平成30年3月6日(火)


平成30年第1回福岡市議会定例会

議  事  日  程 (第5号)

                             3月6日 午前10時開議

第1 議案第30号ないし議案第95


本日の会議に付した事件

議事日程のとおり


出 席 議 員 (61名)

1番  鬼 塚 昌 宏       2番  堤 田   寛

3番  調   崇 史       4番  津 田 信太郎

5番  大 森 一 馬       6番  大 原 弥寿男

7番  平 畑 雅 博       8番  打 越 基 安

9番  冨 永 計 久      10番  森   英 鷹

11番  川 上 晋 平      12番  稲 員 稔 夫

13番  大 坪 真由美      14番  中 島まさひろ

15番  川 上 陽 平      16番  古 川 清 文

17番  高 木 勝 利      18番  篠 原 達 也

19番  飯 盛 利 康      20番  今 林ひであき

21番  阿 部 真之助      22番  尾 花 康 広

23番  松 野   隆      24番  楠   正 信

25番  福 田 まもる      26番  南 原   茂

27番  おばた 久 弥      28番  光 安   力

29番  山 口 剛 司      30番  石 田 正 明

31番  大 石 修 二      32番  黒 子 秀勇樹

33番  新 村 まさる      34番  天 野 こ う

35番  浜 崎 太 郎      36番  橋 田 和 義

37番  堀 内 徹 夫      38番  とみなが正 博

39番  森   あや子      40番   欠   員

41番  綿 貫 英 彦      42番  熊 谷 敦 子

43番  倉 元 達 朗      44番  富 永 周 行

45番  荒 木 龍 昇      46番  国 分 徳 彦

47番  笠   康 雄      48番  藤 本 顕 憲

49番  星 野 美恵子      50番  中 山 郁 美

51番  ひえじま俊 和      52番  高 山 博 光

53番  近 藤 里 美      54番  田 中しんすけ

55番  落 石 俊 則      56番  田 中 丈太郎

57番  太 田 英 二      58番  池 田 良 子

59番  川 口   浩      60番  阿 部 正 剛

61番  栃 木 義 博      62番  江 藤 博 美


欠 席 議 員 (0名)


説明のため出席した者

市      長                   島 宗一郎   副市長                    貞 刈 厚 仁

副  市  長                  中 園 政 直   副市長                     荒 瀬 泰 子

水道事業管理者              清 森 俊 彦   交通事業管理者        阿 部   亨

総務企画局長                  中 村 英 一   財政局長                 赤 岩 弘 智

市民局長                        下 川 祥 二   こども未来局長         石 橋 正 信

保健福祉局長                   永 渕 英 洋   環境局長                 吉 村 隆 一

経済観光文化局長            島   収   農林水産局長            則 松 和 哉

住宅都市局長                  光 山 裕 朗   道路下水道局長         三 角 正 文

港湾空港局長                   中 村 貴 久   消防局長                  山 下 周 成

会計管理者                     水 町 博 之   東区長                     小 西 眞 弓

博多区長                        宮 島 哲 瑞   中央区長                  池 見 雅 彦

南区長                           細 川 浩 行   城南区長                  梶 原 信 一

早良区長                        坂 本 秀 和   西区総務部長            藤 尾   浩

教育長                            星 子 明 夫   教育委員                  松 原 妙 子

選挙管理委員会事務局長  宮 崎 晶 子   人事委員会事務局長  立 石 茂 喜

監査事務局長                 落 石 稔 彦


職務のため出席した事務局職員

議会事務局長  土 井 裕 幹   議会事務局次長  金 子 佳 史

議事課長         着 一 孝   議事係長            中 村   博

外関係職員


午前10時 開議  

議長(川上晋平) これより本日の会議を開きます。

 日程第1、議案第30号ないし議案第95号、以上66件を一括して議題とし、昨日に引き続き各派代表による質疑を行います。発言通告者のうちから順次質疑を許します。綿貫英彦議員。

 

○41番(綿貫英彦)登壇 皆様おはようございます。質問に入ります前に、2月19日、三角公仁隆議員の御逝去に際し、心より哀悼の意を表します。

 私は日本共産党市議団を代表して、島市長の施政方針と2018年度予算案及びその他の諸議案について、市長並びに教育委員会等に質問いたします。

 初めに、安倍政権の政治に対する島市長の態度についてです。

 朝鮮半島でアメリカ、北朝鮮の間の緊張が高まり、もし戦争となれば核兵器の使用も考えられ、福岡市民を含め、数十万人の一般市民が犠牲となりかねません。ところが、軍事力行使を含めた全ての選択肢はテーブルの上にあるとするアメリカのトランプ政権の立場を安倍政権は支持し、対話否定を繰り返しています。アメリカが核態勢の見直し、いわゆるNPRを発表し、核兵器を使いやすくする方針を打ち出すと、日本政府は高く評価するという談話をいち早く発表し、軍事演習の再開までけしかけました。南北会談が開かれ、対話と平和解決の機運が広がる中で、その孤立の姿は余りにも異様です。

 市長は安倍政権に対して、対話による平和解決を働きかけるべきではありませんか、御所見をお伺いいたします。

 また、国に対し、国民の知らないうちに戦争に参加するおそれのある安保法制、いわゆる戦争法の廃止を求めるべきではありませんか、答弁を求めます。

 かつて福岡市は朝鮮戦争の際に米軍の兵たん基地となりました。軍用道路の工事や看護師、船員の徴用など、多くの市民が軍事動員をされた歴史を絶対に繰り返してはなりません。市長はいかなる国の先制攻撃をも絶対に支持せず、博多港や福岡空港の軍事利用を拒否するとともに、板付米軍基地の早期返還を求めるべきではありませんか、答弁を求めます。

 北朝鮮に対し、非核化を迫る上でも、日本政府は人類史上初めて核兵器を違法とした核兵器禁止条約に参加し、核抑止力に頼る道をやめるべきです。市長は安倍政権に条約への参加を直接働きかけるとともに、ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名、いわゆるヒバクシャ国際署名を市長が先頭に立って取り組むべきではありませんか、御所見をお伺いいたします。

 暮らしと経済の問題でも、安倍政権の暴走は福岡市民に大きな被害を与えようとしています。社会保障をめぐっては、経済財政諮問会議や財政制度等審議会などで改悪の方向が打ち出され、医療では75歳以上の窓口負担の2割への引き上げ、介護では要介護1、2の在宅サービスを保険給付から外すこと、生活保護では基準の大幅引き下げなどが狙われています。消費税の10%への増税についても、2019年から実施する姿勢を崩していません。さらに、労働法制については、いわゆる残業代ゼロ法案や、過労死レベルまで残業を合法化し、偽りのデータを答弁に使って、ただ働きの裁量労働制を拡大する労働基準法等の改悪案を強行しようとしています。

 市政は国の悪い政治から市民を守る防波堤になるべきであり、国に対して、これらの社会保障改悪、消費税10%増税、労働法制改悪を中止するよう強く求めるべきではありませんか、御所見をお伺いいたします。

 次に、島市長の市政運営方針の基本点と新年度予算案の基調についてです。

 こうした安倍政権の暴走から市民の暮らしを守る防波堤となるのが自治体の役割のはずですが、島市長の市政運営方針と新年度予算案は逆に大型開発と規制緩和の推進、自助、共助の名のもとに公助を投げ捨てた社会保障の解体など、安倍政権の実験場とも言うべき中身となっています。都市の成長を看板にした大型開発と規制緩和の路線については、新年度も天神ビッグバンのさらなる加速、ウォーターフロントネクスト、国家戦略特区を生かした国の規制改革と市独自の施策の組み合わせといった中身がめじろ押しです。しかし、島市長が就任する前の2009年度と最新の年度を比べると、市内の大企業の内部留保は3,339億円もふえ、法人企業の所得は1.4倍に膨れ上がりました。他方で、市内の企業が従業員に払う市内雇用者報酬は減り、家計の可処分所得もマイナスになっています。

 結局、島市長の2期8年のもとで、市長の掲げる都市の成長と生活の質の向上の好循環、すなわち大型開発と規制緩和の路線を進めれば市民にもそのおこぼれが回ってくるというトリクルダウンのやり方は、一部の大企業のみが潤い、市民は貧しくなっただけ、完全に破綻したのではありませんか、答弁を求めます。

 次に、新たな市民いじめの計画である政策推進プラン、行政運営プラン、財政運営プランについてです。

 昨年度で終了した行財政改革プランによって、市民には市立幼稚園の全廃など113項目、490億円もの切り捨てと負担増が押しつけられました。これにかわる新しい3つのプランでは、社会保障関係費や施設改修、修繕等の経費がふえていくことが目のかたきにされています。その中心に据えられているのが敬老金や福祉乗車証の廃止、高齢者乗車券の縮小に示された配る福祉から支える福祉へという施策にほかなりません。これは年初に島市長が職員を前に、これからは税金で全部賄うというやり方はもう古いと述べたように、公的な責任を取り外して、ボランティアにただでやらせる、頑張った者だけに御褒美を与える、安上がりで民間に丸投げするというもので、社会保障を解体する思想だと言わねばなりません。安倍政権は我が事・丸ごとの地域共生社会づくりを掲げて、行政が地域福祉から手を引き、町内会やボランティアなどに押しつける仕組みづくりに血道を上げていますが、この分野でも島市長は安倍政権の先兵の役割を買って出ています。

 市民に犠牲を押しつけ、福祉を壊す政策推進プラン、行政運営プラン、財政運営プランを中止すべきではありませんか、御所見をお伺いいたします。

 以上述べてきたように、島市長のやり方では市民の暮らしも市財政も破綻します。安倍政権と一体になった大型開発と規制緩和の路線を改めるとともに、暮らしと福祉、貧困対策、教育、子育て支援、地元中小業者支援、防災を大幅に拡充する、市民が主人公の予算へと組み替える必要があるのではありませんか、市長の所見を伺います。

 次に、無駄な大型開発と規制緩和について質問いたします。

 第1は、天神ビッグバンについてです。

 天神や博多駅など、人が集中するエリアで、航空法では許されない高さのビル建設を国に認めさせ、推進するという島市長の都市政策は、まさに市民の安全を顧みない異常な姿勢だと言わざるを得ません。天神ビッグバンはさらに容積率の規制も緩和し、床面積を1.7倍にまでふやしてやるなど、大企業ビルの建てかえ促進のために法も条例もねじ曲げる異常な財界、西鉄言いなりの開発計画であります。天神の交通渋滞、避難場所不足、地価高騰による住民や商店追い出しなど、市民の命と暮らしを脅かす計画にほかならず、地下道の設置や新たな天神通線の整備等々への公費の投入で市民に莫大な借金を押しつけるものです。

 したがって、市民生活にも市財政にも大変な悪影響を及ぼす、この天神ビッグバンは直ちに中止するとともに、航空法上、危険な高さ制限の緩和はやめるべきだと思いますが、答弁を求めます。

 第2は、ウォーターフロント地区再整備についてです。

 市は福岡都心部の国際競争力を強化するとともに、MICEやクルーズなどの需要の増加に対応するなどと称して、あからさまな財界奉仕のため、30年もかけての中央、博多ふ頭の再整備、大改造計画を強引に推し進めています。内容は大型クルーズ船が複数同時着岸できる岸壁を初め、新たな埋め立て、第2期展示場、立体駐車場、回遊のための巨大な歩道橋に、都市計画道路であり、さらに、市民が現に活用しているサンパレスや国際センターを市のアセットマネジメント方針とも矛盾する形で壊し、新たなホールやホテルづくりを行う等々、大企業が喜ぶ大型公共施設建設と埋め立てを中心に大型商業施設用地の確保など、莫大な公金の投入と市の借金を激増させる計画にほかなりません。

 まさに市民にとって不要不急のものであり、一部の大企業のみをもうけさせ、いまだに総事業費も明らかにできず、市財政に破綻をもたらすことは必至のウォーターフロント地区再整備計画は直ちに中止すべきだと思いますが、お尋ねします。

 さらに、島市長は自分の夢だとして、かつてJR九州が提案していたウォーターフロント地区と博多駅を結ぶロープウエー構想を突然具体化しようとしています。しかし、これについて委員会で与党議員等からも、既に本市議会で十分論議され、退けられた案だと厳しく指摘されているとおり、公金の無駄遣いにほかならず、直ちにロープウエー構想の検討を中止すべきと思いますが、答弁を求めます。

 第3は、巨額の税金を投入し続けている人工島事業についてです。

 みなとづくりエリアについては、新年度、4工区の地盤改良、コンテナターミナル機能強化、臨港道路整備などの計画となっていますが、博多港コンテナ取扱量は2017年に92万TEUと過去最高となったものの、第9次福岡市基本計画で掲げた中間目標105万TEUを大きく下回り、6万トン級以上の大型コンテナ船についても、2014年以降、一隻も入港していないのであります。

 したがって、130万TEUを前提とした15メートル水深の人工島D岸壁の整備や大型コンテナ船対応のための東航路整備事業は税金の無駄遣いであり、やめるべきではありませんか、答弁を求めます。

 まちづくりエリアにおいては、新年度も民間住宅や道路、下水道などに税金を投入する住宅市街地総合整備事業16億円を人工島に集中させております。このような特別扱いをやめるべきではありませんか、お尋ねします。

 もともと人工島事業は、税金は一円も使わないとして強行されましたが、島市長のもとで、こども病院、青果市場、拠点体育館など、公共施設を強引に移転させて、市が土地を税金で買い取りました。市長は新年度も推進予算を1103,246万円もつけ、就任後8年間で総額1,000億円以上に上るのであります。民間への土地分譲の実態は、建設単価さえも下回る分譲単価の大幅引き下げ、土地を購入した企業への数億円もの立地交付金の投げ渡しなどによって、ようやく売却しているのであります。

 これ以上、人工島事業の破綻救済に莫大な税金を投入することは許されないと思いますが、答弁を求めます。

 第4は、都市高速道路延伸事業についてです。

 市長が進める人工島への都市高速道路延伸事業では、当初の総工費2.5キロメートル250億円が既に292億円にも膨れ、空港への2キロメートル500億円と合わせると800億円にも上ります。空港延伸は水害常襲地帯での危険で無理なトンネル工事であり、しかも、双方とも有料道路事業以外のスキームで市費負担が高騰する計画となっています。

 したがって、わずか数分の時間短縮のため莫大な公費を投入する不要不急の高速道路延伸計画は直ちに中止すべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 第5は、国家戦略特区についてです。

 通常、法律は国会、政省令は規制省庁が改廃すべきところを、国家戦略特区では内閣総理大臣や総理が指名する大臣等、わずか10名程度で意思決定ができる仕組みであり、委員である人材派遣会社パソナの竹中平蔵会長が特区はミニ独立政府と叫ぶように、国政私物化の異常な体制であります。福岡市版アベノミクスとして市長が推進するグローバル創業・雇用創出特区も外国企業の呼び込みと創業促進を口実に、首切り自由を持ち込む解雇の規制緩和や創業支援のための法人税減税など、雇用分野を含め、さまざまな市民を守るルールを壊す規制緩和を進めるものにほかなりません。このような中、加計学園の獣医学部新設をめぐる疑惑同様、本市でもロイヤルバスの新規バス事業参入問題では、島市長が特区を利用し、お友達企業に便宜を図ったのではないかとの疑惑まで浮かび上がっております。

 福岡市民を大企業、外国企業の利権あさりの犠牲にする本市の特区を撤回し、推進をやめるべきだと思いますが、所見を伺います。

 あわせて、中間搾取を防ぐ労働基準法の賃金支払い原則を破壊し、貧困ビジネスを広げるおそれのある賃金支払いの規制改革に対する提案、いわゆる給料前借り特区提案を取り下げるとともに、実際に解雇指南を行ってきた雇用労働相談センターを直ちに廃止すべきだと思いますが、答弁を求めます。

 第6は、民泊問題についてです。

 島市政は呼び込み型経済政策の一環として、率先して民泊容認の規制緩和を進める一方、2,000件に及ぶ違法、無許可民泊について、実態把握もまともな対策も行わなかったため、市民の苦情は急増し、ついに女性への暴行事件まで起きました。

 住環境を守る立場から、京都市などの例に倣い、本市として早急に無許可民泊の実態を調査し、違法な経営をやめさせる手だてをとるとともに、住宅宿泊事業法にかかわる民泊について、住居専用地域やマンションでの営業を原則として禁止するなど、旅館業法並みのルールとする条例をつくり、規制を行う必要があると思いますが、答弁を求めます。

 次に、福祉と社会保障について質問いたします。

 第1は、生活保護、貧困対策についてです。

 2015年国民生活基礎調査結果によると、貧困率は15.6%で、OECD平均11.3%と比べて高い水準にあり、貧困問題の解消は喫緊の課題であります。しかしながら、安倍政権による2013年から3年間にわたる史上最大規模の生活保護基準の切り下げは、本市の保護受給者に大変苦しい生活を強いています。食事は1日2食、入浴を我慢する、電気代の節約のため冷暖房を極力使わない、保護を受給し始めて一度も服を買ったことがない、これが受給者の実態です。これで人間らしい生活と言えるでしょうか。ところが、新年度政府予算案では生活扶助費を201810月から3年かけて160億円削減する方針が明らかになっています。現在の基準でさえ、健康で文化的な最低限度の生活を営む水準に達していないのに、これ以上の引き下げは絶対に許せません。さらに、基準の引き下げは47施策に悪影響を与えます。

 市長は厳しい態度をもって国に対し、生活扶助費などの切り下げに反対するとともに、これまで切り下げた生活扶助費、住宅扶助費をもとに戻すよう求めるべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 また、捕捉率が2割というデータから、本市でも約13万世帯が生活保護を受けずに最低生活費未満で暮らしていることが推測されます。このような膨大な漏給、低過ぎる捕捉率こそ改善されなければならず、市政だよりでの特集、テレビの利用など、制度の周知徹底を抜本的に強めるとともに、捕捉率向上の年次計画を設定すべきと思いますが、所見を伺います。

 さらに、申請の意思があるにもかかわらず、面接、指導、助言を口実に不当に保護申請を排除する水際作戦や、病気、年齢、本人の希望を無視した就労の強要を厳しく戒めるべきだと思いますが、答弁を求めます。

 あわせて、生活保護を使いやすくするため、生活保護法に権利の明記と制度の周知、申請権侵害の禁止、捕捉率の把握と向上をうたうとともに、法律の名称を生活保障法に変えるよう国に要望すべきと思いますが、答弁を求めます。

 ケースワーカーについては、国の標準数を守るように職員を増員し、過重な担当件数を減らすとともに、ケースワーカーの専門性を高め、生活困窮者にきめ細やかな支援ができる体制をつくるべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 第2は、国民健康保険についてです。

 本市の国保世帯の平均所得は約73万円、所得200万円以下の低所得者がその約86%を占める中、所得233万円の3人世帯で約42万円など、異常に高い保険料が払いたくても払えない状況を生み出し、保険料滞納世帯が国保世帯の18.5%に上るなど、深刻な事態となっています。ところが、新年度に市長が提案したのは、医療分、支援分は相殺で据え置き、40歳から64歳までが負担する介護分を1人当たり1,358円引き下げるだけのものであり、これでは払える保険料にはほど遠いものです。

 法定外繰り入れは市長就任時と比べ33億円もの減とされており、繰り入れを最高時の水準に戻し、保険料の大幅引き下げを図るべきではありませんか、お尋ねします。

 引き続き全国最悪レベルとなっている保険証取り上げ、短期証への切りかえについては、他都市の例に倣い、やめるとともに、滞納の事情を考慮しない機械的な差し押さえは直ちに改めるべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 新年度から導入されようとしている都道府県単位化は、住民負担増や滞納制裁強化、一般会計繰り入れの抑制等につながるもので、全国知事会も反発しており、中止するよう国に求めるべきではありませんか、答弁を求めます。

 第3は、介護保険についてです。

 2014年6月に可決された医療介護総合法により、要介護2以下の特養ホーム申し込みからの締め出し、一部利用者への利用料2割への引き上げ、低所得者の施設利用の際の補足給付の対象者絞り込みが強行実施されてきました。市長は今年度さらに条例によって要支援1、2と認定された人の訪問介護と通所介護を総合支援事業へと移行させ、報酬の3割カットにより事業者を経営危機に陥れるなど、介護保険をまさに保険あって介護なしという崩壊の危機にさらしています。さらに、現在策定中の次期介護保険事業計画についても、国の改悪に無批判に追随するものになっています。

 自治体の長が国言いなりにこうした状況をつくり出すことは許されず、次期介護保険事業計画は内容を改めるべきではありませんか、お尋ねします。

 また、条例は市独自に従前のサービスが維持できるよう改定すべきではありませんか、答弁を求めます。

 深刻な介護職員不足が虐待や身体拘束など、介護サービスの劣化を招いています。本市において職員の人件費に補助を行う独自制度を設けるなど、介護人材確保のための方策を講じるべきではありませんか、御所見をお伺いいたします。

 高過ぎる保険料に悲鳴が上がっているにもかかわらず、次期介護保険事業計画で所得によってはさらに1万5,000円程度引き上げようとしています。一般会計からの繰り入れを行い、保険料の引き下げを図るとともに、市独自の利用料減免、助成制度を設けるべきではありませんか、お尋ねします。

 また、特別養護老人ホームへの入所申し込み件数は昨年4月時点で3,966件にも上っており、抜本的な増設が急がれていることは明らかです。ところが、本市は申込者の数を恣意的な判断によって少なくカウントし、次期の整備計画を278人と極めて不十分な数にとどめています。このようなやり方は許されず、特別養護老人ホーム整備については希望者全員が速やかに入所できる計画へと見直し、小学校跡地等の公共用地を無償貸与するなど、早急に待機者解消を図るべきだと思いますが、答弁を求めます。

 第4は、高齢者乗車券についてです。

 保健福祉総合計画では、これまでの福祉施策を配る福祉から支える福祉へと転換し、自助、共助を殊さら強調する一方で、公助を後退させるという方針を打ち出し、今年度より福祉乗車証や敬老金など、当事者には何らまともな説明もなく強硬に廃止しました。さらに、高齢者乗車券の見直しについては、地域でのボランティア活動の状況や健康に関する取り組みに対してインセンティブを与えるなどとして格差をつけ、全体として縮小が検討されています。そもそもインセンティブ制度は頑張る者にしか特典を与えないなど、市民を差別化するもので、福祉施策には根本的になじまないものです。

 高齢者乗車券制度が高齢者の社会参加の促進、健康増進、また、経済波及効果があることは本市も認めており、給付に格差をつけるやり方は絶対に許されず、制度改悪の検討を中止するとともに、交付額の増額や所得制限の緩和、対象年齢の拡大など、一層使いやすい制度となるよう拡充すべきではありませんか、御所見をお伺いします。

 第5は、高齢者施策についてです。

 本市は障がい者の移動支援や施設利用などについて極めて冷たくおくれており、当事者の切実な思いを反映していない状況です。

 市は障がいを理由とする差別の解消を目的にする条例原案を明らかにしましたが、基本給も残業代も健常者より低いなどの差別事例はいまだ数限りなくあります。同条例原案はお店や企業等の事業者に対して合理的配慮を義務と定めておらず、事業者の合理的配慮の提供は努力義務ではなく義務とすべきではありませんか、お尋ねします。

 あわせて、何人も合理的配慮を行う必要があると盛り込むべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 障がい者が65歳になると、それまで受けてきた障がい者サービスではなく、介護保険による給付に強制的に移行させられ、担当の介護ヘルパーが次々に変わり、多くの人に新たな負担が押しつけられています。したがって、利用者が障害者総合支援法でのサービスと介護保険法でのサービスとの選択ができるようにすべきではありませんか、答弁を求めます。

 就学前の障がい児のための療育センターは、現状の市内3カ所では詰め込みとなっています。分園だけでは不十分であり、療育センターを早急に増設するとともに、児童発達支援センターについても、希望者が通園できるよう増設計画を立てるべきと思いますが、所見のほどを伺います。

 また、回数制限なしの地下鉄無料パス、福祉乗車証の廃止は、3年間の経過措置の間についても、障がいの程度の軽い人から取り上げ、重度の人でも所得制限を持ち込むなど、約3,000人への交付を切り捨てる大改悪であり、もとに戻し、バスなどにも拡充すべきではありませんか、明確な答弁を求めます。

 さらに、手話言語条例は13県を含む108自治体で制定され、広がっています。手話についての理解や周知を深め、手話による意思疎通手段の選択、情報取得、利用機会の拡大、保障を目指す条例を本市でも制定すべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 次に、子育て、教育について質問いたします。

 第1は、保育行政についてです。

 1点目は、未入所児童の解消についてです。

 島市政発足前は1,104人だった未入所児童は昨年12月には3,354人と大幅に増加し、保育園に入れないという重大な事態は本市で常態化しております。市長はこの間の定員増を殊さら強調していますが、依然として保育所は足りていない状況です。これは国のやり方の域を出ない詰め込みや認可以外の保育施設で対応する市長の小手先のやり方が完全に破綻したことを示しています。

 したがって、学校跡地など公共用地を活用して、適正規模の認可保育所を新築中心に抜本的にふやし、保育所に入れない子どもをなくすべきと思いますが、市長の御所見をお伺いいたします。

 2点目は、保育士の処遇についてです。

 専門職にもかかわらず、保育士の給料は他の職種よりも月額11万円も低く、保育士不足を深刻化させる要因となっています。

 少なくとも福祉職俸給表のもとで働く公務労働者と同水準の賃金、諸手当、一時金を実現するよう予算措置すべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 また、家賃補助は少なくとも毎月3万円に引き上げるとともに、非正規職員にも適用し、期限をなくすべきではありませんか、答弁を求めます。

 長時間保育手当、研修費、被服費など、保育協会への補助金を復活させるとともに、非正規職員の賃金を時間額1,500円以上にし、フルタイムで働く非正規職員を正規職員にするために財政措置を行うべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 第2は、子どもの貧困についてです。

 本市は子どもの生活状況等に関する調査を行いましたが、貧困率について調査しておらず、今後の具体的な目標も明確になっていません。他都市に倣って子どもの貧困率を公表し、削減目標を立て、母子家庭への直接給付など、具体的な施策に取りかかるべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 第3は、子どもの医療費についてです。

 中学生までの医療費無料化を求める市民の声に押され、入院は中学3年生まで無料化されたものの、通院については小学6年生にとどまっており、自己負担も導入されたままです。子どもの医療費無料化は中学卒業までを対象にしている自治体が1,005、高校卒業までが379に上るなど、中3まで無料は当たり前であり、本市は非常におくれております。

 したがって、通院についても、中学卒業まで自己負担をやめ完全に無料にするべきと思いますが、答弁を求めます。

 第4は、医療的ケアが必要な子どもについてです。

 未就学の医療的ケアが必要な子どもの発達を保障するため、医療的ケア児を受け入れる保育所への看護師の配置や保育士の加配、研修のための助成等を行うべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 第5は、教育行政についてであります。

 我が国はGDPに対する公財政教育支出の割合がOECD34カ国中ワーストワンとなる中、国民は異常な高学費、低水準の教育条件に苦しめられています。同時に、安倍政権は道徳の教科化など、教育への政治的介入を次々に行い、戦争する国、弱肉強食の経済社会という国策に従う人づくりを進めています。島市長はこれら政権の動きに追随し、教育内容にも介入し、グローバル教育、起業家教育偏重へとゆがめています。

 教育委員会は市長の介入を排し、憲法と子どもの権利条約を生かし、全ての子どもを人間として尊重し、人格の完成を目指す教育へと抜本転換すべきではありませんか、お尋ねします。

 また、権限移譲分を除けば一般会計の6.9%と引き続き史上最低水準となっている本市の教育予算は大幅増額すべきだと思いますが、答弁を求めます。

 2点目は、学校の施設整備についてであります。

 島市長による呼び込み、都市膨張政策と教育委員会の無策により過大規模校がふえ続けております。行政としてマンション建設規制などの手だてをとり、児童生徒数が1,000人を超えている学校は校区調整ではなく分離計画を立て、増設等、緊急対策を急ぐべきではありませんか、お尋ねします。

 子どもの命と安全を守るため施設点検体制を強化し、大規模改造、プール改築、トイレ不足解消、洋式化などについて抜本的にスピードアップするとともに、アスベスト含有資材は全て撤去すべきではありませんか、お尋ねします。

 エアコンについては、市立高校を含め、全ての特別教室への早急な設置計画を策定すべきと思いますが、所見を求めます。

 3点目は、教育の指導体制と内容についてです。

 一人一人の子どもに目を行き届かせるとともに、社会問題となっている教職員の長時間過密労働を改善する条件整備が求められている中、35人学級は島市政において一学年も拡充されず、困難が拡大しております。全学年に広げ、学校カウンセラーやスクールソーシャルワーカー、図書司書等の専門職員を正規で全ての学校に配置するとともに、部活動指導の負担軽減のために指導員などの人員配置を抜本的に充実させるべきではありませんか、答弁を求めます。

 特別支援教育については、支援学校の大規模化解消、支援学級の全校配置と担任の複数化、通級指導の拡大、支援員、介助員の増員、正規化、関係職員の専門性の向上を図る等、充実させるべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 また、能古小中学校における小中一貫校構想は、一貫校の教育効果も証明されないまま、小学1年生から英語教育を導入する等、まさに実験材料とし、混乱をもたらすものであり、やめるべきだと思いますが、答弁を求めます。

 4点目は、教育分野における行革、民営化路線についてです。

 学校給食センター統廃合が学校給食公社の職員リストラと一体にPFI手法で強行され、4カ所から3カ所へ集約、大規模化させられようとしております。第3センター計画については直営方式を基本に見直すとともに、選定過程も立地条件も問題だらけの西区今宿の用地については白紙に戻すべきではありませんか、答弁を求めます。

 小学校給食についても、調理員のリストラと一体に進められている民間委託を中止するとともに、劣悪な労働環境を直ちに改善すべきではありませんか、お尋ねします。

 図書館等への指定管理者導入など、教育施設を民間のもうけづくりに利用するやり方はやめるべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 また、現場の多忙化にも拍車をかけている学校用務員の拠点校方式は中止し、全校配置に戻すべきではありませんか、お尋ねします。

 5点目は、教育を受ける権利の保障についてであります。

 教育振興会奨学金の定員をふやし、独自に給付制奨学金を創設すべきだと思いますが、答弁を求めます。

 就学援助基準については緩和し、クラブ活動費など費目をふやすとともに、給食費無償化、フリースクールへの補助制度創設へと足を踏み出すべきではありませんか、また、公立夜間中学を至急市内に開設すべきではありませんか、答弁を求めます。

 次に、地域経済について質問いたします。

 第1は、中小企業、小規模事業者対策及び地域経済活性化についてであります。

 島市長は2017年に中小企業が本市経済において果たす役割の重要性を踏まえ、中小企業振興施策の戦略的な展開を図ることを目的として、福岡市中小企業振興条例を全面改定しました。ところが、改定後、初めてとなる新年度の中小企業振興予算は2億5,217万円と最低水準に抑え込む一方で、地元には還元はなく、東京や外資を潤すだけのスタートアップ都市づくり関連施策に278,000万円、観光・MICEの推進には20800万円もの予算をつけています。

 したがって、福岡市の経済と雇用を支えている中小企業、小規模事業者の振興のために関連予算を抜本的にふやすべきだと思いますが、答弁を求めます。

 また、福岡市中小企業振興条例第14条でうたわれている小規模事業者への配慮項目の具体化として、官製ワーキングプアをなくすために公契約条例を制定するとともに、請願採択をされたにもかかわらず、長期にわたって先延ばしされている小規模工事登録制度を直ちに実施すべきではありませんか、お尋ねします。

 さらに、地域経済への波及効果が抜群であることが明らかであり、全国で実施されている住宅リフォーム助成制度について拒否し続ける本市の異常な姿勢を改め、直ちに創設することとあわせて、商店リフォーム助成制度をつくるべきだと思いますが、答弁を求めます。

 第2は、雇用、労働対策及びブラック企業、ブラックバイト対策についてです。

 福岡市内の大企業における時間外労働、休日労働に関する協定届には、月に100時間、120時間など、過労死ラインと言われている約80時間を超える時間外労働が明記されているように、市内企業にもこれを超える働かせ方が広がっています。

 したがって、残業は週15時間、月45時間、年360時間までという大臣告示を法制化し、これを超える残業を認めないことや、終業から翌日の始業まで最低11時間あけるインターバルを確保するなど、真に働く人の立場に立った労働基準法の抜本改正を国に求めるべきと思いますが、答弁を求めるものです。

 厚生労働省がホームページで公表している、いわゆるブラック企業数は201712月末現在、429社に上り、福岡市内でも4社が掲載されています。また、共産党市議団の学生へのアンケート調査の結果、アルバイトする際に法律どおりに労働条件を文書で明示された事例は皆無に近いなど、ブラック企業のような違法、無法な働かせ方が学生アルバイトに広がっています。

 したがって、過酷な労働条件、雇用環境で労働者を使い捨てにするブラック企業の根絶に向けて、福岡市として専門職員を配置した労働相談窓口を各区につくり、街頭相談や電話相談を行うとともに、労働者向け対策リーフレットを作成し、身近なところで入手できるように普及啓発すべきではありませんか、お尋ねします。

 また、ブラックバイトに関しては、大学や高校と連携をして労働法制の周知徹底と相談体制を構築することとあわせて、ブラック企業規制条例を策定すべきと思いますが、答弁を求めます。

 あわせて、新年度、就労支援課をなくすことは許されず、残すべきではありませんか、お尋ねします。

 次に、防災とまちづくりについて質問いたします。

 第1は、災害対策についてです。

 2016年熊本地震、2017年九州北部豪雨など、深刻な災害が相次いでおり、防災強化は市民の強い要望です。しかし、本市の地域防災計画では、基本理念で自助、共助が強調され、公的責任が放棄されています。

 市民に防災の対策義務を押しつけるのではなく、市の責任で地域防災力の向上を住民と取り組むよう、地域防災計画を改めるべきではありませんか、答弁を求めます。

 また、地震の被害想定は震度7とし、避難計画は都心部の勤労者と来客者の増加に合わせて見直すとともに、市政に関する意識調査で要望が強く、耐震改修が40%も残されている水道施設や34%も残されている下水道施設は最優先で改修を行うべきではありませんか、御所見をお伺いいたします。

 第2は、地下鉄七隈線延伸工事道路陥没事故についてです。

 市が安全最優先と言うのであれば、技術専門委員会で陥没の危険性が厳しく指摘されていたのを受け、地盤への止水対策や設計の変更も含めて必要な危険回避策がとれるようにすべきだったのは明らかです。しかし、結局、深く掘るための経費等を節約し、安全よりも早く安くを優先させた市の方針に重大な事故を起こした責任があったのではありませんか、答弁を求めます。

 現時点の調査結果では、なぜ事故が起きたのか組織的問題点が明確ではなく、4度目の事故を絶対に起こさせないためにも、陥没に至るまでの設計、施工、管理体制等における市の責任と改善点、再発防止策を明らかにするとともに、必要な時間をかけて詳細な事前調査と準備等を行うべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 第3は、住宅政策についてです。

 貧困と格差の広がりの中、低廉で良好な住宅を求める声は少なくありません。市民の居住権を守るため、民間住宅関連業者とも連携して、市民の居住生活の改善、向上の取り組みを本市として積極的に進めるべきですが、市営住宅の応募状況は一般枠で14.3倍、単身の高齢者、身体障がい者は32.5倍など、深刻な状況は改善されていません。

 必要な市民が入居できるよう、大幅な新規市営住宅建設計画を立てるとともに、当面、建てかえ時に管理戸数をふやすべきではありませんか、答弁を求めます。

 また、民間賃貸住宅を借り上げて市営住宅にするなど、多様な供給方式の具体化を早急に行うべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 さらに、公営住宅への入居可能な収入階層世帯を目安に、民間賃貸住宅に居住する低所得者世帯への家賃補助制度をつくり、若者を初め、低所得者が安心して暮らせるよう支援を強めるべきだと思いますが、答弁を求めます。

 第4は、公共施設の跡地問題についてです。

 本来、市民の財産である公共施設跡地は民間の利潤追求の場に提供するものではなく、公共の用地として活用すべきです。地域住民から請願も出された旧大名小学校跡地を70年の長きにわたる定期借地とすることは許されず、今までどおりの機能を備えた広場を整備するなど、住民との約束の遵守に最後まで責任を持つべきではありませんか、お尋ねいたします。

 九州大学箱崎キャンパス跡地は、容積率の緩和によって巨大なビルが建てられかねない都市再生緊急整備地域への指定は辞退すべきではありませんか、答弁を求めます。

 また、元寇防塁跡を保存、活用し、跡地全体を公園として整備するべきではありませんか、御所見をお伺いいたします。

 さらに、住民の声を無視した貝塚公園の分割、縮小はやめるべきではありませんか、お尋ねします。青果市場跡地は、住民要求に基づき緑豊かでゆとりのある広場など、公的、公共的活用に責任を持つべきではありませんか、答弁を求めます。

 第5は、公共交通についてです。

 交通、移動の権利は憲法が保障した人権であり、市民が安心して豊かな生活と人生を享受するためには、交通、移動の権利を保障し、行使することが欠かせません。その上で市民の公共交通の安全の確保を何よりも優先させることは、事業者任せでなく本市の責務であり、市長が交通事業者に対し、市場競争化を加速させるのではなく、安全確保と公共性を重視することを強く働きかけることを求めるものです。

 1点目は、ホームドア設置についてです。

 相次ぐ駅ホームからの視覚障がい者などの転落事故を防止することは喫緊の課題であります。市内の全ての駅にホームドアが設置されるように、鉄道事業者である西鉄とJR九州に技術開発を含め強く働きかけるべきではありませんか、答弁を求めます。

 2点目は、JR香椎線の駅無人化問題です。

 住民の要望も聞かず、一方的に強行されたJR香椎線の駅の無人化は、利便性、安全性が大きく後退しただけでなく、障がい者の利用制限や事故や犯罪の誘発など、利用者の不安を高めています。従前の有人駅に戻すようJR九州に強く働きかけるべきではありませんか、御所見をお伺いいたします。

 3点目は、JR貨物の福岡貨物ターミナル駅についてです。

 貨車と関連作業の深夜騒音は周辺住民の受忍限度を超えており、市として直ちにJR貨物に対して、改善策をとるよう指導すべきではありませんか、お尋ねいたします。

 4点目は、市内の西鉄バスの減便問題についてです。

 2017年度と市長就任時の営業延べ走行キロ数を比較すると、1日当たり1万4,143キロメートルの減であり、1路線の運行距離を20キロメートルとすれば、1日当たり707本分のバス運行が減らされているのが福岡市の実態です。

 利用者減を理由にした減便は生活に欠かせない地域公共交通の衰退をもたらすものであり、維持と改善を西鉄に求めるべきではありませんか、答弁を求めます。

 第6は、原発再稼働、再生可能エネルギーについてです。

 原発をめぐっては、島市長は再稼働への暴走を続けている安倍政権の姿勢を容認しております。本市に近い玄海原発は老朽化して危険な上、再稼働によって将来、核のごみやプルトニウム再処理の深刻な問題も出てくるのは必至であり、過酷事故の際のまともな避難計画もないまま、今月にも3、4号機を再稼働させるなど、絶対に許されません。

 国と九州電力に対し、玄海原発再稼働を中止するよう求めるべきではありませんか、お尋ねいたします。

 こうした中、小泉純一郎、細川護煕両元総理が顧問を務める原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟が運転中の原発の即時停止など、原発ゼロ・自然エネルギー基本法案を発表しましたが、市長はこの基本法案に賛同するとともに、原発ゼロの日本に踏み出すべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 再生可能エネルギーについては、福岡市環境・エネルギー戦略の再生可能エネルギー目標が2030年で市内電力量のわずか8%にとどまっております。

 したがって、太陽光、風力、小水力、バイオマスなどの公共施設への積極的導入や市の公的補助を拡充するなどして、再生可能エネルギー目標量を当面、電力需要の4割まで引き上げるべきではありませんか、答弁を求めます。

 次に、民主主義、人権、平和行政について質問いたします。

 第1は、市長の強権的手法など、市長の政治姿勢についてです。

 昨年、フジテレビが放映した屋台問題の番組では放映の中止を求め、それが通らなければ放送倫理検証委員会に審議、審理を申し立てて報道の自由を奪おうとし、また、友好都市である釜山広域市の日本総領事館前に設置された慰安婦像に関して、事実上撤去を求めるように圧力をかけるなど、市長の安倍首相まがいの強権的手法が顕著です。その上、市長はこれら重大な事案については、みずからの起案とせず、責任逃れをしていることは問題です。

 報道の自由を奪う申し立てを取り下げるとともに、メディア規制をやめ、慰安婦像問題では釜山市へ謝罪するとともに、圧力を撤回すべきではありませんか、答弁を求めます。

 第2は、人権にかかわる問題についてです。

 性的少数者が生きやすい社会を求める運動は画期的な広がりを見せる中、市長はこれまで性的マイノリティ支援について踏み込んで検討すると答弁していましたが、新年度出されているのはパートナーシップ宣誓制度の要綱であります。これは宣誓証明書があれば性的マイノリティでも市営住宅に応募できることや、市立病院では患者本人と連名で手術の同意書の署名ができるものです。しかしながら、民間には適用されないなど、不十分であり、法的な拘束力のあるパートナーシップ条例の制定を行うべきではありませんか、答弁を求めます。

 また、在日韓国、朝鮮人を罵倒するヘイトスピーチやデモなどが行われないように条例制定し、繰り返す団体には公園や公共施設の使用を規制する実効性のあるガイドラインをつくるべきではありませんか、所見を求めます。

 第3は、消費生活センターについてです。

 本市の消費生活センターの相談業務は民間事業者に委託されるという全国的にも例のないものであり、啓発活動や法律相談活動に支障を来す要因となっており、直営で行うとともに、相談員をふやし、待遇改善を行うべきではありませんか、お尋ねします。

 第4は、博多港引き揚げなど、戦争の悲惨さを後世に伝える課題についてです。

 若い世代に戦争の悲惨さ、被爆の実相を継承することは重要であり、博多港引き揚げの史実を学校教育の課題に位置づけ、教材として使うとともに、あわせて、福岡大空襲や原爆、引き揚げなどに関する常設の平和資料館を設置し、総合的な平和事業や平和啓発活動を行うための予算を大幅にふやすべきではありませんか、所見を伺います。

 本代表質問の最後に、安倍政権が進める憲法改悪を阻止し、憲法を市政に生かす問題についてです。

 安倍首相は年頭の記者会見で、ことしこそ憲法のあるべき姿を提示すると述べ、年内にも9条改憲への国会発議を行う姿勢です。9条に自衛隊を明記すれば、9条2項を死文化させ、海外への無制限な武力行使に道を開くものとなります。何よりも国民の多数がこのような憲法改定を望んでおらず、安倍政権のもとでの憲法改悪には反対という声が多数になっています。そもそも憲法第99条は大臣、国会議員、そのほか公務員に憲法を尊重し擁護する義務を課しています。市長は国会に対して、発議しないよう働きかけるべきではありませんか、御所見をお伺いいたします。

 また、憲法には侵すことのできない権利として生存権や教育を受ける権利などがうたわれており、市政の遂行に当たっては憲法こそ生かすべきではありませんか、答弁を求めます。

 以上、市長及び教育長等の誠意ある明確な答弁を求め、長時間の御清聴に感謝し、日本共産党市議団の代表質問を終わります。

 

議長(川上晋平) 島市長。

市長(島宗一郎)登壇 ただいま日本共産党福岡市議団を代表して、綿貫議員より御質問をいただきましたので、まず私から御答弁をいたします。

 最初に、国の施策などについての御質問にお答えをいたします。

 まず、朝鮮半島情勢への対応については、安全保障にかかわるものであり、国において対応されるものと考えております。

 平和安全法制については、国会の審議を経て成立したものであり、国民の安全の確保などの観点から適切に運用していただきたいと考えております。

 港湾施設の利用については、入港目的が友好親善や乗組員の休養などで、商船の荷役に支障がない場合は港湾管理者として適切に対応してまいります。

 福岡空港については、民間空港として広く利用されており、今後とも、市民生活の安全を確保するという立場で対応してまいります。

 板付米軍基地の早期返還については、福岡市議会、福岡市、自治協議会、男女共同参画協議会、労働団体などで組織している板付基地返還促進協議会を通して、引き続き国や在日米軍司令部に要望してまいります。

 次に、核兵器禁止条約に関するお尋ねですが、平成29年8月に平和首長会議国内加盟都市会議として政府に対し、核兵器廃絶に向けた取り組みの推進を求める要請を行っております。また、民間団体が主体となって実施する種々の署名に福岡市として取り組むことは原則としてありません。

 次に、社会保障制度につきましては、国において社会保障と税の一体改革などが進められており、持続可能な制度となるよう、今後とも、国に働きかけてまいります。

 また、消費税率の引き上げは社会保障の充実強化の観点から実施されるものと認識をしており、関係法の改正により引き上げ時期は201910月1日とされております。

 労働法制に関するお尋ねですが、国の進める働き方改革について適切に対応してまいります。

 次に、市政運営や新年度予算案についての御質問にお答えをいたします。

 まず、市政運営についてのお尋ねですが、福岡市では、多くの市民の皆様とともに策定をした総合計画において、都市の成長と生活の質の向上の好循環をつくり出すことを基本戦略として掲げ、まちづくりを進めています。今後、社会保障関係費の増嵩が見込まれる中、市民の生活の質を維持し、向上させていくためには、都市の活力を高め、財源を生み出していくことが必要であります。これまでの取り組みの結果、人口や観光客はふえ続け、企業の立地が進み、市税収入は過去最高を更新しておりますが、需要の増大により都市としての供給力の不足が顕在化しております。福岡市が持続的に発展していくため、大きく喚起された需要に応え、規制緩和などにより民間活力を最大限に引き出しながら、成長エンジンである都心部の機能強化や耐震性の向上、ゲートウェイ機能の充実など、都市基盤を充実させ、さらに、都市の活力を高めることによって心豊かで質の高い暮らしの実現につなげてまいります。

 次に、政策推進プラン、行政運営プラン、財政運営プランにつきましては、一体的に推進することにより、投資の選択と集中を図るとともに、歳入の積極的な確保や行政運営の効率化、既存事業の組み替えなど、不断の改善に取り組み、将来にわたり持続可能な市政運営を目指してまいります。

 次に、平成30年度予算案につきましては、総合計画を推進し、都市の成長と生活の質の向上の好循環を力強いものとするために、財政規律と投資のバランスを図りながら編成したところであり、これによって生活の質のさらなる向上を図ってまいります。

 次に、天神ビッグバンなどについての質問にお答えをいたします。

 まず、天神ビッグバンについては、市独自の容積率緩和制度や国家戦略特区による航空法高さ制限のさらなる緩和を活用し、民間活力を最大限に引き出しながら、安全、安心で未来に誇れる魅力的で質の高いまちづくりに取り組んでまいります。

 ウォーターフロント地区については、魅力的なまちづくりを推進するとともに、都心拠点間のアクセス性や回遊性の向上を図り、福岡市の成長エンジンとなる都心部の国際競争力の強化に取り組んでまいります。

 平成30年度は第2期展示場の整備や岸壁の延伸などを推進するとともに、民間活力を最大限に生かす手法や将来的な需要に適切に対応する交通対策の検討などを進め、クルーズ、MICE、にぎわいが融合した新たな都心拠点の形成に向け、取り組んでまいります。

 次に、アイランドシティについてのお尋ねでありますが、みなとづくりエリアについては、船舶の安全かつ円滑な航行を確保するため、東航路の整備に取り組んでまいります。また、コンテナターミナル機能の強化に向けて、先月、私から直接、国に強く申し入れを行ったところであり、今後も物流機能の強化を図ってまいります。

 まちづくりエリアについては、居住者が8,800人を超え、まちが成熟する中、引き続き魅力ある住環境の整備などを進めてまいります。

 今後とも、アイランドシティが新たな雇用や税源を創出し、福岡市の成長に寄与するよう、しっかりと取り組んでまいります。

 次に、自動車専用道路アイランドシティ線については、広域的なネットワークの形成や物流の円滑化、東部地域の交通混雑の緩和を図るため、早期の供用に向けて取り組んでまいります。

 また、福岡空港への延伸については、国内線旅客ターミナルへのアクセス強化や空港周辺道路の混雑緩和などのため取り組みを進めてまいります。

 次に、グローバル創業・雇用創出特区につきましては、国の施策や規制改革に福岡市独自の施策を組み合わせることで創業の裾野を広げ、多くの企業や雇用を生み出すとともに、都市公園内保育所の特例などにより市民生活の質の向上に寄与してきました。引き続き特区を活用することにより、都市の成長と生活の質の向上を図ってまいります。

 賃金支払いに関する規制改革については、フィンテックを活用して多様な働き方に対応した賃金支払い手段を提供するものであり、実現に向けて引き続き国に働きかけてまいります。

 また、国が設置した雇用労働相談センターについては、個別労働関係紛争の未然防止に取り組んでおり、連携に努めてまいります。

 民泊につきましては、旅館業法に基づき積極的な指導を行うとともに、今後施行される住宅宿泊事業法に基づき国及び県と連携をして適切に対応してまいります。

 次に、社会保障についての御質問にお答えをします。

 まず、生活保護基準については、国において改定作業が進められており、その動向を注視してまいります。

 生活保護制度については、この制度が最後のセーフティネットであることを踏まえ、市の広報媒体の活用や民生委員、地域団体などとの連携を図り、周知に努めてまいります。

 生活保護の申請の受け付けについては、申請の意思が確認された方には速やかに申請書を交付し、手続の援助を行っております。

 就労の支援については、本人の能力や意向を踏まえつつ、効果的な支援に取り組んでまいります。

 生活保護法については、これまでも他都市との連携を図り、国に対して財源の確保などを求め、要望や提言を行っているところであり、今後とも、円滑な実施と適切な運用に努めてまいります。

 ケースワーカーについては、平成30年度は正規職員7名を増員し、体制強化を図ってまいります。

 国民健康保険料については、医療分と支援分の1人当たりの合計が平成29年度と同額になるよう、一般会計からの繰り入れを行い、負担の軽減に努めております。

 また、保険料の滞納者への対応については、まずは短期証を交付し、特別の事情もなく長期間滞納している世帯に対しては資格証明書を交付しており、被保険者間の負担の公平の観点からもやむを得ない措置と考えております。

 差し押さえについては、保険料を納付できる資力がありながら催告や納付相談に全く応じず、長期間滞納を続けている世帯に対して実施しているものであります。

 国民健康保険の都道府県単位化については、持続可能な医療保険制度を構築し、将来にわたり国民皆保険制度を堅持するため、平成30年度から都道府県が財政運営の責任主体となり、市町村が保険料の賦課徴収や保健事業などを行うこととされております。

 次に、介護保険についてのお尋ねであります。

 まず、第7期介護保険事業計画については、介護保険制度の持続可能性を高める国の制度改正を踏まえ、策定することとしております。また、介護予防・日常生活支援総合事業については、従来の専門職によるサービスに加え、専門職によらない割安なサービスを実施しており、要支援者が引き続き安心して在宅生活を送ることができるよう努めてまいります。

 また、介護人材確保のための方策については、引き続き国に要望してまいります。

 介護保険料の設定などについては、法令に基づき、適切に実施しております。また、今後とも、福岡市独自の保険料の減免などを行うとともに、国に対して、低所得者における保険料や利用料の負担軽減の拡大などの措置を講じるよう要望してまいります。

 また、特別養護老人ホームの整備については、平成28年度の利用申込者実態調査の結果などを踏まえ、第7期介護保険事業計画に基づき、国有地の活用などを図りながら適切に進めてまいります。

 高齢者乗車券制度については、超高齢社会に向けて健康づくりや地域活動への参加を応援するインセンティブ制度の導入について検討を進めてまいります。

 次に、障がい者施策についてのお尋ねであります。

 まず、障がい者差別解消条例については、議会や保健福祉審議会、パブリックコメントの御意見も踏まえ、平成30年度中の制定に向けて取り組んでまいります。

 介護保険の対象となる障がい者の支援については、障害者総合支援法により介護保険サービスが優先されることとなっており、国の動向に留意してまいります。

 次に、療育センターなどの増設につきましては、平成27年度に児童発達支援センターを1カ所増設するとともに、幼稚園や保育所との並行通園を行うため、平成28年度には児童発達支援センターの分園を4カ所開設したところであります。

 福祉乗車証については、地域に限定されず、必要な人へ公平で効果的な支援を行うため、より多くの交通機関を利用できるよう、ICカードやタクシー券などを交付する福祉乗車券制度に統合したものであり、これによって障がいのある方の社会参加を促進してまいります。

 手話言語条例の制定については、請願審査の状況を踏まえ、対応を検討してまいります。

 次に、子育て、教育についての御質問にお答えをいたします。

 まず、保育の受け皿の確保については、保育所の新設や小規模保育事業の認可、幼稚園から認定こども園への移行などに加え、新たに幼稚園での2歳児受け入れを行うなど、多様な手法により平成30年度は2,000人分の定員増を進めてまいります。

 保育士の処遇については、国の公定価格などに基づき、平成25年度から29年度までにおよそ11.3%、月額およそ3万5,000円の改善に加え、経験年数がおおむね7年以上の保育士に月額4万円などの追加的な改善を行っております。また、福岡市独自に勤続手当などの助成を行うとともに、平成29年度から正規保育士に対し、月額1万円を上限として家賃の一部助成を実施しております。

 次に、子どもの貧困対策につきましては、実態調査の結果を踏まえ、平成30年度は新たにスクールソーシャルワーカーの全中学校区への配置や放課後補充学習の全小学校での実施、生活保護世帯などの子どもを対象とした訪問型学習支援に取り組んでまいります。また、いわゆる子ども食堂への支援や、ひとり親家庭に対する日常生活支援事業などの充実を図るとともに、児童扶養手当の支給などを引き続き実施してまいります。

 次に、子ども医療費助成制度につきましては、通院医療費の助成対象を平成2810月から小学校6年生までに拡大しており、さらなる拡大については、他の子育て支援策との関連や財源などの観点から今後の検討課題と考えております。また、3歳以上の通院医療費に係る自己負担については、持続可能な制度とするため導入したものであります。

 次に、医療的ケア児の保育所への受け入れにつきましては、新たに平成30年度から公立保育所に看護師を配置し、集団保育が可能な医療的ケア児を受け入れるモデル事業を開始します。

 次に、教育行政に関する御質問についてでありますが、まず、教育予算について私からお答えをいたします。その他の教育行政に関する御質問につきましては、後ほど教育委員会から御答弁をいたします。

 教育予算につきましては、学力の向上やいじめ、不登校、ひきこもり対策などに重点的に取り組むとともに、校舎の大規模改造事業を初め、子どもが安心して学ぶことができる教育環境整備に必要な予算を確保しております。

 次に、地域経済についての御質問にお答えをいたします。

 まず、中小企業の振興については、中小企業振興条例に基づき、積極的に推進してまいります。また、地場産業や商店街の振興により、中小企業の経営基盤の強化や持続的発展の促進を図ってまいります。

 公契約条例につきましては、国において公契約に関する法制を整備するのが適当であると考えております。また、小規模工事登録制度については、発注のあり方や施工上の課題などの整理、研究を行っております。

 住宅リフォーム助成制度につきましては、対応が急がれる耐震化やバリアフリー化などの公益目的に資する住宅リフォームに対し、助成を行っております。また、商店リフォーム助成制度については、商店街の共同施設の設置費用の一部を助成しております。

 次に、雇用、労働施策につきましては、国の進める働き方改革と連動し、適切に推進してまいります。

 また、いわゆるブラック企業対策については、働くあなたのガイドブックを発行し、ホームページなどで広く周知、啓発に努めるとともに、市民相談室などで労働問題に関する相談があった場合に必要に応じて弁護士による法律相談を受け付けるほか、監督指導を行う権限を持つ国や県の専門機関につなぐなど、連携をしながら対応してまいります。

 就労支援課については、中小企業の人材確保支援のために組織を再編することとしており、就労支援業務については今後も継続してまいります。

 次に、防災とまちづくりについての御質問にお答えをいたします。

 まず、地域防災計画については見直しを進めているところであり、これにあわせて避難所の運営を学ぶワークショップの開催や各種訓練の充実、帰宅困難者対策の推進など、行政、市民、企業が連携をした共創による防災先進都市づくりに取り組んでまいります。

 また、下水道施設の耐震化については、施設の機能を確保しながら、引き続き改修などに取り組んでまいります。

 水道施設の耐震化についての御質問につきましては、後ほど水道事業管理者から、地下鉄七隈線延伸工事に係る御質問につきましては、後ほど交通事業管理者からそれぞれ御答弁いたします。

 次に、市営住宅については、ストック総合活用計画に基づき、建てかえや改善に取り組んでまいります。

 高齢者などの住宅確保要配慮者については、居住支援協議会において民間賃貸住宅への円滑な入居に向けた支援に取り組むとともに、国において創設された新たな住宅セーフティネット制度を踏まえ、民間賃貸住宅の活用を含めた住宅施策のあり方について検討を進めてまいります。

 次に、旧大名小学校跡地につきましては、平成22年に地域と取り交わした計画書を踏まえ、広場や公民館の確保などを公募要綱に定め、平成2910月から事業者の公募を実施しております。

 九州大学箱崎キャンパス跡地については、良好な市街地の形成と新たな都市機能の導入に向け、都市再生緊急整備地域の指定を目指すとともに、埋蔵文化財については、九州大学と連携して対応してまいります。

 また、貝塚公園については、地域の意見や跡地利用協議会での議論を踏まえ、具体的な配置を検討してまいります。

 青果市場跡地については、青果市場跡地まちづくり構想を踏まえ、緑の創出や広場空間の確保などを公募要綱に定め、平成30年1月から事業者の公募を実施しております。

 次に、ホームドアにつきましては、地下鉄の全駅で整備が完了しておりますが、その他の鉄道駅においては技術的な課題などがあり、転落防止対策として内方線つき点状ブロックが整備されております。引き続き鉄道事業者に対し、鉄道駅ホームのさらなる安全対策を働きかけてまいります。

 JR香椎線の駅無人化については、JR九州に対して、駅遠隔案内システムの十分な周知を行っていただくとともに、市民への必要なサービスや安全性が確保されるよう働きかけてまいります。

 福岡貨物ターミナル駅については、今後とも、市民の相談に応じて鉄道事業者に対し、騒音対策を要請してまいります。

 次に、バス交通は市民生活にとって重要な公共交通であり、今後とも、地域、交通事業者、行政が共働して路線の維持、充実に取り組むとともに、市民への必要なサービスが確保されるよう交通事業者に働きかけてまいります。

 次に、原子力発電所の再稼働などにつきましては、国のエネルギー政策の枠組みの中で判断されるべきものと考えております。

 再生可能エネルギーについては、太陽光発電を中心に市有施設への導入に取り組むとともに、市民に対する自家消費型の住宅用太陽光発電を促進するため、蓄電池の導入に対する助成を拡充してまいります。

 次に、人権や平和行政などについての御質問にお答えをいたします。

 まず、放送倫理・番組向上機構、いわゆるBPOに対する意見書については、フジテレビが放送した屋台に関する番組の内容について、事実誤認の箇所が複数あるほか、一方的な主張に基づく意図的な編集がなされていたこと、また、福岡市職員に対する暴力シーンが職員本人の承諾なく放映されたことから、放送倫理上問題があると判断し、提出したものであり、福岡市の対応は適切であったと考えております。

 次に、在釜山日本国総領事館前の慰安婦像問題につきましては、外交に関する国の専管事項であります。福岡市においては、地方自治体として、現下の情勢のもと交流事業に参加する福岡市と釜山広域市の両市民に万が一にも安全面の支障が生じたり、不快な思いを抱かせることがないよう、世論や交流事業への影響の懸念などを随時釜山広域市に伝え、共有しながら事業を実施いたしております。引き続き両市民の安全を第一に、緊密に両市で連携をしながら、市民の相互理解の促進などにつながる姉妹都市交流事業に取り組んでまいります。

 次に、性的マイノリティへの支援につきましては、平成30年度からパートナーシップ宣誓制度の導入を初め、専門相談電話の開設や交流事業の実施、市民や企業の理解を促進する啓発事業に取り組むなど、支援の充実を図ってまいります。

 ヘイトスピーチについては、国に対して実効性のある対策を講じるよう要望するとともに、公共施設の利用については、関係条例などに基づき、適切に判断してまいります。

 次に、消費生活センターの相談業務につきましては、法令に基づき適切に対応しており、今後とも、消費生活相談員の処遇などに配慮をしながら消費者行政を推進してまいります。

 次に、平和資料館の設置に関するお尋ねですが、戦争の悲惨さと平和のとうとさを後世に正しく伝えていくため、ふくふくプラザや博物館において戦時関係資料の展示を行っているところであり、今後とも、その充実などに努めてまいります。

 学校における平和に関する学習についての御質問につきましては、後ほど教育委員会から御答弁いたします。

 最後に、憲法に関する御質問にお答えをいたします。

 憲法のあり方については、国民的な議論のもとで検討されるべきものと考えております。また、市政の遂行に当たりましては、今後とも、憲法を遵守してまいります。

 以上、市政各般にわたり御答弁いたしました。引き続き人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市の実現を目指して、全力で市政運営に取り組んでまいります。

 

議長(川上晋平) 清森水道事業管理者。

水道事業管理者(清森俊彦) 水道に関する御質問にお答えいたします。

 浄水場などの重要な土木構造物につきましては、2020年度を目途に耐震化を完了することとしております。

 また、配水管などの管路については、引き続き計画的に耐震化を進めてまいります。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 阿部交通事業管理者。

交通事業管理者(阿部 亨) 地下鉄に関する御質問にお答えをいたします。

 地下鉄七隈線延伸工事につきましては、安全に進められるよう地下鉄七隈線建設技術専門委員会からの意見を踏まえながら慎重に進めておりましたが、道路陥没事故により、市民を初め、多くの皆様に多大な御迷惑をおかけしたことにつきましては大変申しわけなく思っております。

 今後の工事につきましては、事故の原因究明の検討委員会から示された指摘や工事再開に関する留意点を真摯に受けとめ、技術専門委員会から技術的な意見などを伺いながら検討を進め、安全を最優先に取り組んでまいります。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 教育に関する御質問に対しまして教育委員会からお答えをいたします。

 まず、一人一人を人間として尊重する教育につきましては、福岡市の目指す子ども像である、基本的生活習慣を身につけ、みずから学ぶ意欲と志を持ち、心豊かにたくましく生きる子どもを育むため、新しいふくおかの教育計画に基づき、着実に教育施策を実施してまいります。

 次に、教育予算につきましては、学力向上やいじめ、不登校、ひきこもり対策などに重点的に取り組むとともに、校舎の大規模改造事業を初め、子どもが安心して学ぶことができる教育環境整備に必要な予算を確保しております。

 次に、過大規模校対策につきましては、学校の分離、通学区域の変更、教室の増設など、地域の実情に応じた取り組みを行っております。マンション建設を学校教育の観点から規制することは、さまざまな課題があり、困難であると考えております。

 次に、学校施設の点検につきましては、法定点検を初めとした保守点検に加え、技術職員による点検を実施するなど、充実を図っております。

 大規模改造などの施設整備については、老朽化の状況を勘案し、整備を進めております。

 トイレについては、洋式トイレを標準とし、改善に取り組んでおります。

 アスベスト含有資材については、改修などの際に取りかえを行っております。

 空調設備が未整備の特別教室については、多額の整備費用を要するため、今後の検討課題であると考えております。

 市立高校の空調設備の整備については、負担のあり方を含め、今後の検討課題であると考えております。

 次に、少人数学級につきましては、新しいふくおかの教育計画に基づき、小中学校9年間の発達段階に応じた教育を推進するため、小学校1年生から4年生までは少人数学級、小学校5、6年生では一部教科担任制及び少人数指導、中学校1年生では学校の選択による少人数学級を実施しております。

 スクールカウンセラーについては、小呂小中学校、玄界小中学校を除く全ての福岡市立の小学校、中学校、高等学校、特別支援学校に配置しております。

 スクールソーシャルワーカーについては、平成30年度より全ての中学校区に拡充して配置してまいります。

 部活動指導員については、新たに73名を全ての中学校、高等学校に配置いたします。

 学校司書については、引き続き36名を効果的に配置してまいります。

 次に、特別支援学校につきましては、設置義務のある県に対して、福岡市内への新設や必要な財政負担を行うよう要望してまいります。

 特別支援学級の教員配置については、法に定められた学級編制基準に基づき配置を行っており、配置の充実については国に要望してまいります。

 特別支援学級及び通級指導教室については、対象児童生徒の状況に応じて新設してまいります。

 特別支援教育支援員及び介助員については、適切に配置をしております。

 教員の特別支援教育に関する専門性の向上については、基礎的な知識、技能や実践的な指導に関する研修を充実してまいります。

 次に、能古小中学校における小中一貫教育につきましては、国や他都市の動向、能古小学校と能古中学校の現状などを踏まえ、十分に検討して決定したものであり、平成31年度から実施してまいります。

 次に、学校給食センターの再整備及び小学校給食の民間委託につきましては、今後とも、安全、安心でおいしい給食の提供を基本としながら、事業を着実に推進してまいります。

 次に、指定管理者制度につきましては、総合図書館新ビジョンに基づき、総合図書館の施設管理及び東図書館の運営に導入し、市民の学習機会の充実や市民サービスの向上を図っております。

 次に、学校用務員の拠点校制度につきましては、今後とも、児童生徒の安全で快適な学習環境を確保しながら実施してまいります。

 次に、教育振興会の奨学金につきましては、現行の貸与型奨学金の安定的な運営を図りつつ、国、県の就学支援制度の動向も踏まえながら適切に実施してまいります。

 次に、就学援助の認定基準につきましては、従来から国が決定している生活保護基準に準じて定めております。また、その支給項目については、保護者の経済的負担が大きく、全ての児童生徒にかかわるものを選定しており、他都市の動向なども踏まえながら対処してまいります。

 学校給食費については、法令により保護者に負担を求めることができるもののうち食材料費相当額のみを負担していただいておりますが、経済的な理由により援助が必要な世帯に対しては、就学援助などによる支援を行っております。

 フリースクールについては、学校復帰や社会的自立を助ける上で適切であると学校長が判断した場合は、出席扱いにするなどの対応を行っております。

 次に、中学校夜間学級、いわゆる夜間中学につきましては、広報や情報提供を行うとともに、的確にニーズを把握することができる手法について検討をしてまいります。

 最後に、引揚港としての博多港の歴史を通して、平和のとうとさを学ぶことは大切であると認識しており、その教材としての活用については今後研究してまいります。以上でございます。

 

議長(川上晋平) この際、暫時休憩いたします。

 午後は1時10分に再開いたします。

午前1133分 休憩  

午後1時10分 開議  

副議長(石田正明) 休憩前に引き続き会議を開き、各派代表による質疑を継続いたします。国分徳彦議員。

○46番(国分徳彦)登壇 代表質問に先立ち、皆様既に御承知のとおり、去る2月19日に我が会派の三角公仁隆議員が御逝去されました。謹んで哀悼の意を表しますとともに、心から御冥福をお祈り申し上げます。通夜、葬儀に際し、福岡市議会の皆様を初め、島市長、市職員の皆様におかれましては、御多用中にもかかわらず、御会葬、御焼香を賜りましてまことにありがとうございました。この代表質問は本来、三角議員が行うこととしておりましたが、残念ながらかなわぬこととなりました。本人の遺志を受け継ぎ、会長である私がかわって行います。よろしくお願いいたします。

 それでは、みらい福岡市議団を代表して、平成30年度予算案並びに諸議案に対し、質問と提案をしてまいります。詳細なことは補足質疑や総会質疑で我が会派の議員が質問してまいりますので、代表質問では大局的な見地から何点か質問いたします。福岡市の未来を考える私たちみらい福岡市議団の質問と提案に対しまして、市長の明快な答弁を期待するものであります。

 さて、我が国経済において、アベノミクスが生み出した経済の好循環が回り始め、緩やかな景気回復が続いているとされていますが、その成長と分配の好循環が地域の隅々まで行き渡っていると言うには、期待はされるものの、まだまだと感じます。現在、国会で審議されている平成30年度政府予算案は、経済再生と財政健全化を両立する予算として、これまでの歳出改革の取り組みを強化しつつ、人づくり革命や生産性革命を車の両輪とし、潜在成長率を引き上げ、最大の壁としている少子・高齢化の克服と成長を目指す予算案とされ、一般会計総額は6年連続で過去最高を更新し、景気回復に伴う税収増で新規国債発行額を8年連続で減らすなど、財政健全化にも配慮したものとされています。しかしながら、社会保障制度の持続可能性や財政健全化に向けて、財政規律を確保しながらも、景気回復による税収増に頼る財政運営からの脱却と言うには及ばず、我が国の財政は厳しい状況が続くと考えます。

 このような状況にあって、福岡市においては、生活の質の向上と都市の成長の好循環の創出を基本戦略に掲げ、島市長の強いリーダーシップのもと、天神ビッグバンやウォーターフロントネクストなど、新しい先進的なまちづくりや、高齢者が活躍し続けることができるよう健康寿命延伸の推進、そして、未来を担う子どもたちが健やかに成長できる社会を目指した子育て支援の充実及び教育環境の整備による人づくり、さらには国家戦略特区を活用した創業支援による仕事づくりなどの施策を、福岡市の強みを生かし、取り組んできました。このような取り組みにより、国内の多くの自治体で少子・高齢化、人口減少が進む中、福岡市は人口や観光客が見込みを上回る勢いでふえ続け、企業の立地も進み、市税収入は平成28年度決算において4年連続で過去最高を記録しています。また、都市活力から得た成長の果実を生かし、さらに子育てしやすい環境づくりや安全、安心なまちづくりなどに取り組んでおり、住みやすいまち、元気なまちとして高く評価されていることは周知のことでございます。人口も増加し、税収も増加し、成長を続ける中、都市の成長と生活の質の向上の好循環を力強いものとし、福岡市が日本のみならずアジアや世界で輝く都市として、さらに市民が誇れる都市に成長していくためには、将来をしっかり見据え、気を緩めることなく市政運営に当たっていく必要があります。福岡市の人口はまだ増加中ですが、やがて人口増は終えんを迎えるでしょう。だから、今、このときこそ、将来にわたって持続可能な成長戦略を着実に展開し、長期的かつ幅広い視点を持って市政をさらに前へ進めていくべきであります。

 そこで、福岡市政の今後の方向性について、我が会派がさきに行った施策要望の5つの柱に沿って幾つか質問をしてまいります。

 まず第1は、我が会派がこれまでもさまざまな指摘や提案を行ってきた行財政改革の推進についてであります。

 将来にわたって持続可能な財政運営に当たり、特に重要視すべき市債残高については、満期一括積立金を除く全会計では平成30年度末に約2兆1,054億円となる見込みで、ピークの平成16年度末から4,827億円縮減されることとなりますが、市民1人当たりに換算すると約138万円と、依然として政令市の中でも高い水準にあります。また、本市の財政収支の見通しでは、一般財源総額の大幅な増収が見込めない中、少子・高齢化の進展に伴う社会保障関係費の増加や老朽化が進む公共施設の改修、修繕に係る財政需要の増大などが見込まれており、引き続き厳しい財政状況にあります。そのため、今後の施策展開に当たっては、明確な優先順位づけのもとで事業費の圧縮や平準化、民間資金の活用を図るとともに、時代の変化に伴い、必要性や緊急性が薄れた事業あるいは相対的に優先度が低くなった事業の見直しを行うなど、選択と集中をさらに進める必要があります。

 そこで、具体的な項目について幾つかお尋ねします。

 外郭団体については、これまで3次にわたる改革実行計画により、団体の統廃合や事業の見直しなどに取り組み、一定の成果が見られますが、今後とも、新たに策定した外郭団体のあり方に関する指針に基づき、廃止すべき団体、生かすべき団体、めり張りを持って着実に見直しを進めていただきたいと思います。また、簡素で効率的な市政運営の実現には、民間でできることは民間に任せるという視点で、民間が有する専門的技術やノウハウのより一層の活用が不可欠であります。中でも、我が会派が繰り返し主張してきた現業業務の見直しについては、退職不補充を原則とし、民間活力の導入が進められており、今後とも、着実に推進していただきたいと思います。さらに、補助金について、特に長期にわたって支出している補助金は徹底した見直しを実施すべきだと考えます。

 ただいま掲げた項目について、今後どのように取り組み、真に実効性のある行財政改革を進めていくのか、御所見をお伺いします。

 次に、公共施設跡地の有効活用についてお尋ねします。

 福岡市の財政状況は依然として厳しく、重要な施策の推進や今後の行政課題の対応に必要な財源確保のためにも、市が保有する財産の有効活用を一層進めていくことが重要であると考えます。これまでも財産の貸し付けや余裕部分の活用などに取り組んできていますが、今後さらに活用可能な財産の状況を確実に把握し、民間ノウハウも取り入れながら、一層の財産の有効活用を図るべきであります。また、福岡市はサービス業や小売業などの第3次産業が主たる産業となっており、福岡市のさらなる発展に向けて、より多くの人が国内外から集まるようにするためには、都市機能を強化し、魅力あるまちづくりに取り組むことも重要であります。このような中で、都心部周辺においては、簀子小学校跡地やこども病院跡地などがあり、これらの貴重な公共施設跡地を有効活用することで、まちのにぎわいや魅力づくりへの寄与が期待されます。

 このため、財源確保の観点に加えて、まちづくりの観点からも跡地活用の方策について、おのおのの跡地の実情を踏まえて検討し、時期を逸することなく、早期に活用につなげていくべきと考えますが、御所見をお伺いします。

 次に、第2は、子どもたちを健やかに育むまちについてであります。

 少子・高齢化や核家族化など、子育て家庭を取り巻く環境が厳しい状況にある中、子育て支援の充実は喫緊の課題であります。まず、保育に関しては、これまでも保育所等の整備に取り組まれておりますが、働く女性の増加等に伴い、保育所の入所申し込みは増加を続け、保護者が求める保育サービスも多様化してきております。待機児童解消に向けて、引き続き保育所等の整備や多様な保育ニーズへの対応を推進するとともに、保育士の処遇改善に取り組む必要があると考えます。また、私立幼稚園における幼児期の教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり、将来を担う子どもたちが教育を受ける機会を逸しないよう、保護者負担の軽減を図る必要があります。また、ひとり親家庭については、経済的に厳しい状況に置かれた家庭への支援の充実が求められており、就業による自立に向けた支援を中心に、子育てや生活支援、経済的支援などの総合的な取り組みをより充実させる必要があります。さらに、子ども食堂については、子どもに温かい食事を提供することに加え、子どもが安心して過ごすことのできる居場所として大きな役割を果たしており、このような活動に対する市の支援をさらに充実させる必要があります。

 誰もが安心して産み育て、子どもたちが健やかに成長することができるよう、今後、子育て支援の充実にどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いします。

 また、いじめ、不登校問題の解決も重要な課題であります。福岡市においては、いじめの認知件数が増加していると聞いております。これはいじめを見逃さず、いじめを認知して解決しようとする姿勢のあらわれであると捉えております。また、不登校問題については、学校長を中心に、不登校対応教員やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等、組織的な支援体制をつくり、対応されていることと捉えております。しかしながら、今後もいじめの早期発見や不登校の未然防止に向けた取り組みとともに、問題を抱えている子どもたちへの支援のさらなる充実が必要であると考えます。

 そこで、子どもたちが安心して学校生活を送るために、今後、いじめ、不登校問題についてどのように取り組まれていくのか、御所見をお伺いします。

 また、過大規模校対策として、平成29年4月に西都小学校が開校し、平成31年4月にはアイランドシティに新たな小学校が開校予定であるなど、学校規模の適正化に取り組まれております。しかしながら、依然として一部の地域では大規模な住宅開発などによる過大規模校化や市街化調整区域を含む地域などでは少子・高齢化による小規模校化が進んでおります。

 そこで、福岡市の未来を担う大切な子どもたちが公平に、よりよい教育環境のもとで学校生活を送るために学校規模の適正化を推進する必要があると考えますが、御所見をお伺いします。

 次に、小学校の英語教育についてお尋ねします。

 グローバル化が急速に進展する中、外国語によるコミュニケーション能力の向上はますます重要になってまいります。2020年度からは新しい学習指導要領が小学校で実施され、教科としての外国語科の学習が始まり、平成30年度は移行措置として小学校5、6年で年間50時間、3、4年で年間15時間の外国語活動を実施するよう文部科学省が示しているところです。小学校段階での英語教育は、その後の学習の基盤となるもので、大変重要だと考えます。

 そこで、今後、指導体制や指導方法をどのように充実させるのか、御所見をお伺いします。

 次に、子どもの貧困と教育格差の是正についてお尋ねします。

 昨年6月に厚生労働省から子どもの貧困率が公表されました。前回の結果と比べると改善が見られるものの、子どもの7人に1人が貧困の状態にあり、依然として深刻な状況です。子どもたちの将来が、生まれ育った環境に左右されるようなことは断じて許されるものではありません。貧困の連鎖を断ち切っていくためには、教育の機会均等を図り、子どもが受けられる教育の格差を是正していくことが重要であると考えます。

 そこで、子どもの教育格差の問題についてどのように取り組まれていくのか、御所見をお伺いします。

 次に、第3は、自然と人に優しいまちについてであります。

 福岡市の高齢化率は現在21%を超え、超高齢社会を迎えております。さらに、2025年度には24.8%と、4人に1人が高齢者になると予測されております。このような中、年齢を重ねても住みなれた地域で自分らしい暮らしを続けることができるように、医療、介護、予防、生活支援などが日常生活の場で一体的に提供される、いわゆる地域包括ケアシステムの構築に向けて、さらなる取り組みが必要だと考えます。一方で、人口に占める生産年齢人口の割合が減少していくことが見込まれており、福岡市がこれからも活力ある都市として発展していくためには、これまで以上に、元気で意欲のある高齢者に社会の中で活躍していただくことが必要です。そのためには、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活ができる期間、いわゆる健康寿命を延ばすことが極めて重要であると考えます。現在、福岡市では保健福祉センター、公民館、医療機関などで健康づくり教室や講座が開催され、市民に対する健康づくりや介護予防の意識啓発が行われています。

 今後も高齢者が自立して元気に暮らし続けるためには、自主的かつ主体的に健康づくりや介護予防に取り組む方々をさらにふやすことが必要と考えますが、どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。

 次に、障がい者の就労支援対策についてお尋ねします。

 近年、障がい者やその家族の高齢化など、障がい者を取り巻く環境は大きく変化しており、当事者からは親なき後の生活に対する不安の声も聞かれます。障がい者もその家族も安心して生き生きと生活していくためには、障がい者が地域社会の一員として、しっかりと自立した生活を行うことができる環境づくりが必要です。

 とりわけ働きたいという希望を持っている障がい者がみずからの能力を十分に生かすことができる環境で働くことは経済的な自立を促進するという観点からも重要であり、障がい者の就労支援に向けた取り組みを進めていくべきと考えますが、御所見をお伺いします。

 次に、障がい児の療育環境の整備についてお尋ねします。

 障がい児の支援については、早い段階から障がい種別やその特性に応じた適切な支援を行うことが重要であります。近年、福岡市立心身障がい福祉センター等の新規受診児数は急増し、また、就学前の障がい児が通う市内の児童発達支援センターでは利用希望者が増加傾向にあることから、定員の超過が常態化する状況となっております。

 こうした状況を踏まえ、福岡市の療育環境についてはさらなる整備が必要であり、また、あわせて療育施設と幼稚園、保育所との並行通園を進めるべきと考えますが、御所見をお伺いします。

 次に、地球環境の保全対策と再生可能エネルギーについてお尋ねします。

 地球環境の保全対策については、2020年以降の地球温暖化対策の新たな枠組みとなるパリ協定が発効し、国内外において地球環境の保全の動きが高まる中、福岡市においても、地球温暖化対策である二酸化炭素の排出削減及び気候変動の影響への適応策、PM2.5対策、ごみ減量、雨水の有効活用などの取り組みをより一層推進する必要があると考えます。また、再生可能エネルギーは環境への負荷が少なく、資源が枯渇するおそれが少ないことから、積極的活用を図っていくべきであると考えます。

 そこで、地球環境の保全対策や再生可能エネルギーの活用に向けてどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。

 次に、水と緑のまちづくりの推進についてお尋ねします。

 市民の生活の質を向上させるためには、自然環境や景観を守るとともに、心豊かな市民生活を支えるまちづくりを進める必要があります。そのためには、新・緑の基本計画を着実に推進することが重要であり、市民や企業、行政が一体となって取り組んでいく必要があります。

 ことしから一人一花運動を始動されましたが、今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いします。

 また、都心部における貴重な水と緑の空間である大濠公園と舞鶴公園については、春の福岡城さくらまつりだけではなく、季節に応じたさまざまなイベントが開催されるなど、市民の憩いの場としてのにぎわいも増してきたように感じます。セントラルパーク構想に対する市民の認知度や期待も高まってきているのではないかと思います。

 そこで、構想の早期実現に向けて、福岡県と連携しながら、さらに積極的に取り組む必要があると思いますが、御所見をお伺いします。

 次に、アイランドシティと香椎浜、御島崎に囲まれた御島水域については、海沿いの景観などを楽しめる海岸や緑地空間、あいたか橋などが整備されたことで、自然豊かな1周約3キロの回遊空間が創出され、御島グリーンベイウォークの愛称で、多く市民にウオーキングやジョギング、自然観察などで利用されています。

 そこで、御島グリーンベイウォークがさらに市民に親しまれる東の大濠公園となることを目指し、御島水域とその周辺において回遊性と魅力向上を推進していくべきと考えますが、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。

 次に、農林水産業の活性化と地産地消の推進についてお尋ねします。

 我が国の農林水産業を取り巻く状況は、従事者の高齢化の進行や後継者不足による担い手の減少、耕作放棄地の発生などにより厳しさを増し、その活力は低下する一方であります。こうした状況の中で、農林水産業を活性化していくためには、第1次産業に取り組む人々の所得を上げていく必要があります。

 それには大消費地を擁する福岡市の特性を生かし、地産地消を推進するなど、所得向上に向けた取り組みを進めていく必要があると思いますが、御所見をお伺いします。

 一方で、林業に目を向けると、市域面積の3分の1を占める森林では杉やヒノキなどの人工林が木材として利用可能な時期を迎えております。

 これらの森林資源を有効に活用するため、林業振興の観点から市内の公共建築物等への地元産木材の利用促進を図るべきと考えますが、御所見をお伺いします。

 次に、第4は、文化薫り、魅力と活力にあふれたまちについてであります。

 福岡市はアジアとの交流を通して発展してきた長い歴史を有しており、国宝金印を初め、元寇防塁や鴻臚館跡といった遺跡など、貴重なものが数多くあり、昨年9月には中世を中心とした国際色豊かな2,000点を超える博多の発掘資料が博多遺跡群出土遺物として国の重要文化財に指定されたのは記憶に新しいところです。また、博多部では中世博多の歴史や文化の奥深さを楽しむことができ、ユネスコ無形文化遺産に登録された博多祇園山笠や博多松ばやしなどの祭り行事、博多織、博多人形などといったさまざまな伝統文化も福岡、博多という都市の個性を際立たせる貴重なものであります。

 福岡市が有するこれらの文化財や地域で受け継がれてきた伝統文化については、福岡市の歴史を物語る市民の貴重な財産であり、文化面、観光面において振興を図っていくとともに、積極的に情報発信を行う必要があると思いますが、御所見をお伺いします。

 コンベンションなどMICEについては、参加者の宿泊や飲食などによる直接的な経済効果はもちろん、交流をきっかけとした新たなビジネスや雇用の創出、さらには国内外に都市をPRする大きな機会になるなど、都市の成長を牽引する大変重要な役割を持つものであります。日本政府観光局が発表している統計では、国際会議開催件数において福岡市は8年連続で国内第2位となっており、昨年は国際会議協会が主催する研修会がアジアで初開催されるなど、国内を代表するコンベンションシティとして着実に成長しているように感じます。その一方で、長崎市や熊本市でも新たなMICE施設の整備が進められるなど、今後、MICE誘致の都市間競争は激しさを増していくものと考えられますが、コンベンションゾーンの既存施設は稼働率が非常に高く、毎年、お断りにより機会損失が生じており、施設の供給力不足は喫緊の課題となっております。福岡市が国際的なコンベンションシティとしてさらに認知され、MICEを通じた交流を都市の持続的な成長につなげていくためには、都市ブランド力の向上につながるような国際会議などの誘致に向けた活動の強化とともに、需要に対応できる受け皿を早急に整えていく必要があると考えます。

 そこで、今後のコンベンションシティづくりに向けて、戦略的なMICE誘致や第2期展示場の整備を初めとしたMICE機能の強化にどのように取り組まれていくのか、御所見をお伺いします。

 また、中央ふ頭、博多ふ頭から成るウォーターフロント地区については、マリンメッセや国際会議場などのMICE施設が集積するとともに、アジアからのクルーズ船の寄港回数が平成29年は326回となり、3年連続日本一を誇り、国内外から多くの方々が来訪されていますが、MICEやクルーズの需要に対して供給力が不足していることから、しっかりと再整備を推進していく必要があります。その上で、ウォーターフロント地区の再整備を第一歩として、地区のポテンシャルを最大限に生かし、第2期展示場の整備やホテル等の誘致を初めとしたMICE機能の強化や、中央ふ頭西側においてクルーズ船の2隻同時着岸を実現するクルーズ受け入れ機能の強化とあわせて、にぎわいの創出や天神地区、博多駅地区との公共交通アクセスの強化といった交通環境の改善を図る必要があると考えます。

 ウォーターフロント地区については、将来像をしっかりと描き、民間活力を最大限に活用して早期に再整備に取り組んでいく必要があると思いますが、御所見をお伺いします。

 次に、地域商店街は住民の暮らしを支える買い物の場を提供する地域経済の担い手であるとともに、地域の交流、にぎわいの場を提供する地域コミュニティの担い手として地域の活力を支えるなくてはならない重要な存在であります。しかしながら、買い物の場を提供する地域経済の担い手としての役割は、インターネットによる購買や通信販売、消費者ニーズの多様化といった環境の変化による来街者や売り上げの減少及び経営者の高齢化や商店街を担う人材不足といった課題もあり、厳しい状況に置かれています。このような中、地域の商店街では地域の安全、安心のために防犯カメラや街路灯を設置したり、高齢者等の買い物弱者対策として出張販売や宅配事業を行うなど、地域課題の解決に向け、地域から求められる期待に応えながら、地域コミュニティの担い手として地域貢献活動に尽力いただいているところです。都心部の商店街など、増加する外国人観光客の受け入れのための支援も重要でありますが、このような地域に根差した商店街もしっかりと支援を行う必要があるのではないでしょうか。

 平成29年度に福岡市が実施された商店街実態調査の結果を踏まえ、商店街のニーズを把握し、魅力ある地域商店街の活性化を図っていく必要があると考えますが、御所見をお伺いします。

 次に、福岡市の成長を牽引する都心部については、核となる天神・渡辺通、博多駅周辺、ウォーターフロント地区における都市機能強化とともに、憩い、にぎわいの創出など、都市の魅力向上を図ることが重要であります。特に天神地区においては、国家戦略特区をトリガーにした新たな空間と雇用を創出する天神ビッグバンプロジェクトに取り組まれており、平成29年には航空法の高さ制限について、7月に天神ビッグバンの西ゲートに位置する旧大名小学校跡地の緩和、9月に天神明治通り地区におけるさらなる緩和が認められたことで、民間活力を最大限活用しながらスピード感を持ってまちづくりを推進することが可能となりました。こうした中、旧大名小学校跡地では平成2910月から事業者を公募しているところであり、今後、天神ビッグバンは事業実施の段階へと移行することとなります。また、天神明治通り地区では天神ビッグバン第1号となる民間ビル建てかえが進んでおり、これらの取り組みを契機として、天神ビッグバンはさらに加速していくことが期待されます。

 このような中、天神ビッグバンエリア内には、旧大名小学校跡地に加え、天神中央公園やアクロス福岡など、都心部における貴重な憩い空間が集中するほか、市役所ふれあい広場などのにぎわい施設もあることから、ビル建てかえの機会を的確に捉え、公共空間の充実等に官民連携で取り組む必要があり、これら公共空間等を生かした戦略的なまちづくりに取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いします。

 また、この天神ビッグバンと対をなすプロジェクトとして、博多部に点在する歴史、伝統、文化の魅力を市民や観光客にわかりやすく伝え、満足度を高めるストーリーづくりを展開するとともに、旧市街を感じさせるまち並みづくりを図る博多旧市街プロジェクトが平成2912月に始動しております。博多部の歴史や伝統を生かしたまちづくりについては、これまでも積極的に取り組んできたところではありますが、これまで地域とともに取り組んできたことを踏まえ、観光、道路、まちづくりなど、関連施策をこのプロジェクトにパッケージ化し、福岡市の魅力向上に向けた取り組みをさらに強化するよう要望いたします。

 次に、スポーツ環境の充実についてお尋ねします。

 福岡市では、ラグビーワールドカップ20192021年の世界水泳選手権の開催に加えて、2019年に世界フィギュアスケート国別対抗戦がマリンメッセ福岡で開催されることが決定するなど、さまざまな競技の大規模国際スポーツ大会が相次いで開催されます。これらは福岡市が国際スポーツ都市としての認知度を向上させているあらわれであるとともに、さらに、より世界にFUKUOKAの名前を広げていくことになる好循環に入っていることを示しております。また、大規模国際スポーツ大会の開催は地域経済の活性化や市民スポーツの振興につながるもので、必ず成功させなければなりません。

 大規模国際スポーツ大会の成功に向けて、受け入れ環境を整備、充実するとともに、大会終了後の市民への開催効果の還元を踏まえた取り組みを進める必要があると考えますが、御所見をお伺いします。

 また、平成30年秋にオープン予定の総合体育館については、西日本最大級のアリーナを持つ新たな体育館として、大規模大会に対応できるだけでなく、市民のサークル利用や個人のトレーニング利用などの機能も充実すると聞いております。

 この総合体育館のオープンを見据えて、市内各所から多くの市民が利用できるよう交通アクセスの充実を図るとともに、魅力あるオープニングイベントを開催するなど、効果的な利用促進策を講じる必要があると考えますが、御所見をお伺いします。

 次に、文化施設の充実についてお尋ねします。

 文化芸術は人々の感性や想像力を豊かにするとともに、喜びや感動、心の安らぎをもたらす大変重要なものであります。文化芸術を鑑賞する機会の充実や市民による文化活動の活性化は、生活の質の向上に大きく寄与するものです。音楽・演劇練習場は市内に4カ所設置されておりますが、いずれも音楽やダンス、演劇などの活動の場として活発に利用されていると聞いています。

 文化に対する多様な市民ニーズに対応し、市民の文化活動を活性化していくためには、練習施設を質、量ともに充実させていくことが重要であり、現在設置されていない西部方面での設置について検討を進めていく必要があると考えますが、御所見をお伺いします。

 また、市民会館の後継施設として、拠点文化施設の検討が進められており、昨年12月議会で須崎公園との一体整備のコンセプトや事業手法について方向性を示されましたが、この施設は福岡の文化振興の中心的役割を担うものであり、また、計画地である須崎公園は都心部の核となる天神地区とウォーターフロント地区の中間に位置することから、今後の福岡のまちづくりを進める上でも大変重要なものとなります。

 そのため、当該施設の整備に当たっては、時代にふさわしい新たな文化の拠点として計画を推進すべきと考えますが、御所見をお伺いします。

 次に、第5は、安全で安心して暮らせるまちについてであります。

 福岡市では、かつて急速な都市化の進展に伴い、慢性的な渋滞が生じていましたが、道路整備が進められたことにより放射環状型の道路ネットワークはおおむね形成され、渋滞問題に対して一定の成果を上げてきたところです。次の段階として、既存交通基盤の有効活用や利便性向上を図るため、都市高速道路ハーフランプのフルランプ化などの再点検、高齢化を踏まえた公共交通不便地等における生活交通の確保、バスの定時性、速達性の確保のためのバス停カットなどの取り組みも進めるべきと考えます。また、市民に身近な生活道路などにおいては、誰もが安心して歩けるようバリアフリー化を進めるとともに、歩行者の安全を確保するための自転車通行空間の整備、自転車の運転マナー向上など、市民の安全、安心を守る取り組みも着実に進めていく必要があります。さらに、熊本地震を初めとする大規模災害時には倒壊した電柱が道路を塞ぎ、災害時の救助、支援活動や緊急物資輸送を妨げたことなどから、災害時の安全かつ円滑な交通の確保のため、本市においても無電柱化を推進すべきであると考えます。

 そこで、今後、安全で快適な道路整備の推進に向けてどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いします。

 次に、九州大学の移転に伴う西区西部地域のまちづくりと箱崎キャンパス跡地及び周辺のまちづくりは本市にとって重要なプロジェクトであります。九州大学の移転については、平成17年の第1期開校以来、順次移転が進められ、平成30年度には移転が完了する予定と聞いております。九大伊都キャンパス及び周辺の西区西部地域は知の拠点としての機能集積が進んでおり、移転完了後には大学関連の人口が大幅に増加するばかりでなく、国際会議や学会の増加に伴い、国内外からさらに多数の方がこの地域を訪れることが予想されます。このため、今後とも、九州大学の移転に伴う西区西部地域のまちづくりを進めるとともに、交通アクセスの強化を図っていく必要があると考えます。また、箱崎キャンパス跡地及び周辺においては、交通利便性が高く、都心部に近い広大な敷地を有するなどのポテンシャルを生かすとともに、これまで地域とともに刻んできた100年を超える長い歴史を踏まえ、周辺地域との連携を大切にしたまちづくりを進めていく必要があると考えます。

 そこで、九州大学の移転に伴う西区西部地域のまちづくりと箱崎キャンパス跡地及び周辺のまちづくりに向けた取り組みについて御所見をお伺いします。

 次に、現在、福岡市は一昨年の熊本地震の教訓を踏まえたさまざまな防災対策の充実強化に取り組まれていることと思います。その最中、平成29年7月九州北部豪雨では、記録的な大雨により朝倉市周辺で甚大な災害が発生しましたが、過去の水害の経験に基づいた地区ごとの防災マップの作成が近隣住民のお声かけにつながり、迅速な避難行動がとられたことにより被害が軽減できた地域があったそうです。近年、頻発する局所的集中豪雨はいつどこで起きてもおかしくない状況です。このような災害に対応するためには、浸水対策などの公助の取り組みに加え、自分の身は自分で守る、自分たちの地域は自分たちで守るという自助、共助の取り組みを推進し、地域の防災力を強化すべきではないでしょうか。全国的に見ても複雑化、大規模化したさまざまな災害が続いており、福岡市においても、危機管理施策及び災害対応力の向上は急務であると思います。

 そこで、市民の生命と財産を地震や局所的集中豪雨などの災害から守る防災・危機管理対策の取り組みについて御所見をお伺いします。

 また、あわせて河川改修による治水対策や下水道による浸水対策を積極的に推進していくべきと考えますが、御所見をお伺いします。

 次に、天神地区や博多駅地区などの都心部では、今後、都市機能の更新、集積が進み、ますますたくさんの人、車が集まってくることになり、今後の都心部の発展を支える交通環境づくりが極めて重要になります。また、福岡市が安全で安心して暮らせるまちとして今後も発展していくためには、都市交通対策の充実は必要不可欠であります。

 そこで、交通事業者などと連携を図りながら、公共交通を主軸とし、多様な交通手段が有機的、効率的に連携した総合的な交通体系づくりを推進していく必要があると考えますが、御所見をお伺いします。

 また、鉄道の高架化は、踏切での交通渋滞や事故の解消、沿線の一体的なまちづくりなどに大きな成果をもたらすため、西鉄天神大牟田線大橋駅以南の高架化については早期実現を目指していただくようお願いします。

 次に、市街化調整区域の活性化についてお尋ねします。

 福岡市は今後約20年間は人口がふえ続けることが見込まれ、全国の中でも非常に元気のある都市です。一方、市域の約50%を占める市街化調整区域では、人口が平成7年をピークにこの20年間で約14%も減少し、少子・高齢化が進行しており、地域の主たる産業である農林水産業の後継者不足なども進み、地域コミュニティの維持が難しい状況にあるなど、市街化調整区域に暮らす方々を取り巻く生活環境は極めて厳しい状況にあります。そのような中、今後とも、地域コミュニティの活性化に向けた定住化の取り組みを進めるとともに、土地利用の規制緩和による民間活力の導入を促進するなど、主たる産業である農林水産業を初め、観光業などの地域特性を生かした産業の振興にしっかりと取り組んでいく必要があると考えます。都心部の開発も都市の成長のために重要ではありますが、市街化調整区域についても、しっかりと活性化に取り組んでいただき、福岡市全体がバランスのとれた成長をしていくことを期待するものであります。

 そこで、今後、市街化調整区域の活性化に向けてどのように取り組みを進めていくのか、御所見をお伺いします。

 以上、みらい福岡市議団を代表して質問してまいりましたが、質問の冒頭でも申し上げたように、我が国の経済はアベノミクスの推進により緩やかな回復基調が続いているとされてはいるものの、地域の隅々まで十分実感できる状況にはまだ至っておりません。国の財政状況も依然として厳しい状況が続いていくと考えます。このような状況の中だからこそ、到来しているチャンスを生かし、福岡市が日本経済再生の先頭を走っていく気概を持って将来も見据えた市政運営を着実に行うべきであります。人と自然との共生及び未来を担う子どもたちに夢と希望を与えるまちづくりの実現には、常に新たな時代の潮流を的確に見きわめながら、事業の選択と集中をより一層進め、持続可能な市政運営を確立しなければなりません。島市長におかれましては、アジアのリーダー都市の実現を目指したまちづくりを強力なリーダーシップのもと、進められています。市政に関する意識調査の結果を見ても、福岡市は住みやすいが96%、住み続けたいが92.8%と2年連続で過去最高値を記録しています。どちらの数値も、この5年間で90%以上とずっと高い数値を維持しています。市長肝いりの一人一花運動は、住みやすいまちづくりに一層の花を添えてくれるでしょう。さらに、福岡市政への信頼度も過去最高の77.7%となっています。これらの数値は、これまでの市長の数々の政策が高く評価されているあらわれです。

 島市長におかれましては、2期目の任期最終年度を迎えられます。将来にわたる福岡市の持続的な成長に向け、政策推進と行財政改革に不退転の覚悟を持って取り組んでいただくようお願いし、私の質問を終わります。

 

副議長(石田正明) 島市長。

市長(島宗一郎)登壇 ただいまみらい福岡市議団を代表して、国分議員より御質問いただきましたので、まず私から御答弁をさせていただきます。

 最初に、行財政改革についての御質問にお答えをいたします。

 行財政改革については、社会保障関係費が引き続き増加するなど、福岡市の財政が依然として楽観できる状況にない中にあっても、総合計画を着実に推進し、都市の成長と生活の質の向上の好循環を力強いものとしていく必要があります。そこで、行政運営プラン及び財政運営プランの取り組みの方向性を踏まえ、重要施策の推進などに必要な財源を確保するため、政策推進プランに基づき、投資の選択と集中を図りつつ、歳入の積極的な確保や行政運営の効率化、既存事業の組みかえなど、不断の改善に取り組むとともに、市債残高の縮減に向けた取り組みを引き続き進めてまいります。

 外郭団体につきましては、改革実行計画に基づく取り組みにより13団体を削減したほか、団体への補助金などをおよそ85億円削減し、また、市職員の団体への派遣をおよそ350人削減しております。平成29年度には外郭団体のあり方に関する指針を策定したところであり、引き続き指針に基づき、外部有識者などの意見も伺いながら、団体が行う事業の必要性やそのあり方などについて、さらなる検証を行い、福岡市の人的、財政的関与の縮小や団体の有効活用などに取り組んでまいります。

 技能労務職に係る事務事業の見直しについては、引き続き原則、退職不補充とした上で、改めて業務内容を精査し、民間活力の導入などを図りながら、より適切な人員配置となるよう努めてまいります。

 補助金については、補助金ガイドラインに基づき、終期の設定を行うこと、積極的に公募化を行うこと、非公募とする場合や補助制度を延長する場合にはその理由をホームページなどで公表することとしており、これらにより見直しを進めてまいります。

 今後とも、組織の力が最大限発揮できるよう、市役所一丸となって将来にわたり持続可能な市政運営を目指してまいります。

 次に、公共施設跡地の有効活用についてのお尋ねですが、市有財産については、市民から負託された貴重な経営資源であり、財源の確保を図るため、民間事業者のノウハウも活用しながら多様な手法によって財産の有効活用に取り組んでおります。

 公共施設跡地については、公共利用を考慮しつつ、市民ニーズや地域の特性などを踏まえ、財源確保の観点に加えて、まちづくりの視点も取り入れながら総合的に検討を進め、有効活用の取り組みを推進してまいります。

 次に、子どもたちを健やかに育むまちについての御質問にお答えをいたします。

 まず、子育て支援の充実への取り組みにつきましては、保育所の新設、認定こども園や小規模保育事業の認可に加え、新たに幼稚園での2歳児の受け入れを行うなど、多様な手法により平成30年度は2,000人分の定員増を進めるとともに、新たに医療的ケア児保育モデル事業を実施いたします。

 また、保育士の処遇改善等については、勤続手当など福岡市独自の各種助成や保育士・保育所支援センターにおける就職あっせん、潜在保育士の再就職のための就職準備金の貸し付け、正規保育士に対する家賃の一部助成などに加え、平成30年度は保育業務のICT化の支援を実施いたします。

 次に、私立幼稚園における保護者負担の軽減については、年収およそ360万円未満の課税世帯に対する就園奨励費補助金を拡充いたします。

 また、ひとり親家庭の支援については、日常生活支援事業の充実を図るとともに、就業による自立支援などの事業や各種相談への対応、児童扶養手当の支給などを引き続き実施してまいります。

 さらに、いわゆる子ども食堂への支援については、支援団体数の増加など、事業の充実を図ってまいります。

 いじめ、不登校問題の対策など、教育に関する御質問につきましては、後ほど教育委員会から御答弁いたします。

 次に、自然と人に優しいまちについての御質問にお答えをいたします。

 まず、高齢者の健康づくりにつきましては、高齢期を迎える前からの自主的な健康づくり活動を応援する健康づくりチャレンジ事業を実施するとともに、介護予防に主体的に取り組む高齢者のグループをよかトレ実践ステーションとして認定し、活動継続のための支援を行うなど、身近な場所で気軽に取り組める環境づくりに努めてまいります。

 次に、障がいのある方の就労支援につきましては、障がい者就労支援センターにおいて、就労相談や職場開拓から職場適応、定着までの支援を行うとともに、企業訪問やセミナーなどを引き続き実施してまいります。

 次に、障がい児の療育環境の整備につきましては、平成27年度に児童発達支援センターを1カ所増設するとともに、幼稚園や保育所との並行通園を行うため、平成28年度には児童発達支援センターの分園を4カ所開設したところであります。

 次に、地球環境の保全対策につきましては、二酸化炭素の排出削減と気候変動の影響など、こうした適応に向けた啓発事業やPM2.5のわかりやすい情報発信、さらには発生抑制や再使用に重点を置いたごみ減量対策などを一層推進してまいります。

 再生可能エネルギーについては、エネルギーを取り巻く情勢の変化に的確に対応しながら、太陽光発電を中心に、今後とも、導入拡大に取り組んでまいります。

 次に、一人一花運動につきましては、市民や企業、行政がともに力を合わせて花と緑を育てる取り組みであり、都心部などでは企業の協賛による花壇づくりを、区役所や公民館、公園、道路などの公共空間では市民や企業による花壇づくりの活動を支援してまいります。また、各御家庭においても、緑化助成制度などを活用しながら積極的に取り組んでいただきたいと考えております。これらの運動が広がっていくことで、彩りや潤いにあふれ、誰もが福岡に親しみや愛着を持ち、おもてなしと豊かな心が育まれるまちを目指してまいります。

 次に、セントラルパーク構想につきましては、案内サインやベンチの更新などによる回遊性の向上や潮見櫓の復元に向けた設計に取り組むとともに、福岡城さくらまつりを初めとした、歴史資源や四季折々の花々を生かしたイベントの充実などにより、にぎわいの創出を図ってまいります。

 今後、基本計画を早期に策定し、ハード、ソフトの両面から県と共同で構想の実現に向けて取り組んでまいります。

 御島グリーンベイウォークにつきましては、親水性のある護岸や海辺に面した公園などの施設を活用するとともに、御島水域において自然環境の保全、創造を推進し、回遊性や親水性の確保など、魅力の向上に取り組んでまいります。

 次に、農林水産業従事者の所得向上に向けた取り組みにつきましては、生産基盤の計画的な整備などにより、農林水産物の生産の振興に取り組んでまいります。また、市内産農水産物の学校給食への活用などによる地産地消を推進するとともに、ベジフルスタジアムにおける青果物の安全、安心の確立や海外への輸出拡大などに取り組んでまいります。あわせて、特産品の開発、販売やブランド化、6次産業化を支援するとともに、未利用野菜の活用に向けた取り組みを行うなど、農林水産業従事者の所得向上を図ってまいります。

 また、公共建築物などにおいて、地域産木材を中心とした木造化及び木質化を推進することにより、地域産木材の利用促進に努めてまいります。

 次に、文化薫り、魅力と活力にあふれたまちについての御質問にお答えをします。

 まず、伝統文化の振興につきましては、福岡市の貴重な歴史資源である鴻臚館や福岡城などの史跡の公開活用を進めるとともに、博多祇園山笠、博多松ばやしなどの祭り行事や博多織、博多人形などの伝統工芸品を初め、地域で受け継がれてきた貴重な文化財や伝統文化の保存や活用に取り組んでまいります。

 さらに、博多旧市街プロジェクトの推進を契機として、福岡市の歴史や文化を積極的に情報発信し、観光資源としての活用を図ってまいります。

 次に、MICE機能強化の取り組みにつきましては、Meeting Place Fukuokaにおいて、戦略的な誘致活動を展開してまいります。また、コンベンションゾーンにおいて、2021年の開館を目標に第2期展示場の整備を進め、施設の供給力不足の解消を図るとともに、ホテルやにぎわい施設の誘致などに取り組み、MICE関連施設が一体的、機能的に配置されたオール・イン・ワンの早期実現を目指すなど、ハード、ソフトの両面からMICE機能を強化してまいります。

 ウォーターフロント地区については、魅力的なまちづくりを推進するとともに、都心拠点間のアクセス性や回遊性の向上を図り、福岡市の成長エンジンとなる都心部の国際競争力の強化に取り組んでまいります。

 平成30年度は世界水泳選手権の開催に向けた第2期展示場の整備やクルーズ受け入れ機能の強化に向けた岸壁の延伸などを推進するとともに、コンセッション制度の活用など、民間活力を最大限に生かす手法や将来的な需要に適切に対応する交通対策の検討などを進め、クルーズ、MICE、にぎわいが融合した新たな都心拠点の形成に向け、取り組んでまいります。

 次に、魅力ある地域商店街の活性化につきましては、商店街が地域において果たす役割の重要性を踏まえ、次世代を担う人材の育成や各店舗の魅力の磨き上げなどにより、商店街が地域を支え、地域が商店街を支えるという好循環を生み出し、その活力の維持向上を図ってまいります。

 今後、平成29年度に実施した商店街実態調査の結果を踏まえ、施策の見直しや充実を図り、魅力ある地域商店街の活性化に努めてまいります。

 次に、天神地区における公共空間などを生かしたまちづくりにつきましては、市独自の容積率緩和制度や国家戦略特区による航空法高さ制限のさらなる緩和を活用し、民間活力を最大限に引き出しながら天神ビッグバンを加速させ、にぎわいや憩い、彩りを感じる公共空間の創出に向け、ハード、ソフトの両面から一体的に取り組んでまいります。

 大規模国際スポーツ大会につきましては、ラグビーワールドカップにふさわしい会場となるように、レベルファイブスタジアムの改修を進めるなど、受け入れ環境の整備、充実を図るとともに、機運醸成に向け、関連イベントの開催やPR活動に取り組んでまいります。

 今後とも、市民スポーツの振興や都市ブランド力の向上、地域経済の活性化に寄与するよう、大会の成功に向けたさまざまな準備を着実に進めてまいります。

 総合体育館につきましては、さまざまな媒体を積極的に活用し、広く周知するとともに、市民に参加いただける開館イベントの開催や利用者のニーズに応じた多様なスポーツ教室の実施など、効果的な利用促進策に取り組んでまいります。また、総合体育館の開館に合わせたバス運行の拡充を交通事業者に働きかけるなど、交通アクセスの充実に努めてまいります。

 西部方面での音楽・演劇練習場の整備につきましては、市内4つの練習場や市民センター音楽室の稼働状況などを十分踏まえ、既存施設や遊休施設の有効活用など、全市的な観点から検討してまいります。

 また、拠点文化施設につきましては、文化振興の中心的役割を担うものと考えており、また、天神地区とウォーターフロント地区を結ぶ重要な場所に位置することから、都心部の一層の機能強化を目指し、拠点文化施設の整備に向けた取り組みを進めてまいります。

 次に、安全で安心して暮らせるまちについての御質問にお答えをいたします。

 まず、安全で快適な道路整備の推進につきましては、ユニバーサル都市・福岡の実現に向けて、生活道路や自転車通行空間の整備を進めるとともに、主要幹線道路の整備や無電柱化などを計画的に進めてまいります。

 次に、九州大学の移転に伴う西部地域のまちづくりにつきましては、平成3010月の移転完了に向け、引き続き道路整備などの交通アクセス強化に取り組むとともに、伊都キャンパス周辺のまちづくりの支援を進めてまいります。

 また、箱崎キャンパス跡地については、都市基盤の早期整備や最先端の技術革新による快適で質の高いライフスタイルと空間を創出するFUKUOKA Smart EASTの実現に向けて、地域を初め、九州大学などの関係者と連携し、世界に誇れるまちづくりに取り組んでまいります。

 次に、防災・危機管理対策の取り組みにつきましては、ハザードマップのデジタル化や災害対応支援システムの再構築、IoTを活用した河川水位観測の実用化の検証など、住民の主体的な避難行動の促進に向け、情報発信を強化してまいります。

 また、避難所の運営を学ぶワークショップの開催や避難所の運営を支援するエキスパートの養成に加え、防災キャンプの実施や各種訓練の充実、帰宅困難者対策の推進など、行政、市民、企業が連携した共創による防災先進都市づくりに取り組んでまいります。

 次に、河川の治水対策については、流下能力の向上を図るため、河川改修などを推進するとともに、2級河川については、管理する県に対して、改修及び適切な維持管理を引き続き要望してまいります。

 下水道による浸水対策については、雨水整備Doプランに基づく整備を進めるとともに、雨水整備レインボープランにより流下型施設の整備に加え、雨水流出抑制施設の導入を進めてまいります。

 総合的な交通体系づくりにつきましては、まちづくりの進展や交流人口の増加などを踏まえ、地下鉄七隈線の延伸や幹線道路の整備などによる交通ネットワークの強化を初め、パーク・アンド・ライドの推進や折り返し系統バスの導入など、ハード、ソフトの両面から総合的に取り組んでまいります。

 最後に、市街化調整区域につきましては、豊かな自然環境や農水産物などを生かした地域の主体的な取り組みを支援するとともに、規制を緩和した開発許可制度の活用により民間事業者のチャレンジを促し、定住化の促進や農林水産業、観光業といった地域産業の振興を図るなど、地域と一体となって活性化に取り組んでまいります。

 以上、市政各般にわたり御答弁いたしましたが、承りました御意見、御提言に留意し、市民の代表である議会との対話を真摯に進めてまいります。引き続き人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市の実現を目指して、全力で市政運営に取り組んでまいります。よろしく御協力をお願いします。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 教育に関する御質問に対しまして、教育委員会からお答えをいたします。

 いじめ問題につきましては、学校、保護者、地域で構成するいじめ防止対策委員会において、指導のあり方や個別の事案の対応について協議するなど、取り組みを強化しております。

 また、児童生徒が主体となったいじめゼロサミットを初めとするいじめゼロプロジェクトを継続して推進してまいります。

 不登校対策につきましては、不登校対応教員を不登校生がいない小呂中学校、玄界中学校を除く全ての中学校に配置し、児童生徒への支援を強化しております。平成30年度はスクールソーシャルワーカーを全ての中学校区に拡充して配置し、不登校対応教員、スクールカウンセラーと連携し、不登校などの課題を抱える児童生徒に対して、教育、心理、福祉の面から組織的に支援してまいります。

 また、学級集団の状態や児童生徒の意識を把握するQ−Uアンケートを小学校4年生以上の児童生徒に実施し、いじめ、不登校の未然防止や早期発見に努めております。

 次に、学校規模の適正化につきましては、子どもたちに安心して学ぶことができる良好な教育環境を提供するため、児童数の推移や住宅開発の動向を注視しながら、地域の実情に応じた小規模校対策や過大規模校対策に取り組んでまいります。

 次に、小学校の外国語教育の指導体制につきましては、平成30年度より5、6年生では英語を母語とする外国人指導講師を年間35時間、3、4年生では英語に堪能なゲストティーチャーを年間8時間配置し、充実いたします。さらに、指導方法の充実のため、教育センターによる指導者研修などを実施し、教員の指導力向上に努めてまいります。

 最後に、子どもの教育格差の問題につきましては、平成30年度より福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーを全ての中学校区へ配置し、不登校対応教員やスクールカウンセラーと連携して、教育、心理、福祉の面から組織的な支援を行ってまいります。また、放課後に補充学習を行うふれあい学び舎事業についても、平成30年度より70校から全小学校144校に拡充し、全ての子どもの学力向上に向けた取り組みを強化してまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) この際、休憩し、午後2時25分に再開いたします。

午後2時10分 休憩  

午後2時25分 開議  

議長(川上晋平) 休憩前に引き続き会議を開き、各派代表による質疑を継続いたします。飯盛利康議員。

○19番(飯盛利康)登壇 質問に入ります前に、去る2月19日に御逝去されましたみらい福岡市議団、三角公仁隆議員の御冥福をお祈り申し上げますとともに、謹んで哀悼の意を表したいと思います。

 私は自民党新福岡を代表して、平成30年度市政運営方針及び予算案などに対し質問いたします。

 まず、国においては、安倍内閣が発足して5年、アベノミクス改革の矢を放し続けたことで経済の停滞を打破することができました。名目GDPは過去最高となり、実質GDPはプラス成長を続け、企業収益は過去最高の水準となっています。また、雇用については、就業者数が185万人増加、有効求人倍率は史上初めて47都道府県で1倍を超え、雇用、所得環境は大きく改善いたしました。この経済の成長軌道を確かなものとし、持続的な経済成長をなし遂げるための鍵は、少子・高齢化への対応であり、そのため、人工知能、ロボット、IoTなど、生産性を劇的に押し上げるイノベーションの実現する生産性革命と社会保障制度を全世代型へと改革し、希望出生率1.8、介護離職ゼロの実現を目指す人づくり革命を車の両輪として2020年に向けて取り組んでいくこととしております。

 一方、福岡市は平成24年に未来の設計図である総合計画を策定し、目指す都市像として、人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市を掲げ、都市の成長と生活の質の向上の好循環を創出することを都市経営の基本戦略として、これまで都市づくりに取り組んでこられました。その結果、本市は政令市ナンバーワンの国際会議開催件数や開業率、全国ナンバーワンのクルーズ船寄港回数、3年連続過去最高を更新する観光客数や市税収入など、全国の中でも最も元気なまちとして高く評価されております。私はこうした本市の発展は九州との深いかかわりに支えられてきたものと思います。本市は九州の拠点都市として、九州の発展を牽引する役割、責任を果たしていかなければなりません。しかし、福岡市将来人口推計によりますと、本市経済を支える生産年齢人口は既に減少を始めており、今後、九州全体の人口減少が加速し、本市の活力を支えてきた九州内からの若年層の転入もいずれ減少していく可能性があります。そのため、東京圏への転出を抑制し、本市への転入をふやすことが必要であり、今後も一層都市の魅力に磨きをかけ、本市の成長を牽引する仕事を創出する必要があります。また、本市も他都市と同様に、将来、確実に超高齢社会が到来し、社会保障関係費の増加、公共施設の大量更新の必要もあり、今後も厳しい財政状況が継続するため、さらに事業の選択と集中を進めなければなりません。将来にわたって持続可能な成長戦略を今のうちからしっかりと展開し、この元気で住みやすいまち福岡をさらに発展させ、本市を次のステージへと引き上げることが必要であります。

 これらのことを踏まえ、具体的にそれぞれの項目について質問いたします。

 まず、市長の施政方針とその実現に向けた平成30年度の予算編成についてお尋ねいたします。

 島市長は市政運営方針において、都市の成長と生活の質の向上の好循環をつくり出すことを基本戦略として掲げ、人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市を目指してまちづくりを進めるとされておられますが、その実現に向け、平成30年度予算案をどのような考えで編成しているのか、予算案の特徴とあわせてお尋ねをいたします。

 次に、行財政改革についてお尋ねいたします。

 本市においては、歳入の積極的な確保や行政運営の効率化、既存事業の組み替えなどにより財源の確保に取り組んでおりますが、一般財源総額の大幅な増収が見込めない中にあって、少子・高齢化や公共施設の老朽化などにより、社会保障関係費や施設の修繕、建てかえ経費がふえ続けるなど、市政運営を取り巻く環境は厳しさを増しております。そのため、歳入においては、これまで以上に市有財産の有効活用や収納率の向上に取り組むとともに、交流人口の増加、都市の成長をより一層推進し、税源の涵養に努める必要があると考えます。また、歳出においては、明確な優先順位づけのもとで事業費の圧縮や平準化、民間資金の積極的な活用を図るとともに、既存事業については時代の変化に応じて必要性、緊急性の観点から見直しを行うなど、さらなる選択と集中が必要となります。

 そこで、平成29年度に策定した行政運営プラン及び財政運営プランに基づき、どのように行財政改革に取り組んでいくのか、所信をお伺いいたします。

 次に、誰もが住みやすいまち福岡の実現に向けた取り組みについてお尋ねいたします。

 まず、安心して産み、子育てしやすい環境づくりについてお尋ねいたします。

 昨今の社会経済情勢や働く女性の増加などにより、保育所への入所申し込みは依然として増加を続けており、今後も増加が見込まれる保育ニーズに的確に対応する必要があります。特に未入所児童や待機児童が多いのは2歳児以下の児童であり、小規模保育事業を初め、幼稚園の認定こども園への移行など、多様な手法による計画的な保育の受け皿確保に取り組むべきと考えますが、所信をお伺いいたします。

 全国的に晩婚化、晩産化が進んでおりますが、一般的に年齢が上がってくると妊娠、出産のリスクが高まったり、妊娠しにくくなったりすることが明らかになっています。そのため、妊娠、出産や不妊治療に関する正しい知識と情報を早期に提供することが重要であり、昨年11月に不妊専門相談センターを設置したことは、不妊に悩む方への心のケアや妊娠、出産に関する正しい知識の普及啓発という点で高く評価をいたしております。しかし一方で、経済的な負担の軽減についてはまだ不十分と考えております。

 子どもを望む夫婦の期待に応え、希望出生率を実現するためにも、人工授精に対する本市独自の助成制度の創設に取り組むべきと考えますが、所信をお伺いいたします。

 次に、子どもの未来を育む教育についてお尋ねいたします。

 子どもは福岡市の未来をつくる、かけがえのない存在であります。その子どもたちがみずから学ぶ意欲と志を持ち、たくましく生き抜く力を身につけていくため、土曜日授業の拡大など、子どもの学力向上に向けた施策の充実強化に取り組む必要があると考えますが、所信をお伺いいたします。

 また、不登校やいじめなど、子どもをめぐる問題が多様化する中、教育と福祉の両面から地域や関係機関と連携し、課題を抱える児童生徒、保護者など、一人一人に応じたきめ細やかな支援が求められております。そのため、社会福祉士や精神保健福祉士の資格を持つスクールソーシャルワーカーなどの活用による教育相談機能の充実に取り組むべきと考えますが、所信をお伺いいたします。

 道徳教育については、社会生活における規範意識を養い、市民としての義務や責任をしっかりと教育していくため、郷土愛、道徳心、さらには愛国心を高めるよう取り組む必要があります。このためにも本市独自の教育プログラムを推進すべきと考えますが、所信をお伺いいたします。

 次に、支える福祉の推進についてお尋ねいたします。

 本市では、人生100年時代を見据え、産学官民オール福岡で、誰もが心身ともに健康で自分らしく生きていくことのできる持続可能な健寿社会の実現に向けた取り組み、福岡100を推進しています。今後も増加し続ける高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けるには、ICTやIoTなどの新しい技術を活用した効率的な仕組みが必要であります。そのため、本市ではICTを活用したかかりつけ医機能強化事業としてオンライン診療の実証実験が行われており、医師の負担軽減と医療の質の両立が期待されるとともに、通院困難な高齢者や慢性疾患を持つ働き盛りの方の通院負担を軽減し、重症化予防を図る効果も期待され、まさに生活の質の向上に寄与する取り組みであります。

 今後も増加し続ける高齢者が住みなれた地域で安全、安心に暮らし続けられる社会の構築に向け、IoTやAIなど、新しい技術をケア領域に活用した取り組みを推進すべきと考えますが、所信をお伺いいたします。

 また、障がいのある人もない人も地域で安心して暮らし続けられる社会の構築に向け、障がい者、特に発達障がい者や知的障がい者の就労支援にどのように取り組むのか、所信をお伺いいたします。

 次に、共創による地域づくりについてお尋ねいたします。

 本市においては、さまざまな主体がともに地域の未来をつくり出す共創の取り組みにより、持続可能な地域のまちづくりを推進していますが、地域においては活動の担い手不足などの課題を抱えており、課題解決に向けたより一層の取り組みが必要であります。

 そのためには、自治協議会や自治会、町内会の現状を把握し、課題に対応できる本市の体制づくりを図るとともに、地域の担い手確保、育成に取り組む必要があると考えますが、所信をお伺いいたします。

 次に、安全、安心な市民生活についてお尋ねいたします。

 本市では、地域の防犯活動の支援のため、自治協議会や自治会などの地域団体が設置する街頭防犯カメラの費用に対する助成を行っており、年々その数も増加し、地域の方々の防犯に関する関心や意識が高まっております。街頭防犯カメラは、テレビなどで犯人の特定や逮捕に大きな力を発揮していると報じられており、例えば、防犯カメラが設置されている地域を公表することで犯罪の抑止効果が期待できると思われます。

 そのため、引き続き街頭防犯カメラの設置促進に取り組むとともに、その設置地域の公表、PRを推進すべきと考えますが、所信をお伺いいたします。

 近年、熊本地震や九州北部豪雨を初め、全国的に甚大な被害をもたらす大規模災害が頻発しております。これらの災害に対応するためには、自主防災組織を中心とした自助、共助による地域防災力向上の取り組みを強化することが必要であると考えております。

 そこで、地域の災害防災力の向上を図るため、自主防災組織のほか、消防団員など、地域防災の担い手確保、育成推進にどのように取り組むのか、所信をお伺いいたします。

 次に、福岡の豊かな自然環境、文化を生かしたまちづくりについてお尋ねをいたします。

 本市には、魅力的な都心部のみならず、博多湾や志賀島、能古島、玄界島、脊振山系などの豊かな自然や、金印、元寇防塁、福岡城、鴻臚館跡、さらには弥生時代を代表する吉武高木遺跡や板付遺跡などの歴史的資源が存在しております。中世最大の貿易港湾都市であった博多の中心地域である博多部においては、まち並みの間に聖福寺、承天寺、東長寺や櫛田神社といった歴史ある寺社仏閣が連なる伝統的景観に加え、201611月には博多祇園山笠行事がユネスコ無形文化財遺産に登録され、2017年9月には博多遺跡群からの多くの出土品が重要文化財に指定されるなど、その価値が改めて注目されております。

 そのため、博多祇園山笠行事の活用を含め、この博多部の歴史、伝統、文化を生かしたまちづくり、博多旧市街プロジェクトをどのように推進していくのか、所信をお伺いいたします。

 また、ことしから市民や企業、行政が力を合わせ、花や緑を育てる取り組みを一人一花運動として開始されましたが、今後どのように取り組んでいかれるのか、所信をお伺いいたします。

 次に、日本一チャレンジしやすいまち福岡についてお尋ねします。

 まず、世界とつながるスタートアップシティについてお尋ねをいたします。

 近年、世界の先進諸国においては、情報通信技術の進展によるさまざまな手続の電子化やサービスの効率化といったICTの時代から、あらゆるものがネットワークにつながり、そこから生まれる多様かつ膨大なデータを利用することにより、全く新しい価値、サービスが創造されるIoT、ビッグデータ時代へと環境が大きく変化をいたしております。そのため、国においてはIoTやビッグデータ、AIなど、第4次産業革命のイノベーションをあらゆる産業や社会生活に取り入れることによって、さまざまな社会課題を解決するSociety5.0の実現に取り組み始めております。

 そこで、本市におきましても、IoTやAIなどの革新的技術の実装支援、さらにはビッグデータの活用を推進することによってスタートアップによる新たなサービスの創出や市内企業の労働生産性の向上を図るなど、超スマート社会への実現に向けた取り組みを進めるべきと考えますが、所信をお伺いいたします。

 加えて、このような取り組みを通じて市民生活に身近なところでIoTやAIの活用事例を創出することによって、効果の可視化や市民生活の質の向上を図るよう要望いたします。

 本市は国家戦略特区を活用したスタートアップ支援を加速させることで、創業都市としての存在感が向上しております。この機を逃すことなく、世界を舞台として飛躍的に成長するスタートアップ企業の誕生を目指すべきと考えております。スタートアップは経済の新たな活力を生み出す原動力であり、スタートアップが盛んになることで多くの雇用が生まれ、就職機会の増加、新サービスの創出による生活の質の向上も期待できます。

 そのため、今後、国家戦略特区やFukuoka Growth NEXTを活用したスタートアップ支援にどのように取り組んでいくのか、所信をお伺いいたします。

 次に、観光・MICE都市福岡の推進についてお尋ねをいたします。

 本市は今回、G20サミットの誘致に挑戦しました。残念な結果に終わりましたが、私はこの挑戦は意味があったことだと思っております。島市長はかねてより、成功の反対は失敗ではなく挑戦しないことだというふうに言われておられます。本市で開催された大規模な国際イベントとして、1989年のアジア太平洋博覧会がありました。私は当時、小学校6年生で、さまざまな当時の記憶がこの博覧会の年を基準に記憶をいたしております。このように、今回、G20サミットの誘致に挑戦したことは、都市としての知名度を上げることのみならず、本市に住む人、働く人、各個人の歴史をつくるためにチャレンジしたと言えるのではないかと思っております。また、これまで今回のようにこの福岡市が大阪、愛知といった三大都市と最後まで肩を並べて競合、比較されることがあったでしょうか。ここまでの本市の存在感、MICE都市としての価値が高まっていることは自他ともに評価に値すると思っております。

 この福岡がMICE都市として次のステージに向かうために、今回の挑戦で明らかになった課題があると思います。例えば、ハイクラスホテルなど、不足する都市機能に対し、今後しっかりと対応していただくよう要望いたします。

 民泊サービスについて、既存の旅館業法に加え、本年6月に民泊サービスの健全な普及を目的として新たに制定された住宅宿泊事業法が施行されます。近年、急増する訪日外国人観光客のニーズや宿泊需給の状況への対応といった観点や空き家の有効活用の観点から、民泊サービスに対する期待は高まっている一方で、周辺住民とのトラブルや無許可営業などの問題も指摘されており、2月には大阪市で違法民泊における痛ましい事件も発生しています。

 そこで、宿泊需要が増加している本市においては、無許可営業の事業者への指導を積極的に行い、適正民泊の推進に取り組むべきと考えますが、所信をお伺いいたします。

 次に、地場企業、地元商店街が活躍するまちづくりについてお尋ねします。

 商店街は地域住民の身近な買い物の場を提供する地域経済の担い手であるとともに、地域の交流やにぎわいの場の提供など、地域の期待へ応えながら、地域コミュニティの担い手としての役割も果たされております。

 商店街が地域の資産として、なくてはならない存在となるよう、活力ある地域商店街の創出が必要と思いますが、どのように取り組んでいくのか、所信をお伺いいたします。

 市内事業所数の約99%、従業者数の約86%を占め、本市経済の重要な役割を担う地場中小企業は、急速な人口の減少、少子・高齢化社会の進展、世界経済の変動リスク、第4次産業革命とも呼ぶべき技術革新など、これまでにない経営環境の変化に直面しており、人材不足、資金調達、マーケットの縮小などが重要な経営課題になっております。

 そこで、本市は地場中小企業の振興、経営課題の改善に今後どのように取り組んでいくのか、所信をお伺いいたします。

 次に、都市基盤が充実し、次の世代のために歩むまち福岡についてお尋ねいたします。

 まず、未来に向けて生まれ変わるまちづくりについてお尋ねいたします。

 本市の都心部は、業務、商業、行政など、多様な都市機能が高度に集積する本市の成長エンジンであるとともに、陸、海、空の広域交通拠点が集中、近接し、世界、アジア、九州の玄関口であることから、都市の魅力や国際競争力をさらに高める戦略的なまちづくりに取り組む必要があります。

 天神地区については、平成29年7月と9月に航空法の高さ制限が緩和され、旧大名小学校跡地などにおいて新たなまちづくりが動き出していますが、今後、天神ビッグバンをどのように推進していくのか、所信をお伺いいたします。

 また、ウォーターフロント地区については、クルーズ受け入れ機能の強化、MICE機能の強化、にぎわいの創出、交通アクセスの強化など、天神・渡辺通地区、博多駅周辺地区に並ぶ都心部の新たな拠点として早期に再整備が必要であります。特にホテルやにぎわい施設、MICE施設などをウォーターフロント地区内に一体的に配置するオール・イン・ワンの早期実現と同地区へのアクセス改善が必要と考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、所信をお伺いいたします。

 さらに、博多駅地区については、天神地区と同様に、更新期を迎えたビルが数多くあり、近年、交流人口増に伴うホテル建設や建てかえに向けた動きが見られます。博多駅地区についても、本市の陸の玄関口として機能更新の誘導にしっかりと取り組むべきと考えますが、所信をお伺いいたします。

 福岡空港については、地域の交流人口の拡大、経済、産業の発展を支える重要な空の玄関口であり、空港機能の強化を早期に実現する必要があると考えますが、所信をお伺いいたします。

 また、福岡空港は利便性の高い空港でありますが、市街地に位置するゆえの課題を抱えており、空港は地域住民の御理解と御協力のもとに支えられていることを忘れてはなりません。このため、今後の空港機能の強化などによる環境の変化に適切に対応し、周辺地域の振興や活性化を図るため、環境整備やまちづくりに取り組む必要があると考えますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、所信をお伺いいたします。

 都心部に近く、100年の歴史を持つ九州大学箱崎キャンパス跡地のまちづくりについては、広大な敷地で新たなまちづくりを行うことができる強みを生かし、先進的なまちづくりに取り組んでいく必要があります。特に最先端の技術革新による快適で質の高いライフスタイルと都市空間の創出に向けてFUKUOKA Smart EASTを推進していますが、今後どのように取り組んでいくのか、所信をお伺いいたします。

 次に、人流、物流機能の強化についてお尋ねいたします。

 博多港における平成29年の国際海上コンテナ取扱個数は過去最高の約92万TEUとなり、コンテナターミナルは満杯に近い状況にあります。また、クルーズ船寄港回数は3年連続日本一、外国航路船舶乗降人員数は2年連続200万人を突破する一方で、受け入れのための岸壁が不足しております。第3次産業中心の福岡経済にとって物流、人流の機能強化は重要な課題であり、コンテナターミナルの機能強化やクルーズ船の受け入れ環境整備に今後どのように取り組んでいかれるのか、所信をお伺いいたします。

 次に、災害に強く環境に優しいまちづくりについてお尋ねいたします。

 近年、福岡のみならず、九州、日本で予想を超える豪雨、地震が頻発しており、このような異常現象が日常的になりつつある中、市民の生命、財産を守るためには、市民生活の根幹を支える社会基盤の計画的な整備、維持管理が必要であります。特に道路については、災害時の救助、支援活動や緊急物資輸送を担うだけでなく、通勤、通学など市民生活を身近に支える役割もあることから、道路整備を着実に進め、市民の安全、安心を確保する必要があります。

 そこで、市民生活の安全、安心確保のため、通学路を中心とした生活道路の整備や交通安全対策を初め、道路の計画的な整備、維持管理に取り組む必要があると考えますが、所信をお伺いいたします。

 これまで自民党新福岡を代表して質問してまいりました。福岡市は近年の集中的な取り組みの結果、人口や来訪者数は増加を続け、企業の立地が進み、市税収入は4年連続で過去最高となり、また、福岡を好き、住みやすい、住み続けたいという市民の割合や市政への信頼度も過去最高を更新するなど、元気なまち、住みやすいまちとして高い評価が定着しつつあります。しかし、本市も他都市と同様に、少子・高齢化の進展による社会保障関係費の増加、今後の公共施設の大量更新など、引き続き厳しい財政状況が継続し、さらなる選択と集中が必要になります。また、昨今、地球規模で人、モノ、情報が移動するグローバル社会のもと、IoTやAIといった先端技術の開発が急速に進み、生産性が向上する一方、産業構造の転換が迫られるなど、まさに時代の大転換期に差しかかっております。この時代の転換期だからこそ、島市長は福岡市の強みを生かし、世界基準の視点で持続可能なまちづくりにチャレンジし、まさにこの福岡市を次のステージへと飛躍させようとしています。そのチャレンジが天神ビッグバンやウォーターフロントネクスト、FUKUOKA Smart EASTを初め、福岡100、博多旧市街プロジェクト、一人一花運動だと思いますし、そして、何よりも今回のG20サミット誘致だったと思います。30年度の事業においても、さらなる成長のために先手、先手の対処を行うとともに、その成長で得た果実によりしっかりと生活の質の向上に取り組み、あらゆる人にその恩恵を届けていただきたいと思っております。島市長の強いリーダーシップと、それをしっかりと支える行政の皆さんの御尽力に敬意を表したいと思っております。そのことを申し上げて、私の質問を終わります。

 

議長(川上晋平) 島市長。

市長(島宗一郎)登壇 ただいま自民党新福岡を代表して、飯盛議員より御質問をいただきましたので、まず私から御答弁させていただきます。

 最初に、市政運営方針と予算編成についての御質問にお答えをいたします。

 まず、平成30年度予算案は、多くの市民の皆様とともに策定をした総合計画を推進し、都市の成長と生活の質の向上の好循環を力強いものとするとともに、この元気で住みやすいまちをさらに発展させ、将来に引き継いでいくために、福岡市を次のステージへと飛躍させるチャレンジ「FUKUOKA NEXT」を着実に進めることを基本的な方針として編成いたしました。平成30年度は「見守り、支え合う、共創の地域づくり」、「次代を担う子ども、グローバル人材の育成」、「福岡の成長を牽引する観光・MICE、都心部機能強化の推進」、「人と企業を呼び込むスタートアップ都市づくり」という総合計画に沿った4つの分野に力を入れることとしており、このようなまちづくりの方向性を踏まえ、予算案の編成に当たっては、財政規律と投資のバランスを図りながら必要な予算を確保したところであります。具体的には、元気で住みやすいまち、成長可能性が高いまちにさらに磨きをかけ、成長の果実をあらゆる人に行き渡らせることとしております。

 次に、行財政改革につきましては、社会保障関係費が引き続き増加するなど、福岡市の財政が依然として楽観できる状況にない中にあっても、総合計画を着実に推進し、都市の成長と生活の質の向上の好循環を力強いものとしていく必要があります。そこで、行政運営プラン及び財政運営プランの取り組みの方向性を踏まえ、重要施策の推進などに必要な財源を確保するため、政策推進プランに基づき、投資の選択と集中を図りつつ、歳入の積極的な確保や行政運営の効率化、既存事業の組み替えなど、不断の改善に取り組むとともに、市債残高の縮減に向けた取り組みを引き続き進めてまいります。今後とも、組織の力が最大限発揮できるよう、市役所一丸となって将来にわたり持続可能な市政運営を目指してまいります。

 次に、誰もが住みやすいまち福岡についての御質問にお答えをいたします。

 まず、保育の受け皿の確保につきましては、保育所の新設や小規模保育事業の認可、幼稚園から認定こども園への移行などに加え、新たに幼稚園での2歳児の受け入れを行うなど、多様な手法により、平成30年度は2,000人分の定員増を進めてまいります。また、多様な就労形態に対応するため、企業主導型保育事業を促進してまいります。

 不妊治療に対する助成につきましては、平成30年度から新たに人工授精の治療費に対する福岡市独自の助成を開始いたします。

 子どもの未来を育む教育に関する御質問につきましては、後ほど教育委員会から御答弁いたします。

 次に、支える福祉の推進についてのお尋ねであります。

 まず、健康、医療、介護分野におけるIoTやAIなどの新しい技術の活用につきましては、少子・高齢化が進展する中、効率的で質の高いサービスを提供していく上で今後ますます重要になってくると認識しております。平成30年度はLoRaWANネットワークを活用した認知症の人の見守り実証実験や、ケア領域で新しい技術を持つスタートアップ企業と医療、介護事業者、大手企業などの共働、共創の場づくりなどに取り組んでまいります。

 次に、障がいがある方の就労支援につきましては、障がい者就労支援センターにおいて、就労相談や職場開拓から職場適応、定着までの支援を行うとともに、企業訪問やセミナーなどを引き続き実施してまいります。また、発達障がい者支援センターと障がい者就労支援センターを集約した拠点施設を検討するなど、発達障がい者の就労支援の充実に向けて取り組んでまいります。

 次に、地域の担い手確保、育成の取り組みにつきましては、自治協議会に対する補助金を自治協議会共創補助金として拡充するとともに、企業や商店街などの地域活動への参加促進や地域デビュー応援事業を実施するなど、地域の新たな担い手づくりや人材発掘に資する支援を行っております。また、平成30年度に自治協議会・自治会等アンケートを実施し、地域の現状や課題を把握するとともに、地域を支援する体制の機能強化を図るなど、さまざまな主体が地域の未来をともにつくり出す共創の取り組みを進めてまいります。

 防犯カメラにつきましては、地域の要望に適切に応えるとともに、防犯カメラの効果について周知し、設置地域ごとの台数を公表するなど、設置の促進を図ってまいります。

 次に、自主防災組織の体制の強化につきましては、地域における研修会や訓練などにより防災リーダーを育成するとともに、将来の担い手づくりのため、学校における防災教育を推進するなど、防災知識の普及や地域の人材育成の支援に取り組んでまいります。また、消防団と連携をし、消防団のPR活動や災害図上訓練、いわゆるDIGを推進するとともに、消防団協力事業所表示制度などを活用して団員の確保などに取り組んでまいります。

 次に、福岡の豊かな自然環境、文化を生かしたまちづくりについてのお尋ねであります。

 まず、博多旧市街プロジェクトにつきましては、博多部の歴史、伝統、文化を魅力あるストーリーとして情報発信し、回遊性を高めるとともに、案内表示デザインの統一化や歴史、文化に配慮した道路整備など、旧市街を感じさせるまち並みの形成に向けて、地域とともに取り組んでまいります。また、博多祇園山笠についても、新たに制作したバーチャルリアリティー映像を活用するなど、博多旧市街の大きな魅力として情報発信してまいります。

 一人一花運動につきましては、市民や企業、行政がともに力を合わせて花と緑を育てる取り組みであり、都心部などでは企業の協賛による花壇づくりを、区役所や公民館、公園、道路などの公共空間では、市民や企業による花壇づくりの活動を支援してまいります。また、各御家庭においても緑化助成制度などを活用しながら積極的に取り組んでいただきたいと考えております。これらの運動が広がっていくことで、彩りや潤いにあふれ、誰もが福岡に親しみや愛着を持ち、おもてなしと豊かな心が育まれるまちを目指してまいります。

 次に、日本一チャレンジしやすいまち福岡についての御質問にお答えをします。

 まず、超スマート社会へのチャレンジにつきましては、IoTやAIの実装による社会課題の解決などを支援するワンストップ窓口を設置するとともに、ビッグデータを活用した観光案内、サービスの実証やIoTを活用した河川水位観測の実用化の検証などを実施いたします。さらに、官民データ活用推進計画の策定やオープンデータの充実などにも取り組み、最先端の技術を暮らしやまちづくりのさまざまな場面で活用する超スマート社会へのチャレンジを進めてまいります。

 次に、スタートアップ支援の推進につきましては、国家戦略特区を活用し、国の施策や規制改革に福岡市独自の施策を組み合わせ、政策パッケージとして一体的に進めることにより、創業の裾野を広げ、多くの企業を生み出し、スタートアップ都市としての地位を確立してきております。これまでの取り組みを継続しつつ、世界を舞台として飛躍的に成長するスタートアップ企業の誕生を目指し、グローバル展開の支援や海外の優秀な創業人材の集積、促進に取り組むとともに、ワンストップ窓口の設置などにより、スタートアップ企業のさらなる集積を図ってまいります。さらに、スタートアップ支援施設Fukuoka Growth NEXTにおいては、投資の拡大やイノベーションの創出を図るとともに、既存企業とスタートアップ企業とのビジネスマッチングや既存企業の経営革新、第二創業を促進してまいります。今後とも、規制の特例をより一層活用し、福岡市独自の施策を一体的に進めていくことによって新しい価値の創造にチャレンジし、新たなビジネスを生み出す企業を支援するとともに、既存企業とスタートアップ企業との連携による相互の成長を促進し、さらなる雇用の創出や福岡市経済の活性化に取り組んでまいります。

 次に、民泊につきましては、旅館業法に基づき、積極的な指導を行うとともに、今後施行される住宅宿泊事業法に基づき、国及び県と連携をして適切に対処してまいります。

 活力ある地域商店街の創出に向けた施策の充実につきましては、商店街が地域において果たす役割の重要性を踏まえ、次代を担う人材の育成や各店舗の魅力の磨き上げなどによって、商店街が地域を支え、地域が商店街を支えるという好循環を生み出し、その活力の維持向上を図ってまいります。今後、平成29年度に実施した商店街実態調査の結果を踏まえ、施策の見直しや充実を図ってまいります。

 また、地場中小企業の振興につきましては、中小企業振興条例やみんなで応援!中小企業元気都市プランに基づき、積極的に推進してまいります。まず、経営相談や専門家派遣などの総合的な支援や融資制度の拡充と円滑な運用などにより、地場中小企業の課題に応じた経営基盤の強化を図ってまいります。また、地域資源を生かした産業の振興による地場中小企業の持続的発展の促進に取り組むとともに、第二創業の支援や知識創造型産業の振興など、地場中小企業の多様で活力ある成長、発展の促進に取り組んでまいります。

 次に、都市基盤が充実をし、次世代のため歩むまち福岡についての御質問にお答えをいたします。

 まず、天神ビッグバンにつきましては、西のゲートに位置する旧大名小学校跡地について、現在、事業者の公募を実施しており、人、モノ、コトを引きつけ、交流することで新たな価値を生み出し、地域にとって、福岡市の将来にとって魅力的な場となるよう取り組んでまいります。あわせて、エリア全体についても、市独自の容積率緩和制度や国家戦略特区による航空法高さ制限のさらなる緩和を活用し、民間活力を最大限に引き出しながら、安全、安心で未来に誇れる魅力的で質の高いまちづくりに取り組んでまいります。

 次に、ウォーターフロント地区につきましては、魅力的なまちづくりを推進するとともに、都心拠点間のアクセス性や回遊性の向上を図り、福岡市の成長エンジンとなる都心部の国際競争力の強化に取り組んでまいります。平成30年度は世界水泳選手権の開催に向けた第2期展示場の整備やクルーズ受け入れ機能の強化に向けた岸壁の延伸などを推進するとともに、コンセッション制度の活用など、民間活力を最大限に生かす手法や将来的な需要に適切に対応する交通対策の検討などを進め、クルーズ、MICE、にぎわいが融合した新たな都心拠点の形成に向け、取り組んでまいります。

 次に、博多駅地区につきましては、広域交通の拠点として交通結節機能の向上を図るとともに、建物の更新期を捉えながら、業務、商業機能の高度化や観光・集客、宿泊機能の充実強化を図っていくことが重要であります。九州新幹線の開業を契機に、福岡市独自の容積率緩和制度を活用した先進的なビルへの建てかえが進み、博多駅のにぎわいが周辺へ広がる中、平成2910月にはハイクオリティーホテル建設促進制度の活用第1号となる民間ビルの建てかえが着工しており、今後とも、民間活力を最大限に引き出しながら都市機能の強化やまちづくりを進めてまいります。

 次に、福岡空港につきましては、九州・西日本地域の経済発展や交流を支える重要な交通基盤であり、その機能強化は福岡の発展や地域の活性化にとって極めて重要な課題であると考えております。現在の混雑状況や将来の航空需要に適切に対応していくため、国に対して並行誘導路の二重化及び滑走路増設の早期完成を強く要望していくとともに、福岡市としても協力してまいります。

 また、市街地に位置する福岡空港の発展は空港周辺住民の理解と協力に支えられており、周辺地域の環境整備は非常に重要な課題であると認識をしております。今後とも、国や県、関係機関などと連携をして、地域と課題やニーズを共有しながら周辺地域の環境整備を進めるとともに、中長期的なまちづくりにしっかり取り組んでまいります。

 次に、九州大学箱崎キャンパス跡地につきましては、交通利便性が高く、都心部に近いおよそ50ヘクタールの土地が一体的に活用できるというポテンシャルを最大限に生かして、都市基盤の早期整備や最先端の技術革新による快適で質の高いライフスタイルと空間を創出するFUKUOKA Smart EASTの実現に向けて、地域を初め、九州大学などの関係者と連携をし、世界に誇れるまちづくりに取り組んでまいります。

 次に、博多港の物流、人流機能の強化につきましては、アジアに近い地理的優位性などを最大限に生かし、戦略的に取り組んでまいります。博多港の国際海上コンテナ取扱量は平成29年に過去最高となるおよそ92万TEUを記録し、コンテナターミナルは満杯に近く、岸壁が非常に混雑している状況にあり、早急な対応が求められております。このため、アイランドシティにおけるコンテナターミナル機能の強化に向けて、先月、私から直接国に強く申し入れを行ったところであり、今後もさまざまな機会を捉えて提言を行ってまいります。

 また、クルーズ受け入れ環境の整備につきましては、船の大型化などに対応するため、中央ふ頭西側岸壁の延伸を進めており、平成30年秋には世界最大級のクルーズ船の受け入れが可能となります。引き続き大型クルーズ船の2隻同時着岸の実現に向けて国と連携をしながら取り組むとともに、平成30年1月の覚書締結を契機として新たな段階に入った上海港との連携を進めるなど、クルーズ客の利便性の向上に努めてまいります。さらに、当面の間、クルーズ船を受け入れていく箱崎ふ頭においても検査体制を強化してまいります。今後とも、活力と存在感に満ちた日本の対アジア拠点港を目指し、港湾機能の強化を進めてまいります。

 最後に、災害に強く環境に優しいまちづくりについてのお尋ねでありますが、通学路を中心とした生活道路の整備などにつきましては、着実に整備を進めていくとともに、道路施設の維持管理についても、アセットマネジメントの観点から適切に取り組んでまいります。

 以上、市政各般にわたり御答弁いたしましたが、承りました御意見、御提言に留意し、市民の代表である議会との対話を真摯に進めてまいります。引き続き人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市の実現を目指して、全力で市政運営に取り組んでまいります。よろしく御協力をお願いいたします。

 

議長(川上晋平) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 教育に関する御質問に対しまして、教育委員会からお答えをいたします。

 まず、学力向上の取り組みについてのお尋ねでありますが、土曜授業につきましては、全ての小学校、中学校、特別支援学校において年4回実施しており、うち1回は全市統一日程で実施しております。また、全ての小中学校において自校の学力の実態を把握し、その課題の解決に向けて取り組む学力パワーアップ総合推進事業を実施しております。特に小学校では、平成30年度より地域や保護者などと連携し、放課後に補充学習を行うふれあい学び舎事業を70校から全小学校144校に拡充して実施することとしており、学力向上の取り組みをさらに推進してまいります。

 次に、教育相談機能の充実につきましては、小呂小中学校、玄界小中学校を除く全ての中学校区に配置している不登校対応教員、スクールカウンセラーに加え、平成30年度よりスクールソーシャルワーカーを全ての中学校区に拡充して配置することとしており、不登校などの課題を抱える児童生徒に対して、教育、心理、福祉の面から組織的に支援してまいります。

 最後に、郷土愛、道徳心を高める福岡市独自の教育プログラムにつきましては、道徳が特別の教科として位置づけられ、平成30年度より新たに実施することが予定されており、さらに指導方法の工夫を図り、郷土愛や道徳心を養ってまいります。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 富永周行議員。

○44番(富永周行)登壇 質問に先立ちまして、2月19日に御逝去されました三角公仁隆議員に哀悼の意を表し、心から御冥福をお祈りいたします。

 私は福岡維新の会を代表して、平成30年度の島市長の市政運営方針並びに予算案、重要施策などについて質問してまいります。

 本市においては、人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市の実現を目指すべく、その役割、機能を高めるために、都心部の機能強化や魅力あるまちづくりを創出する大型プロジェクトを推進しています。国家戦略特別区域として選定された福岡市グローバル創業・雇用創出特区を活用し、官民共働型スタートアップ支援施設Fukuoka Growth Nextを開設し、創業しやすい環境の提供、支援、全国初スタートアップ法人減税、IoT関連の新製品開発の支援など、積極的なチャレンジが続いています。また、新たな空間と雇用を創出するための天神ビッグバンの推進を初め、中央ふ頭、博多ふ頭の再整備、ウォーターフロントネクスト、最先端の技術革新の導入による先進的なまちづくりの取り組みであるFUKUOKA Smart EASTなど、ポテンシャルを生かしつつ、民間活力を取り入れながら、先進的なまちづくりが都市の成長の牽引役として進められています。

 一方、日本の総人口は長期の人口減少過程に入っており、約800万人いるとされている団塊の世代の全てが75歳を迎え、後期高齢者となる2025年問題の解決に向けた対策は重要課題となっています。これは福岡市においても例外ではありません。

 そこで、超高齢化と人口減少が進む中、福岡市は人生100年時代の到来を見据え、2017年3月に福岡市健康先進都市戦略を策定し、その戦略に基づき、一人一人が心身ともに健康で自分らしく生きていける持続可能な社会を実現するプロジェクト、福岡100を産学官民オール福岡で推進しています。こうした取り組みは、超長寿社会を世界に先駆けて迎える我が国において健康社会の実現に寄与するものと期待しているところでもあります。

 そこで、本市の平成30年度当初予算案の概況についてお尋ねいたします。

 本市の人口は157万人を超え、また、市税収入は4年連続過去最高を更新、外国人入国者数は初めて250万人を突破し、5年連続で過去最高を更新、クルーズ船寄港数は3年連続全国1位など、元気な都市であることは間違いないと実感しています。しかしながら、引き続き社会保障関係費の増加や公共施設等の改修、修繕などの財政需要の増大が見込まれており、福岡市の財政は依然として楽観できる状況にはありません。このような中にあって、将来にわたり持続可能な財政運営とするため、平成29年6月に財政運営プランを策定しています。

 都市の成長と生活の質の向上の好循環を実現していくため、平成30年度当初予算をどのような考えで編成されているのか、お尋ねします。

 本市では福岡市総合計画が策定され、その総合計画において、都市の成長と生活の質の向上の好循環をつくり出すことを基本戦略とし、人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市の実現を目指して、さまざまなまちづくりの取り組みがなされています。そのような中、本市における65歳以上の高齢者の割合は年々上昇しており、2050年には34%まで上昇すると推測されており、医療や介護保険、また、福祉サービスに必要な公費負担である社会保障関係費は今後も増加していくと考えられます。人口は増加していますが、生産人口の割合の減少などにより一般財源の大幅な伸びが期待できない中、増加を続ける社会保障関係費に加えて、高度経済成長期や政令市移行期にかけて整備された公共施設や公共インフラの老朽化が進み、今後も多額な改修、修繕費が見込まれており、本市の財政は依然として厳しいものであると考えます。

 本市におきましては、将来にわたり持続可能な財政運営を目指し、これまでも歳入の積極的な確保、行政運営の効率化、市債発行の抑制、市債残高の縮減など、さまざまな取り組みをされていますが、平成29年度に策定した行政運営プラン及び財政運営プランに基づき、さらなる財政健全化に向けてどのように取り組まれるのかをお尋ねします。

 以降、平成29年度において特に本市が力を入れた総合計画に沿った4つの分野について、新年度はどのように、さらにその取り組みを進めていくのか、順次質問してまいります。

 最初に、見守り、支え合う、共創の地域づくりについてです。

 近年、全国で発生している大規模災害などを踏まえて、地域コミュニティにおいては、見守りや防災につながるような住民相互の顔の見える関係づくりなどが求められています。しかしながら、自治会、町内会や子ども会など、地域団体への加入率は減少傾向にあり、あわせて地域団体の役員などの担い手不足などが地域の喫緊の課題となっています。本市においては、平成29年度から新たに地域と企業やNPO、大学などをつなぎ、地域の活性化や課題解決に向けた新たな取り組みへの支援を行うなど、共創の取り組みを進められていますが、担い手不足を初めとする地域課題の解決に向けては今後もさらなる支援が必要であると考えます。

 そこで、共創の地域づくりを推進するために、新年度はどのように取り組んでいくのかをお尋ねいたします。

 2番目に、次代を担う子ども、グローバル人材の育成についてです。

 少子・高齢化が進む中にあって、本市における平成28年の人口1,000人当たりの出生率は政令市の中で2番目の9.3人と、ほかの政令市と比較すると恵まれた状況です。一方、昨今の社会経済情勢や女性の就業率の上昇などにより増加を続けている保育ニーズへの対応が求められる中、保育の受け皿の拡大を図り、安心して子どもを生み育てられる環境づくりを行うことが重要です。

 近年、本市においては、増加する保育ニーズに対応すべく、保育所整備や保育人材の確保に積極的に取り組まれてはいるものの、平成2912月現在で未入所児童数は3,354人、うち待機児童数は564人と、新年度もさらに積極的に取り組んでいく必要がありますが、待機児童ゼロとあわせて未入所児童の減少に向けてどのように取り組んでいくのか、決意とあわせてお尋ねします。

 次に、本市の少子化対策への取り組みについてです。

 我が国においては、平成28年に国内で生まれた日本人の子どもの出生率が初めて100万人を割り、続く平成29年の出生数は平成28年より約3万6,000人少ない約941,000人の見込みであることが厚生労働省より発表されています。本市におきましては、平成17年をピークに出生数と出生率は回復し、出生率においては全国平均と比較すると高い状況ではあるものの、合計特殊出生率は全国平均を下回っています。本市には若い未婚の女性が多いことなどが要因の一つであると言われていますが、既婚女性においても、経済的な理由などの育児の不安から、希望する数の子どもを産みたくても産まないという方もいます。

 本市が安心して子どもを生み育てられるまちを目指している中、多子家庭への支援を初め、少子化対策へどのように取り組んでいかれるのかについてお尋ねします。

 次に、市立小中学校における児童生徒の学力及び体力の向上についてです。

 平成29年度の全国学力・学習状況調査の結果によると、小学校においては国語、算数の4分類全てにおいて全国平均正答率を上回り、ここ3年間において全体的に向上傾向にあるものの、中学校においては昨年度までは全ての分類で全国平均または全国平均を上回っていたものの、平成29年度においては数学の2分類で全国平均を下回っています。また、体力の向上につきましては、スポーツ庁が公表した全国体力・運動能力調査に関する結果によると、本市の小学校、中学校ともに体力は向上傾向ではありますが、小中学校の平成29年度の新体力テストの結果を見てみますと、実技に関する小学校8種目、中学校9種目の調査のうち、小学校においては男子は4種目、女子は1種目、中学校においては男子は6種目、女子は2種目が全国抽出平均値を上回っているものの、その他の種目に関しては全国平均を下回っています。新体力テストにおいては運動の基礎となる身体能力を調査する目的がありますが、適度な運動は、体力の向上はもとより、児童生徒の健康増進、集中力の向上、ストレス発散あるいは仲間づくりにもつながります。

 そこで、本市の小中学校の児童生徒の学力及び体力の向上にどのように取り組んでいかれるのか、お尋ねいたします。

 3番目に、福岡の成長を牽引する観光・MICEの振興及び都心部の機能強化の推進についてです。

 まず、旧大名小学校跡地再開発についてです。

 去る1月30日、旧大名小学校跡地再開発の提案書の受け付けを締め切り、企業名やグループ数は非公表であったものの、関係者によると、地場企業を中心とした企業グループ3陣営が提出したとされています。島市長が同日の定例記者会見において、福岡の成長を引っ張り、福岡を象徴する場所になってほしい、ハイグレードなホテルや福岡になかった企業が来るなどの提案があるとうれしいと発言されていることや、旧大名小学校跡地は航空法の高さ制限が緩和されていることからも、高級ホテルが建設される可能性が極めて高いと感じています。事業者提案に対する評価内容において、地域要望の広場や公民館などの整備を義務づけされているものの、地域貢献への配点は低くなっていますが、地元住民や近隣で事業を行う事業者の納得を得ることが重要です。再開発のスケジュールとして、この3月に優先交渉権者の決定、新年度の9月には事業者との事業契約の締結が予定されていますが、改めて旧大名小学校跡地再開発についての考え方をお尋ねいたします。

 次に、福岡空港と空港周辺地域の活性化と支援についてです。

 福岡空港は西日本における拠点であるのみではなく、アジアの玄関口として重要な役割を担っていますが、発着回数が急増したことから混雑空港に指定されており、2020年完成予定の新ターミナルビルの建設や2025年に運用が開始される見込みの滑走路増設が進められています。また、地下鉄福岡空港駅では、改札口から国内線新ターミナルビルの出発・到着フロアまでの直通のエスカレーターやエレベーターで移動できるよう新改札口の整備が進められております。さらに、福岡都市高速3号線が福岡空港まで延伸されるなど、より利便性の高い空港となるところです。一方、福岡空港における航空機の発着回数が増加している状況や、滑走路増設に伴う空港の拡張において、空港周辺地域への騒音対策や移転補償など、課題も増加します。

 そこで、福岡空港の活性化、空港周辺地域の活性化と支援にどのように取り組んでいくのかをお尋ねします。

 次に、ウォーターフロント地区の再整備についてです。

 国際会議の開催件数が8年連続で政令市中1位、また、クルーズ船の寄港回数においても3年連続全国1位となるなど、福岡国際会議場などのMICE関連施設やクルーズ船が受け入れられる中央ふ頭が集積したウォーターフロント地区は、福岡空港同様、アジアの玄関口の役割を担っています。しかしながら、ウォーターフロント地区のまちづくりに当たっては、事業手法や交通対策などの検討が重要であり、また、その再整備には相当な事業費が見込まれるため、民間の活力と資金を生かした事業化が重要になると考えます。

 これまでのMICEとクルーズの機能に加えて、本市はにぎわいを創出しようとされていますが、ウォーターフロント地区の再整備について今後どのようなまちづくりを進めていくのか、あわせて新年度はどのような取り組みを行っていくのかについてお尋ねします。

 次に、公共交通を主軸とした総合交通体系づくりとあわせて、自動車や自転車による交通事故削減の取り組みについてお尋ねします。

 天神地区においては、国家戦略特区による航空法高さ制限の特例承認の獲得を契機に、本市の独自制度である容積率の緩和など、ソフトとハードの両面にわたる施策を一体的に推進することで、新たな空間と雇用を創出する天神ビッグバンプロジェクトに取り組まれています。この天神ビッグバンを推進、実現する上で、本市は公共交通の充実と一般車両の乗り入れを抑制し、マイカーから公共交通への転換を図るべく取り組まれ、平成29年度は公共交通を主軸とした交通体系づくりに寄与する駐車場施策の構築や、より利便性の高い附置義務駐輪場の確保、さらに、都心循環BRTの形成に向けた検討などに取り組んでこられ、これらの取り組みは本市都心部を中心とした慢性的な交通渋滞の緩和にも寄与するものだと考えます。さらに、人口や観光客の増加に伴う交通需要に対応するためには、厳しい財政状況にあっても、必要な交通基盤の整備を進めながら、公共交通の利用促進や乗り継ぎ利便性の向上に取り組む必要があると考えます。また、本市における交通事故の発生状況を見てみますと、平成19年以降、全交通事故件数は減少傾向にあるものの、平成28年は人口10万人当たり683.2件と、他の政令市と比較するとワースト4位という高い状況です。あわせて、自転車が関係する交通事故は、事故件数においては平成10年以降、3,000件台を記録し、全交通事故に占める自転車が関係する事故の割合は平成21年以降、約4分の1を占め、決して安心できる状況ではありません。

 そこで、今後、マイカーから公共交通への転換を図るため、どのように公共交通を主軸とした総合交通体系づくりに取り組んでいくのか、あわせて自動車や自転車による交通事故削減についてどのように取り組んでいくのかをお尋ねいたします。

 また、本市は来年開催されるラグビーワールドカップの開催都市の一つとなり、また、2021年の世界水泳選手権が開催されるなど、大規模な国際スポーツ大会が目前に控えていますが、市民とともに大会をつくり上げ、盛り上げることが重要だと考えます。

 そこで、新年度は市民とともにどのように大規模国際スポーツ大会の開催準備を行っていくのかをお尋ねします。

 この項目の最後に、福岡市地下鉄七隈線延伸事業についてお尋ねします。

 平成2811月に発生しました七隈線延伸工事に伴う道路陥没事故は、約1年4カ月を経過した今でも市民の記憶に新しく、二度と繰り返してはならない大きな事故です。この事故によって開業時期の遅延や事業費が大幅に増加することが見込まれていますが、近隣住民、事業者への対応、今後の安全対策など、なお課題が残されております。今後は安全を最優先として情報の公開や発信に努めていただきたいと考えますが、新年度は地下鉄七隈線延伸事業をどのように進めていかれるのかについてお尋ねします。

 以降、幾つかの項目について質問させていただきます。

 最初に、防災のまちづくりについてです。

 平成23年の東日本大震災を契機に、全国的に災害に対しての危機管理意識が高まりを見せる中で、以前にも増して自助、共助の重要性が見直され、自治組織等を中心とした地域住民が主体となった防災、減災への取り組みが活発に行われるようになりました。その後、平成28年の熊本地震、平成29年の九州北部豪雨など、本市から遠くない地域における大災害の発生を受けて、本市においても防災意識、危機管理意識はさらに高まっており、いつ発生するかわからない大規模災害に向けて、自助、共助、公助のいずれの観点からもしっかりとした備えをしておく必要があります。

 そこで、本市は防災のまちづくりを進めていく上で、地域住民が主体となった自主防災組織による自助、共助の取り組みなどへどのような支援を行っていくのかをお尋ねします。

 次に、ミサイル対応訓練についてです。

 昨年12月1日、全国の政令市に先駆けて、本市でミサイル対応訓練が実施されました。具体的には、市内全域の携帯電話にミサイル発射情報の緊急速報メールを配信するという市民を対象とした訓練であり、多くの市民の防災意識の向上につながったと評価しています。また、福岡市地下鉄での訓練や市内の小学校や天神中央公園においても市民参加型の訓練が実施される等、まさに本市を挙げての訓練でありました。

 現在も北朝鮮の動向は依然として予断を許さない情勢であり、今後もミサイルが発射された場合に備え、避難訓練などのミサイル対応訓練を実施すべきであると考えますが、どのように取り組まれるのかをお尋ねいたします。

 次に、犯罪のない安全で住みよいまちづくりについてです。

 本市における刑法犯認知件数は、平成14年の約5万8,000件をピークに減少し、平成28年には約1万8,000件と約7割減少しています。しかしながら、人口1,000人当たりで比較すると、全政令市中ワースト2位と、さらなる改善が必要です。特に自転車盗難、オートバイ盗難、住宅侵入窃盗、性犯罪など、市民がいつ被害に遭ってもおかしくない市民に身近な犯罪の認知件数は全政令市中ワースト5位内となるなど、市民が安全で安心な生活を送るための取り組みが急務であると考えます。

 本市においては、犯罪の抑止効果や犯罪発生時の犯人の特定及び検挙に効果のある街頭防犯カメラの設置促進を図るため、自治協議会、自治会、町内会等が設置する街頭防犯カメラの設置費用の一部を補助する街頭防犯カメラ設置補助金制度などに取り組まれていますが、新年度における犯罪のない安全で住みよいまちづくりへの決意と取り組みについてお尋ねします。

 次に、本市の姉妹都市提携についてです。

 本市は平成19年から韓国の釜山広域市と姉妹都市提携を結び、これまでにもさまざまな交流事業を行ってまいりました。しかし、平成2812月、突如、日韓合意の精神に反し、釜山広域市内の日本総領事館前に慰安婦像が設置されました。日韓合意の精神に反するとともに、ウィーン条約の規定に照らしても問題であり、将来的な日韓の友好関係、釜山広域市との良好な姉妹都市関係にも悪影響を及ぼすことが明白であり、本市としてもこの間、釜山広域市側に対して世論等や交流事業への影響の懸念を伝えてきてはおりますが、一向に改善される様子もなく、在韓邦人や観光で釜山市を訪れる市民の安全にも懸念が生じてきております。加えて、本年5月には徴用工像の設置計画まであるようです。

 市民の皆様からも釜山広域市との姉妹都市関係を継続することに対しては疑問の声が数多く寄せられており、今後は釜山広域市との姉妹都市関係の解消も交渉カードに入れて協議に臨むべきだと考えますが、釜山広域市側との本格的な協議に臨まれる御決意をお尋ねいたします。

 次に、ユニバーサル都市のまちづくりについてです。

 本市は、ユニバーサルデザインの理念に基づき、「みんながやさしい、みんなにやさしいユニバーサル都市・福岡」をまちづくりの目標像としています。本市においては、少子・高齢化の中、子どもから高齢者が安心して暮らせる環境づくりが必要とされています。また、社会環境の変化に伴い、年齢、性別、能力、背景等にかかわらず、誰もが生き生きと働くことができ、過ごしやすい環境づくりも求められており、フェスティバルを開催するなどして、その普及啓発に努められています。

 普及啓発などのソフト面も重要ではありますが、一方、道路や施設、公共交通などのバリアフリー化や都心部へのベンチ設置などのハード面も重要であると考えますが、ユニバーサルデザインの理念によるまちづくりを新年度はどのように推進していくのか、お尋ねします。

 次に、高齢者への支援についてです。

 既に人口減少が始まっている我が国において、本市の人口は伸び続け、今後、総人口は160万人に達し、2035年ごろにピークを迎えると推計されています。しかしながら、高齢者人口も増加し、現在、約5人に1人の高齢者の割合は2040年には約3人に1人となります。本市は他の自治体と比較すると若い都市とされていますが、これまでに経験したことのない超高齢社会を迎え、今後ますますその対策が重要となっていきます。

 そのような状況の中、高齢者が年齢にかかわらず、意欲や能力に応じ、生きがいを持って生き生きと活躍することができ、介護が必要になっても、できるだけ住みなれた地域で安全、安心に暮らすことができる社会を基本理念として、生き生きとしたシニアライフの実現、安心して暮らせるための生活基盤づくり、認知症施策の推進、介護保険サービスの適切な利用の推進と円滑な制度運営、高齢者総合支援体制づくりなどを推進されていますが、新年度はさらにどのような取り組みや施策を行うのかをお示しください。

 次に、生活保護の適正化についてです。

 近年、生活保護を受給する方が全国で200万人を超える中、本市においても約3万4,000世帯、約4万4,000人の方が生活保護を受けています。新年度予算案においても、一般会計約8,300億円に対して、約1割を占める約798億円が計上されています。生活保護費が国や地方自治体の財源に占める割合が増加し、高どまりしている中、国において事業の適正化を図り、また、本市においても生活保護ホットラインの開設、後発医薬品の促進や重複受診の改善指導など、生活保護の適正化に取り組んでいますが、さらなる生活保護事業の適正化に向けて新年度はどのように取り組まれるのかをお示しください。

 次に、中小企業、小規模事業者や商店街の振興支援についてお尋ねします。

 日本経済を見てみると、近年、景気回復がうたわれており、上場企業の収益は過去最高基準にあることや、有効求人倍率の高水準や完全失業率の低水準を維持してはいるものの、一方で、中小企業や地方においては景気回復の実感が乏しいのが現状です。本市経済においては、平成26年4月以降、景況判断指数値の大きな変動がなく、横ばい圏内で推移しており、地場企業の景況感は足踏み状態が続いています。

 本市は平成29年度、中小企業振興条例を全面改定し、中小企業サポートセンターなどにおいて支援策を講じられていますが、本市経済を支える中小企業、小規模事業者のさらなる振興に新年度はどのように取り組まれていくのか、お尋ねいたします。

 最後に、商店街活性化の支援についてです。

 本市の商店街は、近隣型が全体のタイプの5割以上と地域型が約4分の1と、この2つのタイプで8割以上を占めており、買い物客は主に最寄り品を求めて徒歩や自転車で買い物をする傾向が強くあります。しかしながら、近年、商店街の商圏内に大型店が増加する傾向にあり、その影響で来街者が減少した商店街が多くあります。商店街の景況は、以前と比較すると改善傾向も見られますが、厳しい景況が続き、経営の悪化や商店主の高齢化、後継者の不在などの理由で廃業する商店も多く、衰退しているまたはやや衰退していると感じている商店街は約6割にも上ります。

 本市も商店街支援施策として、商店街活力アップ支援事業や商店街空き店舗における創業応援事業など、さまざまな支援に取り組まれてはいますが、これまでの成果や課題を踏まえ、今後どのように商店街活性化の支援に取り組んでいくのか、お示しください。

 これまで平成30年度予算案に関して、本市の発展、また、市民の生活をさらに豊かにするものとの観点から質問してまいりましたが、島市長におかれましては、本日提案させていただいた考え方について積極的に取り組んでいただくことを強く要望し、また、本市の未来に向けて絶えず御努力いただくことをお願いしたいと思います。また、本市がさらに魅力ある都市となり、さらなる成長を続けることで、全ての市民にとって安全と安心が担保され、住みやすく豊かなまちになることを切に願い、また、このすばらしいまちを築かれた先人への感謝の気持ちを常に持ち続け、私たちの世代が本市をさらに発展させ、次の世代にバトンタッチすることをかたく誓う決意であります。

 最後に、新年度の予算審議に当たりまして、市民の負託を全うすべく、市民生活のさらなる向上の観点を持って真摯に審議することを決意して、我が会派の代表質問を終わります。

 

議長(川上晋平) 島市長。

市長(島宗一郎)登壇 ただいま福岡維新の会を代表して、富永周行議員より御質問いただきましたので、まず私のほうから御答弁させていただきます。

 最初に、予算案の概況についての御質問にお答えをします。

 平成30年度予算案は、多くの市民の皆様とともに策定をした総合計画を推進し、都市の成長と生活の質の向上の好循環を力強いものとするとともに、この元気で住みやすいまちをさらに発展させ、将来に引き継いでいくために、福岡市を次のステージへと飛躍させるチャレンジ「FUKUOKA NEXT」を着実に進めることを基本的な方針として編成をいたしました。平成30年度は見守り、支え合う、共創の地域づくり、次代を担う子ども、グローバル人材の育成、福岡の成長を牽引する観光・MICE、都心部機能強化の推進、人と企業を呼び込むスタートアップ都市づくりという総合計画に沿った4つの分野に力を入れることとしており、このようなまちづくりへの方向性を踏まえ、予算案の編成に当たっては、財政規律と投資のバランスを図りながら必要な予算を確保したところであります。

 次に、財政健全化の取り組みにつきましては、行政運営プラン及び財政運営プランの取り組みの方向性を踏まえ、重要施策の推進などに必要な財源を確保するため、政策推進プランに基づき、投資の選択と集中を図りつつ、歳入の積極的な確保や行政運営の効率化、既存事業の組み替えなど、不断の改善に取り組むとともに、市債残高の縮減に向けた取り組みを引き続き進めてまいります。 今後とも、組織の力が最大限発揮できるよう、市役所一丸となって、将来にわたり持続可能な市政運営を目指してまいります。

 次に、共創の地域づくりについてのお尋ねでありますが、自治協議会と行政がパートナーとしてさまざまな主体と地域の未来をともにつくり出す共創の取り組みを推進しております。地域の新たな担い手として、企業や商店街、若い世代などの地域活動への参加を促進するとともに、さまざまな主体と地域をつなぐ共創コネクターを配置し、地域の活性化や課題解決に向けた新たな取り組みを支援するなど、今後とも、共創の地域づくりを推進してまいります。

 次に、次代を担う子ども、グローバル人材についてのお尋ねであります。

 まず、待機児童解消への取り組みにつきましては、保育所の新設や小規模保育事業の認可、幼稚園から認定こども園への移行などに加え、新たに幼稚園での2歳児の受け入れを行うなど、多様な手法により、平成30年度は2,000人分の定員増を進めてまいります。また、多様な就労形態に対応するため、企業主導型保育事業を推進してまいります。

 少子化対策につきましては、引き続き保育料の免除や手当の給付などにより多子世帯を支援していくとともに、子育て世代包括支援センターにおける支援などによる子育てに関する不安や負担の解消、保育の受け皿の確保などによる子育て支援の充実、仕事と子育ての両立に向けた環境づくりなどに取り組んでまいります。さらに、平成30年度より新たに一般不妊治療費への助成を開始いたします。今後とも、妊娠、出産、子育ての各段階に応じた切れ目のない支援に取り組んでまいります。

 小中学校における学力及び体力の向上に関する御質問につきましては、後ほど教育委員会から御答弁をいたします。

 次に、観光・MICEの振興及び都心部の機能強化の推進についてのお尋ねであります。

 まず、旧大名小学校跡地につきましては、天神ビッグバンの西のゲートに位置する都心部の貴重な空間であり、まちづくり構想や跡地活用プランを踏まえるとともに、民間活力を最大限に引き出す規制緩和を活用し、平成2910月から事業者の公募を実施しております。今後とも、人、モノ、コトを引きつけ、交流することで新たな価値を生み出し、地域にとって、福岡市の将来にとって魅力的な場となるよう取り組んでまいります。

 次に、福岡空港につきましては、滑走路増設などの空港機能強化を推進するとともに、航空ネットワークの強化や利用者の利便性向上を図るなど、より便利で魅力的な空港づくりを推進してまいります。また、空港を支える周辺地域の振興と活性化を図ることは重要な課題であると認識をしており、国や県、関係機関などと連携をして、地域と課題を共有しながら、周辺地域の環境対策と環境整備を進めるとともに、中長期的なまちづくりに取り組んでまいります。

 次に、ウォーターフロント地区につきましては、魅力的なまちづくりを推進するとともに、都心拠点間のアクセス性や回遊性の向上を図り、福岡市の成長エンジンとなる都心部の国際競争力の強化に取り組んでまいります。平成30年度は世界水泳選手権の開催に向けた第2期展示場の整備やクルーズ受け入れ機能の強化に向けた岸壁の延伸などを推進するとともに、コンセッション制度の活用など、民間活力を最大限に生かす手法や将来的な需要に適切に対応する交通対策の検討などを進め、クルーズ、MICE、にぎわいが融合した新たな都心拠点の形成に向け、取り組んでまいります。

 総合交通体系づくりにつきましては、地下鉄七隈線の延伸や幹線道路の整備などによる交通ネットワークの強化を初め、パーク・アンド・ライドの推進や折り返し系統バスの導入などの交通マネジメント施策に取り組んでまいります。

 また、交通事故対策については、第10次交通安全計画に基づき、地域や県警、関係団体などと連携を図りながら、交通事故のない社会の実現を目指してまいります。

 次に、大規模国際スポーツ大会の開催準備につきましては、機運醸成に向け、関連イベントの開催やPR活動に取り組むとともに、市民の皆様にボランティアとして参画いただくなど、大会の成功に向けたさまざまな準備を着実に進めてまいります。

 地下鉄七隈線延伸事業に関する御質問につきましては、後ほど交通事業管理者から御答弁をいたします。

 次に、防災のまちづくりについてのお尋ねでありますが、自主防災組織による自助、共助の取り組みにつきましては、避難所運営を学ぶワークショップの開催や避難所運営を支援するエキスパートの養成に加え、防災キャンプの実施や各種訓練の充実、帰宅困難者対策の推進など、行政、市民、企業が連携をした共創による防災先進都市づくりに取り組んでまいります。

 ミサイル対応訓練につきましては、市民の安全、安心のまちづくりに寄与するものとして、政令指定都市で初めて実施したものであり、今後とも、情報伝達の方法や身を守るための行動について、市民の皆様にしっかりと周知、啓発を図るなど、国民保護対策に取り組んでまいります。

 犯罪のない安全で住みやすいまちづくりにつきましては、街頭防犯カメラの設置促進や防犯パトロールカーへの支援を行うとともに、市民や地域団体、企業と連携をし、にせ電話詐欺や性犯罪など、高齢者や子ども、女性に対する犯罪防止の啓発などに取り組んでまいります。

 在釜山日本国総領事館前の慰安婦像などの問題につきましては、外交に関する国の専管事項であります。福岡市においては、地方自治体として、現下の情勢のもと、交流事業に参加する福岡市と釜山広域市の両市民に万が一にも安全面の支障が生じたり、不快な思いを抱かせることがないよう、世論や交流事業への影響の懸念などを随時釜山広域市に伝え、共有しながら事業を実施いたしております。交流については、先人が続けてきた歴史や両市のつながりの現状も踏まえながら、引き続き両市民の安全を第一に適切に対処してまいります。

 ユニバーサル都市のまちづくりにつきましては、道路、公共施設などのバリアフリー化やベンチの設置を推進するとともに、ユニバーサル都市・福岡フェスティバルの開催、性的マイノリティ支援の充実などに取り組み、ハード、ソフトの両面から、「みんながやさしい、みんなにやさしいユニバーサル都市・福岡」の実現を目指して取り組んでまいります。

 高齢者への支援につきましては、誰もが心身ともに健康で自分らしく生きていける持続可能な社会の実現を目指す福岡100を推進しており、そのリーディング事業として、認知症の人が住みなれた地域で安心して暮らせるよう、認知症フレンドリーシティ・プロジェクトを立ち上げたところであり、平成30年度はコミュニケーション・ケア技法の普及や認知症カフェの開設、促進などに取り組んでまいります。

 また、高齢者の就業を促進するとともに、生活支援コーディネーターの配置を拡充し、高齢者の生活支援や介護予防、社会参加に向けた取り組みを一体的に進めてまいります。

 次に、生活保護については、収入の届け出や能力の活用など、受給者が守るべき義務について一層の周知、理解を図るとともに、ホットラインの運用などにより適正な実施に取り組んでおります。

 また、医療扶助については、主治医との連携のもと、必要な受診の確保に配慮をしながら、薬剤師や保健師などによる療養指導や助言を行い、適正受診、重症化予防のさらなる強化に取り組んでまいります。

 最後に、中小企業や小規模事業者、商店街の振興についてのお尋ねでありますが、中小企業等の振興については、中小企業振興条例やみんなで応援!中小企業元気都市プランに基づき、積極的に推進をしてまいります。まず、経営相談や専門家派遣などの総合的な支援や融資制度の拡充と円滑な運用などによって地場中小企業の経営基盤の強化を図ってまいります。また、地域資源を生かした産業の振興による地場中小企業の持続的発展の促進に取り組むとともに、第二創業の支援や知識創造型産業の振興など、地場中小企業の多様で活力ある成長、発展の促進に取り組んでまいります。

 商店街活性化の支援につきましては、平成29年度に実施した商店街実態調査の結果や課題を踏まえ、施策の見直しを図るなど、商店街のさらなる活性化に向けた支援に努めてまいります。今後も新たな取り組みに、やる気を持ってチャレンジする商店街を重点的に支援するとともに、その成果を他の商店街にも広げることによって活性化を図ってまいります。

 以上、市政各般にわたり御答弁いたしましたが、承りました御意見、御提言に留意し、市民の代表である議会との対話を真摯に進めてまいります。引き続き人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市の実現を目指して、全力で市政運営に取り組んでまいります。よろしく御協力をお願いいたします。

 

議長(川上晋平) 阿部交通事業管理者。

交通事業管理者(阿部 亨) 地下鉄に関する御質問にお答えをいたします。

 地下鉄七隈線延伸事業につきましては、事故の原因究明の検討委員会から示された工事再開に関する留意点や地下鉄七隈線建設技術専門委員会からの意見などを踏まえ、安全対策に万全を期しながら土木本体工事を進めるとともに、駅レイアウトの検討を進め、線路や駅舎等に関する工事に順次着手するなど、安全を最優先に着実に事業を推進してまいります。あわせて、事業の進捗状況などの情報をわかりやすく丁寧に発信してまいります。以上でございます。

 

議長(川上晋平) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 教育に関する御質問に対しまして教育委員会からお答えをいたします。

 児童生徒の学力向上につきましては、全国学力・学習状況調査や福岡市独自の生活習慣・学習定着度調査の結果をもとに、学力パワーアップ総合推進事業による全市的な取り組みを行っております。特に小学校では、平成30年度より放課後に補充学習を行うふれあい学び舎事業を70校から全小学校144校に拡充して実施することとしており、学力向上の取り組みをさらに推進してまいります。

 体力向上につきましては、体育科授業の充実を図るとともに、児童生徒の体力に課題がある学校に派遣している実技指導員を増員するなど、児童生徒のさらなる体力向上を目指してまいります。以上でございます。

 

議長(川上晋平) この際、休憩し、午後4時10分に再開いたします。

午後3時55分 休憩  

午後4時10分 開議  

副議長(石田正明) 休憩前に引き続き会議を開き、各派代表による質疑を継続いたします。荒木龍昇議員。

○45番(荒木龍昇)登壇 私は緑と市民ネットワークの会を代表して、2018年度予算案及び島市長の市政方針に関して代表質問します。

 質問に先立ち、去る2月19日に御逝去された三角公仁隆議員に心から哀悼の意を表します。

 安倍政権が2012年に発足し、5年を経過しましたが、果たして国民の生活はよくなったのか、それは否の答えしかありません。新自由主義政策を進め、企業の国際競争力をつけるとして労働の流動化を図るために派遣労働法の改悪などにより不安定雇用をふやしてきました。その結果、貧困と格差は拡大し、また、大学や研究機関などの独立行政法人化を進めてきたことで、たび重なる研究の捏造事件や企業での改ざん事件など、社会の病巣が広がっています。効率化を求める新自由主義の発想は精神の廃退と社会の分断を促進し、社会の持続的発展の否定です。世界最大の投資グループは企業が社会的責任を果たさなければ持続可能な社会は維持できないとし、投資先の選定に企業の環境問題や貧困問題の取り組みなど、社会貢献を挙げています。世界的に先進国での潜在的成長力が低下していると言われ、その背景に貧困と格差の拡大が指摘されています。人口減少社会、超高齢社会に突入した日本では経済成長は望めず、いかに持続可能な社会を実現するかが求められています。経済の時代から共生と連帯の社会へ転換期と言えます。何よりも、地方自治体は地方自治の本旨である住民の福祉の増進を図ることがますます求められています。

 このような状況で都市の成長が市民の生活の質の向上をもたらすという政策は間違っており、市民生活の向上が持続可能な社会をつくるとすべきです。行財政改革で生み出した資金は都市の成長に優先的に投資され、市民にさまざまな負担を求めてきたことは時代の要請に逆行するものです。政策転換すべきと考えますが、市長の所見を求めます。

 昨年は森友学園問題と加計学園問題が大きな問題となり、今日も真相究明が求められています。国家戦略特区を主導している人たちは新自由主義を信奉する学者及び経済人です。そして、その決定は官邸のトップダウンで行われ、安倍首相のお友達に巨額の税金が振る舞われていることが問題となっています。この福岡市においても、島市長はいち早く国家戦略特区に手を挙げ、雇用創出特区、解雇特区を初め、天神ビッグバンやウォーターフロント開発と称して規制緩和による天神地区再開発や中央ふ頭地区再開発を進めています。

 そこでまず、今後とも、厳しい財政状況が見込まれる中で、破綻した人工島の土地処分、開発や企業誘致に優先的に投資すべきでなく、市民生活の質の向上に資する投資、都市インフラの維持管理を優先すべきです。アセットマネジメントにおいて将来の人口予測や需要予測を行い、既存施設を活用し、総量規制することが重要です。人口動態に基づく既存施設活用の将来計画と総量規制について所見を求めます。

 次に、雇用問題についてお尋ねします。

 国は労働力の流動化を図るとして、派遣労働法を改悪し、金銭解雇ができる仕組みを目指し、さらに、働き方改革と称して副業を勧めています。福岡市の解雇特区はその先鞭で、起業支援と称して解雇指南を行い、非正規雇用に補助制度を適用してきましたが、この結果、福岡市の不安定雇用が進んだと考えます。また、先日の報道でも安倍政権の5年間の実質賃金はマイナスであったことが明らかとなっています。他方、企業の内部留保は400兆円を超えたことも報道されています。

 市長は特区の指定を受け、都市の成長に優先的に投資し、企業誘致を進めてきましたが、福岡市の雇用情勢は改善しているのか、市民の所得は向上したのか、市民の生活の質は向上したのか、所見を求めます。

 経済は供給でなく需要に大きく制約を受けます。世界経済の影響を抑えるために、地域内で循環する経済を構築する必要があります。地域で循環する持続可能な経済にするためには、地場産業の育成と市民所得の向上が必要です。そのためには、特に中小企業が多い福岡市においては中小企業対策が重要と考えます。人工島の土地処分、大企業優先の天神再開発や中央ふ頭再開発への投資よりも、中小零細企業対策を優先すべきと考えます。どのような支援策を進める考えなのか、所見を求めます。

 同時に、個人商店や商店街活性化の支援強化を行うことで地域のコミュニティ再生、強化を図る、地場中小零細企業に仕事を確保するために住宅リフォーム制度や小規模修繕事業者登録制度を実施すべきと考えますが、所見を求めます。

 また、さまざまな地域再生に取り組む活動、里親や子どもの虐待、貧困問題などの子どもを支援する団体、ひきこもりなどの若者を支援する団体、障がい者を支援する団体、生活困窮者を支援する団体など、社会活動に取り組む非営利団体に公的支援を強化することで地域社会を活性化することが重要と考えますが、所見を求めます。

 市長は行財政改革において人件費の削減として非正規職員をふやし、PFI、指定管理者、窓口業務委託など、業務のアウトソーシングを進めていますが、これは福岡市みずから低賃金構造を生み出しており、問題です。国はトップランナー方式として交付税交付基準にすることで業務のアウトソーシングを強要していますが、自治体として国にトップランナー方式をやめるように求めるべきと考えますが、所見を求めます。

 また、公契約による事業の就労者の最低賃金を定める公契約条例の制定による市民所得の底上げを図るべきと考えますが、所見を求めます。

 科学館、給食センター、総合体育館などにPFIを導入していますが、総合体育館の建設費は直轄のほうが安いことなどを見ると、本当に経費削減になるのか、市民サービスの向上になるのか、極めて疑問です。さらに、都市公園法が改正され、公園において収益事業ができるようになり、福岡市もにぎわいづくりとして公園の収益事業拡大を進めています。中央ふ頭では第2期展示場についてコンセッション制度を検討するなど、公共施設、公共空間を収益事業の場に変える動きを進めています。これは公共施設、公共空間の本来的な機能を損なうだけでなく、収益につながらない部分は市民負担となります。

 PFI導入やコンセッション導入などの公共施設、公共空間での収益事業促進は見直すべきと考えますが、所見を求めます。

 次に、安倍政権が進める不安定雇用によって、福祉、教育、介護などの現場でさまざまな問題が生じています。いじめやひきこもり、子どもの貧困問題など、継続的に長期的に対応が必要な業務は、短期の契約や業務時間の制限は問題解決に支障を来します。

 スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、非常勤講師、学校司書、ひきこもり支援事業などの雇用及び契約のあり方については見直すべきと考えますが、所見を求めます。

 また、国はスクールカウンセラーを各小中学校に1人配置、スクールソーシャルワーカーは中学校に1人配置を目指すとして予算化しています。スクールカウンセラーを各小中学校に1人、スクールソーシャルワーカーは各中学校に1人配置すべきと考えますが、所見を求めます。

 また、教員の長時間勤務の解消についてどのように取り組むのか、所見を求めます。

 非常勤教員を正規教員にするとともに、教員をふやし、少人数学級を実現することで教育環境を充実させるべきです。また、学校司書についても、各小中学校に1人配置し、子どもの読書環境を充実させ、子どもの健全な成長と学習能力を高めるべきと考えますが、所見を求めます。

 非正規公務員の処遇改善を2020年度4月から実施するよう、地方公務員法及び地方自治法が改正されました。福岡市では今後どのように処遇改善を検討するのか、財源確保はどのように考えているのか、また、当事者の声をどのように反映させるのか、所見を求めます。

 将来を担う子どもは社会の宝であり、社会的に保護すべきです。子どもの貧困問題が社会的問題となっていますが、貧困の連鎖を断ち切るためには教育の機会均等を実現することが第一と考えます。

 そこで、福岡市における学習支援の拡大や給付型奨学金の実施について所見を求めます。

 また、不登校児童が年々ふえ続けており、2016年に義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律が制定され、義務教育の形式卒業者や未就学者の支援のために、国では都道府県に最低1校は夜間中学を設置することを求め、予算化しています。福岡市にはボランティアによる識字学級はありますが、夜間中学はありません。福岡都市圏を視野に、夜間中学校を設置すべきと考えますが、所見を求めます。

 福岡市では生活保護費の引き下げにあわせて就学援助の対象者を削減していますが、子どもの権利条約でうたわれている育つ権利を阻害するもので、見直すべきと考えますが、所見を求めます。

 来年度から道徳が教科化され、内心が評価されることになり、価値観が強要され、人権侵害のおそれがあります。むしろ学校において子どもの権利条約の学習を行うことが、お互いの人格を尊重し、いじめや差別をなくすことにつながります。子どもだけでなく、大人も子どもの権利条約について理解を深めることが子どもの虐待を防ぐことになります。道徳の教科化に伴う内心の評価はやめるべきであり、子どもの権利条例を制定し、学校や地域において学ぶことが重要と考えますが、所見を求めます。

 子どもの権利条約や国際人権規約では、民族的アイデンティティーの保持や民族的アイデンティティーを保持しながら教育を受ける権利を保障しています。北朝鮮政府による拉致問題やミサイル発射問題と子どもが教育を受ける権利は別であり、朝鮮学校に助成すべきと考えますが、所見を求めます。

 障害者権利条約が批准され、障害者差別解消法が制定されました。障がい者の権利を保障し、差別をなくすために、福岡市においても当事者が主体となる障がい者差別禁止条例を制定すべきと考えますが、所見を求めます。

 障がい児の劣悪な教育環境が指摘されていますが、改善は進んでいるのでしょうか、また、インクルーシブ教育の推進が求められていますが、今後どのように進めていくのか、所見を求めます。

 保育園や留守家庭子ども会での障がい児の受け入れに当たっては、支援の充実を図っていく必要があると思いますが、所見を求めます。

 また、障がい者が公園への散歩ができるなど、日常生活を支える移動の権利の保障について所見を求めます。

 失業率が過去最低との報道がありますが、若年層ほど失業率は高く、学歴が低いほど失業率が高くなっています。離職率も同じ傾向があり、若年層、学歴に対応した就労支援が必要と考えます。また、若年層の非正規労働者がふえていることは少子化の大きな原因になっており、正規雇用をふやす取り組みが重要です。若者の就労支援について所見を求めます。

 求人数が最も多い業種は医療、福祉業で、全体の約5分の1を占めています。介護従事者の処遇改善を進め、若者の雇用と介護の質の向上を図るべきと考えますが、所見を求めます。

 福岡市は人口増をあたかも都市の成長の成果と評価していますが、さまざまな問題を抱えることになっています。まず、人口はふえていますが、生産年齢人口の割合は減少しており、単身高齢者や高齢者世帯がふえています。国は地域包括ケアシステムの構築を求めていますが、在宅医療、在宅介護のシステムを福岡市としてどのように取り組むのか、所見を求めます。

 高齢者が住み続けたまちで住み続けられるには、高齢者の生活支援が必要です。高齢者の移動の支援及び免許証返上を進める必要があります。他都市の事例では、近距離の生活に必要な病院、商店、銀行、公共施設と自宅とをドア・ツー・ドアのオンデマンド乗り合いタクシーを低廉な料金で提供している事例があります。交通空白地、不便地対策とともに、高齢者の生活支援として、福岡市でもドア・ツー・ドアのオンデマンド乗り合いタクシーを検討すべきと考えますが、所見を求めます。

 配る福祉から支える福祉にと政策転換をしました。これは一見、合理的に聞こえますが、自己責任論による福祉の切り下げとも言えます。高齢者が元気であり続けるためには、社会的関係が維持できることが重要です。高齢者乗車券の削減や高齢者の利用施設の負担増は外出の機会を奪うことであり、見直すべきと考えますが、所見を求めます。

 介護保険制度が改正され、要支援が自治体に移管され、無資格者でも介護支援ができるようになりました。それとともに、利用料の引き下げが行われ、これまで専門的に担ってきた有資格者や事業所が要支援事業から撤退する事態が起こっています。その結果、介護支援の質の低下を招き、結果的に要介護度が高まることが危惧されています。制度の見直しを国に求めるとともに、使用料の引き下げは見直すべきと考えますが、所見を求めます。

 地域包括ケアシステムを構築するに当たり、医療との連携も重要となります。退院後の通院に活用されている福祉有償運送の支援が必要と考えますが、所見を求めます。

 地域包括ケアシステムは地域資源を連携させ、高齢者支援だけでなく、子どもの支援も一元的に取り組むことも提案されています。地域資源の連携を図るために地域コーディネーターの配置が必要と考えますが、所見を求めます。

 次に、都市のあり方について質問します。

 福岡市では、無秩序に住宅建設することにより行政需要が追いつかず、さまざまな問題を引き起こしています。急激な児童数の増加による教室不足や運動場の狭隘化、生活交通の増加などが起こっています。また、マンション問題は後を絶たず、集合住宅、とりわけ超高層マンションがふえることによる都市のスポンジ化の問題が将来危惧され、行政需要の将来計画に合わせた成長管理政策をすべきと考えますが、所見を求めます。

 介護、福祉、医療を効率的に提供できるよう、超高齢社会を見据えて都市機能の適正配置と移動の自由が確保できるシステムを検討すべきです。生活の質の向上には都市の景観や構造が重要になると考えますが、立地適正化計画を策定し、都市機能を高めるべきと考えますが、所見を求めます。

 2013年度の国の調査では福岡市の空き家が9万戸となっており、中古住宅の流通の促進とともに、住みかえの仕組みを検討する必要があり、そのためには空き家バンクの仕組みをつくる必要があると考えますが、所見を求めます。

 住宅は福祉の原点です。超高齢社会を迎え、また、低所得世帯がふえている状況から、住宅確保要配慮者の対応の必要性です。昨年、住宅セーフティネット法が施行されました。福岡市の空き家のうち、その大半は民間賃貸住宅です。公的住宅の活用とともに、民間賃貸住宅を活用することが重要です。福岡市は、住宅セーフティネット法において国が示しているメニューの活用について所見を求めます。

 次に、環境問題について質問します。

 まず、化学物質による健康被害をどう防ぐかについて質問します。

 合成された化学物質は自然界にないものが多く、化学物質過敏症が問題となっています。シックハウス症候群についての対策はなされていますが、近年、香料による被害も指摘されており、市民に広報している自治体もあります。

 福岡市では、学校給食現場では合成洗剤を使用していませんが、香料などの化学物質による健康被害に対してどのように取り組みを進めるのか、所見を求めます。

 自然環境を保全することは、市民生活の質の向上に欠かせません。しかし、福岡市では緑地が減少しています。愛宕山など残された斜面緑地の開発規制や緑化地域制度を活用し、建築物に対する緑地の附置義務を課すことが必要と考えますが、所見を求めます。

 また、150万人の大都市に残された貴重な干潟である和白干潟を名古屋市の藤前干潟と同様にラムサール条約登録湿地にすべきと考えますが、所見を求めます。

 地球温暖化による異常気象が大きな問題となっています。再生可能エネルギー利用の拡大、省エネルギー対策と建物の断熱構造の促進、壁面や屋上緑化の促進が重要と考えます。とりわけ福岡市は集合住宅が住宅の4分の3を占めており、集合住宅や建造物の断熱化や屋上部を活用すべきと考えますが、所見を求めます。

 2014年に地方自治法の一部が改正され、団体自治から、さらに住民自治を推進するという視点からの地方制度審議会答申を受け、総合区や区民会議の設置について規定されています。政令指定都市において、区の役割を拡充し、住民自治を強化する観点から、区役所が分掌する事務を条例で定めることや、条例で区にかえて総合区を設置できることが新たに規定されています。また、市民がより身近な問題について参画できる仕組みとして、市民参画予算の仕組みがあります。先日調査した名古屋市では、区民会議を設置し、区民から意見を聴取し、予算に反映させる取り組みが試みられています。住民自治を進めるために、総合区の設置、区民会議の設置及び市民参画予算について所見を求めます。

 また、住民自治の制度の一つとして常設型住民投票条例を制定している自治体があります。福岡市においても、人工島計画やこども病院人工島移転など、市民生活に大きな影響を及ぼす事業について常設型住民投票条例を制定すべきと考えますが、所見を求めます。

 次に、防災について質問します。

 一昨年の熊本地震は震度7の激震が連続して襲い、従来と異なる地震でした。また、熊本地震の調査から長周期パルスによる被害が比較的多く起こっていることがわかりました。警固断層が都心部に走っている福岡市として、耐震対策を改めて検討が必要と考えられます。

 熊本地震を受けて受援体制などの防災計画が見直されていますが、天神地区は警固断層に隣接しており、長周期地震動対策や長周期パルス対策の検討が必要と考えますが、所見を求めます。

 また、昨年の九州北部豪雨など、この間、記録的豪雨被害が頻発しており、豪雨対策が必要となっています。自然災害をとめることはできませんが、浸水対策の拡充や流出抑制の推進、人命第一に早期避難体制、ハザードマップの活用による減災対策及び適正な避難所の確保、長期化が予想される被災後の避難支援と復旧対策が重要と考えますが、今後の検討について所見を求めます。

 玄海原発3号機、4号機が再稼働されようとしています。福島原発事故が起こって7年を迎えますが、いまだに約8万人の方が避難生活を強いられ、子どもの甲状腺がんが197人確認され、健康被害が広がっています。原発は事故が起こらなくても放射性物質が原子炉から排出され、周辺住民に健康被害を与え、また、被曝労働者がいなければ稼働できない、まさに人命を犠牲にしなければ生み出されない非人道的エネルギーです。自然災害は防げませんが、原発災害は稼働させなければ事故を起こすことはありません。原発は人災であり、原発事故はとめることはできます。市長は住民の福祉の増進を図るという地方自治の本旨にのっとり、玄海原発の再稼働をやめるよう国及び九電に求めるべきと考えますが、所見を求めます。

 また、万が一の事故に備え、全市民及び来福者を含めた安定ヨウ素剤の備蓄及び二次避難先や要援護者の避難場所の確保など、避難計画の見直しが必要と考えます。また、これらの費用は原因者である九電に求めるべきと考えますが、市長の所見を求めます。

 個々の防災対策についてお尋ねしましたが、防災計画全体として要援護者対策、外国人対策、来福者対策、BCPについて、現状と今後の見直しについて所見を求めます。

 次に、201712月末の国の借金は1,085兆円と、国の借金は年々ふえ続けています。このような状況で、国は2018年度予算では防衛費を5兆2,000億円と過去最大にふやしています。他方、国は年金の削減、介護保険、医療費の負担増を推し進め、消費税増税をしようとしています。第2次安倍政権成立以降、特定秘密保護法強行採決、戦争法強行採決と、軍国主義、復古主義への妄想のもとに憲法改悪への道をひたすら走ってきました。そして、北朝鮮危機をあおり、軍備強化を図っています。国民負担の上に防衛費を増加させ、国際的な緊張を高めることは問題です。

 市長は国に、国際的な軍縮を進め、国際的緊張緩和を進めることで防衛費の削減を求め、地方自治体の財源を確保すべきと考えますが、市長の所見を求めます。

 国際ジャーナリストの団体である国境なき記者団による報道の自由度のランキングが公表されています。日本のランキングは秘密保護法が制定される前の2010年は11位であったものが、2016年は72位となっており、報道の自由が奪われています。共謀罪や盗聴法改悪、司法取引による密告制が導入され、沖縄の辺野古基地建設では警察権力による人権侵害と弾圧強化が進められ、地方自治をも否定する動きを示しています。

 住民の福祉の増進という地方自治体の本旨にのっとり、市長は安保法制、いわゆる戦争法廃止及び特定秘密保護法廃止を国に求めるべきと考えますが、所見を求めます。

 また、市長はこれまで2月11日に日本会議主催の日本の建国をお祝いする集会で祝辞を述べていますが、市長は憲法を改悪し、戦争する国にすべきと考えているのか、所見を求めます。

 また、福岡市は非核平和都市宣言を行い、神戸市のように、博多港及び福岡空港の軍事利用をさせない取り組みをすべきと考えますが、所見を求めます。

 また、戦争の悲惨さと平和主義を後世に伝える平和祈念館の設置、被爆者支援の充実について所見を求めます。

 昨年は安倍政権をそんたくしてJアラートの訓練を実施しました。そもそもミサイルが飛来する状況は戦争状況であり、訓練する意味はありません。この訓練は意味がないばかりか危機をあおり、排外主義を増幅させることになりかねない問題あるものでした。危機管理は危機状況に対応するだけでなく、危機を生じさせない取り組みが重要です。そのためには自治体として近隣諸国との友好親善を深め、日本国として国際的な軍縮に取り組むことを政府に求めるべきと考えますが、所見を求めます。

 最後に、マイナンバー制度が施行されました。マイナンバー制度は自治体にとっても市民にとってもさほどメリットはなく、むしろシステムの費用負担や個人情報漏えいのリスクが大きく、不要不急のものです。加えて、秘密保護法とセットで国民監視に使われる危険があります。

 市長はマイナンバー制度を廃止するよう国に求めるべきと考えますが、所見を求めます。

 以上、市政全般にわたり質問をしてきましたが、市長は真摯に受けとめ答弁いただくことを求めて、私の質問を終わります。

 

副議長(石田正明) この際、時間を延長いたします。島市長。

市長(島宗一郎)登壇 ただいま緑と市民ネットワークの会を代表して、荒木議員より御質問をいただきましたので、まず私から御答弁をいたします。

 最初に、市政運営方針についての御質問にお答えいたします。

 福岡市では、多くの市民の皆様とともに策定をした総合計画において、都市の成長と生活の質の向上の好循環をつくり出すことを基本戦略として掲げ、人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市を目指してまちづくりを進めております。その結果、人口や観光客はふえ続け、企業の立地が進むとともに、市税収入は過去最高を更新しております。この成長の果実を生かして、子育てしやすい環境づくりや安全、安心なまちづくりなどに積極的に取り組み、元気なまち、住みやすいまちとしての高い評価は定着しつつあります。この好循環を力強いものとしていくため、子育て支援や教育環境の充実、人生100年時代を見据えた持続可能な社会づくりなどに取り組み、元気で住みやすいまちをさらに発展させてまいります。

 次に、既存施設のアセットマネジメントにつきましては、施設の改築、建てかえの際には、社会情勢や市民ニーズの変化、施設に対する需要などを踏まえ、用途が異なる施設の統合や複合化により機能充実を図りながら公共サービスの効率化を進めることとしており、将来人口の見込みや市民ニーズなどを踏まえながら、アセットマネジメントのさらなる推進に取り組んでまいります。

 次に、福岡市の雇用情勢などについてのお尋ねでありますが、平成22年度以降、福岡地域の有効求人倍率は上昇を続け、福岡市民経済計算における市民所得も増加傾向にあります。

 中小零細企業の支援策につきましては、中小企業振興条例や、みんなで応援!中小企業元気都市プランに基づき、積極的に推進してまいります。まず、経営相談や専門家派遣などの総合的な支援や融資制度の拡充と円滑な運用などによって地場中小企業の経営基盤の強化を図ってまいります。また、地域資源を生かした産業や商店街の振興による地場中小企業の持続的発展の促進に取り組むとともに、第二創業の支援や知識創造型産業の振興など、地場中小企業の多様で活力ある成長、発展の促進に取り組んでまいります。

 住宅リフォーム助成制度につきましては、対応が急がれる耐震化やバリアフリー化などの公益目的に資する住宅リフォームに対し、助成を行っております。また、小規模修繕登録制度については、発注のあり方や施工上の課題などの整理、研究を行っております。

 次に、非営利団体への支援強化につきましては、NPO・ボランティア交流センターを移転、拡充し、活動、交流の場としての機能及び情報発信機能を強化するとともに、NPO活動支援基金による活動補助や共働事業提案制度の推進など、非営利団体の公益的な活動支援に取り組んでまいります。

 次に、業務のアウトソーシングについては、民間にできることは民間に委ねるという基本的な考え方のもと、民間の持つ資金やすぐれた能力、ノウハウを生かすことで、市民サービスの質の向上や財政負担の軽減が図られる場合などに積極的に活用することとしております。今後とも、行政による適切な管理、監督のもと、民間活力の導入に取り組んでまいります。

 公契約条例については、国において公契約に関する法制を整備するのが適当であると考えております。

 官民協働事業につきましては、機能の更新や拡充などが必要な大規模施設の整備について、民間企業の経営ノウハウや技術力、資金を生かした官民協働事業の活用を検討し、効果的な施設整備や管理運営の効率化、財政負担の軽減を図ってまいります。

 スクールカウンセラーなどに関する御質問につきましては、後ほど教育委員会から御答弁いたします。

 なお、非常勤職員の法改正に伴う見直しについては、最小の経費で最大の効果を上げるという地方自治法の基本理念のもと、必要に応じて関係組合の意見も聞きながら適切に対処してまいります。

 貧困家庭の子どもに対する学習支援などに関する御質問につきましては、後ほど教育委員会から御答弁いたします。

 次に、障がい者などへの支援に関する御質問にお答えします。

 まず、障がい者差別解消条例については、議会や保健福祉審議会、パブリックコメントの御意見も踏まえ、平成30年度中の制定に向けて取り組んでまいります。

 特別支援教育に関する教育環境整備についての御質問につきましては、後ほど教育委員会から御答弁いたします。

 障がい児支援の充実につきましては、私立保育所に対し、障がいの程度などに応じて保育士の雇用費を助成するとともに、研修や巡回訪問、相談などを行っております。また、留守家庭子ども会については、支援を必要とする児童の状況に応じて補助支援員を加配するほか、研修や訪問による助言などを行っており、今後も支援の充実に努めてまいります。

 障がいのある方への移動支援については、散歩などにも利用できるよう、平成29年度に拡充したところであり、今後も社会参加の促進などの観点から検討してまいります。

 若者の就労支援につきましては、各区の就労相談窓口において、若者を含む正規雇用希望者の就労支援に取り組んでまいります。また、平成30年度は大学生などを対象とした職業観を養う講座や地場企業との交流会などを新たに実施し、若者のキャリア形成の支援に努めてまいります。

 介護従事者の処遇改善につきましては、引き続き国に要望してまいります。

 次に、在宅医療と在宅介護のシステムづくりにつきましては、在宅医療の提供体制の構築や在宅生活を支える介護サービスの充実、ICTを活用した地域包括ケア情報プラットフォームなどによる連携の推進に取り組み、医療や介護が一体的に切れ目なく提供される地域包括ケアの構築に努めてまいります。

 次に、デマンド型の乗り合いタクシーにつきましては、生活交通の確保に向け、生活交通条例に基づく休廃止対策として、早良区大字西地区で予約型の乗り合いタクシーを導入することとしております。

 高齢者乗車券制度については、超高齢社会に向けて健康づくりや地域活動への参加を応援するインセンティブ制度の導入について検討を進めてまいります。

 介護保険制度の改正につきましては、高齢者のニーズに対応したサービスの多様化や費用の効率化、新たな介護の担い手の確保を図ることで、制度の持続可能性を高める重要な取り組みであると認識をしており、今後も効果的、効率的なサービスの充実に取り組んでまいります。

 地域包括ケアの推進につきまして、福祉有償運送について引き続き支援を行うとともに、生活支援コーディネーターの正式配置を進め、体制を拡充してまいります。

 次に、都市のあり方に関する御質問にお答えをいたします。

 まず、都市の成長管理政策についてのお尋ねですが、これまで自然環境と都市機能が調和したコンパクトな都市の形成に努めてきたところであり、人口の増加が今後も予想されることから、都市基盤との均衡や合理的な土地利用に加え、良質な住宅の供給や適切な維持管理の促進に取り組んでいくことが重要と考えております。

 立地適正化計画については、福岡市は既にコンパクトな都市を形成しており、策定の必要性について慎重に検討を進めているところであります。

 空き家バンクについては、対象物件の確保や所有者との調整などが課題であると考えており、県や福岡市、関係団体で構成する住宅市場活性化協議会などにおいて既存住宅の流通促進について検討してまいります。

 高齢者世帯などの住宅確保要配慮者については、民間を含めた賃貸住宅市場全体で対応することが必要と考えており、福岡市と住宅事業者や福祉団体などで構成をする居住支援協議会において民間賃貸住宅への円滑な入居に向けた支援に取り組んでおります。平成29年の法改正で民間賃貸住宅を活用した新たな制度が創設されたことを踏まえ、住宅確保要配慮者に対する住宅施策について検討を進めてまいります。

 次に、環境に関するお尋ねであります。

 まず、いわゆる化学物質過敏症につきましては、国において、その病態及び発症メカニズムについて未解明な部分が多く、医学的に確立された定義や診断基準が存在していないものと認識されております。今後とも、新たな知見の収集に努めてまいります。

 次に、緑の保全につきましては、標高が高い樹林地などにおいて自然環境の保全を図るとともに、特別緑地保全地区の指定や地域の森づくり活動への支援などに引き続き取り組んでまいります。また、建築行為に合わせた緑地の義務化については、市民や事業者の十分な理解と合意が重要であり、慎重な検討が必要と考えております。

 また、和白干潟のラムサール条約登録湿地の指定については、登録に必要な要件を満たしておらず、将来的な課題であると考えております。

 集合住宅や建造物の断熱化などにつきましては、屋上緑化などとともに、市民が取り組みやすい気候変動の影響への対応策として住宅窓の断熱改修を促進してまいります。

 次に、住民自治についてのお尋ねであります。

 市民参画予算の取り組みなどにつきましては、各区においてさまざまな機会や日々の業務を通して地域住民の皆様の御意見や御要望をお伺いしており、区の事業に反映するよう努めてまいります。

 総合区の設置については、他都市の状況を踏まえながら引き続き調査研究してまいります。

 常設型住民投票条例の制定については、住民投票制度は間接民主主義を補完するものである一方、首長や議会が担う役割や責任との関係など、制度上の課題も指摘されており、国や他都市の動向を注視してまいります。

 次に、防災などに関するお尋ねでありますが、まず、長周期地震動などの対策については、国において、現在、南海トラフ地震による長周期地震動についての対策などが検討されており、その状況を注視してまいります。

 ハザードマップについては、平成30年度にデジタル化し、各種の災害リスク情報を一元化するとともに、実際の危険箇所や避難経路などを確認するフィールドワークに活用するなど、住民の皆様の主体的な避難行動の促進に取り組んでまいります。

 また、河川や下水道による浸水対策や全市的な雨水流出抑制に取り組んでまいります。

 原子力発電所の再稼働につきましては、国のエネルギー政策の枠組みの中で判断されるべきものと考えております。

 また、安定ヨウ素剤の備蓄などについては、福岡市独自に備蓄を行っており、今後とも、国や県、事業者に対して、原子力発電所の安全確保や情報公開の徹底などについて要望を行うとともに、原子力防災対策の充実に努めてまいります。

 次に、要援護者対策などにつきましては、地域防災計画の見直しを進めており、これに合わせて避難行動要支援者や帰宅困難者などへの対策を充実するとともに、業務継続計画についても、必要に応じて見直しを行うなど、取り組みを進めてまいります。

 次に、平和行政についての御質問にお答えをします。

 まず、防衛費についてのお尋ねですが、安全保障にかかわるものであり、国において対応されるものと考えております。

 次に、平和安全法制及び特定秘密保護法については、いずれも国会の審議を経て成立したものであり、国民の安全の確保などの観点から適切に運用していただきたいと考えております。

 また、憲法のあり方については、国民的な議論のもとで総合的に検討されるべきものと考えております。

 非核平和都市宣言についてのお尋ねですが、これまで福岡市議会において平和都市宣言が決議されているほか、福岡市としてアジア太平洋都市宣言において国際交流活動を通して平和友好の推進に力を注ぐという姿勢を宣言するとともに、基本構想においてもその目的の中で、日本、アジア、世界の平和と繁栄に貢献していくことを掲げております。今後とも、これらの宣言などの趣旨を市政に生かしてまいります。

 港湾施設の利用については、入港目的が友好親善や乗組員の休養などで、商船の荷役に支障がない場合は港湾管理者として適切に対応してまいります。

 福岡空港については、民間空港として広く利用されており、今後とも、市民生活の安全を確保するという立場で対応してまいります。

 次に、平和祈念館の設置に関するお尋ねですが、戦争の悲惨さと平和のとうとさを後世に正しく伝えていくため、ふくふくプラザや博物館において戦時関係資料の展示を行っているところであり、今後とも、その充実などに努めてまいります。

 被爆者支援につきましては、国の援護対策のもと、福岡市においても医療費などの申請の受付窓口として適切に対応するとともに、被爆者の相談事業などを行っている団体に対して、引き続き事業費を助成してまいります。

 近隣諸国との友好親善及び世界的な軍縮についてのお尋ねですが、外交や安全保障にかかわるものであり、国において対応されるものと考えております。

 最後に、マイナンバー制度についてのお尋ねでありますが、この制度は国民一人一人が固有の番号を持つことで行政運営を効率化し、国民の利便性を高め、公平公正な社会を実現するための新たな国の社会基盤となるものであります。福岡市においても、個人情報の保護に万全を尽くしつつ、制度の一層の普及に取り組んでまいります。

 以上、市政各般にわたり御答弁いたしました。引き続き人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市の実現を目指して、全力で市政運営に取り組んでまいります。

 

副議長(石田正明) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 教育に関する御質問に対しまして教育委員会からお答えをいたします。

 まず、スクールカウンセラーなどの職員につきましては、業務の特性などを踏まえ、嘱託員として任用しているところで、今後とも、適切な人員配置となるよう努めてまいります。

 また、ひきこもり生徒への支援については、平成29年度より小呂中学校、玄界中学校を除く全中学校に登校支援を専任で行う教諭を不登校対応教員として配置しております。

 次に、スクールカウンセラーにつきましては、小呂小中学校、玄界小中学校を除く全ての福岡市立の小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校に配置しており、平成30年度は小学校の配置日数を拡充いたします。

 スクールソーシャルワーカーにつきましては、平成30年度より全ての中学校区に拡充して配置することとしており、教育相談体制を強化してまいります。

 次に、教員の長時間勤務の解消につきましては、全教職員へのアンケート調査や改善すべき業務の抽出などを行い、具体的な改善の手法などについて検討を進めております。

 次に、少人数学級につきましては、新しいふくおかの教育計画に基づき、小中学校9年間の発達段階に応じた教育を推進するため、小学校1年生から4年生までは少人数学級、小学校5、6年生では一部教科担任制及び少人数指導、中学校1年生では学校の選択による少人数学級を実施しております。

 学校司書につきましては、引き続き36名を効果的に配置してまいります。

 次に、貧困家庭の子どもの学習支援につきましては、全ての中学校区に配置している不登校対応教員、スクールカウンセラーに加え、平成30年度より全ての中学校区に拡充してスクールソーシャルワーカーを配置することとしており、教育、心理、福祉の面から組織的な支援を行ってまいります。

 奨学金制度につきましては、現行の貸与型奨学金の安定的な運営を図りつつ、国、県の修学支援制度の動向も踏まえながら適切に実施してまいります。

 次に、中学校夜間学級、いわゆる夜間中学につきましては、広報や情報提供を行うとともに、的確にニーズを把握することができる手法について検討をしてまいります。

 次に、就学援助の認定基準につきましては、従来から国が決定している生活保護基準に準じて定めており、適切であると考えております。

 次に、道徳の教科化につきましては、平成27年3月に文部科学省が学習指導要領の一部を改正し、特別な教科として新たに位置づけたものです。この学習指導要領に基づき、道徳科の学習を実施するとともに、適切な評価を行ってまいります。

 次に、福岡朝鮮初級学校への支援につきましては、平成25年度から私立小中学校とあわせて学校に対する補助金を終了しましたが、教育に関する事業の案内を行うなど、福岡市の同じ子どもとして分け隔てなく支援してまいります。

 最後に、特別支援教育に関する教育環境整備につきましては、教室不足が著しい特別支援学校2校において校舎の増築を行い、平成29年9月に供用開始しております。

 インクルーシブ教育の推進につきましては、障がいの状況に応じた特別支援学級や通級指導教室の整備を行うとともに、特別支援学校の児童生徒が居住する地域の学校に副次的に籍を置くふくせき制度を活用した交流及び共同学習の推進に努めてまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 以上で各派代表による質疑は終わりました。

 お諮りいたします。

 本日の会議はこの程度にとどめ、残余の議事は明7日の会議にこれを繰り延べたいと思います。これに御異議ありませんか。

      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

副議長(石田正明) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。

 次の会議は明7日午前10時に開きます。

 本日はこれをもって散会いたします。

午後4時58分 散会