令和元年9月12日(木)

令和元年第4回福岡市議会定例会
議  事  日  程 (第1号)
                             9月12日 午前10時開議
第1 会期決定の件
第2 議案第39号 平成30年度福岡市一般会計歳入歳出決算
第3 議案第40号 平成30年度福岡市後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算
第4 議案第41号 平成30年度福岡市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算
第5 議案第42号 平成30年度福岡市介護保険事業特別会計歳入歳出決算
第6 議案第43号 平成30年度福岡市母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計歳入歳出決算
第7 議案第44号 平成30年度福岡市集落排水事業特別会計歳入歳出決算
第8 議案第45号 平成30年度福岡市中央卸売市場特別会計歳入歳出決算
第9 議案第46号 平成30年度福岡市港湾整備事業特別会計歳入歳出決算
第10 議案第47号 平成30年度福岡市営渡船事業特別会計歳入歳出決算
第11 議案第48号 平成30年度福岡市伊都土地区画整理事業特別会計歳入歳出決算
第12 議案第49号 平成30年度福岡市香椎駅周辺土地区画整理事業特別会計歳入歳出決算
第13 議案第50号 平成30年度福岡市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出決算
第14 議案第51号 平成30年度福岡市駐車場特別会計歳入歳出決算
第15 議案第52号 平成30年度福岡市財産区特別会計歳入歳出決算
第16 議案第53号 平成30年度福岡市立病院機構病院事業債管理特別会計歳入歳出決算
第17 議案第54号 平成30年度福岡市市債管理特別会計歳入歳出決算
第18 議案第55号 平成30年度福岡市モーターボート競走事業会計利益の処分について
第19 議案第56号 平成30年度福岡市モーターボート競走事業会計の決算について
第20 議案第57号 平成30年度福岡市下水道事業会計利益の処分について
第21 議案第58号 平成30年度福岡市下水道事業会計の決算について
第22 議案第59号 平成30年度福岡市水道事業会計利益の処分について
第23 議案第60号 平成30年度福岡市水道事業会計の決算について
第24 議案第61号 平成30年度福岡市工業用水道事業会計の決算について
第25 議案第62号 平成30年度福岡市高速鉄道事業会計の決算について
第26 議案第63号 令和元年度福岡市一般会計補正予算案(第2号)
第27 議案第64号 令和元年度福岡市中央卸売市場特別会計補正予算案(第1号)
第28 議案第65号 令和元年度福岡市港湾整備事業特別会計補正予算案(第1号)
第29 議案第66号 令和元年度福岡市香椎駅周辺土地区画整理事業特別会計補正予算案(第1号)
第30 議案第67号 令和元年度福岡市市債管理特別会計補正予算案(第1号)
第31 議案第68号 令和元年度福岡市下水道事業会計補正予算案(第1号)
第32 議案第69号 令和元年度福岡市水道事業会計補正予算案(第1号)
第33 議案第70号 令和元年度福岡市工業用水道事業会計補正予算案(第1号)
第34 議案第71号 福岡市印鑑条例の一部を改正する条例案
第35 議案第72号 福岡市職員の分限に関する条例等の一部を改正する条例案
第36 議案第73号 福岡市手数料条例の一部を改正する条例案
第37 議案第74号 福岡市子ども・子育て支援法施行条例の一部を改正する条例案
第38 議案第75号 福岡市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営の基準を定める条
例の一部を改正する条例案
第39 議案第76号 福岡市立保育所条例の一部を改正する条例案
第40 議案第77号 福岡市第3子優遇事業の実施に関する条例の一部を改正する条例案
第41 議案第78号 福岡市立老人いこいの家条例の一部を改正する条例案
第42 議案第79号 福岡市心身障害者扶養共済制度条例の一部を改正する条例案
第43 議案第80号 福岡市コンベンション施設条例の一部を改正する条例案
第44 議案第81号 福岡市道路の構造の技術的基準及び道路標識の寸法を定める条例の一部を改
正する条例案
第45 議案第82号 福岡市水道局企業職員の給与の種類及び基準を定める条例の一部を改正する
条例案
第46 議案第83号 福岡市水道給水条例の一部を改正する条例案
第47 議案第84号 福岡市交通局企業職員の給与の種類及び基準を定める条例の一部を改正する
条例案
第48 議案第85号 福岡市消防事務における規制に関する手数料条例の一部を改正する条例案
第49 議案第86号 福岡市消防団員の定員,任用,分限,懲戒,服務等に関する条例の一部を改
正する条例案
第50 議案第87号 城南区内設置の市営住宅に係る指定管理者の指定について
第51 議案第88号 鮮魚市場突堤東卸売場棟改修工事請負契約の締結について
第52 議案第89号 令和元年度市営ニュー堅粕住宅1・3棟解体工事請負契約の締結について
第53 議案第90号 アイランドシティ地区コンテナクレーン設置工事請負契約の締結について
第54 議案第91号 美術品の取得について
第55 議案第92号 小学校増築校舎の取得について
第56 議案第93号 和解について

本日の会議に付した事件
1.日程第1
2.日程第2ないし日程第56

出 席 議 員 (62名)
1番  稲 員 稔 夫       2番  鬼 塚 昌 宏
3番  堤 田   寛       4番  川 上 陽 平
5番  津 田 信太郎       6番  大 森 一 馬
7番  平 畑 雅 博       8番  伊 藤 嘉 人
9番  打 越 基 安      10番  川 上 晋 平
11番  阿 部 真之助      12番  勝 山 信 吾
13番  川 上 多 恵      14番  淀 川 幸二郎
15番  調   崇 史      16番  大 坪 真由美
17番  古 川 清 文      18番  高 木 勝 利
19番  新 村 まさる      20番  大 原 弥寿男
21番  今 林ひであき      22番  篠 原 達 也
23番  尾 花 康 広      24番  松 野   隆
25番  楠   正 信      26番  冨 永 計 久
27番  森   英 鷹      28番  南 原   茂
29番  おばた 久 弥      30番  山 口 剛 司
31番  大 石 修 二      32番  黒 子 秀勇樹
33番  藤 野 哲 司      34番  堀 本 わかこ
35番  中 島まさひろ      36番  天 野 こ う
37番  山 口 湧 人      38番  松 尾 りつ子
39番  井 上 麻 衣      40番  飯 盛 利 康
41番  はしだ 和 義      42番  浜 崎 太 郎
43番  堀 内 徹 夫      44番  綿 貫 英 彦
45番  森   あやこ      46番  福 田 まもる
47番  国 分 徳 彦      48番  藤 本 顕 憲
49番  倉 元 達 朗      50番  中 山 郁 美
51番  荒 木 龍 昇      52番  高 山 博 光
53番  ついちはら陽子      54番  田 中 たかし
55番  成 瀬 穫 美      56番  山 田 ゆみこ
57番  宮 浦   寛      58番  近 藤 里 美
59番  川 口   浩      60番  落 石 俊 則
61番  田 中しんすけ      62番  池 田 良 子

欠 席 議 員 (0名)

説明のため出席した者
市       長   島 宗一郎   副市長  光 山 裕 朗
副  市  長  中 村 英 一   副市長  荒 瀬 泰 子
水道事業管理者  清 森 俊 彦   交通事業管理者  重 光 知 明
総務企画局長  小野田 勝 則   財政局長  松 本 典 久
市民局長  下 川 祥 二   こども未来局長   田 浩 輝
保健福祉局長  舟 越 伸 一   環境局長  坂 本 秀 和
経済観光文化局長   島   収   農林水産局長  細 川 浩 行
住宅都市局長  石 橋 正 信   道路下水道局長  駒 田 浩 良
港湾空港局長  清 家 敬 貴   消防局長  山 下 周 成
会計管理者  水 町 博 之   教育長  星 子 明 夫
教育委員  木 本 香 苗   選挙管理委員会事務局長  宮 崎 晶 子
人事委員会事務局長  中 村 郁 子   監査事務局長  馬 場 哲 久

職務のため出席した事務局職員
議会事務局長  土 井 裕 幹   議会事務局次長  金 子 佳 史
議事課長   着 一 孝   議事係長  中 村   博
外関係職員

○議長(阿部真之助) 開会に先立ち申し上げます。地球温暖化防止に向けた夏の省エネルギー対策が実施されておりますので、今会期中、上着並びにネクタイの着用をしなくてもよいことにいたしております。
午前10時 開会  
 
○議長(阿部真之助) ただいまから令和元年第4回福岡市議会定例会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。
 会議録署名議員に稲員稔夫議員、落石俊則議員を指名いたします。
 日程に入るに先立ち、この際、報告いたします。
 まず、市長から別紙報告書類一覧表に記載の書類が提出されましたので、その写しを去る9月5日お手元に送付いたしておきました。
 次に、教育委員会から地方教育行政の組織及び運営に関する法律の規定に基づき、教育委員会の事務の管理及び執行の状況に関する点検・評価報告書が提出されましたので、その写しをお手元に送付いたしておきました。
 次に、人事委員会から地方公務員法の規定に基づき、議案第72号に対する意見並びに職員の給与等に関する報告及び勧告が、また、監査委員から監査報告第2号ないし第4号がそれぞれ提出されましたので、その写しをお手元に送付いたしておきました。
 次に、地方自治法第100条第13項及び会議規則第125条第2項の規定により、お手元に配付いたしております議員派遣報告一覧表のとおり、議長において議員の派遣を決定いたしておきました。
 また、令和元年第3回定例会で議決いたしました議員の派遣について、お手元に配付いたしております議員派遣変更報告一覧表のとおり、議長において変更を決定いたしておきました。
 以上で報告を終わります。
 これより日程に入ります。
 日程第1、会期決定の件を議題といたします。
 お諮りいたします。
 今期定例会の会期は、本日から9月24日までの13日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 
○議長(阿部真之助) 御異議なしと認めます。よって、会期は13日間と決定いたしました。
 次に、日程第2ないし日程第56、以上55件を一括して議題といたします。
 この際、市長から提案理由の説明を求めます。島市長。
 
○市長(島宗一郎)登壇 ただいま上程になりました議案55件について、提案の趣旨を説明いたします。
 まず、予算案について説明いたします。
 今回の補正規模は、一般会計104億5,332万円の追加、特別会計58億2,558万円の追加、企業会計28億7,850万円の追加、合計191億5,740万円の追加となっております。
 その主な内訳は、国内示に伴う街路整備事業63億6,571万円の追加、公共下水道整備事業27億7,255万円の追加、このほか、災害救助基金積立金として9億8,035万円の追加などとなっております。
 以上の歳入歳出予算の補正のほか、年度内に執行を終わる見込みのないものについて、繰越明許費の補正を4,978万円計上いたしております。また、債務負担行為の補正といたしまして、高取小学校校舎増築その他工事の追加を行うものであります。
 次に、条例案について説明をいたします。
 印鑑条例の改正案につきましては、住民基本台帳法施行令の一部改正に鑑み、住民票に旧氏が記載されている者に係る印鑑の登録に関し、所要の改正を行うものであります。
 職員の分限に関する条例等の改正案、心身障害者扶養共済制度条例の改正案、水道局企業職員の給与の種類及び基準を定める条例の改正案、交通局企業職員の給与の種類及び基準を定める条例の改正案並びに消防団員の定員、任用、分限、懲戒、服務等に関する条例の改正案につきましては、成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るため、成年被後見人等を一律に排除する、いわゆる欠格条項が削除されることに伴い、規定の整備を行うなど、所要の改正を行うものであります。
 手数料条例の改正案につきましては、住民基本台帳法の一部改正に伴い、消除した住民票の写し等の交付に係る手数料の額を定める等の改正を行うものであります。
 子ども・子育て支援法施行条例の改正案、特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営の基準を定める条例の改正案、保育所条例の改正案並びに第3子優遇事業の実施に関する条例の改正案につきましては、幼児教育・保育の無償化に伴い、過料や副食費の徴収に係る規定を定めるなど、所要の改正を行うものであります。
 老人いこいの家条例の改正案につきましては、田村老人いこいの家を新設するものであります。
 コンベンション施設条例の改正案につきましては、コンベンションのさらなる振興を図るため、コンベンション施設を新設するとともに、消費税法及び地方税法の一部改正等に伴い、既存施設の利用料金の額を改めるものであります。
 道路の構造の技術的基準及び道路標識の寸法を定める条例の改正案につきましては、道路構造令の一部改正に鑑み、自転車通行帯の設置に関する基準を定める等の改正を行うものであります。
 水道給水条例の改正案につきましては、水道法施行令の一部改正に伴い、規定の整備を行うものであります。
 消防事務における規制に関する手数料条例の改正案につきましては、地方公共団体の手数料の標準に関する政令の一部改正に伴い、危険物貯蔵所の設置許可の申請に係る手数料の額を改めるものであります。
 次に、一般議案について説明をいたします。
 まず、城南区内設置の市営住宅について、指定管理者を指定するための議案を提出いたしております。
 次に、契約関係といたしまして、鮮魚市場突堤東卸売場棟改修工事、令和元年度市営ニュー堅粕住宅1・3棟解体工事及びアイランドシティ地区コンテナクレーン設置工事、以上計3件の請負契約を締結するための議案を提出いたしております。
 次に、財産の取得関係といたしまして、美術品を取得するための議案及び小学校増築校舎を取得するための議案、以上計2件の議案を提出いたしております。
 そのほかの一般議案といたしましては、箱崎ふ頭において発生をした船舶火災に伴う油流出事故に関し、原因者と和解をするための議案を提出いたしております。
 最後に、平成30年度決算につきましては、さきに監査委員の審査をお願いいたしておりましたところ、このほど審査が終わりましたので、全会計の決算について議会の認定をお願いするものであります。
 なお、モーターボート競走、下水道及び水道の各事業会計につきましては、決算の関連議案として利益の処分に関する議案をあわせて提出いたしております。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議をお願いいたします。
 
○議長(阿部真之助) これより質疑に入ります。
 発言通告者のうちから順次質疑を許します。近藤里美議員。
○58番(近藤里美)登壇 おはようございます。私は福岡市民クラブを代表して、本議会に上程されております諸議案のうち、議案第75号、福岡市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営の基準を定める条例の一部を改正する条例案、議案第76号、福岡市立保育所条例の一部を改正する条例案並びに議案第91号、美術品の取得について、以上3議案について質問を行います。
 初めに、議案第75号及び議案第76号について質問をいたします。
 10月からスタートをする幼児教育・保育の無償化について、まず、この実施する狙いや目的及び制度内容について説明をお願いいたします。
 それから、福岡市内の保育所、幼稚園にお子さんを預けている御家庭は全て無償化、無料となるのか、確認をしたいと思います。また、無償化の対象となるために何らかの手続が必要なのか、説明をお願いいたします。
 現在、福岡市では多様な保育事業を実施しておりますけれども、今回の無償化の対象とならない保育事業はあるのか、お尋ねをいたします。
 次に、議案第91号、美術品の取得についてです。
 まず、本市が美術品を取得、所蔵する目的や狙いについてお尋ねをいたします。
 現在の福岡市美術館の所蔵点数について、絵画や彫刻といった分野ごとにその点数をお尋ねいたします。
 次に、他都市の公立美術館の美術品所蔵状況はどうか、より多くの所蔵品を有する美術館からその名称と所蔵点数をお尋ねいたします。あわせて、本市の所蔵点数は何番目に位置するのかと本市の美術館の特徴についても、お示しをください。
 福岡市ではどういったルールにのっとって美術品の取得を決定しているのか、その手続についてお尋ねをいたします。
 加えまして、今回の美術品取得の提案について、取得の理由とあわせて通常の取得と異なる点があればお尋ねをいたします。
 福岡市美術館は本年3月にリニューアルオープンをしましたけれども、今回の美術品取得もその一環として実施をされるようですが、美術館リニューアル後の来場者数について、オープン前と比較してどのように変化をしているのか、お尋ねをいたします。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 幼児教育・保育の無償化に関するお尋ねについてお答えいたします。
 まず、無償化の目的につきましては、国において、急速な少子化の進行並びに幼児期の教育及び保育の重要性に鑑み、総合的な少子化対策を推進する一環として、子育てを行う家庭の経済的負担の軽減を図るため、本年10月から実施されるものとされております。
 無償化の制度内容につきましては、保育所や幼稚園、認定こども園等を利用するゼロ歳から2歳までの住民税非課税世帯の子ども及び3歳から5歳までの子どもの保育料が無償化されるものでございます。
 次に、無償化の概要でございますが、まず、幼稚園につきましては、子ども・子育て支援新制度に移行している園の利用者は市が定める保育料が無料となり、新制度に移行していない園の利用者はこれまでの就園奨励費にかわり、月額2万5,700円を上限に保育料が無償化されます。さらに、幼稚園の利用者のうち、保育の必要性が認められ、預かり保育を利用する場合は月額1万1,300円を上限に利用料が無償化されます。また、保育所の利用者につきましては、市が定める保育料が無料となります。
 なお、無償化の対象となるための手続といたしましては、新制度に移行していない幼稚園及び認可外保育施設等の利用者については市町村から給付認定を受ける必要があり、また、施設については市町村へ申請を行う必要がございます。
 次に、今回の無償化の対象とならない保育事業といたしましては、まず、保育所の延長保育は対象外でございます。また、保育所等を利用している方については、一時預かり事業、病児・病後児デイケア事業、ファミリー・サポート・センター事業の利用料は無償化の対象となりません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 議案第91号、美術品の取得についてお答えをいたします。
 美術品の取得の目的についてでございますが、市美術館は美術品の収集、展示をすることにより、美術品を後世に継承するとともに、広く市民に美術鑑賞の機会を提供し、心豊かな市民生活に寄与することを目的としております。今後とも、美術品の収集活動を継続していくことにより、新たな作品を市民に紹介してまいります。
 次に、市美術館の所蔵点数についてでございますが、全体で1万5,771点、各分野別では、絵画が1万490点、工芸品が2,942点、写真が1,285点、彫刻が760点、書跡が140点、その他154点となっております。
 次に、政令指定都市に所在する公立美術館のうち、所蔵点数の多い上位から申しますと、まず、福岡市美術館が約1万5,800点で最多となっております。次いで横浜美術館が約1万2,000点、神奈川県立近代美術館と福岡県立美術館がともに約1万点、兵庫県立美術館が約9,000点となっております。
 所蔵品の特徴につきましては、ダリ、ミロ、ウォーホルなど、20世紀を代表する作家の大作や現代美術作品などの近現代美術作品から、黒田家伝来の大名道具や茶道具、仏教美術など、重要文化財48点を含む古美術作品まで幅広く美術作品を収集し、展示しております。
 次に、美術品の取得についてでございますが、福岡市美術館及び福岡アジア美術館の美術資料の収集及び審査に関する要綱に基づき、美術資料の収集方針に沿って美術館学芸員が調査研究を行い、収集することが適当な美術品について、美術資料収集審査員による審査会に付議しております。この審査会にて美術資料的価値の有無、購入予定価格の適合等の審査を経て、取得が適当かどうかの判断をいただいております。
 次に、今回の美術品取得の理由についてでございますが、市美術館は本年3月にリニューアルオープンをし、11月には開館40周年を迎えます。また、ことしは市制130周年にも当たることから、これらを記念し、多くの市民や観光客に親しまれる美術館の新たなシンボルとして取得するものでございます。
 今回の美術品に関して通常の取得と異なる点につきましては、既存の作品の取得ではなく、市美術館のために新たに制作されるものであり、このような形での取得は初めてでございます。
 次に、美術館のリニューアル前後の来場者数の比較についてでございますが、リニューアルオープン記念展の観覧者数は6万6,279人で、平成19年度以降の独自企画の展覧会では最多となっております。また、記念展終了後の6月から8月までのコレクション展、いわゆる常設展の観覧者数は3万5,091人と好評を博しております。さらに、1カ月当たりの観覧者数でも、リニューアル前5年間と比べ、月平均6,294人から1万1,230人となり、約1.8倍となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 近藤里美議員。
○58番(近藤里美) それでは、2問目に入ってまいります。
 まず、議案第75号、76号についてです。
 今回の幼児教育・保育の無償化は子育てを行う家庭の経済的負担の軽減を図るために実施されるものであり、3歳から5歳の子どもとゼロ歳から2歳の住民税非課税世帯の子どもを対象に保育料が無償化されるとのことでした。福岡市内の保育所、幼稚園に預けている御家庭全てが無償化、無料となるわけではないことや、保育と名がつくものの、利用者の多い延長保育は対象外、預け入れ先によっては一時預かり事業や病児・病後児デイケア事業も有料になるとのことでした。また、認可外保育施設や子ども・子育て新制度に移行していない幼稚園については、施設、利用者ともに手続が必要であるとのことでした。幼児教育・保育の無償化という表現から、完全に無料になるというイメージがありましたけれども、そうではないことがわかりました。
 ここから対象を3歳から5歳の子どもに絞って、もう少し詳しく伺ってまいります。
 まず、副食費についてです。
 議案第75号及び76号に満3歳以上の利用児の保護者から副食費を徴収する旨の改正がありますけれども、副食費を徴収する理由をお尋ねいたします。
 また、本市が保護者にかわって副食費を負担する場合、どれくらいかかるのか、概算費用をお尋ねいたします。あわせて、今回、副食費を負担することについて本市としては検討したのか否か、また、その理由についてお尋ねをいたします。
 次に、預け入れ先が認可保育所の場合と認可外保育所の場合で、今回の無償化について違いは発生するのか、また、幼稚園の場合と認可保育所の場合とではどうか、違いがある場合にはその内容についても、説明をお願いいたします。
 無償化の対象となる施設とそうではない施設があるのか、あればその違いを、説明をお願いいたします。
 また、認可外保育施設や一部の幼稚園について、御自身のお子さんを預けている施設が無償化の対象となるためには申請が必要とのことでしたけれども、申請を怠る施設に児童を預けている御家庭が無償化の対象となるためにはどのような対処が必要となるのか、また、そういったケースに対して本市としてはどういった対応をしようと考えておられるのか、お尋ねをいたします。
 次に、福岡市内の3歳から5歳のお子様について、待機児童数と未入所児童数についてお尋ねをいたします。また、幼稚園も含め、今回の無償化の対象となる施設への預け入れ率はどうなのか、あわせてお示しください。
 今回の幼児教育・保育の無償化は、いずれかの施設にお子さんを預けている方がサービスを享受できる制度となっています。現在、保育先が見つからずお困りのケースについて、待機児童となっているケースを除くと、どういったケースが考えられるのか、お尋ねをいたします。
 次に、美術品の取得についてお尋ねをいたします。
 1万5,000件を超える美術品を所蔵する福岡市美術館ですが、今回の美術品の取得はこれまでの美術品の収集とは異なり、リニューアルオープン、美術館40周年、福岡市制130周年を記念する新たなシンボルとなる作品の制作を依頼するとのことでした。リニューアルオープン以降、来場者数は大きく増加している本市美術館にとって今後も大きな期待が広がるところです。
 では、取得する美術品について、どういった作品なのか、説明をお願いいたします。
 また、今回の彫刻の作者について、本市とのかかわりや世界的な人気度なども含め、説明をお願いいたします。
 当該作者の作品について、国内で所蔵している美術館、博物館はあるのか、あれば、その内容についても、お示しください。
 今回の作品、Wind Sculptureについて、どういったテーマや内容を表現したものなのか、また、同作者の同じような作品が展示されている国や美術館についてお尋ねをいたします。
 議決後の取得に向けたスケジュールについても、あわせてお示しください。
 以上で2問目を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 幼児教育・保育の無償化に関するお尋ねについてお答えいたします。
 まず、副食費を徴収する理由についてでございますが、国から示されている考え方として、給食に係る食材料費は在宅で子育てをする場合でも生じる費用であることから、これまでも保育所などの施設による徴収または保育料の一部として保護者の方に御負担いただいてきているところであり、今般の幼児教育・保育の無償化に伴い、保育料は無償化されますが、食材料費については保護者の方に御負担いただくという考え方を維持し、主食費及び副食費について施設による徴収が基本とされていることを踏まえたものでございます。
 次に、副食費を市が負担する場合の費用についてでございますが、国の制度により免除となる年収360万円未満相当の世帯等を除き、保育園等を利用する3歳以上の児童の副食費を市で負担する場合、概算で年間8億円を超える予算が必要となります。
 次に、市が副食費を負担することについて検討したのかというお尋ねですが、無償化以降の副食費については、国から保護者の方に引き続き御負担いただくという考え方が示されており、一律に市が負担するということについての具体的な検討は行っておりません。
 次に、認可保育所と認可外保育施設の無償化の違いでございますが、3歳から5歳までの児童で申し上げますと、認可保育所は市が定める保育料が無料となるのに対し、認可外保育施設は月額3万7,000円を上限に無償化されます。
 次に、認可保育所と幼稚園との無償化の違いについては、同じく3歳から5歳までの児童で申し上げますと、認可保育所は市が定める保育料が無料となるのに対し、新制度に移行していない幼稚園は月額2万5,700円を上限に無償化され、さらに、保育の必要性がある場合は月額1万1,300円を上限に無償化されることになります。また、保育所等は小学校就学前の3年間が無償化の対象期間であるのに対し、幼稚園は満3歳から無償化の対象となります。
 次に、無償化の対象となる施設につきましては、幼児教育の質が法律により制度的に担保された幼稚園、保育所、認定こども園等に加え、待機児童対策の観点から認可外保育施設等も対象とされております。
 なお、各種学校や、いわゆる幼児教育類似施設は、幼児教育を含む個別の教育に関する基準とはなっておらず、多種多様な教育を行っており、法律により幼児教育の質が制度的に担保されているとは言えないことなどの理由により、国において対象外と示されております。
 次に、認可外保育施設が無償化の対象となるための手続につきましては、市町村へ施設からの申請が必要でございますが、現在までに申請がない施設に対しては申請を促す連絡をしているところでございます。また、今後、無償化対象施設については市のホームページ等で広く周知してまいります。
 なお、市へ申請を提出せず、無償化の対象とならない意向の施設があれば、その旨を保護者へ説明し、理解を得るよう依頼することとしております。
 次に、平成31年4月1日現在の3歳から5歳までの待機児童数につきましては3人で、未入所児童数につきましては285人でございます。また、3歳から5歳までの全ての児童のうち、無償化の対象施設である保育所、幼稚園、認可外保育施設等を利用している割合につきましては約98%でございます。
 次に、子どもを預ける施設が見つからないケースについてのお尋ねでございますが、利用する施設が見つからない理由はさまざまであると考えられますが、利用したい施設にあきがないが、ほかに適当な施設が見つからない、障がいなど子どもの状況により受け入れ可能な施設が見つからないことなどが考えられます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 美術品の取得に関する御質問にお答えいたします。
 まず、取得する美術品についてでございますが、本作品は英国を代表する現代美術作家であるインカ・ショニバレ氏の彫刻作品であり、氏のパブリックアートの代表作である、Wind Sculpture第2世代シリーズの作品でございます。サイズは高さ7メートル、幅2.54メートル、奥行き2メートルでございます。今回、福岡市美術館が所蔵する布地の柄をモチーフとして、彫刻の表面のデザインを行い、新たに制作されるオリジナル作品となります。この布地はアフリカンプリントと呼ばれるものであり、アジアの布地にルーツを持ち、主にヨーロッパで生産されていたものであります。今回、モチーフとして使用しますのは日本製の貴重なものであり、多様な文化が融合した布地と言えます。
 次に、今回の彫刻の作家、インカ・ショニバレ氏についてでございますが、福岡市とのかかわりとしましては、福岡市美術館でかねてより注目しておりました作家で、美術館のリニューアルオープン記念展で日本初個展を開催いたしました。また、世界的な人気度などにつきましては、ショニバレ氏は英国の現代アートシーンを牽引するとともに、ベネチアビエンナーレなどの国際的に著名な美術展にも数多く参加し、非常に高い評価を得ておられます。さらに、氏の作品は世界を代表する美術館である英国の国立美術館であるテートやニューヨーク近代美術館、カナダ国立美術館などにも所蔵されており、氏は世界的に既に高く評価されている作家であり、今後、日本国内でも評価が高まるものと期待されております。
 次に、作者の作品の国内での所蔵についてでございますが、国内では熊本市現代美術館に大型の写真作品1点が収蔵されているのみでございます。
 次に、今回の作品のシリーズについてでございますが、本作品は船の帆をモチーフとし、交流や多様性を象徴しております。福岡市もまた古来より交流により発展し、多様性を受け入れながら成長してきた都市であり、本作品の特徴はそのような福岡市のイメージと合致しており、設置することがふさわしいと考えております。
 また、このシリーズの第1世代の作品はロンドンの中心地やワシントンDCの国立アフリカ美術館に設置されております。
 今回購入する第2世代のシリーズはニューヨークのセントラルパークで世界初公開されました。その後、アメリカ・ノースカロライナ州のデイビッドソン大学及び南アフリカ・ケープタウンのノーバル・ファウンデーション美術館で設置されております。
 次に、議決後の取得に向けたスケジュールについてでございますが、議決後に契約を締結し、その後、表面のデザインを含め彫刻の制作が行われ、来年3月に作品が完成する予定でございます。その後、英国から作品を輸送し、来年5月から6月ごろ、福岡市美術館の屋外に作品を設置する予定でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 近藤里美議員。
○58番(近藤里美) それでは、3問目でございます。
 まず、議案第75、76号についてですが、まず、副食費についてですけれども、これまで保護者が負担してきたことを踏まえ、国において施設による実費徴収とされたもので、本市としては負担を検討もしていないとのことでした。およそ年間8億円という費用は大変大きな負担ではありますけれども、今回の制度の狙いである子育て家庭の経済的負担の軽減ということについて、本市が独自の事業として実施することはこの制度の狙いに大きく寄与するものだと思われます。かねてよりさまざまな議論がありますけれども、例えば、医療費負担に対する課題などの他の事業も含め、3歳から5歳の子育て家庭に対する経済的支援策について改めて検討していただきますよう要望をいたします。
 次に、3歳から5歳の全ての子どもに対し、分け隔てなく幼児教育・保育の無償化であるべきだと思いますけれども、無償化というサービスを享受できるのは、あくまでも対象となる保育所、幼稚園に預けていることが前提となります。本年4月現在の待機児童3名はこの10月までに入所できたのでしょうか。これまでの待機児童の対応とは異なり、3歳から5歳の待機児童、未入所児童については、区ごとにしっかりと状況を把握し、積極的な保育のあっせんが必要だと考えます。来月から無償化は始まります。早急な対応を強く要望いたします。
 先ほど福岡市内の預け入れ率を伺ったところ、おおむね98%ということでした。この2%の中には御家庭で特別な幼児教育を施しており不要だという方もおられることだとは思いますけれども、一方で、医療的ケアが必要な場合や障がいをお持ちであることなどから、お子さんにとって必要な保育サービスを受けることができないケースがあることが危惧をされます。お子さんの違いによって無償化の対象の有無が発生する状況は早急に改善する必要があると考えますが、本市の所見をお尋ねいたします。
 また、先ほどのお答えで、認可保育所、認可外保育施設、幼稚園といった預け入れ先の違いによって費用負担に差が生じるケースがあることがわかりました。各御家庭の考え方等により、積極的に当該幼稚園を選択している場合などはまだしも、本来は認可保育所に預けたいが、預け入れ先が見つからないために幼稚園に通園をしている場合もあり、認可保育所に預けることができていれば、かからなかった費用をその御家庭に負担いただくことになります。少子化とはいうものの、今回の無償化施策も踏まえ、ますます高まることが予測される保育ニーズに対して、本市としてはどのように対応していくのか、所見をお尋ねいたします。
 次に、美術品の取得についてです。
 今回、制作を依頼する作者は英国の現代アートシーンを牽引し、高い評価を得ており、氏の作品は英国の国立美術館を初め、ニューヨーク近代美術館などに所蔵され、世界的にも注目をされているとのことでした。質問に当たり少し調べてみましたところ、インカ・ショニバレ氏は体の片方が麻痺するという障がいを持ちながら芸術活動を続けつつ、障がいを持つ芸術家たちの支援も積極的に行っておられるようです。3歳から17歳までアフリカのナイジェリアで過ごした経験を生かし、世界のさまざまな文化を一つの作品に融合する点、特にカラフルなアフリカンプリント柄を活用するところが特徴だとされていました。
 今回、取得提案されている作品はパブリックアートの代表作品である、Wind Sculptureシリーズ作品の一つであり、初代のシリーズと第2世代のシリーズそれぞれが世界で9点ずつまでの限定となるようです。特にこのシリーズははためく船の帆をモチーフとしつつ、福岡市美術館が所蔵する布地、アフリカンプリントの柄を取り入れることからも、交流を通じてさまざまな文化が解け合うこと、多様性を受け入れるということを象徴した作品になることと想像をします。作者自身が障がいを持ちながら芸術活動を続けていることから、今回の福岡市美術館のリニューアルと40周年、市制130周年に加えて、障がい者差別解消条例施行の記念としても市民に親しまれる作品となることを期待するところです。福岡市の文化振興とあわせ、もう一つの側面として、同シリーズ作品がワシントンDCを初め、世界の各地に設置されるであろうことから、観光施策としても広がりが期待できるのではないかと思われます。
 最後に、取得後の美術館での当該作品の展示方法とあわせて、国内唯一の当該作家の彫刻作品であることやシリーズ作品であることも含めた作品の生かし方について所見をお伺いし、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 幼児教育・保育の無償化に関するお尋ねについてお答えいたします。
 まず、障がいなどにより必要な保育を受けることができない場合があるのではないかとのお尋ねでございますが、福岡市では全ての保育所で障がい児保育を実施するとともに、平成30年度からは医療的ケア児の保育を行うモデル事業を実施しております。医療的ケアが必要な児童や障がいの程度が重い児童に係る今後の保育のあり方について、現在、こども・子育て審議会に諮問しており、今後、審議会からいただく答申を踏まえ、検討を進めてまいります。
 次に、増加する保育ニーズへの対応につきましては、平成30年度に約2,000人分の定員増を行った結果、平成31年4月1日現在の保育所等の定員が平成8年度以来23年ぶりに入所申込数を上回っております。今年度におきましては、今後の保育ニーズの増加にも対応できるよう、企業主導型保育事業を含め、3,000人分の保育の受け皿確保に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 美術品の取得に関する御質問にお答えいたします。
 取得後の作品の展示方法及び作品の生かし方についてでございますが、福岡市美術館は開館から40年を経て、本年3月に、より開かれた美術館を目指してリニューアルオープンいたしました。開かれた美術館の象徴として、大濠公園側に新しいアプローチを整備いたしましたが、本作品はそのアプローチに設置する予定であり、美術館の新たなシンボルになるものと考えております。また、この作品は、古来より交流により発展し、多様性を受け入れながら都市として成長し続けてきた福岡市の新しい顔としてもふさわしいものであります。このショニバレ氏の作品が世界各地で評価が高いことや国内唯一の彫刻作品であることを踏まえ、しっかりと広報するとともに、福岡市の交流や多様性の魅力について発信をしてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人)登壇 質問に先立ちまして、この間の豪雨により被災された佐賀県武雄市、大町町の方々並びに台風15号により停電等の被害を受けておられる千葉県の方々に心よりお見舞いを申し上げます。一刻も早い復旧、復興を願うものであります。
 それでは、質疑に入ります。
 私は、日本共産党市議団を代表して、議案第74号、福岡市子ども・子育て支援法施行条例の一部を改正する条例案、議案第75号、福岡市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営の基準を定める条例の一部を改正する条例案、議案第76号、福岡市立保育所条例の一部を改正する条例案、議案第77号、福岡市第3子優遇事業の実施に関する条例の一部を改正する条例案について質疑を行います。
 今回の一連の条例改定案は、さきの国会で成立した改定子ども・子育て支援法に基づき、10月から実施される幼稚園や保育園の保育料を原則無料にするとされる、いわゆる幼保無償化に伴い、市の関連条例などを改定するものであります。今回の無償化は消費税の増税分を財源に、3歳から5歳児の幼稚園、保育所、認定こども園などの保育料を無料にし、ゼロ歳から2歳児は生活保護世帯や住民税非課税世帯のみを無償化の対象とするものです。
 安心して子どもを保育園に預けたい、これが働きながら自分の子どもを育てる多くのお父さんやお母さんの願いです。子育て世帯の負担軽減は、家計を応援するとともに、貧困から子どもを守り、子どもの発達を保障し、子どもの権利を守る上でも待ったなしの課題であります。我が党は消費税に頼らない別の道でしっかり財源を確保し、ゼロ歳から就学前の全ての子どもたちの保育料を無料にする真の無償化を実現させる立場で提案してまいりました。
 そこで、今回の無償化が本当に子育て世帯の負担軽減となるのか、検証していきたいと思います。
 質問の1点目は、今回の無償化が消費税の増税を財源とすることについてです。
 保育料は現在でも所得に応じて設定されており、低所得層には負担軽減の措置がとられています。一方、消費税増税はどんな世帯にも影響を与え、とりわけ低所得世帯にとっては収入に対する消費税の負担割合が高くなり、深刻な影響を与えると指摘されています。
 そこで、お尋ねいたしますが、本市のゼロ歳から2歳児の生活保護世帯や住民税非課税世帯の保育料、3歳から5歳児の生活保護世帯や住民税非課税世帯の保育料は、現在、それぞれ幾らに設定されていますか、答弁を求めます。
 さらに、生活保護世帯や住民税非課税世帯にとって、消費税の10%への増税が行われると、どれぐらいの負担増となるのか、答弁を求めます。
 質問の2点目は、おかず代である副食費が保護者の実費負担になるという問題です。
 現在、3歳から5歳児の子どもが保育所に通う場合、御飯やパンなどの主食費は実費徴収または御飯をうちから持ってくることになっていますが、副食費は保育に必要な費用として保育料に含まれており、保護者からの徴収は行われていません。そもそも保育所での給食はただ空腹を満たすためだけにあるのではなく、身近な大人から援助を受けながら、ほかの子どもたちと一緒に楽しく食べる体験を重ねて食への関心を育み、食を営む力の基礎を培う食育として実践が積み重ねられてきています。まさに給食は保育そのものです。だからこそ、副食費は保育料の一部に含まれているわけであります。しかしながら、副食費は無償化の対象にはならず、保護者から実費で徴収することになります。
 そこで、お尋ねしますが、保育料の無償化と言いながら、副食費を保育料から切り離し、保護者から実費で徴収するというのは問題だと思いますが、御所見を伺います。
 また、副食費の実費負担額は目安として年間どれぐらいの負担となるのか、答弁を求めます。
 質問の3点目は、企業主導型保育についてです。
 今回の法改定で、企業主導型保育も無償化の対象に含まれています。企業主導型保育は保育士の有資格者が認可保育所の半分でいいなど基準が大きく緩和されており、保育の質の低下を招き、行政の保育についての公的責任を後退させるものだと、この間も我が党は指摘してまいりました。安倍政権は待機児童解消の目玉として多額の公費を投じて企業に保育事業への参入を促し、島市長も保育の受け皿確保のためにといって企業主導型保育を強力に推進しています。その中で、本市の企業主導型保育施設は2017年度末時点で45施設から、今年度の8月1日時点で142施設までふえて、3倍以上となっています。異常なふえ方です。我が党の厳しい批判に耳をかさず、保育の質の低下が指摘される企業主導型保育の推進は極めて問題です。
 そこで、お尋ねしますが、本市における企業主導型保育施設について、市は補助金や監査、立入調査など、具体的にどのようなかかわり方をしているのか、答弁を求めます。
 また、ことし7月、2017年11月に助成決定が出た名古屋市と福岡市の企業主導型保育施設について、2018年2月から3月に運営開始とされていたのに、現在も開園していない状況が判明し、約2億円の助成金をだまし取った疑いで福岡市のコンサルティング会社社長らが逮捕されたという報道がなされました。
 保育は金になると保育所が金もうけの道具にさせられたというこの重大な助成金詐取事件が福岡市の企業主導型保育園で起きたことについて島市長はどのように受けとめておられるのか、御所見をお伺いします。
 また、市がこの助成金詐取事件を把握したのはいつか、それを受けて市は現場を見に行くなど独自の調査は行ったのか、保護者や保育園関係者から相談などはなかったのか、答弁を求めます。
 さらに、このコンサルティング会社がかかわった企業主導型保育園は市内で6施設あります。
 そこで、お尋ねしますが、年1回の立入調査では、この詐取事件を起こしたコンサルティング会社がかかわった博多区のある企業主導型保育園についてどのような問題点を把握していたのか、問題があったのであれば、どのような指導を行ったのか、答弁を求めます。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 幼児教育・保育の無償化に関するお尋ねについてお答えいたします。
 まず、生活保護世帯及び住民税非課税世帯の3歳未満児と3歳以上児、それぞれの本市の保育料でございますが、いずれも無料でございます。
 次に、消費税率の引き上げに伴う生活保護世帯や住民税非課税世帯への影響についてでございますが、2019年4月12日に開催された参議院本会議での安倍総理の答弁において、消費税率の10%への引き上げに際しては、所得の低い方々など真に支援を必要とする層にしっかりと支援の手が行き届くよう、食料品等を対象に軽減税率制度を実施するとともに、所得の低い方々や小さな乳幼児のいる子育て世帯に対しては税率引き上げから一定期間使用できるプレミアム付商品券を発行することとしているという発言をされたと認識しております。
 次に、無償化に伴い、副食費が実費徴収となる理由についてでございますが、国から、給食に係る食材料費は在宅で子育てをする場合でも生じる費用であることから、これまでも保育所などの施設による徴収または保育料の一部として保護者の方に御負担いただいてきているところであり、今般の幼児教育・保育の無償化に伴い、保育料は無償化されますが、食材料費については保護者の方に御負担いただくという考え方を維持し、主食費及び副食費について施設による徴収を基本とするという考え方が示されていることを踏まえたものでございます。
 また、副食費の年間の負担額についてでございますが、徴収月額を国が目安として示している4,500円とした場合、年間で5万4,000円の負担となります。
 次に、企業主導型保育施設に対する市の具体的なかかわりについての御質問にお答えいたします。
 企業主導型保育施設に対しましては、児童福祉法に基づく年1回の立入調査を行うとともに、認可外保育施設児童支援事業として研修参加に係る代替職員の雇用費等の一部を助成しております。
 次に、企業主導型保育施設において、一部の不適格な事業者による内閣府助成金の詐取事件が福岡市を舞台として発生したことにつきましては、大変残念でございます。今後、国において再発防止に向けた取り組みが進められるものと考えております。
 次に、助成金詐取事件についての市の対応状況でございますが、7月3日にWINカンパニーの関係者が東京地検特捜部に逮捕されたとの報道を受け、事件として関知し、現地に赴き、園長と協議するなど、園の運営状況の確認等を行ってきたところでございます。また、一部の保護者から転園に関する相談などがございました。
 次に、WINカンパニーが設立に関与した博多駅前三丁目の企業主導型保育施設の立入調査の結果及び指導の内容につきましては、平成30年度に実施した立入調査におきましては、職員の採用時の健康診断の採用前の実施、調乳スペースと保育室との区分けについて指導をいたしております。
また、本年度実施した立入調査におきましては、毎月の避難、消火等の訓練の実施、職員の採用時の健康診断の実施、労働者名簿や雇用契約書等の確認について指導いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) まず、消費税を無償化の財源とする問題についてです。
 局長の答弁にありましたように、現在、市の生活保護世帯や住民税非課税世帯の保育料は、ゼロ歳から2歳児についても、3歳から5歳児についても、既に無料となっております。つまり一番切実に子育て負担の軽減が求められる世帯にとって、無償化の実質的な恩恵はないわけであります。
 一方、生活保護世帯や住民税非課税世帯における消費税増税の負担については、具体的な数字は述べられずにごまかされましたけれども、総務省の家計調査及び国税庁の民間給与実態統計調査などから計算すると、消費税が2%増税されると、年収200万円以下の2人以上の世帯にとって年間約2万2,000円負担がふえるんですよ。年収に占める負担の割合は約8.9%とも言われ、年収500万円から600万円の人の負担率の2倍以上になります。これは所得の低い人ほど貯金などに回す余裕がなく、収入のほとんどを生活費に回してしまうことで発生する状況です。
 安倍首相は幼保無償化について、子育てに係る負担を大幅に軽減し、日本を子どもを生み育てやすい国へと大きく転換すると語っています。しかし、消費税の増税によって、子育ての負担が軽くなるどころか重くなり、子どもを生み育てにくくなるのであります。
 そこで、お尋ねしますが、もともと保育料が無料である生活保護世帯や住民税非課税世帯は無償化の実質的な恩恵はなく、消費税の増税によって負担がふえるだけで、さらに生活困難は広がると考えますが、御所見を伺います。
 次に、副食費の問題です。
 局長は新制度のもとで副食費の実費徴収は問題ない、また、実費負担は月4,500円を目安に、年間では5万400円になると答弁がありましたけれども、全国民間保育園経営研究懇話会によると、公定価格における3歳以上の副食費の積算額は2018年で5,377円と推定されております。目安よりも高い額が免除にならない低所得世帯にとって新たな負担になる可能性があります。副食費が払えずに、おにぎりだけを持参させる家庭が出てくるかもしれません。そうなれば保育は成り立ちませんよ。子どもへの心理的な影響も心配されます。
 これまで副食費は保育料の一部で、この負担は支払い能力に応じて費用を負担する応能負担でありました。副食費の実費徴収化はこの応能負担を支払い能力にかかわりなく費用を一律に負担する応益負担に転換することであり、極めて重大です。副食費の実費徴収を許せば、保育材料などのほかの一般生活費や冷暖房費までもが応益負担にならないとも限りません。そもそも食材料費がなぜ保育料に含まれてきたのか。それは給食は保育の中で重要な要素として位置づけられていたからであります。給食を通じた食育は保育そのもの、これは政府も認めているところです。保育所保育指針には食育の推進が明記され、保育内容の一環として食育を位置づけ、保育所における食育は健康な生活の基本としての食を営む力の育成に向けたその基礎を培うことを目標とするなどとされ、保育における食育の重要性が強調されております。2018年11月22日に行われた内閣府の子ども・子育て会議では、副食費を無償化から外す案の議論の中で、有識者から、給食は食の知識や大切さを伝える場、単なる食事の提供ではない、保育所の生活を豊かにする視点から乖離しているなどの反対意見が相次いで出されています。
また、副食費の実費徴収は保育園にも大きな影響を与えます。直接的には、新たに副食費を請求し徴収するという業務が加わることで、ただでさえ人手不足で多忙な保育園の事務業務はさらに増加することになります。給食によっては施設ごとに副食費がばらばらになり、さらに負担がふえたり、施設間格差が生じたりする可能性も否定できません。滞納があれば、どうやって回収するのかという仕事もふえ、滞納を理由に保育園をやめざるを得ない状況に追い込まれる可能性も生まれます。子どもの成長を見据えた保護者と保育園の信頼関係に緊張が持ち込まれることになります。
 さらに、内閣府はこれまで副食費の実費徴収する額を月額4,500円と告知していましたので、保育園も既に保護者に伝えていたところもありました。しかし、8月22日の内閣府の通知では、副食費の実費徴収に伴う公定価格の改定に当たり、物価調整額を入れて5,180円削減すると突然言い出しました。この差額の680円、保護者への追加徴収となるのか、あるいは園が負担することになるのか、現場の混乱はもう必至です。
 そこで、お尋ねしますが、これまで述べてきたように、問題山積みの副食費の実費徴収はやめるように国に求めるべきだと思いますが、答弁を求めます。
 次に、企業主導型保育事業についてです。
 局長は本市で発生した助成金詐取事件について残念と言われましたが、事態の重大さを十分認識されていないんではないでしょうか。助成金詐取事件について、それを受けて市の独自の調査、また、相談など紹介されましたけれども、まさに無関心と言わんばかりの答弁でありました。局長は企業主導型保育園に対して補助金を出し、年1回の立入調査も行っていると答弁がありました。つまり企業主導型保育事業は国がやることだからといって市が無関係でいることは許されないのであります。ですから、このコンサルティング会社がかかわった博多区のある企業主導型保育園についても、7月25日にあなた方は立入調査に入っております。答弁にありましたように、その調査では、避難訓練の実施や職員の健康診断の実施の有無、数名の職員の賃金台帳の写しを提出するよう口頭指導されていますが、それ以外は問題なしとしております。しかし、私がその保育園を視察したところ、保育士や保護者の方々からさまざまな重大な問題が語られました。市の立入調査の結果によりますと、調理室の有無や給食の内容について問題なしであります。ところが、その保育園は調理室をつくるとして助成金を受けていましたが、それは実際には設置企業が併設するレストランの厨房として使われていたのであります。私もその厨房を見ましたが、保育園の調理室にはとても似つかわしくない巨大な業務用冷蔵庫や調理器具、ワイングラスや食器などがあり、一度もその場所で子どもたちのための給食はつくられていないということでした。園長先生によりますと、毎日の給食は子ども用の仕出し弁当で、ゼロ歳児の離乳食も市販のものを購入していたそうです。
 そこで、お尋ねいたしますが、確かに調理室はあるけれども、どう見ても子どもたちの給食をつくるためのものではなく、併設された設置企業のレストランの厨房として使われていたことを見抜くことができずに、問題なしと判断した調査結果は間違いだったのではないか、答弁を求めます。
 問題はこれだけではありません。園長先生は新しく保育園をつくるから力をかしてほしいと、逮捕されたコンサルティング会社社長からヘッドハンティングでその保育園にやってきました。でも、そこは保育ができるような環境はとても整っていなかった。園長先生は初めからおかしいと思っていました。保育に必要な絵本やマット、おもちゃなどをもっと用意してほしいと頼んでも、設置企業は取り合ってくれなかったと語りました。一方で、なぜかコンサルティング会社の社長が口出ししてきて、多額の費用をつぎ込んで保育園の宣伝のためにキティちゃんを呼んできたなど、イベントを優先させたそうです。さらに、そんなことよりも絵本やマットをそろえてほしいんだと頼んだけれども、何もしてくれなかったと。この保育園にあるものはほとんど保育士の皆さんが持ち寄ってそろえた、保育のことを何もわかっていない設置企業とコンサルティング会社が不正を行って逃げ出した、私たちには書面一枚の解雇通知を送りつけてきたと憤っておられました。驚くべきことに、この保育園の運営費などの管理は全てコンサルティング会社社長が握っていて、家賃は納めず、電話代も払われていなかったので、電話がとまったり、Wi−Fiが切られたり、保育士への冬のボーナスはわずか1万円、給与も数カ月にわたって未払いという状況でした。見るに見かねたそのビルの大家さんは、毎日通っている子どもたちを放っておくわけにはいかないと家賃の支払いを猶予し、保育士の給与も援助してくれているそうです。どう考えても保育園としてあり得ない状況であるのに、あなた方の立入調査では何も問題ないとするのはおかしいでしょう。
 そこで、お尋ねしますが、あなた方の立入調査は形だけのずさんなもので、全く役に立っていないと思いますが、明確な答弁を求めます。
 そもそも企業主導型保育は保育事業を所管する厚生労働省ではなく、内閣府が所管し、企業の都合がいいように基準は緩和され、保育の質がおざなりになるという批判が噴出しております。報道によると、逮捕されたコンサルティング会社社長は内閣府副大臣の秋元衆議院議員と密接な関係にあったのではと言われております。内閣府副大臣を後ろ盾に保育を食い物にして金もうけしようと、福岡市が狙われた疑念が強まっています。それはなぜか。島市長はこれまでも国家戦略特区やさまざまな規制緩和について、安倍首相や内閣府が旗を振ってきた事業に率先して手を挙げて二人三脚で推進してきたからであります。
 そこで、市長にお尋ねいたしますが、この企業主導型保育事業についても、安倍首相や秋元副大臣から福岡市で企業主導型保育をどんどん進めてくれと言われていたんではありませんか、答弁を求めます。
 また、秋元副大臣とお会いになったことはありますか、重ねて答弁を求めます。
 以上で2問目を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 幼児教育・保育の無償化に関するお尋ねについてお答えいたします。
 まず、消費税増税に伴い、生活保護世帯や住民税非課税世帯の負担が増し、格差が広がるのではないかというお尋ねでございますが、今回の無償化はゼロ歳から2歳までの子どもにつきましては住民税非課税世帯が対象となっており、また、副食費の免除対象を年収360万円未満相当の世帯の子どもに拡充するなど、低所得者層に配慮した内容となっているものと考えております。
 次に、副食費の実費徴収をやめることを国に求めるべきとのお尋ねでございますが、国から、幼児教育・保育の無償化に伴い保育料は無償化されますが、食材料費については保護者の方に御負担いただくという考え方を維持し、主食費及び副食費について施設による徴収を基本とするという考え方が示されており、保育の根幹となる部分は国の責任において検討され、制度設計されるものと考えております。
 次に、WINカンパニーが設立に関与した博多駅前三丁目の企業主導型保育施設の立入調査のお尋ねでございますが、これまでの立入調査において、調理室については当該施設の職員から保育施設の設備として説明を受け、本市職員も現認をいたしております。また、当該施設の職員から、調理室は現在使用しておらず、給食については専門業者が子ども向けに調理した弁当を提供しているとの説明を受けており、このことについては認可外保育施設指導監督基準に違反するものではなく、基準を満たしているものでございます。
 また、認可外保育施設等への立入調査につきましては、児童福祉法に基づき年1回適切に実施し、定められました項目について適切に調査を行っているところでございます。
 次に、企業主導型保育事業につきましては、平成28年度から始まった国の事業でございますが、待機児童解消に資する取り組みであるため、福岡市においても推進に取り組んでいるところであり、国からも自治体において積極的に推進するよう依頼があっております。また、これまで継続的に企業主導型保育事業の保育の質の向上及び安定的な施設運営を図るよう内閣府には要望いたしております。
 なお、秋元副大臣と市長が会ったことがあるのかとのお尋ねにつきましては、国土交通省への要望の際、当時の担当副大臣としてお会いしたことがございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) まず、副食費について、局長は保育料の一部である副食費を実費徴収することはやめるよう国に求めることはしないと冷たい答弁でありました。現場の保育園の混乱や低所得世帯を中心に負担増になるのではという問題には、まともに向き合わない姿勢を示されました。また、消費税の増税がさらに生活困難を広げるのではないかという指摘には答えをされませんでした。しかし、実態は子育てに係る負担を少しでも軽減してほしいと一番切実に願っている生活保護世帯や住民税非課税世帯には消費税の増税だけが重くのしかかることになるのは明らかです。これは消費税を財源としているために生じる問題であります。よって、格差と貧困をさらに拡大させる消費税の増税は中止して、大もうけを上げている大企業に中小企業並みの応分の負担を求めて4兆円、大株主など富裕層に所得に応じた負担を求めて3.1兆円、異常なアメリカ軍への思いやり予算をなくして4,000億円など、消費税に頼らずに財源を確保すべきです。
 したがって、今回の無償化は真の無償化にはほど遠く、消費税の増税を財源とした一連の議案は撤回すべきと思いますが、市長の答弁を求めます。
 また、副食費の実費徴収はやめるとともに、対象年齢を限定せずに、完全無償化を図るよう国に求め、あわせて保護者の新たな負担増にならないよう市の独自の手だてを講じるべきと思いますが、市長の答弁を求めます。
 次に、企業主導型保育の問題についてです。
 局長は市の立入調査は適正だと開き直られましたが、とんでもないことですよ。子どもたちは給食を一度も経験していない、保育士はただ働きさせられている、こんな重大なことを見過ごして適正だというのは、調査をしていないというのと同じことですよ。子どもを開園当初から通わせているという保護者の方は、福岡市から紹介されてこの企業主導型保育園を選んだそうです。事件が起きてしまって、この先どうなるのか心配、ここで保育を続けてほしいと切実に訴えられました。この保育園に通っているのは福岡市の子どもたちです。この状態を放置するのは市として無責任だと思います。
 そこで、お尋ねしますが、子どもたちが引き続き保育園に通えるように直ちに現状を把握し、保育園の経営が継続できるよう具体的な援助を行い、適切な保育の実施に市として責任を果たすべきだと考えますが、市長の答弁を求めます。
 また、ほかの全ての企業主導型保育施設についても、適正な保育が行われているのか、保育士の待遇は適切なのか、立入調査を強化して安全、安心な保育の実施に市が責任を持つべきだと思いますが、島市長の答弁を求めます。
 先ほど市長が内閣府副大臣の秋元氏と会ったということで答弁がありましたけれども、逮捕されたコンサルティング会社社長が秋元副大臣の政治資金パーティー券を大量に購入していたという報道もあります。助成金の不正受給については政治家の関与があるとも言われ、本市の企業主導型保育の急激な増加の背景に政治家の関与があるのではないか、疑念が生まれています。そもそも企業主導型保育は市町村が設置、審査に関与せず、保育士資格者は認可保育所の半分でいいなど、認可基準以下で運営できるもので、保育の質の低下や急な閉鎖、大幅な定員割れなど、問題が指摘されております。加えて、企業主導型保育の申請や審査、運営費などの助成を決定する業務全般を内閣府から委託されている児童育成協会についても、申請を受けても書類を見るだけで現場は見に行かない、保育業務の相談をしようにも電話もつながらないなど、問題が指摘されております。今回の詐取事件では、保育園の内装工事として、通常は1坪当たり約60万円のところを、何と1坪約200万円という法外な額の申請が行われ、それをもとに助成金の支給がされております。申請書類には全く別の写真を載せたり、文章や印鑑までも偽造したりしていたと言います。保育のノウハウも知識もない企業がずさんな審査をいいことに、金もうけのために保育を食い物にして、月々の運営費の水増し請求や助成金の不正受給が、本市だけでなく、全国で相次いでおります。ところが、本市では今年度3,000人分の保育の受け皿を拡大することを目標にしていますが、その半分の1,500人分が企業主導型保育であります。これほど深刻な実態が明らかになった企業主導型保育を待機児童対策の目玉として保育の受け皿確保のためにこれからも利用しようというのは、許されません。
 したがって、市長はでたらめな審査がまかり通る問題だらけの企業主導型保育をどんどん本市に呼び込む姿勢を改め、質と安全がしっかり確保された認可保育園を抜本的に増設すべきと思いますが、最後に島市長の答弁を求めて、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 幼児教育・保育の無償化に関するお尋ねについてお答えいたします。
 幼児教育・保育の無償化につきましては、子育てや教育に係る費用負担の軽減を図るといった少子化対策と、生涯にわたる人格形成の基礎やその後の義務教育の基礎を培う幼児教育の重要性の観点から実施されるものであり、その財源負担については、未来の世代に回すことなく、安定財源を確保した上で進めるため、消費税率引き上げによる増収分を活用することとされております。また、無償化の実施に当たっては年収360万円未満相当の世帯は副食費免除の対象となるなど、子育て世代の負担が増加しないよう配慮されております。本市におきましても、安心して子どもを生み育てられる環境づくりに向け、幼児教育・保育の無償化の円滑な実施ができるよう取り組んでまいります。
 次に、今回の助成金詐取事件で関連した企業が設立に携わった施設の運営につきましては、国において対応されているものと認識しておりますが、国や児童育成協会へ必要な情報収集を行うなど、適切に対応してまいります。
 また、企業主導型保育施設を含む全ての保育施設において、これからも適切な保育が実施されてまいりますよう福岡市としても監査あるいは立入調査を行い、適切な指導等を行ってまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 保育の受け皿確保につきましては、保育所の新設や、また、増改築のほか、小規模保育事業の認可など、多様な手法によって、これまでの8年間でおよそ1万5,000人分の定員増に取り組んでまいりました。その結果として、平成31年4月1日現在の保育所等の定員が23年ぶりに入所申込数を上回っております。
 今後とも、増加する保育ニーズを的確に把握し、認可保育所の整備や企業主導型保育事業の活用など、多様な手法による保育の受け皿確保に取り組み、誰もが安心して子どもを生み育てられる環境づくりを推進してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) この際、暫時休憩いたします。
 午後は1時10分に再開いたします。
午前11時19分 休憩  
午後1時10分 開議  
○副議長(楠 正信) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を継続いたします。荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇)登壇 私は緑と市民ネットワークの会を代表して、第1点として、議案第74号、福岡市子ども・子育て支援法施行条例の一部を改正する条例案及び議案第75号、福岡市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営の基準を定める条例の一部を改正する条例案について、第2点として、議案第81号、福岡市道路の構造の技術的基準及び道路標識の寸法を定める条例の一部を改正する条例案について質問いたします。
 まず、議案第74号、福岡市子ども・子育て支援法施行条例の一部を改正する条例案及び議案第75号、福岡市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営の基準を定める条例の一部を改正する条例案について質問します。
 この条例案は消費税10%引き上げの口実として、幼児教育・保育の無償化による子ども・子育て支援法等の改正により条例の改正がなされるものです。安倍政権下6年間において、実質賃金はマイナス、平均賃金の額は1997年のピークに比べ、いまだ50万円程度少ない状況で格差と貧困が広がっており、消費税引き上げは国民負担を一層重くすることは目に見えています。社会保障全体の財源は、消費税値上げではなく、所得税や法人税などを見直すことで確保すべきです。消費税を値上げする中で、今回の幼児教育・保育の無償化は国民生活の負担減には不十分です。多くの勤労世帯にとっては消費税増税の負担は重く、一部の負担軽減になっても構造的には富裕者優遇との批判があるように、制度としても課題を残すものです。認可保育園の増設や保育の質の向上、そのための保育士などの処遇改善がむしろ急がれています。今議会上程された条例案は政府の対応に伴うものであるものの、福岡市としてなすべき課題についてただします。
 まず、議案第74号、福岡市子ども・子育て支援法施行条例の一部を改正する条例案についてです。
 この条例改正案では、子ども・子育て支援法の一部改正に伴い、子育てのための施設等利用給付に係る調査に応じない者に対する過料について必要な事項を定める必要があるものとしていますが、1つ、子育てのための施設等利用給付とはどのようなものか、2つ、子ども・子育て支援法の一部改正による条例改正の理由は何か、また、幼児教育・保育の無償化における施設等利用給付とはどのような内容なのか、以上、説明を求めます。
 次に、議案第75号、福岡市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営の基準を定める条例の一部を改正する条例案についてです。
 この条例案では、特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準の一部改正に鑑み、特定子ども・子育て支援施設等の運営に関する基準を定める必要があるとしていますが、1つ、特定子ども・子育て支援施設とは何か、また、特定子ども・子育て支援施設等の運営に関する基準を定める必要がある理由は何か、特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準の一部改正とはどのようなもので、条例はどのような改正になるのか、以上、説明を求めます。
 続いて、議案第81号、福岡市道路の構造の技術的基準及び道路標識の寸法を定める条例の一部を改正する条例案について質問します。
 この条例改正案では、道路構造令の一部改正に鑑み、自転車通行帯の設置に関する基準を定める必要があるとしていますが、そこで、1つ、道路構造令の一部改正とはどのようなものか、また、道路構造令一部改正の背景、目的は何か、福岡市の自転車通行帯設置状況はどのようになっているのか、4つ、条例改正により福岡市における自転車通行帯の設置がどのように変わるのか、以上、説明を求めます。
 これで1問目の質問を終わり、以降、自席にて行います。
 
○副議長(楠 正信) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 幼児教育・保育の無償化に関するお尋ねについてお答えいたします。
 議案第74号についてのお尋ねでございますが、まず、子育てのための施設等利用給付とは、10月から実施される幼児教育・保育の無償化に伴い新設された子ども・子育て新制度に移行していない幼稚園や認可外保育施設等の利用に係る給付でございます。
 次に、条例改正の理由でございますが、保育所または認定こども園等の利用者や事業者に対する過料の規定に、今回の子ども・子育て支援法の一部改正に伴い、新たに対象となる新制度に移行していない幼稚園及び認可外保育施設等の規定を追加するためなどでございます。
 次に、無償化に伴い新設される施設等利用給付の内容でございますが、新制度に移行していない幼稚園を利用する満3歳以上の児童に対して月額2万5,700円を上限に保育料を無償とし、さらに、保育の必要性がある児童については月額1万1,300円を上限に預かり保育料が無償となります。また、認可外保育施設等を利用する保育の必要性がある児童につきましては、3歳から5歳までの児童は月額3万7,000円を上限に、住民税非課税世帯のゼロ歳から2歳までの児童は月額4万2,000円を上限に保育料が無償となるものでございます。
 次に、議案第75号についてのお尋ねでございますが、特定子ども・子育て支援施設等とは、無償化に伴い、新たに対象となる新制度に移行していない幼稚園及び認可外保育施設等でございます。
 次に、条例改正の理由でございますが、無償化に伴い、新制度に移行していない幼稚園や認可外保育施設等に関する基準の追加を行う必要があるためでございます。
 次に、今回の条例改正の趣旨につきましては、特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準の一部を改正する内閣府令の施行に伴うものであり、その主な内容といたしましては、認定こども園等の事業者が保護者から支払いを受けることができる保育料を満3歳未満の児童に限定すること、また、年収360万円未満相当の世帯など副食費を免除する者を除き、満3歳以上の児童に係る副食費を保護者から受け取ることを可能とすること、新制度に移行していない幼稚園や認可外保育施設等の運営基準を新設することでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 議案第81号、福岡市道路の構造の技術的基準及び道路標識の寸法を定める条例の一部を改正する条例案に関するおただしにお答えいたします。
 道路法の政令であり、道路整備に当たって最小限保持すべき一般的、技術的基準として規定されている道路構造令が平成31年4月に一部改正されました。改正の背景、目的及び内容でございますが、道路構造令には国道を新設または改築する場合、車道部に自転車を通行させるために、幅員2メートル以上で縁石や柵などで分離する自転車道の設置が規定されておりますが、必要な幅員が確保できないなどにより、全国的に整備が進んでいない状況にございます。一方、道路交通法に基づく幅員1.5メートル以上で区画線や路面着色などで明示する普通自転車専用通行帯の整備が全国各地で進んでおり、自転車関連の交通事故が減少するなどの効果が確認されているところでございますが、従前の道路構造令にはこの通行帯に対応する規定がございませんでした。このような状況を踏まえ、道路交通法に基づく普通自転車専用通行帯の設置を推進する観点から、道路構造令に自転車通行帯が新たに規定されるなどの改正がなされたものでございます。
 次に、福岡市の自転車通行帯の設置状況につきましては、これまで道路幅員や交通量などの状況を踏まえ、車道部や歩道部において、さまざまな形態で自転車通行空間を延べ94.6キロメートルにわたり整備をしてまいりました。このうち、今回の条例改正により規定することとなる自転車通行帯と同等の通行空間、これは延べ14.1キロメートルでございます。
 次に、条例改正により福岡市の自転車通行帯の設置がどのように変わるのかとのおただしでございますが、今回の条例改正は道路構造令の改正内容と同様に自転車通行帯の整備を義務づけるものではございませんが、道路整備の計画段階から検討の要素となることから、自転車通行帯の円滑な整備につながるものと、このように考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) では、2問目に入ります。
 まず、議案第74号、75号についてです。
 第1問で述べたように、議案第74号と75号は政府の幼児教育・保育の無償化に伴う改正です。先ほどの答弁を整理しますと、幼児教育及び保育が必要な3歳児から未就学児の教育費及び保育費を無償化するに当たり、第1点は、子ども・子育て支援制度に移行していない幼稚園及び無認可保育園が新たに給付の対象になること、2点目は、保育が必要な幼児に対する給付の対象から副食費が除かれるために事業者が副食費を徴収することになること、3点目は、3歳児未満は従前どおり、4点目は、年収360万円未満相当の世帯では3歳以上の幼児の副食費は免除されるというふうになります。
 そこで、第1点として、新たに副食費の徴収をしなければならない事業者の徴収業務、免除世帯の把握や未収問題などの負担について事業者からどのような声があるのか、また、市はどのような対策をとる考えなのか、2点目、副食費について徴収額は全ての園で同じなのか、また、その額は幾らなのか、3点目に、副食費について無償化する考えはないのか、4点目に、新たな対象となる未移行の幼稚園及び認可外保育施設等の利用者及び施設は給付を受けるに当たりどのような手続が必要となるのか、5点目に、新制度移行の幼稚園と未移行の幼稚園の無償化の扱いの違いは何か、また、未移行幼稚園の割合はどれだけか、6点目に、保育園と幼稚園との無償化の対象期間は同じなのか、7点目に、今回、市が関与しない無償化の対象事業はどのようなものがあるのか、以上、説明を求めます。
 次に、議案第81号についてですが、答弁では、今回の道路構造令の一部改正は、用地確保の困難さなどで自転車道整備が進んでいない中、自転車通行帯整備が進んでいる現状を追認するものと考えられます。答弁のとおり、福岡市において自転車走行空間の整備を進めておりますが、自転車通行空間は自転車利用者にとって安全、安心、快適であること、また、歩道は歩行者にとっても安心、安全な歩道であることが求められています。そのために、自転車と歩行者の分離や車道において自動車と自転車の構造的分離が必要と考えます。
 そこで、自転車利用者の歩道利用と車道利用の割合はどうなっているのか、自転車と歩行者の分離はどの程度できているのか、自転車の双方向利用ができる自転車通行空間の幅員は2メートル以上必要であるという指摘がありますが、福岡市の自転車通行空間において双方向利用できるものはどの程度あるのか、以上、説明を求めます。
 これで2問目を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 幼児教育・保育の無償化に関するお尋ねについてお答えいたします。
 まず、副食費の徴収を新たに開始する保育園への対応でございますが、保育所からは滞納者が発生した場合の対応や事務負担の増加について懸念する声が届いており、無償化後の実施状況等を見ながら、随時保育所からの相談を受け、保育所とともに、対応について検討してまいります。
 次に、副食費の徴収額につきましては、国において、これまで保育料の一部として保護者に負担を求めていた額である月額4,500円を目安に、それぞれの施設において実際に給食の提供に要した材料の費用を勘案して定めることとされております。
 次に、副食費についても無償化してはどうかというお尋ねでございますが、国から示されている考え方として、給食に係る食材料費は在宅で子育てをする場合でも生じる費用であることから、これまでも保育所などの施設による徴収または保育料の一部として保護者の方に御負担いただいてきているところであり、今般の幼児教育・保育の無償化に伴い保育料は無償化されますが、食材料費については保護者の方に御負担いただくという考え方を維持し、主食費及び副食費について施設による徴収が基本とされており、一律に市が負担することについての具体的な検討は行っておりません。
 次に、無償化に伴い必要となる手続についてでございますが、新制度に移行していない幼稚園及び認可外保育施設が無償化の対象となるためには、利用者については市町村から給付認定を受ける必要があり、施設については市町村へ申請を行う必要がございます。
 次に、新制度に移行済みの幼稚園と新制度に移行していない幼稚園の無償化の取り扱いの違いについてでございますが、新制度に移行済みの幼稚園については市が定める保育料が無料となるのに対し、新制度に移行していない幼稚園は月額2万5,700円を上限に無償化されることになります。また、全ての幼稚園118園のうち、新制度に移行していない幼稚園は98園で、全幼稚園に占める割合は83%でございます。
 次に、認可保育所と幼稚園の給付の対象期間につきましては、認可保育所は小学校就学前の3年間が無償化の対象期間であるのに対し、幼稚園は満3歳から無償化の対象となります。
 次に、無償化の対象事業のうち、市が給付に関与しない事業といたしましては企業主導型保育事業があり、内閣府において無償化の対象とされることになります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 道路の自転車通行帯に関するおただしにお答えいたします。
 自転車利用者の歩道利用と車道利用の割合についてでございますが、道路交通法上の普通自転車専用通行帯を整備した路線のうち、平成27年度に行った自転車通行の実態調査によりますと、博多区内の国道385号、いわゆる竹下通りにおきましては、自転車利用者の約6割が車道、約4割が歩道を通行し、また、南区の市道大橋駅前3号線におきましては、自転車利用者の約7割が車道、3割が歩道を通行しているという結果となっております。
 次に、自転車と歩行者の分離でございますが、福岡市における自転車通行空間は、これまでに車道部に整備しているものと歩道部に整備しているものがございます。まず、車道部におきましては、道路交通法による普通自転車専用通行帯を含む整備区間は、先ほど申しました国道385号、いわゆる竹下通りや市道大橋駅前3号線など、平成30年度末現在で延べ26.0キロメートルでございます。次に、歩道部における整備区間は延べ68.6キロメートルでございまして、このうち植栽などで分離を行っている区間は、例えば、市道香椎浜線や市道千代今宿線、いわゆる明治通りでございますけれども、この大手門付近などで全体で延べ23.9キロメートル、また、着色や標示などにより分離を行っている区間が市道賀茂四箇線や市道豊浜拾六町線など延べ44.7キロメートルでございます。
 なお、1問目に御説明いたしました幅員2メートル以上の道路構造令による自転車道の整備実績はこれまでにはございません。
 以上、自転車と歩行者との分離を行った整備延長、これを合計いたしますと延べ94.6キロメートルでございます。
 次に、福岡市におきまして双方向の通行ができる自転車通行空間の整備延長でございますが、これは先ほど申し上げました歩道部において整備をいたしました延べ68.6キロメートルでございます。このうち、おただしの幅員2メートル以上で道路交通法による自転車の通行位置の指定を受けている区間、これは延べ32.3キロメートルでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 荒木龍昇議員。
○51番(荒木龍昇) では、3問目に入ります。
 まず、議案第74号及び75号についてです。
 今回実施される幼児教育・保育の無償化は、利用者の負担軽減では一歩前進と言えなくはないわけですが、仕組みが複雑でわかりにくく、問題も多いのが今の答弁でもわかると思います。副食費が公定価格から分離されたことで、副食費の徴収業務が新たに生じた事業者の負担増が懸念されます。無償化により利用者がふえることが予想され、保育施設の不足が生じることで待機児童がふえるおそれもあります。事業者の負担増は保育士の処遇改善に悪影響を及ぼすのではないかと考えますが、事業所の負担軽減と同時に、保育士の処遇改善に向けてどのような対策をとるのか、所見を求めます。
 また、これまでも認可保育所をふやすことを求める声が出されておりますが、どのような対策をとるのか、所見を求めます。
 次に、無償化と言いながら副食費が利用者負担になること、また、事業者ごとに副食費が異なり、利用者にはわかりづらい上に新たな負担であること、また、3歳児未満については従前どおりとなっていることなどを見ても、無償化というには不十分な内容です。副食費を公定価格に組み込むことや3歳児未満の幼児に対しても3歳以上と同じ処遇にするよう国に強く求めるべきと考えますが、所見を求めます。
 また、副食費を利用者にかわって負担している都市もあり、国が実施するまでの当面の措置として福岡市が負担すべきと考えますが、所見を求めます。
 この質問の最後に、無認可保育園等も対象になりますが、公的無過失保険加入基準に満たない無認可保育園等もあり、保育の質の低下を危惧する声が出されております。劣悪な無認可保育園等に対する指導、支援が必要と考えますが、所見を求めます。
 以上、幼児教育・保育の無償化に当たり、制度の改善を国に求めるとともに、福岡市として子ども・子育て支援をより充実させるよう誠意ある答弁を求めて、この質問を終わります。
 次に、議案第81号です。
 福岡市は今、整備は進んでいるような答弁がありました。自転車利用は、環境、健康、経済性など、多様な効用により今後ともふえると考えられます。しかし、自転車と自動車の事故は8割を占めており、自動車道との分離が必要となっています。他方、自転車の歩道利用の緩和により歩行者と自転車の事故もふえています。今回、道路構造令が改正され、実態に合わせた整備を進めることになっていますが、歩行者の安全及び自転車利用者の安全、安心、快適さの視点から見ると課題があると言えます。福岡市が現在、歩道に設置している自転車通行空間は歩行者との分離がなされていないところも多々ある上、電柱や植栽などの障害物があるなど、利用しづらいところも見られます。また、車道上に設置されている自転車通行帯は構造的な分離がなされていないため、危険な状況にあります。
 福岡市として自転車通行帯を拡充するに当たり、歩行者と自転車利用者の分離、自動車と自転車の分離を図るために既存の整備地区の見直しを行い、自転車通行空間は双方向で利用できる十分な幅員の確保と構造的な分離を図るべきと考えますが、所見を求めます。
 以上で質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 幼児教育・保育の無償化に関するお尋ねについてお答えいたします。
 まず、事業所の負担軽減と保育士の処遇改善についてでございますが、副食費徴収に係る事務の負担軽減につきましては、無償化後の実施状況等を見ながら必要な対応を検討してまいります。保育士の処遇改善につきましては、これまで保育所の運営に通常必要とする費用として、国が定める公定価格の引き上げに加え、福岡市独自に保育士の勤続手当、初任給調整措置費の支給、家賃の一部助成、さらに今年度からは奨学金の返済支援を実施し、保育士の処遇改善や人材確保に取り組んでまいりました。今後とも、質の高い保育を安定的に提供できるよう、保育士が安心して長く働くことができる環境づくりに向けて、福岡市保育協会とも協議しながら取り組んでまいります。
 次に、増加する保育ニーズへの対応につきましては、平成30年度に約2,000人分の定員増を行った結果、平成31年4月1日現在の保育所等の定員が平成8年度以来、23年ぶりに入所申込数を上回っております。今年度におきましては、今後の保育ニーズの増加にも対応できるよう、企業主導型保育事業を含め、3,000人分の保育の受け皿確保に取り組んでまいります。
 次に、副食費を公定価格に組み込むことや3歳未満児の無償化について国に求めるべきとのお尋ねでございますが、保育の根幹となる部分は国の責任において検討され、制度設計されるものと考えており、今後とも、必要な要望は行ってまいります。
 次に、副食費を市が負担すべきとのお尋ねでございますが、繰り返しになりますが、国から、幼児教育・保育の無償化に伴い保育料は無償化されますが、食材料費については保護者の方に御負担いただくという考え方を維持し、主食費及び副食費について施設による徴収を基本とするという考え方が示されており、一律に市が副食費を負担することについての具体的な検討は行っておりません。
 次に、認可外保育施設に対する指導や支援についてのお尋ねでございますが、認可外保育施設に対しましては、児童福祉法に基づき、国の基準に適合しているか、年1回、立入調査を実施しております。また、認可外保育施設児童支援事業において、児童の健康診断や職員の研修、保育従事者の資格取得のための経費などに対する助成を行っております。今後とも、認可外保育施設において適正な保育内容及び保育環境が確保されるよう、指導、支援を行ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 道路の自転車通行帯に関するおただしにお答えいたします。
 まず、自転車通行空間の整備をめぐる国の動向でございますが、平成23年10月の警察庁通達におきまして、自転車は車両である、このことが徹底されることとなりました。また、平成24年11月には国土交通省と警察庁が安全で快適な自転車利用環境創出ガイドラインを策定し、歩行者、自転車、自動車が適正に分離された空間整備のための自転車通行空間の設計の考え方などが示されました。その後、平成28年7月に先ほど申しました国のガイドラインが改定され、それまで双方向での通行を認めていた自転車道、これを含む全ての自転車通行空間の整備について一方通行が基本とされました。
 次に、福岡市におきましては、平成26年3月に策定いたしました福岡市自転車通行空間ネットワーク整備計画に基づき、原則として車道部に道路交通法に基づく普通自転車専用通行帯などを設け、歩行者と自転車利用者とを分離することで歩行者の安全確保に努めてきたところでございます。歩行者や自転車利用者のさらなる安全確保につきましては、縁石や柵などで分離された自転車道や今回の条例改正により規定される自転車通行帯を整備することを今後の基本とし、やむを得ずこれらによりがたい場合には、自動車運転者への注意喚起を目的として、路面の着色等を実施することによって図ってまいりたいと考えております。今後とも、安全で快適な自転車通行空間ネットワークの充実に努めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 以上で質疑を終結いたします。
 ただいま議題となっております議案中、議案第63号ないし議案第93号、以上31件は、お手元に配付の議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
 この際、お諮りいたします。
 議案第39号ないし議案第62号、以上24件については、60人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 
○副議長(楠 正信) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま設置されました決算特別委員会の委員の選任については、本市議会議員のうち、監査委員2人を除く60人を指名したいと思います。これに御異議ありませんか。
      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 
○副議長(楠 正信) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 以上で本日の日程は終了いたしました。
 次の会議は明13日午前10時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後1時42分 散会