平成29年3月8日(水)


平成29年第1回福岡市議会定例会

議  事  日  程 (第6号)

                             3月8日 午前10時開議

第1 議案第40号ないし議案第106


本日の会議に付した事件

議事日程のとおり


出 席 議 員 (62名)

1番  稲 員 稔 夫       2番  堤 田   寛

3番  調   崇 史        4番  川 上 陽 平

5番  津 田 信太郎       6番  橋 田 和 義

7番  阿 部 真之助       8番  打 越 基 安

9番  川 上 晋 平      10番  冨 永 計 久

11番  おばた 久 弥      12番  中 島まさひろ

13番  大 坪 真由美      14番  新 村 まさる

15番  飯 盛 利 康      16番  福 田 まもる

17番  古 川 清 文      18番  高 木 勝 利

19番  篠 原 達 也      20番  大 森 一 馬

21番  大 原 弥寿男      22番  今 林ひであき

23番  尾 花 康 広      24番  松 野   隆

25番  楠   正 信       26番  森   英 鷹

27番  南 原   茂       28番  光 安   力

29番  山 口 剛 司      30番  石 田 正 明

31番  大 石 修 二      32番  黒 子 秀勇樹

33番  鬼 塚 昌 宏      34番  天 野 こ う

35番  浜 崎 太 郎      36番  堀 内 徹 夫

37番  綿 貫 英 彦      38番  とみなが正 博

39番  森   あや子      40番  三 角 公仁隆

41番  平 畑 雅 博      42番  熊 谷 敦 子

43番  倉 元 達 朗      44番  富 永 周 行

45番  荒 木 龍 昇      46番  国 分 徳 彦

47番  笠   康 雄       48番  藤 本 顕 憲

49番  星 野 美恵子      50番  中 山 郁 美

51番  ひえじま俊 和      52番  高 山 博 光

53番  近 藤 里 美      54番  田 中しんすけ

55番  落 石 俊 則      56番  田 中 丈太郎

57番  太 田 英 二      58番  池 田 良 子

59番  川 口   浩       60番  阿 部 正 剛

61番  栃 木 義 博      62番  江 藤 博 美


欠 席 議 員 (0名)


説明のため出席した者

市長                          島 宗一郎   副市長                          貞 刈 厚 仁

副市長                      中 園 政 直   副市長                         荒 瀬 泰 子

水道事業管理者         清 森 俊 彦   交通事業管理者             阿 部   亨

総務企画局長            中 村 英 一   財政局長                       赤 岩 弘 智

市民局長                  井 上 る み   こども未来局長                石 橋 正 信

保健福祉局長            野見山   勤   環境局長                         吉 村 隆 一

経済観光文化局長      重 光 知 明   農林水産局長                  椋 野 清 彦

住宅都市局長            光 山 裕 朗   道路下水道局長               二 宮   潔

港湾空港局長            則 松 和 哉   消防局長                        谷 山   昭

会計管理者               水 町 博 之   教育長                            星 子 明 夫

教育委員                  町     孝    選挙管理委員会事務局長  吉 村 展 子

人事委員会事務局長  立 石 茂 喜   監査事務局長                  落 石 稔 彦


職務のため出席した事務局職員

議会事務局長  大 和 正 芳   議会事務局次長  木 戸   明

議事課長        草 場 信 秀   議事係長            中 村   博

外関係職員


午前10時 開議  

議長(おばた久弥) これより本日の会議を開きます。

 日程第1、議案第40号ないし議案第106号、以上67件を一括して議題といたします。

 これより質疑に入ります。発言通告者のうちから順次質疑を許します。松野隆議員。

 

○24番(松野 隆)登壇 皆さんおはようございます。私は公明党福岡市議団の楠正信議員の代表質問に関連し、県費負担教職員制度の権限移譲と今後の教育環境について、敬老祝い金品と民生委員について、以上2点補足質疑を行います。

 今を去る平成14年の地方分権改革推進会議から検討が始まり、平成25年に合意に至った県費教職員制度の政令市への権限移譲が新年度からいよいよスタートし、給与費全額が政令市負担となります。そもそも政令市は教職員の任命権者でありながら、給与負担や定数決定等の権限は道府県が行ってきた、いわば教育行政のゆがみが、特に近年、政令市それぞれの教育の独自性に少なからず影響を与えてきたのではないでしょうか。この不一致が是正されることにより、本市の教育行政に今後もたらされる多くのメリットについてお聞きしてまいります。

 まず、県費負担教職員制度の権限移譲に伴い、新たに福岡市で給与を負担することになる教職員定数の総数と権限移譲による増加数及びその給与負担額と新たに生じる財政措置の詳細、あわせておさらいの意味で12月議会での教職員の勤務条件に関する条例改正の主な内容をお尋ねいたします。さらに、新年度に増加する人材確保の計画についてお答えください。

 権限移譲により、増加する教職員数については、これまでも政令市に配置すべき教職員数がようやく適正化すると言いかえることもできると思いますが、県費では新たな増員分について、これまでどのように配置してきたのでしょうか、お答えください。

 今回の権限移譲による最も大きなポイントは、教職員の定数や学級編制基準などを本市独自に定められることにより、本市の教育上の課題や地域の実情に応じたきめ細かな取り組みが可能になることだと思います。

 そこで、本市のこれまで取り組みが不十分であった課題と、新たな本市独自の取り組み項目について、端的にお示しください。

 次に、子どもを育むよりよい教育環境に関連してお尋ねしますが、最近、教職員の間で、新年度から校内パソコンでのインターネット環境がなくなる、教材の活用や自主的な研究のための情報検索ができなくなり、業務に多大な影響が及ぶと心配する声が上がっております。このことは、総務省の自治行政部が平成27年に行った通達に沿ったものだと思いますが、教育委員会による対策への影響が懸念されましたので、この事案について中央に確認し、調べましたところ、日本年金機構の事案等を踏まえ、総務省では自治体の情報セキュリティーに係る対策の検討に、専門家や実務家による自治体情報セキュリティー対策チームを立ち上げた。その結果、3点から成る報告が取りまとめられた。1、マイナンバー利用事務系では、原則として他の領域との通信を不可とし、端末からの情報持ち出し不可設定を図る。2、マイナンバーによる情報連携に活用されるLGWAN、LGWANというのは、中央省庁と全国の自治体が接続されたネットワークシステムのことであります。LGWAN環境のセキュリティー確保に資するため、LGWAN接続系とインターネット接続系を分割する。3、都道府県と市区町村が協力して自治体情報セキュリティクラウドを構築し、高度なセキュリティー対策を講じること、大まかこのように個人情報とともに行政情報を守る目的で総務省としてセキュリティー対策の抜本強化支援を行うとのことでした。

 このような総務省の通達を受けての、教育委員会が取り組むセキュリティー対策事業の詳細についてお答えください。

 これまでも本市の学校ではUSBの紛失など、児童生徒の個人情報の取り扱いに関する事故が頻発しており、また、不正侵入による個人情報流出事故を未然に防ぐセキュリティー対策強化は急務でありますが、教育委員会は各学校に総務省通達を受けた情報セキュリティー対策をどのように実施すると伝えてきたのか、答弁を求めます。

 次に、敬老祝い金品と民生委員についてです。

 配る福祉から支える福祉へ。29年度予算案において、福岡市の福祉政策は転換期を迎えようとしております。進展する少子・高齢社会は、世界も標榜する日本の医療、介護、年金など、将来にわたり安心した生活を担保する社会保障制度の世代間による支え合いのバランスに多大な影響を与え、その持続可能性を探りながらの制度改革が繰り返されております。このような時代を背景に、本市の保健福祉計画も大都市としての悩みを抱えながら、将来設計を重ねることにより、高齢者や障がい者の皆さんへの仕組みの変更も余儀なくされつつあります。

 初めに、配る福祉とは何なのか、支える福祉とは何を指すのか、お答えください。本市の将来の福祉の姿をどう考えているのか、新年度の具体的施策をお示しください。

 次に、改めて福岡市の敬老祝い金制度の趣旨や目的についてお答えください。また、新年度の大きな改革として、敬老祝い金品制度の見直しが行われますが、本市制度の沿革、概要と、28年度の対象人員と予算額、また今後の内容について答弁を求めます。

 今、高齢者の皆様を取り巻く環境は非常に厳しいものがありますが、近年の社会保障制度改革において、高齢者負担の何がどう変わってきているのか、主なものについてお示しください。

 次に、民生委員・児童委員は、高齢者を取り巻く厳しい環境のもと、地域で高齢者を支えていただき、大変重要な存在でありますが、新年度の区社協、区民生児童委員の予算編成は昨年と比較し、どう変わるのか、各区の予算の増減額と合計額についてお示しください。

 28年度各区の民生委員・児童委員の定数に対する委嘱者数をお示しください。また、見直しが行われる予算の各区のこれまでの利用目的や実態についてお示しください。

 以上で1回目の質問を終わり、2回目以降は自席にて質問させていただきます。

 

議長(おばた久弥) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 県費負担教職員制度の権限移譲と今後の教育環境についての御質問にお答えいたします。

 まず、新たに給与を負担する教職員定数、権限移譲による増加数、給与負担額と財政措置でございますが、教職員定数は7,266人、権限移譲による増加数は133人、平成29年度の給与費等負担額は約671億円で、その財源として義務教育費国庫負担金等が約159億円、また、県民税所得割臨時交付金等約289億円が福岡県より交付されるとともに、地方交付税等により約223億円が財政措置されることとなっております。

 次に、教職員の勤務条件など条例改正の内容でございますが、原則として福岡市において、職種にかかわらず統一されているものは福岡市の制度に合わせ、教育職員独自の事情等を考慮すべきものは従前どおり福岡県の制度に合わせております。具体的には、教育職員の給料表は福岡県に合わせ、各種手当と服務関係は福岡市に合わせることとし、新たに離島などに対するへき地手当を新設しております。また、介護休暇や病気休暇など、権限移譲前に承認を受けていたものは、引き続き取得できるように経過措置を設けております。

 次に、新年度に増加する教職員の人材確保でございますが、平成28年度に実施した29年度採用予定の教員採用試験から本市独自の試験を行っており、優秀な人材を計画的に採用してまいります。

 次に、権限移譲前の県の教職員配置でございますが、福岡県が法令に基づき、国から配当される県内全市町村の教職員定数を各市町村の実情を勘案しながら、県下全体で広域調整を行い、各市町村へ配分していたものでございます。

 次に、福岡市の教育における課題でございますが、一人一人の学力課題に応じたきめ細やかな指導のさらなる充実が求められていること、また、減少傾向ではあるが、いまだに約900人の不登校児童生徒がいることなど、学力保障、進路保障において対応すべき課題があると認識しております。このため、新たな独自の取り組みとして、学校と地域が連携した放課後補充学習であるふれあい学び舎事業の拡充、都道府県、政令市として全国初の不登校生徒のいない離島校2校を除く全中学校67校への不登校対応教員の配置、食育推進による基本的生活習慣の定着のため、政令市トップの配置率となる108人体制に向けた計画的な栄養教諭の32人増員を実施いたします。

 次に、新年度からの学校における情報セキュリティー対策でございますが、児童生徒を初めとする個人情報を取り扱う教職員用のパソコンをウイルス感染や情報流出などのリスクから守る抜本的な情報セキュリティー対策として、教職員が使用するパソコンをインターネットから分離することとしております。

 次に、各学校への説明でございますが、これまでも学校ではウイルス感染や個人情報の紛失など、情報セキュリティーに係る事故が続いており、教職員に対し、情報セキュリティーの重要性や個人情報の管理徹底について研修や通知を繰り返してまいりました。このような中、国におきましても、情報セキュリティー強化は喫緊の課題であることから、全国的な取り組みとして、セキュリティー対策の抜本的強化を求める総務省通達が平成2712月に出されたところです。教育委員会といたしましても、通達に沿ったセキュリティー対策を講じるべきと判断し、29年7月からは個人情報を取り扱う各教職員用のパソコンではインターネットの利用は行わず、新たにインターネット専用のパソコンを設置する予定であるとの説明を2811月に行っております。以上でございます。

 

議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。

保健福祉局長(野見山 勤) まず、配る福祉から支える福祉についてでございます。

 これから迎える超高齢社会では、65歳以上の高齢者人口がふえ、社会の支え手、担い手である生産年齢人口とのバランスが急速に、そして大きく変わっていくため、従来の施策を見直し、持続可能な制度や仕組みに施策を再構築していく必要がございます。そのため、平成26年度以降、保健福祉総合計画を策定していく中で、保健福祉審議会におきまして、これまで制度上、年齢などを条件に一律に支えられる側として実施してきた給付施策であるいわゆる配る福祉から、高齢者が年齢を重ねても意欲や能力に応じて活躍できるための施策や、支援が必要な人を社会全体で支え合う施策への転換を図るなど、支える福祉に重点を置いた政策転換を進めていく必要があるというふうにされたものでございます。平成29年度予算案における具体的施策につきましては、福祉バス利用の自己負担の大幅な軽減による高齢者や障がい者などの社会参加促進や地域との共働による移動支援のモデル事業の実施、外出を支えるベンチの設置などを進めることとしてございます。

 次に、敬老祝い金制度の趣旨、目的でございますが、多年にわたり社会の進展に寄与してきた高齢者に対し、敬老金及び敬老祝い品を贈呈し、敬老の意をあらわすことを目的としております。昭和41年度から敬老祝い品を、昭和46年度から敬老祝い金を開始しまして、以来、適宜内容を変更しながら、平成17年度から現行の制度となってございます。この内容につきましては、80歳を迎えられた方に1万円、88歳を迎えられた方に2万円、100歳を迎えられた方には3万円と祝い品を、また、101歳以上の方には毎年1万円をお贈りしてございます。平成28年度の対象人数につきましては、80歳の方が1万183人、88歳の方が5,364人、100歳の方が270人、101歳以上の方が551人、合計1万6,368人でございます。また、平成28年度当初予算額につきましては2億2,798万円でございます。今後でございますが、敬老祝い金は廃止することとしますが、100歳の方には引き続きお祝い品、お祝い状をお贈りすることとしてございます。

 次に、国の社会保障制度改革における高齢者の負担の見直しでございます。主なものとして、介護保険分野では、一定以上の所得のある介護サービスの利用者について、平成27年8月より自己負担割合を1割から2割へ引き上げるなどの見直しが実施されてございます。また、医療保険分野では、70歳以上の方の医療費の高額療養費制度における自己負担限度額につきまして、平成29年8月から所得に応じた段階的な引き上げなどが実施される予定でございます。

 次に、区社会福祉協議会の予算についてでございますが、福岡市社会福祉協議会への補助金のうち、平成29年度の区社協活動事業費に対する配分予定額としては、平成28年度と比較して503,000円増の2,2725,000円となってございます。また、民生委員経費につきましては、福岡市民生委員児童委員協議会への補助金のうち、平成29年度の区民生委員児童委員協議会への配分予定額としては平成28年度と比較して785,000円減の2,3098,000円となってございます。

 次に、民生委員・児童委員の定数及び委嘱数についてでございますが、平成29年3月1日現在、定数は2,496名で委嘱数は2,391名でございます。また、各区の予算の利用目的や実態ですが、各区の民生委員児童委員協議会において、情報交換等を行う毎月の定例会を初めとして、新任研修、中堅研修、地区会長、副会長研修などの段階に応じた研修、相談への対応や自立への働きかけなど、地域住民とのかかわりの中で求められる相談援助技術を高める研修、そして高齢者、障がい者、子ども家庭部会など五つの分野の専門部会研修などを実施しており、これらを通じて専門的知識の習得に努め、民生委員・児童委員みずからの資質向上を図り、よりよい活動につなげているところでございます。以上でございます。

 

議長(おばた久弥) 松野隆議員。

○24番(松野 隆) 教職員の権限移譲についてです。県による事務処理では、教職員定数とそれに伴う学級編制や加配について、県の独自裁量が法的に認められていたようですが、反面、県が政令市に対して果たすべき財政措置について、その恩恵はほとんどありませんでした。大都市が抱える財政需要に鑑み、福岡市民が負担する税源の移譲について、今回の権限移譲は課題解消の一歩であることは申し添えておきます。それと同時に、今後、児童生徒数の増加や新たな需要による専門教員や教諭の配置が必要な場合の財源措置はどうなるのか、御所見を求めます。

 さて、権限移譲を生かした新たな取り組みとして、不登校対応の充実や食育の推進に取り組むようですが、その内容の詳細と効果について、答弁を求めます。

 次に、セキュリティー対策強化と教職員のインターネット使用についてですが、新年度の取り組みは、文科省ではなく、総務省の自治行政部が平成2712月に行った通達を受けた本市教育委員会の取り組みですが、これまで学校現場に教職員が安心できるような情報提供が行われていないと感じております。質問の冒頭に申し上げたとおり、個人情報や行政情報の流出を防ぐための対策強化は重要であり、早急に取り組むべきでありますが、事業のしわ寄せが教職員の職務に悪影響を与え、特に教員が児童生徒と向き合える時間を奪うようなことがないよう、十分な配慮が必要ではないかと考えます。新しい技術の導入などにより対応することはできないのでしょうか。学校のセキュリティー対策強化と同時に、教職員が使用するインターネット環境の担保は不可欠でありますが、御所見をお伺いいたします。

 次に、支える福祉には、これまで当事者の皆様から寄せられつつ、形にできなかったニーズが盛り込まれ、大変すばらしい事業もありますので、ぜひ今後も現場の声を政策に昇華していただきたいと思います。しかし、敬老祝い金の大幅な縮減には、本当にこれでよいのかとの思いも残ります。多くの御高齢者は、戦前、戦中、戦後の大変困難な時代の中、筆舌には尽くせない艱難辛苦を乗り越え、家族の生活を守るために必死に生き、働いてこられました。その結果、今日の日本の発展があり、私たちはその繁栄を享受しております。本市が高齢者への敬老祝い金事業を行ってきた理由は、まさにその高齢者の皆様に感謝と敬意を表するためだと思います。他政令市の敬老祝い金制度の実施状況を調べたところ、10政令市が同制度を実施しており、75歳から5歳ごとに7段階に分けて行っている市や、20万円を贈っている市もありました。この制度に言えることは、いわゆる他の高齢者福祉とは一線を画す事業で、配る福祉というより、長い人生で幾多の御苦労に感謝を表し、ねぎらうための限られた機会であるということだと思います。敬老祝い金の縮小について、当事者や高齢者団体の皆さんに感想を聞けば、どうぞ若い人やほかの事業に予算を回してくださいと言われるでしょう。それが高齢者の皆さんの矜持です。その高齢者の思いを推しはかることが、私たち年少者の矜持ではないでしょうか。高齢者がふえ、子どもが減る中、既存の制度の見直しはやむを得ないこともありますが、高齢者の皆様にとっては、マイナスばかりが続いております。お元気な高齢者も、病気や介護で外出が困難な高齢者も、全ての高齢者が自由に使える祝い金ほどありがたいものはありません。せめて本市が高齢者への敬意を表する機会は続けていただきたいと願っております。また、自助、共助、公助の考え方からすれば、健康づくりや町内会や老人会など、地域住民の皆様へのさまざまな御尽力など、それぞれができ得る役割分担を果たしていただいており、行政も可能な限り頑張って行政にしかできない使命を果たすべきではないでしょうか。

 今後の敬老祝い金について、年齢や内容の変更があるにせよ、高齢者の皆さんがお元気なうちにお祝いをする制度が何らかの形で必要ではないかと思いますが、御所見を求めます。

 民生委員さんの予算についてですが、昨年、民生児童委員の任期満了に伴い、一斉改選が行われました。近年、民生委員の担い手も少なくなっており、各区の協議会は、新任獲得に向け、大変な御尽力をいただきました。また、多様化する高齢者ニーズに民教数をふやし、きめ細かな体制をしかれております。今回、区の予算の見直しは、各区の委員の皆さんが研修や勉強する機会に使う予算で、この予算がなくなると、研修を取りやめるか、各自自前で参加費を捻出することになり、新たな負担を求めることになります。民生児童委員さんこそ、高齢者や子どもを一番近くで見守る、支える福祉の最前線でありますので、予算措置については慎重に行っていただきたいと思います。

 新年度は民生児童委員の100周年記念事業もあり、別枠で多額の予算措置が必要だと聞いており、少なくとも次年度からの予算措置については、必要な予算を確保するとともに、民生委員・児童委員の活動しやすい環境づくりに取り組んでいただきたいと思いますが、答弁を求めます。以上で2回目を終わります。

 

議長(おばた久弥) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 県費負担教職員制度の権限移譲と今後の教育環境についての御質問にお答えいたします。

 まず、児童生徒数の増加や新たな需要による教職員定数に係る財源措置でございますが、これらの給与費等につきましても、義務教育費国庫負担法及び地方財政法等に基づき、国において財政措置されることとなっているところで、需要に応じた基礎定数や加配定数が確保されるよう国に求めてまいります。

 次に、権限移譲を生かした新たな取り組みでございますが、まず、不登校対応の充実につきましては、不登校生徒の学校復帰に向けた校内支援体制のコーディネートや校内適応指導教室の組織的な運営、不登校生徒や保護者の心のケアのための面談や家庭訪問の実施、医療や福祉面からの支援に向けた関係機関との連携や不登校に関する小学校への支援などを行い、不登校児童生徒数の減少や学級復帰の増加を図ってまいります。

 次に、食育の推進につきましては、栄養教諭の増員により、児童生徒に対して食に関するきめ細やかな指導助言を行い、学級担任や家庭との連携のもと、基本的生活習慣を定着させるとともに、アレルギー相談へのきめ細やかな対応をさらに充実してまいります。

 次に、教職員のインターネット利用環境の確保でございますが、ウイルス感染の危険性が高いダウンロードなどについては、児童生徒を初めとする個人情報とは分離したインターネット専用のパソコンで行うなど、セキュリティー対策は適切に行う必要がございます。一方、教職員の業務における利便性を確保することが必要であるため、検索や閲覧を安全に行うことのできる仮想ブラウザなどの技術を活用し、総務省の求めるセキュリティー基準を満たした上で、教職員のパソコンからインターネットを利用することができるようにし、利便性にも配慮したセキュリティー対策を進めてまいります。以上です。

 

議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。

保健福祉局長(野見山 勤) まず、敬老祝い金制度についてでございます。

 多年にわたり福岡市の発展に寄与されてこられた高齢者の方々に敬意の意を表すため、約50年にわたり実施してきた制度でございます。この間に高齢化率は5.4%から20.8%に上昇し、高齢者数は約5万人から約31万人に増加してございます。また、平均寿命は男性は70歳から80歳へ、女性は75歳から87歳へと大幅に延びたところでございます。少子化の進展と相まって、これまで経験したことのない超高齢社会を迎えますが、このような大きな変化に対応し、御高齢の方々が地域の中で生き生きと生活を送ることができるようにするためには、やはりこの段階で従来の施策を見直すと同時に、これからの時代にふさわしい新たな施策を講じていくことが喫緊の課題であるというふうに認識してございます。このため、配る福祉から支える福祉への施策の再構築を行っていく中で、高齢者の方も安心して暮らせる持続可能な保健福祉の仕組みづくりをしっかりと進めてまいりたいと考えているところでございます。ぜひ御理解をお願いしたいと存じます。

 次に、民生委員・児童委員についてでございますが、少子・高齢化、単身世帯の増加など、社会環境が大きく変化する中、住民が抱える生活課題、地域課題も多様化、複雑化しており、民生委員・児童委員が地域のつなぎ役として住民からの多様な相談に的確に対応していくためには、研修や視察などを行い、新たな動向に関する理解や相談援助技術の向上などを図っていただくことが重要であるというふうに考えてございます。福岡市としましては、民生委員・児童委員の活動しやすい環境づくりのため、予算を初めとして民生委員・児童委員の活動を地域住民に御理解いただくための広報や負担軽減に取り組むなど、民生委員・児童委員の活動をしっかり支援してまいりたいと考えてございます。以上でございます。

 

議長(おばた久弥) 松野隆議員。

○24番(松野 隆) セキュリティー対策によるインターネット使用については、一時、今後教員各自のパソコンではインターネット接続は一切不可となり、職員室に別途設置するインターネット接続専用パソコンを共有することになると伺っておりました。Wi−Fi設置を求める時代にあって、インターネットの利用が数台のパソコンの共有では仕事に支障を来すことは容易に想像がつき、教職員が子どもと向き合う時間の確保を心配しておりましたので、先ほどの答弁には一安心をいたしました。引き続き、学校現場への情報提供を丁寧に行い、現場の声も反映していただきたいことを強く要望しておきます。

 次に、670億円に上る財源とともに移譲される権限を活用し、本市独自の課題解消と教職員の教育力の向上に取り組み、大いに効果を上げていただきたいと思います。大都市が長年にわたり要望してきた課題が1つ解消しますが、教育予算につきましては、これまで同等か、それ以上の規模をしっかり確保していただき、全国に誇れる福岡市の教育環境を実現していただきたいと思います。

 この質問の最後に、教育長の御決意をお伺いいたします。

 民生委員・児童委員の皆さんの業務は、昔とは格段に違い、質、量とも急激に増加し、緩和の検討も急務ではないかと思います。担い手の永続的な確保に向け、引き続き民生委員・児童委員の環境づくりについて、重ねて検討を強く要望しておきます。超高齢社会の到来という社会構造の変化に応じ、施策の転換を図る、行政として高齢者全体を俯瞰しながら、持続可能な制度設計を図ることを支える福祉という言葉で表現されているのだと思います。高齢者の皆さんが幸せだったと実感し、子や孫の世代が先人への尊敬の念を忘れない思いやりの心を育みたいと願うことは、市民一人一人の思いではないかと考えます。

 最後に、今回の敬老祝い金の見直しの後、福岡市はこれからの高齢者に対する敬老の意をどう表していかれるのか、配る福祉から支える福祉への政策転換の先に思い描く社会の姿とあわせて、市長の御所見をお伺いし、私の質問を終わります。

 

議長(おばた久弥) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 今後の教育環境でございますが、平成29年度は予算の集中と選択により、放課後補充学習や小学校外国語活動支援、特別支援教育支援員の配置や部活動補助指導員の配置を大幅に拡充するなど、喫緊の課題に対応した予算編成を行っております。また、特別支援学校の増築を初め、小中学校の校舎等の整備を進めるため、さきの2月議会において大型の補正を行っております。今後とも、必要な予算はしっかりと確保し、未来の福岡を担う子どもたちを育むための教育施策を着実に推進してまいります。以上でございます。

 

議長(おばた久弥) 島市長。

市長(島宗一郎) 戦前、戦中に生まれ、戦後の混乱期を経て現在の福岡市の発展の礎を築いてこられた諸先輩方に対し、感謝の念、またそして敬老の念を伝えることというのは非常に重要であるというふうに考えています。と同時に、そのあらわし方は時代時代に応じたさまざまな形があると思います。福岡市がこれから目指すべき姿というものは、超高齢社会においても持続可能な、長寿を心から喜べるまちであるというふうに考えています。その実現こそが、御高齢の皆様への感謝の念をあらわすことになると考えています。そのためには、高齢者の健康づくりと介護予防、社会の中で活躍の場があること、そして、介護が必要になっても、住みなれた地域で暮らし続けられることが重要と考えています。また、民生委員の皆さんが活動しやすい環境づくりとともに、企業やNPOなど、さまざまな主体が地域活動に参画をして高齢者の生活支援を行っていく仕組みづくりというものも重要であります。平成29年度は買い物支援やベンチの設置などとともに、認知症対応の技法の普及に向けた実証実験などにも取り組み、超高齢社会においても、持続可能な健康先進都市づくりを開始いたします。これらを通じて、高齢者の方々が幾つになっても元気に活躍できる、活力ある高齢社会を築いていきたいというふうに考えています。以上です。

 

議長(おばた久弥) 落石俊則議員。

○55番(落石俊則)登壇 おはようございます。私は福岡市民クラブを代表し、阿部正剛議員の代表質疑を補足し、学校教育の充実、若者の正規雇用支援の2点について質問いたします。

 初めに、学校教育の充実の観点から、県費負担教職員の権限移譲に伴う教職員定数について、少人数学級の推進、一部教科担任制の教育実践体制の充実、不登校対応教員の拡充、特別支援学級の学級編制について質問いたします。先ほどの松野議員の質問と一部重なるところもあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。

 まず、県費負担教職員の権限移譲に伴う教職員定数について伺います。

 教職員定数の決定については、これまでは福岡県が国から配当された定数を県の基準に従って福岡市に配当していましたが、2017年度以降は義務標準法に基づき、国が本市に直接配当するため、本市において定数計画を策定することが可能となってきました。学級編制についても、義務標準法を標準として、福岡市の基準で行うことになります。

 そこで、市立小中特別支援学校の県費負担教職員の権限移譲に伴い、福岡市職員定数条例の教職員定数は何人の追加となったのか、そのうち、児童生徒数に応じて配当される基礎定数と市における児童生徒の実態などに応じて配当される加配定数の内訳はそれぞれ何人かお尋ねします。

 また、追加される教職員定数について、県費負担教職員制度である本年度と比較すると、権限移譲に伴い、何人の増となったのかお尋ねします。

 あわせて、権限移譲を生かした主な取り組みをお尋ねします。

 また、教職員給与における本市負担に関しては、昨年9月の第4回定例会において、我が会派の阿部議員の質問に対し、本市が負担する額については、国が地方財政措置を検討し、適切に講じることで合意しているとの答弁でしたが、今回の権限移譲に伴い、新たな財政負担が生じたのかお尋ねします。

 次に、少人数学級について伺います。

 学校教育の教育条件として最も重要な要因である学級編制については、学校における学級が学習集団であると同時に、生活集団の機能を有しています。学習指導と生活指導を一体的、有機的に行うことにより、子どもたちの確かな学力と豊かな人間性を育む場として機能するものであることから、子どもたち一人一人にきめ細やかな指導をするためには、教員1人当たりの児童生徒数を引き下げることがまずは何よりも重要です。本市では2013年度より新しいふくおかの教育計画に基づき、小学1年生から4年生においては、1学級35人以下の少人数学級、小学校5、6年生は一部教科担任制と少人数指導、中学1年生は学校選択による少人数学級が実施されています。そこで、まず、少人数学級の成果と課題について伺います。

 また、中学1年生においては、学校選択による少人数学級が実施されていますが、少人数学級の対象コースにおける実施校数の割合並びに少人数学級と未実施校の1校当たりの不登校生徒数の推移をそれぞれ3年間でお示しください。

 次に、小学校5、6年生で行われている一部教科担任制の教育実践体制について伺います。

 具体的な指導方法及びこれまでの成果と課題についてお尋ねします。

 次に、不登校対応教諭について伺います。

 友人関係や学校生活、家庭環境等が影響し、不登校になる児童生徒がいます。本市では、福岡市不登校ひきこもり対策支援会議の報告を受け、2009年度より不登校生徒への支援を行う不登校専任の教員を配置してきました。

 そこで、本市独自の不登校対応教員の職務内容をお尋ねします。

 次に、過去3年間の不登校児童生徒数と中学校における不登校対応教員の配置校と未配置校の生徒の復帰率は過去3年間の平均ではどうなっているのか、お尋ねします。

 次に、特別支援学級の現状について伺います。

 特別支援学級の児童生徒数の定員は、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律、いわゆる標準法により8人となっています。特別支援学級に在籍する子どもの障がいの種別や在籍学年が多様であることから、現行の1学級上限8人では指導体制が不十分との声が保護者や学校現場から上がっており、学校の判断で学級担任を持っていない教務などの補助教員が学級担任を補助するなどの状況もあります。1学級の上限を緩和する、もしくは複数担任制にするなどの対応が必要です。

 そこで、来年度の知的障がい特別支援学級の小中学校別の設置校数と設置率をお尋ねします。そのうち、7人ないし8人が在籍している学級数は、小中学校合わせて何学級になるのか、お尋ねします。

 また、本市では現在、自閉症、情緒障がい特別支援学級及び通級指導教室と肢体不自由特別支援学級には市単独予算で嘱託職員を配置していると聞き及んでいますが、その配置の理由をお尋ねします。

 次に、若者の正規雇用支援について質問します。

 本市では、国のまち・ひと・しごと創生法の施行を受け、2015年8月、福岡市まち・ひと・しごと創生総合戦略が策定されました。その基本目標に「しごとを増やし、活力につながる人の流れをつくる」、「働き方を見直し、安心して生み育てられる環境をつくる」などが挙げられています。雇用、所得の拡大を含む経済の好循環を実現するには、若者が能力を発揮できる場を創出するとともに、正社員での就職をふやしていく施策が不可欠です。福岡県の雇用情勢については、正社員有効求人倍率は2016年1月が0.8倍、本年1月が0.94倍となり、雇用情勢の改善の兆しが見られるものの、正社員として雇用を望みながら、正社員の求人枠がないなどの理由から、やむを得ず非正規雇用者として働いている、いわゆる不本意非正規雇用労働者は依然として相当数上っています。パートやアルバイトなど、多様な働き方を望む若者も多くいますが、2016年の総務省の労働力調査によれば、25歳から34歳代の非正規雇用労働者に占める不本意非正規雇用労働者の割合は約24.4%にも達しています。また、男性に比べ、女性のほうが雇用者に占める非正規雇用の割合が高いことが、女性が貧困に陥りやすい背景にもなっています。福岡県の非正規雇用労働者を取り巻く現況を見ると、正社員転換の動きも一定程度見られるものの、雇用者に占める非正規雇用者の割合は約40%と、全国平均38.2%と比べて高い水準で推移しています。

 そこで、本市の25歳から29歳、30歳から34歳の正規雇用労働者数と非正規雇用労働者数の直近の調査結果を前回調査と比べてお示しください。

 本市では、若者や女性、中高年者の就労を支援するため、各区役所に15歳以上を対象とした就労相談窓口が設置され、就労相談や就職のための無料セミナーなどが実施されています。また、若者の正社員就職支援として、就活生と地元企業のマッチングを図る合同会社説明会などが実施されています。

 そこで、就労相談窓口を利用する39歳以下の若者と合同会社説明会の参加者について、過去3年間の実績をお尋ねします。

 本市では、大学、短大が多いことから、地元への就職が期待されています。福岡市まち・ひと・しごと創生総合戦略では、本市の活力を支えてきた九州内からの若者層の転入も減少していく可能性があり、魅力的な仕事をふやし、新たな人の流れをつくることが重要だとしています。しかし、大学ネットワークふくおか会員大学の調査によれば、福岡都市圏の大学生の就職先は、2012年が福岡県内47%、九州内12.5%、九州外40.5%、2017年が、福岡県内43.5%、九州内10.6%、九州外45.9%となっており、福岡県内の就職者は減少傾向にあり、九州外への就職がふえています。この状況をどう分析されているのか、お尋ねします。

 以上で1回目を終わり、2回目以降は自席で行います。

 

議長(おばた久弥) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 学校教育の充実についての御質問にお答えいたします。

 まず、福岡市職員定数条例に追加された教職員定数につきましては、7,266人でございます。その内訳は、基礎定数が6,407人、加配定数が859人でございます。

 次に、権限移譲に伴う増員でございますが、平成29年度は28年度の教職員定数7,063人と比較して、203人の増加となっております。増加定数203人の内訳は、権限移譲に伴う増が133人、児童生徒数の増加に伴う増が70人でございます。

 次に、権限移譲を生かした主な取り組みでございますが、都道府県、政令市として全国で初めて不登校生徒のいない離島校2校を除く全中学校67校に不登校対応教員を配置し、不登校及び不登校傾向にある児童生徒に対するきめ細やかな支援を行い、不登校対応の取り組みをさらに充実いたします。また、栄養教諭を計画的に32人増員して108人体制の政令市トップの配置率とし、児童生徒に対して食に関するきめ細やかな指導助言を行い、学級担任や家庭との連携のもと、基本的生活習慣を定着させるとともに、アレルギー相談へのきめ細やかな対応をさらに充実してまいります。

 次に、権限移譲に伴う新たな財政負担でございますが、教職員7,266人の給与費等について、新たに約671億円の負担が生じますが、その財源として、義務教育費国庫負担金等約159億円のほか、県民税所得割臨時交付金等約289億円及び地方交付税等約223億円により財政措置されることとなっております。

 次に、少人数学級の成果でございますが、基本的な生活習慣や学習習慣の定着が見られる小学校1年生から4年生までの時期に、きめ細やかな指導を行うことで、学級の雰囲気が落ちつき、学力の基礎や基本の習得につながったなどの報告を学校から受けております。課題につきましては、学校からの報告は特に受けておりません。

 次に、中学校1年生の少人数学級の実施状況でございますが、平成26年度は1学級当たり35人を上回る学校が43校、このうち少人数学級を選択した学校が17校で、実施割合は39.5%でございます。27年度は1学級当たり35人を上回る学校が43校、このうち少人数学級を選択した学校が13校で、実施割合は30.2%でございます。28年度は1学級当たり35人を上回る学校が43校、このうち少人数学級を選択した学校が14校で、実施割合は32.6%でございます。

 次に、少人数学級を実施している学校と実施していない学校の1校当たりの不登校生徒数でございますが、実施している学校は平成25年度2.9人、26年度3.0人、27年度2.7人でございました。また、実施していない学校は平成25年度3.3人、26年度3.0人、27年度3.9人でございました。

 次に、一部教科担任制の具体的な指導方法につきましては、専科教員が理科や算数など、一部の教科を教えることや、学級担任同士で授業を交換し、他の学級の特定の教科を専科として教えることなどを行っております。成果につきましては、児童が学習に興味関心を持ち、主体的に学習に参加することができたことや、複数の教員が授業をすることによって多面的に評価を行うことで、より児童のよさを認め、伸ばすことができたことなどの報告を受けております。課題につきましては、学校からの報告は特に受けておりません。

 次に、不登校対応教員の職務内容でございますが、不登校生徒の学校復帰に向けた校内支援体制のコーディネートや校内適応指導教室の組織的な運営、不登校生徒や保護者の心のケアのための面談や家庭訪問の実施、医療や福祉面からの支援に向けた関係機関との連携や不登校に関する小学校への支援などを行い、不登校児童生徒数の減少や学級復帰の増加を図ります。

 次に、過去3年間の不登校児童生徒数につきましては、小学校は平成25年度149人、26年度137人、27年度129人、中学校は平成25年度814人、26年度794人、27年度767人でございます。

 また、登校できるようになった生徒が、不登校生全体に占める割合、いわゆる復帰率につきましては、過去3年間の平均で、不登校対応教員の配置校が48.9%、未配置校が34.8%でございました。

 次に、平成29年度の知的障がい特別支援学級の小中学校別の設置校数と設置率でございますが、小学校につきましては、設置校数が138校、設置率は95.8%、そのうち7人または8人の児童が在籍する学級は64学級の見込みでございます。

 中学校につきましては、設置校数が65校、設置率は94.2%、そのうち7人または8人の生徒が在籍する学級は19学級の見込みでございます。

 次に、通級指導教室や特別支援学級への嘱託員配置の理由でございますが、児童生徒の障がいの特性を踏まえ、安全を確保するために、学級担任の補助を行う目的で配置しているものでございます。以上です。

 

議長(おばた久弥) 重光経済観光文化局長。

経済観光文化局長(重光知明) 若者の正規雇用支援に関する御質問にお答えをいたします。

 まず、福岡市の正規雇用労働者数と非正規雇用労働者数についてでございますが、少し古いデータとなりますけれども、5年ごとに実施されております総務省の就業構造基本調査で、直近の平成24年とその前の平成19年の調査結果に基づいてお答えをいたします。

 福岡市の25歳から29歳までの正規雇用労働者数は、平成19年が6万1,000人、平成24年が5万400人と減少し、非正規雇用労働者数は平成19年が2万6,900人、平成24年は2万8,000人と増加いたしております。また、福岡市の30歳から34歳までの正規雇用労働者数は、平成19年が6万9,600人、平成24年が5万1,500人と減少し、非正規雇用労働者数は平成19年が2万1,100人、平成24年は2万8,500人と増加いたしております。

 次に、福岡市の就職支援事業における39歳以下の若者の過去3年間の就職実績についてでございますが、まず、就労相談窓口の実績につきましては、平成25年度の就職者数は126人で、このうち正規雇用者数は43人、平成26年度の就職者数は123人で、このうち正規雇用者数は49人、平成27年度の就職者数は160人で、このうち正規雇用者数は70人となっております。

 また、新卒者などを対象とする合同会社説明会につきましては、平成26年度から開催いたしておりますので、過去2年間の実績でお答えいたしますと、平成26年度の就職者数は43人、平成27年度の就職者数は40人となっており、各年度とも全て正規雇用となっております。

 次に、福岡都市圏大学卒業生の福岡県内への就職者が減少傾向にある状況についてでございますが、大学の担当部署に確認をいたしましたところ、近年の求人倍率が高い状況を背景としまして、関東、関西圏の企業による福岡市内の各大学での企業説明会の実施が増加傾向にあり、学生はそのような企業に目を向けがちであるといったことが要因として考えられるということでございました。以上でございます。

 

議長(おばた久弥) 落石俊則議員。

○55番(落石俊則) 初めに、県費負担教職員の権限移譲に伴う教職員定数についてです。

 来年度の教職員定数は、本年度より203人ふえ、7,266人となりました。増加人数のうち、児童生徒数増に伴う自然増が70人、権限移譲に伴い133人の教職員がふえるとのことです。また、権限移譲を生かした主な取り組みとして、不登校対応教員の全中学校配置や栄養教諭を計画的に増員するとの答弁がありました。不登校対応教員については、この6年間24校のままで不登校対応教員の配置は小学校からも強い要望が上がっており、我が会派も従前より要望していたことから評価するものです。栄養教諭については、義務標準法には教員や学校事務職員同様、栄養教諭も定数に定められていますが、長年定数を満たしていませんでした。実現に向け、やっと第一歩を踏み出したという感です。また、教職員の給与等に関しては、義務教育費国庫負担金のほか、県民税所得割臨時交付金及び地方交付税等で全額措置され、新たな財政負担は生じないとの答弁でした。今後、権限移譲に伴い、教職員定数や学級編制など、本市が直接策定できることになり、教育課題に応じた教育行政が進められなければなりません。

 次に、少人数学級の充実について伺います。

 小学校1年生から4年生まで少人数学級になったことにより、先ほどの答弁にあったように、学校現場からは子ども一人一人にかかわりやすくなった、クラスの雰囲気が落ちついてきたなどの声が多く寄せられています。中学校1年生では、学校選択による少人数学級が実施されていますが、少人数学級を選択した中学校は、本年度は43校中の14校にすぎません。昨年度、少人数学級実施校は1校当たりの不登校生徒数は2.7人、未実施校は3.9人との答弁がありました。中学校1年生で少人数学級を選択した学校では、明らかに不登校生徒が少なく、中1ギャップ解消に効果が出ています。それにもかかわらず、少人数学級を選択していない理由は何か、お尋ねします。

 また、小学校5、6年生並びに全中学1年生で少人数学級を実施した場合に必要となる教職員数はどうなるのか、お尋ねします。

 次に、一部教科担任制の教育実践体制について伺います。

 一部教科担任制を実施するに当たり、標準学級数15学級以上の小学校では、2名以上配置されている補助教員のうち、1名が主に理科の専科教員として学習指導に当たっていますが、14学級以下の小学校では、補助教員は1名しか配置されておらず、市費非常勤講師が算数の少人数指導と理科専科を担当しています。

 そこで、本年度及び来年度標準学級数14学級以下の小学校は、それぞれ何校になるのか、お尋ねします。

 次に、不登校対応教員について伺います。

 2015年度の不登校児童生徒数の推移を見ると、小学校、中学校とも学年が上がるほど不登校の数は増加し、特に小学6年生時46人であったものが、中学進学時には220人と、約4倍に激増しており、いまだ中1ギャップの解消が図られていません。しかし、不登校対応教員が配置された学校では、生徒の復帰率が未配置校より高い傾向にあります。中学校区の小学校の不登校児童への対応を充実させ、中1ギャップの解消につなげていかなければなりません。そのためにも、小学校、中学校との連携を密にし、不登校児童生徒へのかかわりについて、共通理解を図るべきと考えますが、所見を伺います。

 次に、特別支援学級の現状について伺います。

 特別支援学級の設置校は小学校で138校、中学校で65校、その設置率は小、中学校とも約95%となっています。特別支援学級に在籍する子どもの障がいの種別や在籍学年が多様であることから、特別支援学級が複数ある学校では、児童を学年別に分けたりするなど、障がいの状況に応じて個々に応じた対応が可能となり得ています。しかし、1学級では学年別に分けることもできず、特に1学級7人ないし8人では、個に応じた学習指導ができにくいとの声が多く聞かれます。

 教育委員会には学校や保護者からどのような要望が出されているのか、また、どのように対応されているのか、お尋ねします。

 また、特別支援学級に特別支援教育支援員を配置している小中学校数についてお尋ねします。

 次に、若者の正規雇用支援について伺います。

 就業構造基本調査による本市の25歳から34歳までの若者層の雇用状況が示されました。5年ごとの調査であるため、直近の状況をあらわしているとは言えませんが、それでも2007年と2012年の調査を比べると、25歳から34歳までの若者層の非正規雇用者の数は4万8,000人から5万6,500人、その割合が約28.8%から約35.7%と大きくふえています。本市ではこれまで各区役所での就労相談窓口の設置や合同会社説明会、20歳、30歳代のフリーターなどの非正規雇用労働者を対象としたデジタルコンテンツクリエーター育成事業が実施されてきました。これらの事業により、2014年は125人、2015年には136人が正規雇用者として就職していますが、まだまだ不十分です。今後もこれらの事業を継続、拡充していくことが必要であり、特に就労相談窓口での事業の充実が求められます。区役所は市民の身近なところにあり、誰もが気軽に相談に行けます。これまでキャリアコンサルタントを配置し、個々人に応じた寄り添い型の就職支援が行われています。この3年間の就労相談窓口の利用者のうち、409人が就職し、うち162人が正規雇用となったとの答弁がありましたが、さらにキャリアコンサルタントや就職開拓員を増員するなど、就労相談窓口での事業を充実させ、正規雇用就職率を上げる必要があります。

 そこで、来年度、正規雇用の促進に向けて、新たにどのような施策を行おうとしているのか、その内容や目標値をお尋ねします。

 本市では、ゲームや映像などのクリエイティブ関連産業の振興や立地交付金制度を活用した企業誘致により、雇用創出が図られていますが、中小企業振興審議会での人材確保がなかなかうまくいかないとの発言にあるように、地域経済を支えている地場中小企業、小規模事業者の人材確保に対する支援が求められています。市単独での合同会社説明会により、昨年は40名の学生が地元企業に就職しています。また、学生と地元企業とのマッチングを図るために、専用サイト「ふくおかで働こう」を活用した地元企業の魅力や採用情報を発信する地元企業情報発信事業や長期インターンシップ推進事業が行われていますが、さらに地場中小企業、小規模事業者の人材確保の支援を強化すべきと考えますが、所見を伺います。以上で2回目を終わります。

 

議長(おばた久弥) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 学校教育の充実についての御質問にお答えいたします。

 まず、中学校1年生で少人数学級を選択していない理由でございますが、各学校が生徒の実態に応じて少人数指導を優先して行うほうがより効果的であると判断したことなどによるためでございます。

 次に、小学校5年生、6年生並びに中学校1年生で少人数学級を実施した場合に必要となる教職員数でございますが、平成29年度の推計でお答えいたしますと、増加する学級の担任教員として必要な教職員数は、小学校5年生と6年生で合わせて94人、中学校1年生で40人でございます。なお、中学校は教科担任制であるため、増加した学級を担当する教科担任が相当数必要になります。

 次に、標準学級数14学級以下の小学校でございますが、平成28年度は40校、29年度は43校の見込みでございます。

 次に、不登校対応に関する小中学校の連携でございますが、小中学校双方の教員が年度末や長期休業中に連絡会を開催し、不登校児童生徒に関する情報を共有することや、不登校傾向にある児童生徒の支援内容の記録を小学校から中学校へ引き継ぐなど、義務教育9年間を通した支援体制がとれるようにしております。今後は権限移譲でふえた定数を活用して、全校に配置した不登校対応教員が中学校とその校区内の小学校とのつなぎ役となり、不登校児童生徒への支援をさらに充実させてまいります。

 次に、特別支援学級の学級編制基準でございますが、学校や保護者からの要望につきましては、福岡市PTA協議会から次年度予算への要望として、学級編制基準引き下げの要望が出されており、校長会からも同様な意見がございます。要望への対応につきましては、特別支援学級の学級編制基準が引き下げられるよう、国に要望しております。

 特別支援学級に特別支援教育支援員を配置している小中学校数でございますが、直近の平成29年2月1日現在では、小学校が52校、中学校が27校でございます。以上です。

 

議長(おばた久弥) 重光経済観光文化局長。

経済観光文化局長(重光知明) 若者の正規雇用支援に関する御質問にお答えいたします。

 まず、正規雇用の促進に向けた新たな取り組みにつきましては、平成29年度から各区に設置している就労相談窓口を利用する正規雇用希望者を対象としまして、臨床心理士による就職活動に対する不安の解消などの心理的サポートや専任の支援員による正社員求人の開拓、紹介などを行います正社員就職支援事業を新たに実施し、正社員就職支援を強化してまいります。目標値でございますが、就労相談窓口を利用する正規雇用希望者数に対する正規雇用就職者数の割合を平成27年度の42.6%から平成29年度は45%に引き上げてまいりたいと考えております。

 次に、地場中小企業、小規模事業者の人材確保につきましては、重要な課題と認識しておりまして、従来の施策に加えて平成29年度から新たに人材不足に悩む中小企業を対象としまして、人材採用のノウハウに関するセミナーや専門家による個別の助言指導などを行い、採用スキルの向上を図る中小企業人材採用支援事業を実施いたします。なお、個別の助言指導を行う企業といたしましては、20社程度を行う予定といたしております。

 また、学生に地場企業の魅力を伝えるために、地場企業で働く人の姿を学生目線で捉えた動画をウエブサイトなどで配信します、はたらくふくおか事業を実施してまいります。以上でございます。

 

議長(おばた久弥) 落石俊則議員。

○55番(落石俊則) 初めに、少人数学級の推進について伺います。

 少人数学級の効果は、子ども一人一人への指導が充実し、学習形態を工夫することができ、落ちついた雰囲気で学習ができるなど、子どもたちのよりよい人間関係づくりにも効果をもたらしています。学校や子どもたちを取り巻く環境は複雑化、困難化しており、いじめ問題や暴力行為などの問題行動の発生、特別な支援を必要とする児童生徒の増加、不登校の子どもの増加などの状況が見られます。中学校では、少人数学級を選択した学校では、不登校生徒が少ないことが明らかになりました。小学校5、6年生と中学1年生で少人数学級を実施した場合、学級担任として教員が134人必要と推計されていますが、将来を担う子どもたちの学びの保障や貧困の連鎖解消に向けての施策と捉えれば、必要な人員だと考えます。

 そこで、少人数学級を小学校5、6年生、中学1年生へと段階的にでも拡充すべきと考えますが、所見を伺います。

 次に、一部教科担任制の教育実践体制の充実について伺います。

 専科教員や交換授業により、児童の興味関心が高まり、複数の教員が児童を指導することができ児童のよさを伸ばすことができるとの答弁がありました。小学校5、6年生における一部教科担任制の実践は、教科担任制をとる中学校への円滑な接続を図るためにも効果があります。本市では、補助教員が1名しか配置されていない14学級以下の小学校は、本年度全小学校143校のうち40校、来年度は144校のうち43校と、約30%にもなります。14学級以下の小学校では、1日5.5時間、週27.5時間勤務の市費非常勤講師が算数の少人数指導と理科専科の補完をしている状況です。一部教科担任制の教育実践の効果を全ての小学校に反映するためにも、14学級以下の小学校への教員配置を拡充すべきと考えますが、所見を伺います。

 次に、不登校対応教員について伺います。

 先日、中学校のベテランの先生に話を聞く機会がありました。生徒や保護者との信頼関係をいかにつくるか、生徒と担任とをいかにつなぐかを大切にしながら、2年間、不登校対応教員を務めてきたと語っておられました。家庭訪問を繰り返し、自分の部屋で一日中過ごしがちな生徒に語りかけ、とにかく外の空気を吸わせることに心がけ、母親に弁当をつくってもらい一緒に公園に出かけ、学校へ足を運ぶきっかけを模索したと話されていました。また、小学校のころから不登校傾向にあった生徒の場合は、小学校のときの担任や保健室の養護教諭の協力を得ることで、ステップルームに通うことができたとも言われていました。中学校ではステップルームが開設されており、自分の教室に入ることに抵抗がある生徒は、副任とともに担任が用意したプリントなどを使って学習したりしています。小学校でも校内適応指導教室、いわゆるステップルームを開設するとともに、見守り指導する教員が必要だと考えますが、どのように対応しようとしているのかお尋ねします。

 次に、特別支援学級について伺います。

 特別支援学級に在籍する子どもの障がいの種別や在籍学年が多様であり、同じ時間に掛け算九九やリコーダーの指導、図工など各自の学習課題に対応しなければならず、指導体制が不十分です。自閉症、情緒障がい特別支援学級及び通級指導教室と肢体不自由特別支援学級には、児童生徒の障がいの特性に応じて、安全確保のため、市単独予算で嘱託職員が配置されています。また、支援学級の児童生徒の実態により、特別支援教育支援員が小学校52校、中学校27校に配置されていますが、かねてから指摘されているように、支援員の任用は2カ月交代である上に学習指導はできません。先ほどの答弁にあったように、保護者からも校長会からも特別支援学級の学級編制基準引き下げの要望や意見が出されています。特別支援学級については、学級編制の基準を引き下げる、または障がいの特性に応じて市独自の嘱託職員の配置や特別支援教育支援員の優先的な配置などを行うべきと考えますが、所見を伺います。

 以上、学校教育におけるさらなる充実に向け、少人数学級の推進や一部教科担任制の教育実践体制の充実、不登校対応教員の拡充、特別支援学級の学級編制について質問してきました。子どもたち一人一人の学びの保障と教育課題の解消に向け、県費負担教職員制度の権限移譲のメリットを生かし、学級編制基準の引き下げや市独自の教員配置などを行うよう要望しておきます。

 次に、若者の正規雇用支援について伺います。

 来年度より正社員就職支援事業を実施するとの答弁がありました。非正規雇用の期間が長ければ長いほど、正社員への転換は難しくなります。事業の周知を図り、地場中小企業とのマッチングを強化し、就職率を向上させなければなりません。また、新規事業として中小企業人材採用支援事業を始めるとの答弁がありましたが、人材確保に苦慮する地元中小企業が多数ある中で、対象となる中小企業が20社では余りにも少な過ぎます。事業の拡充を要望しておきます。

 一方、就職する側の大学生や専門学生らの若者の視点に立った施策が求められます。大学の学費の高騰と家計収入の減少により、奨学金に頼らなければ、大学に進学できない学生が半数を超えるようになりました。卒業しても不安定な雇用で十分な収入が得られず、奨学金を返したくても返せない若者が増加しています。日本学生支援機構によれば、奨学金の借入総額は1人平均313万円、学校卒業後、毎月1万7,000円を14年もかけて返済している状況です。社会人としてのスタートラインから数百万円の借金を背負うのは大変な重荷であり、返済が負担になって結婚や出産をためらわせる要因になっています。今年度から給付型奨学金制度がやっとスタートしますが、対象者は限定的です。北九州市では、将来を担う人材を市内外から確保し、人口減少に歯どめをかけるとして、人材支援基金設置事業に取り組むと聞いています。市内の成長分野の中小企業や介護福祉士などの少子・高齢化に対応する分野に就職する大学生や専門学生を対象に奨学金返済を支援するとともに、中小企業とのマッチングを図る事業です。昨年公表された国勢調査によれば、本市の人口は前回調査から約7万5,000人増加しています。しかし、15歳から64歳の現役世代のうち、若い世代の人口が減少しています。また、先ほどの答弁にあったように、関東、関西圏の企業による学内企業説明会の増加により、今後福岡都市圏の大学生の九州外への就職が加速すると予測されます。

 そこで、若者が本市で暮らし、市の活力を維持するためにも、学生の奨学金返済という負担の解消並びに人材確保に努めている地場中小企業、小規模事業者のマッチングを図るためにも、地場中小企業、小規模事業者が若年者を正規雇用した際に、奨学金返済を期限つきで助成できる仕組みを検討すべきと考えますが、所見を伺い、私の質問を終わります。

 

議長(おばた久弥) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 学校教育の充実についての御質問にお答えいたします。

 まず、少人数学級ですが、新しいふくおかの教育計画に基づき、小中学校9年間の発達段階に応じた教育を推進するため、小学校1年生から4年生までは少人数学級、小学校5、6年生では一部教科担任制及び少人数指導、中学校1年生では学校の選択による少人数学級を実施しており、今後も現在の教育実践体制を継続してまいります。

 次に、14学級以下の小学校への教員配置拡充でございますが、学級数に応じた教職員定数につきましては、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律で定められており、教員配置の充実につきましては、今後とも国に要望してまいります。

 次に、小学校の不登校児童への対応でございますが、別室での対応が必要な児童については、校長、教頭、教務主任や養護教諭などが校長室や保健室で学習指導や教育相談を行っております。今後は小学校の教員に、中学校の不登校対応教員及びスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの専門家を含めた組織的な体制により支援の充実を図ってまいります。

 次に、特別支援学級の学級編制基準の引き下げ及び嘱託職員、特別支援教育支援員の配置でございますが、特別支援学級の学級編制につきましては、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律に定められた学級編制基準に基づき行っており、基準の引き下げについては、今後とも国に要望してまいります。次に、特別支援学級への嘱託員につきましては、障がいの特性を踏まえ、肢体不自由特別支援学級や自閉症、情緒障がい特別支援学級に適切に配置しております。また、特別支援教育支援員につきましても、児童生徒の障がいの状況を的確に把握し、適切に配置しております。以上です。

 

議長(おばた久弥) 重光経済観光文化局長。

経済観光文化局長(重光知明) お尋ねの地場中小企業、小規模事業者が正規雇用した若者の奨学金返済を助成する仕組みにつきましては、他都市の取り組みなども参考にしながら、研究してまいりたいと考えております。以上でございます。

 

議長(おばた久弥) この際、暫時休憩し、午後は1時10分に再開いたします。

午前11時9分 休憩  

午後1時10分 開議  

副議長(石田正明) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を継続いたします。綿貫英彦議員。

○37番(綿貫英彦)登壇 私は日本共産党市議団を代表して、地下鉄七隈線延伸工事に伴う博多駅前道路陥没事故及び本市の住宅施策について補足質疑を行います。

 質問の第1は、地下鉄七隈線延伸工事に伴う博多駅前道路陥没事故についてです。

 1点目は、陥没事故の原因究明についてです。

 交通事業管理者は我が党の代表質問に対して第三者委員会で調査していますと言われましたが、市が採用したナトム工法が問題ではなかったのかということが専門家や有識者から指摘されています。しかしながら、第三者委員会の議事要旨を見ても、ナトム工法の是非について議論しておらず、マスコミではナトム工法の是非を判断しないのではないかと言われています。昨年の12月議会で我が党、中山議員がナトム工法を選んだ理由について質問したところ、事業管理者は開削工法は地上の交通機能を確保しながら施工することは困難。シールド工法では同じ大きさでしか掘ることができないために、これらの掘削に適したナトム工法を採用したと答弁しています。ことし1月に交通局が公表した資料では、ナトム工法を選んだ経緯について、2010年に八千代エンジニヤリングに委託した地下鉄3号線導入空間検討業務委託で非開削工法が望ましいと提言され、それを前提に、翌年、日本シビックコンサルタントに委託した地下鉄3号線構造計画検討業務委託でナトム工法採用の提言がされ、市としてナトム工法を採用すると決定したのであります。

 そこで、お尋ねしますが、2010年に八千代エンジニヤリングへの委託調査で、市は委託検討の視点としてどういう項目を挙げていたのか、また、検討要素の内容についても、説明を求めます。

 2点目は、大成建設JVが陥没事故の兆候を前日に把握しながら、市に報告しなかった問題についてです。

 これは1月24日に新聞報道があり、交通局は2月議会の第4委員会で報告しています。報告によると、トンネルを支える鋼材にかかる圧力を調べる計測器が事故前日の11月7日の午後5時ごろにレベル1の注意体制になったものの、大成建設JVは交通局へは報告せずに工事を進めて、11月8日の午前1時にはレベル2、要注意体制、2時ごろにはレベル3、厳重注意体制になった。そして、11月8日の午前5時ごろに、作業員の聞き取りによれば、掘削中のトンネル天井部分から水と砂が津波のように押し寄せ、崩落に至ったとのことであります。また、交通局は管理基準値を超える値が出た場合は大成建設JVと速やかに協議することが契約上の義務だったと報告しています。一方、大成建設JVは市のヒアリングで、そのほかの全ての計測値を総合的に評価し、予測の範囲内であると考え、連絡しなかったと答えています。

 そこで、お尋ねしますが、計測データが掘削の停止を求めるレベル3を示したときに誰が把握していたのか、説明を求めます。

 あわせて、大成建設JVが市に報告しなかったことについて所見を伺います。

 次に、島市長の対応についてです。

 島市長は1月24日の記者会見で、このようなレベルごとに、いわゆる基準値が設けられていて、福岡市に対しても報告の義務があるというような基準があって、実はそれを超えていたという話はきょうの新聞で知りましたと述べています。

 そこで、確認しますが、島市長は交通局から逐一報告を受けるということをしていなかったのか、答弁を求めます。

 3点目は、損害賠償の問題についてです。

 交通事業管理者は代表質問に対して努力していると答弁されましたが、実態はどうですか。2月17日時点の損害賠償の状況は、要協議件数472件、協議着手が470件、賠償合意がわずか38件であり、賠償額についてはわずか611万円となっています。事故発生から4カ月も経過しているのに、最も急がなければならない損害賠償の進み方は極めて遅い状況です。

 そこで、お尋ねしますが、あなた方が引き起こした事故によって被害を受けた方々の損害賠償がおくれ、さらに苦しめられていることに心を痛めていないのか、市長の答弁を求めます。

 質問の第2は、本市の住宅施策についてです。

 居住の権利は、基本的人権として国際的に認められています。しかしながら、本市では、最低居住面積水準、健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠な住宅の面積に関する水準に届いていない、そういう世帯の割合が2013年、10.2%、約8万戸となっております。さらに、最低居住面積以上の住宅に住んでいる世帯についても、高い住居費の支払いによって最低生計費を割り込む方々もいるのであります。

 そこで、本市の住宅施策が居住の権利を保障し、市民の願いに応えているのか、検証したいと思います。

 質問の1点目は、住居費負担についてであります。

 福岡県の最低賃金で働いた場合、収入は13万円しかないのに、福岡市の消費生活実態調査によれば、2人世帯以上の住居費の平均は月6万円にもなっています。

 そこで、お尋ねしますが、高い住居費のもとで最低生計費を割り込むなど、生活が困窮している世帯がどれぐらいあるのか調査しているのか、答弁を求めます。

 質問の2点目は、低所得世帯などへの民間賃貸住宅の家賃補助制度についてです。

 市長は我が党の代表質問に対して、民間賃貸住宅への家賃補助制度について創設するとは言われませんでした。しかしながら、島市政のもとで非正規雇用や不安定就業者がふえる中で、家賃が大きな負担となっています。貧困の研究者であり、政府の社会保障審議会の委員でもあった岩田正美元日本女子大学教授は、日本では失業保険が切れると生活保護しかなくなってしまうため、単身者やシングルマザーの貧困などに最も効果的なのは家賃補助だと語っています。また、政府の社会資本整備審議会の報告書でも、民間住宅を活用した家賃補助が効率性の高い政策手段であるとしています。

 そこで、お尋ねしますが、最低限の生活を保障するために家賃補助制度をなぜ実施しないのか、答弁を求めます。

 質問の3点目は、市営住宅の新設についてです。

 市長は我が党の代表質問に対して、市営住宅の新設について拒否されました。しかしながら、昨年5月、福岡市住宅審議会は福岡市住生活基本計画案に対する答申で、市営住宅について、住宅困窮者が増加し、市営住宅の応募倍率も高いと指摘し、将来を見据えた市営住宅のあり方及び住宅困窮者に対する住宅供給施策について検討することを求めますとの意見を市長に突きつけたのであります。市営住宅の管理戸数をふやす必要があるということであります。住宅セーフティネット法でも、公的賃貸住宅の適切な供給の促進を明記しています。

 そこで、お尋ねしますが、なぜ本市では市営住宅の新築をしないのか、答弁を求めます。

 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。

 

副議長(石田正明) 阿部交通事業管理者。

交通事業管理者(阿部 亨) 七隈線延伸工事における道路陥没事故についてお答えをいたします。

 平成22年度に行いました概略設計についてでございますが、この目的は、地下鉄七隈線の延伸に当たりまして、既設の構造物の位置などを踏まえまして、線形検討上のコントロールポイントなどを整理し、線形や構造などの検討を行うものでございました。この設計業務の契約に当たりまして、特記仕様書において、構造物の安全性、経済性、施工性のほか、利用者の利便性等を十分考慮し検討することを記載いたしております。

 次に、B計測におきまして管理基準値の把握についてのお尋ねでございますが、計測データに関しまして、1月25日、27日及び2月1日の3回に及び、大成JVにヒアリングを実施いたしまして、経緯を確認いたしております。大成JVは、鋼製支保工のB計測のデータが管理基準値1を超過した事実を、超過は11月7日の17時でございますけれども、その1930分ごろにこの事実を確認いたしております。しかしながら、この1930分以降はこの計測値の確認をしておらなかったために、事故の前には管理基準値2及び3の超過については把握をいたしておりませんで、事故後に確認をしているものでございます。

 次に、大成JVが管理基準値のレベル1の超過を確認した後に速やかに交通局に報告しなかったことについてでございますが、大成JVが事故発生の前日1930分ごろにB計測において管理基準値1を超えていたことを把握しながら、直ちに監督員へ報告を行わなかったことについては、契約上の指示が守られていなかったというふうに考えてございます。

 最後に、このことに関する市長への報告でございますが、市長への報告につきましては、重要な事項を中心として簡潔に説明をすることといたしております。事故の兆候の可能性のある計測データについての報告は市長に行っておりましたけれども、計測値におきます基準値の考え方や交通局への報告義務などの詳細についてまでは説明をいたしておりませんでした。

 なお、新聞報道後におきましては、請負業者へのヒアリング結果も含め、適宜市長への報告を行っているところでございます。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 光山住宅都市局長。

住宅都市局長(光山裕朗) 住宅施策についてお答えいたします。

 住居費の負担につきましては、総務省において実施されております家計の収支や住宅、貯蓄などの資産を総合的に調査いたします消費実態調査などによりまして、平均的な住居費の支出額については把握することができますが、住居費の負担によります生活困窮の状況を把握するための調査や分析は実施されておりません。福岡市におきましても、住居費の負担による生活困窮の状況を把握するための調査につきましては、これまで実施したことはございません。

 次に、民間賃貸住宅への家賃助成についてのおただしでございますが、高齢者などの住宅の確保が困難な世帯、いわゆる住宅確保要配慮者につきましては、市営住宅を初め、公的及び民間を含めた賃貸住宅市場全体で対応することが必要と考えております。このため、福岡市及び住宅事業者、社会福祉協議会などで構成いたします福岡市居住支援協議会における検討を踏まえ、高齢者世帯に対し、民間賃貸住宅への円滑な入居を支援する住まいサポートふくおかを実施するとともに、平成29年度からは住みかえに必要な費用の一部を助成する制度を開始するなど、住宅確保要配慮者の居住の安定確保に向けた取り組みを進めているところでございます。

 次に、市営住宅につきましては、真に住宅に困窮する低所得者を中心に提供させていただいているところでございます。現在、約3万2,000戸の市営住宅のうち、約半数の住戸が昭和40年半ばから50年代に整備され、順次、更新時期を迎えることから、居住環境を改善し、将来にわたって安定的な運営を確保するため、市営住宅ストック総合活用計画に基づき、計画的、効率的な建てかえなどに取り組んでいるところでございます。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 島市長。

市長(島宗一郎) 今回の道路陥没事故におきましては、周辺の交通や市民生活並びに経済活動に大変な影響を与えて、御迷惑と御心配をおかけし、大変申しわけなく思っております。

 被害者への賠償につきましては、大成JVと協力をして、被害者の御事情に合わせて誠意を持って対応するよう交通局に対して指示をしております。以上です。

 

副議長(石田正明) 綿貫英彦議員。

○37番(綿貫英彦) まず、陥没事故の原因究明についてですが、八千代エンジニヤリングへの地下鉄3号線導入空間検討業務委託における検討の視点、検討要素についていろいろと答弁をされました。私は2010年の委託報告書を入手しました。それを見ますと、その時点では七隈線の延伸工事は、駅の部分は開削工法、その間をつなぐ部分は、今回陥没したところを含め、シールド工法とされていました。ナトム工法は一切出ていなかったのであります。この委託報告書では、八千代エンジニヤリングは導入空間の検討を進めていく上で、4つの視点が大切であると明記しています。その3番目には、事業期間の短縮で、可能な限り早期供用をするために民地にかけないとともに、工法も工夫とし、4番目では、建設費の低減のために、少ない投資で大きな効果を実現できるよう建設費を安くする工夫が言われており、一方で、安全性の確保については、この視点にはありません。この委託報告書で八千代エンジニヤリングは非開削工法の提言を行いました。この非開削工法の提言を前提に、市が2011年に日本シビックコンサルタントに対し委託した地下鉄3号線構造計画検討業務委託で、日本シビックコンサルタントはナトム工法を採用すべきとの提言を行ったのであります。あなた方が依頼した2つの委託の結果、ナトム工法がよいとされたのであります。

 したがって、ナトム工法採用の提言が行われたのは、市が安上がりで工事期間の短縮という枠をはめたからではありませんか、答弁を求めます。

 2点目に、トンネル内の圧力計測データについて、大成建設JVから市への報告がなかったということについてですが、事業管理者は、結局、圧力計測データのレベルが3になったときには誰も把握をしていない。そして、その大成建設JVが報告しなかったことは契約上の指示が守られていなかった、このように答弁をされました。あなた方は大成建設JVが異常値の報告をしなかった、契約違反であったことを殊さら強調していますが、圧力計測データが厳重注意レベル3という重大な異常値を示しても、大成建設JVも、福岡市も、誰も気づかないシステムだったのではありませんか。この計測について、どういう契約になっていたのか。私が入手した特記仕様書の第7節、計測工、第89条には、計測は所定の頻度で実施し、その結果については定期的に市の職員である監督員に報告するとともに、管理基準値を超える値が出た場合など速やかに協議することと明記されています。しかしながら、大成建設JVは事故前日の17時に計測データが異常値レベル1になっても気づかず、19時半に異常データを把握しても市に報告をせず、その後は計測も機械任せで、変化を把握しなかった。市についても、全く報告がないから、現場で何が起こっているのか把握もできなかった。鋼アーチ支保工応力測定については、計測頻度は1時間に1回、自動計測となっています。ところが、異常値が出た場合にすぐに市に報告する指示はされておらず、市も報告を受けて、すぐに対応する体制になっていないのであります。

 そこで、お尋ねしますが、異常なデータが計測されたにもかかわらず、誰も気づかなかったシステムそのものに問題があったのではないかと思いますが、答弁を求めます。

 あわせて、計測監視体制について契約そのものが曖昧だったのではありませんか、答弁を求めます。

 次に、島市長の対応についてです。

 事業管理者は重大な変化があれば報告をしていたと、このように答弁をされました。それならば、なぜ島市長は1月24日の記者会見で、当日の新聞報道を見るまで知らなかったと述べているのか。この件については、市民が主人公の福岡市をめざす市民の会から公開質問状が出されています。計測データの件に関して報告を受けた日時等の質問に対して、市長は11月下旬に交通局から報告を受けたと回答していますよ。しかも、その報告は大成建設JVが事故直後、ないと言っていた計測データが実はあり、交通局は1118日に手に入れた。前日に異常値が出て、事故の兆候があったことがわかったという内容だったはずです。市長はこの報告を受けていたのに、記者会見で知らなかったと言ったんです。忘れていたでは済まないんですよ。それとも、知っていたのに知らないふりをした、何か隠さなければならないことでもあるのでしょうか。いずれにしても、極めて無責任であります。

 そこで、お尋ねしますが、報告があっていたにもかかわらず、知らなかったと述べたのは、市長が現場で何が起こっていたかということに無関心だったからではありませんか、お尋ねします。

 あわせて、昨年の12月議会で陥没事故問題について、それぞれの会派が質問したのに、こんな重大な問題を答弁しなかったのは議会軽視にほかならないではありませんか。市長の答弁を求めます。

 3点目は、損害賠償についてです。

 市長は誠意を持って対応するようにということで交通局に指示していると、努力しているかのような答弁をされましたが、被害者がどれだけ今回の事故で苦しめられているのか、わかっていないようですね。1月26日の日経新聞には「博多陥没、賠償いつ」「戻らぬ客足、証明も負担」という見出しで、事故現場の道路に面したビル地下1階にある喫茶店の77歳の経営者の苦悩を報じています。この喫茶店では12月以降の売り上げは前年同期と比べて7割以上も落ち込み、経営者は昔ながらの喫茶店の魅力を伝えようと頑張ってきたが、今後の見通しもつかないと肩を落としているとの報道であります。被害者の皆さんは何の責任もないんですよ。市長、心が痛まないんですか。さらに、被害者の方々の中には、停電によってだめになった食材の金額を証明せよなどと言われて、困惑している人もいるのです。

 そこで、お尋ねしますが、島市長の責任で、事故被害者が申告した被害額を直ちに支払うよう手だてをとるべきではありませんか、答弁を求めます。

 次に、住宅施策についてです。

 まず、住居費負担についてですが、住居費負担が生活に及ぼしている影響について何ら調査をしていないということです。私は深刻な実態を幾つも聞いていますよ。ある母子家庭のケースですが、息子が中学に入るので部屋を与えたいと、少し広いアパートに昨年、引っ越しをされました。家賃が2LDKで6万5,000円、この辺では特別に高い家賃ではありません。このお母さんの給与と児童扶養手当と児童手当が合計で18万円ですから、家賃を差し引けば生活費は115,000円しか残りません。同じ条件の生活保護だと、住宅扶助を除くと生活扶助や加算部分は125,000円ですから、最低生活費を割り込んでしまっているんです。このお母さんは家計をやりくりするために、自分自身の服は買わない、PTA活動などで懇親会があっても行かない、自分自身の食費は切り詰めるなど、本当に苦しい生活をしています。当たり前の社会参加ができなくなっているんです。

 そこで、お尋ねしますが、住居費を支払えば最低生活費を割って、基本的人権を損なわれている市民がたくさん存在しているのではありませんか、答弁を求めます。

 あわせて、住居費が生活に及ぼしている影響について調査すべきではありませんか、答弁を求めます。

 2点目は、民間賃貸住宅への家賃補助制度についてですが、局長はいろいろ課題があるかのように言われましたが、ほかの都市では既にやっていますよ。岐阜県の多治見市では、2009年から公営住宅入居基準を満たす人には、民間賃貸住宅に入居しても、月1万5,000円以内で家賃補助を行っています。私は多治見市の担当者に直接お聞きしましたけれども、財政上もそれほど大きな負担はないとされ、市営住宅を補完する施策でもあると言われていました。民間賃貸住宅に入居している人々に家賃の一部を補助し、住宅困窮者を減らすという目的なんです。この家賃補助制度は、若者の貧困対策としても待ち望まれています。このことは、国でも問題になっています。昨年4月に開催された新たな住宅セーフティネット検討小委員会では、国の住宅局長が若者世帯の住居費の負担がかなり大きくて、子育て、結婚になかなか結びつかない。重たい住居費がかかるものですから、若者世帯の消費が伸びない。それが日本の経済発展にとって必ずしもいい影響を与えていない。ぜひ若者世帯の住居費負担というものの軽減を考えてもらいたいと発言をしています。本市でもこんな事例があります。賃金が低いと社会問題となっている保育士さんたちに住居費についてお話をお聞きしました。非正規の保育士さんは家賃を払えば生活できないために、この保育園では非正規の保育士全員が親と同居しているということです。

 そこで、お尋ねしますが、貧困対策や若者の自立支援として家賃補助制度が必要ではないかと思いますが、答弁を求めます。

 3点目に、市営住宅の新設についてです。

 局長は既存ストックの有効活用を行うなど言われました。私のもとには、家賃が安い市営住宅に入りたい、何度応募しても当たらない、何とかしてほしいと、市民からの相談が頻繁にあります。私は抽せんに当たってもらわないとと言うしかありません。大変心苦しく、胸が痛みます。あなた方の策定した福岡市住生活基本計画では、UR住宅や県公社住宅などでカバーするとしていますが、南区のURの若久団地は建てかえのために、3LDKの家賃が6万円から13万円と倍以上になっております。UR住宅では家賃負担が重過ぎ、しかも、戸数自体も減らされております。

 したがって、URなどに市営住宅の肩がわりをさせるやり方では住宅困窮者を救うことができないことは明らかではありませんか、答弁を求めます。

 以上で2問目を終わります。

 

副議長(石田正明) 阿部交通事業管理者。

交通事業管理者(阿部 亨) 道路陥没事故に関する御質問にお答えをいたします。

 まず、設計委託でナトム工法が採用された経緯でございますけれども、平成22年度の概略設計におきましては、JR地下街の地下車路を考慮した計画を行う必要があり、開削工法では土どめ施工時に交通処理ができないことなどから非開削が望ましいとされ、非開削工法の中のシールド工法案が示されてございました。続きまして、平成23年度の予備設計におきまして、前年の概略設計で示されたシールド案につきまして改めて検討した結果、施工性や構造性に問題があるということから、当該区間の地盤の状況や施工実績を踏まえまして、ナトム工法の採用が妥当とされたものでございます。

 以上のとおり、経済性や工期短縮のための理由でナトム工法が採用されたものではございませんで、また、交通局からそのような指示も行ってございません。

 次に、B計測の計測の確認の仕組みについてのお尋ねでございますが、計測の頻度につきましては、計測の種類や項目ごとに交通局から示しております特記仕様書において、また、大成JVのほうが作成をいたします施工計画書におきましても明記をいたしておりまして、鋼製支保工応力測定につきましては1時間に1回の測定を行うことになっておりまして、計測データの確認も当然行うべきものであるというふうに考えてございます。

 交通局への報告は、定期報告のほか、異常が見られた場合には随時行うことといたしておりまして、監督員からは具体的に深夜も含めていかなる時間帯においても直ちに連絡をするように指示をいたしていたところでございます。

 また、計測管理の体制につきましてでございますが、大成JVは11月7日に管理基準値1を超えたことを把握した後は直ちに交通局の監督員へ報告を行うとともに、監視体制を強化するなど、何らかの措置をとるべきであったというふうに交通局としては考えてございます。

 次に、市長が計測に関する詳細を把握していないのではないかというような御指摘でございますけれども、計測データの詳細につきましては技術的な内容であることから、交通局で分析や検討を行うとともに、原因究明のための検討委員会に対しまして資料を提出するなど、真摯な対応を行うように市長から指示を受けております。また、報告義務に関しましては、新聞報道の直後に契約上の責務として確認するため、大成JVへのヒアリングを行うよう市長から指示を受けておりまして、市長からは状況に応じた指示がなされてございます。

 次に、12月議会において計測データについて報告をしていなかったことについてのお尋ねでございますが、事故原因に関する資料につきましては、12月議会の時点におきましては原因究明のための検討委員会の判断を尊重し、事故原因が整理された段階で一括して公表を行うことを考えておりました。その後、12月議会での御意見なども踏まえまして、できる限りの資料を速やかに公表するという観点から、検討委員会とも協議した上で、事故の原因究明に支障しない範囲で、事故やこれまでの工事の経緯について体系的にまとめた資料やナトム区間大断面トンネル部の計測管理を中心にまとめた資料を公表いたしているところでございます。今後とも、できる限りの情報開示に努めてまいります。

 最後に、被害者の皆様方への賠償につきましては、公平かつ迅速に対応する必要があるというふうに考えております。市長からもこの旨、指示を受けてございます。発注者である交通局と請負業者である大成JVとが協力をいたしまして、対応の体制を整備し、賠償の金額や方法に関する客観的な基準を決定した上で、1月から被害者との具体的な協議を進めているところでございます。賠償の手続に当たりましては、速やかな賠償金の支払いができますよう、提出書類について柔軟に対応するなどをいたしておりまして、今後とも、迅速な対応に努めてまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 光山住宅都市局長。

住宅都市局長(光山裕朗) 住宅施策についてお答えいたします。

 住居費の負担によります生活困窮の状況を把握するためには、住宅や世帯の状況把握に加えまして、世帯の家計状況などの個人情報に係る項目について幅広く調査を行うとともに、家族関係や生活環境などの個別の事情も加味する必要があることから、議員おただしのような調査を行うことは難しく、住居費の負担によります生活困窮の状況を把握することは現在のところ困難であると考えております。

 次に、民間賃貸住宅への家賃助成についてのおただしでございますが、現在、国におきまして、子育て世帯や高齢者世帯などの住宅確保要配慮者の増加に対応するため、民間賃貸住宅の空き家を活用した新たな仕組みによります住宅セーフティネット機能の強化について検討が進められております。福岡市といたしましても、これらの国の動向などを踏まえながら、民間賃貸住宅の活用も含めた住宅確保要配慮者に対する住宅施策につきまして調査、検討を行ってまいります。

 次に、UR都市機構などの公的賃貸住宅につきましては、市営住宅の家賃と比較しますと、これらの住宅の家賃は高くなっておりますが、低家賃の住宅も一定程度供給されておるところでございます。高齢者などの住宅確保要配慮者につきましては、市営住宅を初め、公的及び民間を含めた賃貸住宅市場全体で対応していくことが必要であると考えております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 綿貫英彦議員。

○37番(綿貫英彦) まず、本市の住宅施策についてですが、局長は住居費が高いために市民の生活がどうなっているのか、調査すらしようとはしていません。本当に無責任だと思います。私は高い住居費で生活を苦しめられている母子家庭の話をしましたが、これは一部の話ではありません。島市長、この母子家庭をこのまま苦しめるんですか。憲法第25条には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」、こう明記してあります。しかし、実際には高い家賃を払うと最低生計費を割り込むなど、生存権が守られていない市民がたくさんいます。家賃補助制度は低所得者の自立や格差や貧困の解消にもつながるのです。また、一定以上の質を備えた低家賃の住宅を提供するためには、市営住宅の提供を促進しなければならないんです。

 したがって、市営住宅を直ちにふやすとともに、民間賃貸住宅への家賃補助制度についても、直ちに創設すべきではありませんか、島市長の答弁を求めます。

 道路陥没事故についてですが、損害賠償について本当に誠心誠意というふうに言われますけどね、一体いつまで延ばすんですか。これ以上、被害者を苦しめることは絶対に許されない。被害者の実態は深刻ですよ。陥没事故にかかわる融資制度の保証承諾はわずかに8件だけですよ。事故被害者の事業者は借りたくても借りることもできないというところまで追い込まれているのではありませんか。第三者委員会の報告待ちではだめです。発注者責任は島市長にあります。

 したがって、陥没事故被害者の申し出に基づいて、直ちに損害賠償を行うべきではありませんか、市長の答弁を求めます。

 最後に、事故原因の究明についてですが、第三者委員会任せではだめです。第三者委員会では、大成建設JVが計測データの異常値を報告せずに工事を進めたことや地質調査が不十分であったことなどは報告されると思われます。しかしながら、そのことだけでは十分な原因究明とは言えません。この事故を引き起こした要因だけではなく、その背後に何があったのか、検証しなければいけません。工法について、地盤工学が専門の後藤恵之輔長崎大名誉教授は、ロックボルトが岩盤層を突き抜け、事故につながった可能性もある。別の工法にすべきだったと指摘しています。また、契約額についても、113億円で適切だったのか、検証する必要があります。さらに、島市長は就任1年目の定例記者会見で、できるだけ早期に完成と言い、その後も七隈線延伸について早期の開業、コストを一番安くなどと言ってきたのであります。この市長の姿勢で工事がずさんになり、事故に至ったのではないか、これも検証する必要があります。

 そこで、事故原因の究明について、第三者委員会の報告だけでは不十分であって、契約が適切であったのか、工期期間、現場の管理体制はどうだったのか、さらに、島市長が安く、早くと発言してきた姿勢が事故につながったのではないかなど、総合的に解明する責任が市長にあるのではありませんか。最後に、島市長の答弁を求めて、私の質問を終わります。

 

副議長(石田正明) 阿部交通事業管理者。

交通事業管理者(阿部 亨) 市長の答弁の前に、発注者であります交通局からお答えをいたします。

 交通局といたしましては、速やかな賠償の実施に向けて、大成JVと協力しながら、領収書がない場合でもかわりとなる資料で対応させていただいておりまして、今後とも、被害者の御事情に合わせて誠実かつ丁寧に対応を行ってまいります。

 次に、工事における交通局の管理体制につきましては、適切に工事の発注を行い、監督員としてきめ細やかな指導を行うとともに、局内に事故防止検討委員会を立ち上げて対応しておりまして、発注者としての責任は果たしているというふうに考えてございます。また、工事を進めるに当たりましては、経済性や工期短縮も考慮するのは当然ではございますけれども、あくまで安全を最優先として事業に取り組んでいるところでございます。

 いずれにしましても、事故の原因につきましては、検討委員会で究明がなされるものと考えております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 島市長。

市長(島宗一郎) 道路陥没事故の原因の究明及び再発防止につきましては、第三者の視点で行う必要があることから、土木研究所に設置された検討委員会にお願いをしているところでございます。

 なお、検討委員会の検討結果を踏まえ、万全な安全対策を講じ、安全を最優先に取り組んでまいります。

 また、被害を受けられた方への補償につきましては、今後とも、誠実かつ速やかに対応をしてまいります。

 高齢者などの住宅確保要配慮者につきましては、市営住宅を初め、公的及び民間を含めた賃貸住宅市場全体で対応することが必要と考えております。このため、福岡市及び住宅事業者、社会福祉協議会などで構成をする居住支援協議会において、高齢者世帯の民間賃貸住宅への円滑な入居支援に取り組むとともに、市営住宅におきましては、ストック総合活用計画に基づき、老朽化が進んでいる住宅の建てかえなどを進めているところでございます。現在、国において新たな住宅セーフティネット機能の強化について検討が進められており、福岡市におきましても、国の動向や他都市の状況を踏まえながら、住宅確保要配慮者に対する住宅施策について総合的に検討してまいります。以上です。

 

副議長(石田正明) 橋田和義議員。

6番(橋田和義)登壇 私は自由民主党福岡市議団、光安会長の代表質問を補足して、安心して子どもを生み、育てられる環境づくり及び福岡市動植物園について、以上2点について質問をしてまいります。

 まず、安心して子どもを生み、育てられる環境づくりについてです。

 本市は政令指定都市の中で最も人口が増加している上に、若者率、女性の割合が全国と比較して高いことからも、結婚、出産、そして子育てに夢が持てる、まさに少子・高齢化に歯どめをかけるモデル都市となる可能性を秘めています。しかし、現状は未婚率、平均初婚年齢、平均初産年齢いずれも上昇傾向にあり、特に未婚率は全国と比べても著しく高い傾向にあります。さらに、市民アンケートによると、子育てに不安、負担を感じている人は子育て世代全体の70%という結果が出ており、まだまだ安心して子どもを生み、育てられる福岡市と言うには課題が山積しています。

 そこで、当初予算においては生活の質の向上を重視され、中でも子育て支援については大幅な予算がつけられており、大いに期待したいところですが、今回、子育て支援に関する質問を行う上で多くの方からいただいた課題や要望を参考に、幾つか質問をしてまいります。

 近年、晩婚化が進んでいる理由の一つに、結婚に夢が持てない若者がふえているとよく耳にします。国の青少年教育振興機構の調査によると、経済的に難しい、ひとりが楽との要因が大半を占めているようで、結婚に対する否定的な情報が世の中にあふれているせいだけではなく、子どもを生み育てることの楽しさ、すばらしさというものが伝わっていない、私はそのような気がしてなりません。そんな私も晩婚の一人ですが、昨年、無事に子どもを授かることができました。子育てにかかわればかかわるほど子どもへの愛情が湧く一方、育児や家事の大変さを知ることで、みずからを育ててくれた両親に対する感謝の気持ちを実感しています。一方で、子どもが欲しくてもなかなかできない、不妊治療に悩んでいる人がどれくらい多いことか、私の周りだけでも多くの友人が悩んでいます。

 そこで、当初予算において、新たに不妊専門相談センターが市内に1カ所設置されると聞いていますが、その内容と期待される効果についてお伺いします。

 次に、出産後のケアについて質問します。

 出産後鬱になる、いわゆる産後鬱になる人は全体の10%もいると言われ、さらには産後鬱から虐待に発展するケースが年々増加していることからも、大きな社会問題になっています。両親が近くにいなくて、かわりに見てくれる人がいない、転勤で相談できる友人が近くにいないなどが大きな要因であるようです。

 そこで、妊娠時期から子育て時期まで切れ目なく支えるという方針のもと、新たに子育て世代包括支援センターというものが設置されるようですが、その内容と期待される効果についてお尋ねします。

 あわせて、昨年12月に開始された産後サポート事業の実施状況について、利用人員と利用回数をお伺いします。

 虐待防止については、早期発見とともに、未然防止が必要と思われますが、新生児訪問や乳幼児健診で全ての母親に会えているとは思えず、実態は潜在化しているのではないでしょうか。

 そこで、本市において乳幼児期で虐待を受けている人数のここ3年の推移をお示しください。また、平成29年度の虐待防止における新たな取り組みがあればお伺いします。

 次に、保育園に関する質問をします。

 未入所児童数は2016年4月の時点で1,608人と聞いています。

 当初予算では過去最大となる2,000人分の保育所等の整備を行うと聞いていますが、入所を希望されているお子さんが全て入所できるようになると考えておられるのか、さらに、需要が多い中央区における整備予定はどうなっているのか、御所見をお伺いします。

 また、ポイント制については、機械的な運用が地域に根差した保育所のあり方を損なう場面があると我が会派の代表質問でも指摘しています。本来、子育ては地域で育むものであり、その地域の子どもが入所することで、町内会や民生委員での見守りがしやすくなり、卒園後もつながりができていきます。しかし、現状はただポイントのみで振り分けられるため、住まいに関係なく、いろんな方が入所をされます。これでは、保育園として地域に貢献したいと思いがあっても、地域の子どもや卒園児などの子どもが入所できない状況では、地域に根差すことは難しいのが現状です。

 こういった現状を踏まえ、その地域に住んでいる子どもが地元の保育園を希望する場合は地域ポイントをつけるべきだと思いますが、御所見をお伺いします。

 ところで、現在、国が推し進めている企業主導型保育事業については、国の助成金により、病院を初め、整備が進んでいると聞いています。従業員だけでなく、地域の方の受け入れも可能であれば、より未入所児童の解消につながると思われます。

 そこでまず、国の助成制度はどのようなものなのか、また、現在把握している企業主導型保育事業は市内に幾つあるのか、さらに、本市としてそれをどう推し進めていこうとしているのか、御所見をお伺いします。

 また、保育園が増加するにつれ、いよいよ保育士の確保が難しくなっていくと思われます。そこで大事なのは、潜在保育士の掘り起こしです。

 当初予算においては就職準備金や保育料貸し付けの拡充が盛り込まれていますが、どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いします。

 また、保育士への処遇が問題で、休めない、職務がハード過ぎるなど、せっかく夢を持って保育士になったのにやめてしまうケースが多いと聞きました。給与改善ばかりがクローズアップされていますが、保育園の労働環境はきちんとしているのか、もっと踏み込むべきだと思いますが、御所見をお伺いします。

 次に、福岡市動植物園について質問をします。

 動植物園は都心にあり、アクセスがよく、世代を超え市民に親しまれる施設として多くの方に利用されてきました。平成16年に動植物園再生基本構想が策定され、20年にわたるリニューアル計画が進行中です。特に動物園については、平成25年9月にアジア熱帯の渓谷エリアをテーマに大幅なリニューアルをしたことで、来園者と動物の距離がぐっと近くなり、魅力を増したことで、さらに人気が高まっています。

 そこで、アジア熱帯の渓谷エリア完成前の平成24年度から現在までの動植物園入園者数の推移についてお答えください。

 また、当初予算においても施設のリニューアルに関する予算がついているそうですが、その内容についてお伺いします。

 以上で1問目を終わり、2問目からは自席にて質問します。

 

副議長(石田正明) 石橋こども未来局長。

こども未来局長(石橋正信) 安心して子どもを生み、育てられる環境づくりについての御質問にお答えいたします。

 まず、不妊専門相談センターの内容につきましては、交通の利便性が高い場所に専門的な知識を有するスタッフを配置した不妊専門の相談窓口を開設し、平日の18時以降や休日の相談に対応することといたしております。また、その効果といたしましては、相談窓口がわかりやすくなることや働いている方も相談しやすくなることにより、不妊のお悩みの方の各種支援につながることを期待いたしております。

 次に、子育て世代包括支援センターの内容についてでございますが、これは各区保健福祉センター内に設置することとしており、新たに配置する母子保健相談員が妊娠届け出の際に妊婦と面談をし、産後早期の子育て支援施策について情報提供をするとともに、妊産婦や子育て家庭のニーズを把握することとしており、保健福祉センターの関係各課が連携して、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を行っていくものであります。また、その効果といたしましては、育児の不安や負担感の軽減が図られることや虐待予防などにつながることを期待いたしております。

 次に、産後サポートにつきましては、産後ケア事業と産後ヘルパー派遣事業の2つの事業を平成2812月から開始しており、平成29年1月までの2カ月間の実績は、産後ケア事業が実利用人員10人、利用日数延べ17日、産後ヘルパー派遣事業が実利用人員16人、利用回数延べ78回となっております。

 次に、過去3カ年の乳幼児の虐待対応件数につきましては、平成25年度348件、26年度354件、27年度438件となっております。また、虐待防止に向けた新たな取り組みといたしましては、職員の専門性強化を図り虐待相談への対応力を向上させるため、職員研修をさらに充実させるとともに、新たに設置いたします子育て世代包括支援センターでの相談、支援を通じまして虐待の未然防止に努めてまいります。

 保育所等の整備につきましては、まず、待機児童解消を目指し、保育所の新設や増改築のほか、小規模保育事業の認可など多様な手法を活用し、平成29年度は当初予算としては過去最大規模の2,000人分の整備に取り組むこととしております。また、中央区におきましては、平成29年度に向けて6カ所の保育所を新設することとしておりまして、平成30年度に向けましても、中央区を初め、保育需要が高く整備が必要な地域を優先しての公募を行っております。

 次に、保育所の利用調整における地域ポイントの設定についてでございますが、児童福祉法施行規則第24条では、保育の必要の程度及び家族等の状況を勘案し、保育を受ける必要性が高いと認められる児童が優先的に利用できるよう、調整するものとされております。また、子ども・子育て支援法施行規則第1条では、保護者の就労や疾病、障がいなど、保育の必要性の事由が規定されており、また、ひとり親家庭や生活保護などの家庭等の状況を勘案し、保育の必要性を指数づけするものとされております。そのため、保育の必要性の高低を基本として利用調整する必要があること、また、他都市においても地域性を考慮したポイントを付与する事例もないことから、本市で導入するにはなお検討すべき課題があると考えております。

 次に、企業主導型保育事業につきましては、一億総活躍社会の実現に向け、内閣府が従業員のための事業所内保育施設を設置する企業に対して、認可施設と同水準の整備費や運営費を助成するものであり、平成29年3月6日現在、市内で19カ所が助成決定を受けております。また、企業主導型保育事業は待機児童対策としても有効であることから、本市といたしましても、企業に対する制度周知や意向調査、設置に関する相談対応や助言、説明会の開催、企業間のマッチング等を実施しておりまして、平成29年度も引き続き事業の実施を検討する企業を支援してまいります。

 次に、潜在保育士の掘り起こしについてでございますが、保育士・保育所支援センターや就職支援研修会、就職準備金及び保育料の一部貸し付けなど、再就職支援策の情報を潜在保育士に広く提供し、活用を促すことが重要と考えております。これまでチラシの配布やポスターの掲示、市ホームページへの情報の掲載等により再就職支援策の周知、広報を行うとともに、ことし2月には県の保育士登録簿の情報を活用してダイレクトメールで再就職支援策の情報を提供し、活用を呼びかけたところでございまして、今後とも、さまざまな手法を用いて再就職支援策の周知、広報を図り、潜在保育士の保育現場への復帰に取り組んでまいります。

 次に、保育所の労働環境についてでございますが、保育士の離職防止につきましては、平成28年6月から県弁護士会及び県社会保険労務士会に委託し、保育士等の労働条件等の相談への対応を行っております。また、各保育所に対しましては、定期指導監査において、労働法規を遵守し経営を行うよう指導を行うとともに、施設長に対する職場環境改善等の研修を実施いたしておりまして、今後とも、各保育所に対し、保育士の離職防止の取り組みを行うよう働きかけてまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 光山住宅都市局長。

住宅都市局長(光山裕朗) 動植物園についての御質問にお答えいたします。

 まず、入園者数の推移につきましては、アジア熱帯の渓谷エリアが完成する前の平成24年度は81万人余、施設が完成いたしました25年度は95万人余、26年度は99万人余、27年度は92万人余となっております。また、平成28年度の見込みといたしましては、82万人程度を予想しております。

 次に、平成29年度の動植物園再生事業の内容につきましては、28年9月に着工いたしました動物園エントランス複合施設の2年目の工事を予定しております。当該施設は動植物園のメーンエントランスといたしまして、園外からも利用できるレストランや売店、また、動物の生態を楽しく学べる動物情報館、地下駐車場などから成る複合施設でございまして、平成30年の秋の完成を予定しております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 橋田和義議員。

6番(橋田和義) 先ほど不妊専門相談センターの役割について回答をいただきましたが、不妊治療に悩んでいる人からは、どの病院に行ったらよいのか、どのような治療法が適切なのかなど、相談は多岐にわたると推測されます。中には、治療に多額の費用を投じたものの結果が出ず、もうやめたがいいのか、まだ続けるべきなのかなど、切実な相談もあるかと思います。その役割を十分に果たすべく、親身になって耳を傾けることはもちろん、不妊治療に悩んでいる多くの方に不妊専門相談センターが新たに設置されたことを知っていただくよう発信をお願いします。

 また、子育て世代包括支援センターについてですが、産後からのケアだけではなく、妊娠中からの支援を広げるべきだという意見をたくさん聞きました。今まで母子手帳は産婦人科が配付していたのを、これからは役所が直接手渡すことになるそうなので、妊婦さんが抱えている問題をより拾い上げやすくなります。そこで、今回新たに設置される子育て世代包括支援センターでは、妊娠中からのサポートをいち早く行うよう要望いたします。

 また、産後サポート事業についても同様です。スタートして間もないことからも、まだ利用者が少ないのは理解できます。しかし、出産後からのサポートだけではなく、出産する前に制度概要の説明を受けることができれば、産後のリスクをより確実に減らすことができるのではないでしょうか。本市として積極的な制度の利用を促すべきだと思いますが、御所見をお伺いします。

 次に、保育園についてですが、需要の高い地域を中心に、引き続き待機児童の解消に向けて整備を進めていくようお願いします。

 また、地域ポイントの提案については、地域からの子どもの見守りや保育園の地域貢献のしやすさはもちろんですが、一番は虐待防止のためです。厚生労働省の調査でも、虐待を受けて死亡した乳児の家庭の7割が地域で孤立していたことがわかっています。同じ地域の園だからこそ、地域の方と協力して見守れる利点があるのです。ぜひとも前向きに御検討いただきますよう要望します。

 ある保育園の園長からは、3歳までは親が愛情をたっぷりと注いで育てるべきとお聞きしました。三つ子の魂百までという言葉があるように、私も全く同意見です。しかしながら、女性の社会進出が進むことで、共働き世代はこれからもますます増加し、保育園の需要は高まる一方です。そこで、私は企業が保育園をつくる企業主導型保育事業の可能性をもっと広げるべきだと思います。先ほど御答弁いただいたように、平成28年度から始まった企業主導型保育事業は、認可外としての扱いながら、認可保育所並みの助成金が国から出ます。また、遅い時間までの延長保育や夜間保育といった多様な従業員の働き方に合わせて柔軟に対応ができ、さらには複数の企業が共同で保育所をつくることができます。現在、19カ所の助成が決定しているとのことですが、まだまだ企業からの望む声は多く、もっと可能性を探るべきです。

 そこで、当初予算では企業主導型保育事業に関するセミナー等を開く予算がついているとお伺いしました。もっと積極的に推し進める施策が必要だと思いますが、御所見をお伺いします。

 また、保育士の確保については、本市としてもさまざまな支援拡充策を検討していることは理解しました。保育士に夢を持ち、せっかく資格を持っているのにもかかわらず、保育士という仕事における処遇の不安から、その仕事につかない人が多いと聞きます。本市が取り組む拡充策についての周知徹底をお願いします。さらに、ひとり暮らしをしている若い保育士が多い本市においては、家賃を補?するなどの支援策も有効だと思います。現場の保育士さんの声に耳を傾けて、できる限りの支援策を検討願います。

 一方で、実際は金銭を含めたところでのさまざまな処遇の問題が指摘されています。保育士の処遇改善は、すなわち保育園の質の向上をあらわします。本市は年1回の監査を実施していますが、果たして保育園の労働環境は健全なのか、きちんとした運営をされている保育園のためにも、現在行われている実態調査の結果を検証した上で、独自の監督基準を設けるなど、しっかりとした指導ができるような体制づくりをお願いいたします。

 次に、動植物園についてです。

 現在、動物園正門の駐車場は、休日でなくてもすぐ満車になります。動物園を目当てに来た方は植物園側に車をとめてから坂を上りおりして動物園にたどり着く状況です。さらには植物園の駐車場も十分とは言えず、特に週末は駐車場にとめることができなかった車が浄水通りを行き来し、渋滞を引き起こしています。本来は公共交通機関で来ていただくべきでしょうが、動植物園は高齢者や小さい子どもを連れた家族連れが多く、駐車場は必要と言えます。

 そこで、動植物園再生事業で整備する駐車台数はどのくらいになるのか、例えば、植物園側の駐車場をさらに立体化するなど、手だてがあるかと思いますが、御所見をお伺いします。

 また、レストランについては動植物園の外からの利用もできるとお答えいただきましたが、今後、運営を民間に委託するとのことですので、レストランの利用者が動植物園に行きたくなるような工夫をぜひお願いします。あわせて、動物情報館ができるとのことですが、六本松に再整備される科学館との連携もできれば、より一層魅力が増すのではないかと思います。

 さて、先ほどリニューアル直後は入園者数が大きく伸びたものの、平成27年度、28年度は入園者数が下がっていると御答弁いただきました。減った理由としては、平成28年6月に入園料を大人600円に改定した影響だけではなく、リニューアルした施設ができてから2年以上がたち、目新しさからの来園者も落ちついてきたことが挙げられます。施設を新しくすることも大事なのですが、やはりまた行きたいと思わせるソフト面の魅力というものが大切ではないでしょうか。それは一つに動物との触れ合いであったり、動物園を通じて環境や命の大切さを学ぶといったことです。

 そこで、先日、埼玉県こども動物自然公園と大牟田市動物園へ視察に行ってきました。埼玉県こども動物自然公園はもともと家畜と少数の鳥がいたぐらいでしたが、現在は200を超える動物たちが暮らしています。広々とした触れ合いスペースでは、豚やヤギ、モルモットがたくさんいて、子どもたちは餌やりだけでなく、ブラシを使い動物を掃除してあげたり、牛の乳搾りが体験できます。もちろん安全なように飼育係がしっかりとついてあげています。

 そして、ここの目玉はフンボルトペンギンの施設です。ちょっとパネルをつくってまいりました。(パネル表示)これがフンボルトペンギンです。広大な敷地にペンギン用のプールと巣箱が設置されていて、お客さんは敷地に入り、ペンギンに餌を上げるなど、触れ合うことができるだけでなく、巣箱で卵を産み、子育てする様子を間近に見ることができます。(パネル表示)これがその巣箱なんですが、実はこの巣箱の丘を越えた向こうに大きなプールがあって、かなり広い施設です。そこでは巣箱のとり合いだったり、雌の奪い合いだったり、さながら人間模様を見ているようなおもしろさがあります。ちなみに、ペンギンといえば常に水の中にいるイメージですが、日中はプールにいて、夕方になると集団で巣箱に帰る姿が名物となっています。埼玉県こども動物自然公園では、ペンギン施設のリニューアル後、その愛くるしいペンギンにファンがふえ、来園者数は年間10万人もふえたそうです。案内いただいた埼玉県こども動物自然公園の副園長は、動物を見て楽しかっただけで終わるのではなく、動物と触れ合うことで命の大切さを知り、さらには食育や環境を学ぶ場であってほしいと力強く言われていました。

 福岡市動物園もペンギン展示施設のリニューアルが計画されていると聞いています。また、そこで飼育されているのは、さきの埼玉と同じフンボルトペンギンだそうですが、このフンボルトペンギンは生息地が南米のチリと、福岡の気候にも比較的近く、生息地と同じ本来の行動が見られるものと期待されます。

 そこで、埼玉県こども動物自然公園のような来園者と触れ合うことができる立派なペンギン展示施設をつくってほしいと思いますが、御所見をお伺いします。

 また、多くの動物園が抱えている問題として、動物の高齢化があります。多くの動物が絶滅危惧種に指定されていて、海外からは飼育環境が狭い日本の動物園には譲りたくないという声も多いと聞きました。動物園の役割として、お互いの動物を融通し、繁殖させなければならず、そのためには動物園水族館協会での横のつながりが大事であります。

 そこで、絶滅危惧種である動物を救うためにも、動物園水族館協会とも連携をしっかりと深め、繁殖を前提にした動物園のあり方が必要だと思いますが、御所見をお伺いします。

 以上で2問目を終わります。

 

副議長(石田正明) 石橋こども未来局長。

こども未来局長(石橋正信) 安心して子どもを生み、育てられる環境づくりについての御質問にお答えいたします。

 まず、産後サポート事業の利用の促進についてでございますが、新たに配置する母子保健相談員が妊娠届け出の際に妊婦と面談し、産後ケア事業や産後ヘルパー派遣事業などの産後早期の子育て支援施策の情報提供を行うなど、周知に取り組んでまいります。

 企業主導型保育事業につきましては、できるだけ多くの企業に実施していただきたいと考えておりまして、平成29年度は商工団体と連携し、効果的に周知を行うとともに、引き続き相談対応や説明会、企業間のマッチングを行うなど、企業の取り組みを積極的に支援し、事業化の促進を図ってまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 光山住宅都市局長。

住宅都市局長(光山裕朗) 動植物園についての御質問にお答えいたします。

 まず、駐車場整備についてでございますが、平成27年度までの駐車台数は動植物園全体で295台でありましたが、エントランス複合施設の地下駐車場の完成によりまして、平成30年度には339台になります。また、今後計画しております植物園駐車場の立体化及び西展望台駐車場の整備を合わせますと、全体の駐車台数は550台となりまして、約250台分増加する予定となっております。

 なお、大型連休中などには周辺道路の混雑が予想されますので、引き続き無料シャトルバスの運行や公共交通機関の利用促進など、混雑緩和に努めてまいります。

 次に、ペンギンの展示施設でございますが、エントランス複合施設の完成後に着手いたしますペンギン展示施設につきましては、水中で活発に泳ぐペンギンの姿を下から見上げながら観察できる大型水槽や来園者が展示エリアの中に入り、より近くでペンギンの親子と触れ合えるウオークスルー方式の整備を予定しております。さらに、夏の暑い時期は子どもたちがペンギンのプールの横で水遊びができるキッズプールの併設も計画しております。

 次に、繁殖を前提にした動物園のあり方についてお答えいたします。

 全国の動物園では、希少動物の高齢化とそれに伴う飼育数の減少が大きな課題となっております。このため、日本動物園水族館協会が繁殖計画を策定し、平成25年度から国内の動物園が連携して希少動物の種の保存に取り組んでおります。この制度によりまして、福岡市ではオランウータンやマレーグマなどを受け入れるとともに、シマウマやテナガザルの貸し出しも行っております。

 なお、海外からの動物の受け入れにつきましては、これまでヒョウやキリンなどを受け入れており、今後とも、海外の動物園との交流についても、検討してまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 橋田和義議員。

6番(橋田和義) お答えいただいた産後サポート事業ですが、産後のストレスから虐待をし、その虐待を受けた子どもが親になり、またみずからが産んだ子どもを虐待する。まさに産後鬱からくる虐待の実態は貧困と同様に深刻化しています。妊娠から出産、幼児期までの子育て期の重要性に着目していただき、子育て支援センターと同様に、妊娠から産後にかけてひとりで悩む人がいなくなるよう、本当の意味での切れ目ない支援というものをお願いします。

 また、企業主導型保育事業については、本市への問い合わせもこれからますますふえてくると思われます。国からの助成金もしっかりと活用し、複数の企業で共同して設置するメリットを伝えるなど、企業間のマッチングも積極的に行い、本市が窓口としてしっかりと機能するよう要望します。

 さて、本市には子育て支援にかかわるさまざまなNPO団体があり、皆さん思いを持って一生懸命に取り組んでいます。その一つとして、赤ちゃん先生という取り組みがあるので紹介します。(パネル表示)またパネルなんですけれども、このように、赤ちゃん先生とは、お母さんらがゼロ歳児から2歳児までの赤ちゃんを連れて小中学校や福祉施設に訪問する事業です。そこで、先日、中学校2年生を対象に行われた授業を見学に、舞鶴小中学校に行ってきました。(パネル表示)この授業は8カ月間で3回行うこととなっていますが、それぞれ四、五人のグループに分かれ、同じ赤ちゃんに8カ月間にわたり接することで、成長を見守ることができます。最初は照れくさそうにしていた生徒も、3回目には赤ちゃんにもなれ、一緒に歌を歌うことができるようになり、会場は笑顔であふれていました。そして、最後は赤ちゃんに向けて感想を書いたお手紙を渡します。その手紙には、一緒に遊んで楽しかった、成長の早さに驚いた、立派に成長してほしいなど、みずからが親になったような気持ちで書かれていました。そして、この手紙は大きくなったときにお母さんが見せてあげるそうです。

 核家族化が進んでいる現在では、中学生くらいになると小さい子どもと接する機会が少なくなります。赤ちゃんを抱っこして触れ合うことで、いとおしく思う気持ちや命の重みを知るきっかけとなり、まちなかでベビーカーを押しているお母さんのお手伝いをしてあげたり、学校ではいじめの予防につながっているそうです。一方で、先生役のお母さんにお聞きしたところ、社会の役に立てることができてうれしい、同じ子育て世代のママ友がふえ、育児の相談ができる、育児を褒めてもらえるなど、皆さん生き生きと答えていました。学校独自で赤ちゃん先生を地域で募集し、授業として取り入れているところもありますが、人集めが大変でなかなか継続できていないのが現状のようです。認知度が高まれば地域からの参加もふえてきて、学校独自の授業も生きてくると思います。このような心ある活動をされているNPOとの共働のもと、ぜひ全市的に活動を広げてもらうよう要望します。

 さて、本市においても子育て支援に関するさまざまな新しい取り組みが始まることを知り、これから期待するばかりですが、いずれの施策も認知度を高める必要があります。世の子育てママ、パパ世代は、ほとんど全員と言っていいほどスマホで情報を得ています。例えば、名古屋市では子育て専用のアプリ、なごみーというのを市が独自に開発しています。出産予定日や子どもの生年月日を入力すると、そのときに応じた情報を自動的に受け取ることができるお知らせ機能だったり、保育所の整備状況、さらには子育て世代の親同士が情報交換できる機能を備えるなど、スマートフォンから簡単に閲覧ができます。一方、本市の市民アンケートでも、知り得たい情報の上位ランキングに、市が主催する子育てイベントとありました。もちろん民間に便利なアプリはたくさんありますけれども、せっかく新しい試みをたくさん打ち出そうとするならば、本市独自のアプリ開発も視野に入れてもよいのではないでしょうか。今後検討いただくよう要望します。

 今回、子育てに関する質問を作成するに当たり、子育てママや子育てパパ、保育園、NPOなど、ヒアリングを重ねてまいりました。皆さん口をそろえて言われるのは、福岡市は子育て支援をとても頑張っているでした。冒頭でも申したように、若者がたくさん移り住んでいるこの福岡市は大きな可能性を持っています。もっと子育て支援策を充実することにより、子育てしやすい都市、出生率ともに全国ナンバーワン、さらには子どもの虐待ゼロを目指していただきたいと切に思います。

 この質問の最後に、安心して子どもを生み、育てられる環境づくりに対する島市長の意気込みをお伺いします。

 次に、動植物園についてです。

 駐車場に関しては土地を最大限に有効利用し、できる限りの駐車台数を確保するよう要望します。

 また、先日視察した大牟田市動物園は昨年、日本一となるエンリッチメント大賞を受賞されています。これは飼育動物が幸福な暮らしを送れるよう飼育方法が工夫されているあかしだそうで、職員が一丸となって動物福祉に取り組んでいる結果と言えます。あるべき動物園の姿、それは展示されている動物をただ眺めて帰る施設ではなく、飼育係と一緒に来園者の皆さんも動物に愛情を持って接する機会を得ることです。埼玉県こども動物自然公園も大牟田市動物園も、たくさんの子どもたちの歓声でにぎわっていました。

 かつては福岡市動植物園でも、アジア熱帯の渓谷エリアが完成した平成25年度にはエンリッチメント大賞を受賞、過去にも日本動物園水族館協会から数多くの繁殖賞を受賞し、ツシマヤマネコの保護増殖活動などの取り組みも評価されてきました。また、夜の動植物園や動物ガイドなどで多くの子どもたちに喜びや感動を与えています。他都市の動物園の取り組みも参考に、動物園のあるべき姿を追求すれば、もっと奥深い何度も行きたくなる施設になるのではないでしょうか。

 これから福岡市動植物園はさらなる施設のリニューアルに向かって進んでいきます。ペンギンの展示施設や動物との触れ合い施設の再整備も視野に入れ、もちろん車椅子やベビーカーで来られる人にも優しい、もっともっと多くの市民に親しまれる動植物園を目指してほしいと願うばかりですが、最後に、島市長の動植物園に対する思いをお伺いし、私の質問を終わります。

 

副議長(石田正明) 島市長。

市長(島宗一郎) 安心して子どもを生み育てられる社会をつくるためには、子育て支援の充実や仕事と生活の調和の実現など、多方面から取り組みを行っていくことが必要であると考えております。福岡市におきましても、市民の皆さんが安心して出産をし、生まれた子どもが健やかに成長していけるよう、出産の前から出産の後、乳幼児期、さらにその先へと、切れ目のない支援に取り組みますとともに、教育、保育の提供体制の確保や多様な保育サービスの充実、企業における子育てに配慮した多様な働き方の推進などの取り組みを着実に進めてまいります。今後とも、安心して子どもを生み育てられる環境づくりにしっかりと取り組んでいきます。

 福岡市動植物園は生き物の姿、生きる力、命の大切さを伝える命の博物館であり、希少種を初めとする動植物の導入に努めるとともに、動物の生息地と同じような環境の再現や、動物本来の習性や動きを見せる行動展示などにより、入園者へ驚きと感動を与える施設へと計画的にリニューアルを進めているところであります。現在、平成30年の完成を目指して、動物の生態を楽しく学べる動物情報館などが入ったエントランス複合施設の整備を進めているところでありまして、今後とも、動物園と植物園が一つの場所にあるという特徴も生かしながら、これまで以上に見る人に感動を与え、子どもたちが夢や希望を持っていろいろな生き物たちに出会える場となるよう、動植物園の再生に取り組んでまいります。以上です。

 

副議長(石田正明) この際、休憩し、午後2時50分に再開いたします。

午後2時38分 休憩  

午後2時50分 開議  

議長(おばた久弥) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を継続いたします。とみなが正博議員。

○38番(とみなが正博)登壇 福岡維新の会のとみなが正博です。まず冒頭、質疑に入ります前に、一昨日の3月6日及び2月12日、日本海に向けて、北朝鮮による長距離弾道ミサイルの発射が強行されました。このような行為は、平和を希求する国際社会への明らかな挑発的行動であり、戦争も誘発しかねないような大変危険な行動であり、我々福岡維新の会は、北朝鮮のこのような蛮行に対して強く抗議をいたします。

 それでは、改めまして、私は福岡維新の会を代表いたしまして、さきの富永周行議員の代表質疑の補足質疑といたしまして、離島を含む九州の各自治体との観光振興における連携について、博多港引き揚げについて、以上2点について質疑を行います。当局の明快な御答弁を期待いたします。

 まず、離島を含む九州の各自治体との観光振興における連携についてお尋ねさせていただきます。

 平成28年に日本を訪れた外国人旅行者は、2,400万人を超え、過去最高となりました。政府は、観光を力強い経済を取り戻すための極めて重要な成長分野と位置づけ、観光立国の実現に邁進しており、今後、2020年には訪日客数を年間4,000万人まで引き上げる目標を掲げています。このため、地域の経済を潤し、ひいては住民にとって誇りと愛着の持てる活気にあふれた地域社会を築いていくことが不可欠とされています。

 このような中、福岡市では、積極的に観光・MICE施策に取り組み、国の内外からの観光客は大きく増加をし、クルーズ船寄港回数は全国第1位、国際会議の開催件数は8年連続で東京都に次ぐ全国第2位となっています。しかし、九州全体で見れば、知名度不足などから思うように交流人口がふえていないケースもあると聞いています。九州最大の都市である福岡市は、九州全体の発展を牽引していくべきであり、それが福岡市の役割であると私は考えております。

 九州の各自治体には、世界遺産を初めとする魅力ある観光資源が多数存在していることから、広域的に連携することは福岡市の観光客誘致にも効果的であると考えます。本市としても、既に九州内の各自治体との観光振興における連携した取り組みをされておられると思いますが、まずはその内容についてお伺いいたします。

 次に、博多港引き揚げについてお尋ねいたします。

 かつて我が国は、アジアの解放と自存自衛のために国民の総力を挙げて大東亜戦争を戦いましたが、米国との圧倒的な物量差と無辜の民間人を狙った非人道的な大空襲や二度にわたる原子爆弾の投下など、米国による日本人無差別大量殺りくにより、昭和20年8月15日、310万人もの日本国民同胞のとうとい命を失いながら、大東亜戦争は敗戦という形で終結を迎えました。

 その後、当時の満州や朝鮮半島などからは多くの日本人引揚者が御帰国を果たされましたが、中には大陸や朝鮮半島などからの引き揚げの途上、祖国の土を踏むことなく、とうとい命を失われた方や愛する御家族を失われた方がおられます。

 満州からの引揚者の証言を一部御紹介させていただきます。

 「引き揚げ途中、子どもは泣いたり大声を出したりして匪賊等に発見され、狙われやすいから捨てるか殺すかせよと言われ、それを実行した人が多数いました。親としては自分の子を手にかけるには忍びず、満人に預ける人もあらわれました。それが今なお続く悲劇、中国残留日本人孤児となっているのです」。現在のこの平和な世の中を守っていくためには、戦争になったらどのようなことが起こるのかを皆が共通認識として想像ができなければなりません。そのためにも、このような戦争の悲惨さを次の世代にもしっかりと伝えていかなければなりません。

 当時、博多港に帰港した引揚船のタラップからは、引き揚げの途上で親を失った多くの孤児たちが続々とおりてきました。孤児となった子どもたちの多くは、栄養失調で体が弱り、皆、痩せこけた子どもたちばかりで、博多区の祇園町にあります聖福寺で、当時、孤児院聖福寮として福岡友の会の看護師やボランティアの女性スタッフの方々によって献身的に子どもたちのお世話がなされました。また、大陸や朝鮮半島で外国人兵士や心ない現地の人間からの強姦、暴行被害に遭われ、心ならずも不法に妊娠をされて、おなかが大きくなった女性が続々とおりてこられたそうです。悲しいかな、いつの時代、どこの世界にあっても、戦争と戦時性暴力は切っても切り離せない関係性にあると言われますが、終戦当時、体の大きな外国人兵士や、それまで同じ地域で生活をしていた現地の人間からの強姦、暴行被害に遭われた女性の方々の恐怖や絶望感はいかばかりであったことでしょう。中には、必死の思いで引揚船に乗船をしながら、将来を悲観して、祖国日本を前にしながら博多港に帰港する前に海に身投げをされる女性も少なくはなかったそうで、引揚船の船内では、厚生省引揚援護局による不幸なる御婦人方へ至急御注意という案内文が回されたほどです。

 不法妊娠をされた女性や性病に罹患された女性に対しては、博多のまちから少し離れた二日市において堕胎手術等の治療が行われていたそうです。当時、妊娠中絶は法律で禁止されておりましたが、不幸なる彼女たちをこのまま見過ごしにはできないという医師や看護師の方々の、それはまさに職を賭して行われました人道的行為でありました。同様の問題はどの引揚港でも同じくあったようで、佐世保港では佐賀県の佐賀診療所や中原療養所において、また、舞鶴市では港のすぐそばにあった海軍病院で不法妊娠をされた女性を受け入れていたそうです。福岡においては、九州大学でも堕胎手術が行われていたようです。

 当時の証言記録では、ほろもついていない軽トラックに連日5人から10人の不法妊娠をされた女性や性病に罹患された女性が二日市保養所へと連れてこられていたそうですが、多くの女性が男性のように髪の毛を短髪にし、顔にすすを塗り、服装も男装をされて、少しでも男に見えるようにとされていたそうです。「既に暴行を受け妊娠しているのに、もうこれ以上、二度と暴行被害に遭わないようにとの思いからだったのではないでしょうか」とは、当時の看護師の方の証言です。中でも終戦時、ソ連軍が侵攻してきた満州や朝鮮半島北部から引き揚げてこられた女性は、特に男装をされた方が多かったとの証言記録も多く残されています。また、引き揚げ当時の写真の中には、靴もはかずにはだしのまま博多港へ引き揚げてこられる女性も多く、いかに大陸や朝鮮半島からの引き揚げが困難なことであったか、まさに筆舌に尽くしがたい大変な思いをされながらの御帰国でありました。驚くべきは、まだ数え年10歳にも満たないような女児たちも、暴行被害に遭わないようにと髪の毛を短くして男の子と同じような身なりであったそうです。当時、福岡女学院の教職を離れ、聖福寮で主任保母として孤児たちのお世話をされてこられた石賀信子さんの証言記録には、「男の子はもちろんですが、女の子も坊主頭でした。逃げる途中の身を守るために男の子の格好をしていたのです」とあります。

 二日市保養所に話を戻しますが、当時は母体保護法もない時代でしたから、二日市保養所の堕胎手術には麻酔も使用されていなかったそうです。当時、看護師をされていた方の証言記録を御紹介させていただきます。「多くの女性が手術中は声も上げずに必死に痛みと苦しみに耐えられていました。中には、ちくしょう、悔しいとうめき声を上げながら手術中に亡くなられた年若い女性もおられました。今も忘れることができません。多くの女性が言葉を失ったかのように何にもしゃべられず、また、いまだ年若い女性は、それこそ自分の身に一体何が起こっているのかもよく理解できていないようにも見受けられました。また、堕胎手術を受けられている女性に握り締められた手の痛みが今もしっかりと残っています」と述べられています。当時の二日市保養所は秘密病院とも呼ばれており、公式な記録がほとんど残されていないため、当時の関係者の証言記録でしか推しはかることはできないのですが、堕胎された胎児の数は少なくとも400体から700体以上とも言われ、その多くが当時の二日市保養所周辺の桜の木の下に埋められていたそうです。

 数少ない記録の中、昭和21年6月10日付の当時医務主任であられた橋爪医師の報告記録の中では、不法妊娠を地区別に分類し、朝鮮人によるもの28、ソ連人によるもの8、シナ人によるもの6、米国人3、台湾人、フィリピン人各1なりと記載されております。これまで一般的には、終戦時に日本人女性が受けた暴行被害は主にソ連軍の侵攻によるものと言われてきましたが、このあたりの検証も今後は本市が責任を持って取り組んでいくことが必要ではなかろうかと考えています。

 私は、今回の質問に当たり、二日市保養所にも何度かお伺いさせていただきましたが、現在、その跡地は特別養護老人ホームとなっており、裏手の駐車場の片隅に「仁」と記された石碑があり、その隣には水子供養のための母子地蔵尊が祭られ、幼児用のお菓子などがお供えされています。毎年5月14日には慰霊祭がとり行われています。

 本市のふくふくプラザ内の引揚資料展では、この二日市保養所について、女性の患者のための二日市保養所との表記があるだけで、これでは引き揚げ後に温泉に入って治療を受けたとの誤解を招きかねません。多くの日本人女性が犠牲となられたあのような悲劇をもう二度と起こさせないためにも、本市のこのような戦争の歴史の隠蔽体質は即刻改め、博多港引き揚げの歴史、戦争の事実を包み隠さず公表すべきです。

 かつて、ソ連及び朝鮮半島北部からの引揚船の船長を務められました故糸山泰夫さんは、その手記でこのように述べられております。平和を守るためには、戦争の悲惨さを知ることであり、その史実を風化させないよう次の世代に伝えることが大切なんです、と。

 ここで少し大きなお話をさせていただきますが、これまで我が国は、さきの大東亜戦争を振り返るときに、アジアを初めとした諸外国に対して何をしてきたのかということばかりに焦点が当たり過ぎてきたように私は思っておりまして、本来、戦争を知り、戦争から学ぶということは、日本が何をしてきたのかということだけで済ませられるような話ではなく、それと同時に、逆に日本人は何をされてきたのか、また、我が国は諸外国から何をしてもらい、何をしてあげたのか、それら戦争の表も裏も全てを、決して一方に偏ることなく公平、公正に検証し、戦争の記憶と記録の事実をありのままに後世に伝えていかなければならないものと考えます。

 ここに朝鮮半島北部からの引き揚げ体験者の手記を御紹介させていただきます。

 夫をシベリアに抑留され、2人の子どもを失いながら、祖国日本へ引き揚げてこられた女性の体験談です。「絶対経験したくなかった悲しい嫌な人生経験の中で、心和むときがあったことはせめてもの救いであった。それは国同士は敵であったとしても、その国の人々はそれぞれ優しく、人間として通じ合うものがあったことだ。元山のまちで知り合ったソ連人は、流暢な日本語でよいアドバイスをしてくれて本当にうれしかった。また、朝鮮人の青年に煮炊き用燃料にと木くずをもらって本当に助かった。移動中、娘にお餅をと、私を笑顔で慰めてくれたオモニたち。朝鮮の人たちとの温かい交流も懐かしく思い出される」。このような大変貴重な引揚者の証言記録をこれまで本市では一体どのくらいの方から聞き取り調査を行ってきたのでしょうか。特に博多港引き揚げについては、これはもう本市の責務としてしっかりと検証し、正しく後世に伝えていかなければなりません。戦争体験者が年々減少していく中、本当に急がなければなりません。少なくとも、当時の引揚指定港としての歴史を持つ他の自治体とせめて同等程度の取り組みを行っていくことは、戦後最大級の引揚港であった博多港を抱える本市としては、当然なされるべき未来への責任であると考えます。

 終戦後、博多港では、わずか1年半の間に139万人もの日本人引揚者を受け入れました。それは、佐世保港が4年半で139万人、また、舞鶴港が13年間で66万人の引揚者の受け入れだったことと比べましても、いかに博多港での引き揚げが大変な事業であったかがわかります。また、当時日本におられた中国や朝鮮半島の人々、およそ50万人の祖国への御帰還の役割も担いました。まさに、博多港引き揚げとは戦争の記憶そのものなのです。現在では、乗客数3,000人規模の大型クルーズ船が連日のように着岸しております。日本一のクルーズ船寄港回数を誇ります博多港ですが、戦後すぐの大変困難な状況下におきましても、博多港は我が国の重要な拠点港としての役割を果たしてきたのです。これは、本市が昭和5410月に発行いたしました福岡の歴史市制九十周年記念という冊子において、博多港は港の全機能を発揮して、国家的大使命を果たしたのであった、と力強く記していることからもうかがい知ることができます。

 そこで、この郷土における戦争の記憶としての博多港引き揚げについて、福岡市としては、次の世代につないでいくためにこれまで具体的にどのような取り組みがなされてきたのか、まずはその取り組み状況についてお伺いいたします。

 次に、博多港引き揚げに係る過去3年間の予算額の推移をお示しください。

 きょうも傍聴にお見えになられておられますが、引揚げ港・博多を考える集いの皆様方の長年にわたります御活動、御尽力によりまして、平成8年3月に本市は中央ふ頭に博多港引揚記念碑「那の津往還」を設置いたしました。このモニュメントを囲むように、引き揚げ関係者7団体によります桜の木の記念植樹がなされております。平成2311月には、ふくふくプラザ内に引揚資料展示が常設されましたが、しかし、博多港引揚記念館の開設にはまだ至っておりません。

 市では多くの資料を保有しているにもかかわらず、収蔵庫に保管したままで、展示室内の展示物の入れかえはこれまで一度もなされておりません。なぜでしょうか。ふくふくプラザの引揚資料展の入場者数が年々減少の一途をたどっておりますのは、これまで展示資料の入れかえが一度もなされてこなかったことがその大きな要因の一つではないかと考えますので、展示資料の入れかえを早期に実施していただきますよう要望いたします。

 また、ふくふくプラザ内の展示室にはなぜ説明員がいないのでしょうか。他都市の引揚記念館同様に説明員を配置すべきと考えます。引揚資料展示室内に説明員がいないのは、御来場いただいた方々に対して余りにも不親切ではないかと考えますし、市内外からの御来場者に対して本市の姿勢も問われます。他都市のように、学芸員の配置や博多港引き揚げについての語り部の方々への御協力をお願いすることなども含めまして、説明員の配置を早急に御検討いただきますことをあわせて要望いたします。

 私は、舞鶴市と佐世保市の引揚資料館を視察してまいりましたが、展示スペースも展示点数も全く比べ物になりません。

 そこで、野見山局長にお尋ねいたしますが、現在、ふくふくプラザ内にあります引揚資料展の展示場所をもっと多数の引き揚げ資料が展示できるような広い場所へと再検討されるお考えはございませんでしょうか、御所見をお尋ねいたします。

 次に、光山住宅都市局長にお尋ねいたします。

 ウォーターフロント地区の再整備計画により、博多港の引揚記念碑と記念樹がなくなってしまうのではないかとの懸念の声が引き揚げ関係者からも寄せられておりますが、本件に関しまして、引き揚げ関係者の皆様の御不安を払拭いただけるような明快な御答弁を期待して、御回答を求めます。

 続きまして、星子教育長にお尋ねいたします。

 福岡市内の各小中学校では、博多港引き揚げについて、児童生徒へはどのように教えられているのでしょうか、お尋ねいたします。

 1回目の質問の最後に島市長にお尋ねいたします。

 私は、戦後の博多港引き揚げの歴史を通して、戦争の記憶を、また、平和のとうとさを次の世代に引き継いでいくことはとても重要なことであると考えますが、島市長の御所見をお伺いいたします。

 以上で1回目の質問を終わりまして、2回目以降は自席にて御質問させていただきます。

 

議長(おばた久弥) 重光経済観光文化局長。

経済観光文化局長(重光知明) 九州の各自治体との観光振興における連携に関する御質問にお答えをいたします。

 九州各地には、独特の自然や文化など魅力ある観光資源が数多く存在しており、各自治体と連携し、広域での観光客誘致に取り組むことは、福岡市への誘客に効果的であるとともに、九州観光の発展にもつながるものと考えております。このため、福岡市では、北九州市、熊本市、鹿児島市と連携した九州縦断観光ルート協議会などにおいて共同での現地プロモーションや旅行会社の招請事業などに取り組み、広域観光コースの商品化を促進しております。また、平成28年度からは、新たに直行便で結ばれた壱岐、対馬、五島、屋久島の自治体と連携した福岡市・九州離島広域連携事業を開始し、それぞれの地域の魅力と福岡市とのアクセス利便性を国内外に発信いたしているところでございます。以上でございます。

 

議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。

保健福祉局長(野見山 勤) まず、博多港引き揚げに関する取り組みでございます。

 平成5年から市政だよりや新聞で市民に引き揚げ資料の情報提供の呼びかけを行うとともに、アメリカ国立公文書館より写真などの資料を購入するなど資料の収集に努めまして、現在2,603点の資料を保有してございます。また、平成5年9月に引き揚げ関係者、学識経験者などで構成された福岡市博多港引揚記念碑等検討委員会を設置し、引揚記念碑の建設及び引き揚げ資料の展示のあり方について検討を行っております。同検討委員会の検討結果を受けまして、平成8年3月には引揚記念碑、那の津往還を中央ふ頭に設置し、また、平成11年には博多港開港100周年を迎え、博多港引き揚げ記念事業として記念式典や引揚資料展を開催しております。その後、平成2311月より、ふくふくプラザにおいて引き揚げ資料の常設展示を行っているところでございます。

 次に、引き揚げに関する過去3年間の予算でございますが、ふくふくプラザの常設展示及び引揚記念碑の維持、保守費用といたしまして、平成27年度は48万円、平成28年度は427,000円、平成29年度は85万円でございます。

 次に、引き揚げ資料の展示場所でございますが、福岡市博多港引揚記念碑等検討委員会におきまして引き揚げ資料の展示のあり方について検討が行われまして、平成12年の報告において、資料の収集状況、資料の種類、点数などを踏まえると、単独で資料館を設置し、運営していくことは難しいと思われ、公共施設の一部を活用して展示を行う方策等が適当であるとされたところでございます。このため、引き揚げ資料の常設展示が可能な公共施設の検討を行い、10年後の平成23年にふくふくプラザでの常設展示に至ったところであり、現在の設置場所が適当であるというふうに考えてございます。以上です。

 

議長(おばた久弥) 光山住宅都市局長。

住宅都市局長(光山裕朗) ウォーターフロント地区の再整備につきましては、平成28年3月にウォーターフロント地区再整備構想を策定いたしまして、中央ふ頭西側から埠頭基部のエリアにおきまして供給力不足となっているMICE機能や海のゲートウェイ機能の強化、日常的なにぎわいの創出など、現在、事業化に向けた検討を進めているところでございます。

 議員おただしの中央ふ頭マリンメッセ西側にございます博多港引揚記念碑及び記念植樹につきましては、博多港引き揚げの歴史や記念碑設置の趣旨を踏まえまして、所管する保健福祉局などと協議してまいります。以上でございます。

 

議長(おばた久弥) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 博多港の引き揚げにつきましては、中学校数校において、社会科の授業で大陸からの引き揚げについて学習する際に博多港の歴史について触れております。なお、平和に関する学習につきましては、各学校が児童生徒の実態に応じて、福岡大空襲、広島や長崎への原爆投下、太平洋戦争開戦などを取り上げ、戦争体験者の話や資料をもとに全ての小中学校で行っております。以上です。

 

議長(おばた久弥) 島市長。

市長(島宗一郎) 博多港は、我が国とアジアの海の玄関口として発展をしてきましたが、終戦直後には日本最大級の引揚援護港として、およそ139万人の日本人引揚者を受け入れて、また、当時日本におられた朝鮮半島や中国の人々およそ50万人を国へとお送りいたしました。この博多港の引き揚げの歴史を通して福岡市が経験をした悲惨な戦争の体験を風化させることなく、平和のとうとさを後世に伝えていくことは重要であるというふうに認識をしております。以上です。

 

議長(おばた久弥) とみなが正博議員。

○38番(とみなが正博) 離島を含む九州の各自治体との観光振興における連携についてお尋ねします。

 九州には離島が多く、各離島ともにそれぞれ独特の魅力を持っているにもかかわらず、九州本土と物理的に離れていることから、観光振興という点では伸び悩んでいる状況にあると思います。以前、私は対馬に行ったときに、地元の方々との懇親会の場で若手経営者、JCのメンバーとお話ししましたが、韓国からの観光客頼みという現状を我々は決してよしとはしていない、できれば九州から多くの方に観光に訪れてもらいたいと語っておられました。詳しく話を聞いてみますと、やはり外国人観光客は国際関係の変化によって大きな波があるからだと答えられました。そして、観光客をふやしていくためにも福岡市の力をかりたいと言われたことが心にずっと残っていました。先ほど重光局長からの御答弁にありました福岡市・九州離島広域連携協議会がまさにそれに当たると思いますが、本協議会の設立の趣旨と平成28年度の取り組みについてお伺いいたします。

 次に、博多港引き揚げについてお尋ねいたします。

 先ほど島市長から前向きな御答弁をいただきました。しかし、本市の取り組みは、必ずしもそのようになっていないと感じています。私はこの質問に当たり、浦頭記念館、舞鶴引揚記念館を視察で訪れましたが、両市の引き揚げの歴史、戦争の記憶の継承におけるすばらしい取り組みについても幾つか御紹介をさせていただきながら、以下、御質問を続けさせていただきます。

 まず、本市ではなぜ平成5年及び10年の引き揚げ資料の募集以降、引き揚げ資料の受け入れをストップされているのでしょうか。これはとても理解に苦しむことです。平成12年に検討委員会から出された報告書では、引き揚げ資料の収集状況を踏まえ、資料館設置は難しいとの結論に至ったようですが、それから既にもう17年も経過しております。いつまでこの報告書に縛られているのでしょうか。うがった見方をしますと、初めから資料館建設NGありきで、そのため、本市として資料の募集にも力を入れてこなかったのではないかとの指摘さえ受けかねません。本市が引き揚げ関係者を初め、市民の皆様からの引き揚げ資料の募集をストップしてきたこの17年間の間にどれほどの貴重な資料が喪失してきましたでしょうか。

 一方、舞鶴市では常時引き揚げ資料の受け入れを行っており、長年にわたる資料の収集により、平成27年には舞鶴引揚記念館の資料570点がユネスコの世界記憶遺産に登録をされております。本市には、再度引き揚げ資料の募集を実施していただくことを強く要望いたします。

 また、本市の保有しております資料2,603点のうち、ふくふくプラザ内に展示されておりますのがわずか118点、引揚者やその御家族から本市へ御提供いただきました大変多くの貴重な資料は、残念ながら、その大半が福岡市総合図書館の収蔵庫に眠ったままとなっております。これは大変もったいないことですし、引き揚げ関係者がこれからの時代は平和な世の中であってほしい、そのために私の持っているこの資料がお役に立てるのならと、引き揚げに係る大切な貴重な資料を御寄贈いただきました引き揚げ関係者やその御家族の思いにも福岡市として応え切れてはおりません。

 例えば、佐世保市にあります浦頭引揚記念資料館では、本市とは対照的に資料館へ提供された811点の資料の大半であります714点が展示をされております。本市とはまるで真逆の取り組み状況です。浦頭記念館では、当時の軍服や弁当箱、水筒などの貴重な提供物がガラスケース内だけではなく、ガラスケースの外にも展示されております。それは、来館者に戦争の記憶を五感で感じてほしい、特に子どもたちにはそのほうが教育的効果も大きいのではないかとの御判断のようです。このような佐世保市の考え方、取り組み状況には大変学ぶべき点が多いと感じております。野見山局長には、本市の保有する貴重な引き揚げ資料をただただ収蔵庫内に眠らせておくのではなく、他都市の事例のようにしっかりと生かしていく方向で御検討いただきますよう強く要望いたします。

 これまで厳しいことばかり申し述べましたが、一方、福岡市では、保有する引き揚げ資料のうち約500点を市のホームページ上から市民の皆様が自由に閲覧できるようにされておられます。このような取り組みは本当にすばらしいと感じておりますので、今後も継続いただきますようよろしくお願い申し上げます。

 先ほど光山住宅都市局長から御答弁をいただきましたが、改めてウォーターフロント地区の再整備計画によって博多港の引揚記念碑と記念樹が撤去されるようなことがないように要望しておきます。

 京都府の舞鶴港は、有名な岸壁の母でも知られておりますが、当時、多くのシベリア抑留者が御帰国を果たされました引揚港であります。その舞鶴市では、毎年、語り部養成講座が開催されており、親が引揚者であられた方やあるいは地元の中学生など受講生の年齢層は10代から80代までと幅広く、今回、最年少の中学2年生の女子生徒3名は、まだまだ知らないことが多く、講座を通じて知識を深めたい、小学生の子たちにもわかりやすく教えられるようにしたいと抱負を語っています。年々、戦争体験者が減少していく中で、舞鶴市のこういった語り部養成講座のような取り組みは非常に参考になると思いますので、ぜひ本市でも御検討ください。

 また、舞鶴市では、戦後に引揚指定港とされた全国の当該自治体との引揚資料展の共同開催を去年から順次開催されておられます。昨年9月は横須賀、11月には呉、そして、ことし2月には東京での首都圏キャンペーン、そして、今月は同じ九州の佐世保市が舞鶴市との引揚資料展合同開催をすることが決定しています。しかし、残念ながら、この中に戦後最大級の引揚港であった博多港を擁する本市は入っておりません。私は、この話を舞鶴市の引揚記念館の館長様からお伺いしたときに、本当に恥ずかしさで顔から火が出る思いでした。すぐその場でぜひ福岡市とも引揚資料展の共同開催をお願いしますと頭を下げてまいりました。はっきり申しまして、本市は博多港引き揚げの歴史について、後世へとしっかりとつないでいこうという意識に欠けています。引揚港としての歴史を持つ他の自治体に比べて、この取り組みについては明らかにおくれていると言わざるを得ません。博多港引き揚げの歴史を次の世代にしっかりとつないでいくためにも、他の自治体との連携はとても重要だと考えますが、野見山局長の御所見をお尋ねいたします。

 2回目の質問の最後に星子教育長にお尋ねいたします。

 市内の各小中学校で使用されております教科書をそれぞれ拝見いたしましたが、どちらの教科書にも引き揚げについては記載がしっかりとなされています。しかし、福岡大空襲については、とちらの教科書にも詳細な記載はないのですが、しかしながら、郷土の戦争の記憶として福岡大空襲のことは各学校現場において児童生徒へしっかりと教えられています。私は、福岡市内の各小学校を順次視察で回らせていただいておりますが、6月にはどの小学校でも学校を挙げて福岡大空襲の教育をされていました。しかし、なぜ同じ郷土の戦争の記憶であるはずの博多港引き揚げについては余り教えられていないのでしょうか。この点、教育委員会としては一体どのようにお考えでしょうか。現状のままでよいと考えられているのでしょうか。

 例えば、佐世保市では市内の各小中学校に引揚資料館の案内をされているようで、そのことにより、授業の一環として児童生徒が引揚資料館を訪れる機会がふえているそうです。博多港引き揚げに関する教育について、本市の教育委員会としても市内の各小中学校への積極的な働きかけが必要ではないでしょうか。郷土福岡における戦争の記憶として、福岡大空襲同様に博多港引き揚げについても児童生徒へしっかりと教育されるべきであると考えますが、星子教育長の御所見をお尋ねして、2回目の質問を終わります。

 

議長(おばた久弥) 重光経済観光文化局長。

経済観光文化局長(重光知明) 九州の各自治体との観光振興における連携に関する御質問にお答えをいたします。

 まず、福岡市・九州離島広域連携協議会の設立趣旨についてでございますが、世界遺産や日本遺産などに認定された独特の魅力を有している離島と、九州のゲートウェイであり、都市型観光に強みを持つ福岡市が連携し、共同で観光客プロモーションに取り組むことにより、福岡市をハブとした交流人口の拡大や関連人材の育成を図り、地域経済の発展につなげていくことといたしております。

 次に、平成28年度の取り組みについてでございますが、福岡市と各離島は空路、海路の直行便でわずか1時間程度で結ばれておりますが、このことが余り知られておらず、急増している福岡市への観光客が各離島を次の訪問地として認識していない要因の一つとなっているものと考えております。このため、平成28年度は専用ホームページやプロモーション映像の制作、テレビや雑誌、新聞などのメディアを活用した国内外への観光情報の発信、首都圏での各種イベントでのブース出展やセミナーの開催など各離島の魅力と福岡市とのアクセス利便性を伝える取り組みを実施したほか、福岡市からの離島への旅行商品の造成を促進するなどにより、知名度の向上と誘客の促進に取り組んだところでございます。以上でございます。

 

議長(おばた久弥) 野見山保健福祉局長。

保健福祉局長(野見山 勤) 引き揚げに関し、他都市との連携についてですが、舞鶴市の舞鶴引揚資料館がほかの引揚港と共催で全国巡回展を実施されておられることは承知してございます。その中で、福岡市での開催も検討されておられるというふうに聞いておりますので、実施の際には連携してまいりたいと考えてございます。以上です。

 

議長(おばた久弥) 星子教育長。

教育長(星子明夫) 平和に関する学習につきましては、各学校が教科、道徳、学級活動、学校行事など全ての教育活動において児童生徒の発達段階に応じた適切な指導を行っており、平和を愛する心情や態度の育成に努めております。どのような題材を活用して指導するかは、学習指導要領の目標や内容を踏まえ、児童生徒の実態に基づき、各学校が選択しております。以上でございます。

 

議長(おばた久弥) とみなが正博議員。

○38番(とみなが正博) 観光振興です。

 壱岐や対馬や五島列島、屋久島など福岡市から1時間で行けるというこのアクセスのよさは大変魅力的であり、やはり大きなPRポイントとなるのではないでしょうか。局長、御答弁いただきましたけれども、結構、でもこのことを御存じない方がいらっしゃると思います。

 そこで、今後、福岡市民はもとより、国内外の方々に、より離島の魅力をPRしていく必要があると考えます。この質問の最後に、福岡市・九州離島広域連携協議会の平成29年度の取り組みと予算額、あわせて平成29年度の他の自治体と連携した観光客誘致の取り組みについてお伺いいたします。

 最後に、博多港引き揚げについてお尋ねいたします。

 引揚港としての歴史を学校教育に取り入れるに当たり、京都府舞鶴市の取り組みが大変参考になると思いますので、御紹介させていただきます。

 舞鶴市では、市内全18校の全ての小学校6年生にふるさと学習が行われています。それは、まずは引き揚げ資料の現物を持って学芸員の方が事前学習という形で児童に対して出前授業を行い、その後、体験学習として引揚記念館の見学を授業の一環として組み込まれているそうです。地元紙に掲載されました小学6年生の女子児童の手記を拝見させていただきましたが、そこには引き揚げを受け入れた舞鶴の人たちの優しさ、舞鶴に生まれたことを誇りに思いますとつづられておりました。舞鶴市では、まさに郷土に根差した平和教育を行うことによって、結果として郷土愛まで育まれております。

 実は、本市でも南区の野間中学校の放送部員8名が引き揚げ体験者からのお話を伺いに出向き、取材の状況を昼の校内放送で報告するなど博多港引き揚げについて積極的に学んでおります。このことは教育長も御存じかとは思いますが、生徒たちは御高齢の引き揚げ体験者に出会うたびに、自分たちが話を受け継いでいかなければと強く考えるといいます。私も引き揚げ体験者のお一人から直接お話を伺いました。その方は、子どもたちが自発的に来てくれたんですよ、引き揚げの記憶を語ることのできる人が減っており、せっぱ詰まった思いがあります。子どもたちが関心を持ってこのように語り継いでくれるのは大変うれしいと優しくほほ笑まれました。

 また、昨年は筑紫野市の二日市中学校で毎年恒例の平和劇の題材に引き揚げを選んでおります。生徒たちは、自分たちが戦争の記憶を伝えていかなければと思いました。二度と戦争を起こさないためには、引き揚げの歴史やその背景を知ることが大切だと感じましたなどと語っております。このように、児童生徒は引き揚げを初めとする戦争の記憶を学びたい、語り継いでいきたいと純粋に思っております。また、引き揚げ体験者の方々も次の世代に語り継いでいきたいという思いを強くお持ちになられておられます。教育長、果たして本市の教育委員会として、このような生徒や引き揚げ体験者の方々の思いに十分に応え切れていると言い切れますでしょうか。

 そこで、星子教育長、市内全ての小中学校に対して、福岡大空襲についての教育と同様に博多港引き揚げについての教育にもしっかりと力を入れていくようにとの通知をお出しいただけるよう要望いたします。

 また、福岡大空襲と博多港引き揚げという郷土の戦争の記憶について、児童生徒がしっかりと学べるような本市独自の副読本を新たに作成されるなど御検討されてみてはいかがでしょうか。郷土の戦争の記憶を通して平和のとうとさを学んでいく取り組みが必要だと考えますので、あわせて御要望いたします。

 最後に、島市長にお尋ねいたします。

 さきの大東亜戦争におきまして、この郷土福岡での象徴的な戦争の記憶であります福岡大空襲及び博多港引き揚げを2大テーマとした福岡市平和資料館の新設並びに市民の憩いの場としての平和記念公園の整備を御検討いただきたいと考えております。代表質問におきましても複数の会派から要望が上がっておりましたが、戦争の記憶の継承、平和のとうとさを次の世代にもしっかりとつないでいくためにも、現在進行中のウォーターフロントの再整備計画にあわせて、ぜひとも島市長に御英断をいただきたい。今しかないと思っています。広島、長崎あるいは舞鶴、佐世保の例に見ましても、多くの自治体では平和記念公園内に平和記念資料館が設置をされています。市長、今後の福岡市は、平和においてもアジアのリーダー都市を目指すべきであり、国内外の観光客が多く訪れます本市に平和記念資料館が新設されますことは、国際的に見ても大きな意味があると思いますし、福岡市民にとりましても、戦争の歴史を学びながら、市民の憩いの場としてもくつろげる空間の創出は望まれているものと思われます。

 舞鶴引揚記念館は、平成25年に3億7,000万円をかけてリニューアルされ、予算4億円規模の第2期整備計画におきまして抑留体験室の整備が計画されています。これは、当時のシベリア抑留時の空間を再現することにより、特に若い世代の方々がシベリア抑留や引き揚げについての理解や共感を高めることが目的とされています。年々、戦争を体験された方が少なくなっていく中で、やはり今こそ、子どもたちや若い世代の方々に戦争の記憶をしっかりとつないでいくことが求められております。

 お隣の北九州市では、戦争の記憶の風化に危機感を持たれた北橋市長が平和記念資料館の新設を検討されておられます。昨年の12月議会で、戦争を知る世代がいない時代を迎えつつあり、後世に伝える最後のチャンス、映像や音響技術を駆使して心に訴える施設にしたいと話されておられるそうです。やはり流れはこちらにあるんです。世界情勢が不透明感を増している今こそ、戦後一貫して平和国家として道を歩んでまいりました我が国こそが国内外に戦争の悲惨さや平和のとうとさを発信していく役割が求められております。島市長は、私のこの引き揚げの質問の冒頭に、平和のとうとさを後世に伝えていくことは重要なことであると認識していますとお答えになられました。しかし、先ほどの関係局長のやる気のない御答弁内容では、何も前に進まないのではないでしょうか。

 そこで、今回、私は島市長の強いリーダーシップに大きな期待を持っています。市長、例えば、福岡城の復元整備に要する費用を市民の皆様から募っております福岡みんなの城基金ですが、平成28年度1月末現在で3,000万円余もの市民の皆様からのお心が寄せられておりますが、引き揚げの歴史を後世につないでいくために資料館を設立された佐世保市も舞鶴市も、ともに資料館設立に向けては、当初、広く市民に募金のお願いをされてこられたそうです。

 そこで、最後に、福岡市としても戦争の記憶を継承し、平和のとうとさを次の世代にもしっかりとつないでいくためにも、福岡市平和記念資料館の新設及び平和記念公園の整備を検討することにつきまして、市民の皆様からの御寄附を募ることも含めまして、島市長の御所見をお伺いいたしまして、私の補足質疑を終わります。

 

議長(おばた久弥) 重光経済観光文化局長。

経済観光文化局長(重光知明) 九州の各自治体との観光振興における連携に関する御質問にお答えをいたします。

 まず、福岡市・九州離島広域連携協議会の平成29年度の取り組みについてでございますが、平成28年度に制作いたしましたホームページや映像などのPRツールを活用しながら、海外や首都圏をターゲットにした現地でのPRや、メディアを活用した観光情報の発信に引き続き取り組みますとともに、旅行会社や交通事業者などと連携して新たな旅行商品の造成を促進するなど具体的な観光客誘致を進めてまいります。

 また、平成29年度の予算額は1,200万円で、このうち600万円につきましては、国の地方創生推進交付金を活用する予定でございます。なお、各離島の5自治体も同額の予算の計上を行われているというふうに伺っております。

 次に、平成29年度における他の自治体と連携した取り組みにつきましては、博多祇園山笠を初め、九州でユネスコ無形文化遺産に登録されました5つの山、鉾、屋台を一堂に集めたイベントを福岡市で開催しますほか、「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の世界遺産への登録が決定しました場合には、福岡都市圏17市町などで構成する福岡地区観光協議会におきまして、共同プロモーションを実施することとなっております。九州各自治体と連携した観光プロモーションにつきましては、福岡市への誘客の促進に加え、九州観光の発展につながるものと考えており、WITH THE KYUSHUの観点から、今後とも積極的に取り組んでまいります。以上でございます。

 

議長(おばた久弥) 島市長。

市長(島宗一郎) さきの大戦を通しまして、我が国は戦争の悲惨さを身をもって経験しますとともに、平和が何よりもとうといものであることを深く心に刻んでおります。福岡市におきましても、多くの方が戦禍の犠牲となられ、かけがえのない多くのものを失い、博多港には終戦直後、多くの方が苦難の中、異郷の地より引き揚げてこられた歴史がございます。二度と戦争を繰り返してはならないという願いは、全人類共通のものであるとともに、全国民、そして市民の願いであるとも考えております。

 福岡市では、博多港引き揚げの歴史や戦争体験を通して平和のとうとさを後世に伝えるため、ふくふくプラザにおける引き揚げ資料の展示のほか、福岡大空襲の日に戦没者合同追悼式を実施し、また、博物館においては、戦時関係資料の常設展示や福岡大空襲の日を含む期間に毎年企画展を開催するとともに、小中学校において平和に関する学習を積極的に行っているところでございます。今後とも、戦時関係の記録や資料の収集及び展示の充実に努めるなど平和に関する取り組みを実施することによって、戦争の悲惨さを風化させることなく、平和のとうとさを後世に伝えていきたいと考えております。以上です。

 

議長(おばた久弥) 鬼塚昌宏議員。

○33番(鬼塚昌宏)登壇 維新の会、とみなが正博に続き、みらい福岡から鬼塚昌宏が質問させていただきます。よろしくお願いします。

 私は、みらい福岡市議団を代表し、国分徳彦議員の代表質問の補足質疑として、農林水産業の活性化について、埋蔵文化財センターの収蔵庫整備について、自転車の通行空間整備とマナーの周知、啓発について、以上3点について質問をいたします。

 まず最初に、農林水産業の活性化についてお尋ねします。

 昨年9月下旬から10月初めにかけて、欧州3カ国の林業の状況を視察いたしました。最初の視察地であるフィンランドでは、全体的に森林が平地であることから大型の林業機械を使った伐採が可能で、作業効率が極めて高い状況にあること、木材生産の過程で発生した樹皮やのこくずは火力発電所の燃料用として、また、チップは紙パルプの原料として、100%余すことなく利用されている実情を確認いたしました。

 次に、バルト三国にあって、スーパー森林地帯を持つラトビアで森林資源の活用状況をお聞きし、北欧最大の合板メーカーでは木材加工の現場を視察いたしました。同社では、木材の加工を初め、販売手法について御教示いただくとともに、使用する木材量が再生量を上回らないよう、つまり森林が枯渇しないよう計画的な植林などを通じ、しっかりと管理がなされていました。

 最後に、我が国同様、比較的険しい山々のもとで林業を振興しているオーストリアを訪問しました。オーストリアでは、林道などの整備率が高く、効率的な林業機械の活用により、木材の生産、運搬、利用のシステム化が進んでいました。日本の林業の現状として、たびたび聞く切り捨て間伐、いわゆる未利用の間伐材を発生させない考え方がしっかりと根づいていることに感心いたしました。

 また、1次エネルギーの2割を再生エネルギーで賄っているとのことから、小規模な木質チップボイラーによる熱供給システムを視察にある村を訪れました。その村では、小規模な村全体で27人のグループをつくり、自分たちでチップとなる間伐材を切り出し、チップ化して使う地域熱供給システムを構築していました。

 以上、簡単ではありますが、先進地である欧州の林業情勢を紹介させていただきましたが、今回の視察を通して、1次産業としての林業がしっかりと業として成り立っている姿に感心したところでございます。

 それぞれの国と地形や気候などさまざまな条件が異なる中で、我が国や福岡市における林業に全てをそのまま置きかえることはできませんが、一つ一つの取り組みは大いに参考になるものだと感じました。その一方で、我が国の林業を取り巻く情勢や環境を考えると、森林の保全と林業の復活には公共の支援は欠かせないという思いを強くしたことも事実です。

 そこで、福岡市における林業の現状と課題、今後の施策の方向性についてお尋ねします。

 次に、埋蔵文化財センターの収蔵庫整備についてお尋ねします。

 福岡市には、2,000カ所を超える遺跡があると聞いております。日本最古の稲作遺跡として教科書にも紹介される板付遺跡、古代日本の迎賓館であった鴻臚館跡など全国的にも貴重な遺跡が国の史跡として保存されています。また、その一方で道路建設や住宅開発、家の建てかえに際しても発掘調査が行われ、調査後は消滅していく多数の遺跡もあります。これらの失われていく遺跡は、発掘調査の成果が報告書として刊行され、全ての出土品や写真、図面などの記録類が保存されていると聞いています。これら調査資料を永久に保存し、公開、活用する施設が博多区井相田にある埋蔵文化財センターであり、私も一度、施設を御案内いただいたことがあります。

 センター内には出土品の展示室、保管のための収蔵庫に加え、科学的な保存処理や分析をする機材も備えた全国に誇れる施設だとお聞きしました。また、収蔵品は学校教育や社会教育の場で活用され、小学校への出前授業では子どもたちが実物に触れる機会もつくっていただき、これはすばらしい取り組みだと思います。しかし、収蔵庫を見ると、毎年の発掘調査で出土する出土品は膨大な量となり、収蔵庫の中は床から天井までの高い棚にぎっしりと出土品を納めた箱がすき間なく積み上げられています。今後の収蔵の余地は、余り残されていないのではないかと感じました。

 この収蔵能力が限界に近い問題については、昨年、博多区月隈一丁目にある旧福岡政府倉庫を新たに埋蔵文化財センターの収蔵庫として取得することができたため、解決することとなったわけです。現在、旧福岡政府倉庫を取得より約1年が経過をしました。取得に当たっては、収蔵スペースが限界だという理由だったと記憶しています。しかしながら、いまだ収蔵庫としては利用されておりません。

 そこで、旧福岡政府倉庫について、現在どのようになっているのか、お尋ねをします。

 次に、自転車の通行空間整備とマナーの周知、啓発についてお尋ねをします。

 自転車は、排出ガスを出さない、環境に優しい交通手段として注目され、市民の健康志向の高まりから、単に移動の手段としてではなく、手軽な運動や体力づくりにつながる乗り物として多くの市民の方々に利用されています。また、福岡市の都心部は比較的平たんな地形で高低差が少ないため、自転車が利用しやすく、買い物や通勤、通学など日常生活の市民の足として重要な役割を担っています。一方、平成28年度の警察白書によると、自転車が関連する交通事故は減少傾向にあるものの、全交通事故件数の約2割を占めているとのことです。

 そこで、まずは本市における過去5年間の自転車関連の事故の発生状況についてお尋ねをします。

 また、最近は車道を中心に走行する本格的な自転車愛好者に限らず、通勤、通学においても自転車が車道を通行しているところをしばしば見かけます。自転車レーンがないところでは、自転車と自動車が並行しつつ、時に接近するような場面を目の当たりにすると、内心冷や冷やしてしまいます。特に幅員の狭い道路や交通量が多い道路、また、トラックやバスなどの大型車両が多い道路では、自動車と自転車が接触することにより大事故につながる可能性が高いのではないでしょうか。

 一方、歩道上では、歩行者と自転車が混在する中、自転車が自在に通行し、こちらも極めて危険な状況にあります。このような状況において自転車事故を減らすためには、自転車の通行空間を確保し、歩行者と自転車、そして自動車をそれぞれ分離することが効果的ではないかと考えます。

 福岡市では、自転車通行空間の整備計画として、平成26年3月に福岡市自転車通行空間ネットワーク整備計画を策定されています。そこで、その計画内容と現在の整備状況及び平成29年度の整備予定についてお尋ねをします。

 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。

 

議長(おばた久弥) 椋野農林水産局長。

農林水産局長(椋野清彦) 農林水産業の活性化についての御質問にお答えいたします。

 まず、林業に関する現状でございますが、森林面積は市域面積の約3分の1の1万959ヘクタールで、そのうち、国有林を除く民有林が約8,400ヘクタールとなっております。また、森林の個人所有者は約5,500人で、そのうち、約98%が5ヘクタール未満の小規模な所有であり、木材価格の低迷や所有者の高齢化などによりまして、森林の管理は主として森林組合への委託によってなされております。

 次に、課題につきましては、長期間手入れがなされていない森林が増加する中で適正に管理を行うためには、間伐などの作業の集約化や林道などの生産基盤づくりによる木材生産のコストの低減に取り組む必要があると、このように考えております。

 次に、今後の施策の方向性でございますが、木材生産の低コスト化を図るために間伐材の効率的な搬出が可能となる森林作業道の整備などに取り組みますとともに、木材の生産者や加工業者などと連携しながら、地域産材の流通の仕組みづくりと利用促進に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。

 

議長(おばた久弥) 重光経済観光文化局長。

経済観光文化局長(重光知明) 埋蔵文化財センターの収蔵庫整備に関する御質問にお答えをいたします。

 お尋ねの旧福岡政府倉庫、現在の埋蔵文化財センター月隈収蔵庫につきましては、平成28年3月に福岡市が取得しましたもので、平成28年度には電気設備等の既存設備の点検を行い、その結果を踏まえて、改修整備計画を作成の上、改修工事の実施設計を行ったところでございます。以上でございます。

 

議長(おばた久弥) 井上市民局長。

市民局長(井上るみ) 自転車の通行空間整備とマナーの周知、啓発に関する御質問についてお答えいたします。

 福岡市における過去5年間の自転車関連事故の発生状況は、平成24年は3,112件、25年は2,952件、26年は2,812件、27年は2,582件、28年は2,246件となっております。以上でございます。

 

議長(おばた久弥) 二宮道路下水道局長。

道路下水道局長(二宮 潔) 福岡市自転車通行空間ネットワーク整備計画につきましては、自転車が道路を適正に利用し、歩行者や自転車の安全性を高めることを目的に平成25年度に策定したものであり、車道における自転車レーン整備を基本に平成25年度から10年間で約100キロメートルの自転車通行空間を整備するものでございます。

 次に、現在の自転車通行空間の整備状況でございますが、計画策定以前に整備した区間を含めまして、平成28年度末で約87キロメートルとなる見込みであり、平成29年度は約10.8キロメートルの整備を予定しております。以上でございます。

 

議長(おばた久弥) 鬼塚昌宏議員。

○33番(鬼塚昌宏) それでは、2問目に入ります。

 まず、農林水産業の活性化についてお尋ねをします。

 木材生産の低コスト化を図るため、間伐材を効率的に搬出するための作業道の整備に取り組むということですが、生産基盤づくりとともに、木材消費の面で国産材の利用促進を図るなど森林資源を有効活用する取り組みも必要であります。福岡市では、公共建築物に地域産材を活用する取り組みを進められていますが、ここで私から、本市における林業の振興に関して、一つアイデアを述べさせていただきたいと思います。

 それは、やる気のある若手10人ぐらいで林業に取り組むグループをつくってもらい、木の伐採等に携わらせ、その木材を市が買い取り、その木材で小中学校各校にログハウスを建てるというものです。例えば、中学校の授業の一環として、生徒が3年間かけてログハウスをつくるというのはどうでしょうか。市の財政負担が生じますが、将来の林業従事者の育成、木材の消費拡大など木育にもつながるのではないでしょうか。生徒が木材に触れ、木の温かみを感じるとともに、実際に木材を使うことで、森林の役割や木材のよさを理解するなどさまざまな効果があると思います。課題はあると思いますが、一つの方向性、手段として御検討いただければと思います。

 さて、林業についてお尋ねしましたが、福岡市の農業、漁業についても、林業同様に厳しい状況があり、業としての活性化、担い手の確保は喫緊の課題であると思います。農業、水産業は、市民の食を支える重要な産業であり、福岡市が住みやすいまち、食べ物がおいしいまちとして国内外から高く評価されているのは、農林水産業が果たしている役割も大きいと思います。

 全国的な傾向とはいえ、福岡市の農林水産業においても従事者が減少、高齢化し、担い手や後継者の確保が大きな課題となっています。少子・高齢化が進み、生産年齢人口の減少が確実な中、今後の担い手確保はますます難しくなると考えられます。また、先ほど申し上げました福岡市の魅力を支える食を安定的に供給していくためには、将来にわたって担い手となる人材をしっかり確保することが重要です。

 そこで、福岡市の農業、水産業の担い手確保における現状と課題、今後の施策の方向性についてお尋ねをします。

 次に、埋蔵文化財センターの収蔵庫整備についてです。

 旧福岡政府倉庫から月隈収蔵庫に名前を変え、生まれ変わることになるわけですが、平成25年に国から払い下げの利用希望について話があった際、福岡空港地域対策協議会から福岡市に対して公共利用の要望を出したという経緯があります。地元としては、埋蔵文化財センターの新しい収蔵庫として福岡市が取得したことで一安心したところです。収蔵庫として利用するためには施設整備が必要であるという現状については、今、御答弁いただいたところですが、収蔵庫不足という現状を考えると、今後、大急ぎで整備することになるのではないでしょうか。

 そこで、月隈収蔵庫はいつから施設整備に着手し、供用開始をするのか、そのスケジュールについてお尋ねします。

 また、これまでのところ、月隈収蔵庫の整備概要について、地元には説明がなされていません。先ほどお話ししたような経緯もあり、地元では強い関心を持ち、見守っているところでございます。

 そこで、今後、地元に対してどのように説明を行うのでしょうか、あわせてお尋ねをします。

 次に、自転車の通行空間整備とマナーの周知、啓発についてですが、市内の自転車関連事故は減少傾向にあること、また、自転車通行空間の整備状況についてはよくわかりました。しかし、仮に年間約10キロの整備を進めても、市内の幹線道路や生活道路全てに必要とされる自転車通行空間を整備するには、かなりの期間が必要となります。また、さまざまな政策課題が山積する中で、今後も厳しい財政運営が見込まれる福岡市において、自転車通行空間を優先して進めるべきと声高に言うことは簡単ですが、無責任であるし、その実現も難しいものと思います。

 私は、自転車関連事故を限りなくゼロに近づけるためには、自転車通行空間の整備は計画に従って粛々と取り組んでいただくとして、あわせて自転車利用の交通安全教育、つまりは自転車の通行ルールの周知、啓発に力を入れていくべきであると考えます。

 歴史を振り返れば、高度経済成長を背景とするモータリゼーションの高まりとともに、交通戦争と言われる時代を経て、昭和40年代半ばには交通事故者数がピークを迎え、自転車と車の交通事故も著しく増加しました。このため、昭和45年に施行された改正道路交通法では、例外的にではありますが、歩道の自転車通行が認められ、多くの歩道で自転車通行が可能とされました。この時期から自転車が歩道を通行できるようになり、今では自転車は歩行者と同じように歩道を通行するのが当たり前というような誤解が生じたように思えます。

 平成23年には、自転車は車両であることを改めて徹底する通知「良好な自転車交通秩序の実現のための総合対策の推進について」が警察庁から出されました。しかし、残念ながら、歩道上を猛スピードで走行したり、歩行者の間を縫うように蛇行したりする自転車が後を絶たないなど、通勤、通学など急いでいるのはわかりますが、自転車利用者には自転車が車両であるという認識はまだまだ希薄であるように思います。まさに自転車を自分の足、体の一部であるかのように考えているのではないでしょうか。

 平成26年度に実施された市政に関する意識調査では、モラル・マナーの現状を調査されていますが、自転車の走行マナーについて悪い、どちらかといえば悪いと回答した人の割合を合わせると、83%と極めて憂慮すべき結果が出てしまいました。自転車利用者のマナーの欠如が浮き彫りになった調査結果ではないかと思います。

 ここで、改めて自転車の通行ルールを整理しておく必要があると思いますが、現在の道路交通法では、そもそも自転車は道路を走るとき、道路のどこを走るように定められているのか、お尋ねします。

 また、定められたルールがある中で、そのルールが絵に描いた餅となっては仕方がありません。平成27年6月に施行された改正道路交通法では、自転車に対する罰則強化が図られましたが、その内容についてお尋ねします。

 さらには、警察による取り締まりが自転車安全利用に功を奏すると考えますが、市内における道路交通法違反による自転車の検挙件数について、平成27年と28年の状況をお尋ねします。

 

議長(おばた久弥) 椋野農林水産局長。

農林水産局長(椋野清彦) 農林水産業の活性化についての御質問にお答えいたします。

 まず、農業、水産業の担い手の確保に関しての現状でございますが、議員御指摘のとおり、従事者の高齢化が進む一方、新たな就業者は一定数にとどまっていることから、農業、水産業の従事者は減少傾向にあります。

 次に、課題としましては、所得が低い、労働環境が厳しい、生産が天候等自然条件によって左右される、こういったイメージがあることや、就業する際には設備や機具等の初期費用の負担が大きく、また、安定的な収入を得られる技術を習得するまでには数年の期間を要するなど、参入する際における課題が大きいと考えております。

 次に、今後の施策の方向性でございますが、担い手の確保は喫緊の課題でありますので、農業や水産業への新規就業者をふやすために、安全、安心な食を提供する農業や水産業の魅力を多様な人材に向けて情報発信することや、技術習得のための研修の場の提供に努めますとともに、新規就業時にかかる負担の軽減を図るなど新規の就業者がより就業しやすい環境づくりに取り組む必要があると考えております。以上でございます。

 

議長(おばた久弥) 重光経済観光文化局長。

経済観光文化局長(重光知明) 埋蔵文化財センターの収蔵庫整備に関する御質問にお答えいたします。

 まず、月隈収蔵庫の整備スケジュールでございますが、平成29年度のおおむね5月から9月にかけまして改修工事を実施し、10月から埋蔵文化財の収蔵を開始いたしたいというふうに考えております。

 また、地元住民の方々への説明でございますが、月隈収蔵庫の改修工事のスケジュールが固まりました段階で、改修工事の概要や期間などについて御説明をする機会を設けたいと考えております。以上でございます。

 

議長(おばた久弥) 井上市民局長。

市民局長(井上るみ) 自転車に関する御質問にお答えいたします。

 現在の道路交通法では、自転車は車道の左端を通行することが原則とされております。例外といたしまして、歩道通行を認める道路標識が設置されている場合や、13歳未満の児童、幼児、70歳以上の高齢者が自転車を運転する場合などは歩道を通行することが認められております。なお、その場合は、歩行者を優先し、車道寄りを徐行することとされております。

 次に、平成27年6月に施行された改正道路交通法における罰則強化の内容につきましては、自転車運転者が信号無視、酒酔い運転、ブレーキ不良自転車の運転、歩道上での徐行違反など14項目の危険行為で3年以内に2回以上検挙された場合に、自転車運転者講習の受講を命ずることを定めたものでございます。なお、受講命令に従わなかった場合は、5万円以下の罰金が科せられることとなっております。

 最後に、福岡市内における道路交通法違反による自転車の検挙件数につきましては、福岡県警によると、平成27年は156件、28年は292件で、主な違反の内容はブレーキ不良自転車の運転や信号無視、車道の右側通行などとなっております。以上でございます。

 

議長(おばた久弥) 鬼塚昌宏議員。

○33番(鬼塚昌宏) それでは、3問目です。

 まず、農林水産業の活性化についてお尋ねをします。

 福岡市は、都会でありながら、海も山も田畑もすぐ近くにあり、豊かな自然を身近に感じることができるまちです。しかしながら、それらの自然もきちんと手入れをし、管理しないと、すぐに荒れ果ててしまいます。そのためには、農林水産業に携わる人の生活が成り立つようにしっかりと振興していく必要があります。

 第1次産業が衰退しているのは、就業先として若者にとって魅力を感じられないのが大きな原因であり、どう魅力ある産業にしていくかが重要です。子や孫が跡を継がずに都会に出ていく時代において、Uターンにより跡を継ぐ人もいるとは思いますが、やはり新たに農林水産業に携わる担い手を創出していく施策が必要であります。

 今、若者を中心に自然志向、田園回帰の動きがふえていると言われています。効果的な土地利用の規制の緩和策や新規就業支援施策によって農山漁村地域に定住する人口がふえれば、過疎化に歯どめをかけ、地域コミュニティの活性化にも寄与するのではないかと考えます。早期に手を打たなければ、技術継承も含めて、ますます農林水産業の担い手を確保することが難しくなり、先人たちの努力によって築き上げられてきた食がおいしいまちのブランドも廃れてしまいます。

 政令市の中で農林水産業を専門に担当する部局を設置しているのは、部制をしいている新潟市と局制をしいている熊本市と福岡市しかありません。この質問の最後に、福岡市の農林水産業振興に向けての意気込みをお聞かせ願います。

 次に、埋蔵文化財センターの収蔵庫整備についてです。

 私も月隈収蔵庫の現地を御案内いただいたことがあります。月隈収蔵庫は、敷地面積が約2万5,000平方メートルと広く、既存の倉庫建物も奥行きがあって、大変大きな施設です。実際のところ、これだけ大きな施設はなかなか得がたいと思うわけですが、今後、これをどのように活用していくことになるのでしょうか。地元住民の方々も大変関心が高いところです。月隈収蔵庫を含む一帯が市街化調整区域に指定され、土地利用が厳しく規制されていることは私も承知をしているところでございますが、現地に立ち、空港の滑走路に面した広い敷地と大きな施設を目の当たりにすると、何とかうまく有効利用しないともったいないという思いが湧いてきます。とにかく、まずは喫緊の課題である収蔵庫として早く活用できるよう整備する。これで、収蔵庫の収蔵能力は当面の間、確保されることとなります。

 発掘調査で得られた大量の貴重な文化財が、まず第1には適切に保存され、後世に伝えられ、私たちの子孫の世代に至るまで守られていくこととなります。地域の身近な土地から発掘された貴重な文化財です。単に保管するだけではなく、地域住民に密着した公開や活用が図られたら、今後育っていく若い世代の地域への関心や愛着を喚起する上で大変大きな役割を果たすのではないかと期待するところです。

 そこで、整備後の施設の活用計画について、また、今後の地域とのかかわりについてどのようなことが可能なのか、あるいはどのように考えているのか、お尋ねをします。

 次に、自転車の通行空間整備とマナーの周知、啓発についてですが、先ほどの御答弁により、自転車の通行ルールが細かく定められていること、また、改正道路交通法施行後、自転車の検挙件数が大幅に増加していることは理解できました。自転車を危険な乗り物として排除することなく、安心、安全な環境のもと、歩行者や自動車と共存を図っていくためには、繰り返しの主張にはなりますが、自転車通行空間などの環境整備に加え、改正道路交通法の内容を踏まえて、遵守すべき自転車のルールについて積極的に周知、啓発を図るなど走行マナーを向上させる取り組みが必要です。

 そこで、福岡市では、自転車の走行マナー向上の周知、啓発に関してどのような取り組みを行っているのか、お尋ねします。

 また、平成2812月には第10次福岡市交通安全計画が公表されました。この計画においては、自転車の安全利用にどのように取り組んでいくこととしているのか、また、平成29年度から取り組む新たな施策はあるのかをお尋ねして、私の質問を終わります。

 

議長(おばた久弥) 椋野農林水産局長。

農林水産局長(椋野清彦) 農林水産業の振興につきましてお答えいたします。

 新鮮で安全、安心な食の提供と豊かな自然環境の保全に寄与している農林水産業は、福岡市の魅力の一翼を担う重要な産業であります。現在、平成29年度から5カ年間の次期農林業及び水産業総合計画を策定中でございますが、次期計画では、生産者の所得の向上や担い手の確保などを目標として掲げることといたしておりまして、地産地消や付加価値を高めるブランド化、6次産業化を推進するとともに、生産者みずからによる生産性向上への取り組みを支援していくことなどによりまして、本市の農林水産業を活性化し、持続的に発展できるようしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。

 

議長(おばた久弥) 重光経済観光文化局長。

経済観光文化局長(重光知明) 埋蔵文化財センターの収蔵庫整備に関する御質問にお答えをいたします。

 まず、整備後の活用計画でございますが、月隈収蔵庫には管理棟と倉庫棟があり、このうち管理棟につきましては、収蔵する出土品の分類、修復、整理などの作業を行います整理室として活用し、倉庫棟につきましては、基本的には出土品の収蔵庫として活用することといたしております。なお、倉庫棟につきましては、当面、収蔵スペースにかなりの余裕がありますことから、災害用緊急援助物資の保管や行政関係資料の保管場所とするなど有効活用を図ってまいりたいと考えております。

 次に、今後の地域とのかかわりについてのお尋ねでございますが、これまでも埋蔵文化財センターでは、出土品の公開、教育普及活動の一環として出土品を活用した出前講座の実施、公民館や学校などへの出土品の貸し出しや展示コーナーの設置などの取り組みを行っており、月隈地区の地域の方々の御意見もお聞きしながら、こうした取り組みを実施してまいりたいと考えております。以上でございます。

 

議長(おばた久弥) 井上市民局長。

市民局長(井上るみ) 自転車に関する御質問にお答えいたします。

 まず、自転車走行マナー向上のための周知、啓発に関する取り組みの内容につきましては、押し歩き推進区間などにおける自転車安全利用指導員による指導、啓発を行うとともに、市が提供いたしましたベスト等を着用し、地域で活動されている自転車安全利用推進員の方々に自転車の安全利用の啓発活動に取り組んでいただいております。

 さらに、学校や地域で年間約4万人が受講している自転車教室を開催するとともに、各区役所や警察署、関係機関、団体と共働し、毎月8日の自転車安全利用の日や、四季の交通安全運動の街頭キャンペーンなどにおいて指導、啓発を行っております。

 次に、第10次福岡市交通安全計画における自転車安全利用の取り組みにつきましては、自転車事故の抑止目標を新たに掲げ、平成32年までに自転車事故発生件数を年間2,100件以下に減少させることを目指してまいります。また、同計画において、福岡市独自に重点項目として自転車安全利用の推進を定めており、総合的に取り組んでまいります。

 最後に、平成29年度からの新たな施策としまして、これまで実施してきたスタントマンによる事故再現型自転車教室に加えて、政令指定都市で初めてバーチャルリアリティーを活用した体験教室を開催し、中学、高校生などの受講者の大幅な増加を図ってまいります。今後も、第10次福岡市交通安全計画に基づき、自転車利用環境の総合的整備や交通安全教育及び指導、啓発など、地域や福岡県警、関係機関などと連携して自転車マナーの周知、啓発にしっかりと取り組んでまいります。以上でございます。

 

議長(おばた久弥) この際、休憩し、午後4時25分に再開いたします。

午後4時12分 休憩  

午後4時25分 開議  

副議長(石田正明) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を継続いたします。

 この際、あらかじめ時間を延長いたします。荒木龍昇議員。

○45番(荒木龍昇)登壇 私は緑と市民ネットワークの会を代表しまして、森議員の代表質問を補足し、質疑を行います。

 島市政は福岡市基本計画において、都市の成長と生活の質の向上の好循環をつくり出すとし、今年度の市政運営方針及び議案説明で、都市の成長の柱としてウォーターフロント開発、天神ビッグバン、人工島事業、九大箱崎キャンパス跡地の開発など都市膨張政策を進めるとしています。この政策は、桑原市政のアジアのゲートウェイを標榜し、都市間のサバイバル競争を勝ち抜くとしてきた都市膨張政策、福岡一極集中政策を継承しているものです。

 桑原市政は、元気な福岡市と言われ、人工島事業、博多リバレインやサンセルコなどの再開発事業、鮮魚会館や中央図書館など都市施設の建設、地下鉄などのインフラの多額の投資を行い、市長就任時の市債発行残高約1兆2,000億円を退任時には2兆3,000億円と借金をつくり、今日、市民負担を強いる元凶をつくり出しました。

 山崎市政以降、市債発行残高削減に向けて指定管理者制度などの業務の外注化、PFI事業による公共施設の民間委託を進めてきました。PFI事業を進めることで見かけ上の借金は減りますが、債務負担行為はふえることになり、市民には借金の実態が見えにくくなっています。同時に、指定管理者制度による業務の外注化やPFI事業は低賃金構造をつくり出し、官製ワーキングプアを生み出しています。また、PFI事業が本当に経費削減につながるのか、質の確保ができるのか、疑問が残ります。

 島市政は、山崎市政の財政健全化政策を継承、発展させ、さらにさまざまな補助金の削減、公共施設の有料化、市立幼稚園の全園廃園など行財政改革として市民サービスの削減を進めてきました。加えて、島市政は、安倍政権が進める産業競争力会議の方針である労働力の流動化、金銭解雇など解雇しやすい労使関係の実験場として雇用創出特区、いわゆる解雇特区を進め、企業減税と非正規雇用をふやしてきました。

 桑原市政と同じように、島市政は元気な福岡市と言われ、都市開発や企業誘致に多額の投資をしています。その一方で、成長の果実を全ての市民にとしていますが、安倍政権が進める赤字国債を財源にしたばらまき予算をもとに、子ども政策や貧困者対策を進めているのが実情です。島市政が進める都市の成長が市民の生活の質の向上につながるのか、特に以下の点について質問します。

 第1点として、住宅政策についてです。

 まず、市長は都市の成長が市民生活の質を向上させるとしていますが、市政運営方針及び議案説明の中で良質な住宅、住環境の形成については、市営住宅の改築と高齢者の住宅対策しか述べていません。果たして住宅問題はそんなことだけでよいのでしょうか。

 以下、質問することで島市政の問題点を指摘します。

 福岡市の人口は155万人を超え、人口増が都市の成長の成果の一つと挙げられています。しかし、人口増を手放しで喜んでいいんでしょうか。人口がふえることで住宅の問題や住環境の問題、公共施設の整備の問題、さまざまな問題を抱えることになります。特に住宅については、人口はふえていますが、いずれ近い将来には人口減少に転ずること、人口がふえても高齢化が進み、空き家の問題や分譲マンションにおいて維持管理や建てかえ問題などが生じます。また、急速な人口増による交通や公共施設の需要増への対応と近い将来起こる人口減少への対応が短いタイムラグで生じます。

 福岡市において、人口増に伴い無秩序な住宅開発がなされ、新築住宅はふえていますが、同時に空き家もふえ続け、既に住宅数と世帯数の差は10万戸を超えています。この状況は、戸建ての空き家問題、老朽化マンション問題など将来の負の遺産を残すことになりかねないと考えますが、所見を求めます。

 次に、空き家がふえ続けることでどのような問題が将来起こると考えているのでしょうか、また、マンション老朽化でどのような問題が生じると考えているのでしょうか。

 住宅問題の最後として、近年、福岡市で超高層マンションが建設されていますが、どのような問題が生じると考えているのでしょうか、所見を求めます。

 第2点として、高齢化の進展への対応についてです。

 福岡市は、これまでサバイバルな都市間競争に勝つとして、港湾、空港など都市機能の強化と企業誘致を進め、一極集中を促進しました。しかし、福岡市への人口の集中は同時に、急速に高齢者人口をふやすことになると考えられますが、福岡市の現状をどのように捉えているのか、所見を求めます。

 また、福岡市保健福祉総合計画で、次の10年を想定し政策の転換をうたっていますが、2025年までにどのような政策転換をするとしているのか、説明を求めます。

 今後も高齢化は進むと考えられており、2025年までの人口構成と2025年以降の人口構成はどう変化するとしているのか、説明を求めます。

 第3点として、移動の問題として福祉有償運送について質問します。

 私は、これまで障がい者や高齢者など全ての人の人権として、移動の自由が保障されるべきと訴えてきました。島市長は、市政運営方針及び議案説明において、障がい者向け移動支援サービスの拡充を挙げています。

 そこで、福岡市が福祉有償運送を障がい者の移動の保障としてどのように位置づけているのかお尋ねします。福岡市保健福祉総合計画では簡単な記載がありますが、中身は見えません。

 また、福祉有償運送とはどのようなものか、事業目的、利用対象者、事業者の構成及び事業者数について説明を求めます。

 次に、福祉有償運送運営協議会が設置されていると聞いていますが、どのような事業がなされているのか説明を求めます。

 続いて、福祉有償運送事業者に対する福岡市の具体的な支援はどのようにされているのでしょうか。

 この質問の終わりに、福岡市保健福祉総合計画で見守りと助け合い活動の推進の中に位置づけられている地域福祉ソーシャルワーカーとはどのようなものか説明を求めます。

 第4点は、環境政策のうち、人工島事業における環境問題についてです。

 1994年4月に埋め立て認可がされ、同年7月に人工島建設が着工されました。この前年1993年6月には、釧路市で第3回ラムサール条約締約国会議が開催されています。釧路市でのラムサール条約締約国会議では、日本湿地ネットワーク、世界自然保護連合や世界野生生物基金などの国内外の多数の自然保護団体から、人工島建設をやめて和白干潟をラムサール条約登録湿地として保全することを求める声明が出されました。その前年の1992年5月には、ローマクラブ会議in福岡が福岡市で開催され、私たちもNGOとして招待され、人工島問題を提起しました。同年12月には、12万人の署名をもって人工島計画の中止を求める請願を議会に出しました。また、当時の環境庁は埋め立て申請に対する意見として、和白干潟は国際的に重要な湿地として着工後のモニタリングと保全対策を述べています。私たちは、埋立免許が出された直後の1994年5月に人工島埋立事業公金支出差しとめ請求訴訟を提訴し、1998年3月に判決が出されましたが、その判決では多くの市民が人工島建設に反対している事実を認め、政策変更も考えてよいのではないかとの意見や環境影響評価の問題などが指摘されました。環境庁は、1996年に福岡市に和白干潟をラムサール条約登録湿地にすることの打診をしていますが、桑原市長は拒否しています。

 このように、和白干潟は国際的に重要な湿地であり、今もラムサール条約登録湿地候補地として認知されています。福岡市としても、ラムサール条約登録湿地として保全すべき湿地ですが、福岡市生物多様性戦略や環境政策では触れられることはありません。市長の市政運営方針及び議案説明でも、アマモ場の造成や人工島のはばたき公園造成を述べているだけです。

 そこで、市長の環境政策についての認識をただします。

 まず、人工島埋め立てが着工された1993年度における和白干潟海域の野鳥の飛来数、2015年度の同じく野鳥の飛来数及び底生生物の種数と総個体数について説明を求めます。

 以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。

 

副議長(石田正明) 光山住宅都市局長。

住宅都市局長(光山裕朗) まず、住宅に関するおただしについてお答えいたします。

 福岡市におきましては、人口、世帯数ともに今後もしばらくは緩やかに増加することが予想されていることから、ライフスタイルや世帯構成などの多様なニーズに対応しながら、既存住宅も含め良質な住宅が一定程度供給されるとともに、適切な維持管理を行っていくことが重要であると考えております。

 次に、空き家の問題につきましては、空き家が適正に管理されないまま放置された場合、家屋倒壊の危険性やごみの不法投棄、雑草などによる衛生面や景観の悪化、また不審者の侵入や放火など犯罪発生のおそれなどに対しまして、周辺に対してさまざまな問題を引き起こす可能性があると認識しております。このため、議員提案により全面改正されました空家等の適切な管理に関する条例に基づき、放置空き家対策に取り組むとともに、社会ストックとして住宅が有効に活用されるよう既存住宅の流通促進などを図っていくことが必要であると考えております。

 次に、マンションの老朽化につきましては、マンションなどの共同住宅が老朽化いたしますと、さまざまな修繕や大規模改修、さらには建てかえなどの検討が必要になってまいります。特に1つの建物を多くの方々で区分所有されている分譲マンションにおきましては、これらに伴う費用負担の問題や管理組合における合意形成の難しさなどによりまして、大規模改修等が進みにくくなることなどが問題になると考えております。

 次に、建物の高さがおおむね60メーターを超えるような超高層マンションにつきましては、福岡市においてもその供給がふえている状況にありますが、建物が高く、規模も大きいため、大規模改修の手法や費用の問題、また区分所有者が多いことによる合意形成の難しさなど、通常のマンションよりその課題も大きくなるものと考えております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。

保健福祉局長(野見山 勤) まず、福岡市の高齢化の現状についてでございます。

 平成27年実施の国勢調査における福岡市の高齢化率は20.7%、これに対し全国平均が26%で、福岡市は全国と比べ若い都市と言えますが、一方で将来人口推計によりますと、2025年、平成37年には高齢化率が24.8%となると推測しておりますことから、今から超高齢社会を見据えた課題に取り組む必要があると考えてございます。

 次に、保健福祉施策の政策転換でございますが、これから迎える超高齢社会に対応していくため、制度上、年齢等を条件に一律に支えられる側として実施してきた給付施策から、高齢者が年齢を重ねても意欲や能力に応じて活躍できるための施策や支援が必要な人を社会全体で支え合う施策への転換を図るなど、支える側に重点を置いた政策を進めていくものでございます。

 次に、人口構成の変化でございますが、まず2025年、平成37年までの変化につきましては、人口の伸びを上回るペースで高齢者が増加し、市民4人に1人が高齢者となると予測されております。特に2025年までに、いわゆる団塊の世代が全て75歳以上になる見込みでございます。

 次に、2025年以降につきましては、いわゆる団塊ジュニア世代も高齢者となることなどから高齢化のさらなる進展が見込まれており、2040年、平成52年には高齢化率が31.0%、市民のおよそ3人に1人が高齢者になると推測いたしてございます。

 次に、福祉有償運送に関してお答えいたします。

 これは、NPO法人や社会福祉法人等の非営利法人が、高齢者や障がい者等で一人では外出することが困難な方に対し、営利とは認められない範囲の対価によって、自家用車を使用して行うドア・ツー・ドアの個別移送サービスでございます。利用対象者につきましては、身体障がい者、要介護者等のうち、他人の介助によらず移動することが困難であると認められ、かつ単独でタクシー等の公共交通機関を利用することが困難な人であって、あらかじめ登録団体に会員登録した人及びその付添人でございます。現在、福岡市で9つの団体が事業を行っておられ、全てNPO法人でございます。

 次に、福岡市福祉有償運送運営協議会でございますが、地域における福祉有償運送の必要性を確認し、旅客から収受する対価その他の福祉有償運送を行うために必要となる事項について協議する場でございます。同協議会につきましては、福岡市が主宰し、九州運輸局や利用者代表、福祉有償運送事業者、タクシー団体などの関係者で構成してございます。なお、NPO法人等が福祉有償運送を実施するに当たっては、同協議会の合意を得て福岡運輸支局へ登録申請を行うこととなってございます。

 次に、事業者に対する具体的な支援策としては、福岡市では福祉有償運送の運転手を育成する講習会を実施いたしております。

 次に、地域福祉ソーシャルワーカーでございますが、地域の福祉課題の把握やその解決に向けた支援を行うとともに、高齢者だけでなく、障がい者、児童などの社会的な援護を必要とする方への支援と要援護者を支える地域づくりを行ってございます。以上です。

 

副議長(石田正明) 則松港湾空港局長。

港湾空港局長(則松和哉) 鳥類の飛来数につきましては、アイランドシティ整備事業環境モニタリングの鳥類飛来状況調査によりますと、和白干潟や前面海域を含む埋め立て周辺地区におきましては、平成5年度は2万6,579羽、27年度は1万7,464羽となっております。鳥類につきましては、アイランドシティの護岸がおおむね完成した平成13年度以降は、ほぼ横ばいで推移をいたしております。

 また、底生生物の種数と総個体数につきましては、和白干潟の地点におきましては平成5年度の種数は18から35種、総個体数は1平方メートル当たり最大約9,900個、27年度は23から36種、最大約5,900個となっております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 荒木龍昇議員。

○45番(荒木龍昇) まず、住宅問題についてです。

 今、住宅がふえていくことで将来さまざまな問題があることは述べられましたが、福岡市の住宅の77%が集合住宅であり、分譲マンションにおいての問題は将来に問題を抱えております。マンションの規模が大きくなれば権利者もふえ、権利者の高齢化や相続放棄などにより長期修繕計画や建てかえができなくなるおそれや、投資目的で所有者が海外にいることなど、今後、維持管理の合意形成は難しい状況が考えられます。こういった問題を放置すれば、スラム化するマンションがふえるおそれがあります。都市の成長の陰のものとしてこれから顕在化すると考えられますが、その対策はどのように考えているのか、所見を求めます。

 また、高層マンションがふえていますが、警固断層地震や東南海大地震が将来起こると予想されており、災害時の避難や移動、水道、電気等が途絶した場合の備えなど、マンション住民の災害対応力向上のための対策をどう考えているのでしょうか。

 都市の成長として無秩序なマンション建設の結果、局所的な人口急増に対するインフラ整備と、高齢化のさらなる進展と近い将来に人口減少が始まることなどによる過剰施設の発生について、対策はどう考えているのでしょうか。

 空き家がふえ続ける中で、人工島で進めている住宅市街地総合整備事業の補助金による住宅促進は、将来の世代に大きなツケを残すと考えられ、このような補助金による住宅開発促進は見直すべきと考えますが、所見を求めます。

 次に、高齢化の進展への対応について。

 福岡市は、人口増とともに高齢者人口も急速にふえており、高齢化によるさまざまな問題が今後さらに深刻になると考えられます。ふえ続ける介護、医療費、扶助費の増加を抑えるために、配る福祉から支える福祉へと元気な高齢者による地域での支え合いの仕組みをつくるとしています。しかし、高齢化率の上昇とともに後期高齢者数も急速にふえ続け、2025年以降にはさらに構造的に厳しくなると考えられます。

 「下流老人」で高齢者の貧困化を指摘した藤田氏は、その続編で「貧困世代」という著書で非正規雇用が広がることで若者の貧困化が進み、貧困高齢者予備軍がふえていると指摘しています。非正規雇用がふえ、若者の貧困化が進めば、非婚者をふやし、貧困化した高齢者がふえ、支え合う社会は維持できなくなると考えられます。高齢化が進む社会の対策として若者の貧困化を防ぐ必要があり、就労対策や住宅対策等の若者の貧困対策が必要ではないかと考えますが、所見を求めます。

 次に、福祉有償運送についてです。

 答弁のように、福祉有償運送は営利を目的としないボランティアで成り立っています。しかし、具体的な市の支援は運転手を育成する講習会だけです。利用料金はタクシー料金の半分以下とされており、ボランティアの方にとっては事実上ガソリン代程度、運営事業者は寄附などを合わせて事務費を何とか賄えているのが現状です。透析患者や要介護の高齢者の通院などに大きな役割を担っており、在宅介護、在宅医療が進められる中で役割は大きくなるのではないかと考えます。

 福祉有償運送を地域包括ケアシステムの中に位置づけるべきと考えますが、所見を求めます。

 また、答弁から、地域ソーシャルワーカーは地域の課題解決のために地域資源を結びつける役割が求められていると考えられますが、福祉有償運送事業者との連携はとれているのでしょうか、説明を求めます。

 先日、私が福祉有償運送事業者に会って話を伺ったとき、福祉有償運送の担い手が高齢化しており、将来担い手がなくなるのではないかと危惧していました。福岡市として福祉有償運送の担い手を育成する支援をすべきと考えますが、所見を求めます。

 次に、人工島事業における環境問題です。

 人工島埋立免許申請時の環境影響評価では、環境に与える影響は軽微としていましたが、東部海域での野鳥の飛来数は今の市の答弁でも6割に激減しています。野鳥の会の調査ではもっと激減しています。その原因は、人工島により和白干潟が閉鎖水域となり、塩分濃度の変化などにより餌となる底生生物が激減していることにあります。

 1998年の人工島埋立事業公金支出差しとめ訴訟の福岡地裁判決における環境影響評価に対する裁判所の意見として、各生物への影響について、鳥類の項で「何故右鳥類が博多湾東部海域に集中し、何を餌にしているのか、本件人工島の建設によってどこに移動させられるのか云々、本件環境影響評価ではこのような調査、分析がなされていない」と指摘していますが、改めてずさんな環境影響評価について所見を求めます。

 また、人工島埋立免許許可時の1994年4月に、当時の環境庁が埋め立てについての意見を出していますが、そこでは和白干潟について「希少な鳥類を含む多くの渡り鳥が飛来し、また、多様な生物が生息する国際的に重要な湿地となっていることに鑑み」と述べ、「将来にわたり適切な保全策を講じること」と述べています。

 和白干潟は現在においてもラムサール条約の基準を満たしており、アジアのリーダー都市を標榜する福岡市がなぜ和白干潟をラムサール条約登録湿地にするよう積極的に働きかけをしないのか、その理由を求めます。

 以上で2問目を終わります。

 

副議長(石田正明) 光山住宅都市局長。

住宅都市局長(光山裕朗) まず、住宅に関するおただしについてお答えいたします。

 まず、分譲マンションの維持管理につきましては、管理組合による適正かつ自立的な運営が基本であることから、日ごろからの適切な維持管理と居住者間のコミュニケーションの形成が重要であると考えております。

 このため、福岡市におきましては年2回のマンション管理基礎セミナーの開催を初め、マンション管理士の派遣や管理規約の適正診断、管理組合の活動に対するアドバイスなどの支援を行っております。

 次に、生活の基盤として整備される道路や上下水道などの、いわゆる生活インフラにつきましては、都市全体の観点から総合的かつ計画的に整備していくものでありまして、都市計画制度において用途地域及び容積率を指定し、建築物の用途や規模を適切に誘導するとともに、マンション建設などの計画段階から事業者が上下水道などの管理者と協議を行うことなどによりまして、人口増加とインフラ整備の均衡を図っておるところでございます。

 次に、アイランドシティにおける住宅市街地総合整備事業のおただしでございますが、アイランドシティは環境と共生した快適な居住環境を有する先進的モデル都市づくりを進めることとしており、今後とも、住宅市街地総合整備事業を活用し、良質な都市型住宅と緑豊かでゆとりある住環境づくりを進めていくことが必要であると考えております。

 続きまして、高齢化の進展の対応に関する若者の住宅対策に関するおただしについてお答えいたします。

 若者の住宅対策につきましては、所得を初めとする住宅困窮内容に応じて適切に対応していくことが必要であり、国の動向等を注視してまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 井上市民局長。

市民局長(井上るみ) 住宅に関する御質問にお答えいたします。

 マンション住民の災害対応力向上のための対策についてですが、共同住宅の割合が高いという福岡市の特性に着目し、平成29年度の新規事業としてマンション等の防災力アップ事業を実施することとしております。本事業は、マンション管理組合などが、それぞれの特徴に応じた防災マニュアルを作成することを支援するもので、これにより平常時においては自主防災組織の設置やライフラインの寸断を想定した生活必需品の備蓄、発災時においては住民同士の安否確認や避難時の声かけなどの自助、共助の取り組みが促進され、マンション住民の災害対応力が向上するものと考えております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 重光経済観光文化局長。

経済観光文化局長(重光知明) 若者の就労対策についてでございますが、従来から新卒者などを対象に正社員求人を行う企業が出展する合同会社説明会やフリーターなどの39歳以下の若者を対象にウエブデザインなどの講座を開設し、就職を支援するデジタルコンテンツクリエーター育成事業などを実施し、正規雇用を促進してきたところでございます。

 これらに加え、平成29年度からは各区に設置している就労相談窓口において、臨床心理士による就職活動に関する心理的サポートや専任の支援員による正社員求人の開拓、紹介などを行う正社員就職支援事業を実施し、若者を含む正規雇用希望者の就職支援を強化してまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明)野見山保健福祉局長。

保健福祉局長(野見山 勤) 福祉有償運送についてお答えします。

 地域包括ケアシステムは、高齢者が住みなれた地域で安心して生活できる仕組みでございますので、行政、関係機関、地域による医療や介護、生活支援などのさまざまなサービスや支援を整えることにより実現されるものでございます。移動支援は、地域での高齢者の生活を支える重要な仕組みでございます。その手法の一つである福祉有償運送は、地域包括ケアシステムの要素として当然に含まれるものでございます。

 次に、地域福祉ソーシャルワーカーとの連携でございますが、地域福祉ソーシャルワーカーの代表は福祉有償運送運営協議会の委員としてかかわっていただいており、そこで事業者に関する情報を得るとともに、地域の方々から移動が困難である等の相談があった場合は、それぞれが必要に応じて関係者につなぐこととしてございます。

 次に、福祉有償運送の担い手である運転手につきましては、年齢構成を見ると60代が5割、70代以上が2割と高齢者の割合が多い状況でございます。ただ、退職後にボランティアとして活動を始めた方もおられますので、今後も高齢者の中には社会参加の一つとして福祉有償運送の担い手になられる方が出てこられるものと考えてございます。

 福岡市としましては、必要に応じて当該協議会にも諮りながら運転手育成のための講習会の拡充等、担い手育成の支援策について検討してまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 則松港湾空港局長。

港湾空港局長(則松和哉) アイランドシティ整備事業環境影響評価についてでございますが、この環境影響評価手続は平成6年の埋立免許取得に先立ち、国の実施要領に基づいて予測評価を行ったものであり、当時の環境庁の審査におきましても妥当なものと認められております。

 平成10年の福岡地裁判決では、原告の請求は棄却されるとともに、福岡市が環境影響評価の義務を果たしていることが認められております。福岡市などにおいては、アイランドシティの護岸がおおむね完成し、埋め立て予定地の約半分が陸地となった平成13年に環境影響評価レビュー結果を取りまとめており、再予測の結果、当初の予測結果と大きな違いはないことを確認いたしております。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 吉村環境局長。

環境局長(吉村隆一) 和白干潟に関する御質問に環境局からお答えをいたします。

 博多湾の干潟は多くの渡り鳥が飛来し、多様な生き物が生まれ育つ福岡市にとって貴重な湿地であり、その干潟の重要性については環境学習などさまざまな機会を捉え、市民の啓発を行い、環境保全の取り組みを進めているところでございます。

 和白干潟のラムサール条約湿地への登録につきましては、その前提として鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律に基づく国の特別保護地区に指定されることが要件となっております。また、その指定に当たっては、国において地域や利害関係者などの意見を聞くことになっておりますが、国が開催した懇談会や公聴会などにおいては多様な意見が出されており、指定に至っていないという状況でございます。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 荒木龍昇議員。

○45番(荒木龍昇) 3問目に入ります。

 住宅問題についてですが、問題なのは野放しに都市が成長して人口がふえるということが、決して手放しで喜べないということなんです。急激な局地的な住宅建設による人口の集積により、現に小学校の大規模校問題が起こっております。無秩序な住宅建設はさまざまな問題を内包し、都市の成長管理をしなければ将来の世代に負の遺産を残すことになります。

 現時点でも全国で800万戸の空き家があり、今なおふえ続けています。野村総研では、10年後には1,400万戸、空き家率21%になるという見通しを出しています。福岡市においても既に10万戸を超える空き家があり、今後もふえ続けると考えられますが、無秩序に住宅開発が進んでおります。このような状況において、特に住宅市街地総合整備事業の補助金による住宅促進は問題です。

 人工島において良質な都市型住宅と緑豊かなゆとりある住環境づくりを進めると答弁しているわけですけれども、補助金による誘導をしなくても、こういうことは可能なわけです。人工島の土地処分のためにこんな補助金の使い方をするのは、住宅政策としても間違っているんではないでしょうか、所見を求めます。

 また、特に福岡市は集合住宅が全住宅の75%を超えており、分譲マンションは維持管理や建てかえの問題、また合意形成が難しく、放置されれば将来スラム化することが危惧されます。さらに、超高層マンション特有の長周期振動による被害など問題が多く、こういった問題を解決するためには、住宅開発の総戸数の規制や総床面積の制限など抜本的な政策転換が必要と考えますが、所見を求めます。

 さらに、2035年をピークに福岡市の人口減少が始まり、同時に超高齢化の進展は住宅問題をさらに深刻化するとともに、公共施設の再配置が求められることになると考えられます。

 福岡市に比べて超高齢化と人口減少が進んでいる北九州市では、立地適正化計画を策定し、将来に備えたまちづくりを進めています。福岡市においても、公共施設の総量規制と将来の再配置を見据えたアセットマネジメントの見直しと将来を見据えた立地適正化計画が必要と考えますが、所見を求めます。

 次に、高齢化の進展についてです。

 福岡市保健福祉総合計画では、10年後の2025年を想定して持続可能な社会への方向を示しています。福岡市保健福祉総合計画における大きな政策転換として、配る福祉から支える福祉へ助成のあり方を変え、健康づくりと高齢者の特性に応じ、高齢者の社会参加及び支え合いをその柱としています。しかし、高齢者問題は高齢者だけの問題では完結しません。生活保護受給者がふえており、その半数は高齢者で、生活保護受給高齢者の9割が単身高齢者です。この実態を見ると、藤田氏の指摘のように、非正規雇用がふえ続け、若者の低所得層がふえる現状を改善しなければ、超高齢化社会はたちまち破綻すると考えられます。

 高齢化が進む社会で、支える人口を維持するためには、若者の結婚を妨げている大きな要因である収入の向上と生活の安定策が必要です。そのためには、正規雇用促進、所得の向上、住宅問題や低所有者の医療扶助として無料低額診療事業の推進などが必要と考えます。

 政府の産業競争力会議では、企業の国際競争力を上げるために労働力の流動化を進めるとしており、労働者派遣法が改悪され非正規雇用の固定化が始まりました。さらに、金銭解雇ができるなどの解雇が自由にできるようにしようとしています。その実験場が福岡市の国家戦略特区です。このような労働政策は、都市の成長を抑制し、市民の生活の質を低下させると考えます。

 特区の活用をやめ、総合的な若者施策が必要と考えますが、市長の所見を求めます。

 福祉有償運送についてです。

 福祉有償運送については、地域包括ケアシステムに含まれると答えていますが、福祉有償運送運営協議会の議事録を見ると、料金等の事業実態のチェックのみで地域包括ケアシステムにおける役割について議論されているとは読めません。また、福岡市保健福祉総合計画においても、福祉有償運送についての簡単な記載はありますが、積極的な位置づけがなされているようには見えません。

 また、福祉有償運送の利用者は登録制であることから、ボランティアの運転手は利用者の生活状況を把握し、見守りの役割もしています。私が伺った事業者は、西方沖地震時にはボランティアの方全員が利用者の安否確認を行ったと話しており、福祉有償運送は単に利用者の通院を支援しているだけなく、見守り活動に大きな力を発揮しています。

 先日私が伺った福祉有償運送の事業者は、糖尿病患者の方で、定期的に通院が必要なため、みずからボランティアを募り事業を始めたと語っています。糖尿病患者は必ず定期的に通院が必要で、交通費の負担が重く、福祉有償運送は患者の大きな支援となっています。しかも、365日ボランティアが必要です。現在、国の医療改革が進められ、急性期を脱しリハビリが一定済んだ患者は、かかりつけ医のもとで在宅医療を受けるようになります。そのためには医療と介護との連携が求められ、在宅医療を支える通院手段の確保が重要となります。

 福祉有償運送を地域包括ケアシステムの中にもっと積極的な位置づけをし、支援を強化すべきと考えますが、所見を求めます。

 最後に、人工島事業における問題です。

 答弁では、ラムサール条約登録湿地指定をしない明確な説明がされているとは思いません。福岡市が積極的に働きかければ可能なんです。福岡市は判決をきちんと読み、指摘を真摯に受けとめるべきです。

 判決では、同じ人工島の計画であった昭和47年の港湾計画と平成5年の埋め立て申請時との環境影響評価について、「水質の予測に関する相違が本件準備書又は本件評価書において説得的に説明されているかと言えば、疑問を呈さないわけにはいかない」と述べ、「本件埋立の必要性の有無を検討するときは、その結論は必ずしも明確であるとは言えないし、本件環境影響評価のあり方についても、決して軽視し得ない問題点があることは前記6において見たとおりである」とし、「福岡市としては右意見に真摯に耳を傾ける姿勢に欠ける嫌いがなかったとは言えないのである」と言っています。さらに、「これらの諸事情を踏まえるならば、この際、本件整備事業を抜本的に見直すというようなことさえ一つの政治的な判断として考えられないではない」と、こういう踏み込んだ意見を判決では言っているんです。

 人工島建設によって和白干潟は大きな影響を受けました。それは現に、先ほどの野鳥の数、そして底生生物の数を見ても明らかです。市長は、市政運営方針及び議案説明で、人と地球に優しい持続可能な都市づくりを挙げています。

 博多湾の貴重な自然環境を保全するために、アマモ場の整備やはばたき公園の整備にとどまらず、人工島裁判の判決を真摯に受けとめて市民の声に耳を傾け、和白干潟をラムサール条約登録湿地にすべきと考えますが、市長の所見を求めます。

 以上、都市の成長が市民の生活の質の向上につながらないことを指摘して質問を終わります。

 

副議長(石田正明) 光山住宅都市局長。

住宅都市局長(光山裕朗) 住宅に関するおただしについてお答えいたします。

 まず、アイランドシティにおいて実施しております住宅市街地総合整備事業についてお答えいたします。

 アイランドシティは、福岡市の基本計画において活力創造拠点と位置づけ、先進的なモデル都市づくりに取り組んでいるところでございます。このため、住宅市街地総合整備事業を活用し、住宅の整備とあわせて道路や公園などの公共施設の整備などを総合的に行い、快適な居住環境の創出や美しい市街地景観の形成を進めているものでございまして、今後とも、先進的モデル都市にふさわしい良質な住宅市街地づくりを進めてまいります。

 次に、住宅開発の総戸数や総床面積を制限することについてのおただしでございますが、福岡市におきましては、人口、世帯数ともに今後も緩やかに増加することが予想されていることから、多様なニーズに対応しながら既存住宅も含め良質な住宅が一定程度供給されるとともに、適切な維持管理を行っていくことが重要であると考えております。

 なお、住宅開発の総戸数などを制限することは、地価への影響や財産権などの観点からも、実施することは難しいと考えております。

 最後に、立地適正化計画につきましては、急激な人口減少と高齢化を背景として持続可能な都市経営を目指し、行政や住民、民間事業者が一体となってコンパクトなまちづくりに取り組んでいくために創設されました国の制度でございます。福岡市では、既にコンパクトな都市が形成されており、今後もしばらくは人口増加が見込まれていることなどから、現段階では慎重に検討を進めているところであり、既存施設の有効活用などアセットマネジメントの観点も考慮しながら、将来にわたり持続可能なまちづくりに取り組んでまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 赤岩財政局長。

財政局長(赤岩弘智) アセットマネジメントに関する御質問にお答えいたします。

 公共施設の改築、建てかえの際には、社会情勢や市民ニーズの変化、施設に対する需要などを踏まえ、用途が異なる施設の統合や複合化により機能充実を図りながら行政サービスの効率化を進めることとしておりまして、将来人口の見込みや市民ニーズなどを踏まえながら引き続きアセットマネジメントの推進に取り組んでまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 野見山保健福祉局長。

保健福祉局長(野見山 勤) 福祉有償運送についてでございますが、障がい者や高齢者の在宅生活の維持には欠かせない通院や買い物などの日常生活を支える手法の一つであり、地域包括ケア実現に向けて一定の役割を果たしていると考えてございます。

 福祉有償運送に係る支援につきましては、担い手育成、広報等も含め、福祉有償運送運営協議会に諮りながら検討してまいります。以上でございます。

 

副議長(石田正明) 吉村環境局長。

環境局長(吉村隆一) 和白干潟に関する御質問にお答えをいたします。

 和白干潟のラムサール条約湿地への登録につきましては、先ほど答弁をいたしましたように、地域において多様な意見がございますことから、登録に必要な要件を満たしておらず、将来的な課題と考えているところでございます。

 今後とも、博多湾の環境を保全する立場から、関連局や市民、NPO等市民団体などと共働、連携し、和白干潟を初め、博多湾の貴重な自然環境を保全する取り組みを進めてまいります。以上です。

 

副議長(石田正明) 島市長。

市長(島宗一郎) 福岡市グローバル創業・雇用創出特区につきましては、スタートアップの支援による開業率の向上やイノベーションの推進による新たなビジネス等の創出によって雇用の拡大を図ることを目的として取り組んでいるところでございます。全国的に生産年齢人口が減少する中、福岡市の活力を向上させていくため、今後とも、規制の特例をより一層活用し、福岡市の独自施策を一体的に進めていくことなどによりまして、新しい価値の創造にチャレンジする企業を支援し、さらなる雇用の創出、就労支援に取り組みますとともに、保育所の整備や妊娠期からの相談体制の強化を図るなど、若者が将来に希望を持ち、安心して子どもを生み育てることができる環境づくりに取り組んでまいります。以上です。

 

副議長(石田正明) お諮りいたします。

 本日の会議はこの程度にとどめ、残余の質疑は明9日の会議にこれを繰り延べたいと思います。これに御異議ありませんか。

      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

副議長(石田正明) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。

 次の会議は明9日午前10時に開きます。

 本日はこれをもって散会いたします。

午後5時12分 散会