平成30年3月8日(木)


平成30年第1回福岡市議会定例会

議  事  日  程 (第7号)

                             3月8日 午前10時開議

第1 議案第30号ないし議案第95


本日の会議に付した事件

議事日程のとおり


出 席 議 員 (61名)

1番  鬼 塚 昌 宏       2番  堤 田   寛

3番  調   崇 史       4番  津 田 信太郎

5番  大 森 一 馬       6番  大 原 弥寿男

7番  平 畑 雅 博       8番  打 越 基 安

9番  冨 永 計 久      10番  森   英 鷹

11番  川 上 晋 平      12番  稲 員 稔 夫

13番  大 坪 真由美      14番  中 島まさひろ

15番  川 上 陽 平      16番  古 川 清 文

17番  高 木 勝 利      18番  篠 原 達 也

19番  飯 盛 利 康      20番  今 林ひであき

21番  阿 部 真之助      22番  尾 花 康 広

23番  松 野   隆      24番  楠   正 信

25番  福 田 まもる      26番  南 原   茂

27番  おばた 久 弥      28番  光 安   力

29番  山 口 剛 司      30番  石 田 正 明

31番  大 石 修 二      32番  黒 子 秀勇樹

33番  新 村 まさる      34番  天 野 こ う

35番  浜 崎 太 郎      36番  橋 田 和 義

37番  堀 内 徹 夫      38番  とみなが正 博

39番  森   あや子      40番   欠   員

41番  綿 貫 英 彦      42番  熊 谷 敦 子

43番  倉 元 達 朗      44番  富 永 周 行

45番  荒 木 龍 昇      46番  国 分 徳 彦

47番  笠   康 雄      48番  藤 本 顕 憲

49番  星 野 美恵子      50番  中 山 郁 美

51番  ひえじま俊 和      52番  高 山 博 光

53番  近 藤 里 美      54番  田 中しんすけ

55番  落 石 俊 則      56番  田 中 丈太郎

57番  太 田 英 二      58番  池 田 良 子

59番  川 口   浩      60番  阿 部 正 剛

61番  栃 木 義 博      62番  江 藤 博 美


欠 席 議 員 (0名)


説明のため出席した者

市      長              島 宗一郎   副市長                          貞 刈 厚 仁

副  市  長             中 園 政 直   副市長                          荒 瀬 泰 子

水道事業管理者         清 森 俊 彦   交通事業管理者              阿 部   亨

総務企画局長            中 村 英 一   財政局長                       赤 岩 弘 智

市民局長                  下 川 祥 二   こども未来局長               石 橋 正 信

保健福祉局長            永 渕 英 洋   環境局長                       吉 村 隆 一

経済観光文化局長       島   収   農林水産局長                 則 松 和 哉

住宅都市局長            光 山 裕 朗   道路下水道局長               三 角 正 文

港湾空港局長            中 村 貴 久   消防局長                        山 下 周 成

会計管理者               水 町 博 之   教育長                            星 子 明 夫

教育委員                  阿 部 晶 子   選挙管理委員会事務局長   宮 崎 晶 子

人事委員会事務局長  立 石 茂 喜   監査事務局長                  落 石 稔 彦


職務のため出席した事務局職員

議会事務局長  土 井 裕 幹   議会事務局次長  金 子 佳 史

議事課長         着 一 孝   議事係長            中 村   博

外関係職員


午前10時 開議  

議長(川上晋平) これより本日の会議を開きます。

 日程第1、議案第30号ないし議案第95号、以上66件を一括して議題とし、昨日に引き続き質疑を行います。発言通告者のうちから順次質疑を許します。江藤博美議員。

 

○62番(江藤博美)登壇 おはようございます。質問に入る前に、少しお時間をいただいて、先日、2月19日御逝去されました三角公仁隆議員に心から哀悼の意を表したいというふうに思います。聞くところによりますと、彼は今議会直前まで代表原稿を書いていたという、現職として本当に壮絶な最期を遂げて頑張ってこられたなというふうに改めて思います。私も彼とは、随分昔になりますが、若いころに福岡市のPTA協議会で同席をしたことがありまして、当時、PTAも子どものいじめ問題で大変苦慮していたときでありましたけれども、市Pの中でかんかんがくがく議論しながら取り組んだことを思い出しまして、考えてみれば、そのころから教育問題に大変強い関心を持っておられたのかなというふうに思います。改めて三角議員に対して心から敬意を表したいというふうに思います。

 それでは、質問に入りたいと思いますが、私の持ち時間もたっぷりございますので、理事者の方々におかれましては、しっかりと丁寧な答弁をお願い申し上げて、質問に入ります。

 私は福岡市民クラブ、太田英二議員の代表質問に関連し、平成30年度予算に見られる特徴から、都市の成長と生活の質の向上の好循環について、生活の質の向上、地域コミュニティ支援について、生活の質の向上、公園整備の充実について、以上3点について補足質疑を行います。

 市長は新年度予算のマスコミレクをした2月の定例会見で、福岡市の税収増は経済が元気なことによってもたらされた。その果実をあらゆる人に、都市の成長と生活の質の向上の好循環を力強いものとしと語り、次世代のためにとして、天神ビッグバン、ウォーターフロントネクスト事業などのインフラ整備やFUKUOKA Smart EASTなどによる都市機能の充実に向けた大きなプロジェクトを並べておりました。市長は成長の果実をあらゆる人にと語り、トリクルダウン的な発想かどうかわかりませんが、都市の成長が生活の質の向上につながる。だから、その好循環をつくり出し、人と環境と都市活力の調和をと、先日の市政運営方針でも冒頭うたっております。都市の成長が何を指すのか、その成長がなければ生活の質の向上は考えられないのか、好循環とはどのような循環スタイルなのか、改めて検証しながら伺ってまいります。

 最初に、都市の成長と生活の質の向上の好循環についてですが、市長が言う成長の果実は税収のどこにあらわれているか、都市の成長という切り口から見た税収増の側面を具体的に示してください。法人市民税でいえばどの業態で顕著なのか、具体的にお示しいただきたいと思います。また、市長着任以来のその変化も年次ごとに示してください。

 税収効果にある都市の成長に要したインフラ投資で、主に都市部に集中する事業、天神ビッグバン、ウォーターフロントネクスト、FUKUOKA Smart EASTは、これからの都市の成長を象徴するようなビッグプロジェクトとして動き出しています。それぞれに要する投資額、事業費の全容は現段階でもまだ見えていません。とりあえず新年度予算の中でわかる範囲でお示しください。

 そして、これらの3事業のかかわる総事業費の見込み額はどのくらいになるのかも教えてください。

 また、これらの事業に取り組んでいくための財政負担は、現在の市債残高の微減傾向に将来影響を与えることはないのか、財政運営からどのように予測を立てているのか、伺います。

 次に、市長は昨年末、博多駅とウォーターフロントをつなぐアクセスに福岡スカイウエー構想を個人的な考えと断って発信しました。それに合わせるかのように、1月には福岡市ウォーターフロント地区アクセス強化研究会が立ち上がっていますが、研究会の目的と、いつぐらいに私たち議会に提示されるのか、伺います。

 次に、生活の質の向上、地域コミュニティ支援について伺ってまいります。

 市長は1月30日の記者会見で、福岡市政への信頼度、過去最高値を更新、77.7%、その理由に、福岡市は住みやすい、元気なまちという好イメージが定着しており、加えて天神ビッグバンの推進や保育所の整備、防災、減災対策の取り組みが評価され、都市の成長と生活の質の向上の両面で取り組みが着実に進んでいることが要因だと述べております。昨年の市政に対する意識調査で、福岡市政への好感度を見てとれるデータがあります。福岡を好き、住みやすい、住み続けたいという設問に対し、回答者の97%が好き、96%が住みやすい、93%が住み続けたいと答えております。この好感度は、新鮮な食べ物、買い物の利便性、自然環境、医療機関の充実、子育てしやすい環境などで推しはかっていると思われる数値ですが、施策の評価を推しはかるにはもう少し精度の高い質問でなければ裏づけの数値とは言えないと私は思っております。市民の居住環境がどのように培われ、良好な生活が営まれる条件が満たされているのか、科学的な分析と調査が必要です。

 そこで、生活の質の向上について、市民の暮らしの現場である地域社会を切り口にして、地域コミュニティの成熟度から見ていきたいと思います。具体的には、今や行政の重要なパートナーとなっている校区自治協議会、自治会、町内会を中心とする住民自治支援の進捗からお尋ねをしていきます。

 まず、地域コミュニティを担う住民自治組織の活動支援について、市長着任以来、平成23年から29年度までどのような支援を行ってきたのか、その結果、自治会、町内会の加入率はどのように推移してきているのかについてお答えください。

 地域コミュニティを支援している事業費について、これも23年から29年度の推移と新年度予算まで年次ごとに示してください。

 子育て支援でいえば、地域全体で子どもを育む環境づくりのためにどのような支援をしてきたのか、福岡市子ども会育成連合会の加入児童数の推移についても、これは把握している数値があればあわせてお答えください。

 次に、地域包括ケアシステムの構築には、地域の団体も力を合わせて活動を進めていくことが求められておりますけれども、その進捗状況はどうなっているか。私は特に老人クラブの活動が地域包括ケア事業の中で意外に見落としがちになっているのが少し気になっております。元気高齢者が自主的に地域で頑張って取り組んでいる活動として、この老人クラブ活動は重要であると考えているのですが、この老人クラブ会員数の推移についても、把握している数字をお答えください。

 そして、それぞれの団体が抱えている課題についても、把握できている範囲で御報告をいただきたいと思います。

 3問目ですが、生活の質の向上、公園整備の充実について伺ってまいります。

 市長はさきの会見で、当市への市民の好感度が高い理由に生活の質の向上があり、保育所の整備や防災対策の充実を挙げていますが、もう一つ、居住環境の整備状況から見ていくと、市民にとって身近な公園がどのように整備をされ、緑地空間が広がっているのかが指標の一つに挙げられるのではないでしょうか。市民アンケートの内容を見ても、自然環境の豊かさ評価は大きな位置を占めております。

 そこで、新・緑の基本計画をもって取り組んできた現状について、市域内で公園整備目標数値に対してどこまで達成しているのか、街区公園、近隣公園それぞれの状況を説明してください。

 今年度からスタートしたコミュニティパーク事業についても、私は公園利活用の新たなステージになると注目をしておりますが、その目的と背景について、また、公園のあり方を問う新しい取り組みとなり得るものなのか、説明をお願いします。

 また、6年前に、当時、トレンドな農業体験型公園として開園したかなたけの里公園が順調に来園者をふやしていると聞いています。

 そこで、その状況について御報告をいただきたいと思います。

 以上、1問目を終わりまして、2問目からは自席にて行います。

 

議長(川上晋平) 赤岩財政局長。

財政局長(赤岩弘智) まず、市税収入についての御質問にお答えいたします。

 平成30年度予算案における市税収入額につきましては、平成29年度当初予算額と比較し、約357億円の増収を、県費負担教職員に係る権限移譲に伴う税率変更の影響を除き約97億円の増収をそれぞれ見込んでおります。主な税目では、個人市民税収入額につきましては、約292億円の増収を、県費負担教職員に係る権限移譲に伴う税率変更の影響を除き、納税義務者数の増等により約32億円の増収をそれぞれ見込んでおります。また、法人市民税収入額につきましては、企業収益の改善等により約29億円の増収を、固定資産税収入額につきましては、土地評価額の上昇及び新増築家屋の影響等により約26億円の増収をそれぞれ見込んでおります。

 次に、平成30年度予算案の法人市民税法人税割額の現年度分に係る平成29年度当初予算額との比較における業種別の増減状況につきましては、サービス業、不動産業及び金融保険業など、多くの業種で増収を見込んでおります。

 次に、平成22年度から平成28年度までの市税収入決算額につきましては、毎年度、対前年度比で増収となっており、平成28年度は4年連続で過去最高額を更新しております。

 次に、財政運営についての御質問にお答えいたします。

 事業規模の大きいプロジェクトを推進する際には、特に民間投資による事業推進、規制緩和などを活用した民間投資の喚起、さらには民間事業者の資金やノウハウを活用した官民連携事業の活用などにより、福岡市の財政負担の軽減を図り、財政規律と投資のバランスを図りながら健全な財政運営に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 光山住宅都市局長。

住宅都市局長(光山裕朗) まず、都市の成長と生活の質の向上の好循環についての御質問にお答えいたします。

 天神ビッグバンとウォーターフロントネクスト及びFUKUOKA Smart EASTの3つのプロジェクトに関する平成30年度の予算額につきましては、関係局分も含めまして、私のほうでまとめて答弁させていただきます。

 まず、天神ビッグバンの関連事業につきましては、旧大名小学校関連の解体経費等に約2億9,000万円、春吉橋のにぎわい空間の創出に約3億1,000万円、西中洲の魅力づくりに約9,000万円、スタートアップカフェやスタートアップ支援施設の運営に約1億4,000万円、公共交通の充実に約6,700万円、その他経費として約1,500万円、合計で約9億1,000万円を計上いたしております。

 次に、ウォーターフロント地区の再整備につきましては、中央ふ頭西側から博多ふ頭の海辺沿いを中心とした第1ステージのエリアについて、民間活力を最大限に生かす事業手法や交通対策の検討及び広報や情報発信に係る経費として約9,000万円、第2期展示場及び立体駐車場の整備に係る事業者公募や造成工事、MICE施設の整備、運営の検討に係る経費として約4億円、中央ふ頭におけるクルーズ受け入れ機能強化の検討に係る経費として約4,600万円、合計で約5億4,000万円を計上いたしております。また、その他計画的な基盤整備として、中央ふ頭西側における岸壁の延伸等に係る経費が約9億6,000万円、都市計画道路築港石城町線の整備等に係る経費が約7億円、合計で約17億円となっております。

 次に、九州大学箱崎キャンパス跡地のまちづくりにつきましては、FUKUOKA Smart EASTを初めとするまちづくりの検討経費として約3,000万円、土地区画整理事業や環境影響評価に関する調査費として約8,100万円、都市計画道路堅粕箱崎線と原田箱崎線及びこれに関連する公共下水道に係る設計、測量経費として約2億4,000万円、合計で約3億5,000万円を計上いたしております。

 次に、3つのプロジェクトに関する総事業費の見込み額でございますが、関係局分も含めまして、私のほうでまとめて答弁させていただきます。

 まず、天神ビッグバンにつきましては、規制緩和を活用し、民間活力を最大限に引き出しながら、民間ビルの建てかえを誘導し、新たな空間と雇用を創出していくもので、民間開発を含む事業全体の見込み額を算出することは困難であります。また、福岡市が実施する関連事業につきましても、検討段階のものも含まれていることから、現時点において総事業費を算出することは困難でございます。

 次に、ウォーターフロント地区の再整備と箱崎キャンパス跡地のまちづくりにつきましては、広範なエリアを対象に、基盤整備や公共施設の整備とあわせて民間開発の誘導を行うなど、長期的かつ段階的にまちづくりを進めていくものでございます。このため、現段階でお答えできる事業費といたしましては、ウォーターフロント地区の再整備につきましては、第1ステージエリアにおける第2期展示場及び立体駐車場のPFI事業に係る事業費として税抜きで約96億円、中央ふ頭西側における岸壁の延伸に係る事業費として約47億円、都市計画道路築港石城町線の整備に係る事業費として約25億円を見込んでおります。また、箱崎キャンパス跡地のまちづくりについて、現時点でお答えできる事業費といたしましては、都市計画道路堅粕箱崎線と原田箱崎線及びこれに関連する公共下水道の整備に係る事業費として約114億円を見込んでおります。両事業におけるそのほかの事業費につきましては、今後、各事業が具体化していく中で、関係局が連携し算出してまいりたいと考えております。

 次に、福岡市ウォーターフロント地区アクセス強化研究会についてお答えいたします。

 ウォーターフロント地区におきましては、平成28年3月にウォーターフロント地区再整備構想を策定し、これまでクルーズ、MICE、にぎわいが融合した新たな都心拠点の形成に向け、民間事業も含めた施設の規模や内容、整備や運営に係る事業手法、交通対策などの検討を進めてまいりました。交通対策につきましては、平成29年6月議会の第4委員会において、将来的な交通需要に対応するため、複数の検討ケースを報告した上で、新たな交通システムについての検討を始めたところでございます。お尋ねの研究会につきましては、新たな交通システムの検討を進める上で、福岡市として専門的な知見を得るため、学識経験者などによる研究会を平成30年1月に設置し、複数の交通システムについて幅広く意見や助言をいただいているところでございます。研究会でいただいた意見や助言につきましては、おおむね半年程度をめどに取りまとめる予定であり、適宜議会での御意見を伺いながら検討を進めてまいります。

 続きまして、公園整備の充実についての御質問にお答えいたします。

 まず、公園の整備目標につきましては、福岡市公園条例において、都市公園の住民1人当たりの敷地面積の標準を10平方メートル以上としており、平成29年3月末現在、8.7平方メートルとなっております。議員おただしの街区公園につきましては、標準面積が0.25ヘクタールで、1小学校区当たりの設置数が4カ所未満かつ1人当たりの街区公園の面積が1平方メートル未満の校区を緊急性が高い校区としており、平成29年3月末現在、144校区中33校区ございます。また、近隣公園につきましては、標準面積が1ヘクタールで、現在のところ1中学校区に1カ所の配置を目標に整備を進めており、近隣公園を代替する総合公園や運動公園なども設置されていない校区を緊急性が高い校区としており、平成29年3月末現在、69校区中16校区ございます。

 次に、コミュニティパーク事業につきましては、平成28年3月に策定したみどり経営基本方針において、市民との共働、収支の改善、資産の有効活用の3つの視点から緑資産の価値を高めるさまざまな施策に取り組んでおります。また、国におきましても、平成28年5月に新たな時代の都市マネジメントに対応した都市公園等のあり方が取りまとめられ、ストック効果をより高める、民との連携を加速する、都市公園を一層柔軟に使いこなすといった方向性が示されております。このような背景のもと、平成29年度より開始いたしましたコミュニティパーク事業につきましては、地域に身近な公園において地域が主体となって利用ルールをつくり、自律的に管理運営をしていただくことで、使いやすく魅力的な公園づくりとコミュニティの活性化を目指すものでございます。コミュニティパークのような地域主体の管理運営を進めることで公園の利活用を促進するとともに、地域の課題解決にも寄与するものと考えております。

 次に、かなたけの里公園につきましては、豊かな自然と農業が守られてきた金武地区の特徴を生かし、市民が里山などの自然と触れ合い、農業などを体験できる場を創出することを目的として、平成24年6月に開園いたしました。入場者数につきましては、体験農園やさまざまなプログラムを企画しており、その参加者数だけでも平成24年度は2万6,732人、25年度は4万7,207人、26年度は6万5,914人、27年度は7万924人、28年度は7万2,577人と順調に増加しており、多くの市民の皆様に農業体験や自然観察、自然との触れ合いなどを楽しんでいただいております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 下川市民局長。

市民局長(下川祥二) 生活の質の向上、地域コミュニティ支援に関する御質問にお答えいたします。

 まず、平成23年度から29年度における主な地域コミュニティへの支援策についてお答えいたします。

 23年度には自治会、町内会が有する地域集会施設補助の面積要件を緩和するなどの制度変更を行っております。25年度には公民館による担い手づくり事業等を開始しております。また、26年度には地域デビュー応援事業を創設し、自治会、町内会などの地域活動への参加促進を図っております。27年度にはふくおか地域の絆応援団事業を開始し、地域と企業、商店街などとの連携促進を図っております。また、28年度には自治協議会共創補助金を拡充するとともに、運用の見直しを行っております。29年度にはさまざまな主体と地域をつなぐ共創コネクターを配置し、地域の新たな仕組み、取り組みなどを支援しております。

 また、自治会、町内会への加入率の推移につきましては、4年ごとに実施しております自治協議会、自治会等アンケートによりますと、平成14年度90.5%、18年度90.9%、22年度88.6%、26年度89.1%となっております。

 次に、コミュニティ支援のための事業費の推移につきましては、市民局が所管しておりますコミュニティ振興費の当初予算額で申しますと、平成23年度461,838万円余、24年度441,446万円余、25年度441,962万円余、26年度477,789万円余、27年度477,236万円余、28年度474,440万円余、29年度465,779万円余、そして30年度628,869万円余となっております。

 次に、地域コミュニティにおける課題につきましては、地域活動への参加者の減少、住民同士のつながりの希薄化、地域活動の担い手不足や固定化などがあると考えております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 石橋こども未来局長。

こども未来局長(石橋正信) 生活の質の向上、地域コミュニティの支援についての御質問にお答えいたします。

 地域全体で子どもを育む環境づくりにつきましては、地域団体への研修講師派遣や活動経費の一部助成などを内容とする地域子ども育成事業、また、福岡市子ども会育成連合会の事業に対する支援などを行っております。

 次に、福岡市子ども会育成連合会の加入児童数の推移につきましては、平成23年度が4万2,653人、24年度が4万1,546人、25年度が4万960人、26年度が3万6,939人、27年度が3万6,547人、28年度が3万5,655人となっております。

 次に、福岡市子ども会育成連合会の課題につきましては、共働き家庭の増加に伴う役員の担い手不足や、子どもたちの放課後、休日の過ごし方の多様化に伴う行事への参加者の減少などがあると伺っております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 生活の質の向上、地域コミュニティ支援についての御質問にお答えいたします。

 まず、地域包括ケアシステムの構築につきましては、高齢になっても住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるよう、生活支援、医療や介護など、さまざまな分野で切れ目なく高齢者を支える取り組みを進めております。このため、医療や介護の事業所が高齢者支援のために地域団体と連携を深めるとともに、地域団体によるふれあいネットワークやふれあいサロン、御指摘の老人クラブによる友愛訪問などの活動も行われているところでございます。

 次に、老人クラブの会員数の推移につきましては、福岡市が補助金を交付している老人クラブの会員数でお答えいたしますと、平成23年度末4万5,196人、24年度末4万3,813人、25年度末4万2,845人、26年度末4万716人、27年度末4万480人、28年度末3万9,153人となっております。

 次に、団体が抱えている課題についてでございますが、老人クラブにつきましては、全国的な会員数の減少を受け、全国老人クラブ連合会において、老人クラブ100万人会員増強運動を実施されております。これを踏まえ、福岡市老人クラブ連合会におきましても、会員数の増加に鋭意取り組んでおられるところでございます。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 江藤博美議員。

○62番(江藤博美) 2問目に入りますが、その前に、今、回答を丁寧に答えていただきましたけれども、要約を私のほうで少しさせていただきますと、天神ビッグバン、ウォーターフロントネクスト、そして箱崎キャンパス跡地のまちづくり、新年度予算で見れば約30億円程度。今後の見込み額はまだ全て出せないにしても、今時点で見えている金額が、3事業それぞれの周辺関連事業を含めて、きょう提示いただいた額でいえば約300億円程度あります。このことは後のほうの議論で少し絡み合わせたいと思いますが。

 それから、今、市民局のほうからお答えいただいたやつで、地域コミュニティへの支援策で、地域コミュニティ支援の事業費、正確にはコミュニティ振興費と言うそうなんですが、23年度から見まして46億円から47億円で推移しておりまして、ことしは62億円と。これは地域交流センターの建設費用とかが入っていると思いますが、この金額、かなり高い金額でありますけれども、御承知のように、公民館の運営費であるとか建設費も含めて、それから、各区の市民センターの運営経費などなど、市民にとって必要なインフラの維持運営費も入っておりますので、決して大きな額だというふうに私は思ってはおりません。ただ、これだけ毎年事業費を積み上げてきておりまして、一方で、保健福祉局、こども未来局から報告いただいた数字で見ていきますと、子ども会の加入児童数が、23年度から見ましてやっぱり七、八千人減っている。これは何となくわかる数字でありますが、現実に数字に起こしてみますと減っています。それから、老人クラブの会員数、これだけ包括ケアシステムの取り組みを強めていっているけれども、意外と老人クラブが実は23年度の4万5,000人から、この6年間を見ますと3万9,000人に約6,000人ぐらい減っている。この事実をどう見るかということが大変重要だというふうに思っておりまして、課題をそれぞれ挙げていただきましたけれども、こういうことが少し私的には気になっておるところであります。

 公園につきましては、かなり充実して取り組んできていると思いますが、6年前に開園したかなたけの里公園を地域と一緒になって運営をしておりまして、イベントも一緒にやっている。そういう成果が、当初、開園時の2万5,000から7万を超える来園者にふえている。これは一つの大きなヒントではないかなというふうに思っておりますので、そのことを後で少し2問目、3問目で絡めていきたいと申し上げておきたいと思います。

 2問目に入ります。

 都市の成長と生活の質の向上の好循環について。

 都市の成長については、これまで福岡市政の大事業であったアイランドシティ埋立事業の見通しが立ちつつある機を捉えるかのように、天神ビッグバン、ウォーターフロント、そして博多駅を軸にして、官民挙げて大きなプロジェクトが矢継ぎ早に動き出しています。総事業費については、1問目の答弁で示されましたように、新年度予算で見ればさほど大きな金額に、というふうに言っていいかわかりませんが、なっていません。ただ、天神ビッグバン、ウォーターフロントネクスト、FUKUOKA Smart EASTの総事業費については、答弁にもありましたように、現状で把握できる資料はないようですので、その是非、評価については推しはかりかねるところがあります。これからそれ相当の市費投入を要するのではないかと推測できます。

 加えて、2019年のラグビーワールドカップから16年ぶりのアジア太平洋会議、2021年の世界水泳選手権、突然というか、2019年、G20財務相・中央銀行総裁会議開催など、大イベントがめじろ押しです。都市部に集中するインフラ整備と大イベントを受け入れる開催費負担や、それに伴う会場整備費負担などは当市の財政能力で耐えられるのか、都市の成長を生活の質の向上へという好循環が財政運営上耐えられるのかに不安を消し切れません。ちなみに、それぞれの開催に係る30年度までの費用は、2019年4月開催の世界フィギュアスケート国別対抗戦、6月の日本陸上選手権、9月、10月に行われるラグビーワールドカップ福岡会場のレベルファイブスタジアム改修等で約14億円、うち市費の投入が約8億円とされています。また、ラグビーワールドカップ開催準備経費約8億円、これもうち市費約3億円、博多の森陸上競技場改修等で約4億円、うち市費は3億円と言われています。施設として大会規模にふさわしいスタジアムが残ることや、市民スポーツの振興、都市ブランド力の向上などの地域経済の活性化に資するとして、ラグビーワールドカップ九州3会場開催の経済波及効果は、日本政策投資銀行九州支店によると約350億円と試算しているようです。この経済波及効果がどのように市民生活に波及してくるのか、生活の質の向上に映し出されるかは、市負担数値は明らかですが、その効果の説明は抽象的なものでしか私たちは持ちません。

 経済波及効果もしかりですが、昨年6月に財政局が示した財政運営プランにあるこれからの見通しを見ると、平成28年度の経常収支比率では94.3%ですから、一般財源見込み4,494億円のうち、約250億円程度が財政余力と言えるかは別にして、当市の単独事業に投資可能な額があると推しはかれます。しかし、この余力も財政局の推定では、人件費、公債費、扶助費、医療、介護への繰出金ほか経常経費いずれもが公債費の減額を除いて、大きく減額できるどころか、増額の見通しを立てなければなりません。5年後の平成35年には今年度の一般財源総額の4,494億円を超えると推計されており、よほどの税収増がなければ、これらの事業を賄えないのではないかと危惧をしております。

 それだけに私たち議会としても関心を持って臨まなければならないところであります。私たち議会が市民にわかりやすく説明できるために、天神ビッグバン、ウォーターフロントネクスト、FUKUOKA Smart EASTの総事業費についてはできるだけ早く議会に提示していただきたいと思いますが、いつごろまでに提示いただけるのか、伺います。

 次に、生活の質の向上、地域コミュニティ支援についてですが、何度も言いますが、都市の成長を天神ビッグバン、ウォーターフロントネクスト、FUKUOKA Smart EASTなどの事業で推しはかるとして、生活の質の向上についてを地域コミュニティ支援を一例として比較してみると、むしろ今年度は、先ほど申し上げましたが、コミュニティ施策予算が高い予算となっております。30年度予算の63億円弱には、これも申し上げましたが、公民館運営費、建設費、市民センターや地域交流センターの運営費などを含んだもので、市内全域で157万市民の地域生活をサポートする事業として欠かせない費用でありますから、この額は市民が生活するための経常経費的な拠出金として予算根拠を条例で制度設計することは私は行政の義務であると思っていますので、指摘をしておきたいと思います。つまり生活の質の向上の基礎数値として、これからも好循環の評価の根拠にしていく必要があると考えております。

 市長は挨拶の中でよく、福岡に住み続けたいという市民が96%になり、昨年を上回ったと取り上げています。私はこの高い数値にあらわれる評価こそ、毎年のコミュニティ支援策拠出金の効果と思いたいのですが、調査内容をよく見ると、1問目で申し上げたように、質問は好感度調査みたいなもので、基本計画の大目標にある都市の成長を生活の質の向上の好循環に直結した評価とするには無理があるようであります。

 そこで、住みたくなるまち評価96%の数値を実のあるものにするためにも、地域コミュニティ支援でいえば、見守り、支え合う、共創の地域づくりというかけ声のもとに、これからの施策としてどのようなことが求められているとお考えか、一人一花運動も生活の質の向上に貢献するとは思うのですが、生活の質の向上をきちんと担保する地域コミュニティのコアである住民自治支援の制度設計など、骨太施策についてどのようにお考えか、見解を伺います。

 そして、公園整備の充実についてですが、ゆとりある地域生活を営む大切なツールでもある公園の数々について報告をいただきました。ただ、まだ目標値の到達には時間がかかるとはいえ、確実に積み上げてきた実績は予算確保の側面からも並大抵ではなかったと思います。そして、より市民が使い勝手のいい公園事業にステップした取り組みは時宜を得たものと評価をしております。また、6年前に農業体験型の公園として開園したかなたけの里公園が順調に来園者をふやしていることから、農業体験型に加えて、市民が身近に森林浴を体験し、名実ともに里山公園機能を堪能できる公園整備を生活の質の向上から検討してみてはどうでしょうか。市内中央部に油山森林公園がありますから、東と西ぐらいに農業と身近に森林浴を体験できるような公園整備を検討してはいかがかと思います。今後の方針も含めてお答えください。

 以上で2問目を終わります。

 

議長(川上晋平) 光山住宅都市局長。

住宅都市局長(光山裕朗) まず、都市の成長と生活の質の向上の好循環についての御質問にお答えいたします。

 天神ビッグバンとウォーターフロントネクスト及びFUKUOKA Smart EASTの3つのプロジェクトに関する事業費を含めた計画の全容についてのおただしでございますが、天神ビッグバンの関連事業やウォーターフロント地区の再整備及び箱崎キャンパス跡地のまちづくりにつきましては、構想レベルから計画段階のものを含んでおり、現時点で総事業費を含む計画の全容についてお示しすることは困難でございますが、福岡市の将来にとって重要なこれらのプロジェクトをスピード感を持って推進していくことにより、都市としての安全性や供給力を高め、福岡市の成長エンジンである都心部などの機能強化を図ることで、安全、安心で未来に誇れる魅力的で質の高いまちづくりを目指してまいりたいと考えております。今後とも、各事業の進捗に合わせ、事業費などについてもわかりやすい形でお示しできるよう努めるとともに、適宜関連予算などの審議や議決などを経ながら適切に対応してまいります。

 次に、公園整備の充実についての御質問にお答えいたします。

 身近に自然を体験できる公園などの整備につきましては、かなたけの里公園や鴻巣山緑地などにおいて地形や樹林などを生かした整備を行い、地域やNPOなどの皆様の御協力により、自然と触れ合えるような管理運営に取り組んでいるところでございます。また、体験農園などの参加者にとっては、そうした体験や活動を通じて、自然との触れ合いに加え、多様な人々との交流などにより満足度が高まっているものと考えております。今後とも、市民に身近な公園整備を進めるとともに、市民やNPOなどと連携し、農業体験や樹林の保全活動など、自然に触れ合える取り組みを進め、生活の質の向上につながる魅力的な公園づくりに取り組んでまいります。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 下川市民局長。

市民局長(下川祥二) 生活の質の向上、地域コミュニティ支援の御質問についてお答えいたします。

 地域コミュニティにつきましては、自治協議会と福岡市がパートナーとして、企業、NPO、大学など、さまざまな主体と地域の未来をともにつくり出す共創の取り組みを推進しております。平成28年度からは自治協議会共創補助金を拡充するとともに、企業や商店街などの地域活動への参加を促進する取り組みを進めているところでございます。今後とも、地域コミュニティの推進に資する制度について引き続き検討するとともに、自治会、町内会への支援にも取り組んでまいります。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 江藤博美議員。

○62番(江藤博美) 私は基本計画にもあります都市の成長、生活の質の向上について、本当に事業としては大きな事業がぽんぽんぽんと今出てきておりますので、この事業そのものを否定するつもりはもちろんありませんけれども、ただ、もう少しきちんと議会であるいは市民の中で議論し合えるような材料をいただきたいというふうに、これは3年前ですか、代表質問をしたときに私も申し上げましたけれども、年次年次で少しずつ見えてくるとはいえ、先ほどの財政プランで見ていくと、平成35年にはこの財政余力がなくなるのではないかあるいは福岡市の財政余力が非常に厳しくなると、そういう推定の中で、実はこの財政局が出された財政プランの中にはこういう大きなビッグプロジェクトに対する事業項目はまだはじかれていません。ですから、よほどここの財政をしっかり見きわめていかないと、また大きな荷物を背負うことになりかねないという気がしておりますので、それはもちろん行政当局の皆さんでしっかり議論されているんでしょうが、我々もきちんと議会として議論する義務があると思っていますので、まだ事業の見立ては時間がたたないとわかりませんということだけではなかなか、名前だけが先走りしていっていますので、それに事業計画の見込み額が追いついていっていない事態は余りよくないというふうに思いますから、その点についてはこれから市長にも質問いたしますが、都市の成長と生活の質の向上の好循環という、この好循環がもう少し私たち市民で、地域生活をする上であるいは生活を福岡市域で営む上で、この好循環と体感できるようなものを我々議会としても積極的に提示をしていく必要があると思っていますから、その点を最後の質問の中で市長に答弁をいただきたいというふうに思っております。

 それでは、3問目に入ります。最後の質問です。

 私は市長が強く推し進めている都市の成長として、都心部の機能強化と言われる次世代のためにをキーワードにした天神ビッグバン、ウォーターフロントネクストなどのインフラ整備やFUKUOKA Smart EASTによる都市機能の充実化など、大きなプロジェクトの諸事業にどれだけ市費を投入し、それが経済効果としてどのようにあらわれてきているのかを新年度予算から問いただしてきました。そして、生活の質の向上を市民が生活する地域コミュニティ支援から、また、ゆとりある地域生活を営む大切なツールでもある公園事業を取り上げて、その好循環が形成されているのか、これから期待できるのかを問うてきました。私は、一昨年になりますけれども、海外視察費を活用させていただき、北欧のフィンランド、ラトビア、オーストリアの林業視察に行かせていただきました。これらの国で、今、福岡市が抱えているような景気のいい話を余り聞くことはありませんでした。しかし、地方の田舎町で暮らす人々の生活の質は私たちよりもはるかに高いという印象を受けました。時間もゆったりと動き、自然としっかり向き合った暮らしをとても大切にしている、そこに豊かさを感じました。

 我が福岡のまちは、これから都市の成長と生活の質の向上の好循環、このバランスをよほどしっかり議会で議論しながら、賢明な選択をしなければならないと思っています。財政局から回答がありましたけれども、税収増で見えてくるところで、福岡市が投資したものがどういうふうに市民に返ってきているのかということの数字もなかなか把握しづらいのはわかりますけれども、もう少しきちんと科学的にといいますか、数字を持って議論できる、その効果はあらわれている、どこの業態で税収増があっているか、ここに投資すれば税収増効果としてあらわれてくる、そのような議論をもう少ししっかりしていく、その材料をいただきたいというふうに思っているわけですが、少子・高齢社会に今求められている政策課題は山積をしております。150校区、地区の地域社会を一つ一つの自治体に見立てて支援する仕組みを制度設計し、誰もが地域で移動できる生活交通の充実から、高齢者がいつまでも地域で生活できる支援システムを、子どもたちを地域で安心して育てることのできる見守りのまちにしていくために、この好循環のバランスをもっと生活の質の向上に充てるべきと我が会派は考えます。市長の所見を伺って、私の質問を終わります。

 

議長(川上晋平) 島市長。

市長(島宗一郎) 福岡市では、多くの市民の皆様とともに策定をいたしました総合計画におきまして、都市の成長と生活の質の向上の好循環をつくり出すことを基本戦略として掲げ、まちづくりを進めております。その結果、人口や観光客がふえ続け、企業の立地が進むとともに、市税収入は過去最高を更新しておりまして、この成長の果実を生かし、子育てしやすい環境づくりや安全、安心なまちづくりなどに積極的に取り組んでいるところでございます。平成30年度の予算案におきましても、この好循環を力強いものとしていくために、都市の成長に向けた取り組みを着実に進めますとともに、さらなる生活の質の向上に向けて、認知症の人が住みなれた地域で安心して暮らせるまちづくりですとか、障がい者の親なき後も見据えた生活支援体制の強化、パートナーシップ宣誓制度の導入など性的マイノリティ支援の充実、2,000人分の定員確保など増加する保育ニーズへの対応、一般不妊治療費や子育て世帯の住みかえに要する費用の助成制度の創設、小学校における英語教育の充実、ふれあい学び舎事業の拡大、スクールソーシャルワーカーの配置拡充、部活動指導員制度の導入などに取り組むことにしており、元気で住みやすいまちをさらに発展させてまいります。

 今後とも、経済的な成長と安全、安心で質の高い暮らしのバランスがとれたコンパクトで持続可能な都市として、アジアの中で存在感のある都市づくりを進め、人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市の実現を目指していきたいと思います。以上です。

 

議長(川上晋平) 笠康雄議員。

○47番(笠 康雄)登壇 おはようございます。もうすぐ待ちに待っていた春がやってまいります。桜のつぼみもだんだんと、その大きさが大きくなっているように感じます。桜といえばお酒がつきものです。もう一度桜の花の下で今は亡き三角議員とお酒を酌み交わしたかった、そういう思いで立たせていただいております。三角議員とはもうお酒を一緒に飲むことはできませんが、きょうは理事者の皆様におかれましては、かつて彼が主張していた財政問題あるいは教育問題を取り上げて、一部織り込みながら質問してまいりますので、ぜひとも前向きの答弁をよろしくお願い申し上げます。

 では、質問に入らせていただきます。

 私はみらい福岡市議団を代表し、国分議員の代表質問に関連して、西部地域における教育環境の充実について、自動車専用道路の利便性向上について、公共施設の配置のあり方について、博多港の戦略的な取り組みについて、以上4点について質問していきます。

 まず最初に、西部地域における教育環境の充実についてお尋ねします。

 福岡市は推計人口で157万人を超えました。にぎわいが増し、利便性も向上し、子育て世帯にとっても、より暮らしやすいまちへと成長しています。このことは、魅力あるまちづくりを目指し、地域住民や事業者を中心に福岡市が努力してきたたまものだと言っても過言ではありません。その一方で、市内には人口が減少している地域もあります。私は子どもの教育環境という観点から、この部分にも目を向ける必要があると考えます。同じ市内にたくさんの仲間と切磋琢磨しながら経験を積むことができる学校もあれば、そうでない学校もある。そして、そのような状況が西区の九大学研都市駅を中心とする西部地域で起きています。西区の西部地域は、九州大学の移転や伊都土地区画整理事業の進展に伴い、福岡市の中でも人口が最も急増しているエリアの一つです。田園風景が広がっていたものが、瞬く間に子育て世帯を中心に人気の住宅街に変貌を遂げました。その一方で、同じ西部地域でも北崎校区と今津校区では人口が減少傾向にあります。

 そこでまず、北崎小学校及び今津小学校の、20年前、平成9年と現在、平成29年の学級数、児童数、さらに、5年後の見込みについてお尋ねします。

 また、北崎中学校区には北崎小学校の1小学校しかなく、小中学校ともに全ての学年でクラスがえができないため、北崎小学校に入学した児童は、その後、義務教育の9年間を、固定化された人間関係の中で学校生活を送ることになります。しかしながら、小学生から中学生の間は、さまざまな価値観を持った友人や先生とのかかわりの中から多くのことを学べる大切な時期です。そのような時期に、子どもたちが閉鎖的な教育環境の中で過ごすことは大きな課題があるのではないかと考えますが、御所見をお伺いします。

 次に、自動車専用道路の利便性向上についてお尋ねします。

 今お話ししました西区西部地域は、福岡前原道路と福岡高速1号線が福重ジャンクションで直結し、さらに、福岡都市高速道路の環状化によって交通利便性が大きく向上したと感じています。そして、福岡前原道路を含む西九州自動車道は、現在も佐賀県や長崎県で着実に整備が進み、その効果として、福岡方面から佐賀県の伊万里や有田地域への観光客が増加するとともに、伊万里市から福岡県への木材出荷量が増加するなど、西九州自動車道の整備によって九州の西北部地域との人や物の交流が進んでいると聞き及んでいます。また、隣接する糸島市は豊かな自然や食材を生かした地域観光の振興に力を入れ、平成27年の観光入り込み客数は約614万人と、5年前の平成22年に比べて3割以上増加するなど、全国各地から多くの人が訪れています。このように、西九州自動車道は今後もさらなる利用拡大が期待されています。一方、西九州自動車道は、糸島市内には未整備区間が残り、佐賀、長崎県内では片側1車線の暫定供用区間があるなど、高速性や定時性のほか、安全性や事故、災害時における信頼性への課題も残されています。また、この西九州自動車道と福岡都市高速道路との接続部分には料金所が設置され、同じ福岡市内でありながら料金体系が異なることから、地域住民にとっては分断されている感もあります。さらに、この料金所付近では、近年、平日朝夕の通勤時間帯はもとより、休日にもかなりの渋滞が起きるなど、さまざまな課題が発生しています。これら課題の解決には時間を要するものもありますが、料金所付近の渋滞は早急に解決していくべきと考えます。

 そこで、福岡前原道路と福岡都市高速道路が接続する福岡西料金所の交通量について、10年前と現在を比較し、どのように推移しているのか、また、この西料金所の渋滞発生状況についてお尋ねします。

 次に、公共施設の配置のあり方についてです。

 福岡市では現在、天神ビッグバンやウォーターフロントネクスト、FUKUOKA Smart EASTなどの大きなプロジェクトが推進され、まちづくりが大きく転換していこうとしています。このような環境の変化だけではなく、まちそのものが勢いのある元気なまちであり続けるためには、人生100年時代の到来を意識し、多くの市民が地域の課題解決やまちづくりに主体的にかかわり、交流することが重要ですし、文化芸術やスポーツ・レクリエーションを楽しみ、心豊かな暮らしを送ることも必要であります。これらのことを実現させるためにも、場の提供を含めた環境づくりは福岡市が積極的に行うべきだと考えます。福岡市には行政サービス、コミュニティ、文化芸術、スポーツ・レクリエーションなど、それぞれの目的を持ったさまざまな公共施設が整備されています。市民センター、地区体育館、市民プールなどは各区に整備されていますが、地域交流センターのように特定の地域だけに整備されている施設もあります。本来、多くの市民が利用する身近な公共施設は各区公平に配置し、行政サービスの機会均等を図る必要があると思います。総合体育館や拠点文化施設など市内唯一の施設もあり、全ての公共施設が各区に整備される必要はありませんが、地域住民にとって身近な公共施設は地域間のバランスや交通事情などを考慮し、適正に配置されるべきです。

 そこで、特定の区や地域だけに整備されている地域交流センターや音楽・演劇練習場、運動施設を有する公園について、福岡市の考え方を質問していきたいと思います。

 まず、現在、新たに早良区四箇田団地に地域交流センターの整備計画が進められていますが、地域交流センターの役割や設置の状況及び今後の展開についてお尋ねをします。

 次に、博多港の戦略的な取り組みについてお尋ねします。

 この質問は、先月19日に御逝去された我が会派の三角議員が平成29年9月議会で取り上げられたテーマであります。三角議員は存命中、博多港の振興に熱心に取り組まれていました。その遺志を受け継ぎ、本日、私のほうから質問させていただきます。

 先日、地元民放のニュース番組で平成の時代を振り返るをテーマに特集が組まれ、そのシリーズ第1回目に博多港が取り上げられていました。番組では、平成の時代、博多港は物流、人流ともに急激な成長を遂げ、福岡市の成長の原動力として、福岡市の発展に大きく貢献してきたという紹介がなされていました。番組を見て、私自身、第3委員会に長らくかかわってきた議員として非常にうれしく思った次第です。これも福岡市が博多港へのさまざまな要請や時代の変化にしっかり対応してきた結果だと高く評価しています。しかしながら、グローバルな物流再編の波、深刻化する労働力不足への対応など、時代の要請は、急速に変化しており、博多港が果たすべき役割も刻々と変化し、増大しています。博多港は今非常に好調ではありますが、果たすべき役割を的確に捉え、好調な今だからこそ、将来を見据えた取り組みを戦略的に進める必要があると考えます。

 そこで、まずは博多港が果たすべき役割についてお尋ねします。

 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。

 

議長(川上晋平) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 西部地域における教育環境の充実についてお答えします。

 北崎小学校及び今津小学校の学級数、児童数につきましては、各年度5月1日基準日で、北崎小学校は平成9年度が10学級、227人、29年度が7学級、105人です。29年度の学校基本調査の数値をもとに推計した5年後の見込みは7学級、約100人になると見込んでおります。次に、今津小学校は平成9年度が6学級、184人、29年度が7学級、119人、5年後の見込みが7学級、約100人です。

 次に、全ての学年でクラスかえができない小規模校につきましては、固定化された集団の中で多様な考え方に触れる機会や、お互いに切磋琢磨する機会が少なくなりやすいといった課題がある一方で、児童生徒一人一人の状況に応じたきめ細やかな指導が行われるといった長所もございます。今後とも、授業の方法などを創意工夫しながら、着実に教育活動を実施してまいります。以上です。

 

議長(川上晋平) 三角道路下水道局長。

道路下水道局長(三角正文) 自動車専用道路の利便性向上についての御質問にお答えいたします。

 まず、福岡前原道路と福岡都市高速道路が接続する福岡西料金所を通過する交通量の10年前との比較でございますが、福岡前原道路の管理運営を行っております福岡県道路公社によりますと、平成18年度は1日当たり約2万1,700台、平成28年度は1日当たり約3万3,200台と聞いており、10年前の約1.5倍となっております。

 次に、福岡西料金所における渋滞の発生状況でございますが、福岡県道路公社が平成28年7月に実施した実態調査によりますと、平日朝のピーク時に都心方面から西向き料金所前での車列の長さが最大約300メートル、平日夕方のピーク時に今宿方面から東向き料金所前での車列の長さが最大約250メートル確認されたと聞いております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 下川市民局長。

市民局長(下川祥二) 公共施設の配置のあり方についての御質問にお答えいたします。

 地域交流センターの役割につきましては、地域住民の交流を促進する場として地域コミュニティの活性化に資するとともに、文化及びスポーツの振興、地域福祉の向上に寄与するために設置しております。また、設置状況につきましては、平成8年に策定した第7次福岡市基本計画において、各区の市民センターや地区体育館などで提供するサービスを補完する施設として市内4カ所に整備することとしております。これまでに博多南地域交流センター、和白地域交流センター、西部地域交流センターの3カ所を整備しており、現在、2021年の開館を目途に(仮称)早良地域交流センターの整備を進めております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 中村港湾空港局長。

港湾空港局長(中村貴久) 博多港の戦略的な取り組みについてお答えいたします。

 博多港が果たすべき役割につきましては、社会情勢や港に求められるニーズの変化を背景に質、量ともに拡大してまいりました。時系列で御説明いたしますと、昭和の時代は物流機能が中心で、鋼材や穀物など、ばら積み貨物のみの取り扱いでしたが、その後、物流におけるコンテナ化が進展し、その機能は大きく拡大しております。また、平成に入りますと、生活の足である市営渡船に加え、釜山への国際フェリーや高速船が就航し、特に近年ではクルーズ船の寄港回数の増加や大型化に伴い、人流機能も急激に拡大しておるところでございます。さらに、マリンメッセ福岡や国際会議場などのMICE施設の立地やにぎわい拠点の形成など、都市的機能も求められており、博多港が果たすべき役割は年々増大しているものと考えております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 笠康雄議員。

○47番(笠 康雄) それでは、2問目に入ります。

 まず、西部地域における教育環境の充実についてお尋ねします。

 先ほどの答弁によりますと、北崎小学校と今津小学校の現在の児童数は20年前と比べて大幅に減少し、5年後においてもやや減少傾向にあるようです。また、小規模校が抱える課題や、そのよさについては理解しました。ところで、先日、私が北崎小学校に通う男の子と話す中で、小学校にもっと友達がいたらソフトボールやサッカーができるのになと言っていました。その子のクラスは男子は8人しかいないそうです。そもそも各学年1クラスしかない学校ではクラスマッチのようなことはできませんし、8人しかいないのでは1つのチームをつくることさえできないのです。北崎小学校や今津小学校では、小規模校が抱える課題解消に向けて、学校の意向も聞きながら、例えば、体育や音楽の授業を合同で実施し、多様な学習形態をとったり、近隣の大規模校から児童の受け入れを試みたり、また、北崎小学校では中学校と敷地が隣接していることを生かし、施設一体型の小中一貫教育を導入するなど、さまざまなことに取り組むべきです。

 このように、両校の子どもたちが多様な価値観と触れ合い、切磋琢磨できるような取り組みを推進する必要があると思いますが、御所見をお伺いします。

 次に、自動車専用道路の利便性向上についてです。

 西区西部7校区は、平成28年9月現在の人口が約6万2,000人と、10年前に比べ約3割も増加しています。また、今後も平成30年度に予定される九州大学の移転完了や北原、田尻地区及びJR周船寺駅南における新たな土地区画整理事業の検討など、さらなる人口増加が予想されるところです。

 このような状況の中、福岡前原道路では、平成26年に上下線に1レーンずつETCが導入されました。私たち地元民の要望にお応えいただいた福岡県道路公社を初め、福岡県、福岡市の関係者の皆様に改めて感謝を申し上げます。しかし、それでも平日朝夕の時間帯は渋滞が見られ、特にゴールデンウイークやお盆など、自動車交通が集中する時期は福岡西料金所から福重ジャンクション付近まで車列がつながる光景をたびたび目にします。このまま交通量がふえれば都市高速道路そのものへの影響も懸念されますが、この渋滞要因の一つは料金所のETCレーン不足にあるのではないでしょうか。

 そこで、福岡前原道路の各料金所にETCレーンの増設が必要だと思いますが、御所見をお伺いします。

 また、福岡前原道路と接続する福岡都市高速道路は、昭和55年の供用開始以来、これまで57キロメートルが整備されてきました。環状化して5年が経過した今、福岡都市高速道路全体として機能の再点検を行う時期が来ているのではないかと考えます。例えば、福岡都市高速道路は片方向の出入り口、いわゆるハーフランプが多く、前原方面から福岡都市高速道路の環状線外回りを天神方面に通行してみると、百道ランプまで一般道へおりることができない状況です。また、姪浜から西区西部地域や糸島へ向かう際も福重まで行かなくてはなりません。西区役所や姪浜駅などがある姪浜地区は福岡市基本計画では地域拠点に位置づけられ、西区の生活圏域の中心でもあるため、西区民にとっては大変利用しづらい状況になっています。

 そこで、福岡都市高速道路に片方向のハーフランプが多いのはなぜなのか、また、福岡都市高速道路の機能充実のために、全てのランプとは申しませんが、少なくとも真に必要な箇所においてはハーフランプのフルランプ化を検討すべきだと考えますが、御所見をお伺いします。

 次に、公共施設の配置のあり方についてですが、生活の質の向上に向けては、市民が音楽や演劇など、文化芸術活動に取り組む機会をふやし、心豊かな生活を送れるようにすることも大事です。そのためには文化芸術活動の場を充実させる必要があります。このような観点から、このたび東区に完成したなみきスクエアには音楽・演劇練習場が設置されました。この音楽・演劇練習場は、音楽やダンス、演劇などの活動の場として活発に利用されていますが、稼働率が高く、予約がとりにくい状況であると聞いています。一方、市内西南部方面を見ると、平成22年に地域交流センターさいとぴあが開館しましたが、音楽・演劇練習場は設置されず、福岡市の城南区、早良区、西区の西南部方面には音楽・演劇練習場がありません。このため、地元の文化活動者からは活動の場所確保に苦慮しており、市内の西南部方面にも設置してほしいとの声を聞いています。

 そこで、音楽・演劇練習場について、その役割と設置状況及び今後の展開についてお尋ねします。

 次に、博多港の戦略的取り組みについてです。

 先ほど答弁いただいたように、博多港が果たすべき役割は増大していると私も感じています。平成29年4月にアイランドシティのコンテナターミナルが拡張され、著しい混雑も若干緩和されたと聞いていますが、平成29年の取扱量は過去最高を更新し、ターミナル整備が追いついていないのではないかと今後に向けて心配になります。また、先月の第3委員会では、クルーズ船の寄港について、上海港と覚書を締結したとの報告を受けました。クルーズ船を両港の間で定期的に往来させる定期クルーズの就航について上海港から提案があったと聞いていますが、非常に画期的なことだと思います。これらが実現すれば寄港回数がますますふえていくのではないと期待をいたします。しかしながら、博多港では現状でもクルーズ船の岸壁が不足し、寄港をお断りせざるを得ない状況とも聞いています。このままではお断り件数がより一層ふえるのではないかと思います。このように、現在の博多港は好調であるがゆえに、土地や施設が足りない状況になっているのではないでしょうか。将来に向けて、港の供給力を高めていく取り組みが必要であると考えます。

 なお、クルーズ船の受け入れについては、我が会派の藤本議員から総会質疑にて改めて質問させていただきます。

 ここで少し話題を変えてみます。最近、なかなか触れられてこなかった荒津地区を見てみたいと思います。荒津地区は、市民生活や都市活動に不可欠な石油基地として重要な役割を果たしてきました。しかし、高度成長期以降、都市化の進展に伴い、近傍まで住宅地が拡大し、今となっては周辺市街地との調和や都市防災の観点から課題が生じているのではないかと思います。一方、荒津地区の石油取扱量は減少し、一部では屋外タンクが撤去され、更地も生じていると聞いています。このような状況の中、例えば、新たな土地を確保し、時期を捉えて石油基地を移転させることも検討に値するのではないと私は思います。また、博多港は荒津地区を含めた埠頭間の交通ネットワークにも課題があると考えています。中央ふ頭や博多ふ頭では、国際会議やイベントが開催されると激しい交通渋滞が発生します。また、都心に近い須崎ふ頭は、将来、都市的土地利用へ転換していくべきだと思いますが、そのためには、都心に集中する交通負荷を低減するため、湾岸地域の交通ネットワークを強化する必要があると考えます。これらは一例ですが、物流や人流などの港機能の拡大に加え、こうした都市部からの都市機能の拡大といった都市の成長に対応していくためにも、博多港がその受け皿としてしっかり貢献していくことが求められます。

 そのためには、将来を見据えた都市戦略上の観点から博多港の戦略的な取り組みが必要であると考えますが、御所見をお伺いします。

 以上で2問目を終わります。

 

議長(川上晋平) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 西部地域における教育環境の充実についてお答えします。

 小規模校の教育環境を充実するために、児童の交流活動など、さまざまな取り組みを試みることは重要であると認識しております。御提案の小中一貫教育の導入につきましては、能古小中学校における成果や地域の意向を踏まえながら可能性を検討してまいります。

 授業の合同実施につきましては、両校の教育指導計画や授業の進度が異なること、移動に時間がかかることなどの課題について考慮する必要があると考えております。

 また、近隣の大規模校からの児童の受け入れにつきましては、検討課題の一つであると認識しております。今後も児童の実態や地域の実情に応じて交流活動や連携のあり方を工夫するなど、小規模校の教育環境の充実に努めてまいります。以上です。

 

議長(川上晋平) 三角道路下水道局長。

道路下水道局長(三角正文) 自動車専用道路の利便性向上についてお答えいたします。

 福岡前原道路へのETCレーンの増設についてでございますが、福岡前原道路の料金所であります福岡西料金所と前原料金所には、現在、ETCレーンが上下線に1レーンずつ設置されておりますが、福岡県道路公社から、交通の円滑化を図るため平成30年度に各料金所でETCレーンが上下線に2レーンずつとなるよう増設を行う予定であると聞いております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 光山住宅都市局長。

住宅都市局長(光山裕朗) 自動車専用道路の利便性向上の御質問に関し、福岡都市高速道路にハーフランプが多い理由などについてお答えいたします。

 福岡都市高速道路につきましては、都心部と郊外部を結ぶ放射状の道路ネットワーク形成を目的に、昭和46年に都市計画決定し、現在の天神北以外のランプにつきましては、主に都心部に向かう交通需要に対応するため、都心部方面へ向かう入り口と都心方面からの出口のみとなるハーフランプ形式といたしておりました。その後、ネットワークの拡充を目的として、福岡都市高速道路と西九州自動車道との接続、九州自動車道の太宰府及び福岡インターチェンジへの延伸、さらには都市高速5号線の整備による環状化を行っております。その際、広域交通や利便性向上の観点から、既存の百道や半道橋、貝塚ランプには郊外向きの出入り口を新たに整備するとともに、西月隈から福重に至る都市高速5号線の区間につきましては、双方向の出入り口となるフルランプ形式を整備いたしております。

 このように、自動車専用道路の機能拡充につきましては、これまでも都市の発展や交通状況の変化に対応してきたところでございますが、議員御指摘のフルランプ化につきましては、道路ネットワークの機能向上に向け、将来の交通動向を見きわめつつ、事業採算性などを含め、関係機関と協議しながら総合的に検討していくことが必要であると考えております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 島経済観光文化局長。

経済観光文化局長(島 収) 公共施設の配置のあり方についての御質問にお答えいたします。

 音楽・演劇練習場につきましては、音楽、演劇等の活動の場を提供することにより、市民の文化交流を促進し、もって市民文化及び地域コミュニティ活動の振興に寄与することを目的に設置しております。設置の状況につきましては、公共交通などの利便性の高い都心部などを中心に、施設の改修や新設の機会を捉え、博多区、南区、東区の千代、祇園、大橋、千早に4カ所設置しております。今後の展開につきましては、音楽・演劇練習場のほか、市民センターの音楽室などの稼働状況とともに、市民の需要を十分に踏まえ、既存施設の有効活用を図るなど、全市的な観点から検討してまいります。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 中村港湾空港局長。

港湾空港局長(中村貴久) 博多港の戦略的な取り組みについてお答えいたします。

 近年の物流機能や人流機能の大幅な拡大に加え、都市的機能の拡大など、多様化する港へのニーズに対応していくためには、福岡市全体の都市戦略、これと一体的に取り組む必要があると考えております。このためには、まずは新たな空間を確保しながら、分散している港機能を集約し、機能の再編を行うなど、より効率的な利用を促進する必要があります。さらには、笠議員御指摘のとおり、拡大する機能を支える交通ネットワークの強化も必要であると考えております。博多港の成長をさらに加速させ、選ばれる港として飛躍させていくためには、より戦略的な取り組みを推進する必要があると考えており、国の理解を十分いただき、予算の確保を図りながら検討を進めてまいります。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 笠康雄議員。

○47番(笠 康雄) 3問目に入らせていただきます。

 まず、冒頭に福岡前原道路のETCをもう1レーン増設して2つ体制にするという答弁がありましたが、30年度というふうにおっしゃいました。大変ありがたいことでございます。ただ、できる限り30年度の早期の開通をぜひ待っておりますので、よろしく県のほうへお伝え願いたいというふうに思います。

 ではまず、西部地域における教育環境の充実についてですが、北崎小学校や今津小学校についてはさまざまな取り組みを推進していただき、子どもたちが充実した学校生活を送れるように努めていただきたいと思います。

 一方で、先ほど近隣の大規模校からの児童の受け入れを試みてはどうかと申しましたが、その近隣の大規模校で特に心配なのは西都小学校です。児童数の増加に対応するため、昨年4月に開校したばかりですが、新聞報道によると、早くも教室不足が見込まれており、さらに、その西都小を含む地域で新たなまちづくりが幾つも計画されています。このまま児童がふえ続けると学校はどうなるのでしょうか。そのような心配の声を払拭するためにも、早期に解決策の検討に着手する必要があると考えます。

 そこで、この質問の最後に、西都小学校の教室不足への対応について、教育長の決意をお伺いします。

 次に、自動車専用道路の利便性向上についてです。

 福岡市は2035年まで人口の増加が予測されています。今後もさまざまなまちづくりが進められていくと思いますが、人やモノの動きをより高次に支えていくためにも自動車専用道路の果たす役割は非常に重要だと考えます。そういう意味では、今後も時代のニーズに合わせ、既存の自動車専用道路をしっかりと機能強化していく必要があります。まずは福岡前原道路の渋滞解消に向けて、ETCレーンの増設については、平成30年度の九州大学移転完了を見据え、できる限り早期に実現していただくよう、福岡市からも強く福岡県道路公社に伝えていただきたいと思います。また、先ほどの答弁にもありましたが、福岡都市高速道路は、計画当初からその時々の背景を踏まえた整備が行われ、福岡市の発展に大いに貢献してきました。しかし、取り巻く社会情勢や環境の変化に応じて、その役割や機能を見直していくことも必要ではないでしょうか。

 今後の福岡市の発展のためにも、より快適な市民生活のためにも、交通の効率化や利便性の向上は必要不可欠であり、ハーフランプのフルランプ化や渋滞対策に取り組み、未来へ継承される交通体系の構築を目指していただくよう要望しておきます。

 次に、公共施設の配置のあり方についてです。

 これまで箱物施設について質問してきましたが、野球場やテニスコートなどを備えたスポーツができる公園についても、地域間のバランスが考慮されているとは思えない状況があります。例えば、早良区ですが、早良区は南北に長い区です。ソフトボールやサッカーができる公園は百道中央公園となりますが、ここは早良区北部の百道浜に立地し、南部地域からは随分遠い場所です。そして、早良南部地域には、現在、スポーツができる公園は設置されていません。早良区の住民が野球場などの運動施設を利用する場合、ほかの区にある公園や大学のグラウンドを利用させてもらわざるを得ない状況になっています。野球場などの運動施設がある公園についても、全市的に市民がひとしく利用できるよう配置するべきではないかと考えています。

 そこで、この質問の最後に、運動施設を有する公園について、その役割と設置の状況及び今後の展開についてお尋ねします。

 次に、博多港の戦略的取り組みについてですが、先ほどの答弁にもありましたように、さまざまな都市戦略上の課題に対し、新たな空間を確保し、港湾機能の再編を進めるなど、今から将来を見据えた戦略的な取り組みを進めていただきたいと思います。

 さて、戦略的な取り組みを進めていく上では推進体制をどうするかも重要な課題であります。今後、老朽化した施設の大量更新や時代の要請に対応するための新たな設備投資が集中的に発生することも見込まれます。近年ではクルーズ需要の急増といった人流機能拡大の波が急激に押し寄せています。これまで福岡市では港の基盤整備については、博多港開発株式会社が福岡市の埋立地の約52%、780ヘクタールを整備するなど、民間の資金を活用しながら着実に推進してまいりました。また、物流においては、コンテナ化の進展とともに、物流機能が拡大してきた中で、博多港ふ頭株式会社を設立し、民間の活力を生かした効率的な港湾運営を実現してまいりました。我が会派は、民でできることは民でを政策の柱として掲げ、不要な外郭団体は廃止すべきと主張していますが、必要な外郭団体についてはしっかり活用すべきと考えます。今後、多様化し、拡大する要請に対応していくためには外部資源を最大限に活用していくことも必要であり、こうした推進体制の強化こそが博多港の持続的な成長に向けた礎となるのではないかと考えます。

 最後に、博多港をさらに発展させていくための島市長の御所見をお伺いし、私の質問を終わらせていただきます。

 

議長(川上晋平) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 西部地域における教育環境の充実についてお答えします。

 西都小学校につきましては、今年度25学級で、来年度は30学級を見込んでおります。多目的教室を含め、余裕教室が5教室あることから教室不足は生じませんが、今後、児童数は増加する見込みです。多くの自治体で人口減少が進み、まちの活力が失われていく中、西部地域を初め、福岡市では今なお多くの子どもたちが生まれ育っており、九大学研都市のまちづくりの成功は大変喜ばしいことだと思っております。福岡市の未来を担う子どもたちの教育環境につきましては、教育委員会が責任を持って提供していくものと考えており、西都小学校につきましても、将来を見据えた対応をしっかりと検討し、大切な子どもたちのよりよい教育環境を整えてまいります。以上です。

 

議長(川上晋平) 光山住宅都市局長。

住宅都市局長(光山裕朗) 公共施設の配置のあり方の御質問にお答えいたします。

 運動施設を有する公園につきましては、市民の多様なスポーツニーズに応えるとともに、レクリエーション活動や休息の場など、幅広い役割を果たせるよう、野球場や球技場、広場などを配置し、現在、東平尾公園や今津運動公園など、市内に22の公園を整備いたしております。今後の展開でございますが、運動施設を有する公園の配置において地域間のバランスは重要と考えておりますので、議員御指摘の状況も踏まえ、市民ニーズや全市的な適正配置の観点から検討してまいります。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 島市長。

市長(島宗一郎) 博多港は、福岡市のみならず、九州全体の経済活動や生活を支えており、発展する福岡市とアジアの活力を取り込みながら、その重要性はますます高まっています。笠議員御指摘のとおり、物流、人流ともに非常に好調な今だからこそ、将来を見据え、港の供給力の向上など、さまざまな課題に対し戦略的に取り組み、博多港を新たなステージへと飛躍させてまいります。そのためにも、国の理解を得ながら、国費、予算を確保していく必要があり、先月、博多港の機能強化についても、国に強く申し入れを行ったところであります。今後、博多港をさらに発展させ、福岡・九州、ひいては我が国の成長を牽引できるよう、活力と存在感に満ちた日本の対アジア拠点港を目指した戦略的取り組みを着実に進めてまいります。以上です。

 

議長(川上晋平) この際、暫時休憩いたします。

 午後は1時10分に再開いたします。

午前1139分 休憩  

午後1時10分 開議  

副議長(石田正明) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を継続いたします。尾花康広議員。

○22番(尾花康広)登壇 質問に先立ち、故三角公仁隆議員に謹んで哀悼の意を表させていただきます。三角議員の子どもたちへの思い、教育への情熱を心に抱きながら質問を行ってまいります。

 私は、公明党福岡市議団を代表して、我が党の松野議員の代表質問を補足し、城浜校区等の大規模な公営住宅を有する校区の課題解決について、災害に強いまちづくりについて、ネット・メディア依存対策と青少年の体験活動の充実について、以上3点について質問してまいります。

 まず、城浜校区等の大規模な公営住宅を有する校区の課題解決についてです。

 福岡市東区城浜校区は、御承知のとおり、福岡市の中でも数少ない、ほぼ市営、県営の公営住宅のみで構成されている小学校区です。公営住宅は、住宅のセーフティネット機能の中核を担っており、城浜校区でも、高齢者、障がい者、ひとり親世帯、外国人などの住宅困窮者の方が数多く暮らしておられます。特に高齢化率が高く、居住形態に特色のある校区として、平成23年から25年度にかけてCSW、地域福祉ソーシャルワーカーによるモデル事業が実施され、1、共益費の徴収や町内清掃のときに見守り対象者と接触する見守り方法を校区内で実施、2、毎月地域役員参加の座談会を開催、3、CSWによる福祉相談会の開催、4、見守りカルテ、見守り台帳、不在にしますカード、入院等を伝えるカード等の作成、ふれあいサロンの2カ所開始など、公営住宅特有の見守り方法を実施している校区ですが、地域の自助努力ではいかんともしがたい地域が抱える課題について、町内会長さんや民生委員の方、小学校の校長先生など、たくさんの方からお声をいただきました。現在、市営城浜住宅は、大規模建てかえの真っ最中であり、既に入居されている方は、同市営住宅の敷地内の空き室に一旦引っ越してもらい、建てかえが終わった後に再度入居していただくという方式をとっています。そのため、ファミリー向けなどの新たな入居募集が極端に減っており、その上、転入などがほとんどなく、小学校の校長先生のお話では、夏休み明けの小学校への転入はゼロで、自然減がとても激しく、平成30年度には小学校1年生から6年生までの全校児童の人数は100名を割る可能性もあるとのことです。しかも、この状態は何も手を打たなければ、今後、大規模建てかえが終わるまで十数年間続くとのことです。小学校では、朝御飯食べた、困ったことない、と常に児童に寄り添いながら、学力にもばらつきが出ないよう、校長先生を初め、教職員の方が一生懸命に取り組んでおられました。町内会長さんからは、見守りが必要と思われる高齢者世帯の方がたびたび入居してこられ、発見が一歩おくれたら孤立死という大変厳しい状況の中、高齢化により自治会役員のなり手が少ないため、体にむちを打って見守り活動を続けているとのことでした。また、2人に1人が65歳以上の高齢者、しかも、単身が多いという状況の中で、建てかえにより市営住宅の高層化が進んでいます。災害時にエレベーターがとまった場合、その避難を誰がサポートするのか、考えると心配で眠れなくなるとのことでした。民生委員さんからは騒音などの近隣トラブルが後を絶たず、我慢の限界を超え、精神的に参ってしまうぐらいのストレスを感じながら、日々の生活を送っておられる方も少なくないとのことでした。子どもや若者が少なく、高齢化により自治会役員のなり手も少なく、地域力が低下し、このままではコミュニティが崩壊してしまうので、今のうちに何とかしてほしいとの切実な御相談を何人もの方からいただきました。

 そこで、お尋ねいたしますが、福岡市全体と城浜校区の年齢構成比率について、比較をお示しください。

 また、平成29年度の城浜小学校及び城香中学校の児童生徒数と、外国籍の児童生徒の在籍状況をお知らせください。

 福岡市は、平成28年6月に、福岡市住生活基本計画を策定しました。本計画は、福岡市の住生活関連政策を総合的かつ体系的に推進するための計画ですが、その中で市営住宅施策を大別すると、1、ユニバーサルデザインの推進、2、より住宅困窮度が高い世帯に対するセーフティネットの強化、3、コミュニティ形成の促進、以上の3つの基本方針が示されております。新年度は具体的に何をどのように進められるのか、お示しください。

 次に、災害に強いまちづくりについてです。

 東日本大震災を受けて、文部科学省が災害に強い学校施設のあり方についてを取りまとめておりますが、避難所で一番困った施設整備は、74.7%の方がトイレと答えております。トイレによる健康問題は深刻で、臭い、汚い、暗い、怖い、遠い、数が少ない、段差がある、プライバシーがないなど、トイレの環境が悪化すると、トイレを我慢するため、飲まない、食べないことによって体力、免疫力が低下し、体調不良となり、最後は病気になり、災害関連死に至ることもあるそうです。そこで注目を浴びたのがマンホールトイレというものですが、マンホールのふたを外して簡易便器を置けば、下水管に直接流せる仕組みで、くみ取り式の仮設トイレよりも衛生的な上、簡単に設置できるのが利点です。断水時でも、プールや川の水を流せば、排せつ物がたまらず、一昨年の熊本地震でも効果を発揮しており、国土交通省は自治体への補助制度を通じ、普及を促しています。

 警固断層地震が懸念される福岡市においても有益だと思われますが、避難所における現在の整備状況についても、お示しください。

 マンホールトイレを有効に機能させるためには、汚物等が流れるように避難所周辺の下水道管の耐震化を優先させることも必要です。マンホールトイレを設置した避難所周辺の下水道管の耐震状況についても、お伺いします。

 また、断水時に汚物などを流すことができる水の確保も大切です。一時避難所である公民館、収容避難所である学校、地区避難場所である公園において、水の利活用を目的とした貯水の状況についても、お答えください。

 福岡市では、平成17年に発生した西方沖地震を受けて、福岡市ブロック塀等除却費補助事業を平成18年度から始めています。一昨年に発生した熊本地震でもブロック塀が倒壊し、とうとい人命が失われ、所有者が刑事告訴される事件も起こっています。

 そこでお尋ねいたしますが、危険なブロック塀等の除却状況についてお答えください。

 また、以前はブロック塀等除却費補助事業と連携して、ブロック塀除却後の緑化を推進するため、生け垣にした場合、その費用の一部を助成する危険ブロック塀生け垣化助成事業がありました。現在は、公益財団法人緑のまちづくり協会が実施する、緑あふれるまち並みの形成を目的として、道路から見える緑化の施工費用の一部を助成する緑化助成事業に一本化して、生け垣緑化への助成も継続されておられますが、その活用状況をお示しください。

 次に、ネット、メディア依存対策と青少年の体験活動の充実についてです。

 議会提案した福岡市内の高校生のメディアに関する意識と生活アンケート調査を平成27年度に実施されたようですが、これで平成25年度に実施した小中学生のメディアに関する意識と生活アンケート調査とあわせ、福岡市の小中高校生を取り巻くネット、メディア依存の深刻な実態が浮かび上がってきたのではないかと思います。

 アンケート調査の結果の分析と、それに基づき講じている対策をお示しください。

 ネット・メディア依存には、わずか1カ月程度で陥り、一旦依存状態になった場合はなかなか抜け出せず、専門的に取り扱う医療機関も少なく、依存にならないための予防対策がとても大切なことは、平成26年の議会質問でも指摘させていただきました。

 その後、発達段階に応じたネット、メディア依存の予防対策を、いつ、どこで、何を、誰を対象に実施してこられたのか、お答えください。

 体験活動は幼少期から青年期まで、多くの人とかかわりながら体験を重ねることにより、社会を生き抜く力として必要となる基礎的な能力を養う効果があると考えられています。国立青少年教育振興機構の実施した青少年の体験活動等に関する実態調査、平成26年度調査によると、自然体験や生活体験が多い子どもは、自己肯定感が高く、道徳観、正義感が醸成されることが明らかになっております。ネット・メディア依存に陥った子どもの精神状態の一つである自殺企図、希死念慮、死ぬことばかり考える精神状態とは対局をなすものであります。

 こうした青少年の体験活動の重要性が声高に叫ばれる中、福岡市では、自然教室を縮小する方向性の方針が校長、園長研修会で説明されたと伺いました。その経緯と詳細をお知らせください。

 また、自然教室を縮小する方向性の方針は、自然教室に対する子どもたちや保護者、学校教育現場の声をアンケートの実施などにより把握し、検証するなど、確かなエビデンスのもとに打ち出されたのかお伺いいたします。

 今回の質問に当たり、自然の中での集団宿泊生活を通じて、青少年の情操や社会性を豊かにし、自然体験活動を行うことによって心身を鍛錬するなど、学校や家庭では得がたい体験を通して豊かな心とたくましい体を育むことを目的とした青少年教育施設である海の中道青少年海の家と脊振少年自然の家を視察いたしました。施設の壁一面に、2泊3日の研修楽しかった、この思い出を一生の宝物にします、5分前集合、時間を守ることの大切さと仲間と協力することの大切さを学びましたなど、子どもたちのたくさんの感動と感謝の声が寄せられておりました。利用申し込み受付期間として、学校教育法に規定する小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校の児童または生徒の団体は先行受け付けができるようになっています。翌年度の利用については、その前年度の4月から5月下旬に受け付けを行うという内容です。

 そこでお尋ねいたしますが、自然教室の直近3年間の学校ごとの開催実績をお答えください。あわせて、間もなく平成31年度の先行予約の受け付けが開始されるわけですが、教育委員会から、学校側や施設側に自然教室の予約を差し控えるよう説明された経緯はありませんか、お答えください。先行予約ができなければ、実質的には施設が満室となり、宿泊を伴う自然教室は開催できなくなると考えますが、御所見をお伺いいたします。

 また、福岡市の小中高校生を対象にした体験活動の実施状況についてお答えください。

 身近な遊び場や体験の場であるわいわい広場、放課後等遊び場づくり事業の実施状況についても、お伺いいたします。

 以上で1回目の質問を終わり、2回目以降は自席にて行います。

 

副議長(石田正明) 光山住宅都市局長。

住宅都市局長(光山裕朗) 城浜校区などの大規模な公営住宅を有する校区の課題解決についての御質問にお答えいたします。

 まず、福岡市全体と東区城浜校区の年齢の構成比につきましては、住民基本台帳による平成28年度末の外国人を含まない比率として、15歳未満は福岡市が13.8%、城浜校区は6.8%、15歳から64歳は福岡市が64.9%、城浜校区は43.1%、65歳以上につきましては、福岡市が21.3%、城浜校区は50.1%となっております。

 次に、福岡市住生活基本計画に基づく平成30年度の市営住宅の取り組みについてお答えいたします。

 まず、ユニバーサルデザインの推進につきましては、市営住宅ストック総合活用計画に基づき、約670戸の建てかえや改善事業により、バリアフリー化などに取り組んでまいります。

 次に、セーフティネットの強化につきましては、高齢者や障がい者、子育て世帯などのより住宅困窮度が高い世帯に対し、別枠募集や抽せん倍率の優遇、収入基準の緩和を行うとともに、立ち退きなどの事由により、特に住宅に困窮する者を抽せんによらず選考する随時募集などを引き続き実施してまいります。

 また、コミュニティ形成の促進につきましては、建てかえの際に多様な世帯の入居が可能な複数の住戸タイプを供給するとともに、平成30年度からは子育て世帯の募集枠をさらに拡大することにより、世代間バランスの確保に努めるなど、コミュニティの維持、活性化を図ってまいります。

 続きまして、災害に強いまちづくりの御質問にお答えいたします。

 まず、危険なブロック塀の除却状況につきましては、福岡県西方沖地震を契機として、平成17年度に約1万8,800件のブロック塀の調査を行い、危険と判定した668件のブロック塀の所有者に対し、改善を求める文書を送付し、除却の補助制度の活用などによりまして、これまで484件、約72%が改善済みとなっております。

 次に、福岡市緑のまちづくり協会が実施する緑化助成事業についてお答えいたします。

 危険なブロック塀の除却に伴う生け垣化助成につきましては、市民にわかりやすく、利用しやすいものとするため、平成28年度より道路沿いの緑化を助成する事業へ見直しを行い、平成28年度は助成件数が24件、助成金額は4431,000円となっております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) まず、城浜小学校及び城香中学校についての御質問にお答えします。

 まず、平成29年度の児童生徒数につきましては、5月1日基準日で城浜小学校が114人、城香中学校が183人でございます。また、外国籍の児童生徒につきましては、同じ時点で城浜小学校が10の国と地域で32人、城香中学校が14の国と地域で34人、在籍しております。

 次に、ネット・メディア依存対策と青少年の体験活動の充実についてお答えします。

 まず、平成27年度の高校生のメディアに関する意識と生活アンケート調査では、高校生のスマートフォン所持は約90%であること、また、その27%が平日に6時間以上使用していることがわかりました。スマートフォンやパソコンを使用するインターネットの長時間使用は、睡眠など生活習慣や学習に影響を及ぼすことから、メディア利用のルール等についての学習リーフレットを作成し、保護者用はPTA研修等で、生徒用は中学1年生に配付し、啓発しております。

 次に、発達段階に応じたネット、メディア依存の予防対策につきましては、小学校5、6年生及び中学校各学年の道徳や、中学校の技術・家庭科の授業において、他の人に迷惑をかけない情報発信や、個人情報の保護などの情報モラルについての指導を全ての学校で行っております。また、生徒と保護者が規範意識について一緒に学ぶ講演会を行い、ネットの利用による心身の健康問題にも親子で学習しております。さらに中学校の入学説明会で保護者へ啓発リーフレットを配付したり、学校の保護者やPTA研修に講師を派遣するなど、メディア使用に関する啓発に取り組んでおります。

 次に、自然教室に関する校長研修会での説明につきましては、長年にわたる事業実施の中で生じた課題等について対処するため、平成29年7月13日に今後の自然教室のあり方について説明を行っております。具体的には、児童生徒が自然に触れ合い、さまざまな体験を行う自然体験活動は、子どもたちにとって重要であり、各学校の実態に応じた自然体験活動を今後も教育指導計画に位置づけていくこと、また、現在も食事代などとして5,000円程度の金額を保護者に負担していただいているという現状と、その準備や2泊3日にわたる従事を教員にさせていること、また、新学習指導要領の実施に対応するための授業時数を確保する必要があることから、これからは宿泊の有無に限らず、幅広く自然教室を捉え、身近な場所での自然体験活動など、実施日数や実施方法を工夫すること、さらに自然教室を含めた学校行事全体のあり方について見直すことを通知いたしました。

 次に、自然教室に対する意見の把握につきましては、平成27年度に全小中学校を対象とした聞き取り調査を実施しております。また、校長会の代表も参加するワーキンググループをつくり、その課題や改善などを話し合ってまいりました。その調査の中で、自然教室は自然に親しむ心情や集団生活を通した人間関係、公衆道徳などの育成に有効であるという一方で、同じ施設での実施プログラムが固定されていることによって、学校の独自性が出しにくいことや、学校の希望する日程が集中してしまい、利用調整が難しいことなどの意見が出されております。これらの課題と保護者の経済的負担軽減や教員の負担軽減など考え合わせ、自然教室を含めた学校行事全体を見直すことといたしました。

 次に、各学校の自然教室の実施状況につきましては、宿泊の有無に限らず、教育課程に位置づけるようにしており、5年生が在籍していない小学校と1年生が在籍していない中学校を除き、全ての小中学校で実施しております。

 開催実績につきましては、平成27年度は自然教室を実施した小学校141校、中学校68校の全てで宿泊を伴う自然教室を実施しており、平成28年度は小学校140校のうち140校、中学校66校のうち60校が宿泊を伴う自然教室を、平成29年度は実施した小学校143校のうち143校、中学校68校のうち50校が宿泊を伴う自然教室を実施しております。

 また、平成31年度の宿泊施設の予約については、現在、保護者の負担軽減や授業時数の確保などの観点から、宿泊を伴う自然教室を含めた学校行事全体のあり方を見直しているところであり、また、施設の予約期限が5月中旬から7月上旬であることから、方針を決定するまでは予約を控えるよう、各学校に説明をしております。

 今後、学校が平成31年度の教育指導計画を作成することに支障が出ないよう、教育委員会としての見直し方針を検討してまいります。

 次に、小学校、中学校、高等学校における体験活動の実施状況につきましては、それぞれの学校が児童生徒の実態に応じ、工夫しながら幅広く体験活動を実施しております。具体的には小学校や中学校においては、自然体験や職場体験、伝統文化の体験などを実施しており、また、市立の高等学校においては、自然体験のほか、就業体験ができるインターンシップなどを実施しております。以上です。

 

副議長(石田正明) 下川市民局長。

市民局長(下川祥二) 災害に強いまちづくりについてお答えいたします。

 まず、避難所等におけるマンホールトイレの整備状況につきましては、舞鶴小中学校5基、住吉小中学校5基、西都小学校3基、高取公民館2基、今津公民館2基、南体育館4基、大浜公園4基、香椎駅前西公園4基の8施設で、計29基を整備しております。

 次に、避難所等における貯水の状況等についてお答えいたします。

 まず、1次避難所である公民館につきましては、22館に雨水の貯留タンクを設置しており、花壇の散水等に利用しております。また、主要避難所である小中学校につきましては、15施設に雨水貯留槽を設置しており、トイレの洗浄水等に再生水として利用しております。さらに、地区避難場所である公園につきましては、大規模な公園である総合公園や運動公園など11カ所に井戸水の貯水施設を設置しており、散水等に利用しております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 三角道路下水道局長。

道路下水道局長(三角正文) 災害に強いまちづくりについてお答えいたします。

 マンホールトイレが設置されている避難所周辺の下水道管渠の耐震状況につきましては、8施設のマンホールトイレ下流側の下水道管渠のうち4施設の下流側の下水道管渠については既に耐震化が確保されております。残る4施設の下流側の下水道管渠についても、現在2施設の下流側の耐震診断を行っているところであり、平成30年度までに全ての耐震診断を終え、その結果を踏まえ、耐震性の確保を図ってまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 石橋こども未来局長。

こども未来局長(石橋正信) ネット・メディア依存対策と青少年の体験活動についての御質問にお答えいたします。

 乳幼児期においては、心身の発達が著しく、保護者とじかに触れ合うかかわり合いがとても重要な時期であり、スマートフォンなどの長時間視聴が幼児期の言語発達や生活習慣の形成などに影響を及ぼす危険性があるものと指摘されております。そのため、保育士への研修会を実施するとともに、乳幼児健康診査や保育所のクラス懇談会等の機会を捉えて、保護者に対して、子育てにおけるメディア機器との上手なつき合い方やネット依存の危険性等について啓発に取り組んでおります。また、平成29年度から母子健康手帳にネット・メディアが赤ちゃんに与える影響に関する掲載を行い、啓発の充実を図ったところであります。

 次に、わいわい広場の実施状況についてでございますが、平成29年度に新たに9小学校で開設しており、現在、全校区の8割に当たる114校区で実施いたしております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 発達段階に応じたネット・メディア依存の予防対策についてのお尋ねにお答えいたします。

 保健福祉局におきましては、精神保健福祉センターにおいて、平成27年度からネット・メディア依存を含む依存症の専門電話相談及び専門医師による面接相談を行っております。また、平成29年度はネット・メディア依存に係る市民講演会を開催し、予防、啓発を行っております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広) 2回目の質問に入ります。

 まず、城浜校区等の大規模な公営住宅を有する校区の課題解決についてです。

 50%を超える高齢化率、少子化や住宅困窮者の生活環境の改善に直面している城浜校区こそ、福岡市住生活基本計画でうたわれている施策を早期に展開し、市営住宅が抱える課題解決のモデル地区、特区に指定し、行政、NPO、企業、学校などが総力を挙げて、あらゆる手だてを講じていただきたいと思います。

 まずは、次に示すまちの再生を果たすプロジェクトを精力的に実施してはいかがでしょうか。

 1、市営住宅の入居者の声を聞くため、身近な住環境の改善に関する住民アンケート及びそれに関するワークショップの実施、2、合築、併設、目的外使用、余剰地を活用した高齢者、障がい者福祉施設の設置や余剰地を活用した福祉農園等の開設、3、余剰地にインセンティブ施策の実施などによる多子世帯向け民間賃貸住宅等の建設誘導、4、小学校空き教室、公民館、市営住宅集会所の利用による認知症カフェ等の開催、5、子育て世帯のさらなる入居支援としての大幅な募集枠の拡大、6、わいわい広場、放課後等遊び場づくり事業の特別プログラムを実施、東京23区並みの充実、7、城香中学校区における小中連携教育並びに多国籍の児童生徒が在籍している特色を生かしたインターナショナル教育の実施、それぞれの御所見をお伺いいたします。

 また、城浜住宅に限ったことではありませんが、共益費の未納問題も深刻となっており、相談を受けたある市営住宅では、未納者から自治会が反対に嫌がらせを受ける事態も生じておりました。

 そこで検討している共益費の悪質な不払いによる迷惑行為を市営住宅条例の規則に規定することを早期に実現していただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 高齢化による自治会役員のなり手不足も深刻です。特に会計担当のなり手不足は待ったなしの状態です。ようやく引き受けていただいたとしても、会計処理にふなれな方も多く、会計事故の誘引の一つにもなっております。さらに、ある市営住宅では、不明瞭な会計問題が発生し、その対応に入居者が大変苦慮されておりました。

 そこで、会計処理マニュアルや会計ソフトの標準例を提供し、会計処理の簡易性と透明性を担保してはいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。

 次に、災害に強いまちづくりについてです。

 御答弁のとおり、福岡市においては、マンホールトイレの整備箇所、下水道管耐震箇所、貯水機能整備箇所はばらばらで、施策の一体性に欠けていると考えます。熊本市では、平成24年度にマンホールトイレ整備計画を策定し、平成25年から30年までの計画期間で、総事業費308,000万円の熊本市下水道総合地震対策計画の減災対策の一環として、マンホールトイレシステムの整備を行っています。マンホールトイレの設置数は1校で5基とし、そのうち1基は車椅子用とし、設置対象施設は38の中学校とするなど綿密な計画です。その計画に基づき、既に設置していた4中学校20基のマンホールトイレが、熊本地震の際に威力を発揮し、国土交通大臣賞のレジリエント部門の受賞に至っているのは周知のとおりであります。

 福岡市においても、地域防災計画の平成28年度の見直しで、マンホールトイレの整備を推進するとはうたっておりますが、具体的な施策が見えてまいりません。

 警固断層地震が懸念される福岡市においても、国の各種補助事業を活用し、熊本市のように各局が連携し、綿密な計画のもと、一体的にマンホールトイレの整備を進めるべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。

 また、西方沖地震を受けて通学路等に面したブロック塀等の点検を実施されましたが、改善率は7割程度にとどまっております。さらに西方沖地震から10年以上が経過し、新たな箇所が危険になっている可能性もあります。

 平成29年7月に、福岡市耐震改修促進計画が改訂されました。本計画では、沿道の通行障害建築物の耐震化を図る道路として、134路線が指定されています。指定された道路の沿道の通行障害建築物については、所有者等への周知、啓発に努めるとともに、必要な指導、助言、指示を行い、耐震化を促すこととされています。新年度にどのような取り組みを行うのか、お伺いいたします。

 また、熊本地震の教訓を踏まえ、福岡市耐震改修促進計画の新年度の取り組みとあわせて、通学路等や指定路線のブロック塀等の調査を行い、危険なブロック塀等の改善を計画的かつ着実に進める必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。

 ところで、島市長は、本年初頭より、公共空間から民有地、個人宅までありとあらゆる場所で、市民や企業一人一人が、そして行政が、みんなで力を合わせて花と緑を育て、彩りや潤いにあふれ、おもてなしと豊かな心が育まれるまち、フラワーシティ福岡をつくる取り組みである、一人一花運動を展開されておられます。

 そこで、緑化助成事業において、生け垣緑化に花を咲かせる樹木を推奨し、広報、啓発に力を入れれば、危険なブロック塀等が取り除かれ、美しい色とりどりの花が咲き香るまち並みに変わり、島市長の一人一花運動の推進にもつながると考えますが、御所見をお伺いいたします。

 次に、ネット・メディア依存対策と青少年の体験活動の充実についてです。

 世界保健機構、WHOは2月5日、オンラインゲームやテレビゲームのやり過ぎにより日常生活が困難になる症状を、ゲーム障害として新たな疾病として定義し、WHOの国際疾病分類に加わる見通しであることを明らかにしました。青少年を取り巻くネット、メディア依存は、もはやグローバルな問題として捉えなければならないほど、病的な状況に陥ったということであります。近年、都市化、少子化、電子メディアの普及などにより、これまで身近にあった遊びや体験の場、本物を見る機会などが少なくなっていることを受け、学校、家庭、地域が連携して、社会総ぐるみで人づくりの原点である体験活動の機会を意図的、計画的に創出していくことの必要性が、平成25年に中央教育審議会から提言され、文部科学省は、学校、家庭、地域それぞれの場における体験活動を推奨しております。まさに福岡市における放課後等の学校施設を利用して、安心して自由に遊びができる場や機会をつくるわいわい広場の推進は、その意を酌んだものであります。

 一刻も早く全校区での展開を図っていただき、プログラムの充実も図っていただきたいと思いますが、新年度の取り組みをお伺いいたします。

 また、自然教室に関連して、中学校長研修会や小学校長会運営委員会において、教育委員会から新年度、天体観測、星空観察の講師の謝金代の予算措置をしない方針も示されたと伺っております。このことを理由に、自然教室を行う学校が少なくなるのではないかと危惧されます。こうしたことは自然体験活動の大切さが各局で共有されていれば発生しない問題ではないでしょうか。

 ネット・メディア依存の予防、治療に有効と思われる体験活動が、幼稚園等から小学校、中学校、高等学校までの学校段階間の連続性に留意し、一層効果的なものとなるよう、新年度も含め、予算をしっかり確保して実施していただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 また、子ども総合計画では、子ども、若者の自己形成支援としての体験機会の充実や、安全を守る取り組みとしての有害環境への対応を進めることがうたわれております。計画の推進体制として、こども未来局、教育委員会、保健福祉局など関係部局がしっかりと連携しながら全市体制で総合的、計画的に施策に取り組むことになっています。

 ぜひ体験活動や啓発、相談への対応など、ネット・メディア依存の予防、治療に有効と思われる発達段階に応じた対応策の実効性を高めていただきたい。そのため、新年度にどのように取り組みを進めていかれるのか、こども未来局長、教育長、保健福祉局長それぞれに御所見をお伺いいたします。

 以上で2回目の質問を終わります。

 

副議長(石田正明) 光山住宅都市局長。

住宅都市局長(光山裕朗) 城浜校区などの大規模な公営住宅を有する校区の課題解決についての御質問にお答えいたします。

 まず、住民アンケートやワークショップの実施につきましては、市営住宅の管理者として入居者の声を聞くため、日常的な相談などについては福岡市や住宅供給公社が電話や窓口で対応するとともに、市営住宅の管理組合を支援するため、住宅供給公社に設置した管理支援係において、管理組合の運営相談の対応などを行っております。

 また、管理組合の活動状況や管理上の悩みなどを把握するため、住宅供給公社と協力しながら、平成26年度と28年度に管理組合へのアンケート調査を実施しております。今後とも、住宅管理者として入居者のさまざまな課題の解決に向け、必要に応じてアンケートやワークショップの実施などを検討してまいります。

 次に、高齢者福祉施設などの誘導につきましては、市営住宅における合築や目的外使用などによる高齢者や障がい者の福祉施設などの整備について、それぞれの所管局と連携し検討を行ってまいります。また、大規模な市営住宅の建てかえにおいて、市営住宅用地を有効活用し、高齢者施設などの福祉的機能の誘導を図るなど、地域課題を踏まえたまちづくりに取り組んでまいります。

 次に、多子世帯向け民間賃貸住宅などを誘導するためのインセンティブにつきましては、将来活用地の検討にあわせ、事業手法の検討や事業ニーズの把握を行ってまいります。

 次に、市営住宅における子育て世帯の入居支援につきましては、現在、年4回の定期募集時における別枠募集や、抽せん倍率の優遇、収入基準の緩和などの優遇措置を実施いたしております。平成30年度からは、さらなる入居支援策といたしまして、城浜住宅など、特に高齢化率が高い大規模な市営住宅などを中心に子育て世帯の別枠募集の割合を、これまでの約2倍となる20%程度に拡大してまいります。さらに建てかえ事業における新築住宅についても、事業の進捗状況に配慮しながら、できる限り子育て世帯枠の確保に努め、現在、建てかえを進めている城浜住宅においても、平成30年度から実施してまいります。

 次に、共益費に関するおただしについてお答えいたします。

 市営住宅における共用部分の電気代などの共益費につきましては、入居者のコミュニティ意識の希薄化などから、共益費不払いの対応などに苦労されている管理組合も一部にあると認識いたしております。これまでも住宅供給公社と福岡市において、入居時の周知徹底や訪問による支払い要請、小額訴訟制度の案内など、管理組合への支援を行っております。議員御指摘の共益費の悪質な不払いによる迷惑行為を市営住宅条例の施行規則に規定することにつきましては、不払いの抑制や指導強化につながることから、早期に規則改正を行ってまいります。

 続きまして、災害に強いまちづくりの御質問にお答えいたします。

 まず、通行障害建築物に関する平成30年度の取り組みにつきましては、平成29年7月に改訂しました耐震改修促進計画において、緊急輸送道路など、指定した134路線の沿道にある通行障害建築物約940棟の所有者に対して、道路指定の趣旨などの周知を行うとともに、耐震化の状況などに関するアンケート調査を行う予定としており、このうち耐震性が不明なものにつきましては、耐震診断や耐震改修を促す指導などを行ってまいります。

 次に、危険なブロック塀の改善につきましては、ブロック塀の安全対策は重要であると考えておりまして、平成17年度に調査し、これまで未改善のブロック塀の所有者に対して、引き続き指導を行うとともに、緊急輸送道路などを対象とした通行障害建築物の調査とあわせて、ブロック塀の状況についても調査し、危険なものについては所有者への指導などを行ってまいります。また、引き続き出前講座や耐震セミナーにおいて、危険なブロック塀の改善に関する周知、啓発や補助制度の活用を促進するとともに、福岡県や関係団体で構成する福岡県ブロック塀等安全対策推進協議会と連携しながら、ブロック塀の安全対策に努めてまいります。

 次に、一人一花運動につきましては、市民や企業、行政がともに力を合わせて、花と緑を育てる取り組みであり、多くの皆様が訪れる都心部などでは企業の協賛による花壇づくりを、地域に身近な拠点である区役所や公民館、公園、道路などの公共空間では市民や企業による花壇づくりの活動の支援をしてまいります。また、各御家庭においても、積極的に緑や花づくりに取り組んでいただきたいと考えており、その際、議員御指摘の緑化助成事業を活用しながら、道路から見えるところにきれいな花の咲く生け垣や庭木を植えていただくことで、災害に強い安全、安心なまちづくりに加え、一人一花運動の推進につながっていくものと考えております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 大規模な公営住宅を有する校区の課題解決についての御質問にお答えいたします。

 認知症カフェにつきましては、認知症の方や、その家族の居場所づくりなどのため、開設、運営に係る費用の一部を平成30年度から助成する予定としております。このような助成を行うことで、さまざまな場所で地域団体による認知症カフェの開催を促進することとしており、御指摘の市営住宅集会所なども開催場所となる可能性は高いと考えております。

 ネット・メディア依存対策と青少年の体験活動についての御質問にお答えします。

 保健福祉局におきます新年度の取り組みについてでございますが、依存症専門相談や予防啓発活動等、ネット・メディア対策に引き続き取り組むとともに、ゲーム依存がWHOの国際疾病分類に加わる見通しであることから、国のネット・メディア依存に対する予防、治療法の研究も進んでいくことと思われ、今後とも、国の方針や研究の進捗状況を踏まえ、関係部局と連携しながら対応してまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 石橋こども未来局長。

こども未来局長(石橋正信) 大規模な公営住宅を有する校区の課題解決についての御質問にお答えいたします。

 城浜校区のわいわい広場につきましては、平成30年度の開設に向けて、学校などの関係者と協議を進めているところであります。事業の実施に当たりましては、自由遊びを基本としながらも、子どもみずからが主体的に遊ぶことができるように地域の実情や子どもたちの特性を踏まえた上で、いつもの遊びとは違ったプログラムを実施するなど、学校や地域と十分協議しながら取り組みを進めてまいります。

 次に、ネット・メディア依存対策と青少年の体験活動の充実についての御質問にお答えいたします。

 まず、わいわい広場の新年度の取り組みについてでございますが、新たに11校区での開設に向けて取り組むとともに、子どもたちの自主性や社会性、創造性などを育むため、引き続き地域の実情や子どもたちの特性に応じた遊びを提供してまいります。

 次に、ネット・メディア依存対策についての発達段階に応じた対応策でありますが、子どもの健全な発達や発育を促すため、引き続き乳幼児期のネット・メディア依存の危険性などについて保護者への啓発に取り組むとともに、わいわい広場などの体験活動の充実を図ってまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) まず、城浜校区等の公営住宅を有する校区についての御質問にお答えします。

 城香中学校区における教育活動につきましては、城浜小学校、香椎浜小学校と城香中学校が連携し、学習や生活における共通の決まりを作成したり、小学校の教員と中学校の教員が夏休みの研修を行うなど、小中学校の連携を重視した教育活動を推進しております。また、現在、福岡在住の外国の方との交流や、外国の文化に触れる体験活動を実施するなど、国際教育に取り組んでおります。今後も城香中学校区におきましては、さまざまな創意工夫により、教育内容の充実を図ってまいります。

 次に、ネット・メディア依存対策と青少年の体験活動の充実についてお答えします。

 体験活動に関する予算につきましては、これまでも自然教室を含めた自然体験活動や、福岡市科学館において、日本最先端の設備であるプラネタリウムなどを体験し、宇宙や科学について学ぶ文化体験活動など、児童生徒が豊かな体験活動を行うための予算措置をしており、平成30年度も引き続き同様の予算を計上しております。

 次に、ネット、メディア依存の予防対策については、全ての学校が授業や親子で学ぶ講演会において、情報モラルの学習を実施しており、引き続きさまざまな体験活動を教育課程に位置づけ、保護者や地域の方々とともに、児童生徒の心身の成長を図ってまいります。以上です。

 

副議長(石田正明) 下川市民局長。

市民局長(下川祥二) 大規模な公営住宅を有する校区の課題解決についての御質問にお答えいたします。

 自治会、町内会の会計につきましては、その簡易性や透明性を高めることが重要であると考えており、平成30年度から自治会等の会計に関する標準的なフォーマットを電子データで作成し、希望する自治会等については研修を行うなど、会計事務に関する支援に取り組んでまいります。

 次に、災害に強いまちづくりについてお答えいたします。

 マンホールトイレにつきましては、避難所である小中学校や公民館などの新設、改築に合わせ整備を行っております。今後は関係局で構成する調整会議を立ち上げるなど、各局が連携し、計画的にマンホールトイレの整備を推進してまいりたいと考えております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 尾花康広議員。

○22番(尾花康広) 3回目の質問に入ります。

 まず、ネット・メディア依存対策と青少年の体験活動の充実についてです。

 文部科学省の新学習指導要領の改訂のポイントとして、体験活動の充実の中で、生命の有限性や自然の大切さ、挑戦や他者との協働の重要性を実感するための体験活動の充実、自然の中での集団宿泊体験活動や職場体験の重視が挙げられているのに、福岡市が今まで続けてきた宿泊を伴う自然教室をなぜ見直すのか、私には不思議でなりません。宿泊を伴う自然教室後の子どもたちの変わりようとして、数日、親元を離れ学習するため、親を頼らず、自分で自分のことをする経験が生かされ、日常の学校生活でも自分の課題に挑戦する子どもがふえると、その効果を学校教育の現場の方から伺っております。宿泊を伴う自然教室を体験することが公教育の中でできなくなれば、保護者が山や海などの自然に触れる機会を持ち、自然を体験させる機会をつくる家庭の子どものみが経験できることになり、新たな教育格差を生んでしまうのではないでしょうか。そして、何よりも、毎年5年生になれば自然教室、6年生になれば修学旅行という学校行事が通例になっている中で、子どもたちが自然教室を楽しみにしています。宿泊を伴う自然教室は、非日常的な生活が仲間と共有でき、テレビやゲーム、スマホに囲まれている現在の状況において、そのマスメディアとひととき離れ、自然の中で過ごすことにより、生身の会話やかかわりが多くなり、今まで知らなかった友達のよさに気づくこともあります。一生涯の友と出会うこともあります。宿泊を伴う自然教室を行う意義はとても大きいのです。

 自然教室を縮小する方向性の方針は、全小中学校への聞き取り調査を実施し、その意見を踏まえて打ち出したという先ほどの教育長の御答弁でした。調査の実態は、バス代金の高騰を受けて管理職から電話による聞き取りを行っただけです。子どもたちや保護者、学校教育現場の声は全く吸い上げられておりません。確かなエビデンスもない中で、予算の関係や大人の事情によって、児童生徒の教育環境や教育の機会を奪うことは決して許されるものではありません。市民の代表である議会に何の説明もなく、宿泊を伴う自然教室の縮小、廃止など、逆行する取り組みを行わないことを教育長、この場で明言していただけますか、お答えください。

 今日の青少年をめぐるネット・メディア依存対策状況について、全ての大人が危機感を共有するとともに、体験活動の重要性を認識し、多様な体験活動を提供するために、できるところから早急に取り組んでいくことが求められております。家庭、地域における日常生活の場面から、学校教育の場や企業活動などあらゆる場面において、大人が青少年にきっかけを与え、さまざまなプログラムの提供ができるよう積極的に施策を展開していかなければならないと考えます。学校、家庭、地域など、社会総ぐるみでこれからの社会を担う青少年の社会を生き抜く力の養成に向けて具体的に行動していくことが福岡市において力強く推進されることを期待したいと思います。島市長の御所見をお伺いいたします。

 次に、災害に強いまちづくりについてです。

 島市長は、平成29年9月3日に、福岡市の舞鶴公園で実施された防災キャンプin舞鶴公園2017において、熊本市の大西市長と対談されておられます。その中で、すぐ隣の熊本で起きたことを我がこととして捉え、事前に備えることが大切と福岡市の防災の取り組みを熱く語っておられます。福岡市で大規模な地震が発生した際、身の安全を守るため、多くの市民の皆様が避難所に避難してこられます。このとき起こり得るあらゆる災害リスクを予見し、適切な対策を講じておくことが、市長の言われる熊本地震の教訓を踏まえた事前の備えになるのではないでしょうか。

 避難者の健康を守るためのマンホールトイレの整備や安全、安心な避難路を確保するための危険なブロック塀等の安全対策など、災害に強いまちづくりに向けた島市長の御所見をお伺いいたします。

 最後に、城浜校区等の大規模な公営住宅を有する校区の課題解決についてです。

 城浜校区の住民の皆様及び関係者は、校区の将来像、10年後の姿など、中長期的なビジョンが示されるのを待ち望んでおられます。それがはっきりせず、ただ我慢してください、耐えてくださいというのは、非常に酷な話です。また、今回は城浜校区を前面に取り上げましたが、濃淡はあるにせよ校区内に大規模な公営住宅を持つ町内会が直面している地域課題とも考えます。

 そこで、大規模な公営住宅を有する校区において、高齢者や障がいのある人、若者、外国人、子育て世帯等の多様な人々が交流しつつ、安心して暮らすことができるように居住の安定確保に係る取り組みを今後どう福岡市において進めていかれるのか、島市長の御所見をお伺いし、私の質問を終わります。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) ネット・メディア依存対策と青少年の体験活動の充実についてお答えします。

 自然教室に関する調査につきましては、平成27年度にバス代が高騰するなど、自然教室のあり方を早急に見直す必要が生じたため、方針を決定する際の参考として全ての小中学校の管理職を対象に電話による聞き取りを行ったものです。

 次に、自然教室を初めとする体験活動については、学習指導要領において文部科学省は、各学校の教育目標の達成に資するために、児童生徒の体験的な学習活動を初め、地域でボランティア活動を行う社会奉仕体験活動や遠足や登山といった自然体験活動など、さまざまな体験活動の充実に努めることが重要であると示しております。さらに文部科学省が通知した豊かな体験活動についてによると、これらのある1種類の活動のみを行うよりも、さまざまな体験活動を組み合わせて児童生徒にいろいろな体験をさせることが社会性や豊かな人間性を育む上で効果的であると示されております。これらの趣旨に沿って学校行事全体で体験活動の充実を図ってまいります。あわせて保護者の負担軽減や教員の負担軽減、新学習指導要領に対応するための授業時数の確保といった課題が生じたことから、宿泊を伴う自然教室を含めた学校行事全体のあり方の検討に至ったものであり、引き続き、学校行事全体を見直してまいります。以上です。

 

副議長(石田正明) 島市長。

市長(島宗一郎) ネット・メディア依存対策と青少年の体験活動の充実につきましては、子どもたちが安全に、そして健やかに成長していくために、学校、家庭など地域全体で子どもたちにかかわり、支え、見守っていくことが重要であり、今後とも、社会全体で子どもたちを育む環境づくりを進めてまいります。また、次代を担う子どもたちが規範意識や社会性、道徳性を身につけ、豊かな人間性を育むことができるよう、発達段階に応じたさまざまな体験の機会を充実するなど、子どもたちの自己形成や社会的自立に向けた取り組みを引き続き推進してまいります。

 次に、災害に強いまちづくりについてのお尋ねですが、大規模災害時において尾花議員御指摘のように、安全、安心な避難路の確保や避難所における衛生的なトイレの提供は大変重要であるというふうに考えておりまして、福岡市地域防災計画にも位置づけ、推進を図っているところであります。このため、危険なブロック塀の安全対策を着実に進めますとともに、避難所である学校や公民館などの新設または改築に合わせて、マンホールトイレを整備するなど、各局が連携をして取り組みを進めてまいります。今後とも、市民のとうとい命とその財産を守ることを第一に、災害に強いまちづくりを進め、防災先進都市福岡を目指してまいります。

 最後に、大規模な公営住宅を有する校区につきましては、高齢化の進展や世代間、そのバランスの偏りなどによってコミュニティの維持など、さまざまな課題が生じていると認識をしています。このため、市営住宅におきましては、高齢者の見守りや管理組合への支援、子育て世帯の別枠募集などを実施するとともに、このような校区では地域カフェなど、地域の皆様が交流できる場づくりや地域の実情を踏まえた教育を推進してまいります。また、平成30年度は世代間バランスの確保に向け、子育て世帯の募集枠を倍増するとともに、建てかえにより生み出される将来活用地については、引き続き、地域課題を踏まえた福祉施設やコミュニティ機能の誘導を図ってまいります。今後とも、市営住宅の役割を踏まえながら、良好な世代間バランスの確保やコミュニティ機能の維持、活性化に努め、安心して快適に住み続けられるまちづくりに取り組んでまいります。以上です。

 

副議長(石田正明) 調崇史議員。

3番(調 崇史)登壇 私は、自由民主党福岡市議団、森英鷹会長の代表質問を補足して、介護人材の確保と外国人材の活用について、採択された請願の取り扱いについて、学校におけるICT教育環境の整備について、以上3点について質疑を行います。

 まず初めに、介護人材の確保と外国人材の活用についてであります。

 いわゆる団塊の世代の方々、私にとっては父母の年ごろになるんですけれども、この方々が75歳以上の後期高齢者になられるころを指して、2025年問題という言葉が危機感を伴って言われるようになっております。現在の推計では、このころの高齢者人口は3,657万人となっていて、団塊の世代が高齢者となった2015年よりも約260万人多く、我が国の人口に占める割合も30%を超えてくるという見通しであります。介護の需要がかつてなく膨らんでくる一方で、それを支える人材は不足が見込まれます。ただでさえ、介護福祉士を養成する専門学校等では、今、全国的に見ても大幅な定員割れを起こしているのが現状でありまして、若者たちから介護という仕事が選ばれにくくなっているということがうかがえる昨今であります。

 初めにお尋ねをいたしますが、介護人材の確保に関する福岡市の現在の施策と平成30年度の予算措置はどうなっているか、お示しいただきたいと思います。

 また、保健福祉局では、本市における介護人材不足の現状と将来的な不足についてどのような認識と見通しを持っているのか、答弁を求めます。

 また、介護福祉士の養成機関の新卒者など、新たに介護の仕事を選ぶ若者の動向についてどのように捉えておられるのか、御所見をお伺いします。

 介護人材の確保への関心が高まっている中で、福岡市が昨年3月にまとめました福岡市健康先進都市戦略には注目をすべき点があったと思っています。さまざまある福岡市の計画の中では初めて介護の分野で外国人材の活用という考え方を明確に打ち出したからであります。折しも昨年9月には外国人の在留資格に介護というものが新たにつけ加えられました。いわゆる介護ビザと呼ばれるものであります。議員各位も御承知のとおりですが、我が国の就労ビザは日系人など特別なケースを除いては研究者あるいは教育関係者あるいは興行関係など、基本的にはさまざまな分野のスペシャリストの方々に限定をされております。介護ビザは大変ざっとした理解にはなりますけれども、新たに外国人の方が介護福祉士の資格を取得すれば、それ以降、ずっと日本で働くことが事実上可能になるというものであります。

 さらに昨年11月ですが、外国人技能実習制度に介護という分野が加わりました。これは実習生に求める日本語の能力がほかの、例えば、農業とか工業とかいった分野よりも高いことがありまして、非常に狭き門になっているので、この制度変更自体で、例えば、外国人の介護人材がどっと押し寄せてくるというような事態にはならないというふうに思いますが、いずれにせよ、介護の分野で外国人材が活躍することへの期待感は日増しに高まりつつあるというふうに感じております。こうした意味で、私は健康先進都市戦略、昨年3月の分ですが、これは非常にタイムリーだという印象を持ちました。

 お尋ねをいたしますが、福岡市健康先進都市戦略における介護分野での外国人材の活用に向けた本市の基本的な考え方をお尋ねいたします。その上で具体的な施策の方向性について答弁を求めます。

 次に、採択された請願の取り扱いについてであります。

 昨今、本市議会において採択された請願の取り扱いに疑問を感じるケースが多々あります。根底には残念ながら議会を軽視する風潮があると言わざるを得ないというふうに思っております。特に長住中央公園の再整備をめぐる問題では看過できない事態が起きています。

 初めにお尋ねをいたしますが、長住中央公園の再整備に関して、平成30年度の予算措置はどのようになっているのか、内容も含めて答弁を求めます。

 私は、今回の質問の機会に、この請願権というものの法的な位置づけがどのようなものなのかということを改めて問題にしてみたいというふうに思っています。

 お尋ねをいたしますが、市民の請願権が日本国憲法、地方自治法においてそれぞれどのように規定をされているのかについてお示しをいただきたいと思います。

 あわせて、採択された請願が市長に何らかの施策の実施を求めるものであった場合に、採択された請願の取り扱いについて、市長はどのようにすべきかということについて基本的な考え方をお伺いいたします。

 次に、学校におけるICT教育環境の整備についてであります。

 昨今、キーボードが打てない学生や新社会人が目立ってきているという話題を耳にするようになりました。スマートフォンやタブレット端末の普及によって、パソコンにさわる機会が極端に少なくなってきて、スムーズに文字が打てないという若者が続出しているということでありますけれども、私はこれは非常に危惧すべき状況ではないかというふうに思っています。何を危惧するのかということについては、質問の中で述べさせていただきたいんですが、結論を先に述べると、学校におけるICT教育の環境、この充実が今必要だというふうに思っておりますので、今回質問させていただきます。

 初めに、市立の小学校、中学校におけるICT環境整備について、平成30年度の予算措置の状況をお尋ねいたします。

 文部科学省は、第2期教育振興基本計画において、教育用パソコン1台当たりの児童生徒数3.6人、超高速インターネット接続及び無線LAN整備率100%、普通教室の電子黒板整備率100%などの諸指標を掲げました。そして、これらを達成するために、平成26年度から平成29年度までに単年度で約1,678億円ずつを地方財政措置しております。

 お尋ねいたしますが、平成26年度から29年度までの間で、これら第2期教育振興基本計画の指標達成のために、教育委員会がどれだけの予算措置をされたのか、平成25年度との比較もあわせて、金額と取り組みの主な内容を御答弁いただきたいと思います。

 さらに、とりわけ今私が述べました3つの指標について、福岡市の学校の現状がどのようになっているのかということをお尋ねいたします。

 以上で1回目の質問を終わり、2問目以降は自席にて行います。

 

副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 介護人材の確保と外国人材の活用についての御質問にお答えいたします。

 まず、福岡市の介護人材の確保に係る施策につきましては、介護人材確保事業として、合同就職面談会や有資格者に対する就労支援研修、事業所への定着を支援するための定着支援研修などを実施しており、平成30年度予算は1,866万円余を計上しております。

 次に、福岡市における介護人材不足の現状につきましては、市内の施設等において職員の確保に苦慮しているといったお話を聞き及んでおります。

 また、将来的な不足につきましては、国が平成27年度に公表した2025年に向けた介護人材に係る需給推計によりますと、団塊の世代が後期高齢者となる2025年時点で、全国では約38万人が、また、福岡県全体で約1万人の介護人材が不足すると推計されております。この推計を踏まえますと、福岡市ではおおむね2,000人程度不足するものと見込んでおり、介護人材の確保は喫緊の課題であると認識しております。

 次に、新たに介護の仕事を選ぶ若者の動向につきましては、厚生労働省によりますと、全国の介護福祉士養成機関の定員に対する入学者数の割合でございます充足率は、平成22年の75.7%以降減少傾向で、平成29年はデータもございます平成18年以降で最も低い42.2%となっております。このようなことから、介護分野を目指す若者が減少し、介護福祉士の養成に影響が出ているものと認識しております。

 次に、健康先進都市戦略における外国人介護人材の活用の考え方についてお答えいたします。

 外国人介護人材につきましては、国の制度改正により、今後、受け入れの増加が想定されます。このため、高齢化が進展するアジア諸国の介護を担うリーダー候補生が日本人とともに学び合う枠組みを整備することで、福岡市の介護現場における質の向上や職員の刺激とやりがいにつなげていくとともに、介護への高い意識を持った優秀な外国人材の確保を目指すことを戦略の柱に位置づけております。

 施策の方向性といたしましては、介護リーダー育成プログラムの構築に向けた産学連携の取り組みを支援するとともに、福岡や日本の文化を理解してもらうための地域での受け入れ環境の充実や、母国での日本式介護サービスの普及活動などを支援することといたしております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 光山住宅都市局長。

住宅都市局長(光山裕朗) 採択された請願の取り扱いについての御質問にお答えいたします。

 長住中央公園の再整備につきましては、長住校区自治協議会と長住ソフトボール同好会を初めとする利用団体の話し合いが進むように取り組んでいくことが必要であると考えております。そのため、平成30年度の予算といたしましては、話し合いにおいて双方から出される要望や提案を踏まえ、必要な図面や資料を作成する検討経費として300万円を計上いたしております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 中村総務企画局長。

総務企画局長(中村英一) 採択された請願の取り扱いについてのお尋ねにお答えをいたします。

 まず、憲法と地方自治法における請願に関する規定についてでございますが、憲法におきましては、第16条で何人も、平穏に請願する権利を有し、請願をしたためにいかなる差別待遇も受けないとされておりまして、地方自治法におきましては、第124条で議会に請願しようとする者は、議員の紹介により請願書を提出しなければならない、また、125条では議会は、その採択した請願で執行機関において措置することが適当と認めるものは、執行機関にこれを送付し、その請願の処理の経過及び結果の報告を請求することができると規定されております。

 次に、採択された請願の執行機関での取り扱いについてでございますが、地方自治法のいわゆる逐条解説によりますと、第125条は、議会の採択した請願に法的な拘束力はないとされているが、送付を受けた執行機関は誠意を持ってその処理に当たるべきと解釈されております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 学校におけるICT教育環境の整備についてお答えいたします。

 まず、市立の小学校及び中学校におけるICT環境整備に関する平成30年度予算案における措置状況でございますが、児童生徒が使うパソコン等の整備に係る経費として、小中学校を合わせまして5億3,8359,000円でございます。

 次に、市立の小学校及び中学校におけるICT環境整備に関する予算措置についてでございますが、25年度の予算額4億7,3961,000円に対し、26年度は4億7,4297,000円、27年度は4億8,313万円7,000円、28年度は4億5,8506,000円、29年度は4億9,5947,000円でございます。主な取り組みといたしましては、現時点の小学校及び中学校213校に整備している7,075台の教育用パソコン等のICT機器について、順次新たな機器への更新を実施するとともに、各年度の機器の更新の際に、希望校に対してモニターやキーボードと接続して利用することもできるタブレットパソコンへの切りかえを行っております。

 次に、福岡市の学校におけるICT教育環境の現状についてでございますが、福岡市におきましては、パソコンを効率的に有効活用できるよう、全小中学校にパソコン教室を整備し、パソコン教室で授業を行う際に、小学校では2人で1台が使えるように20台を整備し、中学校では1人で1台が使えるように40台の教育用パソコンを整備しております。

 また、全ての普通教室には有線LANの整備を行っております。

 文部科学省が目標としている各指標に対する現状といたしましては、小学校、中学校に市立の特別支援学校及び高等学校を加えた数値で、文部科学省の調査時点である平成29年3月1日現在で、教育用パソコン1台当たりの児童生徒数が、児童生徒119,871人に対し、教育用パソコン8,256台の整備で、1台当たり14.5人、超高速インターネット接続率が224校中219校の整備で97.8%、普通教室の無線LAN整備率が4,268室に対し144室の整備で3.4%、普通教室の電子黒板整備率が4,268室に対し688台の整備で16.1%となっております。以上です。

 

副議長(石田正明) 調崇史議員。

3番(調 崇史) 2回目に入ります。

 初めに、介護人材の確保と外国人材の活用についてです。答弁いただいたとおり、本市においても2025年の介護人材の不足見通し2,000人と厳しい状況が予想されます。こうした中で、私が注目した健康先進都市戦略ですが、答弁のとおり、優秀な外国人材を集めること、福岡を好きになってもらって活躍をしてもらって、そして、帰国した後もまた母国で活躍してもらう、こうした基本的な考え方については共感をするものであります。しかしながら、本市がこの計画策定の段階で考えていた具体的な施策展開については、日ごろ私が聞き及んでおります今の介護の現場、この人材不足の逼迫感に照らすと、いささか踏み込みが足らないのではないかということを申し上げなければならないと思っています。

 日本介護福祉士養成施設協会が昨年公表したデータによりますと、介護福祉士の専門学校等の定員割れの状況は深刻でありまして、45.7%の定員充足率である。これ、つまり55%ぐらい空いているということなんですけれども、この中でも外国人の入学者数は、おととしから昨年にかけて倍増をしております。これは首都圏を中心にした動きでありますけれども、介護人材不足の桁が1桁違う首都圏ですので、この介護ビザの創設に合わせて、既に外国人介護従事者の予備軍が形成されつつあります。今なら我が国で日本語学校で一定期間勉強をして、その後、介護福祉士の養成機関である専門学校あるいは短大等を卒業しさえすれば、ずっと日本で働いていただけるというふうな状況であります。しかしながら、私が知る限り、本市において介護福祉士の専門学校に外国人の留学生が一気に入学したというふうな現象は起きていないと思っています。今このタイミングで意欲ある優秀な外国人材を首都圏との競争でも取り負けないということが私は肝要だというふうに思っております。

 お尋ねをいたしますが、福岡市内の介護福祉士養成機関における外国人の若者の就学状況をどのように捉えているか。あわせて、より多くの外国人の若者に福岡で介護福祉士の資格取得を目指してもらうためにクリアしなければならない課題等についてどのように捉えているのか、所見を求めます。

 次に、採択された請願の取り扱いでございます。

 1回目の質問の答弁のとおり、首長が請願審査の結果に拘束されるものではないというのが一般的な法律の解釈であります。ただ一方で、地方自治法の125条には、議会は首長等が採択された請願をどう処理しているのかという経過及び結果の報告を請求することができるというふうに規定されております。

 お尋ねいたしますが、地方自治法第125条に定める経過及び結果の報告について、市長以下理事者が議会に対して自主的に行うような決まりを本市はつくっておられますか、お尋ねをいたします。

 もし仮に、経過及び結果の報告について決まりをつくっていないという場合ですが、地方自治法125条に定める経過及び結果の報告はどのような場面でなされるものというふうにお考えでしょうか、お尋ねをいたします。

 ところで、請願については、各委員会での審査の結果が直近の本会議で採決にかけられて、議決を経て最終的に採択、不採択というのが決まってまいります。長住中央公園の件に関しては、昨年の12月7日に2回目の請願審査があって委員会で採択され、12月の議会で議決をされました。こうした手続からして、請願採択の結果というのは、ある意味、議決事項であるという側面を持っております。

 視点を変えてお尋ねしますが、地方自治法において議会の議決事項に対して首長がどう振る舞うべきとされているか、お尋ねをいたします。

 あわせて、昨年12月7日の請願採択の結果についてどのように受けとめ、どのような対応をなさったのか、お尋ねをいたします。

 さて、この問題をめぐっては第三者委員会が立ち上げられました。私は当初から、あらゆる機会を捉えて所管の住宅都市局に対しては、このような第三者委員会は立てる必要がないということを再三にわたって意見を申し上げてまいりました。議会で結論が既に出たテーマについて、何で第三者にもんでもらう必要があるのか、全く理屈がわかりません。第三者委員会からは、2回目の請願審査の12日前に解決原案というものが示されております。1回目の請願審査では、ソフトボールだけでなく、グラウンドゴルフ、サッカー、ラグビー等の球技も含めて多目的に使うことができるグラウンドの機能を残すことを前提に、ワークショップのやり直しを求める請願が採択されております。2回目の請願審査でも、現在のソフトボール専用球場を多目的グラウンドとして整備する請願が採択されました。これらに対して、第三者委員会の解決原案は、いわば逆行する内容を含んでいたものであります。当然、我々議会からすると、どちらをとるんだということが問題にならざるを得ないわけなんですけれども、もし、第三者委員会の結論を上に持っていくということであれば、それはとんでもないことだというふうに思っております。

 お尋ねをしますが、長住中央公園に関する第三者委員会の法的な位置づけ、本市行政における位置づけを説明いただきたいと思います。

 実は私、既にとんでもないことが起きていると思っているんですが、この第三者委員会の結論に基づいて、平成30年度の予算案に経費が計上されております。第三者委員会は、近傍の運動公園等において、ソフトボール球場の機能を持つ多目的なグラウンドを確保すべきとする内容を解決原案の中に示しておりましたが、それはこれを根拠にしているのだと思います。

 多目的グラウンドの検討に関して、平成30年度の予算措置、どのようになっているのか、内容も含めて答弁を求めます。これは今の長住中央公園と別の場所についてのお尋ねであります。

 次に、学校におけるICT教育環境の整備についてであります。

 ICT教育の環境整備の現状をお尋ねいたしましたけれども、各普通教室にネット環境が行き渡ってはいるものの、電子黒板の設置、これは国の目標値が100%であるのに対して、本市の現状は16%にとどまるということでした。十分ではないと言わざるを得ないと思っています。本市の小中学校のパソコン教室は、5年リースで新しい機器に更新されているようでありますので、比較的新しい型落ちのない機器で授業を受けられるという点は私は評価すべきだというふうに思っているんですが、ただ教育用パソコンの1台当たり児童生徒数、国の目標が3.6人であるのに対して福岡市は14.5人であります。答弁にありました。同じく政令市の北九州市は、これ6人を切っているというところを見ても、これは改善の余地があるというふうに思っております。

 国は平成26年度から29年度にかけて、各年度で約1,678億円を財政措置したわけでありますけれども、質問の答弁からもあったように、平成25年度の予算措置と比べて、本市では特にこの26から29年度までの間、さほど予算措置に違いがありませんでした。今回の質問の準備に当たって、教育委員会においてこれまで小中学校でのICT教育の推進についてどのような議論をしてこられたでしょうかということについて、私、資料請求をしたんですが、取り立ててこのテーマに特化して集中的に議論するというふうな機会はなかったようでありました。確かに老朽化した学校施設とか過大規模校における施設の狭隘化の対策とか、こういった優先すべき課題が多いので、ICT教育に関しては、第2委員会の中でも議論、余り取り上げてこられなかったように私も思います。予算も限りがある中でだと思いますが、今後は何とか目を向けていただけないだろうかという思いも込めてお尋ねをいたしますが、ICT教育について今後の方向性を検討していくために教育委員会でこれまでどのような取り組みを行ってこられたでしょうか、答弁を求めます。

 スマートフォンなどタブレット端末、これは世界中で普及をしておりますが、特に日本では子どもや若い世代がタブレット端末の普及に反比例してパソコンにさわらなくなってきていると言われておりまして、タイピングができなくなる傾向が特に顕著だと聞いております。アメリカの例を聞いたんですが、公立学校でも小学校低学年から手元を見ないで入力をする、いわゆるブラインドタッチですね、これによるタイピングを教えているということでありました。タブレットが普及したとはいっても、タイピングの能力はさほど落ちていないということであります。このような状況は、大きな視点で見ると、我が国の国際的な競争力の低下とも言えるのではないかと思っています。また、将来的な子どもたちの職業選択の幅を広げるという視点でも、このパソコン離れという傾向には一定歯どめをかける必要があるのではないかと思っています。こうした中で、文部科学省は平成32年度から実施される新学習指導要領で発達段階に応じたプログラミング教育を実施するというふうに言っております。

 そこでお尋ねしますが、新学習指導要領のプログラミング教育について理念や内容等をどのように把握しておられるのか、お尋ねをいたします。

 また、プログラミング教育を小学校から順次、発達段階に応じて行っていく必要について、教育委員会はどのように考えておられるか、お尋ねをいたします。以上で2回目を終わります。

 

副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 介護人材の確保と外国人材の活用についての御質問にお答えいたします。

 福岡市内の介護福祉士専門学校における外国人留学生の状況については、現時点では把握しておりませんが、今後、その把握に努めてまいりたいと考えております。

 多くの外国人の若者に、福岡で介護福祉士の資格取得を目指してもらうためには、留学生の受け入れ環境の充実が必要であると考えております。今後、国において県を実施主体とした介護人材確保事業の拡充が予定されていると聞いております。具体的には介護福祉士の資格取得を目指す外国人に対する経費助成や留学生と介護施設とのマッチング支援などが示されており、今後、情報収集に努めるとともに、活用方法を検討してまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 中村総務企画局長。

総務企画局長(中村英一) 採択された請願の取り扱いについてのお尋ねにお答えをいたします。

 まず、請願の処理の経過及び結果の報告についてでございますが、その方法につきまして法令等に定めはございませんで、福岡市として、議員おっしゃいますところの自主的に行う決まりはございません。

 福岡市では、議会から請願の処理の経過及び結果の報告の請求があった場合、次の定例会までに議会に対して書面で報告を行っているところでございます。

 次に、地方自治法において議会の議決に対して執行機関がどのように事務を執行すべきとされているかについてでございますが、地方自治法第138条の2におきまして、執行機関は条例、予算その他の議会の議決に基づく事務について、みずからの判断と責任において誠実に管理し、執行する義務を負うと規定されているところでございます。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 光山住宅都市局長。

住宅都市局長(光山裕朗) 採択された請願の取り扱いについての御質問にお答えいたします。

 採択された請願の結果につきましては、誠意を持ってその処理に当たるべきと承知しており、請願の趣旨を踏まえ、自治協議会と利用団体の双方の話し合いが進むよう促しているところであります。

 次に、長住中央公園等近隣公園の整備・運営のあり方検討委員会につきましては、法令に基づく附属機関などではなく、自治協議会と利用団体が率直に意見を述べることができ、また、専門的な知見に基づき、公平、公正な意見や御助言をいただくために設置した任意の協議会でございます。

 次に、多目的グラウンドの検討に関する平成30年度の予算につきましては、全市的な観点から、東部や西部地域と比べ、屋外スポーツ施設が相対的に少ない南部地域において、市民の多様なスポーツニーズに対応するため、多目的グラウンドとしての必要性や可能性を調査、検討する経費として400万円を計上いたしております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 学校におけるICT教育についてお答えいたします。

 ICT教育に関するこれまでの取り組みにつきましては、平成27年度から3年間、ICT教育推進事業として小学校2校、中学校2校をモデル校に設定し、タブレットパソコンなどの情報機器を活用した学習やプログラミング教育のあり方についての研究に取り組んでまいりました。今後、その研究の結果などを踏まえ、ICTを活用した指導方法について分析を行い、ICT機器の整備や福岡市の情報教育の方向性について検討してまいります。

 次に、新学習指導要領におけるプログラミング教育の理念や内容につきましては、文部科学省は急速な情報化社会の進展に伴い、情報機器を使いこなし、情報を適切に活用し、課題を解決していく力は、これからの時代に求められる資質、能力であると示しております。

 プログラミング教育は、問題の解決には必要な手順があることに気づき、解決のためにはどのように改善すればよいのかといった論理的に考えていく力などを育成することを目的として、2020年度から全面実施される新学習指導要領に位置づけられたものでございます。実際の授業においては、小学校の総合的な学習の時間や理科、算数などの学習に取り入れられることとなっております。

 次に、発達段階に応じたプログラミング教育につきましては、小学校段階では5年生の算数における図形の学習や6年生の理科における電気の学習など、各教科等で育まれる思考力を基盤としながら、基礎的なプログラミング教育を行ってまいります。中学校段階では、これまでも技術科の学習において、パソコンを利用した計測や簡単なプログラミングを作成する学習を行っておりましたが、小学校のプログラミング教育を受け、ロボットの動きをパソコンで制御するなど、より高度な学習内容につなげてまいります。

 児童生徒の発達段階に応じて、適切に教育課程に位置づけ、論理的に考える力を育成することは重要であると認識しており、2020年度の全面実施に向け、教材づくりや指導方法の研究に努めてまいります。以上です。

 

副議長(石田正明) 調崇史議員。

3番(調 崇史) 3回目に入らせていただきます。

 初めに、介護人材の確保と外国人材の活用についてですが、コンビニエンスストアが過去数年、本当に過去数年の間にさま変わりをいたしました。外国人の若者だけでお店が回っているという状況をかなり目にするようになっています。私は介護の分野でも遅かれ早かれ多くの労働力を外国人材に頼る時期が来るというふうに思っています。その始まりが、あるいは2025年に向けての近い将来であり、それから当面、彼らの活躍が不可欠な局面が続くと思っています。こういった点から、福岡市にはぜひもっと積極的な姿勢で外国人材の活用を考えていただきたいというふうに思います。

 他方で、昨今、留学生の犯罪が問題になります。我が国への留学費用を用立てるために国元で背負った借金の返済あるいは悪質なブローカーによる搾取などから犯罪へと追い詰められている東南アジアからの留学生が目立っています。我が国は移民政策に非常に否定的な意見が総じて強いものだというふうに感じていますが、肌の色の違いや言語、文化、風習の違いになれない島国という国民性からでありましょうか、一たび留学生の犯罪が明るみに出ると扱いもちょっと大きくなるし、その分、拒絶反応というのも強くならざるを得ないというふうに感じています。この留学生を孤独にさせないということ、そして、不良化させないということが非常に重要でありまして、留学生への生活相談、進路相談などの体制の構築を初め、学習や生活面での支援など、行政が検討できる政策課題があるものというふうに考えています。

 さらに申しますと、福岡市は特に海外からの留学生を最初に受け入れる日本語学校が多いという特徴があります。それゆえに、常に進路未定の多くの外国人の若者が入国をしてくるという場所でもあります。行政からの後押しで介護福祉士の養成機関、つまり専門学校、短大などですが、積極的に外国人留学生に門戸を開いていただくことになれば、本市はもちろん、県内や九州各県に至るまで、安心の介護を支えるという人材を世に送り出すという重要な役割を果たせるというふうに思っています。

 今回の質問ではあえて外国人材に焦点を絞らせていただいたので、例えば、人材不足の問題を解決するために欠かせない論点である処遇改善などには触れませんでした。この点はもちろん、本市として引き続き、国や県への要望を続けていただきたいというふうに思っております。この質問の最後に、以上私が申し上げた諸点はしんしゃく賜りたいと思いますけれども、2025年問題やその先の介護人材不足を見据えての本市の今後の取り組みについて、御決意をお伺いいたします。

 次に、採択された請願の取り扱いです。

 2回目の質問で答弁いただきましたが、議会の議決事項は基本的に首長を縛るものというふうになっております。請願の採択、不採択は議決によって決まりますが、この請願法という法律もありますし、また、地方自治法にも請願に関する定めが特別にありますので、採択された請願というのは、首長を縛るものにはならないという解釈が一般的だと理解しています。とはいうものの、この二元代表制で運営をされていく地方自治体において、大事なのは議会の議決事項に対して真摯な姿勢を見せていただけるか否か、敬意を払っていただけるか否かだと私は思っております。

 くだんの第三者委員会の名称は、長住中央公園等近隣公園の整備・運営のあり方検討委員会となっておりました。本市は近隣公園については、各中学校区に1つ、もともとは小学校区に1つと言っていたものの、難しいので中学校に1つということを今言っているそうでありますが、これを整備するとしながら、未整備の地域がまだたくさん残っております。こうした地域からの設置要望に応えるよりも先に、一地域の既存の公園の再整備から派生した問題を解決するために、別の地域に多目的グラウンドを整備すればいいという結論を導くことは、私は全市的な公園整備のバランスを損なうおそれがあるというふうに思っております。また、公平性の観点からも厳しいものがあるというふうに思いますし、本市の厳しい財政状況への理解に欠けているものと思わざるを得ません。

 我々議会は二度の請願審査において、長住の地域住民の皆様の御意見に真摯に耳を傾けることはもちろん、全市民がより納得しやすい、全市民に対してしっかりと説明ができるという視点を持ちながら議論をし、ソフトボールができる多目的グラウンドの機能を現地に残すべきという結論を出したわけであります。いずれの請願も議会で採決をされ、議決事項として確定をしております。

 2回目の質問に対して明確にお答えがありましたが、第三者委員会には何の法的根拠もありません。市長は議会が出した結論が気に食わないということでありましょうが、第三者委員会の結論の都合のいい部分に予算をつけてちゃぶ台返しをやろうということであれば、今、少なくとも私の目にはそう映っておりますけれども、これは極めて脱法的な行政手法であるということを言わなければなりません。そもそも全く必要を感じなかった第三者委員会が示したその解決原案ですけれども、近傍の運動公園等でソフトボール場の代替機能を確保するには、場所の確保や予算などの課題もあり、一定の時間が必要なため、当面の間、現在のソフトボール場において、地域とソフトボール等の利用団体で共存できる方法を真摯に検討することが望ましいというふうにされておりました。私、市長を支える与党第一党に所属をしておりますが、長住中央公園の再整備に関して採択された請願の趣旨に沿って、地域と利用団体の間の調整が少しでも進展したという具体的な報告を何一ついただいた記憶がございません。それにもかかわらず、別の場所で新しい多目的グラウンドの検討を始める予算を計上する姿勢は、第三者委員会の解決案さえもないがしろにするものだと思っています。議会で示される民意を無視するだけではなく、法的にも行政計画にも位置づけのない第三者委員会をわざわざ立てて、その結論もいいところだけつまもうということであると、これはただのやりたい放題です。このような姿勢は改めていただかなければなりません。

 長住中央公園の再整備問題について、第三者委員会の結論をもって議会の議決や採択された請願を覆すようなことは、法的にも道義的にも到底許されないと考えますが、この問題の最後に所見を伺います。

 最後に、学校におけるICT教育環境の整備についてであります。

 プログラミング教育については、新しい学習指導要領に掲げられておりますけれども、この具体的な進め方については、これからしっかり議論されると思いますので、第2委員会の一員として取り組みに注目をさせていただきます。

 先日、新聞報道でさいたま市の保育所の入所調整、福岡市と同じようにポイント制をとっているということだったんですけれども、この入所調整をAI、いわゆる人工知能を使ってやったところ、職員総出で50時間かかった作業がものの数秒で終わったというふうな報道がありました。これから官民を問わず、大概のことはAIを活用していく時代というのが来るのかもしれませんが、いずれにせよ、このスキルの高いICTの技術者はこれからも絶えず必要になってくるということであります。

 本市はゲームやデザインなど、クリエイティブ産業の集積あるいはスタートアップ支援に力を入れていただいていますけれども、事、この小中学校のICT教育に関する設備の面を俯瞰すると、こうした産業分野を担っていく人材が育ちやすい環境が整っているとはなかなか言いにくいものがあると思っています。時間の関係で、手元に持っております他都市との比較の資料などを読み上げることはできませんけれども、本市は、県内の中小の市町村との比較においても、このICT教育環境の設備面のところでは大きくおくれをとってしまっているという現状を御指摘をさせていただきたいというふうに思います。

 最後に、今後の本市の学校におけるICT教育を考えていくに当たっては、子どもたちに国際的な競争力を身につけさせ、そして、職業の選択も含めた将来的な可能性の幅を広げるといった長期的な視点に立って、特にタイピング能力やプログラミング能力を向上させるような設備の充実並びに教育の実施をお願いしたいと考えておりますが、決意をお伺いして私の質問を終わります。

 

副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 介護人材の確保と外国人材の活用についての御質問にお答えいたします。

 今後、高齢化が進展し、介護人材の不足がさらに顕著になると見込まれる中、介護人材の確保につきましては、喫緊の課題と認識しており、今後一層の取り組みを進めていく必要があると考えております。このため、平成30年度は専任職員を配置し、市内の事業所の現状やニーズの調査を行い、外国人介護人材を含め、福祉人材の確保、育成、定着に向けた検討を進めるとともに、国、県に対して引き続き確保策の充実を要望してまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 光山住宅都市局長。

住宅都市局長(光山裕朗) 採択された請願の取り扱いについての御質問にお答えいたします。

 長住中央公園の再整備につきましては、採択された請願の趣旨を踏まえ、自治協議会と利用団体の双方の話し合いが進むよう促し、早期の再整備を目指して取り組んでまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 今後の学校におけるICT教育の推進についてお答えします。

 これからの情報化、グローバル化などの急激な社会変化の中で、タイピングやプログラミングを初めとする情報や情報機器を適切に活用する力は、子どもたちにとって重要な資質、能力であると言えます。今後、パソコンなどの情報機器を主体的に活用し、問題を解決したり、新たな価値を創造する喜びを実感できるICT教育に取り組み、未来のつくり手となる福岡市の子どもたちの可能性を広げ、将来への希望を持たせる教育の推進に努めてまいります。以上です。

 

副議長(石田正明) この際、休憩し、午後3時に再開をいたします。

午後2時47分 休憩  

午後3時 開議  

議長(川上晋平) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を継続いたします。熊谷敦子議員。

○42番(熊谷敦子)登壇 私は日本共産党福岡市議団を代表して、子どもの貧困対策、消費生活センター、西都小学校を中心とした西区西部地域の学校環境問題について補足質疑を行います。

 質問の第1は、子どもの貧困対策についてです。

 我が党綿貫議員の具体的な子どもの貧困削減目標を持つべきとの代表質問に対して、市長は、削減目標については言及しませんでした。これで本当に貧困を減らす気があるのですか。子どもの貧困が社会問題化される中、本市はやっと重い腰を上げ、2016年度には市内小学校6年生と中学校3年生の保護者約2万5,000人を対象に、子どもの生活状況などに関する調査を行っています。調査の回答については収入300万円未満、300万円から600万円、さらに600万円以上と3つの区分で分析をしていますが、この調査結果について、どの収入が貧困層なのかなど、貧困の定義や貧困率、ましてや削減目標についても明らかにされていません。

 そこでお伺いいたしますが、貧困の定義を明らかにしないのはなぜなのか、あわせて貧困率や削減目標を出さないのはなぜなのか、答弁を求めます。

 2点目は、子どもの生活状況の調査の結果における対策についてです。

 今回の調査によって、不十分ながら、子どもの生活実態が浮かび上がっています。例えば、平日に朝食を食べていますかという問いについては、世帯収入別に見ると、300万円未満の世帯では週に数回、全く食べないなどが10%を占めており、600万円以上の世帯と比べると、3倍近くになっています。また、経済的理由のためにあなたの世帯にないものはありますかとの設問に、子どもが自宅で勉強できる場所、つまり、子ども部屋のことですが、これについて、ないという割合が600万円以上の世帯では0.8%ですが、300万円未満の世帯で10.9%もあります。さらに、例えば、家族旅行に行くなど過去1年間で子どもと体験したり行ったりしたことという設問については、特に何もしていないと回答したうち、600万円以上の世帯が8.5%に対して、300万円未満の世帯では20%と、約2倍半となっています。

 そこでお伺いいたしますが、このような調査結果を受けて、例えば、子ども部屋のない世帯、朝食を食べていない世帯、親子での体験がない世帯を減らすためにどのような対策が必要だと考えているのか、答弁を求めます。

 質問の第2は、消費生活センターについてです。

 1点目は、相談業務を民間委託にしている問題点についてです。

 消費生活センターの相談業務について、我が党は代表質問で、民間会社への委託ではなく、直営にすべきではないかとただしたのに対して、市長は、民間委託でも問題ないと答弁をされましたが、とんでもない認識です。今日、食の安全、不当契約や詐欺、偽装、個人情報の漏えいなど、消費者の安全、安心を脅かす事件が後を絶たない中、市民にとって一番頼りになる相談窓口が消費生活センターです。本市のセンターでは、民間委託による偽装請負の指摘を避けるために、相談を受ける相談員と啓発や事業者指導を行う行政職員が直接接触しないようにしていますが、そのことで相談者の問題を解決してほしいという声に応えられていない状況が生まれています。

 そこで、民間委託によって内部の連携が図られず、必要な連携がとられていないことは、相談者にとって不利益になっているのではないかと思いますが、答弁を求めます。

 さらに、本市では、市の相談業務を受託した営利企業であるビスネットが、消費生活センターの相談業務統括責任者という肩書を使って、セミナーなどみずからの独自事業を有料で行っています。このことについて2014年3月、福岡県弁護士会が島市長宛てに出した消費生活相談業務についての意見書では、使用したパンフレットにおいて、統括責任者である講師が豊富な事例を使って行うとしていますが、それはあたかも相談業務において得た事例を使用するかのような表現になっており、相談者から見れば、自分の相談事例が利用されるのではないかとの疑念を抱かせるので、問題があると指摘しています。営利企業に相談業務を委託したことにより、市民サービスの公平性、中立性が保たれなくなっているのではないかと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 2点目は相談員の処遇についてです。

 我が党の代表質問に市長は、相談員の処遇改善については配慮すると言われましたが、現場からは悲鳴の声が上がっています。相談員は現在9人体制で、月曜から金曜まで7時間フルタイムで働き、その上、土曜日も相談業務が追加され、大変な激務になっています。2016年度決算での相談は1万2,602件、相談員1人当たりの件数は政令市で1位であり、政令市平均の約2倍となっています。

 お尋ねいたしますが、このような人員配置では、相談員の負担は大きく、苛酷な勤務状況になっているのではありませんか、答弁を求めます。

 また、今後、相談員の確保が困難になるのではないかと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 次に、賃金についてですが、相談業務は2012年まで受託していた特定非営利活動法人コンシューマー福岡から株式会社ビスネットに移行され、相談員はそのまま仕事を続けようとすれば、ビスネットに行かざるを得ませんでした。ところが、同じ仕事をしながら、時給が約1,503円から1,394円と、110円も減少したとのことです。民間委託の相談員の処遇について、消費者庁の改正消費者安全法の実施に係る地方消費者行政ガイドラインでは、処遇改善に配慮することを求めています。

 そこで、お尋ねいたしますが、委託先が変わることによって、本市のセンターにおける相談員の処遇が悪くなったことは、ガイドラインの趣旨に違反しているのではないかと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 質問の第3は、西都小学校を中心とした西区西部地域の学校環境問題についてです。

 1点目は、児童がふえ続けている西都小学校の緊急対策です。

 今、相次いで報道されている西区の西都小学校は、新年度児童数の増加により、教室不足が深刻になり、今後は過大規模校になるのではと、保護者の中で不安が広がっています。過大規模校については、校区調整ではなく、早急に分離新設すべきという我が党の代表質問に対して、教育長は、学級数が一定期間継続して31学級以上にあることが検討条件だとし、通学区域の調整をしながらなどと答弁をされましたが、そんな悠長なことでいいのですか。だから、いつまでたっても実質の過大規模校はふえ続けているではありませんか。西都小学校は、住宅開発に伴う人口増により、玄洋小学校の児童数が大幅に増加したため、分離校が必要となり、2017年4月に開校されました。開校当初の児童数は756人でしたが、2018年度は890人と、5クラス増が見込まれ、教育委員会はそれに対応するため、現在の余裕教室を活用して教室不足を解消する計画を立てています。余裕教室といっても、少人数指導など、グループに分けて使うなど、さまざま用途で使用されているのが実態です。

 そこでお伺いいたしますが、現在の余裕教室をなくすことで、教育活動への支障が起こらないのか、答弁を求めます。

 また、留守家庭子ども会の子ども会員数についても、2017年度当初は167人、新年度は217人と、大幅にふえる見込みであります。

 お尋ねいたしますが、留守家庭子ども会の児童数の増員については、どのように対応するのか、答弁を求めます。

 2点目は、西都小学校周辺の学校環境問題についてです。

 西区の西部地域にある元岡校区、周船寺校区、新設校である西都校区は、九大移転に伴うまちづくりと称して、市施行の伊都土地区画整理事業を初め、組合施行などの手法を使った事業により、農地から住宅地へと開発されてきました。ところが、無秩序な人口流入施策をとり、学校用地の確保や道路計画など必要な手だてをとらなかったため、地域では矛盾が広がっています。その上、さらに開発が進められようとしています。したがって、このまま開発を行い、人口流入施策をやめなければ、過大規模校がふえ、学校がパンクするのではないかと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 以上、1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。

 

議長(川上晋平) 石橋こども未来局長。

こども未来局長(石橋正信) 子どもの貧困対策についての御質問にお答えいたします。

 まず、子どもの貧困率などの貧困の定義やその削減目標を設定していない理由についてであります。

 国が発表する子どもの貧困率は、ややわかりにくいですけれども、全世帯の可処分所得を1人当たりに換算して並べたときの中央値の半分以下の所得の世帯に属する17歳以下の子どもの割合のことでありまして、いわゆる相対的貧困率とされるものでありますが、これについては、公的な現物給付と保有する資産の状況については考慮されておりません。また、国の子どもの貧困対策に関する大綱においても、指標に対する削減目標は設定されておりません。本市におきましては、所得に関する相対的な指標によるものではなくて、子どもや子育て世帯の生活実態に即した施策を展開していくことが重要であるとの考えから、平成28年度に子どもや子育て世帯の生活状況を多岐にわたって把握し、効果的な施策を推進していくための基礎資料を得るということを目的といたしまして、福岡市子どもの生活状況等調査を実施したところでございます。

 次に、実態調査の結果から必要な対策についてのお尋ねですが、収入が低い世帯等において、子どもの学習の習慣や環境が不足している割合が高い、放課後や夕食時に子どもだけで過ごす割合が高いなどの調査結果を踏まえ、平成30年度から、新たにスクールソーシャルワーカーの全中学校区への配置や、放課後等補充学習の全小学校での実施、生活保護世帯等の子どもを対象とした訪問型学習支援に取り組むとともに、食事の提供と居場所づくりを行う、いわゆる子ども食堂への支援の充実など、各種の取り組みを行ってまいります。

 西区西部地域の教育環境についての御質問にお答えいたします。

 西都小留守家庭子ども会の来年度の対応につきましては、今後の入会申し込みの見込み等を踏まえ、当面の措置として、プレハブ施設のリース等により対応することといたしております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 下川市民局長。

市民局長(下川祥二) 消費生活センターについての御質問にお答えいたします。

 まず、消費生活センターにおける連携につきましては、消費生活相談員を統括する責任者を配置し、随時相談内容等について受託業者と密接に情報を共有するなど連携を図っており、相談業務や市民への啓発、事業者への指導を適切に実施しております。

 次に、消費生活相談業務の委託の公平性につきましては、受託業者において、消費者安全法に基づく国家資格を有する消費生活相談員が相談を受けており、公平性、中立性を確保しながら、適切に実施しております。

 次に、消費生活相談員の人員につきましては、円滑な消費生活相談が実施できるよう、相談体制、年間の相談件数、業務量等を踏まえて配置するとともに、正規の相談員が年休を取得する際には、受託業者により代替の相談員を手配するなどの対応をしており、今後とも、受託業者とともに適切に相談員を確保してまいります。

 次に、消費生活相談員の処遇の確保につきましては、消費者庁が定めた地方消費者行政ガイドラインにおいて、消費生活相談業務を委託する場合は、受託者において雇用される消費生活相談員等の処遇改善に配慮するとともに、研修機会の確保等により、相談員の専門性の向上に努めることと示されており、このガイドラインに基づき適切に行うこととしております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 西都小学校を中心とした西区西部地域の教育環境についての御質問にお答えします。

 西都小学校につきましては、今年度25学級で、来年度は30学級を見込んでおりますが、多目的教室を含め余裕教室が5教室あり、教室不足は生じません。多目的教室を普通教室として使用することにつきましては、学校と協議を重ね、教育活動への影響を考慮した上で判断したものでございます。

 次に、西都小学校及びその周辺校における教育環境整備につきましては、これまでも分離新設や増築などにより対応してまいりました。今後も住宅開発の動向や児童数の増減を注視しながら、適切に教育環境を整備してまいります。以上です。

 

議長(川上晋平) 熊谷敦子議員。

○42番(熊谷敦子) まずは子どもの貧困対策についてです。

 局長はいろいろ言いわけをされました。国が貧困率とか指標とか出していないということですが、沖縄県などでは、国に先んじて貧困率も出して、そして削減目標も出して、しっかりやっている自治体がありますよ。あなた方は、昨年、内閣府で福岡市における子どもの貧困対策の取り組み状況をプレゼンしているでしょう。ここにありますよ、これです。(資料表示)タイトルは、貧困対策と書いているではないですか。それなのに、貧困の定義も貧困率も削減目標も示さないのはどういうことですか。数値を明確にしないで対策ができるはずがありません。2014年、内閣府が出した子共の貧困対策に関する大綱では、子どもの貧困に関する指標を設定して、その改善に取り組むことを求めています。また、福岡県の子ども貧困対策推進計画でも数値目標を定め、例えば、児童養護施設の子どもの高等学校等卒業後の進学率が、2013年度14.7%ですが、これを全国平均の22.6%という指標を上回ることを目標にしています。このように、貧困に関する指標を設定し、削減目標を持たなければ、貧困対策を進める意味がないと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 2点目は、子どもの実態調査から見た対策についてです。

 私は3つのことを具体的にこの対策はというふうにお聞きしましたけれども、平日、給食を食べていない対策については、朝食を食べていないことについてはいろいろ言われて、子どもの食と居場所づくりの支援も行うというようなことも言われました。子ども食堂は大事な取り組みですが、平日の朝御飯がわりにはなりません。経済的な事情により、親が朝早く、もしくは夜遅くまで働いているために、つくろうにもつくれない家庭も少なくありません。また、経済的理由のために世帯にないもので、子ども部屋がないことについての対策もお尋ねしましたが、具体的な提案はありません。子ども部屋がいかに大事なものなのか、子どもと住まいの関係を研究しているNPO子どもと住文化研究センターの理事長であり、大阪市立大学の名誉教授である北浦かほるさんは、子どもの成長は親から自立していく過程そのものであり、親の目も必要だが、それと同じくらい、子どもが自分自身と向き合うことができる時間と場所が大切と述べています。子どもの成長にとって必要な場所なんです。また、過去1年間で子どもと体験したり、行ったりしたことが少ない世帯の対策についても具体性はありません。子どもが年1回または2回、それ以上に家族と一緒に旅行する、その記憶の中で、家族との思い出を蓄積していくことは、子どもの発達にとってかけがえのないものであり、それが豊かな感情や意欲を育てていくのです。

 以上、3つについてお尋ねいたしましたが、結局、経済的に余裕がないとできないものばかりであります。私は、ある母子家庭のお母さんのお話をお聞きしました。毎月大赤字、親の援助で何とか生活しているが、親も両親とも国民年金、いつまで援助してもらえるかわからないと実情を訴えられています。本市は2016年度、ひとり親家庭の実態調査を行っていますが、生活上の不安や悩みについての回答は68.5%と、断トツで生活費が上げられています。これは2011年に調査した時点よりもふえています。また、行政の施策で望んでいることのトップは、手当の充実、これであります。このように、子どもの貧困対策には自由に使える現金給付や負担の軽減など、直接支援が必要だと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 質問の第2は、消費生活センターについてです。

 1点目は、民間委託の問題点についてです。

 局長は適切に対応している、連携には問題がないという答弁です。悪質な取引行為に係る相談、苦情が寄せられた場合には、被害が広がらないように、福岡市消費生活条例に基づいて本市の職員が事業者指導を行っていますが、ここには相談者の生の声を聞いた相談員は介在できません。こんな状況ですから、事業者指導の中でも、最も強い文書指導が2012年度以降、毎年、何とゼロ件、全くないのであります。生々しい相談の内容が行政側に伝わりにくいため、各業務を連携し、機能的に事業者指導が行えなくなっているからです。

 そこで、御質問ですが、相談員が相談を聞くだけでそれが指導に生かされておらず、消費生活センターの役割が果たせていないのではないかと思いますが、答弁を求めます。

 また、局長は、公平性、中立性に問題はないとの答弁をされましたが、何を言っていますか。弁護士会は、さらに先ほどの意見書の中で、ビスネットが独自に行ったセミナーについて、使用した事例は出典も明らかにしていないため、福岡市の相談業務で知り得た事例が使われたと懸念されると述べています。つまり、ビスネットが受託業務で得た情報をみずからの営業に利用しているのではないかと懸念しているのです。このような懸念を生むこと自体、重大な問題です。公平性とも中立性ともほど遠いではありませんか。問題はこれだけではありません。全国の消費生活センターで受け付けている相談が集約されているパイオネットというシステムがあります。パイオネットとは、国民生活センターと全国の消費生活センターをネットワークで結び、消費者から消費生活センターに寄せられる消費生活に関する苦情、相談情報の収集を行っているシステムです。これにビスネットは委託業者として容易に閲覧、活用できるのです。クレーム情報を逆手にとれば、どんな商品が消費者に売れるのか、クレーム対応にどうすればいいのかなど、企業にとって必要な情報へと変えることができます。そもそもビスネットはどのような会社なんでしょうか。会社概要を見ると、消費者と企業をつなぐパイプ役を果たす、このことをコンセプトにし、消費者の意見や消費動向を把握し、商品、サービスの改善や開発に反映させるなど、企業にアドバイスする、つまり、どんな商品が消費者に受けるのか、企業のもうけをどう伸ばすのかという情報提供をする企業なんです。そんな企業が自社にとって有益な情報を労せずに入手できる立場に本市が立たせて、放置していることは大問題です。したがって、ビスネットの例に見られるように、営利企業への委託はその企業のもうけを保証するに過ぎず、極めて問題ではないかと思いますが、答弁を求めます。

 2点目は、相談員の処遇についてです。まず、人員体制についてです。

 局長は、相談員の負担については、適切な人員配置で問題ないかのような答弁をされましたが、本当に冷たい答弁です。現場ではどうなのか。年休を使うにも、定数ぎりぎりで休みづらいとか、相談員が減らされ、土曜の振りかえもとれないなど、悲鳴の声が出ていますよ。今後の相談員の確保についても、まさに民間任せ。相談業務は、消費者行政の中でもかなめ中のかなめです。しかしながら、その相談員の育成に市が責任を持たず、委託を受けた営利企業任せとなっています。したがって、相談員を大幅にふやすとともに、相談員の資質向上や育成については、営利企業任せにせず、市が責任を持って行うべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 また、賃金について、局長は、適切にやっているとお答えになりました。何を言っていますか。あなた方は適切な賃金と言われますが、いかにビスネットが利益をむさぼっているのかということです。ビスネットが受託する前のコンシューマーのときは、委託料が3,900万円でした。その後、ビスネットが委託を受けてからは3,850万円、この委託料はほぼ変わっていません。相談員の数は、コンシューマーのときは11人、ビスネットになって9人になりました。当然ビスネットのほうが給与を上げることができるはずなんですが、先ほど指摘しましたように、時給で110円下げている。ビスネットがぼろもうけしていることは容易に推測できます。まさにガイドラインで示された処遇の改善に違反していることは明らかです。こんな悪質なガイドライン違反は許されず、ビスネットに対して賃上げの指導を行うべきではないかと思いますが、答弁を求めます。

 次に、西区西部地域の学校環境問題についてです。

 まず、西都小学校の緊急対策についてです。

 教育長は、教育活動に支障はないようにしていくというような答弁をされました。ごまかしてはいけません。余裕教室がなくなれば、1クラスを分割してグループ分けをする少人数授業などができなくなるんです。明らかに支障が出るじゃないですか。また、これから増築などで対応するとも言われましたけれども、再来年は児童数の見込みが1,000人です。何と4年後の2022年には1,340人となります。増築にも限界がありますから、それでも足りなくなれば、あとはプレハブでの対応になってしまいます。運動場はさらに狭くなり、1人当たりの面積基準を大きく下回る劣悪な教育環境になってしまいます。全く無計画です。したがって、西都小学校の過大規模校対策について、早急に用地を確保し、分離新設を行うべきだと思いますが、答弁を求めます。

 また、留守家庭子ども会について、こども未来局長は、これもプレハブで対応と答弁されますが、そんな安易な答弁は許されません。今後児童数見込みについて、2022年には259人になります。1カ所40人という国の基準に当てはめれば、7カ所に匹敵します。ここまで巨大な留守家庭子ども会は今までかつてありません。今年度は167人を3クラスで対応していますが、子どもはあふれ返り、それをプレハブで対応しようとすれば、運動場は教室のためのプレハブと留守家庭のプレハブと、プレハブだらけになってしまい、グラウンドの機能がなくなってしまいます。先日、私がお話を伺った保護者の方は、できれば休ませて家で見てほしいと言われていると語っておられますが、現状でさえ現場がそう言わざるを得ないほど飽和状態になっているのです。

 そこで、大至急、近隣の土地も確保して、希望する子どもたちを適正な規模で受け入れる対応をすべきではないかと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 2点目は、九大周辺地域の開発と教育環境についてです。

 教育長は児童生徒数の推移を見ていくなどと答弁をされていますが、パンクするのは目に見えているではありませんか。さらにこの地域は、新たな土地区画整理事業が準備されています。住宅都市局の資料では、JR九大学研都市駅周辺の学園通線沿い約12ヘクタールの地域を開発し、新聞報道ではここに住宅や公園、商業施設、ホテルなどが整備されることにより、1,300人の人口増が見込まれるとされています。この地域にあり、周船寺校区、元岡校区、西都校区と、3校の児童が通う元岡中学校については、今でも既に西都小学校の児童数の増加により、パンクするのではないか、こういう保護者の心配の声が、我が党が実施したアンケートに寄せられています。これに加えて、計画中の土地区画整理事業が行われれば、生徒数増加に追い打ちをかけることになります。特別教室を普通教室にして授業に支障が起きる、プレハブを建ち並べて運動場を狭くして我慢しろなど、こんな状態を現場に強いることを教育委員会が行ってはなりません。学校建設はすぐにはできません。設計、建設、そして開校まで約5年かかります。したがって、元岡中学校についても、早急に分離新設計画を立て、学校用地を確保すべきだと思いますが、答弁を求めます。

 今後の開発について、住民は一体どのように考えているのか。我が党は2月上旬から住民の皆さんの声をお聞きしようとアンケートを実施しました。今後の校区の開発についてという設問にお答えいただいた結果を見ますと、今後のマンション建設など、人口流入には一定の歯どめをすべきとか、インフラ整備の伴わない開発はだめだという回答が多く寄せられ、学校の過大規模対策など、教育環境の整備もせず行う開発のやり方に疑問の声が寄せられています。したがって、必要な手だてをとらないままに開発を進めれば、新たに過大規模校を生み出すなど、同じことを繰り返してしまうのではないかと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 

議長(川上晋平) 石橋こども未来局長。

こども未来局長(石橋正信) 子どもの貧困対策についての御質問にお答えいたします。

 まず、具体的数値目標の設定につきましては、繰り返しになりますが、国においても子どもの貧困に関する25の指標が設定されておりますが、指標に対する削減目標は設定されておりません。また、現在、国において指標の見直しが検討されておりまして、その動向も注意してまいりたいと考えております。

 本市の子どもの貧困対策といたしましては、本市の子どもたちや子育て世帯の生活実態に即して施策を展開していくことが重要であるとの考えから、平成28年度に実態調査を実施し、それを踏まえて対策を検討し、進めているところであります。

 次に、現金給付などの直接支援についてのお尋ねでございますが、経済的支援に関しましては、児童扶養手当や寡婦控除のみなし適用、子ども医療費の助成などの各種の給付や減免を行っているところではありますが、子どもの貧困対策につきましては、経済的支援のみならず、教育の支援や生活の支援、保護者に対する就労の支援など、各方面からのアプローチがあり、総合的に対策を推進していくことが重要であると考えております。

 次に、西区西部地域の教育環境についての御質問にお答えいたします。

 西都小留守家庭子ども会施設の設置場所につきましては、放課後の利用児童の安全を確保する観点から、これまで全ての留守家庭子ども会を学校敷地内に設置していることを踏まえ、まずは学校敷地内での運営について、学校や教育委員会との調整を図ってまいります。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 下川市民局長。

市民局長(下川祥二) 消費生活センターについての御質問にお答えいたします。

 まず、相談から事業者への指導に関するお尋ねですが、相談情報につきましては、消費生活相談員が、全国消費生活情報ネットワークシステム、通称パイオネットに入力することにより、十分に情報の共有化を図っております。それらの情報などを踏まえまして、消費者庁を初め、関係機関、団体と連携しながら、市民への啓発、事業者への指導を適切に実施しております。

 次に、消費生活相談業務の委託につきましては、消費者安全法などの関係法令に基づき委託できることとされており、ガイドラインにおいても、営利を目的とする団体に委託することができると明示されているところでございます。本市といたしましては、これらの関係法令及びガイドラインに基づき、消費生活相談業務を適正に実施しております。

 次に、相談員の資質の向上等についてのお尋ねですが、消費生活相談員は相談体制、年間の相談件数、業務量等を踏まえまして適正に配置することといたしております。また、消費生活相談員の資質の向上については、相談員が独立行政法人国民生活センターの専門研修等に参加する経費を委託料において計上しているほか、専門的な法律知識を要する相談事例について、相談員が弁護士から直接、解説、助言を受けられる場を設けるなどの研修機会を確保し、専門性の向上などを図ることとしております。

 次に、消費生活相談員の処遇につきましては、消費生活相談が複雑化、高度化する状況を踏まえまして、消費生活相談員の処遇を確保できるよう、平成30年の予算において、委託料を増額してまいることとしており、受託業者により適切に対処されるものと考えております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 西都小学校を中心とした西区西部地域の教育環境についての御質問にお答えします。

 西区西部地域における開発に対し、これまでも福岡市立小・中学校の学校規模適正化に関する実施方針に基づき、教育環境を整備してまいりました。今後も児童数の増加が見込まれる西都小学校につきましては、実施方針に基づき、適切に対応してまいります。

 また、元岡中学校につきましても、今後生徒数が増加し、過大規模校になることが見込まれる場合は実施方針に基づき、適切に対応してまいります。以上です。

 

議長(川上晋平) 熊谷敦子議員。

○42番(熊谷敦子) まず、子どもの貧困対策についてです。

 局長は貧困率も削減目標も持たないということです。直接支援についても、児童扶養手当など言われましたけれど、これは国の制度であります。本市としての独自政策は皆無であります。それこそ、今求められている直接支援を本市独自の支援策として強めていくべきであります。その一例として、家賃補助を行っている先進的な自治体があります。茨城県石岡市では、上限2万円として家賃補助をやっています。また、神奈川県の大和市では、所得制限はありますけれども、1万円の補助をしています。私がお聞きした母子家庭のお母さんは、これだけ補助があれば、息子が行きたがっている塾に行かせることができる、こんな期待の声を寄せています。子どもの貧困問題に詳しい国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩氏は、貧困が子どもの生活環境を劣化させ、他者とのつながりの不足や栄養の欠乏、衛生状態の低下を生み出すことにより発達を損なう、こういうことを指摘しておられます。つまり、子どもの貧困は、その子の一生に影響を与える重大なことなのです。したがって、本市における子どもの貧困率を明らかにするとともに、削減目標を設定し、家賃補助、就学援助の充実、子どもの医療費助成制度の拡充など、現金給付や負担軽減など、本市の責任として直接支援を行うべきだと思いますが、市長に答弁を求めます。

 次に、消費生活センターについてです。

 局長は、消費生活センターを営利企業であるビスネットに委託していることについて、全く問題がないと開き直っておられます。先ほど局長が言われたガイドラインですが、ガイドラインの中に、消費生活相談等の事務の民間への委託により、問題点が出るということで書かれている部分があります。その中では、受託者が特定の個人を識別できないような形で、事務を通じて取得した情報や消費生活相談等の事務の実施によられた情報をみずからの事業に活用したり、第三者に提供したりする、こういう問題点が起きると書いてあります。まさに今ビスネットはこういうことをやっているわけです。本当に開き直った答弁、大変だと思います。しかしながら、先ほど県の弁護士会の意見書では、ビスネットへの委託について、できる限り委託によるべきではなく、市の本来業務として執行すべきであり、仮に外部団体へ委託しても、公正かつ信用性のある立場において業務を執行することができる団体に限定すべきであり、少なくとも営利団体への業務委託は不適切であり、改善すべきであると厳しく指摘しています。消費生活センターの根拠法である消費者安全法は、その目的として、消費者被害の発生または防止のための措置、消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現とうたっています。本市が民間営利企業に委託したことによって生じている問題をこのまま放置すれば、法の目的を実現することができず、許されません。したがって、消費生活センターの相談業務は直営で行い、相談員の増員や賃上げなど、処遇改善を本市が責任を持って行うべきだと思いますが、市長の答弁を求めます。

 最後に、西都小学校など西部地域の学校環境と開発についてです。

 教育長は、西都小学校や元岡中学校の分離新設は児童数の推移を見てからと言われますが、教育環境を整える立場を投げ捨てた答弁で看過できません。これまで島市長は、人口がふえるのはいいことだとばかりに人口流入策を推し進め、その結果、至るところで学校がパンクし、教育環境は悪化してきました。その市長のやり方に追随し、何度も同じことを繰り返してきたのが教育委員会ではないですか。許されません。私は先日、学研都市駅周辺を回ってみました。まだ建設中のマンションがあり、1割近くは未利用地です。今後、住宅建設が進み、児童の増加が見込まれます。また、土地区画整理事業が行われれば、さらにふえます。これ以上、児童がふえれば、教室不足はもちろんのこと、運動場や体育館、またプールなど、子どもの密度が高くなり、危険性が強まるなど、安全管理上も問題です。国の小学校設置基準では、小学校施設は指導上、保健衛生上、安全上及び管理上、適切なものでなければならないとうたっています。開発を最優先し、その結果、市民や子どもたちを犠牲にする島市長の姿勢は許されません。したがって、市長はこれ以上の開発をやめ、教育委員会に対して分離新設など教育環境の整備を要請し、予算を大幅に増額すべきだと思いますが、最後に市長の答弁を求めて、私の質問を終わります。

 

議長(川上晋平) 下川市民局長。

市民局長(下川祥二) 消費生活センターについての御質問について、私のほうからお答えいたします。

 消費生活相談業務を直営で行うべきとのお尋ねですが、消費生活相談業務につきましては、昭和48年度の業務開始当初から委託により40年以上の長きにわたり、円滑に実施してきたところでございます。今後とも、関係法令及びガイドラインに基づき、消費生活相談員の処遇にも配慮しながら、消費生活相談業務を適切に実施してまいります。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 西都小学校を中心とした西区西部地域の教育環境の御質問についてお答えいたします。

 西都小学校及び元岡中学校につきましては、住宅開発の動向や児童数の増減を注視しながら、将来を見据えた対応をしっかりと検討してまいります。以上です。

 

議長(川上晋平) 光山住宅都市局長。

住宅都市局長(光山裕朗) 西都小学校を中心とした西区西部地域の教育環境に関する御質問にお答えいたします。

 西区西部地域のうち、学園通線沿道につきましては、第9次福岡市基本計画において、活力創造拠点である九州大学伊都キャンパスと地域拠点である今宿、周船寺地域の連携を図る西の拠点連携地域と位置づけております。この沿道において、現在、地域が主体的に土地区画整理事業を検討されている地域につきましては、周辺の小学校の教育環境や都市基盤とのバランスを図りながら、適切な市街地形成がなされるよう、地域の取り組みを支援していく必要があると考えております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 島市長。

市長(島宗一郎) 子どもの貧困対策につきましては、子どもたちの将来が、その生まれ育った環境によって左右されることがないように、貧困の状況にある子どもが健やかに育成される環境

を整備しますとともに、教育の機会の均等を図っていくことが重要であると考えています。福岡市といたしましては、平成28年度に実施した実態調査の結果を踏まえ、平成30年度は新たにスクールソーシャルワーカーの全中学校区への配置や放課後補充学習の全小学校での実施、生活保護世帯などの子どもを対象とした訪問型学習支援に取り組んでまいります。また、いわゆる子ども食堂への支援やひとり親家庭に対する日常生活支援事業などの充実を図りますとともに、児童扶養手当の支給などを引き続き実施してまいります。今後とも、貧困が世代を超えて連鎖することがないように、子どもの貧困対策にしっかりと取り組んでまいります。以上です。

 

議長(川上晋平) 新村まさる議員。

○33番(新村まさる)登壇 まずは、部活動指導員の新規配置について質問をしてまいります。

 昨年3月に文科省は、学校教育法施行規則の一部を改正し、新たに部活動指導員を教育活動に位置づけました。そして、昨年8月には、同じく文科省から発信された学校における働き方改革に係る緊急提言、部活動指導員の活用をその内容に盛り込み、各自治体への補助金として新年度約5億円の予算を組んでおります。これまで本市の中学校の部活動は、教員が顧問として指導管理を行い、必要に応じて部活動補助指導者が配置されてきました。今年度は市内で305人の部活動補助指導者が配置されております。本市は、部活動の指導管理に係る新年度の予算額を8,5348,000円としておりますが、その内訳をお示しください。また、本市単費によるものなのか、確認をさせてください。

 次に、新たな配置となる部活動指導員の業務内容と既存の部活動補助指導者との違いについてお示しをください。

 また、本施策の導入への背景と目的をお尋ねいたします。

 どのような方が部活動指導員として求められるのか、その資格要件についても確認いたします。

 夏には、中体連を控える部活も多い中、おのおのの中学校ではいつからの配置及び指導実施となるのか、そのスキームをお示しください。

 この部活動指導員の新規配置、その数は市立の中学校、高校1校につき1名とされております。その理由と根拠についてお尋ねをいたします。

 また、各学校において、どのように部活動指導員の候補者が選定されていくことになるのか、募集や申請など具体な流れについてお尋ねをいたします。

 次に、部活動指導員の報酬について、算定基準をお示しください。また、月に何時間程度の勤務を想定されているのか、お尋ねをいたします。

 これまで本市は、必要に応じて部活動補助指導者を配置してきました。今年度はその数305人。この部活動補助指導者が導入された背景、目的についてお尋ねをいたします。

 また、市内中学校へはこれまでどのくらい配置をされてきたのか、過去5年の推移をお示しください。

 これまで市内各地の中学校で技術指導に当たってこられた部活動補助指導者の皆さんですが、その報酬単価は日額3,800円です。それが新年度からは日額2,800円へと減額となります。その理由についてお尋ねをいたします。

 次に、新年度、各区に係員を増員配置して、精神障がい者の退院後支援を充実させる取り組みについて質問をしてまいります。

 まずは、この施策に至った社会的背景、施策の目的と具体的内容についてお示しください。

 精神障がい者の退院後支援に係る現在の人員体制と、これまでの支援内容についても確認をさせてください。

 新年度、各区に1名ずつ増員となる係員ですが、これまでと同様に保健師または精神保健福祉士を配置されるのか、また、配置後の業務内容についてお尋ねをいたします。

 これまで、精神障がい者への退院後支援について、どのような方がその支援対象とされてきたのか、お尋ねをいたします。新年度からの増員配置後の支援対象者も同様か、あわせて確認をいたします。

 次に、本市が家庭訪問等の退院後支援を実際に行ってきた対象者数について、過去3年の推移をお示しください。また、そのうち、措置入院者の数もお示しをください。

 精神疾患による入院には、患者さん御本人の同意のもとに行われる任意入院、保護者の同意等をもとに行う医療保護入院、行政措置として実施する措置入院、主にこの3つ、3通りがあります。このうち、本市が入退院記録を把握しているのは、措置入院と医療保護入院に限られますので、その2つの入院形態についてお聞きをいたします。

 平成28年度、新規入院の件数と退院件数について、それぞれお尋ねをいたします。

 以上を1問目といたしまして、以降は自席にて行います。

 

議長(川上晋平) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 部活動指導員についてお答えします。

 予算につきましては、部活動補助指導者報償費等4,3927,000円、部活動指導員報酬等3,7563,000円、部活動用具等購入費2828,000円、市立高等学校が県外の大会に参加する場合の経費の一部を補助する部活動振興補助金等103万円でございます。また、部活動指導員の報酬につきましては、その3分の1を国庫補助金として計上しております。

 次に、部活動指導員と補助指導者の業務内容につきましては、部活動指導員は校長の命を受け、顧問として単独での指導や大会への引率等が行えます。一方、部活動補助指導者は、顧問の補助として技術指導を行いますが、単独での指導や引率はできません。

 次に、部活動指導員の導入の背景につきましては、平成29年に学校教育法施行規則の改正により、部活動指導員が法的に位置づけられたことにより、教員の負担軽減や、より専門的な技術指導を行うことによって、部活動の質の向上を図ることを目的に、福岡市においても制度の導入を決定したものでございます。

 次に、部活動指導員の任用につきましては、文部科学省は「指導するスポーツや文化活動等に係る専門的な知識・技能のみならず、学校教育に関する十分な理解を有する者とする」としており、福岡市も同様としております。

 次に、福岡市における部活動指導員の配置につきましては、今後任用に関する事務手続を終わった後、平成30年度のできるだけ早期に配置したいと考えております。

 次に、1校につき1名の配置とした理由につきましては、配置の初年度であることから、まず全ての学校に原則として1名を配置し、その成果と課題を検証するためでございます。

 次に、選考につきましては、部活動指導員を希望する方が各学校に申し込みを行い、学校で面接や書類選考等を通して候補者を教育委員会に推薦し、教育委員会事務局において2次面接等を行い、教育委員会が任用いたします。

 次に、部活動指導員の報酬額につきましては、1時間当たり1,445円としております。また、勤務時間につきましては、月に20時間から30時間程度勤務することを想定しております。

 次に、部活動補助指導者が設置された背景、目的につきましては、競技経験のない教員が顧問として指導する部活動において、顧問の補助として専門的な技術指導を行い、指導体制の充実を図るためでございます。

 次に、中学校における部活動補助指導者の過去5年の配置数につきましては、平成25年度は244人、26年度は269人、27年度は267人、28年度は266人、29年度は2月末現在で304人でございます。

 次に、部活動補助指導者の報償費につきましては、部活動指導員と補助指導者の業務内容の比較や他都市の事例を参考に報償費を見直し、日額2,800円としております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 精神障がい者の退院後支援の充実についての御質問にお答えいたします。

 まず、その社会的背景ですが、精神科病院へ入院された方の中で、帰住先や家族等の支援が得られないなどにより、長期入院している患者がおられる現状があること、また、措置入院者が退院後、医療の中断により再入院となる例も見られることでございます。施策の目的については、長期入院者、措置入院者を含めた精神障がい者が地域で孤立せず、安心して暮らせる支援体制を整備することでございます。具体的な事業内容は、1つ目として、行政、医療、福祉の関係者で構成される協議の場を設置し、精神障がい者支援体制の構築について協議すること、また、2つ目は長期入院者、措置入院者等について、入院中から本人や家族、医療機関、福祉関係者等と協議して、退院後支援計画を作成し、医療を中断せず地域で継続して生活できるよう支援することでございます。

 次に、精神障がい者の退院後支援における現在の人員体制についてですが、各区保健福祉センターに3名から4名の保健師または精神保健福祉士が配置されております。また、支援内容についてですが、本人及び家族や医療機関等からの相談を受けており、必要に応じて家庭訪問等の支援も実施しております。

 次に、各区に増員となる職員についてですが、保健師または事務職を予定しております。また、業務内容については、現在配置している職員とともに、精神保健福祉相談、障がい福祉サービス、精神保健福祉手帳等の申請受け付け、措置診察の調査などへの対応業務、精神保健福祉の啓発等の業務を行うこととしております。

 次に、退院後支援の対象ですが、これまでと同様に、主に長期入院者や措置入院者など、行政、医療、福祉の連携した支援が必要な方が対象で、平成30年度からは支援体制を強化することで、より充実させてまいります。

 次に、過去3年間に退院後支援を含む家庭訪問を実施した方の実数ですが、平成26年度が235人、27年度が230人、28年度が230人となっております。そのうち、措置入院については、平成26年度が62人、27年度が57人、28年度が84人でございます。

 最後に、福岡市における平成28年度中の新規の入院については、措置入院が99人、医療保護入院が2,238人となっております。また、平成28年度中の退院者数については、措置入院の場合が110人、医療保護入院の場合が2,237人となっております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 新村まさる議員。

○33番(新村まさる) まず、部活動指導員についてです。

 国においては学校での働き方改革として、教員の負担軽減のために部活動指導員の活用を推進しています。新年度から部活動指導員が各学校に1名ずつ配置されることによって、具体にどの程度、教職員の負担軽減が図られると認識されているのか、所見をお伺いいたします。

 次に、新年度からの配置は、恒常的な施策として位置づけているのか、それとも有期のモデル事業としての位置づけであるのか、明確にお答えください。また、今後、事業の有益性について検証を行っていかれると思います。その検証指標、項目についてお尋ねをいたします。

 もう間もなくして新年度を迎えるわけですが、本施策の実施や概要について、学校への説明はいつ、どのような手法で行われたのか、また、学校長を初め、学校からは当該施策についてどのような意見が寄せられているのか、お尋ねをいたします。

 次に、配置される部活動指導員に対して、事前に研修制度等を設けることになるのか、設けるのであれば、研修、指導の体制や手法についてお示しをください。

 一方で、従来から配置をされてきました部活動補助指導者ですが、今年度の305人、先ほど2月末で304人とありましたけれども、それから新年度は260人に配置削減が行われるというふうに聞いております。また、報酬単価も下げられます。これらの措置は、今後の部活動環境にどのような影響があるとお考えか、当局の認識をお伺いいたします。

 次に、精神障がい者への退院後支援についてです。

 新年度からの特徴的な取り組みとして、協議の場の設置、それと措置入院者への退院後支援計画の作成、この2つが挙げられます。まずは協議の場の設置についてですが、これは福岡市全体における支援体制のあり方について検討する場や、一方で、支援対象者ごとの個別のケースに応じて、実際に支援協議や調整を行う場など、複数の協議の場を設置していくとお聞きしております。それぞれ構成者や役割、協議事項について、また、今後具体にどのようなスキームで実施をされていくのか、お尋ねをいたします。

 新年度以降、新たに措置入院者への支援計画が作成されるようになることから、行政による退院後支援の継続性、この充実に期待をしたいと思います。あわせて、従来から医療機関によって支援計画が作成されてきた医療保護入院においても、今後、行政がより積極的にかかわっていくことで、総合的な支援が行き届くことを期待いたします。

 今後、重要な役割を担う退院後の支援計画、主にどのような支援項目を盛り込まれるのか、御説明ください。また、どのような進め方で支援計画を作成していくことになるのか、お尋ねをいたします。

 あわせて、支援対象者が退院後、地域生活を再開されて以降のフォロー体制、これについてお尋ねをいたします。

 次に、退院後に支援が必要とされる患者情報の連携について、精神病床を持つ医療機関とは、現在、どのように取り決められているのか、お尋ねをいたします。

 福岡市第5期障がい福祉計画に、精神病床における1年以上の長期入院患者数、この削減目標を定めているようですが、その目標値をお示しください。

 本市における精神保健福祉手帳所持者の数について、過去5年の推移をお尋ねいたします。

 各区役所の窓口では、この間も市民からの精神障がいにかかわる相談支援業務が行われております。過去5年、何件の相談を受けているのか、その推移をお示しください。

 以上、2問目といたします。

 

議長(川上晋平) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 部活動指導員についてお答えします。

 まず、教職員の負担軽減につきましては、部活動指導員を配置することにより、生徒と向き合う時間の確保や週末に教員が休養できることなどが考えられますが、負担軽減による具体的な時間数などの効果については、今後検証してまいります。

 次に、部活動指導員の配置につきましては、期限を定めたモデル事業としては考えておりません。また、検証項目として顧問を担当する教員の部活動に関する従事時間の変化や、生徒の意識調査などを検討しております。

 次に、学校への説明は、平成30年2月22日の校長・園長連絡会で行っております。

 次に、学校からの意見につきましては、校長会、部活動関係者の代表による部活動意見交換会において、部活動指導員を配置することにより、教員の負担軽減になるという意見や外部の方に顧問を任せることで、これまでどおり生徒の学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養が図られるのであろうかとの不安の声が上がっておりました。

 次に、部活動指導員の研修につきましては、辞令を交付する際に行う研修も含めて、年に3回の実施を予定しております。内容につきましては、部活動の意義や生徒の安全管理、体罰によらない指導などについての研修を検討しております。

 最後に、部活動補助指導者の人員及び報償費の減少による影響につきましては、平成30年度は部活動指導員と補助指導者の配置予定人数を合わせると、平成29年度の補助指導者の配置人数より増加しており、指導体制については充実されたと考えております。また、報償費の影響につきましては、今後検証してまいります。以上です。

 

議長(川上晋平) 永渕保健福祉局長。

保健福祉局長(永渕英洋) 精神障がい者の退院後支援の充実についての御質問にお答えいたします。

 設置する協議の場についてですが、福岡市全体の協議の場では、当事者、精神科医療関係者、基幹相談支援センターなど福祉サービス関係者、保健所を含めた行政機関等で構成し、精神障がい者支援体制の構築について協議を行います。

 また、個別ケースの協議の場では、本人、家族、主治医等医療関係者、相談やサービス支援を行う関係機関担当者等で構成し、本人が医療を中断せず、地域で継続して生活できるよう、支援計画の協議を行います。

 次に、退院後支援計画の支援項目でありますが、退院後の医療を継続し、地域で生活するために必要な福祉のサービス、急変時の対応策や相談先、就労等の社会参加の方法等であります。作成については、措置入院、医療保護入院などの入院形態に応じて、保健所、もしくは医療機関が入院中から本人、家族、医療関係者、福祉サービス関係者等と協議を行って作成してまいります。

 次に、支援対象となる精神障がい者への退院後支援体制についてですが、退院後支援計画に基づいて訪問看護、福祉サービス、保健師等による家庭訪問等必要な支援を行ってまいります。

 次に、精神科病床を持つ医療機関との連携についてですが、現在、連携についての具体的な取り決めはございませんが、支援が必要な患者については、医療機関から各区に相談、連絡がなされております。

 次に、第5期福岡市障がい福祉計画に定める精神病床における1年以上の長期入院患者数についてですが、平成32年度における目標値を1,886人としており、平成26年度の2,145人から259人減としております。

 次に、福岡市における精神保健福祉手帳を所持する方の過去5年間の推移についてですが、平成24年度は9,264人、25年度は1万333人、26年度は1万1,273人、27年度は1万2,228人、28年度は1万3,290人となっております。

 最後に、区役所における精神障がいにかかわる相談総数の過去5年間の推移についてですが、平成24年度は6万8,089件、25年度は7万852件、26年度は7万826件、27年度は7万921件、28年度は9万622件となっております。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 新村まさる議員。

○33番(新村まさる) まず、部活動指導員についてですが、多様な技術指導の普及や専任指導体制による部活動中の安全管理の徹底、そして教職員の負担軽減のためにも、さらなる配置の広がりに期待を寄せたいと思います。そのためにも、今後適切に事業検証を実施いただき、成果と課題の洗い出しに努めていただくよう要望いたします。教員の生徒に向き合う時間、授業準備に費やす時間または生徒の部活への意欲や競技能力の向上など、事業検証を適切に行うための検証指標や項目を明確に示していただくよう要望しておきます。

 あわせて、学校現場や生徒、保護者から、継続したヒアリングを徹底いただくよう要望いたします。また、実際に部活動指導員として従事される職員の方の意見についても、これを集約する体制を準備し、今後の現場課題の改善への姿勢を示していただくよう要望いたします。部活動指導員の配置後には、学校内に指導員の管理役として教職員がその担当につくということです。より円滑な連絡や情報共有のための体制づくり、この重要性についても指摘をしておきます。

 本市の中学校の部活動には、現在、1,295のクラブ数があり、顧問を引き受けている教員の数は1,966人も上ります。1校に1人の配置では、あくまでモデル事業の域を出ず、部活動の指導管理に伴う教員負担の抜本的軽減には大きくは寄与しないと指摘をしておきます。今後の成果や課題の検証を踏まえながら、さらなる増員配置を視野に入れた検討を要望しておきます。また、将来に相当数の部活動指導員の配置を進める際には、適切人材の募集や選定にかかる学校負担にも配慮しながら、今後の配置のあり方については、他都市の先進事例や民間のノウハウの活用等、中長期的に情報収集や研究に努めていただきたいと思います。

 そして、近年増配をしてきた部活動補助指導者についてです。新年度からその数を削減し、報酬額も減額となります。この間、生徒への指導に貢献されてきた部活動補助指導者や連携をとり合ってきた学校に対し、丁寧な説明を実施いただくことを要望いたします。また、中長期的な配置方針についても、今後明確に示していただくよう要望いたします。

 次に、精神障がい者への退院後支援です。答弁にありましたように、退院後支援に向けての情報の共有や連携の仕組みについては、これまで、関係医療機関とは特段の取り決めはなかったようです。潜在的な要支援者へ適切な支援が届くためには、医療機関からの迅速な連絡、相談が欠かせません。一人でも多くの要支援者の情報や相談が行政に届けられる体制づくりを要望しておきます。また、協議の場を新たに設置いただいた後には、関係医療機関と本市との連携体制において、画一化されたルールを定めるよう要望いたします。相談、報告、協議が円滑に実施されやすい仕組みづくりが期待されます。また、現場の担当者レベルによる連携が徹底されることをあわせて期待したいと思います。

 これまで措置入院である以外は、関係医療機関からの相談待ちという受け身の姿勢でしたが、今後は医療保護入院や任意入院の場合においても、一人でも多くの潜在的な要支援者に対して、行政がより積極的にかかわる体制づくりを要望しておきます。

 退院後の地域生活の形態として、家族との同居やひとり暮らし、福祉施設などへの入居が考えられますが、いずれにしても居住地域からの理解や支援が極めて重要です。今後、協議の場を設置する上で、民生委員などの地域関係者の意見がしっかりと届く体制づくりが大切である点を指摘しておきます。

 本市が今回打ち出した退院後支援体制の充実への取り組みは、国の施策や指針に基づいたものです。精神病床における長期入院患者数の削減や早期退院率の向上などについて、目標値が定められております。これらは、地域生活への移行支援と言えば聞こえは非常にいいのですけれども、医療費の削減を主目的としているようにも受け取れるわけです。最も大切なのは、退院後の地域生活が困難な当事者、この一人一人に適切な支援が確実に届くことです。個々の状況に合わせた多様な支援のあり方を追求いただきたく要望いたします。また、現場課題や共有すべき事例が一元的に集積する仕組みづくりをあわせて要望いたします。

 精神保健福祉手帳の所持者、当市では近年、障がい児、障がい者ともに増加を見せております。また、各区役所で受ける精神障がいにかかわる相談件数、この4年間で2万件以上もふえております。市内7区の精神保健福祉係の体制ですが、今年度、相談対応に当たっている職員の総人員数、嘱託職員を含めて38名、係員1人当たり年間2,000件を超える相談に対応していることになります。精神障がいに関する相談や支援業務に携わる人員配置について、社会状況や福祉サービスへのニーズを踏まえながら、適切な人員配置を検討いただくよう要望します。この分野の相談には、寄り添いの姿勢や行き届いた配慮が特に必要です。新年度からの7名増員以降も、依然、対応人員が不足となる事態を懸念し、指摘しておきます。

 最後に、入院、退院に限らず、地域で生活する精神障がい者とその家族の悩みや相談をくみ上げ、多様な支援が届きやすい福祉行政の進展を要望して、質疑を終わります。

 

議長(川上晋平) この際、休憩し、午後4時30分に再開いたします。

午後4時18分 休憩  

午後4時30分 開議  

副議長(石田正明) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を継続いたします。

 この際、あらかじめ時間を延長いたします。川口浩議員。

○59番(川口 浩)登壇 まず、ナイスガイでありました三角議員の御冥福を心からお祈りいたします。

 それでは、質問に入ります。

 議案中、少子化問題への対応、教育行政について質問させていただきます。

 まず、少子化問題への対応についてであります。

 福岡市の合計特殊出生率は、平成27年度で全国平均1.45を大きく下回り、政令指定都市中下位の1.33と低迷しております。福岡市として少子化の問題をどのように認識しているのか、今後新たにどのように取り組んでいこうと考えておられるのか、お尋ねします。

 また、諸外国では少子化を克服した国もあり、そのような事例を情報収集して研究すべきであると考えます。例えば、フランスでは国を挙げて少子化に取り組んだ結果、少子化に歯どめがかかったと聞いておりますが、フランスなどでは具体的にどのような施策を打って改善したのでしょうか。きちんと勉強していかなければならないと思いますが、そして当然、委員会と、共通の情報をしっかりと開示して対策を考え、また、必要であれば国に意見していくことも必要と思いますけれども、どうお考えか、答弁を求めます。

 次に、教育行政についてお尋ねします。

 県費負担教職員の権限移譲に伴い、教職員の定数が一挙に増加いたします。また、そのための職員採用も行われているところです。ところが、133名の活用内容の検討に当たり、29年度に重要施策、これは教育委員会さんが出された29年度のやつ(資料表示)は示されたものの、所管の第2委員会への報告等は十分でなく、いきなり当初予算の中で活用計画となっております。少なくとも人員活用について、第2委員会に報告や意見を求めるべきではなかったのか。また、なぜ少人数学級の推進には取り組まれないのか、お尋ねいたします。

 次に、奨学金についてであります。

 福岡市教育振興会の29年度奨学金の採用において、結果として4月まで決定を先送りする補欠制度がいまだにまかり通っております。補欠制度は、借りる立場の奨学生はもとより、親や担任も採用されるか不安な状況に置かれるとともに、不安のまま志望校の決定を行わなくてはなりません。本市は、奨学基金を創設することにより補欠制度をなくすことができるではありませんか。過去にも数回提案しましたが、何も進まない状況です。教育委員会は補欠制度を撤廃する気があるのかどうか、答弁を求めます。

 以上で1問目の質疑を終わり、2問目以降は自席にて質疑させていただきます。

 

副議長(石田正明) 石橋こども未来局長。

こども未来局長(石橋正信) 少子化対策についての御質問にお答えいたします。

 少子化の背景には、未婚化、晩婚化の進行、第1子出産年齢の上昇、長時間労働、子育て中の孤立感や負担感が大きいなどさまざまな要因が複雑に絡み合っており、きめ細かい対策を総合的に推進することが重要であると考えております。このため、福岡市におきましては、若い世代の子どもを持ちたいという希望が実現されるよう、保育料の減額や各種手当の給付など子育てに係る経済的負担の軽減、不妊治療に対する助成や子育て世代包括支援センターにおける支援、産後ケア事業など出産前から出産後、乳幼児期、さらにその先へと切れ目のない支援の実施、保育の受け皿の確保や病児・病後児デイケア事業など多様な幼児教育、保育の提供、また、仕事と子育ての両立に向けた環境づくりなどに積極的に取り組んできたところでございます。今後とも、仕事と生活の調和を進めるとともに、安心して生み育てられる環境づくりに引き続き取り組んでまいります。

 また、御指摘のフランスの少子化対策につきましては、家族手当など各種手当の支給や世帯単位での所得税制度、多子世帯の親に対する年金の優遇措置など、国の家族政策として、これらに必要な国民負担の合意を得つつ、さまざまな取り組みが行われていると聞いております。我が国におきましても、少子化の克服に向けて、諸外国の施策なども踏まえながら対策の検討が行われており、本市としましても、その動向も踏まえながら必要な対応について検討いたしてまいりたいと考えております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) まず、教育行政についての御質問にお答えいたします。

 権限移譲により増加した教職員定数の活用につきましては、福岡市の大きな教育課題である、不登校により教育を受けていない児童生徒が多く存在すること及び基本的生活習慣が身についていない児童生徒が多く存在すること、この2つを最も重視し、速やかに改善を図る必要があったことから、不登校対応教員の配置拡充及び栄養教諭の計画的増員のため、増加定数を活用いたしました。

 教職員の配置につきましては、議会、各校長会及び福岡市PTA協議会からの予算等に関する要望を通してお伺いした御意見を十分に踏まえて行っております。

 そのような中で、権限移譲への対応につきましては、第2委員会の委員の皆様からさまざまな御意見、御指摘を受け行いましたが、権限移譲による課題の中で、特にそれまでの福岡県と福岡市の勤務条件が大きく違っていたことは教職員の勤務条件の基本的なことにかかわることであったため、委員会におきましても、その点の議論が多くなされたように記憶しております。

 権限移譲が行われる中では、その勤務条件についての整理や説明に傾注していたこともあり、定数の活用につきましては、個々にお答えさせていただいてはおりましたが、改めて定数の活用についての委員会報告はしておりませんでした。今後とも、委員会の皆様から御意見をお伺いし、福岡市の子どもたちのために、その時々の教育課題に応じた特色ある定数計画に反映していきたいと考えております。

 次に、少人数学級の推進につきましては、平成21年度に策定した新しいふくおかの教育計画に基づき現行の制度で実施しており、権限移譲後も計画期間の最終年度である平成30年度末までは現行の教育実践体制を継続することとしたものでございます。

 次に、福岡市教育振興会の奨学金につきましては、公益財団法人福岡県教育文化奨学財団が実施する奨学金貸与事業の補完的役割として、福岡市の中学生の進路保障のため、高校進学を希望する生徒を対象に毎年900人の募集枠を設定し、貸与事業を行っております。年4回貸与を実施している県の奨学金よりも毎月貸与を行っている福岡市教育振興会の奨学金のニーズが高く、平成20年度時点で約1,170人であった福岡市教育振興会への申し込み人数が平成30年度は約1,550人に増加しております。このため、福岡市としては、内定後に辞退するケースもあることから、せめて少しでも多くの生徒が奨学金を受けることが可能になるよう補欠の扱いを設けております。

 しかしながら、議員御指摘のとおり、補欠者や保護者が採用が決まるまでの間、不安定な状態に置かれることにつきましては課題があると考えております。今後は、当面は現行の福岡市教育振興会による奨学金制度の運営を継続しながら、課題解決に向けて、まずは福岡県の貸付制度をより充実させていくように県への要望を行うとともに、県と連携し、しばらくの間、不安定な状態に置かれる補欠を生まない仕組みについて検討していきたいと考えております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 川口浩議員。

○59番(川口 浩) まず、少子化問題についてでありますが、局長の答弁をお聞きすると、他人事のように聞こえるんですね。例えば、フランスを例に挙げましたが、ほかにもあると思います。そうしたのは調査もしていないのか。私は資料も要求しました。そういった諸外国、EUとか、特に少子化で苦労した国の事例を出してくれと。手元には来ませんでした。あたかも、これは国の責任と思われているような気がします。

 そうではなくて、やはり政令市でありますから、国もありますが、きちんと私たちの周りの問題でもありますので、諸外国を含め、どういう取り組みをしているのか、他都市は調べてあると思いますけれども、局長が答えたたくさんのメニュー、過去からやっているやつですよ。それから、国の補助のやつ。国は今、処遇改善もしてきていますよ、遅まきながらですけれども、そうした中で、過去には地方創生の石破大臣のとき、せめて1.8を目指すんだと。しかし、実現もできない。このままでは、親が多いときはまだ見えなかったけれども、もういずれ、子どもを生む親の世帯自体が少子化の影響で少なくなる。2を回復しても、2.8を回復しても改善しないんですね。そういう徳俵の状況に追い込まれております。もう他人事では済まされない。ぜひ、こども未来局長、あなたのところで全部というのは大変かもしれないけれども、ほかの局もかかわるわけでね、せめて諸外国がどういう取り組みをしているのか、特別委員会にも報告はないですよ。委員会にもないと思う。国の施策かもしれないけれども、ここまでして、フランスはある程度改善しておる。また、そのほかの国はこういう状況だということぐらい、もうちょっと我が身になって出していただいて、市民一緒にみんなでこの少子化をどう克服していくのか、または国にお願いしていくのかという観点で働きをしなければならないと思います。

 私は、それも出せない、資料を要求しても知らない、そして答弁では、フランスは例えば子どもが生まれたら手当も出しますし、所得においても課税においても優遇があったり、多子だともっとありますけれども、いろいろな施策があると思います。そういうのを議会にも、市の予算をここで決めていくわけですから、もっと情報を出した中で福岡としての問題を洗って、国にお願いすること、市としてやっていくことを考えないといけないと思います。

 特に保育だけではないんですね。少子化の問題は、企業にお願いしなければいかんこともあるし、啓発もしていかなければいかん。保育でもきちんとした情報をもっと出すべきですよ。国の研修があるんだとか、福岡での勤続年数とか、先生が集まらないんだとか、それから、今の定員の2割増しで現状がどうなんだとか、園長会とかでヒアリングをしてどうだというのを特別委員会や委員会に現場の苦労をきちんと出して、そして、予算は厳しい中、ここには力を入れていきたいとかいうことをしなければならない。遅まきながら、こういう状態ですから、福岡県は福岡市、北九州市、久留米市以外には2年間で160万円を出すような議論をされておるでしょう、予算案で。そして、5年働ければ返済義務がないような議論だと聞いております。

 福岡県のほうが厳しい財政、教育予算もそうですよね。県費が市に来て、市はふえたけれども、減った自治体も出てくるわけです。そういった中で、今、子育て、少子化対策に県は向かおうとしているけれども、福岡市には非常に力不足を感じていますが、再度、こども未来局長の、今後、頑張っていきますという言葉を聞きたいんですね。取り組む姿勢をお伺いします。

 次に、教育委員会にでありますけれども、31年までに考えると。でも、133人も来ませんよ、財源も含めてね。だから、あなたたちは議案で市民税を2割、県からもらったわけでしょう。財源も、ほかにも国からもふえるわけで、それは全額分ちゃんとあるかどうかはここでは置いておきますけれども、133人の定員枠をもらったんですよ。県内にはこの分で、今つけていたのがつけられなくなったところもたくさんあるんですよ。

 あなたは去年、平成29年度に出して、言われたんですね。市長も何度も答弁されておりますよ。家庭環境で差がつかんようにということで、具体的な言葉は、読んだほうがよかったら若干読みますけれども、教育の機会均衡とか、貧困の連鎖を絶つ、生まれ育つ家庭環境に左右されない教育の提供とか言ってあるんですね。それは133人分来るのを充ててということだから、これで正規職員を手当てしたとき、ある面では今度は非常勤とかの分が予算上は浮くかもしれない。そういったものをほかの部分につけていく。そして、いざ133人分来ることがないのに、あなたたちは不登校につけた。いいんですよ、全然賛成なんですよ。ただそのときに少人数はどうするんやとかいうそういった方針を、せめて第2委員会等には、こういう状況で市としてはこういうところに力を入れたい、少人数に対しては次の中で考えたいとか、それがいいかどうかは別にして、言わないかんでしょう。

 あなた去年、大見え切ったんだから。せっかく大見え切ったんだから、それが実行できるように、そして、教育委員会は施設の改善計画や過大規模校、小規模校の問題、たくさん抱えておりますよ。大変と思います。お金もかかると思いますけれども、教育委員会の中で議論するのではなくて、しっかりと情報を出して、みんなで考えて、必要ならば計画を早く立てて、平準化も図りながら建てかえに向かってやっていかなければいかん。

 だから、東箱崎小学校について聞いたときも、何かわけのわからん答弁になったんではないかなと思っていますので、去年の気持ちを忘れずに、この133人で終わりじゃなくて、福岡市の教育、金が先に行くんじゃなくて、しっかりやってほしい。パソコンも過去には2人で1個で相談しながらするからいいと。冗談ではないですよ。先生が教えたとき、目の前にあるのがよりベターですよ。これはお隣の釜山でも、交流で行ったとき、パソコン教室は2教室ありました。わあ、すごいなと。これは先を行っておるなと思いましたね。これは負けんためにも、教育という部分にはしっかり力を入れてほしいなと思います。

 それで、振興会は、あなたは今から考えると言うけど、私は10年前から言っていますよ。基金をつくれば。あれで申し込みさせているんだから、親と教師に印鑑打たせて。校長も携わっていますよ。そして、もらえるかもらえんかわからんのが、もう受験終わった4月に言われたって大変なんですよ。もう基金があればと。財政局は、たくさんわけのわからんようなと私は思っているけど、1年前に交通局にある9億幾らを前倒しでやって、次の年やっていない。不急ですよ。不急な基金先渡しをしたり、世界水泳でも去年は補正でつけて、じゃ、年次的に考えていくのかと思ったらことしはない。こんないいかげんな繰り越しをふやさんように、見せるためにとしか思えないような財政運営ですよ。いかがかと思う。

 それから、教育委員会が言っても基金をつくらせないのは財政局ではないかな。教育委員会はお金もあるし、空港の益金もありましたから、こういった不安定な子どもたちが奨学金を申し込める。厳しい人には奨学金をつけていると言うかもしれないけれども、申し込ませているんですよ。基金をつくることによって全員できる。ふえていっていると言うけれども、10年前からそうでしょう。2年間ぐらいゼロにした。私もそのとき言いました。そこからまた復活させて、ふえる分を解消する、補欠を解消する策は打ってこなかった。基金をつくれば済むと思います。

 財政局に聞きたい。財政局は、申し出があったらそういった基金を、積む気があるのかどうか。今、不急の基金とかを積んでいるわけですから。特に財政は、文化面でも障がい児の面でも補正ですればいいんだではないんですよね。当初予算で、しっかり市の方針を見えるように打ち出すべきと思います。基金をつくらせるというか、そういったことを財政局は考えておられるのか、やる気があるのかお伺いし、2問目を終わります。

 

副議長(石田正明) 石橋こども未来局長。

こども未来局長(石橋正信) 少子化対策についての御質問にお答えいたします。

 まず、フランスの家族制度につきましては、先ほど申し上げましたとおり、子育て世帯への現金給付として、多種多様な家族給付や多子世帯ほど所得税の適用税率が低くなるN分N乗方式の税制度、さらには3人以上の子を養育した両親おのおのに対して基礎年金額の10%を加算する優遇措置など、国の政策としてさまざまな制度が設けられております。

 その結果、フランスの家族関係社会支出のGDPに対する割合は日本の2倍以上となっておりますが、我が国において、こうした制度を導入するとすれば、その前提として、家族観そのものの議論とあわせまして、租税負担率や社会保障負担率を大幅に引き上げることについて国民的なコンセンサスが必要になると考えております。

 また、スウェーデンについても同様でございまして、出産、育児休業時の経済的保障として、育児休業をした期間について、夫婦合計480日間、おおむね従前所得の80%相当額を支給する両親手当や、子の人数がふえるごとに多子加算がある児童手当などの制度がございます。スウェーデンについても、日本を上回る租税負担率や社会保障負担率でございます。

 現在、我が国においても、ことし1月、内閣府特命担当大臣のもとに少子化克服戦略会議が設けられたところであり、本市としましても、その動向も踏まえながら、必要な対応について検討を続けてまいりたいと考えております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 定数の活用やICT教育の活用など、現在のさまざまな課題が教育行政にはございます。第2委員会の委員の皆様方の御意見も伺いながら、これらについてしっかりと取り組んでまいります。

 

副議長(石田正明) 赤岩財政局長。

財政局長(赤岩弘智) 奨学金に関する御質問にお答えいたします。

 教育委員会からは、課題解決に向けて福岡県の貸付制度をより充実させていくように県への要望を行うとともに、県と連携し、補欠を生まない仕組みについて検討していくと聞いておりますので、財政局におきましては、教育関係予算を所管する教育委員会との連携を密にし、よく事情を聞きながら、引き続き市民生活に必要な行政サービスを安定的に提供しつつ、全体最適の観点から都市の成長と生活の質の向上の好循環の推進に資する予算を編成できるよう適切に対応してまいりたいと考えております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 川口浩議員。

○59番(川口 浩) こども未来局長から答弁いただいたんですけれども、今答えられるのならば、そういったスウェーデンなりフランスの状況を委員会で、よそはこういうことをして取り組んでやっと快方に向かいよりますよという情報をお持ちなら、委員会や特別委員会に出したらどうかと言っているんです。まねしろとは言っていないんですよ。その中で、またそれ以外の福岡の個別な問題を、例えば、保育士だったら長く働いてないんですよね、先生足らないんですよねと出して、議論しなさいよと。これを聞かれるとわかったから、うろたえて調べたような答弁としか思えないんですね。せっかく答えられるなら、そういった状況をもっと調べて、当該委員会等に資料として提出いただきたい。そうすれば、みんなで議論できるではないですか。そういう市政に変えていかないと、トップダウンで任しとけ、うまくいきませんでしたと。待機児童ゼロになったのもカウントの仕方の影響が物すごく多いですよ。今の、5カ所行かにゃいかん。このカウントで本当に未就園児のカウントが適正なのか疑問もありますけど、そういうふうなものの情報を出してください。出して、議会で議論できるようにしてほしいと思います。

 奨学金についてですけれども、財政局さん、県とということを協議会は言いますけど、違うんですよ。福岡市がやっぱり責任を負わなければいかんと思います。基金をつくれば当面は解消できるんですよ、幾らかでも。毎年頭に六十何億円かぐらいもらって、年度末に返して、銀行金利もかかっているんですよ。基金があれば、そこの足らない部分は基金を活用して来年度にできるんですよ。すぐにでもできるんですよ。全額基金じゃなくてもできるんですよ。

 あなたが去年言った貧困の連鎖を絶つ、そしたら、速やかに奨学金の補欠をなくしていくというのが教育長のスタンスではないですかね。最後に、教育長の今後の取り組みの姿勢を聞いて、質疑を終わります。

 

副議長(石田正明) 石橋こども未来局長。

こども未来局長(石橋正信) 少子化の件に関しまして、特別委員会では、少子化対策を含む具体的な子育て支援策の取り組みについて、その進捗状況や進みぐあい等を御審議いただいておりまして、今後の少子化を含む全体的な、国も含めた方向性につきましては、先ほど申しました内閣府特命担当大臣のもとに克服戦略会議が設けられたところでありまして、本市としましても、その動向も踏まえながら必要な対策を検討していきたいと考えております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 教育委員会は、生まれた環境に左右されない、子どもたちを守る教育をやってまいります。

 奨学金につきましても、現在の枠組み、そして、これからの課題も検討しながら、しっかりと取り組んでまいります。

 

副議長(石田正明) 天野こう議員。

○34番(天野こう)登壇 質問に入ります前に、去る2月19日に御逝去されましたみらい福岡市議団、故三角公仁隆議員の御冥福をお祈りしますとともに、心より哀悼の意を表します。

 私は、生の松原海岸森林公園のあり方について質問します。

 西区の唐津街道沿いに約3キロメートルにわたって広がる松林は、県指定の玄海国定公園の一部でもあり、周辺には元寇防塁も残されているなど、非常に自然環境や歴史資源に恵まれた場所に当該公園は所在しております。比較的、市の中心部に近い場所であるにもかかわらず、松林を初めとした多様な自然に恵まれ、多くの市民から親しまれている公園です。

 では、まず初めに生の松原海岸森林公園の概要及びその設置の経緯についてお尋ねします。あわせて、本市で実施している公園管理の内容についてもお尋ねします。

 次に、当該公園にとって欠かせない存在なのが松林です。福岡市博物館の資料によりますと、唐津街道沿いの松林は、江戸時代の初期から住民や旅人などから親しまれ、美しい松林の景観を保ってきたようです。もちろん、風致景観のみならず、潮風や砂の害から人家などを守っており、地域にとっても、また、本市にとっても欠かせない存在となっております。長い年月を経て、守り育てられてきた松林ではありますが、松林の保全、育成に関して、現在、本市ではどのような取り組みを行っているのか、お尋ねいたします。

 また、市民に親しまれている公園である一方で、地域住民とのかかわり方も住宅地に隣接していることから重要になってきます。現在、地域ではどのような取り組みを行っているのか、お尋ねします。

 1問目の最後に、公園内部の自然についてお尋ねします。

 松林は、公園以外にも海岸側や九州大学演習林にも存在しますが、景観に大きな違いがありました。公園以外の場所においては松林が整然と並んでおり、他の樹種がほとんど見受けられないのに対し、公園においては、さまざまな広葉樹が混在した状況が見てとれました。公園開園当初よりあった広葉樹が長期間にわたって増加した現在の状況は、松林の保全、育成の観点で見たときに望ましくない状況ではないでしょうか。とはいっても、広葉樹は大小さまざまな樹種にあふれており、市民からも親しまれていることから、広葉樹も公園の自然を形成する上での必要な存在と言えます。自然のあり方として、現在の状況をどう捉えればいいのか、端的に言えば、松林と広葉樹は長期的に共存可能なのかどうか、本市の御所見をお尋ねします。

 以上で1問目を終了し、2問目以降は自席にてお尋ねします。

 

副議長(石田正明) 光山住宅都市局長。

住宅都市局長(光山裕朗) 生の松原海岸森林公園についてお答えいたします。

 生の松原海岸森林公園は、福岡市の代表的な松林である生の松原において、九州大学農学部附属福岡演習林の早良実習場として保全、育成されていた松林の一部について、市民に開放された公園とするために、九州大学から約16.4ヘクタールの用地を取得し、平成10年から12年度にかけて風致公園として整備を行っております。

 整備の概要といたしましては、松林の自然を生かしながら、公園の外周部や樹林内に園路や広場を整備し、散策や休養の場として市民の皆様に利用されております。

 次に、公園管理の内容につきましては、指定管理者において、日常の巡回、公園の園路沿いや芝生広場における年3回程度の除草を行うとともに、必要に応じて公園利用や周辺環境に支障となる樹木の剪定を実施いたしております。

 次に、松林における保全、育成の取り組みにつきましては、農林水産局において、九州大学を初め、福岡県や地元の自治協議会などと連携を図り、薬剤散布などの松くい虫対策事業に継続して取り組むとともに、定期的に被害調査を行い、病気などにより枯れた松については計画的に伐採するなど、被害の拡大防止に努めているところでございます。

 次に、地域の取り組みにつきましては、公園愛護会の取り組みのほか、地域の方々が中心となって平成25年に組織された生の松原緑地保全会議において、松の植樹や清掃などのボランティア活動を実施されるとともに、自治協議会においては、松林の現状を広く市民に知っていただく松原サミットなどが開催されております。

 次に、松林と広葉樹の共存についてのお尋ねでございますが、現在、生の松原海岸森林公園においては、広範囲にわたって広葉樹が混在しており、自然に任せていれば、長期的には松林から広葉樹林へと植生が変わっていくことが予想されます。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 天野こう議員。

○34番(天野こう) それでは、2問目に入らせていただきます。

 面積は約16.4ヘクタールもある広大な公園で、整備されてから16年以上が経過しております。松林の保全、育成に関しましては、松くい虫対策が重要です。事前にお聞きしたところによると、公園内の松くい虫被害の推移は、平成24年度が1,565本に対して平成28年度が216本と7分の1以上被害本数を減少させることができております。平成28年度には、ドローンを用いた松林の現況調査を行うなど、引き続き効率的、効果的な対策を講じていく必要がありますが、松くい虫対策は今回の質疑の主題ではありませんので、取り上げるのはこの程度にとどめておきます。

 指定管理者の公園管理業務をお示しいただきました。公園管理において、しっかりと業務を行っていただいているものと思いますが、当該公園は森林公園という名のとおり、松林を初めとした豊かな自然を有している特徴があります。

 御答弁いただいた風致公園とは、都市計画法上の都市公園の一種であり、樹林地などの良好な自然的環境を形成する土地を指します。自然公園法における自然公園が土地の権原にかかわらず、その指定区域内の風致を維持するため、厳しい土地利用の制限がある一方で、風致公園は原則として設置者に土地の権原があり、風致の享受のために配置された営造物公園です。そういった公園の特徴を鑑みれば、松林を初めとしたさまざまな樹木に対して全く手を加えずに守っていくというより、風致と呼ばれる自然の風景などの趣や味わいを維持していくための積極的な自然の管理、保全が求められてくると思います。そういった背景からも、一般の公園管理業務のみならず、自然にフォーカスをした保護や管理業務を当該公園で行っていく必要があると思いますが、現在の公園管理の範疇において、そのような視点は持っておられるのか、お尋ねいたします。

 地域活動においては、植樹や清掃ボランティアを行っていただいていたり、サミットを開催するなど精力的に活動していただいているようです。先ほどの御答弁の中で、指定管理者においても、園路沿いや芝生広場の除草などを行っているとのことでした。難しい作業でない場合の維持管理業務、清掃活動においては、地域ボランティアと指定管理者で重なる活動内容もあるかと思いますが、現時点で指定管理者は地域とどのような連携、協力を行っているのか、お尋ねいたします。

 また、広大な公園で樹木が生い茂っているためか、ごみの不法投棄が後を絶たないとも聞きます。中には悪質な大型の事業系ごみが捨てられてしまうケースもあるようで、公園の管理上問題なだけではなく、治安や悪臭といった周辺地域や公園利用者に対する迷惑のもとともなってしまっております。いかに犯罪を減らすかという点においては、県警との連携が必要になってきますが、防犯カメラの設置を検討するなど、今後どのように園内の不法投棄対策に取り組んでいかれるのか、お尋ねいたします。

 2問目の最後に、園内の自然のあり方についてお尋ねいたします。

 松林と広葉樹の関係を今後どう考えていくのか、難しいテーマかと思います。御答弁によりますと、次第に樹種の群落が移り変わっていくとのことで、これは生物学的に遷移といいますが、このままでは長期的に広葉樹林化していくようです。裏返した言い方をすれば、松林はいずれなくなってしまう可能性があるのです。現在は、その過程において混在している状況ではありますが、早い段階から松林を中心とした公園内の自然のあり方に関して、保全に向けた議論を行っていく必要性を感じます。広い園内の広葉樹を全て伐採して松林だけを保全していくことは、予算的にも難しいでしょうし、利用者にも親しまれている広葉樹も多く存在することから、市民もそれを望んでいるとは思えません。ただ、本市が管理運営する公園として、今後、長期的にどのような生の松原海岸森林公園を目指すのか、現時点ではどのようにお考えでしょうか、御所見をお尋ねします。

 2問目を終わります。

 

副議長(石田正明) 光山住宅都市局長。

住宅都市局長(光山裕朗) まず、公園の管理業務における自然保護などの視点についてのお尋ねでございますが、かなたけの里公園など一部の公園では、自然環境の保全に視点を置いた管理業務を行っておりますが、生の松原海岸森林公園では、通常の一般的な公園の管理業務のみを行っているのが現状でございます。

 次に、指定管理者と地域との連携につきましては、両者が連携をとり合い、地域ボランティアの皆様が除草や清掃活動を行った際のごみを指定管理者が回収するなどの連携をとっております。

 次に、公園内の不法投棄につきましては、指定管理者が日々の巡回の際に速やかに回収するとともに、必要に応じて県警に通報しております。また、防犯カメラの効果的な設置などについて、県警と協議を進めているところでございます。

 次に、松林保全の長期的な方向性のお尋ねでございますが、生の松原海岸森林公園は、福岡市の代表的な松林である生の松原の一部を市民に開放された公園として整備したものでございますが、自然に広葉樹がふえつつある中で、今後の保全、育成や管理をどのようにしていくのか、課題であると認識しております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 天野こう議員。

○34番(天野こう) では、3問目に入らせていただきます。

 まず、公園管理における自然環境の保全についてでありますが、かなたけの里公園などではそういった視点を持っているものの、生の松原海岸森林公園ではそういった視点は持っていないということでした。私も地域の声や管理実施体制などから、その点の物足りなさを感じているところです。

 地域の方の話によると、以前は園路に落ちた松葉をブロアという清掃用具で飛ばしても、そのままその松葉を林の奥に放置していたとのことで、今は改善されたようでありますが、松林内の生態系に配慮する意識が足りなかったのかなと疑ってしまいます。また、園内にはニセアカシアという松の肥料木とも言われる樹種が多数生育しており、環境省では要注意外来生物に指定しております。その旺盛な繁殖力から、導入当初は肥料木であったにもかかわらず、松を被圧するとも言われておりますが、現在は松とニセアカシアなどの広葉樹のあり方に関して整理された考えが公園内にないため、ほとんど駆除がされておらず、地域住民としても気をもんでいるようでありました。

 また、当該公園の平成28年度における事業評価表の項目においても、自然の保護、管理に関する項目がなく、業務の範疇において自然保護の観点が欠けているようにも感じました。現在の管理体制は、公園の管理には精通していても、自然保護に関する業務の少なさ、意識の低さが地域の持つ不満のもととなっているのではないでしょうか。

 一方で、御答弁いただいた、かなたけの里公園の平成28年度の事業評価表を見ますと、公園施設の適切・効率的な維持管理という項目において、選定委員会のコメントとして、植物管理マップの作成や生物多様性配慮型管理などを行っているとあったり、生の松原海岸森林公園にはない項目として、環境への配慮という評価項目があり、その委員会コメントとしても、ヘイケボタルの生息湿性地の保全など環境に配慮した管理運営がなされているとありました。

 生の松原海岸森林公園も、かなたけの里公園とはまた違った自然の魅力を抱えておりますし、保全をしていく必要があります。生の松原海岸森林公園においても、かなたけの里公園のように公園の管理業務の中にそういった自然保護の観点を盛り込んだ指定管理者の事業評価項目を追加するなどの自然への配慮を検討するべきではないかと考えますが、御所見をお尋ねします。

 地域と指定管理者との連携について、地域が集めたごみの回収を行っているとのことです。ただ、地域の声としては、まだまだ十分な連携、コミュニケーションがとれていないとも聞きます。ごみの回収だけでは直接顔を合わせる機会も乏しいでしょうし、除草など活動が重なる作業を一緒に行うなどしてこそ、密な連携が可能ではないでしょうか。指定管理者の事業評価の中にも地域との連携に関する項目があり、しっかりと取り組んでいただく必要があります。さまざまな連携が図れる場合、本市の公園管理上のメリットのみならず、公園利用者の利便性の向上にも資することにつながります。本市として今後どのように指定管理者に対して地域との連携を促していくのか、お尋ねいたします。

 地域活動が活発でないと、こういった話はしにくいわけではありますが、生の松原海岸森林公園を取り巻く地域においては、積極的なボランティア活動が見受けられます。1問目で触れていただきましたが、先月の17日には西区さいとぴあにて松原サミットが開催され、私も行ってまいりましたが、どのように今後松林を守っていくのか、九州大学の教授や松林の近隣に所在している福岡舞鶴高校の高校生も交えて積極的な議論が展開されておりました。

 このように、地域にとっても松林を守っていこうという意識が非常に高いことが感じられたのですが、一方で、サミットの重要課題の一つでもあったのが活動ボランティアの不足でした。長年携わってこられた方々も高齢化が進み、メンバーも固定化しつつあるとのことでした。私も時間を見つけて参加はしておりますが、年々、ボランティア参加者は減少しているともお聞きしました。本市にとっても、広大な公園を行政だけで清掃を行っていくことも大変ですし、地域活動のおかげもあって今日の公園が保たれていると思います。

 こういった松林を保全するボランティア活動がまだまだ知られていない現状もあると思いますので、活動の紹介等をさまざまな広報媒体を通して認知度を高めることでボランティア参加者がふえ、活動が活性化していくことを願いますが、例えば、福岡市緑のまちづくり協会の広報誌に取り上げていただくことなどは可能でしょうか。今後の地域活動支援の取り組みをお尋ねいたします。

 3問目の最後に、園内の自然のあり方についてお尋ねいたします。

 松林と広葉樹の長期的な保全管理について、課題としての認識はあるようですが、具体的な検討までは至っていないかと思います。自然の遷移による今の現状と将来的な予測は、公園開園当初は想定していなかったかもしれませんが、広葉樹への遷移が進んできている現状を鑑みますと、公園の管理者として本市が長期的な方向性を指し示す責任があると思います。ただ、どの程度松林を保全し、どの程度広葉樹を保全するのかは難しい課題でありますし、行政だけで結論を出すことは極めて困難であるように感じます。検討を進める際には、地域活動に携わっていただいている方々はもちろん、学識経験者の方々のさまざまな知見を参考にさせていただくなど、多くの関係者を巻き込んで長期的な方向性を指し示すべきであると考えます。結論を出すには、1年や2年で済まない大変難しい議論や合意形成が必要かもしれませんが、このまま放っておくわけにはいきません。

 冒頭にも述べましたが、江戸時代から続く先人が長い年月をかけて守り育ててきた松林を、今後、将来世代にも安定して引き継いでいくためにも、生の松原海岸森林公園の長期的な松林を初めとした自然の保全管理のあり方に関して検討していくことができないか、御所見をお尋ねして私の質問を終わります。

 

副議長(石田正明) 光山住宅都市局長。

住宅都市局長(光山裕朗) まず、公園の管理業務に自然保護などの観点を盛り込んだ評価項目を追加すべきとのおただしにお答えいたします。

 生の松原海岸森林公園の維持管理につきましては、平成19年度に指定管理者制度を導入しておりますが、現在のところ、事業者選定の際の評価項目として自然環境の保護に関する項目は設定していないことから、議員御指摘の点も踏まえ、今後検討してまいります。

 次に、地域と指定管理者との連携につきましては、地域から連絡を受けたごみの回収については今後も継続していくとともに、松林の保全を初め、適切な維持管理の観点から、地域の皆さんとより連携するよう指定管理者に対して指導してまいります。

 次に、ボランティア活動につきましては、公園を管理する上で市の予算や人員が限られている状況の中、地域住民などによりますボランティア活動は大変ありがたいものと認識いたしております。

 おただしの生の松原緑地保全会議の活動に対しましては、福岡市緑のまちづくり協会が実施しております地域の森づくり活動支援事業により年間10万円を助成するとともに、同協会の会報誌やホームページにおいて活動を紹介するなどの支援を行っております。また、福岡市といたしましても、NPOボランティア交流センターあすみんのホームページへボランティア募集を掲載するなど積極的に支援を行ってまいります。

 最後に、松林を初めとした自然の長期的な保全管理のあり方についてお答えいたします。

 当該公園を形成する松林は、生の松原として広く市民に認知されており、また、防風保安林として住宅地を潮風から守る役割も果たしておりますが、近年、松枯れが進む一方、松以外の広葉樹も多く混在する状況となっております。議員おただしのとおり、どこまで松林を保全するのかにつきましては、管理や植生などの観点からさまざまな考え方があり、今後、専門家や地域の皆様の御意見も伺いながら、生の松原海岸森林公園の長期的な維持管理のあり方について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 以上で質疑を終結いたします。

 この際、お諮りいたします。

 ただいま議題となっております議案66件については、61人の委員をもって構成する条例予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

副議長(石田正明) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま設置されました条例予算特別委員会の委員の選任については、本市議会議員の全員を指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

副議長(石田正明) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。

 次に、今期定例会において受理した請願は、お手元に配付の請願文書表のとおりであります。これをそれぞれ所管の常任委員会に付託いたします。

 以上で本日の日程は終了いたしました。

 次の会議は3月28日午後1時10分に開きます。

 本日はこれをもって散会いたします。

午後5時19分 散会