平成30年6月14日(木)


平成30年第3回福岡市議会定例会

議  事  日  程 (第2号)

                             6月14日 午前10時開議

第1  一 般 質 問


本日の会議に付した事件

1.日程第1


出 席 議 員 (61名)

1番  鬼 塚 昌 宏       2番  堤 田   寛

3番  調   崇 史        4番  津 田 信太郎

5番  大 森 一 馬       6番  大 原 弥寿男

7番  平 畑 雅 博       8番  打 越 基 安

9番  冨 永 計 久      10番  森   英 鷹

11番  川 上 晋 平       12番  稲 員 稔 夫

13番  大 坪 真由美      14番  中 島まさひろ

15番  川 上 陽 平       16番  古 川 清 文

17番  高 木 勝 利       18番  篠 原 達 也

19番  飯 盛 利 康       20番  今 林ひであき

21番  阿 部 真之助      22番  尾 花 康 広

23番  松 野   隆        24番  楠   正 信

25番  福 田 まもる       26番  南 原   茂

27番  おばた 久 弥      28番  光 安   力

29番  山 口 剛 司       30番  石 田 正 明

31番  大 石 修 二       32番  黒 子 秀勇樹

33番  新 村 まさる        34番   欠   員

35番  天 野 こ う         36番  橋 田 和 義

37番  堀 内 徹 夫       38番  とみなが正 博

39番  森   あや子       40番  浜 崎 太 郎

41番  綿 貫 英 彦       42番  熊 谷 敦 子

43番  倉 元 達 朗       44番  富 永 周 行

45番  荒 木 龍 昇       46番  国 分 徳 彦

47番  笠   康 雄        48番  藤 本 顕 憲

49番  星 野 美恵子      50番  中 山 郁 美

51番  ひえじま俊 和       52番  高 山 博 光

53番  近 藤 里 美       54番  田 中しんすけ

55番  落 石 俊 則       56番  田 中 丈太郎

57番  太 田 英 二       58番  池 田 良 子

59番  川 口   浩        60番  阿 部 正 剛

61番  栃 木 義 博       62番  江 藤 博 美


欠 席 議 員 (0名)


説明のため出席した者

市       長          島 宗一郎   副市長                           貞 刈 厚 仁

副  市  長            中 園 政 直    副市長                           荒 瀬 泰 子

水道事業管理者        清 森 俊 彦   交通事業管理者                阿 部   亨

総務企画局長           光 山 裕 朗   財政局長                          則 松 和 哉

市民局長                 下 川 祥 二    こども未来局長                 小野田 勝 則

保健福祉局長           永 渕 英 洋   環境局長                          吉 村 隆 一

経済観光文化局長      島   収    農林水産局長                   細 川 浩 行

住宅都市局長            石 橋 正 信    道路下水道局長               三 角 正 文

港湾空港局長           中 村 貴 久    消防局長                         山 下 周 成

会計管理者               水 町 博 之   教育長                            星 子 明 夫

教育委員                  阿 部 晶 子   選挙管理委員会事務局長   宮 崎 晶 子

人事委員会事務局長  小 西 眞 弓   監査事務局長                   落 石 稔 彦


職務のため出席した事務局職員

議会事務局長  土 井 裕 幹   議会事務局次長  金 子 佳 史

議事課長         着 一 孝   議事係長            中 村   博

外関係職員


午前10時 開議  

○議長(川上晋平) これより本日の会議を開きます。

 日程第1、一般質問を行います。発言通告者のうちから順次質問を許します。ひえじま俊和議員。

 

51番(ひえじま俊和)登壇 私は、日本共産党市議団を代表して、玄海原発再稼働による事故及び本市の再生可能エネルギー、介護保険外しの総合事業並びに博多旧市街プロジェクトの出来町公園観光拠点施設整備について質問をいたします。

 まず、今回の玄海原発再稼働による事故問題についてであります。この3月23日、九州電力は周辺自治体など住民の反対を押し切って7年3カ月ぶりに玄海原発3号機を再稼働させ、わずか1週間後の30日には2次給水系配管の蒸気漏れ事故を起こして一旦運転を中止しましたが、放射能漏れはないのか、避難しなくていいのかなど、私たち福岡市民にも大きな不安と危惧をもたらしました。

 そこでお尋ねしますが、今回の事故は重大な問題を抱えていると思いますが、市長はどう受けとめておられるのか、御所見のほどをお伺いいたします。

 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席より行わせていただきます。

 

○議長(川上晋平) 下川市民局長。

○市民局長(下川祥二) 玄海原子力発電所3号機において発生した蒸気漏れにつきましては、放射性物質を含まない2次系統において、環境への放射能の影響がない蒸気を大気へ放出する配管の損傷によるものであります。今回の蒸気漏れにつきましては、原子力規制委員会において、法令等に基づく事故として取り扱われてはおらず、福岡市といたしましても同様の認識でございます。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) 今、御答弁いただきましたように、環境への放射能の影響はないと、そういう九電の報告をうのみにするような答弁でした。今回の事故を甘く見てはいけませんよ。原発は、核分裂のエネルギーで水を沸騰させます。玄海の場合は、この水で直接タービンを回すのではなく、この沸騰した水を使って別の水を沸騰させ、その蒸気でタービンを回して発電する加圧水型です。この別の水を2次給水系といいます。もし、この2次給水の蒸気が漏れていたり、循環しなくなると、空だきになって爆発につながります。だから、2次給水系のトラブルは怖いんです。チェルノブイリ、福島に次ぐ大事故になったアメリカのスリーマイル島の原発事故も、この2次給水系のトラブルが引き金になったのであります。ここでのトラブルは、大変重大な問題なのです。したがって、市長は今回の事故を、一歩間違えば人や環境に取り返しのつかない災厄をもたらすような重大な事故だとの認識に改めるべきではありませんか、答弁を求めます。

 

○議長(川上晋平) 下川市民局長。

○市民局長(下川祥二) 繰り返しになりますが、今回の蒸気漏れにつきましては、原子力規制委員会において、法令に基づく事故としては取り扱われてはおらず、福岡市といたしましても、同様に認識でございます。

 なお、九州電力に対しましては、経過報告のために来庁された際に、安全確保にしっかり努めていただきたい、迅速かつ正確な情報提供をお願いしたいの2点について申し入れております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) あくまでも九電の報告をうのみにして、問題ないと。こういう甘い認識を続けていらっしゃる。

 それでは、本市も加わって、九電と結んでいる原子力防災に係る福岡県民の安全確保に関する協定書の中には、今回のようなトラブルも連絡義務規定に入っておりますか、お尋ねします。

 

○議長(川上晋平) 下川市民局長。

○市民局長(下川祥二) 原子力防災に係る福岡県民の安全確保に関する協定書につきましては、玄海原子力発電所において原子力災害対策特別措置法第10条に規定される施設敷地緊急事態や同法第15条に規定される全面緊急事態などが発生した場合の情報連絡、発電所の現地確認等に関し、福岡県、糸島市とともに、九州電力と締結しているものでございます。今回の蒸気漏れにつきましては、福岡県、糸島市におきましても協定に基づく連絡には該当しないとの認識であり、福岡市といたしましても同様の認識でございます。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) 入っていないということですね。

 では今回、九電から本市に連絡があったのか。あったのであれば、それはいつ、何時ごろですか、お尋ねします。

 

○議長(川上晋平) 下川市民局長。

○市民局長(下川祥二) 玄海原子力発電所3号機において発生した蒸気漏れにつきましては、3月30日の2217分に2次系設備である脱気器空気抜き管から微少な蒸気漏れが確認されたが、環境への影響がないことの連絡を受けたものでございます。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) 福岡市には、3月30日の19時に事故が発生してから、3時間も過ぎてから連絡があったんです。事故2時間後に連絡を受けた立地県の佐賀県知事は、どんなトラブルがあったとしても、まず第1報があると、我々もいろんな対応ができる。今回、どうして2時間もかかったのかと批判しております。

 また、3時間後に連絡を受けた福岡県の小川知事も九電に対して、どうしておくれたのか、もっと速やかに報告すべきだと抗議されているが、島市長、あなたは事故連絡が遅いとは思われませんでしたか、お尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 下川市民局長。

○市民局長(下川祥二) 九州電力から福岡市への連絡につきましては、九州電力において蒸気漏れによる環境への放射能の影響がないことを確認した上で行われており、福岡県及び糸島市と同時期に、同様の情報提供を受けております。

 なお、福岡市といたしましては、先ほど申しましたように、九州電力に対し、今後とも迅速かつ正確な情報提供をお願いしたいと申し入れております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) 遅いと思われなかったのかということを聞いているんです。もう一度答弁願います。

 

○議長(川上晋平) 下川市民局長。

○市民局長(下川祥二) 繰り返しになりますが、福岡市といたしましては福岡県及び糸島市と同時期に同様の情報提供を受けており、また、九州電力に対し、迅速かつ正確な情報提供をお願いしたいと申し入れております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) 結局あなたたちは、遅いと思ったから安全確保と迅速かつ正確な情報提供を申し入れたんでしょうが。正直に答えなさい。連絡がおくれたのは、安全協定に今回の2次給水系のトラブルが入っていないからでしょう。だとすれば、不十分な安全協定を見直すべきではありませんか、所見のほどをお伺いします。

 

○議長(川上晋平) 下川市民局長。

○市民局長(下川祥二) 九州電力からの連絡につきましては、これまでも玄海原子力発電所の再稼働のプロセスについて適時適切に情報提供があっております。また、今回の蒸気漏れにつきましては、福岡県及び糸島市と同時期に同様の情報提供を受けております。九州電力に対しましては、今後とも迅速かつ正確な情報提供をお願いしたいと申し入れているところであり、協定の見直しの必要はないと考えております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) びっくりしましたね。私は、少なくとも問題があるという答弁が来るだろうと思っていました。ところが、あくまでも問題がない、びっくりしました。そして、安全協定を見直さないと。そんな状況で原発を動かすことは到底許されません。大体、九電はこの3号機の事故に引き続き、再稼働準備中の4号機も5月2日、今度は1次系冷却水ポンプ2台がふぐあいを起こして、福岡市への連絡は翌日になってからです。これは、九電の安全管理がいかにおろそかにされているか、明白ではありませんか。したがって、市長は157万福岡市民の安全を守るため、実効性のある安全協定へ見直しするとともに、国や九電に対して、今動いている玄海3号機の原子炉停止と、この16日にも動かそうとしている準備中の4号機についても再稼働しないよう要求すべきだと思いますが、この問題の最後に、島市長の答弁を求めます。

 

○議長(川上晋平) 島市長。

○市長(島宗一郎) 原子力発電所での再稼働につきましては、国家の基盤でありますエネルギー政策の枠組みの中で、国において責任を持って判断していただくべきものと考えております。

 福岡市といたしましては、今後とも、原子力発電所の安全確保や情報公開の徹底について国や事業者への要望を行いますとともに、原子力防災対策の充実に努めてまいりたいと考えております。以上です。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) 相変わらず市長は、原発に依存する国や九電追随の答弁なんですよ。重ねて、安全協定の見直しと再稼働ストップを要求して、次に、本市の再生可能エネルギー問題について質問いたします。

 2013年の福岡市環境・エネルギー戦略有識者会議では、本市の再生可能エネルギーによる2030年度までの発電目標を、総量約40万キロワットとし、8%の電力自給率を目指していますが、我が党の倉元達朗議員が2016年3月議会で、国の22ないし24%目標と比較しても、本市は余りにも低過ぎるのではないかとただしたのに対して、大規模風水力や地熱発電を除けば、国の11%と同程度の水準だなどと当時の環境局長が答えられましたが、これは今でも同じ認識ですか、お尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 吉村環境局長。

○環境局長(吉村隆一) 福岡市が環境・エネルギー戦略で目標としている電力自給率につきましては、福岡市内において、福岡市や市民、事業者など、さまざまな主体によって導入される再生可能エネルギーの発電量が、市内で消費される電力全体に対してどの程度の割合になるかというものを示したものでございます。

 一方で、国の目標につきましては、国全体の長期エネルギー需給見通しに示された発電種別ごとの割合、いわゆる電源構成において再生可能エネルギーの占める割合を示したものであり、これら2つの数値については前提条件などが異なることから、単純に比較することは困難な面もございますが、再生可能エネルギーの導入の目安として比較するのであれば、福岡市と国とはほぼ同じ程度の水準を示しているものと考えております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) いろいろ言われたが、結局、同程度の水準だと、今も認識は変わっていないということですね。とんでもない答弁だと私は思います。本市の8%と国の11%では、大きな差なんですよ。もし本市が11%に引き上げたら、2030年度40万キロワットが55万キロワットになる、違いますか。やはり国の目標よりかなり低いのではありませんか、重ねての答弁を求めます。

 

○議長(川上晋平) 吉村環境局長。

○環境局長(吉村隆一) 福岡市が環境・エネルギー戦略で目標としております電力自給率の8%と、国の長期エネルギー需給見通しにおいて示された電源構成のうち、大規模な風水力や地熱発電を除いた再生可能エネルギーの割合である11%という、この2つの数値の差につきましては、先ほども御答弁いたしましたとおり単純に比較することは困難な面もございますが、人口が密集をしている都市構造や地理的特性から、大規模な発電設備の立地が困難な福岡市において、その数値目標というものが、市民や事業者などさまざまな主体によって導入された再生可能エネルギーの発電量を積み上げたものであることを踏まえますと、福岡市の目標電力自給率の8%と国の再生可能エネルギー割合の11%は、ほぼ同じ程度の水準を示しているものと考えております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) いろいろ取り繕っても、国より低いのは歴然としていますよ。そもそも、比較すべき国の目標から、あなたたちは大規模風水力を除くと言いながら、何を除いていますか。実際にはあなたたちは、中小水力と風力も完全に除いてしまっていますね。国の目標の中に、この中小水力を入れれば15%、風力を入れれば17%にもなるじゃありませんか。それを、わざとのごとく比較すべき国のデータから風力を完全に除いて、低い本市の目標に合わせようとしたんでしょう。やることが汚いですよ。

 そこで、本市が行った緑の分権改革の調査では、福岡市の風力について法規制や利用技術の制約を踏まえて取り出せるエネルギーの利用可能量はどれぐらいありますか、お尋ねします。

 

○議長(川上晋平) 吉村環境局長。

○環境局長(吉村隆一) 緑の分権改革推進事業につきましては、2010年度に国が福岡市を含む144の自治体を対象に再生可能エネルギー資源の利用可能量などの調査を実施したものでございます。福岡市における調査のうち、風力発電については、風況に恵まれていない福岡市においては、大型の風力発電の設置は期待できないことから、当時、高効率な小型風力発電として期待されていた風レンズ風車を想定したものとなっております。その調査結果によりますと、利用可能量については、建物や地形などの現状は考慮せずに、一定間隔で風レンズ風車を配置し、一定の風速が得られると仮定して算出した数字とはなりますが、年間発電量ベースで約4,600ギガワットアワーとされております。以上です。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) いろいろ理屈をつけて言われましたが、この緑の分権改革で出された数値というのは、法規制や利用技術の制約を踏まえて取り出せるエネルギーということで、科学的な分析なんですよ。その利用可能量が、今御答弁のように4,600ギガワットアワー。これは、福岡市の約90万世帯分に相当する十分な風力なんです。こんな十分な風力を持ちながら、本市が風力を全く除外するのはおかしいと思いますが、いかがですか。御答弁を求めます。

 

○議長(川上晋平) 吉村環境局長。

○環境局長(吉村隆一) 調査結果によりますと、風況に恵まれない福岡市においては、大型風力発電は発電効率が悪く設置に適していないため、調査が行われた2010年度当時、開発段階にあった小型の風レンズ風車であれば、弱い風でも効率よく発電することが期待でき、市内全域に数多くを設置すれば、相当量の発電量が見込まれるとの報告をいただいたものでございます。

 しかしながら、風レンズ風車については、その後の継続的な実証実験によると、福岡市の風況では設置費用などに見合う十分な発電量が得られなかったことから、現段階においては、太陽光発電のように広く導入を進めることは困難であるというふうに考えております。

 今後も引き続き技術革新の進展などを注視し、福岡市のような風況に恵まれない地域にも対応できる風力発電技術が開発されれば、改めて検討してまいりたいと考えております。以上です。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) 何かと口を開けば、風況に恵まれない、風況に恵まれないと言っていますがね、先ほどあなた自身の調査で、4,600ギガワットアワーと十分な風力が、利用可能量があると答弁されたでしょう。我が党市議団は先月、風工学が専門の大屋裕二九大特任教授を訪ねました。北九州の響灘と比較しても、博多湾沖の洋上では、遜色のない風力ポテンシャルがあります。要は行政のイニシアチブにかかっています、こう説明されました。

  あなたたちは、博多湾沖でこれだけの風力があるのに、洋上風力発電をできない。洋上風力発電にどうして取り組まないんですか、改めて明確な答弁を求めます。

 

○議長(川上晋平) 吉村環境局長。

○環境局長(吉村隆一) 国の機関である新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDOでございますが、ここが公表しております風況マップによりますと、響灘洋上の年間平均風速は秒速6ないし7メートルとなっておりますが、博多湾近海の年間平均風速は響灘よりも秒速1から2メートル弱く、この風速の違いを発電量に換算いたしますと、2分の1から3分の1となるため、発電コストが割高になるというふうに考えてございます。

 一方、玄界島よりも沖合の玄界灘の風況は、響灘と同等程度とされておりますが、響灘の洋上風力発電が陸地に近い港湾区域内に計画されているのと異なり、建設のための輸送インフラの整備や海底ケーブルなどの建設コストの面などにおいて課題があることから、現段階においては響灘と同様に考えることは困難であるというふうに考えてございます。

 今後、風況やコスト面において博多湾沖でも対応できる発電技術が開発されれば、洋上風力の導入も可能と考えており、技術革新の進展や国の洋上風力発電を進めるためのルールづくりの動向などを注視してまいりたいと考えております。以上です。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) 発電コスト、発電コストと言っていますが、あなたたちはあの風レンズ風車の時代から一歩も進んでいないですね。私どもは大屋教授のところに行って説明を受けました。今、マルチレンズ風車とか、ウインドソーラータワーとか、まさにコスト安で、数倍も風力を起こす、そういった省エネの装置ができているんですよ。

 ここまでかたくなに風力を除外するのは、何か裏があるのではないんですか。原発にしがみつく業界筋から、余り風力をやってくれるなと圧力でもかかっているんじゃありませんか、お尋ねします。

 

○議長(川上晋平) 吉村環境局長。

○環境局長(吉村隆一) 再生可能エネルギーの導入に当たりましては、現在大きな比重を占めている太陽光発電、それから廃棄物発電などの都市型バイオマス発電に偏ることなく、地域の特性や資源を生かして、多様な再生可能エネルギーの活用を目指す必要があると考えております。

 風力発電につきましても、技術革新の進展などを注視し、福岡市のような風況に恵まれない地域にも対応できる風力発電技術が開発されれば、改めて検討してまいりたいと考えております。以上です。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) 否定されたが、それでは、目標に定めている2030年度に向けて、本市の風力の具体的な導入計画はどうなっていますか、お尋ねします。

 

○議長(川上晋平) 吉村環境局長。

○環境局長(吉村隆一) 福岡市が2014年6月に策定をいたしました環境・エネルギー戦略につきましては、東日本大震災後の電力システム改革などエネルギーを取り巻く状況の変化に対応し、福岡市としてのエネルギー施策の方向性を示すために策定したものでございます。

 戦略では、福岡市の特性を踏まえ、地域にある多様なエネルギー資源を活用した再生可能エネルギーを導入し、福岡型の自立分散型エネルギー社会の実現を目指すための中長期における再生可能エネルギー全体の導入目標を掲げており、再生可能エネルギーそれぞれの利用可能性や導入事例は示してございますが、電源別の導入目標については設定をいたしてございません。したがいまして、風力発電に特化した導入計画につきましても策定をいたしておりません。以上です。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) 結局ないということですね。では、その他の太陽光や中小水力、バイオマス等の再生可能エネルギーの電源別導入計画はどうなっておりますか。

 

○議長(川上晋平) 吉村環境局長。

○環境局長(吉村隆一) 福岡市が2014年6月に策定いたしました環境・エネルギー戦略においては、太陽光やバイオマスなどの再生可能エネルギーについての利用可能性や導入事例を示すとともに、十分に活用されていない小水力や風力、未利用熱などについても、費用対効果を踏まえながら活用を検討することを記載してございますが、導入目標については、再生可能エネルギー全体の目標数値を設定するにとどめ、電源別の導入目標については設定してございません。したがいまして、電源別の導入計画につきましても策定はしておりません。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) これも計画はないと、こういうことなんです。203040万キロワット、8%という本市の目標は非常に低いと思うが、それに向けて電源別の具体的な導入計画すら持たないなら、その低い目標すら達成できないのではありませんか、責任ある答弁を求めます。

 

○議長(川上晋平) 吉村環境局長。

○環境局長(吉村隆一) 環境・エネルギー戦略に基づく再生可能エネルギーの導入につきましては、短期、中期、長期、それぞれの視点で施策を進めているところでございます。

 短期目標としていた2016年度末の導入目標値144,000キロワットは既に達成をしたところでございます。今後、2030年度の導入目標40万キロワットを目指し、福岡市の特性や現在、国で策定中の第5次エネルギー基本計画で再生可能エネルギーを主力電源とする方向性が初めて示されたことなどを踏まえまして、技術革新の進展などエネルギーを取り巻く情勢の変化に的確に対応しながら、導入に取り組んでまいります。

 具体的には、これまで太陽光発電、それから廃棄物発電などの都市型バイオマス発電を中心に取り組みを進めてきておりますが、今後も市有施設については、導入コストや新たな関連ビジネスの動向などを的確に捉え、事業者のノウハウも活用しながら、各局と連携して太陽光発電設備の導入を推進するとともに、清掃工場の建てかえに合わせて、廃棄物発電設備の高効率化にも努めてまいります。また、市民や事業者への導入促進については、引き続き住宅用太陽光発電システムに対する助成や再生可能エネルギーの導入メリット、国の補助制度の周知などを行ってまいります。

 今後とも、これらさまざまな主体による多様な手法を活用するとともに、さらに風力を含め、現在十分に活用されていないエネルギー資源についても、費用対効果を踏まえながら活用策を検討することによって、目標達成に向け積極的に取り組んでまいります。以上です。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) 長々と答えられましたが、要するにあなたたちのやる気のなさ、これが原因なんですね。原発に固執している市長の姿勢に問題があると私は思います。今、世界では、脱炭素社会を目指して再生可能エネルギーが急速に普及し、電力量の24%を占め、他方、原発は10%に低下しています。日本でも再エネを主力電源とうたう自治体や企業がふえ、例えば札幌市は、原発に依存している43%の電力を2030年までに全て再エネと省エネで置きかえる計画を推進しており、新潟、静岡でも、24%を目指しています。官民挙げて再エネに投資しているのに、福岡市の8%というこの低い目標は何ですか。このままでは、福岡市は置いてけぼりになりますよ。

 したがって市長は、立場の違いを超えて、2人の元総理が名を連ねる原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟が協力して国会に提出されている野党共同の原発ゼロ基本法案に賛同するとともに、本市の再エネ2030年目標を抜本的に引き上げるべきだと思いますが、この問題の最後に、島市長の答弁を求めます。

 

○議長(川上晋平) 島市長。

○市長(島宗一郎) エネルギーの大消費地であります福岡市におきましては、徹底した省エネルギーに取り組みますとともに、再生可能エネルギーなどの分散型エネルギーを最大限活用するまちづくりが求められています。

 このため福岡市では、2014年6月に策定をした環境・エネルギー戦略に基づき、これまでに学校やまた公民館の屋根、ため池の水面、遊休地などを民間事業者へ貸し出すなど、太陽光発電の設置を進めるとともに、清掃工場や下水処理場でのバイオマス発電、ダムや浄水場での小水力発電など、全市を挙げて多様な手法による再生可能エネルギーの導入を積極的に推進しているところでございます。

 今後とも、福岡市の地域特性やポテンシャルを最大限に生かして、再生可能エネルギーをさらに普及、拡大するとともに、効率的なエネルギー利用による安全、安心で持続可能なまちづくりにしっかりと取り組んでまいります。以上です。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) 原発に依存したまま再生可能エネルギーは進まない、このことを申し上げまして、次に、介護保険外しの総合事業問題について質問をいたします。

 2017年4月から強行された、要支援の軽度者を介護保険給付から外して市町村の総合事業化してから1年、今、本市の介護現場で何が起こっているかを検証していきたい。

 このほど厚生労働省は、この要支援の総合サービスから約4割の676市町村で事業所が撤退したということを明らかにしましたが、本市では、撤退した事業所はどれぐらい生じたのか、お尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 福岡市の事業所の状況につきましては、総合事業開始時にみなし指定を受けた事業所は、介護予防型訪問サービスが385事業所、介護予防型通所サービスが458事業所でございますが、このうち指定を更新せず総合事業のサービスを廃止した事業所は、介護予防型訪問サービスが57事業所、介護予防型通所サービスが62事業所となってございます。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) そうしますと、合わせて119事業所が本市でも撤退している。これは、指定介護事業所の約15%にもなります。その撤退の理由は何ですか。あわせて、事業所の撤退によってサービスを受けられなくなった人はどれぐらいいるのか、答弁を求めます。

 

○議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 事業所を廃止した理由といたしましては、廃止の際に事業者から提出される廃止届出書において、経営合理化のための統合や経営悪化などが挙げられております。

 なお、介護保険法施行規則により事業者が事業を廃止、休止する場合は、他の事業者と連携し、利用者が継続的にサービスを受けることができるようにすることとされており、制度上、サービスについては継続して提供されているものと認識してございます。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) この撤退の理由についても、私が調査したときには、把握していないということをあなたたちは答えていたんですよ。本当に無責任ですよね。実際、国の調査でも83自治体で610人が利用継続できなくて、調整に非常に困難をきわめたんです。

 こういうことが、福岡市でも相当の事業所撤退が起こっているのに、福岡市で起こっていないと、このように考えているんですか、断言できるんですか、答弁を求めます。

 

○議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 繰り返しになりますが、介護保険法施行規則により、事業者が事業を廃止、休止する場合は、他の事業者と連携し、利用者が継続的にサービスを受けることができるようにすることとされており、制度上、サービスについては継続して提供されているものと認識しております。

 福岡市といたしましては、利用者が困ることがないよう、法令に基づき、事業者に対して指導を行っているところでございます。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) あなたたちね、把握もしていないのにそんなことが言えますか。私はこの間、生活支援サービスを受けている要支援の方たちに話を聞いて、地域包括支援センターやさまざまなところで声を聞いてまいりました。博多区で実際に家事援助サービスを受けられている方は、ヘルパーさんが事業所閉鎖でもう来られませんと言われて困っていますと、途方に暮れています。この方は今なお引き継ぎがなく、サービスがとまったままです。また、同区のある地域包括支援センターのケアマネジャーの方は、福岡市の生活支援総合事業は介護保険の7割給付で、利用者にとってサービスが制限され、事業者にすれば、やればやるほど採算がとれなくなってしまいますと語ってくれました。だから、事業所の撤退が起きているんですよ。サービスを受けられない人が生まれ、事業所も採算がとれない。

 お尋ねしますが、あなたたちが7割給付に引き下げたのは、大失敗だったのではありませんか、所見を伺いたい。

 

○議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 生活支援型サービスにつきましては、掃除、洗濯、調理などの日常生活の援助などを行うサービスでございまして、身体介護などといった専門職よる支援が必要ではない方に向けてのサービスでございます。

 このため、サービスの提供に必要な人員基準等を緩和しており、その報酬水準の検討に当たっては、訪問介護と通所介護の事業所に、介護保険外での掃除や洗濯などの生活支援サービスなどの提供状況を調査し、介護予防サービスの基本報酬の7割程度の料金設定となっていたため、福岡市といたしましては、報酬額を7割程度にすることが適当であると考えたところでございます。

 総合事業につきましては、国のガイドラインによりますと、高齢者のニーズに対応したサービスの多様化と費用の効率化、新たな介護の担い手の確保を図ることを目的としており、福岡市といたしましても、介護保険制度の持続可能性を高める重要な取り組みであると認識しておりますので、今後とも、周知を図りながら総合事業を進めてまいります。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) 現に博多区のある訪問ヘルパー事業所では、この要支援サービスをやったおかげで25%の減収となって、結局、生活支援総合サービス、これから事業撤退を余儀なくされたんですよ。また、東区のある地域包括支援センターの話では、総合事業でエリア内の事業所に問い合わせても、生活支援型サービスに対応できる職員がいない、これ以上要支援の方の受け入れは困難、こういう返事が返ってきます。このままでは、必要なサービスを受けられない軽介護難民がふえていきますよと警鐘を鳴らしておられます。

 市長、直ちに実態調査をして必要な対策を講じるべきではありませんか、答弁を求めます。

 

○議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 総合事業につきましては、まだ開始から1年であり、まずはサービスの普及に向け周知を図ることが重要であると考えております。今後、必要に応じてサービスの利用状況の分析などを行ってまいります。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) わずか1年どころではないですよ。どんどんその間に撤退が進んでいるでしょう。あなたたちはこの穴埋めに、麻生介護サービス株式会社に委託して、わずか18時間足らずの受講研修で即席養成した無資格の生活支援型訪問サービス従業者で乗り切ろうとしていますが、到底無理ですよ。要支援であっても、介護が必要な人たちです。その介護には、専門的な人材が不可欠であります。それに見合う対価が保障されなければなりません。ある有資格の専門介護ヘルパーの方は、生活支援は、掃除、洗濯など単なる家事代行ではありません。利用者の持つ病状や介護度に合わせて、一人一人の家事援助の要求をつかむ観察力と限られた時間内に的確に処理していく対応能力が求められています。そんな専門有資格者がやっても、生活支援型サービスは7割というのは納得いきません、こう私に訴えられました。

 そこで、この報酬単価はその自治体で独自に決められると思いますが、他の政令市で本市の7割よりも高い単価でやっているところはどれぐらいありますか。

 

○議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 政令市の報酬単価の状況について各都市に確認いたしましたところ、総合事業におきましては、報酬設定の前提となる運営基準や報酬の積算方法などが市町村で独自に定められることから一概には比較できませんが、報酬を従来サービスの8割以上に設定していると回答した政令市は15市となってございます。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) 福岡市よりも高いところばかりですよ。7割程度の福岡市というのは、最低クラスですよ。このように、私がるる述べてきましたように、今介護保険の現場では、その制度の根幹が揺らいでおります。

 したがって市長は、要支援の総合事業サービスをもとの介護保険制度の枠組みに戻すよう国に要求するとともに、当面、利用者も事業者も苦しんでいる生活支援総合事業の底上げとして、本市独自に10割給付に見合う加算や生活支援事業所への補助制度の創設、介護労働者の処遇改善策を講じるなどして、介護保険から外された人が安心して必要なサービスが受けられるよう、市の責任で保障すべきだと思いますが、この問題の最後に、島市長の答弁を求めるものであります。

 

○議長(川上晋平) 島市長。

○市長(島宗一郎) 総合事業につきましては、高齢者のニーズに対応したサービスの多様化を図るとともに、費用の効率化や新たな介護の担い手を確保することで、介護保険制度の持続可能性を高める重要な取り組みであると認識しております。

 福岡市といたしましては、介護人材の確保、介護サービス基盤の整備、介護予防、健康づくり、認知症施策の推進など、超高齢社会に対応した取り組みをより一層推進しますとともに、国に対して介護保険制度の円滑な運営を図るための取り組みがなされるように引き続き要望し、高齢者になっても、住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるよう、地域包括ケアの構築を今後も進めてまいります。

 さらに福岡市では、人生100年時代の到来を見据え、高齢者が健康寿命を延ばし自分らしく生きていける社会の実現を目指すため、産学官民オール福岡で取り組むプロジェクト、福岡100をしっかりと進め、個人にとっても社会にとっても幸せであり得る健寿社会に向け、持続可能なまちづくりに取り組んでまいります。以上です。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) 保険あって介護なしを一層ひどくする介護保険外しの総合事業から抜本的に転換するよう求めて、最後に、市長が進めている博多旧市街プロジェクトの出来町公園環境拠点整備問題について質問をいたします。

 この出来町公園は、もともとオフィス街の憩いの場として、近隣住民やサラリーマンに親しまれていた歴史ある公園です。ところが今回、この博多部を魅力ある楽しめるエリアにすると称して、御供所、寺町の回遊、観光拠点として位置づけされました。

 そこで、この公園にどうして観光拠点づくりの必要があるのか、その理由についてお尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 石橋住宅都市局長。

○住宅都市局長(石橋正信) 出来町公園の再整備につきましては、まず、地域で自主的にアンケートを実施され、その後、その結果をもとに地域と行政とで検討会を行う中で、地元が運動会等で利用するグラウンドなどとあわせまして、観光バスの乗降場、観光ガイドの詰所、売店、パンフレット置き場の設置などの御要望もいただいたため、その御意向を踏まえた整備に取り組んだものでございます。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) では、あなたたちが201712月に出した観光拠点施設の事業者公募要項には、地元から要望書が出されたとありますが、どういう要望書が出されたんですか、お尋ねします。

 

○議長(川上晋平) 石橋住宅都市局長。

○住宅都市局長(石橋正信) 地元で自主的にアンケートを実施されておりますが、その中での主な要望項目として、運動会等の利用が可能なグラウンド的な広場、緊急時の避難場所、観光バスの駐車場などが挙げられていたところでございます。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) 要望書を出されたんですけど、どういうものでしたかというのを聞いているんですよ。それは要望書ではなくて、地元自治協議会が実施したアンケートの集計結果を、あなたたちが勝手に取りまとめたものなんですよ。存在もしないのに、要望書に基づいたかのように公募要項に記載した、これは、全くの虚偽ではありませんか。責任ある答弁を求めます。

 

○議長(川上晋平) 石橋住宅都市局長。

○住宅都市局長(石橋正信) 休養施設等設置・管理運営事業者募集要項は、経済観光文化局で作成されたものでありますが、地域で自主的に実施されたアンケートの中で、出来町公園の再整備に関する具体的な要望項目が多数記載されておりましたことから、これを地域の声として要望書と同等と受けとめ取り扱ったものでございます。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) 要望書はないということですね。こんな嘘をついておきながら、反省の一言もない、けしからんですよ。

 では、あなたたちが根拠にしたアンケートの結果はどういうものですか、お尋ねします。

 

○議長(川上晋平) 石橋住宅都市局長。

○住宅都市局長(石橋正信) 主な要望項目といたしまして、運動会等の利用が可能なグラウンド的な広場が16件、緊急時の避難場所が15件、観光バスの駐車場が11件などがございます。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) 私も見てみましたけど、グラウンド広場や避難場所、従来どおりの公園を望む声が70%。観光に類する要望は19%にすぎない。しかもそのアンケートには、観光拠点施設なんか出てきませんよ。これでどうして観光拠点整備が前面に出てくるんですか、説明を求めます。

 

○議長(川上晋平) 石橋住宅都市局長。

○住宅都市局長(石橋正信) 平成26年度から27年度にかけまして、地域とともに4回の検討会を実施しております。

 第1回は平成26年6月に開催しておりまして、地域からは、御供所や冷泉をめぐる観光客を呼び込むために、観光バスの乗降場が3台から5台分ぐらい必要、観光客が利用するトイレも不足しているなどの御意見が示され、11月に実施いたしました第2回検討会におきましては、観光バスの乗降場の設置場所としてどこがふさわしいかの意見交換や公園内の売店やレンタサイクルの詰所をつくり、その事業者に車どめの上げ下げをしてもらいたい旨の意見などが示されております。

 また、平成27年8月に開催いたしました第3回検討会におきましては、観光ガイドの詰所、パンフレット置き場、売店等、これまで不足していた機能が、この休憩所によって解消できる期待があるなどの意見が示され、平成28年3月に開催した第4回検討会で、それらをまとめた休憩所を民間活力の導入によって整備することを確認したものでございます。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) 今述べられた件なんですけど、私が当初、そういったものはないのかと言ったら、記録はないと言っていたんですよ。そしたら今回、慌てて出来町公園再整備検討会協議要旨なるものを持ってきた。私はこれを早速地元の自治協のある役員さんに見せると、こんな書類は初めて見たと、つまり、これは住民に確認していない代物なんですよ。しかもその役員さんは、協議要旨に記録されている、今あなたが述べた観光客を呼び込むために、観光バスの乗降所が3〜5台分必要だとか、観光広場にロータリー乗降場ができないか、こういうことについては言っていない、こうおっしゃっています。

 これはまさに、あなたたちが都合のいいように、住民の言っていることを捏造して書いているのではありませんか、お尋ねをします。

 

○議長(川上晋平) 石橋住宅都市局長。

○住宅都市局長(石橋正信) 地域では、これまでも寺社等の景観を生かしたまちづくりを進めてこられましたけれども、博多千年門の整備を契機にさらに熱心な取り組みがなされ、今回の検討に当たりましては、当初から観光バス駐車場等についての要望がなされていたものでございます。

 なお、協議要旨の提出をお求めになられた際に、地元まちづくり団体の代表者等にその内容について御確認をいただきましたが、間違いないとのお答えもいただいております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) 私は、自治会の役員さんに聞いたんですよ。この文書は確認していないと言っているんですよ。じゃ、自治会の役員さんがうそを言っているというんですか。大体地元の方は、地元に唯一あるこの出来町公園を避難所として整備されることを望んでいた。それをあなたたちが勝手に観光拠点整備計画を誘導して、全く違うものにしようとしている。さらに、面積6,673平方メートルのこの公園の中につくる観光拠点施設280平方メートルなるものを建てて、観光バス乗降場572平方メートルを合わせると、純粋な公園面積は852平方メーターも削られ、自由に使える面積が大きく減ることになる。これでは、近隣住民の交流や避難、開放スペースとして本来の公園機能を果たせなくなるのではありませんか、お尋ねをします。

 

○議長(川上晋平) 石橋住宅都市局長。

○住宅都市局長(石橋正信) 観光拠点施設及び観光バス乗降場につきましては、繰り返しになりますが、地域からの要望も踏まえ整備することとしたものであります。また、観光拠点施設は地域住民も自由に利用できるトイレや休憩スペースなどが多くを占める計画となっております。また、地元の運動会などにも利用でき、緊急時の避難場所ともなります多目的広場、なお、これは120メートルトラックが入る規模でございますけれども、その外周には、園路、ベンチ、樹木等を設置するなど、公園を訪れるさまざまな人々にとって、憩い、楽しめる場となるよう再整備を行ったものでございます。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) とんでもありませんよ。危険なバスの乗りおり場が、子どもが遊んでお年寄りが憩えるところになり得ますか、全く苦しい言いわけだ。

 次に、観光休養施設の公園使用料についてはどうか。この博多駅前周辺の家賃単価は、1平方メーター当たり1,800円なのに、あなたたちは魅力ある公募施設だからといって、1平方メーター当たり675円にまけてあり、月189,000円と、近傍の周辺家賃の3分の1ですよ。さらに、この会社は公募時にはインベスターズクラウドという会社だったのですが、いつの間にか株式会社TATERUという会社に変わっています。その理由についてお尋ねします。また、この会社の業種は何ですか、答弁を求めます

 

○議長(川上晋平) 島経済観光文化局長。

○経済観光文化局長(島 収) 事業者公募時の株式会社インベスターズクラウドにつきましては、平成30年4月1日付で株式会社TATERUに名称変更したものであり、同一企業でございます。同社のブランドを高めるために名前を変更したと理解しております。また、株式会社TATERUは不動産会社で、主にインターネットを活用したアパート経営などを行っております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) 不動産経営企業をやっている、TATERUに名前を変更したということなんですけれども、このTATERUという会社は、今社会問題になっている民泊事業もやっていますね。そうすると、あなたたちはこの会社が公園内で観光客相手に同社系列の民泊あっせんもすることを承知の上で委託契約したんですね、明確な答弁を求めます。

 

○議長(川上晋平) 島経済観光文化局長。

○経済観光文化局長(島 収) 本事業者から提案された事業内容の中で、今回は民泊のあっせんは含まれておりません。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) 協定書の中には、そんなこと書いていないですよ。見え見えですよ。結局、大事な公園を減らし住民を締め出す、特定企業に格安使用料で大盤振る舞い、そして、民泊業でぼろもうけさせる、これがあなたたちの狙いではありませんか、はっきり答えてください。

 

○議長(川上晋平) 島経済観光文化局長。

○経済観光文化局長(島 収) 先ほど申しましたけれども、本事業に民泊のあっせんは含まれておりません。また、この株式会社TATERUの子会社においては旅館業法の許可を受け、2018年5月時点で、市内18カ所で合法的に民泊事業を行っております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) 民泊をしないということを確約できますか、そしたら。民泊あっせんをさせないということは、市のほうとして確約できますか、再度答弁を求めます。

 

○議長(川上晋平) 島経済観光文化局長。

○経済観光文化局長(島 収) 先ほど答弁しましたように、本事業者から提案された事業内容には、民泊のあっせんは含まれておりません。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) ひえじま俊和議員。

51番(ひえじま俊和) いろいろ言われるけど、今、違法民泊で大きな問題があっている。一部の営利企業にもうけさせるために、にぎわいの創出などといって市民の財産である公園を投げ渡したということにほかならない、この事業はね。結局、あの水上公園リニューアルと同様、今度は民泊企業の利益を保障するために、住民に犠牲を押しつけようとしているのではありませんか。毎日この公園を散歩されている中年の御夫婦は、公園があるので隣接のマンションを購入しましたが、クルーズ観光などの集客施設ができたら、喧騒や環境悪化、交通渋滞、治安などが心配ですと、私に心配そうに語ってくれました。公共の福祉の増進に資すると称して定められた都市公園法では、街区公園を専ら街区に居住する者の利用に供することを目的とすると定められております。

 市長、住民の要望を聞いたかのように装って進めようとする民間丸投げの観光拠点施設整備は一旦中止して、改めて住民説明会を開き、市の責任で出来町公園を管理するとともに、金もうけの稼ぐ都市ではなく、真の旧博多部振興へ見直すべきだと思いますが、最後に島市長の答弁を求めて、私の質問を終わります。

 

○議長(川上晋平) 島市長。

○市長(島宗一郎) 博多部の観光振興につきましてはこれまでも地域とともに取り組んでまいりましたが、平成2912月に博多旧市街プロジェクトを立ち上げ、博多部の歴史、伝統、文化などの観光資源をストーリーやまち並みでつなぎ、広く発信することとしております。わかりやすいモデルコースを設定し、統一デザインによる観光案内板等の改修を行うとともに、出来町公園における観光拠点施設の整備やホームページによる多言語での情報発信などに取り組んでおります。

 今後とも、博多部の魅力向上のためにエリア全体の観光振興のあり方を検討していくほか、歴史、文化に配慮した石畳風の道路整備を行うなど、ソフト、ハード両面から、市民や観光客が博多の歴史を感じ楽しんでいただけるように、地域、そして関係者の声を聞きながら、博多旧市街プロジェクトを推進してまいります。以上です。

 

○議長(川上晋平) 阿部真之助議員。

21番(阿部真之助)登壇 おはようございます。私は、自由民主党福岡市議団を代表しまして、新生児聴覚検査、小学校の新設並びに統廃合の抱える問題、福岡市議会議員選挙における投票率の変遷とまちの成熟の3点について質問をしてまいります。

 まず、新生児聴覚検査についてです。

 聴覚障がいは、早期に発見されかつ適切な支援が行われた場合に、聴覚障がいによる音声言語発達等への影響が最小限に抑えられることから、その早期発見、早期療育を図るために、全ての新生児を対象として新生児聴覚検査を実施することが重要であると厚生労働省通知にもあるように、市町村としては、その通知内に記されている新生児聴覚検査の実施について並びに周知、啓発、関係機関の連携等に積極的に取り組んでいかなければならないと考えます。

 そこで、先天性難聴の出現頻度はどれぐらいで、その出現頻度は、先天性代謝異常疾患に比べどうかについてお尋ねし、他の質問は自席にて行います。

 

○議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 先天性難聴の出現頻度につきましては、平成28年に日本耳鼻咽喉科学会が公表した資料によりますと、1,000人に1人から2人とされております。一方、先天性代謝異常の出現頻度は、厚生労働省の調査では、平成28年度は約1,000人に1人となっており、先天性難聴のほうが出現頻度が若干高い状況にございます。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 阿部真之助議員。

21番(阿部真之助) 先天性代謝異常疾患よりも頻度が高いとはいうものの、先天性の聴覚障がいは、先ほども申し上げたとおり早期に発見され、適切な支援が行われれば、音声言語発達への影響は最小限に抑えられると聞いています。ですから、早期発見のために新生児聴覚検査を実施することはきわめて重要であると私は考えています。

 国内でも十数年前から行われるようになったと聞いていますが、厚生労働省通知等により推奨されている初回検査から療育開始までのスケジュールをお教えください。

 

○議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 初回検査から療育開始までのスケジュールにつきましては、分娩取扱機関において、おおむね生後3日以内に初回検査を実施し、再検査が必要とされたケースについては、おおむね生後1週間以内に確認検査を実施すること、精密検査が必要な場合は、遅くとも生後3カ月ごろまでに精密検査を実施し、精密検査の結果、支援が必要とされた乳児に対する療育は、遅くとも生後6カ月ごろまでに開始されることが望ましいとされております。ただし、未熟児など特別な配慮が必要な乳児については、医師により適切に判断されることが望ましいとされております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 阿部真之助議員。

21番(阿部真之助) 現行では、平成19年厚生労働省通知の新生児聴覚検査の実施についてのとおりで実施されていますが、このたび当該通知の一部が改正されましたが、その主な改正点を御説明ください。

 

○議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 厚生労働省通知の平成2912月における主な改正点でございますが、市町村は、生後6カ月ごろまでに管内の新生児を含む全ての乳児に対して受診状況の確認を行うよう努めること、また、確認した受診状況については市町村において取りまとめ、継続的な検査実施状況等の把握に活用すること、新生児聴覚検査に係る費用について公費負担を行い、受診者の経済的負担の軽減を積極的に図ること、都道府県は、行政機関、療育機関、医療機関、教育機関、地域の医師会、患者会等の関係機関、関係団体から構成される協議会を開催し、都道府県単位で連携体制を構築すること、協議会においては、市町村における実施状況等や医療機関における検査の実施状況等を把握し、必要な対策について協議することとされております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 阿部真之助議員。

21番(阿部真之助) ただいまの答弁の中にありました受診者の経済的負担の軽減を積極的に図るということに対して、現在本市では、検査費用に対して公費負担をしているのか、また、検査費用と保護者の実質負担金額をお答えください。

 

○議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 本市におきましては、現在、検査費用に対する公的負担は行っておらず、全額、保護者の負担となっております。

 検査費用につきましては、医療機関や使用する検査機器によって異なりますが、おおむね3,000円から8,000円程度とお聞きしております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 阿部真之助議員。

21番(阿部真之助) 今の答弁の中にあったとおり、昨年、こども基金に積み上げた30億円の有効な一つの使い道が発見されたのではないかと私は思っています。

 そこで、福岡市で生まれてくる新生児が全て、この新生児聴覚検査を全額公費負担で受けるとするのであれば、幾らの予算措置が必要なのか、お答えください。

 

○議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 新生児聴覚検査に係る費用につきましては、本市における平成29年度の出生数と政令指定都市での助成額を参考に、国が推奨する検査方法で全額公費負担するとして試算した場合、年間約8,000万円の予算が必要かと見込まれております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 阿部真之助議員。

21番(阿部真之助) また、都道府県においてはという限定つきではありますけれども、福岡県では本年2月に、県行政、それと市町村行政、それと耳鼻咽喉科、産婦人科、小児科の先生方が参加する新生児聴覚検査についての協議会を立ち上げたと聞いております。

 そこで、現在の福岡市はどのような状況なのか、お知らせください。

 

○議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 本市におきましては、県から新生児聴覚検査が可能な医療機関の情報を、また、療育機関から精密検査が可能な医療機関の情報をそれぞれ入手いたしまして、保護者等への医療機関紹介に活用するなど、支援が必要な乳児が療育まで適切につながるよう、関係機関との連携を図っております。

 なお、関係医療機関とは定期的な情報交換の場を設けております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 阿部真之助議員。

21番(阿部真之助) 行政が構築した協議会みたいなものはありませんが、この十数年、産婦人科、耳鼻咽喉科、療育機関、教育機関などがそれぞれに努力し、新生児聴覚検査の実施、事後措置の体制を整備してきました。福岡市においても、4カ月児健診時に、新生児聴覚検査の結果を確認いただけるようになったということですが、直近の結果で結構ですから、新生児聴覚検査の受診率をお知らせください。

 

○議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 新生児聴覚検査につきましては、平成2811月から4カ月児健診時に受診状況を把握しております。受診率は、直近の平成29年度で約92.7%となっております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 阿部真之助議員。

21番(阿部真之助) また、その中でリファー、すなわち要精密検査対象となった乳児の数、割合をお知らせください。

 

○議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 平成29年度に把握した受診者1万3,059人のうち、要精密検査対象となった乳児につきましては53人で、その割合は0.4%となっております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 阿部真之助議員。

21番(阿部真之助) それでは、要精密検査対象と診断された乳児のうち、精密検査を受けている乳児、また、受けていない乳児の数をお知らせください。

 

○議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 平成29年度において4カ月児健診時に把握した、要精密と診断された乳児53人のうち、精密検査を受診済みの乳児が41人、健診の時点で未受診の乳児が12人でございました。この未受診の12人につきましては、受診予定であることの確認、もしくは受診勧奨を行っております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 阿部真之助議員。

21番(阿部真之助) 今の答弁からすると、要精密検査と診断された乳児のうち、精密検査を受けていない乳児には、健診においてどのように対応しているのかをお知らせください。

 

○議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 精密検査の受診状況につきましては、4カ月児健診時に確認しております。精密検査をまだ受けていない方への対応につきましては、産科医療機関等からの紹介状を持っている場合は、受診予定日を確認するなどして受診を勧めております。紹介状を持たれていない場合は、4カ月児健診時に専門医療機関への紹介状を出しております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 阿部真之助議員。

21番(阿部真之助) また、新生児聴覚検査そのものを受診していない健診受診者に対しては、どのような対応をしているのか、お知らせください。

 

○議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 4カ月児健診時におきましては、全乳幼児に対して、診察や問診時に耳の聞こえを確認しております。また、新生児聴覚検査を受診していない場合は、音への反応で気になることがあれば、最寄りの耳鼻科や小児科を受診するよう助言を行っております。

 なお、平成29年度の母子健康手帳から、新生児聴覚検査に関する記載をふやし、受診勧奨に努めているところでございます。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 阿部真之助議員。

21番(阿部真之助) 今の答弁からすると、新生児聴覚検査はそもそも、厚生労働省通知においても推奨されているスケジュールがあると思います。生後1カ月までに最初の新生児聴覚検査が行われるべきであって、検査のための数千円の費用負担ができない世帯、家庭においては、任意であるのならば受診はできないという現状があるのではないかと考えます。

 現在の福岡市では、産婦人科の先生方の御努力のおかげで、公費負担がないにもかかわらず新生児聴覚検査は92.7%という高い実施率水準です。自治体の役割は、この92.7%を限りなく100%に近づけ、先天性難聴を早期に発見し、対象児が成長の過程において健常と障がいの差を限りなくゼロに近づける努力をしていかなければならないと思っています。

 また、その検査は永続性が必須で、生後1カ月までにという限定期間で行われるのであれば、産婦人科の先生方の御協力と検査機器の更新等、越えていかなければならない壁が存在しています。

 障がいが残る、すなわち発音等に障がいが残る、将来生活するのに大きな負担感を子どもに感じさせないためにも、公費負担を実施すべきと考えるが、当局の考えを伺います。

 

○議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 新生児聴覚検査につきましては、聴覚障がいを早期に発見し、できるだけ早く専門的な療育を開始することで、子どもの言語力の発達を促すことができることから、非常に重要であると認識しております。

 福岡市では、平成28年3月の厚生労働省通知を受けて、既に新生児聴覚検査の受診率を向上させ、受診の結果、支援が必要な乳児を適切に療育へとつなげるためのさまざまな取り組みを進めております。具体的には、新生児訪問時や4カ月児健診時に母子手帳を活用して検査の受診状況を確認し、受診していない場合は保護者の方へ検査可能な医療機関を御案内するなど検査の受診勧奨を確実に行うこととしており、また、精密検査により障がいがあると診断された場合は、適切な時期に療育機関につながるよう対応しております。

 しかしながら任意の検査であるため、一部受診していない新生児もおり、全ての新生児が確実に聴覚検査を受診できる仕組みと、保護者の経済的負担の軽減を図る仕組みが重要であります。このことから、福岡市においては、昨年度より新生児聴覚検査費用への公費負担を含め、新生児聴覚検査事業の検討を進めております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 阿部真之助議員。

21番(阿部真之助) 福岡市として、小児科医会、それとか産婦人科医会、耳鼻咽喉科医会等から、ただ単に定期的に意見を聞くだけではなく、互いに意思疎通を深め、新生児聴覚検査に対して三位一体で取り組んでいけるような体制を整えるべきだと私は考えています。新生児聴覚検査への公費負担に関して、福岡市でこれから子どもを生み育てようとしている人々はもろ手を挙げて賛成すると思うし、こども基金の使い方としても、市民の方々に賛同も十分に得られると思っております。ぜひこの件に関して公費負担を導入することによって、親の経済格差等を取っ払い、さまざまな意味で元気よく子どもたちが障がい、障壁を乗り越えていければと強く私は感じておりますので、よろしくお願い申し上げて、この質問を終わります。

 次の質問に移ります。

 現在の福岡市は、人口が157万人超となり、政令指定都市の中でも第5位の人口を持つ大都市に成長しています。海外からは観光地としても注目を集め、観光客数も飛躍的に伸びております。しかし、我々市民の生活に視点を移すと、これから改善していかなければならない課題が山積みであると言っても過言ではないでしょう。

 そこで、今回の質問で取り上げようと考えているのは、小学校の新設並びに統廃合の抱える問題であります。

 少子化とはいうものの、福岡市は出生数も増加しており、子どもの絶対数は増加しているものの、成人としての人口流入が多いために、少子化は進行していると言えるでしょう。西都小学校が開校され、西部地区の発展に伴い、人口増加、また街区整備が進むことは喜ばしいことだと思います。しかし、小学校入学前のゼロ歳から6歳までのその地区の人口が、既に過多である現在の西都小学校の児童数よりも多くなっているというのは問題だと思っています。住宅地の開発やインフラ整備だけを強引に進めたツケが回ってきているのではないかと思っています。新しく小学校等を整備するのには、今まであった小学校等が満杯になり、近隣地区に校区を分割するというのが今までのやり方ではなかったかと思いますが、それも、少なくとも約10年から20年というスパンで捉えられてきたことではないかと思います。昔は、ベビーブーム等の人口の爆発的増加の社会的背景があったり、公団住宅の──現在のURですが──早期整備が国の施策と同時並行的に行われてきたことも要因の一つであったと考えます。現在ではそういった特殊事情はなく、ただ自治体が進める区画整理、特に市街化調整区域の宅地化や大型開発に左右される部分が大きく、綿密な計画や人口の動向の徹底調査が重要ではないかと昨今考えられています。

 そこで、小学校の統廃合に関連して幾つか質問します。

 天神周辺地区の少子化の進行による大名小学校、簀子小学校、舞鶴小学校の統廃合によって、小学校の校歌の取り扱いはどうなったか、お答えください。

 

○議長(川上晋平) 星子教育長。

○教育長(星子明夫) 大名小学校、簀子小学校、舞鶴小学校の統合再編により、平成26年4月に開校しました現在の舞鶴小学校につきましては、地域、PTA、学校、行政で構成する舞鶴小・中学校開校準備委員会において、新しい校歌を決定しております。

 また、統合再編された3つの小学校の校歌につきましては、現在の舞鶴小中学校玄関横にメモリアルスペースを設置し、それぞれの学校ごとに校名板、校旗、校舎の写真などとともに、校歌の歌詞を展示いたしております。以上です。

 

○議長(川上晋平) 阿部真之助議員。

21番(阿部真之助) 今の答弁を聞いて、この3つの小学校の統合再編においては、さまざまな地域や各小学校OBへの配慮が行われているということで安心はしました。

 ここでちょっと視点を変えて、次に、私が小学校4年生まで在籍していた現在の笹丘小学校──旧田島小学校といいますが──の開校時期、それと校名変更時期をお答えください。

 

○議長(川上晋平) 星子教育長。

○教育長(星子明夫) 現在の笹丘小学校につきましては、昭和33年4月に、田島小学校として開校いたしました。その後、昭和54年4月に分離新設した際に、従来の田島小学校の名称を笹丘小学校に変更し、新設校の名称を田島小学校といたしております。以上です。

 

○議長(川上晋平) 阿部真之助議員。

21番(阿部真之助) 僕らは同窓会をやりますが、夏もしくは冬、正月に計画をするときに、小学校の正門を集合場所にすることが多いのですが、正門を入ると、石碑に校歌が刻まれてあったりします。旧田島小学校時代に卒業した同窓生たちは、校歌も残っておらず、卒業アルバムの中に書いてある校歌を見て確かめるしかありません。現在の統廃合とは次元が違い、新しい学校ができる際に、現在の地番、地名を優先して、新小学校が田島、旧小学校が笹丘という形になっています。旧田島小学校で使われた校歌は、現在の2小学校の校歌として引き継がれてもいません。

 そこでお尋ねしますが、校名変更後の卒業式では、新しい校歌を歌い卒業したのか、旧校歌を歌い卒業したのか、お答えください。

 

○議長(川上晋平) 星子教育長。

○教育長(星子明夫) 現在の笹丘小学校の校歌につきましては、昭和5410月に新しく決定いたしております。お尋ねでございます校名変更した昭和54年度の卒業式におきまして、新旧どちらの校歌を歌ったかにつきましては、当時の様子が書かれている、笹丘小学校が昭和62年に発行しました創立30周年記念誌などにより調べましたが、確認することができませんでした。以上です。

 

○議長(川上晋平) 阿部真之助議員。

21番(阿部真之助) 今の答弁からすると、昭和55年3月に卒業した児童たちは、小学校6年生になったときに校名が変更になって、その年の10月から新しい校歌を歌っとったことになるんですよね。実は私の3歳年下の人たちであって、いろいろそういう陳情をかなり受けました。しかし、いろいろ調べてみると、今までの校長先生、現在の校長先生も当然なんですけれども、努力により、今では学校のホームページ等で校歌の閲覧や確認がとれるようになっているということになって、安心はしています。しかし、これから統廃合が進む小学校でこういうことがあってはならんと思いますので、そのあたり留意をしてやっていただきたいと思います。

 また別の視点から考えると、現在の小学校校区の町内会数もさまざまであります。城南区内でも、一番少ない町内会数は堤丘校区の4町内会です。それも堤丘小学校設立当時は公団住宅であった堤団地に多くの子どもたちがいたことに起因します。一番多い町内会数は、マンションが乱立した別府校区の31町内会です。校区という呼び名も福岡市特有で、市民の中にも思い入れがあります。一旦校区をつくってしまうと、それをさらに分割したり、ましてや統合する場合には相当なエネルギーを使うことになり、地域としては大ごとです。

 そこでお尋ねをいたします。児童の分布に偏りがあり、地域によっては今後、小学校の統廃合も検討が必要になってくると思われますが、その検討に当たっては、地域や関係局と協議をしてしっかり進めていくべきだと考えますが、どのようにお考えか、お答えください。

 

○議長(川上晋平) 星子教育長。

○教育長(星子明夫) 今後、小学校の統廃合を検討する必要が生じた場合におきましては、福岡市立小・中学校の学校規模適正化に関する実施方針に基づき、子ども、保護者、地域の視点に立ち、事前に保護者や地域の方々と十分に協議を重ねるとともに、関係局との連携を密にしながら検討を進めていくことになると考えております。以上です。

 

○議長(川上晋平) 阿部真之助議員。

21番(阿部真之助) とりあえず小学校をつくっとかないかんという教育委員会の考えと、とりあえずまちづくり、特にインフラ、街区の整備をやっとかないかんという住宅都市局、さらに言えば、市民サービス、ソフトの充実を図る市民局、地域のさまざまな声を生かすべく働く区役所等が、縦割りでそれぞれの仕事をやっていくのではなくて、縦横無尽に連携し合うことによって校区をつくり上げていく努力をしていかなければならないと思います。これは、住民はさることながら、皆さん頑張っていただきたいと思います。今回の西都小学校の事例は最たるもので、事前に人口動向の予測やまちづくりのあり方、さらに言えば、適切な校区の人口、面積を事前に予測し、住民の方々の意見や開発に携わった業界の意見を集約して、まちづくり、街区開発をやっていくべきだったと考えます。

 最後に、小学校を新設する際は住宅開発の状況等を調査し、徹底的に調査し、将来の人口動向を予測して児童数の推計を行っていく必要があると考えますが、今後、教育委員会がどのように取り組んでいくのかをお答えください。

 

○議長(川上晋平) 星子教育長。

○教育長(星子明夫) 小学校を新設する際も含め、児童生徒数の推計に当たりましては、各校区内における幼児数、児童数やその社会増減も考慮し、学校ごとに推計を行っております。

 また、これに加え民間事業者への照会や現地調査、住宅専門誌などの情報により、将来的な住宅開発の把握に努めているほか、大規模な開発などにつきましては、所管局と適宜協議を行い、計画人口や住宅開発に係る情報の共有を図っているところでございます。今後も、より精度の高い推計となるよう、関係局との連携を密に図ってまいります。以上です。

 

○議長(川上晋平) 阿部真之助議員。

21番(阿部真之助) 福岡市においても、少子化は進んでいくだろうと思います。しかし、他都市に比べれば進行は鈍いのではないかと思っています。しかし、都心の空洞化、また高齢化が進んだり、周辺地域にあった農地等の宅地化が進んだりして、子ども人口の分布の偏り等が顕著になり、小学校の新設や統廃合がさらに加速するかもしれません。さまざまな事象に関して、さまざまな局同士の連携をして、子どもたちの教育環境の向上と地域の活性化に努めていただきたいと最後に要望しておきます。

 それでは、次に移ります。

 最後に、福岡市議会議員選挙における投票率の変遷とまちの成熟についてお尋ねをいたします。

 選挙というのは、言うまでもなく、国民や市民が政治に参加する最も重要な手段であり、自分たちの代表者を──代表者というか、代弁者を選び、その代弁者が議会で法律や条例といったルール、予算などを決定することで、国民や市民の意思を国政や市政に反映させるという機能を持つものであります。まさに間接民主制を実践していく上で、非常に重要な役割を担う仕組みであると言えます。我々福岡市民は、これまでさまざまな選挙を通して、我々の意思を一有権者として示してきました。国政においては衆議院議員選挙、参議院議員選挙、県政においては県議会議員選挙、そして何といっても一番身近な福岡市議会議員の選挙等を通して、我々の意思をさまざまな政策に生かしてきたと言っても過言ではありません。しかしながら、本来一番福岡市民にとって身近な存在であるはずの市議会議員選挙において、有権者の意思が選挙を通じて生かされているのか、その点はちょっと疑問に思うので、考察してみようと思っています。

 そこでまずお尋ねいたしますが、私が市議会議員選挙に初めて出馬して落選した平成11年から平成27年の前回の選挙まで、計5回の市議会議員選挙の投票率をそれぞれ教えてください。

 

○議長(川上晋平) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

○選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 平成11年以降の市議会議員選挙の投票率につきましては、平成11年が49.97%、15年が47.73%、19年が49.94%、23年が42.96%、27年が40.81%となっております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 阿部真之助議員。

21番(阿部真之助) 今の答弁をお聞きになってわかったと思いますが、平成15年から平成19年にかけて47.73%から49.94%と、投票率は若干伸びています。しかし、平成11年の投票率49.97%を上回っているわけではなく、この間、投票率は一度も半分の50%を超えていないということがわかります。

 そこでお伺いしますが、この間の5回の市議会議員選挙で、それまでと比べて投票時間など、市民から見て変化があった主なものについてお答えください。

 

○議長(川上晋平) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

○選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 過去5回の市議会議員選挙で変更となった主なものですが、まず、平成11年の選挙では、投票所の閉鎖時刻が午後6時から8時に延長され、また、不在者投票の終了時刻が午後5時から8時に延長されました。次いで19年には、投票日当日と同様の方法で投票することができる期日前投票制度が導入されたほか、市議会議員の選挙公報の発行を開始、23年には市役所1階に7区合同の期日前投票所を設置、27年にはインターネット等を利用した選挙運動の解禁などがございます。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 阿部真之助議員。

21番(阿部真之助) ただいまの答弁から、投票時間の延長や期日前投票の創設など、投票環境の向上に向けて比較的大きな制度変更があっていることがわかりましたが、この中で、予算的に大きいか少ないかちょっとわかりませんが、何といっても市議会議員選挙における選挙公報の導入であるのではないかと、予算的に大きいのかなと思いますが、そこでお伺いしますけれども、選挙公報の費用について、直近の市議会議員選挙の平成27年分について決算ベースでお答えください。

 

○議長(川上晋平) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

○選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 平成27年の選挙公報に係る決算額につきましては、印刷費及び全世帯への配送費用を含めて1,9616,000円となっております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 阿部真之助議員。

21番(阿部真之助) 選挙公報を通じて各候補者の考えを知ることは、有権者にとって非常に大切なことだとは思いますが、そのためには、それなりの費用がかかっているということがわかります。それにもかかわらず、選挙公報の各世帯への到着時期は告示日から4日後以降になっていると聞いたことがあります。

 もしそうであれば、最近利用のふえている期日前投票に行く選挙人の中には、候補者の情報を得ることなく投票することになる人もいると思います。このことについてどのようにお考えか、お答えください。

 

○議長(川上晋平) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

○選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 選挙公報の配布につきましては、市議会議員選挙の場合、候補者から告示日に原稿が提出された後、速やかに印刷を行いますが、印刷後、さらに県知事選挙や県議会議員選挙の公報と合わせて仕分けを行った上で、業者委託により各戸に配布しております。そのため、現状は、御指摘のとおり告示後4日目から投票日の前々日までの配布となっております。選挙公報は、有権者が候補者の情報を得ることができる最も重要な媒体の一つでございますので、できるだけ早く配布できるよう、今後とも受託業者へ働きかけを行ってまいります。

 なお、配布前であっても閲覧ができるよう、各期日前投票所に期日前投票開始日の翌日から配架するとともに、選挙管理委員会のホームページへの掲載を行っているところでございます。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 阿部真之助議員。

21番(阿部真之助) 選挙管理委員会においても、いろいろ努力はされているようですが、これだけの公費を投入しているわけですので、一刻も早く有権者に候補者の情報が届くよう、より一層の取り組みをお願いしたいと思います。これは我々政治家の責任でもありますが、それは次回の質問に回したいと思います。

 次に、投票率の変遷についてお尋ねをしたいと思います。

 最初に答弁をいただいたように、平成11年の投票率は、福岡市全体では49.97%で約50%となっておりますが、区ごとに見てみると50%を超えている区は、東区52.00%、城南区50.06%、西区57.83%の3区であります。

 続いて平成27年の投票率はどうかというと、福岡市全体で40.81%、区ごとに見てみると、高いほうから順に、西区44.37%、早良区44.17%、城南区42.64%と、軒並み40%台になっており、博多区と中央区に関しては、それぞれ34.02%、37.23%と、30%台に低迷をしています。この間の投票率の差を見てみると、博多区は平成11年から平成27年までに投票率が12.17ポイント、同じく西区は13.46ポイント下落しています。

 そこでお伺いしますが、こういった投票率の下落について、選挙管理委員会としてどういったことが原因であると考えているか、お答えください。

 

○議長(川上晋平) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

○選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 投票率の下落の原因についてでございますが、国政選挙を含め、近年の選挙において投票率は低下する傾向にあり、これにはさまざまな要因があると思われます。

 福岡市議会議員選挙におきましては、若年層の人口比率が高い区では投票率が比較的低く、また、有権者数の伸び率が大きい区では投票率の低下が大きいといった傾向が見受けられます。したがって、若年層や転入者の選挙への関心が低くなりがちであることも、その要因の一つではないかと考えております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 阿部真之助議員。

21番(阿部真之助) 市内には、たくさんの大学とか専門学校等があり、また、たくさんの事業所もあるため、若者を初めとして、市外から転入してくる人たちも多くいらっしゃいます。こういった方々は、なかなかすぐには今住んでいる地域になじめないため、投票には結びついていないということはあろうかと考えます。

 福岡アジア都市研究所が最近発行したデータブックによると、福岡市の人口増加率は政令市中第1位、人口増加率や人口に占める転入者の割合は、東京23区をも上回り政令市中第1位、15歳から29歳の若者率も、京都市、仙台市と並んで第1位となっています。このような状況の中、福岡市というまちを成熟させ、さらに魅力ある都市にしていくためには、もっと多くの市民の方々に、市議会議員選挙で投票していただく必要があると私は思っています。

 投票率が軒並み下落していることについては、我々議員の反省もさることながら、選挙管理委員会としても、選挙に対する市民のモチベーション向上の策を講じていただかなければならないと考えています。

 実は、有権者というのが1999年には、福岡市は979,349人いました。100万人ちょこっと切るぐらい。しかしながら、前回の2015年の選挙においては、1171,180人、約20万人有権者がふえているんです。ところが、投票した人は1999年が489,000人。ところが、この前投票していただいた方は477,000人。減っているんですよ。20万人も有権者がふえて、投票者数が減っている。これ、もう16年たっているんですけど、こんなことじゃ自分たちの存在意義も疑わしくなっていると、自分ではいつも思っています。

 そこで最後に、この投票に関して、投票率向上に向けて、これからどのように取り組んでいくか、お考えをお尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 宮崎選挙管理委員会事務局長。

○選挙管理委員会事務局長(宮崎晶子) 投票率向上に向けての取り組みについてですが、投票率が低下傾向にある現状を真摯に受けとめ、期日前投票所の増設など、投票環境のさらなる向上に努めてまいります。また、平成27年の市議会議員選挙では、20歳代の投票率が19.51%と特に低かったことを踏まえ、若年層を対象とした選挙啓発に力を入れるなど、若者や転入してこられた方々にも選挙への関心を高めていただけるよう、より効果的な啓発手法を検討し、取り組んでまいります。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 阿部真之助議員。

21番(阿部真之助) そしたら、最後に要望します。

 ただいま選挙管理委員会から投票率向上に向けた効果的な啓発手法を検討していくとの御答弁がありましたので、ぜひよろしくお願いいたします。

 今回私が、質問の項目名を福岡市議会議員選挙における投票率の変遷とまちの成熟としたのも、実は自分なりにまだ答えは出し切っていませんが、ある意味、まちの成熟というものは、これはあくまで私的な考えですけど、定住率が高い、そして、それに伴い高齢化率も高くなっていくのではないかということです。高齢化率が余り高くなっていない、人口増加数並びに人口増加率が高い国においては投票率が高くない、すなわち、投票率の変遷がまちの成熟度との相関関係にあるのではないかと思っています。まだこれはデータをきっちり読み切っていないので、答えは出ていないんですが、そういう相関関係は、先ほど皆さんにお示ししたとおり、20万人ふえても16年前の投票率と前回の投票率というのは変わっていると、低くなっているということを考えると、そういったデータ等を徹底的に分析し、有権者である市民の方々の選挙並びに政治への関心を高め、そして、それをもとにすばらしいまちづくりを推進していただきたいと最後に申し添えて、私の質問を終わらせていただきます。

 

○議長(川上晋平) この際、暫時休憩いたします。

 午後は1時10分に再開いたします。

午前1137分 休憩  

午後1時10分 開議  

○副議長(石田正明) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。古川清文議員。

16番(古川清文)登壇 私は公明党福岡市議団を代表し、少子化対策、特に多子世帯支援について、来庁者に寄り添った区役所窓口のワンストップ化、スピード化について、以上2点質問を行います。

 初めに、少子化対策、多子世帯支援について伺います。

 国の人口動態統計の年間推計によれば、平成27年の出生数は過去最少の1001,000人。死亡数から出生数を引いた人口の自然減は268,000人となり、減少幅は過去最大を記録いたしました。翌28年には若干回復したものの、少子化に歯どめがかからなければ、人口減少が加速し、地域の活力は損なわれ、社会保障制度の土台が揺らぎかねないのも事実であります。少子化の原因には若者の雇用の不安定化や晩婚化などの問題が複雑に絡み合います。産みたくても産めない方もいる。子どもを産むかどうかはあくまでも個人の判断等を尊重し、デリケートな対応が必要ですが、生み育てやすい環境づくりは社会全体で進めなければならないと感じてなりません。

 安心して子どもを産めない理由の一つが経済的負担の重さと言われています。現在、私たち公明党全議員で取り組んでいる子育てアンケート調査においても、保護者から現在の授業料、保育料などの負担が重い、将来の進学などの費用が不安、学習塾、家庭教師、習い事などの費用負担が重い、制服や通学用品の購入や買いかえ費用が重い、住居費などの生活費の負担が重たいとの声をたくさんいただいているところであります。特に子どもが3人以上の多子世帯になると、食費や教育費などの負担が2倍、3倍とふえてまいります。母親に対して行われたある別の調査でも、自分が理想とする子ども数を産まない理由に子育てや教育にお金がかかり過ぎると回答した人が最も多く、次に、高齢で産むのが嫌だから、これ以上育児への心理的、肉体的負担に耐えられないからという理由が続く結果でありました。

 子育ては義務教育課程を終え、受験料や入学金、毎月の授業料が必要となる高校進学、専門学校や大学にまで進学することを考えると、莫大な教育費が必要となります。最終的には大学まで進学を目指すとしても、国公立か私立か、文系か理系か、自宅通学か下宿かなど、さまざまなファクターで大学4年間にかかる費用は大きく変動しますが、平均し1,000万円の費用が必要との民間調査もあるようです。公明党学生局が今春に行った調査で、奨学金を借りている大学生らの6割できょうだいが大学や高校に同時に通っている現状が明らかになりました。特に大学生が2人以上いる家庭は、年収が400万円から600万円であっても経済状況は厳しいという結果が判明いたしました。私立高校授業料の無償化や大学進学向けの給付型奨学金制度の設置など、親の貧困によって学ぶ機会を失うことのないようにと、ようやく国において教育費負担を軽減する動きが出てきたものの、同時期に高校、大学などへ通う双子や多子世帯の支援策は十分とは言えません。そのため、国や自治体での多子世帯支援策が必要だと感じてなりません。

 そこで、お伺いしますが、本市は第3子優遇事業というものがありますが、事業の開始時期、概要についてお示しください。

 以上で1回目の質問を終わり、2回目以降は自席にて行います。

 

○副議長(石田正明) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 第3子優遇事業につきましては、社会全体での子育て支援への寄与等を目的として、平成17年度に福岡市第3子優遇事業の実施に関する条例を制定し、事業を開始いたしました。第3子以降の児童を養育している父母その他の保護者を対象として、第3子以降の児童の小学校就学前の3年間について、私立幼稚園の保育料、入園料の助成や認可保育所などの保育料の免除、障がい児通園施設の利用者負担金の免除、認可外保育施設などの利用手当の支給、第3子手当の支給など、その児童の養育の状態に応じて経済的支援を実施しております。また、第3子優遇事業に係る平成30年度の予算は総事業費8億2,8476,000円となっております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 古川清文議員。

16番(古川清文) 第3子優遇事業を検証して、その結果をどのように判断しているのか、今後の取り組みについてお示しください。

 

○副議長(石田正明) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 第3子優遇事業を開始した平成17年と、現在、最新のデータである28年の比較では、出生数の伸び率は第1子は12.5%の増加、第2子は11.7%の増加、第3子以降は43.1%の増加となっており、第3子優遇事業を初め、さまざまな多子世帯支援策の効果があったものと考えております。今後もこれらの施策を着実に推進してまいります。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 古川清文議員。

16番(古川清文) 島市長が就任される前の平成17年に始まった第3子優遇事業ですが、事業開始前と開始後の福岡市の全体出生数をグラフにしてみたので、ちょっと見ていただきたいと思います。(パネル表示)17年に第3子優遇制度が入っていますけれども、見ていただきますように出生数はふえていると。裏面に、第3子の出生数はどうかというと、これも同じように第3子優遇事業を行った17年以降にふえているということがわかります。

 このように、この事業が出生数増加の全ての要因でないことは理解しますが、本市の少子化の危機的現象から一定の成果が出ており、このような支援策が今後も有効であるということをあらわしているのではないでしょうか。しかしながら、経済的支援の面から見ますと、本市の第3子優遇事業は小学校就学前の3年間しか対象とならない制度です。また、上の子が18歳に達した年度末時点で終了となるなど、年の離れたきょうだいの場合、第3子優遇事業の対象にならないケースがあることはいささか疑問であります。

 そこで、第3子優遇事業以外に各局で取り組まれている多子世帯支援策があれば、それぞれ制度概要をお尋ねいたします。また、その成果や今後の取り組みについても、お伺いいたします。

 

○副議長(石田正明) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 第3子優遇事業以外の多子世帯への支援策につきましては、保育料について、同一世帯で子どもが2人以上同時に保育施設などを利用する場合は、2人目を半額、3人目以降を無料とし、同様に、留守家庭子ども会についても、2人目以降は利用料を全額免除としております。また、中学校卒業までの児童を養育している方に支給する児童手当について、第3子以降の支給額を加算しております。さらに、ひとり親世帯の生活の安定等を図るための児童扶養手当や幼稚園への就園機会の充実を図るための私立幼稚園就園奨励費につきましても、世帯構成や世帯の所得に応じて児童2人目以降の支給額を加算しており、多子世帯の子育てに係る経済的負担を軽減するため、さまざまな経済的支援を実施しております。

 その成果につきましては、先ほどの答弁で申し上げましたとおり、本市の出生数は増加傾向にあり、今後とも、多子世帯を含む子育て世帯の経済的負担を軽減するため、引き続き支援を実施してまいります。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 石橋住宅都市局長。

○住宅都市局長(石橋正信) 市営住宅におきましては、18歳までの子どもが3人以上いらっしゃる多子世帯への支援策といたしまして、入居収入基準を緩和するとともに、平成29年度から特に住宅に困窮する世帯を優先的に選考する随時募集の対象に多子世帯を加えたところであります。これにより平成29年度中に入居収入基準の緩和を受けた多子世帯は37世帯、随時募集で入居することができた多子世帯は7世帯となっております。さらに、平成30年度からは市営住宅において良好な世代間バランスの確保を図るという観点から、多子世帯を含めた子育て世帯向けの募集枠を拡大しており、民間賃貸住宅におきましても、平成30年6月18日から新たに募集を開始する子育て世帯住替え助成事業の中で、多子世帯に対する助成上限額を加算することといたしております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 古川清文議員。

16番(古川清文) ありがとうございました。ただいまこども未来局と住宅都市局からしか答弁はありませんでした。ほかの局では多子世帯支援策は考えられないのか、後ほど触れたいと思います。

 ところで、平成27年度には多子世帯応援券という名前の支援策がありました。しかし、単年度で終了いたしました。なぜ単年度で終了し、継続できなかったのか、お伺いします。

 

○副議長(石田正明) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 平成27年度に実施いたしました多子世帯応援券事業につきましては、平成2612月に閣議決定された地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策の一環として設けられました地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金を活用して実施したもので、この交付金が27年度で終了いたしましたので、本市においても事業を終了したものでございます。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 古川清文議員。

16番(古川清文) 単年のみの支援策は、一時的な経済効果はあるかもしれませんが、やはり継続し、安定した支援策でない限り、第3子以降も産んでみようか、育てていこうかという後押しにはなり切れません。国の補助金頼りにならない安定した財源確保が求められます。

 少子化対策の一環として多子世帯支援を強化すべきではないかという趣旨で今回質問を行っておるわけですが、求められるものは財源であります。多子世帯支援予算を増額することは今後可能なのか、財政局の見解を伺います。

 

○副議長(石田正明) 則松財政局長。

○財政局長(則松和哉) 福岡市におきましては、安心して生み育てられる環境づくりを政策推進プランの重点分野に位置づけ、多子世帯支援も含めまして取り組みを進めているところでございます。今後とも、限られた財源の効果的、効率的な活用に向けまして、投資の選択と集中を図りながら適切な財源配分に取り組んでまいります。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 古川清文議員。

16番(古川清文) 我が国は少子・高齢化と言われながら今日を迎えているのですが、少子化対策は本来、国において、もっと早い段階から深い議論が行われるべきであったと私は思います。諸外国においては、少子化問題は早々に議論され、国策としてさまざまな支援策を打ち出し、2006年には当面の少子化を克服したフランスなど、諸外国から国策として学ぶ点も多々あると思います。そのような中、国においても、今国会で本格的な議論、検討が行われていると伺いました。

 そこで、伺いますが、「結婚、妊娠、子供・子育てに温かい社会の実現をめざして」と題し、平成27年3月20日に閣議決定された少子化社会対策大綱があります。大綱の中身において、我が国が今後取り組むべき重点課題として五つの項目が記されていますが、どのようなものか、お示しください。

 

○副議長(石田正明) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 国において、平成27年3月に閣議決定された少子化社会対策大綱につきましては、重点課題として、子育て支援施策を一層充実させる、若い年齢での結婚、出産の希望が実現できる環境を整備する、多子世帯へ一層の配慮を行い、3人以上子どもが持てる環境を整備する、男女の働き方改革を進める、地域の実情に即した取り組みを強化するの5つが掲げられております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 古川清文議員。

16番(古川清文) お示しのように、5項目の中に子育て支援施策を一層充実させるとあるのに加えて、3番目に、あえて多子世帯へ一層の配慮を行い、3人以上子どもが持てる環境を整備すると明確に記入されました。結婚や妊娠、子ども、子育てに温かい社会をつくる上で、多子世帯への一層の配慮が重要だという国の認識を本市にも持っていただきたいと感じます。具体的な取り組みを読んでみますと、これまでの自治体が行っている支援策や負担軽減策に加え、自治体、企業、公共交通機関などによる多子世帯への配慮、優遇措置の促進と記述されています。つまり自治体の支援策だけではなく、企業や公共交通機関にも幅広く多子世帯支援が広がるなど、社会全体で多子世帯が生活しやすい環境整備について考えていくべきなのだと私は理解いたしました。

 ほかの自治体でも独自の子育て支援策に加え、別途、多子世帯支援策に取り組み始めています。従来から福岡市もやっている第3子以降の保育料を無償化する施策などは、福井県のふくい3人っ子応援プロジェクト、和歌山県の紀州3人っこ施策など、多くの自治体で多子世帯支援を行っており、人口増加策、人口減抑制策としても全国各地で取り組まれているところであります。また、第3子以降の給食費を全額補助している福岡県古賀市、3世代、多子世帯を対象に固定資産税の減免を行っている富山県入善町、多子世帯に紙おむつを支給している神奈川県綾瀬市、多子世帯の入学準備品購入の支援を行っている愛媛県の新居浜市、多子世帯の国保税減免を行っている埼玉県の鴻巣市、子ども医療費において、子どもが3人以上いる世帯は通院、入院ともに高校3年生まで助成対象にしている政令指定都市でもある新潟市。本市もこども未来局を初め、教育委員会、保健福祉局、財政局におかれましても、何か多子世帯支援としてできることはないか、考えていただきたいものであります。これらの自治体の取り組みに加えて、企業、公共交通機関などによる多子世帯への配慮、優遇措置の促進というのが国の方針です。

 そこで、伺いますが、これまでに本市として企業や公共交通機関などに多子世帯支援の協力依頼や交渉は行ったことはありますか、お伺いいたします。

 

○副議長(石田正明) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) これまで企業などに多子世帯支援について要請したことはありませんが、毎月一日から七日の少なくとも1日は子どもたちのためにできることに取り組む「い〜な」ふくおか・子ども週間運動において、1,065の賛同企業、団体に定時退庁、年休取得の促進、子どもの学校行事等への参加奨励、子どもの職場見学など、多彩な取り組みを行っていただいております。また、子ども施策に活用するこども未来基金や、ふるさと納税「困難を抱えた子ども応援」に対して多くの企業、団体から御支援いただくとともに、毎年、多数の児童が参加し、仮想のまちで遊びを通した体験活動を行うミニふくおかにつきましても、48の企業、団体から協賛やスタッフの派遣などの御協力をいただいております。さらに、これまで市内78カ所で企業が内閣府の補助事業を活用した企業内保育施設を設置し、地域の保育ニーズに対応していただくなど、さまざまな形で子育て支援策に御協力をいただいております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 古川清文議員。

16番(古川清文) いろいろ子育て支援に対する応援はあるようですけれども、多子世帯を直接支援する企業の取り組みはないようでありますし、また、交渉もこれまでなかったようですので、これからに期待をしたいというふうに思っております。

 企業などの取り組みで、多子世帯支援策を幾つか調べてまいりましたので、紹介したいと思います。

 そもそも企業においては、社員のための福利厚生として、お子様誕生でお祝い金が出るところも多くあると伺っております。多子世帯社員に対する支援が手厚いことで有名なところは、地元福岡にプロ野球球団を持つ親会社において、第3子が生まれた場合100万円の出産祝い金、第4子には300万円、第5子には500万円が支給されるなど、企業独自の社員向け支援策には大変驚かされるところであります。自治体の多子世帯を企業が応援している例としては、同じ福岡県内の北九州市。北九州銀行の取り組みは、御存じの方も多いかもしれませんが、子どもが3人以上いる世帯を対象にした個人ローン商品、きたきゅう多子世帯応援ローンというのがあります。通常の固定金利よりも、ぐっと金利を抑えた融資を可能にし、学習机や塾の費用など、子育てに必要なさまざまな資金に使えるようにしています。記者会見で北九州銀行の担当者は、北九州市は全国の政令市の中で合計特殊出生率が最も高く、たくさんの子どもが生まれてくる地域であり、その子どものためによりよい環境を提供したいと述べられ、北九州市の地方創生の取り組みを支援する力になりたいとの思いがこもっているそうであります。

 次に、大阪府の池田市の取り組みです。先日、池田市にお伺いし、直接お話を伺ってきましたので、まずは市のプレスリリース、拡大しましたので、見ていただきたいと思います。(パネル表示)見えますでしょうか。3人目の赤ちゃんが誕生したら、ダイハツ車が無償貸与されると。それから、誕生したお子さん名義の5万円入りの積立定期預金通帳が贈られるというものであります。この中にありますダイハツ工業のエンゼル車提供制度は、第3子出産時点で池田市に引き続き6カ月以上の居住実績があり、市税などの滞納がないことを条件に、ダイハツ工業から新車の乗用車を無償リースで3年間使用することができるのです。新車の登録や自賠責保険などの費用はダイハツ工業が負担、利用者はガソリン代や駐車場の契約、任意保険の加入費用の負担だけで利用が可能であります。3年後は返却または買い取りも可能だということであります。まちなかで自転車の前と後ろに子どもを乗せて保育園の送り迎えなどをしている保護者をよく見かけますが、3人目が生まれると、3人連れて自転車に乗ることは不可能で、車の貸与は多子世帯の視点に立った支援であります。当初はダイハツ工業の軽自動車が貸与されていましたが、チャイルドシートを3つつけると狭いだろうとの配慮から、現在は多少広い普通乗用車2種類の中から選べるように変更されています。これは行政側は第3子以降のお子さんが生まれたという証明書を発行するだけなんですね。その証明書を持って池田市内のダイハツ工業の営業所で申請すれば無償貸与の手続が始まるわけですが、ですから、行政側の財政負担は全くありません。全てダイハツ工業の負担で実施されているのであります。

 池田泉州銀行も同様に、市が発行する証明書を持って池田市内の銀行の支店で申請すれば、誕生したお子さんの名義で積立定期預金の通帳が与えられるというものです。こちらは池田市と銀行との共同出資という形になりますけれども、しっかりと予算組みをされて、第1子、第2子の誕生では各1万円、第3子以降が生まれますと、そのたびに5万円という喜びとともに、誕生した子どもの名義で通帳が発行されるということは一生の記念にもなるのではないでしょうか。

 このお話を伺って、私は率直にすごい取り組みだなというのを感じました。なぜこのようなことができたのかということを担当者にお伺いしましたら、それは何といっても市長からのトップダウンですと明確に返答がありました。市長就任時に多子世帯支援策、また、子育て支援策の構想を練る中で、結婚前の若い職員の代表を集め、皆さんは結婚したら市からどんなお祝いがあると喜ばれるか、また、お子さんが生まれたらどんなお祝いが欲しいか、アイデアを出してほしいと言い、その意見を参考にしたそうであります。この市長は実は大阪府市長会の会長を務めるなど、大阪府内の市町村長の中心的存在でありまして、大阪府知事選にも出馬されるなど、マスコミに登場するケースも多く、また、市民向けの発信力にすぐれた市長との周りの評価があるようであります。この市長が子育てしやすい都市日本一を目指すと高らかに宣言し、事あるごとに企業や経営者の前で協力の呼びかけを行ったそうであります。その市長の熱い決意に賛同した地元企業や本社機能を持つダイハツ工業が多子世帯支援策の推進に名乗り出たということなのであります。その結果、多子世帯の保護者にも大変喜ばれ、また、企業側にも子育てに優しい企業としてのイメージアップ、また、池田市にも子育てに力を入れる自治体として多くの市民から高い評価を得るようになったということであります。

 本市も企業などの協力で、社会全体で多子世帯でも生活しやすい環境をより一層つくっていただくことが必要ではないでしょうか。島市長による発信力でオール福岡の力を結集し、福岡の未来を担う子どもたちの成長を後押しする少子化対策、多子世帯支援にしっかり取り組んでいただきたいと思います。昔は多子世帯が当たり前の時代がありましたが、今の時代、多子世帯の保護者の負担は経済的にも身体的にも大変です。しかし、どんな苦労があろうとも、親は子どもを生み育てていることに後悔はしていないと思います。未来がいかなる世の中になろうと、強く生き抜き、次の社会を支えていく立派な人材に育つことを願い、子育てをされています。未来をつくる子育てを誇りに思える社会にしていく環境こそが、今、必要ではないでしょうか。

 未来の宝である子どもたちを安心して生み育てられるまち福岡の実現に向け、島市長の少子化対策、多子世帯支援に挑む決意をお伺いし、この質問を終わります。

 

○副議長(石田正明) 島市長。

○市長(島宗一郎) 少子化は地域や社会の担い手の減少、現役世代の負担増加、経済や市場の規模の縮小や経済成長率の低下など、個人、地域、企業、国家に至るまで多大な影響を及ぼす問題であると認識をしています。その進展に歯どめをかけるためには、安心して子どもを生み育てられる環境を整備することが重要でありまして、子育て支援の充実や仕事と生活の調和の実現など、多方面から取り組みを行っていくことが必要であると考えています。

 福岡市におきましても、これまで子育て世帯への支援として、出産前から出産後、乳幼児期、さらにその先へと切れ目のない支援を行いますとともに、多様な保育サービスの充実、多子世帯を対象とした第3子優遇事業などの経済的な支援を行いますほか、市民や事業者などと共働して、子育てをしながら安心して働き続けることができる環境づくりに取り組んでおります。今後とも、行政や企業など、社会の全ての構成員の協力によって少子化対策や多子世帯支援に積極的に取り組んでまいります。以上です。

 

○副議長(石田正明) 古川清文議員。

16番(古川清文) 次に、来庁者に寄り添った区役所窓口のワンストップ化、スピード化についてお伺いいたします。

 区役所において、証明書の発行や各種手続に対し、待ち時間が長いということは、これまで来庁者の不満の一つでありました。市内の7区役所においては、区の人口規模などから混雑する区役所とそうでもない区役所があるかとは思いますが、いずれにせよ、待ち時間が短く、窓口業務がスムーズに行われることは来庁者にとっても職員にとっても望まれることであると思います。

 市では各区役所の窓口待ち人数表示システム、ウェルカメラネットを取り入れ、各区役所の現在の待ち時間をパソコンやスマートフォンでも確認できる仕組みをつくり上げました。そのシステムの概要、運用開始時期、要した費用、また、その成果をどのように評価しているのか、また、市民の声などがあればお示しください。

 

○副議長(石田正明) 下川市民局長。

○市民局長(下川祥二) 待ち人数表示システム、ウェルカメラネットの概要につきましては、インターネットにより各区役所の市民課や保険年金課の窓口の混雑状況をお知らせすることで、待ち時間の軽減や集中時間帯の平準化を目的としております。このシステムは区役所の職員をメンバーとしたプロジェクトチームで費用をかけずに構築しております。平成22年度から運用をスタートしたものでございます。その後、平成26年度にはシステムの再構築に際し、約64万円の費用を要しており、現在の年間の運用コストは約9万円となっております。

 また、このシステムの成果としましては、アクセス数が1日200件から300件程度あり、ウェルカメラネットで待ち人数が少ないことを確認してきたと話される市民の方もおられ、混雑回避に役立っているものと認識しております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 古川清文議員。

16番(古川清文) 混雑回避に役立っているとの答弁でありました。

 福岡市はこれまでに、本来、区役所窓口で交付している住民票などの証明書の発行を博多駅や天神、千早や市役所1階などでも可能にするとともに、政令市初の取り組みとして、コンビニエンスストアの端末での発行も可能にするなど、市民の利便性向上、区役所窓口の混雑緩和に努めてこられました。これらの施策も区役所窓口の混雑回避に一定の効果はあったものと考えられますが、具体的に区役所窓口での待ち時間がどれくらい短くなっているのかなど、費用対効果の検証も必要だと思います。

 さて、区役所の窓口に行くと、氏名や住所を何度も書かされるという実態があります。書類が何枚にもわたるため、それぞれに記入しなければならず、仕方のないことなのかもしれません。高齢社会を迎え、区役所窓口に来られる方の平均年齢も上がっているのではないかと察しますが、高齢者が窓口で書類を書く作業は私たち世代が考える以上に負担が大きいのではないでしょうか。1つの用件の変更届に来庁したつもりが、次はあちらの窓口で○○の変更を行ってくださいというようなことを言われても、私もすぐに理解できないケースもあります。次に訪れた窓口で改めて氏名や住所を記入しなければならないケースは多くあるのであります。

 千葉県船橋市では、市内外への転入転出届に高齢者や字を書くことが困難な方が来庁された際、窓口職員が来庁者の住所や氏名、生年月日などを聞き取り、一緒にモニター画面で確認しながら端末に入力をしてくれるコーナーが設置されています。署名欄以外が印字された異動届などが作成され、手続漏れを防ぐことができ、同時に、必要な書類を最大21種類、同じ窓口で作成できるという通称書かない窓口として話題を呼んでいます。船橋市の松戸市長は、高齢化も進んできていて、高齢者が窓口で書類を書く負担はかなり大きい。今後、そうしたサポートをしながら市の手続を完結していくことが非常に重要になってくると話しておられました。一見、1人に対して職員の手がかかり、時間がかかりそうな事例ですが、結果的に記入漏れや手続漏れで何度かやり直すことを考えれば、窓口職員にとっても来庁者にとっても効果があるのではないかと考えます。

 そのような折、先日、地域の方との会話の中から、身内の死亡に関し、死亡届もいろいろ手続が必要で何かと大変だったという話を伺いました。

 そこで、伺いますが、死亡手続に関し、区役所での必要な手続、担当窓口など、一般的なサンプル例を具体的にお伺いいたします。

 

○副議長(石田正明) 下川市民局長。

○市民局長(下川祥二) 区役所における死亡に関する必要な手続につきましては、70歳以上の方が亡くなられた場合で申し上げますと、まず、市民課において死亡届を行っていただき、その後、保険年金課、福祉・介護保険課、固定資産税課で手続を行っていただいております。保険年金課における主な手続は、葬祭費の支給申請、国民健康保険もしくは後期高齢者医療の資格喪失届、同保険証の返還、国民年金の死亡届、障がい者医療証の返還がございます。また、福祉・介護保険課の主な手続は、高齢者乗車券の返還、介護保険の還付請求や保険証の返還、身体障害者手帳の返還があり、さらに、固定資産税課では納税義務者の変更などの手続がございます。

 なお、市民課において、相続関係の証明のために必要な戸籍や住民票の交付手続を行っていただく場合もございます。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 古川清文議員。

16番(古川清文) 伺ったように、たくさん何かあるわけでございます。

 死亡に関する遺族の手続による区役所来庁について、手続に要する時間などのデータがあればお示しください。

 

○副議長(石田正明) 下川市民局長。

○市民局長(下川祥二) 死亡に関する区役所各課における手続に要する時間のお尋ねでございますが、お亡くなりになられた方の状況によりまして所要手続はさまざまであり、また、時期により待ち時間も異なることから、一連の手続に要する時間などのデータはとっておりません。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 古川清文議員。

16番(古川清文) 残念ながら本市の場合、来庁者の手続に要する時間のデータはとられていないとのことであります。他都市調査でわかったことですが、区役所窓口でたらい回しになるケースもあり、窓口での手続やそれぞれの待ち時間が多いことが、これは全国的にも課題になっているようであります。そもそも身内の死亡は余り経験のないことなので、死亡に関する手続をどのように進めればよいか、余り知られていませんし、持参すべき確認書類の忘れ物などで、後日、改めて区役所に来庁しなければならなかったケースなど、遺族は戸惑うことが多い実態もあることがうかがえました。

 そのような中、大分県別府市では市役所内にお悔やみ手続に関するワンストップ窓口が設置され、来庁者に好評であります。死亡に伴う手続は複数の部署にまたがり、作成すべき書類も少なくありません。この窓口では亡くなった方の情報をもとに死亡に関するお悔やみ手続をお手伝いし、必要な課への案内と関係書類の作成を補助してもらえ、ワンストップで手続が開始されます。関係する課がワンストップ窓口から連絡を受けた時点でそれぞれ手続が開始され、ワンストップ窓口へ手続完了後の書類を持ってきてくれますが、急ぐ場合は来庁者が直接窓口へ取りに行けば、少しでも早く受け取ることができることになっています。利用者からは、どこで何をしたらいいかわからず、死亡手続の専門の窓口があることで大変助かったと、また、市民に寄り添っているこのスタイルが広がるといいのにというような感想も寄せられているそうであります。このような発想は窓口を担当する職員でプロジェクトチームを結成し、そこでの案がきっかけでお悔やみワンストップ窓口がスタートしたそうであります。

 福岡市は同じ九州でもある、この別府市のおくやみコーナーの取り組みについて、その導入経緯、また、どのように評価しておられるのか、その所見をお伺いいたします。

 

○副議長(石田正明) 下川市民局長。

○市民局長(下川祥二) 別府市のおくやみコーナーの取り組みにつきましては、平成27年7月に若手職員を中心としたプロジェクトチーム、窓口変われば、市役所変わるを立ち上げ、たらい回しゼロ作戦として、総合窓口の検討を行う中で、死亡に特化したワンストップ窓口の設置に着手し、28年5月におくやみコーナーを開設したものでございます。この取り組みにより御遺族の方の書類作成の負担や心理的負担が軽減され、利用された方からは、とてもすばらしいサービス、ぜひ続けてほしいといった好意的な御意見をいただくなど、市民の満足度が上がっていると聞いております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 古川清文議員。

16番(古川清文) 本市も各区役所においてワンストップ窓口となる、このおくやみコーナーのようなものを設置してはどうかと思いますが、いかがでしょうか。

 

○副議長(石田正明) 下川市民局長。

○市民局長(下川祥二) 福岡市における死亡に伴う手続につきましては、各区役所にフロアマネジャーを配置し、御遺族の方などに必要な手続の一覧表を用い、各窓口を御案内しており、各窓口が連携し、できるだけ待ち時間を少なくするなど、丁寧な対応に努めているところでございます。今後、博多区庁舎の建てかえも踏まえ、窓口サービスのあり方について検討をしていくこととしており、おくやみコーナーなど、ライフイベントに応じた対応につきましても、他都市のさまざまな取り組みを参考にしながら、引き続き検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 古川清文議員。

16番(古川清文) ありがとうございます。現在、区役所で必要な手続の窓口を一覧で御案内しているということでしたので、博多区役所の死亡届の案内書を持ってまいりました。このA41枚の用紙に裏表に各窓口が書いてあります。ちょっと見にくいので、拡大をしますと、(パネル表示)ざっとこんな感じで、博多区の場合は1階フロア、2階フロア、そして、移動しなければならない保健福祉センターがあって、こっちの窓口に行ってください、そして、周辺の地図まで描いて、駐車場まで書いてあるというようなことでございます。これがこういう1枚の紙で御案内をしていただいているということです。

 この間、出張に行ってまいりまして、三重県の松阪市での取り組みを伺ってまいりました。まず、ご遺族の為のおくやみハンドブックというハンドブックがございます。(資料表示)今後のさまざまな手続の御案内をする冊子として、これを事前に市内の葬儀社のほうに届けていると。葬儀の依頼があったときに、これを渡してくださいということで、渡していただくようになっております。この表紙には、市には手続をお手伝いするおくやみコーナーがありますので、ぜひ御利用ください、申請書の作成など、全力でサポートしますと心強い言葉と、予約をいただくことによってスムーズに御案内できることを記し、電話番号、受け付け時間などが表紙に書かれているということであります。ここも同じようにワンストップ窓口なんですけれども、このハンドブック、いろいろページがあるんですけど、この1枚目を開くと、私は率直に驚きました。1ページ目には「ご遺族の方へ」と題して、市長みずからのお悔やみメッセージが載せられています。私はこの心こそが大切だと感じてなりません。大切な身内を亡くされ、気を落としておられるであろう御遺族に寄り添い、業務的な手続の前に、まず市長からお悔やみの言葉が届けられているのであります。せめてここだけでも福岡市も見習って、この死亡届を出された方へという区役所の1枚の紙の1行でもいいから、そういうお悔やみの言葉を載せたらいいんではないかというふうに思っておりますので、お願いをしたいと思います。

 さて、このハンドブックには死亡に関してよくある質問をQ&A方式で記載しています。死亡に関して生じる市役所での手続、また、市役所以外での手続の事例。年金や保険など、個々に違う手続や名義変更など、考えられる事例を細かく記載し、故人に当てはまるものをチェックし、手続に必要なものを確認することができるような冊子になっています。窓口のスピードアップのためには、こうした事前の準備、心構えによって、忘れ物などで二度手間にならない体制が図られているのであります。来庁日当日のおくやみコーナー窓口では、事前の電話予約で、どなたの死亡手続のために遺族は誰が来るのかを事前に把握できていますので、窓口は本人確認ができれば手続は断然スムーズになります。多数の申請書も住民基本台帳のデータをもとに、エクセルで統一された申請書類に窓口担当者が入力し、各担当課へ一斉に配信。ワンストップ窓口から依頼を受けた各課の担当が申請書類をもとに手続を開始し、手続が完了すれば、またワンストップ窓口に送り返されてくると。手帳の返還など、どうしても窓口での受け渡しの必要がある場合のみ各課の窓口に行ってもらうシステムですが、これまで1日がかりの手続だったものが全ての手続を2時間程度で完了できるように改善されたと言っておられました。事業改善の効果まではっきりとデータで示し、言い切れる松阪市の担当者の自信に圧倒されました。松阪市の担当者はワンストップ窓口の先進事例である別府市の取り組みを参考に研究し、松阪市独自のシステムを考えたとのことであります。職員のアイデアであり、住民基本台帳のデータとエクセル、各課とのやりとりができるメールやオンライン環境さえあれば、新規システムの構築など、経費は全くかからずにできますよということでありました。どの自治体でも、現場の窓口担当職員はプロジェクトなどにより日ごろからよりよい方法を常に考えていますので、福岡でも可能ではないかとおっしゃっておられました。この担当者御自身が数年前に御両親を続けて亡くされたこともあり、遺族の心情に配慮することの大切さ、来庁者に寄り添うこと、手続の簡素化、スピード化、そして、ワンストップで全ての手続が完了する窓口の必要性を感じ、改善を提案し、採用されたと語っておられました。

 優秀な本市の職員や企画力に魅力ある企業の斬新なアイデア、また、ICTを活用すれば、よりよい福岡独自の来庁者に寄り添った区役所窓口のワンストップ化、スピード化が可能だと私は確信いたします。窓口業務が簡素化され、スピードアップが図られるなら、待ち時間の大幅解消、混雑緩和につながります。そうすれば、来庁者にとって時間にも心にも余裕が持て、市政に対する不満も一つ解消できるのではないでしょうか。窓口業務対応職員にとっても、仕事に余裕が生まれるのではないかと期待をしています。

 最後に、来庁者に寄り添った区役所窓口のワンストップ化、スピード化について島市長の御所見を伺い、私の質問を終わります。

 

○副議長(石田正明) 島市長。

○市長(島宗一郎) 区役所の窓口サービスにつきましては、身近な場所でのサービスの提供や混雑緩和につながる取り組みを進め、市民の皆様の満足度を高めていくことが大変重要であると考えています。これまで郵便局やコンビニエンスストアなどの市民に身近な場所での行政サービスの提供ですとか繁忙期には休日開庁に取り組むなど、区役所窓口の混雑緩和のほか、全ての区役所の全課にサービス介助士の資格を有する職員を配置して、高齢者や障がいのある方を初め、全ての来庁者の皆様へ心のこもったお手伝いや介助ができるよう、市民サービスの向上に努めてきたところでございます。今後とも、技術革新の著しいICTの活用を図りながら、新たな発想や手法を検討し、古川議員御指摘のように、これからの時代にふさわしい、全ての人が安心して、そして、利用しやすい窓口になるように取り組みを進めてまいります。以上です。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ)登壇 私は福岡市民クラブを代表して、本市における木化の推進と森林環境税について、福岡市計量検査所の移転後について、ペットと共生するまちづくりについて、以上3点について質問いたします。

 初めに、本市における木化の推進と森林環境税についてです。

 昨年の12月議会において、私は学校施設の木造化、木質化の推進について質問をいたしました。その中で、福岡市農林業総合計画に掲げられた公共建築物に係る木材使用量を5年間で1万2,500立方メートル、1年当たり換算で2,500立方メートルの木材を使用するという目標を達成するためには、安定的な木材供給とあわせて、木材の消費拡大という出口戦略についても、しっかりと検討していかなければならないこと、さらに、同じ政令市である横浜市が策定している公共建築物木材利用ガイドラインを例として取り上げ、本市においても、まずはこのようなガイドラインを農林水産局だけではなく、財政局、住宅都市局、教育委員会と連携しながら整備していくことが必要である点を指摘いたしました。あれから半年が経過しました。新たな年度も迎えた中で、今回の質問では本市が計画した木材使用量の達成に向けて、どのような取り組みを行ってきたのか、また、行っていく予定なのかを確認するとともに、さらなる木材使用量の増加に向けての新しいコンセプト及び都心部における木材利用のあり方について提案をさせていただきたいと思います。

 そこでまず、お尋ねしますが、本市における昨年度、平成29年度の公共建築物に係る木材使用量及びその内訳について、その実績をお示しください。

 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて質問をいたします。

 

○副議長(石田正明) 細川農林水産局長。

○農林水産局長(細川浩行) 福岡市における平成29年度の公共建築物等での木材使用量につきましては、平成30年4月に全庁に照会した結果によりますと、約886.9立方メートルとなっております。主な内訳は、市営住宅で約685.3立方メートル、学校施設で約155.6立方メートル、公民館・老人いこいの家複合施設で約15.6立方メートルとなっております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) ちなみに、平成29年度は福岡市農林業総合計画の初年度に当たる年であります。

 それでは、本市における今年度の公共建築物に係る木材使用見込み量及びその内訳についてお示しください。

 

○副議長(石田正明) 細川農林水産局長。

○農林水産局長(細川浩行) 福岡市における平成30年度の公共建築物等での木材使用見込み量につきましては、平成30年4月に全庁に照会した結果によりますと、約692.5立方メートルとなっております。主な内訳は、学校施設で約354.2立方メートル、市営住宅で約314.1立方メートル、公民館・老人いこいの家複合施設で約15.8立方メートルとなっております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) 平成29年度が886.9立方メートル、そして、平成30年度の見込みが692.5立方メートルとのことです。率直に申し上げて、計画値に対してその実績は乏しいと言わざるを得ません。

 次に、木材使用に関するガイドライン作成の進捗状況についてお尋ねをいたします。とりわけガイドラインの作成に向けての農林水産局、財政局、住宅都市局、教育委員会の間での協議はどの程度進んでいるのか、あわせてお示しください。

 

○副議長(石田正明) 細川農林水産局長。

○農林水産局長(細川浩行) 木材使用につきましては、福岡市内の公共建築物等における木材の利用の促進に関する方針に基づき、木造、木質化に努めておりますが、より実効性を高めるため、横浜市が作成した市の公共建築物における木材の利用の促進に関するガイドラインなど、先進自治体の事例を参考にしながら、現在、局内で検討しているところであります。さらに、関係局の意見も踏まえ、木材利用の促進を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) 横浜市や他都市が策定している木材使用ガイドラインをもとに研究が進んでいるということであります。一日も早く全市的な協議が始まることを期待して、今後の取り組みを注視してまいりたいと思います。

 さて、先月の5月14日に私は東京都千代田区大手町にある住友林業株式会社本社を訪ね、木材、建材事業の現状及び同社の非住宅建築物に対する木造、木質化サポート事業について調査をする機会がありました。当日応対していただいた副部長さんはとても情熱的な方で、調査自体も予定の時間をオーバーするほど話が盛り上がったわけですけれども、私が大変勉強になったのは、本日の質問のタイトルにもありますけれども、同社が掲げる木化というコンセプトであります。この木化は緑化に倣った言葉でありまして、木造化、木質化も含むというフレーズなんですが、これは簡単に言うと、私たちの暮らしの中で目に見える木をふやしていきましょうという取り組みを推進するというコンセプトであります。建物の木造化、木質化にとどまらず、まちなかで見る木、これをふやしていく、また、市民が木材に触れる機会をふやしていく、そのような取り組みを通じて広く市民に木材のよさを実感してもらうといったことも、この木化というコンセプトのもとで進められるということであります。本市においても、新たに御紹介するこの木化というコンセプトを参考として、木材のよさを実感してもらうために積極的に取り組むべきであるということを提案させていただきたいと思います。

 また、住友林業株式会社での調査の際に、担当された副部長さんは木のよさを伝えるキーワードは香りと肌ざわりであり、それを多くの人々に実感してもらうことが重要であるというふうにおっしゃっていました。

 そこで、お尋ねしますが、本市においても多くの市民が木の香りと肌ざわりのよさに触れる機会を提供できるような施策が必要であると考えますが、御所見をお伺いいたします。

 

○副議長(石田正明) 細川農林水産局長。

○農林水産局長(細川浩行) 木のよさを多くの市民に実感していただくための施策につきましては、子どもから大人まで木の遊具などと触れ合う木育や木材利用の意義を広める木づかい運動など、木材への親しみや木の文化への理解を深める取り組みは重要であると認識しております。今後とも、木育や木づかい運動などの普及啓発活動に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) 私は先月の調査の中で、木材への親しみや木の文化への理解を深めていく、すなわち普及啓発という取り組みも将来的な公共建築物の木造化、木質化の推進に大きく寄与するのだということを改めて学ぶことができました。

 本市もその重要性については認識されているとのことですけれども、それでは、市民に木のよさを伝えるための本市のこれまでの取り組み実績について具体的にお示しください。

 

○副議長(石田正明) 細川農林水産局長。

○農林水産局長(細川浩行) 市民の皆様に木のよさを伝えるための福岡市の取り組み実績につきましては、平成29年度は実際の間伐作業の見学や間伐材を使用した木工作品の製作体験などを行った親子で学ぼう森林教室を2回開催しております。また、南区でも、こうのす山で森のワークショップを3回実施しており、これらのイベント参加者はみずから製作した木工作品を記念品としてお持ち帰りいただいているところであります。また、木づかい推進月間である10月に市役所1階ロビーで、11月の農林水産まつりでは鮮魚市場で木製品の展示などを行っております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) これまでも普及啓発に関する取り組みはなされてはいるようですけれども、その手法については多様化すべきであり、また、頻度についても、ふやしていく必要があると思いますが、その点についてはまた後ほど御紹介をしたいと思います。

 次に、目に見える木をふやしていくという視点から、まちなかに木材そのものあるいは木材を利用した建築物や構造物をふやしていくという取り組みも必要です。

 そこで、お尋ねしますが、天神地区や博多駅地区、ウォーターフロント地区など、多くの市民や来街者が集う都心部における木材利用の推進について、直近の実績と今後の計画についてそれぞれお示しください。

 

○副議長(石田正明) 細川農林水産局長。

○農林水産局長(細川浩行) 都心部における木材利用の推進につきましては、平成28年度に市役所1階の赤ちゃんの駅や、平成29年度に市役所西側広場の木製ベンチのリニューアルなどで木材を利用しております。また、今後につきましても、福岡市内の公共建築物等における木材の利用の促進に関する方針に基づき、都心部を含む全市的な公共建築物等の木材利用の促進に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) ただいま赤ちゃんの駅とベンチのお話が具体的にございましたけれども、私は目に見える木をふやすという点でいえば、現在の本市の取り組みは量的に物足りなさを感じるところです。都心部を含む全市的な木材利用を促進していくという前向きな姿勢のとおり、多くの市民の目に触れる場所に人目を引くような木材製品を多く配置していただくよう強く要望する次第です。

 ここで木の香りと肌ざわりのよさを多くの市民に実感してもらうための施策として、普及啓発の側面からは、木材を活用したグッズというものを1つ御紹介したいと思いますけれども、(資料表示)小さくて見にくいかもしれませんが、これは何かといいますと、ヒノキの間伐材を利用して、これは花びらの形に加工しているわけですね。本当に加工しただけです。いただいたときはすごい香りがかぐわしい花びらだったんですけれども、今でもヒノキのいいにおいがします。これを針金に、これもいただいたんですけど、こう挿すと花になるわけですね。これだけじゃ、ちょっとわからないでしょうけど、当日、私が見せていただいたのは、これに四角い木の箱ですよね、いわゆる鉢植えがわりに四角い大き目の木を置いて、それに挿すわけです。1本だけ挿してもちょっと寂しいから、たくさん挿して、針金の長さも変えると、いわゆる花の鉢植えといいますか、花束といいますか、そういうふうに見えるわけですね。しかも、これが物すごく香りがいいと。家の中のインテリアだとか、あるいは住友林業で話を聞いた副部長さんはこれをお風呂に入れて香りを楽しんでいるというようなお話もありました。確かにヒノキのお風呂というのが昔からありますけれども。つまりこういうものをつくって配布する、普及すればどうだろうかということが1つであります。

 もう1つは、都心部に木材を、目に見える木をふやしていくということで、その使用法も検討してみてはいかがかということで、私、いろいろ勉強してまいりましたけれども、ちょっとパネルで御紹介すると、(パネル表示)これは何かといいますと、これは夜の風景なんですが、これは東京のお台場に、真ん中が通路で、左右は何を置いているかというと、105ミリの杉の角材を井桁型に組んで置いているだけなんですね。中はちょっと光っていますけど、これは要は中に明かりを入れて、夜になると内側からライトアップされるというような話。つまりこういうようなものを置いて、これは美蓄とおっしゃっていました。木の備蓄を美しく行うというような定義であるということでありました。これがおもしろいのは、さらにこれは力説をされていたんですけど、例えば、都心部だけじゃなくて、いろんなまちなかに井桁型にして木材を置いておくと。置いておくと、やっぱり色あせたり汚れたりするので、それを、例えば地域の方々が定期的に面を変えて転がすあるいは塗装をするとか、定期的にさわって、さらにおっしゃっていたのが、何かあったときにこれを燃料にしたらいいではないかとか、そのようなこともおっしゃっていましたけれども、それに向けてはちょっと課題が多いのかなとも思いながら、ただ、こういう木の展示の仕方というのも考えられたらどうかと。

 もう1つ、肌ざわりという点で、(パネル表示)これは市松の水辺と。これもお台場でのイベントで設置をされたというものなんですけれども、市松模様のですね、これは水が張ってあるんですね。例えば、広場に置いて、ここにはだしで上がって、そこで水に足をつけると。恐らくこれは夏のイベントだったみたいですけれども、こういうところで実際に木を踏みしめて感触を感じてもらうと。例えば都心部であれば、いろんな人がここに座って談笑する憩いの場にもなるというような木の活用というのもぜひ御検討いただければなというふうに思っております。

 このように、学校行事やイベントなどの機会を捉えて、木の香りと肌ざわりのよさを感じてもらえるようなグッズを配布して家に持ち帰ってもらう。さらに、目に見える木をふやすという意味では、まちなかで木を美しく蓄える美蓄や市松の水辺づくりなどをイベントのときにですね、本来であれば、本当は恒常的なものを検討してほしいわけですけれども、まずはイベントから検討してはどうかと考えますけれども、御所見をお伺いいたします。

 

○副議長(石田正明) 細川農林水産局長。

○農林水産局長(細川浩行) 木の香りと肌ざわりのよさを多くの市民に実感してもらう取り組みにつきましては、福岡市における木材利用の促進を図る上で必要な施策と考えており、平成29年度の農林水産まつりでは杉にマグネットを取りつけました杉マグネットや、親子で学ぼう森林教室では木製コースターを配布いたしております。今後につきましても、さらに木のよさを実感していただく施策として、木製品グッズの配布やイベントの充実などを検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) よろしく御検討のほどをお願いしたいと思います。

 次に、国が新たに取り組んでいる森林環境税についてお尋ねをいたします。

 このテーマについては、直近の議会でも何度か取り上げられてきたところですが、制度の内容がかなり具体化してきたことを受けて、改めて質問をさせていただきたいと思います。

 初めに、国が創設を検討している森林環境税及び森林環境譲与税について、その内容と今後のスケジュールについてお示しください。

 

○副議長(石田正明) 細川農林水産局長。

○農林水産局長(細川浩行) 国が検討している(仮称)森林環境税及び森林環境譲与税につきましては、2019年度の税制改正において創設される予定でございます。

 まず、森林環境税につきましては国税で、原則として個人住民税の納税義務者1人当たり年額1,000円を市町村において個人住民税とあわせて2024年度から徴収することとなっております。

 次に、森林環境譲与税につきましては、森林現場における諸課題にできる限り早期に対応する必要があること、新たな森林管理制度の施行とあわせることから、2019年度より都道府県及び市町村に譲与されることとなっております。森林環境譲与税の使途につきましては、間伐や人材育成、担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の森林整備及びその促進に関する費用に充てなければならないこととされております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) それでは、この森林環境税に先立って、2019年度からの配分が予定されている森林環境譲与税についてお尋ねします。

 国の森林環境譲与税について、都道府県及び市町村への配分基準はどのようになっているのか、具体的にお示しください。

 

○副議長(石田正明) 細川農林水産局長。

○農林水産局長(細川浩行) 国の森林環境譲与税につきましては、税制改正大綱によりますと、税が創設される2019年度の譲与総額は200億円であり、そのうち都道府県への配分額は40億円、市町村への配分額は160億円とされております。また、各市町村への配分に当たっては、10分の5を私有林の人工林面積で、10分の2を林業就業者数で、10分の3を人口で案分することとなっております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) それでは、国の森林環境譲与税について、想定される本市への配分額は2019年度で幾らになるのか、お示しください。

 

○副議長(石田正明) 細川農林水産局長。

○農林水産局長(細川浩行) 想定される福岡市への森林環境譲与税の配分額につきましては、福岡県の説明会では2019年度は約6,000万円から7,000万円程度と見込まれております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) ありがとうございます。今の答弁で、国の譲与額の総額というのは、200億円というお話がありました。しかし、だんだん年がたつと、2033年、今から15年後なんですけれども、そのときにはこの総額が600億円というふうに想定がされています。そうすると、今200億円というのは、将来的に3倍の額になって600億円と、これが国の税収として納められて、福岡市への配分額、先ほど6,000万円から7,000万円というお話がありましたが、これは同じく15年後には今の計画では3倍です。つまり1億8,000万円から2億1,000万円と、つまり2億円前後という計算になるわけであります。

 これまでは国が新たに検討している税金について伺ってまいりましたが、ここで現在、福岡県が課税している森林環境税についてお尋ねします。

 福岡県の森林環境税について、本市への直近の交付額は幾らか、また、これらを財源とした本市の事業について、これまでの実績とその内容をお示しください。

 

○副議長(石田正明) 細川農林水産局長。

○農林水産局長(細川浩行) まず、福岡県の森林環境税の福岡市への直近の交付額でございますが、平成29年度は約5,600万円となっております。

 次に、福岡県の森林環境税を財源とした福岡市の事業の実績でございますが、荒廃森林再生事業におきまして、平成20年度から29年度にかけて間伐1,182ヘクタールなどを行いました。また、松くい虫防除による住環境保全対策事業におきまして、平成25年度から29年度にかけて伐倒駆除の経費の一部として活用してきたところでございます。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) 今の県の森林環境税というのは、主に間伐や伐倒駆除ということに財源が充てられているということです。ここで私が申し上げたいのは、県の森林環境税を財源とした本市の事業を見ると、川上対策に偏り過ぎている感があるのではないかということであります。現在検討されている国の森林環境税の制度の中身を見ると、市町村に配分される森林環境譲与税について、川上だけでなく、川下、つまり木材利用促進、それから、普及啓発等に活用できるということが明示をされています。国からの森林環境譲与税の交付を見据え、今後は質問の冒頭で紹介したような木材利用促進や普及啓発など、木材の消費拡大に向けた施策拡充も検討すべきだと考えますが、この質問の最後に御所見をお伺いいたします。

 

○副議長(石田正明) 細川農林水産局長。

○農林水産局長(細川浩行) 福岡市では、これまでも木材の利用促進に努めているところでございますが、市町村に配分される森林環境譲与税の活用につきましては、今後、国の動向を踏まえ、福岡市における木材利用促進、普及啓発など、一層の木材の消費拡大に向けた施策を検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) 前向きな検討を期待いたします。

 質問の2点目は、福岡市計量検査所の移転後についてであります。

 この福岡市計量検査所のお話をする最初に、(パネル表示)これが計量検査所です。これは西鉄平尾駅の西側の平尾二丁目というところに今あるわけですね。(パネル表示)ちょっと見にくいかもしれませんけど、全体的な位置感覚からすると、こういう鳥瞰図ですけれども、線を引いているところが行政区の境です。上が中央区、下が南区、そして、写真の右側に西鉄平尾駅の駅ビルがありますね。この図の中央、この黄色の部分というのが福岡市計量検査所というきょうお話をする施設があるところですね。これが高宮通りで、横、これが筑肥新道、点線のところです。上が百年橋通り、山荘通り、こういう場所に、今、福岡市計量検査所という施設があるわけですけれども、初めに、福岡市計量検査所について、施設の概要及び提供するサービスの内容についてお尋ねをいたします。

 

○副議長(石田正明) 島経済観光文化局長。

○経済観光文化局長(島 収) 福岡市計量検査所の施設の概要につきましては、敷地面積が約804平方メートル、延べ床面積が約815平方メートルの鉄筋コンクリートづくり3階建ての施設で、主に計量器の検査に必要となる機材の保管庫や車庫、検査室、事務室として利用しております。また、提供するサービスにつきましては、市民生活において正しい計量の確保を目的として、商品の販売や取引などに使用される計量器の定期検査や立入検査を実施するとともに、計量に関する啓蒙活動を行っております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) 次に、計量検査所が現在の場所に移ってきたのはいつか、また、移転当時、当該地が計量検査所としての適地と判断された理由は何か、さらに、計量検査所が移ってくる前は当該地にはどのような施設があったのか、それぞれお示しください。

 

○副議長(石田正明) 島経済観光文化局長。

○経済観光文化局長(島 収) 計量検査所が現在の場所に移ってきた時期につきましては、かつて計量検査所は中央区天神の庁舎にありましたが、施設が狭いことなどから、昭和56年4月に現在の所在地に建設、移転したものであります。

 次に、当該地を計量検査所としての適地と判断した理由につきましては、当該地が市内の中央部に位置し、交通の利便性が高いことや計量検査所として十分な施設面積を確保できる用地であったためです。また、計量検査所が移る前の当該地の状況につきましては、当該地は昭和45年度まで南福祉事務所や南市税事務所が入った施設でありましたが、その後は建物を解体し、普通財産として管理されていたものであります。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) 御答弁のとおり、今から37年前に今の地に福岡市計量検査所というものができていると。今から49年前までは、ここに南福祉事務所と南市税事務所と、つまり行政サービスを提供していた建物があったということでありますね。

 この計量検査所が当該地から移転をするということでありますけれども、移転決定までの経緯についてお尋ねします。

 

○副議長(石田正明) 島経済観光文化局長。

○経済観光文化局長(島 収) 計量検査所の移転を決定した経緯につきましては、平成29年4月に消防局から経済観光文化局に対しまして、平尾地区に新たな消防出張所を配置するため、計量検査所の敷地での整備について検討の依頼がありました。新たな消防出張所の整備は中央区における消防署所の再編の一環として計画されていたところ、民有地での整備用地の確保が困難であったことなどを踏まえて、経済観光文化局において移転検討を行ったところであります。その結果、計量検査所を埋蔵文化財センター月隈収蔵庫の施設内へ移転させることが可能であるとの結論に至り、消防局との協議を経て、新たな消防出張所の整備とあわせて計量検査所の移転を決定したものであります。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) 答弁によりますと、消防署の再編に伴い、消防局から経済観光文化局に対して打診があったということで、これが計量検査所移転の発端だということであります。

 そこで、消防局にお尋ねしますが、消防署の再編について、消防局はどのような方針のもとで新たな出張所整備のための土地選定を行ってきたのか、お示しください。

 

○副議長(石田正明) 山下消防局長。

○消防局長(山下周成) 中央区における消防署所の再編整備につきましては、中央区浄水通にございました旧中央消防署本署を現在の那の津二丁目に移転することにあわせ、より効果的、効率的な消防署所の配置とするため、大名出張所及び荒戸出張所を廃止し、新中央消防署本署に統合するとともに、新たに消防出張所を整備することとしたものでございます。

 なお、この方針等につきましては、平成2512月議会第4委員会におきまして御報告させていただいたところでございます。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) 消防署所の再編に伴う新たな出張所を整備する用地として、なぜ現在の計量検査所が適当という結論に至ったのか、また、当該地以外の候補地としてはどのような場所が検討されたのか、あわせてお尋ねします。

 

○副議長(石田正明) 山下消防局長。

○消防局長(山下周成) 新たな消防出張所を整備する用地の検討経緯につきましては、中央区における消防署所の再編整備を行うに当たり、消防局において設定した新出張所の整備区域内において、消防出張所としての条件を満たす民有地及び市有地について候補地の選定作業を行いましたところ、民有地の確保は困難であったこと、また、市有地につきましては、計量検査所の敷地が唯一の適地であったことから、新出張所の用地として計量検査所敷地が適当であると判断したものでございます。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) 新たな平尾消防出張所について、本市の消防署所の再編の中で担う役割、機能についてお示しください。また、新たな平尾消防出張所の整備スケジュールについても、あわせてお尋ねします。

 

○副議長(石田正明) 山下消防局長。

○消防局長(山下周成) 新たな消防出張所の役割、機能及び整備スケジュールにつきましては、新たな消防出張所の整備により消防署所の適正配置が可能となるほか、周辺区域の消防、救急需要への対応など、より効果的な消防力の展開が期待できるものでございます。また、整備スケジュールにつきましては、計量検査所の移転予定に合わせますと、早くて2022年度以降の供用開始を考えているところでございます。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) 現在の計量検査所の跡地に消防出張所の機能を持ってくることについては一定の理解をしたいと私は思いますけれども、近隣の住民や地元の町内会、商店街など、各種団体の反応を見ると、どのように受けとめたらいいのかわからんと、そういう何か複雑な感覚を感じるのが、これは私の正直な実感であります。

 そこで、お尋ねいたしますが、移転後の跡地、現在の計量検査所がある土地の活用に関して、現時点で地域や地元からはどのような要望が寄せられているか、その内容についてお示しください。

 

○副議長(石田正明) 山下消防局長。

○消防局長(山下周成) 新消防出張所の整備に関しての地域や地元の要望につきましては、地域のにぎわいの創出につながる機能や地域のイベントの際の敷地利用について聞いておるところでございます。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) 現在の計量検査所の移転後の跡地についてなんですけど、私も地域の方々やいろんな団体からさまざまな意見や要望を聞く機会が最近ふえてきました。特に商工団体からは、駅前という立地もあって、人の流れとにぎわいが生まれるような施設にならないかという点については、これはかなり以前から話題になっていたんですね。そこで、当該土地の活用に関して、経済的、財政的な観点から民間サービスを含めた他の機能もあわせて付加した、いわゆる複合施設として整備する可能性について考えてみたいと思います。

 そこで、お尋ねしますが、公共施設の複合化の事例について、本市ではこれまでどのような事例があるのか、過去5年間に供用を開始した施設の事例をお示しください。

 

○副議長(石田正明) 則松財政局長。

○財政局長(則松和哉) 公共施設を複合化した施設で、平成25年度から平成29年度までの5年間に供用を開始した事例といたしましては、公民館建設に伴い、老人いこいの家と合築したものが12施設。学校建設に伴い、留守家庭子ども会施設や公民館、老人いこいの家と合築したものが3施設。また、東市民センター、東図書館、千早音楽・演劇練習場、証明サービスコーナーなどの複合施設であるなみきスクエアがございます。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) 次に、公共施設の複合化を進めていく上で、本市や国は何らかの方針を持っているか、持っているのならば、その内容をお示しください。

 

○副議長(石田正明) 則松財政局長。

○財政局長(則松和哉) 福岡市におきましては、平成29年6月に策定した福岡市アセットマネジメント推進プランにおいて、庁舎など一般建築物の更新、建てかえの際には、社会情勢や市民ニーズの変化、施設に対する需要などを踏まえ、施設の統合や用途が異なる施設の合築による複合化により機能充実を図りながら、行政サービスの効率化を進めるとしております。また、国におきましては、平成2511月に策定されたインフラ長寿命化基本計画において、各施設の必要性自体についても再検討し、必要性が認められる施設にあっては、更新等の機会を捉え、社会経済情勢の変化に応じた用途変更や集約なども含めて対応を検討するとされております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) それでは、より具体的に消防施設の複合化の事例については、本市及び他都市ではこれまでどのような事例があるのか、お示しください。

 

○副議長(石田正明) 山下消防局長。

○消防局長(山下周成) 本市における消防施設の複合化の事例につきましては、大名出張所と大名公民館、大名老人いこいの家の事例、また、住吉分団車庫と住吉住宅、住吉公民館の事例や北崎分団車庫と北崎公民館、北崎老人いこいの家の事例がございます。他都市につきましては、消防署と区役所や公民館等を複合した事例について把握しているところでございます。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) 本市には既に消防施設との複合化を図った建物が存在するわけですけど、先ほどおっしゃった他都市の事例ですね、これは私もちょっと調べてみたんですけれども、結構な事例があります。20政令市中15政令市。中には、例えば、仙台市はコミュニティセンターとの合築、それから、さいたま市は児童センターとの合築、川崎市はホテルとの合築なんですね。20階建てと。私も実際どんなものか見てみたいんですけれども。それからあと、近所でいうと北九州市、ここは学童保育所との合築ということで、さまざまな公共機能というのをあわせ持った合築、複合施設になっているということがわかりました。

 今後の整備が検討されています新たな消防出張所については、このように公共施設に、私は民間も含めたとあえて言いたいんですが、複数の機能、目的を持たせて整備する、いわゆる複合化が図れないかと考えております。魅力あるまちづくりの点からも、合理的で経済的な土地活用という点からも、そして、何よりも地域の声に耳を傾けるといった行政のあるべき姿からいっても、そのような整備手法を導入する可能性が検討されてしかるべきだと思いますけれども、御所見をお伺いいたします。

 

○副議長(石田正明) 山下消防局長。

○消防局長(山下周成) いわゆる複合化についてでございますが、新消防出張所の整備に当たり、限られた敷地面積の中で、緊急自動車の出動動線や転回スペース、訓練スペース等、消防庁舎としての機能に必要な面積を維持する必要があり、また、市民の安全確保の観点からも相当な制約を受けるため、その可能性については慎重に検討する必要があると考えております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) 慎重な検討が必要な理由というのはわかりますけれども、私は検討はぜひしてしかるべきだと思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。やはり地域の声ですとか団体の声、これを尊重しながら、人の流れとにぎわいが増すような施設として整備できるような取り組みを強く要望して、この質問を終わります。

 質問の3点目は、ペットと共生するまちづくりについてであります。

 ペットといっても、きょうは犬のお話です。最近、私の家の近所でも犬の散歩をしている人がふえてきているように感じます。飼っている犬も大小さまざまで、近くの公園では犬の飼い主同士が集まって談笑する場面もよく見かけるようになりました。それと同時に、私の地元でもペット関連事業所が増加しており、犬の飼い主から、そして、ペット関連事業所のオーナーから、ペットに関する市政要望を聞く機会がふえてきました。それを踏まえて、私の事務所で定期的に受け入れているインターンの大学生もペットと共生するまちづくりについて政策研究をしたという経緯もあります。そこで、今回の質問では、彼らの研究成果も披露しながら、人とペットが共生するまちづくりに向けて政策提案も含めて質問してまいります。

 初めに、ペットとの共生を推進するために国や本市はどのような指針を示しているのか、お示しください。

 

○副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) ペットとの共生を促進するための指針でございますが、環境省は住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドラインを作成しており、犬猫との共生の考え方やその理解を得るための適正飼育に関するルールなどを示しております。また、本市では福岡市動物の愛護及び管理に関する条例及び福岡市猫との共生ガイドラインにおいて、適正飼育に関するルールや周辺環境への配慮等、飼い主の責務を示しております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) これに関連して、人と動物との調和のとれた共生社会の実現を目的に、平成27年4月に第2次福岡市動物愛護管理推進実施計画が策定をされています。この計画の概要について説明を求めます。

 

○副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 第2次福岡市動物愛護管理推進実施計画につきましては、2015年度から2024年度までに取り組む動物の愛護と管理における施策を示したものでございます。本計画におきましては、収容中死亡、感染症等による譲渡不可能な犬猫を除く実質的殺処分をゼロにすることなどを目標に掲げ、動物愛護についての啓発推進、適正飼育の推進、猫問題対策、譲渡及び返還の推進などに取り組むこととしております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) 次に、ペットに関する本市が実施している施策の内容について、ハード、ソフトそれぞれについて、それらの予算額とあわせてお示しください。

 

○副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) ペットに関する事業につきましては、ハード面といたしましては、犬猫の収容施設である動物愛護管理センターの補修等を実施しており、平成30年度予算額は134万円余でございます。ソフト面といたしましては、狂犬病予防法に基づく犬の登録及び狂犬病予防注射等の実施や動物の愛護及び管理に関する法律等に基づく動物愛護、適正飼育の啓発、犬猫の収容、返還、譲渡などを実施しており、平成30年度予算額は7,036万円余でございます。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) 本市は本年度より新たに犬猫パートナーシップ店制度なる事業を開始していますけれども、その目的と内容、予算についてそれぞれお尋ねいたします。

 

○副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 犬猫パートナーシップ店制度につきましては、本市独自の基準を満たすペットショップなどの犬猫等販売業者を認定する制度であり、基準を満たした販売が適切になされることで犬猫の適正飼育等を推進し、実質的殺処分ゼロを目指すことを目的として開始したものでございます。制度の主な認定基準につきましては、まず、最期まで飼うこと、万が一飼えなくなった場合は新たな飼い主を必ず自分で探すことなどを販売時に飼い主に誓約していただくこと、次に、マイクロチップを装着した犬猫のみを販売すること、最後に、犬猫を飼い始める際の選択肢である譲渡の広報に協力することでございます。

 なお、平成30年度予算額につきましては500万円でございます。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) これはホームページを見ますと、犬猫パートナーシップというのは、人とペットがずっと一緒に暮らせるまちづくりを目指す施策だという御紹介もされているようです。この施策の詳細については、また同じこの議会で取り上げられると思いますけれども、施策の名前の言葉の響きもそうなんですが、ペットも人によっては終生のパートナーであると。そのような社会環境を捉えて積極的な支援を行うという本市の姿勢を示す、よい取り組みではないかと私は思っています。しかし、これからは一歩進んで、ペットと飼い主が快適に暮らせるまちづくりという視点も加えていってはどうかという思いから、新たな施策展開を望むところであります。例えば、犬の飼い主さんとお話をすると、犬が思い切り運動できる施設が近くにあればいいのにという御意見をたびたびいただきます。これはドッグランがあればいいなということなんですけれども、このドッグランというのは、犬専用の隔離されたスペースの中でリードをつけずに走らせたり遊ばせたりする施設と定義されているようです。

 そこで、お尋ねしますが、本市におけるドッグランの整備状況はどのようになっているのか、お示しください。

 

○副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) ドッグランにつきましては、動物の愛護及び管理に関する法律、それから、福岡市動物の愛護及び管理に関する条例において報告、届け出等の定めがございませんため、把握してございません。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) 犬についてもう1つ、先日、私は地域のペット関連事業者との意見交換がきっかけで、嘉麻市にあります稲築屋内球技場というところで開催された福岡全犬種クラブ展、いわゆるドッグショーというのを見学する機会がありました。ドッグショーというのは、その当日は49の犬の種類と200頭の犬が実際に集まって、いろんな毛並みですとか動きですとか、何かいわゆる純血種の血統を維持していくためのイベントのようなんですけれども、実際、私は行きまして、犬の飼い主にとってはもちろんですけど、犬を飼っていない人にとっても有意義で楽しめるイベントであったなと私は感じた次第です。

 そこで、お尋ねしますけれども、本市におけるこれまでのドッグショーの開催実績というのはどうなっているのか、お示しください。

 

○副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) ドッグショーにつきましては、一般的な純血犬種の品評会としてお答えいたしますと、先ほどと同じように、動物の愛護及び管理に関する法令において報告、届け出等の定めがないため把握してございません。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) 本市においてもドッグショーが開催されることを私は期待したいわけですけど、そのために本市が実施すべき施策や支援としてはどのようなものが考えられるか、お示しください。

 

○副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 本市は人と動物との調和のとれた共生社会の実現のため、動物愛護や適正飼育、適切な管理の啓発等を実施しております。ドッグショーにつきましては、イベントの趣旨、内容等が市の施策の方向性に合致する場合は名義後援等の支援が考えられます。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 田中しんすけ議員。

54番(田中しんすけ) 私、きょうは犬の話ですね、ちょっと時間もなかったもんですから、まとまりがないお話になりましたが、要はペットを飼いやすいと、それから、ペットと一緒にまちに出て楽しいと、そういうペットと飼い主がともに快適に住まえる環境づくりというところにソフト、ハードの両面から注力すべきではないかという問題意識で、きょうは質問させていただきました。

 取り上げたドッグランとドッグショー、ほかにもいろいろ犬のイベントですとか犬と飼い主が一緒に楽しめるようなイベントというのはさまざまあるわけですけれども、例えば、最後になりますけれども、(パネル表示)これはうちの事務所で学生たちが研究をしましたペットと飼い主が楽しくもっと快適に住まえるためにはどうすればいいかと、これは飼い主の満足度向上のアンケートを実はとっているんですね。これを見ると、1番は災害対策の準備、これが91%、それから、2番目はペット施設のマップの作成なんですね。3番目が同行可能なペットと一緒に行ける飲食店の充実とか、あとは公園で放し飼いできる環境の整備とか、これはドッグランのことなんですけれども。災害に関しては、私、調べたら、いろいろ福岡市は積極的に対応されているように私は見えまして、またちょっと私も勉強したいと思います。それからあと、ペット施設のマップですね、一緒にお出かけできるようなところがどこにあるのかなと、そういう情報が欲しいということでした。

 (パネル表示)一方で、ペットの事業者に対するアンケートもとっています。ペット事業者に対するアンケートをとったら、1番目はペット施設マップの作成、これは飼い主さんのニーズとかなり近い。それから、2番目がイベント場所の提供、これは先ほどドッグショーのお話をしましたけれども、やはり動物をそこに連れてきて、展覧会ですとか展示会ですとか、いろんなイベントをする、そういう場所が実は少ないんだというようなお話も聞きましたし、実際、これはアンケートをとったとおり近いような形のニーズが私にも寄せられていると感じた次第です。

 実際に犬を飼って、犬をパートナーとして捉えている方というのが肌感覚として年々ふえてきているなということがありまして、今回、このような質問をさわりでさせていただいたんですが、例えば、ペット施設マップの作成とか、イベント開催の支援、これは特に会場確保の面からということで申し上げておきます。それから、業界団体とのさらなる連携、例えば、ペット関連事業者の方々の集まり、組合というところとの情報交換とか、他都市の先進事例も参考にしながら取り組んでいくべきではないかと思いますけれども、最後に御所見をお伺いして、私の質問を終わります。

 

○副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) ペットと飼い主がともに快適に住まえる環境づくりにつきましては、ペットの愛護や管理についてさまざまな価値観や感情をお持ちの市民がおられることから、まずは適正飼育や適切な管理が必要であると考えており、その観点からさまざまな啓発を実施しているところでございます。今後も動物の愛護と管理における施策の推進に当たっては、業界団体との連携や動物愛護管理センターを活用したイベントを通し、動物愛護や適正飼育、適切な管理の啓発に努めてまいります。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) この際、休憩し、午後3時に再開いたします。

午後2時45分 休憩  

午後3時 開議  

○議長(川上晋平) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎)登壇 私はみらい・無所属の会を代表し、福岡市空家等の適切な管理に関する条例の効果について、介護人材の確保への福岡市のかかわりについて、観光・MICEの振興について、障がいの重い子どもの保育について、以上4点について順次質問してまいります。

 まず、福岡市空家等の適切な管理に関する条例の効果について質問します。

 平成26年に総務省が発表した平成25年住宅・土地統計調査結果によりますと、全国の総住宅数は6,063万戸あり、そのうち空き家戸数は820万戸、空き家率は13.5%と過去最高になっています。福岡県は32万戸、12.7%となっています。

 そこで、福岡市における空き家の現状をお尋ねいたします。

 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。

 

○議長(川上晋平) 石橋住宅都市局長。

○住宅都市局長(石橋正信) 総務省の平成25年住宅・土地統計調査によりますと、福岡市の総住宅数は約854,000戸であり、そのうち空き家は約104,500戸で空き家率は12.2%となっております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 人口増加している福岡市でも12.2%が空き家ということであります。

 それでは、なぜ空き家になるのか、その理由をお尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 石橋住宅都市局長。

○住宅都市局長(石橋正信) 総務省等が示しました空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な指針によりますと、近年の地域における人口減少や既存住宅、建築物の老朽化、社会的ニーズの変化等が空き家の要因であるとされておりまして、福岡市にも同様のことが当てはまるのではないかと考えております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 2015年に空家等対策の推進に関する特別措置法が施行されましたが、適正な管理が行われず放置され、社会的に問題となっている空家等とはどのようなものなのか、お尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 石橋住宅都市局長。

○住宅都市局長(石橋正信) 議員お尋ねの空家等に関しましては、空家等対策の推進に関する特別措置法第2条第2項において特定空家等が定められておりまして、これは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態または著しく衛生上有害となるおそれのある状態等にあるものとされております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 昨年4月に議員提案により全面改正した福岡市空家等の適切な管理に関する条例が施行されましたが、その中で特定空家等とはどのような考え方で危険度などを判断しているのか、お尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 石橋住宅都市局長。

○住宅都市局長(石橋正信) 特定空家等の判定につきましては、福岡市空家等の適切な管理に関する条例施行規則の第4条の定めにより、家屋の崩落、崩壊、著しい建築物の傾き、構造材の腐食や老朽の状態が著しい状態にあるかなど、危険度や衛生上有害となるおそれのある状態などをおのおので判定し、ランクづけを行っております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) それでは、福岡市内で認められた特定空家等は一体どれほどあるのか、そして、今現在、それらはどのようになっているのか、お尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 石橋住宅都市局長。

○住宅都市局長(石橋正信) これまで市内で23件の特定空家等の認定を行っておりまして、所有者等に対し指導等を行った結果、このうち5件が自主的に解体されております。さらに倒壊の危険が切迫していた2件につきましては、福岡市が空き家等の解体除却を行っております。それ以外の16件につきましても、所有者等に対しまして粘り強く指導を行っているところであります。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 特定空家等の指導を行う上で特に苦労した点についてお尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 石橋住宅都市局長。

○住宅都市局長(石橋正信) 特に苦労している点でございますが、建物が古く、相続関係が複雑化していることなどから相続人の確定作業に相当の時間がかかっていること、また、遠隔地に居住している所有者等につきましては、当事者意識が希薄な場合が多く、指導が思ったように進まないことなどがございます。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 建物をそのままにしている理由は、固定資産税の住宅用地特例を利用して税の増額を回避するためのものであるとよく聞きますが、そこで、建物を壊した場合、住宅用地の特例の対象外となり、固定資産税が増額となりますが、特定空家等に認定され勧告された場合は、この特例はどうなるのか、お尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 石橋住宅都市局長。

○住宅都市局長(石橋正信) 空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、福岡市が特定空家等の所有者等に対して勧告を行った場合には、特定空家等に係る敷地について、固定資産税の住宅用地特例の対象から除外することとされております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 当然と思いますが、全国では特定空家を解体するのに補助金が用意されているケースもあると聞きますが、福岡市の場合はどうか、お尋ねします。

 

○議長(川上晋平) 石橋住宅都市局長。

○住宅都市局長(石橋正信) 特定空家等とならないように適切に維持管理されている方との公平性の確保などの観点から、福岡市においては、解体に係る補助制度は設けておりません。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 私の地元の銀天町商店街の南側の入り口側に何年も前から今にも崩れそうな空き店舗があります。ちょっと写真を見ていただければと思います。(パネル表示)ここは数件の店舗が連なった集合店舗ですが、現在一番左端の店舗だけが営業を行っています。ほかは空きとなっています。2枚目、(パネル表示)この建物の裏側をのぞくとですね、こういう状況で、軽い地震で崩壊してしまうと感じるぐらいぼろぼろですね。また3枚目、(パネル表示)これはちょっと角度を変えて反対側からしているんですけれども、こういう状態の横を車が通っているということです。

 過去に住宅都市局に相談しており、建物所有者等にも接触いただいているはずですが、外観上は何も変わりません。以前ですね、店の軒先の構造物が落下して、博多区役所のカラーコーンも置かれている。ということは市も認識をしていると。とても危険な状態です。福岡市の南の玄関口、魅力あふれる美しいまち雑餉隈にとても似つかわしくないものでございます。近くには保育園もあり、前の歩道を歩く親子もよく目にします。

 条例第8条に、市長は、「他人の生命、身体又は財産に被害を生じさせる危険を防止するために緊急の必要がある場合において、所有者等を確知することができないときその他特別の事情があるときは、その危険の防止のために必要最小限の措置を講ずることができる」とあります。

 そこで、この銀天町商店街における物件はこれに当てはまらないのか、お尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 石橋住宅都市局長。

○住宅都市局長(石橋正信) 議員御指摘の一部で営業がなされている集合店舗についてでございますが、長屋や共同住宅などにおいて、その一部が利用されているものにつきましては、空家等対策の推進に関する特別措置法の空家等には当たらないものとされております。したがいまして、空家等の適切な管理に関する条例第8条における緊急的危険防止措置は適用されないものと考えております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) あらあというような感じですけど、これまでのこの物件に対する指導状況はどうだったのか、また、条例が当てはまらないのならば、そのほか、何か対応できる方法はないのでしょうか、お尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 石橋住宅都市局長。

○住宅都市局長(石橋正信) 御指摘の建物の所有者に対しましては、建築基準法や改正前の空家条例に基づきまして、平成25年から指導文書の送付や自宅訪問、電話連絡等による自主的な改善の指導を行ってまいりましたが、いまだ対策がとられておりません。今後につきましては、建物の老朽化が進み、危険性が増していることや、指導による改善が見られないことから、建築基準法第10条第3項に基づく保安上危険な建築物等に対する措置命令を視野に入れまして、速やかな対策がとられるよう手続を進めてまいります。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 危険防止のための命令を行うという新たな措置をとられるということで、とりあえず理解はしました。ただし、もし危険防止措置命令を行っても所有者が命令に従わず、何も改善が行われない場合はどうなるのか、お尋ねします。

 

○議長(川上晋平) 石橋住宅都市局長。

○住宅都市局長(石橋正信) 必要な措置を命じた後、一定の期間を過ぎても所有者等による改善がなされない場合は、建築基準法第10条第4項の規定に基づきまして代執行を行うことができることとされております。なお、代執行に要した費用につきましては、所有者等から徴収することとなっております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) これまでの答弁をお聞きしますと、行政としてもさまざまな苦労があることはわかります。しかし、放置空き家等により地域住民が困っていることもまた事実であります。放置空き家対策については重要な施策であると考えますが、今後どう取り組んでいくのかお尋ねして、この質問を終わります。

 

○議長(川上晋平) 石橋住宅都市局長。

○住宅都市局長(石橋正信) 適切な管理が行われていない空き家等が地域住民の生活環境に深刻な影響を与えることがないように、適切に対策に取り組んでいくことは、放置空き家等が増加している今日、重要さを増していると考えております。このため、空家等対策の推進に関する特別措置法や空家等の適切な管理に関する条例に基づきまして、所有者等への指導助言や特定空家等に対する必要な措置を適切に行うなど安全、安心なまちづくりにしっかり取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) よろしくお願いいたします。

 次に、介護人材確保への福岡市のかかわりについて質問をいたします。

 先月の21日、厚生労働省は、2025年度末に介護職員が34万人不足すると発表しました。これからさらに少子・高齢化が進んでいく中、介護業界は職員の確保にとても苦労しています。ほとんどの施設は民間施設であり、そこでの雇用関係は、それを運営する法人と雇われる側の個人であることから、行政が介入することは考えられないとすることが今までの常識であろうと思います。しかしながら、人手不足になってしまったら、行政が幾ら施策を打ったとしても、それを実行することはできません。

 先日、私は大阪府をお訪ねし、いろいろなお話をお聞きしてきました。大阪府の介護の有効求人倍率は5倍を超えているとのことです。1人の介護職員を5社で取り合うということです。これでは施設側も安定したサービス提供ができず、運営がおぼつかない状況となります。

 このような中、大阪府は大阪府社会福祉審議会のもとに専門部会を設置し、オール大阪で介護、福祉人材を確保する取り組み、大阪府介護・福祉人材確保戦略を取りまとめられています。ここでは、大阪府が大阪労働局などの関係機関や各種団体とをつなぐ連携機関となって、また、都道府県が窓口となっている国からの介護従事者の確保のためのひもつき基金である地域医療介護総合確保基金を各市町村が積極的に活用できる独自の支援メニューを創設したり、また、裾野を拡大するために若年層への働きかけとして、小中学校への広報や教育長がワーキンググループの一員に名を連ねたり、また、元気な高齢者、子育て中の女性、他業界からの転職者の呼び込みを図っているように明記されています。さらにアジアの優秀な人材が活躍できるよう、在留資格介護による外国人留学受け入れガイドラインまで独自に作成をしています。とにかく民間施設が今、確実に感じている危機感を行政がともに感じ取って、今、行政ができることを最大限やってのけているのです。

 では、福岡市は今、介護人材に関する施策は何かあるのでしょうか、お尋ねします。

 

○議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 介護人材に関する施策につきましては、介護人材の就労及び定着に向けた支援や事業所向けの研修等を行っております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 国からの基金である地域医療介護総合確保基金は活用されているのでしょうか。活用されているのであれば、その内容とその金額をお尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 地域医療介護総合確保基金につきましては、平成27年度から活用しており、基金の配分額が決定しております平成29年度でお答えいたしますと、その金額と内容は、就労支援事業として約998万円で合同就職面談会等を開催しており、また、定着支援事業として約559万円で就労して日が浅い介護職員向けに技術研修を実施しております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 全国的に介護の現場における人手不足が問題化してきており、福岡市内でも介護現場の人材不足は深刻になってきていると聞いています。福岡市のその実態を把握していますか、お尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 介護人材の不足の実態につきましては、福岡市内で休止、廃止した介護事業所のうち、約3割の事業所が人員不足を理由としているところであり、福岡市といたしましても、介護人材の不足は喫緊の課題と考えております。

 そこでまず、その実態を把握するため、現在、市内に約2,000カ所ございます全ての介護事業所を対象に介護人材に関するアンケート調査を実施しているところでございます。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 福岡市内の介護福祉士養成学校の定員の充足率が非常に低くなっていると聞きます。どれくらい低くなっているのか、お尋ねします。また、あわせて若者の新規参入を促進するための施策を福岡市は行っているのか、お尋ねします。

 

○議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 福岡市内の介護福祉士養成校にヒアリング調査を行ったところ、平成30年度入学生の定員充足率は約39%でございました。

 若者の新規参入を促進するための施策につきましては、若者が多く集まる科学館において合同就職面談会及び介護職のユニホームのファッションショーを同時開催するなど、若者向けに介護の魅力をアピールしているところでございます。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 定員の39%しか入学者がいない。誰が聞いても心配をすると思います。

 専門学校などへ行く人が少なくなってきているということは、小中学生などへ介護という仕事がどのようなものなのか、若いうちから福祉体験などで介護という仕事があることを認識してもらう取り組みが必要と思いますが、福祉と教育双方の観点から所見をお尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 小中学生など若い世代への取り組みにつきましては、認知症への理解を深めるための啓発活動のほか、福岡市社会福祉協議会を通じて小中学校向けに出前講座や教材の貸し出し等を行っております。小中学生など若い世代への福祉教育は重要であると考えておりますので、今後、教育委員会と連携しながら、必要な取り組みを検討してまいります。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 星子教育長。

○教育長(星子明夫) 学校における福祉体験についてお答えいたします。

 小中学校におきましては、福祉体験として、総合的な学習の時間などで車椅子体験やアイマスク体験、高齢者疑似体験などを実施いたしております。また、多くの中学校におきましては、介護士としての職業体験が選択できるよう職場体験先の一つに介護施設を入れております。小中学生の段階から福祉に関する教育を行うことは、介護など高齢者とのかかわり方を学んだり、職業としての介護について理解する上で大切なことであると認識しており、今後も取り組みを継続してまいります。以上です。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) (資料表示)先日、大阪府で資料をいただいて、きょう持ってきているんですが、介護福祉士になろうということで、若い女性が2人と男性が1人、全部若い方が中に載って、なぜ介護福祉士になったのか、介護の給料は平均どれぐらいなのか、それから、就学資金貸付制度、これは福岡県が窓口であるんですけれども、5年間従事すれば借りたお金は免除される。月額5万円に入学準備金20万円、就職準備金20万円、さらに国家試験の対策費用も借り入れが可能ということで、こういうものをまだ知らない方もいっぱいいるので、県以外でも、市もしっかりこういうもので若い人たちに告知をしていって、若い人をターゲットにしていっているんだという部分は非常に大切だというふうに思っておりますので、考えていただきたいと思っています。

 未経験者が参入しやすい環境をつくっていかないといけないと感じています。また、離職した人や元気高齢者、障がいがあるが訓練を経てスキルを身につけた人たちなどが介護業界で仕事に従事しやすくなる取り組みはあるのか、お尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 離職者や元気高齢者等が介護業界で就労しやすくなる取り組みにつきましては、国や県が主体的に実施しており、離職者に向けた取り組みとしましては、福岡県が福岡県社会福祉協議会を通じて実施している離職介護人材の再就職準備金制度や介護福祉士等就学資金貸付事業、離職時届出制度等がございます。

 また、元気高齢者に向けた取り組みといたしましては、ハローワーク及び福岡県が設置する福岡県中高年就職支援センターや福岡県70歳現役応援センターにおきまして、介護を知るための研修や介護の職場紹介、介護施設向け高齢者雇用の手引の配付等が行われております。

 なお、福岡市のシルバー人材センターにおいても、介護保険の生活支援型訪問サービス事業の指定を受け、会員によるサービスを実施しております。今後、福岡市といたしましても、市内の介護人材不足の実態を把握し、国や県と連携しながら必要な取り組みを検討してまいります。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 冒頭にも申しましたが、介護人材が2025年には34万人不足するということですので、外国人介護人材の受け入れについても、真剣に考えていかなければならないと思いますが、福岡市の現状をお聞きします。現在、何人の外国人が市内の介護施設で働いているのか、お尋ねします。

 

○議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 福岡市内の介護施設等における外国人介護人材の受け入れ状況につきましては、平成29年度に一部の施設を対象に調査を実施しておりますが、それによりますと、2割弱の施設で受け入れ実績がございました。これを受けて、改めて現在、全事業所向けにアンケート調査を実施しているところでございます。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) それでは、どういう外国人の方が介護職として日本で働くことができるのか、その条件をお尋ねします。

 

○議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 外国人が日本で介護職として働く方法といたしましては、現時点で大きく分けて3つございます。

 1つ目は、EPA、経済連携協定により、おおむね4年をめどに研修として就労する方法でございます。2国間の協定に基づくため、日本が協定を結んだ特定国でございますベトナム、インドネシア、フィリピンからの受け入れに限定されます。なお、介護福祉士国家試験に合格すれば、無期限で在留可能となります。

 2つ目は、留学生として入国し、学生として介護福祉士養成施設に通いながら、実習あるいはアルバイトとして就労する方法でございます。こちらも介護福祉士国家試験に合格すれば、無期限で在留可能となります。

 3つ目は、外国人技能実習制度により日本語能力を向上させながら、実習として就労する方法でございます。外国人技能実習制度は、開発途上国等への技術移転を目的とした制度であるため、技術習得後は帰国することが前提となっており、現状では最長5年まで在留可能でございます。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) これから外国人職員も必ず増加していくと思いますので、行政側としてもその準備が必要だというふうに思っております。

 それでは、また別件で、介護職には処遇改善加算の制度が発足し、給料に反映されていると聞いていますが、一体幾ら給料が上がったのか、お尋ねします。

 

○議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 平成28年度に介護職員処遇改善加算を取得した市内事業所におきましては、1人当たり月額で2万7,617円の増加となっております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 次に、労働環境についてお尋ねします。

 今までは利用者の安全確保が最優先で、介護労働者の安全は二の次になっており、サポート体制が不十分だった傾向にあると思います。福祉施設における労働災害の主なものは腰痛と思いますが、今、腰痛による労災申請が急激に増加しているそうです。オーストラリアやイギリスでは、押さない、引かない、持ち上げない、ねじらない、運ばないという原則を発表し、ノーリフティングポリシーによる離職や労災の減少につながっているそうです。日本でも2013年に職場における腰痛予防対策指針を厚生労働省が発表したんですが、その中に人を抱える作業は原則、人力ではなく、福祉用具のリフトやロボットを使うように書いてあります。一方で、介護ロボットなど導入のおくれを感じていますが、導入が広がらない理由をお尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 介護ロボット等の導入が広がらない理由につきましては、平成28年度に介護ロボット等の導入に関し、事業所への補助を実施いたしましたが、導入事業所では装着に時間がかかる、使いにくいといった声が上がっており、導入が広がらない理由の一つと考えております。介護ロボット等の技術は日々進歩が著しいため、今後、福岡市として注目していきたいと考えております。

 各事業所における介護ロボットの導入状況、導入意向あるいは導入の際の課題につきましては、現在実施しております全事業所向けアンケートの中で実態を把握し、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 大阪府や北九州市では、一定の基準を満たし、すぐれた労働環境と処遇改善などを行った施設を表彰する制度があるそうです。こういうものがあれば、施設側も一定の目標ができ、それに向かって設備整備できやすく、結果、よい環境の中でよいサービス提供ができるのではないかと思います。福岡市でもすぐれた施設等を表彰する制度を考えてみてはどうでしょうか、お尋ねします。

 

○議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) すぐれた施設に対する表彰制度など働きやすい労働環境や雇用管理制度の整備への支援は、介護人材の確保、定着だけではなく、介護の質の向上にも資する重要な取り組みであると考えておりますので、今後、積極的に検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) いろいろ述べてきましたが、それだけ今から緊急性がある介護人材不足だと私は思っています。福岡市もできるだけ早く何かできることから始めないと、高齢者施策を打つこともできなくなるのではと心配します。この4月から保健福祉局の中に主査ポストを設け、新たな取り組みを検討していると聞いております。今後の市としての積極的な取り組みを大いに期待して、この質問を終わります。

 次に、観光・MICEについて質問いたします。

 訪日外国人旅行者数について、国は明日の日本を支える観光ビジョンにおいて、2020年に4,000万人、2030年には6,000万人の目標を掲げております。古来よりアジアとの交流の窓口であった福岡市にとっても、観光・MICEによる交流人口の増大は、市のさらなる発展に不可欠であると考えます。このような中、福岡市議会の議員有志で観光・MICEの振興を目指し、議員提案条例の検討を始めたところでございます。

 そこで、福岡市の観光・MICEの現状についてお尋ねします。

 福岡市への入り込み観光客数、入り込み観光客に占める宿泊客数、福岡市内における国際会議の開催件数、福岡空港及び博多港からの外国人入国者数、あわせて市内におけるホテルの稼働率について、福岡観光・集客戦略策定前と現在を比較するとどのようになっているのか、お尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 島経済観光文化局長。

○経済観光文化局長(島 収) 観光・MICEの現状につきましては、福岡観光・集客戦略の策定前である平成24年と比べますと、平成28年の入り込み観光客数は約18%増の2,050万人、平成28年の入り込み観光客に占める宿泊客数は39%増の727万人、平成28年の国際会議開催件数は約52%増の383件、平成29年の外国人入国者数は約265%増の2983,000人、最後に平成29年のホテルの客室稼働率は11ポイント増の84%となっております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 観光・MICEの状況は好調のようですが、示された実績を踏まえ、観光・MICEの振興がもたらす経済効果等をどのように評価しているのか、お尋ねします。また、福岡市にとっての観光・MICEの重要性をどのように認識しているのか、当局の所見をお尋ねします。

 

○議長(川上晋平) 島経済観光文化局長。

○経済観光文化局長(島 収) 観光・MICEの振興がもたらす経済効果につきましては、平成29年度に推計した経済波及効果は、観光戦略策定時と比較して約14%増の5,320億円であり、観光集客による経済効果が拡大しているものと認識しております。また、平成27年度に推計したコンベンションゾーン4施設でのMICEの経済波及効果は990億円となっております。このように、第3次産業が9割を占める産業構造の福岡市においては、来訪者をふやし、消費をふやすことが経済の活性化につながることから、重要施策として観光・MICEの振興に取り組んでおります。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 福岡観光・集客戦略に基づいたこれまでの福岡市の観光・MICEに関する主な取り組みについて、概略をお尋ねします。また、観光・MICEに関する過去3年間の当初予算額の推移及びその予算額に占める市費割合についてお尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 島経済観光文化局長。

○経済観光文化局長(島 収) 観光・MICEに関する主な取り組みにつきましては、海外への積極的な福岡ブランドの発信や多彩なクルーズ船の誘致のほか、外国人観光客の受け入れ環境の充実や歴史、文化、自然などの地域資源を生かした魅力づくりに取り組むとともに、戦略的なMICE誘致や施設整備に取り組んでおります。

 観光・MICEに関する過去3年間の予算額と、国の予算等も入っておりますので、その予算額に占める市費の割合をそれぞれ申し上げますと、平成28年度は約236,000万円で市費の割合は約91%、平成29年度は約225,000万円で市費の割合は約90%、平成30年度は約221,000万円で市費の割合は約90%となっております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 観光・MICEに関する予算額は近年減少を続けているとのことでありますが、福岡市における観光・MICEの重要性に鑑みると、限られた財源の中ではありますが、これでいいのかどうなのかという思いがございます。例えば、多言語化で観光案内表示や公衆トイレの増設、洋式化など、具体的に取り組まなければならない事項はまだまだ多数あると考えております。外国人入国者の増加など観光・MICEによる交流人口が拡大することで、これに伴う新たな課題も指摘されておりますが、福岡市における課題認識についてお尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 島経済観光文化局長。

○経済観光文化局長(島 収) 観光・MICEの新たな課題につきましては、外国人観光客の増加への対応が喫緊の課題と考えております。多言語対応を初め、歴史、文化などに対する外国人観光客のニーズの高まりに対応するとともに、キャッシュレス化やIoT推進など市民にとっても便利で快適な受け入れ環境の充実を図る必要があると考えております。

 また、MICEにつきましては、国際会議の開催件数が8年連続、政令指定都市第1位を維持する中で、一層都市のプレゼンス向上につながる質の高いMICE誘致が課題だと考えております。そのため、ハイクオリティーホテルなど受け入れ環境や誘致体制の強化が必要と考えております。さらに観光・MICE産業は裾野が広く、成長産業として期待される一方で人材不足が生じており、企業の生産性向上、人材の確保や育成が大きな課題であると認識しております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) あすの6月15日に住宅宿泊事業法の施行及び旅館業法の改正が行われますが、福岡市において民泊に供されている施設数はどれぐらいあり、そのうち、現在旅館業法の許可を受けるなど適正に民泊を営んでいる施設はどのくらいあるのでしょうか。あわせて、今回の法施行に当たっての福岡市の取り組みと今後の課題についてお尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 民泊に供されている施設数につきましては、住宅宿泊事業法施行前に詳細な実態を把握することは困難でございますが、アメリカの大手民泊仲介サイトに掲載されている施設数を集計しているサイトによりますと、福岡市内の掲載施設件数は、平成30年6月8日時点で773件となっており、過去2,000件を超えていた掲載施設件数は大幅に減少しております。

 次に、旅館業許可を取得するなど適正に民泊を営業している施設数につきましては、平成2812月に改正施行した福岡市旅館業法施行条例により新たな施設基準によって許可を取得した簡易宿所は、平成30年6月8日時点で156件、409室となっております。また、新たに施行される住宅宿泊事業法に基づき届け出を提出している民泊施設数は、平成30年6月8日時点で99件となっており、許可取得等を行っている適正な民泊施設は計500室を超え、増加傾向にございます。

 次に、住宅宿泊事業法及び改正された旅館業法の施行に向けた福岡市の取り組みとしましては、博多区及び中央区の環境衛生監視員を1名ずつ増員するとともに、福岡県警、福岡県、九州地方整備局などの関係機関と連絡会議を開催するなど宿泊施設の監視指導体制の充実を図っております。また、市民、事業者への法制度の周知として、市政だより、リーフレットなどを活用した広報に取り組んでおります。

 最後に、今後の民泊に関する課題としましては、住宅宿泊事業法の趣旨である健全な民泊の推進の着実な実施と考えておりまして、課題解決に向けて、違法民泊に対し、引き続き法令遵守の徹底を図ってまいります。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 今、経済観光文化局長や保健福祉局長から挙げられた課題は、いずれも対策を急ぐべきであり、さらなる観光・MICEの振興や課題解決に向けては、社会保障関係費など硬直的な経費に影響されない安定的な観光財源の確保が必要ではないかと考えます。こうした新たな財源の確保は、観光振興に力を入れている自治体においても共通の課題であると考えますが、他の自治体における法定外目的税である、いわゆる宿泊税の導入状況についてお尋ねいたします。あわせて、わかる範囲でこれらの自治体における宿泊税の税収及び徴税費用の額またはこれらの見込み額についてお尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 則松財政局長。

○財政局長(則松和哉) 他の自治体における、いわゆる宿泊税の導入状況でございますが、総務省の資料等によりますと、東京都が平成1410月から、大阪府が平成29年1月から導入しており、京都市が平成3010月から、金沢市が平成31年4月からそれぞれ導入予定であるとされております。

 次に、他の自治体における宿泊税の税収額及びその徴税費用額でございますが、まず、東京都におきましては、平成28年度決算額で税収額が約22.2億円とされております。

 次に、大阪府につきましては、平年度ベースで税収額が約10.9億円、徴税費用額が約0.7億円と見込まれております。また、京都市につきましては、平年度ベースで税収額が約45.6億円、徴税費用額が約1.4億円と見込まれております。なお、東京都の徴税費用額並びに金沢市の税収額及び徴税費用額につきましては、公表されたものを把握しておりません。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 他の自治体におきましては、宿泊税が貴重な観光振興等の独自財源となっているということではないかと考えます。2020年の東京オリンピック・パラリンピックが迫るなど観光・MICEを取り巻く環境は刻々と変化しており、限られた予算の中でもこれらに速やかに対応する必要があります。そのためにも新たな財源確保も含め、さらなる観光・MICEの振興に今すぐ着手すべきであると思われます。

 今回、福岡市議会の議員有志で、観光・MICEの振興を目指し、議員提案条例の検討を開始したところであり、福岡市のさらなる発展に向けて、真剣にかつスピーディーに検討していきたいと考えております。

 最後に、障がいの重い子どもの保育について質問いたします。

 近年の少子化に対して、我々市民は生まれてくる子どもたち一人一人を大切に育てていかなければならないと私は思っています。その子どもたちの中には、障がいを持って生まれてくることもあります。障がいを持つということは、市民どなたにでもあり得ることです。私の場合を考えますと、娘がおりますが、将来結婚し、子ども、私の孫になりますが、障がいを持って生まれることもあり得ます。何度も言いますが、市民全ての方が障がいと関係することは当然なんです。ですから、我々はたとえ障がいを持ったとしても、安心して生活できる社会をつくり出していかなければならないと強く感じています。そんな中、近年、働く女性の力も重要視され、これからの経済発展に必要不可欠であることから、保育に関して安心して全ての子どもを預けられる社会づくりがとても大切です。

 そこで、現在、福岡市において、小学校就学前の障がい児が利用できる施設についてどのような状況なのか、お尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 小学校就学前の障がい児が利用できる施設につきましては、まず、通所により障がい児への日常生活の動作指導や知識、技能の付与、集団生活への適応訓練等の専門的な療育を行う児童発達支援センターが分園を含めまして13カ所あり、定員合計は500人となっております。

 次に、主として重度の知的障がいと重度の肢体不自由の重複障がい児を受け入れ、専門的な機能訓練等を行う児童発達支援事業所が2カ所あり、定員合計は10人となっております。

 保育を提供する施設につきましては、全ての保育施設等で障がい児保育を実施することとしており、平成30年4月1日時点で386施設中168施設で411人の障がい児を受け入れております。

 幼稚園につきましては、平成29年5月1日基準日の数字となりますが、126園中89園で454人の障がい児を受け入れております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 多くの保護者と子どもたちが施設を利用できているように感じますが、では、福岡市においては、親が就労している場合の療育についてどのような状況にあるのか、お尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 福岡市では、市内3カ所の療育センター等において、障がいの疑いのある段階から保護者の相談に応じるとともに、医学的診断に基づき、障がいの程度やその特性に応じた療育内容を提供しているところであります。保護者が就労している場合は保育施設等を利用することとなりますが、その場合においても、専門的な療育を提供することは必要であることから、療育センター等の保育士や理学療法士などが障がいのある子どもが通う保育施設等を訪問し、専門的見地から職員に指導、助言等を行う訪問支援事業を実施するとともに、療育センター等での外来による診療や、平成28年度からは児童発達支援センターの分園における並行通園を行っているところでございます。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 療育を受けながら保育所などに通うこともできますが、特に障がいが重い子どもについては対応ができていない部分もあります。保護者の就労と療育の両立を進める上では保育環境の確保が重要と考えますが、福岡市が実施している障がい児保育制度の目的、そして、入所するまでの手続はどのようになっているのか、お尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 障がい児保育制度は、障がいや発達のおくれがある子どもと他の子どもが集団の中で一緒に生き生きと生活し、ともに育ち合い、豊かな人生を培うことを目的としております。

 手続につきましては、まず、制度に申し込むかを保育施設等が保護者と話し合い、その中で状況に応じて申し込みを勧めております。制度への申し込みがありましたら、障がいの程度に応じた保育が受けられるように、療育機関での診察や検査を経て、学識経験者等で構成する福岡市障がい児保育指導委員会において、食事や排せつなどの生活習慣、言語や運動の発達状況、病気の状況などについて協議され、市はその協議結果を踏まえて、障がいやかかわりの程度を判定いたします。その後、通常の利用調整を経て入所が決定しますが、入所後は障がいの程度に応じた保育が提供できるよう保育施設等に対して支援や助成を行っております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) それでは、福岡市は障がい児を受け入れている保育施設等に対してどのような支援や助成を行っているのか、お尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 障がい児保育を実施している保育施設等に対しては、適切な保育ができる体制をとるため、障がいの程度に応じて保育士の加配に係る雇用費の助成を行っております。また、療育等に関する業務を委託している社会福祉事業団の保育士が保育施設等を訪問し、障がい児へのかかわり方などの助言や指導を行うとともに、障がい児や保護者への支援のあり方などについて研修を実施しております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 平成30年度、障がい児保育の入所申し込み状況についてお尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 平成30年度の障がい児保育の申し込みにつきましては、年度当初時点で453人の申し込みがあっております。このうち、通常の保育での対応が可能なため、障がい児保育の対象外となった子どもや市外へ転居した子どもなどを除く438人のうち、保育施設等への入所が411人、入所保留や療育施設等の利用が27人となっております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 市は障がいやかかわりの程度について判定を行っていますが、判定結果について程度ごとの内訳をお尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 平成30年度当初の入所に係る判定結果でございますが、判定は5段階としており、通常の保育の中で対応が可能なため、障がい児保育としては対象外となった子どもが11人、日常生活、集団活動において個別の配慮や介助をどれだけ必要とするかの判定が、軽度が283人、中度が125人、中度より重いが27人、障がいの程度など子どもの状況から常時1対1の対応を要する集団保育困難が7人となっております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 集団保育困難と判定された子どもはふえているのか、直近3年間の状況をお尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 集団保育困難と判定された子どもの推移につきましては、各年度の当初で申し上げますと、平成28年度は7人、29年度は5人、30年度は7人となっております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 大体横ばいのように感じますが、では、集団保育困難と判定された児童は保育施設等を利用できていないのか、お尋ねいたします。

 

○議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 集団保育困難と判定された子どもについては、保護者と保育施設等が主治医や療育機関の意見を踏まえて協議を行い、受け入れ体制が整い、安全な保育が実施できると判断した場合は保育施設等で受け入れを行っております。平成30年度当初時点では、集団保育困難と判定された子ども7人のうち、3人が保育施設等を利用しております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 浜崎太郎議員。

40番(浜崎太郎) 障がいがある場合でも、約400人の児童は保育施設等を利用できていますが、障がいの程度が重い子どものうち4人は保育施設を利用できていません。受け入れるかどうかを保育施設等の設置者に委ねるのではなく、市として、障がいの程度が重い子どもが保育を受けることができる仕組みをつくるべきは当然のことと感じます。しかしながら、もう長い期間、解決していない問題です。3月に質問いたしました医療的ケアの必要な子どもたちの入所についても、随分前から長い間、保護者の方々からお願いをされています。少子・高齢化により労働人口の減少など社会情勢の変化も踏まえて、我々は誰もが安心して子どもを生み育てられ、社会参加ができるよう、障がいが重い子どもの保育について、新たな体制の構築に向けて早急に取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いして、私の質問を終わります。

 

○議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 子どもたちが障がいの程度に応じて適切な環境のもと、安全に教育、保育を受け、集団の中で健全に成長していくことは重要であると考えております。しかしながら、障がいの程度が重い子どもの中には随時医師のサポートや看護師のサポートを要する場合もあり、保育施設等において安全に教育、保育を提供するためには、専門的な人材の確保や医療機関との連携、緊急時の対応など想定されるさまざまな課題と向き合い、解決する必要がございます。議員御提案の保育体制の充実については、今後しっかり検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) お諮りいたします。

 本日の会議はこの程度にとどめ、残余の質問は明15日の会議にこれを繰り延べたいと思います。これに御異議ありませんか。

      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

○議長(川上晋平) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。

 次の会議は明15日午前10時に開きます。

 本日はこれをもって散会いたします。

午後3時52分 散会