平成30年6月13日(水)


平成30年第3回福岡市議会定例会

議  事  日  程 (第1号)

                             6月13日 午前10時開議

第1 会期決定の件

第2 議員派遣の件

第3 議案第109 平成30年度福岡市中央卸売市場特別会計補正予算案(第1号)

第4 議案第110 平成30年度福岡市市債管理特別会計補正予算案(第1号)

第5 議案第111 福岡市市税条例の一部を改正する条例案

第6 議案第112 福岡市放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準を定める条例の一 部を改正する条例案

第7 議案第113 福岡市障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に 生きるまちづくり条例案

第8 議案第114 福岡市中小企業の生産性向上のための設備投資の促進に関する条例案

第9 議案第115 福岡市地区計画及び集落地区計画の区域内における建築物の制限に関す る条例の一部を改正する条例案

10 議案第116 福岡市営住宅条例の一部を改正する条例案

11 議案第117 福岡都市圏の市町のスポーツ施設等を相互に他の市町の住民の利用に供することの一部変更に関する協議について

12 議案第118 福岡都市圏の市町の図書館等を相互に他の市町の住民の貸出利用に供す ることの一部変更に関する協議について

13 議案第119 福岡都市圏広域行政推進協議会規約の一部変更に関する協議について

14 議案第120 福岡市・那珂川町ごみ処理事務の委託に関する規約の一部変更に関する 協議について

15 議案第121 福岡都市圏広域行政事業組合規約の一部変更に関する協議について

16 議案第122 福岡都市圏南部環境事業組合規約の一部変更に関する協議について

17 議案第123 福岡県後期高齢者医療広域連合規約の一部変更に関する協議について

18 議案第124 住居表示の実施について

19 議案第125 鮮魚市場長浜卸売場棟改築外工事請負契約の一部変更について

20 議案第126 平成29年度公営住宅(板付住宅)新築工事請負契約の一部変更について

21 議案第127 平成29年度公営住宅(下山門住宅その1地区)新築工事請負契約の一部 変更について

22 議案第128 平成29年度公営住宅(下山門住宅その2地区)新築工事請負契約の一部 変更について

23 議案第129 平成29年度公営住宅(壱岐住宅)新築工事請負契約の一部変更について

24 議案第130 留守家庭子ども会室用建物の取得について

25 議案第131 はしご付消防ポンプ自動車の取得について

26 議案第132 救助工作車の取得について

27 議案第133 小学校及び中学校校舎の取得について

28 議案第134 埋立造成地の処分について

29 議案第135 水道管の漏水事故による損害賠償額の決定について

30 議案第136 福岡市市税条例の一部を改正する条例の専決処分について


本日の会議に付した事件

1.日程第1

2.日程第2

3.日程第3ないし日程第30


出 席 議 員 (61名)

1番  鬼 塚 昌 宏       2番  堤 田   寛

3番  調   崇 史        4番  津 田 信太郎

5番  大 森 一 馬       6番  大 原 弥寿男

7番  平 畑 雅 博       8番  打 越 基 安

9番  冨 永 計 久      10番  森   英 鷹

11番  川 上 晋 平       12番  稲 員 稔 夫

13番  大 坪 真由美      14番  中 島まさひろ

15番  川 上 陽 平       16番  古 川 清 文

17番  高 木 勝 利       18番  篠 原 達 也

19番  飯 盛 利 康       20番  今 林ひであき

21番  阿 部 真之助      22番  尾 花 康 広

23番  松 野   隆        24番  楠   正 信

25番  福 田 まもる       26番  南 原   茂

27番  おばた 久 弥      28番  光 安   力

29番  山 口 剛 司       30番  石 田 正 明

31番  大 石 修 二       32番  黒 子 秀勇樹

33番  新 村 まさる        34番   欠   員

35番  天 野 こ う         36番  橋 田 和 義

37番  堀 内 徹 夫       38番  とみなが正 博

39番  森   あや子       40番  浜 崎 太 郎

41番  綿 貫 英 彦       42番  熊 谷 敦 子

43番  倉 元 達 朗       44番  富 永 周 行

45番  荒 木 龍 昇       46番  国 分 徳 彦

47番  笠   康 雄        48番  藤 本 顕 憲

49番  星 野 美恵子      50番  中 山 郁 美

51番  ひえじま俊 和       52番  高 山 博 光

53番  近 藤 里 美       54番  田 中しんすけ

55番  落 石 俊 則       56番  田 中 丈太郎

57番  太 田 英 二       58番  池 田 良 子

59番  川 口   浩        60番  阿 部 正 剛

61番  栃 木 義 博       62番  江 藤 博 美


欠 席 議 員 (0名)


説明のため出席した者

市       長          島 宗一郎  副市長                          貞 刈 厚 仁

副  市  長            中 園 政 直   副市長                          荒 瀬 泰 子

水道事業管理者        清 森 俊 彦   交通事業管理者              阿 部   亨

総務企画局長           光 山 裕 朗   財政局長                        則 松 和 哉

市民局長                 下 川 祥 二   こども未来局長                小野田 勝 則

保健福祉局長           永 渕 英 洋   環境局長                        吉 村 隆 一

経済観光文化局長      島   収   農林水産局長                  細 川 浩 行

住宅都市局長           石 橋 正 信   道路下水道局長              三 角 正 文

港湾空港局長           中 村 貴 久   消防局長                        山 下 周 成

会計管理者               水 町 博 之  教育長                           星 子 明 夫

教育委員                  木 本 香 苗  選挙管理委員会事務局長  宮 崎 晶 子

人事委員会事務局長  小 西 眞 弓    監査事務局長                 落 石 稔 彦


職務のため出席した事務局職員

議会事務局長  土 井 裕 幹   議会事務局次長  金 子 佳 史

議事課長         着 一 孝   議事係長            中 村   博

外関係職員


○議長(川上晋平) 開会に先立ち申し上げます。

地球温暖化防止に向けた夏の省エネルギー対策として冷房設定温度が28度になっておりますので、

今会期中、上着並びにネクタイの着用をしなくてもよいことにいたしております。

午前10時 開会  

 

○議長(川上晋平) ただいまから平成30年第3回福岡市議会定例会を開会いたします。

 これより本日の会議を開きます。

 会議録署名議員に川上陽平議員、国分徳彦議員を指名いたします。

 日程に入るに先立ち、この際、報告いたします。

 去る5月30日開催されました第94回全国市議会議長会定期総会におきまして、議員として在職30年の長きにわたり、よく市政の発展に尽くされたゆえをもって、川口浩議員が、同じく在職15年、よく市政の振興に努められたゆえをもって、打越基安議員、中山郁美議員、平畑雅博議員、阿部真之助議員、倉元達朗議員、以上6人の方々がそれぞれ表彰を受けられました。ここに議員各位とともに、表彰されました方々の栄誉をたたえ、心からお喜び申し上げる次第であります。

 これより表彰されました方々に対し表彰状の伝達を行います。

 なお、引き続き市長から感謝状の贈呈が行われます。

 それでは、受賞者の方は前にお進み願います。

 

○議長(川上晋平)

表    彰    状

  福岡市  川 口   浩 殿

 あなたは福岡市議会議員として30年の長きにわたって福岡市政の発展に尽くされその功績は特に著しいものがありますので第94回定期総会にあたり本会表彰規程によって特別表彰をいたします

    平成30年5月30

全国市議会議長会          

会 長  山 田 一 仁 

〔表彰状授与〕(拍手)

 

○議長(川上晋平)

表    彰    状

  福岡市  打 越 基 安 殿

 あなたは福岡市議会議員として15年福岡市政の振興に努められその功績は著しいものがありますので第94回定期総会にあたり本会表彰規程により表彰いたします

    平成30年5月30

全国市議会議長会          

会 長  山 田 一 仁 

〔表彰状授与〕(拍手)

 

○議長(川上晋平)

表    彰    状

  福岡市  中 山 郁 美 殿

以 下 同 文

〔表彰状授与〕(拍手)

 

○議長(川上晋平)

表    彰    状

  福岡市  平 畑 雅 博 殿

以 下 同 文

〔表彰状授与〕(拍手)

 

○議長(川上晋平)

表    彰    状

  福岡市  阿 部 真之助 殿

以 下 同 文

〔表彰状授与〕(拍手)

 

○議長(川上晋平)

表    彰    状

  福岡市  倉 元 達 朗 殿

以 下 同 文

〔表彰状授与〕(拍手)

 

○市長(島宗一郎)

感    謝    状

   川 口   浩 様

 あなたは30年の長きにわたり市議会議員として市政の発展に貢献されましたその功績はまことに多大でありますよってここに深甚なる感謝の意を表します

   平成30年6月13

福岡市長   島 宗一郎 

〔感謝状授与〕(拍手)

 

○市長(島宗一郎)

感    謝    状

   打 越 基 安 様

 あなたは15年の長きにわたり市議会議員として市政の発展に貢献されましたその功績はまことに多大でありますよってここに深甚なる感謝の意を表します

   平成30年6月13

福岡市長   島 宗一郎 

〔感謝状授与〕(拍手)

 

○市長(島宗一郎)

感    謝    状

   中 山 郁 美 様

以 下 同 文

〔感謝状授与〕(拍手)

 

○市長(島宗一郎)

感    謝    状

   平 畑 雅 博 様

以 下 同 文

〔感謝状授与〕(拍手)

 

○市長(島宗一郎)

感    謝    状

   阿 部 真之助 様

以 下 同 文

〔感謝状授与〕(拍手)

 

○市長(島宗一郎)

感    謝    状

   倉 元 達 朗 様

以 下 同 文

〔感謝状授与〕(拍手)

 

○議長(川上晋平) この際、受賞者を代表して川口浩議員から挨拶したい旨の申し出がありますので、これを許します。川口浩議員。

 

59番(川口 浩)登壇 甚だ僣越ではございますが、受賞者を代表いたしまして一言お礼の御挨拶をさせていただきます。

 このたび、私ども議員30年及び15年の在職をもって全国市議会議長会から表彰の栄誉に浴しました。さらに、島市長さんより感謝状をいただきました。議会人として、この上ない栄誉でございます。

 これもひとえに議員各位並びに市長さんを初め、執行部の皆様方の長年にわたる格別の御協力、御支援のたまものでございまして、ここに深く感謝申し上げる次第でございます。

 また、議員活動に深い御理解と温かい御支援をいただいております市民の皆様方に厚くお礼を申し上げます。

 本日の受賞の栄誉を契機といたしまして、私どもはさらに福岡市の発展のため全力を傾注してまいる所存でございます。

 どうか皆様方におかれましては、今後とも、変わらぬ御支援、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、甚だ簡単でございますが、お礼の御挨拶といたします。どうもありがとうございました。(拍手)

 

○議長(川上晋平) 次に、市長から別紙報告書類一覧表に記載の書類が提出されましたので、その写しを去る6月6日お手元に送付いたしておきました。

 次に、地方自治法第100条第13項及び会議規則第125条第2項の規定により、お手元に配付いたしております議員派遣報告一覧表のとおり、議長において議員の派遣を決定いたしておきました。

 以上で報告を終わります。

 これより日程に入ります。

 日程第1、会期決定の件を議題といたします。

 お諮りいたします。

 今期定例会の会期は、本日から6月22日までの10日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

○議長(川上晋平) 御異議なしと認めます。よって、会期は10日間と決定いたしました。

 次に、日程第2、議員派遣の件を議題といたします。

 本件につきましては、お手元に配付いたしております議員派遣一覧表のとおり議員を派遣しようとするものであります。

 お諮りいたします。

 本件は、議員派遣一覧表のとおり派遣することに賛成の議員の挙手を求めます。

      〔賛成者挙手〕

 

○議長(川上晋平) 賛成多数であります。よって、本件は議員派遣一覧表のとおり派遣することに決しました。

 次に、日程第3ないし日程第30、以上28件を一括して議題といたします。

 この際、市長から提案理由の説明を求めます。島市長。

 

○市長(島宗一郎)登壇 ただいま上程になりました議案28件について提案の趣旨を説明いたします。

 まず、予算案について説明をいたします。

 今回の補正規模は、特別会計1億800万円の追加となっております。

 その主な内訳は、鮮魚市場高度衛生管理整備事業として5,400万円の追加となっております。

 また、債務負担行為の補正といたしまして、鮮魚市場高度衛生管理整備の追加を行うものであります。

 次に、条例案について説明をいたします。

 市税条例の改正案につきましては、地方税法の一部改正に伴い、地域決定型地方税制特例措置による固定資産税に係る特例割合を改めるとともに、生産性向上特別措置法に従って取得された先端設備等に対して課する固定資産税に係る特例割合を定める等の改正を行うものであります。

 放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準を定める条例の改正案につきましては、放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準の一部改正に伴い、放課後児童支援員の資格要件を拡大する等の改正を行うものであります。

 障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例案につきましては、全ての人が相互に人格と個性を尊重し合いながらともに生きる社会の実現に資するため、障がいを理由とする差別の解消の推進に関し、基本理念を定め、市の責務並びに事業者及び市民の役割を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定めるものであります。

 中小企業の生産性向上のための設備投資の促進に関する条例案につきましては、中小企業の生産性の向上を図り、もって本市経済の活性化及び市民生活の向上に寄与するため、中小企業者の先端設備等の導入を促進するための措置を講ずるものであります。

 地区計画及び集落地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の改正案につきましては、飯氏地区地区計画、石丸四丁目地区地区計画及び元岡西地区地区計画の区域における適正な都市機能と健全な都市環境を確保するため、建築物の用途等に関する事項について新たに条例による制限として定めるものであります。

 市営住宅条例の改正案につきましては、公営住宅の借り上げ期間の満了に伴い、市営対馬小路借上住宅及び市営長浜一丁目借上住宅を廃止するものであります。

 次に、一般議案について説明をいたします。

 まず、平成3010月に予定されております筑紫郡那珂川町の市制施行に伴い、福岡都市圏の市町のスポーツ施設等及び図書館等を相互に他の市町の住民の利用に供することの一部を変更することについて、関係自治体と協議をするための議案並びに福岡都市圏広域行政推進協議会規約、福岡市・那珂川町ごみ処理事務の委託に関する規約、福岡都市圏広域行政事業組合規約、福岡都市圏南部環境事業組合規約及び福岡県後期高齢者医療広域連合規約の一部変更に関し、関係自治体と協議をするための議案を提出いたしております。

 次に、東区香椎照葉六丁目について住居表示を実施するための議案を提出いたしております。

 次に、契約関係といたしまして、以前の議会で議決をいただきました鮮魚市場長浜卸売場棟改築外工事、平成29年度公営住宅(板付住宅)新築工事、平成29年度公営住宅(下山門住宅その1地区)新築工事、平成29年度公営住宅(下山門住宅その2地区)新築工事、平成29年度公営住宅(壱岐住宅)新築工事、計5件の請負契約について、賃金水準及び物価水準の上昇等に伴い、契約価額等を変更するための議案を提出いたしております。

 次に、財産の取得関係といたしまして、留守家庭子ども会室用建物、舞鶴小学校及び舞鶴中学校校舎をそれぞれ福岡市施設整備公社から取得するための議案2件、はしご付消防ポンプ自動車を取得するための議案、救助工作車を取得するための議案、以上、計4件の議案を提出いたしております。

 次に、財産の処分関係といたしまして、アイランドシティ地区埋立事業において造成した土地のうち港湾関連用地を処分するための議案を提出いたしております。

 そのほかの一般議案といたしましては、水道管の漏水事故による損害賠償の額を決定するための議案を提出いたしております。

 最後に、専決処分をいたし、議会の御承認をいただく案件でありますが、市税条例につきまして、地方税法の一部改正に伴い、利便性等向上改修工事が行われた改修実演芸術公演施設に係る固定資産税及び都市計画税の特例を受けようとする者がすべき申告の手続を定めるとともに、用途が変更された宅地等に対して課する固定資産税及び都市計画税に係る特例措置を延長する等の改正を行う必要があったものであります。

 以上で説明を終わります。よろしく御審議をお願いします。

 

○議長(川上晋平) これより質疑に入ります。

 発言通告者のうちから順次質疑を許します。堀内徹夫議員。

37番(堀内徹夫)登壇 おはようございます。私は日本共産党市議団を代表して、議案第113号、福岡市障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例案、議案第111号、福岡市市税条例の一部を改正する条例案並びに議案第114号、福岡市中小企業の生産性向上のための設備投資の促進に関する条例案、さらに、議案第112号、福岡市放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準を定める条例の一部を改正する条例案について質疑を行います。

 質問の第1は、福岡市障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例案についてです。

 障害者権利条約が2006年に国連総会で採択され、日本では2013年に障害者差別解消法が成立し、差別禁止の基本原則が具体化されました。以後、各自治体で条例化が進められる中、福岡市に障がい者差別禁止条例をつくる会が40を超す障がい者団体によって結成され、差別体験アンケートをまとめ、条例制定に取り組まれる中、ようやく本市でも条例案を本議会に提案する運びとなったものであります。

 そこで、私は今回提案されている条例案に障がい者とその家族の思いがどう生かされているかという観点から、条例案第3章の障がいを理由とする差別の禁止の内容について、また、条例制定までのプロセスと本市の態度についてただしてまいります。

 1点目は、不当な差別的取り扱いの禁止についてです。

 これは障がいを理由として、正当な理由なくサービスの提供を拒否したり、制限したり、条件をつけたりするような行為を禁止するものです。ところが、本条例案には市及び事業者を対象に差別の禁止が規定されていますが、それ以外の全ての市民を対象とした規定は基本理念のみで、本体部分、いわゆる実体規定にはありません。

 そこで、お尋ねいたしますが、基本理念に何人もと書かれてあるが、具体的な手だてを定める実体規定に何人もが入っていないのは不十分ではないか、明確な答弁を求めます。

 2点目は、合理的配慮の提供についてです。

 合理的配慮とは、障がいのある方が日常生活や社会生活においてぶつかる社会的障壁を取り除くために、障がいのある方に対し、個別の状況に応じて行われる配慮をいいます。例としては、車椅子の方が乗り物に乗るときなどに手助けをすることや、窓口で障がいのある方の障がいの特性に応じた筆談や読み上げなどのコミュニケーション手段で対応することなどが挙げられます。これについては、市には義務が規定されていますが、事業者には努力義務となっています。障がい者団体からも検討会議のたびに繰り返し異議の訴えがあり、日本共産党も問題を指摘してまいりましたが、本議会に提出された条例案にはこの点について何ら変更がありません。

 そこで、お尋ねいたしますが、障がい者団体からも繰り返し意見が上がっているにもかかわらず、なぜ合理的配慮の提供について事業者には努力義務とされたのですか、明確な答弁を求めます。

 3点目は、条例づくりに当たってのプロセスと本市の基本スタンスについてです。

 私たちのことを私たち抜きで決めないでください、これは国連、障害者権利条約が制定される過程でよりどころにされた全世界のスローガンです。日本においては、障害者総合支援法が制定されていく過程で、この当事者主体の精神を重視し、当事者に議論に参加してもらうことで共生社会を形成していく、そういうプロセスがスタートラインからやられてきたわけです。それらがこの間の国の法改正に大きな影響を与えてきました。

 ところが、今回の条例制定においては、当事者たちが実体規定の中に何人もという主語を入れてくれと繰り返し求め続けてきているのに、最後まであなた方は無視し続けてきています。なぜ最後まで当事者の思いが反映されなかったのか、また、最終的な条例案について当事者団体は納得されているのか、明確な答弁を求めます。

 質問の第2は、福岡市中小企業の生産性向上のための設備投資の促進に関する条例案についてです。

 これは生産性向上特別措置法に基づいて、中小企業の設備投資の支援として、固定資産税の課税標準を3年間に限って、価格に市町村条例で定める割合、ゼロから2分の1以下を乗じた額とする減免制度を新設する条例案で、現行の中小企業等経営強化法に基づく国の補助、助成制度を引き継ぐものです。

 そこで、私は今回の条例案が中小企業や小規模事業者の振興、支援に役立つものかどうか、ただしていきます。

 1点目は、どのくらいの事業所がこの条例により恩恵を受けられるかについてです。

 あなた方の資料では、現行の中小企業等経営強化法に基づく実績でも国からの補助金を受けた事業者は昨年300件程度です。これは全市の中小企業の0.4%です。

 そこで、お尋ねいたしますが、今回の条例により具体的にはどのくらいの事業者が固定資産税の減免の恩恵を受けることになるのか、また、国からの補助金はどのくらいの事業者が受けられると想定しているのか、答弁を求めます。

 2点目は、利用しやすい制度になっているかという点です。

 この条例により、事業者はあらゆる書類を自分自身で考えて準備しながら認定申請書をつくらなければなりません。そのために、工業会の証明書や経済産業省の確認書などを役所や事務所に出かけて取得しなければなりません。

 これでは、どんなに中小企業が経営強化のために利用しようと思っても、使い勝手の悪いものではないかと考えますが、御所見をお伺いいたします。

 3点目に、条例と効果の問題です。

 中小企業は市内の事業所数の99.1%を占め、また、従業者数の86.3%を雇用する福岡経済の根幹です。地域に根をおろして物づくりやサービスでの需要に応え、雇用を生み出している役割はますます大きくなっています。この中小企業が元気になってこそ福岡の経済も発展するわけですから、それにふさわしい振興、支援策を進めることは重要です。

 そこで、お尋ねいたしますが、今回のこの条例の目的は何ですか、また、この条例によって市内の多くの中小零細企業に効果があると考えるのか、御所見をお伺いいたします。

 質問の第3は、福岡市放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準を定める条例の一部を改正する条例案についてです。

 子どもたちが放課後などに安心して過ごせる留守家庭子ども会を求める父母の願いや子どもが健やかに育つ権利保障に立って、本市の留守家庭子ども会の質と量の拡充こそ、今、求められています。本条例案は支援員の配置基準について緩和し、支援員となれる人の枠を広げようとするものです。留守家庭子ども会の支援員は専門性を持った人の配置が求められますし、専門性を培う行政としての育成事業の質を高める対策も必要となってきます。

 そこで、この条例改正の理由についてお尋ねいたします。

 また、条例改正の背景にはどういうことがあるのか、御所見をお伺いいたします。

 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。

 

○議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 障がい者差別解消条例案についてお答えいたします。

 まず、何人もとして市民も含めて障がいを理由とする差別を禁止する規定につきましては、平成28年度に設置いたしました条例検討会議及びその後に開催された福岡市保健福祉審議会の障がい者保健福祉専門分科会におきまして、一貫して差別をする側とされる側とに分けた対立構造ではなく、建設的対話を行うことや相互理解が重要であり、市民に対して規制をしていると受け取られるような条例にすべきではないとされたことから、市や事業者、この2つの主体の規制を具体的に盛り込んだ第3章においては市民を対象とはしていないため、全ての対象をあらわす何人もとしていないところでございます。

 その一方で、障がいを理由とする差別の解消に関する強いメッセージをあらわすべきとの御意見もあったため、第2章の基本理念の章において市民も対象とし、「何人も、障がいを理由とする差別により障がい者の権利利益を侵害してはならない」と規定しているところでございます。

 なお、市民に対しましては、障がい、障がい者及び障がいを理由とする差別の解消に対する理解を進めることが重要であると考えており、この基本理念のメッセージを積極的に発信し、啓発を行うことなどによって差別解消の取り組みを進めてまいります。

 次に、事業者の合理的配慮の提供につきましては、条例案第2条第5号で、合理的配慮とは「障がい者の性別、年齢及び障がいの状態に応じた社会的障壁の除去のための必要かつ合理的な現状の変更又は調整をいう」と定義しており、条例検討会議や障がい者保健福祉専門分科会において議論が深められた結果を踏まえ、事業者における合理的配慮の提供においては、何をしなければならないのかが具体的場面や事象などによって異なるため、一律に義務づける規定とはせず、今後、合理的配慮の概念が浸透し、事業者がなすべきことが明確になった段階で義務づけることを検討することといたしております。

 次に、障がい者団体、障がい者当事者の御意見の反映に関するお尋ねでございますが、本条例案の検討に当たりましては、条例検討会議において、福岡市に障がい者差別禁止条例をつくる会のメンバー5名にも委員として議論に御参加を賜り、また、福岡市保健福祉審議会におきましても、当事者を含む委員の皆様の御意見、御審議を経た上で答申をいただき、その内容を踏まえて条例案を策定していることから、本条例案は多くの当事者団体の皆様にも御納得いただいているものと考えております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 島経済観光文化局長。

○経済観光文化局長(島 収) 中小企業の生産性向上のための設備投資の促進に関する条例案についてお答えいたします。

 固定資産税の減免を受ける中小企業につきましては3年間で約190社を想定しており、減税総額は約1.5億円と試算しております。

 また、国の補助金については、国の生産性向上特別措置法の整備に合わせて、関連する国補助金の拡充を行っており、市町村の特例措置と連動させるものとしております。具体的には固定資産税ゼロの特例を措置した自治体において、一定の要件を満たす事業者は国の補助金審査で加点され、優先的に採択されるものとなっております。対象となる国の補助金の中小企業の利用については年間で約500社を想定しており、補助額は10億円と試算しております。

 次に、使い勝手が悪い制度ではないかとの御質問につきましては、中小企業が活用する国補助金等の申請に当たっては、商工会議所等の支援機関においても個々の中小企業の課題や実情に応じた伴走型のきめ細やかな支援を行っており、中小企業が計画書等を作成することにより自社の強み、弱みを客観的に把握することができたとの声も聞いております。具体的には申請書類等につきましては、わかりやすい記入例の紹介や事例の情報提供などを行い、中小企業の申請のハードルを下げるよう努めてまいります。今後も支援機関との連携を図りながら、中小企業がより使いやすい制度となるよう運用をしてまいります。

 次に、本条例の制定の目的につきましては、中小企業の生産性の向上を図り、本市経済の活性化及び市民生活の向上に寄与することでございます。また、効果につきましては、特例措置の活用により見込まれる新たな設備投資の件数及び額を3年間で約190社、約48億円と見込んでおります。今回の制度は減税と国補助を組み合わせることで中小企業の設備投資の負担を最大7割程度軽減するもので、設備更新の貴重な機会になるものでございます。

 今回は前年度よりも減税率が高く、また、補助金の優先採択など、中小企業に二重に有利な条件が示されておりますので、見込み数よりも多くの中小企業に使っていただきたいと考えております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 福岡市放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準を定める条例の一部を改正する条例案についての御質問にお答えいたします。

 条例改正の理由につきましては、児童福祉法に基づき、厚生労働省令で定める基準の一部が改正されたことに伴い、放課後児童健全育成事業に従事する放課後児童支援員の資格要件を拡大するなど、所要の改正を行うものでございます。

 条例改正の背景につきましては、地方分権改革に関する提案などにおける複数の自治体からの、放課後児童クラブで働く方の中には、高校を卒業していないため、放課後児童支援員にはなれない方がいるが、経験豊富で評価の高い方にも基礎資格を拡大すべきとの提案内容を踏まえ、児童の生活及び遊びの場を提供する上で優秀な人材を広く放課後児童支援員として任用できるよう、国において基準省令を改正したものでございます。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 堀内徹夫議員。

37番(堀内徹夫) まず、障がい者差別禁止条例案についてです。

 まず第1に、不当な差別的取り扱いの禁止についてですが、局長の答弁では理念規定で何人もとしているから実体規定に入れなくていいんだというわけですね。7年前に成立した障害者基本法で、その第4条に「何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない」と定めていますが、差別はなくなっておりません。これはまさに理念規定にとどまっているからにほかなりません。障がい者問題が専門の弁護士さんにも話を聞きましたが、差別行為が違法だとどこに書いてあるのかと開き直られたときに、実体規定があれば明確な根拠になると言っておられました。また、理念規定で何人もを入れているからなんてことを他の自治体の方が聞いたら笑われますよ。福岡県は昨年3月に福岡県障がいを理由とする差別の解消の推進に関する条例を採択しています。その第8条で、不当な差別取り扱いの禁止及び合理的配慮の提供を何人もを主語として規定しています。つまり昨年3月から福岡県民は差別を禁止する実体規定を適用されてきたのに、この市条例によって福岡市民は実体規定を受けないという状態になるわけなんですよ。さらには、2012年以降、九州各県で施行されている条例は、その全てで何人もを主語として差別を禁止する実体規定を行っています。

 お尋ねいたしますが、本文の実体規定で禁じてこそ、差別に対する明確な違法性の根拠になると思うが、御所見をお伺いいたします。

 また、おくれてようやくつくろうとしている本市の条例が県条例や他の九州の条例から一番おくれているのに、規定内容も最もおくれたメッセージを発信してしまうことになると思いますが、明確な答弁を求めます。

 第2に、合理的配慮の提供についてです。

 なぜ事業者には努力義務なのか、局長は自主的な取り組みを促すことにしているなどと言われましたけれども、しかし、それでは解決しない事例がいっぱいあるんですよ。西鉄が市役所の玄関から走らせていますオープントップバスがあります。これに乗ろうと思ったら、市役所の玄関の受付に行くか、電話でしか事前予約ができません。郵便やファクスの受け付けはありませんと1階の窓口で言われました。この間、聾?者の方はファクスでの予約を繰り返し求め続けられていますけど、いまだに改善されておりません。同じ西鉄の天神大牟田線、三越側にある南口からも中央口からも車椅子の方は何度頼んでも入れさせてもらえず、300メートル離れたソラリアプラザの横のエスカレーターまで行かされています。西鉄に聞いても、南口にエレベーターをつける計画などは全くないとはっきりと言われました。また、JR九州香椎線では、各駅の無人化に伴い、障がい者が利用できにくくなっています。これらの事例で、障がい当事者は嫌な思い、悔しい思いをこれでしているわけですよ。

 そこで、お尋ねいたしますが、合理的配慮の提供について事業者にも義務を課さなければ差別解消とはならないのではないですか、答弁を求めます。

 第3に、条例づくりのプロセスの問題です。

 なぜ当事者の思いが反映しなかったのかという問いに対して、十分につくる会の方などと話し合ってきたと言われました。しかし、当事者は納得なんかされていませんよ。4月18日には障害者の生活と権利を守る福岡県連絡協議会が条例案に、何人も障がい者に不当な差別的な取り扱いをしてはならないという文章を入れてくれと緊急の要請行動を行っておられます。しかし、あなた方はその要請も無視して本条例案を上程されたので、昨日、当事者の方々は島市長への抗議をするとともに、本市議会への陳情も出されています。市長、見られましたか。抗議文には、こう書かれています。障害当事者として譲れない事案、何人も障がい者に不当な差別的な取り扱いをしてはならないを実体規定に入れる案件につき福岡市は拒否したと書かれています。また、実体規定を明記することを立案者である行政が拒否することは、障がい当事者を差別し、慈悲・恩恵を受ける二等市民の地位であることを容認することにほかならない、ここまで言われています。市長には当事者の皆さんの悔しさがわかりますか。

 障がいのある当事者の皆さんが、これまで養育、保育、教育、労働、生活など、あらゆる分野で差別、偏見、理不尽な対応を受けてきていることを踏まえて、何人もを実体規定に入れてくれと言われているわけですよ。それを立案者の福岡市が拒否をしているのは、私たちのことを私たち抜きで決めないでくださいという差別解消の世界的な流れから見ても大きく逸脱した態度ではありませんか、御所見をお伺いいたします。

 次に、中小企業の条例案についてです。

 まず、この条例を使うことのできる中小企業についてですが、福岡市の中小企業は7万社ありますけど、先ほど答弁を聞きますと、固定資産税の減免を受けるのが190社、1億5,000万円ぐらいと。そして、補助金を受けられるのか約500社だと言われました。0.7%の事業所しか使えないものなんですね。少ないですよ。そもそも中小企業の設備投資の支援なんだから、もっとたくさんの事業者が固定資産税が下がった、補助金を受けられたと喜んでもらえる支援条例にしていかなければならないのではないでしょうか。

 お尋ねいたしますが、国の制度の焼き直しではなく、上乗せ、横出しもして、先端設備の導入にこだわらずに、修繕でも中古購入でも使えるものに改善すべきではありませんか、答弁を求めます。

 また、使い勝手が悪いのではないかと私はただしましたが、局長は伴走型だとか、いろいろ支援をやっているとか言われましたけど、現場の実態を余りにも知らな過ぎるというふうに思います。家族経営でされているような中小零細企業には、たくさんの書類をいろんな役所に出かけていって作成し提出するなんて、これはハードルが余りにも高過ぎるんですよ。何でこんなやり方になるのか。それはあなた方が国と全く同じやり方で、補助金が欲しいならこういう書類をそろえてきなさい、そうすれば出してあげるよというスタンスだから、こんなことになっているんではないですか。これでは福岡の経済を支えている地元中小企業に設備投資の支援とはなりませんよ。

 お尋ねいたしますが、この制度の煩雑なやり方を改善し、中小企業の経営相談にも乗りながら支援措置への手続を行政が一緒にサポートする体制を新たに構築すべきではありませんか、答弁を求めます。

 3点目の条例の目的と効果の問題についてですけど、生産性の向上が大事だから支援すると言われましたが、条例が支援する中小企業は一部の力ある企業だけです。例えば、市から提示された文書では、1,000万円の設備投資をして3年間で15万円の固定資産税の減税を受けるというのが今回の条例による特典なんですけど、1,000万円もの設備投資をするというのは、町工場や家族経営の小売店、いわゆる零細企業、小規模事業者には夢のような話ですよ。そういう事業者はこの制度から締め出されているわけですが、福岡の中小企業の65%までが零細企業、小規模事業者ですよ。この事業者の方々を支援して、零細企業、小規模事業者の頑張りが生かされる福岡の経済へと転換を図っていくときではないでしょうか。

 そこで、東京都の足立区が行っている中小企業支援の中にある小規模事業者経営改善補助金という制度を紹介いたします。補助対象経費は20万円から120万円の設備投資、その2分の1を補助するので、補助金額は10万円から60万円となります。中古購入費でも修理費でも使えるという誰もが利用しやすい制度です。また、国や機関などに出かけていって書類を作成する必要もなく、全て区役所の中で手続ができるなど、活用しやすい制度です。しかも、区役所に常駐している中小企業診断士さんが事業者の経営改善の話にも相談に乗りつつ、提出する計画書を一緒になって作成してくれます。区役所のものづくり振興係長さんにお話をお伺いしたところ、国の制度は窓口が足立区内にもなく、申請が複雑で審査も厳しい。一方、区の独自の施策は計画書を出すところから区役所もかかわっているので、零細業者も安心して相談に来られるとの話でした。やはり中小零細企業の支援は生産性の向上だけでなく、事業の維持と下支えこそ必要です。

 そこで、お尋ねいたしますが、東京都足立区の小規模事業者経営改善補助金制度を参考にして、多くの中小零細企業が使いやすい制度設計になるような独自施策をつくるべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 次に、放課後児童健全育成事業の条例改正案についてです。

 そもそも今回の条例改正は、先ほどお話をお伺いしますと、全国的には支援員のなり手不足問題などから発生しているということです。福岡市の支援員の方にもお話を聞きましたけど、子ども会によっては主任支援員さんが足りずに、支援員さんが交代で主任の代理をしているところもあります。本市でも深刻な問題だと言われていました。学童保育は幼児とは違って、仲間をつくって逸脱や悪さをしながら遊びをする、いわゆるギャングエイジの子どもたちの発達、成長に責任を持ってかかわるという高い専門性が求められています。他方、安全管理や危機管理、文書管理、おやつ代の徴収、入退会申し込みの受け付け、こういった膨大な事務作業もあります。にもかかわらず、主任支援員でも賃金は時給1,058円、一時金もありません。しかも、1年雇用で、5年目には雇いどめとなる。そういう方も新たに採用試験を受けなければなりません。これでは将来の見通しを持って続けられる仕事にはならないと本市の支援員の方は話しておられました。

 お尋ねいたしますが、福岡市の留守家庭子ども会の現状から見たときに、主任支援員と支援員の働き方と賃金について抜本的に見直すことこそ担い手を確保するために必要なことではありませんか、答弁を求めます。

 以上で2問目を終わります。

 

○議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 障がい者差別解消条例案についてお答えいたします。

 まず、差別の違法性の根拠と条例のメッセージ性に関するお尋ねでございますが、条例検討会議及び障がい者保健福祉専門分科会におきまして、一貫して差別をする側とされる側とに分けた対立構造ではなく、建設的対話を行うことや相互理解が重要であり、市民に対して規制をしていると受けとられるような条例にすべきではないとされたことから、市や事業者の具体的な規制を盛り込んだ第3章においては市民を対象とはしていないため、何人もとしていないところでございます。その一方で、障がいを理由とする差別の解消に関する強いメッセージをあらわすべきとの御意見もあったため、メッセージを送るという点から、第7条の不当な差別的取り扱いの禁止の規定の直前に、独立した章として第6条の基本理念を置き、「何人も、障がいを理由とする差別により障がい者の権利利益を侵害してはならないこと」と規定しているところであり、市民も含めて、差別が容認されないことを明らかにしております。また、基本理念を9項目にわたって厚く規定しているほか、福岡市としての差別解消に向けた決意を示すため、障がい当事者の思いを反映し、社会背景や条例の必要性に関する前文を置いており、条例のメッセージ性を強めているところでございます。

 なお、福岡県条例で「何人も、障がいのある人に対し、あらゆる分野において、不当な差別的取扱いを行ってはならない」と規定されておりますが、県民を行政指導の対象とするといった規定はなく、県民に対しては理念を示す訓示的な規定となっているところでございます。

 次に、事業者の合理的配慮の提供につきましては、条例案第8条第2項で「その実施に伴う負担が過重でないときは、障がい者の権利利益を侵害することとならないよう、合理的配慮をするように努めなければならない」と規定しておりますが、合理的配慮に関する相談対応で解決が図られず、市への申し出があった場合は条例案第15条、第16条の規定に基づき、市が必要な調査を行った上で指導または助言を行うことが可能でございますので、そのような手続に基づき、条例の実効性を確保してまいります。

 なお、障がい者保健福祉専門分科会におきまして、事業者に対し義務とすべきとの御意見がありましたが、事業者の業種や規模はさまざまであり、提供する合理的配慮も具体的な場面や事象によって異なることから努力義務とされ、今後、合理的配慮の考え方の浸透状況を把握し、条例施行から3年後の見直しにおいて優先的に検討する課題とされたところでございます。

 次に、障がい当事者の御意見の反映に関するお尋ねでございますが、障がい当事者を初め、事業者及び市民等の幅広い御意見を伺うことを目的として、条例検討会議を設置し、同会議には身体、知的、精神障がいなどの40を超す障がい者団体から構成される条例をつくる会の世話人代表など、5名のメンバーに御参加をいただいているところでございます。また、保健福祉審議会とあわせて、当事者を含む委員の皆様の多数の御意見と熱心な御議論があり、それぞれ当初予定していた回数を上回る御審議を経た上で答申をいただき、その内容を踏まえて条例案を策定したところでございます。最終的な答申案を御審議いただいた保健福祉審議会におきまして、審議会委員で条例をつくる会の世話人代表の方からは、長い時間をかけてプロセスを踏み、小さな意見も含めて当事者の意見が取り入れられていると本条例案を評価していただく趣旨の御発言もあり、これまでの検討経過を考えますと、多くの当事者団体の皆様に御納得いただいているものと認識しております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 島経済観光文化局長。

○経済観光文化局長(島 収) 中小企業の生産性向上に関する条例案についてお答えいたします。

 国の制度に上乗せや横出しをすべきとのおただしにつきましては、今回の特例措置に連動する国の支援において、例えば、小規模事業者持続化補助金においては、先端設備に限定することなく、また、中古品も対象とするなど、幅広く対応できるものとなっており、その活用を図ってまいります。

 次に、行政のサポート体制の構築につきましては、本市では福岡商工会議所ビルに中小企業サポートセンターを設置し、市職員と商工会議所職員が一体となって対応しております。また、窓口には中小企業診断士を配置し、経営や融資に関する相談などに常時対応しております。先ほど述べましたとおり、今回の制度においても導入計画を策定する際、商工会議所等がその支援を行うものとなっており、支援機関と連携を図りながら、個々の中小企業の課題や実情に応じたきめ細やかな支援を行ってまいります。

 次に、独自制度をつくることにつきましては、今回の国の補助金は予算額を前年比で約1.6倍と拡大しており、業種も幅広く対象となるなど、多くの中小企業が利用可能なものとなっております。繰り返しますが、小規模事業者持続化補助金においては、先端設備に限定することなく、また、中古品も対象とするなど、幅広く対応できるものとなっております。また、固定資産税の減免とあわせて利用することにより、一部の補助金では補助率が3分の2へとかさ上げされることや優先採択を受けることができるようになっていることから、まずはこの国の制度をしっかりと活用して、生産性向上のための中小企業の設備投資を促進してまいります。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 小野田こども未来局長。

○こども未来局長(小野田勝則) 福岡市放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準を定める条例の一部を改正する条例案についての御質問にお答えいたします。

 主任支援員につきましては、児童の育成支援に加えて、現場の責任者として子ども会全体のマネジメントや、学校や地域との連絡調整などの役割を担っておりますが、留守家庭子ども会の開設時間が放課後から19時までであることから、嘱託員として任用しております。支援員につきましては、主に児童の育成支援の役割を担っており、利用児童数の増減に柔軟に対応するために臨時的任用職員として任用しております。それぞれの報酬や賃金、雇用期間などは法令等に沿って決定しているものであり、その職務に応じて適切に設定しております。

 放課後児童支援員は条例に基づき適正に配置しているところであり、今後とも、不足することがないように、しっかりと確保に努めてまいります。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 堀内徹夫議員。

37番(堀内徹夫) まず、放課後児童健全育成事業の条例改正案についてです。

 いろいろ改善もしてきているなどと言われましたけれども、時給1,000円、1年ごとの雇用という問題は何も手をつけられていないということではないですか。これから数年間、市内の小学1年生は大幅に生徒数がふえ続けます。そんな中、留守家庭子ども会への入所希望も激増することは間違いありません。そうなれば、いよいよ担い手は確保できなくなりますよ。学童保育の職員に対して研究者が行った全国調査では、求められている仕事を行うために改善を図る必要性として挙げられている事項は、自立した生活ができる賃金、これが82.5%でトップです。次いで、安定的雇用が82.4%となっています。生涯の仕事として長く続けていけるよう、高い専門性にふさわしい雇用のあり方へと抜本的見直しを行うべきだと思います。

 そこで、市長にお尋ねいたしますが、担い手を確保するためには、まず留守家庭子ども会の主任支援員や支援員さんの雇用を正規雇用にするべきだと思いますが、答弁を求めます。

 次に、中小企業の条例案についてです。

 この条例では、一部の中小企業しか使えないから改善を提案したのに、国の制度を一歩も出ない頑固な答弁を繰り返されました。福岡市の経済を支えているのは中小企業7万社、その65.3%の4万8,000社を占める小規模事業所は、補助金はもらいたくても、そのような煩雑な事務をこなせる職員の体制もなければノウハウもありません。これでは新たに制定された中小企業振興条例の第14条にもある小規模企業者への配慮という条項にも背くものだと言われても仕方ありませんよ。振興条例の前文にあるとおり、市内の全ての中小企業が市民の雇用や暮らしを支えるとともに、地域社会においてもコミュニティの活性化、防災、災害時の対応などに重要な役割を果たしているという認識に立って、一部の特定企業だけを応援するやり方を改め、市内7万社の中小企業、とりわけ小規模企業を応援する政策に転換すべきときではないでしょうか。

 そこで、お尋ねいたしますが、この条例案については、さらに助成や補助を受けやすいものにするとともに、中小企業予算を抜本的にふやすなどして、多くの中小零細企業への支援を強めるべきだと思いますが、市長の答弁を求めます。

 最後に、障がい者差別禁止条例についてです。

 不当な差別的取り扱いの禁止に関して、基本理念でも実体規定でも同じと答弁されましたけど、それなら、なぜ障がい者の願いをわざわざ拒否して、絶対に実体規定に入れまいとあなた方がするのか、説明がつきません。当事者の願いを生かして差別を根絶するという本市の構えが感じられません。世界でも、そして、日本の多くの自治体でも、障害者権利条約が国連で採択されて以降、障がい者差別をなくすことに全力を挙げています。そのキーワードは、何人も障がいのある人に対して障がいを理由とする差別をしてはならないです。九州でも各地で条例制定が行われてきました。いずれも何人もを主語にして、不当な差別的な取り扱いは行ってはならないと定めているのです。明らかに後からようやくつくる福岡市の条例案が内容でもおくれたメッセージを発信することになります。これは大変恥ずかしい話ですよ。

 また、合理的配慮についても、3年後の見直しのときに、この概念が浸透したら事業者に義務づけを検討するということですが、障害者雇用促進法では合理的配慮を事業者に義務づけを既にしており、既に2年間たっていますよ。全く理由になっていません。また、障害者差別解消法でも努力義務だと答えられましたが、政府の基本方針でも、いわゆる上乗せ、横出し条例は新たに制定することも制限されることはなく、障がい者にとって身近な地域において、条例の制定も含めた障がい者差別を解消する取り組みの推進が望まれると明確に言っているわけですね。むしろ積極的な対応が期待されているんですよ。当事者の声を反映させる立場に本市は立つべきでしょう。

 そこで、お尋ねいたしますが、第7条の冒頭に、何人も障がいのある人に対して障がいを理由とする差別はしてはいけないと明記するとともに、事業者の合理的配慮の提供については努力義務を義務に改めるよう当事者の思いを反映させた条例案に見直しをするべきではありませんか、最後に市長の答弁を求めて、私の質問を終わります。

 

○議長(川上晋平) 島市長。

○市長(島宗一郎) 障がいの有無にかかわらず、全ての市民がかけがえのない個人として尊重され、安心して生活ができる地域社会の構築に当たりましては、障がいに対する理解が促進されることが重要であり、福岡市、事業者、市民が一体となって取り組んでいく必要があります。

 本条例案については、条例検討会議や保健福祉審議会において熱心な御審議をいただき、障がいのある方を初めとする関係者の皆様のさまざまな御意見や思い、パブリックコメントによる市民の御意見も踏まえて策定をしたものでございます。

 障がいのある方が地域で生活するさまざまな場面において、何かお手伝いすることがありますかと自然に声をかけられる心の広がりが大切であり、本条例の制定によってユニバーサル都市・福岡のまちづくりの精神がますます市民全体で共有されるように取り組んでまいります。

 福岡市の都市の成長を実現するためには、市内企業のおよそ99%を占め、福岡市経済を支えている中小企業、小規模事業者の振興を図っていくことが大変重要であると認識をしています。このため、平成29年7月に中小企業振興条例の全面改正を行い、社会経済環境の大きな変化の中で中小企業が持続可能に成長、発展していくために、新製品やサービスの開発、新市場の開拓など、イノベーションに果敢にチャレンジできるよう、施策、事業の体系化、重点化を図ったところであります。中でも、中小企業における生産性の向上は人材不足や長時間労働の是正の観点からも喫緊の課題であることから、国において整備されました生産性向上特別措置法や大幅に増額をされた国補助金と連動して、中小企業の生産性向上を国と地方が一体となって取り組むことで、中小企業の生み出す付加価値の向上と中小企業で働く皆さんの労働環境の維持向上にしっかりと取り組んでまいります。

 留守家庭子ども会につきましては、児童に適切な遊びや生活の場を提供し、児童の健全育成を図ることを目的にしておりますが、近年、共働き世帯の増加などに伴う仕事と家庭の両立の観点から、その重要性がさらに増しています。留守家庭子ども会に従事する主任支援員及び支援員につきましては、その業務内容や果たすべき職責を踏まえ、現行制度の中で適切に配置をしているところでありまして、今後とも、研修などを通して資質の向上を図ってまいります。

 子どもたちが家庭にかわる居場所として安心して過ごすことができるよう、引き続き留守家庭子ども会事業の充実に努めてまいります。以上です。

 

○議長(川上晋平) 近藤里美議員。

53番(近藤里美)登壇 私は福岡市民クラブを代表して、本議会に上程されている諸議案のうち、議案第113号、福岡市障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例案、議案第114号、福岡市中小企業の生産性向上のための設備投資の促進に関する条例案、以上、2議案について質問を行います。

 まず、障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例案について質問します。

 初めに、この条例を策定するきっかけとなった平成28年4月施行の障害者差別解消法について、その目的、狙いについてお尋ねをいたします。

 また、同法における地方自治体の役割や取り組みとして期待されていることについて、あわせてお答えください。

 次に、障害者差別解消法の施行後、今議会での本条例の提案に至るまで約2年間の時間を要しておりますが、本条例の提案に至った経緯や背景、議論経過の概略についてお尋ねをいたします。

 あわせて、本条例を制定する目的、狙い並びに基本的な考え方についてお聞かせください。

 2番目に、中小企業の設備投資の促進に関する条例案についてです。

 まず、本年5月に成立し、今月6日に施行されました生産性向上特別措置法について、その目的、狙いについてお尋ねをいたします。

 あわせて、同法が制定されることとなった背景について説明願います。

 また、生産性向上特別措置法の制定を受けて、市区町村が実施すべき内容についてお尋ねをいたします。

 国がこの特別措置法とあわせて中小企業の設備投資を支援するための施策として各種補助金が設定されているとのことですが、国の補助金における優先採択について説明願います。

 次に、本市の設備投資の促進に関する条例について、その目的、狙い、主な内容についてお尋ねいたします。

 あわせて、同様の条例整備について、他都市の状況についてお示しください。

 また、今回の特例措置により見込まれる新たな設備投資額と減税額をお尋ねいたします。

 あわせて、本条例に伴う減税が現在見込んでいる税収に対して大きなインパクトがあるのか、御所見をお伺いいたします。

 以上で1問目の質問を終わり、2問目以降は自席にて行います。

 

○議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 障がい者差別解消条例案についてお答えいたします。

 まず、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる障害者差別解消法の目的につきましては、全ての国民が障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することとされております。地方自治体の役割や取り組みにつきましては、障がいを理由とする差別の解消の推進に関して、必要な施策を策定し、実施しなければならないとされており、啓発活動の実施や相談対応及び紛争防止または解決のための体制を整備することなどが規定されております。

 次に、条例案提出の経緯、背景につきましては、平成27年度、市内の40を超える障がい者団体から条例制定の強い要望が出されるなど、障がいを理由とする差別を解消することは障がい者の人権の観点からも施策を進める上で最優先に取り組むべき課題であること、また、福岡市による相談対応に加え、指導、助言、勧告の実施などを条例に盛り込むことで法の実効性を高める効果が期待できること、さらには福岡市が市政の柱の一つとして推進しているユニバーサル都市・福岡にふさわしい効果的な施策を実施することにつながることなどから、条例制定に向け取り組むこととしたものでございます。

 議論の経過につきましては、平成28年7月に福岡市保健福祉審議会へ諮問を行い、同年8月以降、有識者4名、それから、福岡市に障がい者差別禁止条例をつくる会のメンバー5名を含む障がい当事者6名、さらに、事業者3名、また、市民等5名から構成する条例検討会議を、当初6回の予定でしたが、最終的に8回にわたり開催し、条例原案を取りまとめていただきました。その原案をもとに、平成29年9月から福岡市保健福祉審議会の障がい者保健福祉専門分科会で御議論をいただき、12月に市議会第2委員会にパブリックコメント案に関し報告を行った後、本年1月から2月にかけてパブリックコメントと条例をつくる会の皆様の御協力を得て、タウンミーティングを実施いたしました。これらを経て、改めて保健福祉審議会で御議論いただき、本年5月、審議会より答申を受けたところでございます。

 次に、条例の目的につきましては、障がいを理由とする差別の解消の推進に関し、基本理念を定め、福岡市の責務並びに事業者及び市民の役割を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定めることにより、全ての人が相互に人格と個性を尊重し合いながら、ともに生きる社会の実現に資することとしております。

 基本的な考え方につきましては、まず、障がいを理由として不当な差別的取り扱いを行うことは重大な人権侵害であること、次に、障がい者との交流を通じた相互理解を深めること、また、合理的配慮の考え方を広く啓発することが重要であること、また、差別をする側とされる側とに分けた対立構造とするのではなく、相互の立場を踏まえた建設的な対話が重要であり、それを踏まえた相談体制を構築すること、次に、実効性のある紛争解決手段を構築すること、以上のことを柱としております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 島経済観光文化局長。

○経済観光文化局長(島 収) 中小企業の生産性向上のための設備投資の促進に関する条例案についてお答えいたします。

 生産性向上特別措置法につきましては、中小企業の生産性向上のための設備投資の促進、新技術等の実証の促進、革新的データの産業への活用の3点が規定されておりますが、このうち、今回提案している条例に関連するのは、中小企業の生産性向上のための設備投資の促進についてであります。中小企業の労働生産性が伸び悩んでおり、大企業との格差も拡大傾向にあること、また、中小企業が所有している設備の老朽化が進んでおり、生産性向上の足かせとなっていることなどから、国において中小企業の設備投資を後押しするために法整備がされたものです。これにより生産性の高い設備へと一新させ、事業者自身の労働生産性の向上を図ることを目指したものでございます。

 次に、生産性向上特別措置法の制定を受けた市町村の実施すべき内容につきましては、市町村において導入促進基本計画を策定し、設備投資の促進に関する基本的な内容を定めるとともに、市町村の認定を受けた中小企業の新規設備投資に係る固定資産税の特例措置を設けるものとしております。

 次に、国の各種補助金における優先採択につきましては、国は特別措置法の整備にあわせて関連する国補助金の拡充を行っており、市町村の特例措置と連動させるものとしております。具体的には、固定資産税ゼロの特例を措置した自治体において一定の要件を満たす中小企業は、国の補助金審査で加点され、優先的に採択されるものとなっております。対象となる国の補助金は、ものづくり・サービス補助金、小規模事業者持続化補助金、サポーティングインダストリー補助金、IT補助金となっております。

 次に、本条例につきましては、中小企業の生産性の向上を図り、もって本市経済の活性化及び市民生活の向上に寄与することを目的としております。また、本条例の主な内容につきましては、中小企業の生産性向上のための設備等を導入すると課税の特例の適用があることを規定しております。具体的には、市の認定を受けた中小企業の新規設備投資に係る固定資産税を設備取得から3年間ゼロとするものでございます。

 次に、同様の条例整備についての他都市の状況につきましては、全ての政令市において生産性向上特別措置法に対応し、固定資産税の減免に関する条例改正等を行っております。

 次に、特例措置により見込まれる新たな設備投資額につきましては、3年間で約48億円、対象設備の減税の総額につきましては約1.5億円を見込んでおります。

 また、税収へのインパクト、影響につきましては、今回の税制は固定資産税の減免により中小企業の新たな設備投資を促すもので、現在、既に課税し、納めていただいている固定資産税を減免するものではございません。また、設備投資から4年経過後には特例が適用されないため、通常どおりの課税が行われ、その後は税収増となるものでございます。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 近藤里美議員。

53番(近藤里美) まず、共に生きるまちづくり条例案についてです。

 平成28年4月に施行された障害者差別解消法では、福岡市の役割として、差別解消の推進に関する必要な施策を策定し、実施することとされており、啓発活動の実施や相談及び紛争防止、解決体制の整備について定められているとのことでした。同法の施行を受けて、本市としては市内の40を超える障がい者団体から条例制定の強い要望が出されていたことも踏まえ、ユニバーサル都市・福岡にふさわしい施策を実施するためにも、本条例の制定に向け、議論を重ねてきたとのことでした。他都市では既に同様の条例を制定し、取り組みを進めているところもあるように聞いておりますが、本市としては、条例検討会議や審議会の複数回開催、条例案のタウンミーティングを開催し理解を深めるなど、丁寧な議論を進めてこられたことがわかりました。

 では続いて、条例の内容について質問をしてまいります。

 本条例では、市、事業者、市民について、それぞれの責務、役割を規定していますが、市と事業者、市民の役割の違いについてお尋ねをいたします。事業者、市民が努めるものとするとされた理由についても、あわせてお答えください。

 続いて、基本的な施策について3点お伺いをしますが、まず、障がいや障がい者等の理解を深めるための啓発活動について、これまで実施してきた事業、施策と条例制定後に実施を計画、予定している事業、施策についてお尋ねをいたします。

 2点目に、障がい者と障がい者でない者の交流の推進についても、同様にお答えください。

 3点目に、相談体制について、これまで実施してきた事業、施策と条例制定後に実施を計画、予定している事業、施策についてお尋ねをいたします。

 あわせて、本条例を契機として、相談件数の増加や今までのありようでは対応が困難な場合が想定をされます。今後の相談体制や相談後の対策、初期対応について検討していく必要があると思いますが、いかがお考えか、お尋ねをいたします。

 また、法の実効性を高めるためには、指導や紛争解決の体制整備が重要になると考えますが、障がい者からの相談への対処策として、条例制定後はどういった対応をすることになるのか、指導、紛争解決の体制や流れについて概略を説明願います。

 続いて、合理的配慮について、現段階では事業者にとっては努力義務となっていますが、障がい者に対するあらゆる差別をなくしていくためには、現段階から取り組みを進めていく必要があると考えます。事業者に対する情報提供や協力要請、また、事業者のほうからの相談に応える体制など、どのような対応を考えておられるのか、お尋ねをいたします。

 2番目に、中小企業の設備投資の促進に関する条例案についてです。

 これまで中小企業は設備の老朽化が進む一方で、なかなか投資ができなかったために生産性改善がおくれていたようですが、生産性向上特別措置法では、設備投資の支援を通じて先端設備の導入を促すことにより、事業者自身の労働生産性の向上を図ることを狙いとしているようです。市町村に対しては、事業者の認定作業を通して、より多くの中小企業がこの機に生産性改善を果たせるような取り組みを期待しているものと思われます。今回の条例の制定が国の設定する補助金の優先採択につながるという支援の要件になっていることも重要な点です。また、今回の条例制定に伴う本市の税収に与える影響は約1.5億円の見込みで、これは今後導入される設備に対する固定資産税の減免であり、今ある税収額が減少するというものではないということでしたので、大きなインパクトはないものと理解をいたしました。

 では続いて、条例の内容について伺ってまいります。

 まず、本条例にある中小企業について、具体的な事業規模等について説明願います。また、直近の市内の該当事業所数についてお尋ねをいたします。

 あわせて、今回の特例措置の対象となる事業者について、現在、当局が想定している事業所数についてお示しください。

 次に、本条例の制定とあわせて導入促進基本計画の策定が必要となりますが、この導入促進基本計画とはどういった内容なのか、概要をお尋ねいたします。

 また、策定スケジュールについても、あわせてお答えください。

 続いて、本条例の特例措置が適用される要件についてお尋ねをいたします。

 あわせて、労働生産性向上とはどういうことか、具体的な説明を求めます。

 固定資産税の減免対象となる機械装置等についてですが、どういった設備のことか、具体例も含めて説明をお願いいたします。

 次に、特例措置の適用についてですが、本条例の狙いとする生産性向上を図るために本市は特例措置の適用の可否についてどのように認定をするのか、説明願います。

 実際に事業者が申請する際には、導入する設備が先端設備であることや労働生産性が改善されることといった説明が必要だと思われますが、必要な証明などは容易に入手できるものなのでしょうか。期限までに入手できない場合の措置はあるのかもあわせて、お尋ねをいたします。

 また、本市として一連の申請に関して対象となる中小企業者の支援として、説明会、手続の指導などの支援の実施を予定されているのでしょうか。あれば、その内容もあわせてお尋ねをいたします。

 以上で2問目を終わります。

 

○議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 障がい者差別解消条例案についてお答えいたします。

 まず、市の責務、事業者、市民の役割の規定に関するお尋ねでございますが、市は障がいや障がい者等に対する理解の促進を図り、差別解消に関する施策を実施すること、事業者は差別解消の取り組みを積極的に行い、市の施策に協力するよう努めること、市民は差別をなくし、全ての人が相互に人格と個性を尊重し合いながらともに生きる社会、いわゆる共生社会の構築に寄与するよう努めることを規定しております。

 また、事業者による市の施策への協力と市民による共生社会構築への寄与につきましては自発的な取り組みが望まれることから、強制的な表現は避け、努めることと規定しております。

 次に、啓発活動につきましては、これまで実施してきたものとして、市のホームページにおける関連情報の掲載や、差別解消に関する出前講座を実施しているほか、本年2月には福岡市に障がい者差別禁止条例をつくる会の御協力のもと、タウンミーティングを開催し、条例案の説明に加え、劇を通じた差別解消の考え方の紹介、知的障がいや発達障がいの疑似体験を行ったところでございます。

 条例制定後は障がい、障がい者及び障がいを理由とする差別の解消に対する理解をさらに深めるため、差別解消に関するわかりやすいパンフレットや条例の解説書の作成、セミナーの開催など、さらなる広報、啓発を行ってまいります。

 次に、交流の推進につきましては、これまで毎年12月に実施している障がい者週間記念の集いにおいて、障がいのある方とない方によるステージでの共演や障がい者団体交流・紹介コーナーを設置するなど、交流の場を設けているほか、社会福祉法人福岡市身体障害者福祉協会の御協力により、小中学校に障がいのある方が赴き、体験等を行う出前授業を実施しているところでございます。

 条例制定後は引き続きこれらの事業を実施するとともに、例えば、タウンミーティングによる障がいのある方も交えたグループディスカッションの実施など、条例に基づき設置される福岡市障がい者差別解消推進会議の御意見も伺いながら、さらなる方策について検討してまいりたいと考えております。

 次に、相談体制についてでありますが、まず、これまでの取り組みとして、平成28年4月から障がい者の権利擁護に関する相談窓口として設置しております福岡市障がい者110番に、障がいを理由とする差別に対応する相談員を新たに常設で配置したところでございます。

 条例制定後は障がい者110番の体制を充実させるとともに、身近な相談窓口として市内に14カ所ある区基幹相談支援センターと連携することを想定しており、効果的な相談体制となるよう検討してまいります。また、障がい者110番に寄せられた困難な案件につきましては、必要に応じて障がい者差別解消推進会議の意見を伺いながら、解決に向け、対応してまいります。

 次に、障がいのある方からの相談があった場合の対応につきましては、まず、相談対応として、相談者や事業者などへの必要な説明や調整、あっせんなどを行い、できる限りこの段階で解決を図っていくこととしております。調整、あっせんにより解決が図られない場合は、事業者への指導または助言について相談者からの申し出を受け、市は必要な調査を行った上で障がい者差別解消推進会議の意見を聞き、指導または助言を行ってまいります。

 なお、市による差別事案の場合は同様の手続により、市が必要な措置を講ずることとしております。

 次に、指導または助言を受けた事業者が正当な理由なくこれに応じなかった場合は、条例に基づき設置される福岡市障がい者差別解消審査会の意見を聞いた上で市が勧告を行い、さらに正当な理由なくこれに従わないときは、その旨を公表することとなります。

 次に、事業者に対する対応につきましては、事業者向けに差別解消に関するわかりやすいパンフレットの作成、配布や合理的配慮の好事例の紹介、出前講座の実施などにより広報、啓発を行ってまいります。

 また、差別に関する相談につきましては、障がいのある方だけではなく、事業者からも受け付けることとしており、相談窓口の周知もあわせて行ってまいります。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 島経済観光文化局長。

○経済観光文化局長(島 収) 中小企業の生産性向上に関する条例案についてお答えいたします。

 本条例に規定する中小企業につきましては、主な業種で、卸売業では資本金等の額が1億円以下、従業員の数が100人以下、サービス業では資本金等の額が5,000万円以下、従業員の数が100人以下の会社及び個人となっております。

 また、市内の該当事業所数につきましては、平成26年経済センサスによる事業所ベースでの中小企業の数は7万3,613事業所であり、市内事業所の約99%が対象となるものと考えております。

 次に、今回の特例措置により新たに設備投資を行う事業所数については、3年間で約190社を想定しております。

 次に、導入促進基本計画につきましては市が定めるものであり、中小企業が生産性向上を図るために導入する設備投資の計画に関する認定基準などを示すものでございます。具体的な項目として、先端設備等の導入の促進の目標や、市が導入を促進する先端設備等の種類などを記載するものとなっております。

 また、策定スケジュールにつきましては、今後、速やかに計画案を作成し、7月中をめどに国の同意を得たいと考えております。

 次に、本条例の特例措置が適用される要件につきましては、中小企業が導入する設備等について、その基準として生産性向上のために導入する機械等の設備の性能が年平均1%以上向上するものであり、その設備導入により、その企業全体の労働生産性が年平均3%以上向上することが必要となっております。

 次に、労働生産性の向上の具体的な説明につきましては、同じ労働時間でより高い付加価値を生み出すことや、より少ない労働時間で同じ付加価値を生み出すことを想定しており、例えば、今回中小企業が導入する設備等によってコストダウン、売り上げの増、賃金の上昇、労働時間低減が図られることを目指すものでございます。

 次に、固定資産税の減免対象となる機械装置等につきましては、中小企業が生産性向上のために導入する先端的な技術を活用した機械、装置、工具等となっております。具体的には小売業等におけるセルフレジ、LED照明、飲食店等における自動券売機、食器洗浄器、製造業等における3Dプリンターなどが該当するものと考えております。

 次に、生産性の向上の認定につきましては、中小企業が策定する先端設備等導入計画において、まず、生産性向上のための設備等の性能が工業会で証明されており、その設備の導入により会社単位の労働生産性が向上することが事業計画上、明らかであり、商工会議所等が確認していることを踏まえて認定するものとなっております。

 次に、申請に必要な証明につきましては、まず、中小企業が設備メーカーを経由して工業会に対して発行の申請をするものとなっております。設備によって証明書発行までの期間が異なりますが、導入計画の申請までに証明書を取得できなかった場合においても、翌年1月1日までに工業会証明書を追加提出することで特例措置を受けることが可能です。

 次に、労働生産性が改善されることにつきましては、商工会議所等が申請前に確認するものとなっております。

 次に、中小企業の認定申請に対する支援策につきましては、本市としましても、より多くの中小企業に本制度を活用していただくよう制度を広く周知しているところです。また、中小企業が導入計画を策定する際、商工会議所等がその支援を行うものとなっており、これまでも支援機関において個々の中小企業の課題や実情に応じたきめ細かな支援を行っております。今後も支援機関と連携を図りながら、中小企業がより使いやすい制度となるよう運用をしてまいります。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 近藤里美議員。

53番(近藤里美) まず、共に生きるまちづくり条例案についてです。

 本市と事業者、市民の役割と責務についてお尋ねをいたしましたが、事業者と市民について努力義務とした点については、あえて強制的な表現は避け、自発的に取り組みが推進されるためとのことでした。もう少し時間を置いてということなのかなということも感じたところであります。

 この障害者差別解消法に新たに盛り込まれた合理的配慮については、事業者自身がまずは理解を深め、前向きに取り組む姿勢が重要であると考えます。現在の相談窓口は障がい者110番が中心になるようですが、このネーミングからすると、事業者が自発的な取り組みに対する相談をする窓口としては、ちょっとぴんとこないのではないかなというふうに感じます。例えば、子ども110番というと、子どもさんが110番をするとか、そういうふうなことからすると、障がい者110番という名前は、いかにも障がい者の方から110番で電話をするというようなイメージがあるのではないかなというふうに感じますのでというところです。局長の答弁にもありましたけれども、事業者の相談窓口としても活用いただけるというような工夫をぜひお願いしたいと思います。

 あわせて、障がい者差別を防止する観点から、障がいの特性に応じて業界に共通するような事例がある場合などには、他局の事業を通じて情報提供を実施することも重要だと思われます。差別に当たる事例はもちろん、特に合理的配慮に当たるような好事例については他局とも連携しながら、該当するような業界全体に、情報提供や理解の促進に取り組んでいただけたらというふうに思います。

 また、条例制定後の新たな役割として、相談を受けることに加え、差別的行為を行った者に対する指導や是正、紛争解決に当たることとなります。その進め方についてお答えをいただきましたが、相談者にとって国よりも身近な存在である本市が差別を行った事業者に対して指導、助言、勧告、公表まで行えるということは心強いことだと思われます。こういった新たな取り組みが本条例の制定を機に進められることとなりますが、一方で、安心して相談できる体制を確保することからも、当事者からの相談件数は増加することが予想されます。条例制定後は相談件数の動向について、ひょっとすると相談の電話中に受信をするということもあると思われますので、そういったことも含めて、しっかりと注視することとあわせて、相談受付人員の拡充など、必要な予算措置も含めた検証、検討が必要不可欠だというふうに考えます。

 この議案に対する質問の最後に、本条例では附則の中に3年後の条例の見直し規定が盛り込まれているということが特徴的ですが、見直しに向けた3年間をどのように捉えておられるのか、また、見直しを視野に入れる中で、当局としてどのように取り組もうとされているのか、そのお考えをお尋ねいたします。

 次に、中小企業の設備投資の促進に関する条例案についてです。

 本条例の対象となる中小企業について説明をいただきましたが、市内の該当事業所数については7万4,000近くある中で、今回見込んでいる事業所数は約190社とのことでした。生産性改善が進むとはいうものの、一方で、多額の設備投資にはなかなか踏み切れないというのが実情だろうというふうに思われます。とはいうものの、いつかは投資をしなければならないということを考えれば、事業者にとって今回はより投資額を圧縮できるよい機会だと思います。先ほど先端設備の事例を幾つか挙げていただきましたが、私もセルフレジはそうだろうなというふうに考えが及びましたけれども、LED照明が先端設備投資として今回の事象に当たるということはまさかと、考えが及ばなかったところであります。事業内容によっては思わぬ設備投資が特例措置の適用となることも考えられますので、積極的な情報提供など、より多くの企業がチャレンジできるよう促すとともに、受けられるはずの支援を受けなかったということがないように、本市としても積極的に取り組んでいただきたいと思います。

 さて、今回の特例措置の適用要件として、労働生産性向上、年率3%以上という指標が出てきました。同じ付加価値を生み出すのに、年間3%少ない労働時間で達成できる状況ということに置きかえて計算をしてみました。週休2日で1日8時間勤務、残業なしの場合、なかなかあり得ない場合ではありますが、3%以上の短縮といいますと、8日以上の休日がふえることになります。労働条件が大きく改善することにつながるというふうに思われます。より性能の高い機器の導入によって労働生産性が向上することは大いに期待するところではありますが、その結果、業務が不要となる従業員の雇用や労働条件が改悪となってしまっては本末転倒です。

 最後に、今回の生産性向上における雇用確保や労働条件の維持向上について、市が事業者を認定する上での考え方についてお尋ねし、私の質問を終わります。

 

○議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 障がい者差別解消条例案についてお答えいたします。

 条例施行から3年後の見直しにつきましては、障害者差別解消法自体の見直しに係る検討状況のほか、条例運用後の社会情勢や3年間で収集した差別の事例などを踏まえ、障がい者差別解消推進会議などにおいて、障がい当事者や事業者の御意見を伺いながら、3年間の条例運用の実績や評価を踏まえ、検討してまいります。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) 島経済観光文化局長。

○経済観光文化局長(島 収) 中小企業の生産性向上に関する条例案についてお答えいたします。

 雇用確保や労働条件の維持向上につきましては、市内の中小企業においては、労働生産性の向上は人材不足や長時間労働の是正の観点からも喫緊の課題であると考えております。また、国が策定した導入促進指針において、市町村は中小企業が策定した計画を認定する際には雇用の安定に配慮するとされております。この趣旨を踏まえ、中小企業の生産性向上が企業の生み出す付加価値の向上とあわせ、雇用の確保や労働条件の維持向上につながるよう取り組んでいきたいと考えております。以上でございます。

 

○議長(川上晋平) この際、暫時休憩いたします。

 午後は1時10分に再開いたします。

午前1141分 休憩  

午後1時10分 開議  

○副議長(石田正明) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を継続いたします。荒木龍昇議員。

45番(荒木龍昇)登壇 私は緑と市民ネットワークの会を代表して、今議会に上程されている諸議案のうち議案第113号、福岡市障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例案、議案第114号、福岡市中小企業の生産性向上のための設備投資の促進に関する条例案、議案第134号、埋立造成地の処分について質疑します。

 まず、議案第113号、福岡市障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例案についてお尋ねします。

 この条例案は、当事者、支援者、関係者及び条例検討会議の皆様の努力によりつくられたことに敬意を表します。課題は残されていますが、この努力が実を結ぶためには今後の運用が問われています。

 そこで、第1点として、差別体験アンケートでは無理解、偏見による問題が指摘されており、市、事業者、市民の理解を進めるための啓発活動が重要と考えます。市役所内での取り組み、教育現場での取り組み、事業所内での取り組み、市民及び地域での取り組みの推進母体はどのようなものでしょうか。

 次に、差別解消推進会議は市長に差別解消に関する重要施策に関して意見を述べることができるとしていますが、推進会議が市の施策及び進捗状況について検討する場となっているのでしょうか。

 次に、障がい者に身近な相談窓口はどのように設置する考えでしょうか。また、専門的知識を有する相談員とはどのような資格を持つ者を想定しているのでしょうか。

 この質問の最後に、発達障がいはわかりにくく、ひきこもりの誘因の一つです。学校や職場での理解が重要と考えますが、市はこの条例に基づき理解を進める取り組みはどのようにするのか所見を求めます。

 次に、議案第114号、福岡市中小企業の生産性向上のための設備投資の促進に関する条例案について質問します。

 この条例案は中小企業の生産性向上を促進することを目的に、新規取得設備の固定資産税を3年間減免するというものです。全国では中小企業は、企業数の99.7%、従業員数の約7割、製造業付加価値額の約5割を占めています。中小企業は経済を下支えし、中小企業振興は福岡市においても重要であり、今回、提案されている制度がより有効に活用されることが望まれます。

 そこで、まず制度について以下お尋ねします。

 対象となる事業について、対象となる設備の要件について、固定資産税の減額は定額、定率どちらでもよいのか、どのような手続で認定されるのか、市の財源がふえないことについて所見を求めます。

 次に、議案第134号、埋立造成地の処分についてお尋ねします。

 今回、土地処分の契約をされる土地は、人工島みなとづくりエリアです。売却面積は1万4,000平米余、売却価格は178,000万円余、1平米当たりの単価は121,000円余です。この価格が妥当な価格なのか検証します。

 そこで、人工島みなとづくりエリアの収支均衡単価は幾らか。

 次に、埋立費用以外に土地処分のために周辺整備の費用が必要です。

 そこで、道路整備等売却のためのインフラ整備について、みなとづくりエリアにおいて投じた費用及び平米単価について説明を求めます。

 今回処分地に交付される立地交付金の予定額は幾らか、本議案の処分地における立地交付金に関する申請はいつなされたのか、また、その申請の有効期間はあるのか、立地交付金はいつ交付されるのか、交付の要件はどのようになっているのか、説明を求めます。

 以上で1問目の質疑を終わり、2問目以降は自席にて行います。

 

○副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 障がい者差別解消条例案についてお答えいたします。

 まず、啓発活動などの差別解消に関する取り組みについてでございますが、条例案において市の責務や事業者、市民の役割を規定しており、市民や事業者などあらゆる主体が障がいを理由とする差別の解消に向けそれぞれ取り組むこととしております。その上で、市、事業者及び市民が一体となって取り組みを推進していくために、福岡市の責務として、「障がい、障がい者及び障がいを理由とする差別の解消に対する理解の促進を図るとともに、障がいを理由とする差別の解消に関する施策を策定し、及びこれを実施する」と条例案で規定しており、福岡市が中心となって関係各所と連携を図りながら、障がいや障がいを理由とする差別に関する理解を深めるための取り組みを推進してまいります。

 次に、福岡市障がい者差別解消推進会議につきましては、必要な情報を交換するとともに、障がい者からの相談事例を踏まえた障がいを理由とする差別を解消するための取り組みに関する協議を行うほか、市民の理解を深めるための施策など差別解消に関する重要な施策に関し、市に対して意見を述べることも所掌事務として規定しております。

 次に、相談窓口につきましては、身近さと専門性が両立し、効果的な相談体制となるよう、障がいを理由とする差別に対応する相談員を常設で配置している、福岡市障がい者110番の体制を充実するとともに、より身近な相談窓口として、市内に14カ所ある区基幹相談支援センターと連携することを想定しております。

 また、相談員は、特別な資格要件を定めることは想定しておりませんが、障がい者の権利擁護に関する知識や相談業務の経験がある者が対応することとし、そのほか、弁護士や精神保健福祉士といった有資格者による相談も実施し、連携を図ってまいります。

 次に、発達障がいへの理解を進める取り組みについてですが、条例案において、「市は、事業者及び市民の、障がい、障がい者及び障がいを理由とする差別の解消に対する理解を深めるために必要な啓発活動を行う」と規定しており、発達障がいを含め、障がいに対する理解を深めるため、啓発や研修等を実施してまいります。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 島経済観光文化局長。

○経済観光文化局長(島 収) 福岡市中小企業の生産性向上のための設備投資の促進に関する条例案についてお答えいたします。

 本条例に基づく特別措置の対象となる事業につきましては、国の生産性向上特別措置法の趣旨に合致する事業であれば、できるだけ幅広く対象としたいと考えております。

 次に、本条例に基づく特別措置の対象となる要件につきましては、中小企業が生産性向上のために導入した先端的な技術を活用した機械、装置、工具等となっております。

 次に、今回の固定資産税の特例措置につきましては、中小企業が行う新規設備投資に係る固定資産税を、設備取得から3年間ゼロに軽減するものとなっております。

 次に、認定手続につきましては、中小企業は、福岡市が策定する導入促進基本計画に適合する先端設備等導入計画を策定し、本市が認定いたします。計画の認定に当たっては、生産性向上のために導入する機械等の設備の性能が年平均1%以上向上するものであり、その設備導入により、その企業全体の労働生産性が年平均3%以上向上することなどを踏まえて認定するものとなっております。

 次に、市の財源につきましては、今回の制度は、固定資産税の減免により中小企業の新たな設備投資を促すもので、現在、既に課税し納めていただいている固定資産税を減免するものではございません。また、設備投資から4年経過後には特例が適用されないため、通常どおりの課税が行われ、その後は税収増となるものでございます。以上でございます。

 また、引き続きまして、埋立造成地の処分についてお答えをいたします。

 立地交付金の交付予定額でございますが、認定申請時の施設計画書及び土地処分価格から試算いたしますと、約6億8,000万円となる見込みでございます。

 次に、立地交付金の認定申請日でございますが、事業者からは、平成28年3月17日付で申請されております。

 次に、立地交付金の認定の有効期間についてのお尋ねでございますが、本件につきましては、土地の引き渡し日の翌日から3年以内に操業を開始する必要がございます。

 次に、立地交付金の交付時期と交付要件につきましては、立地交付金は、事業者が操業開始期限内に認定された事業を開始し、市がその事業の実施を確認した後に交付することとなっております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 中村港湾空港局長。

○港湾空港局長(中村貴久) 埋立造成地の処分についてお答えします。

 埋め立てや土地造成に係る事業費及び起債発行に係る支払い利息の合計金額を分譲計画面積で割った金額を収支均衡単価といたしますと、アイラインドシティみなとづくりエリアにおける収支均衡単価につきましては、1平米当たり約112,400円でございます。

 次に、アイランドシティみなとづくりエリアの収支均衡単価に含まれない道路等の整備費につきましては、臨港道路整備費が約73億円、下水道整備費が約29億円であり、合計102億円となります。この合計金額をみなとづくりエリアの面積約209.5ヘクタールで割りますと、1平米当たり約4,900円となります。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 荒木龍昇議員。

45番(荒木龍昇) まず、議案第113号について質問します。

 差別解消の推進母体については、具体的な推進母体の設置はされず、市として差別解消に関する施策を策定して各所と連携をとって進めるということでした。しかし、事業計画をつくり進行についての検証がなされなければ、差別解消の実態は見えてきません。どのような形で事業を可視化していくのか所見を求めます。

 次に、推進会議の運営については、経過を踏まえて充実させていくことになると考えますが、推進会議の所掌事務に事業計画策定の関与と事業評価を具体的に明記すべきではないかと考えますが、所見を求めます。

 次に、相談体制についてですが、障がい者110番を充実させるとともに、市内14カ所の区基幹相談センターの連携を図るということですけれども、また、相談員も障がい者の権利擁護の相談経験がある者を配置し、弁護士や精神保健福祉士と連携を図るということでした。

 そこで、事案対応の1次窓口である相談員の職務権限と相談記録の集積と報告の扱いはどのように想定されているのでしょうか。また、必要によってひきこもり支援や就労支援など他の機関との連携についてはどのように想定されているのか所見を求めます。

 次に、議案第114号についてです。

 条例は中小企業を元気にする制度と受けとめていますが、制度を生かすことが重要です。

 そこで、制度を活用するための市としての取り組みについてお尋ねします。

 制度の周知はどのように進めるのか、制度が活用されるにはより多くの具体的な事例について情報提供が必要と考えますが、どのような取り組みを考えているか、新規設備導入についての検討、相談などの支援体制はどのように考えているのか、生産性向上には新規設備の導入とともに、人材育成が重要と考えますが、どのような支援がなされるのか、新規設備導入の融資制度及び他の補助制度との併用は考えられるのか、以上、所見を求めます。

 次に、議案第134号です。

 今、答弁いただきましたように、みなとづくりエリアでの収支均衡単価は1平米当たり112,400円ということです。博多港開発工区、現まちづくりエリアのところですが、埋め立て申請時の造成単価は1平米当たり約138,700円、2004年の竣工期間延長申請時に造成単価を1平米当たり121,800円に見直し、翌年、山崎市長が博多港開発第2工区を購入しております。また、1990年当時の市工区、現みなとづくりエリアですが、造成単価は1平米当たり約149,500円となっています。

 そこで、みなとづくりエリアでの収支均衡単価が大きく下がっておりますけれども、その説明を求めます。

 次に、今回の処分価格は1平米当たり121,000円余です。収支均衡単価は1平米当たり約112,400円ということで、処分価格は収支均衡価格を上回っていますが、立地交付金の交付額は約6億8,000万円、1平米当たり4万6,000円余となり、土地分譲価格に反映させた場合の処分単価は1平米当たり約7万5,000円余になります。収支単価を大きく下回ることになります。加えて、処分するために整備に要した諸費用があり、道路整備等の費用は1平米当たり約4,900円です。これらを反映させた処分価格と収支均衡価格との差額は1平米当たり約4万円余です。これは市民負担となりますが、このような市民負担を求めていることの妥当性について所見を求めます。

 次に、2016年2月の人工島第4工区における土地処分の公募において、今回の処分地を含む6区画のうち今議案を含む4区画は2018年3月、2区画は2020年3月の引き渡しとなっています。さらに、議案の土地処分契約については地盤改良のおくれによるとしています。そもそも土地の引き渡しができる状態になっていないにもかかわらず、土地処分の公募をした理由について説明を求めます。

 最後に、土地処分に関する協定書第7条及び契約書第10条では、市の承認を得た場合は第三者に土地売買に関する権利を移転できるとされています。立地交付金については規則の規定により認定事業者の地位の継承ができることになっていますが、第三者に立地交付金に係る権利が継承された場合、交付要件の起算日は再設定されるのでしょうか。

 以上で2問目の質疑を終わります。

 

○副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 障がい者差別解消条例案についてお答えいたします。

 まず、差別解消に関する取り組みの検証につきましては、福岡市障がい者差別解消推進会議において定期的に市の取り組みに関する報告を行い、障がいのある方や事業者などの評価をいただきながら取り組みを進めてまいります。

 次に、差別解消推進会議につきましては、所掌事務の規定において差別解消に関する重要な施策に関し、市に対して意見を述べることなどを明記しているほか、障がいを理由とする差別を解消するために必要な事務と包括的に規定しているところでございますが、さらに細かい項目に関しましては要綱などで規定してまいります。

 次に、相談員や事案の集積に関するお尋ねにつきましては、相談員の職務としては、相談した方や関係者への必要な説明や調整、あっせんなどを行うこととしており、相談事案につきましては、その後の取り組みに活用できるよう集積するとともに、差別解消推進会議に報告の上、対応策の助言をいただくことを想定しております。

 また、差別に関する相談の際に、その原因がひきこもり、就労といった他の関連する要因がある場合は、関係機関とも連携し、問題の解消に向け適切に対応してまいります。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 島経済観光文化局長。

○経済観光文化局長(島 収) 中小企業の生産性向上に関する条例案についてお答えをいたします。

 制度の周知につきましては、市内のより多くの事業者にこの制度を活用していただくため、本市のホームページにおいて既に関連する情報を掲載しているほか、商工会議所、商工会、中小企業団体中央会などの支援機関に対し制度の周知について協力をお願いしているところでございます。今後も支援機関との連携をより深めながら、中小企業に対する周知を図ってまいります。

 次に、具体的事例の情報提供につきましては、中小企業庁が類似の制度における45の事例について具体的な取り組みや購入した機械等の写真を公表しており、市のホームページにおいても既にこれを掲載しております。また、商工会議所等の支援機関と協議を進めており、今後もさまざまな手法により中小企業への具体的な情報提供を行ってまいります。

 次に、新規設備導入についての検討、相談などの支援体制につきましては、中小企業が導入計画を策定する際、商工会議所等がその支援を行うものとなっており、これまでも支援機関において個々の中小企業の課題や実情に応じたきめ細かな支援を行っているところです。今後も支援機関と連携を図りながら、中小企業がより使いやすい制度となるよう運用してまいります。

 次に、中小企業の生産性に係る人材育成につきましては、福岡商工会議所と連携し、国のIT導入補助金の活用セミナーを初め、各種スキルアップセミナーを通じて人材育成の支援を行っております。

 次に、新規設備導入の融資制度につきましては、福岡市商工金融資金制度の設備対応資金などによって支援してまいります。他補助制度との併用につきましては、固定資産税ゼロの特例を措置した自治体において一定の要件を満たす事業者は国の補助金審査で加点され、優先的に採用されるものとなっております。対象となる国の補助金は、ものづくり・サービス補助金、小規模事業者持続化補助金、サポーティングインダストリー補助金、IT補助金となっております。

 引き続き埋立造成地の処分について答弁をさせていただきます。

 立地交付金の地位の承継が行われた場合につきましては、操業開始期限を含め当初認定を受けた事業者の立地交付金の交付に係る全ての要件が引き継がれることとなるため、起算日を再設定することはございません。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 中村港湾空港局長。

○港湾空港局長(中村貴久) 埋立造成地の処分についてお答えいたします。

 まず、アイランドシティみなとづくりエリアにおきまして、収支均衡単価が下がった理由についてお答えいたします。

 平成11年度以降、埋め立ての工法の見直しによる効率化や公共残土の受け入れなどによる全体事業費の削減を図るとともに、国の補助事業の活用を図ったことなどにより、整備費の節減を行ったものでございます。

 次に、道路等整備費や立地交付金の市民負担の妥当性に関する所見についてでございますが、アイランドシティみなとづくりエリアの道路につきましては、東部地域の交通体系の確立やコンテナターミナルへの良好なアクセスの確保を図るなど、市民や物流事業者のさまざまな交通需要に対応したものであり、既成市街地と同様に、国の補助事業を活用しながら公共による整備を進めております。また、立地交付金につきましては、雇用機会の創出、事業機会の拡大、さらに税源の涵養を図り、ひいては本市経済の活力の維持及び豊かな市民生活の実現に寄与するものであります。これらのことから、公共による負担は妥当であると考えております。

 次に、土地の引き渡しが即できる状況にないにもかかわらず公募した理由についてのお尋ねにお答えします。

 複数の事業者から土地の早期分譲の要請を受けるなど土地取得に旺盛な需要があったこと、また、博多港にとっても国際物流ゾーンの早期形成にも資すると判断したことから、土地の引き渡し時期をインフラ整備の完了後とすることを前提に、平成28年2月に4工区6区画の公募を実施したものでございます。以上です。

 

○副議長(石田正明) 荒木龍昇議員。

45番(荒木龍昇) では、まず議案第113号についてですが、本条例の趣旨である障がい者差別解消と障がいのある人もない人もともに生きられる社会を実現するというためには、具体的な事例を明示することで社会的障壁について理解を深め、相談体制の強化による早期対応と解決、改善のための建設的な協議が重要だと考えます。

 そこで、社会的障壁について理解を深める取り組みについて所見を求めます。また、政策推進や相談体制を充実させるために必要な人員体制と予算について所見を求めます。

 市の積極的な取り組みを期待して、この質問を終わります。

 次に、議案第114号についてです。

 中小企業振興は福岡市にとっても重要な政策です。事業者が生産性向上を図り、企業収益が向上すれば市税収の涵養にもつながります。福岡市の産業は、卸、小売り、宿泊サービス、医療、福祉が多く、製造業やIT産業関連以外の事業においても活用できるようにすることが重要と考えられます。多様な産業で活用されるよう市の取り組みについて所見を求めます。

 この質問はこれで終わります。

 最後に、議案第134号についてです。

 これまで人工島事業について山崎市長、吉田市長と見直しが繰り返されてきました。これらの見直しでも、人工島の土地処分は難しく事業の破綻が明らかとなっていました。

 島市長は市長就任後、人工島未来フォーラム等で人工島の土地処分について検討をさせています。未来フォーラムでは人工島の土地処分は難しく、処分するためには補助金等による処分価格を引き下げることと定期借地の導入を指摘しています。これを受けて事業計画の見直しと立地交付金の見直しが行われ、2012年度から4年間、人工島の土地を購入し施設を建設する事業者には、土地購入費の30%、施設建設費の10%、上限30億円を交付するとしました。予算は4年間で240億円とし、財源は港湾特別会計から借り入れ、一般会計から返済するというものです。

 質疑では、みなとづくりエリアの収支均衡単価が1平米当たり約112,400円とされ、処分価格1平米当たり121,000円余は収支均衡単価を上回っていますが、立地交付金及び道路の整備等を入れた処分価格は1平米当たり約7万円余となり、収支単価を4万円ほど下回ります。その他、人件費など土地処分に見えない経費があり、多額の市民負担の上に土地処分がなされています。本来、市民サービスに使うべき一般会計から多額の立地交付金が使われていることは問題です。また、今議案は旧立地交付金による土地処分をするために駆け込みで土地を募集したものと言えます。

 今回の土地処分価格が妥当な価格と言えるのか、また、このような土地処分のあり方が市民の理解と共感を得ることができるのか、所見を求めます。

 以上で質疑を終わります。

 

○副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

○保健福祉局長(永渕英洋) 障がい者差別解消条例案についてお答えいたします。

 まず、社会的障壁についての理解も含め差別解消の理解を促進するための取り組みにつきましては、障がいのある方にとって日常生活または社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念といった社会的障壁や、これらを除去する合理的配慮の考え方も含め、差別解消に関するわかりやすいパンフレットや条例の解説書の作成、セミナーの開催のほか、市のホームページにおける関連情報の掲載や出前講座の実施などにより、効果的な啓発活動を行ってまいります。

 次に、施策の推進や相談体制を充実させるための体制及び予算につきましては、啓発活動や交流の推進といった各種施策の効果や相談件数の状況などを踏まえて、必要な体制や予算の確保に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 島経済観光文化局長。

○経済観光文化局長(島 収) 中小企業の生産性向上に関する条例案についてお答えいたします。

 多様な産業で活用されるようにと本市の取り組みについてのおただしですが、今回の制度につきましては、製造業やIT関連産業だけを対象としたものではなく、市内事業者の約99%を占める中小企業全般を広く対象としたものでございます。より多くの中小企業に本制度を活用いただくため、中小企業に対する情報提供を行っているところであり、今後とも、関係機関と連携しながら制度の周知に努めてまいります。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 中村港湾空港局長。

○港湾空港局長(中村貴久) 埋立造成地の処分についてお答えいたします。

 今回の土地処分価格が妥当な価格と言えるのかとのおただしでございますが、土地処分価格につきましては、不動産鑑定士による鑑定評価をもとに、福岡市不動産価格評定委員会において適正に評価額が決定され、その評価額を最低分譲価格としており、妥当なものであると考えております。

 また、アイランドシティみなとづくりエリアの土地分譲につきましては、立地交付金の期間でございました平成24年度からの4年間に大きく前進し、大規模物流施設の集積が進み、その結果、進出している事業者についても、約110事業者に上り、現在、約2,500人の方が就業されておる状況でございます。

 さらに、昨年、平成29年には国際海上コンテナ取扱量が約92万TEUと過去最高を更新するとともに、平成30年度、国の予算におきましても岸壁の延伸について予算配分がなされるなど、着実に国際コンテナターミナルの充実強化が図られておるところでございます。

 今後とも、アイランドシティがアジアに開かれた国際物流拠点の形成と健康未来都市を目指す先進的なまちづくりを通しまして、新たな雇用や税収を創出し、都市活力を将来にわたって生み出す拠点となるよう、市民の皆様の御理解を頂戴しながら事業を推進してまいりたいと考えてございます。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 川口浩議員。

59番(川口 浩)登壇 私は、議案第114号、福岡市中小企業の生産性向上のための設備投資の促進に関する条例案について質疑を行います。具体的内容の情報が少なく、議案に書かれているだけでは内容がよくわかりませんので、質疑を行います。さきの他の議員の方々の質問とダブる点が多々あると思いますが、用意しておりましたので、そのまま質疑をさせていただきます。

 まず、今回の福岡市中小企業の生産性向上のための設備投資の促進に関する条例案が提案に至った経緯をお尋ねします。また、今回の制度の概要はどのようなものか、お尋ねします。あわせて、中小企業等経営強化法と生産性向上特別措置法のそれぞれの制度の違いはいかなるものか、お尋ねします。

 次に、固定資産税の減税だけでは大きな効果が出るのかという疑問があります。どのようになっているのか、お尋ねいたします。

 また、次に、固定資産税の減税にあわせて国の補助金が連動するようになっていると聞き及んでおりますが、現在の制度での福岡市内での交付実績は公表されているのか、お尋ねします。また、公表されていないとすれば、その理由は何か、お尋ねいたします。

 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて質問をさせていただきます。

 

○副議長(石田正明) 島経済観光文化局長。

○経済観光文化局長(島 収) 中小企業の生産性向上のための設備投資の促進に関する条例案についてお答えいたします。

 本条例を提案した経緯につきましては、中小企業が所有している設備の老朽化が進んでいることなどから、国において新たに生産性向上特別措置法が整備され、中小企業の生産性向上に向けた設備投資を後押しするものとなっております。この法律において、中小企業の生産性向上のための新規設備投資について、市町村の条例で固定資産税を一定の割合で軽減できるものとなりました。この趣旨を踏まえて、国の施策と連動し、本市におきましても、中小企業の生産性向上のための設備投資を促進するため、本条例を提案するものでございます。

 次に、制度の概要につきましては、国の生産性向上特別措置法による制度に基づき、市の認定を受けた中小企業の新規設備投資に係る固定資産税を設備取得から3年間ゼロとするものでございます。

 次に、中小企業等経営力強化法と生産性向上特別措置法の違いにつきましては、平成2810月に施行された中小企業等経営力強化法では、中小企業が策定する設備投資の計画において、3年間で労働生産性を年平均1%以上向上させるものであれば、その計画に従い取得した設備等の固定資産税が設備取得から3年間2分の1となるとされております。一方、このたび成立しました生産性向上特別措置法では、中小企業が策定する設備投資の計画において3年間で労働生産性を年平均3%以上向上させるものであれば、その計画に従い取得した設備等の固定資産税が設備取得から3年間ゼロから2分の1の範囲内で市町村が定めることとなっております。

 次に、今回の制度の効果につきましては、新規設備投資に係る固定資産税の減免のみではなく、国は今回の特別措置法の整備にあわせて、関連する国補助金を前年比で約1.6倍へと拡充しており、市町村の特別措置と連動させるものとしております。具体的には、固定資産税ゼロの特例を措置した自治体において一定の要件を満たす事業者は、国の補助金審査で加点され優先的に採択されるものとなっております。対象となる国の補助金は、ものづくり・サービス補助金、小規模事業者持続化補助金、サポーティングインダストリー補助金、IT補助金となっております。

 次に、中小企業等経営力強化法と連動した国の補助金につきましては、中小企業庁のホームページ等では事業者の一覧を県単位で公表しており、福岡県の総数で879件となっております。

 直近年度の内訳といたしましては、ものづくりサービス補助金が232件、小規模事業者持続化補助金が80件、サポーティングインダストリー補助金が5件、IT補助金が562件となっております。また、国においては県単位で取りまとめを行っていることから、福岡市内の交付先につきましては、本市で聞き取り調査を行ったところでございます。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 川口浩議員。

59番(川口 浩) 2問目に入ります。

 現在の2分の1減免という制度における固定資産税の減税対象となった件数や設備投資額、補助金の交付等の実績はどのようになっているのか、お尋ねします。

 次に、これらの減税や補助金の活用によってどのような効果が上がったと認識されているのか、お尋ねします。

 先ほども御答弁であったんですけれども、これらの制度が今回どのように変わるのか、お尋ねします。

 次に、新たな制度における固定資産税の減税対象の件数や設備投資額、補助金の交付等をどのように見込んであるか、お尋ねします。

 次に、新たな制度によって、どのような効果を市として期待しているのか、見込めるのか、お尋ねし、2問目を終わります。

 

○副議長(石田正明) 島経済観光文化局長。

○経済観光文化局長(島 収) 中小企業の生産性向上に関する条例案についてお答えをいたします。

 現在の制度における固定資産税の減免の対象となった設備投資額や件数につきましては、平成29年度に減税対象の設備の投資額は約19.3億円、件数は77社でございます。このうち減税等を動機づけとして新たに設備投資されたものは約14.5億円、58社と推計しております。また、国の補助金につきましては、平成28年度または平成29年度の福岡市内での交付実績についての聞き取り調査では、ものづくり・サービス補助金が約40件、小規模事業者持続化補助金が約40件、サポーティングインダストリー補助金が1件、IT補助金が約250件、合計約330件となっております。

 次に、減税や補助金の活用による効果につきましては、現在の制度に関して中小企業庁が行ったアンケート調査によりますと、固定資産税の減免や補助金があるため、新たな設備投資を行うことができたと回答した事業者が75.4%に上っており、このことから、中小企業における設備投資の促進に効果があったと考えております。

 次に、これらの制度につきましては、固定資産税の減免については、これまで全国一律に2分の1となっていたものが、今回は市町村がゼロから2分の1の範囲で条例で定めるものとなっており、福岡市では、これをゼロといたします。また、関連する補助金については、これまでは減税の対象となると、一部の補助金について審査で加点されるものとなっておりましたが、今回は4つ全ての補助金において大幅に加点されると聞いており、さらに、ものづくり・サービス補助金においては補助率が2分の1から3分の2へとかさ上げされるものとなっております。

 次に、平成30年度に新たな制度における固定資産税減免の対象となる設備投資額や件数につきましては、平成29年度の設備投資額をもとに固定資産税の減免の拡大と補助金枠の拡大を考慮し、新たな設備投資を1年当たり19.3億円、76社と推計しております。また、設備投資を行う期間がおおむね2年半程度であるため、それを乗じて期間中の設備投資額を約48億円、約190社、減税総額を約1.5億円と推計しております。また、補助金につきましては、直近の交付実績をもとに平成30年度の補助金の全体額の拡大を考慮し、福岡市内で1年間に約10億円、約500件の活用を見込んでおります。

 次に、新たな制度による効果につきましては、固定資産税の減免が2分の1からゼロになること、国の補助金枠が1.6倍に拡大することにより、これまでの制度に増して中小企業の設備投資がより多く行われると考えております。また、設備投資が固定資産税の減免対象となるため、これを受けて、中小企業の労働生産性の向上に大きく寄与するものと考えております。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 川口浩議員。

59番(川口 浩) 3問目に入ります。

 当局は効果が見込めると言っておられるんですけれども、それは推計であって、効果は私も期待しておりますけれども、しかしながら、国の制度におんぶにだっこで、やっぱり小規模事業者に対しての支援もあわせて市としては検討していかなければならないのではないかなと。国は予算を用意して1.6倍ということなんですが、本市の影響額、これが2年半強で1億5,000万円ですね。これはもともと2分の1の減免がありますから、さらにゼロにしたとして、余計かかるというか、余計の減免影響額は2年半で7,500万円なのかなと思っております。

 国を初め、ものづくりや施設の老朽化に伴う更新を応援しようとやっているんですけれども、やっぱりそこの、福岡市が、地方もあわせて頑張らないと、そこに漏れる方がたくさん出て、結果的にはちぐはぐな政策になってしまわないかなという心配もあります。ぜひ本市としても、国頼りじゃなくて、国もしていただく、本市も福岡市の特性を踏まえてものづくりをどういうふうに支援したらいいのか、また、中小零細が多い、これは大半ですね。金額ではなくて数で言うと、たくさんの中小零細の方が一生懸命頑張って納税もされておられます。なかなかそういうところに支援が行き届かない。確かに融資とかなると厳しいと思います。そういうところをいろいろなコンサルといいますか、いろんな先ほど言った中小企業の診断士とかを活用しながら、また、いろんな減免や支援というものは、本市がやっぱり独自で国とあわせてぜひとも中小零細企業の支援も今後、積極的にそういった施策の展開をしていただきたいと思い、求めるものであります。

 さっきも出ました立地交付金とかで使う額を考えたら、もっとそういうのが終息していくときには、ものづくりというものをしっかり育てることも重要かなと思います。そういったふうに振りかえていくと。

 最後に、ものづくり支援へのさらなる拡充について島局長の所見をお伺いして、質問を終わります。

 

○副議長(石田正明) 島経済観光文化局長。

○経済観光文化局長(島 収) 中小企業の生産性向上に関する条例案についてお答えをいたします。

 今回の制度においては、国により、前年度よりも優位な減税や補助金採択の制度が示された以上、国だけに頼るのではなく、本市といたしましても条例を整備してこの制度を取り込み、少しでも中小企業の皆さんを支援することが福岡市の重大な責務と考えております。

 本市は第3次産業を中心とした産業構造となっておりますが、高い技術力で新たな付加価値を生み出すものづくりも重要な産業分野と考えており、九州大学や九州先端科学技術研究所を初めとする大学、研究機関等の知見を生かし、その振興にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

 今回の条例につきましては、商工会議所等の支援機関と連携しながら、より多くの中小企業のニーズに耳を傾け、国等の関係機関とも連携し、経済観光文化局の総力を挙げて中小企業振興を進めてまいります。以上でございます。

 

○副議長(石田正明) 以上で質疑を終結いたします。

 ただいま議題となっております議案28件は、お手元に配付の議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。

 以上で本日の日程は終了いたしました。

 次の会議は明14日午前10時に開きます。

 本日はこれをもって散会いたします。

午後1時58分 散会