令和元年6月17日(月)

令和元年第3回福岡市議会定例会
議  事  日  程 (第3号)
6月17日 午前10時開議   
第1  一 般 質 問

本日の会議に付した事件
議事日程のとおり

出 席 議 員 (62名)
1番  稲 員 稔 夫       2番  鬼 塚 昌 宏
3番  堤 田   寛       4番  川 上 陽 平
5番  津 田 信太郎       6番  大 森 一 馬
7番  平 畑 雅 博       8番  伊 藤 嘉 人
9番  打 越 基 安      10番  川 上 晋 平
11番  阿 部 真之助      12番  勝 山 信 吾
13番  川 上 多 恵      14番  淀 川 幸二郎
15番  調   崇 史      16番  大 坪 真由美
17番  古 川 清 文      18番  高 木 勝 利
19番  新 村 まさる      20番  大 原 弥寿男
21番  今 林ひであき      22番  篠 原 達 也
23番  尾 花 康 広      24番  松 野   隆
25番  楠   正 信      26番  冨 永 計 久
27番  森   英 鷹      28番  南 原   茂
29番  おばた 久 弥      30番  山 口 剛 司
31番  大 石 修 二      32番  黒 子 秀勇樹
33番  藤 野 哲 司      34番  堀 本 わかこ
35番  中 島まさひろ      36番  天 野 こ う
37番  山 口 湧 人      38番  松 尾 りつ子
39番  井 上 麻 衣      40番  飯 盛 利 康
41番  はしだ 和 義      42番  浜 崎 太 郎
43番  堀 内 徹 夫      44番  綿 貫 英 彦
45番  森   あやこ      46番  福 田 まもる
47番  国 分 徳 彦      48番  藤 本 顕 憲
49番  倉 元 達 朗      50番  中 山 郁 美
51番  荒 木 龍 昇      52番  高 山 博 光
53番  ついちはら陽子      54番  田 中 たかし
55番  成 瀬 穫 美      56番  山 田 ゆみこ
57番  宮 浦   寛      58番  近 藤 里 美
59番  川 口   浩      60番  落 石 俊 則
61番  田 中しんすけ      62番  池 田 良 子

欠 席 議 員 (0名)

説明のため出席した者
 市       長   島 宗一郎   副市長  光 山 裕 朗
副  市  長  中 村 英 一   副市長  荒 瀬 泰 子
水道事業管理者  清 森 俊 彦   交通事業管理者  重 光 知 明
総務企画局長  小野田 勝 則   財政局長  松 本 典 久
市民局長  下 川 祥 二   こども未来局長   田 浩 輝
保健福祉局長  舟 越 伸 一   環境局長  坂 本 秀 和
経済観光文化局長   島   収   農林水産局長  細 川 浩 行
住宅都市局長  石 橋 正 信   道路下水道局長  駒 田 浩 良
港湾空港局長  清 家 敬 貴   消防局長  山 下 周 成
会計管理者  水 町 博 之   教育長  星 子 明 夫
教育委員  原   志津子   選挙管理委員会事務局長  宮 崎 晶 子
人事委員会事務局長  中 村 郁 子   監査事務局長  馬 場 哲 久

職務のため出席した事務局職員
議会事務局長  土 井 裕 幹   議会事務局次長  金 子 佳 史
議事課長   着 一 孝   議事係長  中 村   博
外関係職員

午前10時 開議  
○議長(阿部真之助) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、一般質問を行います。発言通告者のうちから順次質問を許します。森あやこ議員。
 
○45番(森 あやこ)登壇 おはようございます。私は緑と市民ネットワークの会を代表し、障がい者を支える福祉サービスと緊急時、災害時等の備えについて質問をいたします。
 2006年に障害者権利条約が国連総会において採択されましたが、日本の国内法が条約の求める水準には達しておらず、日本国の批准は2014年にようやく国連事務局に承認されました。締約国は、障がいのある人の人権と基本的自由の実現と促進のため、効果的な政策を実施する、この条約の実現のため国内法の制定と改正を行い、全ての政策と計画において障がいのある人の意思決定が反映されるようにする、この条約と相入れない慣行を廃絶するとされています。抜粋ですが、第8条に意識の向上、第10条に生命の権利がうたわれ、条文では、生命の固有の権利を認めること、差別したり権利を侵害してはならないこととされている。障がい者を殺した者への減刑は、その障がい者の生命を軽んじていることになり、これも生命を差別していることになる。優生学における障がい児の産み分けも禁止することとしている。いわば存在しないほうがよい生命があることになるからである。死ぬことを前提とした生活も禁止されることとなる。第11条、緊急時や災害時における安全。障がい者を他の者とひとしく国際人道法と国際人権法にのっとり、武力紛争や天災、火災等も含めた自然災害等における避難ルートの整備や安全な場所への保護を行う。第25条、健康。他の者との平等を基礎とした到達可能な最高水準の健康の権利の実現のため、障がいのある人への医療や保健などの健康サービスを提供するなど。第28条、十分な生活水準及び社会保障。締約国は、障がいのある人とその家族が十分な生活水準と生活水準の不断の改善を享受する権利を認め、差別なしに実現することを保証し、促進するなど。第30条では、締約国が障がいのある人に他の人と平等に文化的生活、レクリエーション、レジャー及びスポーツへの参加する権利があることを認め、とりわけ、自己の利益のみならず、社会を豊かにするためにも創造的、芸術的、知的な潜在能力を磨き活用する機会を与えられるよう適切な措置をとること等々記されています。
 世界におくれをとっていた日本です。承認から5年、この間にも偏見等による差別意識から発生する事件は起こり、また、日々の暮らしの中でも寄せられる訴えや悩みの声は深刻なものも多く、絶えません。障がい児・者に対する権利への理解はまだまだ進んでおらず、本市ではやっとことし1月から差別解消条例が施行されました。行政には合理的配慮の提供について法的義務が課せられています。一つ一つ確実に着実に進める必要があります。そして、大もとの人権への理解を深めなければ、ハード面が進んでも心は置き去りになってしまいます。健常であっても、年をとれば機能は低下します。病気やけがで突然ハンディを負う可能性は誰にでもあります。全ての人が社会を構成し、経済活動が行われ、社会は回っています。社会を豊かにする質の高い市政運営となることを強く市民が望んでいます。声なき声までしっかりと聞くことができるよう、障がい者を支える状況について質問を行います。
 平成30年度の障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳所持者数と障がい福祉サービスの支給決定者数をお伺いします。
 以上で1問目を終わり、2問目からは自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 各手帳の所持者数につきましては、平成31年3月末現在で身体障害者手帳が5万1,979人、療育手帳が1万2,035人、精神障害者保健福祉手帳が1万6,050人となっております。
 次に、平成30年度の障がい福祉サービスの支給決定者数につきましては1万3,878人でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) では、平成31年度の障がい福祉サービスを行う事業所数をお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市内の障がい福祉サービスの事業所数につきましては、平成31年4月1日現在で、居宅介護などの訪問系サービス事業所が298カ所、生活介護などの日中活動系サービス事業所が263カ所、入所施設である障がい者支援施設が13カ所、グループホームが83カ所、その他重度障がい者に対して包括的な支援を行う事業所などが4カ所となってございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 福祉サービスに従事する人員はどのような状況でしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市内の障がい福祉サービス事業所の従業者数につきましては、事業所の実地指導などに際しまして、必要な従業者数を確保しているかどうかという観点で個別に確認しておりますが、特定の時点における福岡市全体の従業者総数については把握しておりません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) それでは、手帳所持者数は今後、第5期福岡市障がい福祉計画の見込み量として増加が示されています。本市の全市民の人口動態は、年少人口、ゼロ歳から14歳までは2020年をピークに減少する、そして、生産年齢とされる15歳から64歳の割合も同時期から減少との予測です。今後の社会を見据え、手おくれにならない施策が必要です。毎年提出されている21大都市心身障害者(児)福祉主管課長会議の国に対する要望書には80項目以上あり、実に社会で足りていない実態があらわになっています。福祉サービス利用者が急増する一方、介護職員は不足しており、特に障がい福祉分野の介護人材は募集しても集まりにくいとのこと。介護人材の確保、育成、定着を促進するための取り組みをより一層推進することが必要です。
 そこでまず、事業所単位で行う研修等の実施状況をどのように把握されているのでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 障がい福祉サービス事業所における研修の実施状況につきましては、事業所の実地指導の際に、従業者向けに研修の機会は確保されているかについて確認を行っているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) この実地指導、質の高い支援が行われるよう着実に行ってください。
 では、平成30年度に市が実施された障がい福祉サービス事業者等説明会の内容と、3年前と比べた参加状況をお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 平成30年度の事業者説明会につきましては、市内の全ての事業所を対象として各種サービスの留意点や給付費請求の注意点等の説明を行っているものでございます。また、同説明会に参加しました市内の事業所数は669事業所で、27年度と比較いたしますと、79事業所増加してございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 先日、6月4日の研修会にも私自身参加してまいりました。1点だけ、居宅介護の家事援助の部分で、サービスの内容は一人一人個別に判断すべきとの説明が十分に行き届いていなかったように思いました。もちろん有資格者は理解されていることですが、本市としても押さえることが必要です。横浜市の研修時に使用する指定特定相談事業所向けの資料、業務ガイドラインがあり、その最初のページには、障がいがある人本人を中心とした相談支援を実施するための基本ルールとして準備されています。より質の高い支援が行われるよう要望いたします。
 次に、障がい者を支えるシステムとして、障がい者基幹相談支援センターを設置していますが、市障がい者基幹相談支援センターの役割とそこに従事されている方の役割を御説明ください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 障がい者基幹相談支援センターにつきましては、障害者総合支援法に基づき、地域における相談支援の中核的な役割を担う機関でございます。市内に1カ所設置しております市基幹相談支援センターは、14カ所の区基幹相談支援センターを統括するとともに、市全体の相談支援の充実強化を図っております。市のセンターには5人の相談支援専門員を配置しておりまして、区のセンターに専門的な助言を行うなどの総合的、専門的相談支援や、人材育成のための支援、区のセンターの相談支援専門員を対象とした資質向上のための各種研修、市内の相談支援事業所や関係機関によるネットワークづくりなどを行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) ありがとうございます。では、区障がい者基幹相談支援センターの役割とそこに従事されている方の役割を御説明ください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 区の基幹相談支援センターは、障がい児・者やその保護者、介護者などから寄せられるさまざまな相談に対応しております。1カ所当たり4人または5人の相談支援専門員を配置しており、障がい福祉サービスに関する情報提供や利用の調整及び申請の援助のほか、24時間対応の緊急一時預かりなどの連絡調整、また、相談支援事業所に対する専門的な指導、助言、人材育成などを行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 市、区の連携のために相談支援スーパーバイザーと相談支援機能強化専門員が配置されているとお聞きしていますが、相談支援スーパーバイザーの配置状況と役割を御説明ください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 相談支援スーパーバイザーにつきましては、市及び区の基幹相談支援センターの相談支援専門員の中から身体障がい、知的障がい、精神障がいの専門的職員をそれぞれ1人ずつ選任しております。その役割は、市のセンターの事業の実施に当たっての各種調整のほか、区のセンターを訪問しての個別事例への対応や相談支援のスキル向上などに関する助言、また、市のセンターが実施する相談支援研修への協力などでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 相談支援機能強化専門員の配置状況と役割を御説明ください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 相談支援機能強化専門員につきましては、福岡市の障がい者相談支援が適切かつ円滑に実施できるよう、特に必要と認められる能力を有する相談支援専門員を区の基幹相談支援センターから1人選任しているものでございます。その役割は、本市と市及び区のセンターの連携強化のための調整や、困難事例への対応に関する相談支援スーパーバイザーへの専門的な助言などでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 基幹センターによるフォローがとても重要ですが、平成30年度に市が区の基幹センター向けに実施した研修及び区基幹センターが実施した研修について、内容と回数及び参加状況をお答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 平成30年度に本市が区の基幹相談支援センター向けに実施した研修につきましては、職員の相談対応能力の向上を図るもので、8回実施をいたしており、受講者数は延べ320人でございます。また、区のセンターが実施した研修につきましては、計画相談支援事業所等の従業者の資質向上を図るもので、41回実施しており、受講者数は延べ1,548人でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) たくさんの方が参加していらっしゃいますが、まだまだ足りていないことがたくさんあります。相談対応能力と支援の資質向上のために、これら研修等のほかにも直接的なOJTの実施、また訪問の際には日ごろの悩みや不明点等も相談するなど、実に重要な役割を担っています。
 では、今後さらに基幹センターの拡充など検討されていることがありますか。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 基幹相談支援センターにつきましては、相談件数の増加等に応じた支援体制の見直しや、相談支援専門員の資質向上のための研修の充実を検討していく必要があると認識しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 障がい者を支えるためには、ケアプランが必要です。
 それでは、障がい者のサービス利用計画の作成などを行う計画相談支援事業を行っているのは何事業所で、市が把握されている計画相談支援事業所の従業者である相談支援専門員は約何人でしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 平成31年4月現在の計画相談支援事業所の数は140カ所で、相談支援専門員は約290人でございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 指定特定相談支援事業所は、障がい者等の立場に立つことや人格を尊重することが責務で、まさに質が問われます。
 では、平成30年度から計画相談支援に関して、改正された点をお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 平成30年度に実施された計画相談支援の制度改正につきましては、さらなる質の向上を目指す観点から見直しが行われたものでございます。まず、障がいのある方の各種サービスの利用計画が適正であるかを確認するため、利用状況や解決すべき課題の把握等を行うモニタリングの頻度が高められております。また、相談支援専門員1人当たりの標準支援件数が月に35件と定められるとともに、基本報酬につきましては、支援件数が40件以上となった場合は、減額される仕組みが導入されております。あわせて、適切な支援の実施や体制整備を図っている事業所の収支が改善されるよう、基本報酬を一定程度引き下げた上で、さまざまな加算の新設と見直しが行われております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) ケアマネジメントの手法を通じ、目の前の利用者を通して障がい者の固有の尊厳の尊重を促進、実現するための存在だと思います。本人を中心としての支援のためにも、十分な報酬が必要です。さらなる国への要望をお願いいたします。
 では、相談支援専門員1人当たりが受ける障がい者の人数はどのような状況でしょうか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 市内の相談支援専門員が担当する障がい者の数につきましては、統計がございませんが、計画相談支援サービスの支給決定者数を相談支援専門員数で割った数で申しますと、平成31年2月現在で約37人となります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 現実はアセスメントやモニタリングを初め、個別支援計画策定等々、丁寧さが必要で、十分な支援は追いつかず、障がい児においてはさらに厳しい実態があります。介護人材が不足する予測が立てられていますが、持続可能な事業所運営や質の向上を図るために、市としては事業所の人材確保と育成についてどのようにお考えでしょうか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 障がい福祉サービスの人材確保等につきましては、強度行動障がいのある方に対する支援技術向上のための強度行動障がい者支援研修や、ホームヘルプサービスの質の向上のための障がい者にかかわるホームヘルパースキルアップ研修などを引き続き実施してまいります。また、事業所の経営実態に見合う報酬水準を確保することなど、人材の確保と育成の推進について、さまざまな機会を捉えて国に働きかけてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 相談支援において、アセスメントは命であると言われるぐらいに、その後の支援を左右するものです。国に対し、体制整備や専門的な見地から審査を公正に行う第三者機関の設置ができるよう、さらに要望を強められますよう求めておきます。
 日常の支援についての質問でしたが、災害等頻発する昨今では、障がい児・者にとって、非常時の被害や不安等をできるだけ大きくしないように、自助または共助力を少しでも上げておくことが必要です。
 訪問事業を行う事業所も含め、障がい福祉サービス事業所において、障がい当事者の災害時における対応や防災、減災力を少しでも上げるために取り組まれている状況をお尋ねいたします。また、当事者や家族への啓発の取り組み等もあれば、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 障がい福祉サービス事業所のうち、入所施設や通所系の事業所等におきましては、国の運営基準に基づき、消火設備などを設けるとともに、地震や洪水などの非常災害に関する具体的計画を立て、定期的に避難、救出等の訓練が行われております。また、福岡市指定障がい福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準等を定める条例に基づき、安全確保のための行動手順書を作成し、見やすい場所に掲示がなされております。一方、利用者の居宅などにおいてサービスを行う訪問系事業所につきましては、国の運営基準において、非常災害対策の規定はございませんが、事業所の判断により研修を実施しているところもございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 障がい者御本人やその御家族の方への防災、減災の啓発につきましては、広く市政だよりや市ホームページ、出前講座などにより防災知識の普及啓発を図るとともに、避難行動要支援者の名簿作成において、障がい者や要介護認定を受けた方などの同意確認の際に、避難行動要支援者に関する制度についてわかりやすく説明した資料の送付などを行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 障がい者にかかわる緊急時、災害時の支援について、障がい者や家族からの通報や情報を受け取るための手段として、本市にはどのようなものがありますか。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 障がい者の緊急時における通報手段につきましては、ひとり暮らし等の身体障害者手帳1級及び2級の障がい者を対象として、急病などの緊急時にはボタン一つで緊急通報協力員や消防局に連絡が行く緊急通報システム事業を実施いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) 平成28年熊本地震のような大規模災害が福岡市で発生した場合、先ほど答弁のあった緊急通報システムだけでは対応が難しいと思います。大規模災害発生時にはどのような方法で障がい者の避難支援などを行うのでしょうか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 障がい者の避難行動支援につきましては、視覚や聴覚に障がいがあり、避難情報の取得が困難な方へ、本人の希望に応じて御自宅の電話やファクスを利用し、避難情報をお知らせする取り組みを今年度から開始しております。また、避難行動要支援者名簿への登載に同意いただいている方への個別支援計画の策定が進むよう、自治協議会や民生委員・児童委員などの避難支援等関係者に向けたハンドブックを作成し、その取り組みへの支援を行っており、災害時には策定していただいた個別支援計画に基づく要支援者への対応をお願いしているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 森あやこ議員。
○45番(森 あやこ) みずから助けを求めることが困難な障がい者に対する安否確認等に関しては、実際にはまだまだ足りていません。NHKハートネットや社協が取り組む安心カードなどの紹介も力を入れ、佐賀大学が開発した災害弱者支援アプリや医療的ケア児等医療情報共有システムなど、今後に向けての展開も着実に進んでいくことを期待いたします。
 冒頭で述べた障害者権利条約は、我々のことを我々抜きで勝手に決めるなというスローガンを掲げた、障がい者の視点からつくられた画期的な条約です。福祉乗車証の検討や、めばえ学園公募化に関しても、当事者抜きで進めては、締約国として条約に反しています。一つ一つの命には全て意味があると思います。生まれてこられなかった命にも、待ち望んでいた思いや亡くした悲しみをめぐらせる家族にとっては大きな存在です。障がい当事者となってみなければ決してわからない、その方や家族の抱える困り感を軽減し支えられてこそ質が高い社会となります。そんな社会を構築できるよう、ぜひ市として毎年提出している国に対する提言事項の最重点事項に障がい児・者を支えるための要望を大きく加えていただきますよう市長へ強く要望し、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ)登壇 福岡令和会を代表しまして、質問をさせていただきます堀本わかこです。私は昨年まで政治に関心がない一人の市民でした。しかし、妹への生体ドナー提供を経験し、両足義足となった母の障害手帳の申請を行う過程で政治に関心を持ち、妹家族の未来を変えられたことをきっかけに、命がけでやれば未来は変えられると政治に携わる決意をして、今、この場に立っている次第です。あすへの希望とともに、一人一人が大きな花を咲かせる社会にできるよう質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
 まず初めに、福岡令和会では5項目の政策目標を掲げており、行財政改革の推進を明記しております。島市長は、5月24日のSNSに、新たな財源を生み出して市民生活への負担を極力抑えながら、次世代のための投資を行うことはとても大切と書かれておりましたが、まさに財源あっての次世代への投資であり、市民サービスの向上であると私も確信しております。現在、本市は国が推進するアベノミクスによる景気浮揚の恩恵を受け、また、国家戦略特区を生かした市政運営や人口増によって日銀が異次元金融緩和を開始した平成25年以降、決算では5期連続過去最高税収を記録し、とても元気がよい都市と言われております。しかし、ますます老朽化していくインフラの更新や社会福祉に係る費用の増大が重くのしかかり、財政運営は大変厳しい状況と言えます。また、本市も人口減と少子・高齢化を避けて通ることはできず、このままでは税収減に転換し、市民サービス維持そのものが厳しい時代を迎えると思われます。このことから、将来に向けて市民サービスを維持、向上していくために、徹底した行財政改革が必要であり、また、本市の決算報告だけでは読み取れないような天神ビッグバンや博多コネクティッドなど、税を投じない民間資金の活用によるまちづくりが非常に大切になってくると思います。
 そこで、今回、私の一般質問では、初めに補助金のガバナンスについて、次にG20財務大臣・中央銀行総裁会議の開催した都市として、本市の財務マネジメントについて、最後に福岡県の差等補助問題について、以上3点について本市の所見を伺います。
 初めに、本市の補助金ガバナンスについて質問いたします。私は市議になり、恥ずかしながら福岡市の決算報告や福岡市補助金ガイドラインに初めて目を通しました。まず、この補助金ガイドラインが策定された経緯について教えてください。
 以上で1問目の質問を終わり、次の質問より自席にて質問させていただきます。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 福岡市では、平成23年度に実施された補助金の執行状況をテーマとした包括外部監査での指摘を踏まえ、個別補助金の明確化、公平性、透明性の確保、市民への説明責任の向上を目的として、平成25年10月1日に福岡市補助金ガイドラインを策定しております。その後、補助終期の設定に関する規定等を追加するため、福岡市補助金交付規則を改正するとともに、その施行に合わせ、平成26年4月1日に補助金ガイドラインの改正を行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 平成23年に実施された包括外部監査での指摘、意見への対応という経緯でガイドラインができたとのことですが、この点についてもう少し詳しくお尋ねします。この包括外部監査では、どのような視点から何件の指摘や意見が出されていますか。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 平成23年度の包括外部監査では、補助金制度全般や個別の補助金に関して、補助対象事業の公益性、補助の公平性や有効性、適切性、交付手続や要綱の整備、市民への情報公開などの視点から全体で指摘16件、意見134件を受けております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) それでは、監査の指摘や意見に対し、本市の対応と改善状況についてお尋ねします。
 本市のホームページには、監査で指摘や意見された事項について、その後の取り組み状況が掲載されています。私はこの議会質問をするに先立ち、包括外部監査結果報告書や取り組み状況を一つ一つ勉強させていただきました。中を見ますと、財政局が総論について対応し、それぞれの所管局が各論について個別の補助金への対応をされていることが伺えます。そこで、ガバナンスについての質問ですが、監査結果に対する所管局の取り組み状況の確認や、監督をする本市の担当局はあるのでしょうか。また、補助金ガイドラインに監督指針などのガバナンスに関する規定はございますか。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 包括外部監査における個別補助金に関するかかる指摘や意見への対応につきましては、個別補助金の所管局がそれぞれの責任において自律的に取り組むものでございます。また、個別補助金の所管局は、補助金交付規則や補助金ガイドラインに基づいて適切な補助金交付事務に取り組むこととしており、補助金ガイドラインにはガバナンスに関する規定は設けておりませんが、毎年度の予算編成や補助金交付決定の段階で適切な運用がなされているか、財政局において確認を行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 次に、全市的な補助金の状況について質問いたします。今回は、本市が公表している補助金一覧のうち、外郭団体、企業会計に対する補助金及び建設費に対する補助は除いたものについて質問させていただきます。ガイドライン策定前の平成25年度当初予算と令和元年度当初予算について、公募と非公募の補助金額の内訳とその割合をそれぞれ教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 一般会計及び企業会計を除く特別会計における補助金の公募状況などについてお答えいたします。
 平成25年度当初予算における補助金額約107億4,000万円のうち、公募の補助金は約4億9,000万円で4.5%、非公募の補助金は約102億5,000万円で95.5%となっております。また、令和元年度当初予算における補助金額約90億円のうち、公募の補助金は約26億2,000万円で29.1%、非公募の補助金は約63億8,000万円で70.9%となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 本市がガイドラインを策定したことによって、支出総額の抑制と公募比率が上昇するなど、一定の効果が出ていることがわかりました。
 次に、当該ガイドラインの課題について伺います。まず、平成26年4月1日改定の福岡市補助金ガイドラインについて、その後の改定実績はございますか。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 補助金ガイドラインにつきましては、平成26年4月1日以降、改定は行っておりません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 次に、ガイドラインで定めた終期について、平成28年度末が終期となっておりますが、この終期を更新して、平成29年度以降も補助を継続した件数とその割合を教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 一般会計及び企業会計の特別会計における補助金のうち、外郭団体、企業会計並びに建設費に対するものを除いた補助金の継続状況についてお答えします。
 平成28年度末に終期を迎えた補助金269件のうち、更新したものは236件で、その割合は87.7%となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 次に、終期を迎えてもなお、補助を継続している補助事業について伺います。 私は公益性が高いような補助金については、長期化しても継続すべきだと思います。
包括外部監査では、長期継続補助について、既得権化の弊害等があることから、1定期的な検証を実施すべきとし、2やむを得ず今後も継続が必要と思われる補助金については、議会の承認を得て条例を策定し、これに基づく補助金交付とするような手法を検討すべきと、2項目の意見が示されています。先ほど終期更新した事業が236件で全体の87.7%と伺いましたが、この中で包括外部監査の意見を踏まえて、議会の承認を得て条例を策定し、終期更新をしたものは何件ありますか。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 終期を更新した補助金のうち、新たに条例を制定したものはございません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 包括外部監査では、長期補助事業について、1定期的な検証と、2議会の承認と条例化の2項目を促す意見がありながらも、定期的な検証の1項目のみしか対応しておらず、監査で意見された議会の承認と条例化をせずして補助の終期更新ができてしまっている実情が判明しました。つまり、現在の補助金ガイドラインのままでは包括外部監査の意見への対応が不十分であり、監査そのものが形骸化されかねません。また、終期を更新し補助金が交付されている236件の事業について、本来、本市が必要な公益性の高い補助事業までもが本市が補助金の既得権化を黙認していると市民に誤解を与えかねません。
 そこで、補助金ガイドラインについて、包括外部監査の意見に基づき、やむを得ず今後も継続する補助金については、議会の承認を得て条例を策定することを明記するとともに、さらにガバナンスを強化する観点から、監督すべき財政局の責任の所在の明記や定期的なアップデート条項の追加などの改定が必要であると思いますが、その所見についてお伺いできますでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 補助金は政策目的を効率的に実現するための有効な手段であり、交付の目的に従い、公正かつ効率的に執行する必要があると認識しております。平成23年度に実施された包括外部監査におきましては、長期継続が必要な補助金について、その根拠となる条例策定の検討を求める意見が出される一方で、補助事業の自立促進や補助効果の検証等を行うため、定期的な検証を実施すべきという意見が出されております。福岡市といたしましては、既に条例化をされているものを除く全ての補助金に終期を設定し、定期的に継続の要否を判断することにより、長期継続補助金への適切な対応を行うこととしております。また、補助金ガイドラインに基づき、個別補助金の所管局が補助事業の実施状況や交付の効果などを毎年度検証しており、補助金継続の考え方も含め、その内容を補助金調書として公表しております。今後も必要に応じて補助金ガイドラインを改定するなど、補助金の適正な執行を図ってまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 補助金ガイドラインの改定について、前向きな答弁をいただきましてありがとうございます。次に、補助行為について、公平性を目的として市民への説明が必要と包括外部監査でも指摘をされていましたが、現在においても本市の全ての補助金項目が市政だよりに掲載されていません。公募、非公募に問わず、補助事業募集の段階から、項目や一覧だけでも掲載すべきではないでしょうか。より多くの市民に公平に情報が伝達できますよう、公表の仕方について再度検討を要望いたします。私は市民サービスの向上のために、常に守破離の心で令和にふさわしい徹底した行財政改革を本市を挙げて取り組んでいただきたいと思います。
 次に、先日、G20財務大臣・中央銀行総裁会議がこの福岡市で開催されました。現在、世界中で財務マネジメントのあり方に注目されていることから、本市の財務マネジメントについての質問をいたします。
 まず、現在の経済環境について少しお話しいたします。平成25年4月から始まった日銀の異次元金融緩和によって、日銀は大量に国債買い入れを行うことで、超低金利を実現しています。しかし、日銀が供給する通貨量は平成25年に150兆円を超えてから一気に拡大し、平成31年4月末時点で514兆円まで膨れ上がっており、現在の金融政策があとどの程度継続できるかが市場関心事であることは周知の事実だと思います。日銀は、これまで2%のインフレターゲットを達成するまで、現金融政策を継続するとガイダンスをしていましたが、つい先日、4月25日にはその達成が危ぶまれていることを踏まえて、2020年春ごろまでは継続するという時間軸でのフォワードガイダンスの変更を行いました。私は日銀が初めてその終了時期について時間軸を示したことが、市債を発行する自治体である本市においても極めて重要事項であると思いますので、今回は市債にかかわるその利子の負担に着目して質問をいたします。
 日銀による異次元金融緩和が開始されたのは平成25年4月からですが、その金融政策以前の平成24年度及び平成29年度の本市の市債に対する利払い金を教えてください。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 市債にかかる利払いにつきましては、平成24年度は約413億円、平成29年度は約283億円となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 平成24年度の413億円と平成29年度の283億円で大きな差があることがわかりました。その要因は何でしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 利払いの減少につきましては、借り入れ利率が高い市債の償還が進んだ一方で、新たに発行した市債の借り入れ利率が相対的に低かったことにより、平均的な借り入れ利率が低下したことや、市債残高自体の縮減に取り組んできたことが要因であると考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 金利差や市債残高の縮減で大きく利払い金が上下するということですが、次に、市民1人当たりの年間利子負担額について伺います。平成24年度、市民1人当たりの利払い金と平成29年度のその額を、当時の年度末人口で算出した場合、幾らになりますか。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 市民1人当たりの市債の償還にかかる利払いにつきましては、平成24年度が約2万8,300円、平成29年度が約1万8,500円となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) つまり、市場の金利差や市債残高の縮減によって、年間の市民負担利子が約1万円も大きく左右することがわかりました。4人家族なら、1家庭当たりの利子の負担の差額は年間4万円も生じることになります。超低金利政策の現在でも、市民1人当たり毎年1万8,500円の借金利息を払っている状況で、もし仮に金利が上昇したらどうなるのか、私は本当に危惧しています。市場の金利が上昇すると、当然ながら、将来の利払い金が大きく上昇します。私は今こそ、市債年限の5年、10年、20年の金利差の大小を利用して、将来の利払い金を相対的に抑制する策を練ることが、今、最も本市がやらなければならない財務政策ではないかと思います。
 そこで、本市の起債や償還に関して、現マネジメント体制についてお伺いします。本市では、将来の金利変動分析や年限の金利差を用いた起債マネジメントに関するガイドラインなどの指針はございますか。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 起債マネジメントに関するガイドラインなどの指針はございませんが、市債の発行に当たりましては、地方財政法に基づき定められている市債の償還年限に関する規定を踏まえて発行を行う必要があります。その上で、福岡市においては、多くの金融機関からの情報収集などにより市況を把握し、金利変動リスクの緩和と安定調達を基本として市債の発行を行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 金融機関等から市況に関する情報を収集とのことですが、金融機関は自社の利益を目的に本市に提案する企業であり、相手が市債の引き受け先になることもあるかと思いますが、その市債の相談相手がポジショントークをするリスクはないのでしょうか。利害関係のないアドバイザーやガイドラインがなければ、金融機関等に振り回されてしまうリスクがあるのではないでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 市債を発行するに当たっての市況等の把握につきましては、金融機関から収集した情報を適切に扱えるよう、担当職員を公的機関が開催する研修に参加させるなど、専門知識の習得に努めております。また、客観的かつ正確な情報を確保できるよう、市債の引き受けの有無にかかわらず、多くの金融機関から情報を収集し、特定の金融機関の情報に左右されることがないよう留意しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 本市では、大きな市民負担の増減を伴う起債マネジメントについて、明確なガイドラインなどの指針がないということですが、今回、議会質問をするに当たり、他の起債自治体を調べてみました。大阪府では橋下徹当時知事の号令のもと、外部アドバイザーによる財務マネジメント委員会が設置され、現在もなお、年2回ペースで起債指針を見直しし、その議事録がホームページで公開されています。大阪府の財務マネジメントに関する調査分析報告書によると、ゼロ金利継続シナリオや景気回復後、急速に悪化するシナリオなどの基本シナリオから、複数のストレスシナリオを想定して、起債マネジメントを行っていることが細かく記載されています。また、当委員会の議事録を見ますと、長短金利差を分析し平均年限を伸ばしながら平均調達利回りを下げることという記載や日銀が地方債を買い入れることを想定した議論など、後手に回らない分析と金利予測に基づいた起債戦略の議論がされていることが伺えます。
将来の金利予測は、経済の専門家にとっても大変難しいものであるからこそ、変化への柔軟な対応がいかに利払い金を減らすかという視点で大変重要です。そこで、日銀がフォワードガイダンスを変更した今だからこそ、大阪府のように外部専門家チームを組織に導入しガイドラインを作成するなど先進都市の手法を参考にし、より一層利払い金の削減を意識した財務マネジメントを行っていただきたいと思いますが、本市の見解はいかがでしょうか。
 
○議長(阿部真之助) 松本財政局長。
○財政局長(松本典久) 議員御指摘のとおり、利払いの削減を意識した市債の発行及び償還は大変重要であると認識しております。市債に係る利払いは、市債残高及び借り入れ利率が大きく影響いたしますが、市債残高につきましては、将来に過度な負担を残さないよう、財政運営プランに基づき、その縮減に取り組んでいるところでございます。また、借り入れ利率につきましては、金利の予測が困難であることを踏まえ、金利変動リスクの緩和と安定調達を基本として市債の発行を行っているところでございます。今後におきましても、利払いの軽減が図られるよう引き続き市債残高の縮減や適切な市債の発行に努め、将来にわたり持続可能な財政運営に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 本市のホームページにも掲載されていますが、本市の利払い金は平成20年度と平成29年度を比較すると、260億円の差額があります。年間260億円の財源の確保というと、これほど魅力的な本市の行財政改革はなかなかないと思います。この利払い金抑制は、まさに島市長の言われる、新たな財源を生み出して市民生活への負担を極力抑えながら、次世代のための投資でいう新たな財源にもなります。このことから、G20財務大臣・中央銀行総裁会議を開始した自治体として、しっかり財務マネジメントができる体制を確立していただきたいと思います。
 次に、福岡県と本市における子ども医療費などの補助格差、いわゆる差等補助問題について質問をさせていただきます。
 先日、5月24日に本市と福岡県が取り交わした合意書の2項目に、子ども医療費支給事業費等に係る県費補助金についての項目があり、子ども医療費等助成制度のあり方について、引き続き協議を進めると記載されていました。そこで、お尋ねしますが、現在、本市と県内の政令市以外の市町村とで差等補助は何件あり、具体的にどのようなものがありますか。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 補助率等に格差のある福岡県の主な補助金は、子ども医療費支給事業費県費補助金、重度障がい者医療費支給事業費県費補助金、文化財保護事業補助金がございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 今、お答えいただいた補助金のうち、現在、差等補助問題是正に向けて福岡県と協議しているものがありますか。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 福岡県に対しては、毎年度さまざまな分野で提言を実施しており、補助金の格差問題については、毎年、この提言書に盛り込み強く是正を求めております。また、子ども医療費支給事業費県費補助金及び重度障がい者医療費支給事業費県費補助金につきましては、所管局が中心となり県と格差是正に向けた協議を行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 堀本わかこ議員。
○34番(堀本わかこ) 最後の質問になります。この差等補助問題について、一つでも多く、そして少しでも早く解決し、財源の確保によって市民サービスの向上につなげていただきたいと切に思います。そこで、お尋ねします。本市では今後どのようにしてこの差等補助問題の是正に取り組んでいかれるのか御所見を伺います。
 以上、あすへの希望とともに、一人一人が大きな花を咲かせることができる社会の実現を目指す堀本わかこ、命がけでやれば未来は変えられる、初めての一般質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 補助金の格差問題につきましては、同じ税負担をする福岡県民であるにもかかわらず、政令指定都市の住民とそれ以外の市町村の住民との間に県の補助金に格差が生じており、早急に是正されるべきものと認識しております。子ども医療費等の助成制度のあり方については、ことし5月に今後も継続協議していくことを福岡市と福岡県の間で合意書を締結しており、その他の補助金格差も含め格差是正に向けて粘り強く県との協議を行うとともに、提言活動をしっかりと行ってまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康)登壇 私は自民党新福岡を代表して、生活交通の確保と登下校の子どもの安心確保について質問いたします。
 まずは生活交通の確保について質問をさせていただきます。
 長寿社会を迎え、高齢者の運転免許保有者の割合は年々高まっております。また、全国的にも高齢運転者による重大な交通事故が頻発しており、社会問題化もしております。今後、運転免許証の自主返納を検討する高齢者が増加することが考えられる中で、高齢者が運転免許証を自主返納するに当たっては、自動車にかわる移動交通の確保が必要になると考えております。高齢者が住みなれた地域で安心して生活するためには、高齢者の移動支援、生活交通の確保にしっかりと取り組む必要があります。
 そこで、生活交通の確保に関する現在の取り組み状況、今後の姿勢についてお尋ねをさせていただきたいと思っております。
 本年4月に東京、池袋において、高齢者が運転する自動車が暴走し、母子2人が死亡した事故や、つい最近では、本市においても起きた事故など、高齢者による交通事故が大きな問題となっております。
 そこでまず、本市における65歳以上の高齢者による交通事故発生件数、全体の交通事故発生件数に占める割合の過去3年の推移についてお尋ねをいたします。
 以上で1問目の質問を終わり、以降は自席にて質問いたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 福岡市内における65歳以上の高齢運転者による交通事故発生件数及び交通事故発生件数全体に占める割合につきましては、過去3年では平成28年が1,664件で15.6%、29年が1,658件で16.5%、30年が1,484件で16.8%となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) 高齢者による交通事故発生件数は減少傾向ですが、高齢運転者による事故の割合は年々ふえているという数字であると思っております。先日、この福岡市内で起こった事故の原因は、いまだ解明されてはおりませんが、一部の報道では、事故を起こされた方は運転免許証の自主返納を検討されていたと、考えていたということも言われております。また、この事故をきっかけに、その翌日には10名を超える高齢者の方々が運転免許証を自主返納するために免許試験場に訪れたとも聞いており、私は今後とも、運転免許証の自主返納を検討する高齢者がふえてくるというふうに考えております。
 そこで、福岡市における65歳以上の高齢者の運転免許証の自主返納件数について、過去3年の推移をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 福岡市内における65歳以上の運転免許証の返納件数につきましては、福岡県警が平成29年から集計しており、29年が3,565件、30年が3,527件となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) 高齢者が免許返納を検討するに当たっての最大の懸案事項は、マイカーにかわる移動手段の確保、いわゆる車を運転しない、そのかわり自分たちがどうやって移動するのかということの確保ではないかと思っております。福岡市内においては、地下鉄などの鉄道もありますし、西鉄バスなどによって幹線道路を中心にバスネットワークが形成されております。しかしながら、高度経済成長期に開発された住宅地では、高齢化が顕著となり、丘陵地などの公共交通が不便な地域においては、生活交通の確保が課題になっているともお聞きをしております。
 そこで、福岡市における生活交通条例に基づく公共交通空白地及び公共交通不便地に対する施策についてお尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 生活交通条例に基づきまして、休廃止対策、不便地対策及び生活交通確保支援の3つの施策を実施いたしております。まず、休廃止対策につきましては、路線バスの休廃止に伴いまして、バス停及び鉄道駅から1キロメートル以上離れた公共交通空白地となる地域におきまして、代替交通の運行経費に補助を行っております。次に、不便地対策につきましては、バス停から500メートル以上離れ、かつ鉄道駅から1キロメートル以上離れた地域や、それに準ずる地域において、地域の活動経費やバスの試行運行の経費に補助を行っております。また、生活交通確保支援につきましては、休廃止対策や不便地対策の対象地域以外において、地域主体の取り組みに対し、地域と交通事業者間の調整など、活動支援を行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) 先ほどの答弁では、生活交通の確保に向け、バス停からの距離に応じた施策に取り組んでいるとお聞きいたしました。地域の生活交通を確保するためには、地域、交通事業者、福岡市が連携して取り組むことがとても大事であるというふうに考えております。
 私が住んでいる南区において、不便地対策として柏原の成功事例があったとお聞きをいたしております。柏原における取り組みについてお尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 柏原三丁目地区につきましては、公共交通不便地に該当していましたことから、平成24年5月に地域主体の検討会が設立され、市も参画いたしまして、地区内へのバスの乗り入れに向けた検討が開始されました。その後、平成26年4月には、市の補助を活用した試行運行が実施され、地域、交通事業者、市が共働して利用促進などに取り組んだところでありまして、平成27年4月からは本格運行が実現いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) 先ほど柏原の取り組みを御答弁いただきましたが、日常生活において外出する頻度が多いのではというふうに思っているのは買い物ではないかというふうに思っております。実際、多くの高齢者の方からマイカーを手放せない理由として、日常の買い物が困るという声を多くお聞きいたします。国において、買い物弱者について、農林水産省が高齢者などを中心に食料品の購入や飲食に不便や苦労を感じる方、経済産業省が流通機能や交通の弱体化とともに、食料品などの日常の買い物が困難な状況にある人々と位置づけており、持続的かつ効果的な対策が必要であるとされております。
 そこで、現在、福岡市内において、高齢者など買い物が困難な方へどのような支援が行われているのでしょうか。民間サービスも含めてお尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市内におきましては、企業や地域等による買い物支援自動車の運行、スーパーマーケット等による移動販売、商店街等による宅配、青果店等による臨時販売所の開設などさまざまな買い物支援が行われているものと承知しております。また、福岡市では今年度から多様な買い物支援の仕組みづくりに本格的に取り組むことといたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) 地域や企業が主体となってさまざまな買い物支援が行われているとのことでありますが、若者が多いと言われる福岡市においても、今後高齢者の人口が急増し、2025年には市民の約4人に1人が高齢者になるというふうに見込まれております。それに伴って、買い物支援を必要とする方も急増することが見込まれ、人の手による支援では限界を迎えるのではないかと危惧をしております。一方で、近年のICT技術の進歩や生活への浸透ぐあいは目覚ましいものがあるとも考えております。
 そこで、スマートフォンを活用して、家にいながら買い物ができる便利で効率的な買い物の支援など、さまざまな手法を検討すべきではないかというふうに考えますが、御所見をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 超高齢化、そして世帯の単身化が進む中で、日常生活において支援を要する高齢者も増加することが見込まれております。中でも買い物につきましては、生活に必要なものを入手することはもちろん、外出やコミュニケーションが促進されることで、介護予防や自立促進などにも効果があるとされておりまして、日常生活を維持していく上で大変重要なものと認識をしております。議員御指摘のとおり、近年のICT技術の進展は目覚ましく、買い物の分野におきましても、家にいながら買い物ができるネット販売からスカイプによる買い物代行など、さまざまな手法が活用されてきております。買い物支援の検討に当たりましては、こうした新しい技術の活用を初めといたしまして、地域の支え合いの力や民間活力など、さまざまな地域資源を最大限に生かしながら、地域の特性やニーズに応じて多様な買い物支援が行われるよう、持続可能な仕組みづくりに取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) ここまで生活交通に関する施策や取り組み、高齢者の買い物支援などについてお尋ねをさせていただきました。今後ますます長寿社会となっていきますが、高齢者が住みなれた地域で安心して、そして健康的に生活していくためには、公共交通が担う役割というのは、ますます大きくなるのではないでしょうか。このため、これまでの取り組みに加え、先進技術などを活用した新たな取り組みを検討すべきであると考えております。こうした中、東区アイランドシティでは「のるーと」という名称のAIを活用したオンデマンドバスが運行を開始したと伺っております。
 そこで、AIを活用したオンデマンドバス「のるーと」について概要をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 「のるーと」につきましては、アイランドシティにおいて、西日本鉄道株式会社が平成31年4月25日から1年間の実証実験として運行しているものでございます。「のるーと」は決められた時刻表や運行ルートがなく、利用者が乗りたいときにスマートフォンなどで手軽に予約ができ、アイランドシティ地区内や千早駅などに設置されたミーティングポイントと呼ばれる乗降場所で乗りおりができる非常に利便性の高いバスでございます。また、運行に当たりましては、AIが予約状況や渋滞情報等のデータを随時蓄積、学習することで、より効率的な運行を実現することが可能となるものでございます。利用者数につきましては、平日、1日当たり約100名となってございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) では、次に、「のるーと」が運行されることによって、どのような効果が期待されるのか、お尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 清家港湾空港局長。
○港湾空港局長(清家敬貴) 「のるーと」に期待される効果につきましては、乗降場所となるミーティングポイントが住宅地や商業施設、病院などに合計で51カ所設けられてございまして、買い物、通院、通勤、通学など、日常生活における交通手段の一つとして、高齢者を初め、幅広い世代の方々の利便性が向上するものと考えてございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) このような新しい取り組みには大いに期待をしております。運行を開始したばかりで、利用者はまだ1日当たり約100名ということでありますが、市当局としても積極的にPRや利用促進に努め、本格運行につなげていただきたいと思っております。
 「のるーと」のように新しいモビリティーサービスが登場する中、市民サービス向上に寄与すると考えられるものは、積極的に実証実験を行い、交通課題の解決に取り組んでいく姿勢が非常に大切ではないかというふうに思っております。最近ではさまざまな移動手法、サービスを組み合わせるワンストップでシームレスな移動サービスを提供するMaaSなども国や民間事業者において取り組まれているようです。新しいモビリティーサービスの登場により、移動手段は多様化するでしょうし、長寿化のさらなる進展など、公共交通を取り巻く環境は大きく変わりつつあると感じております。このような状況を踏まえて、今後交通施策においても新たな展開を考えていく必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 現在、さまざまな技術革新を背景といたしまして、IoTやAIを活用したMaaS等の新たなモビリティーサービスへの取り組みが全国的に活発となってきているところでございます。福岡市におきましても、御指摘のとおり、AIを活用したラストワンマイル走行の社会実験が現在行われているところであります。今後、技術革新の動向も注視しながら、交通分野のさまざまな課題解決に向けまして、事業者間のデータ連携の推進や多様なモード間の交通結節、新型輸送サービスの推進など、交通事業者とも連携して検討を進めていく必要があると考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) 福岡市においても、人口も増加しており、元気な都市だと言われておりますが、例外なく高齢化が進んでまいります。高齢運転者による交通事故が社会問題化していますし、今後、免許を返納しようと考える方も増加するでしょう。また、買い物が困難な高齢者もふえ、買い物支援を必要とする方もふえていくのではないかとも考えております。先ほど、各局長よりそれぞれの取り組みについての答弁がございましたが、長寿社会の到来を受けて、高齢者が住みなれた地域で安心して生活するためには、高齢者の移動支援、生活交通の確保に全市を挙げてしっかりと取り組むべきと考えます。
 最後に、光山副市長の所信をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 光山副市長。
○副市長(光山裕朗) 福岡市においても、今後、高齢者が増加していく中、高齢者が住みなれた地域で安心して生活していくためには、買い物など、日々の生活を支えていく基盤づくりが重要であると考えております。このため、高齢者に対する多様な買い物支援の仕組みづくりに取り組むとともに、高齢者を初め、誰もが利用しやすい移動サービスの提供に向けて、新しい技術を活用した「のるーと」などの実証実験も始められているところでございます。今後とも、地域、交通事業者及び福岡市が共働して、公共交通ネットワークの維持、充実に努めるとともに、関係局が綿密に連携を図りながら、高齢者の移動支援や生活交通の確保について、総合的に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) 高齢化社会、特に住宅地においては、非常に足の確保、高齢者の方の足の確保というのは、本当に大きな問題だと思っております。とにかく荷物が重いとか、やっぱりそういう問題を抱えながらの生活をなさっている方というのが非常に多い。周辺の家族からも、もう運転は危ないからやめてくれと言われているけれども、やっぱり足がないことには非常に将来が不安、先が不安だという声は本当に多いところであります。今の御答弁、ありがとうございました。ぜひしっかりと取り組んでいただきたいというふうに心からお願いを申し上げます。
 次に、登下校の子どもの安心確保について質問をさせていただきます。
 先月発生した大津市の園児死傷事件、そして、川崎市の児童死傷事件は、全国に、そして私たちに大きな衝撃を与えたというふうに感じております。大津市の事故を受けまして、5月31日、我が会派は、保育園並びに幼稚園施設周辺の交通安全に関する緊急調査及び対策についての申し入れを島市長にさせていただきました。子どもの安全確保は安全、安心な社会のかなめであり、このような悲惨な事件が二度と起こらないように、行政を初め、社会が一丸となって取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。
 そこで今回、社会全体の問題として議論をしていただくために、子どもの安全対策についてお尋ねをしたいというふうに思っております。
 まず、国においては、子どもたちの登下校中の防犯対策の一つとして、登下校防犯プランを策定しておりますが、登下校防犯プランの内容についてお尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 登下校防犯プランは、平成30年の新潟市における児童殺害事件を受け、文部科学省を初め、関係省庁が平成30年6月に策定したものでございます。内容は、登下校時における総合的な防犯対策として、地域における連携強化、通学路の点検や環境の整備改善、多様な担い手による見守りの活性化、不審者情報等の共有及び迅速な対応等についてまとめられたものでございます。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) 国の登下校防犯プランでは、地域における連携の強化など、登下校時における総合的な防犯対策の強化について明記されていることがわかりました。この登下校防犯プランに示されている防犯対策を各学校や地域の実態に合わせてしっかりと取り組んでいただくことが、子どもたちの登下校のまずは安心確保について、とても重要だと思っております。
 そこで、登下校時における防犯対策に関する取り組み状況についてお尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 登下校時における防犯対策の取り組みは、小中学校において、教員に加え、保護者や地域の方々がボランティアとして通学路の危険箇所に立つなどの見守りを行うとともに、学校によっては青色回転灯装備車、いわゆる青パトを活用し、校区内を巡回する見守りを行っております。また、全小中学校で不審者を見かけた際には、周囲の大人に助けを求めたり、子どもたちのための緊急避難所である子ども110番の家に駆け込むなど、安全確保の方法について指導しております。さらに、小学校入学時に1年生全員に対し防犯ブザーを配布し、その使い方について指導をしております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) 今のお話をお伺いいたしまして、子どもたちへの防犯に関する教育はもちろん、保護者や地域の協力を得ながら、学校、そして地域全体で見守っていく取り組みが今後も重要であるというふうに思っております。朝、登校している子どもたちを見ていると、決められた通学路をきちんと通り、元気に登校していますが、時には冷やりとする場面に出会うことがあります。日々通りなれた通学路にも道幅が狭いところなど、多くの危険箇所があります。交通量の多い福岡市においては、このような場所にもしっかりと目を向けていくことが必要であると考えております。
 そこで、小中学校での通学路の交通安全対策の取り組み状況についてお尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 通学路の交通安全対策の取り組みは、全小中学校において、平成27年3月に作成した福岡市通学路交通安全対策プログラムに基づき、学校と地域などが合同で行う通学路点検や危険箇所をわかりやすく示した通学路マップの作成を実施するなどの取り組みを進め、児童生徒の安全確保に努めております。教育委員会においては、各学校の通学路の危険箇所の情報を収集し、警察や区役所、学校等と合同点検を行うことで情報を共有し、関係機関とともに、危険箇所の改善に取り組んでおります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) ただいま答弁がありましたように、小中学校の通学路については、毎年、警察や区役所、学校などと連携した合同点検を行い、対策の必要があるところについては、ハード、ソフトの両面で対応されており、一定の効果が得られているとお伺いしました。しかしながら、今回、滋賀県大津市で起こった痛ましい事故は、保育園の先生が園児の安全を考えて、歩道の端で信号待ちをしていたところに車両が突入してくるという、想定外の事故だったというふうに思っております。私は通学路の交通安全対策のみでなく、保育園、幼稚園施設の周辺での安全対策も大変重要であると改めて認識をした次第でございます。
 そこで、こども未来局にお尋ねをいたします。
 保育園、幼稚園周辺の道路についても、緊急点検を行うとともに、早急に対策に取り組むべきではと考えておりますが、お考えをお教えください。
 
○議長(阿部真之助) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 各保育施設に対しましては、改めて園外活動の実施における安全点検の徹底等について注意喚起を行っております。さらに、保育施設の児童が安全に園外活動が実施できるよう、現在、活動場所や移動経路における危険箇所の調査を行っております。児童が健やかに成長していくためには、安全、安心が確保された環境のもとで保育が実施されていくことが重要であり、園外活動の安全確保について、引き続き取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) 今回の滋賀県大津市の事故を受け、こども未来局では市内の保育園などの園児が安全に園外活動を実施できるように、各園に対して活動場所や移動ルートなどの安全点検の徹底について注意喚起をされているということで、さらに、現在、危険箇所の調査を行っているというお答えだったと思います。事故はいつ起こるかわかりません。一刻も早く危険箇所を把握し、児童が安全に園外活動をできる対策の検討をお願いしたいというふうに思っております。私は常々、今回のような事故を少しでもなくすためには、車を運転する者が安全運転に対する高い意識を持つことが非常に重要であるというふうに思っております。また、いざ事故が起きた場合でも、少しでも人的被害が軽減できるよう、ハードの面の対策による安全確保が必要不可欠だと思っております。
 そこで、道路下水道局にお尋ねをいたします。
 園児を含む子どもが安全に通学できるように、ハード面もしっかりと対策をとっていく必要があると思いますが、所信をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 園児や子どもの安全に向けたハード面、ハード対策といたしましては、道路整備の方向性と目標を示した福岡市道路整備アクションプラン2020、これに基づきまして、歩道整備やあるいは全通学路の歩車分離などに計画的に取り組んでおります。また、通学路の安全対策に特化いたしました福岡市通学路交通安全対策プログラムにも取り組んでおります。防護柵の設置のほか、ドライバーへの注意を喚起する、こういった観点から、路面表示の工夫やあるいは歩行空間を明確に表示する路側のカラー化などの対策を実施してきております。このような取り組みの中、滋賀県大津市で発生した事故の現場は、歩道や信号機が設置された幹線道路の交差点でした。一定程度安全が確保されていた状況、ここにおいて事故が発生したことに危機感を抱き、早速、検討に入りました。具体的には、事故が発生した交差点と類似した福岡市内の交差点のうち、小学校からおおむね半径1キロメートル以内で、かつ右折車と直進車の事故が過去5年間において複数回発生した交差点153カ所を抽出いたしました。区役所と連携して、この153カ所の現況把握に着手したところでございまして、その結果を踏まえ、交差点ごとに必要な対策を検討してまいります。
 また、保育園や幼稚園施設周辺の道路につきましては、市内の保育施設を対象とした危険箇所の調査結果を受け、道路管理者といたしましては、当該箇所ないしは周辺の道路幅員あるいは歩道の有無などの道路状況、また、道路沿いの土地利用状況や交通規制状況など諸条件を踏まえた上で、関係局や福岡県警察などの関係機関とも十分連携し、今後必要な対策をしっかり検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) 子どもたちの安全確保について、現在、ソフト面とハード面、両面から真摯に取り組んでいただいていることがわかりました。今後も継続して安全確保の充実に努めていただくことを強く要望させていただきます。
 5月に川崎市において、登校中の子どもたちがスクールバスを待っている際に、刃物を持った男
から襲われ、小学生や大人数名が死傷する事件が起こりました。この事件の一報を聞き、未然に防ぐのは難しい問題ではありますが、とうとい命を守るために何ができるか、もう一度考えなくてはならない、私自身、強く思った次第でございます。
 そこで、今回の事件を受けての対応についてお尋ねをしたいというふうに思います。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 川崎市の事件を受けての対応につきましては、全小中学校に緊急通知を出し、緊急的な取り組みとして、事件当日から2週間、学校と地域が連携した登下校時の見守りの強化を行いました。また、不審者侵入対策として、全ての学校において門扉や昇降口の戸締まりを徹底することや、緊急時の連絡体制を整えることなどについて、再度確認するよう指導いたしました。今後も引き続き日ごろから学校や地域などとの連携をさらに深め、児童生徒の安全確保に向けて取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) 今回の事件を受け、登校時、多くの保護者や地域の方々、そして学校の先生方が見守りを強化していただいている姿を見かけております。皆さん大変真剣に御尽力を、御努力をいただいているというふうに考えております。事件や事故の際、緊急的に子どもたちの安全確保の徹底について指示することも必要だというふうに思いますが、日常的なふだんからの子どもたちの安全指導も必要であるというふうに考えております。
 さて、川崎市の事件では、容疑者がひきこもり傾向だったと報道されております。また、平成31年3月に発表された内閣府の調査によると、中高年のひきこもりの方が全国で約61万人と報告されております。このようなひきこもりの背景には、就職難、職場不適応やリストラなど社会的要因が考えられますが、精神疾患や発達障がいが隠れている場合など、さまざまな要因があるようです。このように、社会的に孤立している人に対して、どのような支援を行っているのか、お尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市では、精神保健福祉センターにおいて、ひきこもりの専門相談や家族教室を行うとともに、ひきこもり成年地域支援センターを設置して、電話、面接相談のほか、当事者の居場所の提供や自立に向けたグループ活動、訪問支援を実施するなど、その方の状況に合わせた支援を行っております。就労支援が必要な場合には、生活自立支援センターやハローワークなどの支援機関を、精神疾患が疑われる場合には医療機関を紹介しております。また、発達障がい者支援センターにおいては、成人の発達障がいの専門相談も行っており、連携して支援を行っております。今後とも、引き続き医療、保健、福祉、就労などの関係機関と連携して、多面的な支援を行うとともに、ひきこもりへの理解を深める啓発や相談支援機関のわかりやすい情報提供を充実するなど、必要な人に少しでも早く支援の手が届くように、相談しやすい環境づくりを一層進めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) 成人のひきこもりについては、さまざまな要因があり、多様な支援を行っているということですが、ひきこもりの方は社会との関係性が薄く、家族との関係も難しいことがあるため、社会が積極的にかかわっていく必要があるというふうに思っております。そして、子どもたちの防犯においても、関係機関との連携が重要になってくるのではないかというふうに思っております。学校だけの取り組みではまだ十分ではなく、今後は警察など、関係機関とのさらなる連携が必要になってくるのではないかと思っております。
 そこで、犯罪防止のためには、学校、教育委員会、警察、地域の連携が重要だと考えておりますが、取り組み状況をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校、教育委員会、警察、地域が連携した取り組みの状況は、学校関係者や保護者、地域の方々が地域懇談会等を通して、校区の危険箇所や不審者についての情報交換を行い、校区全体で犯罪抑止に対する意識の向上を図っております。また、全小中学校で保護者や地域の方々による登録制のスクールガードを組織し、登下校の見守り活動や緊急時の対応等、定期的、組織的な取り組みを行っております。さらに、学校、警察、教育委員会で構成される学校警察連絡協議会において、定期的に事件や事故、不審者等の情報共有を行うとともに、学校や教育委員会が必要に応じて警察にパトロールを依頼するなど、連携した取り組みを行っております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) ただいまの答弁によりますと、本市における犯罪抑止については、主に保護者や地域の方々による登下校の見守り活動を初めとした、人の目による地域の防犯活動となっているように思っております。子どもたちの安全は地域のボランティアの皆さんの多大なる御尽力によって支えられている部分が非常に大きいと思います。しかしながら、近年は地域で活動されている方々の高齢化や共働き世帯の増加など、地域における見守りの目にも限界が近づいているのではないかというふうに思っております。これからは地域の連携、地域の皆さんの協力による見守りのみならず、テクノロジーの活用も重要になってくるのではないかと考えております。私はその一つとして防犯カメラの活用が地域の防犯意識の高揚や犯罪の抑止などの観点から、非常に有効な手段であると感じております。
 福岡市では、地域が設置する街頭防犯カメラの設置に対して助成を行っておりますが、防犯カメラの過去3年間の設置数と助成制度を開始してから現在までの総設置台数についてお尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 街頭防犯カメラ設置補助金制度による過去3年間の設置台数につきましては、平成28年度が220台、29年度が126台、30年度が108台となっており、制度を開始した24年度から30年度までに918台の街頭防犯カメラが設置されております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) 地域に設置されている街頭防犯カメラは、年々増加しているとのことですので、地域の防犯に対する関心や意識が高まっていると言えるのではないかと思っております。本市における刑法犯認知件数は全国的な傾向と同じく減少傾向にありますが、その要因の一つとして、地域による防犯活動とあわせ、街頭防犯カメラの設置による効果もあるのではと、私はそう感じております。福岡市として街頭防犯カメラの必要性や効果などを積極的に発信することで、さらにその効果が高まるのではないかというふうに考えております。
 そこで、我が会派から、防犯カメラの設置実績や設置効果などの補助金制度をPRすることで犯罪の抑止力強化につながるのではないかと御提案をしておりましたが、どのような対応を行っているのか、お尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 街頭防犯カメラの設置実績や補助金制度につきましては、福岡市のホームページにおいて制度概要や街頭防犯カメラの必要性とその効果、小学校区ごとの設置台数を掲載するとともに、市政だよりやリーフレットなども活用しながら、広く制度の周知を図り、街頭防犯カメラの設置促進と犯罪抑止に努めております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) ぜひ今後とも、しっかりと取り組んでいただくようにお願いをいたします。
 次に、冒頭に申し上げたように、地域における子どもたちの安全確保については、社会的に重要な課題となっております。登下校を初めとして子どもの見守りは、保護者や地域の方々によるボランティアの力だけに頼るのではなく、これからはIoTやICTなど、新たな技術を生かした安全対策に取り組んでいくべきと考えております。先日、島市長が定例会見におきまして、新たにIoT技術を取り入れて、地域とともに、子どもの見守りの強化に取り組むと発表をされております。全市的な展開は政令市では初の試みとも聞いております。大変私は期待をしております。
 そこで、これから取り組もうとされているIoTを活用した子ども見守り事業について、具体的にどのような事業なのか、その概要についてお尋ねをいたします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) IoTを活用した子ども見守り事業につきましては、市内の小学生に無料で見守り端末機を配布し、その端末機を携帯していれば、登下校時に限らず、児童の位置情報や行動履歴が記録され、子どもの行方がわからなくなった場合に警察等とも連携し、迅速な対応が可能となるものでございます。また、地域の店舗や企業、見守り活動を行う方などに御協力いただき、市内全域に児童の位置を検知する基地局の設置や見守りアプリのダウンロードをしていただくことにより、見守りのネットワークを構築し、社会全体で子どもの見守りを強化するものであり、官民協働で事業を推進してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) IoTを活用した子ども見守り事業の概要はわかりました。児童の安全を守るためには、特に低学年の児童にこのような端末機を持ってもらうことが重要ではないかというふうに考えております。
 そこで、教育委員会としてもこの事業についてしっかりと取り組むべきと考えておりますが、御所見をお尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 児童の安全を守るために、端末機を携行させることは有効であると認識しております。今後は教育委員会といたしましても、IoTを活用した子ども見守り事業を実施する市民局と連携し、子どもの居場所を把握することができる端末機を活用した児童の安全確保の取り組みを積極的に推進してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 飯盛利康議員。
○40番(飯盛利康) ありがとうございます。ぜひしっかりと協力をよろしくお願いいたします。
 子どもたちの安全確保に向けた新たな取り組みについて、各局にお尋ねをさせていただきまして、大変よくわかりました。今後も積極的に新しい取り組みにチャレンジをしていただきたいというふうに思っております。今、学校で行われているさまざまな取り組みにつきましては、今後とも、しっかりと継続して取り組んでいただきたく要望させていただきます。
 最後に、登下校時の子どもや園外活動時の園児の安全確保については、全市を挙げてしっかりと取り組むべきと考えております。島市長の決意をお伺いして、私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 未来を担う全ての子どもたちが安心して心身ともに健やかに成長できるよう、交通安全対策など、子どもを守る仕組みづくりについてしっかりと推進をして、安全を確保していくことは大変重要であるというふうに認識をしております。子どもが自分らしく生き生きと輝き、将来の夢を描きながら、健やかに成長していける社会を実現していくために、今後とも、飯盛議員御指摘のとおり、行政、市民、地域、学校、保育施設などが互いに連携してIoTやBeaconなど、先進的な技術を活用しながら、子どもが安全に健やかに成長できる環境づくりにしっかりと取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) この際、暫時休憩いたします。
 午後は1時10分に再開いたします。
午前11時37分 休憩  
午後1時10分 開議  
○副議長(楠 正信) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾)登壇 公明党1期生の勝山信吾と申します。本日は、初めての一般質問に立たせていただきます。市民の皆様の声を市政に届けられるよう精いっぱい行ってまいります。よろしくお願いいたします。
 私は公明党福岡市議団を代表し、市営住宅の入居要件の緩和と買い物支援について、歩行者を自動車事故から守る安全対策について質問いたします。
 初めに、市営住宅の入居要件の緩和と買い物支援について質問いたします。
 全国的に高齢化が進展する中、福岡市も超高齢社会に突入し、生活に不安を抱えながら過ごしている単身世帯の高齢者が増加しています。また、単身世帯の高齢者と同様に、単身世帯の中高年者も増加の傾向にあり、今後もさらに増加することが予想されます。そして、単身中高年世代の中には、バブル崩壊後の就職が困難な時代、いわゆる就職氷河期を経験し、フリーターや派遣労働といった非正規雇用になる人がふえ、いまだに不安定な雇用環境で働いている中高年者も数多く、最近では、政府の骨太方針の原案にも盛り込まれ、就職氷河期世代への集中支援の必要性も取り沙汰されています。
 まず、高齢化問題が顕在化する中、その陰に隠れている低所得の単身中高年者の市営住宅の入居要件の緩和についてお聞きしたいと思います。
 市営住宅における単身世帯の入居要件についてお示しください。
 以上で1問目の質問を終え、2問目以降は自席にて行います。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 市営住宅に入居申し込みができる世帯につきましては、福岡市内にお住まいの方で、世帯収入が一定の基準以内であることなどに加えまして、原則として同居親族があることも要件といたしております。
 一方、単身者の場合でも、特に住宅困窮度が高い方については、居住の安定を図る必要があることから、60歳以上の方、身体障がい1級から4級までの方、精神障がい1級から3級までの方、犯罪被害者、DV被害者の方などは入居対象者としているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 今お示しいただいたように、単身で市営住宅に入居するためには制限が設けられています。市営住宅は公営住宅法に基づき整備されておりますが、法制定当時の昭和26年は、住宅不足が続き、当時の民間賃貸住宅市場では単身者向け賃貸住宅が多かったのに対して、家族向けの住宅はいまだ十分とは言えない状況でした。このような状況の中、限られた財政で、住宅に関する公的支援の必要性の高い同居親族を持つ世帯に対して、公営住宅を供給するという趣旨で、同居親族要件が規定されていました。しかし、平成23年の法改正で、同居親族要件は廃止され、入居要件については条例に規定することになりました。
 ここで、なぜ福岡市は単身者の入居に制限を設け、同居親族要件を維持しているのか。特に60歳未満の中高年層の単身者の入居について、制限している理由についてお答えください。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 福岡市においては、平成22年8月に福岡市住宅審議会に公営住宅法改正への対応について諮問し、9回にわたる御審議を経て、平成25年2月に答申を受けております。
 その内容を読み上げますと、福岡市では、単身世帯の割合が高く、また、近年の民間賃貸住宅は、空き家の増加に伴い、低廉な家賃で供給されていることから、基本的に生産年齢層に対しては、民間住宅での対応が可能である。このような状況を踏まえると、市営住宅において、年齢や身体的状況にかかわらず単身世帯の入居を認めると、真に住宅に困窮する者の居住の安定確保が困難となることから、これまでと同様に一定の要件が必要となる、との答申を受けて、従来どおり同居親族の要件を維持しているものでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 福岡市における単身世帯のうち、30歳以上60歳未満の中高年層の世帯数がこの10年でどのように変化したのか。また、単身世帯に占める30歳以上60歳未満の中高年層で、おおむね市営住宅の収入要件を満たす世帯所得200万円未満の世帯数についてお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 総務省統計局の平成29年就業構造基本調査によりますと、福岡市における30歳以上60歳未満の単身世帯数は15万4,600世帯で、平成19年の同調査と比べ3万6,300世帯増加いたしております。また、平成29年の同調査によりますと、30歳以上60歳未満で世帯所得200万円未満の単身世帯数は4万2,700世帯とされております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) お示しのとおり、福岡市では30歳以上60歳未満の中高年層の単身世帯数は、この10年間で約3万6,000世帯も増加しています。さらに、所得の面から見てみますと、30歳以上60歳未満で世帯所得200万円未満の単身世帯数は約4万3,000世帯となっており、その多くが市営住宅の収入要件を満たすことになります。
 私も候補活動の期間中、経済的に大変な状況にある方から、市営住宅の単身入居について御相談をいただきました。そのときに、所得要件を満たしているにもかかわらず市営住宅に入居できない仕組みについて、何とかならないものかと感じました。また、全市的にも市営住宅では高齢化が進み、入居者の世代間バランスに偏りが生じており、自治会などの地域コミュニティを維持するのも困難だという声もよくお聞きします。
大阪府営住宅では、審議会で多様な階層の入居拡大についての意見が出されたことや、公営住宅法の改正に伴い、60歳以上の高齢者等に限定されている単身の入居制限を廃止し、随時募集において単身の入居者資格に若年単身層を追加しており、既に平成24年から実施しているそうです。
 そこで、福岡市でも大阪府のように、現状の募集倍率など踏まえながら、例えば、60歳未満の単身枠を設けることや、応募割れ住戸においては入居要件を緩和するなど、積極的な対応をすべきだと思いますが、御所見をお聞かせください。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 福岡市におきましては、高齢者や障がい者、DV被害者、犯罪被害者などを対象とする単身入居枠の応募倍率は現在も高い水準にありまして、今後もこれらの住宅困窮度が特に高い人たちの増加が見込まれるところであります。
 一方で、空き住戸の発生状況や他都市の動向なども踏まえていく必要があります。単身入居の今後のあり方につきましては、それらを総合的に勘案して検討していく必要があると考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 空き住戸の状況や他都市の状況を踏まえ、単身入居のあり方については、ぜひ前向きな検討をお願いいたします。
 続いて、市営住宅における買い物支援についてお聞きいたします。
 2040年に高齢化がピークを迎える中、市営住宅を取り巻く環境も変化しております。地域商店やスーパーの撤退、流通機能や交通の弱体化とともに、食料品等の日常の買い物が困難な、いわゆる買い物弱者への支援サービスは、今後ますます重要になってきます。中でも、高齢化が深刻な市営住宅への支援は、本市にとっても早急に取り組まねばならない喫緊の課題であると思います。
 私も昨年の11月、私が住んでいる地域にあります城浜市営住宅の方々から、団地内に併設されていたスーパーの閉鎖が決まっており、近くにスーパーや商店街もなく、鉄道、地下鉄もないため、高齢者の日常的な買い物に大きな支障を来しているという悲痛な声をお聞きし、買い物送迎事業や移動販売について実施してもらえないかとの要望をお受けいたしました。その声を受けて、ことし3月に島市長、保健福祉局長宛てに、城浜団地の自治協議会の会長初め、役員の方々と一緒に、城浜団地の買い物支援に関する陳情書を提出させていただきました。
 そこでまず、福岡市全体、市営住宅全体、城浜住宅、それぞれの高齢化率についてお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 住民基本台帳によりますと、平成31年3月末現在で65歳以上の高齢者が人口全体に占める割合は、福岡市全体では21.6%、市営住宅全体では37%、城浜住宅では46%となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) お示しいただいたように、全市は21.6%、市営住宅全体では37%、そして、城浜住宅は46%と極めて高齢化率が高いことがわかります。
かつて城浜住宅など幾つかの市営住宅では、公設のシティマーケットが設置されていたと伺いました。そこで、このシティマーケットの設置の経緯と設置の目的についてお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 公設小売市場、いわゆるシティマーケットにつきましては、国が定める実施要領に基づき、昭和40年代に全国各地で設置されたもので、福岡市におきましても昭和43年から昭和50年にかけて市内7カ所に設置をしております。設置の目的は、標準的価格による食料品の販売やショッピングセンターの形成等を通じ、消費者に対する利便の提供を図るとともに、適正な競争条件の実現や経営の合理化等により、中小食料品小売業者の経営の近代化及び消費者物価の安定に資することでございます。その後、当初の目的を果たしたため、昭和62年から平成元年にかけて民間事業者への事業譲渡を進め、現在は市が運営する公設小売市場はございません。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 廃止の経緯についても答弁いただきましたが、当初は消費者の利便性と小売業の経営の近代化を目指し、市営住宅団地建設と並行して設置されてきた経緯があり、市がこれを廃止してしまったことで、現に多くの高齢者が困っているという現実がございます。
 市営住宅の高齢化が急速に進んでいる今、消費生活の利便を図るという理念に立ち返って、市営住宅に住む居住者への食料品等の販売を守っていく使命、義務が福岡市にはあるのではないでしょうか。これらの一連の経緯を踏まえて、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 公設小売市場につきましては、昭和40年台の高度経済成長期において、急激な市街地の拡大、人口増加、物価の高騰などの社会環境の変化を背景に、国が設置を推進したものです。その後、スーパーマーケット等の民間商業施設が整備され、消費者に対する利便の提供及び中小食料品小売業者の経営の近代化が果たされたこと、公設小売市場の価格形成への影響力が薄れたことなどから、行政としてその役割を終え、昭和62年から平成元年にかけて民間に事業を委ねたものでございます。
 なお、近年、高齢化の進展等に伴い、いわゆる買い物弱者と呼ばれる方々がおられることは承知しており、高齢者が安心して暮らせるための生活基盤づくりの観点から、対応が必要であると認識をしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 本市としても、高齢化の進展に伴い、買い物弱者に対する対応が必要であると認識しているとお答えをいただきました。
 そこで、買い物弱者に対する移動販売の福岡市内における取り組みについてお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 福岡市内におきましては、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、生活協同組合などが運営する移動販売が行われているものと承知いたしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) それらの民間の動きと地域のニーズを結びつけることが重要だと思いますが、今年度から新たに設置した買い物支援推進員についての概要と配置体制をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 舟越保健福祉局長。
○保健福祉局長(舟越伸一) 買い物支援推進員につきましては、買い物支援に関し、企業、事業所、NPO等の多様な主体の参加と地域資源の掘り起こしを進め、これらと地域をマッチングすることで、地域の特性やニーズに応じた多様な買い物支援が行われる仕組みをつくることを目的として、福岡市社会福祉協議会に1名配置しております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 大変重要な取り組みであり、今後の実績を踏まえて、ぜひ取り組みを充実させていただきますようお願いいたします。
 一方で、せっかく買い物支援推進員を配置し、移動販売に前向きな民間事業者がいても、受け入れる側の市営住宅がこれを制限していてはどうにもなりません。
 そこで、市営住宅では移動販売車両の乗り入れが原則禁止されているとお伺いしましたが、その理由をお聞かせください。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 市営住宅につきましては、健康で文化的な生活を営む住まいとして、入居者の方々が安心して居住できる環境を維持していくことが必要であります。無許可の移動販売車両の乗り入れにつきましては、敷地内の迷惑駐車、騒音等の発生により良好な住環境が損なわれるおそれがあり、実際に一部の住宅において入居者より、移動販売車が通行の支障になっている、呼び込みがうるさいなどの苦情も寄せられております。良好な住環境を維持していく観点から、原則禁止としているものであります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 移動販売を試行で行っている市営住宅があるとお聞きしましたが、その市営住宅がどこかお示しください。また、その市営住宅の高齢者数と高齢化率についてお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 大型スーパーの撤退により、市営住宅の周辺には生鮮食品等の生活必需品を取り扱う店舗がなくなったことを受けて、西区の福重住宅において試行的に実施をいたしております。福重住宅における平成31年3月末現在の65歳以上の入居者数は598人、高齢化率は38.9%となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 市営福重住宅の試行においては、移動販売車両の乗り入れを認めるに当たって、何か条件などは決めているのでしょうか。お答えください。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 試行に当たりましては、近隣に生鮮食品や日用品などの日常生活に必要な品を取り扱う販売店がないこと、入居者の総意に基づくものであること、移動販売の事業者の選定、契約、移動販売の運営等については、管理組合や自治会で行っていただくことなどを主な条件といたしております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 移動販売の事業者の選定、契約、移動販売の運営等については、自治会で行うことが条件とのことですが、城浜住宅は高齢化率46%で、福重住宅よりも高齢化率が7.1ポイントも高く、その分、団地自治会の高齢化も進んでいます。このような自治会が事業者の選定や契約まで全て行うことは非常にハードルが高く、自治会の負担が余りにも大きいと感じます。
 私はこの議会質問に当たり、都営住宅における買い物弱者支援事業について、東京都の多摩市の取り組みを視察してまいりました。都は、区、市、町と移動販売を行う場所を提供する旨の覚書を締結。その区、市、町は移動販売サービスを安定的に提供できる民間事業者を選定するとともに、販売場所の選定を行っております。最近では、練馬区や世田谷区及び港区でも移動販売を開始しており、今後、都は移動販売を生活支援事業の柱の一つにしていくとのことです。
 また、練馬区の光が丘団地では、ショッピングセンターや病院、図書館などが立ち並び、一見、何の不便もないように感じますが、団地からショッピングセンターまで10分以上かかり、つえをついたり、カートを押しながら出かける高齢者の中には、買い物を困難に感じている人も多いようです。買い物支援だけを考えれば、宅配やネット販売なども考えられますが、それでは高齢者がますます孤立してしまいます。練馬区では、買い物に出てもらい、買い物を通じてコミュニケーションの機会を持ってもらうことを重視して取り組まれているそうです。移動販売というと、過疎地域の問題と思われがちですが、今や単身高齢者がふえ続ける中、都心部においても買い物弱者問題は顕在化しているのが現状です。
 そこで、東京都の事例と本市の市営住宅の高齢化を鑑み、事業者選定については、本市が主体となって行うべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 移動販売の実施に当たりましては、地域の実情や立地条件、入居者のニーズが多様であることに加え、入居者間においてもさまざまな御意見があることから、試行方針にも定めております、入居者全員に対して移動販売について周知が行われ、入居者の総意に基づくものであることが団地内での対立を招かないためにも重要であり、事業者の選定等につきましても、管理組合などが主体となって十分な話し合いのもと行っていただきたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 入居者間で多様な意見があるとの御答弁ですが、城浜住宅のように突出して高齢化が進んでいる団地では、移動販売へのニーズもそれだけ高くなるはずです。にもかかわらず、現在の試行の条件では、高齢化が進んだ団地自治会ほど導入の負担が大きくなるという矛盾を抱えているのではないでしょうか。
 城浜住宅などの特に高齢化率が高い市営住宅については、自治会と合意の上で実施する移動販売事業者の選定や契約などに係る団地自治会の負担軽減策を積極的に検討していただきたいと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 事業者選定等に係る管理組合などの負担軽減につきましては、保健福祉局と連携し、事業者とのマッチングなどの支援策の検討を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) ただいま事業者選定等に係る管理組合の負担については、保健福祉局と連携し、事業者とのマッチングなどの支援策の検討を行うとの答弁をいただきました。今後、支援策についてしっかり検討し、取り組んでいただきたいと思います。
 買い物支援における陳情書提出の際、城浜団地の自治協議会の会長が、団地の高齢者の皆様が買い物に本当に困っている状況を必死に訴えているお姿を目の当たりにし、私自身、このまま放っておけば高齢者の買い物環境は全く解決されることはないと感じました。また、あと20年後には高齢化のピークを迎えることを考えると、今こそ本腰を入れて取り組まねばならない時期に来ており、重要な課題であると認識しております。ぜひ課題解決に向けた取り組みを前に進めていただきますようお願いいたします。
 この質問の最後に、超高齢化する市営住宅の諸課題の解決に向けて、今後どのように取り組んでいかれるのか、島市長の御所見と御決意をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 島市長。
○市長(島宗一郎) 高齢化が進展をいたしまして、高齢者を取り巻く状況が多様化をする中で、住みなれた地域で安心して生活を続けていくためには、住まいの確保や、また、助け合えるコミュニティがあることが必要であるというふうに考えています。
 高齢化が著しい市営住宅におきましても、子育て世帯の入居の促進によりまして、コミュニティ機能の活性化を図りますとともに、より住宅の困窮度が高い世帯のための住宅セーフティーネット機能の確保に努めますなど、地域の状況、また課題に応じまして、安心して暮らせる環境づくりにしっかりと取り組んでまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 次に、歩行者を自動車事故から守る安全対策について質問いたします。
 平成31年4月19日、東京・池袋の都道で87歳男性が運転した車が、ガードパイプに接触した後、暴走して横断歩道に突っ込み、近所に住む母子2人が死亡する事故が起こりました。
 最近では、令和元年6月4日、福岡市早良区百道の市道交差点付近で車6台が絡み、9人が死傷する事故が起こりました。報道によると、交差点に突っ込んだワゴン車を運転していた80代の男性は、周囲に運転免許証の返納を考えていることを相談していたようです。
 そこで、高齢運転者の運転免許証返納を促す福岡市の現在の取り組みの概要についてお答えください。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 福岡市における運転免許証返納を促す取り組みにつきましては、高齢者自身が加齢に伴う身体機能や判断能力の変化に気づくことで安全運転に心がけていただけるよう、認知症予防講座と実技運転を組み合わせた高齢運転者講習を実施しており、その講習の中で、運転免許証の自主返納制度の紹介を行っております。
 また、高齢者を対象とした交通安全の出前講座や四季の交通安全運動などの街頭キャンペーンにおいて、自主返納制度を初め、交通局や民間の交通事業者による自主返納者を対象とした支援サービスの周知に取り組んでおります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 重光交通事業管理者。
○交通事業管理者(重光知明) 交通局では、高齢運転者の運転免許証の返納と地下鉄への利用転換を促進しますため、免許証を自主返納された高齢者がちかパス65を購入された場合に、乗車料金や電子マネーとして利用可能なポイントを付与する運転免許返納割サービスを実施いたしております。
 具体的には、返納後1年以内にちかパス65、これは65歳以上の高齢者を対象としまして、地下鉄全線が乗車可能となります定期パスでございますが、これを購入された場合に、1回の購入につき3,000円分のポイントを付与するもので、購入2回まで御利用いただけることとなっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) それでは、民間主導で行われている取り組みはどうなっているのでしょうか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 民間の交通事業者による支援サービスにつきましては、運転免許証の返納から1年以内の高齢者を対象に、西鉄バス乗り放題定期券グランドパス65を1回の購入につき1,000円割引するサービスや、一部のタクシー事業者において、乗車運賃から10%割引するサービスがございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 高齢運転者の中には、運転免許証を返納すると、今まで車で通っていた病院や買い物などの生活交通手段がなくなるため、返納したくてもできないという方もおられます。
 福岡県みやま市では2016年度から、運転免許証を自主返納した80歳以上の高齢者に対し、年間3万円分のタクシー乗車券を配布する制度を導入しています。愛媛県松山市では、免許返納で市内のプールや博物館、ミュージアム、温泉浴場の施設の利用料の割引を行い、返納後も高齢者の外出機会をふやし、健康増進につなげる取り組みを行っております。また、栃木県足利市では、免許返納者に電動自転車の購入補助を行っています。
 高齢化が著しく進む中、自主返納を幅広く促すため、自主返納を考えている人にとって背中を後押しできるような制度や身近な生活交通手段の確保が求められます。
 返納促進対策や生活交通のさらなる拡大、拡充を要望いたしますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 運転免許証の自主返納の促進につきましては、今後とも、高齢運転者講習や交通安全に関する出前講座などさまざまな機会を捉えて、福岡県警や交通事業者とも連携しながら、自主返納制度をわかりやすく周知するとともに、高齢者自身が加齢に伴う身体機能や判断能力の変化に気づくきっかけとなる機会の拡充を図ってまいります。また、運転免許証を自主返納された高齢者に対する支援サービスがさらに広がっていくよう、交通事業者に対して働きかけてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 石橋住宅都市局長。
○住宅都市局長(石橋正信) 生活交通の確保につきましては、高齢化の進展や郊外部における人口減少などに伴いまして、今後とも、重要性が高まっていくものと考えております。このため、生活交通条例に基づく休廃止対策、不便地対策などにしっかりと取り組んでいくとともに、関係局と連携しながら、総合的に生活交通の確保に努めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 休廃止対策、不便地対策などにしっかりと取り組んでいただくとともに、生活交通の確保にもしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 令和元年5月8日、滋賀県大津市の県道交差点で、交差点を右折した普通自動車と直進してきた軽自動車が衝突し、そのはずみで軽自動車が歩道で信号待ちをしていた保育園児らの列に突っ込み、保育士を含む13名が重軽傷を負い、園児2人が死亡するという事故が発生いたしました。このような、幼い子どもたちの命が一瞬で奪われ犠牲になる悲しく痛ましい事故は二度と起こしてはなりません。
 そこで、公明党福岡市議団では、5月24日、島市長宛てに保育施設・幼稚園等周辺の道路の交通安全対策に関する緊急申し入れを行いました。公明党市議団といたしましても、保育園・幼稚園等の周辺道路に対する交通安全対策は一日も早く取り組まねばならない喫緊の課題だと認識しております。
 国土交通省では、園児等の交通安全について、警察等の関係機関と連携して点検を実施することを発表し、既に5月13日付で地方整備局等に通知をしており、過去5年間で子どもが当事者となった交差点での重大事故の箇所や類似箇所を対象に、警察と連携して点検を始めているようです。
 この事故を受けて、保育現場における園外活動の安全管理などについて、国からの通知はありましたでしょうか。また、その内容をお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 国からの通知につきましては、内閣府及び厚生労働省から令和元年5月10日に通知があっております。その内容といたしましては、園外活動の際の移動経路の安全性や職員体制の再確認を含め、改めて安全管理の徹底について、保育所等に周知を依頼するものでございます。また、あわせて、園外活動は保育において子どもが身近な自然や地域社会の人々の生活に触れ、豊かな体験を得る機会を設ける上で重要な活動であり、移動も含め安全に十分配慮しつつも、引き続き積極的な活用について依頼するものでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 通知内容にもあったように、保育園外での活動は、子どもが自然や地域社会の人々の生活に触れ、豊かな体験を得る機会でもあり、私も重要な活動だと思います。
 ここで、園外保育を行う際、保育園としてどのような手順を踏んで行っているのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 各園が実施している園外活動につきましては、担当保育士が指導計画等を立案し、活動の狙い、職員間の役割分担等の細かな連携体制、目的地及び移動経路における事前の下見や安全点検等、また、万一事故が起こった場合の対応及び連絡体制等について、職員間で確認し合い、施設長に園外保育を届け出、了解を得た上で実施されております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) その園外保育届は市にも提出されていますでしょうか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 園外保育届につきましては、各保育施設において園外活動を万全の体制で安全に実施し、情報を全職員で共有することを目的に作成し、園内で管理されているものであり、市に対して提出までを求めているものではございません。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 今お答えいただいたように、園外保育届は各保育園で完結しているのが現状のようです。園児の安全を守り、類似の事故を未然に防ぐためにも、当局も園外活動届の内容を把握し、二重でチェックすることが必要だと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 園外保育における児童の安全確保につきましては、各保育施設において日々チェックし、適切に実施されております。本市におきましては、日常的に利用する園外活動の目的地や移動経路について、随時相談を受け、必要に応じ指導、助言等を行っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 今回の大津市の事故を受け、各保育園に対して調査を行っているとお聞きしておりますが、具体的な調査対象はどうなっていますか。また、その調査内容には園外保育活動をする場所までの散歩ルートについて、記入をするよう依頼をされていますでしょうか、お尋ねいたします。
 
○副議長(楠 正信) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) このたびの調査につきましては、福岡市内の認可外保育施設を含め、702施設を対象に、令和元年5月30日から実施しており、各保育施設が園外活動で日常的に利用する経路等における危険箇所の具体的な場所と状況についての調査を依頼しております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 幼い園児の命を事故から守り、今回のような事故を未然に防ぐためにも、散歩ルートの把握は極めて重要なことだと思います。また、今回のような事故はいつ何どき起こり得るかしれず、今回の危険箇所の調査に加えて、散歩ルートを把握するためにも、散歩ルートの記入依頼を追加で行うべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 危険箇所の調査に当たりましては、保育施設が日常的に利用している園外活動における移動経路などの危険箇所の有無を早急に把握するため実施したものでございます。今後、安全、安心が確保された環境のもとで園外活動が日々実施できるよう、散歩ルートの把握も含め、引き続き園外活動の調査を実施してまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 危険箇所の調査だけでなく、散歩ルートの把握を含め、実施していくとの答弁をいただきました。散歩ルートの安全確保については、保育園だけでなく、市も一緒になって取り組んでいただきたいと思います。
 さらに、今回取り組んでいただいている調査や対策を一過性で終わらせないためにも、定期的にチェックできる仕組みづくりが重要だと思います。
 小学校通学路の交通安全対策では、既に福岡市通学路交通安全対策プログラムというものがあると伺いました。
 そこで、このプログラムの策定、実施までの経緯と策定までの期間、取り組み内容、通学路交通安全対策推進の基本スケジュールをお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 福岡市通学路交通安全対策プログラムは、文部科学省、国土交通省、警察庁から平成25年12月に出された通学路の交通安全の確保に向けた着実かつ効果的な取り組みの推進についての通知に基づき、学校や警察、公民館館長会、PTA協議会等で組織する福岡市通学路安全対策推進協議会において協議を重ね、平成27年3月に策定しており、策定までの期間は1年4カ月です。内容は、通学路の合同点検及びその改善に関すること、登下校中の見守り活動の推進に関することなどでございます。
 基本的な年間のスケジュールは、4月に学校が危険箇所等を把握し、5月から6月にかけて教育委員会が詳細な図面等を準備し、7月から8月に危険箇所を関係機関などとともに、合同の現地点検を行い、その後、改善を行うこととしております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 通学路交通安全対策プログラムに関しましては、大変御苦労をされてプログラムの策定まで至ったとお聞きしましたが、この仕組みを構築した後は、各関係機関がスムーズに連携をとれる体制になり、各関係機関が一体となって通学路の交通安全対策に取り組めるようになったと伺いました。
 保育園は園児の送迎は親がされるので、通学路はございませんが、保育園や園児の安全な環境づくりのため、今回行う危険箇所や散歩ルートの調査にあわせて、各保育園からの御意見や要望も幅広く取り入れながら、保育園版の交通安全対策プログラムにぜひ取り組んでいただきたいと思いますが、明確な御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 安全な環境のもとで園外活動を実施していくに当たり、通学路交通安全対策プログラムのように、関係機関が連携していくことは重要であることから、今後、保育施設の意見も聞きながら、効果的な方策について検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 今後、関係機関と連携し保育園の意見を聞きながら、効果的に進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 公明党福岡市議団の緊急申し入れでも要望しておりましたが、危険箇所の調査結果を踏まえて、危険と感じている箇所を速やかに特定し、ガードレールや車どめガードポールの設置等、交通事故から園児を守る手だてを速やかに講じ、小学校周辺にあるスクールゾーンに準じたキッズゾーンを保育園周辺に設けることや、園外保育の見守りをするボランティア、キッズガード制度の創設の推奨、そして、国に予算要望の上、9月議会に対策費用を盛り込んだ補正予算案を提出し、今年度中に取り組みを終えることを求めます。御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(楠 正信) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) いわゆるキッズゾーンにつきましては、国において検討がなされているところであり、今後、国の動向を注視しながら、必要な対応を検討してまいります。
 また、キッズガードにつきましては、小学校における登下校時に見守り活動を行う学校安全ボランティアであるスクールガードが地域と保護者の理解と協力のもとに実施されていることを踏まえながら、今後、関係局や関係機関と協議を行ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 駒田道路下水道局長。
○道路下水道局長(駒田浩良) 道路管理者といたしましては、市内の保育施設を対象とした危険箇所の調査を踏まえまして、当該箇所ないしは周辺の道路幅員や歩道の有無などの道路状況、また、道路沿いの土地利用状況や交通規制状況などの諸条件を踏まえた上で、関係局や福岡県警察などの関係機関と十分連携し、予算措置も含め、今後、必要な対策をしっかり検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 勝山信吾議員。
○12番(勝山信吾) 今、調査結果を踏まえ、必要な予算措置を含めた対応を検討していくとの御答弁をいただきました。
 6月3日、名古屋市昭和区の交差点で車2台が衝突する右直事故があり、交差点に設置されていたガードレールが歩道へはじかれた車の侵入を防いだとの報道がございました。この報道を受け、ソフト面と並行してのハード面の整備の重要性を改めて感じました。特にガードレールや車どめガードポールなどについては、道路の幅や歩行者が交差点に待機できるスペースなどの条件が整う箇所から積極的に設置を進めていくべきだと考えます。ぜひスピード感を持って対応していただくよう要望いたします。
 最近、社会問題にもなり、立て続けに起こっている高齢者事故。また、未来ある幼い子どもたちが巻き込まれる悲しい交通事故は二度と起こすわけにはいきません。
 最後に、本市において、これらの悲惨な交通事故から市民を守るため、今後どのように取り組んでいかれるのか、島市長の御所見と御決意をお伺いして質問を終わります。ありがとうございます。
 
○副議長(楠 正信) 島市長。
○市長(島宗一郎) 高齢者がかかわります重大な事故や、また、幼い子どもたちが犠牲となる大変痛ましい事故が全国的にも相次いで起きておりまして、高齢運転者対策や子どもの交通安全対策は重要な課題であるというふうに認識をしております。
 福岡市におきましては、第10次交通安全計画を策定しまして、重点的に取り組む対策として、高齢者及び子どもの安全確保ですとか、生活道路における安全確保を掲げまして、高齢者が事故を起こさないための安全運転の教育や、また、子どもを交通事故から守る観点から、生活道路及び通学路の整備を積極的に推進しているところでございます。
 今後とも、悲惨な交通事故から市民を守るため、地域や県警、関係団体などと連携を図りながら、ソフト、ハードの両面から対策に取り組みますとともに、交通安全の確保に資する新しい技術なども積極的に取り入れていくなど、交通事故のない社会の実現をしっかりと目指してまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 堤田寛議員。
○3番(堤田 寛)登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表して、繁華街における悪質な客引き行為について、スクールソーシャルワーカーの現状、成果及び課題について、幼児教育・保育の無償化を踏まえた今後の保育施策について、以上3点についてお尋ねします。
 まず、繁華街における悪質な客引き行為についてお尋ねします。
 近年、駅周辺の繁華街など一部の地域で悪質な客引き行為が目立ち、通行の妨げやまちのイメージの低下など、さまざまな悪影響が懸念されております。
 実際、天神地区の西通りやサザン通り、紺屋町商店街近辺では、複数の色のカラージャンパーなどを着たアルバイトと思われる多数の若者がタブレット端末を持って、もうお店は決まっていますか、すぐに案内でき、割引があるお店を案内できますよなどと通行人に声をかけ、居酒屋などの店舗を紹介するというような客引き行為が目立ってきております。
 これまでも、地域の方々が、安全、安心で快適なまちの実現のために、警察や区役所の方と連携して、パトロールなど悪質な客引き行為の防止のための活動に日々大変な努力を行っていることは伺っております。
 しかしながら、地域の方々からは、パトロール隊が近くに来ると客引きは声かけをやめ、別の場所へと移動するが、パトロール隊がいなくなると再び客引き行為を始めるといったことや、パトロールを行っていないときには、悪質な客引き行為により通行人の通行を妨げるようなことがあっているので、客引きを何とかしてほしいとの声もよく聞きます。
 安全、安心で快適なまちづくりを実現するためには、地域住民やまちを訪れる方々に不快な気持ち、不安な気持ちを与えるような悪質な行為をなくしていくよう、地域住民、警察、地域団体、行政が連携して、必要最低限のルールをつくり、守らせるような仕組みづくりが重要だと思います。
 そこでまず、天神地区の西通りなどにおいて、現在どのような対策を行っているのか、お尋ねします。
 あわせて、パトロールを行っている中で、悪質な客引き行為は見受けられるのか、また、その際はどのような指導を行っているのか、お尋ねします。
 次に、スクールソーシャルワーカーの現状、成果及び課題についてお尋ねします。
 あすの日本を支えていくのは、今を生きる子どもたちです。従来、子どもたちは家庭を中心に、学校、地域社会で育み支えてきました。この支え合いは、次の世代へもしっかり受け継いでいかなければならないものであると思います。
 しかし、今日、地域社会のつながりの希薄化や核家族化、都市化や情報化、少子・高齢化など、時代は大きく変化し、人の価値観やライフスタイルも多様化してきました。それに伴い、子どもたちを取り巻く環境も大きく変化し、いじめや不登校、児童虐待、貧困など、子どもに関するニュースは毎日のようにテレビや新聞等で報道されております。子どもたちを取り巻く環境がどのように変化しても、未来を担っていく子どもたちの成長は健全に育まなければならないものであり、そのための取り組みは喫緊の課題であると思います。
 今、学校では、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが教員と連携して子どもたちの支援に当たっています。先日、ある学校の校長先生と話をする中で、スクールカウンセラーは子どもたちの心に働きかける専門家であり、スクールソーシャルワーカーは子どもたちの環境に働きかける専門家であると聞きました。子どもたちを健全に育むためには、その専門性を持つスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとの連携をさらに深め、教育相談体制を充実させていくことが大切であると強く感じています。
 福岡市では、平成8年度にスクールカウンセラー活用事業が始まり、平成20年度にスクールソーシャルワーカー活用事業が始まりました。
 特にスクールソーシャルワーカーについては、福祉の専門的な知識や技術を有する社会福祉士または精神保健福祉士であるスクールソーシャルワーカーが、教育と福祉の両面から子どもたちや家庭、学校に働きかけ、関係機関と連携して課題を改善してきました。スクールソーシャルワーカー活用事業が開始され今年度で12年目を迎えますが、その間、スクールソーシャルワーカーの配置も拡大され、平成30年度から全ての中学校区にスクールソーシャルワーカーが配置されております。
 そこでまず、スクールソーシャルワーカーを全ての中学校区に配置した目的についてお尋ねします。
 あわせて、スクールソーシャルワーカーはどのように配置され、どのように子どもたちにかかわっているのか、お尋ねします。
 また、福岡市は他の政令市と比べて、スクールソーシャルワーカー活用事業が進んでいると聞いています。
 そこで、他の政令市と比べたスクールソーシャルワーカーの配置人数についてお尋ねします。
 次に、幼児教育・保育の無償化を踏まえた今後の保育施策についてお尋ねします。
 まず、子ども・子育て支援法の一部を改正する法律が本年5月10日に成立し、10月から幼児教育・保育の無償化の実施が決まりました。
 国では、ここ数年、合計特殊出生率が1.4台で推移し、少子化が課題となっておりますが、20代や30代の若い世代が理想の子どもの数を持たない理由として、子育てや教育にお金がかかり過ぎることが挙げられており、無償化は子育てに係る負担を軽減する重要な少子化対策の一つであると思います。
 また、幼児教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培うものであり、幼稚園や保育所などにおいて、子どもたちに質の高い教育、保育を提供し、子どもたちが健やかに成長するように支援することは極めて重要であります。
 無償化は3歳から5歳までの全ての子どもと、ゼロ歳から2歳までの住民税非課税世帯の子どもの幼稚園、保育所、認定こども園、企業主導型保育事業、認可外保育施設等の保育料を無償化するもので、子育て世帯の皆さんの希望をかなえ、安心して生み育てられる環境を整えていくために、必要な施策であると思います。
 そこで、特に利用者の多い幼稚園と保育所について、本年10月から実施される無償化の制度概要をお尋ねします。
 以上で1問目を終わり、2問目からは自席にて質問いたします。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 繁華街における悪質な客引き行為に関する御質問にお答えいたします。
 天神地区の西通りなどにおける対策につきましては、地域、警察、行政が一体となって、夜間合同パトロールや街頭ビジョンを活用した啓発動画の放映、店舗への啓発ポスターの掲示などの取り組みを実施しております。
 また、この取り組みに賛同した天神・大名地区の一部の飲食店経営者等が呼び込みやビラ配りの適正化を図るための協議会を自主的に立ち上げるとともに、自治会、町内会など地域住民と連携し、交差点及び横断歩道上での客引き行為を禁じるなどの自主ルールの作成や店舗周辺の清掃活動などに取り組まれております。
 次に、パトロール実施中における指導状況につきましては、執拗なつきまといなどの悪質な客引き行為は見受けられておりませんが、交差点内や横断歩道などで客引き行為を行っている者に対しては、通行の妨げにならないよう注意喚起や指導を行っております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) スクールソーシャルワーカーについての御質問にお答えいたします。
 スクールソーシャルワーカーを配置した目的は、子どもたちを取り巻く環境が複雑化、多様化する中、より高度な専門性を持つスクールソーシャルワーカーが子どもたちや保護者に対応することが必要であり、教育と福祉の両面から支援を行うことを目的として、全ての中学校区に配置しております。
 次に、スクールソーシャルワーカーの配置方法につきましては、中学校区内の拠点となる小学校に配置しております。スクールソーシャルワーカーは、中学校区の小学校や中学校を定期的に巡回しながら子どもたちにかかわっており、学級担任を初め、不登校対応教員やスクールカウンセラーと連携し、課題を持つ子どもや家庭に対して、地域やこども総合相談センターなどの関係機関と情報共有を行うなど、子どもたちの課題改善を図っております。
 次に、福岡市と他の政令市と比べたスクールソーシャルワーカーの配置人数につきましては、福岡市における平成30年度の配置人数は69名で、政令市の配置人数の平均である18.7名と比較しても多く、政令市の中で最も多い配置人数となっております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 幼児教育・保育の無償化を踏まえた今後の保育施策についての御質問にお答えいたします。
 幼稚園と保育所の無償化の概要でございますが、まず、幼稚園につきましては、子ども・子育て支援新制度に移行している園の利用者は、市が定める保育料が無料となり、新制度に移行していない園の利用者は、これまでの就園奨励費にかわり、月額2万5,700円を上限に保育料が無料となります。
 さらに、幼稚園の利用者のうち、保育の必要性が認められ、預かり保育を利用する場合は、月額1万1,300円を上限に利用料が無料となります。
 次に、保育所の利用者につきましては、市が定める保育料が無料となります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堤田寛議員。
○3番(堤田 寛) では、2問目に参ります。
 まず、繁華街における悪質な客引き行為についてです。
 現状でも地域の方々はもちろん、警察や行政の方と一緒に夜間合同パトロールや店舗への啓発ポスターの掲示などの啓発活動を行いつつ、飲食店経営者が協議会を立ち上げ、その協議会において客引き行為の自主ルールを作成するなど、まち全体として、悪質な客引きをなくすための対策に取り組んでいるとのことでした。しかしながら、悪質な客引き行為というものは、一朝一夕に根絶できるような問題とは思えず、地道な取り組みを着実に進めていくしか考えられません。
 したがって、目に見えるような悪質な客引き行為はすぐにはなくならず、中には通行人に対して通行妨害とも思われるような強引な客引き行為も見受けられているという話も聞いております。
 このようなことは、本市に限った問題ではなく、全国的に見れば、繁華街を有する都市で同様な問題が起きているのではないかと思っております。
 一つ例を挙げますが、北九州市では小倉駅周辺の繁華街で悪質な客引きが増加しているため、その対策の一環として、悪質な客引きをなくすためのパレードを行っているという話を聞きました。
 そこで、他都市では、このような悪質な客引き行為に対して、どのような対策をとっているのか、お尋ねします。
 次に、スクールソーシャルワーカーの現状、成果及び課題についてです。
 子どもたちを取り巻く環境が複雑化、多様化する中、スクールソーシャルワーカーを多く配置し、さらに、全ての中学校区に配置することによって、全ての子どもたちにスクールソーシャルワーカーがより密接にかかわることができ、支援を行えることは、大変すばらしいことであると思います。また、小学校に配置することによって、子どもたちの課題の早期発見、未然防止につながり、早い段階で子どもたち一人一人によりきめ細やかな支援ができるのではないかと思います。
 しかし、さまざまな成果が考えられる反面、子どもたちの抱える問題の複雑化、多様化により、スクールソーシャルワーカーがさまざまな相談に対応しつつも、容易には解決することのできない場合もあるのではないでしょうか。
 そこで、平成29年度と比較して、平成30年度にスクールソーシャルワーカーを増員し、全ての中学校区へ配置したことによる成果についてお尋ねします。
 あわせて、スクールソーシャルワーカーの増員が教員の仕事の負担軽減にもつながっているのか、お尋ねします。また、課題があればお尋ねします。
 次に、幼児教育・保育の無償化を踏まえた今後の保育施策についてです。
 今回の無償化を契機にして、さらに保育ニーズが高まり、新たに待機児童が生じるのではないかという懸念や、待機児童の解消のほうが先であるといった議論があるようですが、安心して子どもを育てられる環境を整備するためには、無償化とともに、待機児童をしっかりとなくしていく、保育の受け皿を確保する取り組みを進めていくことも重要であると思います。
 国においては、子育て安心プランに基づき、待機児童の解消を図るとともに、女性の就業率8割に対応できるよう、2020年度末までに32万人分の保育の受け皿確保に取り組んでいるとのことです。
 福岡市においても、これまでの8年間で1万5,000人分の保育所整備を行うなど、待機児童の解消に力を入れてこられたことと思います。
 そこで、本年4月1日時点の保育所等の申し込み状況及び今後の対応についてお尋ねします。
 また、幼児教育・保育の無償化は、子育て世帯の経済的負担の軽減に直接つながるすばらしい取り組みであると考えますが、実施に向けて解決していくべき課題もあると思います。
 保育所においては、保育料が無料になると、これまで保育料の一部として市が徴収していた給食費のおかず代に相当する部分、いわゆる副食費については保育料から外され、保育園が直接徴収することとされています。
 このことについては、児童が欠席した場合の減額の取り扱いはどうするのかなど、不明な点が多く、保育園に混乱が生じるのではないかと懸念されたため、本年3月に我が会派の平畑議員が市の見解をお尋ねしたところです。
 その際、今後、国から通知される制度の詳細を踏まえ、福岡市保育協会と実務面の協議をしてまいりたいとの答弁がありましたが、その後、どのように対応されてきたのか、お尋ねします。
 以上で2問目の質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 繁華街における悪質な客引き行為に関する御質問にお答えいたします。
 他都市における悪質な客引き行為への対策につきましては、飲食店組合を中心に、行政、警察も参加する客引き行為の適正化に関する協議会を立ち上げ、悪質な客引き行為を禁止する自主ルールの作成や、夜間合同パトロールの実施などに取り組んでいる都市がございます。
 また、客引きに対する独自の規制を定める条例を制定し、指導員等を配置して悪質な客引き行為の指導、取り締まりを実施している都市もございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) スクールソーシャルワーカーについての御質問にお答えいたします。
 全ての中学校区に配置した成果につきましては、平成29年度から30年度の相談件数が1,595件から4,450件へと約2.8倍に増加、児童生徒や保護者に直接かかわった件数が536件から1,088件へと約2倍に増加、実際に解決した件数が310件から722件へと約2.3倍に増加するなど、よりきめ細やかに継続的な支援が実現できたと考えております。
 次に、教員の負担軽減についてでございますが、スクールソーシャルワーカーなどの専門スタッフの配置を拡充することは、課題について教員が専門スタッフ等と連携、分担して対応するチーム学校の取り組みを推進することにより、教員の支援体制の充実を図るものです。学校現場においても、スクールソーシャルワーカーに福祉の視点から専門的な支援を行ってもらうことにより、教員の心理的な負担が軽減しているなどの声が聞かれており、教員の負担軽減につながっているものと考えております。
 次に、課題についてお答えいたします。
 子どもたちを取り巻く環境が複雑化、多様化していく中、スクールソーシャルワーカーもそれらの変化に対応した能力が求められております。
 これまでにも、勤務経験の長いスクールソーシャルワーカーを中心としたグループによる研修や、大学と連携した研修を行ってきたところですが、今後もさらにスクールソーシャルワーカーの資質向上を図るための取り組みを進めていく必要があると考えております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 幼児教育・保育の無償化についての御質問にお答えいたします。
 平成31年4月1日現在の保育所等の申し込み状況につきましては、平成30年度に約2,000人分の定員増を行った結果、平成8年度以来23年ぶりに保育所の定員が入所申し込み数を上回り、福岡市全域でいえば、ふえ続ける需要に供給が追いついた状況でございます。
 一方で、入所申し込みと保育の受け皿の状況が一部の地域や年齢で合致しておらず、待機児童が20人となっております。今年度におきましては、今後の保育ニーズの増加にも対応できるよう、企業主導型保育事業を含め、3,000人分の保育の受け皿確保に取り組んでまいります。
 次に、保育所における3歳以上児の副食費の取り扱いにつきましては、幼児教育・保育の無償化に伴い、各保育所が徴収することとされております。児童が欠席した場合には減額するのかなど、具体的な副食費の取り扱いについて、まだ国から詳細を示す通知が来ていないことから、今後予定されている通知の内容を踏まえて、福岡市保育協会と実務面の協議を行っていきたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 堤田寛議員。
○3番(堤田 寛) では、3問目に参ります。
 まず、繁華街における悪質な客引き行為についてです。
 路上における客引き行為によって、地域住民や通行人、まちを訪れる方々などが不安を感じることもあります。
 誰もが安心して公共の場所を通行し、利用することのできる、安全、安心で快適なまちづくりのためには、一定のルールづくりが必要ではないでしょうか。
 繁華街における客引き行為そのものへの規制は、善良な営業活動や宣伝活動などについても規制しかねないという面もありますが、だからこそ、にぎわいのある中にもモラル・マナーを持つまちづくりのために、地域、警察、行政が一体となって、まち全体として悪質な客引き行為をなくそうとする地道な啓発や活動を続けていくことは大切だと思います。
 しかしながら、現状では、地域住民を初め、観光客の方々にも不安を与えかねない状態であるという地域からの声があることも認識しておいていただきたいと思います。
 また、天神地区だけではなく、本市を訪れる観光客は、これからもますますふえていくものと思います。観光都市福岡として、悪質な客引き行為が本市のイメージダウンにつながらないよう、にぎわいのある中にもモラル・マナーを持った安全で安心なまちづくりが求められています。
 そこで、悪質な客引き行為に対して、今後、さらなる対策も必要となるのではないかと考えておりますが、御所見をお伺いします。
 次に、スクールソーシャルワーカーの現状、成果及び課題についてです。
 全ての中学校区にスクールソーシャルワーカーが配置され、子どもたちや家庭に直接かかわった件数や解決できた件数が増加していることはすばらしいことだと思います。今後も、さらにきめ細やかで継続的な支援を行っていただくことを期待しています。スクールソーシャルワーカーの資質向上につきましても、さらに取り組みを推進され、より効果的に事業が推進されることを期待しています。
 また、平成31年1月の中央教育審議会の答申である、新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策についてでは、子どもたちを取り巻く変化への対応のために、チーム学校の機能強化を図ることが挙げられており、スクールソーシャルワーカーなどの専門のスタッフを含めた対応は、学校における働き方改革にとっても重要となっており、支援が必要な子どもたち、家庭への対応には教師と異なる専門性や児童福祉などを担う学校以外の機関と連携することも必要であると述べられております。専門的な知識を持っているスクールソーシャルワーカーを全ての中学校区に配置することにより、チーム学校のメンバーとして、学校の教員とともにそれぞれが役割分担をしながら子どもたちの支援を行うことで、教職員の業務の効率化、負担軽減につながっていることもすばらしいことだと思います。
 スクールソーシャルワーカーを全ての中学校区に配置してから1年が経過し、成果や課題があらわれてきているようですが、より子どもたちや家庭のニーズに対応し、一人でも多くの子どもたちを支援しながら成果を上げていくとともに、複雑化、多様化していく問題に対応すべく、スクールソーシャルワーカーの資質向上に取り組み、さらに充実した事業を展開することが今後大切であると考えます。また、冒頭にも申し上げましたが、子育てを支える環境も子どもたちを取り巻く環境も大きく変化しておりますが、どのような時代であろうとも、全ての子どもたちの成長は健全に育まなければなりません。
 そこで、今後の福岡市におけるスクールソーシャルワーカーを含む教育相談体制をどのように充実させていくのか、御所見をお伺いします。
 最後に、幼児教育・保育の無償化を踏まえた今後の保育施策についてです。
 保育所の副食費の問題については、今後、福岡市保育協会と協議するとの答弁でした。
 民間保育園の間では、事務の負担増や滞納があった場合にどうするのかなど、保育園の運営に支障を来すのではないかと危惧する声が多く上がっています。本市におかれましては、このような現場の声に耳を傾けていただき、保育園の運営に影響が及ばないよう、しっかりと保育協会と協議しながら検討していただきたいと要望します。
 また、保育所整備については、今後の保育ニーズにも対応できるよう、今年度も3,000人分の保育の受け皿確保に取り組むなど、一定の成果が上がっているようですが、整備した保育所できちんと児童の受け入れを行っていくためには、保育士等の確保のための施策を適切に行っていくことが重要です。
 整備した保育の受け皿を最大限活用し、質の高い保育を行っていくためには、少しでも多くの方が保育に携わることを志していただけるよう、保育士資格を持っていらっしゃる方の復職を支援するなどの取り組みや、保育士が安心して働くことができるよう、保育士の処遇改善等が大変重要であると思います。
 そこで最後に、保育士を初めとした保育所で働く人の環境の整備について、どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いして私の質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 繁華街における悪質な客引き行為に関する御質問にお答えいたします。
 通行人の前に立ちふさがったり、つきまとうなどの執拗な客引き行為は、現在、福岡県迷惑行為防止条例によって禁止されており、引き続き地域や警察、飲食店経営者などと連携を図りながら取り組みを進めるとともに、他都市の取り組みやその効果を検証するなど、安全、安心のまちづくりに向け、さらなる対策について検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) スクールソーシャルワーカーについての御質問にお答えいたします。
 教育相談体制の充実につきましては、この6月に策定した第2次福岡市教育振興基本計画において、特に重視する教育の方法の一つとして、子ども・家庭への支援を掲げており、教育相談体制の強化や充実を図ることは重要であると認識しております。
 特にお尋ねのスクールソーシャルワーカーについては、充実策の一つとして、令和元年度から正規職員である拠点校スクールソーシャルワーカーを各区に1名ずつ配置し、その他のスクールソーシャルワーカーに対し指導、助言を行うことにより資質向上を図っております。
 今後も、より高度な専門性を持つ福祉や心理の専門スタッフであるスクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーが教員や関係機関と連携を図りながら、教育、心理、福祉の面から、いじめ、不登校などの課題を抱える子どもたちや家庭に対して支援を行うなど、教育相談体制の充実に努めてまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 田こども未来局長。
○こども未来局長(田浩輝) 幼児教育・保育の無償化についての御質問にお答えいたします。
 保育ニーズに適切に対応していくためには、保育所整備と同時に、保育士の確保が重要であると考えております。
 これまで、保育所の運営に通常必要とする費用として国が定める公定価格の引き上げに加え、福岡市独自に、保育士の勤続手当、初任給調整措置費の支給、家賃の一部助成、奨学金の返済支援を実施し、保育士の処遇改善や人材確保に取り組んでまいりました。
 今後とも、質の高い保育を安定的に提供できるよう、保育士が安心して長く働くことができる環境づくりに向けて、福岡市保育協会とも協議しながら取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) この際、休憩し、午後2時50分に再開いたします。
午後2時35分 休憩  
午後2時50分 開議  
○議長(阿部真之助) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛)登壇 皆さんこんにちは。私は福岡市民クラブを代表いたしまして、人口減少が進む早良区南部の地域拠点施設について、人権行政の推進について、支援を要する児童生徒の就学について、以上3つの項目について質問いたします。
 最初に、人口減少が進む早良区南部の地域拠点施設についてです。
 日本の総人口が減少期に入ったと言われて既に約10年が経過をしています。総人口が減少する中、高齢化率の上昇は続き、65歳以上人口は2042年に3,935万人でピークを迎えると推計されています。また、厚生労働省がつい先日発表した人口動態統計によると、2018年に生まれた子どもの数は91万8,397人で、過去最低を更新し、1人の女性が生涯に産む子どもの数に当たる合計特殊出生率は1.42と3年連続で低下しているとのことです。このような中、福岡市における過去10年間の人口推移と今後の見通しについてどのような認識をお持ちであるのか、お聞きをします。
 これ以降の質問につきましては、自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 福岡市の人口の過去10年間の推移と今後の見通しにつきましては、福岡市の人口は年々増加しており、平成20年10月1日時点の推計人口では143万8,730人、30年10月1日時点では157万9,450人となっております。また、平成23年度に福岡市が行った将来人口の推計では、人口のピークは令和17年ごろで約160万人に達するとされております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 今後、本市においては15年間ほど増加傾向が続くとの見通しが示されました。本市のFukuoka Factsのホームページでも、増えているのは、選ばれているからとのタイトルで人口増加数、率ともに政令市中第1位であり、10代、20代の若者の割合が高いことなどのデータが示されています。確かに天神や博多駅周辺に行きますと、国内外の観光客の方々があふれ、店舗、事業所なども活気に満ちています。空を見上げるようなタワー型マンションの風景も、もはや珍しいものではなくなりました。日本一元気な都市とも言われている一方で、地下鉄やJR、西鉄の沿線から離れた地域を見てみるといかがでしょうか。私が住んでいる早良区中南部に帰っていきますと、廃業された個人商店、シャッターを閉ざしたままの空きテナントの姿、そして、高度成長期に開発、建設された郊外型の大規模住宅地域では、老朽化した空き家も多く見られます。もちろん、私にとっては生まれ育った故郷ですから、大好きなまちですが、正直なところ、日本一元気なというフレーズに少しの違和感を覚えずにはいられません。
 そこで、南北に長い早良区、本市の総合計画では3つのエリアに分けられていますが、西新、高取、百道、室見、百道浜の5校区から成る北部地域、脇山、内野、曲渕、入部、早良、この校区から成る南部地域、それ以外の15校区から成る中部地域について、それぞれ過去10年間の人口推移状況がどのように変化しているのか、お答えください。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 過去10年間の早良区内の人口の推移につきましては、平成21年3月末と31年3月末の住民基本台帳によりますと、議員おただしの北部地域は5万5,819人から6万1,611人と約10.4%の増加、南部地域は2万1,015人から2万296人と約3.4%の減少、中部地域は13万2,129人から13万3,730人と約1.2%の増加となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 早良区南部はこの10年間で約3.4%の減少、つまり人口増加がこれからも15年間ほど続くとされる福岡市の中にありながら、既に10年ほど前から人口減少期に入っていることを示しています。この早良区中南部の地域に本市で4館目となる地域交流センターの設置が今進められています。まず、本市においてこの地域交流センターが計画された当初の設置目的をお聞かせください。その上で人口減少と高齢化が急速に進行する南部地域を主な利用圏域とする早良南地域交流センターに期待される役割をどのように考えているのか、お聞かせください。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 地域交流センターの設置目的及び期待される役割につきましては、当初平成8年策定の福岡市第7次基本計画において、市民センターなどの区レベルの行政サービスの地域的な適正化を図るため整備するものとされております。また、福岡市地域交流センター条例において、地域コミュニティの活性化に資するとともに、文化、スポーツの振興並びに地域福祉の向上に寄与するものとしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) この地域交流センターの構想検討が始められた平成7年、1995年12月の市議会の議事録を見てみますと、当時の桑原市長は御答弁の中で、地域拠点施設のこれからの整備の考え方について次のように述べられています。21世紀というのは、高齢化社会、これを乗り切るためには地域住民の方々がお互いに助け合うという、そして、交流し合うという、そういう機能を高めていかなければいけない。その場合に、その地域の中心から非常に離れているということで、なかなか交流がしにくいという地域については、補完的な地域拠点、つまり、地域交流センターというのを今後逐次整備していきたいと述べられています。高齢化社会、そして、助け合うという構想当初の思いは決して忘れてはいけないと思います。
 早良区南部は、区の中心である北部から大きく離れ、また、公共交通不便地を多く含む地域でもありますが、早良区南部の各地域から地域交流センターへの公共交通アクセスの現状はどのようになっているのか、お聞かせください。その上で交通不便地から早良南地域交流センターへの公共交通アクセス向上に向けどのような取り組みを行っていくのか、お聞きをします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 早良区南部地域から早良南地域交流センターへの公共交通アクセスにつきましては、平日で1日10本の西日本鉄道株式会社の路線バスがございます。交通アクセスの向上対策につきましては、バス事業者である西日本鉄道株式会社と路線バスの増便や路線の新設等についてこれまでも協議を行ってきており、今後とも、精力的に協議を進めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) この交流センター予定地から近接する場所に入部出張所がございますが、この入部出張所が設置された経緯と、これまで果たしてきた機能についてお聞かせください。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 入部出張所につきましては、昭和50年3月に早良郡早良町を福岡市に編入する際に、地理的な特性や住民の利便性などを勘案し、旧早良町役場の庁舎に設置したものでございます。入部出張所では所管区域における戸籍や転入、転出の届け出、国民健康保険の加入手続、児童手当の受け付けなどの行政手続を行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 今後、この2つの施設、早良南地域交流センターと入部出張所の機能分担はどうなるのか、お聞きをします。
 また、先ほど述べました地域課題に即した地域交流センターとしての事業や機能は考えているのか、お聞かせください。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 早良南地域交流センター及び入部出張所の機能につきましては、地域交流センターは令和3年11月に開館予定で、多目的ホールや会議室、図書館分館等を備え、コミュニティ機能を中心とした施設として整備するものであり、入部出張所ではこれまでと同様に所管区域における各種行政手続を行ってまいります。また、防災や高齢化などの地域課題に対応し、早良南地域交流センターでは防災倉庫や災害時の炊き出しにも利用できるキッチンを整備することとしており、早良区災害対策本部が開設、運営する避難所の一つとして指定することとしております。
 さらに、PFI事業者からは子ども会等と連携した地元農産物のマルシェの開催や、ダンスや生け花などの文化教室の開催などが提案されており、このような事業を通して高齢化の進む地域の世代間交流を図り、地域の活性化につながるものと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 前の答弁にありましたように、この早良区南部は人口減少が速いスピードで進行し、高齢化問題とともに、防災時の避難や支援対策、農林業などの産業支援に関することなど、直面する課題を多く抱えています。出張所と交流センター、この2つの行政、地域拠点施設の役割は今後さらに重要となると私は考えます。本市においては、次期の基本計画策定を検討する時期に当たり、しっかりと地域課題を直視した計画にしなければならないと思います。特に現行の区ごと計画に加え、より細かな地域別計画が必要であるとの意見を申し上げ、この項の質問を終わります。
 次に、人権行政の推進についてです。
 議場の皆様、21世紀は人権の世紀という言葉を御存じでしょうか。平成6年、1994年12月の国連総会において、人権教育のための国連10年行動計画が決議されました。これを受けて、国においても、また、本市においても、それぞれ行動計画が策定をされました。この取り組みが始まった20世紀から21世紀へと移り変わろうとするあの時代、21世紀は人権の世紀と高らかにうたわれた言葉です。当時、福岡市職員として社会教育の現場にいた私や当時の同僚たちの原動力となった言葉でもあります。
 さて、21世紀に入り、既に18年が経過した今、本当に人権の世紀に近づいているのか、常に問い続けなければならないと考えています。しかし、依然として同和問題については、結婚や不動産購入に際して不正な調査や市民からの問い合わせなどが発生している状況があり、また、障がいのある人に関しても、差別的な言動を受けたりする事象が発生しています。学校では、子どもたちが日常生活の中で、相手を攻撃したり自分を卑下したりする場合に、障がいのある人への差別性がある言葉を使うなどの事象も多数発生していると聞いています。また、近年、インターネットの中でのさまざまな人権侵害や性の多様性に関する無理解や偏見など、新たな人権問題への取り組みも必要となっていると私は考えます。
 そこで、本市における人権問題に係る現状をどのように認識しておられるのか、お聞きします。あわせて、平成29年度に行われた人権問題に関する市民意識調査の結果について、その概要をお聞かせください。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 人権問題につきましては、従来、福岡市が取り組んできた問題に加え、近年、働く人の人権や性的マイノリティの人権など、さまざまな問題が顕在化しており、今後も解決に向けた取り組みが必要であると考えております。
 次に、平成29年度人権問題に関する市民意識調査の結果の概要につきましては、人権が尊重されている社会だと思うかを問う設問に、尊重されていると思うと回答した人の割合が51.2%となっております。また、尊重されていないと思う人権問題を問う設問に対する回答は、上位から、働く人の人権が65.9%、インターネットによる人権侵害が63.9%、障がい者の人権が55.5%、女性の人権が47.9%となっており、関心を寄せる人権問題を問う設問に対してもこれらの回答が上位となっております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 平成29年度市民意識調査において、人権が尊重されている社会だと思うと回答された方の割合が51.2%とのことでありましたが、その前回の調査と比較するとどのように変化しているのか、お聞きをします。また、大きく変化しているのであれば、その要因をどのように考えているのか、お聞かせください。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 人権が尊重されている社会だと思うかを問う設問につきましては、尊重されていると思うと回答した人の割合が前回、平成24年度調査の60.3%から、今回は9.1ポイント減少しております。その要因といたしましては、人権意識の高まりとともに、働く人の人権や性的マイノリティの人権など、さまざまな問題が広く人権問題として認識されたことなどがあると考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 平成16年に策定された福岡市人権教育・啓発基本計画では、人権という普遍的文化の構築と人の多様性を認め合う共生社会の実現という2つの目標を達成するため、取り組む手法として、同和問題や女性、子ども、高齢者、障がい者、外国人に関する問題など、個別分野の問題を、人権という視点で捉え直し、あらゆる人権問題の解決につなげていくとしています。この基本計画で示された人権に関する8つの課題について、それぞれの当事者から意見聴取を行いながら、人権教育、啓発を進めていくことは重要だと考えますが、その重要性をどのように考えておられるのか、お聞きをします。また、その当事者からの意見をどのように施策に反映していくのか、お聞かせください。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 人権問題につきましては、その解決に向け、当事者から御意見をお伺いすることは大変重要であると考えており、市民局を初め、関係部局においてそれぞれ当事者や関係団体などから御意見をお伺いし、必要な施策を講じているところであり、今後とも、適切に対応してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) これまで4度、基本計画に基づいて実施計画が策定され、取り組みが推進されてきていますが、実は今年度が現行の第4次実施計画の最終年度となります。
 そこで、福岡市人権教育・啓発基本計画の次期実施計画策定に向けて、人権行政の課題をどのように認識しているのか、お聞きをします。
 
○議長(阿部真之助) 下川市民局長。
○市民局長(下川祥二) 福岡市人権教育・啓発基本計画の実施計画につきましては4年ごとに策定しており、現在、次期実施計画の策定に向けた検討を進めております。策定に当たっては、複雑化、多様化するさまざまな人権問題に適切に対応していく必要があると考えており、市民意識調査の結果や当事者などの御意見も踏まえながら、関係部局と緊密に連携し、検討してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 次に、支援を要する児童生徒の就学についてです。
 この項の最初に、障がいのある児童生徒の就学先決定に関する本市の基本的な考え方をお聞かせください。さらに、支援を要する児童生徒が就学先を決定するまでの具体的な流れについて説明をお願いいたします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 障がいのある児童生徒や就学前の子どもの就学先につきましては、学習を保障するために特別支援学校、特別支援学級、通級指導教室などを整備しており、保護者、本人の意向を尊重しながら、障がいの状態に応じて決定しております。
 就学先決定の具体的な流れについては、まず、医師、臨床心理士、教育関係者等の就学支援員による就学相談会にて障がいの状態及び保護者の意向をもとに就学先を検討し、その結果を踏まえ、教育委員会が総合的な観点で就学先を提示いたします。なお、就学相談会は7月から9月にかけて実施することとしており、11月に保護者に対して就学先を提示し、同意の場合は決定、そうでない場合は再相談を行い、合意形成が得られた段階で決定となります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 私はこの質問を行うに当たり、私が相談を受けた車椅子を使用する就学前のお子様を持つ御家族のケースをお示ししながら質問をさせていただきます。
 この御家族は、就学前年の夏に就学相談会を終えた後、入学を希望する居住校区の小学校の見学に行かれました。この子は自宅のすぐ近くにある校区内の保育園に通園をしており、その園では、子ども同士で遊びながら、車椅子や幾つかの手助けができる関係ができている友達もおり、この同じ保育園から8名の友達が当該小学校へ入学する予定であること、また、学校見学に行かれた際、御対応いただいた小学校の先生方の印象もよく、施設面などで多少の不安はあったものの特別支援学校ではなく、地域の学校へ入学させたいとの思いを固められました。しかし、11月には特別支援学校が相当とする総合的判断結果の通知が届いたとのことでした。別の方からの話ですが、その際の通知は不合格とも受け取れるような印象であり、郵送で行われているこの通知には配慮が不足しているとの声も聞きました。その後、結果に同意しない旨の意思を表明され、再相談を経て2月中旬にようやく希望する地域の学校への入学通知をいただいたというものです。
 このやりとりの中で、本人と保護者は校区の学校への入学を希望しているにもかかわらず、当時の学校長は御家族の思いは受けとめたいとしつつ、この児童を受け入れることが困難な理由として2点挙げられていました。1点には人的な課題、マンパワーであります。2点目には施設的な課題でした。人的な課題では、校内での移動に係る階段等の昇降補助、トイレや教室内での必要な支援に対する学校生活支援員、この制度はあるものの当該校には既に1名配置をされており、複数配置は予算的に困難なこと。さらに、その人材を確保することが難しいことを挙げられていました。また、施設的な課題では、エレベーター設備がないことはもちろん、一応バリアフリー対応となっているトイレ設備や校内のスロープなどにも再改修が必要なことを挙げられました。まず、人的な課題とされた学校生活支援事業の概要と今年度の配置計画について説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校生活支援事業は、児童生徒が学校生活を円滑に過ごし、学習活動を充実できるように、教員に加えて教育活動を支援する人材を学校生活支援員として配置する事業でございます。令和元年度の支援員の配置計画については213名を配置できるように計画しております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 新年度の学校開始時点において、学校生活支援員の任用はどの程度できているのか、お聞かせください。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校生活支援員は、学校が任用することとしており、平成31年4月9日時点は配置希望のあった学校への任用枠194名に対し139名で、任用率は71.6%でした。なお、6月1日時点では追加配置を含めた任用枠214名に対し193名で90.2%でした。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 4月の新学期開始時点で任用ができていた率は約71%とのことですが、支援を要する児童生徒の学校生活がスタートするこの新学期に当たって残念な数字と言わなければなりません。支援員の確保が難しいとの声も聞いていますが、新年度開始時点で任用ができていない理由にはどのようなことが考えられるのか、お聞きをします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 学校生活支援員の任用につきましては、児童生徒の実態を把握する必要があるため、前年度の2月に各学校への支援員の配置希望調査を行い、配置数を決定し、3月上旬に各学校へ結果を通知しております。その後、学校が任用を開始しております。また、学校生活支援員の募集についての周知が十分になされていないことも要因の一つであると考えております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 私は任用がおくれている理由の一つに、募集手続が遅いことがあるのではないかと思っています。現状では、市政だよりへの掲載は3月15日号であり、また、市のホームページへの掲載も3月下旬に行われていたと聞いています。募集時期の早期化を含め、公募、広報手続の見直しを図る必要があると思いますが、教育委員会としての考えをお聞きします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 支援員の募集につきましては、令和2年度の任用に向けた募集から希望調査の時期など、募集手続の効率性向上等について検討してまいります。また、募集について、より広く周知するため、可能な限り市政だより等の広報を行うとともに、地域の方が支援員になることが多いことから、公民館だよりや自治会だよりなどへの募集案内の掲載を検討してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) ただいまお答えいただいたこと以外にも、支援員の任用期間が短いという声も私は聞いています。現行では臨時的任用職員である学校生活支援員は2020年度からは会計年度任用職員に移行することになると思いますので、学校生活支援員が働きやすくなるような制度設計を要望しておきます。
 次に、施設的な課題についてです。
 特別支援学校以外で肢体不自由のある児童生徒のために、エレベーターを設置している学校はどの程度あるのかをお聞きします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 肢体不自由のある児童生徒のためにエレベーターを設置している学校は、肢体不自由特別支援学級がある小学校4校、中学校4校でございます。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 私が先ほど事例に挙げさせていただいた御家族のケースでは、就学相談の過程で居住している行政区外にしかないエレベーター設置校の選択を勧められたとも聞いています。しかし、その場合には家族などによる毎日の送迎が原則となり、選択肢とすることは困難だったともお聞きをしました。このことからも、エレベーター設置校の増設も含め、障がいの有無によらず、できるだけ誰もが同じ場で学べるような教育環境づくりに向けた今後の方針について、教育委員会の考えをお聞きします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 福岡市では、第2次福岡市教育振興基本計画に掲げる、やさしさとたくましさをもち、ともに学び未来を創り出す子どもの育成を目指すために、特別支援教育の推進として、一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、子どもたちの生活や学習上の困難さの改善や克服に向けて適切な指導や必要な支援を行ってまいります。現在取り組んでいる特別支援学校に在籍する児童生徒が居住区の小中学校にも副次的に籍を置くふくせき制度や、障がいのある児童生徒と障がいのない児童生徒がともに学ぶ交流及び共同学習などの互いに学び合うインクルーシブ教育システムの構築をさらに充実させるとともに、児童生徒が安全、安心に過ごせる教育環境づくりに取り組んでまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 宮浦寛議員。
○57番(宮浦 寛) 障がいのある児童生徒の就学先決定に関して、平成25年に学校教育法は、障がいのある方の就学先について、教育委員会は児童生徒本人とその保護者に十分な情報提供を行い、その意見を最大限に尊重し、教育的ニーズと必要な支援について合意形成した上で決定すると改正されています。障がい者差別解消法及び市条例の趣旨も踏まえ、本人や家族の意思に寄り添い、障がいのある子どもも希望する学級で学ぶことができるよう、可能な限り配慮していくことは重要です。本市教育行政におかれましても、必要な施策、手続やその優先度の見直しを進め、ともに生きる社会の実現に向け、さらなる支援体制づくりを進めていただきたいとの要望を申し上げ、一般質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人)登壇 私は日本共産党市議団を代表して、JR筑肥線と地下鉄の乗り継ぎ割引料金拡大について、JR筑肥線及び市営地下鉄線内で事故やトラブルが発生した際の代行輸送について、奨学金問題について、ブラックな働かせ方の問題について質問いたします。
 まず、JR筑肥線と福岡市営地下鉄の乗り継ぎ割引料金の拡大についてです。
 市は長年にわたってJR筑肥線と地下鉄の乗り継ぎ運賃が割高であり、JRとの協議を進めると答弁してきました。そこで、昨年度はJR筑肥線と地下鉄の乗り継ぎ割引料金拡大について、JRと具体的にどのような協議を行ったのか、また、今年度はいつ協議を行うのか、答弁を求めます。
 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○議長(阿部真之助) 重光交通事業管理者。
○交通事業管理者(重光知明) まず、平成30年度におけるJR九州との協議でございますが、平成30年12月5日に業務を所管いたします部長級職員間で協議を行い、改めて乗り継ぎ割引の拡大に関する協議の申し入れを行っております。また、平成31年2月14日には交通事業管理者名の公文書にてJR九州筑肥線・地下鉄空港線利便性向上検討会での協議の申し入れを行い、あわせて議会におけます御意見などを説明しますとともに、乗り継ぎ割引拡大の協力要請を行ったところでございます。
 次に、今年度の協議予定でございますが、申し入れを行いましたJR九州筑肥線・地下鉄空港線利便性向上検討会は例年秋ごろに開催いたしておりますが、まずはこの場で議題として取り上げ、具体的な協議を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) まだ今年度の具体的な日程は決まっていないということであります。直近の協議では文書で申し入れをしただけということで、本気でこの課題に取り組む気があるとはとても思えません。先送りし続けるのは許されず、話し合いを前に進めるために、市はJRに対し割引料金の拡大に特化した協議を直ちに申し入れるべきではありませんか、御所見をお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 重光交通事業管理者。
○交通事業管理者(重光知明) 先ほど答弁いたしましたJR九州筑肥線・地下鉄空港線利便性向上検討会につきましては、交通局とJR九州との間でJR筑肥線との相互直通運転に関する利便性向上等を検討するために設置しているのでございますので、まずはこの場で乗り継ぎ割引の拡大を正式な議題として取り上げ、その協議結果を受けまして、さらに、より実務的な協議を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 真剣な協議を強く求めたいと思います。
 近年、西区では西都校区を中心に人口が増加しております。姪浜以西の市民にとって、ほかに鉄道があるわけではなく、JR筑肥線は生活に欠かせない大切な交通網であります。利用者にとって姪浜駅で一度おりて、乗りかえてもいないのに運賃がはね上がるので、大きな負担となっております。加えて、同じ市民なのにJR筑肥線と地下鉄の乗り継ぎ割引額と西鉄貝塚線と地下鉄の乗り継ぎ割引額が3倍も違うのは不公平ではないかと声が上がっています。そんな中で、JR九州の2018年度決算は主な収益である運輸サービスで前年度を上回り、全体の営業収益は9期連続の増収で過去最高を更新しています。鉄道部門の2018年度決算は267億円の黒字です。福岡市の生活交通条例では、第5条で、公共交通事業者は、その社会的な役割を自覚し、生活交通確保のために最大限の配慮を払うよう努めなければならないとあります。JR九州は、公共交通事業者として乗り継ぎ割引料金を拡大する役割と責任があり、それだけの経済力を持っております。
 そこで、現在西鉄は西鉄貝塚線と地下鉄の乗り継ぎ割引額を30円としていますが、市としてJRに対し、西鉄と同様に割引額を現在の10円から30円に引き上げさせるべきだと考えますが、御所見をお尋ねします。また、福岡市交通局としても、JRに割引額引き上げを求めた上で、市が先行して割引額を30円に引き上げるべきだと考えますが、御所見をお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 重光交通事業管理者。
○交通事業管理者(重光知明) 乗り継ぎ割引の額につきましては、接続する事業者である交通局とJR九州が双方でひとしく負担することが基本であると考えておりまして、西鉄貝塚線との乗り継ぎ割引の割引額も踏まえながら、JR九州と協議を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 市が率先して割引拡大に踏み出すことを強く求めたいと思います。さらに、この乗り継ぎ割引料金は、赤坂駅までしか適用されておりません。これは割引対象区域が、地下鉄の営業区間の2区までとされているためです。姪浜駅と貝塚駅を始点としますと、それぞれ赤坂駅までが2区となります。西鉄貝塚線と地下鉄の乗り継ぎの場合は、この営業区間2区に天神、博多が含まれていて、60円の割引が適用されます。しかし、筑肥線と地下鉄の乗り継ぎでは天神駅や博多駅は営業区間の3区になるため、割引がきかなくなってしまうんです。筑肥線と地下鉄を乗り継いで姪浜駅から2区までの赤坂駅までのどこかでおりる人は約294万人、天神駅や博多駅を含む3区内の駅でおりる人は約942万人と3区内の駅まで利用する人のほうが圧倒的に多いわけであります。
 そこでお尋ねしますが、割引対象の営業区間を現在2区までとなっているところを3区まで拡大して、天神や博多まで割引がきくように改善すべきではありませんか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 重光交通事業管理者。
○交通事業管理者(重光知明) 乗り継ぎ割引の区間の拡大につきましても、これまでに天神、博多を含む3区までの拡大について、JR九州と協議を行ってきた経緯がございますが、これまでに実現には至っておりません。割引区間の拡大につきましても、JR九州と協議を行ってまいります。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 天神や博多まで往復で1,000円以上かかるので、出かけるのを悩んでしまう、東京や大阪などと比較しても都心部への移動の負担が大き過ぎると不満の声が根強くあります。負担を感じているのは西区の市民の方だけではありません。南区在住の方から、天神から今宿まで毎日通勤で利用していると、少し料金が安くなると大変助かると、こういう声も寄せられております。要は、市民の声に応えて公共交通事業者であるJRと、そして、福岡市が社会的責任を果たすかどうかが問われていると思います。特に福岡市は、JRに対して公共交通事業者だからと固定資産税を減免し、六本松に移転した福岡市科学館についても、PFI方式にしてJRに30年間で約100億円の賃借料を払い続けるなど、市民の納める税金でJRをもうけさせています。島市長は多額の税金を投入し、JR九州をあらゆる面において優遇してきました。今こそ、その利益を市民に還元させるときです。
 そこで、市長にお尋ねいたしますが、市長みずから先頭に立ち、JR九州に強く市民の要望を伝え、割引料金の拡大を迫るとともに、まずは福岡市がこの割引料金拡大に踏み出すべきだと考えますが、市長の答弁を求めてこの質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) JR筑肥線と地下鉄との乗り継ぎ割引の拡大につきましては、これまでも議会及び利用者から御意見、御要望をいただいてきております。現行の乗り継ぎ割引につきましては、接続する事業者であります交通局とJR九州が双方でひとしく負担することを基本として、協議の上で決定しているものであり、その拡大につきましても、交通局においてJR九州との協議にしっかり取り組んでいく方針であります。今後とも、福岡市とJR九州との協議の場などを利用して、JR九州に対して協力を要請してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 市民の負担軽減、不公平感をなくす責任は、市長あなたにありますよ。乗り継ぎ割引料金と割引区間の拡大を重ねて求めておきます。
 次に、JR筑肥線及び地下鉄線内で事故やトラブルが発生した際の運転見合わせに伴う代行輸送について質問いたします。
 4月4日に中洲川端駅で発生したトラブルについて、その概要と運転見合わせに伴う代行輸送について説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 重光交通事業管理者。
○交通事業管理者(重光知明) まず、去る4月4日の輸送障害につきましては、市民を初め、多くの皆様方に御迷惑をおかけしましたこと、この場をおかりしましておわびを申し上げます。
 それでは、まず、事案の概要でございますが、20時17分ころ、中洲川端駅3番線に停車しました福岡空港行き列車から発煙があり、安全確保のため、お客様を避難させるとともに、空港線、箱崎線全線で運転の見合わせを行っております。この対応により、5分以上のおくれ、または運休となりました列車が、当該列車を含めまして81本発生いたしております。
 次に、その原因でございますが、当該車両の屋根上に設置しております避雷器のふぐあいにより、パンタグラフを通して異常電流が流れたことによるもので、ふぐあいの詳細につきましては、メーカーにて調査中でございます。
 なお、本件事案の発生後、速やかに空港線、箱崎線を走る全ての車両で避雷器の緊急点検を実施し、いずれも正常に機能していることを確認いたしております。
 次に、運休に伴う代行輸送でございますが、夜間のため、代替となる路線バスがなくなり、多くのお客様が残られていました福岡空港から博多駅までバスを手配しまして、合計17本、約560人の皆様を代行輸送いたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 空港から博多駅までの代行バスを出したということですけれども、天神などからは姪浜までのバスが複数ありますけれども、姪浜より西方面にはほとんどありません。そこで、姪浜以西、筑肥線の代行輸送については何かしらの対策がとられたんでしょうか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 重光交通事業管理者。
○交通事業管理者(重光知明) 本件事案におきましては、原因の特定に時間を要することが見込まれましたため、空港線、箱崎線全線の運転見合わせを行いますとともに、これに伴って筑肥線車両の姪浜駅使用が困難となりますことから、あわせてJR九州に対しまして、JR筑肥線の運転見合わせを要請いたしております。一般に代行輸送につきましては、当該路線を運行しております鉄道事業者が判断しているところでございます。本件事案においてはJR九州では姪浜以西の筑肥線区間の代行輸送は実施しておられません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 姪浜以西については代行輸送は行われていないということが明らかになりました。
 それでは、この日にJRから交通局に対して筑前前原と姪浜の間の折り返し運転はできるという打診があったと伺ったんですが、それは事実でしょうか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 重光交通事業管理者。
○交通事業管理者(重光知明) JR筑肥線の列車の姪浜駅での折り返し運転につきましては、21時30分ごろJR九州から問い合わせがございましたが、折り返し運転については地下鉄の運転再開とあわせて判断したい旨の回答を行っております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 実際に折り返し運転は行われていない。交通局の判断で折り返し運転をさせなかったということですね、その理由をお示しください。
 
○議長(阿部真之助) 重光交通事業管理者。
○交通事業管理者(重光知明) 折り返し運転をしないという判断をいたしました理由でございますが、地下鉄線内の運転見合わせに伴い、姪浜駅では1番線から4番線までのうち、車両が停車していない空き線は2番線のみとなっておりました。この2番線を活用した折り返し運転につきましては、通常も、また緊急時にも実施した実績がなく、これを行う場合には信号やポイントの取り扱いなどについて、JR九州側を含めまして準備、調整が必要となりますことから、緊急対応を行っている中、これを実施することは安全運行を最優先とする観点から適切ではないと判断したものでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 安全上、適切ではないと判断されたということですが、JRと地下鉄の電力系統は区分されていますので、点検のため停電になったのは地下鉄線内だけで、JR筑肥線の姪浜−筑前前原間の折り返し運転は可能だったわけです。その証拠にJRも折り返し運転の打診をしてきております。
 それでは、これまでこのようなトラブルが発生したとき、運転見合わせとなった場合、筑肥線の代行輸送は行われていたのか、お尋ねいたします。
 
○議長(阿部真之助) 重光交通事業管理者。
○交通事業管理者(重光知明) 今回のような事案でJR筑肥線の運行見合わせを要請した事例はございません。したがいまして、これまでJR九州が筑肥線区間の代行輸送を行った例もございません。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) これまでも代行輸送は行われていない。姪浜以西の市民の交通の足を確保するのは市の責任ではないんですか。ここに交通局作成の運転阻害発生時の対応というフロー図が(資料表示)ございます。何らかの運転阻害が発生した際におおむね20分以上列車が動けないと判断されるとき、折り返し運転やJR筑肥線の運転継続等について検討、実施を行うようにとされております。JRへ筑肥線を運行できないか協議を行うということだと思うんですが、このようなマニュアルがつくられたのはいつでしょうか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 重光交通事業管理者。
○交通事業管理者(重光知明) 交通局では従来から輸送障害発生時の対応、対策につきまして詳細に取りまとめた運輸指令マニュアルを作成いたしておりますが、お尋ねの新たに作成した資料につきましては、運転阻害発生時の対応をよりわかりやすいものとするため、全体の流れを簡略なフロー図に整理したもので、この中にJR筑肥線折り返し運転に関しましても記載をいたしております。この資料につきましては、局内の関係部署で検討の上、所要の手続を経まして、5月8日付で運輸指令マニュアルに追加をいたしております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 私は今までこういうのが(資料表示)なかったということのほうがちょっと信じられないわけでありますが、そもそもこれまでは姪浜以西の代行輸送について、JRと協議することもなかったと、全くほったらかしだったということですよ。今回の事例は、トラブル発生が夜8時過ぎで、姪浜駅から今宿野外活動センターを結ぶ今宿姪浜線乗り合いバスも、博多駅から九州大学へのバスも、いずれも最終便は終わり、筑肥線もとまってしまったので、多くの帰宅困難者を生み出すこととなりました。運転再開は23時過ぎですよ、真夜中に今宿や周船寺などに着いたとしても、真っ暗の中を歩いて帰るしかありません。運転見合わせの時間がどれぐらいになるか見通しがつかないときこそ、早目の柔軟な判断が必要ではありませんか。したがって、今後、地下鉄が何らかの事故やトラブルで運転見合わせとなった場合、特段の事情がない限り、姪浜以西のJR車両での折り返し運転などを原則行わせるべきだと思いますが、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 重光交通事業管理者。
○交通事業管理者(重光知明) 輸送障害発生時のJR筑肥線の折り返し運転につきましては、今後とも、安全運行を最優先にしつつ、お客様への影響を考慮した上で対応していく必要があろうかと考えております。現在、関係課におきまして今回のような事案の場合も含めまして、改めて折り返し運転のあり方について検証、検討を進めているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 今回作成された対応マニュアルに従い、JRとルールをきちんと定めておくべきと指摘しておきます。さらに、JR筑肥線については従来から大雨や強風で運転見合わせになることも多く、筑肥線がとまると姪浜から西方面に帰る人たちはかわりの交通機関がなく困っておられます。タクシーを利用しようにも長蛇の列、バスもないので、長い距離を歩いて帰らなければなりません。そのため、市民からJRに対して、代行輸送の手だてが全くなく、長時間待たされることは不合理だという批判と代行輸送を行えとの強い要望が上がっております。
 そこでお尋ねしますが、JR筑肥線及び地下鉄線内で何かしらの事故やトラブルが発生し、運転見合わせとなった際のJR筑肥線の代行輸送について、市が主体となってJRに対して代行バスの配置など要請すべきではありませんか。また、西鉄などにも協力を要請すべきではありませんか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 重光交通事業管理者。
○交通事業管理者(重光知明) JR筑肥線内で発生しました輸送障害に伴う代行輸送等の対応につきましては、先ほども答弁いたしましたけれども、JR九州において判断、実施されるべきと考えておりますが、こうした対応が効果的かつ円滑に行われますよう、JR九州とは必要な協議、連携を行ってまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 交通局の管轄は地下鉄だけと、JRなどには要請しないというようなそういう説明では納得しません。今宿、西都、周船寺に住む皆さんも福岡市民です。ここの市民から、市は天神や博多の都市部のほうの開発ばかり、もっと姪浜以西のことを考えてほしいという声も寄せられています。姪浜以西については開発だけして生活交通アクセスは知らんふりと。こんな姿勢に多くの西区の市民が怒っております。
 そこでお尋ねしますが、市長はJR筑肥線及び地下鉄線内で何らかの事故やトラブルで運転見合わせとなった場合、姪浜以西の市民の移動の権利を保障すべく、市が主体となってJRの折り返し運転やバスなどの代行輸送の確保など、市長の責任で早急に実現すべきではありませんか、この問題の最後に市長の答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 島市長。
○市長(島宗一郎) 平成31年4月4日に発生をした車両ふぐあいに伴う地下鉄線内の運行休止に際しましては、地下鉄及びJR筑肥線を御利用のお客様に大変御迷惑をおかけいたしました。JR筑肥線の輸送障害発生時の折り返し運転や代行輸送等の対応につきましては、交通局においてJR九州と十分に協議、連携を行うなど、適切な対応を図ってまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 福岡市の生活交通条例には、その前文に、市民の生活交通を確保し、全ての市民に健康で文化的な最低限度の生活を営むために必要な移動を保障するということがうたわれており、緊急時の代行輸送の確立はどんなときでも市民の移動の権利を保障する自治体の責務だと自覚すべきと申し上げておきます。
 次に、奨学金の問題について質問します。
 私は青年の要求実現を掲げて、草の根で活動する民主青年同盟福岡県委員会の仲間とともに、市内の大学で対話宣伝に取り組んできました。その中で、学費を下げてほしい、給付型奨学金をつくってほしいなどの答えが数多く返ってきました。お金の心配なく教育を受けられるように、奨学金は欠かすことのできない制度であります。
 そこで、現在、福岡市が行っている奨学金制度には、高校と大学でどのような制度があるか、説明を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 奨学金制度は公益財団法人福岡市教育振興会において、高校生等に対しての奨学金貸与事業を実施しております。なお、大学生等を対象とした奨学金制度は実施しておりません。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 大学で奨学金制度はなく、高校では貸与型のみということであります。
 それでは、市教育振興会の高校奨学金に申し込んだけれども、残念ながら不採用となった生徒の人数を平成29年度、30年度、31年度それぞれ何人か答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 過去3年間の不採用者の人数は、平成29年度が45人でございますが、30年度及び令和元年度は申込者のうち収入基準を満たした生徒全員を採用しております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 収入基準を満たしていない人、不採用に最初からなった人は80人前後がいると私のもとに届いた資料から出しておりますけれども、それでは、その奨学金を受けることができなかった生徒に対してはどんな対応がされているのか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 不採用となった方に対しましては、高校入学後も募集を行っている福岡県の奨学金制度などを御案内するなど、必要な情報提供を行っております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 県の奨学金などで救済されているのではないかということだと思いますが、実際に県の奨学金を受けられるようになったかどうかまでは調べておられないと。奨学金の採用に漏れた生徒がどうなったのか、市は関知していないわけですよ。余りに冷たい答弁だと思います。
 そこで、全ての希望者が奨学金を利用できるように、予算の拡充と所得要件の緩和など改善していくべきではないかと思いますが、御所見をお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 教育振興会の奨学金は中学生の進路保障を図るため、奨学金貸与を実施しており、これまで市民ニーズに対応するため、対応人数の拡大や入学資金等の貸与前倒しなどを行ってまいりました。また、奨学金を希望する全ての生徒が採用されるよう努めてきており、引き続き適切に奨学金貸与事業を実施してまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 全ての子どもたちにひとしく教育を受ける権利があり、それを保障する責任が市にあるわけです。強く改善を求めておきます。
 一方、大学に関しては市の独自の奨学金制度はありません。ある学生は、理学療法士の専門学校に行くために、2年間で300万円の奨学金を借りたものの学費を払うことができず退学しました。そして、残ってしまった奨学金を消費者金融からお金を借りてまで毎月4万円から5万円返済していかなければならないという状況に追い込まれ、自己破産の申し立てをせざるを得なくなりました。そういう人は少なくないんです。このほかにも、ある青年は教育ですらぜいたくなものになっていると感じたと、4年間で600万円の奨学金を借りて、今、毎月2万円ずつ返していて全額返済には25年かかる、これでは自分の子どもの学費も払えないだろうと考えると情けないと話してくれました。これらの事例は何も特別な例ではなくて、全国的にも学生の約2人に1人が奨学金を借り、その返済額は平均で約300万円にも上るという状況があります。
 そこでお尋ねいたしますが、奨学金とは名ばかりの教育ローンを、未来を生きる若者に背負わせている社会は異常だという認識はありますか。また、高い学費や奨学金の返済で生活が苦しい青年や学生の実態を調査する必要があると思いますが、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 大学等を卒業した後も学生時代に借りた奨学金の返還に困っている若者がいることは認識しております。そうした実態を踏まえ、国において令和2年度から大学生向けの授業料等減免制度の創設とあわせ、給付型奨学金が拡充される予定で、引き続き国の動向を見守ってまいります。
 なお、国が奨学金制度の拡充などを行うに当たり、大学生等の実態を把握されているものと考えており、市として実態調査を行う予定はございません。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) ぎりぎりの生活に追い込まれている学生に寄り添おうとしない、調査もしようとしないという冷たい姿勢であります。
 そこで、今、教育長も答弁されたように、国は学生の声と運動に押されて給付型奨学金を始めました。今現在、福岡市ではどれぐらいの学生が対象になっているのでしょうか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 大学生向けの給付型奨学金の市内の採用者数につきましては、実施主体である日本学生支援機構が公表しておらず、把握できませんが、同機構によりますと、全国では平成30年度に新たに採用された大学生等は平成30年6月1日現在1万8,566人となっております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 福岡市内の学生の対象ははっきりわからないとおっしゃいますけれども、国の給付型奨学金は、対象を低所得世帯のみで成績優秀者と厳しく限定して、全国で約2万人、学生総数のわずか0.7%です。福岡大学の学生の総数だけでも約2万人ですから、余りにも対象が少ないではありませんか。今度の改正で学費の減免など、多少広がるということですが、それでも全体の1割にすぎません。
 このように、国の給付型奨学金制度はまだまだ不十分であり、国にさらなる制度拡充を求めるべきだと思いますが、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 大学生向けの給付型奨学金の拡充につきましては、指定都市教育委員会協議会におきまして、対象者の拡大など制度の充実に関する要望を国に行っております。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 国の制度は極めて不十分ですので、しっかり意見を述べていただき、多くの若者の願いをかなえてほしいと思います。しかし、このような中でほかの政令市では、この問題に正面から向き合い、独自に給付型奨学金を創設し、未来を生きる学生を応援している自治体もあります。例えば、札幌市では、国公立大学で月6,000円、私立大学で月9,000円の給付型の奨学金を1,300人前後の学生、高校生に支給しています。この奨学金を受けた学生の一人は、母子家庭で大学に行けるなんて、高校時代は考えてもいなかった、奨学金のおかげで大学に進学できて本当に感謝していると語っています。
 そこで、福岡市でも札幌市に倣って市独自の給付型奨学金を創設すべきではありませんか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 大学生等への奨学金は国において、日本学生支援機構が貸与事業を実施し、毎年新たに40万人を超える大学生等がこの制度を活用しております。また、給付型奨学金制度が平成29年度に創設され、令和2年度からはその拡充が予定されております。
 一方、高校生等への奨学金については、福岡県の公益財団法人福岡県教育文化奨学財団が県内の高校生等に対して貸与事業を実施しております。また、福岡市教育振興会は中学生の進路保障のため、県の制度を補完する形で市内の中学校を卒業した高校生等に対して奨学金を貸与しており、奨学金についてはそれぞれ役割が分担されていると考えております。
 今後とも、国、県、市がそれぞれの役割を果たしながら高校生や大学生の就学支援を行っていくことが重要と考えており、国、県の動向を見守ってまいります。以上です。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 札幌市は約1億円の予算を充てて、広く寄附金を募り、学生の未来を応援しているんです。福岡市もやろうと思えば実現できますよ。我が党は高過ぎる大学の学費を直ちに半額にし、段階的に無償化を図ること、給付型奨学金を学生総数の4分の1に当たる70万人にひとしく月額3万円支給することを提案しています。財源は消費税に頼らず、大企業と富裕層に応分の負担を求めるやり方で確保すれば、今すぐできると主張しております。この提案は学生の要求にかみ合い、強い共感を持って受けとめられ、やろうと思えばできるんだと希望が広がっています。
 そこで、島市長にお尋ねいたしますが、もはや自己責任では解決できない、誰もがお金の心配なく学ぶことができる社会にするために、市長が積極的にイニシアチブをとって予算を確保し、市独自の給付型奨学金を実現すべきと思いますが、この問題の最後に市長の答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 中村副市長。
○副市長(中村■一) 大学などへの進学に意欲のある学生が経済的な理由によりまして、進学を断念することはあってはならないことだと思っております。また、先ほど教育長が答弁しましたように、奨学金につきましては国において制度が拡充されておりまして、国の動向を注視しつつ、国、県、市がそれぞれの役割を果たしていくことが重要であると考えております。今後とも、教育の機会をひとしく提供するために教育委員会とともに、しっかりと取り組んでまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 国が国がと言いますけれども、市の役割があるのではないかと私は述べているわけです。市独自の給付型奨学金の創設を強く要求しておきます。
 次に、ブラックな働かせ方の問題についてです。
 私はこの間、低賃金や長時間労働は当たり前、派遣や契約社員など不安定な非正規雇用に苦しんでいる青年に話を聞いてきました。携帯ショップで働く青年は、朝10時から夜7時までの勤務で、昼休憩は日によってとれたり、とれなかったり、毎日1時間から3時間の残業で10連勤以上は当たり前、せっかくの休日も本部の会議に出席しなければならず、休みにならない。残業代は固定で月3万円だった。長時間労働を余儀なくされ、残業代がまともに支払われていない実態であります。
 そこでお尋ねしますが、このような働き方は、いわゆるブラックな働き方だと考えますが、認識をお伺いします。
 
○議長(阿部真之助) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) いわゆるブラック企業につきましては、明確な定義はありませんが、一般的な特徴として労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、賃金不払い残業やパワーハラスメントが横行するなど、企業全体のコンプライアンス意識が低いなどと言われております。ブラック企業問題は絶対に許してはならないものと認識しており、その根絶に向けては社会全体として取り組んでいかなければならない課題であると考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 私はこの青年に、それはおかしいことだと会社に訴えて残業代をしっかり払わせないといけないと、こう話しますと、その青年は上司にちゃんと話をして残業代がしっかり払われるようになったということであります。こうしたアドバイスを多くの青年が求めています。だからこそ、行政の啓発活動が本当に大事なのではないでしょうか。
 そこで、市として労働法令や労働者の権利等について青年や学生に対する啓発活動は十分だと認識されているのか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 労働者の権利や法律などの働き方の啓発につきましては、労働基準関係法令などに基づき、国及び県が主たる役割を果たしており、福岡市はそれを補完する役割を担っていると理解しております。国は平成27年度から労働者がみずからの労働条件を確認することを目的としたキャンペーンを毎年実施しており、また、啓発ウエブサイトやアプリ、リーフレットを通じて周知、啓発を図っております。福岡市の取り組みといたしましては、労働に関する法令や制度をわかりやすく開設した働くあなたのガイドブック及びガイドブックを抜粋した働くあなたのリーフレットを発行し、福岡市内の高等学校や専門学校、大学、短期大学、本庁舎1階の情報プラザや区役所などでも配布し、また、福岡市ホームページで情報を掲載しております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) いろいろ言われましたけれども、十分な啓発が行われていないから多くの青年が悩んで苦しんでいると思います。答弁でガイドブックやリーフレットを配布しているということを言われましたが、活用状況まではつかまれていないでしょう。さらに啓発活動を強化していくために、県立や私立の学校も含めて、全ての生徒や学生に配り、そして、学校の授業で学習をしたり、成人式など若者が集う場で配布をしたりすべきだと思います。
 また、今の時代はネット社会ですから、市が作成している福岡市政PR動画のように、テレビCMやネット動画を活用するなどさらなる工夫が必要と考えますが、御所見をお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 先ほど答弁しました啓発について具体的に申しますと、福岡市の取り組みとして、平成31年2月に、働くあなたのガイドブックは9,000部、働くあなたのリーフレットは4万部を作成し、市内の全ての高等学校41校、専門学校79校、大学、短期大学23校に必要部数を配布するなど、啓発に努めております。また、福岡県などと共催で労働問題に関する相談会を年4回、労働教育講座を年2回、労働経営セミナーを年2回、パネル展を年2回開催するなど、啓発事業を実施し、福岡市も積極的に補完する役割を担っております。さらに、国が実施する労働問題に関するセミナーや電話相談、啓発ウエブサイトにつきましても、チラシやパンフレットの配布など、広報での連携、協力を行っているところでございます。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 学生や青年が労働者としての権利を学ぶというのは、非常に重要です。県や国の補完ばかりではなくて、市が主体的にさらなる啓発活動の強化を重ねて求めたいと思います。
 次に、もう1つ事例を紹介します。
 あるアパレル関係の職場で働く青年は、長時間過密労働で、朝が来なければいいのにと、職場に行くのが嫌で夜寝られない、上司から何の理由もなくお客さんもいるようなフロアでウサギ跳びをやらされるといういじめを受けたと聞きました。また、同じ職場で働く同僚には、上司から、よく結婚できたね、妊娠してやめるとか許さないよ、大学を出ているのに何で理解できないのなどの言葉のパワハラ、マタハラを何度も受けているそうです。本当にひどい実態であり、腹が立ちます。
 そこでお尋ねしますが、市としては今挙げたハラスメントの事例について問題だという認識はありますか、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 御指摘の職場におけるハラスメントにつきましては、事業主は男女雇用機会均等法及び育児休業法の規定に基づき、妊娠、出産、育児休業、介護休業等に関する同僚からの現場でのハラスメントの防止措置を講じなければならないとされており、そのようなことがあってはならないものと考えております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 明らかなハラスメントです。ほかにも、上司に意見が言いにくい、有給休暇がとりにくい雰囲気がある、やめたくてもやめられない、そんな意見がたくさん聞かれました。私が挙げた例は、ほんの氷山の一角にすぎません。これはブラックな働き方ではないか、職場で受けたパワハラやセクハラを相談したいけど、どこに相談に行けばいいかわからないという青年がたくさんいます。
 そこでお尋ねいたしますが、長時間労働や残業代が支払われていないパワハラ、セクハラなど、これはおかしいなと感じている青年に対して市独自の親身な援助と労働相談に特化した窓口を整えることが必要だと思いますが、答弁を求めます。
 
○議長(阿部真之助) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 労働問題につきましては、労働基準関係法令などに基づき、国及び県が主たる役割を果たしております。国は福岡市内において労働局や労働基準監督署のほか、総合労働相談コーナーを3カ所設置していることに加え、平日の夜間及び土日も電話相談が可能な労働条件相談ほっとラインを開設するなど、国による相談体制の充実強化が図られているところでございます。福岡市におきましても、国、県を補完する形で市民相談室で労働問題に関する相談を受けた場合は弁護士による法律相談も行っております。また、必要に応じ、国の労働基準監督署や県の労働者支援事務所等の専門窓口につなぐなど、国や県と連携、強化を図りながら取り組みを進めております。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 国や県に丸投げするだけでブラックな働き方で苦しんでいる青年を救うことなんてできません。リーフレットによれば、市内にある県と国の相談窓口はたったの4つと数が少ないですし、敷居が高いんですよ。同じ政令市の川崎市では、市独自の労働相談窓口を市役所や区役所に設置して、出前相談活動も行って、2018年度は636件の相談が寄せられております。一方、福岡市は各区の市民相談室の労働問題に関する相談件数は2018年度でわずか91件です。若者が多い福岡市だからこそ、市が青年に寄り添い、より身近な場所に労働相談に特化した窓口を設置すべきであります。これまで述べてきたのは、これまでも指摘されていたブラックな働かせ方の類でありますが、安倍政権が雇用関係によらない働き方などとして新たな問題のある働き方を推進しており、青年の働き方の実態はますます深刻になっています。首都圏青年ユニオンによると、美容師業界などでは雇用関係によらない働き方が急速に広がっているといいます。雇用契約を結ばないので、労働基準法や最低賃金法も適用されず、働き手は労働者ではなく、個人事業主として働くことを押しつけられます。このように、新たなブラックの手口が生まれている中で、国の調査だけでは極めて不十分だと思います。
 そこで、福岡市として、より実態に立ち入った市独自の調査が必要だと考えますが、御所見をお尋ねします。
 
○議長(阿部真之助) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) いわゆるブラック企業問題につきましては、労働基準関係法令に基づき、事業所への立入調査、是正勧告、改善指導、重大悪質な事案の場合の検察庁への送検などの監督指導権限を有する国が積極的に対応を図っており、実態調査についても、労働基準監督署などの国の専門機関で行うことが適切であると考えております。なお、フリーランスなどの雇用関係によらない働き方、いわゆる雇用類似の働き方につきましては、厚生労働省の検討会において実態把握、課題整理等が行われ、現在は法律や経済学等の有識者から成る雇用類似の働き方に係る論点整理等に関する検討会において、その保護等のあり方について検討が進められており、今後とも、国の動向を注視してまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) 山口湧人議員。
○37番(山口湧人) 国の動向を注視するなんて言いますけれども、市が主体的にどうするかというお答えが全くありません。雇用関係によらない働き方を進める安倍政権に任せていても、本気の調査は期待できませんよ。青年に身近な自治体が立ち入った調査を行う必要があります。これまで述べて来たように、新たなブラックな働かせ方が横行している中で、体も心もぼろぼろに壊され、つらい思いを抱えて暮らしのあしたに希望が持てない青年がたくさんいます。島市長は、スタートアップを特段に支援しておられますが、スタートアップはお友達感覚で事業が始まり、労働条件や労使関係が不透明になりやすいという問題点が指摘されております。ブラックな働き方に苦しんでいる青年にこそ心を寄せて、声を聞いて応援していくのが行政の役割ではありませんか。
 そこで、市長は若者の使い捨ては許さないという毅然とした態度で、啓発、相談、調査を網羅したブラックな働き方をなくすための条例をつくるべきだと思いますが、この問題の最後に市長の答弁を求めて私の質問を終わります。
 
○議長(阿部真之助) 中村副市長。
○副市長(中村■一) いわゆるブラック企業問題は絶対に許してはならないものと認識しており、その根絶に向けては社会全体として取り組んでいかなければならない課題であると考えております。このため、福岡市といたしましては、今後とも、労働基準関係法令に基づきまして、監督、指導権限を有する国や県などの関係機関と連携、協力を図りながら取り組みを進めてまいります。以上でございます。
 
○議長(阿部真之助) この際、休憩し、午後4時15分に再開いたします。
午後4時5分 休憩  
午後4時15分 開議  
○副議長(楠 正信) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。落石俊則議員。
○60番(落石俊則)登壇 お疲れだと思いますけれども、最後まで御協力よろしくお願いいたします。私は福岡市民クラブを代表して、不登校児童生徒の学校復帰支援と自立支援について、外国人労働者の労働環境の改善並びに多文化共生のまちづくりの推進について、以上2点について質問いたします。
 初めに、不登校児童生徒の学校復帰支援と自立支援についてお伺いいたします。
 文科省によれば、2017年度における小学校、中学校での不登校児童生徒数は、全国で14万4,031人に達し、深刻な状況となっています。児童生徒本人への対応と支援はもとより、家庭環境や学校に起因する問題解決に向けたさらなる取り組みが求められています。
 そこで、不登校児童生徒の学校復帰の支援と自立支援について伺います。
 まず、本市の2015年度から2017年度までの小中学校別の不登校児童生徒数の推移をお尋ねします。
 以上で1問目の質問は終わり、2問目以降は自席にて行います。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 小中学校別の不登校児童生徒数の推移は、平成27年度は小学校が129名、中学校が767名、28年度は小学校が148名、中学校が838名、29年度は小学校が162名、中学校が639名となっております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 中学校の不登校生徒は少しずつ減ってきているものの、いまだ600人を超え、小学校の不登校児童は130人前後から160人台と微増していることがわかります。
 それでは、学年別の不登校児童生徒の推移はどうなのか、2015年度から2017年度の小学校4年生から中学3年生までの推移をお尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 小学校4年生から中学校3年生までの推移は、平成27年度は小学4年生が16名、5年生が48名、6年生が43名、中学1年生が220名、2年生が261名、3年生が286名、28年度は小学4年生が23名、5年生が29名、6年生が68名、中学1年生が236名、2年生が315名、3年生が287名、29年度は小学4年生が29名、5年生が47名、6年生が51名、中学1年生が158名、2年生が247名、3年生が234名となっております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) ただいまの答弁にあったように、小学校では5年生からふえ始め、中学1年生の不登校生徒数は、2015年度は小学校6年生が43人から翌年度は中学1年生236人へと約5.5倍、2016年度が68人から翌年度158人へと約2.3倍と、中1ギャップは解消の兆しは見えつつあるものの、中学校2年生になると急増していることがわかります。
 本市の小中学校別の不登校の要因と考えられることはどんなことか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 平成29年度の福岡市の調査における主な要因は、多い順に3つ挙げますと、小学校、中学校ともに家庭の生活環境の急激な変化や親子関係などの家庭に係る状況、次にいじめ以外の友人関係、学業不振となっております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 文科省調査に着目すれば、小学校の場合、家庭に係る状況が過半数を占め、次いで友人関係の問題、学業の不振と続いており、中学生では家庭に係る状況は減り、友人関係の問題、学業の不振の割合がふえていることがわかります。個々の要因を踏まえた施策が必要です。
 本市では、2008年福岡市不登校ひきこもり対策会議の提言をもとに2009年度より不登校対応教員を不登校生徒数が多い中学校を中心に20名配置、その後、順次ふやし、2017年度には小呂、玄界小中学校を除く67の中学校に配置してきました。
 また、臨床心理士の資格を持つスクールカウンセラーの配置に加え、児童生徒と家族を支える社会福祉士または精神保健福祉士の資格を持つスクールソーシャルワーカーを2008年度より順次配置し、2018年度には全69中学校ブロックに配置してきました。
 スクールカウンセラー配置状況と過去3年間の相談件数並びにスクールソーシャルワーカーの過去3年間の相談件数と主な相談内容について伺います。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) スクールカウンセラーの配置状況は、令和元年度、心の教室相談員を配置している小呂小中学校、玄界小中学校以外の全ての市立の小中学校、高等学校、特別支援学校に配置しております。
 スクールカウンセラーの過去3年間の相談件数は、平成28年度2万4,009件、29年度2万6,580件、30年度2万6,675件でございます。
 スクールソーシャルワーカーの過去3年間の相談件数は、平成28年度1,247件、29年度1,595件、30年度4,450件でございます。
 また、スクールソーシャルワーカーへの主な相談内容は、不登校に関することや親子関係などの家庭環境に関することでございます。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) スクールカウンセラーは毎年2万6,000件前後、スクールソーシャルワーカーは2108年度より67中学校に配置したこともあり、前年度比3倍の対応件数となっていることがわかります。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの皆さんが悩みを抱えている児童生徒、そしてまた、その家族にかかわり、対応されていることが不登校児童生徒の減少につながる効果を生み出していることがわかります。
 私は、2017年3月議会で不登校対応教員の職務内容を尋ねました。中学校に配置している不登校対応教員は、子どもの学校復帰に向けた校内支援体制のコーディネートや校内適応相談教室、いわゆるステップルームの運営、家庭訪問、関係機関との連携、小学校への支援を行っているとのことでした。その結果、学校への復帰率も、その当時、未配置だった中学校に比べて高くなっていました。2017年度から67中学校に配置したことも大きな効果をもたらしていると考えます。
 しかし、学年別の不登校児童生徒の推移を見ると、先ほど示されたように小学校の不登校児童は130人前後から160人台と微増し、小学校5年生から不登校児童がふえていることや、改善の兆候はあるものの、依然として中1ギャップが解消しない、中学2年生で再び増加する等の課題があります。
 小学校への不登校対応教員の配置に関して、教育長は中学校に配置した不登校教員が校区内の小学校とのつなぎ役となり、支援を充実させると答弁されていました。
 小学校では標準学級数により、例えば、1年生から6年生まで14学級以下の学校では担任以外の補助教員の配置数が1名、15学級から25学級までは2名と、管理職を加えても担任のかわりにすぐに家庭訪問をしたり、電話連絡をしたり、子どもや保護者に対応可能な教職員が少なく、不登校ぎみの子どもへのかかわりが遅くなりがちになり、家庭訪問や電話連絡等が放課後または夜間にならざるを得ません。
 不登校の未然防止の観点から、小学校への不登校の子どもにかかわる教員の配置が求められますが、御所見をお伺いします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 不登校対応教員は、小呂中学校、玄界中学校を除く全ての中学校に配置し、当該教員が中学校ブロック内の小学校とのつなぎ役となって必要な情報を共有することなどにより、不登校児童生徒に対し、小中学校が連携して、義務教育9年間を通した効果的な支援を行っております。
 また、小学校では登校支援を担当している教員が養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、不登校対応教員を初めとする中学校教員などと連携し、組織的に取り組んでおります。
 今後とも、中学校ブロックの実態に応じた小中連携の取り組みを推進してまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 文科省は、病気などの理由以外で年間30日以上の欠席者を不登校児童生徒と定義していますが、年間20日以上の子どもたちも含めれば、さらに数は増します。不登校が中学校へと長期化しないようにするためにも、子どもに寄り添い、対応する人員が必要です。中学校の不登校対応教員によれば、1小1中の校区なら対応が可能かもしれないが、校区に2校以上の小学校がある場合、自分の中学校のステップルームに通ってくる生徒への対応に追われ、小学校まで手が回らないと話されています。人的配置をぜひ要望しておきます。
 次に、少人数学級の効果についてです。
 学級は学習集団であると同時に、子どもたちがお互いを認め合いながら学び合う生活集団の機能を有しています。教員がいじめや不登校などの教育課題に取り組むためには、一人一人の児童生徒へのきめ細やかな対応ができる教育環境が必要です。特に中学生は思春期の時期に入ることに加え、部活動や塾など先輩や同級生との新たな人間関係からストレスが蓄積されがちなため、きめ細やかな対応が必要となります。
 そこで、学力保障の観点からも小学校5、6年生や中学校2、3年生へと少人数学級を順次進めていくことが必要だと考えますが、御所見をお伺いします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 35人以下学級は、小学校1年生から4年生までは35人以下学級、中学校1年生では学校の選択制による35人以下学級を引き続き実施するとともに、本年度から各学校が課題に応じて小学校5、6年生の一部教科担任制の教科の拡大及び少人数指導の学年や教科の拡大を実施できるようにしております。
 今後も引き続き、小中学校9年間の発達段階区分に応じた効果的な指導の充実に努めてまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 人的配置が必要であります。全小中学校で35人以下学級を実施している秋田県や山形県などでは、不登校の出現率や欠席率が低下していると報告されています。本市でも35人以下学級を実施している小学校4年生以下と5年生以上、中学校1年生と2年生以上の不登校児童生徒数を比べれば、その効果が見られます。仙台市では、昨年度から中学2年生までの35人以下学級の拡充が始まりました。不登校や虐待の兆候など子どもたちのSOSを早くキャッチするためにも、35人学級を順次拡大すべきと意見を述べておきます。
 次に、不登校児童生徒の社会的自立支援について伺います。
 2017年2月、多様な教育機会の確保を図るとする義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律、いわゆる教育機会確保法が施行されました。この法律では、学校以外の教育支援センターとしての適応指導教室の整備を求めています。
 本市には適応指導教室として教育センターにまつ風学級、えがお館にはまかぜ学級、東区の東箱崎小学校と博多区の東住吉小学校にすまいる学級が設置されていますが、どのような学習活動が行われているのか、また、それぞれの受け入れ人数枠と入級に至るまでの手順についてお尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 適応指導教室では、児童生徒の学習保障のために5教科を中心とした個人学習タイムなどのプログラムを実践しております。
 定員は、まつ風学級20名程度、はまかぜ学級40名程度、東箱崎小学校と東住吉小学校のすまいる学級はそれぞれ8名程度で、4教室合わせると76名程度でございます。
 適応指導教室に入るまでの手順としては、教育相談課の教育カウンセラーが不登校児童生徒や保護者と面談をし、その結果、適応指導教室での指導を受けることが学校復帰に向けてより効果的であると判断し、なおかつ本人が適応指導教室に通える場合に決定しております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 適応指導教室は学校生活への復帰を支援するため、児童生徒の在籍校と連携をとりつつ、カウンセリングや教科指導を行う学校から独立した不登校児童生徒の支援機関です。
 同級生の顔を見れない、顔を合わせたくないなどの理由で学校に行けなくなった児童生徒は、どうしても家に閉じこもりがちになります。本人の意思を尊重しながら、家の外の安心して過ごせる居場所であることをアピールし、入級を進めていただくとともに、教室内の様子を学校や保護者と共有し、学校復帰に向けた支援の拡充を要望しておきます。
 次に、不登校のまま中学校を卒業した生徒たちの進路について伺います。
 先ほどの答弁によれば、中学3年生の不登校生徒は3年間で約800人にも上ります。
 そのうち、卒業時の進路未決定者の過去3年間の推移をお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 過去3年間の推移は、平成28年度36名、29年度28名、30年度65名となっております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 合計で3年間約130人の生徒が進路が決まらないまま中学校を卒業しているわけですが、卒業後、誰がどのように対応されているのか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 不登校生徒で進路が未決定のまま卒業した生徒に対しましては、校長や学級担任、進路指導主事など当該生徒に関係のあった教員を中心に家庭訪問を行い、生活や進路についての相談活動を行っております。
 このうち、ひきこもり傾向の生徒に対しては、就労やひきこもりの相談窓口を紹介したリーフレットなどを活用し、3年間継続して相談活動を行っております。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 学校が中心となってひきこもり支援や相談窓口が記載されたリーフレットなどを持って家庭訪問をされているとのことでした。先生方の努力に感謝しますが、先生方も人事異動があり、自分が受け持っていた子どもを長く支援し続けることは難しい状況です。こども総合相談センターえがお館などの関係機関との連携を図りながら、支援を継続していただくよう要望します。
 教育機会確保法では、夜間学級における就学の機会の提供とともに、学校以外の場として、いわゆる民間のフリースクールとの連携も求めています。これまで不登校対策は子どもたちの学校復帰が大前提とされてきましたが、学校以外の場の重要性を認めていることから、教育委員会、学校とフリースクールとの連携が重要と考えます。
 どのような連携を検討されているのか、お伺いします。
 
○副議長(楠 正信) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 不登校児童生徒が将来、社会的に自立するために、個に応じた学習の機会を提供することは大変重要なことであると認識しております。
 福岡市においては、教員がスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門家と連携し、チームとして教育、心理、福祉の面から支援を行ってまいりました。また、学校以外の学びの場として適応指導教室を設置するとともに、多様な教育機会を提供するフリースクールと教育委員会との情報交換会を実施するなどの取り組みを進めてまいりました。
 今後は、教育委員会がそれぞれのフリースクールの教育理念や学習内容などについて把握し、各学校に紹介するなどフリースクールとの連携をさらに進め、児童生徒の一人一人の状況に応じたきめ細やかな不登校支援の充実に努めてまいります。以上です。
 
○副議長(楠 正信) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 多くの保護者はフリースクールがどこにあり、どんな活動がされているのか、情報をほとんど持っていません。福岡県内の5つのフリースクールで構成するふくおかフリースクールフレンドシップ協議会は、保護者からの要望を受け、連絡先や対応年齢、スタッフ、利用料金等を記載した子どもたちの多様な学びを支える居場所情報誌を作成されています。(資料表示)これが子どもたちの多様な学びを支える居場所情報誌となっていますけれども、福岡県内の約30校のフリースクールを紹介し、福岡地区にある21のフリースクールがここに掲載されています。また、中学生が学べる場の紹介もしてあるし、保護者会の連絡先もここに記載されています。これを3,000冊つくったと東区箱崎にあるフリースクールの方が話されていました。こういった情報誌を活用しながら、フリースクールの代表者との意見交換会だけにとどまらず、不登校児童生徒とその保護者へのフリースクールの情報提供を初め、具体的な連携を進めていただくよう要望して、この質問を終わります。
 次に、外国人労働者の労働環境の改善並びに多文化共生のまちづくりの推進について伺います。
 1993年、発展途上国の労働者が日本で働きながら技術を学び、母国に戻ってからその技術を生かすという技能実習制度が始まりました。この制度を利用して外国人を受け入れる事業所も多くなりましたが、賃金の未払いや長時間労働など労働法違反の行為が問題化しています。そのため、2017年、実習生の保護を目的に技能実習適正化法が施行され、商工会などの管理団体や事業所に立入検査することのできる外国人技能実習機構が新設されると同時に在留期間も最長5年に延長されました。現在、技能実習生の受け入れが認められる職種は、農業や漁業、建設業、介護など80職種に拡大されています。
 一方、政府が高度外国人材や留学生の受け入れを拡大したこともあり、国内の在住外国人は年々増加し、2018年末現在、約273万人と過去最高になっています。
 さらに、人手不足に悩む業界の強い要請を受け、これまで高度外国人材に限定し、原則として受け入れてこなかった外国人労働者を特定技能という新たな在留資格を創設して受け入れる改正出入国管理法が昨年12月、審議不十分のまま、多くの反対を押し切って成立しました。
 政府が幾ら移民政策はとらないと強調しても、新制度により外国人労働者はさらにふえ、福岡市内外の企業、事業所で働き、生活する外国人労働者はますますふえていくことが予測されます。
 国会審議では、日本語教育や住宅の確保などの生活支援策はほとんど議論されませんでした。言葉や文化、慣習の違いなどにより地域住民とのトラブルが生じないよう、外国人労働者への生活情報の提供や生活環境の充実が一層重要となってきます。
 そこで、外国人労働者の労働環境の改善について伺っていきます。
 初めに、福岡市における在住外国人の状況についてです。
 福岡市と人口が同程度の政令指定都市である神戸市、京都市、さいたま市、川崎市の在住外国人の人数の推移を10年前と比べてお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 在住外国人の人数の推移について、平成21年3月末と31年3月末の登録人口でお答えいたします。
 まず、21年は福岡市2万2,111人、神戸市4万4,085人、京都市4万917人、さいたま市1万6,850人、川崎市3万2,583人となっております。
 次に、31年は福岡市3万6,673人、神戸市4万7,802人、京都市4万5,670人、さいたま市2万5,091人、川崎市4万2,635人となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 本市の在住外国人は、この10年間で約1.7倍の3万7,000人へと急増し、神戸市や京都市、川崎市の4万人に迫ろうとしています。
 次に、福岡県における外国人雇用状況についてです。
 県内における外国人労働者数や事業所数の推移、国籍や在留資格などの特徴はどうなのか、お示しください。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 外国人雇用状況につきましては、労働基準関係法令に基づき監督指導権限を有する国において把握をしております。
 福岡労働局によりますと、平成30年10月末現在、福岡県内の外国人労働者数は約4万6,000人で、平成26年の約1万9,800人に対し約2.3倍、外国人を雇用している事業所数は約7,600事業所で、平成26年の約4,100事業所に対して約1.9倍となっております。
 内訳につきましては、国籍別ではベトナムが最も多く、約1万3,900人、次いで中国が約1万1,600人、ネパールが約7,300人となっております。
 また、在留資格別では、留学生を含む資格外活動が最も多く2万600人、次いで技能実習が約1万600人、専門的、技術的分野が約7,500人となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 福岡県内では、この5年間で外国人労働者数は約2.3倍、外国人労働者を雇っている事業所数は約1.9倍もふえ、私も調べましたが、国籍については、ベトナム籍が約1万1,000人増、ネパール籍が約4,000人増と非漢字圏の外国人がふえており、ベトナム語やネパール語を含め、多言語による情報提供や相談体制の整備が求められています。
 また、在留資格別では、就労が認められている専門的、技術的分野も約2倍とふえているものの、技能実習が約3.5倍の1万600人、週28時間の枠内でコンビニや物流倉庫等でアルバイトをすることができる留学生を含む資格外活動が約2倍の2万600人となっています。就労を目的としない在留資格を持つ日本語学校、専門学校の留学生や技能実習生などが事実上、単純労働を担っている実態がわかります。
 次に、昨年の12月に成立した改正出入国管理法について伺います。
 基本方針によれば、今後5年間で18歳以上の労働者を最大34万5,000人受け入れることとし、フルタイムで原則直接雇用、雇用契約で日本人と同等以上の報酬額を求めることができるとしています。
 特定技能1号は相当程度の知識または経験を要する技能、特定技能2号は熟練した技能を要する業務となっていますが、特定技能1号、2号について、どんな分野にどのような条件のもとで働くことができるようになったのか、これまでの技能実習との違いは何なのか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) まず、特定技能1号につきましては、介護、ビルクリーニングなどの14分野における業務に従事することができ、在留期間は通算で5年までとなっております。
 次に、特定技能2号につきましては、建設及び造船、舶用工業の2分野における業務に従事することができ、在留期間に上限は付されておりません。
 特定技能と技能実習との違いにつきましては、特定技能は深刻な人手不足に対応するため、一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人を受け入れる制度であることに対して、技能実習は開発途上地域などの経済発展を担う人材を育成し、技能などを開発途上地域などへ移転することを目的とした制度となっております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 政府は、特定技能の資格が3年の技能実習を修了すれば無試験で取得できることから、技能実習生からの移行を50%ないし60%と見込んでいると国会審議の中で示しています。この4月、農業に従事するカンボジア国籍の技能実習生2人が特定技能1号に移行したとの報道がありました。在留上限5年の技能実習生が特定技能1号の資格を取得すれば、最長10年、日本で働けることになりますが、発展途上国の経済発展を担う人づくりに寄与することを目的とする技能実習制度から見れば大きな矛盾であり、しかも10年間は家族の帯同は禁じられています。人権上の問題であり、見直すべきと思います。
 次に、外国人技能実習生の労働実態について伺います。
 改正出入国管理法をめぐる議論の中で、技能実習生の失踪や最低賃金を下回る賃金、過酷な労働実態の一端が明らかになりました。
 このような失踪の増加の原因についてどのように認識されているのか、お伺いします。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 法務省の出入国在留管理基本計画によりますと、失踪の増加原因につきましては、本国において送り出し機関などから不当に高額な手数料などを徴収され、その借金の返済の必要性から別の就労先を求めて失踪するケースや、長時間労働や賃金などの不払いなどの労働関係法令違反を原因として失踪するケースなどが考えられるとされております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 改正出入国管理法の施行に伴い、本市でも外国人労働者がさらに増加することが容易に予想されます。
 まずは、既に本市で生活している技能実習生の賃金や労働条件の実態を市としてきちんと把握すべきと考えますが、所見を伺います。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 技能実習生の労働条件などの実態把握については、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律に基づき、実習の受け入れ企業に対して報酬や労働時間などの調査権限を有する外国人技能実習機構などの機関において行われるものと考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 2018年現在、福岡県の技能実習生は約1万600人で今後もふえていくことが予測されます。2017年、技能実習適正化法に基づき、外国人技能実習機構を設置せざるを得なかった背景、要因を考えれば、労働者保護の視点から賃金や労働条件などを国や県と情報共有すべきと考えます。
 さらに、外国人労働者を雇い入れている事業主に対し、労働関係法令を周知徹底することや外国人労働者が母国語で相談できる環境を整えることが必要と考えますが、所見を伺います。
 
○副議長(楠 正信) 島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(島 収) 外国人労働者を雇い入れている事業主につきましては、労働基準関係法令に基づき、監督指導権限を有する国において実態を把握しており、その周知徹底に努めております。
 外国人労働者からの相談につきましては、国が平成2年から福岡労働局に外国人労働者相談コーナーを、また、平成27年には多言語での電話相談が可能な外国人労働者向け相談ダイヤルを開設するなど外国人労働者の相談体制が整備されており、本市といたしましても、必要に応じ、これら専門窓口を紹介するなど国と連携を図っているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) この際、時間を延長いたします。落石俊則議員。
○60番(落石俊則) ますます外国人労働者がふえていくことから、相談体制の充実を求めておきます。
 ベトナムなどのアジア諸国では経済発展が進んでいます。いつまでも働き手が日本に来るとは限りません。外国人労働者にも労働基準関係法令が適用されます。外国人労働者が働きやすい地域は日本人にとっても働きやすく、生活しやすい地域になるはずです。国や県としっかり情報共有、連携を図り、労働相談体制の構築を図るよう要望しておきます。
 次に、多文化共生のまちづくりの推進について伺います。
 本市が2012年に策定した第9次福岡市基本計画によれば、活力と存在感に満ちたアジアの拠点都市を実現するため、アジアを初め、世界の人にも暮らしやすいまちづくりを目指すとしています。
 その指標項目に在住外国人の住みやすさ評価があり、外国籍市民アンケートの結果、2015年度の成果指数は63%となっていますが、その根拠は何か、アンケートの概略、調査項目もあわせてお示しください。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 在住外国人の住みやすさ評価については、平成27年度実施の福岡市外国籍市民アンケートにおいて、福岡市の住みやすさの質問について548人の回答があり、住みやすいと回答した人が345人で63%でございます。
 このアンケートは、福岡市住民基本台帳に登録のある20歳以上の外国籍市民を対象に、在留資格が特別永住者、永住者及び短期滞在を除く2,000人を無作為に抽出し、調査を行っており、調査項目は日常生活における日本語能力、日常生活での悩み、自治会や校区など地域行事への参加状況などでございます。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 永住者などを除く20歳以上の外国籍市民のうち約6割が住みやすいと答えているということでした。
 在住外国人の住みやすさ評価を高めるため、外国人への情報提供など、これまでどのような取り組みが行われてきたのか、伺います。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 在住外国人の住みやすさに関する取り組みについては、多言語による生活情報の提供、生活ルール、マナーの紹介、日本語習得の促進、地域における国際交流の促進、相談窓口の設置などを行っており、また、区役所へ転入手続に訪れた外国人に対しては、英語、中国語、韓国語、ベトナム語、ネパール語で表記した外国人向けパンフレットなどをウェルカムキットとして配付し、情報を提供しております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) さまざまな国籍に応じた生活便利帳などをウェルカムキットとして配付したり、相談窓口を設けたりして、暮らしの支援を行っているとのことです。今後も充実させていただくよう要望します。
 加えて、日本語習得の支援についてです。
 福岡アジア都市研究所が行った在福留学生アンケート調査によれば、日常生活における最大の課題は、言葉が通じないとなっています。福岡市でも技能実習生が1,200人を超え、中には日本語を勉強したいと、千代中学校にある自主夜間中学よみかき教室に日本語を学びに来られた技能実習生もいます。
 日本語習得に向け、どのような支援が行われているのか、伺います。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 日本語の習得支援につきましては、市民センターを会場とした福岡市主催の日本語教室の実施のほか、福岡よかトピア国際交流財団による日本語ボランティア養成講座などボランティアによる日本語習得支援の促進にも取り組んでおり、現在、市内及びその周辺には日本語教室が55カ所ございます。また、日本語教室を案内するマップを作成し、ウェルカムキットに同封するなど教室の周知にも取り組んでおります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) ボランティアの皆さんの支援をいただきながら、各市民センターなどで日本語教室が開かれていますが、多くが平日の午前と昼の時間帯です。仕事が休みとなる土曜日、日曜日または夜間の開催を望んでいる技能実習生などもいます。希望調査なども行い、教室の開催時間帯を検討いただくとともに、新在留資格特定技能2号の外国人は家族を連れて来日することも予測されることから、あわせて公立夜間中学の早期の開設を要望しておきます。
 政府は、在住外国人への行政サービスや生活情報の相談に原則11言語で対応する多文化共生総合相談ワンストップセンターを全国に約100カ所整備するとし、本市では4月より福岡市外国人総合相談支援センターが福岡市国際会館に設置されました。
 そこで、外国人総合相談支援センターの主な業務内容と在住外国人にはどのように周知が行われてきたのか、お尋ねします。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 福岡市外国人総合相談支援センターは、在住外国人からの在留手続、雇用、医療、福祉、出産、子育て、子どもの教育などの生活に係る相談を対面または電話において受け付け、適切な情報提供及び関係機関への取り次ぎを行っております。
 周知については、ウェルカムキットの封筒に同センターの概要などを印字して、区役所へ転入手続に訪れた外国人に対し、配付しております。また、市ホームページなどにおいても情報を発信しております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 本市の在住外国人は、2022年には3万9,000人になると見込まれています。生活相談や労働相談を初め、多種多様な課題を集約し、本市の多文化共生の施策に生かしていただくよう要望します。
 また、今後、地域住民との交流がさらに重要となってきます。
 本年2月の福岡市政だより東区版に多文化共生のまちづくり講座の案内が記載されていました。千早のなみきスクエアで開催された講座には、生活者としての外国人を理解しようという題目で香椎浜校区における多文化共生の取り組みが公民館の主事さんにより発表されました。
 また、東区役所の公民館を拠点とした外国人との交流促進事業として、馬出校区において、近隣の日本語学校の留学生を公民館に招いての交流会や市民体育会への参加など地域住民との交流が始まっています。
 また、お隣の箱崎校区でも異文化交流餅つき大会などが開かれ、交流が図られています。
 ほかの区でも地域の特徴を生かしての交流が取り組まれていると思いますが、市として各校区の取り組みを通して成果と課題をどのように把握されているのか、お伺いします。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 福岡市においては、これまで地域住民の協力を得て、外国人との交流事業を校区単位で順次拡大しており、その成果としては、交流できる場を設けることにより相互理解が促進され、外国人の生活ルール、マナーなどの理解につながったものと考えております。
 今後も地域住民と外国人の交流を継続するとともに、これらの取り組みを全市で展開することが急務であると考えております。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) 落石俊則議員。
○60番(落石俊則) 国籍や民族などの異なる人々が互いの文化的違いを認め合い、地域社会の構成員としてともに生きていくとする多文化共生の理念に基づく施策を拡充していくことが求められています。
 本市では、2003年に国際化施策の長期的な計画となる福岡市国際化推進計画が策定されました。現在は策定当時の約2倍の3万7,000人の外国人が本市で生活をしています。
 国と国の国際交流の視点から、アジアを初め、世界の人にも暮らしやすいまちづくりに重点を置いた多文化共生のビジョン策定を初め、専門部署の設置やサポーターなどの専門員を配置すべきと考えます。所見を伺い、私の質問を終わります。
 
○副議長(楠 正信) 小野田総務企画局長。
○総務企画局長(小野田勝則) 福岡市は、他都市に先駆けてアジアに開かれたまちづくりを進め、福岡市総合計画で、アジアを初め、世界の人にも暮らしやすいまちづくりを施策として位置づけ、その実現に向けた政策推進プランにおいて、さまざまな事業を推進しております。
 今年度は、福岡市外国人総合相談支援センターを設置するとともに、地域の国際交流を促進する共生コーディネーターを設置し、地域住民と外国人の交流支援の充実などに取り組んでおります。
 今後とも、福岡市総合計画や政策推進プランに基づき、外国人の生活環境の充実など多文化共生の地域づくりや来街者に優しいおもてなしの環境づくりに取り組み、外国人にも暮らしやすく、活動しやすいまちづくりを推進してまいります。以上でございます。
 
○副議長(楠 正信) お諮りいたします。
 本日の会議はこの程度にとどめ、残余の質問は明18日の会議にこれを繰り延べたいと思います。これに御異議ありませんか。
      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 
○副議長(楠 正信) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次の会議は明18日午前10時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後5時2分 散会