平成301214日(金)


平成30年第5回福岡市議会定例会

議  事  日  程 (第4号)

                             1214日 午前10時開議

第1  一 般 質 問


本日の会議に付した事件

議事日程のとおり


出 席 議 員 (59名)

1番  鬼 塚 昌 宏       2番  堤 田   寛

3番  調   崇 史        4番  津 田 信太郎

5番  大 森 一 馬       6番  大 原 弥寿男

7番  平 畑 雅 博       8番  打 越 基 安

9番  冨 永 計 久      10番  森   英 鷹

11番  川 上 晋 平       12番  稲 員 稔 夫

13番  大 坪 真由美      14番  中 島まさひろ

15番  川 上 陽 平       16番  古 川 清 文

17番  高 木 勝 利       18番  篠 原 達 也

19番  飯 盛 利 康       20番  今 林ひであき

21番  阿 部 真之助      22番  尾 花 康 広

23番  松 野   隆        24番  楠   正 信

25番  福 田 まもる       26番  南 原   茂

27番  おばた 久 弥      28番  光 安   力

29番  山 口 剛 司       30番  石 田 正 明

32番  黒 子 秀勇樹      33番  新 村 まさる

34番   欠   員           35番  天 野 こ う

36番  橋 田 和 義       37番  堀 内 徹 夫

38番  とみなが正 博      39番  森   あや子

40番  浜 崎 太 郎       41番  綿 貫 英 彦

42番  熊 谷 敦 子       43番  倉 元 達 朗

44番  富 永 周 行       45番  荒 木 龍 昇

46番  国 分 徳 彦       47番  笠   康 雄

48番  藤 本 顕 憲       49番  星 野 美恵子

50番  中 山 郁 美       51番  ひえじま俊 和

52番  高 山 博 光       53番  近 藤 里 美

54番  田 中しんすけ      55番  落 石 俊 則

56番   欠   員           57番  太 田 英 二

58番  池 田 良 子       59番  川 口   浩

60番  阿 部 正 剛       61番  栃 木 義 博

62番  江 藤 博 美


欠 席 議 員 (1名)

31番  大 石 修 二


説明のため出席した者

市       長   島 宗一郎          副市長  貞 刈 厚 仁

副  市  長  中 園 政 直              副市長  荒 瀬 泰 子

水道事業管理者  清 森 俊 彦         交通事業管理者  阿 部   亨

総務企画局長  光 山 裕 朗             財政局長  則 松 和 哉

市民局長  下 川 祥 二                    こども未来局長  小野田 勝 則

保健福祉局長  永 渕 英 洋             環境局長  吉 村 隆 一

経済観光文化局長   島   収        農林水産局長  細 川 浩 行

住宅都市局長  石 橋 正 信             道路下水道局長  三 角 正 文

港湾空港局長  中 村 貴 久             消防局長  山 下 周 成

会計管理者  水 町 博 之                 教育長  星 子 明 夫

教育委員  菊 池 裕 次                    選挙管理委員会事務局長  宮 崎 晶 子

人事委員会事務局長  小 西 眞 弓   監査事務局長  落 石 稔 彦


職務のため出席した事務局職員

議会事務局長  土 井 裕 幹   議会事務局次長  金 子 佳 史

議事課長   着 一 孝          議事係長  中 村   博

外関係職員


午前10時 開議  

議長(川上晋平) これより本日の会議を開きます。

 日程第1、一般質問を行います。発言通告者のうちから順次質問を許します。鬼塚昌宏議員。

 

1番(鬼塚昌宏)登壇 おはようございます。私は、自由民主党福岡市議団を代表して、外国人観光客への多言語対応について、Fukuoka City Wi-Fiについて、ラグビーワールドカップ2019の交通対策について、以上3点について質問をしてまいります。

 まずは、外国人観光客への多言語対応について質問をしてまいります。政府は、観光先進国への新たな国づくりに向けて、新たな観光ビジョンである、明日の日本を支える観光ビジョンを策定し、2020年の訪日外国人旅行者数の目標を、およそ4,000万人としております。私は、観光は本市を牽引する重要な分野であり、福岡市内はもとより、九州のゲートウェイ都市としての機能を強化するためにも、増加する外国人観光客の受け入れ環境の充実は重要な取り組みであると考えます。これから、その取り組みの中でも、私が特に重要と考えている多言語対応に対する取り組みについて、幾つかお尋ねをしてまいりたいと思います。

 まず初めに、日本全体における過去3年間の訪日外国人入国者数の推移と伸び率及び平成29年の国、地域別の上位5位までの人数をお尋ねします。

 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。

 

議長(川上晋平) 島経済観光文化局長。

経済観光文化局長(島 収) まず、過去3年間の訪日外国人入国者数の推移と伸び率につきましては、日本政府観光局、JNTOの発表によりますと、平成27年が前年比で47%増の1,974万人、28年が前年度比で22%増の約2,404万人、29年が前年比で19%増の約2,869万人となっております。

 次に、平成29年の国、地域別の上位5位までの人数につきましては、同じくJNTOの発表によりますと、1位が中国で約736万人、2位が韓国で約714万人、3位が台湾で約456万人、4位が香港で約223万人、5位が米国で約137万人となっております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 鬼塚昌宏議員。

1番(鬼塚昌宏) 日本全体における訪日外国人旅行者数は、明日の日本を支える観光ビジョンで掲げた目標に向かって順調に伸びているものと理解しました。

 続いて、同様に福岡市における過去3年間の訪日外国人入国者数の推移と伸び率及び平成29年の国、地域別人数についても、お尋ねします。

 

議長(川上晋平) 島経済観光文化局長。

経済観光文化局長(島 収) 福岡市における訪日外国人入国者数の過去3年間の推移と伸び率につきましては、法務省出入国管理統計によりますと、福岡空港及び博多港から入国した外国人の数は、平成27年が前年比で73%増の約208万人、28年が前年比で24%増の約258万人、29年が前年比で16%増の約298万人となり、6年連続で過去最高を更新し、近年大きく増加しているところでございます。

 次に、平成29年の国、地域別の上位5位までの人数につきましては、1位が韓国で約153万人、2位が中国で約77万人、3位が台湾で約29万人、4位が香港で約16万人、5位がタイで約4万人となっております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 鬼塚昌宏議員。

1番(鬼塚昌宏) 福岡市を訪れる外国人観光客の数も順調に伸びているものと理解しました。以前に比べて、福岡市内を歩いている外国人観光客の方々をよく見かけるようになりましたが、初めて福岡に来られる方もいらっしゃれば、リピーターの方もいたりと、さまざまな方が福岡にお越しになっていると思います。このような方々にストレスなく旅行を楽しんでいただくために、日本または福岡に来て不便に感じたことはないか、それを把握しておくことが大事ではないでしょうか。

 そこで、外国人観光客が旅行中に困ったことなどの意見を把握しているのか、お尋ねします。

 

議長(川上晋平) 島経済観光文化局長。

経済観光文化局長(島 収) 外国人観光客からの意見につきましては、観光庁が実施した最新のアンケートによりますと、外国人観光客が日本滞在時に困ったことの上位3位まででお答えしますと、施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれないことが26.1%、観光案内板や地図等の多言語表示の少なさやわかりにくさが21.8%、無料の公衆無線LANの整備不足が21.2%となっており、多言語対応に関することが上位を占めております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 鬼塚昌宏議員。

1番(鬼塚昌宏) 観光庁が実施したアンケート結果によると、外国人観光客は施設などのスタッフとコミュニケーションがとれないことに一番困っているとのことですが、それでは、福岡市の観光関連施設では、外国人観光客とどのようにコミュニケーションをとったり、情報提供を行っているのか、事例をお尋ねします。

 

議長(川上晋平) 島経済観光文化局長。

経済観光文化局長(島 収) 福岡市の観光関連施設における外国人観光客への対応につきましては、博多町家ふるさと館や、はかた伝統工芸館において多言語対応可能なスタッフを配置しているほか、福岡城むかし探訪館、三の丸スクエア、鴻臚館跡展示館、福岡アジア美術館などでは多言語音声翻訳アプリを活用した接客対応を行っているところでございます。

 また、博物館においては、常設展の多言語音声ガイドの導入やスマートフォンを活用した多言語解説を試行しているところでございます。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 鬼塚昌宏議員。

1番(鬼塚昌宏) 外国人観光客は、旅行中にスマートフォンを活用して情報を収集していることが多いと聞いています。したがいまして、観光関連施設において作品解説や展示の多言語化にIoTなどの先進技術を活用することは非常に有効な取り組みであり、引き続き外国人観光客の利便性向上に向けて取り組んでいただきたいと思います。また、福岡空港や博多港を利用して福岡市を訪れた外国人観光客の多くは、移動の際に地下鉄などの公共交通機関を利用することが多いと思います。

 そこで、外国人観光客の移動手段である地下鉄でも多言語による案内を行っていると思いますが、その状況をお尋ねします。

 

議長(川上晋平) 阿部交通事業管理者。

交通事業管理者(阿部 亨) 地下鉄の多言語対応の取り組みにつきましては、わかりやすいピクトグラムなど、駅構内における案内のサイン、券売機の4カ国語表記、車内アナウンスの2カ国語対応、車両の行き先表示の4カ国語表記などを整備いたしております。また、全ての駅窓口及びお客様サービスセンターにおきまして、電話通訳システム、外国語サポートサービスを導入しますとともに、主要駅においてタブレット端末を配備し、お客様の案内に活用いたしております。

 さらに、平成3010月1日から、博多駅におきまして多言語対応可能な案内専門のスタッフ、駅コンシェルジュの配置を試行的に始めたところでございます。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 鬼塚昌宏議員。

1番(鬼塚昌宏) 福岡市を訪れる外国人観光客がふえるにつれて、地下鉄を利用されるお客さまもふえてきていると思います。

 駅構内の案内サインや車両の行き先表示など、施設面での整備だけでなく、駅窓口でも直接お客様対応を行っているとのことですが、それでは、電話通訳システム、外国語サポートサービス及びタブレット端末での多言語対応の状況についてお尋ねします。

 

議長(川上晋平) 阿部交通事業管理者。

交通事業管理者(阿部 亨) 電話通訳システム、外国語サポートサービスの対応状況につきましては、平成21年度からサービスを開始し、現在、14カ国語での対応を行っております。地下鉄の駅窓口などにおいて、営業時間中はいつでも対応をいたしております。

 過去3年間の対応件数は、平成27年度391件、28年度554件、29年度630件となっており、年々、対応件数が増加している状況でございます。また、タブレット端末につきましては、平成28年度から、天神駅、博多駅、福岡空港駅の各窓口に配備し、多言語音声翻訳アプリを活用した案内を行っております。内容としましては、地理案内や観光案内が大半を占めております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 鬼塚昌宏議員。

1番(鬼塚昌宏) 私は、このようなすばらしい取り組みは、地下鉄のみならず、市内全域で取り組んでよいのではないかと考えます。例えば、この取り組みを拡充し、外国人観光客や困っている外国人観光客を助けたいと思っている市民の皆さんが、いつでもどこでも使えるようなサポートサービスがあれば、福岡市のおもてなしのレベルはさらに上がるのではないでしょうか。地下鉄の駅窓口では、直接お客様と対応することが多いため、よりわかりやすく、丁寧な対応が今後も必要になってくると思います。

 そのような状況の中で、先ほどお伺いしたとおりに、地下鉄では新たな取り組みとして、平成3010月から博多駅に駅コンシェルジュの配置を開始しているということですが、本事業の概要とこれまでの対応状況についてお尋ねします。

 

議長(川上晋平) 阿部交通事業管理者。

交通事業管理者(阿部 亨) 駅コンシェルジュの事業概要につきましては、福岡を訪れる国内外の皆様に地下鉄を快適に御利用いただくため、地下鉄に関する案内や沿線の観光情報などをわかりやすく提供するサービスでございます。現在は、博多駅博多改札口の券売機付近に、毎日9時から19時まで、交替制で常時1名を配置いたしております。

 駅コンシェルジュは英語での会話が可能で、それ以外の言語につきましては、タブレット端末にて多言語音声翻訳アプリを活用した案内を行っております。

 対応状況といたしましては、1日平均約350件のお客様の御案内をしており、内容としましては、約7割が地下鉄の運賃や乗りかえ案内に関することで約2割が地理、交通案内となっております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 鬼塚昌宏議員。

1番(鬼塚昌宏) 外国人観光客に市内の隅々まで回遊していただくためには、交通機関の多言語対応は必要な取り組みであり、引き続き取り組んでほしいと思います。もちろん、このような取り組みを拡充していくためには、費用がかかることは理解しています。だからこそ、現在導入が決定し、検討が進められている宿泊税を財源として、基礎自治体である福岡市が観光客や市民のニーズに密着した取り組みとして検討を行ってはどうかと考えていますので、意見として強く申し上げておきます。そして、市内の隅々まで回遊していただくためには、私は、点の対応ではなく、面での対応が必要であると考えています。

 そこで、外国人観光客が市内を安心して回遊するための多言語案内に関する取り組みについてお尋ねします。

 

議長(川上晋平) 島経済観光文化局長。

経済観光文化局長(島 収) 外国人観光客が回遊するための多言語案内に関する取り組みにつきましては、福岡市の観光情報サイト「よかなび」において、市内外の観光情報に加えて、福岡の祭りや食の魅力を伝える特集記事やお勧めのモデルコース、本日参加できるイベント情報等を多言語で発信しております。

 また、天神の観光案内所では、平成28年6月のリニューアルに合わせて、多言語対応が可能なスタッフによる飲食店情報の提供や都市型観光の魅力である興行、イベントなどの紹介及びチケット販売を行うことにより、外国人観光客の回遊を促進しております。

 さらに、博多旧市街エリアでは、外国人観光客にわかりやすく観光、散策してもらうため、モデルコースを設定するとともに、コース上に多言語表記の観光案内板を設置し、回遊ルートの見える化を行っているところでございます。

 なお、先ほどの私の答弁で訪日外国人の入国者数の推移でございますが、平成28年が前年比で22%の約2,404万人でございます。訂正させていただきます。

 

議長(川上晋平) 鬼塚昌宏議員。

1番(鬼塚昌宏) 外国人観光客にとっては、福岡の観光情報を知りたいとき、もしくは旅行中に困ったときに訪れる観光案内所の対応によって、その都市の印象が決まると言っても過言ではないと思います。しっかりと対応をしていただきたいと思います。

 ここで少し私の体験談をお話ししますが、先日、私が博多区の東光あたりを歩いていたときに、明らかに困っている外国人観光客の方と遭遇しました。その方に声をかけてみたところ、韓国からお越しになっていた方のようでしたが、言葉が通じず、その方が何に困っているのかがわからない状況でした。そこで、私は韓国語がわかる先輩に連絡し、電話越しに通訳をお願いし、その方の状況を確認したところ、外を散策していたら宿泊施設の場所がわからなくなって困っているとのことでした。そのため、私はその方がスマートフォンの画面で伝えてくる宿泊施設に電話をし、状況を説明し、さらにその宿泊場所を確認しましたところ、東光ではなく吉塚にあるということがわかりましたので、自家用車で目的の宿泊施設まで送り届けるという出来事がありました。私は韓国語は話せませんが、ちょっとした思いやりでこの韓国からお越しになった方のお手伝いをすることができたのだと思います。別れ際、その方の安心された顔を見たときに、私は非常にうれしく思いましたし、福岡市を訪れる外国人観光客に気持ちよく滞在していただき、市内を回遊してもらいたいという気持ちが一層強くなりました。

 さらに、このほかにも、福岡市にはまちの様子や魅力を伝えることを目的としたボランティアの皆様が活動されていると思いますが、外国人観光客向けにはどのように対応されているのかをお尋ねします。

 

議長(川上晋平) 島経済観光文化局長。

経済観光文化局長(島 収) 外国人観光客向けのボランティアによる取り組みにつきましては、日ごろよりクルーズ船寄港時には、福岡観光コンベンションビューローが運営している多言語ボランティア、ウェルカムサポーターが中央ふ頭クルーズセンター等で観光案内を行っております。

 また、外国人観光客の多い春節の時期や博多祇園山笠、福岡城さくらまつりなどの祭り、イベント開催時には、福岡のまちの魅力を伝える観光案内ボランティアとウェルカムサポーターが連携し、観光案内を行っているところでございます。

 なお、最近の活動としましては、本年11月には観光案内ボランティアとウェルカムサポーター、そして留学生が連携して、天神地下街を回遊しながら外国人観光客の問い合わせに応じる動く観光案内所の実施を行ったところでございます。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 鬼塚昌宏議員。

1番(鬼塚昌宏) 市民や学生の皆様によるおもてなしは、外国人観光客にとっても非常に印象深く伝わるのではないでしょうか。このようにフェース・ツー・フェースの取り組みは、今後とも、ぜひ大事にしていただきたいと思います。また、福岡市は成長戦略として短期的には交流人口をふやしていく、そのために、MICEの誘致、受け入れに力を入れていると思いますが、MICE参加者にリピーターとしてまた福岡市に来てもらうためには、また来たいと思ってもらえるようなホスピタリティあふれる対応が必要だと考えます。

 そこでお尋ねしますが、MICE開催時の受け入れ環境の充実として多言語対応についてどのような取り組みを行ってきたのか、その事例をお示しください。

 

議長(川上晋平) 島経済観光文化局長。

経済観光文化局長(島 収) MICE開催時の受け入れ環境充実に関する取り組み事例につきましては、2016年に開催されたライオンズクラブ国際大会においては、1万2,000人以上の外国人が参加登録されたことから、多言語メニューを備えた市内飲食店マップを製作し、参加者の宿泊施設等へ配布したほか、大会の開催に合わせて多言語対応可能なスタッフが常駐する天神の観光案内所の営業時間を拡大し、大会参加者の利便性向上を図りました。また、大会の開催に合わせて、飲食店情報や動画によるバスの乗り方の案内、空き時間で楽しめる観光ルートの検索などができる多言語対応スマートフォンアプリの運用を開始したところでございます。

 2019年に向けては、ラグビーワールドカップが開催されることから、現在、福岡市の多言語対応の充実を図るため、地域の飲食や小売、交通等に関連する事業者向けのセミナーを開催しているところでございます。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 鬼塚昌宏議員。

1番(鬼塚昌宏) 福岡市は、MICEでにぎわい潤うまち、多彩な人が集うおもてなしのまちなど、にぎわいとおもてなしのまちづくりに取り組んでいると思いますが、これまで答弁いただいたように市民の皆さんや地域の事業者による、おもてなしや思いやりある取り組みも重要であると考えます。

 そして今後、開催が予定されているラグビーワールドカップや世界水泳選手権に向けて、福岡市を訪れた外国人観光客に気持ちよく滞在し、回遊してもらうために、これまで尋ねた多言語対応や便利で快適な受け入れ環境の充実が重要であると考えます。

 この質問の最後に、今後、市民や地域の事業者と連携し、どのようにインバウンド対策に取り組んでいくのか、当局の思いやりのある所見をお伺いします。

 

議長(川上晋平) 貞刈副市長。

副市長(貞刈厚仁) 福岡市は第3次産業が9割を占める産業構造であり、来訪者をふやし、消費を拡大することが都市全体に活力をもたらすことから、観光・MICEの振興に積極的に取り組んでまいりました。その結果、福岡空港と博多港からの外国人入国者数は6年連続で過去最高を更新いたしております。

 海外から多数の参加者を迎えたライオンズクラブ国際大会においては、福岡市は市民や地域の事業者と連携し、多言語メニューを備えた飲食店マップの製作や、まちなかでの歓迎演出などインバウンド向けのおもてなしの取り組みを実施したところでございます。

 今後、2019年にラグビーワールドカップ、2020年に東京オリンピック・パラリンピック、2021年に世界水泳選手権など、大型スポーツMICEの開催が予定されており、外国人観光客のさらなる増加が見込まれることから、これまでの本市の経験を生かしながら、受け入れ環境の充実や伝統文化や歴史資源の魅力向上に取り組んでいく必要があると考えております。

 今後も、市民や地域の事業者の皆様と連携しながら、九州のゲートウェイ都市として、外国人観光客にとって魅力的なまちづくりに取り組んでまいります。以上です。

 

議長(川上晋平) 鬼塚昌宏議員。

1番(鬼塚昌宏) 続きまして、Fukuoka City Wi-Fiについて質問をします。

 私は、初当選後の平成27年9月の定例会において、Fukuoka City Wi-Fiに関する質問をいたしましたが、それから3年が経過し、福岡市のWi−Fi環境がどのような状況にあるのか、改めて問いたいと思います。先ほどの質問で答弁いただきましたが、観光庁が行ったアンケート調査で、旅行中に困ったこととして無料公衆無線LANと答えた外国人旅行者数の割合は約21%で、これは施設等のスタッフとコミュニケーションがとれない、多言語表示の少なさ、わかりにくさに次いで3番目に多い回答でした。平成26年度の46.6%、平成28年度の28.7%から少しずつ改善しているようではありますが、依然として高い状況にあると思います。観光庁では国を挙げて、世界が訪れたくなる日本の実現を目指すために、観光ビジョン実現プログラム2018を策定しており、この中でも全ての旅行者がストレスなく快適に観光を満喫できる環境としてWi−Fi環境の整備を推進すること、具体的な取り組みとして、2019年度までに約3万カ所のWi−Fi環境の整備推進や鉄道車両やバス車両等における訪日外国人旅行者が利用しやすい無料Wi−Fi環境の整備促進に取り組むことが挙げられています。このように通信環境の飛躍的向上と、誰もがひとり歩きできる環境の実現のため、Wi−Fi環境の充実に向けた取り組みが強く求められているところであります。一方、福岡市においては、無料のWi−Fi環境であるFukuoka City Wi-Fiの整備は市長公約として全国に先駆けて進めており、その取り組みは、先進事例として全国的にも高く評価されているものと認識しています。

 そこで、平成27年にFukuoka City Wi-Fiの整備状況について質問を行った際は、市内で81カ所とのことでしたが、現在の整備状況をお答えください。

 

議長(川上晋平) 光山総務企画局長。

総務企画局長(光山裕朗) 福岡市におきましては、外国人を初めとする来外者の利便性向上、情報発信力の強化などを目的といたしまして、平成24年4月から無料Wi−Fiサービス、Fukuoka City Wi-Fiを提供いたしております。

 整備状況につきましては、平成27年度以降で申し上げますと、福岡市科学館や福岡アジア美術館、福岡市民防災センターなどの公共施設に加えまして、新天町商店街や川端通り商店街、市内のホテルなど、民間との共働による拠点の拡大にも積極的に取り組んでおりまして、平成3012月現在、市内109カ所でサービスを提供いたしております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 鬼塚昌宏議員。

1番(鬼塚昌宏) Wi−Fiサービスは誰でもその場ですぐに使えるなど、使いやすさが重要であると認識しています。また、他の自治体で民間においてもWi−Fi環境の整備が進んでいますが、その一方で、それぞれのサービス毎に利用登録が必要となるなど、利用する際の利便性が課題となっているとも言われています。

 そこで、使いやすさや他のWi−Fiサービスとの連携など、Fukuoka City Wi-Fiの利便性向上に向けた取り組みについてお答えください。

 

議長(川上晋平) 光山総務企画局長。

総務企画局長(光山裕朗) Fukuoka City Wi-Fiの利便性向上に向けた取り組みにつきましては、まず、導入当初は接続して15分ごと、また、拠点を移動するごとに通信が遮断され、手動で認証手続をする必要がございましたが、平成26年度に自動認証機能を導入し、利用登録後6カ月間はFukuoka City Wi-Fiのエリアに入れば通信が遮断されることなくインターネットを利用できるよう改良を行いました。

 また、平成28年度にはフェイスブックやツイッターなどのソーシャルネットワーキングサービス、いわゆるSNSのアカウントでの利用登録を可能とすることで、利用開始時の氏名とメールアドレスの入力が不要となるなど、登録のしやすさも向上いたしております。

 さらに、Fukuoka City Wi-Fiで一度登録いただくと、他のWi−Fiサービスも登録なしで御利用できます認証連携にも取り組んでおり、大分市や宗像市、久留米市、また、西鉄電車や西鉄バスなどで提供されておりますWi−Fiサービスとの認証連携を実現するなど、利便性の向上に取り組んでいるところでございます。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 鬼塚昌宏議員。

1番(鬼塚昌宏) 拠点は順調に拡大しており、また、使いやすさや利便性の向上にも取り組んでいるということですが、平成27年度と比べて平成30年度のFukuoka City Wi-Fiの利用者数や利用回数はどのように推移しているのか、お答えください。

 

議長(川上晋平) 光山総務企画局長。

総務企画局長(光山裕朗) Fukuoka City Wi-Fiの利用状況につきましては、スマートフォンの普及やFukuoka City Wi-Fiの拠点数の拡大などに伴いまして増加傾向となっております。

 まず、利用者数につきましては、平成27年度の1日当たりの平均利用者数は1万9,176人で、平成30年度は10月末時点で3万743人と、約1.6倍となっております。

 次に、1日当たりの利用回数でございますが、平成27年度は8万5,284回で、平成30年度は10月末時点で16977回と、約1.9倍となっております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 鬼塚昌宏議員。

1番(鬼塚昌宏) 利用者も利用回数も大幅に増加しているということですが、最近、利用者からつながりにくいとの声を聞くことがあります。利用の増加に伴い、通信品質が低下しているのではないでしょうか、所見をお尋ねします。

 

議長(川上晋平) 光山総務企画局長。

総務企画局長(光山裕朗) Fukuoka City Wi-Fiの利用者アンケートにおきましては、満足及びまあまあ満足と回答されました方の割合が84.7%と、多くの皆様に高く評価をいただいております。一方、スマートフォンの普及やFukuoka City Wi-Fiの拠点数の拡大、認知度の向上などに伴いまして、利用回数が大幅に増加していることや、フェイスブックやツイッターなどのSNSを通じて大容量の動画が多く閲覧されるようになったことなどによりまして、特に多くの方々が利用される通勤、通学の時間帯に、一部の拠点におきまして比較的つながりにくい事象が生じております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 鬼塚昌宏議員。

1番(鬼塚昌宏) Fukuoka City Wi-Fiは来外者だけではなく、多くの市民の方も利用されており、そのような方々がスムーズに情報を送受信できるよう、通信品質を向上していく必要があると考えています。

 通信品質の向上に向けた取り組みについてお答えください。

 

議長(川上晋平) 光山総務企画局長。

総務企画局長(光山裕朗) 通信品質の向上に向けました取り組みでございますが、平成28年度以降、システムの負荷を軽減するための改修や処理能力を向上するための機器増設などを適宜実施いたしております。直近では、特に利用の多い地下鉄天神駅や地下鉄博多駅、西鉄福岡天神駅におきまして、通信機器の増設や電波の調整などを実施したところでございます。

 加えて、通信品質が向上いたしますと利用が増加する傾向にありますことから、利用者に対しまして大容量のコンテンツを一度にダウンロードすることを御遠慮いただくことなど、適正な利用を促す啓発をあわせて行っております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 鬼塚昌宏議員。

1番(鬼塚昌宏) 総務省が本年発表した情報通信白書によれば、スマートフォンの世帯普及率はFukuoka City Wi-Fiが整備された平成24年時点で約50%であったのに対し、最新のデータでは約75%と大きく伸びています。多くの方が日常的に情報を得たりコミュニケーションをとったりするのにスマートフォンを利用する時代になっています。実は私も先日乗りかえたばかりのスマートフォンを使って、Fukuoka City Wi-Fiを利用しております。利用に当たっては、登録やセキュリティー警告への同意など一定の手続が必要ではありますが、やはりセキュリティーの観点から重要なことではありますので、利用者の御理解を得られるよう、わかりやすく周知を図っていただきたいと思います。

 また、平成28年熊本地震で被災されたスマートフォン利用者を対象に総務省が行ったアンケート結果では、9割以上の方が被災したときの情報収集や通信手段としてWi−Fiが役立ったと答えています。さらに、今後、災害時に無料のWi−Fiを利用したいと回答した方も9割を超えるなど、Wi−Fi環境は、平常時はもちろん、災害時においてもなくてはならないものだと思っています。

 また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、国が観光立国を目指してWi−Fi環境の整備を強力に進める中、福岡市としては、観光やビジネスで福岡を訪れる方の利便性向上を高めるため、多くの方々が訪れる観光施設にWi−Fi環境を整備することが重要と考えています。さらに、Wi−Fi環境を基礎インフラとして、映像や音声による魅力ある観光コンテンツや多言語による情報、キャッシュレスによる決済など、プラスアルファのサービスを提供することも今後必要になると考えます。

 これまで述べてきたように、Wi−Fi環境は、国内外から訪れる観光客やビジネス客と、市民の皆さんの双方にとってなくてはならないものと思っています。都市の成長の果実がどのように市民生活にも役立つものとして分配されているのかということがわかりやすい事例の一つとして、Wi−Fi環境の充実が挙げられるのではないかと考えており、今後のさらなる拡充を期待するものであります。

 最後に、通信品質向上や拠点の拡大など、Fukuoka City Wi-Fiのさらなる充実に向けた市の意気込みをお尋ねし、2問目を終わります。

 

議長(川上晋平) 光山総務企画局長。

総務企画局長(光山裕朗) Wi−Fi環境は、国内外からの旅行者が快適に過ごすための必要な機能であり、福岡市は、多くの人や物が行き交う九州のゲートウェイ都市としていち早く整備に取り組んでまいりました。Fukuoka City Wi-Fiにつきましては、現在、来街者のみならず多くの市民にも利用されており、通信品質の向上や拠点拡大など、Wi−Fi環境の充実は大変重要であると考えております。このため、利用者の多い拠点を中心に通信品質の向上を図るとともに、観光施設などにおけます導入に向けた検討や民間施設への整備促進など、Wi−Fi環境のさらなる充実に向けて取り組んでまいります。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 鬼塚昌宏議員。

1番(鬼塚昌宏) 最後に、ラグビーワールドカップ2019の交通対策についてお尋ねします。

 いよいよ、ラグビーワールドカップ2019日本大会の開催まで1年を切り、来年9月と10月には、私の地元である東平尾公園のレベルファイブスタジアムでも予選プール戦が3試合開催されることが決定しております。前回の2015年大会では250万人がスタジアムで観戦し、約40億人がテレビで楽しむなど、ラグビーワールドカップは世界的に注目を集めている大会であります。本市で開催される大会であり、市民に直接世界トップレベルの試合を間近に見て楽しんでほしいと思いますし、子どもたちも大会を観戦できるよう、学校の配慮が必要かと考えています。特に将来を担う子ども、小中学生にとっては願ってもないチャンスだと思います。

 また一方で、国内外から多くの方が観戦に来られます。これを機会に、福岡市の持つ食やホスピタリティを初めとした都市の魅力を観戦者の方にも感じていただき、福岡市のさらなる発展につなげていくべきと考えております。

 しかしながら、レベルファイブスタジアムを抱える地元の状況をお話ししますと、同スタジアムで開催されているアビスパ福岡の公式戦においては、駐車場の有料予約サービスの導入やツイッターによる駐車場情報の提供など、交通問題の解消に向けたさまざまな対策に取り組んでおられることは承知しておりますが、観戦客の自家用車によるスタジアム周辺の渋滞や迷惑駐車、徒歩来場者による生活道路への入り込みなどにより、地元住民の方々の通行が妨害される現状があり、抜本的な交通対策を求める声も聞かれています。

 去年のラグビー国際テストマッチでもシャトルバスの運行を行ったようですが、試合帰りに早く家に帰りたいと思う中、当日は雨で夕方薄暗かったせいか、会場でバス待ちの行列に長時間並んだ上に乗ったバスも渋滞し、歩行者よりも遅く空港に着くなど、中にはバス代を返せというお客さんもいたと聞いております。

 そのような中、来年には国際大会であるラグビーワールドカップの試合が開催され、多くの観戦客をスタジアムにお迎えするわけですが、地元としても不安を感じているところでございます。私としては、観戦客へのおもてなしと地元の不安解消の観点から、大会でのレベルファイブスタジアムまでの円滑なアクセスを実現すべきと考えておりますので、大会に向けた取り組み状況をお尋ねします。

 アビスパ福岡の公式戦では、自家用車による来場のほか、地下鉄福岡空港駅からの徒歩、シャトルバスにより、観客の方はスタジアムに足を運ばれておりますが、ラグビーワールドカップの1試合当たりの観戦客は何人程度を予想しているのか、その中で外国人の方はどの程度だと考えているのか、お聞かせください。

 

議長(川上晋平) 下川市民局長。

市民局長(下川祥二) 福岡市での試合における観客数につきましては、1試合当たり2万人程度を見込んでおります。そのうち、海外からの観戦客は全体の2割、4,000人程度になるものと考えております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 鬼塚昌宏議員。

1番(鬼塚昌宏) ただいま答弁いただいたとおり、1試合当たり2万人と多くの観戦客がお見えになるとのことですが、交通対策は非常に重要となります。

 それでは、ラグビーワールドカップの試合開催時のスタジアムヘのアクセス方法はどのように計画されているのか、お聞かせください。

 

議長(川上晋平) 下川市民局長。

市民局長(下川祥二) ラグビーワールドカップ試合開催時の観戦客の交通輸送につきましては、大会開催準備を行うため、福岡県、福岡市で組織するラグビーワールドカップ2019福岡開催推進委員会事務局において、現在、計画策定作業を進めております。

 交通輸送計画の策定に当たりましては、スタジアム周辺の交通渋滞を抑制するため、スタジアムには観戦客用の駐車場を設けず、福岡空港から徒歩またはシャトルバスで来場いただくことや、スタジアムから一定の距離を置いた場所に設置する臨時駐車場から観戦客をバス輸送するパーク・アンド・バスライドを実施することなどを基本方針として検討を行っております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 鬼塚昌宏議員。

1番(鬼塚昌宏) アビスパの公式戦は、多くのリピーターがいて、受け入れる体制もある中、ある程度経験済みとのことです。ラグビーワールドカップでは、初めて観戦に来られる方が多くなると予想されることから、交通対策を初め、慎重で適切な対応が求められると思います。ラグビーワールドカップではアビスパの公式戦とは異なる観客の輸送を行うこととなり、観戦客は福岡空港を起点として、徒歩とバスによる来場が中心となるとのことですが、例えば福岡空港から会場へのシャトルバスについても、円滑な運行にはその乗降や経路など工夫が必要かと思われます。

 そこでお尋ねしますが、先月の1117日にレベルファイブスタジアムで開催されたトップリーグカップ戦で実施した観客への交通計画のリハーサルの内容をお尋ねします。

 

議長(川上晋平) 下川市民局長。

市民局長(下川祥二) 1117日に実施しました交通輸送計画のリハーサルにつきましては、本大会と同様に、スタジアム周辺に観戦客用の駐車場を設けず、徒歩またはバスでの来場を基本とし、福岡空港からシャトルバスを運行するとともに、志免町に約100台分の臨時駐車場を設置し、パーク・アンド・バスライドを実施しております。

 今回のシャトルバス運行に当たりましては、料金支払いに係る時間を短縮するため、通常片道170円の料金を100円としております。また、試合終了後の帰路におけるシャトルバスの運行の円滑化を図るため、一度に複数台のバスヘの乗車ができるよう、陸上競技場第3駐車場へ臨時乗降場を設置するとともに、福岡県警察の協力を得て、東平尾公園交差点から東平尾公園入口交差点間の交通量に応じた信号操作を実施しております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 鬼塚昌宏議員。

1番(鬼塚昌宏) 特にバスを利用したアクセスを中心に取り組みを行われたようですが、その結果をどのように考えているのか、お答えください。

 

議長(川上晋平) 下川市民局長。

市民局長(下川祥二) 交通輸送計画のリハーサルの結果につきましては、シャトルバスは、福岡県警による信号操作などにより円滑に運行できており、パーク・アンド・バスライドの取り組みもあわせ、大きな渋滞もなく、スタジアム周辺の渋滞抑制に一定の効果があったものと考えております。

 今後、結果の詳細を分析し、交通輸送計画に反映させていきたいと考えております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 鬼塚昌宏議員。

1番(鬼塚昌宏) 大会に向けて交通計画の策定やその試行に取り組まれていることは理解しました。レベルファイブスタジアムと同様にラグビーワールドカップの舞台となる大分の大銀ドームでは、1116日にサッカー日本代表とベネズエラ代表との親善試合において、スタジアム周辺の渋滞により選手の到着もおくれたほか、観客の方もキックオフに間に合わないという事態が起こったそうです。その原因として、スタジアム近くの高速料金所付近で発生した複数の交通事故や観客用駐車場の運営に問題があったことなどが報じられておりましたが、ラグビーワールドカップの福岡会場で同様のことが起きれば、世界中に報じられ、マイナスのイメージが広がることとなりますので、十分な対策をとっていただきたいと思います。

 さて、国際大会であるラグビーワールドカップですので、先ほどの答弁で、1試合当たり約4,000人程度の海外のラグビーファンが来られると見込んであるとのことでしたが、どのような方が海外から観戦に来られるのか、お答えください。

 

議長(川上晋平) 下川市民局長。

市民局長(下川祥二) 海外からのラグビーワールドカップ観戦客につきましては、イギリスやフランス、オーストラリア、ニュージーランドなどといったラグビーの伝統国と言われる国々から多くのファンが来日されることが見込まれております。また、ラグビーワールドカップは開催期間が長いことから、日本政府観光局が行った観戦意向調査においては、海外からの観戦客は家族等を同伴して長期間滞在する傾向にあることが示されております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 鬼塚昌宏議員。

1番(鬼塚昌宏) このように多くの数の外国人観戦客が来場することとなりますが、外国人観戦客の福岡空港からスタジアムまでの来場方法はどのように想定しているのか、お尋ねします。

 

議長(川上晋平) 下川市民局長。

市民局長(下川祥二) 外国人観戦客のスタジアムへの来場方法につきましては、福岡空港からの徒歩またはシャトルバス利用を想定しておりますが、過去の大会の傾向を考慮しますと、徒歩による来場が多いのではないかと考えております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 鬼塚昌宏議員。

1番(鬼塚昌宏) ラグビーワールドカップでは、アビスパ福岡のサポーターの方々と違い、国内外から初めてレベルファイブスタジアムに来られる方が多いと思われます。先ほどの答弁では、徒歩での来場も基本としているとのことでしたが、地元では、徒歩来場客の生活道路への入り込みや交差点横断者による自家用車の通行遮断等を懸念している現状があります。

 そこでお尋ねしますが、徒歩による来場者への対策についてどのように取り組まれているのか、お答えください。

 

議長(川上晋平) 下川市民局長。

市民局長(下川祥二) 徒歩での来場者への対応につきましては、徒歩経路上にスタジアムへの案内看板を設置するとともに、ラグビーワールドカップデザインの横断幕やのぼりを使用した装飾を行うことにより、スタジアムへの徒歩経路をわかりやすく表示することとしております。

 また、経路上の各交差点には警備員を配置し、徒歩での来場者の生活道路への入り込みを抑制するとともに、交通整理を行い、地元車両の円滑な通行の確保や交差点での事故防止に取り組むこととしております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 鬼塚昌宏議員。

1番(鬼塚昌宏) 海外からの観戦客も徒歩での来場を想定しているということでしたが、特に外国人観戦客の方がスムーズに御来場いただくには、言葉の問題を初め、何らかの対策が必要かと考えます。スタジアムヘのアクセス面で現在予定している外国人観戦客に向けた対策をお答えください。

 

議長(川上晋平) 下川市民局長。

市民局長(下川祥二) 徒歩で来場される外国人観戦客に向けた対応につきましては、徒歩経路上に、言語にかかわらず視覚的に理解が可能な絵文字であるピクトグラムを使用した案内看板を設置するととともに、外国語に対応できる大会ボランティアを駅や空港などの交通要所や徒歩経路上に配置することとしております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 鬼塚昌宏議員。

1番(鬼塚昌宏) ラグビーワールドカップでのスタジアムの交通対策に関する取り組みについては理解しました。今後も地元の意見も取り入れ、理解、協力を得ながら計画づくりを進め、大会当日には安全で円滑な交通アクセスを実現していただくことを要望するとともに、外国人の方を含め、たくさんの観客の方がレベルファイブスタジアムでの試合観戦に満足していただけることを期待し、私の質問を終わります。ありがとうございました。

 

議長(川上晋平) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広)登壇 私は、公明党福岡市議団を代表し、どうする非常時の電源確保、耳の聞こえが困難な方への支援策の拡充の2点をテーマに質問いたします。当局の前向きな答弁に期待するものであります。

 まず、非常時の電源確保についてです。9月6日、北海道胆振東部地震により、道内ほぼ全域の295万戸が大規模に停電するブラックアウトが発生しました。これは、国が定めた45の起きてはならない最悪の事態の一つと言われております。電力供給ネットワーク、発変電所、送配電設備の機能停止が実際に起きた事実を深刻に捉えなければなりません。寒さが厳しい冬場に発生していたら、被害はより大きかったと言われております。また、日本列島を襲った台風の影響による大規模停電も各地で相次ぎました。台風24号の被害による9月末からの大規模停電では、中部電力管内で延べ約119万戸が停電し、記録が残る平成以降で最大規模となりました。停電が住民の暮らしに与えた影響は大きく、家電製品が使えないだけでなく、集合住宅では給水タンクに水をくみ上げるポンプが動かなくなり、水道もとまりました。信号機が点灯しなくなった交差点では、接触事故が頻発いたしました。災害が激甚化している事実を踏まえれば、発電から変電、送電、配電に至る電力系統の抜本的な強靭化を進めなければなりません。まずは、今回のような送電設備の被害を避けるため、耐震強化や電線の地中化といった取り組みを加速する必要があります。無電柱化は災害に強いと言われておりますが、そのメリットについて、阪神・淡路大震災や東日本大震災の被害状況を踏まえ、わかりやすく説明してください。

 以上で1回目の質問を終わり、2回目以降は自席にて行います。

 

議長(川上晋平) 三角道路下水道局長。

道路下水道局長(三角正文) 国土交通省が公表しております東日本大震災・阪神・淡路大震災時のライフラインへの被害状況の資料によりますと、通信系及び電力系の電柱の倒壊状況は、2011年3月の東日本大震災では、通信系が約2万8,000本、電力系が約2万8,000本、1995年1月の阪神・淡路大震災では、通信系が約3,600本、電力系が約4,500本となっております。

 また、地中線のメリットといたしましては、同資料によりますと、通信や電力のサービス供給に支障が生じた被害状況が、架空線に対する地中線の被害の比率として示されており、東日本大震災では電力系はデータなしとなっておりますが、通信系は架空線に対する地中線の被害の比率が25分の1となっております。

 また、阪神・淡路大震災では、架空線に対する地中線の被害の比率は、通信系が80分の1、電力系が2分の1となっておりまして、これらの大震災において地中線の信頼性が確認されたと示されております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広) 電柱の倒壊防止については、経済産業省の電気設備に関する技術基準を定める省令に、毎秒風速40メートルまで耐えられるようにつくることが定められています。最近の台風の大型化は、この毎秒風速40メートルを優に超えるものばかりですが、電柱の倒壊は、例えば向こう側で火事があったとしても、倒壊した電柱によって道路が塞がれて緊急車両が通れない、支援物資も運べない、怖くて人も通れないなど、災害時の大きな危険要素となっています。

 この電柱は、先進国にはほとんどないと伺っておりますが、海外と日本の主要都市並びに福岡市との無電柱化の比較データをお示しください。

 

議長(川上晋平) 三角道路下水道局長。

道路下水道局長(三角正文) 国土交通省が発表しております国内、海外の無電柱化の整備状況の資料によりますと、欧米やアジアの主要都市では、ロンドン、パリ、香港、シンガポールの無電柱化率が100%となっております。

 また、日本の主要都市における無電柱化率は、東京23区が約8%、大阪市が約6%となっており、福岡市は約3%で、20政令市に東京23区を加えました21大都市中、上位から5番目となっております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広) 地震や台風が頻発する日本こそ、無電柱化をどこよりも早く進める必要があります。無電柱化というのは、阪神・淡路大震災のころから取り沙汰されておりましたが、あれから四半世紀が経過しても、余り進展が見られていない状況であります。近年の災害の激甚化、頻発化、高齢者の増加、訪日外国人を初めとする観光需要の増加等により、無電柱化の必要性が日に日に高まっており、平成2812月に無電柱化の推進に関する法律が施行されました。この法律に基づき、無電柱化の推進に関する施策の総合的、計画的かつ迅速な推進を図るため、法施行後初めての無電柱化推進計画が策定されました。諸外国に負けない我が国本来の美しさを取り戻し、安全で災害にもしなやかに対応できる、脱・電柱社会を目指すことがうたわれております。具体的には、平成30年度からの3年間で約1,400キロメートルの新たな無電柱化の着手を目標にしており、防災、安全、円滑な交通の確保、景観形成、観光振興等の観点から、無電柱化の必要性の高い道路について重点的に推進することとされております。また、計画を着実に実行していくため、コスト縮減の推進や財政的措置、占用制限の拡大等、さまざまな施策を講じながら、地方ブロック無電柱化協議会等を通じて、道路管理者と関係事業者等が連携して取り組んでいくこととされております。福岡市東区大岳で、台風25号により県道沿いの電柱が倒壊し、約200戸の停電が発生したのは記憶に新しいところであります。福岡市も本気度が試されております。

 国の無電柱化推進計画の策定に伴い、福岡市としてどのように取り組んでいくのか、御決意をお示しください。

 

議長(川上晋平) 三角道路下水道局長。

道路下水道局長(三角正文) 国の無電柱化推進計画の策定に伴う福岡市としての取り組みにつきましては、国におきまして平成30年4月6日に無電柱化推進計画が策定され、計画の方針や期間に合わせ、事業推進に向けた多様な整備手法の活用、地上機器等のコンパクト化などのコスト縮減の推進、占用制度の的確な運用などが示されたところであり、これらを踏まえ、福岡市におきましても無電柱化を進めていく道路などについて、国や電線管理者等関係者と協議を行っているところでございます。

 今後も、無電柱化事業の推進に向けコストや技術開発の動向などを含め、国や電線管理者等としっかり連携を図りながら取り組んでまいります。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広) 今回の北海道地震では、最大9日間も太陽光や風力発電の電力が活用できませんでした。何よりも重要なのは、電力の供給体制を見直すことだと言われております。再生可能エネルギーを軸とした分散型電源の注目がされている理由もここにあります。北海道地震で中圧ガスのパイプラインの被害は少なく、自家発電で電力を確保できている施設が見られたそうであります。分散型の電源が多ければ、事態は変わっていたと考えられます。その点、既に病院などは非常用電源の設置が義務づけられておりますが、こうした電源の利用も促しつつ、普及、強化させる視点が求められております。非常用電源設備については、平成301127日消防災第181号「地方公共団体の業務継続性確保のための非常用電源の整備について」という通知が発出されております。

 この通知の概要及びその内容で取り組みを進めることが重要とされている、1、非常用電源等の整備、2、非常用電源の稼働時間、3、非常用電源の浸水、地震対策について、福岡市の対応状況をお答えください。

 

議長(川上晋平) 則松財政局長。

財政局長(則松和哉) おただしの通知は、消防庁から各都道府県宛てに発出されたものでございまして、非常用電源を整備していない市町村があること等を踏まえ、都道府県から市町村に対して所要の助言を求めるものでございます。その内容といたしましては、災害対策本部が設置される庁舎における非常用電源の早期整備、望ましい稼働時間、浸水、地震対策の必要性が示されております。

 次に、福岡市における対応状況でございますが、福岡市役所本庁舎には、非常用電源として自家発電設備を設置しております。稼働時間は約30時間でございまして、これを超える運転の継続に必要な補給用燃料につきましては、福岡県と業界団体との覚書、協定書に基づき、確保することとしております。また、浸水、地震対策としまして、庁舎と地下駐車場との接続部に防水用の扉を設置しておりまして、自家発電設備には転倒防止措置を講じております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広) さて、北海道での事象と真逆のことで大規模停電が発生しそうだったので実施されたのが、九州電力による太陽光発電の出力制御です。2018年の1013日、14日、20日、21日、11月3日、4日、10日、11日の計8回、一部の離島を除けば国内初の太陽光発電の出力制御要請が行われましたが、出力制御とは何で、何の目的のために実施されたのか、福岡市の関連施設等に与えた影響をわかりやすく説明してください。

 

議長(川上晋平) 吉村環境局長。

環境局長(吉村驤黶j 出力制御についてお答えをいたします。

 電力の安定供給のためには、常に需要と供給のバランスを保つ必要があり、このバランスが崩れると停電につながるおそれがございます。出力制御は、春や秋の休日など、冷暖房の電力需要が少なく、その一方で太陽光の発電量が多い晴天時などにおいて供給が需要を上回ることが見込まれる場合に需給のバランスを保つため、国のルールに基づいて太陽光発電等の発電を抑制するものでございます。

 今回、実施されました出力制御では、福岡市の施設においては、メガソーラー5カ所と屋根貸しなどによる太陽光発電施設6カ所で、それぞれ1ないし2回出力制御が行われております。

 なお、出力制御による発電量の減少は限定的であり、現時点では、発電事業への特段の影響はないものと考えておりますが、今後、国及び電力会社において太陽光で発電をした電力が無駄にならないような対策が必要であるというふうに考えてございます。以上です。

 

議長(川上晋平) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広) 2つの問題に共通しているのは、電力は瞬時、同時、同量が原則で、電気は基本的にためられないので、停電を起こさないために需要と供給を常につり合わせる必要があるということであります。

 そこで政府は、災害時にも利用できる分散型電源を電力の需給調整に活用するための取り組みを進めております。VPP、バーチャルパワープラント、仮想発電所という技術であります。VPPとは何か、わかりやすく説明していただけますでしょうか。

 

議長(川上晋平) 吉村環境局長。

環境局長(吉村驤黶j バーチャルパワープラント、いわゆるVPPにつきましては、ビルや住宅などに点在する太陽光発電や蓄電池などの分散型エネルギーを、IoTを活用してまとめて制御し、あたかも一つの発電所のように機能をさせることで、電力の需給調整に活用する仕組みでございます。VPPのコントロールのもとで、電力の需要と供給の状況に応じて、蓄電池の充電、放電を行うことなどで、電力需要を平準化することにより、火力発電などの電力コストを低減し、より経済的なエネルギー利用につなげるとともに、出力制御の回避や再生可能エネルギーを無駄なく活用することにより、さらなる二酸化炭素削減などの効果が期待できるものでございます。以上です。

 

議長(川上晋平) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広) ちょっと小さいんですけど、パネルを用意いたしました。(パネル表示)今、局長のほうから詳しく説明していただきました。さっき申し上げましたように、電力は瞬時、同時、同量というのが必要なんですね。その需給調整、バランスがちょっとでも狂うと停電が起きてしまうと。それで、通常この電力網に微妙な微調整を、いろんな発電所がありますけど、火力発電所で需給状況を調整しているんですね。火力発電所というのは、それをつくるプラント代もかかるし、維持管理コストもかかる。しかも、燃やす燃料は化石燃料ですので、CO排出という問題もあるんですね。それで、火力発電所にかわるものはないかということで今注目されているのが、先ほど説明いただいたVPP、仮想発電所。今これだけ企業とかオフィス、家庭に蓄電池がありますので、例えば電気自動車のEVもありますので、それを高度なIoTエネルギーマネジメントシステムで結んで、あたかもこれ一つでこの発電所のかわりをさせよう、発電所のようなこういったことで電力の需給調整を行うと。これだったら非常に経済的でもありますし、COの排出の心配もないということで、非常に賢い使い方ということでございます。

 質問に先立ち、VPP事業の構築に先進的に取り組んでいる横浜市を視察調査いたしました。横浜市は全国初のモデルとして、平成28年度から29年度の2カ年で、地域防災拠点に指定されている市内小中学校、1836校においてVPP構築事業に公民連携で取り組んでおります。平成30年度には、新横浜都心、日吉・綱島地区を中心とした環境モデルゾーンのうち、地域防災拠点に指定されている港北区内の小学校11校を対象に事業を進めております。

 横浜市のVPPの特徴は、防災を大きな目的とする点にあります。学校で使用する電力の供給内容に、平常時における電力系統からの電力供給と、非常時における蓄電池による電源保障をあわせた電力契約を入札により行っております。

 ここで、もう1つパネルを用意いたしました。(パネル表示)横浜市のVPPの構築というのは、電力契約は6年間の長期継続契約として、学校に設置する蓄電池は、電力業者が所有して、平常時は電力の利用量調整を行いながら非常時に備えて最低3キロワットアワーぐらいを確保します。災害の折には、この電力を横浜市が防災行政無線や避難者リスト作成用のパソコンなどの電源に利用します。3キロワットアワー程度あれば、系統電力復旧までの三、四日間は使用できるという想定です。もう少しかみ砕いて説明しますと、太陽光は、平常時は変電設備を通じて学校のエアコンとか、電気とか、照明とかに使われて、一部蓄電池に充電されて、大体この蓄電池は15キロワットアワーから20キロワットアワーぐらいの容量がありますけど、大体そのうちの3キロワットアワーを残して、通常はさっき言った仮想発電所のような電力の需給調整に使って、いざ災害が起きたときには電力系統が遮断されますので、この蓄電池に残った3キロワットアワーを使って非常時のそういった防災機器類の電源に充てるという、いわゆる電力契約の中に通常の電力供給契約と、こういった非常時の電源の安全保障を全部セットにした形で電力契約を結んでいるというのが横浜のやり方、非常に賢いです。ある意味、蓄電池は先ほど言ったように電力業者の所有ということになりますので。福岡市に、この横浜市のようなVPP事業を構築するポテンシャルがあるかどうかを確認させていただきたいと思います。

 まず、電力契約については、平成30年の実績で電力契約への参入を希望している事業者は何社で、現在どのような電力契約を行っているのか、お尋ねいたします。

 

議長(川上晋平) 則松財政局長。

財政局長(則松和哉) 平成30年において電力供給契約の入札等への参加を申請された業者数につきましては18社となっております。また、どのような電力契約を行っているかとのお尋ねですが、福岡市本庁舎など、WTO案件として一般競争入札を行っているものが、契約件数19件で19施設、区役所や消防署など、施設ごとに競争見積もり合わせを行っているものが134件で134施設、公民館、学校など、複数の施設をグループにまとめて競争見積もり合わせを行っているものが40件で370施設となっております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広) 施設やエリアごとにグループに分けて電力契約が締結されており、VPPが導入しやすいことがわかりました。

 次に、地方自治法に基づき、電力契約はこれまでの単年度の電力契約のみではなく、蓄電池による電源保障も含めた長期継続契約が可能なのか、お尋ねいたします。

 

議長(川上晋平) 則松財政局長。

財政局長(則松和哉) 蓄電池による電源保障を含む電力供給契約につきましては、地方自治法に基づき、長期継続契約を締結することが可能でございます。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広) 蓄電池の設置等の運用準備を考えると、長期継続契約が好ましいので、しっかり対応できることがわかりました。さらには、九州電力管内で既にVPP構築実証事業が実施されているとも伺っております。その詳細をお知らせください。

 

議長(川上晋平) 吉村環境局長。

環境局長(吉村驤黶j 九州電力管内では、電力契約の相手方となる小売電気事業者ではございませんが、SBエナジー株式会社が国の補助を受けまして、平成28年度は長崎県の壱岐市で、平成29年度からは九州電力管内全域で実証実験を行っております。具体的には、IoTを活用して、送配電事業者を対象とした電力の需給調整や発電事業者を対象とした太陽光発電の出力制御の回避などについての実証実験を行っているというふうに聞いてございます。以上です。

 

議長(川上晋平) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広) また、福岡市には、低電力で長距離通信を実現するFukuoka City LoRaWANがありますが、この通信システムがVPPに果たす役割についてわかりやすく説明してください。

 

議長(川上晋平) 島経済観光文化局長。

経済観光文化局長(島 収) Fukuoka City LoRaWANにつきましては、低消費電力で長距離通信が可能な通信ネットワークを市内広域に構築し、IoTの実証環境を提供しているものでございます。LoRaWANの通信ネットワークは、このVPPにおける機器の制御にも利用することができ、その場合には通信コストを低減できることや、広いエリアにおいてさまざまなエネルギー源を遠隔に制御することなどが可能になると考えております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広) 先日、一般社団法人DELIA、ブロックチェーンによる分散エネルギー情報基盤アライアンスが主催する、ローカルVPPによる再生可能エネルギーの経済的自立、福岡からスタートアップをテーマにしたセミナーに参加させていただきました。東京工業大学特命教授であり、先進エネルギー国際研究センター長である柏木孝夫氏も招待講演をされておりました。さまざまな学術者、起業家の方々からの成果発表を拝聴いたしました。先ほどからの各局長の御答弁とあわせ考えると、福岡市において、VPP事業を構築するポテンシャルは十分にあると確信いたしました。

 そこで提案ですが、まずは、防災の観点から、収容避難所である小学校等において、横浜市の電力契約の一環としてのVPP構築の事例を参考に福岡市でもVPPを活用した取り組みを進めていただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 

議長(川上晋平) 吉村環境局長。

環境局長(吉村驤黶j VPPにつきましては、電力系統の安定化などに有効な技術であり、また、蓄電池などはVPPでの活用だけでなく、非常時の電源確保としても有効であるというふうに考えており、国においても、民間事業者などによるVPPの技術の検証や新サービスの可能性などについての実証事業を行っているところでございます。

 横浜市の取り組みについても、電力契約の相手方となる小売電気事業者などが参加した昨年度までの2年間の実証実験を踏まえまして、取り組みを拡大したものというふうに認識をいたしております。

 VPPについては、システムの安定的な稼働やビジネスとしての採算性などの面でまだ課題があるものの、非常時の電源として一定のバックアップ機能が期待できることなどから、今後、国の動きや九州管内における民間事業者の動向などを踏まえまして、横浜市の先行事例も参考に、福岡市におけるVPPの活用のあり方について検討をしてまいりたいというふうに考えております。以上です。

 

議長(川上晋平) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広) さらには、天神ビッグバン、ウォーターフロントネクスト、九州大学箱崎キャンパス移転跡地のSmart EASTなどにおいて、ぜひVPPなどの分散型エネルギーシステムを積極的に取り入れていただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 

議長(川上晋平) 石橋住宅都市局長。

住宅都市局長(石橋正信) 各種プロジェクトを推進するに当たって、環境負荷の低減や防災の視点を持つことは重要であると考えており、今後まちづくりを進める中で分散型エネルギーシステムを含めた取り組みの可能性についても、民間事業者や関係者の意向を確認しながら検討してまいります。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広) エネルギーのあり方をめぐり、100年に一度と言っていいくらいの大転換のときを迎えております。国は、7月に閣議決定した第5次エネルギー基本計画で再エネを経済的に自立した主力電源化にと掲げております。バイオマスや熱導管、電力融通の仕組みを取り入れ、地域内で電圧や周波数が変化しないように融通し合う地産地消システムが目指すべき姿であり、さらに

進めば、一般家庭や事業所の蓄電池、電気自動車、EVなどを一括制御し、あたかも一つの発電所のように機能させるVPPの構築が、再エネを経済的に自立した主力電源化に推し進める、取っておきの切り札だと思っております。相次ぐ自然災害が、人間の安全保障の大きな脅威となっております。防災、減災、復興について政治の主流に位置づけ、防災意識を高める教育も含めて、社会の主流へと押し上げなければなりません。

 このテーマの質問の最後に、島市長に非常時の電源確保、VPP、仮想発電所の導入などの地域分散型エネルギー社会の構築についての御所見をお伺いいたします。

 

議長(川上晋平) 島市長。

市長(島宗一郎) 福岡市では、平成26年度に策定をいたしました福岡市環境・エネルギー戦略に基づいて、みずからエネルギーをつくり、賢く使うまちづくりを推進するため、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーの導入を促進しております。

 尾花議員御指摘のとおり、太陽光発電などの分散型エネルギーは、災害時の電源として利用できるだけではなくて、IoT技術などを活用してまとめて制御することで電力の需給バランスの調整などにも役立つことが期待されておりますことから、今後とも、市民や事業者の皆さんが安心して快適に生活や事業活動ができるよう、また、再生可能エネルギーで発電した電力を無駄なく使うことができるように、自律分散型エネルギー社会の実現に向けて、福岡市としてもしっかりと取り組んでまいります。以上です。

 

議長(川上晋平) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広) ありがとうございます。次のテーマ、耳の聞こえが困難な方への支援策の拡充に移ります。先日、ふくふくプラザで開催された、福岡市ろうあ協会主催の聞こえない体験会&プチ手話レッスンに参加させていただきました。聴覚に障がいのある人が外出時に直面する困り事を疑似体験する企画で、具体的には、ヘッドホンと耳栓を使い、参加者が音を聞き取れない環境をつくり出し、コンビニでの買い物や病院での受け付けなどの際の店員、職員役とのやりとりに挑戦するというものであります。耳が聞こえないとはこんなに大変なことなのかと、改めてコミュニケーションの難しさに日々直面されている聴覚障がいの方への理解を深めることができました。

 そこで、お尋ねいたしますが、福岡市は聴覚に障がいのある方に現在どのような支援を行っているのか、お伺いいたします。

 

議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 聴覚に障がいのある方への支援につきましては、福岡市聴覚障がい者情報センターをふくふくプラザ内に設置し、聴覚障がいのある方のさまざまな相談への対応を行うとともに、意思疎通支援として手話通訳者、要約筆記者、盲ろう者通訳・介助員の派遣及び養成を実施しております。また、区役所窓口業務における手話通訳や相談等に対応するため、各区福祉・介護保険課に手話通訳者を配置しております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

こども未来局長(小野田勝則) 聴覚に障がいのある子どもにつきましては、医療機関での医学的診断に基づき、心身障がい福祉センターにおいて聴覚や言語の諸検査を行い、ゼロ歳児から発達段階に応じた集団療育や個別療育を行っております。

 また、保護者に対しては、難聴に関する必要な知識や生活上の配慮点など子どもの発達段階に応じた情報提供を行い、保護者に寄り添ったカウンセリングに努めております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広) 聴覚障がいは、早期に発見され適切な支援が行われた場合には、音声言語発達等への影響が最小限に抑えられることがわかっております。生まれつき耳の聞こえにくさがある赤ちゃんは1,000人に1人か2人と言われております。平成28年決算特別委員会で、新生児聴覚スクリーニング検査状況を福岡市が把握していなかったことを指摘した、公明党福岡市議団を代表した私の質問に対し当時のこども未来局長は、新生児聴覚スクリーニング「検査の重要性を母子健康手帳に記載して周知を図るとともに、受診結果の統計的な把握や新生児訪問の際に受診勧奨を行うなど、さらに適切な支援につながるよう、取り組んでいく」と答弁されました。

 そこでお尋ねいたしますが、受診結果の統計的な把握及び新生児訪問の際の受診勧奨の状況、新生児聴覚スクリーニング検査推進体制の整備などについて、その後どのように進展しているのか、お伺いいたします。

 

議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

こども未来局長(小野田勝則) 福岡市では、平成2811月から新生児訪問や4カ月児健診の際に、新生児聴覚スクリーニング検査を受診したかどうかを確認し、受診していない場合は受診勧奨を行っております。

 また、29年度には母子手帳の様式を改正し、産科医療機関に新生児聴覚スクリーニング検査の結果を記録いただくことにより、受診状況の正確な把握に努めております。

 さらに、新生児聴覚スクリーニング検査が可能な医療機関や精密検査が可能な医療機関の情報を把握し、保護者への医療機関の紹介に活用するなど、支援が必要な乳児が療育まで適切につながるよう努めております。29年度の4カ月児健診の際に把握した受診状況は、健診受診者1万4,090人のうち、新生児聴覚スクリーニング検査を受診していたのは1万3,059人で、受診率は92.7%となっており、このうち、要精密が53人となっておりました。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広) 国の通達に従い、最近、政令市では横浜市が平成30年7月1日から、相模原市が平成3010月1日から新生児聴覚スクリーニング検査の公費助成を実施しております。相模原市の事例を紹介すると、新生児聴覚障がいを早期に発見するため、平成3010月1日以降に出生した全ての新生児を対象に、スクリーニング検査に必要な費用の一部を助成、予算額は平成30年度分が900万円で、平年度ベースでの予算見込みは約1,600万円です。助成額は診療報酬の75%をカバーするとの考えのもと、音に対する聴神経から脳幹への電気反応の有無を調べる自動ABR検査が5,000円、刺激音に対する赤ちゃんの反応の有無を調べるOAE検査が2,200円です。また、助成の方法は、市と契約を結ぶ市内または近隣の医療機関で検査する場合は受診券を窓口で提示すればよく、里帰り出産など、それ以外の国内医療機関で受診する場合は償還払いで対応されております。そこに至るまでの検討状況が庁議資料としてネットで公開され、考え方がよく整理されております。特に重要だと思うことは、地方交付税としてどの程度の金額が国から入ってきているのかという問いに対し、金額を算出することは難しいが、地方交付税として措置することが明記された平成19年の通知に、全新生児に公費負担する旨の記載があることから、診療報酬で算出した金額で全額交付されていると考えられると答えている点です。この平成19年の通知というのは、正確には平成19年1月29日付厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課長通知、新生児聴覚検査の実施についてのことですが、そのとおりなのか、新生児聴覚スクリーニング検査を実施するための公費負担は、この平成19年の通知にあるように、地方交付税で措置されているという認識でよいのか、福岡市の御所見をお伺いいたします。

 

議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

こども未来局長(小野田勝則) 新生児聴覚検査事業に係る財政措置につきましては、議員おただしの平成19年1月の厚生労働省通知の中で、「平成18年度をもって国庫補助を廃止し、少子化対策に関する地方単独措置として、市町村に対して地方交付税措置されたと示されており、地方交付税の算定上、当該事業に係る具体的な措置額の算出は困難ではございますが、少子化対策費に含まれているものと認識しております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広) 新生児の聴覚障がいの診療費は、一般に4,000円から1万円かかると言われております。子どもの将来が、その生まれ育った環境に左右されることがないように、厚生労働省の調査によると、平成28年度、聴覚障がい検査の公費助成を実施している自治体は全国で224市町村ですが、残念ながら福岡市は、公費助成をいまだに実施しておりません。先日、九州大学病院の聴覚、平衡障がいの医療の権威である中川尚志教授からお話を伺う機会を賜りました。教授は、公費助成の取り組みがおくれている福岡県において、経済的な理由から検査を受けられないことがないように、ぜひ県最大の都市である福岡市が公費助成の風穴をあけてほしいと熱望されておりました。

 そこでお尋ねいたしますが、耳鼻咽喉科学会や日本産婦人科医会などから、新生児聴覚スクリーニング検査の公費助成に対してどのような要望が上がっているのか、お伺いいたします。

 

議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

こども未来局長(小野田勝則) 新生児聴覚スクリーニング検査の公費助成に対する要望につきましては、厚生労働省に対し、平成27年5月に日本耳鼻咽喉科学会及び日本産婦人科医会など9団体から新生児聴覚スクリーニング検査への公的支援に関する要望書が出されております。また、本年11月に、福岡市長宛てに日本耳鼻咽喉科学会理事の中川九州大学耳鼻咽喉科教授より、先天性難聴児の早期発見、早期支援のため、全ての新生児が聴覚スクリーニング検査を受けられるよう、検査への公費負担や精密検査の受診勧奨及び保護者に対する支援、加えて聴覚スクリーニング検査のモニタリングやトラッキングへの取り組みを求める嘆願書が出されております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広) 国の重点課題であり、厚生労働省も自治体に積極的に実施するように通知し、地方交付税による財政措置もされている新生児聴覚スクリーニング検査は医療関係者からも強い要望があり、福岡市においてはその検査体制も整備されていることから、公費助成や要精密となった乳児が確実に精密検査を受け、聴覚障がいと診断された場合に早期に療育が開始される支援の仕組みづくりを新年度から実施すべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 

議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

こども未来局長(小野田勝則) 聴覚障がいは、早期に発見され適切な療育が行われた場合には、音声言語発達への影響が最小限に抑えられることから、その早期発見、早期療育を図ることが重要でございます。しかしながら、新生児聴覚スクリーニング検査は、保護者負担による任意の検査であり、保護者の経済的理由などから、福岡市では年間約1,000人の新生児が受診していない状況にございます。このため、全ての新生児に聴覚スクリーニング検査を受診していただくには、これまでの取り組みに加え、公費負担により保護者の経済的負担を軽減し、受診を強く働きかける必要があると考えております。

 現在、公費負担の枠組みのほか、新生児聴覚スクリーニング検査と精密検査の結果、聴覚障がいと診断された乳児ができるだけ早期に補聴器を装用し、言語聴覚士による専門的な療育が開始される仕組みやスクリーニング検査の精度向上などについて検討を進めております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広) 次に、平成28年の決算特別委員会の総会質疑では、人工内耳について更新費用や修理代、電池代の負担が重いという課題について質問もさせていただきました。当時の保健福祉局長は、「本市独自に実施する日常生活用具の拡充に当たっては、障がいのある方の利用状況などをしっかり把握するとともに、障がい福祉施策全体の中での優先度や国の動向を基本に他都市での対応状況なども含め、総合的に判断する必要があると考えている」と答弁されました。

 そこでお尋ねいたしますが、スピーチプロセッサーや電池代の助成を行っている自治体は、現時点でどのぐらいあるのか、お答えください。

 

議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) まず、人工内耳につきましては、機能の失われた内耳にかわり、音を電気刺激に変換して直接、聴神経に送る働きをする医療機器であり、当初の埋め込み手術については医療保険とあわせて、障がいの軽減、除去のための治療を対象とする自立支援医療の適用となるところでございます。

 一方で、手術後の更新費用や電池等の消耗品については、国の制度である補装具の対象になっておらず、一部の自治体において独自の助成が行われているところでございます。

 助成している自治体につきましては、人工内耳友の会の調査によれば、平成30年9月現在で、体外装置であるスピーチプロセッサーの更新費用は179市町村、うち政令市は3市、電池代の助成は144市町村、うち政令市は6市となっております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広) 他都市の対応状況として、福岡県だけでも平成30年4月から福津市、篠栗町、小郡市がスピーチプロセッサーの助成を開始し、電池代については既に筑後市、久留米市、八女市、小郡市、大牟田市、篠栗町が助成を行っております。

 こうした公費助成が年々ふえている他都市の対応状況を踏まえ、福岡市における日常生活用具としての公費助成に踏み切るべきではありませんか、その検討状況はどうなっているのか、お尋ねいたします。

 

議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 福岡市における人工内耳に対する助成の検討状況につきましては、平成30年9月に日常生活用具検討委員会を開催し、スピーチプロセッサーの更新費用については、補装具などの国制度や医療保険制度の対象となるまでの間、暫定的に日常生活用具の対象とし、電池代については補装具などの消耗品と同様に自己負担が適当であるとの御意見をいただいているところでございます。

 今後は、本委員会の御意見を踏まえ、国や他都市の動向等も勘案し、検討を進めてまいります。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広) 人工内耳の治療対象となる方は、内耳の機能が失われ、大きな音でも聞き取ることができない、高度重度難聴者であることを十分踏まえていただき、更新費用及び電池代助成の検討をしっかり進めていただきたいと思います。

 新生児の難聴について述べてまいりましたが、最近、災害が頻発している状況を踏まえ、聴覚に障がいのある方への支援策として真剣に取り組んでいただきたいことがあります。

 まず1点目は、光警報装置の設置拡大です。消防法施行令は、一定規模以上の駅や空港のほか、老人ホーム、障がい者入所施設などに火災の発生を自動検知して知らせる非常ベルなどを設置するよう義務づけていますが、聴覚障がい者はベルの音で危険を察知することができないことがあり、音以外の伝達手段が喫緊の課題となっております。総務省消防庁が平成28年9月に光の点滅で緊急事態を知らせる光警報装置に関する初のガイドラインをまとめ、その設置を促しておりましたが、福岡市において、光警報装置が駅や空港、福祉施設など公共の場においてどのくらい設置が進んでいるのか、また、どう設置を進めていくおつもりなのか、お示しください。

 

議長(川上晋平) 山下消防局長。

消防局長(山下周成) 福岡市における光警報装置の設置状況でございますが、消防局が把握しております施設は、本年12月1日に開館した福岡市総合体育館及びリニューアルに合わせて設置された福岡市博物館がございます。

 なお、福岡空港においては国際線旅客ターミナルを初め、各施設で整備が進められているところでございます。また、光警報装置の普及促進につきましては、ガイドラインにその設置が望ましいとされている施設の新築、改修時の事前協議や光警報装置の設置を検討する施設の関係者との協議等の機会を捉え、装置の紹介やその有効性、設置方法の説明等を通じて、さらなる普及促進に努めてまいります。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広) 東京オリンピック・パラリンピックを控え、ユニバーサルの視点からも、しっかり進めていただきたいと思います。

 2点目は、火事、救急などの緊急通報システムの拡充についてであります。これまでの緊急通報システムは、ファクスを使い、手書き発信によるFAX119が利用されてきました。また、携帯電話によるメールが普及した後は、メールを作成して発信するメール119が利用されております。これに対して、Netl19緊急通報システムは最も新しいサービスと言われておりますが、FA]119、メール119とNetl19緊急通報システムの違いを説明してください。

 

議長(川上晋平) 山下消防局長。

消防局長(山下周成) FA]119、メール119、またNet119緊急通報システムの違いについてでございますが、FA]119は自宅のファクスからの通報を基本としており、また、メール119による通報は、登録した市町村内での使用が基本となっております。一方、Net119緊急通報システムは、導入された地域であれば、いつでも、どこからでも音声によらない緊急通報を行うことができます。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広) 総務省消防庁は、スマートフォンなどからインターネットで救急や火事の通報が容易にできるNet119と呼ばれる専用システムの導入を全国の消防本部に促しております。電話で119番することが難しい聴覚、言語機能障がい者が通報できる環境を整えることが目的で、2020年度までに全本部で導入することを目指しており、今年度から自治体の必要経費に地方交付税措置を講じております。

 聴覚障がい者らが通報する手段は、先ほど御答弁いただきましたが、これまでファクスやメールがありましたが、ファクスは自宅以外から利用しづらく、メールは通報場所の住所などを入力するのに時間がかかることがデメリットとなっております。このため消防庁は、Net119通報の普及を目指しております。

 福岡市の消防局としてNet119緊急通報システムを導入し、保健福祉局と連携していただいて、その利用説明会を開くなど、効果的にふやしていただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 

議長(川上晋平) 山下消防局長。

消防局長(山下周成) Net119緊急通報システムの導入及びPRにつきましては、2020年に東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されることを踏まえ、総務省消防庁では、2020年度を目標に全国の消防本部で導入を進めていく必要があるとしております。

 福岡市におきましても、これらの状況を踏まえ、2020年度までのシステム導入を検討しており、聴覚、言語機能に障がいのある方々に対して、保健福祉局と連携し効果的なPRを行っていきたいと考えております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広) 島市長のリーダーシップのもと、本市の税収の伸びは5年連続で過去最高になりました。本市のマスタープランである福岡市基本計画では、「一人ひとりが心豊かに暮らし、元気に輝いている」を目標に掲げ、目指す姿として、ユニバーサルデザインの理念によるまちづくりが進み、誰もが思いやりを持ち、全ての人に優しいまちとなっている。一人一人が互いに人権を尊重し、国籍や年齢、性の違い、障がいの有無などにかかわらず、多様性を認め合いながら生き生きと輝いていくことを掲げています。ぜひ都市の成長の果実を、生活の質の向上、すなわち福祉の充実へ循環させていただきたい。島市長の市長3期目としての福祉の充実に向けた御決意をお伺いして、私の質問を終わらせいただきます。

 

議長(川上晋平) 島市長。

市長(島宗一郎) 福岡市では、障がいを早期発見することで、より適切な支援に早期に取り組むなど、障がいのある方が必要な支援を受けながら、みずからの能力を最大限に発揮し、社会参加できるまちづくりを目指しています。

 尾花議員御指摘のとおり、新生児聴覚スクリーニング検査の実施や人工内耳の普及などは、聴覚障がいのある方の日常生活の自立、また社会参加の促進に重要な役割を果たすものであるというふうに認識をしておりまして、その助成については、できるだけ早く実現できるようにしっかりと取り組んでまいります。

 今後とも、施策の推進に当たりましては、より効果的な支援となりますように総合的な観点からの検討を進め、誰もが暮らしやすいユニバーサル都市・福岡の実現に向け、障がいのある方の生活の質の向上が図られるように着実に取り組んでまいります。以上です。

 

議長(川上晋平) この際、暫時休憩いたします。

 午後は1時10分に再開いたします。

午前1139分 休憩  

午後1時10分 開議  

副議長(石田正明) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。今林ひであき議員。

○20番(今林ひであき)登壇 私は、次期教育振興基本計画について質問いたします。

 まず、次期教育振興基本計画の全体について質問いたします。

 教育振興基本計画とは、国の平成18年、教育基本法の改正で、地方公共団体は、地域の実情に応じ、教育の振興のための施策に関する基本的な計画を定めるものであり、努力義務が課されています。本市においては、平成21年6月に、初めての教育振興基本計画となる新しいふくおかの教育計画が策定されました。その中で、教育の目標となる心豊かにたくましく生きる子ども像を掲げ、また、新しい取り組みとして、学校だけではなく、家庭、地域などと連携を強化する共育を行いました。現在、10年計画の最終年度に至っているという状況にあります。次期計画は、まず現行計画を評価し、今後それを生かすべきところ、改善すべきところ、また、新たに立ち上げる視点などに立ち策定する必要があると思います。

 そこでまず、質問ですが、現行計画の評価についてお尋ねいたします。また、次期計画はどのような視点で策定をしようと考えているのか、現行計画と比較してお答えください。

 私は来年、平成31年6月の策定予定である次期計画について、私なりの意見を述べさせてもらい、よければ反映していただければと思って質問いたします。

 そこで、今回は先生の負担軽減、教育委員会事務局のあり方、小規模校対策と大規模校対策の3つの視点で質問してまいります。

 まず、先生の負担軽減についてであります。

 昨今、全国的に先生の多忙という言葉をよく耳にします。本市教育委員会においては、平成26年度に勤務実態調査が実施されております。また、文科省の調査も平成28年度に行われているようです。そのいずれの調査でも、長時間勤務の実態があるとの結果です。また、その結果を受けた国の、先生の働き方改革においては、超過勤務の上限を月45時間とする指針案が示されました。そのための対策として、夏休みに休暇をまとめどりする、また、登下校、夜間の見守り対応は学校以外が担う業務と位置づける、部活動指導員などに外部人材を活用するがあります。本市の共育である地域、保護者との連携を大事にしようとする考えと矛盾する面もあります。しかし、いつから先生は多忙になったのでしょうか。私が小中学校に通っていたとき、いわゆるゆとり教育の前は、1クラス45人以上はいたと思います。平成26年の議会で質問したように、小学校6年生の標準授業時間数で比べると、ゆとり前に当たる平成元年度では年間の時間は1,015時間、ゆとり時に当たる平成10年度は当然減って年間945時間、そして、現行の学習指導要領では、また戻って年間980時間となっています。このようなことから、現行はまだゆとり前と比べてはいまだに軽減されている状況です。また一方で、1学級当たりの人数も45人から35人程度になっています。一般的に受け持ち人数が少ないと、負担は軽減されると考えられます。授業時間は減っている、受け持ち人数も減っているのに時間外勤務時間がふえている、この矛盾には説明が必要だと思います。昔は登下校や夜間の見回りはなかったのでしょうか。私は中学校バレー部で日曜日の大会には顧問の先生に引率をしていただいた記憶があります。昔はもっと多忙であったのかもしれません。それが表面化しただけなのかもしれません。しかし、それだけで済まされる問題ではないようです。

 そこでお尋ねしますが、教育委員会では先生の負担軽減について、課題をどのように認識し、その対策に取り組んできたのかお尋ねします。また、先生が負担増と感じている業務や、近年、新たに開始した事業を例示してください。

 次に、教育委員会事務局のあり方についてであります。

 教育委員会制度は、そもそも戦後の昭和23年に教育委員会法が定められたことにさかのぼります。当初は予算案、条例案などの議案を議会に提出する権限を持つ独立した機関として位置づけられていたようです。その後、昭和31年に政治的中立性の確保、行政との調和の実現を目的として、地方教育行政の組織及び運営に関する法律、いわゆる地教行法が制定されました。例えば、教育委員の選任については、首長が議会の同意を得て任命することになりました。また、教育長の任命に当たっては、文部大臣、県教委の承認を必要とする任命承認制度も導入されました。その後、平成11年には、教育長任命の承認制度が廃止され、直近では平成27年に教育委員長と教育長を一本化した新たな教育長を置くことや、首長と教育委員会が協議、調整する場として総合教育会議を置くことなどが地教行法の改正で行われています。国の関与を明確にし、また、機能する仕組みづくりとして改善が行われていると思います。

 そこでお尋ねしますが、本市の総合教育会議の実施状況と、その成果についてお尋ねします。

 また一方で、教育委員会が機能していくためには、事務局がしっかりしていることも大事です。教育委員会は合議制の執行機関で、その事務の範囲がかなり広く、執行するための組織が必要です。そこで、地教行法第17条に、教育委員会の権限に属する事務を処理させるため、教育委員会に事務局を置くと規定されているところです。

 そこで、教育委員会事務局のあり方についてお尋ねしていきます。

 まず、教育委員会事務局体制で、前々から少し疑問に思っていたことがあります。教育次長についてであります。今、教育委員会事務局の中には、教育長としての特別職、局長級として2人、教育次長、理事がおられます。それぞれ事務分担をされて職務に当たられていると思います。しかし、次長はラインとしての役割があり、責任分担も明確であります。一方、理事はスタッフとしての役割であり、常設ではなく臨時的なイメージもあり、市の職務分担、役割、責任でも次長との違いがあると思います。学校現場で日々生じている課題に対し、適切に対応していくためには、現場を熟知した先生出身の教育次長を配置し、事務局として素早い意思決定を行い、教育長を適切に補佐する体制を整える必要があると考えます。特に教育長が行政出身の場合は、先生出身の教育次長による補佐が有効であると考えます。しかしながら、本市においては長年にわたり教育次長に先生を配置した実績はなく、行政職を配置しております。

 そこでお尋ねしますが、教育委員会では、なぜ先生出身の教育次長の配置が行われていないのか、お尋ねいたします。

 最後に、小規模校、大規模校対策についてであります。

 今、西都小の大規模校対策については、分離新設に至るに際して多くの課題が浮かび上がりました。教育委員会では、小規模校、大規模校対策については、私も委員を務めさせていただいた福岡市学校規模適正化検討委員会から受けた提言を踏まえ、平成21年3月に実施方針を策定し、対応していると思います。しかし、今回、この実施方針でなぜ対応できなかったのか、どこに問題があったのか確かめる必要があると思います。

 そこでまず、確認をさせてください。平成21年の学校規模適正化での実施方針における小規模校や大規模校の課題や対策、進め方について改めて教えてください。

 以上で1問目を終わり、以降の質問は自席にて行います。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 次期教育振興基本計画についての御質問にお答えいたします。

 まず、現行計画の評価についてでございますが、平成29年度にその進捗状況を把握するため、市民、保護者、教員を対象に実施した調査において、学校の教育活動に対する満足度は20年度の調査と比べ向上しており、これまでの取り組みに対して評価が得られているものと考えております。

 次に、次期計画の策定の視点についてでございますが、まず、計画の期間について、現行計画ではその対象期間をおおむね10年間としておりますが、社会の変化のスピードに対応するため、次期計画ではその対象期間を6年間とするよう考えております。また、計画の構成について、現行計画では10年間の基本計画部分と5年間の実施計画部分で構成しておりますが、内容が重複する部分もあり、次期計画では基本計画部分と実施計画部分を一本化するとともに、詳細な記載から基本方針の記載となるよう考えております。また、策定に当たっては、現行計画同様、議会や有識者等、さまざまな方の御意見を伺いながら進めておりますが、特に次期計画では、学校現場を代表して各校種の校長会からも有識者会議の委員を選出し、より学校現場の意見が反映されるようにしております。

 次に、教員の負担軽減に関する課題認識とその対策についてでございますが、学校現場や教員を取り巻く環境が複雑化、多様化する中で、学校に求められる役割が拡大している状況が教員の長時間勤務という形であらわれているものと認識しております。このため、教員が子どもと向き合う時間の確保に向けて、給食費の公会計化や全教員へのパソコンの整備、校務支援システムの導入など、事務の効率化に向けてさまざまな取り組みを進めてきたところでございます。

 次に、教員が負担と感じている業務や、近年、新たに開始した事業についてでございますが、平成2810月に業務上の負担や必要な支援などを把握するため、全教員を対象に実施したアンケートの結果によりますと、教員が負担に感じる主な業務として、休日や早朝、勤務時間終了後など、勤務時間外の部活動指導、各種調査への回答など教育委員会に提出する書類の作成、学校内でのさまざまな研修や出張を要する学校外での研修などが挙がっております。また、平成30年8月に実施した学校行事の見直しに関する調査では、約85%の学校が、宿泊を伴う自然教室は教員の負担が大きいと回答しております。近年、新たに開始した事業としましては、ふれあい学び舎事業や、アントレプレナーシップ教育の一つとして実施している帽子の仕入れや製造、販売などの経営を疑似体験する学習であるCAPSなどがございます。平成30年度には、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーの配置の拡充、部活動指導員の配置などに取り組んでいるところでございます。

 次に、総合教育会議の実施状況についてでございますが、平成27年度に2回、28年度に1回、29年度に1回開催されております。また、その成果については、市長が教育長及び教育委員と福岡市における教育の課題やあるべき姿を共有し、連携することで、より一層、民意を反映した教育行政の推進が図られているものと考えております。

 次に、教員出身の教育次長の配置についてでございますが、教育委員会の所管業務は、学校教育のみならず、社会教育など多岐にわたっており、予算の執行や人事管理、施設管理など、さまざまな業務に適切に対処していくことが必要と考えております。このため、職員の配置に当たっては、適材適所の配置が肝要であり、教育長を補佐して事務局全体を指揮監督する教育次長には、行政職を配置してきたところでございます。なお一方で、平成12年度からの教育改革プログラムの実施を契機に、学校現場と教育委員会事務局が、一層、一致協力して取り組んでいくことを目的として、教育改革の推進に関する事務等の特命事項を処理する局長級の理事ポストを設置し、教員出身の職員を配置してきたところでございます。

 次に、福岡市立小・中学校の学校規模適正化に関する実施方針における小規模校、大規模校対策などについてでございますが、まず、小規模校の課題としましては、クラスがえができず、お互いの評価やイメージが固定化しやすいことや、切磋琢磨する機会が少なくなりやすいことなどが挙げられております。また、小規模校への対策としましては、隣接する学校の状況によって、学校の統合や通学区域の変更、施設一体型の小中連携教育などについて検討することとしております。

 次に、過大規模校の課題としましては、音楽室や運動場を利用する授業などが制約されることや、社会科見学で大人数を受け入れられる施設が限定されるなど、校外活動が制約されることなどが挙げられております。また、過大規模校への対応としましては、分離新設や通学区域の変更を検討し、そのいずれもが困難な場合には、校舎の増築などにより、教育環境の整備を行うこととしております。

 次に、小規模校や過大規模校の規模適正化の進め方につきましては、常に子どもを中心にした視点を持つこと、保護者や地域とともに、通学路の点検を行い、安全で安心な通学路を確保すること、災害時の避難所など、地域に求められる機能を果たせるよう、保護者や地域の意見も伺うことなどの視点に留意して進めていくこととしております。以上です。

 

副議長(石田正明) 今林ひであき議員。

○20番(今林ひであき) それでは、2問目に入ります。

 まず、次期教育振興基本計画の全体についてお尋ねいたします。

 現行計画の評価から次期計画に生かすものとして、社会変化へのスピード感を持った対応として、10年計画を6年にすることは大変よいことと思います。しかし、基本計画と実施計画を一本化するとの見直しにおいて、第2委員会で報告された素案では、自然教室という文言がなくなっているのに気がつきました。自然教室がなくなるといううわさを耳にしたこともあり、心配しました。第2委員会では、文言がないから事業が廃止されるものではない、継続するとの答弁はいただきましたが、何か現行計画より後退したイメージに映ります。

 そこでお尋ねしますが、次期計画の策定に当たり、基本計画と実施計画の一本化によるメリット、デメリットを教えてください。

 次に、先生の負担軽減についてです。

 先生への事務負担軽減の取り組みとして、給食費の公会計化、パソコン整備、校務支援システム、また、新たに開始した事業として、ふれあい学び舎事業、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー、部活動指導員などを御例示していただきました。その中で部活動指導員は、国でも長時間勤務の解消の一例として取り上げられており、本市では今年度から導入されています。私は技術的スキルを持った外部人材によるレベルアップした指導を外部部活動指導員に期待するものであり、部活動指導員がいるから、先生がしなくてもよいとは思いたくありません。また、国の指針である学校以外の業務についてですが、学校以外の業務として、先生が関与しないということはいかがなものでしょうか。登下校、夜間の見回りは地域、保護者と連携して行うことは大事なことだと思います。そのことを踏まえた上で、長時間勤務への対応を考えていかなければと思います。

 次に、35人学級についてお尋ねします。

 先日の新聞で、本市の35人学級の拡大に関する記事を目にしました。新聞によると、教育委員会が、毎年、学校長を対象に実施しているアンケートで、35人以下の学級について肯定的な声が目立つ一方、学力、いじめ問題などで明確な差は見られないとの内容でした。また一方で、本市では小学校5年生、6年生は、複数の先生による少人数指導などを実施しています。

 そこでまず、35人以下学級や少人数指導について、文部科学省はどのような効果があると考えているのか、お尋ねいたします。

 さらに、35人以下学級を実施した場合と、少人数指導を実施した場合の先生の負担軽減にはどのような違いがあるのか、お尋ねいたします。

 また、本市の小学校においては、現在、35人以下の少人数学級を実施している小1から小4の担任と、実施していない小5、小6の担任とで、実際に勤務した勤務時間に違いがあるのか、状況を示すデータがあれば、お示しください。

 次に、ゆとり教育についてお尋ねいたします。

 私の小中学校時代である昭和40年代後半から50年代にかけては、当時はその一昔前までの高度成長時代の名残もあり、教育内容の増加や過密化が顕著だったころだと思われます。確かに、今思えば暗記ばかりで、少々詰め込み過ぎだったと思います。そのように当時の教育の実践については子どもたちの学習意欲の維持や知識習得の一過性、創造力の欠如などの問題点が指摘されていました。そのため、平成10年の学習指導要領の改訂により、生きる力を育む考えから、授業時間数が削減された、いわゆるゆとり教育になりました。その後、大学生の学力低下を背景に、ゆとり教育に対する批判が高まり、平成20年からは脱ゆとり教育として、再び授業時間数が増加する状況に至っております。このような授業時間数の変化は、実際に授業を行う先生の働き方にも影響を与えることになると思われます。

 そこでお尋ねいたしますが、ゆとり教育により授業の持ち時間数が減った中で、再び脱ゆとり教育で授業時間がふえています。持ち時間数の違いが実際に勤務した時間にどのような影響を与えているのか、ゆとり教育時とゆとり教育後の状況を示すデータがあればお示しください。

 次に、教育委員会事務局のあり方についてであります。

 教育次長には、学校教育のみだけではなく、社会教育やそれらの課題に対して、予算執行や人事管理、施設管理などを適切に対応していくことが求められるということでした。裏を返せば、現在、先生出身者の中にそういった人材はいない、今後、人材の育成が必要ではないかというふうに考えます。そのためには、優秀な人材を若い段階で教育委員会事務局に登用し、係長級、課長級、部長級と、それぞれの職位において十分に経験を積んでもらう必要があるのではないでしょうか。しかし、先生出身者は、行政職に比べて昇任が遅く、結果として教育次長としての必要な経験年数、特に小中学校現場にはない、部長級の経験年数が足りていないのではないかと感じております。

 そこでお尋ねしますが、行政職の係長級及び課長級の昇任と、先生の係長級である教頭及び課長級である校長のそれぞれ最短の場合の昇任の年齢を教えてください。

 最後に、小規模校、大規模校対策についてであります。

 答弁にもあるように、平成21年の実施方針では、適正化の取り組みとして、小規模校については学校の統合、通学区域の変更、小中連携教育を検討することになっています。過大規模校については、分離新設、通学区域の変更、教室の増設などを検討することになっています。また、適正化の取り組みに当たっては、子どもを中心の視点に立ち、保護者や地域の意見も伺いながら進めることになっております。

 そこで、具体的な話として、西都小の大規模校対策についてです。

 今までの議会答弁などで原因ははっきりしています。児童数の推計が間違ったことによるものです。推計の間違いは大きな問題です。それが開校後、すぐに分離新設が必要となったことが問題を大きくしました。そして、推計間違いの原因とその対策として、開発等に伴う児童生徒の将来推計を関係局としっかり連携をとって行うと答弁されています。しかし、それで今後同じようなことが起きないのでしょうか、心配です。西都小での反省を生かし、今後予想される元岡中、箱崎九大跡地において生かせるか心配です。元岡中の件は、この後、我が会派の冨永議員より詳しく質問されますので、推計に関する部分について意見を述べさせてもらいます。

 私は教育委員会の推計のもとである、関係局として開発を所管する住宅都市局の計画人口の見込みが必ずしも正しいとは思っていません。確かに一番詳しく、そして最後のよりどころだとは思いますが、計画人口とは開発の状況、特に民間開発では誘導する施設によっては、また、経済状況、景気動向により常に変化するのではないでしょうか。教委や住都に、特に民間が行う開発による児童生徒推計を、正確に前もって割り出すことは少々酷なのかもしれません。開発する側に、あらかじめ学校増設が必要な場合は、土地を確保するような対策が必要なのかもしれません。ただ、教育委員会は大規模校対策として平成21年度の実施方針に基づき、分離が必要と判断してからの対応、保護者や地元の意見聴取などには真摯に対応してほしいと思います。

 次に、小規模校についてです。

 学校の統廃合は、校区の存続と密接に関係するため、さらに慎重に対応する必要があります。本市における統合の最初であった約20年前の博多部の再編における議論を思い出します。将来、人口が回復すれば、また学校が復活する。そのためには地域活性化が必要との、その好循環の考え方が必要だと思います。

 そこでお尋ねしますが、小規模校、大規模校対策として、平成21年度の実施方針はありますが、今後でき得る対策、見直しを含め、新しい対策が必要と考えますが、御所見をお尋ねして、2問目を終わります。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 次期教育振興基本計画における基本計画と実施計画の一本化のメリット、デメリットについてでございますが、まず、メリットとしまして、各施策の今後の方向性と主な取り組み内容といった基本方針の記載にとどめることにより、個別の手段となる事業について、毎年の状況に応じた対応を、より図ることができることと考えております。デメリットとしましては、個別の手段となる事業について、6年間の取り組み内容があらかじめ示されていないことと考えております。

 次に、35人以下学級と少人数指導についてでございますが、平成25年度に文部科学省が公表した全国学力・学習状況調査を活用した少人数教育の効果検証によると、35人以下学級の効果につきましては、小学校で授業中の落ちつきや規律の正しさに関する質問、中学校で家庭での学習習慣の確立に関する質問への肯定的な回答が多くなっているとの結果が見られました。また、少人数指導の効果につきましては、小学校で複数の教師が協力して指導するチームティーチングに取り組んだ学校の学力が向上し、中学校で習熟度別に学習集団を分けた指導に取り組んだ学校の学力が向上するという結果が見られました。

 次に、35人以下学級と少人数指導を実施した場合の負担軽減についてでございますが、35人以下学級では、テストの採点や成績の処理など事務的な面での負担軽減が図られ、少人数指導では、個別に支援することが必要な児童生徒に複数の教員で対応できるなど、指導面での負担軽減が図られると考えております。

 次に、少人数学級を実施している小学校1学年から4学年までの担任と、実施していない5学年及び6学年の担任が勤務した時間の比較についてでございますが、福岡市が平成26年度に実施した教員の勤務実態調査の結果によりますと、在校時間から休憩時間を除いた1日当たりの勤務した時間は、小学校1学年が10時間55分、2学年が10時間53分、3学年が11時間3分、4学年が11時間17分、5学年が11時間34分、6学年が11時間14分となっております。全体的には学年が上がるごとに勤務した時間がふえる傾向が見られますが、少人数学級を実施している4学年が、実施していない6学年よりも勤務した時間が長くなっております。

 次に、議員御指摘のいわゆるゆとり教育が行われていたときと、ゆとり教育後の教員が実際に勤務した時間についてでございますが、先ほど答弁しました教員の勤務実態調査の平成16年度と26年度の結果で比較いたしますと、在校時間から休憩時間を除いた1日当たりの勤務した時間につきまして、小学校、中学校、特別支援学校に勤務する教員の平均は、平成16年度が9時間58分、26年度が10時間34分となっております。このことからいたしますと、ゆとり教育が行われていた平成16年度よりも、ゆとり教育後に当たる26年度のほうが、実際に勤務した時間がふえている状況が見受けられます。

 次に、職員の昇任にかかる最短の場合の年齢についてでございますが、平成30年度の定期異動時における市全体の行政事務職の係長級昇任者の最も若い年齢は32歳で、昇任者の平均年齢は43歳であり、教員の教頭昇任者の最も若い年齢は37歳で、昇任者の平均年齢は47歳でございます。

 また、行政事務職の課長級昇任者の最も若い年齢は41歳で、昇任者の平均年齢は51歳であり、教員の校長昇任者の最も若い年齢は49歳で、昇任者の平均年齢は53歳でございます。

 次に、今後の小規模校、過大規模校対策についてでございますが、実施方針策定から約10年が経過し、その間に児童生徒数が大きく減少した学校や増加した学校、また、今後、大規模な開発が予定されている地域もございます。このような状況の変化に対応していくため、関係局との連携をさらに密にし、住宅開発などの情報収集を図るとともに、保護者や地域の意見も聞きながら、実施方針に定める学校規模適正化に関する基本的な考え方に基づき、小規模校や過大規模校の課題に適切に取り組んでまいります。以上です。

 

副議長(石田正明) 今林ひであき議員。

○20番(今林ひであき) それでは、3問目に入ります。

 まず、先生の負担軽減についてです。私は先生の負担軽減は何のためにあるのかと考えています。当然、労働者として適正な労働管理、健康管理も大事です。先生の当然の権利として長時間勤務にならないようにすべきこともあると思います。私はそれ以上に、もっと重要な基本的なことがあると思います。負担軽減が図られたなら、成長、教育、学びのため、子どもたちに向き合うという時間、そういう視点を忘れないでほしいと思っています。先生の負担軽減に目が向くばかりになり、大事な授業が廃止されても困ります。例えば、自然教室です。私は自然教室を初めとする体験活動は、子どもたちの健全な育成にとても意義あるものではないかと考えております。そのようなことから、先生の負担が大きい行事でありながら、多くの学校が宿泊を伴う自然教室の意義を認めていると思います。それを裏づける資料として、国立青少年教育振興機構が実施した青少年の体験活動に関する実態調査では、約8割の保護者が体験活動の必要性を感じています。また、本市のアンケートでも、約90%の子どもたち、100%全ての学校で自然教室に賛成をしています。また、答弁でもありましたように、一方で、85%の学校で負担を感じているとの調査もあります。先生の負担が大きいため、自然教室がなくなるということのうわさを耳にすると、残念な気持ちになります。今、パソコンの配置、校務支援システムの導入、学校事務センター、給食費公会計システムなどにより、作業効率はアップしています。35人学級、少人数指導、SSWなどの専門スタッフも配置がなされました。また一方で、授業時間の減、少人数学級等で必ず先生の長時間勤務が減るというような単純なものではないということも確かです。先生の長時間勤務は、答弁にもありましたように、取り巻く環境の多様化、複雑化に原因があるとのことです。目に見えない部分があるんだろうと思います。そのような現実の中、まず、今現実にある先生の負担軽減のためには、さまざまな手法を用いて、総合的な視点からの取り組みが必要と考えます。教育委員会は、先生の負担軽減を取り組むべき喫緊の課題としてしっかり認識していただく必要があります。一方、学校においても、例えば、効率的な職員会議のあり方、会議自体の必要性の精査など、その効率化を図っていくことも重要であると考えます。

 そこで、先生の負担軽減に関する最後の質問に、次期教育振興基本計画において、子どもと向き合う時間の確保のため、教育委員会における先生の負担軽減に関する取り組みがどのように反映されていくのか、また、そのためには教育委員会によるさまざまな軽減策だけでなく、学校としても適切なマネジメントを行い、積極的に取り組む必要があると思います。御所見をお伺いいたします。

 次に、教育委員会事務局のあり方についてです。

 行政職と学校の先生では、最も早く昇任する場合、係長への昇任で約5歳、課長への昇任で約8歳の開きがあります。これが先生出身者を教育次長として配置するために、必要な幹部職員としての経験年数に影響を与えていると思います。しかし、なぜ昇任にこのような差が生じるのでしょうか。教育委員会事務局では、教頭と係長は同じ能力の仕事をしています。同じように、校長待遇は市の課長級と同じで、同じ職務を果たしています。学校現場の先生が事務局へ、また、行政事務の課長級の職員が学校現場の校長になるなど、人事交流も行われています。先生のほうだけが能力が足りないような印象に見えたら大変です。優秀な人材の早期登用は、先生のモチベーションアップにもつながります。今、学校現場で生じているさまざまな教育課題にスピード感を持って適切に対応していくためには、現場を熟知した先生出身の教育次長の配置が必要であり、本市においても真剣に検討すべき時期だと考えます。

 そこで、最後にお尋ねしますが、学校の先生の昇任のあり方を見直すとともに、先生出身の教育次長への配置を検討すべきと考えますが、御所見をお尋ねします。

 あわせて、次期教育振興基本計画の策定に当たり、特に自然教室の明記と継続についても、その思いを酌んでいただき、次期計画への教育長の意気込みをお尋ねして、私の質問を終わります。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) まず、次期教育振興基本計画における教員の負担軽減に関する取り組みについてでございますが、次期計画におきましては、教員が子どもと向き合う時間を確保するため、学校事務の一部を集約化する学校事務センターを全市に展開するとともに、引き続き校務情報化による事務の効率化や専門スタッフによる支援などを実施し、さらに教員の意見なども踏まえて策定した福岡市立学校教職員の業務改善のための実施プログラムにより、具体的な業務の廃止や軽減に取り組むこととしております。

 また、この業務改善のための実施プログラムにおきまして、業務改善に向けた取り組みの視点の一つとして学校マネジメントの推進を掲げ、各学校における取り組み事例を紹介し、それらを参考にした各学校におけるさらなる取り組みを促しております。今後とも、教育委員会及び学校が一体となって教員の長時間勤務の解消や業務の負担軽減に取り組み、教員が子どもたちに深くかかわり、指導に専念できる環境づくりを推進してまいります。

 次に、教員の昇任のあり方の見直し及び教員出身者の教育次長への配置についてでございますが、教員である職員の人材育成につきましては、これまでも比較的若年の職員を事務局に配置し、学校教育全般における施策の推進等に係る業務を経験させているところでございます。また、事務局の課長級職員につきましては、課長級のスタッフ職ではなく、ラインとしての課長職として配置し、マネジメントや行政全般における経験を積ませているところでございます。さらに、優秀な人材の早期登用の観点から、これまでも段階的に教員の管理職試験の受験可能年齢の引き下げ等を行ってきたところでございます。引き続き職員の昇任や人事配置に当たっては、人事評価その他能力の実証に基づき、適材適所の考え方に立って適切に行ってまいります。

 最後に、私の次期計画への思いについて、お答えさせていただきます。

 これからの新しい時代を生きる子どもたち一人一人が予測できない変化に受け身ではなく、主体的にかかわり合い、その過程を通してみずからの可能性を発揮し、よりよい社会と幸福な人生のつくり手となれるよう育んでいきたいと考えております。そのため、教員、学校、教育委員会だけではなく、子どもをともに育む家庭、地域、企業と社会全体が一体となって、共育による取り組みをさらに進めていきたいと考えております。

 なお、子どもたちに生命の有限性や自然の大切さ、挑戦や他者との協働の重要性を実感させるために、体験活動を充実させることは重要であると認識しており、自然教室については、学校における実施に支障がないよう努めるとともに、自然体験活動を初め、さまざまな体験活動の充実を図ってまいります。

 次期計画の策定に当たっては、引き続き、議会、有識者等、さまざまな方の御意見を伺いながら進めてまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久)登壇 私は、自由民主党福岡市議団を代表して、西都小学校の分離新設について、周船寺インターの早期新設について、広域行政の中で、特に農作物の鳥獣被害防止状況についてお尋ねいたします。

 初めに、西都小学校の分離新設についてお尋ねします。

 ことし11月に、福岡市の推計人口が158万人を突破しました。5年前と比べると、福岡市の人口は約7万人もふえております。

 そこで、福岡市の人口の増加に伴い、市内の子どもたちの数も増加していると思いますが、福岡市立小学校の現在の児童数と5年前の平成25年度の児童数と比較してどうなっているのか、お尋ねいたします。

 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 市立小学校の児童数につきましては、各年度5月1日基準日で平成25年度は7万6,057人、30年度は8万1,615人で、この5年間で5,558人増加しております。以上です。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久) 現在、私が住んでいる西区西部地域は、九州大学統合移転をきっかけに、西部地域の新たな拠点形成に向け、伊都土地区画整理事業や学園通線などの基盤整備が行われ、これによって交通や生活の利便性が高く、近くに大きな公園もあり、子育て世代にとって暮らしやすいまちに生まれ変わり、地域内の人口も急激にふえております。また、ことし9月に九州大学伊都キャンパスへの移転が完了し、伊都キャンパスに学生約1万5,500人、教職員3,200人が通うことになり、今後も商業施設の立地等も進むなど、さらなる発展が期待されております。その西区西部地域において、平成29年4月、昨年の4月ですけれども、西都小学校が開校しました。開校時の学級数及び児童数は25学級、756人でしたが、教育委員会において、今後も西都小学校の児童数は増加していくとの見込みから、ことしの6月議会では、西都小学校を分離して新しい小学校の整備を進めていくと報告がありました。子どもたちの教育環境を考えますと、できるだけ早く新しい小学校をつくる必要があると考えますが、開校2年目に分離新設の方針決定を行うところを見ると、教育委員会の児童数の見込み方が甘かったのではないかと言わざるを得ません。

 そこでまず、西都小学校の新設を決定した当初の推計では、学校開校時の平成29年度及び平成30年度の児童数や学級数をどのように見込んでいたのか、お尋ねいたします。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 西都小学校の通学区域を決定した当初の推計につきましては、平成25年度の学校基本調査の数値をもとに推計しており、その学級数、児童数の見込みにつきましては、29年度が18学級539人、30年度が21学級633人でございます。以上です。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久) 既にその時点で7学級、約220人の見込み違いがあるということになっております。

 次に、西都小学校の今年度の学級数と児童数及び5年後の学級数と児童数の見込みについてお尋ねいたします。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 西都小学校の学級数、児童数につきましては、平成30年5月1日基準日で、特別支援学級2学級を含め、30学級874人でございます。また、平成30年度の学校基本調査の数値をもとに推計した5年後の見込みは、30年度の特別支援学級数の2学級がこのまま推移すると過程しますと、42学級、約1,390人でございます。以上です。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久) 最初の推計と30年度で9学級240人の見込み違いがあるという、これは大変見込み違いも甚だしいのではないかというふうに思います。先ほどの答弁によりますと、平成29年度と平成30年度における西都小学校の実児童数と教育委員会による児童数の見込みとの間には、いずれも220人以上の乖離が生じています。伊都土地区画整理事業の区域の大部分は、現在の西都校区ですが、一部は玄洋校区と今宿校区にまたがっております。以前、伊都土地区画整理事業の区域全体、これは玄洋、今宿、西都、この3校区にまたがっておりますので、その児童数について教育委員会は将来的に1,400人になることが見込まれると説明しておりました。それが現在の教育委員会の見込みでは、将来的に西都校区だけで児童数が1,400人になるとの見込みであります。伊都土地区画整理事業は約130ヘクタールで1ヘクタール100人ということで、計画人口は1万3,000人に対し、平成30年8月時点で約1万3,700人、これは住民登録している方だけで、学生あたりは住民登録していない方もいらっしゃいますので、恐らく1万4,000人から5,000人ぐらいだろうとは思っておりますけれども、地区内の宅地面積のうち、約93%で土地利用が進んでいる状況と聞いておりますので、おおむね計画どおりの人口推移になっていると思います。西都小学校の児童数が当初の見込みを上回ることになった要因について、所見をお伺いいたします。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 西都小学校の新設を決定した当時の推計では、伊都土地区画整理事業内の未利用地における住宅開発が平成24年度から10年間で行われると想定し、推計しております。その後も校区内の住宅開発の状況や幼児数及び児童数の増加の状況も踏まえ、毎年度、推計の見直しを行ってきましたが、西都小学校の開校に合わせて子育て世代の転入が急増し、推計を上回る状況が続いたものでございます。以上です。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久) 西都小学校の児童数の増加に対して、小学校を分離し、新しい小学校の早期開校に向けて学校用地の選定など取り組んでいただいていることは大変ありがたいことですが、一方で、西都小学校は開校間もないこともあり、西都校区の保護者や地元の方から、もっと早く児童数の増加がわかったのではないかという厳しい意見をいろんな機会でいただいています。推計が甘かった、今さら言っても仕方ありませんけれども、このようなことが二度と起こらないよう、先ほど推計に当たっては今林議員も指摘していますように、誘導する施設や景気動向等も踏まえていただき、今後は児童数の見込みについてしっかりと検討していただきたいと要望しておきます。

 次に、西都小学校につきましては、児童数が大幅に増加していることから、分離新設する方向で検討することになり、10月には新しい小学校の候補地を西都校区の北部に決定したと報告がありましたが、新しい小学校の開校に向けた今後のスケジュールについてお尋ねいたします。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 新設小学校の開校に向けた今後のスケジュールにつきましては、2019年度に学校用地の取得や地域や保護者と新設小学校の通学区域について協議を行うとともに、2019年度から2020年度の2年間で校舎等の設計、2021年度から2022年度の2年間で校舎等の建設を行い、2023年4月の開校を目指して取り組んでまいります。以上です。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久) 新設小学校の校舎建設に当たっては、これは私の個人的な思いですけれども、木材をふんだんに使ったような木質化した魅力ある学校づくりを検討されるよう要望しておきます。

 新しい小学校が開校する時期まであと四、五年かかるとの答弁でしたが、その間も西都小学校の児童数は増加し続けるため、教室不足が深刻な状況になります。新設小学校の開校までの間、西都小学校の教室不足にどのように対応していくのか、お尋ねいたします。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 西都小学校では、2019年度以降、教室不足が発生することが見込まれることから、学校とも対応を協議し、できるだけ運動場の利用に支障がないよう配慮しながら、仮設校舎を設置するなど、適切に対応してまいります。以上です。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久) プレハブ対応ということになるわけですけれども、プレハブ12教室あるいは13教室の対応になるだろうというふうに思います。

 それでは、留守家庭子ども会の今年度の登録児童数と5年後の見込みについてお尋ねします。

 

副議長(石田正明) 小野田こども未来局長。

こども未来局長(小野田勝則) 西都小学校の2018年度当初の留守家庭子ども会登録児童数は232人となっております。5年後の2023年度は、教育委員会の児童生徒数推計及び西都小学校における留守家庭子ども会の入会率をもとに試算し、294人を見込んでおります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久) 5年間で60人以上もふえる見込みですが、現在でも施設は足りない状況です。施設の整備は大丈夫でしょうか。留守家庭子ども会登録児童数の増加に今後どう対応していくのか、お尋ねいたします。

 

副議長(石田正明) 小野田こども未来局長。

こども未来局長(小野田勝則) 登録児童数の増加への対応につきましては、平成30年度中に西都小学校内に留守家庭子ども会施設を増設することとしており、留守家庭子ども会の入会申し込みがあり、要件を満たす児童は全て受け入れてまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久) これもプレハブということでしょうけれども、入会要件を満たす児童は全て受け入れるということで、この件では安心いたしました。よろしくお願いいたします。

 新しい小学校の2023年4月開校に向けたスケジュールについてはわかりましたが、その中で来年度に新しい小学校の通学区域について、地域や保護者と協議を行うことになりますが、教育委員会は新しい小学校の通学区域についてどのように考えているのか、また、いつまでにどのように決定していくのか、お尋ねいたします。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 通学区域につきましては、これまで良好な教育環境を確保するという観点から、学校規模や通学距離、通学路の安全性、さらには地域コミュニティなども総合的に勘案し、設定してきております。今回、新設小学校の通学区域を決定するに当たりましては、地域や保護者の意見を聞きながら、2019年度に関係する校区の地域関係者、保護者及び学校関係から成る通学区域協議会において、通学区域の案を取りまとめ、その案を福岡市立学校通学区域審議会に諮問し、当審議会の答申を踏まえ、2019年度中に教育委員会において決定したいと考えております。以上です。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久) 新設小学校の敷地になる場所、ここは西都校区と、あと一部は元岡校区が入っております。また、農道一つ、3メーターほどの農道を挟んで玄洋校区という位置になっています。西都、元岡、玄洋の3校区にまたがっておるといっても過言ではないと思っております。通学区域を決めるに当たっては、地域、保護者の意見を十分に聞きながら進めていただきますよう要望いたします。

 また、新しい小学校の場所の周辺は、先ほど言いました3メーター程度の農道しかないため、通学路の歩道の整備も必要と考えますが、通学路の安全確保についてどのように取り組んでいくのか、お尋ねいたします。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 通学路の安全確保につきましては、新設小学校の通学区域を決定した後、保護者や地域、学校と連携し、具体的にどの道を通学路にするか検討するとともに、新設小学校の用地の周辺は歩道がない道路もございますので、歩道整備や信号機、横断歩道の設置など、関係機関とも連携し、通学路の安全確保にしっかりと取り組んでまいります。以上です。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久) 小学校の設置に当たっては、西都小学校のほかにも元岡小学校や玄洋小学校、今宿小学校も児童数が多い状況になっています。今回の新設小学校の通学区域を調整する際には、玄洋小学校、元岡小学校、そして間もなく児童数が1,000人を超えるであろう今宿小学校の通学区域もあわせ、西区西部地域全体で考えていくことは大切であると思いますが、所見をお伺いいたします。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 西都地区の新設小学校の通学区域の調整につきましては、新設小学校の用地が元岡小学校や玄洋小学校に隣接していることや、元岡小学校や玄洋小学校、今宿小学校も児童数が多い状況となっていることから、西区西部地域全体における今後の児童数の動向を踏まえて検討していく必要があると考えており、西都校区やその周辺の校区の保護者や地域の御意見も聞きながら検討してまいります。以上です。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久) 先ほどの答弁で2019年度、来年度までに通学区域を決めるとのことでしたが、今、教育長答弁のように、西都校区、玄洋校区、元岡校区、今宿校区、この4校区に関係してくるというふうに思っております。これは自治協議会も含めて、大変な作業になるだろうというふうに考えております。一方、小学校が新設される場合、校区の自治活動の中心を担っている自治協議会がどうなるかということも問題となってきます。

 そこでまず、自治協議会の設立の要件はどうなっているのか、お尋ねいたします。

 

副議長(石田正明) 下川市民局長。

市民局長(下川祥二) 自治協議会の設立要件につきましては、福岡市自治協議会に関する要綱において、組織及び運営に関し、役員の民主的な選出や会計処理の透明性など、所定の要件を備えた規約を有すること及び校区内のおおむね8割以上の自治会、町内会のほか、交通安全推進委員会や体育振興会など、校区内に組織されている多くの各種団体により構成されていることとしております。これらの要件の満たす団体からの届け出に基づき、自治協議会として登録することとしております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久) 西都校区自治協議会は、平成29年、昨年4月の西都小学校の開校と同時に発足しておりますが、地域ではその2年前あるいは3年前から設立準備委員会を立ち上げ、数多くの会合を重ねるなど、大変御苦労があったと聞いております。そして、ようやく自治協議会の活動や運営が軌道に乗ってきたところで、また、新設小学校の校区において、新たな自治協議会を設立しなければいけないということであれば、地域としてはなかなかこれは受け入れがたいものではないかと思っております。

 そこで、市としては今後どのような支援を行っていくのか、お尋ねいたします。

 

副議長(石田正明) 下川市民局長。

市民局長(下川祥二) 自治協議会につきましては、要綱において小学校区を基本単位とした団体と位置づけておりますが、自治協議会の区域が校区と異なることについて、相当の理由があると認められる場合は、校区と異なる区域をもって自治協議会の区域とすることができる取り扱いとしております。このため、校区の実情に配慮しつつ、住民の主体性を十分に尊重することを基本といたしまして、設立や活動について必要な支援を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久) 今の答弁では、1協議会1小学校ではなくて、1自治会、二つの小学校でもできるということだというふうに理解をいたしました。地域の意見を十分に聞くとともに、しっかり支援していただくようお願いいたします。

 次に、西都小学校の児童数が急増しているということは、西都小学校の児童などが進学する元岡中学校の生徒数も、今後、急増していくのではないかと考えます。元岡中学校には元岡小学校、周船寺小学校、西都小学校、そして新しい小学校の四つの小学校から通学することになりますが、おおよそ四つの小学校の全児童数の半分、3学年分の子どもが元岡中学校の生徒数になります。

 そこで、元岡中学校の今年度の学級数と生徒数及び5年後の学級数と生徒数の見込みについてお尋ねいたします。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 元岡中学校の学級数、生徒数につきましては、平成30年5月1日基準日で、特別支援学級3学級を含め、26学級、850人、また、30年度の学校基本調査の数値をもとに推計した5年後の2023年度の見込みは、特別支援学級が3学級として32学級、約1,120人でございます。以上です。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久) また、元岡中学校の近隣では、北原・田尻土地区画整理事業が進められていますが、区域面積と計画人口についてお尋ねします。

 

副議長(石田正明) 石橋住宅都市局長。

住宅都市局長(石橋正信) 北原・田尻土地区画整理事業につきましては、平成30年9月27日に組合設立認可を行っておりまして、区域面積は約11.8ヘクタール、計画人口は730人となっております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久) 元岡中学校は、5年後には31学級以上の過大規模校になる見込みであり、さらに北原・田尻区画整理事業も進められています。そのほかにも、元岡中学校の通学区域の中になりますけれども、周船寺駅南、周船寺駅東、九州大学の西側になる桑原あるいは学園通線沿線の田尻地区においても土地区画整理事業などのまちづくりが検討されている勉強会も行っておられます。今後も元岡中学校の生徒数は増加することが明らかであることから、分離新設を検討すべきと考えますが、所見をお尋ねいたします。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 元岡中学校につきましては、今後、生徒数が増加し、学級数が長期にわたって31学級以上になることが見込まれる場合には、福岡市立小中学校の学校規模適正化に関する実施方針に基づき、適切に対応してまいります。以上です。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久) この質問、最後になりますけれども、西都小学校の分離新設は決まりましたが、新設校開校までのプレハブの対応あるいは新設小学校の通学区域の設定、通学路の整備、留守家庭子ども会の対応、自治協議会をどうするのか、あるいは自治協議会を立ち上げるとすれば、公民館も新設しなければいけない、また、元岡中学校の過大規模校化に関する問題等々課題は本当に山積しているというふうに思っております。これらの課題に教育委員会だけではなく、市民局、住宅都市局、道路下水道局等、あらゆる関係局と密に連携し、人口増加への対応が後手後手にならないよう、長期を見据え、中期、短期で子どもたちの教育環境を整備するよう要望して、この質問を終わります。

 次に、周船寺インターの早期新設についてお尋ねします。

 福岡市西部地域は人口が増加する中、あわせて車の交通量も増加しており、主要な幹線道路の交差点では以前から渋滞が発生しております。このような状況を受け、西区西部地域の自治協議会から、西九州自動車道周船寺インターのフルインター化に関する請願が出されており、市議会においても全会一致で採択されております。

 そこで、まずは地域の主要な幹線道路である国道202号バイパスの交差点付近の交通量について、九州大学の移転が開始された平成17年度と比べ、どのように変化しているのか、お尋ねいたします。

 

副議長(石田正明) 石橋住宅都市局長。

住宅都市局長(石橋正信) 平日の午前7時から午後7時までの12時間当たりの交通量でお答えいたします。

 まず、今宿大塚交差点の東側におきましては、平成17年が約3万台、29年が約4万1,000台であり、約36%増加いたしております。また、徳永交差点の東側におきましては、平成17年が約2万6,000台、29年が約2万8,000台となっておりまして、約11%の増加でございます。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久) 交通量がかなり増加しているようですが、特に影響を受けているのが、国道202号と国道202号バイパスが交差し、今宿インターに近接している今宿大塚交差点だと思いますが、この今宿大塚交差点の渋滞状況についてお尋ねいたします。

 

副議長(石田正明) 石橋住宅都市局長。

住宅都市局長(石橋正信) 平成2910月の平日の調査によりますと、渋滞のピーク時の状況といたしまして、今宿大塚交差点の都心向きでは、午前7時ごろに最大で約900メートル、郊外向きでは午後6時ごろに最大で約1,500メートル、南向きでは午前8時ごろに最大で約460メートルの渋滞が発生いたしております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久) 主要幹線道路である国道の交差点において、1キロ以上にわたる渋滞は大きな問題だと思います。都心向けの通勤時間あるいは土曜、日曜の夕方、要するに都心に向かって行くときは、土日なんかは2キロ以上の渋滞が常態化しておる状況です。今宿大塚交差点を初め、西区西部地域の交通量の増加、主要交差点の渋滞などに対し、どのような対策をとっているのか、お尋ねいたします。

 

副議長(石田正明) 石橋住宅都市局長。

住宅都市局長(石橋正信) 渋滞対策といたしまして、都市計画道路学園通線の4車線による供用を平成30年4月に開始しており、周辺の主要な幹線道路の交通分散化を図っております。また、特に渋滞が著しい今宿大塚交差点について、国と協議してまいりましたが、平成30年3月に下り線の改良が実施されております。さらに、今年度中には西九州自動車道福岡前原道路の交通の円滑化を図るために、福岡西料金所においてETCレーンの増設が予定されております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久) 今宿交差点の郊外向け、今おっしゃいましたように、国による交差点改良、車線を一つふやして右折レーンを二つきちっと分けたということによって、これで劇的に渋滞が解消したのではないかと感じております。また、都心向きの車線は、そのまま渋滞は続いておる状況です。西部地域で数カ所の区画整理事業の計画や隣接する糸島市でも国道202号バイパス沿いの伊都の杜区画整理事業、さらに池田地区でも20ヘクタールの区画整理が予定されるなど、今後のさらなる人口増加に対する対応するためにも、地域が望む周船寺インターのフルインター化も含め、短期的な交通対策の検討も早急に進める必要があると思いますが、今後どのように取り組まれていくのか、お尋ねいたします。

 

副議長(石田正明) 石橋住宅都市局長。

住宅都市局長(石橋正信) 周船寺インターのフルインター化を含む西区西部地域の交通対策の検討につきましては、学園通線の整備や今宿大塚交差点の改良の効果を検証いたしますとともに、九州大学周辺地域のまちづくりの進展や、将来の交通動向の予測を踏まえた上で、国や県などの関係機関と協議調整しながら、総合的に検討を進めてまいります。また、その際には議員から御指摘がありました早急に効果があらわれる短期的な交通対策の検討もあわせて行ってまいりたいと考えております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久) 今の答弁は、周船寺インターのこの質問、今まで何回も私も笠議員もやってきたと思いますけれども、大体市のほうとしては同じ答弁を何度もお聞きしております。ただ、その間に国のほうは先ほど言いましたように、車線をふやして郊外向けの渋滞を劇的に解消したり、あるいは県の道路公社は西料金所、西九州自動車道の福岡前原道路のETCを上りも下りも増設するということを聞いております。確かに、新たなインターの整備にはさまざまな検討や関係機関との調整が必要であると思いますが、今後できるだけ早期に渋滞解消が図られるよう、市としても簡易的なスマートインター方式や都心向けのみのインターの先行設置、さらには国道202号バイパスの車線増設など、さまざまな可能性を含め、しっかりと検討を進めていただきますよう強くお願いして、この質問を終わります。

 次に、広域行政の中で、イノシシなどの有害鳥獣による農作物への被害防止に関して質問してまいります。

 先日、JR今宿駅そばで、男性がイノシシに襲われ、けがをされました。また、九州大学伊都キャンパス内で、先月、原付バイクとイノシシが衝突して、大学生が骨折するという事故が起こっております。今回は、一つの地方自治体だけでは解決が困難であり、広域で対応したほうが効率的、効果的、経済的に実施できるなど、広域行政の観点から農作物の鳥獣被害防止対策事業についてお尋ねします。

 有害鳥獣による農作物被害は、本市にとどまらず、全国的な課題であり、農業従事者が意欲を持って生産活動を推進していく上で、その対策は極めて重要と考えております。

 まず、福岡市における有害鳥獣による過去5年間の農作物の被害状況についてお尋ねいたします。

 

副議長(石田正明) 細川農林水産局長。

農林水産局長(細川浩行) 過去5年間の福岡市におけるイノシシ、カラスなどの有害鳥獣による農作物被害額につきましては、平成25年度が8,8391,000円、26年度が7,1989,000円、27年度が5,7171,000円、28年度が5,5297,000円、29年度が4,9745,000円でございます。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久) 農作物の被害、これはこれまでに比べて約4,000万円ほど減少しているようですが、それでも年間5,000万円程度の農業被害が発生しております。農業従事者の皆様が精魂込めて栽培された農作物が有害鳥獣により荒らされ、出荷できなくなると、収入が減少することになり、農業従事者にとっては死活問題になります。福岡市では、農作物の鳥獣被害防止のためにどのような取り組みを行っているのか、お答えください。

 

副議長(石田正明) 細川農林水産局長。

農林水産局長(細川浩行) 福岡市で行っている農作物の鳥獣被害防止のための取り組みにつきましては、猟友会に対し、捕獲地に向かうためのガソリン代などの捕獲活動経費を助成しております。また、隣接しております糸島市と共同で、福岡・糸島地域鳥獣被害防止対策広域連絡協議会を設置し、有害鳥獣による農作物の被害防止に取り組んでおります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久) 農作物被害額が減少しているのは、ワイヤーメッシュ柵とか電気柵の効果もあると思いますし、猟友会の方々が有害鳥獣の捕獲活動に真摯に取り組んでおられるおかげもあるというふうに思っております。しかしながら、猟友会の会員は、現在、高齢化が進み、また、会員数も減少していると聞いております。猟友会による捕獲活動も今後継続していけるように、一層の支援の充実を要望しておきます。

 有害鳥獣は、市域を越えて出没し、農作物を荒らしています。このため、有害鳥獣対策は一つの自治体だけで取り組むのではなく、近隣市町と連携し、広域的に取り組むことが重要であります。先ほど答弁いただいた福岡・糸島地域鳥獣被害防止対策広域連絡協議会──長い協議会ですけれども──の設置時期、目的、構成員についてお尋ねいたします。

 

副議長(石田正明) 細川農林水産局長。

農林水産局長(細川浩行) 福岡・糸島地域鳥獣被害防止対策広域連絡協議会は、平成24年度に糸島市と共同で設置いたしました。設置目的は、福岡市及び糸島市におきまして、野生鳥獣による被害防止対策を図り、農林水産物の被害の軽減に資することとしております。構成員につきましては、行政機関である福岡市、糸島市、福岡県、生産者団体であるJA、捕獲団体である猟友会などとなっております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久) このように複数の自治体や関係者が一堂に会し、効果的な有害鳥獣対策について協議することは大変重要であり、有意義なものであると考えております。

 それでは、福岡・糸島地域鳥獣被害防止対策広域連絡協議会では、具体的にどのような活動を行っているのか、お尋ねいたします。

 

副議長(石田正明) 細川農林水産局長。

農林水産局長(細川浩行) 当該協議会では、農作物に対する有害鳥獣対策を効果的に実施するため、福岡・糸島地域広域鳥獣被害防止計画を作成し、当該計画に基づいた事業を行っております。平成29年度におきましては、ワイヤーメッシュ柵が2万7,466セットで5万4,791メートル、電気柵が138基で4万6,950メートル、箱わなが41基を設置するなどし、有害鳥獣の追い払いや捕獲などの事業を実施いたしております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久) 糸島市と共同して設置した福岡・糸島地域鳥獣被害防止対策広域連絡協議会では、さまざまな活動を実施しておられますが、箱わな等の設置によって平成29年度はどのくらい捕獲の実績が上がっているのか、お尋ねいたします。

 

副議長(石田正明) 細川農林水産局長。

農林水産局長(細川浩行) 有害鳥獣による農作物への被害防止のため、当該協議会が設置いたしました箱わな等による平成29年度の捕獲実績は、合計4,247個体で、その内訳につきましては、主なものはイノシシで2,900頭、そのほかアナグマなどの獣類が158頭、カラスなどの鳥類が1,189羽となっております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 冨永計久議員。

9番(冨永計久) 有害鳥獣の捕獲頭数が4,000頭を超えるなど、イノシシは2,900頭ですけれども、大きな成果が上がっていると思います。ただ、イノシシは1回の出産で6頭ないし7頭ほどウリ坊が生まれるというふうに聞いておりますけれども、これを減らしていくというのは、至難のわざだというふうに感じております。1問目にお答えいただいたように、過去5年間の農作物被害額が年々減少しているということは、これまでの取り組みの成果であると考えられ、その点については評価いたしますが、被害額はまだまだ高い状態にあります。農作物の収穫まであと少しというところで、一番おいしいところをイノシシなど有害鳥獣による農作物の被害に遭ってしまうと、それまで苦労が水の泡となり、農家の営農意欲に大きな影響を与えるとともに、直接的に農業所得の減少にもつながります。また、有害鳥獣による被害は、農作物だけではなく、最初に申し上げたとおり、今宿駅や九州大学内でのイノシシによる人的被害が発生し、また、中央区や博多区などでは猿が出没するという事件も起こっております。先ほど申しました西都小学校の裏門の扉に、ドアを確実に閉めてください。イノシシが侵入しますという張り紙がしてあるんです。それほど身近にイノシシが近寄ってきておるということで、人的被害が心配になってきます。イノシシや猿など鳥獣には、ここからここまでは福岡市などといった市域は関係なく、どこにでも自由に移動し、出没します。だからこそ、有害鳥獣対策は近隣市町と協力して、広域的な取り組みを進める必要があると考えます。広域行政については、一つの自治体だけでは解決できないさまざまな問題に対し、区域を超えて広域かつ共同で行ったほうが効率的、効果的、経済的にできるものがたくさんあります。福岡市では、有害鳥獣対策以外にも、道路、防災、水資源、環境問題など、多様な分野で広域行政に取り組まれておりますが、今後とも、県を含んだ関係自治体と連携を図り、しっかりと取り組んでいかれるよう要望し、質問を終わります。

 

副議長(石田正明) この際、休憩し、午後2時45分に再開いたします。

午後2時31分 休憩  

午後2時45分 開議  

議長(川上晋平) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。荒木龍昇議員。

○45番(荒木龍昇)登壇 私は緑と市民ネットワークの会を代表して、若者支援について質問します。

 まず、福岡市における単身世帯の現状と2040年の推計、高齢者単身世帯の現状と2040年の推計について及びこの状況に関しての市の認識についてお尋ねします。

 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席で行います。

 

議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 福岡市における単身世帯率につきましては、2015年の国勢調査で49.7%となっており、2040年は福岡市の将来推計人口で57.2%となっております。また、高齢者単身世帯率につきましては、2015年の国勢調査で10.5%となっており、2040年は福岡市の将来推計人口で19.0%となっております。

 単身高齢者が増加することで、日常生活への影響や孤立死のリスクが高まることなどが想定されると考えております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 荒木龍昇議員。

○45番(荒木龍昇) 福岡市の単身世帯率は、国立社会保障・人口問題研究所は2015年、34.5%が2040年に39.3%に推移すると推計しているわけですけれども、これに比べると極めて高いと言えます。単身高齢者の増加の背景には若者の単身世帯の増加があると考えられますが、どのような認識をお持ちでしょうか。

 

議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

こども未来局長(小野田勝則) 福岡市の総世帯数に占める若者の単身世帯の割合につきましては、国勢調査の結果では、25歳から29歳までは、平成22年が5.7%、27年が5.4%、30歳から34歳までは、22年が4.4%、27年が4.1%、35歳から39歳までは、22年が3.9%、27年が3.5%となっており、各年齢層で減少しております。

 なお、若者の単身世帯の割合の減少につきましては、未婚率の減少などさまざまな要因があるものと考えております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 荒木龍昇議員。

○45番(荒木龍昇) 福岡市の答弁では、全世帯に対する単身世帯の割合は減っており、問題がないかのように私には聞こえるわけです。しかし、厚生労働省の調査では、65歳以上の高齢者がいる世帯のうち、未婚の子どもと同居している世帯は、2010年で18.5%から2015年は19.8%、2016年には20.7%とふえています。このことから見ると、若者の単身世帯が減っていることをもって問題がないという認識はいかがなものかと思います。

 では、福岡市の未婚率の現状について、市の認識をお尋ねします。

 

議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

こども未来局長(小野田勝則) 福岡市の若者の未婚率につきましては、平成27年の国勢調査の結果では、25歳から29歳までが62.5%、30歳から34歳までが39.9%、35歳から39歳までが29.0%となっております。

 なお、結婚につきましては、個々人によってさまざまな価値観があり、家族の形もさまざまであると考えております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 荒木龍昇議員。

○45番(荒木龍昇) 未婚率についても、福岡市は25歳から39歳までの未婚率は、全国の増加の傾向に比べて減少しているようです。全国の数字に比べて少し低いようですけれども、2000年から2015年にかけて全国の状況を見ると、25歳から39歳までの未婚率の伸び率が低下する傾向にあるのに比べ、50歳以上のいわゆる生涯未婚率の増加率は高くなっていること、また、社会保障・人口問題研究所の推計でも、若者未婚率の伸び率は低くなるが、生涯未婚率はふえ続けると予測していることからも、市の認識には若干問題があるのではないかと思います。社会保障・人口問題研究所でも、若者の未婚率は単身高齢者の増加に影響があると指摘しており、若者支援と高齢者支援が喫緊の課題だと思います。

 そこで、以下、若者支援について質問します。まず、子ども・若者育成支援推進法の概要について説明を求めます。

 

議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

こども未来局長(小野田勝則) 子ども・若者育成支援推進法につきましては、ニート、ひきこもり、不登校、発達障がいなどの子ども、若者の抱える問題の深刻化などを背景として制定された法律で、国における子供・若者育成支援推進大綱の作成など、子供・若者育成施策の総合的推進のための枠組み整備や、地方公共団体における子ども・若者支援地域協議会の設置など、社会生活を円滑に営む上での困難を有する子ども、若者を支援するためのネットワーク整備を目的としたものでございます。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 荒木龍昇議員。

○45番(荒木龍昇) 次に、2015年3月27日通知、生活困窮者自立支援制度と子ども・若者育成支援施策との連携についての概要の説明を求めます。

 

議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) お尋ねの国の通知につきましては、生活困窮者に対する包括的な支援を行うため、生活困窮者自立支援法に基づく自立相談支援機関等と、子ども・若者育成支援推進法に基づく子ども・若者支援地域協議会や子ども・若者総合相談センターとの連携を進めるよう示されたものでございます。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 荒木龍昇議員。

○45番(荒木龍昇) では、通知に書かれてある福岡市における子ども・若者総合相談センターと他政令指定都市の状況について説明を求めます。

 

議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

こども未来局長(小野田勝則) 子ども・若者総合相談センターにつきましては、子ども・若者育成支援推進法において、その設置が努力義務とされており、福岡市においては既存の相談機関で対応していることなどから、設置はしておりません。他の政令指定都市においても、対応状況はさまざまであり、平成3010月時点で、20都市中8都市が設置しております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 荒木龍昇議員。

○45番(荒木龍昇) では次に、福岡市における子ども・若者支援地域協議会の設置と他政令指定都市の状況について説明を求めます。

 

議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

こども未来局長(小野田勝則) 子ども・若者育成支援推進法に規定する子ども・若者支援地域協議会につきましては、福岡市においては福岡市こども・子育て審議会を当該協議会として位置づけております。また、他の政令指定都市においては、平成3010月時点で、20都市中、本市を含む14都市が設置しております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 荒木龍昇議員。

○45番(荒木龍昇) 以上、国のほうでも若者施策について、かなり積極的な取り組みが必要だと認識しているわけです。

 そこで、若者支援については、虐待、不登校、いじめ、発達障がい、貧困など生育環境に課題がある若者の場合と、生育環境に特段問題がなくても、不本意な非正規雇用や奨学金の返済の負担で苦しんでいる若者の場合もあります。

 では、市における具体的な取り組みとして、まず、生育環境に問題がある若者支援について、例えば、家庭の事情により社会的養護が必要となり、自立に向けた支援が必要な若者に対する取り組みはどのようになっているのか、説明を求めます。

 

議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

こども未来局長(小野田勝則) 虐待や経済的な事情により、保護者の適切な養育を受けられず、社会的養護が必要になった若者につきましては、原則18歳まで、措置延長した場合は20歳まで、児童養護施設や里親、ファミリーホームなどで養育しております。その中でも特に高校を中退するなど、自立に向けた支援が必要な若者につきましては、共同生活を送りながら将来の自立を目指す自立援助ホームにおいて、生活指導や就労等の支援を行っております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 荒木龍昇議員。

○45番(荒木龍昇) では、自立援助ホームの設置数及び定員数、実績について説明を求めます。

 

議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

こども未来局長(小野田勝則) 自立援助ホームにつきましては、市内に2カ所設置しており、両施設とも定員は6名でございます。実績につきましては、平成29年度は延べ17名の子どもを支援しております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 荒木龍昇議員。

○45番(荒木龍昇) 設置はされているんですけれども、数は少ないのではないかと思います。希望するところもあり、自立援助ホームはもっとふやすべきだと思います。

 次に、児童養護施設等を退所した若者の支援について、今後どのように取り組んでいくのか、説明を求めます。

 

議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

こども未来局長(小野田勝則) 福岡市では、児童養護施設等を20歳で退所した若者が、その後も特に支援を必要とする場合は、22歳の年度末まで引き続き施設等に居住し、生活、就労の支援を受けることができる社会的養護自立支援事業を本年度から実施しております。児童養護施設等を退所した若者の支援につきましては、施設退所後も、自立した社会生活を送ることができるよう、引き続き必要な支援をしっかりと行ってまいります。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 荒木龍昇議員。

○45番(荒木龍昇) では、児童養護施設を退所した若者は、社会的養護自立支援事業ということで、最長22歳までの支援がなされるということなんですが、それ以降の支援はどうなっているのか、説明を求めます。

 

議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

こども未来局長(小野田勝則) 児童養護施設等を退所後、22歳以降も福祉的な支援が必要となる場合につきましては、生活困窮者に対して包括的な相談支援を行う生活自立支援センターなど、それぞれの福祉ニーズに応じた適切な相談機関につなぎ、切れ目のない支援を行っております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 荒木龍昇議員。

○45番(荒木龍昇) 生育環境に問題がある若者の支援として、虐待、いじめ、貧困など生育環境に問題がある子ども、若者の支援は、早期発見、早期支援、継続的支援、専門家との連携が重要と言われております。早期発見及び予防の観点から、CAP、子どもへの暴力防止プログラムというのがあるわけですが、これが有効だと言われております。市では取り組みはなされているようですが、妊産婦の研修や教育現場での授業として取り入れる考えはないのか、お尋ねいたします。

 

議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

こども未来局長(小野田勝則) 子どもがいじめ、虐待、体罰など、さまざまな暴力から自分の心と体を守る予防教育プログラムであるCAPにつきましては、就学前の子どもや小中学生を対象に行う子どもワークショップ、保護者や地域の大人を対象にした保護者ワークショップ、教職員を対象にした教職員ワークショップの3つのプログラムで成り立っており、保健福祉センターにおいて実施しております。今後とも、学校、家庭、地域の3者が一体となって、子どもたちのいじめや虐待を未然に防ぐことができるよう、CAPプログラムの活用を図ってまいります。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 荒木龍昇議員。

○45番(荒木龍昇) ぜひCAPを活用していただきたいというふうに思います。

 そこで、早期発見、早期支援が重要ということですけれども、福岡市でも妊娠時及び出産後の乳児期の健診や戸別訪問をしておりますけれども、自立できるまでどのような継続的な支援がなされているのでしょうか。

 

議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

こども未来局長(小野田勝則) 福岡市では産科医療機関と連携し、妊娠期からの支援に取り組んでおりますが、早期支援の重要性に鑑み、平成29年度から各区保健福祉センターで助産師等の専門職が母子健康手帳交付の際に全ての妊婦と面談を行い、必要な支援につなげております。出産後は助産師等が全ての家庭を訪問する新生児全戸訪問事業、授乳や沐浴のアドバイスや育児相談、母体の体調管理を行う産後ケア事業、ヘルパーを派遣し、家事や育児の援助を行う産後ヘルパー派遣事業などを実施するとともに、3歳までに乳幼児健診を4回実施するなどさまざまな事業を通して、出産前から出産後、乳幼児期へと切れ目のない支援に取り組んでおります。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 荒木龍昇議員。

○45番(荒木龍昇) ぜひ切れ目のないそういう取り組みを強化してほしいわけですが、次に、生育環境に課題がなくても生活困窮環境にある若者の課題についての認識をお尋ねいたします。

 

議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 生活自立支援センターには、例えば、安定した収入が得られないであるとか家賃が払えない、あるいは仕事が定着しないなどさまざまな相談が寄せられておりますが、各世代で相談内容に大きな差異は見られないところでございます。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 荒木龍昇議員。

○45番(荒木龍昇) 各世代の相談内容に大きな差異は見受けられないということですけれども、とりもなおさずこのことは、若者が抱えている問題が継続しているということであり、長年苦しんでいるんだと言えるのではないでしょうか。相談に対する支援の必要性があると言えます。生育環境に問題がなくても困窮している若者支援について、どのような取り組みがなされているのか、説明を求めます。

 

議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 生活自立支援センターにおきましては、社会福祉士や精神保健福祉士の資格を持つ相談支援員や、キャリアコンサルタント等の資格を持つ就労支援員、求人開拓員を配置しており、収入や住まい、仕事などに関する相談に対応し、必要に応じて関係機関へつなぐなど、世代にかかわらず、個々の相談内容や状況に応じたきめ細やかな支援を行っております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 荒木龍昇議員。

○45番(荒木龍昇) 若者の課題は、就労は非常に大きな問題なんですけれども、就労だけではありません。住居の問題や奨学金返済の問題がありますけれども、これらの問題についての取り組みについて所見を求めます。

 

議長(川上晋平) 石橋住宅都市局長。

住宅都市局長(石橋正信) 若者の住宅支援につきましては、市営住宅において、新婚世帯や中学生以下の子どもがいる世帯を対象とした別枠募集の実施や、子育て世帯を対象とした抽せん倍率の優遇、収入基準の緩和などを実施いたしております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 奨学金についての御質問にお答えします。

 公益財団法人福岡市教育振興会では、中学生の進路保障のため、毎年、市内の中学校を卒業した高校生等に対して奨学金を貸与しております。奨学金の返還につきましては、高校卒業後に返還義務が生じますが、大学等に進学した場合は、在学中は返還が猶予されます。また、失業など一時的に返還が困難と認められる場合には、本人からの願い出による返還の猶予や支払い能力に応じた分割納付の案内をしております。

 なお、大学生等に対しては、国において独立行政法人日本学生支援機構が奨学金の貸与事業を実施していますが、平成29年度に低所得世帯を対象とした給付型奨学金制度が創設されるとともに、さらなる給付型奨学金の拡充が検討されております。以上です。

 

議長(川上晋平) 荒木龍昇議員。

○45番(荒木龍昇) 以前も質問いたしましたけれども、非正規雇用などで収入が少ない若者は、安価で良質な住宅の提供を受けられないために自立できないという報告があります。また、問題がある家庭の──DVなどですね、問題のある家庭の若者が住居に入居しにくいため自立できないということも、そういった指摘も聞いております。若者支援としての住宅政策は重要な課題です。福岡市は若者の住宅問題にきちんと取り組むべきです。

 また、奨学金については、低所得世帯に対する給付型奨学金制度が始まるということですが、国際人権規約では、教育は人権であり、教育は無償が原則となっています。ところが、日本では多くの学生が、高校から大学を卒業するまで300万円から500万円程度の奨学金を借りているというふうに言われています。奨学金の返済が滞っている者は32万人、奨学金返済ができず自己破産した者は1万人との報道もあり、また、連帯保証人が親族であるため、自己破産もできず苦しんでいる、こういった話も聞いています。

 貸与型奨学金は借金であり、福岡市の奨学金は給付型とし、既に返済が迫られている奨学金については減免の措置をとる必要があるのではないかと思います。また、市長は国の奨学金についても同様に減免措置することを求めるべきだという意見を述べておきます。

 次に、この間、るる質問してきたわけですけれども、若者支援というのはやはり継続的な支援が重要だということで、国でも15歳から39歳までを若者という規定の仕方をしているわけですが、福岡市でも15歳から39歳まで連続した支援が必要と考えますが、所見を求めます。

 

議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

こども未来局長(小野田勝則) 全ての若者が健やかに成長し、その若者が持てる能力を生かし、社会の一員として自立、活躍できるよう支援していくことは重要であると認識しております。福岡市におきましては、思春期から青年期、ポスト青年期に至るまでさまざまな支援を実施しているところであり、今後も引き続き各ステージに応じて適切な支援を実施してまいります。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 荒木龍昇議員。

○45番(荒木龍昇) 若者支援については、各ステージごとに適切な支援をしているということですけれども、連続性、専門性が求められております。福岡市においては、年齢に応じて所管が変わる場合があり、制度としてはあっても継続性が保たれているのか疑問です。ワンストップで継続的支援ができる取り組みが必要ではないでしょうか。

 札幌市では独立行政法人の援助を受けてNPO法人が実施する、18歳から39歳までを対象としたユースサポートハウス事業がなされております。厚生労働省では、15歳から39歳を対象として就労に向けた支援を行う地域若者サポートステーションの設置を進めており、平成30年度で全国に175カ所設置されています。福岡市においてワンストップの若者支援が必要と考えますが、所見を求めます。

 

議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

こども未来局長(小野田勝則) 継続的な若者支援につきましては、福岡市においては年齢や若者が有する課題に応じ、各機関がさまざまな支援を適切に行っており、市の機関だけではなく、地域やNPO団体等の外部機関とも連携しながら、社会全体で支援に取り組んでいるところでございます。今後も引き続き支援が必要な若者に適切な支援が提供できるよう、関係機関との連携強化に努めてまいります。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 荒木龍昇議員。

○45番(荒木龍昇) 若者を大事にしない社会は未来がありません。非正規雇用の若者の非婚率は正規雇用の若者と比べて高いという厚生労働省のデータがあります。また、産みたい子どもの数でも、非正規雇用の世帯は正規雇用の世帯に比べて少ないというデータがあります。若者の非婚問題は単身高齢者の増加に影響があるとともに、将来の社会保障の問題に大きな影響を与えます。若者支援は早期発見、早期支援、継続的支援、そして、専門家との連携が重要とされています。さらに、生育環境に課題がある若者はアウトリーチが重要と言われています。福岡市でも各機関との連携がなされていますが、この取り組みがより実効性が上がるように取り組むことが重要と考えます。若者支援のワンストップ窓口をつくるとともに、専門知識と経験を積んだ人材育成と関係者の処遇をきちんと保障するということを要望して、私の質問を終わります。

 

議長(川上晋平) 富永周行議員。

○44番(富永周行)登壇 私は福岡維新の会を代表して、生活保護費の不正受給事件について、市長選挙における啓発事業について、以上2点について質問してまいります。

 最初に、生活保護費の不正受給事件についてです。

 去る1121日、生活保護費に関する詐欺の容疑で、福岡県警が本市早良区在住の男性を逮捕したとの報道がありました。逮捕された男性は、平成25年から28年まで4カ年にわたり、仕事による収入があったにもかかわらず、早良福祉事務所には収入がないと虚偽の申告書を提出し、37回にもわたり約490万円もの生活保護費をだまし取ったとされています。

 そこで、本市における生活保護費の不正受給の現状、また、不正受給を防止するための取り組み、さらには不正受給となった保護費の徴収の取り組みなどについて質問してまいります。

 最初に、このたび報道されました早良区の不正受給の案件について、どのようなきっかけで発覚したのか、また、直近1年間程度の期間で、この事件と同様に生活保護費の不正受給により逮捕に至った案件はあるのか、あるのであればどのような案件であったのかをお示しください。

 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて質問してまいります。

 

議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 早良区の生活保護受給者が逮捕された案件につきましては、ケースワーカーが家庭訪問を行っても不在がちであるなど、生活実態に不審な点が見受けられたことがきっかけとなり、生活保護法に基づき調査を行ったところ、不正受給が発覚したものでございます。

 このほか、直近1年間程度で保護費の不正受給により逮捕された案件は2件ございます。1件目は、博多区で就労収入がある生活保護受給者がこれを届け出ず、保護費約170万円を不正に受給した容疑で平成2911月に逮捕されたもの、2件目は、西区で死亡した生活保護受給者の親族がこれを届け出ず、保護費約160万円を不正に受給した容疑で平成30年7月に逮捕されたものでございます。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 富永周行議員。

○44番(富永周行) 今、答弁いただいたような生活保護費の不正受給によって逮捕に至った事案というのは、いずれも不正受給額が多額であるなど、極めて悪質なものであると考えられますが、今回の逮捕に至った事案を含めると、1年間程度で3名もの逮捕者が出ています。しかしながら、これらの逮捕案件以外にも、収入がないなど虚偽の報告などによって不正受給が確認された事例というのは、例年数多く見受けられます。

 そこで、平成29年度においてはどの程度の不正受給があったのか、件数と金額についてお示しください。あわせて、保護課が不正受給を確認した場合、どのような基準で告訴を検討することとされているのか、お示しください。

 

議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 平成29年度の不正受給の金額と件数でございますが、2億9,463万円余で1,122件でございます。

 次に、不正受給があった場合に告訴を検討する基準につきましては、国の通知を参考に策定した生活保護の不正受給事案に対する告訴等のガイドラインにおいて、不正受給が100万円以上の高額であること、保護課への提出書類に意図的に虚偽の記載をする、または偽造、改ざんをするなど、不正が悪質、巧妙であること、不正受給が1年以上の長期間にわたること、過去に不正受給を繰り返しているまたは必要な調査に協力しないことなどの基準を定めており、この基準に照らして告訴を総合的に検討することとしております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 富永周行議員。

○44番(富永周行) 答弁を聞いたところでは、不正受給で告訴を検討するポイントというのは、一言で言うならば、意図的であって悪質であるということだと思います。こういった意図的で悪質な不正受給によって、真に生活に困窮して生活保護が必要となり、受給している方々にまで偏見を持ってしまう市民の方も少なからずいらっしゃるとお聞きします。これは大変不幸なことだと思います。不正などにかかわることなく正当に生活保護費を受給されている方々が、このような逮捕者や不正受給の報道などによって偏見の目で見られたり、不当な取り扱いを受けるなど誤った印象を持たれないためには、本市が生活保護費の不正受給を許さない強い決意と徹底的な不正の排除の取り組みを強力に推進していくことが重要であると考えます。

 申し上げるべくもなく、生活保護制度は生活に困窮される方々を救うための最後のセーフティネットであり、必要な制度でありますが、一方で、市民の税金で賄われるこの制度を悪用した不正受給は絶対に許されるものではなく、毅然とした対応が必要であると考えますが、本市は不正受給防止や早期発見のために、どのような取り組みを行っているのかをお尋ねいたします。

 

議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 不正受給防止や早期発見の取り組みについてでございますが、生活保護の申請時や開始時に、受給者の権利、義務について記載した保護のしおりを配付し、収入を初めとした必要な届け出などについて丁寧に説明するとともに、生活保護受給者に関しては、市の課税情報と保護受給者から届け出があった収入を突合し、金額に差異がある場合は必要な調査を行っております。また、生活保護ホットラインにおいて、生活困窮者情報とあわせて不正受給に関する情報を受け付けております。

 なお、不正が疑われる場合は、必要に応じて警察OBの嘱託員による現地調査を実施するなどの取り組みを行っております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 富永周行議員。

○44番(富永周行) 市の課税情報と保護受給者から届け出られた収入の突き合わせ、ほかにも生活保護ホットラインによる市民からの情報提供、そういった不正受給の防止や早期発見に向けたさまざまな取り組みがなされていますが、これらの取り組みの効果についてお尋ねいたします。

 

議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 不正受給防止や早期発見の取り組みの効果についてでございますが、不正受給はケースワーカーが通常業務の中で発覚する場合もございますが、先ほど御答弁いたしました課税調査などの取り組みにより発覚した不正受給については、平成27年度が655件1億3,700万円余、28年度が923件1億6,178万円余、29年度が850件1億3,606万円余となっており、一定の効果を上げているところでございます。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 富永周行議員。

○44番(富永周行) ケースワーカーの方のお仕事は、生活保護受給者の支援のためやっているとか、相談対応や家庭訪問を初めとして、日々激務に追われておられるという話も頻繁に耳にいたします。ケースワーカーの通常業務以外の取り組みによって、こういった不正受給を早期に発見できるということは、ケースワーカーの方の業務の負担軽減にも寄与するものでありますし、このような取り組みを拡充するとともに、効果的、効率的に推進していくことが求められていると考えます。

 先ほどの答弁によりますと、平成29年度における不正受給については約1,100件で、金額として約2億9,000万円であったことから、件数については約8割弱、金額においても約5割弱の不正受給が、課税情報と保護受給者からの収入の届け出内容の突き合わせなどの取り組みによって発覚しておりまして、これは大きな効果が出ているのではないかと思っております。

 次に、ケースワーカーが日々の通常業務において発見したものを除いても、本市の取り組みによって多くの不正受給が発覚していますが、不正受給が確認された場合、本市としては不正に受給された額を債権として適正に管理し、徴収していくことも重要であると考えます。

 そこで、本市ではどのように不正受給の徴収率向上に取り組んでいるのか、あわせて直近3年間の不正受給の徴収済み額と徴収率についてお示しください。

 

議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 不正受給となった保護費につきましては、平成29年度に返還金・徴収金の債権管理マニュアルを、また、30年度に不正受給者が亡くなった場合の相続人への請求手続を定めた事務処理マニュアルを整備しており、これらのマニュアルを活用しながら、保護受給者にはケースワーカーが徴収金の納付指導を行っております。また、生活保護が廃止となった者に対しては、平成29年度に3名配置し、30年度に5名体制とした債権管理適正化推進嘱託員が、催告や所在不明者の調査、相続関係調査などを実施し、徴収率の向上に取り組んでいるところでございます。

 次に、不正受給となった保護費の現年度分と過年度分を合わせた徴収済み額と徴収率でございますが、平成27年度が1億8,879万円余で17.8%、28年度が1億8,116万円余で15.5%、29年度が1億7,942万円余で14.9%となっております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 富永周行議員。

○44番(富永周行) 例年、1億8,000万円程度が徴収されているようでありますが、徴収率は2割にも満たず、年々低下しています。徴収率の低下は、この母数となる徴収されるべき金額がだんだん積み立てられますので、その滞納が年々膨らんでいることが主な原因であると思いますが、平成29年度より返還金・徴収金の債権管理マニュアルの整備と催告や所在調査などを実施する債権管理適正化推進嘱託員の配置、また、本年度、平成30年度より相続人の事務処理マニュアルを整備されたりと、債権管理の取り組みが拡充されているとのことでありまして、本年30年度よりその効果が期待できるものと考えています。特に債権管理適正化推進嘱託員については、平成29年度に3人、30年度に5人が配置されているようですが、徴収率向上にこれが効果が見込めるような場合でしたら、各区に最低1人ずつでも配置されるよう要望しておきます。

 不正受給に対しては、さまざまな取り組みが行われてはいますが、生活保護費が市民の税金で賄われている以上、不正受給は絶対に許されるものではなく、本市としてもその対策にしっかりと取り組んでいかなければならないと思いますが、今後どのように取り組んでいくのか、本市の決意を尋ねて、この質問を終わります。

 

議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 生活保護は全ての市民が安心して暮らすための最後のセーフティネットであり、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、保護受給世帯の自立を助長する制度でございます。また、市民の皆様の生活保護制度に対する信頼と理解が得られることが重要であり、適正な運用に努めるとともに、不正は徹底的に排除していく必要があると考えております。このため、今後とも、真に生活に困窮する方には必要な保護と効果的な自立のための支援を行うとともに、不正の未然防止や早期発見、不正受給となった保護費の徴収にしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 富永周行議員。

○44番(富永周行) ありがとうございます。よろしくお願いします。

 では次に、市長選挙における啓発事業についてお尋ねいたします。去る1118日に投開票が行われた福岡市長選挙の啓発について質問いたします。

 今回の市長選挙においては、島市長が3選を果たして当選されたものの、投票率においては、過去の市長選挙の中でも最低、前回の市長選挙と比較しても、約7.3ポイント減の31.42%でありました。候補者が2人のみと少なかったことなどが要因であると思いますが、唯一の本市独自の選挙であり、市民のトップを決める選挙であることを考えると、やはり寂しい数字だと思います。

 国政選挙や統一地方選挙においては、国や県による選挙啓発が大部分を占めるので、基本的には4年に1度のこの市長選挙が本市選挙管理委員会単独の啓発事業となり、その活動が市民を投票行動につながらせる必要があると考えています。今回の市長選挙においては、期日前投票所の増設など、投票日に規定の投票所に行けない有権者などへの投票環境の向上にも取り組んでおられましたが、今回の質問におきましては、特に市長選挙の啓発事業についてお尋ねいたします。

 最初に、平成22年、平成26年、また今回、平成30年の市長選挙における啓発費の推移をお示しください。あわせて今回、平成30年の市長選挙における啓発にかかった費用の内訳をお示しください。

 

議長(川上晋平) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 過去3回の市長選挙の決算額につきましては、平成22年が約5,612万円、26年が約5,047万円、30年が5,000万円程度となっております。

 今回の市長選挙の啓発費の内訳ですが、ウルトラマンを活用したテレビCMやポスター、のぼり、横断幕などの作成、街頭ビジョンやウエブ、コンビニなどでの広報、また、地下鉄や西鉄電車、バス、JR駅構内などにおける広告、さらには街頭啓発やイベント等で使用するティッシュなどの啓発物の作成その他の合計で約2,700万円、テレビでのCM放映が1,000万円、若者への啓発の一環として、大学の期日前投票所の設置などで約656万円、SNSを活用した動画関係で約150万円などでございます。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 富永周行議員。

○44番(富永周行) 過去3回の市長選挙においての啓発費用を見てみますと、約5,000万円から5,600万円で推移していまして、年々減少傾向にあるとは言いますが、それでも決して安い費用とは言えませんので、投票率向上につながる啓発費として活用していただきたいと思っております。

 今回の市長選挙の啓発にかかった費用の内訳もお尋ねしましたが、国民的なヒーローキャラクターであるウルトラマンをイメージキャラクターとして採用し、テレビCMやポスターなどでも見かけ、また、福岡三越ライオン広場における街頭啓発で、ウルトラマンが子どもたちや御家族の方々などと記念撮影をする報道も目にしましたが、このウルトラマンをイメージキャラクターとした啓発事業に合計事業費約3,700万円が使われていることから、投票行動に結びつけることが重要であり、また、この効果などについても検証していく必要があると考えています。

 そこで、今回の市長選挙の啓発費約5,000万円のうち、合計事業費約3,700万円を要したウルトラマンを活用したこの啓発事業について、どのような選挙管理委員会の目的があったのか、また、この事業は民間事業者からアイデアを募った中から採用されたものであるとお聞きしていますが、ウルトラマンによる啓発事業が採用された経緯や審査基準及び理由についてお尋ねいたします。

 

議長(川上晋平) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) ウルトラマンを活用した啓発事業につきましては、福岡市政を託す市長を選ぶという重要な選挙を有権者に広く周知し、投票意欲を促進させることを目的に、幅広い世代を対象とした啓発を行うこととし、その目的を達成できる企画を民間事業者から募集いたしました。

 審査基準は、有権者に市長選挙を広く周知できる内容か、有権者が市長選挙へ関心を持ち、投票意欲を促進する内容か、広報ツールは多くの有権者が好感を持ち、目を引く魅力的なデザインとなっているかなどでございます。それらの視点から、ポスターだけでなく、のぼりや啓発物資、さらには全世帯に配布する、せんきょかわら版などにも幅広くウルトラマンが登場し、投票を呼びかける今回の企画が最も評価が高かったため、採用したものでございます。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 富永周行議員。

○44番(富永周行) 確かにウルトラマンはあらゆる世代に親しまれ、また、知名度も高いことは承知しているんですが、ウルトラマンの起用が悪かったとは言い切れませんが、市民の方からは、市長を選ぶ大事な選挙のイメージキャラクターとしてはいかがなものかという厳しい声も聞かれていました。また、いかなる啓発事業においても、投票行動につながる啓発の効果というのは見えにくいとは思うんですけど、この事業には合わせて3,700万円もの費用がかかっていますので、市民の声や他都市の啓発事業等も研究して、投票率の向上につながる事業であってほしいと望みます。

 では、あわせて今回の市長選挙の啓発事業において、若者の投票率向上を目的として幾つか取り組まれていますが、そのうち、選挙に行くための筋力トレーニング動画による啓発事業についてお尋ねいたします。

 この動画は本市のツイッターで公開され、報道やSNS上での拡散などで全国的にも話題となり、再生回数は10日間で約30万回以上であったとされています。

 そこで、ウルトラマンによる啓発事業同様、この動画による啓発事業について、どのような選挙管理委員会の目的があったのか、また、この事業は公募の中から採用されたものであるとお聞きしていますが、筋トレ動画による啓発事業が採用された経緯や審査基準、理由についてお尋ねいたします。

 

議長(川上晋平) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 投票前トレーニング動画による啓発事業につきましては、過去の選挙で投票率の低かった若年層の有権者に対し、より積極的に啓発を行っていく必要があると考え、若年層を対象にSNSを活用した啓発を行うこととしたもので、その目的を達成できる企画を民間から公募いたしました。

 審査基準は、若年層の有権者の福岡市長選挙への投票意欲を促進する内容か、若年層の有権者の興味、関心を引くものか、動画の拡散は期待できるかなどでございます。それらの視点から、最も評価の高かった投票前トレーニングの企画を採用したものでございます。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 富永周行議員。

○44番(富永周行) これはSNSを活用したものなので、全国どこでも視聴可能であったことから、30万回の再生の中で福岡市民がどの程度見たのかということを調査することは不可能でありますけど、果たしてこの動画が実際の若者の投票率にどのように反映されたのかというのは疑問が残ります。確かに、これまでにない発想の啓発でありましたし、動画自体は興味を引くもので、おもしろいと言われる市民の声もありましたが、反面、意図がわからない、選挙と結びつけることができないといった不満の声も聞かれたのも事実です。

 ウルトラマンについても、筋トレ動画についても、福岡市のトップを決める大事な市長選挙にふさわしかったのかどうかは市民の意見も分かれるところであると思いますけど、今後はしっかりと検証していただき、市長選挙にふさわしい、市民にとって重要な選挙であるということを認識させる啓発に取り組んでいただきたいと思います。

 この筋トレ動画による啓発事業は、若者の投票率向上の目的があったとしていますが、今回の市長選挙における全体の投票率を改めて確認させていただくとともに、18歳、19歳、20歳代のそれぞれの投票率をお示しください。

 

議長(川上晋平) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 今回の市長選挙の投票率につきましては、全体が31.42%、18歳は35.66%、19歳は17.61%、20歳代は15.23%となっております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 富永周行議員。

○44番(富永周行) では、直近の衆議院議員選挙における全体の投票率とあわせて、18歳、19歳、20歳代のそれぞれの投票率をお示しください。

 

議長(川上晋平) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 昨年10月に行われました衆議院議員総選挙の投票率につきましては、全体が51.67%、18歳が50.55%、19歳が33.94%、20歳代が28.84%となっております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 富永周行議員。

○44番(富永周行) 直近の衆議院議員選挙の投票率と比べたら、全体も落ちるんですが、この若者の投票率も落ちています。国政選挙と比較するのも、一概には比較できないんですが、では、2つの啓発活動にはどのような効果があり、また、どのような課題があったと考えているのか、お尋ねいたします。

 

議長(川上晋平) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) ウルトラマン及び投票前トレーニングの動画による啓発事業につきましては、これらの取り組みがテレビや新聞等で繰り返し報道されたことなどから、短い期間で市長選挙について有権者に周知を図るという観点からは効果があったのではないかと考えております。しかしながら、結果として投票率の向上にまでつながらなかったという点においては、今後、検討すべき課題であると考えております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 富永周行議員。

○44番(富永周行) 今回の市長選挙は、両候補者、両陣営とも、本当に死に物狂いで活動されている中、僕にはどうしてもウルトラマンとか筋トレといったものが少し軽い啓発だったなというのを思ってしまいました。これからも投票率の向上というのはもちろんなんですが、これもまた何度も言いますけど、市長選挙がいかに福岡市にとって重要であるかということを改めて認識させるように取り組んでいただくよう要望しておきます。

 最後に、今後の投票率向上に向けた取り組み方や考え方を尋ねて、質問を終わります。

 

議長(川上晋平) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 投票率が低下傾向にある現状を真摯に受けとめ、今後の投票率向上に向けて、日ごろから出前授業などにより選挙の重要性を認識していただけるような啓発に努めますとともに、選挙時におきましては、投票環境のさらなる向上やより効果的な啓発手法を検討し、取り組んでまいります。以上でございます。

 

議長(川上晋平) この際、休憩し、午後3時45分に再開いたします。

午後3時32分 休憩  

午後3時45分 開議  

副議長(石田正明) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。飯盛利康議員。

○19番(飯盛利康)登壇 私は自民党新福岡を代表して、選挙事務の改善について質問をいたします。

 近年、各種選挙の投票率が低下していることは皆さんも御存じのことと思います。そのため、これまでも多くの方が投票率向上について、この議場で質問してこられました。しかし、残念なことに今回の市長選の投票率は31.42%となり、過去最低となりました。年が明けますと、春には統一地方選挙、夏には参議院議員通常選挙が予定されています。選挙は民主主義の根幹をなすもので、その根幹をなす選挙において歯どめがかからない投票率の低下は大変憂慮される事態であると思っております。私は政治や選挙を有権者の方々に、より身近なものとして関心を持ってもらうためには、まずは議会や私たち議員の常々の努力が必要であると思っております。その上で選挙管理委員会などの関係機関が一丸となって対策を講じなければならず、もっと検討、対策できることがあったのではないかと思い、今回、選挙事務の改善について質問させていただくこととしました。

 まず初めに、これまでの議会での投票率向上について直近の質疑を振り返ってみますと、18歳選挙権を実現する改正公職選挙法が公布された平成27年6月と9月の議会において質疑がなされております。その中身を見てみますと、期日前投票所の増設について議論されており、その設置に当たっては本人確認や二重投票防止のための投票システムの導入が必要であり、データ管理やセキュリティー確保のため、受け付けするパソコンと市役所本庁舎に設置している投票システムのサーバーを結ぶための専用回線が必要であること。また、選挙管理委員会事務局の職員は、選挙をミスなく確実に行うための準備など、日々の事務処理に追われており、現在の区役所及び市役所1階ロビーでの期日前投票所の運営要員を確保することに大変苦労し、新たな要員を割くのは大変困難であり、期日前投票所の増設は現時点では慎重にならざるを得ないとされております。

 そこでお尋ねいたしますが、期日前投票所の設置費用の概算金額及びそのうち期日前投票所を設置するに当たり必要な専用回線の整備費用の概算金額についてお伺いいたします。

 これで1問目の質問を終わり、2問目以降は自席にて質問させていただきます。

 

副議長(石田正明) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 期日前投票所を初めて設置する場合の概算費用につきましては、それぞれの施設の通信環境などの状況により異なりますが、人件費を除いて約520万円ほどでございます。そのうち専用回線の整備に係る概算費用は約280万円でございます。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 飯盛利康議員。

○19番(飯盛利康) 次に、回線整備費用約280万円とのことでありますが、何をして280万円なのか、280万円の内容をお尋ねいたします。

 

副議長(石田正明) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 回線整備費用約280万円の内容でございますが、初めて期日前投票所を設置する施設に、有線の専用回線をセーフティネットの確保も含め2回線設置する場合、ネットワーク構築に係る設計と検証作業に必要な経費が約210万円、施設での回線の設置に係る工事費が約70万円となっております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 飯盛利康議員。

○19番(飯盛利康) では、この280万円という整備費はいつの時点の算定結果なのでしょうか。また、毎年確認しているのか、お尋ねをいたします。

 

副議長(石田正明) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 先ほど答弁いたしました整備費用約280万円につきましては、博多区のさざんぴあ博多において期日前投票所の設置を検討するために平成30年4月に業者から見積もりを徴取したものでございます。また、整備費用は毎年確認しているのかとのお尋ねですが、期日前投票所の新規の設置を検討する場合に業者から見積もりを徴取しております。なお、今後、さざんぴあ博多と同様の通信環境が確保できる施設において、期日前投票所を設置する場合は、新たなネットワーク構築に係る設計が不要となるため、100万円程度費用が抑えられる見込みでございます。また、より安価な専用回線として、無線の活用も検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 飯盛利康議員。

○19番(飯盛利康) 平成27年9月の議会の答弁では、選挙人名簿は重要な個人情報であり、その流出を防止するため、一般のインターネット回線ではなく、物理的に独立した専用回線を使用しているとのことでしたが、今後は無線の活用を検討するとのことでございますので、これで少しは柔軟に期日前投票所に向けた検討が行われるのではないかというふうに期待をしたいと思います。

 期日前投票所設置に当たって、もう一つの論点、運営要員についても確認させていただきたいというふうに思います。過去の答弁を見ますと、運営要員の確保に大変苦労しており、期日前投票所の増設が困難とのことですが、運営要員の配置基準、そして根拠についてお尋ねをいたします。

 

副議長(石田正明) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 期日前投票所の運営要員は、法令により投票所において投票事務全般を管理執行する者として投票管理者が1人、その職務代理者が1人、投票事務の公平を確保するため投票事務全般に立ち会う者として投票立会人が2人、代理投票時に投票を補助する者として代理投票補助者が2人の合計6人が定められているほか、市長選挙のように1種類の選挙の場合、名簿対照係、投票用紙交付係、案内係、場内整理・投票箱監視係といった役割の人がそれぞれ1人以上必要となり、合わせて最低でも10人は必要となります。その上で実際の人員配置につきましては、期日前投票所ごとの実態に合わせて、必要人員を算定しております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 飯盛利康議員。

○19番(飯盛利康) 次に、現在の期日前投票所の1日当たりの人数、人員確保方法、金額についてお尋ねをいたします。

 

副議長(石田正明) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 期日前投票所に従事する1日当たりの人数につきましては、選挙の種類や投票の場所によって異なってまいりますが、東区のなみきスクエアの期日前投票所の場合、今回の市長選挙では1日平均で約1,340人、最大で2,000人を超える方が投票所に来られており、人員も多目に配置する必要がございました。このため、全体で20人を配置しており、そのうち2人は半日で交代しますので、実質19人を配置いたしております。また、平成31年春に予定されている統一地方選挙の場合は、3種類の選挙がございますので、なみきスクエアでは全体で25人、そのうち6人が半日で交代するため、実質22人程度の配置を想定しております。

 次に、市長選挙における20人の人員確保につきましては、投票管理者や庶務係として職員が5人、名簿対照係や案内係として派遣社員が13人、投票立会人としてシルバー人材センター登録者が2人従事しております。統一地方選挙の場合は職員が5人、派遣社員が18人、シルバー人材センター登録者が2人を想定しております。これらに係る人件費につきましては、職員は代休制度の利用と時間外勤務手当の支給で対応することになりますが、市長選挙の場合、投票立会人や派遣社員の分も含めまして、1日当たり約23万円でございます。また、3種類の選挙が行われる統一地方選挙の場合は約27万円を想定しております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 飯盛利康議員。

○19番(飯盛利康) 期日前投票所の設置に当たっては、回線整備費用などを含め約520万円、投票立会人や派遣社員などの人件費で約23万円、合計で1カ所当たり約550万円必要であること、これに加え職員が5人、その他派遣社員などが15人から20人必要とのことであります。派遣社員などは委託業者から人員を確保するはずですので、1カ所当たりの5人の職員を確保すればよいように私は思います。この5人は選挙事務に一定程度精通している必要があるかもしれません。しかし、数多くいる本市職員の中で、既に選挙事務に従事した方も多数いらっしゃると思います。その中で本当にこの5人を確保することが困難なのかわかりません。

 また、法で定められた役割の方以外に本市では名簿対照係や投票用紙交付係、案内係、場内整理・投票箱監視係といった役割の方を配置しているとのことでしたが、本当にそれぞれに1人が必要なのでしょうか。私は南区に住んでいますので、期日前投票で南区役所に行きました。すると、投票所までの案内として通路に誘導テープか設置された上に通路の角、角に案内の方が配置されていました。区役所の業務時間中でしたので、区役所の各職場の職員が、投票所はあちらですと、もしくは窓口の前に誘導の矢印でも立てておけば、あそこまで角、角に案内員の方は要らないのではないかというふうに感じました。

 あるいは電子投票システムを入れることも考えられると思います。この電子投票システムは平成14年に解禁され、平成16年までに10市町村が導入したものの、これはコストがかかり過ぎるという問題があり、今は利用している都市はないようであります。しかし、昨今のICT技術の進展は早く、また、国においても、投票環境の向上方策等に関する研究会が設置され検討が進んでいるようで、ICT技術の活用による効率化はいろいろな場面で考えられるというふうに思っております。

 そこでお尋ねいたしますが、投票所の人数について、これまで兼職やICT化による効率化を検討したことがあるのか、お尋ねをいたします。

 

副議長(石田正明) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 効率化の検討についてでございますが、当日投票所において、従来、地区別に分冊された紙の選挙人名簿で名簿対照を行っていたものを、平成23年の統一地方選挙からパソコンでの名簿対照に変更し、地区別の受付を廃止することで名簿対照係の配置人数を削減しております。そのほか、平成22年の参議院議員通常選挙から、これまで2人で行っていた投票用紙の交付作業を1人で行うなど、適宜見直しに取り組んでおります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 飯盛利康議員。

○19番(飯盛利康) パソコン導入による名簿対照事務の効率化、投票用紙交付事務の効率化には取り組んだとのことであります。多くの投票者が訪れる期日前投票所や当日投票所では、各役割の方を1人ずつ配置する必要があるかもしれませんが、小規模な当日投票所では兼職などにより、効率化が検討できるのではないかというふうに思います。

 では次に、今回の市長選含めた直近過去3回の市長選挙の投票率、期日前投票数の推移、直近過去3回の福岡市議会議員選挙の投票率、期日前投票数の推移についてお伺いをいたします。

 

副議長(石田正明) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 市長選挙及び市議会議員選挙に係る直近3回の投票率と期日前投票数でございますが、市長選挙は、投票率が平成2243.67%、2638.73%、3031.42%、期日前投票数が平成22年8万4,348人、26年8万8,743人、3011187人でございます。

 また、市議会議員選挙につきましては、投票率が平成1949.94%、2342.96%、2740.81%、期日前投票数が平成19年8万4,933人、23年9万6,143人、27112,247人となっております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 飯盛利康議員。

○19番(飯盛利康) 投票率は市長選も市議選もともに下落傾向ですが、期日前投票数は逆に上昇傾向にあるようです。

 では、期日前投票所設置による効果についてお尋ねをいたします。

 

副議長(石田正明) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 期日前投票所設置による効果につきましては、総務省の投票環境の向上方策等に関する研究会において、期日前投票における取り組みがなければ、全体の投票率はさらに減少したかもしれないという見解が示されております。また、近年、投票率が低下傾向にある中で、期日前投票数は着実にふえていることから、有権者の利便性向上に寄与しているものと考えております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 飯盛利康議員。

○19番(飯盛利康) 次に、これまで投票率は下落傾向に歯どめがかかっていませんが、投票率向上に向けて各区選挙管理委員から期日前投票所や当日投票所増設の意見があったのか、なかったのか、あった場合はその対応についてお尋ねをいたします。

 

副議長(石田正明) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 各区の選挙管理委員からの御意見とその対応につきましては、博多区において平成29年に期日前投票所の増設の御意見があり、検討した結果、さざんぴあ博多に設置することを決定し、今回の市長選挙から開設いたしております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 飯盛利康議員。

○19番(飯盛利康) 平成27年の議会での質疑では、期日前投票所の設置は慎重にならざるを得ないとのことでしたが、今、御答弁いただきましたとおり、29年になみきスクエアに、30年にさざんぴあ博多に期日前投票所を設置しています。また、期日前投票数も11万人を超え、多くの投票行動に結びついていると思います。この結果から見ても、期日前投票所は投票率向上に非常に有効だと思うのですが、今後も期日前投票所増設に向けた検討を行うつもりがあるのか、お尋ねをいたします。

 

副議長(石田正明) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 期日前投票所の充実は、投票率向上や有権者の利便性向上の観点から大変重要であると考えており、交通利便性や駐車場の有無、既存の期日前投票所との位置関係やバランスが適切であり、衆議院の解散といった急な選挙においても安定的に設置できる施設があれば、今後とも、増設について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 飯盛利康議員。

○19番(飯盛利康) 次に、選挙広報について確認してまいります。

 平成27年6月議会の質疑において、選挙啓発のためのポスターやテレビCMなどの広報は、少なくとも投票日の周知、投票に行こうという動機づけなどの面で啓発活動には一定の効果があったものと理解していると答弁なされております。今もなお、その認識に変わりがないのか、お尋ねをいたします。

 

副議長(石田正明) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 選挙時にポスターやテレビCMなどを活用して広報を行うことは、投票率向上に向けた投票日の周知や動機づけなどの面で有効な手法の一つであると考えており、過去の議会答弁における認識に変わりはございません。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 飯盛利康議員。

○19番(飯盛利康) 私はこの一定のというのがよくわからないのですが、一定の効果とはどのような考え方、根拠なのか、お伺いいたします。

 

副議長(石田正明) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) ポスターやテレビCMを活用した選挙広報につきましては、市政アンケート調査において、選挙の際に気づいた広報や効果的だと思う広報は何かとの質問に対して、ポスターやテレビCMとの回答が多くなっていることなどから、一定の効果があるものと考えております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 飯盛利康議員。

○19番(飯盛利康) では、ポスターやテレビCMなどを活用した広報が有効だと判断している市政アンケートについてですが、時間の関係で1問飛ばして、次の設問に行きます。

 市政アンケートの結果、これまでの投票状況で、いつも投票している、大体投票しているという割合は何%だったか、また、この市政アンケートの直近の選挙である昨年の衆議院議員小選挙区の投票率についてお伺いをいたします。

 

副議長(石田正明) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 平成29年度の市政アンケート調査において、これまでの選挙でどの程度投票していますかという質問に対して、いつも投票しているが53.3%、大体投票しているは27.5%でございます。また、平成2910月執行の衆議院議員総選挙における小選挙区の投票率は51.67%でございます。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 飯盛利康議員。

○19番(飯盛利康) では、前回の市長選があった平成26年の市政アンケートの結果、これまでの投票状況でいつも投票している、大体投票しているという割合はどの程度だったのか、また、平成26年の市長選の投票率を改めてお伺いいたします。

 

副議長(石田正明) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 平成26年度の市政アンケート調査では、いつも投票しているが52.0%、大体投票しているは25.1%でございます。また、平成2611月執行の市長選挙の投票率は38.73%でございます。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 飯盛利康議員。

○19番(飯盛利康) 市政アンケートでは、いつも投票している、大体投票しているという割合は合計するとおよそ80%にも上ります。しかし、実際の投票率は国政選挙で約50%、市長選に至っては前回約40%、今回30%となっており、実際の投票率とかけ離れているように思います。市政アンケートそのものが悪いというふうには考えておりません。アンケートのやり方を含めて、そのアンケートが問題であるという意味ではありません。しかしながら、アンケートの結果と実際の投票率が異なっていることを踏まえ、施策の検討を行うに当たり、もっと多くの方の意見を聞くように工夫すべきだったのではないか。または知りたい情報、もしくはターゲットの設定などをきちんと精査した上で意見収集すべきではないか。また、選挙管理委員会事務局として、今までやっている、これまで同じことをやっているといった盲目的、慣例的行動ではないのかというふうに疑問を感じてしまいます。

 次に、29年の市政アンケートでは、全く投票していない、あるいは余り投票していないが約20%のようですが、これらの方が投票していない理由、上位3つをお尋ねいたします。

 

副議長(石田正明) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 平成29年度の市政アンケート調査におきまして、全く投票していない、あるいは余り投票していないと回答した方の理由につきましては、1位が適当な候補者がいないから、2位が候補者に関する情報がわからないから、3位が仕事などが忙しく時間がないからでございます。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 飯盛利康議員。

○19番(飯盛利康) 選挙に行っていない方の理由の大部分は、選挙がいつあるかではなく、立候補者に関する情報がわからない、あるいは忙しくて時間がないとのことです。時間の関係で1問飛ばします。

 次に、今回の市長選における広報の取り組み内容とその予算についてお伺いしようと思いましたが、先ほど福岡維新の会の富永議員より同じ質問がありましたので、ここは割愛をさせていただきたいと思います。全体で合わせて約5,000万円の広報費がかかったということでございます。

 では、今回話題になった投票前トレーニングの、いわゆる筋肉動画について、この動画のターゲットとした年代はどこだったのか、また、その結果の投票率についてお尋ねをしようと思いましたが、先ほどの福岡維新の会富永議員と同じ質問になりますので、割愛をさせていただきたいというふうに思います。20代の投票率が15.23%だったということでございます。18歳から20歳代をターゲットにした広報を行ったが、結果、20歳代は15.23%の投票率だった。これは非常に厳しい結果だと思っております。この結果を重く受けとめなければいけないというふうにも思っております。

 では、選挙広報が投票率向上に寄与したのか、費用対効果をどのように検証しているのか、お尋ねをいたします。

 

副議長(石田正明) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 投票率につきましては、選挙の争点や当日の天候などさまざまな要因が総合的に影響するものと考えられますので、選挙広報との関係性を一概に申し上げることは困難であると思われますが、今回、若者向け啓発動画の再生回数が30万回を超えたことや、ウルトラマンの活用も含め、これらの取り組みがテレビや新聞等で繰り返し報道されたことなどから、短い期間で市長選挙について有権者に周知を図るという観点からは効果があったのではないかと考えております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 飯盛利康議員。

○19番(飯盛利康) 確かに筋肉動画は再生回数が30万回を超え、ウルトラマンの活用を含め、テレビや新聞などで繰り返し報道もされて、いわゆる宣伝効果としては私はすばらしい結果であったというふうに思っております。しかし、選挙広報は選挙を知ってもらい、投票率向上に結びつかないといけない、そこが難しいところであると思います。また、答弁にありましたとおり、選挙の争点や当日の天候あるいは私たち議員のふだんの活動も多分に影響しているとも思っております。また、市政アンケートでも若い世代の投票率が低いこともわかっており、今回の市長選においても、29歳までの投票率が非常に低いのも事実であります。先ほども私が言いましたとおり、市政アンケートでは選挙に行っていない人は選挙日を知らなかったというわけではなく、立候補者に関する情報がわからない、あるいは忙しくて時間がないが主な理由であるということが明白であります。

 では、市政アンケート調査結果を踏まえ、投票率向上に向けてこれまでどのような改善に取り組んできたのか、お尋ねをいたします。

 

副議長(石田正明) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 市政アンケート調査結果を踏まえての取り組みにつきましては、若者の投票率が低いことへの対策として、高校生を対象とした出前授業を平成27年度から開始したほか、今回の市長選挙では大学への期日前投票所の設置やSNSを活用した情報発信などの取り組みを行っております。そのほか、市政アンケートの結果だけではございませんが、投票環境向上のため、市役所、東区のなみきスクエア、博多区のさざんぴあ博多に期日前投票所を増設してきたところでございます。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 飯盛利康議員。

○19番(飯盛利康) ぜひ今回の市長選挙における投票率向上に向けた取り組みの実績と効果を分析し、次の選挙につなげていただきたいと心からお願いしたいというふうに思います。

 これまで選挙事務の改善について質問させていただきました。今回の質問で、期日前投票所の設置について無線の活用を含め、回線整備費を安く抑える検討を行うとのことでした。また、今回の市長選での広報予算は約5,000万円とのことでした。この約1割の予算で期日前投票所の設置ができるかもしれません。また、先ほどの答弁にもありましたが、安定的に設置できる施設があればというお答えをいただいております。これは例えばですが、福岡市役所の1階もそうです。ですが、例えば、天神の地下街でやるというのも大きな投票所開設のメリットがあるのではないかというふうに個人的に思っております。選挙広報も非常に重要ですので、簡単にはいかないかもしれませんが、ぜひ期日前投票所の設置について前向きに御検討いただきますよう強く要望いたします。

 また、運営要員の確保についてですが、法の定めなどにより、さまざまな役割の方が期日前投票所に必要であり、なみきスクエアでは今回の市長選挙で20人の人員を配置しているとのことでございました。一方で、これは当日投票所の話になりますが、地域の方に伺うと、本当にこんな人数が要るのかというお話も同時に他方で聞きます。選挙事務の適正かつ円滑な執行のために、少し余裕を持って配置しているかもしれませんが、期日前投票所のみならず、当日投票所も含めて各役割の人員が本当にその人数必要なのかは改めて現場の声を聞いた上でICTなどの導入を含め、新しい体制について検証することも必要だというふうに思っております。ぜひ効率的な選挙事務の体制について御検討いただきますよう、あわせて要望いたします。

 最後に、選挙の投票率向上に向けた施策の検討のために、市政アンケートを活用しているとのことでしたが、本当にそれだけでいいのでしょうか。もっと多くの市民、有権者の声を聞く手段を考えたほうがいいのではないでしょうか。そこで、私からの提案になるのですが、例えば、期日前投票所や当日投票所の一部において、投票された方に出口で年齢、性別、投票に行った理由についてアンケート調査を行うことはできないでしょうか。それも各投票所にいる人員体制でできる方法を考えればよいというふうに思っております。あるいは入場整理券、すなわちはがきに今回投票に行った理由についてのアンケートを入れることも一つの手法だと思っております。さらには高校や大学に協力をお願いしてアンケート調査をすることもできるのではないでしょうか。このような取り組みを行うことでリアルなデータが収集でき、根拠に基づいた投票率向上に向けた施策が検討、立案できると思います。4月にはまた選挙があります。残された時間はわずかですが、不断の努力で取り組んでいただくことを要望し、私の質問を終わります。

 

副議長(石田正明) 橋田和義議員。

○36番(橋田和義)登壇 私は、受動喫煙対策について質問します。

 たばこを吸う方、吸わない方双方が快適に過ごすための分煙されたまちづくりを早急に進めていくべきですが、実際はその整備がまだ進んでおらず、受動喫煙による市民からの相談はふえる一方です。

 そこでまず、受動喫煙が体に及ぼす影響、また、その被害状況についてお答えください。

 以上で1問目を終わり、2問目から自席にて質問します。

 

副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 受動喫煙が体に及ぼす影響につきましては、厚生労働省によりますと、肺がんや脳卒中、虚血性心疾患、乳幼児突然死症候群などの病気のリスクが高くなることが指摘されております。たばこの煙には発がん性物質などの有害物質を多く含んでいることから、喫煙者本人の健康を奪うだけでなく、家族や周囲の人にも健康被害をもたらします。また、受動喫煙を受けなければ、これらの疾患で亡くならずに済んだ方は国内で年間約1万5,000人と推計されております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 橋田和義議員。

○36番(橋田和義) このたび東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて健康増進法の一部が改正されましたが、たばこの分煙ルールがどのように変わったのか、そして、そのルールはいつまでに実施せねばならないのか、さらに分煙未対策の場所を把握しているのか、お答えください。

 

副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 2018年7月25日に公布された健康増進法の一部を改正する法律につきましては、望まない受動喫煙の防止を図るため、多数の者が利用する施設等の一定の場所を除き喫煙を禁止するとともに、施設管理者等への喫煙禁止場所での灰皿等の喫煙器具、設備等の設置禁止や喫煙施設への標識の掲示などを義務づけるものでございます。施設類型ごとのルールにつきましては、学校、病院、児童福祉施設等、市本庁舎などの行政機関等は敷地内禁煙で受動喫煙を防止するための必要な措置がとられた屋外での喫煙場所の設置は可能となっております。

 次に、飲食店、事務所など多数の者が利用する施設や鉄道、船舶は原則屋内禁煙で、例外措置として喫煙専用室の設置は可能であり、また、既存の飲食店のうち資本金5,000万円以下かつ客席面積100平方メートル以下の経営規模の小さな飲食店は標識掲示により喫煙可能となっております。

 また、施行期日につきましては、2019年夏ごろに学校や病院、児童福祉施設等、市本庁舎などの行政機関といった、いわゆる第一種施設で一部施行し、2020年4月1日から全面施行となっております。

 なお、福岡市における分煙対策の状況につきましては、屋外分煙施設や屋内の喫煙専用室などの基準を定めた国のガイドラインが示されていないため、対策の基準に合致しているかどうかは現時点では判断できないところでございます。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 橋田和義議員。

○36番(橋田和義) お答えいただいたように、第一種施設や行政機関においては、先行して来年の夏ごろをめどに法律が施行されるとのことです。

 そこで、市有施設において、国が定める分煙施設の整備を進めている具体的な案件はあるのか、また、国からの財政措置は受けられるのか、お答えください。

 

副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 健康増進法改正法では市有施設における屋外喫煙場所の設置等の受動喫煙対策につきましては、各施設の管理者が実施することとなっております。本庁舎や区役所などにおいて、既に屋外分煙施設の整備を進めておりますが、今後、国が策定するガイドラインによっては、さらなる対策が必要となります。また、国の地方財政措置につきましては、学校や病院、児童福祉施設等、市本庁舎などの行政機関といった、いわゆる第一種施設への設置は対象外とされております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 橋田和義議員。

○36番(橋田和義) ここで市有施設における課題を幾つか例に挙げます。(パネル表示)まず、この中央区役所の喫煙スペースですが、このように駐輪場のすぐそばに喫煙場所がありまして、市民からは、たばこの煙が気になると相談が寄せられています。お答えいただいたように、今後の国の方針次第ではありますが、取り急ぎ喫煙場所の変更、もしくはこの柵ではなく、パーティションで囲うなど、煙の影響が出ないような工夫を検討いただくよう要望します。

 次に、レベルファイブスタジアムですが、サッカーの試合の際には2階のメーンゲートに向かう階段横に喫煙所が設置されていますので、ホームスタンドに向かう通行人にもろに煙が当たります。ラグビーワールドカップの開催も見据え、何らかの措置が必要と思いますが、いかがでしょうか。

 

副議長(石田正明) 石橋住宅都市局長。

住宅都市局長(石橋正信) メーンスタンド2階入り口付近には、議員御指摘の場所などに試合の主催者が喫煙場所を2カ所程度設置いたしております。福岡市といたしましても、分煙対策は必要と考えており、試合の主催者と協議の上、適切な設置場所等について検討してまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 橋田和義議員。

○36番(橋田和義) 屋内における禁煙が進めば、屋外でたばこを吸う人が必然的に増加します。

 そこで、多くの方が利用する公園内における対策が急務でありますが、例えば、天神のど真ん中にある警固公園では1日にどれくらいの人がたばこを吸いに訪れているのでしょうか。あわせて、警固公園における分煙対策についてお示しください。

 

副議長(石田正明) 石橋住宅都市局長。

住宅都市局長(石橋正信) 喫煙場所の利用人数は、職員の目視確認による大まかなものでございますが、土日祝日は多い時間帯で1時間当たり300人程度、平日はその半数程度と認識いたしております。現在、実施している分煙対策といたしましては、公園のいろいろな場所で喫煙してしまうことを防止するために、灰皿の設置場所を1カ所に集めるとともに、そこで喫煙していただくよう職員が巡回時に声かけなどを行っております。また、日本たばこ産業株式会社の御協力を得て、毎月1回週末に、灰皿の場所に、側面に幕があるテントを設置いたしております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 橋田和義議員。

○36番(橋田和義) このように(パネル表示)警固公園では1カ所だけ喫煙スペースが設けられていますけれども、実は遊具から近いところにありまして、(パネル表示)これが喫煙スペースの場所でして、遊具はこの距離ということです。小さな子どもを遊ばせている親御さんから、たばこの煙はどうにかならないかという相談が私のところにもたびたび寄せられています。灰皿が置いてある場所で吸えばそう問題はないのですが、少し離れたところで吸われますと、煙が公園まで届いてしまいます。受動喫煙による健康影響が大きい子どもに対しては、特に配慮すべきではないでしょうか。喫煙スペースから離れて吸わせないようにパーティションをするといった工夫や、影響が及ばない他の場所にも喫煙スペースをつくるべきかと思いますが、御所見をお伺いします。

 

副議長(石田正明) 石橋住宅都市局長。

住宅都市局長(石橋正信) 現在、公園内の利用動線調査結果に基づきまして、最も人通りの少ない場所に灰皿を設置いたしておりますが、利用者が多い公園でございますので、他の場所に新たに喫煙スペースを設置することには難しい面がございます。議員おただしの状況を改善するために、決められた場所で喫煙していただくための区域の明示や誘導案内などについて検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 橋田和義議員。

○36番(橋田和義) ここで先日訪問した東京都港区の事例をパネルで御紹介します。(パネル表示)港区では、みなとタバコルールという条例に基づきまして、屋外における喫煙は指定場所以外全て禁止となっています。そして、指定喫煙場所をこのような(パネル表示)喫煙マップというんですけれども、示しておりますけれども、この中には民間の指定喫煙所も含め、61カ所もあります。

そして、これは(パネル表示)新橋駅前のSL広場での指定喫煙場所です。このようにきっちりとパーティションを組んである、そしてまた、植栽を使った仕切りで喫煙所をつくっていますけれども、非常によくできております。そして、これが(パネル表示)同じ港区の桜田公園です。こちらも公園の雰囲気にマッチしたように木目調のパーティションをつくっております。さらに、足元は(パネル表示)ボルトで固定しているために、ただパーティションを移動したい場合などには容易に移動することができるという工夫がされております。今回、あちこちの喫煙所を見てきましたが、いずれも一目で喫煙場所がわかる上に多言語表記もされていて、皆さんきちんとルールを守って喫煙をされているようでした。

 来年はラグビーワールドカップが開催され、諸外国から多くの外国人が来日されます。外国のほとんどが屋内は禁煙、屋外では喫煙フリーであることからも、来日された際、屋外だとところ構わず喫煙される懸念が大いにあります。したがって、この港区のように、屋外の適所にきちんと整備された喫煙場所を設置することや、喫煙場所を示す外国語表記のサイン等の充実が必要かと思われます。先ほど区役所や公園の課題を例に挙げましたけれども、これから整備を進めていく上で港区のこの事例をぜひ参考にしていただくよう要望します。また、健康増進法の改正により、最も影響があるのは飲食店です。

 そこで、飲食店における喫煙ルールはどのように変わり、いつまでに施行しなくてはならないのでしょうか。

 

副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 飲食店における喫煙ルールにつきましては、原則、屋内禁煙で例外措置として、喫煙専用室の設置は可能であり、また、既存の飲食店のうち資本金5,000万円以下かつ客席面積100平方メートル以下の経営規模の小さい飲食店は、標識掲示により喫煙可能となっております。また、喫煙禁止場所における喫煙の禁止や灰皿等の喫煙器具、設備等の設置禁止、喫煙施設への標識の掲示、喫煙室内へ20歳未満の者を立ち入らせないことなどの義務が課せられております。なお、施行期日は2020年4月1日となっております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 橋田和義議員。

○36番(橋田和義) では、この喫煙ルールを守らなかった飲食店の罰則についてはどうなるんでしょうか。

 

副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 飲食店における義務違反者への罰則につきましては、義務に違反した場合、まずは指導を行うことにより対応し、指導に従わない場合は義務違反の内容に応じて勧告、命令等を行い、改善が見られない場合、最大50万円の過料を科すこととなっております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 橋田和義議員。

○36番(橋田和義) 飲食店が受動喫煙対策を講じた場合、国からの財政措置は受けられるのでしょうか。さらに、地方自治体が行うべき支援について国からどのような指示が出ているのか、お答えください。

 

副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 飲食店への国の財政措置につきましては、飲食店等における中小企業の事業主等が行う受動喫煙対策として一定の基準を満たす喫煙専用室等の整備に対し、その費用の一部助成が既に実施されております。また、健康増進法改正法において、国及び地方公共団体の責務として、望まない受動喫煙が生じないよう受動喫煙に関する知識の普及、受動喫煙の防止に関する意識の啓発、受動喫煙の防止に必要な環境の整備、その他の受動喫煙を防止するための措置を総合的かつ効果的に推進するよう努めなければならないと規定されております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 橋田和義議員。

○36番(橋田和義) 2020年4月の全面施行まであと2年足らずしかありません。全ての飲食店ができる限りの受動喫煙対策を講じることができるよう本市としても積極的に支援すべきと考えます。 さらに、短期間の中で環境整備を推進していくには丁寧な説明と賛同がなければ反感を抱えたまま進むことになりますし、何よりも大切なのは、このような動きがあっている事実を全ての飲食店に通達することです。聞いていなかったということがないよう周知、啓発が重要と思われますが、どのようにお考えでしょうか。

 

副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 飲食店への法改正の周知、啓発につきましては、受動喫煙による健康影響等に関するリーフレット等の作成、配布や、シンポジウム等の開催、市政だよりや関係団体等を通じた新制度や国の助成制度の周知などを行い、啓発にしっかり努めてまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 橋田和義議員。

○36番(橋田和義) 関係団体に加盟している飲食店は全体の約20%と聞いています。全ての飲食店にどう周知徹底するかは非常に重要な課題であると重ねて意見を申し述べておきます。

 ところで、最近利用者がふえている加熱式たばこについては、WHOの見解においても有害物質が軽減されていると報告があり、イギリス、ロシア、ドイツなどでは規制対象外としています。一方、日本においては、受動喫煙のリスクについて科学的根拠は十分でないとされていることからも、通常のたばこと同等の扱いとなっています。各たばこメーカーも加熱式たばこにおいては品質の向上に努力をしていて、エビデンスも新聞等で公表されていますが、本市として把握はされているのでしょうか。

 

副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 加熱式たばこに関する現時点での科学的知見につきましては、厚生労働省によりますと、加熱式たばこの主流煙には紙巻きたばこと同程度のニコチンを含む製品もある、加熱式たばこの主流煙に含まれる主要な発がん性物質の含有量は紙巻きたばこに比べれば少ない、加熱式たばこ喫煙時の室内におけるニコチン濃度は紙巻きたばこに比べれば低いとされております。引き続き、国において科学的知見の蓄積を行うとされており、福岡市としても国の動向を注視してまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 橋田和義議員。

○36番(橋田和義) 受動喫煙対策を進める上でバリエーションを広げる可能性があると認識しています。ぜひ今後、注視していただくようお願いいたします。

 一方、たばこ税については年間約123億円もの税収があり、本市にとって非常に大きな財源となっているのは事実です。そして、喫煙者に対しても喫煙する権利が存在することも忘れてはなりません。しかしながら、それは望まない受動喫煙を防止することが大前提であります。準備期間が限られていることからも、本市らしく官民が連携して分煙が徹底された健康なまちづくりを進めていってほしいと切に思います。

 最後に、受動喫煙対策に向けての島市長の決意をお伺いし、私の質問を終わります。

 

副議長(石田正明) 島市長。

市長(島宗一郎) 受動喫煙が健康に及ぼす影響は大きく、肺がん、脳卒中、心筋梗塞の発症との関連など、健康に悪影響を及ぼすことが科学的に明らかにされておりまして、福岡市におきましても受動喫煙の防止は大変重要であるというふうに考えています。受動喫煙防止対策につきましては、望まない受動喫煙をなくす、受動喫煙による健康影響が大きい子ども、患者などに特に配慮する、施設の類型、場所ごとに対策を実施するという基本的な考え方のもと、国において健康増進法の一部を改正する法律が2018年7月に公布されたところでございます。福岡市といたしましても、健康寿命の延伸はもとより、2019年のラグビーワールドカップなどの国際大会も控えていることから、本法律の趣旨を踏まえ、受動喫煙防止に向けた取り組みをしっかりと推進していきたいと考えています。以上です。

 

副議長(石田正明) 川口浩議員。

○59番(川口 浩)登壇 私は、発言通告にのっとり、3問について質問をさせていただきます。

 まず、春住小学校と那珂小学校の通学区域についてですが、春住小学校は去年もプレハブ、そして、ことしもまたプレハブをつくらなければならない。プレハブだらけになりそうと思いますけれども、どう考えているのか、お尋ねします。

 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて質問させていただきます。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 春住小学校につきましては、平成19年度に那珂小学校の過大規模校対策として導入した指定学校変更許可制度により、那珂小校区から春住小学校へ通学する児童が年々増加していることなどから教室不足が生じており、早急に対応が必要と考えております。また、那珂小学校の指定学校変更許可制度は、那珂小校区の児童数が減少するまでの暫定的な対応として導入したものでございますが、当該地域における子ども会活動が難しくなるなど、地域コミュニティ活動上の課題が生じていると伺っており、改善が必要と認識しております。以上です。

 

副議長(石田正明) 川口浩議員。

○59番(川口 浩) ちょうど12年前なんですね、私は実は当時PTA会長でしたので、この会議にも入らせていただきました。問題がたくさんあって、放置されているような気になっていて、今、いろいろなトラブルが地域で出てきています。入らんなら戻れとか、同じビルで小学校、中学校、顔も合わさないとか。今後どう考えているのか、解決に向けて努力をしているのか、お尋ねします。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 那珂小学校の過大規模校対策につきましては、これまでも平成23年度に御笠川に人道橋を整備し、安全な通学路を確保した上で、東那珂三丁目を那珂小校区から弥生小校区に通学区域の変更を行うなど取り組んでまいりました。しかしながら、那珂小校区では今後もマンションの建設などにより児童数が増加していくことが想定されており、那珂小学校や春住小学校の教育環境の改善を図るにはどのような対応が適当なのかについて、地域の状況も確認しながら、2020年度予算を検討する来年の秋ごろを一つのめどとして鋭意取り組んでいきたいと考えております。以上です。

 

副議長(石田正明) 川口浩議員。

○59番(川口 浩) いろいろ実情を述べたいところなんですが、来年の秋までに検討するということなので、きょうは時間がないので期待して秋まで早急な検討をお願いしたいと思います。

 次に、福岡県と福岡市との協議についてお尋ねします。

 まず、県の森林環境税の導入理由とその目的についてお尋ねします。

 

副議長(石田正明) 細川農林水産局長。

農林水産局長(細川浩行) 福岡県森林環境税につきまして、まず導入理由でございますが、県の資料によりますと、森林は多くの公益的機能を有しているにもかかわらず、近年の林業不振等により長期間手入れがなされずに放置され、荒廃した森林が増加し、このまま放置すると洪水や土砂災害発生のおそれなど、県民生活に重大な影響を及ぼすことが懸念されたこと等によるものとなっております。

 次に、目的でございますが、福岡県森林環境税条例第1条には、県民が享受している水源の涵養、土砂災害防止、地球温暖化の防止等森林の有する公益的機能の重要性に鑑み、荒廃した森林の再生等を図る施策に要する費用に充てるためのものとなっております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 川口浩議員。

○59番(川口 浩) 平成20年度から29年度までの10年間における本市の市民及び法人が納税した総額──環境税ですね──と本市への配分総額はどのようになっていますでしょうか。

 

副議長(石田正明) 細川農林水産局長。

農林水産局長(細川浩行) 平成20年度から平成29年度までの10年間において、福岡県全体の税収総額は約133億円となっております。そのうち福岡市の市民及び法人が納税した総額につきましては約43億円でございます。また、福岡市へ事業費として配分された総額は約6億円でございます。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 川口浩議員。

○59番(川口 浩) 今後、このような状況ですので、どのように福岡県と協議を行っていくのか、所見をお尋ねします。

 

副議長(石田正明) 細川農林水産局長。

農林水産局長(細川浩行) 今後の福岡県との協議につきましては、福岡市で活用できる森林環境税を財源とした補助対象事業が限られており、福岡市の市民及び法人が納税した総額に対して、県からの配分総額が少ないことから、森林環境税を活用して実施することができる事業を拡充するよう県に対してしっかりと要請してまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 川口浩議員。

○59番(川口 浩) 次に、福岡県と協議を行っている子ども医療費助成にかかわる県費補助について、県内市町村と本市の格差についてどのようになっているのか、状況をお尋ねします。

 

副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 県費補助における県内市町村と政令市の格差についてでございますが、子ども医療費助成制度につきましては、政令市以外の市町村は医療費の2分の1の補助であるのに対して、政令市は4分の1、重度障がい者医療費助成制度については、政令市以外の市町村は全ての医療費が補助対象であるのに対して、政令市は精神障がい者に係る医療費のみとなっております。また、医療費助成制度に係る事務費については、政令市以外の市町村は2分の1の補助であるのに対して、政令市は補助の対象となってございません。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 川口浩議員。

○59番(川口 浩) 格差について保健福祉局はどのように考えているのか、また、どのような取り組みを行ってきたのか、お尋ねします。

 

副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 子ども医療費助成制度や重度障がい者医療費助成制度は、県内どの市町村においても一律に対象者が受益を受けるべきであると考えており、大阪府、愛知県、京都府などにおいては、政令市と他の市町村との補助率において格差がない状況でございます。県費補助格差の改善に向けた取り組みにつきましては、福岡市独自で毎年、県に対して補助率の引き上げ及び補助対象の拡大について提言を実施しているところであり、平成26年度以降は市長、副市長から県知事、副知事に対して直接要望を行っております。また、所管局といたしましても、県の担当部署に対して個別に要望しているところであり、28年度からは同じ課題を抱える北九州市と一緒に要望を行っております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 川口浩議員。

○59番(川口 浩) 取り組んでこられたと。その中で、この格差是正について今後の対応についてお尋ねします。

 

副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 子ども医療費等の県費補助の格差是正につきましては、従来から機会を捉えて県に対して要望を行ってきたところですが、今回、福岡県と改めて県費補助について協議を開始したところであり、保健福祉局としましては、格差是正に向けて県に対して強く要請してまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 川口浩議員。

○59番(川口 浩) 次に、宿泊税についてお尋ねします。

 宿泊税の導入について、競争力とかいろいろな言葉で、当初、市長は消極的だったと思うんですけれども、姿勢が変わった理由についてお尋ねします。

 

副議長(石田正明) 島市長。

市長(島宗一郎) 宿泊税に限らずですけれども、新たな税の導入については、その目的や必要性、また、使途などを明確にして納税者や関係者の理解も得るなど慎重に検討する必要があるという認識でございました。そうした中、9月の定例会におきまして、福岡市観光振興条例案が議員提案されて、市議会において福岡市の観光振興について活発な議論がなされました。その議論を通して、福岡市においては、今後もゲートウェイ都市として福岡市への集客のみならず、九州全域への送客を促していくため、ハード、ソフト施策の両面から受け入れ環境の整備を加速させるとともに、増加する観光客と市民生活との調和を図って、市民生活の安心と安全を確保していくことが求められており、安定的な観光財源を確保して対応しなければならない時期に直面しているという認識に至ったため、宿泊税導入に向け、速やかに実務手続に入ることを決定いたしました。以上です。

 

副議長(石田正明) 川口浩議員。

○59番(川口 浩) これを受けて、市も早かったですね。(資料表示)市も素早かったなと思っていますけれども、当局は今後どのように福岡県と協議を行っていくつもりか、お尋ねします。

 

副議長(石田正明) 島経済観光文化局長。

経済観光文化局長(島 収) 福岡県との協議につきましては、九州のゲートウェイ都市である福岡市として、これまでも福岡県域を超える周遊やビジネス滞在が多い宿泊者の実態を踏まえて、ゲートウェイ機能の強化やMICEの充実などに独自に取り組んできたこと、二重課税は二重行政を招きかねず、税は簡素であるべきとの原則に反するとともに、事業者の負担となることなどを踏まえ、実務者レベルでしっかりと協議を進めてまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 川口浩議員。

○59番(川口 浩) 今からね、私、県にも行ったんですけど、別の要件でね。とか、県の一般質問、市内の議員がちょっと厳しく言っていました。(資料表示)これ県の新聞なんですが、これはホームページで見られると思います。突然だと、唐突だと、協議もということなので、当局は大変苦労もすると思います。そしてまた、今度は提案された方も、あとは全部市役所にお任せだと、期日も交渉もと。関係者には言ったんでしょうけど、当然、関係者の一人である県にも努力をされないと、同じ党で意見は違うのはわかりますけれども、そこは全部任せたじゃなくて、みずからも提案者の責任というのをしっかり感じて努力をしていただきたい。当局に答弁を求めてもあれなので、次に行きましょうかね。そこはお願いしておきたいと思います。

 次に、新交通システムについて、ロープウエーを市長が、私は以前、ちょっとハレーション起こすよと、後援会と、パーティーとはいえ。今度は研究会をつくって、住宅都市局で研究中にもかかわらず公約にされておると思うんだけれども、ここをちょっと確認したい。公約にされましたか。

 

副議長(石田正明) 島市長。

市長(島宗一郎) はい。公約の中に入れて、検討をするということで公約に入れさせていただきました。以上です。

 

副議長(石田正明) 川口浩議員。

○59番(川口 浩) 私はロープウエーが悪いとかは言っていないんですよ、わからんのですよ。もしかしたらいいかもしれない。しかし、もともとは集積したから足らなくなったんですよ。だから、専門家に聞くと。一旦戻して、じゃ、あそこに集積するのかどうか。そして、やっぱり集積せざるを得んようなことになれば、やっぱり交通が要るやないか。どれがいいかという手順を踏まないといけない。それをやろうとしているのに、こういう、もういきなり公約では、これは私は本来なら不信任案提出されてもおかしくないなと、1人じゃ出せないんですけどね。このやり方というのが覇権的に見えてしまうんですね。

 それで、住宅都市局は新たな交通システム、去年の6月議会の報告だったと思います。どうしても、民間と協議しているけれども、そこにそれだけ集積するとさばけない、新たな交通を研究させてくれと、その中で専門家の意見を聞かんと自分たちじゃできんのでということで研究会ができたと私は認識していますけれども、住宅都市局は新たな交通システムについてどういう協議をされてきたのか、どういう進め方をされるのか、お尋ねします。

 

副議長(石田正明) 石橋住宅都市局長。

住宅都市局長(石橋正信) ウォーターフロント地区の再整備につきましては、当圏内に一体的に配置された機能的で利便性の高いオール・イン・ワンのMICE機能の形成や、多様なクルーズ船が寄港する質の高いクルーズ拠点の形成や、海辺を生かした連続性のあるにぎわい、憩いの空間の形成など、MICEやクルーズといった特性や集客性を生かした日常的なにぎわいや交流の機会を創出することで、天神や博多駅周辺と並ぶ第3の拠点の形成を目指しているところでございます。この再整備は第3次産業が9割を占める本市にとって重要な都市戦略であると考えておりまして、そうした中で新たな都心の拠点を形成するに当たり、現在の交通体系では不足する部分について、道路空間を有効に活用する新たな交通システムについて検討を続けているところでございます。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 川口浩議員。

○59番(川口 浩) 今お答えになったのは、ベイエリアにホールとか第2期展示場とかホテルとかを誘致する前提なんですよ。規模はどれぐらいになるんだといったら、事業者と一緒に提案も含めて話していくので詳細がわからないということで、折を見てということだったんですね。

 それから、場合によっては、新たな交通で何百億円もかかるなら、ちょっと分散も考えないかんのではないかというところに立ち戻らないといけないと思うんですね、本来は。そこは賛成、反対ありますよ。だから、頭から否定じゃなくて、きちんと議論を積まないと、オーナー会社ではないんだよと言いたいんですね。

 それともう1点は、例えば、地下鉄だって、まだこれは都市交通をきちんとされていくと思いますけれども、路線は残したままなんですよ。地下鉄の路線は六本松のところから博多駅とベイエリアと残したままなんです。ほかにもありましょう。こういう議論もせないかん。そういった中で、リーダーが自分だけ、だから、私、選挙中、言葉でちょっと言い過ぎましたというのはわかります、これはわかる。しかし、公約とか物に書くとかいうのは、これは職員、ましてや議会も何だと、勝手にそんなにオーナーではないんだぞという部分ね、しっかりここは考えていただきたい。

 そこで、市長はどうされるか知りませんけど、これは一旦きちんとね、公約に挙げたものの、ちょっと先走りましたと。しっかり議論した上で、私が議論を踏まえて提案したいはわかりますよ、それを受けるかどうかは別ですけれども、賛成、反対は分かれるかもしれませんけれども、これはやり方は一回整理すべきと思うけれども、どうお考えですか。

 

副議長(石田正明) 島市長。

市長(島宗一郎) 市長選挙ということで、政治家として夢を語れる場所として、ロープウエーというものを公約にすることによって、新しい交通システムがなぜ要るのか、どうして、そうした中、例えば、地下鉄などではなくてロープウエーという形なのか、こういうことを多くの市民の皆様がこういう議論があるということも知っていただいたというふうに考えています。

 ウォーターフロント地区におきましては、これは現在でも既にイベントなどで交通渋滞も発生をしているということ、それから、もちろんこれからウォーターフロント地区の再整備に伴う交通需要にも対応していくために、今、道路上が混雑をしていますので、道路を立体的に使っていこうという新たな交通システムが必要というふうに考えています。今、公約に挙げて多くの皆さんも、これはどうなのかと考えるきっかけは多くの皆さんが今考えていただいたと思います。これから具体的にまた行政に戻ってきて、しっかり進めていく上では、今、有識者の皆さんにも御検討、もう最終段階にも入っていますし、これから議会の皆様にもしっかりとお伝えをし、また、市民の皆様も知りたいことはたくさんあるというふうに思いますので、できるだけ段階、段階わかりやすく、適宜しっかり情報を出して、そして、例えば、市政だよりなども活用しながら、多くの皆様の御理解をいただきながら進めていきたいというふうに考えています。以上です。

 

副議長(石田正明) 川口浩議員。

○59番(川口 浩) 理解をいただくような努力が欠けているから言っているんですね。よしあしは私もわからないわけです。そうなってしまって集積しよう、渋滞でどうしようもないぞ、その中で何か考えないかん。バスの活用であったり、ライトレールとかも以前研究されたし、これをやっぱりリーダーがいきなり、私は以前クレームを言ったんですよ、ハレーション起こすではないかと、言い方を考えなさいと。その中で、やっぱり口でロープウエーを私はやってみたいんだと言われる分はちょっとねと言いますけれども、公約でやられると、これはちょっと違うんですよ。言ったのが全然聞いていないのかな。だから、ここは私はしっかりと公約に挙げたものの精査がなっていなかったと、これは改めてきちんとした手順にのっとって、私は私なりの意見を、私たちはわからんのだから。どれが幾らかかる、まだ報告も受けていないですよ、何もないですよ。個別であったかもしれませんけど、委員会という場にはないですよ。ここは市長、今、答弁あったけど、私としては公約についてはちょっと誤解があって申しわけない、きちんと議論するということぐらい言い切らんと、次のリーダーが任されないことになりますよ。私、数を持っておったら不信任でも出したいぐらい、この案件で。まあ、1人なので勝手に言えましたけれども、そういうのをぜひ市長再度、もしもあればお答えいただいて質問を終わります。

 

副議長(石田正明) 島市長。

市長(島宗一郎) 選挙中ですから、やはりいわゆる行政としてのスタンスだけしか選挙のとき言えないということではなくて、やはり選挙のときは夢をも語れる場所ではないかというふうに思いますので、私はぜひロープウエーを、こういったことを導入するのがいいのではないかということを公約に、候補者として入れさせていただきました。これから具体的に進めていく上では、しっかりと皆様にも情報を出して、そしてまた、有識者の皆さん、具体的な検討を出しながら1つずつ進めていきたいと思いますので、どうぞ御理解いただきたいというふうに思います。以上です。

 

副議長(石田正明) この際、時間を延長いたします。新村まさる議員。

○33番(新村まさる)登壇 初めに、福岡空港についてお聞きをいたします。

 まず、10年前と現在を比較して、国際線発着回数の推移をお示しください。あわせて、全体の発着回数に占める国際線発着回数の割合についても、10年前との比較をお示しください。

 以降は自席にて行います。

 

副議長(石田正明) 中村港湾空港局長。

港湾空港局長(中村貴久) まず、福岡空港国際線の発着回数の推移について、10年前との比較でお答えいたしますと、平成20年の1万7,000回から平成29年は3万6,000回と2.1倍となっております。

 次に、発着回数全体に占める国際線の割合の推移につきましては、同じく平成20年の12.5%から平成29年は20.2%と7.7ポイントの増となっております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 新村まさる議員。

○33番(新村まさる) この間、国際線においては航空会社の新規参入も相次いで、定期航路の数もふえ続けております。直近ではクアラルンプール便、バンコク・ドンムアン便が新たに就航する予定です。福岡空港の国際線航路における新規就航の実現には、通常どのような手順が必要となるのか、お尋ねをいたします。また、本市では国際線新規就航への民間需要についてどのように把握、認識されているのか、お尋ねをします。

 

副議長(石田正明) 中村港湾空港局長。

港湾空港局長(中村貴久) まず、航空会社が新たに福岡空港の国際線に就航する際の手順についてお答えいたします。福岡空港に就航を希望する航空会社は、国に対しまして航空運送事業に関する経営許可を申請いたします。その許可が得られた後、福岡空港の発着枠を確保することとなりますが、混雑空港の指定を受けている福岡空港では、国際的なルールに基づき、発着調整を行う専門の機関がございます。国際線発着調整事務局、ここにより発着枠が調整されることになります。

 次に、航空会社の需要を福岡市がどのように把握しているかについてでございますが、旅行業界や経済界、空港関係者などから情報を収集いたしますとともに、航空会社や各国の政府観光局などに対して個別のヒアリングを行い、把握をしているところでございます。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 新村まさる議員。

○33番(新村まさる) 国際線新規就航について、本市のかかわり方や役割を具体にお示しください。

 

副議長(石田正明) 中村港湾空港局長。

港湾空港局長(中村貴久) 先ほど答弁いたしましたように、国際線の就航にはさまざまな手続がございます。まずは、福岡空港に就航したいという航空会社の発意により始まるものでございますので、福岡市といたしましては、都市の魅力やポテンシャルを情報提供し、航空会社に選ばれるよう誘致活動を行ってきたところでございます。今後は路線誘致活動における重要な役割を担います空港運営会社と路線需要や都市の魅力などの情報共有をすることで、連携して路線誘致に取り組んでまいりたいと思っております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 新村まさる議員。

○33番(新村まさる) 2025年の滑走路増設の供用開始を見据える福岡空港ですが、この国際定期航路の展開はどのように見込まれているのか、発着便数や新規就航先など具体な計画をお示しください。また、本市においてはどのような国際航路の展開を考えているのか、お示しをください。

 

副議長(石田正明) 中村港湾空港局長。

港湾空港局長(中村貴久) まず、福岡空港における今後の国際定期路線の展開についてお答えいたします。

 本年7月に国が公表いたしました空港運営会社の提案概要では、30年後に国際線67路線、そのうち東アジアや東南アジアの14の国と地域から51路線を就航させることとなっております。

次に、路線展開の考え方についてのお尋ねでございますが、今後の空港機能の強化や福岡市の他の施策も鑑み、強みのあるアジア路線の強化に加え、欧米路線など多様で利便性の高い航空ネットワークの構築が重要であると考えております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 新村まさる議員。

○33番(新村まさる) 現在、福岡空港と東アジア、東南アジアをつなぐ国際路線は、16路線で7つの国、地域に及びます。それを30年で51路線、14の国、地域に広げるという計画ですから、今後、新規就航の劇的な増大を迎えます。ついては、福岡国際空港株式会社を初め、関係機関との連携体制の強化と市民や議会への適宜適切な情報の開示を当局には求めておきたいと思います。また、今後、中長期にわたって東南アジアを中心に交流人口の増大が加速していくと思われます。本市にはその受け入れ態勢の準備と市民の国際的な取り組みや挑戦への後押しを要望しておきます。

 一方で、現在既に年間17.8万回の発着数を数える混雑空港です。福岡空港の滑走路処理能力と発着回数について、国交省では現在と比較して今後どのような見通しを持っているのか、お尋ねをします。

 

副議長(石田正明) 中村港湾空港局長。

港湾空港局長(中村貴久) 空港の滑走路処理能力と発着回数についてお答えいたします。

 まず、現在の滑走路処理能力は年間で16.4万回、1時間当たりの発着回数は35回となっております。次に、今後の見通しにつきましては、2020年の平行誘導路二重化後は年間17万回、1時間当たり37回、また、2025年の滑走路増設後は年間18.8万回、1時間当たり40回とされております。さらに、国が今後の需要動向を踏まえ、地元の理解を得た上で検討するとされております進入方式の高度化後は、年間21.1万回、1時間当たり45回とされておるところでございます。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 新村まさる議員。

○33番(新村まさる) 2025年の滑走路増設後も国交省は発着回数をふやそうと、GPS技術の活用や進入方式の高度化などを視野に入れているようです。空港運営会社による発着回数増への取り組みにも今後注視していかなければなりません。一方で、現状の年17.8万回に対し、滑走路を増設した後の処理能力は18.8万回と、実際はそれほど余裕が生まれるわけではありません。空港運営では当然、収入の確保を大事とするため、処理能力を超えた過密フライトの慢性化を招きがちになり、その結果、事故を引き起こす危険性が増していきます。福岡空港における安全配慮の徹底については、責任ある立場から断続的に発信、働きかけいただくよう強く要請したいと思います。

 次に、顧問弁護士の選任についてお聞きいたします。

 現在、本市では、顧問弁護士を何人登用しているのか、その業務内容、報酬額とあわせてお尋ねをいたします。

 

副議長(石田正明) 光山総務企画局長。

総務企画局長(光山裕朗) 福岡市の顧問弁護士につきましては、現在2名でございます。顧問弁護士の業務内容は、各局・区の業務を遂行する中で、法令の解釈や運用に疑義がある場合、また、紛争解決のために法的な問題を整理する必要がある場合などの法律相談に対し助言を行うことでございます。また、顧問弁護士の報酬は月額157,000円でございます。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 新村まさる議員。

○33番(新村まさる) この顧問弁護士設置の仕組みは、いつごろからの制度なのか、お尋ねをいたします。

 

副議長(石田正明) 光山総務企画局長。

総務企画局長(光山裕朗) 福岡市におきまして初めて顧問弁護士が任用されましたのは、昭和34年4月1日でございます。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 新村まさる議員。

○33番(新村まさる) 本市の顧問弁護士制度は、60年ほど前からその仕組みが続いてきました。従来からの選任方法と任期の年数についてお尋ねをします。

 

副議長(石田正明) 光山総務企画局長。

総務企画局長(光山裕朗) 福岡市の顧問弁護士につきましては、地方公務員法第3条第3項第3号に基づく非常勤特別職として、選考により採用いたしております。また、任期の定めはございません。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 新村まさる議員。

○33番(新村まさる) 制度が開始された昭和34年以降、本市では何人の顧問弁護士が選任されてきたのか、お尋ねをします。また、1人当たりの平均在任年数をお示しください。

 

副議長(石田正明) 光山総務企画局長。

総務企画局長(光山裕朗) これまで福岡市で任用いたしました顧問弁護士につきましては、現在の2名を含めまして、計6名でございます。また、在任年数は平成3011月末現在で平均して約23年となっております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 新村まさる議員。

○33番(新村まさる) 約60年の2名体制で、その間の経験者は6名。現在お二人はまだ顧問業務継続中ですので、これまで4名の方が顧問弁護士を退任されたことになります。その際の退任理由をそれぞれお示しください。

 

副議長(石田正明) 光山総務企画局長。

総務企画局長(光山裕朗) これまでの顧問弁護士の退任理由につきましては、1名が死去、その他の3名は本人からの申し出による退任でございます。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 新村まさる議員。

○33番(新村まさる) 任期の定めがないために、御本人みずから退任時期を決められるということでしょうか。この御自身からの申し出により退任された3名ですが、退任時の年齢をそれぞれお尋ねします。

 

副議長(石田正明) 光山総務企画局長。

総務企画局長(光山裕朗) 本人の申し出により退任されました顧問弁護士の退任時の年齢につきましては、それぞれ78歳、79歳、79歳となっております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 新村まさる議員。

○33番(新村まさる) 次に、本市の訴訟に関する業務委託についてお聞きします。

 まずは本市が弁護士に委託した訴訟について、過去5年の提起件数とかかった費用の総額をお尋ねします。その訴訟件数のうち、顧問弁護士2名が担当した件数と全体に占める割合、また、訴訟にかかった費用総額のうち、顧問弁護士2名に支払った額と全体に占める割合をお答えください。

 

副議長(石田正明) 光山総務企画局長。

総務企画局長(光山裕朗) 平成25年度から29年度までの5年間におきまして、福岡市が弁護士に新たに委託いたしました訴訟件数は55件となっておりまして、そのうち顧問弁護士2名が担当しました件数は48件で、全体の87.3%となっております。また、同じ5年間に弁護士に支払いました訴訟業務に係る委託料の総額は1億6,622万円余でございまして、そのうち、顧問弁護士2名に係る委託料の総額は5年間で1億6,032万円余、全体の96.4%となっております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 新村まさる議員。

○33番(新村まさる) 過去5年で顧問弁護士に支払った1億6,000万円余り、これは主に訴訟業務への着手金、報酬金でしょうから、顧問報酬月額157,000円とは別と理解してよろしいでしょうか。

 

副議長(石田正明) 光山総務企画局長。

総務企画局長(光山裕朗) 先ほどお答えいたしましたのは、個別の訴訟業務に関しまして委託をした弁護士へ支払った5年間の総額でございますので、顧問弁護士としての業務に対する報酬とは別でございます。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 新村まさる議員。

○33番(新村まさる) 本来の業務であります法律相談のほかに、本市が弁護士に委託した訴訟のうち、総数の87.3%を受託。委託料総額の96.4%が支払われているという状況。本市の顧問弁護士は誰がどのように選考を行うのか、その仕組みをお答えください。

 

副議長(石田正明) 光山総務企画局長。

総務企画局長(光山裕朗) 顧問弁護士を置く団体が、みずからが関係します訴訟について当該弁護士に依頼することは訴訟前の法律相談との継続性や本市主張の一貫性などから、常識的かつ合理的な対応でございまして、20政令市のうち17都市で行われている方法でございます。顧問弁護士の選考につきましては、法曹としての豊富な経験と実績、行政に対する識見と理解を有し、福岡市の顧問弁護士としてふさわしい人格と能力のある方について情報収集を行い、その候補者について副市長及び総務企画局長が面接を行った上で任用の決裁を行っております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 新村まさる議員。

○33番(新村まさる) 市役所職員による人選の後、面接を行うわけですが、これまで同時期に2人以上の候補者を面接したことがあるのか、お尋ねをいたします。

 

副議長(石田正明) 光山総務企画局長。

総務企画局長(光山裕朗) 選考に関します経緯が確認できる現在の顧問弁護士につきまして、複数の候補者からの選考は行っておりませんが、福岡市の顧問弁護士としてふさわしい人格と能力のある方について情報収集をし、適任と思われる方を候補者として選考しているものでございます。なお、過去の顧問弁護士につきましては、選考方法など詳細な経緯は確認できておりませんが、同様の方法で選考されたものと思われます。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 新村まさる議員。

○33番(新村まさる) それでは、面接の結果、不選任と判断した事例はこれまでにあるのか、お尋ねします。

 

副議長(石田正明) 光山総務企画局長。

総務企画局長(光山裕朗) 現在の顧問弁護士を任用する際において、面接を実施後、採用に至らなかった事例はございません。なお、過去の顧問弁護士につきましても同様と思われます。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 新村まさる議員。

○33番(新村まさる) 過去より顧問弁護士在任者は78歳、79歳、79歳と例外なく高齢までその職を務めてきました。経験豊富と言えば聞こえはよいのですが、業務執行における年齢適性の観点から、それは適切であったと言えるのか、お答えをください。

 

副議長(石田正明) 光山総務企画局長。

総務企画局長(光山裕朗) 訴訟を初めといたします弁護士活動につきましては、豊富なキャリアが重視される分野でございまして、一概に年齢によって適性を判断することは適切ではないと考えております。特に行政分野におきましては、弁護士としての高い能力に加え、行政に係る法制度や実務などに関しまして、深い理解や専門的知見等が求められるため、行政特有の事情について知識や経験が蓄積されることに伴い、より的確な問題解決が可能になると考えております。過去の顧問弁護士の方々につきましても、退任まで御貢献いただいたものと認識しており、適切であったと考えております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 新村まさる議員。

○33番(新村まさる) 顧問弁護士がどのように選ばれてきたのか、本市がどのように業務を委託してきたのか、その仕組みや実態を福岡市民のどれほどが認知できているとお考えでしょうか、本市の認識をお尋ねします。

 

副議長(石田正明) 光山総務企画局長。

総務企画局長(光山裕朗) 福岡市の顧問弁護士の選任及び訴訟業務につきましては、いずれも行政内部の事務でございまして、市民にどの程度認知されているのか把握いたしておりませんが、市民になじみは少ないのではないかと思っております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 新村まさる議員。

○33番(新村まさる) 恐らくほとんどの皆さんが御存じないのかと思います。今後、周知が進めば市民目線には一部による既得権益の独占と映ってしまうかもしれません。この60年前から続いた選任と委託のあり方が広く市民から理解を得られるとお考えか、本市の所見をお聞きいたします。

 

副議長(石田正明) 光山総務企画局長。

総務企画局長(光山裕朗) 福岡市におけます顧問弁護士の選任や訴訟業務の委託につきましては、他の自治体を含め、全国的に見ても一般的に行われている方法でございます。例えば、政令市における顧問弁護士の選任方法について、20政令市のうち少なくとも15都市は福岡市と同様の個別に選任を行っております。また、顧問弁護士を置く団体がみずからが関係する訴訟について、当該弁護士に依頼することは訴訟前の法律相談との連続性や本市主張の一貫性などから常識的かつ合理的な対応でございまして、20政令市のうち17都市で行われていることなどからも、市民の理解は得られるものと考えております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 新村まさる議員。

○33番(新村まさる) 現在の顧問弁護士のお一人は、先輩顧問弁護士からの推薦があったとも聞いております。市民の目の及ばないところで選任されて、高齢退任されるまで長きにわたって訴訟業務を委託し、顧問報酬と訴訟委託料を支払い続けてきたようですけれども、一部職員の恣意性や関係者による不正行為、これらをチェック、防止する機能はどのように担保されてきたのか、お尋ねします。

 

副議長(石田正明) 光山総務企画局長。

総務企画局長(光山裕朗) 顧問弁護士の選任につきましては、福岡市の顧問弁護士としてふさわしい人格と能力のある方について情報収集をし、適任と思われる方を候補者として選考いたしておりますが、専門職でございます弁護士の能力を行政のみで判断することは難しいことであり、公益的観点を有する顧問弁護士から情報提供いただくことは一般的かつ合理的であると考えております。その上で顧問弁護士の選任及び訴訟業務の委託につきましては、それぞれ組織における意思決定過程におきまして、複数人により段階的にチェックされるため、不正行為等については防止されているものと考えております。また、不正行為に対しましては、法令上、コンプライアンスに関する規定も設けられております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 新村まさる議員。

○33番(新村まさる) 複数による段階的なチェックがあるから大丈夫だと。でも、これは起案職員から係長、課長、部長、局長と顧問弁護士の選任案が順を追って承認されていくという通常の決裁の流れにすぎません。今後もこれまでどおり選任と委託の仕組みは継続されるおつもりか、お尋ねをいたします。

 

副議長(石田正明) 光山総務企画局長。

総務企画局長(光山裕朗) 顧問弁護士の選任方法等につきましては、他の自治体を含め、全国的に見ても一般的に行われている方法でございまして、現時点で見直すことは考えておりませんが、行政としての説明責任をしっかり果たしていく必要はあると考えております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 新村まさる議員。

○33番(新村まさる) 市民に対して、より透明性、納得性を高めるための公明正大な選任手法や訴訟業務委託のあり方が今後、本市に求められるべきだと強く思いますが、本市の所見をお尋ねします。

 

副議長(石田正明) 光山総務企画局長。

総務企画局長(光山裕朗) 顧問弁護士の任用につきましては、自治体や民間企業などにおけます人材獲得競争が激しさを増す中、高度に専門的な知識及び経験を有し、福岡市の顧問弁護士としてふさわしい人格と能力を有する弁護士を必要な時期に速やかに獲得し、確保し続けられるという点におきまして、現在の選任方法は適しているものと考えております。今後とも、弁護士の任用等におけます全国的な動向などにも留意し、議会の御意見なども踏まえ、適切に対処してまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 新村まさる議員。

○33番(新村まさる) この60年、歴々の顧問弁護士先生方による御功労を非難、否定するものではありません。しかしながら、選任の過程から業務委託の流れ、一般的な定年をはるかに超える退任年齢など、市民から理解を得られるとは到底思えません。当局にはぜひ一度、市民の皆さんに理解をいただけるか問うていただきたい。60年たって時代が移り変わりました。癒着や不正を防ぐために、透明性の確保や任期の定めは必須です。大阪市では、訴訟代理人弁護士の選任方法に関する指針、こういうものを定めております。このように独自の指針を定めるのも改善への一つですし、専門分野ごとの公募や総合評価による選抜も考えられます。また、複数の法律事務所との提携や、弁護士会との連携なども検討の余地は十分にあると思います。先ほど全国的な動向に留意とありましたが、確かに局長のおっしゃるとおり、全国的にもまだまだ本市と似通った仕組みが一般的です。ぜひ本市には時代錯誤の慣習にとらわれず、今後の改善措置を示していただくことで、全国の自治体に是正、改善を波及させる役割を率先して担っていただきたいと切望するところです。

 最後に、顧問弁護士の選任と訴訟業務委託のあり方について、局内で改めて議論し直す機会、これを設けていただくことを強く要望して質問を終わります。

 

副議長(石田正明) 以上で一般質問を終結いたします。

 本日の日程は終了いたしました。

 次の会議は1219日午後1時10分に開きます。

 本日はこれをもって散会いたします。

午後5時15分 散会