を求めることができることとなっていることから、福岡市も空港法の規定に基づいて、その一部を負担しているものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 空港法の第6条にも、第7条にも、米軍基地を移転するのに拠出するとはどこにも書いてありませんよ。米軍の立場に立った答弁です。とぼけていませんか。大体、米軍基地の移転については、日米地位協定第24条で、米軍基地の維持管理費はアメリカが負担することが定められています。日本が出す費用ではないんですよ。しかし、実際には日本政府が思いやり予算を組んで、在日米軍駐留経費負担に係る特別協定で多くを負担しているわけです。その特別協定にも、どこにも地方自治体のかかわりは規定されていません。
 だから、福岡市がこのお金を出すこと自体が二重三重におかしいわけです。どう思われますか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 福岡空港の機能強化は喫緊の課題であることから、国土交通省におきまして滑走路増設事業が進められてございます。この滑走路増設事業を進めるに当たり支障となる米軍施設の移設費用は、移転補償に要する費用として、国土交通省の空港整備事業費に計上されていることから、福岡市もその費用の一部を空港法の規定に基づいて負担をしているものでございます。
 なお、このことにつきまして、念のため国土交通省に問い合わせを行い、滑走路増設事業は空港整備事業として行われるものでございまして、日米地位協定に基づいて行われるものではないことを確認いたしてございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) おかしいとは思わないと言われますけど、米軍基地を移転するのに、なぜ市民の税金を使わないといけないのか。
 そもそも、あなた方が米軍基地の移設を知ったのはいつですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 米軍施設の移設が必要であることを把握した時期につきましては、平成22年7月7日でございます。具体的には、国土交通省が行う滑走路増設事業に関する技術的、専門的な検討を行う委員会におきまして、米軍施設は移設が必要である旨、示されてございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 9年前にわかったと。
 では、お尋ねいたしますが、米軍基地移設に福岡市が税金を出すことについて、いつ、どうやって市民や議会に知らせたのですか。
 
○議長(阿部真之助) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 福岡空港の機能強化は喫緊の課題であることから、国土交通省におきまして滑走路増設事業が進められております。この増設事業において支障となる米軍施設の移設費用につきましては、移転補償に要する費用として国土交通省の空港整備事業費に計上されていることから、福岡市もその費用の一部を空港法の規定に基づいて負担をいたしているものでございます。
 この福岡市の負担金につきましては、いわゆる国直轄事業負担金でございまして、空港整備事業費負担金としての予算案の中で議会にお示しをしておりますが、誘導路やエプロン改良などの全体額を計上いたしていることから、その内数となる米軍施設の移転補償の部分についての説明は行ってございません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) ふざけていますよ。市民にも議会にも知らせないまま、あなた方は4年前から米軍施設の移転に市民の税金を出していた、これは大問題ですよ。
 ずっとあなた方は意図的に隠して、空港整備事業費に潜り込ませて予算を通してきたということです。こんな態度は許されないと思いますが、明確な答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 御指摘の空港整備事業費負担金につきましては、いわゆる国直轄事業負担金でございまして、予算案の中で誘導路やエプロン改良などの全体額を計上しておりますが、福岡県を通じて国土交通省から提示された資料には、米軍施設の移設単体での事業費を把握することができなかったものでございまして、意図的に隠そうとしたものではございませんが、結果として、市民や市議会に対する説明が十分でなかったものと認識をいたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 9年前からわかっていた米軍施設移転、4年前から行ってきた移転事業への税金投入、不十分では済まされませんよ。
 市民と議会に謝罪すべきだと思いますが、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 御指摘の福岡市の負担金につきましては、いわゆる国直轄事業負担金でございまして、空港整備事業費負担金として予算案の中で議会にお示しをしてございますが、福岡県を通じて国土交通省から提示された資料には、米軍施設の移設単体での事業費を把握することができなかったものでございまして、意図的に隠そうとしたものではございませんが、今から考えれば、市費負担が伴うことを説明することは可能であったのではないかと考えてございます。米軍施設の移転補償に要する費用につきましては、適切な時期にお示しができるよう、今後、県とともに、国土交通省と協議を行うなど、適切に対応してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 猛省すべきです。あなた方は、米軍にそんたくして米軍から言われることを実行するために市民と議会を欺いてきたんです。大体、本市においては、福岡市板付基地返還促進協議会が64年の長きにわたって福岡空港の米軍基地は返還せよと要求し続けてきました。市民や議会、その他さまざまな人たちが、軍事基地化や軍事利用に反対し、毎年総会を開催し、防衛省や外務省、米軍などに要請行動を行ってきています。本市もその構成員です。
 それなのに、立ち退きを求めるどころか、移転するための経費を4億円も出してやるというのは大きな矛盾だと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 福岡空港の滑走路増設事業につきましては、現在の混雑状況を抜本的に解消するとともに、将来の航空需要に適切に対応するため、国土交通省において進められております。
 この滑走路増設事業において、米軍施設が支障となることから、移転補償として移設が進められており、その移転費用は、国土交通省の滑走路増設事業費に計上されております。このため、福岡市も空港法の規定に基づきまして、その費用の一部を負担しているものでございます。
 一方で、米軍板付基地の返還につきましては、市民生活と空港の安全を守るため、市議会や自治協議会、福岡県などで構成する板付基地返還促進協議会を通して基地の返還に取り組んでおり、今後におきましても、返還に向けた取り組みを進めていくことに変わりはございません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 別の問題だと開き直られますけど、それなら堂々と返還協に言えばいいはずの話ですよ。ところが、市は返還協にこれまで一切報告もしていません。騒ぎになったらまずいとでも思っているのでしょうか。
 お尋ねいたしますが、これは返還協への裏切り行為であり、米軍基地をなくしてほしいと粘り強く活動してきた市民に対する欺きではないですか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 米軍板付基地の返還につきましては、市民生活と空港の安全を図るため、市議会や自治協議会、福岡県などで構成する板付基地返還促進協議会を通して基地の返還に取り組んでおり、今後も返還を強く望む市民と同じ思いを持って、しっかりと返還に向けた取り組みを進めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀内徹夫議員。
○43番(堀内徹夫) 問題がないかどうかは、報告を受けて返還協が判断すればいいことです。それを市の勝手な判断で長年ひた隠しにしてきたわけですから、まさに返還協と市民への裏切りそのものです。
 市長、あなたは表向きは基地返還のポーズを装いながら、裏では米軍基地の固定化につながる税金を秘密裏に予算の中に潜り込ませて議会を通し、この4年間、予算執行してきました。そのために、今、近代的な米軍基地が、有事の際には作戦拠点ともなる施設として福岡空港内に30億円もの巨額を投じて、市民の税金でつくられようとしています。これに加え、あなたは、米軍艦の博多港着岸を本日許可しました。福岡空港に加えて、博多港まで軍事利用を推進している。島市長のこの態度は、市民の命を軽視し、安倍政権とアメリカに追随するものだと言わざるを得ません。あなたは一体どこの市長ですか。
 そこで、最後にお尋ねいたしますが、返還協と市民に対し、米軍施設の移転と、それへの税金支出を隠し続けてきたことを謝罪するとともに、米軍基地を返還せよと本気でアメリカに迫り、あわせて、これ以上の税金支出はやめる決断をするべきではありませんか。最後に市長の答弁を求めて私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 福岡空港につきましては、福岡市のみならず、九州、西日本地域の成長を牽引する重要な公共インフラであります。福岡空港の機能の強化は喫緊の課題であり、航空機混雑の抜本的な解消や将来の空港需要に適切に対応するため、国土交通省において滑走路増設事業が進められているところでございます。
 福岡空港内にあります米軍施設につきましては、この滑走路増設事業を進める上で支障となることから、移転補償として移設するものであり、その移設費用は増設事業に必要な経費として国土交通省の空港整備事業費に計上され、空港法の規定に基づき、福岡市も応分の負担をしているものであります。
 今後におきましても、市民生活と空港の安全を図るため、市議会や自治協議会、福岡県などと構成する板付基地返還促進協議会を通して、引き続き米軍板付基地の返還を求めていく考えに変わりはございません。以上です。
 
○議長(阿部真之助) この際、暫時休憩いたします。
 午後は1時10分に再開いたします。
午前11時32分 休憩  
午後1時10分 開議  
○副議長(楠 正信) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司)登壇 私は東区選出の自民党新福岡の藤野哲司でございます。
 質問に入ります前に、先月末の九州北部集中豪雨や、9月9日、千葉市付近に上陸し、関東を中心に大きな被害をもたらした台風により被災された皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。
 私はことしの春に行われた統一地方選挙におきまして初当選をさせていただき、今回初めての一般質問となります。選挙のときにお約束した地域の声を市政のど真ん中に届けることを実行し、東区、ひいては福岡市政発展のために一生懸命頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 私は自民党新福岡を代表して、今回、東区箱崎、そして本市の発展に大きくつながる九州大学箱崎キャンパス跡地の活用について質問いたします。
 九州大学は、平成3年の決定以来進めてきた本市西区、伊都キャンパスへの統合移転事業を昨年9月に完了しました。糸島半島の豊かな自然と都市近郊にある利便性を生かし、次世代に向けた最先端の研究、教育に取り組まれ、一層飛躍していくものと期待しております。一方、跡地となり、学生、教職員が去った箱崎キャンパスでは、着々と校舎の解体が進み、いよいよ跡地利用に向けて動き出したことが実感できます。昨年7月には、周辺4校区の地域の代表の方々も入った跡地利用協議会において意見を伺いながら、九州大学箱崎キャンパス跡地グランドデザインが策定され、多様な都市機能の誘導と周辺地域との調和に配慮したまちづくりに向け、その方向性が示されたところです。箱崎の地で生まれ育った私としては、跡地まちづくりへの期待の一方で、箱崎キャンパスから学生、教職員が移転していくと、まちの活気は徐々に失われてきたように感じられ、大学のまちであった箱崎は新しい時代を迎え、次の100年に向けた分岐点に立っていると感じております。
 この九州大学箱崎キャンパス跡地は、御存じのとおり、半径5キロメートル圏内には博多駅、博多港、福岡空港という陸、海、空の玄関口があり、市の都心部である天神、博多駅地区まで地下鉄、JRで10分足らずという都心近接の場所というアクセス性が高い立地であります。
 平成24年に策定された第9次福岡市基本計画では、機能を充実、転換する地区として、市街地内の貴重な大規模活用可能地として、大学の移転進捗を踏まえ、新たな都市機能導入などを検討する地区とされています。このように、交通至便の立地性に加え、都心部に近接しながら広大な面積を有する箱崎キャンパス跡地は、今後の福岡市の成長の一翼を担う拠点となり得る可能性を有しているものと思っております。常々、島市長も言われておりますが、都心に近接してこれだけ広い土地を一体的に整備できるチャンスはそうあるものではありません。グランドデザインにおいても、広大な敷地や交通といった強みを生かし、最先端の技術革新の導入などによる快適で質の高いライフスタイルと都市空間を創出し、未来に誇れるモデル都市、FUKUOKA Smart EASTという視点でまちづくりを推進していくことが示されています。そのため、もとより土地所有者である九州大学が主として跡地処分されていく土地ではありますが、その高いポテンシャルを十分引き出し、まちづくりを展開していく必要があるため、市としても積極的に取り組みを進めていただきたいと思います。
 先ほど、私は箱崎キャンパス跡地の高い交通利便性について申し上げましたが、跡地を取り巻くように3本の路線、JR鹿児島本線、地下鉄箱崎線、そして西鉄貝塚線が走っており、JR箱崎駅、地下鉄箱崎九大前駅、西鉄と地下鉄の共同駅である貝塚駅という3つの駅が近くに位置しておりますが、市内にはほかにこのような場所はありません。このような場所でこれだけ広大な規模のまちづくりを行うことは、そうあるものではありません。やはり跡地まちづくりを考える際、これらの駅を中心とした視点が重要ではないでしょうか。特に箱崎九大前駅と貝塚駅はキャンパス跡地と接しており、ここで新たにつくられるまちの玄関となる重要な施設ですので、駅とまちとのつながりはとても大事だと考えております。
 そこでまず、貝塚駅周辺のまちづくりについてお尋ねいたします。
 貝塚駅については、西口には狭いながらもロータリーがありますが、東口にはロータリーも満足な歩道もありません。このため、駅への送迎がしにくいだけではなく、駅への経路も安全とは言えない状況です。また、駅東口では線路を横断するための地下鉄の下をくぐる道路の歩道が狭く、自転車が通れないといった課題や、T字路となっているため離合がしにくいといった課題、JR鹿児島本線の千代の松原1号踏切と県道の交差点近くは車と歩行者や自転車との接触事故も多いといったさまざまな課題を抱えています。
 そこで、貝塚駅周辺整備においては、東口のこれらの交通課題を踏まえて対応を検討すべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 以上で1問目の質問を終わり、以降は自席にて質問いたします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 貝塚駅東口につきましては、今後実施する土地区画整理事業の中で、御指摘の交通課題を解決していけるよう、駅前広場の整備や歩道の設置など、改善策を検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) 次に、貝塚公園の前にある貝塚駅の西口についてお尋ねいたします。
 駅西口については、朝夕や雨天時には送迎車で大変な混雑となっております。このロータリーでは、自家用車もバスも公園側の歩道で車をおり、信号のない横断歩道を渡って駅に向かうようになっており、混雑時には歩行者と車の接触事故が起きるのではないかと心配しているほどです。また、自家用車が停車できるスペースが不足しているため、バスやタクシー、自家用車がふくそうしている様子がよく見受けられます。
 そこで、駅西口にあるロータリーについて、整備時期や整備経緯、その広さについてお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 地下鉄貝塚駅の開業に伴いまして、昭和62年に整備されております。その面積は約1,000平方メートルとなっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) 次に、貝塚駅の利用者数とその推移はどうなっているのでしょうか、また、駅利用者が同程度の福岡市内におけるほかの駅の駅前広場の面積はどれくらいでしょうか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 貝塚駅の平成29年度の利用者数は1日当たり約1万3,400人で、過去10年間では増加の傾向にあります。また、利用者数が近いJR九大学研都市駅で申しますと、駅利用者数が1日当たり約1万7,400人で、北口が約5,200平方メートル、南口が約2,400平方メートルとなっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) 貝塚駅利用者はふえているとのことですが、まちづくりに伴い、今後ますます利用者はふえると思いますし、利用者数が同程度のほかの駅に比べ、貝塚駅の駅前広場が比較的狭いことが確認できます。交通結節機能の強化や安心、安全の観点から、総合的な検証を行い、対応していただきたいと思います。
 続いて、貝塚駅へのアクセス経路についてお尋ねいたします。
 国道3号から貝塚駅への経路は、現在、東警察署の前を通り、T字交差点を左折することとなっているため、日ごろから利用している人は使いにくいという話をお伺いいたします。また、近くに住んでいない方や日ごろ貝塚駅を使われない方にとっては、貝塚駅への経路がわかりづらいと思われます。そもそも駅は地域のランドマークとして、誰からもわかりやすい経路であることが望まれる施設だと思います。
 そこでまず、過去5年の貝塚駅周辺の人口の推移と、貝塚駅直近の東箱崎校区の人口及び高齢者数の推移についてお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 貝塚駅1キロメートル圏内の人口でお答えいたしますと、住民基本台帳上では、平成26年度の1万5,951人から平成30年度は1万6,360人と約3%増加いたしております。また、東箱崎校区の人口の推移につきましては、平成26年度の6,951人から平成30年度は7,033人と約1%増加しており、65歳以上の人口は平成26年度の1,230人から平成30年度の1,551人と約26%増加いたしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) 貝塚駅周辺の人口はふえており、駅直近の東箱崎校区では、人口はほぼ横ばいであるものの、高齢化は進んでおります。今後、まちづくりに伴い、駅の利用者は一層ふえると思いますので、駅周辺だけではなく、各方面からのアクセス性を考慮してわかりやすい経路の検討は必要になってくると思います。また、これからの高齢社会において健康寿命を延ばすためには、人と会う機会を多く持つことが大切だと言われておりますので、高齢者や障がい者といった交通弱者と言われる方々にとっても、まちに出やすい環境づくりとして駅の交通結節機能の強化はぜひ検討を進めていただきたいと思います。
 次に、貝塚駅西口にある貝塚公園についてです。
 貝塚公園は私も子どものころから何度も遊んだ大変思い出深い場所ですが、この公園の特徴であるゴーカートやSL、飛行機といった乗り物の展示物や大型遊具など、どれも私の幼少のころから変わっていないように思われます。
 そこでまず、貝塚公園について、開園時期や整備目的などについてお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 貝塚公園は昭和42年に開園しておりまして、当時、いわゆる交通戦争と言われた社会問題を背景に、子どもたちが遊びながら交通安全知識や交通道徳を学ぶことを目的として整備されております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) 最近、貝塚公園の状況を見に行ったところ、さすがに整備から50年以上が経過していることもあり、施設や展示の一部においては老朽化が進んでいると感じました。例えば、ローラースケート場、観覧席といった施設は余り使われていないように見受けられましたし、北側にはかつての店舗跡のような建物があったり、余り利用されていない区域もありました。特にゴーカートは、かつて多くの車両が使われていたかと思いますが、古くなり、整備が追いついていないのか、使われていない車両が倉庫内に置かれたままの状況を目にし、少し寂しい思いになりました。また、展示されている飛行機は老朽化のため、周りには近寄らないための柵が設けられ、立入禁止の表示がされておりました。駐車場についても、駐車区画は非常にわかりにくいし、入ってみて満車のときはUターンも難しく、とても使いにくいといった状況です。
また、現在、公園があいている時間は朝9時から夕方5時となっておりますが、例えば、災害時には周辺の方々の避難場所となる役割なども期待されることから、常時市民に開かれた場所とすることなども検討していただきたいと思います。
 そこで、土地区画整理事業とあわせて貝塚公園を再整備することと思いますが、どのような再整備をするのでしょうか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) グランドデザインにおきまして、憩い、にぎわい、交流機能のある駅前空間を創出するため、再整備することといたしております。箱崎キャンパス跡地の北の玄関口として、開園時間も含めまして、より多くの市民が使いやすい駅前空間となるよう再整備にしっかり取り組んでまいりたいと思っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) 貝塚公園の再整備に当たっては、九大箱崎キャンパス跡地の北の玄関口として、より多くの市民が使いやすい駅前空間となるよう取り組んでいくとのことですが、公園だけで考えるのではなく、貝塚駅西口全体での計画として捉えることも大切になってくると思います。特に貝塚駅のアクセス性の強化に配慮していただきたいと思います。参考として、近隣の箱崎公園においては、子どもたちが遊べる大型遊具のあるエリアのすぐ横に広い駐車場が整備されており、特に小さな子連れの方々に大変な人気となっております。このような事例も参考としながら、魅力的な公園になるよう十分に御検討いただきたいと思います。
また、本市では人生100年時代に向けて心身ともに健康で自分らしく暮らせるプロジェクト、福岡100を進めておりますので、ちょっとした運動ができるようなスペースを整備し、周辺住民の健康増進につなげていただきたいと思います。
 さらに、貝塚公園は交通戦争と言われていた時代に交通公園として整備された歴史を受け継ぎ、これからは次世代のモビリティーの活用も視野に入れたらどうでしょうか。8月末にはFUKUOKA Smart EASTの一環として電動キックボードの実証実験が貝塚公園で行われました。私も参加いたしましたが、多くの市民の皆様が集まっており、評判もよかったため、世界的に関心が高まっている次世代のモビリティーを市民が体感できる場にするのはいかがでしょうか。また、幅広い世代のニーズに応えられるようサービス施設が立地するなど、新しい時代に応じたさまざまな機能を御検討された上で魅力的な公園として整備していただきたいと思います。
 さて、これまで北の玄関口となる貝塚駅、貝塚公園について質問してまいりましたが、次に、地下鉄箱崎九大前駅が立地する九州大学箱崎キャンパス跡地南側のまちづくりについて質問いたします。
 九州大学箱崎キャンパス跡地南側は、もともと工学部のあったところで、早くから伊都キャンパスへの移転が進んだこともあり、現地で校舎の解体が着々と進んでいるのを確認することができますが、いよいよ跡地のまちづくりが本格化することを実感している次第でございます。また、地下鉄箱崎線の箱崎九大前駅やJR鹿児島本線の箱崎駅に近く、利便性が高い土地でもあります。特に地下鉄の箱崎九大前駅は跡地の目の前に位置しており、大学があったときには多くの学生、教職員が利用しておりました。跡地が新しいまちに生まれ変わるに当たり、先ほどお尋ねした貝塚駅のみならず、箱崎九大前駅の駅前空間も重要になってくると思います。
 そこで、改めてグランドデザインにおける箱崎九大前駅の駅前空間の位置づけについてお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) グランドデザインにおきまして、駅と跡地等をつなぐ新たなまちの顔となり、人々が憩い、交流できる駅前にふさわしい空間づくりと利便性の向上を図ることといたしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) 箱崎九大前駅において、駅前にふさわしい空間と利便性の向上が図られるとのことで大変期待しておりますが、現在は地下鉄をおりて地上に上がってくると目の前は駐輪場となっているため、このままではまちの顔と言える空間になるか懸念されます。跡地のまちづくりが進むと、地下鉄の利用者もかなりふえることと思われます。
 そこで、駐輪場のあり方を含め、跡地の中だけではなく、駅からの動線を意識した一体的な整備が必要と思われますが、御所見をお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 箱崎九大前駅周辺につきましては、跡地のまちづくりにおいて、まちの顔としてふさわしい空間となるよう安全で快適な歩行者空間を確保するとともに、さまざまな人が利用し、交流する空間の創出ができるよう広場等のオープンスペースを適切に配置してまいります。また、駐輪場を含む駅周辺につきましても、跡地のまちづくりとの連携を関係局と検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) 次に、道路についてです。
 箱崎キャンパス跡地内に2本の道路が都市計画決定されております。市の道路ネットワークを担うもので、東西南北の市街地を結ぶ幹線道路ですが、50ヘクタールの広大なまちづくりを行うに当たって、その骨格となるものだと思います。
 そこで、都市計画道路整備の進捗状況についてお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 施行者でありますUR都市機構が都市計画道路事業の国土交通大臣承認を平成30年に取得し、現在、測量等を進めております。今年度は引き続き測量等を進めるとともに、秋ごろからは道路用地の一部取得などが予定されているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) 道路用地の一部取得に取り組むとのことですが、都市計画道路の整備に当たっては、九州大学箱崎キャンパス以外にも用地買収が必要となり、地域住民の御理解、御協力が不可欠になってくると思います。
 そこで、用地買収に御協力いただく住民の皆様のために、代替地を確保するなど生活環境への配慮が必要だと感じますが、御所見をお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 用地の取得に当たりましては、地権者の新たな生活環境への移行が円滑に図られますよう、代替地の確保について九州大学等とも調整をしてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) 都市計画道路の地権者の方からは、用地買収の必要性は理解されているものの、箱崎のまちに住み続けたいという思いや、これまでの生活が大きく変わるのではないかという不安などを抱えられていると伺っております。
 できる限り今のお住まいの近くに代替地を優先的に確保できるよう、箱崎キャンパス跡地周辺に九州大学が所有する職員会館などの土地を地権者の意向に合わせ、代替地として活用すべきと考えますが、御所見をお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 代替地につきましては、御指摘の箱崎キャンパス跡地周辺にあります九州大学の所有地であります職員会館や生協の跡地などの活用も含めまして、九州大学等と調整をしっかりと進めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) 地権者が安心して新たな生活を送ってもらえるよう最大限取り組んでいただきたいと思います。
 一方で、箱崎キャンパス跡地に隣接する道路はどうでしょうか。大学の塀沿いは歩道がなかったり、車道も一方通行の規制がかかっていたりする状況となっております。
 そこで、お尋ねいたしますが、跡地のまちづくりにあわせて道路を拡幅して歩道の整備などは行われないでしょうか、御所見をお尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 跡地に接する道路につきましては、今後予定しております開発行為や土地区画整理事業の中で歩道を設置するなど、安全、安心な道路空間の整備を予定いたしておるところでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 藤野哲司議員。
○33番(藤野哲司) 跡地のまちづくりにおいては、新たに箱崎のまちの魅力向上につながるものと期待しております。
 一方で、箱崎キャンパス跡地南側は箱崎の伝統的な町家を残すまち並みに接しているため、ともに住みよいまちを目指すべきだと思いますので、周辺地域との調和に配慮するとともに、周辺地域と一体的な発展ができるよう、引き続き九州大学などとともに、検討をお願いしたいと思います。
 九州大学箱崎キャンパスの設立以降、箱崎は大学のまちとして九州大学とともに発展してきた歴史があり、今回のキャンパス移転を契機として新たなまちづくりの機会を迎えていくことと大変期待しておりますが、そもそも九州大学箱崎キャンパス跡地は、当時そこで農業をされていた地元の方の御理解と御協力により土地の提供を受け、約100年前に設立されました。この九州大学が移転すると決まり、地域の活気は徐々に失われました。移転する前の平成17年当時、学生と教職員が合計で1万3,000人おり、箱崎はその恩恵を受けてきましたが、学生向けの飲食店は閉店が相次ぎ、アパートは外国人が多数入居されまして、地域との共生が課題となっております。
 そこで、最後にお尋ねいたします。
 今後、九州大学箱崎キャンパス跡地利用に当たって、これまでの歴史を踏まえ、周辺地域と一体的に発展しながら100年後の未来に誇れるまちとなるよう、福岡市のまちづくりに取り組む島市長の決意をお伺いしまして、質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 島市長。
○市長(島宗一郎) 九州大学箱崎キャンパス跡地につきましては、藤野議員が言われますとおり、地域とともに歩んできた九州大学100年の歴史を継承していくことが重要と考えています。今後、少子・高齢化の進展によって大きく社会の人口の構成が変わるなど、社会のあり方が変わってくる中で、さまざまな社会課題を解決し、持続可能な社会を実現していくためには、先端技術なども積極的に活用していくことが大切であるというふうに考えています。真っさらの土地にベースの基礎インフラから、一からデザインできる今というものは、その大きなチャンスであると考えています。この機を逃すことなく、先進的なまちづくり、FUKUOKA Smart EASTの実現に向けて、地域を初め、九州大学などの関係者と連携をし、未来に誇れるまちづくりにしっかりと取り組んでまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 成瀬穫美議員。
○55番(成瀬穫美)登壇 福岡市民クラブの成瀬穫美です。初めて一般質問の時間をいただくことになりました。働く母親として、子育て世代、そして働く世代の声を議会に届けてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、今回、私は福岡市民クラブを代表して、義務教育段階における多様な教育の支援について質問させていただきます。
 義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律、以下、教育機会確保法と申し上げます。この法律が2017年に施行されました。学校以外の学びを認めたという点で、戦後初の教育のパラダイムの大きな転換点だと感じています。この法律では、フリースクール等と国や地方自治体との密接な連携が基本方針となり、不登校児童生徒への施策の推進が定められています。さらに、附則によれば、施行後3年以内に検討を加え、その結果に基づき見直しを含め、必要な措置を講ずるものとするとあります。ことしがまさにその3年目の年です。
 本法律の成立過程の中で、不登校対策が能力開発や社会投資政策の枠組みに位置づけられることになり、子どもの権利保障としての学びの場の多様性の観点からは質を異にするもので、今後の法律の改定、制度の見直しが必要になってくるものと思われます。見直しの時期を迎えている今、多様な教育の保障が不登校対策のみならず、この間、既存の教育制度の枠外で独自性のあるカリキュラムや教育方針を展開し、広がりを見せているオルタナティブな教育要求を今後どう支援していくのかという課題に取り組む契機と考えています。
 ところで、オルタナティブ教育とは、日本語では代替教育あるいはもう一つの教育というふうに訳されており、モンテッソーリ教育、シュタイナー教育、イエナプラン教育、デモクラティックスクールなどがそれに該当します。広義でいえば外国人学校も入ります。フリースクールやオルタナティブスクールの分類については、いろいろな考え方があると思いますが、私はフリースクールは不登校の児童生徒の学校復帰に向けた支援を行う施設、オルタナティブスクールは独自の教育課程を編成し、子どもや保護者の考えにより通学している学校と捉えています。もちろんこの両者には重なり合う部分も多く、オルタナティブスクールも不登校児童生徒の受け入れ先として大きな役割を果たしています。
 この考え方に基づき、教育機会確保法の見直しを控えた現在、本市においてフリースクールやオルタナティブスクールの現状をどのように把握しているのか、どのような検討がされているのかを子どもの権利保障としての学びの多様化を推進する立場から質問してまいります。
 なお、質問の中でフリースクールとオルタナティブスクールを特段区別しなくてもいい場合は、スクールという呼称を使う場合もあります。
 まず、不登校や親の教育方針など、さまざまな理由で小中学校を長期欠席している児童生徒は統計上どのような扱いになっているのでしょう。その名称、定義、また、2018年度におけるその区分や人数をお示しください。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて質問いたします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 小中学校を長期欠席している児童生徒は、文部科学省の取り扱いに基づいて、その年度に30日以上欠席した児童生徒を長期欠席児童生徒としており、区分として、病気、経済的理由、不登校、その他があります。
 福岡市における平成30年度の長期欠席児童生徒の人数は、小中学校合わせて3,584名で、区分ごとの人数は、病気が748名、不登校が1,814名、その他が1,022名、経済的理由はおりません。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 成瀬穫美議員。
○55番(成瀬穫美) となると、フリースクールに通う児童生徒は、不登校あるいはその他に分類された児童生徒の一部が含まれていると考えることができますが、フリースクールの定義はどのように定められているか、お示しください。また、2018年度において教育委員会が把握されている市内のフリースクールの数及び、市内に限らず市外も含めてフリースクールに通っている人数を教えてください。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 文部科学省はフリースクールの定義を示しておりませんが、さまざまな理由で小中学校に通っていない子どもが通う民間の団体や施設を一般的にフリースクールと呼んでおります。
 平成31年3月末時点で教育委員会が把握しているフリースクールは、福岡市内で16カ所となっております。また、フリースクールに通っている児童生徒は市外にあるフリースクールも含めて64名でございます。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 成瀬穫美議員。
○55番(成瀬穫美) 不登校が1,814名、その他が1,022名、合わせて2,836人であることを鑑みると、フリースクール等へ通学している児童生徒が64人というのは、少ないように感じます。
 それでは、2018年度において把握している市内のオルタナティブスクールへ通っている児童生徒数をお答えください。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 議員がお示しの独自の教育課程を編成し、教育活動を行っているオルタナティブスクールの中にはインターナショナルスクール等がありますが、そこに通っている児童生徒数は平成31年3月末時点で140名でございます。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 成瀬穫美議員。
○55番(成瀬穫美) オルタナティブスクールに通っている子はフリースクールに通っている児童生徒よりも調査の時点では多いという集計結果だと思います。
 さて、これまでの話を整理すると、このような図に長期欠席児童生徒の全体像を示すことができると考えます。(パネル表示)この図で示した図形は、面積が大きいほど人数が多いと御理解ください。フリースクールに通っている児童生徒は青い円で示しました。3月末時点で64人。統計上の区分は不登校が多いと思われます。一方、オルタナティブスクールに通っている児童生徒は赤い円で示しました。その他の区分のほか、不登校も含まれます。これまで多くの議論や支援策が講じられてきたのは、この青い円のほうです。一方、赤い円は教育支援の対象にはなってきませんでした。
 ところで、入学時から在籍する公立学校には登校せずにオルタナティブスクールに通っている場合は、不就学と呼ばれると聞いております。不就学の子どもと長期欠席児童生徒では在籍校での対応は違いがあるのか、お伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 不就学は理由のいかんにかかわらず、入学または転入学日から1日も出席していない児童生徒のこととしております。これらの不就学の児童生徒と長期欠席の児童生徒へは、同様の対応として在籍校による家庭訪問や電話連絡等で児童生徒の状況の把握を行っており、保護者からの相談などにも対応しております。また、児童生徒が通っている施設へも電話連絡等により児童生徒の状況の把握を行っております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 成瀬穫美議員。
○55番(成瀬穫美) 不就学や長期欠席児童に対して各学校でそれぞれに対応していただいているということですが、不就学の場合に、卒業の年齢になったにもかかわらず、卒業証書が発行されなかったという事例も聞いております。今後も子どもや保護者に寄り添い、柔軟な対応をお願いしたいと思います。
 なお、子どもの日常生活に影響を及ぼすのが、とりわけ出席扱いについてです。そこで、フリースクールに通う児童生徒が出席扱いされるか否かの判定にガイドラインがあるかどうか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 教育委員会における取り扱いについてのガイドラインは、平成28年度に出された文部科学省通知不登校児童生徒への支援の在り方についてをもとに平成28年9月に作成しております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 成瀬穫美議員。
○55番(成瀬穫美) ガイドラインに基づき適切に対応しているとのことですが、いかようにも解釈可能な尺度であるために、在籍校の校長の判断に依存しており、その判断にずれが生じているということも可能性としてはないでしょうか。
 フリースクールに通っている児童生徒の出席扱いの要件はどのようになっているのか、所見を伺います。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) フリースクールに通う児童生徒の出席扱いは、教育委員会が作成したガイドラインに基づき、学校長が判断しております。出席扱いとするためのフリースクールの具体的な要件は、その施設が児童生徒の自立を助ける上で有効かつ適切であると判断されることを基本とし、指導内容や方法等の体制が方針として明示されていること、常駐できる指導スタッフが配置されていること、著しく営利目的でないこと、学校、教育委員会及び家庭との連携がとられていることなどとしております。これらの要件を確認し、児童生徒がフリースクールにおいて適切な相談かつ指導を受けていると在籍校の校長が判断できれば、通っている日数を出席扱いとしております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 成瀬穫美議員。
○55番(成瀬穫美) 財政状況が厳しいフリースクールの運営では、努力によって可能になることとそうでないことがあります。教育委員会が作成した民間施設のガイドラインを私も拝見させていただきましたが、例えば、施設面の充実は一般の学校のその規模とは大きく違います。民家や公園が学習の場となっているケースもありますので、柔軟な評価をお願いしたいと思います。また、当該スクールと学校及び教育委員会との連携についても、双方にとって過度な負担とならない仕組みをつくっていただければと思います。さらに、出席扱いに該当せずという判断をされた場合は、協議した内容を当該スクールへフィードバックするなど、双方の情報交換や相互理解を深めることを要望いたします。
 さて、フリースクールについては、これまで個々の民間施設や横の連携などでつくる民間の協議会などが努力を重ね、その周知に尽力してきたところですが、親が子どもの不登校という状況に初めて向き合うとき、誰しもその情報が豊富であるわけではありません。最初に頼るのは、担任の教員、在籍校、時として教育委員会の場合もあるかもしれません。しかし、その場所で限られた選択肢しか提供されなければ、解決できることも解決できないままになります。適応指導教室などが準備されていることは承知しておりますが、地元の教室を避けたいという心情もあります。ぜひ学校以外の子どもたちの活動の場となるフリースクール等の周知をしていただき、学校以外での子どもたちの居場所の確保をしていただきたいと考えますが、フリースクールの周知と今後の関係づくりに向けた取り組みをお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校に登校できていない児童生徒が将来、社会的に自立するために、個に応じた学習の機会を提供することは大変重要なことであると認識しております。福岡市においては、これまでに学校以外の学びの場となる適応指導教室を市内4カ所に設置するとともに、多様な教育機会を提供するフリースクールと教育委員会との情報交換会を実施するなどの取り組みを進めてまいりました。今後は教育委員会がそれぞれのフリースクールの教育理念や学習内容について把握し、各学校に紹介するなどフリースクールとの連携をさらに進め、児童生徒一人一人の状況に応じたきめ細やかな支援の充実に努めてまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 成瀬穫美議員。
○55番(成瀬穫美) フリースクールについては、一定の基準を満たせば出席扱いになるなどの支援があることがわかりました。一方で、オルタナティブスクールについては、さまざまな制約があると思われます。特に問題になるのが、高等学校進学の際に出席扱いされていないなどの理由で受験の制限があることです。これは子どもの学習の機会を不当に奪うものであり、教育機会確保法のその能力に応じた教育を受ける機会が確保されるようにすると定めた基本理念から反するものと思われます。また、高校進学への不安から、入学や転入へ強い希望があったとしても、その思いをちゅうちょする場合もあります。そのことに関して市立高校での受験の取り扱いをお聞かせください。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 市立高等学校受験の取り扱いは、学校教育法に基づき、福岡市立高等学校入学者選抜要項の志願資格に中学校を卒業した者または当該年度卒業見込みの者などと定めており、これを全ての志願者に適用しております。
 なお、中学校を卒業できないと見込まれる生徒については、個別の状況によっては、文部科学省が実施する中学校卒業程度認定試験を受験することができるとされており、その試験に合格した場合に志願資格を認めております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 成瀬穫美議員。
○55番(成瀬穫美) 出席扱いされていないフリースクールやオルタナティブスクールへ通っている子どもたちが受験のことを考慮し、高学年になって、通いなれたスクールからやむなく在籍校へ戻るケースも起きています。また、中学校卒業認定試験の制度があるとはいえ、現状では各都道府県で1カ所、年に1回の機会しか与えられていません。ぜひふだんの頑張りを評価していただき、出席扱いされていないスクールに通う子どもたちにも志望校へ進学の道を開いていただきたいと思います。
 さらに、フリースクールやオルタナティブスクールに通う児童生徒は、これまで答弁されてきたことのほかにも、日常生活においてもさまざまな制約が降りかかってきています。例えば、通学定期が発行されず、その倍も運賃がかかる通勤定期しか持てないという事例も聞いております。これも子どもの学習の機会を不当に奪うものであり、保護者の負担や不安を増大させてしまいます。
 フリースクールやオルタナティブスクールに通学する場合の通学定期乗車券の適用についてはどのような運用を行っているのか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 通学定期乗車券については、文部科学省の通知に基づき、小中学校に通えていない児童生徒が学校外の公的機関や民間施設に通い、学校長が出席扱いと認めた場合に、各学校で通学定期乗車券購入に必要な在学証明書を発行しております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 成瀬穫美議員。
○55番(成瀬穫美) 学校長が出席扱いと認めた場合にということであれば、不登校支援が前提になり、オルタナティブスクールは除外されてしまいます。義務教育段階における日常的な学習のために通っていることを考慮していただき、同様の対応をしていただくことを強く望みます。
 これまで子ども本人に降りかかる負担について質問をさせていただきましたが、施設そのものも親の負担と指導者の志のみで支えられており、慢性的な財政問題を抱えています。教育機会確保法では、施策のみならず、財政措置を講ずることも国や地方自治体に求めています。国は既に助成の方向で検討を始めたと報道されています。
 現在、福岡県がフリースクールに対して最大で200万円の財政補助をしていると聞きますが、本市での検討状況はいかがでしょうか。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 福岡市においてはフリースクールに対する助成は行っておりませんが、今後も国や他都市の動向、社会情勢などを注視してまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 成瀬穫美議員。
○55番(成瀬穫美) 県の助成金を得ている場合はあるにしても、その数に限りはあり、また、学校復帰が目標となっているため、それが主目的ではないオルタナティブスクールは除外されてしまいます。福岡県内でも、とりわけ福岡市にフリースクールやオルタナティブスクールは集中しています。他都市の動向を注視というよりも、近隣他都市を牽引するぐらいの立場で前向きな検討をお願いしたいと思います。加えて、実態に即した教育機会確保のため、不就学や長期欠席児童生徒に該当する子どもや親がどのようなニーズを持っているのかの調査をお願いいたします。要望したこれらの調査は、教育に対する親の期待を映し出すものと考えます。
 非常に重要なデータですので、教育機会確保法の見直しの時期であるこのタイミングで早急に対応していただいきたいと考えますが、所見をお聞かせください。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校に行きたくても行けないなど、さまざまな理由で小中学校に通えていない児童生徒や保護者の方々の思いに寄り添い、対応していくことは重要であると考えております。一方、学校教育法第1条に規定された学校ではないオルタナティブスクールなどに保護者が通学させていることは、保護者が学校に通わせることなく、憲法や教育基本法に規定された義務教育を受けさせていない場合と同様に法に定める就学義務を履行したことにはならないため、教育委員会が指定する学校に就学させるよう必要に応じて各学校が就学督促を行っております。また、各学校においては、さまざまな理由で欠席している児童生徒がいることから、毎月、学校を通して不就学や長期欠席児童生徒の保護者の思いや児童生徒一人一人の状況などを把握しているところで、今後も引き続き学校を通じてきめ細やかな支援に努めてまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 成瀬穫美議員。
○55番(成瀬穫美) 引き続きの調査をお願いするとともに、その基本データをもとに分析を行い、次の時代に向けた教育のあり方を検討していただくことを期待しています。
 そして、次の時代に向かっていく過程の中で、既存の教育観を見直す努力も必要です。2016年9月に出された文部科学省通知、不登校児童生徒への支援の在り方についてによれば、不登校児童生徒の不適応、問題行動に対する相談、指導を行うことを主な目的としていること、また、我が国の義務教育制度を前提としたものであることなどと示されております。
 さまざまな支援は学校への復帰を前提にしているように感じますが、フリースクールやオルタナティブスクールに通う児童生徒を含めた不就学や長期欠席児童生徒は将来的にどのような姿になるのが望ましいと考えているのか、所見をお聞かせください。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 教育委員会が令和元年6月に策定した第2次福岡市教育振興基本計画では、目指す子どもの姿をやさしさとたくましさをもち、ともに学び未来を創り出す子どもとしております。不就学や長期欠席児童生徒の将来的な姿としては、児童生徒がみずからの進路を主体的に捉え、社会的に自立することができる姿と考えており、将来を担う子どもたちへの支援は大変重要だと認識しております。
 これまでにも不就学の児童生徒や長期欠席児童生徒に対し、家庭訪問を通した相談などの支援に取り組んでいるところであり、今後とも、児童生徒の状況に応じたきめ細やかな支援の充実に努めてまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 成瀬穫美議員。
○55番(成瀬穫美) 社会的に自立すること、それが将来的な姿であるとの御所見を伺い、目指すところは一緒だと感じました。
 最後に、不登校児童生徒の受け皿であるフリースクールの支援については、さきに示されたガイドラインと学校現場の理解と努力によって支援の範囲が拡充しつつありますが、その一方で、その支援が届かないオルタナティブスクールに通っている子どもたちがいることが今回の質問の中でもわかってまいりました。多様な教育を目指すオルタナティブスクールが全国でも1980年ごろから徐々に広がりを見せてきました。フリースクールと同様に学校教育法に定める一条校ではない場合が大多数ですが、公立学校で学んでいる子どもたちと同様に地域の一員であり、さらに将来、この社会を担ってまいります。
 福岡市とその周辺においても、10年ほど前から設立が相次いでおります。子どもの権利保障としての学びの多様化を推進するという観点でこの動きに関心を持っていただくとともに、今後さらにフリースクールやオルタナティブスクールで学んでいる子どもたちに対しても支援を行っていくことを検討すべきであると要望し、私の質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) この際、休憩し、午後2時15分に再開いたします。
午後2時4分 休憩  
午後2時15分 開議  
○議長(阿部真之助) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。古川清文議員。
○17番(古川清文)登壇 私は公明党福岡市議団を代表して、放火対策について、ドライブレコーダーの普及促進について、高齢者のごみ出し支援について、以上3点にわたり質問をいたします。
 初めに、放火対策について伺います。
 この質問に当たり、本年7月に京都市伏見区で発生した京都アニメーションの放火事件で被害に遭われ、死傷した方々の御冥福、早期回復を祈るとともに、御家族を初め、関係者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 建物は全焼、人的被害は死者35名を含む69名にも及ぶこの放火事件は、平成以降最大規模の死傷者を出した火災となる大事件でありました。建物内にいた社員や関係者は逃げ場を失い、どんなに熱く苦しい状況で助けを求め続けていたのか、考えるだけでも心が痛みます。人の命をないがしろにする放火など断じてあってはならない、そんな思いから本市の放火に対する取り組みを伺ってまいります。
 初めに、過去5年間において本市の年間火災件数の推移、また、その火災が直接の原因での死者数をお伺いいたします。
 以上で1回目の質問を終わり、2回目以降は自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 山下消防局長。
○消防局長(山下周成) 福岡市における過去5年間の火災件数につきましては、平成26年が307件、27年が281件、28年が283件、29年が321件、30年が309件となっております。
 また、死者数につきましては、平成26年が5人、27年が9人、28年が6人、29年が11人、30年が10人となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) 本市における火災原因の上位5位について、過去5年間の平均件数及びその割合をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 山下消防局長。
○消防局長(山下周成) 福岡市における火災原因の上位5位の過去5カ年の平均件数及びその割合につきましては、1位は放火及び放火の疑いで64件、割合は21.3%、2位は同数でたばこ及びこんろで、いずれも51件、割合は17.0%、4位は電気コードなど配線器具からの出火で13件、割合は4.3%、5位はストーブで12件、割合は3.9%となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) 放火及び放火の疑いが火災原因の第1位であるとのことですが、過去5年間の放火及び放火の疑いの件数の推移と、また、放火火災における死者数をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 山下消防局長。
○消防局長(山下周成) 福岡市における過去5カ年の放火及び放火疑いの件数につきましては、平成26年が68件、27年が66件、28年が62件、29年が47件、30年が76件となっております。
 また、放火火災における死者数につきましては、平成26年が2人、27年が3人、28年が2人、29年が3人、30年が2人となっております。
 なお、放火火災における死者は全て放火自殺によるものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) 火災件数を減らすためには放火を減らすことということが明確になったわけですが、放火が発生しやすい季節、また、時間帯、行政区、現場の特徴を教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 山下消防局長。
○消防局長(山下周成) 放火が発生しやすい季節、時間帯、行政区及び現場の特徴につきましては、福岡市における過去5年間の統計を見てみますと、放火が発生しやすい季節や行政区に特段の差はございませんが、時間帯としましては、夜遅くから未明の時間帯に多く発生しており、また、現場の特徴としましては、人目につきにくい暗い場所などで発生していることが特徴でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) 近年、本市では同一エリアで連続不審火及び放火が発生する事案があります。いわゆる連続放火事案とはどのような定義なのでしょうか、お伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 山下消防局長。
○消防局長(山下周成) 連続放火事案の定義につきましては、福岡市においては、短時間または短期間に同じ地域において発生するなど、何らかの関連性があると解される複数件の放火のことであり、かつ地域の住民等が不安を感じ、特別の対策が必要であると当該地域を管轄する消防署長が判断するものを連続放火として定義いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) では、本市における平成30年中の連続放火事案の発生状況をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 山下消防局長。
○消防局長(山下周成) 平成30年中に発生した連続放火と判断されるものにつきましては、7つの地域で合わせて22件発生いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) では、放火を防ぐために消防局はどのような対策を行っているのか、お伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 山下消防局長。
○消防局長(山下周成) 放火を防ぐための消防局の対策につきましては、従来から出前講座などのあらゆる機会を捉え、市民に対し放火対策について啓発を行っており、また、放火が発生した際には消防車両での巡回警戒や地域住民による防火パトロールの呼びかけなど、さまざまな対策を講じております。
 また、放火行為を抑制するため、放火監視機器の設置や福岡県警察と連携し作成した放火予防ステッカーの配布などの取り組みを実施いたしております。
 なお、今年度から市内全ての151校区、地区の自治協議会の定例会に参加し、約2,300の自治会長、町内会長に直接放火予防の啓発を行っており、放火されにくい環境づくりの重要性について説明する取り組みを行っているところであります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) では、放火を防ぐためにも市民が心得るべきことは何か、お伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 山下消防局長。
○消防局長(山下周成) 放火を防ぐため市民の方に心得ていただくべきことにつきましては、家の周りには燃えやすいものを置かないことや夜間は建物の周囲や駐車場などで照明を点灯するなど、地域ぐるみで放火されにくい環境をつくることが重要であります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) 不審火を発見したときはどのような行動をとればよいのか、お伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 山下消防局長。
○消防局長(山下周成) 不審火を発見したときにとっていただく行動につきましては、初期消火、通報、避難誘導が重要であります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) 火災そのものが延焼しないためにも初期消火が重要であることはわかりました。初期消火をする上で、市民に一番身近な機材は消火器でありますが、過去3年間の初期消火において消火器が使用されている割合をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 山下消防局長。
○消防局長(山下周成) 福岡市における過去3カ年の初期消火に消火器を使用した件数につきましては、平成28年が65件で全体の23.0%、29年が70件で全体の21.8%、30年が68件で全体の22.0%となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) 初期消火には約2割で消火器が使用されているということがわかりました。
 本年1月、不審火を発見し、消火器を使用し初期消火を行った市民から私に声が寄せられました。ある会社が設置、管理している消火器を、この方が他の建物での火災を発見したため、近くにあったその消火器を使用し、消火しました。消火器による素早い初期消火が重要と考えての行動でありましたが、そもそも消火器は所有者以外の者が使ってもよかったのか、また、使ってしまった消火器は消火剤を詰めかえるか、新規購入するなど、もとに戻す必要がありますが、その費用は消火器の所有者または使用した者が負担しなければならないのでしょうかという問い合わせでありました。
 そこで、伺います。善意による消火活動に使用した消火器の更新については、他都市では補助する制度がありますが、福岡市では補助制度がありませんでした。現状はどうなっているのか、他の政令市の取り組み状況とともに、お伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 山下消防局長。
○消防局長(山下周成) 善意による消火活動に使用した消火器の補助制度につきましては、議員からの御指摘を受けまして、消防局において今年度から善意により初期消火を行った場合は、その消火器について消火薬剤の充填などの補償を行っております。ただし、火災発生に直接関係のある方が消火器を使用した場合や火災の火元である建物に設置された消火器を使用した場合などについては、当事者責任の範疇であることから、補償の対象外といたしております。
 なお、政令指定都市におきましては、7都市において消火器の補償を実施いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) ありがとうございます。
 では、放火や不審火を発見し消火するなど、初期消火に協力した市民などに対し消防局はどのようなことを行っているのか、お伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 山下消防局長。
○消防局長(山下周成) 初期消火に協力した市民などに対する消防局の対応につきましては、先ほど御答弁いたしましたが、善意による初期消火で消火器を使用した場合は、消火器の消火薬剤の充填などについて消防局で補償することといたしております。また、初期消火など消防活動に従事した市民がそのために死亡や負傷した場合の措置として、消防法及び条例の規定に基づき、損害補償が受けられることになっております。
 なお、善意により消火活動などに従事し、功労が認められる市民に対しましては感謝状を授与するとともに、本人の了承を得た上で報道機関にも情報提供いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) 放火がなくなり、火災が少ない安心して暮らせる福岡市をつくるためにも、消防や行政とともに、事業所や地域住民の協力も大変重要であると感じます。今後どのような放火対策を行い、火災そのものの件数を減らしていくのか、消防行政を統括される副市長に決意を伺い、この質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 中村副市長。
○副市長(中村英一) 放火による火災はさまざまな取り組みにもかかわらず、残念ながら、火災原因の常に上位を占めております。放火は悪質な犯罪行為であり、また、一旦発生すると地域住民に大きな不安を与えるもので、断じて許されるものではないと認識をいたしております。その防止のためには、消防、警察、区役所などの行政機関、また、地域住民の皆様や事業所が一体となった対策が不可欠でございます。
 今後とも、引き続きあらゆる機会を捉え、放火されにくい環境づくりの啓発を推進いたしますとともに、消防局を初めとする関係機関が連携、協力してしっかりと放火防止対策に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) 次に、ドライブレコーダーの普及促進について伺います。
 近年、高速道路上においてのあおり運転や逆走、一般道路においてもアクセルとブレーキの踏み間違いなどによる暴走、死亡事故のニュースが後を絶ちません。SNSなどの普及によって事故現場の瞬間などを捉えた一般人のドライブレコーダーの映像などが拡散され、報道ニュースでも公開されることも多くなりました。直近では常磐自動車道で発生したあおり運転からの傷害事件において、被害者の車両に搭載されていたドライブレコーダーがその一部始終を捉えた映像によって明らかになり、指名手配、そして容疑者逮捕にもつながりました。また、本市においても、本年6月4日、早良口交差点に猛スピードで車両が進入し、車数台が絡む重大事故で2名が死亡した件も、後続車のドライブレコーダーが捉えた映像がメディアで報道され、事故の瞬間の様子を多くの人に知らせる結果となりました。
 映像による証拠ほど事実を語るものはなく、事件、事故の解決に結びつきやすいことからドライブレコーダーの存在価値が防犯カメラとともに注目されています。
 本来、ドライブレコーダーの普及促進というテーマを議会で質疑するならば、県警や生活安全関連の所管局ということになりますが、把握できないことが多い質疑にもなりますので、今回は本市が所有する庁用自動車のドライブレコーダーに関する普及促進の内容とし、その所管となる財政局を中心にお伺いしてまいります。
 まずはドライブレコーダーとはどういうものなのか、改めて伺います。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) ドライブレコーダーは国土交通省のホームページによりますと、急ブレーキ等の衝撃を受けた場合、その前後の映像とともに、加速度等の走行データを記録する装置とされております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) 国土交通省は平成17年度に全国のタクシー事業者542社を対象に、ドライブレコーダーの導入状況に関するアンケートを実施し、公開しました。ドライブレコーダーを搭載しているタクシー会社にドライブレコーダーの導入理由について尋ねたところ、事故を減らすが89.5%、乗務員の教育が80.7%、事故処理の迅速化が68.4%、運行管理の適正化が10.7%、自社のイメージアップや社会貢献が3.6%と続きました。ドライブレコーダーの導入効果について尋ねたところ、おおむね期待どおりが53.8%、期待どおりまたは期待以上が36.5%、一方で、期待外れが3.8%という結果でありました。少し古い平成17年度のデータではありますが、既にドライブレコーダーに一定の導入効果があることが証明されています。しかしながら、ドライブレコーダーを取りつけるには当然費用がかかります。
 そこで、伺いますが、現在、財政局が所管する車両に搭載されているドライブレコーダー1台当たりの導入費用は幾らなのか、お伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 今年度に導入しましたドライブレコーダー1台当たりの費用は約3万円でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) 仮に財政局が所管している車両のうち、ドライブレコーダーが搭載されていない車両全車に後づけで設置するとすれば、概算で幾ら必要になるのか、お伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 財政局が所管する庁用自動車のうち、ドライブレコーダー未搭載の522台の車両に後づけでドライブレコーダーを設置する場合、約1,600万円が必要になります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) 1台当たり3万円で約1,600万円との回答でありましたが、それだけの費用対効果があるのかもしっかり検証するのは当然であると思います。
 ただ一方で、522台という膨大な数の車両にまだドライブレコーダーが取りつけられていないというのも疑問であります。
 そこで、伺いますが、庁用自動車のドライブレコーダーの搭載状況について、車両を所管している局に伺います。それぞれの局の車両台数、そのうちドライブレコーダーを搭載している車両台数、そして搭載率をお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 財政局が所管する庁用自動車543台のうち、ドライブレコーダーを搭載する車両は21台で、搭載率は約3.9%でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山下消防局長。
○消防局長(山下周成) 消防局が運用しております車両は228台で、平成29年度末までに全ての車両にドライブレコーダーを搭載しており、搭載率は100%でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 清森水道事業管理者。
○水道事業管理者(清森俊彦) 水道局が所管しております庁用自動車は120台で、ドライブレコーダーは未設置となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 重光交通事業管理者。
○交通事業管理者(重光知明) 交通局で所管しております車両台数は12台で、いずれもドライブレコーダーは未搭載となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) 交通局と水道局はドライブレコーダーの搭載台数はゼロであります。財政局は3.9%という状況です。消防局以外の局はドライブレコーダーの必要性を全く感じていないかのような搭載率になっていることがちょっと気がかりです。
 では、既に全ての車両にドライブレコーダーを搭載している消防局に伺いますが、ドライブレコーダーを設置、搭載している目的、理由について伺います。
 
○議長(阿部真之助) 山下消防局長。
○消防局長(山下周成) ドライブレコーダーを設置、搭載している目的、理由についてですが、各所属長の職員への運転指導に役立てることや、運転を記録されているという心理的な面を職員の安全運転につなげるほか、事故が発生した際の事実確認を搭載の目的といたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) 運転指導に役立てることや運転手の心理的な面から安全運転につなげること、また、万一事故が発生した際の事実確認に役立てることがその目的との答弁でありました。
 先ほどの国土交通省のアンケートの導入目的と合致するところがあります。また、事故発生時の事実確認にも役立てることが目的の一つということでありましたが、そこで、庁用自動車を所管している各局に伺いますが、過去5年間の庁用自動車による交通事故の総件数と年度ごとの詳細を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 財政局が所管する庁用自動車においては、福岡市に過失のある事故が過去5年間で79件発生しております。年度ごとの件数は、平成26年度が16件、27年度が16件、28年度が21件、29年度が14件、30年度が12件となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山下消防局長。
○消防局長(山下周成) 消防局における過失のある事故は、過去5カ年で9件発生いたしております。年度ごとの件数は、平成26年度が4件、27年度が1件、28年度が3件、29年度が1件、30年度がゼロ件となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 清森水道事業管理者。
○水道事業管理者(清森俊彦) 水道局が所管する庁用自動車においては、福岡市に過失のある事故が過去5年間で14件発生しております。年度ごとの件数は、平成26年度1件、27年度6件、28年度1件、29年度4件、30年度2件となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 重光交通事業管理者。
○交通事業管理者(重光知明) 交通局が所管しております庁用自動車につきましては、福岡市に過失がある事故が過去5年間で2件発生いたしております。また、年度ごとの件数につきましては、平成26年度に2件で、27年度以降は発生いたしておりません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) 庁用車による交通事故は5年間で福岡市全体として合計すると104件、年間平均20件の事故が発生しております。これら庁用自動車による事故の再発防止のためにも、ドライブレコーダーの録画データによる事故事例として活用すべきであります。
 消防局のような運転指導や運転を記録されているという心理的な面を職員の安全運転につなげる講習が事故を減らすためには必要ではないでしょうか。また、万一事故が発生した際、職員に過失があったか、なかったのかという事実確認もできることから、場合によっては職員を守ることにもつながります。
 この夏、議会事務局調査法制課に依頼し、福岡市を除く政令指定都市19都市に庁用車のドライブレコーダーの搭載台数などを調査していただきました。本年4月1日時点でのドライブレコーダー搭載率を比較すると、さいたま市の56.8%を最高に、横浜市や川崎市が50%台、名古屋市、京都市、大阪市が40%台で搭載されております。
 また、今後、庁用車全車に設置する計画はあるのかと尋ねたところ、同じ九州の北九州市と熊本市を初め、全国で多くの政令指定都市が全車に搭載を検討しているとの回答でありました。
 私は、先日、既に市の庁用車全車にドライブレコーダーを搭載している兵庫県西脇市を訪問し、お話を伺ってまいりました。西脇市では、職員の安全運転につなげることや事故時の事実確認の目的以外にも、一般市民を守るため防犯カメラの役割としての機能にも期待し、全車に搭載したそうであります。ドライブレコーダーは防犯カメラの役割もあるとの意識が庁用車を運転する職員に徹底されており、防犯カメラが設置されていない通学路や危険な交差点などでは見守りの意識も忘れず運転していると言われておりました。また、全ての庁用車にはドライブレコーダー録画中と書かれたステッカーを張って走行しており、効果は未知数ですが、一般車両の安全運転の啓発になればと期待しておられました。
 運転する職員の気持ちについても伺いました。ドライブレコーダーが搭載された車両を運転することは、車内での運転態度や会話までもが管理されているかもしれないという嫌な面はあったのかもしれませんが、一方で、庁用車には自治体名が大きく記載されていることもあり、市職員としてこれまで以上の自覚が芽生え、導入後は運転態度や交通マナーに注意するようになったとの意見があったそうであります。
 このような観点から、福岡市でも庁用自動車に関してドライブレコーダーを随時設置すべきと考えます。本市にその考えはないのか、それぞれの局に御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 財政局におきましては、平成28年度からドライブレコーダーを試行的に導入し、その効果を検証してきたところでございます。その結果、職員の安全運転意識の向上など一定の効果が見られたことから、今後は車両を更新する際にドライブレコーダーを順次導入する方向で検討しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 清森水道事業管理者。
○水道事業管理者(清森俊彦) 水道局におきましても、車両を更新する際にドライブレコーダーを順次導入する方向で検討しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 重光交通事業管理者。
○交通事業管理者(重光知明) 交通局におきましても、財政局の検証結果を踏まえ、ドライブレコーダーを設置する方向で検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) 導入に向けて検討するという答弁を各局からいただきましたが、最終的に求められるのはその効果であります。庁用自動車にドライブレコーダーが設置されたことによって、職員の交通事故が減るための取り組みに生かしていただきたい。また、市民が安心して道路や歩道を走行、歩行できるようになることにつなげていくことが大切であると思うのであります。
 あおり運転の実態が浮き彫りになり、社会問題化した今、自動車メーカーにおいてドライブレコーダーを標準装備にする動きも出てきました。また、保険会社においても、自動車保険の特約にあおり運転対策を追加する動きも出てきました。そして、悪質なあおり運転の罰則化への法整備やドライブレコーダーの普及促進について、国会でも秋の臨時国会に間に合うよう検討されているとの報道もありました。
 これからの時代、車両事故から命を守るツールとしてドライブレコーダーは必要不可欠な装備品になり、その普及促進について、政治にかかわる者もしっかり考えていかなければならないと思います。
 庁用自動車を運転する職員の最高責任者として、また、159万福岡市民の交通安全を見守るリーダーとして、島市長にドライブレコーダーの普及促進についての御所見を伺い、この質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 高齢者がかかわる重大事故やあおり運転などの悪質で危険な行為が社会問題となるなど、交通安全対策は安全、安心のまちづくりにおいて重要な課題であるというふうに認識をしております。
 古川議員御指摘のとおり、ドライブレコーダーにつきましては、ドライバーの安全意識の向上が期待できますとともに、記録映像が交通事故原因の特定にもなることから、既に先ほど局長が答弁したとおり、庁用自動車への搭載を進めますとともに、市民の皆様に対し県警や民間事業者などとも連携をして、ドライブレコーダーの有用性を啓発するなど、普及促進に努めてまいります。
 今後とも、悲惨な交通事故から市民を守るため、交通安全の確保に資する新しい技術についても、積極的に取り入れていくなど、交通事故のない社会の実現をしっかりと目指してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) 次に、高齢者のごみ出し支援についてです。
 筋力の低下や関節疾患がある高齢者にとって、大きなごみ袋や重たい新聞の束などをごみ集積所まで運ぶのは、私たち世代が感じるより、はるかに大変な作業であります。近年は、社会全体の高齢化に加え、核家族化や地域のつながりが希薄化したことで、家族や隣近所の住民の手助けが得られない単身高齢者世帯がふえております。ごみ出しに関する単身高齢者のお困りの声を御本人や御家族、介護に携わる方々から伺う機会も多くなってまいりました。
 幾つかいただくお困り事の内容を要約してみると、ごみ出しをする人が自分しかいない、集積所まで遠く、ごみが重い、階段など段差がある中でごみを持っていくのが転びそうで怖いというような内容です。この点に的を絞り、何とか支援できる方法はないか、質疑を行いたいと思い、私は本市の制度はもとより、他都市の取り組みも調査してまいりました。まず、横浜市や川崎市など関東周辺の大都市において、高齢者等のごみ出しを支援するふれあい収集という取り組みがあり、全国的にも知られています。簡単に言えば、ごみ収積所まで持っていくことが困難な人には、収集側が出向いて引き取るという方法です。このふれあい収集のような支援策があれば、相談者も喜ばれるわけですが、完全に同じことはできないかもしれませんが、そこにヒントもあると思うので伺います。
 このふれあい収集とはどのような制度か、概要を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
○環境局長(坂本秀和) ふれあい収集につきましては、自宅のごみを自宅から離れた地域の集積場であるステーションや集合住宅の集積場まで運ぶことが難しい高齢者等を支援するため、通常行っておりますステーション収集を戸別収集に切りかえるなどして、決められた日の昼間に対象者宅の玄関先等まで出向いて、ごみを収集する制度でございます。
 対象者は親族や近隣住民の支援が受けられないや、要介護認定等を受けている高齢者や障がい者であり、昼間の戸別収集ということで、あわせて声かけ等の安否確認を行っている場合がございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) ふれあい収集について川崎市に伺い、お話を伺ってまいりましたが、川崎市の場合、戸建て住宅の場合は自宅の玄関前までごみを取りに行き、集合住宅の場合は建物の1階部分に取りに行くことになります。登録者からごみが出ていない日が続くようであれば、安否確認のために声かけをし、福祉関連の部署と連携してくれることから、ふれあい収集というネーミングになったと伺いました。
 ごみ集積場までごみを持っていくのが大変だという高齢者の御相談に合致した高齢者の見守りを兼ねた支援策だと思います。本市でもふれあい収集のような取り組みをすることはできないのか、伺います。
 
○議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
○環境局長(坂本秀和) 福岡市におきましては、通常からごみの夜間戸別収集を実施しており、声かけ等は行っておりませんが、玄関先まで収集に伺っておりますので、戸建て住宅につきましては実質的にふれあい収集に近い状況でございます。
 集合住宅につきましては、夜間収集の特性上、玄関先への出入りやオートロックへの対応等の課題があるため、ごみ出しの実態や市民ニーズを把握、分析した上で関係局等と協力、連携して取り組むことができる支援策について検討する必要があると考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) 本市は戸別収集とはいえ、大きな道路に面している通りまでごみを持っていかなければならない戸建てに住む高齢者や、集合住宅にお住まいで階段を上りおりしてごみ集積場まで持っていかなければならない方々が大勢おります。そういう環境にお住まいの方々がごみ出しに困っている状況を知っていただき、何らかの支援策を検討していただきたいと思います。
 次に、介護など在宅支援を受けている単身高齢者世帯では、家族やヘルパーさんなどが身の回りの世話をしに来てくれ、ごみの世話までしていただけるのですが、ヘルパーさんや家族が訪問する日がごみ収集日及びその時間帯とは限らないという相談がございました。
 このようなケースに対応しているのがハンディキャップシール、ハンディキャップボックスという東京都日野市で行われているごみ出し日以外の日時でもごみ出しできる支援策です。当事者と介護サービス業者が確認の上、申請し、市が承認した世帯に対し、戸建て住宅にお住まいの世帯にはにおいや鳥獣被害も考慮し、ふたつきのハンディキャップボックス、(パネル表示)こういうちょっと大きな箱になりますけれども、この中にごみ袋を入れてごみ出し日の前でも置いていいというふうなことです。当然、においとかカラスがつつくということもございません。
 それから、集合住宅など周囲を覆われた集積場に出す場合は、ハンディキャップシールが与えられまして、通常のごみ袋にそのシールを張ることによって、こういうハンディキャップの方々が今出しているんだということがわかるというような取り組みでございます。これは介護に訪れた家族やヘルパーさんがそのボックスやシールを使って利用することを条件にごみ出し日の前日等であってもごみ出しが許可されている制度であります。
 本市でも日野市の取り組みのように在宅支援が必要な高齢者や障がい者世帯において、ヘルパーさんや親族などが訪問した折、ごみ出し日ではない日や時間帯であってもごみを出す制度はできないのか、伺います。
 
○議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
○環境局長(坂本秀和) ごみ出し日ではない日や時間帯にごみを出す場合、地域の自治会やマンションの管理組合等の理解と協力や安全、安心の観点からは在宅支援を受けておられる世帯の個人情報の保護や道路の安全確保の問題など、検討すべき課題があると考えております。
 環境局といたしましては、高齢者等へ寄り添った支援を行うためには、関係部局等と協力、連携し、ごみ出しの実態や市民ニーズを把握、分析した上で福岡市に適した支援策について検討する必要があると考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) 答弁のように、この施策は地域や管理組合、その他大勢の関係者の理解と協力を得られなければ簡単にはできない施策であり、課題も多いものだと思っております。
 日野市の担当者にその実情を伺いました。分別方法の変更等に伴う改革を進めるため、市内で630回以上の説明会を実施、そこで出された市民からの意見を参考に、このごみ出しが困難な高齢者等の世帯向けのサービスとして始まったのであります。また、細かく地域や自治会、管理組合などに市の職員が説明に伺い、理解を求めたのであります。そしてまた、環境局が発刊をしている、(パネル表示)こういった発刊誌に事あるごとに御協力をお願いしますという告知をしておりまして、協力を依頼しております。まさに職員が汗をかいて市民の協力のもとに成り立っている施策であります。したがって、カラスによる散乱とかにおいなどのクレームもほとんど今ないということをおっしゃっておりました。ぜひ検討していただきたいと思います。
 最後に、ごみ出しをするときに、ごみが重たくて引きずるときもあるというような御相談、また、ひとり暮らしなどで袋が大き過ぎるのよといった御意見について伺ってみたいと思います。
 現在、本市の有料指定ごみ袋は、可燃ごみ袋と不燃ごみ袋の場合、45リットル、30リットル、15リットルのサイズが用意されています。要するに、指定ごみ袋の45リットル、30リットル、15リットルを大中小と表現するならば、御相談者はもう少し小さいミニサイズが欲しいというような声をいただきました。よくよくお話を伺ってみると、日々節約を心がけ、ごみは極力出ないように努力をしているひとり暮らしのこの方にとって、ごみが袋いっぱいになる前にごみ収集日を迎えるのです。まだ袋にごみが入るのに、ごみ出しをするには袋代がもったいなくて、次の収集日まで出さずにわざわざ置いておくということがあるとのこと。わざわざごみ袋がいっぱい、つまり重たくなるまでためる結果になっています。高齢者に限らず、ひとり暮らしの方には小さなサイズのごみ袋の需要もあるのではないかと感じます。
 日野市でごみ袋のサイズについても、伺ってまいりました。日野市は人口18万6,000人、ざっと福岡市の10分の1規模でございます。男性の高齢化率は21.63%、女性の高齢化率は27.80%、市全体の高齢化率は24.70%の都市です。
 きょうはごみ袋の29年度の売り上げ枚数を持ってまいりました。(パネル表示)このミニサイズ5リットルのやつと大サイズ40リットル、ほぼ売り上げ枚数が変わらないという状況が出ております。それだけ需要があるということがわかります。
 ちなみに、不燃ごみ袋も4サイズですけれども、これは若干販売枚数が少ないものの、一定の需要があるということがわかって、今も続けられているところでございます。
 本市でも現在の指定ごみ袋も単身世帯などが望むようなミニサイズを検討してみてはいかがでしょうか、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
○環境局長(坂本秀和) 指定ごみ袋のサイズにつきましては、平成29年度の市政アンケート調査において、今のままでよいとの回答がおおむね8割を占めております。一方で、現状より小さいサイズがあったほうがよいとの回答は、燃えるごみ用が1.6%、燃えないごみ用が11.3%、空き瓶・ペットボトル用が12.7%でございます。
 小さいサイズのごみ袋の作成につきましては、どの種類で、どの程度のサイズが必要かなど、単身者や高齢者等のごみ出しの実態や市民ニーズを把握、分析した上で検討する必要があると考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) 大きなごみ袋になればごみも多くなり、当然重たくなる。一方、ごみ袋が小さくなればごみも少なく軽くなる。この結果、ごみ減量にもつながると私は思うのであります。他都市でニーズがあるように、本市においても世帯それぞれのニーズに合う袋サイズが求められているのではないでしょうか。私たち議員は、地域でお困りの市民から実際に伺った声、少数意見、市政に届かない小さな声も解決すべく奔走しているつもりであります。
 そこで、保健福祉局並びに環境局に伺いますが、本市の高齢者世帯において、ごみ出しに関し困っているなどの相談が寄せられていることはありませんか、また、これまでにそれを把握するための調査を行ったことはあるのか、伺います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 保健福祉局におきましては、ごみ出しなどを含めた生活支援に係る福祉サービスの利用についての各種相談が日ごろから寄せられておりますけれども、特にごみ出しそのもので困っているという相談については寄せられてございません。
 また、高齢者や障がい者の生活実態等を把握する調査は定期的に実施しておりますけれども、ごみ出しに特化した調査は行ってございません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 坂本環境局長。
○環境局長(坂本秀和) 答弁の前に、先ほど空き瓶・ペットボトル用が12.7%というふうに申し上げてしまいました。正しくは12.4%でございます。訂正させていただきます。
 それから、お尋ねの件につきまして、環境局におきましては、本庁の収集管理課や区役所の生活環境課等へ延べ月1件から2件程度、電話等による相談が寄せられております。具体的には、ごみ収集車が通る道沿いまでごみを持ち出せないため何とかならないか、また、ヘルパー等からのごみ収集日の日没より早い時間にごみ出しができないかなどの相談がなされております。
 なお、高齢者等のごみ出しに関する状況を把握するための調査は行っておりません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 古川清文議員。
○17番(古川清文) ぜひ高齢者や障がい者などのごみ出しに関するお困り事を調査してはいかがでしょうか。ことしの1月から2月にかけて、環境省が全国の市区町村を対象に高齢者のごみ出しの実態や自治体の支援について調査したとの報道を見ました。その結果、半数以上の自治体でごみ出しが困難な高齢者が多くいると回答した一方で、支援を行っている自治体は2割にとどまったという内容でした。多くの自治体がその具体的な支援策を決定、実施できずにいる現状がうかがえます。
 きょうの質疑で、本市は夜間収集という取り組みを行っている関係上、他都市が実施している支援策をそのまま当てはめることが困難であることも理解しました。しかし、逆に言えば、他都市とは違う福岡だからこそできる支援策もきっとあると思うのであります。
 結びになりますが、川崎市のふれあい収集の利用者が、ごみ収集員宛てに玄関先に張ってあった手紙を見せていただきました。ちょっと読みます。「冷たく寒い雪の中に苦労かけます。足元にはくれぐれもお気をつけくださいますように切に祈ります。足が悪くて何とか生きられるのも○○様がお助けくださればこそと、ただただ陰ながら合掌いたすのみでございます。○○様の御健康と御多幸、心よりお祈り申し上げます。老婆より」と書かれてあります。市のごみ出し支援を心から感謝している方々が実際にいるのであります。今、何不自由なくごみを出すことができる人であっても、いつかはごみ出しが困難になるときが来る。ぜひこの質問を機に当局におかれましては、高齢者、障がい者の立場に立って問題意識を持ち、福岡だからこそできる支援策をぜひつくっていただきたいと願います。
 最後に、所管する副市長に高齢者のごみ出し支援についての考えをお伺いし、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 荒瀬副市長。
○副市長(荒瀬泰子) 古川議員の御指摘のとおり、超高齢社会の進展に伴い、今後、福岡市におきましても自分でごみ出しをすることが困難な高齢者が増加してくることが考えられることから、ごみ出し支援など高齢者の生活支援の充実を図ることは重要であると考えております。そのためには関係局が連携して調査を行い、ごみ出しの実態や市民ニーズについて、しっかりと把握、分析する必要があると考えております。
 高齢者のごみ出し支援につきましては、現在の夜間戸別収集体制や地域団体、ボランティア団体等の連携による支え合いの地域づくりなど、福岡市の特性を生かした支援のあり方について検討してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫)登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表して、成年後見制度について、平和に関する学習についての2点についてお尋ねをいたします。
 まず、成年後見制度についてであります。
 本市において市民のうち65歳以上の方が占める割合、いわゆる高齢化率はことしの7月末現在で約22%であり、御承知のとおり、超高齢社会へと突入をいたしております。本市には若い世代も多く、活気もあるため市民の皆様の多くが高齢化を強く意識される機会は少ないのではないかと思います。私の住む中央区におきましても、高齢化率は約19%であり、市内で最も高齢化率が高い城南区におきましては高齢化率は約25%に達しております。およそ4人に1人が65歳以上の高齢者ということになります。また、本市にお住まいで障がいのある方は約10万人であり、そのうち約4万6,000人が65歳以上であります。高齢の障がいのある方はかなりの高い割合となっております。また、今は若い方でも皆さんひとしく年を重ね、親御さんも亡くなりますし、いずれみずからも高齢者となります。
 このような社会状況を踏まえ、私たちは高齢者や障がいのある方の権利擁護と身上保護を強化し、御本人はもとよりその御家族が安心して暮らしていけるようさらなる取り組みを進めていかなければならないと思います。
 そこで、まず初めに、本市が施行している高齢者や障がいのある方への施策の基本的な考え方をお尋ねいたします。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて質問いたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市では平成28年6月に福岡市保健福祉総合計画を策定し、市民が自立し、かつ相互に連携して支え合うという精神のもとに、高齢者や障がいのある方を初め、全ての市民が一人の人間として尊重され、住みなれた家庭や地域で安心して暮らし続けることができるハード、ソフト両面に調和がとれた健康福祉のまちづくりを基本理念として掲げ、各種施策に取り組んでおります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 高齢化率の上昇に伴い、高齢者がいる世帯の割合も変わってきていると思いますので、どのような状況か、高齢者夫婦のみ及びひとり暮らしの世帯の状況も含めお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 高齢者がいる世帯につきましては、平成27年の国勢調査では、全世帯のうち27.7%を占めており、平成22年の調査結果に比べ3.1ポイント、約3万8,000世帯増加しております。このうち、高齢者夫婦のみの世帯が約1万世帯、高齢者のひとり暮らし世帯が約2万世帯増加しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) お示しいただきましたように、高齢者がいる世帯がふえております。中でも高齢者夫婦のみの世帯と高齢者のひとり暮らし世帯がふえております。私の周りでも子と同居されていない高齢者の方々はふえてきていると感じておりますし、これからもさらにふえていくことが予想されます。
 次に、障がいのある方々はどのような住まい方をされているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 障がい者の住まい方についてのお尋ねでございますが、平成28年度に実施した福岡市障がい児・者等の実態調査によりますと、身体障がい者につきましては、家族と同居が68%、ひとり暮らしが24.9%、グループホームが2.7%、知的障がい者につきましては、家族と同居が70%、ひとり暮らしが10.2%、グループホームが8.4%、精神障がい者につきましては、家族と同居が53.2%、ひとり暮らしが39.3%、グループホームが4.5%となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 現在、高齢者、障がいのある方々はさまざまな生活体系の中で暮らしておられることがわかりました。施設に入居されておられる方は、施設管理者がおられますのでまだ安心なのですが、御自宅で夫婦のみや単身で生活をされておられる方々も多くおられることがわかりました。
 そのような中、近年、オレオレ詐欺や還付金詐欺、また不当に高額なリフォームをするような業者がいたりと、さまざまな手口を使った許されない犯罪が頻発をしております。地域の集まりなどでも警察からはにせ電話詐欺には特に気をつけるようお話がありますが、そこで、本市におけるにせ電話詐欺の発生件数について、過去5年間の推移をお尋ねします。また、にせ電話詐欺の被害に遭われた方から消費生活センターに相談があった場合はどのように対応されているのか、そして、高齢者や障がいのある方がにせ電話詐欺などの被害に遭わないようにするためにどのような取り組みをなされているのか、あわせてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) にせ電話詐欺に関する御質問にお答えいたします。
 まず、福岡市内の警察署が認知した過去5年間の被害件数の推移につきましては、平成26年は60件、27年は125件、28年は137件、29年は189件、30年は143件となっております。
 次に、被害に遭った方から消費生活センターへ相談があった場合は、速やかに警察への届け出を促すとともに、被害回復のためにとれる方法や被害を防ぐ対処方法などについて助言を行っております。
 また、被害防止の取り組みについては、にせ電話詐欺や悪質商法の手口と対処方法を掲載した悪質商法撃退マニュアルを作成し、自治協議会、民生委員、老人クラブなどを通じて希望する高齢者の皆様に配布するとともに、市民や事業者の皆様に高齢者に対する声かけや見守りを行う消費生活サポーターになっていただいており、詐欺に関する注意喚起や情報提供も行っていただいております。さらに、迷惑電話防止機能つき電話機の普及促進を図るとともに、出前講座を初め、市政だより市ホームページにおける注意喚起や県警と連携した街頭キャンペーンなどにせ電話詐欺の被害防止に取り組んでおります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) にせ電話詐欺に関しては増減はありますが、平成30年で143件もの被害が出ており、平成29年の189件からは減ったとはいえ、この件数は決して少ないとは言えません。やはり高齢者や障がいのある方々がこれからもさらに安心して生活ができるように取り組まれなければならないと思います。
 そこで、例えば、認知症、知的障がい、精神障がいを抱えている方や身寄りのない高齢者が施設等に入所する際の書類などの手続や財産等の管理は誰がどのようにしているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 一般に認知症の方など判断能力が十分でない方の契約手続や財産管理等につきましては、成年後見制度を利用し、家庭裁判所が選任した後見人等が行っております。
 なお、判断能力が十分ではないものの、契約内容等を理解できる方で、支援できる親族がいない方につきましては、福岡市社会福祉協議会などが実施しております預貯金の管理等を援助するサービスを利用されている場合もございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) ただいまのお答えの中で、判断能力が十分でない方については、成年後見制度の利用があるとのことですが、この制度はどのようなものであり、どのような方が利用されているのか、また、利用されている方は本市に何人おられるのか、お尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 成年後見制度につきましては、認知症、知的障がい、その他の精神上の障がいがあることによって物事を判断する能力が十分ではない人を後見人等が代理し、必要な契約手続や財産管理などを行うことで、本人の権利を守る制度でございます。成年後見制度には、親族等からの申し立てにより、家庭裁判所が本人の判断能力に応じて後見人等になる人の代理権の範囲を定める法定後見制度と、将来認知症などになったときに備えて本人があらかじめ後見人等となる人を定めておく任意後見制度がございます。また、成年後見制度の利用者数につきましては、福岡家庭裁判所により県単位で公表されておりますけれども、平成30年12月末現在で8,824人となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 成年後見人としては弁護士等が主に活動されておられると思いますが、市民後見人を育成し、活動されている都市もあるようです。本市においても市民後見人を育成する取り組みは行っておられるということですが、どのような取り組みをしているのか、また、市民後見人として活動している方は何人いて、どのような活動をされているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 市民後見人の育成につきましては、平成24年度から毎年度、市民後見人養成研修を実施しております。これまで延べ44人の市民の方が福岡市社会福祉協議会が行う後見業務を補助する市民後見人となり、日々の金銭管理など日常生活の支援を行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 成年後見制度を利用するには、家庭裁判所に申し立てをしなければなりません。申し立てができるのは本人、配偶者、4親等以内の親族、検察官、市町村長となっております。
 精神障がいを抱えている方や認知症の高齢者などで、身寄りのある方々は親族等が申し立てできても、身寄りのない方や家庭内で虐待を受けているような方々は自分で申し立てることは困難であります。このようなときには市町村長が申し立てしなければなりませんが、本市においてこれまで市長が成年後見制度の利用を申し立てた事例は何件あるのか、過去5年間の実績をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 市長による申し立て件数につきましては、過去5年間の各年度末で申し上げますと、平成26年度が23件、27年度が36件、28年度が32件、29年度が47件、30年度が47件となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 先ほどの答弁で成年後見制度を利用している方は県単位で8,824人でありましたが、私は身寄りのない高齢者の方や障がいのある方または親族が遠方に住んでいる方や家庭内虐待を受けている方など、成年後見制度を本当に必要としている方がまだまだ見落とされているのではないかと懸念いたしております。
 そこで、高齢者など住民の生活状態を適正に把握して地域住民の福祉の増進を図るため活動されている民生委員の方々がおられますが、何か連携をしておられるのか、また、どのような流れで市長申し立てにつなげていっているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 成年後見制度の利用についての民生委員との連携につきましては、地域包括支援センター職員が民生委員が出席する会議の場などで成年後見制度の周知を図るとともに、日々の相談の中で意見交換や支援等を行っております。
 また、市長申し立てにつきましては、民生委員などからの地域包括支援センターや保健福祉センターへの情報提供により成年後見制度の利用が必要な方で、支援ができる親族がいないために利用手続ができない方を把握した場合には、市において御本人の心身、財産の状況等を調査、確認の上、親族にかわって家庭裁判所に利用の申し立てを行ってございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) ことし7月に東京都品川区の品川後見センターを視察してまいりました。ここでは、成年後見活動による被後見人等利用者の大切な財産を適正に管理するとともに、身上保護に重点を置き、重層的かつ柔軟に制度を活用して、本人の意思を尊重した取り組みがなされておりました。ここでは、市民後見人の育成にも力を入れられており、品川区共催で市民後見人養成事業も平成25年から始められています。通常、後見人の監督は家庭裁判所が行いますが、品川後見センターには正規職員の監督人が2名と非正規職員の監督人が6名おられます。この監督人と市民後見人が連携をして利用者の支援に従事されているとのことでした。また、遺贈による寄附金を利用して基金を創設し、市民後見人の報酬の助成もあるということでした。また、成年後見制度を利用する際の申請には手間と時間がかかるため、申請をしていてもその途中で申請を取りやめてしまうケースもあるため、平成19年にはセンターによる代理申し立てを全国で初めて開始されております。これにより身内が申し立てをする際、県外に住んでいたとしてもセンターに依頼することができ、より制度を利用しやすくなるよう努められておりました。さらに、あんしんサービス契約、任意後見契約、公正証書遺言作成支援の3つのサービスをあんしんの3点セットとして取り組んでおられます。あんしんサービス契約では、品川後見センターの支援員が月に一度契約者の御自宅を訪問して健康状態を確認し、適切な時期に任意後見制度につなげるような取り組みがなされておりました。また、後見制度の周知がなかなか進まないという課題があるため、地域の方々向けの終わりの活動、終活講座など、多くの参加者が見込める講座を開催するときに一緒に成年後見制度の説明を行うといった工夫もされているようです。
 そこで、本市として成年後見制度の周知はどのようにしているのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 成年後見制度の周知につきましては、市政だよりへの掲載や民生委員、ケアマネジャー、施設の職員等が出席する会議の場などでの啓発活動を行っております。また、県弁護士会、司法書士会、社会福祉士会が独自に設置している相談窓口の紹介や福岡家庭裁判所との共催による市民向け説明会の開催など関係機関と連携して周知を行っているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 今後、身寄りのない方や家族と離れて生活する高齢者、また認知症や障がいのある方など生活上のさまざまな課題が出てくる中、このような方々の財産等を適正に管理し、本人やその御家族の安心のためにも本来は行政ができればよいのでしょうが、自治体は民間の債権を預かることができませんので、預貯金の管理等のできる後見人は今後さらに重要な存在であると感じております。
 一方で、先ほどの答弁では、市民後見人は本市では数十名しかおらず、また活動内容は社会福祉協議会が行う後見業務の補助的な役割しか担っていないようです。専門職の方々はいろいろな知識があり、もちろん後見人としては大変重要な存在でありますが、私はある方から、障がいについての理解が低い後見人は身上保護の面がおろそかになり、悪気はないとしても利用者が傷ついてしまっているケースもあるということ、また、後見人の報酬は利用者の財力により変わることから、報酬が見込めない場合、後見人を引き受けないという事例もあるということをお聞きしたことがあります。また、日ごろから顔見知りでないことから機械的な対応になってしまい、利用者との相性が合わないようなこともあるのではないかと感じております。他方、市民後見人は地域の住民であるため、地域の特性を十分に理解し、利用者とももともと顔見知りでもある可能性も高く、親身に対応ができ、市民目線でより利用者に寄り添ったサービスにつながるのではないでしょうか。
 品川区においては、特に高齢者の方々が市民後見人の登録をし、活動をされておられます。これは高齢者の方々の新たな生きがいにもつながるのではないかと考えます。人は感謝をされると大変うれしいものであります。品川区のように、成年後見センターを設置することで、成年後見人を指名する家庭裁判所と連携もできてくるのではないかと考えます。また、遠く離れて暮らす家族が安心して相談できる窓口となり、成年後見制度利用者と後見人との適切なマッチングも可能となるのではないでしょうか。
 このように成年後見制度を利用しやすい環境を整えていくためにも、成年後見センターの設置や、今後、成年後見人が足りなくなることも予想される中、市民後見人の養成などが必要であると考えますが、御所見をお伺いいたしまして、この質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 超高齢社会の進展に伴い、認知症の方など成年後見を要する人が増加すると見込まれる中、議員御指摘の成年後見センターの設置や市民後見人の養成を初め、制度を利用しやすいものとする環境づくりは大変重要であると認識をしております。
 現在、県弁護士会、司法書士会、社会福祉士会、福岡家庭裁判所などで構成をする実務者会議におきまして制度の利用促進のあり方について検討を重ねているところでございまして、国の成年後見制度利用促進基本計画も踏まえ、しっかりと取り組みを進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 続いて、平和に関する学習についてお尋ねいたします。
 夏休みも終わり、2学期が始まりました。これから秋に向かっていく中、子どもたちは夏休み期間に経験したことが懐かしくなってくるころだと思います。一生の宝物として思い出が残ることもあるかと思います。そうした中、子どもたちがこれから一生忘れてはならないことの一つとして平和というものがあります。
 1945年6月19日から20日にかけて福岡大空襲があり、同年8月6日には広島に原爆が投下され、さらに8月9日には長崎に原爆が投下され、8月15日に終戦を迎えました。罪のない市民の皆様の日常が一瞬で破壊され、たくさんのとうとい命が奪われました。言うまでもなく、このような惨劇は二度と繰り返してはなりません。
 しかしながら、世界を見渡しますと、悲しいことにテロや紛争などの争いは絶えず、また、我が国の周辺でも尖閣諸島への中国による覇権拡大の脅威や北朝鮮による核開発、弾道ミサイルの発射実験、韓国による我が国の領土である竹島の実効支配、北方領土の問題等、日本の身近でもいつ何どき争い事が起きるか本当にわからない状況であると思います。
 我が国はさきの大戦で世界で唯一原爆が投下された国でもあります。このような悲惨な経験をした国だからこそ、自国の平和はもちろん、世界の平和に貢献しなければならないし、最も貢献ができる国であると考えております。
 そうした中、本市の市立小中学校におきましては、平和に関する学習を実施していますが、まず初めに、本市小中学校における平和に関する学習実施状況を過去5年間でそれぞれお示しください。また、いつごろの時期にどれくらいの時間で実施されているのか、あわせてお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 福岡大空襲や広島や長崎への原爆投下、戦時中の生活などについて学ぶ平和に関する学習は、過去5年間全ての小中学校で実施しております。また、実施時期や学習する時間数については、取り上げる内容などにより異なり、福岡大空襲については6月、広島や長崎への原爆投下については夏休みの前や2学期の初めに1時間程度学習しております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 平和に関する学習を実施するかしないかは校長先生の判断なのか、教育委員会の判断になるのか、また、学習の内容を決めるのは校長先生の判断なのか、教育委員会の判断によるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 各学校において平和に関する学習を実施することは重要であり、毎年、教育委員会が実施状況を調査し、把握するとともに、必要に応じた指導や支援を行っております。
 平和に関する学習の実施及び学習する内容については、各学校で検討し、実施しております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 次に、平和に関する学習では主にどのような教材を使用しているのか、お尋ねいたします。また、教材を使用する以外に生徒たちの理解度を高める工夫などをしているのかもお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 平和に関する学習で使用する教材は、福岡市教育委員会が作成した人権読本「ぬくもり」に掲載している福岡大空襲に関する読み物教材のほか、当時の人々の生活の様子や空襲などの被害を受けたまちの様子がわかる写真などを使用しております。また、読み物教材や写真などを使用する以外では、戦争を体験された方から当時の様子や平和への願いを聞く活動などを通して、平和のとうとさやそのために自分が果たすべき役割などについて考えるような授業を行っております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 戦争体験者のお話を生徒が直接聞けることは非常に重要なことであると考えます。
 そこで、戦争体験者の方に学校に来ていただきお話を聞かせていただくことも校長先生の判断によるのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 戦争体験者からお話を聞かせていただくことは、児童生徒のこれまでの学習経験や地域の実態などを踏まえ、各学校が講師を依頼しております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) これまでの答弁により、平和に関する学習の実施は全小中学校にて行われているとのことでありますので安心しましたが、学習の内容も含め校長先生の判断によるものであるとのことでした。
 私が懸念しますのは、校長先生の判断で平和に関する学習が実施されないということがもしかしたらあるかもしれない、また学校により児童生徒の理解度が異なってしまう可能性があるのではないかということです。それぞれの学校の教育課程の編成権は校長先生にあるということは理解しておりますが、ぜひ教育委員会が積極的に学習の実施や内容を各学校に指示していくべきであると考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 平和に関する学習は、現在全ての小中学校で実施しており、今後も確実に継続してまいります。
 また、平和に関する学習の内容は、児童生徒や地域の実態を踏まえ、各学校が決定しておりますが、今後は内容についても、教育委員会において調査し、必要に応じた指導や支援を行ってまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 私は毎年6月19日の福岡大空襲の日に地域で開催されております慰霊祭に参列させていただいておりますが、そこでは毎回、空襲を体験された方が来られて、当時の話を聞かせてくださいます。お話をお聞きするたびに、そのときの光景が目に浮かぶようにわかります。しかしながら、そのお話をされる方も毎年、年を重ねていくうちにお話しすること自体にお疲れで、だんだんとお話の時間が短くなってまいりました。また、実際に広島で終戦を迎え、原爆投下で亡くなった方々を何人もリヤカーに乗せて焼き場に運んだ経験をされた方のお話もあり、胸が詰まる思いをいたしました。教材を使用し本を読むことも大切なことであると思います。しかし、実際に戦争を体験された方々のお話を聞く、また実際の映像を見る以上に戦争の悲惨さを知るすべは今現在においてないと思います。
 先ほどお話をされる方がお疲れになっていると申しましたが、お話しするだけでも疲れるのに、お話の依頼があっても、近隣ならまだ来ていただけるかもしれませんが、遠方まで来ていただくことは到底難しいと想像いたします。また、体験者の方からお断りになられるケースも出てくるかもしれません。しかしながら、体験者の方々のお話は大変貴重でありますので、これからもずっと子どもたちには聞かせていかなければならないと私は考えます。
 そこで、戦争体験者の方々のお話をDVDに収録させていただき、小学校低学年、高学年、中学生と内容は変えていかなければならないと思いますが、全小中学校での平和に関する学習の教材として活用していくべきではないかと考えますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 私事ですが、90歳を超える私の母も、自分の順番が来たと、ここ数年、地域の中学校で戦争体験者としての話を伝えており、生徒から返ってきた感想文や感謝の言葉に涙しておりました。戦争体験者の高齢化が急速に進んでいくことを目の当たりにし、実際に体験されたことなどを児童生徒に伝えていく方策を講じていくことは大変重要であると考えております。
 今後、戦争の体験談を記録に残し、児童生徒が戦争の悲惨さを現実のものとして感じ、平和への願いをより強く持つことができるような教材として活用していくために具体的に取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) また、現在、世界ではさまざまな紛争等が起こっている中、日本人にはそうしたことが自分ごととして考えられていない方々もまだまだ多くいるのではないかと感じております。ニュース等でその惨劇は放送されておりますが、人間はいっときしたら忘れてしまうものでもあります。広島では、原爆ドームのように誰の目にも戦争の悲惨さが映る建物が保存されており、目にするたびに平和のとうとさを実感し、戦争は絶対にだめと強く意識づけがなされていると思います。福岡市内には空襲により被害を受けた建造物等がまち並みに埋もれて残っていたり、保管されているものもあるのではないかと思いますが、空襲時に被害を受けた建造物など、このような現物を子どもたちのみならず市民の皆様にも周知し、説明看板などを設置することで日常の生活でも目にすることで、さらに平和のとうとさを実感することにもつながると考えます。
 現在、「ぬくもり」という教材にこれらの建造物等の写真を掲載されていますが、私は実際に現物の説明をしながら、子どもたちに見せていくことで、この福岡市内でも悲惨なことがあったんだという実感が持て、より平和に関する学習の理解度も増すのではないかと考えますが、御所見を伺います。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 児童生徒が戦争の悲惨さについて学び、平和を愛する心情や態度を育成するために、実際に被害を受けた建造物などに触れることはとても意義のある体験的な活動と言えます。
 現在、福岡市内の多くの小学校では、6年生の修学旅行の訪問先を長崎にし、原爆資料館や当時の防空ごうが残る山里小学校などを訪れるフィールドワークを実施しております。
 今後、人権読本「ぬくもり」などの教材の活用を図るとともに、市内に残る建造物についても、フィールドワークなどを含め、学習の中で活用できるよう検討してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 稲員稔夫議員。
○1番(稲員稔夫) 私は平和に関する学習は道徳心を育むことにもつながると思います。だからこそ、道徳の授業で使用する教材にて授業も実施しているのだと思っております。
 また、日本人としてさきの大戦で我が国を守るために散華された方々、また、戦中、戦後を生き抜いてこられた方々、また、自分たちの先祖に対する感謝の心を育むことも大切なことであると思います。こうしたことが自分の親に感謝し、家族の大切さをしっかりと実感することにもつながり、平和のとうとさをさらに実感することにもつながるのではないかと考えます。
 また、争い事は我が国が望んでいなくとも、相手から仕掛けられてしまえば、それに対応しなければならないのは当然のことであります。冒頭に申しました尖閣諸島や竹島または北方領土の問題など、我が国を取り巻く状況は予断を許さぬ状況となっているのは事実です。また、以前、韓国軍が日本の海上自衛隊の哨戒機にレーダー照射をしました。これらのことは他国であれば戦争になってもおかしくないことだと思いますが、日本だから我慢して争い事にならぬよう知恵を絞り、政府も外交を慎重に進めているところであります。
 また、平和というのは、何の努力もなしに維持できるものではありません。私たち一人一人の努力が大切であります。そのことは平和に関する学習の教材でも伝えられております。さらに、日本という国があるから私たちの今があるという意識をしっかり持っていくことも大切であり、現在の日本の置かれている現実をしっかりと認識していくことにもつながると考えます。
 日本は犯罪も非常に少なく、世界の中でも安心して生活ができる国であり、これは世界に誇るべきことでありますが、島国であることから大陸と違い国境を挟んだ隣国との関係等を気にする必要がないためか、国家観が希薄な日本人は平和ということがごくごく当たり前になってしまっていると危惧しております。平和というのは、誰かに守ってもらって維持できるものではなく、自分たち一人一人の努力によって維持し守っていくのが真の独立国であります。平和が大切、戦争は絶対にだめだという理想論は言葉では何とでも言えます。しかし、世界が取り巻く状況の中で、いかに自国の平和を守り維持するのか、また日本が世界の中の日本としてもどのように貢献をしていかなければならないのか、何をしなければならないのかを日本人としてしっかりと考えていかなければならない時代に入ってきているのではないでしょうか。
 このことを含めて、今後、福岡市内の小中学校にて平和に関する学習をどのように進めていくのか、御所見をお伺いして、質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うことは学校教育の重要な役割であると認識しております。
 今後も福岡大空襲、広島や長崎への原爆投下などを取り上げ、平和に関する学習を行うとともに、教科、道徳、学級活動、学校行事など全ての教育活動において児童生徒の発達段階に応じた適切な指導を行い、平和のとうとさについて見詰め直し、平和を愛する心情や態度の育成に努めてまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) お諮りいたします。
 本日の会議はこの程度にとどめ、残余の質問は9月17日の会議にこれを繰り延べたいと思います。これに御異議ありませんか。
      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 
○議長(阿部真之助) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次の会議は9月17日午前10時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後3時37分 散会